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番外企画スレ

1管理人★:2020/10/27(火) 16:39:53 ID:???
通常の妄想ロワとは違う企画を実施する際はこっちで盛り上がろうー。

1435名無しさん:2022/02/20(日) 09:39:48
>>1349でホメロスが画策していたように、>>1413で尻尾を出したチノという少女を指名手配した後に、自ら指揮を取って(建前上の)救援部隊を編成してムー島を出立した
そしてレムリア島に到着して野営地を設けたが、レムリア島での暴動も予想以上に早く治まっていたため、増援と称して自軍を自在に動かす口実を得づらくなっていた
それでも救援部隊を街やレムリア軍事基地に送り出して幾らかでも幅を利かせようとする
その最中、夜の野営地にクルーゼとシャアが訪れてホメロスとの話し合いを求めてきた

※二日目の夜の話

1436名無しさん:2022/02/20(日) 10:28:39
キャスターらしき存在の操る人形、マスターらしきバット男、と一瞬だがジジ、あと宝具だがバンビエッタ、
様々な英霊クラスの存在を目にしたこと、
そしてこの聖杯戦争に真剣に向き合うと決意したことで虎杖はある問いをノーマンに問う

「ノーマン、あんたはどういう英雄なんだ?」

ノーマンは自分は科学者であること、特筆すべき発明品は身体能力を増強する代わりに記憶をしばらく失う薬であること、おそらくそれが自分の能力であること、を虎杖に伝える

「その記憶を失ってる間の人格はどんな奴なんだ?今出せるか?」

ゴブリンの人格を知らないノーマンはおそらく、その間に体を動かしているのは理性のない獣のような
人格だろうという推測を虎杖に話した。
「昨日も人形達に襲われた直後から記憶が無い。」、と。

「それが最後の記憶で合ってるか?」
「…ああ、そういえば敵を引き付けようと君から離れた、あれが最後の記憶だったよ。」
「そうか。」

虎杖はこの時、最後の会話で違和感を感じていた
「目の前の英霊は二重人格かもしれない」という疑いを持ってみているせいかもしれないが…
最後に「切り替わった」気がしたのだ。

(…「人形達に襲われた直後から記憶がない」の時、
 俺はてっきり「ああ、切り替わる前後しばらくの記憶も無くなるんだな」と思ったんだ
 でも、気のせいか?さっきのノーマンが『失言に気付いて言い直した』ように感じたのは…?)

ゴブリンは人格の主導権を握る、もはやノーマンの主人格と言ってもいい存在である。
しかし、ゴブリンは表に出過ぎた。暴れすぎた。
ゴブリン本人も気付かないうちに疲れていたのだ。
さっきまで虎杖と話していたノーマンの中で、ゴブリンはまるで映画をぼんやり鑑賞するような気分で
ノーマンと虎杖の会話を眺めていたのだ。

だからノーマンが「人形達に襲われた直後から記憶が無い。」という発言を内側で聞いて飛び起きたのだ。
そしてすぐに失言を修正したのだった。

※虎杖がノーマンに対して少し不信感を持ちました

1437名無しさん:2022/02/20(日) 11:08:38
元の世界の因果と似たような流れになる者が多いな。興味深い…。

1438名無しさん:2022/02/20(日) 19:26:52
>>1435の続き
ホメロスと話し合いの場を設けられたクルーゼ達は、さっそく自分達のサーヴァントを彼の前に出現させた
二人がマスターであり手を組んで自分の元に現われたと考え、何故自分の正体がばれたのかと驚き困惑するホメロス、そして同時にハドラーも実体化して臨戦態勢をとった
だがクルーゼ達は彼らの反応を見て聖杯戦争参加者であるか判別するつもりであり、この場で戦わずに休戦協定を申し込みに来たのだった
クルーゼおよびホメロスの両者は共に二つの島による戦争を望んではいるが、まだ他の主従が多い段階で両軍がぶつかり合うのは良くない
まず先にギャングや半グレ集団を始末して他の主従も脱落してから休戦を解除する、という内容で話はついた
そしてクルーゼから半グレ集団のリーダー・相馬とキャスターの情報、エレンからスパイダーマンとライダーの情報、ホメロスからチノと謎の青年の情報を交換しあい、それらを指名手配して互いに協力して狩りに行く方針となった
その際、昨日の朝に出会った喫茶店の少女がマスターだったことにシャアは何を思っていたか

なおこの協定とは別にハドラーがセフィロスとの模擬戦闘を申し出た
話し合いの中で各所で戦闘が始まっているのを聞き、自身の弱点が原因とはいえ聖杯戦争に呼ばれた自分がずっと戦わないでいることに闘争心が燻っていたのだ
己が武人の勇ましさに悪態をつくホメロスであったが、この戦闘で勝利して幾らかでもイニシアチブを取っておきたいと考え直し、数分程度の制限時間付きで互いに本気を出さないことを条件に了承する
これに対してクルーゼ及びセフィロスが応じ、エレンは万が一に備えての周辺警戒とバトルが過熱したときの仲裁役として選ばれたところで、2騎の武人は構えをとった

(この模擬戦の結末は他の方にお願いします、これが終われば三組は三日目に突入するでしょう)

1439名無しさん:2022/02/20(日) 20:03:16
軍事基地襲撃後、お目当ての契約書はレジィに任せて相馬は半グレ集団の状況把握に努めてた
当初の予想より拿捕されたり命を落とした輩が多かったようで、残存している奴らは士気が下がっていた
そこへ相馬が活を入れたのちに、レジィが新たな武器を持ってきたことで組織は再び活気を取り戻す
そしてもう一つ、相馬は興味深い情報を手に入れていた
陽動部隊の生き残りの証言によると、パン屋で少女二人が襲われそうになったときにカードを使う少年と寡黙の剣士が現われて二人を守るように自分達を返り討ちにした、と
そこで相馬とレジィは次なる目標をその少女二人に定める、ただし討伐だけではなく同盟を結ぶ事を視野に入れて
先の襲撃で軍人のマスターがいることを確認し、さらにまだ複数の主従がいるため、半グレ集団以外にも戦力を欲し始めたのだ

1440名無しさん:2022/02/20(日) 20:36:49
>>1434
先日のショッキングな出来事からココアが立ち直ることが出来たのはカイトから教えられた「かっとビング」が理由だった

かっとビング、それはどんなピンチでも決して諦めないこと
だからココアは諦めない。チノのためにも、お姉ちゃんとして諦められない。

かっとビング、それは勇気をもって一歩踏み出すこと。
だからココアはこの状況でも勇気を持って前を向き、パンの配達をする。
いつもの日常を取り戻すために、今の日常を諦めない。

かっとビング、それはあらゆる困難にチャレンジすること。
だからココアは次に春花と会った時……困難に挑む決意もしている。
ココアは一般的な日常を謳歌していた高校生だ。いきなり覚悟を決めろなんて難しいかもしれないが、それでも困難に挑まなければならない時はある。
かっとビングを胸に必死に戦った九十九遊馬も元はただの中学生だったのだから。

パンを配達するココアの姿を見守りながら、カイトは不思議な心境になっていた。
もしかしたら遊馬をずっと支えていたアストラルも今の自分のような気分だったのかもしれない、と

1441名無しさん:2022/02/20(日) 21:37:38
自分のために傷ついたたっくんと、亡くなったイーサン・Dボゥイの犠牲に涙を流すピーター
しまいには若き日のエレンのように「あの巨人を駆逐してやる」と言い出す始末

泣きっ面に蜂なのは、クルーゼの工作により襲撃を仕掛けてきた半グレ集団の一員としてスパイダーマンとファイズが指名手配されてしまった
※ピーターはマスクの下を晒してないので、スパイダーマンだとはバレていません

1442名無しさん:2022/02/21(月) 08:50:16
3日目

虎杖と同じクラスの胡桃、虎杖がマスターかもしれないと思いつつも決め手がなかった
そこで胡桃は学外のカフェにて、虎杖と同じ班の女子(モブ)に喫茶店で「虎杖ってどんな奴?」と聞くことにした。
女子「えぇ〜〜〜胡桃ちゃんってば虎杖みたいなのがタイプな訳〜〜〜?」
胡桃「いや、そういうわけじゃなくて、単にどんな奴か知りたいだけで」
女子「キャ〜〜〜それもう好きってことじゃん〜〜〜
    でも確かに胡桃ちゃんと虎杖ってアウトドア系っていうか気が合うかもしれないね〜〜〜
    実習でも息ぴったりだと思ってたし〜〜〜
    ねえねえいつから?いつから気になってるの?出会いのきっかけは?もしかして初恋?」
逆に質問されて困る胡桃だったが、次の瞬間に更に度肝を抜かれた

マズルカ「ごきげんよう胡桃さん☆」
胡桃「なっ!お、お前は…!」
この世界のピチピチ女学生風に服装を変化させて猫を被ったマズルカちゃん(実年齢3ケタ)の乱入である。
女子「胡桃ちゃんのお友達〜?」
マズルカ「お友達と一緒でしたのね☆わたくし胡桃さんのお友達のカカリマ(偽名)と申します☆
      あっ店員さんこっちに季節のマロンタルト1つお願いします☆」
マズルカは近くの椅子に座ってケーキまで注文し始めた。
女子「よろしく〜。」
胡桃「待て!おい、お前どうしてここに………」
マズルカ「つれないですわね…胡桃さんのお顔を見たくて参りましたのに…。」
女子「あれっなんか修羅場系…?あたし帰るから2人でごゆっくり!」
変に気を使ってクラスメイトの女子が席を立ち、2人が残された。

マズルカ「いい子だねえ。ひひひっ」
胡桃「…何のつもりだ?」
マズルカ「んあ?一応まだ同盟関係だろう?報告に来たのさ。
      …あの虎杖という君のクラスメイト、マスターだよ。昨日確かめた…間違いない。」
胡桃「…!」
マズルカ「それで、キミに提案があって来たんだ。」
動揺している胡桃、『虎杖を一緒に襲おう』とでも言われるのかと思ったが
マズルカ「キミ、この聖杯戦争から降りないかい?」

マズルカは胡桃に令呪でサーヴァントを自害させて聖杯戦争から抜けることを提案した
マズルカは昨日フルネラ型を拿捕されたときに明と胡桃とも会話した。
その時の会話、震えながらスコップを強く握りしめこちらを窺っていた様子などから、
本来はこんな戦いに巻き込まれるような世界の人間ではない、ただ巻き込まれた普通の少女なのではないかと感じたのだった。
胡桃とさして歳の変わらぬ少年少女が家族を失い、戦う世界だったマズルカにはその確信があった。
逃げ道さえあればロールとは言えクラスメイトと殺し合うようなこの戦いから降りるかもしれないと考えたのだが。

しかし胡桃はこれを拒否。
この世界、現代日本より治安がいいとは言えないが平和な学園生活のロール、それから目覚めたばかりの胡桃は、
自分では覚悟を決めたつもりでもまだ今までのロールの感覚が残っていた…寝ぼけていた、とも言える。
しかし時間の経過と共に…また、明との対話で人類が吸血鬼に苦しむ世界の体験を聞いたり
まだ見ぬゾンビ使いの存在を聞いたりしているうちに、失った以前の世界の感覚が戻ってきたと感じていた。
昨晩は夢を見た。元の世界の夢、学園生活部の皆とかれらと戦いながら生き延びようとした夢を。

マズルカは提案を断られた事を残念に思いつつ、別れる前にもう一つの情報、というより可能性を伝える。
こちらは確定ではない、と前置きしつつ告げた情報。
緑の怪人スーツに変身した姿や爆弾などの攻撃手段から、この島のレストラン爆破に関わっている可能性がある、と。

1443名無しさん:2022/02/21(月) 09:07:56
>>1397
用心深い医者&アサシンは「緑の怪人、人形使い」の探索以外にも「他の者に私達のことをバラしてはならない」「他の者に協力を求めてはならない」と命令をしていた
これのためジゼルは直接誰かに救援を求めることはできなくなったが、この命令は“自分”だけを縛るものなので秘匿していた宝具のバンビエッタやまりなが他と接触するのは命令に抵触しなかった
それでも医者達に縛られて自分から直接どうにかできないことにもどかしさと怒りを覚えていたが

1444名無しさん:2022/02/21(月) 18:36:52
そういえば宿を出る前の炭治郎と雲雀も木場に「人とそうでないモノの共存」について聞いてたね
禰豆子や珠世、愈史郎の一件もある炭治郎は木場からする匂いの件もあって、彼が鬼のような特殊な存在であり、けれども決して悪人ではなく他者を理不尽に襲わない存在だという可能性に思い至る。
だから炭治郎は木場とその問答を見守るマコト兄ちゃんの真っ直ぐな瞳を受けながら「共存も可能だと思います!」と自分の目標が禰豆子を人間に戻すこと、そして鬼の存在や鬼の中にも人間の味方をする者がいることを話した

それを聞いた木場もまた自身の夢を語る。
自分が元人間の異形であるということすらも包み隠さず――この場にいる者達を信じて。
困難な道だということを理解した上で、それでも人間を信じてみたいと話す木場に炭治郎は「頑張ってください、ライダーさん!ライダーさんの夢はきっと叶います!!」と全力で背中を押す。

「ありがとう、竈門くん。君と出会えて良かったよ」
「はい。お互い頑張りましょう、ライダーさん!」

二人のやり取りを見守っていたマコト兄ちゃんは微笑み、雲雀は退屈げにあくびをしていた。
ちなみに雲雀の返答は「そんなものは関係ないよ。何者であろうが咬み殺すだけさ」というもので、マコト兄ちゃんが殴り掛かったりもした

木場的にはなんとも言えない返答だが「そんなものは関係ない」という言葉は種族を重視していないという証拠でもあり、掴みどころのない孤高の浮雲は相変わらず我が道を往く

1445名無しさん:2022/02/21(月) 18:48:50
>>1444
花の湯温泉のお湯は誰も拒まないって原作で言ってたとはいえ聖杯戦争の参加者を受け入れ過ぎなんだよなあ>おっこ
そのおかげでエレンみたいなタイプでも地雷を踏まずに穏便に話が進むとはいえ、主従どっちも拠点を変える気が薄いのもあって対軍宝具とかでマスターごとふっ飛ばされる危険性が他の組より明らかに高い
二日目の夜の時点では幼いけど家業を手伝ってるとか人外とひとつ屋根の下とかチノと色々共通点があってまた穏便に話をできたけれども、このあとの展開を考えると果たしてそれは良かったのか

1446名無しさん:2022/02/21(月) 19:53:59
炭治郎達が宿屋から出たあと、宿屋で夕食をいただいたチノは緊張の糸も解れたこともあって知らずうちに眠ってしまった
その寝顔を崩さぬようにマコトが丁寧に抱きかかえ、若女将が用意してくれた部屋の寝床にそっと横たわらせる
その後は夜もふけり若女将も就寝、眠らずとも活動可能な英霊の二人は警戒を続けていた

そして日付が変わった夜更け頃、眠っていたチノとおっこは従者達に叩き起こされる
この時宿屋はゾンビの群れに囲まれており、マコトと木場はマスター達を守るべくゾンビ達と戦い始めていた
だがさらに弓矢が飛んできて攻撃を受けてしまい、一方的に狙撃され続けるのを避けるために二人は一旦宿屋の中へと身を隠した
このまま宿屋で戦い続けるのはマズいと判断した彼らは、片方が弓兵の対処に向かい、もう片方がマスター達を守りつつゾンビの群れを乗り切る方針で行動を開始した

一方、ジゼルはゾンビ達を操りつつ宿屋のサーヴァントに攻撃をし続けていた
医者達から「緑の怪人と人形使いの探索は一旦後回し、宿屋にいる主従を襲撃して撃破するか引きつけなさい」と新たな命令を受けていた
未だ令呪に縛られているジゼルは渋々ながらも指示に従い、今は目の前のおもちゃを相手にゲームを楽しむことにした
ちなみにだが、この時宿屋の周辺にはアサシンも潜んでおり、敵が弓兵の方に向かいゾンビの対処で警戒心が途切れるタイミングを見計らっていた

1447名無しさん:2022/02/21(月) 21:18:37
>>1446
話し合いの結果、速さで勝る木場が襲撃者の対処をすることに決定した
だが木場とマコト兄ちゃんが別行動しようとした直前にまりながバンビエッタを連れて登場、自分のサーヴァントが医者とアサシンの支配下に置かれ、自身も命を握られていることを説明して助けを求める

憎きチノまでサーヴァントと同行していたので色々と思うことはあったが、医者をどうにかしなければチノや聖杯どころではない
医者が邪魔という意味ではジジもまりなと利害が一致しており、令呪に縛られないバンビエッタを同伴させて手助けした理由はそれだ
それに最悪マスターのまりなが死んでもジジには単独行動スキルがある。
ジジとしては自分の行動を縛る医者さえ始末出来れば今よりは状況が良くなるわけで、だからこそマスターの危険を承知の上で行動に出た

1448名無しさん:2022/02/21(月) 21:21:10
>>1447
宿屋を注視して襲撃のタイミングを図っていたディアボロは、その宿屋にアーチャーのマスターであるまりなともう一つ何者かが宿屋側と接触するのを目撃した
当初の想定とは違うイレギュラーの登場でディアボロは夜襲を断念、さらにアーチャー組が命令を無視して勝手に動く反逆者と判断した
そして“一旦退却して戦術を練り直す”事を考えたが、相手にナメられたままでは帝王の名が廃ると矜持を取ったディアボロは“アーチャーを手早く始末する”事を決断した

ジゼルはマスターとバンビエッタが宿屋に入ったのを確認したものの、「宿屋の連中を襲撃しろ」という医者達の命令に縛られているため、その部分はやむなく実行するしかなかった
とにかく攻撃の手を緩めることはできないが、彼らが自分とゾンビの群れを潜り抜けて医者およびアサシンの排除に動いてくれることに望みを賭けていた
だがしかし、ジゼルは誤算していた
一つはまりなとバンビエッタの姿をアサシンに目撃されたこと、さらにそのアサシンの決断力と行動力の早さが想像以上だったこと
ジゼルは背後に殺気を感じ取り、反射的に振り返って射貫こうとした
しかしそこ立っていたのは見知らぬ男と、医者と共に姿を見せた幽霊のような人型
一瞬で奴こそがアサシンの本体であると見抜き、同時に「アサシンに危害を加えてはならない」という呪縛によって身動きができず、逆に自分の胴体を豪腕によって貫かれてしまった

「霊核を貫いた、これでお前は終わりだ」
「……はは、あはははは!!」
「?この状況で何笑って…い、いや、なんだこれは!?」
「俺の霊基が…魂が…!?塗り替えられていく、だとぉぉぉぉぉ!!!???」
「やっと気付いたァー?あんたはこれから、ボクの言うことしか聞けない死体になっちゃうんだよ!」
「き、キサマーーー!!!」

ジゼルは確かに“アサシン”に“危害”を加えていない、“アサシン”が“勝手”に“ジゼルの血”を浴びているのだ
これなら令呪の縛りの意表を突いて自らの宝具を浴びせることができる、たとえサーヴァント相手だろうと致命傷レベルの大量の血を浴びればゾンビ化は免れない
だがジゼルも危険な状態であった、大量に血が流れた上に霊核まで損傷した、たとえ不死性を持つ自身の能力でも消滅は回避できない状況だった
それでも、いままで散々自分をこき使ってきたアサシンの焦る表情を見ていたら、物凄くスカッとした気分になれていた

一方、ディアボロは見ての通りに焦っていた
事前に『墓碑銘(エピタフ)』の映像を見ていた彼は、確かにアーチャーの胴体を貫く様を見て勝利を確信していた
だが、“自分が死ぬ”ような光景は全くなかったため、まさか血を浴びて徐々にゾンビ化するとは予想だにしていなかった
そして『真紅の帝王(キング・クリムゾン)』で攻撃を再開する前にこのゾンビ化は完遂してしまう、どうしようもなく詰んだ状況だった

「令呪をもって命ずる、血液の組成を変えなさい、アサシン」

そこへ医者が現われ状況が一変する
医者は万が一に備えて宿屋の近くの場所に潜んでおり、アサシンから念話でアーチャーを始末する事を聞いて、せっかくだからとその現場に来ていたのだ
そしてアサシンのピンチに彼女は思い出す、以前に解剖したゾンビ化ギャング、その際採取した血液を調べてその組成にゾンビ化の鍵があることを見抜いていたのだ
驚異的な医学知識を持つ医者だからこそできる考察であり、それを土壇場で活かすことに成功したのだった

しかし、ゾンビ化の進行が治まったのは一瞬だけ、それは徐々に再開し始めていた
これはスタンドの腕がジゼルの胴体を貫いたままであり、ジゼルもまたその腕を握りつつさらに自分の血液を注ぎ続けていたのだ
これでは対魔力を持たないアサシンで抵抗し続けるのは難しく、数秒もすればゾンビになるのは確実だった
そこで医者は令呪を重ねるために口を開こうとするが

「うぅぅおらぁぁぁッツ!!!」
「なに!?!?」

そこへ突如現われた少年、虎杖によって医者は押さえつけられてしまい、令呪発動を阻害されてしまった
彼はバンビエッタにまりなとアーチャーの状況と医者とアサシンの非道を聞いて、憲兵達から逃げ延びたあともノーマンと共に探索を続け、そしてこの現場を見つけたのだった
とにかく虎杖は医者を捕まえてまりなの時限装置を解除させるつもりであり、目の前の二騎が英霊であることを理解しながらも体が先に行動していたのだった
それが功を奏し、令呪による抵抗が間に合わなかったディアボロはゾンビに変わり果ててしまった
だが同時に、大量に出血して霊核も損傷してしまったジゼルも消滅するまでにあと幾許かの状態であった


そして、虎杖の傍にノーマンがやってきた
医者を押さえつけていて余裕がない虎杖はノーマンにも手伝ってもらおうとするが、そのノーマンが邪悪な顔を浮かべた後に手に持った手裏剣で彼の首を切り裂いた
同時にパンプキンボムをアーチャーとゾンビの方に投げ込み、もはや動く術を持たない彼らを爆発四散させた
そして倒れ伏していた医者に囁く、生温い坊主の相手をするより、あんたと組んだ方が面白そうだ、と

【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】
【ジゼル・ジュエル@BLEACH 死亡確認】
【虎杖悠仁@呪術廻戦 死亡確認】

1449名無しさん:2022/02/21(月) 21:44:20
この虎杖のあっけない死に様には宿儺も退屈
元の世界で興味を持ってた伏黒もいないので大人しく虎杖が死ぬに任せたのだった

1450名無しさん:2022/02/21(月) 22:15:28
>>1438
野営地から外れた場所で行われた模擬戦の結果は、引き分けに終わった
たった数分の戯れなのだが、セイバーとフォーリナーの剣戟は余りに度を過ぎていた
むろん二人は本気を出していない、呪文や魔術を使わず、スキルや宝具も極力使わず、ただ剣と剣を交えているだけ
それでも二人の世界の外側にいる者達にはその剣筋を正確に捉えることはできず、まるで嵐と嵐がぶつかるような異次元の光景にしか見えなかった
そして二騎の英霊が互いの首筋に剣を狙い定めたところでバーサーカーが合図を出し、互いの首を断つ一歩手前で終了となった
命を燃やす死闘とはならないもののかの宿敵に匹敵しそうな強者と戦えたことにセイバーは満足し、フォーリナーに賛辞と今後の健闘を述べて、聖杯戦争の最終局面で再び相まみえることを望んだ

ちなみにだが、最上位の二騎の戦闘を観戦したシャアとバーサーカーは熟慮する
たとえバーサーカーが巨人化してもあの二騎相手では勝てない可能性が高い―――ならば、いましばらくはこの同盟を維持して他の主従の数を減らし、最終局面にて“切り札”を使い聖杯戦争に勝利しよう、と

1451名無しさん:2022/02/22(火) 19:02:18
>>1434
炭治郎はココアを探しに行くことにした
いつ戻ってくるか分からないココア達を待っていると無駄に時間が過ぎてしまう、一刻も早くチノの現状を説明してあの宿屋の早く戻る必要にも迫られていた故の選択でもあった
そこで炭治郎は雲雀と別々に探そうとしたが、行動に移す前に炭治郎は声を掛けら止められる
それは一昨日に偶然出会ったマスターの一人、ピーターであった
ピーターは炭治郎に問い詰める、巨人の英霊を見ていないか、何か知っていないか、と
相手の剣幕に昨日レムリアで何かがあったと察する炭治郎だが、巨人というものを本当に何も知らないため精一杯そのことを説明した
ピーターは「くそッ!」と舌打ちしながらも、炭治郎に対して強く当たってしまった事をバツが悪そうに謝った
何があったか事情を聞きたい炭治郎だったが、今自分も急いで「パン屋の少女、ココア」を探していることを伝え、できれば手伝ってくれないかとお願いして深々と頭を下げた

一方その頃(もしくはその前後)
相馬は半グレ集団を動員してパン屋にいた少女達を探させていた
ただし昨日の騒動でレムリア側も戒厳令が敷かれており憲兵達が至る処で目を光らせているため、半グレ達にはなるべく目立たずに行動するように命じていた
そして配達中の少女を発見したと部下から連絡があり、相馬とレジィも目撃地点に向けて移動する
そこは街の郊外にある施設の近くであり、人目が少ない絶好のポジションでもあったが、相馬とレジィが到着した時には少しばかり状況が変わっていた

相馬達が到着する少し前、郊外の施設への配達を終えた店主とココアは一時の休憩をとっており、ココアは人気の少ない場所で一息ついていた
だがそこへ春花と剣士の英霊が現われて、聖杯戦争を勝ち抜くためにあなたを打ち倒すと宣言される
春花の明確なる敵意・殺意に少し萎縮するココアであったが、先にカイトから教わったかっとビング精神を奮い立てて、まだ揺らぎがあるかもしれない彼女に正面から立ち向かう決意をする
その思いに応じるようにカイトも姿を現し、目の前にいる寡黙な剣士に決闘を申し込んだ

1452名無しさん:2022/02/23(水) 08:16:30
>>1451
セイバーとアーチャー、剣士と弓兵
容姿からして見るからにステータスの差も大きく武器という武器すらも手にしない目の前の英霊に対してカイムは速攻を仕掛ける。
相手は弓兵であり、武器すらもない。ならば剣で斬り掛かれば近接攻撃へ対処する術はない――それはあまりにも当然の道理
ココアを守るように存在する謎のロボット(オービタル)にこそ警戒しているが、それでも勝てる見込みはある

「なるほど。それがお前の答えか」

カイムが攻撃に出たその瞬間、カイトが凄まじい速度でデッキからカードをドローする。
相手は無言でデュエル開始の宣言もしていないが、これは聖杯戦争。そういう輩が存在してもおかしくはない。
相手が自分と決闘する気になったと受け取ったカイトは、フォトン・スラッシャーを即座に特殊召喚。
フォトン・スラッシャーによりカイムの攻撃が受け止められる。

そしてフォトン・クラッシャーを通常召喚し、フォトン・スラッシャーと鍔迫り合いしていたカイムにフォトン・クラッシャーが攻撃を加える
当然カイムはそれを避け、未知の技術を持つアーチャーから距離を取るわけだが――それこそがカイトの狙い。この2体はカイトにとって本命ではない。

「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて我が僕に宿れ!光の化身、ここに降臨!」

2体のモンスターが姿を消し、新たなるドラゴンが特殊召喚される

「現れろ、銀河眼の光子竜!!」

かつてドラゴンと契約したセイバーの前に、強大な力を持つドラゴンが現れた

1453名無しさん:2022/02/23(水) 18:05:39
3日目 胡桃、ランサー(明)

聖杯戦争3日目の朝、胡桃は学校に退学届けを出した。

元の世界の自分を思い出した影響なのか、かつてのゾンビ化の徴候が僅かながら出てきたのだ
まだ行動に支障が出る程ではないが、このまま学生としてロールを続けるのは困難と判断した。
また、聖杯戦争の最中に学生として学校に通い続けるメリットもないと判断したのだった。
学校には「援助してくれる親戚が暴動で被害を受けたので、通う余裕が無くなってしまった」
という理由で通した。
去る者追わずな方針らしく退学届けはすんなり受理された。

「退学までする必要は無かったんじゃないか?休学とか、サボりでもよかっただろ。」
明はそう尋ねた。確かにこの世界は胡桃にとっては偽物の世界で、
そこでの所属や資産、人間関係など意味の無い物になってしまったのかもしれないが…。
「踏ん切りが、欲しかったんだ」
この世界で仮初の、やや物騒だが平和な学園生活を送ることに馴れてしまった自分が怖かった。
偽物の世界だったとはいえ、クラスメイトや友人もできた。
このままこの環境に満足して、元の世界の事がどうでもよくなってしまうことが怖かった。
聖杯戦争に専念するため自由に動く…というのはそんなに大きな理由ではなかったのかもしれない。

この世界の自分に、家族がいなくてよかった…と胡桃は思った。
もしも死んだ両親まで生きて、平和な家族が続いていたら…こうまで踏ん切りはつかなかったかもしれない。
この世界では、胡桃の両親は既に故人であった。
幸運にも家やそこそこの財産が残っていたので学校に通い続けていた、ということらしい。
更に幸運…と言っていいのか不明だが、この世界の父親は戦死したらしく、
軍人の遺族である胡桃は学費をある程度免除されていたらしい。
(あまり実感が沸かず胡桃にとっては「らしい」だらけの認識である。)

一応、最後に荷物を取りに行くため、挨拶の為、ということで学園内に入る許可は得た。
そして虎杖を少しでも観察…
例えば令呪などが無いか、怪しい怪我などをしていないか、などを、意味がないかもしれないがさりげなく確かめようと考えた。
明は連れてきていない。
明は虎杖を警戒してついていこうとしたのだが。
「昨日学校についてきた時には虎杖の傍にサーヴァントの気配は感じなかったんだろ?大丈夫だって。
 それに…万一の場合に向こうにこっちがマスターだって知られたくない。
 疑われるようなことはしないよ。」
となんとか説得し、しぶしぶ承諾させたのだ。

虎杖がいるかと思っていた胡桃だったが、どうやら来ていないようだった。
胡桃は内心虎杖が敵と確定しなかったことに安堵したが…
このタイミングでの急な休みは凄く怪しい…とも考えた。
現に自分だって退学しようとしているのである。

クラスメイトには、何も言わず、ひっそりと学園を去るつもりだった胡桃だったが、
たまたま同じクラスの女子の友人にカフェに誘われ、せっかくだからと応じて>>1442へ。

1454名無しさん:2022/02/23(水) 19:26:13
野営地にて、緊急入電が入りすぐにホメロス司令に報告される、曰くムーのとある宿屋近辺で暴動が発生し爆発音も聞こえたと
不可解なことにその暴徒たちは住民、ギャング、半グレ、軍人など相容れぬ者同士が混ざっており、誰しもが生気のないまま一様に宿屋を襲撃し、それが突如として一斉に倒れ込み死んでいたのだ
また宿屋から奇妙な男達が現われて群衆と揉めてたらしく、さらには指名手配中の少女の他に二人の少女も隠密行動中の軍人達に目撃されていた
この報告を聞いたホメロスはすぐにムー島の軍人達に伝令するよう指示する、下手に相手を刺激することなく引き続き少女達を密かに監視、居場所を逐次捉えておけ、と
そして自らもムー島に戻るべく支度をするが、そこへシャアも現われて一緒に同伴させて欲しいと言ってきたので了承した

この時ホメロスは喫茶店の店主を利用して彼女達を無抵抗に捉えることを考えており、またシャアが従えるバーサーカーがどんなものか力の一端でも見る機会があればと画策していた
一方シャアは喫茶店の少女に続き宿屋の少女もマスターの可能性があると思い、もう一度会って話をしてみて、最悪の場合は英霊を失った彼女達を軍に処断させずに自分の保護下に置くことも検討していた

※緊急入電は夜明け前を想定、通信手段はモールス信号(ムスカ大佐が序盤にやってたアレ)
※軍用の飛空挺で移動するため、ムー島に戻るのは朝〜日中ぐらいになるかと
※クルーゼはレムリア軍人なので同伴しない、野営地や救援部隊が撤収するかは未定

1455名無しさん:2022/02/23(水) 21:16:07
>>1448
ノーマンと手を組むことに決めた医者は今後の立ち回りやノーマンと作戦会議を行うためにもその場を撤退。再契約したばかりのノーマンは直接戦闘に秀でてるとは言い難く、彼の性能自体もまだまだ未知数。今この場で戦うメリットが医者にはなかった

その後、爆発音を聞きつけたマスター三人と英霊二騎が宿屋から外へ出る。
急に襲撃もおさまり、外で何かあったということで見解が一致した

だがそこは戦場の跡地。青年の生々しい死体を見たチノは恐怖のあまり思わず目を瞑った。
ボムによって破壊された地形は聖杯戦争の過酷さを思い知らせるには十分であり、平和な世界とあまりにも掛け離れ過ぎた光景に驚愕するチノ(と、おっこも?)をマコト兄ちゃんと木場が気にかける。

だがまりなはチノ以上に最悪なことを知ってしまう。自分やアーチャーを手駒にしていた医者の白衣がどこにもないのだ。
そしてまりなと契約していたアーチャーの気配が消えた。それはアーチャーの死を意味する。
もしやアーチャーは医者によって始末された?ここに倒れている死体はバンビエッタが言っていた虎杖という青年だろうか?そして医者を倒すことに失敗して殺された?
まりなの脳裏にそんな考えが思い浮かぶ

もしもこの推測があっているならばまりなにとってこれ以上ない恐怖であり、同時に医者に対する憎悪も一気に増えた
アーチャーがいなければ聖杯を手に入れることが出来ない。
彼女は自分の腹を切開して脅し、散々利用した挙句にアーチャーを始末した。そして頼みの綱の一つである虎杖まで殺された。

医者は「まだ利用価値がある」と言っていた。じゃあ利用価値がなくなったらどうなる?何故アーチャーは殺された?
このままだと聖杯を手に入れることすら出来ず、医者に始末されるのみ。自分に味方してくれそうな青年まで死んでしまったのだから。

だからまりなは必死に今この場にいるメンバーに事情を説明して、匿ってもらうことにした
なんとかして医者を殺して、アサシンと契約するのが一番の目標。だがそれ以上に恐怖が大きく、今は保身に走る。
アーチャーと虎杖の二人を同時に失ったことは衝撃的であり、自分やアーチャー、バンビエッタが原因で殺されたであろう虎杖の死体がおぞましくも見える

だがもしも医者を見つけたら、その時は……。
医者はマスター。ただの人間だ。
他のサーヴァントに注意を引き付けてもらえば、まりなでも刃物なり利用して殺す事が出来る

しかし憎悪よりも大きな恐怖心に支配されたまりなは自分に時限装置が施されたことも知らぬまま、保身に走る。
いつか医者に復讐してやるとは考えているが、まりなに残された時間は短い

1456名無しさん:2022/02/24(木) 03:33:23
>>1442の後(3日目)

胡桃とのお茶会の後、馬車小屋に戻ったキャスター(マズルカ)。
バッターの気配はなく、机に書置きが残されていた。

『上質な木材を手に入れてくる
 人形兵を借りる
 何かあれば令呪で呼ぶ』

キャスターは念話をした。

(マスター。今どこだい?)
(発着場だ。レムリア島に行く。)
(うーん…。)

様々な聖杯戦争絡みと思われる事件が連続する状況で主従別行動。正直あまり賢い手ではないのだが…。
昨日の爆撃で、それなりに頑強の筈の人形兵のパーツが大量に失われていた。
(これはバンビエッタの攻撃が当たったもの自体を爆弾に変えるという人形兵の耐久性を無視する性質だったことも影響している)
ムー島で入手できる木材でもキャスターの腕前なら十分に修復・運用が可能だが、
当然、木材の質が良いに越したことはない。
特にこの世界はキャスターのいた世界よりマナ(魔力)が濃いらしく、
道端になぜか落ちていた木炭(前日にチノと逃げていた炭治郎が落とした)からですらそこそこのマナを感じた。
ムー島に生えてる樹木よりも遥かに強いマナ。もしかしたらレムリア島の方にマナ溜まりのスポットでもあるのかもしれない。
マナの強い場所には強い魔物が出現しやすい。人形兵と連携して戦ういい経験になるかもしれない。

(わかった。レムリア島の状況も気になっていたところだし…。
 人形兵はキミの指示にも従うよ。トレジャーしたアイテムの鑑定もできる。ついでに人形兵との連携も学ぶと良い。
 あと、今度からこういう大事な事は念話で伝えて。)
(わかった。)

昨日の戦闘後に落ち込んでた(ように見えた)バッターなりに、何か出来ることをしたいということなのだろう。
気持ちを汲み、いくつか注意点(就寝中は人形兵に警戒させることなど)を伝えてバッターの好きにさせることにした。
バッター自身の強さ、強化したバット、人形兵もいる。それなりのモンスター相手でも大丈夫なはずだ。

1457名無しさん:2022/02/24(木) 19:06:46
>>1451
以前いきなり襲ってきたアサシンとそのマスターと遭遇したこともあり、巧が雲雀を警戒して実体化する
ピーターの突発的な行動には驚きを隠せないが、相手が善人らしきマスターだったから焦燥感だけでなくそれも込みで声を掛けたことは理解出来る。自分だってあのマスターには啓太郎の姿を重ねた。
巧としては炭治郎のことは何も悪く思っていないのだ。
だが雲雀の印象は最悪。いきなり自分を襲ってきた相手に良い印象なんてあるわけがない。
マスターは善良だが、サーヴァントは最悪。
「まったく、世話の焼けるマスターだな……」と毒づきながら、巧はいつでもファイズに変身出来るようにベルトを腰に巻く。

露骨に怪訝な表情になり最初の戦闘でも使用していた「変身」に必要な道具を使おうとする巧に対して、彼に戦意が多少はあると解釈した雲雀はトンファーを構え――

「戦う気もない人にいきなり襲いかかっちゃダメですよ、アサシンさん!」

炭治郎に呼び止められ、雲雀の動作が止まる。
前回もそうだったが、このアサシンは何故か善良なマスターの炭治郎を認めている節がある。もしかしたら草加ほど悪どいわけじゃないのかもしれない、と巧は考えを多少は改めた。
ちなみに炭治郎が巧を「戦う気がない相手」と言ったのは彼が明らかに雲雀を警戒して戦おうとしていたからだ。好戦的でもなく、誰かを襲っている様子でもない。普通に話し合いが出来そうな相手を理不尽に襲うな、という意味で炭治郎は口にした

「君のその瞳――やっぱりあの小動物と似ているね」

雲雀の言葉の意味はこの場にいる誰にもわからない。
だがこの野蛮なアサシンも何かの信念を持って戦いに臨んでいるということは、炭治郎や巧にも伝わる。

「おい、何一人で自己解決してんだよ。結局お前は何がしたいんだ?」
「そんなことは特に決まってないよ。僕は僕のやりたいようにやるだけさ」

ぶっきらぼうな態度で質問してきた巧に雲雀は自由気ままな返答をする。

巧は「お前、自分勝手なやつだな」と吐き捨てるものの、雲雀に対する印象が多少はマシになった。自分勝手なやつだし、掴みどころがない性格だが根っから腐ってるタイプではなさそうだと。

短時間ながらも多少は交流を深めた二人のやり取りを眺めながら炭治郎は巧の匂いが木場と似ていることに気付き、もしかしたら彼は木場の仲間ではないか?という結論に至る

炭治郎から自分と似た匂いの者がいると軽く説明を受けた巧は本人のなんだかんだで善人寄りである性格や炭治郎のことは多少信用していたことも相俟って、ぶっきらぼうな態度を取りつつもココア探索には賛成。

問題はピーターだ。先程の突発的な行動といい、何か焦りがあるように感じる。
巨人の駆逐を急ぐ気持ちはわからないでもないが、今はそれよりも守るべき一般人を優先するべきだと巧は思っている。
それにピーターは人々が傷付き、死ぬのを止めようとした。色々と迷いや葛藤はあるだろうが、本気で聖杯を狙ってもきっと後悔するだけだ。

乾巧に聖杯で叶えるような願いはない。
だが「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、みんなが幸せになってほしい」という夢はある。
……正直に言えば聖杯戦争というシステム自体、胡散臭いしあまり好ましくない。
他の主従が全員人殺しやどうしようもないやつならともかく、炭治郎のようなお人好しもいる。
巨人と戦う時に共闘したマスターやサーヴァントも、どう見ても悪いやつには見えなかった。
そんな奴らを殺してまで。不幸に叩き落としてまで願いを叶えるなんて、巧の思想に反する

もちろん理不尽に他人の命を弄ぶ輩とは、罪を背負って戦う。
だが自分が罪のない人々を殺すなんて――そんなことが出来るほど、乾巧という男は冷徹になれない

「俺はそのココアって女の子を探してやりたい。お前が焦ってるってことは、何か理由があるんだろ?」

啓太郎はいつもオルフェノクが出た時、焦りながらも教えてくれた。
自分のサーヴァントに頭突きかまして自力で止めるなんて無茶をした心優しそうなこのマスターも、きっとお人好しに違いない。
彼が焦ってるということは相応の理由があるはずだ、というのが巧の結論。

そして彼のマスターであるピーターの判断は……?

1458名無しさん:2022/02/24(木) 19:08:15
>>1452
敵の召喚したドラゴンを見てカイムは険しい表情をする。アンヘルと絆を結んだカイムだが、両親を殺した敵はドラゴンだ。
声を発することは出来ないが、ドラゴンに対する憎悪に満ちた視線は彼がドラゴンと何らかの因縁があることを思わせる。

そしてカイトの攻撃宣言。ギャラクシーアイズが破滅のフォトン・ストリームを放った瞬間――それに対抗するように赤きドラゴンが現れ、火炎ブレスを吐き出した。

「これもまた運命……。いや、ドラゴン使いとしての宿命か」

破滅のフォトン・ストリームと火炎ブレス。二つのエネルギーがぶつかり合い、巨大な爆風を巻き起こして相殺される。

少なからずドラゴンという種族と因縁のあるカイトとカイム。二人がこうして決闘することになったのは必然なのかもしれない。
二人はどちらも己が目的を果たすためにドラゴンを利用した。そういう意味ではお互いスタート地点すらも似ているドラゴン使いだ。

だが二人の間には決定的な差がある。
カイトには譲れないものがあり、逆に全てを失ったカイムにはもう何も無い。
たったそれだけの違いが、互いの誇りをかけた決闘では大きく左右する。

「カイトさん……!」
「カイト様!」

二匹のドラゴンが激突したことでココアとオービタルが心配そうに声を荒らげる。

「うろたえるな、ココア。そして貴様は俺よりココアの事を心配しろ、オービタル」
「うん。かっとビング、だよね……!」
「カシコマリ!」

二匹のドラゴンによって引き起こされた爆風に耐えながら、それでもココアは前を向いた。オービタルも主人であるカイトを信じ、ココアの護衛に専念する。
彼らは過去に囚われない。未来のために今を諦めない

家族を失い、復讐者となったカイムと春花
紆余曲折の末に弟を救い、仲間達やドラゴンとの絆を胸に戦うことになったカイト
血の繋がりこそないが、チノという大切な妹が存在し、再び二人で日常を取り戻そうとするココア

二つの主従は家族という共通の接点がありながら、歩んできた人生は正反対なのかもしれない

1459名無しさん:2022/02/24(木) 19:15:23
>>1454>>1455
医者達を逃した一行はこの場や宿屋からの移動を余儀なくされていた
今は深夜なのだが宿屋での騒動で目覚めた住人もおり、しかもアーチャーが消えたことで暴徒達が一斉に死体に変わってしまった
これでは余計に騒ぎが起きて憲兵達も直にやってくる、そうなると指名手配されているチノの身が危なくなる
ゆえに別の何処かに隠れなければいけない状況になり、ここでまりなが自分の家に潜むことを提案する
これは保身に走る彼女が幾らかでも恩義を売っておこうという思惑もあるが、ひとまず一時的な避難場所として機能することには間違いなかった
ただし医者やアサシンには知られているため、マコトと木場は周辺の警戒のために起き続けて少女達は眠れずとも気を休めることになった

そのまま何もなく日が昇って人々が活気だってきた頃に、街の至る処で大声が発せられて人々の注目を集め始めていた
それらは街中を移動して広く触れ込み、その声はまりなの家にも聞こえてきた

「本日の日暮れ前に、○○にて公開処刑を行う」
「処刑される罪人は喫茶店の店主****、一昨日の爆破テロ事件の首謀者であり、その他ここ最近の事件の数々を引き起こした煽動者である」
「また、****の共謀者であり現在逃亡中のチノ・カフウの情報を引き続き求める」
「この少女は昨晩の宿屋襲撃および大量虐殺の容疑者であり、非常に危険な人物です」
「見かけた場合は下手に刺激せずに近くの憲兵に報告してください」

1460名無しさん:2022/02/24(木) 20:07:49
宿屋戦は死に関係が深い人間たちばかりでそれぞれの死生観が垣間見えて好き
死者と縁が深いサーヴァントたちと身近に死があるマスターたちだからか、虎杖の死体からセンシティブな話題になっても暗くなりきらずに動揺から立ち直るのが早い
まあそれはクヨクヨしてたら死ぬとかっていう理由もある表面上だけのもので、喫茶店の店主が公開処刑されるって聞いてまた動揺するんだけど

「このままじゃマスターさんか、私のせいで……ど、どうにかして助けられないでしょうか?」
「助け出すことそのものは難しくない。今から行くか?」
「二人とも待ってくれ、助けてもそれで終わりじゃないんだ。あの人は冤罪を負わされてる。ここで逃げたら、あの人はずっと犯罪者のままだ。」
「じゃ、じゃあ、あの人が犯人じゃないって証拠を探しましょう! 夕方までまだ時間はあります! ね、チノちゃん!」
「それは……現実的じゃないと思います、おっこさん。」
(コイツら、なんであんなオジサンを助けようとしてんの! こっちだっていつ死ぬかわかんないのに!)

ものの見事にバラバラで、こういう時に建設的な意見を出せる人間がいない
やがて会話が途切れて、木場がボソッと言ったのが
「処刑の命令を無理矢理でも撤回させるか、処刑の命令を出す人がいなくなれば、助けられるんじゃないかな……?」
まりなを見ながらそういう木場の顔にはオルフェノクの影が……

1461名無しさん:2022/02/24(木) 20:30:48
>>1458

二体の竜の攻撃が激突し、周辺に衝撃が走る
だがその最中でもカイムは動く、アンヘルが相手の攻撃を相殺してくれた、ならば生まれた隙を突いて自分が敵のドラゴンを仕留めるために
これは長い間戦場で戦い続けた絆があるからこそできる連携であり、その必滅の剣は確実に『銀河眼の光子龍』を捉えていた


ちなみにだが、このカムイの攻撃が決まれば光子龍は確実に倒される
今回行われる決闘は聖杯戦争であり、カイトの世界では常識的なデュエルルールが同じように適用されるわけではない
例えば、『銀河眼の光子龍』が攻撃力3000を持っていても英霊や宝具などを一撃で倒せる保証はない
基本は対象に攻撃が当たればHPを減らすようになり、場合によってはスキルで無効化される可能性もある
また、もし仮に英霊の攻撃力が3000未満に数値化されていようと『銀河眼の光子龍』が倒される可能性も充分にある
なによりターン制の概念が通用しづらいリアルタイムな戦闘が英霊同士の戦いである、それはカイトも理解しており如何に臨機応変に機転を利かせられるかがこの勝負の鍵となる

1462名無しさん:2022/02/24(木) 21:00:34
>>1461を微修正
場合によっては宝具・スキルで無効化される可能性もある

1463名無しさん:2022/02/24(木) 22:21:58
>>1456
さて、マスターが不在でもキャスターのやることは変わらず、フルネラ型で街の動向や他の主従の情報などを探り続けていた
ただし単独行動のスキルは所持していないし人形も数多く破損したため情報収集も必要最低限とし、あまり目立たないようにしている
さらには魔女として色々と誤魔化しながら霊体化も駆使してあーだこーだと魔力を節制しなければならない、全く泣けてくるね
というわけでマズルカはマスターが帰ってくるまでしばらく大人しくしているつもりだ、たとえ街で騒動があろうともそう簡単には動かないだろう
とまぁそんなこんなをしているうちに調査に出ていたフルネラ型が戻ってきたのでその報告を聞き、今ある盤面を幾らかでも読み解いてみよう

「マズルカ様、本日の夕方に公開処刑が行われるのと、チノという犯罪者を捜している、と軍の人間が町中で喧伝していました」
「ふーん、それはまた急な話だね。昨日の今日で処刑とか、何か意図があってやってる?もしかして、軍に聖杯戦争の参加者が?それにチノって少女も濃厚そうだね」
「それと、昨晩騒動があった宿屋の周辺を捜索したところ、虎杖の死体を発見しました」
「……マジ!?」

1464名無しさん:2022/02/24(木) 23:23:55
まりなちゃん、>>1459でチノが派手に指名手配されたら妬みゲージが下がって同情までし始めたぞ…と思ったら
>>1460でまたイライラ向け始めていい塩梅にクソガキやなコイツ…と思いました

1465名無しさん:2022/02/25(金) 07:52:59
>>1461
「この瞬間、俺は手札から魔法カード《銀河遠征》を発動!デッキから銀河騎士を特殊召喚する!」

ターン制じゃないデュエル方式だからこその、相手バトルフェイズに魔法カードを発動するという荒業。
これによって新たなモンスターが現れるが、ギャラクシーアイズに比べてたかが知れている。
まずは相手の切り札であろうギャラクシーアイズに専念し、他の雑魚は後回しで良い。アンヘルの作った一瞬の隙をカイムは無駄にしない

「デッキから特殊召喚された銀河騎士の効果により、手札から更に銀河騎士を特殊召喚する!」

同じモンスターが二体並んだのを見て、カイムと春花は相手が苦し紛れの戦術に出たと考える。
凄まじい速度でモンスターを並べたことは見事だが、ドラゴンと比較して大して強そうでもないあの二体に自分が負けるなんて思うはずもない。

しかしカイトからデュエルを学んだココアとずっとカイトの勇姿を見てきたオービタルだけは、同レベルのモンスターが複数並んだこの状況に希望を見出す。

そしてカイムの攻撃がギャラクシーアイズに届くその瞬間――

「逆巻く銀河よ、今こそ、怒涛の光となりてその姿を現すがいい!」

アーチャーが弓兵らしく槍を投擲した。しかしその方向は上空で、カイムからしたら苦し紛れにも程がある。
それにギャラクシーアイズは剣が届いた瞬間、姿を消した。相手の宝具は消え去り、カイムは勝利を確信する。この時にはギャラクシーアイズ以外の二体は完全に蚊帳の外であり、彼らが消えたことなど気にもしていない。
まだ戦闘が長引いているわけじゃないが、加虐体質スキルやドラゴンへの憎しみでカイムが冷静さを欠いているのも大きな原因だろう

「降臨せよ、我が魂!超銀河眼の光子龍!!」

そして消え去った三体の代わりに現れるは、三つの首を持つドラゴン。
カイトが弟との絆で生み出した切り札――超銀河眼の光子龍だ

更に超銀河眼の光子龍の効果により、カイムはスキルを1つ無効化される。
相手のスキルをカイトが把握していない場合、その対象はランダムで決定される。
幸い最も重要な契約スキルこそ無効化を免れたが、これにより戦闘続行スキルをこの決闘では無効化されることになった。

銀河遠征(アニメ)
通常魔法
自分フィールド上に「銀河眼の光子竜」が存在する場合、自分のデッキから「銀河騎士」1体を特殊召喚できる。

銀河騎士(アニメ)
効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2000/守2600
自分フィールド上に「銀河騎士」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
このカードは同名カードが自分フィールド上に存在する限り、攻撃宣言できない。

1466名無しさん:2022/02/25(金) 08:03:48
>>1465
この展開力をカイムがギャラクシーアイズに攻撃を仕掛けた僅かな時間にやってのけていると思うと草
まぁここら辺はいつものデュエルで慣れしているし普通のことだね(感覚麻痺)

1467名無しさん:2022/02/25(金) 14:03:45
>>1460
まりなちゃんは爆破テロ事件について悩んでいた
チノはしずかちゃんのようにまりなちゃんから見て「調子に乗っている」ことをしていない上に実際接してみると本気で自分の身を心配してくれて、男に媚びを売るような存在には見えない。
それにチノやおっこと過ごした時間はまだ短いが、どこか暖かさのようなものを感じる。

だからこそ若干だが負い目を感じる。自分がNPCの家族と幸せに暮らしていたように、チノもまた店主と喫茶店で働いていたのだ。
その気持ちを少しでも偽るかのようにイラついてみたが、やはり罪悪感は拭えない。
しずかちゃんの時は色々な要因が重なり、虐め以外は特に交流という交流がないからあそこまで過激になれた。更に言うならまりなちゃんがそこまで見抜いていたか定かではないが、しずかちゃん自体がアバズレのような素質の持ち主だったからそれもあるかもしれない。少なくともしずかちゃんの母親がアバズレだというのは間違いない確たる情報だ。

だが匿ってもらうために入り込んだ集団は思いのほかお人好しが多くて暖かい。
サーヴァントを失った自分を本気で気に掛け、守ろうと動いてくれている。

だから彼らに何か協力するためにまりなちゃんは自分から全てを奪った緑の怪物が爆破テロの犯人だとチノ達や憲兵に情報を提供するのもアリだという考えが思い浮かぶ。
それに自分から幸せを奪ったあの緑の怪物はまりなちゃんにとって決して許せる存在ではなく、彼を倒すためなら協力をしたい。
もしも自分が憲兵に情報を提供したら、チノの指名手配も店主の公開処刑も終わる可能性がある。

だがここで爆破テロ事件の犯人が緑の怪物だと言えば、自分がチノや店主を追い込んだとバレてしまう可能性がある。
何故なら自分が最初に憲兵に嘘を吹き込んだのだ。今更その発言を撤回する覚悟は、残念ながらまだ決められていない

だが木場がこちらを見ながらボソッと話した言葉を聞いて、まりなちゃんは一気に怯える。
何か危うさのようなものを感じ取ったまりなちゃんは、素直に爆破テロ事件のことを話そうか悩む。
このまま店主が処刑されるまで黙っていた場合、後から発覚した時が恐ろしすぎる。
それなら今すぐ素直に話して、謝罪するべきだろうか?果たして彼らは許してくれるのだろうか?
色々と悩みはあるが、店主が処刑されて取り返しがつかなくなったらあとがない。
今の自分はサーヴァントすらいない状態であり、このタイミングで味方を失うことはほぼ死を意味している。
幸せなお母さんになることも出来ず、聖杯で願いを叶えることも出来ず……きっと適当なサーヴァントにでも見つかって死に絶える

「それはどういう意味だ?ライダー」

まりなちゃんが悩んでいる中、木場の態度に僅かな違和感を覚えたマコト兄ちゃんが問い掛ける。
処刑の命令を無理矢理にでも……つまり力づくでも撤回させる。これはまだわからないでもない。もちろん他人の命を奪わない前提で。
だが処刑の命令を出す人がいなくなる。この『いなくなる』の意味次第ではマコト兄ちゃんは木場の考えに賛同出来ない。
なにより木場の顔に浮かんでいる影は、彼が戦おうとしている証拠だ。ゾンビ戦でホースオルフェノクとしての姿を見たマコト兄ちゃんにはそれがわかる。

「そのままの意味だよ。もちろん俺だって本当はこんなことがしたいわけじゃない……」
「ライダー……それは本気で言ってるのか?」
「うん。俺なりに色々と考えたけど、罪のない人を助けるにはそうするしかないじゃないか……!」

ド カ ッ !
マコト兄ちゃんの拳が木場に叩き込まれる。

「人間と他の種族の共存が夢だと言ったのはお前だ、ライダー!」
「それは……」

いきなりマコト兄ちゃんに殴り飛ばされ、木場は何も言い返せなくなる。
先程までの木場は明らかに暴走気味だった。
それはチノや喫茶店のマスターを事件の犯人へ仕立てあげた者に対する怒りが大きい。
自分が直接的に何かの被害を受けたわけじゃないが、姑息な手段で仲間を罠に嵌めているやつがいる。
どうしてチノや喫茶店のマスターを付け狙うのか……一つだけ心当たりがあった。

「ありがとう。君に殴られて少し落ち着いたよ」
「気にするな」
「うん、ありがとう。……それと落ち着いて考えたら、ふと思い浮かんだことがある。それを皆に聞いてほしいんだ」

マコト兄ちゃんが「わかった」と返事をすると木場は皆に向かって自分の推測を話し始めた。

「香風さんはマスターだ。他のマスターに狙われてる可能性だってある」
「どういうことですか……?」

理解の追い付かないチノや他のメンバーに木場は自分の推測を説明する。
そこで木場が話した大まかな内容は以下の2つ

・他のマスターがチノがマスターということを知り、追い詰めようとしている
・そのマスターは憲兵達を動かせるほどの地位や権力を持っている可能性がある

聖杯戦争には当然聖杯狙いのマスターが存在し、その中にある程度の地位に居座っている者がいてもおかしな話ではない。
木場の推測を聞いたまりなちゃんは都合良く他のマスターに罪を被せるか、素直にチノ指名手配のキッカケは自分でテロ事件の真の犯人は緑の怪物だということを教えようか悩む

1468名無しさん:2022/02/26(土) 09:20:14
>>1465の続き

2組の主従とオービタルは通常とは異なる時空に存在していた。
カイトがデュエルによる戦いを開始した時点で、対戦者(この場合2組の主従、それらの召喚した存在など)意外の邪魔の入らない時空に移動できる、
カイトのお供であるオービタル7の力だ。

カイムと春花を相手にデュエルタクティクスで対等の戦いをするカイトとココア
しかし二人には欠点があった
魔力の枯渇...ココアには魔力の才能は最初からない
だがそれは春花とカイムも同じであると、ココアはともかくカイトは気づいている。この点では条件は同じ。
だが、敵の主従の抱える決定的な弱点を宝具である竜アンヘルは気づき、テレパシーを送る

アンヘル『カイムよ、お主も気づいているかもしれぬが彼奴らと戦ってわかった。
     竜使いの方はともかく小娘の方は殺意がない』
カイム(静かにうなずく)
アンヘル『戦いの鍵はこちらのマスターである小娘となるだろう...我らは竜使いの攻撃をギリギリまで引き付ける。
     小娘にマスターを弓で射させろ』

それはココアの良心を利用する非情とも言える作戦
だがそれの効果は絶大であり、カイトのカードもまた全て魔力によるもの...魔力の供給元であるココアが消えればデュエルの過程に関係なく残るカイトは敗北する
それに、ココアに殺人への覚悟がなければ、どの道この先生き残れぬ、ならばここで命を落としてもらおうという、この剣陣営なりの慈悲であった
その一方で...

アンヘル『昔を思い出すなカイムよ、殺し合いを楽しんでいるようで何よりだわい』
カイム(口角が上がっている)

カイムとアンヘルは、戦争とは別に異世界のカイトには戦いの中で敬意のようなものも抱いていた
生前の世界にはほとんど出会えなかった気高き『竜騎士』カイト
ここが聖杯戦争の場でさえなければ、この漢とは憎しみや野望も関係なく、マスターという要素も抜きに、
純粋な力比べで勝ちたかったと、カイムとアンヘルは思った

◆◆◆◆◆◆◆

1469名無しさん:2022/02/26(土) 09:21:24
カイムの口角が上がっていることはカイトの目にも見えていた。
それは決闘を楽しむ者の笑み。
どうやらこのセイバーは根っからの決闘者なのかもしれないとカイトは認識を改めた。強大なドラゴンを前にこんなふうに笑える者など、決闘者と言わずしてなんと言うのか

ならばこの決闘、こちらも全力で迎え撃つのみ。
ミザエルと激戦を繰り広げた時のように、自分の全てをこの決闘に賭ける。
それはきっと相手のセイバーも望んでいることだ。
だが目の前の相手と自分では抱えるものも信念も違う。マスターであるココアを狙うという非情な手段も取り得るだろう。

カイトは超銀河眼の光子龍でカイムを攻撃し、その間にオービタルとココアに話し掛ける。
ちなみにカイム自身を狙った理由はこの程度であの男が死ぬことはないという確信があってこそ。
カイトもまたカイムのことを認め、その実力を信用していた。

「オービタル!これから先、何があっても必ずココアを守れ!!」
「カイト様……!」

覚悟を決めたカイトの呼び掛けに一瞬、オービタルもまた、覚悟を決める。
カイトとオービタルは一蓮托生。ミザエル戦でもそう言ったように、カイトが自分をあてにしてくれるなら命なんて惜しくない。

「この小娘は命に代えてでも、オイラが守るであります!!」
「当たり前だ」
「相変わらず酷い!それでこそカイト様!!」

一通りオービタルに命令を出した後、ココアを見る。
その瞳には熱き闘志と覚悟が込められている。これぞ決闘者の目だ。

「見ておけ、ココア。これが決闘者の世界だ」

自分はきっと、ここで散る。
だからミザエル戦で遊馬に託したように――ココアに自分の意志を託し、その魂に決闘者としての生き様を刻み付ける。

「ココア。これから先、お前にはもっと過酷な試練が訪れるかもしれない」

自分の命はここで燃え尽きるだろうが、聖杯戦争は終わらない。
そして聖杯戦争は常に命懸け。ココアを無事、チノの元へ帰してやれないのは残念だが……自分が消えたからといってココアに挫折させるつもりはない。

「どんな過酷な運命でも諦めるな。俺は残酷な運命に抗い、かっとビングで乗り越えた男を知っている!」

九十九遊馬。
かっとビングという言葉と共にカイトから教わった決闘者のことをココアは思い浮かべる。

「……うん!私、絶対に諦めないよ!!」

だから――

「だからカイトさんも、自分の命を諦めないで!」

それはココアが心から望んだ願い。
令呪を使ってまで呼び掛けられたその願いにカイトは「フッ」と笑った。
――本当にこいつは、遊馬と似ている

◆◆◆◆◆◆◆

1470名無しさん:2022/02/26(土) 09:21:55
セイバー達から提案を受けてクロスボウを手にした春花は、少しの間だけ逡巡する

ココアを自らの手で殺める、その行為に一瞬だけ手が止まったものの、

すでに自分の手は数多の血で濡れていることを思い返し、聖杯を勝ち取る決意を抱いた以上は一切の迷いを捨てて弓を構えた

カイムとアンヘルが敵の注目を集めるように動き回っているため春花への警戒は弱まっている筈だ。
このチャンスを逃さぬように春花は素早く矢を解き放った
しかし真っ直ぐ飛翔する矢尻は、ココアに直撃する前にオービタル7によって防がれてしまった。
カイト達はお人良しではあっても、春花の覚悟を見くびることなく、十分に警戒をしていたのだ。
続けざまに矢を放つも防がれる、埒が明かないと判断して近寄って直接ナイフで刺そうとしても、
オービタル7はココアを乗せて逃げ回る。

2人の英霊は戦い続け、剣閃が煌めき、モンスターが召喚され、竜の咆哮が激突した。
そして決着がついた。

◆◆◆◆◆◆◆

今まで、歪んでいた時空が元に戻る。それはデュエル終了の合図。
勝者はカイム。最終的にモンスターやトラップを潜り抜けてカイトへと肉薄し、一太刀を浴びせた。

「カイトさん!」

本来ならカイトは消滅していただろう。だが、ココアのカイトに生きて欲しいという願いの令呪が発揮し、カイトを存在させていた。
しかし、その一撃はデュエルでいえばライフを0にするに十分すぎると、カイトか、または決闘者の神か…
世界がそう判定し、デュエルが終了したのだ。

ココアの残りの令呪は無し。元々、今後の戦略を考えて温存するなどと考える性格でも無い。
全力でカイトの生存を願って放たれた令呪により存在しているカイトだが、
まだ僅かながらも余力を残しているカイムに敵う術はない。このまま何もしなくても致命傷によりじき消滅するかもしれない。

デュエルは終わったが、聖杯戦争としての戦いは互いの闘志が続く限り終わらない。
ここから続くのはデュエルと認識されない、どちらかと言えばカイムのフィールドである残酷な泥仕合。
カードを使用することはできるが、この場では、アーチャーであると同時に「決闘者」であるカイトの能力は弱まり、効果は弱まる。
しかしカイトは諦めない。
カイムは未だに目に光を失わないカイトを両断するべく剣を構えた。

◆◆◆◆◆◆◆

1471名無しさん:2022/02/26(土) 09:22:26
だがその直後、銃声が鳴り響く
ココアを狙った数発の凶弾…予想外の攻撃だったが、ココアを命にかけて守ると誓ったオービタル7が、盾になりココアを守り、破壊された。

「オービタルさん!」

予想外の攻撃だった。もしもココアが決闘前と同じ位置に立っていれば被弾していたかもしれない。
ココアが生きていたのは勿論オービタル7が警戒を怠らなかったことが一番の理由だが、もう一つ理由があった。
決闘中に春花はココアとオービタル7をナイフを持って追いかけまわし、それからココア達は逃げていた。
歪んだ時空内で激しく移動したことにより、空間が元に戻った際に出現した位置や角度が僅かにズレていたのだ。

そのおかげでオービタルは銃撃する乱入者、半グレ集団のリーダー・相馬和樹がこちらを狙っている事に、攻撃の一瞬前に気付くことができたのだった。

◆◆◆◆◆◆◆

レジィと相馬和樹は相対する2人の主従を見た。
元々は同盟を視野にいれた接触を考えていたが、争っているなら片方、または両方落としておく絶好の機会でもある。
いや、片方が敗北して消滅したところで登場し、生き残った片方と交渉、もしくは追い打ちを行うのが得策か。
そう考えながら死角からの不意打ちの準備もしつつ、潜伏の体勢をとっていたのだが…突如空間が歪んだように曲がった。

さして時を置かずに再出現した主従、片方は満身創痍、疲弊しているようだった。
そして、出現した位置は何故か先ほどより若干ズレていた。
それにより、片方の少女の傍にいるロボットが、潜伏中のこちらに気付いたようだった。
相手から補足されたことで即座に潜伏から攻撃に切り替えた相馬は、少女にレジィの能力で再出現させた宝具化した拳銃で攻撃を仕掛けた。
しかし一瞬早くこちらに気付いたロボットが身を挺して盾になり、銃弾は少女に当たることなく防がれてしまった。

動いたのは満身創痍の英霊。
まだそんな力が残っていたのか、とレジィが思わず感心する速度で、英霊は腕に取り付けている装置から何かカードのようなものを引き出した。

そのまま英霊は体が崩れるのも構わずに何事か、呪文のようなものを叫んだ。
閃光がその場に満ちた

◆◆◆◆◆◆◆

1472名無しさん:2022/02/26(土) 09:23:17
『No.62 銀河眼の光子竜皇(ナンバーズロクジュウニ ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン)』

カイトは最後にその宝具を発動した。いや、正確に言えばデュエルで敗北する前に既に発動していたのだ。
デュエル中に召喚が行われ、破壊されたモンスター。
ここで行われているのが本来のデュエルであったなら敗北した時点で最早意味を失っていただろう。
だが聖杯戦争の場では、デュエル外の場面でも残った効果―――戦場から離れた後の再出現―――が発動できた。
いや、もしかしたらそんな理屈を超越して、カイトのココアを守る意思が、ギリギリの条件での抜け道を実現したのかもしれない。

銀河眼の光子竜皇はカイトの攻撃宣言により、レジィ達のいた方向に全力のブレスを吐き、周囲を吹き飛ばした。

◆◆◆◆◆◆◆

満身創痍に見えたサーヴァントから放たれた予想外の大技での反撃。
そしてまだ余力を残しているセイバー達の存在に、不意打が失敗したレジィ達は一時退却した。
当人相手ではないとはいえ漁夫の利を狙って不意打ちを仕掛けた直後だ。
厚い面の皮で同盟を提案するにしてもタイミングが最悪すぎるとの判断だった。
この場で戦闘直後の疲弊した主従に攻撃を仕掛ける事も考えたが、昼間から放たれた今の派手な攻撃が人目を引きすぎる。じきに人も来るだろう。
自分達が手に入れた最強の『契約書』、これを使用すればどうせ人目を引くことになるのは避けられないのだが、
この切り札は可能ならば聖杯戦争終盤まで温存しておきたい。
いつか聖杯戦争が進み、互いに生き残り相対するようなことがあれば、この切り札で相手をしよう…そうキャスター陣営は考え、
この場は撤退した。

春花とカイムは、魔力の消耗による疲弊により倒れたココアを眺めていた。
もはや令呪を失ったマスター。脅威にはならない…だが、聖杯戦争には再契約というシステムがある。
聖杯の存在を知ったココアが再び新たなサーヴァントと手を組み、聖杯戦争に復帰する可能性も、低いとしても完全に0にはならない。
また、自分達主従の情報が他の陣営に漏れるかもしれない。
カイムは、剣を抜きかけたが

「行こう。セイバー。」

「……」

カイムは少し動きを止めたあと、春花の声に従いその場を離れた。

【天城カイト(ライダー)@遊☆戯☆王ZEXAL 死亡確認】

1473名無しさん:2022/02/26(土) 10:32:17
>>1472
「カイト様……。オイラの活躍、見てくれたでありますか……?」

極度の損傷でその機能を終える寸前、オービタルは最期の力を振り絞ってカイトにそれだけ聞いた。

「――よくやった、オービタル」

カイトの労いの言葉を聞いて、オービタルは遂に機能を停止する。
ココアの願いとオービタルの犠牲。そしてココアを守り抜くという鋼の意思と決闘者としての闘志。
様々な要因が重なり、カイトは瀕死の状態でも強引に体を動かした
決闘の邪魔をし、なんだかんだずっとカイトの傍らに居たオービタルを破壊した乱入者――セイバーとカイト、二人の決闘者の誇りを踏み躙った彼らに全身全霊の一撃を叩き込んだ

自分の命はここで燃え尽きるが――カイトには託せる者がいる

「ココア……後はお前に託す。運命に屈するな……。チノや仲間と共にお前達の手でこの聖杯戦争を……悲劇の連鎖を止めてやればいい……」

瀕死の状態でココアに後を託し――そしてカイムと春花に目を向ける。

「セイバーとそのマスター……お前達も自分の運命を諦めるな」

それはプライムフォトンの攻撃宣言を行い、自らが消滅する寸前の言葉。カイトは最期まで自分以外の人間のことを気遣っていた。
セイバーは敵のサーヴァントだが、同時に熱い決闘を繰り広げたライバルでもある。
そして彼が根っからの悪人ではないと思ったし、そのマスターもココアと仲良くしているのを知っていたからカイトは最期に彼らに向けて語り掛けたのだ。

春花がココアを見逃したのは、もしかしたらココアに対する複雑な思いだけでなくカイトが散り際に残した言葉も多少は影響しているのかもしれない

1474名無しさん:2022/02/26(土) 18:48:51
>>1472
カイトが最期に放ったプライムフォトンの一撃
それは敵のサーヴァントやマスターを倒すには至らなかったが、ココアを守るという意味ではこれ以上なく作用していた。

「おい、なんだあれ!」
「ワオ」

ココアを探索しようとしていた巧と雲雀が真っ先に気付き、反応した。
レジィ達が危惧していた通り、この派手な攻撃は人目を引く。
それはココアを探している炭治郎達にも届き、何事かと駆け付けた彼らは結果的にココアを見つけることに成功する。
ちなみに巧のマスターであるピーターも同行中。悩んでいたところにプライムフォトンの一撃による余波による轟音が聞こえ、なんだかんだ行かざるを得なくなった。迷いこそあったが、やはり彼は根っこがヒーローなのだろう。

「大丈夫ですか!?ココアさん!」

炭治郎が疲弊して倒れ伏すココアに必死に呼び掛ける。
まだ息はあるようだが、凄まじい疲労だ。ココアはなかなか目を覚まさず、雲雀を除く三人で話し合って炭治郎がココアを背負い、この場から離れることにした。ちなみに雲雀が話し合いに入っていない理由は単純に彼がそういう性格だからだ。

しかし激戦の末に生き残ったであろうココアを多少認めている節はあり、興味がないわけではない。
炭治郎以上にひ弱そうな小動物だが――小動物が決して弱いばかりの生き物ではないことを雲雀は知っている。

周囲にサーヴァントの気配はない。この小動物がマスターだとするなら、きっと負けたのだろう。
勝負に敗北こそしたが、五体満足で生きている。不思議な結末だ。
サーヴァントを失ったマスターをわざわざ生かすメリットなんてない。それでもこの小動物がこうして生きているのは、サーヴァントが自分の命を燃やし尽くしてでも相手を撤退に追い込んだか。
それとも相手に何か思うところがあり、小動物だけを逃がしたのか。
それこそ沢田綱吉のようにこの小動物が覚悟を見せたか、譲れない誇りのために戦って相手の心境を多少は変化させたのか――色々な可能性が浮上するが、考えても仕方ない。
自分と契約した小動物もこの小動物を保護するだろうし、この目で直接見てやれば良いだけだ

「急にココアさんのことを見てどうしたんですか?アサシンさん」
「別に大したことはないよ。その小動物に少しだけ興味が出ただけさ」
「お前、こんな女の子とも戦うつもりかよ!?」

突っかかってくる巧を無視して雲雀は続ける。

「小動物は時として弱いばかりの生き物ではない。小動物には小動物の生き延び方がある
――だから僕はこの小動物がどうやって生き延びるか興味があるだけさ」

そして疲弊したココアは「チノちゃんは私とカイトさんとオービタルさんが守るからね」「お姉ちゃんビングだよ、私」と寝言を呟いていた

1475名無しさん:2022/02/26(土) 20:28:24
三日目 正午

太陽が天高く昇り、人々の活気に満ちて、食欲をそそる香りが漂う頃合いに
突如として聖杯戦争の参加者にのみ、現実とは異なる光景を観覧する
映されたイメージには16枚のカードが並んでおり、各々にクラスを冠するサーヴァントの姿が描かれている
その内の数枚が整列したカード群から一枚一枚とこぼれ落ちる
アーチャーのカードが2枚、ランサーのカードが1枚、アサシンのカードが1枚、深淵へと沈みながら燃え尽きるように消滅した
このイメージ映像を見ている者にとっては数十秒程度の体感であったが、現実世界では一瞬の時間しか経過していなかった

この映像は暗示である、消えた4枚は聖杯戦争から脱落したサーヴァントであり、いまだ健在の12枚がまだまだ続く闘争の中に囚われた英霊たちである事を示している
これは何者かの仕業か、あるいは聖杯の采配か、とにかく今も生き残っているマスターに全体的な状況を大まかに知らしめたのだ

1476名無しさん:2022/02/26(土) 21:30:56
3日目 レムリア島 昼頃

レムリア島に到着したバッター(と、人形兵たち)。
何やら遠くで大きな音が聞こえたり騒ぎが起こっているようだったが、バッターはこれをスルーした。
今のバッターの使命は質の良い木材を手に入れる事だけなのだ。

とりあえず木のある場所、ということで遠目で見て立派な木が生えている山に向かった。
そちらに向かう道の途中に門があり、見張りがいる。
どうやらここはこのあたりの地主の山らしい。
山の中まで入って物を取るには地主の許可がいる、とのこと。
どうやら、周辺より良い物が手に入りそうだという勘は当たっていそうだ。
少しばかり木材を手に入れたい。試しに言ってみるが、ただの薪を拾いたいなら他所に行きな!とにべもない。

「ここのオーナーとは友人だ。通してくれ。」
出まかせを言うバッター。そこにたまたま地主がやってきた。
50か60歳程に見える地主は見張りの報告を受けて何をバカなことを…という顔でバッターを見てしばらく沈黙した後、
「ああ、彼は私の友人だ…通してよろしい。後で久々にお茶でも飲もうじゃないか…。」
と言ってバッターが山に入るのを許可した。

(念話)
マズルカ「キミ、彼と知り合いなのかい?」
バッター「知らん。」
マズルカ「え?…まさか…キミも他人のマナを操る魔術を使うのかい?」
バッター「そんな力はない。遊園地と同じ手が使えないか試しただけだ。何故あの男は虚偽に乗った?」
マズルカ「私が知りたいよ…。」
(念話終了)

奇妙すぎる事だったがバッターは気にせず山に入っていった。
山は奥に行くほど瘴気の気配が強くなり、ムー島の街中では見かけなかった「魔物」も出現した。
バッターは人形兵と連携を探りながらこれらを倒し、使えそうな魔物の素材を剥いだ。
そして山の頂上で巨大な樹木の化け物との戦闘の末これを撃破(戦闘省略)。
十分な量の魔力の籠った最高級木材を手に入れたのだった…。

(念話)
マズルカ「そっちの周辺は異様だね。植生といい、魔物の強さといい…。」
バッター「これがマナ溜まりというやつか?
      この魔物達は島の連中を襲わないのか?」
マズルカ「ここからじゃ何も分からないね。縄張り意識が強いのかな?」

バッター「異様な土地だ。
      何かが隠れていてもおかしく無いな。
      用事は果たした。帰還する。」
(念話終了)

山を下りたバッター。そこに待ち構えるように見張り達が立つ。
「地主さまがご友人方をお待ちです。どうぞこちらへ…。」
「すんなり帰れそうにないな。」

地主の屋敷で客間に通されたバッターに席を薦め、地主が話しかける。
「良い収穫はありましたかな?もしかして貴方…聖杯を欲するマスターでは無いですかな?」
「何者だ。」
ムー島の地主は語る。
かつてムー島とレムリア島に聖杯を巡る争いがあった事。
彼はマスターではなかったが、マスターの1人に協力する見返りに商売敵を排除して、結果的に今の富を手に入れた事。
最近のムー島・レムリア島の騒ぎや奇妙な事件から、聖杯戦争の気配を感じ取った事。
人形兵を引き連れるバッターの雰囲気から、島の住人とは異なる異様な雰囲気を感じ取った事。
協力の見返りに再び富を得たいと考えている事、など。
「どうですかな?」
「……」
(どうする?)
(…地元の領主を味方につけるメリットはある。私も昔…いや、その話は後で…。
 …私はキャスターだけど、陣地を構築して迎え撃つタイプじゃない…どちらかと言えば旅団を使って敵に攻め込むタイプなんだ。
 あまり目立つ拠点を作っても集団で袋叩きにされそうだし…それにこの男はあんまり信用できなさそうなんだよなあ。)
(同感だ。)
「ささ!お茶をどうぞ!この茶葉は他の空島から取り寄せた一級品でしてなあ!遠慮なさらず!」
「強欲な地主殿。胡乱で悪趣味な語り部達に弄ばれる覚悟はあるか?」
「な、なんですと?」
「これ以上表舞台に上がらないことがお前にとっての救いとなるだろう。
 木材の代金だ。受け取れ。」
バッターは代金替わりに、山で倒した魔物の骨や牙などを置き、背を向けた。
「ひひひ…これで私も、マっ、マスターに…」
地主はバッターの背にナイフを突き出した!しかしバッターは身を翻し、バットで地主の頭蓋を粉砕!
…は、せずに寸止めした。
地主は恐れ慄いて失禁した。
「ひ、ひぇええええ!!」
「お前に用事は無いが、山にはまた来るかもしれん。入っても構わないか。」
「おおおおお仰せのとおりにいいいいい!!命だけはああああ!!」
地主はドアから一目散に廊下へと逃げて行った。

バッターは帰ることにした
が、その前に…屋敷の奥に地主の部屋を見つけた。
書棚には空島に関する本や、聖杯戦争について調べようとしたのか、オカルトについて書かれている本等が並んでいる。
バッターはそれらを適当に人形兵に持たせた。

山の入り口を覗いてみると、門が開いていた。
元・見張りの男「もうここを誰が通っても止めるなってさ。
          やることが無くなったから、これからは別の仕事をやらされるんだ。
          楽でいい仕事だったのになあ。」

【設定追加:過去の聖杯戦争の関係者は島に存在しうる。】
【設定追加:レムリア島には魔力の高い環境の森がある(炭治郎の炭焼きの仕事には関係ない)。
        地主の土地だが、現在は行き来が自由になっている。
        そこそこの強さの魔物が生息しているが、人里には下りてこない。】

1477名無しさん:2022/02/27(日) 09:28:57
レムリア島の山にて、高品質の木材や魔物の肉などを手に入れ、地主の館から出てきたバッター。
途中で何か幻(>>1475)を見た気がする…。

飛空艇乗り場に向かおうとしたところで、マズルカから念話が入った。

『マスター、飛行艇の出るまでにはまだ時間がある。
 船に乗る前にその島の炭焼き小屋に行って欲しい。』
マズルカの示す炭焼き小屋は今いる地点からそこそこの距離にある。
『なぜだ?そこにマスターがいるのか?』
『炭を買ってきて欲しい。』
『…ムー島の商店でも買えたぞ。
 …特別な炭か?』
『いや…生産者から直接まとめ買いしたほうが安く済むかなって』
『……』
『人形の修理とか武器の錬成とかってお金かかるんだよねえ…。
 馬車小屋も宝具だから魔力でなんとかできるけど節約したいし。
 はぁ…今思うとドロニア様はすごくしっかりしてたんだなあ…。
 …ううっ、今になって地主のコネが惜しくなってきた…。』

突然、バッターの頭に念話で歌が流れ込んできた


  家計は大事の歌
  作詞:マズルカ
  歌:マズルカ

  『家計〜は大事〜
   お買い物に〜い〜く〜

   おつりでおイモを買〜う〜
   バレて〜おこられる〜

   違いますドロニアさま〜
   おイモはごはんだから〜
   これは必要なもの〜

   無駄づかいじゃな〜い〜
   無駄づかいじゃないんです〜』


『……』

バッターの頭に念話で更に歌が流れ込んでくる

   おかねをためるのうた
   作詞:マズルカ
   歌:マズルカ

   『なぜ〜おかねは

『わかった。炭を手に入れる。』

1478名無しさん:2022/02/27(日) 10:07:17
>>1477
バッターがキャスターからの唐突な注文により、町外れの炭焼き小屋に立ち寄って木炭を大量に購入、今度こそ飛空挺乗り場に向かおうとした

「ちょっとそこのキミ、待ってはくれないか」

が、その途中で横から声を掛けられて立ち止まり振り向く
そこには仮面を付けた軍服の男が立っていた、明らかに怪しい

「一人の地主さんが軍基地に来てこう言ったんだ」
『バットを持った男に脅された!しかも大人数の仲間を引き連れて!私の資産を奪っていったんだ!』
『奴はマスターだ!奴を捕まえて奪われた物を取り返してくれ!!』
「とね。門番たちは取り合わなかったが、たまたま私がその場にいてね」
「彼から詳しいことを聞いて、それでキミを探したわけだ」

あの地主がまさかそんな行動を取るとは予想しなかったが、今はそれより目の前の仮面男に最大限の警戒を向ける
その地主が口にした「マスター」という単語、それは一種の暗号となりごく一部の人間に情報をリークする
つまりは目の前にいる仮面男は聖杯戦争の参加者だ、その証拠に彼の傍らには従者たる長身の男が姿を現したのだ
バッターは迷わずバットを構えて人形兵達にも戦闘態勢を取らせた
だが長髪の男が何やら詠唱を唱え終えると、バッターが足を踏みしめる大地が急に大きく動き始めた
―――それはセフィロスが「魔術」のスキル(本来は「まほう」のアビリティ)で唱えた土属性魔術「クエイク」であった
その一発の攻撃で人形兵との連携は取れなくなり甚大なダメージを与えられてしまった

1479名無しさん:2022/02/27(日) 17:35:00
>>1478
突然の広範囲魔術によって出鼻を挫かれたバッターだが、咄嗟に動いた人形兵の助けもあり軽傷で済んだ
しかし人形兵の多くは大なり小なりの損壊を受けており、まだ動かせはするものの集団戦を十全に行えるほどではなかった

(マスター、何かあったの!?)
(サーヴァントに襲われた。俺は無事だが、人形兵を少し消耗した)
(なんだって!?これは相当マズい…マスター、令呪で私を呼ぶんだ!!)
(……わかった)

敵は余裕があるのか、何故かこちらに攻撃を仕掛けてこなかった
その間にバッターは令呪を使い、キャスターを傍に呼び寄せた

「おや?令呪はそのようにも使えるのか。すぐ近くにサーヴァントがいると思っていたが、どうやら違ったらしい」
「そこの仮面のマスター、いきなり襲い掛かるとはどういう了見だ!」
「我々が行っているのは聖杯戦争だろ?ならば敵情を知るのも戦場の常だよ」
「もっとも、こちらが声を掛けただけでそちらが臨戦態勢になった、だからこちらも対処しただけだが」
「…マスター、それホント?」
「あれは明らかに敵だ」
「どうやら私は嫌われているみたいだ。本当ならば君達と情報を交換して敵と味方を判別し、できることならば手を組みたいと思っていたが」
「…いいや、残念だけど先約があってね。それに、貴方みたいな胡散臭さプンプンな奴と手を組んでも、どうせろくな事にならないだろうし」
「仕方がない、フォーリナー、今度は手加減なしでいいぞ」
「了解」

その言葉を合図に、マズルカが指揮する人形兵団と一人の剣士が激突した
昨晩の戦いからずっと人形兵を作り直していたので人形兵の数は充分、バッターに預けていた人形兵も『妖路歴程』の魔力で幾らか修復して戦線に復帰している
先程のような魔術を詠唱させないように人形兵達に連携を取らせている、前衛が絶え間なく攻撃を繰り返し光栄が隙を与えぬように狙撃する
しかし相手は一騎当千の英傑なり、今度は詠唱する素振りを見せずに一本の長刀を携えて華麗に人形兵の攻撃を捌いていた
ならばマスターを狙うのはどうか、しかしそれも対策済みなのか仮面の男の周辺に黒い球体が複数浮遊しており、マスターに迫る攻撃や人形兵を迎撃している

フォーリナー、セフィロスにしてみれば一体複数の戦いは慣れている、ウータイとの戦争で数々の武勲を立てた英雄だからこそ敵兵の役割を理解し動き方も読めている
ただし今回は守らなければならないマスターがいる、そのためシャドウフレアを展開して空間認識能力に長けたクルーゼにその操作を譲渡している
人形兵の連携も上手いためそう簡単に突破はできないが、それでも徐々に人形兵を斬り伏せて数を減らしつつ敵の本丸に迫りつつあった

マズルカは自分およびマスターの周辺に「ピアフォートレス」などの護衛戦力を少し配置して残りを敵サーヴァントに集中攻撃を仕掛けていたが、徐々に頭数を減らされていき焦燥感を抱いていた
まだ投入してない人形兵もあるため戦力を増強することは可能だが、どちらにせよ戦闘に特化したサーヴァント相手では何時までも持ちそうにない
このまま戦い続けても厳しいと判断し、バッターが背後にいることを確認して一気にカタを付ける覚悟を決めた

「宝具解放!魔女ノ旅団よ!こいつらをぶっ倒せえ!」

対軍宝具『魔女ノ旅団撃』、人形達に込められた魔力を解放して放つドナム(魔術)の必殺技
広範囲に炎と無数の斬撃を放つ大技であり、いくら優れた英霊だろうとマスターを含めて防ぎきるのは無理なはずだ
徐々に劣勢になりつつある中での逆転の一手により敵がいた一帯に安全地帯はなくなった、はずだったが

「間一髪だったな、マスター」
「ああ、流石に私も肝が冷えた」
「うそ!躱された!!」

キャスターの渾身の一撃から離れた上空にて、漆黒の翼を一枚備えたフォーリナーが自分のマスターを抱えて浮遊していた
フォーリナーは目の前の人形兵達が一斉に魔力上昇を増大させていることを感知し、相手が宝具を使ってくると判断して自身も『片翼の天使』を発現させた
飛行能力と機動性アップにより素早くマスター・クルーゼを回収し、敵勢力の攻撃範囲から逃れたのであった

そしてこの時、キャスターとフォーリナーは相手の真名を看破した
長刀を使う長身の男であり、その特徴的な『片翼の天使』、その真名は星を滅ぼしかねない高次元生命体ジェノバの因子を宿した最強のソルジャー「セフィロス」
手に持った本型の宝具から数多くの人形を使役し『魔女ノ旅団撃』で敵を蹂躙する、厄災振りまくオオガラスを倒すために時間に干渉した大魔女「リマージュ・マズルカ・エルマ」
互いが互いの正体を把握したところで、この戦闘は第二ラウンドへと続いていく

1480名無しさん:2022/02/27(日) 17:51:42
>>1472
序盤から中盤への転換点となった名戦だと思う
サーヴァント達の決闘からマスターも巻き込んだ決闘になり、水を刺されてもなお意地を見せる
このあと春花が三日目の間中この戦いを引きずるのも好き

1481名無しさん:2022/02/27(日) 19:58:23
>>1475
胡桃は今しがた体感した白昼夢を明さんにも話して思案する
自分達の知らないところで聖杯戦争が着々と進んでいる、そこにはちょっとした疎外感や焦燥感も生まれていた
同時に、今朝学校に姿を現さなかった虎杖のことも気になった
キャスターの話だと虎杖はマスターであり、自分の知らないところで戦っていて、何か不味いことにでもなったのか
あの映像だけでは詳細まで把握できずに歯噛みする胡桃に対し、明さんは一つ提案をする
今日の夕方に行われるという公開処刑、あれはここ最近の非常時とはいえ明らかに度が過ぎている
もしかしたら聖杯戦争が関わっている可能性が高いと睨み、ならばそれについてどうにかして探ってみないか、という内容であった
他の参加者に動きぐないかを全体的に観察し、またそこに現れるかもしれない虎杖を探して自分の目で真相を確認すればいい、と

一方、医者とゴブリンは宿屋襲撃から撤退後に休息と情報交換を行い、イメージ映像について語らいつつ次の行動を考えていた
ちなみにだが、医者はすでにギャングと縁を切っている
ギャング達を纏めあげられたのはアサシンのスキルによるところがあり、アサシンが脱落したあとは医者による統率は難しかった
なので医者とゴブリンは傀儡にしていたギャングのボスや幹部などを殺し(魂食い)、今は別の場所に潜伏していた
それはさておき、医者達も夕方の処刑を耳にしている、そして明らかに戦争戦争の参加者を誘う罠だと予想していた
なので二人もそれに乗っかるつもりであり、状況を観察しつつ、もし騒ぎが起きるならばゴブリンが更に盛大にするつもりであった

それと、医者はまりなについても一応ゴブリンに話していた
アーチャーを失いただの力のない少々になったが、自分やゴブリンを憎んでおりまだ足掻き続けている可能性があると
万が一に他のサーヴァントとの再契約を果たす可能性もありえるが、彼女にはもう猶予がないと
なにせ医者が仕掛けた期限は約2日、明日の朝日を拝む前には死の運命から逃れられないからだ

1482名無しさん:2022/02/28(月) 09:01:34
戦闘を優位に進めたクルーゼとフォーリナー・セフィロス、
体勢を立て直している魔女の旅団、その隙をつくこともなくクルーゼはバッター達に語り掛ける。
旅団側も度々攻撃を仕掛けるが、守りに徹するフォーリナーには一部の隙も無く、
逆にお返しとばかりに人形を破壊され、陣形を崩される。
そして睨み合いながら、膠着状態、というより、キャスター・マズルカ側にとって不利な状況に陥った。
自然とクルーゼの『提案』を聞く状況になる。

クルーゼは己のこの聖杯戦争でのロール、レムリア島で軍人を束ねる隊長の身分を明かした。
そしてムー島にいる「軍の役職者」や「巨人のサーヴァントのマスター」が組んでいる事、
(さすがにホメロス司令やシャアだということまでは明かさなかった。)
いずれ残るだろう有力候補であるこの2騎を倒すため、自分の側にも協力者となる主従を求めている事を語った。
そして、時が来てこの2騎を倒すまで同盟を組まないか、ともちかけた。

「ふん!色々胡散臭いけど、『時が来る』までに両島で戦争でも起こすつもり?」
「おや、気付いたか。最も効率的な方法だと考えているよ。」
万能の願望機、それを巡る争いと考えれば2つの島など小さな規模かもしれない。手段も選ばなくなろう。
しかし、実際に戦っている関係者は残り12名、サーヴァントを入れても24名でしかない。
そんな少人数を狩るために軍を巻き込み戦争を起こすなど、正気の沙汰ではない。

「聞くだけ無駄だったね!旅団よ―――」
「その提案。呑もう。」
「なっ―――!?」
戦意を奮い立たせたキャスターだったが、マスターの発言に驚愕する。

「いずれ全てのサーヴァントを倒す。俺は使命を果たさなければならない。」
「それは……でも!」
「ふむ、話のわかるマスターで助かるよ。」
「だが、条件がある。」
「条件、とは?」
「贖罪だ。」

バッターはクルーゼを、表情のよくわからない顔で直視した。
「『隊長』殿。お前はこの世界で果たすべき使命を、放棄するに飽き足らず穢している。
 まことの命に目覚めたといっても、その行いは醜悪に過ぎる。」
「…何が望みだね?」

バッターは区分けされた世界、「ゾーン1」「ゾーン2」「ゾーン3」を維持する守護者、ガーディアン達を倒して世界を浄化し、虚無に帰した。
彼らは強敵であった。そしてバッターを彼らを殺した。
後悔など微塵もない。バッターにとっては使命の邪魔になる障害物に過ぎない。
ただ、彼らの与えられた使命への真剣さは、疑いようのないものだった。

クイーンに任じられたガーディアン達は世界を存続させる使命を真剣に受け止めていた。
時に非道な方法も用いていたが、各々の方法で世界を維持するために命を懸けていた。
ゾーン2のガーディアン、ヤフェトは使命を放棄し自らの世界を破壊してしまったが、
それだって深い苦しみと葛藤で絶望した故の行動だった。
決して、使命を軽く考えていたわけではない。

「権力を欲するのも、軍の私物化も、強権の発動も結構。だが―――」

「お前はレムリアの守護者でありながら、ムーの悪意と手を組むという愚行を犯した。」

「使命に対しての贖罪が必要だ。」

「すぐにでもムーにいる『敵』を倒しに行け。
 守護者としての使命を果たすなら、『巨人』の相手は請け負おう。」

レムリア島とムー島、この島の発生の経緯などバッターは知っているわけでは無い。
だが互いに軍隊を有するこの島々がこれだけの近い距離にあり、平穏を保っている。
それは偶然の部分も多いのだろうが、互いの軍や統治者の努力のもと、危うい平穏が保たれていたのではないか。

エルセンのような、いくらでもいる労働者ではない、
その島々の軍人の要職者、
この世界の王だか、議会だか、民だか、神だか知らぬが、とにかく島の『守護者』を任された者達。
彼らが元の世界の記憶を取り戻した途端、その役目を利用して島を破滅させようとしている。
部外者でしかないバッターにとっては、それは義憤に駆られる、とまでいかずとも、軽蔑する行いであった。
そんな連中と手を組み事など、バッターにとってはありえない選択肢だ。

そしてバッターが要求するのは、同盟相手への裏切り。
ムー島にいる戦争を起こそうとしているマスター、そいつを叩け、ということだった。

「ふむ、使命…役割に殉じろ、ときたか。
 となるとまずはこの島の治安を乱した君達を排除せねばならないわけだが。」
「それもいいだろう。」

クルーゼは肩を竦めた。
「申し訳ないが君達にそこまでの価値を感じないな。この世界の仮初の役割を重視するその考えも私達とは相容れない。
 また別の協力者を探すとするよ。」
バッター達も応じた。
「分かった。」「人形兵っ!」
マスターの交渉が終わったと判断したのか、フォーリナーが攻勢に移る。
旅団も応戦するが、先ほどの二の舞になると思われた。
マージナルメイズ達がドナム発動の体勢をとる。クルーゼを庇いつつフォーリナーが攻撃に対処するよう構えをとるが、
何故か、マージナルメイズ達は「バッターへと」ドナムの攻撃を放った。

「 喰 ら え 。 」

1483名無しさん:2022/02/28(月) 09:02:07
「 喰 ら え 。 」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マズルカホーーーーーーーーーーーーーーーームランッッッッッ!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
バッターはドナムを打ち返した!
燃えるドナムの炎が一点にまとまり流星のように通り過ぎる!
ちなみに反射系ドナムは攻撃を食らったらダメージを数倍にもして跳ね返すドナムだけど
1ターンしか保たないし属性が指定されてるし対象が自カヴンだけだったりで普通に使いづらいぞ!
でも他の魂たちは「これで勝てます」みたいなコメントが多い!みんな使いこなしてて凄いね!

1484名無しさん:2022/02/28(月) 09:03:03
「マズルカホームラン」…これは虎杖との戦いでの敗北や、山での魔物との戦いを通してバッターが編み出した技である。
マスターである自身が人形達と戦うには自身が前線でバットを振るうより、
人形達を後方から支援する形が望ましいと考えたのだ。

反射のドナムをかけた「マズルカのバット」で人形兵のドナムを、何倍にも増幅して打ち返す。
その威力はすさまじく、直撃した木の幹が大きく抉られて倒れた。
天才的な魔術師であるキャスターの作成した武器で、人形兵の力を束ねて利用した攻撃である。
当たり所が悪ければサーヴァント相手でも部位損失(クリティカル・ゴア)を受けかねない攻撃。
しかし編み出したばかりの攻撃は悟られ、回避した上でブリザガで防御され、軌道を逸らされた。

「大した威力だが、大振りだな。当たらねばどうということもない。」
「次こそ当てる。」

初見の一撃を防がれたのは厳しい。しかしキャスター達の闘志に呼応するように、
人形兵達が追撃を仕掛けた。

1485名無しさん:2022/02/28(月) 12:58:48
聖杯戦争開始から3日目の朝方にムー島に戻ったホメロスは件の公開処刑の指示を出した後で執政室にて仮眠をとっていた
レムリアからとんぼ帰りした後も部下からの報告とそれに対する指示を逐一出していたのでさすがに疲労が蓄積していたためである
同伴していたシャアにはこれからムー・レムリア両島で戒厳令を敷く正当性を担保するための声明を出してもらう手筈となっている
一通りの工作を終えてようやく休息をとっていたのだが思わぬ邪魔が入ることになった
聖杯戦争の経過を示すイメージ映像が仮眠中にも関わらず入り込んできたのだ

「・・・何者か分からんが一応情報提供感謝する。姿を直接見せんのは少々腹立たしいがな」

不機嫌そうに目を開けながらホメロスは呟く。彼はこれを自身をはじめとするマスターたちをこの場に招いた者による仕業と判断
聖杯戦争を企図した者からの情報ゆえに信憑性は高いと考える。もっとも何が狙いで自分たちを聖杯戦争に招いたのか、如何なる手段で脱落したサーヴァントを把握しているのか未だ不明だがこちらは追々調査する予定である

「既に1/4のサーヴァントが脱落。我々の情報網に引っかかったマスターも増えている。まずまず順調といった所か」

現在ホメロスが把握しているマスターは自身と同盟を組んでいる二人・レムリア軍部を襲撃した半グレ集団のリーダーと思われる男・バーサーカーが交戦したという謎のスーツの男(ピーター)・喫茶店のチノという少女の計6人。また先の宿屋で発生した騒ぎでチノと行動を共にする少女が二人いることが>>1454の報告で判明しておりこちらも聖杯戦争参加者の可能性がある
クルーゼ側からの情報も多分に含まれているため鵜呑みにはできないが上々な成果といえよう
当初の想定とは異なる形だがシャア高官の後ろ盾が手に入り、強引な軍の行動への市民の反発も数々の暴徒のテロ行為と異様な事件への恐怖のために下火となっているため今後はさらに動きやすくなる見通しだ。ゆえにマスターの関係者の公開処刑などという暴挙をこのタイミングで決行することにしたのだ
店主を救出しようとするチノら少女達と騒ぎに便乗しようとする者をまとめて燻り出すために

「店主を見捨てられればそれで終わりだが・・・それはできまい。情けなどという下らない感情に縛られる者にはな」
『・・・それを見越しての人質か』
「フッ、その通り。兵から例のマスターの過去の行動について報告を受けたが、兵を殺さず手加減して逃走したサーヴァント共々お人好しの部類である可能性が高い。であれば人質を見捨てて自分達だけ助かろうとはしないだろう。
それにしても貴様といいシャアといい案外甘いことだ。他のマスターは最終的には蹴落とす相手。この島の者も所詮仮初めの関係にすぎんだろうに」

今回の作戦は自身のセイバーのみならず同盟相手のシャアからも強い難色を示された
そのためサーヴァントを失った状態であれば例の少女らをシャアが保護してもよい・事が済めば理由を付けて店主を釈放するという2つの条件付きでなんとか合意を得られたのだ
ホメロスとしては同盟相手の意向を無視して不興を買うのもメリットが少ないので一応この条件は守るつもりである
もっとも便乗した他の主従によって少女らが害されても知ったことではないが

「これは戦争。一対一の決闘ではないということを忘れるな。
万が一この軍部に乗り込んでくる輩がいれば貴様もバーサーカーとともに働いてもらうことになるのだからな」
『・・・・・・』

ここまで軍が派手に動けばそろそろ軍関係者にマスターがいることに感づかれるかもしれない
しかしクルーゼらが秘密裏にこちらの情報を流す可能性やレムリアの軍部を襲撃したキャスターがムーも攻めてくる可能性を考慮したホメロスは自身の情報の秘匿より同盟関係が生きているうちに他の主従を追い詰める攻めの方針を採った方がよいと考えた
仮に軍部を襲撃されてもバーサーカーとセイバーの二人がかりならセイバーの肉体の消耗も抑えられるという目論見である
そんなホメロスの策略を理解はできても納得しがたいハドラーは苦々しそうに念話を飛ばした

『・・・今更俺が何を言っても貴様は方針を変えんだろう。だが、一つだけ忠告しておくぞホメロス。
英雄を、否勇者と呼ばれる者たちを侮るな。彼奴らは守るべき者のためならばどれほど追い込まれても逆境を跳ね返す凄まじい力を発揮するのだ』

ハドラー自身かつて部下のフレイザードが似たような期限付きの人質作戦を展開した際に便乗して勇者ダイ一行を始末しようとした身である
必勝を期した作戦のはずであったがしかし勇者一行の奮戦により結果は魔王軍の総崩れという惨憺たるものに終わった

「・・・余計なお世話だ!作戦を考えるのは主である私だ。従である貴様はただ戦闘のみに集中していればよい。それ以上の役割など求めん!」

ホメロスは忌々しそうに吐き捨てる。自身のダーハルーネでの失態を思い出したのだ
こちらも勇者一行の仲間を人質に取り追い詰めたつもりであったが思わぬ闖入者によって結局作戦は失敗に終わってしまった
二度も同じような作戦で失敗することはホメロスのプライドが許さない
苛立ちながらシャアと打ち合わせを行うために執政室を出たホメロスに同伴しながらハドラーは胸中でごちる

(儘ならんものだな・・・。あるいはこれが俺への罰か)

いくら心を入れ替えようともかつて自分が魔王として地上で暴虐を働いた過去は消えない
かつての自分と重なる所が多い男に召喚され、思うように戦えないのも必然かとハドラーは自嘲する
せめて来たるべき英雄達との闘いだけは悔いのないものになるよう願いながら

1486名無しさん:2022/02/28(月) 20:15:02
>>1484
再開された戦闘は一進一退の状況であった
セフィロスは『片翼の天使』を展開した状態であり攻撃および機動の激しさが増したため、人形兵の物量でも押さえるのが厳しい
だがバッターが新たに編み出した「マズルカホームラン」を度々交えることでセフィロスや仮面の男の防御・回避を余儀なくさせるため、なんとか持ちこたえている状態であった
それでも人形兵は少しずつ損耗していくため、マズルカは温存していた人形兵も適宜投入しながら考える

(正直、この状況を打開する手立てがあまりない)
(できることならば退却したいところだが、あの男がそう簡単に逃がしてくれるはずがない)
(…でも、もしかしたら)

敵は超一流の戦士であり、軍団を相手にしても物怖じしない英傑だ
だが逆に言えば、そんな大物を顕現させて全力で戦わせるには相応に魔力を消耗するはずだ
しかも今は宝具を常時展開してその度合いはさらに増しているはず、相手のマスターの気分が優れていないのも見てわかる
この推測を元に、戦いに専念しながらもマズルカはバッターに念話で作戦を伝える。マスターやサーヴァントが隙を見せたら、一発でっかいのをぶち込んでやれ、と
そうこうしているうちにセフィロスが詠唱を唱え始めた。人形達が猛攻している最中に。あの翼を出してからはそれぐらいの余裕があるかのように
これはマズルカ達にとっては不味い状況でもあり、同時にチャンスでもあった
先程以上の強力な魔術を使われてはこちらの戦線が瓦解しかねない、だがより膨大な魔力の行使はマスターに大きな負担を与えるはず
それを示すかのように仮面の男があからさまに苦しみだし、胸の部分を手で握り締めながら体勢を崩していく

「今だ、マスター!!」
「喰らえ」

人形兵がドナムを出して、バッターが渾身の力で打ち返す。豪球となったドナムは仮面の男に向かって直進する
この時セフィロスの周りには人形兵が張り付いており、そう簡単に突破する事や魔術による妨害も難しいはずだ
当たれば仮面のマスターは確実に死ぬだろう、それでもこの局面を勝ち残り危険な主従を止めるにはマスター討伐が最善手であった


◆◆◆◆◆◆◆


少し時間は遡る
二度目の戦端が開いてセフィロスが獅子奮迅の攻勢を仕掛ける最中、クルーゼは自らの生命力が奪われる感覚に苛まれていた

(やはり魔力を吸い過ぎてしまったようだ、大丈夫か、マスター)
(あぁ…まだ、大丈夫だ。これぐらいの辛酸など、慣れたものだよ)
(そうか。では一つ、頼みがある)
(なんだ)
(もう一度だけ魔力を使って仕掛ける、苦しいだろうが耐えろ)
(もしや、二つ目の宝具か?)
(いいや、ただの火遊びだ)
(…いいだろう、私に構わずやってみろ)

マスターの了承を得たセフィロスは即座に詠唱を始めた、それも目の前にいる人形達の猛攻をいなしながらだ
それと同時にクルーゼは体内からより強力な苦痛を味わっていた、まるで抑制剤の効力が切れた時の感覚に等しいほど辛いものであった
たまらず胸を強く掴む、立っているのも困難な状態だが奥底から湧き上がる憎悪を糧に気力を振り絞って耐え続ける
歪む世界の中で、敵マスターがバットを振りかぶって魔力の剛速球が飛んでくるのを捉える
意識が不鮮明になりつつ中、ただ迫り来る死に対して動く事ができないクルーゼは何を思ったか……










火柱、それが轟音と共に突如として現われた
クルーゼの目前に、セフィロスの周辺に、戦場の数カ所に
それは詠唱を唱え終えたセフィロスが発動した「ファイガウォール」であり、クルーゼに迫っていた魔球の軌道を逸らし、仮面をかすめて吹き飛ばす結果に終わった
総勢15本の火柱が次々と現われ、あまり持続せずに消え去ったものの戦場をかき乱すには充分であった

1487名無しさん:2022/02/28(月) 20:17:03
◆◆◆◆◆◆◆


底知れぬフォーリナーの荒業にマズルカは戦慄する
明らかに仮面の男を討ち取れる場面を覆され、さらには包囲していた人形兵も業火によって燃やされてしまった
なにより不味いのは、業火の柱々によってセフィロスの姿が隠れてしまい、魔術が終わった時にはその姿を消していた

「マスター、気をつけ」

マズルカが振り返った時には、すでに遅かった
あの離れていた距離を瞬時にして詰め寄ったセフィロスが、その手にした長刀「正宗」でバッターの正面から貫いていた
バッターも気を抜いていたわけではなく警戒していたはずだが、セフィロスの神速には対応できずに的確に急所を射貫かれていた
だが、心構えができていたバッターは相手が刃を引き抜く前に渾身の力でバットを振りかぶり、目の前の英霊にクリーンヒットさせて吹っ飛ばした
刺さったままの「正宗」はエーテルで構成された武器であるためすぐに消えてしまったが、とにかく致命傷を負ったバッターはその場に倒れてしまった


◆◆◆◆◆◆◆


敵マスターを仕留めたものの思わぬカウンターで吹っ飛ばされたセフィロスは痛みを覚えつつもすぐに立ち上がった
あのバットはマズルカが作成した武器であるため神秘や魔術が付与さており、さらには霊的存在を倒すバッターの器量もあって予想以上のダメージを受けていた
それでも戦闘に支障がない程度のものであったが、畳みかけるように人形兵が攻めてくる
手放した「正宗」を再度構成して握り締めたセフィロスは人形兵を返り討ちにしたが、今度は人形兵の自爆に巻き込まれた

壊れた幻想、ブロークン・ファンタズム
宝具を魔力爆弾として炸裂させる、強力な威力を出す代わりに貴重な宝具を失う本来の用途ではないリスキーな戦術
だが『妖路歴程』と材料があれば生成して召喚できる人形兵ならばデメリットを軽減して「壊れた幻想」を行うこともできるのだ
いわば『妖路歴程 時空爆散』を応用したような使い方だが、これには一つ難点、というか定義の違いから生ずる問題があった
大本となる宝具は『妖路歴程』であって人形兵自体は宝具とは言えない、なので実のところ厳密には「壊れた幻想」に似た自爆技でしかなく、宝具ほどの膨大な魔力を放出するものではない
そのため、セフィロスに大ダメージを負わせて足止めすることはできても、サーヴァントを確実に葬るまでの威力は持ってはいなかった
それでも予想外の攻撃の連続にセフィロスも対応が遅れてしまい、気付いた時にはキャスターとそのマスターの姿を見失ってしまった
自身も継続して戦闘するには支障があり、なにより魔力を搾り取られて動けないマスターがいたのでは不安要素も強いので、ここが引き際としてセフィロスはクルーゼを抱えてその場を離れた


※バッターは致命傷であり余命幾ばくもない、マズルカはマスターを抱えて戦場を離脱したが救命は絶望的であり、現界できるのも残り僅かの瀬戸際
※セフィロスは負傷しクルーゼも魔力消耗で気絶しているため、安全なところでの休養を優先します(霊脈があれば回復は早くなります)

※「ファイガウォール」はKINGDOM HEARTSシリーズで使用した技であり、今回は「Ⅱ」の仕様をアレンジしました
 本来はセフィロス周辺に即時展開できるのだが、今回は詠唱時間を設けて火柱を任意の場所に放出した、ということで一つお願いします

1488名無しさん:2022/02/28(月) 23:49:15
3日目 夕刻

「オイ聞いたか?レストランの爆弾魔が捕まったらしいぜ。」
「爆弾魔じゃなくてテロ組織のリーダーじゃなかったか?」
「ギャングのボスじゃねえのか?」
「誰もロクに知らねえのかよ。ていうか最近は逮捕ばっかりだな。」
「冤罪じゃねえかって噂もあるぜ。ただの喫茶店のマスターが裏でテロリストなんてよお。
 ここ2,3日の事件で面子を潰された偉い奴らが焦ってるとか」
「これから関係ない人も捕まったりしないかな…。」
「喫茶店の前に死体が山積みだったらしいぜ!」
「いやそれはどっかの宿屋の話だろ?」
「ペットの兎は近所の家が引き取って世話してるらしい。」
「マジかよ。最近ドンパチ騒がしいしクーデターでも起きてるんじゃねえか?」
「戦争は勘弁してほしいぜ」
「生贄じゃあ!神がお怒りなのじゃあ!」
「うるせえぞ!」
「じゃあ今頃はどっかの刑務所か、ヤバイ奴らと一緒に地下牢に閉じ込められてんのかあ?」
「いや…なんか役人達が働いてる場所の高い建物に閉じ込められてるらしいぜ」
「へえ。大物犯罪者だとVIP待遇なのかねえ?」
「公開処刑ってマジでやるのか?誰か偉い奴が止めねえのかな…。」

指名手配犯となったマスターの話題で街中は持ちきりだった。
他にもいろいろな情報が錯綜し、デマも混じっているが…。


ある行政区の建物、その数階に喫茶店の店主は囚われていた。
なぜか普通の事務の業務は全て停止され、かわりに少数の兵士敷地内にはいる。
手錠や紐などによる拘束がされているわけではない、
牢屋のように鉄格子に囚われているわけでもないが、扉の外には見張りが数人いる。
ただの一般人である男には逃げ出すことなどできず、
また、自分が処刑されるという情報も(当然なんらかの理由をつけて解放するシャアの裏工作も)
本人には知らされていない。

ただ部屋の椅子に座って、色々と考えることしかできない。
店の死体と都合よく現れた憲兵。つい異常な状況に慌てて、
喫茶店の店員であるチノに逃げろと言ったが、あれでよかったのだろうか。
あの時は慌ててしまったが、かえってあの行為が自分やチノへのあらぬ疑いを強めてしまったりしていないだろうか。
一体誰があんなことを…などと考えていた。

男がふと、視界の端に何か動いた気がして、目線を投げた。
といっても自分以外にいるはずもないので気のせいだと思ったのだが。
そこに異様に鋭い目つきの男が直立していた。
叫び声をあげそうになるマスターだったが、その口を男の手が塞ぐ。
「落ち着け。俺は敵じゃない。」
パニックになる店主。男の雰囲気はギャングや荒くれもののような威圧感を持っているが、
彼らのような粗野さより、例えるなら何かの達人のような妙に静かで鋭利な気迫を感じさせた。

「これから質問をする。首を振って正直に答えろ。」
男は前置きし、問いを投げかけた。
「お前はこの聖杯戦争のマスターか?」
店主は困惑しながらも首を横に振った。
「お前は爆弾事件の犯人か?」
店主ははっきりと否定の意志を示し、首を強く横に振った。
「チノという女の居場所を知っているか?」
首を横に振った。反射的に首を振った後、何故ここでチノの名前が出てくるのか疑問が沸いたが、
どちらにしろ居場所は知らなかったので同じ事だった。
「そうか。」

男、ランサー・宮本明はこの処刑の意図について探りを入れるため、
霊体化してこの部屋まで移動し、直接店主に接触したのだ。
注意深く様子を観察したが嘘をついている様子はない、と判断した。
とりあえず分かったのは、店主はどうやら冤罪だということだけ。
マスターの胡桃に報告するため、霊体化して戻ろうとしたランサーだったが、
急激に近づく気配を、サーヴァントの魔力云々というより、野生の直感に近いもので察知した。

ランサーは即座に丸太を具現化し、壁を破壊して地上数階の高さから飛び降りた。
その場所に、シャアの指示で遠くから店主の部屋を見張っていたバーサーカー・エレンが急速に近づいてくる。
わざわざ建物の多いここに店主が囚われていたのは、エレンの立体機動装置を活かし、
近寄ってきたサーヴァントを狩るためだったのだ。

1489名無しさん:2022/03/01(火) 09:40:26
>>1487の続き

「マスター、今治療するよ…!」
戦場から急いで離脱し、傷ついたバッターの治療を始めるキャスター
だが、敵サーヴァントの刀傷は深く、救命はあまりにも絶望的だった。
人形兵の回復のドナムは人形兵同士の修復しかできない。
魔女相手なら魔力を流し込み回復を促すこともできるが、当然バッターには無意味。
キャスターも魔女のはしくれ、当然調合した薬ぐらいは持っている。
しかしそれはあくまで、普段の怪我に対して良く効く薬、程度の力しかない。
こんな致命傷をきれいさっぱり消せるような薬など、ありはしない。
つまり結局…普通の人間が行うような治療しかできない状況だ。

「キャスター
 俺はお前の足を引っ張ってばかりだ。
 すまない。」
「マスター、無理に喋らないで!」
「聞け、キャスター。
 今や俺の命はわずかだ。
 別のマスターを探しに行け。」

「……!」

死期を受け入れたバッターの発言に、キャスターは何も言えなくなる。
キャスターも、もうバッターの死が避けられない事は、わかっているのだ。
それでもその優しさから、見捨てることができずにいた。

バッターは語る。
肺などは損傷していないのか、意外としっかりと話すバッター
しかしその顔色はどんどん血の気が引いている
痛覚も無くなっているのかもしれない。

「俺にはあの世界を浄化する任務がある。
 愛する者を救うためだ。
 だが、結局
 全てをプレイヤーに委ねるしかできない
 人形だ。」

「人形使い…。
 この世界で…
 きっと、お前の意志が、プレイヤーに代わり俺を動かした…。」

「キャスター、お前はお前の任務を果たせ。
 仮面野郎が創る世界よりは、マシだろう…。」

「残りの令呪をもって命じる。
 『新たなマスターを見つけろ。キャスター』。」

「……分かった。
 ……ありがとう。バッター…。」



令呪の命令を受け、キャスターがどこかへと去っていく。
自分の死後も、令呪の効力でしばらくは存在できるだろう。
視界が霞むなか、バッターは思った

(マズルカ…、叶うなら俺も人形となり…傍らで助力したいとさえ、思う
 だが、可能だとしても、お前はそれはしないのだろう。)



「ああ…

 ここで終わりだ…

 無念だ」


【バッター@OFF_by_Mortis_Ghost  死亡確認】

* バッターが山で手に入れた魔力の籠った木材や魔物の素材などは戦闘開始前・戦闘中に手早く回収してました
* マズルカのバットも回収しています。

1490名無しさん:2022/03/01(火) 18:01:47
>>1475
一斉に同じ光景を見たチノ、おっこ、まりなちゃん。
チノが「不思議な夢を見ました……」が口にして内容を語るとおっこも同じ夢を同じ夢を見たと言い、マスター全員が同じ夢を見てるなら隠す必要もないと安堵したまりなちゃんも同じ夢を見たと皆に教える。

様々なカードが用意されていたが、それぞれの手にした武器や雰囲気でそれが聖杯戦争のサーヴァントを指しているという答えに辿り着くまでにそう時間はかからなかった。
まだ12人――仲間であるマコト兄ちゃんと木場、雲雀を除いても9人は存在することにまりなちゃんは恐怖を覚える。

そして同時にお腹の辺りが何故だか痛み、身体から力が抜けていくような感覚に襲われる。
それは医者により埋め込まれた時限爆弾のタイムリミットが迫っている弊害。
外傷こそないが、内部により埋め込まれた時限爆弾により知らず知らずのうちにまりなちゃんの身体は悲鳴をあげ――遂にはこれまでなかった痛みという症状まで出てきた。

医者に報復するという気持ちすら激痛と恐怖に刈り取られ、自分の命がそう長くないことを悟る。
聖杯で願いを叶えることも出来ず、幸せになることもなく自分はこのまま死ぬ。まりなちゃんは絶望していた。

「まりなさん、大丈夫ですか……?」

チノが心配そうにまりなちゃんに声を掛ける。
指名手配されたり、マスターが処刑されることになった元凶ということも知らずに――純粋に心から心配している。

「急いで病院に行こう、きっとまだ間に合うはずだ!」
「ああ。俺たちがまりなの命を繋ぐ!」

サーヴァントの二人もまりなちゃんを心配して即座に行動しようとしている。おっこも心配しており、誰も彼もが絶体絶命のまりなちゃんを気に掛けている。

一緒にイジメをする取り巻きこそいたが、所詮取り巻きは取り巻き。
心は常に孤独で、仲良い子はいないと思っていた――今この瞬間までは。

「ちょっと……話があるんだけど……」

だからまりなちゃんは勇気を振り絞って、真実を告げた。

自分がチノ指名手配をはじめとする一連の事件の元凶だということ。
自分は家族と幸せに暮らしていたが、テロ事件で緑の悪魔にそれを奪われて自暴自棄のようになっていたこと。
テロ事件の犯人は緑の悪魔であり、その異常な強さからおそらくサーヴァントの可能性が高いこと

全ての情報を出し切り、罪を吐露して――

「それがお前の罪か、まりな」

皆の顔色を窺うまりなちゃんにマコト兄ちゃんが真っ先に言葉を掛けた。

「俺も過去に沢山の過ちを犯した。幸い生きていたが、友を刺してしまったこともある」

クリミナル――それは罪人を意味するクラス名

「だから俺はこの聖杯戦争でも罪人のクラスとして呼ばれた。七つの罪を背負ったサーヴァント――それが俺だ」

罪人のクラスでありながら、聖杯戦争に抗う男。
そんなクラスで呼び出された善良なサーヴァントに木場は違和感を覚えていたが、その理由がようやく判明した

「俺には三人の父さんがいる。だからその想いを繋ぎ、罪を背負いながら生きていくと決めた」

三人の父さんという言葉からまりなちゃんはこのサーヴァントも自分のように何か複雑な家庭の事情があると考える。
それでも聖杯戦争に抗うその姿は、お人好しにも程がある。まりなちゃんには理解出来ない

「それにこんな俺を受け入れてくれる仲間だっている」

仲間。
精神的にはずっと孤独だったまりなちゃんには刺さる言葉だ。

1491名無しさん:2022/03/01(火) 18:02:23
「……は?」

だからまりなちゃんは不機嫌になり、何か言い返そうとするがマコト兄ちゃんに真っ直ぐな瞳で力強く見つめられて言葉が止まる。

「――まりな、お前も俺たちの仲間だ」

仲間。友人。
周りはイジメを一緒にする取り巻きばかりで、孤独だったまりなちゃんにとってそれはある意味、すごく求めていたものなのかもしれない。

「でも、私が何もしなければチノや喫茶店のマスターの指名手配は……」
「そうですね。まりなさんが居なければ、こんなことは起こらなかったと思います」

チノの言葉にまりなちゃんの表情が曇る。自分は憎まれて当然だということくらい、小学生のまりなちゃんにも理解出来るから。

「でもまりなさんの気持ちもわかります。……私もココアさんと離れて、落ち着かなかったことがあります」

現に今もココアが居ないことで寂しさのようなものを感じている。
チノにとってココアはそれほど大きな存在であり、まりなちゃんにとっての家族も同様だ。
それに見ず知らずの少女ならともかく、まりなちゃんはそう長くない時間だが仲良くなった存在だ。そんな子をチノが心から憎めるはずもない。
もしも隠し通して後々それが発覚したならともかく、まりなちゃんは自ら罪を吐露することを選んだ。だからチノは彼女を許す

「マコトさん、ライダーさん。マスターさんを助けに行きましょう……!」
「うん。俺も色々と考えたけど、二人の意見を聞いて雲母坂さんの罪を受け入れることにしたよ」

罪。
それは木場にも刺さる言葉であり、悪人ならともかく己が罪を吐露して反省しようとする者を責めようとは思わない。
そもそも自分自身が罪を背負い、それでもなお夢を信じて生きる人間(オルフェノク)だ。
なにより当事者のチノが許すなら、自分がそれをとやかく言うつもりはない。
おっこもまりなちゃんを許し、喫茶店のマスターを助けるために作戦会議を開始する。
本来なら早急に病院に行く予定だったが、まりなちゃんが痛みは治ったと痩せ我慢して堪えたのだ

「今までごめんね、チノ」
「まりなさん?あの、どうかしましたか……?」

涙を流しながら謝罪するまりなにチノは困惑。自分のせいで泣かせたのかと思い、若干焦る。

「なんていうか、今まで色々あったけど……最近はちょっと悪くないよ。……みんな、ありがと」

まりなちゃんは遂に幸せを掴み取ったのかもしれない。
今この瞬間は、激痛なんかよりもずっと手に入れられなかったモノを得られた幸福感が勝っていた

まりなちゃんに残された時間はもう短いのかもしれないが――それでも彼女は幸せだった
だから喫茶店のマスター救出にも全力で協力する。

緑の悪魔に殺された家族のために。
自らの罪を背負い、清算するために。
仲良くなった友達を助けるために。
それと一応テロ事件のせいで踏んだり蹴ったりの人生になったであろう自分のサーヴァントのために。

まりなちゃんの中で最終目標は緑の悪魔かそのマスターを刺し違えてでも倒すことに決まった。
あいつを放置したら自分のような悲劇が今後も起きる可能性があるし、家族を殺された私怨もある。
それに真犯人を討伐したらチノの指名手配が解除される可能性だって……。

きっとこのお人好し達は自分が死の覚悟を決めたことを止めようとするから、みんなには内緒だ。
死を身近に感じる今だからこそ、それだけの覚悟を決められたのかもしれない。
吊り橋効果で得られた友情かもしれないが、それでも友情には違いない。

――気付けばまりなちゃんの気持ちから恐怖心は消えていた

1492名無しさん:2022/03/02(水) 00:08:39
実はまりなちゃんってジジと作戦会議とかしてなかったからジジの能力全然知らなかったんだよね
ギャングの死体も実際の調達方法は不明だけどレストランからわざわざ運んだと本人は思ってた
(嫌がらせの為に新規に殺してたらさすがにみんなすんなり許さんよな…)

1493名無しさん:2022/03/02(水) 00:20:10
>>1488
地上数階から飛び降りるランサー・宮本明をバーサーカー・エレンがすかさず狙う
立体機動装置によるワイヤーアクションを巧みに操り二振りの剣で斬りかかる
対巨人から生み出された一撃離脱の戦法に対し、ランサーは腕を振り刀で切払いした
空中制御もなしに踏ん張ることもできない中で純粋な腕力や体捌きによる適切な行動によりバーサーカーの攻撃は失敗し、すぐに別の建物へと移動する

(無茶苦茶に強い、ミカサやリヴァイ兵士長みたいで非常に厄介だな)
(あの小僧、空中での機動力は凄いがそれ以外は大したことはない…だが、まだ何かあるのか)

互いに相手の評価をしつつ次の行動を考える
ランサーにしてみればここで無理して戦う必要はなくできることなら撤退したいところだが、相手がこの領域から素直に逃がしてくれるとは到底思えない
とにかく脱出を試みて走り出すが、当然バーサーカーが建物の合間を縫って飛来してくる
ならば相手の攻撃を誘ってカウンターを決めるか、そう思い相手の動きを捉えて接近に備えた
だがそこでランサーは気付く、相手が細長い棒を両腕に装着していることを
そしてバーサーカーが斬り合う間合いに入ることなく、その細い棒をランサー目掛けて射出してきた
自分に向かってくる槍を咄嗟に剣で弾くランサーは、直後に雷鳴のような爆発に巻き込まれる

1494名無しさん:2022/03/02(水) 08:15:20
>>1474の後

炭治郎とピーターはココアが目覚めるのを待っていたが、倒れたココアは熱を出していた
加えて雨が降り出したので、炭治郎はパン屋にココアを連れていくことを提案した。
配達は終えていたようだったし、パン屋の近くにココアの家もあるかもしれない。
>>1451の時、ココアは店主を巻き込まないよう何も言わず離れたところで決闘を行っていたので、
店主も心配しているかもしれない。
そしてココアを守るのは勿論だが、落ち着いた環境にまずは置いてあげようと思ったのだった。

そこに、サーヴァントの気配をライダー・巧が感じた。
それは>>1489で新たなマスターを探すキャスター・マズルカだった。

『新たなマスターを見つけろ』という令呪の効果だろうか?
もしかしたら、キャスターの幸運に上乗せがかかっていたのかもしれない。
キャスターは魔力のある人間を必死に探したところ、偶然にもピーターと炭治郎を発見したのだ。

ライダーもこちらに近づくキャスターの魔力に気付いた。
炭治郎はココアを背中から下ろして、物陰に隠してからいつでも抜刀できる構えを取る。
そしてキャスターとの邂逅。ピーターの傍にライダーが実体化する。
キャスターは、それにさほど驚かない炭治郎の様子を見て、炭治郎の傍にはサーヴァントの気配がないことから、
もしかして手を組んでいる2組の主従がいて片方がサーヴァントを失った可能性に賭けて自分を売り込もうとする。
実際は、自分とバッターと同じように、別行動をしていただけだったのだが…。

そのころアサシン・雲雀はやや離れたところでキャスターとフォーリナーの戦闘の気配を察知して興味を抱き
現場に到着していたが、戦闘が終わり互いに散会した後だったので結局無駄足に終わっていた。

炭治郎は必死な様子のキャスターに対してとりあえず話を聞いてあげるべきだと思ったが、
ピーターやライダーはこの場から去るようマズルカに告げる。
決して彼らが無慈悲なわけではない。
しかし聖杯戦争に召喚されたサーヴァントの1騎として、突然現れた他のサーヴァントに警戒するのは当然だ。
しかもこちらには体調の悪いココアや、サーヴァントが傍にいない炭治郎もいる。
2人を守ることを第一に考えていたのだ。

キャスターは炭治郎のサーヴァントはまだ健在であると聞く。
やむをえない、令呪分の魔力を使ってでも、分は非常に悪いがそこのライダーを速攻で倒して、
自分と契約を結ばせてやる…、
そう追いつめられたキャスターは、生き残った数少ない人形兵を数体召喚したが、
戻ってきた雲雀に一蹴されてしまう。

最早ここまで、消滅しかけるキャスターは内心でバッターに詫びる。
そして炭治郎たちに、戦争を起こそうとしている仮面のマスターとセフィロスというサーヴァントは倒してくれまいか、と頼む。
その願いに対して何も返答できない炭治郎とピーター。

そこに、目を覚まして隠れたまま話を聞いていたココアが、キャスターのマスターになると言い出した。
ココアは元マスターの自分がレジィや心変わりした春花に狙われることを危惧して
炭治郎とピーターが動くに動けないのだろうと感じた。
もちろん、ココアとキャスターが契約したとしても、セフィロスというすごく強いらしいサーヴァントと闘えるかなんてわからない。
しかしせめて、キャスターの力で自分の身は自分で守り、
2組の足手まといになりたくないと考えたのだ。
2組が自由に動ければ戦争を止めたり、チノを助けられるかもしれない、と。

キャスターはマスターが、元マスターも含め3人も一緒に行動していたとは思わず面食らった。
それにココアという少女が名乗りを上げたのにも驚いた。
ランサーのマスターの胡桃も同じぐらいの年齢だったが、今まで戦ったマスターは殆ど
覚悟が決まってたり戦闘ができる男達が多かったので戸惑ってしまった。
そして胡桃よりもさらに戦いに無縁だと思える柔らかな印象の少女が、
自分の保身のためではなく他者のために自分の身を自分で守りたいと言い出した
その決意に圧倒されてしまった。
逡巡もあったものの、キャスターはココアと主従関係を結ぶのだった。
ココアの手に、新たに令呪が3画刻まれる。
キャスターは、自分がバッターのレムリア島行きを止めなかった事や、
人里から離れた炭焼き小屋に炭を調達させに行かせた事でバッターが死んでしまった後悔から
決してこの新しいマスターの傍を離れない事を己に誓ったのだった。

1495名無しさん:2022/03/02(水) 10:57:51
「なあライダー、これで良かったのかな?」
「俺に聞くのかよ」
ピーターは小声でたっくんに問う
仮にも聖杯戦争の参加者、新しい主従が目の前で生まれるということはそれだけライバルが増えるということ
依然として方針は定まっていない上にセフィロスの情報も聞かされて、ココアのこともあり複雑な顔で聞く
「お前は止めようと思わなかったんだろ。ならそれでいいんじゃないのか」

「ライダーさん、これで良かったんでしょうか?」
「わからない……でも、良くなるようには、したいかな……」
同じ頃、おっこは二人きりになって木場に問う
まりなの告白には驚いたが、彼女を助けることに異論は無い
昨日の凄惨な死体の山はいまでも目に焼きついている
その山にまりなを加えたいなどとは思わなかった
だがまりなの体調が悪化しているのは誰の目から見ても明らかだ
温泉に浸かっている人では絶対に見られないぐらい顔から血の気が引いていて、今にも倒れてしまう
その上で彼女が言ったこと――まりなの自首するという提案をどう受け止めればいいのか迷っていた
「俺の他のマスターが憲兵を動かしてるって考えがあってればだけれど、雲母坂さんが君の宿屋を襲ったと自首すれば、香風さんのマスターは助けられる……かもしれない。もしかしたから緑の怪物を倒すことに協力もしてもらえる……かもしれない。協力してもらえなくても、彼女が囮になれば、犯人の手がかりが見つかる可能性だって……」
「でも、わたし、なんだかイヤな予感がするんです」
「……もし、雲母坂さんを助けられなさそうなら、その時は――」

あんまり主従でコミュニケーションしない割になんか穏当に行きそうなピーター&たっくん
割と主従でコミュニケーションする割になんか不穏な空気がつきまとうおっこ&木場
この差はなんだ

1496名無しさん:2022/03/02(水) 11:24:52
>>1493
雷槍の燃焼噴射やワイヤーから爆発物の可能性を考慮したランサー・宮本明は、自分に向かってきた棒槍を切り払いしつつ丸太を編み出し備えたことで爆発の直撃を受けることだけは防いだ
しかしそれでも、爆発の余波に巻き込まれてぶっ飛び体勢を崩す。
バーサーカー・エレンが立体機動装置高速移動してトドメを刺そうとするが、
雷槍の巻き添えにならないよう距離をとっていたバーサーカーは移動の為にワイヤーを出射した

ランサーは投擲力で近くに落ちてた瓦礫を投擲、
ランサーの優れた怪力とコントロールにより瓦礫はアンカーに当たり弾き飛ばした
バーサーカーは転倒こそしなかったものの、当初の狙いから大幅にズレた位置に着地した

「おいお前!」
ランサーは戦闘中にも関わらず距離の空いたバーサーカーに向けて大声で呼びかける
無視して行動に移ろうとしたバーサーカーだが
「俺と同じところから来たのか!?」
「…は?」
意味のわからない質問が気になり、動きを止めた

「その戦い方、明らかに人間相手のものじゃねえ…
 お前も吸血鬼と戦う人間なのか!?」

エレンの戦い方に、自分の知らないところで吸血鬼が変化した巨大な化け物、
邪鬼との戦いをしていた人間がいたのではないか?と考えたランサーはそう問いかける。
もしそうなら相手の願いも同じ吸血鬼を消す、ということだろう。
互いのマスター達の願いもある以上、協力できるとは限らないが、そうだとしたら明にとって戦う優先順位が大幅に下がる。

しかしエレンはそれを一蹴する。
偶然、巨大な敵を相手に戦っていたというだけで、その敵は全く違う、と。

「そうかよ。
 俺と同じく人間のために戦ってるヤツと会えたのに、残念だぜ…。」
闘うしかないと覚悟を決め直す明に対してエレンは
「お前は勘違いをしてる。
 俺は願いを叶え人類を(ほぼ)滅ぼして英霊となった。」
「何だと!?」
「今更願うことなんてない」
「だったら、お前は何のため戦っているんだ!?」

1497名無しさん:2022/03/02(水) 16:16:44
>>1496の続き

「どうしたバーサーカー、レムリアで一組を倒した勇猛さはまだ見せないのか?」

ランサーとバーサーカーの会話に別の声が割って入ってくる
ランサーが声の方向を確認すると、二人の人間と一騎のサーヴァントがそこにいた
そして瞬時に把握する、二組の主従がグルになって罠を張り獲物を待っていた事を

「お前達が来るまでコイツを足止めをしたに過ぎない、それなら全力を出す必要もないだろ」
「ふん、減らず口に聞こえるがまぁいいだろう、ここからは二騎掛かりで」
「いや、俺一人で充分だ。狂戦士、お前は足手まといだから下がってろ」

そう啖呵を切るや否や、セイバーが一人ランサーに向かって跳躍した
並々ならぬ覇気を纏いし人間以上の魔物に迫られて、ランサーはすかさず義手刀で相手の剣を受け止めた
その膂力は凄まじく、ランサーが知る吸血鬼のアマルガム級の馬鹿力に近かった

「セイバー!?馬鹿者が、勝手に動くなッ!バーサーカーと連携して手間取らずに倒すんだ!!」
「こいつは強敵だ、二人掛かりでもそう簡単には倒せない!」
「ならば俺が全力でぶつかるだけ!バーサーカーは他の敵襲に備えさせていろ!」
「キ、キサマーーッッ!!」

憤るホメロスだが、事実セイバーとランサーの戦いはもの激しくバーサーカーが割って入る隙はなかった
そしてバーサーカーも二騎の戦いから離れて、建物の高いところから周辺を警戒し始めた

「まぁ待て、ホメロス。もうすぐ本命がやって来る」
「シャア!貴様もセイバーの片を持つつもりか!」
「いや、事実だ。バーサーカーたつい今し方、接近するサーヴァントの気配を感じった。もうすぐ来る」

自分の思い通りに動かない従者や同伴者達に怒りを覚えながらも、処刑という餌やこの戦闘で他のサーヴァント達がやってこない訳がないことも理解しているホメロスは、この怒りを押さえつけてチノやそのサーヴァント等の登場に備えることにした
なお、実のところバーサーカーが気配を感じる前にシャアはチノ達が来る気配を直感で感じ取っていたのだが、それを説明することなくセイバーの話に乗っかる形でエレンに警戒させてホメロスを諭すことにした

1498名無しさん:2022/03/02(水) 16:45:54
誤字あった、微修正
>「いや、事実だ。バーサーカーたつい今し方、接近するサーヴァントの気配を感じった。もうすぐ来る」
「いや、事実だ。バーサーカーがつい今し方、接近するサーヴァントの気配を感じった。もう近くまで来ている」

1499名無しさん:2022/03/02(水) 17:23:02
エレンの雷槍は道具作成で用意した硬質化弾頭にホメロスから横流しされた火薬とかで作ったから爆発力が足りないんだよな
牽制にはなるんだが弾頭以外はろくにサーヴァントにダメージ入らないし雷槍を使った逸話も無い
そのせいで戦いが長引いて、結局まりなの提案で一応自首しに行くことになったまりな達が戦闘に出くわすのは必然か

「クワトロさん、どうしてここに?」
「キャスバルさんとバーサーカーさん!? それに、ランサー、さん?」
「ハァ……ハァ……お前はあの時の」
「なるほど、君たちか。私の勘もなかなかに当たるものだた」

邂逅……!

1500名無しさん:2022/03/02(水) 17:48:26
>>1499
チノ、木場、明さん、シャアの順で発言しているのかな
シャアと木場が色んな人物と接触しているから顔見知りも多いわけだ

1501名無しさん:2022/03/02(水) 17:51:28
マスター救出の作戦会議をしてる時にまりなちゃんは少しトイレに行くと言い、その場から離れるとポケットにガラスを忍ばせる。
これで刺せば相手がどんなマスターでも死ぬ。あのお人好し集団には出来ないこと――マスター狙いだって可能だ

聖杯を勝ち取るつもりが、いつの間にか他のマスターと手を組んで人を助け、巨悪を倒すことになっていた。
だが悪くない。アバズレに復讐心を燃やしていた時よりは、今の方がよっぽど幸せだ

(誰かとあんなふうに話せたの、久々かも……)

イジメのターゲット。自分の取り巻き。おかしくなってしまった母親。
まりなちゃんの周囲はそんなものばかりだった。母親のことは好きだが、それでも父親が問題を起こして以降、楽しく話せることはあまりなかった。
母親がああなってからまりなちゃんを心から心配してくれる人なんて、誰も……。(※まりなちゃんの母親はまりなちゃんのことを大切に思っているが、普段はあんな態度なので)

(仲間か……)

不思議と今はその言葉の響きが悪くない。

1502名無しさん:2022/03/02(水) 17:52:41
キャスター・マズルカからムー島への飛空挺の最終便に間に合わないと言われたが、
炭治郎はとにかく一刻も早くチノの元へ戻って助けに行きたいと、ピーター達に回復していないココア達を任せて
まだ船が出ていない可能性に賭けて猛ダッシュした。
しかし残念。船は既に出てしまっていた…。

その時、アサシン・雲雀が雲ハリネズミ(ポルコスピーノ・ヌーヴォラ)のロールを実体化した
死ぬ気の炎の雲属性の作用「増殖」で大量に増えたロールは陸から船へのかけ橋となり、
アサシンはそれを足場にして船に乗り込んだ。
「乗りたいなら勝手についてくれば。」
炭治郎も慌ててロールを足場にして雲に飛び乗った。

アサシンは元々ムー島のギャングを操る黒幕とやらを噛み殺そうと思っていた。
炭治郎の用が済んだならもうこの島にいる意味もないと、ムー島に行くことにしたのだ。

船に乗りこんだ炭治郎たちは乗組員の少年に見つかった
「な、なんだお前ら!?
 …あっ!雲雀さんじゃないッスか!?」
その乗組員は>>1423でアサシンにギャングの情報を教えた不良の少年であった。ここで働いていたのだ。
「さっき雲を踏んで来ましたよね!?マジパネェっス!」
驚愕する少年は、アサシンに街中の新たな情報をもたらした。この不良少年は随分と情報通らしい。
前からギャングには怪しげな闇医者が関わっているという噂(>>1346)や、
ギャングの生き残りの幹部達が今朝に(>>1481)大量に殺されてたこと、などを炭治郎達は聞いた。
「お医者さんですか?」
「あぁ、だけど普通の医者っていう感じじゃなくてヤベー感じなんだ。意味なく腹を裂いてみたりしてるって噂だ。」
医者と聞いて珠世のイメージが浮かんだ炭治郎だったが、
不良の話を聞いてそんな医者もいるのか。とドン引きした。
しかし、
(いや、ただの噂で人のことを勝手に悪く想像するのは良くないな。 腹を裂いたりするのもそういう治療なのかもしれない。)
と考え直した。

そうしてしばらくして、船はムー島に到着した。
時刻は夕方。
ちなみに、高高度にある天空都市の日没は位置関係から平地にいる時より遅くなる。
勿論天空都市の「へり」に落ちるのは早いのだが、散乱した光がまだ空を薄明るく照らしている。
天空都市の日没とは、基本的に眼下の大地に太陽が沈んだ時のことを示す。
そのため、炭治郎たちが到着した時にはまだ処刑まで幾ばくかの猶予が残されていた。

1503名無しさん:2022/03/02(水) 18:02:47
投下順が逆だが、>>1502の前の部分

キャスターの出現やココアの再契約で色々とゴタゴタしたが、その場の雰囲気が一段落して落ち着いたところで炭治郎はチノの事を伝える
チノはムー島の喫茶店で働いていて聖杯戦争のマスターでもあったが、冤罪によって指名手配されている
昨日の夕方時点では宿屋にいたもう一人のマスターで若女将の関織子に匿ってもらい、ココアに知らせた後にチノをレムリア島まで密航させるつもりだ、と
チノの所在が分かって嬉しさが出てきた束の間、チノが危うい状況にいることを知ってすぐにでも駆けつけたい衝動に駆られるココア
だが続けてキャスターが本日の昼頃までの情報を追加する
夜遅くに暴動による宿屋襲撃事件が発生して彼女達の所在は不明、しかも暴徒達が糸が切れたかのように突然死したためそれもチノの仕業と流布されている
さらに今日の夕方には喫茶店の店主が処刑されることも告知されており、もしかしたらチノ達が行動に移すかもしれない、と
さらなる情報にココアと炭治郎は言葉を失い、今すぐにでも助けに行きたいところだがキャスターが待ったをかける
今はすでに夕刻であり臨時運航の飛空挺の最終便には間に合わない、それにココアおよび自分は消耗しており助けに行くにしてもリスクがある、と

1504名無しさん:2022/03/02(水) 18:54:47
>>1499
木場の憶測通り、ある程度の地位や権力を持つマスターが存在していた。
自分の眼前に立つエレンを見据え、木場はホースオルフェノクに変身する。

「君はあの時、無理だと言ったけど……俺は人間と他の種族が共存出来る未来を信じたい」

かつて乾巧に託した夢を。理想を。
今度は自分の手で叶えるために――

ダイブ・トゥ・ディープ!

「ライダー。お前のその夢、俺にも手伝わせてくれ」

ギロットミロー! ギロットミロー!

「変身!」

ゲンカイガン! ディープスペクター! ゲットゴー!覚悟!ギ・ザ・ギ・ザ!ゴースト!

ホースオルフェノクとディープスペクターが並び立ち、エレンもそれに応えるように巨人となる。


一方まりなちゃんは憲兵に嘘を吐いたことや爆破テロ事件の真犯人が緑の怪物であること。そして宿屋を襲撃したのは自分のサーヴァントであり、医者に利用されていたことをシャアとホメロスに話す

もしかしたら彼らと協力して緑の怪物を倒せるかもしれない。他のサーヴァントを蹴落とすために一時的な同盟を結ぶ可能性があるはずだ
このホメロスとシャアも厄介な存在であるが、まずは全員で緑の怪物を叩けたらとまりなちゃんは考えた

1505名無しさん:2022/03/02(水) 20:08:05
>>1504
まりなちゃん、平和現代日本の人間だから聖杯戦争である前にまず警察(的な立場)の大人がこれを聞いたらグリーン・ゴブリン退治に向かってくれると思ってたんだよね…。

1506名無しさん:2022/03/03(木) 02:57:26
>>1504
まりながチノと店主に濡れ衣を着せた、爆破テロ事件の真犯人は緑の怪人だ、宿屋襲撃は医者達が画策したものだ
この説明を聞いたシャアはそれが真相に近いとは理解したものの、それでも証拠不十分や虚言の疑いでそう簡単に話が終わるとは思わなかった
事実、ホメロスにとっては真相などどうでも良く、目的通りにマスター達を炙り出すことに成功したことの方に意義を見出だしている
なので彼女達の話をでまかせとして聞き入れない、これは戦争であり敵の情報は鵜呑みにできない、むしろ強力なサーヴァントを使役する危険な人物として排除する構えを取っている
争いを望まない少女達相手でも敵意を剥き出しに晒すホメロスとは別に、シャアは少女達に問いかける。願いを掛けずに戦わないと言うならば、政務官としての権限で君たちを安全な所に匿う、と
聖杯戦争の舞台はムーとレムリアに限定されている、ならば島の外に出る船に乗せて聖杯戦争が終わるまで危険から遠ざけるつもりであり、安全を保証すると
そこへホメロスが重ねて言う、令呪で自らのサーヴァントに自害を命じて無抵抗を示せばチノ達の指名手配や店主の処刑を中断しても良い、そうでなければ聖杯戦争の参加者としての倒す、と

1507名無しさん:2022/03/03(木) 07:50:50
>>1497
明さん、霊体化で胡桃のいる場所へ戻ることには失敗したけど念話で状況だけは伝えられたんだよね
元々ちょっとした疎外感や焦燥感もあった胡桃は自分が聖杯戦争の参加者として本格的に参加するため。そして聖杯戦争の参加者達をこの目で見るために現場へ向かうことを決める
それにこれだけ参加者が集まっているなら、他のマスターが更に参戦してくるかもしれない。もしも虎杖がマスターなら、きっとやってくるはずだ

1508名無しさん:2022/03/03(木) 10:11:21
医者はグリーンゴブリンに宝具にもなった禁薬の作り方や化学式を教えてもらい、科学的に調合して擬似禁薬を作り出し、自分に注射した
この中世的な天空都市という環境では、オリジナルの禁薬には遥かに及ばない劣化版しか作れないが、それでも喧嘩宿や殺人鬼、処刑課などの超人達に匹敵する身体能力を獲得した
まぁ元の世界の超人達のような格闘術や殺人術までは模倣できないので直接の殴り合いには彼らに一歩劣るが、それでも強者相手に対応できて殺人医術を使える医者へとグレードアップした
ちなみに元の禁薬だと凶悪な二重人格が生まれるはずだが、劣化版だからか、あるいは元から凶悪な犯罪者であるアクダマであるからか、特に性格の変化は見られなかった

1509名無しさん:2022/03/03(木) 10:20:40
相馬とレジィはセイバーとアーチャーの決闘から退却したあと、今後の行動について協議する
まずパン屋の少女は英霊を失って不要になり、セイバーの契約者と共闘できるかどうか見極められず、軍人のマスターとは交戦したため敵視されていると思う
今のところ同盟を結べそうな主従はおらず、この調子では自分達は孤立したまま戦うようになってしまう
半グレ集団による数の暴力ならまだ保持しているが、英霊相手ではただの塵芥、つまり使い所が限られてしまう

ならばいっそうのこと、ムー島に移動して新たに使える奴を探してみるか、そう考えていた時に念のためパン屋を見張らせていた半グレが報告にやって来た
曰く、複数人の男達が気絶した彼女をパン屋に運んで休ませたのちに、一人の女がやって来て小競り合いになったあと、パン屋の少女が現われてその場が治まり、二人の少年が急いで飛空挺に向かったらしい
その情報を基に、パン屋の少女は再契約を果たしたこと、その男四人がマスター二人とサーヴァント二騎である、と相馬とレジィは考察する
再度パン屋の少女を襲うにしても徒党を組まれては返り討ちに遭いやすいと考え、相馬とレジィはムー島に向かうことを決断する
そして半グレ集団を引き連れて造船所を襲撃・制圧したあと、飛空挺の契約書を見つけて自分達の足を用意する

1510名無しさん:2022/03/03(木) 10:54:34
>>1509
レジィ組、この時点でかなり他主従の情報を持っているな。
(マスターの情報は半グレや相馬の情報量によるので把握度は不明だが)

春花・カイム:直に見てたので外見まで知ってる。決闘中は異空間内なので戦闘スタイルまでは未把握
クルーゼ・セフィロス:直に戦ったのでかなり詳しく把握。
ココア・キャスター:ココアの身元と新たなサーヴァントを得た事を把握。半グレがバレないように遠くから見てただけなのでクラスや残り少なかった人形兵を使う戦闘スタイルまではバレてなさそう
ピーター・巧:こちらの半グレの遠くからの監視なのであまり把握されてないと思う
炭治郎・雲雀:上に同じ。炭治郎はアザが特徴的なので身元バレしてるかも

あとは派手なエレンとか指名手配されてるチノとかは名前だけとか断片的に知ってそう

1511名無しさん:2022/03/03(木) 11:26:13
>>1506
「ひ、人を殺すなんて……そんなことは出来ません」

ホメロスの提示した条件をチノは拒否する。おっこも当然拒否。
そしてこの発言からチノが聖杯戦争のマスターとしてあまりにも相応しくないことをシャアとホメロスは実感する。

「それにマコトさんやライダーさんに死んでほしくもありません……」

誰も殺したくないし、サーヴァントに死んでほしくもない。
サーヴァントを失いたくないという思考回路はマスターならば誰もがそうだろうが、チノの場合は明らかにサーヴァント達を「サーヴァント」ではなく「人間」や「仲間」と考えて発言している、とシャアとホメロスは解釈する。
ホメロスはマスターとしては有り得ないチノの発言を嘲笑い、それならば戦闘を放棄しないと彼女達に伝える。

(ばっかじゃない……?)

まりなちゃんはチノの発言に呆れつつも、チノやおっこがそういうタイプのお人好しということは理解していたからブレない二人の姿勢にちょっとだけ安心して。

(なにあいつ、有り得ないんだけど……!)

そしてわからず屋(とまりなちゃんが認識した)のホメロスに対してイライラする。シャアはともかく、こいつが居る限りどうにも出来ない。

無抵抗を示せば指名手配や処刑は中断するだろうが、果たしてマスターを生かして帰すだろうか?
自分なら今後厄介になる可能性があるマスターを放置しない。シャアの方は信用出来るが、ホメロスはどうにも信用出来ない。
お世辞にも性格が良いとは言えないまりなちゃんだからこそ、ホメロスが自分と同類の気がすると勘づいていた。

本当は緑の怪物のマスターに使うつもりだったけど、いざとなればこのガラスでホメロスを――
相手は自分よりも身体能力が遥かに高そうな軍人の男。勝ち目は薄いが、自分が弱いと認識されてそうな今だからこそ殺せる可能性もある。

シャアとホメロスは考える。
聖杯戦争のマスターとしては覚悟が足りない二人のマスターに、既にサーヴァントを失ったマスター。どちらもマスターとして論外だ。
それにサーヴァントを失ったマスターも他の二人と同じく、聖杯戦争の参加者として覚悟が足りない。自首という手段もそうだし、善性の強い二人と手を組むということはそういうことだろう、と。
他人を罪人に仕立て上げるという悪知恵は働くようだが、どういうわけか敵だった少女と手を組むところからその甘さが見て取れる。

まりなちゃんが覚悟を決めたことに気付いている者は、この場に誰一人いない

1512名無しさん:2022/03/03(木) 19:08:47
午後の間、医者はゴブリンと共同で疑似禁薬を精製する他に自己の外科整形を施していた
夕刻の処刑には宿屋にいた少女達が行動する可能性が高く、その中には自分の面を知っている雲母坂まりなも同伴している可能性が高い
なので自身の顔や体格、声帯なども弄って別人に成りすまし少女達に接近しやすいように変装する
ちなみに今回はモデルとして元の世界の知り合いである詐欺師(一般人)の姿に成り変わるつもりだ
彼女のことは好いてはいないが、あの人の良さそうな雰囲気に近づければ他の主従とも接近しやすいと考えての選択だった

ともかく元の姿から別人に成り代わった医者はゴブリンと共に公開処刑会場の近くを探索し、とある行政施設にて戦闘の気配を察知したため遠くから双眼鏡を使って様子を伺った
そしてセイバーvsランサーの激闘や巨人に対峙する覆面スーツ達、それと軍人と高官の二人組に相対する少女達の中にまりなの姿を確認する
さて、このあとどのように場を引っ掻き回すか、あるいは自分達の優位に立つかを考えている最中、戦場に向かっていくツインテールの少女を見つけた

◆◆◆◆◆◆◆

胡桃は街道や雑木林の中を駆け抜けつつ明さんや他の主従が戦っている戦場に向かっていたが、途中でジェット噴射の音が聞こえたため立ち止まって後方を確認する
すると一人の少女が慌てた様子でこちらに向かっており、さらにその後方から飛行する乗り物を巧みに操縦する緑の怪人を目撃する
キャスターから聞いていた爆破テロ事件の犯人と思わしきサーヴァントの登場に一瞬身構える胡桃だったが、「た、助けて!」と言って少女が自分の所に駆け寄ってくる

「と、突然あの怪人が襲ってきて!た、助けてください!」
「ちょ、ちょっと待って!あなた、もしかしてマスターなの!?」
「は、はい、そうです!でもサーヴァントを失ってしまって…」
(つまり、今の私達にはあのサーヴァントに対抗する手段がない!どうする、今すぐ令呪で明さんを呼ぶべきか…)

そう逡巡する合間にも緑の怪人が迫ってきたが、何故か数メートル先で停止してこちらを観察し始めた

「おーや?お前は確か、虎杖の女友達だったなぁ」
「!?あんた、なんで虎杖の事を知っているの!?」
「あぁ、だって奴は俺のマスターだったからな。たまにはお前らがイチャついているのも見ていたぜ」
「あんたが、虎杖のサーヴァント…!?それじゃあ、この間の爆破テロ事件は、あんた仕業か?虎杖の指示、でやったなのか?」
「それは確かに俺の演出さ、最高のショーだったろう?まぁ、ついでに言っちまえば虎杖は関係ないけどな」
「っ!!じゃあ、虎杖は今どこにいるの!?」
「あの世だよ」
「えっ」
「奴は俺が殺した」
「…うそ」

全く予想して居なかった事実を受けて、胡桃の頭は一瞬フリーズする
それと同時に、首元に痛みを感じて視線を下に移す
見れば自分にしがみついていたはずの少女が邪悪な笑顔を浮かべつつ伸ばした手で自分の首に注射器を打っていたのだ
嵌められた、と最後に思って胡桃の意識は暗転した

◆◆◆◆◆◆◆

一方その頃、ランサー・宮本明はセイバー相手に善戦していた
セイバーの強さは今まで戦ってきたアマルガムと同等かそれ以上の凶暴さを持っていたが、化け物狩りに長けた英雄・宮本明にしてみればそれに応じた戦い方もよく知っていた
そして同時に、正々堂々の決闘を望み自分との真っ向勝負に拘るセイバーにはある種の敬意を抱いていた
敵は全力でこちらを殺しに来ている、ならば自分も全力でセイバーを打ち倒すつもりで戦闘を続けていた

同じ頃、巨人と仮面ライダー二騎が小競り合いをしている横でホメロス&シャアと少女達の問答が続いていた
とっとと目の前の少女達を葬ろうとするホメロス、それを制止して彼女達と妥協点を模索するシャア、サーヴァントを仲間として裏切ることができないチノ・おっこ、そんなお人好し達に呆れつつ心の内で覚悟を決めているまりな
それぞれの思惑が交錯して中々決着がつかない中、新たな人物の登場で事態は変異する

一人の少女が緊迫するマスター達の近くに現われて助けを求めてきた
その少女は頭や腕から血を流しており、息切れや疲労感から危機的な状況であることが見て取れる
「助けて…緑の怪人が…」と言ったところで少女が倒れてしまい、心配したおっこが彼女の元へと駆け寄った
対応が遅れたチノや周囲の警戒で動けないまりな、突然の乱入者に場を見出されても警戒を解かずに様子を伺うホメロス、そして嫌な予感を感じるシャア
少女が倒れたと同時に空を横切る轟音が聞こえ、そちらも確認するマスターやサーヴァント達
そこにはグライダーに乗った緑の怪人・グリーンゴブリンが意識を失った少女・恵飛須沢胡桃を脇に抱えて姿を現したのだ
戦闘を中止したランサーが「胡桃ッッ!」と叫び、漢同士の決闘を邪魔されたことでセイバーが緑の怪人を敵視する中、ゴブリンは人質を取ったままチノ達に向かってパンプキンボムを投げ込んだ
逃げる準備が整っていないチノやまりなを守るためにホースオルフェノクが素早く駆け戻り、彼女達を爆風に巻き込まないために上から覆い被さり大ダメージを受けてしまう
木場やチノ達を心配するおっこは、直後に頸動脈を切り裂かれてしまう
おっこにメスを入れたのは怪我をした風に装った少女、否、変装した医者の仕業であった


【関織子@若おかみは小学生! 死亡確認】

※木場勇治は大ダメージを受けたためろくに体を動かせない可能性大、そうでなくてもマスター喪失で現界をあまり維持できない状態です
※ゴブリンは胡桃を人質にランサーを脅す予定、その結果ランサーとセイバーに敵視されますがホメロスはむしろランサー脱落に期待感を寄せそうです
※医者はホメロスとシャアに取り入って同盟を申し込む可能性もあります、またまりなに医術的時限装置を暴露して絶望させる可能性もあります

1513名無しさん:2022/03/03(木) 19:22:59
>>1494
カイトとオービタルを失ったココアは少なからずショックを受けていた。
ココアは決して聖杯戦争を侮っていたわけではない。だが固い結束で結ばれた友人が散ったという事実はあまりにも重い。
現実を受け止めるまで本来なら相当な時間が掛かるだろうが、これは聖杯戦争。ココアが倒れてる間にも状況は進む。
ココアが目を覚ました時にはキャスターが居て、必死に何かを話していた。

話を聞く限り、キャスターは悪人じゃない。どちらかと言えば善良なサーヴァントだとココアは考えた。
追い詰められたキャスターが人形兵を数体召喚したのを見て、カイトの言葉が蘇る。

――――どんな過酷な運命でも諦めるな。俺は残酷な運命に抗い、かっとビングで乗り越えた男を知っている!

諦めない心。かっとビング。
あのキャスターは自分より圧倒的に強そうなサーヴァントに挑み、返り討ちにあっている。
だがその諦めない心は正しくかっとビングだ。

――――ココア……後はお前に託す。運命に屈するな……。チノや仲間と共にお前達の手でこの聖杯戦争を……悲劇の連鎖を止めてやればいい……

ココアはカイトに大切なことを託された。
運命に屈せず、チノや仲間と共に聖杯戦争を終わらせる。
今にも消滅しそうになりながらも、後を託そうとするキャスターを見て。今ならば再契約で助かりそうな命を見て――ココアは奮起した

「私、キャスターちゃんのマスターになる!」

チノのため。
カイトに託されたことを果たすため。
目の前で散りそうな命を救うため。
炭治郎とピーターの足を引っ張らないため。

ココアは再び、かっとビングする。

「私もキャスターさんのマスターになるから、みんなで聖杯戦争を止めたい。きっとそれがカイトさんの託したことだから!
それに私がマスターになれば、足でまといにならないよね!!」

「ワオ。それが君の生き方かい?小動物」

雲雀はココアの決意を楽しそうに眺める。これがこの小動物なりの生き延び方。そして覚悟。

「うん。私、諦めないってカイトさんと約束したから!」
「いいよ。君がそう願うなら、この聖杯戦争を終わらせてあげる」

意外にもココアに真っ先に賛同したのは雲雀だった。

「はい。絶対に聖杯戦争を止めましょう、ココアさん!」

炭治郎も賛成してココア&マズルカ、炭治郎&雲雀は同盟を組む。
ちなみにこの時、改めて自己紹介したことで雲雀はこの場にいる全員に真名が知れ渡った。マズルカは慎重に念話でココアのみに教えつつ、サーヴァントとして意味不明な行動に出る雲雀に困惑。

「よろしくね、マズルカちゃん!」

結局ココアが真名で呼んだことでマズルカの真名も知れ渡り、自分のマスターの行動にまたもやマズルカは困惑。

ピーターも再契約を止めはしなかったが、同盟に対する返答は保留。聖杯戦争を終わらせるということは、自分の願いを放棄することになるからだ。
誰もピーターの意志に文句は言わず、それでも成り行きとはいえとりあえずはココアを守ることに決めてくれたピーターに炭治郎とココアは感謝する。

「マズルカちゃん、炭治郎くん、雲雀さん。みんなで絶対に聖杯戦争を止めようね!」

ココアの目と心には、カイトという誇り高き決闘者の生き様が刻み付けられている。
だから彼女は諦めない。カイトは消滅こそしたが、ココアの中で根付いたその魂は決して潰えない。

――――キャスター、お前はお前の任務を果たせ。
 仮面野郎が創る世界よりは、マシだろう…。

ココアの決意に圧倒されて契約を結んだマズルカだが、バッターの最期の言葉を思い出して考え方を改める。
聖杯戦争を終わらせるということは自分の願いの放棄に繋がるが……心優しい彼女はココアの意志を尊重してそれを任務と決める。
自分の性格が聖杯戦争に向いていないということは、なんとなく気付いていた。
消滅しそうな時に頼んだ、戦争を起こそうとしている仮面のマスターとセフィロスを倒してほしいという願いもまたマズルカの本心だ。

「かっとビングだよ、マズルカちゃん!」

この後マズルカはココアからかっとビングという言葉の意味を聞いた

1514名無しさん:2022/03/03(木) 19:24:14
春花はアーチャーを倒したというのに、複雑な心境だった
アーチャーが放った最期の一撃。アレを自分達に向けて撃てば勝てる可能性だってあったのに、何故か彼は乱入者に攻撃した。
そもそもアーチャーはドラゴンでマスターを狙うことすらなく、彼らはサーヴァント同士で競い合っていた。
カイムはココアを殺すための術こそ教えてくれたが、直接的にココアを狙うことはなかった。

カイトが誇り高き決闘者であったように、カイムもまた気高き戦士。
二人のサーヴァントに敬意を抱きつつ、春花には迷いが生じていた

気絶したココアを殺さなかった理由は自分達ではなく、乱入者を狙ったカイトに対して敬意を払ったのもある。それにココアがサーヴァントを失ったというのも大きい
だが再契約というシステムがあるのにココアを逃した最大の理由は、春花の中に迷いが生じたからに他ならない

アーチャーは自分の運命を諦めるなと言っていたが、春花とカイムの運命はとっくに終わっている。
だから春花は運命を変えるために聖杯に頼ることを選んだ。
一方でカイムはカイトと交戦したことにより、カイトのような気高き戦士と殺し合いを楽しむという願望が生まれた。
今更聖杯に願うことはないが、カイトとの殺し合いはカイムにとって楽しかったから。

春花が行く宛てもなく彷徨っていると、半グレを引き連れた相馬の姿を偶然発見。何かを企んでいるようなので隠れながら様子を伺う。
彼は造船所へ行き、制圧すると飛空挺をどこからともなく現した。
ココアに対する煮え切らない気持ちが拭いされない春花は相馬と戦い、飛空挺でムー島へ行くことに決める。
ムー島ならば自分の覚悟が揺らいでしまいそうなココアと会うことはないだろう。

それに今回の相手はココアのような優しい人間じゃない。むしろ戦闘に乱入をして漁夫の利を得ようとした悪辣な輩だ。
今の春花は善良な人間に対して少しでも躊躇してしまいそうな精神状態だったが、相手があの乱入者ならばその心配もない。
他の主従を殺害することで覚悟を改め、聖杯を手に入れる。聖杯戦争を勝ち進むために情や優しさはこの戦闘で捨て切る

カイムも先程の乱入者には思うところがあったのか、剣を構えて攻撃を仕掛ける。
情によって覚悟が揺らいでしまったマスターと他のサーヴァントによって殺し合いの楽しさを思い出したセイバーの戦が始まる

1515名無しさん:2022/03/03(木) 19:41:08
>>1513 その後

マズルカ「マスター、あまり人前で真名を呼ばれるのはちょっと…」
ココア 「わかった!じゃあルカちゃんだね!」
マズルカ「…まあそれなら」
炭治郎(いいんだ…)

1516名無しさん:2022/03/03(木) 20:41:20
>>1502
チノの窮状を知るや否や炭治郎(と雲雀)が外へ出て行ってしまった
もう夕方であり今から向かっても間に合うとは思えないが、それでも彼のような全力で物事に当たる人物には多少なりとも好感を抱くキャスター・マズルカ
本当なら自分も一緒に行きたいところだが、自身の不調や再契約したばかりのキャスターも本調子ではなく、本来関係のないはずなのにチノの事を心配してくれる炭治郎に託すことにしたココア
炭治郎の行動力には驚かされ、しかもココア達のことを任されて困惑するものの、根が善良なためやはり彼女達を放ってはおけないピーターと巧
4人は炭治郎が去ったあと、チノ関連とは異なる情報についてそれぞれ交換を始めた

ピーター達は主に軍事基地での出来事を語った、ギャング達の暴動を鎮圧していたところに巨人が現われて、ランサー達と共闘したがその主従を殺されてしまい巨人も逃がしてしまった、だから巨人を許せない、と
ココアは春花達について語った、まるで姉妹のように仲が良かったが互いにマスターであることが分かってしまい、次に出会ったら戦うことになってしまったと
春花は明確にココアを殺そうとしたが、ココアはそんな彼女を止めたいと思っている。
この時に相手セイバーや竜についても語り、一緒に戦った天城カイトについても色々な事を教えてくれた仲間であることを伝えた
マズルカはランサー組と同盟を結んでいること、虎杖というマスターと敵対していたが知らないところで殺されていたこと、そのサーヴァントが緑の怪人であり交戦から得られた特徴を伝えた

マズルカの最後の説明について、ピーターは驚愕の顔を浮かべて彼女にもっと詳しく聞こうと詰め寄った
話を聞けば聞くほど、それが最愛のメイおばさんを殺したグリーン・ゴブリンではないかと確信を強めていた

1517名無しさん:2022/03/03(木) 20:48:10
>>1512
「関さん……!?」

木場やチノを心配して大声をあげていたおっこの声が急に途切れた。
頸動脈を切り裂かれ、首から血を流しながら倒れ伏すおっこ。それがチノとまりなちゃんを守った後に木場の見た光景で、動揺する。

まさか殺された?
血塗れのメスを持つ医者を見て、木場は自分達が騙されていたことを確信。
騙された挙句に大切な仲間を失い――かつて木場の仲間である海堂や長田を襲った悲劇を思い出し、木場は絶叫する。

「うわああああああ!!」

大切な仲間を殺された木場は激情に駆られる。
そして激情に駆られたオルフェノクは激情態という形態に変化する特徴を持つ。木場もまた激情態を持つオルフェノクの一人であり、ホースオルフェノクが激情疾走態に変化。
ロクに動かすことの出来ない肉体を気力だけで動かし、全力で疾走すると医者を突き刺そうとする――が、かすり傷に終わる。


これが万全の状態の木場ならば殺し切れたのだろう。
だがパンプキンボムによるダメージで弱っていたこと。おっこを殺した医者が、彼女と契約していたサーヴァントによる襲撃も想定していたこと。
そしてなにより薬によってパワーアップしていたこと。様々な要因が重なり、激情のままに繰り出された攻撃は大した成果もなく終わる。

木場はそこから更に追撃を加えようとするが、すかさずグリーンゴブリンがパンプキンボムを放ち、それを食らったことで瀕死になってしまう。
この時にはホースオルフェノクとしての姿すら維持出来ず人間・木場勇治としての姿に戻っていた。

「「「ライダー!」」」
「ライダーさん!」

マコト兄ちゃん、明さん、まりなちゃん、チノの声が重なる。
パンプキンボムのダメージとその爆風で吹っ飛ばされた木場は、偶然これまで出会ってきた者達の傍に転がっていた。
心配そうにこちらを見てくる彼らを見て、不思議と憎悪は和らいでいた。
いや。憎しみなんかよりも伝えなければならないことが、彼にはある。
だからもう視界もボヤけている中、木場は最期の言葉を口にする。

「俺に出来なかったことを……想いを、繋いでほしい……」
「ああ。ライダー、お前の想いは俺達が繋ぐ!」

マコト兄ちゃんが木場の手を固く握りしめ、力強い返事をしたことで木場は安心した。
結局彼は最期まで乾巧のようにはなれなかったが――その想いはきっと、繋がれていく

そして明さんの鋭い眼光が医者を突き刺す。
あの連携から緑の怪物とおっこを殺した女が主従だと即座に見抜き、みんなに伝えた

まりなちゃんはおっこと木場を殺した女と緑の怪物を睨み付け、ガラスを握り締める

【木場勇治(ライダー)@仮面ライダー555 死亡確認】

1518名無しさん:2022/03/05(土) 00:29:03
明確な認証は受けてないけど話の流れからして大丈夫そうなので仮投下>>870を本投下

「テメェ…とっととそこから降りてこい外道ッ!」
「ハッ、口の利き方には気をつけることだな、ランサー。さもないとうっかりこのガキを殺しちまいそうだ」
「クソッ…!」(これじゃあ身動きも取れねぇ…どうすればいい?!)

「キサマ…俺とコイツの戦いに水を差した行為、万死に値するぞ!」
(待て、セイバー…今のうちだ、ランサーを討て)
(なっ、そんな姑息な真似は許さないぞ!!)
(いつまでもランサーを仕留められず無駄に消耗している貴様にそんなことを言えた義理はない!!)
(ふざけるな!さすがにその命令は聞けない、この好敵手は俺自らの手で打ち倒してやる、マスターは黙ってろ!!)

(…このクソセイバーがッ!!こうなったら、令呪を使ってでもランサーを討ち取らせるか…?)
「ねぇ、そこの軍人さん。あなた、いつまでそこのお花畑を潰さないでいるのかしら?」
「それに隣の政務官も。聞き分けのない子供には現実を突きつけてあげなくっちゃ」
「キミみたいな手慣れた殺人鬼には言われたくないな。それに、私は無益な殺生は好まない」
「あら、生温いわね。これは聖杯戦争、願いを賭けて殺し合う儀式。いい子ぶっている方が狂っているわ」
「でも、軍人さんの方には見込みがありそうね。どうかしら、私達と一緒に手を組まない?」

1519名無しさん:2022/03/05(土) 01:16:06
おっこを殺した女が手にしているメス。
最小限の攻撃で首を切り裂かれていきなり死亡したおっこ。
悪質な手段で相手を嵌めるやり方。
そしておっこを殺された今となってヒシヒシと感じる、ゲス特有の雰囲気

「……あは。どうして気付かなかったんだろ……」

まりなちゃんはおっこを殺した女に心当たりがある。
姿形や声は違っても、性格や武器は変わっていない。

「まりなさん……?」

女に対して憎悪を向けるまりなちゃんを心配して、チノが声を掛ける。

おっこが死んだ。
ライダーも死んだ。
チノとマコトだけが生きている。
だからまりなちゃんは二人だけでも助けるために――一人にならないために自分に出来ることをする。

「その女が医者!まりなとアーチャーを利用して宿を襲わせた犯人!!」

まりなちゃんの叫びはシャアやホメロスを含め、全員に届いた。
医者だけは許せないから、精一杯の大声で叫んだ。

「あいつさえいなければ、おっことライダーは死ななかったはずなのに……!」

許せない。許せるはずがない。
どうしておっことライダーを殺したの?
どうして大切な人を奪っていくの?

本来ならあの医者を相手にするなら色々と策を練るべきだろうが――考えるより先に体が動いた。感情が肉体を突き動かした。
まりなちゃんは全力で走って、手に持ったガラスで医者に襲い掛かる。
怒りと憎しみで満ちた心によって思い切り握られたガラスはまりなちゃん自身を傷付けて、血が流れるが関係ない。

「おっことライダーを返せよ!!!」

大切なモノを奪った悪魔を殺すために――少女は因縁の相手へ刃を向ける

1520名無しさん:2022/03/05(土) 04:02:26
>>1519
「うわああああ!」
医者に尖ったガラスの破片を突き刺そうと走るまりな
「まりなさん!?」チノが危険人物に向かって走るまりなに驚いて声をかけるが止まらない。
医者は愉快気な表情でそれを見ている
「こっちにいらっしゃい」とでも言うかのように両腕を広げて笑みをうかべている
そしてまりなの刃が医者に届くかというとき
医者は片手を手刀の形にして振り上げた。
まるで、親が子を叱るようなビンタか、友達同士がじゃれあいでチョップをするような体勢
しかしその腕には異様な血管がビキビキと浮き上がっており、
腕のシルエットもか細い女の細腕だったものが筋肉が膨れて膨張していた。
医者が自身の体に打ち込んだ擬似禁薬の効果だ
医者は手刀を振った。その増強した力の一撃は、少女の首など一撃で折りかねない!
「さようなら」
医者が手刀を振った!しかしその手は空振りに終わる。
ブンッ!と人間の振った腕が出すとは思えない風切り音が鳴っただけだ。
突如横から乱入してきた少年が、前のめりになりながら、まりなを抱きかかえて横飛びに転がったのだ
その拍子に少年、竈門炭治郎は、まりなの持っていたガラスで頬をわずかに傷付けた。
しかしそんなことなど構わず、炭治郎はおっこ殺した下手人を睨みつける。

グライダーで飛翔しながら、歯噛みするランサーを眼下にいい気分になっていたグリーン・ゴブリン
しかしその背後から、何者から空中に足場を置きジャンプするように飛んできたのを、
夕焼けの散乱光から生まれる影から察知した。
「何ィ!?」
すぐさま、胡桃を盾にするように振り返る。
だが背後からの襲撃者は直前に回転とびの要領でグリーンゴブリンの頭上を通り抜け、
空中で体を捻り、がら空きの背中に一撃を叩き込んだ
「グエッ!」
人質の少女が落下する!
「胡桃ィ!」
ランサー・宮本明が闘っていたセイバー・ハドラーを放って全力ダッシュ。
セイバーはその背にわざわざ追撃を繰り出そうとせず、
そのセイバーの態度にマスターのハドラーはまたもイラつく。
ランサーは胡桃が地面に激突する前にキャッチした。

「君がテロ事件を起こした小動物だね。」
「何だテメェは!!!」
「君はここで噛み殺す。」

グリーン・ゴブリンはお楽しみを邪魔したアサシン・雲雀恭弥を敵と見定め、
グライダーに取り付けた機関砲を斉射した。

2人がムー島に到着した時には既に戦闘が始まっており、おっこ達が殺害された直前のパンプキンボムの爆発音が聞こえてきたところだった。
アサシンは炭治郎の服やら腕やらを引っ張ってサーヴァントの跳躍力ですぐに移動、
途中で医者に特攻するまりなと、胡桃を抱えるグリーン・ゴブリンを目撃し、
炭治郎はまりなの元へ、雲雀はグリーン・ゴブリンの元に建物の間を駆け上がりったりロールを足場にしたりしながら接近していた。

1521名無しさん:2022/03/05(土) 16:35:05
(仮投下修正したもの。自分とチノに攻撃の矛先が向き、まりなと逃げるように促すライダー)
>>1518の続き
◆◆◆◆◆◆◆

突然の乱入者による半ば強制的な戦闘中断、またシャアの戦闘停止が起因となってバーサーカー・エレンの狂化が発動、チノの元にまで後退したクリミナル・深海マコトを無視して胡桃をキャッチしたランサー・宮本明に襲いかかる。
ちなみにバーサーカーはシャアの方針でチノ達は狙わずにサーヴァントを倒すのは合意していたが、胡桃とランサーは勘定外でありなおかつ狂化の度合いが増したため二人をまとめて潰すつもりである。
一方、ランサーは胡桃を抱えているためまともに戦闘はできず、何とか攻撃を躱しながら逃げるために動き出す。

ランサーとの戦いが有耶無耶になってしまったセイバー・ハドラーは、バーサーカーの暴走にも腹を立てていた
更に重ねるように、ホメロスが令呪で「クリミナルとそのマスターを速やかに殺せ」と命じてしまう
マスターの蛮行に激怒するセイバーだが、令呪の強制力には逆らえずにクリミナルに刃を向けた

バーサーカーの暴走やホメロスの行動に「やめろ!」というシャアだが、ホメロスはシャアにも剣を突き付ける
あの女の言う通り生温い、これは戦争だ、敵を倒さねばいつまでも終わらない、お前も聖杯に託す願いがあるなら黙っていろ、と鬼の形相でホメロスは抑止しようとするシャアを牽制した

◆◆◆◆◆◆◆

武人のような風格のあった男が、マスターへの怒りを顕にしながら自分とチノに襲いかかってきた。
ライダー・深海マコトはセイバー・ハドラーの攻撃をディープスラッシャーで受け止め、真意を問う。

「どうした?何があったんだ、セイバー!?」

それに対してセイバーは自身がホメロスの令呪で強制的に動かされていると答えた。
セイバーとしても好敵手であるランサーを自らの手で打ち倒したかった。バーサーカーの暴走も想定外で、彼としても獲物を変えてクリミナルやそのマスターを襲うことは不本意。

ちなみにこの際「速やかに」という命令だったのに即宝具を使わなかったのは、ハドラーが対魔力により多少は令呪に抗っているからである。
それでも対魔力Bのセイバーでは限界があり「速やかに」という部分のみに対する反発に収まっている。

なかなか宝具を使おうとしないセイバーに苛立ったホメロスは重ねて命ずる。宝具を使え、と

令呪を二画使われたことでセイバーの些細な抵抗すらも許されず、超魔爆炎覇を使う。

「目を覚ませ、セイバー!」

ゲンカイダイカイガン!ディープスペクター!ギガオメガドライブ!

ディープスペクターも必殺のライダーキックを繰り出し、激突の末に両者の痛み分けに終わり、吹っ飛んだディープスペクターにチノが駆け寄る。
だがこの状況では逆にチノの身が危ない。戦闘中の自分の傍にいればセイバーの攻撃の流れ弾で傷つきかねない。
念話でチノに、まりなと逃げろ!と伝え、ディープスペクターは木場に託された想いを繋げるため、不屈の闘志で立ち上がり再び戦闘態勢に入る。
対するセイバーも吹っ飛ぶが、ホメロスから罵声を浴びせられながらも立ち上がる。

そしてその一瞬。セイバーが吹っ飛ばされ、ホメロスの注意がセイバーに向けられたその一瞬をシャアは見逃さない。

ランサーと戦っていたバーサーカーを自分とホメロスの間を割って入るように令呪で呼び出し、更にホメロスを狙うように令呪で命ずる。
ホメロスとは元から相性が悪かったし、今ならばランサー、クリミナル、アサシンと手を組む好機である。
少女達の命を奪わずにも済む。この機会を見逃す手はない。
突如ワープしてホメロスを襲おうとするバーサーカーをランサーは、胡桃を抱えながらハァハァと荒い呼吸をしながら眺めていた

1522名無しさん:2022/03/05(土) 16:36:33
>>1520の続き、>>1521とほぼ同時(令呪カット、細かい位置情報消し、呼び方ちょっと変えた)

◆◆◆◆◆◆◆

異様に筋肉が膨張した女を炭治郎は一瞬、鬼だと錯覚したが匂いで彼女が人間であることに気付く。
しかし相手が人間だろうが関係ない。鬼にも良い鬼はいるし、人間にも悪鬼はいる。

「関さんとライダーさんは……」
「2人は……死んじゃった……。あいつが……医者がおっことライダーを殺した……!!」

関織子とライダー。
心優しき2人の死に炭治郎は歯噛みする。
目の前の人を皮を被った人間が悪鬼なら、木場は化け物の皮を被った人間だ。
関織子とライダーは死ぬべき人じゃなかったと炭治郎は心から思う。
目の前の、愉悦の笑みで人を殺す人間は、もはや無惨が生み出した鬼と何も変わらない。炭治郎はそう判断した。

「君は危ないから下がってて。この悪鬼は俺が斬る!」

日輪刀を構え、炭治郎は医者と対峙する――が医者は彼の正義感を嘲笑い、まりなを優先して狙う気はないと言う。
何故ならまりなには時限爆弾式に死ぬ手術を施してあるから、と。

「………お前、何を言っているんだ?」
「あはは、簡単に言うと〜彼女は残り数時間で死ぬ、ってこと!」
「ッ!!この子の体を元に戻せ!!」
「アハハ。お願いなら地面に頭こすりつけて土下座したらぁ?」

関織子と木場の死も。
まりなの決意も。
炭治郎の勇気も。
チノの優しさも。
マコト兄ちゃんの想いも。
なにもかも無駄で、そこの少女は直に死ぬと嘲笑う

「……あは」

それでもまりなは、誰よりも自分に残された時間が少ないことを悟っていたから。
だから彼女は余命宣告に怖気付くことなく、僅かに残された命の灯火を燃やす。
手に割れたガラスの刃物を握り締める。

――俺に出来なかったことを……想いを、繋いでほしい……

木場の最期の言葉を思い出す。
想いを繋ぐ。まりなにはその言葉の意味を理解することは難しいけど……友達をこれ以上巻き込まないために炭治郎に並び立つ。

死んでもまりなは一人じゃない。おっこやライダーも一緒だ。
だからみんなを守るために、ちゃんと医者を殺さなきゃ。

◆◆◆◆◆◆◆

殺意を高めて覚悟を決めたまりなの腕を引く手があった。
まりなが振り向くと、そこには泣きそうな顔をしたチノがいた。
「ここから逃げましょう。まりなさん。」

まりなは困惑した
なんで?なんでチノはそんな事を言うの?
ライダーもおっこも殺された。その仇が目の前にいるのに逃げようなんて。
木場さんも言ってたでしょ。想いを繋いでほしいって。今がその時なんだよ。
どうせあたしはこいつに殺されるだろうけど、そのスキにあのサムライみたいなお兄さんが医者を殺してくれるかもしれない。
だから

「まりなちゃん、香風さん。ここは俺に任せて逃げて!」

炭治郎は医者に向かって駆け出しながら、
各々の主従や戦闘地点から離れており、なおかつ医者が標的をまりな達に向けても自分が対応できる方角を指さした。

想いを繋ぐ。
それは憎しみや恨みを次に引き継ぐということではないはずだ。
誰かに理想を託し、未来へと希望を繋げる、そういう意味で、きっと木場はその言葉を残した。

炭治郎は医者と戦闘を始めた。
医者を拘束し、無理やりにでもまりなを治療させる。
無謀にしか思えない方法だが、それしかまりなを救う方法はない。

(ここまで)

1523名無しさん:2022/03/05(土) 16:51:10
(>>1521は一応、医者とゴブリンに炭治郎と雲雀が立ち向かっているのを確認したうえでそれらからも逃げるよう促してるという感じで脳内補完を願います…。)

1524名無しさん:2022/03/05(土) 16:54:06
>>1522

炭治郎はおっこを殺した殺人女を止めようと接近する、ただし人を殺めるつもりはなく逆刃で叩くつもりだ
しかし疑似禁薬によって炭治郎の動きにも対応できるようになった医者は、彼が接近する前に隠し持っていたパンプキンボムを投げ込んだ
咄嗟に爆弾と判断した炭治郎はそれを回避するが、それは爆発しなかった
実は相手を騙すための爆弾もどきであり、炭治郎がそれに気付いた時には接近していた医者が炭治郎を蹴り飛ばし、遠くの建物まで吹っ飛ばされた
だが医者は追撃することなく、大声で叫ぶ

「今すぐ撤退よ、アルターエゴ!」

令呪一画が光輝いて消えたあと、アサシンと戦っていたゴブリンがマスターの元へ転移する
実は令呪を使用する前に医者はゴブリンと念話で話しており、シャアとホメロスのいざこざから戦況が変わりいつまでも居座るのは不味いと判断したのだ
手筈通りに医者を改修したゴブリンはグライダーを全速力で飛ばし始める
突然逃げ始めた緑の怪人達をアサシンは執拗に追いかけようとしたが、ゴブリンが放った手裏剣とボムに阻まれて捕まえることは叶わなかった

1525名無しさん:2022/03/05(土) 17:00:48
>>1520
機関砲の弾丸をたかだかトンファーで弾き落とすアサシンという暗殺者のクラスにあるまじき脳筋戦法の化け物を見て、グリーンゴブリンは「お前本当にアサシンか?」という感じの質問をする。

「アサシン?知らないな。僕は並盛中学の風紀委員長だよ」

並盛中学の風紀委員長。何故か勝手に個人情報を教えてくれた雲雀にグリーンゴブリンは名前を問う。
よくわからないやつだが、個人情報をここまであっさり教えるなら真名も教えてくれそうだと考えたのだ。

「雲雀恭弥だよ。そんなことを知ってどうするの?」

グリーンゴブリンは自分から真名を教える特大級の馬鹿を内心嘲笑うが、雲雀が猛攻に出る。

「じゃあ続けようか」

孤高の浮雲はなにものにも囚われない。
それゆえに聖杯戦争の常識にも囚われず、堂々と真名を口にする。

理解不能なイカれた存在にペースを乱されつつも、グリーンゴブリンは応戦して>>1524に至る
逃走こそ成功したが最後に放った手裏剣とボムもあっさり対処されて、雲雀恭弥という男の凄まじさを知るが同時に医者とグリーンゴブリンはアサシンの真名や並盛中学の風紀委員長という情報を持ち帰ることに成功した

戦闘結果だけ見れば雲雀は大した負傷もなく、グリーンゴブリンの方は多少のダメージを受けた
しかし情報を得て逃げることが出来ただけでも、グリーンゴブリンにとっては成果として十分だ

1526名無しさん:2022/03/05(土) 17:03:29
>>1524に追加

戦場から見事脱出した医者とゴブリンはグライダーで移動しながら今後の方針について話し合う
今回の乱戦で色々な情報を得ることができたが、一番の問題はセイバー組以外の四組が仲良く結託する可能性を危惧していた
このままでは多勢に無勢、いくら暗躍しようともいずれ追い詰められるかもしれない
ならば、と二人の乗るグライダーは前進を続ける
このままレムリア島に向かって心機一転、新たなヴィランと同盟を組んで対抗せねば

1527名無しさん:2022/03/05(土) 18:50:33
>>1521の続き

ホメロスがセイバーの方に気が向いた僅かな隙に、シャアは令呪を使って巨人を呼び戻す
さらにシャアが自分を狙うよう令呪を重ねてたことにより、ホメロスがどんな行動をとるよりも早く巨人の拳が先に動き出していた
呪文を唱える時間などなく、剣で斬りつけようとも防御しようとも圧倒的質量には無意味に等しい
たった一瞬で自分が窮地に立たされたことも何かを思い浮かべる暇もなく、ホメロスは迫り来る暴虐に対して目を閉じてしまった

…だが、いつまでたっても衝撃は来ない
恐る恐る目を開いてみると、セイバーがバーサーカーの巨拳を押さえていた

「な、なぜだ…なぜ、私を助けた!?」
「全く、なぜだか俺にも分からん。横暴を振るい騙し討ちばかりを指示する小悪党なぞ、俺にとっては大っ嫌いな存在だ」

攻撃を止められたバーサーカーは拳を一度引っ込め、今度は両腕でセイバー諸共ホメロスを葬ろうとする
だがその殴打の連発をセイバーは防ぎ続けている

「だがな、どうであれお前が俺のマスターだ。今回の闘争に喚んでくれたことだけは感謝している、それでいいだろ」
「なっ…!?」
「だが、正直言うと長くは持ちそうにない。だからお前は今のうちに遠くへ逃げろ!」

今のセイバーは「クリミナルとそのマスターを殺せ」という令呪の命令に縛られている、それを対魔力と意地で無理矢理無視してマスターのために盾となっているのだ
その代償として本来の力が出せなくとも、想像していた戦いが望めなくても、戦士として召喚してくれたマスターを全力で守ろうとしているのだ

「…セイバー、もう少しだけ耐えてくれ、私がなんとかする」
「くっ、とっとと逃げればいいものを…だが、任されたからには応えてやるさ!」

バーサーカーは両腕を硬質化させてさらに殺傷能力を高める、それでもセイバーは攻撃を捌き、躱し、防御してホメロスには一歩も触れさせなかった
だが全力の巨人の猛攻を受け続けていれば、全力を出せない超魔生物とて徐々に押されてしまい、その猛威はホメロスにも迫っていく
やがてその均衡が崩れそうな時、ホメロスは呪文を唱え終えて言い放った

「ドルモーラ!」

放たれた闇の魔力はバーサーカーの頭部へと飛翔し大爆発、神秘による上位呪文では対魔力を持たないエレンはもろにダメージを受けてしまい、半ば頭部が欠損した状態で倒れてしまった

「バーサーカー!?」
「ハッ、随分と上等な呪文を使えるじゃないか、マスター」
「ああ、相手が対魔力を持たない狂戦士で助かった」
「さて、それじゃあ」

そしてセイバーはクリミナルの方に向き直して武器を構える
今でも令呪の効果は継続中だが、自身の必殺技『超魔爆炎覇』にライダーキックで対抗したディープスペクターに対して認識を改めて強敵と認めていた
マスターであるチノへの攻撃は自身の対魔力と気合いで押し留めて、クリミナルとの戦闘に集中しようとする

「待て、セイバー」

そこへ、胡桃を抱えたランサーが現われてクリミナルとチノ&まりなの方に合流する
ランサーはチノ達に意識のない胡桃を預けると、武器を構えぬままセイバーと向き合う

「俺との勝負はどうした、セイバー」
「…すまない、今の俺は令呪に縛られている、そいつと戦わなければならない」
「そうか、なら仕方がない、俺はお前を止めるために動くぞ」
「構わない、とても不本意な戦いになるが、それでも俺は全力で戦わせてもらうぞ!」

「…いや、もういい」
「令呪でもって命ずる、『お前の好きなように、存分に闘え、セイバー』」
「「「!!!?」」」

それはホメロスから発せられた不意な命令であり、今にも衝突しそうだった三騎の英霊たちはあまりの出来事に一瞬動きを止めてしまう
さらにセイバーはそれまで味わっていた束縛感から解放され、むしろ力が漲る感覚を覚えていた

「これはどういうことだ、ホメロス!」
「言葉通りだ、セイバー。ランサーと一騎打ちだろうとなんだろうと構わん、ただお前が最強であることを示せ」
「…感謝するぜ、マスター。ならば、この二騎のサーヴァント相手を打ち倒して名誉挽回させてもらうぜ」
「ふん、勝手にしろ」

「いいのか、俺はタイマンでお前と勝負を着けたかったんだが」
「ふん、甘く見くびられたものだな。かつて魔王と呼ばれた俺と戦うなら、二人でかかってこい」
「…わかった、セイバー。その信念に敬意を表して、俺も全力でアンタと戦おう」

「我の真名は“ハドラー”、魔王軍の一員として勇者達と敵対した魔王の端くれだ、その脅威をお前らにもしらしめてやる!」
「“宮本明”だ、今まで戦った吸血鬼共の中にはお前みたいな武人とも相まみえた。今度こそ決着をつけるぞ、ハドラー!」
「俺は“深海マコト”、仮面ライダースペクターだ。マスターを守るため、木場の意志を繋げるために、俺は戦い抜く!」

◆◆◆◆◆◆◆

英霊三騎が激突するその前後、シャアはバーサーカーに三画目の令呪を使いホメロスへの攻撃を中止させ、戦意なく佇むホメロスの傍に近寄った

「どうして、あんなことを」
「…もうすでに趨勢は見えている。乱入者共に場を荒らされ、お前に裏切られて、あの医者という女にも逃げられて、私一人が虚勢を張ったところで事は上手くいかないだろう」
「………」
「だからせめて、セイバーの願いでも叶えてやろうと思った、それだけだ」
「そうか」
「そういうお前こそいいのか、私を殺さずに放置しといて」
「言っただろう、無益な殺生は好まないと」
「ふん、そんな余裕でいられるのも今のうちだけかもしれんぞ」
「と、いうと?」
「我が最強のセイバーならばあの二騎を同時に相手しても倒すはずだ、そのときはお前ともまたやりあうかもしれん」
「ふっ、その時はその時さ」
「…やはり貴様はいけ好かないな」

※ホメロスもシャアも令呪を三画使用しました

1528名無しさん:2022/03/05(土) 19:41:30
>>1527
木場の想いを一身に受けて、ディープスペクターは果敢に戦う。
チノとまりなちゃんはそれを二人で眺めていた。
自分達に託し、散っていった木場の想い。おっこの無念。
そしてチノとまりなちゃんの希望。

まりなちゃんが見ているマコト兄ちゃんの背には憎悪などなく、代わりに熱い想いが乗せられている

「散っていった友のため。今を生きる少女達のため――俺達は負けん!」

1529名無しさん:2022/03/06(日) 08:24:50
>>1526続き

「どこに行くつもりだい」
「ああ!?しつけえ野郎だな!!」

グライダーで飛行してちょうどムー島の「へり」から飛び立とうとしているグリーン・ゴブリン。
だが雲雀が『雲のブレスレットVer.X』の形態変化状態で屋根を飛び越え、雲ハリネズミを足場にし、ゴブリンに接近していた。

まだ多少距離が開いているが、雲雀は後端からチェーンブレードのついたトンファーを振り回している。
武器に付属の鎖などがこの距離で届く筈がない、筈だが。
「爆弾で吹き飛ばしなさい。」
医者は嫌な予感を感じてゴブリンにそう指示を出す。
ゴブリンも従い、精一杯の爆弾を出して雲雀に向かって放り投げる。
しかし雲雀はそれを、雲属性の炎の力で異様に長く伸びたチェーンブレードを振り回して迎撃する。
既に見た攻撃だ。どこぞのボム使いのようなトリッキーな攻撃ならともかく、この程度の攻撃、雲雀の戦闘センスなら簡単に対処できる。

そのまま雲雀はトンファーを奮い十分に伸びたチェーンブレードをゴブリンに向けて振るおうとしている
「令呪で命じる!逃げ切れアルターエゴ!!」
医者は令呪を発動し、ゴブリンの操るグライダーは異様な加速と方向転換を行い、チェーンブレードを掻い潜った。
ゴブリンと雲雀の距離が更に開く。だが雲雀は追うのをやめない。空中を飛びながら更にチェーンブレードを伸ばして再び攻撃しようとする。

だが雲雀は下に飛空艇がいることに気付く。
グリーン・ゴブリンの攻撃で雲雀に当たらなかったボム。それが下の飛空艇に着弾しそうになっていた。
それは雲雀が乗ってきた飛空艇。甲板には怪訝な顔で上空を見上げる不良少年と数人の乗組員。
「…くっ」
雲雀はやむなく下方向に雲ハリネズミを蹴って跳躍。着弾前に爆弾をチェーンブレードを切断し空中で全部爆破させた。
「うわー!?」「なんだ!?」「敵襲か!?」
甲板上で驚き騒ぐ飛空艇の乗組員たち。雲雀は霊体化していないが船の側面の凹凸を掴むように張り付いているため見られてはいない。
だが、ゴブリン達の方向を見ると巨大な雲が流れており、敵はそちらに潜って隠れたようだった。
自分も雲に潜り虱潰しに探すか、それとも目的地であろうレムリア島まで走って渡るか考えたが、
雲の中に潜った敵がムー島に引き返す可能性や、流石に元々飛行に特化していない自分では到着までに炭治郎の魔力が保たない可能性があると考え、
雲雀は不本意ながらムー島に一旦引き返すことにした。
雲の守護者が雲に阻まれる。なんと皮肉なことか。

令呪の効果はすぐに切れ、通常速度に戻ったグライダーに運ばれながら医者は考える。
医者はアサシンの思わぬ執念深さに令呪を短時間に2画消費してしまったことについて惜しいと思った。
しかしこのアルターエゴには残りの令呪の数など大して意味はないだろう、とも考えている。
当然、最後の令呪を使うような状況は避けたいが、そもそもこいつはマスターが気に入らなければ令呪の画数に関わらず切り捨てるのだ。
それに客観的に見て自分以上にこの外道と合う奴はおそらくいないだろう。
こいつも聖杯を欲している以上、安易に切り捨てに走る真似はしない。そう医者は考えている。

令呪よりも問題なのは負傷だ。
先ほど令呪を使った時に無茶な挙動により医者の体に強烈なGがかかった。元の体だったら間違いなく即死していただろう。
劣化版の禁薬で強化した体ではギリギリ耐えられた。ただしそれでも骨を何本も損傷した。
だがそれも自分で処置すれば治すのは容易い。いや、強化されたこの肉体なら放置していても時間はかかるが治るだろう。
他の主従との戦闘より自分のサーヴァントによる負傷のほうが大きいとは。医者はふぅとため息をついた。

1530名無しさん:2022/03/06(日) 08:32:25
チノとまりなちゃんが応援しているのは、マコト兄ちゃんだけではない。
共に戦うランサーのことも二人は応援していた。
特別何か繋がりがあるわけではないが、マコト兄ちゃんの仲間だからこそ共に戦うランサーのことも応援する。
それはセイバーを倒して、勝ってほしいという願い。

少女達の祈りはランサーに届き、彼の宝具である吸血殲鬼が発動される

無限に進化する力。
人間の可能性は、無限大だ

それを証明するかのようにランサーはディープスペクターと共にセイバーを徐々に追い詰めていく
相手が強力な化け物であり、仮面ライダーの助けがあり、少女達の想いがある。
ゆえに今のランサーは最高のコンディションを誇り、人間の身でありながら数々の化け物を屠ってきた宮本明という英雄の集大成とすら言える。

勇者と呼ぶに相応しいその男を最高の好敵手と認めたハドラーは遂に切り札を使う。

超魔爆炎覇。セイバーが誇る最強の必殺技に対して迎え撃つランサーの手段は――丸太、ではなく義手刀。

ザンッ!という音が鳴り響き、ハドラーは真っ二つに――されない。
だが確実に大きな負傷は与えており、同時にランサーもまた致命傷を受ける。
しかしどちらも決定的な致命傷にはならず、その存在を保っている。

だがランサーはこの化け物を倒すには自分の攻撃だけで足りないことを察していた。
だから本命の一撃――そのダメージを少しでも上乗せするために、丸太を投げる。

「魔王のお前に一つ教える!
――人間の可能性は、無限大だ!!」

ゲンカイダイカイガン!ディープスペクター!ギガオメガドライブ!

タケルがよく言っていた台詞を叫び、マコト兄ちゃんはギガオメガドライブを発動。
そしてディープスペクターの一撃をくらい、魔王は打ち倒された。
厳密にはライダーキックと丸太の協力技。
ランサーの投げ飛ばした丸太を、ディープスペクターの強烈な一撃でセイバーに対して杭のように叩き込んだ。
しかし強敵共と全力で戦えたハドラーには一片の悔いもなく、満足そうに消滅。

魔王は人間の可能性に敗れ、平和が訪れる

「ハァハァ……」

訪れるはずだった。

「胡桃……!?」

ランサーは吸血鬼のようになってしまった自分のマスターを見つめ――僅かな逡巡の後、胡桃に鋭い眼光を向け、義手刀を構える

【ハドラー(セイバー)@ダイの大冒険 死亡確認】

1531名無しさん:2022/03/06(日) 08:48:33
おっこを殺した殺人鬼をみすみす逃がしてしまい自分の至らなさに歯噛みする炭治郎
だが今はチノ達の無事や見知らぬ少女(胡桃)の安否を確認するために体中の痛みを耐えながら駆け寄った
(この時シャアはホメロスの傍にいるため、チノ達とは距離を取っている)
(またハドラー、宮本明、深海マコトは激闘中、エレンはシャアの近くにいる、雲雀はゴブリン達を追いかけたためだいぶ離れている)
チノに怪我はなくむしろ自分の心配をされてしまい、まりなは医者達に相当な憎しみを抱いていたが炭治郎を傷つけてしまったことに謝ってくれた
二人の無事を確認して、目が覚めない少女にも怪我がないことに安堵した炭治郎は英霊三騎の激闘を見守っていた

そして戦闘が終結する頃

「…ぁぁ、ううん…」
「キミ、大丈夫か!?」

見知らぬ少女がついに目覚めそうになったため、炭治郎は覚醒を促すために声をかけた
やがて意識を取り戻した少女は横になった状態からゆっくりと上半身を起こした

「大丈夫?どこか怪我はない?」
「…あーーー」

胡乱な目をした少女は声を掛けた炭治郎の方に顔を向けて、やがて彼に倒れ込むように身を寄せた
突然の出来事に若干赤面して驚く炭治郎だったが

ガブリッ!

喉元を、少女の強力な顎によって抉られてしまった

◆◆◆◆◆◆◆

時は遡って、医者達が胡桃を騙して無力な状態にしたあと

「ハハッ!上手くいったな、マスター」
「ええ、順調ね。このまま向こうにいって演技を続けるから、手筈通りによろしく」
「了解。だが、その前に」

グリーン・ゴブリンは『狂気を生み出す禁薬』を手に取り、胡桃にそれを投与した
胡桃は先に投与された薬によって意識を失っている状態であり、数十分は目を覚まさないだろう
その間に邪悪な薬液が体内を巡り、彼女の細胞をより凶悪に変異させる
そしてゴブリンは動かないままの胡桃を抱えて戦場を荒らしに行く
もし仮に途中で彼女を手放してしまったとしても、彼女から生まれる凶悪な人格が後々に爆弾となって派手にやらかしてくれると期待しながら

―――医者とゴブリンは知らないことだが、ゾンビに噛まれて感染した胡桃にさらなる変化をもたらしていた
超人的な身体能力を与えると同時に、人を喰らう感染者特有の欲望を禁薬が増長させてしまった
意識を取り戻さないうちは何もできないが、意識を取り戻した時に彼女がどうなるかは医者もグリーン・ゴブリンもわからない

その果てに誕生するのは新たなる超人ヴィランか、ただ人を貪るだけの強力な屍人に成り果てるのか、はたまた、とある世界で「死徒」と呼ばれる化け物みたくなるのか

◆◆◆◆◆◆◆

胡桃は目の前にいた人間を一心不乱に貪る、命を奪う、冒涜を犯す
完全に不意を突かれた炭治郎には為す術がなかった、しかも首に穴を開けられては呼吸すらままならない
激痛で体が痙攣する、激痛で思考が鈍る中、チノやまりなに目で訴えかける

逃げろ、早く

この時炭治郎はチノ達が自身の妹達に見えていたかもしれない
けれども、唐突に始まった凄惨な猟奇を見せつけられたチノおよびまりなは足がすくみ動けなかった
炭治郎の想いは届かず、彼の意識は遠のいてしまった


【竈門炭治郎@鬼滅の刃 死亡確認】


あらかた炭治郎を食い終わり、食人鬼の視線は新たなる新鮮な獲物に切り替える
怯えて動けないウサギ達にその牙を向けるが、素早くやってきたエレンがチノ達を抱えて離脱したことで回避することができた
これはチノ達の異変に気付いたシャアが指示したものであり、進撃の巨人の頭を吹っ飛ばされて巨人化を解除したエレンが立体機動装置で移動、胡桃が炭治郎を食い終わるまでに少しの時間があったため彼女達の救出に間に合ったのだ
目の前のご馳走を奪われた胡桃はそれらを追いかけることはせず、今度はシャアとホメロスに向かって跳躍する

「…あは、あはははは!なんてすがすがしい気分なんだろう、私!」


【恵飛須沢胡桃@がっこうぐらし! 疑似死徒化】

1532名無しさん:2022/03/06(日) 09:48:55
>>1531
『雲雀さん……チノちゃんとまりなちゃんを守ってあげてください……』

炭治郎は雲雀に念話をする。
呼吸すら出来なくても、声を発することさえ不可能でも。唯一、自分のサーヴァントである雲雀とは会話することが出来るから。

『それと俺の代わりに、チノちゃんをココアさんの元へ送り届けてくれませんか……?』

炭治郎には果たさなければいけない約束があった。
姉と妹を再会させたい。今にも手放してしまいそうな意識を必死に繋ぎ止めて、炭治郎は雲雀に託そうとする。

『いいよ』

雲雀はいつものように軽く返事をして。

『小動物。――君の最期の願い、叶えてあげる』

雲雀は炭治郎の命が危ういことを感じ取っていた。
念話が途切れ途切れであることもそうだし、なによりこの小動物が無責任に他人に全てを任せるわけがない。

『ありがとう、ございます……。雲雀さんが仲間で……よかったです……』

炭治郎はサーヴァントではなく、仲間という言葉を使う。
それは雲雀を従者ではなく、共に戦う仲間だと思っているから。
そして雲雀に想いを託せた炭治郎は、息を引き取る。

「竈門炭治郎。君は本当に、あの小動物と似てるね」

死ぬ間際まで自分よりも他人を優先する、心優しい少年。彼の姿は大空を想起させる。

竈門炭治郎は死亡した。
しかし彼の想いはそれを託された仲間がいる限り永遠であり、不滅。
大空に内包された日輪は孤高の浮き雲を動かし――その存在は雲雀恭弥の心に刻み付けられた

1533名無しさん:2022/03/06(日) 10:45:19
ハドラーが消滅した後の、シャア達のいる場所に疑似死徒化した胡桃が飛び込んできた。
まるで吸血鬼のように様子のおかしくなっている胡桃に義手刀を構えたランサー・宮本明。
直後、胡桃は信じられない速度で跳躍して生身のままハドラーとシャアに飛び掛かった。

シャアはニュータイプの直感で異常を察知し、武人のホメロスはなんなく避ける。
ホメロスが剣を振るうが、胡桃は異常な身体能力で飛びずさり距離を取る。
「どうしちまったんだ胡桃!!」
ランサーの脳裏に、胡桃から聞いていた「かれら」の事が脳裏をよぎる。まさか、この聖杯戦争で病状に変化が?
「うるさいな。」
今まで聞いた事のない圧力のある視線と声をランサーにかける胡桃。
てっきり理性を失って暴れているのかと思った明は驚き絶句する。
いや、間違いなく正気ではない。ランサーに向けられた胡桃の瞳は白目も虹彩も血走り異様な光を放っている。
「胡桃!!さっきの奴らに何かされたのか!?」
「うるさいって。
 令呪をもって命じる。『これからは私に逆らうなランサー』。もう喋るな。黙れ。」
にべもなく明の発言を封じる胡桃。曖昧な令呪ゆえに拘束力は低いが対魔力の無いランサーには一先ずこれで十分。

胡桃は「かれら」の本能による強烈な飢餓感を抱いていた。
しかもグリーン・ゴブリンの禁薬で強化された体はエネルギーを多く消費し、飢餓感はより一層増していた。
あの少年を食いちらしただけでは足りない
先ほどみた少女達は実にうまそうだったが、この周辺に残るのはそれだけでリスクが多い。
「かれら」のように理性を失っていない胡桃は冷静に考えて、自分の食欲を満たすためにこの場を離脱する。
聖杯戦争?願いの為に戦う?そんな理想は飢えに支配されている今の胡桃にとってクソ喰らえであった。
むしろ、まだ利用価値のあるランサーに対しても、こいつがいるせいで他の主従に狙われるなら自害を命じていいとさえ考えていた。

「ついてこいランサー。」
ランサーに命令する。そして胡桃は超人的な速度でその場から走り抜ける。
先ほどの逆らうなという令呪の効果が未だ継続中なのに加え、そうでなくても異常な様子の胡桃から目を離すわけにはいかない。
ランサーは追う。消耗しているとはいえ油断するとサーヴァントである自分を引き離しかねない速度で走る胡桃に戦慄しながら。

餌を求める胡桃が向かった先。
偶然か、「かれら」の生前の行動を模倣する性質が今の胡桃にも現れているのか。
胡桃の向かった先は市街地ではなく、自分が通っていた学校だった。

1534名無しさん:2022/03/06(日) 11:06:25
ホメロスとシャアは戦闘終了後に、激しい戦闘音におそるおそるやってきた兵士に向かって指示を出した。

ホメロス「おい。店主はまだ拘束したままだな?」
兵士「は、はい。何か異常事態が起きていたようでしたので、処刑どころでなく指示を待っておりました…。」
ホメロス「…爆弾テロの真犯人が判明した。
      店主は無実であり、誤解による拘束であった。
      処刑は中止すると通達しろ。」
兵士「ははっ!」
若い兵士は恐ろしい公開処刑が中止になったことで安堵したようだ。
シャア「…すぐに解放しては混乱した民衆に何かされかねない。
    明日、誤解であったことを市内に広く通達した後、夕方に解放したまえ。」
兵士「承知いたしました!」

1535名無しさん:2022/03/06(日) 12:16:30
>>1530
自身の切り札でトドメを刺せず、逆にランサーとクリミナルの連携攻撃をもろに受けてしまったハドラー
強靱な超魔生物とはいえ超ダメージを受けてしまえば、その膝を地に着けさせるのも当然であった
さらには自らの闘志、自らの霊基すらも燃やして全力で戦っていたのだ、もはやボロボロの身体を維持することもままならない
それでも、かつては魔王として、今では人間の強さを認めている一人の漢は、負けたにもかかわらず笑っていた

「実に見事だった、宮本明、深海マコト」
「その人間を守ろうとする想い、アバンやダイにも引けを取らないお前達はこの世界の勇者に違いない!」
「いつまでも戦いたくなるような、心躍る最高の勝負だった、ありがとう、英雄達!」

そういってハドラーの身体が崩れ始め、光の粒子が次々と天へ昇り始めた

(ああ、ただ一つ…フォーリナー、お前とも決着を付けたかったな)

消滅する間際にこの世界での心残りを思い起こしながらも、全力を出し切った武人は潔く英霊の座へと還っていった

1536名無しさん:2022/03/06(日) 12:33:59
突如として狂ったランサーのマスター、彼女に従い悔しそうな表情でついて行ったランサー、それを追跡したバーサーカー。
そしてランサーのマスターによって殺された炭治郎。医者によって殺されたおっこと木場。

戦闘こそ終わったが、急に色々なことが起こりすぎて。色々な人を失い過ぎて、チノとまりなちゃんは涙を流す。
マコト兄ちゃんとランサーが敵と戦っていた時は、彼らの勝利を信じて素直に応援が出来た。
恐怖心よりも希望が上回り、見事二人はセイバーを打ち破った。

だがその後にいきなりランサーのマスターが狂って、炭治郎が殺されて。二人の少女には感情の整理が追い付かない

「君たち、なにやってんの?」

雲雀が到着したのは、全てが終わった後だった。
一通りの事情をマコト兄ちゃんから聞かされた雲雀は、炭治郎だったであろう肉片を見る。
あまりにも凄惨でグロテスクな血溜まりだったが、雲雀はそこから視線を背けない。
竈門炭治郎は怪物に食われながらも、必死に想いを託した。雲雀恭弥はその想いを受け、炭治郎から守るように言われた小動物二匹を見る。

彼女達もまた正真正銘の小動物――というわけでもないようだ。
チノは自分のサーヴァントの戦いを見守り、弱者の身でありながら自分に出来ることを精一杯やろうとした。
まりなちゃんはガラスを握り締めたことで未だに溢れ出ている血を見れば、彼女なりに何か覚悟を決めて実行しようとしたことが見て取れる。

まあ弱いばかりの生き物ならばとっくにこの聖杯戦争で死んでいるだろうから、当然ではあるのだが。
二人の少女を眺めた後、雲雀はマコト兄ちゃんに声を掛けた。

「それと君には竈門炭治郎から遺言がある」
「どういうことだ?お前は他の場所に居たはずだ、アサシン」
「念話というやつさ」

念話。それは聖杯戦争に巻き込まれた者ならば誰もが知っている常識だ。
声が出せないほど傷付いても、念話ならば伝えられる。それに雲雀とはそこまで関わってきたわけじゃないが、彼がそんな下らない嘘をつくような者じゃないということもマコト兄ちゃんは知っていた。

「それはどんな遺言だ?教えてくれ、アサシン」
「そこの小動物二匹を守ってほしいと言っていたよ。それとココアという小動物の元へそこの青髪の小動物を送り届けてほしいってさ」
「……わかった。炭治郎、ライダー。お前達の想いは、俺が繋ぐ」

ライダーに続き、炭治郎の想いもマコト兄ちゃんは背負う。

なぜ雲雀がマコト兄ちゃんにも炭治郎の想いを教えたのか?
それは炭治郎がこの男にも想いを託したかっただろうと雲雀が感じたからだ。
炭治郎にとって彼は仲間であり、きっと本当は想いを託したかったに違いない。竈門炭治郎とはそういう少年だ。

ここまで雲雀がお節介を焼いたのは、心から竈門炭治郎を認めたこと。そして最期に遺した言葉くらいその仲間にも伝えてやろうと思ったからだ。

「小動物二匹の保護は僕も手伝ってあげる。それが竈門炭治郎の意志だからね」

木場や炭治郎の想いは受け継がれる。
ひとまずチノも落ち着き、まりなちゃんの方を見ると――まりなちゃんが血を吐いていた。
力なくその場に崩れ落ちるまりなちゃんを、チノは心配する。

「まりなさん、大丈夫ですか……?」
「……あは。もうまりなの時間も残されてないみたい……」

タイムリミット。
時限爆弾が、遂に爆破間近になった。
意識が遠のいて苦しいけど――それでもまりなちゃんには伝えたいことがあった。

「チノ。まりなの想いも繋いでくれるよね……?」
「まりなさん……生きてください……」
「それは無理……。だからチノ、まりなの想いだけでも……」
「……はい。わかりました」

まりなちゃんには時間が残されていない。
そんなことはチノにも理解出来るし、死んでほしくはないが彼女が最期に残そうとしている想いを聞くことにする。

「チノ……生きて……。それがまりなの想いだから……チノとマコトだけでも……」

おっことライダーが死んだ。
宿で仲良くなった友達はもう二人しかいない。自分を助けてくれた炭治郎も死んだ。
色々と失ったが、それでもチノとマコト兄ちゃんだけは生きている。
だから二人には生きてほしいという想いをまりなちゃんは託した

(おっことライダーはもう天国にいるのかな……?)

薄れゆく意識の中、まりなちゃんは死んだ二人のことを考えて。

(やっぱ名前くらい聞いてやれば良かった)

友達なのに木場のことだけ名前を聞いてなかったことを思い出して、最後にそんなことを考えて。

「ねえ。まりなはもう、一人じゃないよね……?」

自分を心配そうに見詰めてくるチノを眺めながら。


「はい。まりなさんには、私たちがいます」
「……ありがと、チノ」

それだけ言い残すと、まりなちゃんは安らかに眠った。
まりなちゃんを看取ったチノの瞳からは大粒の涙が溢れ出していた

【雲母坂まりな@タコピーの原罪 死亡確認】

1537名無しさん:2022/03/06(日) 15:36:29
>>1533
ランサーは胡桃が「かれら」になり、改心出来そうな余地もなければ殺すしかないと思っていた。
仲間を屠った経験はこれまでにも何度かある。胡桃の様子からして元に戻るなんて可能性も皆無に等しく、和解も不可能。
だから明さんは彼女を斬るしか選択肢が残されていなかった。そして彼にはそれを選択するほどの覚悟があった

だがそんな意志や覚悟さえも踏み躙るように、胡桃の令呪によって強制的に逆らえなくなる。
当然、攻撃も出来なくなり「ついてこい」という指示にも逆らえない。

普段の宮本明ならば、間違いなく胡桃と戦えていただろう。
しかし今の彼は胡桃のサーヴァント。どれだけ強固な覚悟があろうと、令呪に抗うことは出来ない
どうにかして胡桃を止めたいが、自分の手ではどうしようも出来ない。

(ちくしょう……!)

悔しさに歯噛みするランサー。
しかし彼の目に機動力の優れたバーサーカー――エレンが追跡しているのが見えた
バーサーカーを振り切るために胡桃は丸太を投げ付けて牽制するように命令。ランサーは逆らうことが出来ず、バーサーカーへ丸太を投げるが――同時に覚悟が込められた鋭い視線で語り掛ける

普通の者が見たら、その視線はさぞ恐ろしいものだと思うだろう。
だが調査兵団の兵士であったエレンにはその視線に込められた意味が理解出来た

『俺のマスターを倒してくれ!』

ランサーのそんな言葉が今にも聞こえてきそうだ。
人類最後の希望が人類を絶滅させかけた悪魔に願いを託す。
普通ならば有り得ないことだが、ランサーはバーサーカーが二人の少女を助ける姿を見ていた。
それがマスターからの指示であろうが、令呪によるものでない限りバーサーカーの意志も関係してくる。
バーサーカーは案外、根っからの悪というわけじゃないのでは?とランサーは考えたのだ
もちろんどんな理由があったにせよ、彼の蛮行を許す気はない。人類に害を成すならば叩っ斬るが、今この場で頼れる者は機動力に優れたこのバーサーカーしかいない

1538名無しさん:2022/03/06(日) 16:28:57
魔力消耗によって意識を失ったクルーゼは、そのあとセフィロスによって軍事基地に運ばれ、私室で横たわっていた
やがて目を覚ましてセフィロスからあの後の状況を聞き、加えて配下の者にレムリア島にて事件がなかったか聞いたが特に何もなかったと知らされた
(※この時点では相馬達の造船所襲撃は発生していないor隠密が上手くいって気付かれていない)

しばらくは休養を兼ねて軍事基地で大人しくしていたが、夕刻が終わり夜が始まったころに電報がクルーゼの元へと届けられた
それはムー島に潜ませた密偵の一人から発せられたものであり、内容は「ムー島の公開処刑の前に大規模な襲撃事件あり、巨人や緑の怪人が出現、その他にも複数の人影を確認、その中にはホメロス司令とシャア政務官の姿あり、戦闘によるものか爆発や衝撃音が多数あり」と書いてあった
そこには詳細な戦闘状況や現場にいた人物を把握する情報は入っていなかったが、遠くから隠れて観察していたならば仕方がないことだとも理解していた

「なるほど、ホメロス達の餌にかかった参加者たちで盛大に争っていたらしいな」

さらに緊急入電ありと部下が伝令を持ってきた、そちらもムー島の軍部にいる情報源からのものであり、内容は「処刑中止」と書いてあった

「さて、これはどういった意味を持つと思う、フォーリナー?」
「ホメロスの目論見が上手くいったか、その逆か、この情報だけではそこまでしか推測できないな」
「そんなところだろうな。願わくば、向こうの戦争でかなりの混乱や脱落があれば我々としては助かるのだが」

1539名無しさん:2022/03/06(日) 18:10:59
>>1514
春花とカイムは半グレ集団を率いる相馬とレジィにとって相性最悪の敵だ
この戦闘で相手を殺し、聖杯を勝ち進むと決めた春花はすぐに令呪を使用して目の前のキャスターとそのマスターを殺すように命令する。

戦闘開始直後にカイムは宝具を解放、アンヘルを呼び出す
アンヘルにより放たれたアンヘルの火炎ブレスが半グレ集団を焼き尽くし、半グレ集団が瞬く間に壊滅。
間髪入れずにカイム自身による斬撃がレジィに迫る
アーチャーとの戦闘でセイバーは消耗しているが、令呪によるブーストで力を増している
相馬とレジィが彼らに対抗するには令呪を消費するか最強の契約書を使う他ないだろう

1540名無しさん:2022/03/06(日) 21:13:28
>>1535
「さようなら、誇り高き魔王……」

最期まで潔く、そして誇り高き武人のようだった漢へマコト兄ちゃんは別れを告げる。
敵として拳をぶつけ合うことになったが――彼らの間に怨みや憎しみは一切ない。

だからマコト兄ちゃんの心には彼の名やその生き様が刻み込まれる。
セイバーではなく、ハドラーとして。
もしも出会った場所がこんな殺し合いの場じゃなければ……もしかしたらアランのように友になれていたかもしれない

1541名無しさん:2022/03/07(月) 00:57:31
>>1516の続き 3日目 夕暮れ時
ここは、ココアが働いているパン屋のバックヤード。
ムー島で激しい戦闘が繰り広げられているのと比べれば、こちらは落ち着いた時間が流れていた。

ピーターがマズルカから話を聞き終わった時には、空は暗くなり、星がちらちらと瞬いていた。
炭治郎が戻ってこないということは、ギリギリで間に合って船に乗れたのだろう。
ピーターは思う。間違いない。グリーン・ゴブリンがこの世界にいる。
しかも、自分と同じ生身ではなく、サーヴァントという存在になって。

グリーン・ゴブリンは虎杖というマスターが死んで消滅したのだろうか?それとも…
怒りや不安、混乱を抱えるピーターに巧が落ち着かせるように声をかける。
まだグリーン・ゴブリンがこの世界にいるかは分からない。
別のマスターを見つけて暗躍し続けているなら俺が倒してやる。と。

ココアも、恐ろしいサーヴァントの存在を記憶に刻み込んだ。
セフィロス、巨人、グリーン・ゴブリン、カイム…様々なサーヴァントたちとマスター。
そんな強者といつか会うかもしれないし、会う前に誰かに殺されてしまうかもしれない。
話を聞いているだけでも聖杯戦争という場の苛烈さを感じるのだった。

それはともかく、もう夜といってもいい時間だ。
幸い、ココアの熱も急激な魔力の消費による一過性のものだったようで、もう引いていた。
高い才能を持つ魔女のマズルカも、ピーターと話した後はそれなりに魔力が回復しているようで、ココアの目の前で人形兵たちの修理を行っている。
とりあえず人目を避けながらピーターの家のあたりで馬車小屋を展開し、そこで今晩を過ごす、という方向に落ち着いた。
パン屋の店員という素性が割れた以上、ココアの家よりはピーターの家(の付近)の方がまだ安全だ、という判断だった。
(一応ピーターもパン屋を監視していた半グレに遠くから目撃されてはいるがそれをピーターは知らない。
 また大した特徴もないので遠くから監視していた半グレには結構若い男、ぐらいしか伝わっていない)

ココアは、その前にパン屋の店長と一言話したい、と言い出した。
昼間に配達の時に、春花と戦う時に別れてそれっきりだし、喫茶店の店主のように危険な目に遭わないように島から遠ざけたい、と。

1542名無しさん:2022/03/07(月) 11:49:40
>>1537
ランサーは丸太を何本も投げて牽制し、バーサーカーは自身やワイヤーに当てられないように回避運動をとる
その隙に距離を離した胡桃は「私を邪魔する意思を持つ奴がいたら攻撃して妨害しろ、もしくは倒せ」と念話でランサーに命令を出す
令呪の呪縛によりランサーはその命令にも対応せざる得えず、他者に狂った胡桃の打倒を願いながらもその相手を足止めしなければならない矛盾に苛まれていた

一方、エレンはシャアと念話を通じて状況を説明する
暴走した少女を追いかけるもランサーの妨害により追跡が難しいこと、それと無口になったランサーが視線で自分のマスターを止めて欲しいと訴えかけていることを
その内容をシャアはチノ、クリミナル、アサシンに伝え、少女が向かっている方向には学校があることも分かった

一方、先に学校に到着した胡桃はすぐに人の気配を探し始めた
しかし今は薄暗い夜、日中のような学生達が溢れかえる環境ではなく、戒厳令が継続中でもあるため校内は閑散としていた
ある意味アテが外れた形であり、胡桃がそこまで考えていなかったのかはよく分からない
ただ、それでも少しだけ人間はいる
この時巡回に来ていた憲兵が胡桃に声を掛けて近寄ってきたため、何も知らないソレを胡桃は食い殺した
さらに夜間宿直の用務員が悲鳴を上げて逃げたため素早く捕まえて捕食、校舎で今後の授業について会議していた教職員達も逃げ場をなくして食い尽くした

ああ、なんたる甘美かな
この満たされる感触、充足感から生まれる感情から胡桃の頬は赤らんでいた
空腹感は弱まり、体の活力が漲っていき、魔力が体内を巡っていく感覚すら覚えるようだ
この血肉がさらなる狩りへと繋がり、さらにはランサーの動力源になるとはなんたる皮肉か
新たに誕生した“鬼”はまだまだ獲物が食い足りない様子で、さらに見知った校内をくまなく探索し始める


【少し状況を整理整頓】
・胡桃は疑似死徒となり飢餓状態、先程ランサーが大量に魔力を消費したのも影響していると思われる
・ランサーは令呪で強制服従させられている、今はバーサーカーの足止めをしている

・シャアはホメロスと共に騒動の後始末に奔走する可能性大、バーサーカーの情報をチノ達と共有する
・バーサーカーは胡桃達を追跡していたがランサーに足止めを食らう、まだ巨人化はできると思うが連戦連発による巨人制御の問題やマスターへの負担、その他の要素があってか現在使用していない(今は市街地にいるかな?)

・チノはそれなりに魔力を消耗している、鯖の戦闘行為およびギガオメガドライブの連発の影響が大きい
・クリミナルは遅れて胡桃を追跡することもできるが、チノの負担やシャア達を含めた護衛を考えると離れづらい気もする
・アサシンはマスター不在、Aクラスの単独行動があるため独自に追跡は可能。学校に行けば能力がプラスされる。ただし膨大な魔力の消耗は霊基消滅を早める

・公開処刑を喧伝して大規模戦闘が発生してかなりの注目を集めたため、これ以上他の参加者が集まる可能性は低いとシャア達は考えている。ただし他の主従を全部把握している訳ではないため、自分達の知らない主従が登場する可能性をまだ捨てきれない
・医者&アルターエゴはムー島を離脱してレムリア島に向かうのをアサシンが見ているので、彼らが再度襲撃に来ることは殆ど考えていない

1543名無しさん:2022/03/07(月) 14:22:01
>>1542
胡桃をどうするか各々が悩む中、雲雀が真っ先に動いた

「この小動物達のことは君に任せるよ」
「ああ。チノ達のことは俺が守る」

雲雀はチノ達のことをマコト兄ちゃんに任せると、一人学校へ向かおうとする
竈門炭治郎は沢田綱吉のようなタイプの小動物だ。無数の人々が苦しむ姿を見れば、必ず助けようとするだろう。

「アサシンさん……」
「なんだい?」

アサシンの後ろ姿にチノが声を掛ける。
学校。日常の象徴とも言えるその場所が危機に陥っている。
今こうしている間にもランサーのマスターによる被害が増えているはずだ。
これ以上まりなちゃんやおっこや炭治郎のような悲劇が起きないように、チノは勇気を振り絞って声を出した。

「アサシンさん。皆さんのことを助けてあげてください……」
「いいよ。学校の風紀を乱す者は僕が咬み殺す」

なにものにもとらわれることなく、独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮雲。
それがボンゴレ雲の守護者の使命であり、雲雀はその体現者とも言える存在。

そして相手は学校を荒らしている。
場所は並盛中学ではないようだが、風紀を乱す者に鉄槌を下すのが風紀委員長だ

「ありがとうございます、アサシンさん。がんばってください……!」

学校へ向かう雲雀の背中へチノは応援する。
今の自分に出来ることは、それくらいしかないから。

「がんばれ、アサシン!」

チノの精一杯の応援とマコト兄ちゃんの力強い声に見送られ、雲雀は学校へ向かう

1544名無しさん:2022/03/07(月) 20:07:17
>>1542
校内で大量の人間を食い殺してご満悦な胡桃は次の獲物を発見する。
それはたまたま忘れ物を取りに戻っていた少女。この世界の胡桃とは友人であった。

悲鳴や破壊音が校内に響き困惑していた少女は、退学したと教師から聞かされた胡桃が廊下を歩いてきて驚いた。
胡桃の顔はとても笑顔で、鼻歌なんかも歌って、くるくる踊るように回っている。
元々元気で親しみやすい子だったが、こんなに無邪気で浮かれている様子は見た事がないかもしれない。
そのギャップにさっきまで聞こえていた悲鳴や破壊音のことも忘れてしまった。

さらに次の瞬間には、暗さから気付くのが遅れた胡桃の血まみれの姿に更に驚き叫んだ。
まさか胡桃が短時間のうちに大量殺戮を引き起こした元凶などと知らない少女は、一体どうしたの?と心配して声をかける。
その少女に、胡桃は目を輝かせながら、血まみれの手を伸ばして捕えようとする。
少女は胡桃の目を、笑顔を、血まみれの口元を見て、恐怖のあまり動けなくなった。

…しかし胡桃が少女を捕まえる直前、凄まじい速度で迫った何かが胡桃に思い切りぶつかり、隣の教室に吹っ飛ばした。
目の前から胡桃がいなくなり、女子生徒は、さっきの胡桃の狂った笑顔を思い出し、一目散に逃げ出した…。

強烈な一撃を受けて苦しみ悶える胡桃を見下ろすのはアサシン・雲雀恭弥。

1545名無しさん:2022/03/08(火) 00:58:22
雲雀に吹っ飛ばされた胡桃。
咄嗟に攻撃をガードした右腕は折れ曲がっていた。
サーヴァントの攻撃を生身で防御した代償としては安いものだろう。禁薬の身体能力の強化の凄まじさが窺える。

胡桃は刹那の時間で考える。
この場でアサシンと追跡している巨人のサーヴァントを消す方法はないか?
仮に残りの令呪2画をこいつらを殺すことだけに使えば勝ち目は僅かだがあるかもしれない。
だがその後、令呪を失った自分をランサーは殺そうとするだろう。最初の令呪の内容は曖昧で、効果が薄い。
そろそろ解けかかっているかもしれない。

どうする。
ああ、それにしても、とにかく目の前のこのアサシンに腹が立つ。食事を邪魔され腕も壊された。
薬のせいか「かれら」になりつつあるせいか興奮のせいか痛みは感じないがこの腕では…。

そして胡桃に芽生えた邪悪な人格は決断した
胡桃は損傷した右腕を自分で引き千切った
断面から鮮血が噴き出る。唐突な自傷行為にアサシンが軽く眉を顰める

「令呪で命じる。『死ぬ気で敵を倒せ』
 令呪で命じる。『右腕を私に寄越せ』」

アサシンの前で胡桃の右腕があった部分に「ランサーの右腕が生えた」
明らかに異形だが、胡桃はもはや自分の体がどうなっているかなど気にしない。
ただ、目の前の敵を倒すと決断した。
胡桃は右腕のガワを外し、絶大な破壊力を持つ義手刀を曝け出すと、アサシンに斬りかかった。

1546名無しさん:2022/03/08(火) 01:04:17
胡桃が殺戮や死闘をしている時
もう1人の胡桃は夢を見ている

学園生活部の皆との夢
壊れてしまった世界でも、皆と一緒にいる日々が楽しい

苦労もあるけれど…平穏なこの日々が続きますように
ずっとみんなと一緒にいられますように
夢の中の胡桃はそう願った

1547名無しさん:2022/03/08(火) 08:35:59
>>1545
気狂い少女の表情が一瞬にして変化した。
目の前の小動物からその肉体に相応しくない男のような右腕が生え、義手刀を振りかざしてきた。

雲雀はそれを難なく避けてトンファーを叩き込むが――先程よりもダメージが浅い。
いやダメージは確実に与えているはずだが、悶え苦しみながらも足に力を入れることでその場に踏み留まり、カウンターとして刀を振り回す
もう片方のトンファーでそれを受け止めるが、右腕のみはランサー同等の筋力と化した胡桃の一撃は凄まじく、その衝撃で逆に雲雀が吹っ飛ばされる
相手がただのマスターだと見誤り、軽い動作で受け止めようとした雲雀の判断ミスだ

「君のその覚悟は認めよう。――なかなか噛みごたえがありそうだね」

仕込みトンファーを構え、雲雀は目の前の敵の覚悟を認める。
どうしてこんな決断をしたのか。どうして小動物が急変したのかは知らない。
だがそれほどの覚悟があるなら、マスターであれど相応の強さがあるはずだ
死ぬ気の強さは、覚悟の強さだ

1548名無しさん:2022/03/08(火) 12:03:52
>>1547
雲雀は覚悟を決めた敵を認め直して立ち上がる、だがその間に胡桃は自分で引き裂いた右腕を咥えて教室を抜けて走り出した
それを追いかける雲雀、英霊の走力は超人的な走破をする胡桃をも上回り、途中で追いついてトンファーを振るう
対する胡桃も義手刀で打ち合うが、学校という環境で筋力パラメータが上昇し全力で噛み殺すつもりの雲雀の攻撃は、まだ宮本明の右腕と馴染みが浅い胡桃の太刀筋では受けきることはできず、再び別の部屋に吹っ飛ばされた
瓦礫の中で少しだけ動きが鈍くなった胡桃に追撃を仕掛けるべく雲雀は急接近したが、その直前に胡桃が不適な笑いを浮かべる
そして雲雀が攻撃する直前、彼の顔に胡桃の 引 き 裂 か れ た 右 腕 が飛び付いてきた!
原因は不明だが、胡桃は自分の部位を操る能力を得ていた。禁薬と「かれら」の作用が合わさって新たに目覚めたマーベル的な超能力の一種か、あるいは疑似「死徒」のくくりによって発現した特異な魔術の表れか、色々と考えられるが定かではない
だが分離した右腕が不意に雲雀の頭を掴み視界を奪ったことで攻撃のタイミングをずらされ、トンファーは胡桃を掠めて空振りしてしまった
そしてその隙を胡桃は逃さず、雲雀に明さんの豪腕で雲雀の胴体を袈裟斬りにする
モロに斬られてたたらを踏みながら後退する雲雀、さらにそこへ別の「なにか」が彼に組み付いて来た
それも一つではない、複数の「それら」が雲雀に襲い掛かり彼の身動きを奪い彼を食おうとする!
その正体は、先ほど胡桃が捕食した教職員達の成れの果て、胡桃から感染して変貌した「かれら」であった
実は胡桃は直接戦闘では分が悪いと感じて相手を罠にはめるために、わざと会議室に誘い込むように誘導していたのだ

1549名無しさん:2022/03/08(火) 12:06:16
>>1542
エレンがシャアに現状を念話で連絡した後、今度はシャアから「アサシンが学校に向かった」と伝達してきた
令呪の強制力を対魔力で抗いながらもこちらを足止めするランサー、その相手をしながらアサシンもこちらに来るものだとエレンは予想していたが、いくら待てどその気配は現われなかった

(直接頭を狙いにいったようだな、俺に面倒事を押し付けやがって)

頭の中で少し愚痴りながらも、一刻を争う今の状況では仕方がないと理解する
そうこうして戦闘は続き、ランサーがもう何本目か分からない丸太を投げて、エレンが回避して、そこへランサーが接近戦を仕掛けてくる
ランサーは本気を出していないのは何度も打ち合っていれば自明であり、ランサーほどの筋力を持たないエレンでも剣で相手の義手刀を防げるような状態であった
なので今回も防いでから回避しようとするが、そこで事態が一変する
ランサーが攻撃する瞬間、相手の気配が変わり攻撃の鋭さが増してエレンに襲い掛かろうとしていた
ランサーの魔力の高まり、強制的な殺気の発露から令呪を使われた、とエレンは一瞬で判断する
だが、エレンが危機感を覚えるよりも前に、ランサーの右腕が突如として消え去り攻撃が空振りに終わった
明らかに防ぎきれない攻撃が迫っていた状況から一転、これが三画目の令呪の仕業とは見抜けず困惑するエレン、本来ならば後退するはずだった思考が一瞬だけどこかにいってしまった
またランサーも驚いた表情を浮かべていたが、すかさず左手に丸太を抱えてそれをぶん回してくる
遅れて回避運動をとるエレン、相手が無理な体勢で攻撃してきたこともあって本来より打撃力は弱まっているがその一瞬の遅れによって丸太が当たってしまい吹っ飛ばされてしまう
攻撃を受けてしまったがなんとか動ける状態のエレンは、続けざまにこちらを殺しにかかるランサーの攻撃を躱して相手との距離を取る

(マスター、状況が変わった、巨人になってランサーを葬る)

1550名無しさん:2022/03/08(火) 18:59:28
>>1548
常人ならば発狂してしまいそうな絶体絶命の危機だが、雲雀は冷静に対処した。
何故ならばこんな状況、雲雀にとっては難なく突破可能だからだ。

「ロール、形態変化(カンピオ・フォルマ)」

雲雀は宝具を解放し、学ランを身に纏う。
燃費こそ非常に良いが、それでも魔力は消耗する。

そしてトンファーに仕込まれたチェーンブレードが「かれら」を一斉に引き裂いた。雲属性の特性である増殖により伸びたチェーンブレードはこの場に居ない「かれら」すらも咬み殺す
500体もの敵を単独で撃破した雲雀にとって戦闘経験すらない「かれら」の大群を始末することなど造作もない
近くに居た胡桃にもチェーンブレードは直撃し、その耐久性から命は助かったが深手を負ってしまう

「嘘だろ……」

人喰い鬼となった胡桃は、自分の相手が更なる化け物――鬼神であったことに戦慄する
どんな小細工を弄しても、雲雀恭弥という男は真っ向から噛み砕く

「人形遊びは終わりだよ。あとは君を咬み殺すだけさ……」
「うわぁぁああああああ!!!」

胡桃は義手刀を構え、無謀にも走り出して――

もう一人の胡桃は、未だに夢を見ている。
聖杯戦争のことも忘れて、学園生活部の皆と平穏に暮らして。
胡桃がいつものように「かれら」を退治したら、なんとそれが最後の一人だった。
唐突なハッピーエンドに胡桃は驚くが、ようやく「かれら」の居ない平和な世界を掴み取り心の底から皆と笑った。
そしていつものように皆と眠る。今日はいつも以上にぐっすり眠れた

現実では無謀にも突っ込んできた胡桃を雲雀がチェーンブレードで切り裂き、遂に胡桃の命は尽きる。
だが胡桃が意識を手放すその直前、校歌なようなものが胡桃の耳に届いた。

「緑たなびく並盛の〜♪」

ヒバードが並盛中学の校歌を歌い始めたのだ。
校歌斉唱。学校ではよくある行事だ。呑気な校歌を聞いて、もう一人の胡桃の意識が覚醒する。

胡桃は自分が何をしたのか思い出して、自分を止めてくれたアサシンに「ありがとう……」と礼を言う。

そして胡桃は最期の余力でランサーに「ごめんな、明さん……」と詫びた。
学園生活部の皆の姿が見えた気がして「おかえり」という言葉に対して「ただいま」と笑顔で返事をして、胡桃は眠る

【恵飛須沢胡桃@がっこうぐらし! 死亡確認】

※雲雀が宝具の使用によって魔力を消耗しました。これにより単独行動の有用時間が削られました

1551名無しさん:2022/03/08(火) 20:57:41
ランサー・宮本明とバーサーカー・エレンが戦っている場所は廃工場である
喫茶店の店主が勾留されていた施設から学校までの途中にある人気がない場所であり、ここでなら彼らも思う存分に戦うことができた
特にバーサーカーは立体機動装置による三次元移動が活かせるため、全力を出さないランサー相手にも戦い易かった
だが令呪により強制的に戦意を高めたランサーが殺しに来たため、バーサーカーも敵を倒すべく巨人化を選択する
二騎以外は誰も居ない静寂に雷鳴が轟く、接近したランサーはバーサーカーを中心に発生した衝撃に吹き飛ばされ、進撃の巨人が顕現する

こうして始まった第二ラウンドだが、実を言うとバーサーカーにとって状況が良くなる訳ではなかった
状況を整理しよう、まずバーサーカーは狂化が発動していない状態だと筋力・耐久・敏捷はDランクに留まりランサーのパラメータには及ばない
建物を破壊しながら広範囲に攻撃することはできても、素早く動くランサーに瓦礫などの障害物を利用されて上手く捉えることができないのだ
たとえ攻撃を当てても見掛倒しのパワーでは相手の全力を突破することは難しく、また敵に攻撃を当てられようものならば打たれ弱い
一方、巨大で出鱈目な攻撃を仕掛ける化け物達と戦い殺してきたランサーはこういった戦いにも慣れており、地形も利用した戦術で巨人を翻弄する
特に宝具の『丸太』や『吸血殲鬼』が「巨人」という化け物にも有効なため、上手く攻撃を当てれば大きなダメージを期待できる
しかし現状では片腕を失ったためせっかくの馬鹿力を発揮することができなくなっており、かろうじて巨人の攻撃を丸太で打ち合うことで対抗できるが、とにかく弱体化している状態である
また片腕のため生前ほどのアクションが取りづらく、さらに丸太を左手で抱えれば自由に動かせるのは両足のみとなりできる行動も制限されている

とまぁ各騎の性能を見てみるとエレン側が不利なようにも見えるが、まだそれだけでは戦いは決まらない
バーサーカーの狂化が発動していない、つまり理性が残っている状態であり戦い方を工夫することができる
鉄槌の巨人の力で大きな鉄槌を作り出し周囲を破壊する、廃工場の高い場所へと移動して巨人の頭部を狙っていたランサーはその脅威を回避するが足場を失う
さらにランサーが地面に降り立ったところで硬質化の棘を生み出す、続けざまの攻撃によりランサーは回避したものの多少のダメージを受けてしまう
鉄槌の能力でバーサーカーは猛攻を続ける、マスターに負担を掛けてはしまうがここでランサーを倒さなければ自分の身が危ない

しばらくバーサーカーの攻勢が続き、ランサーはじわじわとダメージを受けていく
その最中にランサーはマスターとの魔力供給のパスが切れたことを感じ、誰かが狂人に成り果てた胡桃を止めてくれたことを察する
胡桃については色々と想うところがあるランサーだが、これ以上の悲劇がなくなった事に対して安心感を抱いていた
だが令呪の束縛からは逃れられなかった、未だ『死ぬ気で敵を倒せ』を履行しなければならず、さらに最後の宝具『命ノゼンマイ』が強制発動してバーサーカーとの戦闘を続行する
自身のマスターが死亡した時にスキルを含めたステータスが1ランク上昇、Cランク相当の単独行動のスキルを獲得する、宮本明の生き様が再現された能力によりランサーはバーサーカーへの反逆を試みる
(ただし「要石」を失った状態なので宝具の連発は難しくなり、ランサーは丸太一本で巨人と相対することに)


マスターの胡桃を失い孤高の戦士となったランサーは宝具のブーストもあり巨人と真っ向勝負を仕掛ける
巨人の鉄槌と丸太で打ち合い、硬質化した槍の茨を丸太で破壊し、折った槍片を片手で掴んで巨人に向かって全力投射する
敵のさらなる強化に押し返され始めた事にバーサーカーは驚愕し、槍片の数々を巨体に受けて倒れてしまう
この好機を逃さず、ランサーは巨人の上に飛び乗り頭部を丸太で何度も殴打した
やがて巨人が動かなくなり蒸気を発した頃合いにランサーは勝利を確信し、『死ぬ気で敵を倒せ』の束縛からも解放された















背中に強力な衝撃を感じてバランスを崩し、ランサーは巨人の骸に倒れ込む
なにかと振り返ると、自分の背後から伸びる細長い棒槍と、人間状態のバーサーカーが近くに立っていた
そしてバーサーカーは容赦なくアンカーを引っ張り、雷槍を爆発させた

実は、バーサーカー・エレンは進撃の巨人のうなじには存在していなかった
巨人化した際にエレン本体は硬質化能力で作り出した結晶体を瓦礫の中に隠し、進撃の巨人を戦闘端末として操りランサーと戦っていたのだ
これは先代の鉄槌の巨人が駆使していた戦術であり、進撃の巨人がランサーに打倒される辺りでエレンは硬質化を解除してランサーの背後に移動したのだ
進撃の巨人の骸がエレン本体の気配をかき消し、全力を出し切って令呪の呪縛から解き放たれたランサーが緊張から弛緩したこともあって気付かれることなくトドメを刺すことに成功したのだった


【宮本明@彼岸島 死亡確認】

1552名無しさん:2022/03/08(火) 21:46:46
戦闘こそ雲雀の圧勝のような形で終わったが、ランサーの腕を使用して胡桃から受けた一撃は響いている。思った以上に傷が深い
一見すると圧勝したかのような結末だが、多大なダメージを受けたせいか若干ふらつく。

「やあ、小動物」
「アサシンさん……!」

チノ達が待っていた場所まで戻ると、チノの表情が少しだけ明るくなった。

「おかえりなさい、アサシンさん」

チノはずっとアサシンの心配をしていた。
雲雀を信じて送り出したマコト兄ちゃんとは違い、こういう場に慣れていないことが大きいだろう。

「アサシン。ランサーのマスターは……」
「倒したよ」

クリミナルにそれだけ返事をすると、アサシンはその場に寝転び始める
「ふわあ……」と呑気にあくびをするアサシンにチノが問い掛ける。

「アサシンさん、その怪我は……」
「かすり傷さ」

負けず嫌いの雲雀は自分が多大なダメージを受けたこと、元からそれほど多くもない魔力を消耗したことを誰にも教えない。

「小動物。君の名前はなんだい?」

雲雀は竈門炭治郎が命を賭して守ろうとした小動物の名前を聞いた。

「チノです。香風智乃です」
「ふうん。変な名前だね」
「アサシンさんの名前は……」
「雲雀恭弥」

自分の名をチノに告げると雲雀は目を瞑った。

「僕の眠りを妨げたら、咬み殺すよ」
「それは怖いです。マコトさん、雲雀さんが起きないように見守りましょう」
「雲雀。お前は本当に身勝手なやつだな」

かつて青空を掴み取った戦士は、戦いとは無縁の少女と共に孤高の浮き雲の眠る姿を見守る。
雲雀恭弥。この激闘で色々と失ったが、新たな仲間が出来た気がする
今までよくわからないやつだったし、未だによくわからないが炭治郎が居ない今でも彼のことを信用しても良さそうだ

1553名無しさん:2022/03/10(木) 09:06:56
>>1534
ホメロスはこの後、チノの指名手配を取り下げてクルーゼと結んだ休戦協定を解除することに決めた
グレイグとお揃いの誓いのペンダントを眺め、自分の行いを改めて見つめ直す
色々と複雑な思いこそあるが、セイバーの背中を見て何か大切なものを思い出した彼は一人の騎士として聖杯戦争よりも島の統治を優先するように方針を変える
ホメロスにはもうサーヴァントもいないし、セイバーの勇姿を見て憑き物が落ちたような感覚すらした

1554名無しさん:2022/03/10(木) 09:38:42
>>1541
その時ちょうど、パン屋の店主が帰ってきたことを、霊体化して周囲を見張っていた巧がピーターに念話で伝えた。
人形兵を妖路歴程にしまって霊体化するマズルカと、そそくさと裏口から表に出るピーター。
そしてパン屋店主とココアは再会する。

ココアは、配達中にいなくなってごめんなさい、散らかった店の片づけをする予定だったのに、と謝った。
パン屋店主はココアの無事を喜んだ。
配達中、姿が見えなくなったと思ったら、どこかで轟音が響いてきた。
周囲を探し回っても見つからなくて、心配した。と。
ココアは店主の寛大さと優しさに感極まった。

そしてココアは考えた。この店主が自分の巻き添えにならないようにするには…。
「明日から世界一周の旅に行ってください!!」
ダメだこりゃ、と霊体化した巧とマズルカは思った。
(ルカちゃん!魔法でなんとかできない!?)
(ううん、ちょっと無理…。)
困惑するパン屋だったが、ココアの熱心というより必死なアピールに何かを感じたようだ。
ココアに対して
心配してくれてありがとう。すぐにここから離れる。自分の事は心配しなくていい。
と、応じ、明日にでも島の外に行くと言った。

1555名無しさん:2022/03/10(木) 10:22:57
ピーターはある程度落ち着いて他の主従や自分の状況を顧みる余裕ができたことで、
各々が事情を抱えている事を今更ながら実感した。
元々若さゆえに無茶に走ることも多いが、今度巨人のバーサーカー(エレン)と遭遇してもいきなり激高したりすることはなさそうだ。

1556名無しさん:2022/03/11(金) 07:52:36
>>1541
「グリーンゴブリンか。俺の知り合いにも、似たような奴がいたな……」

グリーン・ゴブリンの話を聞いた巧はその狡猾な性格に草加を思い出して苦い顔をした。
ノーマンという人格は凶悪じゃないようだが、元人間のオルフェノク達と戦ってきた巧は彼を殺し、罪を背負う決意をする
迷ってるうちに人が死ぬなら、罪を背負ってでも戦うことを選ぶ男が乾巧だ

グリーンゴブリンとノーマンの関係性にココアやマズルカは驚いたが、真剣に話すピーターの表情を見て嘘偽りない情報だと認識する

1557名無しさん:2022/03/13(日) 09:09:43
>>1412のモブ住人の語る異変はやはり聖杯戦争の影響だったか…。
当時も権力者の中にマスターは一定数紛れ込んでいたようだ

1558名無しさん:2022/03/13(日) 12:06:40
雲雀の眠る姿を眺めながらチノはまりなちゃんの最期の言葉を思い返していた

『チノ。まりなの想いも繋いでくれるよね……?』

想いを繋ぐ。
それは木場も言っていたことだけど、今まで普通の日常を謳歌していたチノにはまだ深く理解出来ていない。
だけれど彼女達が心から望む大切なことだということは、チノにもわかった。

『チノ……生きて……。それがまりなの想いだから……チノとマコトだけでも……』

死にかけの状態でまりなちゃんから託された「生きて」という想い。願い。
まりなちゃんは最初こそチノを敵視していたが、本人と接しているうちに友達になっていた。
まりなちゃんを友達と認識していたのはチノも同じで、ライダーやおっこやまりなちゃんの死は悲しい。もちろん炭治郎の死も悲しい。
それでもチノは前を見て進まなければならない。

言葉こそ聞こえなかったが、死に際の炭治郎が自分やまりなちゃんに何かを訴え掛けていた。
足がすくんで動けなかったけど、きっと炭治郎は自分達に「逃げろ」と言ったのだとチノは受け取った。

『俺に出来なかったことを……想いを、繋いでほしい……』

そしてライダーも。
木場もまた、チノやまりなちゃんを庇って死んだ。
もしもあの時に自分達を庇って大ダメージを負っていなければ医者を倒せて、ライダーも生きていたかもしれない。
チノは木場の死に心を傷めたが、彼が最期に憎悪から解き放たれて安らかに眠る姿を見て少しだけ救われた気がする。
木場勇治は心からまりなちゃんやチノを守りたいと思ったから庇い、そして信用出来るクリミナルに想いを託した。

ライダーに庇われ、炭治郎に守られ、まりなちゃんに生きてほしいと願われた。
だからチノは生きなければならない。
どれだけ辛いことがあっても前を向いて進まなければならない。

「マコトさん。想いを繋ぐのって大変ですね……」
「そうだな……」

マコト兄ちゃんはチノを見る。
自分だけならともかく、こんな少女にも想いを背負わせるなんて、あまりにも過酷なことだろう。
しかし散っていった仲間達はもう帰って来ない。そして彼らが命を賭してでも守り、願われたチノは彼らの分まで生きなければならない。

「散っていった友の想いを繋ぐことは大変だ。でもみんなのために俺達が出来ることは、もうそれくらいしかない」

自分が想いを背負った三人の父さんも、既にこの世にいない。
そのうち一人は覚悟を決め、自らが殺めた。彼は決して褒められた人間ではなかったが、それでもマコト兄ちゃんの父さんだ。
想いを背負い、罪を背負い、マコト兄ちゃんは生きている

「はい。だから私も、がんばって想いを繋ぎます……!」

マコト兄ちゃんの言葉を聞いてチノは奮起する。
ライダーや炭治郎やまりなちゃんは死んだ。
それでも彼らが託した「生きてほしい」という想いはまだチノの中で生きている

「ああ。一緒にがんばろう、チノ!」

マコト兄ちゃんが手を差し伸べる。
チノは少しだけ困惑した後、握手をしようとしていることに気付いた。

「改めてよろしくお願いします、マコトさん」

チノとマコト兄ちゃんは固く握手を交わした

1559名無しさん:2022/03/13(日) 14:31:52
バーサーカー・エレンが戻ってきて、シャアはクリミナル・深海マコトと話した。
シャアはチノを外の島への船に乗せ聖杯戦争から離脱することを求める。
ちなみに元のfate世界とは違い、この世界ではサーヴァント、もしくはマスターが島の外へ出ると
霊核を維持できなくなり数時間から1日程度で消滅するらしい。
それは聖杯戦争のルールとしてこの世界の聖杯からサーヴァント達に与えられた知識であり、
聖杯が嘘をついているわけでもない限り疑う余地はないと思えた。

マコトは葛藤した。
チノやまだ見ぬココアを元の世界に帰せないことになる。
しかし彼女たちに他の願いを持つであろう貪欲な主従を倒すことはできるのだろうか。
それならばこの世界で命だけでも守ることが、既に散っていった仲間に報いることなのではないだろうか?
たしかにゴブリンのような民間人を狙う悪辣な主従はいる…
それらを倒すために自分が傷つくのは構わない。
しかしそれでチノ達の命を危険に晒すことが本当に正しい選択なのだろうか?
このシャアという男、手段は選ばないようだが今までの行動からするに根っからの悪人というわけではないようだ。
彼のような聖杯戦争参加者の行動に委ねてしまっていいのではないか?

マコトはチノと目を合わせ、自分はサーヴァントという存在であり、たとえもう一度死んでも座に帰る、
いわば幽霊のような存在であることを告げた。
そしてココアと合流出来たら自分の事は気にしなくていい、命を守るためならシャアの提案に乗り
この島から出ても、いや、場合によっては令呪で捨て駒にしても構わない、と告げた。
チノはそんなことしません!と言いたかったが、マコトの真剣な瞳に何も言えなかった。

1560名無しさん:2022/03/13(日) 14:46:23
これはこの聖杯戦争が始まる前のこと。

「此度の聖杯戦争の準備が整ったようだな」

島の最深部にある広間。
そこにはこの地に封印された大魔王バーン、そして魔王と対峙するムスカがいた。

前回の聖杯戦争にて聖杯を破壊され、願いを叶えられなったムスカは諦めず国王となり、草加と共にこの地の仕組みについて入念に調べた。
そうしてたどり着いたのがこの場所であった。
そうしてバーンから事の顛末を聞き、自分たちの願いを叶えるべく彼と取引し、今までその準備を行なっていた。

後はしばらくこの地を離れ、戦争が始まれば潜伏させている自分の手の者に情報を送らせ、頃合いを見て再び島に戻ればいい。
それまでにこちらは準備をじっくりと行い、戦力を整えることが出来る。
あの屈辱から再び聖杯を手にする計画が大詰めを迎えようとしていた。

「貴方とはあくまで聖杯戦争が始まるまでの関係だ。それ以降は敵同士、どちらにしろ自分以外の主従を滅ぼすつもりの者とは手を組めるはずもない。
あくまで我々が取引したのは早期に聖杯戦争を始めるためにすぎない」

「そうだな、開始の周期を早めるためにうぬらと取引をした。この封印がある限り、余自らは動くことは出来んからな」

「逆にこちらはその封印がある限り、そちらに手は出せない。それは今の貴方を討つことが叶わないということでもある」

全陣営の思惑を統一できるかという懸念もあったが、前もって徒党を組みバーンだけを倒すという方法が不可能だったのはこのためであった。
聖杯の顕現はある程度のサーヴァントが脱落するまで始まらない。
そして顕現が始まるのに必要な魔力が貯まり始めるのはバーンの封印が解けてからのこと。
つまり聖杯で願いを叶えるにはこの大魔王を討つことを前提に動く必要がある。

だがそれはムスカにとって悪いことばかりではなかった。
他の主従を消耗させる存在としてバーンはうってつけの存在。
そしてその情報アドバンテージを自分たちだけが所持してることは小さくない。

今回の聖杯戦争で呼ばれる主従がどのような者たちか思案する。
そうしてムスカは広間を後にしたのだった。

1561名無しさん:2022/03/13(日) 15:35:16
>>1559
おっこ、ライダー、まりなちゃん、炭治郎に加えて更にマコト兄ちゃんまで失う。
それはチノの望まない結末だが、迷いのない真剣な瞳を向けられて勇気を出せなかった。

『逃げろ、早く』

声を発せない状態で、それでも必死に目で訴えかけてきた炭治郎を思い出す。
あの時は恐怖で足がすくんで逃げられなかった。幸い生き残ることは出来たが、あのままだと自分やまりなちゃんまで死んでいた。

全てが終わったあとに後悔しても遅い。

『チノ……生きて……。それがまりなの想いだから……チノとマコトだけでも……』

まりなちゃんの言葉を思い返す。
彼女はチノだけではなく、マコト兄ちゃんにも生きてほしいと言っていた。

「まりなさんは、マコトさんにも生きてほしいと言ってました」

生きてほしい。
それはサーヴァントにとって非常に難しい願望だ。
それくらいチノにだってわかる。マコト兄ちゃんに説明されたことは理解出来ている。

それでも――

「マコトさんも生きてください。自分だけで背負わないでください」

深海マコトはきっとすごく重い荷物を背負っている。
それはどれも大切モノで、だから背負うなとは言わない。

「私もみなさんの想いを背負いますから……」

香風智乃は深海マコトの自己犠牲を許さない。
それは雲母坂まりなの意志でもあり、願いでもある。

「それにマコトさんだけ死んでしまったら、まりなさんに怒られます」

だからチノは自分なりにがんばって、託された想いを繋ぐ。

「きっとココアさんも、そんなこと望みません」

香風智乃の知る保登心愛は。
お姉ちゃんはそんな人じゃないから。

「……わかった」

珍しく譲る気もなさそうなチノの姿勢にマコト兄ちゃんは観念する。
出会ったばかりの頃に比べて、今のチノは随分と強くなかったように感じた
友との出会いや別れ。そして彼らの想いが彼女を強くしたのだろう。

「チノ。約束通り、俺がお前を元の世界へ帰す。それまでは俺がお前を守る」
「はい。お互いがんばりましょう、マコトさん」

迷いは晴れ、二人の心に青い空が差し込む。
それはダントンを倒した時に見た、あの綺麗な青空のようだった

1562名無しさん:2022/03/13(日) 15:35:55
大きく数を減らしていた半グレは、一騎当千のセイバーの前に秒殺されていく
根本的な火力の差は態勢が整わなかった半グレが散発的に発射してくる銃や爆弾ごと紅蓮の炎で焼き尽くしていく
このままでは相馬どころかレジィごと殺されない

「使うしかないか……キャスター! 時間を稼げ!」

相馬は叫ぶとガチャガチャとアタッシュケースを開け、モタモタとベルトを巻いた

『Standing by……』

「使けにくいな……変身!」

『――complete』

この空島には似合わない電子音声と共に相馬の体に走った黄色いライン、そこから全身を包む閃光が放たれる
数瞬後、そこには黒いボディスーツのようなものに黄色いラインが入った鎧に身を包んだ相馬がいた


一方その頃、ムー島の王宮ではこれもオーパーツな無線がベルを鳴らしていた

「私だ、ムスカ大佐だ」
「久々だね、大佐」
「そろそろ来る頃だと思っていたよ。レムリア島で軍事施設からも略奪があったと聞いた。やはり、あちらの政府が抑えていたようだ。喜びたまえ、君のベルトの所在がわかったのだから。」

会話していたのは八年前の聖杯戦争の主従であるムスカとライダー・草加
王族軍人から謀略によりムー島の国王の地位を手に入れたムスカこそ今回の聖杯戦争を強行した『主催者』である
彼は過去の経験から聖杯戦争の期間中、最初の一週間程度を外遊することで身の安全を確保していたのだ
そして聖杯戦争の激化によって自然に帰国の理由をつけ、NPCのように振る舞っていたのである
一方、逸話によって宝具を実体化したまま紛失したライダー・草加
八年間どこにあるか不明だったせいで今回の聖杯戦争にも今まで関われないでいたが、レジィ達が盗み出し相馬が宝具を発動してくれたおかげで、彼はベルトの位置を特定できた
ライダーの宝具は誰であろうと公平に力を授ける
たとえマスターであっても、サーヴァントに並び立つ程の力を振るえるのだ――その命と引き換えに

1563名無しさん:2022/03/13(日) 15:58:04
>>1562
相馬がカイザに変身したことは致命的なミスとも言えるけど、変身者が死亡するというデメリットまでは知ることが出来ないから仕方なかった
しかしカイザの圧倒的な力を得た相馬はカイムとほぼ互角に戦い、レジィの援護もあって徐々に押していく
春花が強さ的に戦力外ということもあってこの戦闘は実質2VS1になっていた

そしてベルトの位置を特定した草加は邪悪な笑みを浮かべると現地へ向かうことに決めた
カイザに変身した者の末路を彼は当然、知っている

1564名無しさん:2022/03/13(日) 20:49:03
元から喧嘩が強い相馬と自身が変身するタイプの宝具であるカイザギアは非常に相性が良い
カイムが得意とする斬撃もカイザブレイガンで対処。元々ナイフを武器とするだけあって刃物の扱いに長けている
加えてカイザブレイガンは銃撃も可能とする。
相馬が容赦なく春花を狙って発射する度にカイムはマスターを守るために庇わざるを得ない
焦った春花は目の前のキャスターとそのマスターを絶対に殺すように令呪を使い、更にカイムをブーストする
今回の戦闘で二度目の同じ令呪だ。必然的に戦況は変わり、カイムはレジィと相馬を相手に拮抗する

それは皮肉にも草加が到着するまでの時間稼ぎのようになっていた

1565名無しさん:2022/03/14(月) 18:30:16
ブーストした速度とパワーで2人相手に拮抗するカイムの戦いは凄まじかった。
パワーアップして対応していた相馬だったが、カイムの剣術の間合いを見誤り傷を傷を負ってしまうほどだった。
レジィと相馬は念話で合図を送り、あえて左右二手に分かれた
カイムとまともに戦うのではなく無視して掻い潜り春花を狙うような動き
カイムはサーヴァントであるレジィを止める為に動き、アンヘルを召喚してマスターである相馬にブレスを吐かせようとする。その直前
相馬「令呪を以て命ずる。切り札を使え!」
レジィは令呪にブーストされて目にもとまらぬ早業で「切り札」たる契約書を使用
出現させたのはこの世界の軍部が「万が一、空島外部から船などで攻め込まれた時の為の防衛兵器」の契約書。
これは現実世界の「ロケットランチャー」に相当する兵器だった。
レジィはこれをカイムに向けない。
無視して相馬を狙って口に火炎を溜めるドラゴンに式神と化したロケランを発射した。
「グオオオオオオオオオオオ!!」
ドラゴンは放つ直前の炎とロケランの爆発で炎に包まれた
しかしレジィはその間に僅かに隙ができてカイムに斬り捨てられる…ことはなかった。
レジィに迫りくるカイムの全身からバキバキボキと骨の砕ける音やジュウジュウと肉の焼ける音が響き、剣が空を斬った。その体にレジィの召喚した刃物が突き刺さる。

レジィはカイムの真名を見抜いていたのだ。
竜を従える英雄、だけでは解らなかった。
だが、レジィは見ていたのだ。
半グレ達をなで斬りにしながら剣の外装が変わっていた事や
相馬に傷を負わせた時に剣が一瞬長剣に変化していた事を。
それらの情報を加えて導いた答え。
かの英霊はレッドドラゴンと契約せし復讐の王子カイム
その弱点、契約相手のドラゴンと苦痛を共有し、片方が死ねばもう片方も死ぬ!

1566名無しさん:2022/03/14(月) 18:31:11
春花は願った。アンヘルの叫びと同時にカイムの全身が悲鳴を上げるのを。
そして願った。「令呪で命じる!死なないでカイム!」
状況を見て迷わず最後の令呪を切る。その決断力は称賛に価するといえた。

だがそれは間違いだったのかもしれない。

話が飛ぶようだが、春花はココアとアーチャーの主従と闘った。
そしてココアは令呪を全て失い、アーチャーはセイバーの攻撃を受けても生きていたが、敗北した。
結果的に横槍は入ったが、あの時点でもセイバーにはまだ余力があり、令呪も残っていた。
最後の宝具がセイバーに向けられていたとして、ダメージは受けただろうが生き残ったのはセイバーだっただろう。

だが、奇妙なことがある。
確かに元々、殺し合いをする戦士であったセイバーと、
いわば競技者でしかなかった決闘者のアーチャーでは元々の力の差が大きかったのだろう。
しかし、それにしてもココアが令呪を三画全て使ったのにも関わらず
春花たちが令呪を一画も使わず、しかも余力を残して勝てたのは……?

それは願いの中身が関係していたとは考えられないだろうか。
もしもココアがアーチャーに生きて欲しいという気持ちの他に、
「セイバーを倒して」と願っていたら、結果はどうなっていただろうか。
カイトのプレイスタイルがより攻撃的で捨て身なものとなり、
モンスターの攻撃が実際の数値より強い威力を伴ってカイトを追い詰めたりはした可能性は無いか。
…もちろん、これはただの仮定の話であり、検証もしようもなく誰にも答えは出せない。

戦闘の結果を述べる。
令呪により、カイム自身がアンヘルと契約で繋がった事で受けた、瀕死になるような傷は癒された、
しかしアンヘルの受けたダメージは甚大であり、令呪一画のみでは契約で繋がったカイムとアンヘル、
両者の傷を十分に癒すには至らなかった。
そしてカイムは、レジィの事は無視してでも春花の身を守るため、相馬に向かって全力で剣を投擲した。
その剣は相馬の腕を斬り落とす。
しかし、相馬は一瞬早く銃撃を行い、春花の命を奪った。

もしも3画目の令呪を重ねて「敵を殺せ」と命じられていたら…
戦闘続行と加虐体質のスキル、そして尽きぬ殺戮の意志を持つカイムは
たとえその直後に腕が引き千切れようと、平時の全力以上で相馬に剣を放ち、一瞬早く届いた剣は春花を救えたかもしれない。
意味のない、そんな仮定の話。

【野咲春花@ミスミソウ 死亡確認】

1567名無しさん:2022/03/14(月) 19:21:45
>>1566

 † † † † †

魔力なくしてサーヴァントは存在し得ず。
すなわち、マスターなくして彼らは存在し得ない。

厳密には、英霊の召喚および現界に用いる魔力は、聖杯――
小聖杯が行うことになる。
聖杯こそが不可能を可能とする。
是は、大聖杯が万能の願望機であるという傍証として考えられる。

ただし。
召喚した後のサーヴァントの肉体維持、その他、戦闘行動等による逐次消費。
これらの魔力については、すべてマスターが受け持つことになる。

更に言えば――
マスターはサーヴァントにとっての“現世への寄る辺”となる。
召喚された英霊は、その時代の人間であるマスターを要石として現世に留まるのだ。
やはり、マスターなくして彼らは存在し得ない。

ならば、マスターを失えば?
英霊本来の性質にも依るが、多くはただちに消滅する。
マスターを失った時点でサーヴァントは寄る辺を失い、現世から霧散する。
単独行動スキルを有していれば一日から数日間は肉体を維持できるが、単独行動スキルはアーチャーのクラス特性であり、他クラスのサーヴァントには当てはまらない。

だが、例外は存在する。
神話、伝説、逸話に於いて長期の単独潜入等の相応の活躍を果たした英霊は、クラスに依らず単独行動スキルを有する可能性がある。
故に、マスターを殺害した直後でも決して油断するな。

更なる例外が――

大量の魔力消費による霧散の抑制、肉体の維持である。
一例が、魂の“摂取”による魔力補充・維持となる。
我ら魔術師にとって魂の“摂取”は必ずしも禁ではない。
しかし、過剰に行えば神秘の漏洩を容易に招く。

例外の例外が発生した場合、速やかに――適切な処置を行う他にない。

                        (古びた一冊のノートより抜粋)

 † † † † †


サーヴァントはマスターからの魔力供給で現界を保ち、さらにマスターは英霊が世界に留まるための要石としての役割を持つ
そのため、スキル「単独行動」を持たない限り、例え魔力があったとしても手足が重くなり、現界を保つために使用する魔力量も増える
詳細に言えば魔力が「活動するためのエネルギー」、マスターとの契約が「現世に留まるための要石」であり、マスターを失うと「エネルギー」と「要石が失くなった負担」2つの魔力を自力で捻出しなくてはならなくなる、ゆえに主を失ったサーヴァントはすぐに消える運命にあるのだ


だから、目の前でマスター・野咲春花を失い、魔力供給の源を失ったカイムは急激に体が重たくなる感覚に陥り膝を突いてしまう
さらには召喚したアンヘルも光の粒子となっていく、もはやカイムに相棒を維持するだけの魔力の余裕はなく、アンヘル自身も口惜しく思いながら消えていった

最後の令呪でカイムの致命傷は治癒されたものの、もはや目の前の二体の敵に抗うだけの力は発揮できない
それでも、令呪二画による敵の殲滅を命じられたカイムは最後の力を振り絞って相馬とレジィに立ち向かった
たとえ令呪で命じられていなくとも、彼は最後まで戦場から離れることはあるまい
たとえ、それが命を散らす自殺行為であろうとも


【カイム@ドラッグオンドラグーン 霊基消滅】


※「Fate/prototype 蒼銀のフラグメンツ」より現界についての記述を抜粋しました。
※その他、英霊の現界についての補記は仮投下スレの1093を参照してください。

1568名無しさん:2022/03/15(火) 08:37:52
春花とカイムを倒した相馬はライダーの変身を解いた。
そして上着で肘下で切断された右腕の応急処置を行った直後だった。

「うわあ。悲惨な光景だなあ。君達がやったの?コレ。」
造船所に男が入ってきた。
暗い緑色のステンカラーコートを着た男だ。
半グレや春花の死体が転がり所々焼け焦げた造船所内の様子にも動じない様子はただの一般人ではない。
実体はあるから人間なのだろう。サーヴァントではあるまい。

負傷の身の相馬とやや消耗したレジィは警戒。撤退が連戦か見極めようとする。

「じゃ、そろそろ俺の元に返してもらおうか。そのベルト。」
男が言った途端、相馬が崩れ落ちる。苦悶の声を上げて苦しみ出し、全身が灰に変化し始めた。
相馬は苦しみながらベルトを取り外したがその変化は止まらない。
「それは代償さ。ベルトを届けてくれてご苦労。そのまま死んでくれ。」

コートの男―――過去の聖杯戦争で受肉したセイバー。草加雅人がそう言っている間に相馬の全身は灰になり、崩れてしまった。

【相馬和樹@LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶  死亡確認】

1569名無しさん:2022/03/16(水) 20:45:57
>>1568
相馬がベルトの副作用で灰となり、マスターを失ったレジィは予断を許さない状態となった
単独行動を持たない彼では現界を保てずそのまま消滅する
自身の敗北による消滅ならともかくマスター不在での消滅はあまり好ましいものではなかった
ゆえにレジィは目の前でベルトを回収する謎の男に再契約を持ち掛ける、相馬の死因に関係する相手だろうともなりふり構わず危険を承知で交渉をしてみた
しかしコートの男(草加雅人)は過去の聖杯戦争で受肉した元セイバーであることを明かし、サーヴァントと契約を結ぶことができないと返答されてしまう
衝撃的な真実を告げられ、もはや新しいマスターを探す余裕などないと諦めかけたレジィ、だがそこへ「待った」と声を掛ける医者が登場する

実はムー島からレムリア島まで飛翔してきた医者とグリーン・ゴブリンは到着直後に造船所での戦闘の気配を察し、霊体化した彼を同伴させて様子見に来てたのだ
春花が銃殺され、セイバーが蹴散らされ、相馬が灰化して、残る二人の会話を聞いた後、医者は彼らに同盟を提案する
曰く、ムー島では聖杯戦争に消極的な連中が徒党を組んでいるため、対抗するために優勝を狙う者同士で一時的に結託して対抗すべき、と

またマスターを失い消滅の危機に瀕しているキャスター・レジィに対して、戦力として役立つならば二重契約を結んでひとまず消滅を回避させてもいいと申し出る
むろん医者は二重契約のリスクを把握している、マスター側は魔力供給量の増加という負担がありサーヴァント側は供給不足による弱体化が発生するため、十全に運営するのは至難であると
しかし難題への対処法もある、単独行動スキルを持つグリーン・ゴブリンならばマスターからの魔力供給が多少滞っても活動はできるためリスクを幾らか緩和できる
また魔力を補充するならば「魂喰い」がある、極悪人のアクダマであり良心の呵責など全く持ち合わせていない医者ならばこそできる外道の戦術である
――そしてレジィ(や草加)には知らせていないことだが、状況次第ではゴブリンを戦力として残してレジィは捨て駒にする、など状況次第では使い潰すことも医者達は考えているのだ

運用次第で二重契約も活用する術があり戦力を確保するため、と説明して医者は選択肢を突きつける
対してレジィは医者が語らぬ捨て駒としての使い道を瞬時に見抜き考えを巡らす
つまりは医者達を拒めばすぐに殺されるに違いない、ならば今ここでなす術もなく消滅するよりかは危険を承知でも生き存えるのはアリかもしれないと
自分の願いももちろんあるが、この聖杯戦争の行く末も見てみたい気持ちも出来始めたところではあった

1570名無しさん:2022/03/16(水) 21:46:59
>>1569
「悪いが俺に君と手を組む気はない」

草加は医者の提案を拒否。
そもそも邪魔者を始末せず「待った」をかけた医者を放置すること自体が彼の性格的に珍しいことだが、これは医者に二重契約させることでわかりやすく共通の敵を作るためでもあった
二重契約の優位性は誰にでも簡単にわかるものであり、狙われるリスクが一気に増える。

それにどうにも医者からは自分と似た雰囲気を感じられ、はっきり言って草加にとってはかなりの邪魔者だ。しかし彼女にもサーヴァントが存在する以上、瞬殺することは出来ない。時間稼ぎをされている間にキャスターと契約されるという事態は防げないだろう
キャスターを真っ先に始末するにしても、医者のサーヴァントに妨害されるかキャスターが最後の力を振り絞って抵抗することは目に見えている

ならばこの場は撤退し、他の参加者と手を組んで医者を叩く。
優勝を狙うからこそ二重契約した医者と手を組むなんて論外だし、圧倒的な力を持つバーンも待ち構えている。
それらを相手に単独で勝てると思うほど草加は慢心しない。聖杯戦争に消極的な連中が徒党を組んでいるならば、むしろ好都合だ。
きっと乾や木場のようなタイプの人種だと考えた草加は彼らに取り入り、まずは医者とバーンを倒すことを先決する。
どの道バーンは自分だけでは倒せない。自分と医者が組んでも勝てるか怪しいし、そもそも徒党を組んだ連中と戦っている最中にこちらの戦力は確実に削られる

医者が敵視している徒党を組んだ連中はそれなりに数が多いのだろう。素性もわからない相手にわざわざ同盟を持ち掛けるということは、そういうことだ
ならば彼らの力を借りるまで。医者やバーンや他の聖杯狙いを倒した後、消耗し切った彼らを倒せば良い。
まあその時には自分も間違いなく消耗しているだろうが、ムスカという王の後ろ盾があるだけ優位に立てるだろう

「情報には感謝するよ。それにしても素性も知らない他人にそんな情報を渡すなんて、迂闊過ぎないかなぁ?」

憎たらしい顔で医者を軽く煽ると草加はサイドバッシャーに乗り、その場を去った

1571名無しさん:2022/03/16(水) 22:10:31
(造船所の騒動も終結したので本投下)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

三日目が終了、そして、四日目

夜の帳が下りて幾刻か、更けりて旧き終わり新たに始まる、その刹那
大半の者が微睡みに身を委ねる頃合いに、聖杯戦争のマスターにだけ伝達される夢があった
それは日中に垣間見た光景の続きであり、並んでいた12枚のカードからまた一枚一枚とこぼれていく
堕ちいく絵柄は、ライダー、セイバー、ランサー、セイバー、計四枚がさらに暗黒の園へと消えていった

そして残ったカードが空を舞うように動き出す
気付けば新たな盤面に移っており、ムー島とレムリア島を象った地図の上にカードが並べられていく
アサシン、バーサーカー、クリミナルの三枚がムーに、ライダー、キャスター、キャスター、フォーリナー、アルターエゴの五枚がレムリアに、降り立っていた

是は新たなる啓示なり
四騎が脱落して残るは八騎の従者達、それらの大まかな所在もここに示された
これは新たなる波乱の幕開けか、さらなる闘争を求める声か
ただ言えることは、この儀式も後半戦へと移り変わったということ
刻一刻と、聖杯の降臨が近いということだけである

1572名無しさん:2022/03/17(木) 10:56:14
ピーターと巧、ココア・マズルカの2組の主従はレムリア島のピーターの家にいた。
ココアは昼間の疲れからか眠っているが、ピーター、巧とマズルカは遠方からの爆発音や光に気付いて警戒していた。
中世的な文明の空島である。たとえ距離があり風の音がしていても、騒ぎがあれば気付く。
人形兵の修復を終え、魔力も回復したマズルカがフルネラ型人形(バッターの令呪でレムリアに転移した際に人形素体の姿で全員一緒に転移した)を偵察に向かわせようとした時だった。

イメージ映像が流れて来た。ココアが飛び起きて、2組の主従は状況を整理した。

ピーターと巧、マズルカとココアの主従は互いの持っている情報(殆どは炭治郎がもたらした情報)により、
現在の殆ど全員の主従の正体を推測できた。
彼らの視点は以下の通り

クラス : 推測(主な情報源) 【正体】 ←わかりやすくするためこう書く

脱落したサーヴァントについて
セイバー1:カイム(ココア) 【カイム】
セイバー2:不明 【ハドラー】
ライダー:炭治郎の会った、チノ達と一緒にいる、おそらくオルフェノクのサーヴァント(炭治郎・巧) 【木場】
ランサー:胡桃のサーヴァント(マズルカ) 【明】

ムー島の残ったサーヴァント
アサシン:雲雀 (ピーター・巧) 【雲雀】
バーサーカー:巨人(ピーター・巧) 【エレン】
クリミナル:チノのサーヴァント(炭治郎) 【マコト】

レムリア島に残ったサーヴァント
ライダー:【巧】
キャスター1:【マズルカ】
キャスター2:不明 【レジィ】 (距離だったり突然の事だったりでココアはレジィのクラスを知るまでには至らず)
フォーリナー:セフィロス(マズルカ) 【セフィロス】
アルターエゴ:グリーン・ゴブリン(マズルカ&ピーター) 【グリーン・ゴブリン】

脱落したセイバー2とキャスター2の正体までは分からないが、
仮に飛空艇などで移動していない場合、セイバー2の主従がチノや喫茶店の店主を罠に嵌めた主従。
キャスター2の主従がココアを不意打ちした主従。と、推測した。

ココアはあの強いカイムが倒されたことに驚いて、敵対していた事も忘れ悲しんだ。春花は大丈夫だろうか?と、その身を案じた。
そして状況は分からないがチノのサーヴァントが無事であることに少しだけ安堵した。
しかし、隣にいるマズルカの例からもわかるように、サーヴァントが無事だからだといってマスターも無事だとは限らないと気付き、手を胸の前でぎゅっと握りしめて無事を祈った。
ピーター、巧、マズルカは、グリーン・ゴブリンがこの島にいることに緊張を走らせた。
そしてこのアナウンスの露骨さに、元の世界で危険と悪意に触れる事の多かった3人は確信する。
「明らかに聖杯戦争を進めたい、仕掛け人のような存在がいる」と。

1573名無しさん:2022/03/18(金) 08:29:15
ココアは聖杯戦争に関するイメージ映像が流れて起きる直前、夢を見ていた。

夢の中ではマズルカと黒髪の魔女が、多数の魔女と戦っていた。
マズルカ達は必死に応戦していたが、黒髪の魔女が倒れ、魔女達に何かの鍵を奪われてしまった。
黒髪の魔女の元にマズルカが駆けつけるが、深手を負っており…

そこで別のイメージ映像が流れて来て、ココアは目を覚ました。

「ルカちゃん。さっき変な夢を見たんだけど…。」
ココアはマズルカと2人の時に、イメージ映像の直前に見た夢の内容を話した。
マズルカはそれは自分の過去の記憶だろうと教えた。マズルカは当時の概要を話す。

マズルカの師匠(黒髪の魔女)が妖路歴程をバーバという魔女から盗み出したこと。
妖路歴程を使って異世界を探索し、15年かけて3つ集めれば願いが叶うという鍵という秘宝を手に入れた事。
しかし全ては出し抜いたと思っていたバーバの掌の上。追っ手を差し向けられて鍵も奪われてしまった事…。などだ。

過去を覗いてしまい申し訳なさそうなココアに気にしないでと苦笑しながら、
マズルカはイメージ映像の方について考え始める。
一度目の白昼夢(>>1475)の時はココアは魔力を消耗して深く気を失っていたからか、
それともカイトが脱落したことでマスターではないと見做されたのか、見ていなかった。
バッターもなぜか(幻と片付けて)マズルカに話していなかったので、このアナウンスが具体的にどんなものか、
ピーターや炭治郎から一応は聞いたものの、イマイチ掴み切れていなかった。
どこかにある聖杯の情報がマスターに流れ込み、本来は明確な形を持たないそれを、マスター達の精神が理解できる形に変換して感じているのかもしれない、と考えていたが…。
先ほど4人で話した時に、ピーターからもイメージ映像の話を聞いた。
1度目との内容の差異や残りサーヴァントの位置を示すやり方と言い、明らかに残りの主従を争うように仕向ける意図を感じる。
なんらかのマジックアイテムであると予想される聖杯自体が意志を持つのか、それとも

(聖杯戦争を引き起こしている黒幕がいて、戦いが進むにつれ好戦的主従や情報収集が苦手な主従が減り、
 状況が膠着する事を嫌がって戦うようけしかけている…?
 …私たちは生き残った1組の主従の前に聖杯が姿を現すと思っていたけど、
 もしそいつがバーバみたいに、他人を掌の上で転がす狡猾な奴だとしたら、
 実は聖杯そのものはそいつが握っていて、最後に誰が生き残っても聖杯はそいつが手に入れる、っていう筋書きを立ててるかも…?
 …むむむ。憶測に憶測を重ね過ぎているか…。)
「ルカちゃん?」
「ちょっと考え事をねー。」
(もしも…聖杯がサーヴァントが脱落するごとに力を蓄えるアイテムで、完全に力を蓄えることで願望機になるとしたら…。
 未完成の状態の聖杯にもそれなりの魔力はあるはず。
 新たな願いを叶えるような力は発揮できなくても、
 聖杯戦争の参加者を集める為にマスター達をこの世界に呼んだ術式を模倣して元の世界に帰すぐらいはできないかな…?)

1574名無しさん:2022/03/18(金) 10:35:40
>>1570
木場がサイドパニッシャーで去った後、レジィと先ほどの再契約の話を進めようとする医者だったが。
「オイ待ちなマスター。俺というサーヴァントがいながらよぉ。浮気は許さねえぜ…?」
グリーンゴブリンはふざけた口調だがその目は笑っていない。
てっきりまりなのようにマスターのいるサーヴァントを傀儡にするつもりで医者の行動に賛同していたが、はぐれサーヴァントとの二重契約となれば話はまた違ってくる。
たしかに自分は単独行動というスキルで魔力の消費を抑えて活動できるが、それは激しい戦闘や宝具の使用に制限がかかる。
そもそも新たにキャスターが医者のサーヴァントとして加わるのなら自分への供給魔力は単純に考えて半分になる。
更に、いざとなったら敵の多い自分を残った令呪で切り捨て、キャスターをただ1人のサーヴァントにする可能性だってある。
マスターを切り捨てたグリーンゴブリンなら思い至って当然の発想だ。
無理に契約しようとしてもその前に目の前のキャスターを殺しかねない眼光の鋭さだ。

1575名無しさん:2022/03/18(金) 10:51:33
>>1574取り下げます。(詳細は仮投下スレ1169前後の議論)

1576名無しさん:2022/03/18(金) 11:41:53
>>1569>>1570

「おいおい待てって兄弟。そう簡単に逃げられると勘違いしていないか?」
「…ちっ、ついてくるな」

サイドバッシャーで早々に造船所を後にした草加だったが、グライダーで滑空するグリーン・ゴブリンに接近されて声を掛けられる
草加が同盟の提案を拒否した瞬間から、医者とグリーン・ゴブリンは元セイバーの男が自分達にとって邪魔になる存在と認定した
狡猾そうなこの男からして、こちらが同盟を組む理由として挙げた対聖杯の集団に入って自分達を袋叩きにする可能性が充分にある
また以前の聖杯戦争の参加者がこうやって表舞台に現われたのだ、この聖杯戦争についての秘密を何かしら知っているに違いない
ゆえに、元セイバーが乗り物で立ち去ると同時に医者は念話で追跡を頼み、グリーン・ゴブリンも応じてすぐさま追いかけた

「つれない野郎だな、せめてこっちが情報をあげたんだからそっちも何か情報を寄こせよ」
「そっちが勝手にやったことだろ、こっちにはそんな義理はない。とにかくとっとと失せろ!」
「あーそうかい、それじゃあお前が死ね、そしたら俺ともお別れできるだろう!」

バイクに跨がる男が口を割らないため、ゴブリンは併走しながらグライダーを横に向けて機関銃をぶっ放す
警戒していた草加は急激にハンドルを切って迫りくる怒涛の銃撃を回避、カイザブレイガンで反撃する
それを空中で器用に躱したゴブリンはグライダーからミサイルを射出、草加もバトルモードに変形させたサイドバッシャーでバルカンを放ちながら応戦する

こうして始まったチェイスバトル、互いの武器を躊躇いなく使い走りながらドンパチを繰り広げている
ちなみにだが、バイクに騎乗した草加側はほぼ二次元的にな動きに限定され、さらに彼が元いた世界とは違い路面の舗装が荒かったりオフロードを走ったりするので走行や回避が困難になりやすい状況である
騎乗スキルを有する草加ならばそれを苦ともせずに巧みに操縦し、時にはジャンプして回避することも訳ないが、一瞬でも気が抜けてしまえば不味い状況にはなりえる
一方、ゴブリンは三次元的に動けるため自由度の高い回避や攻撃で優位に立っているが、ムー島での戦闘や島間の移動でマスターや自身の魔力を消耗しているのが少し問題であった
とはいえ今目の前の獲物を逃してしまえば火の粉として残ってしまい、後々自分たちに燃え移る危険もある、なのでこの時ばかりは出し惜しみをしている場合ではなかった

ともあれこの勝負、最終的には相撃ちとなり引き分けて終了した
戦闘しつつ走り続けていた草加は悪路に嵌まって一瞬だけ操縦が狂ってしまい、そのタイミングでゴブリンが放ったミサイルの爆発に巻き込まれてしまう
だが同時に草加もミサイルとブレイガンを数発放ち、ゴブリンは咄嗟に手裏剣を飛ばしてミサイルを迎撃したものの爆風と銃撃によってダメージを負ってしまう
爆発によって吹き飛ばされた草加はダメージにより意識が飛びカイザが解除されてしまうが、不幸中の幸いかそれにより気配が薄れて森の中に飛ばされたことで探すのが困難になってしまう
一方負傷して標的を見失ったゴブリンはこれ以上の戦闘は困難と判断し、医者の元へと帰還する

1577名無しさん:2022/03/18(金) 11:42:32
時は遡って、レジィがマスターを失った頃
物陰で様子を見ていた医者とゴブリンだが、戦力補充のためにキャスターと二重契約を結ぶことを医者がゴブリンに提案する
レジィと草加のやり取りを盗み聴きしながらゴブリンは難色を示す、自身の戦闘能力の弱体化や鞍替えを警戒するのは当然のことである
とはいえ戦力や捨て駒が欲しいという言い分も分かる、なのでゴブリンは医者に次のことを要求する

一つ、自分が目の前にいる状態でキャスターと契約を結ぶことを
一つ、キャスターに令呪を使い「アルターエゴを攻撃してはならない」「謀叛を懐いたら自害せよ」と縛りをつける
一つ、その二つを行う前にゴブリン自身に令呪を使い「ゴブリン不在時に勝手に契約を結ぶ場合、あるいはキャスターを縛る令呪を使わなかった場合、即座に自身のマスターを殺害せよ」と強制的な報復措置を備えさせる

刃物を突き付けながらこの三つを医者に要求するゴブリン、もしここで快諾しなければここで殺すという脅しの意味を込めていた
対して医者は怯えたり焦ったりする様子もなく淡々と承諾し、ゴブリンを裏切れば自分も殺される内容をゴブリンが言ったように復唱して令呪を切った
医者としてはここでゴブリンに不快を買って戦力増強の目論見が破綻するのは良しとせず、レジィと草加の交渉も終わる頃合いであり割って入るチャンスを逃す訳にはいかなかったので即断実行したのだ


こうして裏側でも駆け引きがあり医者とゴブリンは協調を崩さずにレジィと草加の前に姿を表す
そして同盟を結ぶ話と再契約を結ぶ話をしたが、草加が拒否して立ち去ったちめに医者は急遽ゴブリンに追跡を依頼する
その際、ゴブリンは医者に自衛用の手裏剣とボムを渡しつつ、勝手に話を進めないようにと念を押して元セイバーの後を追った

「アルターエゴが帰ってくるまで、再契約はひとまずお預けね」
「ふざけるな!こちらの命の手綱を握っているからっていい気になるなよ!」
「まぁ確かに、こっちも悪いとは思うけれども。彼、どうも私が浮気しないか心配しているのよ」
「だから彼との約束を破る訳にはいかないし、マスターを失ったからってすぐに消える訳ではないでしょう、キャスター?」
「あなたも随分と弱っているようだし、彼が帰ってくるまでは一休みしていれば?」
「…もし奴の戻りが遅い場合は、すぐに契約をむすべ」

この待遇の悪さにキャスターは不満を表すものの、かといって何かしらの行動に移すことはできなかった
今の自分は現界するのに精一杯であり、弱体化した身体では目の前の女にも敵わない可能性が大きかった
事実、医者は疑似禁薬の影響で見た目以上の強さを持っており、ゴブリンから渡された武器もあるためキャスターが下手な真似をしても充分に対応できる状態であった
それに聖杯戦争に喚ばれた者が英霊の座に戻るには数時間の猶予は残されている、下手に動かず目の前の悪女とでも契約した方が生き延びられるならば少し待つことぐらいならば我慢することを選んだ

1578名無しさん:2022/03/18(金) 23:50:33
>>1576
『ムスカ大佐。アルターエゴはここまで生き残ってるだけあって思った以上に強そうだ。これはなかなか期待出来るね』

意識を取り戻した草加は近況をムスカに報告する。
草加が最も得意とする地上戦ではないという要因も大きいが、それを差し引いてもアルターエゴは予想以上に強かった。
草加自身のスキル、異形と戦う者も地上戦でなければ無意味に等しいことから相性的にも最悪といえる。
しかし運も実力のうちだ。なにはともあれ、草加は命を取り留めた。

「だがダメージを受けたことは、むしろ嬉しいよ。他の陣営に潜り込む時、自分だけ無傷だと流石に怪しまれるからなぁ……」

自身がダメージを受けたのに、ニヤリと笑う草加。彼は戦闘によって負傷したことすらも利用する。
それにグリーンゴブリンの戦法も把握出来た。草加は相手が異形ならば自身のスキル、異形と戦う者で有利になる。
だから何も知らずに戦うことになっていたらグリーンゴブリンを真っ先に狙うだろうが、先程の戦闘で相性の悪さを実感した草加は彼とはもう二度とまともには戦いたくないと思うのだった

1579名無しさん:2022/03/18(金) 23:54:18
>>1571
この夢は自身のサーヴァントを失ったホメロスも当然、見ていた
聖杯戦争。それは島の民が巻き込まれ、傷付く催しであり真面目に島を統治しようとする今のホメロスにとって許容出来るものではない

ホメロス自身もマスターとして願いを叶えるために参加していた身で、他人をとやかく言える立場ではない。
だが島の民を守りたいという新たな気持ちもまた本物だ。
かつてグレイグと共に国を守る騎士になろうと決意した時のように、ホメロスは寝床から立ち上がる

自分にはもうサーヴァントがいない。ホメロスが最強だと信じていたセイバーは――ハドラーはもういない。
だがホメロスには力がある。相手が対魔力がないバーサーカーとはいえ、有効打を与えられるくらいには強い。
もちろん自分だけで他の主従を倒せるとは思っていない。
だが幸い、ハドラーと戦い、拳で互いに分かりあった深海マコトがいる。彼のマスターも聖杯戦争を止めることが目的と見て間違いないだろう。

それとシャア。彼は聖杯を狙っていると同時に話が通じる部類だ。ホメロスとしては島に危害が及ばなければ、最終的に誰が聖杯を手に入れようがどうでも良い。シャアならば再び同盟を組んでくれる可能性もある

彼らと手を組み、聖杯戦争を早急に終わらせる。特に島に被害を撒き散らすような悪辣な輩は優先して討伐する。
それこそがこの島に住む民のためだとホメロスは判断した

1580代理投下:2022/03/19(土) 06:38:43
巧はオルフェノクのサーヴァントと思わしきライダーの脱落に歯噛みする。
自分の知っているオルフェノクの中でライダーのクラスで呼ばれそうな者といえば真っ先に思い浮かぶ男は木場だ

「木場……。お前のことだから、きっと誰かを助けて死んだんだろうな」

巧は木場のことを信じている。
だから彼がどうやって死んだのかも、なんとなく想像がついた。

「やっと会えるんだね、チノちゃん!これからは何があってもお姉ちゃんに任せなさい!!」

ココアは春花の安否やセイバーの脱落など、気になることは色々とあるがまずはチノを助けようと意気込む。
普段ならもっと動揺していただろう。元々の保登心愛はそこまで強い人間じゃない

『ココア……後はお前に託す。運命に屈するな……。チノや仲間と共にお前達の手でこの聖杯戦争を……悲劇の連鎖を止めてやればいい……』

もしも自分と最初にしたサーヴァントが天城カイトじゃなければ。かっとビングを知らず、彼の勇姿を見ていなければ聖杯戦争の途中で諦めていたかもしれない。
それでもココアの中にはカイトが居る。カイトに託された想いがある。
だからココアは諦めずに前を見る事が出来るのだ

「カイトさん……。やっとチノちゃんと会えそうだよ!」

天城カイトは死んだ。もうこの世にはいない。
そんなことはわかっているが、それでもココアはカイトに語り掛けた。
誇り高き決闘者はココアの魂に大切なモノを刻み込んでいた。

「……炭治郎のやつ、大丈夫か?これだけのサーヴァントが脱落したなら、向こうの島で何かあったんじゃないか?」

巧は木場の脱落の他に炭治郎のことが気掛かりだった。
チノを密航させると言っていたが、何かの騒動に巻き込まれた可能性もある。
もしも自分以外のライダーが本当に木場ならば――彼が誰かを守って死んだのならば。
それはきっと何かの騒動に巻き込まれたか、悪辣なサーヴァントにやられたのか。そのどちらかだろう。

「……炭治郎くんなら、きっと大丈夫だよ!」

何か具体的に根拠があるわけではないが、ココアは炭治郎を信じている。
信じているからこそ、チノのことを任せた。

「まあ、炭治郎に何かあったらアサシンのやつも脱落してるはずか」

サーヴァントが生存しているということは、高確率でそのマスターもまだ生きているはずだ。
マスター死亡でサーヴァントのみが残る場合もあるが、そんな可能性まで心配していたらキリがない。
今は炭治郎を信じて、自分達は自分達に出来ることをするのが先決だと巧は判断する。

「そういえばグリーンゴブリンってやつもこの島にいるんだったな。……ピーター、お前はあいつをどうしたいんだ?」

そんな意味の無い問いを投げ掛ける。
答えは既にわかっていたが、それでも一応自分のマスターに方針を確認しておきたかった。
そして案の定ピーターは「この島にいるグリーンゴブリンを倒す」というニュアンスの言葉を口にする。

「やっぱりそうなるよな」

巧は暫く思案すると

「ココアとキャスターはここで待ってろ。グリーンゴブリンは俺達が倒す」

それだけ言い、巧とピーターは二人を残してバイクで駆ける。本当にグリーンゴブリンが草加のようなタイプなら、自分達だけで倒した方が良い
ココアとキャスターを巻き込まないというのは、ピーターとしても賛成だった

――そして偶然。
本当にただの偶然だが、>>1162で草加と戦い、医者の元へ帰還する途中のグリーンゴブリンと遭遇した

ピーターが彼の名を叫ぶと、巧もそれがグリーンゴブリンだと気付く。

「おい、ピーター。あいつがグリーンゴブリンってことでいいんだな」

対するグリーンゴブリンも因縁の敵であるピーターの登場を見逃さなかった
バイクから降りた二人組へ容赦なくボムを放つ――が、意外にもそれはまさかの形で防がれる。

バイクが変形すると手に持った盾で攻撃を受けたのだ。
しかしオートバジンの被害も大きく、戦闘に介入することはこれで難しくなっただろう

「――変身!」

そして巧はファイズに変身する。
先程の元セイバーと似た見た目の戦士へ変化を遂げる。

1581代理投下:2022/03/19(土) 06:39:47
立ち去る草加と追い掛けるゴブリンの姿が闇夜に消えた後、医者とレジィは造船所から離れて遠い場所から様子を伺うことにした
造船所はレジィ達とセイバー組が戦闘した影響で炎が燃え広がり、先の戦闘音も加味すればかなり目立つ場所になっていた
事実、彼女達が離れた後に人集りができており、消防活動をする人や軍人やらが入り乱れている様子であった
他の人間からは自分達が見つからないようにしていた医者とレジィだが、そこへ誰かが接近する気配を感じ取る
そして彼女達の前に現われたのはクルーゼとセフィロスの二人組だった

最初は半グレ集団が造船所を占拠したことなど報告に受けていなかったクルーゼ達だが、やがて戦闘音が鳴り響き造船所が炎上し始めると流石に耳に入ってきていた
噂によるとドラゴンみたいな生き物を見たという声もあったが、とにかく聖杯戦争の参加者同士で戦闘が始まっていると断じてクルーゼ達も動き出した
まずは一個中隊を現場に向かわせて調査および消火活動や不審人物の確保を命じ、自分達も現場に向かう
そして造船所を調べたところ、多数の荒くれ者や一人の少女の遺体があるのみで生き残りはいなかった
だがセフィロスが造船所を見ている気配を感じたので、クルーゼは部下にその場を任せてセフィロスと共に視線の先に向かっていった

ゴブリンが不在、なおかつ未契約で弱体化したキャスターしか残っていない最悪な状況に危機感を抱く医者
一方クルーゼは軍事基地に侵入したキャスターと謎の女に警戒をするが、キャスターは弱体化していてまともに戦えないだろうとセフィロスが口にする
とりあえずクルーゼは医者とキャスターに話し合いを持ち掛け、やがてこちらに危害を加えない限りはこちらも攻撃しない、できれば他の主従に対抗するために同盟を結びたいと提案する
いとまずまともに話ができる聖杯狙いと出会えたことに医者は思考を巡らせ、そちらが攻撃しなければこちらも下手な真似をしないと同意して同盟を結ぶ手筈を話し合い始めた
その最中に日を跨ぎクルーゼと医者は白昼夢を確認し、さらに医者はムー島の主従達は聖杯戦争に消極的で真っ当に聖杯戦争をしている自分達を潰しにくるだろうと一押しする
それにはクルーゼも同意し、アルターエゴが彼女の従者であることも共有してそれが帰ってくるのを待つことにする

そしてアルターエゴ・グリーン・ゴブリンがこちらに向かって接近する気配を感じ取るがが、同時に別の気配も向かってきていることを察する一同
医者が念話で確認したところ、バイク乗りのライダーと宿敵スパイダーマンに追い掛けられている、とのことだ
そこで医者は同盟相手ができたことを伝え、一緒に追跡者を迎撃しつつキャスターとの二重契約を一緒にやることをクルーゼ達にも知らせる
同盟を結んだからには相手に恩を売っておこうとクルーゼが同意し、彼らの有視界に入ったところでセフィロスがライダー・乾巧との戦闘を始める
一方スパイダーマンは執拗にゴブリンを追い掛けるものの軽くあしらわれ、戦闘の最中ではあるが医者とキャスターが再契約を結び令呪二画を使用する場面をゴブリンは確認する

1582代理投下:2022/03/19(土) 06:40:34
>>1581
セフィロスとファイズではスペックに圧倒的な差があり、巧は苦戦を強いられる。
今まで戦ったどのサーヴァントよりも強い。草加や木場のような仲間と共闘してようやく互角に戦えるか、それでも自分達が負けるか――そう考えてしまう程の力量差だ。事実、オートバジンとの2人掛かりでもかなり押されている。
ココアやキャスターを置いて来たのは、ある意味正解だったかもしれない。こんな奴と戦ったら、命がいくつあっても足りやしない。

だが巧にも負けられない理由がある。
自分が願いを持っていながら因縁の敵であり、災いを撒き散らすグリーンゴブリンを倒そうと覚悟を決めたピーターの意志を少しでも汲み取ってやりたい。

「ったく、困ったマスターだな……!」

アクセルフォームやウルフオルフェノクのスピードでなんとかするか、ファイズブラスターで勝負に出るか……。
きっと純粋な力勝負では勝ち目が薄い。まだ宝具すら使わずにこの強さだ、ブラスターフォームになっても宝具次第で巻き返される可能性が高い。それにブラスターフォームはここぞという時に使わなければ、魔力の消耗も激しい。宝具もわからない状態で使うのは危ういだろう。

ならばまずはアクセルフォームを使って、相手が宝具を使う前に速攻で決める

『Start up!』

電子音が鳴り響き、ファイズの装甲が変わると――目にも止まらぬ超高速で動き始めた。
この瞬間のみはセフィロスの速さすらも上回り、この戦場にいる誰よりも速い。此度の聖杯戦争でも最速クラスだろう。

たった10秒。ほんの10秒だけ、今のライダーは誰よりも速い。
そしてクリムゾンスマッシュの円錐状の赤い光がセフィロスの周囲に幾つも生み出される。相応の魔力を消耗するが、セフィロスに勝つにはこれしかない。
後はこのまま蹴るだけで大ダメージか、或いは致命傷を負わせられるはずだが、巧には一つだけ誤算があった

たしかにセフィロスには超高速に対抗出来るほどの速さがない。しかしファイズアクセルに対抗する手段は何も素早さだけではないのだ。
そしてセフィロスはファイズの気配を微かにではあるが、確かなものとして感じ取っていた

1583名無しさん:2022/03/19(土) 14:12:42
>>1561の後、チノは一連の出来事に疲れて眠っていた。
雲雀とチノの眠る姿をマコト兄ちゃんが見守る。
少し前まではあれだけ居た仲間も、今やこの二人だけだ。
シャアやバーサーカーは現段階だと互いに敵対関係ではないが、向こうが聖杯を狙ってる以上は最終的にぶつかり合うことになるだろう。

「勇者、か……」

マコト兄ちゃんはハドラーの最期の言葉を思い出す。
勇ある者と書いて、勇者。それはタケルやアランにこそ相応しいとマコト兄ちゃんは考えるが、勇者と呼ばれること自体に悪い気はしない。

「魔王ハドラー。お前のその想い、確かに受け止めた」

ハドラーが言っていたアバンやダイという人間が、どんな者かは知らない。
しかしハドラーは自分を勇者と――英雄と言った。怒りや憎しみのない純粋な戦闘で互いの拳に想いを乗せ、殴り合った男の言葉だ。
だからそんな彼に恥じないためにも深海マコトは負けるわけにはいかない。強敵(とも)のために。

暫くしてチノと雲雀が目を覚ます。疲労が溜まっていたのか、チノは少しだけ起きるのが遅かった。
そしてマコト兄ちゃんと雲雀はチノから夢の内容を聞いた。

「マコトさん。雲雀さん。いよいよ最終局面です……」
「ああ。チノの夢の話を聞く限り、俺達とバーサーカーとそのマスター以外は向こうの島っていうことか」

チノとマコト兄ちゃんが真面目な会話をしている間、雲雀は何処吹く風か欠伸をしている。

「雲雀さん、真面目に聞いてください」

チノを無視して自由気ままに欠伸を終えると雲雀は入口付近へ視線を向けた。

「どうやら客が来たみたいだよ、小動物」

そして現れたのは、ホメロスだ。
ホメロスはチノ達に挨拶をすると、夢の内容を信じるならばこの島にいるサーヴァントはここに居るクリミナル、アサシンとシャアのサーヴァントであるバーサーカーのみだと話す
ホメロスとしては島の民が聖杯戦争に巻き込まれる状況は見過ごせず、なんとかしてこの戦争を終わらせたいと伝えた

「……どうする?チノ」

マコト兄ちゃんはチノに問い掛ける。
雲雀は無言で小動物を眺め、その返事を待っている。
マコト兄ちゃんはセイバーと正々堂々と戦ったからこそ、今のホメロスを信じていた。
雲雀はホメロスについて大して興味もないが、チノがどんな決断を下すのか興味を持った。……もちろん、ホメロスが下手な動きをしたらすぐに動く準備は出来ているのだが。

「少し迷いましたけど……わかりました。ホメロスさんに協力します」

こうしてチノ達とホメロスは同盟を組んだ。
その後ホメロスはシャアに連絡をするが、シャアとしてはチノのような少女を自分達と共に危険なレムリア島へ連れて行くことは気が進まない。
だが友人達の死を乗り越えて生き抜いているチノの覚悟を認め、同盟相手として共にレムリア島へ行くことを承諾。彼らは飛行艇の乗り場へ向かった。

チノに対して色々と思うところはあるが、クリミナルとアサシンという戦力自体は非常に心強い。なにしろ向こうの島にはフォーリナーが存在するのだ。
出来ればホメロスとアサシンに契約してほしいと考えるシャアだが、互いの性格的に難しそうだと思い、提案はしなかった

1584名無しさん:2022/03/19(土) 16:42:23
「ココアとキャスターはここで待ってろ。グリーンゴブリンは俺達が倒す」
それだけ言って、ピーターと巧は2人でグリーンゴブリンを倒すために行ってしまった。

残されたココアは、うろたえていた。
2人を心配する気持ちがある。
また、恥ずかしいが正直に言えば、マズルカがいるとはいえ4人から2人になってしまった心細さもある。
だが、1番大きな気持ちは、戸惑いだった。
てっきり、マスターとなった自分も一緒についてきて、マズルカと一緒に戦うよう言われると思っていたのだ。
しかし、2人は危険な戦いの場にココアを連れてはいかなかった。

「ルカちゃん。私達もピーターさんと巧さんを追いかけた方がいいかな?」
どうしよう、という不安からマズルカに尋ねる。
マズルカはきっと強い魔女だ。とココアは(特に根拠はないが)信じている。
しかし、マスターの自分は非力で、足手まといだ。
自分がいては逆に戦いにくいから来るなと、そういうことなのだろうか。ココアは不安になり尋ねる。

マズルカは思う。
きっと2人がココアを置いていったのは、ピーターとグリーンゴブリンの因縁とか、
一般人の少女を危険に晒したくない気持ちとか、色々あるのだろうが…。
一番の要因は、ココアの「心」が戦いに向いていない。そう思われているのだろう。

マズルカはフルネラ型人形を一体、人形兵を数体召喚してココアに会わせる。
外見は人間と変わらない人形達…。特に外見が幼く可愛いフルネラ型(根っこの性格はともかく…)にココアは目を輝かせる。
彼らはマズルカに忠実な人形達だが、心の無い存在ではなく、生物と殆ど変わらない存在であることを伝えた。
そしてココアに、自分が元の世界でどのような戦い方をしていたかを語る。
必要なら人形兵の捨て身の戦術や、生贄を使う自爆技も躊躇なく使ってきたこと。
オオガラスの手先と戦うため、今まで何百体もフルネラ型を生み出して戦わせ、死体の山ができたこと…。
そして、自分にはこの戦い方しかできないこと。
自分と戦いに赴くなら、人形兵達が傷つき倒れても、気にしてはいけないこと。

真剣なマズルカの話をココアは身を震わせながら聞いていた。


*要路歴程には魂が込められてないけど人形兵自体は人形素体を核とした魔法生物(マナニア)で厳密には人形ベースの生物に近い
 要路歴程の魂の有無は艦これで例えるなら指揮官が自我のある人間かAIかみたいな違い。
 個々の性格がある艦娘はどっちが指示しても忠実に動くけど人間(魂あり)のほうが臨機応変で強い…みたいな感じ
 と解釈してます。

*原作では人形兵に心はあるのかとかそこらへん全くノータッチだったんでぶっちゃけよくわからない。
 (性格とかあるし戦闘中のボイスもあるし人形兵同士の好感度とかはある)

1585名無しさん:2022/03/19(土) 16:54:47
>>1584
戸惑うココアにフルネラや人形兵達は「マズルカを信じて忠誠を誓っているからこそ捨て身の行動や自爆も出来る」と説明した
自分達を気に入り、心配してくれるには感謝する。だからこそマズルカやココアの役に立ちたい。
それがマズルカと人形達にとっての絆だ。

「……それがルカちゃんやフルネラちゃん、人形兵さん達の繋がりなんだね!」

誇り高きドラゴン使いと彼に仕えていたロボットを思い出す。

『見ておけ、ココア。これが決闘者の世界だ』

決闘者の世界。
それはあまりにも過酷なものだった。
オービタルはココアを守って死に、カイトも最期に銀河の如き煌めきを遺して散った。

しかし彼らは最期まで決して後悔していない。

『カイト様……。オイラの活躍、見てくれたでありますか……?』
『――よくやった、オービタル』

そういう絆もあるのだと、二人の勇姿が迷えるココアに道を示す。
だからココアはマズルカと人形達の在り方を否定しない。

カイトもオービタルが殺された時、闘志を燃え上がらせて切り札を放った。
オービタルを信じているからこそ彼の犠牲を無駄にせず、後へ繋いだ。
マズルカと人形達もきっと同じだ。悲しくても、苦しくても諦めずに前を向く。
それこそが――

「――かっとビングだよ、ルカちゃん!」

1586名無しさん:2022/03/19(土) 20:28:31
>>1581>>1582
一方、ピーターvsゴブリンは互角の勝負だったな
本来の状態ならばサーヴァントであるゴブリンが優勢になるはずだが、先の戦闘による負傷および魔力も大量消耗、なおかつ二重契約によって魔力供給量も減ったことにより弱体化
片やピーターは万全の状態であり、マズルカから人形兵の武器を借りているため英霊ゴブリンに対してもある程度ダメージを通せるようになっている(ただし英霊の持つ神秘が強い武具よりかは威力は落ちるが)
またピーターのゴブリンに対する怒りがいつも以上の力を出しているため攻勢側に立っているが、仮にも英霊であるゴブリンは弱っていてもピーターに討ち取る隙を与えず、一進一退の攻防が繰り広げられていた

ただし、今その場で戦っているのはその二人だけではない
戦闘の最中にピーターはスパイダーセンスを感じて緊急回避、飛翔する凶弾を紙一重で躱す
その攻撃は再契約により魔力不足から解消されたレジィが仕掛けたものである、こちらも供給不足により全力は出せないが多少は戦うことはできる
さらにピーターは追撃によってゴブリンから引き離されてしまう、それを為したのは医者であった
今の彼女なら疑似禁薬によって超人的なパワーを獲得している、もしピーターとタイマンするならば戦闘技術の差によって劣るものの攻撃面ではあまり変わりない
蹴り飛ばされたピーターがすぐさま起きると超人一人と英霊二騎、一対三という状況になっていた


※ピーターvs医者達三人となりましたが、三人側は弱体化の影響もあるため戦力バランスは不明、戦い方は色々とあると思います
※ピーターの装備は戦術甲(篭手)が有力候補、ウェブシューターに干渉しないようにカスタマイズしているかもしれません
※次点ではシノブシが持っているとされる短剣のようなもの、あるいはマーベル側が好きそうな刀を装備していそう(デップースタイル?)

1587名無しさん:2022/03/19(土) 21:52:04
>>1582
自分を取り囲むように展開された無数の赤い光を目撃した瞬間、セフィロスは迷わず片翼の天使を使用した
セフィロスはファイズのことを知らないが、これらを一撃でも受けたら危ういと戦士の勘が告げている
マスターには負担を掛けるが、まだキャスターと戦闘した際の傷が完治したわけではないこの状態で直撃を受けることは避けたい。だが流石のセフィロスでも通常の状態でこれだけの数の必殺を対処することは困難を極める

だが片翼の天使で機動力が上がったセフィロスならば話は別だ。
クリムゾンスマッシュのロックのほとんどを正宗で弾き、対処。一つだけ取り逃してしまい、ファイズのクリムゾンスマッシュを真正面から受けることになるが――正宗を叩き付けることでファイズとセフィロスの両者がダメージを受け、その衝撃で弾き飛ばされる。

『Time out!』

同時にファイズアクセルのタイムリミットが訪れ、巧は通常のファイズに戻ってしまう。

「そんなの、ありかよ……!」

仮面で隠れて表情こそ見えないが、巧はセフィロスの圧倒的な強さに驚愕していた。
まさかアクセルフォームがこうも簡単に対処されるとは思わなかった。
セフィロスも相応のダメージを受けているが、仕留めきれなかったこと自体が巧にとっては驚きだ

1588名無しさん:2022/03/21(月) 01:59:23
>>1583
発着場に着いたチノ達だが、そこで思わぬ人物と出会う
正確にはホメロスとシャアが気付き、何故このタイミングでと思ったのだが
彼らを待ち構えていたのはムー島における統治者、国王ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタであった

1589名無しさん:2022/03/21(月) 08:30:06
ムスカはあくまで聖杯戦争と無関係を装い、
外遊から帰ってきたら島で事件が多発している事に
心を痛め、各地で調査をしている部下や兵士達の元へ出向き報告を受けている最中だと告げた。
(ちょうどゴブリンの爆弾で破壊された船が発着場に引き上げられていた)
ちなみにエレンやマコトは霊体化している。

シャアとホメロスはレムリア島と事件解決のため協力するための調整、などのあらかじめ用意していた理由を述べた。
ムスカは2人を激励し、自分の部下達も調査の為に同行させるよう命じた。
少しばかり面倒なことになったと思いつつも、ここで断るのも不自然であるし、
ムスカ帰還の時期やイメージ映像の分布からも聖杯戦争とは無関係であると考え、申し出を受けた2人あった。

ちなみにチノは緊張していた。王様が目の前にいるので当然の反応である。
ムスカは優しい王様といった体で鷹揚に接し、その場は何事もなく3人(とサーヴァント達)は出航する船に乗った。

ムスカの部下たちは軍人数名と、大きな無線機を背負った通信兵である。
(民間レベルでは普及してないが原始的な無線技術は一応できていた。)
この部下達はムスカの命令に忠実な兵士であり、いわば密偵である。
指示があればホメロス達を襲う事も辞さないし、草加の念話ではわからないレムリアの情報を把握したりするのに活用しようと考えている。

1590名無しさん:2022/03/21(月) 09:07:57
>>1589
ムスカとしては自分がマスターであると名乗った方が円滑にバーンの情報を教えられるのだが、イメージ映像で残りのサーヴァント数やクラスが判明していることが彼の思惑を邪魔していた
しかし草加の連絡通り、本気で聖杯を狙っている連中よりも安心して手を組めそうだ

本気で聖杯を狙う連中は利害の一致で動いている関係上、仲間であろうが蹴落とそうとする者もいる。前回の聖杯戦争にもそういう輩は居た
逆にこういう善寄りの連中こそ自分が裏切られるリスクは低いだろうとムスカは考え、部下達には身を呈してでも三人を守るように伝えてある
そうすることで彼らから信頼を得て、バーン討伐のために自分が正体を明かした時に怪しまれないようにする
それにムスカとしてはバーンを倒すまでは部下よりもサーヴァントを使役出来るマスター達の方がよっぽど貴重で大切だ。
部下はいくらでも替えがきくし、彼らが束になってもバーンを討伐することは出来ないのだから

ちなみに明らかに場違いなチノに対して何も言及していないことを部下に問われるが、ムスカは適当に理由付けをする。

「きっと彼らが護衛しているのだろう。少女が一人でいるよりも軍人が寄り添っていた方がよっぽど安心だ。他人の意志に言及するなんて、野暮だとは思わないのかね」

1591名無しさん:2022/03/21(月) 09:43:37
>>1587
オートバジンは多大な被害を受け、切り札のファイズアクセルすら対処された。
クリムゾンスマッシュを真正面から受けたセフィロスは負傷しているが、致命傷や深手を負わせたとは言い難い

片翼の天使で性能の上がったセフィロスが正宗で猛攻を仕掛ける。
巧もファイズエッジで対抗するが、剣士であるセフィロスには剣の技術が及ばない。そして単純なスペックすらもセフィロスに劣っている。
必然的にセフィロスがファイズを追い詰める形になるが、セフィロス側もクルーゼが消耗する。圧倒的な強さを誇るセフィロスだが燃費が悪く、マスターは魔力の消耗を強いられる。それが唯一の弱点だ

だがマスターの魔力が消耗しようともセフィロスは攻めの手を止めない。やがてファイズからベルトが外れ、巧は強制的に変身解除される。
勝った。セフィロスとクルーゼは勝利を確信し、巧に刃を向け――ライダーの姿が消えた。

いや、厳密にはライダーが謎の生き物に変身した。
予想外の展開にセフィロスとクルーゼは面食らうが、その瞬間にもウルフオルフェノク 疾走態と化した巧は行動を開始。クルーゼに攻撃を仕掛けるが、セフィロスが立ち塞がり正宗で受け止める。
咄嗟の判断で行動したセフィロスと先に動いた巧。この衝突の軍配はウルフオルフェノクに上がり、攻撃した勢いのままに拳を叩き込むと最後に強烈な蹴りをお見舞いし、セフィロスを吹っ飛ばす。
ちなみにセフィロスがクルーゼへの攻撃を防ぐことを想定して巧は動いていた。巧本人の性格上、マスター狙いは気が進まないが今回はあくまで敵に有効打を与えるためだ。

『おいピーター。こいつを……フォーリナーを倒すには奥の手を使うしかなさそうだ。……俺はどうすりゃいい?』

巧の念話に対してピーターは令呪で回答をする。全力でフォーリナーを倒せ、と。
巧の肉体に力が漲る。それは何故かピーターの令呪だけではなく、亡き木場にも力を与えられているような感覚だった。

「きっついなぁ、お前らの期待に応えるのは……」

フォーリナーをなんとかしなければグリーンゴブリンを倒すどころではない。ライダーが倒された瞬間、追い付いたフォーリナーによって均衡は崩されるだろう。

「……でも、いいぜ。俺がこの聖杯戦争(ひげき)をハッピーエンドに変えてやるよ!――変身!」

セフィロスが戻ってきた時、そこには赤いファイズが立っていた。
闇を切り裂き、光をもたらす救世主。ファイズ ブラスターフォーム――これぞ乾巧の全力を出した姿だ。
対するクルーゼも即座に令呪を使う。目の前のライダーを倒せ、と。
互いに令呪のブーストが掛かり、条件は五分五分。この場にライダーのマスターは存在せず、ライダーもクルーゼを狙う気はない。
サーヴァント同士がぶつかり合い、最後まで立っていた方が勝者だ

1592名無しさん:2022/03/21(月) 09:45:20
>>1250
ブラスターフォームへの変身によりファイズはパワー・防御・火力が向上し、アクセルフォームほどのスピードは出なくともセフィロスの攻撃に対応して応戦している
セフィロスは魔術を交えつつ片翼の天使により攻撃性と機動性が向上し、凄まじい火力を放つファイズブラスターにも対応して全力で挑む
互いに負傷し令呪も使い、戦闘においても互角である、ゆえに熾烈な戦いは膠着し数分が過ぎる

やがて互いの距離が離れて一呼吸ついたところで、一気に決着をつけるべく互いの魔力が上昇する
これ以上決め手に欠けたまま戦い続けてもマスターに負担を掛けるだけ、なので一気に敵を討ち取るべく必殺技を繰り出す
飛行能力を得たファイズブラスターは上空へと舞い上がり、そこから急降下して超強化クリムゾンスマッシュを放つ
一方、地上にいるセフィロスは居合いの構えをとり、クリムゾンスマッシュが目の前に迫った瞬間を狙って虚空を斬った

ファイズの周辺には濃縮フォトンブラッドが放出され、渦を巻きながら拡散される飛翔の蹴りは通常版よりも更に強力な破壊力をもたらす
その力の奔流は周囲の建造物をも破壊してしまう程に有り余る代物であり、たとえセフィロスが必殺技の打ち合いをしていてもそれを打ち破り彼を貫いていただろう
だが、この時セフィロスは宝具を開帳し、『悍ましき熾天の彼方(スーパーノヴァ)』を放っていた
その結果、仮面ライダーファイズはいつの間にか宇宙空間に放り出されており、彗星のような破壊天体によって数々の惑星が破壊される様を見せつけられる
さらに星喰いの流星は終息地である恒星、灼熱に満たされた太陽のような輝きの中に消え、続けて宇宙を破滅に導く超新星爆発が発生して観測者をも光の中に呑み込んだ
――むろん、この光景は人間という小さな視点では観測不可能なものであり、宝具によって歪曲された認識への暴力である
だが、自身のスケールを超越した超常現象を突如見せつけられた被対象には、そのような解釈を想起させることなどほぼ無理であっただろう

ともあれ、二騎の英霊が互いの奥義を放って交差した後に勝負はついた
普通なら死んでいてもおかしくないセフィロスが整然とした状態で立っており、数々のオーバーフローを起こし霊核を損傷した仮面ライダーファイズが膝を突いた後に地面へと倒れ伏してしまった



※自分的にはライダー・乾巧が脱落するつもりで書いています
※ファイズ未把握なのでググって設定を読んだり動画で必殺技を確認しましたが、ブラスターの超強化クリムゾンスマッシュだと円錐状のポインティングマーカーで目標をロックオン&拘束するかどうかを把握しきれませんでした
 軽く映像を見ただけではロックせずとも攻撃していると判断して今回の内容で書きましたが、もし違っていたら修正します

1593名無しさん:2022/03/21(月) 09:49:03
>>1592
倒れ伏したファイズを一瞥するとセフィロスはピーターを対処するべきか気絶したクルーゼを抱えて撤退するべきか迷う。
セフィロスという規格外の存在は顕現しているだけでも魔力の消耗が激しい方なのに全力でぶつかったのだ。キャスター戦に続きまたしても気絶するのも仕方なく、セフィロスはそこを責めたりはしない。

とりあえずセフィロスはその場を去ろうとするが

「……どこに行くんだよ」

ライダーに声を掛けられた。
オーバーフローして倒れたはずの男が気力だけで再び立ち上がり、流石のセフィロスは驚く。
もしも木場勇治が脱落していなければ。ピーターがグリーンゴブリンを討伐しようとしていなければ。きっと巧はこのまま退場していた

だが木場が死に、ピーターの覚悟を見てしまった。ならば自分はここで引くわけにはいかない。
巧には背負っているものがあり、それが彼を強くする。先程の宝具を巧の精神力はギリギリのところで耐え切ったのだ
このまま楽に死なず、自ら率先して痛みを背負う彼を。希望という病に蝕まれてるライダーの姿をセフィロスは感慨深く見つめた

『……俺の方はそろそろ限界だ』

しかし巧はこの状況でセフィロスに勝てると思うほど、楽観的でもない。消耗し切った彼に勝つ手段は残されていない

『最後に令呪で俺に力をくれ。……こんな身体でも、時間稼ぎくらいは出来る』

ピーターはライダーの脱落がほぼ確定していることに歯噛みするも令呪を二画使う。まだ死なないでくれ、と。
自分が要求していた令呪とは違う内容に巧は笑った。ああ、こいつはそういう奴だったな……と。
自分も願いがあるのに聖杯を狙わず市民を守る。そんな心優しい男を巧はこう呼ぶ。

『お前みたいなやつをヒーローって言うのかもな』

――ヒーロー、と。
そして巧はセフィロスに食らいついた。勝ち目のない戦いだが、幸い負傷は多少マシになった。ピーターがグリーンゴブリンと決着をつけるまでくらいの時間稼ぎは出来る。なるべくピーターに負担を掛けないために、魔力の消耗は最低限にするつもりだ。

セフィロスはライダーの覚悟を認め、この場に留まると正宗を構えた。
度重なる魔力の酷使やマスターの状態を考慮して片翼の天使は使わない。だがそれでもライダーとフォーリナーの差は埋め難く、ほぼ間違いなくライダーは負けるだろう。

そんなこと巧はわかってる。それでも仲間のために勝ち目のない戦を再開させるしかない。

「俺の名前は乾巧。聖杯戦争らしく夢を言うなら……そうだな。世界中のみんなを幸せにすることだ!」

ライダーの名乗りに対してセフィロスも自分の真名を教える。それは強者の余裕か、はたまた戦士として多少はライダーに敬意のようなものを示したためか。
大前提としてライダーが今から自分に殺されるということも大きいが、もしかしたらセフィロスは乾巧という男を多少は認めたのかもしれない

そして彼らの他にも戦闘音を聞き、駆け付けた者がいる。草加雅人だ。
サイドバッシャーに跨っていた彼は、乾巧とフォーリナーの姿を視認すると付近に隠れて様子を眺めた。
あの薄汚いオルフェノクは相変わらず綺麗事を垂れ流しているようだが、あの様子では脱落も近いことを草加は察している。それでも最後まで彼の最期を見届けようとしたのは、腐れ縁だからか。はたまた乾巧というオルフェノクの死に様を拝みたいからか。
もちろんフォーリナーの情報を知りたいということもあるが、それよりも乾巧の存在に気持ちが沸き立つ


※乾巧の脱落はほぼ確定ですが、ピーターが決着をつけるまではセフィロスを食い止めることでしょう
※最後に草加が出てきたのは巧が死ぬ時にちょっと絡みを入れたいから。お互い認知せず、絡みもない状態で巧脱落はちょっともったいないというのもある

1594名無しさん:2022/03/21(月) 10:48:47
>>1586
三対一という不利な盤面で戦い続けるピーターだったがライダーが対峙している相手はかなりの強者であり、宝具の解放と令呪の使用をしなければならないほどであった
そして度重なる宝具の使用により発生する魔力消費はピーターの消耗を著しく起こす
戦い方をある程度把握してるグリーンゴブリンはともなく他2人の戦い方はあまり情報がない状況
均衡は確実に傾きつつあった

1595名無しさん:2022/03/21(月) 11:11:25
スーパーノヴァさえ食らわなければたっくんはセフィロスに勝ち目あったんだがなあ
クルーゼはこの戦いで令呪一画使っても魔力切れに陥ったし、ブラスターモードで持久戦を強いれば撤退には追い込めただろうに
ただその場合はピーターの魔力切れがもっと早くなるんでグリーン・ゴブリン達との戦いの結果も変わっただろうけど

1596名無しさん:2022/03/21(月) 15:40:20
>>1594
自分の体力が著しく消耗し、メイおばさんに続いてライダーまで失うことが確定してピーターは焦りから医者に標的を変えようか悩む
相手はサーヴァントだ。マスターさえ仕留めれば勝ったも同然。マスターを狙えば他のサーヴァントは間違いなく魔力の消耗も惜しまず本気でカバーに入るだろうが、焦燥感からそこまで考えが及ばない
そうしている間にも追い詰められていくピーター

『お前みたいなやつをヒーローって言うのかもな』

だがライダーからヒーローと呼ばれて、ピーターは冷静さを取り戻す。
今までグリーンゴブリンに対して頭に血が上っていたが『ヒーロー』として彼だけでも道連れにすることに決めた
他二人に対してはスパイダーセンスを駆使した回避に専念し、グリーンゴブリンのみを一点集中して狙う

1597名無しさん:2022/03/21(月) 15:42:49
グリーン・ゴブリンだけを狙うことを決意したピーターだったが、他の2人の攻撃を掻い潜りながらグリーン・ゴブリンを狙うのは並大抵のことではない。
追い詰められるピーター。
その時、周辺に魔力のある弓が数本降ってきた。

戦っているピーターと巧を助けようとココアが決意し、マズルカと共に馬車小屋で向かっていた。
そして射手(マッドラプター)の人形兵達が矢を放ったのだ。

しかし、その弓は戦闘中の4人とはやや離れたところに降り注いだ。
この時、ココア達は馬車小屋を(これも宝具の一部である)馬に引かせて戦闘の現場に向かっていたが、
まだその距離は数百mほども離れていた。

マッドラプターはボウガン状の武器を使用する。
ボウガンや弓の武器の特徴として、有効射程距離に比べて飛距離が非常に長いというものがある。
実際に動く的を狙い撃てる有効射程距離に対して、斜め45度で大きく弧を描いて飛ばせばその十倍の飛距離を叩き出せる。

当然、ここまで距離が離れている上に、走行する馬車の上からの射撃、更に曲射ではたとえ今が昼間だろうが当たるものではない。
弓兵のサーヴァントならもしかしたらそれでも可能なのかもしれないが、マッドラプターはたかが人形兵でしかない。
だが、マズルカは初めから当てるつもりはなかった。
これはあくまでピーター達と闘っている相手に対する威嚇やプレッシャー、そして彼らに加勢に向かっていると知らせるのが目的であった。
自分の存在を知られることで不意打ちのチャンスを失ったり、自分達の方に敵が向かってくるリスクもあった。
しかし、暗いうえに遠すぎて豆粒ほどにしか見えないが、飛び回るピーターとグリーンゴブリンのグライダーの炎などが見えたマズルカは
たとえピーターが強くともサーヴァントとサシで戦っている状況だとしたら長期戦は分が悪いと考え、遠方から牽制の弓を放ったのだった。

医者たちは数の優位があるとはいえ、あまりに消耗が激しい。
機動力に優れるピーターをこの場で瞬殺はできない。手間取っているうちに他のサーヴァントと戦ったら敗色は濃厚である。
真っ先にグリーン・ゴブリンがグライダーを具現化して逃げようとしたが、ピーターはそれを見逃さなかった。
ウェブシューターから発した糸を空中のグリーン・ゴブリンのグライダーに巻き付けた。
そして糸が引き千切れるまでに、まるで凧揚げのように空中で振り回し、本来は当たる筈のなかった降り注ぐ矢に当てることに成功。
当たり所が悪かったのかグライダーが破壊され、グリーン・ゴブリンは落下した。

グリーン・ゴブリンがグライダーを放棄して地面に着地した時にはレジィと医者は既に遠くへ離脱していた。
レジィは「アルターエゴを攻撃してはならない」「謀叛を懐いたら自害せよ」と令呪で縛られているが、
このグリーン・ゴブリンを見捨てる行動はレジィが攻撃しているわけではないし、
生命線であるマスターを守るという行動が謀叛になる筈もない(とレジィは認識している。)

横槍を入れていた2人が離脱し、ピーターと、グリーン・ゴブリンの一騎打ちが再開した。

1598名無しさん:2022/03/21(月) 16:45:45
>>1597
矢を放つ新手の敵、たぶん日中に戦ったであろうキャスター・マズルカがこの戦場に接近していると感じ取るセフィロス
そしてアルターエゴを置いて退却する様を確認して、セフィロスもまたこれ以上の戦闘より撤退を決める
幸い、一時的な魔力の過剰供給により少しだけ気絶していたクルーゼも微かに意識を取り戻し、彼もまた継続は厳しいと考えて撤退を選択する
セフィロスとしてもライダー・乾巧とは最後まで決着を着けたかったところだが、状況がやむ負えない
ゆえに、再起したファイズと戦っていたセフィロスはピーターの方に向けて刃状の衝撃波を放つ
ピーターはアルターエゴに集中している、たとえスパイダーセンスでも躱しきれない程の複数の刃が瞬時に迫る
その攻撃はピーターに届く前に、ボロボロのファイズが身を挺してマスターを守りきった
これは先ほどオルフェノクになった巧がクルーゼを狙った事への意趣返しでもあり、そう行動すると信頼していたセフィロスはすぐさまクルーゼと共に戦場から離れた

1599名無しさん:2022/03/21(月) 19:52:58
>>1598
医者達が逃亡する様子を見ていた草加は彼らが向かった方角をムスカに報告。レムリア島に密かに忍ばせていた部下に追跡させる。彼らが潜伏する場所を特定出来れば幸い。もしそれに失敗しても部下なんて所詮は捨て駒だ。草加やムスカにとって彼らの命なんてどうでも良い。

そしてセフィロスの強烈な攻撃によりファイズの変身が解除される。
ピーターの動きが一瞬だけ止まり、その隙にグリーンゴブリンは逃げようとするが何者かが乱入して彼に殴り掛かった。
予想外の一撃を受け、吹っ飛ばされたグリーンゴブリンはファイズと似た紫の戦士を睨み付ける。巧は自分がよく知る仲間の復活に目を見開いた。

「草加……!おまえ、どうして……」
「あの世から蘇ったのさ。……まさか君が聖杯戦争に参加しているとは。因果のようなものを感じるよ」

「お前のことだ。どうせ俺達を助けに来た……ってわけじゃないんだろ?」
「その通りだ、乾。俺は別に君を助けに駆け付けたわけじゃない。乾のマスター、この怪人は君の敵だろう?」

草加は地面に転がるグリーンゴブリンを乱暴に掴み、ピーターへ向けて投げつける。
ピーターは僅かに困惑するが「俺達のことは気にするな。戦え、ピーター!」とライダーに背中を押されグリーンゴブリンとの戦闘に集中する。
巧と草加が知り合い同士で争いそうでもないと判断しての行動だ。

「それでお前は何しに来たんだよ」
「今から死ぬ君には関係ない……と言いたいところだが、冥土の土産に教えてやる。ただの観戦だ」
「観戦なんてして何の意味があるんだよ」
「この聖杯戦争に潜む黒幕を倒すためにもフォーリナーのことを観察していた。ま、今から死ぬ君に教えても無意味なことだが」

巧の消耗はあまりにも激しい。このまま放置しても確実に死ぬ。
だから草加はグリーンゴブリンとピーターの戦いを眺めながら、死にかけの巧と会話をしていた

「黒幕だと?そんな奴がいるのかよ」
「ああ。大魔王バーンというやつが、この聖杯戦争の黒幕だ。俺は真理のためにあいつを倒す」

園田真理。巧と草加の共通した知り合いであり、草加が愛する者だ。

「真理もいるのかよ」
「君にそこまで教える義理はない。それにしても惨めな末路だなぁ、乾」

草加は巧の最期をほくそ笑むと彼の近くに落ちてたファイズギアを回収。新たな道具が手に入ったとムスカに連絡する。

「そうかよ。……俺はお前やあいつが平和を守ってくれるなら、それで良いと思ってるけどな」

草加の性格はよく知っている。だが彼が黒幕を倒すと言うのなら、このままファイズギアを託しても良いと思った。
大魔王バーンがどういうやつなのか。真理のためというのがどういう意味か理解出来ないが、草加の表情は真剣そのもので彼をよく知る巧から見ても本気でバーンを倒そうとしているのが伝わった
それにピーターというヒーローもいる。あのヒーローならきっとグリーンゴブリンを倒し、平和をもたらしてくれるだろう。

「協力してくれたことには感謝するよ。じゃ……後は俺に任せて、君には死んでもらおうかな」
「相変わらずひどいやつだな、おまえは」

以前と変わらぬ憎まれ口を叩く草加に巧は内心、少しだけ安心したような気がして。

「……もう死ぬなよ、草加」

最期にかつて失った仲間を想いながら、夢の守り人はその命を散らした

「君に言われるまでもないさ。俺は今度こそ生きて、真理を手に入れる……!」

自分と腐れ縁だったオルフェノクが消滅し、草加はその最期を見届けた

【乾巧(ライダー)@仮面ライダー555 死亡確認】

1600名無しさん:2022/03/21(月) 21:00:11
ピーターとグリーン・ゴブリンの最後の戦いが始まった。
ピーターは宿敵をこの場で全力で倒すために突っ込んでいく。
グリーン・ゴブリンも逃げようとうすればどうせ乱入者の男(草加)に捕まると一瞬で判断。
この場でピーターから殺す方針に切り替える。

第一手
ピーターはスパイダーウェブを周囲の木々に貼り付け高速でゴブリンの元に跳躍。
すると墜落していたグライダーが、ゴブリンの遠隔操作によって方向を変えて銃撃を放った。
ピーターは左手に装着していた戦術甲(篭手)でこれをなんとかガード。
弾を打ち尽くしたのか魔力切れか、グライダーは停止したが攻撃を受けた戦術甲は砕け散ってしまった。

第二手
ゴブリンはグローブから高圧電流を発射しようと指をピーターに向けるが、
その一瞬前にピーターが投擲した短剣がゴブリンの手ごとグローブを貫通し、ショートした。
ゴブリンは呻きながらも短剣を抜き取り、ピーターが拾えないよう遠くに投げ捨てる。
これでピーターがマズルカから貰った武器は全て失われてしまった。

第三手
ゴブリンは対抗手段が無くなったピーターにトドメとばかりにパンプキンボムを投げつけた。
ピーターは防御もせず、後退することもなく、とにかくゴブリンの元へ飛んだ。
ボムを紙一重で躱して追い抜いた次の瞬間、背後でボムが爆発し、スーツ越しにピーターの背中を熱と衝撃が襲う。
その爆風の速度まで乗せてピーターはゴブリンの元に到達する。

第四手
ゴブリンにとってここまで接近されるのは想定外で焦りが生まれた。
今までの疲労や魔力切れ間近ということもあり、サーヴァントとしての腕力だけでピーターを仕留めるのは最早難しい。
負傷していないほうの腕をピーターに向けて有毒ガスを噴出する装置を起動した。
ピーターは噴出直前にゴブリンの腕を掴んで違う方向に向けた。ガスがあらぬ方向へ噴出される。
しかしこれは直撃を免れたというだけ。数秒もすればガスが一帯に充満してピーターは意識を失うだろう。

第五手
ピーターは掴んだ腕を全力で振り回してゴブリンを投げ飛ばした。
ゴブリンは超人的な身体能力を持つが体重が数十トンもあるわけではない。
超人的なパワーを持つピーターなら投げ飛ばすことは可能だ。
ゴブリンは内心でせせら笑う。自分から詰めた距離を離すとはバカな奴だ。
しかしその直後ピーターの狙いに気付いた。
それとほぼ同時だった。
墜落したゴブリンのグライダー。魔力で構成されている、その鋭角に尖った機体に腹を貫かれた。
気付いた時には既に遅し、グライダーの実体化を解く暇もなかった。

*グリーン・ゴブリンは大ダメージを受けました。令呪もなく、間もなく霊基消滅するでしょう。

1601名無しさん:2022/03/23(水) 11:34:06
>>1600
グライダーの仕込みカッターに貫かれたグリーン・ゴブリンの断絶魔の叫びが大きく響く
連戦による魔力不足やマスターからの魔力供給が滞り、この一撃によって霊基維持の限界に達してしまった
その様は、生前にスパイダーマンを騙し討ちしようとして躱された挙げ句自身に凶刃が突き刺さった時と同じく
最後まで足掻こうとしていた身体もすぐに力尽きてしまい、輝きとなって崩れ落ちる寸前、それはノーマンの表情で一言だけ呟いた

“本当に、すまない…ピーター……”

こうしてアルターエゴの霊基は消滅した
ノーマンが最期に残した言葉の意味は何なのか、誰にも計りかねない
なぜなら、ノーマンとピーターは異なるマルチバースの出身であるため、「メイおばさんを殺した」という出来事を共有しているとは限らないのだ
特に、ノーマン側は覆面状態で目の前にいるスパイダーマンが別宇宙のピーターであることを気付いていない可能性もありえる
あるいは、時空を超えたそれらの記憶も英霊の座に記録されているならば――なんであれ、やはり最期の言葉については、その真意は誰にも分からないことだ

それでも、その言葉を聞いてしまったピーターの心境はとても複雑であった
本来ならば、凶悪な人格に蝕まれたノーマンを助けたいと思って彼と関わったのだ
それを裏切られて、愛する人を奪われて、復讐心でここまで頑張ってきたが、事が終わった後には達成感も薄く空しさも感じていた
結局、彼を助けるどころか感情的に倒してしまい、挙げ句失われたものの多さに今更ながら気付き、ピーターの心が晴れることなどあり得なかった

【ノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリン@スパイダーマン(ライミ版) 霊基消滅】

1602名無しさん:2022/03/23(水) 13:27:45
もしたっくんがセフィロスに食い下がれていればクルーゼ組に悠々と撤退させることは無かっただろうけど、そうなると今度はピーターが魔力切れでグリーン・ゴブリンに押し切られてただろう
どちらにせよたっくんの消滅は避けられない状態だったけどマスターだけでも生き残らせる展開にはなった
幸か不幸か草加が接触したけれど……

1603名無しさん:2022/03/23(水) 22:58:23
戦闘から離脱した医者とレジィ、クルーゼとセフィロスは太陽が昇る前に再び出会った。

医者はとにかく離脱を優先して距離を稼ぐことを優先していたが、
クルーゼとセフィロスの軍人と武人のコンビが撤退しながらも医者の逃走ルートを予見して先回りしていた。
レジィもそれに気づき、警戒しながら医者と一緒に接触する。

疲弊したクルーゼ達にも医者達にも戦意は無く、
同盟の確認と今後について話し合うつもりだった。
知っている主従についての情報交換や自分達を敵視しているであろう敵への対処など、
今後の方針を話し合い、その場は解散した。

クルーゼは今にも倒れ込みそうなくらい消耗しているのだが、表面上は全くそんな素振りを見せなかった。(医者には気付かれていたが)
離れていくクルーゼとセフィロスの背を眺めながら医者がレジィに語りかける。

「キャスター。」
「どうした。」

+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜

「そのマスターを殺しなさい!」
「わかった!」
医者の指示でキャスターが攻撃を放つ!
「なっ貴様ら裏切ったな!フォーリナー!」
クルーゼは動揺し、フォーリナーが実体化してレジィの猛攻撃に対処する。
フォーリナーとクルーゼの距離が離れた途端、医者が強化された身体能力でクルーゼに肉薄した
「な、なんだその速さはぁ!ぎゃぼ!!!!」
人間離れした医者のスピードにクルーゼは何もできず首をへし折られた
「貴様らぁ!!よくもマスターを!!」
「おっと!」
怒り狂うフォーリナーだがマスターが死んだことでどんどん力が抜けていく。そこにキャスターが追加の攻撃を加える!
「ぐあああ…こ、この私がこんな醜態をおおお…」
倒れ込んだフォーリナーをいたぶるように攻撃!攻撃!攻撃!
フォーリナーはただ転がって呻くしかできない!
あんなに強かったフォーリナーもこうなってしまってはどうにもできない。
そんなフォーリナーに医者は消えたくなければ自分のサーヴァントになれと告げる。
フォーリナーは歯噛みしながら医者に忠誠を誓うのだった。
強力なサーヴァントを2体従えた医者。勝利の前祝いのように頭上の雲が割れ差し込んだ光が彼女を照らす。
どこからともなくファンファーレが鳴り響き、グライダーに乗ったグリーンゴブリンが頭上で紙吹雪を撒いていた。

+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜

「……っ?」(今のは…何?)
「おい?」
既にクルーゼの背は遠く、小さくなっていた。怪訝な顔をするキャスターに医者は応じる。

「…昨日から連戦続きで消耗が酷いし、眠いわ。とりあえず寝床を探しましょう。」
(…白昼夢?昨日から碌に寝ていないのが祟ったのかしら…。医者の不養生で敗退なんて笑えないわ。一旦休息を取りましょう。)



医者はグリーンゴブリンに宝具にもなった禁薬の作り方や化学式を教えてもらい、科学的に調合して擬似禁薬を作り出し、自分に注射した
この中世的な天空都市という環境では、オリジナルの禁薬には遥かに及ばない劣化版しか作れないが、それでも喧嘩宿や殺人鬼、処刑課などの超人達に匹敵する身体能力を獲得した
元の世界の超人達のような格闘術や殺人術までは模倣できないので直接の殴り合いには彼らに一歩劣るが、それでも強者相手に対応できて殺人医術を使える医者へとグレードアップした
ちなみに元の禁薬だと凶悪な二重人格が生まれるはずだが、劣化版だからか、あるいは元から凶悪な犯罪者であるアクダマであるからか、特に性格の変化は見られなかった

本当に?

* 擬似禁薬の副作用として医者の精神面に影響が出始めました
  いきなり二重人格になることは(多分)ありませんが身体的・精神的にプレッシャーのかかる状況下で
  普段のような冷静な判断から逸脱した行動をとる可能性が高まります。
  (原因は時間がなく治研の不十分、
   ここまで医者が自身の体力を消耗したり生命力と密接な魔力の消耗に追い込まれたコンディションを想定できなかった
   グリーンゴブリンもわざわざリスクを説明しなかった等が考えられる)

1604名無しさん:2022/03/24(木) 01:36:59
>>1601
グリーンゴブリンが消滅したのを確認して、草加はピーターに駆け寄る。

「君が乾のマスターか。まさか彼がここで死ぬとは……本当に残念だよ」

厄介な敵が減ったことに内心喜ぶ草加だが、表面上は巧の死を惜しむような演技をする
その表情は本当に巧の死を悲しんでいるようであり、ピーターは彼を疑わなかった。実際巧の死には多少思うところもあり、それが草加の演技をより精巧にしていた。
ちなみに目先の敵よりも巧を看取ることを優先した件についてピーターは何も言及しなかった。知り合い同士で最後に何かを語らったのだろうと納得している。

「この形見は俺が貰ってもいいかな?乾のやつに、託されたんだ……」

草加が回収したファイズギアをピーターに見せる。
ファイズブラスターやファイズアクセルは巧と共に消滅してしまったが、予備のベルトを持っておいて損はない。無論、他人にカイザギアを渡す気はないが万が一のことがある。ファイズやカイザは多少ベルトが外れやすいという弱点も草加は熟知していた

それから二人は互いの情報を交換し、暫くするとココア達もやってきた

1605名無しさん:2022/03/24(木) 05:43:21
四日目の深夜、詳細不明の場所

そこは神殿のような石造りの構造物の内部であり、複数の光源が灯る厳格な聖域のようにも感じられる場所だった
中央には魔法陣によって封じられた大魔王バーンの巨躯があり、その近くには台座とチェス盤らしき物が置かれている
8×8の市松模様のような盤面は同じなのだが、チェスの駒々とは違い聖杯戦争に召喚されたクラスを模した駒が置かれている
それは以前に大魔王バーンが用意した魔導具であり、彼が封印された後でも聖杯戦争の進行に合せるように駒を動かす術式が組み込まれていた
現在、盤外には倒された駒が8騎、盤上には現存する駒が8騎が残っているが、やがて盤上の駒が2騎、ライダーとアルターエゴの脱落に呼応して盤面の外へとはじき出された

その瞬間から、大魔王バーンの封印に変化が生じる
脱落したサーヴァント9騎分の魂、その膨大な魔力がバーンを封じる魔法陣に干渉して徐々に消し去る
さらに1騎分の魂は何処かに隠されている聖杯へとくべられて、ここから本当の聖杯戦争が開幕する


※バーンは即座に解放されてもいいし、朝や昼になるまで徐々に解けていくでもいいです
※封印が解かれた後はリレミトで野外に出て、ルーラで要所に移動するかもです

1606名無しさん:2022/03/24(木) 07:56:24
たっくんは知らないけど木場の仇をピーターが討ったんだな
ついに一度も会うことなく退場した二人だけど奇妙な縁を感じる

1607名無しさん:2022/03/24(木) 10:12:55
セフィロスと巧の戦いを眺めてた草加はクルーゼがフォーリナーのマスターだということやフォーリナーの真名がセフィロスだということもムスカに伝えていた
ちなみにクルーゼという名前までは草加に特定出来なかったが、特徴的な仮面のせいでムスカによってすぐに特定された

1608名無しさん:2022/03/24(木) 10:13:28
草加からライダーとアルターエゴの脱落を聞いたムスカは高笑いしていた
これで一気にサーヴァントは減り、バーンが復活する頃合いだ
これで計画の第一段階は完了した。
後はバーンを倒すのみだが、ほとんど傍観していただけの第一段階と比べてかなりの苦戦を強いられるだろう
ムスカは護身用に部下を引き連れ、レムリア島に向かった。自分だけここに留まりバーンからマスター狙いでもされたらたまったものではない

1609名無しさん:2022/03/24(木) 11:35:27
>>1608はムスカがシャア達を見送った後の出来事でいいかな?
ライダーとアルターエゴの脱落は少なくとも日が昇る前だと個人的には認識しているが、草加側の事情で報告が遅れたってことかな?
もしくは自分の認識を改めてレムリア側の戦闘終了が朝方でもいいけど

1610名無しさん:2022/03/24(木) 18:57:42
>>1608を改変

先のイメージ映像から数時間後、まだ日が昇る前の暗い時間帯に草加からムスカへ念話による連絡が届いた
レムリア島での戦闘が終わりライダーとアルターエゴが脱落、戦線離脱した医者組とフォーリナー組の情報を伝え生き残った対聖杯の面々と接触した、と
この報告を聞いてムスカは高笑いしていた、これで一気にサーヴァントが減りバーンの復活が間近に迫った、とにかく計画の第一段階は順調に進んでいる
後はバーンを倒すのみだが、ほとんど傍観していただけの第一段階と比べてかなりの苦戦を強いられるだろう
ゆえに、大魔王バーンが動く前に自身も動く、ムー島内にいる主従三組のうち対聖杯側に接触しようと帰還を急がせた

そして朝、飛空挺の発着場に到着したところでホメロス達と遭遇する
幸運にも彼らが探していた対聖杯の集団であったため、自分の正体は伏せて彼らに取り入るように部下を付けさせた
そして彼らがレムリア島に向かった後、ムスカは独自に開発した新兵器を実戦投入すべく部下達に命じた
それらの積み込みが終わり次第、自分も護身用の部下を引き連れてレムリア島に急行する

1611名無しさん:2022/03/24(木) 19:02:19
>>1590
三人はムスカの計らいにより船の中でも特別待遇の部屋を用意された。そこにはムスカの部下が誰一人入れず、多少は安心して気を休ませることが出来た。
これはバーン戦に向けてマスターやサーヴァント達を休ませるためだ。それに部屋にまで部下を同行させないことで自分が本当に善意から協力しているだけで何も企んでいないと見せ掛ける

ちなみにホメロスは国王から直々に激励されたことを多少は誇らしく思い、島を守ろうとより一層に気を引き締めた

1612名無しさん:2022/03/24(木) 19:33:21
(医者 情報整理の幕間)

医者は横になり、眠りに落ちるのを待ちながら生き残った主従について考えている
何名かのサーヴァントはレジィやフォーリナー(セフィロス)の見立てて正体についても予測している

(バーサーカーとそのマスター、シャア。)
(レムリアの高官。巨人に変身する戦士の伝承。ハヤタ・シンというのがいるらしいけど…バーサーカーよりフォーリナーっぽいから違うかしら。)

(「元」指名手配犯のチノ・カフウとクリミナル…ある意味お似合いの主従ね。)
(criminal(犯罪者)のサーヴァントの癖にアクダマらしくないわね。
 チノ・カフウは『マコトさん』と呼んでいた…深海マコトという英霊で間違いないでしょうね。)

(グリーン・ゴブリンを攻撃したアサシン。雲雀恭弥。並盛中学の風紀委員長。)
(ボンゴレ・ファミリーというギャングに所属する「雲の守護者」ね。全盛期が少年の姿というのは解せないけど。
 マスターはあのサムライっぽい少年かしら。)

(同盟相手のクルーゼとフォーリナー。いずれ敵対した場合、サーヴァントの地力はもちろんマスターの地位も厄介ね…。
 サーヴァントも長剣使いということしかわからないし。)
(クルーゼの消耗具合からして何か宝具を使ったんでしょうけど、私達はその場から逃げてたからね。)

(人形遣いのキャスターのサーヴァント。リマージュ・マズルカ・エルマ。
 マスターの男を瀕死に追いこんだらしいけど、生きていたのか、マスターを替えたのか…。)
(ムーにいたらしい人形使いはコイツね。人形兵によるごり押しや兵種による多様な攻撃は厄介ね。
 キャスター本体かマスターを狙うべき?)

(ステンカラーコートの男。こっちのキャスターが言っていた「カイザギア」本来の持ち主というのがブラフでなければ「草加雅人」ね。
 …受肉した元サーヴァント。そんな存在がいるとはね。)
(アイツ!!!私を見下しやがった!!!殺してやる!!!)

(残ってるマスター…フォーリナーの戦ったライダーのマスター。
 念話によると英霊としてのグリーン・ゴブリンの敵だったようね。あの力、下手したらサーヴァント並みに厄介ね。)
(殺す!!!!!!!草加雅人!!!!!!殺してやる!!!!!)
(あとはレムリアの軍人で、セイバーのマスターだったホメロス。こいつが今どうしているかは)
(殺す!!!!!!!!!!!!!!)
「黙れ!」

自分の怒鳴り声で医者は我に返った。
医者だって人間。
睡眠が不足すれば思考がまとまらず、寝ぼけて寝言を吐く事も有る。自然な現象だ。

医者は考え事を中断し、ただ無心に眠ることにした。

1613名無しさん:2022/03/24(木) 21:13:45
>>1607
クルーゼをマスターだと判断したムスカは思案する
彼はレムリア島で士官クラスの軍人だ。一国の隊長という地位は聖杯戦争では優位に働く。
今までならば大して気にしなかった。なんなら数を減らすために有用な存在だった。
しかしいずれ敵となることを考えるなら、そろそろ自分の権力や武力を利用して排除するべきだろうか?
どうせバーンと戦う時、彼らが率いる軍の雑兵程度では役に立たない。
それに草加から聞いた「乾巧」の性格を聞く限り、彼を殺したクルーゼはほぼ間違いなく聖杯狙いだ。

だが聖杯狙いにとってもバーンは邪魔な存在。クルーゼに連絡を取り、協力を申し出るという手もある

(* ムスカはムー島の王だが、レムリア島は別の国であるため直接的には干渉できない、という設定)

1614名無しさん:2022/03/25(金) 08:36:33
>>1604の続き (ちなみに>>1556で巧は草加のことについてピーター達には話してなかったので知らない)

(ルカちゃん。ピーターさん達は大丈夫?)
(マスター、まだ隠れてて。)

戦闘後のピーター達の元に馬車小屋でココア達がやってきた。
マズルカは御史台で前方の状況を把握しつつ移動、ココアは小屋の中にいる。

到着した時には戦闘痕だらけの場所にピーターと初めて見る男(草加)が残されていた。
先ほどの断末魔の叫びと状況からみてピーターと協力してグリーンゴブリン達を倒した…らしい。

ライダーは…と問うマズルカに、ピーターは巧の消滅を伝え、更に細かい状況を伝えようとしたが、
マズルカの登場に遅れて気が緩んだのか、気を失ってしまった。
これはスーツ越しかつ屋外で直撃は避けたとはいえ周囲にグリーンゴブリンが撒いた有毒ガスの影響が出ていたことや、
またパンプキンボムの爆発を背中から受けたダメージのせいであった。

マズルカは草加にピーターを助けてくれた事の礼を述べたが、
その後の両名の間には数秒、気まずい空気が流れた
一応ピーターと一緒に共闘したようだが、ちょうどここに来たマズルカにしてみたらいきなり生えてきた相手の正体も目的も何もわからない。
実体のある人間…のように見えるが、イメージ映像からの考察(>>1572)を元にすると消去法でココアを不意打ちしたキャスターのマスターではないかという考えすら浮かんでしまう
負傷しているらしい(>>1578)相手を疑うのは心苦しいが、ピーターと比べればピンピンしているようなので
ここは相手の正体は深く追求せず事を荒立てずにピーターを馬車小屋に詰め込んで治療をしつつ急いで距離をとることにした。
もしもピーターがもう少し起きて何か話していたらマズルカももう少し警戒を緩めていたかもしれない。

草加の方もいきなり初対面でこのキャスターの信用を得られるとは思っていないのか無理に距離を縮めようとはしなかった。
ただマズルカに対してこの聖杯戦争の黒幕は「大魔王バーン」である事を伝えた。

1615名無しさん:2022/03/25(金) 09:00:56
>>1614
「君が俺を疑う気持ちも理解出来る。だが大魔王バーンには気を付けた方がいい。奴はこの聖杯戦争の黒幕だ。そして俺や君たちだけでは確実に勝てない」

草加がバーンのことを語る表情は真剣そのものだった
それはバッターを殺されてココアと契約する前、セフィロスだけでも倒してくれまいかと頼み込んでいたマズルカ自身と少し被る
だから草加自身はともかく、大魔王バーンの情報は嘘偽りない真実にも聞こえた。もちろん自分達だけでは勝てないという点も含めてだ。

そしてマズルカもまたセフィロスについて草加に教えた。

「フォーリナー、セフィロスか。そういえば乾を倒した男の姿も君の言うセフィロスの特徴と一致しているな。俺が駆け付けた時にはもう遅かったが……」

草加は悔しそうに歯噛みする。当然演技である。
セフィロスの戦闘を目撃して真名も聞こえたのに初耳のように振る舞うのも演技だ。セフィロスと巧の戦闘を観戦していたなんて言えば、間違いなく疑われるだろう。

「もし俺と手を組む気になったら連絡してほしい。もちろんセフィロスを倒すことにも協力するよ」

草加の言葉を聞いてマズルカはどうしようか悩む。
とりあえずピーターが気絶から目を覚ましたら、草加雅人について聞いてみようと思う。
ちなみに草加は信用を得るために真名をさも当然かのようにマズルカやピーターに教えている。
もしも巧が「グリーンゴブリンに似たやつが知り合いに居る」とピーターに伝えた時に草加の名前を出し、性格を伝えていたらここで彼の本性に気づけたのだろうが名前までは教えていなかったのでまだ誰も草加の本性を知らない

1616名無しさん:2022/03/25(金) 20:15:57
「着いたぞ、ここなら少し落ち着けるだろう」
「ああ、すまない、少し休ませてもらう」

クルーゼはセフィロスに肩を貸してもらいながらとある一室に辿り着き、ひとまずベッドの上に腰を掛けて一息をついた
この場所はレムリア島にある軍管理下の収容所であり、先日の基地襲撃事件で大量に拿捕された半グレ達が檻の中に詰め込まれていた
先の戦場から退却して医者達と今後について協議した後、クルーゼ達はいつもの拠点としている基地ではなくあまり人に知られていないこの刑務所にやってきた
これでしばらくは他の主従と遭遇する心配は少なくなる、彼らもしばらくは休んで英気を養うことにした

ちなみにだが、この施設には自爆装置が仕掛けられている
表向きは囚人達の暴動が発生して収拾がつかないときの最終手段として用意されたものであるが、万が一に敵が襲来した時に起爆して返り討ちにするキルゾーンとして予め用意していた場所なのだ
たとえ爆発でサーヴァントを倒せなくても同伴しているマスターを巻き添えにすることは容易である、もしマスターが生き残ったとしても足止めには使えるため自分達の逃走時には何の躊躇いもなく起爆スイッチを押すつもりで前々から計画していた
だが、今のクルーゼはセフィロスの激戦により魔力および生命力を削られた状態であり、とてもそんな緊急時の事など考えている余裕はない
今はともかく休息と安全を第一に優先し、その時が来るまでは起爆させる事など考えていないでいた

さて、疲労感が身体に重くのし掛かり遂にはベッドに横たわったクルーゼは、超一流の戦士ではあるが魔力消耗の激しいセフィロスと今後の方針について軽く話し合う
彼が全力で戦い続けられれば優勝も容易く感じられるが、如何せん優勝までに自身の体が持たないとも感じていた
この魔力供給の問題を改善すべく、クルーゼはセフィロスに次のように指示を出してみた

「…ここにいる囚人達を、お前の魔力の糧になってもらおうか」
「つまり、“魂喰い”か」
「さすがに不服かな?」
「いいや、問題ない。マスターへの負担を減らすためにも、いくらか魔力を蓄えておこう」
「ああ、それで頼む」
「だが、看守達はどうする?」
「…やむを得ない、彼らも一緒に消えてもらおう」
「了解した」

クルーゼは自身の魔力とは別にセフィロスの魔力を増強すべく、もはや無用な存在である半グレ達を生贄に捧げることを画策した
ただし囚人達を血祭りにすれば当然看守達にもバレてしまう、そして外部に連絡されてしまうとと潜伏している身としては都合が悪い
なのでクルーゼ達は非情に徹する、使える駒であればまだしも戦況を変える要素にもなりえず自分達の不利益になりかねない少数を取っておく必要はない
こうして方針が決まった後にセフィロスは部屋から立ち去り、気怠さから抜け出せないクルーゼはベッドの上で休むことに専念し始めた



クルーゼは心を静めて身体を休ませようとするが、その意思に反して身体の方から強烈な信号が送られてきた
それは突然の発作であった、幾度と体験しても慣れることのない苦痛に悶え苦しむクルーゼは、携行していた薬を何とか取り出して口に放り込み、激痛が引くまで耐え続けなければならなかった
この発作はクルーゼの中に仕組まれた一種の呪いである
彼が元いた世界は遺伝子工学が発展しており、とある資産家が相応しい後継者を作るために生み出されたクローンがクルーゼの正体である
醜悪な理由によって歪まされた生を得たクルーゼは、しかし本来人に備わっている機能に欠落があり長くは生きられない呪縛に囚われてしまった
今しがた服用したのは細胞分裂を低減しテロメアを延長させ老化を遅らせる薬である
この薬はクルーゼの数少ない親友であるギルバートが提供してくれた物であり、これで朽ちていくしかない自分の命を今までなんとか引き延ばしていた
しかしこの世界にはギルバートはいない、そして手元に残っている薬は数日分しかない
つまりは彼が正常でいられるのはあと僅かな時間しかないのだが、その事についてはクルーゼは絶望感を抱いていなかった
なぜなら彼は、自分のような存在を作り出した人間や世界に対して絶望しており、それらに対して憎悪を抱いている
だから、クルーゼは残り僅かな命であったとしても聖杯を獲るために全力を尽くすつもりである、そのために今も感じる痛みも耐え抜き次に備えようとする

そうこうしているうちに発作は治まり、クルーゼもやっと楽な姿勢に戻れた
全身に湧き出た大汗が不快に感じるものの、それ以上に動こうという気力が全く起きない
だからこそ、今度こそ眠りにつくべく、クルーゼは少し前の事を夢想し始めた

シャア・アズナブル
ついこの間であったばかりの政務官であり、後に聖杯戦争のマスターであることがわかった男
この人物とは政治的な話であったり聖杯戦争について少しだけ言葉を交えたが、クルーゼはこの男に対して少しばかり興味を抱いていた
彼の声が親友に似ているのもあるが、あの好青年のような表情の裏には何か秘めている想いがあるとクルーゼは感じ取っていた
それが何なのかは分からない、それに今は敵対する可能性があるが、今一度彼の中にある何かを曝け出せないか、などと微かに思い始めていた

それと、バーサーカー
シャアの従者であり必要以上に喋ることはなく、そう何度も顔を合せることはなかったが、それでも彼の瞳はクルーゼにとってとても印象的だった
あれは自分に似ている、世界に絶望し、大きな決意を抱いて必死に努力を重ねてきた、それらを物語るような鋭い目つきを感じとれる
彼の真名は分からないためその詳細も分からずじまいだが、同じような憎悪を抱く存在との出会いはなにかしらの因果を感じずにはいられなかった



そして気付けば日がかなり昇っていた
いつの間にか眠りに落ちていたクルーゼは、いくらか気力を取り戻した体でベッドから立ち上がり、施設内にある通信室へと向かう
収容所は至って静かである、つまりはフォーリナーが全てを片付けた後なのだろう
これで魔力の補充ができたとクルーゼは思いつつ、通信機で基地本部に連絡を入れる
対応した者に事情(勿論カバーストーリー)を説明した後に島全体の状況について報告を受け、ムー島の密偵やムスカ国王からクルーゼ宛に通信があったことも聞く
前者はホメロス達が朝方飛空挺に乗り込みレムリア島へ向かった、その際に帰還したばかりのムスカ国王が彼らに接触したことも補足されている
後者については折り返し連絡が欲しいとのことで連絡先が伝えられた
この段階での王の帰還、およびホメロス達や自分への接触についてかなり思うところがあるものの、その本人から誘いに応じて直接連絡してみることにした

1617名無しさん:2022/03/25(金) 21:52:37
>>1611
部屋の中で誓いのペンダントを眺めるホメロスを見て、マコト兄ちゃんは問い掛ける

「さっきから眺めてるそれは、お前にとって大切な物なのか?」

問いを投げ掛けられたホメロスはマコト兄ちゃんにかつての友であるグレイグ立てた誓いについて話した。二人で国を共に守ろうと誓ったことを。
しかし自分は迷走し、友とは道を違えてしまった。だがハドラーの影響で何か大切なものを思い出した、と。

「友か。俺にも大切な友がいる」

マコト兄ちゃんはタケルやアランのことを語る。
自分の妹のために自己犠牲を厭わない優しい男、天空寺タケル。
自分が迷走していた時、友への気持ちで。友情という心の力で新たな力に目覚め、自分を止めようとしたアラン。

「今の俺が在るのも、あいつらのおかげだ」

友想う故に、我あり。
マコト兄ちゃんとホメロスは互いの友を語り、認め合っていた。
そしてマコト兄ちゃんはチノを友と。ホメロスはハドラーを友のようなものだと語る。
皮肉な話だが、この聖杯戦争で友が出来た、と。

「私もライダーさんやおっこさんや炭治郎さん……そしてまりなさんやマコトさんと友達になりました」

チノの言葉にホメロスは謝罪する。
自分のせいで死んだ者も居るのだ。今となっては罪悪感がある

「……ホメロス。お前はハドラーの想いを繋ぐのか?」

マコト兄ちゃんの答えに対してホメロスは頷いた。
かつて友と立てた誓いのためにこの島を守る。ハドラーの想いはわからないが、出来るものなら多少は繋いでやりたいという気持ちもホメロスにはあった

1618名無しさん:2022/03/25(金) 21:53:34
>>1614
ライダーの死を知ったココアは動揺した。
カイトの時とは違い、その最期の姿すら見届けず知人が死んだ。
乾巧という人間のことをココアはあまり知らない。カイトのように親しくなったわけじゃないし、決闘者として誇り高い魂を見せたわけでもない。

だがライダーは仲間だ。
知り合ってそれほど経っていないが、ぶっきらぼうで素直になれない……それこそ以前のチノと少し似ているような気がする。
急激に魔力を消費して弱っている自分やマズルカを回復するまで見守ってくれたのもピーターと巧だ。

『ココアとキャスターはここで待ってろ。グリーンゴブリンは俺達が倒す』

あの時の言葉は、もしかしたら彼なりにココアのことを気遣ったのだろう。
ぶっきらぼうな言い方で、当時は足でまといって思われていると感じていた。だが今思い返すと巧の表情には見覚えがある。――覚悟を決めた天城カイト。彼もまた、巧のような表情をしていた

『ココア。これから先、お前にはもっと過酷な試練が訪れるかもしれない』

「カイトさん……」

過酷な試練。
カイトの話していた言葉の意味が身に染みて伝わる。
ライダーは死んだ。どんな死に方をしたのかすら、わからない。もしかしたらカイトとは違い、悲惨な死に方をしたのかもしれない。

『どんな過酷な運命でも諦めるな。俺は残酷な運命に抗い、かっとビングで乗り越えた男を知っている!』

誰が死んでも、どんなことが起こっても。
ココアは諦めない。軽く頬を叩き、前を向く。

「チノちゃん、ルカちゃん、ピーターさん、カイトさん、オービタルさん、ライダーさん……」

愛する妹と、共に戦う仲間達と、かつてその命を散らせ熱い魂を託した決闘者と、命を懸けて自分を守ってくれたロボットと、ぶっきらぼうな正義の味方の名前を呼ぶ。
今思うとこの聖杯戦争で色々な人と出会い、別れてきた。
だからココアは彼らに向けて、こう口にするのだ。

「私、諦めずにがんばるね……!」

きっとカイトなら、どんな過酷な運命にも諦めないから。
残酷な運命に抗ったカイトの知り合いをココアは彼から話された情報しか知らないが――それでもココアは諦めないため、前を向くために魔法の言葉を声高らかに叫ぶ

「――かっとビングだよ、私!」

1619名無しさん:2022/03/25(金) 21:54:22
>>1611
「小動物。君はこの聖杯戦争で一番弱い」
「はい。その通りです……」

飛行艇の部屋の中で寝転びながら、雲雀はチノに言葉を投げる。
それはこの場にいる誰もがそう思っている事だ。チノはあまりにも弱い。だから誰も雲雀に言い返せず、チノが少しだけしょんぼりとする。

「小動物にも小動物の生き延び方がある。今も君が生きてるのが何よりの証拠さ」

雲雀はチノを決して見くびってはいない。
ここまで生き延びていることを幸運の一言で片付けるには無理があるし、彼女は彼女なりに聖杯戦争に向き合っていることも知っている。

香風智乃には沢田綱吉や竈門炭治郎のように戦う力がない。だが彼らと同じく不思議と人が集まってくる存在なのかもしれない。
現にチノは自分のサーヴァントであるマコト以外にも炭治郎やまりなから大切にされていた。
ライダー(木場)がチノを庇って死んだということも、マコト兄ちゃんから聞いた。

「小動物の生き延び方……ですか。私にはよくわからないです」
「誇りと覚悟。それが小動物達が生き延びるために必要なものさ」
「誇りと覚悟……」
「小動物。君だって誰にも譲れないものはあるはずだよ」

雲雀が風紀の二文字を誰にも譲らないように、チノにも譲れないものがあるはずだと雲雀は話す。
ちなみに雲雀や沢田綱吉も中学生だ。だからこそ雲雀は彼女に対して平然とこんなことも聞く。年下の少女扱いもせず、対等に接する。

「譲れないものですか……」

チノは考える。自分の譲れないものを。
昔のチノならきっと、ずっと悩んで答えを出せなかったかもしれない。大切な人に出会う前の、あのチノなら。

「ココアさんです。ココアさんだけは、譲れません……!」

迷うことなくハッキリとした口調でチノは大胆にも宣言する。
チノは誇りなんてそんな立派なものを持っている自信はない。
だが譲れないものが誇りと雲雀から聞き、すぐに答えは出た。チノにとって譲れないものはココアだ。大切な友達で、お姉ちゃんだ。

「ふうん。……あの小動物が命を懸けて君を託した理由が、なんとなくわかったよ」

チノの誇りは沢田綱吉と同じものだった。
そういう小動物には必然的に惹かれる。竈門炭治郎も誇りを問われたら、似たような答えを返すのだろう

1620名無しさん:2022/03/26(土) 07:52:05
>>1599
自分を追跡してくる元セイバーの部下達にイラついた医者は人気のない場所で彼らを殺し始める
相手はただの人間であり彼らを一方的に狩ることは負傷した医者でも難しくない

だが仲間を放置して逃げる者が一人だけいた。彼は大きな無線機のようなものを背負っており、不審に感じた医者は追おうとするが「国王万歳!」と叫びながら無謀にも飛び込んできた部下たちに遮られ逃してしまう

普段の医者ならもっと違う手段で追っ手に対処したのだろうが、ついカッとなって冷静な判断が出来なかったと医者は自分の軽率な行動を反省した
実際は精神的に追い込まれた医者が擬似禁薬の影響で冷静な判断を下せなかったことが原因なのだが。
だがそんな精神状態でも「国王万歳!」という言葉を聞き逃さなかった。国王が何らかの形でこの聖杯戦争に関わっている可能性が浮かび上がる。そしておそらくそいつは草加と手を組んでいる
だがそれ以上に草加についての苛立ちが特に大きく、それが>>1612で草加雅人のことを考えただけで態度が急変したことに繋がる

一方、殺人現場から逃げた部下は草加に医者の凶行を連絡する。今回は場所の特定を目的としている追跡であり、その中には通信兵も含まれていた。
草加は医者を冷静な大人だと思っていたが、どうやら違うらしい。彼女らしくもない凶行に及んだことをほくそ笑む

「報告感謝するよ。後はそこら辺の憲兵にでも殺人事件として通報してくれないかな?」

草加の指示を受けた通信兵はそれに従い、憲兵に通報した。ちなみに身分を隠すために無線機は処分済みだ

1621名無しさん:2022/03/26(土) 09:01:37
>>1614>>1615
草加の元から離れた後、ひとまず人気のないところでココアとマズルカは気絶しているピーターの手当をする
幸いピーターには大きな負傷はなく、パンプキンボムの爆発でダメージは受けたもののスパイダースーツのおかげで傷や火傷は少ない
グリーンゴブリンが撒いた有毒ガスは幻覚を見せたり意識不明にするタイプなので体を蝕むことはなく、しばらく休ませておけばそのうち目覚めるだろうとマズルカは診断する
一通り手を尽くしたところで、緊張状態から抜け出したココアもまた眠気に襲われ始めた
昨日から今までに彼女の日常からかけ離れた出来事ばかりが続いたのだ、何度休息を挟んでいても慣れることはない
マズルカは自分が周囲の警戒をするから休んでいて、と声を掛けたがココアはすでに眠りに落ちていた

そしてマズルカは一人思案する
先程の襲撃で敵は撤退、たぶん消耗し過ぎたためにすぐにはこちらを探すことはないとは推測するが、万が一に備えて予断は許さないでいる
自分達は馬車小屋に潜んで気配を消しつつ、周辺の警戒は人形兵達に任せることにしている
それと、新たに現われた「草加雅人」を名乗る男、その彼から伝えられた黒幕「大魔王バーン」
セフィロス以外にも新たな強敵や敵か味方か分からない存在の登場に頭を悩ませつつ、彼らについても考察を重ねる
なにはともあれ、今はピーターの回復を待って彼から事情を聞くこと、ムー島にいる炭治郎とアサシンやチノ達との合流が性急であると考え始めていた

※マズルカ思案中が朝方くらい、ピーターとココアが目覚めるのは昼前くらいにして他との足並みを揃えたいところです

1622名無しさん:2022/03/26(土) 22:08:53
>>1617>>1619
他の皆が語り合う姿をエレンは遠目に眺めていた。
友と立てた誓い。譲れない大切な人。

エレンにも多少は共感出来る決意だ。自分もそういうもののために、戦ってきた。
全てを完遂して果てた彼はランサーに向かって「願いがない」と言ったが、それは嘘だ。

――……死にたくねぇ。ミカサと……みんなと一緒にいたい……

かつてアルミンに話したその言葉こそエレンの願い。だが殺戮者であると同時に人としての心も持ち合わせているエレンは自分の罪深さを理解している。だから人々の幸せを奪った自分が許されて生き返るなんて願いを彼は持たない。そんな資格はない

――だったら、お前は何のため戦っているんだ!?

ランサー・宮本明に問われた言葉はエレンの中でずっと引っ掛かっていた。
今までシャアの指示通り動いてきた。燃え尽きたエレンはそこまで強い意志が強くなく、だからシャアの支持に従いなし崩し的に対聖杯グループの中に混ざっている

だが必死に生き抜く彼らを見ているとほんの少しだけ、心が揺れる。なにより友のことを語るホメロスと大切な人のために頑張るチノには共感出来る部分もある

「そのココアっていうやつは、そんなに大切なのか?」

だから興味からエレンはチノに問い掛けた。
これまで全く喋らなかったバーサーカーの言葉に周囲の視線が集中する。

「はい。ココアさんは私の友達で……家族みたいなものです」

友達で家族。
きっと何か事情があるのだろうとエレンは察した。それこそ自分とミカサのような……。

(ランサー。俺の戦う理由がやっと決まった気がする)

今は亡きランサーの問いにようやくエレンは答えを出す。
自分には願いがない……わけじゃない。だがそれを叶える資格はない。
だがこいつらのために戦うのも悪くない。知り合ったばかりの連中だが、何の意味もなく戦うよりは全然マシだ

1623名無しさん:2022/03/26(土) 23:07:06
仮眠を取って幾らか体調を戻した医者は、ここに来て二度目の自己整形を始めた
前回は面を知っている雲母坂まりなを騙すために一般人の貌に変えたが、今度は殆どの関係者に面が割れたためやはり意表を突くべく処刑課の女の貌に変え始めた
整形が終わる頃には日は昇り、昼手前になっていた

1624名無しさん:2022/03/27(日) 10:34:47
時刻は昼頃。ムーからの飛空艇がレムリアに接近している時だった。

突如、聖杯戦争のマスター達の脳裏に言葉が響き渡る。

『この聖杯戦争に招かれた者達よ…
 余がこの度の儀式を行った者「大魔王バーン」である。』

『これを聞いている者達よ
 まずは今まで生き残れた事を祝福しよう…』

『お前達の望む「聖杯」は他のサーヴァントの魂を器に注ぐことで完成する
 つまり生き残った最後の主従のみが聖杯を手に入れ望みを叶える事が出来る、という事だ…』

『だがそれは不可能な事
 なぜなら余は今まで脱落してきたサーヴァントの魂を預かっておる
 つまり余を倒さぬ限り聖杯は完成せぬのだからな…』

つまり大魔王は「お前達が束になろうと自分を倒すことはできない」という自信があるのだ。

『さて…じきに全ての主従がレムリアに集うわけだが…』

『ムーからやってくる者達よ…
 お前達が余と戦うに値するかどうか…試させてもらうとしよう。』

「!!!気を付けろ!!!」飛空艇の中で深海マコトが叫んだ直後、飛空艇が大きく揺れた。
大魔王の炎の魔法…メラを受けた飛空艇が墜落したのだ。
飛空艇はレムリアにかなり近づいていたため、島の外に落下することはなかったが、発着場に激突して炎上した。

咄嗟にチノとホメロスをマコトが、シャアをエレンが抱えて脱出し、爆発に巻き込まれずに済んだ。
そして彼らは攻撃を放った者を目にする。

「ふむ…少し手加減しすぎてしまったか?」

角の生えた長髪の大男
大男といってもエレンの変化した巨人とは比べるべくもない、人間よりやや大きいという程度の体躯に、
簡素な服や防具を纏っている。
巨大な武器を構えているわけでもなければモンスターの大群を引き連れているわけでもない
しかしその男から漏れる威圧感は今まで出会ったサーヴァントを凌駕していた
大魔王バーン。封印が解けた魔王は封印の間からルーラでレムリアの飛空艇発着場まで飛び、降りようとしている飛空艇をメラで墜落させたのだ。

意外にも真っ先に動いたのはチノだった。
「マコトさん!令呪でお願いします!『船の人たちを助けてください!』」
「!わかった!」

『ダイブ トゥ ディープ!』
『ギロットミロー! ギロットミロー!』
『ゲンカイガン! ディープスペクター! ゲットゴー!覚悟!ギ・ザ・ギ・ザ!ゴースト!』

ディープスペクターに変身したマコトが、燃え盛る飛空艇に突入する。
令呪のブーストを受けた彼は外壁を容易に破壊すると中の乗組員やムスカの部下、
無関係に乗り合わせた者達を手際よく外に運び出していく。

バーンはつまらなそうにその光景を眺めつつ、墜落した船の方向に手の平をかざし何らかの攻撃を放とうとする
そこに急接近して攻撃を放つ影。
雲雀恭弥がトンファーでバーンに攻撃を加えたのだ。
「さっきの大魔王って、キミ?」
バーンは船への攻撃を中止して雲雀に対処する。…左腕一本で。
「軽い攻撃だな…はぐれサーヴァント風情の攻撃が、この大魔王に通じると思っているのか?」
そこに、シャアからの指示を受けたエレンが、逆側から攻撃を仕掛けた。
バーンは雲雀の相手をしながら、肉を切り刻もうとする刃、足を斬り落とそうとする刃に対処していく。
そこに飛空艇の乗員を救出し終えたマコトがディープスペクターのフォームで戦闘に参加するべく躍りかかる。

バーンは嘆息した。
「ここまで生き残ってきた猛者と思い期待していたが…この程度であったか。」

バーンは闘気を解放した。


* 大魔王バーン(若バーン状態)がレムリア島の飛空艇発着場に現れました。
* 封印が解けた後に転移呪文でワープしました
* チノが令呪1画を使用しました(残り2画)
* 封印は現時点で完全に解けたのかそれともこれでも徐々に解けてる最中なのかは未定
* アナウンスではムスカの事には触れてない(戦略、もしくは一応の義理)
* 「生き残った最後の主従のみが聖杯を手に入れる」というが本当か、ブラフかも未定
  (fate原作みたくサーヴァントの魂全部注ぐ必要があるかは不明)

1625名無しさん:2022/03/27(日) 10:44:41
>>1624
大魔王を称する災厄が襲来し、ホメロスに緊張が走る
ハドラーという魔王と共に戦った彼だからこそ大魔王という称号の恐ろしさを誰よりも理解しているつもりだ。魔王のハドラーでもあれほど強かったというのに、それを上回る大魔王に勝ち目があるのか?

そうこう考えているうちに、バーンの左腕に吹っ飛ばされた雲雀が受け身をとり、ホメロスの近くに着地した。
こんな状況なのに相変わらず好戦的な目付きで、再びバーンへ攻撃しようとする雲雀をホメロスが呼び止める。自分と再契約するつもりはないか、と。

「やだ」

しかし雲雀はたったの二言で提案を蹴り、向かおうとするが――ホメロスが立ち塞がる。

「……なにしてんの?キミ」
「私にも退けない理由がある。意地でも再契約させてみせる!」

雲雀はホメロスを今一度見つめる。猿山の大将だった男は何時しか『死ぬ気の覚悟』を秘めた者の瞳をしていた。

「いいよ。再契約してあげる」

雲雀としてもこの状況では本気で戦えない。
ホメロスと契約する気は皆無だったが、彼の瞳を見て考えが変わった。今のホメロスとならば再契約をしても良いと思えた

「大魔王がどうしたというのだ。私は最強の魔王――ハドラーと誇り高き英雄、グレイグの友だ!」

堂々たる姿で啖呵を切るホメロスに雲雀は更に上機嫌になり、再契約が成立する

「小動物。見てて、僕の戦い」

ホメロスと再契約を果たした雲雀はチノの近くに跳躍すると、それだけ言い残して再び戦闘に身を投じた

「雲雀さん、マコトさん。がんばってください!」

チノには見守ることしか出来ないけども。それでも彼女は戦場に向かう仲間たちを精一杯に応援した

1626名無しさん:2022/03/27(日) 10:46:00
>>1624
ムスカとクルーゼが連絡を取り合っている時にバーンが出現した
本当はもっとじっくりと交渉をしたかったムスカだが、仕方なく自分がマスターだと明かして共にバーンを討伐しないかクルーゼに提案する。ちなみに黒幕である大魔王バーンを倒すために身分を隠して潜んでいたという名目だ

この時のムスカはバーンの力を恐れているようでもあり、大魔王バーンが強大な存在だということはムスカの様子を通じてクルーゼにも伝わってきた
どの道、このアナウンスによりほとんどの主従がバーンの居る場所に集うだろう。ムーからやってくる主従を試すということは、飛行艇を襲っているのだろうか?
幸いにもフォーリナーは宝具により空中戦も可能となる。
バーンがどんな者か確認することも含め、クルーゼはムスカの提案をひとまず保留すると飛空艇の発着場へ向かった

きっとそこにシャアやバーサーカーも居るのだろう……

1627名無しさん:2022/03/27(日) 10:46:35
レムリア島に存在するだいたいの主従に接触し終えた草加は少し休憩して、食事をする。これだけサーヴァントが減り、そろそろバーンが復活する。自分も本格的に戦闘に参加する準備をしなければならない

クルーゼという仮面の男にはムスカが連絡を取ると言っていた。セフィロスの実力を知っている草加は下手に自分から接触せず、今はムスカに任せるのが適切だと判断する。
見た感じかなり消耗していたが、万が一がある。単独で挑むのは危険だ
だが彼がバーンを倒すために協力してくれるならば、これ以上なく頼りになるだろう。そこはムスカの交渉技術に期待するしかない

『ムスカ大佐。ヤツの言葉を聞く限り、バーンは飛行艇の付近にいる』

バーンのアナウンスを聞いた草加は現場へ急行する
ムー島からやってくる主従を試すという言葉の意味は、つまりそういうことだ

そしてバーンを見つけた草加はカイザに変身。他のサーヴァント達と戦っているバーン目掛けてゴルドスマッシュを放つ。
完全に不意をついた一撃だ。上手く決まれば負傷を与えられると思っていたが、バーンは当然のように片腕で四角錐状のポインタを受け止め、もう片方の手でそれを打ち破りつつカイザ自身を殴ることにより吹っ飛ばす

「化け物め……!」

無様にも地面を転がされたカイザは再び立ち上がると他のサーヴァント達に呼び掛ける。

「俺は草加雅人。この悪夢のような聖杯戦争を止めるため、君たちに協力するよ」

ちなみにゴルドスマッシュでバーンに大ダメージを負わせようとしたことは事実だが、対処されることは想定の範囲内だった。
最低限のやり取りで上手くグループに紛れ込む方法としてはこれが一番手っ取り早いと考え、実行しただけのこと

実際、この場にいる誰もが草加の行動に疑問を持たない。そんなことを考える余裕もないし、このタイミングで加勢に来た彼を受け入れるのは当然だ。
草加は自分の計画が寸分の狂いもなく円滑に進んでいることに満足するが――弾丸がカイザを襲った。草加はすぐさまカイザブレイガンで攻撃を弾くが、仮面の下の表情は穏やかではない
医者と再契約していたキャスターとそれを引き連れた女を睨み付ける。もちろん仮面で隠された素顔は、誰にも見えないのだが。

「みんな、気を付けて。そいつは嘘吐きよ!」
「人聞きが悪いことを言わないでくれるかなぁ?俺は彼らと一緒に大魔王バーンを倒し、聖杯戦争を終わらせたいだけさ」

医者は草加雅人の始末を最優先した。
大魔王バーンという例外も厄介な存在だろうが、生き残りの中で最も邪魔な存在は自分と同じく裏で暗躍するタイプの草加雅人だ。
国王と繋がりがある疑惑が真実なら早急に排除しなければならない。このまま野放しにしたら確実に厄介な存在になる。

(やっと会えたわね、草加雅人。……殺してやる!!!)

それに医者は草加に対して苛立っていた。彼の姿を見ただけで殺意が湧いてくる。
だが冷静な判断力はまだ失われていない。他の連中はバーンの相手に集中して協力を望めそうにないが、逆に言えば誰の邪魔も入らず草加と戦うことが出来る
草加は今まで色々と根回ししてお人好しの連中に取り入ろうとしてきたのだろうが、そんなことは無駄だ。バーンという強大な存在を前にこれまで築いてきた信用は無駄となる
整形したことでムー島の連中に何も疑われずに済んだことも医者にとっては追い風だ

キャスターと共に草加雅人をここで排除する。これは医者が聖杯を勝ち取るためには避けて通れない道だ。
医者は整形こそしたが擬似禁薬が効力を失ったわけではない。医者とキャスターの二人で挑めば勝算はある

※草加と医者&レジィが戦い始めましたが、他の主従はバーンに集中してそれどころではありません

1628名無しさん:2022/03/27(日) 10:47:35
>>1624
ココアより先に目を覚ましたピーターはマズルカに「草加雅人」や先程の戦闘の事の顛末を聞き、情報を整理した。
ピーターから話を聞く限り、どうやら草加雅人はライダーと本当に仲が良い知り合いのように思えるがやはり完全に信用して良いのかは怪しいところである

遅れてココアが目を覚ます。
彼女はピーターの無事を確認すると、早々にチノと合流しようとした。
その方針にマズルカやピーターも賛成。ココアは気合を入れる。

「チノちゃん。きっと不安だと思うけど、今から迎えに行くからね。お姉ちゃんに任せなさい!」


――大魔王バーンのアナウンスが響き渡ったのは、その時だった。

「大魔王、バーン……?」

アニメや漫画でしか聞きなれない大魔王という言葉にココアは困惑。ピーターが急いでマズルカに自分達の頭に響いた言葉の内容を説明する。

「ふむ……。ふむふむ……。これは急いだ方が良さそうだね……」

『ムー島からやってくる者達』にはおそらくチノや炭治郎も含まれているとマズルカはココアに説明。大切な妹の危機に姉は急いだ。

「今すぐ私が助けに行ってあげるから……それまで待っててね、チノちゃん!!」

『ココア。妹を守るお前が焦ってどうする。お前はチノにとっての希望だ、その程度で狼狽えるな』

脳裏にカイトの声が響いた気がする。
もしかしたらきっと都合の良い幻聴かもしれない。それでもカイトに背中を押されたココアは、落ち着きを取り戻す

「……そうだよね、カイトさん。チノちゃんのために、私がしっかりしなきゃダメだよね!」

気高き決闘者の魂は、ココアの中でずっと生き続けている。
ココアが聖杯戦争に向き合えるほど成長したのは、彼の影響も大きい

「みんな、巻き込んでごめんね。でも私、チノちゃんが心配だから……!」
「かっとビング。諦めない心――だよね?マスター」

自分の方針に巻き込んでしまうことになった二人に謝るココアへ、マズルカは魔法の言葉を放った。
かっとビング。ココアがあれだけ口にしていただけあって、その精神はマズルカにもなんとなく理解出来た。もちろんピーターも、ココアの諦めない心を悪いだなんて言わない。

「うん。ありがとう、ルカちゃん!ピーターさん!」

三人はチノや炭治郎が到着したはずである発着場を目指し、急いだ

1629名無しさん:2022/03/27(日) 13:19:49
エレン達に戦闘を任せつつ、シャアは状況を俯瞰する
無論、凄まじいプレッシャーを放つ大魔王には相当の警戒を向けてはいるが、シャアはそれ以外の者達についても警戒を向けていた

まずは大魔王バーンに攻撃して自分達に強力すると言った草加雅人
確かに強大な敵と戦う意思を持ち共闘できるかもしれないが、突如現われた謎の男でありその心中まで測れる訳ではない
自分達を利用しようとする第三勢力ではないかと推測し、シャアはその疑いを解かずに彼のことも注視する

次にその草加を嘘吐き呼ばわりする女とキャスターらしき男
昨晩の夢にて生き残っているキャスター二騎の片方ではないかと思い、その彼女達なら草加という男についての情報を得られるかもしれない
しかし、その女は草加に対して殺意を剥き出しにして常軌を逸しているようにも感じられる
また敵の敵は味方と呼べるほどの判断材料もない、さらには何かしら危険な気配を感じ取り彼女達についてもシャアは警戒を緩めない

その他にも留意すべきことが多い
クルーゼとフォーリナー、あの二人組もまた大魔王の号令によってこちらにくる、そのようにシャアの予感は強まっていた
できれば大魔王バーンと戦うために共闘したいが、未だ優勝を狙っているならばどう動くかは未知数であり予断は許さない

医者とアルターエゴ、イメージ映像ではこの二人組もこちら側にいるはずだ
あれは戦場を掻き乱す厄介な輩である、この状況下でも何をしでかすか分からない
ゆえに彼らの登場には最大限警戒して戦況を見極めなければならないだろう

一方、アサシンから聞いていたライダー組とキャスター組がこちらに来ることも考えている
特に片方のマスターはチノが探しているココアという少女であり、この戦闘にチノが巻き込まれていると簡単に予想して急行している可能性が高い
なにはともあれ、この二組は自分達に近くほぼ間違いなく共闘できるだろう、そしてあの大魔王バーンを倒すためにも一つでも戦力が欲しい
そのために少年少女達に凄惨な戦争を見せる事になってしまう、と大人として些か自傷気味に思うシャアでもあった


※シャア達は昨晩のイメージ映像以降にライダーとアルターエゴが脱落したことを知らないため、情報と認識と現状に些か齟齬が生じています

1630名無しさん:2022/03/27(日) 17:39:24
ムスカはバーン出現より少し遅れて、レムリア島に到着した
草加が謎の女とキャスターに計画を妨害されたことは念話で聞いていたが、女のマスター自らが前線に立ちカイザと戦っている状況はこの目で見るまで想像も出来なかった

しかしムスカには護身用の部下や兵器がある。
ムスカは自分が草加雅人のマスターであることを明かし、島を荒らそうとする大魔王を討てるこの瞬間を待っていたと説明。あくまで王として聖杯戦争を止めたいと他のマスター達に話した。

「そこの君は島を荒らす大魔王の討伐を妨害する気か?魔王の悪事に加担するだなんて、愚かだと思わんかね!?」

善人のように振る舞うムスカだが、実際のところは女とキャスターを始末する大義名分が欲しいだけだ。
これでムスカは草加に加勢する理由付けに成功した。

「……これ以上その大魔王と手を組むなら、君はここで始末するしかない」

なおも草加への攻撃を止めない医者に対して残念そうに語り掛けると、ムスカは彼女を始末するように部下達に指示を出した

1631名無しさん:2022/03/27(日) 17:49:20
>>1630
「フフフ…」

様々な思惑を抱えながらも自身を討伐しようと共闘する主従の中にいるムスカを見てバーンは笑みを浮かべた。

「余はかつて人間の絆、その閃光のような力の前に敗れた、そしてあと一歩で願いが叶う寸前に見せた奇蹟でその恐ろしさを改めて実感した。
どうすればその力を十全に発揮させずに済むのだろうかと、そこに現れたのがうぬらであった。
そして余は一計を案じた、敢えて己の脅威を見せることでそれを討たせるために共闘を組ませるように仕向けた。
絆などではない利害の一致という不完全な団結をな」

彼はこの場にいる存在全てを侮ることはしない。
奇蹟とは何から起こるか分からぬもの、その可能性を完全に潰すまでは油断などしてはならない。

「世界を救う聖戦などではない、これは聖杯戦争だ。
己の願いをかけて競い争う戦であり、それ故に綻びはいくらでも生じる」

「よく動いてくれたぞムスカ、わざわざ聖杯戦争の時期を早めたのもうぬの存在あってこそだ。
余を討つ要となる者が清廉潔白な奴では危うかったからな」

そうして自身に対峙する主従にバーンは語る。

「余を討つことは不可能だが、もし万が一討てたとしても聖杯を顕現させ願いを叶えるにはあと少しサーヴァントを聖杯にくべる必要がある。
余との戦いの後に聖杯を得ようとする者は間違いなく疲弊しきったうぬらの不意をつくであろうな。
ならばここで全力を出し切るというのは危うい選択となる、そして聖杯を欲する者は後の事を考えて力を温存しなければならん」

バーンは笑みを浮かべていた。
彼らとて馬鹿ではない、ここで力を出し切れば後はどうなるかなど言われずとも分かっているだろう。

「では問おうか、此度の戦争に招かれた者たちよ。誰が捨て石となる?」

ここにいる者全てが一致団結することなどあり得ないと彼は確信していた。

1632名無しさん:2022/03/27(日) 18:10:49
>>1624
戦う意義を見出したエレンに迷いは無い。
立体機動装置込みでも人間の状態では話にならないと判断したエレンは即座に巨人となり、バーンに立ち向かう。

その姿は正しく悪魔。バーサーカーの名に相応しい狂戦士。
だが彼は――エレン・イェーガーは悪魔であると同時に人間だ。むしろやるべき事をやり遂げた今の彼は、悪魔というよりも人間としての側面が強い
多くの命を奪った自分には願いを叶える権利がない。ミカサに――家族に再会させてくれだなんて、願えるはずもない。

それでも友のために戦う男や家族のために戦う少女を守ることくらいは出来る。
敵を駆逐することでしか彼らを守れないけれど。それでも彼は眼前の大魔王を駆逐するべく、進撃する

「進撃の巨人、か……」

バーンと戦闘しながら、その様を見たマコト兄ちゃんがポツリと呟いた。
仲間を守るために進撃する巨人――進撃の巨人、と。

1633名無しさん:2022/03/27(日) 19:57:47
>>1624>>1625の後、>>1631の手前ぐらい
巨人化したバーサーカー、再契約により全力を取り戻した雲雀、人助けも一通り終わり戦線に戻ってきたマコト
この三騎が何度も攻撃を仕掛けるが、大魔王バーンは的確に攻撃を見切り有効打を与えず、返り討ちにしている
三騎もまたバーンの猛攻を辛うじて防ぎ大きなダメージを負っていないが、力を合わせてもその力量差を埋められず対抗する術を模索し続けている
その最中、隙を狙うように刃の衝撃波が大魔王バーンに向かって飛んでいく
それすらも魔界の神は対応するが、その鋭き攻撃に一言感嘆を述べる

「この剣気、まるでハドラーや勇者にも匹敵する威力…どうやらまともな英霊もいたものだな」
「それはこちらの台詞だ、小手先程度の攻撃とはいえ簡単に防がれるとは。さすがは名に違わぬ化け物だな」

少し離れた場所から攻撃を仕掛けたのはセフィロスであり、その近くには仮面を付けた軍服の男、クルーゼも立っていた
さらにはレムリアの軍人達も周囲に展開して臨戦態勢を整えていた

「久しぶりだな、シャア・アズナブル」
「ラウ・ル・クルーゼ…!貴方も、大魔王の討伐に来たのか!?」
「さて、どうかな。あちらにおられるムスカ国王から知らされて様子を見に来たところだが、国王が恐れていたようにかなりの強敵だな」
「まだ、優勝を狙っているのか」
「当然、だがさすがにあれを放っては優勝も厳しいかもしれない。だから一応は同盟を結んだ貴方との間柄だ、少しくらいは共闘もいいだろう」
「それは心強いが、しかし聖杯戦争に大部隊を出すとは些かやり過ぎではないか?」
「用心だよ、一国の国王が有事とはいえレムリア島に軍勢を引き連れている、ならばレムリアの軍人である私も相応の抑止力を用意せねばならない」
「それに、だ。元マスターや元セイバーを名乗り裏事情を知るその二人組も相当怪しい、と私は睨んでいる。貴方もそうでは?」
「…まだなんとも言えない、が確かにこのタイミングでの都合の良さには疑問を抱いている」


※セフィロスは本格的には攻勢に出ず、まだクルーゼを護衛できる程度にしか攻撃を仕掛けないつもりです

1634名無しさん:2022/03/27(日) 19:58:36
>>1631
バーンの問い掛けに対して真っ先に反応したのは、意外にもエレンだった
エレン・イェーガーは止まらない。この心をはとうに燃え尽きている。しかしチノやホメロスを見て、彼らを守ろうとする奴らの姿を見て……かつての自分と同じように化け物を駆逐しようとする宮本明の命を奪って。
様々な出会いや別れの末にエレンは戦う理由を見つける事が出来た。彼の心に再び火がついた。

一度着火した炎は止まらない。
この聖杯戦争では何が起こるかわからない。未来の記憶なんてわからないのだから。
だがそれで良い。あんなものは今の自分に必要ない。

宮本明の夢と人生を奪った。
しかし彼は最期まで自分の選択を悔いることなく、消えていった。
胡桃という少女を救えなかったことだけは悔しそうだったけど。それでも彼は自分の人生自体を悔いているようには見えなかった

エレンは最期、彼にこう語り掛けた。

「俺はとっくに燃え尽きてるんだ。今更、戦う理由なんて何も無い」

もしも聖杯戦争に呼ばれていなければ、再び誰かを殺すことなんてなかった。サーヴァントとして聖杯戦争に呼ばれた時、エレンはガッカリした
正直、ランサーを殺す時はエレンの心に罪悪感もあった。

「すまない……」

宮本明を殺したエレンは彼に謝罪した。何も悪くない人類の英雄を自らの手で殺す。
たとえ相手のマスターが暴走し、令呪によって操られた存在でも――それは決して気持ちの良いものじゃない。

そんな自分が正義を気取っていいわけがない。
エレン・イェーガーの手は血に塗れている。誰かを救おうだなんて、守ろうだなんて思い上がりも甚だしい。

それでもチノとホメロスを守りたいと思ったから――自分は決して英雄なんかじゃないけれど、誰よりも早く身体が動いていた
シャアは令呪を使い切っている。誰もエレンを止めることは出来ず、今の彼は自由だ。

もう何も背負っていないからこそ自由に『仲間を守るために全力で戦う』という選択をすることが出来た

「バーサーカーさん……」

チノの声が聞こえた。純粋無垢な少女は血に塗れた悪魔を心配するように名前を呟き。

「絶対に死なないでください。きっとバーサーカーさんも、私達の仲間です!」

本当にお人好しにも程がある。
でもその気持ちは素直に受け取ろう。今この瞬間、エレン・イェーガーは香風智乃の仲間になる

「私も援護しよう!」

ホメロスが呪文でエレンを最大限に援護する。対魔力を持つバーンには一切通用しなかったが、彼の勇気を無駄にはしない。

いくら通用しないとはいえ、呪文により一瞬だけ隙が出来る。エレンの肩に雲雀がトンと乗り、跳躍してバーンにほんの数秒間だけ猛攻を仕掛けた。
バーンはその全てを防ぎ、雲雀は即座に距離を取る。バーンにはその行動の意図が読めたか、あえてそれを受ける。

彼らが拓いてくれた道を――エレン・イェーガーが進撃する。理不尽に命を奪おうとする大魔王を駆逐するため。
自分に出来る最大限の力を込め、その拳をバーンへ叩き込んだ

1635名無しさん:2022/03/27(日) 19:59:29
>>1631
バーンの問い掛けに対して深海マコトは悩んでいた。
自分がシンスペクターとなり、全力を出し切ればきっと状況は好転する。だがバーンを相手に疲弊してしまうと他の敵からチノを守ることが出来なくなってしまう。
マコト兄ちゃんの目的は大魔王バーンの討伐以上にチノやココアを再会させて無事に帰すことだ。

彼が悩んでいる間にも戦況は進む。バーサーカーがバーンへ全力で仕掛けたのだ。
この中で最も英雄に相応しくない狂戦士の勇姿にマコト兄ちゃんは驚愕する。

「……」

何やら悩んでいる様子のディープスペクターを見つめ――

「小動物の守護者。今の君の顔、つまらないな」

それだけ吐き捨て、雲雀もまた戦意を失うことなくバーンへ挑んだ。
深海マコトのことを雲雀恭弥は多少なりとも認めている。そんな彼が俯くというのなら。誇りや覚悟を少しでも見失うというのなら――自分やバーサーカーの戦いを見せることで、気合いを入れ直してやろう、と。

そして>>1634へ続く

1636名無しさん:2022/03/27(日) 20:00:04
エレンがバーンへ全力の進撃を仕掛けた時、ココア達が到着した
一度は「あの巨人を駆逐してやる」と言い出すほどバーサーカーのことを憎んでいたピーターは、エレンの勇姿に驚愕した。
あいつは間違いなく許されるべき存在じゃない。ヴィランに近しい存在だと考えていた。
だが今の巨人は他のマスターやサーヴァントと協力し、共に戦っている。
水色髪の少女はあいつを仲間と呼び、騎士のような男は彼を援護する始末だ。

「チノちゃん!!」
「ココアさん……!?」

そしてココアの反応を見るに、あの少女が噂のチノらしい。
巨人の行動に色々と悩むことはあるが、何か心境の変化でもあったのかもしれない。
ならば彼は仲間だ。元ヴィランが必死に戦っているというのに、ヒーローが眺めているだけではいられない。ピーターも前線へ立ち、バーンへ挑むことを決意する

1637名無しさん:2022/03/27(日) 21:17:16
そういえば、役者が勢揃いして自分達を邪魔する者がいない事を確認した医者は使い慣れた医療器具を取り出したな
それらはレジィが宝具で生み出した神秘付きの道具であり、銃やナイフを使うよりも攻撃のキレが桁違いな様子
メスで斬りかかったり注射を射とうとしたり、その他多数の手段でとにかく草加を殺そうとしていたな

1638名無しさん:2022/03/27(日) 21:45:51
ココアはチノの元に駆け寄り、ピーターが進撃の巨人の勇姿に心打たれている中
マズルカは最大限の人形兵を投入してマスター達の護衛および戦闘に備えていた
ただし状況は非常に混沌を極めている
数時間前に出会ったばかりの草加、見知らぬ男(ムスカ)、そして複数人の軍人達がもう一人のキャスターと謎の女と戦っている
仮面の男およびセフィロスがレムリアの部隊を率いているようで、こちらやチノ達に攻撃する様子もなく別の男(シャア)と何か話している
なにより、複数の英霊達がまとめて掛かってもびくともしない大魔王バーンの存在
誰が敵で誰が味方か判別しづらいが、今はただココアのために動くことを優先する

1639名無しさん:2022/03/27(日) 22:21:01
>>1631>>1633
ムスカに労いの言葉を掛けるバーンを目撃したシャアとクルーゼは予想通りあの二人組はバーン同様見過ごせない存在だと判断する
彼らと戦っている謎の女の存在も疑問に思うが、キャスターと共に戦っている点から医者だと考えるのが妥当か。
バーサーカーやフォーリナーにはこの場で段違いに強いバーンの討伐を最優先して貰う必要があるが、マスターである自分達は手を持て余している
それに医者側はムスカの部下達による数の暴力によって明らかに押されていた。
クルーゼは抑止力として引き連れてきたレムリア島の軍人達に指示を出し、ムスカの部下達の相手を引き受けさせる。いずれ敵になる存在を消耗させてくれたことは結構だが、圧倒的な権力を持つムスカは早急に潰さなければ厄介だ
ムスカの部下達とクルーゼ率いる軍人達がぶつかり合い、予期せぬ展開にムスカが苛立ち始めた
バーンに計画を全て台無しにされ、せっかくの部下達もクルーゼに対処されている。これでは自分が道化のようだ

1640名無しさん:2022/03/28(月) 06:40:30
・シャア達ムー島から来た対聖杯はライダーとアルターエゴの脱落を知らない、客にココア達は炭次郎の脱落を知らない
・ココア達はクルーゼ組と医者組が組んでいる可能性が高いことを共有しているが、シャア達は聖杯狙いの同盟まで思い着く余裕はないだろう
>>1639の内容的に、クルーゼは医者だと察していて、シャア達は医者の変装にまだ気付いていない。諸事情によりクルーゼも伝達していないと思う。ただし戦闘スタイルからしてそのうちバレる可能性大

これ以外にも情報差関連はありそうだが、とりあえず今は激戦ゆえに悠長な情報交換は難しい
一応各々が隙を見て聞き出すとは思うが、それが各人の思惑や戦況にどれだけ影響を及ぼすだろうか

1641名無しさん:2022/03/28(月) 07:15:13
>>1634
「なるほど、まずはうぬが起点となるか」

渾身の一撃をぶつけたエレンの拳、だがそれはバーンによって受け止められた。
無論一撃で仕留められると思っていないエレンはそのまま追撃をかけようとする。

「その魂の力は認めよう、だが――」

そう言ってバーンは拳を掴みながら回転し、エレンを持ち上げて投げ飛ばした。
不意を突かれたエレンはこらえる暇すらなく飛ばされる。
飛ばされた方向にはチノたちがおり、それを見たピーターと雲雀が対応し、チェーンと糸でエレンをキャッチする。

その隙にシャアたちの方向へメラを放つ、それを見たセフィロスは即座に魔術で相殺する。

「魂で余は殺せん。それと先に言ったではないか、捨て駒は誰だと」

瞬間、バーンの手に闘気が集中する。
今までのような小技ではない、彼が使う技の一つ。

「カラミティウォール!」

そうして巨大なエネルギー衝撃波の壁がチノたちの方へと向かっていった。

1642名無しさん:2022/03/28(月) 08:07:58
>>1641
深海マコトは悩む。しかし彼が迷っている間にも、戦況は進む。
このままではチノ達が死ぬ。あの不思議な攻撃に対抗する術を自分達は持たない。
進撃の巨人も、孤高の浮雲も、再会を果たした姉妹も、誇り高き魔王の想いを繋いだ軍人も、蜘蛛のようなスーツ姿の男も――誰も彼もが死んでしまう。

大幅に戦力を削られることを危惧したクルーゼが咄嗟に令呪でセフィロスに対応させる。だが流石のセフィロスでも単独で受け切ることは難しく、圧倒的な力の前に押される。ほんの少しだけでも時間を稼げたこと自体が奇跡的だと言えるだろう。ちなみに片翼の天使は既に使用済みで、このままではセフィロス自体が危うい。仕方なく一時撤退も視野に入れる。

敵も味方も入り乱れ、各々が全力で大魔王に対処している。
この状況でもチノは前を向き、令呪を使った。

「マコトさん……あの大魔王を倒してください!」

まだ中学生の少女が頑張ってるというのに、自分が弱気になってどうする。
きっとタケルやアランなら、後先考えずに全力であの大魔王へぶつかるはずだ。

「チノ――お前の想い、確かに受け止めた!」

『セブンシンカ!』

シンスペクターゴーストアイコンが現れる。
これこそが深海マコトの真骨頂であり、彼が真の力を引き出すための宝具

『アーイ!バッチリミロー!バッチリミロー!』

「俺達の覚悟、見せてやる!――変身!」

『シンカイガン!シンスペクター!』
『プライド!グリード!ラスト!ラース!エンヴィー!グラトニー!スロウス!ブレイク!』
『デッドリーシン!』

拮抗するセフィロスにシンスペクターが加勢。彼が正宗で戦うように、シンスペクターもまたディープスラッシャー・ソードモードを手にしていた。

「俺に合わせてくれ、フォーリナー!」
『シンダイカイガン!グリードスラッシュ!』

電子音という分かりやすい合図にセフィロスは彼の言葉の意味を察し、同時に攻撃を放つ
ディープスラッシャー・ソードモードの刀身にエネルギーを纏わせた斬撃とセフィロスの全力の一撃がカラミティウォールを打ち破った

「聞け、大魔王バーン!俺達は誰一人、捨て駒にしない!!」

深海マコトはもう迷わない。必ずこの大魔王を倒し、チノ達を守ると啖呵を切る

1643名無しさん:2022/03/28(月) 08:44:27
>>1640についか
・ムスカ達の正体暴露後にココア達が来たため、ココア達は草加の正体や謎の眼鏡男(ムスカ)について曖昧

1644名無しさん:2022/03/28(月) 11:32:56
それまではクルーゼを護衛する程度にしか攻撃を仕掛けなかったセフィロスだが、クルーゼにメラを放たれたことで攻勢に出る
先程のカラミティウォールで理解した。セフィロスであれど大魔王バーンを単独で撃破することは難しく、護衛に徹してもあの一撃をまた放たれては自分一人で対処することが困難だ。
あの時、クリミナルの助力がなければこちらの戦力は一気に削られていた。勝ち目は薄れ、その後クルーゼに同じ攻撃を放たれていたらセフィロスが脱落していた可能性も否定出来ない
ならば攻勢に出てマスターを狙う隙を与えず、自分達サーヴァントの相手に専念させる。

片翼の天使セフィロスとシンスペクター、戦力としては特に大きい二人が揃い踏みしたことでバーンとの戦力差は埋まっていく
実質的にサーヴァントと同等の力を有するピーターの参戦も大きく、スパイダーセンスという唯一無二の固有能力を持つ彼はバーンにとってある意味、他のサーヴァント以上に厄介でもある
そしてパラメータこそ大したことないが圧倒的な大きさというアドバンテージを持つエレン。セフィロスやシンスペクターほど特化した戦力ではないが、小回りの利く行動やアサシンでありながら暗殺ではない直接戦闘を得意とし、パラメータも三騎士並のアサシン

それぞれの力は大魔王バーンに及ばないが、共闘することで彼らは互角に渡り合っていた
しかし自分に切り札を使わせたあの仮面のライダーに似たサーヴァントとこうして共に戦うことになるとは、セフィロスは想像もしていなかった。多少だが、感慨深く感じる

1645名無しさん:2022/03/28(月) 18:59:56
>>1644
「あくまで余を打倒することにこだわるか…」

そう言いながらバーンはマコトを立ち直らせたチノの方をチラリと見て考える。
力で言えばあの小娘など考慮するだけ無駄な存在、だがその覚悟とやらがクリミナルの戦意を取り戻させた。

(厄介だな、即座に始末しようにもサーヴァントどもが防ぎに来る。もしやるとすればまず奴らから行動不能にするしかあるまい)

バーサーカーにアサシン、クリミナルは闘志を激らせており、フォーリナーはまだ本腰を入れていない様子だが、それでも十分脅威である。
他にバーサーカーを止めたマスターも入れて現状排除しなければならない存在は5人。

打撃と魔法攻撃での攻めを続けるにはいささか不安が残る。
となれば必然あの技を使うしかないということになる。

「仕方あるまい、本来であればもう少し後で使いたかったところだが、うぬらの覚悟と力に敬意を表して我が奥義を見せてやろう」

そう言ってバーンは構えを取る、ただ両腕を天地上下に構えただけのもの。
チノやココアは特に変化を感じなかったが、対峙するピーターとサーヴァントたちは構えから来るプレッシャーを感知し身構えた。

「これを――天地魔闘の構えという」

1646名無しさん:2022/03/28(月) 20:46:11
>>1645

大魔王が奥義を語り凄まじい重圧を感じた英霊達だが、その実形だけで見れば不動の構えを取ったのみ
まるで虚仮威しのようにも感じられるが、実際に対面する戦士達は否応なく警戒感を募らせる
かといって、あれだけ猛攻を仕掛けてきた化け物が攻撃の手を止めている絶好の機会でもある、不気味ではあるものの相手の真意を確認するためにも、ここは攻勢に出て叩ける内に叩いておきたいという心理も揺れ動いていた
ゆえに、現状の最大戦力であるシンスペクターと片翼の天使、そして進撃の巨人が同時に出て、八刀一閃、ラースフレイム、硬質化した鉄拳をそれぞれ繰り出す
どれもが強力な攻撃技であり微動だにしない大魔王バーンに迫るが、事態は一瞬にして急変する

八連続の瞬時斬撃は「天」から振り下ろされた手刀「カラミティエンド」で一太刀も与えられずに返り討ちにされる
業火のエネルギー弾は「地」から振り上げた攻防一体の技「フェニックスウイング」によって跳ね返される
堅固な豪腕が届く前に膨大な「魔」として放たれた不死鳥の業炎「カイザーフェニックス」が巨人に迫った

宿敵の奥義に似た必殺技を相殺されたセフィロスは、持ち前の敏捷の高さゆえに直撃をギリギリ回避したが多少のダメージを受けて一旦後退する
自らの必殺技が自分に返ってきて一瞬対応に遅れたマコトだが、直前に人形兵イアフォートレスが盾となり威力を減衰させたものの衝撃によって吹き飛ばされる
大漢だろうと確実に圧壊させる拳を放ったエレンは焼却の全てを焼き尽くす攻撃によって片腕を失い、さらには全身に大火傷を負ってしまう

これが大魔王バーンの奥義、三つの超必殺技を連続して同時に繰り出す究極のカウンター技、すなわち「天地魔闘の構え」である

1647名無しさん:2022/03/29(火) 20:26:57
大魔王バーンの天地魔闘の構えの前に傷つき倒れる進撃の巨人
巨体の全身をも覆う炎の前には強靭な体も役には立たず、ついにはグズグズと肉体が崩れエレンが姿を現す

「まずは一人。何か言い残すことはあるか?」

そう冷然と言い放つバーンは、しかしエレンの返り血を浴びた凄惨な姿で天地魔闘の構えを再びとっていた
バーンは知っている
人間は時に仲間のために、時に希望のために、バーンの哲学にはない力を発揮することを
ましてやここにいるのは名だたる英雄たち
彼らならこの程度の絶望は必ず覆しうると、彼らの強さから信仰している
そしてその逆転をひねり潰す策も当然用意していた
たとえば、バーンパレスを地盤としているレムリア島の部分を沈めればそれだけで何人かのマスターは危機に陥りサーヴァントは致命的な隙を晒すだろう
バーンに油断は無い、あるのは余裕だけだ
だが、その余裕が崩れた

(バーサーカー以外の顔色が変わった)

突如として、バーサーカー以外のサーヴァントもマスターも、みなそれまでとは違う感情を顔に浮かべていた
バーンがその理由を知ることはない
彼の対魔力が自動で弾いた、バーサーカー・エレンの心象風景の光景はバーンだけが見ることができない

1648名無しさん:2022/03/29(火) 21:50:04
大魔女マズルカと妖路歴程の操る人形兵。
その大きな強みは言うまでもなく数だが、それだけではない。

それは特に、一度敗退した敵との再戦で発揮される。
兵種や装備の組み合わせにより相手に応じた戦術を構築できる点だ。
勿論バーンと戦うのは初戦だが、多くのサーヴァントが戦った様子を観察して戦略を決定した。

生半可な攻撃や魔術では魔力のようなオーラ(闘気)を纏う、この大魔王にはとても通じない。
そこでマズルカは『ゴシックコッペリア』という、巨大な鈍槌(ハンマー)を持つ、猫の耳のような飾りをつけた人形兵を数体呼び出した。
他の人形兵達より数が少ない、そのやや特殊な人形兵は、他の人形兵とは一線を画す怪力を誇る。
手持ちのこの人形兵を全てバーンに向けて攻撃させる。
また、自分やココア達を守るのに支障が出ない程度に、数体のピアフォートレス達にも鈍槌を持たせて戦線に送り込む。
戦術甲を装備して旅団の壁として活躍する事の多いピアフォートレスだが、人形兵達の中では鈍槌の扱いにも長ける。
なんとか自分がバーンにダメージを与えられるとしたら、この戦法に賭けるしかないと考えた。
また、たとえこの人形兵が蹴散らされたとしてもその僅かな隙に他のサーヴァント達が活路を開く可能性に賭けた。

* ゴシックコッペリア(超パワー型)とデモンリーパー(超スピード回避型)の人形兵はシナリオ途中から生産可能になるので
  やや希少という扱いにしてみた。
* ゴシックコッペリアは3〜4体ぐらいのイメージ。
* ココア達の防衛に重点を置いているマズルカですが人形兵もバーンとの戦いや戦闘の余波である程度減ってると思う

1649名無しさん:2022/03/29(火) 23:16:34
補完小話

>>1637
この神秘付きメス+α、実は医者が仮眠を取っている間にレジィが病院に侵入して医療器具類の領収書から精製した物である
基地襲撃の時とは違い警備が手薄であることや下手に騒ぎを起こして他の主従と再度戦闘になると不味いので、霊体化して密かに潜入していたようだ

>>1630
レムリア島に飛空艇で近づいていたムスカ一団は、発着場が燃えているのを確認して接岸を断念
なのでムスカと親衛隊は現場付近の上空に到着した後に地上へと降下、現場へと向かった
また飛空艇に残った兵士達はムスカの号令があるまで待機し、新兵器を投入する準備を進めていた

1650名無しさん:2022/03/30(水) 00:10:08
>>1641
これはシンスペクターとセフィロスがカラミティウォールを打ち破った後、バーンが天地魔闘の構えを取る前の話。

メラを見たホメロスは自分のよく知る呪文をバーンが使っていると見抜いた
それならば呪文を封じられると考えた彼はマホトーンを使うが、残念ながら対魔力スキルによりその意味を成さない

「なっ……。マホトーンが通じないだと!?」

自分の予想が否定されて動揺するホメロスだが、近くに居たチノとココアが声を掛ける。

「落ち着いてください、ホメロスさん。まだ私達は、負けてません」
「うん。チノちゃんの言う通りだよ、ホメロスさん。どんな状況でも諦めない心――それがかっとビングだよ!」

二人の少女の前向きな姿勢にホメロスの心が震え立つ。
呪文が通じなくても、自分にはまだプラチナソードがあるではないか、と。
ちなみにココアがホメロスの名を知ったのは、チノが彼のことを呼んだからだ。

「フッ……。まさかオレより遥かに年下の少女達に勇気付けられるとはな。
だが――お前達に感謝しよう。かっとビングという言葉は初耳だがな」

1651名無しさん:2022/03/30(水) 09:53:58
>>1639
自分の思惑通りに進まないことに苛立つムスカだが、さすがに怒ってばかりでは状況は好転しないと考え直し冷静に対処しようと努める
まずは状況整理だ、最初の目論見であるバーン討伐に乗じて対聖杯に取り入り疲弊した隙を突いて他者を蹴散らし優勝を目指す、は既に頓挫した
加えて明確な邪魔者であるキャスター組を排除すべく投入した親衛隊もクルーゼの差し金によって機能していない、全く忌々しい限りである
そのため草加はサイドバッシャーを駆使して戦っているが、上手く連携して攻撃してくる二人を相手に少し苦戦している様子である

なので、ムスカと草加は方針を転換する
飛空挺に搭載した新兵器・ロボット兵(レプリカ)を投入させるべく、ムスカは部下に号令を出した
この新兵器はムスカが元いた世界のロボット兵を複製するべく秘蔵の魔術師達によって作らせたものであり、主にゴーレムの技術とムスカが持つラピュタの情報を元に完成したものである
無論、模造品ゆえに強固な装甲や高出力のビーム砲を再現することは適わなかったが、それでもマスター相手なら相当な脅威でありサーヴァント相手でも一定の抑止には使える代物である
そしてそれらを今はキャスター組やレムリア軍部隊に差し向ける、それらを殲滅した後に草加と共に一時撤退する事を画策していた
大魔王バーンについては対聖杯の主従達に任せるしかない、そして双方のどちらかが勝とうとも疲弊した隙を突いて再度強襲するつもりである

1652名無しさん:2022/03/30(水) 09:54:39
>>1651
新兵器の投入により、再度ムスカ組が有利になる
そもそも草加と医者では戦士としての経験値に差がある。いくら身体能力が強化されてるとはいえ、直接戦闘では草加の方が優れている。
二人で連携されると厄介だが、医者単独ならそれほどでもない。使い慣れた医療器具を使用することで戦士としての経験の差をカバーしているが、それでも医者は草加と違い必殺技などの決定打がない
ムスカはレジィの相手をロボット兵に引き受けさせることで医者と草加が一騎打ち出来る状況を作った

1653名無しさん:2022/03/30(水) 20:34:58
>>1651>>1652
レムリア軍人の乱入やレジィ達の攻撃により大打撃を受けた国王親衛隊だが、新兵器の参戦により今度は立場が逆転する
ロボット兵の堅牢さは軍人達の携行武器では歯が立たず、低出力のビーム砲でも防ぎようがなく甚大な被害を受けてしまい、またロボット兵に阻まれたレジィも手こずり医者と分断されてしまう
しかし彼らとてやられてばかりではなかった、レムリア側もまた切り札としてロケットランチャー(仮称)を投入する
高火力の爆発物を複数当てられれば強硬なロボット兵であろうとも装甲を破られ機能を停止する、これでレムリア軍人達にも対抗する術ができた
あとは親衛隊+ロボット兵vsレムリア軍人の総力戦となる、その結果どちらが勝ち残ったとしても軍勢としての機能は激減するだろう

それはともかく、レジィもまた軍事基地から押収した契約書からロケランを『再契象』で再現し、複数のロボット兵を撃破して医者の援護に向かう
しかし、カイザとサイドバッシャーに挟み打ちにされていた医者はすでにボロボロの状態であった

1654名無しさん:2022/03/31(木) 07:12:31

「やるんだな、エレン! 今! ここで!」
「ああ。もう俺の体は限界だ。だから『叫ぶ』」

バーン以外のその場のマスターとサーヴァント、そしてムー島やレムリア島の軍隊にムスカが投入した巨神兵型ロボットまて全員が、エレンの心象風景を知覚する
それはエレンの宝具、『進撃の巨人』の発動の前段階だ
このエレンの心象風景や身体に触れた、もしくはエレンによって触れさせられたもののうち、条件を満たしたものが影響を受け地ならしを行う
そしてこの場で影響を受けるのは、エレンより身長が大きいバーンとセフィロスとマコトのみ
他はロボット兵と軍隊の一部だ
エレンは告げる
今から影響を受けた全ての人間がバーンも含めて狂化することを


「――大魔王、アンタは聖杯に何を願う」

静かに問いかけるエレンと対称的にマスターもサーヴァントも軍隊も様子がおかしい
それでもバーンは大魔王の矜持にかけて答える

「魔界を太陽で照らす」
「脆弱であるという理由だけで太陽を独占する人間を一匹残らず駆逐し人間界を滅ぼし、素晴らしき自由な空を私は手に入れる」

それを聞いたエレンの体から雷光が迸る
バーンについたエレンの血がそれに呼応する

「そうか……なら、仕方ないよな」
「お前と同じだよ……俺も、アンタも、多分、生まれた時からそうなんだ。自由が欲しかった。そのために行うどんな行動も、全て俺の自由意志によるものだ……」
「だから俺も進み続ける……敵を駆逐するまで」

そして、エレンの口が大きく開かれ
バーンの構えが、揺らいだ

(道を通じて宝具の内容をバーン以外のこの場の全員に説明しました)
(バーンが天地魔闘の構えを解いて妨害しなかった場合、エレンの宝具が発動しセフィロスとマコト兄ちゃんと巨神兵型ロボット兵と軍隊の一部に狂化Aが付与されます)
(もしかしたらクルーゼもエレンより背が高くて狂化します)

1655名無しさん:2022/03/31(木) 08:11:48
>>1654
バーサーカーに不吉な気配を感じたバーンは瞬時に思考する。

自身の奥義を見た上で発動させるもの、他の者たちの様子を見てもかなり大それたものだと予想を立てる。
天地魔闘の構えはバーンが絶対の自信を持つ奥義、だがそれは生前のうちに破られている。
自信はあれど過信は禁物、今のバーンにはそう考えている。
そしてバーサーカーがこの状況で仕掛ける切り札、その気迫を見て決断した。

オリハルコンによる剣と同等の一撃であるカラミティエンドならば硬質化を意に介さず治癒阻害の効果と合わせて首を断てば、バーサーカーを即死させることは可能と判断。
即座に構えを解き、何か仕出かす前に始末しようと全速力でバーサーカーの方へと向かう。

1656名無しさん:2022/03/31(木) 17:26:12
>>1654
バーンも含めて狂化する。めちゃくちゃな手段だが、サーヴァント三人の必殺技へカウンターを叩き込んだあの構えを攻略するには適している。
戦場に慣れていないチノとココア、そして宝具の内容を知らないバーンを除いた全ての者が構えに対する攻略法を察する

聖杯狙いのクルーゼやセフィロスがエレンの蛮行を止めようともしなかったのはそういう理由。無窮の武練を持つフォリナーならば狂化しても十全の戦闘能力を発揮し、バーンを倒せるという自信がクルーゼにはあった。あの妙な構えさえ狂化で対策したらなんとかなる、と。

チノやココア、そして彼女達の味方であるキャスターが自分より身長が低かったことにエレンは安心する。これで心置きなく、宝具を発動することが出来る。
シャアやホメロスは明らかに『こちら側』の人間だ。彼らも覚悟を決めて戦場へやってきたに違いない。
だから多少は申し訳なさもあるが、彼らを巻き込む。今にも限界を迎えそうな体で敵を駆逐するため――

チノとココアはバーサーカーの蛮行に困惑した。しかしバーン戦で彼が戦う姿を見てきたチノはエレンが考え無しに仲間を巻き込む人間には見えない。きっとバーンを倒すためにそうするしかないのだと、信じることにした。

「どうしよう、チノちゃん!このままじゃ皆が……」
「大丈夫ですよ、ココアさん。バーサーカーさんはそんなに悪い人じゃないです。だから今はバーサーカーさんのことを、信じてください」

チノがギュッとココアの手を握りしめる。
バーサーカーが悪い人じゃない――それはあくまでチノの主観の話だ。エレンは多くの命を奪ってきた大罪人である。
チノに諭されて、ココアもバーサーカーを信じてみることにする。ココアの場合、知り合って間もないバーサーカーを信じるというよりも、妹を信じるという意味合いの方が強いのだが

1657名無しさん:2022/03/31(木) 17:28:03
>>1655
構えを解き、全速力で突撃するバーンの前にセフィロスが立ち塞がる
縮地。相手との間合いを瞬時に詰める単純明快なスキルだが、シンプルゆえに敵に対する攻撃にも仲間を守るための防御にも使える
バーサーカーの宝具は厄介な構えを持つ大魔王を討伐するに適したものであり、セフィロスやクルーゼとしてもその効果には期待している

目標としてはバーサーカーが宝具を発動するまでの僅かな時間、バーンを足止めすること。
宝具発動までにそれほど時間は掛からないだろうが、場合によっては悍ましき熾天の彼方(スーパーノヴァ)の使用も考えつつセフィロスはバーンと対峙した

1658名無しさん:2022/03/31(木) 17:30:55
>>1653
「君はマスターの身にしてはよく頑張った方だ。じゃ、そろそろ死んでくれないかな?」

『Exceed Charge』

医者が十分に弱り切ったことを確認した草加は必殺技(カイザスラッシュ)を発動することに決定。カイザブレイガンの銃口から射出されたマーカーがボロボロの医者を捕縛する。その拘束力は並大抵のオルフェノクすら脱せないものであり、所詮はマスターである&カイザに追い詰められてボロボロになっている医者の力ではどうしようもない

このままだと数十秒後には医者の身体はカイザに切り裂かれ、死亡することになるだろう

※医者は力で対抗出来ないだけで何らかの手段で対抗出来る可能性はあります。ただし身動きは取れません。喋ることは可能だと思います。医者やレジィが何も出来なければ医者はこのまま脱落する可能性が極めて高いです
※ちなみにカイザスラッシュで検索するとその技を発動している場面のみの21秒の動画が出てきます

1659名無しさん:2022/03/31(木) 18:51:37
>>1657
同じようにマコトや雲雀、マズルカの人形兵にピーターもバーンの足止めに参戦していたな
流石の魔王といえども、これだけの数を突破してバーサーカーに辿り着くのは難しい

1660名無しさん:2022/03/31(木) 19:01:38
>>1659
縮地でセフィロスが真っ先に立ち塞がり猛攻を仕掛ける、これによってバーンの突撃速度が若干弱まる→少し遅れてその後も次々とやってくるって感じだっけ
足止めという意味ではピーターの糸が特に活躍してた印象

1661名無しさん:2022/03/31(木) 19:08:55
エレンの宝具に何か危ういものを感じ取ったピーター。イーサン・Dボゥイを殺された件で一時期エレンのことを憎んでいた彼は一瞬だけエレンのことを疑いそうになるが、自分がボロボロになってでも魔王を駆逐しようとする今のバーサーカーの姿勢を信じることにした

1662名無しさん:2022/03/31(木) 19:13:22
>>1659
「魔界を太陽で照らす、か。その願い自体を否定する気はない。――だがそのために人々を殺すなら、お前の罪は俺達が止める!」

シンスペクターが叫ぶ。
大魔王の願いは、意外にも自分の友・アランと似たものだった。
しかしアランは皆と共に青い空を見れたことを幸せだと感じ、逆にバーンはこの青い空を独占しようとしている。
人間が太陽を独占していると彼は考えているようだが、人間を駆逐することで自分が手に入れようという考えもまた独占と変わらない。

だから深海マコトは大魔王バーンの罪を止めるために戦う

「大空を君一人に独占させる気はないよ。空があると雲は自由に浮いていられるからね」

雲雀もまた大魔王バーンへ言葉を投げ掛ける。
大空。その言葉はこの青空のみを指しているわけではなく、他にも様々な意味が存在するのだがこの場にいる誰もがそれを知らない

「まあでも――いずれ大空と青空でさえ僕が咬み殺すけどね」

チノのことをチラりと見る。
良い顔だ。どうやらあの小動物は、この状況でもそれほど大袈裟には動じないくらいの『覚悟の炎』を灯したらしい

「ココアさん。私達も応援しましょう!」
「うん。……私の見てない間に成長したね、チノちゃん」

真っ直ぐと前を向くチノを感慨深くココアが見つめ、二人は叫ぶ。

「マコトさん、雲雀さん、バーサーカーさん。がんばってください!」
「ルカちゃん、がんばれ〜!かっとビングだよ!!」

1663名無しさん:2022/03/31(木) 19:23:02
バーサーカーの切り札を発動させる一瞬の時を稼ごうとするセフィロスたち。
そんな彼らを前にしてバーンは焦りを感じた。

(ザコどもめ…!鬼眼が使えればいとも簡単に排除できる雑兵如きが、いつまでも余の邪魔をするな!)

鬼眼の能力を用いれば”瞳”に封じて一気に数を減らせるのだが、今の自分ではそれを行うことはできない。
バーンは今までの繰り返してきた聖杯戦争によって生み出された魔力は封印を解くのにも使用したが、復活した時の戦力とすべく自身の瞳にもある程度の蓄えも行ってきた。
受肉したことで現界のための魔力が必要なかったとはいえ、今まで大技を絶えず使えたのも膨大な魔力を鬼眼に蓄えていたからである。

サーヴァントとして召喚されてからバーンは様々な要因から鬼眼の力を使うことはなかった。
そのため、使用した時にどれだけの魔力を持っていかれるのかが予想が立てられない。
だが間違いなく戦闘に支障が出るレベルでの魔力消費となるのは確信しており、それ故にその力を封じていたのだった。

(このままでは間に合わん…ならば、我が奥義で活路を開くのみ!一手遅れるかもしれぬが邪魔者を一気に蹴散らし、その隙にバーサーカーを消し去る!)

自分を何が何でも止めようとする者たちを見渡し、そうしてバーンはその場で急停止してすぐ構えを取る。
自身の奥義と共にその矜持を見せつけるように。

「余を…この大魔王バーンをなめるでないわッ!」

天地魔闘が放たれる。

「天」である「カラミティウォール」はマコトと雲雀の前に壁としてそびえ立ち、「地」である暗黒闘気を込めた「掌圧」はマズルカの人形兵たちを吹き飛ばし、「魔」である「カイザーフェニックス」はピーターの放った糸を焼き尽くしながらセフィロスへと放たれる。

一瞬の硬直の後、開けた突破口からバーンが飛び出す。
目指すべきものはただ一つ。

「うぬらの命運はこれで尽きるッ!」

そのまま「カラミティエンド」にてエレンの首を飛ばそうと――

「――いいや、ここからは俺たちの進撃だ」

咆哮が轟いた。

1664名無しさん:2022/03/31(木) 19:23:53
>>1663
エレンに向けて放ったカラミティエンドを、狂化によりパワーアップしたセフィロスが神速の一閃を放つことでエレンの代わりに対処した
カイザーフェニックスを上級魔法で相殺し、縮地の技術で一瞬にして距離を詰め、一閃を放つ。普段ならセフィロスでも流石にここまでの芸当は不可能だっただろうが、狂化によってパワーアップしたことで魔法の威力も上がりカイザーフェニックスやカラミティエンドに対抗することも出来た
ちなみにカイザーフェニックスを相殺する際、ホメロスも呪文をカイザーフェニックス目掛けてぶつけている。

そしてグリードスラッシュによってカラミティウォールを打ち破ったシンスペクターも駆け付ける。
本来ならばセフィロスと協力してようやく打ち破れる技なのだが、彼もまた狂化スキルによってパワーアップしている。
セフィロスは無窮の武練を持ち、深海マコトはクラススキルである背負いし罪を持つ。エレンがそこまで考えていたわけではないが、彼らは狂化されても十全の戦闘能力を発揮出来ていた

逆にそれらに類するスキルを持たないバーンは天地魔闘の構えや魔術の使用が難しくなるという理不尽な状況を強いられる
しかしバーンも狂化した代わりに身体能力が上がり、狂化を付与されない雲雀やピーターは彼らの戦闘についていけない。こうなってしまうと、先程以上にスペックがあまりにも違い過ぎる。ただでさえ凄まじい戦闘力のセフィロス、シンスペクター、バーンのみが狂化で更に強さを底上げされたのだから。

雲雀はホメロスに説得されて仕方なく引き下がり、ピーターと共にチノやココアやホメロス、マズルカの傍へ駆け寄った。いざという時のための護衛だ。
もちろんあの三人が負けたら、自分が咬み殺すくらいには考えているが。それまでは炎真の相手をツナに譲った時のように、彼らに獲物を譲ってやる。きっとこれはバーサーカーの誇りを掛けた戦いだ

「マコトさん……」

チノが心配そうにシンスペクターを眺める。戦闘能力こそ上がったし背負いし罪によりデメリットは少ないが、やはり狂化というスキルは恐ろしく見える。

「小動物。彼らはああなっても、君に手を出さないよ」

共に過ごした時間はまだ短いが、深海マコトと雲雀恭弥には奇妙な信頼関係がある。
バーサーカーは誇りのために覚悟の炎を使い果たそうとしている。
フォーリナーはよくわからないが、なんとなく彼がバーンを無視して自分達を襲ってくるようには見えない。もちろんバーンを倒した後まで彼が生き残っていたら、自分達と戦うことになるのだろうが……。

ちなみにクルーゼも狂化を付与されたが、エレンの指示で待機している

1665名無しさん:2022/03/31(木) 19:24:47
>>1664
さすがの大魔王バーンもバーサーカーの特異な宝具によって天地魔闘の構えや数々の術まで封じられるとは予想していなかったな
生前だと自らも知らない弱点を突かれて攻略されてしまったが、その記憶を持つため同じ轍を踏むまいと警戒はしていた
あるいは、以前にサーヴァントとして現界した時に似たような宝具を受けていれば、自らの圧倒的戦闘能力を過信せずにすぐさまの対応ができただろう
いずれにせよ、今のバーンはキャスターでもなくセイバーであり、この所見殺しの術中に嵌まる他しかなかった

ただし、これだけの強制力を持つ宝具を使うということは、バーサーカー本人にも凄まじい負担が掛かっているとバーンは推察する
事実、霊基再臨したエレンは展開を維持するために自らの霊核すら燃やし、少しずつ崩れている
ゆえに、バーンは狂化による猛威でフォーリナーとクリミナルに応戦し、隙あらば狂戦士を討ち取るか、狂戦士が自滅するまで耐えることも戦術として考え初めていた

1666名無しさん:2022/03/31(木) 19:25:28
>>1665
戦術を考え始めるバーンだが、思考の単純化の弊害なのか他のサーヴァントやマスターよりバーサーカーの様子ばかりに意識がいってるのがな…
たしかにバーサーカーさえ死ねば再び有利になるけど各種技を封じられたバーンとほぼ今まで通り戦えるセフィロス&シンスペクターだと後者の方が優勢

そして何もサーヴァントは近距離戦闘を得意とする者ばかりではない
マズルカはマッドラプター(射手)を呼び出し、矢を放たせることで援護する

1667名無しさん:2022/03/31(木) 19:26:13
>>1666
技と術を封じられても、セフィロスとシンスペクターの猛攻があっても、強靱なる大魔王バーンはそう簡単に隙を見せずに二騎を相手にしても互角に応戦していた
だが、その二騎の攻撃の合間に複数の弓矢がバーンに向かって飛んでくる、それはマズルカが召喚した人形兵マッドラプターが射放ったものだ
致命傷にならない攻撃であり、実際にバーンが腕を振るだけで簡単に弾かれてしまったが、それでも一瞬だけ注意を引きつけることには成功した

「天を望むというなら、お前に相応しい光景をくれてやろう」

その隙を逃さず、丁度の間合いに入ったセフィロスがバーンに向けて宝具『悍ましき熾天の彼方』を解き放つ
この一手の判断ミスによりバーンは片翼の天使の宝具開帳を阻止することが適わず、気付けば別次元の宇宙を見せつけられていた
彼の目の前には燦然と輝く太陽が浮かんでいる、それは地上から上空を見上げた時に確認できる小さな円形ではない、自分という存在すらちっぽけに思わせる程に規格外の大きさであり、如何に魔界の神を名乗るバーンでも膨大な熱量と光量を放つ重圧に圧倒されてしまう
だがそう思えるのも僅かな間、すぐさま彗星が次々と惑星を破壊して神々しい太陽にすら衝突、今度は宇宙すら消滅させる超爆発の光に呑まれ、バーンの思考もまたホワイトアウトする
それは現実時間では一瞬のことであったが、尋常ならざる超常事象を体感したバーンは心身共に甚大な影響を及ぼしていた
それでも、規格外の霊基を持つ大魔王はセフィロスの宝具を受けても膝を突くことはなく、様々な状態異常に苛まれながらも闘志を燃やし続けていた

だがしかし、宝具による大ダメージは着実にバーンの動きを鈍らせたことには変わりない
宝具を放ったセフィロスはすでに距離を離しており、そして気付けば六翼を展開したシンスペクターの攻撃が迫っていた

1668名無しさん:2022/03/31(木) 19:34:16
>>1664
「そうだ、チノ君。彼からは清廉なる勇気が感じられる。二度の聖杯戦争の当事者である私の言葉だ。信じてくれないかな?」

そうムスカも付け加える。

「なに混ざろうとしてるの?」
「よしたまえ、今我々が争うのは奴の思う壺だ。剣を納めてはいかがかな?」
「ムスカ大佐……貴方には聞かなければならないことが多々あります」
「私も君たちと語らいたいと思っているよ……この戦いを生き残れたら、ね」
「ア、アサシンさん、ホメロスさん。落ち着いてください」
「王様なの? 大佐なの?」

ポカンとするココアと睨みつけてくる雲雀とホメロスをチノを頼りにヌルっと対聖杯グループに潜り込むムスカ大佐王様好き

1669名無しさん:2022/03/31(木) 19:47:47
>>1667
「この青空は、皆のものだ!――俺達の心の叫び聞け!」

元の世界ではアランが愛し、天空寺タケルが守り、深海マコトが切り拓いた青い空。
この世界では木場勇治や宮本明や竈門炭治郎。そしてマコト兄ちゃん自体はその存在を認知していないが、乾巧や天城カイトが守った空。
そして今はチノや雲雀を始めとした仲間達と共に守ろうとしているこの青空を――大魔王に独占させやしない!

――青い空も、いいもんだなぁ……息子よ……

三人の父のうちの一人、ダントンの死に際の言葉が脳裏に蘇る。
必殺の一撃を放つ為に空高く飛翔したシンスペクターはまるで青空と一体化したかのようだった。
バーサーカーの宝具により思考が単純化されているが、深海マコトという男は元からそれほど思慮深いわけではない。しかしその意志は――散った仲間や父親達から受け継いできた想いは、狂化してもなお鈍らない。

『シンダイカイガン!シンスペクター!デッドリーオメガドライブ!』

「大魔王バーン!――俺達の生き様、見せてやる!」

我ら思う、故に我ら在り。
ライダー(木場)やおっこやまりなや炭治郎。それに一時的にだが共闘したランサーや強敵(とも)のハドラーは散っていったが、彼らが居たから今の自分達が居る。彼らを想うから、今の自分達が在る。

そして青空からやってきた急降下キックが、バーンへ届いた。
大魔王バーンは皮肉にも、自らが望んでいた素晴らしき青空によって強烈な攻撃を受けてしまう

1670名無しさん:2022/03/31(木) 19:48:23
かつて敵だったセフィロスすらもが共闘するという異常な戦況を眺めながら、マズルカはココアに囁く。

「マスター。私が指示したら令呪全てを使って最強の宝具を使うよう命じるんだ。」
「最強の宝具……?」

最強の宝具――それはもちろん妖路歴程 時空爆散のことだ。
しかしその名前はあえて伏せる。きっとそれはココアにとって辛い決断を迫ることになるから。
ココアは以前、天城カイトというサーヴァントと契約していたとマズルカは聞いている。そして彼は誇りを胸に勇敢に戦い、決して最期まで諦めることなく銀河へ魂を昇華させた――と。

そしてココアはまたしても、サーヴァントを失うことになるだろう。
少し前のココアだと、不安が残った。
だが人形兵の捨て身の戦術や自爆技を絆が成せる技だと理解してくれた今のココアならば、きっと自分の真意も理解してくれるはずだとマズルカは思う

「適切なタイミングで最強の宝具を使えば、どんな強敵でも倒せるんだ。でも令呪を全て使わないと発動さえ出来ないだろうね……」
「うん。ルカちゃんがそう言うなら、合図があった時に令呪を全部使うね!」
「ありがとう、マスター。君の教えてくれたかっとビングを胸に、私なりに頑張ってみるさ」

1671名無しさん:2022/03/31(木) 19:51:34
>>1658
エレンの地ならしはムスカやクルーゼの兵の一部も巻き込んでいる
親衛隊となると高身長が条件の一つなので必然的に大多数が狂化し、ロボット兵やクルーゼ兵と共に狂化していないクルーゼ兵を襲い始めた
これでレムリア軍人たちの統率は完全に崩壊、突然戦友が発狂して同士討ちしてくるのをなすすべ無く受け入れ死んでいく
しかし、この状況はレジィにとっては好都合
単調な動きしかできなくなったために連携に綻びが生じ、援護が間に合う一瞬の隙を見つけた

1672名無しさん:2022/03/31(木) 22:57:14
>>1670
読み手は地の文でマズルカの真意がわかってるけどセリフだけ見ると胡散臭いなw

1673名無しさん:2022/03/31(木) 23:16:16
>>1671の修正です)
>>1658
エレンの地ならしはムスカやクルーゼの兵の一部も巻き込んでいる
親衛隊や兵士となると高身長の者が多く、必然的に大多数が狂化し、ロボット兵、ムスカの親衛隊、クルーゼの兵士達は武器を捨てて見境なく互いに殴り合いを始めた
これで両島の軍人たちの統率は完全に崩壊、運よく発狂しなかった者も突然戦友が発狂して同士討ちしている状況に右往左往するしかなかった
しかし、この状況はレジィにとっては好都合
自分に対峙していた親衛隊の連携が崩壊し、援護が間に合う一瞬の隙を見つけた

1674名無しさん:2022/03/31(木) 23:21:34
>>1673
この時エレンが兵士達に飛ばしていた命令は「互いに殴り合ってろ」というものだった。
宝具の効果で狂化&強化してる兵士達なら一応間接的に神秘を付与されてるから僅かにでも傷を負わせられる可能性はあったのだが
却ってマコト達の邪魔になったり流れ弾でマスターが負傷するリスクがあると考えて余計な事をしないよう無力化する意図があった

1675名無しさん:2022/04/01(金) 00:19:54
>>1671
この投下指摘があって修正話が投下されて>>1673になったな
企画も佳境に入ってきたけど色んなところが絶妙なバランスで噛み合ってる亜種聖杯だよね

1676名無しさん:2022/04/01(金) 22:52:22
>>1673
カイザスラッシュを放つ際の特徴的な構えや身動きを封じられた医者を見たレジィは彼女が命の危機に瀕していることを察する
しかし残された時間はほんの僅か。その間にカイザをなんとかしなければ、カイザスラッシュの威力に耐えられず医者は死ぬだろう。レジィは草加がバーンへ放ったゴルドスマッシュを思い出し、貫通系の必殺技をしてくると推測。ロボット兵を撃破したロケランを撃とうにもその程度でカイザを止められないと判断する。医者に令呪を使って自分をブーストするように提案する。

医者は身動きこそ取れないが令呪の行使は可能だ。レジィの提案を聞いた医者は躊躇なく令呪を使い、彼に命令する。

「令呪で命じる。すぐに私を抱えてあの攻撃を回避しなさい!」

普段のレジィならカイザスラッシュを回避することは無理かもしれないが、令呪によるブーストの掛かった彼は医者を抱えると間一髪で必殺の一撃を回避した
カイザスラッシュを放ち終えた影響か医者を拘束していたマーカーは消え去り、彼女は再び自由を取り戻す
禁薬の影響で草加雅人を殺すという思考回路は変わらないが、これでひとまず危機を回避することには成功した

「しぶといなぁ、君達は……!」

仮面の下で草加雅人は忌々しげな表情をしていた。勝利を確信していただけに、妨害されて腹が立つ。
そしてレジィはカイザスラッシュを空振りし、一瞬だけ隙が出来たカイザ……ではなく、サイドバッシャーに向けてロケランを放つ
草加雅人は手練だ。あの奇妙な剣でロケランを対処してくる可能性がある。だから確実に当てられるサイドバッシャーをまずは狙う
完全に破壊することは出来なかったが、ある程度の損傷を与えることには成功した

草加からボロボロにされた今の状況は医者にとって身体的・精神的にプレッシャーの掛かるもので、禁薬の副作用で冷静な判断から逸脱した行動をしてしまう可能性がある。だがそれは医者に限った話であり、彼女と契約しているレジィは至って冷静だ。暴走のリスクがある医者をレジィがどれだけサポート出来るかも、この勝負では重要となっている

1677名無しさん:2022/04/02(土) 01:49:27
>>1667>>1669
強烈な宝具が連続で炸裂し、巨躯の魔神が地面に倒れ伏した
如何に神霊の如き英霊以上の大魔王であろうとも、歴戦の英傑が織りなす必殺技を受けてはたたでは済むまい
それと時同じくして、マコトやセフィロスに付与されていた狂化スキルも解除されていた
即ち、バーサーカーの霊基が限界を迎えたことを意味していた
大魔王バーンが予想していたように、エレンは霊核を燃焼させてでも目の前の理不尽を駆逐するために無茶を押し通していた
宝具の維持が終わる前に降臨者と罪人が勝負を決めてくれたためにエレンの英断は無駄にはならなかった、そして役割を成し遂げた彼の身体は徐々に崩れ始めていた
大魔王バーンとの戦いに一段落がついたところで、周囲の者がエレンの異変に気付きそちらに注目が集まっていた
マコトもまた彼なしではこの聖杯戦争の黒幕と渡り合えなかったと思い狂戦士の最期を見届ける、そしてセフィロスもその様に考えていたがマスターの護衛および動かぬ大魔王に対して警戒を緩めていなかった

実際、大魔王バーンは一瞬だけ思考停止状態に陥っていたし、満身創痍であることには変わりなかった
これ以上の戦闘には大きな支障が出る状態でもあったが、それでも彼にはまだ立ち上がるだけの生命力、残された心臓があった

1678名無しさん:2022/04/02(土) 03:25:34
>>1677
命を燃やし尽くしたエレンの身体が徐々に崩れ去っていく。
人は死ぬ。必ず死ぬ。それは巨人のサーヴァントとて例外ではない。
クラスこそ狂戦士として呼ばれたし、生前の行いも決して褒められたものじゃないかもしれない。
しかし自分の身を犠牲にしてでも皆を守り抜いたバーサーカーのことを深海マコトは『狂戦士』ではなく『英雄』だと思っている。
フォーリナーもきっとエレンに対して何か思うところがあるのだろう。大魔王を険しい表情で警戒しつつ、バーサーカーの最期を無言で眺めている。

「バーサーカーさん……っ!」

チノが心配そうに声を掛け、駆け寄る。
随分と魔力を使ったし、精神的にも疲れ果てただろうに。彼女はバーサーカーのことを本気で心配している。
その様子をココアとピーターが見守る。かつて自分の仲間を殺した存在がこんな最期を迎えるなんて不思議な気分だが、それでもピーターは今のエレンを責めようとはしない。二人のやり取りを見守る。

「チノか。お前とは『家族』のことを聞いてから、少し話したいと思ってた……」

崩壊を始める自分の肉体を気にすることもなく、エレンは語り始める。
皆の視線がエレンとチノに集中した。

「……俺にも大切な家族や仲間が居た。オレが聖杯戦争に呼ばれた理由は、きっとそいつらと一緒にいたいって最期に願ったからだと思う」

自分が許されるわけがない。そんなことはエレン自身が誰よりも強く感じているが、それでも彼は「ミカサやみんなと一緒にいたい」と思ってしまった。聖杯で都合良く願いを叶える気なんてないのに。

「家族や友達が大切なのは、当たり前です。……私だってこの聖杯戦争でずっとココアさんを探していました。まりなさんという大切な友達も出来て……。出来るなら今でもまた会いたいと思っています。
マコトさんや雲雀さんのことも失いたくないです。もちろんバーサーカーさんのことだって……」

「でもオレはお前の大切な仲間を巻き込んだ。あいつらが生き残れるかどうかもわからないまま、戦いに巻き込んだ。本当、悪かった……」

「バーサーカー。俺達サーヴァントはみんな覚悟を決めて聖杯戦争に参加している」

クリミナルの言葉に対して誰も否定しない。少なくともバーン戦に参加したサーヴァント達は、覚悟を決めて黒幕との戦いに臨んだ。
聖杯狙いのフォーリナーやクルーゼも、願いを叶えるためとはいえ覚悟は決めている。だから彼らはバーサーカーの散り際に他の主従を襲うだとか、そういう無粋なことをしない。もしかしたらエレンに対して一定の敬意を表しているのかもしれない。

「お前は俺達の英雄だ。お前の迷いがない進撃――その覚悟を絶対、無駄にはしないと誓う」
「私も誓います。バーサーカーさん……私達のために戦ってくれて、ありがとうございました」

深海マコトと香風智乃。
きっと彼らなら――

「この聖杯戦争はまだ終わってない。次はそこのフォーリナーと殺し合いになると思う」

エレンの言葉を否定せず、セフィロスは堂々とした佇まいを崩さない。むしろ自分が聖杯狙いであり、大魔王を完全に討伐した後はこの場にいる全員と戦う気でいることを明かす。
所詮は利害の一致で手を組んだのみ。クルーゼもこの場にいる全員へ宣戦布告をした。
シャア、ホメロス、チノ、ココア、ピーター……バーン討伐戦に参加していたマスター達の視線が集まるがクルーゼは何も動揺しない。
再び、バーサーカーが口を開く。

「それでもお前らなら……あのフォーリナーにも勝てる。人類を救うのは……チノ。お前だ」

香風智乃。
この場で最も無力でありながら、様々なサーヴァント達の心を動かした存在。
エレンは彼女に後を託す。出来るなら自分も力になってやりたいけど、もう限界だ。

「チノ……もう時間だ。オレはそろそろ眠くなってきた……。――家族を大切に、しろよ……」
「はい。おやすみなさい、バーサーカーさん。……私達を助けてくれて、ありがとうございました」

そして遂にエレン・イェーガーは消滅する。
彼は殺戮者や悪魔ではなく、英雄としてその命を燃やし尽くした


【エレン・イェーガー@進撃の巨人 死亡確認】



――だがバーサーカーが消滅した瞬間、突如として巨大な魔獣が姿を現す。
それは大魔王バーンが宝具により変化した姿。――鬼眼王。
バーサーカーの犠牲を無駄にしないためにもピーターは糸を発射。チノとクリミナルを掴み、強引に化け物から引き離す。
ピーターから見たバーサーカーは何がしたいのかよくわからないやつだった。他の主従を襲ったり、助けたり……。
それでも最期まで戦い抜いた彼の意志くらいは汲んでやろうと思う

まだ余力が残っていたセフィロスもまた咄嗟に距離を取り、正宗を構える
雲雀がトンファーを。ホメロスがプラチナソードを構え――マズルカは人形兵を総動員。
再びシンスペクターに変身しようとするマコトを呼び止める。

「君には全てが終わった後にフォーリナーを倒してほしい。私のマスターは、あいつに殺されたんだ」
「……あの化け物はどうするつもりだ?」
「私とレキテーちゃん。そして『魔女の旅団』がなんとかするから、任せておいてよ!
それに真正面からセフィロスとまともに戦えるのは君くらいしかいないはずだよ。マスターのチノちゃんを守りたいなら、君は次に備えるべきじゃないかな」

セフィロスと戦う上でシンスペクターという戦力は欠かせない。消耗具合からしてクリミナルだけでどうにかなるとは思えないが、そこは彼の仲間達がなんとかするだろう。
大魔王バーンを討伐するという利害の一致によりマズルカはセフィロスとも一時的に共闘するが、相手はバッターを殺害した男だ。個人的な怨みがある。
それに大魔王ほどじゃないにせよ、危険人物に変わりはない。セフィロスは倒すべき存在だというマズルカの考えはココアに再契約を持ちかけた時から、何も変わっていない

そしてもしもあのセフィロスでも化け物に対して勝ち目がないと判断したら、その時は――

1679名無しさん:2022/04/02(土) 09:13:11
>>1678
「見事だ…此度の聖杯戦争に招かれた者たちよ…。余にこの宝具を使わせたこと、誇りに思うがいい」

対峙する敵手たちを見渡しながら鬼眼王となったバーンは彼らに称賛の言葉を送る。

「これで宿願を叶えることは叶えることは不可能となった…。このままいけばうぬらが何をせずとも余は消滅する」

「どういうことだ…?」

バーンの消滅宣言に対し、マコトは疑問を投げかける。
今までその目的にこだわってきた大魔王がここに来て敗北宣言のようなものをしてきたのだから当然であろう。

「この鬼眼王を使用すれば少しの時間で余は自滅する。だがここに来てはそれも受け入れよう、勝利するために今まで築き上げたもの全てを捨てようとな…!」

魔獣と成り果てようとも、今回の宿願を叶える機会を投げ捨ててでも。
始まりの聖杯戦争から今までの間に費やした全てを捧げて彼は勝利を掴むことを選択した。

「敗れて消滅するならば、うぬらに勝って消滅する…!それが今の余の全てッ!」

その瞬間、巨体が消える。
先ほどまでとは比べものにならない凄まじい速さで彼は一先ず距離を取り、見極めようとする。
消耗した者が多いとはいえ、その戦意は微塵も失せない。
自身が戦える時間はほとんどないとはいえ、迂闊に攻めれば反撃を喰らう可能性は大いにある。

(そう、どんな状況であろうとも奇蹟は起こる…起こるのだ…!)

決着の時はもうすぐそこまで来ている。

1680名無しさん:2022/04/02(土) 12:12:29
>>1679
「……なるほど。どうやらオレは一つ、見誤っていたようだ」

己が全てを捧げてまで勝利を掴もうとする大魔王の姿を見て、ホメロスは認識を改める。
これまでは正直、バーンに対して良い印象はあまりなかった。聖杯戦争を仕組んだ黒幕であり、許し難い存在だ。同じ魔王でもハドラーのような誇りや信念を持ち合わせていないと思っていた。だが全てを投げ捨てでも勝利を掴み取ろうとするその姿勢は自分の知るあの魔王と似たものを感じる

「大魔王バーン。お前に一つだけ問いたいことがある。――ハドラーという魔王を知っているか?」

――我の真名は“ハドラー”、魔王軍の一員として勇者達と敵対した魔王の端くれだ、その脅威をお前らにもしらしめてやる!

ハドラーの言葉を思い出し、バーンへ問い掛ける。大魔王と魔王。そしてこの、魔王で在りながらどこか誇りのようなものを感じる態度。
これらの要素から、もしや彼らは知り合い同士なのでは?とホメロスは考えたのだ

もちろんバーンとハドラーがどんな間柄であろうが、この大魔王に味方をするつもりはない。
だがハドラーのマスターだった者として、それだけは聞いておきたかった

1681名無しさん:2022/04/02(土) 21:45:44
>>1679
距離を取ったバーンへマッドラプター達が一斉に弓矢を射る。他のサーヴァント達を未知の形態になった敵へ突撃させる行為は危険であり、人形兵を使って攻撃するのが最も安全だと判断したのだ

それに加えて接近戦を得意とする人形兵達をバーンへ突撃させる。時間経過で消滅するのなら、それまで時間を稼げばいい。そのためにマズルカは人形兵達を犠牲にする

「ルカちゃん、みんなが死んじゃうよ……!」

バーンやバーサーカーが語っていたように、この聖杯戦争は黒幕を倒せば終わりというわけじゃない。
サーヴァント達の消耗が少なく済むなら、それが一番だ

「マスター。以前、君自身が言ったはずだよ。これが私達の繋がり……。そしてかっとビングさ!」

オービタルが命を賭してカイトに尽くしたように、人形兵達もまたマズルカに尽くす。それが彼女達の絆であり、人形達の在り方だ。

「――うん。そうだったね……!」

ならばココアに出来ることはただひとつ。

「かっとビングだよ、ルカちゃん!人形兵さん!」

仲間の犠牲に俯くことなく、マズルカを全力で応援する。それが今、保登心愛に出来ること

1682名無しさん:2022/04/03(日) 19:58:19
>>1681

「この蚊トンボめが!!」

通常の英霊相手ならば、人形兵たちの攻撃もまた一定の抑止にはなっただろう
しかし、その巨大な身体にはどのような攻撃も効果は薄く、逆に鬼眼王バーンの圧倒的暴力によって蹴散らされてしまう
さらには人形兵の数体を巨大な手で掴み取り、お返しと言わんばかりにマスター達の方に向けて全力で投げつけた
この攻撃はスパイダーマンが巧みにウェブを使ったことでマスターも人形兵も事なきを得たが、今度は巨人の方がマスター達に向かって急接近してきた
残り時間の少ないバーンは下手に時間稼ぎを狙う弱者の戦法を忌み嫌い、この決戦にてなおも絶望を抱かない弱き人間達に自ら鉄槌を下すべく、これ以上の奇跡を潰すべく激情を乗せて突進してきた
全解放された膂力による大質量を阻むのは容易ではない、そのため相手を止めるのではなく全力で回避するために各人が咄嗟に動いた
セフィロスがクルーゼを、マコトがチノを、マズルカが人形兵デモンリーパーに指示してココアと自身を、雲雀がホメロスを、ピーターがシャアを掴まえてギリギリのところで躱すことに成功する

だが、突進が終わってもバーンの猛攻は終わらず、充分な回避ができていないチノ達に向けて巨大な腕を振るった
それを雲雀と、この危機を防ぐべくシンスペクターに変身したマコトが腕を攻撃して僅かに軌道を逸らして彼女らへの直撃をギリギリ回避することに成功するが、すかさず巨大な足で蹴り出し雲雀とマコトは直撃を受けてしまう
その僅かな間に非力なマスター達を人形兵が退避させ、続けてピーターが大量のウェブで鬼眼王バーンの拘束を試み、ホメロスがはやぶさ斬りで上半身だけ露出したバーンに攻撃を仕掛ける
しかし進撃の巨人とは比べ物にならないほどの怪力を前にしてはウェブによる拘束も無意味であり、上半身だけのバーンはホメロスの攻撃を見切り防いでピーターの方へ投げ返し、それをキャッチしたタイミングで鬼眼王の腕で殴り飛ばす
さらにセフィロスが瞬間移動の如くバーンの目の前に現われ、再度『悍ましき熾天の彼方(スーパーノヴァ)』を放ってバーンに最大級のダメージを与えようとする……のだが、勇者のドルオーラの直撃すら耐えきった鬼眼王はこの規格外の宝具すらも耐え抜き、腹部の鬼眼から光線を放って片翼の天使をも突き放してしまった

たった数十秒の間で、この有様である
これが大魔王としての野望とプライドを殴り捨て、勝利に固執して猛獣へと堕ち、自動消滅という代償を背負った代わりに得た絶対的な力の象徴である
もはや暴君と化したバーンと太刀打ち出来る英霊はいない、ゆえにバーンは勝利を確信しつつも最後まで気を緩めず、徹底的に殲滅せんと辺りを見渡す



「マスター、今だ!令呪全てを使って!!」

1683名無しさん:2022/04/03(日) 20:56:17
>>1682

「魔王」
人々の平穏を脅かし、世界を掌握する野心を抱き、秩序を破壊する破壊の権化
けれども、人々の希望となり救世の存在として現われる勇者によって打ち砕かれる運命にある邪悪な存在
でもそれは御伽噺の存在としか認識しておらず、その驚異度をあまり考えたことがなかった
実際、勇者がどのようにして悪なる者を倒したのかは物語ではそうそう語られない、試練や苦悩や離別や挫折に、仲間や奮起や人々との繋がりとか、そういった経緯が描かれることなく終わることが多い

故に、一度は英傑達の奮闘で倒れた大魔王が再び立ち上がり、彼我の差を見せつけてくることなんて、想像していなかった
一度倒した相手だから、この面子ならばまた倒すこともできる
未知なる形態であれば、人形兵たちで味方のリスクを減らせるはず
敵が口を滑らせ己が弱点を語ったのだ、であれば時間稼ぎが有効である
それらを簡単に覆された、相手の脅威を測れなかったというのもあるが、それ以上に“大魔王”という箔が人智を凌駕していた


できることならば、使わない事に越したことはない
大魔王を倒しても、セフィロス達や草加達のような聖杯狙いが聖杯戦争を止めないだろう
その時のために、自分達の戦力をなるべく多く残し、それらにも対処できる手札を増やしておきたい

――いいや違う、これは私の…
一度はマスターを、バッターを失った自分が、今のマスターを、保登心愛を今度こそ生き残らせるために
その結果、彼女にまた離別の想いをさせてしまうのは、少し心苦しいが
今この時、この窮地の最中で、最善かつ迅速に目の前の脅威を排除してマスターを守るには

もう、手段を選ぶこともなく、ただ決意を持って彼女は声をあげた


「マスター、今だ!令呪全てを使って!!」

1684名無しさん:2022/04/03(日) 20:58:17
>>1683
(ごめん、仮投下するつもりが誤爆した…)
(もう疲れて眠るので、問題あれば破棄したり修正かけたり自由にしてください)

1685名無しさん:2022/04/04(月) 19:28:26
>>1682
「そんな……」

圧倒的な力を前に流石のココアも気圧されてしまう。
たった数十秒。一分も経たない間にこの有り様だ。
シンスペクターやセフィロスすらも勝ち目がない相手に、どうしたらいいというのか。

だがこの瞬間――

『どうした、ココア。……この程度で諦めるのか?』

――聖杯戦争から脱落したはずの天城カイトが現れた。
他の者には視認出来ない幻影だが、ココアだけには彼の姿や声が――気高き魂が見える。
それはまるで、カイトが散った後に魂だけで遊馬やシャークの決闘に駆け付けた時のように

「カイトさん……?」

突然カイトが現れ、ココアは呆気に取られる。
彼はたしかに死んだはずの存在だ。

『俺はお前に全てを託し、出来る限りのことを叩き込んだ。この程度の逆境――決闘者なら乗り越えてみせろ。今この場でチノを助けられるのは……お前のかっとビングだ」

保登心愛は普通の日常を謳歌していただけの一般人だ。
それでもカイトはこの聖杯戦争でココアに大切なモノを託していた。――諦めない心と決闘者の魂を。

『お前の手札にはまだ切り札が残っているはずだ。――勝て、ココア』

最期にそれだけ言い残して、天城カイトは再びココアの前から消滅した。ココアを信じ、この決闘の結末を託して。

「――うん。わかったよ、ルカちゃん!カイトさん!かっとビングだね!!」

だからココアはこの瞬間だけ決闘者として――これまで温存していた切り札となり得る魔法カードを発動する。

「ルカちゃんに令呪で命ずるよ!最強の切り札を使ってこの魔王を倒して――!!」

屈託のない表情で、全ての令呪を使い果たす。
どんな困難にも諦めず前を向き、決して挫けない。
それこそが、かっとビング。ココアがこの地で培った諦めない心だ。

1686名無しさん:2022/04/04(月) 20:01:28
マズルカは令呪を受け、目にも留まらぬ早業で術式を編み始めた。
バーンは目の前のキャスターが持つ本に魔力が高まっていくのを感じ取った。
(あの本。何らかの魔術の起点か!発動前に叩き潰してくれる!)
一直線に呪文を練るマズルカの元へ向かうバーン。
その目の前に、マズルカが戦闘前に仕舞っていた馬車小屋が現れた。
その上に立つローブを纏った金髪の魔女が飛び乗り、魔術の詠唱を唱え始める。
そしてバーンに向かって呪文を唱えながら跳躍して飛び掛かった。
強大な魔力の高まりは未だ馬車小屋の後ろから感じ取れる。
バーンはマズルカの切り札が詠唱終了から起動までタイムラグのある物だと瞬時に予想した。
(本が力を発揮する前に自身が捨て身で時間を稼ぐつもりか。舐められたものよ!)
自分に飛び掛かるキャスターと馬車小屋の背後の本。
小屋といっても今のバーンの前には一撃で跡形もなく粉砕できる紙きれのような存在でしかない。
こちらに飛び掛かるキャスターを殺すのも、馬車小屋ごと本を潰すのも一手で済む。
そしてバーンが攻撃したのは目の前のキャスター。
例え強力な切り札だろうと術者のキャスターを一瞬で殺せば術式は不発。
せいぜい行き場を失った魔力が中途半端に暴発する程度に終わるだろう。
そして自殺同然に自分に飛び込むキャスターを横殴りの一手で粉砕した。
余波を受けただけの馬車小屋も衝撃だけで台風に飛ばされるボロ小屋のように砕けて吹っ飛んでいく威力。
霊基など粉々に粉砕された筈だった。

しかし馬車小屋が吹っ飛んだ後、そこに残っていたのはローブと帽子を外したマズルカだった。
同時にバーンは理解する
(人形か!!)
マズルカは時空爆散の術式を組みながら、同時に馬車小屋を展開し、
マズルカと似た髪型の人形兵に帽子をローブを剥ぎ取らせ着用させた。
そして術式を編む僅かな時間を稼ぐことに成功したのだ。

(このような場面でキャスリングとは、小癪なッ!)

と、悠久の時を過ごした知恵者であるバーンはチェスにおいてルーク(城)とキング(王)を入れ変える指し手の一つ、キャスリング(入城)を想起する
その特殊な動きはチェス本来だと多数の条件を満たさなければならず、特にキングにチェック(王手)が掛かっている場合は成立しないのだが、バーンはこれと同じような場面を一瞬だけ思い返した
それは武人ハドラーが自身に反旗を翻してそれを返り討ちにする際、ハドラー親衛隊の一柱であるルークのブロックが特殊能力を発動させて主君ハドラーを救出し代わりに戦死した、という一幕である
元々は新生したハドラーにバーンが与えた新たなる戦力であり、なおかつバーンが所持していたオリハルコン製のチェス駒から生み出した禁呪法生命体である
それがこのような形で自己犠牲の精神を発揮して主君のために動き、創造主の想定した動きを超えて、ハドラーとの間に気付かれた強固な絆によって無理を押し通したのだ
それは苦し紛れのような小さな奇跡、だがあの大事な場面で邪魔をされたバーンにとっては苦虫を噛み潰すような記憶として鮮明に覚えている
そして本来ならば取るに足らない記憶としてそのまま封を閉じているところだが、奇しくもマスターの一人からハドラーについて問われたことで連想してしまったのかもしれない

ともあれ、あの時のように「入れ替え」という状況は似てはいるが、厳密には細部の状況は違っている、それでもこの重大な局面で羽虫程度でしかないキャスターに出し抜かれたことに、バーンは憤りを感じずにはいられない
無論、奇跡に辟易しているバーンはこの場にいる全員を侮ることなく、徹底的に叩き潰すつもりでいる
キャスターが令呪によって魔力を増幅させて何か仕掛けてくる様子であり、たとえ対城宝具級の攻撃を仕掛けられたとしても耐えきる自身がある、とはいえ万が一すら油断するつもりはないバーンは身代わりの人形兵を壊してすぐに本命への攻撃に転じた
――しかしながら、ここはバーンの思惑を越えた超常が集う闘争の場なり
一寸の虫にも五分の魂、それは神の雫が最後に見せつけた人間達の底力の如く、バーンの想像を超えた奇跡が起きてしまった。

マズルカは大魔王に妖路歴程を投げつけた。
(太陽の代わりにこれで満足していろ!大魔王!)
「妖路歴程・時空爆散――――!!!!」

その閃光に、大魔王バーンは三度フォーリーナ―の『悍ましき熾天の彼方(スーパーノヴァ)』を受けたのかと錯覚した。
そうだとしたら、またダメージを受けようとも耐えられただろう。
喩え心身を折る幻想を流し込む宝具といえど、3度目ともなれば何を見せられるか知っている分、心構え、馴れというものが生じるものだ。

「ぐっ…!」
これは『英霊』のマズルカの技ではない。あくまでキャスターという器で顕現したサーヴァントの技。
世界に穴を開け、対象を世界の外側の無の領域まで弾き飛ばす力などない。
だがその単純で莫大な魔力の爆発は、大魔王といえど霊基を消し飛ばすに十分な威力を持っている。
「…!」

巨大な爆発が起き、太陽の存在感が霞むほどの閃光が周囲に放たれた。

【マズルカ@ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団  霊基消失】
【真・大魔王バーン@ダイの大冒険 霊基消失】


(ごめんね。ココアちゃん。)
(この宝具は全ての魔力を使う技…。肉体のあった英霊マズルカなら重体で済んだかもだけど、サーヴァントの私が使えば消失は避けられない。)
(…元気でね。)

1687名無しさん:2022/04/04(月) 20:03:23
戦場からひたすら遠ざかっていた人形兵の速度が落ちたかと思うと、ただの木の人形へと変化した。
消える直前に減速していたとはいえ、突然抱えられた状態から放り出された形になり、ココアは地面を転がった。
体に擦り傷ができる。聖杯戦争が始まってから初めてまともにできた傷だが、それよりココアは精神的ショックで呆然としていた。

最強の宝具。
それが何かココアは知らなかった。とても巨大な人形兵が現れて戦ってくれるのだろうか、程度に思っていた。
あの暴れる大魔王を倒して、マズルカもボロボロになりながらも生き残って笑って、聖杯を欲しい人達ともなんとか説得して、
みんなで元の世界に戻る方法を探せるのではないかと思っていた。

マズルカがなぜ宝具について語らなかったか。それぐらいココアにだって分かる。
それでも、マズルカの言うがまま、深く考えずに自爆の後押しをしてしまった。
「ルカちゃん……うっ…うううっ………ううううっ……」
かっとビング、その魔法の言葉さえも今のココアには思い浮かばない。
ただ涙を溢れさせることしかできない。

 ドガッ!!!

「ギャアアアアア!?」
いきなり何か降ってきて涙で滲む地面に激突した。
激突した何かは勢いよくバウンドして近くの木に激突し、跳ね返ってココアの近くに突き刺さった。
「えええええ!?」
正体不明の落下物にビビりまくって距離をとるココア。
そうやらそれは木の棒のようだった。
先ほどの爆発で吹っ飛んで来た何かだろう。
運よくそこら辺の地面に落ちたが、直撃したら死んでたかもしれない。
ここが聖杯戦争という死と隣り合わせの場所だと思い出したココアは大事な妹の事を思い出した
「チノちゃん!!」
マズルカ消滅のショックと魔力の大量消費による疲労により思考力が低下して嘆きに支配されていたココアは我に返る。
「何してるの私!かっとビングだよ…!」
頬を叩き無理やりにでも自分を奮い立たせる。多分きっと近くにいる筈だ。
サーヴァントを失った自分に何ができるのか、という考えより先に、とにかくチノに会いたい、守りたいという気持ちがココアを動かした。

そして先ほど降ってきた落下物の正体に気付く
「…バット?」
そのバットはかなり遠くから飛ばされてきた筈なのに折れても曲がってもいないようだった。
「バット……って、もしかしてバッターさんの?」
ココアはマズルカからバッターについて、元マスターだがセフィロスに殺されてしまった事などは聞いていた。
しかし名前の通りバットを振るって戦う人物だったとは…。
丈夫なバットだなあと思いながらココアはそれを手に取り、おそらく近くにいるであろうチノ達を探し始めた。

*反射のドナムは切れてるのでマズルカホームランは打てないほぼ丈夫なだけのバット。魔性特攻ぐらいはあるかも

1688名無しさん:2022/04/04(月) 20:04:16
ちなみにムスカはロボット兵を半分だけ投入しており、残りは飛空挺に温存している
そもそも大魔王バーンを討伐した後に生き残った主従達を叩くために用意した切り札なのだ、計画が破綻して早期投入せざるを得なかったとはいえ全部の戦力を投入するほどの愚行はしない
バーサーカーの宝具で暴れたのも地上にいて認識された範囲内、飛空挺のロボット兵達には影響はない

それと、ムスカは元の世界から持ち込んだ飛行石の欠片を腕に埋め込んでいる。
そしてロボット達の中枢にも、この世界で発掘された飛行石が埋め込まれている。
これはかつてムスカがこの世界に転移された時に、ラピュタ崩壊の際に飛行石の塊の一部が一緒に転移したもの、その欠片の1つである。
ムスカはムーの王になった後に飛行石の研究を続けており、
万が一の際は身一つで腕に埋め込んだ飛行石からロボットにムスカの意志を飛ばして、柔軟な命令や強制終了させる事が可能である。
ちなみにこの世界で発掘されてロボットに組み込まれている飛行石はラピュタほどの技術力はないため高度な精製まではできておらず、
このような真似ができるのはムスカただ一人である。
(既に投入した者は部下達による正規手順によって起動していた)

1689名無しさん:2022/04/04(月) 20:49:30
>>1688
この情報はもちろん草加も共有している
残されたロボット兵は出来る限り温存するつもりだが、カイザスラッシュを回避した後も懲りずに攻撃を続ける医者は厄介だ
執念深いだけでも草加やムスカにとって邪魔なのに冷静さを欠いていることで歯止めが効かない。相手はサーヴァントでもないのに、これではまるでバーサーカーを相手にしているようだった

だが逆に言えば判断力を欠如している彼女には漬け込む余地がいくらでもある。
カイザはわざとベルト部分に攻撃を受けると、派手に転がりベルトが弾け飛び医者の近くへ落ちる。

「くっ!だが俺にはまだこいつがある……!」

カイザの変身を解除された草加はすかさずファイズに変身。

「甘いわね、草加雅人。これであなたを殺す!変身!!」

医者は地面に転がるカイザギアを拾い上げるとカイザに変身した。医者はカイザギアの死というデメリットを理解しているはずだが、禁薬の副作用で冷静な判断力を失っていた彼女はそれすら一時的に忘れていた
ここまでは全て草加の計画通り。医者の死が確定してこのまま逃走しようとするが、カイザに変身した医者がそれを許さない
元から禁薬で強化されていた身体能力にカイザのスペック。そして草加への執念が合わさり、草加が想定していた以上に厄介な存在と化していた

1690名無しさん:2022/04/04(月) 22:59:33
草加カイザ・相馬カイザに続き医者カイザ
出会わずに死んだ木場とたっくんといい555勢は原作を思わせる展開が多いよね

1691名無しさん:2022/04/05(火) 19:56:54
妖路歴程・時空爆散の余波の光や、発着場の地面が巻きあげられて生じた噴煙などが医者と草加の元にまで飛んできた
両者ともダメージを受けるほどではないが視界が遮られ、草加はその場から離脱しようとサイドバッシャーに跨りエンジンを点火
しかし医者は噴煙を突き破るように、サイドバッシャーに跨った草加の背に弾丸のような速度で追跡を開始する
サイドバッシャーは先ほどのレジィの攻撃で破損している。変形機能を使用してもどの程度戦えるかわからない。確かめる暇も今はない。草加は逃げに徹する。しかし加速にも影響が出ている。
それでも一度引き離してしまえばバイク対人間、逃げ切れる。だがトップスピードまで加速するまでに追いつかれれば背中を攻撃が襲うだろう。

1692名無しさん:2022/04/06(水) 11:52:04
「ココアさん……!」

自分を呼ぶ姉の声に、妹が駆け寄る。
擦り傷以外はこれといって大きな傷がなく、ココアの無事を確認したチノは安堵した。
だがチノと共に来たマコトと雲雀、ホメロスは彼女が何かを失っていることに気付いた。
各々がそれぞれの対処に必死で、詳細はわからないが――閃光が大魔王を消し飛ぶ瞬間だけは目撃している。そしてこの場にココアのサーヴァントが居ないということは……。

「ココアさん。キャスターさんは、どこに行きましたか?私はまだあの人とあまり話をしていないですが……ココアさんを守ってくれたことのお礼を言いたいです」
「チノちゃん。キャスターさんは――ルカちゃんはね……」

そしてココアの口から先程起こした奇跡が語られた。
遅れてやってきたピーターやシャアもそれを聞き、セフィロスやクルーゼすらも黙って聞いていた。
セフィロスとクルーゼは聖杯狙いだが、キャスターのおかげで大魔王を倒せたのだ。彼女の犠牲なくして聖杯を狙うことは出来ず、ならばこの程度の時間は設けよう。

「オレは少女達に助けられてばかりだな……。すまない……」

ホメロスは自分の無力さを痛感した
二人の少女に勇気づけられた(>>1650)後、大魔王に立ち向かうことは出来たが大した役には立てずキャスターの少女の自己犠牲に助けられた。結果的に自分を勇気づけてくれた少女の片割れはサーヴァントを失うことになり――その心境はハドラーを失ったことのあるホメロスにも理解出来る。
もちろん雲雀と再契約したことでホメロスも勝利に貢献しているのだが、それでも同じマスターで直接的に役立ったピーターと比較して自分はあまりにも無力だ、と。

しかしその無力感はピーターも同じだ。キャスターと過ごしていた時間もホメロスより長く、相手を拘束する手段もあるのに容易く突破された。

「誰にも譲れない誇りはある。君達、小動物が互いを誇りに思うように――キャスターも大きい小動物。君のことを誇りに思っていたようだね」

ココアとチノを交互に眺め、雲雀はそう口にする。

「それに――まだ戦いは終わってないよ」

そしてセフィロスとクルーゼを一瞥して、まだ敵がいることを皆に知らせた。
セフィロスとクルーゼは雲雀の言葉を否定しない。大魔王バーンが倒れた今、自分達は敵だ。

「ああ。バーサーカーやキャスターの生き様を無駄にしないためにも、俺達はまだ戦わなければならない」

雲雀の言葉にマコトが続く。この戦いで多大な犠牲が出たが、これで聖杯戦争が終わったわけじゃない。

「はい。この戦いよりも前に死んでしまったライダーさんやまりなさんや炭治郎さんの分も含めて、私達は皆さんの想いを犠牲にしないために、進まなければなりません……」

「……うん。諦めない心。魔法の言葉――かっとビングだね、チノちゃん!」
「はい。かっとビングというのは、変な言葉だと思いますが……その諦めない心は嫌いじゃないです」

かっとビングという魔法の言葉を口にして、挫けようとしないココアにチノが微笑む。
皆がそれぞれ話し終えた後、シャアがクルーゼに声を掛けた。
これにて共闘は終わるはずだが、まだ大魔王の残党――ムスカと草加雅人がいる。彼らをどうするか、という話し合いだ。
ちなみにファイズの姿をシャアは目撃しており、その特徴を聞いたピーターとココアは巧を思い出す。しかしライダーは既に死んだはずだとピーターは説明。カイザ(草加)だけでなく、ファイズについても警戒心を強める

当然だがカイザが医者でファイズが草加ということは、ここに居る誰も知らない

1693名無しさん:2022/04/06(水) 12:09:07
「ははははは、ありがとう諸君!あの大魔王を消し去ってくれて!」

対聖杯側のシャアと聖杯狙いのクルーゼが一定の距離を保ちつつ黒幕の一翼であるムスカ達をどうするか話し合いを始めて間もない頃
さらに遠くの方から甲高い笑い声を挙げつつ賞賛の言葉と拍手を送るムスカが自らの存在感を示すかのように姿を晒す
(ちなみに一度はチノ達の対聖杯グループに潜り込もうとしたムスカだが、鬼眼王バーンが一団を襲撃した際にしれっとその場から離れていた)

「特に巨大な姿に変じて英雄達すら敵わない光景を見たときは私も絶望しかけたが、君のキャスターのおかげでこの窮地を切り抜けられた。それに関しては本当に感謝しよう!」

相手側にどう捉えられようとも構わず、ムスカは本心から人形使いの魔女が為した偉業を褒め称える。
なにせ自分や草加が想像していた以上に大魔王バーンという異次元の化け物であった、終末の使者とすら錯覚してしまう程に圧倒的な絶対者のように映っていたのだ。
彼女の献身がなければ聖杯戦争の関係者全員を瞬く間に殲滅とする勢いであった、そう思うとムスカも恐れ戦かずにはいられなかった。

「だが、聖杯戦争は終わっていない!私には宿願がある!聖杯が欲しい!だから、君達にはここで退場してもらおう!!」

そしてムスカが片腕を天に掲げると、そこから青い光が空へと伸びていき、やがて一団上空に滞空していた飛空挺へと差し込んでいく
すると飛空挺から飛び立つ影が無数と落下する、そして一団を包囲するようにロボット兵が地上へ立ち並び、同じく上空を旋回するように飛んでいた

 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

ムスカにしてみれば、対聖杯+αが自分達の関与なしに大魔王バーンを撃破して、さらには疲弊してくれたこの状況は、計画が狂ったとはいえ当初の予定に近いたため好機とみていた
だが困ったことに力を温存しているはずの草加が未だ襲撃者と戦闘を続けている、これでは生き残り達を一網打尽にすることが今すぐできずに苛立ちを覚えていた
しかしだからといって自分達の正体を彼らに曝かれた以上、草加が戻ってくるのを悠長に待っているわけにはいかず、ムスカは少し悩んだ上に博打に出た
腕に埋め込まれた飛行石に自らの思念を送り、飛空挺で待機していたロボット兵数十体を一斉に機動させて行動を起こさせる
そして対聖杯達が自分に対してアクションを起こす前に数で勝るロボット兵達で包囲させ、ビーム砲を一斉に掃射させた
ラピュタ文明が製造したビーム砲のように着弾して大爆発を起こすことはないが、それでも無数のビーム攻撃が一斉に迫られてはサーヴァントとて一筋縄ではいられない
実際、大魔王バーンに蹂躙されて疲弊しているマコト、雲雀、ピーター、ホメロスは非力なチノやココアを守るべく防衛に徹する他なく、多少は反撃してロボット兵を倒してもその弾幕はそう簡単に途切れることはなく厳しい状況に置かれていた
一方、シャアとクルーゼはムスカに向かって駆け出していた。地上や宇宙空間にて数々の戦場を駆け抜けたMS乗りの二人は、MSの操縦とは違う生身であってもロボット兵の攻撃を読み切りなんとか躱しながら統率者であるムスカに接近する
もし躱しきれない攻撃が進撃を阻むロボット兵が現われた時にはセフィロスに露払いしてもらい、ムスカの横暴を止めるか、彼の腕を斬り落とすか、最悪彼を殺す覚悟で移動速度を緩めることなく突き進んでいった

だが、このロボット軍団ですらムスカの策略の一つだった
上空で滞空していた飛空挺で爆発音が複数回鳴り、やがて浮力を失い真下へと落下していく
実は、ムスカがロボット兵の一体に飛空挺での待機を指示し、対聖杯一団をある程度足止めしたところで飛空挺の動力を破壊するように命令していたのだ
飛空挺一艇と忠実なる部下達を代償に一定範囲を大質量で壊滅させる過剰な攻撃、当然サーヴァントには効き目が薄いだろうが生き残ったマスターには絶体絶命の脅威となる、墜落時点での破壊の嵐を前にしては例え英霊とてマスターを守り切るのは困難であろう
真上から落下する巨大な船舶とムスカの真意に気付いた時には既に遅く、防戦に徹していた一団はなんとか回避行動を取ったものの、直後に発生した墜落時の衝撃、破裂、爆発、大地が抉られる音が鳴り響き、否応なしに大破壊に巻き込まれてしまった

粉塵が巻き上がる中、ホメロスとピーターを退避させるべく全力を尽くした雲雀だったが、墜落の衝撃で無数の残骸が飛び散ったことでピーターは複数の傷を負い、ホメロスは片足に金属片が深々と刺さっていた
一方、マコトもチノとココアを助けだそうとしたが衝撃波によって吹き飛ばされてしまい、彼の手が離れたところでチノとココアが一緒に倒れていた
あの一瞬の最中、ココアはチノを庇うように抱えていたためチノは無事であったが、ココアの腹部には大きな木片が突き刺さっていた
そしてこれで終わりではない、あの神風の如き自爆攻撃によって複数個体も巻き込まれて機能を停止したものの、いまだ大多数のロボット兵達は健在であり、様子を伺いつつ煙が晴れたら殲滅攻撃を再開するつもりでいた

 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

一方、ファイズに変身した草加がサイドバッシャーで逃げようとし、カイザに変身した医者が草加に迫り、レジィがそれをサポートするもう一つの戦場にて
サイドバッシャーの加速よりも早く草加の背後に迫った医者が容赦なく攻撃しようとした

「マスター、避けろッッ!!」

だが背後のレジィから大声で呼び掛けられ、気付けば医者の身体は閃光に貫かれてしまった
この時、上空を飛んでいたロボット兵がビーム砲で医者を攻撃しており、レジィの前には三体のロボット兵が突如として立ち塞がり彼を妨害していたのだ
これもまたムスカと草加が仕掛けた博打の一つであり、念話で軽く連絡し合った後にロボット兵による強襲を狙っていたのだ
一歩間違えれば失敗もあり得る突発的作戦だがものの見事に成功し、魔術的なビーム攻撃によってカイザの装甲を抜けて身体に風穴を開けられた医者は勢いを失い、草加の逃走を許してしまう
更に大ダメージによって変身が解除された医者は、なおも草加への憎悪を募らせて自らの治療に取りかかろうとするが、直後に墜落の衝撃で吹き飛ばされた飛空挺のプロペラが医者の頭に直撃してしまい即死、やがて全身が灰となって崩れてしまった


【医者@アクダマドライブ 死亡確認】


 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜


背後で発生した轟音や惨劇に対してクルーゼとセフィロスは目もくれず、シャアだけが一瞥した後に、一点突破で包囲網を向け出した
そしてムスカに差し迫ったが、その彼らの前にサイドバッシャーに跨がった草加が現われて立ち塞がる
一刻も早くムスカを倒すべくシャアとクルーゼは銃器で攻撃するもののまだ充分な射程距離ではないため上手く当てられず、一気に距離を詰めたセフィロスが斬りつけんとするが草加によって妨害されてしまう
今のセフィロスは大魔王バーンとの激戦によりかなり消耗しており、さらには何度も攻撃を受けたことで攻撃のキレが些か欠いていた

1694名無しさん:2022/04/06(水) 14:56:51
>>1693
片足に金属片が刺さったホメロスは、満足に剣を振るえなくなってしまった。
絶体絶命の状況だ。このロボット兵達をどうにかしても、この足ではもう戦えない。皆を守れない。

――だがそれが逆に彼の覚悟を後押しした。

「令呪で命ずる。アサシン、このロボット共を殲滅しろ。私と共に戦ってくれ……!」
「いいよ」

ココアがそうしたように、ホメロスもまた令呪全てを躊躇なく使い果たす。
そして雲雀もまた彼の覚悟を見届け、断りもせずに受け入れた。

「糸使いの少年。そしてクリミナル。少女達のことはお前達に任せる……」
「深海マコト。君は後で咬み殺す。……だからそれまで、そこの小動物達のことは預けておくよ」

「……わかった。ホメロス、雲雀。お前達の想いは俺が繋ぐ。姉妹の命も、繋いでみせる――!」

ホメロスと雲雀にマコトは力強く返事をして、ピーターもまた承諾した。
居残るなら拘束を得意とする自分だと思っていたが、令呪でブーストされた雲雀ほどの力は発揮出来ない。それにクリミナルの状態を考えると護衛は一人でも多い方が良いだろう

「小動物……」

雲雀はチノの方をチラりと見た。
大怪我を負ったココアを心配して、涙を流しながら必死に名前を呼んでいる。

「残念だけど、ここらでお別れだよ。――君達の道は僕がこじ開ける」

死ぬ気の強さは、覚悟の強さだ。
そして今、雲雀は死ぬ気でロボット兵達を咬み殺そうとしている。
令呪全てを使い果たしたホメロスと共に、一騎当千のアサシンが征く。

結果的に雲雀はホメロスと共にロボット兵を一匹残らず、咬み殺した。
ホメロスも雲雀の固有スキル、戦場の鬼により奮起して普段以上のポテンシャルが発揮出来た。
なにより雲雀恭弥は大群を相手にする殲滅戦において圧倒的な力を発揮していた存在だ。
彼の負けん気はここでも遺憾無く発揮され、一匹も残さず咬み殺したことはもはや、意地にも等しい。

「雲雀さん……っ!?」

全てが終わり、光の粒子となりかけた雲雀にチノが声を掛ける。
この時、既にホメロスは死んでいた。しかし彼は何かを成し遂げたような――そんな悔いのない表情でこの世を去った。

「小動物……。君達には君達の生き延び方がある。僕は君達の未来を。君達の宿した死ぬ気の強さを――空から眺めておくよ」

「そんなの……嫌です……!雲雀さんまで、いなくならないでください……!」

「……君のその顔、つまらないな。そこの小動物にもまだ助かる余地はあるはずだよ。小動物なら小動物らしく、最後まで諦めずに足掻くといいさ。
――それが僕の知る香風智乃だよ」

その言葉を最期に雲雀恭弥は消滅した。
孤高の浮き雲は、この地で出来た新たな仲間に看取られて大空へ舞い上がる。

「雲雀さん……。雲雀さん…………!」

チノの叫び声が、虚しく響き渡る。
マコトが彼女の肩に手を置き、スっと近くにあったバットを持ってきた。
チノがココアの心配をしている間、ココアはバットのことを話していたのだが、先程まで取り乱していたチノの耳には届いていなかったようだ。

「チノちゃん……。このバットは、ルカちゃんが私に託してくれたんだよ……」

身体がすごく痛むが、ココアは必死に話す。
マズルカや皆の犠牲を無駄にしないために。チノの頑張りを無駄にしないために。
天城カイトから託された熱き魂を、燃え上がらせて。

「かっとビング、だよ……チノちゃん。お姉ちゃんに、任せなさい!」

保登心愛は強い想いで意識をつなぎ止め、なんとか気丈に振る舞う。

――何故かって?

それは彼女がチノの姉であり、チノが彼女の妹だからだ。
姉という太陽に照らされた妹もまた、涙を拭って立ち上がる。
雲雀やホメロスの犠牲を無駄にしないためにも……。

【雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN! 霊基消滅】
【ホメロス@ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて  死亡確認】

※この場にいるロボット兵達は全滅しました

1695名無しさん:2022/04/06(水) 15:13:50
ムスカはまだ1つだけ、草加以外には未だ知られていない能力があるんだよね
それは神がかった射撃能力であり、それはこの世界に転送されて国王になってからも腕を衰えておらず、最後の奥の手として国民にも秘匿している
流石にサーヴァント相手には通用しないけど、マスター相手ならこれだけあれば十二分に脅威になる

懐に隠し持った銃と予備の弾、流石に本当の本当にピンチの時しか使えないが出番は来るだろうか

1696名無しさん:2022/04/06(水) 15:18:11
>>1693
医者の死亡後、間もなくして契約していたレジィも消滅する
思い返せば草加雅人に踏み荒らされてばかりの聖杯戦争だった。相馬も医者も草加雅人に殺されたようなものだ
一度は医者に命を救われたが再びマスター不在で消滅する。聖杯戦争の行く末も見届けられないままに

「草加雅人……お前も運命に翻弄され、道化となって死んでくれよ」

最期に呪いのような言葉を吐き捨てレジィは消滅した
お前「も」という言葉は生前似たような言葉を伏黒恵に吐いたからか、それとも草加雅人や呪いのベルトに翻弄され続けたレジィ自身に対する皮肉なのか……

【レジィ・スター@呪術廻戦 霊基消滅】

1697名無しさん:2022/04/06(水) 21:04:44
気付けば、ロボットが全滅した場所の様子を見ている一団がいて、チノ達にそろそろと近づいてきた
墜落した飛空艇に乗っていて、マコトに救出された者達が、マスター達がバーンと戦っている間にここまで逃げて来ていたのだ。
ムーの軍人も何人かいるらしく、マコトやピーターは状況の不味さに緊張する
しかし、一人の黒い大きな診療鞄(マコトに救出される時も肌身離さなかった)を持った初老の男性が進み出てきた。
彼は軍医で、傷ついたココアの応急処置をすると申し出た
船と一緒に通信機を失った兵士達も見て見ぬフリをしてくれた。
軍医はなるべく平らな所に乗客の上着を敷いて寝かせ、鞄から消毒液や包帯、糸と針などを取り出して応急処置に取り掛かった。
だが重体のココアの命は、この世界、この不十分な環境では依然、風前の灯火だ。
「…待っててください。ココアさん。」
チノとマコトは一刻も早く決着をつけるべく、草加達の逃げた方向へと向かった。

1698名無しさん:2022/04/06(水) 21:55:19
>>1697
ムーの軍人はマコト達にムスカの真相を聞いた
彼らがココアの治療を見て見ぬふりをしたのは、それも理由だ。それに彼らも軍人であり、傷付いた民間人を助けるくらいの良心は持ち合わせている
そんな彼らを信用してピーターもチノとマコトに同行を志願した
元々ライダーのマスターだったからファイズの性能をよく知っているし、ファイズが悪行に使われることを好ましく思えない。
ムスカと手を組んでいるということは、あのファイズはきっと草加雅人だ。
巧がベルトを託した?それとも無理矢理にでも奪い取った?
そのどちらかわからないが、どちらにせよ乾巧という男はあんな悪人に加担しないはずだと信じている
とりあえず自分が草加を倒し、ファイズを取り返す。それが乾巧のマスターだった自分の責任だ

1699名無しさん:2022/04/07(木) 08:45:56
三日目 正午過ぎ

レムリアに破壊の音が鳴り響く最中だった。
聖杯戦争の参加者は、またしても幻を見る。
それは今までの儚い夢のようなものではなく、強烈な紅い光を伴い、眼を焼くような幻痛と、
ズキンズキンと激しい頭痛を伴う苛烈なものだった。

業火に満たされた世界の中に10枚のカードがあった。
最後の幻で残った8枚の他に、新たに2枚のセイバーの絵柄の描かれたカードが並んでいる。

そのカードが、激しく炎を上げて燃える。
燃える絵柄は、アルターエゴ、バーサーカー、ライダー、キャスター、キャスター、アサシン、そして追加されたセイバーのうちの1枚。計7枚。

残ったカードは、クリミナル、フォーリナー、セイバー。計3枚。

その直後、世界が荒れ狂い、意識が揺さぶられる
意識が途切れる直前、マスター達は強烈な光を見た。
その光は一瞬で消えたが、マスター達は直感で理解した。
「聖杯は、そこにある」と。


*聖杯に脱落したサーヴァント達の魔力が急激に入ったため、聖杯が一瞬出現しました
 あと1騎サーヴァントが脱落した場合、聖杯が安定して実体化します。(fate/zeroの終盤のような感じ)
 そのおおまかな方角・距離をマスター達は幻を通して感じました。

1700名無しさん:2022/04/07(木) 08:46:31
この光景はいつもの白昼夢のようにマスター達にとっては数秒足らずだった。
前回の聖杯戦争の生き残りであるムスカは当然、聖杯戦争の進行によって起こるこの現象を知っている。
そしてその聖杯戦争で、自分より先に聖杯の場所に辿り着いた瀕死の敵に、出現した聖杯を破壊されてしまうという苦すぎる経験をしていた。
そして今回の幻視の異様さに危機感を感じる。
(なんだこの荒れ狂うイメージは。前回はこのような事は無かった。
 まさか最初の聖杯戦争以降、この儀式を影で繰り返していた大魔王が消えた事で魔術が不安定になっているのか?
 そうだとしたら、もうこれが聖杯を手に入れる最後のチャンスかもしれん。
 いや、やることは変わらない。残りの主従を倒し、今度こそ私が聖杯を手に入れる!)

ムスカは草加に先ほど見たイメージについて伝えた。
そして聖杯の出現した位置に陣取り、やってくる他の主従を迎え撃つことにした。仮に他の主従が自分の元に来ないようならロボット兵などを差し向けるなり他にやりようはある。

1701名無しさん:2022/04/07(木) 09:57:30
>>1700
ムスカ達を逃してしまったシャア、クルーゼ、セフィロスもマスター二人でイメージ映像を考察。アサシンと彼と再契約したホメロスがおそらく死んだであろうことを察したシャアは、一度は手を組んだ戦友ホメロスの死を内心で弔う
そして聖杯の出現した位置にムスカが居ると考え、そこへ向かおうとする。聖杯戦争の関係者なら、必然的に聖杯の出現場所へ向かうだろう。
ちなみに最優先はムスカと草加雅人という異分子の排除だ。先程のロボット兵といい、バーン程ではないが厄介な敵である
セフィロスが草加を引き付け、クルーゼが指示を出し、サーヴァントを失ったシャアがムスカを狙うという作戦だ

「待ってください……。私達も、戦います……!」

ムスカを倒しに行こうとする三人にチノが声を掛けた。
深海マコトとピーターも一緒だ。シャアはココアのことを質問したが、チノが治療中だと答えた。
ホメロスやアサシンについては、察している。途中から何かを破壊する音が鳴り響いていたので、きっと彼らがロボット兵を命懸けで殲滅したのだろう。
最後にチノが手にしたバットについてシャアは質問した。その無骨なバットは、あまりにも目の前の少女に似合わなかったから。

「これはココアさんから託されたお守りです。私では戦えないと思いますが……ココアさんがどうしてもというので……」

ちなみにココアは「どうしても」と言って押し付けたわけじゃない。
お守りとして渡されたものを、素直に受け取っただけだ。
それでも姉のお守りを持ち運んでいると言うのは恥ずかしかったから、少しだけ言い訳した
チノとシャアのやり取りが終わった後、マコトが口を開く。

「俺達も草加雅人を倒そうと思っている。フォーリナーとそのマスター。お前達とは全てが終わった後に、全力で戦いたい」

マコトの意見をクルーゼ達は承諾。
そしてピーターの口からファイズに関する情報が話される。
とりあえず最終決戦で両者が正々堂々と戦えるように。そしてライダーのマスターとして、ファイズを悪用する草加雅人とは自分が戦いたいとピーターは話した
もしも自分が死んだらその後は託すが、出来れば自分で草加と決着をつけたい……と。

ちなみにムスカの対処は先程三人で話し合った作戦通りシャアが行う予定だ

1702名無しさん:2022/04/08(金) 00:29:36
>>1693で草加とセフィロスが戦端を開き、ムスカ達が銃撃戦をしてる最中にイメージ映像(>>1699)が届いた。
事を急いだムスカが残存していたロボット兵を呼び寄せて足止めをし、草加と共に逃げると同時に聖杯の降臨場所…レムリア島のある場所へと向かった。
その道中にレムリア島に潜んでいた親衛隊と接触して、本国のムー島に連絡するように指示を出した。
ロボット兵を含めた増援を呼び寄せて残りの主従にぶつけるつもりだが、今からムー島を出発すると時間が掛かってしまう。
そのため、戦力確保のために医者亡き跡に残されたカイザギアも逃げながら回収していた。

ロボット兵の殆どを失った今は増援が来るまで自分達で耐えきるしかない、ムスカにはファイズギアは使えず、カイザギアは使ったら灰と化してしまうので使うつもりはない。
だがカイザギアは草加なら使用できるし、万が一にも自分達の敵が捨て身でカイザギアを使うのを防ぐ目的があった。


>>1701
魂喰いのおかげでまだ倒れずにはいられるもののクルーゼもそれなりに疲れを感じている
またマコトに全力を出させて魔力補充手段を持たないチノはクルーゼ以上に疲労感を感じているはずだが、今は緊張の糸を途切れさせずにムスカ達の対処に集中している
シャア、ピーターも負傷しており、マコトとセフィロスも消耗やダメージを負ってはいるが、全員が同じ目的に向いており戦意が高い状態である

さて、対黒幕の集団は先のイメージ映像から聖杯の出現場所に向かうことにしたが、道中にてクルーゼがレムリアの軍人に指令を出す
先程のバーン戦や包囲戦のように、ムスカは国王という身分を利用して忠実なる部下や兵器を投入して主にマスターを狙おうとしているのは明白だ
この先もまたそれらに妨害される恐れがあるため、クルーゼはレムリア軍を動かしてそれらに対抗させるつもりである

1703名無しさん:2022/04/08(金) 00:30:16
クルーゼが指令を出した時、レムリアの軍人達は同行者が何者か質問した
クルーゼはチノのことを保護対象、ピーターやシャア、セフィロスやマコトのことは協力者として軍人達に説明した

1704名無しさん:2022/04/08(金) 00:32:07
クルーゼの指示は対黒幕の集団にとって有利に働く内容のものだ。
だが、それに浮かない顔をしている者がいた。
「どうした?チノ」
「マコトさん…
 闘えない私がこんなことを言うのは我儘だと思います…」

「でも私は…レムリアの兵隊さんたちにも戦ってほしくありません…。」
「……」
チノの頭に浮かぶのは、先ほどバーンとの戦いの最中に争い傷ついていてムー島とレムリア島の兵隊たちの姿。
そして先ほどの怖ろしいロボットたちの猛威
ロボットに立ち向かい大勢の兵士たちが鎧袖一触で傷ついていく光景が浮かんでいく。
傍で聞いていたピーターの脳裏にも、ムー島とレムリア島の戦争が起こるのを憂いたマズルカの姿がよぎった。

ムスカという暴威を奮う権力者を相手に立ち向かうこの状況で、容赦なく言えばチノの考えはあまりに現実を見ない甘え考えだ。
だが、最もこの場で力がなく、兵隊の加勢が最も有難いであろうチノ本人が、この状況で勇気を持って言い出した。
それにはどれほどの覚悟が必要だろう。

マコトはレムリアの軍人たちに指示を出している(>>1703)クルーゼに提案する。
ロボット兵やムスカの部下は自分達が先行して対処する。だからレムリアの兵隊を出すのはもう少し待ってほしいと。

ロボット兵の多くは雲雀とホメロスが殲滅した。元々あの場で全員始末するつもりだったムスカは大部分の兵力を投下していた。
残りもまだいるとは言えロボット兵は自分が、ムスカの部下は拘束技の得意なピーターが対処できると。
ムー島から増援が到着するのにも時間はまだある筈だ。
その前に指令を出すムスカを拘束または倒せば、兵士達の争いは防げるかもしれないと。

それに対して、クルーゼは条件を突きつけた。
今からムスカと草加の元へ向かう。当然、ロボット兵や部下が道を阻むだろう。
この場でクリミナルに対して令呪を使い、力をブーストし、それらを排除するために動く事。
そうすればレムリア島の軍隊を動かすのに、いくらかの猶予を設けると。
チノとマコトは目を合わせ頷き合う。
「わかりました。『令呪で命じます。マコトさん、頑張ってください…!』」
マコトに力が漲る。

1705名無しさん:2022/04/08(金) 00:35:05
クルーゼはチノの提案を呑み、レムリアの軍隊を動かしてムスカやロボット兵の元へ一気に攻勢をかけることを控えた。
しばらくの間、レムリアの軍はロボット兵に対しては防衛に徹して無理な突撃などはしない、という方針になった。
ただ今後ムー島から増援の兵士やロボット兵達が飛んで来たり、マコト達が力尽きたり、その他不確定要素により戦力が不足した場合はその限りではない。

正直な所、ムスカ達を倒すためならば自身の権力を活用して兵士を大量に動員した方が確実であり、合理的だと思っている。
だが、最後に聖杯を巡って争う事になるだろうクリミナルの令呪を使わせ、兵士の無意味な損失を避ける事ができた。
悪い手ではないと、考えることにした。

チノの持つバット揺れている。

 『少しは使命に目覚めたか?』

殺した男のそんな問いが聞こえてきそうな気がして、馬鹿馬鹿しい、と即座に否定する。
ムーの兵士の損耗が減り喜ばしいと思うのは、自分の戦力だから、それだけだ。
クルーゼにとってこの仮初の世界に価値はなく、人類の滅亡を願う為に聖杯を獲る、それは変わらない。

1706名無しさん:2022/04/08(金) 00:37:28
(>>1705修正)
>ムーの兵士の損耗が減り喜ばしいと思うのは、自分の戦力だから、それだけだ。
>クルーゼにとってこの仮初の世界に価値はなく、人類の滅亡を願う為に聖杯を獲る、それは変わらない。

レムリアの兵士の損耗が減り喜ばしいと思うのは、自分の戦力だから、それだけだ。
クルーゼにとってこの仮初の世界に価値はなく、人類の滅亡を願う為に聖杯を獲る、それは変わらない。

1707名無しさん:2022/04/08(金) 00:40:15
>>1704
チノは>>1624>>1642で既に令呪を使ってたからこれが最後の令呪だったな

1708名無しさん:2022/04/08(金) 01:19:49
>>1705
自分の持つバットが揺れた気がして、チノは首を傾げる
問い掛けが聞こえてきたのはクルーゼのみだ。他の誰にも聞こえていない

しかしココアから「お守り」として託されたもの。そしてココアも以前にキャスターから託されたもので、その前の持ち主はバッターという名前だと話を聞いていた。
だからこのバットにはキャスターやバッターの想いが宿っているのだと考える。
普段なら「そんなの有り得ない」という結論を出すかもしれない。
それが有り得るかもと思えたのは人々の想いに触れ、それを繋ぐために背負ってきたからだ。

「バッターさん。キャスターさん。私達も、がんばります……!」

バッターという人物のことは知らない。
キャスターについても共に過ごした時間は短く、あまり知らない。
それでも彼らは平和のために戦っていたに違いない。少なくともキャスターはココアのことを守ってくれていたのだから。
平和のために戦ったなんて根拠はそれくらいしかないけど――今のチノにはそう感じられた

1709名無しさん:2022/04/08(金) 18:07:37
>>1702
(気付けば仮投下>>1538が本投下されていないので、シャアの負傷はなしにした方がいいかな?)

1710名無しさん:2022/04/08(金) 19:18:38
(>>1709
>>1702を投下した者ですが単なるミス…
 仮投下>>1538ですが今投下しても展開に問題なさそうなので代理投下させて頂きます。負傷も展開次第ではかすり傷とも解釈できるし問題ないはず)

>>1693の直後、イメージ映像と>>1702直前の出来事。

セフィロスの攻撃を一度は受け止めた草加だが更に追撃を加えられたことで逃げ切ることは困難と判断
自分の方が消耗が少ないことも考慮した上で、サイドバッシャーから降りてここでフォーリナーを殺すことに決める
一方セフィロスには目の前のファイズが以前戦ったライダーに比べて遥かに矮小な存在に見えていた
乾巧のことはセフィロスの記憶に焼き付いているが、このファイズは同じ姿だというのに全く異なる印象を受ける。

その頃、シャアとクルーゼはムスカとの距離を縮めていく。ムスカは草加がセフィロスと戦っている間にも逃げ惑う。逃げ切ることさえ成功したらムーの王という権力を利用して残りのマスターは後から始末する算段だ
だがシャアとクルーゼもサーヴァント達の戦いを横切り、ムスカを追跡する。セフィロスと戦闘中では草加も妨害出来ない
諦めの悪い二人にムスカが苛立ち気味に銃でシャアに攻撃するが、それが命中してもシャアが歩みを止めることはなかった
お返しとばかりにシャアが銃器で攻撃し、ムスカに負傷を与える

1711名無しさん:2022/04/08(金) 19:55:36
時系列的に>>1704直前くらいの話。どちらかと言えば補完に近い

チノは無力な一般人マスターだ。全てを救えるだなんて思っていない。
だが自分の手が届く範囲の人達くらいは助けたいと思った。

これまで何人もの知人友人が死んでいった。特に自分に想いを託したまりなの最期は未だ鮮明に思い出せる。
知人友人だけでなく、聖杯戦争に無関係の人々も巻き込まれて傷付き、死んでゆく。

聖杯戦争によって巻き込まれたと知れば彼らはきっと自分達を恨むだろう。
だからチノは彼らの想いを小さな身で必死に背負い、聖杯戦争に無関係の者をなるべく巻き込まず戦う道を選んだ。

(ココアさん。小動物の足掻きを見せてやりましょう……!)

大空に浮かぶ雲を見上げながら、ココアから受け取ったバットに心の中で語り掛ける。
チノはこの中で最も弱い小動物だが、それでもまりなや雲雀やエレンは彼女に託したのだ。背負っている想いの数ならば他のマスターとも良い勝負だろう

そしてチノは勇気を出して自分の我儘を話した(>>1704に続く)

1712名無しさん:2022/04/08(金) 22:51:22
>>1704
クルーゼがチノに令呪の使用を要求した時、シャアもまたクルーゼに一つだけ要求した
それはフォーリナーがチノやピーターやココア達、少年少女を攻撃しないように令呪で命令すること。
この場はクルーゼとフォーリナー以外は対聖杯だ。要求に従わなければ反旗を翻すのも厭わないとシャアは語る。

シャアの瞳を暫し見つめた後クルーゼはシャアの要求を呑む。ただし先にチノが令呪を使うという条件付きだ。
シャアはその条件を承諾。チノが令呪を使った後、クルーゼもシャアに要求された通り令呪を使用した

マスターを狙わないだけならば、クルーゼとしてもそれほど不都合ではない。それだけセフィロスの力を信用している
シャアは少年少女が聖杯戦争に巻き込まれることを嫌悪していた。だからチノやおっこに聖杯戦争を降りろと何度も言った。
今更チノを聖杯戦争から降ろすつもりはない。この状況はサーヴァントがいない方がむしろ危険だ。だがそれならせめてその命だけは助けたいと思い、クルーゼに要求を突き付けた
この要求を押し通すなら今のうちだ。チノが令呪を使い切るタイミングを選ぶことでクルーゼがシャアの要求に従い、最後の令呪を使っても条件は対等となる。セフィロスを信頼している彼ならば、不利にならないこの要求を呑んでくれると思っていた

ちなみにロボット兵の排除にはシンスペクターを必要とせず、ディープスペクターに変身した
これは「全てが終わった後に全力で戦う」という誓いに対して裏切らないためだ。これ以上シンスペクターに変身したら最終決戦で全力を出し切れない
当然だがシンスペクターに変身しないだけでもちろん本気で対処するつもりではある
セフィロスも切り札の悍ましき熾天の彼方(スーパーノヴァ)の使用は消費魔力的に最終決戦に多大な支障を来たす可能性があり、使用を控えるつもりだ

打倒草加雅人を掲げていたピーターはチノの覚悟を前に仕方なく折れた
草加雅人の相手は他の者に任せ、自分はクリミナルの提案通りムスカの部下を拘束することを優先する

1713名無しさん:2022/04/09(土) 06:51:42
>>1700の後

ムスカ達がイメージ映像に示された場所に行くと一つの遺跡に辿り着いた
その入り口から下へ下へと暗い道を進んでいく、少し入り組んでいたがしばらく歩く内に広い空間へと出られた
そこでムスカは見覚えのある物体を見つけて身震いする、そこには巨大な飛行石が空中にてクルクルと回っていたのだ

さて思い返して欲しい、今回の聖杯戦争の舞台となる空島は過去に大魔王バーンが構築した『大魔王宮殿(バーンパレス)』を礎として空を飛ぶ大地となったのが起源である
この宝具は「魔鉱石」という素材でできており、魔力を受けると浮力を得る特性を持っているが、バーンが聖杯戦争に勝利して受肉した後に封印されてからは彼の魔力を受けることなくその機能を停止していた
やがて聖杯戦争を繰り返すことで幾らか力を取り戻したバーンだが、やはり封印されている状態ではパレスの心臓部に当たる魔力炉を稼働させるのは困難であった
そこで、以前の聖杯戦争の最中に偶然にも見つた飛行石の塊を思い出しそれを活用、自身の魔力を回さなくても飛行石の特性およびそれが有する膨大な魔力でバーンパレスを大地ごと浮上させることに成功する
そして今日まで、飛行石の存在はパレスの所有者であるバーンによって厳重に秘匿され、島の誰にもその正体を知られないまま空に浮かばせる役割を真っ当しつづけていたのだ

1714名無しさん:2022/04/09(土) 10:28:05
今回の聖杯戦争で顕現し始めた小聖杯は、この空島の龍脈の役割を担う膨大な魔力の源、巨大飛行石が鎮座するこの空間を降臨場所として選んだ
ちなみにだが巨大飛行石は膨大な魔力と浮遊特性、重力制御に空域の気候制御を可能とするアーティファクトではあるが願望器にはなりえず、また魔界の叡知つるバーンを持ってしても飛行石の完全掌握はできなかったのでもう一つの魔力炉として扱っていた
それと、ムー島にはバーンパレス本来の魔力炉が、レムリア島には飛行石が配置され、二つの島に分かれた後も互いの魔鉱石の浮遊特性を活性化させるために活用されていた

1715名無しさん:2022/04/10(日) 09:00:25
遺跡の外で見張っていたロボット兵やムスカの部下をディープスペクターが蹴散らし、スパイダーマンが手際良く拘束する
そこにムスカの部下の1人が木々に身を潜めて攻撃の機会を窺っていた。

「…チノ、後ろだ!」マコトはチノにギリギリ聞こえる程度に声量を抑えた声で告げる
「わ、わかりました!」

チノがわああああ!と声を上げてバットを掲げる。
木々に身を潜めていたムスカの部下はその声を聞き慌てて飛び出したところでピーターに攻撃され、気絶して拘束された。

「さっきのは警戒しろというだけのつもりだったんだが…いや、俺の言い方が悪かった。」
「やっぱり雲雀さんやマコトさんのようには戦えないですね。……でも、私だってがんばります!」
「ああ。この島を襲う悲劇も、聖杯戦争も俺達が終わらせる!」

三人がこじ開けた道をクルーゼ達が進む。
シャアとしてはチノの傍らに居て見守ってやりたい気持ちもあるが、そういうわけにはいかない。
勇敢に戦うチノを一瞥するとシャアもクルーゼやセフィロスと共に走り出す。今のチノはシャアが思っていた以上に強かった。心配はいらないだろう。

そしてクルーゼ達はムスカ達の待ち構える広い空間に辿り着く。
広い空間だが、内部には柱や突き出した石壁、木の根や苔、深い段差、巨大な石のブロックなど様々な障害があり、見晴らしは決して良くない。
これは元々は簡素なただの広い空間だったが、バーンがこの場所に飛行石を設置して以来ずっと放置されている間に
空島内部の地殻変動―――としか言いようがない―――などが起こり、こうなったのだろうと推測できた。

「やあ、フォーリナー。君には感謝してるよ。君が乾を倒してなければ、コレを手に入れられなかった」

真っ先に口を開いたのは、クルーゼ達より先に到着していた草加雅人だ。
ファイズドライバーを腰に巻いた草加は憎たらしい表情でファイズフォンを見せびらかすように取り出し、変身コードを入力する。

『Standing by……』
「変身!」
『Complete』

草加はファイズに変身。セフィロスとファイズによる二度目の戦闘が始まった。

ちなみにムスカは、この遺跡内に隠れ潜みマスターを狙う機会を虎視眈々と狙っている。
そして銃にはサイレンサーを装着している。
このような場で戦うことまでは想定していなかったが、銃を使うムスカならではの備えだ。
とても音を消すことなどできないが、銃声から方向を察知される可能性は下がる。
広間に辿り着くまでに奇襲を仕掛けなかったのはこの備えの存在も大きい。
多少入り組んでいるとはいえ斜線が限られる通路ではこちらの位置をすぐさま補足され、最悪、傍にいたフォーリナーに神速で始末される可能性すらあった。

相手はあの小僧とは違う本職の軍人。決して油断はしない。

1716名無しさん:2022/04/10(日) 09:02:09
草加に相対するセフィロスの状況は若干分が悪いと言っていい。
マスターのクルーゼはかなり疲弊している。精神力に優れたマスターなのがせめてもの救いだ。

しかしセフィロス自身の消耗などはある程度回復している。
ここに来るまでの全てのロボット兵はマコト達が始末していくれたため、この場所まで辿り着くのは楽だった。
その間に回復することができた。
また例え消耗してようともこの闘い、無理をして限界を超えてでもこの場でこの強敵(草加)は倒さなければならないとセフィロスは感じている。

草加のマスターであるムスカがこの場に隠れている事は武芸を極めたセフィロスには微かな音や気配で大体の位置まで把握できている。
この場で最も自分にとって困る状況は疲弊したマスターが狙われる事だ。
敵は2人ともこの場にいる。ムスカ達にとってもこの場所は未知の領域なのか遺跡内部にはムスカの手下やロボットの気配はなかった。
マスターをこの場に留めるよりは辿ってきた道を逆に進ませ戦場から話すのが得策と考える。
遺跡の外のロボット兵や人間の兵士は草加達がほぼ制圧しているはずだ。
対聖杯の面々はマスター狙いには消極的なようだが、一応いまいち人物像が掴めないシャアには特に警戒するように伝えて
戦場を離れるよう念話で伝えた。
互いの位置を考えると、今クルーゼが全力でこの場を離れればムスカが追いつくのはかなり難しい。
たとえ追い付けてもその時には遺跡の外に出て対聖杯の面々と鉢合わせる可能性が高くなる。

この場で草加と一対一で闘い倒す。サーヴァントへの攻撃手段に乏しいムスカは最悪無視しても構わない。
(勿論神秘の籠った攻撃手段を保有している可能性は警戒はする)
逆に相手にとってムスカは狙われる足枷にもなりえる。
既に受肉している草加がムスカを見殺しにする可能性は高いが、その場合は魔力の供給源を失うことで宝具使用の負担が大きくなり、相手も持久戦で不利になる。

念話でそう打ち合わせてクルーゼとセフィロスの方向性が決まった時だった。
彼ら4人が入っている広間に音が鳴り響き、入ってきた入り口に石の壁が降りて塞がれた。

ムスカ達がこの場所に辿り着いたのはクルーゼ達より僅か前、数十分程度前に過ぎない。
だがその間にムスカはこの場所の機能をわずかに知り、腕に埋め込まれた飛行石から思念を飛ばして干渉できた。

元々バーンがただ飛行石を動力源として置いていた場所で最低限の機能しかない、それに僅かな時間で把握できたことなどたかが知れている。
だが、古今東西、最も重要な施設には必ずある機能、「入り口を開けろ/閉めろ」の機能だけはあると考え、掌握していたのだ。

所詮はただの石の壁。消耗していようがサーヴァントの攻撃なら、いや、ただの人間でも時間や道具さえあれば突破できる代物だ。
しかし弱点となるマスターを逃がす手段は失われた。
そしてセフィロス達に、変形したサイドバッシャー(レジィの攻撃のダメージが多少残っている)と草加が攻撃をかけてきた。
セフィロスはムスカのおおよその位置を念話でクルーゼに伝え、応戦する。

1717名無しさん:2022/04/10(日) 09:45:13
(*修正)
>遺跡の外のロボット兵や人間の兵士は草加達がほぼ制圧しているはずだ。
遺跡の外のロボット兵や人間の兵士はマコト達がほぼ制圧しているはずだ。

1718名無しさん:2022/04/10(日) 15:34:26
クルーゼ達が突入してしばらくした後、クルーゼの部下から伝達があり正体不明の飛空挺が三艇接近していることを聞くチノ達
やがて飛空挺が目視できるところまで現われて、無数のロボット兵が飛翔しムスカの部下達も降下してくる様が窺えた
こうしてクルーゼ達が予測していた通りに増援が現われ、チノ達は約束を果たすべくクルーゼの部下達を下がらせて再度ムスカの戦力を封じるために戦い始めた

ちなみにだが、増援に来た飛行艇は高速艇仕様のものであり、移動時間を短縮できる代わりに積載量はそれほど多くはなかった
そのためムスカは三艇分用意させて可及的速やかに駆けつけるように伝令し、クルーゼ達の予想より早くムー島からレムリア島へと到着したのだ
ただしこの三艇で送れる兵力は先のムスカが搭乗してきた大型飛行艇と本隊には及ばない、
そもそも対バーン戦と聖杯戦争の参加者を殲滅のために国王が所有する親衛隊やロボット兵の大半を連れてきたのだ、ムー島に残していた予備戦力ではある程度の数しか用意できなかった
だからといってそれなりの数が揃えば攻撃は激しくなりそれらを無力化するのは容易ではなかったが、それでもディープスペクターとスパイダーマンは一騎当千の活躍をしてその数を着実に減らしていった

そして敵戦力が半数以下になったところで問題が発生する、ここに来て身体的負担に限界がきてしまったチノが遂に倒れてしまったのだ
大魔王バーン戦においては令呪を使ってまでマコトを全力で戦わせた、ゆえにマコトはシンスペクターへと形態を変えて全力で戦い最強の宝具を使ったのだが、当然その分の魔力負担はチノに重くのし掛かっていた
あの時はその場の雰囲気や高揚感、一瞬でも気を抜けずに集中力が増していたためチノは気丈に振る舞いマコト達を応援できたのだろう
だがその後も連戦が続き、たとえマコトがディープスペクターに変身して全力を出さずに戦っても更に魔力は吸い取られる
ここまでムスカ達を止めるために意地の如く耐え抜いていたチノだったが、遂に限界を迎えてしまい意識を失ってしまった

その結果、魔力供給が滞りマコトの変身が解けてしまい戦闘能力が著しくダウンする
そして残存するロボット兵数体は敵の勢いが落ちたことなどお構いなしに攻撃の手を緩めることはない、この場にて最大の脅威であるマコトを数体で囲みつつもマスターであるチノや再契約を結ぶ可能性のあるスパイダーマンにも狙いを定める
さらにはスパイダーマンはムスカの部下達と交戦中でありマコトやチノを助けにいくのは難しい、絶体絶命のピンチになっていた

1719名無しさん:2022/04/10(日) 18:11:51
>>1716
この時セフィロスは邪魔なサイドバッシャーを沈黙させるべくサンダガを放ったな、そしたらBURST状態になっても一時的に沈黙してしまったよ
※FFシリーズだと機械系モンスターの大半は雷属性弱点です
※サイドバッシャーがFF7Rでパワーアップした神羅のドッキリビックリメカっぽく思えてきてしまった今日この頃

1720名無しさん:2022/04/10(日) 18:34:39
>>1718
変身していない状態でも修行していた経験やこれまで培ってきた戦闘経験によりロボット兵の攻撃をなんとか避けるマコトだが、この状況はあまりにも危険だ
ピーターはすぐに駆けつけようとするもムスカの部下に妨害され、悔しさに歯噛みする
更に追い打ちをかけるかのようにムーの兵士と思わしき軍人達までやってくる。

「――我が救世主を援護しろ!」

しかし彼らはリーダーの男が指示すると共にムーの兵士――つまりムスカの部下でありながら、ムスカの部下やロボット兵に立ち向かった。
しかもよく見るとムーとレムリア、二つの島の兵士が入り乱れて手を組んでいるではないか。
困惑するピーターに軍人の男が「我らの救世主を……ヒーローを助けてください!」と叫び、ハッとなってスパイダーマンは駆け出す。

ピーターは加勢に来てくれた彼らに感謝するとマコトを襲っていたロボット兵達の相手を始めた。
ロボット兵は生身のマコトを脅威対象外と看做し、新たなる戦力であるスパイダーマンへメインターゲットが変わる。

彼らはマコトに救われたムスカの部下達とクルーゼの部下達だ。
ロボット兵やムスカの部下の対処に部下を使うことを辞めたクルーゼだが、ロボット兵という存在はあまりにも目立つ。
必然的にクルーゼの部下に見つかり、現場へ急行することになった

そしてマコトが助けたムスカの部下達。彼らも偶然、この近くへ来ていたのだ。

「チノちゃん……」

治療を受けている間も心配そうに妹の名を呼び続けるココアを見て、マコトに助けられたムスカの部下達は少しでも恩返しするために、チノの探索及び助力を申し出た。
聖杯の見せたイメージ映像で聖杯の場所を知っているココアは、地図を見せてもらうと「ここら辺にいると思います」とだいたいの位置を伝えた

「それとチノちゃんに一つだけ、伝えてくれませんか?お姉ちゃんに任せなさい――って」

ココアにチノのことを託された兵士達は、彼女の言葉に「わかった」と返事をすると護衛のために数人だけ残してココアに教えられたチノがいると思わしき場所へ向かった

そこでレムリアの軍人達と出会ったわけだが、自分達はヒーローに助けられた。恩返しにチノという少女を助けるつもりでもうムスカに忠誠を誓っていないとムスカの部下達は語る。レムリアの軍人達は困惑するがムスカが何かを企んでいることはクルーゼからも軽く聞いており、なによりロボット兵という危険な存在を前に困惑する時間すらも惜しいので今は彼らの助力を認めることにした
そしてムーとレムリアの軍人達は一時的に協力することになり、今に至る。

ムスカの部下のうちの一人がチノに駆け寄り、体を揺らして起こすと「救援にきた。お姉ちゃんに任せなさいとココアから伝言だ」と伝える。

「ココアさん……。ありがとうございます……」

間接的にココアが自分を助けてくれたことに、チノは微笑んだ。
そんなチノの近くまでやってきたマコトは声を掛ける。

「あいつらにも守るべきものがある。チノ、これはクルーゼの指示じゃない。あいつら自身の決断だ」

人々が傷付くことが嫌でクルーゼの指示を阻止したチノだが、ムーとレムリアの軍人達はどちらも覚悟を宿した真剣な瞳をしている。
彼らの姿やマコトの言葉で考えが変わった。
それにレムリアとムーが争わず、一致団結している光景やマコトが助けた人々が今度はマコト達を助けようとする姿は感慨深くもある。

「はい。マコトさんが軍人さん達を助けて、今度は皆さんに助けていただいて……なんだか不思議ですね」
「そうだな。誰かを助けるためならどんな敵にも立ち向かえる――それが人間の可能性だ」

ロボット兵という強大な敵を前にしても、ムーとレムリアの軍人達は臆することなく戦っている。その姿はチノやマコトやピーターに勇気を与えた

1721名無しさん:2022/04/10(日) 20:10:49
(すまないが>>1716の誤字が複数あるので、勝手ながら修正する、ついでに文章の構成も少しだけ微修正)

草加に相対するセフィロスの状況は若干分が悪いと言っていい。
マスターのクルーゼはかなり疲弊している。精神力に優れたマスターなのがせめてもの救いだ。
逆にセフィロス自身の消耗などはある程度回復している。
ここに来るまでの全てのロボット兵はマコト達が始末していくれたため、この場所まで辿り着くのは楽であり、その間に回復することができた。
また例え消耗してようともこの闘い、無理をして限界を超えてでもこの場でこの強敵(草加)は倒さなければならないとセフィロスは感じている。

草加のマスターであるムスカがこの場に隠れている事は武芸を極めたセフィロスには微かな音や気配で大体の位置まで把握できている。
この場で最も自分にとって困る状況は疲弊したマスターが狙われる事だ。
敵は2人ともこの場にいる。ムスカ達にとってもこの場所は未知の領域なのか遺跡内部にはムスカの手下やロボットの気配はなかった。
マスターをこの場に留めるよりは辿ってきた道を逆に進ませ戦場から離すのが得策と考える。
遺跡の外のロボット兵や人間の兵士はマコト達がほぼ制圧しているはずだ。
対聖杯の面々はマスター狙いには消極的なようだが、一応いまいち人物像が掴めないシャアには特に警戒するように伝えて戦場を離れるよう念話で伝えた。
互いの位置を考えると、今クルーゼが全力でこの場を離れればムスカが追いつくのはかなり難しい。
たとえ追い付けてもその時には遺跡の外に出て対聖杯の面々と鉢合わせる可能性が高くなる。

この場で草加と一対一で闘い倒す。サーヴァントへの攻撃手段に乏しいムスカは最悪無視しても構わない。
(勿論神秘の籠った攻撃手段を保有している可能性は警戒はする)
逆に相手にとってムスカは狙われる足枷にもなりえる。
既に受肉している草加がムスカを見殺しにする可能性は高いが、その場合は魔力の供給源を失うことで宝具使用の負担が大きくなり、相手も持久戦で不利になる。

念話でそう打ち合わせてクルーゼとセフィロスの方向性が決まった時だった。
彼ら4人が入っている広間に音が鳴り響き、入ってきた入り口に石の壁が降りて塞がれた。

ムスカ達がこの場所に辿り着いたのはクルーゼ達より僅か前、数十分程度前に過ぎない。
だがその間にムスカはこの場所の機能をわずかに知り、腕に埋め込まれた飛行石から思念を飛ばして干渉できた。
元々バーンがただ飛行石を動力源として置いていた場所で最低限の機能しかない、それに僅かな時間で把握できたことなどたかが知れている。
だが、古今東西、最も重要な施設には必ずある機能、「入り口を開けろ/閉めろ」の機能だけはあると考え、掌握していたのだ。

所詮はただの石の壁。消耗していようがサーヴァントの攻撃なら、いや、ただの人間でも時間や道具さえあれば突破できる代物だ。
しかし弱点となるマスターを逃がす手段は失われた。
そしてセフィロス達に、変形したサイドバッシャー(レジィの攻撃のダメージが多少残っている)と草加が攻撃をかけてきた。
セフィロスはムスカのおおよその位置を念話でクルーゼに伝え、応戦する。


※修正箇所「話す→離す」「4人→3人(セフィロス、クルーゼ、シャア)」

1722名無しさん:2022/04/11(月) 21:28:44
>>1719
厄介なサイドバッシャーが一時的に沈黙したのを確認したシャアとクルーゼは、ムスカを倒すべく動き始めた
クルーゼの近くに居たシャアは彼の口からムスカが潜むおおよその位置は聞いている。隠れているということは何かを企んでいる可能性も高い
ムスカが銃を扱えることは以前の一戦で身をもって思い知った(>>1710
相手が攻撃してくることに警戒しつつ、慎重に距離を縮める必要があるだろう

1723名無しさん:2022/04/11(月) 21:29:41
シャアとクルーゼがムスカを追い詰めようとするが、逆にムスカも彼らを殺そうとしていた
ムスカと草加は敵に備えてトラップを用意していた、時間も道具も限られているため対した物は用意できないが、サイドバッシャーから抜き出したミサイルの信管に糸を通してワイヤートラップを急造して何本か設置しておいた
遺跡内部は薄暗く光源が乏しければ見つけるのも困難だ、仮に発見されても足止めになり動かぬ的を狙いやすくなる

1724名無しさん:2022/04/11(月) 21:52:01
>>1720
「人間の可能性……ですか」

マコトの言葉にチノは同じ時代に今、出逢えた仲間達のことを思い出す。
木場、おっこ、まりな、炭治郎、雲雀、シャア、エレン、ホメロス、ピーター、マコト。そしてココアとマズルカ。
利害の一致による一時的な共闘だが、セフィロスとクルーゼも。
彼らは皆、何かのために必死に戦ってきた。
これまで戦いに無縁だったココアすらもチノのために予想以上の心の強さを発揮して、奮闘している。

それが人間の可能性。人間の秘めた無限の可能性。
そして自分達に加勢してくれた兵士達も、心強い仲間だ。

だからチノとマコトは彼らの想いと共に聖杯戦争を終わらせ――新しい時代に漕ぎ出すことを心に誓う。魂を燃やして、生き抜いてみせる。

「我ら思う、故に我らあり……か」

奮闘する兵士達を見てマコトが呟いた。

「我ら思う、故に我らあり……ですか。いい言葉ですね……。私達がここまで辿り着けたのは、きっと皆さんのおかげです」
「ああ。だから俺達はみんなの想いを背負って、前に進むんだ」
「はい。諦めない心――かっとビングですね……!」

1725名無しさん:2022/04/11(月) 21:58:42
地上でマコトたちを援護して戦ってくれたムーとレムリアの兵士。
ムスカの連れて来た人間の部下も拘束されるか降参した。
しかしロボットには降参などという概念は無くムスカに最初に命じられたように暴れ続ける。
幸いというべきか、このロボット兵は予備戦力をムスカの命令でとにかく早く輸送することを重視して動くようにして届けさせたため、ビームなどの脅威的な兵装は十分に装備されておらず、ほぼ力任せに暴れるだけになっていた。
そのため助太刀してくれた兵士達とピーターの連携によってなんとか引き倒し、崖から突き落とし、転倒させ、なんとか制圧できた。

一旦脅威は去ったが、しかしロボット含むムスカの増援は今後もやってくるかもしれない。
降参したムスカの部下に、無線機を抱えている者がいた。
ムスカを捕まえれば、戦いをやめるよう命令させることができるかもしれない。
僅かながらも休めたチノはココアの伝言と兵士たちの言葉に勇気を貰い、マコトとピーターと一緒に遺跡の内部に突入する。
兵士たちは倒れてもしぶとく起き上がろうとするロボット達をそうはさせじと対処している。

1726名無しさん:2022/04/13(水) 10:26:42
>>1721-1723

――俺の名前は乾巧。聖杯戦争らしく夢を言うなら……そうだな。世界中のみんなを幸せにすることだ!

草加と戦いながら、セフィロスは乾巧のことを思い出す
セフィロスは彼の命を奪った存在であり、その思想は相容れないものかもしれない。
しかし希望という病に蝕まれ、痛みを背負い、それでも前に進む姿は――まるでクラウドのようなその姿勢はセフィロスの印象に残っている

結果的に巧はセフィロスを倒せなかった
それでもセフィロスの心に乾巧という存在を刻み付け――ファイズの力を悪用する草加に対して嫌悪感を抱かせた

「男からそんなに睨まれても困るなあ。悪いが俺にそういう趣味はない」

乾巧と同じ仮面で煽るように憎まれ口を叩く草加雅人が忌々しい。
無理をして限界を超えてでも草加は倒さなければならないと感じていた(>>1716)のもあって悍ましき熾天の彼方(スーパーノヴァ)を放った

草加雅人は色々と背負った乾巧ほどの精神力を持ち合わせていない。
効果は抜群であり、本来の彼ならばここで散るのが道理。

しかし此度の彼は一度死亡したこともあり、異常に生に執着している。それはスキルとなったほどだ。
更に草加は巧の死により、セフィロスの強さを見届けている。その宝具の凄まじさも覚悟はしていた。
ファイズの変身が解除された草加は膝を着きそうになるが、ふらつきながらも立て直して距離を取る。

「俺は生きる。生きて真理に会うんだ……!変身!!」

セフィロスの消耗は激しく、生身の彼に一撃を食らわせる前に草加はカイザに変身してしまった

1727名無しさん:2022/04/13(水) 10:28:20
シャアとクルーゼは十分にムスカの攻撃や仕掛けられたトラップに警戒していた。
だが草加とセフィロスの攻防、「悍ましき熾天の彼方(スーパーノヴァ)」発動の魔力の消費に悶え苦しむクルーゼはムスカとの攻防の最中、遂に膝をついてしまう。
その隙を見逃さないムスカの銃撃がクルーゼに当たり負傷してしまう。
セフィロスも魔力の供給が滞りカイザに変身した草加から致命的な一撃を食らってしまう。返す刀で切りつけたが僅かに負傷を与えるに留まり勝敗は決する。
満身創痍のセフィロスはそれでも力を振り絞り、ムスカに余波が届くような斜線で広範囲の魔法を放った。
たまらずムスカが遮蔽物の影から姿を出したところを、銃撃を含めた近接戦の末に、シャアが締め落とす。
その時、封鎖された石壁を破壊してピーターを先頭としてチノとマコトが広間に乱入してきた。
ピーターはムスカを上に引っ張り出して無線機で軍を止めるよう命じさせようとシャアとムスカの元に向かうが、
焦りのあまりスパイダーセンスが発動したものの踏み出した足が止まらず、ムスカ達が仕掛けていたトラップに引っかかってしまった。
3人まとめてムスカと草加が仕掛けたミサイルのトラップに巻き込まれる寸前でピーターは2人を連れてウェブを壁に引っ掛けて退避するが、
爆発で吹っ飛ばされ、2人を庇うように背中から強かに広間の壁に衝突してしまう。
ピーターに助け出されたシャアも投げ出された衝撃で武器を手放してしまったが、そのまま懸命にムスカを取り押さえ続けていた。
ムスカも先ほど吹っ飛ばされた衝撃で意識を取り戻していた。
「あの子供のマスターとクリミナル、彼らがセイバーに勝てると思うかね!?」
まだ勝利を信じているムスカ、彼を抑えるシャア、そして気絶したピーターを他所に草加とマコトの戦いが始まる。

頑丈なピーターだがミサイルの爆発にから2人を庇いつつ壁に叩きつけられ満足に動けないほどダメージを負い、意識を手放してしまった。
この場でギリギリ戦えるのは深海マコトのみ。
草加はセフィロスの宝具のダメージが残っているのか顔色は悪いが疲弊した様子を見せず凶悪に笑う。
「この期に及んでマスターを殺さないとは偽善者だなあ。キミ達の敗因はその甘さだよ!」
「チノ、もう少しだけ頑張ってくれ!」「はい!」
嘲る草加にシンスペクターに変身したマコトが立ち向かう。

1728名無しさん:2022/04/13(水) 14:12:23
>>1727
「タケル。これまでお前がそうしていたように――俺も命を燃やそう!――変身!!」

元の世界の仲間を思い出してマコトが気合いと共にシンスペクターに変身した瞬間、チノの肉体に負担が掛かる。
だがチノは諦めない心で。ココアから教わったかっとビングやこれまで出逢ってきた仲間達の想いで耐える。

(ライダーさん……まりなさん……バーサーカーさん……雲雀さん……!私に力を貸してください……!!)

自分に想いを託してくれた仲間達の名を心の中で叫び、彼らの想いを小さな体で一身に背負う

「マコトさん。がんばってください!!」
「ああ。チノ――お前の心の叫びも、俺があいつに伝えてやる!」

チノの想いにマコトが力強く応える。その姿はとても心強くて、チノはシンスペクターの勝利を信じる

「熱いね。君たちのその態度……俺が嫌いな奴を思い出して寒気がするよ」

チノとマコトを見ていると否が応でも乾巧や木場勇治という存在を――草加の大嫌いな薄汚いオルフェノク共を思い出させる
草加にとってチノとマコトは偽善者そのものだ

1729名無しさん:2022/04/13(水) 14:20:13
>>1728
自分を応援するチノに強く見つめられ、マコトの心が震える。
残りの魔力は僅かしかない。それでも深海マコトの命は輝きを増し、全身に力が漲る。

深海マコトと草加雅人。
時代や世界こそ違えど彼らは仮面ライダーという存在のはずだった。
しかし決して分かち合えることはなく――仮面に隠されてその表情こそ見えないが、草加は乾巧や木場勇治の想いを背負った亡霊を鬱陶しそうに憎み、マコトは真っ直ぐとした迷いのない瞳で新しい歴史へ漕ぎ出そうとしている。

「乾、木場。お前達はいつまで俺の邪魔をしたら気が済むんだ……!」

この聖杯戦争で死んだはずなのに、未だしつこく自分を止めようとしてくる過去の亡霊共に忌々しく吐き捨てる。
特に綺麗事ばかり並べていた癖に自分を殺してきた木場勇治のことは大嫌いだ。

「お前は何を言ってるんだ……!?」
「君を見ていると偽善者がチラつくんだよ。人類に害を成す異形の癖に人間と分かり合おうとした奴らがね……」

草加雅人がオルフェノクが憎い。そして彼らと人間は決して共存出来ないと思っている。
オルフェノクは殲滅するべき敵であり、それと分かり合うなんて不可能だ。皮肉にも木場勇治が草加のその思想を確固たるものとした。

「俺も人間と異形が共存出来る世界が夢だと語っているサーヴァントにこの聖杯戦争で出会った。そしてあいつは人間を庇って、重傷を負ったことが原因で脱落した……」
「木場か……。偽善者の癖に誰かを庇って死ぬなんて反吐が出るなぁ」

マコトの語るサーヴァントの正体が木場だということを草加はすぐに察した。
本当に心底、反吐が出る。草加にとって木場は共存だのなんだの言ってた癖に人間に刃を向け、自分を殺した偽善者なのだから。

「あいつは偽善者じゃない。ライダーは本気で人間と異形が共存出来る世界を望んでいた!だから俺は、そんなあいつの想いを背負うことに決めた!!」

対してマコトにとっての木場は、本当に根っからの善人だ。
根底に危うい面こそあったかもしれないが、最期まで人間のために戦い抜いた英霊。自分の大切な友――チノを守ってくれた英雄だ。

――俺に出来なかったことを……想いを、繋いでほしい……

木場の最期の言葉がマコトの脳裏に蘇る。
この聖杯戦争で初めて自分に想いを託した男だ。今まで散っていった仲間の中でも特に印象は強く残っている。
あのお人好しは心の底から人間と異形が共存する世界を夢見ていた。そして眼魔と人間が共存する世界に住んでいるマコトは、彼のその夢はいつか叶うと本気で信じている。
人類の未来や自由のために戦った友――木場勇治を心から信じている

「ライダーの名前がわかったことだけはお前に感謝する」
「名前も知らない相手の想いを背負っていたのか。馬鹿馬鹿しい奴だ」

草加が嘲笑うが、それを無視してマコトは今は亡き木場に語り掛ける。

「名前がわかった今、改めて言わせてくれ。
木場――お前の想いは、俺が繋ぐ!」

『シンダイカイガン!シンスペクター!デッドリーオメガドライブ!』

シンスペクターの背後から六枚の翼が展開。万感の想いを込めて、空高く飛翔する。
木場に託された想いやチノ達の努力を無駄にしないために。チノやピーターを無事に元の世界へ帰すために。

「薄っぺらい友情ごっこは他所でやってくれないかなぁ」
『Exceed Charge』

対する草加もまたゴルドスマッシュの発動準備をする。
忌々しい過去の亡霊共を断ち切り、無事に生還して真理を手に入れるために。実は草加自身が過去の亡霊でありながら、今を生きようとする存在なのだが――そんなことにすら気付かずに。

「マコトさん。私達の想いを、あなたの翼に託します……!」

チノも必死にマコトへ声援を送る。
チノ、ピーター、シャア、クルーゼ、セフィロス、島の兵士達。
シンスペクターの翼はまるで彼ら6つの想いを乗せているようで。

「俺達の生き様――見せてやる!」

同じ時代に今、息する仲間達の想いを右脚にエネルギーとして纏う。
そして雄叫びと共にシンスペクターが急降下し、キックを放った。

「いい加減、死んでくれないかなぁ。君たちの存在は邪魔なんだよ!俺は生きて真理の元へ帰る!!」

そしてカイザもまたゴルドスマッシュを放った。
二人の蹴りがぶつかり合い、拮抗する。威力的にはシンスペクターが放つオメガドライブの方が上だが、これまでに蓄積された疲労によりカイザのゴルドスマッシュでも対抗出来ていた。

そして草加の執念深さもマコトが背負った想いに引けを取らない。彼の執念は本当に凄まじいものだ。
二人の仮面ライダーのぶつかり合いをチノが息を呑んで見守る。

しかし運命は残酷なものだ。全力の戦闘で魔力をほとんど使い果たしたシンスペクターの宝具は全力を発揮出来てると言えず、カイザに押されてしまう。
想いだけでは勝負に勝てない――そんな光景を見せられても、チノは諦めずに祈る。深海マコトの勝利を願う。

「今だけでいいです。皆さんの力をマコトさんに分けてください……!」

そんな超常現象など普通なら有り得ない。
それが有り得ると思えるのは、この聖杯戦争で様々な不可思議現象を体験してきたからだろうか。

――そして片翼の天使により、彼女の願いは叶えられる。

致命傷を受け、後は消滅を待つだけだったセフィロス。このままだとマコトが負けることを理解した彼は、死にかけの体でありながら飛翔した。
こんな状態で宝具を使えば、自分はすぐに消滅する。それを知った上でセフィロスはカイザへ正宗による一撃を加えた。

たった一撃。されどもセフィロスの全てを懸けた一撃は非常に重く、攻撃の余波によりカイザのマスクが割れる。
憎悪と執念に塗れた素顔の一部が露呈し、先程の一撃で一気にゴルドスマッシュの勢いが弱まった。

そして思わぬ援護によりマコトは更に魂を燃え上がらせ、限界を超越してオメガドライブの勢いが増す。
花よ。鳥よ。風よ。月よ、儚き命よ――我ら思う、故に我ら在り

「――みんなの想いが、俺に力を貸してくれる!俺達の心の叫びを聞け!!」

――瞬間、カイザのゴルドスマッシュが打ち破られ、カイザへ強烈な蹴りが叩き込まれた。
最期にその光景だけを見届けて、勝利を確信したセフィロスは消滅する。

【セフィロス@FINAL FANTASY 7 霊基消滅】

1730名無しさん:2022/04/13(水) 21:03:26
>>1729
「くっ……!」

大地へ叩き付けられた草加はカイザの変身を解除され、忌々しい青空の戦士を睨む。
マコトも変身を解除し、草加を見つめた。

「他の奴に負けるならわかる……。どうしてお前なんだ、乾……!お前には聖杯で叶えたい願いなんて……!!」

今の草加にはマコトが巧に見えた。
忌々しい。聖杯で叶えたい願いなんてないはずなのに、どうして邪魔をするんだ――と。草加は心の底からマコトのことが憎かった。

「マコトさん、大丈夫ですか……?」
「ああ。お前こそ無事か?チノ」
「はい。私もなんとか、大丈夫です……」

マコトの傍へチノが駆け寄る。
先程の戦闘でお互い体力を使い果たしたが、それでもまだなんとか生きている。二人は互いの無事を喜びあった。

「真理……」

そして死にかけの今の草加には何故だかチノが真理のように見えた。巧と楽しく談笑している真理のように。

「どうしてそいつなんだ……。真理。俺は君のために……」

草加雅人の言葉は、そこで終わった。
彼の命はここで潰え、灰となって死亡する。
その最期は道化のようで――ある意味、レジィの呪詛が届いたようでもあった。

哀れな男の末路を見て、チノは黙祷した。草加雅人は敵であったが彼なりに何かを背負い、必死に足掻いていたのかもしれない。
香風智乃は相手が敵とはいえ、死者を憎まない。もしも誰かを憎むような性格であれば元は敵であり、仲間が死ぬキッカケを作ったホメロスのことを許さなかったはずだ。
そんな少女を見習い、マコトも共に黙祷を捧げる。彼もまた草加のことを憎もうとは思っていなかった

【草加雅人@仮面ライダー555 死亡確認】

1731名無しさん:2022/04/13(水) 21:14:03
>>1730
「そんな、まさか!?やめろ、消えるな!!セイバーッッ!!!」

最後に残った英霊同士の勝負が決した
フォーリナー・セフィロス、セイバー・草加雅人が消え去り、最後まで立っていたマコトと、そのマスターであるチノが優勝者となった
シャアに取り押さえられた後も自らの同盟者であるセイバーが勝利を掴むと信じて疑わなかったムスカだが、その非情なる現実を突きつけられたことでついに気力を失い無抵抗となった
こうして聖杯戦争は終幕となり、もう争うことも、これ以上の犠牲もなく、空島に平穏が戻る――と、誰もがそう思っていた

「…待て、何か様子がおかしい」
「見ろ、あの青い巨大な立方体の輝きが、どんどん弱まっている…?」
「それに、さっきから続いていた振動も治まらないです」
「いや、むしろどんどん強くなっている…?」
「…もしや、まさか!?」

その場にいた一同が異変に気付き困惑する中、何かに気付いたムスカがシャアを振り払って近くにある石碑、巨大飛行石の元にある制御盤らしきものに触れた何かを確認し始めた
やがて「ははっ、あははははっ…」と乾いた笑い声をあげたムスカの口から、二つの空島があと少しで崩落してしまう事を告げられる
飛行石の情報を解析した結果、バーン亡き後も巨大飛行石の膨大な魔力に頼って浮遊機能を維持していたバーンパレスだが、その飛行石の魔力も枯渇しかかっており限界を迎えてしまうことが分かったのだ
たとえ聖杯で願い飛行石に魔力を注いでもそれは一時しのぎに過ぎず、その魔力も使い尽くせばまた同じ事になるだろう
ここまで数々の犠牲を払いつつも戦い抜いた末にもたらされた終末の兆しはその場にいた全員に衝撃を与える、何かできることはないかと口論するがどれも現実味がなく徐々に焦りと絶望の色が増幅していった

「みなさん、まだ諦めてはいけません…!こういうときこそ、かっとビングです!!」

だが、万事休すな状況下にあってもチノだけは最後まで諦めずにいた
なんの根拠もない、純粋な心から出てきた言葉が、諦観に支配されかけていたこの場において強く輝いているように見えた
そんな彼女の意志に呼応するかのように、シャアが彼女の前に出て手を差し出した

「これは分の悪い賭けになるかもしれないが…チノ、君のその想いを信じて、奇跡に賭けてみようではないか」

シャアは、自身のポケットの中で不思議な温かみを発していたT字型の物体、サイコフレームを取り出してチノに手をかざすように言葉をかけた
この素材を何故シャアが持っているのかは本人を含めて誰にも分からない、ただこの世界で気付いた時には彼の持ち物の中に紛れていたのだ
それは一度宿敵のアムロの手に渡ったはずのものだが、もしかしたらアムロがアクシズショックを起こした際にシャアと一緒にこの世界にやって来てしまったのかもしれない、とシャア自身は推測しているが定かではない
なにはともあれ、このサイコフレームには“人の意思を物理的な力に変えて膨大なエネルギーを生み出す”サイコ・フィールドという力を発生させることがあり、顕著な例だと地球に落下寸前の小惑星アクシズを押し返してしまう程のオカルトじみた特性を秘めたオーパーツである
あの時の不思議な出来事やアムロの言葉を回顧したシャアはチノ達にも簡略に説明し、この空島の崩壊を防ぐべく人の意思に賭けてみることにした

シャアが差し出した手の上のサイコフレームにチノが手を重ねると、その不思議な温かみや輝きは強さを増した
ピーターもまた想いを乗せるべく手を重ねるとその分も増していったが、しかしまだ奇跡を起こすにはほど遠い様子であった
そこへムスカも手を重ねる、ラピュタの崩壊を経験した彼もまたいても立ってもいられなくなったのか、あるいはこの空島に住む人々を少なからず想ってのことなのか
さらには傷付いたクルーゼも手を重ねた、人々のエゴに絶望して世界の破滅を望んでいた彼もまたジェネシスの光に呑まれる前に自分を倒してくれた少年の事を思い返しつつ、人の意思に賭けてみることにしたのだ

それぞれに想いには強弱の違いがあれど、この状況をなんとかしたいという統一された強い意思に感応したかのように、サイコフレームが自身を包んでいた手々を優しく弾いて宙を漂い始め、巨大飛行石周辺を周回し始めた
五人の意思が一つの超常事象を起こし、さらにはその想いを魔力に変換して飛行石に供給し始めたが……未だに破滅の振動は止まず、未だ空島の限界を押し留められない
それでもこの場に生き残ったマスター達が諦めずに願い続ける最中、本来は現世の存在ではないマコトは彼ら彼女らとは別の行動をとった

「聖杯よ、聞いてくれ!俺達の想いを、仲間から繋いだ想いを、ここで終わらせる訳にはいかないんだ!」
「それに俺は人の意思、人の可能性を信じたい!だから、この空島に生きる人々全ての想いを、この空島の平和を望む想いを、あの飛行石とサイコフレームにかき集めてくれ!!」

マコトが聖杯に願った瞬間、彼の想いが空島にいる全ての人々に届き、ムー島とレムリア島の危機を止めたいと思う人々の膨大な意思が、魔力となった想いが、サイコフレームへと集約されていく
さらに不思議な現象が起こる、マコトやこの場にいる生者の想いに触発されたかのように、これまでに散っていった仲間達の姿が光の輪郭として浮かび上がっていた
さらなる超常事象にチノ達は驚嘆しつつ、彼らもまた自分達を応援してくれていると感じ取っていた



――この時、チノとマコトだけが別の事も少し頭によぎっていた
もしかしたら、おっこ、木場、まりな、炭治郎、雲雀、などこれまで出会い別れた仲間達が、目に見えぬ形で自分達に力を分け与え続けていたのではないか、と
これまで繋いできた想いがチノやマコトに加護として作用し、魔力をどれだけ大量に消耗しても最後まで倒れずに戦い続けられたのは、この場にいない仲間達のおかげではないか、と
そんな都合が良すぎる想像を思い描く程に、今目の前に起きている光景に感化された二人は、仲間達への感謝の想いに心が満たされその瞳から雫が溢していた





(まさか、こんなところで貴様と再会するとはな)
(なっ、アムロ!?なぜ、お前がここに!!?)
(それは、話すと長くなるが――)

そう言いつつ簡略化した事情によると、シャアより数百年前にこの世界に喚ばれて色々あった後に亡くなったという
その際一緒にνガンダムもやって来たがアクシズショックの影響でガラクタ状態であり、この世界では修復不可能なのでムー島の山中に置き去りにせざるおえなかった
そしてνガンダムに残っていたアムロの残留思念がサイコフレームの共鳴とシャアの存在によって呼び起こされた、と推察混じりに語られた

(俺は未だに貴様を許すことはない――)
(だが、お前が人の可能性を信じて、この事態を収拾させたいと想うならば……シャア、俺も協力する)
(アムロ…だが、亡霊みたいな存在になった貴様に、何ができるというんだ!)
(あの時と同じさ…この残滓を使い切ってでも、世界に人の心の光を見せてやるだけだ!)

そう言った後に、アムロの思念はムー島にあるνガンダムへと戻っていく
もはやその機体を動かす事は叶わない、内部の機器も殆どが使い物にならないタダの置物なのだが、アムロの意思が意地を押し通してνガンダムのサイコフレームを強制的に増幅させて共鳴による相乗効果を生み出した
この結果、レムリア島とムー島でサイコ・フィールドの効果範囲および力が強まり、やがて大きな光が両島を包み込んだ

1732名無しさん:2022/04/13(水) 21:24:46
>>1731

サイコフレームによって短時間だが感応波が両島を包み込み、人々の心に、島の墜落を防ぎたい彼等の意思が重なり合ったことで超常的な物理法則が発生、崩壊現象は収まり始めた
さらには人々の想い、果て無き幻想への祈りが魔力となって飛行石とバーンパレスを繋ぎ止める力へと変換された
この人の意思の伝播はムー島からレムリアに向けて順次出撃の準備をしていたムスカの部下達にも伝わり、その力の一部から戦意を失い空島の存続を願ったムスカの思念を感じ取っていた
遺跡の外で抗争状態であったムスカの増援部隊と対抗する連合部隊も争いを止めて手を取り合い祈り始めた(その際、残り僅かのロボット兵もムスカの思念が伝播したことにより機能を停止した)
やがて空島を包み込んだサイコ・フィールドの光が消えると同時に振動に震えていた両島が静まりかえり、崩落の兆しは消え去った
そして、巨大飛行石の周辺を電子のようにクルクルと不規則な自転をしながら周回するサイコフレームと、顕現し続けたままの聖杯がチノ達の前に残されていた
―――人々が空島の安泰を願う想いを受け取るサイコフレームがそれを魔力に変換して巨大飛行石に供給することによって今後も両島の浮遊機能が維持される仕組みが構築されたのだが、その場にいた誰もがそのような裏事情を“この時”は察するには至らなかった


打つ手などあり得ない状況から覆された「奇跡」を目の当たりにして、しばらくは状況に理解が追いつかなかったチノ達だったがやがて現実に追いついて歓喜の声を挙げた
そして、重ねていた手の一つが離れ、崩れ倒れる男が一人いた
ここまで仮面を被り続けていたクルーゼだが、ムスカの銃撃によって負傷した上にセフィロスを最後まで戦わせるために自分の身体のことを省みず魔力を供給し続けた結果、常人より寿命が短く老いが早いクローンの身体を酷使した反動により生命が尽きかける寸前になっていたのだ
地面に崩れ落ちた際に衝撃で仮面が外れてしまい、今まで隠し続けてきた素顔を人前に晒してしまう
だがチノやピーター、そしてシャアはクルーゼの素顔など気にも止めず、優勝狙いの敵対者だったにも関わらずここまで一緒に戦い続けてくれた彼の身を安否する
意識が段々と朦朧になりながらもクルーゼは自分はもう命を終えることを告げて、ただ独り言を呟いた

「私は、一度は死んだ身だ…人類を憎み、戦争を激化させ終末を望み、挙げ句に世界を終わらせる破滅の光に呑まれて消滅したはずの亡霊に過ぎない…」
「聖杯戦争に喚ばれ、運命はまだ滅びを望んでいると思い、再度己が宿願のために全力を尽くしたが…」
「まさか、その果てに、今度は人の可能性を秘めた光を見せつけられるとはな……」
「つくづく、私は道化だったという訳だが……まぁ、この結末も、悪くは、ない、か………」


【ラウ・ル・クルーゼ@機動戦士ガンダムSEED 死亡確認】


クルーゼの最期を看取ってしばらくした後、チノは顕現した聖杯の前に立っていた
優勝者であるマコトの願いは果たされたが、まだチノが願いを叶えるだけの魔力は残されている
できるなら、死んだ人々を生き返らせたい、とチノは想う
しかし、死者の蘇生は「魔法ですら到達しえない奇蹟」であり、小聖杯程度の力で叶えられるものではない
なので、チノはマコトや他の面子に相談して、聖杯戦争に巻き込まれた人達を無事に元の世界に帰して欲しい、と自らの想いを告げた
その想いに肯定をするマコトとピーター(とムスカ)だが、ここでシャアはこの世界に残ることを彼女達に告げる
自分には元の世界(アクシズショックが起きた後の宇宙世紀)に今更戻る意味はなく、今回の騒動で混迷を極めた空島世界で後処理と贖罪を果たすべく尽力することを語った
まだ輝かしい将来が残っている少年少女達を送り出し、大人としての責務を果たそうとするシャアなりのケジメでもあった

「そ、それでは私は元の世界に」
「貴様も大人なら素直に観念しろ。これまでの悪事を民衆に裁いてもらうから、覚悟しておけ」
「(´・ω・`)」

シャアの決意を聞き届けたチノは彼に感謝の言葉を述べて、ついに聖杯に願う
すると、チノ、ピーター、マコト、そしてこの場にはいないココアの視界が白く染まり、気付けば四人は白亜で不思議な空間に立っていた
これは聖杯が生み出した亜空間であり、気付けば自分達の疲労や傷が癒えている特に重傷を負っていたココアも傷一つなく立っていることを認識する
そして彼らの数メートル先には、各々に対応するように扉が並んでいた



チノの傍らにいるマコトが声をかける
「チノ。ここでお別れだ」



※シャアとムスカは空島世界に残ります。チノ、ココア、ピーターには元の世界に戻るための扉が用意されました。
※「無事に」元の世界に帰して欲しいという願いが反映され、ピーターやココアなど重傷の人物もある程度回復しています。
※サーヴァントであるマコトは座に戻ります。自分の願う分は既に使い果たしたために受肉することはできません。扉の前で別れを告げて英霊の座に還っていきます。

1733名無しさん:2022/04/13(水) 23:16:48
>>1732
「え……?」

唐突に別れを告げられ、チノは呆気に取られる。
聖杯戦争の終幕。それはずっとチノが望んでいたことだ。
しかしマコトと別離するということは彼女の頭になかった。これまで必死で、そんなことを考える暇もなかった。

「マコトさんもバーサーカーさんや雲雀さんのように、消えるんですか……?」

バーサーカーや雲雀の最期を思い出す。彼らはチノに何かを託して、消滅していった。
深海マコトはサーヴァントだ。決して生身の人間ではない。

「いや。俺はずっとチノを見守っている。雲雀と一緒にあの青い空から――な」

青空からチノの未来を見届ける。それは雲雀が最期に話した言葉と同じものであった。
マコトにはもう何一つやり残したことも、悔いもない。
心の底からチノやココアの幸せを願い、この姉妹にはこの先も末永く仲良くしてほしいと思う。

「嫌です。マコトさんにはラビットハウスの新しい店員として……」

それでもチノはマコトと離れたくない。
いきなりお別れだと言われてすぐに納得出来るほど、チノは人格者じゃない。彼女は元々、普通の女子中学生なのだ。

「チノちゃん。マコトさんとお別れするのが悲しいのはわかるけど……それでも私達は帰らなきゃ。マコトさんもカイトさんも、ルカちゃんも――みんなそのために戦ってくれたんだよ」

「そんなこと、私にだってわかります!」

チノを落ち着かせようとするココアに対して、彼女は声を張り上げた。
これまでずっと頑張ってきた少女の、ありのままの姿だ。聖杯戦争では必死に頑張ってきたが、香風智乃という少女は本来そこまで強くない。

「それでも私は……マコトさんと離れたくありません……。マコトさんは私の仲間で、大切な友達なんです!!」

今までチノには叶えたい願いなんて何もなかった。
元の世界へ戻って、平和な日常へ帰れたらそれで良いと思っていた。
そんな彼女の心にたった今、叶うことのない願いが芽生える。友達と別れたくないという願いが。

「チノちゃん……」

チノの気持ちはココアにも痛いほど理解出来る。カイト、マズルカと二人もサーヴァントを失ったのだから。オービタルや人形達のことも忘れられない。
それでもココアは前を向いてきた。チノへの想いとたった一つの魔法の言葉で。

「私だってこの聖杯戦争で大切な友達と何回も別れてきたよ。それでもみんな、私やチノちゃんのために戦ってくれたから――私達も前を見なきゃダメだよ、チノちゃん」
「ココアさん……」

ココアの真剣な瞳に見つめられて、チノが少しだけ落ち着きを取り戻す。
マコトだけじゃない。カイトやマズルカの意志を無駄にしないためにも、なんとしても自分達は帰らなければならない。

「かっとビングだよ、チノちゃん。もうこれでお別れは最後だから――。これからも辛いことや苦しいことがあるかもしれないけど……そんな時は、お姉ちゃんに任せなさい!」

いつだってココアは――姉という太陽は妹を照らす。優しく暖かな陽だまりにチノの口が緩んだ。

「ココアさん。……少しだけ、お姉ちゃんっぽくなりましたね」

気丈に振る舞うココアにチノは一瞬だけ微笑んで――。

「え!?チノちゃん、私のことをお姉ちゃんって……」
「言ってません」

やれやれ――といつもの調子でチノはココアの言葉をピシャリと遮る。

1734名無しさん:2022/04/13(水) 23:34:56
>>1733
そんな姉妹の様子を見てマコトもまた微笑んでいた。自分が居なくてもココアが傍に居たら、きっとチノは安泰だ。

「いい姉を持ったな、チノ」
「ほら。マコトさんも私のことをお姉ちゃんって認めてくれたよ、チノちゃん!」

マコトの言葉にココアがすぐさま便乗する。まるで聖杯戦争の後とは思えないほど平和な光景がそこにはあった。

「だから、ココアさんはお姉ちゃんじゃありません!マコトさんまでそんなこと言わないでください……!」

チノは内心ではココアのことを姉のように思っているが、やはり普段の日常通り素直になれず否定する。こんなに好きなことは内緒だから。
本当にいつもの日常の延長線。そして深海マコトと過ごす、最後の日常。

それから少しだけ三人で談笑して――お別れの言葉はココアから切り出した。

「マコトさんと遊べて楽しかったね、チノちゃん。……じゃあ、そろそろ行こっか」
「はい。……マコトさんには色々と大切なものを教わりました。ありがとうございます」
「俺もチノやココアを通じて久しぶりに人間の可能性を見ることが出来た。ありがとう」

マコトが手を差し伸べると、チノもそれを握る。友人として二人は固い握手を交わした。
今の二人はサーヴァントでもマスターでもなく、ただの友人だ。とても大切な親友だ。

「チノ。寂しい時はいつでもあの青い空を見てくれ。俺と雲雀はいつでもお前と一緒だ」

「わかりました。……本当はずっとマコトさんと一緒に居たいです。いつまでもこんな夢を見ていたいですが……私にも帰る場所があります。それに皆さんの想いを無駄にするわけにはいきません……」

「ああ。お前達と過ごした時間は俺にとって宝物だ。魂を燃やして生き抜いた姉妹のことを、いつかタケルやアランにも教えてやる」

「私にとっても、マコトさん達と過ごした時間は宝物です。……私達が元の世界に戻っても、雲雀さん達と一緒にちゃんと見守ってくださいね」
「もちろんだ。約束する」

チノはマコトとそれだけ言葉を交わすと、扉へ向かおうとして。

「じゃあ指切りげんまんしようよ!」
「……いいですね。ココアさんにしては名案です」

指切りげんまんを提案するココアに便乗して、微笑んだ。マコトもそれを断る気はなく、二人は指切りする。
この提案はココアなりに気を利かせた結果でもあった。

「それじゃあ。今度こそ帰ろうか、チノちゃん。……行ってきます、マコトさん!」
「それでは……行ってきます、マコトさん。またいつか、会いましょう……」

ココアは元気良く手を振って。チノは小さく手を振りながら、微笑んで。くるりと一回転すると、姉妹は扉をくぐり抜けた。
同じ笑顔でまた会えると信じて――。

「ああ。またいつか会おう、チノ」

マコトは姉妹が日常へ帰る様子を見届けると、英霊の座へ還る。

人生は誰もが皆、一度きりだ。受肉してチノ達と平和に暮らす日常も悪くないが、姉妹を無事に元の世界へ送り届けた時点でマコトは満足していた。だからこうして座に還ることに対する後悔は一切ない。

それに全てのものは――想いは無限に繋がっている。自分がこうして座に帰っても、チノと過ごした時間や想いが消えるわけじゃないとマコトは信じている

【保登心愛@ご注文はうさぎですか? 生還】
【香風智乃@ご注文はうさぎですか? 生還】

【深海マコト@仮面ライダーゴーストRE:BIRTH 仮面ライダースペクター 英霊の座へ帰還】

1735名無しさん:2022/04/14(木) 19:04:34
>>1732
チノが聖杯に願いを述べて三人(チノ、ピーター、マコト)が姿を消した後、クルーゼ配下の少数部隊がシャア達の元に現われた
自分達が遺跡内部に入って謎の現象が起きた後、ムスカ親衛隊も大人しく投降したことで数名の兵士がクルーゼ達を探しに来たのだ
そこでシャアはクルーゼ隊長は戦闘の末に死亡したこと、少年少女の協力者はあの光の最中に姿を消してしまった(と若干嘘をつく)、今回の騒動の首謀犯の一人であるムスカ国王を捕まえた、などの事情を説明した
その言葉を元にクルーゼの亡骸を見つけた兵士達はいたたまれない表情を浮かべ、クルーゼ隊長や少年少女達の尽力により先の激震が静まり異変は治まった、とシャアは付け加えた
そしてシャアとムスカ、クルーゼの遺体は兵士達に連れられて遺跡外へと脱出し、しばらくはレムリアの軍事基地に留まることになった

その後、シャアは各地を奔走し多忙な時間を過ごすことになる
聖杯戦争中の数日間に起きた事件の数々、特にレムリア飛行艇発着場付近における大規模な戦闘と甚大な被害の後処理
その裏にムスカ国王が関与し、さらには親衛隊を私物化してレムリア島内において多数の犠牲を出す暴虐の数々が目撃され、様々な黒い噂も溢れ始めてくる
またムー島のホメロス司令、レムリア島のクルーゼ隊長が揃って死亡したことにより両軍で指揮系統に混乱が発生、場合によっては武力衝突しかねない緊張状態に陥っていた
それらに対してシャアが説明や説得して回り、今は空島の安泰と人々の平和のために手を取り合って一つ一つ問題を解決すべきだ、と演説せざる得なかった
だがその甲斐あってか、空島崩落の危機を救ってくれた英雄の一人として目されていたシャアの言葉に耳を傾ける者は多く、人々はいがみ合うよりも協力して傷を癒やすことに力を注いでくれた



やがて、シャアの働きは国際的にも認められて、二つの島のさらなる安定と発展のために新たな役職に就くことになる
その際にシャアは一人の秘書官を紹介される、もっと政務活動や各所調整が多くなることを見越しての補佐役として一人の女性がシャアと対面した

「本日より秘書官として任命されました、----・----です。よろしくお願いします!」
「君は…以前、どこかで出会ったような気がするのだが」
「?いえ、これが初対面、のはずですが?」
「―いや、失礼をした。シャア・アズナブルだ。こちらこそよろしく頼むよ、----」
「はいっ!」

―――実は言うと、シャアには見覚えのある女性であった
宇宙世紀の世界で出会った人物と瓜二つ、名前まで一緒であったが、彼女にはシャアに関する記憶がなく初対面のよそよそしさがある
つまりはシャアの知る宇宙世紀の人物とは別の人生、この空島で生まれ育った別人であることをシャアは理解した
理解はしたが、少しばかり複雑な想いも抱いていた
けれども彼は今目の前にいる女性のことを尊重し、過去の出来事とは別に彼女と共に数々の難題に立ち向かうことにした
―――やがてその関係にどのような変化が訪れるかは、運命は誰にも分からない


【シャア・アズナブル@機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 生存、空島に残り第二の人生を歩む】
【エピローグ『BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を超えて〜』】


【あとがき】
シャアEPに一人の女性を添えたのは超個人的な趣味によるトッピングです、こういうのを想像せずにはいられなかったのです
この人物が誰なのかはこの場では明言せずに個々の想像にお任せします(一応自分は■■■■■■■のあの人のつもりで書いています、できれば幸せになって欲しいものです)
あとシャアには他にも小話を考えていましたが上手く纏められなさそうであり長文化しそうなので割愛、今回は区切りよいところまでにしました
その小話というのは「数年後、シャアは両島の統治者になる」「ムー島にある風化νガンダムに会いに行く」「ムスカは特別収容されるが、度々会っては色々と話し合っていた」などです、このエピソードとは別枠として誰かが書いてもいいですよー

1736名無しさん:2022/04/14(木) 21:05:47
>>1734
いつもの日常を取り戻したココアとチノ。
リゼやティッピー、シャロや千夜など皆が行方不明になった二人のことを心配していた。

「……チノ!?それにココアまで!今までどこに行ってたんだ?みんなずっと心配してたんだぞ!」

ラビットハウスにいきなり帰ってきた二人を見て、リゼが驚愕する。
どうやら「ずっと心配してた」という言葉に偽りはないようで、リゼの目の下にはクマが出来ていた。

「急に飛び出してしまい、ごめんなさい。……少しだけ旅に出ていました」
「うん。長くて色々と苦労したけど……いろんな人と仲良くなれて楽しい旅だったね、チノちゃん!」
「はい。おかげで人間の可能性や諦めない心というものを知ることが出来ました」
「かっとビングだね!」

急にわけのわからないことを言い始めた二人にリゼは困惑する。
なんというか、どこからどうつっこめばいいのかわからない。でも二人とも上機嫌そうだし、チノが心の底から微笑んでいるからまあ良しとする。

「……まあ二人が無事で良かった。皆にもすぐに連絡しなきゃな」
「はい。……ありがとうございます」

リゼが連絡して暫くするとシャロや千夜が集まってきた。そしてチノの頭にはお馴染みのティッピーが。

「旅行に行ってるなら私達にも連絡くらいしなさいよ……!」
「シャロちゃん、旅行に置いて行かれて寂しかったみたいよ」
「そ、そんなことないわよ!」

たった数日この世界から離れていただけなのに、随分と久しぶりに二人の姿を見た気がしてココアとチノは微笑む。

「ココアちゃんもチノちゃんも、無事で良かったわ。それにしても二人きりで旅行なんて……いつからそういう関係になったのかしら」

仲良く微笑んでいたら、思わぬ流れ弾がきた。そういう関係とは、つまり姉妹以上の何かを指すのだろう。

「ただの姉妹旅行です……!」
「えっ!?チノちゃん今、姉妹旅行って……!」
「言ってないです」

咄嗟に反応した結果、つい姉妹という言葉を使ってしまった。ココアは嬉しそうに喜ぶが、チノはすぐに否定した。
そんないつもと変わらない日常のやり取りに、皆で笑い合う。ようやく自分達は日常に戻ってこれたのだとココアとチノは実感した。

「そういえば二人が帰ってきたらパーティーすることになってるのよ。今から他の人達も呼ぶわね!」
「そういえばそんなことになってたな……。ここ数日はずっと二人のことが心配で忘れてた……」

突拍子もなくパーティーを始めようとする千夜に、それを聞いて何か思い出したように話すリゼ。リゼの反応的に千夜の言葉は本当らしい。

「パーティーですか。……たまにはそういうのも、悪くありませんね」
「うん!私とチノちゃんの、帰宅パーティーだよね!!」

チノとココアが喜んでるのを見たリゼはパーティーを決行すると誓い、準備をするから二人に暫く散歩してくるように言った。

「……私達、帰ってきたんですね」
「うん。おかえり、チノちゃん!」
「ココアさんもおかえりじゃないですか」
「それもそうだったね」
「まったく。相変わらずココアさんはココアさんですね」
「チノちゃんもね!」

他愛のない日常のやり取りをして、チノは「ふふ……」と微笑んだ。釣られてココアも笑う。

「パーティーが楽しみだね、チノちゃん!」
「はい。いったいどんなパーティーになるのでしょうか……」

そんな会話をしていたら、リゼからパーティーの準備が完了したとの連絡が来た。
久しぶりに元の世界へ戻ってきた影響で少しだけ道に迷ったりもしたが、二人はラビットハウスの付近へ着く。

「ここら辺だったはずですが、ラビットハウスのドアはどこでしょうか……」
「こっちだよ、チノちゃん!」

チノの手を引っ張り、ココアが駆け出す。その姿はどう見ても姉妹そのものだった。そして二人はラビットハウスへぴょーんっと飛び込む。

「おかえりなさい」

リゼや千夜やシャロの他にもマヤ、メグ、青山、モカ。更にはココアの母親などパーティーへ集まった皆が二人を迎え入れてくれた。

「「ただいま」」

だからココアとチノは笑顔で「ただいま」と言った。二人の声が同時に重なったのは、ただの偶然か、それとも――。

そして二人が戻ってきたお祝いパーティーで最初にしたことは、まさかのダンス。

「いや、どうしてダンスなんですか……」
「まあまあ。今を楽しもうよ、チノちゃん!」
「今を楽しむ――ですか。そうですね」

ココアの言葉にチノは頷く。きっとマコトも、チノが今を楽しむことを望むだろうから。

「ほら、チノちゃんも。ダンス、ダンス!」
「まったく。しょうがないですね……」

くるんっと一回りしてチノも皆と共にダンスを始める。
天空聖杯戦争を終えた二人のマスターは、元の居場所で仲良くダンスをした。

1737名無しさん:2022/04/14(木) 21:10:24
>>1736
妄想?現実?今となってはどっちなのかわからないほど、不思議な日々だった。
だが妄想でも現実でも、どっちでもいいんじゃないかなとも思う。大切なものはマコト達から受け取った想いだ。
今はもう天空カフェテリアに――空島には居ないけれど。それでも心はずっと彼らと同じだ。

その日、幾つもの流れ星が降り注いだ。それはまるで夢のように幻想的な光景で――聖杯戦争で仲良くなった皆が自分を見守ってくれていると、チノは思った。

「短い期間でしたが、ありがとうございました。皆さんのことは、絶対に忘れません」
「私もカイトさんやルカちゃんのこと、絶対に忘れないよ。もちろんずっとチノちゃんを守ってくれたマコトさんのこともね!」

二人で夜空を見上げて、それぞれの想いを流れ星にぶつける。
聖杯戦争は終わった。だがその思い出は決して色褪せることがないだろう。

「そういえばトランプを使ったらここでもデュエル出来るかな?」
「いやそれは無理だと思います……」

こうして二人の日常は再び始まる。その日からチノは青空を見ることが多くなり、ココアはカードゲームや人形遊びにハマりだしたのだという――
青空にはいつも雲が浮かんで、それを見る度にチノはくすりと笑っている。


「ココアさんも。……いつも元気をありがとうございます」

ちなみにその日の夜――ココアが眠った後、チノはそんなことをココアに囁いていた。
チノは聖杯戦争で様々な友に出会い、失ってきた。しかし彼らの想いを知ることで強くなれた。ココアと共に新しく歩き出すことも出来た。

もしもココアが居なければ――きっと彼女は聖杯戦争で生き残れて居なかっただろう。それほどチノにとってココアの存在は大きい。保登心愛と深海マコトは、香風智乃にとって非常に大切な存在だ。

そして皆で勝ち取った未来をチノはココアと共に生きてゆく。
皆の想いという光と未来は、この手にある。これからも色々あるかもしれないけど――ココアやマコトとならいつだって前を向ける

【エピローグ『Daydream sky 〜Dear My Sister&My Friend〜』】

1738名無しさん:2022/04/15(金) 18:07:15
チノ、ココア、マコトと最後の言葉を交えて扉を明けた後、気付けばピーターは高校の屋上にいた
最愛のメイおばさんを殺された後、深い悲しみで何も考えられなくなったピーターは知らず内にいつも訪れていた屋上に来てうずくまっていたのだが、その際に聖杯戦争に喚ばれて空島世界で数日間過ごした後に元の時間軸へと戻されたのだ
そのためピーターの事を心配したMJとネッドが(誰にも知られずに帰還したばかりの)彼の元へと駆けつけて抱き合うのだが、ピーターは状況を思い出すまでに少しの間戸惑っていた

その後、彼女達が連れてきた二人のピーター(ライミ版とウェブ版)との邂逅してヴィラン達を治療する作戦を継続する、というのは原作映画と同じ展開が続く
ただ少し違う部分として、メイおばさんを殺したゴブリンに挑発されても怒りを抑えて殺意までには至らずに、ライミ版ピーターの助けもあって無事に治療薬投与に成功させていた
また、次元の裂け目が生じてマルチバースの侵食が始まり「ピーター・パーカーを知る者」たちが大群をなして現れ始めた際には、聖杯戦争で出会った人物の姿も幾つかは存在していたようだった

ともあれ、MCU世界の崩壊を防ぐべくピーターはとある決意をし、Dr.ストレンジに「自分の記憶をすべての人々から消し去る」魔術を行使してもらい、この世界を訪れたすべての人物を各々の並行世界へと帰還させた
その代償として、あらゆる人物がピーターに関する記憶を失った。MJやネッドだけではなく、別世界に帰還したチノやココア、空島に残ったシャアなどの記憶からもピーターの存在は消えただろう
それでも、ピーターは彼ら彼女らを覚えている
あの聖杯戦争での経験も思い出も、自分だけは忘れないようにしながら、彼は再びスパイダーマンとしてニューヨークへと飛び出した


【ピーター・パーカー@スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム 生還】
【エピローグ『Spider-Man:Chain Of Memories』】

1739名無しさん:2022/04/15(金) 19:00:41
ムスカは全てが終わった後、政治的な権力を削がれて軟禁された。
色々やらかしまくったとはいえここは王国でムスカは国王であり、すんなり処刑されるような存在ではなかったのだ。
幸いにというか、ムスカは処分に対して徹底的に抗うことはなかった。
聖杯戦争の脱落、なんやかんやあって空島滅亡の危機を乗り越えた事、サイコフレームで人々の心に僅かながらも触れた事などで、
彼もなんらかの心境の変化があったのかもしれない。
あと、ムスカは聖杯戦争が始まるまで表向きは良き国王を演じきっており、元の世界の経験や知識を活かして空島の発展にも貢献していた。
それでもやはり侵攻したレムリア島には糾弾を求める声も大きかったが、ムー島の民には未だに一定の支持があり、
処刑したらクーデターのような印象を他国に与えるなど複雑な政治的事情もあり、ギリギリでこのような処分に留まった。

その後のムスカは歴史の表舞台から姿を消す。
聖杯戦争の終わった後、しばしの平穏を取り戻した二つの島だがその後も続く歴史で色々と大事件は起きた。
事件は島の内から起こることもあれば、外からもたらされることもあった。
例えば技術革新による社会の変化と動乱、他所の空島との武力衝突、未知の巨大生物との遭遇・戦い、二島の衝突まで起きた。
慌ただしい歴史の中、ムスカの行方は歴史の影に埋もれた。
病死した、他国へ亡命した、暗殺された、地上に渡ったなど、様々な話が残っているが、真相は不明だ。

さて、聖杯戦争が終わって数年後、豊穣の儀式が行われた年、この世界である本が出版されて少しブームになった。
それは人々が地上に暮らすのが当たり前の世界の物語。
雲の中に浮かぶ天空の島を喪われた王家の血を引く青年が海賊達の妨害を受けながらも見つけ出すという冒険活劇であった。
作者は不明…ということになっているが当然ムスカである。(内容もその王家の青年がヒーローに書かれている…この程度はご愛敬。)
この世界に渡ってからもラピュタの事はひた隠しにしていた彼がなぜこのような本を世に出したのか。
もしかしたら彼もこの世界に何かを残したいと思ったのかもしれない。

【ムスカ@天空の城ラピュタ 生存 詳細は不明】

1740名無しさん:2022/04/15(金) 19:03:50
(フルネームの方がええな)
>>1739
【ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ@天空の城ラピュタ 聖杯戦争を経て生存。空島の世界に残り己の行動の責任をとり軟禁されるが、その後の生涯は歴史の影に埋もれる】

1741 ◆gXaKV49AZQ:2022/04/15(金) 19:45:44
これでほぼ完結かな、とにかく皆さんのご協力でここまでこれました、お疲れ様です。
あとは17日まで補完とかネタとか感想とか、ご自由にどうぞ。

1742名無しさん:2022/04/15(金) 20:08:15
マズルカはいざ当選したらやべっ省エネでありながら集団直接戦闘まで強いのは性能面でちょっと盛り過ぎたか…?と不安になった
(補充容易な手下沢山&魔力消費省エネ&諜報できる&馬車小屋で隠匿などなど)
けど、特にセフィロス相手に白熱した闘いを展開してくれて燃えた
未把握だったらしいけどセフィロス&クルーゼvsマズルカ&バッターの戦いがすごく良かった(語彙不足)

1743名無しさん:2022/04/15(金) 21:27:24
個人的反省点は序盤とかで空島の設定(祭事とか関係)を固めようとしたけど結局あまり活かせなかった事
細かい舞台設定を作ろうとするよりキャラクターをガンガンぶつけ合った方がイイ感じになるなと思った。

1744名無しさん:2022/04/15(金) 23:44:17
エレンも木場さんも鬱展開になるかなって思ったんでこうなるとは思わなかった

1745名無しさん:2022/04/16(土) 16:51:38
ドッピオでいる間は鯖としての気配まで消える→けどマズルカのスキル「魂の魔女」によってドッピオおよびディアボロがバレる、なんて展開を考えてはいたが機会がなかったぜ

1746名無しさん:2022/04/16(土) 23:20:30
ちょうど企画中に禁書シリーズ読んでて強力な助っ人が助力を申し出ても譲れない何かのために自分で解決しようとする上条さんかっけえ…って思った結果が>>1704のチノの行動に繋がった
その後両島の軍人たちが自分達の意志で助太刀にきてくれたのには燃えた

1747名無しさん:2022/04/16(土) 23:24:51
・仮投下スレのおかげで勢いで書いた展開を後から破棄できたり未把握キャラでも指摘受けて修正したりできたので助かった(いっぱい破棄した…)
・舞台が2つの島に別れてたおかげで片方の島のイベントにもう片方は関われない、その島にいる面子だけでなんとかするしかなかったので
 それがかえって一度に関わる人数とかが制限されて書きやすかったと思う

1748名無しさん:2022/04/17(日) 00:02:04
ある程度地理的なり情報的なり分断されてる方が話を作りやすいのはわかった
これが情報化社会!SNSで顔バレ!みたいな感じだと一人一人のキャラが常に情報を容易に調べられるからそれを考慮して語らなきゃいけなくなる
場所も簡単にはいけないから一度に絡むキャラ数が減って語りやすい

1749名無しさん:2022/04/17(日) 16:19:35
本家の新ゲームロワみたく死亡後なら兎も角、死亡前から参戦なホメロスがああなるとはいい意味で予想外だった
(実際おそらく死亡前から参戦なオール3だと終始マーダーだったし)

1750名無しさん:2022/04/17(日) 17:10:42
ごちうさは妄想ロワでも本家ロワでも悲惨枠の印象が強かったから今回もごちうさの二人は鬱枠になるかなーって思ってたらまさかここまで熱く語られるとは……

1751名無しさん:2022/04/17(日) 17:36:18
今回サブタイつけるなら
Fate/Unbroken prays(壊れぬ祈り)
Fate/No throne kings(逆座なき王たち)
Fate/Exorcise dark cloud(暗雲を祓え)
のどれが良いかな……

1752名無しさん:2022/04/17(日) 19:40:46
相馬組の襲撃とカイト&カイムの決闘のすり合わせの結果助かったな…。

1753名無しさん:2022/04/17(日) 21:56:28
今回はリョナ大好きな人がほぼおらんかったのてはと思う

1754 ◆gXaKV49AZQ:2022/04/18(月) 17:04:47
色々と問題点や困難がありましたが、今回も無事に妄想聖杯戦争を完結まで走りきることができました。
それもこれも企画を盛り上げるのにご協力いただいた皆様のおかげです、誠にありがとうございました。

これにて番外企画は終了となりますが、感想とか反省点とか何かあればご自由に語ってください。もちろん、本スレで企画中の内容を妨げない程度で。
あとそれと次の妄想聖杯戦争の構想もありますので、やる気のある方は手を挙げてください。

1755名無しさん:2022/04/18(月) 17:30:50
企画主様お疲れ様でした
次回は語り参加できないと思いますが、せっかく作った陣営がもったいないので
仮に次があるなら自分のは使用フリーにしたいと思います

1756名無しさん:2022/04/18(月) 20:04:17
黒幕投票がギリギリまで拮抗してたときはどうなることかと思ったがギリで決着ついて良かった

1757名無しさん:2022/04/19(火) 22:02:15
初代が相性ゲー+平成伝奇もの
大戦がチームバトル+近未来SF
天空が生存・政治戦略+ファンタジーって感じで三つとも個性が上手くバラけたね

1758 ◆gXaKV49AZQ:2022/04/20(水) 16:46:31
ご相談です、既に次の妄想聖杯を企画していますが、もし実施するならば次のどの時期が良いでしょうか、しばしご意見求めます
 ①2022年10月〜12月 ②2023年1月〜3月 ③2023年5月下旬〜8月上旬
なお上記の日程は企画主が語りやすい時期を選んでいます

1759名無しさん:2022/04/21(木) 00:18:07
個人的には案①が良いです

1760名無しさん:2022/04/23(土) 00:05:46
天空、医者の鯖はエレンとかでも割と終盤まで残ったりしたんかな。あまりどちらもモラルで行動が縛られなさそうで狡猾に立ち回れそう

1761 ◆gXaKV49AZQ:2022/06/25(土) 18:54:47 ID:qSGE3MOA
お久しぶりです、妄想聖杯の企画主です。
以前雑談スレにて本格的にパロ聖杯企画を立ち上げることを宣言した後、色々と準備してOP・ルールと専用したらばと@wikiをひとまず作成してみました。
本スレ自体は8月頃に俺ロワ・トキワ荘にて立ち上げてコンペから始める予定ですが、ひとまずルールなどを妄想ロワ民に確認してもらって指摘などをいただきたいと思ってこっちに告知しました。
以下に専用したらばと@wikiのURLを貼りますので、皆さんの感想や意見をお待ちしております。(とりあえず専用したらばにてコメントをお願いします。)

専用したらば : ttps://jbbs.shitaraba.net/otaku/18417/
@wiki : ttps://w.atwiki.jp/whiteveil/

1762名無しさん:2022/06/25(土) 22:30:03 ID:.s2TEG7M
>>1761
報告乙です。
都合で参加はできないけど応援はしてます

1763名無しさん:2022/07/08(金) 23:16:45
あげ

1764名無しさん:2022/07/09(土) 00:00:02
妄想ロワ交流会      完

ゴリラコング@混沌ロワ3「自分不器用ですが、やってみるッス!」
とゴリラコングは器用な手先で文字を組み替えた

妄想ロワ交流会      つづく

ありがとうゴリコン君!というわけでちょこっとだけ続きます!

1765名無しさん:2022/07/09(土) 00:12:38
オルカ2バート「……という訳で、俺とこいつ、俺達が銃を撃ったせいでゾロリ先生を死なせてナルトを辛い目に遭わせてしまったんだ、ゴメンな二人とも……」
オール3バート「アイカランバ!?……俺もごめん!」
オルカ2ユウリ「ナルト君、私が誘ったせいで君まで巻き込ませて……本当にごめんなさい!」
ゾロリ「……結果は悪かったとはいえ、俺様達は互いに助けようとベストを尽くしたんだ。悪く思う必要なんか無いさ」
ナルト「オレがユウリについていったのは、オレ自身が決めたことなんだ。そんでオレもユウリに頼り過ぎて追い詰めちまった…
もっと他に出来たかもしんねーのに、オレも悪かったんだってばよ……」

1766名無しさん:2022/07/09(土) 00:17:21
ゴジラ@オルカ2『見つけたぞ我が宿敵ギドラよおおおぉぉぉ!!さあ俺と戦ええええぇぇぇ!!』(もし喋れたらこんな感じ)
スペースゴジラ@オール3『ウルトラマン殺すべし。慈悲はない』(もし喋ry)

不遇団との戦闘中よりにもよってこいつらが乱入してくるとはなぁ
ターゲットにしか興味がないとはいえ、無差別に暴れてるのに変わりはないから厄介だったなぁ

1767名無しさん:2022/07/09(土) 00:29:05
主催ロワのクロスやスエボシ、パラガスはアンパンマン号の持ち主たるリピ13アンパンマンのとこに顔を出して敬意示してたな
それを我が事の様に喜びリピ13アンパンマンを讃える年代別アンパンマンと、お前の手柄じゃないだろと毒づきながらまんざらでもない様子のリピ20句楽
そんな句楽に暖かな目線を向けるリピ20ザ・ヒーロー

1768名無しさん:2022/07/09(土) 00:45:44
不穏な展開になりそうだった架空3響とオール3未来だったけど、リピ20響が割って入ったため事なきを得た
リピ20響も架空3響を頭ごなしに否定するわけではなかったが

1769名無しさん:2022/07/09(土) 08:15:16
映画ロワの剣心と志々雄が一時的な共闘→帰還後チェーンソーでどつき合うなんて事になったのを知って困惑してるオルカ2縁には草

1770名無しさん:2022/07/09(土) 08:21:02
安価2の方の獪岳もリピ20の方の獪岳もやっぱりジェノザウラーな善逸(オール3)には困惑するんだなって(小並感)

1771名無しさん:2022/07/09(土) 08:37:40
厨二スコールとオルカ2スコールはやっぱ
デュエル
するのか!
そしてそれを見守る厨二遊戯と2人のデュエルを見てカードゲームに興味を持ったカタナコちゃんなんて一幕
(ナナドラⅢではデュエリストって職業がある他DLCを使うとカタナコの外見が使用可能になる)

1772名無しさん:2022/07/09(土) 08:55:46
『バスクは確かに傲慢で無能、卑怯で差別的で悪い大人で、偉ぶってるけどなんか抜けてる変なおじさんではあった』
『だけど、魔竜をも恐れず立ち向かう男であり誇り高き戦士だった。あなたごときが、彼を馬鹿にする資格なんかどこにもない!!』
「…………」
『剣よ白き月をともせ! 黒き巨人の咆哮と共に! エクスカリバー!!!』

アルトリア@リピロワ21「バスク、あなたとこの場でまた巡り会えたこと、光栄に思います」
バスク・オム@リピロワ21「……見事だったぞ、アルトリア」ボソリ
アルトリア「へ?今何か仰いましたか?」
バスク「何でもない。それよりもおまえ、何のつもりだ口元を真っ黒に染めて
そんなはしたないザマでは、揃いのゴーグルを付けてる私の品位まで落ちる」
アルトリア「え〜と、美味しいチョコレートを見かけて、つい……」

セイラ@オールカオス2(バスク大佐と同じゴーグルを付けてる女が蛙チョコの山(@オール1)に飛び込んでいってたけど、やっぱり大佐の知り合いなのね。仲間なのだろうけどすごく怪しいわ……)

1773名無しさん:2022/07/09(土) 09:19:32
ゼットさんの同僚になった主催ライナーとゼットさんと一体化してるオルカ2の巴の絡みとかあったなあ
後巴はハルキとも話してた…元ロワだと一方的に託される形になってたので何気に会話した事は無かったりする

1774名無しさん:2022/07/09(土) 09:22:10
野薔薇姉貴、間もなく出会ったのがオール3カクタスマンことダニエルや安価2虎杖、オルカ2伏黒という
元ロワの「幸せな夢」を思い起こす面子だったからちょっと複雑な表情を浮かべてたな
まああっさり順応して、虎杖の仲間・りり@安価2の都会ギャルなファッションに興味津々だったり
エピローグで髪切ったのり夫から、彼が想いをぶちまけたことを察し「よく頑張ったな」って褒めたり

1775名無しさん:2022/07/09(土) 09:32:06
オルカ2の夏油に対して思う所がだいぶありそうな感じだった安価2夏油

1776名無しさん:2022/07/09(土) 09:40:44
ロワの時期がズレてたらティーダの(以下略)ネタと目標は優勝だ!の台詞からホモマーダーの一員になってたんじゃね?とふたば連合@黒・白ロワに言われるワッカには草(後今ならワ禁要素も再現されるのではとも)
高奈ちゃん@オルカ2やソラ@オルカ2、後剣ロワの方のソラやキマリ@猫ロワには否定されてたけどワッカ当人はミーム出典なのもあってあり得たかもなあ…って感じの反応してた

1777名無しさん:2022/07/09(土) 09:47:09
デマーセルを倒す為かつ一時的とはいえ雷撃のセプティマ習得を受け入れた安価アキュラに驚いてたオルカアキュラとオルカ2アキュラ

1778名無しさん:2022/07/09(土) 10:07:26
リピ21の直哉くんに対して最初は警戒してたけど、会話の中でこの人はあの最低な人(オルカ2直哉くん)とは違うってなったオルカ2ジェニファーちゃん
一方やっぱり別世界の自分がやらかしてた事を被害者から直接聞く事となった直哉くんは申し訳なさげにしていた

1779名無しさん:2022/07/09(土) 10:12:58
クロちゃん@オルカ2が野獣(リピ19→オルカ2)とステージでコンビ漫才を披露するなんてこともあった
野獣「アイドルライブの幕間扱いだけどしょうがねえな〜(悟空)、お前ら、見とけよみとけよ〜」
クロちゃん「団長やHIROくんとの日々が懐かしいかも……でも良かったの?僕に付き合わせちゃって」
野獣「クロちゃん、俺と最初(混沌5)に会った時、『生きて帰ったら僕の漫才観に来てね』って話したっすよね?
あの時の約束以上のことを果たせそうで俺は感無量だって、はっきり分かんだね。クロちゃんこそ俺のわがまま聞いてくれてよかったんすか?」
クロちゃん「あ〜ん、当然だしん!僕も最初に会えたのが田所君で本当に良かった!」

チャド「む…一護、あのスキンヘッドの男、テレビで見たことないか?」
黒・白一護「ええっと、何とかっていうトリオの芸人だよな……何でこんなところに居るんだ?」
なおBLEACH世界だと安田大サーカスは存在するゆえに一部首をかしげる者もいたとか(劇場版第一作を参照)

1780名無しさん:2022/07/09(土) 10:25:19
主催ジーナ、不遇団戦ではオルカ2未久と戦ってたな
ある意味兄みたいな存在と言える(未久の技術が主催ジーナに使われてるため)彼に、かつてそのっちが自分にしたように手を伸ばそうとするジーナと、「…君に俺の何が分かるって言うんだ?同じ造られた者の癖に…のうのうと人並みの幸せを謳歌している君に……何が!!!!」とそれを断固として拒絶する未久…

1781名無しさん:2022/07/09(土) 10:33:31
架空3アスランに会っちゃって案の定振り回される聖杯大戦のシン…まあマユと一時的な再会果たしたりもしてたからまだいいけど

1782名無しさん:2022/07/09(土) 10:41:02
安価3の兄上(厳勝)とオール3の兄上の絡みは良かった
後不遇団員戦にて開き直って化け物と化してた安価3兄上(黒死牟)との戦いも

1783名無しさん:2022/07/09(土) 10:45:39
色が見えなくなるわレ○プされるわトラウマ植え付けられるわで生還したのにズタボロ状態なオールリピ2のあいちゃんとそれに複雑そうな様子をしてた菜々芽ちゃん

1784名無しさん:2022/07/09(土) 11:18:11
元スレ>>3794
多数の継国兄弟と対峙する羽目になり絶体絶命の不遇団無惨(年代別)
同じく不遇団のオルカ2、オルカ2(リピ19)、オルカ2(アニ7)無惨トリオと安価3黒死牟が出てきたから助かったと思いきやロワ内の事情で(リピ19)と(アニ7)は役に立たない
それだけでは終わらず安価3巌勝、安価3縁壱、リピ21縁壱も継国兄弟側に駆け付けたので>>1782のように安価3黒死牟は安価3巌勝の一騎打ちに取られてしまい
その上継国インストールしたリピ21倫太郎も助太刀に現れる…人これを「焼け石に水」という

1785名無しさん:2022/07/09(土) 11:50:59
>>1784
い、一応不遇団側のオルカ2縁壱がリピ21縁壱に挑みかかったおかげで敵が減ったから…(震え声)
まあ敵の縁壱が一人減ったぐらいで絶体絶命の状況が好転するわけないんだけど

1786名無しさん:2022/07/09(土) 12:12:21
オール3イタチがマダラにしばかれた後の忍者ロワイタチだけど、弟の記憶を持つチャクラ宙返りサスケらファストフード組と出会っていたか
イタチはBORUTO世界にいるからハンバーガーとかは食した経験あったけど、今回改めてご馳走になった

イタチ「オレばかりいただいてすまない……返礼と言ってはなんだが、オレが作った目玉焼きをそちらのハンバーガーに挟んで食べてもらえないか」
カーネル「月見バーガーか、風流だな」
ドナルド「嬉しいなあ!ドナルド達もたまには食べる側に回ろうかな!」
サスケ「アンタが目玉焼き……?お手並み拝見といこう」
なお目玉焼き料理中の副産物としてオムレツやチャーハンも添えられることとなった

「何だ…アレは!?」「また幻術なのか!?」と思った人はサニー・サイド・バトルで検索するのだ

1787名無しさん:2022/07/09(土) 13:36:09
パワーちゃん@オール3も不遇団入りしようとしたけどダーク・ウルトラマン同様の理由で突っ返されてましたね……

1788名無しさん:2022/07/09(土) 14:34:24
聖杯大戦J・ガイル「ドーモ、ラバーソール=サン、J・ガイルです。前会った時より大分イキイキしてるじゃねえかあ〜っククク」
新架空4ラバソ「……両右手のJ・ガイルだったか、ビチグソが馴れ馴れしく何の用だぁ?」
架空学園4(新)世界ではディオがジョナサンに討ち取られているため
ラバーソールはJ・ガイルの事は伝聞でしか知らず、声をかけてきたJ・ガイルに不審な目を向けた
だがラオモト=サンやスペックも交え師弟同士で何だかんだ有意義な時間をとれたそうな

1789名無しさん:2022/07/09(土) 15:11:32
忍者ロワマダラを見て感慨深そうにしてるオールリピ柱間好き
一方終始警戒してたリピ13の扉間もらしくて好き

1790名無しさん:2022/07/09(土) 15:21:52
◆MoSoKakiteこと書き手氏、平行世界の自分が主催ロワ主催まで昇りつめたこと知って歓喜してたな
書き手氏「最高のハッピーエンドを呼び寄せる、最高の絶望!参加者の礎として暴れたなんて、僕ぁ幸せだなあ!」
富士鷹@オール3「ああっ!お前だなっ!俺の専売特許を勝手に使ってるの……!」

1791名無しさん:2022/07/09(土) 15:39:41
不遇団な旧架空4でのマーダーやってた真希パイVS新架空4の真希パイとかあったなあ
マーダーだった真希パイに理解は示してたけどそれはそれとして絶対止めるってなってた新架空4真希パイ

1792名無しさん:2022/07/09(土) 15:46:12
不遇団に居た魔眼ロワオビト&忍者ロワオビト&白銀ロワカカシ先生に対峙するオールリピカカシ先生と忍者ロワガイ先生、それにオールリピ2ナルトなんて一幕もあったね…

1793名無しさん:2022/07/09(土) 15:54:56
>>1769
不遇団戦では元ロワ最終盤同様背中合わせの共闘やってましたね…もちろん得物はチェーンソー>映画ロワ剣心と志々雄

1794名無しさん:2022/07/09(土) 16:04:16
不遇団側なギアッチョ@アニ7やペッシ@オルカ、リゾット@アニ6対リゾット@アニ7とプロシュート@アニ7と暗殺チーム同士の戦いが勃発してたね

1795名無しさん:2022/07/09(土) 16:30:45
>>1793
チェンソーぶん回す2人に反応するデンジ君には草生えた

1796名無しさん:2022/07/09(土) 16:54:13
リピ21だと再会できたが別れの言葉も交わせなかったネプテューヌとブランもこの会場でまた出会うことができた
終盤復活したとはいえリピ21での過ちからネプチューヌは尻込み気味だったが
ライザ達もいるかもしれねえ、探しに行くぞとブランが引っ張り出す

まず目に入ったクッキーおばあちゃん&ジェニファー@オリ2の洋菓子コーナーに寄って
ブランはクッキーモンスターが歓喜するようなチョコチップクッキーの束を焼いてもらい、
ネプテューヌはジェニファー作のプリンやクレープを食べ少し元気が出た

ネプテューヌ「……引っ張ってくれてありがとう、ブラン」
ブラン「……礼を言うのは私の方だ。あの時守ってくれてありがとうな、ネプテューヌ」

1797名無しさん:2022/07/09(土) 17:27:59
安価2夏油の事やそうなるまでの顛末を(リピ20の悟経由で)知って曇るオルカ2姫さま…
オルカ2虎杖も聞いてたけど、だいぶ思う所はあったようだ

1798名無しさん:2022/07/09(土) 17:51:41
不遇団戦にてズガンされてたオールでのヴォルデモートと対峙する魔法ロワのスネイプ先生とハリー、それとマルフォイはよかった

1799名無しさん:2022/07/09(土) 18:20:13
笑ってはいけないロワIN交流会…

1800名無しさん:2022/07/09(土) 18:33:19
言動がMURに汚染されたりしてたオルカ2ゲイツくんに動揺してた白ウォズには草生えたと同時にかわいそ…ってなった

1801名無しさん:2022/07/09(土) 18:59:46
クマ吉を止めた後の迅さん(鷹取迅@犯罪者)、同じ名を冠し同じセクハラ趣味をもつ迅さん(迅悠一@安価2)と意気投合してたな
今夜は行為自体は封印すると迅さん(犯罪者)は決めてたから2人+クマ吉、性帝巽で談義だけで盛り上がってたけど

1802名無しさん:2022/07/09(土) 19:10:19
蓮(リピ21)「…あれは本当に、城戸なのか…?」(不遇団側のリピ20の主催真司と対峙して)
鏡像真司(リピ20)「…間違いなく奴は城戸真司だ。ここまで摩耗しているとは…俺も思わなかったが。此処でもまた戦う事になるとはな…」

1803名無しさん:2022/07/09(土) 19:14:31
大人しくする気なんかさらさらない一部の悪役連中(主催ロワダグバとかリピ21のマッドオニキスとか)
不遇団の暴走に便乗してパーティーをメチャクチャするために動いてたなぁ
(少なくとも前回の振り返りの平成ロワ五代や>>1780の未久はこちら側)

1804名無しさん:2022/07/09(土) 19:15:46
>>1765
この後オルカ2の方のバートはビュッフェでドカ食い中のホーマーと再会していた
バート「親父……俺、親父とは別の世界に住んでたみたいで、ママの元に帰る約束、守れなかった……ホントごめん」
ホーマー「そんな気はしてたさ…パパの世界のお前たちは気がかりだが、パパはお前を守れて本当に良かったよ」
バート「ああ、親父ぃ……」
ホーマー「それはそうとここのチキンもドーナツもスシもピザもどれも美味い、み〜んな食べちゃうもんね……ほら、お前も食ってみろ」
バート「俺は大丈夫だよ、腹いっぱい」
ホーマー「どーしたんだスケッチなんか始めて」
バート「親父やみんなの事を少しでもなにかに残したくてさ……漫画描いてんだ、みんなのことを描きたくって」

オール3炎尾「待ていっ!!そこの君!まさかこのパーティー会場で漫画を描いているのかっ!その意気や良しっ!!」
バート「炎尾先生!……そっか、まだ俺の事知らないんだったね」
れんげ「にゃんぱすー」
ホーマー「にゃん?どったのお嬢ちゃん?」
蛍「れんちゃん、お邪魔しちゃ駄目だよお!」
れんげ「でもそのお絵かきする姿を見てウチも創作意欲が沸いたん。だから混ぜて欲しいんな」
蛍「ごめんなさい、れんちゃんはお絵描きが大好きで…」
オール3ひで「ぼくもしゅる〜」
LSまる子「おっやってるやってる、同業者としてあたしも混ぜてもらおうかねえ」
炎尾「え、待ってくれ!もしや貴方はさくら先生では……!?」
ホーマー「……ヘへヘ、バートお前中々人気者じゃないか」ワシャワシャ
バート「うわやめろよソースベタベタの手で!」

1805名無しさん:2022/07/09(土) 19:42:17
>>1804
「うんなかなかうまいな、どれ俺にも描かせてくれ」
などと言い出した鬼龍さんに悲しき未来……

1806名無しさん:2022/07/09(土) 20:11:12
>>1787
当のダーク・ウルトラマンはオール3以外のだと、リピ20の方は不遇団員に居てオルカ2の方はダイゴや遊戯と一緒に普通に不遇団と戦ってたな

1807名無しさん:2022/07/09(土) 20:29:49
「イリスにズガンされた俺の悲鳴が聞こえねえかクラウドさんよぉ!!」と不遇団に居るバレット@オール3がクラウドに銃撃してたりしたな
…そのクラウド剣ロワ出典の方なんだけど、なお途中でオール3の方のクラウドとエアリスがバレットの相手を引き受ける形になった模様

1808名無しさん:2022/07/09(土) 20:51:03
>>1803
オルカ2未久は死ぬ寸前に真実知っちゃったのもあって完全に「自らの生まれを呪い世界を憎む男」に成り果てちゃってたからなあ
後他だと前回の>>3839で出てた不良ロワ一護とオルカハルトマン(カギ爪)もそんな感じで動いてたのは覚えてる

1809名無しさん:2022/07/09(土) 21:22:18
>>1805
ほたるは笑い堪えるのに必死で赤面、まる子は引き気味で蒼白、ひでとシンプソン親子からはm9という結果でしたね……
一応れんげと(相手が画家として素人と判断した)炎尾は真顔でアドバイスしてたが

なお鬼龍さんはその後オルカ2明さんと決闘を果たしたりブタゴリラに稽古つけたり、
千枝がステージで歌う番になったら二人とともに聴いたりしてた模様
あと間違っても龍継出典ではなく鉄拳伝出典なのでネイティヴ・ダンスやゴリラコングといったゴリラキャラと関わったりはしなかった
ブタゴリラは名前だけゴリラなので例外

1810名無しさん:2022/07/09(土) 21:29:53
>>1797
姫さまは不遇団入りしてた天空聖杯の方の虎杖との戦いでも曇ってたね…野薔薇ネキに活入れられてたけど

1811名無しさん:2022/07/09(土) 21:45:18
新架空4の東堂とオリ8のヴァーツラフ・クレオパトラに、リピ21のチップス・HACHIMANが仲良く高田ちゃんの曲聴いてたのいいよね

1812名無しさん:2022/07/09(土) 21:55:41
ていとくんとばったり会ってビビって逃げようとするオルカ2フレンダ…だったけどリピ21の方だったから事なきを得たか
なおこの後オルカのむぎのんに追っかけられる羽目になる模様

1813名無しさん:2022/07/09(土) 22:03:56
>>1772
セイラとアルトリアのおかげで完全に毒気を抜かれ萌えオジと化しているバスクェ...

このあと両手に花と思いきや修羅場バトルに発展するのでした

1814名無しさん:2022/07/09(土) 22:08:45
誰だ

圭一×アスラン@架空学園3、種オルガ×鉄オルガ@リピ2020、ドラえもん×剣崎@主催ロワなどのBL本をどさくさ紛れに出版したのは

1815名無しさん:2022/07/09(土) 22:20:51
>>1814
架空3アスラン「シン!1!!!誰だこれを描いたのは!!!1!俺はホモじゃない!!!1!この馬鹿野郎!!1!!」

1816名無しさん:2022/07/09(土) 22:21:21
>>1811
そうそう、ジャイアンが出てくる前のカラオケ大会だけど
東堂とチップス、HACHIMANもとい八幡の3人で『青春アミーゴ』を歌ってたりもしてたな

1817名無しさん:2022/07/09(土) 22:31:40
>>1816
この和気あいあいとしたカラオケ大会の雰囲気がジャイアンの襲撃によって
阿鼻叫喚の巷になるなんて…
救護室が密になったのは言うまでもないです、ハイ

1818名無しさん:2022/07/09(土) 22:35:20
なお、ジャイアンリサイタルの際に壊れた電球やカラオケセットは
スタッフがきれいになおしました

1819名無しさん:2022/07/09(土) 22:39:57
オール2のシロエとオルカ2のリーゼの会話とかあったなあ
互いに生還しつつも心残り的なのはある(シロエはレーヴェの件、リーゼはひかりや総士の件)
一方動物ロワの方のにゃん太班長はカンナ共々不遇団入りしていた、まあ殺された挙句煮凝りにされたらねえ…

1820名無しさん:2022/07/09(土) 22:54:05
「冗談キツイわよ、何も成せなかった空気キャラどもォ!」
すろ子@オリ学園、不遇団が大幅強化され空気滅殺術も通用せず、真っ先に敵意をあらわにしてたな
でも君もオルカ2ではソッチ側だったんやで

1821名無しさん:2022/07/09(土) 23:35:44
オルカ2郁子「ロゼちゃんが言ってた峰田くんってのはキミだね?郁子自信あるんだけど冥土の土産に一発ヤッてみる?」
峰田「よろこんでお願いします!……えっマジで?マジで!?」
郁子「そうと決まれば、個室へレッツラゴー!」

ギシギシアンアン

郁子「はーさっぱりした。峰田ちゃんちょ〜っとがっつき過ぎだけどスジはよかったかな」
峰田「は、葉隠……オイラ、やったぜ。……これで心置きなく、逝けんだ……」カピカピ
葉隠「まったくもう……でも峰田君にとってはよかったのかな」(ロゼさんのクラスメイトさんぶっ飛んでるなあ……)

デク「うわあああ峰田くんがカラッカラに干からびてる!!」
爆豪「干しブドウとか体張ったネタんつもりかテメー」
葉隠「あっ緑谷君!爆豪君!」
峰田「お前ら……つるむ仲だったっけ……?」

「相変わらずだね、A組のみんな!何か名簿の後ろ側が多い気がするけど」

爆豪「あ゛?」
葉隠「えっと……」
デク「君は……」
峰田「お前は……」

「「「「誰?」」」」

アニ5冬夜「えっ」

この後オールマイトに会うことで冬夜の紹介もされたわけだけど
(元ネタ>>3644>>3653に追加)

1822名無しさん:2022/07/10(日) 00:06:47
不遇団だとリピ18でいつの間にか死亡、師匠の仇さえまともに討てなかったリピ18日向もいた
リピ18日向「何が『未来を創る』だ、運よくハイテクなスーツを手に入れただけで粋がりやがって……所詮お前もスーツがなけりゃ、俺と同じ何の取り柄もない無能なままだろ?」
音楽澪田「は、創ちゃんが不良になっちまったっすー!?」
七海「お願い日向くん!もう自分を、キミ自身の心を傷つけないで!!」
オール3日向「確かに俺はスーツがなければ死んでただろうし、恵まれてたのは否定しないさ。だがお前たちの暴走はこれ以上見過ごせないな、止めせてもらうぞ!」

1823名無しさん:2022/07/10(日) 01:17:51
元ロワで電池にされた不遇団側のアニ7猗窩座殿と殴り合う聖杯大戦の猗窩座殿なんて件もあったな…

1824名無しさん:2022/07/10(日) 01:45:01
不遇団側にいたジョーカー(警泥ロワ)とやけっぱちになって>>1803の連中の走狗になってた過去の自分相手に1人立ち向かおうとする明智@リピ20

1825名無しさん:2022/07/10(日) 02:04:37
リピ21絡みだと、宗次郎と感慨深そうにしながら共闘するリピ14の剣心(とリピ14の斎藤)とか、不遇団にいたりなりーを説得しようとする侑ちゃんとかあったな

18261825:2022/07/10(日) 02:05:43
(>>1825
すまんりなりーと侑ちゃんの下りの部分はなかった事に、文消し忘れてた…)

1827名無しさん:2022/07/10(日) 02:12:59
>>1794
あれ?混沌3の方のプロシュート兄貴は…と思ったら善逸に檄を飛ばしつつ不遇団と戦ってたか

1828名無しさん:2022/07/10(日) 02:26:06
複雑そうにもしてたけどオルカでのゼロ(オールリピ)の活躍を聞き喜ぶナナナスザクとナナリー
一方そんな彼ら経由でマリアンヌの事を知ってこれまた複雑そうにするナナナロロと、そんな彼に「気持ちはわかるけど素直に喜んでいいんじゃねーか?」(意訳)と言うルークらレプリカ組

1829名無しさん:2022/07/10(日) 02:37:03
元ロワでの喪失やリーシェの件とかもあってオルカ2のイリヤと美遊兄に遭遇した際に思わず目に涙を浮かべちゃうリピ20の美遊…

1830名無しさん:2022/07/10(日) 02:39:07
新架空4のゾルタン、リピ21のクリアソウゴの顛末を知ってどこか哀れんでる様子だったな…

1831名無しさん:2022/07/10(日) 03:06:41
>>1808
後はリピ20の鬼化マコト兄ちゃんも平成ロワ五代共々暴れてたのは記憶にある
結果平成とオルカ2と天空聖杯のトリプルマコト兄ちゃんと相対する羽目になっていた

1832名無しさん:2022/07/10(日) 03:51:16
>>1780
一方その頃、当のそのっちは渡と一緒に不遇団に入っちゃったカーラを止めようとしていたのであった

1833名無しさん:2022/07/10(日) 04:27:32
振り返りの>>4958
タイムロワルギエルに立ち向かったのは主催ライナー…だけでなく主催ルギエルも加勢してくれたのには驚いた

1834名無しさん:2022/07/10(日) 04:50:48
元人間と動物、トラウマにパラと不遇団入り率が高かった木場さんだけど天空聖杯の方は不遇団に立ち向かってたな

1835名無しさん:2022/07/10(日) 05:22:48
>>1808
元ロワの方はどこか覚めた様子で暴走してたオルカ2の自分を見てたな>未久
オルカ2のが暴れてたから逆に冷静になれた的な所がありそうと考察されていたが

1836名無しさん:2022/07/10(日) 09:41:29
オルカ2のかまぼこ隊は屋上プールで揃ったんだったか
伊之助「うははは俺がこの水浴場を制覇してやるぜ!猪突猛進!猪突猛しぃん!!」
善逸「待てってここ専用の着物付けなきゃ入れないの!!畜生お姉さんたち観てたいのにもう!」

炭治郎「…俺達もいこっか」
カナヲ「うん……」

甘露寺「あーーーーっ!!炭治郎君とカナヲちゃんだ 炭治郎くーーん!!カナヲちゃーーん!!」

炭治郎「あっ 気をつけてください!!乳房が零れ出そうです!!」危ない!!
カナヲ「炭治郎、声が大きいよ……」

1837名無しさん:2022/07/10(日) 10:01:14
「折角のパーティーだというのに、無粋ですねえ。ですがまあいいでしょう、腹ごなしにちょっとした運動といきましょうか」
フリーザ@リピ14が対不遇団に向かってくれたのは心強かった
Zのアニオリの影響か、食していたのはカニ料理だった

1838名無しさん:2022/07/10(日) 10:17:22
>>1832
「あのAKYSを倒したのにそれ以上を求めるとは贅沢な…」とカーラに対して心底呆れていたなぁ犯罪者ロワ黎斗

実際渡とカーラ不遇要素あんまないのになんで不遇団に…
と思ったら不遇団を操っている怨念の集合体の正体が主催ロワの名称不明だったからか
彼も不遇パワーによって大幅にパワーアップ。不遇キャラの洗脳はもちろん、繋がりの深い主催ロワ関係者も何人か洗脳していたのか

18391832:2022/07/10(日) 10:39:19
(>>1838
書き方をミスしてました、そのっちが渡と一緒に止めようとという意味で書いたつもりだったのに申し訳ないです…そしてフォローありがとうございます

1840名無しさん:2022/07/10(日) 11:00:34
>>1832
>>1838
(注釈が出た渡は置いといて)不遇かどうかだとそんなでもないカーラだけど無念の死ではあったからな…その結果芽生えてた心の闇的なのに漬け込まれた形となった
ちなみに怨念云々とかの考察は本編でも元ロワで原作終了後参戦だったリピ14十代が(主催ロワでの出来事や名称不明の事をそのっち達から聴いた結果)してたな…破滅の光やダークネスの事もあって思い至ったと思われる

1841名無しさん:2022/07/10(日) 11:20:05
不遇団だと振り返りの>>4992のイメージ力パワーや>>3789の敗北者煽りもあってクロム・ディザスター化したWSのシルバー・クロウ(春雪)が原作さながらに暴れてましたね…
安価3の方?不遇団には居たけどアニメ出典だから…と当初は思われたものの、アニメ版でもクロム・ディザスターになるフラグ自体は立ってるせいでこっちもクロム・ディザスター化するというひどい状況に

1842名無しさん:2022/07/10(日) 11:52:38
漫画ロワのナイブス、参戦時期(人間を滅ぼす気はないって語られてる)もあってか安価3レガートには(こちらも時期の都合上自分やヴァッシュらの事を知らない)普通に驚いてた様子だったか

1843名無しさん:2022/07/10(日) 12:06:08
>>1765後のユウリはというと、ムゲン団特製カレーを振舞ってたな
ポケモンバトル会場にはオール3の自分で間に合ってるだろうから別のことしようと考えて

アルル@オルカ2「おいしーっ!ボクたちもカレー作ってたけどユウリさんにも会いたかったな!」
ユウリ「ムゲン団はカレーには結構自信あるんだよ?私もアルルちゃん達のカレー食べてみたかったな」
ナルト「さっきサスケからもらったハンバーガーっての食ったばっかだけどいくらでも食えるってばよ!」
サウザー「フハハハ、カレーと聞いたなら行くしかあるまい!ケンシロウ、貴様もカレー好きだったな!」
ケンシロウ「確かにビーフカレーは好みだが……」

マキ@オルカ2「重樹、私達もユウリさんのカレーもらいましょっか」
重樹@オルカ2「ああ……出来ればその、おふくろのアイスティーも、また頼めるか」
マキ「ふふっ、お安い御用よ」

1844名無しさん:2022/07/10(日) 12:10:04
アニ7で成す術なく敗死した累は不遇団入りし、本格的に動き出す前に母蜘蛛こと累の母(アニ7)にも不遇団に入るよう強要する
が、オルカ2悟飯が駆け付け一瞬で累から引き離してみせた

悟飯「すまなかった……俺が不甲斐ないために君を守れなくて……!」
母蜘蛛「最初に襲い掛かったのは私の方だったから……あれ、確か片腕だったはずじゃ……」
悟飯「ああ、二度目の殺し合いで運がよく腕まで回復したんだ」

リピ17トランクス「ハアッ☆…悟飯さん!いらしてたんですね!お会いできてよかったです!」
悟飯「トランクス!逞しくなったね、見違えたよ……どうしたんだ敬語なんて使って」
トランクス「クセがついてしまって……そちらの御方(母蜘蛛)さえよければ、また俺に稽古をつけてくれませんか」
悟飯「願ってもない提案だけど、彼女に近づこうとする不穏な奴がいるからな……」
イオク@リピ17「このイオク・クジャンが彼女と周辺を見守ろう!怪しい様子があればすぐ二人を呼ぶぞ!」
トランクス「こちらはイオクさん、(心が)イケメンの最高過ぎる友達です!」
母蜘蛛(みんな、優しい目……お願い、もうちょっとだけ、この穏やかな時間に居られますように)

1845名無しさん:2022/07/10(日) 12:15:30
>>1830
クリアソウゴ当人は不遇団に入る気はなくさりとてオニキス達みたいに暴れる気もない虚無ってる状態になってたね
ただ対主催達が最期自分を助けようとしてたのには思う所もあるみたいだった

1846名無しさん:2022/07/10(日) 12:34:19
暴れてたのだとキュアマイ「だった物」@架空作品ロワもそうだったな
暴れながらも元ロワ同様どこか助けを求めてるかのような悲鳴をあげてたっていう

1847名無しさん:2022/07/10(日) 12:40:21
悪月元くんと悪正邪(つまりオールリピ出展)が混沌5のブルーロージィに連れていかれた裏でイチャラブするオルカの月元くんと正邪だったが...サグメと悟空@オール3の(義理の)親子を見ると一悶着が

悟空「母ちゃん、なんかこいつがオラたちのことを見てくっぞ」
オルカ正邪「母ちゃん!?、横にいるそいつはいったい誰なんだサグメ!」
サグメ「あの...話がみえないんだけど、どちらさま?」
正邪「どちらさまって、自分が産んだ娘の顔を忘れたのかよ!」
月元「どういうことなの...(レ)」

※東方界隈ではサグメが正邪の血縁者(母親)説があります。
 架空学園2世界ではサグメが正邪の正式な母親のようです。
 なお、原作東方では(少なくともオール3時点では)サグメは正邪と接触していません。

1848名無しさん:2022/07/10(日) 13:06:48
>>1841
しかもWSロワの方だと未登場のまま終わった黒雪姫も不遇団として暴れてたよな確か…
それに対してたのは春雪@アニ3と…お前もかよエスデス将軍@リピ14!
当然春雪の方はめちゃくちゃ複雑そうにしていた

1849名無しさん:2022/07/10(日) 13:17:07
フェイ(リピ21)がドモン(オルカ2)に詫びに行ったらオルカ2賢王…だけでなくアニ7の東方不敗やギンガナムまで来てわちゃわちゃした事になってたのは草

1850名無しさん:2022/07/10(日) 13:24:16
オールリピ2で最期友達になったヴィータとアラリア、屋外で仲良くゲートボール楽しんでたな
ヴィータに引っ張られ「やれやれだぜ」とぼやくもまんざらでもないオールリピ2承太郎もいたり
オリリピ2のアラリア総理のとこにいたマサツグ様も合流しなおした

1851名無しさん:2022/07/10(日) 13:57:39
死別したキラと再び会えて泣きそうになってたのを必死に堪えてたトゥルーデお姉ちゃん(どちらもリピ20の方)だけど、当のキラ本人から
「…泣いていいんだよ?トゥルーデ」
ってカズマ(オール3)リスペクトな事を言われて抑えようとしてた感情が決壊、そのまま泣きついちゃってたね…

1852名無しさん:2022/07/10(日) 14:31:50
侑ちゃん達から闇オルガの事を聞き曇る遊星(リピ17)と、光オルガがロワ内で言ってたのと同じく「楽な道に逃げちまっただけ」的な反応してたオルガ(オルカ)

1853名無しさん:2022/07/10(日) 14:52:43
タコ科学者「パラガス様、噂によると伝説のスーパーサイヤ人になれたそうですじゃな……」
主催パラガス「タ〜コ〜さ〜ん、そういうお前も戦い抜いて他の者たちを助けたそうではないか」
タコ「そう大層な志があったわけではありましぇん……私が関わったことで世界を救う瞬間に立ち会える、興味本位で動いただけですじゃよ」
パラガス「そう謙遜するな、理由はどうあれ、その結果を残したことにに嘘偽りはあるまい。
なにより先ほど、透明人間の小娘(>>1821の葉隠透)や青髪の小娘(オルカ2KOS-MOS)と仲良く話していたではないか。
あれほど慕われていながら、単なる興味本位だけなどとと言い出すお前の姿はお笑いだぜ?」
タコ「うわwへwへw!見ておられたんですかい?」
パラガス「皮肉なものだぁ、こんな清々しい気持ちになってお前達と向き合える日が来るとは……一杯いかがかな?」
タコ「よろしいんですかい?へへ、ではご相伴に預かりますじゃあ」

1854名無しさん:2022/07/10(日) 14:58:54
>>1851
安価2リーネ「…芳佳ちゃん」
安価2宮藤「うん、わかってるよリーネちゃん…ふたりきりの方がいいよね、こういう時はきっと…」
通りがかる形で遭遇してたけど、心配そうにしつつもそのままそっと立ち去ってたな…

1855名無しさん:2022/07/10(日) 15:06:34
元ロワだとマーダーだと思われながらも人知れず日暮の無双を止めてた斉木@超能力ロワ、不遇団に勧誘されたけど平成ロワのオーマジオウみたいに耐えてたな
そしてまた人知れず不遇団に対処するという

1856名無しさん:2022/07/10(日) 15:29:46
シャークさんと凌牙の同性同名コンビ(出典:安価3)に会って自分の知るシャークさんじゃない事と同姓同名の別人が居ることに驚いてるシャア専用ズゴックには草

1857名無しさん:2022/07/10(日) 15:41:10
オール3の悟空は>>1847のサグメやベジータに加え、のり夫とも再会してたな
のり夫は例のアレ悟空にエッチな写真要求されたなんてトラブルもあったが、その後リピ14の悟空シンジコンビに出会う

リピ14シンジ「ええっ、古賀さんって男だったんですか!?」
のり夫「別に敬語じゃなくていいよ。君とそんな年変わんないし」
リピ14悟空「おめえ秀吉と気ぃ合いそうだな。今は凛達が歌ってんの観に行ってるみてえだけど、何なら会ってみりゃいいぞ」
のり夫「もしかして君もその秀吉って人のその……こ、股間を足で触ったんじゃないだろうね……?」
リピ14悟空「お、何で分かったんだ?」
オール3悟空「ははっ、流石オラだな!」
シンジ「悟空さん……」

1858名無しさん:2022/07/10(日) 16:07:11
登場話退場だったせいで不遇団入りしてたノブくん(オーズ映画、信長ロワ出典)は映司(混沌5)が相手してた覚え

1859名無しさん:2022/07/10(日) 16:31:52
エレンや濱口が海に潜り魚を獲っている頃、屋外の岬で海を眺める二つの影法師
仲沢達弥@安価3「ずっとこの時間が続けばいいのにね、親分……」
若山輝一郎@安価3「俺も同じこと思ってんよ、姫……」

1860名無しさん:2022/07/10(日) 17:18:55
天空聖杯のホメロスとオール3のホメロスの戦いもあったな

1861名無しさん:2022/07/10(日) 17:20:48
>>1796
この後>>1778の後のジェニファー&直哉くんとばったり会って申し訳なさげにネプが直哉に謝ったり、ブラン側が同行してた事がある士郎や飛羽真(2人ともリピ21)と遭遇して一緒にライザ達を探したりとかやってたよね2人とも

1862名無しさん:2022/07/10(日) 17:30:52
元ロワ(オール3)での事もあり玄弥に警戒される安価2獪岳とリピ20獪岳(人間)…煉獄さんと那佳ちゃんが間に入ってくれなかったらどうなってた事やら

1863名無しさん:2022/07/10(日) 17:41:49
>>1861
ライザといえば、リピ21のほうは案の定不遇団にいましたねぇ…(ついでに安価3とリピ21のクラウディアもいる)
当然ながら安価3ライザだけは正気なのが救いだけど

>>1862
一方で兄のリピ21実弥は主催戦のことを知らないの利用されてオニキスに騙されて悪役連中の仲間になってたなぁ
で他のロワの炭治郎たちとの戦いでは「なんでそんなに恥をさらすんだ!」「善良な人と悪い人の区別もつかないなら、柱なんてやめてしまえ!」
なーんてボロクソに言われてたのには草

1864名無しさん:2022/07/10(日) 17:58:31
主催の月打を受けたために人喰いモンスターになってしまったベジータ@オール1も不遇団で登場
トランクス@例のアレ「嘘 で す !! 父さんがバケモノになってしまうなんて全て嘘です!!駄目です父さん、そんな邪悪な力に負けては……!」
ベジータ@オール3「どいていろトランクス……『俺』のケジメは俺がつける」

1865名無しさん:2022/07/10(日) 18:03:18
主催AKYSは振り返り>>17のアニ3セリュー、オリシティ葛葉、リピ19直人の会話に参加してましたね…やべーやつしかいねえ!

1866名無しさん:2022/07/10(日) 18:09:28
>>1861のブラン達、深紅のスカーフがたなびく後ろ姿を見て飛竜と判断
ネプテューヌは「ひりゅりゅん!ごめんなさい!ごめんなさいっ!」と安価3での判断ミスを詫びようと駆け寄る

が、その飛竜はルルーシュ葉隠(康比呂)らと共にしていたオールリピ1の飛竜
「……誰だ貴様らは?」の天丼ネタになるとは

1867名無しさん:2022/07/10(日) 18:18:11
>>1840
そのリピ14十代はメンタルボロボロだった道具ロワユベルと会ってメンタルケアしたり、不遇団戦だと同ロワのネオスと戦ったりもしてたな

1868名無しさん:2022/07/10(日) 18:28:00
中華ロワでフェードアウトした烈さんこと烈海王も不遇団入りしてたんだけど、対面することになったのはオールリピ2勇次郎(元語り>>4907のデップーのモノマネでなく本物の方)

勇次郎「ピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨッッッッ!!!!」だばだばだばだば
突然ズボンを下ろしてパンツを露出した範馬勇次郎は奇声を上げながら珍妙な歩行動作で烈へと迫っていくッ!
漫画ロワ、オールリピ2に続いて実に3度目の特攻ッッ!!

理解の範疇を超える光景が繰り広げられたショックで烈は「救命阿(ジュウミンア)」と叫んで改心
なおその後ろで頭を抱える新架空4の刃牙、とその肩に手を置くリピ21宗次郎

1869名無しさん:2022/07/10(日) 18:29:06
混沌4の遊作&オルカ2のAi(不遇団側)VSオール3の遊作&Aiのタッグデュエルなんてのも勃発してたな

1870名無しさん:2022/07/10(日) 18:40:56
そういや天空聖杯勢はピーター関連の記憶とかどうなってるんだ?と言われたけど、会場にいる限りは覚えていれるけど元に戻ったらまた忘れる…的な回答がされてたな

1871名無しさん:2022/07/10(日) 19:07:45
不遇団にリピ14のジンを見つけて(やべえ…!)と咄嗟に身を隠しつつ焦る数字ロワ新一…だったけどウォッカが居ないのもあって案の定新一の事は全く覚えてないままなジンニキなのであった

1872名無しさん:2022/07/10(日) 19:34:04
オルカ2とリピ21でのハジメの顛末を知って沈痛な表情を浮かべるユエ(まおゆう)と一定の理解は示してたハジメ(まおゆう)
改心した檜山と架空3の誰てめえな光輝にはハジメもびっくりしてたけど

1873名無しさん:2022/07/10(日) 19:52:03
野獣のせいでホモレイパーと化した不遇団員・ベガ@オールリピ1には春麗@中華も引いていたな
シャドルーのドールズならぬゲイドールズの構成員として男性に照準を付け、中の人繋がりか音速丸染みた台詞を口走りながら男目掛け襲い掛かろうとする
…案の定で豪鬼@ゲーム1が瞬獄殺かましたので被害者は出なかったが

1874名無しさん:2022/07/10(日) 20:06:44
幽霊が見えるタケル殿(@オルカ2)と霊媒体質な凛吾(@オリ4)の絡みはよかった

1875名無しさん:2022/07/10(日) 20:34:25
>>1812
この後更にオルカの洗脳されてたフレンダにも追いかけられてたのひどい
最終的にはユージオやベクター・貴利矢さんらのおかげで助かったけど
それと何気にここでようやくイキリトとキリトの共演が果たされる事になった

1876名無しさん:2022/07/10(日) 20:46:58
>>1853
主催ロワパラガスに超ブロリー@混沌5が近付いたんだったな
自分の知る姿より一回り若く「もう一人の俺」の父親なのだろうと察したけど、元世界で死別したため居ても立ってもいられず声をかけた
ブロリー「お父……さん……?お父さん!」
パラガス「おお、ブロリー……!」(ここのブロリーは皆カカロットを追いかけてしまったと思っていたが、そうでないブロリーもいたのか……!)
「お父さん!俺、ノビタやドラエモン、いっぱい友だちできた!お父さんにも会ってほしい!」
「……来世でマシな父になれればと思ったが、まさか今機会を与えてもらえるとはな……いいぞお!俺でよければいくらでも話してしまえー!!」

ボルガ博士@リピ21「失礼だが、貴方がタコ科学者さんかい?科学者としての知力を駆使し戦ったとお聞きしたものですが、お話伺ってもよろしいかな?」
タコ科学者「へへ、わざわざこの老いぼれに会いに来てくださるとは光栄ですじゃあ。もしかして貴方様も同じ殺し合いに呼ばれていたのですかい?」
ボルガ博士「残念ながら私は最初の殺し合いでは真っ先に死亡したもので……」

1877名無しさん:2022/07/10(日) 20:49:47
>>1876
このパラガスとブロリーが後に不遇団との戦いで親子で肩を並べてスーパーサイヤ人になるのは素直にかっこよかった

1878名無しさん:2022/07/10(日) 21:02:58
不遇団に居たオールリピ2黎斗がまさかの無双ゲーマーに変身してチベスナ顔になる永夢達
それと無双ゲーマーのビジュアルに反応する剣クラウドと天空聖杯セフィロスには草

1879名無しさん:2022/07/10(日) 21:11:19
綺麗になった慎二@エロゲロワ、混沌5にて桜見せしめによりマーダー化し主催戦力と化した桜と心中する形になった士郎の事を知りどこか哀しそうな反応をする

1880名無しさん:2022/07/10(日) 21:18:07
>>1863
安価3の方は警戒してたが故に逆に騙されなかったのがなんとも…>実弥
まあ倫太郎と一悶着になりかけたけどちゃんとアレはインポスターって最終的には納得してた
…ボロクソ言われてる自分(リピ21)には怒りと呆れがない混ぜな感じになってたけど仕方ないね

1881名無しさん:2022/07/10(日) 21:21:38
オルカ2の年代別アンパンマンも不遇団入りとは……リピ20句楽にとってはとても残酷な事態だった
アンパンマン「君が正しかったんだ。『力』こそが『正義』、まともな力もない私なんかではヒーローなんて名乗れるわけなかったんだ……!」
句楽「寝ぼけたこと言ってんじゃねえ!お前は…お前は力が無くったってヒーローだろうが!!」
正気に戻すため、そして対等に向き合うため句楽はイレブンバック@安価2を脅しつけて自分の力を反転させ最弱の存在となり、アンパンマンとどつき合いだした
貴重な戦力を削ぐ句楽の行為に非不遇団からツッコミが出るも、ザ・ヒーロー@リピ20が制す
ザ・ヒーロー「あやつらにとってこれは避けて通れぬ闘い、手出しは無用だ……戦力が必要なら、その分私が動く」

1882名無しさん:2022/07/10(日) 21:28:41
>>1880
「…あれはお前じゃない、気にするな」と当人なりにフォローに入ろうとする冨岡さん(オルカ2)

1883名無しさん:2022/07/10(日) 21:32:22
>>1824
そんな明智の加勢に真っ先に駆けつけてくれたのが彼に命を救われたリピ20無一郎だったな

1884名無しさん:2022/07/10(日) 21:32:25
ロボひろし@オールジャンル3が色んな人が話している光景を眺めているとロード・ディアーチェ@オールジャンル3がロボひろしに話し掛けた

ロード「ロボひろしと言ったか、シュテルとレヴィが世話になったな」
ロボひろし「あれ?君は確か殺し合いの見せしめで…」
ロード「そうだな、だが今はこうしてここにいる、そしてあの時シュテルとレヴィがお前に世話になったと二人から聞いてな」
ロボひろし「そうだったんだね、まぁ何はともあれ二人ともすごく喜んでただろ?」
ロード「あぁ、シュテルはともかくレヴィに至っては泣きながら抱きついてきて大変だったな…」
ロボひろし「はっはっはっ、レヴィちゃんは最初君を生き返らせるために殺し合いに乗っちゃってたぐらいだからね、あの時シュテルちゃんがいなかったら俺だけじゃ止めれなかったよ」
ロード「本当にその時は迷惑をかけたな…」
ロボひろし「気にしなくていいよ、結果的には良い方向で終わったんだから、とりあえず今は二人の側にいてあげるといいよ」
ロード「あぁ、そうだな…」

この二人の会話はとても微笑ましく思えた

1885名無しさん:2022/07/10(日) 21:41:52
オール3のせいで風評被害を喰らいまくる主催とオルカ2とリピ21の1000%かわいそ…
かなたやエイラ(主催)、紅霞やアキュラ、ロスマン先生やていとくんら関わったキャラが擁護してくれたのは幸いだったけど

1886名無しさん:2022/07/10(日) 21:46:06
>>1808
かつて(原作での生前)は世界が滅びる方向へ進ませる為動いてたオールリピクルーゼがそんな未久を止めに入る1人になるのは感慨深さがあった

1887名無しさん:2022/07/10(日) 21:46:22
変身女性の冴子も不遇団にいたなあ

1888名無しさん:2022/07/10(日) 21:54:01
架空4(旧)加古川に過去の事(元ロワ参照)を明かして謝るリピ21ジョゼとかあったな

1889名無しさん:2022/07/10(日) 22:07:44
多勢に無勢、元ロワでの死後宿儺の指も奪われてるためろくに戦闘できず不遇団に追い詰められる新架空4沙都子@リピ21
だったが、寸前でカボチャマスクの男が乱入する
同時にクラゲのような生き物が数体現れ不遇団を苦しませだした

「向こうにスペック、ラバーソールという腕の立つ男2人組がいる。彼らの元に行けば安全だよ」
「ですがそうしたら貴方は……あれ、どこかでお会いしませんでしたこと?」
「早く逃げて!」
「……助けを呼んで戻ってきますわ。それまで何とか耐えてくださいまし!」

カボチャマスクの男……吉野順平(@リピ21エピ)は沙都子が行ったのを見届け、マスクの内で小さな笑みを浮かべた

1890名無しさん:2022/07/10(日) 22:11:36
リピ21やオルカ2の経験のせいでオニキスら悪役勢に騙され仲間になってしまった主任ェ
しかも結局ロワではなれないままだった斬月カチドキになりやがった

1891名無しさん:2022/07/10(日) 22:17:29
パパ黒@聖杯大戦と遭遇してビビりまくってた扇@旧架空学園4はさあ…ダミードーパント(にちか)が扇の記憶から変身してた時点で原作同様こっちでもトラウマ的なの負わされてたのはわかるけどさあ…

1892名無しさん:2022/07/10(日) 22:20:45
>>1885
一方妄想聖杯の方の1000%は…不遇団側で聖杯大戦のアークと共にサウザンドアークになってしまったとは…

1893名無しさん:2022/07/10(日) 22:24:41
寿司を振る舞うと口々に普通の味と言われカレーを振る舞うと絶賛されて凹む源太は原作通りだけど草

1894名無しさん:2022/07/10(日) 22:34:08
不遇団として暴れる雪華綺晶にキース・ブラック@アリスロワ…かたや主催戦力でかたや主催差し置いてラスボスなのに全滅エンドなせいでキンクリされちゃったからか…

1895名無しさん:2022/07/10(日) 22:36:32
そういや和解とか不可能なガチ悪役連中は普通の参加者とは別の場所に隔離されてたんだけど
ある人物のうっかりのせいで解放されてしまったんだよな
で、そのある人物とは…ギエン@オール3

そしてまたしてもギエンのせいで騒動に巻き込まれた滅@オール3…
ギエンへの激しい怒り…悪意に目覚めアークスコーピオン化してたなぁ

1896名無しさん:2022/07/10(日) 22:40:45
>>1895
結果オルカ2の滅や或人社長がアークスコーピオンを迎え撃つ羽目になってたな…

1897名無しさん:2022/07/10(日) 22:47:37
ハマーン様@オール3は風間くんとなのは@オール3に再会してたな
元ロワ同様なのはにコーディネートしてもらって恥じらうなど微笑ましいシーンもあった
…だがそこに不遇団来襲、MSで暴走するカミーユ@リピ21に対し闘うこととなる
ハマーン「まさか貴様とこのような形で再会するとはな……!!」
カミーユ「暗黒の世界に戻れ!ハマーン・カーーン!!」

1898名無しさん:2022/07/10(日) 22:49:45
最期が最期のせいで自棄になってたオールリピのミラスとリピ16のミラスが暴れてるのを見ちゃって混乱してるオリ4のミラスかわいそ…

18991898:2022/07/10(日) 22:51:47
>>1898オリ4→オリ5

1900名無しさん:2022/07/10(日) 22:54:02
ここぞとばかりに各ロワの未登場たちも不遇団に加わって暴れてたなぁ
例えば年代別のネカリは>>1873でベガをボコボコにした直後の豪鬼を襲撃してたし
ガチャロワのゲキはティラノレンジャーに変身してリュウソウレッドに変身したコウ@オール3と戦ってたし
オール3の未登場に至ってはリピ20でオーディンに敗れヴァルハラの軍勢に組み込まれたって設定を踏まえてか
北欧神話っぽい格好になってオーディンの仇を取るためにリピ20対主催に挑みかかってたなぁ

1901名無しさん:2022/07/10(日) 23:01:50
縁に懐き切ってるルッキーニちゃんを遠くから微笑ましい様子で見守るシャーリー(リピ20)なんて一幕
なおこの後気付かれてそこから自分の元いた世界のルッキーニじゃない事に気付く

1902名無しさん:2022/07/10(日) 23:09:37
マキシム@オリ6とディアボロ@オルカの会話とかもあったな
似たような末路を辿った(ディアボロの方はロワに呼ばれる前の話だが)もののそれを「おまえたちの輝きに包まれながら負けられて嬉しい」(語りから拝借)として受け入れたマキシムと、それに怯えて拒絶する中ロワ参加によって一時的に解放された結果対主催として足掻き続けたディアボロじゃ話が合うわけも無かったけど…

1903名無しさん:2022/07/10(日) 23:12:36
相変わらず暴れてる穴持たず@オリロワ

1904名無しさん:2022/07/10(日) 23:13:05
イオク様、不遇団戦では出しゃばらずに後方支援や避難誘導、戦闘メンバーの手当てに徹してた
そんな中不慮の流れ弾が飛んでくる……が、一つの盾が弾き飛ばした
イオク「ミス・キリエライト!貴公には鮫の件といい助けられっぱなしだな、恩に着る」
マシュ(リピ17)「!?……私もお会いできてよかったです。一緒に頑張りましょう、ミスター・クジャン…いいえ、イオクさん」

1905名無しさん:2022/07/10(日) 23:16:49
>>1831
何故か大量に存在するマコト兄ちゃんに困惑する天空聖杯のチノ

だが彼女の姿を見た瞬間―――天空聖杯のマコト兄ちゃんが微笑んだ

「―――久しぶりだな、チノ」

『それでは……行ってきます、マコトさん。またいつか、会いましょう……』
『ああ。またいつか会おう、チノ』

チノの脳裏に別れ際の会話が蘇り、大粒の涙を流しながら微笑む。
もしかしたらこれはきっと夢なのかもしれないけど、それでも―――。

「はい。また会えましたね、マコトさん……」

今この瞬間だけは―――久しぶりの再会を喜びたい

1906名無しさん:2022/07/10(日) 23:17:44
>>1862
あれ?リピ20カーラの方は…と思ったら主催ロワ云々の事知って自責の念に苛まれてた…ところを元ロワの>>7072にて並行世界の自分がどうなったのか知ったオルカ2ジーナによって諭されてたか

1907名無しさん:2022/07/10(日) 23:21:23
>>1845
清麿とガッシュコンビ(オルカ2)が遭遇してたのは覚えてる
清麿の方は振り返りで触れられてた参戦時期の都合もあってだいぶ驚いてた

1908名無しさん:2022/07/10(日) 23:23:03
元のソウゴとも共闘してたしな2人とも…>清麿&ガッシュ

1909名無しさん:2022/07/10(日) 23:23:25
最期の伝えられなかった言葉を改めてゲイツくんに伝える静夏ちゃん@オルカ2
一方リピ21の方は…不遇団入りしちゃってたかあ

1910名無しさん:2022/07/10(日) 23:27:21
>>1897
さらにそこに追い打ちをかけるかのようにクワトロ@オルカ2の乗る百式も襲来
ハマーン様絶体絶命のピンチ…だがそこに駆け付けたのは!

アムロ@オール3「シャアめ!『鋼鉄七瀬』のパワーを見せてやるぜ!死ねぇ!!」

オール3アムロが乗る(?)巨大化した鋼人七瀬@オール3…ただし顔は鋼鉄ジーグ
いくら名前が鋼繋がりだからってレッド@オール3から無理矢理奪い取ってビルドアップするとかやりすぎぃ!

クワトロ「アムロ!なんだその機体は!?いや機体なのか!?」
アムロ「ナックルボンバー!ダイナマイトキーック!」
クワトロ「アムロォ!?」
アムロ「こうなったら体当たりだ!死ねぇ!!」

突然鋼鉄ジーグ顔の巨女なんてのが現れたからその場にいた者全員唖然としてましたねぇ…

1911名無しさん:2022/07/10(日) 23:27:49
>>1903
吉田沙保里@混沌5「キャー穴持たずよー!」

1912名無しさん:2022/07/10(日) 23:32:48
トラウマロワの孤門くんを気にかける姫矢さんとサーニャ(リピ20)の2人のデュナミストとかあったなあ

1913名無しさん:2022/07/10(日) 23:35:00
>>1910
この光景を見る羽目になって混乱状態になってたシャア@天空聖杯…理解が追い付かねえよこんなの!w

1914名無しさん:2022/07/10(日) 23:50:02
侑ちゃん@リピロワ21はステージのアイドルたちを観て、「アイドル事務所を立ち上げる」という自分の夢を一層強固にした
……だけではおわらず歩夢@架空4(新)達から誘われ侑自身もステージ側に立つハメになるとはね
「最高のライブを見せてあげる、って確かに言ったけど……」
アイドル衣装で歌って踊って、ではなくタキシードを着飾りピアノのソロ演奏や赤松さん@混沌3とのピアノ・デュオという形で

架空4以降のブランクを感じさせない手捌きで演奏を終え、侑は観客席に深々と一礼する
拍手喝采の中頭を上げたその時一瞬ではあるが、ピンク髪の少女が涙を流しながら微笑む姿が見えた気がした

1915名無しさん:2022/07/10(日) 23:50:49
>>1905のチノとマコト兄ちゃんまたいに、一時的とはいえチノちゃんとココアちゃんがマコト兄ちゃんや雲雀、マズルカ達や(>>1870もあって忘れてしまうけど)ピーターと再会してたのはいいなって

1916名無しさん:2022/07/10(日) 23:58:35
>>1846
今度こそ彼女を救おうと奮闘するレイは良かった

1917名無しさん:2022/07/10(日) 23:59:34
不遇団に居たオルカ2の厳勝とレイに対峙するロゼ

1918名無しさん:2022/07/11(月) 00:01:24
これにて交流会延長戦は終了となります
ありがとうございました

1919名無しさん:2022/07/11(月) 00:08:51
乙です

1920名無しさん:2022/07/11(月) 05:32:17
新規勢の語りはどれも良かった(小並感)
特にパラガス回りや架空学園4の語りが

1921名無しさん:2022/07/11(月) 09:06:18
基本ROMだったけど楽しかった

1922名無しさん:2022/07/11(月) 22:51:45 ID:Q/lTjlSs
チノちゃんとマコト兄ちゃんの再会と、キリトイキリトの共闘がグッと来たな

1923名無しさん:2022/07/11(月) 23:02:17 ID:FUJkPa0Q
語ったネタを他の人に拾って貰えるのはやっぱ嬉しいなって(小並感)
ただ終わってから「このネタやれたのでは?」ってのが浮かんできたりするのは悔しい…昨日一昨日のうちに思い付いてればってなる

1924名無しさん:2022/07/12(火) 06:12:12 ID:rmtDbPlM
>>1923
そんなにあなたに振り返りスレ

1925 ◆gXaKV49AZQ:2022/07/28(木) 16:54:12 ID:M3RQSy1Q
一応こちらにお知らせ。
俺ロワ・トキワ荘にてリレーSS形式の聖杯戦争企画を立ち上げました。
8/1(月)からコンペスタートなので、できれば応援よろしくお願いします。

1926名無しさん:2022/08/02(火) 07:24:35 ID:nSxnGecE
>>1925
遅れ遊ばせながら宣伝乙です
サプライズで妄想聖杯で活躍した陣営(もちろん語りの設定はリセット)出したりすると面白いかもしれないな

1927名無しさん:2022/08/06(土) 17:31:35 ID:Gjo8PCOo
>>1925の続報(トリップは省略)
俺ロワ・トキワ荘で立ち上げた聖杯戦争企画を一度中断することにしました。
10月前後に再始動する予定です。

1928 ◆FkhxbMG4Ko:2023/05/25(木) 20:00:37
テスト

1929 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/25(木) 20:02:36
もう一度テスト

1930 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/25(木) 20:15:45
お久しぶりです、とーとつに現われた野生の妄想聖杯企画主です。
今回は相談事があってこちらのスレをageてみました。

しばらく妄想聖杯戦争をお休みしていましたが、つい最近の雑談スレを読んでまだ妄想聖杯の需要があるのかなーと思いやってみようかなーと考えています。
それでルールや日程、組数などを皆に相談したいとも考えていますが、まず最初に「妄想聖杯戦争やりたい人いますかー」と聞いてみます。
逆に「妄想聖杯戦争やらなくてもいい」などの意見などもあるか、そこら辺の需要を確かめたいです。
皆さんのレスおまちしていまーす。

P.S. FGOで風雲イリヤ城が始まって急遽多忙期に入りました、まだ色々と考えなければいけないことがあるのに… でも周回とBOXを回す手を止められない、辞められない!

1931名無しさん:2023/05/25(木) 20:21:35
やりたいです
把握の問題があるからどれだけ語れるかは参戦キャラ次第だけど個人的には妄想聖杯は妄想ロワとは違う楽しみなので

1932名無しさん:2023/05/25(木) 20:52:47
個人的にもやりたさはありますね

1933名無しさん:2023/05/25(木) 20:57:10
同じくやりたいです

1934名無しさん:2023/05/25(木) 22:51:17
やれるのであればやりたいです

1935名無しさん:2023/05/26(金) 07:47:37
同じくやりたいです

1936名無しさん:2023/05/26(金) 12:53:27
語り自体は参加できないが、過去に作った未参戦鱒鯖はリンクフリーとして代理投票なりで自由に使って欲しい

1937 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/26(金) 16:50:06
反応ありがとうございます。
やりたい人が多いので、そのまま妄想聖杯の企画についてあれこれ考えてみましょう。

まず最初に「開催時期・日程」について。
今のところ大雑把にですが6月をコンペ&参加者選定の期間にして、7月辺りに語り始める案を考えています。
もう少し具体的に書くと、コンペで2週間、参加者選定で1週間(纏まらない場合は延長1週間)、それらが終わったら語り開始、といった感じです。

ただオールジャンル4の再開の邪魔にならないかが心配です。
場合によっては11月以降に開催時期をずらす事も一つの手。(お盆〜10月は企画主忙し)

1938名無しさん:2023/05/26(金) 22:02:19
自分はオールに参加してなかったから再開時期については何とも言えないけどそれ抜きに言えば把握も含めてその辺りがいい気はします

1939名無しさん:2023/05/27(土) 06:00:47
初代妄想聖杯は今でもwikiで定期的に読み返す程にら好きやで
今度はどんな感じになるのかね

1940 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/27(土) 11:27:27
ひとまず次のような日程案を出しておく。

【コンペ期間】6/10(土)〜6/23(金)
【休息日】  6/24(土)
【投稿者投票】6/25(日)
【名簿作成】 6/26(月)〜6/30(金) ※纏まらない場合は一週間延長
【語り開始】 7/1(土) ※場合によっては一週間延長

【コンペ】はいつも通り事前IDと一致している候補作を有効、不一致の場合は無効にします。後者の場合でもIDが一致している人による代理投票は有効とします。
【投稿者投票】は候補作を挙げたID限定の投票で、各人で気に入った候補作を選んで頂きます。詳細については後程説明します。
【名簿作成】は企画主が最終的な名簿を決定します。【投稿者投票】を参考に名簿を作成し、何度か素案を出して意見受け修正しながら決めていきます。

>>1939
今回は「終末聖杯戦争」という題名でいこうと思います。
舞台は「冬木市」、インフラがなくなり荒廃と衰退が徐々に進んでいながらもまだ人々が生き残っているような感じです。
ちなみに大量ゾンビの終末世界ではない。モンスターとかは出てもいいけど頻繁ではない程度、何かしらの脅威が終末の原因だったとしても今ではその大本がなくなってある程度暮らしが安定している状態。

夜辺りにはまた次の議題を出します。

1941 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/27(土) 18:30:21
日程について特に意見はなかったので、>>1940で進めようと思います。この後でも日程について意見があれば変更も含めて検討します。
では次の議題、参加者の組数について。

①14組、基本7クラスのみ/②14組、EXクラス有/③16組

上記の三パターンを考えています。
今回企画主の候補作は現状5作(まだ書ききれてない)の予定であり、EXクラスは考えていない状態なので①でもいいかなー、とも考えていますが②や③でも問題ないです。

1942名無しさん:2023/05/27(土) 18:31:36
個人的には①か②がいいかなと思ったりはします

1943名無しさん:2023/05/27(土) 22:09:28
気になって調べたら冬木市は大分あたりなのか

1944名無しさん:2023/05/27(土) 22:15:00
個人的な好みだと①かな

1945名無しさん:2023/05/28(日) 12:55:58
今回は水と食料がそこらにあった前作までと違って、 鱒のサバイバリティが求められそうだな
優しいだけでは生き残れなさそう

1946 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/28(日) 16:48:58
それでは参戦組数は①の14組、基本7クラスのみで今回はやってみましょう。
日程と同様に変更を要望する意見があれば変えることも検討しますが、何もなければこのままで進めていきます。

参加組数が決まったので、【投稿者投票】について説明です。
予定では6/25(日)。投票は次のような形式で挙げてもらおうと思います。

①自分の候補作以外で気に入った候補作を14組以内で選んでください。
②自分の候補作で特に気に入っている作品を挙げてください。(複数選択OK)

1947名無しさん:2023/05/28(日) 17:44:16
終末を乗り越える過程で大事な人が犠牲となって積極参加者になるキャラとか出しやすそう
(美琴っちゃんや食蜂さんが思いついたが鱒として強すぎな気がする&たしか他ロワで既出パターンなので自分はやらんが)

1948 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/28(日) 17:46:35
あーそれと言い忘れ。
今回は各クラスを2騎ずつではなく、偏った名簿になるかと思います。(結果的に均一な名簿になる可能性もあります。)
なので>>1946の【投稿者投票】も自由に選んでください。14組未満でもいいので、10組や7組や5組とか自分の気に入ったを優先して選んでみてください。

(風雲イリヤ城の周回に妄想聖杯の準備にyoutubeや録画の視聴など何足も草鞋を履くから一回で上手くまとめられないw)

1949 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/30(火) 07:26:50
一日遅れで報告になりますが、まとめwikiに妄想聖杯の開催予告を出しておきました。
それと冬木市の全景が映った地図も載せておきましたので、語りの際に使用してください。

1950名無しさん:2023/05/30(火) 12:58:12
おつ

1951名無しさん:2023/05/30(火) 13:37:10
>>1946
②は上限があった方が選びやすいかも
あとうちのプロバイダのIDは変動式なんだけど、どうしよう……

1952 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/30(火) 20:48:33
ルールに書きそびれていましたが、いつものようにID一つにつき各クラス毎に1組のみの合計7組までを候補作として挙げられます。
一部クラスで2組目を挙げたり8組目以上を挙げた場合は追加分を無効とします。

>>1951
②は特に上限を決めていませんでしたが、とりあえず3組まで選べるに変更しましょう。
二行目についてはなんとも…とりあえず代理投票をお願いするか、自宅以外でIDが固定されている環境を探すとか、ぐらいかと

1953名無しさん:2023/05/30(火) 21:47:36
②も代理投票をお願いするのは大丈夫なんでしょうか?
あと前回は選んだ理由も必要でしたが、今回はそういうの無い感じなのでしょうか?

1954 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/30(火) 22:13:41

>>1953
②というか【投稿者投票】も一応代理投票はオッケーです。
ただ、>>1940でも書いたように【投稿者投票】は候補作を挙げたID限定の投票なので、基本的には代理投下をした方が①②を選出するものになります。
選出理由は今回は書いても書かなくてもどちらでも構いません。

とりあえず今日はここまで、寝ます。

1955 ◆gXaKV49AZQ:2023/05/31(水) 18:43:24
まとめwikiの方に企画主の候補作4作を先行掲載しました。これ以外の候補作はまだ書ききれるか分かりませんが、出来たときには追加しときます。
コンペ開始の6/10(土)まで時間があるので、これらを参考にしつつ皆さんも独自の候補作を作成してみてください。

それと一つお願い。
候補作に挙げる主従はなるべく切実なる「願い」を抱くキャラ、もしくは殺人も厭わないキャラを推奨しています。
それらに該当しないキャラを主従にしてもいいですが、前回の反省を踏まえて殺し合いが促進しやすい様な名簿を作成する予定です。

1956名無しさん:2023/05/31(水) 19:04:42
前回の天空聖杯で反省点ってありましたっけ?


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