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しあんいろ

430ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/11(土) 11:21:44 HOST:EM117-55-68-141.emobile.ad.jp


   I love me .


「ゆーくんだいすき」
「はは、ありがと」


 同い年だというのに周りに比べて大人びた雰囲気をただよわせて大人っぽい口調でしゃべるゆーくん。
 みんなその大人っぽいところが好きって言うけど、わたしはゆーくんはそれほど大人っぽくないと思ってる。


「ゆーくんってばまたみんなに大人っぽく見せようとしてるでしょ」
「別にそんなつもりはないよ」
「えー、うそだあ」
「ていうか莉花、周りの目もあるから離れよっか」


 やだやだ、とわたしはゆーくんの背中に回した腕にぎゅっと力をいれた。
 だってこの腕を放すとゆーくんは自分を受け入れてくれる女の子のほうに言っちゃう。
 そこに行くと、ゆーくんの好きな人に会えるから。


「ゆーくんは大人だから周りの目なんて気にしないでしょ」
「逆、大人ではないけど周りの目を気にしてるんだよ」


 変なの。
 わたしは心の中でぽつんとつぶやいて、ゆーくんに絡めた腕によりいっそう力をいれる。


「莉花、苦しい」
「だって昔のゆーくんと違うんだもん」
「今と昔じゃ違うに決まってるよ」
「わたしの知ってるゆーくんじゃない」


 わたしの知ってるゆーくんは、もっと子供っぽくて、無邪気で。
 わたしのことが大好きなゆーくんなのに。

 ゆーくんは何言ってんの、と小声でつぶやいて、笑いながらわたしの頭を撫でた。
 まるで、わたしを子供扱いするみたいに。
 自分も子供のくせに。


「莉花の知ってる「ゆーくん」はもういないんだよ」


     ×


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