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「だからなんでかなみが泣くんだよ・・・」
俺に前蹴りをかまし、ちなみとキスをする原因を作ったかなみは号泣していた。
「タカシの馬鹿!痴漢!」
罵詈雑言は変わらず。
故意にではないにしろ責任を感じているのだろう。
「ちなみちゃんも何とか言ってくれよ」
ベットを振り向いてみたものの、ちなみは相変わらず惚けた顔でフリーズしていた。
「わたしだってした事なかったのに・・・」
鼻水を垂らしながら意味不明なことを言っている。
そもそもかなみの経験は関係ないと思うのだが…
「だいたい、いい歳してキスくらい気にし・・・・」
またも台詞は最後までは言うことができず、今度は後頭部にハードカバーの本が飛んできた。
「・・・最低」
いつの間にか再起動したちなみはそう呟くと号泣するかなみに目もくれず部屋を出て行った。
やばい…相当怒ってる…
「タカシ・・・」
「かなみ――いつも言ってるけど、兄を呼び捨てにするなと・・・」
そう言って振り向いた目と鼻の先にかなみの顔があった。
涙目で歯を食いしばっている…兄妹として過ごした18年間…今までになかった雰囲気。
互いの呼吸音や心音までもが聞こえてしまいそうな距離。
「――おにいちゃんはキスくらい気にしないの?」
唇と唇が2cmと離れていない距離で、涙目の女の子に―例え妹でも―こんな事を言われたら?
しかもこんな時に「おにいちゃん」なんて呼ぶな!
不覚にも妹にドキドキしてしまったのは言うまでも無い。
永遠とも思えるような一瞬の時間に変化が訪れる。
―ふと部屋の中に一陣の風が吹き抜け、パタンと部屋のドアがギーっという音を立てて閉まろうとしている
そちらへ視線を移そうとしたその刹那
僕は1月1日の元旦――妹に唇を奪われた。
省略されました。続きを見たければ(ry
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