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しあんいろ

100ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/04(月) 16:55:23 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (大好きな君に届ける言葉)

「大好きだよ しゅうくん」

 大好きで大好きでたまらない
 言葉だけじゃ伝えきれない 心から溢れてしまいそうな想いがあるの

「俺も大好きだよ 千花(ちか)」

 甘い声で返事するしゅんくん
 だけど千花はしゅんくんの言葉に心がこもってないんじゃないかって不安になる
 それって千花がしゅんくんのことを本当に本当に大好きだからだと思う

「だから不安になるの」

 そんな大好きで大好きでたまらない君へ届ける言葉


「大好きです しゅんくん
 だからさようなら」

   (大好きでもありがとうでも愛してるでもない
    ただ「さようなら」と伝えるの)

101ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/04(月) 17:03:01 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

ついに100突破致しましたー!

小説を完結させることはあっても(当たり前か←)100突破することはなかったので本当に嬉しいです!
ここまで頑張れたのも、皆様のおかげです。ありがとうございます!
ええとですね!これからもどんどん更新して頑張っていこうと思いますので、ぜひよろしくお願いします!

100突破記念に何か大きな小説を書きたかったのですが…
それは別スレに立てさせて頂きました!「ゆうぐれカフェ」というスレですノ
だからといって200いったからってスレ立てるわけではないのですが…((
ぜひ読んでみてくださいねノ

半分宣伝になってしまいましたが…
うん、頑張ります!←
もう一度いいます、頑張ります←
ので、よろしくお願いします!

102ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/07(木) 20:20:01 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (kiss)

「………毎日ケンカばっかりだし、少し距離をおこう。」

 彼はいつも自己中心的。
 今日だって、距離をおくかどうか話し合ってくれてもいいのに自分で勝手に決めちゃうの。

「………嫌って言ったら?」

 ポロリと涙を流しながら微笑む。
 きっと彼の答えはこうだなって想像できるから辛い―――

「……俺だけでいいから距離をおく。拒絶されてもお前は俺に近づける?」

 酷いよ……これ以上彼と一緒にはいられない。
 いっその事、このまま恋愛までおわりにしてしまえば………

「私、貴方と別れる。私が貴方に告白したとき、一生好きでいるって言ったわね。その約束を守れなくてごめんなさいっ、」

 何故だろう。涙が止まらない。
 だけどこれが一番の選択肢、だと思ってた。

「別れるなんて、勝手に決めないで。」

 彼はすごくすごく自己中心的な言葉とともに
 甘いキスをしてくれた。

   (俺達は一生別れないんだから)

103ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/07(木) 20:20:54 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (kiss)

「………毎日ケンカばっかりだし、少し距離をおこう。」

 彼はいつも自己中心的。
 今日だって、距離をおくかどうか話し合ってくれてもいいのに自分で勝手に決めちゃうの。

「………嫌って言ったら?」

 ポロリと涙を流しながら微笑む。
 きっと彼の答えはこうだなって想像できるから辛い―――

「……俺だけでいいから距離をおく。拒絶されてもお前は俺に近づける?」

 酷いよ……これ以上彼と一緒にはいられない。
 いっその事、このまま恋愛までおわりにしてしまえば………

「私、貴方と別れる。私が貴方に告白したとき、一生好きでいるって言ったわね。その約束を守れなくてごめんなさいっ、」

 何故だろう。涙が止まらない。
 だけどこれが一番の選択肢、だと思ってた。

「別れるなんて、勝手に決めないで。」

 彼はすごくすごく自己中心的な言葉とともに
 甘いキスをしてくれた。

   (俺達は一生別れないんだから)

104ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/08(金) 16:18:56 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (恋色物語)

「……っしゅんくん!どーして空の味方ばっかりするの?!月の味方してくれてもっ…」
「ごめん それはできない」

 月としゅんの言葉
 でもたしかに 何で空の味方なの?

「……好きな子は守りたいから」

 ぼそりと言ったしゅんの言葉に思わず目を見開く
 好きな子って空のこと?
 両思い なのかな……?

   (両思いって嬉しいよね)

ちょんぎりすみません;
久々の連載更新ノ

105ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/09(土) 16:09:14 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (恋愛症候群)

     *

「恋愛症候群……可愛らしい響きに聞こえるだろうけど実はこの恋愛症候群にかかると厄介なことに最初に見た異性を好きになってしまう。それも身体だけ。
 心でいくらこの人は好きじゃないと思っていても身体だけは最初に見た異性に近づきたがり、思うように声も出なく、こんな人嫌いだと否定することもできない。
 この病気を治すには恋のお薬、三つの方法を試すと良い。
 一つ目…このお薬セットの中に入っている、魔法の薬を一滴飲む。すると身体だけは自由になるので、後は異性を見ないようにする。
 二つ目…異性にお薬セットの中に入っている魔法の水を飲ませる。……後は破られてる。
 三つ目…お薬セットの中に入っている、記憶消し魔法を使う……

 どうしよう!破れてて見えないところもあるし、このままじゃあたし準(じゅん)くんを好きなままだよおっ……!」

 あたしはある日、恋愛症候群にかかってしまった。
 そして、今のような準くん大好き病になったというわけ。
 今、必死にどうにかしようと思ってるんだけど、破れてるところがあって決められない。

「……………はあ、いっそのこと、このままにしておこうかなあ………」

 準くんのことが好きなのは事実。
 症候群にかかってても、かかってなくても大好きだよ。
 でもそんなに好きなら、病気のせいじゃなく心から愛したいじゃない?

 だけど、今は少しだけ、積極的な恋愛症候群の自分でいよう。

   (心から愛したいけど、それはそれで恥ずかしいよう…)


連載しそうな雰囲気だったのをやめました←
いずれ連載するけどね!

想像してた展開と大きくはずれて吃驚。でもまあいいや!((

106ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/13(水) 17:56:02 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (初めての恋は君色に染まる)

「………かっこいいなー」

 君に出逢って間もない頃、一瞬にして惚れてしまいました
 外見だけ、まだ中身はわからないというのに、本当に一瞬だったの

「わ……すごくおもしろい人だな」

 君と出逢って何日か経った頃、君のことを少しずつわかっていきました
 かっこよくておもしろい人なんてどこにでもいるのに、君だけに魅かれたの

「優しいー!」

 君と出会って何週間か経った頃、またまた君のことをわかってしまいました
 もう完璧な人なんだなって思ったの

「えー!以外、苦手なこともあるんだー!」

 君と出会って何ヶ月か経った頃、君の心の奥に入っていけた気がしました
 人間誰でも苦手なことはあるんだなって教えてもらったの


「……………好きだなんて、恥ずかしくて言えないよっ………、」

 君のこと、たくさん知れたよ
 だけど好きとは言えない

 「恥ずかしいから」言葉ではこう言ってるけど、実は違うの
 本当は、「君に彼女がいるから」っていう理由で告白できないの

 結局、逃げることしかできなかったけれど


「君と出逢ってから、私の心は君でいっぱいだったよ。君色に染まって、毎日が幸せだった。」

   (初めての恋を終えたとき、君のお隣さんにはあの人の姿が―――)

107ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/18(月) 10:36:45 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (お隣さんは―――、)

 席替えをして、私と君は隣の席になる
 そして結ばれるってところまでいって、ハッピーエンドだったのに

 早くも席替えの時期はやってくる

「(勝手に席替えしてはいラッキーってところでまたもや勝手にラッキーが去っていくなんて、)」

 楽しくて楽しくて時を忘れてしまうから?
 君のお隣さんだから?

 だから席替えが早く感じるの?

     ≠

 席替えをした後、君のお隣さんはあの人になった
 可愛くて優しくて女の子って感じの子

 そしてあの人は本当の本当に君のお隣さんになってしまったよ

「恋愛として、彼女としてのお隣さん」

   (私のお隣さんまで一緒に去ってゆく席替え、)

108ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/18(月) 12:42:50 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (魔法使い)

 君は振り向いてくれない
   それなら魔法で振り向かせようか

     *

「チチンプイプイ しゅうくん振り向け!」

 この言葉を呟いたら
 きっとしゅうくんは振り向いてくれるでしょう

「お、佐倉(さくら)ー!」

 ぶんぶんと手を振って振り向いた

      ∞

「チチンプイプイ しゅうくん名前で呼んで!」

 この言葉を呟いたら
 きっとしゅうくんはわたしの名前を呼んでくれるでしょう

「千花(ちか)!」

 ぶんぶんと手を振って
 私の名前を呼んで振り向いた

     ∞

「チチンプイプイ しゅうくんわたしと帰ろう!」

 この言葉を呟いたら
 きっとしゅうくんはわたしと帰ってくれるでしょう

「千花ー、一緒に帰ろうぜ!」

 ぶんぶんと手を振って
 私の名前を呼んで振り向きながら
 一緒に帰る

     ∞

「チチンプイプイ しゅうくんわたしと手をつなごう!」

 この言葉を呟いたら
 きっとしゅうくんはわたしと手をつないでくれるでしょう

「千花、手つなごーぜ!」

 ぶんぶんと手を振って
 私の名前を呼んで振り向きながら
 一緒に帰って
 手をつなぐ

     ∞

「チチンプイプイ しゅうくんわたしに告白して!」

 この言葉を呟いたら
 きっとしゅうくんはわたしに告白してくれるでしょう

「千花、大好きだぜ!」

 ぶんぶんと手を振って
 わたしの名前を呼んで振り向きながら
 一緒に帰って
 手をつないで
 告白する

     ∞

「チチンプイプイ しゅうくんわたしとキスして!」

 この言葉を呟いたら
 きっとしゅうくんはわたしとキスしてくれるでしょう

「千花、キスしよーぜ!」

 ぶんぶんと手を振って
 私の名前を呼んで振り向きながら
 一緒に帰って
 手をつないで
 告白して
 キスする

     *

 しゅうくんは心から

 ぶんぶんと手を振って
 わたしの名前を呼んで振り向きながら
 一緒に帰って
 手をつないで
 告白して
 キスしたわけじゃないのに

 幸せなのは変わりない

   (だいすき)

109ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/20(水) 19:00:51 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (黒兎探偵事務所)

 黒白高等学校――――――――
 2−A 黒兎ひまり(くろうさ ひまり) 17歳

「黒兎探偵事務所へようこそ!
 ―――ええと!只今予約受付中でーす!あいているのは一週間後になりますが……」

 興味だけで作ったこのミニ探偵事務所。
 学校の応接室でこそりと運営していた筈なんだけど……

「ああもうあの口軽女マジ最悪!
 絶対アイツ私達がこうなるってわかってて噂広めただろ!」

 口軽女―――熊本くまのこと。
 (・(ェ)・)←これがくまのマークで、女子の間ではくまちゃん可愛いとか大好評!

「あっ、くま!
 アンタこらしめっ、げふ!」

 こそこそと隠れるくまをタイミングよく見つけ一発ポカンと……!
 っていうところで同じ探偵事務所の優羅木(ゆうらぎ)に見つかる。

「はいはいうさぎちゃん!
 今日もお仕事頑張ろうねー」

 優羅木は女の子でめちゃくちゃ可愛い子。
 女の子らしくはないけど男子は話しやすいとかで優羅木に惚れるんだってー
 ちょっと強引なんだけどね!

     ∞

 さあさあ、馬鹿くまとか強引優羅木に構ってないで仕事仕事!
 今日の相談内容は………

「はっあ?黒兎探偵事務所に入部したい?
 此処は部活じゃねえっつーの!大体それ相談じゃないじゃん!」

 ありえない相談っぽいものに思わず怒鳴る。
 するとそれを優羅木が苦笑してとめた。

「はいはい、うさぎちゃんも一応女の子なんだから怒鳴らないの!

 うさぎちゃんの言いたいことはわかったわ。
 この事務所はそこらの部活以上に大変よね?
 だけど、社長のうさぎちゃんと社員の私、くまちゃんでやっていけてるわ。

 でも、あと少しくらい人数があってもいいんじゃない?」

 優羅木の言う通り……だけど、
 今話し聞きながら相談見てたけど半分は入部したいってのだよ?

「こんなにたくさんの人入れないよ……
 せめて後二人くらいしかいらないし!」

「なら、二人に絞ればいいじゃない?
 オーディションをして!」

   (あれもこれもくまのせい!
    絶対許さないんだからー!)

110ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/20(水) 19:21:23 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (黒兎探偵事務所)

「黒兎探偵事務所からの報告でーす!
 ええとですね、黒兎探偵事務所にきたご相談っぽくない内容が殺到したのでこの度特別に!
 「黒兎探偵事務所に入部したい」という願い、叶えてやろうじゃないですか!」

 にっこにこ これが営業スマイル!
 ってゆうか日本語が変?まあ気にしない!

「明日、場所は応接室でオーディションをするよ!
 受かるのは二人だけだから、気合をいれて頑張ってねー!」

 突然マイクが盗まれた……?!
 と思ったらくまが現れて私のセリフ盗った!
 まあ、これで報告は終了だからいいよね!

     ∞

「わ あ あ あ あ !
 応接室前の廊下が人であふれてるっ!

 と、とにかくえ、えんとりいなんばあいちばんの人!応接室にどうぞ!」

     (きります←)

111ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/21(木) 13:28:31 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (黒兎探偵事務所)

 オーディションに合格しようと一生懸命な人が次々と応接室に入ってくる。
 でも、でもね?肝心な「個性」がないのよ。

「………次の人ー!」

 何だか面倒臭くなってきた。
 そんな時入ってきたのは女子に超人気な先輩だった。

「(どーせ女子にキャーキャーされてるだけで幸せなんでしょ。
  探偵事務所なんて入らなければいーのに。)」

 なんて、残念なこと考えながらも少しだけ期待してた。
 そろそろすっごい人が来ると思ってたところなのよね!

「エントリーナンバー×、佐々木海翔(ささき かいと)。よろしくね!
 俺、探偵事務所の社長さん……そうそう、黒兎ひまりとかいったっけ?その子の求めてるものくらいわかるよ!」

 にこにこ笑う海翔に私は更に顔を顰め問いかけた。

「じゃ、何だと思う?
 当てなきゃ即退室ね。」

 私の言葉に海翔はふっと笑ってふざけるように答える。

「俺でしょ?「ばか!」

 海翔のふざけにすぐベチンと頭を叩いた。
 でも、こんなに興味を持つ男は初めてかも。

「うそうそ!
 本当は「個性」でしょ?」

   (え?何で当てるんだし byひまり←)

112ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/22(金) 19:16:30 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (黒兎探偵事務所)

「………私が求めてるものを当てるだけじゃダメ!
 それなりの努力と生まれつきの個性が必要なのー!」

 正直言って、海翔は個性があるし、それなりの努力もしてると思う。
 かっこいいしモテるし、だから努力なんかしないって人はいないんだから。
 だって普通、かっこよくてモテる人ほど周りの期待に答えなきゃって何でも頑張るタイプでしょ?

「………海翔っ!
 私……アンタを認めたわけではないけど、オーディション合格者候補にいれてあげる!」

 ビシイッと右手の人差し指を突き出し、左手を腰に当て偉そうな体制をする。
 笑いながら手を振って応接室を去る海翔に、いつしか恋心が芽生えて……

「だああああっ!確かにオーディション合格者にしようとは考えたけど別に恋心なんか……
 恋心なんかああああああああああああっ!」

 言い訳っぽい私の言葉に対し、優羅木は額に怒りのマークを浮かべ、くまは(`・(ェ)・´)の顔をしている。
 そんなとき、にこにこと笑う可愛い女の子がやってきた。

「先輩方、こんにちはっ!私、一乃瀬花音(いちのせ かのん)です。
 オーディションを受けたくて……でも二年生校舎って初めてなので迷子になっちゃって……
 まあ、よかったです!先輩方の元へ辿りつけて。……って、私ったら自分のことを長々と……ごめんなさいっ!」

 おお、この子は合格でしょー!
 可愛いし優しいし……何より個性が強い!ぐっとくる!

「はーい、花音ちゃんまでー!
 もう合格者は決まったよ、帰った帰ったー!」

 突然、くまが残りの大量の人を追い出した。
 だってもう決まったんでしょ?みたいな顔で見てくる。

   (きりますノ)

113ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/23(土) 17:36:37 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (黒兎探偵事務所)

「はあ?呼んどいてマジありえねー……」
「折角黒兎探偵事務所に入れると思ったのに!」

 次々と聞こえてくる文句に、私はただ呆然とすることしかできなかった。
 確かに佐々木海翔と一乃瀬花音はすっごくいいと思った。
 だけど、だからといってそれに決めたわけじゃないでしょ?

「本当……くま最低………っ!
 こんな興味だけで立てた黒兎探偵事務所のお仕事を一緒にしたいって子がたくさんいたのに……何で最後まで審査してあげられないの?」

 心の中で合格とか不合格とか決めてた私も悪いけど
 個性が大切とかしつこく言ってた私も悪いけど

「だからって、ひどいよこんなの………」

 知らないうちに涙が溢れてきてた。
 どうしても、くまを許せなかったの。

「………怒るなら怒ればいーよ。でも、覚えておいて?
 周りから嫌って思われてる、文句を言われてるのはくまじゃなくひまりなんだから。」

 くまがにこりと微笑んで言った。
 その言葉は私の胸にグサリと刺さり、もう貫通するほどだったよ。

 だって、私のせいじゃないのに全ての責任が私にあるんだよ?
 それって、団体行動では当たり前なことだけど……私の意思じゃないのに勝手にくまがオーディションおわらせて、なのに私のせいだなんて。

「……………もういいよ。
 何かもう疲れた………」

 せめて明日から何とかする。
 もう今日は早退……はしないけど、黒兎探偵事務所は一旦休止。

   (全部全部、私が悪くないって言ったら大間違い。
    だから明日から頑張るもん……、)

114ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/23(土) 18:52:34 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (黒兎探偵事務所)

「ねー、黒兎さん!今日のオーディション、どういうことよ!」

 教室に戻った途端、たくさんの人に囲まれて責められる。
 ……違う、責められたんじゃない。これは自分に対する意見と質問なんだから……いつもの相談のように逃げないで答えなきゃ。

「……ごめんなさい。
 オーディションを受けてない人はまた明日するからっ……」

 こんなこと言って許してもらえるなんて思ってない。
 けど、これはただ当たり前のことだからいいの。

「……も、もし明日やったとしても、合格者候補がもう既に二人いるんだから不利じゃない!
 その二人を合格者にしないって誓うならオーディションをやるわ!」

「わかったよ、その二人は合格にしない!
 だからお願いします……もう今日は私と関わらないで、」

   (きりますノ)

115ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/24(日) 08:07:41 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (黒兎探偵事務所)

「………何よそれ!
 黒兎さん、自分がしたことをわかってるの?!」

 何で?何で私を一人にしてくれないの?
 少しくらいそっとしておいてよ。

「……わかってる!
 わかってるから関わらないでってば!」

「待てよ、」

 私の叫びに負けないくらい大きな声…じゃない。
 存在感が大きい声が聞こえてきた。

「………海翔、」

 ぽつりと私が海翔の名前を呼んだ。

   (きりますノ)

116ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/24(日) 19:08:25 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (黒兎探偵事務所)

「………君達、何を勘違いしてるのかわからないけどさ、オーディションの人を追い出したのは熊本くまだよ?
 この子は君達を追い出すどころかオーディションを途中で止めることさえ考えてなかったんだから、責めないであげてよ。」

 海翔は私が思ったよりもかなりさらりと、そう……一瞬のうちに誤解を解いてしまった。
 そんなに簡単に解けるような糸じゃなかったのに、まるで解けないからプツンと切ったような感じではっきりとね。

「………っ疑って悪かったわね!
 くーまーっ!」

 きっと私を睨んでは目を逸らし、くまの名前を叫んだ。
 それはもう廊下中に響くほど大きな声で。

     ∞

 次の日、オーディション二日目。
 揃ったのは私と優羅木と―――その他大勢のオーディションを受ける人達。

「くま……いないね。」

 周りをきょろきょろ見回して、大体のときは見つかるのに今日はどこにもいない。
 一度心配して優羅木が探しにいったけど、やっぱりいなかったって。

「やっぱ昨日のショックが強かったのかな……。」

 そっと溜め息を吐くとぽつりと呟いた。
 でも心の何処かで私が責められなくてよかったって思ってて、すっごく気持ち悪い。
 こんな私、嫌いだな。

   (くま、大丈夫かなー)

117ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/26(火) 15:43:25 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (玩具箱の中から出てきたのは―――) オリキャラ掲示板のスレ内容とかを小説にしました*

 ある日、私の家で四人のお友達と遊んだ。
 メンバーは女子が私、仲野結衣(なかの ゆい)で男子が佐々木海翔(ささき かいと/黒兎探偵事務所より)、木村良太(きむら りょうた)、黒刀璃希(こくとう りき)だ。

「ねえひまり、ほんっとーにあの箱を開けるの?」

 結衣が私、黒兎ひまり(こくと ひまり/黒兎探偵事務所より)を不安気に呼んで「あの箱」を指差す。
 あの箱とは―――私が幼い頃玩具箱として使っていた、ピンク色のクレヨンで「おもちゃばこ」と書いた緑と黄色の水玉模様の箱。

「当たり前じゃない!わあー、わくわくするなあーっ!」

 おもちゃばこに近づくと、その箱にそっと触れてはにこにこと微笑んだ。
 残り四人も私の隣に座って箱に触れる。結衣以外は指紋をベッタリつけるようにベタベタと。

「ちょっとおー!男共、そんなにベタベタ触んないの!
 あーあー、折角の思い出が汚れちゃったよー……」

 私の言葉に結衣はくすくすと笑いを堪えながら苦笑し、肝心な男共は―――

「ひまりー、汚れるって酷くね?
 俺綺麗さっぱり清潔だよ?」

 なんて苦笑する海翔。

「俺、毎日風呂入ってるし。
 まあ、証明できるものもないから今から一緒に風呂入ろうか?」

 なんて笑い飛ばす良太。

「はあ?お前の方が汚れてんじゃないの、ひまり。
 まあ、良太とひまりで風呂入るなら俺も一緒に入って洗ってやるけどな。」

 なんて、毒舌言葉を吐く璃希。

 と、まあ…個性豊かなメンバーなんだよね。
 心配性な結衣、明るくて人気者の海翔、すぐ笑い飛ばす良太、毒舌な璃希、そして変人な私!

「さあ、お風呂は一緒に入らないけど箱を開けるよ!
 せーの、っせ!」

 ぱか……中を開くと、そこにはお人形さんが。
 そしてぴょこぴょこと飛び出ては人形の姿のまま言った。

「こんにちは!」

   (おわり) つづきはスレでの絡みで!

118ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/29(金) 13:59:08 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (キミ限定)

 大好きなキミ限定
 あまいあまーいキスをプレゼント

 私とキミが初めて出会った日
 キミにキスを届けます

 私とキミが初めて触れた日
 キミにキスを届けます

 私とキミが初めて手を繋いだ日
 キミにキスを届けます

 私とキミが初めて付き合った日
 キミにキスを届けます

 出会った日も触れた日も誕生日もクリスマスも
 日々起こる様々な小さい出来事の度キスを届けます

 だからずうっと傍にいてね

   (こんなことするのはキミ限定)

119ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/29(金) 13:59:46 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (キミ限定)

 大好きなキミ限定
 あまいあまーいキスをプレゼント

 私とキミが初めて出会った日
 キミにキスを届けます

 私とキミが初めて触れた日
 キミにキスを届けます

 私とキミが初めて手を繋いだ日
 キミにキスを届けます

 私とキミが初めて付き合った日
 キミにキスを届けます

 出会った日も触れた日も誕生日もクリスマスも
 日々起こる様々な小さい出来事の度キスを届けます

 だからずうっと傍にいてね

   (こんなことするのはキミ限定)

120ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/30(土) 17:25:31 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   ごあいさつ × 振り返り

 投稿日はつい昨日だけれどごあいさつはお久し振りですね^^*
 最近案が浮かばなくて…というか浮かんで投稿しようとしたら消えちゃって(´;ω;`)大変なのです。
 ついさっきも消えてしまいましたorz

 と、愚痴と言い訳はここらへんまでにして、ちょっとばかり振り返りをしたいと思います。
 ですが、全てのお話のタイトルを載せるわけにはいきませんので、おすすめ等で終わるかなあ…ry

   (連載小説)
 歌姫(始まり>>14、終わり>>72) 一日彼氏(始まり>>23、終わり>>51) 好きにならないで(始まり>>52、終わり>>60)
 恋色物語(始まり>>76、のろのろ連載中) 黒兎探偵事務所(始まり>>109、のろのろ連載中)

   (おすすめ)
 I love you!(>>34) 気づいてよ(>>45 死ネタなのでご注意を!) 出会いと別れ(>>75 死ネタだけどほのぼの〜!)
 赤い糸(>>83) お隣さんは―――、(>>107) 魔法使い(>>108)


 こ、これくらい?おすすめの方は数多い作品の中から本当におすすめ!っていうのを選んだのでぜひ見てみてください^^*
 青いところ(>>○○と書いてあるところ)をクリックすれば飛ぶので探さなくても大丈夫ですからねー!
 って、お節介すぎますねry

 ではでは!ここらへんでノ

121月峰 夜凪 ◆XkPVI3useA:2011/07/30(土) 18:04:26 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
>>ねここ様

初めまして、月峰 夜凪と申します。

おすすめの欄から読み始めましたが、それぞれの素敵なストーリーや主人公のリアルな心情が描かれていて、とても楽しく読ませていただきました!
あなたの素敵な小説には到底及びませんが、私も小説を書いているので、お暇がありましたら覗いて貰えると嬉しいです^^

最後の辺りが宣伝みたいになってしまい申し訳ないです; これからも読ませていただきますので、お互いがんばりましょう^^ノ

122ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/30(土) 21:59:08 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>月峰 夜凪さま

初めまして、ねここという者です^^

はわわ、私の小説には不似合いな勿体無いお言葉ありがとうございます…!
素敵な小説は夜凪さまの方だと!ぜひ読ませていただきますね^^

夜凪さまに応援されたからには頑張らなければ!
夜凪さまも頑張ってくださいね!応援していますノ

123ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/07/31(日) 17:21:19 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (気持ちを伝える言葉なら)

 大好きな彼に気持ちを伝えるとしたら、貴方は何て言う?
 「好きです、付き合ってください」が無難よね。

 でもそれだけじゃつまらない―――――!

 面白さを求めてるわけじゃないのよ?
 でも、その無難な言葉だと自分らしさを引き出せないじゃない。

 私の性格は普通の友達から見て明るくて面白い、お姉さんっぽい子。
 でも、身近な人は言う。泣き虫で寂しがりやで意地っ張りで負けず嫌いだと。

 なら、周りから見た嘘の自分より身近な人が知っている素の自分を知ってもらった方がいいじゃない?
 だって、もし彼が明るい私が好きなのなら、彼の前で毎回毎回そんな嘘の自分を見せなきゃいけないのよ。
 それより、気軽に素を見せれる、私の素が好きな彼の方がいいじゃない。

 だから、本当の自分の性格を好きになって付き合ってほしい彼にはこう伝える。

「本当の私を知って、受け入れてくれませんか?」

   (花火の音にかき消されることなく、大きな声で愛を叫ぶ)

124明優:2011/07/31(日) 18:56:05 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
メッチャ遅くなりましたが、100突破おめでとうございます!!
本当はもっと早くにコメントしたかったのですが・・・。
PCの調子がぁ・・・。
遅くなって申し訳ないのですが、本当におめでとうございます!!
これからも応援させてください☆

125ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/02(火) 12:47:41 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>明優さん

ありがとうございます!

いやいやいや、コメント頂けるだけで嬉しいですよノ
書き込みたいことがあってパソコンの調子は普通なのに遅くなることなんて私はしょっちゅうですからry

応援ありがたいです^^
私もずーっと応援してますよノ

126ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/03(水) 19:54:34 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (辛くて苦しくて、時より甘い)

「百花(ももか)っていっつも可愛いよね、にこにこしててさ!」

 可愛いなんて、わたしには不似合いな言葉。
 百花っていう名前も笑顔も、誰もが可愛いと言うけれど―――
 わたしのことについてすーっごく詳しく、誰よりも知ってる人じゃなきゃそれが不似合いだってわからないの。

 そのすごく詳しい人の名前は心花百花(こはな ももか)。
 つまり、わたし自身のこと。

「………ありがとっ!」

 少し間をあけて、お得意の偽笑顔を浮かべて言う。
 こんな笑顔が好きっていうのなら、君の目は狂ってる。
 わたしなんか、全然可愛くないのに―――

 いつしか一人で可愛くないと思ってることが辛くなってきた。
 そこでわたしはあることを考える。

「(確か学校で相談室が開かれてたよね……少し相談しようかな。)
 失礼します、相談しにきたのですが………」

 そっと相談室のドアを開け、そろりと入っていく。
 すると、相談を受けているであろう子はパアアアッと表情を明るくさせた。

「な、何でしょうか百花さん!
 ととととゆうかいっつも何でもパーフェクトな百花さんに何のご相談がっ?!」

 こなきゃよかった。
 なんて、少し後悔してるときに男の人……先輩らしき人が近づき笑顔を浮かべた。

「どうも、相談室の店長……かな。
 原町りょう(はらまち りょう)です、よろしくね。

 ―――秘密は厳守、相談内容はどんなことでも受け付け中。
 さあ、君はどんな相談をしにきたんだい?」

 すっごくすっごく不思議な人。
 だって、だってね?
 何か知らないけどかっこいいしわたしのことも知らないっぽいし、常識知らずっていうのかな?
 とにかく、俯きながら相談した。

「わたし……可愛くもないのに人に可愛いって言われるのが嫌なの。
 すっごく気持ち悪いのに……可愛くないのに!」

「そんなことない、君は可愛いよ。」

 わたしの声に重なる言葉。
 ありがとうございます、なんて恥ずかしくて言えないけど、

「そんな甘い声で言われても照れる、」

   (ぐだぐだすみません!)

127ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/04(木) 19:18:38 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (画面越しの君はいつも、)

 わたしと幼馴染で初恋の人
 そんな君は、いつしか遠い存在になっていました

 幼いわたしにはこの恋の気持ちはわからなくて
 気づいたのは十六歳の頃、去年の夏頃だったのです
 何でもっと早く気づかなかったの?と後悔が渦巻く中、今日も君に見惚れている

 ある日わたしの傍から君が消えた
 その時についにわたしの気持ちを伝えると、彼はこう言いました。

「大丈夫!画面越しに俺がいる、ずっと傍にね。
 大人になったら迎えに行くから、今は画面越しで我慢して。」

 画面越し、どういう意味?なんて首を傾げるけれど、一週間後にその意味がわかった
 大好きな君はテレビの中に閉じ込められてしまっている
 助けてあげなきゃ!と思うけど、何故かテレビの中の君は笑っているの

「なんで………?
 何で笑ってなんかいられるの?寂しいよ………!」

 せめて君とお話できるとしても、それも画面越し
 携帯の画面越しに君と話すだけでした

 テレビ越しに見つめ、携帯越しに話す
 画面越しの生活は、いつおわるのでしょうか?

     ∞

 ある日、二十歳になった頃。
 君はわたしを迎えにきてくれました。

「画面越しに見つめるのだって、画面越しに話すのだってすごく寂しかった。
 もう画面越しなんかじゃなく、本当の君とキスしたい!」

 画面越しの君はいつも微笑んでいた

   (大好きもメールでしか伝えられない)

128ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/07(日) 19:16:55 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (恋愛機能なんてありません 〜グレイド(俺)side*)

「おい六号!花に水遣りしろとあれだけ言っただろう!」

 六号―――つまり俺専用召使いロボット。
 他に一号だって二号だっているけれど、愛用ロボは六号。

「水遣り……ついさっき済ませた筈ですが………?
 ああ、日光を浴びすぎて土が乾いてしまったのですね。……………面倒臭い。」

 今面倒臭いという言葉が聞こえた気がする、と顔を顰める。
 すると六号はきょとんと首を傾げる。相変わらず可愛らしい顔で。

「あのなあお前!土が乾いたら水を遣ればいいだろう!こんなこと言われなくても………」

 花が枯れてしまっては外見が悪くなるだけでなく、不快な気持ちになる。
 だから土を乾かせることは控えたかったのに、と少し怒り気味に言うと六号の言い訳機能がまた働く。

「ですが六号、グレイド様に頼まれたことだけしか行動してはいけない身分。
 勝手に水遣りなんてしたらグレイド様を怒らせてしまうかもしれません。」

 別に勝手に水遣ったて……六号たちの世界はダメなのだろうか。召使いとはよくわからないものだ。
 少し考え込む内に、六号がしゅんと落ち込む様子を見せつつも話し出す。

「ですか今回は……グレイド様のお気持ちに気づいて差し上げれなかった。申し訳ありません。」

 頭を下げたあと、じょうろを手に取り水を遣りだす。
 こんなこと言わせたくて怒ったわけじゃないのに。

     ∞

 それから俺は気づいてしまった。六号に対する気持ちに。
 召使いなんだから告白にも答えてくれるだろうと少し緊張しつつ話す。

「なあ六号、……好き、だ。」

 こんなにとぎれとぎれに言って伝わるのだろうか。
 少し心配。するとすぐに六号が話し出す。

「グレイド様はあくまでも主人。そんなこと、父上が許す筈ありません。
 ………ごめん、なさい。」

 なんで、何で泣く?六号はロボットなのに、俺が泣くならわかるけれど何故か六号の瞳から涙に等しいものが流れる。
 かなり人間に近いロボット。この世はこんなにすごいロボも作れるようになったらしい。

 でも何故か、恋愛機能だけないんだ。

   (言い訳機能、毒舌機能、素直に謝罪機能だって入ってる。だけど恋愛機能はないの)


 言い訳機能付きねここから一言

 ぐ、ぐだぐだですねぐだぐだ!
 このあと六号sideも書きます、どっちかというとそっちの方がきゅーんとくるかも。

129ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/08(月) 08:48:53 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (恋愛機能なんてありません 〜六号side*)

「おい六号!花に水遣りしろとあれだけ言っただろう!」

 愛しいグレイド様の声、今日は怒っている様子―――
 昨日は不機嫌そうに花の種を渡してきた……
 こんなに怒ったり不機嫌そうにするなんて、六号は愛されてないのね。

 なんて、心もないくせにあれこれ考えながら適当な返事をする。

「水遣り……ついさっき済ませた筈ですが………?
 ああ、日光を浴びすぎて土が乾いてしまったのですね。……………面倒臭い。」

 ………グレイド様、六号のこと何にも考えてない。
 でも仕方無い、グレイド様には一号も二号も、六号よりずっと過ごしてきた愛する家族に等しい者がいるから。

「あのなあお前!土が乾いたら水を遣ればいいだろう!こんなこと言われなくても………」

 こんなお説教なんて求めてないのに。
 お説教なんかに時間をかけないで愛する家族の元へ行けばいいじゃない。

「ですが六号、グレイド様に頼まれたことだけしか行動してはいけない身分。
 勝手に水遣りなんてしたらグレイド様を怒らせてしまうかもしれません。」

 早くこの場から離れてほしいという六号の言葉をグレイド様は言い訳機能という。
 実際これは感情機能の一部なのだけれど………
 とにかく中々この場を離れないグレイド様に一言謝る。

「ですが今回はグレイド様のお気持ちに気づいて差し上げれなかった。申し訳ありません。」

 もう一度グレイド様がプレゼントしてくれたじょうろを手に取って愛するグレイド様のために水を遣ります、

     ∞

 ある日、突然の告白を受けた。

「なあ六号、……好き、だ。」

 こんなにノイズまじりっぽく喋るなんて、グレイド様もロボットなのかしら。
 なんて変なこと考えながら返事をする。

「グレイド様はあくまでも主人。そんなこと、お父様が許す筈ありません。
 ………ごめん、なさい。」

 何故涙が零れるの?六号はロボットなのに。


「どうせなら言い訳機能なんかより恋愛機能を付けてほしかった。」

   (グレイド様、愛しています)

130ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/09(火) 14:05:49 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   更新お休みのお知らせ

 ゆうぐれカフェの方にも書きましたが、十三日から十七日まで更新お休みしますね!
 まだ先のことなのですが、それまで暇なときに更新しますノ

 それでは!次の更新をお楽しみにー!ry

131ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/11(木) 12:21:41 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (愛おしい君) ※狂愛、死ネタ 苦手な方はUターン願いますm(_ _)m

 愛おしい、愛らしい、愛くるしい……愛して愛してたまらない君は一体何処へいってしまったの?

 山?ずっと高く、頂上よりももっともっと、すっごくすっごく上かな
 空?雲の奥の虹をゆっくりと眺めてるのかな
 海?ずっとずっと奥の深い闇のような海の中、それよりももっと深海にいるのかな

 ねえねえねえ!一体何処にいってしまったの?

「ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ、ねえったら!」
「――――――――――……………………」

 何度も、何十回も何百回も何千回も何万回も何億回も何兆回も!いつまでも君を呼んでる
 だけど返事はないわ、そんなのわかりきってる

 だって君は




「もう、逝ってしまったから」

   (ずっと、永遠に君を呼ぶ)

132ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/11(木) 19:36:14 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (愛言葉)

 「好き」「愛してる」―――――――――――――――

 何にも君には届かない
 せめて、せめて二文字の「好き」くらい―――

 届かないよ

 じゃあ、じゃあ「愛してる」は―――

 届かない


 愛言葉さえ届かないの
 紙に書いたって携帯を使ったって届かないなら、もう最後の手段

 キスを届けます

   (好き好き好き、愛してる愛してる これが一瞬で伝わるのはキスだよね)

133ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/12(金) 13:37:59 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (悲劇の逆バレンタインデー)

「そ、そのっ、花音さん!チョコレートもらってくださいっ!」

 今日は2月14日、バレンタインデー。
 自由主義な校長と担任は「別にいー、チョコとか持ってくればあ?」なんて言いながら眠そうに教室を去っていく。
 先生が教室から足を出したらすぐわたしの傍にきた、哀れな少年に今チョコレートを差し出される。

「………ごめん、甘いの苦手なの。
 でもビターチョコなら食べれるかも。」

 いつもは無愛想なわたしだけど、話し掛けられると少しは話す。
 口数少ないわたしに何故こんなにチョコを、しかもわざわざ逆チョコまでするのだろうってちょっと不思議に思うけど、何事もなく周りは見守り、哀れな少年も話しをつづける。

「ビターです!花音さんの好きなチョコ、調べてきたんだ。」

 うわ、調べるとかストーカーでもされてたのかな?
 なんて考えながら、軽く口元を緩ませてお礼の言葉を述べた。

「ん、じゃあありがたくいただくね。」

 あれ、こんなことを繰り返すうちにいつの間にか行列が……。
 何だか少し疲れてくる、1年に1度の逆バレンタインデー。

     ≒

「………あり、がと。」

 本当にいつまでつづくのかな、この長ーい列は。
 お礼を言うのもちょっと疲れてきた。

「……ごめん、他のチョコレートはバックの中にいれておいてくれるかな。
 わたし、大事な用事があるんでちょっといってきます。」

 一言……ううん、二言くらい謝ってわたしが向かった先は保健室。
 少し眠ろうかな、と。……と思ったら、全てのベッドが先生により支配されている。

「……満員………起きてよ先生。」

 今ここで眠らないと時間つぶせないし、いくら違う場所で寝たとしても何か寝心地悪いし……
 それに、帰るっていってもチョコが全部バックに入ってからじゃなきゃ帰れない。こうなったら先生を起こすだけ、だよね。

「んあ………、あー……花音か?悪いがもう少し待ってく、むにゃ………」

 えええ、生徒だって疲れたんだよ?むにゃはないでしょむにゃは!
 ずるいよ先生………

「馬路ずるい………わたし、だって…………」

 バタンッ!……何か人が倒れるような、実際に倒れたんだけどそういう音を出して床にペターンと眠ってしまった。
 ……………床汚い、だけど眠い………………わたしは睡魔には勝てないのでした。

     ≒

「ああ、汚いところで寝てしまった………」

 気がつけばもう5時。部活の人以外いない時間帯……先生はまだ熟睡中。
 でも部活行かなきゃいけないし、めんどくさーい………
 家庭科部で、主に料理をしてるんだけど……今は部活に集中できる気がしない、仕方無い……帰ろう。

「………そろそろ行列は消えてるかな。」

 ぽつりと一言呟いて、ちょっと暗めの廊下を歩く。
 すると、わたしの教室の方から人集りが見えた。何だろう、行列じゃないよな……と近づくと、哀れな少年B達がわたしに押し寄せてくる。

「花音さん!チョコ受け取ってください、もちろんビターですから!」

 え………?ビターとかホワイトとかそういう問題じゃなく、もうバックにいれてくれたはずじゃ?

「あ、あの…………何でバックにいれてなかったの?
 もしかして後からきたから聞いてなかった、とか………?」

 それならありえるよね。最初にきた人にだけバックにいれとけって言ったもの。
 だけど哀れな少年B達は大きく左右に首を振り、違う違うとわたしの質問に答えた。

「ちゃんと聞いてました、バックにいれておいてくださいっていう言葉は。
 だけど年に1度のバレンタイン……どうせ渡すなら直接受け取ってほしいじゃないですか。だから待ってたんです!」

「そ、か……ありがと、待っててくれて………」

 ああ、悲劇の逆バレンタインデーはまだまだつづくようです。

   (悲劇だとは思うし、疲れたなっても思う。
    だけど、わたしのために何時間も待っててくれたんだな、って少し嬉しくなる。)


   あとがき:)

 ねここの書く文の中でいちばんいいなって思ったもの。
 逆バレンタインをメインとした花音(かのん)という女の子がメインのお話です。
 哀れな少年、哀れな少年B達と先生もでてきます(笑)

 楽しく見ていただけると幸いです^^

134ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/17(水) 14:32:42 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 一日早くコメできました!

 十七日に帰ったのですが予定より(ねここの心の←)早く着いたのでひゃっふう!←
 これからもよろしくお願いします^^

135ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/18(木) 12:59:44 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

  悲劇の逆バレンタインデーのつづき
  花音たちは高校二年生へと進級し、また一年が経ったころのお話

   (ホワイトチョコレートの魔法)

 2月14日、逆バレンタインデー
 嗚呼、今年もまた悲劇を味わわなきゃいけないの?

「花音さん、チョコどうぞ!」

 毎年毎年ご苦労様、哀れな少年さん。なんて言ってたら時間がなくなるから短いお礼で済ませる。
 少しだけ、少しだけでいいからチョコを持ってこない人がいればいいのに。

「はいありがとー。」

 何だか去年より列長くないか?とか並んでる人は言うけど、それでいっちばんうんざりするのはわたしなの!
 ほら、あそこにいる男の子のようにチョコなんか渡さないで受け取ってあげなよー……って、その男の子もこっち並ぶんだね、そうなんだね!
 ……………バレンタインデーなんてなくなっちゃえばいーのに。

「せーんーぱいっ!はいチョコレート!
 ………あれ?もしかしてホワイトチョコは苦手だったりする?」

 ほら、バレンタインデーになるとこういう馬鹿も出てくる。
 わたしは後輩くんの質問に大きく頷き話した。

「ホワイトチョコはこの世でいっちばーんきらい、だいっきらい。」

 ごめんよ後輩くん、だけどチョコを持ってくる君が悪いんだよ。
 なーんかもう、本当にバレンタインデーなんてほろびちゃえ!

「えー……ホワイトチョコ食べてよお、僕いっしょーけんめー作ったんだよお……?」

 だあーっ!馬路で馬路で馬路で馬路で馬路で!

「僕っ子になんなくていーからさっさと帰れっ!
 ホワイトチョコは受け付けてないの、ビターしかダメっ!」

   (ごめんなさい!きりますね;
    つか最近短編の内容がちょっと被ってる話しが出てるのは気のせい?w
    どこの誰とは言わないけれど。)

136ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/18(木) 15:17:25 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (お姫様の仰せのままに、)

「ねえレイリア」

 レイリア、それは僕の名前。
 
「はい、レイリア姫」

 そして、君の、お姫様の名前。
 人は僕のことをレイリア、もしくは召使いレイリアと、お姫様のことをレイリア姫と呼ぶ。

「今日、お母様がいないの……寂しいわ
 ……でも、いくら寂しがってもわたしは一人ぼっち。お母様が帰ってきたってそれは変わらぬことなのよね……」

 一人ぼっち?そんなこと、ない。
 レイリア姫には僕はついているのに、いつまでも守るつもりなのに。

 レイリア姫はまるで可憐で愛くるしい花のようで、だけど少しふれただけですぐ花弁が散ってしまいそうな、そういう存在。
 近づくことが許されているのは僕とレイリア姫のお母様とお父様と、レイリア姫の想い人だけ。

「あら、でも明日はわたしの想い人、レオ様がいらしてくれるのね……!
 なら一人ぼっちなんかじゃないわ…寂しくもない、嗚呼……レオ様、早く会いたいわ……!」

 レオ様とはレイリア姫の想い人、そして僕の


 僕の兄

 僕の方がレイリア様に相応しいのに。
 それに兄と僕は顔がそっくりの双子なのに。

 何がダメ?僕の何が兄より劣っている?
 僕の方が礼儀だって剣技だって、何よりとても愛おしくかんじているのに。

「兄の、兄の何処かお気に召されたのですか?」
「全部……だけどレイリア、貴方にはない馴れ馴れしい態度かしらね……
 最初は無礼者と思ったけれど、その無礼さが好き……」

 馴れ馴れしい態度……?
 なら、それなら

「僕が今からレイリア姫に馴れ馴れしい態度をすればレイリア姫は僕を好きになってくれますか?」
「………レイリア、貴方はわたしのことが好きなの?」

 レイリア姫が目をぱっちりと開いて聞く
 けれどその問いには答えず笑って言った

「明日、兄を迎えに行くのですがご一緒に行きませんか?
 兄もレイリア姫に会うのを嘸かし楽しみにしていることでしょう」
「あら、それはいいわね……でもわたし、気が変わったわ」

 気が変わった……?レイリア姫にしては珍しいお言葉。
 そしてもっと、珍しくて嬉しい言葉が

「わたしの想い人はレイリアに変わったからね。」

 僕の想い人だって、レイリアです。


   (愛してる、愛おしい、愛くるしいお姫様)

gdgd……チョコレートのを放ったらかしてでも更新したかったんです、許して←

137ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/18(木) 20:18:21 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (ホワイトチョコレートの魔法)について!

 前更新したのはいいのですけれど、思い通りの作品にならなかった……
 ので、一度考え直してからまたいつか投稿します!

 自分勝手に判断して申し訳ありません。
 その分ゆうぐれカフェとしあんいろをかんばって更新するのでどうぞお楽しみください!

 ……そしてボカロの小説を書いてみた。ホムペに(ぼそ)←

138ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/19(金) 19:47:04 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

  お姫様の仰せのままに、>>136のちょっと我侭バージョン*

   (お姫様の仰せのままに、)

「ねえレイリア、わたし、大きな穴に落ちたいわ」

 不思議の国に行きたいわけじゃないの
 ただ、穴に落ちたら愛おしい彼が助けてくれるんじゃないかって思っただけ

「ねえレイリア、わたし、舞踏会に行きたいわ」

 舞踏会で踊りたいわけじゃないの
 ただ、12時の鐘が鳴って愛おしい彼に探されたいだけ

「ねえレイリア、わたし、毒林檎を食べたいわ」

 死にたいわけじゃないの
 ただ、一眠りして愛おしい彼からキスしてもらいたいの


「ねえレイリア、貴方なら叶えてくれるでしょう?
 わたしの、愛おしい王子様」

「当然です、だって僕はレイリア姫のたった一人の王子様なんですから」

   (キスで目覚める白雪姫に憧れて、わたしは生きる)


 言い訳機能発動!(うぃーん)←

 ええとー、レイリアちゃんの我侭だぜバージョンです!
 えへー、まあ言い訳することといえば…文章がおかしいのはねここの頭がおかしいから。仕方ないことなんだよということ?←
 頭がおかしいからっていうのは屁理屈にしかならなかったけどとにかくがんばりました。←

139ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/20(土) 18:57:22 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (お姫様の魔法は、)

「可愛くなりたい……早く彼氏ほしい…………
 つーか先輩こっち見てくんないいいいいいいいぃいぃぃっぃいいっぃいいいいっい!」

「うっせーわお前、いい加減だまれよ!」

 わたしの叫びに強く反応し暴言を吐いたのは女友達の恋さくら(れん さくら)。
 もう一度言う、おーんーなー友達の恋さくら。女ですよ女、暴言吐くけど一う女の子だからねっ!

「あのねえ、花恋が彼氏を作りたい理由もわかるよ?
 先輩と両思いになりたいのだってわかる!だけど先輩は…先輩はあのどっかの国のお姫様ですか?ってかんじのめちゃくちゃ可愛い子が好きなんだからアンタは無理っ!」

 えちょ、無理ってひどくね?そんなことより!わたしが彼氏を作りたい理由!それは……

「だってだって、ずっとライバルだったゆーりがわたしより先に彼氏作るとか馬路ありえないんだもーんっ!」

 はい爆発しろ\(^p^)/とよく言われます、わかってます。
 だけどだけど、ずるすぎるんだもん!

 と、いうことで……
 わたしはお姫様並みにめちゃくちゃ可愛い&男女どちらに対してもぶりっ子をしない女の子、梨乃(りの)ちゃんに勝って先輩とラブラブできるのでしょうか?

   (つづく)

 言い訳です←

 爆発系小説ですね←
 たまーに顔文字が入るのは小説的にどうなんだよと思うけどそこはつっこまないでくだせえ。
 ………だってギャク小説だもん、仕方無いよね。←

 ということで、ミニ連載がんばりますです!

140ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/21(日) 10:50:02 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 >>139に誤字があったので訂正!&花恋の名前の振り仮名が抜けていたのでそこも付け足し。ゴメンネ!

   (お姫様の魔法は、)

「可愛くなりたい……早く彼氏ほしい…………
 つーか先輩こっち見てくんないいいいいいいいぃいぃぃっぃいいっぃいいいいっい!」

「うっせーわお前、いい加減だまれよ!」

 わたしの叫びに強く反応し暴言を吐いたのは女友達の恋さくら(れん さくら)。
 もう一度言う、おーんーなー友達の恋さくら。女ですよ女、暴言吐くけど一応女の子だからねっ!

「あのねえ、花恋(かれん)が彼氏を作りたい理由もわかるよ?
 先輩と両思いになりたいのだってわかる!だけど先輩は…先輩はあのどっかの国のお姫様ですか?ってかんじのめちゃくちゃ可愛い子が好きなんだからアンタは無理っ!」

 えちょ、無理ってひどくね?そんなことより!わたしが彼氏を作りたい理由!それは……

「だってだって、ずっとライバルだったゆーりがわたしより先に彼氏作るとか馬路ありえないんだもーんっ!」

 はい爆発しろ\(^p^)/とよく言われます、わかってます。
 だけどだけど、ずるすぎるんだもん!

 と、いうことで……
 わたしはお姫様並みにめちゃくちゃ可愛い&男女どちらに対してもぶりっ子をしない女の子、梨乃(りの)ちゃんに勝って先輩とラブラブできるのでしょうか?

   (つづく)

 言い訳です←

 爆発系小説ですね←
 たまーに顔文字が入るのは小説的にどうなんだよと思うけどそこはつっこまないでくだせえ。
 ………だってギャク小説だもん、仕方無いよね。←

 ということで、ミニ連載がんばりますです!

141ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/21(日) 11:34:37 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (お姫様の魔法は、 〜花恋side) >>139のつづき!

「り、りりりりりのちゃん?ちょーっといいですか?」

 りのちゃんは漢字で梨乃って書くんだけどお手紙も呼ばれるときもいっつも「りの」って平仮名なんだぜ!という豆知識。
 じゃなく、めんどーなことはきらいなのではっきりさせちゃいます。

「りのちゃんの好きな人は璃久(りく)先輩だったりする?!」
「え、ああー……りの好きな人いないんだー。でも、璃久先輩とは仲良いと思ってるよ。」

 馬 路 か よ \(^p^)/

 え?何ですかりのちゃん先輩とは仲良しこよしだったりしちゃう?
 馬路で?馬路ですかそれ本気?ならもうわたし手加減なしにいくよ?

「璃久先輩いいいいぃいいいぃっぃぃいいいっぃいい!
 璃久先輩の好きな人ってりのちゃんだったりしますか?つかわたしのこと覚えていますでしょうか?」

 実はこのわたし、璃久先輩と直接関わったのは体育祭のときだけなのです!学園祭はこれからだしね!
 まあとにかく、わたしのお馬鹿な質問に先輩はにこにこして答えてくれた。

「俺?好きな人は花恋ちゃん。なんてね!
 花恋ちゃんのことなら覚えてるよー、体育祭のとき迷子になって俺に道聞いてきた子でしょ?可愛い子だなーって覚えてたんだ。」

 えちょ、その「なんてね!」はなくてよかったです。好きな人はわたしでよかったのにいいい!
 先輩覚えててくれたし、可愛いって言ってくれたし!

「先輩って案外誰にでも可愛いって言っちゃうタイプ?
 わたし可愛いって言われたらうれしくて浮かれちゃうんだけど?」

 本当に。大好きな先輩に可愛いって言われてお世辞でも顔赤くなっちゃったもん。
 でもでも、何となく先輩の顔も赤くなってる気がするんだけど気のせい?

「ま、馬路でかわええ!
 でも俺普段いろんな子に可愛いって言い回ったりしないよ?一途だからさ!」

 えええええ、だから照れる照れる照れる!
 わたしのこと可愛いなんて言うの、きっと世界で先輩だけだよ。

「そ、の………じゃあ先輩の好きな人ってだれ?」
「りのって言ったら、花恋ちゃんは泣く?」

 な、なにその質問………

「泣くに決まってんじゃん………!
 ずっと先輩好きだったのに先輩があんな可愛い子好きなら勝ち目ないよおっ………!」

 あーあ、先輩の前で恥ずかしい……!
 まさか、本気で泣くなんて思いもしなかった。もう今から涙が溢れ出す。

「でもさ、俺の好きな人りのじゃないんだよねー」
「ちょ、待って!璃久先輩りののこと好きじゃなかったの?!」

 突然りのちゃんが話しに入ってきた。
 ずっと聞いてたんだね、盗聴してたんだね!

「………何、りの。りのは自分がモテるから俺もりののこと好きだと勘違いしてた?
 俺が好きなのは……………前も今も、花恋ちゃんだからさ。」

 こわかった。もしわたしじゃなかったらどうしようって。
 でも、うれしいよ、先輩!

「先輩大好き!」

 ぎゅっと先輩に抱きつくけど、りのちゃんが相変わらず止めてきた。しつこ、(ぼそ)

「待ってよもう!ならりのだって言う!
 りの、璃久先輩のことが好きです、大好き!ねえ、付き合ってよー」

 うわあ、ぶりっ子はしてないけど結構嫌な性格だったのね……
 でもどうしよう、璃久先輩も顔可愛い方が好き?

「ありがとう、そしてごめん。
 俺は……本当に好きな奴と付き合いたいからさ!」

 うっわあ、先輩かっこいー!
 そしてりのちゃん顔こわ、折角可愛い顔が台無しだよ。

「………っりの、花恋なんかに負けないから!」

 この恋は一体どうなってしまうのでしょうか?

   (つづく)

142ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/22(月) 08:47:51 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (灰かぶり姫とシンデレラ)

 昔々あるところに、シンデレラと呼ばれる一人の女の子がいました
 シンデレラは優しいお姉さま方のためになんでも尽くし、とても働き者だったとか

 けれどある日、お姉さま方はシンデレラをおいて舞踏会へ行ってしまいました
 何故シンデレラをおいていったかというと、王子様を愛くるしく可愛く可憐なシンデレラにとられてしまうと思ったからです
 そんなことには気づかずお留守番を任されたシンデレラはせっせと働いていました

 そこに、お留守番をさせられたシンデレラを哀れに思った魔法使いが現れ、シンデレラの着ていたお姉さまのおさがりの可愛いワンピースをもっともっと可愛いドレスに変えたのです
 更にはシンデレラがおつかいで買ってきたかぼちゃを馬車に変え、誇らしげに一言告げました

「さあ、このかぼちゃの馬車に乗って舞踏会へ行きましょう」

 頼まれたことを断れない親切なシンデレラは内心面倒臭いと思いながらもお姉さま方のいう王子様はどれだけ美しいのか一目見に、つまり好奇心から舞踏会へと旅立ちました
 舞踏会の会場では、王子様と踊りたいという綺麗なドレスを身に纏った人がたくさんいましたが、王子様はその中でも飛び抜けて綺麗で美しいシンデレラにダンスを申し込んだのです
 優雅なお辞儀に可憐なダンス。誰もがそれに見とれてしまいましたが、お姉さま方は何故ここにシンデレラがいるのかが不思議でたまりません

 時が過ぎ、12時の鐘が鳴りはじめましたがシンデレラにそんなこと関係ありません
 魔法は12時を過ぎてもとけないのです。当然このまま踊りつづけることもできますが、シンデレラはそれがつまらないと思い急いで階段をおりていきました
 
 勿論、硝子の靴を忘れて

 ここまできたら王子様はシンデレラがわざと落としていった硝子の靴を手に取り、この靴の持ち主を探せと言います
 そして持ち主、シンデレラが現れそれはわたしの靴ですと言う。これで王子様とシンデレラは結ばれました

 ねえ、貴女もお姉さま方にいじめられてうっかり硝子の靴を忘れちゃう灰かぶり姫はやめましょう?
 どうせならお姉さま方にも愛されて硝子の靴をわざと忘れて、王子様に探されるのを待つ方が楽しいわ

 愛くるしく可愛く可憐なシンデレラは王子様と幸せに暮らしましたとさ

   (楽しい人生をありがとう、魔法使いさん)

  あとがき

 有名な童話、シンデレラの改造版…かな
 元の原作の方は「灰かぶり姫」この作品が「シンデレラ」という意味を込めて書きました

 実際にイメージしたのはボカロのロミオとシンデレラという曲だったり←

143ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/22(月) 17:24:11 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (キャラクター予想図)

「はj――し、t………nい―g…………………」

 ノイズ音混じりのあの女の子……一体何を伝えたいのだろうか
 不思議といった表情で見つめていると、再び女の子が口を開いた

「………コレデよシっと………あレ?少シ機械音混じリダな…………ホイッ!
 ふうー、よかったよかった!……どうもはじめましてー、僕はLan(らん)っていいまーす」

 次に機械音……ノイズ音じゃなけど少しだけピーって鳴ったりする
 けどその後、ちゃんと話しはじめた

「………ええと、らん…ちゃん?くん?」

 長くもなく短くもない…まあどちらかというと短めの背中まで伸びた金色の髪からして見た目は女のこ
 だけど驚くことにらんは自分のことを僕と呼んでいる

「僕は女ですヨ?あれレ……まタ機械音ガ…………
 ごm――pあ、……mp――yあ……」

 また機械音とノイズ音………
 彼女は一体何者なの?

   (つづく) つづきはゆうぐれカフェで!

 ゆうぐれカフェに出てくるキャラクターの予想図でした!
 ………何かあれだね、僕っ娘を書きたかった!

 つかノイズ音がマジむずい。
 お気に入りのキャラなのにめちゃくちゃむずい!←

 がんばって練習するんだぜ…!

144ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/23(火) 10:16:46 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (アリスは幸せになれるの?)

 20××年、選ばれし者だけに見える穴の奥、海より深い世界
 人はその世界を不思議の国と呼びました

 その不思議の国に行くことのできる選ばれし者、アリスという少女はまだ穴に気づいていません
 仕方無い、ここは白兎を使った作戦でいこう
 服を着て時計を持った眼鏡の似合う白兎は、アリスを誘うように少し走っては止まり、走っては止まりをくり返し、何とかアリスを穴に落としたのです

 アリスの可愛い愛らしさに不思議の国の誰もが虜になり、アリスに好かれたがります
 けれど、そのアリスといえば興味の無さそうな、つまらなさそうな顔
 ここで白兎は思いついたのです アリスゲームをはじめようと

 アリスゲーム 大人数のアリス候補者からたった一人だけアリスに選ばれるゲーム
 そのたった一人に選ばれたアリスが幸せになれて、負けは死を表す

 ねえ、アリスは幸せになれるのかしら?
 きっとあの子は生き延びるわ、幸せになる

 だってあの子、誰にもライバル心なんてないから全く狙われてないもの
 アリスゲームを邪魔する者にも、争うべきアリスにも
 死にたくないって感情が、アリスゲームを邪魔する者を挑発させる

 ……あれ、随分とアリス候補者が少なくなった様子
 勝ち残ったのは、ほらね




 あのアリスだ

   (アリスゲーム)


  あとがき

 何かもうよくわからなくなってきましたね。
 どうしよう←

 とにかく主人公(アリスとかあの子とか呼ばれたりしてる子)がライバル心っていうか、特別死にたくないとかアリスになってやるって思わなかったから誰にも邪魔されずに優勝したみたいな感じです、ぐだぐだでごめんね!


 もうちょっとメルヘンなのが書きたい←

145ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/23(火) 17:10:55 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (耳元で甘く、)

 ねえ、「大好きだよ」って耳元で甘く囁いて
 わたしも君にとっておきの甘い甘いキスをするよ、ねえねえお願い

 ねえ、「愛してる」って耳元で甘く囁いて
 わたしも君にとっておきの甘い甘い言葉をおくるよ、ねえねえお願い


 甘く甘く、もっともっと
 苦いのは嫌よ、甘い声でほらほら、もう一回

 ねえねえ、無愛想なわたしだけの君は甘い声で囁いてくれないの?
 苦い言葉じゃ嫌なの、甘い言葉しか受け付けてません

   (「一生君だけを愛してる」……って、なんてベタな言葉)


 ごめんなさいごめんなさい本当に心から!
 甘いほんわかしたの書きたくて書いたらちょいシリアスめになったorz

 ……………無理!だけど頑張ってみるぜ、

146ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/23(火) 17:21:21 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (おさとうは大さじ100)

 ほろ苦いコーヒーにはおさとうを大さじ100いれます
 魔法のスプーンで1、2、3…どんどん甘く、淡いコーヒーになっていきます

 ほろ苦い恋にはおさとうを大さじ100いれます
 恋のスプーンで1、2、3…どんどん甘く、淡い恋になっていきます

 大さじ99じゃまだ足りないわ
 もっともっと、ぎゅっと詰め込んで

 大さじ101じゃダメなの
 101入れちゃ、わたし死んじゃうわ 君に惚れすぎて

 ほろ苦い恋にはおさとうを大さじ100
 それだけでわたしの恋はあまいあまいものになります

   (あまい恋は淡くほんのりと消えていくのです、しゅわあって)


  あとがき

 甘いのが書けた気がします(*・ω・*)
 甘い女の子をイメージするために平仮名おおめにしてみた!

 ……どう、かな←

147ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/24(水) 17:58:44 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (赤ずきんちゃんの心、そっと覗いてみませんか?)

 赤ずきんちゃんは狼さんにもだまされちゃう素直で健気な、そうねえ…悪く言えば単純な女の子だったわ
 貴方たちの知ってる赤ずきんちゃんはね、でもこれから赤ずきんちゃんの心を覗いてみるわ
 そんな素直で単純な赤ずきんちゃんは何て思ってるのかしらねえ………

 わたし、赤ずきんはおばあちゃんのお見舞いに行くことになりました (ああ、めんどくさあい)
 お花畑がある……少しは綺麗ね (まあ、寄り道した方が可愛く見えるか)
 ………あれれ?狼さんだわ (わたしを食べる気?汚らわしい、早く行こうっと)
 (うっわあ、狼話し掛けてくるわ) はいはい何です?って言いながら話しを聞いてあげた
 (こいつぜってえおばあちゃん食べようとしてるわww早く行こうっと) うん、早く行くのがいちばんよね

 おばあちゃんおばあちゃん? (ふう、マジ長い道のりだった。めんどくせえ\^p^/)
 (つかこいつ……狼だ。わっかりやすい嘘ww) おばあちゃん、貴方狼でしょう?って言ったら悲しむ?


 まあいいわ、えへへ (もうばあちゃんに会いにこねえww)

   (えへへ!)


  あとがき

 赤ずきんちゃんの心の中。
 ちょっとシリアスではない…けど夢見がちな人が見るとがっかりしちゃう小説です!

148ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/26(金) 22:08:57 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   リクエスト受付中なんだぜ、

 いやあ、最近ネタが浮かばない…orz
 ということでリクエストにもお答えできるかな、と。

 結構前明優さまが見たいと言ってくれていたような気がした←
 一日彼氏の結婚後とか、とにかく明日あたり書きたいなー

 うん、よろしくですm(_ _)m

149明優:2011/08/26(金) 23:03:21 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
わぁー☆
覚えててくれて嬉しい☆
ぜひぜひ書いてくれぇー♪
無理はしないでね♪
ねここのペースでいいからね☆

150ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/27(土) 17:12:11 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 >明優

 明優からのリクエストを忘れるはずない…!
 結婚後のラブラブ夫婦、ちょっとっていうかかなり(ry遅くなっちゃったけど書きたいと思う!

 うわあ、優しいコメントありがとうorz
 でも、明優のために頑張るんだぜ…!

151ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/27(土) 17:25:39 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (一日彼氏、結婚後 〜るあside*)

「パパ、まだかなあ……」

 結婚後、わたしとゆーくんの間には女の子と男の子の双子が生まれ、親馬鹿なんじゃないかってくらい可愛がってる。
 さっきからまだかなーってそわそわしてるのが女の子の胡桃(くるみ)。双子のお姉ちゃんだよ。で、もう眠くて寝ちゃったのが男の子の祐(ゆう)。
 あれ、ドアの方で足音が聞こえる。きっとゆーくんだよね。笑顔で迎えてあげなきゃ!

「ただい、「おかえりパパーッ!」

 「ただいま、るあ。胡桃と祐もただいま。」って言うのがゆーくんの癖になってるんだけど、胡桃がゆーくんに飛びついたから挨拶を遮られちゃった。
 わたしも抱きつきたい…と思ってじーっとゆーくんの顔を見つめると、ゆーくんがからかうようにわたしを見てきた。

「何?るあ。るあも抱きつきたかったりする?」

 な、なんと……子供の頃から成長してないんだから!と言っても今は二人共23歳。18歳にすぐ結婚したんだ。
 
「ママー、ママもパパにぎゅーしたいの?」

 胡桃が「ダメだよ、くるみのパパなんだから」って目を向けてきて、少ししゅんとするわたしにゆーくんは言った。

「じゃあ、胡桃が寝たらぎゅーしてあげよっかな。」

 ゆーくんの言葉に、わたしは直ぐ様反応する。

「さあ、胡桃はもう寝んねしようねー」
「やーだー!いーやーなーのー!パパに絵本読んでもらってから寝るんだもん!」

 今日も笑顔が、笑い声が響く家の中。
 今も昔もわたしは幸せです。

「ねえ、ゆーくん。大好きだよ。」

   (おわり)

  あとがき

 ks作ですみませんという気持ちが強い…!
 気に入っていただけるとうれしいです><

152明優:2011/08/27(土) 17:43:37 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
わぁー☆さっそく書いてくれてる☆
嬉しすぎる☆
私のわがまま聞いてくれてありがとう☆
私、結婚後とかの話大好き☆
胡桃ちゃん、かわいいww
この小説もねここも大好き☆
本当に書いてくれてありがとう♪

153ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/27(土) 18:43:29 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 >明優

 はわわわわ、読んでくれてありがとう!
 我侭だなんて…立派な神すぎるリクエストだよー!
 結婚後の話しは幸せそうでねここも好きヽ(*´∀`)ノ
 胡桃はお気に入りかも。
 ね、ねここの方がその何十倍も何百倍も無限に明優のこと大好きだよ!
 こちらこそ読んでくれてありがとー!

154ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/28(日) 19:16:01 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (甘いけど苦くて辛い、苺味のキャンディー)

「苺は可愛いよな、毎日。俺、苺の服とか好きだな。」

 苺―――それはわたしの名前。
 そしてわたしを可愛いって言ってくれるのは、優しくて面白くて大好きな翔くん。

「本当。苺ったら毎日おしゃれとか気をつかってて……わたしとは大違い。」

 この子はわたしの双子の姉の心。
 わたし、心なんて大嫌い。だってわたしの好きなものばかり奪うんだもの。

「そんなことない。心だってすごく可愛いよ、気をつかわなくたって。」

 翔くんはきっと心のことが好き。
 心だって翔くんが好き。わたしだって、好きだよ。だけど、

「……心はお姉ちゃんだから、皆に愛されるのかなあ……」

 わたし、全然愛されてない。
 でも、それでも、

「苺は翔くんが大好きなんだ。……心にはとられたくないくらい。
 これほどわたしの傍にいてほしいって思った人はいない………」

 わたしの突然の告白に翔くんは吃驚してる。
 だけどもっと驚いて、許せないって表情をしてるのは心だった。

「……俺も、苺のこと……その、大好きだよ。」

 結ばれるはずのない恋が結ばれた瞬間、心はすごく怒り始めた。

「っ………許せない、許せない許せない許せないっ!
 わたしだけ、わたしだけ好きになってよ。」

 ああ、またこう、人の好きなものを奪っていく。
 だけど残念。もう翔くんはわたしのものなの。

「わたし、翔くんをすっごく愛してる」

   (fin)

 わああ、駄作。
 何かさらりと、こうさらりとおわるのを書きたかった。

 ダメダメデゴメンネ!

155ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/28(日) 20:16:47 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (苺味のキャンディー) オリキャラ掲示板「ノイズ混じりの声できみに愛を捧げる。」より

 20××年―――舞台は日本
 有名研究家の双子は思考、行動、外見までもが人間と同じのロボット、アンドロイドを完成させた
 そしてそのアンドロイドはすぐ、

 捨てられた

     ×

「あメ……、そrr、ソ__rkわレ―rヨ…… (雨……そろそろ壊れるよ……)」

 助けて、助けて! 
 わたしを見捨てないで………

 いくら心でそう願ったって、ここは路地裏
 見つけられることはすごく少ない

 だけどそんなわたしを見つけてくれたのはきみでした

「どうしたの?雨の中…さむいでしょ?僕の家においで!あとこれ、キャンディーあげる!」

 わたしなんかに傘をさしてくれてありがとう
 わたしなんかにキャンディーをくれてありがとう
 わたしなんかに、わたしなんかに、




 わたしなんかに居場所をくれてありがとう

「だi、ski――ダヨ! (大好きだよ!)」


 ノイズ混じりの声できみに愛を捧げる
 愛を、叫ぶ

   (fin)

 オリキャラ掲示板「ノイズ混じりの声できみに愛を捧げる。」よりねここのキャラ「ココロ」の人生を書いちゃったんだぜ!←
 うん、イマイチな気がする←

156ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/30(火) 17:41:55 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (チョコレートココア)

「おはよー」

 金色で風になびく腰まで伸びた長い髪にお気に入りのリボンカチューシャ
 淡い水色の瞳はきらきらで甘めのふりふりの服が似合っちゃうような女の子
 それに加えて細いし顔ちっちゃいし天然っていう……どこからどう見ても可愛いって言われるような子

「今日も可愛いねー、りの」

 りのっていうのはわたしの可愛いおともだち、心花りののこと
 そしてわたしは花音ひまり

「そんなことないよー、可愛いのはひまりの方。でも………
 ありがと」

 こんな照れ方も喋り方もぜんぶ大好き
 可愛いしちっちゃいし、何でこんなに可愛いの

 ―――――まるで、わたしとは正反対

   (つづく)

久し振りの連載…!
がんばります*

157ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/08/30(火) 19:39:07 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (時々きゅうって)(抱きつきたくなるんです)

 甘めのふりふりな白いお洋服に淡いピンクに染まったふんわりしてるミニスカート。それに短い足首までのレースの靴下に茶色の靴。
 そんな甘い女の子らしいお洋服によく似合う、金色の長い髪の毛に今日はお気に入りの白いリボンカチューシャをつけている。
 手首には彼から誕生日プレゼントにもらったブレスレット。わたしのお洋服によく似合う、白いレースのリボンに兎の飾ってある。

 皆に可愛いって言われて毎日彼からも愛されて、何時か憧れの存在とはわたしのことになっていた。
 だけどたまに不安で、どうしてもどうしても、彼に離れてほしくないときがある。
 そんなとき、背伸びしてそっと彼の首に腕を絡めて頬を赤らめた。

「……その、今は離れないで……
 時々きゅうって抱きしめたくなるの。」

 今離れたらわたし死んじゃう。寂しくて、辛くて苦くて。
 お洋服だけでなく、言葉も彼の存在も、全部全部甘くしてほしいな。

   (end...)

158ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/01(木) 17:38:48 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (チョコレートココア)

「りーのっ!はよー、昨日告られてただろ!俺見てたんだぜー!」

 この明るい声を朝の教室に響かせるのはわたしの好きな人、佐藤翔汰
 だけどきっと、翔汰が好きなのはりのでしょ?わかってる―――

「なっ……翔汰見てたの?!………たしかに、されてはいたけど……」

 わかってるけど、

「辛いよ……………」

 あんなに可愛くておしゃれで細くて顔ちっちゃい子に勝てるわけない
 勝とうとも思わない―――思いたくないよ

「………翔汰、ちょっとわたし用事あるから、このプリントひまりと一緒に先生のところ持っていってくれる?」
「おー、任せとけ!行くぞ、ひまりー!」

 えちょ、どういうこと?
 りのの方を見ると、りのが小さくウインクした、可愛い…!
 じゃなく、二人にしてくれたってことだよね、ありがとう!

「ねえ翔汰ー、翔汰ってさ………」
「んー?」

 わたしが翔汰に話しかける
 ちょっとした質問をするために
 勿論その内容は―――

「りののこと好きでしょ?」

 りののことが好きかどうかってこと
 自分が寂しい思いするってわかってても聞く
 どうせりの、翔汰のこと振るだろうしね

「………なっ、何言ってんの………?
 俺が好きなのはりのじゃないし……」

 うそつき、どうせりのなんでしょ
 顔真っ赤にして、わかりやすいうそ

「うそつきっ!わたしはこんなに翔汰のこと好きなのに!翔汰はなんで、本当のこと言ってくれないの……?」

 それだけ言い残して、りのに任されたプリントを翔汰に投げつけた
 翔汰がわたしを追い掛けようとしたのはわかったけど、思いっ切り走る

 ごめんね、ごめんなさい
 わたしは翔汰に、大切で大好きな人に酷いことをしてしまいました

     ×

「………ひまりー、翔汰と何かあった……?」

 りのが相変わらず可愛い顔してわたしに聞く
 もう何も、信じられないよ
 だけど……だからこそ、全部全部言っちゃえ

「翔汰はどうせりののことが好きなんだよっ!
 りのがいくらわたしと翔汰がくっつくように頑張ったって無理!
 ……………翔汰がりののこと好きって現実は変わらないんだよ………」

 教室で大きな声で叫び、その後泣き始めるわたしに戸惑うりの
 だけどすぐ、わたしの頭を撫でて微笑んだ

「ひまり、勘違いしてる!翔汰が好きなのはわたしじゃないよ」
「え、だって………」

「翔汰が好きなのはひまりだよ!
 わたしはその相談に乗ってただけ」

 ……………神様、これは本当ですか?
 ありがとう!

「翔汰あーっ!好きだよー!」

 きゅ。翔汰の腕に抱きついて、今日も明日も明後日も、ずーっとラブラブだよ!

   (えんど!)

短い…!

今度はお姫様と王子様と召使いの長編を書きたいなー

159ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/01(木) 18:12:00 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (この野郎と)(叫びたくなる今日この頃)

「この野郎ーっっっ!!!!!!」

 叫びたくなる、今日この頃











   (おわり)

 えへへ、悪戯だと思って流して!
 無駄に改行したのはちょっとした悪戯のうち←

160ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/03(土) 16:00:50 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (だいすきの4文字で恋は実る)

 「好きです」「愛してる」―――「だいすき」

 「ごめん」「愛せない」―――「だいきらい」

 「そか……」「だよね」―――「わかってる」

 「ごめんな」「ああ」―――「本当にきらい」

 「こちらこそごめん」「……どうしても?」―――「そうだよね」

 「お前は謝らなくていい」「……どうしても」―――「ああ、きらいだよ」

 「でも好きっていったわたしが悪い」「そうだよね……」―――「好きには?」

 「でもふった俺も悪い」「うん、そうだよ」―――「ならない」

 「悪くないよ」「本当にぜーったい?」―――「………そ、か」

 「もうお互い悪いってことでいいじゃん」「本当にぜったい」―――「好きになったらだめだし」

 「そ、だね」「うん、わかってる」―――「だめじゃないよ……?」

 「じゃあ、ごめん」「もう聞くなよな」―――「あり、がと」

 そう言って彼は去ってゆく、けど―――「わたし、だいすきだよ」

 だいすきの4文字だけが恋を実らせる―――「俺もだいすき」

   (fin)

縦の会話になってます。好きって言ったときの会話、愛してるって言ったときの会話、だいすきって言ったときの会話です。
……書いてみた。←

161ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/04(日) 19:59:25 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (君の隣にいるのは?)

 普段二人のときは一人じゃヤダって言って着いてくるくせに、一緒に着てって言うくせに。
 三人なったら突然僕じゃない違う子に着いてきてって言う。
 四人になっても五人になってもそれは変わらない。
 いや寧ろ、人数が増えるとその分だけ僕の隣に君の姿が見えることは少なくなる。

 3年間。たった3年間だけど、僕がいちばん君の隣にいた。
 僕がいちばん、君を見守ってきた。……のになあ。

 今僕は思う。

 君の隣にいる人は別に誰でもいいんだろう?、と。
 誰かが隣にいてくれれば僕はどうだっていいんだろう?、と。

 ああそうですか、僕は君の道具ですよ。
 勝手に遊んでは捨てられるただのゴミですよ。
 だけどまた君は一人になって僕を拾うんですね。

 そうですねわかりました。
 僕は君の玩具です。

 君は最低な人だ。
 だけど僕が3年間見守りつづけた大事な人。

 ―――――だから何度捨てられたって僕は願います。
 もう一度拾ってほしいと。

   (fin.)

 ▼あとがきという名の言い訳。

 めちゃくちゃ書きやすかった…!
 何これ本心?ってくらいさらりと言葉が出てくる、恐ろしいry

 うん、お気に入りです←

162ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/07(水) 17:03:15 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (僕は君の玩具なんかじゃない)

 君は僕が大好きでたまらないのかな。
 だけど僕は君が大嫌い。

 僕は君の玩具じゃないのに何で君の傍にいなくちゃいけないの?
 なんで、何で僕が違う子と遊ぶと「違う子と遊ばないで」って言ってくるの?
 ま、君は結局違う子と遊んでるけどね。

 ダメなのは僕だけですか?

 僕だけ、君以外の誰とも遊んじゃいけない?
 僕だけ、君以外の誰とも話しちゃいけない?

 でも、君は違うんだね。

 僕に遊ぶなと言いながら、君は違う子と遊ぶ。
 僕に話すなと言いながら、君は違う子と話す。

 いい加減大人になりなよ。

 玩具はもういらないでしょ?
 必要ないんだから、捨てちゃいなよ。
 玩具だってそろそろ自由になりたいんだよ。

 本当にいつまでも甘えてくるつもり?
 僕なしじゃ生きていけないの?

 甘ったれんな。

 僕は君なんて大嫌いだ。
 遊ぶのも話すのも、顔も合わせることさえ嫌だ。

 サヨウナラ、ダイキライナキミ。

   (fin.)

 あとがきー

 えと、君の隣にいるのは?のつづきです。
 これまたさらさらと書けた作品。

 ……まあ、こういう友達一人いるからね!
 3年間のお友達。

163ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/09(金) 18:18:15 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (廻る廻る、世界は廻る。) ※狂ってますノ苦手な人は見ないでね!

 僕はきっと狂ってる。ねえ、君も―――――
                「ごいっしょに、狂いませんか?」

     ×

「………生徒会長」

 生徒会長――それは俺のこと。
 そして君は…………俺の奴隷、でしょ。

「あのさあ、いい加減生徒会長って呼ぶの卒業したらどう?
 ほら、恭夜って呼べよ……」

 その奴隷の顎を片手で掴む。けど奴隷ときたらふわあって欠伸をして言う。

「生徒会長、せくはら?」

 まあこんな能天気で気まぐれでマイペースなのが俺の奴隷。

「なあ希恋……そろそろそのマイペースもむかつくんだけど?」

 女のくせに、生意気なんだよ。
 これ以上俺を焦らせんな。なんて言えることもなく少し強気になる。

「知らないよ、生徒会長が勝手にむかついてればいいじゃん。」

 ………俺の中で何かがぷつんと切れる音がした。

「希恋、ちょっとこっちこいよ。」
「え、ちょ……いやだ………やめ、て。」

 そう言いながら希恋の腕を引っ張ってキスしようとすると、すぐに希恋は焦り出す。
 何故かと不思議に思って前聞いたけど、「生徒会長は関係無い」で通されたし。

「なあお前、何でキスしようとすると逃げるんだよ。
 理由言わなきゃ、キスするけど……?」

 俺は早くキスしたいのに。

「………っだってファーストキスは!
 い、いちばんだいすきなひととしたい、もん………」

 俺の中でまた何かが切れる。ていうか、
 崩 れ 落 ち て く ―――――――

「は、ははっ……あははははっ…………」
「な、なに、生徒会長……」

 狂え、狂ってしまえ!
 お前も、俺も、皆皆!

「っ!………何すんの、」

 とつぜん、希恋にキスをする。
 悪かったなんて、少しも思ってない。罪悪感?知らねえよ、

「嗚呼、この世の全ては悪でできている……そう思わないかい?狂ってない人間なんていないんだよ。全てが狂ってる。
 もちろん、君も、ね。」

 廻る廻る、 世界は永遠に廻りつづける。
 狂って狂って、狂いで溢れた世界になるために。

「さあ、君もごいっしょに。いっしょに狂いませんか?狂いたくないだなんて、そんなこと言ったら此方の世界に引き摺り込んでしまいますよ。あははっ……!」

   (end...)

164明優:2011/09/09(金) 18:21:09 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
久々にコメントさせてぇ♪
ねここらしい?って言うか、
個性が出てていいと思う♪
またいつかコメントするね☆

165ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/09(金) 18:36:22 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 ▼(廻る廻る、世界は廻る。)の説明

 ちょっと狂った系だけど力作…!
 とりあえず、人物紹介でもしたいと思いますノ

 恭夜(きょうや/生徒会長。皆の前では一人称は僕だけど限られた人の前では俺になる。狂ってる。)
 希恋(きこ/能天気で気まぐれでマイペースな女の子。)

 ……くらい?←

 えと、まあこれぐらいでおわりにしちゃいます!
 何のために書いたんだっていうw

 さよならー(o・・o)/~((さよならって言ったらこれがでてくる…!

166:2011/09/09(金) 18:42:16 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
おお!!!

短編集ですか!!!

読ましてもらいますw←

167ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/10(土) 07:17:42 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>明優

コメントありがとー!
個性とかまったくないけどありがとう゚(゚´Д`゚)゚嬉しいですノ

>燐

ありがとーノ
燐のためにも頑張って更新するぜ…!←

168:2011/09/10(土) 08:31:05 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
ねここ>>でも、短編の方が読みやすくてエエと思うでw

うんw←私が言うのも何やけど・・・。

169ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/10(土) 15:36:21 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (すきすき、はろー)

 はろーと言って手を振る君に伝えた
  「はろー、今日も明日もずっとすきだよ」

     ×

「はろー………」

 金色のふわふわな肩まで伸ばした髪の毛に水色のタレ気味の瞳、相変わらず眠たさそうなふらりとした足取りにちいさい制服。
 僕の可愛い可愛いお気に入りです。

「はろー、愛しの希恋!」
「……愛しの?」

 僕の口癖、愛しの希恋という言葉にに毎日反応してくる希恋。
 話してくれるのがうれしくて、毎日の口癖になった。

「愛しのとか……希恋は君のこと好きじゃないしそんなこと言われても好きな人に付き合ってるとか誤解されるだけだし、」

 知ってるよ、希恋の好きな人。
 すっごくすっごくかっこよくて女子からの人気が半端無い人。だけど、けど!

「その人なんかより僕を見「いやっ!」

 毎回のようにバックで叩かれる、いたい……
 そんな感じで、僕と愛しの希恋の生活はつづくのでした。

   (つづくー)

170ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/11(日) 18:32:06 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

おお、そう言ってもらえるとうれしい!
では書きまくるw

171ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/11(日) 19:50:32 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (すきすき、はろー)

「……ねえ、ねえねえねえ!ねえったら希「うるさいっ!」

 嗚呼、もう毎日というより毎回……それとも毎時間のようなことになっただろうか。
 学校のバックで叩かれるのは…結構、いやかなりいたい。

「しつこい世瀬木!希恋しつこい人きらいっ!」

 でも今すごく幸せー……
 世瀬木って、僕の名前…っていうか苗字を呼んでくれたから。
 でもできれば世瀬木じゃなく悠と呼んでほしい。

「……希恋の好きな人になれるようにがんばるからねえー!」
「きっもちわる………」

 学校に着きスタスタと早足で校内へ行く希恋に両手で手を振り大声で告げる。
 ぼそりと聞こえた希恋の言葉は気にしない。……ああでも胸にぐさりとくる。

     ×

「恭花ー、生徒会めんどいよ。手伝ってー」

 ………んん?あれは希恋の好きな恭汰くんじゃん。
 あららー、浮気……だよね馬路で!あんなにうれしそーに微笑んじゃって。

「馬鹿恭、一人でがんばりなさいよー」
「えー、無理無理!恭花ー、お願いーっ!」

 うっわあ、めちゃくちゃいちゃいちゃしてるわー……
 こんな所に希恋がいた、ら………や、べえ。

「世瀬木ー……?何して、…………恭、汰くん?」

 いつも通りふらりとした足取りで僕の名前を呼ぶけれど、恭汰と恭花を発見し目を見開いた。
 俺、どうすればいいの?慰めたとしても今は傷つけるだけだよなあ……

「………ごめ、ばいばい……」
「ま、待てよ……っ!」

 水色のタレ気味の瞳から流れ落ちる涙はとてもきれいだけど、すごく寂しい涙だった。
 思わず呼び止め希恋の腕を掴んだ。けれど希恋は弱々しい声で叫んでくる。

「放してっ!」
「世瀬木、希恋に何やってんの?」

 そのとき、低めの声で話し掛けてきたのは恭汰だった。
 僕の腕をがっしり掴んできて正直いたい。

「……な、んだよ………ああそうか、僕はどうせ邪魔者だよ、な。」

 パッと希恋の腕から手を放すが、その行為がまるで一生離ればなれになるんじゃないかって思えて辛い。
 ははっと苦笑して頭を掻きそこから逃げるように去ると、恭汰は少し溜め息を吐いて希恋に話し掛けてた。

「大丈夫?希恋」

 恭汰が希恋の頭を撫でる。
 嗚呼、それさえ振り払われてしまえばいいのに……

 こんなこと考える僕ってめちゃくちゃ嫌な奴。

「………あーあ、もう僕いない方がいいのかも……」

   (つづけー)

172ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/11(日) 20:31:36 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (すきすき、はろー × 希恋side)

「希恋、何で泣いてたの?世瀬木になんかされ「ちがう。」

 なんで恭汰くんはこんなに馬鹿なの。
 希恋が泣くなんて、あんたのために決まってんじゃん。

「だ、て恭汰くん……きょ、かちゃんと……なか、よくてっ……き、こ…恭、汰くん…す、き……なの、に……」

 声が震えて上手く言葉が言えない。
 だけど希恋の気持ち、受け取ってください。

「……え、えっと?」

 何その反応、全然うれしくないよ。
 希恋のことは好きじゃないの?恭花ちゃんがいいの?
 ねえねえ、もう一回届けるから……ちゃんと受け取ってよ。

「恭汰くん、好きだよ……大好きっ…………でも、
 恭汰くんは恭花ちゃんが好きなんだよね、わかってる。」

 涙が溢れる。だけど、大好きな恭汰くんのために微笑む。
 そのとき、突然抱きつかれた。

「……そ、その……何勘違いしてるのか知んないけど、恭花は俺の妹だよ……?」
「え、」

 び、くりしたあ……
 振られるのかと思ったら、恭花ちゃんは妹さん?なら……

「俺も、希恋のこと大好き。愛してるよ。」

 ねえ、希恋…今とっても幸せだよ。
 だけど君の心は不幸だった。

   (ハッピーエンドとはいかない、まだつづくよ!)

173ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/12(月) 17:29:21 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (すきすき、はろー × 世瀬木side)

「はろー、愛しの希「はろ、」

 恭汰の浮気の件から一日経ち、いつも通りのテンションで希恋を元気づけるために笑う。
 すると何故なのかわからないが、希恋はいつも以上の可愛い笑顔を見せてくれた。

「は、ろー……」

 信じられなくて目を見開いてもう一度あいさつするけれど、希恋はくすりとうれしそうに笑い話す。
 希恋にとっては幸せで僕にとっては最悪なことをね。

「希恋、昨日から恭汰くんと付き合うことになったんだ!」

 何その可愛い顔、反則。
 何その最悪な言葉、反則。

「でも恭汰には彼女が――――、」
「それがね、恭花ちゃんは妹さんなんだって。」

 嗚呼、僕って嫌な奴。何としてでも希恋と恭汰を引き離そうとしてる。
 だけどこの恋は希恋にとってもすっげえ良い恋。中々離れない……

「そ、お幸せにー!」

 何でこう、本当の気持ちを言えないかな……
 幸せになんてなんないでほしい。希恋のこと大好きだけど、僕をひとりぼっちにしないでよ。

「えへへ、ありがと!」

 幸せな恋なんてそんなもの、神様に恵まれてる人にしかないのかもしれない。

     ×

 希恋と恭汰が付き合い始めたという報告を聞いて早くも一日が経つ。
 これは夢?夢ならば早く覚めてほしいんだけど。……どうやら夢じゃないようだ。

「幸せ…っていいなあ………」
「何言ってるの世瀬木、もう幸せなんじゃないの……?」

 ふと思ったことをぽつりと呟くと、隣にいた希恋が首を傾げていた。
 恭汰と付き合ってるのに、こんなとこいていいのかよ。確かに登校は今までずっと一緒だったけどさあ……

「はは、希恋こそもう幸せだから関係ねーだろ?
 ………僕も彼女できたんだ。希恋と浮気してるとか不安にさせんの嫌だしもう話し掛けないで、」

 何でこう、突き放してしまうんだろう。
 大好きで大好きでたまらなく愛してるのに―――

     ×

 嗚呼、調子に乗って彼女できたとか言っちゃったけどできてない。
 そのことに今思い出したんだ。だけど自分で言うのもなんだけど俺結構モテるんだよね。

「悠くーんっ!今日放課後遊ばなーい?」
「ん、行く行くー」

 こういうノリの良い女子好きだし、告ろうかなー……
 うん、そうしよう!

「それより花音、俺花音のこと好きなんだけど……付き合ってくれねえ?」

 花音は俺の知ってる女友達の中でも可愛いって評判で男の人気も高い奴。
 こういう子だったらいいよな、全然大歓迎だし!

「か、花音も悠くん好き、です…!ぜひ付き合ってくださいっ!」

 これで俺の恋はおわらせてしまえばいいんだ。

     ×

 俺ってかっこ悪い奴。

 希恋の前では自分のこと僕とか言って、大切にしますよアピールして……
 他の女の前では俺とか言ってかっこつけてる。

 もう、こんな人生になるんだったらやり直したいよ。
 希恋に出会うところから―――――


「ねえ、君何で泣いてるの?」
「……ともだち、つくれないの。」
「じゃあ僕と友達になろうよ!」
「うんっ……!」

 好きだよ、希恋――――

   (つづく)

段々思ってきたことなのですが世瀬木に僕は似合わない…!
ということでちょっと不自然だけど設定をつくってしまった←

最後のかぎかっこのところは昔の世瀬木と希恋。
世瀬木、希恋、世瀬木、希恋の順番で話してますノ

174ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/12(月) 18:00:02 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

▼(すきすき、はろー)

 人物紹介です、振り仮名とかをば(´・ω・)つ【振り仮名とか】

羽音希恋(はのん きこ/「はろー」が口癖な高校一年生の女の子。周りの男子からは可愛いと評判。うれしいことはすぐ顔に出し機嫌も良さげな雰囲気を見せる。現時点では恭汰のことが好きで付き合っている。今後変わるどうかは不明…!気まぐれでふらりとした足取り。マイペース/金色のふんわりとした髪が肩まで伸びていて、瞳はタレ気味で綺麗な水色。服装は制服でスカートを膝上まで上げてる)

世瀬木悠(せせらぎ ゆう/「はろー、愛しの希恋!」が口癖な高校一年生の男の子。希恋と溺愛していて希恋にとってはうざキャラ。希恋とは幼馴染で幼稚園の頃から仲良し。希恋の前では一人称が僕だが他の人の前では俺。面倒なことが嫌いで結構ノリが良い方。希恋に恋してるがその恋を忘れるため現時点では花音と付き合っている/栗色の髪に同じく栗色の瞳を持つ。服装は制服を少し着崩している)

佐藤恭汰(さとう きょうた/勉強もスポーツもできる(と思う)女子の人気が高い男の子。現時点では希恋の彼氏で高校三年生。生徒会長/少し金色の混ざったような明るい色の髪に藍色の瞳を持つ。制服は着崩していてネクタイはつけないタイプ。勉強のときたまに眼鏡をかけたりする)

佐藤恭花(さとう きょうか/可愛くて人気者の高校二年生の女の子。恭汰の妹。スポーツは平凡並だけど勉強はきっと恭汰よりできる。生徒会書記/恭汰と同じような金色の混ざった明るい髪を腰まで伸ばしている。瞳は紫色。制服はスカートを短くしている)

栗原花音(くりはら かのん/男子からの人気が高い高校一年生の女の子。現時点では世瀬木の彼女で結構たらし/茶色い髪を横に結んでいる。瞳の色は栗色で大きめ。制服はスカートを膝上まで短くしている)


 以上!………あれ、他にキャラいたっけry
 えと、あくまでも現時点のところがあるのでご注意を。

 あ、だけど変わるってわけでもないよ?←

175ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/13(火) 17:48:16 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (すきすき、はろー × 希恋side)

 ずきん………胸がいたいよ。
 何で?希恋は恭汰くんが好きなのに。世瀬木に話し掛けないでなんて言われて寂しいなんて思ってる。

「……無理だよ………何年いっしょにいたと思ってるの、ばか。」

 無理だよ、無理に決まってる、そんなこと。
 だけど世瀬木は大好きでたまらない彼女のことを思ってそう言ったんだ。
 希恋に口出しなんかできるわけない―――

「くるしい、よ………」


「恭汰が希恋ちゃんとー……へえ、女の子たちが知ったら恐いだろうなあっ!
 でも、いいよね?ばらしちゃって。だってわたしは恭汰の妹なんだから―――――」

     × 恭花side

「ねえねえ皆ー、聞いて聞いて!」

 わたしの席は窓際の太陽にいちばん当たる席。
 太陽の光りといっしょにわたしも光ってます!ってことはどうでもよくて、少しくらい希恋ちゃんに意地悪してもいいよね!

「あのねーっ、恭汰彼女できたんだって!」

 今まで興味を持たなかった人も一気に集まってきて、恭汰の彼女を知りたがる。
 まあこれで女の子に知られたら希恋ちゃんおしまいだよね、二年は恐いよー!

「誰々っ?!まさか恭汰くんと恭花で兄妹愛とか」
「そんなわけないでしょー!」

 ふざける友達にわたしも笑いながら返す。
 そして恭汰の彼女発表を待つ人や新聞に載せる為にメモ用紙とペンを持ってる子までいる。
 そんな中、微笑みながら言った。

「一年の羽音希恋ちゃんって子!」

 あはは、皆嫉妬心を隠せないみたい。
 お互い隣にいる人同士で許せないってざわめいてる。

「はいはいストーップ!わたしね、妹として思ったんだけどー……
 恭汰の彼女が希恋ちゃんなんて嫌なんだよね。で、皆で別れさせない?」

 わたしの意見に皆同感して頷いてる。
 これで希恋の人生はめちゃくちゃになる、よね。

「よーし、楽しみだねえ!早速お昼、わたしが希恋ちゃんを校舎裏にでも連れていくよ!計画立てといてね!」

 醜い嫉妬から生まれた悪魔は汚い心を持ち、くすりと不気味な笑みを浮かべる。

     (つづくー)

 どろどろ展開w

176Aiku ◆2rloyWIkLQ:2011/09/13(火) 19:49:43 HOST:p227.net112139158.tokai.or.jp
こんにちわノ
一言言います。「ねここ様」の小説に私、惚れてしまいました‥///←w
文章力もバッチリで希恋ちゃんが愛しく思えてきt‥((ty←
私の小説で「ねここ様」の小説「しあんいろ」「ゆうぐれのカフェ」を紹介的に書き込みしました。
本当に本に出てほしいというか‥ねここ様らしい恋愛物語だな、と。
小説の勉強になります。これからも小説頑張ってください。

177ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/14(水) 18:16:34 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>Aiku様

コメントありがとうございますm(_ _)m

惚れたとか照れます←
希恋は結構お気に入りだったりするのでそう言って頂けるととっても嬉しいです(´;ω;`)ウレスィ!←
馬路ですか!すごく嬉しいです、ありがとうございますorz
Aiku様の小説で紹介されるだなんて幸せ者だな私!
本なんて出せないks作しか書けませんが応援ありがとうございます、頑張りますね!
Aiku様も頑張ってください!

178ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/14(水) 18:39:30 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (すきすき、はろー × 希恋side)

「ねえねえ希恋ちゃんっ、ちょっときてくれないかな?」

 お昼になって、いつも通り恭汰くんのところに行っていっしょにお弁当を食べようとしたのを止められた。
 止めた人は恭汰くんの妹さんだけど二年生で先輩の恭花ちゃん。

「?……え、えと…」
「大丈夫、待ってるから行ってきな!」

 呼び出されたから行かないなんて言ってられないけど、恭汰くんもいたからどうすればいいのだろうかと少し焦った。
 だけどすぐに恭汰くんは微笑んで希恋の背中をぽん、と押す。

「すぐ戻ってくる、ね。」

 希恋も恭汰くんもにこっと微笑んで、だけどその幸せは消えていくものなのかもしれないね。

     ×

「あ、あの……恭花ちゃん?ここって―――」

 人気の無い、薄暗い校舎裏に少し肩をびくりと揺らす。
 何か恐いよ、なんて思ってると、二年生の女の子たちがたくさん出てきて気づいたら希恋は囲まれていた。

「ねえねえ、希恋ちゃんさー……恭汰と付き合ってるんでしょ?
 わたしねー、妹としても許せないんだよねえ。希恋ちゃんが恭汰の彼女なの。」

 な、に………?こわい、こわいよ―――――世瀬木。
 ……ていうか何で今世瀬木の名前が出てくるの。

「………ばかあっ…………世瀬木、助けてよ………」

 思わず希恋が力無く泣き叫ぶと、二年生の女の子が怒鳴ってきた。

「はあ?!あんた恭汰くんと付き合ってんでしょ?!別の男まで手出さないでよ!」

 その声といっしょに近付いてきたのは―――――その女の子の拳。
 女の子だからと言っていたいよ、二年生だもん。
 誰か助けてっ………!

 ぎゅっと目を閉じた瞬間、嗚呼…希恋は何てことを言ってしまったんだろうって思った。
 だけどいつまで経ってもいたくない。不思議に思いちら、と目を開けると――――

「せ、せらぎい…………」

 世瀬木が女の子の手を受け止めて守ってくれてた。
 そしてその後、にこりと微笑んで女の子に言う。

「先輩、いくら女子でも俺の好きな子殴るんなら―――怒りますよ?」

 世瀬木の言葉に女の子たちはあわてて去っていった。
 けど世瀬木、さっき俺って言ってなかった?

「………何で俺なの?僕、じゃないの……?」
「え、今その質問しちゃう?………あのさ、俺……じゃなく僕、皆の前では自分のこと俺って言ってるんだよね。
 けど希恋の前では恥ずかしくて僕になるんだよねー………」

 そうなんだ、意外だなあ………
 なんて思いながらくすりと小さく微笑んで見せると、世瀬木も笑ってくれた。

「………大好きだよ、希恋!」

   (つづく)

179ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/16(金) 18:39:12 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (すきすき、はろー × 世瀬木side)

「………何言ってんの、世瀬木には彼女いるんでしょ。
 大切な子……世瀬木にもできたんだから、希恋に大好きなんて言わないで彼女に言ってあげなよ。」

 驚いた様子を見せたあと、希恋はにこ、と微笑んで俺の手を握った。
 希恋の小さな手で握られた俺の手はじいんと熱くなって、すごく心地よい。だけど何で手を握られたのか理解できずに首を傾げる。

「………希恋ね、失って初めて気づいたんだ。
 世瀬木が希恋にとって大事で大事でたまらない存在だってこと―――な、んて……ああ何か恥ずかしいよっ!」

 なあ、俺も同じだよ。希恋。
 失って初めていつも以上に希恋を恋しく感じた。

「俺さ……本当は彼女なんていないんだよ。いや……希恋に彼女できたって言っちゃったから無理矢理作ったけど……
 そいつのことは好きじゃない。本当に好きなのは―――」

「希恋だけだから!」

 にこりと満面の笑みを浮かべたら、希恋も大きく頷いて笑顔を浮かべてくれた。
 だけど頬は赤く染まってて、ちょっとどころかかなり可愛い。

「……希恋、も……本当に好きなのは世瀬っ「希恋?!大丈夫か?!」

 ついに希恋が告白してくれる――と思ったら、邪魔が入った。
 希恋の彼氏、恭汰だ………ああ、俺またむすっとしてるかも……

「ね、恭汰くん。その……別れてって言われたら恭汰くんは別れてくれる?」

 は?希恋何言ってんの――――………
 もしかして、俺が好きだから?自惚れてもいいのかな?
 恭汰が驚いた様子を見せるけど、すぐに苦笑して頭を掻いた。

「え、っと?何言ってんの希恋……まさか別れてとか言うんじゃないよね「別れて、ください……」

 何、これ………馬路?
 この二人別れるの?

 少し期待するけど、恭汰は意外と諦め悪くてしつこく希恋にせまる。

「何でだよ?俺の妹たちに恐い思いさせられたから?それとも世瀬木に脅されたとか?……もしかして、もう俺は好きじゃなかったりする?」

 うっわあ、何だこれ。恭汰がすげー可哀想な俺アピールをしてる。
 ……何かちょっと不安、お人好しな希恋は別れるのやめちゃうんじゃないかって。

「………恭汰くんのこと、きらいじゃないよ。すき……だけど、それはきっと憧れだったのかもしれない。
 本当に好きなのは――――世瀬木だったんだ。」

 本当………?本当の本当?
 うれしい、よ。希恋………
 今度こそ恭汰は微笑んで去っていった。

「そか……じゃあ、世瀬木と幸せにな!世瀬木ー、希恋泣かせたりしたらすぐ俺が奪っちゃうから。」

 は、いじめるわけねえよ。
 俺と希恋は恭汰につられて微笑んで手を振った。

     ×

 ………え、馬路で?本気で、えちょやべえ俺今重大なことに気づいたどうしよ。

「俺今花音と付き合ってるんだった……いや仮だけどね仮!」
「………ばあか。」

 もう彼氏彼女になっちゃってる俺と希恋。
 俺浮気したことになっちゃったねどうしよ馬路で!
 おお、ちょうどいいところに愛しの(仮)いやていうか愛しくないけど花音がやってきた。

「悠くーんっ!って……あれ……希恋ちゃんと喧嘩したんじゃなかったっけ……」

 ななな何でそんなに泣きそうな顔をするんだえええ!
 ま、ここは直球に行こうか。

「別れてくんね?つかもう別れよーぜ、俺彼女できたし!」
「え………」

 ちょっと残念そうっていうかかなり残念そうな感じで花音は一瞬固まってた。
 だけど希恋と手を繋いでそこから去る。

 なあ、大好きだよ。希恋!

   (もうちょっとでおわる)

180ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/17(土) 16:23:39 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (すきすき、はろー × 世瀬木side)

「はろー、愛しの希恋!」

 今日の朝も毎日のはろーのあいさつと口癖を告げる。
 そのとき、希恋が照れくさそうにこそりと話した。

「はろ、その……悠………」

 え、今悠って呼んでくれた?世瀬木じゃなく?
 ……うん、きっと聞き間違いだよねー。

「………すき、だよ。悠……!」

 ああわかりました。
 これは空耳なんかじゃ、聞き間違いなんかじゃない!

 ………ねえ希恋?

「「愛してる」」

   (fin.)

▼あとがき

 おわりました!
 久し振りの連載ーノ
 とても楽しく書かせていただきました、ありがとうございます!

 そして3作目のスレを作りたいなーとか。
 でもルール的には2作までなのかな…?

 まずつづけられるかな←
 とにかく、もう少しでゆうぐれカフェの方が終了するのでそしたら作ろうかな。
 ……がんばります!

181いちごみるく ◆yC4b452a8U:2011/09/17(土) 16:30:01 HOST:p227.net112139158.tokai.or.jp
ついにendまでいって寂しいです‥
この小説はどきどきたまんなんくって終わった、という実感がないのです‥。
また>>1から>>180まで繰り返し読みたいと思ってます。
お疲れさまでしたノノ
3作目も是非読みたいですノ

182ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/17(土) 16:36:13 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>いちごみるく様

あああ大丈夫ですこの小説は終わりませんきっと!←
スレ使い切りたいなーって思ってますので!遠い夢ですが(ぼそり)←

えと、終わりそうなのはゆうぐれカフェの方ですねノ

コメントありがとうございました!
何だかこんなにも思ってくれてる方がいるんだなってとても嬉しく感じました。

183いちごみるく ◆yC4b452a8U:2011/09/17(土) 16:47:42 HOST:p227.net112139158.tokai.or.jp
そうですね!!この小説は永遠に終わりません!←
スレ使い切るんですか!?(笑)楽しみにしてますp^←

「ゆうぐれのカフェ」スレも楽しみにしてますノ

「ねここ」様の小説は見本で見習いたいと思っているのでp^

184ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/18(日) 11:47:43 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>いちごみるく様

え、永遠におわらせませn((
使い切れたらいいんですけどねー(´・ω・`)

見習われるほどのレベルじゃない気分で書いちゃった小説ですがありがとうございます!
いちごみるく様の為にもがんばりますノ

185ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/19(月) 20:24:05 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (不思議の国と白山羊さん) シリアス苦手な人は見ないでね!

 アリスは幼い頃不思議の国へ迷い込んだ―――けれどすぐ帰ってしまった
 幼い頃はとても素直だったからね……「早く帰らなきゃママとパパとお姉ちゃんが心配するの」なんて言って迷いの国とも言えるこの不思議の国から呆気なく抜け出してしまったよ

 だから僕は10年後、もう一度不思議の国へ訪れるようにとアリスへ手紙を書いた
 そしてその手紙を白山羊に届けるよう頼んだんだよ

 ―――けれどその手紙は呆気なく消えていった
 アリスが不思議の国を抜け出したのよりも呆気なく儚く―――白山羊が食べた

 怒った住民は白山羊の首を跳ねようか撃ち殺そうか、それとも永遠に食べ物を与えずに水も与えずに焦らすように殺そうか――
 兎に角その怒りは抑えきれないほど大きなものになったよ

 可哀想な白山羊……結局女王様の命令で公開処刑になったんだって
 これはお手紙を食べた白山羊さんたちの話しの裏、もっともっと裏のお話―――

   (fin.)

 何でこうシリアスっていうかうだうだになっちゃうかな!←
 まあいいよね、うん。

186ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/21(水) 14:35:30 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 ▼報告

 皆さんも知ってのとおりゆうぐれカフェは完結し…ねこのあしあとの方なのですが……
 そちらの更新に一生懸命になっちゃってしあんいろの更新が遅くなるかも;
 でもがんばりますね!とにかくあんまり下に下がらないように…(;^ω^)

187ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/22(木) 17:29:40 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (れんあいっておいしいの?)

「好きな人だあれ?」
「わたしは○○くんが」「あたし×くん!」「えー、秘密だよお」

 ……つっまんねえ
 れんあいとか、くっだらない

 今日も教室はこんな甘い話しで盛り上がってる
 男子ときたら鼻の下伸ばして女子見てデレデレしてるしさ

「くっだらない!」

 突然の大声に反応する女子たちだけど男子は相変わらずデレデレしてる

「……くだらないくだらないくだらない!
 何?れんあいっておいしいの?」

 れんあいを知らないわたしにれんあいのおいしさを教えてくれてありがとう

「おいしーよ、」

 キスはとってもおいしかった、君とのキスはね
 だからこれからもキスしてください

   (ぐだぐだぐだ!もうダメだorz)

188ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/23(金) 19:18:29 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (消失。)

 僕はそろそろおわりを告げなければならないようです

     ×

 僕はこれでおわる
 きみに最期何か伝えたいよ
 けれどそれは無謀かもしれない
 伝えたくても伝わらないよ
 でもねひとつ何か伝えられるなら
 僕はきみに「ダイスキ」とことばをおくりたい
 例えきみが「さよなら」と返したとしてもそれは変わらないよ

 くすん
 くすん…
 くすん……

 寂しそうなきみのなきごえ
 それを聞いて僕は思う
 本当は傍にいたいよと
 けれどそれは過ぎたねがい
 ぜんぶぜんぶおわりなんだよ
 ここでお別れさよならなんだよ
 だけどすこしでもまた会えると希望を持って
 消えていく僕を見守ってよ
 ありがとうさようなら元気でねばいばい
 僕はこころでそう伝え動かない体必死に動かして手を振る
 それを見ておどろいたきみだけどすぐほほえんで僕の求めつづけたことばをつぶやく

「ありがとう、元気でね!」

   (ダイスキダヨサヨナラマタネ)

 早口で言ってみてください、くすんくすん…くすん……は言わなくていいです←
 そしたらね、まあ…ある歌に合わせて作ったのでわかる人はわかる曲になる!
 これは書いてて楽しかったヽ(*´∀`)ノ

189ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/24(土) 22:33:21 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (消失、再び。)

 僕は生まれそしておわる
 その人生はもうとっくにおわりを告げたはず
 けれどそれでおわりにしたくなくて
 大好きなきみにまた会いたくて
 科学者により再発された
 新No.009号
 きゅーという名前はもうないけれど
 きみを探し求めつづけるよ
 けれどそれは無謀だったのかもしれない―――

 アリガトウ、僕ニ最後ノちゃんすヲクレテ、アリガトウ

 また消えてしまいまた失ってしまった
 僕の体と心ときみを
 けれど僕に悔いはないよ
 きっとたぶん寂しいけれど楽しかった日々を思い出すと
 すこしだけ、すこしだけ安心する
 いつかまた再々発No.009としてきみの元へ届けられることを
 待ち遠しく楽しみに待っているよ
 だからそれまでわすれないで
 楽しかったときの思い出を覚えててね―――

   (モウイチド、アイタイヨ)

190ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/24(土) 22:49:23 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (消失、ココロ。)

 まだ消えたくないよ
 まだ失いたくないよ
 また消えなきゃならないの?
 また失わなきゃいけないの?
 そんなの嫌だよ
 きみと過ごした大切な日々(メモリ)
 なくしちゃ二度と戻らないなんて
 そんなの嫌だ
 せめて思い出(バックアップ)くらい残してよ
 僕はダメな子だけど
 僕は一度おわってしまったけれど
 きみと過ごしたことには変わりないんだよ
 でもそれは許されない願いなのかな

「マスター、スキ、キライ、…ダイスキ、デス!」
「こらこら、大好きとかは本当に好きな奴に言わなきゃ疑われるぞ?」
「イインデス、ボク、マスター、スキ!ダイスキ!」
「俺も……俺も同じだよ、大好き」

 きみと過ごしてきた思い出(バックアップ)を振り返ると僕はとても明るかった
 嬉しくて楽しくて喜びで溢れた世界
 だけど今の僕は違う世界にいる
 悲しくて寂しくて切なさで溢れた世界
 消えたい消えたいキエタクナイ
 きみに会えるまで消えたくなかったよ
 けれど僕はもう開発されない
 科学者だってほらあの子に夢中
 今きみの心を覗いたらきっときみは違う子と笑ってるんだろうね

「マスター、ダイスキ」
「何だよきゅー、急に改まっ………きゅー?!」
「―――深刻なエラーが発生しました――さようなら、マスター」
「……きゅ、う………きゅー………」

 この日初めてきみの涙を見た
 あの日からきみはどう成長したのかな

「……きゅー、」

 未だに僕の名前を覚えててくれてる
 それが嬉しくて久し振りに喜べた
 だけど僕は段々きみのこと忘れそうだよ
 でも一生懸命メモリを残すから
 きみも僕を覚えててね

「「会いたいよ」」

   (ダイスキ)

消失シリーズは最後かなあ…と思います!
次はマスターの気持ちを書きたいけどタイトル思いつかん。
消失でいいかなもう!←

191ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/27(火) 16:51:55 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (消失 〜マスターside〜)

 好奇心で、本当に好奇心で買ったアンドロイド―――きゅー
 女の子型で30000円のもの、本当はもっと高いけど、今回値下げしてもらったんだ

「―――起動します、起動します、起動しま、―――
 ます、たあ?貴方がマスターですか?」

 ロボ声の起動しますの声が突然途切れたと思えばアンドロイドの瞳には光りが宿り、僕をマスターかと聞いてくる。
 マスター?買った人がマスターなんだよな、きっと。

「そう、です……けど」
「僕、きゅーです。……え、と、んと………よろしく、お願いしますっ」

 何これ可愛い……って僕何アンドロイドに恋してんだよ!
 でも………


 これが僕の人生を変える出会いだった――――





 後に最高速の別れをするけれど

   (つづく)

192:2011/09/27(火) 16:54:10 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
久しぶりのコメするよんw

やっぱ何かねここの小説はエエよなw

恋愛に向いてるって言うか・・・。

うんw

これからもfight!!!!

193ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/28(水) 17:53:46 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

コメありがと!
え、ねここの小説よくないですねー
それは恋愛しか書けないので!←

194ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/28(水) 18:01:53 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (消失 〜マスターside)

「……………」

 目の前で眠るアンドロイド―――きゅーをじとーと見つめる
 それはそれは無言で………元々パソコン得意だしインストールできたのはいいんだけど、さ

 僕っ娘だったんだよ!
 何これ可愛いめちゃくちゃ可愛い僕の心にドストライクしました

「………ます、たあ……」

 きゅーがこそりと寝言で僕の名…ではないけど僕のことを呼ぶ
 相手にちいさな手に僕の手を重ねると、それをきゅ、と握ってくれた

「捨てないで、ね」

 捨てないで?
 ……捨てるってのはアンインストールするってことだよな………
 別に僕、そういうことするような奴じゃないし、

「捨てない、よ……」

 可愛い可愛い僕の嫁……ちがうちがう、
 僕のアンドロイドだもんね

   (つづく)

195:2011/09/28(水) 18:02:52 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
ヲタな展開じゃね・・・。

恋愛しか書けないか・・・。


私は・・・。何も書けないかも・・。

196ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/30(金) 22:17:47 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

そそそそんなことないよry←
燐はなんでも書けるじゃんかー、ずるいぞ(`・ω・´)

197ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/02(日) 13:01:22 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (新着メール、一件。)

 ―― ―


 明日5時、公園で待ってる。


 ―― ―

 受信しました。


 見知らぬ名無しさんからのメールに戸惑うわたし。
 こんな携帯のメアドなんて知らないしまず知らない人にメアドなんて教えてない。
 迷惑メールだろうかと頭を悩ませるけれど無視するのもちょっとあれよね。

 でも思うのだけれど5時って午前と午後どっち?
 それに公園ってどこの公園?

 思い当たるのはすぐ近くの子供達に人気な三日月公園。
 そして午前だとあまりにも早すぎるから日が暮れて子供達もいなくなってきた午後の5時だと思うんだけどなあ。

「(明日の午後5時……、三日月公園、かあ)」

 何だかもの凄い胸騒ぎがして不思議と子供の様にわくわくするわたしがいた。

     ×

 昨日のメールを受信してから一日経つと、もう一件新着メールがきてた。


 ―― ―

 今日、三日月公園でね。

 ―― ―


 このメールで二つのことがわかった。

 一つは三日月公園で会うということ。
 もう一つは今の時間が午前7時だから、時間は午後の5時だということ。

 だってもし午前5時ならこんなメール送らないで何で公園にきてくれなかったかメールするじゃない?
 少しずつ確実になってゆく情報と一刻と迫ってくる集合時間に昨日のわくわくさだけじゃなく緊張感までもが増してきた。

「早く5時にならないかな」

     ×

 約束の時間、午後5時になると予想通り子供達の姿は消えてゆき、その中にぽつりと一つ、何か懐かしさを感じられる人影があった。

「あ、あの………?」

 様子を伺うように声を掛けると相手はにこりと笑って振り返った。
 そう、彼は幼い頃遠くへ引っ越してしまったわたしの初恋の人。

「悠……!あれ、でも何でわたしのメアド……」
「友達に聞いた!おっきくなったなー、ゆき」

 ほら、また悠はわたしを子供扱いするように頭を撫でる。
 でも次の瞬間急に体が暖かくなった、直球にいうと抱きしめられた、のかな。

「うん、可愛くなったな、ゆき」

 額にそっとキスをされると顔どころか耳まで真っ赤になってこんな言葉言えなかったけど……
 また今度、ちゃんと伝えるね。「おかえり」って!

   (送信しました。)


 うわあ、ぐだぐだ!
 何か書きたいのと違うからまた書き直すかもですノ

198:2011/10/02(日) 13:50:31 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
ねここ>>いや・・ねここの方が凄いじゃまいかw

うんww

小説の欠点とかも上手いじゃまいかw

199ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/02(日) 17:24:03 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

ねここが凄かったら燐とか他の小説書いてる人はどんだけ上手いんだってなりますねーww
……何か短編イメージしてるのが書けないよ(´;ω;`)!

200ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/03(月) 19:21:06 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (なきむし) ※あまあまーな恋愛物語

 愛しくて何処か切なくて―――――
 離れたくないの、どうしても

     ×

 わたしの瞳にそっときみの唇が触れる
 泣き虫なわたしの涙をそっとすくう様な優しくて恥ずかしくてくすぐったいキス

 わたしが泣きたくても我慢して泣かなかったとき
 きみは「泣いていいよ」って微笑んでわたしを抱きしめた
 ずるいよ、そんなことされたら泣きたくなくても泣いちゃうじゃない

 ねえ、愛してるよ
 泣き虫なわたしを愛してくれるきみを

 ずっとずうっと愛しています

   (fin.)
  
 ▼あとがき

 200記念短編小説はあまあまーな恋愛物語!
 まさか100越えて200までいけるなんて思いもしなかった…(´・ω・`)!

 なきむしは彼女視点で彼氏の行動とか彼氏に対する気持ちを書いています。
 書いてて恥ずかしかったけどこういう恋してみたいよね!

 200突破のありがとうの文はまた別に書きたいと思います(`・ω・´)
 ようし、次は300目指してがんばる!

201ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/03(月) 19:36:13 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 ▼200レス突破!

 うああ、うれしいです゚(゚´Д`゚)゚
 100突破だけで吃驚なのにまさか200までも突破しちゃうとは…!
 あれもこれも皆さんのお陰です…!

 200突破記念の短編小説は>>200のなきむしです、あまあま恋愛にしてみましたw
 そして200突破記念の長編小説はねこのあしあと…とか言ってみる、実はあんまり200突破記念とか意識して立てたわけじゃないんですが←
 そういうことにしておくんです(´・ω・`)!ry

 「短編書いてやるぜ★」とかほざいてから4ヶ月とちょっと経ったような気もします。
 友情系とか恋愛系とかいろいろ書くつもりがもう恋愛系で落ち着いてしまって皆さんにも恋愛系というイメージしかないような気がorz
 いや友情書いてもシリアスになっちゃうんです仕方無いんです!←

 まあ生まれつき友情系は不向きだったということで!ry
 しあんいろも恋愛系おおめの短編集として扱われることがおおくなりましたがキニシナーイ。
 寧ろ嬉しいですえへへヽ(*´∀`)ノ

 それではこれからもよろしくお願いします!

202:2011/10/03(月) 19:36:28 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
ねここ>>はろはろww

200おめでとう(-。-)y-゜゜゜

はー眠・・(-。-)y-゜゜゜←黙

短編だよ短編w

うんw自信持ったらエエやん(^^ゞ

私の場合、短編にしたらどうしても長編になってしまうw

203明優:2011/10/03(月) 20:02:55 HOST:i114-185-33-87.s41.a005.ap.plala.or.jp
200突破、おめでとー!!
これからもファンでいさせてください^^

頑張ってねー!!ファイト!!

204ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/03(月) 21:05:33 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

はろーノ寝るなww
短編でいろんなの書いてきたなーって今になって実感したよー(´・ω・`)
いろいろとありがとね!

>明優

ありがとー!
ファンとか照れますありがとう←
頑張るよノ

205ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/07(金) 21:19:17 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp
  
 
   別掲示板から!
   
   @、Like?Love?

「好き」

 午後5時40分―――桜ヶ丘高等学校1−Aの教室にて愛を告げる。
 窓から吹く凍りつきそうなほどの冷たい風になびく百花の鶯のような色のさらりとした髪の毛に思わず頬を赤らめると、百花の顔からさっきまであった笑顔は消えてぼそりと問い掛けた。

「………それはLikeの方?」

 僕は百花の戸惑ったような顔をじっと見つめ、ふるふると首を左右に振る。
 すると百花の表情にはまた笑顔が戻り、だけど残酷な言葉を言い放った。

「ごめんね。わたし、悠くんを恋愛対象として見れない」

 嗚呼、窓から吹く風が冷たい。
 それでも、振られても百花の髪の毛は綺麗だった。
 でも僕はその日から決めた。振られた以上、もう二度と百花とは話さないと。

     @

「おはよう、悠くん」

 鶯色の髪だけど毛先に薄い桜色が混ざっている百花独特の髪の毛。
 また、僕を挑発するように目の前でふわりと舞う。―――――けどね、

「……………」

 もう話さないと決めたんだよ、百花。
 ふいっと顔を背けると避けられてるのは百花だけだと実感させられるように違う女の元へ行って微笑んだ。
 僕今すっごい嫌なことしてる。

 ―――でも、好きって言われるより嫌いって言われた方がよかったのかもしれない―――

     @

「あ、あの、悠くん………」

 朝とは全然違う警戒しきった態度で僕に近づく百花。
 これ以上避けると可哀想にもなってきたから特別に最高の言葉を言い放ってあげた。

「うっせえ、近づくな」

 何でこんな悪になってしまったかわからない。
 何故こんなにも百花を傷つけたいのか全然わからない。

 振られたから?恨んでるから?
 もしかしたら僕、最初っから百花なんて好きじゃなかったんじゃないの?

     @

 放課後になって家へ帰っている途中、百花と遭遇してしまいもうちょっと遅れてくればよかったと後悔してる。
 何せ百花の家は僕の家の向かいにあるから。でも二人とも、黙ったまま黙々と道を歩きつづけた。

 家に着いてやっと一人になれると思いドアノブに手を掛けた。
 すると、くるりと振り向いて百花が叫ぶ。

「悠くんっ………!」
「……あ?何だよ?」

 嗚呼、折角勇気を出して話し掛けてくれたのに僕って可愛くない。
 もうこれ完全に拗ねてるだけじゃん、かっこ悪い………

「……ご、めんなさい。その、失って初めて気づくことってあるんだね」

 百花の言葉の意味がわからず思わず強ばらせてた表情をふにゃ、と緩めてしまった。
 ああもう鈍感!と言われるような感じで百花が顔を赤くさせる。

「あ、あの!わたし、最初は悠くんのこと友達として好きなだけって思ってたの!でも……
 拒絶されて寂しくなって、初めて気づいたよ。わたし、悠くんが好きなんだって」

 ………もう、はなすきなんてないよ?
 離す気なんて、ないから。

「僕も愛してるよ、百花」

   @、拒絶なんてしたくなかった嫌いになんてなりたくなかった
     ただ振られたのが悲しくて寂しくて苦しくて悔しかっただけ

206ライナー:2011/10/07(金) 23:18:20 HOST:222-151-086-019.jp.fiberbit.net
こちらのスレでは初めてのコメントとなります、ライナーです^^

短編と言うことで≫205をとりあえず拝見させていただきました!
比喩表現などが上手いですね……!
中々にキャラクターの心境が伝わってきて素晴らしいと思います!

これからもたまにコメントしていきたいと思いますので、宜しくお願いします^^

それと、これは個人的な質問なのですが、コメント内の青文字(数字)ってどうやって出すのですか?
小説ばっか勉強してこういう事は苦手な物で……^^;

ではではコメント失礼しましたwww

207ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/08(土) 06:34:28 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>ライナーさま

コメントありがとうございますヽ(*´∀`)ノ

うわあ、ライナーさまに褒められた…!←
凄く嬉しいです!ありがとうございます^^

えと、半角の数学とかで使うより大きい(>←これ)を二個つなげて(>>)そのあとに数字をいれればできますきっと!(>>1、とか)
説明が下手すぎてめっちゃわかりにくいですがもし分からなければ出来る限りの力で説明します!
ねここは勉強に関して頭がまわらないw そして小説でもまわらない!←

お互いがんばりましょうねノ

208ライナー:2011/10/08(土) 16:20:17 HOST:222-151-086-004.jp.fiberbit.net
分かりました!お答えありがとうございます!
今度試せるときに試してみます。
ねここさんもこんな感じで質問してきて下さいね!だいたい一作目の方にいるので……

209ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/09(日) 11:10:16 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>ライナーさま

うあ、何かよくわからん説明ですみませんorzorz
ぜひ質問させていただきますね!ありがとうございます^^

210ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/09(日) 11:38:49 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

     別掲示板からー

   @、雪桜

 桜の花が咲き誇り舞い散ってそれはそれは綺麗だった。
 まだ校庭の地面には透き通っている溶けかけた雪があって、その上をひらりと薄い桃色の花弁が羽のように舞う。

 そして彼女は桜を見つめ自分のようだと呟いた。
 校庭の桜と同じ薄い桃色の髪の毛をふわりと舞わせ、暖かい風に吹かれて窓から入ってきた桜を細い指で弄ると至極楽しそうにかわいらしく口角を釣り上げて雪のように透き通ったソプラノで告げる。

 桜花という彼女にあった可憐な名前も桜のような髪の毛も花弁が舞う楽しそうな笑みも透き通った雪のようなソプラノの声も、僕には勿体無く儚く消えてゆきそうなほどだった。
 けれど彼女は相変わらずかわいらしく口角を釣り上げて微笑んだ。

「大丈夫、わたしが桜なら貴方は雪よ。
 桜は雪より先に消えたりしない……ならわたしも、貴方より先に死なないわ」

   @、彼女は桜。僕は雪。
     季節はそれぞれ違うけれどお互い愛し合っているよ。

211ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/10(月) 14:08:51 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 ▼ぼそーぼそぼそり

 ぼそぼそしちゃうぜ!

 思うんだけど、何か前より小説上手くなったなあと……
 だからといって今小説が上手いというわけじゃなくて、前より成長したとかそっちの方ですry

 毎日つらつら書きたいこと書いただけあるな笑、と思いました。

 そして前に学校で(ねここは現在小学六年生ですノ)小説を書くってことになったのですが、まあこういうときに限って努力の成果ってのは出せないもので…orz
 「え、だってねここ恋愛系の小説しか書いてないもん、っつかそれじゃなきゃ書けないし友情書いてもシリアスになるし何か馬鹿男子に恋愛書いたらひやかされそうだしどうすれば?!」となって、
 しかもつらつらと字書くわけですから手が痛くなる。ということで相変わらず駄作なのに更に増してダメダメダメks作になったのは言うまでもない(どやあ)←

 ぶわあっ(´;ω;`)

 ……………もういろいろとごめんなさいな気分。
 こんなくだらないことぼそぼそしてごめんねorz

 そして唯一の豆知識、ねここは小学六年生なんだお★!((氏
 ってことはどうでもよかったりします何なんだこの無駄すぎるレスorzorz

 まあ、駄文は駄文なりに頑張ろうかなと。
 そしていつかせめて駄文呼ばわりされなくなるようにと思いました。

 それではぼそぼそしないでお買い物行ってきます((殴
 つかちっちゃい頃「おかいもの」を「おかいのも」って言ってたっていうwww

212ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/11(火) 18:46:10 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (愛してるよりも深く、) ※死んでほしいとかそういうワードが出てきますがグロくはない、なんだろう。狂ってる?

 「愛してる」と君はわたしに告げた。

 そうね、わたしも愛してるわ。
 好きっていう意味でも嫌いって意味でもとてもとても愛してる。

 好きよ?
 大好きで大好きで狂おしいくらい愛してる。

 でも嫌いなの。
 大嫌いで大嫌いで死んでほしいけど愛してるのよ。

 「僕のこと、好き?」、ある日突然質問された。
 それに対してなんて答えたと思う?

 「愛してるわ」ってね。
 そしたら君、わたしが君のこと好きなんだって思い込んじゃって。

 確かに好きよ?大好きだわ。
 けどそれより「愛してる」の。

 「僕のこと、嫌い?」と質問されれば「愛してる」と答える。
 嫌いじゃないわけじゃないのよ?大嫌いなのよ?

 狂おしくて死んでほしいほど大好きで大嫌いなの。
 今は上手く伝えられなくて「愛してる」で通してるけど、いつしかちゃんとした言葉で伝えるから。

 待っててね、愛してるわ。

   (fin.)

213ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/11(火) 19:28:16 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (おひめさまとめしつかいさん)

「わたし、おうじさまにあいたいわ」

 おひめさまはいいました。
 そしておうじさまとけっこんしてしあわせになるんだとおもいました。
 けれどおひめさまはまだまだおさないおんなのこです。
 けっこんするのはまだまだ、ずっとさきのこと。

「おとなになってほんもののおひめさまになりたいわ」

 おひめさまはそうねがいます。
 そんなおひめさまをおそばでみまもるあるひとりのおとこのこがほほえみました。

「僕も早く大人になりたいです」

 おひめさまよりもおとなびたおとこのこのめしつかい。
 めしつかいのくせに、とすこしうらやましそうなめでみたあと、おひめさまはめしつかいにききます。

「なんであなたはおとなになりたいの?」

 めしつかいはめをとじておとなっぽくわらうとおひめさまのあたまをやさしくなでていいました。


「大切な人を守る為です」

 おひめさまのむねがちくちくしました。

     @

 お姫様が昔の大人になりたいと思っていた頃の願いがかなったのか、今は美しいお姫様へと成長しました。
 そしてあの何処か大人びた男の子も今は立派な召使いへなりました。

「召使いさん、昔大切な人を守る為に大人になりたいと言っていたわね。その願いは叶ったの?」

 懐かしい記憶に自然と笑みが零れているのであろう召使いに対しお姫様の方は全く笑みを浮かべていない。
 そして召使いは少し残念そうに苦笑するとふるふると首を左右に振った。

「まだ、です。」

 お姫様はやっぱりね、と苦笑を浮かべると言いました。

「貴方の大切な人は誰?その人の元へ行って願いを叶えてきなさい。」

 命令のように言った言葉に召使いがは?と首を傾げました。

「大切な人をまだ守りきれてないだけです、大事な大事なお姫様を、ね。」

 くすりと悪戯っ子のような笑みを浮かべたあと、召使いは言います。
 その言葉にお姫様は驚き、そして微笑みました。

「本当?それってわたしのこと?嬉しいわ!」
「お姫様こそ、王子様と出会えて幸せでしょう?早く結婚すれば願いが叶いますよ。」

 召使いはお姫様の言葉をかき消すように言うと、寂しそうにくすりと笑いました。
 お姫様の胸もちくんと痛みました。

 けどお姫様はこの胸の痛みは何なのか、それだけは昔からわかりませんでした。
 そして、召使いを傷つけていることさえもわかりませんでした。

「………そうね、早く結婚することにするわ。」

 お姫様の胸がちくん。
 召使いの胸もちくん。
 ただ一人微笑んでいるのは王子様だけだった。

     @

「お幸せに。」

 召使いの声がお姫様の頭に響きます。
 そう、今日はお姫様と王子様の結婚式。

 あの日以来、お姫様が早く結婚すると言った日以来、召使いは作り笑顔ばかり浮かべて優しい笑顔なんて一切浮かべなくなりました。
 そして今日、こんなにめでたい日だというのに召使いは作り笑顔さえも浮かべてくれないのです。

「………ねえ、召使いさん?」
「何ですか?お姫様。」

「わたしね、王子様と結婚したくないわ。」
「………冗談、でしょう?」

 召使いは驚きます。
 そしてこんなに自分の思いをさらりと言えるお姫様も自分に驚きます。
 でももうこのおしゃべりさんの口は閉じようとしません。

「わたし、貴方と話してるとときどき胸がちくんってするの。
 それでね、何かなって思って王子様に相談したら、それは恋なんだって。
 だからわたし、召使いさんが、ううん。レオが好きよ。」

 初めて呼ばれたレオという名前に召使いは頬を赤らめます。
 そしてレオもお姫様に告げました。

「僕もお姫様を愛しています」

 だからね、今こっそり二人で結婚式しようよ。
 永遠の愛を誓いますか?

「「誓います。」」


 これからも僕は召使いのままお姫様を愛することになりました。
 これからもわたしはお姫様のまま召使いを愛することになりました。
 王子様は二人の幸せを願っていたので「お幸せに」と一言残して去っていきました。


 そしてお姫様と召使いは結婚して幸せに幸せに暮らしましたとさ。

   (めでたし めでたし。)


 ▼あとがき

 メルヘンチックなお話!
 書いててすごく楽しかったですヽ(*´∀`)ノ
 でもちょっと甘くて恥ずかしいねw

 お姫様と召使いと王子様のお話でした。

214>>213の訂正版 ◆WuiwlRRul.:2011/10/11(火) 19:33:43 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (おひめさまとめしつかいさん) 

「わたし、おうじさまにあいたいわ」

 おひめさまはいいました。
 そしておうじさまとけっこんしてしあわせになるんだとおもいました。
 けれどおひめさまはまだまだおさないおんなのこです。
 けっこんするのはまだまだ、ずっとさきのこと。

「おとなになってほんもののおひめさまになりたいわ」

 おひめさまはそうねがいます。
 そんなおひめさまをおそばでみまもるあるひとりのおとこのこがほほえみました。

「僕も早く大人になりたいです」

 おひめさまよりもおとなびたおとこのこのめしつかい。
 めしつかいのくせに、とすこしうらやましそうなめでみたあと、おひめさまはめしつかいにききます。

「なんであなたはおとなになりたいの?」

 めしつかいはめをとじておとなっぽくわらうとおひめさまのあたまをやさしくなでていいました。


「大切な人を守る為です」

 おひめさまのむねがちくちくしました。

     @

 お姫様が昔の大人になりたいと思っていた頃の願いがかなったのか、今は美しいお姫様へと成長しました。
 そしてあの何処か大人びた男の子も今は立派な召使いへなりました。

「召使いさん、昔大切な人を守る為に大人になりたいと言っていたわね。その願いは叶ったの?」

 懐かしい記憶に自然と笑みが零れているのであろう召使いに対しお姫様の方は全く笑みを浮かべていません。
 そして召使いは少し残念そうに苦笑するとふるふると首を左右に振りました。

「まだ、です。」

 お姫様はやっぱりね、と苦笑を浮かべると言いました。

「貴方の大切な人は誰?その人の元へ行って願いを叶えてきなさい。」

 命令のように言った言葉に召使いがは?と首を傾げました。

「大切な人をまだ守りきれてないだけです、大事な大事なお姫様を、ね。」

 くすりと悪戯っ子のような笑みを浮かべたあと、召使いは言います。
 その言葉にお姫様は驚き、そして微笑みました。

「本当?それってわたしのこと?嬉しいわ!」
「お姫様こそ、王子様と出会えて幸せでしょう?早く結婚すれば願いが叶いますよ。」

 召使いはお姫様の言葉をかき消すように言うと、寂しそうにくすりと笑いました。
 お姫様の胸もちくんと痛みました。

 けどお姫様はこの胸の痛みは何なのか、それだけは昔からわかりませんでした。
 そして、召使いを傷つけていることさえもわかりませんでした。

「………そうね、早く結婚することにするわ。」

 お姫様の胸がちくん。
 召使いの胸もちくん。
 ただ一人微笑んでいるのは王子様だけだったのです。

     @

「お幸せに。」

 召使いの声がお姫様の頭に響きます。
 そう、今日はお姫様と王子様の結婚式。

 あの日以来、お姫様が早く結婚すると言った日以来、召使いは作り笑顔ばかり浮かべて優しい笑顔なんて一切浮かべなくなりました。
 そして今日、こんなにめでたい日だというのに召使いは作り笑顔さえも浮かべてくれないのです。

「………ねえ、召使いさん?」
「何ですか?お姫様。」

「わたしね、王子様と結婚したくないわ。」
「………冗談、でしょう?」

 召使いは驚きます。
 そしてこんなに自分の思いをさらりと言えるお姫様も自分に驚きます。
 でももうこのおしゃべりさんの口は閉じようとしません。

「わたし、貴方と話してるとときどき胸がちくんってするの。
 それでね、何かなって思って王子様に相談したら、それは恋なんだって。
 だからわたし、召使いさんが、ううん。レオが好きよ。」

 初めて呼ばれたレオという名前に召使いは頬を赤らめます。
 そしてレオもお姫様に告げました。

「僕もお姫様を愛しています」

 だからね、今こっそり二人で結婚式しようよ。
 永遠の愛を誓いますか?

「「誓います。」」


 これからも僕は召使いのままお姫様を愛することになりました。
 これからもわたしはお姫様のまま召使いを愛することになりました。
 王子様は二人の幸せを願っていたので「お幸せに」と一言残して去っていきました。


 そしてお姫様と召使いは結婚して幸せに幸せに暮らしましたとさ。

   (めでたし めでたし。)


 ▼あとがき

 メルヘンチックなお話!
 書いててすごく楽しかったですヽ(*´∀`)ノ
 でもちょっと甘くて恥ずかしいねw

 お姫様と召使いと王子様のお話でした。

215ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/12(水) 18:44:55 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (跪きましょう、)

 愛おしい貴女の為に尽くす
 とか、ちょっと恥ずかしいこと言っちゃったけどね

 本当は貴女に愛してほしい
 けど、けどね?

 貴女は僕を愛してくれない

 それなら跪きましょうか
 貴女が飽きるまでいつでも永遠に

「僕だけのお姫様」

 甘い声で甘い言葉を呟いて
 僕はまた跪く

 君もいっしょに跪きましょう?

   (跪こう、貴女の為に)

216ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/15(土) 18:43:28 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   ▼うわあああああ←

 何だろうねこのあしあともしあんいろもぜんっぜんこの先思い浮かばないorzorz
 と、いいつつもねこのあしあとはお風呂入ってからでもゆーっくり更新しようかと。

 もう少し待っててください><
 ……人間誰でもスランプってあるよね!………ある、よね?←ry

 お風呂の中で歌いつつもぷかぷか浮かびながら考えてますノ

217ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/17(月) 18:14:53 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (悪魔は微笑んだ、)

 悪魔がくすりと不敵な笑みを浮かべました。
 今夜は何か起こりそうな予感―――、

     @

「風先輩だあ、かっこいー!」

 朝っぱらから女の子たちの人気を集めるのは高校三年生、わたしより一つ年上の風先輩。
 そしてわたしも朝っぱらから、男の子の人気を集めている。

「恭花ちゃん!おはよー!」

 面倒臭くて適当に作り笑顔を浮かべて手を振った。
 こんなわたしでも一応、恋してる相手はいるんです。

「………日向、先輩。」

 日向先輩は風先輩みたいな目立ちたがり屋ではないけど陰でかなり人気を集めてる人。
 あんまり人と関わることが好きじゃないんだけど、そこがわたしと同じで最近図書室でお話してるんだ。

「………あ、日向先輩。おはようございます。」

 にこりと本物の笑顔を浮かべて挨拶した。
 すると日向先輩も軽く微笑んで手を振ってくれて、すっごく嬉しく感じる。

「(図書室で会いましょうなんて恥ずかしいこと言えないからいいよね、別に………。)」

     @

 ―――――昼休み、図書室。

 思ったとおり、日向先輩は図書室にきたいた。
 さりげなーく隣を狙うと、にこりと微笑んで話し掛ける。

「日向先輩、こんにちは。」
「ん、あ、ああ………えっと、………名前、何だっけ。」

 名前を覚えるのが苦手な日向先輩は未だかつて一度も名前をばっちり覚えていたことはない。
 でもそれも、日向先輩独特の特徴なんだと思ってる。

「恭花、です。白羽恭花。」
「ん、じゃあ白羽さん……「あのっ、恭花って呼んでくださいっ!」

 わたしの恋は順調に進んでゆくのでしょうか?

   (つづく)

218ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/19(水) 18:08:15 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (好きで大好きで恋しくて愛しくて、ありがとう)

「桜乃、よろしくな!」

 新学期、隣で君が微笑む
 普通が好きに変わった瞬間です

「その服似合ってる、可愛いよ」

 お気に入りの服を着て行った日、隣で君が微笑む
 好きが大好きに変わった瞬間です

「好きだよ」

 隣で微笑んで君が告白する
 大好きが恋しいに変わった瞬間です

「キスしていい、かな」

 そっとわたしの頬に触れる君の手のひら
 恋しいが愛しいに変わった瞬間です

「今までありがとう」

 切なそうな寂しそうな表情を浮かべる君
 愛しいがありがとうに変わった瞬間です


「さよなら」

 わたしの前で泣きじゃくる君
 ありがとうがさようならに変わった瞬間です


 わたしの季節は好きと大好きと恋しいと愛しいとありがとうとさようならでできていた
 過去形だけどね

 今の気持ちは空っぽ
 もう何にもないんです

 唯一覚えてるのはわたしの前で泣きじゃくった君の姿でした

   (さようなら)

219ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/20(木) 16:54:28 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (失恋、)

「好きです」
「ごめん」

 たった7文字の会話でわたしたちの関係は崩れていった。
 すごく仲の良い親友から、ただのクラスメイトへと。

 ずっとずっと仲良くしてきた君に振られたらわたし、どうすればいいの?
 どんな反応をすればいいの?何て言えばいいの?

 「振られても好きでいるよ」?「また友達に戻ろうよ」?

 ああ、違う。
 「ごめんなさい」だ。好きになって、ごめんなさい。
 そう伝えなければいけない。


「ごめんね、本当に……好きになってごめんなさい」

 これでわたしの初恋が失恋へと変わっていったのでした。

   (end)

 よくわからない!
 スランプがつづくねここです(´;ω;`)

220ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/21(金) 20:45:11 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (空っぽの恋愛なんて、)

 わたしに心なんてものは存在しないのです。
 存在してはいけなかったんです。

 なのに何故か、時々寂しいと感じてしまうことがあります。

 それは君があの子と楽しそうにお喋りしているとき。
 君がわたし意外の子と仲良くしているとき。

 心なんていらないのに、どうしても寂しくなってしまうのです。

 空っぽなわたし。
 弱気でダメダメで、冴えない子。

 空のような君。
 皆を包み込むような、太陽でさえ包み込んでしまうようなおおらかで優しい人。

 わたしとは、正反対の子。

 それでもわたしは君に恋しつづけるでしょう。
 そしてわたしは君を恋をしているあいだ、寂しいという感情を忘れられないでしょう。

 これは恋の天気予報です。
 恋の予言です。

 「君はわたしに恋をする」

   (fin.)

 何だこれ意味わからん。
 スランプがつづくねここ、いい加減スランプいらないよ!

221そら ◆yC4b452a8U:2011/10/21(金) 21:39:34 HOST:p180.net112139158.tokai.or.jp
泣ける‥泣けてくる‥もう泣いてもいいですか‥笑?
スランプしちゃって大丈夫ですb
更新まってます。

(元いちごみるくより)

222ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/22(土) 17:32:12 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>そらさん

そらさんが泣いたらねここも泣きます何でこんなので泣けるの(´;ω;`)←
うあ、がんばりますよスランプ脱出します!
コメントありがとうございました^^

223ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/22(土) 18:51:10 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (恋の天気予報)

 午前6時起床。
「今日は午後にかけて大好きな人と進展できるでしょう」
 
 午前7時学校へ出発。
「朝練中の大好きな人の姿を見れるでしょう」

 午前8時〜午前11時君を眺める。
「体育の授業中大好きな人は校庭から微笑みかけてくれるでしょう」

 正午12時お弁当を食べる。
「大好きな人が傍に寄ってきてくれるでしょう」

 午後1時、
「大好きな人と進展できるでしょう」
 ―――恋の天気予報は言いました。

 大好きな人に見つめられどきんと胸が鳴る。
 そして恋の天気予報通り大好きな人は言ったのでした。

「好き」

 恋の天気予報はうそをつかない。
 予報通り、わたしの恋は進展したのでした。

   (fin.)

 あまあまーなお話。
 恋の天気予報っていうのは>>220でも一瞬出てきてるよ!
 実はそこからひらめいたお話っていうのはないしょだよ!

224ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/23(日) 14:38:08 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   <お知らせ>

 前からぽつぽつ呟いていたゆうぐれカフェについてお知らせですよ!
 なんと別掲示板に載せることにしましたー(別掲示板というか自分の掲示板)
 なので好きなときいつでも見られます!

 あと、そこの掲示板でよければ皆さんも小説書いてみませんか?
 何個までとか特に決まってなくてつづけられそうなのを続けていけばおうけい!
 まあ覗いてみてください!

 ht★tp://jbbs.livedoor.jp/school/23051/

 ★を消してね!

225ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/26(水) 18:54:24 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (スキキライ、デモスキ?)

「わたし、貴方のこと好きよ!」

 彼女は明るいソプラノで告げました。
 至極楽しそうに、そして可愛らしく口角を釣り上げながら。

「お嬢さん、そんな簡単に好きとか言っちゃいけませんよ」
「そっかあ、じゃあ嫌いだわ」
「………ん、それでいいのです」

「でも、やっぱりそんな簡単に嫌いにはなれないわ」

「……貴方にはそれがいいのかもしれませんね」

「そうね、ならわたし、これから先ずっと貴方を好きでいるわ!」

 彼女はソプラノで告げます。
 至極楽しそうに可愛らしく口角を釣り上げながら。

「LikeからLoveに変わる日を楽しみに待っていますよ」

   (スキヨ)

 セリフおおめの作品にしてみました。
 スランプがつづくなかどんどんどんどん下がってきてでも下がりすぎると別窓で開くからちょっと面倒臭くて……

 一瞬別窓ゾーンまでいってしまったのですが掘り出してきました。
 こういう無邪気系だけど語尾が「好きよ」とか大人びた感じの子好きです、大好きです。

 ねこのあしあとも下がってきたなあ……
 更新しなきゃ(´・ω・`)

 リアで愛ryハムスターが脱走してしまって冷蔵庫のおくに隠れていた件。
 ほこり毛布なんかにしてねてて可愛かったです!

226:2011/10/26(水) 18:58:44 HOST:zaqd37c5e4d.zaq.ne.jp
来たぜぇぇぇ!!!!

応援してんぜw

227ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/26(水) 19:15:12 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 ▼ちょっくらお話。

 全くしあんいろにもねこのあしあとにも関係無いお話なんですが……
 小説って何個まで作れるのか、ちょっと気になりますね(∀)

 基本的に二作までだとねここの頭の中で決まっていますがw
 それに前何処かでそう書いてあったような気も。

 間違って立てちゃったときとかは別にいいと思うんですよね。
 削除依頼だせばいいのさみたいな。
 (あ、でもその削除依頼でさえ最近管理人さん忙しいから全く消されてませんね。)

 下げといてあとは削除されるのを待つしかないと思うのですが……

 やっぱり二作までって決まってるんでしょうかね。
 そしてまだ書き終えてない作品があるのに次のスレ立てる人ってなんなんでしょうね(∀)
 ねここは卒業したよ、一歩大人になったよ!ry

 話しを作りこめなかったとかそういうのならいいですけど大体が新スレ立てたいなーとか、飽きただとかそういう無責任なことなんだろうなって。

 もっとこの掲示板がよくなればと思って書いた一言だと思ってね!
 まあこの場でぺらぺらと書きのべちゃったことだからそれに対して意見するなとはいいませんがノ

228ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/26(水) 19:15:51 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

ありがとーノ
燐もがんばれ!

229:2011/10/26(水) 20:57:56 HOST:zaqd37c5e4d.zaq.ne.jp
ねここ>>応援あざーすww

ねここはやっぱ才能あんでw

恋愛系はww

私の場合、恋愛ガタガタやしなwww

230:2011/10/26(水) 21:05:08 HOST:zaqd37c5e4d.zaq.ne.jp
ねここ>.それ私もあるわw

何かな・・たまに新作のネタ思いついて無意識の内に書いてしまうねんw

新作スレw

2つ同時には書かれへんしw

大変やw←掛け持ちだろww

231ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/27(木) 17:14:17 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

才能があったらこんなに苦労しないさ(´・ω・`)

新作はねー、思いついたらまずしあんいろで短編にして書いてるからあんまり作ろうとは思わないかも。
2つ掛け持ちしてるけどそんくらいなら大丈夫ノ

まあ更新率は遅くなるけどね(−ω−;)
気分転換にいいんだよ、2つだとw

232:2011/10/27(木) 17:21:41 HOST:zaqd37c5e4d.zaq.ne.jp
ねここ>>私も2つに絞った。

何か私の一番初めの小説はもうボツって感じになったw

233ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/27(木) 18:41:56 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

そかー。

というか今気づいたけれどねこここの掲示板で小説書き始めて一年過ぎてたヽ(*´∀`)ノ

234ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/27(木) 20:26:24 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (恋の魔法にかけられたお姫様は、)

 愛の国のお姫様は我侭で可愛くないお姫様
 恋の国のお姫様は可愛くて可憐なお姫様

 そして愛の国と恋の国のお姫様の想い人は、


 魔法の国の王子様


 そして愛の国のお姫様は言うのです
 「あんなに可愛い恋の国の姫なんかに勝てるはずないじゃない」と

 けれど恋の国のお姫様は告げました
 「愛の国のお姫様だって可愛くて素敵よ?」と

 悲観的な愛の国のお姫様は恋の国のお姫様が何故こんなに可愛く美しいのだろうかと思いました
 可愛くて素敵で美しくて綺麗で、恨めしくて殺したくて、羨ましくて!

 愛の国のお姫様の心の中で起こる様々な感情
 そしてそんな自分がこわくなってきた愛の国のお姫様

 そんな愛の国のお姫様に、恋の国のお姫様は告げたのです。

「魔法の国に魔法使いさんがいらっしゃるのよ」

   (つづく)

235ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/28(金) 18:39:50 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (深海よりもっと、)

 「好きです」「ごめんなさい」
 こんな痛くて苦しくて辛くて悔しくて悲しくて寂しい恋なんて、

 消えてしまえばいいのよ!

 森の奥?
 ちがうわ、そのもっともっと、ずうっと奥よ!

 谷の底?
 ちがうちがう、そのもっと底、地下なんかまだまだ浅いわ!

 空に浮かぶ雲?
 ちがうわ、雲を突き抜けてもっと深く!

 海のずっと奥?
 そんなんじゃないの!もっと深く深く、奥!

 深海よりももっと、深く深く、そして浅いところ。
 
 森の奥なんて可愛いものじゃないの。
 谷の底なんでこわいところじゃないの。
 空の雲なんてふわっとしたものじゃないの。

 もう見えないくらい、ずっとずっと深くて浅くて遠くて近いところに。
 痛い思いをするくらいの辛い恋なんて捨ててしまいましょう?

 さよなら、わたしの初恋。

   (深海どころじゃないわ、もっと奥)

236ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/29(土) 17:40:19 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (白黒探偵団!/ぼくらの探偵事務所)

 古びた今にも崩れそうな外見の建物。
 茶色い木でできたゴミと化している看板。

 そしてその看板には「白黒探偵事務所」という文字が。


「ニーナー!ニーナニーナ!!」
「ん、あずちゃんおつかれー。どした?」

 朝から目覚まし時計のようなニーナの連呼を事務所内に響かせる元気な女の子、あずちゃん。
 そしてわたしがにこりと慣れた態度で微笑んであげると、あずちゃんは嬉しそうに尻尾を振った子犬のような瞳で見つめてきた。

「むむ……ニーナは徹夜しても眠くないんだね?」

 そりゃまあ、慣れてますからーと適当な返事を返すをまたにこりと微笑んだ。
 昨日は事務所のお仕事が忙しくて、皆で泊まり込みで仕事を終わらせようという話しになり全員徹夜というわけだ。

「………ところであずちゃんは?ちゃんと学校の宿題も終わっ………ごめん、聞かなかったことにして。」

 白黒探偵団と女子高生を両立させるっていうのは案外難しくて、あずちゃんみたいな明るくてお調子者の子は宿題をやっていないなんて当たり前のことになるって十分理解していたけれど……

「ごめ、ごめんったら!忘れてっ、宿題なんてないっ、ないっ!」

 宿題という言葉に強く反応してガックリと肩を落とすあずちゃんの姿を見ると凄く焦ってくる。
 必死に誤魔化そうと言い訳をするけれどそれは通用せずに終わった。

「……ニーナ、後で宿題見せてえ……」
「ほい、ほいっ!コナもコナもー!」

 身長が低くてちょっとお馬鹿キャラなコナちゃんまでもがはーい、と元気良く挙手して言った。

 今日も凄く騒がしくなりそうな予感。
 でも、とってもとっても楽しそうな日になりそうな予感もします。

   (つーづーくーお☆ byコナ)

237ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/29(土) 18:27:01 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (白黒探偵団!)

「……ねえねえニーナ、ここの問題よくわかんないんだけど。」

 あずちゃんがシャープペンシルでわたしの背中をポンポンと叩く。
 軽く寄せられたノートに書いてあるあずちゃん独特の可愛らしい字にくすっと微笑むと、ここはねー、と簡単に説明し始めた。

「ねえねえニーナ。」

 次はコナちゃんがポンポン、とシャープペンシルでわたしを叩く。
 あずちゃんよりも叩く力が強くて少し痛いような気もしたけど、なあに?と首を傾げて反応した。

「この問題の答え教えて?」

 沈黙が続く。

「……ニーナ?」

 暫くするとコナちゃんがわたしの名前を呼んだ。
 そしてまあ怒りというか思ったことをズバリと言ってやった。

「あの、コナちゃんはあずちゃんみたいに自分で解こうとかそういう気持ちはないのかな?」
「ないよ。」

 まさかの即答にそか、と小さく呟くと諦めて素直に答えを教える。

「えとね、ここは………」
「ありがとニーナー、助かったお!」

 最近ぱ、ぱーそなるこんぴゅーたあ?
 うん、インターネットにはまっているコナは語尾にたまにお!とつける。

「ねえコナちゃん、○○だお!とかそれってヲタ語とかそーいうのでは……、」
「あー、わたしはそーんなにパソに感染されたわけじゃないから安心してねー。せいぜい一日五時間以上しかやってないし「多いよ!」

 ………ああ、もう手遅れ。
 心の中で呟いたあと、だけどそれもコナちゃんらしいか、と微笑んだ。

 そして今日、一人目のお客さんが。

「そそそ、その、助けてくださいっ!」

   (つづくよおっ! byあず)

238ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/30(日) 17:48:52 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (白黒探偵団!)

「とにかく大変みたいね……どうしたの?」

 お客さんを特に気にすることなく宿題を進めるコナちゃん。
 初めてのお客さんにちょっとばかし興奮気味のあずちゃん。

 そして何故か一人冷静に探偵団の仕事をこなすわたし。

 とりあえず大変だという状況は理解したので、女の子の名前を聞く前にどうしたのか尋ねた。
 するとぐいっと服の袖を引っ張られ、それに続けてあずちゃんとコナちゃんもついてくる、という状態になった。

     ×

「あのねっ、猫が…猫が川に落ちちゃったの!」

 白黒探偵団初仕事、川に落ちた猫を救出せよ!という依頼。
 誰が川の中に入ってまで助けに行くか、相談が必要ねーと後ろを振り向く、と。

「こここコナちゃん?!え、ちょっと飛び込むって、え、……うわああああああああっっ!!!」

 コナちゃんの姿はもう川の中に。
 ということで、猫救出係のコナちゃんが怖いもの知らずということがわかったのでした。

   (つづくよ!…うう、コナちゃん大丈夫かなあ? byニーナ)

239ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/30(日) 18:44:41 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (白黒探偵団!)

「ぷはあっ!……うー、びしょ濡れだよニーナ!」

 川から出てきたのは秋と冬の中心のようなこの季節の寒い水を浴びたコナちゃん。
 そして腕の中にはにゃあと可愛らしく鳴く猫の姿。

「うわあああっ、ありがとうおねーちゃん!」

 女の子が心配そうだった表情を緩めにこりと微笑むとお礼を告げた。
 そしてあずちゃんがぎゃあぎゃあ騒ぎ出す。

「コナー!かっこよかったよコナ!でも急に飛び込んだからすっごい心配したんだよっ!!」
「あはー、コナを心配することないのだよあず。」

 相変わらず冷静な態度で水色の長い髪の毛から水滴を垂らしコナちゃんが言う。
 何だかわたし、かっこ悪いような気がする。

「………何よ、コナちゃんばっかり。」

 ついついぽつりと呟いてしまった。
 それに対しコナちゃんとあずちゃんが首を傾げた。

「ほえ?……ニーナ、どしたの?」
「うにゃ?ニーナ、コナが活躍するのやなの?」

 二人の問いに思わず叫んで答える。

「……っ気に入らないのよ!何でわたしじゃなく、陰で頑張ってきたわたしじゃなく表だけで活躍するコナちゃんが騒がれるのよ!」

「うっう、このおねーちゃんこわいよお……」

 女の子が泣き出す。けど、

「わたしの方が泣きたいくらいよ」

 それだけ言い放ってその場を去っていった。

   (つづくおー、……ニーナ、なんかへん… byコナ)

240ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/01(火) 21:04:41 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (白黒探偵団!)

「………コナちゃんなんかきらいよ……あずちゃんだって、」

 自分の活躍の場をコナちゃんにとられた
 たったそれだけのことなのに怒っている自分が嫌でたまらない

「………謝らない、謝らないんだから」

 自分の味方なんて一人もいないと知って強がってる
 何でこんなに醜い人間になってしまったのかはよくわからない

 ただ、自分を慰めてくれる、自分より弱い人を求めている
 それが嫌な人間になっていった道のりなのかもしれないと思った


 そのとき、何処からかコナちゃんの声が聞こえた

「ニーナー!ニーナ、いたら返事し、て」
「きゃあああああああああっっ!!!」

 コナちゃんのいる場所へ走ろうと思った瞬間、河原にいた為滑って川の中にぼっちゃん!
 そして最悪なことに、

「あ、めっ………げほっ、」

 空からは大粒の雨がぼたっと落ちてくる
 川が深くなって流れの速くなる前にあがらなきゃと焦ってしまった為どんどん流されていく

「コナ、ちゃ、!……っコナちゃんっ!!」

 大きな声で叫んだそのとき、流れは速くなり突然深いところへ入ってしまった
 けれどコナちゃんはわたしの存在に気づいてくれて、そのまま川に飛び込む

「ニーナ、ニーナ!!!」

 目の前が真っ暗になっていく―――

   ×

「……ナ、ニーナ……ニーナ!!!」
「ん………」

 目が覚めた頃、そこは白黒探偵事務所内だった
 心配そうに顔を覗き込むあずちゃんの姿、と

「コナちゃん……は?」
「ニーナのことだけ助けてコナだけどんどん流されてっちゃうんだもん、吃驚したよ……」
「え………?」

「だいじょーぶ、この人が助けてくれたよ!」
「ども、」

 ぺこ、と小さくお辞儀をして挨拶したのは、
 男の、人?高校生くらいかな

 それよりすごくタイプ………

   (どちらかというとねこのあしあとよりしあんいろの方が見られてないのでぽつり。
    小説って見てもらうために書いてるのにあまり見ないでとか言っても不可能ですよねww
    真似されるのが嫌だから見るなっていうんならブログとかでパスかけて書けよって感じです、

    誰とは言わない。
    この掲示板の人とも限らない。
    ただの呟きです、このことに関しての批評は受け付けません。



    とか書かれるとえってなるので意見があるのならぜひ^^
    ただ揉め事になりそうな場合は別所で。
    
    呟き失礼しましたm(_ _)m)

241ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/02(水) 19:50:17 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (白黒探偵団!/好きになってしまったかもしれない)

「……ど、どうも………」

 戸惑った様子を見せながらぺこりと小さくお辞儀をする。
 そしてふと気になったことを尋ねてみた。

「あの、コナちゃんは……?」
「コナなら寝てるから安心しな、」

 心配そうなわたしの表情を見て気を遣ってなのかくしゃりと頭を撫でて微笑んできた少年。
 ヤバイ惚れた……なんて思ってると、自然と顔が赤くなってくる。

「……そ、ですか」
「おはー………」

 わたしがこくりと小さく頷いた瞬間
 目の前に小さな女の子が、ていうかコナちゃんが眠たさそうに目をこすりながらやってきた。

「コナ、起きて平気なのか?」
「うん、へーきへーきー」

 ふにゃあと表情を緩める少年とコナちゃんの姿を見てズキリの胸が痛む。
 むっと不満そうな顔をしていると、コナちゃんが少年のことを紹介する。

「えとねえー、この如何にも暇そうな無愛想野郎は駿だよー 
 ネトゲ仲間でもあるし幼馴染でもあるし、あーあと彼氏。とか、なんちてー」

 彼、氏?
 嘘でしょ、コナちゃんの彼氏?

「え……」

   (なんちて☆を聞き逃したニーナ)

242ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/03(木) 21:57:12 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (白黒探偵団!/彼氏とか彼女とか!)

「………許せない、」

 ぼそり、

「え?ニーナ、今何て言ったの?」

 ほんのちょっとだけ、コントロールが効かなくなったようです
 
「許せないっ!何でコナちゃんみたいな子が努力してきたわたしより幸せなの?!」

 溜まりに溜まった怒りが爆発してしまいました
 ごめんね、ごめんなさい
 貴方たちを困らせるつもりはなかったの

「……幸せなんか、努力しても訪れないのね」

 そんなことないよって言って?
 努力の成果は無駄なんかにはならないって、


「……努力と幸せは正反対だよね」

 ねえ、言ってよ


   (つづく)

243ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/03(木) 22:20:14 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (愛してるよBaby)

「ねえ、」
「何だよ?」

 ぴた、
 まるで時間が止まったかのようにわたしたちの動きも止まってしまった

「好きだよ」

 夜も眠れないくらい愛しくて
 好きすぎて好きすぎてたまらない

 なのに、

「ああ、」

 彼はわたしのほしい言葉を言ってくれません

「せめて俺もだよとか言ってくれたらいいのに」

 わたしがこんなに我侭になってしまったのは
 彼のせいなんですよ、気づかない?

 そのとき彼がわたしの傍に歩み寄って告げました


「愛してるよ、Baby」

 ちゅ、


   (なんてベタな言葉なんでしょうか)

うああああ、駄作駄作orzorz
書き直すかもです(´;ω;`)

244ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/04(金) 17:30:34 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (pas、/僕の世界が変わった日)

「ねえ、pasって知ってる?」
「………パス?」

 彼女が何も書かれていない真っ白なノートにpasと書く
 英語が苦手な俺が表情を歪め乍ら当てずっぽうで読むと、彼女は無邪気に口角を釣り上げた

「パスはpassでしょ?これはpas!パって読むのよ」

 くるくるとペンを回し勉強のことなんて一切耳に入らない俺が何故こんなに真剣に取り組んでいるか
 それは恋の力なのか、それとも単につまらないからなのか、自分でも良くわからない

「……ふうん、パ、かあ……」

 けれど何故か彼女に今教えられたことがとても重要なことと思えてならなかった

     ×

 ある日の朝、当たり前のように彼女を家に呼んでゆっくり勉強でもしようかと思った
 けれど突然彼女からのメールが送られてきて、思わず立ち上がってしまう

 ―― ―

 10時20分××発
 ○○○航空24便

 ―― ―

 何のメールかわからない
 けれどとにかく走った

 今の時刻は10時5分
 あと15分で間に合うだろうか

「結衣………っ!」

 彼女の名前を呼びながら自分に大丈夫だと言い聞かせる
 迫ってくる時間に緊張感を抱きながら懸命に走りつづけた

     ×

「………10時18分っ……」

 ぜえぜえと息を切らし時計を確認する
 もうダメかとも思った

 なのに馬鹿な俺はまだ結衣の姿を探しつづけている

「結衣っ!!!!!」

 こんな短時間に探すなんて無謀だと知っている、理解できてる
 でも愛し続けたたった一人の彼女だけは手放したくないんだ

「………しゅ、う」

 俺の名前を呼ぶ声が聞こえた
 ああ、やっと会えた………

「ゆい、ゆいっ……!
 どうしてあんなメール……まさか、」

 結衣の右手に握られているのは携帯だけ
 俺と御揃いのストラップをつけてくれてて、じんわりと胸が熱くなる、けど

「急だけど引越しすることになったの、
 中々言い出せなくてっ……」

 本当は、もっと前から決まってた、とか
 でも話せなかった、とか

「一人で寂しい思いなんかするなよっ……」

 ぎゅっと結衣を抱きしめると、結衣のことを理解できていなかった自分が悔しくて涙が溢れてくる
 そのとき、俺より背の低い結衣が背伸びをして俺の耳元で囁いた

「pasはね、フランス語なの」

 あの日からずっとpasの意味を調べていた
 でも見つからなかった

 けどフランス語とわかり、ついにpasの意味を知るときがきたような気がした

     ×

 ―― ―

 駿、元気?
 わたしは元気だよ!

 pasの意味、もうわかるかな?

 ―― ―

 結衣が引っ越してから3日経つ
 3日振りにメールが送られてきて、少し嬉しくなった

 勿論、pasの意味はもう十分に理解している
 そして結衣が何故俺にpasと教えたのかも、ね


 pas パ
 フランス語で歩みという意味

   (fin.)

 はいごちゃごちゃー\(^p^)/おわた
 そしてpasの意味をもう一度

 フランス語で「歩み」という意味らしいです

 結衣が伝えたかったのは、自分が引っ越しても自分たちの道を歩んでいこうねとかそういうこと。

245ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/04(金) 19:15:07 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (お隣さんは「  」)

 彼の隣にはいつも違う人がいます

 今日は「わたしの友達」、昨日は「部活の先輩」、一昨日は「生徒会長」までも
 たくさんの女の子を虜にしてしまうのです

 明日はだれが彼のお隣さんなのでしょうか
 今度こそは「わたし」であるようにと毎日願っています

 いつしか、遠くない未来
 彼のお隣さんは永遠に「わたし」でありつづけますように

   (fin.)

 なんか可愛い系なのでやる気があれば書き直すかも。
 久し振りにスランプっぽくなくなってきたぞ!ヽ(*´∀`)ノ

246ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/05(土) 16:38:52 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Love Music!)……というタイトルで恋する女の子の歌とかそういう短編を書きたかった
 これから書く予定なのでメモとしてタイトルだけでも。

 設定としては主人公のお名前は妃(きさき)というところくらいしか決まっていない;
 とりあえず今度書くので楽しみにしててください!

247ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/05(土) 21:24:16 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

うああああああああごめんなさい!

前レスでらぶみゅーじっく(めんどいのでひらがな)書くとかいいつつもいざ書こうとしたら書き始めからカッスカスのクッズクズで本当に納得できる作品がつくれませんでした!
タイトルかわいいからがんばりたくて厳しくなる……

もう少し落ち着いてスランプ完全脱出したころにでも書こうかなとか

なんだろう、昔はもっと案とかふつーにでてふつーに書けたのに。
スランプとかこういうことなのだろうかこの野郎

今はねこのあしあとに集中したいとおもいますorz

248ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/07(月) 19:00:32 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Kiss from a fairy)

「ねえ、妖精とか神様とか、信じてる?」

 このたった一言の質問で、わたしの人生が急変した

 つまらない景色、どこを見ても白黒で綺麗な色なんて何処にもないような世界
 本当だったら綺麗に色づいている桜だってわたしから見れば桜が散っているのは灰が降ってきてるとしか思えなかった

 だからね、ちょっと信じてみてもいいかなって
 妖精がいるだとか神様が存在するだとか、非現実的なことでも起こればいいのにってね

 つい答えちゃったんだ

「信じてるよ」

 このときに信じていないと言って妄想を膨らませなければ
 こんなに悲しい思いは、辛い思いは、寂しい思いは、惨めな思いは、

 そしてこんなに嬉しい思いはしなかったのかな

     ×

「はい、花ちゃんにプレゼント!」
「……………は?」

 ある日突然放課後の教室で、友人である葵に小さな小包を渡された
 わたしに不似合いな可愛いラッピングのされた箱に表情を歪め思わず声を漏らすと、葵が可愛らしく口角を釣り上げて微笑む

「妖精信じてる花ちゃんなら気に入ると思ってね!大切にしてくれそうだし!」

 妖精を信じることとこのプレゼントが何か関係あるのだろうかと疑問符を浮かべる
 けれどその疑問を残したまま葵は教室を去っていってしまった

「えちょ、待ってよ葵!………もう、人の話し聞かない子なんだから」

 教室で独り言のように呟きながらプレゼントの箱のリボンを解くわたし
 何だかんだいってプレゼントをもらって嬉しいようで、微かに頬が桜色に染まっていた

   (つづくよ!)

 あとがき

 なんとなく連載だよ!
 タイトルは妖精からのキスって意味だよ!

 やっぱり恋愛モノっていうのは内緒だよ!

249ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/07(月) 19:39:56 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Kiss from a fairy)

 あとはもう箱の蓋を取るだけ
 一体何が出てくるのか正直とてもわくわくしていた

 きゅっと目を閉じ蓋に手を添え、深呼吸をする
 そしてパカ…と覗くように優しく箱を開けると………


「ふあ………、」

 中には小さな物体が

 何これ小人?でも羽はえてるし……
 てことはまさかまさかの、

「妖精………?」

 妖精らしき物体もわたしに驚いているのか真ん丸な可愛い目をぱちくりさせる
 数秒間お互い見つめ合い、やっと妖精らしき物体が話し始めた

「こんちわー!俺、妖精のカイルっていーます!」

 やっぱり妖精なんだ……
 とにかく話しは通じそうでほっと胸を撫で下ろす

「えっと、如月花です……君のことはカイルって呼んでいい、かな?」

 カイルがわたしより年上なのか年下なのかもわからないし
 それにそもそも同じ分類っていうか同じ人間じゃないし

 こんな非現実的なことがあって良いのだろうかと疑問を抱く

 けれどカイルは無邪気に歯を出して微笑み、大きく頷いて告げた

「ん!花って可愛い名前だな!」

 可愛いなんて、わたしには不似合いなのよ
 心の中でぽつりと呟いて、真っ赤な顔で戸惑っていた

 すると突然、教室の電気がつく

「誰かいるのか?」

 ヤバイ、先生に気づかれてしまっただろうか
 ふわりと宙を舞ったカイルを片手で掴み、机の陰になるように隠れた

「………気のせいか、」

 よかった、気づかれなかったみたい
 そう思いながら溜息を吐くと、胸にもぞっとした感触がした

「え?」

 それはまさかまさかのカイルで、手で握り締めすぎたのか苦しくて出てきたらしい

「〜〜〜〜〜っ!バカバカ、バカイル!変態っ!」

 自分の不注意だとはわかっている
 けれどやはり恥ずかしくてカイルのせいにし、出会って早々カイルをポコポコ叩いてしまった

「いてっ、痛いよ花あ!てゆか此処何処っ!真っ暗なんだけど!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ最低!」

   (つづきはwebで!)

 あとがき

 つづきはwebでってのはうそだよ!
 ちゃんとこのスレで見れるよ!

 手首に体重掛けると痛くてたまらないよ!
 どうしよう(´;ω;`)!

250ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/08(火) 17:23:43 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Kiss from a fairy)

「ああもう最悪、本当最悪最悪最悪!変な妖精に出会って早々胸見られるし、何かもぞもぞしてくるし」

 場所が変わって学校の帰り道、家へとつづく見慣れた道路
 むっと表情を歪ませ乍ら不機嫌そうに小道に咲く草花を踏み潰した

「ごめんごめん!ごめんったらあ……いやでも植物に八つ当たりするのはよくないぞ、花!」

 わたしの後ろでパタパタと緩く羽をはばたかせ謝るカイル
 けれどわたしが植物を踏み潰していることに気づき突然真剣な表情でわたしの前に出てきた

「………っ何よ!何にもしらないくせに……バカイル、」

 可愛くないわたしはふいっと顔を逸らして家への帰り道の正反対の方向へ向かった

 瞳から何故か涙がこぼれ落ちる
 そして鞄の隙間から何かカードが落ちた気がしたけれど、振り向くわけにはいかないとその場を離れた


「?……何だコレ?」

 カードには誕生日おめでとうの文字、

   (つづく!)

 パソコンが重いよ!
 大変だよ!

251:2011/11/08(火) 17:26:27 HOST:zaqdb739e91.zaq.ne.jp
ねここ>>はろはろw

蝶ryの方の第1期のエピローグ公開中なんでw

良かったら見に来てください!!!

252ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/09(水) 17:01:24 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

はろーノ
ん、ぜひ見させてもらいます!

253ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/09(水) 18:35:45 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Kiss from a fairy)

「………誕生日、なのに」

 家とは少し離れた人気の無い河原
 川の水に触れられるくらい近づいてぽつりと呟く

「………カイルのばか、」

 たった一つだけもらった誕生日プレゼントに対して怒ってるなんて可笑しいね
 それでも、何故か彼氏でも友達でも何でもない、今日知り合った謎の妖精さんの名前が出てきた

「………さむ、」

 ぽつり、

 空から降ってくる冷たいもの
 それを雨だと認識するとふらりとその場から立ち上がった

 けれど、

「きゃっ……い、た………!」

 地面に敷き詰められた小石に躓き転んでしまう
 しかも転んだ先は川の中、

「げほっ………」

 雨で川の流れが急になり起き上がりにくくなる
 口の中にまで水が流れてくるし、段々川の中に引きずり込まれていくような気もするし

「だれかっ………!」

 いや、いやだ
 誕生日に死にたくない

 いや、こわいよ、嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌!!!!!


 半分っていうかもう足つかないし、溺れたんじゃないかな
 そのとき、突然体がふわりと宙に舞った

「大丈夫か?!花っ!!!」
「げほっ、ごほっ………へ、き」

 助けてくれた人が誰だかわからないけれど、とにかく安心させるようにふにゃあ、と微笑む
 でも聞いたことのないようなあるような、じんわりとくる声が気になりそっと目を開いた

「え、えと、だれ?」

 どきっ、
 胸が高鳴ったような気がする

 知らない人なのかも、あれ?でもさっき花って呼んでたよね?

 疑問を膨らませていくと、わたしを抱きかかえる少年はにかっと無邪気に微笑んで告げた

「俺!カイルだよ!」

   (つづく)

 めっちゃおもいお!

254:2011/11/09(水) 19:38:45 HOST:zaqdb739e91.zaq.ne.jp
ねここ>>うんw

見たら出来ればコメ入れれば喜びます!!←

255ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/11(金) 19:13:33 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (To dear you)

 それはまるで迷子の猫の様でした

     ×

 works それがわたしの名前
 貴方が考えてくれた、大切なもの

 clock それは貴方の名前
 貴方が神様から授かった、大切なもの


「clockさまは名前を考えるのが得意なのね」

 そう信じて疑わなかった
 そんなわたしが単純だと、周りを言うけれど

     ×

 何故、何故だろう
 わからないけれど、最近clockさまがわたしに働けと命じた

「働かなければ出ていってもらうよ」

 大好きなclockさまの笑顔
 けれど言葉だけはわたしに厳しかった

 でも何故急に働けと?
 そう考えるわたしはまるで迷子の猫の様

「………あ、おせんたくのじかん」

 ぽつりと声を漏らし時計を見つめると、時計がclockさまに思えてきた
 いつも見守られてる、そう解釈をしたかったけれどそれは無理


 どちらかというと、見張られているような嫌な気分

     ×

「clockさま、時計を外したいわ」

 貴方に見張られているようで嫌なの
 気持ちが悪いの!

 いくらお願いしても、clockさまは良い返事を返してくれなかった

 それでも時間は訪れる

「………あ、おそうじのじかん」

     ×

「こんばんは、おはようございます」

 意味のわからない挨拶
 けれどにこりと目の前で微笑む彼は至極楽しそうだった

 彼の名前はyouというらしい

 神様から授かった素敵な名前だと、作り笑いを浮かべて呟いた
 心の中でわたしの名前はclockさまからいただいたものだと思い乍ら

 けれど彼は言うのだった

「そんなことない、worksだって神様から授かった大切な、素敵な名前だよ」

 お世辞でも嬉しかった
 そしてわたしは貴方に恋をする

   (つづく)

256ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/11(金) 19:14:17 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (To dear you)

 youがある日、わたしに一言告げた

「worksの心の鍵は何処にあるのかな」

 you曰く、わたしは心の扉を閉め切っているらしい
 その扉には鍵が掛かっていて、鍵はわたしが持ってるわけではなさそうで

「わかりません」

 キッパリと言い放つと、心の鍵ならそこらへんにあるなんて思いながら掃除を始めた


 どうしたら鍵が見つかる?
 掃除をしていたら棚の上にでもあるのかしら

 そんな、のんきなことではないのにね

     ×

「王子様と呼んでくれないか」
「王子様、ですか?」

 clockさまの一言に深く首を傾げる
 わたしは王子様というのをよく理解していなくて答えられなかった

「王子様というのは愛している相手のことを言うんだ
 worksは僕を愛しているだろう?」

 clockさまを……愛してる?
 違う、違うわ!そうじゃない

「わたし、clockさまのこと、好きよ
 でもね、愛してるとは違うの……友達としてという意味かしら」

 この言葉がclockさまに嫌われるキッカケだったのかもしれない

「……僕はお前なんかを友達として見ていない
 もう働かなくていいよ、出て行け」

 出ていくということが何かわかっている
 追い出されたということだとも
 帰る家のないわたしはどうすればいいの?


 さよなら、clockさま

   ×

「………さむいわ」

 ぽつりと呟いた瞬間、口から白い息が出てきた
 ほわっと広がる白い息は何処か暖かそうなイメージを持たせる

「…………あ、おひるねのじかん」

 クリスマスツリーの隣、もっとずっと奥に時計台がある
 その時計はまるでわたしを見張るclockさまのようだった

 けれど時間が経ったのを教えてくれる

「……外だけれど寝ましょうか」

 ただ一人、独り言を呟いては寒く雪が積もる中深い眠りに落ちていくのだった

     ×

「works!おい、大丈夫か?!」

 わたしの名前を呼ぶ声
 大好きなyouの声

「ん、………っさむい」

 立ち上がろうとすると手には氷がはっていそうな冷たさが走る
 そしてそのわたしを暖めるようにyouが抱きしめてくれた

「………you、貴方ね」

 わたし、わたし
 youに言いたいことがあるの


「youはわたしの王子様よ」

 心の鍵をプレゼントしましょう

   (fin.)

 あとがき

 つづくかもしれなくてでもつづかないかもしれない
 結構好きな作品です

 ちなみにー

 clockというのは時計という意味
 workaは働くって意味です!
 youは貴方とかそういう←

 ある曲を聴いてて思い浮かんだ
 タイトル変えてシリーズ化するかも(ω)

 書いてて楽しかったです
 worksちゃんかわいいよー自分で書いときながら

257ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/12(土) 18:52:21 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (The sky)

 空の様に透き通った淡い水色の髪の毛を挑発的に揺らす彼女
 真っ白で何も書かれていない自由帳に髪の毛と同じ水色のペンを滑らせLoveと書くと至極楽しそうに口角を釣り上げた


   (空の様な貴方を愛している)

      ×

「そら、愛してるよ」
「ねえ…それ正気?」

「まあ、わたしもそらるを愛してるけどね」

 そらる それが俺の名前
 空のようなおおらかな人になりますようにと願いをこめて付けたらしい

 そら それが彼女の名前
 名前のない彼女に俺が名前をプレゼントした
 由来はそら独特の淡い水色の髪の毛

 初めて会ったとき思ったんだ
 彼女はなんて綺麗な髪を持っているのだろうと

 無意識にそらと呼んでしまって、それが広まってか今は皆彼女のことをそらと呼ぶ

「………そら、」
「なあに?そらる」

 ふいに思い出したこと
 俺、誕生日明日だ

 そんなのどうでもいいことだけれどそらには祝ってほしくて教える

「明日俺誕生日なんだ」
「え、そうなの?!なら誕生日プレゼント準備しなきゃ!もう、全然教えてくれないんだから」

 突然焦り出すそらが可愛い
 でも、でもね

「いや、俺はプレゼント欲しくて教えたわけじゃないからいいよ」
「でも本当は欲しいんでしょう?」
「………まあね、」

 そらは俺のこと、何でも知ってるように思えてくる
 心が繋がって以心伝心してるみたいな、すごく心地よくて大好きな奴

 愛してるとは、まだ伝えるときではないけれど


   (好きだとか嫌いだとか、今はそういうんじゃないんだ)

     ×

「ハッピーバースデー、そらる!」

 翌日の朝いちばんに、そらがお祝いしに来てくれた
 そらは朝苦手だとあれだけ言っていたのに、なのに俺の家まで会いにきてくれたんだと思うと嬉しくなる

「ありがとな、そら」
「んー、誕生日プレゼントはね、あんまり好みじゃないかもしれないけど、」

 女の子らしいそらとはまた違ったイメージ
 そらとか俺らしい水色の包み紙に青いリボン、中の箱は真っ白

「あのね、中身もだけど見た目にもこだわってみたの
 箱とリボンは空……んと、そらるみたいなの。白い箱は雲でわたしのイメージよ」

 箱とリボンが空で俺みたいなの……?
 よくわからないそらの言葉に首を捻ると、一生懸命説明し始めた

「あの、そらるはわたしを包み込んでくれた大切な人で、えと……
 だからね、包み紙はそらるとイメージカラーの水色と青にしたの」

 俺がそらを包み込む、とか
 俺が包まれたんだよ、そらに

 じんわりくるそらの言葉に微笑むと、箱の中身が気になり開けてみた

「ぴあ、す………?」

 まず最初にピアスが目に入った
 淡い水色に輝くダイヤモンドのようなピアス、でも片方だけ?

「あの、ピアスはわたしと御揃いでつけれればなって……」

 そらとの御揃いは初めてではない
 髪の毛の色とか瞳の色とか御揃いだし
 でも、物での御揃いは初めてだと思うと嬉しく感じた

「あとこれ、バースデーケーキ、と……」
「……しー、でぃー?」

 バースデーケーキに目を輝かせるとその次に目に入ったのはCDだった
 それを手に取り見てみると、淡い水色の空に雲をイメージした白でSoraraと書かれている

「……今度ね、CDを発売することになったの
 だから、発売日よりはすごく早いんだけどプレゼント!」

 嬉しかった
 何もかも、全部

 早速ピアスを手に取り耳につけると、御揃いだと自然と表情が緩くなった

「ありがとう、そら」
「うん、じゃあそろそろわたしは帰るね!また後で、誕生日会のときに会いましょう」

 嗚呼、もうこれでお別れか
 まあまた後で会うんだけどね

 玄関までそらを見送る
 そして手を振ろうとした瞬間、俺の頬が突然暖かくなった

「……え?」

 キス、?


 突然のキスに驚く
 けれど嬉しさもあって、手を振り乍らも固まっていた

「さっきのキスはプレゼントのオマケよ
 じゃあね、そらる!」


   (キスなら俺からしたかったのに、)


 あとがきー。

 タイトルは空という意味(確か)。
 つづきますめちゃくちゃつづきます!

 そらさんとそらるさんとあともう一人女の子の物語
 今回でわかるようにそらとそらるさんはラブラブですが

 最初の×の前に書いてある言葉、
 結構力作というかがんばった!

 これからがんばりますよノ

258ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/13(日) 10:25:21 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Tha sky)

「…………そら、」

 愛おしい、彼女
 ピアスに触れるたび彼女と触れ合っているような気がして暖かい気持ちになる

 さっきのキスで今年分の幸せを全て使い切ったかもしれないと苦笑していると、もう一度玄関から効果音が聴こえた
 ピンポーンというクイズに正解したような可笑しい効果音に幸せな俺はくすりと表情を緩めるとドアを開けた

「そ、そらる、ごめんね
 こんな朝早くから……でも、どうしてもいちばんに渡したくて、」

 玄関の前に立っていたのは百花だった
 百花がきゅっと抱きしめていたのは恐らく俺にプレゼントであろう水色の箱
 嬉しい筈なのに、そらのときに感じた暖かい気持ちはなかった

「とりあえず上がってく?」

 にこりと作り笑顔を浮かべ乍ら百花の背中に触れた
 その瞬間、百花の頬は赤く染まったけれど、

 気にしないようにしよう


   (好きという気持ちに気づきたくなかった)

     ×

「………そらるの部屋、久し振りに入る」

 俺の部屋を見渡したあと、百花は無邪気な笑顔を浮かべて言った
 それに釣られて俺も微笑むと、ずいっと百花が抱きしめていた箱を差し出される

「あの、ね!誕生日おめでとう、そらるっ!
 これ、誕生日プレゼントだよ、今見てみてっ!」

 水色の箱に白いリボンで飾られたもの
 正直嬉しくてリボンを解きすぐに箱を開けると、そこには予想できていたけれど、


 片方だけの水色のピアス

「ピアスは御揃いでつけたく、ってあれ…そらるもうピアスしてたんだね、色似て、………え?」

 無邪気に微笑む百花だけど俺の右耳だけにしかピアスがついていないことに気づき言葉を止める
 そして俺が気まずそうに説明した

「あの……さっきさ、百花が来る前にそらが来たんだよ
 それでそらと御揃いのピアスを………」

 嗚呼、やってしまった
 説明した瞬間百花が泣いてしまった

「……わたしのピアスは、つけられないっ……?」
「…………………………ごめん」

 長い沈黙のあと、ただ一言謝った
 ごめんな、百花



「俺はお前を愛せない」

   (ぐだー つづく)

 ぐだぐだぐだぐだ

 もっと昼ドラ展開にしたかった
 けどなんかスランプ脱出できないってのがねここ

 そらとかそらるとかキャラお気に入りなのにー
 そらるさんかっこいいっす、自分で書いときながら←

 まあかわいいとかかっこいいとかおもうのは仕方ないよ
 自分の好みでつくったキャラなんだから好きになるもんだよ
 百花ちゃんは好きだけど悪役になるかも(´;ω:)ョョョ

 最後に言おう


 そらになりたい!

 いやだってそらるさんにも愛されていいじゃん?←
 そらって得しそうなキャラだし何よりかわいry

259ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/14(月) 17:43:34 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (うそつき、あいしてる)

「愛してるよ」

 なんで、何でそんな言葉簡単に言えるのでしょうか
 うそでしょう?わたしなんかを愛してるだなんて

「………うそつき」

 あなたみたいな素敵な人に愛されてたらわたしもっとたくさんの人に愛されてるわ
 あなたみたいな素敵な人に愛されてたらわたしもっと恨まれてるわ
 
 あなたみたいな素敵な人に愛されてたらわたしもっと幸せな人生だったわ

「嘘じゃない、本当だよ」

 そんな重みのある言葉、簡単に言わないでください
 わたしを一生好きでいる自信なんてあるのですか?

「わたしをこの先ずっと好きでいると断言できないのならもう愛してるなんて言わないで」

 キツく言い放った
 これくらい言わなきゃ言うこと聞かないんだもの

 なのに、きみってひとは


「愛してる!」
「っ、だから!愛してるなんて、」

「ずっと好きでいるって断言できるから、愛してる!」

 どうやら彼には勝てないようです

 何よ、わたしだって、


「愛してるよ」

 うそつき、あいしてる

   (あいらぶゆー)


 え、ちょっと何なのこれ?
 うそつきあいしてるとか何なの馬路でちょっとww

 上のような気持ちが浮かび上がってくる作品でしたね!
ねこのあしあとがもうちょっとで200いきそうで正直焦ってます(;^ω^)

 そしてなかなかレス数の上がらないしあんいろに焦ってます
 焦って更新するもんじゃないけど、ねこのあしあとには抜かされたくないっていうなんか(´・ω・`)

 でもしあんいろ書き始めたもう五ヶ月とちょっとですよ
 よくがんばれたなここまで

 自分で自分を褒めてあげようヽ(*´∀`)ノ

260ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/15(火) 16:44:45 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

 ▼ごめんね!

 前書いていたTha skyなのですが、今振り返ってみたらもの凄く雑だなw
 ということで、タイトル変えてもう一度、丁寧に調べるところは調べて書き直したいと思います

 まずそらがそらるさんにピアスあげてるところから間違ってるw
 アクセサリーの意味とか調べてもう一回挑戦するのでお楽しみにね!


 そらとそらるの出会いとかも、ちゃんとやろっかなって。
 だから結構真面目にやるかもな
 がんばるぞ(`・ω・´)

261ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/15(火) 19:12:05 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (The empty sky/※グロテスクな表現が苦手な方は其れをご了承の上ご覧ください)

 空の様に透き通った淡い水色の髪の毛を挑発的に揺らす彼女
 真っ白で何も書かれていない自由帳に髪の毛と同じ水色のペンを滑らせLoveと書くと至極楽しそうに口角を釣り上げた


   (そらとそらるの恋物語)

     ×

「っ、く」

 彼が、刺した?

 片手には鋭い短剣の先、突然左肩に走った言葉にならないほどの苦痛
 そして、


 彼独特の青い髪の色


「………ごめんな、そらる
 お前を刺すことになるとは思わなかったよ、」


 俺だって、
 お前から刺されるとは思わなかったよ


「最期だ、そらる――――っ?!」


 左肩の次は左胸、心臓のあたりを目掛けて短剣が降り下ろされる
 もう終わりだと思ったその瞬間、!


「人殺しはよくありませんよ」


 意識が朦朧としてそれからのことはよく覚えていない
 けれど一瞬、目の前に淡い水色の空が広がっていたような気がする


   (呼吸さえもできないくらいの苦痛はどこへやら、目の前には青空が広がっていました)

     ×

 あれから数日後、左肩を動かすとまだ悲鳴にならないほどの苦痛が走るとはいえ回復はしてきた
 数日前は痛みに耐え切れず倒れ込むこともあったくらいだし、今の俺にとって倒れないだけでかなりの回復だと医師は言っていたし、よかった

「………ライ、」

 俺の大事な親友
 俺の大事な幼馴染


 あのとき俺を刺した奴


 最近よく、彼の顔を思い出しては何か心の中で悲しさと憎しみの感情が渦巻いていた

 自分を傷つけたから復讐として彼を殺そうとは思わない
 ただ、今まで通りの親しい関係でいられないと考えると少し寂しくなるだけなのだけれど、

 こんなに辛い感情になるの、初めてだ

 そう考えると突然物事が大きくなった気がしてより一層悲しさと寂しさが深まった
 ああ、今考えたって何もない

「……考えんのやめよ、」

 ぽつりと独り言を呟きふいに目を遣った先は病院の窓の奥の空
 其処には何処かで見たような淡い水色の青空が広がっていた


「…………空、……っそうだ、空!」

 淡い水色で空みたいでゆらゆら揺れていた
 海?違うな……なんだろ、

「……思い、出せない………か、」

 まあいつか思い出すだろうと気ままな考えを持ち諦めた俺は突然襲いかかった睡魔に負けて小さく寝息をたて始めるのだった
 後から看護師から怒られたのだが、窓は閉じているものの椅子に毛布もかけずに寝ているのは寒いと実感した一瞬でした

   (つづく!)


 楽しんでいただけたでしょうか?
 そらるさんsideのお話ー!

 お気づきの方も少なからずいると思われますがネタバレを含むのでここから先は其れをご了承の上ご覧くださいませませ!





 うんと、そらとそらるさんはもう出会ってます!
 そらるが頭を悩ませる淡い水色の空、それはそらの髪の毛のことです。

 ……かなりのネタバレごめんよ!
 これからもつづきをお楽しみにね!

262ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/16(水) 16:35:41 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (The empty sky)

「……………空、か」

 空は淡い水色で雲一つ見えない、これが快晴というものだろうか
 それに左肩の調子も良くなってきたし、外出しても良いと許可が出たし

 それで早速、街へやってきたのだが、

「………此処何処だっけか、」

 久し振りにこんなに外出した為一気に街の地図が頭から吹き飛んで場所がわからなくなる
 これが迷子という奴かと溜息を吐くと、とにかく道を聞かなければと考え周りを見回した

「……あの、何かお困りですか?」

 何処からか聞こえてくる声
 声の主へ目線を向けると、懐かしいというものではないが強い刺激があって目を見開いた


 淡い水色の髪の毛を挑発的に揺らし、優しげなブルーの瞳を持つ少女
 肌は雪のように白く林檎のような赤らみがのっている

 そして何より、髪の毛と瞳の色が同じだということ

「あ、の……何処かで会いませんでしたか?」

 一度その素敵な髪の毛を見たような気がする
 何処でかはあまりよく覚えていないけれど

「そらるさんは忘れたって仕方無いんです、だって倒れてしまったんだもの………
 わたし、そらるさんが悩みに悩んでいる淡い水色の空の正体ですよ?」

 理解したかと聞かれてはいと答えたらそれはそれでうそになる
 けれどいいえと答えるのも少し違うような気がして、えーと

「つまり、そらるさんが見た淡い水色の空はわたしの髪の毛のことだったんです」

 そんなことよりっていうかそれも大切だけどそれより気になるのが、

「あの、何で名前を?それに淡い水色の空のことで悩んでるって、何で知ってるんですか?」

 流石に此処まで自分のことを知っていたら警戒はするよな
 でも一瞬どころじゃなく今でさえ、彼女の美しい姿にどきんと胸が揺れてる

「……え、と、名前はそらるさんを刺した方が呼んでたのを聞いて……空の件に関しては看護師さんに、」

 俺が単純なのか彼女の説明が詳しかったのか、
 俺の警戒心は一気に消えていった

「……そっか。君、名前は?」

 この質問はやばかっただろうか
 彼女は一気に表情を曇らせてしまった

「………あの、わたし……名前が無いんです」

 は、?

 少し、驚いた
 いやだって、え?その……、

「………あーもう!俺の頭じゃ何にも考えらんないや!
 君の名前つけていい?」

「ど、うぞ?」

 勢いに任せた台詞に驚く彼女だがこくりと頷き許可を得た
 何にしようかと考え目につくのはやっぱり髪の毛

「………そら、ってのは?
 だって俺と御揃いじゃん、髪も瞳の色も!だから名前も、御揃い!」

 にかっと悪戯っ子のような笑みを浮かべると、彼女が至極嬉しそうな表情で告げた


「ありがと、そらる」


 親しくなるってのは嬉しいことばかりで
 敬語を使わないでくれたそらに満面の笑みを浮かべ返した

   (つづく!)


 そら 命名そらる
 名前は大切にしなきゃいかんぞ(`・ω・´)!

263ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/17(木) 16:16:51 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (The empty sky)

「そらる、いる?」

 そらと出会って数週間後、その関係はかなり親しくなってきた
 最初から恋心を寄せていたのは俺のほうだけど、そらも結構好いてくれてるのか毎日病院に通い出来事を話してくれる

「左肩、よくなってきた?」
「ん、毎日そらが来てくれるから、」

 もうじき退院もできるようで、本当によかった
 そして退院したらもっとそらと一緒の時間を増やすつもりでいる

 ほのぼのと会話を繋げていくと、突然病室の扉が開いた

「失礼します、そら、調子は?………って、」

 お見舞いに来てくれたのはサキ
 エメラルドグリーンの長髪を二つに結んでいる彼女は此処に来たばかりの俺に優しくしてくれた人
 そらに対する気持ちのように特別好きというのはないけれどかなり信頼している

「え、えと、今タイミング悪かった、かな?
 ごめんね!渡したいものがあったから、……用が済んだらすぐ出てくね!」

 あわあわとその場であわてだすサキにぷっと笑みを零した
 そらは人見知りなのか、少し緊張している様子を見せる

「大丈夫だよ、サキ!ゆっくりしていきな、」
「………そらるがそう言うなら……って、でも此処貴方の家じゃないから早めに退散するわよ!落ち着かないし、」

 うぐ、
 そう言われれば此処は俺の家じゃない、けどさ

「いやー、でも結構此処にいるだろ?俺
 だからか知らないけど慣れちゃってさー……あ、でも此処だけの話し飯は不味い!」

 ご飯とか、病院だからかな、めちゃくちゃ白いんだ
 白いものだらけのこの空間に慣れていった俺が不思議だなー

「……そらるの、そらるの髪の毛が淡い色だから白に合うのかもしれない……だから、そらるは自然ととけ込めるようになったのかもね………、」

 いつもの無邪気なそらとは違う、大人しい雰囲気でそらが呟いた
 するとサキが不思議そうにそらを見つめ尋ねる

「えっと……この子は?」
「ん、ああ……そら、だよ、」

 そらと名前を呼んだ瞬間、少し緊張した
 さっきまでサキと話してたから、急にそらと話すのに切り替えるのはまだ難しい様で、

「そっかあ、そらちゃん、ね!
 わたしはサキ!そらるの友人です、」

 そらるの友人とサキが言ったとき、そらが溜息を吐いたのがわかった
 はあとかじゃなくて、ほっとしたような感じ

「えと……サキさん、よろしくおねがいします、」
「サキでいーよ、よろしくね、そらちゃん!」

 ………こういう女子同士の関係って、複雑だよなあ
 そんなことを考えながら、楽しい一日を過ごしたのであった


   (サキちゃんとーじょー!)


 サキちゃん可愛いですサキちゃん
 イメージキャラクターは、えと……内緒ですry

 知ってる人は知ってる、ていうか知らない人はあんまいないんじゃないかな…
 でも、気づく人は少ないと思う!

 そして相変わらずそらるさんいいですな!
 とりあえず今のところ小説も好調だしこの調子でいけばどろどろな昼ドラ展開も夢じゃないよ!←

 てことで(最悪な)宿題を終わらせて(ちょっと恐い)お医者さんにいってからまた後でか今度更新します!
 ………宿題やめよっかn(((

264:2011/11/17(木) 17:39:08 HOST:zaq7a66c1fa.zaq.ne.jp
何やこれww←少し興奮中w

一人称は俺かw

男かぁぁぁぁ!!!!!!

265ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/17(木) 18:12:27 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

興奮、だと…(`・ω・´)←
そらるさんは男ですよー

266ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/17(木) 20:22:35 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (The empty sky)

「……あ、あの、ね
 そらるに相談したいことがあって……」

 そらと話しているうちに何か思い出したのかあ、と声を漏らすサキ
 相談とは一体なんだろうか?首を傾げ乍ら微笑むと、サキが申し訳なさそうに告げた

「楽しくお喋りしてるところすごく申し訳ないんだけど、あんまりそらる以外の人に聞かれたくないの……」

 言いたいことは伝わった
 けれどあまり優しすぎるサキの性格からしてハッキリと言えないのだろう

「そっか!じゃ、またな!そら、」
「………え、あ、うん……じゃあ、ね」

 そらが病室から出ると、サキはにこりと微笑んで俺に箱を差し出した

「誕生日、今日だったでしょ!」
「え、あ……!」

 どおりで。

 いつもより可愛らしいサキの格好
 そして差し出されたプレゼントの箱

「覚えてなかった?」
「いや、すっかり忘れてたよ……あれ?てことはサキの誕生日って明日?!」

 俺とサキの誕生日は一日違い
 ヤバイ、それさえ忘れてた!

「……あの、それ、でね……!
 そらるの誕生日プレゼントにブレスレットをいれたから、御揃いのをそらるにもらえたらなって……!」

 なんでだろうか
 俺はそらに恋をした筈じゃないか?
 なのになんで、今こんなにドキドキしているんだろう

「……うん、御揃いにしよっか」

 今の真っ赤な顔を見せたくなくてぎゅう、とサキを抱きしめる
 自然の行為であったとはいえ、これを誰かに見られたら説明しがたいな……


「………え……そら、る?」

   (そらさんとーじょー!)


 サキちゃんとそらるさん結ばれればいーのにとか思いながら書いてたらこうなりました←
 いやー、わからないもんですね小説ってww

 そしてぎゅーしてるところをそらに見られたところでおわった!
 本当にそらとそらるの恋物語になるのだろうか、不安だ(`・ω・´;)←


 とにかくつづきもお楽しみにね!

267ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/18(金) 16:41:20 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (The empty sky)

「………ご、めんなさい」

 サキを抱きしめる俺の姿を見てしまったそらは小さく謝罪を述べ扉を閉めた
 そして、もう一つカチャ、という効果音が……まさか、

「鍵……かけられたかもしんないっ!」

 よくよく確認してみればロッカーの上に置いた筈の鍵がないじゃないか
 試しにドアノブに手を掛けてみると、

「開かないっ……!」

 病室は内側からのロックも外側からのロックも鍵さえ持ってれば簡単にできる
 けど逆に、鍵を持っていなければ何もできない。もちろん、開けることも………

「………ど、どうしよ……そらちゃん、もう帰っちゃったかな……」
「まだ、いるよ」

 サキの不安そうな声に反応したように、ドア越しにそらが呟いた
 そしてまるで語りかけるように話し始める

「鍵、間違えて持ってきちゃって……返そうと思ったんだけど…ごめんね?邪魔しちゃって……」
「何で鍵かけたんだよっ!」

 サキが不安そうな顔してるだろ
 そんな勢いで話し掛けると、そらはくすりと笑みを零したのがドア越しでもわかった

「だって、二人でゆっくりお話がしたいんでしょ?
 それなら……鍵くらい閉めておかなきゃね」

 そらが悪魔のように思えて、とにかくドアを壊そうと必死に叩く
 後ろではサキが不安そうに俯いていた

「サキ……大丈夫だから、」

 そっとサキに触れると、小さく震えていたのがわかった
 もう一度きゅっと抱きしめると、サキも無言で抱きしめ返してくれた

「サキって結構大胆な子だったんだね、これを狙って二人になりたいって言ったんだ?」
「ちがっ……!わたしはただそらるに渡したいものがあって!」

 そらの挑発するような言葉にサキがびくんと肩を揺らした
 段々とそらに対して黒い気持ちが浮かび上がってきて、思わず怒鳴る

「そらっ!!何でこんなことするんだよ!何で閉じ込めた?!嫉妬かよ、」

 ただの嫉妬なんじゃないかなんて考えて言い放つと、そらは泣いているのか力なく告げる

「そ、だよ…しっとしちゃ、だめ?だってめのまえであんなになかよくされちゃ、ずるいよ………」

   (つづく)


 はい段々と文章力が落ちてきたーry
 サキちゃん好きなあまりそらを悪役に回してしもーた!
 ま、最終的にそらさんいい子にするつもりではいますがw

268:2011/11/18(金) 17:14:22 HOST:zaq7a66c1fa.zaq.ne.jp
ねここ>>知ってるよw

でも初めは名前みて「女や!オカマや!」って思ったけど、

一人称で分かったw\(^o^)/

269ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/20(日) 11:21:19 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

名前で判断するなよw

270ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/21(月) 20:10:39 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Tha empty sky)

 そらの気持ちがよくわからない

 普段から顔に気持ちを表したりしない奴だったけど、ドア越しだと更にわからないよ
 それに嫉妬なんて今までしたことなくて、だから気持ちをわかりたくても無理

 俺が言葉を詰まらせていると、サキがドアに軽く触れ告げる

「あのね、わたし……ずっとそらちゃんがずるくてたまらなかった
 そらると短時間であんなに親しくなっちゃって、御揃いの髪の毛だし瞳の色だし、それに御揃いの名前だし、」

 正直驚いた、けど
 それは俺に好意を抱いてるって解釈していい?

「…………お互い、ずっと羨ましくて、ずるいって思ってたの?」

 ドアの向こうから驚いたような嬉しそうな、そらの声が聞こえる
 それにサキが微笑んで答えた

「うん!」


 カチャ、
 鍵が開く、そしてドアの開く音

「ごめん、なさっ……わたっ、し……!」

 泣き崩れるそらを見て焦った
 そしてこんなに不安なことがあったのに何も言わずにがんばったサキを守らなければと思い始めた


「………ぜったい、守るから」
「そらる?」
「なんでもないよ!それより二人とも、大丈夫だったか?」

 守りたいと思う=好きになる、ということなのだろうか?
 そう解釈しても良いですか?

   (つーづーく!)


 大体のお話が決まりました!
 バッドエンド……かなあ;
 最終的にそらとそらるは結ばれますが(ノ∀`)

271ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/22(火) 17:28:37 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Tha empty sky)

「………あれ?そらる、腕」

 そらが俺の腕で揺れるブレスレットに気づいたのか目線を俺の右腕に向けた

「あ、ああ……これは、」
「そらるの誕生日、今日だから……」

 説明していいのだろうかと俺が言葉を詰まらせる
 するとサキが微笑んで代わりに説明してくれた

「え……?そらる、教えてくれなかったの?」
「いや、そういうわけじゃなくて!」

 そらの瞳には涙が浮かんでいた
 そして、俺の言葉はまるで言い訳に聞こえてくる

「もういいよっ、そらるきらいっ!」

 病室を走り去るそらの背中をただただ見つめることしかできなかった

     ×

 翌朝、俺とサキで待ち合わせしてサキの誕生日プレゼントを買いに行った
 ブレスレットと、あと………


 指輪、とか

 心の中でぽつりと呟くと、楽しそうなサキの笑顔に釣られくすっと微笑んだ
 楽しい気分ではあったけれど、昨日のそらとのことがあってもやっとしているサキの誕生日


「………ねえそらる、ブレスレット買わなくてもいーよ」

 突然サキが苦笑を浮かべブレスレットがついているほうの俺の手を握った
 何故急にこんなことを、と言葉を詰まらせる

「あのね、そらちゃんはきっとそらるのことが好きで……わ、わたしもそらるのことが好きだからっ、勿論ブレスレット欲しかった、けど……
 そらちゃんだってきっと欲しがってる!わたしだけっていうのはずるいよ、それにわたしはそらると結ばれなくても我慢する、からっ……」

 サキだけがずるいなら、そらだけってのも同じくずるいんじゃないのか
 そんな言葉を心の中で吐き捨てるとぎゅっとサキを抱きしめ告げた

「俺だって!サキが好きだよ!」

 サキのエメラルドグリーンの髪の毛が揺れる
 そして透き通った綺麗な瞳から涙が溢れていた

「………すき、だいすきっ……そらる!」
「俺だってだいすきだよ、サキ!」


 俺とサキが結ばれて悲しむ奴はいっぱいいると思う
 そらとか、………ライ、とか

   (つづくー)


 サキとそらるむすばれたー!

 ネタバレしたくてたまらない今日この頃
 でも我慢(`・ω・´)

 けど一つだけ、ライはサキのことが好きです
 以上!

272ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/23(水) 22:04:24 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Tha empty sky)

「あの、そらる」
「なーに?」

 買い物を終えて人混みで溢れる街の中を歩いていた
 そのとき突然サキが呟くように話し掛ける

「やっぱりわたし……そらちゃん探してくる!」

 そう残して走り去っていくサキに何故かついていっていた
 サキは自分のことなんかどうでもいいみたいに人のことばかり選んで、

「馬鹿サキ、」

   ×

「そら、ちゃっ!」
「そらっ!」

 やっと、見つけた
 緑の丘の上、そこにはそら、と……



 ライの姿が

「そらる、と……サキ!」

 あのライがサキに食いつくように反応したのは以外だった
 けど、まあ無事でよかった、かな


「………ねえ、サキとそらるって付き合ってんの?」

   (つづく)

273ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/26(土) 06:47:50 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (Tha empty sky/狂ってもないけど少し暗め?)

 ふいにされたライからの質問
 正直に答えるべきか少し迷ったけれど、サキが頬を赤らめるのを見て素直に答えようと思った

「ん、付き合ってますよ?」

 ふざけたような、勝ち誇ったような俺の笑顔
 ただ少し意地悪してやりたくて、そんな気持ちで言っただけなのに、

「そう……じゃあ死んでもらわなきゃな、」

 聞き間違えたのかと思った
 冗談を言っているだけだろうと思った


 だけどライの眼は真剣だったし、そもそも

 俺一回ライに殺されかけてるよな?
 ライは命令とか自分の為であれば簡単にとはいかないが親しい奴でも殺せるというわけだ

 今この状況で誰が殺されるかはわからないけれど―――、
 危ないということだけは確かだ

「そ、それはライくんだれを殺すつもりなのかな?」

 まるで冗談だろ?という様子で俺が尋ねる
 冗談じゃないとわかっているくせに、

「んー、俺のものにならない奴!」

 ライのものに、ならない奴……?
 え、ちょっと待て……思い当たるのが一人しかいないんだけれど





「サキ………?」


 俺がぽつりと尋ねるように呟いた

 昔からライはサキに好意を抱いていたし
 それなのに今俺と付き合っている、ということは


「正解!サキのこと、殺しちゃおうかなーって、さ」

 有り得ない

 冗談だと信じたい


   (つづく)

274:2011/11/26(土) 12:49:04 HOST:zaq7a66c1fa.zaq.ne.jp
ねここ>>ご無沙汰してます。

こっちも見たいけど来週テストなんでテスト終わったら見るわw

m(__)m

275ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/27(日) 10:59:13 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

>燐

りーんー!ry←
いや最近全く更新できてなくてすみません><

今度暇すぎるときにでもゆっくり見てね!

276ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/11/29(火) 17:10:03 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

   (悲劇、。/狂ってまーす)

 悲劇のジュリエットさんは
 ロミオと結ばれずに終わってしまいました

 喜劇のシンデレラさんは
 王子様と結ばれて幸せになりました


「わたしっ、シンデレラみたいな恋がしたいな!」

 無邪気に笑う彼女はそう言い放つとぽそりと悪い子の目付きで呟きました
 お姉ちゃんみたいなジュリエットの恋はしないの、と

 彼女のお姉さんはジュリエットのように好きな人と結ばれなかったのです
 悔しくて辛くて苦くて酸っぱくて、たまりませんでした


 さあ、今日はそんなお姉さんの失恋話でもしてあげましょうか

 ある日楽しそうに微笑むお姉さんの瞳には何処か暗い陰がうつっていたとか
 そしてそのことを気にした彼女がお姉さんに尋ねてしまったそうです

「彼氏と何かあったの?」

 これがお姉さんを狂わせた原因?
 この瞬間、お姉さんは一気に泣き崩れました

「ねえ、ねえお姉ちゃん……泣かないで、」

 彼女の慰めの言葉
 なんて優しい、




 なんて、棒読みな。




 そう、彼女はお姉さんの大切な人を殺したのです
 あらあらまあまあ、お姉さんが可哀想ね

「……お姉ちゃん、ジュリエットみたい」

 ぽつん、
 お姉さんの瞳には至極楽しそうに微笑む彼女の姿が見られました



「……彼はロミオだったのね………」

 絶望、。
 そんな言葉が今のお姉さんにピッタリだったでしょう


「ロミオなんて皆死んじゃえばいいのよ……わたしは王子様だけ求めてるのよ!」


 そう泣き叫ぶと、彼女の大きな笑い声と共に二人の姿は消えていったのでした

277ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/12/10(土) 21:17:19 HOST:w0109-49-135-207-48.uqwimax.jp


▼復活ー!

ということでねこのあしあとにも書き込んだようにねここ復活です!
パソコンがぶっ壊れたのは言うまでもない。
ただもう暫く、っていうか明日の午後くらいまでは更新できないかなあ?

書きたくてたまらなかったのがたくさんあるので書くよ!

278ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/12/14(水) 16:27:56 HOST:e0109-49-132-1-112.uqwimax.jp

   (喜劇、!/狂ってまーす)


 君の隣で微笑むのは貴女じゃなくてきっとあたし
 君が大好きだよと笑いかけてキスするのもあたしなのよ!

 さあ、喜劇の物語の始まりよ、!




 昔むかしなんかじゃ足りないくらい!
 御伽話は昔むかしで始まるのが定番でも違うのよ!

 もっとずっと奥、奥底深くにある深海?
 この先のもっとずうっと先、林檎の宝庫がある深い森?
 ずっとずっともっともっと、深夜の闇に覆われた中でキラキラ素敵に輝いちゃうような星が散りばめられた空?

 ちがう、そうじゃないの!

 其れはすぐ近くにあって、今でも手に届きそうなくらいの場所
 それでも遠くて、遠くて遠くて!いくら歩いても辿り着かないくらい遠いの


 願って願って、願えば辿り着ける其処

 そんな魔法の国で起こった女の子たちの争いのお話よ!


   (気になるところでいったん切りますーw)

279ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/12/17(土) 17:41:56 HOST:w0109-49-133-129-224.uqwimax.jp

 ▼更新率。

 ええと、これから更新率が落ちると思います><
 青空ときどき灰色雲を中心に更新していこうと思っているので!

 青空は千花と海翔と朱音とお母さんがいますが主役はまだ一人しか出てきてませんね!
 海翔とか朱音はあくまでも脇役として活動してもらうかもしれません;
 最初はどうなるかと思いましたよ、行き成りシリアスな事故死から始まって…
 でも早く抜け出せて良かったです!

 ねこのあしあとの番外編も更新は遅くなると思いますが書きたいときに掘り出してがんばります!

280ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/12/22(木) 13:56:24 HOST:e0109-49-132-4-137.uqwimax.jp

   ホワイトクリスマス


 公園で待ってると元カノからメールが届いた今日、クリスマス
 1年前くらいに別れてお互い別の想い人ができた筈なのに、何でよりによってクリスマスの今日呼び出すんだよ、なんて少し愚痴を吐いてみる

 イブに今付き合ってる彼女とデートしたからいいものの、


「………いつまでも忘れられないままじゃんか」


 僕の気持ちはずっと変わらないようです



 そう思いながら頬を赤らめて公園へ足を進めた



     ×





「………っくしゅん、!」


 雪が降るホワイトクリスマスに寒いとくしゃみをする俺って何だか孤独だな
 そう苦笑を浮かべると、公園のブランコに座る元カノに話しかけた

「何だよ、急に呼び出して」
「ごめんね、クリスマスに呼び出して」


 俺と元カノの声が重なる


「………ごめん、本当に
 あたしね、よく考えてみれば今の彼氏のこと本当に好きになれてないと思うの」


 元カノ、………いや、百合の表情が曇る
 そして俺も、同じ考えを持っているからか表情が曇った



「っ、それでね!彼氏は自分を利用して忘れればいいって言ってくれるんだけど……なかなか難しくて………」



 百合も大事にされてんだなあ
 少し寂しくなってくる


「………それで、今日は祐にお願いがあって呼んだの」


 お願いって?
 そう疑問符を浮かべるけれど、実は自分を頼ってくれるのが嬉しくてたまらなかったりもする




「………祐を忘れる為に、ちゃんと彼氏と向き合う為に」









「キス、して」





 キスというのはお別れの、ということか
 さみしいな


 そしたら終わりってことになる
 それでも、でも!








 百合のためだ




 俺と百合の唇が重なる


 懐かしい、心地よい感覚にくすりと微笑んだ
 その瞬間、突然拍手が聞こえてきた




「いえーいっ!より戻せた?!」
「おお、感動の再会?」



 何故か俺の今の彼女の花と友達の海がいた
 そして百合が衝撃的な発言をする


「海!それに花まで………?」



 一体どういうことだ
 どういうことなんだ


 疑問符しか浮かばない



 するとその後テンション高めな花が説明してくれた

「だって2人ラブラブなのに何で別れたんだろーってなってさ、彼氏の海に協力してもらって、海は百合と、花は祐と付き合っていろいろ探ることにしたのです!
 あ、最終的にはよりもどるようにしたよっ?」


 ちょっと待った何を勘違いしているお主たち
 俺たちはたった今別れの口づけを交わしたところだぜ?





「………ふふっ、」
「………ははっ、」





「それならもう一度お迎えに上がりましょうか、お姫様?」
「そうね、そしてもう一度魔法の口づけを交わしましょう、王子様!」




 雪降るホワイトクリスマス
 ほら、此処にも幸せがひとつ




   ‐


 クリスマスも近いのでクリスマスものー!
 そしてねここは冬休みに入りました!

 これは力作(`・ω・´)
 またもやメルヘンチックになってしまったがまあいいとしよう!



 ちなみに内容的暗いと見せかけて明るくしてみたよ!

281ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/12/26(月) 14:12:00 HOST:w0109-49-133-139-5.uqwimax.jp

   片恋電話


 電話に乗せたこの想い
 いつ貴方に届きますか?


     ×



 この時間帯に電話しても大丈夫かな
 迷惑じゃないかな、嫌われたりしないかな

 電話の音が響くたびに緊張感は増し、其れに比例する様に携帯を握る力も強くなってきた


 プルルルル… プルルルル…


 あたしの緊張感なんて知らない携帯は無表情でしんと静まり返った自室を自分の音で埋め尽くしていた

 そろそろ出てくれてもいいんじゃない?
 でも恭くんが出てくれたらなんて言おう……

 そう考える内に、ハラハラとスリルのある感覚までも覚えた
 まだコールは鳴り終わる気配を見せないし、だからといってこっちから切るっていうのも何だか気まずいし……


「もう!『もしもーしっ、』


 あたしがついに電話を切ろうと思ったそのとき、突然携帯越しに女の人の声が聞こえてきた


「あ、あのっ……恭くん、は………?」
『あー、恭ー?今バイト中なんだけどなー……… 恭ー、電話ー!』


 バイト………?こんな遅い時間まで?
 疑問符しか浮かばない


『もしもしー、恭ですけど、』
「あのっ、あたし……西山実花ですっ……恭くんと同じクラスの!」


     -


 いったんきります!

282ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/12/29(木) 19:13:40 HOST:w0109-49-133-136-196.uqwimax.jp

   片恋電話


『西山………ああ、実花ね』

 西山という苗字でピンとこなかったのか考え込むような声が聞こえた
 けれどその後あたしの顔と名前が一致したのかはにかんだ様子を想像させる声で実花と呼んでくれる恭くんにドキッと心が揺れる


   -


 パソコンが重すぎるのでちょこまか更新が多めになります

283:2011/12/29(木) 19:14:03 HOST:zaq7a66fd57.zaq.ne.jp
ねここぉぉぉぉ!!!!

久々ノシ

284ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/12/30(金) 14:51:14 HOST:e0109-49-132-18-153.uqwimax.jp

>燐


きゃああああああ燐!←
本当久しぶりな気がするよ!

超遅れたけどめりくりですv←

285:2011/12/30(金) 20:46:43 HOST:zaq7a66fd57.zaq.ne.jp
ねここ>>こn・・・・。←カラオケで7時間熱唱なのでテンション下がり気味。

メリクリ・・・はもう終わったよ?

286ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/02(月) 09:49:49 HOST:w0109-49-133-136-187.uqwimax.jp

>燐

うわあ、乙でしたww
フッフッフ、ねここの中では年がら年中めりくり←

そしてあけおめですー

287ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/06(金) 17:02:02 HOST:w0109-49-133-138-187.uqwimax.jp

   ばか、だいっきらい


 貴方に恋愛機能は備えつけられていますか?



     ×



 つまらない、面倒臭い
 いつしか其れがあたしの口癖になってしまった

 でもその通り、今の世界は本当につまらなくて面倒臭い白黒の世界だったの


 学校なんてつまらない、すっごくすっごく
 勉強だって面倒なだけだし、馬鹿はがんばっても馬鹿なままなんだから諦めればいいのに
 其れに友情だか何だか、女子の集団だって遠慮ばっかでやりたいことできなくてつまんない
 だから恋愛なんて問題外、こんな歪んだ世界で恋なんてできる筈ない―――っていうか、したくもない


 生きてて何が楽しいのか
 何でそんなに死ぬことを恐れているのかが理解できない

 こんなにつまらなくて面倒臭い世界ならいっそのこと永遠に眠りつづけた方がいいじゃない
 


 本当に、


「つまんないの」


「へいかのじょー、暇なら遊ぼーぜー!なんちて、」


 目の前に彼が現れるまで
 あたしの思考は狂わなかったのに



     ×



「なあ百花(ももか)、お前さあー……他に何かやることねえの?」
「こんなつまらない世界で何ができるっていうのよ」


 あたしの名前を呼んできた奴
 あたしが最も嫌っている男、翔(しょう)


「………おーまえさあ……ほんっと無愛想だよなあ」
「こんなつまらない世界で愛嬌振りまくなんて時間の無駄、無愛想って言われた方がまだまし」


 無愛想でいいもん
 心の中にあるこの拗ねた様な感覚に動揺しながら無表情で言い放った


「………ふうん?」


 このとき翔がにやりと笑みを浮かべたことになんか気づかずに、




   -


 何かちょっと怪しい感じのしょーせつ
 ………うん、無愛想な子も嫌いじゃないおっお(^ω^)←

288:2012/01/06(金) 17:21:14 HOST:zaqdadc28ab.zaq.ne.jp
ねここ>>ノシ

105曲やで!?

ま・・今はもう大丈夫やけどw

289ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/10(火) 20:08:08 HOST:w0109-49-133-130-146.uqwimax.jp

>燐

ちょ、105曲歌うとかキツいわwww
喉死んじゃうよ(´・ω・`)!

290ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/10(火) 20:32:45 HOST:w0109-49-133-130-146.uqwimax.jp

   ばか、だいっきらい


「なあ百花ー、今日一緒に帰ろーぜ?」


 何故彼が此処に居る
 やっと退屈な学校が終わったっていうのに帰りまで翔と一緒?有り得ない


「ごめんなさい、貴方と一緒に帰る気というかまず何か無い限り話したくもないのでさようなら」


 断固拒否といった様子で冷静にそう言い放つと人混みの中へと消えていった
 でももう一回一緒に帰ろうって言ってくれたら仕方無いとか言って一緒に帰ってやってもよかったのにな、なんて思い浮かべる


「(いやないないない、あたしと翔が何で一緒に帰らなきゃいけないの)」


 ほんのりと赤らむ熱い顔
 早く冷めればいいのに、





「……………まだまだ序の口だぜ、百花」



     ×



「っはよー百花あ!」


 また今日も
 ただでさえ面倒な生活を更に複雑に絡み合わせてくる翔がやってきた


「………ったく、早く死ねばいいのに」


 ぼそりと吐き捨て地面の石を蹴る
 その言葉に翔が至極驚いた様な表情を見せた


「え?!百花ひどくね?」
「いや何にも言ってないから………って、あ!」


 何も言ってないと誤魔化し視線を前に向けると、膝を痛そうに抱える女の子が居た
 女の子といっても同級生の学年で一番可愛いだか何だか騒がれてる世にも面倒臭そうな子

 このまま素通りするわけにもいかず立ったまま見下す様に見つめると、そんな彼女の前にはさっきあたしが蹴り飛ばしたであろう石が転がっていた


「どしたのりい?」


 翔が彼女に駆け寄った
 確か彼女の名前はりのな筈なのに翔はりいって呼ぶくらい親しい関係なのねー


「いたた……あのね、この石が飛んできて膝に当たっちゃってさー……」


 うわわわわごめんなさい!
 でもあたし、絶対恨まれるよ
 この状況で石を蹴って当てたのはあたしですなんて言ったら………


 ま、本当のこと言うしかないよな……


「ごめんっ、それあ―――――え、」
「あー、この石俺がさっき蹴った石だわー……ごめんなりい、怪我させちゃって」


 翔、じゃないでしょ
 もしかしてあたしを守る為に、?


「いや翔ならいいんだけどね………」


 翔なら、ねえ………


「翔って本当たらしだよね、」


 思わず呟いた一言
 まるであたしが翔に気あるみたい




 ………気なんて、ないもん




   -


 はいきたりのちゃんー!
 かわいっすww

291桃花:2012/01/14(土) 20:18:28 HOST:p12155-ipngn100201oomichi.oita.ocn.ne.jp
おもしろい!はまりました。
頑張ってね☆

292ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/15(日) 21:04:43 HOST:w0109-49-133-147-8.uqwimax.jp

>桃花さん

はまっていただけましたか!嬉しいです(`・ω・´)
ありがとうございます!

293ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/16(月) 14:33:37 HOST:w0109-49-133-147-8.uqwimax.jp

   独占欲 / 片想いしてる女の子ver.



 ねえ、彼の隣に座る彼女さん
 気づかないんですか?


 あたしの気持ちに、!
 あたし、ずっと彼を想っていたんですよ


 たったの一年とかじゃないんですよ!




 ―――――だから夏休み、あたしが彼を独占しちゃいました


 彼女さんが家族で旅行に行くっていうから
 花火大会だって帰ってこないっていうから


 寂しがりやな彼、一人にしちゃ可哀想でしょ?


 あたしと彼は幼馴染なものですから
 


 夏休みは毎日一緒に勉強して
 気分転換にゲーセン行ったりとか、海行ったりとか


 でもね、
 待ちに待った花火大会


 彼、何て言ったと思う?


 彼女が帰ってくるから、だって




 なんで帰ってきちゃったの
 最低最悪、彼女さん死んじゃえばあか


 散々文句を言ったあと
 大人しく家で花火大会を過ごすつもりだった


 でもやっぱり寂しくて、男友達に電話してみる


 そしたらね、今彼も一緒居るからって
 彼は何で嘘吐いてまであたしから逃げたの?


 やだやだ、もうだいっきらいだばか
 なんで夏休み中一緒に遊んで期待させといて



 もう、やだ



「 迎えにきてよ! 」





「 はいはい、お迎えに上がりましたよ!お姫サマ 」



 ぱちっとウインクをしながら告げられた言葉はまた
 あたしを振り回して期待させてボロボロにするんだとわかっていた




 わかっていたけれど



「 もう、遅い! 」
「 うん、ごめんな 」



 彼の細い指があたしの髪の毛をくしゃりと撫でたとき
 もうそんなのはどうでもよくなったのです




「 キスしてくんなきゃ許さない 」



 なんて、お姫様っぽく我侭言ってみたりして



 サラリと髪の毛から手が放れて寂しいとは思ったけれど
 頬に添えられた細い指にきゅっと目を閉じて微笑みました




 今宵だけは魔法のキスを楽しんでみたいわ、なんてね




     -



 うん、何か独占欲とか最近書きたかった!
 なんかいろんなバージョンにして書いてみたいなーと思ったので今回のverは片想いしてる女の子にしたよ!


 考えてるのは今回出てきた片想いしてる女の子のことが好きな片想いしてる男の子verと、今回片想いしてる女の子に独占された男の子verと、その彼女の女の子verを書く!つもり!


 名前つけなきゃわかりにくいんで次レスにでも書こうかなー

294ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/17(火) 17:23:58 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp

   手鎖bracelet / 痛々しい表現があります、死ネタだし!



 胸元で輝く煌びやかな宝石が散りばめられたネックレスなんかじゃなくていいの
 耳元で可愛らしく揺れるピアスだっていらない
 人差し指や小指にダイヤモンドで飾られた指輪をつけるのだって我慢する


 手首で華奢な女の子らしさを出してくれる金色のブレスレットだっていらないわ





 薄汚れた太くて不格好で不細工で!
 全然可愛くないのでいいから





 彼と強い絆で結ばれたいです


 彼女さんのポジションなんてそんなの関係無いのです
 彼女さんの反対側、もう一つの彼のお隣さんはあたしってずっと前から決まっているのです


 だってこれ以上離れたら
 手首でチャラリと揺れる鎖が彼を傷つけちゃうでしょ?


 あたしが彼から離れたら、彼は死んじゃうんです
 手首に痛々しい痕跡をつけたまま



 華奢で可愛らしいブレスレットなんかじゃなくていいの
 あたしから離れないでください


「 ハイハイ、我侭なお姫サマ 」


 そう言って彼が振り向いたのは、




 可愛い彼女さん


 彼女さんも彼に同じお願いをしただなんて
 あたしは知らない、知りたくもない



 でも、それから彼がどうなったかだなんてもうわかりきっているでしょう?




 痕跡bracelet、



     -

 何気お気に入りー!


 本当はもっと可愛いの書くつもりだったのにー!
 まあ結局彼は手首に鎖の痕跡みたいなの残したまま死んでしまいましたとさ、みたいな



 うん、どんまい(^ω^)←

295ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/21(土) 15:30:20 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp

   <独占欲/キャラクター>


片思いしてる女の子/百合(ゆり)
百合に片思いしてる男の子/翔(しょう)
彼氏/俊太(しゅんた)
彼女/妃芽(ひめ)



独占欲シリーズかきたくなったので
とりまキャラクター

296ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/21(土) 15:45:04 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp

   独占欲 / 彼女ver.



 俊太は気づかないのですか?
 私の嫉妬とか、






 百合ちゃんの気持ち、とか



 百合ちゃんも好きなんですよ、俊太のこと
 応援したいけど、やっぱり俊太は譲れないのです



 あ、それとそれと
 俊太が私の名前呼んでくれる度どきっとしちゃいます

 だって、妃芽って名前だから
 俊太が私のことお姫様って思ってくれてるとか思っちゃうんです



 私にとっての王子様は俊太だけなので
 他の子には譲れません



 俊太、だいすきだよ



 なーんて
 恥ずかしくて言えないけどね






「 王子様、 」



 つぶやいてみたくなってしまうのです
 そして俊太も甘い声で妃芽、なんて囁いてくれるのが理想的




「 妃芽、 」




 というか現実、




     -



 だめだ、書き直すかも!


 俊太って名前と妃芽って名前がいいなって思いました!

297名無しさん:2012/01/21(土) 21:52:14 HOST:wb92proxy14.ezweb.ne.jp
寮の場所を教えるわけにはいかないよ(笑)

だって



もちろん








知らないでしょ?

298ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/25(水) 17:20:36 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp



▼ぷぎゃー


今連載の方に夢中なので更新できないかもです!
すみませんm(_ _)m

299ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/15(水) 17:21:22 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

   mirror.



 「 ふたりとも 」


 それが、わたしが聞いてきた言葉


 ふたりともかわいいねって
 ふたりともおもしろいねって


 ふたりともそっくりだねって



 ずっと、わたしと花隣はつながっていたの



 名前だってわたしが華隣、妹が花隣で同じ読み方だし
 りんって字はわたしと花隣がずっといっしょにいられますようにってとなりって字をつけたの


 なのに、花隣は妹のくせに、
 姉のわたしなんか、どうでもいいのですか?


 いっつもおいていく


 お姉ちゃんなのに
 わたしの方が年上なのに


 わたしは何もできなくて
 だめな子で



 お母さんからも言われた


 花隣はできるのに、何で華隣はできないのって



 そんなの、
 できたらいいなってわたしも思うよ


 花隣みたいに
 何の苦労もせずにできたらなって



 でも無理



 そっくりな顔だから
 ふたりとも見分けがつかないって言われてきて


 見極める方法なんか
 その実力の差しかないと思ってた


 でもね、ちがったの



 ふたりともかわいいねって言われてたのが
 花隣ちゃんいっつもかわいいよねって



 わたしは?
 もうかわいくなくて何もできないだめな姉ですか?



 最初はなにもかも
 うまくいってたのに


 鏡のように、





 また、鏡のようにふたりともっていわれたい






 もしも生まれ変われるのなら
 今度はだめな姉ではありませんように



 でも、花隣がいくら泣いても怒っても
 わたしが生まれ変わることは多分一生無理



 生まれ変われないんだもん、





 もう、いなくなっちゃったから




   -


 考え方によってはこわいお話だね!
 こわいのは苦手なのでこれ以上かけませんでしたまーじーむーりーだー((


 けっきょくお姉さんは死んじゃいましたよっていう


 なんかかきたくなった!
 双子ものはまったかもー


 最近二次元の世界に行きたいと本当に思い始めた



 漫画の世界とかアニメの世界とか
 あーもうかっこよすぎな絵を描かないでほしいな!←



 ぬるヲタかもしれん!
 いや多分ちがうとしんじたいー



 久々の投稿でした!

300ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/16(木) 16:41:45 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

   The country of a mirror



 「 ようこそ、鏡の国へ 」


 チェシャ猫がにゃあと鳴き声を漏らした瞬間に
 鏡の国へとつづく門が開いたのです


     ×


 平凡で、極々普通な暮らしをしたかった
 特に貧乏なわけでもなく、特別お金持ちってわけでもなく


 それでも期待を裏切り、怪しげな門へと吸い込まれるように入ってしまったの




「まあ、不運っちゃあ不運だよなあ」


 わたしの周りを華麗にくるくる回りながら、縞模様が特徴的なチェシャ猫が笑い話した
 不運なのは鏡の国に来たことだけじゃないんだけどね、昔から運ないし


「………妹に全部とられちゃったのよ、」


 そう、死んでしまった妹にね



「亡くなったんだっけ?妹さん――――――」
「そうよ、交通事故で両親も妹も、皆いなくなった」


 わたしだけが、生き残ったの



 それはラッキーなんかじゃなくて
 わたしにとっては寧ろ不運だと感じるほどだった



「なんで、わたしが生き残ったの」



 妹の方が好かれてるじゃない
 愛されて、かわいらしくて



 皆きっと、わたしじゃなくて妹が生きればよかったのにって言うにきまってる
 




「あーもう、なんで鏡の国にきちゃった、の……よ、?」




 突然、頬に生暖かいものが触れた
 振り向くと、そこにはかっこいいお兄さん――――――



 じゃなく、




「チェシャ猫………?」



 人間になれたんだ
 ていうか人間になるとかっこいいなあ


 わたしとは、不釣合いな




「俺は妹さんよりお前のがいい!」






 そんな物好きな人
 好きじゃないんだから





 好きになってやってもいいけどさ、




   -



 300レス記念に書いてみた
 やばいくらいksすぎて書いた本人超びびってます




 …………ごめーんね!←



 そして300レスさんきゅう!
 じゃなくありがとう!

301ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/18(土) 15:08:44 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

 ▼300レスさんきゅう!


 しあんいろもあと2ヶ月くらいで更新はじめて1年が経ちます(´・ω・`)
 こんなにつづけられたのはきっと短編集だからry


 じゃなく!
 皆さんのお陰だと思います、はい


 ありがとうございますm(_ _)m

 ということでカッスカスではありますが
 >>300では英語のタイトルのアレry をかいてみました


 訳すと鏡の国になるはずだと信じたい



 いや英語のお勉強小学校じゃちょっとしかしなくてry
 反訳さんに任せるしかないのよry


 とかいう言い訳はおいといて!
 いろんなことが一気におきすぎて吃驚してますが
 これからも更新はがんばりますよv


 リクエスト受け付け中です!
 ミニ連載ものは気がむいたものを更新したりしなかったりらじばryryry


 テレビみてたら思いついた古いネタ
 はずかしいので伏せておきますが!←




 うん、みんなもがんばってね!
 ぐっばい!

302ピーチ:2012/02/18(土) 23:06:38 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
初めまして〜ねここさん^0^

「しあんいろ」最初から全部読んだよ〜!

全部おもしろかったりいい話〜って思ったよ!

登場人物が何考えてるのかな、って言うのがはっきり分かるし、個性的で

いいと思うよ〜

何か上から目線でゴメンね〜^^”

303ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/18(土) 23:28:23 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

>ピーチさん

はじめまして^^

おわっ、ありがとうございますm(_ _)m
自分で読んでてもよくわからないなあっていう内容のやつあったりするんですけど、とても嬉しいです!

いえいえー
コメントありがとうございました^^

304チェリー:2012/02/19(日) 00:07:49 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさん>>

あたしも小説書いてみたいなぁ・・・

書き方教えてくれません?ww

305チェリー:2012/02/19(日) 00:10:36 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさん>>

ゴメン!!↑の名前、お姉ちゃんが使ってる名前だった!

ごめんなさ〜い!!(2回目の失敗ww)

306ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/19(日) 11:37:47 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

>ピーチさん

えええ書き方なんてないですよー
自分の書きたいように書いちゃってます、ねここはw

307ピーチ:2012/02/19(日) 15:54:37 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさん>>

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?

書き方ないのにあんなに上手くかけるの!?

あたしのことはピーチでいーよ♪

308ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/19(日) 20:51:16 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

>ピーチ

早速ピーチって呼んじゃいましたすみません←

ていうかねここなりの書き方だからあんなにだめだめな作品になっちゃうんだよ(´・ω・`)!←

309ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/21(火) 17:54:10 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

   曖昧.



 会いたくなくて、でも会いたくて
 (曖昧だなあ、まったく)

 話しかけてほしくないけど、話しかけてほしくて
 (曖昧すぎるよ、もうちょっとハッキリして)

 きらいだけど、きらいじゃなくて
 (曖昧!本当はどっちなの?)

 すきじゃないけど、本当はすきで
 (そんなに曖昧だとわからないよ)




 だいっきらいだけど、だいすきで
 (あいかわらず、曖昧なの)




   ×



 君には会いたくないとか、そんな冷たいこと言ってますけど
 実際離れると実は寂しかったりして、夜に電話してくる君に笑っちゃったりして。おもしろいからじゃなく、うれしくて

 話しかけないでとか、冷たく言い放っちゃったりしてますけど
 実は話しかけてもらえるとうざったいけどうれしくて、無視されるとそれはそれで傷つくっていうか。他の人に無視されても何も思わないのに、君だけ

 きらいだとかうざいだとか、意地張って強がって、悪口言っちゃってますけど
 本当は其処まできらいじゃなくて、きらいって言ったあとに後悔してたりして。ってことは、好きってことなのかな?

 すきじゃないとか真っ赤な顔して叫んで迷惑って言ってるけど
 実際すきじゃないわけでもなく、正直言ってすきだし。顔真っ赤にしてるのは恥ずかしいからとかそういうのだし。ていうか他の男子には好きじゃなかったら冷たくきらいとか言うし


 だいっきらいなんてそんなこと、思えないんですよ
 思えるわけがなく、本当は前から気づいてたんですよ


 君のことが、



 だ、


 だい、す…………




 っ、ああもう!




 君のことがきらいじゃないって気づいてたんですよーだ!

 何よ何よ、だいすきだなんてそんな人に向かって言えるわけないじゃない?!
 ていうかまずわたしが君に恋するなんてそんなことある、はず………




 ほら、今も
 素直じゃないなあ、わたし




「本当は好きなのに………」


 あ、失敗失敗
 教室なんかで呟かなきゃよかった


 君いるし!
 ってかみんないるし!



「………ふうん?好きなんだ、俺のことッ!」


 そう言いながら意地悪く微笑む君に思いっきり叫んでやった




「好きじゃないっつーのばあかッ!………いや、きらいじゃないんだけどさ」


 やっぱりわたしは素直になれないのです



「もう、曖昧だなあ」




     -


 なんとなく書きたかったなんか!
 曖昧だけど両想いっていうねw

 短編もっと書いていきたいなー



 僕っ娘を主に(キリッ)

310ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/21(火) 20:34:22 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

   片恋電車.



「かーいとっ!」
「うっせ近寄るな馬鹿鈴」

 今日も酷いなあ、幼馴染の海斗くんはー


 なんて、軽く流せちゃうような昔の自分が羨ましいよ
 今は傷ついて傷ついて、泣きたくなっちゃうんだもん

「………も、もー!ひどいなあ、かいとは!」
「?……お前なんか元気なくね?」


 こんな細かいことにも気づいちゃう海斗なんて
 馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!馬鹿はどっちだばーかっ!変なところ鋭くて、でも恋愛とかすっごく鈍感なんだから!


「そんなことないよー、かーいとっ」

 あたしのばーか

 元気じゃないくせに
 傷ついてるくせに笑うな!


「いてっ、」

 電車の隙間に足引っ掛けてつまずいちゃうようなあたし
 鈍感でのろくてうざくてうるさくて、可愛くなくて

 海斗みたいな格好よくて完璧な男の子と並んじゃいけないのに


 ………家が隣なのがいけないんだばーか


「お前、危なっかしーなー」

 そんな笑いながらあたしの頭撫でたって
 全然うれしくないよ?寧ろ更に好きになっちゃって辛いわばーか!

「……海斗はさ、あたしのどこがいーの?」
「……………は?」

 うっわああたしなんて面倒臭い奴なの!
 海斗困ってんじゃん、ばーかばーか


「どこがって………」
「いや、いいの!うん、気にしないでー!」

 やだ、気にしてよ
 どうしたのとか、もっと心配してよ

 心は正直なのに、あたしばかだから思った通りに動けない



 なにこれ、思った通りに動けないとかロボット以下じゃない


「……って、あれ?」
「鈴?泣いてんの、か?」

 自然の涙があふれだしてくるあたしを見て焦った様子を見せる海斗
 やったと思う反面、困らせちゃだめだっていうあたしもいた

「………ごめんっ、ばいばい」




 何処かもわからないくせに
 学校からは程遠い駅で降りた

「ばーか、あたしのばーか」


 海斗が好きなんて気持ちに気づきたくなかった






 ばかすぎる自分なんかいらなかったのに



 (きる!)

311ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/22(水) 17:16:58 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp

   片恋電車.



「………ばーか、ばかばかばーか」

 海斗もあたしも、みんなばーか

 何なのあたし、素直じゃない奴!面倒臭い奴!ばーかっ
 海斗も海斗で、何でそんな鈍感なの?意味わかんない!ばーかばーか!

「……好きですとかそんなこと言ったら関係崩れちゃいそうなんだもん、ばか」


 幼馴染にとって、告白して関係が崩れるのはどれだけ怖いことかわかってんの?
 告白してオッケーだったらいいよ、まだ。いや、それはそれで関係が進展して吃驚しちゃうけど
 なのになのに、振られたりしたらもう話す気すらなくなっちゃうよ

「あーもーっ!……面倒臭いなあ、あたし」


 はあと溜め息を吐いた瞬間、パッと顔を上げた
 ………ココハドコダ。




「かーいとおおおおぉおぉぉぉおおぉぉおぉおぉッ!!!」


 何処だかもわからない場所で海斗の名前を叫んだ
 いや、なんか来ると思ったから。本当に。


「………鈴っ、」


 あれ?今海斗の声が聞こえた……ような、


「鈴!お前、どこで降りてんだよ………」
「か、いとおぉお………っ、」


 あーもう
 海斗のばか


 なんであたしのこと見つけちゃうの
 顔真っ赤にして、はずかしーやつ



「あのさー、俺……鈴のこと」


 やだやだやだやだ
 ばかばかばかばーか!

 聞きたくないよ
 きらいっていうんでしょ?迷惑って、またうざいって、やだよ。





「好きだよ」




 え、



「………う、そぉ……」


 くしゃりと、海斗の手があたしの頭を撫でた



「あ、あたしもすきだよばーか!」
「馬鹿はお前だばか、勝手にどっか行きやがって」


 だってだって!


「あたしは海斗の所有物じゃないですし!」


 ふんっ、


 ………って、あ
 拗ねちゃったかも




「今は俺のもんだ、馬鹿」
「はいはい、かーいとっ!」


 だいすきだよ!



   -


 はっずかしwwwwwwwww
 あまあまだな!

 片恋電車とかタイトル関係なくなったのが反省点だとおもってます(..)/
 馬鹿にすればよかったじゃん!ていうかばかばかうるせーよ(..)/←


 何気(..)/←これはまった
 反省ってうつと出てくるんだよー!


 以上!



 ねここ.


 (最近タイトルに「.」つけちゃうの。なんでだろうね?)

312ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/02/28(火) 08:50:22 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp

   恋哀歌 彼女ver.



 きみと出逢ったあの日から、わたしはずっと幸せでした。

 きみが微笑んでくれるたび、まるで自分のことのように喜びを感じていました。
 きみがバスケで活躍するたび、まるで自分のことのように嬉しく思っていました。

 付き合ってから今日で三年目だね、なんて笑いながら話したあの日。幸せは更に増し、お互いの愛も深まったと思いました。
 ただそれは、所詮自分たちの思い込みにしか過ぎなかったのです。

 二人で微笑みながら歩いた道。
 別れるのが惜しくて、ずっと道端で話していたわたしたちに悲劇が起きたの。


 突然襲ってくるトラック。
 甲高い音を響かせていたと思いきや、次に聞こえたのは鈍い音。

 咄嗟に体が動いたの。


 だってきみが轢かれそうだったから―――――わたしが、きみを庇って。
 きみがかなしむことも知らずに、きみが泣き出すことも知らずに。

 それでもわたしは、きみに生きてほしかった。
 わかってる、死んだわたしよりも残されたきみの方が辛いって。

 わたしはきっと、辛い思いをしたくなかったんだ。
 きみがいなくなる世界を恐れて、自らトラックに飛び込みきみを庇ったんだ。


 庇ったせいで、きみはかなしい思いをした。
 庇ったせいで、きみはあんなにも苦しく辛い思いをした。


 恋愛、なんて。
 恋に愛なんてものはない。

 神様にいくら願ったって、愛はくれない。


 せめてくれるものとしたら、かなしみに溢れた哀くらいだ。



 でもわたし、きみならがんばれるって信じてる。
 きみは強いから、大丈夫だから。

 わたしね、ずっときみを見守ってるよ。
 だからがんばってね。


 切なさに溢れたきみの思いなんて、まるで他人事のように無視しわたしは去っていくことしかできなかった。



 恋哀.



     -


 なんだこれ。
 とにかくオリなり板で立てたいスレのなにか。

 明日立てる予定なんだー

 明日誕生日だから!

313名無しさん:2012/02/28(火) 09:05:03 HOST:wb92proxy02.ezweb.ne.jp
それ給料まだ貰ってない会社の話ちゃうかな?笑

314ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/04(日) 13:02:35 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp

   妄想couple.



 お互い愛情なんてなかった。
 ただ単に彼氏や彼女がいたら素敵な世界になるのかなんて勝手に思い込んで、つまらない想像を膨らませてそんなくだらないものを叶えていくような、それだけ。
 たったそれだけの愛も涙もない関係で、これから先それ以上にも以下にもなるはずなくなりたくもなかった。

 彼との平凡な関係を崩したくなかった。ていうのは、ちょっとおかしいかもしれないけど。
 他の人が見たら頭おかしいんじゃないかってくらい変なものだけど、わたしたちにとってはそれが普通で。


 それが、とても愛おしくて。

 
「好きだよ」

 嘘に決まってるけど、彼が愛おしいと感じているのはわたしじゃなくこの不思議な世界観なんだろうけど。
 甘く囁いたような言葉に思わず胸が揺らいだりして、それを必死に隠そうとすると不自然に思えて彼が微笑んで。

「もしかして嬉しかったの?好きって言われて?」

 こんなに頭おかしい俺たちが好きって言われて嬉しいなんて、笑わせてくれるね。なんて呟く彼にまた傷ついて。
 おかしいのはお前だばーか。とか、言ってやれたらいいのにそれを言っちゃうと彼に嫌われそうで怖くて。

「嬉しくなんかないもん……意地悪だなあ」

 ちょっと可愛く頬をぷくっと膨らませて上目遣いで彼を見つめてみたり。そんなの、彼は気にもしてないみたいだけど。


 見た目だけ可愛いって、今まで何度も言われてきた。
 付き合っても、性格はイマイチなんだねとか。わたしの何がわかるっていうのよばーか!

 でも彼はそんなわたしを拾ってくれて、嬉しくて。

 彼は格好よくて性格もよくて、女の子に囲まれちゃうような子なのに。
 身体だけの関係で付き合ってる子とか結構いて、それでも毎日わたしの傍に居てくれて。

 わたしと一緒にいても、何も都合のいいことなんてないのに。

 お金が欲しいなら、わたしじゃない別の子の方が儲かると思うし。
 性格重視ならわたしなんかよりもっと優しくて明るくて素敵な子がいる。

 ちょっとばかし見た目が可愛いから、傍にいて自分の価値も上がるから。
 だから彼はわたしと一緒に居れくれるのですか?


「……選びたい放題のくせに、なんでわたしなの?」
「お前こそ、なんで俺なんだよ?」


 なんでって。
 そんなのわかりきってるくせに。

 わたしは彼と一緒にいたいからいるのに。

 正直にそれが言えないから困ってるんだよばーか!
 妄想膨らまして今度はあんなカップルっぽいことやりたいって言ってそれを叶えて、そのうちにまた好きになっていくの。もうやだ。


「これ以上期待させないで、さよなら」


 偽物の愛に包まれるのはもういやなの。
 いい加減本物のわたしを見て本物のわたしを愛してほしかった。


「愛してる」



 そうつぶやきながら、胸元で結ばれたネクタイを解き投げ捨てた、。


     -


 なんとなく気に入ってるような。

 最初はちがうお話にしようと思ったのに最初に考えた話しがちゃんとまとまってないまま書き始めたから全然ちがうのになった!
 でもまあこれはこれで気に入ってるよ!

 このあとどうなったのかはあれだよn((
 意味深な感じで。

 まあ、愛し合ったんじゃないでしょうかry
 でもバットエンドってのもあるよねー!w

315みひふ:2012/03/04(日) 13:55:43 HOST:121-80-157-116f1.wky1.eonet.ne.jp
5ijbよひむむ

316ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/05(月) 16:16:08 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp

   ハロー.


 声が小さくて、大人しめであまり人と話すのに慣れてなくて。
 でも一人が好きなわけじゃなくて、本当は寂しくて一人ぼっちとか暗いのが苦手で。

 歌うことが大好きで、人前では恥ずかしくて歌えないけど部屋で一人小声で歌ってて。
 ヘッドフォンをかけると何も聞こえなくなる、まるで真っ暗の世界に吸い込まれるように入るその感じが大好きだった。


 ヘッドフォンを外した途端に、その夢のような世界は失われて。

 いつも通りの隅っこで暮らすつまらない生活が始まって。
 誰も見てくれないからそんなの気にしなくていいのに、生まれつきの茶色い髪の毛に寝癖がついててあわてて直してみたり。

 似合わない制服を着て、あんまり短めのスカートとか露出は好きじゃないから、スカートの長さも膝よりちょっと上くらいで。
 可愛いからとかそういうのに興味なんてなくて、寒いからちょっと袖をのばして指先だけ出してみて。そんなの誰も気にしないけど。

 鞄にはワンポイントとして、小さなうさぎのぬいぐるみがついてて。
 それでも、可愛いねとも何とも声を掛けられずにわたしはまるで空気のようで。


 この生活で、よかったのに。
 何故だかわからないくらいに、わたしの生活が急変した。


 朝は毎日たくさんの女の子に囲まれて、男の子も入ってきたりして。
 すれ違うたびたくさんの人が挨拶してきてくれて、恥ずかしくてふふって笑いながら挨拶し返して。

 教室でも、いつも周りにはお友達がいて、楽しくて明るくて。
 制服は、自分流がよくてなかなか変えられないけど。


 毎日が、楽しかった。
 わたしの周りの子がみんな大好きだった。

 昔の生活のままでいいなんて思うわたしが馬鹿だったと今なら思える。

 たまに、懐かしく思ってしまうこともあるけど。
 それでも、今を大切にしていきたいな。


 ハロー、と窓を開けて呟いた。
 今日もまた、楽しい一日が始まる。


     -


 失敗したかもー
 でもまあまあお気に入り。

 ある曲を聴いてたら書きたくなった!

317ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/07(水) 18:54:22 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp

   ハロー、ハワユ.



 ハローハロー
 元気ですか?ハワユ!


「 アイアムハッピー! 」


 そうですか、エクスキューズミー!
 アレ?いろいろと日本語が変だね!

 そんな愉快な一時を貴方も過ごしませんか!

 アイワントゥーゴートゥーハッピーワールド!



 なーんてねっ。



     -


 なんかおかしいの書きたかった!
 カタカナ英語でw

 アイワントゥーゴートゥーのあと
 なーんてねっの最後に。をつけたのはわざとです!

 びっくりマークとまよったけど。
 なんかさらっとした感を出したかったのよおおおう。


 ほんっとおかしーね!
 本当は朱愛(しゅあ)って名前の子をだしたかった!

 のこ って名前のこもなんかいーなー



 連載の方で出すのもなんかあれだし。
 まあいつかなにかでだすかも。

318彗斗:2012/03/08(木) 19:43:53 HOST:opt-183-176-177-115.client.pikara.ne.jp
コメント失礼します。
何か、これは自分ととても似ていると感じる短編集だなぁと感じました。
がんばって書いて下さい応援してます!!

319ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/09(金) 08:07:24 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp

>彗斗さん

はじめまして、コメントありがとうございます!
あああなんかすっごく適当に書いたものですみませんorz
本当にありがとうございます!がんばりますねv

320ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/10(土) 14:50:44 HOST:e0109-49-132-13-14.uqwimax.jp

   Love mail.



 わたしは男の子が大っ嫌い。
 意地悪で悪戯ばっかりして、我儘だらけだし汚くても気にしないし。何でそんな人種なのかが全然理解できない。

 女の子で男の子に告白したり、メアド交換しようなんて言ってるのを見て毎回思うの。
 何でそんなに男の子を求めるの?って。何でそんなに男の子が好きになれるの?って。

 男らしさとか求めてないし、男らしい子なら女の子にもいるよ。わたしの幼馴染のりっちゃんとか。
 だからといって女の子っぽい男の子ならいいってわけでもなく、本当に男の子っていう人種が苦手なの。どんな性格であっても!


 そんなよくわからない人種を好きになっちゃう人も意味わかんない。
 だからりっちゃんも意味わかんないの。何で遊くんが好きなの?遊くんの何処がいいの?

 ちょっとした、好奇心でわたしの恋は始まった。

 りっちゃんの大好きな遊くんの魅力を探すために、遊くんに近づいた。
 嫌いだけど、好きじゃないけど。それでもりっちゃんともっと話の合う子になりたかったから。

 そしたらね、案外男の子も悪くないんだなあって思ったよ。
 あんまり照れる気持ちとかないから、人気者らしき遊くんにも普通に近づけちゃう。
 だから近づいて、それから結構話すようになった。

 最初はわたしが近づかなきゃ話せなかったのに、最近じゃ遊くんの方から来てくれるんだよ。
 それの何がいけなかったのかなあ、りっちゃん。わたしの何がだめだったと思う?

 ある日女の子数人に囲まれて、歪みきった顔で言われたの。


「アンタって本当男好きよね!アタシそーいうの大っ嫌い!」
「ぶりっ子のくせに!全然可愛くないのよばーか!」
「男子なんか嫌いって言ってるくせに、それはうそだったの?!」



「アンタなんか死ねばいいのよ!」



 何でかなあ、りっちゃん。
 そう、聞きたかったのに。りっちゃんまでもがわたしを嫌った。



「朱愛、あたしが遊のこと好きなの知ってるくせに遊に近づいて奪おうとしたでしょ?」

 違う、のに。
 りっちゃん、勘違いしないでよ。


「………みんなのばあか」


 ぽつんと呟いた瞬間、ふざけた感じの声で遊くんが近づいてきた。

「お前のがばかだよばーか、」
「……遊くんにはわからないよ、女の子って面倒臭いもん」

 女の子のくせに、今は女の子が嫌いだよ。
 男の子の方がまだましに見えてくる。


「俺も最初女子とか嫌いだった。今もあんま好きじゃないし……でも、さ…………朱愛なら好きだよ」


 わたしも遊くんなら好きになれた。
 ましどころじゃなく、好きって素直に言えるくらいに。


「ありがとう、遊くんは優しいね」


 もう、りっちゃんのばか。
 遊くんのこと奪ったわけじゃないもん。


「……俺、特に里愛とか苦手だな」


 里愛、りっちゃんのこと。
 りっちゃんのこと嫌いだったんだ。

「なんか特に面倒臭そうな女子だよなあ」

 苦笑する遊くんに、











 とても共感できた。



     -


 つづくよー

321ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/11(日) 12:45:48 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
 
   Love mail



「……ねえ、遊くん………あの、ね」
「なにー?」

 この気持ちが、よくわからない。
 もやっとしてきゅんとして、どきどきする気持ちが。


「わたし、話しててすごくドキドキする子がいて……それって、どういうことなのかな?」


 本当はそれが遊くんなんだけどね。
 それを聞いた瞬間、遊くんの表情からふっと笑みが消えた。


「その相手って誰?俺じゃない他の奴?」
「え?………あの、内緒っていうか……その、えと……」


 遊くんって素直に言えないわたしが嫌だ!
 でも、言わなきゃだめだ……!








「遊くんのことだよ!」





 ねえ、わたしは遊くんにどきどきしてるの。
 どうしてだろうね?


      -



 もはやタイトルと関係無くなってきた。


 最初はね?
 男子嫌いの女の子(朱愛)が人気ものの男の子(遊)に恋をして、メアド交換したくてもはずかしくてーみたいな
 そういう純愛を描きたかった。


 Lovemailってのはもうなんでもないです.
 ごめんね、今頭おかしいの!

322彗斗:2012/03/12(月) 18:52:43 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
コメントまたまた失礼します。
やっぱり何か共感できるな〜〜と感じました。実際に僕にも好きな人がいるので……
いつか僕の小説にこんな感じで書けたらなーって思っちゃいました。僕の小説よりも文章力が遥かに上です。
もっと頑張って書いて下さい!!

323名無しさん:2012/03/13(火) 15:02:56 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
どうも、まだまだ感想等々お待ちしてます。

第5話 「生きる」事のイミと「剣」の謎
「あ〜……とんでもない事しでかしたかも……」
 ノゾミは今更ながら後悔した、町は龍の攻撃もあってボロボロだったのだが、
ノゾミの一撃で火に油を注ぐ結果になってしまったのだ……
「それはそれとして、コイツが龍に変身していたなんて誰も知らねーよな……まぁ少なくとも俺達だけは知ってるがな…」
 その通り、レイの発言は的を射ている。今はノゾミの膝枕でスースー寝息を立てているがこの少年がやったとはとても思えない……
その時、
「……はっ!?」
 その少年が目を覚ました、バッと飛び起きて、キョロキョロと辺りを見回す……
「いっ……一体寝てた間に何が起こってしまったと言うんだ……?」
「……今、アンタが見ている光景は自分が創った光景だ」
 暫く様子を見ていたレイが静かにこう告げた……少年は信じられないと言いたそうな表情で首を横に振っていた……。
「………嘘だ……嘘だぁぁぁぁっ!!!」
 少年はそんな事があってたまるかと言う意味を込めた言葉を口にした……
「絶対に俺はこんな事していない!! 仮に…どんなに……この町を恨んでも……」
「……? それはどういう事だ? この町を恨んでもって……」
 それから少年はその「恨み」の訳をレイ達に話した……自分が『天才』、『天才』と呼ばれて仲間外れにされている事……
自分の親の事……自分の立場の事……そして最後に自分の名を「紅 颯」と言った……。
「もう俺の事なんてみんなどうでもいいように扱っていた……俺はそんな奴らが嫌いだった!! 憎かった!!……だがこんな事はしていない、俺とまともに話をしたのは、君達が初めてさ……」
 その発言は何処か、「死んでしまいたい…」と言っている様だった……レイもノゾミもハヤテの言った事を否定できなかった……
(なんか…この人、昔の私と一緒だ……私も独りぼっちで皆からのけものにされてた……やっぱり周りのみんなが憎かったし嫌だった、もう誰とも話したくなかった……だけどある人との出会いで私は変わった!)
 ノゾミは過去の自分の姿を見ている様な気持だった、と同時にハヤテの方に歩み寄りながらこう思った……
(私もその人の様にその人の考え方を変える人になりたいと思った……そう今がその時なんだ!!)
 もう、ノゾミには過去の未練は無くなっていた……今度は自分が変わっていく番なんだとそう決意したように見えた、そしてハヤテにこう言った。
「あのさ、良かったら私と一緒に来ない? その事は私もよ〜〜く分る。同じ様な事を私もされていたから……勿論あなたと同じ気持ちだった、皆が憎かった、嫌いだった。私自身も寂しかった……」
 まさかそのような事を言われるとは思ってなかったのか驚いた様な顔でハヤテはこちらを見ていた。
「だから……死んでしまいたいなんて思わないで……ね?」
 ハヤテは差し出した手に嘘は無かった……嘘は無いと確信した。ハヤテの目から自然と涙が零れてきた……
「お……俺は…俺はぁぁぁっ!!」
 そのままハヤテは泣き崩れてしまった……
 まぁ二人でいい所すまないがここからレイに視点を移してみよう。
 レイは二人の辛気臭い事は気にせずに剣に問いかけた。
「ところで、アンタはなんでこんな所に落ちていたんだ?」
 そう、これが一番レイが気になっていた事だ、すると剣は、
「それは我の台詞だ、我もなぜあんな所に居たのか見当がつかん」
「いやだから……聞きたいのはこっちなんだよ……なぁ『ゴッド・セイバー(神の剣)』さんよ!」
〜〜作者より〜〜
いや〜〜すごく感動的でしたね〜〜もう自分が書いてない様で(笑) ノゾミって優しい人だなぁ。こんな人と出逢いたかったなぁ。
……はっ!!回想はさておき、次回は「ブレイブ」を出て新しい土地に出ようとするも……!?

324彗斗:2012/03/13(火) 15:06:41 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
小説書くところを間違えてしまいました。本当にすみませんでした(謝罪)

325ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/13(火) 20:47:57 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp

>彗斗さん

コメントありがとうございます!
あれですよね、人の恋愛話って聞きたくなりますよn((
いやいや、ねここのがかなりかなり下ですよー
がんばります!

あと、書くところ間違えたのは大丈夫ですよ!
ねここも結構間違えちゃいますw


それにしても文章力高くて羨ましいです……(´・ω・`)

326ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/14(水) 18:35:26 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp

   Lovemusic.



 音楽室からピアノの音が聴こえてきた。
 美しく、何処か切なく暖かいようなメロディーは音楽室のドアを越し廊下一杯に響き渡る。

 ねえ、どうしてかな……涙が止まらないの。


     ×


「レオ先輩、戸締り終わりましたー」
「ん、ごくろーさん。コンビニ寄ってこっか」


 毎日部活のあと残って戸締りをして、音楽室の鍵を閉めて職員室に鍵を戻して―――先輩と一緒にコンビニに行くのが習慣。
 早く帰りなさーい、なんて先輩面して鍵を閉めていくうちに楽しげな後輩たちの声は消えていって、最後の鍵を閉め終わる頃にはレオ先輩とわたし以外誰もいなくなってしまう。

 コンビニに寄ると必ず部員の誰かはいるんだけどね。


「先輩、今日の朝新発売のチョコレートがあったんですよ。買ってくださいー」
「買うけど何のチョコ?それ、」
「たしか………桜キムチバナナ味だったような」
「おいしいのか?それ………」
「おいしいはずです、明らかにまずそうだなって顔しないでください」


 こんな他愛の無い会話が大好きで、平和だなあとか幸せだなあとか、そんな感情になれるのが嬉しくてたまらなかった。
 まったりとその会話を続けながら校舎を出てコンビニに向かう。桜キムチバナナ味のチョコ、おいしいのかな。


    -


 短いけどとりあえず投稿なうー!
 なうの使い方どことなくちがう?かな?w

327彗斗:2012/03/15(木) 17:06:18 HOST:opt-183-176-190-251.client.pikara.ne.jp
ねここさん>>
まさかそんなコメントが頂けるなんて思っても見ませんでした。本当にすみません……

328ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/16(金) 19:32:23 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp

   Lovemusic.



「お、今日は花と翔かー」


 いつものコンビニに入るとすぐ、後輩の花と翔の姿があるのを見つけた。二人は幼馴染で、毎朝一緒に学校に来て二人っきりで下校までしてるの。
 今日も二人仲良く下校していたようで、自然と微笑を浮かべてしまう。目の前でこんなに仲良くされちゃこっちまで赤くなっちゃうよ、と思いながらそっと俯いた。


「レオ先輩と未花先輩、今終わったんすか?」
「ん、今やっと終わったとこー」


 新商品のチョコレートアイスクリームを手にきょとんと驚いたような表情をする翔にレオ先輩が頷き答えた。
 花はぺこりと会釈をしてからお菓子の並ぶ棚を見始めたので、翔はレオ先輩に任せて花のところに駆け寄った。


「未花先輩お疲れ様ですー!今日何かおごってあげましょっか、新商品の桜キムチバナナチョコとか」
「え、いいの?!いや、でも先輩として後輩におごってもらうっていうのは……レオ先輩に怒られちゃうし」


 レオ先輩におごってもらおうとしていた桜キムチバナナ味のチョコを花に買わせるのは流石にないか、と考え首を振り自分の欲を紛らわした。
 その途端、ぷっと花が吹き出した。そして時間が経つにつれてその声は大きなものになってきて、部活終わりの夜遅めの時間帯のコンビニで突然大声を出す花に少し吃驚した。


「や、ちょっと先輩!本当に桜キムチバナナチョコ欲しかったの?!」
「う、うん……ていうか、レオ先輩に買ってもらう予定だったの」
「そ……そう、」



     -

きる!

329ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/17(土) 14:16:46 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp

   Lovemusic.



「え?な、なんかおかしかったかな」


 突然しんと静まりお菓子の棚をじっと見つめ始めてしまった花にどうしたのだろうかと不安に感じ、首を傾げて尋ねる。
 花はふるふると首を振ったけれど、あまりにも様子が急変しすぎている花に焦りもう一度尋ねた。


「あ、あの……わたし何かした?」
「い、いえ……あ、そうだ。何でもレオ先輩任せじゃ先輩が大変だし、チョコはあたしがおごります」


 花は小さく動揺してからふっと微笑を浮かべて桜キムチバナナチョコを手に取った。
 わたしはどうすることもできず花をそっと見つめていたけれど、店員さんに本当にこれ買ってくれるんですか?、と尋ねられている花を見て申し訳ないなと罪悪感が生まれた。


「先輩、どうぞ」
「あ、ありがとう……」


 貰っていいものなのだろうか、相手は後輩なんだし、せめてお金は返すべきだろうか。
 頭の中で考えてみた結果、チョコを花に返すという考えにまとまってしまい花にチョコを差し出した。


「気持ちは嬉しいけど、後輩から貰ったものは食べれないや。これは花が食べなよ」
「っ、先輩!あたし悪いけどそのチョコの味好みじゃないんですよ。だから寧ろ貰ってほしいです」


 花の言葉にそっか、と簡単に引き下がり、手に持っているチョコを見つめへへっと微笑んだ。
 そして翔とレオ先輩の元へ向かう花に走って駆け寄り、ぽんっと軽く肩を叩く。


「ありがとね、花!」
「いえいえ、日頃頑張ってくれてる先輩にお礼というか、そんな感じのものですから」


 花はそう一言わたしに告げて、愛しそうな瞳で何処かを見つめていた。
 その時わたしは花が翔のことを見つめてるんだと思ってしまい、ふふっと微笑を浮かべて見守ってしまったのだった。



     -

330ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/18(日) 18:45:37 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp

   Lovemusic.



「未花、チョコもう買っちゃった?」
「あ、いいえ。花が買ってくれたんですよー」


 わたしの手元のチョコを見つめるレオ先輩にふふっと微笑を浮かべながらいいでしょ、とチョコを見せびらかす。
 レオ先輩は花の方を見つめてからお菓子の棚に並ぶミルクチョコレートを取った。花が大好きで練習中にチョコ食べたいと言っていたものだ。

 それを手にレジへ向かい購入している姿を見てはっと先輩の行動に気づく。
 あわてて先輩に駆け寄ろうとしたときにはもう遅く、先輩は花にそのチョコを渡していた。


「え?これ………」
「未花のチョコ、買ってくれただろ」
「そ、それはただの感謝の気持ちというか」
「や、でも元々俺が買うつもりのものだったからさ、受け取って」


 花とレオ先輩の遣り取りを見て、花の表情が少し赤くなっていることに気づいた。
 まあ、何で赤いのかまではまったくもってわからなかったけれど。


「あ、ありがとうございますっ!」


 そう言って微笑む花はとても可愛くみえた。



     -

331ピーチ:2012/03/18(日) 19:52:15 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさん>>

ひっさしぶりーー!!!

最近見てなかったけどやっぱりすごいよ!!

おもしろい!いい話!!

332ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/19(月) 19:50:17 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp

>ピーチさん

久し振りですv
おもしろいと思っていただければとてもうれしいです!

333ピーチ:2012/03/19(月) 21:51:08 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねっこさん>>

あはは♪タメおkだよ〜ww

ってかタメにしてー((笑

334ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/20(火) 16:34:51 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp

>ピーチさん

じゃあタメにするねーv

335名無しさん:2012/03/20(火) 22:02:39 HOST:wb92proxy04.ezweb.ne.jp
ツタンカーメンのような男たち
仮面はよくも悪くも日本人には合わない為、奇怪な行動をとるようになる。それも彼らが行き過ぎているか時間が有り余りすぎ(就職できない)なのだ。刺激を求める性質のようにも見える。彼らにはまたいくつかの壁があるのだろう。

336神目まどか:2012/03/20(火) 22:16:12 HOST:ntfkok190145.fkok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
>>335
うんこ漏らすなよwwwwwwww

337ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/21(水) 16:47:37 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp

   Lovemusic.



「………っ、」


 レオ先輩と花が楽しそうに話し始めるのを見て、少し胸が痛くなった。あまり良い気持ちにはならなかったというか、その様子を見るのが辛くなったのかそっとコンビニから出る。
 花に貰ったチョコレートを早速一口食べ、その瞬間チョコレートのまろやかな味わいとキムチの辛さ、桜の微かなしょっぱさにバナナの甘ったるさが一気に口の中で交わりげふげふと咳をしながら口を押えた。


「……っ、はあ……」


 やっと落ち着いたところでふうと溜め息を吐くとちらりとコンビニの店内に目線を向けた。そこではまだ花とレオ先輩が楽しそうに話している。なんだろ、なんか悔しい。
 そんなことよりこのチョコ食べれないなあ、と思いながらじっとチョコを見つめてみた。このまま捨てるのも可哀想だし、かといって全部食べるのもキツイ。そう考え始めた瞬間、いつの間にかわたしの手にはチョコじゃなく大好きなアメリカンドックが持たされていた。


「………え?あめりかんどっく……」
「俺買ったやつですけど、まだ食べてないんでどうぞ」


 照れているのかそれとも恥ずかしいのか。少しぎこちない様子ではあったけれど、それでも優しく微笑んで翔は告げた。受け取れないよ!と言おうとした瞬間まるで誘うようにアメリカンドックの匂いがふわりと風にのってやってくる。
 じとー、とアメリカンドックを見つめた。まるでにらめっこみたいな感じ。匂い消せ!なんて思いを送ってみたりもした。けれど誘惑に負けそうになり、せめて匂いだけでもと思ってしまったのが失敗だった。


 くんくん、ぱくっ。
 もぐもぐもぐ、ごっくん。


「あ……、」


 わたし自身、食べるつもりなんてなかった。匂いだけって思ってたのに、勝手に体が動いちゃったようなそんなの。それでもわたしが食べたことには変わりなくて、ペコペコと翔にお辞儀をして謝る。


「ごめんなさいごめんなさいっ!食べるつもりはなかったの!匂いだけって思ったの!」
「や、別に元々あげるつもりで渡したんですし!謝ることないですよ、」


 翔は優しい。花も、わたしのために買ってくれた。二人とも後輩だし青春真っ最中な子たちなのに、わたしよりしっかりしててでもおもしろくて……わたしみたいに肝心なところで失敗とかそういうのがない。
 羨ましいなあ、と翔を見つめたあと、はっと気づいてしまった。これは元々花が買ってくれたものだから、もしかして翔は花が買ったのを食べたくてわたしに優しく……?!


「ねえ、翔!そんなに花に買ってもらいたいなら素直に言いなよ!」
「は?何のことですか、」


 むー。翔が知らないふりをした瞬間、むっとわたしは口をとがらせた。
 そしてそのまま説明を続ける。


「だーかーら!翔はわたしへの優しさなんかじゃなく、ただたんに花が買ったものを食べたかったからわたしのチョコとアメリカンドック交換しようとしたんでしょ!」


 翔が固まったような気がした。そして呆れるような表情を浮かべられた。ふうと溜め息を吐かれて、そして突然ぎゅっと抱きしめられたような気がした。


「しょ、翔?!」
「………俺、好きな人がいるんです」
「え……?」


 翔の顔をのぞくように見上げると、翔は嬉しそうな表情をしていた。


「二年生の先輩で、二つに髪を結んでて。吹奏楽部の次期部長候補で、補佐としていつも部長と一緒にいて。新発売のものはすぐ買って、でもそれがまずくて咳き込んじゃうような人」


 それって、


「それってわた、」


 それってわたし?、と直球に聞こうとしたら口がふさがれた。
 手で?ちがう、もっと柔らかいの。




 口、で……?


     -

338ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/21(水) 19:21:44 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp

   Lovemusic.



 ふにゃって柔らかくてちょっとだけ熱い感じのものがわたしの口を塞いだのは理解できた。反射的にぎゅっと目を閉じちゃったからそれが何かはよくわからなかったけど、その口を塞いでいたものが取れた瞬間目を開いてみてすぐわかった。


「……翔?」
「可愛かったよ、未花先輩」


 いっつも冷静で大人しいわけではないけど面白くて信頼できる後輩なのに。頬を赤く染めながら微笑浮かべられたって格好良いとしか言いようがないじゃない!
 わたしは自分でもわかるくらいにぼっと顔を赤くさせ、握りしめていたアメリカンドックの棒に更に力を入れて恥ずかしさを紛らわすことしかできなかった。


「おい花ー、俺もう帰ってるから」
「え、ちょっと!おいてかないでよ、こんな遅くにか弱い女の子を一人」
「か弱くねえし凶暴だから大丈夫だろ?」
「っ、翔のばあか!ばかばかばーかっ!」


 何事もなかったかのようにコンビニ内にいた花を連れて帰っていく翔を真っ赤な顔で見つめたまま見送った。何でそんな平気でいられるんだろ。
 そしてレオ先輩もコンビニから出てきて、ふふっとぎこちないような気もするけど微笑を浮かべてみた。ちゃんと笑えてるかな?


「……キス」
「ふぇっ?!」


 レオ先輩がまるでさっきの翔との行動を見ていたかのようにキスという何とも恥ずかしく甘ったるいワードを出してきた。
 わたしはその場でぴょんっと飛び上がり、変な声を出してしまう。もちろん先輩に笑われちゃって恥ずかしい思いしただけだったんだけど。


「……してたでしょ、翔と」
「……は、はい。でもあれは、なんというかその……」


 何でだろう、わたし。何も聞かれてないのに、レオ先輩にとってわたしなんかどうでもいいはずなのに必死に言い訳考えてる。先生に怒られて反省文書いてるみたいな感じがして嫌だ。


「……チョコもな。交換してもらったんだろ?アメリカンドックと」
「え……先輩何処まで知ってるんですか。花といたくせに……」


 吃驚した。全部見られてるなんて思わないし思いたくもなかったし。何より知られたことが恥ずかしい、よりによってレオ先輩に……。
 自然と表情が歪んでいた。むっとした感じになっていたけれど、先輩はぷっと笑いながらまるでわたしを馬鹿にするように話す。


「ははっ、なんか心配だったから見てたんだ」
「……あの、」
「ん?」
「男の人のいう好きって、どんな感じなんですか?」
「は?」


 突然ではあったけれど、翔のいう好きがどんな感じなのかを知りたくなって一番身近なレオ先輩にこそりと頬を赤らめつつも聞いてみた。
 よく質問の意味を理解してないようなレオ先輩に誤魔化す必要なんてないのに誤魔化す感じであわてて言った。


「あ、あのっ!女の子とかは恋すると好きになった人が美化されちゃったり、もう好きで好きでたまらなくなるわけですよ」
「ふうん……」
「だ、だから……男の人はどうなのかなって思っただけです」
「……俺はあんまり恋愛経験ないけど、気になっている人はいるよ」


 レオ先輩の言葉に正直吃驚した。だけどすぐにその気になってる人が誰なのかわかった。きっと花だ、チョコ買ってあげてたし、可愛いし。


「……花ですよね、がんばってください」
「え?」


 まるで拗ねてしまったように、小さな声で言い放ってみた。なんだろ、わたしなんか今日おかしいなあ。
 そんなことを考えていたら、突然ぎゅっと次はレオ先輩に抱きしめられてしまった。な、なんか今日すごい調子狂う……。


「……花じゃないよ。もっと身近な子……いつも、今もね」


 今身近な女子といえばわたししかいないのですが。そう思いながらじっとレオ先輩を見た。
 なんかもうよくわからない、うれしすぎる。でも翔も―――と、脳内でたくさんのことを考えすぎてしまったからだろうか。



 ふらりと足元がぐらつき、意識が遠ざかった。


「未花っ………?!」



     -

339ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/22(木) 16:09:31 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp

   Lovemusic.



「ん……」


 気がつけば、其処は以前にほんの数回だけではあったが訪れたことのある場所だった。暖かくてふわふわしてて、あと安心するけどちょっとドキドキしちゃうような香り。
 ぱちりと目を開いた瞬間凄く驚いた。まさかレオ先輩の部屋にいるなんて思わなくて、何があったんだろうとわたしの思考回路がもの凄い速さで回りだしたような気がした。


「ちょ、そんな考え込まなくていーから!……倒れたんだよ、未花」


 何か考え込みだしたわたしの様子を察したのか、先輩が妙に動揺した口調で止めてきた。大人しく考えるのをやめると、倒れたと衝撃的な発言をされぼそりと小さな声で言う。


「ごめんなさい、迷惑かけて」


 しゅんと俯きながら先輩に謝った。倒れたってことはコンビニでだろうし、コンビニから先輩の家までも結構遠めだし。家まで運んでくれた優しさに罪悪感が生まれたり、でもどこかきゅんときてるわたしがいる。


「謝んないでよ」
「え、あ……はい」


 くしゃりと先輩がわたしの頭を撫でる。その行為を見て倒れる前の話しを思い出した。
 先輩はわたしのことが好き、なのかな?翔はわたしのことが好きで、先輩もそれっぽくて、わたしは?



「わたし……わたしは、」







「先輩も翔も大好き……でも恋愛感情かはわからなくて」


 ごめんなさい、ごめんなさい、と。
 小さな声で呟くように謝りながら涙を流した。


     -

340ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/22(木) 18:09:21 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp

   Lovemusic.



「……大丈夫、待ってるよ。未花の答えがはっきりするまで……でも、わからないだけで終わったりはしてほしくない」


 レオ先輩の意思の強い瞳にどきんの胸が揺れた。好きだからかどうかわからないけど、これがもし好きっていう意味なら翔にも恋してることになっちゃうよ、わたし。
 待ってるという言葉はとても心強く、そのままレオ先輩の胸に飛び込んでいきたいくらいだったけど、それでも。このまま付き合ったとしてもレオ先輩の邪魔をしちゃうし、だからといって振ったら気まずくなりそうで怖い。


「本当に」
「え?」


 掠れたような小さな声でぼそりと先輩に尋ねようとする。涙が溢れ出す目を隠し、先輩の顔を見ないように、見られないようにしながら。


「本当にわたしのことが好きなんですか?」


 じわりと制服の袖に涙が染み、腕が冷たく感じた。先輩のベッドの上で大泣きするわたしをきっと先輩は戸惑うように見てる。そう思ったときだった。
 ふわりとわたしを柔らかく包むような感じがしてえ?、と不思議そうな声を漏らす。わたしの唇をレオ先輩の制服のボタンが撫でた。てことは抱きしめられたのか。


「本気で好きに決まってんじゃん……っ」


 ぎゅうっと抱きしめられた腕に力が込められたような気がした。苦しくはないけどなんか、恥ずかしいような……。
 とにかく自分の中で決断をし、先輩の顔を見上げるようにして告げる。



「……翔とも話しをしてから返事したいです」
「うん、待ってる」


     -

341ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/23(金) 18:02:33 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp

   Lovemusic.



 結局あの後家の前までレオ先輩に送ってもらって家に帰った。わたしの心臓はずっとどきどきしたままで、今までそんなことなかったのにレオ先輩に触れられる所が全部じわじわ熱く感じてしまう。これが好きという気持ちなのかな、と思いながら自分の部屋のベッドにぼふんとダイヴした。


「ねたい……」


 そう呟くけれどまだ夕飯も食べていないし、お風呂にも入っていない。今日は連載もののドラマがある日だし録画はするけどリアルタイムでも見たいと頭の中で今日やらなければいけないことを考えベッドから起き上がる。
 ふあぁ、と眠たさそうに小さな欠伸をこぼし、うとうとしながらリビングへ向かった。


 それからのことは寝ぼけていてよく覚えていない。


     ×


「おはようございますっ」


 レオ先輩の後ろ姿を見つけ自然と表情が緩んだように思えた。駆け寄って挨拶をすると、先輩もいつも通りの笑顔を見せてくれる。


「はよー、眠いな今日も!」
「そうですねぇ……あ、翔と花だ」
「お、本当だ!おはよー」


 わたしが後ろを向くと、そこにはふざけ合う翔と花がいてレオ先輩が微笑んで手を振る。
 花は嬉しそうな表情をして先輩に近づいて、翔はふっと笑みを見せながらわたしの元へ来た。


「先輩っ、おはようございます!」
「おはよ、花!翔もおはー」
「おはようございます」


 花がレオ先輩の隣を歩く。わたしは後ろをついていくみたいな感じでゆっくり歩いていたけれど、それに合わせて翔がわたしの隣を歩いた。


「おはようございます、未花先輩」
「お、おはよう……」


 慣れない、なんか恥ずかしい。翔は楽しんでるみたいだけどさ。
 そしてわたしが直球に翔に質問する。


「翔、は……わたしのこと好きなの?……ってなんか自意識過剰みたいな質問ごめんなさい」
「いや、自意識過剰なんかじゃないですよ。俺未花先輩のこと好きだし、恋愛感情で」


 照れたように微笑む翔に戸惑った。でもレオ先輩もわたしのことを好きでいてくれて……
 断れない、どっちも。レオ先輩はいつもお世話になってるし、大好きな先輩で。翔はいつも笑わせてくれて、大事で大好きな後輩で。


「……あの、もっと迷わせるようなこと言っちゃうし卑怯だとは思うんですけど……」
「え……?」


 翔がこそこそと前にいるレオ先輩と花に聞こえないように耳元で言った。


「花、レオ先輩のこと好きなんですよ」
「えっ?!」
「様子見て気づかなかったんですか?」
「いや、全然……」


 わたしはよく鈍感とか言われるけど、こういうことなのかな。
 とにかく、花には幸せになってほしいしレオ先輩も花ならいいんじゃないかと思ってしまう。


「……俺は未花先輩に振られても未花先輩を好きでいるくらいの覚悟でいるんで。ていうかそれは当たり前か」


 ははっと笑う翔にきゅんときた。どうしよう、迷うよ。
 どっちも大事な存在なんだよ、わたしにとっては。


 どっちも傷つけないで済むにはどうしたらいいんだろ。


     -

342ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/24(土) 21:35:45 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

なんか今連載してるLovemusic.がタイトルと関係なくなってきたー
Loveletterの未花とレオのお話なんだよね。

triangle+1みたいなそういうタイトルをつければよかった!

343ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/26(月) 16:49:24 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   Lovemusic.



「わたし……どっちとも付き合えない」


 皆それぞれの話しで盛り上がっていたというのに、わたしが戸惑いながら告げた言葉にぴたりと周りの騒がしい声も消えた。
 でもこの答えは決してふざけているわけでも意地を張ったわけでもなく、ちゃんとわたしなりに考えてどっちも傷つけないことを最優先にしたものだった。


「あ、あのっ……ごめんなさい」
「謝っても許さない」


 翔とレオ先輩に頭を下げると、レオ先輩が冷たい目で言い放った。びくんと肩を揺らし翔の方を見ると、ふうと呆れたような溜め息を吐かれる。


「それ、未花の気持ちじゃないじゃん」
「未花先輩はお人好しすぎるんですよ」


 あ、翔とレオ先輩怒ってたわけじゃないんだ。と思いつつもごめんなさい、と頭を下げた。もう考えても何も出てきそうになかったし。
 翔が不機嫌そうな態度を見せてきたからしゅんと落ち込んでしまったけれど、突然翔がふわりとわたしを抱きしめる。


「まあ、そういうところも全部好きなんですけど」



 わたし、どっちを選べばいいんだろう。


     -

344ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/27(火) 16:49:28 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   Love.



 大切な人っていうのはお母さんとかお父さんとか友達だったりいろいろあるんだろうけど
 わたしにとっての大切な人はもっともっとたくさんいて、でも肝心な言葉を言えずに皆消えて行ってしまうの。

 お父さんとお母さんとわたしの三人で旅行に行ったとき両親はわたしを庇って事故死してしまった。
 まだありがとうって言えてないのに、わたしを庇ってよかったなんて微笑んじゃって馬鹿みたい。

 友達だって、その話しを聞いてわたしを慰めてくれたけどいつしか面倒な子って印象づけられてわたしの周りからいなくなった。
 嫌われてしまってでも、今まで仲良くしてくれてありがとうって伝えたかったのに。楽しかったよって、笑いたかったのに。

 彼氏だって、わたしを愛してくれたけどもう疲れたって、他の子を好きになったってわたしから離れていった。
 それでもわたしが彼を好きだったことは変わりなくて、今までありがとうとかだいすきだよとか伝えたかった。

 いつしかわたしは近寄りがたい存在になってしまって、それでもたまに話しかけてもらえるだけでありがとうって言いたくなる。
 だけど結局その子までもが離れちゃって、言えずに終わってしまうの。


 だからもしもう一度大切な人ができたらそのときは笑顔で伝えるんだ。
 ありがとうとか、だいすきとか。



     -


 息抜き程度に書いたものですがそれなりにお気に入り。
 内気で人見知りな女の子のお話なのかなー

 一生懸命ありがとうとかだいすきって伝えたがってるけど思いは届かないんです。
 ていうか届いてないって女の子が思い込んでるんです。

 本当は届いてるんだよ
 思いを込めればきっと絶対届くよ

 そんな希望を持っていただけると嬉しいなと思ったのですが
 肝心なその思いは届くと語るシーンをあとがきにいれてしまったorz

 まあなんとかなるさ!


 そんなことよりずっとレオ未花のお話とかだったから(Loveletterの方でも)
 だから息抜きでした!

345ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/28(水) 21:33:54 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   さんきゅ (大切な貴方にありがとう)



 初めて出会った貴方に「ありがとう」
 貴方に出会えたことを奇跡に等しく思います。大きな世界の中でこれだけ小さなわたしたちが出会えたこと、これが最大の喜びです。
 そんな貴方に「これからよろしくね」と微笑んだ。これからたくさんお喋りしよう、仲良くしよう、親しくなろう。奇跡の出会いを無駄にしないように。
 
 通学路で出会った貴方に「ありがとう」
 毎日ぼんやりと空を眺めて歩いていた灰色の通学路が貴方の手によって突然カラフルな世界に変わりました。
 そんな貴方に「幸せだなあ」と微笑んだ。明日も一緒に登校したいな、これからずっと一緒に登校しよう、親しくなろう。少ない時間を大切にしたい。

 学校の廊下で出会った貴方に「ありがとう」
 同じ学年でもクラスは離れてるのに、バッタリ廊下で会っちゃうようなこの結ばれてる感、何だか凄く嬉しくて恥ずかしいです。
 そんな貴方に「また会ったね」と微笑んだ。明日も此処で会おう、この時間は一緒にいよう、親しくなろう。ほんの僅かな時間でも一緒に過ごしたい。

 お昼休みに屋上で出会った貴方に「ありがとう」
 いつもぼんやりと友達と一緒にお弁当を食べているのに、貴方も此処で食べていたなんて思いもしなかった。
 そんな貴方に「一緒に食べよう」と微笑んだ。明日も一緒に食べよう、これから一緒にお昼を過ごそう、親しくなろう。楽しくお喋りしながらお昼を食べたい。

 帰り道で出会った貴方に「ありがとう」
 今日も楽しい一日だったと学校でのことを振り返りながら歩いていたのに、貴方がこっちを見ながら走ってくるのを見つけました。
 そんな貴方に「一緒に帰ろう」と微笑んだ。明日も一緒に帰ろう、これからずっと一緒に帰ろう、親しくなろう。最後まで一緒にいたい。


 そして幸せな一日が過ぎて次の日になった。


 いつもの通学路で待ってたら時間通りに来てくれた貴方に「ありがとう」
 学校の廊下で待っててくれた貴方に「ありがとう」
 お昼休みに一緒にお昼を食べてくれた貴方に「ありがとう」
 一緒に下校しようと声を掛けてくれた貴方に「ありがとう」

 わたしに出会ってくれて「ありがとう」
 灰色の世界をカラフルにしてくれて「ありがとう」
 幸せな気分にさせてくれて「ありがとう」
 嬉しい気持ちにさせてくれて「ありがとう」
 恥ずかしい気持ちを教えてくれて「ありがとう」
 僅かな時間を一緒に過ごしてくれて「ありがとう」
 ぼんやりていたわたしを楽しませてくれて「ありがとう」
 一緒に過ごせる時間を増やしてくれて「ありがとう」
 楽しくお喋りしてくれて「ありがとう」
 わたしの傍に来てくれて「ありがとう」
 最後まで一緒にいてくれて「ありがとう」
 幸せな一日をくれて「ありがとう」


 親しくなりたかった、貴方ともっと触れ合いたかった。
 最初はただの好奇心だと思っていたのに。

 ちょっと親しくなりすぎたようです。

 貴方のことが好きになってしまった。
 好きで好きでたまらなくなって、貴方を独占したくなってしまった。

 それでも貴方は誰のものでもなくて、好きな女の子もいるらしくて。
 「誰?」って聞いたけど一番の友達にすらなれてないわたしには教えてくれなくて。

 寂しくて悲しくて、思わず言ってしまった。


 「わたし、貴方のことが好き」って。


 そしたら貴方は「俺もだよ」って微笑んで抱きしめてくれた。
 わたしに好きな人を教えてくれなかったのは、好きな人がわたしだったから?
 わたしは元々貴方の一番だったの?

 嬉しくて涙をこぼした。
 それでもわたしは一生懸命呟く。


 好きになってくれて「ありがとう」
 一番の存在にしてくれて「ありがとう」


 産まれてきてくれて「ありがとう」



 大切な貴方に、心の底から精一杯の「ありがとう」を。


     -



 大切な人との時間を大事にして、ありがとうって気持ちを忘れないでっていう気持ちを込めたものです。
 いつもたくさんの人にありがとうの気持ちを伝えてね!

346ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/29(木) 15:37:18 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   ごめんね、好き。



 告白して運良く結ばれたら……なんて妄想をしてしまったのがいけなかったのかな。
 わたしはきみに迷惑をかけてしまった。ていうか、普段から迷惑しかかけてないのに更に最悪なことしちゃったよ。


「好きです」
「ごめん」


 こういうとき、何ていえばいいんだろ。
 「そっか」?「やだ、付き合って」?

 そのとき、困ったきみの表情を見た瞬間思わず言葉が口に出ていた。


「ごめんなさい……」


 ああ、そうだ。「ごめんなさい」だ。
 時間ととってしまって、迷惑をかけてしまって、困らせてしまって「ごめんなさい」


「……でもやっぱり好き……もう少しだけ好きでいさせてください」


 何時しかきみとわたしが結ばれることを夢見ながら、今日もわたしはきみを見つめています。


     -


 駄作!
 スレ上げるために書いたといっても過言ではないw

347ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/30(金) 17:28:25 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   スキキライ、ダイスキ!



「あーした天気になーあれっ」


 ぶんっと足を振るとすぽーん、とかかとを踏み潰した跡が残っている上靴が飛んでいった。
 勢いよく飛んだその上靴はわたしの中で新記録を更新しそうで、わくわくと自然に顔がにやける――――まあ、それも一瞬だったけど。

 薄汚れた上靴はちょうど其処を通りかかった人の足にぶつかり止まってしまった。
 「ちょっと!」と、相手を反抗的な目線で見たけどけれど、その瞬間わたしの思考がストップする。


 上靴をぶつけちゃった人はこの学校で一番人気の高い男子でてことは仮にも先輩だったわけで。
 この人と目を合わせたら一瞬で恋に落ちるとかそういう噂を耳にしたこともあった。


「……これ、君の?」
「っ、そうです! 返してください!」


 ぷらん、とわたしの上靴を掴み不思議そうな表情をした先輩を更に睨みつけるような目線で見つめ手を差し出す。
 でも当てた相手が悪かったのか、先輩はそう簡単に返してはくれなさそうだ。


「あのさー、君がぶつけてきたんでしょ? しかも俺先輩だし」
「……すみません……でもっ、ぶつかってしまったのは偶然で!」


 何でわたしが謝らなきゃいけないの? 心の中ではそう思いながら、それでも早くこの人の前から逃げたくて素直に謝った。
 つもりが一言多いわたしの悪い癖のせいで言い訳を始めてしまう。


「うん、ていうか何で上靴投げてんの?」
「投げてないです、飛ばしただけです。足でびゅーんって」


 相変わらず先輩はぷらんとわたしの上靴を掴んだままで、ぶつかってしまった訳を何から何まで話さなきゃ返してくれなさそうだった。
 

「ふうん……で、どうして飛ばしたの?」
「……明日晴れるかなーって思いまして」


 それと新記録更新のために、と小さな声で呟くが先輩はそんなことに興味は無かったらしくずいっと顔を近づけながら尋ねられる。


「明日何かあんの?」


 ドキッ!
 わたしの胸が鳴ったような気がした。


「あ、明日は……好きな人と遊ぶ約束してて、その……」


 て、ていうか何で見知らぬ先輩にこんなこと言わなきゃいけないのさ!
 顔を真っ赤にするわたしを見て、ぷっと先輩が吹き出した。


「な、なんですか……!」
「一途だねー、紗里奈チャン」


 こ、この先輩……何でわたしの名前を。わたしでさえ有名な先輩の名前知らないのに。
 それえも先輩はお構いなしにわたしの手を取った。


「じゃあさ、恋愛の占いしてあげるよ。俺そういうの得意なんだ」
「本当っ? じゃあじゃあ……健くんとの相性占って!」


 わたしって馬鹿だ、単純だ。そう思いながら、それでも何故かわくわくしていた。
 占いとかは信じやすい方だから、なのかな。


「……あ、君たち相性悪いよー」
「え、そんな!」


 至極残念そうな表情を浮かべると、突然先輩の顔が思いっ切り近づいてきた。
 唇に柔らかいものが触れる。ていうかキスされてる、わたし……


「ちょ、先輩なにやって!」


 先輩が離れた瞬間あわてて聞いた。
 相変わらず顔は真っ赤だ。



「だって紗里奈チャン、俺のこと好きだもん」



 は? わたしが、先輩を?






「すき……なんていうと思ったかばーか! 先輩なんかキライッ!」



 顔を真っ赤にしてそう叫ぶわたしは、もう既に先輩のことが大好きになっていたのかもしれないのです。


     -

348ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/31(土) 14:22:49 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

 ▼雑談(ry間違ったいろいろコーナー!←

 最近パソコンについているメモ帳に小説書いてからコピペして投稿しているねここのような何かです、どうも。
 掲示板で直接書くと重くて文字打ってんのに打ってないことになったり変換に凄く時間かかったりするんです、何でだろうね!

 ということでメモ帳に書いたら驚くほどに軽くて吃驚!


 財布をなくしたり財布をなくしたり財布をなくしたり人生いろんなことがあるね。
 この掲示板も人気になってきたし長連載続ける方たちが一昨年より増えてきて嬉しい限りです。
 一昨年は完結させるってこと自体がまずなくて、レスが10くらいまでいっただけでおおって感じだったので。

 でも書く人もたくさんいて皆さん一生懸命更新してるからスレも下がりやすいなにか。
 ねここはLoveletterとしあんいろ二つ書いているので更新大変です(´;ω;`)

 まあこれからもがんばるよ!みたいなのを書いてみました。


 いや本当は小説の内容が見つからずスレ上げのために書いただなんていえないry

349ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/01(日) 20:54:33 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   mail.



 [向日葵さんが入室しました]

 向日葵:こんばんは!誰かいる?
 純恋:はじめまして、純恋です^^*
 向日葵:名前なんて読むの?
 純恋:すみれ、だよ!向日葵さんはひまわりで合ってるかな?
 向日葵:うん、合ってるよ〜
 純恋:よろしくね^^*
 向日葵:よろしく〜^^


 ――――いつしかこうやってパソコンで顔の知らない人とチャットをすることがわたしの楽しみになっていた。
 学校では内気で大人しいわたし「百花」がパソコンの世界に入ると「向日葵」となりたくさんの友達と触れ合える、最高の機会だったから。


「すみれとひまわり、かあ……」


 そう呟きながらカタカタとパソコンのキーボードを打つ指を走らせる。
 このチャットルームでわたしは常連で皆の中心的な存在で、現実の世界では楽しめないこの感覚がわたしを虜にした、といっても過言ではない。


 向日葵:すみれとひまわりって名前、どっちも花の名前だよね!
 純恋:そうだね、何か仲間って感じ!
 向日葵:もう仲間だよ、このチャットに来た人は全員友達なんだから!
 純恋:わあ、ありがと!嬉しいなあ(ノω\*)
 向日葵:かおもじかわいいね^^
 純恋:えへへ*わたし、このチャットに来る前掲示板にいたから顔文字とかけっこう使っちゃうんだー
 向日葵:掲示板?どこの?わたしも行きたい!
 純恋:ここだよ!★は抜いてね!URL→ht★tp://○○○.jp/
 向日葵:ありがとー!じゃあ一回そっちの掲示板で会おうよ!
 純恋:うん、そうしよっか!

 [向日葵さんが退室しました]
 [純恋さんが退室しました]


 でもわたしがチャットルームにいなかったら皆心配しちゃうかも、なんてことをにやにや笑みを浮かべて考えてみた。
 とにかく純恋のいう掲示板が気になってURLをコピーする。

 まだ新品といってもいいくらい綺麗なパソコンの画面は早々とそのURLのページに飛んでいった。
 そしてその掲示板の様子を見て驚いた。


「何よ、これ……」


 スレッド数がいっぱいあるっていうのに、全部「★純恋と○○の部屋★」みたいなのばっかりだし。
 スレッド主は純恋じゃないのに……じゃあこの掲示板では純恋が中心ってわけ?

 とにかく興味本位でわたしもスレッドを立ててみた。
 スレッド名は適当でいいかな。


 ―――――

 スレッド名:純恋、向日葵だよ!
 名前:向日葵
 本文:すごいね、掲示板!純恋って文字だらけだー。

 ―――――


 スレッドを立てて1、2分したらすぐコメントが来た。
 よくよく見ればもうスレッドのコメント数は6までいってる。


「え……?」


 そのコメントの内容を見て驚いた。
 コメントした人は純恋じゃないのに、4つもコメントがついてる。
 更にその内容が酷かった。


 ―――――

 ゆかり◆ha34sj6wu6
 トリップつけろよ
 お前純恋の何なの?

 ひな◆aa5679ja965
 こういうスレ、迷惑です。
 早く削除依頼出してください。

 ゆみ◆a59eyeh546
 新人?
 純恋が人気なの妬んでんの?

 ハナミ◆46y7w9406jw
 消えろよksが。
 純恋がお前のこと相手にするわけないだろ馬鹿。

 ―――――


 どう、して……?
 どうしてわたしがこんなに責められなきゃいけないの?
 そう思ってわたしも書き込んだ。


 ―――――

 向日葵
 トリップってなに?純恋の友達だけど!別に妬んでないし意味わかんない!

 ―――――


 また数分してから返事がくる。
 ゆかりって人とハナミって人だ。


 ―――――

 ゆかり◆ha34sj6wu6
 は?トリップもわかんねえの?
 馬鹿じゃねえのwwwww
 初心者は此処にくんな

 ハナミ◆46y7w9506jw
 一行レスやめろ
 そんな基本的なことわかんねえなら帰れ

 ―――――


 もう言葉も出なかった。
 わたしが悪いの?
 トリップも一行レスも、悪いことなのかもしれないけどわたしわからないよ。


 純恋、どうにかしてよ!



     -




 新連載っていうかなんというか書きたかった。
 チャット系のお話ですね!

 つづく!

350ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/01(日) 21:34:12 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   mail.



 もういやって思いながらF5キーを押して最新のページに更新したら、またコメントがついていた。
 怖いという気持ちが芽生えてきたけれど勇気を出して見てみたら、やっと純恋が来てくれたらしい。


 ―――――

 純恋◆Lo.olulo22
 ごめんね、向日葵ちゃん
 来るの遅くなっちゃった(´;ω;`)
 やっぱりチャットの方行こうか?

 ―――――


 やっぱり純恋は優しい、と思いながらそれでも不機嫌そうな態度でわたしも書き込む。


 ―――――

 向日葵
 うん

 ―――――

 そしてもうこの掲示板には訪れないと頭に叩きつけるように何回も繰り返しチャットへ戻った。
 でも、少し気になったりはしたからお気に入りに登録しちゃったんだけどね。


 [向日葵さんが入室しました]
 [純恋さんが入室しました]

 純恋:さっきはごめんね。ハナミたち、初心者さんに厳しくて(´・ω・`)
 向日葵:別に。でもちょっとむかついた。トリップとか意味わかんないしどうでもいいじゃんねえ?!
 純恋:あ……トリップっていうのは偽者防止のための大切なパスワードみたいなものなんだよ
 向日葵:純恋までハナミとかいう人たちみたいにわたしを責めるの?
 純恋:たしかにハナミたちの言い方はちょっとキツかったけど、わたしもハナミも責めたわけじゃないよ!
 向日葵:責めたじゃん!結局純恋はハナミとかいう奴の仲間なんだね!
 純恋:ちがうよ!
 向日葵:名前も花の名前同士でなかまだって思ったけど、やっぱり純恋なんか仲間じゃない
 純恋:待ってよ!
 向日葵:ばいばい

 [向日葵さんが退室しました]


 あの掲示板の中心が純恋でもこのチャットではわたしが中心なんだから、と思ったけれどやっぱり少し悲しい気持ちが残った。
 ROMでチャットルームを見てみると、純恋はまだ残ってたけどそれともう一人いる。
 わたしが秘かに思いを寄せてるっていうか、気になってるカイトくんだ。

 
 純恋:純恋(すみれ)です(`・ω・´)
 カイト:カイトです、顔文字可愛いね^^
 純恋:えへへ、ありがと* これからよろしくね!
 カイト:よろしく!
 純恋:ここのチャットって向日葵がいつも中心にいるの?
 カイト:向日葵の友達なの?
 純恋:うん、多分……
 カイト:多分って(笑) でもまあ中心っぽい存在ではあるなー
 純恋:そっかあ……
 カイト:どうしたの?
 純恋:さっきケンカっぽくなっちゃって……仲間じゃないっていわれちゃった
 カイト:向日葵が?何でそんなこといったんだろ、あいつ
 純恋:わかんない。でもわたしまだここにいたいよ
 カイト:純恋がここにいたいならいればいいよ!
 純恋:でも、追い出されないかな?向日葵ここで人気者っぽいし
 カイト:大丈夫!何か言われたら俺が守るからさ^^
 純恋:いいの?
 カイト:うん!
 純恋:ありがと、カイト(ノω\*)


 ……カイトと純恋、仲良くなっちゃった。
 どうしよう?ケンカしたこともばれちゃった。どうしようどうしよう

 カイトくんに嫌われちゃう
 やだ!純恋だってカイトくんのことカイトって呼んだのに、やだ

 そう思っているうちに、純恋は部屋を退室していた。


 純恋:じゃあ、また今度ね!明日も来れるといいな♪
 カイト:また話そうぜ^^

 [純恋さんが退室しました]


 もうわたし、入室するしかないよね。


 [向日葵さんが入室しました]

 カイト:お、ひまわりー
 カイト:純恋とケンカしたんだって?
 向日葵:ちがうの!純恋がわたしのこといじめてきたの
 カイト:純恋が?
 向日葵:うん、そうなの
 カイト:純恋、追い出されるんじゃないかって心配してたよ
 向日葵:ちがう!わたし追い出したりしないもん
 カイト:そっか……
 向日葵:ケンカしたんじゃなくてわたしが一方的にいわれただけなんだよ……
 向日葵:さっきね、ちょっとだけROMで二人の会話見ちゃったんだけど……純恋、わたしと話すときと全然態度ちがった
 カイト:それ本当?
 向日葵:うん……
 カイト:そっか……



 まだまだこれからだよ、純恋


     -


 こわ←

351ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/01(日) 22:40:13 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   mail.



 次の日、またつまらない日常を終えて家に帰ってきた。
 いつも通りすぐにパソコンのスイッチをいれてチャットルームに行く。


 [向日葵さんが入室しました]

 向日葵:やほー^^だれかいる?
 カイト:いるよ
 向日葵:カイトくん!


 今日はラッキーだと思った。いつもは顔を出すのが遅いカイトくんがこの時間帯にもういたからだ。
 でもよくよく見るとチャットルームにいる人の数は3人と表示されている。


 カイト:向日葵が嘘ついてたの?
 向日葵:え?
 カイト:純恋とのこと
 向日葵:ちがうよ!
 純恋:向日葵、嘘つかないで
 向日葵:純恋こそ
 カイト:本当はどっちなの?
 向日葵:わたし嘘ついてないよ!
 純恋:わたし、もうチャットやめようかな
 カイト:何で?
 純恋:だってカイトと向日葵の方が仲良いし、これ以上嘘ついてないって言っても言い合いになるだけだし
 カイト:純恋は嘘ついてないんだろ?
 純恋:そうだけど……
 向日葵:ちがう!わたし嘘ついてない!
 カイト:ごめん、向日葵。俺ROMで見てたからさ
 向日葵:え?
 純恋:そうなの?
 カイト:うん
 向日葵:ちがうよ
 カイト:もう諦めろよ
 純恋:……ごめんね、向日葵。嫌な思いさせて
 向日葵:……わたしもごめん
 純恋:これからも仲良くしてくれる?
 向日葵:うん
 カイト:よかったな!


 別に仲直りなんかしたくなかった
 そう思いながらそれでもカイトくんに嫌われたくなくていい子のわたしを演じとおしたのだった。


     ×


 次の日になった。今日は土曜日だから朝からパソコンができる。
 するともう既に二人きてて、ちょっとだけROMで様子を見てから入室しようと思った。


 カイト:あのさ
 純恋:うん
 カイト:パソコン上で実際会ったことないからだめだってわかってるんだけど
 純恋:うん
 カイト:俺、純恋のこと好きになっちゃったみたいなんだよね


 え?
 カイトくんは純恋が好きなの?

 正直凄く驚いた。そしてパソコンの画面の前で固まりながら二人の様子を見つめる。


 純恋:実はね
 カイト:うん
 純恋:わたしも、カイトのこと気になってたんだ
 カイト:本当?
 純恋:うん!
 カイト:純恋って高校生?
 純恋:うん、高校一年だよ
 カイト:俺高校二年なんだー
 純恋:そうなの?近かったんだね、年!
 カイト:あの、今度会えないかな?どこに住んでる?
 純恋:東京だよ*わたしもカイトに会いたい
 カイト:おお!俺も東京なんだー!○○って場所しってる?
 純恋:うん、知ってる!じゃあ明日そこで会おうよ!
 カイト:うん!朝10時にそこ待ち合わせな!
 純恋:やったあ、嬉しいなあ
 カイト:緊張する(笑)
 純恋:わたしもだよー(笑)


 やだ、やだやだやだ
 許せない許せない許せない


 いや



 嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌あぁっ!






 [向日葵さんが入室しました]

 純恋:向日葵!
 カイト:よー^^
 向日葵:明日二人で会うの?
 純恋:えと
 カイト:全部見てたの?
 向日葵:ううん^^でも明日東京の○○で会うことは見ちゃった^^ 
 カイト:そっか
 向日葵:わたしも行っちゃだめ?


     -


 きる!

352ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/02(月) 09:05:15 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   mail.



 カイト:純恋どうする?
 純恋:3人で出掛けようか?
 カイト:ん、まあそれでもいんじゃね?
 向日葵:本当?ありがとう!
 カイト:どこいく?
 純恋:わたし遊園地のチケット持ってるよ*
 カイト:おお、じゃあそこ行こう!
 向日葵:純恋ありがとー!カイトくんも!
 カイト:いやいや、俺何もしてないし(笑)
 向日葵:ううんーw
 カイト:ていうか純恋?落ちちゃった?
 向日葵:純恋ー
 純恋:ごめんね!ちょっと落ちちゃってた(´・ω・`)
 カイト:びっくりしたw
 向日葵:明日楽しみだねー!
 カイト:うん!
 純恋:うん、そうだね^^*


「ふう……」


 純恋とカイトくんが二人で会うのを何とか防げたあと、何だか冷や汗をかいているのがわかった。
 思わず安心の溜め息を吐くが、まだまだこれからだ。純恋とカイトくんを二人っきりにさせるとまたわたしがいないところで会ってラブラブになっちゃうもん。

 明日は純恋に負けない……いや、勝てるようにいっぱいお洒落してこなくちゃ!

 いっつも制服だから私服何着ようか迷うなー、と思いながらクローゼットやロッカーを見て明日の服を選ぶ。
 でも知らなかった。純恋がわたしと同い年だったなんて……カイトくんがわたしより一つ年上なのは知ってたけど。


     ×


「……此処、だよね」


 わたしは待ち合わせ時間より数分早く待ち合わせ場所についていた。
 遅れてくるのも好感度下がると思ったし。

 いつものわたしと全然違う自分の姿に少し動揺してた。


「ねえ君、一人?」
「え……?」


 突然誰だかわからない男の人に声をかけられる。
 カイトくん?……じゃないみたいだし。


「一緒に遊びに行こうよ?」
「い、いやです……」
「なんだよー、待ち合わせ?」
「はい、まあ……」


 何この人しつこい!
 しかもさり気なく背中に触れてくる手が気持ち悪かった。


「彼氏と待ち合わせ?」
「ちがいますけど……」


 違うと言った瞬間、ズキリと胸が痛んだ。
 自爆してるじゃん、わたし。


「じゃあいいじゃん、行こうよー」
「や、やだっ……やめてください!」


 抵抗してもベタベタ触ってくる手を振り払おうとした瞬間、突然その男の人の手が放れた。
 え?、と思い男の人の方をみると、そこには高校生らしき人がその男の人の腕を掴んでいた。


「俺の彼女に触らないでください」
「……っ!」


 高校生の人が男の人の腕を掴む手に力を入れ始めたのか、男の人は早々と去って行った。
 でも、彼女って……?ちがう、よね?


「……向日葵、だよね?」
「うん……、何で彼女って」
「や、だってああ言わないとあの人放れなかったかなって思って」


 かっこいい
 優しくて面白くて、わたしが予想していたカイトくんとそっくりだった。


「ありがと、カイトくん」
「いえいえ」


 ふざけて笑うカイトくんは更にかっこよく見えた。
 せっかく二人で楽しいひと時を過ごしていたのに、タイミング悪く純恋がやってきてしまったけれど。


「遅れてごめんねっ」
「いや、何かあったの?」
「ううん、何も……」
「ふうん」


 純恋、もっと可愛い女の子を予想してたけどそこまで可愛くないんじゃないかな?
 まだわたしの方が上だと思う、と自意識過剰なことを考えつつもわたしたち三人で遊園地へと向かっていった。


     -

353ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/02(月) 09:19:59 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

   mail.



「すごーいっ! ねえ、ジェットコースター乗ろうよっ」


 遊園地についた途端、ついテンションが上がってくいっとカイトくんの袖をつかんでジェットコースターを指さしてしまった。
 でもカイトくんはそのテンションについてきてくれて、ジェットコースターまで一緒に走り出す。

「あ……」


 純恋がそっと手を伸ばしたのがわかった。寂しげに漏れる声はカイトくんの耳には届かずわたしたち二人ではしゃいでる。
 そりゃあ、いくらチャット内で可愛いイメージがあった子でも現実の世界で可愛くなければやっぱないって思っちゃうでしょ。

 朝早くきたから遊園地は比較的すいていて、二列になる人気ジェットコースターも並ばずに乗れた。
 順番的にわたしとカイトくんが隣同士で後ろに一人で純恋が乗るって形になっちゃったけど。


「きゃーっ!」


 急激に落ちたと思えば一回転しちゃうジェットコースターに楽しさと怖さの悲鳴が止まらなかった。
 カイトくんは隣でわたしの様子を見ながらも笑っている。

 後ろからは特に何も聞こえなかったんだけどな。

 ジェットコースターが終わったあと、初端からわたしは立ち上がれなくなってしまった。
 いやこわかったんだよ、本当に。するとカイトくんが立ち上がるのを手伝ってくれたりもして嬉しかった。でも……


「ご、ごめんね……」
「いや本当ジェットコースター苦手なんだね」
「や、好きなんだけどね?ちょっと……」


 立ち上がれたはいいものの歩けなかったわたし。
 次の人もいるしどうしようと焦り始めた瞬間、突然カイトくんがわたしを抱き上げた。
 所謂お姫様抱っこの状態なんだけど恥ずかしすぎるよこれ。


「かかかカイトくんっ?!」
「はいはい、静かにしてようねー」
「いやいやだってわたし重いし!」
「全然軽いよ、ちゃんと飯食ってんの?」
「食べてなーい」
「いやだめだろ」


 笑いながら話すわたしたちの後ろをぽつんとついてくる純恋がなんだか可哀想に思えてきた。
 でもまあ……今日くらいわたしが楽しんだっていいよね。


     ×


 やっと歩けるようになったわたしたちで、次はお化け屋敷にいくことにした。
 勿論すっごくこわかったけど。


「きゃー!」


 お化けが出てくるたびにわたしは叫ぶけど、カイトくんはむしろ笑っていた。
 驚くわたしが面白いのだかなんだかで。

 そして次のお化けが出てきた瞬間、思わずカイトくんの腕に抱き着く。


「っ、あ……ごめんね!」
「いや、いいよ」
「え?」
「もうちょっとこのままでいーよ」


 暗くてよくわからなかったけど、そう言うカイトくんの頬が少し赤く染まっているような気がした。


     -


 カイトくんと向日葵ラブラブですね!リア充め、爆発しろ★ry
 爆発しろまで言い切ってみた!←

 いやべつに爆発しなくていいんだけど。

354ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/02(月) 22:35:53 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp

 ▼報告

 今連載しているmail.ですが
 タイトルmail.から現実<二次元girl.に変更しますノ

355ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/03(火) 12:12:11 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

   現実<二次元girl.



「純恋」
「……なあに?」


 お化け屋敷を出てきてベンチに座り休憩しているとき、カイトくんが純恋の名前を呼んだ。
 純恋はいたのかというくらい薄い空気で存在していたけれど、それでも小さな声で反応する。


「……チャット内で話しただけなのに好きとか変なこと言ってごめん」
「え? でもわたしは嬉しかったし」
「うん、それはありがたいんだけどさ……」


 みるみるうちにカイトくんと純恋の表情が曇る。
 表情を曇らせるカイトくんはやっぱりかっこいいままだったけど、元々少し地味ではある純恋は更に存在感を薄くし地味にさせた。


「やっぱり好きっていうの取り消してほしい」


 可哀想と感じると同時に心の何処かで少しだけ喜んでしまった。
 そして純恋がパニック状態になったのか固まりながら聞く。


「え? ……わたしのこときらい、なの?」
「いや、そういう意味じゃなくて……恋愛感情で好きっていうのはやっぱり違かったってこと、かな」


 固まりつづけてしまった純恋にごめんともう一度謝ったあと、次はわたしの方を向く。
 真剣にわたしを見つめる瞳にドキンと胸が揺れた。


「俺さ、向日葵のことが好きなんだって今日会った瞬間にわかった。俺と付き合ってくれませんか?」
「…………っ、わたしも! ずっと好きでした、付き合ってくださいっ……!」


 涙が溢れてきた。
 人との付き合いが苦手で好きなのはパソコンとチャットくらいしかないわたしに彼氏ができたから。

 チャットで何度も話してるからカイトくんとは十分話しがはずむし、もうこれ以上の人はいないのに、とずっと心の中で思ってた。



 嬉しいけど、純恋はどうなるんだろ。


「……え、わたしはカイトが好きで、え」


 突然のことに純恋も動揺を隠せないのか小さな声で振られたという現実を否定している。


「……わたしっ、わたし……」
「ごめん、純恋……」


 カイトくんがもう一度純恋に謝る。


「…………わたしじゃだめだった? どこがだめだったの? やっぱり見た目かな……それとも性格?」
「ちょ、純恋……」


 自分を責めるように悪いと思うところを述べていく純恋の肩にカイトくんの手が触れた。
 その次の瞬間、純恋がカイトくんに抱きつく。


「純恋?」
「ねえっ、わたしの悪い所言って! 全部直すから……だから別れたりしないでぇっ!」


 抱きつかれてバランスを崩しそうになるカイトくんに少しあせった。
 とりあえず人に見られるとアレだから純恋をつれたまま遊園地の人気のない場所へ行く。


「……純恋、放して?」
「いやあっ! ねえ、カイトはわたしのどこが嫌なのっ?!」


 カイトくんがふらりと後ろによろめいた。



「ちょ、あぶない!」


     -

356ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/03(火) 16:54:38 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

   現実<二次元girl.



「カイトくん?!」
「……ってー」


 純恋に体重をかけられてカイトくんも純恋もそのまま後ろに倒れてしまった。
 でもカイトくんが下敷きになって純恋を支えてあげたようで、純恋に特に怪我はない。


「……カイト」
「あ、純恋怪我ない? 起き上がれる?」


 なんでカイトくんはそんなに優しいの?
 カイトくん怪我してるじゃん、起き上がるのも痛そうだったじゃん。

 そんなことを思いながら、純恋に手を差し出すカイトくんをじっと見つめることしかできなかった。


「……わたし、絆創膏持ってるよ」


 擦り剥けて血が出ているカイトくんの腕を見てそっとカイトくんの傍に駆け寄った。
 一応学校で保健委員やってるから手当とかはできるんだけど、純恋は大丈夫かなあなんて思っちゃったりもする。


「……ごめ、なさっ……」
「純恋、もういいから……」


 泣きながら謝りだす純恋を必死にカイトくんが慰める。
 そしてカイトくんの腕を手当しおわったわたしが純恋に一言告げた。


「……純恋、せっかく遊園地来たんだから謝らないでもっと楽しも?」
「そうだよ純恋、もう謝らなくていいからさ」


 そう言った瞬間、キッと純恋がわたしのことを睨んできた。


「向日葵が……向日葵がカイトのこと奪ったのよ!」
「え…………?」


 もう言葉も出なかった。
 

     -

357ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/03(火) 17:54:12 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

   現実<二次元girl.



「もういい! ……カイトはわたしなんかどうでもいいんでしょ?」
「ちがう! 純恋っ」


 それだけ言い残して、純恋は遊園地の更に奥へと進んでいってしまった。
 「危険なので立ち入り禁止」と書かれてロープで通れないようにしてあるというのに、無視して無理矢理通る。

 その看板の下に小さく「崖があるので絶対に入らないでください」と書いてあった。


「カイトくん、追わなきゃ! 純恋が危ない!」
「ん、」


 わたしたちもロープの奥へと進んでいく。
 もうそこは森の中のようで、周りには木しかなくていつ崖があってもおかしくない様子だった。

 少しでも早く純恋が見つかるようにと走る。


「きゃっ?!」


 突然足元が崩れた。
 でもカイトくんがわたしの腕をつかむ。

 どうやら崖に落ちかけたようで、此処は本当に危ないんだということがわかった。


「気をつけて……っていうか、危ないから俺の後ろ歩いて」


 そう言われてそっとカイトくんの後ろにいった。
 そしてしばらく歩いたあと、森から抜けたと思いきや大きな崖についた。

 そこには純恋の姿があって、ほっと安堵の溜め息を漏らす。


「純恋、危ないからこっちに……」
「わたしのこときらいなくせに」
「好きだよ! その……恋愛感情ではないけど」


 カイトくんと純恋の会話を聞きながら、少し嫌な展開を予想していた。


「……なら、ここまできて?」
「え? どうして、」
「……迎えにきてくれたんでしょ? わたし怖くてここから動けないな」


 たしかに、純恋は崖が崩れ落ちそうでもうすぐ落ちてしまうんじゃないかってところにいる。
 カイトくんはそっとそこに歩み寄ろうとした。けど、



「だめっ!」
「……向日葵?」


 思わず叫んでしまった。


「危ないよカイトくん! 救助の人呼ぼう?」
「……大丈夫だよ、向日葵」


 ふわりと優しげに微笑むカイトくんに大丈夫なんじゃないかっては思っちゃうけど、でも
 行ってほしくなかった。

 ねえ、危ないよカイトくん。


     -

358ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/05(木) 19:49:49 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

 ▼おしらせ

 あー、なんか短編スランプ気味で書けないよ!
 ってことでこれから下がってることが多くなるかもしれない。
 いつか復活するんでお楽しみに!←

359ゆい:2012/04/05(木) 19:59:51 HOST:180.106.190.103
ねここさんすごいです!
おもしろい!!!

360ピーチ:2012/04/06(金) 22:08:46 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさん>>

久しぶり〜〜!

スランプかぁ・・・仕方ないよね、頑張って抜け出して!←何からだww

今のチャットの話読んでるけど・・・何か自分を映し出してる!みたいな所あるww

361ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/06(金) 22:32:13 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

>ゆいさん

すごくないですね!
でもありがとうございます、そういっていただけるとスランプも抜け出せるような気がした!←

>ピーチさん

ひさしぶりだねー!
抜け出す!www
ねここ本格的というか小説に出てくる感じのチャットやったことないんだよねー(´・ω・`)
だからもう勘でやってr((

362ピーチ:2012/04/07(土) 10:54:13 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさん>>

マジ?だったらあたしが教えてあげよーかー??ww←大バカ!

でも、勘でやっててよくそこまでそっくりに書けるねー←尊敬の眼差しww

363ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/07(土) 11:12:47 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

>ピーチ

チャットのこと以外にも話しの結末まで全部教えてくれるとうれしいな☆(ry
尊敬の眼差しじゃなくて馬鹿にしたような眼差しの方がいいよ!←

364ピーチ:2012/04/07(土) 11:19:32 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさん>>

え〜?馬鹿にした眼差しって・・・((汗

勘でここまで書けるってよっぽどだよ〜・・・←自分は文才ゼロww

あたしもファンタジー系書いてるけど・・・ここまで書ける自身ないなぁ・・・

365ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/07(土) 16:45:12 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

>ピーチさん

思い切り馬鹿にしてください(`・ω・´)←
文才ゼロなのに勘でここまで踏ん張ってみた奴が一名ここにいるのですが←
ねここファンタジーとか戦闘とか書けないんだ全力で!←

366ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/07(土) 17:06:54 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

   香りフェチではないのです 女の子ver.



 茶色いふわふわのフードつきパーカーをぎゅうって抱きしめたくて。
 もふもふしてぎゅうってして頬をスリスリしたりして、すっごいふわふわで暖かくて気持ちいいの。

 ああもう、勘違いしないでよね!
 「君」が好きなわけじゃなくて「君のパーカー」が好きなんだってば!

 もふもふしたときのあのふんわり感も。
 ぎゅうってしたときのあの柔らかい暖かさも。
 頬をスリスリしたときのあの言葉にできないくらいのふわふわさも。

 君のパーカーの全部が好き。
 もふもふぎゅうぎゅうすりすり!


 もふもふしたときに、ぎゅうってしたときに、スリスリしたときにふわって香っちゃうような君だけの香りも好き。
 もふもふぎゅうぎゅうすりすり、くんくんっ!


「お前俺のパーカーで何やってんの……?」
「え」


 君に見られたってこのふわふわ感と香りは誰にも譲れないのです。


「変態かよ!」
「あぁあぁうあぁえうああぁあぁあっ、くんくんもふもふ」
「返せ!」


 やだやだ、そんな性格悪い君にこんなに可愛いパーカーなんて勿体無いよ。
 そう思いながら教室中を走り回ったその瞬間、思わず転倒してしまった。


「かーえーせっ」


 わたしを支えようとして一緒に転倒しちゃう君。
 何かわたしが押し倒されたみたいな感じになって恥ずかしいのに、君がわざと顔を近づけて悪戯っぽく言ったその言葉も好き。


 そして君からふわって香るパーカーと同じ香りも全部大好き。


「くんかくんかっ」
「……お前香りフェチなの?」


 香りフェチっていうかパーカーフェチっていうか。


「君フェチかなっ」


 悪戯っぽく微笑んでそう告げたわたしの言葉に顔を真っ赤にしちゃうような君も好き。
 立ち上がった瞬間思いっ切りわたしのこと抱きしめちゃうくらいわたし大好きな君も大好き。


「俺もお前フェチかも」
「じゃあパーカーちょうだい?」
「それとこれとは話しが別だっつの、お前返せ!」
「やだーっ」


 教室中駆け回って。
 バタバタ走り回って思わず教室を抜け出したりして。

 どんな人混みの中でもわたしを見つけ出しちゃうくらいわたしフェチになってね!


     -


 かわいいいいぃいぃいいいっ!
 フェチについて書いてみた!

 息抜きです、連載ものちょっと飽きてきt(ry

 ▼ちなみにフェチの意味
 特定の種類の物に異常な執着・偏愛を示す人。

 まあつまり、香りフェチだったら香りにすっごい興味があるというか。
 声フェチ(主にねここ)な人は声に癒されちゃったりまあある一定のものにものすごい興味を持ち出すみたいなね!


 そう、ねここは声フェチだったのだ!
 女の人のアニメ声とかそういうのは好きじゃないんだけど
 男の人の低音ボイスに殺られる。

367ピーチ:2012/04/07(土) 18:15:19 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさん>>

ピーチでいーよーwwタメもおkだしwww

文才100以上のねここさんのことを文才0のあたしが馬鹿にはできない・・・((落ち込み

あたしはねーPCフェチ・・・ってゆーかPC依存症ww

368ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/07(土) 22:49:34 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp

>ピーチ

早速ピーチで呼んだよ!←
ねここのことも呼び捨てでいいよ〜
ねここが文才100以上だったらピーチの文才は軽く10000は超えてるね、馬鹿にしようか!

依存www
でもパソコン依存しちゃうよねー!

369ピーチ:2012/04/08(日) 12:25:33 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

じゃーねここー♪

え・・・あたしの10000以上って言ってくれる人、家族にいないよ〜>M<

ありがとー!後、LOVE何とかのスレも読んでるよ♪←ゴメン、題わかんない((汗

370ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/08(日) 14:08:11 HOST:w0109-49-135-21-29.uqwimax.jp

>ピーチ

そうなの?
ねここの家族はまずねここが小説書いてることから知らないと思うなw
カタカナで書くとラブレターだよー♪

371ピーチ:2012/04/08(日) 17:15:12 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

ほぇぇ・・・!カタカナで「ラブレター」!?

あたしには永遠に縁のない単語だ!←極度の男嫌いww

まぁ、知り合いでも同級生じゃなきゃ大丈夫だけどーwww

ねここは男嫌いとかない?

372ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/08(日) 19:57:57 HOST:w0109-49-135-21-29.uqwimax.jp

>ピーチ

男嫌いとかはないかなー!
てゆかピーチが男嫌いなの始めて知ったw

373ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/08(日) 20:21:32 HOST:w0109-49-135-21-29.uqwimax.jp

 「しあんいろ」一周年記念 / ○○フェチお題


 もうすぐ(5/21)しあんいろはスレ立てから一年が経ちます!
 ということで、みなさまへのお礼もかねて○○フェチお題ということで様々なフェチを持った子のお話を書いてみようと思いました。

 何故まだ一ヶ月以上先のことなのに今からやるかというと
 これから新学期で忙しくなるし帰る時間も遅くなるので書く暇がなくなると思うので(´・ω・`)

 とりあえずねここが書くもの

 0、君フェチ(>>366)
 1、声フェチ
 2、手フェチ
 3、髪フェチ
 4、ぬいぐるみフェチ
 5、肌フェチ
 100、すきだよ(ほんとに)


 希望とかリクエストがあれば言ってください(ないと思うけど)。
 書きますぜひ書かせていただきます!

 最後の肌フェチとかちょっとおかしくねって思ったけど気にしないでね!
 0はもう既に書いたきみフェチ、100はとりあえず一番最後ってことです。これから増えるかもしれないからね(`・ω・´)


 ちなみにフェチの意味を簡単に。
 まあ一つのものを溺愛するというか。

 声フェチとかだと低音ボイスとか声にうおおってなっちゃう感じでs((


 改めて今言いますが
 しあんいろも無事一年達成できそうです!

 ねここが連載系を完結させられるようになったのも
 100レス以上普通に書けるようになったのも
 しあんいろがキッカケだったので本当にしあんいろは思い出たっぷりな小説です。

 しあんいろの題の由来もいろいろあるんだよ
 個人情報に関わってくるから教えられないけど!

 それでは!
 今までありがとうございます。
 そしてこれからもよろしくお願いします!ねここでしたー!

374ピーチ:2012/04/08(日) 22:58:08 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

マジマジ?男嫌いナシ??

うん!ねーちゃんと共に男嫌いだよー!←集団いじめと言う訳ありww

375ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/08(日) 23:24:31 HOST:w0109-49-135-21-29.uqwimax.jp

 「しあんいろ」一周年記念 / 声フェチ 女の子ver.



 耳元でそっと囁くそうに、低いとろけちゃいそうな甘い声で好きだよって。
 ぞくってしちゃうような感覚も顔が真っ赤になっちゃうような瞬間も大好きだから。


     ×


 ある日ある朝、ふいに耳元から全身にかけてぞくりと体が反応したことがあった。
 そして顔が真っ赤になって動揺しまくりの態度で耳元で囁いてきた人物を見つめる。


「なにいまの……」
「ははっ、ゆい超感じちゃってんじゃん」


 可愛い笑顔を浮かべちゃうような君も好きだけど、だけど。


「しょ、翔太の声なんかで感じるわけないんだからー!」


 君の、翔太の笑顔に比べて全然可愛くないわたしは感じてしまったということを素直に認められなかった。
 あの感覚が、ぞわりとして震えちゃうような快感を認めた瞬間わたしが負けだと思ってしまったから。


「そう、じゃあ他の男だと感じるの?」
「し、知らないよ……翔太が連れてきてくれたら試してやってもいいけどっ」


 またあの感覚を味わいたいという本能からその言葉が出てきていたけれど、やっぱり自分が負けるのは嫌だった。
 わたしが連れてきてくださいってお願いするはずなのに、まるで翔太が試したくて試させてあげるような形になってしまっていることにも気づかずに、わたしは反抗しつづける。


「ふうん、じゃあやってみようか?」
「う、うん……多分感じることはないと思うけどね!」


 そしてわたしを試すといって集まってきたのは数人の男子たち(しかも格好良い)。
 一人目の男子は校則違反なんじゃないかというくらいの金髪がぴょんぴょん跳ねている。


「かわいいな」


 ぼそり、と。
 不意打ちで囁かれた言葉にまたあの感覚が襲いかかってきた。

 ぞわり、びくん。


「お、感じちゃった?」
「かっ、感じてなんかないもん……」


 そして二人目の男子。
 元気な茶髪が特徴的で寝癖みたいなのがくりってついてる。それも可愛い。


「え、ちょ……こんな可愛い子の耳元で囁いちゃっていいの?」
「どーぞどーぞ、囁いちゃって?」


 ふざけて笑う翔太にむっと表情を歪めているとまた不意打ちで囁かれた。


「食べちゃいたい」


 ぞくって、びくってしたけど。
 言葉おかしくないですかと硬直しながら聞く。


「ねー、感じた?」
「……感じてないもん」


 ふいっと顔を逸らした瞬間後ろから囁かれた。違う声ってことは三人目の子?


「うまそ」


 ぞわっ、びく。
 ぶんって振り向くと、黒髪でロン毛の男の子が怖いくらい綺麗な顔で微笑む。


「……食べれねえの?」
「わたし食べ物じゃありませんから」


 そっと断った次の瞬間、後ろから今までにないくらい甘い低音ボイスで囁かれる。


「もう感じてんじゃん、ゆい」


 すっごいぞわぞわした。
 その瞬間思わず声をもらしてしまった。


「は、い……」


 わたしはもう感じてますよ。
 すごくすごく、もう抜け出せないくらいに囁かれることの快感を知った。


「……しょうたのが、いちばんいい」
「ん、よくできました」


 くしゃりとわたしの頭を撫でる手をぎゅってしたかった。
 もっと囁いてって言いたかった。

 そう思いながら翔太を見つめると、またあとでなと大きな手でわたしの頭をもう一度撫でる。


 そして最後に囁かれた言葉ととろけちゃうような甘い甘い低音ボイスに、わたしはもう声フェチというものになってしまっていたのでした。



「好きだよ」




     -


 一周年記念の声フェチです!
 なんか文章は君フェチに比べて劣ってしまいましたが精一杯orz

 自分が声フェチなぶんむしろ書きづらいんです。
 ていうかねここはこういうタイプの声フェチじゃないんですよー。

 歌っていうか
 歌ってるときの声が好き

 で、その声でしゃべられるとやられる!


 ということで次は手フェチです!お楽しみにー



  君フェチ(>>366)←old next→手フェチ

376名無しさん:2012/04/09(月) 16:46:32 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
声フェチとかw

377ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/10(火) 17:45:27 HOST:w0109-49-135-27-63.uqwimax.jp

>ピーチ

ねここではないけどねここの周りに男好きな女の子ならいるよ、たくさん←
ねここはきらいではないだけで好きでもないけどねー

訳ありなのか…(`・ω・´;)
ていうかお姉ちゃんいるんだー!

378ピーチ:2012/04/10(火) 18:42:46 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

うん♪めっちゃ訳ありーww←軽くゆーなよ!

まー気にしない気にしない♪

379ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/10(火) 20:04:25 HOST:w0109-49-135-27-63.uqwimax.jp

 「しあんいろ」一周年記念 / 手フェチ



 頭を撫でるとき、細い指が髪に絡まってそれが心地よかったり。
 大きな手に包み込まれてしまうような感覚が不思議なくらい安心したり。


     ×


「ばかゆいー」
「っ、ちょっと! 今日髪可愛くしてきたのに崩さないでよー」


 翔太の大きめの手がわたしのツインテールを緩く崩した。
 せっかく早起きしたのに、と思いながら翔太を見つめキツく叱ろうと思ったけど、楽しそうに微笑む翔太を見てぷうっと頬を膨らませることしかできなくなる。


「校則違反ですよー、つって」


 そう言いながらもう一度わたしの頭を今度は優しく撫でる翔太にきゅん、と心が揺れてしまった。
 ありえないありえない!、と心の中で全否定して次はちゃんと怒る。


「も、もー! 校則違反じゃないってば!」
「ばーか、冗談に決まってんだろ?」


 そんなふうにわたしをからかって。
 そんなふうにわたしを馬鹿にして。


 やっぱりこんな男好きじゃない!


     ×


「なあゆいー」
「ちょ、ちょっと! 学校でベタベタしないでよー」


 お昼の時間、お母さんにつくってもらったお弁当を友達と二人で食べているとまた髪がぐしゃりと乱暴に撫で回された。
 またきゅんって心が揺れる。翔太なんて嫌いじゃないのか、わたし!


「学校では? 別に普段からお前にベタベタしてるつもりないし、したくもないしー」
「なっ……」


 突然わたしの頭から離れた手にあ、と声を漏らした。
 寂しいような物足りないような感覚にぶんぶんと頭を横に振る。


「そーいうの、自意識過剰っつうんだよ」


 こんな男、絶対好きじゃないってば!



     ×



「ゆーいー」
「…………」


 わたしはもうアンタなんかと話さないんですー、と心の中で呟きながらぐたあっともたれ掛かってくる大きな体をぐいっと反対側に押した。
 好きじゃない好きじゃない好きじゃない近寄るなこの野郎!


「……なに? ゆい、昼のこと怒ってんの?」
「…………」


 絶対話さないんだから、と思いちらりと翔太の方を見つめると、翔太はわたしなんかをよそに違う人のところに行って楽しそうに話していた。
 もうだいっきらい、と俯いて少し早歩きになる。


「……ゆーいちゃんっ、妬いちゃった?」
「っ、妬いてなんか……あ、」


 しゃべっちゃった。
 そのことに今気づきにたぁっと嬉しそうに微笑む翔太をやられた!、という顔で見つめた。

 その瞬間ふわりと翔太の手がわたしの頭を優しく撫でる。


「お前さ、俺の手好き?」
「……うん、そーかも」
「ふうん、変態なの?」


 翔太の言葉に口をパクパクさせて叫んだ。


「あ、アンタのが変態だばあか!」


 どうやらわたし、翔太自身じゃなく翔太の手が好きなようです。



     -


 手フェチ!
 うん、イマイチかな?

 まあいいとしよう。



 声フェチ(>>375)←old next→髪フェチ

380ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/11(水) 18:37:10 HOST:w0109-49-135-27-146.uqwimax.jp

>ピーチ

大変ね!(ry
え、あ、はい。気にしません、はい!←

381ピーチ:2012/04/11(水) 19:44:42 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

え??全然大変じゃないぞょ??

もー慣れっこだからさーww

382いちごみるく ◆0e9tec1EeM:2012/04/12(木) 19:55:22 HOST:p205.net112139138.tokai.or.jp

 久しぶりにみにきましたああああっ!!
 
 本当に面白いです^^、

383ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/14(土) 14:17:58 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

>ピーチ

そっかあ!
てか慣れるってすごいなw

>いちごみるくさん

お久し振りです!
あわわ、ありがとうございます!

384ピーチ:2012/04/14(土) 16:47:46 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

ラブレターの方での返事もかねてこっちでまとめさせて頂きますww←てきとーでゴメン((汗

慣れなんだよねー・・・塾でも男子が二人いるんだけどさ、殆ど女子と話してるしww

「しあんいろ」、「ラブレター」共に更新頑張ってね〜!♪

385ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/16(月) 16:37:31 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

 「しあんいろ」一周年記念 / 髪フェチ 男の子ver.



「好きだよ、ゆいのこと」


 夕暮れに染まった教室が、俺たちを包み込むような暖かさになった。
 ずっと心に秘めてきた思いを伝えるなら、今かなって思う。


「わたしも好きだよ、翔太!」


 そう言って無邪気に微笑む君は。
 そう言って楽しそうに俺を見つめる君は。

 俺の思いなんか全然受け取ってくれなくて。


「……嘘吐き」


 思わず呟いた一言に本当だよ、と冗談っぽく笑うゆいの笑顔が俺には眩しすぎた。
 俺は恋愛感情でゆいが大好きで、幼馴染とか友達なんかじゃなくずっと女の子としてゆいを見てきたのに。


「ゆいが鈍感なのはわかるけど、やっぱりちょっとむかつく」


 ゆいが冗談っぽく笑って俺の気持ちを冗談にして誤魔化そうとするなら。
 俺は冗談だって思えないくらい最低なことでもしてやろうかな。

 ぐいっと、二人っきりの教室の中でゆいを押し倒した。
 驚いている様子を見せたゆいだけど、まだへらりと笑ってる。


「……むかつくんだよ」


 ぐっと、ゆいの腕を押さえつける。
 流石のゆいも不思議そうに首をかしげてきた。


「わ、わたし……翔太になんかやった? 嫌なことしてたら謝るよ、ごめんね」


 そういう素直なところも。
 素直を通り過ぎて鈍感すぎるところも。

 全部全部、俺は愛してるのに。


「俺、恋愛感情でゆいが好きなんだよ」


 大好きなゆいに怖い思いさせたくない。
 嫌われたくないって気持ちが、俺の体を勝手に動かしたような気がした。


「わたしのどこがいいの?」
「ぜんぶ」
「ぐ、具体的に教えてよおっ!」


 顔を真っ赤にして戸惑うところ、とか。
 なんて冗談っぽく言ったところでゆいは怒るだけだから、真剣に答えた。


「可愛くて無邪気な笑顔も素直で優しいところも、ちょっと鈍感でドジなところも、嘘なんて吐けない真っ直ぐな目も」


 俺がゆいの好きなところを述べていくあいだ、ずっとゆいが硬直していたような気がした。
 動揺しているんだろうなって思いながら俺もいつものゆいに負けないくらいの笑顔を浮かべて言った。


「あと一番、茶色くてさらさらでふわふわした髪の毛が好き」
「…………ごちそうさまでした」


 ゆいの言葉にふっとまた笑みをこぼす。
 そして真っ赤な顔で俺に言ったゆいの言葉に思わず俺も顔を赤くさせた。


「わたしもずっと、翔太のこと好きだったよ! その、男の子として」


 抱きしめてやりたくなった。
 顔が真っ赤になるくらい思いっ切りぎゅってして、俺の大好きな髪の毛をくしゃりと撫でたりもしたかった。


 でもそれは、今度のお楽しみ、かな。



     -


 なんかもう髪フェチじゃないね、ごめんね!←
 いっつも女の子verだったけど今回は男の子の視点で書いてみたよー 


   手フェチ(>>379)←old next→ぬいぐるみフェチ

386ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/16(月) 16:39:06 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

>ピーチ

適当じゃないよ!大丈夫だよ(`・ω・´)!←

ていうかピーチ塾行ってるんだ!
いやなんか変なところ突っ込んじゃったね、ごめんね!w←

うん、がんばる!

387ピーチ:2012/04/16(月) 21:47:46 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

あははっ♪うん、塾行ってるよ〜ww←あくまでバカww

でもねここは塾とか行かなくても良さそーだよねーww

頭いーでしょ?ねここって←地味に失礼な物言い

あたしもせめて人並みにできればなぁ・・・

388ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/16(月) 22:14:41 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

>ピーチ

頭よさそうなイメージがあった!
そそそそんなことないよ(´・ω・`)!馬鹿なのに勉強してないだけだよ((

389ピーチ:2012/04/18(水) 21:46:25 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

・・・嘘!!?ね、ねここー!わざわざ嘘吐く必要ないんだよ?←何のためだ!

だって頭よくないとそこまでの小説書けないよー!!

390ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/20(金) 19:57:35 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   Empty heart



 わたしの心は「     」気持ちでいっぱいだ。


 ――ぼんやりと、その言葉を眺めていた。
 まだ新品の教科書には「」の中の言葉を埋めなさいなんて命令口調の黒字が書かれている。

 相変わらずの命令口調に何も思うことはなかった。
 友達はいい加減命令口調やめてほしい、飽きてきたと愚痴を吐いてきたけれどわたしにとってはどうでもいいことだし。


 ていうか、高校生にもなってこんな問題を出すか?
 そう半ば呆れながら、それでもその空欄にどんな言葉が入るのかと真面目に考え出した。

 わかった人から手挙げて発表してー、なんて中学生や小学生っぽいことをやらせる国語の先生を溜め息混じりに見つめた。

 こんなのわたしにはわからない、と心の中で諦めたけれど、周りをよくよく見てみるとほぼ全員手を挙げている。
 その生徒たちの瞳はまるで先生に馬鹿にしてんじゃねえよ、と言っているようだった。


「じゃー……空」


 まだクラスの人の名前をよく覚えられてない先生は席順ではない出席番号順の名簿を手に、ふいにわたしの名前を呼ぶ。
 わたしはえ、あ、と何も言えなくなって戸惑ったあと、冷静にびしりと言い放った。


「わたし手挙げてませんけど」
「ああ、名簿席順じゃないからよくわからなくてねー」


 ごめんごめん、と苦笑する先生に何とか逃れられただろうかと思う。
 そんなことを思ったわたしが馬鹿だったのかな。


「でもこれは答えられるんじゃないの? 空、答えてね」


 無理無理!、と両手を胸の前で振ったけれどもう逃れられそうにはなくて、溜め息を吐いたあと言った。


「わかりません」
「……マジで?」


 少し間をあけたあと、まさかと言ったような目で先生がわたしを見つめた。
 それに反抗して呆れた表情で見つめ返す。


「わからないし答えたくもありません、代わりに誰かどうぞ」
「ん、んー……納得しちゃいけないような気もするけど、まあいいや……じゃあ綾、答えてー」


 綾はわたしがそう思っていいのかわからないけど友達で、代わりにさされて大丈夫かな、と思った。


「はい、わたしの心は幸せな気持ちでいっぱいだ、です」


 綾も戸惑い恥ずかしさ紛れではあったけれどハッキリと自分の考えを述べていた。
 これが正しいとわかっていながら、それでもわたしには無理だと諦める。


「はいはい、その心は?」


 国語の先生はよくわからないけどその心を問い掛けていて、綾はにこりと可愛らしい笑みを浮かべてからわたしを見つめ言った。


「大好きな友達と学校生活を送れていることが幸せで、感謝しても感謝しきれないくらい幸せだーって気持ちでいっぱいなんです」


 綾がわたしのことをこんな風に思ってくれてるなんて思わなかった。
 でもわたしの心は幸せな気持ちでいっぱいになるっていうのは、ちょっと違うような気がする。

 違うというか、わたしはそういう感情になったりはしない。


「……幸せってなんだろうね」


 ペンケースについている綾と御揃いの兎のストラップを見つめながら、そう独り言を呟いた。


     ‐


 つづきます!
 一周年記念の息抜きと思いましたがこれも一周年記念です←
 ていうかもうぜんぶ一周年きねn((

391ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/24(火) 18:10:17 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   Empty heart



「――ら、そら、そーらっ!」


 綾の声が聞こえてきた。
 確か国語の授業だったはずじゃ、と周りを見回すけれど、教室にはもうぽつりぽつりと数人の人しか残っていない。


「次、移動教室だよー?」
「え、あー……わたしいいや」


 綾の言葉に驚きながら小さめの黒板に書かれた時間割を見た。
 チョークで書かれた音楽の字は綾の綺麗ででも可愛い系の字だ。

 でも今から移動したって遅れるだけだし、と思いながら諦めるように言う。


「いいやって空……音楽好きじゃなかったっけ?」


 綾の問いに心の中で「昔はね」と答えた。
 でもあまり思い出したくない過去だったから、ううんと首を横に振って誤魔化す。


「ほら綾、遅れちゃうよ?」
「……う、うん」


 綾は戸惑いながら、それでも遅れないようにと走っていった。
 わたしは走るの遅いけど、綾は体育得意で走るの凄い速いからきっと間に合うよ、と思いながらその背中を見つめる。


 わたし、音楽すっごい大好きだったのになあ……



     ‐



 意味深ですね!
 つづけるかどうか迷ったけど、前のお話でつづきます宣言しちゃったからつづき。


 意味深なまま終わるとあれなのでつづくかもですもっきゅきゅ!

392ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/26(木) 19:34:25 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   Empty heart



 わたしは昔、歌うことが大好きだった。
 ――いや、歌うことじゃなくて、わたしが歌を歌って喜んでくれる幼馴染が好きだったのかな。


 わたしには保育園のころからずっと一緒の幼馴染がいた。
 男の子で、いつもわたしのことを考えてくれてた大切な幼馴染。

 いつしか幼馴染から恋人って関係になれならな、と昔はよく思っていたものだ。
 でもその幼馴染はわたしに振り向くことなくずっと片思いしてる女の子がいて、わたしはただ応援することしかできなくて。


 「がんばってね」って言葉でさえ、言うのが辛かった。


 心の狭い人間だなと思う。
 好きな人のことなんだから素直に心から応援しなきゃって思う。

 でも、そのときのわたしは幼馴染の彼を手放すのが怖くて仕方なかった。



 ――わたしはずっと圭のこと好きだったよ。
 ――俺は、俺には優がいるから。
 ――片思いのままでいいの?
 ――そりゃ嫌だよ。
 ――じゃあわたしにしちゃいなよ。



 こんな会話をしたのを今でも覚えてる。
 よく考えてみればわたしってかなり強引だったな。


 そして最後に言われた言葉がまるで刻みつけられたように心に残った。





 ――俺さ、優と付き合ってるんだよね。





 それから圭と話したことはなかった。
 すれ違うたび、わたしの心がからっぽになっていくような気がして。


 それでも話し掛けることはできなかった。



 圭に振られたことで音楽が嫌いになったのかもしれない。
 聴いてくれた人に喜んでもらう気持ちなんて、どうでもよくなってしまったのかもしれない。





 あのとき好きって言わなければ、まだ圭の隣で微笑んでいられたのかな。



     ‐

393ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/05/01(火) 22:15:23 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   あいらぶゆう!



 ――アンタ、遊のこと好きなんでしょ?

 つい先日友人に言われた言葉がふいに頭をよぎった。
 そのときは吃驚して別に好きなんかじゃないよ、と誤魔化してみたけど実際どうなんだろう。嫌いではないしなあ。


 遊はとっても明るくて元気でやんちゃで、でもさりげなく優しくて格好よくて。
 何だかんだで好かれやすいしバレンタインデーのチョコレートの数なんて毎年数えきれないほどの量だし。

 そんな遊を見てるのが楽しかったのに、急に好きなのかなんて聞かれてもわからないよ。


 ていうかわたしに好きって言葉を持ちかけること自体どうかと思う。
 だってわたしは初恋でさえまだだし、好きって気持ちをよく理解してないし第一わたしが恋愛なんてできるはずないって思ってるんだもん。

 あ、何だか自分で考えといて悲しくなってきた。


 でもわたしが思うことは。
 遊は人気者なわけで、告白したってごめんとかありがとうで流されちゃうしバレンタインだって大量のチョコの中の一つになっちゃうから。



 遊に告白したってどうせ無駄な努力で終わるんじゃないのってことだ。



 わたしの心の中で思っていることを全部吐き出した瞬間あっさりと現実に戻された。
 なぜだろう、おでこが痛い。

 声にならない悲鳴をあげておでこを抑えるとパラパラと白い粉が舞った。


「〜〜〜〜っ」
「お前、アタシの授業で寝るなんて良い度胸してんな」
「寝てたのは反省してますけどチョーク投げるのはないですよ先生」


 やってしまった。
 スパルタと体罰とチョークで有名な有希先生の授業で寝てしまうとは。


「……先生、いっそ心臓に当てて殺してくれればよかったのに」
「一発で殺すよりじわじわと痛めつけながら焦らし殺す方がいいでしょ?」


 ふふん、と何故か得意気な有希先生に何ですかそれ、と呆れた表情を浮かべた。
 友人も言うけれどわたしと有希先生は何かと気が合うらしく、それなりに話しが弾む。

 でもおでこが痛いのは変わらなくて、その後数時間チョークが命中したおでこが痛みつづけるのだった。


     ×


「あ、遊だ」
「おお、桜じゃん」


 学校の帰り道、ぼーっとしながら見慣れた町を歩いているとバッタリ遊と遭遇した。
 一人でいるのめずらしー、と適当なことを考えながらへらりと微笑む。


「なんか久し振りー」
「だなー! 前はあんなに二人で遊んでたのにどうしてだろうな?」


 遊の率直な質問にわたしも率直な答えを返してあげた。


「それは遊が女たらしで女の子と遊びまくるからでしょ」
「ありゃ」


 俺女たらしじゃねえもん、と微笑みながら言う遊にまったく、と呆れてみせたりした。
 でもでも、どうして遊が此処にいるんだろう? 家も正反対のはずだし。


「……なんかあったの?」
「何でわかんの?」
「え、いや……なんか」


 ぽつりとつぶやいてみたことがまさか図星だったなんて、と思いながらそれでも少し不安になった。


「頼りないかもだけど、わたしでよければ聞くよ?」


 思わず言った言葉に遊が自信の無さそうな目でわたしを見つめてきた。

 どきん、と。
 遊の綺麗な目に胸が揺れる。



「……俺、好きな人できたんだよね」
「だ、だれ?」
「言うわけねーだろ」
「あ、そっか」


 びっくりしたびっくりしたびっくりした。
 好きな人できたって遊が言ったとき、わたしのことすっごい見つめてきたんだよ。


 きっと自意識過剰なだけかもしれないけどドキドキしたのは事実だ。



 応援してあげたいけどなぜか痛む胸に疑問を感じた。



「……相談、乗ってくれる?」



 そんな上目遣いでわたしのこと見ないでよ。
 そう思いながらそれでもわたしは頷くことしかできなかった。



「う、ん……」



 わたしに恋愛の相談なんてきっと無理だよ、遊。



     ‐


 タイトルのあいらぶゆう!には意味があります
 とりあえず主人公、桜(さくら)と遊(ゆう)ね!


 短連載の予定

394ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/05/04(金) 17:36:13 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   あいらぶゆう!



「その、遊の好きな人ってだれ?」
「うわあ、積極的だね」


 思わず好きな人を聞いてみたけれど、遊は素直には答えてくれず呆れたような表情でわたしをからかった。
 違う!、とあわてて否定してみたりもしたけどやっぱり遊は好きな人の名前は教えてくれなかった。


「ヒント! すっげえ鈍感な子だよ」
「ゆ、遊……鈍感な子が好きなの?」


 わたしもさっきの恨みを晴らすように呆れたような目線で見つめてみたけどやっぱり遊には効かないようで、しかも笑ってるように思えた。


「も、もっとヒントないの?」


 話しを逸らすようにわたしが聞くと、遊は案外あっさりと教えてくれた。


「お人好しで自分のことより相手のこと優先しちゃう奴で――多分俺のこと好きじゃないと思う」


 だんだんと曇る遊の表情にわたしもどう反応していいか戸惑った。
 だって自分の好きな子が自分のこと嫌いかもしれないんだよ?

 でも、遊に限ってそれはないと思った。


「……多分それは遊の思い込みだよ! 遊嫌われるような人じゃないし、女たらしではあるけど」
「ほらあ、俺女たらしだと思われてんだよー!」


 ますます自信を無くす遊を何とか元気づけられないかとわたしは思わず大きな声で言った。


「ほ、ほら! その子が遊のこと好きじゃなくてもわたしは遊のこと好きだからさ!」
「……そ、れって……恋愛で?」


 遊の顔が真っ赤なのがわかった。
 ああどうしよ、わたしの顔も真っ赤だ。


「……え、と……もうなんなの! よくわかんないよっ、遊のこと好きなのかもしれないっ」


 こんな自分ヘンだよ、と思いながら遊に言った。
 そして遊がわたしに告げる。


「俺の好きな子の名前、教えてあげる」
「え?」



「桜っていう子だよ! 可愛くて優しくてお人好しで鈍感で、俺がずっと大好きな子」




 わたし、だったの?
 ずっと羨ましいなあなんて思ってた遊の好きな子って、わたしのことなの?




「わたし、も……遊だいすき」




 ねえ、遊
 女たらしってね、本心じゃないんだよ。


 きっと大勢の中の一人でもいいから遊の傍にいたくて言っちゃったんだと思う。




「あいらぶ遊!」




 これからはずっとわたしの傍にいてね!



     ‐



 タイトルもあいらぶゆう!っていうか、漢字にするとあいらぶ遊です!
 遊って名前にしたのはあいらぶ遊って言わせるためだったんだけどあんまり強くでなかったねorz

 本当はもっと長くするつもりだったんだー!
 長くして長くして桜を嫉妬させるつもりだったんだー!


 でもしあんいろの更新率下がるからさ、早めに終わらせたかったんだよーorz



 ではではぐっばい!←
 あれ?終わりがおかしいか、まあいいやぐっばい。

395ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/05/13(日) 20:11:35 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   たくさんの「すき」を詰め込んで。



 うたうのが、すき。
 透き通った歌声が部屋に響くのが心地よく感じられて、だいすき。

 おんがくが、すき。
 ヘッドフォンから大音量でながれる曲は何もかもわすれられるようで、だいすき。

 まんがが、すき。
 幸せな展開で終わる主人公を見るのが、だいすき。

 ともだちが、すき。
 いっしょにいたらつまらないことなんてなくておもしろくてたまらなくて、だいすき。

 ぶんしょうが、すき。
 小説を書いたりするのが、だいすき。

 いじるのが、すき。
 ちょっとした悪戯心で振り回したり意地悪したりするのが、すき。



 きみが、すき。
 友達と楽しそうに微笑むきみが、大好き。

 いつか、幸せになれればなって思う。



 ――きっとそれは、不可能なことだと思うけど。


     -


 お久し振りです!
 Loveletterのほうには存在していましたがさがりっぱなしのしあんいろも投稿してみました、どうも。

 これは全部ねここの好きを詰め込んだものです。
 最初ははずかしがりやな女の子の好きなことを詰め込む予定だったのですが、ちょっといろいろあってこうなった。どうなった。


 それで本当に好きな人はいるんだけれども本当に不可能だからうわあorz
 てな感じでじゃあまたいつか更新します(´・ω・)!

396ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/05/19(土) 21:05:41 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   友達以上恋人未満



「さつき、好きだよ」
「わたしも好きだよ、ゆーくん」


 さつきは嘘つきだ。
 そう思いながら、俺の告白を掻き消すように微笑むさつきを見つめた。


「なあ、そういう意味じゃなくて」
「他にどんな意味があるの? ゆーくん可笑しいね」


 さつきの肩を強めの力で掴んでも、さつきはくすくす笑うだけだった。
 きっとさつきは気づいている。

 俺の気持ちに。
 俺の好きの意味に。


 ――やっぱり俺、嫌われてんのかな。


「さつきは俺のこと嫌い?」
「へ? 嫌いじゃないよ?」
「じゃあなんでっ」
「……嫌いじゃないよ、安心して?」


 じゃあ何でちゃんと返事してくれないの?
 そう言おうと思ったけど、さつきは誤魔化すように優しく言った。


「……気づいてるだろ?」
「何に?」
「俺がさつきのこと好きなこと」
「……友達として、でしょ?」


 ちがうよ。
 俺がそういうことを言わないように、言えないように。
 さつきは力強い真っ直ぐな瞳で俺を見つめてきた。


「……どうしてもだめなのかよ」


 消えるようなかすれた声でそうつぶやくと、さつきが可愛らしい笑みを浮かべて言った。


 俺の大好きな笑顔。
 愛おしくて見惚れてしまうほどの笑顔。



 とても綺麗で、残酷な。




「友達以上恋人未満――わたしたちはこれ以上にも以下にもならないよ」


 さつきがちいさな声で繰り返すように「なれないよ」とつぶやく
 以上にも以下にもならない、なれない――


「ならせめて今だけ幸せにさせて?」


 そう言って、不意打ちでさつきにキスをする。
 さつきは驚いたような表情をしていたけれど、そのとき一瞬でもさつきの顔が赤くなったのがわかって思わず笑みをこぼす。


「これからも友達以上恋人未満の存在でいてくれる?」
「……もう、ばか」


 やっぱり俺たちには。
 一番これが心地良いのかもしれない。


     -

 さつきはあのさつきだったりちがかったり。
 以上未満シリーズを書きたかった。


 気がむいたらまた書くかもね!
 てかそろそろしあんいろ一周年な件。


 一周年のときはパアっと盛り上がりたかったぜ!

397ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/05/20(日) 12:45:07 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   前レス友達以上恋人未満のつづき!
   今回はさつき視点です(´・ω・)


   友達以上恋人未満(ばーか) sideさつき


「なんなのほんとに……」


 今でも思い浮かべてしまう。
 ゆーくんの顔が近づいて、急に不意打ちでキスされたあの感覚。

 キスされて吃驚してつい走って帰ってきてしまったけれど、ゆーくんを傷つけてしまってないだろうか。

 ゆーくんとは幼稚園の頃から高校生の今までずっと一緒で家も隣同士で。
 学校だってずっと一緒に行ってるし二人で遊んだりすることだって少なくない。


 ――そんなゆーくんと恋人みたいな関係なんて、今までの無邪気な楽しさがなくなりそうで嫌だよ。

 わたしだってゆーくんを恋愛感情で好きなのかもしれない。
 恋人同士になったらすっごく幸せで嬉しいのかもしれないけど、どうしても今の関係を崩したくないのに。


 あんな風にキスされたら、崩したくなくても崩しちゃいそうになっちゃうよ。


「……ばか、ゆーくんのばか」


 自室のベッドにぼふんとダイブしながらそう言った瞬間、突然自室のドアが開いた。


「だーれが馬鹿だって?」
「ゆ、ゆーくん!」


 え? ちょ、なんでゆーくんが此処に?
 あたふたと動揺しながら、それでもゆーくんの唇ばかり見つめてしまう。


「だってさつきチャイム鳴らしてんのに全然気づかねえんだもん、鍵かかってなかったから勝手に入っちゃった」
「か、勝手に入っちゃったってそれ犯罪じゃん! 不法しんにゅ、ん」


 不法侵入だよ、と言いかけたところで突然口が塞がった。
 驚いて目を見開くとまたゆーくんにキスされてて――


「〜っ、どうして」
「だってさつきが俺の唇ばっか見てっから、キスしてほしいのかなって」


 どうしてそんなことするの?、と訊くまでもなく、ゆーくんが微笑んで言う。
 悪戯っぽい笑顔を浮かべるゆーくんにちいさな声で訊いた。


「……本当に好きなの?」
「うん」


 即答するゆーくんにふざけないでよ、と言おうとしたけれど、ゆーくんの目は真剣で真っ直ぐにこっちを向いていて思わず俯いてしまった。


「さっきゆーくんとは友達以上恋人未満って言ったけど」


 そう言いかけてから、わたしから不意打ちでゆーくんにキスする。
 さっきまで自分からキスしてにこにこしてたくせに、わたしからキスしたら顔が赤くなっちゃってるゆーくんに悪戯っぽく言ってみせた。


「こーいう関係もいいかもね」


 遠回しに、ゆーくんの好きっていう言葉の返事をする。
 その瞬間、ゆーくんが突然わたしを抱きしめてきた。


「大好きだよ、さつき」
「わたしもゆーくん大好き」


 これからもずっと一緒だよ。


     -


 案外さっぱりと終わってしまった(´・ω・)
 これはもうLoveletterのさつきじゃないかもです。

 あ、でも転校前のさつきの設定でもいいかも!とか思ったんだけどね。
 よくよく考えればさつきにはレオがいるじゃんみたいな←


 でもレオは未花なんだよなあってことで
 超ネタバレですがゆーくんLoveletterに登場するかもです。


 いえーい!

398ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/05/23(水) 22:29:44 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp

   ▼「しあんいろ」一周年突破!

 本当は5/21にもう一周年突破してた!
 気づかなかったんです(´;ω;`)

 でも無事一年迎えられたのでよかったです(`・ω・´)
 なんだかぐだぐだと色々書いていますが、これからもよろしくお願いします!

 後で(今度)、詳しく語ったりしようかなとか思ってますので!
 そのときはぜひ付き合ってやってください←

     -

399ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/05(火) 20:15:30 HOST:w0109-49-135-38-28.uqwimax.jp


   enjoy!


「受験前なのに男女で街に行くって、どんだけ余裕なんだよって感じだよね」
「そ、そっかな?」
「そうだよもー、遥未(はるみ)はほんっと勉強嫌いだよね」
「うん、だいっきらーい!」


 だって面倒臭いし、とつぶやきながら友人の花乃(はなの)と話していた。
 今日の放課後わたしと花乃を含む男女六人で遊びに行くことになったからだ。

 午前の授業でお腹が空いたからかあっというまにお弁当を食べ終わったわたしたちは、今日のことについて計画を立てていた。


「まずゲーセン行くでしょー? そしてー、ユーフォーキャッチャーでゆーまに何かとってもらってー」
「遥未、遊真(ゆうま)好きだねえ」
「そんなことないもんっ」


 わたしがゆーまって呼んでる遊真っていうやつは、わたしの幼馴染。
 二人でゲーセンに行くこともすくなくはないし、みんなの都合が合わないときも二人でよく遊んでいる。

 受験勉強に向けて部活を引退してもう放課後フリーになった途端、わたしと遊真は勉強もろくにせずに遊び始めたのだ。
 最近よく先生に呼び出されたりもするけど、楽しいし。
 でも複雑なのは遊真は頭がいいってところで、勉強しないで困るのはわたしだけってことだ。


「……勉強なんてするだけムダだよね」
「遥未高校どこ受けんの?」
「花乃とか、遊真と同じとこ」
「えっ」


 認めたくないけど花乃は頭がいい。
 遊真には敵わないけど、遊真たちが行く学校のレベルは優に超えている。
 今日遊ぶ他のメンバーの百合(ゆり)と海(かい)と迅(しゅん)も同じ高校だが、みんな普通に勉強ができるから余裕でその高校に入れるのだ。

 ――つまり、馬鹿はわたしだけってこと。


「どうしよおおおおお」
「どうしたの? 遥ちゃん」


 おおお、この可愛い声でわたしのことを唯一はるちゃんと呼ぶ声は。
 思わず勢い良く振り向くと、そこには可愛らしい百合の姿があった。噂をすればってやつかな。


「いやあああちょっとね! おべんきょしなきゃなって!」
「まず勉強のことをおべんきょって言ってること自体頭悪そうに見えるよ」


 馬鹿花乃が突っ込んできた。
 別にそんなことないもんっ、と顔をそらすけれど、正直言ってその通りだと思った。


「じゃあ、今日は遊ばないで百合の家で勉強会する?」


 百合の可愛くて優しい提案に、それでもわたしは拒否した。


「ごめん、勉強ならわたし帰る……」
「大丈夫っ! 花ちゃんもいるし海くんも迅くんも遊くんもいるよっ」
「う、じゃあ……お願いします」


 百合の可愛さに押されて、今日は勉強会に変更することになった。


     ×


「全くわからーんっ!」


 百合が馬鹿なわたしのために用意してくれたプリントを見つめたあと数秒後、思いっきり叫んでみた。
 隣にいた花乃と海から苦情がくる。


「もー、なんでわかんないかな」
「うっせーよ馬鹿遥!」
「馬鹿とはなんだ!」


 抗議のしようがないのに抗議するわたしは本当に馬鹿だと思う。
 ちらりと目線を外したときに目にうつったのは、百合とゆーまだった。

 ゆーまが百合に優しく教えてるところ。
 そうだよね、この二人付き合ってんだもんね。



 去年あのゆーまから百合に告白して、両思いってことがわかったんだ。
 優しい百合のことだから、わたしが百合にゆーまと付き合わないでほしいって事前に言っとけば振ってたんだろうなあ。


 ――って、だめだめ!
 百合の優しさにつけこんじゃだめだよ。
 それにわたしはゆーまのこと好きなんて思ってな……



 思って、るかも。




「パンクしそう」
「何で?!」



 勉強もむずかしいけど、恋ってもっともっとむずかしいね。


     -


 つーづく!

400ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/06(水) 20:53:18 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp


  400レスありがとうございます!

   enjoy!


「複雑すぎる……」
「だから何が?! どの問題がわかんないんだよもー」


 面倒臭そうにそれでもわたしに教えてくれようとしてる花乃。
 ええい、もう優しさにつけこんでしまえ!


「花乃おぉぉおぉ……」
「なっ、何っ? やめてよね、変なことするの!」


 無意識のうちに手が花乃の胸にいっていた、なぜだ。
 まあ花乃に余裕でひかれたし、花乃のことが好きな海はわたしを睨んできた。


「おい馬鹿遥、花乃に何やってんだよ」
「うるせー馬鹿海、この片思い野郎」
「はあ?! 何だよ馬鹿って!」
「あ、片思いは否定しないんだー」
「……お前マジうざい!」


 わたしと海が話し出すと止められる人は滅多にいなくて、でも今回は何とか花乃が止めた。


「二人ともうるさい! 勉強会なんだからケンカしないの!」
「はぁーい……」
「ご、ごめん……」


 海もさ、花乃鈍感なの知ってんだから早く告白すればいいのに。
 そんな風に思いながら、空回りばっかりしている海を哀れな目で見つめた。


 そういうわたしも、哀れなんだけどさ。


「あの、遥ちゃんがいいのなら……勉強やめよっか?」
「え、マジで? いいの?」
「うんっ、勉強も結構したし」


 百合は可愛い。
 髪はサラサラだし、二つに結んでるのとか超似合うしすごく綺麗な栗色だし、目も綺麗で髪と同じ栗色で大きくて顔小さくて……えーとえーと、細くて華奢なのがまた可愛いし優しいし。
 本当に女の子って感じの子だ。なのにノリ良くて性格良いとかずるいよね。


「……あそぶ」
「やったぁ」


 百合が喜んでくれてなんかうれしかった。
 でも喜ぶってことは本当は勉強したくないのに付き合ってくれたんだよね。


「ごめんねみんな……わたしが馬鹿なせいで勉強につき合せちゃって」


 しゅんと落ち込んでいると、ゆーまがくしゃっとわたしの髪を乱暴に撫でた。
 百合も微笑んで言う。


「らしくねーなー。俺たちどれだけ仲良いと思ってんの? 今更謝られても困るし」
「百合はすこしでも遥ちゃんが勉強できる機会があってよかったって思ってくれたなら、それだけでうれしいよ」


 花乃と海と迅も、微笑みながらわたしに言った。


「こんなことで謝るくらいの仲じゃないでしょわたしたち!」
「遥未はうるさいけど、にぎやかで楽しいよ。できれば花乃と話すときは入ってこないでほしいけどさ」
「謝られると逆にビビるし!」


 わたしはまだ中学生で、そろそろ高校生になるけどなったとしてもまだ高校生って感じで。
 なのにもう、こんなに優しくて頼もしくて一部可愛い仲間がいるんだ。

 やっぱり恋は難しくて複雑だけど、この関係は崩したくない。


「ありがとみんなー!」


 なんか思わず目の前にいたゆーまに抱きついてみたけど、百合がいるからもう我慢しよう。
 この気持ちはしまいこんでこのメンバーでずっといっしょにいたいな。


     -


 百合ちゃん美化設定←
 百合可愛すぎて辛いおおおおう……(´・ω・)

 遥未はお馬鹿キャラです。
 あはって感じです。
 それ以外みんな頭良いです。ずるいね。

401ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/06(水) 23:11:50 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp


   enjoy!


「か、か、か……」


 爆発しそう。
 つか萌え死にしそうだ。


「かわいいいいぃぃいいいいいぃいいっ!」
「そ、そんな可愛くないってばっ」


 隣で赤面するメイド姿の百合。
 超可愛い!


 ――わたしたちは今勉強そっちのけで街へ来ていて、コスプリ(コスプレプリ)撮ろうよってなって今こうして萌え死にしてるわけだ。
 照れながら微笑む百合の姿を見た瞬間わたしは爆発しそうでした。てかしていい?


「ねえゆーまっ! 百合超可愛くない?!」


 思わずゆーまに振ってしまった。
 ゆーまが執事服(わたしと海と迅が無理矢理着せた)を着心地悪そうに着崩しながら振り向く。
 その瞬間、ゆーまが驚いたのがわかった。あの悪戯好きで意地悪なゆーまが。


「……超可愛い」
「ほ、ほんと?」
「俺嘘つかないし」


 百合がゆーまには否定することなく本当かどうか確認していた。
 意地悪だけどゆーまは嘘つかないんだから、本当に決まってんじゃんっていう若干皮肉めいた気持ちになったわたしはバカップルをよそに花乃の元にいく。


「花乃様わたしを殺してください」
「ああ、わたしもちょうど殺そうと思ってたとこ――どうせなら百合に撲殺されたい?」
「えちょ、殴り殺すんですかていうかマジかよ!」


 焦らしプレイの撲殺は嫌だ!
 自分で言い出したことだけどマジかよとか言ってみた、フフン。


「アンタが遊真のこと好きなことくらいわたしも海も迅も知ってるわよ」
「ええええ? マジ?」
「ああうん、マジ」
「だって遥未わかりやすすぎだし」


 思わず海と迅に確認してみたら二人とも迷いなく頷きやがった。こんちくしょうめ。
 でも、と付け足すように海と迅が話し出す。


「百合の邪魔すんなよ、アイツ傷つきやすいんだから」
「遥未のことだから百合の優しさにつけこんでみたいな行動するんだろうけど奪おうとしてたら俺らは遥未の邪魔するからなー」


 にっこにこのスマイルが憎たらしいねこんちくしょう☆
 ていうかどんだけ信用ないのよわたし☆


「……ああ、うん……はい」
「まあ、落ち込むなよ」


 大人しく頷くと花乃に適当臭く慰められた。
 でもわたしはゆーまが好きって気持ちは引っ込めるって決めたんだし、ねえ?


「あの、えと……」


 え、なんだろう可愛い声が聞こえてきたどうしよう。


「ゆゆゆ百合ちゃん? 聞いてたかな今までのはなし?」
「……ご、ごめんなさいっ」
「別にいいよぉ、わたしあの人のこと好きじゃないから!」
「で、でも……」


 百合の優しさ、好きだよ。
 でも、そんなに優しくして甘く見たりしないでよ。


「そんなに迷うなら、わたしゆーまもらっちゃうよ?! いいの?」


 ああもう前言撤回だ!
 わたし、ゆーまを諦めない!


「百合だって人間なんだから、嫌いなものは嫌いでいいんだよ! 苦手なものは苦手でいいし、譲りたくないものはあげなくていいの!」
「……遥ちゃん、百合ね」


 百合が微笑みながら話し出した。


「遊くんのこと、遥ちゃんに譲れないくらい大好きなの――でもね」


 百合の顔から、笑顔が消えた。
 ていうか、必死に笑おうとしてるけど涙があふれだしちゃってる。


「遥、ちゃんがっ……もっともっとだいすきで……」


 百合は可愛すぎる。
 そういうところがずるいんだ。


「……あーもう、百合には敵わないなぁ」
「え……?」
「しゃーないから今日はここまでにしといてあげる! それまでに心の準備しておきなよー」


 潔く撤退するわたしってかっこいいかも、優しいかも強いかも頼もしいかもー!
 やーばいっ、ヒロインみたーい!


「……わたしが」


 うん、もともとはね。


「わたしがゆーまを好きにならなければこんなに悩まなかったのに、ゆーまの馬鹿」


 ゆーまが悪いんだよ。

     -

402ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/09(土) 18:40:02 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp


   enjoy!


「馬鹿って、お前陰でコソコソ俺のこと馬鹿にしてんじゃねーよ」
「ああああれっ? ゆーま、何でここに……つうか聞かれた!」


 聞きなれた声と偉そうな言葉に振り向くと、そこには今最も会いたくなかった人――ゆーまがいた。
 なんでいんの?! 百合といっしょじゃなかったの? てかユーフォーキャッチャーしに行ったんじゃなかったの?!

 たくさんの疑問が思い浮かぶ中、わたしはゆーまに恐る恐る訊いた。


「その、いろいろアレな話は聞いてないよね……?」
「アレってなんだよ。つーか俺馬鹿って言われたのしか聞いてねーし」
「よ、よかったああああああ!」
「なんだよそれ」


 無愛想でぶっきらぼうなゆーま。
 なんでコイツなんかのこと好きになったんだろ。
 なんか自分で自分が意味わかんなくなってきた。わたしのこと理解できるのってわたし以外にいないんだろうけど。


「……つか、百合はいいの?」
「ああ、百合は花乃とプリ撮ってくるって」
「なにそれ! わたしも撮りたい!」
「お前誘われなかったんだから行くなよ」
「そ、そんなああああああ!」


 酷いよ!
 いくら好きな人が同じだからって百合、酷すぎる!

 わたしの中でもわもわした何かが破裂して、思わず百合といっしょにいるであろう花乃に電話してみてしまった。


「あっ、もしもし花乃!」
『うざい』


 プツッと残酷な音が聞こえたような気がする。
 どうしてうざいの一言できるんだ!

 ヤケクソで百合にも電話してみた。


「百合いいいいぃいいいい!」
『遥ちゃんっ。ごめんね、誘ったんだけど遥ちゃん固まっちゃってたから先行っちゃった……』
「わたしもいっしょにいたい!」
『じゃあ今からそっち行くね――って、え? 花ちゃん?』
「え、なになになに」


 百合の可愛い声が聞こえなくなった。
 なになに? 何が起こったの?


『おい遥未――ガールズトークしてるから来ないでねー』
「え? ちょ、花乃?!」


 百合と花乃が代わったみたいだ。
 ガラの悪いその声にげ、と声を漏らす。


『アンタは遊真と戯れてれば?』


 え、なんだろ。
 さっきうざいできられたときはプツッて音だったのに今回ブツッて音が聞こえたんだけど。

 ツー、ツー、ツー……と虚しくわたしの耳に入る音。
 数秒固まったあと、ずっと見守ってくれてたゆーまに情けなく愚痴る。


「ひどいよね……花乃」
「いや、正しい判断だと思うけど」
「そんなあっ、ゆーま酷い!」
「……酷いっつうんならコレあげなくていいよなー」

403ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/09(土) 18:40:56 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp

   enjoy!


 ゆーまの目つきがかわった。
 そうそう、この目つきのときが好き。

 悪戯っぽくてかっこよくてかわいーの。


 そんなゆーまの手には可愛いくまのぬいぐるみがあった。
 ユーフォーキャッチャーでわたしが千円かけても取れなかったやつだ。コイツ軽々と取りやがって。


「べべべ別に酷いなんて言ってないよ?」
「ふうん……じゃあなんて言ったのかなあ?」
「す、素晴らしいゆーま様って言った」
「そんな長くなかったような気がするんだけどなぁ」
「そ、そんなことないよー」
「まあ、んなこと言わなくてもあげるけど」


 ぽいっとぶっきらぼうに渡されたぬいぐるみ。
 ぎゅうっと抱きしめてみた。

 ゲーセンだからタバコの匂いがするのかと思ったけど、なぜかゆーまの良い香りがしてた。
 もっとぎゅうぎゅうもふもふしてみる。


 くんくんくんっ


「んな匂い堪能すんなよ!」
「ははははいっ」


 楽しい。
 これがもっとつづけばいいのに――と思ったところで、もう一つ薄いピンク色をした可愛いくまのぬいぐるみがあるのに気づいた。


「それは?」
「これは百合にあげようと思って」


 うわ。
 訊かなきゃよかった。

 わたしのは茶色で百合はピンクか。
 しかも百合のくまは赤いハートのクッションをもってて、そこに白の刺繍でLOVEってかいてあるし。


「……」
「なんだよ、訊いといて反応なしかよ」
「べっつにぃ」
「意味わかんねー」


 そう言って頬を掻くゆーまはなんだか嬉しそうだった。
 やっぱり百合が大好きなのかな。
 なんだか妬ましいような皮肉めいた気持ちになったわたしは思いっきりゆーまの手を握ってみた。


「なんだよ」
「いいじゃんいいじゃん、わたしだって寂しいんだよー」
「彼氏いなくて?」
「うん、まあそんな感じ」
「俺で充電すんなよっ、俺には百合が――?!」


 ゆーまが悪いんだからね。
 多分わたし顔真っ赤だと思う。

 だって思わずゆーまにキスしちゃったから。


「……なん、で」


 ゆーまが動揺しているのを見て、なんだか嬉しくなった。
 ドキッてしてくれたのかな。
 顔が赤いゆーまの様子を見てみると、どうやらドキッとしてくれたようだ。


「なんでもなーいっ」


 この流れで「好きだよ」とか「振り向いてよ」とか言えればいいんだけど、ヘタレで弱気なわたしはふいっと顔をそらして誤魔化してしまった。
 まあ、一歩進展できたのかな。……いや、遠ざかったか?


     -

404ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/11(月) 17:15:23 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp


   Flower Meaning


 言葉じゃ伝わらないくらい、君を愛しています。
 わたしは臆病だから思うように言葉にすることができなかったっていうのもあるけど。

 でも、伝えられなかったのは事実。


 わたしの分も、たくさん幸せになってね。


     ×


「花(はな)!」
「ははははいっ」


 教室に先生の怒鳴り声が響いた。
 周りの生徒たちがくすくすとこっちを見て笑っているのがわかる。


「おいお前――俺の授業で寝るとは良い度胸してんなぁ?」
「おおおお褒めいただいて光栄です!」
「……授業が終わったあと外周十周! そのあと部活に来い!」
「えええええっ」
「えええじゃない! 寝てるお前が悪い」


 ったく……、とため息をつきながら教卓へ戻る先生の後ろ姿を見つめながらポツリとつぶやいた。


「外周楽しみだなー」


 だって、彼氏の宇宙(そら)に会えるから。
 宇宙はバスケ部のエースで――とにかくかっこいい。

 バスケ部の外周に混ざっちゃえばこっちのものだよね。
 あ、外周したあと二人で抜け出すのもいいかも!


 いろんな空想をめぐらせたわたしは、授業中当てられたのに気づけなくてまた怒られてしまった。
 でもそんなの耳に入ってないのは言うまでもないだろう。


     ×


「しゅーんっ! いっしょ走ろー」
「あれ? 花も外周? 花吹奏楽部だよな」
「うん、そうなんだけどー……顧問の八木(やぎ)の授業で寝ちゃってー」
「あー、あれ眠いよな」
「地理だったもんでつい……ね」


 二人でわいわいきゃっきゃしながら外に出た。
 クラスは別々だけど今でもこんなに仲が良いんだ。

 何せ小さい頃からずっといっしょの幼馴染でもあるし。


「わ、ここ久し振りに走る」


 さすが、毎日外周してるだけあるなと思った。
 あっというまに半周してるし。

 ――でも。


「つ、つかれた……」


 このペースで行ったらわたしは途中で死んじゃいそうだ。
 よろりとよろけながら走るけど、そんなわたしを迅が気遣ってくれてやる気がアップした。


「大丈夫か?」
「うんっ、へーき! つかがんばる」
「がんばれー! 辛くなったらおんぶしてあげるから、とか――」
「マジで?! おんぶして!」


 ――おんぶしてもらった。
 迅はそのつもりで言ったんじゃないってわたしも気づいてるけど。
 なんか無性に甘えたくなっちゃって。


「はふー、お疲れ迅!」
「楽しかったなー」


 わたしをおんぶして五周以上走ったのに、なんでこんなに力有り余ってるんだろ。
 なんだか急に迅が強くて頼もしく見えてきたわたしは思わず迅に抱きついてしまった。


「?! どうした花、具合悪いのか?」
「ううんー、なんか抱きつきたくなった」


 えへ、と微笑んで見せる。
 やっぱり迅が大好きだなー!って、改めて実感した。


     ×

405ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/11(月) 17:17:00 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp

  上はミスです(^ω^;)
  修正版投稿!


   Flower Meaning


 言葉じゃ伝わらないくらい、君を愛しています。
 わたしは臆病だから思うように言葉にすることができなかったっていうのもあるけど。

 でも、伝えられなかったのは事実。


 わたしの分も、たくさん幸せになってね。


     ×


「花(はな)!」
「ははははいっ」


 教室に先生の怒鳴り声が響いた。
 周りの生徒たちがくすくすとこっちを見て笑っているのがわかる。


「おいお前――俺の授業で寝るとは良い度胸してんなぁ?」
「おおおお褒めいただいて光栄です!」
「……授業が終わったあと外周十周! そのあと部活に来い!」
「えええええっ」
「えええじゃない! 寝てるお前が悪い」


 ったく……、とため息をつきながら教卓へ戻る先生の後ろ姿を見つめながらポツリとつぶやいた。


「外周楽しみだなー」


 だって、彼氏の迅(しゅん)に会えるから。
 迅はバスケ部のエースで――とにかくかっこいい。

 バスケ部の外周に混ざっちゃえばこっちのものだよね。
 あ、外周したあと二人で抜け出すのもいいかも!


 いろんな空想をめぐらせたわたしは、授業中当てられたのに気づけなくてまた怒られてしまった。
 でもそんなの耳に入ってないのは言うまでもないだろう。


     ×


「しゅーんっ! いっしょ走ろー」
「あれ? 花も外周? 花吹奏楽部だよな」
「うん、そうなんだけどー……顧問の八木(やぎ)の授業で寝ちゃってー」
「あー、あれ眠いよな」
「地理だったもんでつい……ね」


 二人でわいわいきゃっきゃしながら外に出た。
 クラスは別々だけど今でもこんなに仲が良いんだ。

 何せ小さい頃からずっといっしょの幼馴染でもあるし。


「わ、ここ久し振りに走る」


 さすが、毎日外周してるだけあるなと思った。
 あっというまに半周してるし。

 ――でも。


「つ、つかれた……」


 このペースで行ったらわたしは途中で死んじゃいそうだ。
 よろりとよろけながら走るけど、そんなわたしを迅が気遣ってくれてやる気がアップした。


「大丈夫か?」
「うんっ、へーき! つかがんばる」
「がんばれー! 辛くなったらおんぶしてあげるから、とか――」
「マジで?! おんぶして!」


 ――おんぶしてもらった。
 迅はそのつもりで言ったんじゃないってわたしも気づいてるけど。
 なんか無性に甘えたくなっちゃって。


「はふー、お疲れ迅!」
「楽しかったなー」


 わたしをおんぶして五周以上走ったのに、なんでこんなに力有り余ってるんだろ。
 なんだか急に迅が強くて頼もしく見えてきたわたしは思わず迅に抱きついてしまった。


「?! どうした花、具合悪いのか?」
「ううんー、なんか抱きつきたくなった」


 えへ、と微笑んで見せる。
 やっぱり迅が大好きだなー!って、改めて実感した。


     × きりまーす

406ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/11(月) 17:18:09 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp

   上のつづきです!

 それはある秋の終わりかけた時期のこと。
 十月の始め、十月一日の出来事だ。

 この日は大好きな迅の誕生日で――誕生花であるチョコレートコスモスをプレゼントした。


「迅は男の子だから花なんかいらないかなって思ったんだけど、何が欲しいかわからなくて」
「いや、花にもらえるなら何でもうれしいし! ――でもこれ、俺枯らせちゃいそうで不安だな」
「ふっふっふ」
「な、なに?」


 よくぞ聞いてくれました! とでも言うかのようにわたしが目をキラキラさせて言った。


「これはねっ、花の愛が詰まってるから枯れないんだよー!」
「マジで?! やった」
「ふふーん」


 迅といると楽しい。
 それを改めて感じたわたしはふふっと微笑んで言った。


「お花、大事にしてね」
「うん、絶対大事にする」


 ぎゅっとそのお花を抱きしめる迅。
 なんだか自分が抱きしめられているような気分になった。


 チョコレートコスモスの香りと同じように、すごく甘い一日を過ごしたのだった。


     ×


 そしてそれから数日後。
 なんだか最近――いや、あの花を渡してからかな。
 急に迅が冷たくなった。

 廊下ですれ違っても何にも言ってくれないし、部活のあともいっしょに帰ってくれない。


 でも今日はめずらしく迅が家に呼んでくれて、わくわくした気分だった。



「……今日はさ、花に渡したいものがあるんだ」
「な、なあに?」



 迅ににこりと微笑みながら渡されたのは黄色い薔薇の花。
 迅の笑顔がいつもより寂しそうな笑顔だったなんてことは忘れて思いっきりはしゃいだ。


「く、くれるの? ほんとに?」
「うん、花にプレゼント」
「ありがとう! うれしい!」


 なあんだ。
 迅が冷たかったのは気のせいだったんじゃん。

 帰りにいっしょに帰ってくれなかったのもこの花を買うためか。


 すっかりもやもやの晴れたわたしはるんるん気分で家に帰っていった。
 お部屋にその薔薇を飾ったのは言うまでもないだろう。


     ×


 その次の日。
 部活が終わったあと迅がいるであろう体育館に行ったら、予想通りバスケ部の部員たちがそこにいた。

 ちょうど終わったみたいで、迅が驚いてわたしに駆け寄る。


「なんでいんの?!」
「ひどっ、いっしょに帰るからに決まってんじゃんもー……」
「え? もういっしょに帰れないって前言ったよね……?」
「……え、でも……薔薇、くれたじゃん」
「いや、それは……」


 迅が気まずそうにポツリと言った。


「黄色い薔薇の花言葉、調べてみて」


     × またきるー!

407ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/11(月) 17:19:28 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp

   つーづきー
   Flower Meaningは最終話です(´・ω・)



 あのあと一人で家に帰ったわたしは迅に言われた通り黄色い薔薇の花言葉を検索していた。


 あなたを恋します、友情、……
 薄らぐ愛、恋に飽きた、嫉妬、誠意がない、不貞――



 「別れよう」



 たくさんの花言葉があったけど、迅が言いたいのはきっとコレだ。
 別れようって意味……?

 どうしてだろう。
 でもわたしにも、思い浮かぶことが一つだけあった。


 チョコレートコスモスの花言葉。
 調べてみると、予想通りのような言葉が載っていた。


「恋の終わり――」


 他にも恋の思い出とかがあったけど、迅が言ってるのはきっとコレのことか。
 どうしよう、と思ったけど今更言い出せなかった。


 でも、いやだ。
 伝えたい――このままじゃだめだ。


 いそいで家を飛び出して迅が歩く帰り道を走る。


「迅っ!」
「花っ?!」


 言葉でなんか、伝えられない。
 伝わらないくらい大好きなのに。


 わたしは携帯につけていた迅からもらったチューリップの花のストラップを外して迅に渡す。


「……信じて」


 それだけポツリと言い残した瞬間――
 迅にぎゅっと抱きしめられた。


「疑ってごめんな」
「ううん、いいの――言葉じゃ伝わらないくらい愛してるから」


 愛の告白、永遠の愛――


     -


 チョコレートコスモスの花言葉:恋の終わり、恋の思い出、移り変わらぬ気持ち
 黄色いバラの花言葉:あなたを恋します、友情、薄らぐ愛、恋に飽きた、嫉妬、誠意がない、不貞、別れよう
 チューリップの花言葉:愛の告白、永遠の愛

 って感じです!
 タイトルは花言葉って意味。


 最初の趣旨とちがうってのは気にしないで←
 久し振りに完結した作品でしたー

 他のも書かなきゃなー(^ω^)

408ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/14(木) 11:45:28 HOST:w0109-49-135-30-21.uqwimax.jp

   enjoy!


「花ちゃん――」
「どうしたの? 百合」
「――百合実はね、遊くんと付き合ってなんかないの」


 照れ隠しでゆーまの傍から離れ、ドッキリ的な感じで花乃と百合がプリ撮ってるところに忍び込もうと思っていたところ。
 なぜか、百合が花乃にありえない話をしていた。

 いや冗談だろと思ったけど、その声はどこかさみしそうで――不安そうな声。


「百合ね、遊くんに告白して振られたの――」
「え……?」
「ずっと隠してて、嘘ついててごめんなさいっ」


 ハテナだらけなわたしの頭の中。
 でもどこかで黒いわたしが微笑んでいるような気もして――


「どうしてそんな嘘」
「……遊くんが、遊くんが優しかったから。振られて泣いたわたしを見て、可哀想だと思って付き合ってるふりをしてくれてただけなの」


 花乃の声を聞く限りめずらしく動揺しているようだ。


「遊くん本当は、遥ちゃんが好きだったんだよ」


 そんな、こと。
 そんなこと聞いて、わたしはどうすればいいんだろう。

 あ、でも百合は実際わたしに言ってるんじゃなくて花乃に言ってたのか。


「何で今そんな話するの?」
「……遊くんに、もう恋人ごっこはやめようって――百合は強くなったからもう俺はいらないだろって、振られちゃった」


 百合は泣いているようだった。
 きっと、ごっこでもなんでもゆーまと付き合えてうれしかったんだろう。
 ……どうしても、ゆーまじゃなきゃダメだったんだろう。


 わたしはもう二人の会話を、泣いている百合の声を聞いているのが辛くなって、その場を走り去ってしまった。
 でもわたしだけ何も動かないっていうのは卑怯な気がして――ゆーまの元へ向かった。


     -

409ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/14(木) 11:59:21 HOST:w0109-49-135-30-21.uqwimax.jp


   enjoy!


「ゆーまの馬鹿、何やってんだ」
「はぁ? 何の話だよ――つうかお前、さっきのなんだったんだよ」


 あ、ちょっとタイムタイム。
 今のわたしとゆーまの仲を考えてみたら、わたしゆーまにこんな堂々と百合のこと話せる立場じゃなくない?

 わたしゆーまのこと好きだし、さっき思わずキスしちゃったわけだし、百合の話を聞けばゆーまもわたしのこと好きだったみたいだし。
 その好きだったがもし現在進行系だったらわたし、好きな人と両思いなのにそんな相手に違う女のところ行けって言ってることになっちゃうよね。


 ――でも。


 わたしはゆーまより、百合のほうが好きなのかもしれない。
 恋愛より友情のほうが大事なのかな。


「……百合と、別れないであげて」
「なんで遥未がそのこと――」
「さっき花乃と百合が話してんの聞いたの!」


 なんなのわたし。
 ムキになっちゃって、馬鹿みたい。


「百合、泣いてた! 百合はどうしても、ぜったいにゆーまじゃなきゃダメだったの!」
「……俺の好きな人、誰か知ってる?」
「――――わた、し……だったけど、今は百合でしょ?」


 百合であってほしい。
 なのに、ゆーまは微笑みながら残酷なことを言い放った。


「今も前も、ずっと遥未だよ」



 それは、とてもうれしくて泣きそうなほど舞い上がっちゃうようなこと。
 それは、とても残酷で泣きそうなほど悲しいようなこと。



 百合をとるか、わたしをとるか。
 どうしたらいいんだろう。




「俺は遥未に振られたところで百合と付き合うなんてことはしないよ」



 もう百合は、泣くしかないんだと思う。
 それならわたしも、泣いて終わろうか――



「ごめ――」
「待って!」


     -

410ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/17(日) 15:20:07 HOST:w0109-49-135-30-21.uqwimax.jp


   enjoy!


「ゆ、り……?」


 走ってわたしを探してくれたのだろうか。
 息は荒く、額に汗の玉が浮かんでいた。


「遥ちゃん、百合に教えてくれたじゃん!」
「え……?」


 こんなに必死な百合初めて見た。
 こんなに強気で、遠慮をしない百合を。


「譲りたくないものは譲らなくていいって、嫌いなものは嫌いでいいし苦手なものは苦手でいいって言ってたじゃんっ」


 そうだ、わたし。
 百合にそんなこと言える立場じゃなかったんじゃん。
 この言葉は結局自分にそう言い聞かせたかっただけだったのだろうか。

 ――いや、これは。

 百合にゆーまを諦めてほしくなくて。
 ゆーまに幸せになってほしかったから言ったもので。


「……わたしは、ゆーまに幸せになってほしい」
「なら、百合じゃ無理だよ。遥ちゃんしか遊くんを幸せにはできないの!」


 今度は百合が教えてあげるね、と前置きしてから百合が言った。
 その笑顔はとても可愛くて綺麗で、わたしには眩しすぎるものだったけれど――


 この眩しい笑顔より、わたしを選んだんだ。
 それならわたしもこの笑顔以上に輝きつづけてゆーまを幸せにする役目があるんだから。


「ゆーま、好きだよ」
「俺も、ずっと好きだった」


 
 やっと伝えられた。
 ライバルだと思ってた百合にも助けられちゃったし。


「ありがと百合」
「言ったでしょ、百合。遊くんより遥ちゃんが大好きって」


 わたしはきっと、色んな人に助けられてるんだろうな。
 こうして人生を楽しめることに、突然すごく感謝したくなってきた。


「わたしもみんなだいすきだーっ」


 ちょっと意地悪な花乃も、馬鹿迅もうざキャラな海も優しくて可愛い百合も、かっこよくて悪戯好きなゆーまも。
 わたしにとってはみんなみんな宝物です。
     -

 
 enjoyはここから高校編に突入したいところなんです。
 こんな長く連載するつもりなかったのでよくわかんないけど。


 とりあえず中学生編は一旦おわり。
 ここからつづくのかどうか、それはねここの気分次第です←

411ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/16(月) 20:51:43 HOST:w0109-49-135-30-21.uqwimax.jp


   君の隣の笑顔


 ――笑い方を忘れた。
 お笑い番組を見ても友達に面白いギャグを言ってもらっても、何も感じない。
 いつ頃からだろう。
 多分、君が――レンが交通事故に遭ってからだと思う。

 そのときはレンとデートしてて、アタシもレンの隣ですごく楽しそうに笑っていた記憶がある。
 でも、あの時――信号無視したトラックにアタシが轢かれそうになったとき。
 レンはアタシを庇って――


「いやあぁっ!」


 思い出したくない。
 あの日から、あれからレンが倒れて救急車で運ばれてから、涙しかながれない。
 目が腫れてるのがわかる。
 アタシ、レンが隣にいなきゃ笑うなんてことできないよ。


 そのとき、コンコン、とアタシの部屋のドアをノックする音が聞こえた。


「ユリナ、レンくんのお見舞いに行くけど……」
「手術、は」


 レンはたしか手術をしなきゃいけなくて、対面なんてまだ先のはずじゃ――


「それがね、手術は一昨日終わってて、すっかり体調も良くなったんだって」


 レンに会いたい。
 ポンッと浮かんだその思いに答えるように、アタシはすぐ部屋を飛び出て準備した。
 早く行かなきゃ、きっとレンもアタシを待ってる。


     ×


「失礼、します……」


 恐る恐る、レンがいるであろう病室に入るとそこにはレン独特の金色の髪の毛があった。


「レンッ!」


 アタシのこと、待っててくれたかな。
 なんだか不思議そうな表情をするレンの傍に駆け寄った瞬間――


「アンタ誰?」


 レンの口から、ありえない言葉が出てきた。
 アタシは必死にレンに説明する。


「アタシだよ、ユリナ」
「ユリ、ナ?」
「レンの彼女だよ」


 アタシがそう言った瞬間、レンが一瞬固まるのがわかった。
 辛そうに頭を押さえたあと、申し訳なさそうにポツリ。


「ごめん、覚えてない、みたい」


 途切れ途切れに言ったレンの言葉は。
 グサリと、深くアタシの胸に刺さったみたいだ。


「どう、して?」
「事故……までは覚えてる――そのとき、誰かといっしょにいた」
「だれ、と? 女の子だよ、ね?」
「ああ、多分……で、その子が、轢かれそうに、なって」
「う、ん……」


 思い出して、もっと。
 お願いだから、記憶を辿ってアタシにもう一回レンの笑顔を見せてよ。
 笑い方、教えてよ。


「ッ!」
「レン?!」


 やだ、レン。
 ねえ、思い出せないの?
 アタシたちで一生懸命つくった思い出、レンは全部忘れちゃったの?


「ごめ、ん……」
「事故の前の、楽しい思い出とか、ないの?」
「誰かといっしょにいて、すごい、楽しくて――俺、ずっと笑ってた」
「そう、だよぉ……」


 なんで、アタシのこと。
 アタシは思わず、泣き出してしまった。


「なんで?! アタシ、レンが大好きでっ……今、だって! レンの手術が終わってッ、うれしかったのにっ」
「ユリナ、だっけ」
「名前もッ! レン、アタシのことユリって、呼んで、くれたっ」


 レンのばか。
 また笑って、ユリって呼んでよ。


   きります

412ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/16(月) 20:52:31 HOST:w0109-49-135-30-21.uqwimax.jp


   君の隣の笑顔


 ――笑い方を忘れた。
 お笑い番組を見ても友達に面白いギャグを言ってもらっても、何も感じない。
 いつ頃からだろう。
 多分、君が――レンが交通事故に遭ってからだと思う。

 そのときはレンとデートしてて、アタシもレンの隣ですごく楽しそうに笑っていた記憶がある。
 でも、あの時――信号無視したトラックにアタシが轢かれそうになったとき。
 レンはアタシを庇って――


「いやあぁっ!」


 思い出したくない。
 あの日から、あれからレンが倒れて救急車で運ばれてから、涙しかながれない。
 目が腫れてるのがわかる。
 アタシ、レンが隣にいなきゃ笑うなんてことできないよ。


 そのとき、コンコン、とアタシの部屋のドアをノックする音が聞こえた。


「ユリナ、レンくんのお見舞いに行くけど……」
「手術、は」


 レンはたしか手術をしなきゃいけなくて、対面なんてまだ先のはずじゃ――


「それがね、手術は一昨日終わってて、すっかり体調も良くなったんだって」


 レンに会いたい。
 ポンッと浮かんだその思いに答えるように、アタシはすぐ部屋を飛び出て準備した。
 早く行かなきゃ、きっとレンもアタシを待ってる。


     ×


「失礼、します……」


 恐る恐る、レンがいるであろう病室に入るとそこにはレン独特の金色の髪の毛があった。


「レンッ!」


 アタシのこと、待っててくれたかな。
 なんだか不思議そうな表情をするレンの傍に駆け寄った瞬間――


「アンタ誰?」


 レンの口から、ありえない言葉が出てきた。
 アタシは必死にレンに説明する。


「アタシだよ、ユリナ」
「ユリ、ナ?」
「レンの彼女だよ」


 アタシがそう言った瞬間、レンが一瞬固まるのがわかった。
 辛そうに頭を押さえたあと、申し訳なさそうにポツリ。


「ごめん、覚えてない、みたい」


 途切れ途切れに言ったレンの言葉は。
 グサリと、深くアタシの胸に刺さったみたいだ。


「どう、して?」
「事故……までは覚えてる――そのとき、誰かといっしょにいた」
「だれ、と? 女の子だよ、ね?」
「ああ、多分……で、その子が、轢かれそうに、なって」
「う、ん……」


 思い出して、もっと。
 お願いだから、記憶を辿ってアタシにもう一回レンの笑顔を見せてよ。
 笑い方、教えてよ。


「ッ!」
「レン?!」


 やだ、レン。
 ねえ、思い出せないの?
 アタシたちで一生懸命つくった思い出、レンは全部忘れちゃったの?


「ごめ、ん……」
「事故の前の、楽しい思い出とか、ないの?」
「誰かといっしょにいて、すごい、楽しくて――俺、ずっと笑ってた」
「そう、だよぉ……」


 なんで、アタシのこと。
 アタシは思わず、泣き出してしまった。


「なんで?! アタシ、レンが大好きでっ……今、だって! レンの手術が終わってッ、うれしかったのにっ」
「ユリナ、だっけ」
「名前もッ! レン、アタシのことユリって、呼んで、くれたっ」


 レンのばか。
 また笑って、ユリって呼んでよ。


   きります

413ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/16(月) 20:53:14 HOST:w0109-49-135-30-21.uqwimax.jp



「ユリ!」


 泣き叫ぶアタシの名前を、レンは一生懸命呼んだ。
 アタシは突然名前を呼ばれて思わず黙り込む。


「俺、ユリのこと何も覚えてない……けど、事故の前、あの楽しい思い出のなかにいた子がユリだとしたら――俺はユリをまた好きになるよ」


 レンはとっても一途で、アタシを大事にしてくれて。
 オマケに他の人にも優しくて、でもアタシにはもっともっとすっごく優しくて。
 大好きな人なのに。


「もっともっと、好きになっちゃうよぉ……」


 これ以上好きになっても苦しいだけじゃん。
 辛いし、アタシもう泣きたくないのに。


「もっと好きになっていいよ。俺も、それに負けないくらいユリのこと好きになるから」


 うれしいはずなのに。
 アタシの心には、なぜか迷いがあった。

 もし、レンの記憶がなくなったとしたら――
 他の女の子に恋をしていたかもしれない。
 もっと違う人生を歩んでいて、アタシとは一切関わらなくて済むかもしれない。

 実際レンはアタシのせいで事故に遭ったんだ。
 だからもう、アタシなんかといちゃいけないよ。


「いいよレン……レンはレンの道を歩んで」


 必死につくった、作り笑顔。
 でも、どうしても笑えない――泣きそうになる。
 そんなアタシを、レンはそっと抱きしめてくれた。


「笑え、ないの?」
「レンが、事故に遭ったときから――」
「じゃあさ、俺がまた笑わせてあげるよ」


 ふっと笑みをうかべたレン。
 アタシはうれしくて、笑顔になれた、ような気がする。


 その瞬間、レンが苦しそうに俯き始めた。


「ッ!!!」
「レン?!」


 ねえ、どうしたのレン?
 またアタシの前から、いなくならないで――





「ユ、リ……?」


 レンが、アタシを見つめて不思議そうに言った。
 なんとなく、感覚的に、だけど……


「記憶が戻った……?」


 どうして?
 アタシが笑ったから?


「ユリ、怪我しなかった?!」


 びくん。
 急に肩を掴んでブンブン揺すぶられた。


「だ、だいじょうぶだよ……?」


 よかった。
 涙があふれだす。


「ユリ、泣かないでよ……」
「だって、うれしくてっ」
「嬉しい?」
「レン、アタシの記憶なくしてっ……」


 でも、アタシ、笑い方わかったよ。



「アタシね、レンが傍にいなきゃ笑えないみたい」
「俺も、ユリが傍にいなきゃ楽しくないよ」


「「大好きだよ」」


     ‐


 お久し振りです!
 勝手ながらしあんいろの連載を終了させていただく予定だったのですが、急遽更新してしまいました。
 いやなんか書きたくなって。

 笑い方を忘れたっていう歌詞の曲が流れてきたので、ポンッと浮かんだ作品。
 ユリナってのは元々決まってて、レンはなんか合ってたからつけました←
 まあ、しあんいろ復帰小説的な感じでね!
 またかなり下がったときに書きたくなると思うんで、そのときに書きます!

414ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/20(金) 19:30:07 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   enjoy!!


 「佐藤遥未」
 人混みのなかでクラスが書いてある表をじっと見つめながら、あたしはその文字を探した。
 周りの人は「どう?見つかったー?」「まだ、つかあたし合格したっけ」「やった!今年もまた同じクラスだね!」「高校でも彼女と同じクラスになれるなんて……」と、それぞれが思い思いにしゃべっている。

 今更合格したっけかという疑問を持ってもしょうがないのだけれど、あたしはなんとなく自分の名前がクラス表にないことに不安を感じていた。
 たしかにあたしは、花乃やゆーまたちと同じ音羽高校に入学したはずなのだんなだけどな。


「百合いぃ!」
「ど、どーしたの遥ちゃん」
「あたしの、あたしの名前がないよおぉ!!!」


 みんなの視線が一斉に集まるのがわかる。
 さっきまで思い思いにしゃべっていた人も、まだしゃべりつづけながらもコチラをちらりと見ているようだ。


「うそ、あるはずだよ」
「うぅ……あ、百合たちは何組だったの?」
「わたしと遊くんは1−Aで海くんと迅くんと花ちゃんは1−Bだよ」
「ふええぇ、じゃああたしそこ調べればいるかも」


 あたしはもう一度、人混みの中のクラス表に目を通す。
 すると、どこからともなく「遥ちゃん、あったよ!」という声がきこえて、あたしはぐるんと振り向き声がきこえた方向へ向かった。


「どこどこ?!」
「Cクラスの11番」
「C……」


 Cっていえば、あたしだけ仲間はずれじゃないか。
 はあとため息をつきながら、あたしは苦笑して励ましてくれた百合に哀れそうにつぶやいた。


「合格しても馬鹿は仲間はずれのままなんだねー……」
「そんなことないよっ、元気出して?」
「うん、ありがと百合……」


 あたしはあたしなりにがんばるしかない……のか。


     ‐


 enjoy!の高校生verです(`・ω・´)
 つづくかもとかほざいといて実はもうつづけるつもりなんてなかったのですが、最近しあんいろを読み返して文面はともかくenjoy!って結構いい話じゃねってことで続編いきました。
 enjoyのビックリマークが二つになってます。
 まさかの高校生になった瞬間遥未ぼっち計画が立てられかけてますがだいじょうぶです←
 それでは、今時しあんいろを見てくれている人はいないと思いますが、ねここは書き続けます。
 だれかの目に入ることを願って!!!←

415ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/21(土) 16:32:12 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp

   訂正ばん!

   enjoy!!


 「佐藤遥未」
 人混みのなかでクラスが書いてある表をじっと見つめながら、あたしはその文字を探した。
 周りの人は「どう?見つかったー?」「まだ、つかあたし合格したっけ」「やった!今年もまた同じクラスだね!」「高校でも彼女と同じクラスになれるなんて……」と、それぞれが思い思いにしゃべっている。

 今更合格したっけかという疑問を持ってもしょうがないのだけれど、あたしはなんとなく自分の名前がクラス表にないことに不安を感じていた。
 たしかにあたしは、花乃やゆーまたちと同じ音羽高校に入学したはずなんだけどな。


「百合いぃ!」
「ど、どーしたの遥ちゃん」
「あたしの、あたしの名前がないよおぉ!!!」


 みんなの視線が一斉に集まるのがわかる。
 さっきまで思い思いにしゃべっていた人も、まだしゃべりつづけながらもコチラをちらりと見ているようだ。


「うそ、あるはずだよ」
「うぅ……あ、百合たちは何組だったの?」
「わたしと遊くんは1−Aで海くんと迅くんと花ちゃんは1−Bだよ」
「ふええぇ、じゃああたしそこ調べればいるかも」


 あたしはもう一度、人混みの中のクラス表に目を通す。
 すると、どこからともなく「遥ちゃん、あったよ!」という声がきこえて、あたしはぐるんと振り向き声がきこえた方向へ向かった。


「どこどこ?!」
「Cクラスの11番」
「C……」


 Cっていえば、あたしだけ仲間はずれじゃないか。
 はあとため息をつきながら、あたしは苦笑して励ましてくれた百合に哀れそうにつぶやいた。


「合格しても馬鹿は仲間はずれのままなんだねー……」
「そんなことないよっ、元気出して?」
「うん、ありがと百合……」


 あたしはあたしなりにがんばるしかない……のか。


     ‐


 enjoy!の高校生verです(`・ω・´)
 つづくかもとかほざいといて実はもうつづけるつもりなんてなかったのですが、最近しあんいろを読み返して文面はともかくenjoy!って結構いい話じゃねってことで続編いきました。
 enjoyのビックリマークが二つになってます。
 まさかの高校生になった瞬間遥未ぼっち計画が立てられかけてますがだいじょうぶです←
 それでは、今時しあんいろを見てくれている人はいないと思いますが、ねここは書き続けます。
 だれかの目に入ることを願って!!!←

416ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/21(土) 16:33:26 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   enjoy!!


「……あ、あのっ」
「なあに?」


 後ろの席の、ちょっとふわっとした可愛い女の子。
 その子に、あたしは思いきって話しかけてみた。
 
 (だってひとりぼっちとか嫌だし、百合たちがいないんだから自力でどうにかするしかないんだもん!)

 心の叫びを声に出さないようにしながら、その子のつまらなさそうな反応を見てちいさな声で言った。


「あたし、佐藤遥未っていって……友達全然いなくて、その」
「あっ、もしかしてあの遥未ちゃん?」
「あの? あのってなになに?」


 意外にも名前に興味を持ったその子にあたしはん?と思った。
 「あの遥未」って、あたし有名人なの?


「男子でね、早速可愛い子ランキングつくったんだって」
「ほへぇ、そりゃつまらんことを」
「それでね、一位が百合ちゃんで二位が花乃ちゃんで三位が遥未ちゃんだったのー!」
「え」


 百合が一位なのはわかる。
 花乃が二位、なのも……認めたくないけどわかるよ。
 なのになんであたし三位?!
 あたし可愛くないし!ブスだしキモイし!


「なんか可愛いなって思ったら、遥未ちゃんだったんだね」
「可愛くないよ!えと、その……名前」
「あ、わたし?わたしは桜(さくら)ってゆーの。よろしくねー」
「よろしく、桜!」


 早速呼び捨てっていう。
 とにかく、気の合いそうな友達ができてよかった!


     ×


「遥遥遥」
「なになになに」
「ねね、あの百合ちゃんって子の隣にいる男子イケメンじゃない?」
「あれって」


 ゆーまじゃん!
 あたしの彼氏だし。
 ていうか百合とゆーまいっしょに購買行ってるんかい!
 別になんとも思わないけどさあ。


「なんかお似合いー」
「ですよね……」


 ――やっぱり。
 あたしとか花乃にはない可愛さというか魅力とかが百合にはあるというか。
 そして海や迅にないかっこよさとか魅力をゆーまは持ち合わせていて。


 そんなふたりがくっついたら、やっぱりお似合いなんだろうな。


「お、遥未じゃん」
「げっ、くんのかよ」
「なになに?知り合いっ?!」


 何も知らずに近寄るゆーま。
 手振ってきてくれる百合は可愛いけど、あたしは思わず本音を漏らしてしまった。
 そしてそれに興味深そうに反応する桜。


「友達できてよかったなー」
「ちょっと!子供扱いしないでよもー」
「ああ、つか帰りさ、百合も海も迅も忙しいから先帰れだと」
「マジか」
「だからふたりでマックでも寄ってこーぜ」
「い、いいけど……」


 こんな人混みのところでわざと大声で言ってるなゆーま!
 あたしたちじろじろ見られてるような気がするんだけど、気のせいかな自意識過剰かなあ?!


「あ、あのっ」
「ん?ああ、遥未の友達?」
「はい、わたし桜っていーます」
「苗字は?」
「高梨(たかなし)です」
「――高梨ね」


 うっわあああああぁあぁ……
 ゆーますっごい態度悪い。
 つか教えてもらってまで苗字呼びするか?ふつー。


「桜って呼んでくれないんですか?」
「ああ――桜がいいの?」
「う、うんっ」


 ぶんぶんと、大きく頷く桜。
 そんな桜に、ゆーまは悪戯っぽい笑顔をみせてから耳元で囁いた。


「桜」


 どうやらゆーまは。
 あたしの受験勉強でおあずけをくらっていた分、しっかりと仕返しを考えているようです。


     ‐

417ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/21(土) 20:48:08 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   透きとおった音


 彼女が最期の力を振り絞って言った言葉が、
 今でも鮮明に思い出せる。


     ×


「猫みたい」
「そうかな」


 アタシたちの初めての会話。
 ちょうど次が音楽の時間で、みんな早々と移動して教室にはアタシと彼女しかいなくなったときのことだ。
 他の子みたいに女の子同士仲良くとか、彼氏がどうとか好きな人がどうとかお構いなしに己の道を歩んでる印象だった彼女に、アタシは思わず言ったのだ。「猫みたい」と。
 彼女は不思議そうに、それでもとくに気にしていなさそうな表情でちょっと考えていたが、近くで見てみると本当に猫のようだ。

 さらりとした茶色い毛並み――いや、髪の毛も、綺麗に透きとおった茶色い瞳も。
 マイペースな動きや大人しそうに見える仕草一つ一つが綺麗で、触れたら壊れてしまいそうなほど儚い印象。


「君さ、女子の関係とか嫌いでしょ」
「嫌いっていうか、めんどくさい」
「アタシも面倒臭い女子の一部に入っちゃってる?」
「あなたは――わたしに話しかけてくる時点で変」


 ――酷いなあ。
 アタシは心の中でポツリとつぶやいてみたが、正直彼女との会話が楽しかった、と思う。
 このときの記憶はあまりなくて、ただ彼女のその綺麗さや独特の動きに見惚れていたような気がする。


「話してみたかったんだけど、ダメだった?」
「だめとか、そういうのめんどくさい」
「――じゃあ変えよう。話しかけられて面倒臭い?」
「別に。コミュニケーションとるの苦手なだけで、そっちがリードしてくれるなら問題ない」


 見た目は可愛いのに、言葉だけは可愛気ないヤツ。
 アタシは心でそう思いながら、手に持っていた音楽の教科書を抱きしめて彼女に微笑みかけた。


「あのさ、君のこと詩音(しおん)って呼んでいい?」
「いいよ」
「じゃあ――詩音はアタシのこと、百花(ももか)って呼んで!」


 アタシが自分を指差しながら言った。
 その瞬間、彼女の――詩音の頬が、ポッと桜色に染まるのがわかった。


「もも、か……」


 はずかしそうにアタシの名前を呼んだ詩音の姿こそ、一番鮮明に思い出せる記憶かもしれない。


     ×


「しーおんしおん」
「なに、なんなの」
「もー、懐いてくんないんだから」
「わたし猫じゃないし、あんたに懐きたくないし」


 あれから、あの日アタシたちが初めて会話してからしばらく経ち、アタシたちの仲はとても良くなっていったと思う。
 それに詩音も、コミュニケーションを取るのが上手くなってきて最近は男子からも囲まれちゃうほどのモテモテで人気者だ。


「好きな子とかできたの?あんな毎日囲まれててさあ」
「好きってなに」
「んー、あったかくて抱きしめたくなるような感情とか、あとちゅーしたりぎゅってしたくなったりドキドキしちゃう気持ちのこと」
「よくわかんない」


 詩音はそう無愛想につぶやくと、アタシの傍を離れてしまった。
 アタシは何故か不安になって――


「しおん」
「なに」
「や、その……さ」


 いつもアタシが言葉に詰まると早くしてよと文句を言ってくる詩音だが、今日は何も言わなかった。
 そっと、さみしそうな愛おしそうな目でどこかを見つめながらアタシが話始めるのを待つ。


「何があっても、詩音はアタシの友達、だよね」


 詩音は、
 その言葉をきいた刹那、とても綺麗で残酷な微笑を見せて。


「そうだね」


 儚く舞い散る桜のように、ふわりと駆け出してしまった。


     ‐


 しりあす系。
 とにかく詩音ちゃんが大好きです←

418ピーチ:2012/07/22(日) 10:45:41 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

シリアス読んだよー!!

詩音ちゃん凄い!

あたしもそーゆータイプ書きたいけどなぁ…←文才がないというw

419ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/23(月) 08:52:01 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp

>ピーチ

詩音はお気に入りなのだ←
てかシリアスじゃなくてGLモノになるかも←
ピーチ文才あるじゃないかw

420ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/23(月) 08:52:25 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   透きとおった音 ※レズ有りです、キスまでしますのでご注意ください(´・ω・)


 そうだねと言って頷いた詩音の顔が頭から離れない。
 そしてなぜか、詩音といつまでも友達という関係でいたくないと思っている自分がいた。


「……なんで」


 詩音に、傍に居てほしい。
 アタシはそんな思いから、詩音が向かった方向へ走り出した。


     ×


「詩音っ、しおん!」


 がむしゃらに走りつづけてたどり着いたのは近くの海。
 よく、アタシと詩音で来ていた場所だ。
 詩音は海が嫌いだったけれど、浜辺で遊ぶのだけは好きだった。
 だから必死に浜辺を見渡したのだけれど、詩音独特の茶色い髪の毛は見当たらない。


「しおーんっ!!!」


 海に向かって、一叫び。
 その瞬間、後ろから詩音の鈴のような声がきこえてきた。


「大声出したら迷惑だよ、馬鹿」
「ご、ごめん!でも詩音っ!」
「なんなの、わたしの気持ちもわからないくせに」
「ごめんってば!でもアタシ、どうすればいいのかわかんないの」
「馬鹿だからだよ」


 詩音のさみしそうな顔。
 それが、なんだか無性に愛くるしく感じて――


「もしかしてアタシ、詩音のこと好き、かも……」


 思わず言ってしまったのだ。
 でも、詩音といると妙に顔が熱くて、アタシには昔初恋で両思いだった男の子がいるのだけれどその子といっしょにいたとき以上にドキドキしてしまう。
 詩音が、ゆるく二つに結んだ茶色い髪を風で靡(なび)かせながら、ちいさく口を動かした。


「あったかくて抱きしめたくなる感情が好きって気持ちなら」


 詩音が、はずかしそうにうつむいた。


「わたしも、百花のこと好きかも」


 あ、ちょっと無理。
 限界を感じたアタシは思わず詩音に抱きついてしまった。


「百花」
「ごめん……好き」
「――わたしも」


 アタシはこの恋愛が間違っていることだと知って。
 詩音の唇を、アタシのそれと重ねた。
 たった一瞬だけだったけれど、ふにゃっと唇に当たった柔らかい感覚。


「今の」
「キスっていうんだよ」


 詩音は純粋なのか、不思議とキスやハグという言葉までもを知らなかった。
 好きっていう感情さえも、なにもわからない子。
 アタシはそんな詩音の魅力に惹かれていったんだろうけど。


「キス、はじめてじゃない」


 詩音はポツリとつぶやいた。


     ‐


 レズレズ!

421ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/23(月) 12:31:02 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   透きとおった音 ※レズの微エロ的な。


「だれと、いつ」


 なんだろう。
 すっごくもやもやする。
 アタシは思わず詩音の肩を力強く掴んでしまっていた。
 詩音の表情が、歪む。


「っ、別に百花に関係ない」
「男子でしょ?いつも詩音を囲んでる」
「関係ないってば」
「俊弥(しゅんや)でしょ!メアドも交換してたし」


 俊弥は、アタシが好きだった人だ。
 誰にでも優しくて面白くて、ノリの良い人。
 ここ最近詩音といっつも話していたけど、人気者で誰からも好かれちゃうような俊弥から女子に近寄るなんて滅多にないもん。


「百花はいいじゃんっ」
「詩音は俊弥が好きなの?!」
「わかんない」
「アタシのこと好きって言ったじゃん!」


 でも、アタシは気づいてた。
 あったかくて抱きしめたくなる感情が、必ずしも好きってわけではないってことに。


「俊弥にドキドキすんの?!」
「……うん」


 詩音はびくんと肩を揺らしながら、それでも頷いた。
 頷いた詩音にもやもやが増えて、不意打ちでキスする。

 さっきみたいな優しいキスじゃなくて、激しくて強引なキス。
 息を求めて詩音が口を開いた瞬間に、アタシが舌をいれる。
 詩音の口内をアタシの舌がめぐった。


 舌と舌が触れ合う。
 アタシは嫌がる詩音を押さえつけて、無理矢理舌を絡めた。
 お互いの吐息を吸って、息をする。


「や、め……」


 アタシは理性が戻って、やっと詩音を放した。
 その頃にはもう詩音は怯えてしまっていて――

 詩音は、息を荒くしながらアタシを不安そうな視線で見つめていた。


「ごめん、なさい……」


 詩音がちいさな声で謝る。
 謝らなきゃいけないのはアタシなのに。


 よろけながらもアタシの目の前から走り去る詩音の華奢で細い背中。
 アタシはそれを見つめながら、ただ立っていることしかできなかった。


     ‐

422ピーチ:2012/07/23(月) 16:29:24 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

うわあぁぁ!!それはちょっと…

うん、あたしには良く分からん!←キッパリ過ぎだw

423ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/23(月) 16:56:25 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp

>ピーチ

なんか最近甘々系書きすぎて溶けそうだからシリアスにしたかっただけです←
透きとおった音は基本見ないほうがいいことしか書いてないね(´・ω・)

424ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/23(月) 17:21:26 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   太陽と野良猫さん


「うたうのがすき」


 陽が暖かい。
 あたしの上で眩しく輝く太陽が、自分は燃えているんだということを主張していた。
 そんな、燃えた星の下。
 あたしは気まぐれにそうつぶやいて、屋上のフェンスを越えたところの僅かなコンクリートに座る。


「じゃあいっしょに歌おうよ」


 あたしに話しかけるなんて、変なやつ。
 くるりと振り向くと、そこには案の定阿保っぽい顔をした女の子がいた。
 あたしはめんどくさいのが嫌いだ。
 断るのも悪くないけど、いっしょに歌ってあげよう。


「いいよ」
「せーのっ」


 せーのの合図で彼女は一人で歌いだしてしまった。
 あたしの存在無視かよ、と思いながらそれでもあたしがそれに重ねて歌う。
 あたしにソプラノを歌わせたかったのだろうか。
 彼女は最初はユニゾンだったというのに突然アルトパートを歌いだす。

 ふたりで歌っていると、屋上なんて敷地が無限に広がっていくように感じた。


「楽しかったねえ」


 歌い終わると同時に微笑みだす彼女。
 あたしはそれを不思議そうにみつめたあと、いつもの無愛想な調子で訊いた。


「名前、なに」
「ん? あたし?」
「あんた以外にだれがいんの」


 阿保は話が進まないから嫌いだ。


「んとね、あたしは陽花(はるか)! 君は?」
「あたしは鈴(りん)」


 陽花か。
 あたしは陽花の名前を何度も頭の中で繰り返しながら太陽をみつめた。
 そしてそのあと、陽花をじっとみてみる。


「陽花、太陽みたいな子」


 がむしゃらに燃えつづける阿保みたいな太陽。
 でも、みんなを照らしてくれる太陽。


「えへ、よく言われる」
「そう」
「花音はさ、猫みたいだよね」
「そうかな」


 猫みたい?
 あたしが?

 正直納得できなかったのだが、別に猫というのも悪くない。


「そーだよ。髪の毛さらさらだし、目もくりっとしてて可愛いし、なんか気まぐれマイペースだし、高い所好きみたいだし」
「高い所好きなのは陽花もいっしょでしょ」


 屋上のフェンスを越えたコンクリートなんて、ほんの僅かなところに座れるの。
 それって多分滅多にいないと思う。


「高い所が好きなんじゃなくて、花音が好きなの」
「なにそれ」
「いっつもね、独り言つぶやいて気まぐれに過ごしてる花音をみてた」
「……視線を感じると思ったら」


 陽花はえへー、と笑ったが、それってストーカーとかの犯罪行為に入るんじゃないか。
 まあ、めんどくさいのは嫌いだからそれは無視無視。


「あたし高い所すっごく苦手だったから、花音と同じ土台に立てるようにって一生懸命克服したんだよー」


 他人のために一生懸命になるとか。


「そういうのうざい」
「えっ」
「時間の無駄じゃん」
「そんなことないよ!」


 どこがだよ。


「そのお陰でこうやって花音と話せてる! ずっと陰であこがれてた子と話せてるんだよ?!」


 嗚呼、太陽があつい。
 めらめらと燃えながら、自分は存在しているんだということを主張している。
 陽花もこうして、自分は間違ってないと主張してる。


「やっぱ阿保」
「ほえっ」


 あたし、あんたと話してあげなくもないよ。
 ちいさな声でつぶやいてから、あたしは屋上のフェンスを飛び越えてみんながいるであろう教室に戻ろうとした。


「6時限目、数学1だからまたここくるけど」
「あたしも行くっ」
「つか授業いいの?」
「いーよ、もう終わってるし。花音はいいの?」
「だって数学できるし、つかできない教科とかないから」


 これがあたしたちの出会い、なのかもしれない。

     ‐

425ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/23(月) 18:07:09 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp

太陽と野良猫さんでの訂正。
最初花音の名前が鈴になってますがそこは花音(かのん)に直してください!

426ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/23(月) 18:16:00 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   太陽と野良猫さん


「ふんふ〜ん」


 カチャリ、と屋上の扉を開くと、その鼻歌がハッキリと聴こえてきた。
 フェンスを越えたコンクリートに、彼女の、陽花の姿があった。


「あー、花音ちゃん」
「馬鹿、アスファルトなんだから素足で立ったらあついよ」
「心配御無用! あたしあついの大丈夫な人だからー」


 大丈夫とかじゃなくて、とあたしはフェンスの向こうにいる陽花を馬鹿だなあという瞳でみつめた。
 その瞬間、がくっと陽花の膝が折れる。なんで?
 ていうか危ないし。


「あわわわわ、バランス崩した! 落ちる!」
「ちょっと馬鹿」


 あたしはあわててフェンスを飛び越えて陽花の腕を掴んだ。


「落ちないでね」
「ん、がんばるぜ」


 無理矢理引っ張って、陽花が屋上に戻ってきた。


「あんたまじ最悪ふざけんな」
「ごめんよー」
「もういいっ」
「ごめんって」


 こういうめんどくさいのも。
 べつにいいかもしれない。


「……もう落ちたりしないでね」
「うん、わかった」
「落ちても助けてあげないから」
「え、ひどうい」


 あたし、陽花といるの嫌じゃないかも。


「明日もさ、朝から放課後まで話そうね」


 陽花が微笑みながら言う。
 あたしもそれに釣られて微笑んで言った。


「当たり前じゃん」


 太陽と野良猫さんは、
 明日も楽しく歌うのです。


     ‐

 適当さ満載ですみません。
 透きとおった音の詩音みたいな子の話を書きたかったんだけど、詩音っぽい子の目線だとものすごい書きづらい…
 これは陽花目線にすればよかったんだね!
 ってことで何回かチャレンジするかしないかわからない←

427ピーチ:2012/07/23(月) 21:58:15 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

おぉっ!!題名自体が可愛いっ!!花音ちゃんって確かにネコ連想させるわーww

あたしも思いっきり文才ある人間に生まれたかった…((泣

428ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/25(水) 16:52:23 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   隣歌


「あの、すみません」
「なに」
「す、数学のプリント……提出期限とっくに過ぎてるんだけどさ」
「――ここ」
「ほえっ?」
「この問題から全部間違ってる」
「マ、マジか」
「隣、座って。教えるから」
「ありがと……てか、え? 教えてくれるの?」
「間違ってる場合はまた返ってくるから」
「そ、そか……それは嫌だ」
「うん、だから座って」


 今思えば、これがあたしたちの初めての会話だったのかもしれない。


     ×


 高一、初夏。
 蒸し暑い教室でみんなしてノートを扇ぐ、恐らく猛暑日と呼ばれる今日。
 そこにあたしたちの姿はなかった。


「みんな暑そうだねえ」
「鈴花(りんか)、あんま乗り出したら落ちるよ」
「そんなことないよー」


 彼女、莉乃(りの)とは数学のプリントを教えてもらったときからすっかり意気投合(ていうか一方的にあたしが引っ張っただけなんだけど)してしまい、今ではいつもいっしょにいるいわゆる「イツメン」というものになってしまった。
 高校一年生ということで、あたしたちは受験も終わり青春真っ盛りのはずなのだが……


「やっぱ合唱だよね」


 あたしの中では青春=恋愛じゃなくて、青春=部活なのだ。
 あたしは合唱部に入っていて、莉乃も同じ部活(ていうか一方的にあたしが引っ張っただけry)だから毎日が楽しい。
 まあ莉乃はモテるから、部長に告られて付き合ってるんだけどさ。


「うたいたい」


 莉乃がポツリとつぶやいた。
 きっと、部長の姿を思い浮かべているんだろう。
 あたしはちょっと悔しくなって、莉乃の腕をぐいっと引っ張った。


「じゃあ歌おう! せーの!」


 ちょっと強引だったかも。
 莉乃は驚いている様子で、それでもあたしといっしょに歌ってくれた。
 莉乃がつくった曲「隣歌」を、ふたりで合唱する。

 あたしはアルトで莉乃がソプラノを歌っていたのだが、支えとなるバスやソプラノを引っ張ってゆくテノールがいなくてそれは間抜けなハーモニーになっていた。
 あたしたちは笑いながら歌う。


 この曲には、大切な人の隣で歌いつづけるという意味が込められているらしい。
 きっと部長を思ってつくった曲なんだろうなあ。
 あたしは自分で考えててちょっと恨めしい気持ちになったから考えるのをやめた。


 それにしても。
 綺麗に透きとおったソプラノ。
 莉乃の声は本当に綺麗だ。
 あたしが一方的に引っ張って入部させただけだというのに、莉乃はいつのまにかあたしより上手くなって、先輩たちにも好かれて。


「……莉乃はさ」


 「隣歌」を歌い終わったあと、あたしは弱気な声で言った。
 こんなのあたしらしくないってわかってるけど、なんだかあたしらしくできない。


「やっぱり部長のことが好き?」
「好きっていうか」


 戸惑う莉乃。
 なんなの、もう。


「こういうときハッキリ好きって言ってくんなきゃ、諦めらんないじゃん!」


 諦めるって、すごく難しい。


「鈴花は遥斗(はると)が好きなの?」


 莉乃はすこし驚いたような様子をみせて、あたしに訊いてきた。
 遥斗っていうのは部長のことだ。


「それは、その……好きっていうかさ」
「ほら、鈴花も言葉濁らせた」


 くすりと笑う、莉乃。


「あたしね、隣歌って曲、鈴花を思ってつくったんだよ」
「え……?」
「なんかみんなとなりうたって呼んでるんだけど、本当はりんかって曲なの」


 そういえば。
 となりうたってみんなが言ったとき、莉乃がちょっとあわてていたような気がする。


「鈴花の隣で歌えますようにって気持ちを込めてつくったの」


 そういって微笑む莉乃が可愛くて。
 なんか、すごいあったかい気持ちになった。


「あとね、遥斗のことは好きなんだけど、その……好きっていうか、鈴花のほうが好きっていうかなんかもういいや」
「えええっ」


 あたしもね、だれよりも莉乃のこと、大好きだよ。

     ‐

429ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/11(土) 11:20:34 HOST:EM117-55-68-141.emobile.ad.jp

お久しぶりですねここですどうも!←
おしらせなのですが、なんだか最近長編を完結させるということができなくなったというかできる自信がなくなった((
ような気がするので、長編の更新をおやすみして短編に力をいれたいと思っていますorz
大変自分勝手な決断なのですが、許してっていうかなんかもう本当にすみません!←


一瞬新しい短編作るかとかも考えたので
もしそうなったらよろしくお願いしますorz

430ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/11(土) 11:21:44 HOST:EM117-55-68-141.emobile.ad.jp


   I love me .


「ゆーくんだいすき」
「はは、ありがと」


 同い年だというのに周りに比べて大人びた雰囲気をただよわせて大人っぽい口調でしゃべるゆーくん。
 みんなその大人っぽいところが好きって言うけど、わたしはゆーくんはそれほど大人っぽくないと思ってる。


「ゆーくんってばまたみんなに大人っぽく見せようとしてるでしょ」
「別にそんなつもりはないよ」
「えー、うそだあ」
「ていうか莉花、周りの目もあるから離れよっか」


 やだやだ、とわたしはゆーくんの背中に回した腕にぎゅっと力をいれた。
 だってこの腕を放すとゆーくんは自分を受け入れてくれる女の子のほうに言っちゃう。
 そこに行くと、ゆーくんの好きな人に会えるから。


「ゆーくんは大人だから周りの目なんて気にしないでしょ」
「逆、大人ではないけど周りの目を気にしてるんだよ」


 変なの。
 わたしは心の中でぽつんとつぶやいて、ゆーくんに絡めた腕によりいっそう力をいれる。


「莉花、苦しい」
「だって昔のゆーくんと違うんだもん」
「今と昔じゃ違うに決まってるよ」
「わたしの知ってるゆーくんじゃない」


 わたしの知ってるゆーくんは、もっと子供っぽくて、無邪気で。
 わたしのことが大好きなゆーくんなのに。

 ゆーくんは何言ってんの、と小声でつぶやいて、笑いながらわたしの頭を撫でた。
 まるで、わたしを子供扱いするみたいに。
 自分も子供のくせに。


「莉花の知ってる「ゆーくん」はもういないんだよ」


     ×

431ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/11(土) 11:22:13 HOST:EM117-55-68-141.emobile.ad.jp


   I love me .


 そうだ、わたしの知ってるゆーくんはとっくの昔に消えていってしまったんだ。
 これはわたしの大好きで、そしてわたしのことが大好きなゆーくんじゃないんだ。

 わたしは絡めていた腕をそっと放すと、笑顔でぽつりとつぶやいた。


「ごめんねゆーくん」
「俺こそごめん」
「……なんでそんなに優しいの」


 わたし、ゆーくんを避けようとしてた。
 それなのにゆーくんは優しくて、最後までわたしの頭を撫でてくれて。


「どうしてわたしのこと、好きじゃなくなっちゃったの」
「俺さ、気づいたんだ」


 今にも儚く消えてしまいそうな存在。
 ゆーくんは、一瞬だけだけどわたしの知ってるゆーくんに戻ったような気がした。
 正直で、素直で、単純で、明るくて馬鹿で、無邪気で我侭で子供っぽい、わたしの大好きなゆーくん。


「俺は莉花のことが好きだったんじゃなくて、自分のことが好きなんだって」


 ――気づいてた。


「莉花に好かれてる自分が好きで、面倒なことがなくて好かれまくる性格になりたいって思ってさ」


 ――ゆーくんの変化に気づいて。
 ――ゆーくんの思いにも気づいてた。


「誰からも愛されて、人気で憧れの存在になれた自分が好きなんだ」


 だから。
 ゆーくんは自分のことを大人っぽいって思わないわたしを嫌うんだ。
 大人っぽいゆーくんを認めて、受け入れてくれる女の子たちの傍に行きたがるんだ。
 ちやほやされる、自分が好きだから。


「……莉花は知ってたでしょ? 俺の好きな人」
「うん」
「でも今考えれば昔、本当に莉花を好きって思ったときがあったと思うんだ」


 それならその時。
 わたしがゆーくんを振り向かせられればよかった。


「ごめんゆーくん」
「莉花は悪くないよ」
「わたしが悪いの」


 涙をこぼしながら、わたしはごめんなさいと何度もつぶやいた。


「――焦ってたんだよね」


 ゆーくんが苦笑を浮かべながらポツリ。
 大人っぽくはあるけど、今はわたしの知っているゆーくんのような気がした。


「莉花はどんどん可愛くなるし、周りの男子も莉花のこと好きになりはじめてさ」
「……なにそれ」
「莉花は俺に振り向いてくれる気配ないし、それが寂しくてそれなら俺が莉花から離れていこうって思ったんだ」


 結局原因はわたしだったんじゃん。
 わたしはゆーくんから放した腕をもう一度背中に絡めて言った。


「わたしはずっとゆーくんが好きだったのに」
「じゃあ付き合ってくれるんだ?」
「へ? だってゆーくんは――」


 ゆーくんが悪戯っぽい無邪気な笑みを浮かべてから、わたしの頬にキスした。


「前言撤回。俺が好きなのは莉花だよ」


 わたしは腕にもっと力を込めて言った。


「ゆーくんだいすき」


 この幸せが、永遠につづきますように!


     −

432ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/11(土) 11:26:47 HOST:EM117-55-68-141.emobile.ad.jp


  ▼I love me . のあとがきと言い訳←

 いやなんかほら……
 自分のことが大好きな男の子を書きたくて書いただけなんです←

 だって自分がもしみんなに愛されて、かっこいいとかかわいいって言われてて人気者だったらやっぱり自分大好きになりませんか?!←
 ちょっともう本当に痛い子なんですけどごめんなさい。
 でも周りにちやほやされて自分かっこいいんじゃね?みたいに思わない人は少ないと思いますorz

 莉花の気持ちとしては
 どんどん自分の知ってるゆーくんじゃなくなるのを恐れていたわけであーだこーだなったんです


 とりあえず
 すれ違い的な?★←


 はい、言い訳を終わりますすみませんでした。


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