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番外企画スレ

1694名無しさん:2022/04/06(水) 14:56:51
>>1693
片足に金属片が刺さったホメロスは、満足に剣を振るえなくなってしまった。
絶体絶命の状況だ。このロボット兵達をどうにかしても、この足ではもう戦えない。皆を守れない。

――だがそれが逆に彼の覚悟を後押しした。

「令呪で命ずる。アサシン、このロボット共を殲滅しろ。私と共に戦ってくれ……!」
「いいよ」

ココアがそうしたように、ホメロスもまた令呪全てを躊躇なく使い果たす。
そして雲雀もまた彼の覚悟を見届け、断りもせずに受け入れた。

「糸使いの少年。そしてクリミナル。少女達のことはお前達に任せる……」
「深海マコト。君は後で咬み殺す。……だからそれまで、そこの小動物達のことは預けておくよ」

「……わかった。ホメロス、雲雀。お前達の想いは俺が繋ぐ。姉妹の命も、繋いでみせる――!」

ホメロスと雲雀にマコトは力強く返事をして、ピーターもまた承諾した。
居残るなら拘束を得意とする自分だと思っていたが、令呪でブーストされた雲雀ほどの力は発揮出来ない。それにクリミナルの状態を考えると護衛は一人でも多い方が良いだろう

「小動物……」

雲雀はチノの方をチラりと見た。
大怪我を負ったココアを心配して、涙を流しながら必死に名前を呼んでいる。

「残念だけど、ここらでお別れだよ。――君達の道は僕がこじ開ける」

死ぬ気の強さは、覚悟の強さだ。
そして今、雲雀は死ぬ気でロボット兵達を咬み殺そうとしている。
令呪全てを使い果たしたホメロスと共に、一騎当千のアサシンが征く。

結果的に雲雀はホメロスと共にロボット兵を一匹残らず、咬み殺した。
ホメロスも雲雀の固有スキル、戦場の鬼により奮起して普段以上のポテンシャルが発揮出来た。
なにより雲雀恭弥は大群を相手にする殲滅戦において圧倒的な力を発揮していた存在だ。
彼の負けん気はここでも遺憾無く発揮され、一匹も残さず咬み殺したことはもはや、意地にも等しい。

「雲雀さん……っ!?」

全てが終わり、光の粒子となりかけた雲雀にチノが声を掛ける。
この時、既にホメロスは死んでいた。しかし彼は何かを成し遂げたような――そんな悔いのない表情でこの世を去った。

「小動物……。君達には君達の生き延び方がある。僕は君達の未来を。君達の宿した死ぬ気の強さを――空から眺めておくよ」

「そんなの……嫌です……!雲雀さんまで、いなくならないでください……!」

「……君のその顔、つまらないな。そこの小動物にもまだ助かる余地はあるはずだよ。小動物なら小動物らしく、最後まで諦めずに足掻くといいさ。
――それが僕の知る香風智乃だよ」

その言葉を最期に雲雀恭弥は消滅した。
孤高の浮き雲は、この地で出来た新たな仲間に看取られて大空へ舞い上がる。

「雲雀さん……。雲雀さん…………!」

チノの叫び声が、虚しく響き渡る。
マコトが彼女の肩に手を置き、スっと近くにあったバットを持ってきた。
チノがココアの心配をしている間、ココアはバットのことを話していたのだが、先程まで取り乱していたチノの耳には届いていなかったようだ。

「チノちゃん……。このバットは、ルカちゃんが私に託してくれたんだよ……」

身体がすごく痛むが、ココアは必死に話す。
マズルカや皆の犠牲を無駄にしないために。チノの頑張りを無駄にしないために。
天城カイトから託された熱き魂を、燃え上がらせて。

「かっとビング、だよ……チノちゃん。お姉ちゃんに、任せなさい!」

保登心愛は強い想いで意識をつなぎ止め、なんとか気丈に振る舞う。

――何故かって?

それは彼女がチノの姉であり、チノが彼女の妹だからだ。
姉という太陽に照らされた妹もまた、涙を拭って立ち上がる。
雲雀やホメロスの犠牲を無駄にしないためにも……。

【雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN! 霊基消滅】
【ホメロス@ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて  死亡確認】

※この場にいるロボット兵達は全滅しました


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