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しあんいろ

379ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/04/10(火) 20:04:25 HOST:w0109-49-135-27-63.uqwimax.jp

 「しあんいろ」一周年記念 / 手フェチ



 頭を撫でるとき、細い指が髪に絡まってそれが心地よかったり。
 大きな手に包み込まれてしまうような感覚が不思議なくらい安心したり。


     ×


「ばかゆいー」
「っ、ちょっと! 今日髪可愛くしてきたのに崩さないでよー」


 翔太の大きめの手がわたしのツインテールを緩く崩した。
 せっかく早起きしたのに、と思いながら翔太を見つめキツく叱ろうと思ったけど、楽しそうに微笑む翔太を見てぷうっと頬を膨らませることしかできなくなる。


「校則違反ですよー、つって」


 そう言いながらもう一度わたしの頭を今度は優しく撫でる翔太にきゅん、と心が揺れてしまった。
 ありえないありえない!、と心の中で全否定して次はちゃんと怒る。


「も、もー! 校則違反じゃないってば!」
「ばーか、冗談に決まってんだろ?」


 そんなふうにわたしをからかって。
 そんなふうにわたしを馬鹿にして。


 やっぱりこんな男好きじゃない!


     ×


「なあゆいー」
「ちょ、ちょっと! 学校でベタベタしないでよー」


 お昼の時間、お母さんにつくってもらったお弁当を友達と二人で食べているとまた髪がぐしゃりと乱暴に撫で回された。
 またきゅんって心が揺れる。翔太なんて嫌いじゃないのか、わたし!


「学校では? 別に普段からお前にベタベタしてるつもりないし、したくもないしー」
「なっ……」


 突然わたしの頭から離れた手にあ、と声を漏らした。
 寂しいような物足りないような感覚にぶんぶんと頭を横に振る。


「そーいうの、自意識過剰っつうんだよ」


 こんな男、絶対好きじゃないってば!



     ×



「ゆーいー」
「…………」


 わたしはもうアンタなんかと話さないんですー、と心の中で呟きながらぐたあっともたれ掛かってくる大きな体をぐいっと反対側に押した。
 好きじゃない好きじゃない好きじゃない近寄るなこの野郎!


「……なに? ゆい、昼のこと怒ってんの?」
「…………」


 絶対話さないんだから、と思いちらりと翔太の方を見つめると、翔太はわたしなんかをよそに違う人のところに行って楽しそうに話していた。
 もうだいっきらい、と俯いて少し早歩きになる。


「……ゆーいちゃんっ、妬いちゃった?」
「っ、妬いてなんか……あ、」


 しゃべっちゃった。
 そのことに今気づきにたぁっと嬉しそうに微笑む翔太をやられた!、という顔で見つめた。

 その瞬間ふわりと翔太の手がわたしの頭を優しく撫でる。


「お前さ、俺の手好き?」
「……うん、そーかも」
「ふうん、変態なの?」


 翔太の言葉に口をパクパクさせて叫んだ。


「あ、アンタのが変態だばあか!」


 どうやらわたし、翔太自身じゃなく翔太の手が好きなようです。



     -


 手フェチ!
 うん、イマイチかな?

 まあいいとしよう。



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