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82織理陽狐/送り妖怪戦闘部隊:2011/06/05(日) 14:31:14 ID:DDrxEC0A
>>81
様子を変えはじめる夜行神に、織理陽狐が視線を移す。
――どくり、どくり
身体に直接響くような胎動を繰り返す巨大樹。その内に潜む「胎児」を見て、
織理陽狐は目を見開いた。

「これは……」


東雲らの前に立ち塞がる、貪欲な魔王。
苛立つ彼女から溢れだす妖気に、しかし二匹は一歩と引かない。
波旬の強さは百も承知。
覚悟は、この城に入った時から完了している。

「ムカつく顔しやがって……和戌!!」
「わぁかってるよ!」

掛け声と共に、和戌が突如その姿を変えた。
胸にサラシを巻いた、橙色の短髪の女に。
今まで、和戌は変化などできないはず、だった。

「あんたらを倒す為に強くなったのは犬御だけじゃないんだ」

波旬を指差し、戦闘の構えをとる。
ごおっ!! と炎が噴き上がり、和戌の腕や足を取り巻きはじめる。
同時に犬御も、鋭利な風を爪に纏わせる。

「肥やしになるのは、テメェの方だ!」



「!?」

石英の槍が、突然に辺りを包囲する。
送り妖怪たちが恐怖や威嚇を混ぜた視線を、出口町に向けた。

「君は……あの時の!?」

四十萬陀は驚いたようにいうが、ぶんぶんと頭を振った。
もう一度顔を上げた時は、覚悟の据わった表情で。

「悪いけど、行く手を阻むつもりなら」

四十萬陀は、その姿を小さな雀に変え、翼を広げた。
送り妖怪たちがゆっくりと動き始める。

「五月、双葉!!」
「了解っ!」「……」

掛け声と共に二匹の送り雀が飛び上がる。
石英に包囲された銀盤に、視界を阻む薄霧が包み始める。
彼女らの戦闘セオリー、その一だ。

「――無理矢理にでも進ませてもらうじゃん!!」

83波旬/出口町 入江:2011/06/05(日) 15:25:31 ID:tElbSrz.
>>82

「あはははははははッ! そうか、強くなったのか!!
 私達を倒す為にッ!! じゃあその力・・・遠慮なく頂こうか!!」

 おぞましき貪欲の波長が辺りを支配した。
 波旬は右手に犬御のカマイタチを、左手に和戌の焔の爪を写し取る!!

「何を驚いているんだい? 忘れたかい!
 私は誰にでも成れるし、誰よりも優れているんだ!!」

 その妖気の大きさは!
 二人のおよそ倍! まったく同じ力を倍化させて奪い取ったのだ!!

「取るに足らないがそれなりに『良い』力だね!! あははははははははッ!!」

 高々と笑いながら、その両手を合わせ。
 風と炎の混じった砲弾を装填する!
 それは・・・二人の力を倍化させ、さらに融合させた恐るべき灼熱!!

「炎刃砲!!」

 灼熱の光球が、風の速さで撃ち出された!!




「ダメ! 絶対・・・、進ませない!!」

 飛び立つ送り雀達を睨み、固い決意の言葉を放つ。

「針山九合目・尾根渡り!」

 石英の薙刀を作り出し、霧の中に構える。

「姉さまの邪魔だけはさせない・・・! この身体だってくれたんだ!!
 消されかけた私をちゃんと女の子って言ってくれたんだ!!」

 その不相応に大きい薙刀を振りぬき、
 石英の弾丸を撃ち飛ばす!

「お前達なんかを姉さまに近づけるか!!」

 しかし・・・その中にはどこか迷いがあった。
 あの狐も・・・織理陽狐も自分のことをしっかりと見ていた。

 姉さまとあの狐・・・どちらが正しいのだろうか?
 いや、でも。少なくとも目の前の者達は姉さまの敵、全力で対処する!!

84送り妖怪戦闘部隊:2011/06/05(日) 15:54:37 ID:DDrxEC0A
>>83
「くっ……」

そっくりそのまま、炎と鎌鼬を写し取られる。
更に、その力は倍ときた。
分かってはいたが、強力な能力。和戌は苦々しく顔を歪ませる。

そして、風と炎が混合された炎刃砲が撃ち出された。
二人に目掛けて飛んでくるそれに合わせて、和戌と東雲も能力を混ぜ合わせた。
炎と風の盾が、炎刃砲とせめぎ合う。
だが、その力は自分たちの倍。
力を混ぜ合わせた、その倍の力に、次第に押されていく。

「ぐッ……、犬御!!」
「!?」

このまま押しつぶされては共倒れだ。
和戌は、隣の東雲を蹴り飛ばした。
突然のことに対処ができず、犬御は横に放り出される。
そして次の瞬間、和戌は炎刃砲に吹き飛ばされた。

「和戌!!」

東雲が叫ぶ。
ぐぐ、と体を持ち上げた和戌の全身が、焼け焦げていた。

「厄介な力だね……」




石英の弾丸が飛散された。
しかしこの霧の中、狙いの定まらない弾丸を送り妖怪たちは軽々と避けていく。

「窮奇は私たちの仲間をたくさん傷つけた。お返しはするじゃん!」

四十萬陀は一人高く舞い上がると、次々に仲間たちに指示を飛ばした。
双葉の力により、霧の内部でのみ、送り妖怪たちの思考が共有される。

戦闘セオリー、その2。
“炎水包囲”

出口町の周囲を、一斉に四匹の送り妖怪が取り囲む。
翠狼に加え、送り犬、送り雀、送り鼬。
それぞれが水弾、炎弾を出口町に向けて放った。
だが本来、炎水包囲は五匹、和戌を加えて完成するものだ。
一匹がいない分、穴が空いてしまう。

85波旬/出口町 入江:2011/06/05(日) 17:22:00 ID:???
>>84

「厄介? どうしようもないの間違いだろ!!」

 風の力を足に纏い、貪欲の魔王は高速で詰め寄った。
 その炎熱の手が、和戌の首を掴む。

「あはははははッ! ザマァ見ろ雑魚が!!」

 ジリジリと、焔が和戌の肉を焼く。

「ところでそこの薄汚い狼、これ見てどう思う?」

 貪欲は更に犬御や和戌の魂を覗き見る。
 その性格の悪さは、確かに魔王たるドス黒さをむき出しにしていた。

「悔しいだろ? 悔しいよね! お前があんな風にまでして手に入れたかった力を!!
 こんなにアッサリ手に入れちゃうんだからさぁ!!!」

 ただただ優越感に浸りゲラゲラと笑っていた。
 その力の意味や使い方に一切の疑問も持たず。
 ・・・だから窮奇にも見限られたのだろう。

「私は窮奇を殺して、今度こそもっと完璧に転生する!
 もっともっと・・・強くて完璧で! 最高の妖怪に成るんだぁ!!!」



「・・・ッ!?」

 周囲から放たれる炎弾と水弾を翼で受けるが、
 その翼は水圧に折れ、大きく煙を上げる。

「グ、ギギ・・・よくも! 姉さまから頂いた身体を!!」

 回る獣達の僅かな隙、本来は和戌が埋めるべき場所をとっさに探り!
 大きく跳躍して陣の中から脱出する!

「何がお返しだ! お前達まともな妖怪だって・・・!
 私の仲間を・・・、紫狂の友達を奪っていったじゃない!!」

 その涙をいっぱいに溜めた瞳で、仲間達と戦う送り妖怪達を憎憎しげに見つめる。
 その想いは嫉妬か、憎しみか。
 否・・・ただの八つ当たりなのかもしれない。

 織理陽狐によって、嫉妬の念はほとんど解けていたが。
 彼女を未だにここに縛り付けている想いは・・・。
 無理矢理掘り起こされたとはいえ、四十萬陀と同じ仲間意識からだった。

「あなた達なんかに・・・、幸せな奴等なんかに紫狂が負けてたまるか!!」

 黒い妖気が溢れかえり! 部屋全体を覆いつくす。
 それは・・・窮奇ですら使ったことのない、獄門鳥の奥義だった!!



             【針山先端・残虐殿】!!!


 四方八方から白い槍が噴き出し!
 その石英が更に砕け、細い槍が辺りに噴き出す!!
 さらにその槍から、更に細い針が・・・

 数多の枝分かれを繰り返し! 部屋全体はまるで白い菌糸が張り巡らされたように白く染まっていた!!

86送り妖怪戦闘部隊:2011/06/06(月) 21:00:44 ID:/AfNAO.Q
>>85
「うああ゛っ!!」

灼熱の手に首を掴まれ、ジュゥゥと肉が焼け焦げる音がする。
皮膚が焼け爛れていく痛みに、和戌が悲痛な叫びを上げた。
東雲はその場から弾かれたように起き上がる。

「テメェッ、その手を離しやがれ!」
「来、ちゃ駄目だ犬御!! コイツの思う壺……うあああ゛あ゛……!!」

喉が焼けて、次第に叫び声すら小さる。
ヒュゥヒュゥと息が抜ける音。
力が抜けていく腕。

――目の前で仲間がやられるのに、俺は立ち尽くす事しかできねェのか。
――あの時のように?

東雲の見開いた赤い瞳の奥に、血濡れた光景が映った。

「……させるかァァァ!!!」

怒りに頭を支配された東雲は、考えもなしに波旬に向かい爪を振りかざした。
分かりやすい挙動。考えなしの行動。
だが頭に血が昇った東雲は止まらない。
和戌の制止の声も、まるで聞こえていないように。





「やったか……!?」

霧に合わさって煙が上がり、出口町の姿を確認できなかった。
だが、妖気は消えていない。
感付いた四十萬陀が指示を飛ばす一瞬前に、出口町が和戌がいるはずの場から飛び出した。

(しまっ)
「皆、逃げ――」

だが、遅い。
溢れ返る黒い妖気。逃れることの出来ない強大な力。
無作為に張り巡らされていく残虐殿が、送り妖怪たちに襲い掛かる。

「!!?」

四十萬陀の頭の中に、負傷した仲間たちの痛烈な傷みが反響した。
一、二、三……傷を負うものたちを尻目に、石英は菌糸のように枝を伸ばしていく。
四十萬陀のほんの一寸隣を、石英の枝が通り抜けた。
ぞっ、と背筋が凍る。

残虐殿が完成すると同時に、部屋に張り巡らされていた霧が晴れた。
驚いた四十萬陀が慌てて辺りを見回すと、石英の枝に翼を傷付けられた五月がぐったりとうなだれていた。
遠くから空を切る音がして、双葉が飛んでくる。

「五月!!」
「ごめん双葉……やられちゃったわ」

小さく鳴く声はか細い。
彼女たちの戦闘の要であった霧が晴れ、思考共有も効果がなくなってしまった。
――危機的状況。
他の仲間たちも、すぐに立ち上がる者もいるが決して全員ではない。

「……ちょっとまずいじゃん」

強張った表情で、四十萬陀が呟いた。

87波旬/出口町 入江:2011/06/06(月) 21:28:01 ID:???
>>86
「あはははははっ! やっぱり愉しいなぁ・・・欲しいものを壊すのはさぁ!!」

 犬御の拳が、硬い音を立てて空中で静止する。
 犬御の拳を阻んだそれは・・・あろう事か犬神の赤い結界だった!!

「あはははははははははっ! ザマァ見ろ!! 結局お前等は、欲しいものなんて何にも手に入らないんだよぉ!!」

 高らかと上がる、悪質な笑い声。
 ジリジリと火花を上げる結界越しに犬御に語りかける波旬。
 左手で掴んだ和戌の首からいっそう大きな煙が上がった。

「わかるかい? これが強さだ! 私は誰よりも優れているんだから!!」

 あまりの気持ちの昂ぶりに、障壁に僅かなヒビが入っていくことに気付かなかった。

「私が欲しくて、手に入らないものなんて無いんだぁああああ!!!」




 完成した針山、文字通りの地獄絵図。
 なれない身体での発動に出口町は消耗し、薙刀を杖のようにして体重を預けた。

「ふぅー、ふぅー・・・あ、ははは! やった!! 仕留めた!!」

 身動きの出来ない敵たちを前にして、出口町ははしゃぐ。
 その眼は完全に紫濁し、本来の意義を見失ったようでも在った。

「やっぱり紫狂は強いんだ! 幸せな奴等やまともな奴等なんかに負けないんだぁ!!」

 しかし、はしゃぐその両目から。
 不意に涙が零れ落ちているのに気付き、僅かに驚く。

「あ、あれ・・・なんでだろう? あ、あははははは・・・バンザーイ」

 ただただ濁った瞳で、乾いた勝利を歓喜していた。

88送り妖怪戦闘部隊:2011/06/06(月) 21:59:24 ID:DDrxEC0A
>>87
「くそッ……!!」

鎌鼬を纏った爪が止まる。
しかし東雲は拳を持ち上げると、赤い結界に向かってもう一度振り下ろした。

「黙れッ! 黙れェェ!!」

何度も、何度も。
その度に、硬い音と共に攻撃が弾かれる。
拳が傷つき宙に血雫が飛ぶ。

「俺はテメーみたいな奴が大ッ嫌いだ!」

視界の端に映るのは、息も絶え絶えの和戌の姿。
耳にこびりつく粘っこい笑い声。

「強さってのは他人の大事なモンを簡単に奪う。否定するように壊す!!」

――ドクン。
心臓が大きく鼓動する。
悔しさとは違う、その魂を支配するのは「怒り」や「憎しみ」だった。

――ドクン、ドクン。
一陣の風が東雲の体を取り巻く。
何度も、何度も、拳を振り下ろす度に、
東雲の妖力が溢れだすように増していく。

(だから俺は強くなる。もうこれ以上――)

ドクン!!

「テメェなんかに、何も奪わせねェ!!!」

ゴオォォォッ!!!
巨大な風嵐を纏った拳を、ヒビの入った結界に振り下ろした。




「くぅっ……」

四十萬陀は悔しげに呻きながら、はしゃぐ出口町を睨んだ。
部屋全体に張り巡らされた石英の枝。
地面に臥す傷付いた送り妖怪の数は五匹、そして能力の使えなくなった双葉を加えて一匹。
残りの送り妖怪は、四十萬陀を含めて六匹となった。

(諦める訳にはいかないじゃん。
 だけど、ここからどうやってコイツに――)

そこで、四十萬陀ははっと目を見開いた。
殆ど勝利が確定したはずの出口町が、その瞳から涙を零したことに。

『幸せな奴等や、まともな奴等なんかに』

出口町が、何度も繰り返した言葉。

(この子は……)

真っ黒な瞳を揺らめかせて、四十萬陀は立ち上がった。
その姿を、出口町と同じ少女の姿にして。

「どうして、泣いてるじゃん」

89波旬/出口町 入江:2011/06/06(月) 22:22:49 ID:???
>>88

 沸き上っていく妖気、しかし波旬はその力を更に上回っていく。
 まるで虫の行列を応援するかのように、血飛沫を上げて何度も殴りぬく犬御を見定めていた。
 相手が強ければ強いほど好都合、貪欲はやはり残酷に。
 強くなっていく犬御の妖気を倍化させて写し取っていった。

「ほらほら頑張れ頑張れー、どーせ無駄・・・ガァッ!?」

 突然だった。
 現れた腕に波旬は殴り飛ばされ、和戌を手放して地面に叩き伏せられる。

 ガラスの砕けるような音がした。
 波旬を守る赤い結界が、脆くも犬御の拳を貫通したのだ。

 砕けた破片が、どこか面影のあるあの形になり、犬御の振りぬいた腕に纏わり付いた。
 まるで「落ち着け」と言わんばかりに、その手を包みながら消失する・・・。

「う・・・ぐ、チクショウ・・・またッ!!」

 ギリギリと歯軋りする波旬が立ち上がった。

「またこんな要らない物のせいでぇええええええええ!!」

 波旬の貪欲は、犬御の長所を完全に写し取ってしまった。
 またしても・・・波旬を害する長所すら。

(チクショウ・・・どうする!? アレが出てきた時点で・・・この一番強い力は使い物にならない!)

 初めて相手より劣った窮地に、波旬は頭を回す。
 焦りの混じった貪欲の波長が犬御の心の闇に触れたとき、ニタリと閃いた。
 波旬は犬御の心を解析し、もっとも攻撃しにくいという長所を写し取った顔になる。

 それは・・・あの時、大きな犠牲を出した、
 三百年前の傷ついた四十萬陀の姿だった・・・。



「!? な、なによアナタ!!」

 いきなり起き上がり、満身創痍であるはずなのに。
 臆面も無く自分に近づいてくる四十萬陀に驚愕し、石英の薙刀を振りかざす。

「ち、近寄るな!! 今度こそ串刺しにするぞ!!」

 九合目の針山は、僅かに震えていた。

「あなた達なんかに・・・わかるもんか!!」

 なれない口紅の塗られた口が怒声を吐き出し、
 白い串刺す薙刀を大きく振り下ろした!

90送り妖怪戦闘部隊:2011/06/06(月) 23:05:17 ID:DDrxEC0A
>>89
――パリィィィン!!

障壁が破れる音と共に、東雲が拳を振り抜いた。
同時に、和戌がどさりと地面に落ちた。
波旬の頬を殴り飛ばした態勢のまま、胸を激しく上下させる。

「はあッ、はあッ」

東雲を中心に巻き起こる妖気の渦が、段々と彼の内へ潜まっていく。
視線の先には、砕けた障壁を纏う腕があった。
破片はしばらくして消滅してしまったが、東雲は脂汗を浮かべながら瞳を閉じ、腕を体に抱いた。

(……悪ィな)

すうっと頭が落ち着いていくのが分かる。
妖気の波長が落ち着いていく。

東雲の力の引き金は、まさしく「怒り」。
彼の中で憎しみや怒りが増徴すればするほど、それを糧に、妖力が跳ね上がるのだ。
ただし、東雲自身にその自覚はないが。

和戌の無事を確認すると、東雲は波旬を見下ろす、

「!!!」

――が、
その瞬間、東雲の体が硬直した。
波旬の顔が、変化している。
肩を過ぎる程に伸びた黒髪。
人形のような白い肌。
黒曜石のような瞳をした、今よりずっと幼い顔。

「七、生」





「――確かに、私にはわからないかもしれないじゃん」

ぽたり、ぽたり。
振り遅された薙刀の切っ先が、四十萬陀の額に血を浮かばせた。
震える刃を目前に、少女は動かなかったのだ。

頬を、赤い血が伝いおちる。
周囲の送り妖怪たちは、固唾を飲んで二人を見ている。
四十萬陀の顔は僅かに恐怖を滲ませてはいたが、真っ直ぐに出口町を見ていた。

「でも、本当に君は一人?」

誰も自分のことを分かってくれる人がいないのなら、なぜ出口町は戦うのか。
――何の為に? 誰の為に?
四十萬陀の黒い瞳に、金色の灯が燈る。

「私の知ってる人が言ってたじゃん」

白い着物をたなびかせ、桜吹雪の舞う木の上で。
提灯を携えた狐がいつかいった言葉。

『不幸も幸福も、望めば手に入るものなのじゃ。
 少し手を伸ばせるなら、絶対にその者は幸福になれる』

四十萬陀が、出口町に向かって手を差し出す。

「気味が不幸だって、まともじゃないって、それを決めたのは誰?」

――手を伸ばして、そう伝えるように。

91波旬ver(幼少七生)/出口町 入江:2011/06/06(月) 23:36:17 ID:???
>>90

「犬御・・・」

 波旬は今までに無く、貪欲の波長を張り巡らせ、細心の注意を払う。

(心の中を写し取っただけでは、完全には騙し込めない)
(それはあの時にしっかり経験して、学んだ)

 波旬は雪花に化けて戦いを挑んだ夜行との戦いを思い出す。
 直接貪欲で写し取れなければ、本人よりも本人らしく化けることはできないのだ。

「・・・」

 ただ無言で、どこか弱く、依存したような目で。
 犬御の懐に擦り寄ったあの日の七生。

(だが臆することはない。一瞬、ほんの一瞬隙があればいい。
 懐に潜り込んで、一撃で抉り取る!)

 犬御の心の闇をそのまま映したような黒曜石の瞳が、真っ直ぐ見上げた。

(今だっ!!)

 心の揺らぎを見切り、カマイタチを纏った右腕が犬御の心臓部に打ち込まれようとする!!




 振り下ろされた薙刀は、面と向かう七生の横を掠めていた。
 床に思い切り打ち付けられた石英の薙刀は、鈍い音を立てて折れていた。

「ぅ、うぅ・・・」

 生首だけで彷徨いながら生まれた自分。
 人やまともな妖怪達に阻まれ、そんな醜い形ですら確立できなかった自分の存在。
 ただただ嫉妬していた。
 始めから五体満足で、きちんと存在できて、強くてカッコいい妖怪達に。

「ち、違・・・、でも最初に私を認めてくれたのは姉さまで・・・ッ」

 強さは自分で掴めと叱咤されても、ただ苛立ちを募らせるだけだった。
 それこそお前が死ねば私は自分の力で強さを掴めたのに、と。
 手も無いこの身体でどうやって掴めというのだと。

 だが、気づいてしまう。窮奇も織理陽狐も・・・この目の前の妖怪も。
 自分を歪みだと、不完全なただの噂と見ていないこと。

「やめろ・・・やめろ、やめろ! う、うるさい・・・」

 ただ力なく首を振る。

『キミは本当に一人?』

 七生の言葉が心を揺らす。
 一人じゃなかった、少なくとも。

「道切りも、カエルさんも、金蔓さんも・・・姉さまも。
 友達だったのかな? 友達だって、仲間だって言って良いのかな?」

 少なくとも皆に、まともではないと・・・まぁ言われたこともあったが。
 それでも皆、受け入れていた。
 歪んだ邪気の中にも確かに、儚くも純粋な想いはあった。

 幸福も不幸も、手を伸ばせばどちらでも手に入る・・・。
 では自分が今求めるべきなのは、幸福か、不幸か?

 答えを前にして、石英の銀板は砂の城のように崩れていった・・・。

92送り妖怪戦闘部隊:2011/06/07(火) 00:24:05 ID:/AfNAO.Q
>>91
(違う! 違う! コイツは本物の七生じゃねェ!!)

脳内では分かっている。
だが東雲は頭を振ることも、視線を逸らすこともできなかった。
あの頃の、東雲の記憶に残ったままの「七生」。
東雲がまだ、幼い「犬御」でいた頃の少女。
そして、己の弱させいで傷付けてしまった七生の姿。
それらは、東雲の心を揺らすには充分すぎた。

霞む視界からそれを覗く和戌が、必死に東雲に声を掛けようとする。
しかし焼けた喉からは、虚しく息が漏れるだけだ。
当時、二人の姉のような存在だった和戌も、波旬が変化した七生の姿に動揺していた。

(でも、アイツは七生じゃないんだよ! しっかりしな、犬御……!!)


時が止まったような感覚。
遠い日の思い出が、急に脳内を駆け巡る。
手を繋いで山を走り抜けた、幼い二人の子供の背中。

――あの頃の七生は、とても小さくて
  いつも臆病なアイツの手を、ずっと俺が引っ張っていた。
  何も言わなかったけれど、嫌な顔はせずに着いてきてくれるのが嬉しくて、
  俺はそんな七生が、ずっと、――……


ド、ッ


幼い七生の姿をした波旬の右腕が、東雲の身体を確かに貫いた。
しかし、その直前、
東雲が波旬の腕を掴んだことにより、狙った場所を僅かに外すことになった。
右腕が貫いたのは、――右肺。
纏われた鎌鼬の刄が、彼の体内をぐちゃぐちゃに掻き乱す。

「が、ぐああ゛……!!」

大量の赤黒い鮮血が、とめどなく口内から溢れ出す。
だが東雲の大きな手は、身体に刺さった幼い波旬の右腕を、しっかり掴んで離さない。

(好き、で……)

東雲はそのまま、波旬の体を愛しげに抱き寄せた。


【嵐神・怒豪風】


途端、激しい嵐風が東雲と波旬を切り裂き始めた。
怒りで溜め込んだ妖力を、一気に爆発させるように。
例え波旬が力を倍にしたとしても、この距離では自らも巻き添えを食らうだろう。
東雲は、体を抱く腕に力を込めた。
それは決して逃がさない、とも取れるが、どこか彼女を守ろうとしているようにも思えた。




崩れさっていく石英の銀盤。
元通りの岩窟の壁になり、送り妖怪たちがお互いを支えながら立ち上がり始める。

「……そうじゃん」

四十萬陀は、出口町の目の前でにこりと微笑んだ。

「紫狂は不幸を追い求めていたけど、君たちは仲間だったじゃん?」

彼女がここまで怒れる、仲間意識を持てるほどなのだ。
出口町は一人ではなかった。
仲間の為にだからこそ、彼女は戦えたのだ。

「それに私、きっと君と友達になれる。織理陽狐君だって、皆だって。ね?」

送り妖怪たちが集まってくる。
その視線には警戒が含まれているのは確かだが、明らかな敵意はなかった。
四十萬陀は、差し出した手で、出口町の手を包み込もうとする。

93波旬ver(幼少七生)/出口町 入江:2011/06/07(火) 01:03:11 ID:???
>>92

(取った!!)

 振りぬいた瞬間、確信した勝利。
 しかし・・・

「!?」

 とっさに掴まれた腕。
 しかし貪欲で探りを入れても、それは拒絶するわけでも見破られたわけでもない!
 現に貫いた腕は、現在進行で犬御の身体を引き裂いている!

 むしろ逆、相手は完全に騙されていた。
 騙されていたからこそ、“ただ抱き寄せられた”のだ!!

「こ・・・このッ! これだから男ってヤツは・・・ッ!」

 必死で離れようとするが、今回は相手や自分を引き裂くだけの腕力は持ち合わせてはいなかった!
 そしてこの後は必ず来る! あの時と同じ決死の攻撃が!!
 わかってはいたものの、回避することは敵わない・・・。
 今回は写し取った相手が弱すぎたのだ。

「ギャアアアアアアアアアアア!!!」

 溜め込まれていた、本能の一撃とも言うべき風の攻撃が。
 犬御もろとも波旬の身体を引き裂いていく。

「う・・・うぐっ! チクショウ!!」

 欲しい物はなんでもすぐに手に入る魔王だからこそ、
 その欲すべき、想うべき相手に対する心を、決意を最後まで理解できなかった。
 なんでも手に入ったからこそ、2度もこの想いを軽んじ、敗北したのだ。

「チクショウガァァアアアアアアアアアア!!」

 夜行との戦いで消費しきった身体がとうとう存在を保てずに霧散する。
 その呪詛のような言葉を吐き捨てて。

― 覚えてろよ・・・ 私に手に入らないものなんて無いんだ、できないことなんて無いんだ! ―

 最後まで、ただ相手を嘲る闇そのものが散っていく。

― お前等と違って生き返ることも簡単なんだよ! 30年・・・いや10年だ!!
  10年あれば私は自分の命だって、もう1つ手に入れることができるんだ、ザマァ見ろ!!! ―

 波旬は、貪欲の魔王は・・・今この場より、消失した。




「・・・仲間、友達」

 紫濁ではない、黒く澄んだ瞳が。
 ただ差し出された手と笑みを交互に見据え、迷っていた。

「みんなも・・・?」

 後の者達を見渡すが、やはり躊躇いがちに俯く。
 包まれようとした自分の手を、脅えるように引っ込めようとするが。
 それよりも早く、七生の手の温もりが出口町に伝わった。

「・・・うん!」

 戸惑いながら、脅えながら。
 それでもただ頷いた。

 紫狂の裏切りになるかもしれないけど、まぁ大丈夫だろう。
 なにより窮奇自身が言ってたのだ、「四十萬陀ちゃんは大親友」だと。
 『幸せ』と『不幸せ』どっちも大事で、どっちもかけがえの無い自分自身には違いないのだから。

 石英の小さな鋲が出口に現れ、廊下の道の一本を沿わせていく。

「ねぇ・・・行って、あの標の導く方に。
 あなた達の邪魔はもうできないけど、足止めもしなくちゃいけないから」

 その二つの果ての答えがこれである。

「大丈夫、あの狐さんなら。一人でも大丈夫。だからアナタは行って」

 ニッコリと微笑んだ、要は窮奇の元に誰も生かせなければ『良い』のだ。
 あの人なら最高の足止めになるだろう。

「因縁なんかより、倒すべき夜行なんかより。もっと大切なモノがあるはずだから」

94送り妖怪戦闘部隊:2011/06/07(火) 01:29:51 ID:/AfNAO.Q
>>93
荒らぶる鋭利な風の刄。巨大な嵐風が肌を裂く。
噴き出した血が巻き込まれて、赤い風が東雲と波旬を取り囲む。
怒りと共に溜め込んだ妖力の最大出力は、上位妖怪と遜色ないものだった。
ただし、その攻撃自体に東雲の体が耐えられるかといえば話は別になる。
体を保てなくなった波旬が霧散し、抱えるものがなくなった東雲は、そのまま後ろに倒れこんだ。
右肺は既に使い物にならない。
加えて身体中の器官も、侵入した鎌鼬によって滅茶苦茶に傷つけられていた。
たった今生きているのが不思議なほどの東雲は、波旬の嘲り声に、真っ赤な唾を吐き捨てた。

「そした、ら、今度こそ、ブッ殺、してや、るよ……」

どさり、と地面に俯せに倒れこむ。
憔悴した表情で、東雲は意識を落とした。




手を取ってくれたことに安心して、四十萬陀はにへらと頬を弛ませた。
誰かの手が取れるなら、彼女はもう大丈夫。
決して、不幸じゃない。

出口に現れた鋲が導く先を見て、四十萬陀は少し躊躇うような顔をしたが、
織理陽狐の強さは知っている。
それに、今の出口町は充分信じられる存在だ。

「……うん!」

四十萬陀は頷くと、仲間を集めて出口へ駆け出しはじめた。
だが途中で思い出したように振り向くと、

「今度、袂山に遊びにおいでよ!」

そう明るい笑顔で出口町にいって、四十萬陀は再び背中を見せて駆け出した。
あの幼い頃とは違う、少しだけ大きくなった少女の姿で。

95窮奇:2011/06/09(木) 21:36:06 ID:mwvR0u1Q

 天逆楼の最深部にして中枢部である夜行神の苗床にて、窮奇はあのへばりつくような口調で言葉を連ねていた。

「百鬼夜行絵巻、大陸においての山海経、そして全てのルーツとなる神話・・・。
 特定の時期において、今まで自然の精霊や伝承の一端でしかなかった妖怪は爆発的な勢いで具現化する。
 全てがそうとは言わないけど、何処かの時期でこの夜行神が一枚噛んでいることは確かだろうね。そして妖怪達の百鬼の争いの黒幕の内の1つである」

 胎動する夜行神の前に立つ窮奇。
 その表情はやはり見慣れたあの悪逆に満ちた表情だった。

「わかるかい? この夜行神は・・・“存在を培養する”神なんだ・・・。
 細胞片を卵細胞が取り込めばクローンが生まれるように。僅かな魂の欠片や魑魅にもなれぬ気と-け-もいうべき精霊を取り込み、妖怪として転生させることが出来る」

 挑発するように織理陽狐の顔を指差す。

「もうすぐ産まれるのは私と同等の悪意を持つ、3人の同僚だ。その3つの中には当然、ヤマタノオロチも入っている・・・。
 もちろん巴津火のような出来損ないの幼態は期待しない方が『良い』」

 さも楽しそうに、窮奇は歩み寄ってくる。

「わざわざ竜宮に行って、大き目の記憶の欠片を持ってきたんだからねぇ!」

96織理陽狐:2011/06/09(木) 22:01:27 ID:DDrxEC0A
>>95
「なるほど……お主の百鬼夜行、というのはそういう意味か。
 お主もこの夜行神を使って、転生を繰り返していたのか?」

夜行神を見上げる。
胎動する巨大な幹の中には、彼女と同じ悪意を持ったものたちが、今か今かと産まれる時を待っているのだろう。
毒々しい光の下に、窮奇の悪辣とした笑みが映る。
挑発するように指を刺され、織理陽狐は静けさをたたえた瞳で窮奇を見据えた。
歩み寄ってくる、息が詰まりそうなほどの悪意。
だが――、

「儂は嬉しいぞ、窮奇」

織理陽狐は、この場にあまりに不釣り合いな笑顔をこぼした。

「その百鬼夜行が完成する前に、儂と戦うことを選んでくれて、感謝する」

ふわり、軽い足取りで前に出る。
窮奇との距離を詰める。

そして、空気が止まった。

はっと気が付けば、織理陽狐の表情が鋭いものに変わっている。
思わず震えてしまいそうな、刺すような殺意は、背後の夜行神に向けられていた。

97窮奇:2011/06/09(木) 22:26:18 ID:mwvR0u1Q

「いいや、私達の転生は少し違うよ。記憶や力を受け継ぐだけの転生さ。
 過去の記憶と現在の心がゴチャゴチャでなかなか大変だったんだよぉ」

 だが幸運なことに・・・いや、不幸にも。
 獄門鳥と天逆毎の思想はピタリと一致し、善人を食らうと云われる魔獣・窮奇の名で呼ばれるまでに至った。

 しかし逆心の触手が織理陽狐の殺意の琴線に触れたとき、表情を引きつらせる。
 ドロリとした悪意は、急に張り詰めるような敵意へと変わった。

「・・・やらせると思うか?」

 夜行神を庇う様に黒い触手を噴き出す。
 それは強大な密度で圧縮され、可視にもなった逆心の触手だった!

「残念だねぇ・・・、キミもこれを見れば・・・。
 もう少し喜んでくれると思ったんだけどなぁ・・・っ!」

 目を見開く、古の装束を破くことなく。
 まるで初めからそうであることが前提のように、白い翼がスルリと現れた。
 ドクドクと溢れ出す強大な妖気。

 百鬼の主となり、夜行神の力を一部取り入っているのだろう。
 かつて犬御と対峙したあの時は強大ながらも不安定な波長だったが。
 今回はまるで大山の如く、安定している。

「・・・潰させやしないよ、この存在があれば。もっともっと多くの想いをへし折れそうなんだ。
 幸せなヤツを簡単に不幸せにも出来る、不幸せなヤツの想いをもっともっと加速させることが出来る」

 拠り代の必要が無くなった、完全なる天逆毎が具現化する。
 巨大な獣面の女神は、真っ赤な瞳で織理陽狐を見下ろした。

98織理陽狐:2011/06/09(木) 22:58:32 ID:DDrxEC0A
>>97
完全なる姿になった天逆毎を、鋭い表情をした織理陽狐が睨みつける。
巨大な妖気に対応するように、彼からも三叉の狐の尾がひゅるりと姿を現した。
狐火を灯した尾は、織理陽狐の妖気の大きさを表すように、ずるずると巨大なものになっていく。

激しい轟音と共に、硬い巌窟の地面を突き抜けて、火柱が幾つも燃え上がった。
太い火柱は狐火でできており、橙色の火の粉を周辺に吹き散らす。
金色の瞳は、天逆毎の赤い瞳の奥をじっと見詰めた。
その奥に隠された真意を覗き込むように。

(窮奇、お主は何故不幸を追う?)

織理陽狐がかたり、と下駄で石床を叩く。
同時に、三本の火柱がうねりを上げて天逆毎目掛けて襲いかかった。
その一本は、背後の夜行神を捉えている。

――止めてみせる……必ず!!

ごおっ、と三叉の尾が大きく火を揺らす。
白い着物を覆う羽織りが、熱気をもった風にゆらりと揺れた。

99窮奇:2011/06/09(木) 23:20:16 ID:mwvR0u1Q
>>98

 燃え上がる焔の中から黒い触手が噴き出し!
 夜行神を狙う火柱を灰色の砂に変えて崩してしまう。

 焔の中から猛る声が上がり、おぞましき獣面が飛び出してくる。
 巨大な手が織理陽狐のいる場所を叩き伏せた。

 赤い眼はただ赫々と燃え上がり、不幸だけを見据えている。
 織理陽狐を追うように、黒い触手が織理陽狐へ次々と迫撃を仕掛けていく!


 夜行神は胎動する。
 幸福と不幸の争いを見送る、かつての邪神達。
 人の形ではなく、完全に怪物であるそれは。
 何を想い2人の争いを見送るのか。


 煙を上げる天逆毎は、グルリとあたりを見渡した。
 立ち上がり、夜行神の前に立ちふさがっている。

100織理陽狐:2011/06/09(木) 23:42:48 ID:DDrxEC0A
>>99
火柱を突き抜けた天逆毎の手が眼前に迫る。
叩き潰される寸前の所で、織理陽狐が後ろ脚を蹴った。

後退した織理陽狐を、黒い逆心の触手が追いかける。
三本の巨大な尾を駆使し触手を跳ね除けながら、織理陽狐は右へ左へと攻撃をいなしていく。

体に煙を纏わせながら立ち上がった天逆毎は、
夜行神を守るべく立ち塞がる。
織理陽狐は一本の尾を使い逆心を弾くと、開かれた細い道の間を潜り抜けた。

尾で地面を叩くと、大きく飛び上がる。
高い天井に届くかと思うほど、天逆毎を見下ろすほどに。


風を切り落ちていきながら、三本の尾を天逆毎に向ける。
橙色の燐火が燃え上がり更に尾を大きくさせる。
まるで焔で出来た槌を振り下ろすように、天逆毎に叩き付ける。

101窮奇:2011/06/12(日) 21:37:44 ID:9sTbjS2w


>>100

 高々と飛び上がった相手。
 頭上の織理陽狐を見上げ、思考を巡らせる。

(・・・嬉しいかぎりだね、ここまで真っ直ぐ私に逆らってくれるとは)

 巨大な焔の天蓋が、閻魔の槌のように振り下ろされるとき。
 天逆毎も亡者の腕のような無数の黒い触手で跳ね飛ばした。

 想いの焔は逆心に毒され、無残にも灰色の砂となって崩れ落ちてしまう。

「さぁて・・・想いから来る焔もそろそろガス欠だろう?」

 巨躯を再びその小さな身に収め、いつもの姿に戻る窮奇。
 多少息は上がっていたが、それでもあの悪意ある笑みは絶やさなかった。

「夜行神はもちろん傷つけさせないけど、ここからは本気で相手しよう。
 “夜行神を守る為”じゃなくて“キミを倒す為”に戦うよ。
 ここから先は逆心も使わないし、天逆毎の開放形態にもならないよ。
 大火力バトルで決着なんて、強い方が必ず勝つ戦いなんて・・・あまりに不本意だからね」

(内緒だけど、それは私達が絶対に勝てない戦いでもあるからね)

 ほんの少し、心の中でつぶやいた後。
 ただ楽しそうに、嬉しそうに、窮奇は織理陽狐へと語っていく。
 百鬼の主としてではなく、大妖怪・天逆毎でもなく。1人の妖怪、窮奇として語っていた。

「キミはなぜ私が不幸を追うのか、と考えていたよね。・・・まぁこの際だから教えてあげるけどさ。
 別に私は不幸を求めているわけじゃないんだ。幸せになってほしい方向が、キミ達とは真逆なだけさ」

 悪意の篭った、粘りつく口調。
 それでも彼女が語るのは、心の底からの真意だった。

「あべこべにしたいんだよ、私は。嫉妬と同情の塊さ。
 幸せなヤツほど不幸に成れば『良い』、不幸せなヤツが負けたら気分が『悪い』」

「『悪い』ヤツほどその想いを遂げて欲しい。『良い』ヤツぶってるヤツほど悩んで、苦しんで、『悪い』ヤツになって欲しい」

「救いを求める者ほど破滅させたい、欲深い者ほど失わせたい、自分だけを見る者ほど相対する敵を理解させたい」

 ただただ己の全てを語りかけた。
 心を否定し、想いに逆らうこの在り方の全てを。

「さて・・・第2ラウンドと行こうじゃないか。
 キミも変に隠し事してないで、いい加減に化けの皮を剥がしたらだうだい?
 これから見せる“私”の特性は・・・逆心よりも最低で悪質だよぉ!」

 逆心の黒い触手が束なり、形を変え・・・やがて一本の色鮮やかなのキャンドルになる。
 その先端には、勾玉のような紫の炎が揺らめいていた。

        リ バ ー ス ・ デ イ
「名付けて 【 お誕生日をもう一度 】 」

 夜行神の特性から誕生した百鬼の主・窮奇のみのオリジナルにして、紫狂の象徴のような力。
 その特性の具現を、窮奇は剣のように振りかざした。

102織理陽狐:2011/06/12(日) 22:47:22 ID:DDrxEC0A
>>101
炎が砂と化し地面に落ちる。
天逆毎の瞳を睨みながら、数秒遅れて織理陽狐も着地した。

織理陽狐の前で、窮奇が元の姿に戻る。
大きな妖力を使ったことで、お互い息を荒げていた。
粘っこい笑顔を浮かべる窮奇。
それを織理陽狐は真っ直ぐ見詰める。

一人の妖怪として、窮奇が語った言葉。
その真意を、語りかけられた織理陽狐は、
彼女が語り終えるとしばらく間を置いて、すうと息を吸い込んだ。

「やっと……≪窮奇≫の口から、≪窮奇≫の心が聞けた」

織理陽狐は、とろけるような微笑を浮かべた。
向かい合っているこの状況で、心は暖かく、ただ嬉しいのが、少しだけ可笑しくて肩を揺らす。

「やはり、お主は優しい。だからこそ――お主こそ幸せにならなければ」

紫の焔。窮奇の想いの焔が再び燃え上がる。
心の底を彼女が語ったことにより、以前よりその『願い』を大きくして。

「同情も嫉妬もよい。けれどお主が変わりさえすれば、不幸な者たちをお主が幸せにできる」

「窮寄、儂はお前を幸せにしたい。優しくて、誰かの為に世界を変えようとするお前を」


だから、その為なら。

【送り火・焔魂―ほむらだま―】

美しい金色の焔が、織理陽狐の身体から燃え上がり始める。
大きく、そして強大な炎は、
≪織理陽狐自身≫を糧とし、力強く炎を揺らす。

「化けの皮とは何のことか分からぬが――これが、儂の最後の切り札じゃ」

「儂は全てを持って真っ正面からお主と向き合うぞ」

そのものが炎と化しても、
織理陽狐の瞳は、真っ直ぐに窮奇を見ていた。

103窮奇:2011/06/12(日) 23:28:37 ID:9sTbjS2w
>>102

「あくまでそんなこと言うのか・・・うん『良い』よ。分かった、認めるよ」

 ヤレヤレという風に、ただ肩をすくめる。
 三日月状に歪んだあの目だが、それでも織理陽狐を見つめていた。

「キミは優しいね・・・だからこそ不幸せにしたいよ」

 織理陽狐の妖気の変貌に、キャンドルの焔はグルグルと廻り始める。
 陰は転じ、陽へと昇華し。陽は転じ、陰へと堕落する。
 その動きは陰陽の交じり合うあの勾玉に似ていた。

「願いも想いもステキだね。だからキミさえ変われば、沢山の鬱陶しい幸せ者達を不幸せに出来そうだ」

「織理陽狐くん、私はキミを誰よりも不幸せにしたいよ。
 優しくて、暖かくて、誰かの為に世界にすら挑もうとする・・・誰よりも幸せになるべきキミをね」

 キャンドルをクルリと持ち直し、槍のように携える。
 織理陽狐、その名前はきっと想いの力で願いをかなえる2つの星に由来しているのだろう。
 どこまでも自分とは真逆だとしみじみ思う。

「それでも勝つのは私だよ、お誕生日をもう一度- リバース・デイ - は
 心や定義じゃなくて・・・。魂の在り方そのものを逆転させる力だからねぇ」

 かつて四凶と呼ばれた怪物達が守り神として祭られるように、魂や存在は案外簡単に反転する。
 四魂の荒魂、和魂、幸魂、奇魂が・・・曲玉である争魂、悪魂、逆魂、狂魂となってしまうように。
 それはまるで、幸福と不幸のようにたやすく反転するのだ。

 そのまま真っ直ぐに駆け、振りかざした最善にして最悪の攻撃。
 煌々と燃える紫炎の反逆を容赦なく金色の光に突き立てた。

「さようなら・・・、そしてハッピーバースデー!!」

104織理陽狐:2011/06/13(月) 00:09:39 ID:/AfNAO.Q
>>103
「この焔は儂そのもの」

その身を削り、魂を糧に、命を燃やす金色の焔。
美しく輝くそれは、まさしく命の輝きだった。
白く浮かび上がる着物も、瞬く黄金炎に染まっている。

ぐちゃぐちゃの短髪が揺れる。
身を包む炎と同じ色をした瞳には、真っ直ぐに向かってくる、紫炎の姿が映っていた。
それを避けるわけでもなく、跳ね返すわけでもなく、
織理陽狐は、凛とした出で立ちで、彼女を舞った。

目前に迫る窮寄。
槍のように突き立てられる、紫炎を灯したキャンドル。
新たな、不幸せな狐を迎え入れる準備のように。
それは、金色の炎を貫いた。

「生まれ変わりなどしない。儂は、願いを叶える狐――織理陽狐じゃ!!」








《お誕生日をもう一度-リバース・デイ-か、面白い》








――……ごおっ。

まるで、刻が止まったかのような空間に、炎が燃える音だけが途絶えない。
激しく燃え上がる金色の炎の真ん中を、
全てを逆転させる紫炎の蝋燭が貫いていた。

織理陽狐は、無言のまま。
けれどその時、彼の腕が動いた。
炎が揺らめくように、いや、実際揺らめいて。
燃焼を続け、指先は原型を留めていないほど炎に飲まれつつある、織理陽狐の腕が、
窮寄のキャンドルを、そっと包み込んだ。


「……――幸せになろう、窮寄」


額に浮かぶはず脂汗も、炎と化した今では見ることができない。
表情だってどこかぼんやりとしている。
けれどその言葉に、嘘偽りはなに一つない。
織理陽狐の魂が語る、心の底からの言葉。

「儂が、望むほど、お前は拒否するかもしれぬ。じゃが、それでも儂は、」

「共に、幸せでありたい……」

105窮奇:2011/06/13(月) 18:05:30 ID:???
>>104

 貫いた感触、魂や想いを折れるあの確かな手応え。
 勝利を確信してもいいはずなのに、それでもキャンドルを持ったまま、織理陽狐の目から瞳を逸らさなかった。

 虚ろな表情、逆心で探るまでも無い・・・魂の奥底から何かが頭を擡げる光景。
 確実に折れたはず、確実に反転したはず、確実に転生し生まれ変わったはず。


 だが・・・それでも彼は幸せになろうと言った。
 共に幸せでありたいと言った!


「な、なんで・・・だ。なんで魂と存在を根こそぎひっくり返されて! そんなことが言えるんだ!?」

 キャンドルを持つ手にも力が篭るが、それ以上押し貫くようなことはせず。
 ただお互いに持ち合い、向き合ったままの体勢で怒鳴りかけた。

「幸せを望む存在じゃなかったのか? そういう妖怪じゃなかったのか!?
 私と正反対だったキミを逆転させた今! キミと私の何が違うって言うんだ!!」

106織理陽狐:2011/06/14(火) 21:06:57 ID:/AfNAO.Q
>>105
僅かに浮かぶ苦悶の表情。
けれどそれは一瞬で消え去ってしまう。
織理陽狐は、キャンドルを持つ手に力を籠めて怒鳴る窮寄に、からんと笑ってみせた。

「確かに儂は幸せを望んでおるが、それ以外はただの化け狐じゃよ」

なぜ、笑えるのか。
怒りも憎しみも不幸も、彼の表情から感じる事はできない。
窮寄と同じ場所に墜ちて、それでもなお、
織理陽狐は目の前の妖怪を幸せにしようと、その命を瞬かせる。

「お前も儂も、最初から違いなどない。
 ……手を伸ばした場所が、少し違っただけじゃよ」

嫉妬も同情も、全て誰にでもある感情だ。想いなのだ。
何か一つ違えれば、織理陽狐が窮寄のようになっていたかもしれないと。
そう語る織理陽狐は、まるで世界に否定されても、彼だけは全てを許してくれる、そう思わせるような力があった。

紫炎を灯したキャンドルを握る、ただの妖怪としての《窮寄》の手に、織理陽狐は己のものを重ねた。
金の焔になった手のひらは、火傷する訳でもなく、ひたすらに暖かかった。

「望めば叶う。全て、いつだって。
 不幸や幸福すら手の中じゃ。
 手を伸ばして届かないものなど、この世界には一つだってありはしない」

「だから……窮寄」

織理陽狐がどこからか、大きな紫炎を揺らす提灯を浮かび上がらせた。
強い想い。ただ幸せを不幸にすることを願った、窮寄の分身といえる存在。
それを掲げながら、織理陽狐は真っ直ぐに窮寄を見つめた。

「お前の願いを、もう一度聞かせてくれ」

107窮奇:2011/06/14(火) 21:49:24 ID:???
>>106

「・・・ただの、化け狐だって?」

 いや、今更驚くまい。
 そもそも強大な神性である夜行神や、そのなかで108年間過ごした波旬を従えた自分なのだ。
 強さや凄さではなく、この想いゆえに織理陽狐を一番気にかけていたのだ。
 ただその想いに勝ちたいが為に、わざわざ天逆毎ではなく窮奇で戦ったのだ。

 重ねられた手から伝わる温もり、金色の焔は反転されても揺るぎはしなかった。

「・・・参ったよ、こんなの」

 この悪意、いままで一度たりだって、勝った事も負けた事も無かったのに。
 どんなことに成ろうと、なにをされようと、どう思われようと。
 一度たりともまともに相手になったことなどないのに。

 窮奇の手は織理陽狐とキャンドルから離れ、ぺたりと尻餅をつく。
 キャンドルは、織理陽狐から滑り落ち、カランと音を立てて床に転がった。

「負けを認めるしかないじゃないか」

 逆心が、悪意が、存在を否定する術が。
 跳ね除けるでなく、叩き潰すでなく、効かないのでもなく・・・受け入れられてしまったのだから。

「願いか・・・。そうだね、とりあえず」

 ニタッと、悪意の入りきらない気の抜けた笑顔を浮かべた。
 すこし躊躇ったようにしたが、遠慮なく手を伸ばす。

「手、貸してくれるかな? 力が入らなくて立てないや」

 ささやかだが、ひねくれていたが。
 窮奇は初めて幸せのために手を伸ばした。

108織理陽狐:2011/06/14(火) 22:09:08 ID:DDrxEC0A
>>107
――カラン、カラン。
固い岩で出来た床に、キャンドルが転がる。
息の荒い織理陽狐はそれを目で追い、窮奇に視線を戻した。

火が燃え尽きるような音を立てて、織理陽狐の体が元に戻っていく。
焔魂の影響か、顔は若干血の気が引いているように見えたが、
織理陽狐は清々しい笑みを浮かべて、

「もちろんじゃ」

遠慮なく伸ばされた手を握り、窮奇を引っ張り上げた。

傍らで窮奇の願いを閉じ込めた提灯が揺れる。
その者の想いによって質を変える「想いの灯」は、紫炎からどの色へと変わるのか――

109窮奇:2011/06/14(火) 22:32:54 ID:???
>>106

「よいしょ・・・、ありがとね」

 力なく起き上がる、窮奇。
 悪意の尽きた彼女の表情は、虚ろながらも晴れやかだった。

「さて・・・参ったな、何もしたい事が見つからないや」

 想いの炎が示した色は・・・緑。
 紫と橙、変性を引き起こす紫外線と温もりを与える赤外線のちょうど真ん中の色。

「そういえば・・・、そうだね。まだ1つ楽しみがあったよ」

 窮奇は夜行神の元へと歩み寄り、3つの存在を引き出した。
 かつての邪神達は、巴津火よりも幼く純粋で。
 ただ母親の手にすがった。

「波旬ともいずれ仲直りしなきゃね・・・。
 あんな不良娘にしちゃったのも私がほっといたからかも知れないから。
 今度はちゃんと、わりと真面目に育ててみるよぉ」

 ただ3つの存在を引き寄せ、「同窓会の準備でもしなきゃね」と呟いていた後。
 窮奇は織理陽狐に向き直り、ニタッとあの粘っこい笑みを浮かべた。

「私の想いは変わらないよ、やっぱりキミ達に逆らいたくて仕方が無い。
 だから・・・ひじょーに遺憾だけど。今度は他をへし折るんじゃなくて、キミのやり方で試してみよう」

 徐々に、窮奇の体は崩れていく。
 その存在意義が敗北によって崩れ、薄らいでいくのだ・・・。

「私の存在は・・・この子達と入江ちゃんに譲ろう。
 この誰よりも不幸せになるべき4人を、誰よりも幸せにして見せるよ」

 あいも変わらず悪意のある笑みが、織理陽狐にむけられた。

「ざまーみろ、私は幸せになんかならないぞー。ばーかばーか」

110織理陽狐:2011/06/14(火) 23:07:31 ID:DDrxEC0A
>>109
崩れていく体。
織理陽狐は、茫然とした表情でそれを見詰める。
ふらふらと伸ばした腕が、虚空を掻く。

金色の瞳が大きく見開かれる。
「幸せにしてみせる」なんて言われてしまったら、
無理矢理にその手を引くことが、織理陽狐にできるはずがなかった。

「窮奇、」

薄く開いた唇が、震える声で名前を呼ぶ。
そのまま織理陽狐は、衝動的に窮奇を抱きしめた。

「やられたのう。ははは……、引き分けじゃ」

つう、と頬に一筋の涙が伝う。
哀しいのか、嬉しいのか、悔しいのか、――何故涙が出るのか。
今にも消えそうな窮奇という存在を、惜しむように抱きすくめる。

「……手向けを送らせてくれ。お前の願いではないから、この位のことしかできないが……」

緑色の焔が、はらはらと光の粉を舞わせる。
それは窮奇を包み込むと、彼女の髪にそっと、黄色が可憐に映えるレンギョウの花を添えた。

「どうか、どうか……幸せであれ」

111窮奇:2011/06/14(火) 23:29:10 ID:???
>>110

「うわっ! ちょっと・・・ッ!?」

 いきなり抱きつかれ、慌てふためくが。
 どうにも力が入らず、突き飛ばすことも逃げることもできなかった。

 ただその言葉が震えていたのを聞き、
 いかんともし難いような困った表情を浮かべる。

「そうだね、決着は・・・また今度かな」

 最後の最後でへし折った心。
 悪逆はこんなときでも意地悪に微笑んでいた。

 織理陽狐が離れたとき、緑の粉がハラリと舞った。
 その中で窮奇の髪に付けられる、黄色くて星のような形の花。

 身体は既に、かなり薄く。
 夜行神が向こう側で、どこかに散っていく様がありありと見えた。

「手向け?」

 その花に触れ、いまいち意味が飲み込めずにいた窮奇はハッと悪意有る思い付きを浮かべる。
 すっかり細く、弱々しくなった逆心の黒い触手が、織理陽狐の心に侵入する。

「そうか・・・レンギョウの花、花言葉は希望か。
 あっははー、安心して『良い』よ。いくら私でもこれに逆らうほど無粋じゃないからさ」

 相変わらずの笑い、相変わらずの嫌味。

「まぁここは天邪鬼じゃなくて、素直な意味で受け取らせて貰うとするよ。次は負けないよぉ、織理陽狐くん!」

 指差し、宣戦の言葉を告げると同時に。
 窮奇は薄れ、花と共に霞のように散った。

 かすかな木犀の香りが、すこしだけ残っていた・・・。

112織理陽狐:2011/06/14(火) 23:49:11 ID:DDrxEC0A
>>111
「ああ……待っているぞ、窮奇」

ずっと、ずっと。
香しい花の香りをすうと胸にひめて、織理陽狐は穏やかな笑顔で窮奇を送った。
最後の涙が、ぽとりと地面に落ちた。



その後、
織理陽狐は巌窟の城から送り妖怪たちを見つけ出すと、送り提灯の力で外へ出た。
出口町と夜行神から生まれた三人は、窮奇の意思を引き継いで生きていくだろう。
織理陽狐も、四人を遠くから見守っていくはずだ。

113名無しさん:2011/06/15(水) 00:11:47 ID:???
>>112

 傷ついた送り妖怪達を見つけ、
 織理陽狐達が送り提灯を辿って暗い道を歩いていく。

 その巌窟の道を抜けると、いつの間にか袂山の麓に戻っていた。

 振り返れどそこには、もう何も無く。
 向こう側の遠景が見えているだけである。

 時刻は夕刻過ぎだった。
 鮮やかで毒々しい紫色の空が暗み、やがて星が浮かび始める。


 夜行神は再びどこかへ行った。
 主を失くした天逆楼も消滅し、虚空の果てへと消えていく。
 波旬という手がかりがない今。
 次期主となる者をが現れるまで、誰とも遭遇する事はないだろう。


 この戦いで、紫狂は百鬼の主の座から退いた。
 しかしなくなったわけではない。

「・・・わかりました姉さま。貴女の意思は私が継ぎます」

 大きく成長を遂げた出口町が3人の眠る子供の横に寄り添っていた。
 窮奇の心を受け継いだからか、その姿はあの口紅が似合うまで大人びている。

 今より、紫狂は新たなリーダーと共に再始動することになった。

114巴津火「」 叡肖『』:2011/06/23(木) 21:43:32 ID:1gBuqmPQ
反抗的態度ながらどこか元気の無い中学生と、それを補導して小言を垂れるスーツ姿の新米教師、
と言った風情の二人連れが夕暮れの街を歩いていた。

『あのね、まだ坊ちゃんは十分に力が無い。しかもその身体も借り物だ。
 あまり無茶すると負荷が大きすぎてぶっ倒れるって、自分でも判ってんだろ?』
「うるせー蛸、お前の小言は耳にタコできるっつーの…ぃでっ!」

ふらふらと歩く巴津火に、叡肖がコツンと軽く拳骨を落とす。

『ならお兄さんが煩くなるような馬鹿なことはするな。今回は夜行集団が保護してくれたから良いが…』

二人が向かう先は喫茶店「ノワール」。
雨を呼び、ぶっ倒れて虚冥に保護された巴津火を、叡肖が夜行集団の本拠地へ迎えに行った帰り道である。

『持たせたケータイも、ものの見事にぶっ壊してくれちゃって。
 まあ、替えはあるから良いんだが……。
 今度雷を使うときは気をつけろよ?人間の道具は柔なんだからな』

ケータイの予備を用意しておいて正解だった、と思いながら
叡肖は明かりの灯る喫茶店の扉を押した。

『ただいまー、こんばんはー♪』
「……ただいま」

機嫌よい挨拶と機嫌の良くない挨拶、それぞれが店内に響いた。

115東雲 犬御:2011/06/23(木) 21:58:10 ID:DDrxEC0A
>>114
病院の勤務帰りなのか、サボっているのか、
どちらにしろ相変わらず回復の速い、白衣と薄手のシャツを着た厳つい大男が、喫茶店の前に立っていた。

(クソガキと蛸野郎の姿が見えたから追ってみりゃあ)

眉間に皺を寄せながら、じろじろ店の前景を眺める。というか、睨めつける。

「ンだァ? ここは……」

喫茶店「ノワール」。
存在は知っていても、この類の店に(紫狂のバーは除く)東雲は入ったことがない。
放っておけばいいものの、黒蔵と叡肖が入っていた姿が気になるのも確かだ。

このまま帰っても目覚めが悪い、と決めた東雲は、
二人の後に続いてノワールの扉を開けた。

116夷磨璃&澪:2011/06/23(木) 22:04:00 ID:BQ990e1A
>>114-115
「澪殿、またオムライスが食べたいでござる。」
『……(店長さんに会うのかぁ、ちょっと怖いなぁ。)』

修行が終わって、ちょうど暇だったので『ノワール』に立ち寄ることにした二人。
以前、店長に色々された澪は余り気が進まなかったが夷磨璃はとてもお気に入りの様子。

そんなこんなで店の扉を開けるだろう。
(犬御や叡肖が入った後で、彼らが居ることに気づいていません。)

117喫茶店《ノワール》:2011/06/23(木) 22:10:50 ID:c1.PBF/s
>>114>>115>>116

……先に結論から言おう。

今、店内は《戦場》になっていた……

夜「アナタは何回言えばわかるの?夕?」
夜「あれ程無茶はするなと……姉さん言ったわよね?しかも《八握剣》が実は右手だった!?……そっちはどうでもいいけど、大怪我はするな!!」

とてつもない覇気を出しながら長い黒髪に、細い目に眼鏡をかけたおしとやかそうな店長――田中 夜はカウンター越しで説教をしていた。

いつもの、のんびりした雰囲気ではなく……もう妖怪じゃね?コイツ?のような気配を出しながら目の前の弟……田中 夕に説教してる。

夕「…いや……その件は海のように深く反省しています……けど逃げれ…」
夜「夕!?」
夕「…すいません……逃げる気ありませんでした……」

………ただいま説教中のようだ。
凄い入りにくい雰囲気……

………だが!!!
そんな空気をぶち壊す《破壊者》がいた!!!!

巫女B「ショタだぁぁぁあ!?」
夜・夕「!?」

突然、巫女Bが店内に乱入しショタ二人を掻っ攫おうと飛び込んで来た!!!!つうか能力がギャグ絡み用のチート化してる!!!

そしてモフモフしようとする!!

夜「あ…あら〜……いらっしゃいませ♪」
夕「(今のうちに……)」

姉は客達にやっと気付きいつものように挨拶し

弟は今のうちに逃げようとする……

118稲山 十夜:2011/06/23(木) 22:24:56 ID:SmXQZqJk
>>114,>>117
「し、失礼します…」

学校帰りだと思われる少年が店の扉を開ける。
巫女Bをたまたま見かけ、それを追って入ってきたのだった。

「あ、あの…って、田中さん?あれ?黒蔵君も?」

巫女Bに声をかけようとした時、見知った者がいるのに気づく。
ちなみに、七郎は体調を崩して家で休んでいる。

119巴津火「」 叡肖『』:2011/06/23(木) 22:32:10 ID:1gBuqmPQ
>>115-118
店内に漂う良い匂いに、ぐぅ、と巴津火の腹の虫が反応する。
どこかバテたようなその表情は、空腹でさえなければそのまま寝入ってしまいそうであった。
それを横目に、叡肖のほうはさっさとカウンターについてメニューを開く。

『今日はお兄さんもここで夕食食べていくかな。説教なんてする側も楽しいものじゃないんでね。
 店長さーん、ここってお酒は飲めるのかな?
 …ってあれ?そっちの君は店長の弟君か?はじめましてー』

逃げようとする夕の先手を打って、叡肖が声をかける。

「いきなりあにすんだよっ!!」

叡肖の隣でもそもそと椅子に這い上がろうとしていた巴津火は、巫女Bさんにまず捕獲された。
疲労と空腹で動きが鈍い今は、どうにも振り払えない様子。

そしてからころん、と立て続けに鳴る扉の音に振り向けば、見知った顔が幾つか。
妖怪密度が一気に上がった。

「あってめぇ!」『おや?そっちは袂山の?君もこんな店に来るとはね』

巴津火と叡肖が、犬御にまず気づく。

「俺は黒蔵じゃないっ!!ていうかお前誰だ!?」

巫女Bさんに捕獲されてもがきながら、巴津火は十夜に言い返した。
蛸はそんな巴津火をニヤニヤと見ている。
そして澪のほうへも、意味ありげに手を振って見せた。

『やあ、この前の大和撫子さん』

120東雲 犬御:2011/06/23(木) 22:47:04 ID:DDrxEC0A
>>all
「あァ?」

何だこの状況は、と東雲が訝しげに顔を顰める。
からころ音を鳴らして扉を開けてみれば、黒蔵――ではなく巴津火が、巫女に抱き着かれていた。

「クソガキ……じゃねェな。
 オイ、勘違いしてんじゃねーよ蛸野郎。テメェらこそ、ここで何やってる」

東雲は叡肖を信用していないし、態度も好んでいない。
鋭い疑いの眼差しの中には敵意も含まれている。

彼のすぐ後に続いて、澪や夷磨璃、十夜も入店してくる。
背後で開く扉を見遣りながら、東雲は店の奥に入っていった。

(妖怪……だけじゃねーが……何だこの店?)

人口密度に比例して満ちてくる妖気。
ぐるりと店内を見回すが、変わったところはない。

121夷磨璃&澪:2011/06/23(木) 22:56:55 ID:BQ990e1A
>>117
『こんにちはでござる〜。』
「…こんにちは。」

なんか店長さんが怒ってたし。本当ににんg(ry
入りにくいなぁ、と思ったが、Bさんのお陰で和らいだ(?)ようだ。

『ござるっ!?』

夷磨璃、捕獲完了 ▼
振り払おうとはせず、されるがままになるはず。

>>118
誰だろう、あの子?と思いながら、澪は挨拶した。

『こんにちは、貴方はここの常連さん?』

>>119-120
店長にびくびくしていたが澪だったが、今度は冷や汗をかき始めた。

『(叡肖さんとあの時の……なんでいるの!?)

え、叡肖さん、ここここんにちはー。ってそれ言わないでぇ!!』

なんとか第一難関をクリア。
そして犬御に対しては……

『………ちっ。』

うわぁぁぁぁぁぁ!!反射的に言っちゃったよ、舌打ち!!
言ったことに気づいた時、凄く焦っている。

122夷磨璃&澪:2011/06/23(木) 23:00:56 ID:BQ990e1A
//ミス訂正
澪『』の夷磨璃「」ですが、>>117宛てでは澪と夷磨璃が反転してます。
さらに、『こんにちは(以下略』は澪が言ってます。
すいませんorz

123喫茶店《ノワール》:2011/06/23(木) 23:08:08 ID:c1.PBF/s
>>118>>119>>120>>121

夕「と…十夜…助けてくれ……姉さんの説教から俺を助けてくれ…」ヒソヒソ
こっそり逃げようとしてる田中くんは、中学生に助けを求めた。
よくみれば包帯だらけ……恐らくまた無茶な事をして大怪我して《姉》に説教されてたようだ。

夕「は…はじめまして……」ギクッ!!
そして蛸さんが彼に声をかけたために、夜に気付かれてしまった!!

夜「いらっしゃいませ〜♪
後、お酒はあるわよ〜♪
……アト ユウ ニゲルナ コロスゾ?」ニコニコ
十夜にのんびり挨拶し、蛸さんにお酒はあるといい
小さなドスを聞かせた副音声で夕に脅しかける。

巫女B「十夜くぅ〜ん♪なんで声かけてくれなかったの?
そしてこの子たち可愛い!!!!!」ナデナデ
どうやら巫女Bは十夜に気付いてたようだ。
そして、はつびーと夷磨璃を優しくナデナデしてる。


夜「あと美月…うちでは暴れないの〜
ごめんなさいね〜。君たち〜♪」シュルル
巫女B「あ〜〜れ〜〜」
そして巫女Bは店長のワイヤーによりグルグル巻きにされ、店内に放置された。
ショタ二人を解放し席に座らせるだろう。

夕「……この前のお兄さん。こんにちは。一応ここは俺の姉の店ですよ」
そして東雲に挨拶する不幸オーラを出す夕だった。

夜「……ハハハ…ごめんね。嫌なところ見せて…この前はごめんなさいね…」
………澪は唖然とするだろう。
何故ならあの店長が顔を真っ赤に照れながら謝ってるではないか!?
澪と夷磨璃にお詫びと、抹茶フロートを二つ出す。
……………実は店長は澪にk(サクッ♪

突然、店長が画面外にナイフを投げ、そのナイフは消えたが気にしないでください(中の人が額から血ダラダラ)

夜「皆さ〜〜ん♪メニューは各自おいてありますから〜決まったら言ってくださ〜い♪」ニコニコ

124稲山 十夜:2011/06/23(木) 23:21:56 ID:SmXQZqJk
>>119
「ええっ!?黒蔵君じゃないの!?え?でも、どう見ても黒蔵君だし…
もしかして…双子の弟とか?」

どこからどう見ても黒蔵なので、こんな発言が出てもおかしくはないだろう。しかも、イメージから勝手に弟だと思われている。
ましてや、人間の十夜には黒蔵の中にもう一人いるなんて考えつかない。とはいえ、十夜も七郎を中に憑依させることができたのだが…


>>121
「こ、こんにちは。ええと、このお店に来るのは初めてです。知ってる人を見かけたので…」

緊張しながらも、なんとか答える。
ちなみに、十夜が緊張しているのは人見知りだからというわけだけではなく、店内に妖怪が居るのに気がついているからだ。今は七郎もいないし、不安になってしまう。


>>123
「田中さんのお姉さん?
って、田中さん!ひどい怪我じゃないですか!何があったんですか!?」

心配そうに夕を見る。
しかし、巫女に話しかけられ

「ごめんなさい…七郎もいなくてちょっと声をかけづらくて…
あ、あの…それで、その…僕の…」

何かを言おうとするが、なかなか言えないでいる。

(師匠になってください、なんて言ったら迷惑かも…
やっぱり、僕なんかじゃ駄目だよね…でも、強くなりたい…けど…)

下を向き、言おうとしたのを後悔している。
その様子は、もしかしたら愛の告白でもするように見えるかもしれない。

125巴津火「」 叡肖『』:2011/06/23(木) 23:26:11 ID:1gBuqmPQ
>>120
『何ってこれからここで夕飯なのさ。他に何をしようとしてるように見えるんだい?』

喧嘩腰の犬御に、叡肖はメニュー片手にへらへらと笑う。

「蛸!助けろ!」『ついさっき道で、蛸なんてイラネって言ったのはどの口ですかぁ?』

蛸に巴津火を救うつもりは無い。むしろ状況を楽しんでいる。

『そうなるのが嫌なら、無茶な力の全開はやめとこーね坊ちゃん♪お兄さんとのお約束だよ♪』

お子様向け番組的台詞回しで主をおちょくる教育係。しかしこの人選、大変教育にはよろしくない。

>>123
巴津火が昏倒覚悟で力を振り絞ろうとしたとき、店長のワイヤーが唸り、ショタっ子達は無事解放された。
蛸は店長の腕前に「お見事!」と喝采している。

「蛸テメェ…」『俺クラブサンドと、ジントニック頼もう。坊ちゃんはまたプリン?』「と、オムハヤシ!」

不機嫌だったはつびーは、食い物に釣られて怒りを一瞬忘れた。

『美月さんってことは、あの人店長さんの知り合いだったんだ?』

そして奇人同士の友人関係に蛸も納得したらしい。

>>121
そして犬御と澪の間の微妙な空気に、蛸は気づいてしまった!
蛸が嫌ーな薄笑いを浮かべつつ観察を始めたよ?

>>124
『ああ、双子の弟みたいなもん…』「ちがうっ!」

蛸が説明しようとしたが、巴津火が割り込んできた。

「ボクは黒蔵より偉いんだ!コイツの身体使ってやるくらいにな!」
『そうだね、憑依して乗っ取ってるんだね、はいはい。ほら坊ちゃんプリンきたよ〜』

あっさりプリンに釣られた赤ちゃんはつびー。飯の前では細かいことはキニスンナ状態である。

126東雲 犬御:2011/06/23(木) 23:31:37 ID:DDrxEC0A
>>125
「相変わらずスカした蛸だな」

へらへら笑う叡肖に、苛々メーターが上昇しはじめる。早い。
敵意がそちらへ向かおうとしていた時、

>>121
「……あ゛ァん?」

嗅覚に次いで優れる狼の聴力は、澪の舌打ちを聞き逃すことはなかった。
ドスの効いた低い声を唸らせ、大股で澪に近付いていく。

腰を低くすると、下から上に舐め上げるように、澪をギロリと睨みつける。
赤く威圧的な迫力を持って、至近距離でガン付ける。

「見たことあると思ったらテメー、あの時のムカつく野郎じゃねェか。
 会うなり舌打ちたァいい度胸だな。褒めてやるよ」

思い出すだけで沸々と湧き上がる苛々。
今にも手が出そうな勢いだ。
ここが喫茶店だということをさっそく忘れているようである。

>>123
「うるせェ今取り込み中……って、お前」

以前、早朝の病院でクロコや丑三と共に出会った人間の少年ではないか。
夕が「姉の店」と言ったことで、はっとした東雲の頭が少し落ち着いた。

澪から一歩離れると、包帯だらけの夕に目がいった。
彼から溢れるオーラに、東雲が複雑な顔をする。

(親近感を覚えるのは何でだ……?)

それは、生傷だらけの顔とか潰れた右肺とかに聞けばいいと思います。

127夷磨璃「」&澪『』:2011/06/23(木) 23:45:00 ID:BQ990e1A
>>123
「た、助かったでござる。
…あ、前の抹茶でござるね〜。うむ、美味しい。」

無事解放されたので抹茶フロートを食べる夷磨璃。
その姿、隙だらけなり。

『店長さん?あまり気にしなくていいよ。それより、前のメニューお願いね。』

鈍感過ぎる、全く気付いてないよコイツw

>>124
『なるほど、僕は澪、でこっちが夷磨璃君。』

軽く自己紹介をする。
妖気が全くない為、人間だと判断した。

>>126
『……十分キミもムカツクよ?』

そして、再び反射的に言ってしまう。なぜだろう?
多分、挑発が楽しいのか、心底犬御を嫌ってるのかどっちかだと思う…。

『(やばいやばい、謝らなきゃ。…って何を謝るんだっけ?)

褒められても嬉しくないなぁ?』って思ってるそばからまた一言。

//>>125はパスです。

128喫茶店《ノワール》:2011/06/23(木) 23:51:39 ID:c1.PBF/s
>>124

夕「ハハハ!ちょっと《怨霊》ってのと喧嘩して負けてね!
大丈夫!大丈夫!
俺は丈夫だから」
笑いながら十夜を心配させないように言うが…
恐らく強い妖怪と戦ったのだろう…普通の人間なのによく生きてたな……

巫女B「…………何、悩んでるかはわからないけど
私でよければ相談にのろうか?」
十夜の様子に少し真面目な表情になりながら、そう言う。
ワイヤーでグルグル巻きにされてるが……

>>125

夜「わかりました〜〜」
そう言いながら、チャッチャッと動き、料理とお酒とプリンを二人の前に出すだろう。

巫女B「ええ、そうよ。
高校の同級生で、今も仲良し」
夜「…こんな小さい子を襲う犯罪者予備軍だけど一応親友ですよ〜」
巫女B「ちょっと!コスプレマニアの喋ったら残念美人に言われたくないよ!」
……お互い悪口を言いながらも店長と巫女Bは仲がいいようだ。


>>126

夕「けど、喧嘩はやめた方がいいですよ?
姉さんにワイヤーでグルグル巻にされるから…」
そう言いながら近くで一瞬でグルグル巻にされてる巫女Bを指差す。
……どうやらコイツの姉も普通じゃないようだ。

夕「(なんだろう…近親感わくな…)」


>>127

夜「あ…ありがとう〜♪」ルンルン
夜「今作りますから〜♪」
鼻歌を交えながら上機嫌で、フワフワ卵のオムライスを作り始める。

夕「(姉さんが……)」
巫女B「(恋してる……)」
夕・巫女B「(だと!?)」

そしてそんな姉の様子に自分に対する好意だけは鈍感な二人が驚愕してる。

129稲山 十夜:2011/06/24(金) 00:02:26 ID:SmXQZqJk
>>125
「えっ…?そ、それって…黒蔵君の身体を…勝手に使ってるってこと?」

もし本当だったら、自分はどうするべきなんだろう、黒蔵は無事なんだろうか…
そんなことを思いながら、恐る恐る聞いてみた。


>>127
「い、稲山十夜です。」

緊張しながら答える。澪が妖怪だと気づいているようだ。


>>128
「怨霊…?ほ、本当に大丈夫ですか?」

それでもやっぱり心配のようだ。なんせ大怪我なのだから。

その巫女の言葉に少し勇気づけられる。

「あ、あの…僕、強くなりたいんです!
あの…それで、もしよろしければ…僕を弟子にしてください!」

なんとか言えた。しかし、今は七郎もいない。
十夜にとって、七郎と共に強くなるのがベストなのだが、十夜はそのことに気づいていない。

130巴津火→黒蔵「」 叡肖『』:2011/06/24(金) 00:11:03 ID:1gBuqmPQ
>>128
巴津火は料理を食べながらコクリコクリと徐々に船をこぎ始めた。
プリンを食べ終わるまではと頑張っているが、オムハヤシの皿に顔を突っ込みそうになったところを
慌てて蛸が皿を避ける。

>>126-128
『ほらほら、いい大人がこんなところで喧嘩おっぱじめない。
 子供達のほうがちゃーんと行儀よく食事してるじゃないかい』

スカした蛸が犬御と澪に割って入った。

『大ー丈夫、店長さんが出てこなくても、お兄さんが喧嘩はさせないよ〜』

そう夕に言った蛸のジャケットの裾からは2本の触腕がそれぞれ
筆を持って先を覗かせている。
そして蛸の席にはなぜか、空になったグラスが2つ。

『…だって、喧嘩するような悪い大人にはこうしちゃうからね〜』

蛸の2本の腕がこっそりと、「子供化」の文字を素早く澪と犬御の背中に書き足した。
彼らがどの年齢レベルのショタになるかは、それぞれの中の人にお任せしよう。

『さー。お楽しみのはじまりだー!』

酔ってる、この蛸酔ってる。表情に変化ないけど、多分酔ってる。
いつの間にか追加注文でストレートのジンのグラスも空にしてたよ。
さらに追加注文してるよ、というかむしろボトルごと持ってきてるよ。
そしてそのお楽しみというその言葉とともに変化が始まり、巫女Bさんのスイッチもぽちっとされるかもしれない。

>>129
『黒蔵?大丈夫さ、ほらね』

酔っ払い蛸が筆先で指差す方には、むくり、とカウンターから頭を上げた黒蔵が居る。

「なんかすげー、だるい。っていうか何?この騒ぎ?」

状況把握できてませーん。誰か教えてやれる人、いる?

131東雲 犬御:2011/06/24(金) 00:26:26 ID:/AfNAO.Q
>>127
(この野郎ォ……!!)

額に青筋が立ちかけるが、夕のおかげでここは喫茶店だと思い直す事ができた。
頭を振り、フゥと一息つく。
落ち着けと自分に言い聞かせているのだろうか。

「……ちょっと黙ってろ」

これ以上会話を続けるとまた火花が散りそうだ。
東雲は平和的解決のため、会話終了の手を打とうとする。
黙ってろ、で強制終了させるつもりらしい。

>>128
「……」

ちらと巫女Bを見遣り、東雲は理解するとすぐに目を逸らした。
妖怪と暮らしている時点で分かってはいたが、やはり彼の周囲は普通でないようだ。
包帯だらけの夕に、

「……お前も大変だな」

生傷だらけの狼が、珍しく優しい言葉を掛けた。
恐らく何か、自分と通ずるものを感じたのだろう。

>>130
「はァ?」

割り込んで来るなりのスカした態度に、東雲が不快感を露わにする。
澪と叡肖に囲まれるなど彼にとっては最悪の空間だろう。
そうした苛々が募りまくっていたせいか、
こっそりと背中に印を描かれたことに、東雲は気付かなかった。

「……ン?」

何か、身体に違和感を感じた。
今更それに気付いてもしかし、時すでにおすし。

「!? !?」

徐々に小さくなる体。
2mクラスの巨大が、小学生程の身長になっていく。

柔らかい黒髪。
ぷにぷにとした白い肌。
サイズの変わらないぶかぶかの白衣で、小さな手足は見えない。
おおきな赤眼のある顔は幼く、
そして少女と見粉うように可愛らしい。
間違ってもあのいかつい大男から想像できないほど愛らしい少年が、
喫茶ノワールに現れた。

「……なんだこりゃああぁぁああぁぁあ!!??」

幼き日の姿になった東雲は、高い声で絶叫した。
ぺたぺた、と自分の顔を触っては、青い顔で首を振る。
何ということだ。
今となっては黒歴史ともいえる、貧弱な幼き自分になっているじゃないか!!

132夷磨璃「」&澪『』:2011/06/24(金) 00:32:45 ID:BQ990e1A
>>128
「店長さんご機嫌でござるね。」
『だね。これなら女装の心配も無さそう。』

完全に気を緩め、オムライスを作る店長に話しかけた。

『後でこのレシピ教えてくれますか?
このフワフワ感、とっても大好きなんです!!』

店長様の料理をべた褒めしたあげく、ちゃっかり隣に立ってる!
二人だけの空間が出来てしまった!

>>130
その良い時間に…鬼畜蛸さんはショタ化をry
夷磨璃は呑気にご飯を食べてて全く気付かないようだ。

『あれ?体がちっちゃくなってる…。まさか…ッ!?』

犯人を見れば嫌な笑みを零してるではないか!!

『鬼畜っ、うわぁぁん!!店長さん、お酒ください!』

未成年(?)っぽいが飲める。
※小学4年生程の体になりました〜。

>>131
『…いや、黙ってろって言われても……。

お前がそんなにちっこくなったら黙ってなんか居られないwww』

澪は左程気にしてないが、犬御は別なはず。
嫌なところを突かれて、犬御はどれだけ不快になるだろう?

133喫茶店《ノワール》:2011/06/24(金) 00:47:10 ID:c1.PBF/s
>>129>>130>>131>>132

夕「…………いや、大丈夫だ。俺の事は気にするな」ニカッ
十夜の言葉に彼は一旦黙る。
正直、まだ自分は狙われてる。更に十夜を巻き込む訳にはいかないと思い、安心させるように微笑み、頭を撫でる。

巫女B「…………はぁ。弟子にするのはいいよ
けど、その前に…」
その言葉に巫女Bはため息をはく。
巫女B「強くなって……君は何を求めるの?
皆を守りたいから?
満足したいから?
一人で戦いたいから?」
真剣な声で《鬼使い》は問う。
彼が何を求めるのかを……

夕「はい…。お兄さんも苦労してるんですね…」シミジミ
夕「……俺の奢りでいいですよ?飲んでください」カタッ
そう言いながら慣れた手つきで、アイスカフェオレを一つ東雲の前に置く。
なんか…不幸ンビがこちらでも完成してしまった……

夕「なっ!?皆子供に!!大丈夫ですか?お兄さん?
俺は大丈夫だけど……」
澪と東雲がショタ化して慌てる高校生。多分手品だと思ってる。

巫女B「!?(今は我慢…我慢……)」ウズウズ
周りがショタ化した為にワイヤーを自力で破りそうになるが
十夜に真面目に対応してる今、なんとかソレを抑えてる。

巫女B「」クイッ
だが巫女Bはやっぱり巫女Bだった。
蛸さんに田中くんにもやれっと合図を送りやがった!!
難しい話が終わったら《祭》に参加する為に!!!

夜「いいわy………………………」
レシピを教えてもいいよと横を見た瞬間、そこには小さな澪がいるではないか!!!

夜「はい♪飲んで〜〜♪」ニコニコ
そしてお酒を頼んだ!!なら飲ませるしかない!!
……っとお酒を渡す。

夜「……喧嘩したらコスプレさせますよ〜〜っていうかさせます〜!!!」サァッ!!!

そして澪が東雲に喧嘩を売った瞬間、一瞬の早業で《イヌミミメイド服》と化粧で女装をしようとする。

134稲山 十夜:2011/06/24(金) 00:56:07 ID:SmXQZqJk
>>130
「よ、良かった…黒蔵君なんだね…」

黒蔵が無事そうで嬉しそうな顔をする。よほど嬉しかったのか、涙目になっている。


>>133
「僕は…僕が弱いせいで傷つく人がいるのに耐えられないんです…
丑三さんも七郎も、僕のせいで怪我したりして…僕がもう少し強ければ…自分の身を守れれば…
だから、僕は強くなりたいんです!」

必死で自分の思いを語る。大きな力は求めないが、十夜は真剣に悩んでいた。

135黒蔵「」 叡肖『』:2011/06/24(金) 00:59:29 ID:1gBuqmPQ
>>131-132
黒蔵は目を疑った。
犬御と澪、それぞれ自分に縁のある相手が、何故ここにいるのかという疑問以前に、
目の前でどんどん縮小化してゆくのだ。

「澪?狼?!」

叡肖はと見ると、げらげら笑いながらボトルから直に酒をラッパ飲みしている。

(あー。酔ったふりして羽目を外すのってやめられんわww)

「ちょ!!叡肖さーんっ!?」

黒蔵がおろおろしている間に、澪も狼も、なんだか柔らかそうな生き物に変わってしまった。
そして蛸は見た目の行動ほど中身が酔っているわけではなかった。

>>133
飲める人にはお勧めの悪ふざけ、「実は飲めなくて酔ったふり」。
翌日には「えーちょっとよく覚えてないやー」で大概の無茶も済ませられたりする便利なスキルである。
巫女Bさんに合図される以前に、既に蛸は動いていた。
巫女BさんのGOサインと同時に、田中君の背中にも文字が完成した!
その筆がさらに黒蔵にも伸びる。

「ちょっ…ま、ぃやぁぁーーっ?!」

なんだか自分がさらに縮んで行くのを感じて、黒蔵は絶望した。
店の椅子もテーブルも、あんなに大きくなってゆく。

…黒蔵@5歳児バージョン。しかし文字は背中ではなくデコに書いてある。

>>134
「ふぇぇぇーー!」

黒蔵@5歳児が泣き出した。泣きながら十夜にしがみつきに行く。

『強くなる?なら大きく育てばいいんじゃないの〜?お兄さん応援するよ〜?』

蛸の筆は十夜の背中にだけ「大人化」と書いてみた。
十夜だけはかっこよくなれるかもしれない。

136東雲 犬御:2011/06/24(金) 01:12:12 ID:/AfNAO.Q
>>132
「な……な……」

信じられんと目を見張り、何度も自分の頬を触って確認する。
だが手に触れるのは角張った顔ではなく、もちもちした幼児の肌だけだ。
澪から挑発され、同じく小さくされた少年をきっと睨み上げる。

「っうるっせぇ! お前だって小さくなってんじゃねーか!」

噛み付くように叫び、不快感を露にする。
……が、元の状態の迫力には一億歩及ばない。
及ばなさすぎて、逆に可愛いくらいであった。

>>133
「ぐっ……こっち見んな!」

先程まで見下ろしていた少年に見下ろされる屈辱。
それに耐えるように、小さな体で犬御はぎゃーこらと吠える。

しかしそんな暇もなく、夜が不穏な物をもって突撃してきた。
犬御の丸い瞳が捉えたもの、それは――《イヌミミメイド服》。
全身の毛が逆立つのを感じた。

(冗談じゃねぇっ!)

あんなもの着せられたら屈辱感と羞恥心とで死んでしまう。
犬御はひらりと身を翻すと、早業である夕の腕を躱した。
夜から離れた場所に降り立ち、
フーッ、と威嚇する猫のように睨みつけている。

>>135
「おいクソ蛸ぉっ! これ戻しやがれ!」

夜の早業を回避しながら、小さな体で怒鳴り散らす。
見れば夕や黒蔵までが餌食になっているではないか。
黒蔵は、なんかベクトルが違う気がするが。

「くそ、白衣が動きにくい……」

ぶかぶかの白衣が、犬御の動きを鈍らせている。
今がチャンスだぞ!!

137夷磨璃「」&澪『』:2011/06/24(金) 01:17:49 ID:HbHPxpxY
>>133
『ありがとうございま・・・・・・て女装!?』

そこにはショタが顔を赤らめながら女装されると言う見事な光景が。
そして、場の雰囲気的に止められないので、お酒を飲むことにしたよ☆

・・・大波乱なのに、今だ気づかない夷磨璃は本当に鈍感です。

>>134
「おぬし、強くなりたいのでござるか?
拙者もそうでござる。でも焦るのはダメ。
自分のペースで強くなるでござるよ。」
話題に入る少年。熱々のオムライスを食べつつ、言った。
>>135
『あれ、黒蔵ぁ、酒飲もう〜/////てかちっこいね〜/////』

酒は弱い澪だった!本当に大蛇か!?
・・・いや、良く見れば酔っているが、倒れたりしてない。

きっと早酔いして、倒れるまでが長いのだ。

>>136
『・・・いや、だって。大男がこんなにちっこくなったら・・・www』

完全に馬鹿にしてるぞ!
この喫茶店は戦場、殴っても大丈夫だ!

138喫茶店《ノワール》:2011/06/24(金) 01:27:51 ID:c1.PBF/s
>>134

巫女B「確かに自分だけ守られるのは嫌よね…
……けどね。十夜くんは気付いてる?
人も妖怪も一人だけじゃ弱いの…
そんなに焦るのもよくない…」
そう言いながら巫女Bはため息をはき、そう言う。

巫女B「特撮ヒーローだって、アニメのキャラだって、ゲームのキャラだって、誰かと協力して悪を倒してない?

確かに自分一人だけ強くなって、守りたいとは思う。

けどね…アナタは一人?アナタの近くに七郎くんはアナタを守ってるけど…
私から見たら七郎くんはアナタに守られてるのよ…彼はアナタがいるから頑張れるんだと思うの」
ソレがどういう意味なのか果たして気付くだろうか…

巫女B「……それともう一つ。うちの上司から聞いたんだけど、上司を助けてくれた時、アナタは憑依したとき自分の意思でコントロールしてたじゃない」

巫女B「……私が戦った敵にね…自分と波長の会う妖怪を憑依させ互いに共存し力を最大に引き出した連中がいたわ…
まさにその状態だったのよ十夜くんは」
そして語るは紫狂の変質者たち。つまり…十夜が強くなるには…

巫女B「そのアナタと七郎くんの想いが一致し、お互いの意識を出す憑依…ソレができるようにすれば、アナタもアナタ自身で戦えるわ」

>>135>>136>>137

夕「うなっ!!!」
なんと夕くんも小学生に!!

夕「た……助けて……」ウルウル
そして東雲に助けを求めるように見つめた。

夜「あらあら…カワイイわね〜」
上機嫌に澪の頭を撫でながら顔を真っ赤にしてる。

139稲山 十夜:2011/06/24(金) 01:44:01 ID:SmXQZqJk
>>137
「君も?うん…わかってるんだけど、大切な人が僕のせいで傷ついたって思うとどうしても…」

俯き気味にそう答えた。


>>138
「僕が七郎を…?」

すぐには理解できなかった。しかし、お互いに独りぼっちだった自分と七郎は助け合って生きてきたことを思い出す。

「そうか…そうだったんですね…」

お互いにお互いの事を想い助け合う。それが、十夜と七郎のあるべき姿なのだろう。

「あ、あの時は丑三さんや巫女さんを助けたいって無意識に…」

とはいえ、お互いの想いが共鳴した結果なのは変わらない。

「そっか…僕にも出来るんですね。
ありがとうございます!」

そう言って、頭を下げる。


>>135
「わっ!黒蔵君!
あれ?黒蔵君が小さい…?え?あれ?僕が大きい?」

だいたい、20歳位の姿になった十夜。黒蔵がさらに小さく見える。もはや、十夜の理解できる範囲を超えていた。凄く混乱している。

「あ、あの…何をしたんですか?」

近くにいた叡肖に聞いてみる。

140黒蔵「」 叡肖『』:2011/06/24(金) 01:50:19 ID:1gBuqmPQ
>>136
『んー?なになに?君はもう一度子供からやり直して礼儀作法を叩き込んで欲しいって?』

クソ蛸とショタ犬御に言われて、叡肖は片手を耳の後ろに当ててわざと尋ね返した。
叡肖の灰色がかった藍色の瞳が、酷薄な笑みを浮かべて赤い瞳を覗き込む。

『戻して欲しかったら、そこの巫女さんにお風呂に入れてもらえ』

書かれた文字を洗い落とせば元に戻るのだが、犬御がもっとも嫌がるであろう方法であえて教える衣蛸。
こういう反応を返してくれる相手には、悪戯のし甲斐がある。

>>137
『んぁ?そっちの大和撫子は女児化したのかぃ』

こちらは店長も澪もなんだか幸せそうなので、蛸にはちょっぴり面白くないらしい。
もうちょっと澪が嫌がったら楽しかったのに、とか思っていそうである。

十夜が慰めてくれて、黒蔵は落ち着いたらしい。
鼻をぐすぐす鳴らしながらも十夜の手をぎゅっと握って居た黒蔵が、澪をきっと睨む。
「ちっこい」は黒蔵には禁句だったらしく、むっとした表情の黒蔵が澪をぽかっと殴った。

「ちっこくって悪かったなッ!澪のばかぁっ!」

ショタ化の渦の中、結局この場でもっとも小さいままの黒蔵は涙目で怒っていた。
しかし酒量ではきっと、この場にいる誰よりも飲める5歳児である。
弄られてへそを曲げた黒蔵がやけ酒を飲み始めたら、店のストックが空になるかもしれない。

>>138
『なーに、お兄さんはちょ〜っと皆に魔法をかけただけだよ?』

背の伸びた十夜に衣蛸が機嫌よく答えた。
黒蔵のデコの「子供化」の文字が、一体何が起こったかの十夜へのヒントである。
黒蔵のその文字を洗えば、元に戻ると十夜は知るだろう。

141黒蔵「」 叡肖『』:2011/06/24(金) 01:51:33 ID:1gBuqmPQ
//安価ミス、最後の138へのは>>139へです。

142犬御:2011/06/24(金) 07:54:44 ID:/AfNAO.Q
>>137
「だ・ま・れッ!!」

血管が千切れそうなほど頭にきている犬御は、この混沌とした現場に紛れてついに手を出した。
渾身の力でグーパンチを澪にお見舞いする。
怒りで膨れ上がった妖気と共に繰り出される拳は、いくら貧弱な幼児のものとはいえ、それなりに痛いかもしれない。

>>138
「ええいっ、俺に助けをもとめんな!」

むしろ、こちらが何とかしてほしいくらいだ。
幼児化していなければまだ助けることができたかもしれないが、今は犬御もこのザマだ。
涙目で縋るような視線で見てくる夕を突っぱねる。

>>140
「〜〜〜〜テメェッ……!!」

叡肖のふざけた態度に、犬御の血圧が上昇する。
姿形が変わっても中身はそのまんまだ。
故にクソガキである。

憎ったらしげに奥歯を噛みしめて、藍色の瞳を睨み付ける。
しかして全然迫力がない。元があれなだけ余計にだ。

「はあっ?」

無理。
無理無理無理無理無理。
犬御が青い顔をして頭を振る。
――女と風呂とか……絶対ェ無理だ!!

「フザケんな! 入るわけねーだろっ、このクソボケ蛸!」

クソ蛸からクソボケ蛸にランクアップ。
何を隠そうこの犬御は、女性が苦手だった。
窮寄やアリサなどの色仕掛けには反応しない癖、変な所で純情なのだ。
故に、道程である。

143澪『』:2011/06/24(金) 16:14:38 ID:HbHPxpxY
>>138
『店長さん、僕、貴方のこと好きです/////

・・・なんてね////』

酒で酔ってるのか、本気で言ったのか分からないが・・・・・・ショタ澪は言った。

頭を撫でられ、とても気持ち良さそうにするイヌミミメイドはにこりと笑った。

>>140-142
『叡肖さんも女性したら〜?アハハッwww////』

とかふざけてたら、二人のショタに殴られてしまった。
黒蔵のはそうでもなかったが、犬御のはかなりのでした☆

『黒蔵〜ごめんね////・・・でも痛かったなぁ/////』

めっちゃ喜んでる!犬御にもっと、とねだるように擦り寄って行く。

これが酒のせいか、本性かは分からないが。

144喫茶店《ノワール》:2011/06/24(金) 18:43:48 ID:c1.PBF/s
>>139>>140>>142>>143

巫女B「ふふふ、わかればいいよ。
アナタ達がいつでもその憑依ができるように私が鍛えてあげるからね」ニコッ
そう真面目に彼女は絞めた…

巫女B「…ってショタを大人にするなぁっ!!!!!」
そしてワイヤーを引きちぎり、蛸に文句を言い、東雲に向かい飛び上がる。

巫女B「ヒャッハー!!!ショタだぁぁぁあ!!!!」
《子犬》に《魔王》が残像をだしながら近づいてくる。

夜「あらあら〜♪皆飲み過ぎよ〜?
お酒もうストックがないわよ〜?」
そう困ったように言いながら、皆の姿を写真にとる夜だった。

夜「……ブカブカな服もいいわね〜」
澪の頭を優しくナデナデ中。

夜「だから暴れないの〜♪
美月〜♪彼を好きにしていいわよ〜〜」ニコッ
巫女B「やったー♪」

東雲が澪を殴ったが為に、夜は黒い笑顔をして巫女Bに向かい言い
巫女Bは…もう東雲にナデナデモフモフしようとする。


だが

夜「…………………………………………………………………………………………………………………………えっ?
え?え?え?ふえっ!?」ボフン!!!

澪のその言葉を聞き、顔を真っ赤にさせ慌てていると
頭から煙をだし倒れた!!!
……攻めは強いが、受けは弱かったようだ。


夕「……不幸だ…」
一方、倒れた姉の変わりに小さな身体でお店の手伝いをしてる。

145稲山 十夜:2011/06/24(金) 19:05:19 ID:SmXQZqJk
>>140
「ま、魔法…?」

困惑しつつも、黒蔵の方を見る。額に何か書いてあるのに気づいた。

(ん?この文字、さっきあの人が…もしかして…)

「黒蔵君!ごめん!」

テーブルにあった水の入ったコップを掴むと、その水を黒蔵の額目掛けぶちまけようとする。


>>144
「はいっ!お願いします!」

そう言って、深々と頭を下げた。

(帰ったら七郎に知らせないと。)

146黒蔵「」 叡肖『』:2011/06/24(金) 19:48:33 ID:1gBuqmPQ
>>142
犬御の表情が青くなったのを見て、クソボケ蛸はその品の良い笑顔にどことなく黒い要素を混じらせた。
そろそろ良い頃合に酔いが回ってこの蛸の頬にも赤みが差している。
蛸が赤くなったら悪乗り度も通常の3倍というわけで、

『なんだい?巫女さんと一緒がそんなに嫌なら、おにーさんと一緒に入るかい?』

叡肖はにやにや笑いを浮かべながらちびっ子犬御にセクハラ発言をする。
そこへ《魔王》が突進してこなければ触手プレイでも始まっていたかもしれない。

>>143
そして澪には

『女性する?そうだなー、今度機会があったら君を女性化してあげようか。
 女湯に堂々と入れるようになるぞー、はっはっは』

…なんだか不吉な宣告が成された。

>>144>>145
「なっ、冷たい!……って、十夜?何で?」

十夜にコップ水をぶちまけられて、黒蔵のデコの文字が溶けた。
墨交じりの水が黒い縞模様になって顔を流れ落ちる。

「うえええ、目に、目にしみるぅ!って、うわっ」

墨が目に入り、手探りでカウンター内の布巾かお絞りを探そうとした黒蔵が不幸な夕君にぶつかった。
その身体は徐々に元の大きさに戻りつつある。

147犬御:2011/06/24(金) 20:07:00 ID:/AfNAO.Q
>>143>>146
「!?」

酔う前との色んな意味で激しいギャップに、犬御は肌を粟立たせる。
ねだるように擦り寄ってくる澪から距離を取り、ぶかぶかの袖で追い払う動きをする。
野良猫をシッシッ、とするあの動作だ。

「キメェ寄るな!」

ひどい言い様だが、犬御も色々限界だった。
続けざまに、叡肖がセクハラ発言してくる。
澪の時よりも更に背筋を震わせて、ほろ酔い気味の蛸を振り向く。

「気持ち悪ぃんだよこの蛸!」

まんまな悪口を吐き捨てながら、じりじり後退する。
そうしている間に、再び澪も迫ってくる。

>>144
澪と蛸に追い詰められたその時、
燃え盛るショタへの執念溢れる巫女Bが、ワイヤーを引きちぎり犬御に迫った。
殺気(のようなもの)を感じ、巫女Bに気付いた犬御は慌てて逃げようとするが、
大きな白衣のせいで、一瞬の反応が遅れた。
戦場において、それは命取りなのだ。

「ぎゃああああっ!」

残念、犬御は巫女Bに捕まってしまった!
続いてモフモフされ、肩をびっくーんと跳ねさせる。

「ひっ……おいっ、離しやがれ!」

味わったことのない得体の知れない恐怖。
巫女Bの腕の中でばたばた暴れる情けない姿が、成長するとあの巨体になるなど到底信じられない。

148澪『』:2011/06/24(金) 20:15:38 ID:HbHPxpxY
>>144
『店長さん//////ヒクッ、重い〜・・・・・・』

急に倒れられ、押し潰されました。
見事にクッションになったので店長に怪我はないようだ。

>>146
酔っていた澪が青ざめた。女性化する・・・?確か自分が言ったのは『女装しなよ』と言ったはず・・・。

酔っていた為、言葉を間違えたようだ。そのお陰で不幸が飛んできた。

叡肖を睨みつけるが、潰されていて身動きとれない澪であった。

>>147
『あ・・・・・・』

潰されてる目の前で犬御が襲われた。
ただ、巫女Bの恐ろしさに恐怖していた。

149喫茶店《ノワール》:2011/06/24(金) 20:32:57 ID:c1.PBF/s
>>145>>146>>147>>148

夕「え?ちょっ!?……」
両足で踏ん張り、片手で黒蔵を支えようとする。
だがソレはミシミシっと骨が軋む。

夕「!!!!!!ぐぅ……ほら…おしぼり…」

苦悶の表情を浮かべながら、片方の手でおしぼりを渡そうとする。
もう完全に不幸だ……

巫女B「はぅぅ〜〜!!!小さい子はやっぱりカワイイよ!!!」
大きな二つの果実をを、彼の顔に当てながら優しく抱きしめる。

夕「美月さん…やめてあげてください」
美月「え〜〜!!……じゃあ夕くん♪」
夕「………えっ?不幸だぁぁぁぁあ!!!!!」
ああ…夕よ。東雲を助けるために言ったら、巫女Bに狙われてしまった。


夜「うぅ…」ピクッ
今、蛸はなんて言った?
彼を女性にする?
つまり……男じゃなくなる?……え?だめ!だめぇぇ!!それはダメ!!!!!!

そう思った瞬間、ムクリと起き上がり、蛸に向かいワイヤーを高速で飛ばしグルグル巻にしようとする

夜「彼は私のモノだぁぁぁあ!!!
女性化なんかさせるかぁぁぁあ!!!!!!そしたら結婚できないじゃない!!!」
…………………………………………
おいっ!コイツさりげなく凄い事ぶっちゃけたぞ?

いや…勢いって怖いね。
気付いた時には既に遅く、顔を真っ青にしながら辺りを見回す。

150稲山 十夜:2011/06/24(金) 21:11:03 ID:SmXQZqJk
>>146
「ああっ!黒蔵君ごめん!大丈夫!?
あっ、でも戻ってる。」

慌てて黒蔵の方へ駆け寄る。
その時に徐々に戻っていることに気づく。


>>149
「田中さんも大丈夫ですか!?」

慌てた十夜が駆け寄ってくる。

151黒蔵「」 叡肖『』:2011/06/24(金) 21:15:43 ID:1gBuqmPQ
>>147
『え?何?聞えなーい』

片耳に手を当てて聞えているくせに聞えないふりをする叡肖。
魔王にモフられる犬御を楽しそうに見ている。
その時歴史が…じゃない、ワイヤーが動いた。

>>148-149
蛸の筆を持ったままの腕が一本、店長のワイヤーに絡め取られる。
ぎりぎりと締め上げられながらも、蛸は店長さんに野次を飛ばした。

『ひゅーひゅー♪熱い告白、おにーさんしっかり聞いちゃったよぉ?
 そういうことなら何時でも店長さんを応援するからねー』

つまり、店長さんの依頼があれば何時でも澪君への落書きはOKということだ!
一方、黒蔵は夕からお絞りを受け取り、支えられながらもちゃんと自分で立つ。

「助かった…ありがと」

元通りにはなった黒蔵だが、それでも小学生の夕とさほど体格は変わらない。
そして夕と一緒に居ると巫女Bさんのターゲットになりかねないことに、
不幸にも黒蔵はまだ気づいていなかったりする。

>>150
「戻ってる?あ、ほんとだ……てーか十夜、何時の間に育ったんだ?」

元に戻っても、大人になった十夜には見下ろされるのだ。
黒蔵はちょっぴり悔しい。

152犬御:2011/06/24(金) 21:30:14 ID:DDrxEC0A
>>148-151
「むぎゅjfa;e」

柔らかなものが犬御の顔を包む。
巫女Bや犬御が動くたびに、ふにふにと形を変える果実。
凄まじい勢いで顔に血が集まる。

「〜〜〜〜ッ!!」

言葉すら出せず、ばたばたと体を動かしていると、
突然に巫女の体が離れた。
どうやら夕に標的が移ったらしい。

「はあッ、はあッ……」

解放された犬御は荒い息を巻きながら、不幸だと叫ぶ夕を見遣った。
普通なら助けるところだが、今の犬御にそんな余裕はなかった。
混乱に乗じて、そろそろと店の入り口まで這っていく。

(戻る方法は後で見つけりゃイイ。
 ひとまずこの危険な店から出ねェと……!!)

犬御はノワールに入店した事を猛烈に後悔していた。

153:2011/06/24(金) 21:35:01 ID:HbHPxpxY
>>149
『店長・・・さん・・・?結婚・・・・・・?僕と?』

少し澪は沈黙した。何が起きたか理解するまでに時間が掛かったようだ。
しばらくし、澪は笑った。
『店長さんが僕のこと好きならいいよ////』

これは酔って言ってない、つまり本心です。
やったね、店長さん!

>>152
『あれ、どこ行くん?酒飲もうよ〜。ショタ大男//』
澪に見つかった!!
きっとこの後、増援部隊が来るはずだ!

154喫茶店《ノワール》:2011/06/24(金) 21:44:29 ID:c1.PBF/s
>>150>>151>>152>>153

夕「だ…大丈夫………」ピクピク
死にそうな声で言いながら、十夜に言う。

夕「どういたしまして…」


そして、巫女Bが田中くんに行くと思ったら……
ターゲットは店長に向いていた。

巫女B「よ〜る〜♪詳しく聞きたいな?」ニヤニヤ

夜「あうあう」
その時の夜の心情は…
まずい!まずい!!非常にまずい!!
いくらなんでも、まだ会って三回なのにお付き合いもなしに「結婚したい!」っとかダメじゃん!!やばい嫌われる!いくらなんでも良い答えなんて……

夜「…………ふえっ!?」
澪の発言に夜は思考がフリーズした…

夜「え?い…いの…?
私、変態だよ?人間だよ?
私、寿命がアナタより短いんですよ〜……」

信じられないような感じで澪を見つめる。

155稲山 十夜:2011/06/24(金) 21:50:33 ID:SmXQZqJk
>>151
「い、いや、別に育ったわけじゃないよ。」

位置的にどうしても見下ろしてしまう十夜。

「これだよ。この文字が原因みたい。だから、悪いんだけど消してくれる?自分じゃ届かなくて…」

と、自分の背中の大人化の文字を指差してみせる。


>>154
「ほ、本当に大丈夫ですか?怪我してたし、悪化してないですか?」

心配そうに話しかける。

156黒蔵「」 叡肖『』:2011/06/24(金) 21:56:18 ID:1gBuqmPQ
>>152
『はっはっは待ちたまえ。まだ君の再教育は終わっていないぞ。
 それにどうやら今日はめでたい日らしい。君も祭りに参加したまえ』

酔っ払い蛸の腕が一本するりと伸びて、逃げようとする犬御の脚に吸盤で吸い付き絡みつく。
別の腕はまだ店長さんのワイヤーに絡め取られているので、店長さんがワイヤーを引けば当然
犬御も引きずられることになる。

>>153-154
『おおう、お熱いねぇ若い子は。ところで店長、このワイヤー外してくれないかな。
 お酒もう無いの?おにーさんまだまだ飲めるよー?』

これ以上飲んだら蛸の暴走は目に見えている。
さらに別の腕でケータイを操作し始める衣蛸。
酒が無ければ追加すればいいじゃない、という事らしい。

『あーもしもし?ミナクチ?ちょっとお酒持ってきてよ。うん、今ノワールで祝い事あってねー。
 瓶?そんなんじゃなくて樽で頼むわー』

蛸はミナクチをパシらせるつもりらしい。

>>155
「文字?これ?」

黒蔵はおしぼりで十夜の背中の文字を擦る。ごしごし。
ちょっぴり墨は残るものの、文字はあっさり消えた。

「この文字、俺に書いて欲しかったなー」

果たして、黒蔵がちゃんと育ったら背は伸びたのだろうか?
そして文字の消えた十夜は徐々に元に戻ってゆくだろう。

157犬御:2011/06/24(金) 22:08:39 ID:DDrxEC0A
>>153-156
澪に見つかったが、夜の大告白で手は出してこない。
(黙ってろ!)と指で合図し、犬御は無視して突き進むことに決めた。

ほふく前進でゆっくりと前進。
もう少し、もう少しで扉に手が届く。
そー……っと腕を伸ばし、押し開こうとした。
が、寸前で脚が絡め取られた。

「!?!?」

慌てて後ろを振り向くと、足首から太ももにかけて纏わりつく蛸の脚が見えた。
さっと顔から血の気が引く。

「はははは離せぇええ! ぐぎぎぎ……」

こうなればヤケだ! とばかりに腕を使って前に進もうとする。
だが、脚を取られては当然うまく進めない。

158澪『』:2011/06/24(金) 22:12:43 ID:HbHPxpxY
>>154
『変態でも人間でも、それが店長さんなんだよね?

それに寿命を伸ばすことは不可能じゃない・・・。

・・・店長さんが望むなら、僕は大歓迎だよ。』

正直、澪も魅力されてたようだ。
初めて触れる女性の暖かさとか温もりとか、どれも良かった。
結果、OKしたのだと思う。
>>156
『ミナクチ様が来るのですか////?』

愚痴を零そうと思ってた澪にはちょうどいいようだ。ただ、澪は自分の置かれてる立場を理解してない。

いつ蛸さんに攻撃を喰らうとか、予想0です。

159喫茶店《ノワール》:2011/06/24(金) 22:41:01 ID:c1.PBF/s
>>155>>156>>157>>158

夕「………ぶっちゃけ、痛い…」
少し涙目で十夜に言う。

夜「……いいんですか?本当に……」ポロポロ
目から雫を零し、ついついワイヤーを解放してしまう。

コレで蛸さんは自由だよ!!

夜「……夜。
そう呼んでください」
そう言いながら澪に抱き着こうとする。

巫女B「(さてさて…皆に報告だ。夜が結婚しました……っと)」
巫女Bは巫女Bで知り合いに一斉送信しやがった!!

160稲山 十夜:2011/06/24(金) 22:45:43 ID:SmXQZqJk
>>156
「良かった…戻れるみたい。」

安堵の表情を浮かべて言った。
しかし、着ていたワイシャツは墨で汚れてしまった。


>>159
「ああ…やっぱり痛かったんだ…
あまり、無茶しないでくださいね。」

優しい口調で言った。

161黒蔵「」 叡肖『』 ミナクチ【】:2011/06/24(金) 22:50:27 ID:1gBuqmPQ
>>157-160
『んっふっふっふっふーん♪』

一気に引きずり寄せることも容易い筈なのに、叡肖はちびっ子犬御の反応が楽しいのか
ゆっくりじわじわと手繰り寄せてその反応を楽しんでいる。
叡肖のジャケットの下から一本、また一本、と腕は伸びて行き犬御に絡みつく。
その表情はとても楽しげであるが、それを見て黒蔵のほうは恐怖で引きつっている。

>>158
【もう来てますよ】「蛇神っ!」

カウンター内のシンクに、ミナクチが居た。それを見て黒蔵が安堵の声を上げる。
その一寸法師な蛇神が乗っている蛇口が勝手に開き、水が溢れて広がる。
その水面から蟹が数匹、四斗樽を重たげにカウンターへと押し上げた。

『おおっ、仕事はやいねー、流石ミナクチ』
【皆さんお疲れ様、もう戻って頂いて構いませんよ】

ミナクチに送られて蟹たちは水に消え、その水もまた流れ去って消えた。

>>159
【で、お祝い事って何なんですかいった…ええええ!!!?】

一人のショタッ子が店長さんに抱きすくめられている。
その少年が澪の幼少化した姿であることに気づいて、ミナクチが驚いた。

>>160
【あのう、何がどうなってこうなったんでしょうか?】

この場で一番冷静そうな十夜に、蛇神は尋ねてみた。

162犬御:2011/06/24(金) 23:04:19 ID:DDrxEC0A
>>158
夜の告白が成功して、店内が祝福ムードに包まれる。
人間と妖怪、種族の垣根を越えた愛。感動的な瞬間だ。

――だが、犬御はそれどころではなかった。
鼻歌交じりに叡肖が触手を手繰り寄せる。
もう少しで扉に届きそうだった手も、虚しく離れていく。

「んぎ、ぐっ」

爪を立てて必死に床にしがみ付くが、叡肖の腕は強かった。
徐々に、腕がその本数を増やしていく。
太ももを超え、腰にまで触手が及ぶ。
それは浸食され、捕食されるような感覚にも似ていた。

「やめ、この蛸っ、離しやがれ……!」

強がるような言葉を吐きながらも、体が幼児化した影響か、
大きな瞳には僅かに涙が溜まっていた。
普段の東雲ならば絶対に見せない、助けをもとめるような視線が、黒蔵に向けられる。

163澪『』:2011/06/24(金) 23:08:35 ID:HbHPxpxY
>>159
『・・・夜っ。あ、待って・・・。この体、どうしよう。』
抱かれてしまうショタ澪である。
結婚てことは、夜さんと住むことになるのか?

>>161
『ミナクチ様!
この体、戻して下さい・・・・・・』

安心した表情と共に、軽く絶望していた。

ちなみに夷磨璃、食事を終えてからずっと寝てます。何が起きようが気づかないだろう。流石、どn(ry

164喫茶店《ノワール》:2011/06/24(金) 23:15:08 ID:c1.PBF/s
>>161>>162>>163>>164

夕「わ…わかった……
つうか…姉さんがいつの間にか愛の告白してるし」
ピクピクしながら自分の姉を見て、なんか複雑そうに笑う。

夕「父さん、母さんはともかく…おじいちゃん達の反応が怖いな…」
思い浮かべる田中母の父であるムキムキマッチョな外人のおじいさんと田中父な父である、日本刀を持つ修羅なおじいさん。

……果たして澪は義祖父二人に気に入られるか?

夕「あと…俺はいいからあのお兄さん助けてあげて」
未だに小さい夕は十夜に東雲を助けるように言う。

巫女B「新たなショタの気配!!」ピカーン
巫女Bが目を光らせミナクチさまを見てる。

夜「…澪………」
初めて名前で呼びながら愛しそうに澪を見つめ手を離す。

住み込みうんぬんは場が落ち着いたら決めればいいだろう。

一方、こんな妖怪だらけの場所に夕くんは

夕「(それにしても代わった手品や護身術使う人達だな…
あの小さい人はいつから来たんだろう?)」
……普通じゃない普通な反応だった!!

165稲山 十夜:2011/06/24(金) 23:24:05 ID:SmXQZqJk
>>164,>>162
「え?あの人を?」

(うう…あの人、なんか怖そうだから苦手なんだよね。でも、今なら小さくなってるし…)

チラリと犬御の方を見る。今ならいけると見る。

(ええと、墨を消しさえすれば多分大丈夫だよね。)

手ぬぐいを持ち、墨を消そうとそっと静かに接近する。
ちなみに今は叡肖の方が怖いようだ。


>>161
「え?あ、ええと、あの人が墨で何か書いたら僕が大きくなったり、黒蔵君が小さくなったりして…
すみません。このくらいしかわからないです。」

と、自分の背中に残った墨の後を指差しながら言う。

「あの…ところであなたは?」

不思議そうにミナクチを見つめる。

166黒蔵「」 叡肖『』 ミナクチ【】:2011/06/24(金) 23:29:33 ID:1gBuqmPQ
>>162>>165
犬御のあの目に浮かぶ感情は黒蔵も良く知っている。
その意図するところは痛いほどに伝わってきた。

「叡肖さん。ほら、お酒も届いたし、鏡割りの音頭取らないと…皆に飲まれちゃうよ?」

特に飲みたがっていた澪を指差して、叡肖の気を引こうとする黒蔵。

『…それもそうだな』

いい加減出来上がっている叡肖は犬御を離して酒樽のほうへと向かった。
シンク横のカウンターから店中央のテーブルの上へと蛸が樽を動かしている間に、
黒蔵の身体の蔭でこっそりと十夜が犬御の背中の文字をおしぼりで擦り取る。
これで文字の効果は消えるはずだ。

>>163-164
【叡肖さんの書いたその文字を消せば戻る筈ですよ】

ミナクチが澪に囁き、背中に文字があることを教えた。
店長さんに頼めば文字を消してくれるかもしれない。ただし巫女Bさんの妨害が無ければ。
そして肝心の巫女Bさんの視線に、十夜と話すミナクチは気いていないのだ。
故に獲るとしたら今である。そしてその時、夕君はどう動くのだろうか。

>>165
【やっぱり、叡肖さんの悪戯が全ての原因なのですね】

やれやれ、と小さな蛇神は溜息をついた。
しかし巫女Bさんもその悪戯を肯定する存在である、ということをミナクチはまだ知らない。

167東雲 犬御:2011/06/24(金) 23:46:46 ID:/AfNAO.Q
>>163-166
酒樽へ向かったことにより蛸の足と吸盤がするりと外れる。
解放された犬御は、そのまま床に突っ伏した。
ぜぇはぁと激しく胸を上下させ、荒い息を吐いている。

夕の頼みを受けやっときた十夜がそっと背中の文字を拭い取る。
すると小さな体が段々、元の巨体に戻り始めた。
ぶかぶかだったシャツも白衣も、全て丁度いいサイズに収まった。

顔を俯かせたまま、東雲はよろよろ体を持ち上げた。
思わず助けを求めてしまったが、とにかく、
叡肖の気を逸らし文字を消してくれた二人に、礼を言わなければならないだろう。
黒蔵と十夜の方に顔を向ける。

「すまね……、っ!!?」

が、東雲が顔をもたげた途端、
先程まで溜まっていた涙が、鋭い赤い瞳からぽろりと落ちた。
それに気付いた東雲は、目を見開き、大慌てで顔を拭う。
人前で、特に黒蔵なんかの前では絶対に見せない、貴重な東雲の泣き顔である。

168澪『』:2011/06/24(金) 23:51:53 ID:BQ990e1A
>>164,166
『あれ?いつのまに…。』

ちらりと叡肖を見ると、消して貰うよう、嫁に頼むだろう。
消し終わった時、今度は澪から抱きにいくつもりである。

『夜、大好きっ!!』と言う風な感じで。

そして、ミナクチの持ってきてくれたお酒を飲み始める。

>>167
『……泣いてる。どうしたんだろ…。』

犬御の事をさっぱり忘れていた。
何をされたかは知らないが、暖かく(?)見守る澪だった。

169喫茶店《ノワール》:2011/06/25(土) 00:02:43 ID:c1.PBF/s
>>165>>166>>167>>168

巫女B「とったぁぁぁあ!!!!」
突然、巫女Bが優しくミナクチを両手で捕まえ、優しくモフモフナデナデしようとする。

夕「………」
なんだろう…やっぱり他人のような気がしない…と東雲を見る。


夜「コレね〜」
澪にかかれた文字を消し

夜「///////

わ……私も澪の事が大好きで〜す!!!」

そう言いながら抱き着かれ、顔を真っ赤にしながら言う。
そして澪にお酌をしたりするだろう。









田中母「太郎か?喜べ…ついに夜に貰い手ができた
……いや本当だぞ?え?今から帰る?
ああ!今夜は赤飯だ」

そしていつの間にか部屋のすみで、右目あたりにヒドイ火傷痕がある、この人マフィアの人?って感じのただ者じゃない、黒い皮のコートを着た人間(?)がいた。

しかもミナクチが用意した酒を飲んでる……

170稲山 十夜:2011/06/25(土) 00:07:28 ID:SmXQZqJk
>>166
「あの人、叡肖さんって言うんですね。」

迷惑だなぁとか、やっぱりなんか怖いなぁとか、思っていた。


>>167
墨を消したあと、そそくさと元の位置に戻った十夜は、そこから犬御の様子を見る。

(えっ?あ…大丈夫かな…)

171黒蔵「」 叡肖『』 ミナクチ【】:2011/06/25(土) 00:13:46 ID:1gBuqmPQ
>>167-168
何も言えずにそっぽを向いて、黒蔵は犬御に持っていたおしぼりを押し付けた。
恋敵ではあるが、男としてその涙は見ないふりである。
その間に叡肖はさっさと樽を開けて、酒を柄杓で汲み出して振舞っていた。

あの衣蛸には、やっぱり脊椎動物にとってはどこか得体のしれない不気味な怖さがあるのだ。
どこまでが本気でどこからおふざけなのか、その境目がさっぱり見えない。
魂をじわじわと嬲られるような恐怖を、この狼もきっと感じたに違いないのだ。
黒蔵はそれまでよりもちょっぴり、犬御に対して親しみの情を持った。

>>169
【いきなり何なんですかあああああ???!】
「あ」

全くのノーマークだった巫女Bさんにより、ミナクチ捕獲される。
黒蔵の止める間も無くモフられてます。

『ほら、どんどん飲んで飲んで!無くなったらまた届けさせるから』

ママさんにも酒を注ぎ、一緒にペースの上がる叡肖。
只者じゃない人の横で蛸は普通に飲んでます。

>>169>>170>>167
「もしかしたら、今のうちに逃げたほうが良いかもしれない」

黒蔵が声を潜めて十夜と犬御に囁いた。
蛸はママさんと一緒に出来上がっている。夜と澪はお互いしか見えていない。
そして巫女さんは蛇神に夢中だ。
今、黒蔵と夕が手引きすれば、犬御と十夜は店から逃げ出せるかもしれない。


……一番の問題は黒蔵も夕も、不幸体質なことである。そして黒蔵はそこを失念している。

172東雲 犬御:2011/06/25(土) 00:33:38 ID:/AfNAO.Q
>>168-171
「ぐっ……いらねーよ」

押し付けられたおしぼりを手の甲で戻しながら、東雲は白衣で涙を拭った。
東雲、一生の不覚である。

(なんつー情けねェ面を晒してんだ俺は!)

しかも、よりにもよって一番見せたくない奴に。
黒蔵は目を逸らしているが、傷付いたプライドは戻らない。
白衣で顔を覆いながら、東雲は沸々と怒りを燃やした。
とりあえずあの蛸、一発殴らなければ気が済まない。

……が、結構な精神ダメージを受けた東雲は、今はとにかく帰りたかった。

「帰る」

東雲はげっそりした顔で立ち上がると、扉に手を掛けた。
この混乱の中一人帰っても、まあ気付かないはずだ。
しかしふと思い出したように、東雲は立ち止まり、

「……よう」

夕の元に向かった。
先程のことは気付いてないが、巫女Bの手から東雲を救い出したのは彼だ。

「助かっ、た」

躊躇いがちに言い終えると、東雲はそそくさと扉に戻っていった。
やはり似たものを感じる、そう思いながら。
このまま彼が無事に帰れたかどうかは、この先次第である。

//すいません、先に落ちます
ありがとうございました!

173澪『』:2011/06/25(土) 00:43:49 ID:BQ990e1A
>>169-172
『じゃあね、大男〜/////』

酔っ払ったように、別れを告げると再び夜と話し始めた。

『それにしても驚いたよ、急に結婚の話とか出ちゃってさ〜。』

相変わらずのマイペース口調で話している。
一緒にご飯を食べて、お酒を飲んで、こんなにも暖かいんだな、と実感した。
昔の自分よりも今の方がいいな…って、心から思えた。

『夜、あーん♪オムライス食べさせてあげる〜。』

174喫茶店《ノワール》:2011/06/25(土) 00:53:32 ID:c1.PBF/s
>>170>>171>>172>>173

夕「あ…どういたしまして」
ペコリと東雲にお辞儀をする。

夕「……とりあえず、十夜とお兄さんは今のうち逃げた方がいいぞ?」
ショタのまま夕は十夜と東雲に言う

夕「なに…俺なら大丈夫だ」ニカッ
……田中くん!!それフラグ!!!

田中母「夕!!黒蔵!!アナタたちも今日は飲みな!!」ガシッ
夕「え?ちょっ…母さん?…みぎゃぁぁぁあ!!!」
……おお!田中くんと黒蔵よ!母親に片手で持ち上げられて、引きずりこまれるだろう。
田中母の力はかなり強い……

田中母「それは、ありがたい」ニコッ
田中母はまるで水を飲むようにお酒をどんどん飲んでいく。

巫女B「カワイイな!!カワイイな!!!」モフモフスリスリ
誰か!!誰か巫女Bを止めてぇぇ!!!

夜「わ…私も驚いています〜
つい言っちゃって〜〜
……こんな私ですが…コレからもよろしくお願いします///」
好きな人と結ばれて、一緒にご飯を食べるってこんな幸せなんだ…
のんびりとしながらも彼女は幸せだった。
例えアナタが妖怪でも、過去に何かあっても、私田中 夜はアナタを一生愛します。

夜「あ…あ〜〜ん///」
口を大きくあけ、オムライスを食べた。


田中母「ふむ…積もる話は後日聞くか。今は幸せな空間を邪魔する訳にはいかないな…母親として」
その様子を見ながら母親はお酒を一気飲みした。

/犬御の人お疲れ様でしたー

175稲山 十夜:2011/06/25(土) 01:07:36 ID:SmXQZqJk
>>171
「に、逃げるって…でも、そろそろ帰らないと七郎が心配するかも…」

体調を崩しているのに関わらず、七郎は探しに来るかもしれない。


>>174
「は、はい。それじゃあ、僕はそろそろ。」

と、出口に向かおうとする。
その前に思い出したのか、巫女に近づき。

「あの、今度七郎と行きますんで、その時はよろしくお願いします!」

例え、どんな事をしていようと十夜にとって巫女Bも尊敬する人物である。

「それじゃあ、皆さんまた。」

七郎が心配しているかもしれないので、急ぎ足で帰っていった。


/自分もこれで落ちます。絡み乙&ありがとうございました。

176黒蔵「」 叡肖『』 ミナクチ【】:2011/06/25(土) 01:09:44 ID:1gBuqmPQ
>>172-173
(大きい奴は狙われないのかな)

大男に戻った犬御はすんなりと抜け出せたようである。
四十萬陀へ伝言頼めばよかった、などと後から思い返すが、後の祭りである。
今度抜け出せたときに袂山へ会いに行こう、と黒蔵は思った。
ここに居る限り、出来立てのいちゃいちゃップルの仲を見せ付けられるのだ。
澪はすっかり婚約者に酔っている。

(ちくしょう、なんだか俺狼に負けた気がする)

今は四十萬陀の待つ袂山へと帰れる犬御のほうが、明らかに黒蔵より勝ち組なのだ。
そして十夜も無事に抜け出したらしい。
ほっとしているとママさんに腕をつかまれ田中君と一緒に引きずり込まれた。
文句を言う間もなく盃を握らされ、叡肖に酒を注がれる。
うわばみの黒蔵はまだいいが、田中君は怪我もあるしそもそも未成年、
酒なんて飲まされて大丈夫なのだろうか…。

巫女Bに捕獲されていなければ、ミナクチも夕の傷を癒せるのだが、
どうやらその機会は先送りされそうである。

そして飲み会で一番不幸な奴というのは、一番最後まで正気を保った要領の悪い奴、
と相場が決まっている。
他の皆が潰れてしまえば、ミナクチは酔っ払った衣蛸を水を伝って送って帰ることとなり
荒れた店の後片付けをする羽目になったのは結局、うわばみの黒蔵なのだろう。


//自分もこの辺でおちます。皆さんお疲れ様&絡みありがとうございましたー

177黒蔵「」 叡肖『』 ミナクチ【】:2011/06/25(土) 01:10:31 ID:1gBuqmPQ
//安価ミス、>>172-175でした。

178澪『』:2011/06/25(土) 01:17:00 ID:HbHPxpxY
>>174
『こちらこそよろしく、夜っ♪』

と言い、田中母の元へ行く。とりあえず挨拶は大切だ。
『この度、結婚することになりました、澪です。
妖怪ですが・・・夜を幸せにして見せます。』

え?いきなりいいのかな?そんなこと言って・・・?

澪は母がどんな人か知らない。

>>ALL
『夜、一旦僕は帰るよ。夷磨璃君もいるしさ・・・。

今日は本当に嬉しかったよ、夜。ありがとうね!』

夜の手に握らせたのは、一枚の紙切れ。そこには澪のアドレスとか電話番号とかが書いてある。

眠った夷磨璃をおぶると、店を後にした。
//二日という長いイベント、お疲れ様でした!
またよろしくお願いします!!

179喫茶店《ノワール》:2011/06/25(土) 01:26:10 ID:c1.PBF/s
>>175>>176>>178

巫女B「ええ♪お姉さんに任せなさい」
ミナクチさまをモフモフするのを止め、十夜に手を振り見送った。

もちろん田中くんの不幸スキルは酷かった傷が痛いわ。お酒が口の中の傷に染みるわ。酒も普通に飲めるくらいで、そんなに強くない。
もうピンチに近い……

巫女Bはいつの間にかミナクチを解放して帰る。
田中母は酔っ払わず、片付けも手伝ってくれるだろう。


田中母「ようかい?何処の組か知らないが、夜を幸せにするなら……いや、うちの娘をよろしく頼む」
田中母は妖怪の存在を知らずヤクザの組かなんかと勘違いし、相手の態度に本気だとわかりこちらも頭を下げる。

夜「こちらこそありがと〜♪澪♪私は今幸せです〜
連絡するから〜。すぐ連絡するから〜」ニコニコ
紙を受け取り、澪を見送るだろう。

その後は、夜は澪にメールし、田中母は蛸さんたちと宴会をした。

人と妖怪の愛に……幸あれ


/皆さん二日間ありがとうございます
/お疲れ様でしたー

180零なか:2011/07/21(木) 08:43:04 ID:HbHPxpxY
双龍の最後

日時・7月23日以降の9時くらいから

戦闘中心のロールとなります。
ボスを倒して終了予定です。

181黒龍「」&白龍『』:2011/07/23(土) 21:16:21 ID:???
長い間、一緒に居たとある家族。
時には笑って、時には泣いて、色々な時間と空間を過ごした。
だが、何事にも永遠と言う物なんてない。
この家族もまた、永遠に続くことなんてない。今、崩れようとしていた。

「ぐッ…。」
『黒龍っ、こ、こんな姿は露希達には見せられないね…。』
「そう、だな…。く、早く別の所へ行こう…。」

露希と零が寝静まると、双龍はこの街の近くの山へと訪れた。
呪いが彼らを蝕んで、それが解き放たれようとしていた。

『じゃあね、露希…。あっ、んぐあっ!』
「零…。ぐ…ぐあああぁぁぁぁっ!!」

壊れていく心と思い出。
呪いが解き放たれた。


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