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しあんいろ
393
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/05/01(火) 22:15:23 HOST:w0109-49-135-6-72.uqwimax.jp
あいらぶゆう!
――アンタ、遊のこと好きなんでしょ?
つい先日友人に言われた言葉がふいに頭をよぎった。
そのときは吃驚して別に好きなんかじゃないよ、と誤魔化してみたけど実際どうなんだろう。嫌いではないしなあ。
遊はとっても明るくて元気でやんちゃで、でもさりげなく優しくて格好よくて。
何だかんだで好かれやすいしバレンタインデーのチョコレートの数なんて毎年数えきれないほどの量だし。
そんな遊を見てるのが楽しかったのに、急に好きなのかなんて聞かれてもわからないよ。
ていうかわたしに好きって言葉を持ちかけること自体どうかと思う。
だってわたしは初恋でさえまだだし、好きって気持ちをよく理解してないし第一わたしが恋愛なんてできるはずないって思ってるんだもん。
あ、何だか自分で考えといて悲しくなってきた。
でもわたしが思うことは。
遊は人気者なわけで、告白したってごめんとかありがとうで流されちゃうしバレンタインだって大量のチョコの中の一つになっちゃうから。
遊に告白したってどうせ無駄な努力で終わるんじゃないのってことだ。
わたしの心の中で思っていることを全部吐き出した瞬間あっさりと現実に戻された。
なぜだろう、おでこが痛い。
声にならない悲鳴をあげておでこを抑えるとパラパラと白い粉が舞った。
「〜〜〜〜っ」
「お前、アタシの授業で寝るなんて良い度胸してんな」
「寝てたのは反省してますけどチョーク投げるのはないですよ先生」
やってしまった。
スパルタと体罰とチョークで有名な有希先生の授業で寝てしまうとは。
「……先生、いっそ心臓に当てて殺してくれればよかったのに」
「一発で殺すよりじわじわと痛めつけながら焦らし殺す方がいいでしょ?」
ふふん、と何故か得意気な有希先生に何ですかそれ、と呆れた表情を浮かべた。
友人も言うけれどわたしと有希先生は何かと気が合うらしく、それなりに話しが弾む。
でもおでこが痛いのは変わらなくて、その後数時間チョークが命中したおでこが痛みつづけるのだった。
×
「あ、遊だ」
「おお、桜じゃん」
学校の帰り道、ぼーっとしながら見慣れた町を歩いているとバッタリ遊と遭遇した。
一人でいるのめずらしー、と適当なことを考えながらへらりと微笑む。
「なんか久し振りー」
「だなー! 前はあんなに二人で遊んでたのにどうしてだろうな?」
遊の率直な質問にわたしも率直な答えを返してあげた。
「それは遊が女たらしで女の子と遊びまくるからでしょ」
「ありゃ」
俺女たらしじゃねえもん、と微笑みながら言う遊にまったく、と呆れてみせたりした。
でもでも、どうして遊が此処にいるんだろう? 家も正反対のはずだし。
「……なんかあったの?」
「何でわかんの?」
「え、いや……なんか」
ぽつりとつぶやいてみたことがまさか図星だったなんて、と思いながらそれでも少し不安になった。
「頼りないかもだけど、わたしでよければ聞くよ?」
思わず言った言葉に遊が自信の無さそうな目でわたしを見つめてきた。
どきん、と。
遊の綺麗な目に胸が揺れる。
「……俺、好きな人できたんだよね」
「だ、だれ?」
「言うわけねーだろ」
「あ、そっか」
びっくりしたびっくりしたびっくりした。
好きな人できたって遊が言ったとき、わたしのことすっごい見つめてきたんだよ。
きっと自意識過剰なだけかもしれないけどドキドキしたのは事実だ。
応援してあげたいけどなぜか痛む胸に疑問を感じた。
「……相談、乗ってくれる?」
そんな上目遣いでわたしのこと見ないでよ。
そう思いながらそれでもわたしは頷くことしかできなかった。
「う、ん……」
わたしに恋愛の相談なんてきっと無理だよ、遊。
‐
タイトルのあいらぶゆう!には意味があります
とりあえず主人公、桜(さくら)と遊(ゆう)ね!
短連載の予定
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