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しあんいろ

410ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/17(日) 15:20:07 HOST:w0109-49-135-30-21.uqwimax.jp


   enjoy!


「ゆ、り……?」


 走ってわたしを探してくれたのだろうか。
 息は荒く、額に汗の玉が浮かんでいた。


「遥ちゃん、百合に教えてくれたじゃん!」
「え……?」


 こんなに必死な百合初めて見た。
 こんなに強気で、遠慮をしない百合を。


「譲りたくないものは譲らなくていいって、嫌いなものは嫌いでいいし苦手なものは苦手でいいって言ってたじゃんっ」


 そうだ、わたし。
 百合にそんなこと言える立場じゃなかったんじゃん。
 この言葉は結局自分にそう言い聞かせたかっただけだったのだろうか。

 ――いや、これは。

 百合にゆーまを諦めてほしくなくて。
 ゆーまに幸せになってほしかったから言ったもので。


「……わたしは、ゆーまに幸せになってほしい」
「なら、百合じゃ無理だよ。遥ちゃんしか遊くんを幸せにはできないの!」


 今度は百合が教えてあげるね、と前置きしてから百合が言った。
 その笑顔はとても可愛くて綺麗で、わたしには眩しすぎるものだったけれど――


 この眩しい笑顔より、わたしを選んだんだ。
 それならわたしもこの笑顔以上に輝きつづけてゆーまを幸せにする役目があるんだから。


「ゆーま、好きだよ」
「俺も、ずっと好きだった」


 
 やっと伝えられた。
 ライバルだと思ってた百合にも助けられちゃったし。


「ありがと百合」
「言ったでしょ、百合。遊くんより遥ちゃんが大好きって」


 わたしはきっと、色んな人に助けられてるんだろうな。
 こうして人生を楽しめることに、突然すごく感謝したくなってきた。


「わたしもみんなだいすきだーっ」


 ちょっと意地悪な花乃も、馬鹿迅もうざキャラな海も優しくて可愛い百合も、かっこよくて悪戯好きなゆーまも。
 わたしにとってはみんなみんな宝物です。
     -

 
 enjoyはここから高校編に突入したいところなんです。
 こんな長く連載するつもりなかったのでよくわかんないけど。


 とりあえず中学生編は一旦おわり。
 ここからつづくのかどうか、それはねここの気分次第です←


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