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しあんいろ

420ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/23(月) 08:52:25 HOST:w0109-49-135-27-123.uqwimax.jp


   透きとおった音 ※レズ有りです、キスまでしますのでご注意ください(´・ω・)


 そうだねと言って頷いた詩音の顔が頭から離れない。
 そしてなぜか、詩音といつまでも友達という関係でいたくないと思っている自分がいた。


「……なんで」


 詩音に、傍に居てほしい。
 アタシはそんな思いから、詩音が向かった方向へ走り出した。


     ×


「詩音っ、しおん!」


 がむしゃらに走りつづけてたどり着いたのは近くの海。
 よく、アタシと詩音で来ていた場所だ。
 詩音は海が嫌いだったけれど、浜辺で遊ぶのだけは好きだった。
 だから必死に浜辺を見渡したのだけれど、詩音独特の茶色い髪の毛は見当たらない。


「しおーんっ!!!」


 海に向かって、一叫び。
 その瞬間、後ろから詩音の鈴のような声がきこえてきた。


「大声出したら迷惑だよ、馬鹿」
「ご、ごめん!でも詩音っ!」
「なんなの、わたしの気持ちもわからないくせに」
「ごめんってば!でもアタシ、どうすればいいのかわかんないの」
「馬鹿だからだよ」


 詩音のさみしそうな顔。
 それが、なんだか無性に愛くるしく感じて――


「もしかしてアタシ、詩音のこと好き、かも……」


 思わず言ってしまったのだ。
 でも、詩音といると妙に顔が熱くて、アタシには昔初恋で両思いだった男の子がいるのだけれどその子といっしょにいたとき以上にドキドキしてしまう。
 詩音が、ゆるく二つに結んだ茶色い髪を風で靡(なび)かせながら、ちいさく口を動かした。


「あったかくて抱きしめたくなる感情が好きって気持ちなら」


 詩音が、はずかしそうにうつむいた。


「わたしも、百花のこと好きかも」


 あ、ちょっと無理。
 限界を感じたアタシは思わず詩音に抱きついてしまった。


「百花」
「ごめん……好き」
「――わたしも」


 アタシはこの恋愛が間違っていることだと知って。
 詩音の唇を、アタシのそれと重ねた。
 たった一瞬だけだったけれど、ふにゃっと唇に当たった柔らかい感覚。


「今の」
「キスっていうんだよ」


 詩音は純粋なのか、不思議とキスやハグという言葉までもを知らなかった。
 好きっていう感情さえも、なにもわからない子。
 アタシはそんな詩音の魅力に惹かれていったんだろうけど。


「キス、はじめてじゃない」


 詩音はポツリとつぶやいた。


     ‐


 レズレズ!


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