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コンビニの駐車場に車を停め、りなにメールを打つ。
「いいか!お前らコンビニで買い物して外で待ってろよ?」
「タカシの癖に命令しないでくれる?」
「・・・100年・・・早い」
本当はかなみとちなみが挨拶するとかしないとかひと悶着あったのだが、そんな面倒が増えるような真似はさせるわけにはいかなかった。
りなの家はこのコンビニから徒歩でも2分ほどだ。そろそろ着くだろうと通りを眺めていると
「おーい」
小走りに駆けてくるりなの姿が目に映った。
元旦らしく着物を着たりなはいつもとは違い、艶やかな雰囲気をかもしだしていた。
数秒見とれていた俺にりなが声をかける。
「なに?みとれちゃった?」
「いや・・・まさに馬子にも衣装ってやつだな・・・似合ってるよ」
「ば、バカじゃないの!あんたに褒めてもらっても嬉しくないわよ。」
そう言ってりなは俺に見せ付けるようにクルリと回転した。
「それにしても、本当に来るなんてタカシってバカだよね」
自分で呼び出しておいてこんな言葉を平然と吐く人間は俺の周りではりなだけだ…
さすがの俺もこれにはカチンとくる。
「はい、これCDね。じゃぁ俺帰るから」
そう言って、180度体を反転させた俺は車に戻ろうと足を踏み出した。
踏み出した…はずだったんだが、コートのフードを急にひっぱられる。
「ゲフッ」
「冗談よ♪ありがと・・・・それから」
「「明けましておめでとう」」
笑顔で新年の挨拶を交わす。
いつものやり取り。りなとは何故か馬が合うんだよな。
ふとコンビニへ目を向けると雑誌コーナーで立ち読みをしているかなみとちなみが目に入った。
よしよし、ちゃんと立ち読み…立ち読み?…してNEEEE!!
二人とも雑誌を手にしているため、一見立ち読みをしているかに見えたのだが実際には本を持ったままこちらを凝視していた。
「俺は保護観察処分だったのか・・・」
「え?何それ」
「いや、こっちの話・・・」
―キーッ
突如、さび付いたブレーキ音を鳴らしながら俺たちの間に突っ込んできた。
「危ないっ」「きゃっ」
咄嗟にりなを抱き寄せ自転車を回避した俺たちはまるで抱き合うような格好になっていた。
あまりに唐突に訪れたこの状況に二人は呆然と動かない。
―不自然な沈黙
まるで…これからキスをする恋人同士のように。
りなは顔を真っ赤に染めてこちらを見ている。視線を…逸らせなかった。
「あはは・・・これからキスでもしそうな雰囲気だな」
その場の雰囲気を和ませようとおどけてみせる。
りなは真っ赤な顔をこちらに向けたまま目を瞑った。
これって…えっと…やっぱそうだよな…
―ビーーーーーーーー
深夜の静寂に車のクラクションがこだまする。
突然のクラクションに二人とも我に返り、慌てて離れた。
「ご、ごめん」
「変態!痴漢!意気地なし!」
俺の頬にりなの右ストレートが綺麗にきまった…
「へへへ…いい右だ。俺と世界を狙ってみないか!」
「・・・・バカ・・・もう帰る」
「あぁ。気をつけて帰れよな」
「うん・・・また新学期にね」
「「おやすみ」」
こうして2007年始まりの1日は終わりを告げた。
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