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事件はある晴れた放課後の帰り道に起こった。
いつも通っている神社のわき道を歩いていると、俺と幼馴染のツンデレは
なにか紙切れのようなものが木に引っかかっているのに気が付いた。
「何だアレ」
好奇心からその紙切れを拾った俺は、さっそく隣にいるツレにその紙切れ
を見せびらかした。
「見ろよ、なんかのお札みたいだぞ」
「はいはい。良かったわね」
「オマエなあ。もっと『きゃあ怖い!なにかの祟りよ』とか『お札を大事に
しない奴は地獄に落ちるわよ』とかのリアクションは無いのかよ」
「……なにそれ。そんなもの迷信よ」
この女は、小さいときからこういう心霊とか神秘とかいうものをちっとも
信じていない。いつだったか、オバケ屋敷のオバケにダメ出しをしていた事
もある。だから、次の瞬間彼女が起した行動も納得のいくことだった。
「いい?バチなんて当たるわけないのよ。ほら」
そう言うと、彼女は得意げに俺が拾ったお札をビリビリに破りだした。
次の瞬間。
夕暮れの神社の境内が、本当にしんと静まり返った。真っ赤な日の光が
やけに強く射し込み、神社の木影が真っ黒になる程、濃さを増していく。
ヤバイ。直感的にそう感じた俺は、迷うことなく幼馴染の後ろに隠れる。
呆れたように俺を一瞥する幼馴染。そんな俺たちの耳に誰かの、いや、何か
の声が聞こえてきた。
「おい……」
「き、きゃあ!」
俺は反射的に叫び声を上げていた。幼馴染はじっと声のするほうをいつもの
仏頂面で睨んでいる。
「そこの女、お前はいま自分が何をしたか分かっているのか……」
「薄汚い紙切れを破り捨てただけよ。なにか問題だったかしら」
「それは我がこの世に形を留めるための大事な札じゃ」
「そんなに大事なら、銀行の貸金庫にでもしまっといたら?」
「女……我はこの神社に奉られておる神。それを知っての行いか」
「神様っていってもねえ。ヤオヨロズもいるんだから、ひとやまいくらの
サンピンくらいじゃ怖くも無いわ」
黙って聞いていると、俺のツレは神様相手にとんでもなくバチ当たりな
暴言を吐きまくっていた。まずい、このままではとばっちりで俺まで何か
変な祟りがあるかもしれない。この女を止めようと、俺は一人と一柱の間に
分け入ろうとした。
「か、神様!こいつだって悪気があったわけじゃ…」
「いや、悪気十分!よって恐ろしい呪いをかけてやるっ!」
いつのまにか半泣きのベソ声になっていた神様が宣告する。
「お、恐ろしい呪いだって?!」
「一応そんな力もあるんだ。ふーん」
「バカかお前は。いいから謝れ!」
この期に及んで、まったく神経が太いというか狂犬というか…。しかし
良く考えるとコイツのお陰で、帰り道で神様と遭遇なんて気が変になりそうな
状況にも対応できているのも事実だ。
「もう遅いもんね!とびっきりのやつをおみまいしてやるもんねー!」
もはやガキの喧嘩レベルになった神様の一声が、重く俺たちに圧し掛かった。
一体、どうなってしまうのか!?
つづく
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