レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
●事情によりこちらでSSを投下するスレ●
-
―元旦
毎年のことだが1月1日は我が別府家には祖父母と住む親戚の碓氷家が訪れ、朝から宴会が繰り広げられる。
俺だってお年玉と呼ばれるお小遣いを貰える年齢までは楽しみにしていたイベントではある。
しかし大学進学と同時にアルバイトを始めた俺は「貰う側」から「あげる側」へ立場を移していた。
立場を移してもう2年にもなるのだが、そうなると楽しみだったイベントも余計な出費がかさむだけのイベントになってしまう。
山田達との年越し初詣を終えて帰宅した俺は新年の挨拶もそこそこに、適当に理由をつけて部屋に戻った。
1階では相変わらずどんちゃん騒ぎが聞こえてくる。
「さて・・・今年も来てなかったな」
碓氷家には一人の娘がいる。俺の従姉妹にあたるその子は小さい頃から面倒を見ては可愛がってきた。
一昨年は受験勉強の為、去年は風邪をこじらせて我が家にはやってこなかったが現在高校2年生になる。
可愛い娘を祖父母に預けてまで酒を飲みにくる碓氷夫婦もどうかと思うのだが…
ともあれ、3年振りの再会は実りそうもなかった。
なんだかんだ言って、俺は一度もお年玉をあげたことはないのだ。
「フフフ・・・一応お年玉としてとっておいたが、この金は今年も俺のものだー!」
「「・・・最低」」
後ろから二つの声がハモって聞こえてきた。
振り向くと碓氷家の娘「ちなみ」と妹の「かなみ」冷ややかな視線をこちらに向けて立っていた。
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板