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大正冒険奇譚 臨時避難所

210 ◆u0B9N1GAnE:2014/05/14(水) 03:48:52
うあー、すみません
超急いで書いたせいで本来書くつもりだった事が色々スッポ抜けてました

不死の方の破壊は成功しています
失敗したように見えた→フーによる『写し』が被さっていた為でちゃんと成功していた。って感じです

死王君の肉体に時間が戻ったのは、不死の法の像(形)が破壊されたからです
リウは単に上からなぞるように模写しただけなので、死王への影響はありません

リウはまだ意識がありません
「思ったより重くて」は、まぁ今は地上へ向けて階段駆け上ってる真っ最中でしょうから

全体的に描写不足でした。すみません

211倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/05/14(水) 21:13:25
>>210回答ありがとうございます!
ついでに時系列の確認もさせてください。

1.冬宇子、外法神開放。結像した不死の法を攻撃→撃破

2.フー、巻物の中に留めているリウの残滓を流出させ、彼女を画材に
 消滅しかけている不死の法をなぞらせて転写

3.攻撃対象を失った外法神、死王本体に狙いを変える。
 結像した不死の法を破壊され、生身となった死王、氷の壁で応戦するが傷ついて倒れる

4.死王、自分の思考以外のすべてを、周囲の空間ごと時間を凍結させて身を守る
 外法神、時の凍った領域に侵入できず立ち往生

5.冒険者一向(冬宇子含む)フーが制御する風にふっとばされて安全圏へ
 (鳥居君がぶっ壊した入り口から外にふっとばされて、伊佐谷のいた広間を繋ぐ通路あたりに?)

6.マリー&ブルーと再会
 生還屋「ケツまくって逃げんぞ!」

7.階段に伊佐谷がいる!
 伊佐谷、冒険者たちを攻撃しようとするが止める、岩壁の中に消える

8.死王の凍結させた空間が少しずつ広がり、遺跡を侵食している!
↓ 
9.生還屋、遺跡保護の符を剥がす
 遺跡が崩落するまでの間に、さあ逃げろ〜脱出だ



上記の行動順に間違いはあるでしょうか?
おかしなところがあったら訂正しますので教えてください。

4(死王の空間凍結)はレス順通り7(伊佐谷の攻撃)の後かな、と思わないでもなかったのですが、
冬宇子は外法神を目視できる範囲の影の中からしか顕現できないという設定があったような…
なかったような…
としたら、部屋の外に吹っ飛ばされた後に外法神が死王を襲い続けてるのも変かな〜と思いまして。

ちなみに、冬宇子の意識回復は4と5の間に入れる予定です。


あと、死王の凍結空間が広がっていく現象ですが、
遺跡を壊せして死王を中に閉じ込めたら食い止められるようなものなんですかね〜?

212 ◆u0B9N1GAnE:2014/05/17(土) 00:07:26
そんな感じでオッケーです

凍結がどこまで広げられるのかは生還屋にも分かっていません
ですが少なくとも崩しておけば元凶である死王そのものが接近してきたり、外に出てくる事は出来なくなりますから、生還屋の目的はそちらです

213倉橋:2014/05/24(土) 22:18:47
投下しました。
おかしなところ、説明不足などありましたら教えてください。

214名無しさん:2014/05/25(日) 19:18:34
テスト。投下お疲れ様です。
間違いなどなかったら代行をお願いします。

215鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/05/25(日) 19:20:32
>「……無駄な事をしたね。僕は何度だって氷の壁を作れるんだ。
もう一度ここを密室にしてから、改めて空気を凍らせればいいだけじゃないか。
でも君はどう?もう一度、壁を壊すだけの元気が残ってる?僕がそれをさせると思う?」

吹き荒れる風のなか、薄く目を開け死王を見上げる鳥居呪音。
彼のいう通り、その身に宿した魔の力はそのほとんどが肉体の再生へと使われ、
体力のように減少していた。
危機を乗り越えたのも束の間、
これでは再び出口を氷で塞がれてしまう。

このままでは死王の思うがまま。
自分達には明日さえない。
まだ、倉橋の返事も聞いていないというのに…。

>「アハリヤ、アソバストマウセヌ――オゲドウサマ――ナンジガミクラニ、オリシマシマセ――」

そんななか、突如耳朶をうつ祝詞。
声の方向に視線を移せば、倉橋の足元で揺らぐ影。
――外法神。生き残るために解放される破滅の力。
その破滅の権化は死王の影が生み出している不死の法を狙い、凄まじい勢いで虚空を疾走。
それに死王が氷槍で応射するものの通用せず
結果的に影の爪牙は巴蛇のようなうねりを見せ不死の法に接触した。

(……や、やったの?)

>「……すまない」
固唾を飲む鳥居に聞こえたのはフーの小さな声。
続くあかねの言葉に鳥居は不安にもなったが、彼が状況を不利にすることは決してなかった。
鳥居の目に飛び込んで来たのは巻物の女。

(あー、やっぱり大切な人だったんだぁ!)
フーは不死の法を利用し巻物の女を生き返らせたに違いない。
目的はどうあれ死王から不死の法を奪ったのだ。

>「……ぃ、よし!よく分かんねーがとりあえずあのガキも不死の法もとりあえずどうにかなったって事でいいんだな!?
んじゃあ、そら!さっさとずらかるぞ!これ以上こんなクソ寒い所に長居したかねえぜ!」

生還屋の言うことももっともで、ここは逃げることにする。
あの外法神を前に、不死の法を失った少年にたいして
後ろ髪を引かれる気持ちもあったが、鳥居にはどうすることもできなかったからだ。

216鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/05/25(日) 19:22:17
フーの操作する気流で冒険者たちの体が浮く。
と、振り仰ぐ闇の奥。網膜に浮かぶのは八つ裂きにされる死王の姿。
それは見えなかったが、見たような気持ちがして悲しい気持ちになった。

そして伊佐谷のいる部屋。
気流も弱まり着地しようと気をとられた瞬間、突然倒れこむ二体の動死体。
驚いて面をあげる鳥居の顔に喜色が浮かぶ。
なんとそこにいたのはマリーとブルー。それに伊佐谷。
彼女は未来が変わったとか言っていたが鳥居にはよくわからない。
未来も何も、今は自分が望んだ場所に向かうだけだった。

>「こいつはヤベエぞ!さっさと走れ!」
張り詰めた空気から緊張が走る。
再度凍結した動死体の血液に、鳥居は少年が動けない状態であることを悟る。
追いかけて来れないということは、十中八九、外法神にやられたのだろう。
気がつけば生還屋はそれにだめ押しをするかのように御札を剥がし遺跡の破壊を促していた。

――迫り来る凍結を凝視し、鳥居には胸が締め付けられるような思いが溢れてくる。
死王の折れない心。執念。
かつての少年は裏切られるかもしれない明日が怖かったのだろう。
王様に才能を認められ誉めてもらえた昨日の自分。
ふと、鳥居の頭に浮かんだのは誇らしげに胸を張る少年の笑顔。
きっと忘れられないほど嬉しかったのだ。
だからこそ、その輝ける才能にしがみつき自滅するしかなかった少年。

いつのまにか鳥居は泣いていた。
少年の笑顔を思い浮かべれば浮かべるほど泣けた。
少年はもう二度と笑わない。
遺跡に閉じ込められ永遠にたった独り…。
鳥居は自分の無力さにも悲しくなっていた。

217鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/05/25(日) 19:23:46
そして鳥居は、涙を拭いながらまだ半狂乱の倉橋冬宇子を押さえつけようとする。
例え噛みつかれようが引っ掛かれようが鳥居には屁でもなかったが
鳥居は目の色を変え、暴れる倉橋に飛び付くとその細腕を必要以上にギリギリと握り固定する。
それはまわりから見れば少し異常なことかもしれない。
どうして鳥居がそんなことをするのかというと、
倉橋を押さえつけている鳥居の心境が複雑だったからだ。
その心は、今しがた倉橋が伊佐谷にぶちまけた言葉を思い出して
毎度おなじみに倉橋にすべてを背負わせてしまった罪悪感と、
それほどに思われた死王に対しての嫉妬心で溢れ返っていたのだ。

倉橋は敵対する死王に対して同情はしたが、鳥居にはいつもしかりつけるようなことを言う。
死王との違いを見下すなと言いながらも倉橋のなかに違いは確実に存在する。
頼光に対しても彼の可愛いげは許せるようだが鳥居を見る目は
射抜くようにいつも鋭いのだ。

そんな倉橋が目の前でうねうねと駄々をこねるように逆らっていれば、
それは引き金となり鳥居の逆鱗を逆撫でするのも当たり前。
これ以上の拒絶は憐れな吸血鬼の胸を引き裂くのだ。
鳥居は大きく息を吸ったあとにこう叫ぶ。

「ごめんなさい倉橋さん。いつも辛い役目ばかりさせてしまって。
でも悲しいことに僕はあなたを慰めるような言葉を知らない。
正直、倉橋さんに同情されてるあの子に嫉妬さえ感じてしまいました」

「…だから僕は彼のできなかったことをやります。
それほど伊佐谷が憎いのならあとで一緒に追いましょう。
でも今は、生き残ることに全力を尽くします。
少しだけ乱暴することを許してください!」
鳥居は左手を倉橋の膝の後ろに、右手を背中に回して抱き上げる。
そのとたん、頬に朱がのぼる。
まるで嫉妬の炎が心のあらぬ部分へと飛び火したような感覚が全身を襲う。
鳥居は白い喉をひくつかせて唾を飲み込むと、倉橋を抱き抱えながら階段をかけのぼってゆく。
たぶん、一回でも転んだら、自分たちには永遠の凍結が待っている。
だが不謹慎だが、鳥居のその胸のうちにはこのまま永遠にこの逃走の状況が続けばよいと思う自分もいた。
日常の日本で、倉橋と時を重ねることなど、もう二度とないかも知れない。
でも倉橋のことをもっと知りたい覗きたいという好奇心。それに追従する恐怖。
死王との出逢いは知れば知るほど自他の違いを見つけ、
離れてゆく人の心の不思議も鳥居に教えてくれていた。
希望的観測があるとすれば、それは今後倉橋の命の恩人となった鳥居が恩着せがましくせず、
倉橋の理想の男を演じたあとの彼女の反応だけだろう。

(三社祭の返事、どうなるのかな…)

【鳥居:倉橋をお姫様抱っこして逃走】

218 ◆u0B9N1GAnE:2014/05/28(水) 05:43:04
代投しました。遅くなってすみません
それにしても、いいですね!
こういう嫉妬とか、それを飲み込んだ上での前向きさとか、実に好みです!

219倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/05/28(水) 21:40:49
すっごくどうでもいいんですが
「逆鱗を逆撫で」したら平常心に戻ってしまうような、しまわないようなw?

>鳥居さん
死王と鳥居君に対する冬宇子の中の『違い』について

冬宇子には鳥居君が「温室の中の捨て子」に見えてしまうようです。
「温室の中の捨て子」というのは、周囲から見るとそこそこ恵まれた境遇にいながらそれに無自覚で、
自分の不幸ばかりをことさらに嘆いているような状態のことです。

健康で頑健な体、長い寿命、老化しない、まさに病気もなんにもない〜♪な状態、
それでいて吸血鬼としての代償からも自由、生き血を吸う必要がなく業を背負うこともない、
差別や禁忌の対象にもならず、普通に人間関係を築き、仕事も成功させている。
これだけ恵まれた要素がありながら
なぜ鳥居君が自分自身のことを、寂しくて可哀想で不幸な存在であるように思っているのか、
寂しさばかりを強調するのか、冬宇子には理解できないんですね。
というのも、冬宇子は自分のことを寂しくて不幸な女だなんて意地でも思ったりしませんので。
そこらへんに感覚的な擦れ違いがあるのかなと思ったりもします。

ちょっと話が逸れてしまいましたが、死王と鳥居君に対する『違い』について。
まあこれは仕方が無いといいますか、
変な例えですが、
普通に飼われていて幸せそうな犬と、虐待され色々酷い目に合わされて可哀想な境遇にある犬、
同じく触れ合ったとしても、両者に対する同情の深さというか
思い入れに差が出てしまうのは当然ではないでしょうか?

(人間のキャラクターを犬に例えるなんて!なんて怒らないでくださいね〜
私は犬が好きなので、ついついこんな例えが頭に浮かんでしまうのです)

220鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/05/31(土) 19:53:32
GMさん
ありがとうございます。
これぞTRPG の恩恵っていうか
一人では書けないことが書けた気もしてて
ある意味鳥居呪音というキャラを熟成させていただいた感じです。
ですのでGMさんと倉橋さんには本当に感謝しています。

倉橋さん
なるほど〜。とうこさんらしいですね。
不幸ポイントの査定の違い……。了解です。

221 ◆u0B9N1GAnE:2014/06/06(金) 06:06:53
いつも遅くなってすみません

222倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/06/07(土) 21:37:33
>>221投下乙です!

GMさんに質問……というかヒントの要求w
「一つだけ、彼(不死の少年君)が凍らせずに、自分に届くように残しているもの」
についてですが、それは『空気』ではないですよね?
死王は空気の流れも凍らせてましたし、重力さえ凍結させてましたからね。
うーん難しい!
よかったら少しヒントを下さい。

鳥居さんと私のレス順ですが
前回は私が先にレスしましたが、今回はどうしましょうか?
今回もアクション面では冬宇子は特にできる事がないというか役立たずなんで
もし時間短縮が必要なら、一巡飛ばしてもらっても差し支えないような気がするのですが。
どんなものでしょう

223 ◆u0B9N1GAnE:2014/06/08(日) 02:39:15
多分それを利用すれば、冬宇子は最後にもう一度死王にメッセージを送る事が出来る筈です
順番に関しては、別に時間短縮なんて今更ですし、お好みでどうぞです

224鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/06/08(日) 10:01:16
投下お疲れ様〜

ん〜。鳥居のアクションが必要でしたら
倉橋さんに鳥居を動かしていただいても結構ですし
少年へのとうこさんのメッセージ、
先にお願いしたいかもです。

でも正直、どんな構成がベストなのかわかんないっていうか
助かるための目的と
鳥居の台詞として成立する言葉が
探せない感じでもあります。
時間のことも順番のこともまったく気にしていませんし
今回、先に倉橋さんに書いていただいて
次にGMさんの順番でもOKです。
なんていったらよいのか詰めの作業が難しくって思い浮かべなくって書けなくってすいません。

225倉橋:2014/06/08(日) 21:45:55
お二人とも回答ありがとうございます。
少しどうしたらいいか考えてみます。

あとそういえば
以前動死体うようよの呪災は不死の法を応用したものという説明があったような気がするんですが
死王の不死の法を破っても解消されないんですね。
上書きされてしまったことが関係してるんでしょうか?

226倉橋:2014/06/11(水) 23:04:29
すいません(汗
上レスの四行目以降はGMさんへの質問です。
わかりにくくてすいません。
現時点では明かせない謎でしたら諦めますので〜

227 ◆u0B9N1GAnE:2014/06/11(水) 23:47:48
あー、えーと、すみません
動死体共を生み出している呪いは言わば不死の法と同じく凍結を用いてはいますが
かなり簡略化されたものであってまた別の術です
より多くの人間の魂を凍り付かせる為、不死の原理は時の凍結ではなく陽気、陰気の流入流出を利用したものになっていますし
動死体化が感染していくのも仮初の動力として大気中の陽気を取り入れる際に、代わりに陰気を流出させるからです
なので、不死の法が破られたところで動死体共がどうにかなる訳ではありません

正直この設定も相当前に考えたものですし、途中で何か記憶違いがあったかもしれません
申し訳ないです

228倉橋:2014/06/12(木) 00:18:01
お忙しいところ回答をせっついてすいませんm(__)m

たしか動死体はそれ自体が感染源になって呪災を広げていて不死の法をからは独立したものになってるんですね〜
私も失念してました。どうもすいません。

ちなみに冒険者一行は不死の法を手に入れるのが当面の仕事でそこまで頼まれてはいませんが
呪災を沈める方法とかあったりしますでしょーか?

229 ◆u0B9N1GAnE:2014/06/15(日) 02:08:45
いやぁ、どうでしょう
ぶっちゃけパンデミックみたいなモンですし、汚染区域の封鎖と徹底的な感染者の排除くらいしかないんじゃないですかねぇ

230 ◆u0B9N1GAnE:2014/06/27(金) 03:22:59
生きてますかー?

231倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/06/28(土) 00:03:27
すいません
来週中に必ず投下します。

232鳥居 ◆h3gKOJ1Y72:2014/06/28(土) 09:24:58
Yes, you can make it.

233倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/07/03(木) 21:43:01
大変お待たせして申し訳ありません。
ちょっと私生活にトラブルがありまして、レスの方はやっと今日から手を付け始めた体たらくです。
私のレス番は飛ばしてもらう方が良いかとも思いましたが、死王君の締めに近いですし
ここで何もしないのも味気ないかなとも思いまして。徒に間を空けてしまって本当にすいません。
もし可能であれば、あと4〜5日お待ちいただけますでしょうか?

それとレスの内容についてですが
今回のレスで冬宇子にできることといえば死王君へのメッセージ発信くらいで
地上のゾンビ軍団に対しては全く無策なわけですが
このまま地上に出てしまうと積みますよね〜やっぱり?

234鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/07/04(金) 20:32:56
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5167124.jpg.html

左から鳥居、死王くん、倉橋さん。

みなさま、おつかれさまです。
倉橋さんも焦ったりして
無理しないで〜。

235 ◆u0B9N1GAnE:2014/07/05(土) 03:38:14
どうでしょう。案外手駒とカードは揃ってる気もします
が、なんにせよ、倉橋さんと倉橋冬宇子の考える最善の事をするだけでいいんじゃないでしょうかー

236倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/07/10(木) 17:17:10
遅くなってすいません。
レスの進捗は7割くらいです。
何度も申し訳ないんですがGMさんにちょっと確認

>君があの子の救いになれればいいんだけど。言っとくけどこれは嫌味じゃないよ。私よりかは向いてる筈さ。ただ……」
↑この伊佐谷の台詞なんですが、これの「君」は鳥居君のことですよね?

ちょくちょく質問して申し訳ありませんが宜しくお願いします。

>>234
おおっ!呪音君はロングヘアだったのね。

237 ◆u0B9N1GAnE:2014/07/12(土) 05:20:14
冬宇子ちゃんの事ですよ
彼女は死王じゃなくて、ただの少年だった誰かを案じてくれていましたから
そこら辺、同じ不死者にして相容れない存在として対峙した鳥居や
あくまでただの天才仲間として認識している伊佐谷とは違ったんじゃないでしょーかねー

238倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/07/13(日) 22:34:55
長らくお待たせして本当にすいません。投下しました。
なんかもう危ない場所で長々と話してしまって、とっくに呪いで凍っててもおかしくないような気がしますが、
そこは数秒内の出来事に長台詞が入る創作物ルールでw

鳥居さんも死王に何か伝えたいことがあれば、炎に乗せて伝達が可能かと思われます。
そもそも炎を使うか使わないかも鳥居さんの選択次第であります。

遺跡脱出後に関しては、鳥居さんのレスを待って追加させてもらうかもしれませんです。
地上の動死体の掃討は、ディン・リウさんが何とかしてくれるような気も〜?

今回はどうレスしたらいいのか、本当に本っ当に、迷いました。難しかったですね〜
何かいろいろと間違っているような気もしますし、投下したレスも到底納得のいく出来ではありません。


これは完全に余談なんですが、
最近BSで再放送してる刑事コロンボに「忘れられたスター」という回がありまして、
伊佐谷の「忘れようと思えば忘れられる」っていう言葉を読んで、なんとなくそれを思い出しましたw
若年性痴呆症で舞台に出られなくなった女優が、復帰を邪魔してるのは夫だと誤解して殺すんですが、
病気が進行してるので、完全に自分が殺したっていう事実を忘れちゃってるんですよ。
何しろ殺した記憶がサッパリ無いわけですから、
コロンボのような発言でボロを引き出すタイプには最悪にやりにくい最強の相手だったなーと。
ちょっとタイプは違いますが、自分はやってないっていう自己暗示で嘘発見器に引っ掛からない犯人は
ミステリーの中にはわりといますよね。

239 ◆u0B9N1GAnE:2014/07/14(月) 04:38:16
お疲れ様でーす
TPRGって難しいですよね
大体投下し終わった次の日辺りにもっといい感じのレスを思いつきます

地上の大群に関しましては、まぁGMキャラという予防線もありますし、ガッと思いつきでやっちゃって下さい

240鳥居 ◆h3gKOJ1Y72:2014/07/17(木) 21:04:02
おつかれさまです。
もしできればでよいのですが
連休明けまでレスを待って
いただけないでしょうか?

大正の世界にスーって入って
鳥居の気持ちになる心境みたいのっていうか
頭の中に真剣に向き合うスペースと時間が確保できなかったりします。
すいません。
ダメなのでしたら飛ばしてくださってもOKです。

236
自己満足ですね。誰かに見ていただけると思えば真剣になれて
良い勉強となりますw

241倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/07/20(日) 10:59:37
>>240
了解ですー!
無理のないようにゆっくり気楽にどうぞ〜

242鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/07/24(木) 20:47:36
倉橋に体をかきむしられながら、鳥居は子供の頃のことを思い出していた。
それは吸血鬼になるまえの思い出。
病気で肺に水のたまった猫が、
鳥居の腕をかきむしりながら死んだこと。
猫を抱っこしていた鳥居は死ぬまでは苦しいから仕方ないことと思っていた。
死んだあと、猫はどんどん冷たくなってかたくなっていったのだが、
鳥居は猫が苦しみから解放されて良かったと思った。

――それと同じことなのかな。

倉橋に選択を迫られる鳥居。
死王に送られるであろう倉橋の言葉が鳥居の頭にも流れてくる。
それはある種の完璧さを兼ね備えていた。
ゆえに鳥居は無言で炎の神気を練り上げる。
すでに鳥居には覚悟が出来ていた。
それは生き残るための答え。
炎で息の根をとめる。重すぎる選択。

(彼は倉橋さんの言葉で救われるかもしれない。
だから僕が死王にとどめをさす。
今さらだけど、彼女は汚しちゃいけなかったんだ…。
もう遅いかもだけど、恨むなら、死王は僕のことは恨めばいいよ。
まあ…、恨まれたほうが良いかも。
何にも思われないよりは…)

死王のことを忘れないと誓った倉橋の命を、鳥居は守りたいと誓っており、
その行動に言葉はいらない。
結果だけで鳥居は満足なのだ。

243鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/07/24(木) 21:00:37
遅くなって本当に、本当にすいませんでした。
お手数ですが代行をお願いいたします。

自分のレスって蛇足にしかなりそうになくって
お二人には申し訳なく思っています。

244 ◆u0B9N1GAnE:2014/07/26(土) 05:05:48
んなこたぁないです
僕は鳥居君が次どんな行動を取るのかも、かなり楽しみにしてますよ

でも申し訳ないんですが、出来れば地上に上がった後の行動も出来れば書いてくださると嬉しいです

245鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/07/26(土) 23:33:10
了解しました。
死王くんと倉橋さんの邪魔に
ならないようにと思っていたのですが
書いてみます

246倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/07/27(日) 21:29:47
お疲れ様です。

地上に出た後のことなんですが私としては
以前やった「光で目潰しして逃走」「気配を消す結界で一晩やり過ごす」のような
あまり面白くない焼き直ししか思いつかないので
鳥居さん何か思いつくことがあれば、さっくりカタを付けて頂いてもよろしいですよ〜
ディン・リウさんやあかねちゃんの活躍も、ちょっと見たいような気もするんですが。

247名無しさん:2014/07/27(日) 22:03:05
考えてたのは死ぬまで戦うくらいのことです。

248倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/07/28(月) 22:26:53
>>247??鳥居さんですか???

どうしましょう?続き書かれますか?
それともGMさんにお返しした方がいいかな?

249鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/07/29(火) 22:32:14
すいません。247は自分です。
途中送信してしまいました。
レスは書きます。
すいませんがもう少し待っていてください。

251鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/03(日) 13:19:39
――地上は動死体で溢れかえっている。
だから皆、必死になって生き延びるための策を模索する。
そんななか、鳥居は体が動かなくなるまで戦おうと思っていた。
それは無策にして只の悪足掻き。
精一杯やって後悔しないようにして、
できたら死ぬのは一番はじめと決めた。
もう、誰かの死ぬところは見たくはなかった。
特に倉橋冬宇子の死は…。
なぜなら倉橋は、死王のことを忘れない特別な存在で
鳥居の心の一部とも言えるからだ。
言い方を変えれば今の鳥居の心は死王と倉橋に変化させてもらった。
それはどちらかと言ったら良かったこと…、と鳥居は思う。
その理由はこのうつろいゆく瞬間、
刹那をなんて尊い時間なのだろうと思えるようになったということ。
そしてマリーと同じように、戦う理由が鳥居にも芽生えたということだ。

だから鳥居は、彼らへの恩返しと贖罪を同時に行う。
迫り来る動死体の群れと戦い続ける。
たぶんそれは、仲間が助かるための時間稼ぎになるだろう。

――ドスン。
鳥居の腹部からぬらぬらと飛び出してくる鉄塊。
なんと動死体の一体が背後から大槍で鳥居を串刺しにしたのだ。
そのまま鳥居は持ち上げられ岩に叩きつけられと、
再生するまも与えられず次々に動死体に襲われ始める。
ゆえに鳥居は血の海で自身の終わりを覚悟した。

(……なんの因果か、冒険者になって皆と嘆願を解決してきたこの数ヵ月間は、本当に楽しかったです。
でもできたら……、紡ぎあげてきたこの思い出もずっと記憶のなかに閉じ込めておきたかった…)
それは祈り。現実になった瞬間に泡のように消えてしまう祈り。
それならいっそ叶わないまま、永遠にあり続けられたらよいと鳥居は思っていた。

(倉橋さんたち、うまく逃げられたかな…。
今回はべつに恩着せがましいことも言ってないし、
実際には言えなかっただけだったのですが……。
無事に助かっていてくれたら何よりです)

252鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/03(日) 13:26:51
遅くなってしまって
たいへん申し訳ありませんでした。
たいして何にもやってないのですが
なんとか書けた気もします。
でも少し感情が変かも……とも思っています。
これなら倉橋さんのよみたいお話も読めるかと思います。

253 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/06(水) 11:14:37
代理投下しました
お疲れ様です
鳥居君、随分と色んな事を考えるようになりましたよね。とてもいい事だと思います

倉橋さんは追加のレスとかしますか?
時間の事とかは考えなくてもOKです

254倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/08/06(水) 20:58:49
>>252 鳥居さん
レス投下お疲れ様です。
正直、鳥居さんが思う「倉橋が読みたいと思っていらっしゃる展開」がどのようなものなのか
ちょっと分かりかねるといいますか……w
ともかく私が何を望んでいるかより、
「鳥居呪音」というキャラクターの「能力(何ができるのか)」と、「性格(こう考えるだろう)」
一本筋の通ったものを据えて、
この状況ならば鳥居呪音はきっとこう動く筈だ!という風に行動を考えたらよいかと思いますよ〜


>>253 GMさん
代行乙です〜
今回倉橋は無策です。すいません〜!
全部の問題を一人のキャラクターが解決してしまうのもなんですし
GMさんキャラの活躍も見たいので、追加は無しでお願いしますw

ところで、>>242のレスは投下しない方がよいのかな…?
前後関係逆になってしまいますし。

255鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/06(水) 23:11:00
GMさん。
お疲れ様です。
代行ありがとうございました。

倉橋さん
>ディン・リウさんやあかねちゃんの活躍も、
ちょっと見たいような気もするんですが。

もちろん、これですよ〜

256 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/11(月) 03:36:28
了解しました。毎度の事ですが5日ルールはもう守れそうにありません
とても申し訳ないです


……あれ?もしかして1レス代行し忘れてました?
重ね重ねマジで申し訳ないです

257倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/08/11(月) 21:22:37
>>256
こちらこそ5日ルールどころか、いつも長らくお待たせしていて申し訳ありません。
本当に心苦しい限りです。

お盆帰省のシーズンでもありますし、無理のないようにじっくりどうぞ〜

258 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/15(金) 03:39:33
「よっし、いい感じ。じゃ、今の内に……ねえ、そこのお姉さん!あなたも術士だよね?土行か金行って得意?
 もし得意だったらさ、そこら辺に矢倉を立ててよ。
 アイツら動きは鈍そうだし、高いとこに上っちゃえば当分は安全だと思うんだよね」

視界に映った冬宇子に、リウが声をかける。

「あ、お仲間さんがいるんだっけ?だったらそっちもなんとかしないとね」

それから右足を空中に、まるでそこに見えない階段でもあるかのように、踏み出した。
続けて左足を同じように動かす――彼女の右足は、宙に浮いたままだった。
そのままリウは空中を一足ずつ登っていく。
釘の『留める』性質を応用して、自分の足を空中に適時固定、解除を繰り返しているのだ。

「んーと……一、二、三……五人でいいのかな?」

高所から戦場を見渡し、それらしき人影や戦闘の余波を見て取ると、リウは右手を頭上に掲げた。
呪力が滾り、生み出されるのは、やはり無数の釘。
不死の法そのものと化し、存在の時間を固定された彼女の呪力は、底なしだった。

金色の閃きが豪雨のごとく戦場に降り注いだ。
数え切れない程の動死体が、見る間に身動きを縫い止められていく。
戦場の一部が、まるで切り取られたかのように静止した。

「……これは、誰の術なんだ?」

異変を察知して咄嗟に盾にした動死体の陰から、双篠マリーが呟いた。

「誰でもいいぜ。今一息つけるなら、あのガキが地の底から追ってきたんだとしても歓迎してやらあ」

地面に倒れ込んだ生還屋が、息も絶え絶えな様子でそう返す。
数秒かけて呼吸を整えると、二人は周囲を見回し――空中に立っているリウの姿を発見する。

「ありゃ確か、あの腐れ道士の……なんてえおっかねえ女だよ」

「……とにかく、助かったんだ。まずは皆と合流しよう」

この時点で――冒険者達の生存はほぼ確約されたようなものだった。
倉橋冬宇子はまだ何枚か補助符を残している筈だし、リウだって釘以外の金行がまるで使えない訳ではない。
即席の矢倉や砦を築き、その上に退避すれば、釘による隔壁を乗り越えたとしても動死体共は冒険者達に触れられない。
矢倉の強度も、補完する術はいくらでもある。

当面の安全さえ確保出来れば、清王の事だ。
事がどう転んでもいいよう、後詰め兼、確認用の部隊を送るくらいはしてくれるだろう。それはまず間違いない。
なにせ――遺跡付近の交戦状況を知る事の出来た彼が、この事態を想定していなかったのは少々不自然だからだ。

259 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/15(金) 03:39:52
 
 

それから暫しの時間が流れ、

「おい、そろそろ馬車が来るぜ。これでやっと、この忌々しい荒野からおさらば出来るぜ」

不意に、だらしなく寝転がっていた生還屋が体を起こした。

「けどその前に、一つハッキリさせとかなきゃならねえ事があるよな」

鋭い視線――矛先は、フーに向けられている。

「お前らよぉ、その女ぁどうするつもりなんだよ」

リウは、不死の法そのものだ。
清王の眼に隠し事は出来ない。
このまま北京へ帰れば彼女がまともな扱いを受けられるのか、保証がなかった。

「……このままじゃ清には帰れないとは、思っていたよ。
 王を裏切る訳じゃない……けど、不死の法をちゃんと解読して、リウを元に戻すまでは」

「だよなぁ。けど俺としちゃ、あの胡散臭え王様の機嫌を損ねていいこたぁねえからよ。
 お前をさっとふん縛って、有無を言わさず北京まで連行してやりたい所なんだが……」

生還屋が周りの同業者達を見回した。

「そうは思わねえ奴らもいるだろ?なぁ?短い付き合いだがよ、そんくらいは分かるぜ」

視線が双篠マリーへと向けられて、止まる。

「……私は反対だ。お前が今言った行為は、私の中では悪だ。
 それにあの王が不老不死と言うのも……なんだか座りが悪い」

「だろ?こういうお固え奴もいる訳だ。当然、コイツら当人も反対に決まってら。
 けどよ、ここまで生き延びてきて、最後の最後に仲間割れの同士討ちってのもアホ臭えじゃねえか。
 その女は死なねえが、腐れ道士はそうじゃねえしな」

この状況下で、生還屋の勘は絶対的な強みと言えた。
他の誰かがもしも事を起こそうとしても、彼の勘はそれを事前に察知出来る。
つまり確実に先手が取れる――不死の法確保の障害となるフー・リュウをいつでも殺せる状態にあるという事だ。
無論、その直後に別の誰か――マリーかリウに殺される事も間違いないだろうが。

「つー訳でよ、ここは平和的にどうするか決めようぜ。文句言いっこなしの多数決って奴よ。
 今んとこ、連れて帰るが一人。逃してやるが一人だ。
 あぁ、オメーら当事者にゃ投票権はねえからな。これは俺達がどうするかって話だ」

260 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/15(金) 03:40:08
そして生還屋は、まずあかねを見た。

「……フーはん。アンタは、ウチらを騙してくれたなぁ。それに冬宇子はん達を殺そうともした」

あかねが静かに、そう切り出した。

「けど、ええわ。全部忘れたる。ウチはもう、人の罪をとやかく言えるような人間やあらへん。やりたいようにやったらええよ」

「けっ……甘え奴だ。金髪、オメーはどうすんだ」

生還屋は次に、ブルーに問いを向けた。

「……俺には、どっちが正しいのかとか、悪だとか、まだよく分かんねえわ。
 だから、好きにしてくれ。俺はどっちにも付かないし、手を出さない」

「……そういうのが一番困るんだが、まぁしかたねえ。これで一対二か。
 となると……後はオメーら次第だな。どうすんだ、え?」

フーとリウを連れ帰るか、見逃すか――君達はどちらを選んでもいい。



【どうする?】

261 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/15(金) 03:40:55
連投規制に引っかかったのでこちらに置いておきます
多分次でラストターンです
森岡さんとかブルーさんとか、いるんですかねえ

262 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/15(金) 23:59:16
まさかの代行被り。どなたか分かりませんがありがとうございました

263倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/08/16(土) 00:10:50
うわ!すいません!!代行かぶった!!
余計な事をして投稿をダブらせてしまいました。まことにすいません。

全キャラ入り乱れの凄い戦闘ボリュームに、思わず読みふけってしまいました。
リウさんが思った以上にキャピキャピだったので驚いたw

いよいよラストターンですか……本当に感慨深いですね。

冬宇子というキャラクターは非常に捻くれていて
普通の物語なら不人気でフェイドアウトか背景でチョロチョロしているのが関の山といいますかw
動かす側としても扱い辛く、GMさんとしてもネタが振りにくかったのではないかと
今になって反省しきりです。
倉橋の捻くれたレスを受け止めて素晴らしいシナリオを展開させてくださったGMさんには
言葉に尽くせないほどに感謝しています。
思えばGMさんの好みにズバッと嵌るようなレスは中々出来なかったかなぁと
そこがちょっと心残りであったりします。

264 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/16(土) 20:23:04
いやぁこちらこそ、もっと上手くやれた部分が沢山あった気がします
それはそうと冬宇子ちゃんの生きる事や自分のあり方に対する貪欲とも言える真摯さとか、自分はかなり好きですよ

265倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/08/17(日) 19:57:16
あ、ところで今回
鳥居さんと自分どちらが先にレスした方がいいですかね?

266GMです:2014/08/17(日) 20:09:53
自分的にはどちらでもOKですので
お二人の都合に合わせてどうぞなのです

267鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/17(日) 23:00:50
お疲れ様です!

死王くんと倉橋さんの名前のくだり、すてきでした!
ふ?っていうか、はぁ?っていうか
感慨無量で胸がいっぱいになりました!


それとレス順なのですが
今現在何にもてをつけてなくって
やる気になれてない感じです
数日後になったらかけるかもです。
すいません。時間が必要かもです。

268鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/17(日) 23:03:22
すいません。

〜←が文字化けしてるみたいです。
?ではなくって〜ー伸ばしてる記号です。

269鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/23(土) 22:25:49
御手数ですが代行をお願いいたします。
正直、名残惜しい気持ちもありまして、
心にぽっかり穴が空いてしまいそうな気も…。
自分としてはあんまりたいしたことは書けてきませんでしたが
皆さんの素晴らしいレスを読ませていただき
そこに鳥居というものも織り混ぜていただいてたことに
感謝の言葉もありません。
そしてお二人のキャラに色々と鳥居が考えさせてもらえたことは苦しくもあり嬉しいことでした。

GMさんに倉橋さん、本当にありがとうございました。

270鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/23(土) 22:27:43
>「ごめんな、こんな事して……でも、嫌なんや。ウチは、鳥居はんに、生きてて欲しい」

あかねの生き血が鳥居の口に流れ込み、白い喉がひくりとなる。
生きてて欲しいと鳥居が思われたのは、母親の他に二人目だった。
だから鳥居はあかねに抱き締められながら安らぎを感じていた。
死から逃れるのもこれで二度目だった。

鳥居は薄く目を開き、掠れた声であかねに囁く。

「……ありがとう」
そんな言葉が口から出たのも
鳥居が救われた気持ちがしたから…。
生きていて欲しいと思ってくれる人とまた出会えた。
生きてゆくことを許してくれる人に。
それはサーカスの拍手喝采とも違う特別な気持ち。
歌って踊る自分ではなく、そのままの自分を認められた。
戦う自分でもなく、鳥居の命そのものを…。

――そして物語は最後の選択をもって、終わりへと近づいてゆく。

>「……そういうのが一番困るんだが、まぁしかたねえ。これで一対二か。
となると……後はオメーら次第だな。どうすんだ、え?」

生還屋に、フーとリウを連れ帰るか見逃すか、という選択を迫られる二人。
思わず鳥居は倉橋の顔を見たが、見逃すに一票を入れるためすぐさま口を開く。

「ぼくは、フーさんとリウさんに幸せになってもらいたいから、見逃すに一票です。
そりゃああとから清王との問題が色々と起こるかも知れませんが、
そこは自己責任でなんとかしますので…」

今、鳥居の頭に浮かんでいたのは武者小路頼光のこと。
もしかしたら怒った清王に殺されるかも。
いや、それほどの価値もない?
頼光のことを思えば心配がつきない鳥居だった。
だがその瞳に陰りはなく、寧ろなんとかしてみせるという自信に満ちていた。
それも今までの冒険が…、人との出会いや別れが、
彼を成長させてくれたからかもしれない。

271倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/08/23(土) 22:32:05
鳥居さんどんな具合でしょー?
どちらが先に書くか順番だけでも決めておきませんか?

本編でのあかねちゃんと鳥居君の絡みすごくいいですね〜
やはり同じ不死者同士気持ちが通じたんでしょうね
そうえば今まで冬宇子って心理面までガッツリ絡んだキャラクターって
殆どいないですね

272倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/08/23(土) 22:43:52
すいません!またニアミスでリロードする前に書き込みしてしまいました。
代行してきました。
>>269
ちなみに鳥居さんがこのスレでしたかったけど書けなかったことって
どんなことですか〜?
妄想の糧によかったら教えてくださいw

273鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/23(土) 23:22:49
前も感じたことなのですが
倉橋と鳥居って平行線で
互いにわかりあえない感じ?
鵺のときに壁と話してるみたいと言われてたり
それをなんとなくなんとか書いてみたい気持ちもありました。
でも、自分でもどうなるのかわからない感じです。
本編では話かけても邪魔になるのかなぁと思っていました。

あと個人的には
おしっこチビりそうな敵のGMさんより生還屋さんみたいなGMさんと
倉橋さんと肩の力を抜いてる日常みたいの、
血走ってる倉橋さんじゃなくって、
こたつの倉橋さんと絡んでみたくもありました。
何気ない会話にも本質とかある気もします。

今もってTRPG って難しいです。

274鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/08/23(土) 23:28:57
あ、代行ありがとうございました。

275 ◆u0B9N1GAnE:2014/08/29(金) 05:33:23
投下お疲れ様でーす
非日常じゃないパート、確かにもう随分と長くやってませんねえ
次の章とかどうしましょう。もし出来るのなら国内で金持ちの屋敷を舞台にするか、欧州辺りに進出してみるか、とか考えてるんですが

>>271
倉橋冬宇子は良くも悪くも我がしっかりしてますからねー
その生い立ちや価値観も相まって、共感しあうよりかは衝突する方が多くなりがちですよね
でもそういう相手がいるとキャラの言いたい事考えてる事を沢山喋らせられるので、とても助かっています

あかねは、元は森岡さんのキャラクターですが
その能力や生い立ちを見た時から、これ絶対面白くなるわ!誰と絡んでもどう転んでも美味しい!って思ってたんですよね
途中で放棄されてしまったのはとても残念でしたが、森岡さんに申し訳の立つ展開に出来たと思います

276倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/09/04(木) 21:42:48
お待たせしてすいません。
レスはもうちょっと待ってください。


>>275
欧州いいですね〜
外国人でやってみたいという方も参加しやすそう。
個人的には舞台がミクロなほど萌えてくるのでお屋敷ものというのも
非常に心惹かれます。

277鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/09/06(土) 19:44:00
お疲れ様です。

お屋敷、面白そうですね〜

278倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/09/12(金) 03:35:33
毎度ながらお待たせしてすいません。投下しました。

それにしてもこのパーティって不死者が三人もいるんですね。
不老不死の大安売りって感じがしないでもないというw

279 ◆u0B9N1GAnE:2014/09/14(日) 07:05:37
投下しました。ちょっとあっさりしすぎたかなって気もします

次の舞台はお屋敷にします。多分

280倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/09/15(月) 21:54:34
GMさん投下お疲れ様です。
中国大陸編もいよいよ残り僅かですか〜感慨深いですね。

ちょっと確認をば。
冒険者一行はもう日本に帰ったというていで
エピローグに入っちゃってよいものでしょうか?
清王は転生術の検体を手に入れたとのことですが
頼光君は連れてかえれないのかな?

>>279
新章突入の前に改めてルールやテンプレの確認なんかして
新規さんを募集してみるのもいいかな〜なんて思います。

281 ◆u0B9N1GAnE:2014/09/16(火) 02:17:35
>>280
はい。エピローグっちゃって下さい
頼光君は、またの機会にって事で一つ

新規さんですかー
確かに欲しくないと言えば嘘になりますし、そうしますか

282鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/09/21(日) 12:38:26
お疲れ様です。
もしかして自分待ちでしたらすいません。
レスは新章が始まったらする予定です。
今後とも宜しくお願いします。

283 ◆u0B9N1GAnE:2014/09/22(月) 04:42:48
あい了解しました。倉橋さんはどうしましょう

ルールとテンプレはとりあえず昔の物を、特に改定するような所もないかなと思ったので本スレに貼っておきました

284倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/09/24(水) 21:17:36
時間的な余裕がなくて返事が遅れてすいません。
先に進めていただいた方がよいかなとは思うのですが、
2年近く続いたシナリオですので、エピローグ無しというのも寂しいなと思いつつ
一人で書くのも味気ないななんて思ったり…

すいませんがあと一週間ほどお待ちいただけないでしょうか?

>>283
テンプレ&ルールはもともと完成度が高いのでこれで大丈夫だと思います〜!

285鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/09/25(木) 18:54:31
お疲れ様です。
エピローグ、いちおう書いてみました。
エピローグって自分なりのまとめみたいなものですよね??
一人で書く小説って張り合いがなくって自分は苦手ですw
なんとなく完成度の低さがもろに出てしまう感じ……

↓エピローグです。非公式な感じでもよいかも。

286鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/09/25(木) 18:56:11
宵宮。この日はサーカスも休み。
今宵だけは何もかも忘れたい。
それは忘れてはいけないこともあるのだけど。

鳥居は雑踏に紛れて御神輿を見ていた。
提灯の灯りと電灯の灯りのコントラスト。
神社の背景に屹立するビルヂング。
共存している和と洋が帝都の夜を装飾している。

見世物小屋では蛇を食べている女。
人だかりにはエレキテル人形。
何故かその瞳には憂いがあって何処かしら悲しげ。
それは不完全な人の認識をこえ
無意識の完全さをもつ人形の憐れみか。
神の視線か。
そのガラス細工の瞳に吸い込まれそうになった鳥居は
何故かそのエレキテル人形と死王の姿が重なってみえ背筋がぞくりとした。
それはまるで虚空に独り浮かぶような恐怖、神に対する恐怖にも似ていた。
所謂畏怖なのかもしれない。

「……君って、僕の心の中にも残っててくれてたんだ」
鳥居は高い所から突き放すような笑顔で
無表情の人形を見上げる。

すると

からん。ころん。からん。ころん。

暗がりから聞こえてくる下駄の音。
ひょっとして倉橋か、もしくはあかねか。
そう期待した鳥居は顔面を普通に戻し振り返った。
そうだ。何を隠そう鳥居は、あかねの血の味が忘れられないでいたのだ。
それは若い魔性の血の味だ。
あれを吸えば鳥居は無敵。力で敵うものなどこの世にいるものか。
そんな錯覚にさえ陥ってしまう。

だが下駄の音の主は知らない子連れの中年女。

「……愉快でおじゃるのぉ。おほほほ」

鳥居は、変なしゃべり方と思いながらショボくれた老猫のように親子連れを見送った。
世の中、そんなに都合よく出来ていないものだ。
会いたくもない人間とは鉢合わせしたり、
不倫デイトしている知り合いの真後ろを偶然歩いていたりすることもあるのにだ。

「まあ、冒険者の誰かとこの場所でバッタリ出会えたら、それはそれはとてつもなく幸運な出来事ってことで……」
鳥居は、てへっと笑って自分のオデコを手のひらで叩いた。
その後はしばらく親子連れの後ろ姿を見つめながらあの女たちの血の味を想像する。
そして結論としては年増女や未成年の血は吸いたくないことに気がついたのだ。
それよりも見ず知らずの者の血を吸うことには抵抗があった。
やはり吸うのなら若いあかねのような気心の知れている者だ。
勿論、倉橋やマリーの美貌も捨てがたい。
彼女たちの血はいったいどんな味がするのだろう。
そんなほの暗い気持ちを宿したまま、鳥居は帝都の闇に消えるのだった。

287 ◆u0B9N1GAnE:2014/09/26(金) 05:29:38
代理投下してきました

こういう全てが終わった後で実は不安の種がまだ残ってるぜみたいな展開、好きなんですよね
特に今回はホラー(にしたかった筈なのにどうしてこうなった)テイストでしたし
その為にフー君にはかわいそうな事をしましたが

288鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/09/27(土) 00:17:41
代理投下ありがとうございます。
あかねちゃんの血のエピを使用させていただきました〜

289 ◆u0B9N1GAnE:2014/09/27(土) 05:02:16
まとまった時間が出来たのでマリーとあかねのエピローグを捏造してみたり

ちなみにエデンの果実は双篠マリーの元ネタのゲーム、アサシンクリードに登場するガジェットです
個人や国に栄華をもたらし得るほどの力を持つアイテム全般を指すような言葉です
同ゲームには暗殺教団やテンプル騎士団と言った実在した組織が登場するので
大正世界においても形を変えて色々出来るよなーと前々から妄想してた次第です

あかねは、森岡さんが使用していた時点で「一度死んでる」的な伏線があったのと
茜の花言葉の中に「私を思って・嘘」なんてものがあったので、そこからノリでやらかしました
とても楽しかったです。二人とも再登場させようか迷うところです

>>288
いいですね。半端な存在故の美味しさを以前語ったような気がしますが、今回のレスがまさしくそれでした

290倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/09/30(火) 21:44:27
鳥居さんも、GMさんもエピローグ投下乙です!
私は書いている途中ですので申し訳ありませんがいま少しお待ちください。

>>286薄暗く怪しい雰囲気でいいですね
お祭り見物の鳥居君にちょっと絡みに行ってみようかな〜?

>>289あかねちゃんとマリーさんのエピもいいですね〜
あかねちゃんが反発していた後妻さんが、なんと実のお母様だったとは!
リングのように最初に戻って完結する凄くいい結末です。
再登場については、あかねちゃんは綺麗にまとまってしまった印象があるけど
マリーさんはタブーを解かれてさあこれからどうなる?って所なのでまだまだいける感じですね。

ところで頼光君は清においてきてしまったという体で書いていいのでしょうか?
それとも彼のことにはあえて触れない方がいいのかな?

291鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/01(水) 00:00:18
お疲れ様で〜す。

>289
ありがとうございます!
新しい視点で続けられたらよいなって思っています。

>290
絡んでいただけたら
鳥居も喜ぶと思いますw

292 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/01(水) 00:29:51
>>290
頼光君は清に残りました
別になんかこう、しこりが残っているが故の結末ではないです、ホント
ただ、PCでない頼光ならそうなるだろうなってだけなので、描写の有無は自由であります

293倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/02(木) 22:38:32
お待たせしました。投下しました。

冬宇子が情報を仕入れた『ある筋』、まあ陰陽寮なんですが
そっち目線のレスも書こうとしたんですが力尽きました。

294倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/03(金) 23:22:06
あ、そうだ
新章開始の前に
新規さん募集のテンプレをも一回投下したほうがいいですかね〜?

ついでに何かの役に立つかもしれないので
以前投下した年表を貼っておきますね。何か加えたいものが加筆してもいいし。
ややこしくて却って敷居が上がりそうであれば使わなくてもいいです〜

全くの余談ですが家の犬の股関節形成不全が悪化して
こっちまで腰が痛いです。30キロを抱っこはしんどい。

295倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/03(金) 23:25:53
【大正冒険奇譚妄想年表】

1868年(慶応4)  上野戦争 
         ※江戸鬼門守護の寛永寺が焼け落ちる。黄泉断層の出現。

1868年(明治元年)神仏分離令
         ※国家守護のために皇祖神の神格を高める。
          神祇院(神社本庁)設立。

1869年(明治2) ※陰陽寮の解体と再編。陰陽寮、霊的護国機関「降魔鎮魂府」と提携。

1894年(明治27) ※日明戦争
1895年(明治28) 日明戦争終結。下関条約調印。
         三国干渉(露・独・仏)により、日本は遼東半島を返還。
         ロシア、三国干渉の見返りに満州北部の鉄道敷設権を獲得。
         ロシア、旅順への強行入港を契機として満州支配を強める。

1902年(明治35) 日英同盟

1904年(明治37) 日露戦争
1905年(明治38) 日露戦争終結。ポーツマス条約調印。
         ロシア、満州から撤退。
         ※露・独・仏・英・米・日は、小国勃興、群雄割拠の大陸の騒乱に干渉しない内約を交す。


1910年(明治43) 日韓併合
1912年(明治45) 明治天皇崩御。大正天皇践祚
  
1914年(大正3)  第一次世界大戦勃発
1917年(大正6)  ※ロシア帝国、革命軍を鎮圧。帝政続行    
1919年(大正8)  第一次世界大戦終結。ベルサイユ条約締結

1921年(大正10) 原敬首相、東京駅頭で暗殺。日英米仏四カ国条約成立。これにともない日英同盟廃棄
1923年(大正12) 関東大震災

193?年(大正2?)現在…★実歴史の大正時代は15年で終わっていますが
            このスレの世界ではもう少し長く続いているようです。
            このスレの舞台は実歴史でいうと昭和5〜10年くらいをイメージしていただくと良いかと。

296倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/03(金) 23:26:16
実歴史との大きな違い

※中国
中国大陸は、明治中期まで『明』が治めていました。
日清戦争ならぬ『日明戦争』後に明朝は崩壊。
大陸は小国群雄割拠の状態が続いています。
『清』はその小国の一つという位置づけ。もうすぐ大陸を統治できそうなくらい勢いがあります。
従って、大正冒険奇譚の世界では、中華民国は存在していません。

日露戦争後で、欧米列強と日本は、大陸の分割を巡った諸々の対立を防ぐために
『みんな、ひとまず騒乱状態の中国は手をつけないようにしよう!』という取り決めをします。
もちろん表向きのことで、列強諸国は、
各々目をつけた小国に武器供給やら資金援助やらやって大陸統一後の利権を得ようと必死。
日本も清に協力する一方で、滅亡した明の前帝の嫡子を擁立し、
満洲に傀儡国家を建国しようと画策中だったり。


※ロシア
大正冒険奇譚の世界では、ロシア革命は鎮圧されています。
従って、ソビエト連邦は存在せず、ロシア帝国が存続しています。
ロマノフ家のアナスタシア皇女はロシア革命の裏で暗躍し、革命を打破した中心人物。
その功績で東方に広大な所領を賜り、東方領姫と呼ばれています。
ついでに心霊特殊部隊スパッツナズの隊長であられたりもします。

297鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/04(土) 21:57:03
お疲れ様です。
GMさんの文体が動みたいな感じとしたら
倉橋さんのは静みたいで
どちらも素敵と思いました。

わんちゃんも倉橋さんもお大事に。

298 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/06(月) 06:32:17
GMなのに「おぉ、こんな年表なのかこの世界」と思ったりしてません。してませんとも
新規さん、欲しいなぁとは思うものの、来るのかなぁとも思ってしまったり
まぁ、もう少し時間を置いてから次章を始めます

ウチにも犬がいますけど、30キロって随分デカいですね。お大事にして下さい

299名無しさん ◆PBGJytd9pw:2014/10/10(金) 17:13:57
 参加って可能ですかね?
許可頂けるなら、こっちでテンプレ投下しますが

300 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/11(土) 03:08:51
もちろん可能ですよ!

http://www43.atwiki.jp/nanaitatrp/pages/97.html

こちらのページにこれまでに参加して下さった方々のテンプレもありますので、参考までにどうぞー

301名無しさん ◆PBGJytd9pw:2014/10/11(土) 09:57:37
>>300
 ご丁寧にどうも。余り板で活動しませんし文章は拙いので
お目汚しになる部分もあると思いますが・・・


 名前:波留 京香(はる きょうか)
 性別:女
 年齢:19
 性格:熱血 単純
 外見:白い柔道着、上に桜色の袴を纏っている
 黒目、黒いショートヘア。そばかすのある童顔、肌は日焼けしてる。
 額には兄から貰った花鳥風月を刺繍した鉢巻を身につけてる
 装備:女なら素手一本で掛からんかい!(無いですよ)
 戦術:古武術
 (実家で開く波留式流、柔術・合気を基礎とした武術
 鍛錬を極めれば気を纏い内部から相手を倒す事
 内臓等の怪我を癒す事も可能と言われている)
 職業:武闘家
 目標:女だって男と同じように道場を開いたり指南が
出来るようになったって良いじゃないか!
 (世間に女の価値を認めさせる)
 うわさ1:行方不明の兄がいるらしい
 うわさ2:祖先は鬼退治の経験があるらしい
 うわさ3:いままで重い病気や怪我を負った事はないらしい

302倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/12(日) 20:53:59
>>301
わお〜いらっしゃいませ!
武道派の女の子!いいキャラクターですね!!

倉橋冬宇子をやっております。
いつもレスの投下が遅くてご迷惑をおかけするかと思いますが
できるだけ善処しますのでよろしくお願いします。

とりいそぎご挨拶のみ。

303波留 ◆PBGJytd9pw:2014/10/12(日) 21:09:47
新章開始との事で、こちらで参加意思の表明しておきます。


>>302初めまして、倉橋様の大正冒険奇譚でのロルの流れは
全体的に丁寧且つ風靡があって尊敬する所です。
 先人の方達のように余り洗練された文章が出来るかは不安ですが
宜しくお願いします。

304 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/14(火) 02:06:55
>>301
目標が実に大正時代っぽくてなんだか申し訳なくなります
ともあれ、よろしくお願いします!

新章は導入が書け次第開始します
書け次第です

305鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/14(火) 19:55:00
わあ新規さんがきたぁ!
でも初対面、ちょっと緊張……

なんちゃって、
よろしくお願いします!

306 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/15(水) 01:35:48
という訳で投下しましたー
何か質問等ありましたら言ってやってください

307波留 ◆PBGJytd9pw:2014/10/15(水) 10:47:03
>>305(鳥居様)
 宜しくお願いします。前もって言いますが、こう言った板はほぼ
初めてですので、何かとずれた文章を書く事もあるかも知れませんが
そう言った場合は遠慮なく他の皆さま含めて助言して貰えればと思います

>>306(GМ様)
 投下お疲れ様です。幾つか質問させて頂きます。
クエストに登場する『華族』ですが、これは分類すると
公家家族・大名華族・新華族・皇親華族のどれに当たるでしょうか?
また、新参ですので当然ながら武勇伝を話すとしてもオリジナルの
類しか進呈出来ませんが。波留PCの過去を掘る、PCの設定背景を
深めると言う意味合いで過去の家族の話や波留PCが家を出る切っ掛けと
言ったような武勇伝とは異なる話をしても問題ないでしょうか?
(※クエストの華族の心象を害する確率が高くなると言った弊害が
出る可能性が生じるならオリジナルのクエスト話を作成します)
また、これはGМの進行で未だ情報規制してる内容でしたら返答は
結構ですが『富道』NPCが所持してる『青い表紙の冊子』は
『生還屋』が話を渋った所から推察するにPCに影響を及ぼす
魔術的な本でなのでしょうか?

308 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/16(木) 00:51:18
>>307
新華族です。爵位は男爵です。受願所設立の際に多大な援助をしていますし、そこら辺が理由でしょう
富道君はきっと面白そうな話ならなんでも満足してくれる事でしょう。つまりOKです
冊子はなんだか良からぬものである事は間違いないでしょう。それもキャラクターの技能次第では察知出来ます

309鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/18(土) 23:43:15
すいません。
リアルの影響で頭がまわらない状態で
もうちょっとしたら書けるかもです。
なのでレスの順番は飛ばしていただいても
けっこうなのです。

ごめんなさい〜。

310波留n?ちb30d:2014/10/19(日) 10:29:00
〉〉309
わかりした。では先に
投下させて頂きます

311倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/20(月) 20:04:55
波留さん投下乙です。
富道男爵の身分についての質問も乙です!
ちなみに冬宇子は公家華族の係累なんですのよ〜
中の人も最近まで忘れていたことなんですがw

>GMさん
富道男爵は何歳くらいですか?
見た目いくつに見えるかで大丈夫ですので教えてください。
それと青表紙の冊子は何か表紙に模様などありますでしょーか?

312 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/21(火) 21:41:43
>>311
30手前くらいです
冊子にはよく見ると裏表に一本ずつ抜身の刀の模様があるようです

313鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/23(木) 00:53:57
倉橋冬宇子とデェトした次の日は何気に忙しかった。
用心棒のヤクザもんにお酒を持っていったり
団員の一人の卒業パーティーを開いたり、頼光の祖父に会いに行ったりと…。
彼の話では頼光は密偵として働いているらしい。
(鳥居にはそう説明された)
なのでそれを聞いた鳥居は少しだけ安心する。

「ああ、頼光とはまだつながってる……」
夜空の月をまなこに映して鳥居は呟いた。
彼とはまたどこかで会えるような気がする。
それが数年後、何十年後になるかはわからなかったが……。

そして清での冒険から一週間ほど経ったある日、受願所から使者が来た。
あの受付嬢だった。

「え〜!」
胸に手のひらを当ててのけぞる鳥居。
今回はなんだろう?
期待か、不安か、鼓動がはやくなる。
だが今度の嘆願は富道という華族の懇親会に参加して冒険譚を提供するということだった。

三日後、送迎車が来る。
だが流石に一人に一台というわけでもなく
三人で相乗りだ。
同乗者は倉橋冬宇子。それに波留京花。
初見の彼女は将来有望な冒険家なのだそうだ。
鳥居は波留に自己紹介をすると普通に大人しくしていた。
倉橋のいるこの場では普通でいようとしていたのだ。
それは照れ隠しのようなもの。
たぶん、倉橋冬宇子の指すデェトという言葉は「ごっこ」に近いもの。
鳥居もカフェーの客の一人のように御褒美デェトをしたのだと思う。
だから恋人気取りで調子に乗って膝枕でもしようものならオデコに握り拳固を一発おみまいされてしまうかも知れない。

(……でもあのデェトって変な感じでした。
現実感がなくって夢みたいな感じ。
ほんとにデェトしたのかなって思います。
そんなことを思うのもニセモノのデェトだったからでしょうかねぇ)

自分でもよくわからない。
それはそれで人形芝居のように優麗で、その一時だけ時を共有しあえた尊い経験だったのかも知れないし
形だけの意味のないこと。と、思ってしまえば思いに反比例するかのように虚しくも思える。
例えれば綺麗な着物の裏と表を着間違えてしまったようなこと。
とらえかた次第では何とも残念なことに変貌してしまうのだ。

(うん。でも贅沢はダメです。あの約束は前渡しとして少しだけ果たされたのです。それはそれとして尊いことと考えましょう)
勝手に自問自答しながら鳥居は二人の会話に耳を傾けていた。

314鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/23(木) 00:55:22
富道の御屋敷に着くと沢山の招待客のなかに生還屋を発見する。
彼は恐ろしいほどの量の料理を食べていた。
鳥居は生還屋があんなに食べるものとは思わずに驚きながらも、
自身は給仕からミルクココアをもらう。
それとテーブルからワツフルの小皿を1つ、
リンゴのジャミ(ジャム)のかかったものをいただいて皆と行動を一緒にすることにした。

話を聞くと、生還屋は清での出来事は話さないと言う。
やっぱり……と、鳥居もそんな気持ちだった。
もとより上手く話せる自信もなかった。

(む〜…。僕はいったい何を話したら……)
心のなかは不安でいっぱいだ。
話が長すぎても語り尽くせないだろうし生還屋の言うような後味の悪いのもダメかもだ。
なんせ富道は冒険者たちを援助してくれているのだから
彼が楽しめない話では申し訳が立たないのだ。

そして……

>「おっと、また初めて見る顔だね。君達は、一体どんな冒険譚を聞かせてくれるのかな?」

そう言われて最初に語り始めたのは波留京花。

>「あっ、へ!? わ  わ   わわ…っ!!」
京花は慌てながらも初々しい感じで見事に語り終わった。
訛りが酷かったが彼女が話したのは出会いに感謝して生きなさい
と言う兄の思想を大事にしていると言う事と、
己が世間に認められるほどの武術家になると言う夢の語りだった。

(わあぁ。すごい純朴な方です)
それに明確な目的を持っている。
鳥居のように本職も遊びのようなものなら、
嘆願も興味のあるものを選ぶとかとは明らかに違う。
そんな無い物ねだりからか鳥居は京花に好感が持てたのだった。

315鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/23(木) 00:56:53
「素敵でしたよ波留さん」
彼女は混じりっけなしの純粋だ。と、鳥居は思う。
これからの冒険で彼女のたぎった血はいったいどんな味を醸し出すのだろう。
微笑する鳥居の白い顔はまるで仮面のようにその危うい本性を隠している。

そして鳥居は富道の前に出た。

「はじめまして、僕の名前は鳥居呪音と言います。
本日はこのような晴れやかな場所にお招きいただき、誠にありがとうございます」

そう言って鳥居は深々とお辞儀。

「えっと、なんて言ったらよいのか。
他の冒険者の方々と比べてしまったらお恥ずかしいのですが
僕は趣味的に楽しく冒険をさせていただいております。
これもみな、富道さまのおかげです。
ほんとうにありがとうございます」

こほんと一つ咳払いをし

「そんな僕の話はとある男の昔話を聞いて欲しいという嘆願でした。
依頼人は自称落語家で名前を柳家永六と言いました。
彼の御屋敷はなかなか立派なもので、咄家さんも結構お金になるものだと内心驚いたものです」

その日は小雨が降っていました。柳家邸に呼ばれたのは僕一人。
永六は実年齢よりも年老いて見え、骸骨のような顔から目玉がこぼれ落ちそうなほど窶れてはいましたが
微笑しながら座布団の上に正座をしていました。
彼は数多くの冒険者のなかから子供のような僕を聞き手に選んだそうです。

……永六は昔話をしました。青春時代の恋ばなしから始まって
何故か十年以上昔の誘拐事件の話にまで至りました。
なので僕は知ったかぶってしまって

「あの事件って、身代金が紙切れにすり替えられていて、お子さんが殺されてしまった事件ですよね?」

僕は彼にそう質問してしまいました。
(犯人は現れずお金だけがすり替えられていて、そのあと人質の子供は殺されしまったという怪事件でした)
それと同時にピンときて、顔色を変えてしまって……。
その様子に察した永六は寂しく笑いながら

「あの事件の犯人は父親の門井伝助でんがな。
あの状況で身代金をすり替えられるのはあの男しかおらん。
ん?実の父親が子供を殺すような真似をしますのかって?
……まあそこが一番の盲点ゆうか味噌なんやわ。子供のあんたには言いにくいことなんどすが、、
所謂、種違いやったんですわな。
せやから門井は子供を餌に実の父親を探して殺そうとしていたわけですねん。
身代金はそのついで。婿養子の伝助の懐には自由になる金が転がり込むっちゅうことですわ」

「ですがそのあと、子供を失った奥様は気が狂って自害してしまって、門井屋も経営難で破綻してしまったのですよね」

僕がそういうと柳家永六はとても悲しい顔をしていました。
そして悲痛な目で僕を見つめて何かを呟こうとしたその時、
雨が本降りになって、激しい雨音で彼の声はかきけされてしまうのでした。

「なので、僕は彼の最期の言葉を聞けず仕舞いなのです。
残念なことに永六さんは、正座をしたままおなくなりになられていました」

語り終えた鳥居は一先ず安堵する。
何の話かはよくわからないような気もするが、
富道が喜んでくれるものかと静かに胸を高鳴らせていた。

316鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/23(木) 01:04:07
波留さん、投下乙です。
みなさまもお疲れ様です。
お手数ですが代行をお願いします。
いつもすいません。

我ながらキャラを立たせるエピソードが書けなかったw

317倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/23(木) 05:09:28
投下しました。

レス内にも書いている通り、
冬宇子の話は『夢幻紳士』という漫画の『水妖』という話を引用しています。
ものすごく好きな話なんですがマイナーなので、こんな機会にでも紹介したかったんです〜!
というのは言い訳で、オリジナル話を考える労力を節約してしまいまいした。

もう一つ、前回のエピローグに関わる話が無くもないんですが、
宴はまだ長いようですし、それはまた機会があればということで。

318倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/23(木) 05:12:05
うわ!被った!!
鳥居さんごめんなさい。

319鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/23(木) 19:37:35
大丈夫です。
上のレスはポシャして
ぼうけんたん書いてみま〜す。

ちなみに僕も話を迷ってしまって
宮部みゆきのあやしに収録されてるお話と
推理小説を合体させて書かせていただきました。

どっちも心に巣食う鬼の話で
鬼がみえるようになったらあんたも人間らしくなってるんだよとか
人を食らう鬼でも自分までは喰えないもんさみたいなのが
お話のきもなのでした。

320倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/24(金) 21:58:13
お疲れ様です〜
鳥居さん、私のチェックミスでほんとすいません。
ボツにしなくても会話順とかをGMさんに調整お願いすれば
そのまま大丈夫かと思いますよ〜
GMさんどんなもんでしょう?

……でも冒険譚のほうも読んでみたかったりw

321 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/25(土) 01:56:47
珍しい事もあるもんだけど、まぁどうとでもなるよなと思ってたんですけど
>>319を見てしまった今となっては冒険譚が楽しみって気持ちは禁じ得ませぬ

322鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/26(日) 00:03:30
富道の御屋敷に着くと沢山の招待客のなかに生還屋を発見する。
彼は恐ろしいほどの量の料理を食べていた。
それにお酒の量も尋常ではなく倉橋も呆れ顔。

>「まァ、嫌な縁だよ。大陸から帰ってまだ間もないのに、またあんたに会うことになるなんてね。
 生成り小僧……こんな行儀の悪い男の真似をするんじゃないよ!」

鳥居も一緒に呆れ顔で、生還屋を見下すように自身は給仕からミルクココアをもらう。
それとテーブルからワツフルの小皿を1つ、
リンゴのジャミ(ジャム)のかかったものをいただいて皆と行動を一緒にすることにした。

話を聞くと、生還屋は清での出来事は話さないと言う。
やっぱり……と、鳥居もそんな気持ちだった。
もとより上手く話せる自信もなかった。
(む〜…。僕はいったい何を話したら……)
心のなかは不安でいっぱいだ。
話が長すぎても語り尽くせないだろうし生還屋の言うような後味の悪いのもダメかもだ。
なんせ富道は冒険者たちを援助してくれているのだから
彼が楽しめない話では申し訳が立たないのだ。

そして……

>「おっと、また初めて見る顔だね。君達は、一体どんな冒険譚を聞かせてくれるのかな?」

そう言われて最初に語り始めたのは波留京花。

>「あっ、へ!? わ  わ   わわ…っ!!」
京花は慌てながらも初々しい感じで見事に語り終わった。
訛りが酷かったが彼女が話したのは出会いに感謝して生きなさい
と言う兄の思想を大事にしていると言う事と、
己が世間に認められるほどの武術家になると言う夢の語りだった。

(わあぁ。すごい純朴な方です)
それに明確な目的を持っている。
鳥居のように本職も遊びのようなものなら、
嘆願も興味のあるものを選ぶとかとは明らかに違う。
そんな無い物ねだりからか鳥居は京花に好感が持てたのだった。

「素敵でしたよ波留さん」
彼女は混じりっけなしの純粋だ。と、鳥居は思う。
これからの冒険で彼女のたぎった血はいったいどんな味を醸し出すのだろう。
微笑する鳥居の白い顔はまるで仮面のようにその危うい本性を隠している。

と、次に冒険譚を披露したのは倉橋冬宇子。
こちらは波留とは違い、なんというかおんなおんなしてるというか、お金持ちの富道を確実に狙っているといった感じで
鳥居は何故か遥かな気持ちになって遠い目。
だが彼女の語った話はとても不思議な話で、それは対幻想ってやつだね。なんて生意気にも鳥居は思う。

「……」

>「今度はこの坊やが、正真正銘の冒険譚をお話しますから、堪忍してくださいまし。
 子供と侮るなかれ、この子は三百年も前から生きているんですのよ。きっと面白いお話が聞けますわ」

(え〜!)
カッと目を見開き焦燥する鳥居。

323鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/26(日) 00:05:00
(さっきの赤帽さんみたいに裸になっても傷一つない綺麗なつるりんとした体だし
頑張った感なんてそんな出ないし)
と、鳥居の頭のなかは真っ白になりかけていた。
が、とりあえず深呼吸をし……

「は、はじめまして。鳥居呪音というものです。
いちおう三百年以上、生きてます。
その理由は齢十歳で病で死んでしまいそうな僕を、
魔術師のお母さんが不老不死にしてくれたからです。
お母さんの望みは僕が死なないで面白おかしい人生を歩むことでした。
きっとそれは、何の楽しみも知らないまま死んでしまう僕を不憫と思ったのでしょう。
……でも、なかなかどうして、面白いを好きなまま続けてゆくのも難しいものです」

「あ、本日はお招きいただき、誠にありがとうございます」
一礼をしたあと、鳥居は冒険譚を語り始める。

__それは、人探しの嘆願でした。
依頼人は三十路の女性。名前を白山月子。
まん丸く、横に大きな体をしている方で、彼女の依頼は
今から十年前に夜盗たちに襲われた自分を助けてくれた子供を見つけて欲しいというものでした。
僕はその依頼が、何故か頭から離れなくなって引き受けることにしました。

最初、僕を見た白山さんは驚いていました。
それは僕が探していた子供と瓜二つだったそうだからです。
もしかして、と思って僕は白山さんが夜盗に襲われた場所を聞いてみたのですが
それが徳島市のS地区。僕は一度も行ったことのない地区でした。
彼女は上京する前日に襲われそうになったそうですが
路地裏から手招きする子供に導かれ、何とか逃げきれたとのことでした。

そして、それって何かの記憶違いでもないのかな?
と、何とも腑に落ちない気持ちになった僕たちは、
その場所に向かうことにしたのです。

機関車に乗って僕たちは移動しました。
目的地に到着する途中、僕は夢を見ている気持ちになりました。
何故なら徳島市のS地区に向かう道中は僕のよくみる夢のなかにそっくりだったからです。
どうして、僕の夢のなかがここにあるのだろう?
こんなことってあり得るのだろうか?

するとお供をしていた者(頼光)が
人間の頭のなかじゃどんなことでもありえるんじゃねぇの?
と語るのです。

324鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/26(日) 00:06:54
お話はまだ続きます。

夜になってS地区に着いた僕は、さらに驚きます。
そこには僕の夢に出てくる街の景色と同じ場所があったからです。
そこで僕は思い出しました。
夢のなかで助けたうら若き乙女の姿を。
まさか、夢のなかで人助けをしていたなんて……。

すると、驚いている僕の背に白山さんの声が投げかけられました。

「なるほどねぇ。私はかぐや姫みたいなもんかぁ……ありがとね坊やたち」

振り向いたら白山さんは消えていました。
妖しい月光のなかで僕たちはたたずんでいました。

今思えばそれって、この世の法則から外れた僕の産み出した呪のようなもので
そこで死んでしまう運命の白山さんを、ずっと路地裏は待っていたのだと思います。
本来の運命に修正するためにです……。

話終え、鳥居はフーとその恋人のことを思い出す。
本来は、鳥居もこの世に存在しないはずの存在なのだ。
そんなものから命を助けられた者がいるとしたら、運命はその者を許すのだろうか。

325鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/26(日) 00:14:34
お疲れ様です。
御手数ですが代行をお願いします。

違うタイプのお話にしようと思ったのですが
書いていたら似てる感じになってしまいました……

326倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/26(日) 02:52:32
鳥居さん乙です〜
ジョジョの上条君を思い出してしまったw

余談ですが
今回レスを書いてて思ったことなんですが、一人称の文章ってものすごい難しいですね。
地の文で説明できないのがこんなに不便だとは思わなかったです。

327 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/26(日) 04:15:10
投下お疲れ様です。いいですねえ!
最後の一文でかなりグッと来ました
とても面白い着眼点だと思います

>>326
認識外の事が書けないって超不便ですよね
バトルとかとも相性悪いですし、私も苦手です

328鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/26(日) 15:47:21
お疲れ様です。代行ありがとうございます♪

一人称、難しいでした。
書こうと思ったことが書けなかったりして表現が変わってしまう感じでした。

最後の一文は同じキャラを続けてきたおかげで自然と滲み出せた感じです。
ありがとうございます♪

329倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/26(日) 18:16:32
そういえば乙です〜
よく考えると一人称ではなく伝聞調でしたねw
完全な一人称はもっと難しいんだろうなあ

TRPGwikiに波留さんのテンプレ追加しました。
他にwikiに追加したいことがあったらお知らせください。
http://www43.atwiki.jp/nanaitatrp/pages/97.html


>>328
たしか異能者の上条時人君も夢の中でひとみさんを助けてくれましたよね?
なんだか懐かしい気持ちになりました。

330鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/26(日) 22:44:04
はい。そうでした。懐かしいですね。
思い出してみると無茶ぶりと
拙い感じで顔から火がでそうですw

331倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/26(日) 23:30:47
あまりに懐かしくってキュンときちゃいましたw
過去レスを読みに行っちゃいましたよ〜
http://www44.atwiki.jp/jojo2nd/pages/18.html

332鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/29(水) 21:56:59
読み返させていただいたら
ひとみさんを初々しく感じました。
今回の偶然みたいのを含めて
まるっと不思議でした。
なりきり型って大正世界を通じて無意識でリンクしているような
ちょっと怖い気持ちにもなります。

333倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/10/30(木) 02:22:23
たいして成長してるという気はしないけど
以前のレスを読み返すのってものすごい気恥ずかしさがありますよねw

ところで今回の月子さんとひとみちゃんの時も使った
『幻の少年の手招きで殺人鬼の難を逃れる』という話は何か元ネタがあるんでしょうか?

波留さんも京花ちゃんのキャラクターには何か元ネタがあるのかな?
富道男爵は?
皆さん良かったら教えてください。

334波留 ◆PBGJytd9pw:2014/10/30(木) 20:26:26
>>333
 元ネタと言う程のものでは無いですが、方言キャラに
影響を受けた作品ですと『いなかっぺ大将』ですね。
 直情的で真っ直ぐで、困難な場面に直面しても腕ずくと
生来の大らかさで全部乗り切ってします。そんな昔ながらの
女性としての頑健さをイメージして作ってみました。

335 ◆u0B9N1GAnE:2014/10/31(金) 02:15:37
富道には特にありませんが、最近「シグルイ」なる漫画を読みまして
武士道をテーマにした漫画で刀を扱うのですが、読んでいる内に「刀かっけえ!」と
そんな訳で久礼ちゃんを登場させました。単細胞と呼んで下さい

本編の方はもう少しだけ時間をくだせえ!

336鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/10/31(金) 22:20:28
宮部みゆきの「とり残されて」という本に収録されてる「たった一人」という短編です。
自分でいうのもあれなんですが
ひとみちゃんの解決法もかっこよかったし
月子さんはファンタジックに味付けできたし
落語のようにそれぞれアレンジしたような感じには仕上がってるとは思います。

本編の件、了解です。

337倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/11/01(土) 20:12:35
>>334波留さん
なんと!風大佐衛門君!
子供の頃うちの地方では夕方よく再放送していたので懐かしいw
おおらかで真っ直ぐで、おまけに訛りがすごいところも、なるほどという感じです。
余談ですが、最近はニャンコ先生というと別のキャラクターを指すらしいんで驚きました。
(夏目なんとかという漫画を知らなかったので)
これからの波留さんとの絡みが楽しみです。

>>335GMさん
GMさんの戦闘描写はいつも格好良くて
戦術戦法がきちんと描かれて尊敬します。
久礼ちゃんとか赤帽君とか、今回もすごい濃いキャラが多くて楽しみです。

>>336鳥居さん
元ネタ宮部みゆきさんでしたか〜
クロスファイア、鳩笛草、火車は読みました。
宮部さんの作品はすごく面白いんですが、
せつなすぎて読後にどっと疲れが出てしまうんでちょっと遠ざかってました。
最近は江戸ものの「ぼんくら」を読んでみたいなと思ったりしてます。
今回のお話とっても素敵でしたよ。
月子さんが消えていってしまう辺りの透明感なんてとても素敵だと思いました。

338鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/11/03(月) 21:16:46
たしかに、どっと疲れが出てしまうかも…。
余談なのですがアニメのブレイブストーリーではうるうるしてしまいました。
観賞したあと、悲しくって鬱っぽくなるのは困りものですよね。

と、それはそうと、前から気になっていたのですが
黄泉断層って何ですか?
あの世とこの世の境界線がなかった頃の地層とか?
お暇なときにでも教えていただけたら嬉しいです。

339 ◆u0B9N1GAnE:2014/11/04(火) 03:39:51
投下しました
なんでこんな長くなったんや
何か気になる事がございましたら質問ください

340波留 ◆PBGJytd9pw:2014/11/04(火) 10:33:48
>>339

 妖怪青行燈の登場とは御見それしました。
まず質問として帆船の臼砲は動いてるものを反応して砲撃してるのか
それとも規則性のない動きなのか?
  また帆船に大蛇
奇形の大鳥と犬の仮面を被ったミイラと自分達の立ち位置と距離

 それと青冊子は自分たちでも直ぐに捕獲出来る位置にあるのか?

そのような事を聞きたいと思います。

341鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/11/04(火) 23:46:08
>「仮に……君の言う運命ってものが本当に存在して、君に関わった人間の帳尻合わせをしているんだとしたら。
 何故君はまだ冒険者を……人の嘆願を叶えようとするんだい?
 君がどれだけ頑張って人を助けても、それは波打ち際の砂の城のようなものだとは思わないのかい?」

「たとえ同じ結果になっちゃったとしても、僕は人に干渉していること自体が面白いのかもしれません」

それはある種、無人島に漂流した者が、完読した書物を繰り返し延々と読書し続けることに似ている。
結果がわかっていても、人のぬくもりを感じるためには読書を続けるしかないのだ。

と、しばらくして……
とんでもないことが会場に起こってしまう。
なんと富道が冒険譚を書き込んでいた書物が式の効果を宿していたのだ。
ゆえに書物からは闇が噴出し、鳥居に襲い来るのは鉄道を想起させる巨大な蛇。
その迫力に鳥居は脱兎の如く逃げ出した。
と言っても闇雲にではなく、円を描くように同じ場所を何度もだ。
それは地を削るような重量の巨体なら、同じ場所を周回することによって地面にめり込ませることが可能と考えたからだ。
それが無理でも倉橋と波瑠のまわりを周回していれば鉄の防御壁が完成する。

しかし一体、この怪異の正体はなんなのだろうか。
冒険譚を書き記したあの青冊子から生まれた怪異だということは想像できるし
鳥居を追いかけているということは鳥居の冒険譚から生まれてきたものだとも推測できる。

「僕を追いかけてくるもの……。それっていったい……。
……倉橋さん、これってなんなんですか!?波瑠さん、大丈夫ですか!?」
鳥居は駆けながら叫んでいた。

342鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/11/04(火) 23:55:06
GMさん、投下お疲れ様です。
御手数ですが代理御願いいたします。

無茶苦茶に逃げ回ったら被害が出るし
同じ場所をぐるぐると逃げ回ってます。
たぶん、鉄道くらいの大きさの相手を止めるとしても鳥居はグッチゃりいきそうだし…。

でも、もし波瑠さんに良いアイデアとかあったらレスの取り下げも可です。

343 ◆u0B9N1GAnE:2014/11/05(水) 15:43:55
>>340
所詮は臼砲ですから精密な狙いではありません
数撃ちゃ当たるです

他の怪異は別の冒険者達を狙っていますので、基本的には遠くにいます
ですがかえって、どこに逃げても危険な状況となっているでしょう

青冊子を狙うのは面白いですね
武芸者の足なら走れば十秒足らずの位置にあります
が、もし青冊子に近づいた場合は帆船から、臼砲ではなく旋回砲による狙撃を受けるものとします
旋回砲は、砲にしては威力の低い非対物用のものです

344波留 ◆PBGJytd9pw:2014/11/06(木) 00:06:45
>>343

>もし青冊子に近づいた場合は帆船から、臼砲ではなく旋回砲による狙撃を受けるものとします

と言う事は。鳥居さんが大蛇を誘導して少し走り青冊子を中心に
大蛇を走らせるような動きが出来れば。その間に青冊子の確保
および確保の間の隙を大蛇による防壁による危険性の低下及び
帆船の旋回砲を大蛇にお見舞いして弱体化、最高で倒せる策も可能・・・と考えてよいでしょうか。

もっとも、この作戦は鳥居さんが青冊子まで短時間で移動出来る
脚力および青冊子のほうまで移動する過程で
他のNPCの妨害や(GМさんが別の怪異は離れてると書かれてるので
その可能性は低いかもしれませんが)青冊子自体の特異な障害も想定されるので
鳥居さんと倉橋さんの了承を得てからでなければレス投下は出来ませんか

345鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/11/06(木) 17:55:53
お疲れ様です。
自分としてはぜんぜんOKです。
じわじわと解決の糸口を皆で探しだす感じで面白いです。

いちおう確認なのですが
順番は波瑠*鳥居*倉橋ですよね?

346 ◆u0B9N1GAnE:2014/11/07(金) 15:06:16
>>344
面白い事考えますね!
勿論そういうのもアリです

347波留 ◆PBGJytd9pw:2014/11/07(金) 22:23:56

鳥居さんからも許可が下りましたので、倉橋さんの了承得れましたら
レス投下しようかと思います。旋回砲が仮に電車サイズの大蛇を
越して砲撃してくるとしても。十中八九この異界を引き出してる力の源は
青冊子ですから、その青冊子を破壊するような上斜め方向からの攻撃は
多分来ないだろうと言う理由も兼ねて、上記で書いた通りの行動を
実行しようかと思います。少し投下に日にちを置くかと思いますが
よろしくお願いします。

348倉橋:2014/11/07(金) 23:05:09
連絡遅れましてすいません。
波留さん仰るようにして頂いて大丈夫です。

急なんですが通勤時間がぐんと伸びまして、ちょっと参加が厳しくなるかもしれません。
できるだけレスは早めに用意したいと思っていますが長くお待たせしそうな時や
いよいよ投下が厳しいときは倉橋の行動はGMさんに一任したいと思うのですが可能でしょうか?

349 ◆u0B9N1GAnE:2014/11/09(日) 02:10:45
>>348
おっけーですよ
事前に冬宇子の切れる手札を述べておいてもらえるととても助かります

350倉橋:2014/11/16(日) 17:57:06
すいません。次って自分ですか?
あと一週間くらい待ってもらうこと可能ですか?

351鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/11/16(日) 23:50:18
すいません。
倉橋さんの前に加筆修正したものを
投稿したいと思います。

352GM@外出先:2014/11/17(月) 00:52:11
もっと早く何か呼びかけしとくべきでしたね。すみません
それでは鳥居さんお願いします

353鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/11/17(月) 01:29:14
みなさんお疲れ様です。
すいません。先週はリアルがたて込んでいて
本スレの確認をしてませんでした。

御手数ですが代理をお願い致します。

354鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/11/17(月) 01:29:43
>「仮に……君の言う運命ってものが本当に存在して、君に関わった人間の帳尻合わせをしているんだとしたら。
 何故君はまだ冒険者を……人の嘆願を叶えようとするんだい?
 君がどれだけ頑張って人を助けても、それは波打ち際の砂の城のようなものだとは思わないのかい?」

「たとえ同じ結果になっちゃったとしても、僕は人に干渉していること自体が面白いのかもしれません」

それはある種、無人島に漂流した者が、完読した書物を繰り返し延々と読書し続けることに似ている。
結果がわかっていても、人のぬくもりを感じるためには読書を続けるしかないのだ。

と、しばらくして……
とんでもないことが会場に起こってしまう。
なんと富道が冒険譚を書き込んでいた書物が式の効果を宿していたのだ。
ゆえに書物からは闇が噴出し、鳥居に襲い来るのは鉄道を想起させるほど巨大な蛇。

>「おまはん、おねげぇしまはす。あん浮かぶ青本の所まで囮なっちゅてくれまへんか!?
 こぅ、ぐるぐるぐるぐる青本の回りで走るような感じで!!」

「わかりました!」
京香の言葉に鳥居は迷わず疾駆する。
何故なら鳥居の進む前方には旋回砲の洗礼が待っていたからだ。
でも鳥居はそれが四肢を貫通しようとお構い無しに前進できる。
あとは青冊子のまわりに巨大蛇による防壁を作り上げ後から続く二人を守るだけだ。
彼女たちが安全に青冊子と対峙できる空間を確保するのだ。

「僕を追いかけてくるもの……。それっていったい……。
……倉橋さん、これってなんなんですか!?波瑠さん、大丈夫ですか!?」
鳥居は駆けながら叫んでいた。

355 ◆u0B9N1GAnE:2014/11/18(火) 23:41:37
投下しておきましたー

356倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/11/26(水) 23:00:24
すいません。仕事でトラブルがありましてもう少し待ってください。
週末から来週にかけては暇になるはずなので。

357倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/12/02(火) 01:58:52
遅くなってすいません。
投下しました。

358 ◆u0B9N1GAnE:2014/12/07(日) 10:11:31
「……その扉なら開けても問題ねーよ」

「おぉ!流石だすな!へばな、失礼して……」

猟師が扉を開き、数人がエントランスホールへと出る。

「……なんだもんだ、こら」

そこには、来た時には無かった筈の扉が一目では数え切れないほど並んでいた。

「ははーん、なるほど。こりゃ要するに、もっかいやれって事だろ?いいね、いつになく面白そうじゃん!」

楽しげな声の主は、女だ。
白い旗袍の上に南アジアの民族衣装サリーを重ね、更に西洋風のマントを羽織っている。
頭にはアラビアの華やかなベールを被り、両手には東西を問わず様々な誂えの指輪が、
首元にはインド風の豪奢なネックレスと、その中心で纏まりを付けるように翡翠の勾玉が揺れていた。
無節操極まりない服装だが、不思議と無秩序には見えない着こなしだった。

「ま、つっても一人当たり一部屋かぁ。すぐ終わっちまいそうだなぁ」

「だぁってろ『欲しがり』。オメー今までの冒険全部一人でこなしてきたのかよ」

「あー?……あー、はいはい。じゃー、あんた達てきとーに組んで部屋決めてってよ。
 私行きたそうな部屋見つけたらそこに入るから、よろしくー」

口調は気に障るものの、『欲しがり』の言はそれなりにもっともで、冒険者達は暫し顔を突き合わせて相談を始めた。
入る前に中の様子を伺えないものか、そもそも出入りは自由に可能なのか、屋敷の出口はどうなっているのか、と。

窓の外には無明の闇のみが見える。
一人が発破を壁に仕掛けてみたが、芳しい結果は出なかった。

そうして一人の男が興味本位で、玄関の扉を押してみた。
扉は何の抵抗も、僅かな軋みすら伴わずに開いた。
外の風景が見える。

「なぁ、生還屋。これって……」

瞬間、扉が大型獣の顎の如く変形して、生還屋を振り返ろうとした男を飲み込んだ。
それから咀嚼音が響き――扉が再び開く。
精巧な騙し絵のように外の風景が描かれた壁に、血と肉片がびっしりとこびり付いていた。

「……コイツは、今までになくヤベェぞ……もう聞こえちゃいねえだろうがよ」

生還屋が冷や汗を額に浮かべて、そう答えた。
今まで富道の蒐集物で大騒動が起きた事はあっても、死人が出た事はなかった。
冒険者達の間に緊迫した空気が生じ始めた。

「とりあえず……じっとしてても仕方ねえ。
 俺が仕切った所でオメーら聞きやしねーだろうから、てきとーに組んで好きにおっ始めろや」

生還屋の言葉は相変わらず投げやりなようで、どこか焦りが滲んでもいた。
脱出の手段が分からない以上、動ける内に動いておかねば後々立ち行かなくなるかもしれないからだ。

「それがいいねえ。食料はそれなりに備蓄があるみたいだけど、この人数では数日も持たないだろうから」

広間から出てきた肥満体の男が子豚の丸焼きをナイフに突き刺して齧りながら、生還屋の焦りを代弁した。

「……分かってんなら食ってんじゃねえよ。こんな時くらい『美食家』ごっこはやめやがれ」

「大丈夫だって。こんなのすぐに終わるか、さもなきゃすぐに人が減るか……どっちかじゃん?」

359 ◆u0B9N1GAnE:2014/12/07(日) 10:11:50
美食家と呼ばれた男はまるで麩菓子を食すかのように子豚の丸焼きを平らげていく。
終いにはそれを刺していたナイフの先端まで、難なく齧り、噛み砕き、飲み込んでしまった。

「ふう……よし。じゃ、行くかな。美味しそうな匂いは……どこにもしないなぁ。
 ま、そもそも異界の食べ物なんて口にするもんじゃないか。あ、僕ここにしたから。誰か一緒に行こうよ」

美食家の選択を皮切りに、他の冒険者達もちらほらと動き出した。
となれば、君達だけがじっとしている訳にもいかない。
君達は早速どこかの扉を選んでみてもいいが、まずは準備や聞き込み、同行者の勧誘などを行ってもいいだろう。





また美食家が嗅覚をもってそうしたように、扉の中の様子は外からでもある程度察しがつくようだ。
君達の傍には四つの扉がある。

一つはモダン風な装飾が施された扉。中から滝のような、延々と水の流れる音が聞こえてくる。
一つは何の変哲もない木の扉。しかし近づくとその瞬間に刀が突き出てくるだろう。
一つは何か宗教めいた模様の刻まれた石の扉。金属の擦れるような音が絶え間なく響いている。
一つは振り子時計を象ったような扉。その奥からは――楽しげな声が聞こえてくる。君達の声が。



「……変だな。この扉、全部で百はないとおかしいんじゃないのか?」

不意に、冒険者の一人が呟いた。
周りの人間がどうしたのかと尋ねる。

「いや、ざっと数えてみたんだけどさ。どうもこの扉、百枚も無さそうなんだ」

「はぁ?んな訳あるか。百物語だろ?」

「でも無いんだよ。疑うなら、お前も数えてみればいい」

その情報に果たしてどんな意味があるのかは、まだ明らかにはならないだろう。
だが推測する事は出来る。

360 ◆u0B9N1GAnE:2014/12/07(日) 10:12:18
なんか書き込めないのでひとまずこっちに落としておきます
質問あったら言ってやってください

361 ◆u0B9N1GAnE:2014/12/07(日) 10:16:04
と思ったら実は書き込み出来てました的な展開でした
投下しました

362倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/12/09(火) 00:03:44
投下お疲れ様です〜

次レスですが
皆さま、スムーズな進行のために投下順を決めておくのはいかがでしょー
投下順に希望のある方いらっしゃいますか?

363鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/12/09(火) 00:56:57
355
GMさん、投下ありがとうございます。

皆さま、投下お疲れ様です。

順番に特に希望はないです。
お忙しいみたいでしたらお先に書かせていただきますし
でもこれといって、ぴっこんなひらめきもなくって
思ってることを言ったりやったりな感じです。

364波留 ◆PBGJytd9pw:2014/12/09(火) 17:11:06
投下お疲れ様です。
私も特に順番は希望ありません。ただ初心者ですし
経験ある皆さんのレスの後のほうが行動にもある程度
融通が出来るかな? と思ってます

365鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/12/10(水) 21:45:00
確実な予想を立てて行動できたらよいのですがそれって難しいです。

皆さまにはお手数をおかけします。
すいません。
お手数ですが、以下のレスでよろしければ代行をお願いいたします。

366鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/12/10(水) 21:46:30
死者もでてしまって張りつめた空気のなか、鳥居たちは無数の扉のある所にいた。
冒険者の話では扉は百枚ないのだという。

「あ〜、わからないっ」
潜っていた思考の海から息継ぎをするかのように顔をあげ、あほみたいな顔を全開にする鳥居。
先程倉橋は、青冊子の女から「あつめろ」と白紙を渡されたと言う。
それはいったいどういうことなのだろう。

「とうこさん、その白紙って解決の糸口になりそうですね」
と何にも考えていない朗らかな顔で、鳥居は倉橋に言葉を投げた。
それはある意味で逃避という丸投げ。次に鳥居は京花に視線を移し…

「京花さんも、すごい勇気でした〜。ブラボ〜」
と、驚いた顔をつくってみせたあと、ゆっくりと横をむいて扉を見つめる。
京花にたいしては新人ながら心配をする必要もなさそうで、
それならば少しでも彼女の気持ちがそのままでいられるように、応援してゆこうと鳥居は思っていた。

そして、鳥居は振り子時計を象徴している扉の前。
楽しそうに話している自分たちの声に興味をそそられる。

「……あっちは楽しそうで羨ましいです。
こっちの僕は無駄口叩いて呆れられるだけみたいなものなのですけど
扉のむこうの僕たちは気心も知れてわかりあえてるようですねぇ」
倉橋を振り返り、へへっとほの暗い笑みを浮かべる鳥居。
この扉なら生還屋に危険の有無を問わなくても大丈夫なようだが、話しかけるきっかけとして鳥居は生還屋に問うてみる。

「この扉のむこうがわって危険ですか?」
ぎゅっと手を引いて扉のすぐ近くに誘導する。
生還屋が他の冒険者たちと馴れ馴れしくしていた様子に、よもや清国での冒険を忘れたわけではありますまいなと嫉妬にも似た感情。

「どっちかっていったら本物のこっちのほうが危険な香りがしますよねぇ……」と、倉橋を横目にぽつり。

「しませんか?」と、京花にも問う。話は脱線するが……

「倉橋さんと初めて会った印象はどうでした?初見の印象って九割がた合っているそうです。
僕はお母さんみたいって思っていたのですが違ってました。
今では部屋の何処に置いたら良いのかわからないお人形さんみたいな人って思っています」

「あ、この質問って前々から生還屋さんにも聞きたいって思っていました」
扉の前でごちゃごちゃと言ったあと、鳥居はそっと扉を開けようとする。
それは分かったと思えばまたわからなくなるような倉橋の心、奥に進めば進むほど奥深さだけが残るような感じの正体を見つけ出すための好奇心。
倉橋の心のなかの鬼ごっこの、鬼の正体とはなんだろう。
それはさておき……

「あのぅ、何がそんなに楽しいのでしょうか?」
扉のむこうの自分たちにも質問を投げ掛ける鳥居だった。

367倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/12/10(水) 22:45:37
次投下させていただこうかなと思ったら一足遅かったw
週末明けに一回短いレスを投下させてもらうおうかと思ってます。

368鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/12/11(木) 00:48:36
すいません。
倉橋さんが最後にじっくり書いたほうが本人も焦らなくってもよいかなとか
この前書いてまたすぐ書くのって疲れたりしないかなぁとか思ってしまって
お先に書かせていただきました。

順番を決めてからのほうが良かったみたいでした。すいません。

369倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/12/11(木) 23:12:52
いえいえ!
いつもお待たせしてばかりいるので
気を使わせてしまったみたいですいません。

今回先に書くからといって別に何か閃いたからというわけでもないのでw
皆さんとの会話や掛け合いのなかで少しずつ解決法を見出していけたらなと思ってます。
短レスのあとGMさんの解答次第では追加レスを挟むかもです。

370倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/12/13(土) 21:07:44
GMさんに質問です〜
エントランスの扉は百よりどれくらい少ない感じですか?
それと富道邸に招待されている冒険者は総勢何人くらいなんでしょうか?

371 ◆u0B9N1GAnE:2014/12/13(土) 22:09:46
どうでしょう。二十前後くらいでしょうか
少なくとも数え切る前に「あれ?この調子じゃ百まで届かなくね?」ってなるくらいです
冒険者は……五十は超えている事でしょう。中には一人で二つ三つ冒険譚を述べた者もいるって事で

372倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/12/14(日) 22:10:59
すいません。今書いてる途中ですが今日中は無理みたいです。
もう少し待ってください。

373倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/12/19(金) 00:15:26
投下しました。
鳥居さん波留さん、なかなかうまく絡めなくてすいません。

374 ◆u0B9N1GAnE:2014/12/19(金) 11:10:45
(二十前後は「百よりどれくらい少ないか」なんですホントごめんね)

あと今回、久しぶりに「行動判定」をやろうと思ってたのにすっかり忘れてて、それもひじょーに申し訳ないです
動きにくいターンになってしまった気がします

375波留 ◆PBGJytd9pw:2014/12/19(金) 19:33:26
投下お疲れ様です。こちらも早速レスします

>>374(GM様)
 ストーリの序盤ですし、そこまで細かい部分に気取られる事は
なくて良いかと思います。考察して少し停滞な場面が出る事は
どの物語でも起きえる事ですので。

376倉橋:2014/12/19(金) 21:58:00
あらら早とちりしてすいません。
扉の数二十を八十に
一人で探索するのは危ないから2、3人で行こうと考えたと脳内修正をお願します。
こんなことなら京花ちゃんや鳥居くんも誘えば良かったかしら。

377 ◆u0B9N1GAnE:2014/12/25(木) 22:11:27
投下しました
ところで年末進行についてですが今から来年の1月半ば頃までとしますがよろしいですか

378倉橋 ◆FGI50rQnho:2014/12/27(土) 22:10:21
お疲れ様です〜年末進行了解です。

鳥居さん、波留さん、今回も一応投下順決めておきますか?
先に投下したい方いますでしょーか?

379鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/12/28(日) 00:39:27
投下お疲れ様です。年末進行のこと了解です。

順番のほうは個人的には何の思惑もないし
ただベストな流れはあると思っていて
正直自分にはわからないです。

これを書いたら皆がハッピーみたいな
ことは思いついてないという不甲斐なさです。
GMさんも個人の見せ場をご用意してくださったのかな?みたいな感じです

380波留 ◆PBGJytd9pw:2014/12/28(日) 19:19:28
順番は最後で良いです

 年末進行了解しました。

381鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2014/12/29(月) 11:35:29
それでは、倉橋さん、鳥居、京香さんの順番ですね〜

いつもご迷惑をおかけしてしまって面目ないのです。
来年もよろしくお願いいたします。
それでは皆様よいお年を〜

382 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/04(日) 00:33:48
はいそんな訳であけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

さておき今回はただのモブ戦ですからね
一人一殺……じゃありませんが、まぁそこまで連携が求められるシーンでもないのは確かです
鳥居さんの言うようにわりと個人のターンですね

そこから転じて、今回最も戦闘能力に乏しい倉橋さんが1番目なのは非常にグッドです
2番目以降では「正直そういうキャラじゃないけどやらなきゃなぁ」みたいな事になる可能性もありますからね
ここら辺、ホントはGMが先に言及しておくべきだったんですけどね。申し訳ないです

383倉橋 ◆FGI50rQnho:2015/01/05(月) 03:32:04
新年明けましておめでとうございます〜今年も宜しくお願いします。

お言葉に甘えて先に投下させてもらいました。
一人一殺……?一人も殺れてないという……
GMさんすいません。モブ剣士さんたちはともかく、また久礼ちゃんを動かしてしまいました。
今度やるときはちゃんと相談してからにします。

384倉橋:2015/01/05(月) 23:47:59
ん〜下手こいた〜
浪人は飛び技とか使わずに、ただ刀が燃えてるだけの普通の斬り合いにした方が面白かったかも。
その方が殺陣のシーンで個性出せそう。
問題あったら最後の1レス分シーン巻き戻しちゃって下さい。

385 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/06(火) 00:21:02
陽炎と炎で刀の間合いそのものを誤魔化しつつも
絶対届かないだろって距離でも炎を飛ばして虚を突ける魔技という事にしましょう
寄らば斬る、寄らねば燃やすです

386鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/06(火) 22:48:41
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
毎回御手数ですが代行をお願いいたします。

あと倉橋さんのぶんの浪人を合わせて
二人倒してしまった感じなのですが
駄目でしたら後手キャンか息を吹き替えしたてきな感じでよろしくです。

387鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/06(火) 22:50:01
(……あれれぇ?倉橋さんは僕たちと一緒に来ないのでしょうか?)
と、倉橋を尻目に鳥居は不思議に思う。なぜなら少しはわかり会えているもの同士のほうが鳥居の場合は安心出来るからだ。
サーカスの空中ブランコも、呼吸が合わなければ真っ逆さまに地上に落ちてしまうのだから……。

(でもこれが倉橋さんの一期一会なのかもしれません……)

>「んまぁ、わだすは阿呆ですんで。けどわだすよりしっかりしてると思えますね」

「しっかり……。やっぱり倉橋さんはしっかりものだったんですね!
……ですが京香さんはどうして自分を阿呆と思うのですか?誰かに言われたことがあるのですか?」
鳥居は京香と共有できる倉橋の一面があることに自己肯定でき嬉しく思っていたが
京香が何故自分を阿呆と表現するのか不思議でならない。
彼女は視点も真っ直ぐであるし涎とかも垂らしていないのにだ。

>「……おい、やめろガキンチョ。絶対開けんな。
 質問なら答えてやる。アイツはただの他人で、ただの女だ。これで満足か?
 満足だろうがそうじゃなかろうが、とにかくその扉は開けんなよ」

(……ただの他人。ただの女。それって海を海っていう感じにも似ていますねぇ。彼は飲んべえのくせに哲学的な表現をしました。ぷくく)

>「鳥居はん、無暗に近づかんほうが… 」

>「話しかけんのもやめろ。関わるんじゃねえ。今すぐそこから離れ……」

>「君もおいでよ。来れば分かるよ」

そんななか、聞き耳を立てていた鳥居の耳朶に自身の声が触れる。

388鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/06(火) 22:51:33
それは一瞬の出来事だった。己の足から流れ出る血飛沫を見ながら鳥居は呆然としていた。

>「……オメェがただの人間だったら、その足とは永遠におさらばだったぜ。
 迂闊な真似したらどうなっか、さっき見たばかりだろうが」

生還屋の言葉が降ってくるのも上の空。鳥居は一礼して去ってゆく赤帽を見送るとやっと我に帰り……

「ああ、みなさん。ありがとうございます」
気の抜けたようなゆるゆるの声を発した。
たぶん鳥居は、京香がいなければこらえきれず、赤帽の助太刀も間に合わずあっちの世界にもっていかれたことだろう。

(……あう〜。我ながら情けない)
とどのつまり、鳥居は何の役にも立たなかった。しかし助けてくれた人達に対して……

「これこそ仲間ですっ」と、奮い立つのだ。

そして……

>「生成り小僧とお嬢ちゃん、あんたらはどうするんだい?
  どの扉を選ぶにしろ、一人で行こうなんてえ無茶はするんじゃないよ。
  行くなら二、三人で固まってからにした方がいい。」

>「お二人も一緒でいいじゃないですか。戦力は出来る限り分散しない方がいい……兵法の基本です。
 ただここには、それを分かった上で是としない困った人達がいるというだけで。
 ……ところで、扉は私が決めて構いませんか?」

と、皆で一緒に行くことになる。

>「やれやれ、扉の数は八十余……全員で探索に当っても、まだあと半分は手付かずかねえ?
 金魚のフンみたいに、こうゾロゾロ連なって歩いてちゃ、いつ終わるやら……
 そういや生成り小僧……もう足首はくっついたかい?
 引き込まれたのがお前でよかったよ。引っ張ってくれたその娘(こ)にもよく礼を言っとくんだよ。」

こくこくと頷く鳥居。

木の扉に入って行けばそこは荒野だった。
話を聞いているとここは久礼の物語を富道が書き記した空間らしい。
何はともあれ富道の内面だだ漏れの世界であった。

(……そっか。彼の視点からすれば冒険者の死なんて溢れていることであって、せっかく書き記した興味深いお話も、
お眼鏡にかなう終わりかたをすることなんてそうそうなかったのかもです)

>「………ひょっとすると、扉の中は繋がっているのかもしれないねぇ………」

倉橋の独り言に鳥居は目を開き納得。
鳥居のまとまらない考えの中には何故扉が、物語が消えたのかという疑問があった。
そもそも物語が終わるというか消えるということとは何か?
例えば物語の主人公が死ぬ。しかし肉塊になった男が一人で二十ほどのお話を持っていて死んだとは考えにくい。
鳥居なりにも何気に色々と考えてはいたのだが、やはり倉橋の一言は確実な糸口にも思えた。
その糸口には手繰り寄せる価値もある。

「そっか。だから減ったのかも」
(一枚の木葉のお話しみたく、木が枯れて葉っぱが落ちちゃうのと、少女の命が尽きちゃうことには何の関係もないのに
年老いた画家が葉っぱの絵を描くことで一つのお話しにまとまっちゃうみたいなことかもです)*

「うーん…でもまだわかりませんね」

ふと見ると、侍が四人。立っている。

>「助言を得て敵を倒すなど……それは私の『強さ』ではありません」

>「……だ、そうだから。その……みんなも頑張って、ね?」

389鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/06(火) 22:53:49
どうやら扉を通った時点で自分たちは久礼の物語に入ってしまったらしい。
厳密には久礼の物語を元にし、富道が描いた物語……だろうか。
それには個人的な書き込みもあるらしく、百物語と融合し新たなる怪異となっているようでもある。

じっと見つめていると侍たちの刀は炎で揺れて見えて長いようであり短いようでもあった。
だが剣術の実力は普通っぽい。清国で戦った剣士たちよりは何分劣っているように思えた。
なんとなくだが鳥居にも相手の強さが分かるようになっていたのだ。

相手との距離は幾らかある。
そんななか、倉橋は久礼に助言をして術をかけている。そして……

>「小僧、お前、火炎の使い手だろ?要は均衡(バランス)なんだよ。火と金の均衡を崩すんだ。
 お嬢ちゃん、あんたは小柄だし身軽だ。懐に潜り込んじまえば………」

言葉が終わる前に突然炎が放射された。と、ほぼ同時に目眩まし。
攻撃に転ずる寸前に先手をうたれた。
泡を食った鳥居の目に映るのは炎を前にした細い影。
倉橋を抱え跳躍し炎を回避。距離をとる。
炎の神気を応射し相殺することも考えたが目眩ましが邪魔をした。
京香たちを巻き添えにしてしまうということもあり得るからだ。

390鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/06(火) 22:55:06
倉橋を助けた鳥居は無口になっている。
日本男児たるもの助けてあげたとか言わないのだと以前倉橋に教えられたからである。
それはさておき襲い来るものを倒すということは大変なことだろう。
本気の人間なら一人でも相手をするのは大変なのだ。

(あんな刀をもった人に京香さんが勝てるとしたら京香さんはこの中で一番強いかもです。あの剣士さんよりも……。
でも失礼ですがそんなこと想像できません。
それに僕とか倉橋さんの場合は本格的な格闘じゃすぐに斬られてしまいます……)

「別に京香さんに助太刀することは悪いことではないですよね……。
ソクラテスを知るのにソクラテスになる必要はないのですから。
……むこうだってちゃっかり連携をしているし」

鳥居は神気で鞭を練り上げると迫ってくる侍の刀に巻き付けた。
それは偶然に虚をついた形となる。寄れば斬る。寄らねば炎を放つのその間。倉橋の入れ知恵による突然の行動。
微妙な距離をとったおかげで吸血鬼の瞬発力と鞭の間合いをもつ鳥居が優位に立てたのだ。

「やった!」
侍の刀に炎の神気を流し込めばそれは雨細工のようにぐにゃりと曲がる。それ以前に持っていられなくなるほど熱を帯びていた。
なるほど釣り合ってる均衡なら少しの力で転げ落とすことが可能だ。ましてや神気の力なら尚更だ。

(倉橋さんのいう通りでした!これなら……)

疾駆する吸血鬼。噴出する闇の力。燐狐の光を背に鳥居が繰り出したのは顔面飛び膝蹴り。
赤い目に宿した魔性の力が侍の魂を恐怖で支配するのには時間はかからなかった。
ゆえに侍は脇差しに手をかけることもままならずどっと倒れこむ。

「お次は……」
と、荒野に視線を巡らせれば突然真っ白になる視界。さっきの目眩ましだった。
その刹那、凄まじい殺気。ただただ嫌な予感しかしない鳥居は炎の神気で防御。
すると首を襲った太刀が熱で溶け虚空に飛んでいた。

「わぁ、危なかったです……」
そうは言っている鳥居だったが、腹部におもいっきり突き刺さっているのは一本の脇差しだ。
なんとこの侍は二刀流だったのだ。

「あ〜っごめんなさい〜っ。こんな勝ちかたをしてごめんなさい!」
鳥居は侍のお腹に拳を叩き込み吹き飛ばす。
倉橋の助言を受けていなかったら鳥居は生首になっていたかも知れない。

そして鳥居は京香のことが気になり荒野に目を凝らすと状況把握に努めた。
真剣勝負の京香たちの集中を削がないように、不利の状況ならば助太刀の行動に移ろうと息を潜める。

【浪人二人を倒しました。駄目でしたら後手キャンお願いします】

391波留 ◆PBGJytd9pw:2015/01/06(火) 23:40:43
 鳥居君の、らしさが良い意味で主張されてると思います!
上記の文章で私は大丈夫ですので

392 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/07(水) 21:58:57
代理投稿しました
いや、すげーグッドでした
普通に高水準でちょっとビビってます

393鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/08(木) 00:55:23
波留さん、ありがとうございます。
GMさん、代行ありがとうございました。
倉橋さんもありがとうございました。五行の助言のおかげで良い味付けができました。

394波留 ◆PBGJytd9pw:2015/01/09(金) 09:44:10
さてさて、そないな阿呆な事を考えていれば。
あれやあれやと奇想天外な出来事の目白押し。
>『それにしても陰陽道と剣術の融合とは面白い。
>『僕もなんか考えてみよっかな。かっこいいし』
一瞬、男爵はんが本当にトチ狂った発言したんかと考えますたけど、どうも
辺り一帯に響くその声は怪異そのものの、こだま見たいなもんらしかったす。
 出現する四人の剣客、対峙する久礼はんに倉橋はん鳥居はん。
 力量は平平凡凡かも知れまへんけども刃に焔を纏うと言うのは侮りがたし。
―そう、それが平常ならそない感覚なんどすか…。
 「あー、よかどす。ほっとしたばぇ」

 「こない、わかりやすいもんならば大歓迎どす」
わだすは、一番初めに感じたのは馴染み深い空気を、その怪異の腹ん中で
呑まれて初めて故郷の空気を浴びたかの如く、そない能天気な言葉が口から
ついでました。やはり、わだすの阿呆は抜けんばどすね。
 掛け算割り算や、漢語読み解けとか謎かけに答えよとか。禅問答なんかよりも
ぶっ倒せばそれで終い。こない一番簡単な理屈しか、わだすの頭にゃあ詰められんけ。
 そぉ呟いた矢先、火の鞭が向かってきよりますぅ。
倉橋はんは何やら呪文か祝詞かわだすの頭の向う側の言葉を紡いで、鳥居はんは
人間離れした速度で回避します。わだすと言えば…
 ースゥ
…最小限に、その炎の鞭のすぐ隣に移動して避けるだけどす。
 無理じゃなか? と思えっかも知れまへんけど。相対している剣術家がどない
腕前かは知れまへんが、炎で出来てる鞭っちゅう事は熱やら何やら、向かってくる気配が
単調で解りやすいんどす。こちとら御山で過ごして十数年、向かってくる気配を察するにゃあ
狼にも負けず劣らずやど言う自信もありばんねけ。
 「単調すぎっちゃ。もうちょい力む気持ちを抑えねぇど」
そう、助言が口から飛びまうけ。殺しにかかってる剣士はんは物の怪の類のようで
わだすのそんな言葉にも無表情で千差万別に炎の鞭をわだすへ振るってきまうだす。
右に、左斜めに、地面に水平に、袈裟切りに。
 何度も振るいよるけん、けんども仕留めようとする気配が隠せてねぇです。
ちょこまかとわだすは屈んだり、ぴょんと跳んだり首を軽く振って傍目危なげも見える
様子で避けます。攻め手あぐねてるように見えますどすか? まぁ、そう見えますけんね。
 「もーちょい精進が必要でんねぇ…んだべ、もうそろそろ終わりにしましょっか」

 ―ダン!
 炎の鞭の連撃の何回目かを回避すると、京香は地面を大きく踏みしめ腰に手を据えて
剣客向けて駆ける。
 一直線の猪猛突進、剣客からすれば絶好の的である。剣客はそんな京香の姿を目視すると
蛇のようにちろちろと曲がらす炎を引っ込めて、空へ凪ぐように剣を向けようと振るう。
『火壮りゅ…』
 だが、それは『読めていた』
スゥゥゥゥゥ!!!
 蛇炎剣と言われる炎の鞭を回避しながら『息を限界まで吸い続け』
そして、機を熟したと見計らい駆けて相手の虚を知ると同時に…!!!
 「 ――喝
      ァ
       ア
        ア

        / ̄ ̄ ̄ ̄/
         ̄ ̄ノ / 
          / /   
        ∠../ 
              !!!!!! 」
 『張り叫ぶ』!! 
 武術家にとって、肺活量とはなくてはならぬもの。京香は生まれながら
強くなるのを夢みて誰よりも必死に鍛えてきた。そして声もばかでかい!
 その大声で敵の虚を一気に開き…まがり通る!
「ふぅ  ――ん!!」
 正拳突きが、その剣客の腹に吸い込まれんとする…!

395波留 ◆PBGJytd9pw:2015/01/09(金) 12:21:48

 肉薄する、四肢を全力で動かし刹那の咆哮を伴って剣客の懐へと。

だが相対すべし相手とて場数をこなれてない新米でもない。その咆哮の
虚を解き、京香向けて更に刃に纏う焔を昇華させ上段で振り放とうとする。
 勝負は一瞬、命のやり取りならではの脳内麻薬が伝番し視界の中の速度が緩やかになる。
 京香は腰に据えた拳を振ると同時に、ある思い出が呼び起された。

―とおたま!
 まだ自分が幼少の頃、紅葉のような手をして乳歯も生えるかの間際。
『とおたま! わだすも波留式のぶじゅじゅ覚えてぇだす! わだすも兄様や
ほかの波留式の武術家みてーに強くなるだす!』
 そう、我儘を零してた頃。当然ながら父は強く拒否を示した。当たり前だ、女は
外に出ず家の中を守れと言うのが暗黙の世の掟。女は針仕事を行い竈と風呂焚きの
世話をすれば良いと言うのが当然の慣わしなのだから。
 けど、兄様は違った。
『…父上。京香の意思は固いよ、そして何よりも波留式流は非力が世の荒波に
打ち克つ為に築きあげた物や。…京香が得た波留式流は、いずれ大きな波と
なって美しい飛沫を見せると…僕はそう思うんや』
 そう、儚い笑みで言うた、あの時の言葉と瞳の光をわだすは一度たりとも忘れた事はなか。
あれから十数年、波留式に習い正拳突きを日夜行いますた。
 普通の突きと異なるは、岩や大樹を相手でなく、氷壁の膜や障子の紙向けてと
言う少々風変りなもんに対しての正拳突きの特訓。兄様や父様は言うていた。
『えぇか京香。剛力だけが武術でない、理がなければ如何なる力とて脆い。
忘れるな。どのような強大なもんも、理を知れば…』
               ――打ち克つ!!
「破ィィイヤァ!!」
 剣客の水月向けて正拳突きを放つ! 狙いは、腹部の皮一枚!!
心の臓でも、骨でもない。表皮一枚だけに拳の全ての力を放つ。
それはどのような結果になるか。
       ・・・   ド  サァ
京香が水月を放ち、その場で拳を戻し立ち止まる。
 剣客は、大きく振りかぶった剣から炎を縮小させ…無造作に突如
その体を地面へと崩した。
 ―波留式に習いし柔の正拳突き。表皮一枚、その外側だけに打ち放った
衝撃は普通に心臓を砕くよりも強力な振動を剣客の内臓に、脳へとGを
かけさせるほどの威力を示した。
 柔よく剛を制し、波留式流ならではの打法である!!

「     ー押忍!!     あんがとぁした!!!     」
 剣客が倒れ伏した後、残心とばかりに両腕を交叉してキュウッと
京香は一礼を剣客へと向けるのだった。
 【剣客一人を咆哮で制止させ、正拳突きで打ち倒しました。
そんな馬鹿げた実力があるか。と突っ込まないでくださいw】

396 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/10(土) 21:49:35
富道の記述より具象化された剣士達には練度も知性も存在しなかった。
彼らはあくまで剣術の体現者であり、それ以上の――人格のようなものは持ち合わせていない。
打ち負かすのはそう難しい事ではなかった。

しかし勝ちは勿論勝ちだが、やはりその中にも上下がある。

>「     ー押忍!!     あんがとぁした!!!     」

波留京香の勝ち方は、久礼にとって上々のものだった。
刀と火行を操る対手に拳一つで勝利したのだ。

久礼は表面上は静的に見えるが、実際には正反対の人間だ。
負けを嫌い、弱さを嫌い、常に強さへの渇望の炎を胸中に燃やしている。
その炎が、一層強く燃え上がった。

「……倉橋さん、でしたか。この水行、今は温存させて頂きます」

久礼はそう言うと打刀を鞘に収め――小太刀の鍔元に手を添えた。

無謀な行いである。
抜刀術は、その別称を坐合と書く。
読んで字のごとく座した――臨戦態勢にない状態から素早く刀を抜き、斬りつける為の護身術だ。
一度抜いた刀を鞘に収めてまで使うような技術ではない。

そして――火行の剣士が動いた。
炎による晦ましで初動を隠しての唐竹割り。単純、故に速く、そして力強い。
ただの抜刀術では太刀打ち出来ないほどに。

「……八千死流『小太刀』」

にも関わらず久礼の小太刀は、対手の首を切り落としていた。
胴体から離れた頭部――その視線が久礼の右手へと動く。
そこでは順手で抜いた筈の刀が、逆手で保持されていた。

一瞬にも満たぬ間に閃いた斬撃を、君達は捉える事が出来ただろうか。

八千死流『小太刀』は神速の抜刀術である。
その肝要となるのは精妙を極める指先の動きだ。
抜刀した瞬間に刀を一度手放し、柄尻を親指と人差し指の先で挟む。
面ではなく点で保持する事により、刀は振り子の如く弧を描くのだ。
対手を殺める為の最小の斬撃軌道を。
小太刀とは即ち、弧太刀の意である。

この『小太刀』は君達への、久礼なりの挨拶だった。
君達が流派の秘伝、その一つを見せるに値する同業者であり、戦士であり、武芸者だと認めた証だ。

と、四つ転がった剣士の死体が音を立てて黒煙を吹き始めた。
周囲の闇を煮詰めたかのような色合いだ。
だがそれは闇に還るのではなく、新たな姿を形成していく。

紙――の切れ端だ。
先程聞こえた富道の口上がそのまま記されている。

「……男爵?」

「あはは……まぁ、期待してるって事だよ。つまらない死に方をして欲しくないとも、思ってる」

冷ややかな声に対して富道は、軽やかながらも嘘を感じさせない口調を返した。
久礼は溜息を吐いて、目を閉じる。眉間には皺が寄っていた。
心中を悟られたくないが故に、表情を押し殺しているような仕草だった。

397 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/10(土) 21:50:47
「やはり……私はあなたが嫌いです、男爵」

そして久礼は小さく、そう零した。

『――さて、少し話が脇道に逸れたけど、正直な話、彼女はこのままじゃ遠からず死ぬだろう。
 彼女は妥協しない。それが彼女の魅力である事は間違いないんだけど、
 絶対に妥協しないなんて事は、人間には不可能だ。誰にだって限界がある。一時、諦めて身を引く事も大切だ』
 
また富道の声が辺りに響く。
今度の記述は先程よりも更に『抜き身』で、流石の彼もやや気まずそうに頭を掻いた。

「うーん、こりゃ勘弁して欲しいなぁ……。いや、ホント悪気はないんだよ」

『だけどそれは、彼女の『士道』に反するらしい。
 士道……こうして文字にしてしまえばたったの一語だけど、それが一体どういう意味を秘めているのか。
 僕には正直理解出来ていない』

声はなおも続き――不意に、周囲の闇が君達へと押し寄せる。
君達の視界が、墨に塗り潰されたかのように奪われていく。

『死を恐れない事?でもそれってただの蛮勇。匹夫の勇って奴だよね。
 忠実な事?けど侍ってぶっちゃけ、現代で言うとただのサラリーメンズだ。
 分からないなぁ。彼女の『士道』とは一体なんなんだろう。それはどこから来たものなんだろう』

暗闇が晴れると――君達の前には大きな道場が建っていた。
看板には『八千死流』の文字が見える。
しかし――周囲に久礼の姿は見えない。

門が不快な軋みと共に、独りでに開いた。
その後も君達を導くように戸や襖が道を示していく。
行き着いた先は――稽古場である。

「入門希望の方、ですか?」

八千種久礼はその入り口にいた。
ただし――背丈は鳥居と同じほどの、幼気な容貌で、だが。
それが『怪異』の産物である事は言うまでもなかった。

「知っていますか?八千死流は、かつては八千種流と呼ばれていたんです。
 八千種は私の遠い遠いご先祖様が、戦働きで賜った家名です。
 常識外、変幻自在の太刀筋を以って対手を屠る……剣術を知らない百姓故の剣。故に八千種」

久礼は歳相応にまだ幼げな顔立ちに喜色を浮かべて、流派の歴史を語り出した。

「ですがある代で、世継ぎが生まれぬまま当主が病死してしまったんです。
 その時に弟子の殆どが技を盗み、去って行ってしまいました。
 残されたのはもう若くない高弟と、当主の一人娘のみ」

少女らしい身振り手振りと表情の変化を彩りにして、口上は更に続く。

「高弟には、剣の才がありませんでした。絶えず努力し、長い長い時を費やして、やっと高弟。
 その程度でした。逃げていった他の弟子達に仕置きが出来るような実力はありません。
 ですが、娘は諦めませんでした。自分だって、八千種の血を引いている。自分が剣を取る。そう決意したんです」

久礼が道着の袖を捲る。
細い腕が露わになった。

398 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/10(土) 21:51:29
「娘には、確かに剣の才がありました。でも、女は女です。同じ術を学べば、男の方が強いに決まってます。
 それでも、娘は研鑽を続けました。力で勝てずとも、女の身でも、女の身だからこそ可能な剣を、ずっと探し続けました。
 来る日も来る日も才能のない高弟に負け続けながら」

はたと、久礼が刀を抜いた。神速の切っ先が君達の鼻先を薙ぐ。
『小太刀』である。

「そして、辿り着いたんです。精妙な指先と、柔軟な体を活かした、新たな『八千種』に。
 幾度となく、実戦であれば死を意味する負けを重ね――
 かつての八千種を盗み、学んだ全ての人間に死を与えた。故に八千死流」

少女の口元に、甚く穏やかな笑みが浮かんだ。

「そう、八千死流は、綺麗なんです。
 そしてそれを今代まで絶やさず伝えてきた私の祖父も、受け継いだ父も、全ての先祖達も。
 ……言ってる意味が、分かりませんか?かもしれませんね。だって――」

前触れもなく、久礼の姿が消えた。
直後の稽古場の中から音が聞こえた。
湿り気を帯びた音――それと共に、障子に赤い斑点が疎らに散った。

『物語』の収束を見る為には、君達はそれを開くしかない。

稽古場の中では、幼い姿をした久礼が、君達の知る姿の久礼に刀を突き立てていた。
何度も、何度も。そうして腹を切り裂いて、果てには腸を掻き出した。

「――私の腸は、こんなにも汚いんですから。私には……私にも、分からないんです。
 どうしたら私は綺麗になれるのか……なんで私はこんなにも濁っているのか……」

久礼の気配が変わった。

「私、綺麗なものが好きなんです。だから、見せて下さい」

君達の眼の前にいるのは久礼であって久礼ではない。
彼女の過去を基にした『怪異』だ。
富道すら知り得ぬ筈の過去が何故、百物語に顕れたのか。
その理由を考える暇は――恐らくないだろう。

久礼が刀を担いだ。
『小太刀』の術理は、何も抜刀術でなければ使えない訳ではない。

「八千死流――『小太刀』」

神速の横薙ぎが、君達の首元へと放たれた。

399 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/10(土) 21:56:06
本スレに書き込めないのでとりあえずこちらに
何か質問とかあったら言って下さい

400鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/11(日) 20:12:57
皆様、投下お疲れさまです。

今回は鳥居が一番のほうが良いのかな?
京香さんは自力で小太刀を避けられるし、
倉橋さんには間が必要だもんね?
いちおう確認したいです。

401 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/14(水) 00:41:55
連続投稿に引っかかったので途中で投下が終わっています
あと波留さんのレスがどうしても投下出来なくて適当に分割したらコピペミスしました
深く反省してます

402波留 ◆PBGJytd9pw:2015/01/14(水) 00:58:12
お気になさらないでくださーい。

403倉橋:2015/01/18(日) 21:44:41
すいません。忙しいのと体調不良で土日書けませんでした。
当分投下できそうにないので、どなたか先にお願いします。

404鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/19(月) 00:11:15
みなさまお疲れさまです。

倉橋さん、了解です。
ここは何にも気にしないで
ゆっくり休んでいてください。

次、鳥居が書きます。
斬られやくみたいなものだし
久礼さんと絡むのは京香さんか
倉橋さんが適任と思いますので。

405鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/19(月) 19:53:02
お疲れさまです。
お手数なのですが代行をお願いします。

406鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/19(月) 19:53:35
>「     ー押忍!!     あんがとぁした!!!     」

(えぇ〜!)

鳥居の予想を裏切り、波留京香は強かった。見立て通りの女の四肢から生み出される速度は術や魔術によって強化されているわけでもない。
しかし目をみはるほど峻烈であり、まことしやかな流水の動きを生み出していたのである。
おまけに最後の感謝の言葉。それはまるで元旦の朝のような晴れやかさだったのだ。

その一方での久礼の八千死流『小太刀』。
その手品のような洗練された抜刀術に、鳥居は妖しい美しさを感じていた。
気が付けば剣士は四等分。周囲の闇は次なる舞台を生み出している。

そして再び聞こえてきたのは富道の声。

>『死を恐れない事?でもそれってただの蛮勇。匹夫の勇って奴だよね。
 忠実な事?けど侍ってぶっちゃけ、現代で言うとただのサラリーメンズだ。
 分からないなぁ。彼女の『士道』とは一体なんなんだろう。それはどこから来たものなんだろう』

「む〜」

闇が晴れればそこには稽古場。そこには鳥居と同じくらいの幼子の姿をした久礼。
彼女は八千死流の誕生した経緯を語ってくれた。
だがしかし、開けた襖のむこう側に広がるのは何とも恐ろしい光景だった。

>「――私の腸は、こんなにも汚いんですから。私には……私にも、分からないんです。
 どうしたら私は綺麗になれるのか……なんで私はこんなにも濁っているのか……」

枯れた稽古場に咲いていた一輪の死の華。
それは紅く美しいものだった。

(……久礼、さん!?)

>「私、綺麗なものが好きなんです。だから、見せて下さい」

>「八千死流――『小太刀』」

一瞬夢とも見誤るような妖かしの剣技。

407鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/19(月) 19:54:38
久礼の剣は動きだけを見ればそれはまるで舞踏のような美しさだ。だがそれは人を殺す術。
先祖から代々受け継がれ研鑽してきたもの。

鳥居はふと、マリーのことを思い出す。
彼女は自分を正しいと肯定はしていなかった。だが己の敵を肯定もしていなかった。
ゆえにその天秤は迷いもなく、殺人の裁定を下せた。
ある種の強い主義がその殺人術を淀みないものとしていたのだ。

しかし幼き久礼は迷っている。生まれもったものに嫌悪を感じている(?)
己が欲しくて求めたものになら欲するための理由が生まれるものだが
久礼のは生まれたときから目の前にあったものだ。
それなら彼女自身を否定する彼女の心のうちなるものとはなにか?
それに対抗し得る外的要因とは?

鳥居の首筋から鮮血が迸る。
避けてはみたものの普通に斬られていた。
着地のするときに目眩をがして床に転がる。

「京香……さんっ」
血が抜けて、ぼんやりした鳥居は波留の名を小さく叫んでいた。
その一言は願いをこめたものでもあった。

格闘家の京香なら久礼に斬られてもよい覚悟があるはずだ。
お互いに士道を持つものなら純粋に命をかけた技のためしあいができる。己のすべてをさらけ出すことができるのだ。

408鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/19(月) 19:55:55
あとは倉橋冬宇子。死王との戦いのあと、鳥居は守ると誓った。
久礼の目的が勝利することだけなら間髪入れずに倉橋に斬りかかるはず。
でもそれは余計な心配事でもあるかもしれない。
久礼が剣客でもない者を斬る理由もないはずだ。
それにこちらには京香がいる。

鳥居はむっくりと起き上がると倉橋の前に立ち神気の鞭を身構えた。
万が一にも、想い出を共有している者を失うわけにはいかないのだ。

「この久礼さんのお話(怪異)を終わらせるためには終わるという認識が大切なのだと思います。
例えば久礼さんが納得すること。美しいを知ること。
倉橋さんは手段を選ばず生き残ることが大切なことですよね?それって貴女が子供を産む女だからです。
それと同じく久礼さんは八千死流という命を守り続けてきました」

「でもそれを彼女は醜いことって思っているようです。ではそれならどうするかです。
……僕は殺しあいを醜いことと考えない者と意思を疎通すれば良いと思うのです」

それは京香だ。ここで、二人の意志疎通によって、富道の知りたいと思っている士道というものが浮き彫りになるのだ。

「あの二人の住む過酷な世界は、僕みたいな生成りや、ぶちきれるまでのんべんだらりな倉橋さんにはわからない世界と思うのです」

【京香さんと久礼さんの戦いを、勝手に見守ろうと言う鳥居】

409 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/24(土) 21:31:54
ひょえーすみません!
レスを読んで満足して代理投下するの忘れてました!
あと波留さん大丈夫ですか!

410波留 ◆PBGJytd9pw:2015/01/24(土) 21:45:10
だいじょーぶです。何だか一人舞台になりそうで
少し気が引けますが。最後には皆さんで協力して怪異に
立ち向かえればと、そう考えてます。

411鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/01/25(日) 00:10:33
お疲れさまです。代理投下ありがとうございます!

今回のテーマって皆さんのキャラがどう思ってたりするのか楽しみなのです

412 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/30(金) 21:30:21
あー、波留さん。投下の目処など立っておりますでしょうか
進捗状況を教えていただければ幸いです

413波留 ◆PBGJytd9pw:2015/01/31(土) 00:13:09
あれ? 順番的に
次に倉橋さんのレス投下と思って待機してたんですが
わたしが先で良いんでしょうか?

414 ◆u0B9N1GAnE:2015/01/31(土) 00:23:37
あー、なるほど。僕からアナウンスすべきでしたね、申し訳ないです
倉橋さんは当分投下出来ないとの事でしたし、とりあえずは波留さんお願いします

415波留 ◆PBGJytd9pw:2015/01/31(土) 21:56:42
了解しましたー

416 ◆u0B9N1GAnE:2015/02/04(水) 21:30:21
投下乙です
あとは倉橋さんですが、今どんな感じでしょうかねえ

417 ◆u0B9N1GAnE:2015/02/11(水) 05:53:10
今週中に返事がなかった場合はとりあえずGMが書き始めます
それまでにもし良ければ生存報告を一度お願いします

418 ◆u0B9N1GAnE:2015/02/14(土) 22:19:22
時に鳥居さんと波留さんもちょっと生存報告頂けますか?

419鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/02/15(日) 19:33:17
はぁい。生存しています。

倉橋さんの体調、心配です。

420波留 ◆PBGJytd9pw:2015/02/15(日) 21:15:32
生存してます。

421 ◆u0B9N1GAnE:2015/02/16(月) 03:51:57
ありがとうございます
じゃあ今日から書き出しますので暫しお待ち下さい

422鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/02/22(日) 22:58:34
すいません。風邪と重なって投下が遅れてしまいました。
代理投稿をお願いします。

本当は心情的なことを書けるはずなのですが
少し余裕がなくってすいません。

423鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/02/22(日) 22:59:47
>「振り切れてしまえば……楽になれるのに。黒も、白も、選べずに。
 それを飲み込む事も出来ないくせに……だから濁ってしまう」

>「八千死流――『細切』」

突如、久礼の死体が起き上がり攻撃してくる。
勿論、武道の心得もない鳥居はどう転んでも斬られるだけ。
それならと開き直った鳥居は久礼に捨て身の体当たりを慣行するのだった。

「少なくとも今だけはふりきれていますよ…」
久礼の図星の言葉に鳥居は無表情で返す。
そう。これは倉橋の言う通り怪異なのだ。
ここでならサーカスのショーのように観客の反応を気にすることはない。
障害を乗り越えるのに人である必要もない。
至極単純でいられる。自分を後押ししてくれる倉橋を守るためにも。

424 ◆u0B9N1GAnE:2015/02/26(木) 02:51:42
代理投下しました
遅くなってしまいましたがご自愛下さい
自分もつい先日まで風邪ひいてました

425 ◆u0B9N1GAnE:2015/03/06(金) 06:00:18
めちゃくちゃ遅くなってしまって大変申し訳なく思ってます!
投下しました!

426鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/03/09(月) 22:04:07
代理投稿ありがとうございます。
リアルがたてこんでたり、また体調を崩しそうになったり
やばかった〜。

GMさんも波留さんもどうか御自愛ください。
倉橋さんも心配です。

御手数ですが代理をお願いいたします。

427鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/03/09(月) 22:05:00
>「だから私は、戦うんです。勝てば今より強くなれる。負ければ……きっと私は強さに向かってまっすぐのまま、死んでいける」

鳥居は立ち上がっていた。
己の血で真っ赤に染まった顔面。
両の眼だけが光っている。

(なんて潔い人なのだろう)
久礼はなんとなく京花に似ている。

…視線の先には再び八千死流の構えを取る怪異。
と同時に鳥居は思う。
あの人は知的で繊細な剣をふるう。
だとしたら鳥居が吸血鬼と理解している次に狙ってくるのは…

>「――八千死流」

>「『榊葉』」

跳躍してくる久礼に対しうしろむきにしゃがみこむ。
例えるならカポエイラのような構え。
武道にはじゃんけんのように優位に対抗できる構えがあるという。
ちなみに強いお相撲さんは自分の構えになると負けないという。
だから直ぐに立ち上がりそれをしようとしたりさせないようにするのだ。

鳥居は久礼の迫りくる刀をぎりぎりまで待ち、
強い腕力を足の代わりに使い跳躍する。
そして足で蹴りあげたのだ!

「あなたの心は真っ直ぐで純粋です。
だからこの僕にも次の攻撃が読めました。あなたの心は純粋に汚れていました」

(決め台詞、ありあとあんしたぁっ!って言ってみたいです)
そのセリフは圧し殺し鳥居は空漠な物思いにふける。
人間は皆心根は同じなのではないだろうかと。

428 ◆u0B9N1GAnE:2015/03/14(土) 01:12:06
投下しました
刀による戦闘はぶっちゃけTRPGに向いてませんよね
TRPGでは戦闘の流れを生み出せませんし、対多数にも向いてないですから、実に残念

429鳥居呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2015/03/14(土) 20:33:21
投下ありがとうございました。

文章が次から次へと浮かんでくるGMさんって
本物の何かを持っているんだろうなぁって
羨望にも似た感情があります。

というのも最近、僕は疲れてきました。
なのでこれから鳥居はいないことにしてください。
今まで御迷惑をおかけしてしまったりしてすいませんでした。
今までありがとうございました。

波留さん、あとはおまかせします。
頑張って下さい。

430 ◆u0B9N1GAnE:2015/03/14(土) 21:27:29
とても残念ですが仕方ありません
また気が向いたら戻ってきてくださいませ
こちらこそ鳥居さんには何度も成長の機会を頂きました。ありがとうございます

波留さんは、どうしましょう
ひとまず今章を終える事を目的に続けるといった形でよろしいでしょうか

431波留 ◆PBGJytd9pw:2015/03/20(金) 19:16:10
新参者でして言うべき事が見つかりませんが、私は倉橋さんや
鳥居さん。他の大正奇譚に参加したみなさんのキャラが好きですので
何時までもお帰りお待ちしてます。

GM様の想定通り、今章を終えるのに目的で続けると言う形で
私も問題ありません。おつきあい宜しくお願いします

432 ◆u0B9N1GAnE:2015/03/25(水) 05:09:04
もしかしなくても大正スレ落ちてますね
進行はこちらでしましょうか

433名無しさん:2015/11/23(月) 23:41:52
全国の皆さん、オワコン社長をよろしくお願いします。気に入ったらチャンネル登録!!
http://www.youtube.com/watch?v=aSMLi2uOkvk
http://www.youtube.com/watch?v=cbwrnLKERpA
http://www.youtube.com/watch?v=gPevsHpSj-Y
http://www.youtube.com/watch?v=9ekKaVB5uHg
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http://www.youtube.com/watch?v=hekgfuTcX6o
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