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●事情によりこちらでSSを投下するスレ●
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プロバイダー規制や本スレの空気などでSSを投下できない人が、
本スレの代わりにこっちでSSを投下するスレ。
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【復讐鬼になったタカシ】
「許せねえ……この恨み、億倍にして返してやる!」
「ふ、面白い。やってみるがいいのじゃ!」
楽しみに楽しみにしていたプリンをまつりに食べられ、冒頭から怒り心頭な俺です。
「今から俺は復讐鬼! ひどいことしてもまるで良心の呵責に苛まれない復讐鬼! まずはまつりのパンツを奪い、はいてない状態に!」
「ふん、すでにはいておらんのじゃ。貴様の企みなぞ、まるっとお見通しじゃ!」
「パンツはいてないことをここまで堂々と言う人は知りません」
「うるさいのじゃ!」
はいてない人が怒った。
「じゃあ作戦変更、剃ってやる!」
「甘いのう。まだ生えておらんわ!」
「パンツはいてないはまだ生えてないは……散々だな」
「うるさいのじゃ!」
生えてない人が怒った。
「しかし、二手三手先を読むわらわのこの技術……惚れ惚れするじゃろう?」
「普通、先を読んでもパンツを脱ぐという選択肢はないと思う。あと、生えてないのは身体的にロリぃからかと」
「うるさいのじゃ!」
ロリぃ人が怒った。
「うぬう……ばかにしおって! 許さんのじゃ、今からわらわは復讐鬼なのじゃ! 復讐するのじゃ、復讐するのじゃ!」
「待て、復讐するは俺にあり! 勝手に復讐鬼を名乗るな! あとプリン返せ」
「うるさい、わらわの勝手じゃ! ふふ……わらわの智謀でタカシをぎゃふんと言わせるのじゃ! 謝るなら今のう」
「ごめん」
まつりが凍った。
「謝ったからプリン返せ」
「まだなのじゃ! まだ何も復讐してないのに、謝られたら困るのじゃ! 謝るの返すのじゃ、ごめんなさい。ぺこり」
「仕方ない、許してやろう」
ぺこりと言いながらぺこりと頭を下げられたので、許さざるを得ない。
「ち、違うのじゃ! これは返しただけで、謝ったわけではないのじゃ! ごめんではないのじゃ!」
「じゃーじゃーうるさい! なんでもいいから、プリンを返せ!」
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「じゃ、じゃーじゃーうるさいとは何事じゃ! これは高貴なわらわのみ使える言葉じゃぞ! そうじゃ、わらわは高貴なる存在なのじゃ。プリンのひとつやふたつ、献上して当然と思わんかえ?」
聞いた話によると、まつりはどっかの国のお姫様らしい。俺の予想では、戦国時代のお姫さんがタイムスリップしてきたとかそんな。
「思わん! たとえまつりが城で『爺、暇だ。罪人の首をはねよ』とか言うくらい偉くて残虐非道な人だとしても、それはそれ! プリンを返せ!」
「そんなこと言わんのじゃ! わらわをなんだと思おておる!」
「姫」
「なんじゃ、分かっておるではないか。そう、わらわは高貴なる姫! 本来、貴様のような下賎な輩がおいそれと口をきけるような者では」
「いかん、プリン分が足りなくなってきた。このままではプリン分を補うため俺の体内で化学反応が起こり、臓器が全部プリンに置き換わる」
「どうして貴様はわらわの話を途中で……な、なんじゃと!」
まさか信じるとは思わなかったが、面白いので騙そう。
「言ってなかったが、俺は奇病、内臓プリンに侵されている。この病気にかかると、一定時間プリンを摂取しなかったら臓器が全てプリンに変わってしまうんだ」
「な、なんと、タカシがそんな大病に侵されていようとは……」
簡単に騙される辺り、姫さんのような気がしないでもない。
「よし、今からコンビニ行ってプリンを買ってくる! それまでプリンになるんじゃないぞ、タカシ!」
「悪い……もう遅いようだ」
ぱったり倒れ、体中の内臓がプリンになったフリをする。難しすぎる。
「た、タカシ!? まだじゃ、まだプリンになってはならん!」
「す、すまない……俺、おまえと会えて、嬉し……か……」
「こ、こうなってはわらわの口内に残るプリンのカスで補うしか……」
いかん、話がおかしな方向に。
「な、なんか奇跡が起きて治ったような」
「気など使わずともよい! こ、これは接吻ではない、ただの人命救助じゃ。……そ、それに、おぬしとなら、わらわは、その、別に……」
いかん、このままでは俺の唇が大変ピンチ! いやそれが嫌とかそういう話でなくてええとええと!
「そうだ、これは体液の交換でうつるという設定……いや、そういう病気なのだ! だからキスすると」
「……設定?」
いかん、俺がピンチ。
結局、芋づる式に嘘が全部ばれた。
「よくもわらわを騙したな! なにが内臓プリンじゃ、莫迦者!」
「すいません」
すごい怒られたが、接吻を回避できたしまぁOK。……こういうことは、騙してとか嫌だし。
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>>739
姫様にいたくキュンキュンしたので投下
プリン事変直前の姫君
http://kjm.kir.jp/?p=114376
おまけ
生えてないのを気にしてる姫君(鏡のはずなのに服が左右反転してない不思議)
http://kjm.kir.jp/?p=114377
まえばり は さいごのりょうしん
あと、描くの大好きなんだからいい加減ちゃんと和服を描けるようになりたいと思った。
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>>740
まえばり はずせば はえてくるんじゃね?
俺は和服だけじゃなく服全般がまともに描けn(ry
絵って難しいよね
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>>739-740
纏さんとお前ら愛してるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
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仕方ないからこっちに・・・277の34へ
http://kjm.kir.jp/?p=114606
描き上がったらスレ落ちてるとかツンすぎだろ
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>>743
俺が爆発した
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>>743
超光速で保存した
GJ!!
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>>743
お持ち帰りした
-
事件はある晴れた放課後の帰り道に起こった。
いつも通っている神社のわき道を歩いていると、俺と幼馴染のツンデレは
なにか紙切れのようなものが木に引っかかっているのに気が付いた。
「何だアレ」
好奇心からその紙切れを拾った俺は、さっそく隣にいるツレにその紙切れ
を見せびらかした。
「見ろよ、なんかのお札みたいだぞ」
「はいはい。良かったわね」
「オマエなあ。もっと『きゃあ怖い!なにかの祟りよ』とか『お札を大事に
しない奴は地獄に落ちるわよ』とかのリアクションは無いのかよ」
「……なにそれ。そんなもの迷信よ」
この女は、小さいときからこういう心霊とか神秘とかいうものをちっとも
信じていない。いつだったか、オバケ屋敷のオバケにダメ出しをしていた事
もある。だから、次の瞬間彼女が起した行動も納得のいくことだった。
「いい?バチなんて当たるわけないのよ。ほら」
そう言うと、彼女は得意げに俺が拾ったお札をビリビリに破りだした。
次の瞬間。
夕暮れの神社の境内が、本当にしんと静まり返った。真っ赤な日の光が
やけに強く射し込み、神社の木影が真っ黒になる程、濃さを増していく。
ヤバイ。直感的にそう感じた俺は、迷うことなく幼馴染の後ろに隠れる。
呆れたように俺を一瞥する幼馴染。そんな俺たちの耳に誰かの、いや、何か
の声が聞こえてきた。
「おい……」
「き、きゃあ!」
俺は反射的に叫び声を上げていた。幼馴染はじっと声のするほうをいつもの
仏頂面で睨んでいる。
「そこの女、お前はいま自分が何をしたか分かっているのか……」
「薄汚い紙切れを破り捨てただけよ。なにか問題だったかしら」
「それは我がこの世に形を留めるための大事な札じゃ」
「そんなに大事なら、銀行の貸金庫にでもしまっといたら?」
「女……我はこの神社に奉られておる神。それを知っての行いか」
「神様っていってもねえ。ヤオヨロズもいるんだから、ひとやまいくらの
サンピンくらいじゃ怖くも無いわ」
黙って聞いていると、俺のツレは神様相手にとんでもなくバチ当たりな
暴言を吐きまくっていた。まずい、このままではとばっちりで俺まで何か
変な祟りがあるかもしれない。この女を止めようと、俺は一人と一柱の間に
分け入ろうとした。
「か、神様!こいつだって悪気があったわけじゃ…」
「いや、悪気十分!よって恐ろしい呪いをかけてやるっ!」
いつのまにか半泣きのベソ声になっていた神様が宣告する。
「お、恐ろしい呪いだって?!」
「一応そんな力もあるんだ。ふーん」
「バカかお前は。いいから謝れ!」
この期に及んで、まったく神経が太いというか狂犬というか…。しかし
良く考えるとコイツのお陰で、帰り道で神様と遭遇なんて気が変になりそうな
状況にも対応できているのも事実だ。
「もう遅いもんね!とびっきりのやつをおみまいしてやるもんねー!」
もはやガキの喧嘩レベルになった神様の一声が、重く俺たちに圧し掛かった。
一体、どうなってしまうのか!?
つづく
-
「では選ぶが良い。一番、女体化。二番、マッチョ化。三番、若年化。
どうじゃ?恐ろしくてションベンをちびりそうじゃろ?な?な?」
「ほんと。あー、こわい」
「……あぅ…ひ、ひどい……」
「泣かなくてもいいじゃない、あんたほんとにカミさまなの?」
「あんだって?!あたしゃk……」
『それが言いたかっただけか!』
ほぼ同時に俺たちは突っ込み、そのまま帰路へと……。
-
「いやちょっと待ってよ。とりあえず何番かだけでも選んで下さいよ」
「じゃあ三番」
俺は迷うことなく三番を選ぶ。これで、あの小さくて素直だったときの
あいつに戻ってくれれば言うこと無しだ。
「何であんたが選んでるのよ」
いやまてよ?こいつ、たしか小さいときからこんな調子だったっけ?
「一番じゃな!?ヒッヒッヒ!!」
ブキミな笑い声が境内に響き、同時に今までの周囲の静けさが抜け
夕暮れの喧騒があたりに戻ってくる。
「安心しろ!もう大丈夫だぞ!」
「だから、なんで一番にしなかったの?あれなら別に……」
「おやぁ、呪いとか信じてないんじゃなかったんですかぁ?んっふっふ!」
「……」
こうしてこの日は強烈な右フックをお見舞いされて終わったのだった。
しかしこの後、予想だにしない出来事が!
-
朝起きると、俺の目の前に小さな女の子が立っていた。
中学生くらいだろうか。丁度、あの生意気で向こう見ずでおてんばで
毒舌でヘソ曲がりの幼馴染の若いころにそっくりだ。
「さっさと起きなさいよ、能無し」
「というか本人ですか。あれ、なんで中学の制服着てるの?」
「呪いのせいよ。これはかなり厄介ね」
俺はベッドに腰掛けたまま、小さくなった幼馴染の話を聞く。ひと段落した
ところで、ぽんと膝を叩く。
「ふむ。本当に呪いみたいだな」
「信じたくないけどね」
「しかし……今は若返りが進行していないようだな。何かきっかけがあるのか?」
「分からないけど、ほんといい趣味してるわね。あのバカ神」
すとん、と音がすると幼馴染のスカートが床に落ちる。
「おっ!?いま若年化したな。ふむ、どうやらあの神様の悪口を言うたびに
若年化が進むみたいだな」
「……どこ見てるのよ」
「お前のぱんつ」
「あんたって最低ね」
そう言うと同時に、また若年化が進む。もはや袖から指先くらいしか
見えていないくらいに体は小さくなっている。
「そうか。お前が憎まれ口を叩いたり、素直じゃない発言をするたびに
どんどん体が小さくさっていくのだな!」
「……成る程ね。それはそうかも」
うっとうしそうに上着の袖を捲くりながら、幼馴染は頷く。
「しかしここまでとはな。よっぽど悪態をついたのか?」
「家を出るまではそこまでじゃなかったけど」
「おいおい!お前の家から俺んちまで10mもないだろ!」
「仕方ないわ。アンタの家の玄関先でちょっと愚痴ってたから」
「ふぅ……ん?じゃあ逆に素直な発言をすれば本に戻るんじゃないか?」
「たとえば?」
そう言われた俺は、すこしいたずらしてやろうと思い立つ。
「そうだな、俺への恋心を打ち明けるとか」
「それはないわ。アンタなんて虫唾が走るほど嫌いだから」
「……」
「……」
「言っちゃ悪いが、もう幼稚園児ほどになってるぞ」
「…な、なによぉ……」
「諦めて素直になるんだな。胎児になったりしたら大変だぞ」
「……」
こうしていろいろあって、幼馴染は元の大きさに戻ることが出来た。
なお、この後俺は強烈な左アッパーを食らうことになるのだが、それはまた
別のお話。
おわり
-
>>750
幼稚園児(ry
-
>>750
一旦小さくなった時は全部服がだぼだぼになって脱げる訳だから、
戻った時は当然全裸(ry
-
いや、きっと上着は大丈夫だ!
だから元に戻ったらマッパに上着のみだから大丈夫だ!
おまけに下の下着は大丈夫だろうけど、上の下着はアウトだろうから
ノーブラ、ブラウス、ずれパンツの三点だから大丈夫だ!
-
いろいろあった あたりの詳細を(ry
-
そうですね、たしかにいろいろの部分をはしょり過ぎましたか。
とりあえず「好き」とか「愛してる」とか言えばOKみたいな
状況になったわけですな。
「というわけで、素直に俺の事が好きだといえば元のお前の体に無事
戻ることが出来るというわけだ。おおっと!これ以上ツンツン態度
とってると、幼児化が進みすぎてハーイとかバブーとかしか言えなく
なるのは分かっているな?さ、自分に素直になれ!」
「……」
「早く!早く!」
「……すき!」
「ウヒョー!あ、あの…こう言っちゃ何だが、言われるこっちも
かなり照れるものがあるから小声で頼む」
「すき!すき!すき!すき、すき!」
「ウヒャー!なにこの『好きの連打(デレデレのラッシュ)』!
も、もうわかったからその変でやめとけーデヘヘー」
「あいしてる〜」
「と、おもったら一休○んかよ!どんだけ使い古されたネタだ」
「……なによっ!ぜんぜんもとにもどらないぢゃないの、もお!!」
「あ、バカ。そんな憎まれ口叩いたら」
「あわわー!あうー…」
「ふぅ!これでお前はもう一生幼女のままだな。可哀想だが
そうなってしまっては素直に感情を吐き出すことなぞできまい。
気にするな。世間には小さいのがスキって変態もいることだ。
諦めろ!!もうお前は元には戻らん!」
「……(ぶんぶん)」
「なに?戻れるって?やってみろよ、ほら」
”ちゅ”
「!!??」
「……あら、戻ったわね」
「い、いま何を……あ、なあ!!これって直接キスだよな?!」
「もう一度同じこと聞いたら殴るわよ」
「なあ、これって直接キ
みたいな流れだな、きっと。
-
>>755
_ ∩
( ゚∀゚)彡 幼女!幼女!
⊂彡
おっと、こんな時間に誰か来たみたいだ。 ちょっと行ってくる
-
続きktkr!
-
朝目が覚めたら、なんとなく体に違和感を感じまくり。
「そうだ、ツンデレ分が足りない」
体の芯を突き上げるようなツンデレの快感が、足りてないような気がする。
とういうことで早速補充。 今日は一日ツンデレ三昧でございます。
「よし、とりあえず朝ごはんでも食おうか」
腹が減っては(ryとか誰か言ってたし、健全にツンデレに萌える為にもまずは腹ごしらえ。
冷蔵庫の中適当に漁ってみればなんなと見つかるはずなので漁りまくり。
「冷蔵庫…冷蔵庫。 ……冷蔵庫がツンデレ……」(もわもわ)
(↓以下妄想)
冷「きゃっ?! あ、アンタ何勝手に開けてんのよっ?!」
俺「へっへっへ、いいじゃねえか減るもんじゃなし! いーから見せろよっ」
冷「や、やめてよっ!? あ、アンタのために冷やしておいたんじゃないんだからっ!」
俺「とかなんとか言っちゃってw こんなにキンキンにしてどうするつもりだったんだ?ん?」
冷「だ、ダメッたらダメぇ!! 開けっ放しにすると電気代かかっちゃうぅっ!!」
俺「生娘ぶるんじゃねえ!(ガコンバタン※開閉) だんだん暖かくなってきてるココは何だ?!」
冷「ひっ、そ、それは外気に暖められただけで、あ…アタシは別に…っ///」
俺「うるせぇ! がたがた言うならコレもソレも入れてやる!!」
冷「い…嫌ッ! ちゃ、ちゃんと容量を守ってくれなきゃ壊れちゃうじゃないっ!!」
俺「ああもう我慢できねえ! 全部飲んでやるからなっ!!」
冷「そ、それはっ!?っぁあっ!!」
パキョッ ゴキュゴキュゴキュ…
俺「っぷはー、流石に炭酸一気はキツイな!」
冷「あ、ああ…あ……」
俺「ちびっと残っちまったな、これはしまっておこう」
冷「ああ……(誰も開けて無くて)初めてだったのに…」
俺「ガコ)……ってか、俺が口つけたの直したから…これって間接キスじゃね?」
冷「/////バカッ!知らないんだからっ……/////──」
-
「──…ふむ。」
ツンツン嫌がりながらも結局は許してくれる、そんな冷蔵庫ツンデレに萌え///
そして妄想しながらもしっかりジュースを飲んでる辺り、俺には特異な才能があんのかm
ゴッ -☆
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!11!!1!」
…つまり、振り返った拍子に食器棚のカドで足の小指をアレした。
「し……死角からの致命攻撃ッ……! さ…さてはコイツ、殺し屋ツンデレッ……!」(もわもわ)
(↓以下妄(ry
俺「………………いる…」
棚「………………」
俺「決して動くことなく…ただ一瞬の隙を狙ってじっと耐えてやがる…」
棚「………………」
俺「だがな。 俺だって黙ってやられたりしない」
棚「………………」
俺「そこだっ!」 バッ
棚「………っ?!」
俺「白状しろ! 俺の事、陰からずっと狙ってやがったな?!」
棚「わ、わたし知らないアル……っ」
俺「いーや見てた! いくら中国産だからって、甘い顔はしないからな!?」
棚「ご、誤解アルネ! お前なんかの顔見ても、意味ないネ!!」
俺「ぬう、白を切るか。 …なら、俺の目を見ても同じ事が言えんのかっ!?(ジー」
棚「あぅ…アイヤ……////」
俺「…本当は見てたんだろ? 知ってんだよ、本当はお前が寂しがり屋だって…」
棚「し、知ったかぶりするなアル! わたしは、わたしはっ…!/////」
俺「寂しい思いさせてごめん。 これからは、もっとお前にも気を配るからさ?」
棚「知らないアルっ! わたしはお前なんか大嫌いアル……ッ!!/////」
俺「ああもう可愛いんだよ馬鹿野郎! …ほら、キス…してやっからさ……」
棚「あ…//////////──」
-
「──…うむ。」
構って欲しいんだけど言えなくて、我慢の限界が来ちゃうと怒る中国産食器棚ツンデレ萌(ry
よしよし、これからは輸入品だからってないがしろにしたりしないからな。
「しかし……なんだ。」
食器棚のガラスに映ったこの異星人は誰なんだろう?不思議だなぁ。
唇突き出して目が薄目になってたりw なんか昔オカルト本で見た奴に似tr
「 orz 」
悲しくないのに目から汁が出て、しんどくないのに立っていられないので恐い。
仕方が無いので寝転がったまま、暇潰しに携帯電話でもいじってみる事にする。
「暇潰しといえばイタメ。 早速誰かに飛ばしてみよう」
メモリーの中から宛先を見ないようにしつつ、適当に一件選んで本文を入力。
「願わくばどこかのツンデレに届きますように…。」
イタメールから始まる恋なるものを想像しつつ、送しーん。
「そしてだんだん二人の距離は縮まって……」(もわもわ)
(↓以下(ry
ツン「Re.どこの誰かは知りませんが、次送ってきたら明日の太陽は拝めないと思いなさい。」
俺「Re.どこのどなたか存じませんが、返事くれて嬉しいです。」
ツン「Re.ワタクシは自身の交友関係上、アドレスの変更はしない主義です。
最後通告としますので、これ以上の迷惑行為は遠慮なさい。 これは命令ですわ。」
俺「Re.ツンツンしちゃってw そういうのたまらんわ実際wwwww」
ツン「Re.良く分かりました。 ではこれより逆探知を行いますので、覚悟なさい。」
俺「Re.あれ、もしかして警察の方ですか? 婦警さんktkrwwwwwwwww」
ツン「Re.…あら、意外と近くの平民でしたのね。」
俺「Re.ご近所さんですか?! もし良かったらボキとデートとかそれ以上とかwwwwww」
ツン「Re.あと、なるべくドアから離れていたほうが身の為ですので…。」
俺「…? どういう意m」 バァン
弟「どうやらこの部屋のようじゃ兄者! がっははは!!」
兄「我等のお嬢に不遜を働くとは愚かな奴じゃ! わっははは!!」
俺「うわなんだおまえrやm──」
-
「──…ほほぅ。」
…デレの部分は、出来たら女の子の方がいいなぁと思った今日この瞬間。
ツンツンなのはいいとしても、やっぱりデレが見えないと萌えn
「って返事キター!!!?」
半ば諦めかけていたら、手の中で携帯がブルってそわそわ。
ついに俺にもリアルにツンデレな女の子がやtt
「件名:元気ですか?
本文:母さんにはあなたたちの年代の難しい言葉は良く分かりませんが、
めーるお送ってくれて嬉しいです、ありがとね。
そういえば、あなたが一人暮らしを始めてこれがはぢめてのメールです。
記念に大事にとっておきたいですが、保存の方法が分かりません。
今度かえってきたた時に、やりかた、教えてね。
おいしい味噌汁作ってあげるからね。
母さんは元気です。 母より」
俺は泣いた。
「畜生wwwwwwどんだけツンデレなんだこの携帯はwwwwwwwww」
メモリーの中からよりにもよってカーチャンをチョイスしてくれるあたり、もう最強かと。
どこがツンでどこがデレなのか、そんな事気にもならないくらい悔しい。
「…待てよ?そうだ、ツンデレだ……! 携帯がツンデレ……ッ!」(もわもわ)
それならば俺は、行くトコまで行ってやるhヒヘ。
(↓(ry
俺「この野郎wwwwこのツンデレ携帯めwwwwwwwww」
携「…………うるさい……黙れ……」
俺「よりにもよってカーチャンを出すな、カーチャンをwwwwwwwwwwww」
携「……知るか……、確率は1/4…………結構あたる……」
俺「ちょwwwwwなんでそんな高確率なんだよwwwwwww」
-
携「…………分かってるくせに」
俺「何がwwwww」
携「……登録……家族しか…無い…………」
俺「ち、違う! これはきっと…そうだ、お前が俺の家族以外のメモリーをNG指定にして、
見えなくしてるだけだ! そうに決まってる!!」
携「………………(遠い目」
俺「…嘘だ、嘘だ! あんまりだ!! 俺はただツンデレに萌えたいだけなのに!」
携「………………憐れ……」
俺「くっそおぉおおおおおおぉおおおぉぉお!」 がば
携「…あ…/////」
俺「俺はこんなにもツンデレが好きなのに! 愛してるのに!!」
携「……知るか…!いいから……離せ…!/////」
俺「お前だけなんだ! もう俺に残ってるのはお前だけなんだよぉ」
携「……いい…迷惑…っ!/////」
俺「お願いだ携帯、せめて妄想の中ぐらいいい思いさせてくれよ!」
携「……なんで…私がっ…/////」
俺「お前の事、もう絶対買い換えないから! ずっと大事に使うからさ?!」
携「…………、……。 ……仕方…ない……」
俺「…えっ?」
携「……か…勘違いするな…! 鬱陶しいから……そ、それだけ…!/////」
俺「け、携帯……──」
「──…え……あ、夢………?(ヴーッ、ム゙ーッ」
目が覚めると辺りは暗く、手の中ではしゃぎまくる携帯電話。
「ヴーッ、ム゙ーッ)…………あ、そうだ、電話…」 ピッ
≪もしもし? 俺だよ俺俺!≫
ただひたすら枕を濡らすのだった。
-
>>762
「俺」 ←重症だなwww
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これはもう重症だなwww
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これはよい重症wwww
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これは酷いwwwww
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バロスwww
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人生オワタwwwwwwwwww
-
なんという鬼才wwwwwwwwww
一人暮らしの参考にしますね><
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―元旦
毎年のことだが1月1日は我が別府家には祖父母と住む親戚の碓氷家が訪れ、朝から宴会が繰り広げられる。
俺だってお年玉と呼ばれるお小遣いを貰える年齢までは楽しみにしていたイベントではある。
しかし大学進学と同時にアルバイトを始めた俺は「貰う側」から「あげる側」へ立場を移していた。
立場を移してもう2年にもなるのだが、そうなると楽しみだったイベントも余計な出費がかさむだけのイベントになってしまう。
山田達との年越し初詣を終えて帰宅した俺は新年の挨拶もそこそこに、適当に理由をつけて部屋に戻った。
1階では相変わらずどんちゃん騒ぎが聞こえてくる。
「さて・・・今年も来てなかったな」
碓氷家には一人の娘がいる。俺の従姉妹にあたるその子は小さい頃から面倒を見ては可愛がってきた。
一昨年は受験勉強の為、去年は風邪をこじらせて我が家にはやってこなかったが現在高校2年生になる。
可愛い娘を祖父母に預けてまで酒を飲みにくる碓氷夫婦もどうかと思うのだが…
ともあれ、3年振りの再会は実りそうもなかった。
なんだかんだ言って、俺は一度もお年玉をあげたことはないのだ。
「フフフ・・・一応お年玉としてとっておいたが、この金は今年も俺のものだー!」
「「・・・最低」」
後ろから二つの声がハモって聞こえてきた。
振り向くと碓氷家の娘「ちなみ」と妹の「かなみ」冷ややかな視線をこちらに向けて立っていた。
-
「優柔不断で約束は破るし性格はへたれ・・・・・その上ケチなんて最悪だね」
罵詈雑言を並べるのは我が妹、かなみである。
今年俺と同じ大学に推薦合格無事決まり、現在は卒業を待つばかりの高校3年生。
「だいたい初詣は・・・・一緒に・・・ってくれるって約束した・・友達と行く・・最低・・・・」
ぶつぶつと聞き取れないような小声で悪態をつくかなみを無視し、ちなみに声をかける
「久しぶりじゃん!会いたかったよ。ちなみちゃん大きくなったねー」
「・・・・別にタカシさんに会いにきたわけじゃありませんから」
即答だった。
「だいたいお年玉あげるのが嫌なんだから会いたくなかったんでしょ・・・・」
「う・・・」
新年だというのに2人とも機嫌が悪いようだ。
ごまかそうとちなみを抱擁をしながら
「ちなみちゃん久しぶりの再会なんだし、とりあえず気分転換に初詣でも・・・・」
最後まで台詞を言う前に、
「この変態!嘘つき!」
かなみの前蹴りが背中に直撃した。
「痛っ!って、うわぁああ」「えっ」
そのままちなみを押し倒すようにベットに倒れこむ。
こうして俺は図らずも、従姉妹であるちなみの唇を奪うという偉業を達成してしまった。
「ご、ごめん!だいじょう・・・」
俺の下でガチガチに固まったちなみは
―茹蛸のように赤くなりフリーズしていた。
-
「だからなんでかなみが泣くんだよ・・・」
俺に前蹴りをかまし、ちなみとキスをする原因を作ったかなみは号泣していた。
「タカシの馬鹿!痴漢!」
罵詈雑言は変わらず。
故意にではないにしろ責任を感じているのだろう。
「ちなみちゃんも何とか言ってくれよ」
ベットを振り向いてみたものの、ちなみは相変わらず惚けた顔でフリーズしていた。
「わたしだってした事なかったのに・・・」
鼻水を垂らしながら意味不明なことを言っている。
そもそもかなみの経験は関係ないと思うのだが…
「だいたい、いい歳してキスくらい気にし・・・・」
またも台詞は最後までは言うことができず、今度は後頭部にハードカバーの本が飛んできた。
「・・・最低」
いつの間にか再起動したちなみはそう呟くと号泣するかなみに目もくれず部屋を出て行った。
やばい…相当怒ってる…
「タカシ・・・」
「かなみ――いつも言ってるけど、兄を呼び捨てにするなと・・・」
そう言って振り向いた目と鼻の先にかなみの顔があった。
涙目で歯を食いしばっている…兄妹として過ごした18年間…今までになかった雰囲気。
互いの呼吸音や心音までもが聞こえてしまいそうな距離。
「――おにいちゃんはキスくらい気にしないの?」
唇と唇が2cmと離れていない距離で、涙目の女の子に―例え妹でも―こんな事を言われたら?
しかもこんな時に「おにいちゃん」なんて呼ぶな!
不覚にも妹にドキドキしてしまったのは言うまでも無い。
永遠とも思えるような一瞬の時間に変化が訪れる。
―ふと部屋の中に一陣の風が吹き抜け、パタンと部屋のドアがギーっという音を立てて閉まろうとしている
そちらへ視線を移そうとしたその刹那
僕は1月1日の元旦――妹に唇を奪われた。
省略されました。続きを見たければ(ry
-
続きを見たければどうしろっていうんだよおおおおおおおおおおおおおおおおお
-
マウス壊れるまでクリックしたんだけど続きはまだか!
-
帰宅した770です。続き
身体を突き刺すような冷たい空気に包まれ微かな風が身体をひきしめるように容赦なく吹き続ける。
風呂上りに星空を見ながらタバコを口にして意味もないくだらない考え事に更けるのが真冬の日課。
―コンコン
背後から窓ガラスを叩く音がして振り向くと、寝巻きに半纏を羽織ったちなみが立っていた。
両手にマグカップを持っている為だろうか…「開けて」と唇が動いた気がした。
ゆっくりと手にしていたタバコを押し潰し窓を開ける。
「どうしたの?寒いよ?」
「・・・外の空気でも吸いながらコーヒーでも飲もうと思っただけです・・・タカシさんに用はありません」
「2杯も飲むの?コーヒー好きなんだね」
「・・・・」
「・・・・」
目を背けながらマグカップを差し出すちなみ。
「・・・・よくよく考えたら就寝前の過剰な水分摂取はよくないです」
「あはは。そういえば叔父さんが言ってたよ。ちなみちゃん小さい頃はよくおねしょを」
突如足の親指に刺すような痛みが走り、最後まで言葉を発することはできなかった。
「うがぁあ」
「・・・バカ・・知らない」
そう言って、ベランダの淵にマグカップを置いてそっぽを向いてしまった。
雪のように白い肌に肩下30cmほどまで伸ばされた長い黒髪がよく似合っている。
心なしか頬が赤く染まっている。
さっきの事ちゃんと謝っておかないとな。
「ありがとう」
「・・・・別にタカシさんの為に淹れたわけではありませんから・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「さっきはごめんね。俺も忘れるから・・・ね」
「気にしてません・・・・それに・・・忘れなくても・・・・いい」
沈黙が流れ、階下のどんちゃん騒ぎや大通りを流れる車の音が真冬の澄んだ冷たい空気を通せば心地よい音を奏でる。
気まずいわけでもなく、不思議と心が落ち着く沈黙だった。
「これ・・・着て・・・」
沈黙を破り、いつの間にか半纏を脱いだちなみが伏し目がちに差し出してきた。
さすがにまだ怒ってるのかな…目も合わせてくれないとはさすがにこの年頃の子は難しい。
「大丈夫だよ。ちなみちゃんこそ寒いでしょ?」
「目のやり場に・・・・困る・・・」
そう言われて思い出した。風呂上りにバスタオルを肩に掛け、ズボンだけというワイルドスタイルだったのだ。
女子高生を前にして、こんな姿をするのはどうみても変態です。
「あ、ごめ・・・」
慌てて半纏を羽織ろうと手を伸ばした瞬間――
背筋にゾクっとする何かを感じた。
ゆっくりと部屋の中を見た僕は悪魔という存在を生まれて初めて目視した。
満面の笑顔を浮かべ、真冬だというのに短パンにキャミソールといういでたちをした悪魔の姿を…
「父さん!強い妖気です!」
「ちっ」
ん?ちなみちゃんが舌打ちをしたように聞こえたが気のせいだろうか…
-
背中に真っ赤なモミジ――改め、かなみの手形を付けた俺は今自室に隣接するベランダにいる。
この真冬の夜に…もちろん上半身裸という格好でだ。
「おーい!兄ちゃん風邪ひいちゃうYO」
部屋の中ではちなみとかなみがベットを占拠してマンガに熱中しているのだ。
俺の訴えは華麗にスルーされたようだ。ここはひとつ話題を変えて…
「だいたいなんで2人とも俺の部屋にいるんだ?」
「変態タカシの癖に文句つける気?」「・・・・何か問題ありますか?」
口を開かなければ二人の可愛い女の子が自分の部屋に居るという状況なのだが…
といっても、俺は未だにベランダに隔離されているけど。
しかしここで年長者としての威厳を見せ付けておかねばなるまい。ここは強気に…
――ドンドン
窓ガラスを叩くとゆっくりと2人の視線がこちらへ向けられる。
「バーカ」「・・・・五月蝿い・・・です」
「ゴ主人様・・・ドウカ部屋ノ中ニイレテクダサイ」
威厳?ナンダッケ
2人は黙って手元のマンガに目を戻す。
しかし再び訪れた沈黙はすぐに破られることになった。
――突如鳴り響くジョーズのテーマソング
部屋の机に置いてある俺の携帯電話がバイブレーションと共に着信を知らせていた。
かなみは面倒そうに立ち上がると携帯電話を取り上げてディスプレイを確認した。
横からちなみちゃんも覗いてるし!
「いやいやいやいや!ちょっと!」
窓ガラスを叩き、必死に自己アピールをする。
「おにいちゃんはここにいるよー!」
溜息をつくような仕草でかなみがドアに近寄ってくる。
そしてガラガラと音をたてて、ベランダという拘置所が開かれる。
どうやら不起訴処分で済みそうだ…仮釈放。
かなみから差し出された携帯を受け取りディスプレイに表示された名前を見る。
『神野りな』
ふと気配を感じ我に返ると両肩の横にちなみとかなみの顔があった。
2人して携帯のディスプレイを凝視している。
「神野」「・・・りな」
――ミシッ
突如鳴り響く家鳴りの音と共に部屋の空気が凍りつくように張り詰めた。
――「父さん、強い妖気が二つも!」「うむ。油断するでないぞ」
最近デレレの鬼太郎という昔のアニメがリメイクされて放映されているんだぜ?
電話にでる為場所を変えようとするが、両腕にちなみとかなみの腕がしっかり絡みついていた。
「・・・・お構いなく・・です」「早くでないと切れちゃうよ♪」
「いや・・・・個人情報保護法という法律が施行されてだな・・・プライバシーが」
2人は笑顔を浮かべているのだが、反比例するように両腕の圧力が増した。っていうか腕に柔らかい感触がっ!
下手に腕を動かそうものならセクハラなどと騒がれてしまう…
―胸元がはだけた寝巻きに身を包むちなみ
―短パンにキャミソール…しかもノーブラ!?
目のやり場に困ってしまうこの状況を捨ててしまうには惜しいぜ!
「――変態」「・・・不潔・・・です」
見透かされていた。
凍りつく俺を余所に携帯のディスプレイには不在着信履歴「神野りな」の名前が表示されていた。
-
SS初挑戦だけど難しいorz
拙い文章でお目汚し申し訳ないがまた続き投下させてもらいますw
-
上半身裸の男が背中に3つのモミジを背負って正座しているところを想像してみて欲しい。
そいつはさらに土下座なんてしてるんだ。
いや、俺のことなんだけどさ…
再び罵詈雑言を浴びせかけられながら、謝り続けるという非常に情けない時間を過ごしている。
しかし転機は再び訪れることになる。
―再び鳴り響く携帯電話の着信音によりその場の雰囲気が一変した
恐らくは神野りなからの着信だろう。
部屋にいる3人の動きが止まる…
間もなく23時半を迎えようとしている時計の針がチクチクと音をたて、ベットの上では俺の携帯電話が着信メロディを奏でている。
まさに一触即発といった空気で部屋に居る3人は互いに目で牽制しあっている。
均衡を破ったのは俺だった。
正座の状態から一瞬で立ち上がった俺はビーチフラッグよろしくとベットに向けてダイブを試みたのだ。そのまま携帯電話をもって部屋の外へ退避するつもりでいた。
俺は体中の筋肉を総動員し、正座状態から一瞬でベットに向けて跳躍状態へ入った。
この間まさに0.5秒といったところだろうか。
しかし敵は俺の想像を遥かに越える強大な力をもっていたのだ…
ベットへとダイブする為、今まさに踏み切ろうとしていた俺の足にかなみが座りながら足払いをかけたのだ。
当然踏み切りに失敗した俺はベットまでのダイブなんてできるはずもない。
ベットの縁に頭をぶつけて悶絶するはめになった。
その間にちなみが俺の携帯電話へ…ではなく、扉の前に立ちはだかっていた。
床で悶絶する俺の目の前にかなみから携帯電話が差し出された。
ディスプレイには神野りなからの着信表示と、通話時間が刻一刻と時を刻んでいた。
こ、こいつ通話ボタン押しやがった!
こうして俺は晒し者として二人の少女の前で電話をすることになってしまった。
-
モシモシ…タカシデス」
「おーそーいー!!今何時だと思ってるのよ!バカたかし!」
それは俺の台詞じゃねーのか…
「いや、これには海よりも深い理由が・・・」
「言い訳なんかいいわ。それより去年貸したCD今すぐ返しなさい」
「ちょっと待て!新年早々、しかもこんな時間から電車に乗ってお前の家に行けと言うのか!」
「煩いわね。とーにーかーくー!今日中に返してね!」
「センセー、後30分しかありませんが…電車だけでも30分はゆうにかかるだろ」
「車で来ればいいじゃないの!車で飛ばせば20分で着くわ」
「新学期始まってからじゃだめなのか?1週間だけ我慢してくれよ…」
「それは無理な相談ね。私は今年中にそのCDを聞かなければならないのよ!借りたものは返す。これ常識でしょ?そういうわけでよろしくね〜…1秒でも遅れたら覚悟しときなさいよ!じゃっ」
お前が常識を語るなと小一時間…
「いやっ、ちょっと!」
りなにまで俺の言葉は最後まで届かなかった…
俺の耳には虚しく通話終了を告げる音がリフレインしていた。
「めんどくせぇえええええ」
頭を垂れていた俺は突如立ち上がりながら叫んだ。
「じゃぁ行かなければいいじゃん」「・・・・です」
すっかり忘れてたが会話の内容が筒抜けだった。
「そういう訳にもいかないんだよ…いいか?もしブッチとか遅れたりしたら俺の命が」
―バシッ、バシッ
二人に命の尊さを伝えようとする俺になぜか両頬にビンタという仕打ちが返ってきた。
こうして部屋には全身に計5箇所のモミジを残した上半身裸の男が残されたまま静寂が戻る。
-
「考えてる暇は・・・ないな」
まずは車のエンジンを温めておく。
その間に部屋に戻りトレーナーとコートを羽織り、愛車に飛び乗った。
ところいで車っていいよな?ハンドルを持てばどこへだって行ける気がする。
俺が特に好きなのは真夜中のドライブだ。お気に入りのSum41のCDを聞きながら窓は全快。
さすがにこの時期はちょっと寒いけどお構いなし。
昼間よりちょっとアクセルをあける。とたんに身を切るように冷たい風が顔に吹きつける。
流れる街頭を眺めながら、大好きな曲をカラオケでもしてるように歌うんだ。
誰にも聞かれる心配はない。
「歌はいいねぇ♪」
そんな独り言を呟きながら、20M先の赤信号に向けてブレーキを踏みはじめる。
「歌はいいねぇじゃないよ、この音痴!」
「・・・・寒い・・です」
そんな声が後ろから聞こえてきた。慌てて急ブレーキを踏んで振り返る俺の視界に飛び込んできたのは…
いつの間にか外出用におめかしをして準備万端といった顔で後部座席に座っているかなみとちなみの姿だった。
「な、なんでお前らが乗ってるんだ!いつから!?」
「家からに決まってるでしょ。あんたバカ?」
「・・・・プリン・・・買いに行く」
あぁ…まさに穴があったら入りたいとはこのことだ。
一人だと思ったからこそ歌っていた歌も、独り言も全部聞かれていたorz
「・・・・こんな時間に・・・他所様の娘さんの前に野獣を放り出すわけにも・・・いきません」
「そーいうこと!我が家から性犯罪で逮捕される人間をだすわけにはいかないのよ。さぁれっつご〜♪」
―いやぁぁあああああああああ
1月1日深夜未明、男の叫び声が聞こえたと付近の住人の間では噂になったのはまた別の話。
-
コンビニの駐車場に車を停め、りなにメールを打つ。
「いいか!お前らコンビニで買い物して外で待ってろよ?」
「タカシの癖に命令しないでくれる?」
「・・・100年・・・早い」
本当はかなみとちなみが挨拶するとかしないとかひと悶着あったのだが、そんな面倒が増えるような真似はさせるわけにはいかなかった。
りなの家はこのコンビニから徒歩でも2分ほどだ。そろそろ着くだろうと通りを眺めていると
「おーい」
小走りに駆けてくるりなの姿が目に映った。
元旦らしく着物を着たりなはいつもとは違い、艶やかな雰囲気をかもしだしていた。
数秒見とれていた俺にりなが声をかける。
「なに?みとれちゃった?」
「いや・・・まさに馬子にも衣装ってやつだな・・・似合ってるよ」
「ば、バカじゃないの!あんたに褒めてもらっても嬉しくないわよ。」
そう言ってりなは俺に見せ付けるようにクルリと回転した。
「それにしても、本当に来るなんてタカシってバカだよね」
自分で呼び出しておいてこんな言葉を平然と吐く人間は俺の周りではりなだけだ…
さすがの俺もこれにはカチンとくる。
「はい、これCDね。じゃぁ俺帰るから」
そう言って、180度体を反転させた俺は車に戻ろうと足を踏み出した。
踏み出した…はずだったんだが、コートのフードを急にひっぱられる。
「ゲフッ」
「冗談よ♪ありがと・・・・それから」
「「明けましておめでとう」」
笑顔で新年の挨拶を交わす。
いつものやり取り。りなとは何故か馬が合うんだよな。
ふとコンビニへ目を向けると雑誌コーナーで立ち読みをしているかなみとちなみが目に入った。
よしよし、ちゃんと立ち読み…立ち読み?…してNEEEE!!
二人とも雑誌を手にしているため、一見立ち読みをしているかに見えたのだが実際には本を持ったままこちらを凝視していた。
「俺は保護観察処分だったのか・・・」
「え?何それ」
「いや、こっちの話・・・」
―キーッ
突如、さび付いたブレーキ音を鳴らしながら俺たちの間に突っ込んできた。
「危ないっ」「きゃっ」
咄嗟にりなを抱き寄せ自転車を回避した俺たちはまるで抱き合うような格好になっていた。
あまりに唐突に訪れたこの状況に二人は呆然と動かない。
―不自然な沈黙
まるで…これからキスをする恋人同士のように。
りなは顔を真っ赤に染めてこちらを見ている。視線を…逸らせなかった。
「あはは・・・これからキスでもしそうな雰囲気だな」
その場の雰囲気を和ませようとおどけてみせる。
りなは真っ赤な顔をこちらに向けたまま目を瞑った。
これって…えっと…やっぱそうだよな…
―ビーーーーーーーー
深夜の静寂に車のクラクションがこだまする。
突然のクラクションに二人とも我に返り、慌てて離れた。
「ご、ごめん」
「変態!痴漢!意気地なし!」
俺の頬にりなの右ストレートが綺麗にきまった…
「へへへ…いい右だ。俺と世界を狙ってみないか!」
「・・・・バカ・・・もう帰る」
「あぁ。気をつけて帰れよな」
「うん・・・また新学期にね」
「「おやすみ」」
こうして2007年始まりの1日は終わりを告げた。
-
ここは油断するとGJが投下されてるから困る
というわけで、続き!続き!
-
なぜ本スレに投下しないのかと!
べ、別に避難所投下でもいいんだけど……
アンタのSS見れない奴らが可哀想とかそういうわけじゃないんだからねっ!
-
―ピピッピピッピピッ
惰眠を貪っていた俺の意識がかすかに目覚め始める…
朝か…俺目覚ましなんかかけたっけな…思い出せない…頭が…働かな…
今日は休みだし…もうちょっとだけ……正月なんだし…
ぬくぬくして布団が温かい…気持ちいいなぁ…
「シ・・・カシ・・・」
遠くで俺の名前が呼ばれている…誰だ…俺様の睡眠を邪魔…するな…
―バサッ
「タカシ!」
馬鹿でかい声と共に布団が剥ぎ取られ、急激に冷たい空気が俺を襲った。
冷気が全身を包み、強制的に俺の意識を叩き起こす…
「寒っ……おは…よう…」
目を擦りながら布団を剥ぎ取った人物の顔を見るとそこにはふとんを握り締めたかなみとちなみの姿があった。
―きゃぁあああああ
突如二人の悲鳴が響き渡った。
「どうした!ゴキブリか!二人とも落ち着…へぶしっ」
「変態!何考えてるのよ!信じらんない!?死ね!」
俺の鼻っ面にかなみの右ストレートが叩き込まれた。
いや、俺にはお前の起こし方が信じられないよ…
痛む鼻を抑えながら、二人を見る。ん?顔を真っ赤にして何か凝視してるようだけど…
視線の先には、俺の意識とは関係なく天を向いているモノがあった。
「いや、これは違うんだ!!俺の意識とは関係なくd…ひでぶ」
「一生寝てろ!最低っ」
「・・・不潔です」
再び俺の鼻っ面に右ストレートが叩き込まれ、薄れ行く意識の中俺の視界には部屋をでていく二人の姿がうつっていた。
-
「温泉にいきます」
それは突然宣言された。昨日の宴会で盛り上がった別府夫妻と碓氷夫妻は急遽2泊3日の温泉旅行計画を発表したのだ。
あまりに唐突過ぎる計画ではあったが、久々の温泉ということで俺のテンションは一気にあがる。
親同士もこれから温泉にいけるとワイワイ盛り上がっていた。
「わたし・・・宿題あるから・・・行かない」
その場の空気をまったく読まずちなみちゃんがそう言ってのけた。
くっ…このままでは温泉旅行が中止に…空気嫁!
「ちなみちゃん、そんな事言わずに宿題持って」
「わたしも初詣の約束あるから行かないよ?」
説得しようとしている俺の言葉に上書きするかのようにかなみが言い放った。お前も空気嫁!!
盛り上がっている5人の大人の顔は呆然としており、原因を作った二人の子供は平然とした表情を浮かべていた。
「うーん・・・困ったわねぇ・・・旅行は中止かしら?」
沈黙を破るように叔母さんがそんなことを言った。
さっきまでの盛り上がりが嘘のように家はシーンと静まり返ってしまった。
「仕方ないわね・・・女の子2人家に残しておくわけにもいかないし・・・タカシは?」
「え?」
気づくと俺を除く6人の視線はすべて俺に集中していた…
何この空気!?まるで俺が辞退して留守番すれば万事解決みたいな!
ちょっと待て!その空気嫁みたいな視線は何!?
「いや、俺温泉・・」
「たまには夫婦水入らずで楽しんできたら?」
かなみぃいいいいい!俺の発言を上書きするなよぉおおお!
「あらそう?嬉しいわねぇ。じゃぁお言葉に甘えちゃおうかしら♪」
「ちょ、なんで俺がガキの子守・・・いてぇええええ」
俺の両脇に立っていたかなみとちなみが同時に俺の両足を勢いよく踏みつける。
「い、行ってらっしゃい・・・」
涙目の俺は肩を落としてそう呟いた。
誤字脱字は脳内補完していただけると幸いです
-
コテ外しとこうね
-
両親や叔父夫婦が温泉に行き、この家には現在3人の人間が残されている。
しかも若い男と女が一つ屋根の下で…
なんて表現すると、男には何かとおいしい展開が待っていそうなのだが俺にとっては…
「腹減ったなー。朝飯は何〜?ねぇ?おーい」
いや、これは独り言じゃないぞ?れっきとした会話なはずなんだ…
リビングでテレビを見ているかなみに俺は声をかけた。ちなみは部屋に戻って勉強をしているらしい。
うーん…無視されている。朝の事まだ怒ってるのかな?
仕方なく自分で冷蔵庫をあさり、おせち料理の残り準備する。
飲み物をコップにいれ、残り物のおかずを温めて机に並べているといつの間にかちなみとかなみが机について座っていた。
「あ、2人も食べる?じゃぁこれ机に並べてくれるかな」
「・・・・」「・・・・」
返事ガナイ。タダノ屍ノヨウダ…
結局自分で机に小皿に盛り付けられた料理を運ぶ。
「2人とも飲み物は自分で・・」
「「ウーロン茶」」
「はい・・・」
はぁ…俺は家政婦かっつーの。
俺は脳内で2人にデコピンとお説教をしている様を思い浮かべた。
ふふふ…脳内で2人はしおらしくお説教されているのだ。
積年の恨みを思い知れといわんばかりの脳内模様に顔が自然と緩んでいた。
ふと殺気を感じ、振り向くとちなみとかなみがこちらを睨んでいた…
―蛇に睨まれた蛙
「あんたの考えてることなんてお見通しよ。ニヤニヤしちゃってバカじゃないの?」
み、見抜かれた…これは死亡フラグがっ
「かなみさんの言う通り・・・失礼です」
脳内でお説教しただけじゃん!だいたい2人が素直ならどんなによかったことか…
続いて発せられた言葉は俺の想像を遥かに絶するものだった。
「ち、違うんだ!話せばわか・・」
「胸ばかりみて・・・いやらしい・・・変態です」
「私たちで何を想像してるんだか・・・気持ち悪いったらないわ」
―パリーン
持っていた皿を思わず手から落とし、俺はフリーズしていた。
俺が考えてた以上に2人は自意識過剰なようだ。
違うよ。全然違うよ!!
違うんだぁあああああああ!!
-
新年を迎えて二日目。世間はまだまだめでたいと騒いでいるであろう頃…
俺は最悪に気まずい朝食を口にしていた。
俺の向かいにはちなみとかなみがむすっとした顔で黙々と食事にいそしんでいる。
想像を絶する誤解を発端に俺はどうやら2人の機嫌を損ねてしまったようだ。
「そ、そういえば今日は2人ともどうするの?」
「タカシには関係ないでしょ」
「・・・・」
「そ、そうだけど・・・かなみは友達と初詣いくんだろ?」
「は?」
「旅行キャンセルするくらいなんだからなぁ・・・彼氏と初詣か!」
―ガチャン
俺の左足…弁慶の泣き所と呼ばれる部分に痛みが走り、思わず箸を落とす。
どうやら地雷を踏んでしまったらしい…
「ちなみちゃんは宿題やるんだっけ?じゃぁ俺は山田かりなでも誘って初詣でも・・・ぐっ」
―ガチャン
両足の弁慶に二つの衝撃が走る。
な、何なんだ…この2人の地雷ポイントがわからない…
「じゃぁちなみちゃん、宿題一区切りついたら俺と初詣でも行こっか♪」
突如俺の左足に再び激痛が走る…くっ
俺はこぶしを握って痛みを耐え切ってみせた。漢ってやつだ。
「な、なんでわたしがタカシさんと・・・」
「そんなに嫌がらなくても…デートってわけじゃないんだから気楽にね」
「で、デートなんか絶対嫌・・・・だけどどうしてもって言うなら行ってあげます・・」
「ふーん?無理にとは言わないけどさ」
「ちょっと!誰が彼氏とデートなんて言ったのよ!勝手に決めないでくれる?だいたい初詣は・・・タカシが・・・」
「ん?じゃぁかなみ初詣行こっか〜」
そう言った瞬間、俺の今度は右足に痛みが走る。
「ぐぅ・・・」
「彼女も居ない可哀想なタカシがどうしてもって言うなら・・・仕方なくだからね!調子乗らないでね!」
「よし、じゃぁ3人で行こう!」
―ドン
再び両足に衝撃が走り、俺はイスから転げ落ちあまりの痛みに悶え苦しむことになった。
-
新年も2日目を迎え、世間はまだまだめでたい気分で浮ついている。
正月ってのは家でだらだらと寝て過ごすものだよな?
一体誰が初詣に行こうなんて言ったんだ…
初詣に向かった俺達3人は電車にのって4つほどいった駅にあるVIP神社にきている。
VIP神社までの道中ちなみとかなみが前を並んで歩き、俺がバッグを持って後ろから歩いていくという
従者のような情けない光景が続いていた。
しかし、初詣客のあまりの数の多さと人ごみを目の前にしたときそのフォーメーションに変化が生じた。
「よし・・・・初詣気分も満喫したしそろそろ帰ろうか」
「何バカなこと言ってるのよ。ここまできたら絶対、意地でも先頭まで行くわよ!」
「・・・ヘタレ・・ですね」
そう言って二人は俺の右手と左手にそれぞれの手を絡めてきた。
「はぐれるといけないように・・・」
「本当はタカシと手をつなぐなんて勘弁なんだからね!人ごみでタカシが迷子になったら可哀想だから・・・」
―両手に花
というより、警察に捕まって連行される容疑者の気分だ…
せめて手錠は布かなんかで隠して!
そんな事を考えた瞬間、手を繋いでいた手に爪が食い込んでいた。
「イデデデ・・な、何だよ一体!」
「失礼なこと考えてたでしょ!バカたかし!」
「・・・光栄に思いなさい・・」
もしや俺はいつの間にかサトラレになっていたのか!?
「イタイイタイ!無実ネ!ワタシ何モシテナイヨ!」
片言の日本語で無実を訴える俺を余所に2人は俺の手をひっぱってぐんぐん進んでいった。
爪は立てられたまま…である。
散々人ごみにもみくちゃにされた俺達3人は帰りの電車をおりて、駅から家へと歩く。
冬の空ってのは空気が澄んでいて夏とは違う一面を見せる。
2人は俺を挟むように手を繋いだまま星空を眺めて歩いている。
20分は経っただろうか。そろそろ家に着くという頃…ちなみが口を開いた。
「来年もまた・・・3人で星を見れたらいいですね・・・」
「あぁ・・そうだね」
「そうね。ちなみちゃん、来年もまた2人で星をみましょう」
「うんうん・・・っていや、俺は!?」
「・・・・」「・・・」
俺は除け者らしい…相変わらずの扱いに少し凹んでしまう。
「タカシさんも・・・・一緒に・・・」
「・・うん」
「え?」
ちなみもかなみも真っ赤な顔をして星空を眺めている。
俺は満点の星空よりも頬を赤らめている二つの綺麗な横顔に目を奪われ…
「タカシは私たちの胸の中・・・思い出の中で永遠に生き続けるのよ」
「2人とも・・・本当は素直なんだよな。兄ちゃん勘違いしてたよ・・・
ってそれ俺死んでるじゃん!?来年でしょ?俺いないの!ねぇ!おーい!!!」
死兆星見えちゃったの!?どこよ!!!
-
俺の腕には涙目に怯えた表情の美少女が絡みついている。
しかも両腕に一人づつ…
―2時間ほど前のことだ
初詣の帰り道にレンタルビデオショップにて映画を借りにきていた。
時間的に1本しか見れないだろうと考えた俺達は、3人で1本のDVDを選ぶことにした。
さしあたって3人がそれぞれ1本を選び、その中から1本を決めようという話になり…
かなみ:アクション映画
ちなみ:恋愛映画
俺:ホラー映画
見事に3人ともジャンルが違う。
普通に考えて俺が選んだホラー映画は選考対象外になること間違いなしだった。
そこで俺は一計を案じ、2人に言ったのだ
「やっぱ、ちなみもかなみも子供だからホラー映画は怖いよね?これは止めておこうか」
2人の表情がピクンと反応した…
よしよし…食いついてこい!
「はぁ?ホラー映画くらいにびびるわけないじゃん」
Fish on !
しかし、ここはまだ押すところではない…
「無理しないでいいよ。アクションか恋愛のにしようね」
「わたしは・・・ホラー映画でいい・・」
「見てやるわよ。わたしもそれにするわ」
フハハハ…完全に罠にはまった2人は自らの意思でホラー映画を選び、
俺は退屈なアクション映画や眠くなるだけの恋愛映画を回避したのだ。
そこまでは良かった。しかし映画を見てみると結構ハードな内容だった。
俺でもちょっと怖いし!ちなみとかなみの怖がる姿をちょっと見てやろうという企画だったのだが…
2人は俺の両腕を基点として俺にしっかりしがみついている。
両腕にマシュマロのような柔らかい感触があり、ビクッっと2人がする度に俺はその感触をさらに堪能しているのだ。
そこまではいいのだが…
2人がしがみついている為、俺は身動きが取れなくなっていた。
トイレはおろか、飲み物やポテトチップスを口にすることもできなかった…
あ、足がしびれてきた…
それでも俺はからだ中のあらゆる感覚・神経を腕に集中させるのをやめなかった
よって映画の内容はほ…とんど覚えてない。
-
映画を見終え、トイレにいって部屋に戻った俺を出迎えたのは、ベットに正座するちなみとかなみだった。
「2人とも正座なんかしてどうしたの?」
「・・・・」「・・・・」
「そろそろ子供は寝る時間だよ〜。俺も寝るから二人とも部屋に帰りなさい」
そう言って、正座する2人の間に俺は無理やり身体をいれて横になった。
2人とも表情が暗い。なんかあったのか?
「まさか2人とも映画みて怖くなっちゃった?」
冗談めかしてそんな軽口を叩いた。
「・・・・」
あれ?…いつもならここで蹴りやらパンチが飛んでくると身構えていたのだが…
2人の表情を覗くと涙目になっていた。
「ハハハ・・・ハ・ハ」
俺の空笑いが陰鬱な部屋を包み込む。
このまま正座させておくわけにもいかないよなぁ…
「今日は2人一緒に寝たら?それなら怖くないだろう?部屋まで送ってあげるからさ」
そう言って立ち上がろうとした俺のトレーナーがひっぱられた…
2人とも俺のトレーナーの端を握り締めている。
やべぇ…可愛いぞ…
「ほら〜。行くよ」
肩を落とした2人の背中を押すように部屋からでる。
そんな寂しそうな2人の背中を見ていると、俺のS心に火がついてしまうわけで…
―わっ!!
脅かしてみた。
「ひっ」
一瞬叫び声をあげた2人はその場に座り込んでしまった。
っていうか泣いていた。
ホラー映画でびびっている2人の少女を泣かす男。最悪だ…
俺のことだけど。
ちなみはまるで俺に助けを求めるような目で涙を浮かべて俺を見ている。
かなみは目に涙を浮かべながらも、泣くまいと必死に耐えながら俺を睨みつけている。
OK。完敗。俺の負けだ…
「一緒に寝る?まくらとっておいで」
そう言うと二人はコクコクと頭を動かし、走って枕をとりにいった…
頑張れ俺の理性…
-
ここに一つのベットがある。通常のシングルサイズ…一人用だ。
そこに1人の男とその男を挟むように2人の少女が寝ている。
3人ともスヤスヤと寝息をたてているようだ…
少女達は男の肩にそれぞれ頭をのせ、腕にしがみつくようにしている。
おや?…狸寝入りでもしているかのようにもぞもぞ動いている影が。
この羨まし…ゲフゲフ…非現実的な状況で平然と寝ている男の気が知れない。
先に動いたのは、男の左腕にしがみついていた少女
―聡明な印象を持たせる顔立ちに切れ長の瞳、真っ黒な長い髪に雪のように白い肌を持つ少女―ちなみだった。
(・・・・2人とも・・・寝てる・・よね?昨日タカシさんの唇と・・・・)
少女は愛おしそうに男の唇を指でなぞる。
やがて指先で男の唇を堪能した少女は身体を起こし、男の唇に自分の唇を重ねた。
(・・・・♪)
「おやすみ・・・たかしさん」
そう呟いて少女は頬を赤く染めて嬉しそうに身体を横にし、幸せそうな笑みを浮かべて眠りについた。
男は…相変わらず寝たままである。
次に動いたのは、男の右腕にしがみついていたもう一人の少女
―吸い込まれそうな大きな瞳に利発そうな顔立ち、短パンにキャミソールという真冬に似つかわしくない露出度の高い格好の少女―かなみ。
(うーん・・・なんでこんなバカにこの私が・・・)
少女はいたずらな笑みを浮かべ男の鼻をつまんだ。
「フガ・・フガっ」
男が苦しそうな寝息をたてる。少女はクスッと笑い手を離した。
(なんで兄妹なんかに生まれちゃったんだろ・・・昨日はちなみちゃんに負けたくなくて思わずあんな事を・・・)
少女は先ほどもう一人の少女が男の唇にしたように…唇を重ねた。
(これでちなみは1回。私は2回!!私の勝ちね♪)
少女はにやにやした表情のまま眠りについた。
うーん…これって間接キッス(ry
正月編終わり
-
なぜ本スレに投下しないのか・・・
GJ
-
GJ
>>793
本スレが立ってないじゃないの?
スレ立ってないならこっちで垂れ流そうかな
-
べ、別に恥ずかしくてこっちに投下してるわけじゃないんだからねっ
春になりました。
18
春っていいよな?俺は春ってやつが大好きなんだ。
センチメンタルな気分とハッピーな気分を嫌というほど堪能できる。
―出会いと別れ
―始まりと終わり
どちらかが欠けてもだめなんだ。
4月某日
今日は俺の通う大学の入学式。
俺は石段の下をぞろぞろと並んで歩く新入生の列を見下ろしていた。
退屈な入学式を終え、これから迎える華やかな大学生活を夢見ていることだろう。
だが…希望と期待に胸を膨らませているのは何も新入生だけじゃないんだ。
3月は別れの季節…そして4月は出会いの季節なんだから。
今朝の目さまし占いでは獅子座が第一位!ラッキーカラーは白と水色でした。
「待ってろよ!俺の子猫ちゃん達!」
この日、俺に課せられた任務は新入生の勧誘だ。
毎年この時期、新歓コンパと銘打たれた飲み会が様々なサークルによって開かれる。
当然俺の所属するテニスサークルも新入生歓迎の飲み会を企画している。
(この一年間テニスラケットを持ってすらいないけど…)
我がサークルの精鋭から構成される5名の勧誘部隊には一人10名というノルマがある。
参加約束を取り付け、当然子猫ちゃん達の電話番号を聞きださねばならない。
これは仕事なのだ…もちろん飲み会の後に仲良くなろうが、にゃんにゃんしようが個人の自由。
「さぁ・・・狩りの時間d・ぶわぁあああ」
俺は情けない悲鳴をあげながら、階段を転げ落ちた。
「あら?私の通り道にポストがあったのでついつい蹴飛ばしてみればタカシじゃない。
そんなところに這いつくばってイモムシの真似事でもしてるのかしら?」
この日、俺は赤いコートできめていた…
俺を蹴り落としたうえ、イモムシ扱いする不埒な輩の顔を睨みつける。
上半身を起こし、石段の上を見上げた俺の視界に移るのは白いパンツ…じゃなくて毅然とたたずむ神野りなの姿だった。
「危ねぇな!!一歩間違ったら死ぬぞ!お前は赤いものを見たらついつい興奮しちゃう闘牛か!
しかも痛くて起き上がれないんだよ、誰かさんが俺を蹴り落としたから!さらにさらにイモムシ扱いとは失礼だぞ!!!」
「ふん・・・真っ赤なバラが似合う情熱的でついつい興奮しちゃう女ですって?
今更、褒めても何もでないわよ。まぁ・・・タカシとイモムシを同等扱いしたことは謝ってあげるわ」
「・・・」
やけに素直だ。それにしても俺の抗議はどうやったらあんなポジティブな解釈になるんだ?
「だって・・・あまりにもイモムシに失礼だわ。タカシ、あなたがイモムシに謝りなさい!」
俺はイモムシ以下か。しかも俺が謝るのかよ!!
「子猫ちゃんとやらに噛み付かれないように気をつけることね!バカたかし!」
そんな捨て台詞を残してりなはプンプンと機嫌悪そうに去っていった。
それにしても恥ずかしい台詞を聞かれてしまった。
「痛い・・・りなのやつ、今日は白か・・・」
そう呟いた俺はコンクリート上等とばかりに地面に仰向けに寝転んだ。
今日はいい天気なのだ。空を見上げた俺の視界には水色の……パンツが…あれ?
「あの・・・お兄さん大丈夫っスカ?」
心配そうに俺を見つめる少女の姿がそこにあった。
大学構内のコンクリートに寝転ぶ怪しげな男に声をかけるとは変な子…俺も変だけど。
「あ、はい。水色・・・」
「え?・・・」
「・・・・ん?」
―きゃぁああああああ!!!!痴漢ッス!!変態がいるッス!
大学構内に響き渡る少女の悲鳴が響き渡る。
「ち、痴漢だと!許せんな。この俺が成敗してくれる!!」
そう呟いた俺は一目散に逃げ出した。
-
19
「こんにちわ〜。入学おめでとう!
今度うちのサークルで歓迎コンパやるからよかったらおいでよ〜。うちのサークル絶対楽しいよ!」
「え〜〜。どーしよー」
(・・語尾を無理に延ばすな低脳!)
などとは間違っても口にせず、ようやく俺は本日10人目の電話番号と飲み会参加の約束を頂戴した。
ノルマ達成…とはいえ、堂々と女の子の電話番号が聞けるのだ。
ここで勧誘行為を止める理由もない。な、ナンパじゃないぞ!!これは任務なのだ!
俺は再び獲物を狙うハンターのように周囲を観察する。
(あの2人・・・後ろ姿しか見えないが服装のセンスがいい。きっと上玉だ!!)
俺は無理やりテンションをあげて後ろから2人に声をかけた。
「こんにちわ〜。入学おめ・・「変態。痴漢。」「うるせーッス。黙れッス。消えろッス」・・・で・と・・う」
振り向いた可愛らしい2人の少女が俺を睨みつける。
―目がくりくりして身長145cmほどの小動物のような少女と…
―汚いものをみるかのように軽蔑のまなざしを向ける少女……かなみ
「か、かなみ・・・」
「・・・・」
「???かなみちゃん知り合いッスカ?」
きょろきょろと俺とかなみを見比べながら小動物のような少女は不思議そうな顔をしていた。
「うちの・・・・あに・・・まる」
「そうそう。俺はアニマル!って獣かよ!!」
「・・・粗大ご・・・廃棄物・・・・寄生虫・・・ペット?」
「そうそう。俺は卑しい卑しい犬ですよねー。」
「他人!!」
「こらこらこら!お兄ちゃんだよ!!忘れちゃだめじゃん!」
「行こっか♪」
「スルーかよ!!ほんとに他人みたいじゃん!!小学生の頃はおにいちゃんのお嫁さんになるのが夢だっ・・・ゲフっ」
見事な右ストレートが俺の鳩尾に決まる。かなみ…そこは人間の急所なんだ。
敵に確実にダメージを与える場合に狙うんだよ。
「あはははは。兄さん面白いッスね!よくよく見ると格好いいしね。私は風花(ふうか)ッス。よろしくッス」
「風花ちゃんか〜。可愛い名前だね!おまけに人を見る目がある!!」
そう言って俺はこの小さな後輩によしよしをしてあげようと手を伸ばそうとし、
噛まれた。しかも本気で痛い。
「フガッ!ガウガウフガフガーッ」
「お、落ち着いて!何を言ってるかわからないよ!!」
なんとか腕をひっぺがした俺の腕にはしっかりと風花の歯型と出血が認められた。
「チビ扱いするなッス!!先輩なんて豆腐の角に足の小指ぶつけちまえッス!!」
風花はそう言って威嚇するように俺を睨みつけ、ウーウー唸っていた。
豆腐の角に足の小指をぶつけるとどうなるのか激しく気になる。
「あ、風花ちゃんチョコ食べる?」
そう言って俺はカバンの中から取り出したチョコレートを差し出した。
「きゃう〜ん」
風花は飛びつくように俺の手から奪い取った。
やべぇ…こいつ面白い
「先輩いい人ッスね!男子三日会わざれば撲殺せよとはよく言ったものです」
お前は犬か。初対面から5分しか経ってねーよ。しかも撲殺してどうすんだ。三日会わないと俺は撲殺されるのか!
こうして俺の友人のカテゴリに新ジャンル「獣」が誕生した。
-
20
男は新入生の勧誘を終えた後、ミーティングという名の飲み会に参加した。
各大学に存在するテニスサークルの半分はテニスをする回数より飲み会のほうが多い。
男の所属するサークルも例外ではなかった。
帰宅した男は飲み疲れたのか着替えもろくにできずにベットに横たわりうなっている。
確実に二日酔いコースだろう。
部屋に一人の少女がはいってきた。
「タカシ?帰ってるの・・・」
「かなみ〜・・・・きぼちわるいょー・・おーみーずーをーくーだーさーい」
男は真っ青な顔で少女に懇願している。
「はぁ・・・ほんとバカ」
そう言って部屋を出た少女は2分ほどすると、手に水の入ったグラスを持って部屋に戻ってきた。
少女は普段はこの男には決してみせないであろう…心配そうな顔をして近づく。
「・・・はい、水・・・・・うわっくさっ!酒くさいから呼吸しないでよ」
そう言って少女は男に水を差し出した。
一見優しそうだが、後半は「死ね」と言ってるのに彼女は気づいているのだろうか…
男は苦しそうに上半身を起すと受け取った水を一気に飲み干した。
飲み終えたコップをベットの隣にある机に置こうとするが数cmほど手が届かない。
「ほら、よこしなさい・・・コップ」
少女が声をかけ、コップを受け取ろうとした刹那―
男はコップから手を離し、少女を腕をつかむと強引にベットに引き込んだ。
「え?・・・きゃっ」
ベットに引き込んだ少女を男は強い力で抱きしめる。
「ちょっと!調子に乗ら・・・」
男と少女の視線が交差した…瞬きも忘れたように二人は見つめあっていた。
「かなみ・・・俺・・・」
(まさか・・・タカシもわたしのこと・・・)
頬を赤く染めた少女は静かに目を閉じた。
永遠とも思えるような時間が静寂に包まれたまま過ぎる。
(・・・・・あれ?)
少女は恥ずかしそうに片目を半分だけ空けて男の様子を覗った。
(ね、寝てる!?普通この状況で寝るか!!期待したわたしがバカだったわ・・・)
少女は口をアヒルのように尖らせつつも、男の腕に身を委ねていた。
(惚れた弱みってやつかなぁ・・・もっと素直になれたらいいのに)
―夜はそんな2人とは関係無しに更けていく
少女は朝方まで一睡もできず、翌朝男は恐ろしい目にあう。
-
21
その朝俺は激しい頭痛によって夢の時間から強制的に引き戻された。
「うーん・・・頭痛い、昨日飲み過ぎたか・・・」
そう呟きながら俺は目を開ける。
(!?・・・かなみ!!なんでかなみが俺のベットで寝てるんだ?)
意識が急激に目覚め、眠気が吹っ飛ぶ。
目の前で寝息をたてているのは紛れも無く俺の妹…かなみだ。
かなみは寝るときキャミソールに短パンという姿をしている。この日も例外ではない。
掛け布団は完全に足元へ押し出され本来の機能を果たしてはいない。
―白い太股
―めくれ上がった腹部
―ふくよかとは言えないまでも微かな谷間を覗かせる胸元
俺は悪いと思いつつも、いつの間にか成長したかなみから目が離せなかった。
(い、いかん!俺は兄でこいつは妹だ・・・兄として俺は・・・)
俺の中の理性と欲望が火花をちらして戦っている。
(もしも・・・めくれあがったキャミソールの腹部を上に少しずらしたら・・・ちょっとだけ・・・)
いつかどこかで聞いた事がある…漢ってのは考えた時には行動は終えてなければならないのだと。
こうして俺は変態への記念すべき第一歩を踏み出してしまった。
(少しずつ・・・少しずつだ・・・)
かなみを起さないように手と目に全神経を集中させる。
爆弾処理ってのはこんな緊張感と集中力がいるんだろうな。
心臓から押し出された血液が俺の体中を巡っていくのが手に取るようにわかる。
かなみの呼吸に自分の呼吸を合わせる
普段は意識しない時計の音、窓の外で木々を揺らす風の音がやたら大きな音に変わる。
自分がまるで空気と一体化したような気分になる。
細心の注意を払い指先をミリ単位で動かしていた指をとめ呼吸を落ち着ける。
(ふぅ・・・後少し・・だが・・・本当に俺はこんなことをして・・・)
かなみの様子を覗おうと一瞬だけかなみに視線を戻す…
一瞬だけ目を向けたはずの俺はかなみと見つめあっていた。
「・・・」「・・・」
俺の変態的行動は全てかなみに見られていた。
手はキャミソールのすそを摘んだまま、俺は金縛りにあったかのように動けなくなる。
「おはよう・・・ お 兄 ち ゃ ん ♪」
(父さん、母さん・・・20年間生きてこられてタカシは幸せでした・・・)
「ち、違うんだ!!!」
-
22
思い出すだけで身震いがする。
俺は今朝開けてはいけない扉を開けてしまった…
当然俺は右ストレートやハイキックや締め技のコンボがくると予想し、死を覚悟した。
しかし予想に反し、かなみは暴力的な手段には一切訴えてこなかった。
「ふふふ♪」
などと微笑みながら嬉しそうに部屋を後にしたのだ。
洗面所で顔を合わしたときも、ニヤニヤ顔が緩みっぱなしで微笑んでいる。
挙句の果てにこの日を境に、かなみは俺のことを「お兄ちゃん」と呼ぶようになったのだ。
ある意味暴力よりも恐ろしい…身の毛もよだつような予感が俺を包む。
犯罪者ってこんな気分なんだろうな。
いつ警察がくるかとビクビク怯えているのだろう。
そんな事をベットにうずくまりながら考えてしまう。
―コンコン
突如響き渡る部屋のノック音
「ひぃ・・・どうぞ・・・」
部屋に現れたのは予想通りかなみだった。
「お兄ちゃん?」
このお兄ちゃんという言葉がまた俺の良心を刺激する。
妹に手をだそうとした兄…そんな烙印を押されているような気分になるのだ。
「かなみ・・・先ほどは大変失礼を・・」
かなみは勝ち誇った笑みを浮かべてこちらを見下ろしている。
「だいたいなんでかなみが俺のベットで」
「え?何かな〜?よく聞こえないな〜。私 が 悪 い の ?お兄ちゃん♪」
「う・・・ナンデモゴザイマセン」
「そうだよね〜。まさか妹に手を出すなんてね〜。お母さんに言ったらどんな顔するかな〜♪」
「お代官様!どうかそれだけはご勘弁を!」
妹に土下座して謝る情けない兄の図がそこにあった。
「これからは大学の送迎毎日よろしくね♪」
「へ?俺今日1限は休講で授業ないんだけど・・・・・・・・・・・・・・・喜んで送迎させていただきます!!」
「おかーさーん!!おにいちゃんが・・・」
すでに入学したてで取得すべき単位の多いかなみと違い、3回生となった俺は1限から授業の日など皆無だ。
つまり俺は例え4限の時間から通学すればいい日も1限から大学に顔をだすことになる。最悪だ…
「うむ。わかればよろしい」
そう言ってかなみは俺に近づき、土下座する俺のふとももに自分の足をのせた。
―妹に足蹴にされる兄の図がここに完成した。
「目・・・閉じて」
「ナンデ?」
「いいから言う通りにしなさい!お母さんに言ってもいいのかな〜?」
「よ、喜んで〜」
白木屋の店員か、俺は。
…人の弱みを逆手にするなんてまったく人としてどうなんだ、かなみ…
人として既に終わってる俺に言えた義理じゃないが。
「何か言いたそうな顔ね…文句でもあるのかしら?」
「メッソウモゴザイマセン、オジョウサマ」
「そう・・・ならいいわ」
俺は歯を食いしばった。
「絶対目開けちゃだめよ。開けたら殺すわ」
「モチロンデス。ゴシュジンサマ」
俺は間もなく訪れるであろう衝撃に耐えるべく、全身の筋肉を緊張させる。
―ちゅっ
「ほぇ?」
何か柔らかい感触が俺の右頬に…???
予想外の出来事に体の緊張が解け、目を開けようとしたその次の瞬間
―パシーン
強烈なビンタが俺の右頬に炸裂した。
-
23
「タカシと同じ大学に行くわけじゃないわ。
私がもともと行きたかった大学にタカシが勝手に入ったのよ」
大学の合格発表の日、かなみは俺に向かってこんな台詞をはいた。
自慢じゃないが俺は国立大学に通っている。付近の大学の中では高いレベルであり家からも近い。
妹が国立大学に入学を決めたとき、俺は純粋に喜んだ。
しかし、俺の大学内での威厳を保つ為には大学内でのかなみとの遭遇は極力避けねばならない。
そんなわけにもいかないのが現実なのだ。
というか、今朝の一件からかなみの下僕としての立場を確定させてしまった俺は通学の送迎運転手として従事することになった。
車が家を出てから既に15分は過ぎたころだろうか…
車内にはなんともいえないどんよりした空気が流れていた。
かなみは車に乗ってから一度も言葉を発してはいない。
走り出して5分ほどはかなみのご機嫌を伺おうと話しかけたのだがすべて無視されている。
「ねぇ・・・」
「ひゃい」
噛んだ。
「携帯」
「・・・」
「け い た い」
視線はフロントガラスを見据えたまま、かなみが右手をこちらに突き出している。
恐らくは携帯をよこせという意味だろうが…
携帯電話というのは人のプライベート満載である。
易々と他人に渡して見せるようなものでは断じてない。
「な、何にお使いになられるのでしょうか・・・」
「暇」
…暇つぶしだった。俺の携帯電話は暇をつぶすだけ理由で他人に操作されることになった。
差し出された携帯を受け取るったかなみは当たり前のように操作を始めた。
しかし、俺だってバカじゃない。しっかりと暗証番号でロックしてあるからこそ差し出したのだ。
「・・・・番号」
「・・・・」
無視してみせたが、俺のふとももに鈍い痛みが走る。
運転する俺のふとももにかなみが縦に握ったコブシを振り下ろしたのだ。
知ってるかい?油断しているときにこれをされるとかなり効くんだ。
だが俺は叫び声もあげずに痛みに耐える。ここでひいたら俺のプライベートが晒される。
そんなことは御免だ。
「暗証番号・・・」
「・・・・かなみの誕生日」
「え・・・・おにいちゃん・・・覚えててくれたんだ・・・」
頬を紅く染めながらかなみが俺の携帯電話に4桁の番号を入力した。
もちろん嘘なわけだが。
「・・・・」
「あはははは・・・冗談に決まって・・いひゃい!ひゃめへ・・・ごふぇんあはい」
乾いた笑いでその場を和ませようとした俺の左頬がひっぱられる。
「あんた自分の立場わかってるの?」
俺の頬をひっぱる力がいっそう強くなる。
「いひいひひゅうにーれふ」
―さようなら、昨日までの幸せな俺
―こんにちわ、かわいそうな俺
-
24
「むー・・・」
さっきから唇を尖らせて俺の携帯電話を操作しているかなみは時折こんな風にうなっていた。
大学につくまで残り30分…俺の携帯は暇つぶしという名のもとにプライバシーを侵害されている。
「女の子の番号ばっか」
人の携帯を弄り倒したあげく、そんな感想をかなみは漏らした。
「ん〜、昨日新歓コンパの勧誘で20人くらい増えたからなぁ・・・ほとんどサークル関係だな」
「ふーん・・・まぁどうでもいいわね。わたしには関係ないし」
そう言ってかなみは鬱陶しそうな表情をして俺の携帯電話握った手を窓の外に向けて伸ばした。
「暑いわね・・・・手に汗握って滑ってしまいそうだわ」
「ちょっと待って!かなみさん、危ないので走行中に手をだしたらいけませんよ!!!」
「そう・・・」
手をひっこめたかなみの手を握り、携帯を奪い返そうとするがどうやら手放す気はないようだった。
「わかってくれてお兄ちゃんは凄く嬉しいよ・・・・」
「ねぇ・・・・最近の携帯って丈夫らしいけど走っている車から投げたらどうなるのかしら?」
「暑いね!!!窓閉めて冷房にしよう。それから携帯は車から投げたら危ないし絶対壊れます!!!」
「そうそう・・・わたしのメールアドレス登録しておいてあげたわ。送迎の時間はメールする。」
「はいはい。ありがとうございます・・・」
「はいは3回よお兄ちゃん」
「はいはいはい・・・・」
「それから、メールなんか鬱陶しいだけだから勘違いしてつまらないメール送ってこないでね」
「・・・・」
「わたしのメールには必ず3分以内に返信すること。座布団とれないようなくだらないメール送ったら殺すわ」
意外にも笑点好きらしい…
そして再び俺の携帯を弄りだした…と思ったら突然こちらを睨みだす。
「お兄ちゃん五月蝿い」
「いや、しゃべってないし!!!」
「昨日の夜から朝にかけての話よ」
「そっちかよ!!寝言いってた・・・?」
「呼吸音とか心臓の音とかとめてくれない?」
死ねって言われた。
どうやらまた機嫌が悪くなってしまった…いった何が…
結局かなみは大学につくまで散々俺の携帯をなにやら操作し、
「ありがと・・・でも恥ずかしいから大学では半径3km以内に近寄らないでね」
そう言ってかなみは車を後にした。
車内に残された俺は、タバコに火をつけると自分の携帯をとりだすとこれからの暇つぶし相手を探すべく電話帳を開く。
047 神野りな(笑)
「・・・・」
こうして俺のアドレス帳に存在する女の子は全員語尾が(笑)という奇妙な登録に変更された。
-
超GJ
次が楽しみでならない
-
25
「学食でもいってみるか・・・」
かなみを学校に送り届けたものの、授業は午後からだった俺は4時間以上ある暇を持て余していた。
どうせ一週間もすれば送迎も飽きるだろうが、今日は初日である。一度帰ってまたくるのも面倒なのだ。
「どうせ1時間もすれば学食か別棟に誰かくるか」
別棟とは授業に使われていない教室で、現在は各サークルの部室というか溜まり場になっている棟だ。
3人ほど拉致って雀荘へ行けば4時間などあっという間なのだ。
―ドドドドド
突然地響きが鳴り響いた…ような気がした。
「タカシせんぱぁあああああい!!!」
聞き覚えのある声に名前を呼ばれ振り向くと100Mは距離があろう遠方から俺の名前を叫びながら走ってくる姿があった。
かなり…距離がある。地響きを響かせていそうな走り方ではあるが、速度は遅いようだ。
というかあんな距離から人の名前を連呼しながら駆けてくるというのは非常に迷惑なのだが…
(あっ、転んだ・・・)
もともと背の低い風花の姿が少しずつ大きくなってきた。
(20M・・・・・・15M・・・)
ようやく残り7・8Mといったところまで駆け抜けてきた風花は一度立ち止まり息を整えている。
「おはよう風花ちゃん」
そう言って風花の方へ歩みだそうとした瞬間、風花は再びこちらへ向けて全力疾走を再開した。
―ドドドド
「せんぱぁあああああい!!」
残り5Mほどに達した風花は速度を落と……さらに加速した。
「え?ちょ・・・待って」
風花は2Mほど手前で力強く踏み切ると、俺に向けて勢いよくヘッドスライディングしてきたのだ。
「せんぱ〜い」
風花は俺が受け止めると100%信じきっているかのように…
両手を×に交差させ、俺の首元めがけて飛んできてるのは気のせいだろうか。
俺は風花を受け止めるべく両手を差し出し、フライングアタックの直前で身をかわした。
「きゃう〜ん・・・」
全身を投げ出すかのようにヘッドスライディングした風花は当然コンクリートに向けて着地した。
「うぅ・・・痛いッス・・・・たかし先輩ひどいッス」
パンパンと服を叩きながら立ち上がった小柄な少女―風花は飛びっきりの笑顔で俺に向かって敬礼をした。
「先輩!おはようございマス!」
-
26
「それにしても先輩はひどいッス!鬼ッス!童貞にもほどがあるッス!」
ナチュラルに失礼なことを言われた。童貞は関係ないし!
「プンプン・・・大人の男性ならあーいう時はしっかり受け止めるべきッス!先輩異常ッス!」
そんな漫画でしか使われないような擬音語を発しながら風花は文句を垂れている。
そもそも全力で人にフライングアタックをしてくる少女は異常じゃないのだろうか…
授業開始まで時間のあった俺たちは適当なベンチにかけて互いに時間潰しをしている。
「先輩喉渇きませんか?自分買ってくるッス!何がいいッスか?」
「あぁ・・・悪いね。缶コーヒーお願い」
そう言って俺はポケットから120円を取り出し風花に渡した。
「了解ッス!!風花は紅茶にするッス!」
風花は受け取った小銭を見ると不思議そうな顔をしている。
「ん?どうした」
「・・・・・・・・これじゃぁ先輩の分買えないッスよ?」
自分から誘っておいていつの間にか俺のおごりになっていた。
「・・・・」
「???」
俺は黙ってもう120円をポケットから風花に手渡した。
こいつどういう育ちをしてるんだ…
「♪」
風花は嬉しそうな表情を浮かべ颯爽と自販機へ向けて駆け出した。
「せんぱ〜い!いきますよ〜」
自販機から飲み物を取り出した風花はこちらを振り向き、大きく振りかぶった。
「しっかりキャッチするッス!」
ん?投げる気か…
まるでピッチャーのようなモーションから繰り出された缶コーヒーは放物線…
を描かずにまっすぐこちらへ一直線に向かって飛んできた。
―ガンっ・・・・ゴロゴロゴロ
「危なっ!」
缶一発…じゃなくて間一髪で顔面めがけてとんできた缶コーヒーを避ける。
「先輩だめッスよ。ちゃんとキャッチしなきゃッス」
「お前は俺をどうしたいんだ!!!危うく怪我するとこだったぞ!」
「でもー・・・先輩が初めてッスよ?わたしのパスを受け取れなかった人」
「いつもあんな危険なパスをしてるのかよ!悔い改めろ!!今すぐにっ」
「いえ、殺す気で本気になって投げたのは先輩が初めてッスよ?」
「本気なのかよ!!しかも殺す気だったんだ!!!」
「てへっ☆」
「てへっ☆じゃねぇ!」
だが悪戯っ子のように微笑む風花を見た俺は、不覚にも可愛らしいと思ってしまった。
「まぁまぁ、先輩怒ったらだめッスよ。仏の顔も三度までッス」
「・・・・ホントに反省してんのかよ・・」
「でも二度あることは百度あるみたいッス」
「まだあるんだ!!!反省してませんね!!」
ケラケラと笑いながら飲み終えた空き缶をゴミ箱に放り投げ、風花は立ち上がった。
「お茶ごちそうさまでしたッス!」
「おう。気にするな」
「魚心あれば下心ッスか?」
「人の好意をそんな風にとっちゃうの!?」
「先輩水難の相がでてるッス。充分気をつけるわん♪」
正しくは水心…である。
「水難の相って・・・しかも今時わんって・・・」
テクテクと離れていく風花を見つめながら、俺は先ほど投げつけられた缶コーヒーのふたを開ける。
―ブシュッ
俺の顔に勢いよく飛び出したのはコーヒーではなく炭酸飲料だった。
「あの野郎・・・」
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27
男は有り余る時間を別棟で過ごすことにしたようだ。
サークルの部室にはベッド代わりのソファーや誰かが持ち込んだ雑誌やマンガが大量に放置してある。
「ちきしょー・・・顔中ベタベタだし俺のお気に入りのTシャツが・・・orz」
古びた薄暗い洗面所で男はTシャツを脱ぎ、水でパシャパシャと洗いながらそう呟いた。
部室に戻った男はTシャツをハンガーにかけ、半裸のままソファに横たわるとすぐに寝息がきこえてきた。
1時間は経過した頃だろうか…
「暑い〜!4月でこの暑さは何なのよ〜。重ね着なんかしてくるんじゃなかったわ」
ドアを乱暴に開けて一人の女が部室にはいってきた。
この日、4月だというのに30℃に達しようかという異常気象だった。
「誰かがこないうちに、Tインナー脱いでおこうっと・・・」
女は服を脱ごうとして、ソファに横たわる男に気づいたようだ。
「ち、痴漢!?・・ちょっと、タカシ!!なんて格好・・・・タカ・・・シ・・・寝てる・・?」
女の目は半裸で横たわる男に釘付けになっている。
心なしか頬が紅く染まっているのは、このうだるような暑さのせいだろうか…
「結構・・・いい筋肉してるわね。」
そう呟くと女は携帯電話と男に向けた。
―ぴろりろりーん
「やだ私ったら・・・タカシの半裸の写メなんて・・・
こ、これはタカシの弱みを握っておくためよ・・・・わたしは変態じゃないもん」
そんな独り言を呟く女の顔はいっそう紅く染まっていた。
どうみても変態である。
「ちょっと、誰が変態よ!」
突如上を見上げた女が声をあげた。
「・・・気のせい・・かな」
地の文につっこみをいれるとはこの女は只者じゃないらしい…
「って、バカたかしが目覚める前にさっさと着替えなきゃ!」
そう言って女はシャツのボタンに手を掛け、ボタンをはずしていった。
続いて女がインナーを脱いだ瞬間…男が寝返りをうった。
「うーん・・・」
女の行動は素早かった。一瞬で足元に転がっているテニスラケットを手にとると、
ソファに横たわる男のもとへ間合いを詰め、その勢いを利用して一気にテニスラケットを振り下ろした。
「・・・むにゃむにゃ」
男の鼻先2cmのところでテニスラケットはピタリと止まった。
「寝言か・・・びっくりした〜。危うく叩くとこだったわ」
男はすんでのところで命を拾うことができたようだ。
叩くってレベルじゃねーぞ!!
女は黙ってラケットを足元に置き、素早くシャツを羽織るとボタンをかけはじめた。
―ガーン
突如扉が開くと共に大きな女の声が聞こえてきた。
「おっっはよ〜!!・・・・って、ええ!?」
扉を開けたサークルの一員であろう女の視界にはいってきたのは…
―ソファに横たわる上半身裸の男と、頬を紅く染めて服をきる途中の女
どうみても…
「りなってばこんな所で!やるわね!!」
「ち、違うのぉおおおおおおお!!!」
安らかな寝息をたてる男をよそに、女の叫び声がこだましていた。
-
28
メールの着信音で目が覚める。
どうやら寝すぎてしまったらしい…液晶ディスプレイに表示された時間を見ると既に17時を過ぎている。
出席するはずだった授業は既に終わっている。
気持ちの悪い目覚めだ。悪い夢を見た…寝汗で気持ち悪い。
夢の中で俺は誰かに殺されかけていた。まさに鈍器が振り下ろされた瞬間に目が覚めた。
「妙にリアルな夢だったなぁ…」
身体を起こし、干していたTシャツを着る。
タバコに火をつけて、先ほど届いたメールに目を通す。
差出人:かなみ
件名:
本文:5分で駐車場着く。遅れたら殺す
はぁ…なんとも味気ないメールだ。
火をつけたばかりのタバコを灰皿に押しつぶして俺は駐車場へ向かった。
駐車場につくと、車の前に
風花が待っていた。
「先輩遅いッス!レディを待たせたらだめッスよ」
思い出した…俺はこの小動物のせいで炭酸まみれにされたのだ。
「風花ちゃん、さっきはよくもやってくれたな!」
「はて?何のことッスか?」
この女しれっと惚けやがった!
「どんな記憶力してんだよ!忘れたとは言わせん…お陰で俺は炭酸顔からかぶったんだぞ!」
「ところで貴方誰ッスか?」
「そこから忘れちゃうんだ!ジュースおごった相手にあんな仕打ちまでしておいて!!」
「缶ジュース一本でせこい男ッスね」
こいつ本気で見下すような目で俺を見てやがる…いや確かにせこいけど。
「あぁ!思い出したッス!3ヶ月前のセンター試験で緊張のあまり腹痛でうずくまってた貴方を私が助けたッスよね。
その後下痢のおかげんはいかがッスか?」
「俺はそんな情けない腹痛になったりはしない!!さらに言わせてもらうとお前とは昨日が初対面だ!記憶を捏造すんなー!」
楽しい女だ…
「ところで風花ちゃんこんな所で何してるの?」
「私が誘ったのよ。文句ある?」
風花ちゃんを駅まで送るということか…
「そーいう事か…俺は運転手っていうか下僕だしね…じゃぁ行こっか。車乗ってー」
「卑しい運転手風情が気軽に声かけないで欲しいッス」
いつの間にか風花の運転手も兼任になっていた。
「風花ちゃんまで…orz」
落ち込む俺の肩に風花ちゃんが手をかけた。
「冗談ッスよ先輩。元気出すッスよ」
「風花ちゃん・・・」
うーん…俺の見込み通りいい子だ。
「・・・・『さん』をつけろよデコ野郎!!!ッス」
-
29
車に2人を乗せようとキーを取り出した所で俺の携帯がメールの着信を知らせた。
「ごめんメールきたからちょっと中で待っててねー」
そう言って俺は車のロックを解除し、2人に車の中に入るように促した。
メールを開こうと携帯に目を落とすと、俺の両脇にかなみと風花が覗き込むように俺の携帯に目を向けている。
俺って当たり前のようにプライベートを覗かれるキャラだっけ…
「・・・・」
「先輩、見えないッス」
「・・・・」
無視することにした。
「もっと下げて欲しいッス!気が利かない男ッスね」
「なんで風花ちゃんまで当たり前のように俺のメールみようとしてんだよ!」
立っている状態身長差があるので、覗かれる心配はなさそうだった。
メールの内容は合コンの誘いだった。19時に駅前集合…
今から2人をすぐに送り届ければ充分間に合う時間だ。
思わず顔が綻ぶ。
「何ニヤニヤしてんのよ。気持ち悪い」
「ロリータの写真でも送られてきたんスか?」
「いつから俺はロリコンになったんだ!」
「違うんスか?」
風花が上目遣いでこちらを見上げた。
うぅ…可愛い…ロリ系の風花ちゃんにドキッとしてしまった。
「メールは大した用じゃないよ」
そう言った瞬間俺の両膝に2発のローキックが炸裂した。
両膝に『ひざかっくん』をされたような状態になり、思わず膝をつく。
「・・・麻雀の誘いです」
突如俺の首筋に柔らかい感触が走り、奇妙な感覚が全身を駆け抜けた。
「この味は!・・・嘘をついている『味』だぜ・・・」
舐められた。
女の子に首筋なめられちゃった!!
「どうしたの!?お兄ちゃん!大丈夫?」
かなみはそう言うと手をついている俺の手のひらに足を乗せて体重をかける。
「痛いって!!足はなして!かなみさん、台詞と行動がかみ合ってないよ!!!」
再び生ぬるい感触が首筋を走り、ちくりとした。
今度は風花が俺の首筋に噛み付いていた。
「ほほふぁへいじょうひゃふっふ」
何言ってるのかわからなかった。
だが状況から理解できる。なにせ…頚動脈に歯を突き立てているのだから。
「参った!参りました!!合コンのお誘いです・・・・」
-
人少ないから調子にのって投下しまくりですが、あまりのオナニースレ消費に気が引けてきました
このまま続けてよいものか…
本スレとか別の投下場所さがしたほうがいいのでしょうか?
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だからこそここで投下するべきなんじゃない
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十分GJだし、自分でツンデレだと思ってればいいんだから
気兼ねしないで投下出来るって意味でも本スレいっちゃいなYO
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うpロダにまとめて上げればまるく収まる
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別に欲ね?
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>>808
ここでも本スレでも好きな所で。
もちろんwktkはしている。
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>>808コイサン?
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ここは避難所扱いのようなので本スレに投下してみました
>>814
すいません単語の意味がわかりませんでした
コイサンとは何でしょうか?
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>>815
いや、ちょっと知り合いに
文体が似てたもんで
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スレ落ちてて見れんかった…
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本スレがまた荒れだしそうな予感がする俺ガイル
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なんで民度こんなに下がってしもたん?
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>>819
人が減ったのがげいいん(ryだとは思うけども。
みんなでバカやりながら盛り上がろう、って人が減っちゃったんだと思う。
仕事や学校忙しかったり、落ちやすくなったせいで追いかけるのが大変だったり。
かくいう俺もPC物故割れてからは携帯で追いかけるのが大変で疎遠気味だたよorz
でもやっとPC直ったしこれからはスレを盛り上げるために頑張るよママン
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前スレで百合SS再うp希望があったので
http://deaikei.biz/up/up/5658.txt.html
パス:yuri
スレ汚しスマン
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ここでやってた奴の続きが気になる・・・
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本スレに投下してないっけ?
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らしいけどスレ落ちたりロダで流れたりで俺も見てない
獣人のその後も見逃しちゃったし
特定の書き手さんへの催促は荒れちゃうから何も言えないのがちょっと辛いなあ
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獣人さんのその後は今日3話目が前スレに上がってたな。
個人的な意見としては、特定の書き手さんへの要望は、ここの馴れ合いスレを使うのはどうかと思ったりするんだが。
ただし、あくまでロダが流れて見逃したから再うpお願いしますくらいにして、マンセーな流れは控えるようにすれば、
さほど荒れないと思うんだけど。
問題は、長編書いてる人が避難所を見てくれるかどうかだ。
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獣人さんは二部に入ってから見れた試しがないんだぜ
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それは俺も
VIPロダも駄目になったし流れにくいロダがテンプレにあればいいんだけど
専ロダってあったっけ?
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>>827
勢いで作ってみた。
http://www4.pf-x.net/~nadesoft/up/index.php
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>>828
何という行動力
あとはテンプレに入れてもらわないとな
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>>828
何か、物凄い勢いでウイルスバスターが反応したんですけど
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見れないという声がありましたので、別のロダに上げました。
べ、別に嬉しかったわけじゃないんだからね!?(////
つーか、ここで良かったのかどうか……スレ違いならごめんなさい。
あとこのロダはブラウザで中身が見れません。ダウンロードして、メモ帳等で見てください。ごめんなさい。
パスは『tun』で。
http://www.uploda.net/cgi/uploader4/index.php?dlpas_id=0000014374.txt
基本的にはいつものロダを使いますが、定期的にはこうして別のロダに上げようかと思います。
いつもの『うpろだ.org』はブラウザで見れるのが便利なので、見る人もストレス低かろうと思ったもので。
では、失礼しました。
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>>831
( ^ω^)b 乙
うpろだ.orgは流れるの早くて泣き見る事多いから萎えるぉ・・・
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7レスほど
本スレの裏(妹)バージョンで。
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(自炊)寝起きの悪いツンデレが起きないとキスするぞって言われたら
毎朝、私は寝坊する。目覚ましはもちろん掛けるし、それで起きようと思えば起きれる
けど、敢えて起きずにベッドでもうひと寝入りする。
何故なら、毎朝、お兄ちゃんが起こしに来てくれるから。
布団の中で、私は耳を澄ます。時計をチラリと見ると、7時ちょうど。そろそろお兄ちゃ
んが来る頃だ。
そう思ってワクワクしていると、ギシギシと階段を誰かが上ってくる音がする。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
そう思って私は嬉しさを堪えきれず、思わず顔を綻ばせた。ああ、ダメだダメだ、こん
なんじゃ。お兄ちゃんに私の気持ちを気付かれちゃいけない。
ドンドン!!
「おい。未来起きろ!!」
ドアをノックされる。もちろんこんな事くらいで起きるつもりはない。お兄ちゃんには
たっぷり苦労して貰わないと。
そんな事より、このニヤついた顔を何とかしないと。すぐにお兄ちゃんが部屋に入って
来てしまう。
ガチャリ、とドアが開く。私は咄嗟に布団を被った。お兄ちゃんが近づく気配がする。
私の胸は緊張して、トクトクと鳴った。
と、不意に私の体が揺さぶられた
「おい。いい加減しろよな、未来。学校遅刻すんぞ」
すぐ傍でお兄ちゃんの声がする。私はわざと、眠そうな声で返事をした。
『う〜…… まだ眠い……』
すると、お兄ちゃんは呆れたように答えた。
「甘えた事言ってんじゃねえ。そんなもん、誰だって眠いわ。ほれ、起きた起きた」
まだまだ。こんな事で起きるなんてもったいなさ過ぎる。私は強気にお兄ちゃんに抵抗した。
『やかましい…… って言うか、乙女の部屋に勝手に入ってくんなって……いつも言って
るでしょ……』
「俺に部屋に入られるのが嫌なら、毎朝目覚まし鳴ったらきちんと起きろ。ったく、止め
て二度寝してたら意味ねーだろが」
-
『この時間が……一番気持ち良いし…… っていうか、さっさと出てけ。邪魔だから』
「そういう訳には行かないんだよ。このミッションに失敗したら、俺まで朝飯抜きになるんだぞ」
『それは良い事聞いた。なら絶対に起きてやらないから』
うん。時間のないお兄ちゃんを拘束するのは申し訳ないけど、私の楽しみの為には犠牲
になってもらう。
と、お兄ちゃんがその時、布団に手を掛けた。
「分かった。なら布団はがすぞ。いいか」
私は咄嗟に、布団の端っこを掴むと、怒鳴った。
『何すんのよ。バカ!! スケベ!!』
胸の鼓動が大きくなる。あーびっくりした。私はそっと、布団の中で手を動かして、自
分の体を確かめる。
そう。
実は、今日は下着以外、何も着けずに寝ているのだ。もちろん、そう言ったらお兄ちゃ
んがどんな反応するのか見てみたかったから。もちろん、思い立ったのは、昨日布団を引っ
ぺがされて、ベッドから転げ落とされるという非道な扱いを受けたからなのだが。
照れて出て行っちゃうかな? それとも違う手段に訴えるのだろうか。気にせずに強行
されたりして……
あああああ!! もしこんな姿を見られたらどうしようどうしようどうしよう。恥ずか
しくて嬉しくて死んじゃうかも。お兄ちゃんはどう思うかな。私はちょっと子供っぽいか
ら、こんな体ではダメだろうか? それとも少しはエッチな事とか、考えてくれるのかな?
「は? 何で布団引っぺがそうとしたくらいでスケベ呼ばわりしなくちゃいけないんだよ。
意味わかんね」
お兄ちゃんの声がする。口で言うのは恥ずかしいので、私はそっと掛け布団をずらして言った。
『…………こ、これ……見なさいよ』
左の肩をむき出しにする。
「はぁ?」
と言ったお兄ちゃんが、次の瞬間、固まった。やった。大成功。少なくともお兄ちゃん
は意識してくれた。後は挑発するだけだ。
『……こ、これでも、布団はがすって言うの? やれるものならやってみなさいよ。変態』
-
「もしかして、お前……今、下着だけしか着てないのか?」
私は布団の中で小さく頷いた。
『そうよ。こうすればお兄ちゃんに布団はぎ取られないもん。考えたでしょ?』
お兄ちゃんをそっと窺ってみると、難しい顔をして考え込んでいる。私は嬉しくて、つ
い抑えきれずにニヤニヤしてしまった。さて、どうするのかな? お兄ちゃんは。どうや
ら撤退する気配は無いようだ。悪いけど、まだまだ私は起きるつもりは無い。お兄ちゃん
を困らせるのも妹の特権だし。
もし、強硬手段に訴えられたら……
それはそれで、多分怒って叩き出すだろうけど、けどお兄ちゃんに下着姿見られるって
のもいいなあ…… 明日から、また違う展開が期待出来るかもしれないし。
しかし、お兄ちゃんは、私が全く予期しない事を、突然言い出してきた。
「未来。今すぐ起きろ。出ないと…………お前に、キス、するぞ」
――――え?
いきなり、心臓の鼓動がマックスに跳ね上がった。私は慌てて、寝返りを打つと体を
ギュッと縮みこませた。
何で何で何で? どういう事? 何でいきなりこんな展開になってんの?
全く訳分からず、私は動揺した。
お、お兄ちゃんが私にキスするって、ホントに? いやそれはその……う、嬉しい……
けど、でも何で?
はっきり言って、お兄ちゃんが何考えてるのか、さっぱりだ。
すると、お兄ちゃんがさらにこう言った。
「おい。いいのか、未来。すぐに起きるって言えば、俺は大人しく部屋から出ていくけど……」
それで読めた。実力行使が無理だと踏んだからには、私が絶対嫌がる事をすると言って
脅しに来た訳だ。甘い。甘すぎる。だって私は、キスされても全然平気だし、むしろして
欲しいし、どうせするんなら濃厚なキスにしたい。初めてなんだし。
けれど、お兄ちゃんは多分、こう言えば私が怒って起きるだろうと踏んでて、自分はキ
スする気なんて無いのだろう。だったら、徹底的に抵抗して、挑発して、何としてもキス
を実行に移さなければ。
『……フン。どうせ、脅しでしょ。そんな事であたしを起こそうったって……そ、そうは
行かないんだから……』
-
私は強気を装って、こう答えた。これでお兄ちゃんは引っ込みが付かなくなるはず。兄
の威厳って物もあるだろうし、実行しなかったら思いっきりバカにしてやる。
「脅しじゃねえぞ。起きないって言うんなら……その、マジでやるからな」
そう言って、お兄ちゃんはベッドに腰掛ける。
「今ならまだ間に合うぞ。素直に起きるって言えば、許してやるから」
最後通告が来た。これを突っ撥ねれば、ホントに……本当に、キス、されるのだろうか?
緊張しつつ、私は答えた。
『許すとか……バカみたい。絶対に……起きて、やらないんだから……』
言ってやった。これでもう、お兄ちゃんは実行するしかない。けれど、する以上は、ちゃ
んと口にして貰わなければ困る。ほっぺだけで終了とかマジ勘弁だし。
私は即座に、布団から手を出すと頬を押さえた。
「あ。ちくしょう、この野郎。手をどかせよな」
お兄ちゃんが文句を言う。やっぱりそのつもりだったかこのヘタレ。
『お兄ちゃんの考えてる事くらいお見通しなんだから。こっちにだって考えくらいあるわ
よ、バーカ』
さらに挑発する。妹相手だから、頭の中は倫理観だとかなんだとか、そんな物が渦巻い
ているに違いない。けど、関係あるか。だって好きなんだから。好きな人がキスしてくれ
るって言うんだから。遠慮なんてぶち壊して貰わないと。
すると、お兄ちゃんがゆっくりと顔を近づけてくるのを感じた。手の甲に息が掛かる。
まさか手の甲だけで済ませようと言うのだろうか。そんなのは許さない。
慌てて私は言った。
『どーせ、手でもいいか、とか思ったでしょ。ヘタレ』
その瞬間、いきなりお兄ちゃんが私を仰向けに押さえつけた。何が怒ったのか考える間
もない。気づいた時には、私の上に馬乗りに跨り、肩を押さえつけられていた。
『な……何すんのよ。ビックリ……するじゃない……』
反射的に私は言った。激しく胸が鼓動を打つ。体を動かす事が出来ない。いよいよ、お
兄ちゃんとキス、するのか。お兄ちゃんの顔を、私は真っ直ぐに見つめた。お兄ちゃんは
私を睨みつけて、そして言った。
「い……今すぐ起きろ。でないと俺も……遠慮、しないぞ……」
遠慮なんてしないで欲しい。ここまでしておいてしないなんて有り得ない。
だから私も、お兄ちゃんを睨みつけて、言い返した。
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