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805以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2007/05/23(水) 16:56:41 ID:90x..TqI
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男は有り余る時間を別棟で過ごすことにしたようだ。
サークルの部室にはベッド代わりのソファーや誰かが持ち込んだ雑誌やマンガが大量に放置してある。

「ちきしょー・・・顔中ベタベタだし俺のお気に入りのTシャツが・・・orz」

古びた薄暗い洗面所で男はTシャツを脱ぎ、水でパシャパシャと洗いながらそう呟いた。
部室に戻った男はTシャツをハンガーにかけ、半裸のままソファに横たわるとすぐに寝息がきこえてきた。

1時間は経過した頃だろうか…

「暑い〜!4月でこの暑さは何なのよ〜。重ね着なんかしてくるんじゃなかったわ」

ドアを乱暴に開けて一人の女が部室にはいってきた。
この日、4月だというのに30℃に達しようかという異常気象だった。

「誰かがこないうちに、Tインナー脱いでおこうっと・・・」

女は服を脱ごうとして、ソファに横たわる男に気づいたようだ。

「ち、痴漢!?・・ちょっと、タカシ!!なんて格好・・・・タカ・・・シ・・・寝てる・・?」

女の目は半裸で横たわる男に釘付けになっている。
心なしか頬が紅く染まっているのは、このうだるような暑さのせいだろうか…

「結構・・・いい筋肉してるわね。」

そう呟くと女は携帯電話と男に向けた。

―ぴろりろりーん

「やだ私ったら・・・タカシの半裸の写メなんて・・・
 こ、これはタカシの弱みを握っておくためよ・・・・わたしは変態じゃないもん」

そんな独り言を呟く女の顔はいっそう紅く染まっていた。
どうみても変態である。

「ちょっと、誰が変態よ!」

突如上を見上げた女が声をあげた。

「・・・気のせい・・かな」

地の文につっこみをいれるとはこの女は只者じゃないらしい…

「って、バカたかしが目覚める前にさっさと着替えなきゃ!」

そう言って女はシャツのボタンに手を掛け、ボタンをはずしていった。
続いて女がインナーを脱いだ瞬間…男が寝返りをうった。

「うーん・・・」

女の行動は素早かった。一瞬で足元に転がっているテニスラケットを手にとると、
ソファに横たわる男のもとへ間合いを詰め、その勢いを利用して一気にテニスラケットを振り下ろした。

「・・・むにゃむにゃ」

男の鼻先2cmのところでテニスラケットはピタリと止まった。

「寝言か・・・びっくりした〜。危うく叩くとこだったわ」

男はすんでのところで命を拾うことができたようだ。
叩くってレベルじゃねーぞ!!

女は黙ってラケットを足元に置き、素早くシャツを羽織るとボタンをかけはじめた。

―ガーン

突如扉が開くと共に大きな女の声が聞こえてきた。

「おっっはよ〜!!・・・・って、ええ!?」

扉を開けたサークルの一員であろう女の視界にはいってきたのは…

―ソファに横たわる上半身裸の男と、頬を紅く染めて服をきる途中の女

どうみても…

「りなってばこんな所で!やるわね!!」
「ち、違うのぉおおおおおおお!!!」

安らかな寝息をたてる男をよそに、女の叫び声がこだましていた。




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