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番外企画スレ

1729名無しさん:2022/04/13(水) 14:20:13
>>1728
自分を応援するチノに強く見つめられ、マコトの心が震える。
残りの魔力は僅かしかない。それでも深海マコトの命は輝きを増し、全身に力が漲る。

深海マコトと草加雅人。
時代や世界こそ違えど彼らは仮面ライダーという存在のはずだった。
しかし決して分かち合えることはなく――仮面に隠されてその表情こそ見えないが、草加は乾巧や木場勇治の想いを背負った亡霊を鬱陶しそうに憎み、マコトは真っ直ぐとした迷いのない瞳で新しい歴史へ漕ぎ出そうとしている。

「乾、木場。お前達はいつまで俺の邪魔をしたら気が済むんだ……!」

この聖杯戦争で死んだはずなのに、未だしつこく自分を止めようとしてくる過去の亡霊共に忌々しく吐き捨てる。
特に綺麗事ばかり並べていた癖に自分を殺してきた木場勇治のことは大嫌いだ。

「お前は何を言ってるんだ……!?」
「君を見ていると偽善者がチラつくんだよ。人類に害を成す異形の癖に人間と分かり合おうとした奴らがね……」

草加雅人がオルフェノクが憎い。そして彼らと人間は決して共存出来ないと思っている。
オルフェノクは殲滅するべき敵であり、それと分かり合うなんて不可能だ。皮肉にも木場勇治が草加のその思想を確固たるものとした。

「俺も人間と異形が共存出来る世界が夢だと語っているサーヴァントにこの聖杯戦争で出会った。そしてあいつは人間を庇って、重傷を負ったことが原因で脱落した……」
「木場か……。偽善者の癖に誰かを庇って死ぬなんて反吐が出るなぁ」

マコトの語るサーヴァントの正体が木場だということを草加はすぐに察した。
本当に心底、反吐が出る。草加にとって木場は共存だのなんだの言ってた癖に人間に刃を向け、自分を殺した偽善者なのだから。

「あいつは偽善者じゃない。ライダーは本気で人間と異形が共存出来る世界を望んでいた!だから俺は、そんなあいつの想いを背負うことに決めた!!」

対してマコトにとっての木場は、本当に根っからの善人だ。
根底に危うい面こそあったかもしれないが、最期まで人間のために戦い抜いた英霊。自分の大切な友――チノを守ってくれた英雄だ。

――俺に出来なかったことを……想いを、繋いでほしい……

木場の最期の言葉がマコトの脳裏に蘇る。
この聖杯戦争で初めて自分に想いを託した男だ。今まで散っていった仲間の中でも特に印象は強く残っている。
あのお人好しは心の底から人間と異形が共存する世界を夢見ていた。そして眼魔と人間が共存する世界に住んでいるマコトは、彼のその夢はいつか叶うと本気で信じている。
人類の未来や自由のために戦った友――木場勇治を心から信じている

「ライダーの名前がわかったことだけはお前に感謝する」
「名前も知らない相手の想いを背負っていたのか。馬鹿馬鹿しい奴だ」

草加が嘲笑うが、それを無視してマコトは今は亡き木場に語り掛ける。

「名前がわかった今、改めて言わせてくれ。
木場――お前の想いは、俺が繋ぐ!」

『シンダイカイガン!シンスペクター!デッドリーオメガドライブ!』

シンスペクターの背後から六枚の翼が展開。万感の想いを込めて、空高く飛翔する。
木場に託された想いやチノ達の努力を無駄にしないために。チノやピーターを無事に元の世界へ帰すために。

「薄っぺらい友情ごっこは他所でやってくれないかなぁ」
『Exceed Charge』

対する草加もまたゴルドスマッシュの発動準備をする。
忌々しい過去の亡霊共を断ち切り、無事に生還して真理を手に入れるために。実は草加自身が過去の亡霊でありながら、今を生きようとする存在なのだが――そんなことにすら気付かずに。

「マコトさん。私達の想いを、あなたの翼に託します……!」

チノも必死にマコトへ声援を送る。
チノ、ピーター、シャア、クルーゼ、セフィロス、島の兵士達。
シンスペクターの翼はまるで彼ら6つの想いを乗せているようで。

「俺達の生き様――見せてやる!」

同じ時代に今、息する仲間達の想いを右脚にエネルギーとして纏う。
そして雄叫びと共にシンスペクターが急降下し、キックを放った。

「いい加減、死んでくれないかなぁ。君たちの存在は邪魔なんだよ!俺は生きて真理の元へ帰る!!」

そしてカイザもまたゴルドスマッシュを放った。
二人の蹴りがぶつかり合い、拮抗する。威力的にはシンスペクターが放つオメガドライブの方が上だが、これまでに蓄積された疲労によりカイザのゴルドスマッシュでも対抗出来ていた。

そして草加の執念深さもマコトが背負った想いに引けを取らない。彼の執念は本当に凄まじいものだ。
二人の仮面ライダーのぶつかり合いをチノが息を呑んで見守る。

しかし運命は残酷なものだ。全力の戦闘で魔力をほとんど使い果たしたシンスペクターの宝具は全力を発揮出来てると言えず、カイザに押されてしまう。
想いだけでは勝負に勝てない――そんな光景を見せられても、チノは諦めずに祈る。深海マコトの勝利を願う。

「今だけでいいです。皆さんの力をマコトさんに分けてください……!」

そんな超常現象など普通なら有り得ない。
それが有り得ると思えるのは、この聖杯戦争で様々な不可思議現象を体験してきたからだろうか。

――そして片翼の天使により、彼女の願いは叶えられる。

致命傷を受け、後は消滅を待つだけだったセフィロス。このままだとマコトが負けることを理解した彼は、死にかけの体でありながら飛翔した。
こんな状態で宝具を使えば、自分はすぐに消滅する。それを知った上でセフィロスはカイザへ正宗による一撃を加えた。

たった一撃。されどもセフィロスの全てを懸けた一撃は非常に重く、攻撃の余波によりカイザのマスクが割れる。
憎悪と執念に塗れた素顔の一部が露呈し、先程の一撃で一気にゴルドスマッシュの勢いが弱まった。

そして思わぬ援護によりマコトは更に魂を燃え上がらせ、限界を超越してオメガドライブの勢いが増す。
花よ。鳥よ。風よ。月よ、儚き命よ――我ら思う、故に我ら在り

「――みんなの想いが、俺に力を貸してくれる!俺達の心の叫びを聞け!!」

――瞬間、カイザのゴルドスマッシュが打ち破られ、カイザへ強烈な蹴りが叩き込まれた。
最期にその光景だけを見届けて、勝利を確信したセフィロスは消滅する。

【セフィロス@FINAL FANTASY 7 霊基消滅】


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