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('A`)はドクトラセブンのようです

425名無しさん:2018/11/14(水) 22:42:52 ID:0Sx6YJI20
(;^ω^)「はぁはぁ…ちょっと待て……」

( `ハ´)「マテと言われてマツヤツハいないアル。サヨナラー!」

そう言ってタイミングばっちりに通りかかった大型トレーラーの荷台に歩道橋から飛び降りる。

(;^ω^)「なんのぉ!!」

少し遅れてブーンも飛び降りた。

(;`ハ´)「なかなかしつこいアルね。」

(;^ω^)「うぉあぶね!」

飛び乗ったはいいが、ギリギリだったため上半身だけが荷台にぶら下がっている状態だ。
おまけにその衝撃で光線銃を落としてしまう。それでもよじ登るブーン。

(;^ω^)「げっ!銃落とした……こりゃ始末書もんだな。」

(;`ハ´)「ふー、こうなったら戦うしかないアル。」

戦闘向きでないシナー星人だが覚悟を決める。

( ^ω^)「逃げ場はないぜ!観念するんだな。」

( `ハ´)「イヤアァァ!」

( ^ω^)「ハイヤァァ!」

壮絶な徒手戦闘を繰り広げる。
互いにギリギリのところで躱したりさばいたりする。

( `ハ´)「ハイィィ!」

( ^ω^)「なんの!」

シナー星人の足払い。華麗に飛んでかわすブーン。
二人とも太ましい体格ではあるが、俊敏に動いている。
持久走などの体力勝負のものには弱いが、その脂肪の下に隠された筋肉は伊達ではないのだ。
動けるデブというやつだ。

( ^ω^)「ふー……ん?」

なかなか勝負がつかない中トレーラーの進行方向がわかるブーンが気付く。

(;^ω^)「ゲエェェェ!!!」

426名無しさん:2018/11/14(水) 22:43:20 ID:0Sx6YJI20
どうやらこのトレーラーはトンネルを通るようだ。高さがギリギリの。
このままではすり下ろされてしまう。
慌てて反対方向へとダッシュ。

(;`ハ´)「アイヤー!!」

シナー星人も気づいて同じように猛ダッシュ。
トレーラーの後ろでジャンプするが、同じようなトレーラーが何台も連なっていた。
後ろにいたトレーラーの荷台にまた着地。

(;゚ω゚)(;`ハ´)「ああああああアアアアアアア!!」

ひたすら走る。ミンチにならないように。
走って飛んで着地を繰り返す。

(;゚ω゚)「ヒギイィィィ!」

(;`ハ´)「アイエェェェェ!」

体力の限界が近かったが、何とかトレーラー集団が終わりを迎えてその後ろにいた軽トラの荷台に着地した。

(;^ω^)「いやほんとう、本当に一生分走った……」

(;`ハ´)「こんなんなるならダイエットしとけばよかったアル。」

(;^ω^)「筋トレはしてきたが、ランニングはしてこなかったからなー。」

(;`ハ´)「何事モ好き嫌いはダメネ。」

(;^ω^)「自分のことを動けるデブだった思ってたが、やっぱ標準体形が一番だな。」

(;`ハ´)「本当アル。」

( ^ω^)( `ハ´)「ハハハハハ!」

(;^ω^)(;`ハ´)「……」

トンネルの中では息を整えながら沈黙が続く。

427名無しさん:2018/11/14(水) 22:43:47 ID:0Sx6YJI20
ξ*゚⊿゚)ξ「ウンメー!!」

ξ*゚⊿゚)ξ「これが本当にラーメンか!!こんなにうまいもん人生で初めて食た!」

(゚、゚*トソン「おっさんよかったのか?あれあんたの替え玉じゃん。」

爪;'ー`)「きゅ、急に食欲がなくなってしまってね……」

ξ*゚⊿゚)ξ「オラ私にも日本酒注げよおっさん。」

爪;'ー`)「あ、はい。」

ξ*゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!仕事中の酒はうまいよな!そうだろおっさん?」

爪;'ー`)「いや……そんな……」

ξ*゚⊿゚)ξ「おらおめーも飲めよ!」

爪;'ー`)「遠慮……」

ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」

爪;'ー`)「い、いただきます……」

(゚、゚*トソン「もうツンヌおっさんにあたらないの!かわいそうでしょ!!」

(゚、゚*トソン「今日も仕事でやらかしてつらい目にあってきたみたいなんだからねー。」

(゚、゚*トソン「だから能無しダメダメ窓際おっさんいじめちゃダメー!」

爪;'ー`)「……」

ξ*゚⊿゚)ξ  ジ―ッ

ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」

爪;'ー`)(助けて誰か)

恐ろしい宴は続く。

428名無しさん:2018/11/14(水) 22:44:12 ID:0Sx6YJI20
トンネルを抜けると静かに立ち上がり戦闘態勢をとる二人。

( `ハ´)「ズドリャアァ!!」

ブーンめがけて飛びかかるシナー星人。

( ^ω^)「オリャアァ!」

その勢いを利用して巴投げで投げ飛ばす。

( `ハ´)「謝謝!アリガトウアルヨ!」

( ^ω^)「?!」

( `ハ´)「投げ飛ばされる。コレ狙い通りアル。」

投げ飛ばされ宙を舞っているシナー星人はそのまま反対車線の車に着地する。

(;^ω^)「しまった!」

( `ハ´)「サヨナラー!」

あっという間に離れていく見失う。

( `ハ´)「ふー、あぶなかったアルよ。」

適当なところで降り人気のない場所にたどり着く。
ここならもう安全だ。
――そう思った時だった。

(#'A`)「やってくれたじゃないか貴様!!」

(;`ハ´)「アイヤー!!ドクトラセブンナンデー!!」

('A`)「このドクトラセブン様の探索能力をなめるんじゃない!」

ドクトラセブンは空からずっと先ほどの光景を見ていたのだ。

('A`)「往生せい。!辞世の句くらいは読ませてやるぞ。」

( `ハ´)「……」

( `ハ´)「辞世の句なんて読ムキナイヨ。」

(#'A`)「ほう、抵抗するというのか。」

( `ハ´)「もとよりこうなることは覚悟の上。」

( `ハ´)「それならドクトラセブン、アナタワタシの最後のお客さんになるネ。」

429名無しさん:2018/11/14(水) 22:44:42 ID:0Sx6YJI20
持っていた携帯端末を操作するとどこからともなく屋台が出てきた。
すぐさま作業に取り掛かりあっという間に自慢の味噌ラーメンができた。

( `ハ´)「ヘイお待ちアルよ。」

('A`)「な……」

罠か?
そう思ったが今まで嗅いだことがないような美味しそうなニオイ。

(;'A`)「ゴクリッ」

本能なのか?体が勝手に動く。
席に座ると理性は食べるべきでないと思っても手が箸を持ち麺を口へと運ぶ。

ズズズッ

(*'A`)「!!!」

(*'A`)「ウマーーー!!!」

(*'A`)「え?」

(*'A`)「ウマーーー!!!

ズズズッ

(*'A`)「これウマーーー!!!」

圧倒的語彙力のなさ。
出てくる感想がうまいしかない。

( `ハ´)「フフフ、そう言ってもらえればワタシも満足いく人生だったネ。」

あっという間に食べ終わってしまった。

(;'A`)「……」

( `ハ´)「ワタシは目標の宇宙一のラーメンを作れたアル。それどころかお客様に満足してもらえて最高だったヨ。」

( `ハ´)「他の星に異星人が勝手に来てたら何されても文句ハ言えナイ。それがこの宇宙のルール。」

( `ハ´)「さっき言った通り覚悟はできてるヨ。一思いにやるネ。」

(;'A`)「ぐ……」

430名無しさん:2018/11/14(水) 22:45:10 ID:0Sx6YJI20
ルールや決まりごとは絶対だ。
それを破るやつがいたとしたらそいつが絶対に悪い。
だが、ルールや決まり事というのは完ぺきなものは少ない。
当たり前だ。所詮そんなものは人が作ったにすぎないのだから。

ならばたまには守らなくてもいいじゃないか……そうはいかない。
そうなればやがてみんな誰も守らなくなる。それでは無秩序な世界になってしまう。

寛容さは大切だ。ルール違反であったとしても、それを管理する者が判断して例外などを認めることなども時には必要。
だが何でも寛容であることは危険だ。今回のことで言えばシナー星人を見逃しても、もし誰かの命を奪ったりしたら……
責任を取ると言うことは簡単だ。誰かが責任をとるだろう。だがそれをしたところで失われた命は戻ってくることはないのだ絶対に。
そういった葛藤の中にドクトラセブンはいた。

(;'A`)(シナー星人を倒すことは簡単だ)

(;'A`)(だがそんなことをしたら……)

('A`)(宇宙一のラーメンが食えなくなる!!)

地球防衛任務とラーメンを天秤にかけていた。

(;'A`)(落ち着け俺!たかがラーメンだぞ!)

(;'A`)(どっちが大切か考えて見ろ!そんなの決まってるだろ)

('A`)(ラーメンだ!)

(;'A`)(……)

(;'A`)(落ち着け俺)

431名無しさん:2018/11/14(水) 22:45:40 ID:0Sx6YJI20
( `ハ´)「どうしたアル?」

( `ハ´)「顔色も悪いみたいアルよ。」

(;'A`)(宇宙人の地球滞在を許すわけには……)

(;'A`)(そうだ一人認めたら大量に湧いて出るぞ!)

(;'A`)(しかしまた食べたい!)

(;'A`)「グググググ……」

そんな時にドクトラセブンの脳裏に一人の人物がよぎった。

≫(‘♀’)≪

ああそういえば人さんいたしいいんじゃないかな。

( `ハ´)「体調がよくないカ?」

('A`)「まあ待て。」

ポンッとシナー星人の肩に手を置き優しくささやく。

('A`)「次に店を開く時間と場所を教えろ。」

( `ハ´)「は?」

('A`)「察しが悪いな。そうすりゃ見逃すって言ってんだよ。」

('A`)「見た感じお前は悪いことしそうな感じじゃないしな。」

(;`ハ´)「お前マジアルか?」

驚きを隠せない。星を防衛するにあたってそんな考えでいいのか?
それにヴィプトラの戦士はもっと容赦がない連中ばかりのはずなのだが……

('A`)「じゃあ何かあったらここに連絡くれ。」

連絡先を書いた紙を渡すとサッと空に飛び立っていくドクトラセブン。

(;`ハ´)「えぇ?こんなんアルか?」

432名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:06 ID:0Sx6YJI20
翌日。

(;^ω^)「やべー…昨日宇宙人取り逃がしたどころか光線銃紛失しちまったよ…」
  _
( ゚∀゚)「おいおい隊長がまたブチギレるぞ!『光線銃をなくすとは何事だ!!日頃のたるみが!!』みたいな感じかな。」

(,,゚Д゚)「ご愁傷様。」

prrr

('A`)「おっと携帯に電話だ。」

('A`)「はいもしもし……了解!」

('∀`)「ちょっとパトロール行ってくるからしっかりご説教受けとけ。」

(;^ω^)「クソォ…みんな他人事だと思いやがって……」

そんなこんなしている作戦室にフォックスが入ってくる。

(,,゚Д゚)「隊長、ブーン隊員がお話したいことがあるそうです!」

(;^ω^)「あ!ちょっと!」

爪'ー`)「なんだ?」
  _
( ゚∀゚)「ではではお二人でごゆっくり!」

そう言って二人から離れるギコとジョルジュ。

(;^ω^)「いや、それがその……光線銃を紛失してしまいまして……」

爪#'ー`)「なに!!光線銃を紛失しただと!!」

あっという間に怒りが頂点。
いつも通り怒鳴り散らすかと思われたときにフォックスは昨日の出来事を思い出す。
自分もヴィプトラ警備隊にあるまじき行為をしていたあの出来事を。

爪;'ー`)「ま、まぁそういうときもあるさ。今後気をつけるように……」

何という歯切れの悪さ。
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)「???」

予想外のことで動揺する隊員たち。
それから数日フォックスはどんなことでも怒ることはなかったとか。

433名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:31 ID:0Sx6YJI20
昼間どこかの駅周辺の屋台。

('A`)「おら食いに来てやったぞ。」

( `ハ´)「イラッシャイ!」

( `ハ´)「味噌ラーメン一つネ!」

('A`)「いやー今日も食えるなんて幸せだな!」

('A`)「ん?」

ξ*゚⊿゚)ξ「おおドクオじゃん!」

昼間だというのに一杯やりながらラーメンを食べているツンヌ。

(゚、゚*トソン「なになにツンヌの知り合い?」

(゚、゚*トソン「ってブッサイクな面してんじゃん!!」

ξ*゚⊿゚)ξ「これが前に言ったグロテスクな新人よ。」

(゚、゚*トソン「マジで人間?同じ生物とは思えないんですけどwww」

ξ*゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(゚∀゚*トソン「ガハハハハハ!」

(;'A`)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと二人とも失礼でしょ!!」

(*'A`)「あ!デレさんこんにちは!」

ζ(゚ー゚*ζ「すみませんドクオさん、二人ともだいぶお酒飲んでるみたいで。」

ξ*゚⊿゚)ξ「ドクオお前も一杯飲んでけよ!」

(;'A`)「いやまだ勤務中だから……」

ξ#゚⊿゚)ξ「私の酒が飲めねーのか!!」

( `ハ´)「ハイヨ味噌ラーメンアル!」

宇宙一のラーメン。今日もどこかで開店中。
もしかしたらあなたの街にもやってくるかも。

第十四話『宇宙一のラーメン』

終わり

434名無しさん:2018/11/14(水) 22:46:59 ID:0Sx6YJI20
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

435名無しさん:2018/11/15(木) 01:03:18 ID:u9Yed/qM0
乙!面白かった
めっちゃ味噌ラーメン食いたくなったわ……

436名無しさん:2018/11/15(木) 01:15:14 ID:WXIaQmec0
おつ
この時間に飯テロもどきはやめてくれよ…

437名無しさん:2018/11/16(金) 20:14:25 ID:YvO5tpUE0
乙です

438名無しさん:2018/11/16(金) 22:21:22 ID:ShRt8KvI0
シナーさんが無事でよかった。

439名無しさん:2018/11/16(金) 22:26:30 ID:ShRt8KvI0
おつんつん
シナーさんが無事でよかった

440名無しさん:2018/11/17(土) 02:14:13 ID:MBRIr2TY0
これだいすき

441名無しさん:2018/11/21(水) 19:42:03 ID:NEGEHMnk0
ツンが完全に人間やめてて草

442名無しさん:2018/11/23(金) 02:08:09 ID:cGkZm8J.0
第十五話『正しさこそ正義』

ある日、日本列島では宇宙人に襲われるという事件が多発した。

不細工な女「白い全身タイツみたいな羽の生えたやつに襲われたのよ!」

不細工な女「『正義のヒーロー』のなんちゃらマンだって言ってたけど、そいつの光線浴びたらこんな顔にされたの!!」

不細工な女は涙ながらに語ると光線を浴びる前の写真を見せる。
そこにはすごい美人が映っていた。今は見る影もない。

( ^ω^)「こいつはひでぇ。」

ハゲたイケメン「俺はフサフサだった自慢の髪の毛がこのありさまだよ!」

その頭は無残にもハゲ散らかしていた。

('∀`)9m「プギャー!ざまぁ!イケメンざまぁ!」

胸が断崖絶壁の女「アーン、Fカップあった私の胸がぁ!!」
  _
(#゚∀゚)「これは許せん事態だ!!」
  _
( ゚∀゚)「ちなみにお嬢さん、俺は貧乳も大好きだよ!」

低身長の男性「180以上あった俺の身長が……」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはいはい。」

低身長の男性「ちょっと俺の話聞いてます?」

ξ#゚⊿゚)ξ「うるせぇな!いまアプリのパワプロやってんだから黙ってろよ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「あ!このクソビッチレイリー!読心術失敗してんじゃねぇぇぇ!!」

低身長の男性「……」

女「私の自慢の彼ピッピがマッチョマンになっちゃった……」

女「ぽっちゃりが好きでいい感じに脂肪がついてたのにぃ!!こんなのヤダ!」

マッチョマン「……」

(,,゚Д゚)「君いい体してるじゃん!いつもどんなトレーニングしてるの?」

マッチョマン「あ、わかります?僕はいつも――」

女「ヤダヤダこんなマッチョマン!!前みたいな豚ちゃんに戻ってよー!!」

そんなような被害が多発していた。

443名無しさん:2018/11/23(金) 02:08:39 ID:cGkZm8J.0
( ^ω^)「しかし、自称『正義のヒーロー』がひどいことしやがるよな。」
  _
(#゚∀゚)「まったくだ。おっぱいに手を出すなど男としてあるまじき行為だぞ。」

('A`)「だが目的がわからんな。『正義のヒーロー』とやらがなぜ人間を醜くしようってんだ?」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!自分で『正義のヒーロー』を名乗るやつに碌なのはいねぇよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「知ってるか?絶対英雄になれない条件。」

('A`)「?」

('A`)「そんなのあるのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「おぉよ!その条件ってのが……」

('A`)「うんうん。」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、なんだっけ?」

ξ゚⊿゚)ξ「おい、ウンチク博士!」
  _
(;゚∀゚)「いや、俺もそんなの知らないよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、こういう時に使えねぇ。」

爪'ー`)「あー、いいか諸君。現在『正義のヒーロー』と名乗る不届き者が事件を起こしている。」

爪'ー`)「我々ヴィプトラ警備隊の威信をかけてこれを排除するぞ!!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」

444名無しさん:2018/11/23(金) 02:09:08 ID:cGkZm8J.0
必死の捜索もむなしく、なかなか『正義のヒーロー』とやらを発見することができなかった。
そして後を絶たない被害者たち。そんな日が続いたある日、ドクオが一人でパトロールと街中で男の悲鳴が聞こえた。
急いで路地裏に向かうと一人の女性の格好をした人物がうずくまっていた。

('A`)「大丈夫ですか?」

(;'A`)「う……」

そのうずくまっている女性の恰好をした人の顔を見るとまるでおっさんのような顔になっていた。
さらにその声は野太い男の声。

うずくまる女性「ひどい…こんなんじゃ人前に出れないよ……」

(#'A`)「なんていうことだ!許せん!!」

(#'A`)「君をこんなにしたやつはどこに行った?」

スッと指をさす。

('A`)「必ず捕まえてやる!」

指をさされた方に走っていく。
ある程度行くと行き止まりになっていたが『正義のヒーロー』とやらの姿がない。

('A`)「逃げられたか。クソォ!!」

見失ったと思った時であった。

???「もしやこの私をお探しかな?」

トォッという掛け声とともにスーパーヒーロー着地を決めるその全身が白いタイツ。
着地をすると同時に決めポーズをビシッと決める。

(☆)「はるか遠くスター星からやってきた一つの流れ星!」

(☆)「『正義のヒーロー』ジャスティスマンここに見参!!」

445名無しさん:2018/11/23(金) 02:09:46 ID:cGkZm8J.0
全身が白いタイツで覆われ、白い羽を生やし顔には大きな星が一つ。
そう彼こそがスター星からやってきたスター星人で『正義のヒーロー』ジャスティスマンなのだ。

('A`)「どちらかというと○ンタゴンでは?」

(☆)「?」

(☆)「何のことを言っているのかわからんが、このジャスティスマンの前では偽りの姿は許されない!!」

(☆)「必殺ジャスティスビーム!!」

そう言うと顔の星のマークからビームが発射されドクオに命中した。

(;'A`)「うわ!!」

(;'A`)「ってあれ?」

ドクトラアイを使っていないのにドクトラセブンに変身した。

(☆)「私のジャスティスビームはどんなものも本当の姿に戻すことができるのだよドクトラセブン。」

('A`)「そういえばスター星人にはそんな技があったな。」

('A`)「ん?」

('A`)「ということは……」

(☆)「まさかこの『正義のヒーロー』が地球人どもを醜い姿に変えたとでも思っていたのか?」

(☆)「逆だよ。化粧などで自分の顔を偽ったり、カツラでハゲ散らかした頭を隠したり。」

(☆)「シリコンで胸を大きく見せたり、シークレットシューズで高く見せたり。」

(☆)「脂肪の塊のような肉襦袢でマッチョな身体を隠したり、身体は男なのに心は女で性転換手術や整形で外見だけ女になったり。」

(☆)「そういった嘘をついた者を本来の姿にしただけさ。」

(☆)「そして私が解除するか死なない限りジャスティスビームを受けた地球人は嘘偽りがつけない。」

('A`)「なるほど。」

('A`)「しかし、ちとやりすぎなのでは?」

446名無しさん:2018/11/23(金) 02:10:22 ID:cGkZm8J.0
(☆)「何を言っている。真実が一つのようにこの宇宙でも正義は一つなのだ。」

(☆)「この宇宙では嘘が多すぎる。それを正しに来たのだ私は。」

(☆)「そう、正しさこそが正義!!故にジャスティスマンは『正義のヒーロー』なのだ!!」

('A`)「いやだからやりすぎだって。化粧だとかそれくらい許してやれよ。」

(☆)「そうはいかんのだよ。地球のような未開でサルしか住んでないような星が宇宙連盟に認められるには正しくなくてはいけない。」

(☆)「だからこそこのジャスティスマンが嘘を排除して正しい星へと導かなくてはならない。」

('A`)「排除ってどうするつもりだよ。」

(☆)「嘘や偽りをするような奴は悪だ。私のこの警告も無視するような奴らは始末するに決まっているだろ。この『正義のヒーロー』に逆らうというのだからな。」

(☆)「悪は滅ぼさねばならない!!」

(;'A`)「始末ってやりすぎだろ!!そんなんじゃ侵略者と変わらないぞ。」

(#☆)「テメー!!誰が侵略者だ!!俺は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ!!」

今まで優しそうな感じでしゃべっていたジャスティスマンが怒鳴り散らす。

(#☆)「こちらとらこんな宇宙でも端の端、辺鄙な地球とやらに来てやってんだぜ。感謝こそされど侵略者扱いとは何事だ!!」

(#☆)「ぶちのめすぞテメー!!」

(;'A`)「ちょっと落ち着けって……」

(#☆)「チッ!」

煙草を一本吸って少し間を置く。
怒り狂っていたジャスティスマンも落ち着きをとり戻した。

(☆)「やはり宇宙ケシの実入りの煙草はうまい。」

('A`)「始末とかじゃなくてもう少し穏やかな方法とかないのか?」

(☆)「……」

(☆)「ドクトラセブン、君はなんでそこまで地球人ごときに肩入れするんだ?」

447名無しさん:2018/11/23(金) 02:10:59 ID:cGkZm8J.0
('A`)「俺も最初はこんな星とか思っていたよ。」

('A`)「でもこの星を守っているうちに悪くないなって思うようになってさ。」

(☆)「ならばなぜ君は自分の存在を偽る?」

(;'A`)「え?」

(☆)「諸星ドクオとはなんだ。偽りの存在で接していてそれは本当に仲間だとでもいうのか?」

(;'A`)「そ、それは……」

(☆)「君もわかっているのだろ。所詮地球人など排他的で宇宙人を受け入れられないのだと。」

(;'A`)「……」

何も言い返せなかった。
正直なところ自分の正体をみんなに教えようかと考えたことは何度かある。
しかしそれが受け入れられなかったらと考えると……
初めてできた仲間に拒絶されるのが怖かったのだ。

(☆)「所詮地球人との絆なんてそんなもんだろ。」

(;'A`)「……」

(☆)「お互いスター星人とヴィプトラの戦士の仲ではないか。」

ヴィプトラの星とスター星はそれなりに友好的な関係なのだ。

(☆)「私が執行する正義を邪魔しないでくれ。」

('A`)「そうはいかん!!たかが化粧や嘘程度のことで地球人を始末なんかさせないぞ!!」

(☆)「おいおいマジかよテメー!」

448名無しさん:2018/11/23(金) 02:11:25 ID:cGkZm8J.0
(☆)「俺はさっさとこんな星とおさらばしたいんだよ。こんな何もない星。」

(☆)「だかかもう少ししたら大々的に粛清したりして嘘をつくような連中は排除するつもりだ。」

(☆)「そうしてこの星を正しい方へと導いてやれば他の星でも正義が執行しやすい。」

(☆)「なにより私達スター星の評価がうなぎのぼりだ。そしてこの俺は称賛や名声を手に入れられる。」

(☆)「これこそが『正義のヒーロー』!!ドクトラセブン、君もだから目指しているんだろ『正義のヒーロー』を。」

('A`)「……」

('A`)「確かに目指していたな。そんな『正義のヒーロー』を。」

('A`)「かっこよくて強くてモテて人々から尊敬されてもてはやされる。そんな『正義のヒーロー』になろうだなんて思っていたな。」

(☆)「だろだろ!もう少しでそんな『正義のヒーロー』になれるんだぜ俺達は!だから手を貸してくれよ。」

('A`)「憧れていたよ。でもさ気づいたんだ。この星を守るために戦っているうちに。」

('A`)「昔憧れていた『正義のヒーロー』ってのはただ薄っぺらいだけの言葉だってことに。」

(☆)「は?」

(#☆)「テメー喧嘩売ってんのか!!『正義のヒーロー』が薄っぺらい言葉だと?取り消しやがれよコラァ!!」

(#☆)「所詮自分の正体を偽るような奴はこの地球人どもと同じで悪でしかないんだな!」

(#☆)「まずはテメーから排除してやるよ!!」

('A`)「短気すぎるのはよくないぜジャスティスマン。どうだ俺と少し地球を守ってみないか?」

(#☆)「こんなカスみて―な星守る価値なんてないだろ!!」

('A`)「やってもいないのに決めつけるのはよくないぞ。きっと驚くような経験ができるぞ。」

449名無しさん:2018/11/23(金) 02:11:55 ID:cGkZm8J.0
(#☆)「真実が一つのようにこの宇宙で絶対的なことがある。」

(#☆)「この俺ジャスティスマンは『正義のヒーロー』で俺こそが正義なんだよ!!」

(#☆)「つまり俺に逆らうやつはみな悪なのだ!!」

(#☆)9m「その『正義のヒーロー』が断言する!お前は悪だドクトラセブン!!」

(;'A`)(こいつめんどくせぇ)

そんな風にドクトラセブンが思っている時だった。
冒頭で出てきた不細工な女がたまたまその近くを通りかかりジャスティスマンを見つけたのだ。

不細工な女「あ、テメーは!!」

(☆)「!」

ドクトラセブンの後方にいた不細工な女は猛ダッシュでジャスティスマンに向けて走っていく。
詰め寄っていろいろ文句を言おうとしているのだろう。
ジャスティスマンは面倒なのがきたとしか思っていないようだ。
ドクトラセブンも後ろをちらりと見てジャスティスマンに掴みかかるようなら引き離さないとな程度にしか考えていなかった。

地球人程度ではどんなに頑張っても宇宙人にダメージを与えられない。例外の人物を除いて。
それこそ武器がなければ無理な話だ。ただの一般市民がそんなものを持っているはずがない。
二人ともそう思って油断していた。それは一瞬だった。

不細工な女「テメーだけは許さねぇ!!」

ドクトラセブンとすれ違うその一瞬だった。
直感なのか本能なのなのかはわからないが、ドクトラセブンの頭アイス・ラッガーをつかみ取るとそのままジャスティスマンののど元に切りつける。

(;☆)「ガ……」

(;'A`)「!」

完全に油断していた。
緑色の血がジャスティスののどから噴き出した。

450名無しさん:2018/11/23(金) 02:12:37 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「き、貴様何をする……わ、私は『正義のヒーロー』ジャスティスマンだぞ……」

地面でのたうちながら必死に切られたのどを抑えるジャスティスマン。

(;☆)「私は嘘をつく地球人を正しく導こうとしていただけなのに……」

(;☆)「本来あるべき姿で他人と接しなくては何事も正しくないのだ……嘘偽りなど……」

不細工な女「確かにお前の言うことには一理あるかもな。」

(;☆)「そうだろ……私は『正義のヒーロー』絶対に正しいのだ……」

不細工な女「だがな!!テメーのそのくだらねぇ考えはテメーだけでやってろ!!他人にその考えを押し付けてんじゃねぇ!!」

(;☆)「正しいことを広めるのが『正義のヒーロー』の役目でもあるのだよ……」

不細工な女「なにが『正義のヒーロー』だ!!そんなの小学生のごっこ遊びで卒業しとけ!!」

不細工な女「大人になっても『正義のヒーロー』なんて言ってるやつはなぁ、心が子供のままの子供大人か」

不細工な女「ただ『正義のヒーロー』って言葉に酔いたいだけの自分が大好き野郎だけなんだよダボがぁぁ!!」

不細工な女「それにテメーが本当に『正義のヒーロー』だってんならなんで本当に困ってる人間を助けに行かねぇ!!」

(;☆)「困ってる人間……?」

不細工な女「紛争地域だとか災害地だとかで本当に困ってる人たちだよ!!」

不細工な女「なんでそういう人たちを差し置いて自分のくだらねぇ考えを強要してんだよ!!」

451名無しさん:2018/11/23(金) 02:13:11 ID:cGkZm8J.0
(;☆)「いや……」

地球人を完全に見下していたジャスティスマンにそんな考えは全く浮かばなかったのであった。

不細工な女「要するにテメーは後者なんだよ。『正義のヒーロー』に酔いしれてるだけの自己中!」

中指を立てながらまくしたてる。

不細工な女「私によくわからんビーム当てたときも長々と正しさがだとか正義がどうたらとか」

不細工な女「上から目線で説教しやがってよぉ!!テメーのくだらねー価値観なんてどうでもいいんだよ!!」

不細工な女「押しつけこそが悪だと知れよカスが!そんなに嘘つかれんのが怖いんならよぉ引きこもってろよ!!くだらねー考えもそのクソッタレの頭ん中で完結させとけ!!」

(;'A`)(AAも名前もないようなモブがやたらとしゃべるな……)

(;☆)「ゴ……」

(;☆)「」

『正義のヒーロー』は何も言い返せることができずに無様にも息を引き取った。

(;'A`)「……」

ジャスティスマンが死んだと同時に今までジャスティスビームを浴びた地球人たちが戻っていく。
偽りの姿に。

化粧で超絶美人「やった!元の顔に戻った!!」

フサフサなイケメン「俺の髪(カツラ)が戻ったぞ!」

女「やったあ!私の彼ピッピが元のぽっちゃりデブに戻ったあ!」

肉襦袢で覆われたマッチョマン(お!肉襦袢が元に戻った)

被害者たちは喜びの喚起を上げる。

化粧で超絶美人「よかったよかった。」

ニコニコしながら喜んでいる。
その近くをフサフサなイケメンが通りかかる。

452名無しさん:2018/11/23(金) 02:13:46 ID:cGkZm8J.0
フサフサなイケメン「お!かわいいこちゃん見っけ!!」

それに気づいた化粧で超絶美人は慌てて手に持っていたアイス・ラッガーを捨ててフサフサなイケメンの元へと駆け寄る。

化粧で超絶美人「アーン、宇宙人に襲われて怖かったぁー!」

そう言いながらフサフサなイケメンに抱き着く。

化粧で超絶美人「ドクトラセブンがいなかったら危なかったのぉ!怖くて動けなーい!」

フサフサなイケメン「仕方ないな。どうこの近くで休んでかない?」

化粧で超絶美人「うん!どっかで休んでこ!」

そうして二人は手を握りながらどこかへと去っていった。
嘘や偽りがあろうと世の中というのは問題なく回っていくのだ。
そんなに無理して正そうなど無駄な労力でしかない。

('A`)「……」

ただ一人残されるドクトラセブン。

('A`)「だから言ったろ、驚くような経験だできるって。」

('A`)(そういえば真実はいつも一つだとか言っていたな)

真実が一つというが本当にそうなのだろうか?
車は道の左側を通る。
だがそれは日本での話だ。世界では右側が主流。

('A`)(そして宇宙では左だとか右だとかはない)

('A`)(弱い者が強い者に道を譲るのだ)

そういった様々な見方をすれば真実は本当に一つなのだろうか。

('A`)「だがお前の言う通りかもしれないな。」

そう、自分が諸星ドクオと偽る限りみんなと本当の仲間だといえないのかもしれない。
でもいつか本当の自分をみんなに打ち明けられる時が来るのだろうか……
いやうち開けなくてはならないのだ。地球人と本当の友になるためには。
そう遠くない未来に。

第十五話『正しさこそ正義』

終わり

453名無しさん:2018/11/23(金) 02:14:20 ID:cGkZm8J.0
今回は短いですが以上です。
いつもありがとうございます。

454名無しさん:2018/11/23(金) 07:43:46 ID:5kWSKTJM0
不細工な女ツンヌかと思ったわwww

乙!

455名無しさん:2018/11/23(金) 08:20:55 ID:.RMH2c2A0
>>454
たぶんつんぬだぞ

456名無しさん:2018/11/23(金) 12:50:47 ID:gX7HjT0Y0
恐らくツンヌ星人とかオーガ星人とかそんなのが混ざりまくってるだろ戦闘力高すぎだわ乙

457名無しさん:2018/11/24(土) 07:38:00 ID:rzLVRc5k0
おつ

458名無しさん:2018/12/08(土) 02:15:01 ID:QOpG40xs0
第十六話『氷点下零度の戦い』

皆さんは人間の一番の武器は何だと思いますか?
知能を挙げる人がいれば道具を使えること挙げる人もいるでしょう。
現代ならば兵器だったり爆弾、核など凶悪なものも。

しかしそういった恐るべき兵器も悪天候だったり天災の前では無力だったりします。
さらには最新鋭の戦闘機であっても飛行中、エンジンにただの鳥を吸い込むだけで簡単に壊れてしまいます。
どんなものも使いようなのです。

今でこそ使い勝手のいいインターネットも元は軍事目的で開発されました。
それがあっという間に誰でも使えて便利なものに。
過去の戦争では殺虫用のガスが恐ろしい毒ガスに。恐ろしい毒ガスだったものが殺虫剤になったりしたのです。
どんなものでも生活に欠かせないようになったり、生活に欠かせないようなものが恐るべき侵略兵器にも――
今回はそんなお話。

459名無しさん:2018/12/08(土) 02:15:51 ID:QOpG40xs0
ときは12月31日の大晦日、年の終わりに地球の危機が迫っていた。

('A`)「あー、今日で今年も終わりかー。」

('A`)「でもさすごく気になるんだけど、なんで今日は俺たちしかいないの?」

雪が降り積もる富士山。ここの地下数百メートルにヴィプトラ警備隊の基地がある。
いつもは数千人の隊員たちが忙しく働いているのだが、この日は静まり返っていた。

爪'ー`)「毎年恒例で大晦日は我々だけが防衛任務に就き、一般隊員はお休みだ。」

そう、この日は作戦室にいるフォックス、ドクオ、ブーン、ジョルジュ、ギコ、ツンヌのみなのだ。

(;'A`)「地球防衛に休みの日とかあっていいんですか?!」

爪'ー`)「一日くらいな。どうせ侵略者だって今日くらいは休みだろ。」

(;'A`)「いやいやいやいや!」

( ^ω^)「まあ、今日何か起きてもいいように我々がいるんじゃないか。」

(;'A`)「マジかよ……」

爪'ー`)「その代わり我々はクリスマスが休みだったんだからいいだろ。」

ξ゚⊿゚)ξ「確かに今年のクリスマスは楽しかったなー。」
  _
( ゚∀゚)「俺、ツンヌ、デレさん、トソンさん、佐藤君、人さんでだいぶ飲んださわいだしたよな。」

ξ゚⊿゚)ξ「人ってやつずっとチョウチンアンコウの着ぐるみ着てて笑うわ。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
  _
( ゚∀゚)「本当に楽しかったよ。」

460名無しさん:2018/12/08(土) 02:16:16 ID:QOpG40xs0
(;'A`)「え……」

(;'A`)「何それ聞いてない……」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、すまん!ドクオに言うの忘れてた。」

(#゚A゚)「おまえ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな過ぎたこと怒ってんなよ。今日は大晦日だぜ、のんびりしようや。」

(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」

( ^ω^)「いやー今年のクリスマスは久しぶりにハッスルしたから子供が増えるかも。」

(,,゚Д゚)「それはよかったじゃないか。俺はヴィプトラホーク2号に彼女と乗って宇宙ステーションVIP3で一晩明かしたよ。」

( ^ω^)「ヒュー!宇宙旅行とはやるじゃん。」

(,,゚Д゚)「そりゃぁもちろんヤりましたよ。」

( ^ω^)「おいおい、何の話だよ!」

ワハハハハハハ!

(#゚A゚)「ギギギギギギギ!!」

リア充が憎い!!
クリスマスだとかバレンタインとかそんなイベントは地球のローカルな行事でしかないのだ。
V78星雲でもそんな都市伝説があるようだが俺は知らん。
所詮は都市伝説なのだ!!だって俺は体験したことないんだもん……

461名無しさん:2018/12/08(土) 02:16:42 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「つーかなんか寒くない?」

(,,゚Д゚)「確かに寒い。」

( ^ω^)「外は雪も降っているみたいだしな。」

爪'ー`)「そもそも暖房止まってない?」
  _
( ゚∀゚)「そういえば最近ボイラーの調子が悪いみたいなこと誰かが言ってたな。」

爪'ー`)「そうなると誰かが直してこないとな……」

突如として静まり帰る作戦室内。
さっきまで暖房が効いていたこの部屋でも寒くなってきたのに、暖房が全く効いていないであろうボイラー室に行くなどと……
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していた。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌだった。

ξ゚⊿゚)ξ「エーン、ツンヌボイラーの直し方がわかんなーい!ツンヌが下手に触ったらもっと悪くなっちゃうよー!」

ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」

突然のブリッ子だった。

(,,゚Д゚)「え?」

(#'A`)「は?」
  _
(;゚∀゚)「うわぁ……」

( ^ω^)「スタンド攻撃でも食らったか?」

爪'ー`)「これは悍ましい。何と悍ましい。」

ξ゚⊿゚)ξ「はい、というわけで私を除いたお前らだけで何とかしてこいよ。」

(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)「……。」

462名無しさん:2018/12/08(土) 02:17:14 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「仕方ない。こうなったら最年長である俺が行ってくるか。」

( ^ω^)「流石隊長!!」

('A`)「さす隊!!」

爪;'ー`)「う!」

爪;'ー`)「ゴホッゴホッ!」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)('A`)「?!」

爪'ー`)「いやー最近の激務とこの寒さじゃ年老いたこの体じゃムリかなー。」

わざとらしい咳をしたかと思うと頻りに四人の方をチラチラと目線を送る。

(,,゚Д゚)「あー、はいはいはい。」
  _
( ゚∀゚)「チッ」

('A`)「マジ老害。ホント老害。」

( ^ω^)「上司が仮病使ってくる件について。」

爪'ー`)「そういうわけだから若い連中でどうにかして。」

にらみ合う四人。

爪'ー`)「ボイラー室から戻ってきたら暖かいコーヒーを淹れてやるよ。」

463名無しさん:2018/12/08(土) 02:17:44 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「なぁ、世の世で最も公平なものを知ってるか?」

( ^ω^)「ジャンケンだ。ジャンケン。」

( ^ω^)「これでけりをつけよう。」

('A`)「ほう、この主人公補正ありありなドクオ様にジャンケンで勝負を挑むというのか。」

('A`)「この№1主人公ドクオに!」

( ^ω^)「ジャンケンなんて所詮運よ運。」

( ^ω^)「いつだってこのラッキーマン・ブーンは幸運ですべて乗り切ってきた!!」

(,,゚Д゚)「ジャンケンをなめんな!これはれっきとしたスポーツだぜ!」

(,,゚Д゚)「反射神経といえばギコの動体視力をなめんなよ!」
  _
( ゚∀゚)「主人公補正だとか幸運だとか動体視力とか無駄なんだよ!」
  _
( ゚∀゚)「ミスターデータベースこと、このジョルジュに蓄積されたデータをもとにすれば塵に等しいぞ!!」

再びにらみ合う四人。
戦いの火蓋が切られた。

ジャーンケーン―――

地下深くにあるヴィプトラ警備隊の基地。
その廊下を一人の敗北者がボイラー室に向けて歩いていた。
その口はひたすら負け惜しみを吐いてより一層みじめさを醸し出していた。
そして寒さなのか負けて悔しいのか身体が小刻みに震えている。

464名無しさん:2018/12/08(土) 02:18:10 ID:QOpG40xs0
('A`)「そもそも隊長やツンヌが参加してないのがおかしい。」

('A`)「全員参加でやるべきだったんだよ。」

('A`)「なにより機械いじりならジョルジュが行けばいいじゃんかよ。」

ブツブツとひたすらに文句を言っている。

('A`)「まあいい。さっさと直せば暖かいコーヒーが俺を待っているんだ。」

(('A`))「うぅ寒い。」

廊下の壁に取り付けられた温度計は零度を示していた。

('A`)「?!」

敗北者ドクオは廊下にある物が置かれているのに気付いた。
コタツだ。冬といえばこれがあればなんとかなる日用家具。
なんて変哲もないコタツが廊下に置かれている。
どう考えても罠だ。人が少ない今日を侵略者に狙われたのだ。

('A`)「うおぉぉぉぉぉ!!」

急いでコタツに近づく。
罠なのだからよく調べなくては。

('A`)「ふう。」

なんなくコタツに入りくつろぎだす。
何という恐ろしい侵略兵器だ。
一瞬にしてどドクオを無力化してしまった。

( <●><●>)「フッフッフ!貴様らがコタツを見つければ本能的に入ってしまうことはワカッテマス!」

凶悪な侵略者ワカッテマス星人だ。

( <●><●>)「愚かな地球人よそのコタツに入ったら最後、このバリア発生装置がある限り外には出れないのだよ!」

( <●><●>)「フハハハハハ!!泣いて喚いてももう遅いぞ!!」

('A`)「お!お茶あるじゃん!」

('A`)「茶がうめ―。」

( <●><●>)「……」

465名無しさん:2018/12/08(土) 02:18:44 ID:QOpG40xs0
ドクオが出てからすでに数十分が経過していた。

( ;<●><●>)「お前もう少し焦りとかないの?」

('A`)「冷蔵庫に簡易トイレにテレビもあるしここから出る必要ある?」

( ;<●><●>)「ヴィプトラ警備隊の隊員だよね?」

('A`)「むしろ俺ここに住むわ。」

( ;<●><●>)「?!」

( ^ω^)「おいおいドクオ、まだ直らんのか?」

直るのが遅いのでしびれを切らしたブーンが様子を見に来たようだ。

( ^ω^)「!」

(#^ω^)「貴様ァァァ!!」

ブーンが猛ダッシュで向かってくる。

( ;<●><●>)「し、しまった!バリア発生装置はボタン一つで簡単に解除されてしまう!」

焦るワカッテマス星人。
まったく動揺しないドクオを相手していて次の作戦に移れなかったのだ。

(#^ω^)「オオオオオオ!」

雄たけびを上げながらコタツめがけてスライディング決める。

( ^ω^)「ふう。」

( ^ω^)「お!ミカンあるじゃん!」

( ;<●><●>)「……」

466名無しさん:2018/12/08(土) 02:19:13 ID:QOpG40xs0
その後も

(,,゚Д゚)「ボイラー直すのにどれだけ時間かかってんだよ!」

(,,゚Д゚)「!!」

(,,゚Д゚)「オラァァァ!」

(,,゚Д゚)「ふう。」

('A`)「せんべいあるけど食べる?」

(,,゚Д゚)「おお、ありがと。」

爪#'ー`)「まだ直らんのかぁぁぁ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「おい!テメーら!!!!」

ξ゚⊿゚)ξ「もう少し詰めろ。私が入れないだろ。」

( ;<●><●>)「……」

コタツを囲ってみんなで楽しそうにくつろいでいる。

爪'ー`)「TVあるじゃん!紅白見ようぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「は?ガキ使に決まってんだろ!老害に決定権はねぇ!」

( ;<●><●>)「あの…みなさん?」

( ;<●><●>)「私は地球を侵略しに来たワカッテマス星人なんですが……」

( ^ω^)「隊長!!」

爪'ー`)「どうした!」

( ^ω^)「この冷蔵庫ビールがありますよ!」

爪'ー`)「いいねぇ!みんなで一杯やりながら年を越そう。」

( ;<●><●>)「こいつらマジ……」

467名無しさん:2018/12/08(土) 02:19:38 ID:QOpG40xs0
侵略者の言葉などに耳を貸さずに忘年会でもやっているのかと思うくらい盛り上がりだす。
普段の厳格な彼らからは想像もできない光景だ。
これほどまでに人間をダメにしてしまう。それがコタツだ。

( ;<●><●>)「まぁ、結果的には大成功だから良しとするか。」

少し納得がいかないようだが、結果がすべてなのだ。

( <●><●>)「しかし、電気屋で売ってた普通のコタツなのにそんなにいいのか?」

一瞬自分も入ってみようかと思ったが、本能的に一度入ったら二度と出られない、そう感じたのでやめた。

( <●><●>)「さて、今残っている隊員はジョルジュだけということは……ワカッテマス!」

( <●><●>)「情報によるとジョルジュはおっぱいが大好きだという。そこでお前らだ!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「地球人の一人くらい私たちにかかればどうということはございません。お任せを!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「もうすぐでこの星は私たちのものですね!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私が軽く始末してくる!ここで待ってな!」

身長が高くスタイル抜群でセクシーな服装のB,C。なのよりもその豊満な胸は素晴らしい。
逆に身長も低く断崖絶壁な胸のAはワカッテマス星人に寄り添っている。一番のお気に入りのようだ。

( <●><●>)「フハハハハハ!お前たちはそこで地球が侵略される瞬間を見ているがいい!!」

ξ゚⊿゚)ξ「年の終わりに地球の終わりが来るとはなかなか乙なものじゃないか。」

(*^ω^)「いい体してんじゃんそこのネーチャン!こっちで一緒に飲まない?」

(,,゚Д゚)「隊長、いい感じに熱燗ができましたよ。」

爪*'ー`)「いやー俺はここで働いてからみんなで楽しく年を越すなんて初めてだよ。」

(*'A`)「あー、コタツ最高!!」

( <●><●>)「……」

ジョルジュの元に魔の手が迫る!

468名無しさん:2018/12/08(土) 02:20:10 ID:QOpG40xs0
  _
( ゚∀゚)「みんな遅いな。何かあったか?」
  _
(;゚∀゚)「まさか宇宙人が侵入しているんじゃ!?」

一人作戦室に残されたジョルジョは異変に気付いたが、時すでに遅く刺客がやってきていた。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「ハーイ!そこのお兄さん私といいことしない?」
  _
(;゚∀゚)「?!」

謎の美女がジョルジョにゆっくりと近寄っていく。その手にはナイフを隠し持っているとは知らずに。
ジョルジョの視線はその豊満な胸に集中している。

( <●><●>)「大好きなおっぱいを見つめながら死ぬといい!フハハハハハ!」

手に持った端末からその様子を眺めている。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ウフフ、もう落ちたも当然ですね。」

(*^ω^)「俺もいいことしてほしいぜ!」

(*'A`)「俺も。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B(こいつらマジ?)

仲間たちはのんきにしているとも知らずに状況が呑み込めていないジョルジョ。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「最高の気分で天国に逝けるよ!」
  _
(  ∀ )「……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C(もらった!)

そうナイフで突き刺そうとした時だった。
  _
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」

ナイフより早くジョルジョが光線銃を抜き引き金を引いた。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「グワァァ!!」

あっけなくその場に倒れこむ。

( ;<●><●>)「ば、バカな!完全におっぱいに意識がいっていたはず!!」

469名無しさん:2018/12/08(土) 02:20:40 ID:QOpG40xs0
  _
(  ∀ )「何故だ……」
  _
( ;∀;)「何故パットなんて使うんだ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ……気づいたのね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私みたいな女は胸が大きくないと誰も相手しないのよ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「だからパットを使って偽ったとしてでも男に相手にしてほしくてさ……」
  _
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
  _
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形がとか色とかそんなのじゃないんだ。」
  _
( ;∀;)「たとえなくてもおっぱいに感謝することを忘れちゃダメなんだ!!」
  _
( ;∀;)「そんな初歩的なこともわからない男どもがこの地球に、宇宙には多すぎる……」
  _
( ;∀;)「どうしててここでもおっぱいが泣かなきゃいけないんだ!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ、あんたにもっと早く会えていればこんなことにはならなかったのにね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「うっ……」
  _
(  ∀ )「許さねぇ!」
  _
(#;∀;)「どこのどいつだか知らんが絶対に許さない!!」

ジョルジョの悲痛な叫びが響いた。

470名無しさん:2018/12/08(土) 02:21:10 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「嘘だろあいつパットを使ってたのかよ!」

( #<●><●>)「騙されたぜまったく!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ジョルジョのやついったい何言ってんだ?」

('A`)「あいつやべえな。」

(,,゚Д゚)「おっぱい話になるとあいつスイッチはいるからなぁ。」

( ^ω^)「俺が風俗嬢は顔が不細工でもおっぱいさえデカけりゃイけるって話してたら小一時間説教されたよ。」

爪*'ー`)「そんなことより誰か芋焼酎のお湯割り作って。」

(,,゚Д゚)「了解!」

ブッ

オイ誰だよ屁したの!!
うわくせえ!
何食ったらこんなに臭いんだ!!

( <●><●>)「こいつらはこいつらでまったく緊張感ないし。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「フン!ならば今度は私が行ってくるよ!」

( <●><●>)「お前の胸は本物だろうな!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「これ見てそんなこと言えんのかい?」

そう言いながらBは胸元を大きく開く。
疑いようのない大きな乳が見える。

(*<●><●>)「ふーん!良い胸だ!」

(*'A`)「眼福眼福!」

(*^ω^)「ヘイ!ネーチャン!もっとこっち向いて!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ちょっと待ってな!サクッと始末してくるぜ!」

そう言ってワカッテマス取り巻き美人三人衆Bはジョルジュの元へと向かう。

ξ゚⊿゚)ξ「ピザでも頼まねぇ?」

(*'A`)「いいね注文しよう!」

(*^ω^)「おいおい、俺が余計ピザになっちまうよ!」

471名無しさん:2018/12/08(土) 02:21:37 ID:QOpG40xs0
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「やっと見つけたよ!地球征服とCの敵をとらせてもらうよ!」
  _
( ゚∀゚)「!!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私の完璧な体を見ながら息絶えな!!」

悩殺ポーズをとりながらジョルジョに襲い掛かる。
  _
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」

あっという間にジョルジョは光線銃でワカッテマス取り巻き美人三人衆Bを打ち抜く。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ギャアァァァ!」
  _
(  ∀ )「何故だ……」
  _
( ;∀;)「何故おっぱいにシリコンを入れるんだ……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「なんだ……気づいたんだね……」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私みたいな女は胸が大きくないと(ry
  _
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
  _
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形が(ry

先ほどと同じやり取りの後、ワカッテマス取り巻き美人三人衆Bは息絶えた。

( #<●><●>)「あいつも偽乳かよ!!」

( #<●><●>)「もう何も信じれん!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「待って。あなたには私がいるでしょう。」

( <●><●>)「ああ、すまない。そうだったなお前がいたな。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「確かに私は胸がないけど、それなら信じられるでしょ?」

( <●><●>)「フッ、お前になら嘘をつかれても俺は大丈夫さ!なぜって愛してるからだ!」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「もう、ワカッテマスったら。」

濃厚な接吻をし始める二人。

472名無しさん:2018/12/08(土) 02:22:05 ID:QOpG40xs0
(,,゚Д゚)「お熱いねぇお二人さん。」

(#'A`)「ケッ!リア充が!!」

(*^ω^)「俺までムラムラしてきたぜ!」

爪*'ー`)「あと十年若ければ俺もはそこに混ざれたんだがな。年取るって怖い。」

ξ゚⊿゚)ξ「場所を考えろよ。獣かテメーら。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ふう。」

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「じゃぁちょっと待っててね」

( <●><●>)「君がすぐに戻ってくるのは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!!」 キリッ

すぐさまジョルジュの元へと向かうワカッテマス取り巻き美人三人衆A。
                                _
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「お前がジョルジョだな!貴様の(#゚∀゚)「このクソヤローがぁ!!」

有無を言わさず光線銃で打ち抜く。

ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ギョエェェ!」
  _
(#゚∀゚)「テメー男だろ!!おっぱい見ればすぐわかんだよ!!」
  _
(#゚∀゚)「ペッ」

死体に唾を吐きかける。

( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」

( ;<●><●>)「あいつ男だったのかよ!!通りでガードが堅いかと思ったが……」

( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」

(*'∀`)「ハハハハハ!ざまぁ!!」

(,,゚Д゚)「まさかの展開だな。」

( ^ω^)「俺も昔ナンパした奴にチンコがついてた時は焦ったな。」

473名無しさん:2018/12/08(土) 02:22:33 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「ちくしょう!!なんて日だ!」

ワカッテマス星人がうろたえているとついにジョルジョがこの場にたどり着いた。
  _
( ゚∀゚)「みんな助けに来たぞ!」
  _
(;゚∀゚)「え?コタツ?」

そこでジョルジョが見たのは、みんな楽しそうにコタツでくつろいでいる光景だった。
TVを見ながらビール飲んでる。そんな異様な光景だった。
もっとせっぽ詰まった状況だと思っていたが彼らにしたらそうではないらしい。

( <●><●>)「助けに来た?あなたわかってますか?地球人と宇宙人の力の差を?」
  _
(;゚∀゚)「?!」

一瞬で距離を詰めると手刀で光線銃をはたき落して蹴り飛ばす。
とっさに腕でガードするジョルジョだったがそんなもの関係ない勢いで吹き飛ばされる。
  _
(;゚∀゚)「ウゲェッ!」

( <●><●>)「わかってますあなた?地球人がどれだけ弱いか?」

(,,゚Д゚)「つ、強い!」

( ^ω^)「これやばいんちゃうん?」

ξ゚⊿゚)ξ「何やってんだよジョルジョ!その程度の攻撃でやられてんなよ!相手はたいしてことないぞ!」

爪*'ー`)「いいねえこれ。年末らしく格闘技を見てるみたい。」

('A`)「おら立て!殴り返せよ!」

('A`)「もっとこう……ああ!」

爪*'ー`)「誰かセコンドついてやれよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?いやよ!コタツから出たくない。」

('A`)「俺も。」

( ^ω^)「隊長どうぞセコンド。」

(,,゚Д゚)「見てるだけで十分っスよ。」

474名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:01 ID:QOpG40xs0
  _
(;゚∀゚)「うぅ……」

何とか立ち上がるが、一方的にボコられるジョルジョ。

( <●><●>)「んん?さっきは絶対に許さないとか言ってたようだが、この程度なんですかぁ?」

( *<●><●>)「フーッ!!地球人がこの程度だというのは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ
  _
(; ∀ )「……」

一方的にボコボコに殴られていたジョルジョ。ついに限界を迎えて倒れようとしていた。
だがその時にジョルジョの身に映るものがあった。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌのおっぱいだった。

('A`)「は?ツンヌのおっぱい?」

('∀`)「断崖絶壁、まな板、洗濯板と比喩するものはあれどこれがおっぱいだなんてナッシング!!ギャハハハハ!」

ξ#゚⊿゚)ξ (;'∀`)「あ……いえなんでもないです……」

アァ!ヤメテェー!!

オラァァァ!!

ウギャァァァァ!!

475名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:34 ID:QOpG40xs0
  _
(;゚∀ )(そうだ!おっぱいだ!)
  _
(; ∀ )「うおぉぉぉぉぉ!!」

( <●><●>)「急になんだい?叫んだところでどうにもならないことは……」
             _
( <●><●>)「ワカッテm(#゚∀゚)「オラァァァ!!」

ジョルジョが全力で殴りつける。

( ;<●><●>)「グォ!!」

地球人のパンチくらいどうということはないと受けてみると予想外の威力でふらつく。
チャンスとばかりに猛ラッシュで殴り続けるジョルジョ。
  _
(#゚∀゚)「地球人の!」 バキッ
  _
(#゚∀゚)「漢の!」   バキッ
  _
(#゚∀゚)「いいや俺の一番の武器はこの拳だ!!」 バキッ
  _
(#゚∀゚)「俺の拳はおっぱいを揉むために!」   バキッ
  _
(#゚∀゚)「そしてそのおっぱいを守るために振るうんだ!!」

( ;<●><●>)「グワァァ!!」

( ;<●><●>)(なんだこの力は?!地球人にこんなに強いなんて……)

壮大に吹っ飛ばされるワカッテマス星人。

( ;<○><○>)「こ、こんなの…ワカラナイ……」

( <○><○>)「」
  _
(;゚∀゚)「はぁはぁ…」
  _
(;゚∀゚)「やったぜ!」
  _
(;゚∀゚)「この装置のせいでみんな出られなかったんだな。」

バリア発生装置のボタンを押して解除する。
  _
( ゚∀゚)「これで出られるぞ!」

476名無しさん:2018/12/08(土) 02:23:59 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「よくやったジョルジョ!お前ならやれると信じてたぞ!」

( ^ω^)「ジョルジョはいざって時に頼りになるな!」

(,,゚Д゚)「知識だけじゃないのがジョルジョだぜ!」

('A`)「俺はジョルジョが主人公だとずっと思ってた!」

ξ゚⊿゚)ξ「マジジョルジョ神!」

「ジョルジョ!ジョルジョ!ジョルジョ!」
  _
( ゚∀゚)「よせやいみんな!」

みんなジョルジョを囲んで褒めたたえてくれる――
そう思っていた。
だが現実はそう甘くないのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「はいここで革命!」

(;'A`)「アアアアアアア!オワタ……」

爪;'ー`)「この終盤まで待っていたのか……」

(,,゚Д゚)「ツンヌは神か!生き返った!!」

(;^ω^)「クッソ、大貧民はそりゃぁうれしいよな……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

どこで見つけたのかトランプで大富豪をしていた。
  _
(;゚∀゚)「あの……みんな?」

爪'ー`)「うん?あ、もう終わってたのか。お疲れ。」

ξ゚∀゚)ξ「フーッ!大富豪だぜ!」

(; A )「OH……」

ξ゚⊿゚)ξ「終わったんならついでにボイラー直して来いよ。」
  _
(;゚∀゚)「え……?」

477名無しさん:2018/12/08(土) 02:24:30 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「お、もうすぐ新年じゃん!」

(,,゚Д゚)「年明けと同時にビールイッキしようぜ!」

爪'ー`)「いいねぇ乗った!」

ξ゚⊿゚)ξ「オラ、早くいって来いよ。ついでに作戦室が温かくなったら呼べよ。」
  _
(;゚∀゚)「……はい。」

一人寂しくボイラーを直しに向かう。
自分も一緒にコタツに入ろうかと思ったがあまりに温度差に諦めた。それに俺までだらけてしまったらまずいだろうし……
自慢したいわけではなかったが、少しくらいは褒められたかった。
何か思っていた展開と違った。

心まで冷め切ってしまったジョルジョはこの冷え切った基地を歩いて行った。
その背中は哀愁が漂う。

(,,゚Д゚)「ん?」

(,,゚Д゚)「おい大変だみんな!さっきの宇宙人の死体がない!」

( ^ω^)「なんだまだ生きてたのか、しぶといな。」

ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジョ!しっかりトドメ……もういないか。」

爪'ー`)「じゃあここにいる誰かがいかないとな。」

('A`)「は?俺は絶対嫌だぞ!ここに住むんだ!」

さっきまで楽しそうに仲良くやっていたのに突然静寂が訪れた。
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していたのだ。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。

ξ゚⊿゚)ξ

ツンヌだった。

478名無しさん:2018/12/08(土) 02:25:01 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「いや〜ん、ツンヌ宇宙人こわーい!」

ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」

突然のブリッ子。

爪'ー`)「仕方ないここは俺が……」

爪;'ー`)「ゴホッゴホッ……」

爪'ー`)「あー、やっぱ歳には勝てないかなー。」

突然の仮病。

( ^ω^)「仕方ないジャンケンで決めるぞ。」

('A`)「フン、最後はどんなことがあろうと主人公が勝つんだよ!」

(,,゚Д゚)「さっきのジャンケンはスローで欠伸が出たぜ!また余裕で見切ってやる!」

( ^ω^)「目をつぶっていても勝てるよ。幸運の女神は俺についてるからな!」

いくぞ!ジャーンケーン――

( ;<●><●>)「ゲホゲホ……」

( ;<●><●>)「地球人を侮っていた……」

( ;<●><●>)「だが十分な収穫はあったぞ!」

( ;<●><●>)「地球人はコタツの前では無力になるのだ!」

ワカッテマス星人が乗る円盤は地球圏を飛び出し宇宙をさまよっていた。

( <●><●>)「今度はコタツをさらには配置して地球人全員を無力化してやる。」

( <●><●>)「フハハハハハ!」

( ;<●><●>)「?!」

ワカッテマス星人はレーダーに映る影に気づいた。

('A`)

ドクトラセブンだ。

479名無しさん:2018/12/08(土) 02:25:35 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「クソ!!」

必死に円盤からレーザー攻撃をするがドクトラセブンには効いていない。

('A`)「デュワ!」

必殺のドクリュウム光線を発射する。

( ;<●><●>)「あー、これはもうどうしよもないことは……」

( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ

あっけなく爆発するワカッテマス星人の円盤。






こうしてワカッテマス星人の地球侵略は幕を閉じたのです。
しかし恐ろしい侵略者でした。あのヴィプトラ警備隊を壊滅一歩手前まで追い込んだのですから。
そしてコタツ。
ただの日用品がここまで恐ろしい侵略兵器になろうとは……

どんな物も使いよう一つで恐ろしい侵略兵器になりえるのです。
皆さんも物を使うときは気をつけましょう。
侵略者はいつどんなものを使ってくるのかわからないのですから。

第十六話『氷点下零度の戦い』

終わり

480名無しさん:2018/12/08(土) 02:29:01 ID:QOpG40xs0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
少し早いですが、今年の更新は今回までの予定です。
今年は皆様にだいぶお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
良いお年を。

481名無しさん:2018/12/08(土) 09:28:54 ID:Cpz9s8tM0


482名無しさん:2018/12/08(土) 11:45:38 ID:WA9n3wVI0
清々しいクズ共だ

483名無しさん:2018/12/08(土) 17:39:33 ID:yBR5sdGM0
緊張感なさすぎだろw
でもコタツと布団は悪魔的だから仕方ないね

484名無しさん:2018/12/08(土) 19:30:14 ID:2BFQNR..0
乙です

485名無しさん:2019/01/06(日) 03:04:40 ID:SCd38K/s0
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
これから投下していきます。

486名無しさん:2019/01/06(日) 03:05:19 ID:SCd38K/s0
第十七話『怪しい老人』

(´・_・`)「ああ、今日も疲れた。」

夕方、一人の社畜が帰路についていた。
今日も嫌いな上司に罵倒されこき使われて肉体も精神もボロボロだ。
しかし、そんな彼にも支えがあった。

(´・_・`)「今日も君のおかげで一日何とか頑張れたよタチャンカ!」

そう言いながら彼はスマホでアイドルの画像を気持ち悪い顔でニヤニヤしながら覗いていた。
タチャンカ、ゲームのキャラクターだ。
普通の人が見れば気持ち悪いだろうが、彼からしたら唯一心の支え。
そしてそのゲームを通じて知り合った人たちだけが彼の数少ない友達なのだ。
だから彼からしたらタチャンカこそが人生のすべてである。

(´・_・`)「でもいやだなぁ、あのうるさい上司さえいなければ……」

そう愚痴をこぼしながらいつも通る公園を歩いていると、見知らぬ老人がどこからともなく現れた。

/ ,' 3「もし、そこのお方。何かお困りのようですね。」

その老人は小汚い恰好をして、フードを深々とかぶっていたのでシワシワで歯が何本も抜けた口元くらいしか見ることができない。
しかし、この辺では全く見たことがない。ホームレスか何かか?そう思った。

(;´・_・`)「な、なんですあなた?」

/ ,' 3「あっしはしがない商人です。この地球をフラフラ回りながら商いをしてましてね。」

/ ,' 3「あなたのような方にとっておきの商品があるのですよ。」

どこからともなく飴の入った袋を取り出すと、それを手渡してきた。

487名無しさん:2019/01/06(日) 03:05:49 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「その飴をなめると幸運があなたに舞い降りるでしょう。」

/ ,' 3「一袋三十個入りなので毎朝忘れずに舐めてくだせぇ。」

(;´・_・`)「いやこんなのいらないよ。」

/ ,' 3「それはお試し品ですからお代は結構。次の袋からお代をいただきますので。」

/ ,' 3「それではあなたに幸あらんことを。」

(;´・_・`)「ちょっと!」

(;´・_・`)「?!」

スッと霧のように消え姿が見えなくなってしまった。

(;´・_・`)「なんだったんだ今の……?」

夢のような出来事であったが、確かに手にはあの飴が入った袋が握られていた。

(;´・_・`)「……」

不気味ではあったが、不思議とその飴を捨てることはできなかった。いつか必要になる気がして。
そのまま家に帰ったが、その飴をなめることはないまま数日が過ぎていく。
何も変わらない日常。仕事では上司に怒られては叩かれての繰り返しだ。
ただそんな仕事が忙しい日々を送っていたある日、珍しく寝坊をしてしまった。
朝食を用意している時間もなく急いで支度を済ませたが、何かエネルギーになるものをと思ってずっと置いてあったあの飴玉を一つなめることにした。

(;´・_・`)「変なもの入ってないよな?」

少し警戒したが時間が惜しいのでそのまま口の中へ。
なんともいえない味がしたが食えないことはない。

(´・_・`)「幸運が舞い降りる……か。」

488名無しさん:2019/01/06(日) 03:06:17 ID:SCd38K/s0
数日前だが不思議とあの老人に言われたことを鮮明に覚えている。
しかし、ただの戯言だと思いそのまま出社した。
どうせ今日も上司にいろいろ言われてしんどいんだろうな――
そう思った。

(;´・_・`)「え?上司が事故で入院?」

会社に着くなりみんなその話題でもちきりだ。
何やら信号無視をした上司が車にひかれて大けがを負ったようだ。
命に別状はないようだが、当分会社には来れないそうだ。
それを聞いて小さくガッツポーズをした。

その日は本当にいい日であった。
いやな上司はいなくなり、休憩時間にたまたま会社に偉い人と雑談をする機会があるとえらく気にいられたのだ。
そのまま別の部署に異動することとなった。自分がずっと行きたかったところだ。

その後はあの飴をなめて会社に行くことにした。
それからはいいことばかりの毎日だ。
どこからどう見ても地味でさえてない上にキモオタの代表なような自分であったが、新しい部署の仲間は親切に接してくれた。
それどころかよく遊びに誘ってくれ、服のコーディネートまでやってくれたのだ。
彼らはどう見てもリア充で自分とは真逆な存在なはずなのに、なぜか会話が弾むのだ。頭の中に次になんてしゃべったらいいのか浮かんでくる。
これもあの飴の効果なのかな?

飴をなめるようになってから人生がまるで変った。
仕事終わりや休みの日はリア充の仲間たちと遊びに出かけ、ついには女の子ともデートに行くようになっていた。
今までの自分では考えられないようなことだ。女の子との会話もベストなセリフがスラスラ浮かんでくる。
そして頭に浮かんだことを行動するとすべて大正解というようになんでもうまくいった。

(´・_・`)「なんて幸せなんだ。」

これが幸せなんだということがよくわかる。
だが、その反面失われた時間があった。
今まで心の支えにしていたタチャンカだ。
タチャンカのゲームや動画を見る時間はなくなったし、そのつながりの友達ともまったく連絡を取っていなかったのだ。

489名無しさん:2019/01/06(日) 03:06:43 ID:SCd38K/s0
(´・_・`)「……」

(´・_・`)「まぁいいか。」

(;´・_・`)「?!」

タチャンカのことをふと思い出した拍子に大事なことに気が付いた。
飴がもうないのだ。この飴がなくなったら自分はどうなるのだ?そう思うと恐怖でいてもたってもいられなかった。
夜遅かったが、慌てて家を飛び出してあの老人がいた公園へと向かう。

(;´・_・`)「はぁはぁ…」

真夜中の公園をひたすら探す。
だが冷静に考えればこんな時間にいるはずがないのだ。

(;´・_・`)「あ、明日の夕方ならいるかな?」

なんとしてもあの飴を手に入れなければ……
そう考えていた瞬間だ。

/ ,' 3「あっしをお探しですかいお客さん?」

突然背後から声がした。

(;´・_・`)「ヒッ?!」

馬鹿な周りには誰もいなかったのに?!

/ ,' 3「へっへっへ。お客さんはこれをお求めですかな?」

そう言うとあの飴の袋を取り出した。

(;´・_・`)「あ、あぁそれだ!それを売ってくれ。」

/ ,' 3「ええ、お売りしやしょう。でも今度はただじゃありやせんぜ。」

(;´・_・`)「いくらだ?」

たとえ数万だろうが払うつもりだ。それだけ出す価値があるのだあの飴には。

/ ,' 3「お金はいりやせん。」

(;´・_・`)「金は要らないだと?」

490名無しさん:2019/01/06(日) 03:07:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ええ。たった一つの物をいただければこの飴を一生分差し上げやすよ。」

(;´・_・`)「何が欲しいって言うんだ?」

/ ,' 3「あなたの大事なものでっせ。それは命より大事なもの。」

命より大事なものだと?
何かとてつもなく恐ろしいものを盗られるのでは?
恐怖のあまり身体が強直する。

/ ,' 3「そう、あなたの心の支えの等身大のタチャンカフィギュアですな。」

(;´・_・`)「な!」

等身大のタチャンカフィギュア。
これは自分の人生で唯一誇れる持ち物だ。
世界でたった数体しか存在せず、一体数百万した代物だ。
借金をしてでも購入し、これのおかげでヴィプマス仲間ではかなり有名になれた。

背中のボタンを押せばタチャンカのメイン曲が流れそれ以外にもタチャンカやカリンカも聞くことができる。
毎日これを眺め、辛いときは何度も話を聞いてもらった。
一人暮らしも彼女がいれば寂しくなかったのだ。それくらいに自分にとって大切なものでこれこそ自分の誇りそのもの”だった”。

(;´・_・`)「……」

(;´・_・`)「……」

(;´・_・`)「ほ……」

(;´・_・`)「本当に”そんなものでいいのか”?」

/ ,' 3「あっしはそれさえいただければ十分でっせお客さん。」

(´・_・`)「いやー助かる。最近はむしろ邪魔だったんだよあれ。無駄に場所取るし。何よりあんなのあったら女の子を家に上げられないよ。」

/ ,' 3「では取引成立でございますな。」

(´・_・`)「これでずっとあの飴が手に入るなら最高だよ!」

/ ,' 3「これから毎月この飴があなたの元へと届きますよ。たとえどこに引っ越そうそとね。」

ニヤリと笑う怪しい老人。

491名無しさん:2019/01/06(日) 03:07:51 ID:SCd38K/s0
地味な青年の小練ショーンは喜んで自分の家へと帰っていった。
きっと彼のこれからは何一つ困らないで幸せな人生を歩んでいくことでしょう。
あの飴のおかげで。
そして気づくことなく一生を終えることでしょう。これから歩む人生は本当の彼自身のものではないことに。
何より彼は一番大切なものを永遠に失ったことに。

/ ,' 3「しかし困った。こんなデカい物どうしたものですかね。」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「ネットで売りやすか。」

そんな怪しい老人がいることも知らずに今日もヴィプトラ警備隊の作戦室は騒がしい。

('A`)「!!」

('A`)「オイ見ろジョルジョ!タチャンカの等身大フィギュアがネットオークションで売ってるぜ!!」
  _
( ゚∀゚)「な、なんだってー!!」
  _
( ゚∀゚)「ウオォォォ!!マジじゃん!」

('A`)「しかし今すでに500万円か……」
  _
(;゚∀゚)「ぐぅむ……だがたとえ借金をしてでも手に入れなければ!」

('A`)「二人で力を合わせれば行けるか?」

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「お前ら仕事中に何してんだ?」

('A`)「隊長!仕事どころではありませんよ!なんたってあのタチャンカのフィギュアですよ!」
  _
( ゚∀゚)「地球防衛より大切なことです!!」

爪#'ー`)「あぁ?」

ξ゚⊿゚)ξ「フィギュアとかお前ら何キモイことしてんだよ。」

(#'A`)「お前にタチャンカの何がわかる!!ジョルジョ言ってやれ!」

492名無しさん:2019/01/06(日) 03:09:10 ID:SCd38K/s0
  _
(#゚∀゚)「本当、タチャンカのタの字もわからないやつが我々の高等な会話に入ってくるというのがおこがましい。タチャンカとはヴィプマスタ―という大人気アイドルプロデュースゲームに登場するキャラクターの一人。
     出身はロシア・サンクトペテルブルクでアイドルで公表されている年齢17。しかし本当の年齢は29だ。声優はヴィプ坂すみれ。タチャンカは愛称で、本名はアレクサンドル・セナフィエフ。男の名前だが、
     それは男のようにたくましく育ってほしいという軍人の父親の願いが込められてつけられた。事実、女であっても厳しく育てられ現在は身長/体重:183cm/99.8kにまで育つ。その肉体はまるで肉の鎧。
     偉大な父の跡を継ごうとロシア軍に入隊。そして特殊部隊:スペツナズに長年所属。彼女に転機が訪れたのは日本での作戦実行中にたまたま見たヴィプ海やヴィプ月が行うライブを見て心を奪われる。
     その後周りの反対を押し切り日本語を勉強して来日。念願だったヴィッププロダクションに所属するようになる。本名のアレクサンドル・セナフィエフではあまりにもイカツイということでヴィプ槻にタチャンカ
     の愛称を名付けられた。それからの彼女の活躍はすさまじく軍隊で鍛え上げた肉体から繰り広げられるダンスは誰よりも機敏でパワーあふれるパフォーマンスをする。コサックダンスを得意とするが、
     一番の得意なダンスはタチャンカダンス。密輸した彼女専用装備のRP-46軽機関銃をステージにセットして激しく銃身を上下左右に振りまくる。このキレッキレっぷりは彼女の人気の高さの秘訣だ。
     普段は空包だっが、アンコールやハイテンションの時は実弾をぶっ放して会場を沸かせる。ただこのタチャンカはステージ上だけでなく普段からフルフェイスマスクを被っており素顔を見たものはいない。
     そういったお茶目な面やミステリアスな一面のおかげでヴィプマスでも常に人気上位。そのため、彼女をメインに置いた映画が上映され賛否を呼んだ。なぜ賛否かというと、映画終盤でライブを行うはずであったが、
     ライブ会場がテロリストたちに占拠されてしまう。タチャンカはテロリストを皆殺しにしようとしたが、ヴィプ海やヴィプ月といったメンバーが歌で彼らの心を救おうと提案して対立。甘っちょろいことを言う他のメンバーに
     タチャンカがブチギレ乱闘騒ぎ。なお一方的にタチャンカが他メンバーをボコボコにしたもよう。そのせいで大量のタチャンカアンチを作ってしまったのだ。その後はたった一人でテロリストたちを一人一人始末していくが、
     ボロボロになった他のメンバーたちが最後の力を振り絞りライブを始める。それを聞いたタチャンカやテロリストたちは涙して心が浄化され手を取り合いステージ上の他のメンバーを応援した。
     その時に最初に見たアイドルのライブの光景を思い出したタチャンカは自分が間違っていたことに気が付いて他のメンバーに謝罪。アンコールでタチャンカダンスを披露。だがダンス中、間違って実弾で改心したテロリストたちを射殺。
     初の素顔見せをテヘペロっと最高の笑顔で締めた。銀髪で色白、透き通った青い瞳で頬には以前の戦闘で負った傷があるが、その傷を隠すためにマスクをしているのではなくただ単にいつ戦闘があっても頭を抜かれないようにするためと、
     大勢の人に見られるのが慣れておらず恥ずかしいからなのだ。映画自体は繁盛したが、ボコボコにされた他のメンバーファンがタチャンカを許せずにタチャンカファンと壮絶なレスバトルを長年続けた。さすがにまずいと思ったスタッフや
     タチャンカの中の人が謝罪して、DVDではその暴力シーンがカットされる事態が発生して終息した。今も大量のアンチはいるが、甘っちょろい考えに唾を吐きかけるくらい気嫌いして割と短気なところがタチャンカの魅力の一つ。
     最近あったテレビアニメシリーズでも生意気な後輩に対してはロシア方式のけじめをつけさせ病院送りにしたり。抜けているところはとことん抜けているが、いざというときは頼りになる。そういったところがおれは大好きですね。
     いつかタチャンカの故郷を聖地巡礼したいとは思うんですがなかなか時間が取れなくて。でも自分なりにタチャンカの機銃、RP-46軽機関銃を自作してみたりはしましたよ。ファンなら当たり前のことですが。でもタチャンカで一番重要な
     エピソードといえばあれは外せないですね。スマホのアプリでタチャンカに追加された一番最初のエピソードで――――

493名無しさん:2019/01/06(日) 03:09:41 ID:SCd38K/s0
  _
(#゚∀゚)「―――」
     
(;'A`)爪;'ー`)ξ;゚⊿゚)ξ(;^ω^)(;゚Д゚)「……」

その後もジョルジョはしゃべることしゃべること。
よくその早口で下噛まないなとかお前いつ呼吸してんだというくらいしゃべる。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、うん、すごいねー、タチャンカすごいねー。」

あのツンヌが引いた。
いやさすがのツンヌでもこれは何も言う気になれないようだ。
  _
(#゚∀゚)「まったく何にも知らない素人風情がタチャンカのことで口を挟むな!これくらいむしろ一般常識だぞ!」
  _
(#゚∀゚)「だよなドクオ!」

(;'A`)「!!」

(;'A`)「……」

(;'A`)「……」

(;'∀`)「あ……あぁ、そうだな……」

必死の作り笑いをするしかなかった。
今まで自分はヴィプマスにおいてかなりのオタクだと思っていたのに……
ひょっとしたら上位にいるのではとか考えていたが間違いだったようだ。

494名無しさん:2019/01/06(日) 03:10:18 ID:SCd38K/s0
(;'A`)(俺はただのニワカだ…)

(;'A`)(下手したら一般人に毛が生えた程度か?)

(;^ω^)「あ、隊長!ここの防衛範囲について質問がありまして……」

爪;'ー`)「うん、なにかな?」
  _
(#゚∀゚)「でもいいかタチャンカは―――」

いまだに一人で語っている。
仕方ないのでみんな違うことをし始めるのだ。

(,,゚Д゚)「よ、よし!ドクオ、パトロールに行こうぜ!」

('A`)「あぁ、行こう!」

ギコからの助け舟だ。
面倒な奴はほっとくのが一番。
ヴィプンターで適当にパトロールをして公園で一休み。

(,,゚Д゚)「フーッ平和はいいぜ!」

「もし、そこのお方。」

(,,゚Д゚)「?」

/ ,' 3「あなたはヴィプトラ警備隊のギコ隊員じゃありやせんか。」

495名無しさん:2019/01/06(日) 03:10:50 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「何か用かじいさん?」

薄汚い老人がギコの前に現れた。
かなり匂うが、顔色一つ変えずに接するギコ。

/ ,' 3「あっしはしがない商人です。どうですギコ隊員にいい商品がありやすぜ。」

(,,゚Д゚)「?」

老人は懐からおもちゃの光線銃のようなものを取り出しギコに差し出す。

/ ,' 3「これは不思議な銃でして狙った相手はたとえどんな奴であろうと一発でしかも確実に当てて仕留めることができる銃でございます。」

(,,゚Д゚)「は?」

/ ,' 3「これはお試し品ですから弾は十発。でももしギコ隊員のお持ちのその光線銃をいただけるなら無限に撃てる正規品をお渡ししやすぜ?」

(,,゚Д゚)「……」

ボケた老人のたわごとか?
いやだが目は本気だ。

(,,-Д-)「フーッ。」

(,,゚Д゚)「いいかじいさん、あんたの話が本当だったとしても俺はそんなものいらない。」

/ ,' 3「?!」

/ ,' 3「なぜですかい?!」

(,,゚Д゚)「もし俺がその銃で活躍したところでそれはおれの実力じゃない。その銃の力だ。」

(,,゚Д゚)「その銃に頼りきってちゃそれがなくなったとき俺は何もできなくなる。」

(,,゚Д゚)「だからいらない。むしろそんなものに頼らなくてもその銃に負けないくらいにならないとな。」

(,,゚Д゚)「何より俺の銃はヴィプトラ警備隊に入った時からの相棒だ。」

(,,-Д-)「こいつとはいくつもの死闘を戦って来たからな。血と汗が染みこんでるんだ。」

(,,゚Д゚)「これこそ俺の誇りなんだよ。そう簡単に誰かに渡せないね。」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「へっへっへ。あなたは本当のことを仰ってますね。目を見ればわかりやす。」

496名無しさん:2019/01/06(日) 03:11:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ではこちらの缶ジュースはどうです。今喉乾いてるでしょう。」

(,,゚Д゚)「おお、ありがたいね。いくら?」

/ ,' 3「500円です。」

(,,゚Д゚)「は?ちょっと高くない?」

/ ,' 3「いえいえ、あっしのような浮浪者はちょっと値を釣り上げて物を売らないと生きていけないのですよ。」

(,,゚Д゚)「いやでもそれくらいなら自販機で……」

/ ,' 3「そうですかい。ギコ隊員は地球は守っても、あっしのような弱者までは守るつもりはないということですかい。」

/ ,' 3「あぁ、今日も残飯をあさらなきゃなぁ……まともな食い物なんてもう何日も……」」

(;゚Д゚)「グググ……」

(,,゚Д゚)「ああ、もう仕方ない買ってやるよ!はい500円!」

/ ,' 3「へっへっへ。毎度ありギコ隊員。」

そう言うとスッと姿を消す老人。

(,,゚Д゚)「ちくしょういいようにやられたぜ。」

('A`)「どうしたギコ?」

トイレを済ませたドクオがギコの元へとやってきた。

(,, Д )「はぁ…カモられた……なんでああいう時ノーと言えないんだ……」

('A`)「?」

('A`)「ん?あれは?」

遠くへ歩いていく怪しい老人の背後が見える。

('∀`)「ほぅこれはこれは。」

497名無しさん:2019/01/06(日) 03:12:31 ID:SCd38K/s0
夕方先ほどの公園。

/ ,' 3「今日はもう商いは終いにしやしょう。」

あの老人が商売をやめて片付けをしている。

('∀`)「やあやあ、アラマキ星人さんよぉ商売繁盛かい?」

/ ,' 3「?!」

('A`)「おっと妙な動きをするなよ。この地球になんのようだ?侵略にでも来たのか?」

光線銃を構えながらドクオが問う。

/ ,' 3「これはこれはドクトラセブンの旦那、あっしのことはご存知じゃありやせんか?」

('A`)「ああ知ってるとも。アラマキ星人、宇宙で最弱な肉体を持ちどんなやつにもこびへつらう。」

('A`)「まさに下っ端も下っ端。強者や上の者たちに不思議な道具を売りながらなんとか生かしてもらえている哀れな連中さ。」

/ ,' 3「ええ、おっしゃる通りですよ。ですからこの星を侵略するつもりなんてこれっぽっちもありやせん。」

/ ,' 3「ただこの星で商いができればいいんですよ。」

('A`)「フーム、どうしたものかな。」

/ ,' 3「なら旦那にとびっきりの商品を差し上げましょう。」

('A`)「ほう、なんだ?」

/ ,' 3「このヴィプトラブレスレットですよ。」

('A`)「なんだこれ?」

/ ,' 3「これを付けたものは無敵になれるんですよ。」

/ ,' 3「あなたの同期にヴィプトラマン弱って方がいたでしょう。」

('A`)「ああいたな。」

/ ,' 3「その方はヒーローランキングで最下位争いをする程度だったんですが、これをつけたとたんに上位争いに食い込むほどの実力者になられたんです。」

498名無しさん:2019/01/06(日) 03:13:03 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「な!まじか!」

('A`)「え、ちなみに俺はヒーローランキングで何位?」

/ ,' 3「旦那はランキング外でっせ。」

(;'A`)「え?」

/ ,' 3「圏外も圏外。存在自体知られてないんじゃないんですかい?」

(;'A`)「は、はー、ランキングとかどうでもいいし……そんなのにこだわってるのはまちがいだしー」

必死の負け犬の遠吠え。

/ ,' 3「それはさておきこのヴィプトラブレスレットを差し上げますからあっしが地球で商いするのを許してくだせぇ。」

/ ,' 3「もし少しでも侵略していると思ったのならその時始末してくれて結構ですから。」

('A`)「それならいいだろう。じゃあそれは貰っていくぞ。」

/ ,' 3「でも旦那、忘れないでくだせぇあっしとの約束を。」

/ ,' 3「商売において一番大切なことは信用でっせ。それがなきゃ商売できやせん。」

/ ,' 3「だからあっしは絶対地球を侵略しませんよ。なんで旦那もあっしが侵略していると思わない限り……」

/ ,' 3「あっしを攻撃したりするのはなしですよ。」

('A`)「OK、それでいこう。」

/ ,' 3「それではあっしは失礼させてもらいやす。」

/ ,' 3「でもお忘れないように。約束は絶対ですよ。」

とくにその時のことを気にしないで返事をした。
すでに左腕につけたヴィプトラブレスレットのことで頭がいっぱいだったのだ。
いいものを手に入れた。

それからのドクトラセブンの活躍はすさまじかった。

499名無しさん:2019/01/06(日) 03:13:38 ID:SCd38K/s0
一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」

一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」

町では忍者の宇宙人が建物を破壊していた。

|/゚U゚|「今日からこの星は拙者のものでござる。」

激しく忍者をする忍者星人。汚いなさすが忍者きたない。

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民D「いや待てあれを見ろ!」

('A`)「デュワ!」

一般市民ABCD「ドクトラセブンだ!」

(#'A`)「ダァァァ!!」

有無を言わせない先手必勝。
アイス・ラッガーを忍者めがけて投げつける。

|/゚U゚|「ギャアァァ!!」

一瞬にして盾に真っ二つ。
がしかし、ボンッと音とともに丸太に変わる。
変わり身の術だ。

(;'A`)「な!」

慌てて左右を見渡すが忍者の姿がない。
その時ドクトラセブンの影が動き出す。

|/゚U゚|  ニヤリ

激しく忍者が影に化けていたのだ。
さっさと後ろから羽交い絞めにするとドラゴンスープレックスを決める。

(;'A`)「グワァァ!!」

すぐさまドクトラセブンと距離を置きクナイを大量に投げつける。
少しずつ削っていく作戦だ。
汚いなさすが忍者きたない。

500名無しさん:2019/01/06(日) 03:14:15 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「ウググ……」

なかなか反撃できないドクトラセブンだがここで動いた。
左手首に付いているヴィプトラブレスレットを外し高々と掲げる。
ピカッと一瞬光ると激しく忍者の動きを封じる。

|;/゚U゚|「な、なんだ体が動かん?!」

('A`)「デュワァァァ!」

そして激しく忍者めがけてヴィプトラブレスレットを投げる。
投げられたヴィプトラブレスレットは光の刃となって激しく忍者をバラバラに解体した。

|;/゚U゚|「サヨナラーーー!!」

しめやかに爆発四散。

('A`)「ふぅ。」

('A`)「デュワ!」

一息つくと空へと旅立っていく。

一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」

一般市民C「今回もあっという間に瞬殺だったな。」

一般市民D「やっぱヒーローはこのくらい強くあってもらわないと。」

それから数日後。

一般市民A「うわー怪獣だ!!怪獣がでたぞー!」

一般市民E「ひぃぃいすごく寒いぃ!!」

雪だるまの怪獣「ゴオォォォ!!」

町で暴れる雪だるまの怪獣は冷凍ガスを吐き続ける。

雪だるまの宇宙人「いいぞ!我が雪だるま怪獣ユーキダルーマ!このまま地球を氷の星へと変えるのだ!!」

雪だるまの怪獣の足元には人間サイズの雪だるまの星人がわめいている。
どうやらこの雪だるまの宇宙人が連れてきた怪獣らしい。
そしてこの冷凍ガスのせいで町中は氷漬けだ。

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民D「いや待てあれを見ろ!」

501名無しさん:2019/01/06(日) 03:14:43 ID:SCd38K/s0
('A`)「デュワ!」

一般市民ACDE「ドクトラセブンだ!」

ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」

有無を言わせない先手必勝。
雪だるまの怪獣の政党ガス攻撃だ。

(;'A`)「グワァァ!!」

一瞬にして氷漬けにされるドクトラセブン。

一般市民C「あぁドクトラセブンが…」

一般市民D「地球の終わりだぁ……」

雪だるまの星人「フハハハハハ!どうだ地球人ども!」

雪だるまの星人「お前たちの頼みの綱のドクトラセブンはこの様だ絶望するがいい!!」

雪だるまの星人「さぁユーキダルーマよ!氷漬けのドクトラセブンを粉々に粉砕してやれ!!」

ユーキダルーマ「ゴオォォォ!!」

勝利を確信した雪だるまの怪獣が氷漬けのドクトラセブンを攻撃しようとした時左手首のヴィプトラブレスレットが光る。
一瞬にして解凍されるドクトラセブン。

('A`)「デュワ!」

一般市民A「やった!ドクトラセブンが生き返ったぞ!!」

一般市民E「そうだよ怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」

ユーキダルーマ「ギギギ…」

ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」

もう一度強力な冷凍ガスを噴き出す。

('A`)「デュワ!」

サッとヴィプトラブレスレットを盾に変身させて冷凍ガスを吸い始めるドクトラセブン。

502名無しさん:2019/01/06(日) 03:15:12 ID:SCd38K/s0
ユーキダルーマ「!!」

('A`)「デュワァ!」

吸い込んだ冷凍ガスを何倍にも強力にして盾から放出する。

ユーキダルーマ「ギィヤァァァ!!」

今度は逆に雪だるま怪獣ユーキダルーマが氷漬けになる。

(#'A`)「ダァァァ!」

盾に変身させたヴィプトラブレスレットを元に戻して怪獣めがけて投げつける。
エネルギー弾となったブレスレットが怪獣に当たると大爆発を起こした。

雪だるまの星人「バ、バカな!俺のユーキダルーマが……」

跡形もなく吹き飛んだ。

('A`)「デュワ。」

仕事を終えたブレスレットは投げつけたときよりも早くドクトラセブンの左手首に戻る。

('A`) ギロッ

雪だるまの星人「ひっ……」

(#'A`)「ダァァァ!」

ドクトラセブンの指先から放たれたレーザー光線が雪だるまの星人に直撃して焼き尽くす。

雪だるまの星人「ヒギィィィィ!!」

これがドクトラセブン必殺のハンドビームだ。

('A`)「デュワァ!」

一仕事終えたドクトラセブンは颯爽と空へと飛び立っていく。

503名無しさん:2019/01/06(日) 03:15:40 ID:SCd38K/s0
一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」

一般市民C「しかし今日は焦ったよ。危なかったんじゃないか?」

一般市民E「馬鹿言え怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」

一般市民E「大事なことだからもう一度言うが、怪獣ごときの冷凍ガス氷漬けにされて体をバラバラにもぎ取られるヒーローがいてたまるか!」

このようにドクトラセブンはあっという間にして無敵のヒーローに早変わりしたのだった。
そしてそれはドクオでいる時でも同じである。

爪'ー`)「素晴らしいなドクオ!最近の活躍は身を見張るものがあるぞ!」

('∀`)「いやーそれほどでもないですよ!」

気持ち悪い顔をニヤケ笑いすることでさらに気持ち悪くするドクオ。

( ^ω^)「ここ数週間の宇宙人撃破数ダントツの一位だからな。スゲーなおい!」

(,,゚Д゚)「いつの間にそんな努力してたんだ?」

('∀`)「ただ単に眠っていた俺の力が目覚めただけだよ。」

('∀`)「なんて言うか頭で考えた理想の動きに体がついてきてるって言うか……あーこのレベルの話をしてもみんなには無理か。」

( ^ω^)「おぉ、言ってくれるじゃないか。」

(,,゚Д゚)「こりゃあ負けてられない!俺もドクオに習って努力しなくちゃな!!」

('∀`)「俺のレベルに来ようったってそりゃぁ無理な話だな!」

('∀`)「ハハハハハ!」
  _
( ゚∀゚)「クソォ、ちょっと前まで俺より成績悪かったのに……」

('∀`)「そうできる人間をひがむなってジョルジョ!」
  _
(;゚∀゚)「グググ……」

爪'ー`)「まぁみんなもドクオに追いつけるよう頑張ってくれたまえ。」

('∀`)「フハハハハハ!やっと俺の時代がきたんだ!!」

504名無しさん:2019/01/06(日) 03:16:11 ID:SCd38K/s0
左腕で光線銃を撃てば目をつぶっていたって百発百中一撃必殺。
敵を追っていてもブレスレットからエネルギーが常に補充され疲れることなく全力疾走でどこまでも追える。
重いものを持つ時ですらブレスレットの力で軽々持ち上げる。
そんなパーフェクトドクオに成ったのだ。

('∀`)「これが……これがおれの実力なんだ!!どんな奴が相手でも負ける気がしねぇ!!」

天狗になったドクオ。
そんな天狗なドクオがいる作戦室にボロボロになったギコが運ばれてきた。

(,, Д )「」

(;^ω^)「馬鹿!いくら何でも無茶しすぎだって!!」
  _
(;゚∀゚)「もう少し戦う相手は考えようぜ……」

ブーンとジョルジョが肩を抱えながら運んできた。

('∀`)「どうしたギコ、侵略宇宙人ごときに敗北したか?まったくダサいな!」

(,, Д )「」

ξ゚⊿゚)ξ「まったくだ。ギコ程度の分際でこの私に格闘訓練の相手を頼むとは百年はえぇ!!」

(;'A`)「え?」

( ^ω^)「なんでも最近ドクオに追いつくために必死でいろいろトレーニングとかしてるみたいだぜ。」
  _
( ゚∀゚)「でもいくら何でもツンヌはまずい。」

ξ゚⊿゚)ξ「つまらんサンドバックだった。」

ξ゚∀゚)ξ「おいドクオ今度はお前が相手になれ!ここんところ調子いいんだろ?」

(;'A`)「い、いや……」

ちらりとブレスレットを見つめる。
すごい勢いで振動していた。
どうやら『戦うな!』と必死で訴えているようだ。
ブレスレットでも勝てないのか?ブレスレットでも勝てないなと納得した。

(;'A`)「ほら、格闘戦なんてほとんどないだろ。だからそんな意味ない訓練しても意味ないさ。」

必死に言い訳をしておく。そうだ今は銃撃戦がほとんどなのだから生身で格闘する必要なんてない!

(,, Д )「意味ないことなんてないさ……」

(;'A`)「!」

ボロボロだったギコが口を開く。

505名無しさん:2019/01/06(日) 03:16:39 ID:SCd38K/s0
(,, Д )「もし光線銃が使えない状況で戦わないといけない状況がきたとしたら?」

(,, Д )「お前は尻尾をまいて逃げるのか?」

(,, Д )「そうじゃないだろ!武器がなくても挑まなきゃいけないんだぜ俺たちは!!」

(;'A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「弱いくせに吠えるじゃん。」

(; Д )「こ、これからツンヌにも負けないように頑張るんだよ……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!それならもう一ラウンドやるか!!」

(; Д )「今はちょっと……」

( ^ω^)「そういう意気込みは大事だが、人類最強にいきなり挑むのは無謀だろ。」

('A`)「まったくだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「人類最強?私がか?」

('A`)「え?違うの?」

ξ゚⊿゚)ξ「私より強い奴は少なくとも私が知ってる限り数人はいるぞ。」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)('A`)(,, Д )「は?!」

ξ゚⊿゚)ξ「親父や兄貴にはまだ負け越してるしな。他にも二、三人ほど負け越してるし。」

(;'A`)「もうその人たちが防衛隊になればいいんじゃない?」

ξ゚⊿゚)ξ「お前その気持ち悪い頭には何も入ってないのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「結局のところ対宇宙人戦はほとんどが銃撃戦だぜ。生身の格闘戦なんて一割もないだろ。」

('A`)「いやでもツンヌいつも素手で倒してんじゃん。」

ξ゚⊿゚)ξ「ありゃー『この俺が地球人ごときに素手で負けるはずがな!!』って考えてるアホな奴らだからな。」

506名無しさん:2019/01/06(日) 03:17:21 ID:SCd38K/s0
ξ゚⊿゚)ξ「実際、巨大化できる奴に巨大化されたら手も足も出ねぇよ。だから私が相手してんのは頭に血が上った馬鹿ばかりになるな。」

ξ゚∀゚)ξ「おかげでいつも死闘を楽しませてもらってるがな!カッカッカッ!」

ξ゚⊿゚)ξ「むしろ下手に実力差を感じて遠距離戦に徹される方が面倒だ。一応距離を詰めて戦おうと思えば戦えるんだろうけど面倒臭すぎる。」

ξ゚∀゚)ξ「そういうやつが相手の時は誰かに任せて私は飲み行くけどな!」

( ^ω^)「おま!!じゃあこの前の宇宙人はそういうやつか!!道理で連絡があった場所に行ってもツンヌの姿がないと思った!!」

ξ゚⊿゚)ξ「ま、そうやって実戦を積みながら人類最強を目指しているわけよ私は!ついでにストレス発散にもなるし。」

('A`)「君は地球を守る目的でヴィプトラ警備隊になったんじゃないわけ?」

( ^ω^)「おいおい!ツンヌがそんな崇高な考えしてるわけないだろ!」

('A`)「そりゃそうだ。」
  _
( ゚∀゚)「むしろそういう理由の方が安心するぜ。」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)('∀`)「ハハハハハ」

それから数週間後。

爪'ー`)「さすがドクオだな!今週もトップの成績じゃないか!」

爪'ー`)「そしてギコ!頑張ったな。ドクオと並ぶ成績だ!」

('A`)「……」

(,,゚Д゚)「いえいえ、俺のトレーニングに付き合ってくれたみんなのおかげですよ。」

(,,゚Д゚)「それにドクオ一人に頼りきりじゃドクオに何かあった時に何もできなくなりますからね!」

('A`)「……」

('A`)(こいつマジか?地球人でこの俺に並ぶだなんて……)

( ^ω^)「あれだけ頑張ってりゃな!」
  _
( ゚∀゚)「ドクオとギコのエースさえいれば安泰ですね!」

爪'ー`)「馬鹿言え。お前ら二人もそのエースと同じくらい頑張るんだよ!!」
  _
(;゚∀゚)(;^ω^)「ゲッ……」

507名無しさん:2019/01/06(日) 03:17:53 ID:SCd38K/s0
ξ゚⊿゚)ξ「宇宙人撃破数はよくても格闘戦は全然だけどな。」

ξ゚⊿゚)ξ「あれぇー?私に負けないように頑張るんじゃなかったのぉー?」

(;゚Д゚)「それはまだこれから……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!オゥ早くしろよ!」

(;゚Д゚)「そうだドクオ、パトロール行こうぜ!」

('A`)「あぁ。」

そうして二人はヴィプンターでパトロールに出かけた。
何事もなく巡回をしているとあの公園にたどり着く。
少し休もうと公園を散歩することにした二人だが……

/ ,' 3「おや、ギコ隊員お久しぶりです。」

(,,゚Д゚)「ああ、いつしかののじいさん。元気にしてたか?」

/ ,' 3「えぇ、おかげさまで。ところでギコ隊員、またジュースでも――

そんな会話をしている時、その公園でサッカーをしていた少年たちが蹴ったボールがアラマキ星人に当たった。

/ ,' 3「おっと……」

よろけて倒れた拍子にかぶっていたフードが捲れた。

(,,゚Д゚)「大丈夫か?じいさ――

(,,゚Д゚)「!」

そのフードはアラマキ星人を人間に擬態させるものであった。
それが捲れた今、アラマキ星人の本当の顔があらわになる。
赤鬼のように真っ赤な肌で頭には二本の角。
それを見た一般市民たちは騒ぎだす。

(,,゚Д゚)「貴様宇宙人だったのか!!」

すぐさま光線銃を構える。

どちゅん!

アラマキ星人が煙球を地面に投げつけ、その煙に紛れて逃げ出す。

(,,゚Д゚)「ゲホゲホッ、ドクオそっちに行ったぞ!仕留めるんだ!!」

('A`)「ん?」

508名無しさん:2019/01/06(日) 03:18:28 ID:SCd38K/s0
なんと間の悪いことでしょう。
アラマキ星人の逃げた先にはちょうどドクオがいたのでした。

/ ,' 3(旦那、約束ですぜ)

(;'A`)(……!)

あの時の約束を思い出す。
が、こうもギコや一般市民が見ている前でやすやすと宇宙人を見逃すわけには……
なにより最近はギコに追いつかれてきた。ここらで少し差を作らねばと考えていた時だったのだ。

(;'A`)「うおぉわぁぁぁ!」

ヤケクソ気味にアラマキ星人を打ち抜いた。
あっさりとその場に倒れ絶命する。

(; A )「はぁはぁ…」

(; A )(しまった勢いで……)

(; A )(や、約束が…)

(,,゚Д゚)「流石ドクオだな!」

(;'A`)「え…や……まぁな…」

爪'ー`)「お前なら必ず仕留めると思ったぜ。」

(;'A`)「え?」

( ^ω^)「そりゃぁあのドクオだからな。」
  _
( ゚∀゚)「あんな弱っちい宇宙人逃がすはずないよな。」

ξ゚⊿゚)ξ「これからも必ず宇宙人を仕留めてくれるんだよな。」

(;'A`)「な…なんでみんな……?」

ギコと二人できたはずだ。
フォックスやブーン、ジョルジョ、ツンヌがここにいるはずがない。

509名無しさん:2019/01/06(日) 03:18:55 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「どうしたんだいつもみたいに天狗になれよ。」

( ^ω^)「凶悪な侵略者を倒せたんだぞ。」

ξ゚⊿゚)ξ「きたねぇ顔で笑えよ。」
  _
( ゚∀゚)「地球に平和が訪れたんぜ。」

爪'ー`)「それがお前のやりたいことだろ。」

<(;'A`)>「やめ……」

みんな頭を抱えうずくまるドクオを取り囲む。

「喜べよ。」

「やったじゃないか。」

「うれしいだろ。」

「成りたい自分じゃないか。」

「強くて羨ましいな。」

<(;'A`)>「やめてくれぇぇぇ!!」

『そうだろ俺すごいだろ』

(;'A`)「!」

聞きなれた声がした。
この声は……

『だって俺は無敵で最強のヒーローだもん』

『どんな奴だって瞬殺だぜ』

(;'A`)「アァ……」

('A`)『それがこの俺ドクトラセブン様だ』

510名無しさん:2019/01/06(日) 03:19:23 ID:SCd38K/s0
自分だ。自分がいた。
ゆっくりとこっちに歩いてくる。

('A`)『弱かった俺なんていなかった』

('A`)『いたとしたらそいつは偽物』

('A`)『なぁそうだろ』

(;'A`)「お前は誰だ!!」

('A`)『俺は俺だよ』

ヴィA`)『お前がよく知っている俺だよ』

(;'A`)「?!」

ヴィプトラ`)『無敵のスーパーヒーロードクトラセブンだ』

ヴィプトラブレスレット『だからもうお前は必要ない』

ヴィプトラブレスレット『さようなら』

(; A )「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

(,,゚Д゚)「大丈夫かドクオ?!」

(;'A`)「はっ!!」

気が付くとそこは基地の医務室だった。」

(,,゚Д゚)「老人に化けていた宇宙人を始末したら突然倒れたんだ。」

(;'A`)「はぁはぁ…ゆ、夢だったのか?」

(,,゚Д゚)「だいぶうなされてたぞ。」

511名無しさん:2019/01/06(日) 03:19:59 ID:SCd38K/s0
(,,-Д-)「……」

(,,゚Д゚)「すまないドクオ。」

(;'A`)「え?なにが?」

(,,゚Д゚)「どうやら今まで俺たちはドクオに頼りすぎたようだ。」

(,,゚Д゚)「その分の疲れが一気に出たんだろう。」

(,,゚Д゚)「ドクオにすべて任せるわけにはいかないと思ってたんだがな……」

(;'A`)「いや……」

疲れなのか?
まるで現実のような夢だった……
いや夢というのはそういうものか。

(;'A`)「大丈夫だ…もう大丈夫だ。」

ビーッ!ビーッ!
突如として基地の警報が鳴り響いた。

『V地点I市にて巨大宇宙人出現、隊員は至急現場に急行されたし!!』

『繰り返す――

(,,゚Д゚)「やれやれ忙しいな。それじゃぁ行ってくるぜ。」

(;'A`)「待て俺も……」

(,,゚Д゚)「今日くらい休んでいろって。たまには俺たちだけでやり遂げてみせるさ!」

ドクオを置いて行ってしまった。

(;'A`)「馬鹿言え地球人だけで倒せるわけないだろ!!」

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

ドクトラセブンに変身して現場へと向かう。

512名無しさん:2019/01/06(日) 03:20:31 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「フハハハハハ!これからこの星は俺様ポセイドンの物となるのだ!!」

町では侵略宇宙人が暴れていた。

一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」

一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民F「待てあれを見ろ!」

一般市民ABCF「ドクトラセブンだ!」

('A`)「デュワ!」

一般市民A「これでもう安心だな。」

一般市民G「パパっとやっつけてくれ!」

一般市民F「いやー生であのドクトラセブンの戦いが見れるだなんて最高だよ。」

一般市民B「頑張れドクトラセブン!!」

(゜3゜)「来たかドクトラセブン!ここがお前の墓場になるのだ!!」

ポセイドン星人が逆水平チョップを仕掛ける。

(;'A`)「ぐぉっ」

(#'A`)「なんの!!」

ドクトラセブンも負けじと逆水平チョップを返す。
激しいチョップの応酬が繰り広げられる。
両者の実力は均衡しているようだ。

(;゜3゜)「グゥゥ、ならば!」

チョップ攻撃と見せかけてのラリアット。

(;'A`)「うげぇぇぇ」

派手に吹き飛ぶ。倒れたところに今度はエルボードロップだ。

(; A )「ギャアァァァ!」

513名無しさん:2019/01/06(日) 03:20:57 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「どうしたその程度かぁ!!」

ポセイドン星人は空に飛び立つとそのままドクトラセブンめがけて急降下。
フライングボディプレスで攻撃。

(; A )「あ……が……」

一般市民A「いつもの調子はどうしたんだよ!」

一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」

一般市民B「負けるなドクトラセブン!!」

一般市民H「早くブレスレット使えよ!いつもそれで倒してたろ!!」

(゜3゜)「フーッ!!俺様の勝ちだ!!」

勝ち誇るポセイドン星人は両手を高々と掲げて勝利の余韻に浸りながらドクトラセブンの周りを歩き回る。
その油断しているスキを突く。

('A`)「デュワ!」

咄嗟に左手首のブレスレットをつかむ。
が……

(;'A`)「……」

ブレスレットを掴むが固まるドクトラセブン。

(;'A`)「……」

514名無しさん:2019/01/06(日) 03:21:27 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「!」

(゜3゜)「テメー今何しようとしやがった!!」

(゜3゜)「クソがァァァ!」

何度も何度もドクトラセブンを蹴りつける。

(;'A`)「グワァァ……」

一般市民D「なにブレスレット使うのためらってんだよ!!」

一般市民A「あー、こりゃ無理だな。」

一般市民C「さて逃げるか。」

一般市民I「前みたいなザコに戻ってね?」

一般市民B「が…頑張れ頑張れ!!」

(;'A`)「うがぁ!」

(;'A`)(ブレスレットを使えば勝てるだろう)

(;'A`)(だがそれだと……)

ドクトラセブンの額のランプが激しく点滅しだす。

(゜3゜)「フヒーッヒッヒッヒ!!」

勝利の雄たけびを上げ始める。

(; A )「……」

それまで見ていた一般市民たちも殆どが逃げ出していた。

一般市民B「あぁ……そんな負けないで……」

(゜3゜)「これでこの星を手に入れたぞ!!フハハハハハ!」

515名無しさん:2019/01/06(日) 03:21:55 ID:SCd38K/s0
一方その頃現場へと急行するヴィプトラホーク1号。
  _
( ゚∀゚)「もうすぐで目的地に着くぞ。」

(,,゚Д゚)「まったく誰かさんがトイレにこもってなければもっと早く行けたんだがな。」

( ^ω^)「いやー、すまんすまん。おかげででっかいのがひねり出せたよ。」
  _
( ゚∀゚)「だが情報によるとすでにドクトラセブンが交戦中みたいだぞ。」

( ^ω^)「お、なら俺たちの出番はなしか。良かった良かった。さっさと戻ろうぜ。」

(,,゚Д゚)「いや待て。どうやらまずい状況のようだぞ。」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)「!!」

(; A )「……」

(;^ω^)「あらら、撃沈してらっしゃる?」
  _
( ゚∀゚)「となると我々だけでどうにかするしかないな。」

(,,゚Д゚)「ドクトラセブンがやられるくらいだ。相当強い奴だぞ。何か作戦を考えよう。」

( ^ω^)「よしきた!なら久しぶりに『アレ』やるぞ!!」
  _
( ゚∀゚)「『アレ』と言うと……」

(,,゚Д゚)「『アレ』だな!よし乗った!」

( ^ω^)「そうと決まれば二人とも準備しろ!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「了解!!」

516名無しさん:2019/01/06(日) 03:22:29 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「さあさあ哀れな地球人の奴隷たちよお前らの守り神ドクトラセブンを公開処刑してやるぞ!」

一般市民B「やめてくれぇぇぇ!!」

(゜3゜)「うんうん、心地の良い叫び声だ!」

(゜3゜)「ウハハハハハ!!」

(゜3゜)「うん?」

ちょうどポセイドン星人の視界にヴィプトラホーク1号が入る。

(゜3゜)「ヴィプトラ警備隊のザコどもめ。無駄なあがきをするつもりか?」

(゜3゜)「これでも食らえ!!」

口から怪光線を発射した。

( ^ω^)「そんなすっとろい攻撃が当たるかよ!」

一瞬にしてα号β号γ号の三機に分離して回避した。

(;゜3゜)「な!!」

三機それぞれからミサイルやレーザーで攻撃する。
圧倒的弾幕。その弾幕の前にはいかなるものも防御するだけで手いっぱいだ。
そして見事な連係。二機で注意をひき、残る一機でスキを突く。

(;゜3゜)「グギギギギ!!ちょこざいな!!」

(; A )「う……」

(;'A`)「はっ!」

気を失っていたドクトラセブンが目を覚ました。
そこには分離したヴィプトラホーク1号に手も足も出ないポセイドン星人がいた。

(,,゚Д゚)「いまがチャンスだぜドクトラセブン!」

ギコが合図を送る。

('A`)「デュワ!」

(;゜3゜)「げっ!」

517名無しさん:2019/01/06(日) 03:22:58 ID:SCd38K/s0
後ろからつかみかかりリフトアップする。
そのまま必殺のドクトラハリケーンで投げ飛ばす。

(;゜3゜)「うげぇ……」

(#'A`)「ダアァァ!!」

トドメに必殺のドクトラショット。

(;゜3゜)「アアアアアアア!!」

情け容赦なしに爆発四散。

(;'A`)「はぁはぁ…」

ヴィプトラ警備隊の援護がなければやられていた。
ギリギリの戦いであった。

分離していたヴィプトラホーク1号も合体して基地へと帰還する。
そしてドクトラセブンも。

一般市民B「……よかった。」

戦いが終わり一般市民たちも戻ってきた。

一般市民A「やっと終わったみたいだな。」

一般市民D「ここ最近すごく強くなったと思ったがそんなことなかったな。」

一般市民C「ただの確変気だったのか?」

一般市民J「えー!またあのクソザコに戻ったの?!幻滅しましたファンやめます。」

一般市民A「面も悪いくせにそのうえ弱いときたらいいとこないだろマジ。」

一般市民B「でもいつも必死に戦ってくれてるよ!」

一般市民A「そうかもしれんが……俺が求めるヒーローって強くてカッコよくないと。」

一般市民D「そうそう。」

一般市民B「……」

518名無しさん:2019/01/06(日) 03:23:27 ID:SCd38K/s0
その日、夜の公園にドクオが一人でいた。

('A`)「……」

ずっと左手首のヴィプトラブレスレットを見つめている。

('A`)「……」

('A`)「……」

('A`)「……」

決心がついたのかそれを外すと地面に置き光線銃で撃ち抜いた。
ヴィプトラブレスレットはパチパチと燃え上がって燃えカスだけが残った。

「旦那よかったのですかい?」

背後から聞いたことのある声がした。

('A`)「やはり生きていたか。」

/ ,' 3「そりゃぁもちろんでっせ。それなりに修羅場は乗り越えて来やした。」

/ ,' 3「死の偽装くらいお手の物ですよ。」

('A`)「そうか……」

/ ,' 3「代わりのヴィプトラブレスレットを用意しやしょうか?」

('A`)「いやいい。」

('A`)「……」

('A`)「きっとあれに頼っていたら俺は俺じゃなくなっていたんだと思う。」

('A`)「もう少しで俺はヴィプトラブレスレット掛け器になるところだった。」

/ ,' 3「……」

('A`)「なによりあれがあったところで俺が強くなってるわけじゃないんだ。」

('A`)「下手したら前より弱く……」

('A`)「ブレスレットをこの先使い続けたとして、もしブレスレットが無い状態で戦わないといけなくなったら」

('A`)「『クソォ、ブレスレットさえあれば……ブレスレットさえあればこんな奴に!!!』って俺は喚いていたと思う。」

519名無しさん:2019/01/06(日) 03:24:01 ID:SCd38K/s0
( A )「俺は弱いよ……」

/ ,' 3「旦那は確かに弱いですよ。」

/ ,' 3「それも最弱。ホントにヴィプトラの戦士なのか疑うくらいに。」

/ ,' 3「マジでクソ雑魚なめくじ。いやそれ以下。クソ雑魚微生物?もっと下か。」

/ ,' 3「あんたヴィプトラ養成学校卒業したんだよね?それでその弱さはヤバイ。」

/ ,' 3「こんなにクソ弱くてダサいの初めて見た。」

/ ,' 3「記念に写真撮ってもいい?SNS乗っけて友達に自慢したい。クソダサ最弱野郎とツーショットって。」

(;'A`)「ちょっと辛辣過ぎない??」

(;'A`)「え、なに?俺に罵声浴びせるために出てきたの?」

/ ,' 3「旦那ダメですぜ現実逃避は。事実はちゃんと受け入れなきゃ。」

(;'A`)「もうちょっとオブラートにお願いしたいんだけど。」

/ ,' 3「それが甘えで逃げだといってるんですよ旦那。」

/ ,' 3「まぁ少々脱線しやしたが、話の続きです。」

/ ,' 3「長年この宇宙で商売してきやしたが、こんなに弱い方は始めてです。」

(;'A`)「……」

/ ,' 3「旦那、ヒーローで一番大切なものは何だと思いやす?」

/ ,' 3「強さですよ。」

('A`)「……」

('A`)「そうだろうな……」

/ ,' 3「勘違いしないでくだせえ。肉体的な強さじゃありやせん。」

/ ,' 3「心の強さですよ。」

('A`)「!」

520名無しさん:2019/01/06(日) 03:24:36 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「肉体的強さってのはそれはヒーローとしたら前提として当たり前ですよ。」

/ ,' 3「今までに肉体的に強い方は腐るほど見て気やした。」

/ ,' 3「旦那と比べ物にならないほどに強い方たちですよ。」

/ ,' 3「でもそういった方たちはすぐに新しい力に飛びついて来やした。」

/ ,' 3「強化アイテムなんてこぞってね。」

/ ,' 3「そして力に溺れていった。その力を求めて争いを始めるなんてよくある話なんてレベルじゃないくらいに。」

/ ,' 3「やがてそういうヒーローだった者たちが宇宙の平和を脅かすものへと変わっていきやした。」

/ ,' 3「そして力を求める方はすぐ勘違いしやす。」

/ ,' 3「あれはヴィプキュアという商品を少女たちに買っていただいたときでしたかね。彼女らはそりゃぁもう楽しそうに自分たちの敵対する勢力と戦っていやした。」

/ ,' 3「今日かアイテムも喜んで使っていただきやしてね。でも闘いが続く中ある日のことでした。ヴィプキュアのサービスを提供する会社が潰れてしまいましてね。」

/ ,' 3「彼女たちは変身できなくなってしまったんです。そしたら彼女たち敵が目の前にいても尻尾巻いて逃げ出しやしてね。まぁその後どうなったか語る必要はないですね。」

/ ,' 3「結局のところそれは彼ら、彼女たちの本当の力じゃないんです。ただの道具の力に過ぎないものだったんですな。」

/ ,' 3「それを自分たちの力だと思い込み、それがなくなればなにもできなくなる方たちばかりで。」

/ ,' 3「少し話がそれやすが、あっしの話をさせてくだせえ。」

旦那も知っての通りあっしは宇宙でも最弱と呼ばれるアラマキ星人です。
そらぁ生きるために必死で周りに媚を売りいろいろな商品を売ることで何とか生きながらえてきやした。
そうして長年生きていろいろな経験を積んだあっしは商売で少し面白いことをするようにしたんです。
人生を満たしていない方に過ぎた力や道具を与えてその方の人生を180度変えるように。

最初の方はなんてことのない料理人でした。でも先祖代々料理屋をしてやして地元の人たちからも愛されてやした。
しかし、心のどこかではもっと店を大きくだとか知名度を上げたいとか考えてたんでしょうね。あっしが最高の料理ができる包丁を差し上げたら喜んで使いなさりましたよ。
店も大賑わいで宇宙でもその名前を知らない人はいないくらいにね。でもそんなに繁盛していても地元の人たちはその店に寄り付かなくなったんです。
気づいたときにはその店の主人はもう作れなかったんですよ。代々受けづいて地元の人たちに愛されていた料理の味を。

あっしはそうやって商品を売った方からお代よりもその方の誇りをいただくことにしやした。
そしたら面白いこと面白いこと。どんな方でも喜んで誇りをお代として渡してくださいやした。
底辺にいたあっしはその光景を見ることに生きがいを感じていやした。

521名無しさん:2019/01/06(日) 03:25:08 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「これまでの星でそうやって商売してましてね。あっしの商品を断る人なんていやせんでした。」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「この星に来るまでね。」

('A`)「?」

/ ,' 3「この地球で初めて出会いましたよ。あっしの商品を断った方に。」

/ ,' 3「あっしの人生で初めてでしたよ。」

/ ,' 3「でもあの方はわかってやした。そんなものに頼っていてはだめになると。自分の力でそのレベルにたどり着かなきゃいけないのだと。」

/ ,' 3「そういう心の強さが必要なんですよ。」

('A`)「やっぱすごいな地球人は……」

/ ,' 3「でもその方は旦那の身近にいますぜ。」

('A`)「え?」

/ ,' 3「ギコ隊員ですよ。ギコ隊員。」

('A`)「あぁ、あいつか。そりゃそうだよな。あいつ自力でヴィプトラブレスレットを使う俺レベルまで来たもんな。」

('A`)「あいつスゲーよ……」

( A )「なのに俺は……」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「旦那、あっしはこの地球でもう一つ初めての経験をしやした。」

/ ,' 3「今まであっしが商品を売った方は誰一人その商品を捨てる方はいませんでしたよ。」

/ ,' 3「むしろ何が何でもその商品にしがみつく方ばかりでね。」

/ ,' 3「旦那も初めての方ですよ。あっしの商品を自分の意思で捨てた方は。」

522名無しさん:2019/01/06(日) 03:25:35 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「一度手に入れた強大な力を捨てるのもまた、心の強さが必要なんですよ。」

/ ,' 3「だから自信を持ってくだせぇ。旦那は自分が思っているよりお強いお方だ。」

(*'A`)「え、そう?」

/ ,' 3「……」

/ ,' 3「一応言っておきますがあくまで心の強さでっせ。」

/ ,' 3「肉体的強さは――

(;'A`)「あー、わかってるから。もうそれ以上言わなくても!」

/ ,' 3「忘れないでくだせぇ旦那。一番大切なことを。」

/ ,' 3「それさえしっかりわかっていればこの先大事なものを失わないですみますよ。」

('A`)「忘れないように今回のことは。」

/ ,' 3「あっしはこの星にすごく興味がわきました。他にも心の強い方がいるんじゃないのかと。」

/ ,' 3「だから今一度宣言させてもらいましょうか。」

/ ,' 3「あっしは地球を侵略する気はまったくありやせん。」

('A`)「今度はその約束守るよ。」

/ ,' 3「祈っておりやす。この先旦那が自分の実力で戦えることを。」

/ ,' 3「ではあっしは行きますぜ。またどこかでお会いしやしょう。」

('A`)「あぁ、また会おう。」

('A`)「後悔しないよ俺は、ヴィプトラブレスレットを捨てたこと。絶対にだ!」

そう固く誓う。

523名無しさん:2019/01/06(日) 03:26:03 ID:SCd38K/s0
それから数週間後。

爪'ー`)「あー、まぁどうしたと言うか。」

爪'ー`)「あの調子がよかった時期は何だったんだドクオ?」

(;゚Д゚)「大丈夫かドクオ?まだ調子が悪いのか?」

(;゚Д゚)「ひょっとしてスランプとかかな?」

( ^ω^)「確変終了!確変終了!いつも通り平常運転に戻っただけだよな!」
  _
( ゚∀゚)「いやー、良かったっ良かった。」

(#'A`)「ギギギギギギギギ!!!!」

ドクオもドクトラセブンも以前通りの実力に戻り今まで通りの評価に戻った。

ξ゚∀゚)ξ9m「プギャー!!!こいつマジクソ雑魚ナメクジ!!!」

ξ゚∀゚)ξ9m「プギャー!!!」

(#゚A゚)「キィィィィィィィ!!!!」

(#゚A゚)(クソォ!ヴィプトラブレスレットさえあれば!!)

(#゚A゚)(ヴィプトラブレスレットさえあればこんなことにぃぃぃ!!!)

ヴィプトラブレスレットを捨てたことを全力で後悔するドクオであった。

第十七話『怪しい老人』

終わり

524名無しさん:2019/01/06(日) 03:28:43 ID:SCd38K/s0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
今後の予定としてあと二話通常回をやった後、前編後編の最終回になります。
あともう少しですが、お付き合いいただければ幸いです。

525名無しさん:2019/01/06(日) 04:03:53 ID:EPoWiCx.0
どう転ぶかと思ったけどええ話じゃった

526名無しさん:2019/01/06(日) 09:40:28 ID:IdqEt8vc0
乙!!

527名無しさん:2019/01/07(月) 00:21:13 ID:T3.6Y97Y0
ツンヌが負け越すとかどんな化け物だよw
乙でした

528名無しさん:2019/01/07(月) 05:02:20 ID:EL2kZmRw0
おつ
ツンヌが最強じゃないの…?
こいつらを巨大化できる装置を開発したらどんな宇宙人でも勝てるだろ

529名無しさん:2019/01/07(月) 05:36:25 ID:9eam0mbw0
>>528
そうだな…………

色々と滅ぶんじゃね?

530名無しさん:2019/01/07(月) 20:23:30 ID:5txTNqUg0
明けましておめでとさんさん
いつも楽しく読んでます。今年も期待してまっせ

531名無しさん:2019/01/23(水) 22:50:38 ID:djBPHcOU0
第十八話 『一人ぼっちの宇宙人』

prrr

( ^ω^)「はい、こちらヴィプトラ警備隊作戦室。どうなされました?」

( ^ω^)「!!」

( ^ω^)「なに!ふむふむ!分かった!」

ガチャリッ

( ^ω^)「隊長!」

爪'ー`)「どうしたブーン?」

( ^ω^)「今、モララー星人を目撃したとの連絡が……」

爪'ー`)「……」

(;'A`)「……」

作戦室にかかってきた電話。
その電話一本で忙しそうにしていた作戦室は静まり返る。
みな黙ってフォックスの方を覗いていた。
表情はいつも通りではあったが、その瞳には怒りが感じられるのだ。

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「場所は?」

( ^ω^)「AA地点にある小さな村の古い駄菓子屋だそうです。」

爪'ー`)「そこはジョルジュとギコが謎の怪電波を探知して調査しに向かった場所だな。」

爪'ー`)「なるほどそういうことか……」

爪'ー`)「HAHAHAHA!!」

爪'ー`)「よし残りの連中も出発するぞ!」

( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解。」

532名無しさん:2019/01/23(水) 22:51:05 ID:djBPHcOU0
AA地点に向かうヴィプンター内。

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、また田舎かよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「つーか全員で行く必要ないんじゃねーの?」

( ^ω^)「いやそこはさ、ツンヌもいろいろ感じようよ。この空気。」

爪'ー`)「……」

('A`)(ホント重っ苦しいこの空気)

(,,゚Д゚)「ギコからヴィプンターへ、ギコからヴィプンターへ。」

先にヴィプトラホーク1号で現場に着いていたギコから通信が入る。

爪'ー`)「こちらヴィプンター。」

(,,゚Д゚)「現在通報があった駄菓子屋の前で待機中。先に中に入り制圧しましょうか?」

(,,゚Д゚)「やはりここは隊長を待ちますか?」

爪'ー`)「いや構わん。大切なのはいち早く奴を仕留めることだ。」

爪'ー`)「何かされる前に仕留めるんだ!」

(,,゚Д゚)「しかし、モララー星人は隊長の因縁の相手では?」

爪'ー`)「フッ、ああそうさ。」

爪'ー`)「奴のことはこの何十年一度だって忘れたことはない。」

爪'ー`)「そうあれはまだ俺が二十台の頃だ……」

爪'ー`)「今もしっかり覚えてる。あれはひどい嵐の夜だっtξ゚⊿゚)ξ「その話長いん?」

爪;'ー`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーその話は何度も聞いた。」

533名無しさん:2019/01/23(水) 22:51:31 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「要約してやろうか。」

ξ゚⊿゚)ξ「昔、侵略者追ってた。」
ξ゚⊿゚)ξ「仲間がトラップにかかって死んだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「絶対許さねぇ!」

ξ゚⊿゚)ξ「以上。」

ξ゚⊿゚)ξ「おい、三行で済んだぞ。なんでいつも長々テメーの昔話に付き合わねぇといけねぇんだ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「一回聞けば十分なんだよ。これで何度目だその話!」

ξ゚⊿゚)ξ「なんならもっと簡潔にしてやろうか?」

ξ゚⊿゚)ξ「絶許」

ξ゚⊿゚)ξ「以上。」

ξ゚⊿゚)ξ「おいこら二文字で済むぞ。」

爪;'ー`)「あぁ……うん……ごめんね……」

(;^ω^)「ちょっ……隊長!!我々はその話聞きたいです!!」

(,,゚Д゚)「ええ!隊長の口から何度でも聞きたいですよ!」

('A`)「お願いです隊長!いつものように話してください!」
  _
( ゚∀゚)「これから乗り込む我々の士気を高めるためにもぜひ!」

爪*'ー`)「みんなそういうなら仕方ないな。」

爪'ー`)「そうあれはまだ俺が二十台の頃だ……」

爪'ー`)「今もしっかり覚えてる。あれはひどい嵐の夜だっtξ゚⊿゚)ξ「その話長いん?」
  _
(;゚∀゚)爪;'ー`)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「大概にしろよテメーら。」

534名無しさん:2019/01/23(水) 22:51:54 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)「……」

(;^ω^)(;'A`)「……」

(;'A`)(すごく気まずい)

(;^ω^)(なんていたたまれないんだ)

とても感じ悪いヴィプンター内。
仕方ないので代わりにフォックス隊長の回想。

これはまだ彼が二十台の頃だ。
ひどい嵐の夜、もう使われていない工場で彼は戦友と地球を侵略しに来た宇宙人たちと戦っていた。

(*‘ω‘ *)「オイオイ、モララー星人ってのはこの程度かよ!」

爪'ー`)「はっ!数だけしか能のないのか!」

『ぐわー!!』

『ギャアァァァ!!』

次々と光線銃でモララー星人を仕留めていく若かりし頃のフォックスと戦友ちんぽっぽ。

(*‘ω‘ *)「おいフォックス!お前なん人倒したよ?」

爪'ー`)「ざっと十人だな。お前は?」」

(*‘ω‘ *)「俺も十人だ。」

爪#'ー`)「チッ、同数か……」

(*‘ω‘ *)「この俺についてこれてんだ十分に誇れよ。」

爪#'ー`)「そうはいかねぇんだよ!!」

爪#'ー`)「今日多く倒した方が渡辺に告白する権利を手に入れる約束だろ!!」

爪'ー`)「だから…俺は絶対に勝つんだ!今日お前に!!」

(*‘ω‘ *)「……」

(* -ω- *)「正直俺はそんな勝負どうでもいい。」

爪#'ー`)「なんだと貴様!!」

535名無しさん:2019/01/23(水) 22:52:15 ID:djBPHcOU0
(#・∀・)「チクショウォォォ!!」

(#・∀・)「おのれ地球人ども!!よくも我が同胞たちを!!」

侵略してきたモララー星人最後の生き残りが叫んだ。

(#・∀・)「許さん……許さんぞぉ!!」

(#・∀・)「絶対に復讐してやる!!」

そう言いながらモララー星人は工場から逃げ出していった。

爪'ー`)「おあつらえ向きに一人残ってたじゃないか!」

爪'ー`)「あいつは俺がいただく!!」

無警戒にモララー星人を追いかける。

(*‘ω‘ *)「!!」

(*‘ω‘ *)「待てフォックス!!」

モララー星人が居たあたりに近づくとピーっと言う機械音が聞こえた。
それは小型な爆弾であった。人が近づくと作動するタイプ。
モララー星人が逃げるときに設置していったのだ。

爪;'ー`)「しまっ――

真夜中、そして嵐だったせいで気づきにくいが普段なら……慎重に対応していれば簡単にわかったはずだ。
だがその時のフォックスは焦りから判断を間違えたのだ。
爆発音とともに吹き飛ぶ。

爪;'ー`)「グッ……」

数メートルほど吹き飛んだフォックスだったが、思いのほか軽傷だった。

爪;'ー`)「はっ!」

自分がなぜ軽傷だったかそのわけがすぐにわかった。

(* ω  *)「……」

爆発の直前にちんぽっぽがかばってくれたのだ。
そのちんぽっぽは重傷でもう手の施しようがない。

536名無しさん:2019/01/23(水) 22:52:55 ID:djBPHcOU0
爪;'ー`)「おいちんぽっぽ!!しっかりしろぉ!!」

爪;'ー`)「なんで俺なんかかばったんだよ!!」

(* ω  *)「お…俺よりお前の方が生きるべき人間だからさ……」

爪;'ー`)「?!」

(* ω  *)「お前は俺とは違う……人のためにヴィプトラ警備隊に入って人のために戦える奴だ。」

(* ω  *)「なにより人のために泣いて怒って……人を愛せる人間だ……」

爪;'ー`)「馬鹿野郎それくらいお前だって――」

(* ω  *)「俺はそんなふうにはできなかった……だって俺は復讐のために戦っていたから……」

(* ω  *)「子どもの頃に家族を侵略者どもに殺されたあの日から!」

(* ω  *)「その日から俺は一人でも多くの侵略宇宙人をこの手で始末することばかり考えていたんだ……」

(* ω  *)「だから死ぬときは戦いの最中だって思ってたよ……」

爪;'ー`)「だからって……」

(* ω  *)「ずっと復讐ばかり考えていたが今は悪い気分じゃない……戦友のお前を守れて……」

(* ω  *)「お前と渡辺のおかげだよ俺がこうして人間みたいなことを思えるのは……」

(* ω  *)「だから勝負がどうとかじゃなくてお前の気持ちを伝えてやれ、待ってるはずだよ彼女は……」

(* ω  *)「それに他の奴は馬鹿にしてたが俺は嫌いじゃなかったぜお前の夢……」

爪;'ー`)「俺の夢?」

(* ω  *)「前に言ってたろ……いつか…きっといつか宇宙人とか地球人とか関係なく手を繋ぎあえる平和な世界が来るといいって……」

(* ω  *)「確かにお花畑みたいな話だけどさ、いつかそんな平和は時代が来る……と…い…い……」

爪;'ー`)「ちんぽっぽ?!」

爪;'ー`)「オイ!!」

爪;'ー`)「……」

爪;ー;)「うわぁぁぁぁぁ!!!」

537名無しさん:2019/01/23(水) 22:53:22 ID:djBPHcOU0
フォックスはひたすら叫んだがその声は嵐に消されてしまった。
その後、血眼になってモララー星人を探すが一向に見つかることはなかった。
地球から逃げたのか今でも侵略の準備をしているのか、はたまた応援が来るのを待っているのか。
そして長い月日が流れた。
だが、時間はフォックスの復讐心を消すことはなかった。

そして現在。

爪'ー`)(ついに見つけたぞモララー星人)

爪'ー`)(長年の恨み……)

爪'ー`)(……)

爪-ー-)(……)

(;^ω^)「もう少しでつきますよ隊長。」

(;'A`)「その村って何か観光名所とかあるのかな?」

(;^ω^)「いやー何にもない村だそうだぜ。」

(;^ω^)「でもそういうところこそ混浴温泉とかありそうだよな。」

(;'∀`)「そりゃぁいい、後で調べてみようぜ!」

重っ苦しい空気を何とか和ませようとする二人。

ξ#゚⊿゚)ξ「テメーら遊びに行くんじゃねぇんだぞ!!」

(;^ω^)(;'A`)「はい……」

ξ゚⊿゚)ξ「これだから田舎に行くのは嫌なんだよ。」

どうやらもうどうしよもないようだ。

538名無しさん:2019/01/23(水) 22:53:46 ID:djBPHcOU0
(,,゚Д゚)「よし、じゃぁ二人で乗り込むぞ!」
  _
( ゚∀゚)「できればみんなと合流してからの方がよかったんだが……」

(,,゚Д゚)「ビビってんなよ。感づかれて逃げられたら元も子もないだろ。」

(,,゚Д゚)「突入してこっちの指示に従うようなら拘束、抵抗するようなら攻撃だ!」
  _
( ゚∀゚)「了解!」

光線銃を構えた2人が駄菓子屋に乗り込んだ。

(,,゚Д゚)「モララー星人!おとなしく降参しろ!!」

( ・∀・)「おやまぁいらっしゃい。」

肌は青色、髪の毛は赤い、目の色は黄色いモララー星人が出てきた。

( ・∀・)「いつか来るだろうとは思っていたが、今日がその日か……」

( -∀-)「言う通りに従うよ。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「!」

思った反応とは違い従順であった。
  _
( ゚∀゚)(罠か?)

(,,゚Д゚)(そんな感じではなさそうだが)

逃亡生活に疲れて侵略するのをあきらめたのか?
それともまた違い、まるですべてを受け入れるという覚悟が感じられた。
その後、二人の指示に従い両手に手錠をはめられた。
  _
( ゚∀゚)「ジョルジョよりヴィプンターへ。」

爪'ー`)「こちらヴィプンター。」
  _
( ゚∀゚)「現在駄菓子屋に突入して標的を確保。」
  _
( ゚∀゚)「モララー星人は無抵抗でしたので現在拘束中です。」

爪'ー`)「なに?!」

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「そうか、了解。」

539名無しさん:2019/01/23(水) 22:54:10 ID:djBPHcOU0
( ^ω^)「流石ギコとジョルジョだな!あっという間に制圧するなんて。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、面白くねぇ。長年逃げのびたやつだというからどんな奴かと期待してたんだがな。」

('A`)「でもこれであとは隊長が焼くなり煮るなり好きにできますね!」

爪'ー`)「……」

('A`)「?」

('A`)(どうしたんだろ隊長)

( ^ω^)(きっとどうやってギタギタのボコボコにするか考えてるんだよ)

('A`)(ひー、恐ろし)

それからほどなくしてヴィプンターが到着した。
その頃には騒ぎを聞きつけた村人たちが駄菓子屋に集まっていた。

( ^ω^)「ほらほらどいたどいた!後の始末は我々ヴィプトラ警備隊がするからみんな早く帰りなさい!」

村人1「待ってくれ、確かにモララーは宇宙人かもしれないが悪い奴じゃないんだよ!」

村人2「そうだあいつは長年この村でオラたちと平和に暮らしてたんだ!」

子供1「やめてよぉ!僕は毎日ここでお菓子買ってるんだぞ!」

子供2「私だって!」

(;'A`)「ちょっと皆さん落ち着いて……」

ドクオたちが到着するなり村人たちが詰め寄ってきた。

ξ゚⊿゚)ξ「こいつら洗脳でもされてんのか?先にブツのめしとこうぜ!」
  _
(;゚∀゚)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「馬鹿やめろツンヌ!!」

ツンヌの殺気を感じた村人たちは逃げるように去っていった。

(;'A`)「みんな知っていたのか?」

( ^ω^)「かくまっていたとなると問題だなぁ。」

(,,゚Д゚)「みんな早く来てくれて助かった。ずっとあんな調子で大変だったんだよ。」

540名無しさん:2019/01/23(水) 22:54:34 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「この村一帯洗脳されてんじゃねぇの?」

ξ゚∀゚)ξ「私が調査して確かめてやろうか!」
  _
( ゚∀゚)「いや、手持ちにあった装置で確認してみたがその疑いはない。」

( ^ω^)「するってぇとあのモララー星人は実はいい子ちゃんだって言うのか?」

爪'ー`)「……」

(;^ω^)「そ、そんなはずありませんよね。」

爪'ー`)「まあいい。村人たちが奴のことをどう思っていようが関係ない。我々の仕事をするだけだ。」

爪'ー`)「明日、基地へと連行して裁判にかける。」

爪'ー`)「どうせ死刑だろうがな。」

( ^ω^)「隊長自らの手でケリをつけなくていいんですか?」

爪'ー`)「任務に私情を挟むな!我々はヴィプトラ警備隊だぞ!」

(;^ω^)「す、すみませんでした隊長。」

爪'ー`)「俺が一晩ここに泊まって奴を見張る。みんなは周辺を警戒していてくれ。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)「了解!」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーが一番私情挟んでんじゃねーかよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「裁判なんか必要か?さっさと始末して基地に帰ろうぜ。」

その後、ブーンとドクオは駄菓子屋周辺を警備し始め、
発信源はモララー星人であろうと思われるが、ギコとジョルジョは目的の怪電波の調査にのり出した。
そしてツンヌは早く自分だけ休もうと宿を探す。

('A`)(しかしモララー星人か、生き残りがいたんだな)

('A`)(数十年前にモララー星は侵略されて滅んだって聞いたが)

541名無しさん:2019/01/23(水) 22:55:04 ID:djBPHcOU0
( ・∀・)「……」

爪'ー`)「……」

( ・∀・)「あー、ずっと見つめられても照れるんだが。」

( ・∀・)「どうだい、あんたも食べないか?」

手錠をされていても器用に晩御飯を作るモララー星人。
二人分の料理を用意しちゃぶ台に座る。

( ・∀・)「このみそ汁はモララー星自慢の一品だ。」

( ・∀・)「宇宙の味をどうぞご堪能あれ。」

爪'ー`)「……」

爪'ー`)「お前はこの顔に見覚えがないのか?」

( ・∀・)「……」

( -∀-)「見覚えも何もあの夜のことは一生忘れられないよ。」

爪'ー`)「ならばお前の汚い頭に風穴開けても文句は言わないな。」

( ・∀・)「あぁ。好きなようにしてくれて構わない。」

爪'ー`)「……」

爪#'ー`)「なぜ貴様はそう冷静でいられる!!」

爪#'ー`)「俺は貴様がやったことを一日だって忘れたことはない!!」

( ・∀・)「……」

( ・∀・)「俺もそうさ。あの夜のことは忘れられない。俺はあの夜に一人ぼっちになってしまったんだ。」

爪#'ー`)「?」

542名無しさん:2019/01/23(水) 22:55:38 ID:djBPHcOU0
あの日……地球人たちに復讐を誓ったあの日。
侵略部隊でたった一人生き残った俺は自分たちの円盤に向かいモララー星に連絡を入れたよ。
地球人たちは思っているよりずっと強いからもっと大部隊を送ってくれとな。
だが帰ってきた返事はとんでもないものだったよ。

『いま我々モララー星は侵略されている!!』

『いや違う。もう滅ぼされるんだ!!!』

(;・∀・)「な、なにを言っているんだ本部!」

『いま我々モララー星は偽モナー星人に仕掛けられた強力な爆弾で焼き尽くされようとしている!』

『ここももうじき――

そこで通信が途絶えたよ。

(;・∀・)「本部?本部!!!」

なんとも間抜けな話さ。
自分たちが他の星を侵略している隙を突かれてあっという間に滅ぼされて……

そして俺はたった一人この宇宙に残されてしまったわけだよ。

(# ∀ )「クソォ、クソォオォォ!!」

(# ∀ )「絶対に許さねぇ!!滅ぼしてやる!!こんな地球なんて星滅ぼしてやる!!」

すべてを失った俺はその怒りをこの星に向けたんだ。
一人ぼっち、そう一人ぼっちの侵略者になっても目的を遂行すると。

無我夢中で一人でも多くの地球人をこの世から消してやろうと何も考えずに円盤から飛び出していったね。

(# ∀ )「ウオォォォ!!」

その時は何も見えてなかったよ。いや本当に。

(# ∀ )「!!」

馬鹿みたいに飛び出したらさ、通りかかったトラックに轢かれて一瞬でボロ雑巾だよ。
血もいっぱい吐いた。紫色の血を。

543名無しさん:2019/01/23(水) 22:56:05 ID:djBPHcOU0
それでもフラフラと歩いて気づいたらこの駄菓子屋の前さ。
そしたら何か異変を感じた駄菓子屋の婆さんが出てきたんだ。
丁度いい。せめてこいつだけでも道連れにしよう。そう思った。

イ从゚ ー゚ノi「……」

(#・∀ )「ば…ババア……覚悟しr……」

(; ∀ )「」

そこで俺は気を失った。
次に気が付いたときは居間で寝ていたよ。手当もされてな。

(;・∀・)「ここは?」

イ从゚ ー゚ノi「おやまぁ、気が付きましたかい。」

(;・∀・)「?!」

(;・∀・)「どういうつもりだ!!」

イ从゚ ー゚ノi「?」

(;・∀・)「見てわからないのか?俺は宇宙人だぞ!」

イ从゚ ー゚ノi「そりゃ見ればわかりますよ。」

(;・∀・)「ますますわからん?なぜ俺なんて助けたんだ?」

イ从゚ ー゚ノi「あなたが困っているような顔してましたからね。」

イ从゚ ー゚ノi「困っている人がいたら助ける。当たり前のことじゃ。そこに地球人だとか宇宙人だとかないよ。」

(;・∀・)「???」

イ从゚ ー゚ノi「行くところがないのなら、その怪我が治るまで家にいなさい。」

俺にはその婆さんが言っていることがわからなかったよ。
見ず知らずの人間どころか宇宙人だぜ?助ける意味がない。
そのはずなのに……

544名無しさん:2019/01/23(水) 22:56:28 ID:djBPHcOU0
とりあえず傷が完治するまではこの家にいるつもりだったよ。
場合によってはここを侵略の拠点にしてやろうなんって考えもしたさ。

イ从゚ ー゚ノi「どれ傷の様子はどうじゃ?」

(;・∀・)「いでで!下手に触るなクソばばぁ!!」

イ从゚ ー゚ノi「それだけ言えればそれなりによくはなってるのぉ。」

(;・∀・)「こちらとら重傷なんだからもう少し丁寧に扱え!」

イ从゚ ー゚ノi「腹はすいたか?」

(;・∀・)「!」

そういえばいろいろありすぎてろくに食事をしてなかった。

(;・∀・)「あぁ、何か食い物はあるか?」

イ从゚ ー゚ノi「直ぐに作るから待ってなさい。」

イ从゚ ー゚ノi「それとワシの名前は銀という。お前さん名前は?」

( ・∀・)「俺の名前は……」

( ・∀・)「フンッ!貴様ら地球人ごときに名乗る名前なんてない!」

イ从゚ ー゚ノi「そうかい……」

しばらくして持ってこられた食事は初めて食べた地球の料理だった。
なんともいえない味だったよ。あの頃は。
すぐに恋しくなったね。もう食べられない故郷の味が。

それから数日後、一人で歩けるくらいには回復してトイレに行ったんだ。
途中のお部屋に仏壇があるのを見つけてな。
銀の婆さんにも旦那がいたのかと思ってちょっと覗いてみたんだ。
古い写真にはまだ少し若そうな男が写ってたよ。結婚して早いうちに亡くしたんだなって。
でもまだあったんだ。

そっち写真には比較的きれいで若い夫婦と小さな子供が写っていた。
ああ、子供夫婦と孫も亡くしてたんだな。
少しだけ同情したね。
でもだから俺を助けたんだと思ったんだよ。
残りの余生一人だと寂しいから俺を助けて恩を売って世話をしてもらうって魂胆か。
だから俺にやさしくしてたんだなって。

545名無しさん:2019/01/23(水) 22:56:56 ID:djBPHcOU0
お前の思い通りになるか。怪我が治ったらすぐにここを出て俺の復讐を果たすんだ。
俺の復讐心はまったく消えちゃいなかった。それどころかますます大きくなっていったよ。
そんなことを思っていたら珍しく銀の婆さんの元へと客人がやってきてな。
俺は素早く押し入れに隠れたよ。だから二人の会話がよく聞こえた。

最初はなしていた会話はなんてことのないご近所の噂話さ。
それから次第に銀の婆さんの話になっていったよ。

客人「なぁ銀さんやい。今度この近くに老人ホームができるみたいだけどそっちに行く気はないかい?」

イ从゚ ー゚ノi「……」

イ从゚ ー゚ノi「いやワシはいいよ。」

客人「でも身の回りの世話も大変だろう。それに一人だと何かあった時に……」

イ从゚ ー゚ノi「馬鹿な話だと思うけど、こうしてワシが家にいれば息子家族が帰ってくる気がしてな……」

イ从゚ ー゚ノi「それにまだ学校の帰り道に駄菓子を買ってくれる子供たちがおるから店をたたみたくないんじゃ。」

客人「そうかい。でも気が向いたらいつでも言ってくれ。」

客人「だがな、ちゃんと現実は見なきゃいかんで。」

客人「お前さんの息子家族は宇宙人に殺されたことは忘れちゃいかん。だからもう帰ってこんのだよ。」

イ从゚ ー゚ノi「……」

(;・∀・)「!!!」

その後話を聞いているとよくわかった。
銀の婆さんの息子家族は長い連休の時に泊りがけでこっちに来ようとしていたらしい。
その時に運悪く地球を侵略しに来た宇宙人に襲われとても悲惨な殺され方をした。
それからまたしばらく会話したのちに客人は帰っていった。

(;・∀・)「オイ!さっきの客人の話は本当か?」

イ从゚ ー゚ノi「……」

イ从゚ ー゚ノi「あぁ本当さ……」

(;・∀・)「じゃぁなんで宇宙人の俺を助けたんだ!!」

(;・∀・)「敵だとか恨みだとかそういうのがあったんじゃないのか?!」

546名無しさん:2019/01/23(水) 22:57:26 ID:djBPHcOU0
イ从゚ ー゚ノi「あの時も言ったろあんたが困った顔してたからさ。」

(;・∀・)「そんな訳――

イ从゚ ー゚ノi「ワシもさ家族を亡くしたときお前さんと同じ顔をしてたんだよ。」

イ从゚ ー゚ノi「悲しくて悔しくて許せなくて。そりゃ恨んだりもしたさ。」

(;・∀・)「ならなんで!!」

イ从゚ ー゚ノi「でも一番許せなかったのは宇宙人じゃない、自分自身だったのさ。」

イ从゚ ー゚ノi「あの時ワシが息子たちにたまにはこっちにおいでなんて言わなければ。無理にお願いなんてしなければ。」

イ从゚ ー゚ノi「ずっと悔やんでいたよ。だからせめてもの罪滅ぼしに子供たちにいい思いをしてほしくてこの駄菓子屋をまだ続けているのさ。」

イ从゚ ー゚ノi「だからあんたも許しておやり。自分自身を。」

( ;∀;)「!!」

イ从゚ ー゚ノi「何があったのかわわからないが、あんたの心には復讐心があるのがよくわかる。でもそれは一番許せないやつを隠すためだ。」

イ从゚ ー゚ノi「どんなに自分を恨んでも何にもならないよ。だから許しておやり。」

( ;∀;)「お…俺は地球を侵略しに来たモララー星人だぞ!!……肌の色だって血の色だって違う!!」

俺がそう言うと銀の婆さんは俺をやさしく抱きしめてくれた。

イ从゚ ー゚ノi「でも涙の色は同じじゃないか。肌の色や血の色が違うからなんだって言うのさ。」

イ从゚ ー゚ノi「あんたはあんただろ?」

イ从゚ ー゚ノi「もう自分を責めるのをやめてこれから何をすべきかをよくお考え。」

( ;∀;)「うぅ……うわぁぁぁぁぁ!!!」」

久しぶり泣いたよ。
そうさおれはずっと後悔していた。
更なる利益を求めて他の星を侵略しようだなんて欲をかいたから、他の星を支配して奴隷にしようと考えたから……
そんなことを考えないで一番大切なものを守ろうとすれば防げたのかもしれない。少なくとも一人ぼっちになんて……
バカみたいな自分が一番許せなかったんだ。

547名無しさん:2019/01/23(水) 22:57:52 ID:djBPHcOU0
俺はこの地球に来て初めて理解したよ。
俺たちモララー星人も地球人も何も変わらないんだって。
同じように家族を愛し恋人を愛し友を愛する。
そういった同じ心を持つ同志だってことに。
なのに俺たちは……

( ・∀・)「それから俺はこの村の人たちの役に立つように頑張ったさ。」

( ・∀・)「そしたら徐々に彼らも俺のことを受け入れてくれてね。」

( -∀-)「今はだいぶ前に死んだ銀の婆さんの代わりにこの駄菓子屋をついで子供たちに菓子を売ってたんだ。」

爪'ー`)「……」

( ・∀・)「でも、だから許してくれなんて言う気はない。」

( ・∀・)「いつか俺がしたことが裁かれる日が来るなら受け入れるつもりだったさ。」

( ・∀・)「俺のことは好きにするといい。覚悟はできている。」

爪'ー`)「ケッ、なに自分だけしゃべりたいだけしゃべってんだ。」

爪'ー`)「オイ!ここは喫煙できるのか?」

( ・∀・)「あぁ、好きに吸ってくれ。」

そう言いながら灰皿を取り出す。

爪'ー`)y‐「おぅ、ありがとよ。」

爪'ー`)y‐「フーッ」

爪'ー`)y‐「お前の御託はどうでもいいが、今度は俺が話そう。」

爪'ー`)y‐「これはとんでもねぇ大馬鹿野郎の話さ。」

548名無しさん:2019/01/23(水) 22:58:17 ID:djBPHcOU0
それはひどい嵐の夜、もう使われていない工場でそいつとそいつの戦友は地球を侵略しに来た宇宙人たちと戦っていた。
その日も順調に侵略者たちを倒していったよ。
でもそいつはライバル視していた戦友に一歩及んでいなかった。一度も勝てたことがなかったんだ。
だからくだらない賭け事をしてでも何としても勝とうとした――

ちょうどおあつらえ向きにまだ侵略宇宙人が一人残っていてこれはチャンスだと思ったんだそいつは。
奴を倒せば初めて勝てる。絶対に逃がしてたまるか。
そういった焦りのせいで逃げた侵略宇宙人が仕掛けた罠に気づかなかった。

普段だったら見落とさない物もその時は見えてなかった。
気づいたらもう吹っ飛んでたよ。でも大した怪我じゃなかった。
起き上がって周りを見てようやく状況が呑み込めた。

そいつのことを戦友がかばってくれたんだ。戦友はもう手の施しようがなかったよ。
そして戦友は最後にそいつのことを守れてよかったって言ったんだ。
戦友はそいつのくだらない夢が嫌いじゃないって言ってくれたんだ。

そのお馬鹿野郎は敵も追わずにその場で大泣きしてたよ。
もう息をしていない戦友をずっと抱きしめながら。
そしてずっと憎んで恨んだよその侵略宇宙人を。
誓ったさ、必ず敵をとると。

そうやって自分をごまかしたんだ。他の奴を恨むことで。
大馬鹿野郎は。
ずっと一番に憎んで憎んでぶちのめしたくてボコボコにしてやりたい奴から。

結婚しても、子供ができても、市や早生な時間が訪れても、そいつの心のどこかではそれが許せなかった。
一番憎い奴がなぜ幸せになっている?そう思うたびに逃げた侵略宇宙人を思い浮かべてそいつが憎いと思うようにしていた。
でも何十年と時が経とうとその憎しみは消えなかった。周りにはその侵略宇宙人を絶対に許さないとか言ってるが、本当はもうそんなつもりはないのに。

その大馬鹿野郎が一番許せなかったのは自分自身だったんだ。
あの時の自分の軽率で間抜けなことが許せなかった。
何よりそのせいで同じ釜の飯を食べ、ともに戦い続けた戦友の命を奪ってしまったことが。

その事実を受け入れられなくてずっとごまかし続けたのさ。
心の隅で本当はわかっているくせに。
しまいにゃいまだに自分のことを許せないでいる。

549名無しさん:2019/01/23(水) 22:58:43 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)y‐「フーッ」

爪'ー`)y‐「そんな大馬鹿野郎がこの地球にはいるらしい。」

( ・∀・)「……そうか。」

( ・∀・)「そいつもいつか自分のことを許せるときが来るといいな。」

爪-ー-)y‐「さぁ、来るかねぇ。そんなときが……」

( ・∀・)「いや、いつか来るさ。」

( ・∀・)「俺のようなどうしよもない奴だって許すことができたんだから。」

爪'ー`)y‐「そうか……そうなるといいな。」

( ・∀・)「さて、そろそろ湿っぽい話はやめて飯でもどうだい?この村のいい酒も出すぜ!」

爪'ー`)「そいつはいい。頂こう!」

それから二人は飯を食べながらいろいろ話した。
まるで昔からの親友のように。

爪;'ー`)「おいなんだこのみそ汁!!クソまずいぞ!!他のはなかなかの味なのにこれだけなんだ??」

( ・∀・)「失敬な!それは我がモララー星の郷土料理だぞ!」

( ・∀・)「この味もわからんとはな。いやなら俺が全部食べる。」

爪;'ー`)「それなら無理してでも食うさ……」

飯のは話から……

( ・∀・)「まじであのツンヌって隊員はやばいんじゃないか?ネットの書き込みでもすごい言われようだ。よくあんなの防衛隊に入れたな。」

爪'ー`)「あの時に戻れるなら当時の俺を殴り倒してでも阻止したいぜ。『そいつは入隊させるな!!』って。」

爪'ー`)「本当に自分勝手で上司の俺のいうことなんて全く聞かないんだもん。扱いに困るよ。」

550名無しさん:2019/01/23(水) 22:59:09 ID:djBPHcOU0
部下や仕事の話、趣味や昔話など時間が許す限り喋る。
酒もかなり進み夜もかなり深くなってきた。

爪*'ー`)「もうこんな時間かそろそろ寝ないとな。」

(*・∀・)「おいおい、ヴィプトラ警備隊のフォックス隊長ともあろうものがこの程度の酒でもうギブアップか?」

爪*'ー`)「ハッ、この程度序の口でしかねぇ。哀れなモララー星人が明日護送中にゲロ吐かないように配慮してやってるだけだし!」

(*・∀・)「それならもう一杯乾杯しよう。一気だぞ!」

爪*'ー`)「望むところだ!」

「カンパーイ!!」

爪*'ー`)「本当にうまいなこの酒。」

(*・∀・)「……」

爪*'ー`)「どうした?」

(*-∀-)「いやちょっと考え事をな。」

爪*'ー`)「?」

(*・∀・)「最近たまに夢で見るんだ。滅ぼされた星にいた俺の家族や友達と銀の婆さんや地球の人たちが楽しそうに手を繋ぎ合っている夢を。」

(*-∀-)「自分でも馬鹿な考えだとは思うんだけどさ。いつか……いつか遠い未来にでも何星人とか関係なく一緒に暮らしていける――そんな平和な世界が、時代が来たらいいって。」

爪*'ー`)「!」

(*・∀・)「なぁフォックス、お前は来ると思うか?そんなお花畑な未来が。」

爪*'ー`)「……さぁな。」

(*・∀・)「来るわけないよなー。」

(*・∀・)「ハハ……」

爪*'ー`)「まっ、そんな夢物語を話すよりも飲みが足らんぞ!」

(*・∀・)「明日二日酔いになっても後悔するなよ。」

爪*'ー`)「HAHAHAHA!このフォックス隊長がこの程度で便所が友達になるとでも?」

551名無しさん:2019/01/23(水) 22:59:55 ID:djBPHcOU0
翌朝。

( ^ω^)「おはようございます隊員、お迎えに上がりました。」

( ^ω^)「あ、こりゃぁー無理そうだな。」

爪; ー )「ウーン……」

(; ∀ )「お…起きろ…お前の部下が迎えに来たぞ……」

爪; ー )「頭イテー……」

(; ∀ )「ウェ……ちょっとトイレ篭ってくる……」

爪; ー )「待て……俺も吐きそう……」

( ^ω^)「それじゃ外で待ってますんで準備できたら来てくださいね。」

地獄の二日酔いに苦しむ二人を置いて外に停めてあるヴィプンターへ向かう。

('A`)「どうだったブーン?やっぱ無理そうだった?」

( ^ω^)「ああ。出発するまでには当分かかりそうだ。」

ξ゚⊿゚)ξ「まったく、たいそうな身分なことだぜあいつ!普段はエラソーなこと喚いてるくせに自分は侵略宇宙人と楽しく酒飲みやがって!」

ξ#゚⊿゚)ξ「頭ハイメガかよ!!」

('A`)「?」

( ^ω^)「?」

('A`)「でも何はともあれ、あとはモララー星人を基地まで護送するだけの楽な作業だな。」

( ^ω^)「本当な。協力的で助かるぜ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「だから私はさっさと帰りたいんだけど。」

(;'A`)「少しは我慢しろよ。カルシウムが足りてないんじゃない?」

( ^ω^)「のんびり待ってササッと帰って終わりにしようぜこんな楽な仕事。」

(,,゚Д゚)「いや、本当にこれで終わりか?」

('A`)( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「?」

552名無しさん:2019/01/23(水) 23:00:22 ID:djBPHcOU0
(,,゚Д゚)「妙だとは思わないか?俺とジョルジョが調査に出発してから基地に通報が入るタイミングが良すぎる。」

( ^ω^)「たまたまそういうタイミングで通報が入っただけだろ。それだけのことだ。」

(,,゚Д゚)「だがそうなるとこの村の人たちがモララー星人のことを通報したと言うのか?」

(,,゚Д゚)「昨日この近辺を調査してる間ずっとモララー星人はいい奴だから酷いことしないでくれってそこら辺の人たちから言われ続けたぞ。」

('A`)「警備してる俺たちのところにも来たなそういう人たち。」

(,,゚Д゚)「それだけ信用してる村の人が通報?」

( ^ω^)「中には嫌ってるやつもいるだろうし、たまたま通りかかった人間が通報したとか。」

(,,゚Д゚)「モララー星人が出現したのは何十年も前だぞ。その名前や姿を覚えている人間がどれだけいるか。」

(,,゚Д゚)「まぁ、嫌っている村の奴かもしれない……一応確認で基地に通報があった所を調べてもらったよ。」

(,,゚Д゚)「そしたらこの村に唯一ある公衆電話だぜ。」

('A`)「公衆電話?」

( ^ω^)「ふーむ、確かに妙だな。今の時代通報するために公衆電話なんて使わんだろうしな。」

(,,゚Д゚)「そうなると通報者は携帯電話などを持っていない人物。その上自宅の電話もないときた。」

(,,゚Д゚)「知り合いがいれば電話を借りるなりできるだろうにわざわざ公衆電話を使わなければならない。」

(,,゚Д゚)「こうは考えられないか。そいつは自分の出した怪電波をヴィプトラ警備隊に探知され調査しに来られてまった。」

(,,゚Д゚)「だから自分のことを隠すために丁度見つけたモララー星人になすりつけたと。」

( ^ω^)「他に敵がいるって言うのか?!」
  _
( ゚∀゚)「その可能性が高そうだ。」
  _
( ゚∀゚)「やっと怪電波の発生源を探知したぜ!」

('A`)「場所は?」
  _
( ゚∀゚)「モララー星人のいる駄菓子屋とは違う場所だな。あっちの森の方だ、みんな付いてきてくれ!」

('A`)「よし行こう!」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?森とか勘弁しろよ!お前らだけでどうにかしろよ!!」

553名無しさん:2019/01/23(水) 23:00:47 ID:djBPHcOU0
四名は探知機が示す方へとへと向かう。
  _
( ゚∀゚)9m「あそこだ!」

ジョルジョが指さす方に見知らぬ宇宙人たちがせっせっと作業をしているようだ。

( ^ω^)「みんな一旦隠れろ。」

すぐさま物陰に潜みその様子をうかがう。

(  ゚¥゚)「どうやら上手くヴィプトラ警備隊を欺けたようだな。」

(  ゚¥゚)「いやー運よくモララー星人の生き残りがいてよかったぜ。」

(  ゚¥゚)「もうじきヴィプトラ警備隊も引き上げていくだろうさ。」

(  ゚¥゚)「さっさとこの爆弾の設置作業を終わらそうぜ!」

(  ゚¥゚)「これで地球も火の海になる。」

('A`)「!」

('A`)(奴らは偽モナー星人!)

偽モナー星人とは数十年単位で住んでいる星を別の星へつ移り住む連中だ。
その際に手ごろな星を見つけては協力な爆弾でその星を火の海にして自分たちの住みやすい環境に変えてしまうのだ。
そうやって滅ぼしてきた星は数知れず。

(;'A`)(そうなるとあれは爆弾か……)
  _
( ゚∀゚)「何やら物騒なものを仕掛けているようだが。」

(,,゚Д゚)「地球へのプレゼントってわけではなさそうだな。」

( ^ω^)「なんにせよコソコソしている奴らがいいことしてるわけない。一気に制圧するぞ!」

( ^ω^)「準備はいいな!行くぞ!!」
  _
( ゚∀゚)('A`)(,,゚Д゚)「オゥ!」

掛け声とともに偽モナー星人に突撃する。

( ;゚¥゚)「?!」

( ;゚¥゚)「しまったヴィプトラ警備隊だ!」

「オラァァァ!!」

「ウギャァァァァ!!」

554名無しさん:2019/01/23(水) 23:01:12 ID:djBPHcOU0
電光石火のごとく数人いた偽モナー星人を始末する。

( ^ω^)「ざっとこんなもんか。」

(,,゚Д゚)「で、これをどうするよ?」
  _
( ゚∀゚)「!」
  _
( ゚∀゚)「おい待てこれ動いいてるぞ!」

(;'A`)「しまった!」

(  ゚¥゚)「残念だったなヴィプトラ警備隊の諸君。この爆弾が作動した以上もう地球はおしまいだ!」

一人生き残っていた偽モナー星人が爆弾を作動したのだ。

(  ゚¥゚)「これ一つで地球全体が火の海だ!あと数分の命をせいぜい必死に生きるがいい!」」

(  ゚¥゚)「フハハハハハ!」

そう言いながら強大化する偽モナー星人。

(;'A`)「クソォ、どうする?」

( ^ω^)「慌てるな。俺とドクオで応戦するからその隙にジョルジュ、ギコはヴィプトラホーク1号に迎え。」

( ^ω^)「奴を倒さないことには爆弾の解除もできん。」

(,,゚Д゚)「了解、ジョルジュ行こう。」

ブーンとドクオが地上から光線銃で攻撃するがあまり効果は薄いようだ。

(  ゚¥゚)「その程度の攻撃が通じるか!これでも食らえ!」

口から毒ガスを吐き出す。

(;^ω^)「うげぇ!これはまずい。一旦後退するぞ!」

ガスの中ヴィプンターの方へと向かうブーン。

('A`)(よし、今なら)

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

(∞)「デュワ!」

555名無しさん:2019/01/23(水) 23:03:26 ID:djBPHcOU0
('A`)「デュワァ!」

(  ゚¥゚)「む!ドクトラセブン!」

毒ガスを吐き続けているがものともせずに殴り掛かる。

(#'A`)「ダァァァ!」

何発も何発も。

( ;゚¥゚)「ウグゥ……」

必死の反撃で殴り返してくるが、その勢いを利用して巴投げだ。
投げ飛ばした後は素早く駆け寄り偽モナー星人の両足を持つとジャイアントスイングでさらに投げ飛ばす。

( ;゚¥゚)「こ、この野郎!!」

起き上がった偽モナー星人は飛び蹴りを放つが、サマーソルトキックで迎撃される。

('A`)「デュワァ!」

( ;゚¥゚)「ぐへぇ……」

そしてヴィプトラホーク1号が到着した。

(,,゚Д゚)「攻撃開始!」

ヴィプトラホーク1号のレーザー攻撃が偽モナー星人を襲う。

たまらず転び回る偽モナー星人にしっかりと狙いをつけるドクトラセブン。
必殺のドクトラショットを放ち爆死させる。

( ;゚¥゚)「ひどぉぉぉっぉ!!」

('A`)「ふう。」

一息つくドクトラセブンだが、まだ終わってはいない。
一番まずいものが残っている。

(;'A`)「グググ……」

爆弾の表示を見ると爆発まであとわずかだ。
一発で地球を火の海にできる破壊力を持つ爆弾。
飛んで宇宙に運んでも安全な距離まで運ぶ時間がない。

(;'A`)(ならドクトラワープで……)

しかし、ドクトラワープはエネルギーを激しく消耗するので多用はできない。
つまりそれで遥か遠くの宇宙に運んでもドクトラセブン自身は安全なところまで逃げれない。

556名無しさん:2019/01/23(水) 23:03:58 ID:djBPHcOU0
(;'A`)(ドクトラワープを使えば俺は無事ではいられない)

('A`)(いや、地球のためならこの命惜しくない)キリッ

覚悟を決めるドクトラセブン。

( ・∀・)「待つんだドクトラセブン!」

駄菓子屋から外に出ていたモララー星人が声をかける。

('A`)「!?」

( ・∀・)「君は地球のために自分の命を捨てようとしているね。」

( ・∀・)「大丈夫だ。俺にいい考えがある。」

( ^ω^)「なに?どうするというのだ?」

( ^ω^)「あれを仕掛けていた連中は物の数分で爆発すると言っていたぞ。」

( ・∀・)「駄菓子屋の裏には俺が乗ってきた円盤が隠してある。」

( ・∀・)「そいつにはあと一回分ワープするだけのエネルギーは残っているからそれで爆弾を運ぶのさ。」

爪'ー`)「お前……」

ξ゚⊿゚)ξ「はっ、何を言うかと思えばそうやって自分だけ助かろうって魂胆か。」

ξ#゚⊿゚)ξ「逃がすわけねぇだろうがよ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なんなら今すぐにでも始末してやろうか?」

爪'ー`)「待てツンヌ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーはその侵略宇宙人を信じるっていうのかよ?!」

爪'ー`)「ああそうだ。」

( ^ω^)「……」

557名無しさん:2019/01/23(水) 23:04:24 ID:djBPHcOU0
ξ#゚⊿゚)ξ「馬鹿かよテメーは!!なに敵の言葉を信じてんだ?」

ξ#゚⊿゚)ξ「今地球が滅ぶかの瀬戸際なんだぜわかってんのか??」

爪'ー`)「わかっている。あいつは信じられる奴だ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「テメーまさか一緒に酒飲んだくらいでそいつとお友達にでもなったって?」

ξ゚⊿゚)ξ「こりゃ笑える。」

ξ゚⊿゚)ξ「人間とゴキブリが友達になれるか?」

ξ#゚⊿゚)ξ「なれるわけねぇよなぁ!!そんな奴がいたら顔が見てみたいぜ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんな気持ち悪く悍ましくて存在自体許せない生物となんてよぉ!一緒の空間にいるだけでも勘弁だぜ!そんなのと不可能だよなー!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「それ以上に不可能なんだよ!!侵略宇宙人とお友達になるなんてなー!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「まさか安っぽくて中身のねぇ感動話でもされて心許したとか言わねぇよな?」

ξ#゚⊿゚)ξ「そんなくだらねぇ話信じねぇよなぁ!!」

爪'ー`)「すべての責任は俺が負う。だから頼むツンヌ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「話になんねー!!」

( ^ω^)「ツンヌ、隊長を信じろ。」

( ^ω^)「大丈夫だ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ、勝手にしろ。」

558名無しさん:2019/01/23(水) 23:04:50 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)「すまない。」

( ・∀・)「大丈夫かフォックス?」

爪'ー`)「漏らすかと思ったよ。」

( ・∀・)「だが聞いていた話よりずっと聞き分けのいい部下じゃないか彼女。」

爪'ー`)「今日はだいぶ機嫌がいいらしい。」

( ・∀・)「でも本当にいいのか?」

爪'ー`)「なんだ嘘ついたのか?」

( ・∀・)「いや。あとのことは任せてくれ。」

( ・∀・)「あ、でも一つ嘘はついたな。」

爪'ー`)「?」

( ・∀・)「昨日のみそ汁はモララー星の味を再現しようと失敗したやつだ。」

( ・∀・)「もう郷土の味を思い出せなくてね。本当はあんな味じゃなかったよ。」

爪;'ー`)「おま……」

( ・∀・)「ははは、そういうことだ。」

そう言いながらモララー星人は円盤へ向かった。

爪'ー`)「まったく……」

その光景を見送る。

559名無しさん:2019/01/23(水) 23:05:15 ID:djBPHcOU0
( ・∀・)「さぁ、何十年ぶりだがちゃんと動いてくれよ円盤ちゃん。」

円盤にたどり着いたモララー星人は急いで円盤を起動させる。

( ・∀・)「よかったまだ生きてる。」

フラフラと上昇し始めた円盤は千鳥足のように不安定になりながら爆弾の上空まで飛んで行った。

(;・∀・)「いやぁ、久しぶりの運転の上に二日酔いときた。一発免停だなこりゃ。」

(;'A`)「……」

( ・∀・)「あ、ちゃんと仕事はこなすから安心してくれ。」

円盤の下から爆弾めがけて光を当てると爆弾が浮き上がり円盤内に収納された。

( ・∀・)「ドクトラセブン、地球のことは頼んだぞ。」

( ・∀・)チラリ

円盤からフォックスの方を見つめる。

( ・∀・)「……」

( -∀-)「さて、そろそろ行くかな。」

( ・∀・)「さらばだ地球よ!」

モララー星人が乗る円盤が光に包まれるとその姿を消した。

爪'ー`)「あばよ、モララー。」

560名無しさん:2019/01/23(水) 23:05:43 ID:djBPHcOU0
偽モナー星(元モララー星)では偽モナー星人が、地球が火の海になるのを今か今かと待ちわびていた。

(  ゚¥゚)「もう少ししたらあの青い星が真っ赤に染まるぜ!」

(  ゚¥゚)「ヒヒヒヒヒ!楽しみだなぁ!」

(  ゚¥゚)「あの美しい星が荒れ果てた大地しかなくなるんだ。最高な光景が見られるぜ!」

地球が滅ぶ瞬間を楽しそうに待っている彼らの元に一機の円盤が現れた。

( ・∀・)「今帰ったぞ我が故郷よ!」

モララー星人が乗る円盤だ。
もうそこはモララー星人が知る自分の星ではなかった。

(  ゚¥゚)「なんだありゃぁ?」

(  ゚¥゚)「どこの奴だ?」

( ・∀・)「どうも初めまして俺はこのモララー星のモララー星人さ。」

( ・∀・)「君らも一緒に派手に逝こうぜ!」

( ;゚¥゚)「モララー星人?生き残りがいたのか!」

( ;゚¥゚)「まさか復讐に来たのか?!」

( ;゚¥゚)「ひぃぃ!!」

( ・∀・)「だいぶ変わっちまったなこの星も。」

( -∀-)「でもまぁいい人生だったよ。」

( -∀-)(最後に親友もできたしな)

( -∀-)(おれは一人ぼっちじゃなかったんだ)

「あれを打ち落とせー!!」

「亡霊ごときが今更なんのようだ!」

騒ぎ始める偽モナー星人たちだったが、一瞬にして光に包まれた。
偽モナー星、元モララー星はもう一度炎に包まれたのだ。

561名無しさん:2019/01/23(水) 23:06:06 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「敵を倒して地球が無事で万事解決ってんのはわかる。」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃぁ今は何の時間なんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「なんでやること終わって基地に帰らねぇんだ?」

ξ#゚⊿゚)ξ「なんであのおっさんは一人黄昏て哀愁漂わせてんだ?」

('A`)「人間そういうときも必要だよ。」

( ^ω^)「そうそう、今は少しゆっくりしようぜ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「私はさっさと基地に帰ってゆっくり休みたいの!なんでこんな何もない田舎で時間つぶさなきゃいけないの?」

ξ#゚⊿゚)ξ「ああぁぁあぁ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「もう我慢ならん!!あのおっさんぶちのめして帰るぞ!!」

('A`)「おっとそうはいかないな。」

( ^ω^)「隊長の元に行きたいなら我々を倒してからにするんだな。」
  _
( ゚∀゚)「四対一だ!さすがのツンヌだって人数差はどうしよもない!!」

(,,゚Д゚)「悪いが今日の俺たちは一味違うぜ!」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、そう言うならお前らちゃんと遺書は書いただろうな?」

ξ#゚⊿゚)ξ「あの世で後悔するんじゃないぞ!!」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)「?!」

手加減を知らない人間、それがツンヌ。

562名無しさん:2019/01/23(水) 23:06:30 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)y‐「フーッ」

煙草を吹かすフォックス。
後ろから聞こえる悲痛な断末魔には耳を傾けない。

爪'ー`)y‐「……」

爪'ー`)y‐「平和な世界か……」

昔自分でも夢見たこと。
歳を取るにつれてそれが夢物語だと段々にわかっていく。不可能だと理解していく。

爪'ー`)y‐「でもいつか来るといいなそんな時代が。」

爪'ー`)y‐「そうだろちんぽっぽ、モララー。」

そんな世界は来ないとわかっている。
でもそれでも信じたいのだ。
そんな世界が来ると信じているから戦うのだ。

爪'ー`)y‐「お前たちや俺が信じたその日が来るまで俺は…俺たちは戦い続けるさ……」

一人黄昏るフォックス。その目は寂しそうに遠くを見つめている。

第十八話 『一人ぼっちの宇宙人』

終わり

563名無しさん:2019/01/23(水) 23:07:06 ID:djBPHcOU0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

564名無しさん:2019/01/24(木) 00:28:56 ID:CGyEd3F20
そうかなと思ったけど投下したてホクホクの自分の作品ネタぶっこむなよww
それはそうと(  ;∀;)イイハナシダナー

565名無しさん:2019/01/24(木) 07:48:17 ID:GB9YYOLs0
乙です

566名無しさん:2019/01/24(木) 19:01:23 ID:TTnyVVAo0
おつ
モララー生きて欲しかった…

567名無しさん:2019/01/24(木) 23:38:56 ID:wkd8311E0
隊長いかすぜ
モララーよ永遠に・・

568名無しさん:2019/01/25(金) 00:27:16 ID:yoLeGk2o0
>>551
〉ξ#゚⊿゚)ξ 「頭ハイメガかよ!!」

お前だろwwwwwwww

569名無しさん:2019/02/03(日) 21:18:25 ID:d0LtOfMM0
第十九話『戦士にも休日を』

('A`)「隊長、申し訳ないのですが、今日はこれからお休みをいただきたいのですがいいですか?」

爪'ー`)「ん?ああ、今日は暇そうだからいいぞ。」

('A`)「ありがとうございます。」

爪'ー`)「そういえばまだドクオは有休一度も使ってなかったな。」

( ^ω^)「ドクオが休み貰うとは珍しい。何か用事があるのか?」

('A`)「今日はちょっと友達とな。」

ξ゚⊿゚)ξ「友達ぃ?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?お前に友達いたの?」

('A`)「失敬な!友達の一人や二人くらいいますぅ!」

ξ゚⊿゚)ξ「どうせ画面の中から出てこないんだろ。会話も選択肢でするだけの。」

(;'A`)「実在の人物ですから!」

ξ;゚⊿゚)ξ「おま!まさか友達料とか請求されるタイプの奴らだろそれ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「私が一言ガツンと言ってやるから任せろ!」

(;'A`)「いや、ちゃんとした友達だよ?」

ξ゚⊿゚)ξ「いいかドクオ、どんなにつらくたってちゃんと現実を見ないとだめだぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「お前に友達がいるとかそれはまやかしか幻覚だ。」

(;'A`)「……」

爪'ー`)「そういうことなら今日は楽しんで来いよ!」

('A`)「はい!」

(,,゚Д゚)「後のことは俺たちに任せとけ!」

570名無しさん:2019/02/03(日) 21:20:00 ID:d0LtOfMM0
休みの許可をもらい急いで私服に着替えると基地からこっそり出る。
人目をがないことを確認するとドクトラアイを取り出し変身。

人間サイズのまま目的の廃墟ビルまで飛んでいく。
目的地に着いたらもう一度よく周りを見渡して人がいないことを確認したら透視能力。
何もない場所に空間の歪みを見つけたらそこに飛び込んだ。

('A`)「すまん遅くなった。お待たせ。」

≫(‘♀’)≪ 「お疲れ様。もう準備はできてるよ。」

( `ハ´)「これでミンナ揃ったネ。」

/ ,' 3「さぁさぁ、旦那の席について。早く一杯始めましょうや。」

アラマキ星人が持っていた商品の一つを使い、何もないところに自分たち専用の異空間を作り上げた。
そこにシナー星人の屋台やテーブル、イスなどを持ち込み地球人に気づかれることなく一杯できる場所を作ったのだ。
そう今日はこの星に住む宇宙人たちの飲み会なのだ。

≫(‘♀’)≪ 「デレさんに頼んでいろいろ料理を作ってもらったから美味しくいただこう!」

( `ハ´)「酒のツマミはワタシ作ったネ。」

('A`)「うほぉ!こりゃぁ旨そうなのばかりだ!」

/ ,' 3「お酒もこの星だけでなく宇宙のいい酒もご用意しやしたぜみなさん。」

/ ,' 3「とはいっても最初の一杯はこの星の風習に従ってビールにしておきますか。」

みんなで手際よくビールを注ぎ合う。

('A`)「よし、みんな酒はあるな。」

('A`)「さっさと飲もうぜ。」

/ ,' 3「旦那ぁこういう時は一言あってから始めるもんですよ。」

≫(‘♀’)≪ 「ここのみんなはドクトラセブン、君とのつながりのおかげで出会えたんだ。乾杯の挨拶を頼むよ。」

('A`)「仕方ないそういうことなら。」

('A`)「えー、ではご指名いただきましたので。」

('A`)「まぁー何と言うかですねぇー。こーみんなとー……」

('A`)「あー、出会えた?というかーなんですかね?えーっと……」

571名無しさん:2019/02/03(日) 21:20:34 ID:d0LtOfMM0
( `ハ´)「ヘタ。ヘタ過ぎネ。」

/ ,' 3「旦那もう少しなんとかなりやせんか?」

≫(‘♀’)≪ 「はぁ、君に頼んだ私がバカだった。」

(#'A`)「ギギギギギギギギ!」

(#'A`)「あー、では気を取り直して。」

(#'A`)「お前ら誰のおかげでこの地球にいられるのかよーく考えて感謝してくれ!」

(#'A`)「誰のご厚意で許してもらっているのかをな!」

( `ハ´)/ ,' 3 ≫(‘♀’)≪ 「……」

≫(‘♀’)≪ 「ああ、そうだね。私が出した触覚の偽物に気づかずにひたすらに一人プロレスしてくれた君のおかげだ!」

≫(‘♀’)≪ 「おかげでこうして生きてられるよ!」

( `ハ´)「本当、そうアルネ!地球防衛しているはずなのにラーメンに負けて滞在を許してくれたアナタのおかげネ。」

( `ハ´)「私利私欲を尽くすとはこういうことヨ!」

/ ,' 3「いやー、ヴィプトラブレスレットに存在を持ってかれそうになった哀れな旦那のおかげでっせ!」

/ ,' 3「泣きべそかきそうな旦那の顔が忘れられやせん!」

( `ハ´)/ ,' 3 ≫(‘♀’)≪ 「本当に感謝だよ!」

(;'A`)「……」

('A`)「はい、本当にですね、広大で無限な宇宙の中でこうしてそれぞれが違う星人が」

('A`)「本来まったく我々に関係ない星である地球で出会えた奇跡!」

('A`)「ここにいるみんなに!そして奇跡を起こしてくれたこの地球に!」

('A`)「カンパーイ!」

( `ハ´)/ ,' 3 ≫(‘♀’)≪ 「カンパーイ!」

572名無しさん:2019/02/03(日) 21:20:59 ID:d0LtOfMM0
(*'A`)「あぁうまい!この一杯のために生きてる!」

(*`ハ´)「地球ハ様々な食材だけじゃなくてウマイサケモ豊富でイイネ!」

≫(*‘♀’)≪ 「いい飲みっぷりじゃないかドクトラセブン。一気飲みするとは。ハイどうぞ。」

空になったジョッキにビールを注ぐ。

(*'A`)「ああ、ありがとう。」

(*'A`)「酒なんて本当にたまにしか飲んでる暇がないからな。」

(*`ハ´)「そんなに忙しいアルか?」

(*'A`)「そりゃぁヴィプトラ警備隊だもん。毎日忙しくてそもそも休み自体がない。」

(*`ハ´)「でもツンヌ隊ハよくラーメン食べながら酒飲みに来るネ。」

(*'A`)「あいつは別格だからな。」

/ ,' 3「正直あの方は恐ろしくて近寄れないですな。」

(*'A`)「たまに思うがあいつは本当に人間なのか?」

≫(*‘♀’)≪ 「実は違ったって言われても納得出来る。」

/ ,' 3「異常なまでの強さとか関係なしに人間性も疑うところばかりで。」

(*'A`)「いろいろ人間離れしてるって言うか……」

≫(*‘♀’)≪ 「普通じゃないってやつだ!」

(*'A`)「そうそう、それ!」

「ハハハハハ!」

一人暮らしの部屋程度しかない空間では、それは楽しく飲んでいる。

573名無しさん:2019/02/03(日) 21:21:25 ID:d0LtOfMM0
ξ゚⊿゚)ξ「暇ー!」

ξ゚⊿゚)ξ「私もたまには休んで飲みにでも行こうかなー。」

( ^ω^)「たまには?いつもじゃなくて?」

(,,゚Д゚)「おいツンヌ、今日はすでにドクオが休みだからこれ以上は人減らせないぞさすがに。」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?ならあいつ連れ戻すか。」

爪;'ー`)「そもそも君はもう有休がないとかのレベルじゃないからね?」
  _
( ゚∀゚)「隊長!」

爪'ー`)「どうしたジョルジョ?」
  _
( ゚∀゚)「今、我々ヴィプトラ警備隊の観測員が妙なものを探知しまして。」
  _
( ゚∀゚)「これを見てください。」

作戦室のモニターに日本地図が映し出されるとどんどん拡大されていき、とある場所が映し出した。
すると様々な画像処理がされていくと映し出されていた場所がゆがみだした。

爪'ー`)「これは?」
  _
( ゚∀゚)「推測すると空間の歪みです。その歪みの中は我々がいるこの世界とは別の空間があると思われます。」
  _
( ゚∀゚)「歪み自体は一人暮らしの部屋程度の大きさですね。」
  _
( ゚∀゚)「ただまれにそういった歪みは自然発生したりするよう出すが、万が一のことを考えると……」

爪'ー`)「なるほど、侵略者がその空間に潜んでいる可能性があるわけだ。」
  _
( ゚∀゚)「はい。」

ξ゚∀゚)ξ「おっと仕事じゃんか!あいつ連れ戻せよ!」

爪'ー`)「まあ待てツンヌ。まだ確定したわけじゃない。」

574名無しさん:2019/02/03(日) 21:22:05 ID:d0LtOfMM0
爪'ー`)「その歪みには我々人間は入れるのか?」
  _
( ゚∀゚)「推測では入れると考えられます。自然発生した歪みには人が入って消えてしまうそれが――

(,,゚Д゚)「なるほどそれが俗にいう神隠しの正体か。」
  _
( ゚∀゚)「そういうこと。」

爪'ー`)「なら誰かその歪みの中に入って侵略者がいるかどうか確かめてみるか?」
  _
( ゚∀゚)「それはちょっと危険ですね。」

爪'ー`)「?」
  _
( ゚∀゚)「その歪みの中に侵略者がいて酸素もあれば問題はないですが、もし人が消える神隠しの歪みだったとすると」
  _
( ゚∀゚)「その歪みから外に出られても今の時代に戻ってこられるか怪しいところです。」

( ^ω^)「ひょっとしたら未来に行っちゃったとか?」
  _
( ゚∀゚)「そういうこと。」

爪'ー`)「うーむ、そうなってくるとリスクが高いな。」

爪'ー`)「ならその歪みを無理やり閉じたらどうなる?」
  _
( ゚∀゚)「その歪みは消滅しますね。空間の中にあったモノもろとも。」

爪'ー`)「なるほど、ならその歪みを閉じる方向で行こう。」

爪'ー`)「それなら侵略者が利用してる場合でも倒せるし自然発生ならそこに入ってしまう人間がでる心配もない。」

爪'ー`)「頼めるか?」
  _
( ゚∀゚)「はい。みんなの力を借りれば歪みを閉じることのできる武器を開発できると思われます。」

(,,゚Д゚)「よし任せろ手伝うぜ!」

( ^ω^)「ちなみにどんな原理で閉じるつもり?」
  _
( ゚∀゚)「それはもちろん○○博士の論文にあった……を利用して××教授の理論――

爪'ー`)「面白い考えだな!」

(,,゚Д゚)「それならいける気がする!」

( ^ω^)「流石ジョルジュ!考えることが違うな!」

ξ゚⊿゚)ξ「???」

575名無しさん:2019/02/03(日) 21:22:34 ID:d0LtOfMM0
≫(*‘♀’)≪ 「今度さ私は、デレさんと遊園地行くんだ。」

(*'A`)「は?」

/ ,' 3「それ佐藤君とかいうのも一緒だろ。」

≫(*‘♀’)≪ 「う……」

(*`ハ´)「そうやって二人で行くかのように話し盛るノ良くないヨ。」

(*'A`)「ま、人さんがデレさんと二人でデートなんて不可能な話だもんな!」

≫(*‘♀’)≪ 「ぐぅ……」

/ ,' 3「そんな飛ばしをする人さんには熱燗を一気してもらんないといけませんな。」

(*`ハ´)「そうアルネ!」

≫(*‘♀’)≪ 「熱燗一気?おちょこじゃなくてとっくり丸ごといってやるよ!!」

≫(*‘♀’)≪ 「いただきまーす!!」

≫(*‘♀’)≪ 「ゴクゴクゴク……」

≫(*‘♀’)≪ 「ぷはぁー、楽勝だね!」

(*`ハ´)「ヒュー!イイ飲ミップリネ!」

≫(*‘♀’)≪ 「あたぼうよ!日本酒の人と言われた男だぜ!」

/ ,' 3「こりゃあ旦那も負けてられないですよ!はい、熱燗とっくり一つ。」

(*'A`)「おらぁ!見てろよお前ら!!」

(*'A`)「ゴクゴク……」

(*'A`)「ぶふぅ!!」

≫(*‘♀’)≪ 「うわ!きたねぇ吐き出しやがった!!」

(*`ハ´)「ムリはダメ絶対!」

(*゚A゚)「おぼぼぼ……」

576名無しさん:2019/02/03(日) 21:23:21 ID:d0LtOfMM0
/ ,' 3「でもデレさんって女性は素晴らしいですな。我々宇宙人のことを受け入れてくれてこんな料理まで。」

(*'A`)「うま!うまぁ!!」

(*'A`)「デレさんの料理うま!」

≫(*‘♀’)≪ 「本当にいい出会いができたよ。佐藤君にも出会えたし。」

(*`ハ´)「普通じゃ考えられないことヨ。他の宇宙人を受け入れれるなんて。」

/ ,' 3「大体の宇宙人同士の関係は利害の一致や利用できるかとかですからね。」

≫(*‘♀’)≪ 「自分の星を失って仲間を失って絶望したけどこの星のおかげで私はまた生きていける。」

(*`ハ´)「ワタシも迫害を受けるコトナク宇宙一のラーメンを作れているネ!」

/ ,' 3「今まで出会ったことのないような心の強いお方が多くていい星ですよここは。」

(*'A`)「うま!うまぁ!!」

(*'A`)「あ、これもうまぁ!!」

(*`ハ´)/ ,' 3 ≫(*‘♀’)≪ 「……」

≫(*‘♀’)≪ 「正直ヴィプトラの戦士っていったら自分たちの利益のためらな平気で星を滅ぼしても気にしないやつらだと思っていた。私の故郷にしたように。」

(*`ハ´)「本当ネ。相手のイイブンなんてまったく聞かないヤツラばかりと思っていたヨ。」

/ ,' 3「旦那はそういった方たちとは違いますね。」

≫(*‘♀’)≪ 「ああ。」

(*`ハ´)「でももう少し強くて頼りになってほしいアルよ。」

≫(*‘♀’)≪ 「それな。」

/ ,' 3「それが旦那ってことですな。」

(*'A`)「うま!うまぁ!!」

(*'A`)「あれ?みんなどうしたの?」

≫(*‘♀’)≪ 「いや、なんでも。」

/ ,' 3(これが元宇宙最強のモナトラマンの教え子ですかい)

(*`ハ´)(何かの間違いネ)

577名無しさん:2019/02/03(日) 21:23:43 ID:d0LtOfMM0
(*`ハ´)「そうだ新作のラーメン作ったアル!ミンンな食べて!」

(*'A`)「おお!醤油ラーメンか今度は!」

(*'A`)「うま!これうまいよシナー!」

(*`ハ´)「良かったアル。少し自信無かったアルよ。」

≫(*‘♀’)≪ 「うん、確かにうまい…でも……」

(*`ハ´)「?」

/ ,' 3「ああ、確かにおいしいですよこのラーメン。」

/ ,' 3「しかし、いつもの味噌ラーメンには遠く及ばない。」

≫(*‘♀’)≪ 「あの味を知っている人がこっちを頼むかって言ったらそれはないね。」

(*`ハ´)「やはりそうカ。」

(*'A`)「あれ?これもおいしいよ?」

(*`ハ´)「自分でも自慢の味噌ラーメンが一番うますぎて後から作るメニューがそれについていかないヨ。」

≫(*‘♀’)≪ 「まったくもって贅沢な悩みだよ。」

/ ,' 3「どうです?宇宙一の料理を作れる包丁を差し上げますぜ!」

/ ,' 3「代わりにこの屋台をいただければ。」

(*`ハ´)「飲んでるときに商売するなアル。それにこの屋台はワタシの誇りネ。絶対にあげないヨ。」

(*'A`)「シナーおかわり!」

(*`ハ´)「ハイあるヨ。」

578名無しさん:2019/02/03(日) 21:24:06 ID:d0LtOfMM0
  _
( ゚∀゚)「その部品はこっちに。あっ!その部品はまだ付けないで!」

(;^ω^)「おっとすまん。」

(,,゚Д゚)「ええっとここか?」
  _
( ゚∀゚)「そこにお願い。」
  _
( ゚∀゚)「隊長!手が震えてますよ!それじゃだめです!余計なことはしないでください。」

爪;'ー`)「ごめん……」

ξ゚⊿゚)ξ「オラオラ!さっさと作れよお前ら!」
  _
( ゚∀゚)「ツンヌはさっき言ったシステムできた?」

ξ゚⊿゚)ξ「いやまったく。そもそも何とかシステムなんて意味が分からん。」
  _
(;゚∀゚)「あーそう。とりあえずツンヌは作戦室でゲームでもしてて。」

ξ゚⊿゚)ξ「マジでいいの!?」

ξ゚⊿゚)ξ「サンキュー!」
  _
(;゚∀゚)「ふぅ。」
  _
(;゚∀゚)「あ!ギコそこはまだ!」

(,,゚Д゚)「あれ?ああ先にこれか。」

( ^ω^)「普段いろいろ開発している方々には頭上がらないですね。」

爪'ー`)「そうだな。」
  _
( ゚∀゚)「隊長!突っ立ってると邪魔です!ブーンもサボってないで手を動かして!」

爪;'ー`)(;^ω^)「あ、はい。」

ドクトラセブンたちが楽しく飲んでいる間にヴィプトラ警備隊では新型のミサイルの開発が急がれていた。

579名無しさん:2019/02/03(日) 21:24:30 ID:d0LtOfMM0
≫(*‘♀’)≪ 「いやーだいぶ飲んで食べて話した。」

(*`ハ´)「本当今日は楽しかったよ。」

/ ,' 3「こうやってまったく違う宇宙人同士が楽しく飲めるなんて考えられませんからね。」

(*'A`)「……」

(*'A`)「お、俺さ……」

(*`ハ´)/ ,' 3 ≫(*‘♀’)≪ 「?」

(*'A`)「と、友達ができたのこの地球に来てからなんだ。」

(*'A`)「V78星雲ではずっといじめられて見下されて友達なんていなかった……」

(*'A`)「ヴィプトラ警備隊のみんなとも……ここにいるみんなとも仲良くなれて……」

(*;A;)「友達になれて本当によかったよ!!!」

≫(*‘♀’)≪ 「どうどう。」

(*`ハ´)「まったく泣くことナイネ。」

/ ,' 3「旦那、みんな同じ気持ちですぜ!」

(*;A;)「うぅ…おれ…おでぇ!!」」

(*;A;)「じきゅうにぎでほんどうによがっだぁ!!本当にみんなだいずぎぃ!!」

≫(*‘♀’)≪ 「……」

(*;A;)「だがらおではじぎゅうをまも――

≫(#‘♀’)≪ 「馬鹿野郎!!」

バチンッ!!

本気でドクトラセブンに平手打ちを食らわせる人。

(*;A;)「?!」

/ ,' 3(*`ハ´)「!!」

580名無しさん:2019/02/03(日) 21:25:04 ID:d0LtOfMM0
≫(#‘♀’)≪ 「その顔は何だ!?その目は何だ!?その涙は何だ!? 」

(*;A;)「え?」

≫(#‘♀’)≪ 「お前がやらずして誰がやる!?お前の涙で、奴が倒せるか!?この地球を救えるのか!?」

(*;A;)「え?え?」

≫(#‘♀’)≪ 「皆必死に生きているのに・・・挫ける自分を恥ずかしいと思わんか!!」

≫(#‘♀’)≪ 「やるんだ・・・!もう一度やるんだ!」

(*;A;)「どういうことなの?」

≫(#‘♀’)≪ 「馬鹿野郎!!」

バチンッ

もう一度引っぱたく。

/ ,' 3(*`ハ´)「いいぞ!もっとやれ!」

酔っ払ってくると自分でも何をやっているのかわからなくなる。
よくあると思う。
その後もよくわかなないことで怒鳴る人だったり大泣きするドクトラセブンだったり
その様子を動画でとるアラマキ星人だったり気にせずに一人飲み続けるシナー星人だったりと大騒ぎだ。

≫(#‘♀’)≪ 「そんなんではツルク星人には勝てないぞ!!」

(*;A;)「誰それぇ??」

(*`ハ´)「ああ、焼酎は芋のロックに限るヨ。」

/ ,' 3「お二方ともいい動画撮れてますよー。」

581名無しさん:2019/02/03(日) 21:25:31 ID:d0LtOfMM0
  _
( ゚∀゚)「これをこうして……」
  _
( ゚∀゚)「よしできたぞ!」
  _
( ゚∀゚)「対異次元空間用ミサイルジョルジョ一君号!」

( ^ω^)「名前もう少しなんとかならなかった?」
  _
( ゚∀゚)「いい名前だろ!」

( ^ω^)「そう……」

(,,゚Д゚)「でもちょっとたくさん作りすぎたのでは?十発以上あるぞ。」
  _
( ゚∀゚)「少ないより多いに越したことはない。余ってもいつか使うかもしれないだろ。」
  _
( ゚∀゚)「システムも入力してあるから後は基地から飛ばすだっけだ!」
  _
( ゚∀゚)「まず試しに一発撃ってみましょう!」
  _
( ゚∀゚)「隊長、お願いします。」

爪'ー`)「やっと仕事が回ってきたかな。」

爪'ー`)「ではお言葉に甘えてスイッチを……」

ポチっと

ヴィプトラ警備隊の基地から発射されたミサイルは目的地周辺で爆発した。

( ^ω^)「あれ?失敗?」
  _
( ゚∀゚)「フフフフ、よくモニターを見てくれ。」

モニターに映し出されていた歪んでいるのが少し歪みが消え始めた。
  _
( ゚∀゚)「これで時間がたてば消えるでしょう。」
  _
( ゚∀゚)「連続して数発撃てば一瞬で消滅するんですがね。」
  _
( ゚∀゚)「ハハハハハ!」

582名無しさん:2019/02/03(日) 21:26:11 ID:d0LtOfMM0
≫(#‘♀’)≪ 「まったくわかったか……」

≫(*‘♀’)≪ 「あれ?」

≫(*‘♀’)≪ 「なんの話してたんだっけ?」

(*;A;)「うえーん!!えーん!!」

≫(*‘♀’)≪ 「あれ?なんで泣いてるの?」

(*`ハ´)「さてそろそろ片づけをシマショウ。」

/ ,' 3「ん?」

グワーン!  グワーン!

突然ドクトラセブンたちがいる空間が揺れ始めた。

≫(*‘♀’)≪ 「なにごと?」

(*`ハ´)「敵襲アルか?」

/ ,' 3「これひょっとするとヴィプトラ警備隊に見つかって攻撃受けてるかも。」

/ ,' 3「いやーちょっとヴィプトラ警備隊を侮りましたな!」

≫(*‘♀’)≪ 「このままだとどうなる?」

/ ,' 3「本来の空間とのつながりが消えてみんな消滅しますね。」

(*'A`)「え?」

(*`ハ´)「早く出ようアル!!」

583名無しさん:2019/02/03(日) 21:26:37 ID:d0LtOfMM0
爪'ー`)「こうして後は眺めていれば勝手に消えるのならそんなに急ぐこともあるまい。」
  _
( ゚∀゚)「ええ、これで歪みの中に侵略者がいるのなら何かしらの反応があるはずですからね。」

( ^ω^)「でももったいないなーあんなに作ったのに一発でいいなんて。」
  _
( ゚∀゚)「無駄に撃ちすぎても意味ないからね。」

ξ゚⊿゚)ξ「へーこれがミサイルの発射ボタン。」

(,,゚Д゚)「おいツンヌ!絶対押すなよ!絶対だぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「わかってるってそんなことー」

ξ゚∀゚)ξ「っと見せかけて!!」

ポチポチポチポチポチッ

圧倒的ボタン連打!

ξ゚∀゚)ξ「バーカこんなボタンあるのに押さずにいられるか!!」

(,,゚Д゚)「ああ!」
  _
( ゚∀゚)「いやまぁ地球に害があるわけでないからいっぱい撃っても問題はないけどね。」

ξ゚∀゚)ξ「ならいいよな。」

大量のミサイルが撃ちださられ爆発していく。
そして歪みも消滅した。

( ^ω^)「一件落着ぅ!一件落着ぅ!」

584名無しさん:2019/02/03(日) 21:27:17 ID:d0LtOfMM0
(;`ハ´)「ワタシが一番最初に外に出るネ!」

/ ,' 3「おやぁ?誇りである屋台はどうするんですか?最初はあっしが出やす!」」

(;`ハ´)「ハハハハハ!誇りより命が一番ヨ!屋台は生きてさえいれば簡単にやり直せるアル!」

≫(;‘♀’)≪ 「一番はこの私が!!デレさんとのデートがあるのでね!!」

(;'A`)「それ一対一じゃないだろ!!」

(;'A`)「ここはやはり俺が一番最初に出て安全を確保する!!」

(;'A`)≫(;‘♀’)≪(;`ハ´)/ ,' 3「ウオォォォオォ!!」

みんな我先に出入口に手を伸ばした。

が―――

シュワンッ

(;'A`)「あ……」

目の前で出入口が消えた。

(;'A`)「あああああああああああああ!!!」

/ ,' 3「どうするんですか?どうするんですか?どうするんですか?これぇ!!」

≫(;‘♀’)≪ 「あががっがが!!」

(;`ハ´)「みんな落ち着くアル!」

(;'A`)≫(;‘♀’)≪/ ,' 3「!」

( `ハ´)「こういう時はお落ち着いて……」

( `ハ´)「辞世の句を詠むアル!」

(;'A`)「あああああああああああああ!!!」

/ ,' 3「どうするんですか?どうするんですか?どうするんですか?これぇ!!」

≫(;‘♀’)≪ 「あががっがが!!」

徐々に空間自体が消え始めた。

585名無しさん:2019/02/03(日) 21:27:43 ID:d0LtOfMM0
≫(;‘♀’)≪ 「ドクトラセブンこういう時はワープとかできないの?」

(;'A`)「俺のワープは遠い場所まで移動できるだけだ!別空間に移動したりはできない!」

/ ,' 3「旦那ぁヴィプトラの戦士でしょ?何とかして下せえ!」

( `ハ´)「%’%#’’’&&’)%&&」

/ ,' 3「シナーさん自分の星の言語で辞世を詠むのやめてぇ怖いから!!」

(;'A`)「えぇっと、こういう時は……」

('A`)「そうだ!」

('A`)「デュワ!」

突然その場で高速回転し始めるドクトラセブン。
そうこれこそがヴィプトラの教え。
困ったら回転するのだ。

ドクトラセブンの体が光り始める。

( `ハ´)/ ,' 3 ≫(‘♀’)≪ 「?!」

うわああああああ!!

まばゆい光に包まれるとその場の全員が消えた。

( A )「う……」

('A`)「はっ!」

そこは元の場所であった。
何とか高速回転のおかげで戻ってこれたのだ。

≫(‘♀’)≪ 「流石はドクトラセブン、助かったよ。」

≫(‘♀’)≪ 「また君には命を救われたな。」

( `ハ´)「今度ラーメンサービスするヨ!」

/ ,' 3「旦那ならなんとかしてくれると信じてましたよ。」

('A`)「まったくお前らは。」

586名無しさん:2019/02/03(日) 21:28:14 ID:d0LtOfMM0
無事に異次元空間から脱出できたドクトラセブンたち。
これで今回の話は終わり―――
そう思った時だった。

(;'A`)「あれ?」

ぐらりっ

ドクトラセブンは力が抜けたように膝をついた。

≫(‘♀’)≪ 「どうした?」

(;'A`)「いや、ちょっと疲れかな?さっきの高速回転が思ったよりエネルギーを消耗したらしい……」

(;'A`)(違うこの感じは)

(;'A`)「ゲホゲホッ」

/ ,' 3「旦那まさか風邪ですかい?」

( `ハ´)「悪くなる前によく休んだ方がいいアル。」

(;'A`)「そうするよ……」

(;'A`)「じゃあなみんな……」

「ああ、また今度!」

そう言ってみんなと別れた。

(;'A`)(これは今までの戦いでの消耗と蓄積したダメージだきっと!!)

フラフラ

(; A )(このままではまずいぞ……)

突如訪れたドクトラセブンの異常!
このままどうなってしまうのか?

第十九話『戦士にも休日を』

終わり

587名無しさん:2019/02/03(日) 21:34:22 ID:d0LtOfMM0
いつもありがとうございます。
今回は以上です。
次回で最終回前編後編ですが、それはあくまで元ネタのウルトラセブンをリスペクトでの前編後編になります。
長さ的には前編後編合わせて普段と変わらないか、少し長い程度だと思います。
前編後編を書き上げたら同時に投下するか後編は日を置くかはできてから考えます。
あと少しですが最後までお付き合いいただけたら幸いです。

588名無しさん:2019/02/04(月) 02:39:24 ID:FJeIcc5E0
なんと、最終回とな


589名無しさん:2019/02/04(月) 10:55:34 ID:zTCs1VOc0
マジか終わるのか……!
ともあれ今回も面白かった

590名無しさん:2019/02/04(月) 10:57:23 ID:wYf6q2Aw0

とりあえず回転しときゃなんとかなるな!

591名無しさん:2019/02/06(水) 01:48:47 ID:75JhdSIk0
おつ
これ大好き

592名無しさん:2019/02/12(火) 07:28:12 ID:6eeXFmLM0

100選目指して頑張れ!

593名無しさん:2019/02/12(火) 18:58:22 ID:ifD2GzfY0
完結したら真っ先に推すぞ

594名無しさん:2019/03/03(日) 09:15:04 ID:m13jzxs.0
バードミサイルをぶち込んでやるぜ!(ポチポチポチポチ
これを思い出した

595名無しさん:2019/03/09(土) 00:19:57 ID:A.YRKkos0
最終話『史上最悪の侵略者』(前編)

爪#'ー`)「まったくぶったるんどる!ぶったるんどるぞ!!」

ヴィプトラ警備隊基地作戦室ではフォックス隊長が怒り心頭であった。

( ^ω^)「本当ですね。有休で楽しんできたと思ったら風邪ひいてダウンだなんて。」

爪#'ー`)「自分の体調管理ができないとはヴィプトラ警備隊員にあるまじきことだ!!」

(,,゚Д゚)「今は基地の医務室で寝てますからもう一日も休めば元気になるでしょう。」

爪#'ー`)「風邪くらいで休むとは!俺が若い頃は――」

ξ゚⊿゚)ξ「テメーはよく二日酔いでくたばってるだろ!人のこと言えんのかよ!!」

爪;'ー`)「そ…そうですね……」
  _
( ゚∀゚)「でも本人は風邪だと言ってましたが、見た感じもっと酷いような状態でしたね。」

( ^ω^)「ああ、それな。先生に診てもらえって言ってもこれくらい大丈夫だっていうこと聞かないんだもん。」

(,,゚Д゚)「医者が嫌いなのかな?」

( ^ω^)「馬鹿言え子供じゃあるまいしそんなことないだろ。」

(,,゚Д゚)「まぁドクオがダウンしてる間は我々が頑張るしかないな。」
  _
( ゚∀゚)「その話は置いといて。隊長、Z地点で今まで発見されたことのない新しい鉱石が発見されたとの連絡がありました。」

爪'ー`)「新しい鉱石?」
  _
( ゚∀゚)「ええ。なんでもその鉱石は凄まじいエネルギーを秘めているようでして。」
  _
( ゚∀゚)「地球が抱えているエネルギー問題に新たな道が切り開かれるかもしれません。」

爪'ー`)「そいつはいい話だな。」
  _
( ゚∀゚)「このメテオールさえあればもう怖いものなしって話ですよ。」

596名無しさん:2019/03/09(土) 00:20:23 ID:A.YRKkos0
( A )「うぅ……」

体中がだるい。すごい高熱も出ている。
もし基地の医療施設を使われて俺の体を調べられてしまったら地球人でないことがばれてしまう。
だからこそこのボロボロの体で何とかしなくてはならないのだ。

( ^ω^)「よう!調子はどうだ?」

( A )「ブーン……」

( A )「この様子を見て大丈夫そうに見えるか?」

( ^ω^)「俺が前にやったギックリ腰の時よりはましそうに見えるぜ。」

( ^ω^)「ほら風邪薬持ってきたから飲んどけ。」

( A )「すまん。ありがとう。」

( ^ω^)「まぁあれだな。ハメ外すのはいいが、体調管理はしっかりしろよ。」

( A )「あぁ……すまない……」

( ^ω^)「そんなんだとこっちまで調子が狂うな。」

( ^ω^)「今作戦室じゃメテオールとかいう新鉱石の話で大騒ぎだってんのに。」

(; A )「え?」

( ^ω^)「ああ、なんでもスゲーエネルギーを秘めた鉱石なんだと。」

( ^ω^)「しかもたった一つのめっちゃでかい物らしい。東京ドーム数百個……いや数千個分の大きさだとか。」

(; A )「メ……メテオールだと!!」

( ^ω^)「?」

( ^ω^)「見つけた調査班の検査結果によるとハンマーで強くたたくだけでエネルギー波が発生したり」

( ^ω^)「何とか少し鉱石を削り取ることに成功してビームや光線を当てるとただの石になってしまったりとか」

( ^ω^)「扱いがかなり大変らしい。」

(; A )「あ、ああ!」

なんとういことだ。非常にまずいことになった。
今まで聞いたことのない巨大なメテオールがこの地球に埋蔵されていると知られたら――

597名無しさん:2019/03/09(土) 00:20:46 ID:A.YRKkos0
メテオール。

それは恐るべき力を持つ鉱石。
宇宙ではそれを求めるあまり争いが絶えない。
それを多く持つものがこの宇宙を支配できるといわれるほどだ。

しかし、扱いが難しく文明レベルが低いとまともに扱えずただの石にしてしまうことも。
なのでかなり文明が発達した星出ないとその真価を発揮できない。
強い衝撃や光線といったものは当ててはいけないのだ。

あまり力を持たない星でメテオールが見つかれば強い星から圧力や場合によっては力ずくで奪いに来る。
中には強い星たちの争いに巻き込まれて戦場になることも。
そしてメテオールが見つかった星は例外なく滅ぼされる。
塵一つ残らないほどに星を解体されて。

力のある星が見つければ繁栄や幸福を手に入れられる。
方や力のない星で見つかれば絶望と不幸が訪れる。

その恐るべきものが地球で見つかってしまったのだ。
今の地球ではメテオールをうまく使うことはできないだろう。
もしそれが他の星に見つかるようなことがあれば……
地球のような弱小な星はあっという間にこの宇宙からその姿を消すことでしょう。

地球に今まさに恐るべき侵略者の魔の手が――

598名無しさん:2019/03/09(土) 00:21:08 ID:A.YRKkos0
(; A )「隊長!メテオールが発見されたって本当ですか?!」

ボロボロの体で無理をして作戦室まで乗り込むドクオ。

爪'ー`)「おぉドクオ!体調はどうだ?あー、その様子だとまだ駄目そうだな。」

( ^ω^)「あまり無理をするなよドクオ。」

(,,゚Д゚)「ああ、そうだぞ。風邪はちゃんと治してからじゃないと。」

(; A )「俺の体のことなんてどうでもいいんだ!本当にこの地球にメテオールがあるとなると大変なことになる!!」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)爪'ー`)ξ゚⊿゚)ξ「?」
  _
( ゚∀゚)「どうしたんだ?今世紀最大の発見に何か不満があるのか?」

(; A )「違うんだ!メテオールがあるとこの宇宙のありとあらゆる星から狙われてしまう!!」

(; A )「そうなったらおしまいだ!!」
  _
( ゚∀゚)「??」
  _
( ゚∀゚)「おいおい、今だって地球は侵略者たちに狙われてるんだぜ?何が変わるってんだ。」

( ^ω^)「そうだ。だから我々はこの新エネルギーを利用した強力な防衛兵器なんて開発できれば怖いものなしだってことだよ。」

(; A )「今までのような単体だったり個人的な侵略とはわけが違う!星全体が攻めてくる!下手したら宇宙連盟だとかが……」

ξ゚⊿゚)ξ「何言ってんだテメー?熱のせいで顔面だけでなく頭の中までイカれたか?」

爪'ー`)「落ち着けドクオ。未知の鉱石で心配になる気持ちもわかるがそんなに気を急いでも仕方ないぞ。まずはゆっくり休んで風邪を治せ。」

(; A )「なんでみんな俺の言うことをわかってくれないんだ!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「宇宙連盟だとか寝言は寝てから言えや!あれだったら寝かしつけてやろうか?当分目が覚めないくらい!!」

(,,゚Д゚)「おいよせツンヌ!」

599名無しさん:2019/03/09(土) 00:21:43 ID:A.YRKkos0
そんな風にいつものように騒いでいると宇宙ステーションVIP3から連絡が入った。

VIP3隊員「こちら宇宙ステーションVIP3、こちら宇宙ステーションVIP3!本部応答願います!」

爪'ー`)「こちら本部作戦室、どうした?」

VIP3隊員「現在地球に接近する謎の球体を発見。猛スピードで真っ直ぐ地球を目指しています!」

爪'ー`)「なに?!」

VIP3隊員「こちらの計算によると数分後には地球に到着する模様!」

爪'ー`)「了解、十分に警戒する。」

( ^ω^)「やれやれ、ドクオがそんなこと言うもんだからもう攻めてきたぞ。」
  _
( ゚∀゚)「しかし、宇宙ステーションVIP3から送られてきた映像を見るとこの赤い球体にはデカい宇宙人が一人ってところでは?」

(,,゚Д゚)「なんにしろ地球に来るからにはそれなりに覚悟してもらわないとな!」

(; A )「あの球体は!!」

ξ゚⊿゚)ξ「なんだお前知ってんのかあの球体?」

(; A )「なんてことだ……タカラ星人の物じゃないか!」」

ξ゚⊿゚)ξ「あんだって?」

(,,゚Д゚)「タカラ星人?」

( ^ω^)「隊長知ってます?」

爪'ー`)「いや記憶にないな。」
  _
( ゚∀゚)「うーん、基地のデータベースで検索してもヒットしませんね。」

ξ゚⊿゚)ξ「ホントお前さっきから意味わかんないこと言いやがって何なんだよ!」

(; A )「う……」

600名無しさん:2019/03/09(土) 00:22:19 ID:A.YRKkos0
タカラ星人

この広い宇宙で悪の限りを尽くす最恐で最狂、凶悪な宇宙人だ。
残虐非道で逆らうものはみんな始末してきた。こいつに滅ぼされた星の数は数えきれないほどになる。
その姿を見るだけで戦意喪失し命乞いを始める者たちや恐怖や恐ろしさに屈して配下になるものも多い。
なによりヴィプトラ戦士の一番の敵でタカラ星人率いる悪の軍団との争いが絶えない。

そんな奴がこの地球に来たと言うのか!
まさかもうメテオールのことを知って……
いやそれなら手下を引き連れているはず。
たった一人で来たということは何かあったのか?

いや、一人でもその強さはこの宇宙でトップクラスだ。
間違っても俺やヴィプトラ警備隊だけでどうにかできる相手じゃない。

だが何とかしなくてはならないのだ。
このボロボロの体でも。



  _
( ゚∀゚)「隊長!例の球体が地上に降ります!」

爪'ー`)「映像をモニターに映せ。」
  _
( ゚∀゚)「了解。」



(,,^Дメ)

作戦室のモニターに映しだされたタカラ星人。
その体は痛ましいほどに傷だらけですぐにでも手当をしなければならない深手を負った状態であった。

( ^ω^)「なんだ?地球を侵略しに来たとしたら少しボロボロすぎないか?」

(,,゚Д゚)「うーん、かなりの深手を負ってるようだが。」

( ^ω^)「わかった要するにあれだ!宇宙を旅していたら悪党に襲われて命からがら逃げ延びてきたってとこだ!」

601名無しさん:2019/03/09(土) 00:22:43 ID:A.YRKkos0
(; A )「ば、馬鹿なそんなはず……」

そうだそんなはずがない。
あの宇宙最悪の悪党がそんな目に合うはず……

ξ゚⊿゚)ξ「この現状を見てアレが脅威になる侵略者だってのか?」

(; A )「本当なんだ信じてくれ!」

(; A )「あいつはこの宇宙で最悪の悪党タカラ星人なんだ!」

教科書で何度も見た顔だ。見間違えるはずがない。

ξ#゚⊿゚)ξ「だからよぉ……なんで地球人のテメーがそんなこと知ってんだって話だよ!!」

爪'ー`)「まぁ待てツンヌ。ドクオは体調不良で錯乱してるだけだ。」

( ^ω^)「しかしどうします隊長、あの宇宙人。」

爪'ー`)「見た感じ暴れるようなそぶりもないしあの傷の深さならほっといても勝手に死にそうだから今は監視だけにしておこう。」
  _
( ゚∀゚)「そうですね。あのままならそう長くはもたないでしょう。」

(; A )「何を言ってるんです隊長!!弱っているならすぐにトドメをさすべきです!」

(; A )「今までにあいつに何個の星が滅ぼされ何人の尊い命が奪われたことか!」

(; A )「万が一回復されたらこの地球の手に負える相手じゃありません!!」

爪'ー`)「そうは言ってもなドクオ。下手に刺激して暴れられた方が面倒だぞ。」

( ^ω^)「そうだそうだ。ほっといても勝手にくたばってくれそうなんだぜ?それなら放置しておいた方がいいに決まってる。」

( ^ω^)「それに今日のお前は何か変だぞ?」

ξ゚⊿゚)ξ「こいつの頭がおかしいのはいつものことだろ。」

(,,゚Д゚)「今はよく休んで体調を整えた方がいい。」

爪'ー`)「誰かドクオを医務室まで連れてやっていってくれ。」

602名無しさん:2019/03/09(土) 00:23:24 ID:A.YRKkos0
(; A )「どうして誰も俺の言うことを信じてくれないんだ!!」

(; A )「こうなったら俺一人でも!」

急いで作戦室から飛び出して現場に向かおうとするドクオであったが、

(; A )「あ……」

フラフラとその場に崩れ落ち意識を失った。

爪'ー`)「ほら言わんこっちゃない。」

( ^ω^)「まったく世話の焼ける奴だ。」

そのまま医務室までブーンとギコに抱えられて運ばれるドクオ。

爪'ー`)「無理をしやがって。気持ちが先走るのはわかるが、もう少し冷静に物事を判断できないとな。」

ξ゚⊿゚)ξ「それにしたって今日のあいつの狂いっぷりは笑うしかねぇぞ。」

爪'ー`)「体調不良でも地球を死ぬ気で守りたいんだろうなあいつは。」

ξ゚⊿゚)ξ「マジでそういう考えはアホくさいったらありゃしない。」

爪'ー`)(お前にもうもう少しそういう気持ちがあったらな)

爪'ー`)「ジョルジュ、宇宙人に動きは?」
  _
( ゚∀゚)「いまだに沈黙中です。やはり相当な深手かと。」
  _
( ゚∀゚)「しかし降り立った場所がまずいですね。メテオールが見つかった場所の近くです。」

爪'ー`)「調査隊は退避したか?」
  _
( ゚∀゚)「はい。安全な場所まで退避済みです。」

爪'ー`)「あいつにメテオールが見つからなければいいが。万が一に備えていつでも出撃できる体制を整えておくように!」
  _
( ゚∀゚)「了解です。」

603名無しさん:2019/03/09(土) 00:23:50 ID:A.YRKkos0
『――ブン……』

『――ブン!』

『目を覚ますのだヴィプトラマンセブン!』

(; A )「う……」

医務室で死んだように眠るドクオに遥か遠くからテレパシーが届いた。

(; A )「誰だ?」

『私だよヴィプトラマンセブン。元気にしていたか?』

薄暗い医務室で目を覚ましたドクオの前に幻影が現れた。

(; A )「あ、あなたは!」

( ´∀`)『そうだ私だヴィプトラマンセブンよ。』

('A`)「モナトラマン教官!!」

( ´∀`)『地球防衛は頑張っているかねヴィプトラマンセブン?』

(;'A`)「あ……いえ……その……」

( ´∀`)『どうした?』

(;'A`)「俺ドクトラセブンですけど……」

(;´∀`)『え?!』

(;'A`)「……」

(;´∀`)『……』

(;´∀`)『えっと……』

( ´∀`)『いいかドクトラセブン、名前などというものはど大した意味はないのだよ!』

(;'A`)「そ、そうですか。」

(;'A`)「しかしモナトラマン教官、いったい何の用ですか?」

(;'A`)「そ、そうだ今地球に――

(;'A`)「!」

(;'A`)(しまった今下手なことは言えないぞ!!もしメテオールがバレたら……)

604名無しさん:2019/03/09(土) 00:24:18 ID:A.YRKkos0
『あー、久しぶりの会話をしているところ悪いんだがいいかね?』

(;´∀`)『すみませんキング。どうぞお話下さい。』

|::━◎┥『ではいいかね。えーと何トラマンだって言ったけこいつ?』

(;'A`)「あ、あなた様はヴィプトラマンキング!!」


ヴィプトラマンキング
V78星雲で一番に偉い人だ。
この人がV78星雲の方針などすべて決めている。一般戦士からしたら神のような存在でまず会えることすらできない。
そんな雲の上のようなお人なのだ。そんなお人が俺になんの用が?

<_プー゚)フ 『キング、彼はドクトラセブンというようです。』

|::━◎┥『そうかわかった。』

(;'A`)(ヴィプトラマン上司もいる!)


ヴィプトラマン上司
本名はヴィプトラマン・エクストプラズマン。
名前がなげーしヴィプトラの戦士を束ねている長だから通称「上司」と呼ばれるようになった。
この方も偉い人で下っ端ではまず会う機会もない。

(;'A`)「私に何か御用ですか?」

|::━◎┥『用があるっちゃあるんだがな。』

|::━◎┥『まずは順を追って話そう。』

|::━◎┥『えーっと確か君と同期のヴィプトラシャキンを知っているかね?』

(;'A`)「あ、はい。」


ヴィプトラシャキン
こいつは俺と同期だが、こいつはすごすぎる。
頭もいいし運動神経良すぎでその上技も豊富だ。何よりイケメン。
最強といわれたモナトラマン教官の跡を継ぐものとしてみんなからもてはやされていた。
俺とは大違いだったよ……

605名無しさん:2019/03/09(土) 00:24:42 ID:A.YRKkos0
|::━◎┥『その彼がなんとあの忌まわしきタカラ星人をギッタギタのボッコボコにしてやったわけだ!』

|::━◎┥『こんなうれしいニュースは久しぶりに聞いたね!』

|::━◎┥『だが、卑怯で卑劣なタカラ星人は何とか逃げだしやがってな。』

|::━◎┥『さっさとくたばればいいものを。』

|::━◎┥『今君がいる地球まで逃げ込んだわけだ。』

|::━◎┥『しかしだよ!ヴィプトラシャキンはすでに致命傷を奴に負わしていたようで奴はもうそう長くは生きてはいられない!』

|::━◎┥『本当に実にいいことだ!その死にぞこないを追ってヴィプトラシャキンともう一人有能なヴィプトラマン弱が今地球に向かっている。』

('A`)「本当ですか!」

('A`)「よかった。それならタカラ星人も何とかなる。」

|::━◎┥『焦るな!あんな死にぞこない放っておいても勝手に死ぬ。重要な話はこれからだ。』

('A`)「?」

|::━◎┥『我らV78星雲最新の科学力でタカラ星人を追跡していたら素晴らしいものを見つけてね!』

(;'A`)「……」

|::━◎┥『メテオールだよ!それもとびっきり巨大な!』

(;'A`)「あ…あぁ……そんな……」

|::━◎┥『それだけ巨大なメテオールがあればこの宇宙を支配できる――

|::━◎┥『オホンッもとい、この宇宙を正しい方向へ我々が導くことができる!!』

やめてくれ
それ以上先のことは言わないでくれ
そんな恐ろしい言葉を聞きたくなんかないんだ
だからお願いだよやめてくれ

606名無しさん:2019/03/09(土) 00:25:15 ID:A.YRKkos0
|::━◎┥『だから君には何とかタカラ星人をメテオールから遠ざけるんだ。』

|::━◎┥『そしてその地球の猿どももな!』

|::━◎┥『ヴィプトラシャキンとヴィプトラマン弱がタカラ星人を始末したら我々の本隊も直に到着するだろう。』

|::━◎┥『我々の計算では地球のメテオールは星の中心深くまで伸びていると推測している。』

|::━◎┥『ククククク、早くそのデカいメテオールをこの手したいわ!』

|::━◎┥『本隊が到着したら他の星の連中どもに邪魔されんようにすぐさま地球の解体を始める!』

|::━◎┥『ドクトラセブン!お前に下す任務はその地球にいる我々に抵抗しうる猿どもをいち早く滅ぼすのだ!!』

(;'A`)「……」

|::━◎┥『ククククク!笑いが止まらん!もう少しだ!』

|::━◎┥『もう少しで長年夢見たこの宇宙が手に入れられる!』

|::━◎┥『それだけ巨大な力が手に入れば我々に逆らえるものなど!!』

|::━◎┥『ククククク!!』

<_プー゚)フ 『いや〜ほんと長かったですね!』

|::━◎┥『あの口うるさい宇宙連盟の奴らもスター星などという連中もその気になれば簡単に滅ぼせるぜ!!』

<_プー゚)フ 『我らヴィプトラの長年の夢がかなうときが来た!う〜ん最高だよ!!』

|::━◎┥『ククククク!!!』

<_プー゚)フ 『ヒャーッハッハッハ!!』

(;'A`)「……」

( ´∀`)『……』

ついに訪れた地球最大の危機!
ついに現れた史上最悪の侵略者!
どうするドクトラセブン!


最終話『史上最悪の侵略者』(前編)

終わり

607名無しさん:2019/03/09(土) 00:26:26 ID:A.YRKkos0
いつもありがとうございます。
今回は以上です。最終話後編は特に問題なければ土曜の夜に投下できると思います。
最後までよろしくお願いします。

608名無しさん:2019/03/09(土) 00:44:33 ID:JuS653a20

まさかの展開

609名無しさん:2019/03/09(土) 01:37:03 ID:SrXtDjhE0
つんぬ……

610名無しさん:2019/03/09(土) 03:10:36 ID:ouuEStIM0
おつ
もうおしまいだ…
ここからハッピーエンドなんて不可能だ
みんな死ぬんだ (´;ω;`)

611名無しさん:2019/03/09(土) 10:29:30 ID:gGEwclw20

急展開だな

612名無しさん:2019/03/09(土) 22:52:10 ID:A.YRKkos0
最終話『史上最悪の侵略者』(後編)

(;'A`)「あ、あのキング、それは本気で言ってるのですか?」

|::━◎┥『?』

|::━◎┥『君もヴィプトラの戦士なら我々の目的くらい知っているだろ?』

|::━◎┥『我々はこの宇宙で唯一の正義だ!』

|::━◎┥『だから正しい我々こそがこの宇宙を正しく導かねばならないのだよ!』

|::━◎┥『当然今までそれに逆らう者や勢力、星どもにはそれ相応に対処してきたがね!』

<_プー゚)フ 『あ〜キング、彼はそういうことを言っているのではないのかも。』

|::━◎┥『?』

<_プー゚)フ 『彼が例のヴィプトラの戦士史上最悪の汚点ですよ。』

|::━◎┥『まさかこいつが例のクソ雑魚なめくじでマジの出来損ない野郎?』

<_プー゚)フ 『はい、歴代最低の成績を残し続けた最弱野郎です。』

<_プー゚)フ 『ですから彼は自分一人の力では地球の抵抗勢力を無力化できないといってるのでしょう。』

|::━◎┥『マジかよ使えねー!』

<_プー゚)フ 『おいドクトラセブン!地球にはどんな敵対勢力がいる?』

<_プー゚)フ 『その勢力が分かればこちらで対処できるかもしれん。』

<_プー゚)フ 『かつて我々に逆らったヴィプトキュアとかいう小娘どものように供給元を文字通り潰してやるさ』

|::━◎┥『いたな昔そんな勢力が!』

|::━◎┥『思い出すだけで笑っちまうよ!生意気にも我々にたてついて抵抗しよってな!』

|::━◎┥『供給元の会社を徹底的に破壊してやって変身できなくしてやったら泣きわめきやがって!』

|::━◎┥『小娘どもの必死の命乞いは笑ったなぁ!ククククク!』

613名無しさん:2019/03/09(土) 22:52:38 ID:A.YRKkos0
<_プー゚)フ 『その星を制圧しに向かった戦士たちの記録映像は何度見ても笑えますもんね!』

<_プー゚)フ 『本当……思い出すだけで……』

<_プー゚)フ 『ヒャーッハッハッハ!!』

|::━◎┥『ククククク!』

|::━◎┥『いやしかし、さすがはモナトラマンといったところか。』

|::━◎┥『こんな辺鄙で何もない宇宙のはずれにもちゃんと我々ヴィプトラの戦士を配置しておくとは!』

|::━◎┥『おかげで地球は紛れもない我らV78星雲の勢力圏内になるのだからな!』

( ´∀`)『……』

(;'A`)「すみません!!!」

|::━◎┥『?』

|::━◎┥『どうしたドクトラセブン?』

(;'A`)「俺にはこの地球を滅ぼすようなまねできません!!!」

|::━◎┥『は?』

|::━◎┥『こいつ何言ってるんだ?』

<_プー゚)フ 『あ〜、これはあれですかね。少し長く猿どもと生活したせいで愛着がわいたとか。』

|::━◎┥『くっだらねぇ感情抱いてんな!』

|::━◎┥『なぁおい!テメーはヴィプトラの戦士だろ!この私が命じた神聖な任務よりくだらねぇ感情を優先するんじゃない!』

(;'A`)「お願いです!地球を滅ぼすのを考え直してください!』

|::━◎┥『テメー!!クソ下っ端がこの私!キングに逆らうというのか!!』

<_プー゚)フ 『おいモナトラマン!!お前どんな教育をしたんだ!!』

(;'A`)「お願いです!俺の話を聞いてください!!」

614名無しさん:2019/03/09(土) 22:53:07 ID:A.YRKkos0
<_プー゚)フ 『恐れ多いぞ貴様!!このお方はもうすぐ宇宙で一番偉い人になる方ふぁぞ!!』

<_プー゚)フ 『貴様のような便所に這いつくばっているような輩が声をかけていい人ではない!!』

|::━◎┥『はぁ……流石は辺境の地に飛ばされるだけある人物だな。』

<_プー゚)フ 『申し訳ありませんキング。まさか弱いだけでなく頭もカスだとは思いませんでした。』

|::━◎┥『もうよい。ドクトラセブンとやらお前はさっさとタカラ星人をメテオールから遠ざけろ。』

|::━◎┥『メテオールは高エネルギーの塊だが、怪我とかを治癒する力はない。』

|::━◎┥『それでもタカラ星人に見つかれば最後の悪あがきでメテオールの力をすべて使ってこの宇宙を終わらせるかもしれんからな。』

|::━◎┥『タカラ星人を誘導した後は何としてでも地球を制圧するのだ。』

|::━◎┥『地球にはこの宇宙が平和になるための小さな犠牲になってもらう。』

|::━◎┥『これは最終決定だ!』

|::━◎┥『つーか、ただの猿どもにメテオールの扱いがわかるか!!慎重に扱わないとただの石になるんだぞ!!』

|::━◎┥『そうなったら宇宙的な大発見がパーだ!!』

(;'A`)「……」

|::━◎┥『未開な土地でも長く住めば愛着がわくものだろう。』

|::━◎┥『だがなはるか昔から宇宙の覇権をとるために続く争いは止むことがない。』

|::━◎┥『だからこそ我々が覇権をとることで醜い争いを終わらせるのだ!』

|::━◎┥『そしてこの宇宙に知らしめなくてはならない!』

|::━◎┥『我らヴィプトラの戦士こそがこの宇宙で一番優秀で正しく完ぺきな種族なのだと!!』

|::━◎┥『我々の圧倒的強さを見せつけなくてはならないのだ!!』

615名無しさん:2019/03/09(土) 22:53:35 ID:A.YRKkos0
('A`)「強さだと……?」

('A`)「自分たちの目的のために平気で命をもてあそんだりできることを強いとは言わない!!」

('A`)「それこそが弱さなんだ!!」

|::━◎┥『あぁ?』

('A`)「心が弱いから平気で他人を攻撃できて、心が弱いから他者を支配しようだなんて考えるんだ!」

('A`)「俺はこの地球に来てそんな連中をいっぱい見てきた!」



あるやつは自分に何もないからまだ文明が遅れているこの星来て、自分の進んだ文明の道具を使いそれを動画にして投稿した。
そうしてこの星の人たちからもてはやされた。だがそれは自分の星でまったく相手にされなかったから自分を受け入れてくれるところを探していたにすぎない。
道具を使わなくては何もないのに。

あるやつは自分の人生がつまらないから他人の人生を本にして読もうとしたんだ。
空っぽの自分を少しでも中身があるように思えるために。

あるやるは自分の星で必要とされなかった。だから地球で洗脳装置を使ってでも自分のことを教祖と崇め必要とされるようにしようとした。
そうしなければ誰も求めてくれないから。

あるやつは働きたくないから洗脳した地球人を使って楽な生活を送ろうとした。
とんでもない野郎だ。必死で働いて生きる大切さを知らない奴だ。

あるやつは遊び感覚で捕まえた人を拷問してその命をもてあそんだ。
それがどれほどの恨みを買うかも知らずに。

あるやつは他人の命を使い永遠の命を手に入れようとした。
たった一人永遠に生きた所で何も得るものはないことも知らず。

('A`)「そういった心に弱さを持つものたちと戦った。」

616名無しさん:2019/03/09(土) 22:54:04 ID:A.YRKkos0
('A`)「確かに地球人にも平気で嘘をついたり私利私欲を尽くす人もいた。」

('A`)「人の笑顔を奪ったり負の感情を誰か一人に押し付けたり。」

('A`)「そういった弱い人たちもいたさ。」

('A`)「でもそれ以上に強い人たちと多く出会えたんだ。」



ただ単に馬鹿みたいに戦闘力が高い奴もいるよ。
自己中で自分勝手な奴だ。でもそれはしっかりと自分の人生を生きているってことなんだ。
いや、でもも少し自重するって言葉を知ってほしいが。

強力な呪力を愛するものを思う気持ちで打ち破った人がいる。
それどころか地球人以外の種族にも優しく接してくれる慈愛に満ちた心優しい人だ。

マジイケメンで運動神経抜群な完璧超人がいる。羨ましいったらありゃしない。
でも道具の力じゃなくて自分の力で成長しようとする努力家だ。

いつも自分のバカみたいな体験談を話して場を和ませたりしてくれる仲間思いのデブがいる。
そのやさしさに何度救われたことか。

博学で何でも知ってる。でもたまに語りすぎて自分だけの入ってしまう物知りがいる。
たとえ周りから相手にされなくても気にしない。他人にどう思われてもそれだけ明確な自分というモノを持っているから大丈夫なんだ。

いつも厳しくて厳格な人がいる。
でもその厳しさは他人のことを思っての厳しさなんだ。優しくするだけがすべてじゃない。厳しさも必要だってことを知っているから。

('A`)「そういった人たちと俺は出会えたんだ!」

('A`)「地球人だけじゃない!」



自分の故郷を我々ヴィプトラの戦士に滅ぼされ流れ着いたこの星で必死に生きるやつ。
この星で宇宙一のラーメンを作るやつ。
いろんな便利道具を売り歩いてそいつの心の強さを見定めてるやつ。

('A`)「そんな連中にも出会えた。」

('A`)「この星はそういった俺にとって大切な人たちがいるんです!!」

('A`)「だから俺はこの星を守るために戦うんだ!!ヴィプトラ戦士の任務のためじゃない!!」

617名無しさん:2019/03/09(土) 22:54:33 ID:A.YRKkos0
|::━◎┥『お前はヒーローにあるまじき行為をしているな……』

|::━◎┥『いいか、ヒーローとは自分勝手な私情で力を使ってはならんのだ。』

|::━◎┥『それはいずれ自分勝手な正義になり、また新たなる争いを生むのだ。』

|::━◎┥『だから我々ヴィプトラ戦士は私が定めたルールに従わなくてはならんのだ!!』

|::━◎┥『それが力あるものの務め。』

|::━◎┥『貴様のくだらん私情など捨ててしまえ。』

<_プー゚)フ 『それともあれか?』

<_プー゚)フ 『地球がなくなった後の自分のポストが心配なのか?』

<_プー゚)フ 『現金な奴め。仕方ないな。無能でもできて高給取りな仕事を用意しておいてやる。』

('A`)「そんなものいらない!」

|::━◎┥『金が要らない?なら名誉か?』

|::━◎┥『仕方ない。宇宙で一番名誉なヴィプトラ賞にノミネートしてやろう。』

<_プー゚)フ 『正気ですかキング!!その賞にノミネートされるためだけにヒーローを目指す者も多い最高に名誉な賞にそんな無能を』

|::━◎┥『金が要らん奴は大抵名誉のためにヒーローやってるからな。お前その口だろう。』

<_プー゚)フ 『今の歴史でもヴィプトラ賞にノミネートされるのはヒーローの一握りにも満たないというのに……』

<_プー゚)フ 『俺も欲しい!!』

|::━◎┥『流石に受賞はさせられないがな。だがそれでお前も満足だろう。』

<_プー゚)フ 『ふう、これで万事解決ですね。』

|::━◎┥『まったく、欲深い奴を相手にすると大変だな。』

618名無しさん:2019/03/09(土) 22:55:02 ID:A.YRKkos0
('A`)「あなたたちは本当に何もわかってないんですね。」

('A`)「俺はそんな金だとか名誉が欲しいから戦ってるんじゃない!!」

('A`)「死んでほしくない幸せになってほしい、そんな大切な友達のために命を懸けて戦ってです!」

('A`)「だから誰になんて言われようがそこは変えられないんだ!!」

|::━◎┥『金や名誉が要らない?』

|::━◎┥『マジかよこいつ!?』

|::━◎┥『も一度言うがそんな自分勝手な奴はヒーローでも何でもない。我々ヴィプトラの戦士というヒーローに逆らうということは』

|::━◎┥『貴様は悪そのものだぞ!!』

|::━◎┥『お前もかっこいい尊敬されるヒーローを目指したんじゃないのか?』

|::━◎┥『まだ今なら引き返せるぞ。』

|::━◎┥『猿の友達と我々ヴィプトラの戦士という絶対的ヒーロー、どちらをとるというのかね?』

('A`)「俺を悪だというのならどうぞご勝手に。」

('A`)「俺はたとえヒーローじゃなくても自分の大切なものを守るために戦う!それが俺だ――

('A`)「それがドクトラセブンなんだ!!」

|::━◎┥『えぇ……』

|::━◎┥『こいつ正気じゃないだろ……』

<_プー゚)フ 『ひょっとしたらこいつ動物愛護団体とかかも……』

|::━◎┥『あー、文明レベルが低くてもほんのちょっと知能があるから殺しちゃダメだっていう団体?』

<_プー゚)フ 『そうとしか考えられません。じゃなきゃあんな猿の星に固執する必要がないですもん。』

|::━◎┥『えー!何それ面倒くさい奴じゃんこいつ!!』

|::━◎┥『ちょっとぉ!!モナトラマンどうにかしてよ!!』

( ´∀`)『……』

(;'A`)「モ、モナトラマン教官……」

619名無しさん:2019/03/09(土) 22:55:33 ID:A.YRKkos0
(;'A`)「たとえモナトラマン教官に何を言われようとも俺の意思は変わらないです!!」

( ´∀`)『……』

( ´∀`)『ヴィップ駅のさ。』

(;'A`)「え?」

|::━◎┥『ヴィップ駅?どこそこ?』

<_プー゚)フ 『さぁ?聞いたことないですね。』

( ´∀`)『ヴィップ駅の前にヴィプトラ食堂ってあるじゃん。』

('A`)「あの気味の悪い等身大の日本人形が入り口に立ってるあのヴィプトラ食堂ですか?』

( ´∀`)『そうそう。』

( ´∀`)『怪獣を倒した後にVIP特捜隊のみんなとあそこで食べる飯は本当にうまかった。』

('A`)「教官もあの店に行ったことがあるんですか?!」

( ´∀`)『ああ。』

( ´∀`)『昔から結構古い店だったけどまだやってたのか。息子さんがあとを継いだのかな。』

|::━◎┥『???』

|::━◎┥『こいつらなんの話をしてるんだ?』

<_プー゚)フ 『まったくわかりませんな。』

( ´∀`)『あそこの生姜焼き定食は最高だよな。』

('A`)「いや、あそこはとんかつ定食が一番ですよ!」

( ´∀`)(チッ、こいつニワカかよ)

('A`)(うわぁダセェ、通ぶってるのに知ったかとか)

('A`)「え?でも教官も地球に来たことが?」

( ´∀`)『ああ。俺が『宇宙最強』と呼ばれてそれなりにたった頃かな。』

620名無しさん:2019/03/09(土) 22:56:03 ID:A.YRKkos0
俺もヴィプトラ賞だとか最高のヒーローだとかを憧れてヴィプトラの戦士になったよ。
それでずっと上からの命令通り必死に戦った。毎日毎日悪と殺し合いだよ。
そうしていくうちに強くなり気づけば『宇宙最強』さ。

宇宙最強になってからも何も変わらない日々が続いたよ。
ひたすらに上からの命令で悪と殺し合いをする日々。

でもそのかいあってか周りからは尊敬のまなざしとかファンができたりだとかいろいろいい思いもあったさ。
名誉あるヴィプトラ賞も何度か受賞したし。

でもある日ふと思ったんだ。
自分が成りたかったものってこんなものだったのかって。
振り向いた背後にある死体の山を見て思ったんだ。
ただ上からの命令で戦い、命を奪うことが俺のやりたかったことなのかって。

そう考えるようになってからモチベーションが落ちてな。
ある日戦っていた悪党を取り逃がしてしまって宇宙のはずれまで追いかけた。
正直やる気がなくて大盛り上がりな一番の戦場から逃げ出したかったんだ。

その悪党を追って行きついたのが地球だったよ。
その星に着いたら運悪くパトロールしてたVIP特捜隊とぶつかって死なせてしまったんだ。
やべぇと思ってとりあえず俺の命を共有することで事なきを得た。
本当はすぐに戦場に戻るのがいやだったからだけどな。

それからしばらくは一つになった地球人と一緒に生活した。
その地球人の目を通していろいろなものを見て感じたよ。

最初は文明レベルも低い貧弱な連中だと見下していた。
ただサボれる口実があればどうでもよかったからそんな未開な土地でもいいやって。

でもさ、その星のみんなみんな必死に自分の人生を生きようとしてた。
輝かしい未来を信じて明るく平和な世界にしようと。

確かに悪い奴や卑怯な奴もいたよ。
でもそれ以上に家族や恋人を愛し、友と友情を育んでいく地球人を見ているうちに尊敬と敬意を持つようになった。

だから俺はまだ怪獣が暴れる時代、VIP特捜隊と一緒に地球人のために戦おうって思った。
辛いことや悲しい戦いもあった。
だが、信頼できる地球の友と戦えて幸せだったよ。

地球人のために戦っている、その時初めて気づいた。
自分が何のために戦いたかったのか。
ただ上の命令通りに力をふるっていたころにはなかった気持ちに。
地球に来なかったら俺はただ力の強い「だけ」の奴になっていた。それは本当に恐ろしいことさ。

621名無しさん:2019/03/09(土) 22:56:29 ID:A.YRKkos0
10
( ´∀`)『最後はまさか最強の宇宙恐竜「ヴィットン」と戦うハメになるとはな。』

( ´∀`)『負けはしたが、地球は守れてよかったよ。』

( ´∀`)『まぁその時のケガでも最前線に立てない体になったがな。』

( ´∀`)『いやー懐かしいな。』

('A`)「じゃぁ任命式で地球を指名したのは……」

( ´∀`)『あぁ、地球は俺にとって大切な星だからな。』

( ´∀`)『俺に何のために戦うのかを教えてくれた。』

( ´∀`)『V78星雲に戻ってからずっと地球のことは気にしていたんだ。だからドクトラセブン、お前を向かわせた!』

('A`)「教官!!」

('A`)「俺はこの星に来れて本当によかったです!」

( ´∀`)『そうか。ならよかった。』

( ´∀`)『……』

( ´∀`)(気にはしてたんだけどここ数年は仕事が忙しくて忘れてたんだけどね)

( ´∀`)(というか問題児だったお前のことも忘れたいって思ってたら本当に忘れてな)

( ´∀`)(任命式の時はマジで焦った)

( ´∀`)(でもさすが俺!咄嗟に地球の名前が出できてくれてよかった)

( ´∀`)(……)

( ´∀`)(適当に任命しても結果的に良かった)

( ´∀`)(さすが俺!)

622名無しさん:2019/03/09(土) 22:56:56 ID:A.YRKkos0
( ´∀`)『ドクトラセブン、覚悟が決まっているのならお前が何をしなくてはならないかわかっているはずだ。』

( ´∀`)『あとの責任はすべて俺が負う。さあ早く行くんだ!』

('A`)「はい!」

|::━◎┥『え?』

|::━◎┥『嘘でしょモナトラマン!!』

( ´∀`)『どんな処罰でも何なりと。』

|::━◎┥『えぇ!!』

<_プー゚)フ 『ちょっと!!早く……早くヴィプトラシャキンとヴィプトラマン弱、早く着いて!!』

ドクオはボロボロの体で医務室の外へと飛び出していった。

その頃作戦室。
  _
( ゚∀゚)「大変です隊長!」

爪'ー`)「どうした?」
  _
( ゚∀゚)「例の宇宙人がついに動き始めました!それもメテオールの方へ!」

爪'ー`)「なに?!」

爪'ー`)「仕方ないドクオ以外の全員で出撃する!みんなヴィプトラホーク1号に搭乗しろ!」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?ふざけんな!私これから

爪'ー`)「一人欠けている以上他の連中で頑張るしかないんだ。ツンヌも少しは我慢しろ。」

ξ#゚⊿゚)ξ「なめんな!それならあの貧弱野郎を叩き起こして無理やり乗せてやる!!」

爪'ー`)「あ、おい!」

そう言って猛ダッシュで飛び出していくツンヌ。

( ^ω^)「ヴィプトラホーク1号の出撃準備はすでに完了してますがどうします?」

爪'ー`)「仕方ないツンヌが戻るまで待つか。」

(,,゚Д゚)「その間にあの宇宙人が何もことを起こさなければいいんですがね。」

爪'ー`)「ホントなそれ。」

623名無しさん:2019/03/09(土) 22:57:27 ID:A.YRKkos0
かすかに感じるエネルギーを感じ、その方向へと向かいながらタカラ星人は考える。
宇宙最悪で最恐と恐れられた自分がなぜこんな様なのかと。



(,,^Дメ)「クソォ……クソガァ!!」

すべてはあのヴィプトラシャキンとか言う新人のせいだ。
モナトラマンの再来とか言われてたが所詮噂程度だと思って油断した。
俺が唯一勝てないと思っていたあのモナトラマンと本当に同等の力をもってやがった。
おかげで手下も全滅したし俺ももう長くはもたん。

(,,^Дメ)「チクショウこんなはずでは……」

モナトラマンさえいなければこの宇宙は俺様のものになると思っていたのに……

(,,^Дメ)「こんなところで終わってたまるか!!」

だが何とか逃げおおせてたどり着いたこの星は文明レベルが低すぎて俺様のこの怪我を手当てすることすらできない。
時間がたてば当然お陀仏だし、死ぬ前にヴィプトラシャキンがここにたどり着くかもしれん。
死ぬにしたってただでは死なん。一人でも多く道ずれにしてやる。

そう思ってどうするか考えていたが何も浮かばなかった。
正直もうまともに戦う力など残っていない。下手したら下級戦士にもやられてしまうだろう。
まさかこの俺様が死ぬ前に絶望を味わうことになるとは……
俺様はこの宇宙の悪の帝王だぞ!これがこんな無様な最期だと!!許されるはずがないのだ!!

しかしだ。
この星に来てからわずかに感じたメテオールの気配。
今までに感じたことのないほどの質の高い気配だ。
もしかすると巨大なメテオールがこの近くにあるのかも。

(,,^Дメ)「まさかこの俺様が『希望』だとかいうものにすがるときが来るとはな。」

だがもし俺様が考えただけのメテオールがあるとすれば死ぬ前にこの宇宙も一緒に終わらせることができるだろう。

(,,^Дメ)「一人では死なんぞ。」

(,,^Дメ)「くひひ!この宇宙すべてのものが道ずれだ!!」

そうだすべて終わらせる。俺様をこんな目に合わせておいて他の者がのうのうと生きていていいはずがないのだ!!
俺様に絶望を与えただけお前たちにも同じだけの絶望を与えてやる!

624名無しさん:2019/03/09(土) 22:57:52 ID:A.YRKkos0
ξ゚⊿゚)ξ「あの野郎医務室にいないじゃないか!」

ξ#゚⊿゚)ξ「さてはサボるための仮病だったな!!許さねぇ!!」

怒りに燃えるツンヌは医務室を飛び出しドクオを探す。
それは本能的なものなのかそれとも戦いの中で培った気配を察知する力なのかドクオがいる基地の外へと一直線に向かっていった。

('A`)(これが俺、ドクトラセブン最後の戦いになるだろう)

('A`)(このボロボロの体がどれだけ持つか……)

(-A-)(……)

('A`)(やってやるさこの命に代えても!)

懐からドクトラアイを取り出す。

∞⊂('A`)

いざ変身しようとしたその時――

ξ#゚⊿゚)ξ「ドクオ!テメーこんなところでサボってやがったのか!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「例の宇宙人が動き出したっていうからお前私のの代わりに行って来い!!」

('A`)「……」

ツンヌに背を向けたまま口を開かない。

ξ#゚⊿゚)ξ「なんとか言ったらどうだ!!」

クルッとツンヌの方へと向き直る。

('A`)「ツンヌ、俺は……俺はね……」

('A`)「人間じゃないんだよ!」

('A`)「V78星雲からきたドクトラセブンなんだ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「え……」

625名無しさん:2019/03/09(土) 22:58:18 ID:A.YRKkos0
('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「びっくりしただろう。」

ξ゚⊿゚)ξ「いいや。」

ξ゚⊿゚)ξ「人間じゃなかろうが宇宙人だろうがドクオ、お前がドクオであるのには変わりないだろ!」

ξ゚⊿゚)ξ「それがたとえヘタレンダーZでもドクトラセブンでもな!」

ξ゚∀゚)ξ「それにテメーの顔を見て人間だって思うやつの方が少ないぜ!」

(;'A`)「ギギギ……」

('A`)「でも他のみんなもそう言ってくれるかな……」

ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿言え!他の連中も同じように言うさ。」

ξ゚∀゚)ξ「それが私たちだろ!」

('A`)「ありがとうツンヌ。」

('A`)「だが俺はもう行かなくてはならない。」

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」

('A`)「西の空に明けの明星が輝くころ、一つの光が宇宙へ飛んでいく。それが俺なんだよ。」

∞⊂('A`)「さよならツンヌ!」

ξ゚⊿゚)ξ「オイ待て!」

ξ゚⊿゚)ξ「何するつもりだ!」

∞⊂('A`)「地球がピンチなんだよ!!」

(∞)「デュワ!」

ツンヌの目の前でドクトラセブンに変身する。

('A`)「ジュワー!!」

そのまま空へと飛び立っていった。

626名無しさん:2019/03/09(土) 22:58:43 ID:A.YRKkos0
ξ゚⊿゚)ξ「あいつ……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?頭おかしくなって意味不明なこと喚いてたんじゃないの??」

ξ;゚⊿゚)ξ「マジにドクトラセブンに変身しやがった!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?マジ?」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっ……」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっとみんなー!!」

慌てて基地へと戻っていくツンヌ。

627名無しさん:2019/03/09(土) 22:59:16 ID:A.YRKkos0
(,,^Дメ)「近づくほどに強く感じるぞ!やはりこの辺にメテオールがあるな!!」

(,,^Дメ)「くひひ!やったぜ!」

本能的な感覚でメテオールに近づいていくタカラ星人。
この宇宙を道ずれにできそうで上機嫌になってきている。
ついにメテオールの一部が見えてきた。

(,,^Дメ)「!!やったぜ!ついに見つけた!!」

そんなタカラ星人に近づいていく一つの影があった。

(,,^Дメ)「ん?」

('A`)「デュワ!!」

(,,^Дメ)「な?!」

タカラ星人の背後へと着地して構えるドクトラセブン。

(;^Дメ)「俺様を追っていたヴィプトラの戦士がもう着いたというのか!!」

(;^Дメ)「おのれぇ!!あともう少しだったというのにぃ!!」

(;'A`)「ぐ……」

フラフラ

(,,^Дメ)「あぁ?」

しかしそのヴィプトラの戦士はすでに弱り切っていた。
額のビームランプは激しく点滅しているし。

(,,^Дメ)(こいつすでに俺様より弱ってないか?)

(,,^Дメ)(それに俺様を追ってきたというならヴィプトラシャキンもいるはず……)

(,,^Дメ)(そうか!こんな辺鄙な星に元々派遣されていたやつだな!)

(,,^Дメ)「ふぅ、焦ったぜ!こんな星に行かされるってことは相当な役立たずってことだな。」

(#^Дメ)「脅かしやがって!!」

(,,^Дメ)「おとなしくしていたら命は取らないでおいてやろう。」

(,,^Дメ)(まぁどうせすべて消し飛ぶんだがな)

628名無しさん:2019/03/09(土) 22:59:52 ID:A.YRKkos0
(;'A`)「うぐぅ……」

立っているのがやっとの態勢でドクトラショットの構えをとる。

(,,^Дメ)「おいおい、まさかこの俺様と戦うつもりか?」

(#^Дメ)「たとえ弱っていようがテメーみたいなクソ雑魚なめくじの攻撃なんて効かないんだよ!!」

(;'A`)(しっかり狙えドクトラセブン!)

(;'A`)(これを外したら終わりだ…)

('A`)(この一撃に俺のすべてをかけろ!!)

('A`)「デュワァァァァ!!」

ドクトラセブンの残っていた全エネルギーが発射された。

(,,^Дメ)「バリアー!!」

そう叫ぶとタカラ星人の目の前に光の壁が現れた。
だがそれとは別に明後日の方へと飛んでいくドクトラショット。

(,,^Дメ)「ケッ、所詮は底辺中の底辺。大事なとこで外しやがったな。」

(,,^Дメ)「どのみち当たっていても意味はなかったがな。くひひ!」

('A`)「……」

だがその時

タカラ星人の背後の方が光りだす。

(,,^Дメ)「?!」

(,,^Дメ)「何事だ!!」

メテオールが一瞬光り輝くとスッと輝くが失われただの石になった。

(;^Дメ)「あ……あぁ!!」

ドクトラセブンの狙いは最初からメテオールだったのだ。

('A`)(これでいい……これでもうV78星雲や他の星から地球が狙われることは……)

( A )(これで……いい……んだ……)

629名無しさん:2019/03/09(土) 23:00:19 ID:A.YRKkos0
その場に力なく倒れこんだドクトラセブン。
激しく点滅していたビームランプはもう光ることはない。
すべての力を出し尽くして力尽きたのだ。
一度エネルギーが尽きたらもう立ち上がることはできない。

(;^Дメ)「あァァァァ!!チクショウ!チクショウォォ!!!

最後の希望が踏みにじられ絶望へと変わった。
皮肉な話だ。今までさんざん他者にほんの少し希望を抱かせてから目の前で絶望へと突き落としてきた。
そんな自分が今度は絶望に叩き落されたのだから。

(;^Дメ)「許さねぇぇえ!!」

(;^Дメ)「そうまでしてテメーが守りたかったこの星を俺様の命が続く限り地獄に変えてやる!!!」

(;^Дメ)「こんなクソ雑魚なめくじの底辺野郎にこの俺様がァァァァ!!」

激しく怒り散らすタカラ星人。
だがすでに力尽きたドクトラセブンはピクリとも動かない。

( A )


















「―――で……ン……」

ほんの少し

何か聞こえた気がした

誰かが叫んでいる

630名無しさん:2019/03/09(土) 23:00:44 ID:A.YRKkos0
ζ(゚ー゚*ζ「負けないでドクトラセブン!!」

(`ェ´)「負けるな!!立ち上がってくれドクトラセブン!!」

一般市民B「頑張れ!!頑張れドクトラセブン!!」

ζ(゚ー゚*ζ「いつもあなたが私たちのために必死でボロボロになりながら戦ってるのずっと見てきたわ!」

ζ(゚ー゚*ζ「あなたに助けられてばかりで何もしてあげられないけど……」

ζ(゚ー゚*ζ「でもお願い負けないでドクトラセブン!!」

聞こえる大切な人たちの声が

聞こえるみんなの応援してくれる声が

(゚、゚トソン「ほら立って!立ち上がって構えなさいよ!!」

(゚、゚トソン「さっきいい感じににらみ合ってたとこカメラで撮れなかったからもう一度同じ感じでお願い!」

一般市民A「やっぱあのブレスレットあった方がよかったんじゃないか?」

一般市民A「でもまぁ頑張ってくれよ!」

一般市民C「そうだ負けんなそんなよわっちそうなやつに!」

(=゚ω゚)「はぁ、所詮キモ貞はこんなもんか。」

(=゚ω゚)「少しはいいとこ見せて見ろよドクトラセブン!!」

川д川(負けてはダメよ!あなたはまだこっちの方に来てはいけない人よ!)

( `ハ´)「相手があのタカラ星人デモかなり弱ってるネ!」

( `ハ´)「勝ってまたミンナで楽しくオサケ飲もうヨ!!」

/ ,' 3「旦那、あっしは知ってやすぜ!旦那がお強い人だって!」

≫(‘♀’)≪「頑張れ。我々は信じてるぞ君の勝利を。」

≫(‘♀’)≪「だから……立ち上がるんだドクトラセブン!!」

631名無しさん:2019/03/09(土) 23:01:53 ID:A.YRKkos0
不思議だ
今までもう何も残っていなかった体にほんの少し力がわいてきた

どこからわいたかわからない力だけど……
いや違う
そうだそうだったな

『(’e’)「言葉や文字にはとてつもない力がある」』

あぁそうだこの星に来てから学んだことじゃないか

ありがとうみんな

皆のおかげでもう少しだけ戦える

('A`)「デュワ!」

ドクトラセブンが立ち上がった。
光を失っていた額のビームランプはまた激しく点滅を開始している。

(,,^Дメ)「……」

(,,^Дメ)「なんのつもりだ?」

(,,^Дメ)「底辺中の底辺が、弱ってはいるがこの俺様に勝てると思っているのか?」

(#^Дメ)「テメーみたいな便所虫以下の奴がこの俺様に何ができるってんだ!!!」

(#^Дメ)「テメーも他の奴らのようにションベン漏らしながら命乞いすりゃぁ楽に死なせてやったのによぉ!!」

(#^Дメ)「弱いくせに俺様に歯向かうのか?」

(#^Дメ)「お前みたいなタイプが一番ムカつくんだよ!!何もできねぇ役立たずの分際でよくも俺様の邪魔をしたな!!」

怒り心頭。ひたすらに相手をののしる。
こうなったら最後相手が絶望の淵に叩き落されなければ気が済まないのだ。

(#^Дメ)「お前にはたっぷり思い知らせてやる!!自分が如何にゴミ――

(#'A`)「ダァァァ!!」

先手必勝。至近距離からのアイス・ラッガーを放つ。
残り少ないエネルギーではもう光線技は使えない。
だが、格下が格上に勝てるかもしれない数少ない方法。
不意打ちからの切断技だ。

真っ直ぐタカラ星人に向かっていく。
が――

632名無しさん:2019/03/09(土) 23:02:21 ID:A.YRKkos0
(,,^Дメ)「本当よぉ……」

(,,^Дメ)「お前は俺様のこと舐めてるのか?」

飛んできたアイス・ラッガーをたった指二本で受け止めた。

(;'A`)「な!」

(,,^Дメ)「お前、相手との戦闘力の差わかってる?」

(,,^Дメ)「この距離なら当たると思ったか?」

(,,^Дメ)「こんなちんけな技で俺様が倒せると思ったのか?」

(#^Дメ)「テメー――!!!」

(#^Дメ)「なんもわかってねぇだろ!!お前ごときが相手になるわけがねぇんだよ!!」

(#^Дメ)「お前のようなゴミクズは一生地べた這いつくばって哀れに生きてりゃいいものをよぉ!!」

(#^Дメ)「俺様にたてついてんじゃねぇよ!!」

(#^Дメ)「決めた!決めたぞ!!」

(#^Дメ)「テメーのこの武器でその首跳ね飛ばしてさらし首にしてやる!!」

(#^Дメ)「くたばりやがれ!!」

高々にアイス・ラッガーを掲げてドクトラセブンめがけて投げようとする。

(;'A`)「ぐ……」

あっという間に大ピンチ。

だが諦めない。
なぜなら知っているから。
いつもこういうときは来てくれたから。

633名無しさん:2019/03/09(土) 23:02:46 ID:A.YRKkos0
アイス・ラッガーを投げる直前のタカラ星人にどこからともなくレーザー攻撃が命中する。

(,,^Дメ)「あぁ?なんだ?」

咄嗟に攻撃が飛んできた方を見るタカラ星人。
ヴィプトラホーク1号だ。

( ^ω^)「大丈夫かドクオ?!」
  _
( ゚∀゚)「ドクオ、援護は任せろ!」

(,,゚Д゚)「忘れるなドクオ、いつだって俺たちはお前の味方だぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「おいおいへばってんなよドクオ!」

ξ゚∀゚)ξb「一発くらいイイやつお見舞いしてやれ!!」

爪'ー`)「まったく、お前は最後まで俺たちの力が必要だったな。」

爪'ー`)「だがそれがお前なんだドクオ!だから思いっきりやれ!!」

ヴィプトラホーク1号からレーザー攻撃やロケット弾が大量に発射され命中する。
が、全く効果がない。

(,,^Дメ)「ゴミクズの味方はハエってところか。」

(#^Дメ)「お似合いだなテメーら!!」

('A`)「デュワ!」

その隙に後ろに大きく跳躍してタカラ星人と距離をとる。

(#^Дメ)「今度こそくたばりやがれぇ!!」

ヴィプトラホーク1号の攻撃など全く気にせずにアイス・ラッガーをドクトラセブンに投げつける。

(#'A`)「デュワァ!」

飛んできたアイス・ラッガーを脳波でコントロールして当たるギリギリのところで躱してそのままタカラ星人めがけて再度放つ。

634名無しさん:2019/03/09(土) 23:03:12 ID:A.YRKkos0
(#^Дメ)「本当に学習能力がないな無能な奴は!!」

(#^Дメ)「何度やっても結果は同じなんだよ!!」

また指二本でキャッチしようとする。

( ^ω^)「これでも食らえ!!」

ヴィプトラホーク1号から発射されたレーザー攻撃はタカラ星人の顔面に命中した。
ダメージは全くない。
しかし、視界を遮るには十分だ。

(;^Дメ)「し、しまっ―――

スパンッ



('A`)「デュワ!」

戻ってきたアイス・ラッガーを頭に装着する。

(  Дメ)






ゆっくりとドクトラセブンめがけて一歩二歩と足が動いたが、ぼとりっと首が落ち崩れ落ちた。

(;'A`)「はぁはぁ…」

(;'A`)「……」

('A`)「……」

('A`)「ジュワー!!」

力なく立ち上がり、少しだけみんなの方を見つめると西の空へと飛び立っていく。

635名無しさん:2019/03/09(土) 23:03:35 ID:A.YRKkos0
宇宙空間

ボロボロのドクトラセブンが地球を目指していたヴィプトラシャキンとヴィプトラマン弱と合流した。

ヴィプトラマン弱「おいおいお前なんてことやってくれたんだよ。」

(; A )「……」

ヴィプトラマン弱「せっかく俺がタカラ星人にトドメを刺そうと思ったのに。」

ヴィプトラマン弱「お前の手柄じゃないからな!!タカラ星人を倒したところで!」

ヴィプトラマン弱「つーか、お前やらかしすぎだろ。メテオールを無駄にしちまうとか。」

ヴィプトラマン弱「ホント無能な奴は余計なことしかしないよな!」

(; A )「……」

ヴィプトラマン弱「でもよ……」

ヴィプトラマン弱「お前にしたら頑張ったんじゃないか。そんなボロボロになるまでよ!」

(`・ω・´)「ドクトラセブン。君がやった行いは愚かなことだ。」

(`・ω・´)「そう上の連中は言うだろう。事実、かなりお怒りのようだ。」

(`・ω・´)「だが一つだけ確かなことがある。」

(`・ω・´)「君はこの地球を守ったんだ。」

(`・ω・´)「それはどんなことがあっても変えられないただ一つ確かな事実だ。」

(`・ω・´)「まずはよく体を休めよう。」

(`・ω・´)「さぁ、帰ろう我々のV78星雲へ。」

ボロボロのドクトラセブンはヴィプトラシャキンとヴィプトラマン弱に抱えられながらV78星雲へと帰っていった。

636名無しさん:2019/03/09(土) 23:04:01 ID:A.YRKkos0
地球

ヴィプトラホーク1号を着陸させ地上に降り立ったヴィプトラ警備隊はドクトラセブンが旅立っていった空をずっと眺めていた。
  _
( ゚∀゚)「ドクオは死んで帰っていくのだろうか?」
  _
( ゚∀゚)「もしそうならドクオを殺したのは俺たち地球人じゃないか!」
  _
( ゚∀゚)「あいつは傷ついた体で最後の最後まで人類のために戦ってくれたんだ!」
  _
( ゚∀゚)「ドクオを殺した俺たちなんて……あんないい奴……」

( ^ω^)「そんな馬鹿な。ドクオが死んでたまるか!」

( ^ω^)「ドクオは生きている。きっと生きているんだ。」

( ^ω^)「遠い宇宙から俺たちの地球を見守ってくれるさ!」

( ^ω^)「そしてまた……元気な姿で帰ってくる!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

ξ゚⊿゚)ξ「なに辛気臭いこと言ってんだよお前ら!」

ξ゚⊿゚)ξ「どうせドクオのことだ!『('A`)「あ、すんません。忘れ物したんで帰ってきました。」』」

ξ゚⊿゚)ξ「って感じに帰ってくるさ!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

(,,-Д-)「……」

(,,゚Д゚)「あいつが命懸けで守ってくれたこの星をもっといい星にしないと!」

(,,゚Д゚)「あいつが命を懸けて守ってよかったって言える星に。」

爪'ー`)「そのためにも地球は我々人類の自らの手で守り抜かないとな。」

爪'ー`)「だから……」

爪'ー`)(だからいつでも帰ってこいよドクオ!)

637名無しさん:2019/03/09(土) 23:04:31 ID:A.YRKkos0
地球からはるか離れたV78星雲

|::━◎┥「本当、君らにはうんざりするよ。」

('A`)「……」

( ´∀`)「それで我々にはどんな処罰を?」

|::━◎┥「まずは馬鹿な真似をしてせっかくのメテオールを無駄にしたそこのドクトラセブン!」

|::━◎┥「お前は出世などはこの先一切なく、異動もない!一生地球とか言う未開な星でも守ってろ!」

('A`)「え?」

('A`)「本当にそれだけでいいんですか?」

<_プー゚)フ 「こいつマジ?」

<_プー゚)フ 「あんな未開の星の防衛なんて俺は一日だってやりたくないのに。」

<_プー゚)フ 「お前はマジで感覚がいかれてるだろ。」

|::━◎┥「まぁいい。こんな廃産物は一生未開なところに飛ばしておくに限る。」

|::━◎┥「わかったらさっさといけ!お前の顔はもう二度度見たくない!」

('A`)「しかし俺の体はもうボロボロで……」

|::━◎┥「は?」

|::━◎┥「テメーただの風邪ごときで仕事を休むって言うのか!!」

|::━◎┥「いい加減にしろよこの役立たず!!」

('A`)「風邪?」

|::━◎┥「テメーを診た医者がただの風邪だって言ってんだよ!!」

(;'A`)「ただの風邪だったんだ……」

|::━◎┥「だから早く失せろ!!」

('A`)「はい!喜んで地球に行ってきます!」

そういってV78星雲を飛び出していくドクトラセブン。

|::━◎┥「本当、ゴミの相手は疲れる……」

<_プー゚)フ 「まったくですね。」

638名無しさん:2019/03/09(土) 23:04:56 ID:A.YRKkos0
|::━◎┥「そしてモナトラマン、お前にはまた戦場の最前線に復帰してもらう。」

|::━◎┥「古傷のせいで昔のように戦えなくてもやってもらうぞ!」

( ´∀`)「……」

( ´∀`)「わかりました。」

|::━◎┥(ククククク!昔ほどではないがあのモナトラマンだ)

|::━◎┥(今でも限定的とはいえトップクラスに近い実力を持つ)

|::━◎┥(メテオールが手に入らなかったが、タカラ星人がいなくなった今我々に敵対する勢力も減るだろう)

|::━◎┥(そこにモナトラマンも投入すればメテオールがなくとも……)

|::━◎┥「ククククク!」

|::━◎┥「時間をかければ結果は変わらんのだ!」

<_プー゚)フ 「当分はまだ忙しくなりそうですな。」

|::━◎┥「さぁ我らの野望のために戦うのだモナトラマン!」

( ´∀`)「了解です。」

( ´∀`)(本当、自分の欲望に正直な連中だな)

( ´∀`)(まぁ、地球が助かったのならよしとするか)

( ´∀`)(……)

( ´∀`)(さて、転職しよ)

639名無しさん:2019/03/09(土) 23:05:20 ID:A.YRKkos0
ヴィプトラ警備隊基地作戦室

爪'ー`)「ではかねてより計画があったヴィプトラホーク3号の開発計画だが、本格的に始動する。」

爪'ー`)「それにあたって隊員たちの要望が知りたいということだ。」

爪'ー`)「ヴィプトラホーク3号はこうして欲しいということはあるか?」

(,,゚Д゚)「そうですな、ヴィプトラホーク1号、2号が大型なので小回りの利く小型な戦闘機がいいですね。」

( ^ω^)「地底の調査ができるように地底戦車を搭載できるようにするのはどうですか?」

爪'ー`)「なるほど、いい案が出てきたな!他には?」

ξ゚⊿゚)ξ「マニュアルで操作するのばっかだからよ、オートマ限定の免許でも運転できるようにしろよ。」

(;゚Д゚)「それ車の免許の話しだろ!?」

(;^ω^)「ツンヌの運転はトラウマしかない。」

(;^ω^)「マジでヴィプトラホーク1号の運転をさせたときは死ぬかと思った」

(;^ω^)「まだ格納庫の段階でロケットエンジン点火するんだもん。」

(;^ω^)「丁度機体の外にいたら点火されて豚の丸焼きになるかと思った……」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!そういえばそういうこともあったな!」

爪;'ー`)「うん……とりあえず簡単に操縦できる機体がいいと。」
  _
( ゚∀゚)「俺としては機体の先端部にドリルをつけたらいいと思うのですが。」

爪'ー`)「お前それ意味があると思ってるのか?」
  _
(;゚∀゚)「やはりそう言うスーパーメカはロマンを追求することも大切かと……」

(,,゚Д゚)「さすがにそれは無駄じゃないか?」

( ^ω^)「戦闘機にドリルがあったところでなぁ」
  _
(;゚∀゚)「くそー、ドクオならわかってくれたんだろうにな。」

ξ゚∀゚)ξ「バーカ!ロマンだとかくだらないもんいらないんだよ!」

('A`)「馬鹿言えツンヌ!ドリルは男の魂なんだぞ!必要に決まってる!」

640名無しさん:2019/03/09(土) 23:05:48 ID:A.YRKkos0
  _
( ゚∀゚)「やっぱドクオはわかってるな!」

('A`)「あたぼうよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「ドリルとかガキかよお前ら……」

ξ;゚⊿゚)ξ「ん?」
  _
(;゚∀゚)「え?」

(;゚Д゚)「あぁ?」

(;^ω^)「おま……」

爪;'ー`)「ドクオ、お前どこからわいた?」

(;'A`)「あ、いえ、どうやらただの風邪だったらしくてお薬もらったらよくなりまして……」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)「ハッハハハハ!」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!私が言った通りじゃん!」」

爪'ー`)「まったくお前というやつは。でもそれがお前だな!」

(;'∀`)「いやぁ、アハハ……」

Prrrr

('A`)「おっと!」

('A`)「はいこちらヴィプトラ警備隊!なに?ふむふむ!」

('A`)「隊長!宇宙人が現れたとの通報です!」

爪'ー`)「よし!ヴィプトラ警備隊出動だ!」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」




どうやらドクトラセブンの戦いはまだまだ続くようです。



('A`)はドクトラセブンのようです

終わり

641名無しさん:2019/03/09(土) 23:12:07 ID:A.YRKkos0
以上を持ちまして ('A`)はドクトラセブンのようですは終わりとなります。
半年以上になりましたが、皆様に応援していただいて無事に最終回を迎えることができました。
本当にありがとうございました。

前作以上に誤字脱字が多かったですが、こんなにも多くのコメントなどいただけて感謝するばかりです。
これで自分の書きたかったものは全部書き切ったと思うのでこれからは読専に戻れます。
本当に皆様には感謝です。
ありがとうございました。

642名無しさん:2019/03/09(土) 23:55:52 ID:vN.pDLX.0

これを読んだら本家も見てもらいたくなるな

643名無しさん:2019/03/10(日) 00:05:05 ID:Ice4xzBU0
大縁談

644名無しさん:2019/03/10(日) 01:01:52 ID:fjnjYsOM0
大団円だろ
完結乙

645名無しさん:2019/03/10(日) 01:29:11 ID:zkTJ1Mtk0
乙、面白かった!

646名無しさん:2019/03/10(日) 04:01:05 ID:xn03IG9k0

凄く面白かった
いつかまた何か書いてください

647名無しさん:2019/03/10(日) 12:34:32 ID:9sDZtsGU0
お疲れ様です、楽しかった!

648名無しさん:2019/03/11(月) 17:47:20 ID:lgt6cYxQ0
ひたすらに乙!
G師匠といいハイメガ系女子といいドクトラセブンといい、スラッスラ読めて本当に面白かった!


次回作があればいつでも支援しにいくぞ!

649名無しさん:2019/04/22(月) 12:25:19 ID:BxrEnfHk0
最大の乙


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