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85波旬/出口町 入江:2011/06/05(日) 17:22:00 ID:???
>>84

「厄介? どうしようもないの間違いだろ!!」

 風の力を足に纏い、貪欲の魔王は高速で詰め寄った。
 その炎熱の手が、和戌の首を掴む。

「あはははははッ! ザマァ見ろ雑魚が!!」

 ジリジリと、焔が和戌の肉を焼く。

「ところでそこの薄汚い狼、これ見てどう思う?」

 貪欲は更に犬御や和戌の魂を覗き見る。
 その性格の悪さは、確かに魔王たるドス黒さをむき出しにしていた。

「悔しいだろ? 悔しいよね! お前があんな風にまでして手に入れたかった力を!!
 こんなにアッサリ手に入れちゃうんだからさぁ!!!」

 ただただ優越感に浸りゲラゲラと笑っていた。
 その力の意味や使い方に一切の疑問も持たず。
 ・・・だから窮奇にも見限られたのだろう。

「私は窮奇を殺して、今度こそもっと完璧に転生する!
 もっともっと・・・強くて完璧で! 最高の妖怪に成るんだぁ!!!」



「・・・ッ!?」

 周囲から放たれる炎弾と水弾を翼で受けるが、
 その翼は水圧に折れ、大きく煙を上げる。

「グ、ギギ・・・よくも! 姉さまから頂いた身体を!!」

 回る獣達の僅かな隙、本来は和戌が埋めるべき場所をとっさに探り!
 大きく跳躍して陣の中から脱出する!

「何がお返しだ! お前達まともな妖怪だって・・・!
 私の仲間を・・・、紫狂の友達を奪っていったじゃない!!」

 その涙をいっぱいに溜めた瞳で、仲間達と戦う送り妖怪達を憎憎しげに見つめる。
 その想いは嫉妬か、憎しみか。
 否・・・ただの八つ当たりなのかもしれない。

 織理陽狐によって、嫉妬の念はほとんど解けていたが。
 彼女を未だにここに縛り付けている想いは・・・。
 無理矢理掘り起こされたとはいえ、四十萬陀と同じ仲間意識からだった。

「あなた達なんかに・・・、幸せな奴等なんかに紫狂が負けてたまるか!!」

 黒い妖気が溢れかえり! 部屋全体を覆いつくす。
 それは・・・窮奇ですら使ったことのない、獄門鳥の奥義だった!!



             【針山先端・残虐殿】!!!


 四方八方から白い槍が噴き出し!
 その石英が更に砕け、細い槍が辺りに噴き出す!!
 さらにその槍から、更に細い針が・・・

 数多の枝分かれを繰り返し! 部屋全体はまるで白い菌糸が張り巡らされたように白く染まっていた!!


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