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ショタ提督「ポケモントレーナーになりたいなー」明石「了解です!」
622
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/22(月) 23:29:44 ID:4.WBXYr6
ショタT「凄い、ギャロップだ......!」
陽炎「見とれてる場合じゃないでしょ。あたしとしてはあんまり嬉しくない奴もいるしね」
ギャラドス「ギャルルァッ!」ギロッ
モロバレル「バレレッ......」
ギャロップ「ブルルルッ......」
眼前の敵を威嚇するギャラドス
ショタT「陽炎、聞いて」ボソッ
陽炎「?」
ショタT「僕は以前あの人たちとバトルしたことがある。その時と同じ道具を使ってくるとしたら............」
陽炎「............さーんきゅっ。分かったわ」
離島棲姫「サァ、始めるヨ! アンタらも手伝いなサイ!!」
重巡棲姫「こういうトコだけ私ら任せカヨ」キラッ
戦艦棲姫「サァ、好きなだけ暴れナサイ......!」キラッ
ムウマージ「マァァァァ......!」
Zパワーを身に纏うムウマージ
ギャラドス「ギャラァァァァ......!」
ギャラドスが光に包まれる
離島棲姫「行け、メガギャラドス! 滝登り!!」
メガギャラドス「ギャラァァァッッッ!!!」
離島棲姫「そしてムウマージの攻撃、ダイナミックフルフレイム!!」
ムウマージ「マァァァァァァジ!!!」
ドドドドド!!!
ギャロップ「......!!」
ギャロップ目掛け猛然と突進するメガギャラドス
ゴオオオオオオオ!!
モロバレル「バレッ......!!」
ムウマージから放たれた巨大な火の玉がモロバレルの前に迫る
ショタT「............」
陽炎「............ふっ」
623
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/22(月) 23:30:46 ID:4.WBXYr6
ドオオオオオオオオオオオン!!
火柱と水柱が同時に立ち上がり、辺りが白煙に包まれる
離島棲姫「アハハハハッ! 素敵! お見事ヨ!!」
重巡棲姫「当然ダ」 戦艦棲姫「当然ヨ」
集積地棲姫「.............イヤ」
煙が晴れていく
離島棲姫「............ンェッ!?」
重巡棲姫&戦艦棲姫「!?」
メガギャラドス「......ギャラ?」
モロバレル「バレレッ!!」ドン!
メガギャラドスの攻撃を受け止めるモロバレル
ムウマージ「......マージ!?」
ゴォォォォオオオォォォオ
ギャロップ「ギャロロロォォォッ!!」
業火の中にたたずむギャロップ
重巡棲姫「イ......!」
戦艦棲姫「イィ......!」
離島棲姫「入れ替わってるゥゥゥゥゥゥ!?」
624
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/22(月) 23:31:47 ID:4.WBXYr6
陽炎「あたしがギャロップに命令したのは『サイドチェンジ』! 味方のポケモンの配置を入れ替える技よ!!」
ショタT「これでメガギャラドスの攻撃対象はモロバレルに、ムウマージの攻撃対象はギャロップに変更された!!」
陽炎「それだけじゃないわ! ギャロップの特性『貰い火』の効果!!」
ギャロップ「ブルルルルルッ......」ゴォォォォォ
周囲の炎がギャロップに吸い込まれてゆく
陽炎「相手の炎技を吸収し自身の糧とする!!」
ギャロップ「ギャロォォォォオォォップ!!」 ゴオオオォォォ!!
陽炎「ショウタ、やるよ!」
ショタT「いくよモロバレル、キノコの胞子!!」
モロバレル「バレレレレっ!!」
ファサファサファサ
メガギャラドス「ギャ.....ラ......!?」
ショタT「これで食らって大人しくしてろっ!」
メガギャラドス「Zzzz............」
メガギャラドスは眠ってしまった
離島棲姫「オ......オノレェッ!!」
ショタT「陽炎!!」
陽炎「分かってるわ。さぁ、お返しよ!」
ギャロップ「ギャロロロォッ!」
陽炎「灼熱の荒馬よ、より激しく燃え上がりなさい! ギャロップの攻撃!!」
ゴオオオオォォォォォ!!
ムウマージ「ムゥ!?」
離島棲姫「クッ......!!」
陽炎「フレアドライブ!!!」
続く
625
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/22(月) 23:33:19 ID:Sr0nYXIg
乙シャス!
626
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/25(木) 23:12:03 ID:2fZZwYuA
陽炎「ギャロップの攻撃! フレアドライブ!!」
ギャロップ「ギャロォォォォオッ!!」
ギャロップの体から湧き出る炎の勢いが増してゆく
陽炎「狙うはムウマージよ!!」
ショタT「モロバレル、僕らも続くよ!」
モロバレル「バレッ!」
ショタT「ギガドレインだ! 狙いはメガギャラドス!!」
ムウマージ「マジッ!?」
メガギャラドス「Zzzz......」
離島棲姫「チッ......貸しナサイ」
ガシッ
集積地棲姫「ってオイ、アタシのカゴの実! 勝手に獲んなヨ!!」
離島棲姫「ココで使わないでドウスルノヨ」
ポイッ!
離島棲姫の なげつける!
メガギャラドスにカゴの実を投げつけた!
メガギャラドス「Zzzz......?......ギャラ?」
ショタT「げっ!?」
メガギャラドス「ギャラアアアアッ!!」
メガギャラドスは目を覚ました
ショタT「せ、せっかくキノコの胞子が久しぶりに成功したのに......」
モロバレル「バレー......」ショボン
陽炎「構うんじゃないわよ! 攻撃よ、攻撃!!」
ギャロップのフレアドライブがムウマージに迫る
ギャロップ「ギャロオオオオッ!!」ゴオオオオオオオオオ
バァァァァァアン!!
ムウマージ「マァァァァァジ!!」ボォォォ
627
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/25(木) 23:13:23 ID:2fZZwYuA
陽炎「これでも食らいなさい!」
重巡棲姫「オノレェ......!!」
離島棲姫「......フフッ」
ムウマージ「ムゥ.......!!」
離島棲姫「よく耐えてクレタワ。この程度でくたばったらドウしようかと思ったワ」
陽炎「あらら、一撃でいけるかもって気がしたんだけどねぇ」
離島棲姫「今度はコチラの番よ。ムウマージ! 『滅びの歌』!!」
ショタT「滅びの歌......!?」
ムウマージ「ムゥゥゥ......」カッ
重巡棲姫「ハァ!? 何でソンナ技が!?」
離島棲姫「私が覚えさせたのよ。アンタが選んだ技じゃツマンナかったカラネェ」
離島棲姫「サァ! 始めナサイ、地獄のコンサートを!!」
ムウマージ「マァァァァァジィィィィィィ!!」
不快な歌が響き渡る
ショタT「ひぃぃぃっ!?」ビクッ
陽炎「うぐぅぅっ!?」ビクッ
ギャロップ「ギャロォォォォォ......!!」
モロバレル「バレェェェェ.....!!」
メガギャラドス「ギャラァァァァ.....!!」
重巡棲姫「ヴェアアアアアアア!!」
戦艦棲姫「ナンデ私達まで耳を塞がなきゃイケナイノヨ......!!」
集積地棲姫「場の全体に効果がある技だからナ」(ヘッドホンで防音済み)
ムウマージ「マァァァァァァァァアアア!!」
滅びのカウントが始まった
628
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/25(木) 23:14:36 ID:2fZZwYuA
ショタT「............くっ」
陽炎「......やっと終わり?」
離島棲姫「フフフッ、楽しんでくれたカシラ? でも当然、これで終わった訳ではナイワヨ?」
離島棲姫「サァ、バトル続行よ!!」
ショタT「行くよモロバレル、さっき命令した通りだよ!」
モロバレル「バレーッ!!」
モロバレルのギガドレイン!
メガギャラドス「ギャラッ......!?」キュインキュイン
ショタT「ギガドレインの効果でメガギャラドスから体力を吸収する!」
ショタT「そして、モロバレルに持たせた『黒いヘドロ』の効果でさらに回復する!」
モロバレル「バレッ!」キランキラン
離島棲姫「アラアラ、これじゃさっきの攻撃もただの水の泡ネ」
戦艦棲姫「ツイさっきまで褒めてた癖にその言い方はナイデショウ!」
滅びのカウント<3>
629
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/25(木) 23:15:49 ID:2fZZwYuA
陽炎「こんどこそ始末してやるわよ! ギャロップ、もう一度フレアドライブよ!!」
ギャロップ「ギャロォォォォォオオ!!」ゴオオオオオ
ムウマージ「......!!」
重巡棲姫「ッ......!」
バァァァァァン!!
ショタT「やった......!」
陽炎「ふっ」
ムウマージ「マ......マァァァ......ジィ......」
バサッ
ムウマージは力尽きた
重巡棲姫「オノレェッ......! モドレッ、ムウマージ!」
ポゥン
離島棲姫「お疲れ様。デモ良くヤッテクレタワヨ」
離島棲姫「ソノ子の滅びの歌の効果で、あの子達の滅びの運命は約束されたノダカラネェ」
重巡棲姫「あんな趣味の悪い技の力など頼るカァッ! サッサと連中を沈めテシマエッ!!」
戦艦棲姫「やりなさい、メガギャラドス!!」
メガギャラドス「ギャラッ!!」
離島棲姫「分かってるワヨ。じゃあお望み通り......メガギャラドス、滝登り!! 狙うはギャロップ!!」
陽炎「くっ......!」
ギャロップ「ブルルッ」
パラパラパラ......
メガギャラドス「ギャラッ!?」
戦艦棲姫「ハッ!?」
ショタT「モロバレル、『怒りの粉』!!」
モロバレル「バレーッ!!」ファサー
630
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/25(木) 23:16:58 ID:2fZZwYuA
メガギャラドス「ギャ......ギャラアアアアッ!!」
目の色を変えたメガギャラドスがモロバレルに突進する
ショタT「怒りの粉は、相手を挑発して自身に攻撃を向ける技! これで......!」
メガギャラドスの滝登り!!
メガギャラドス「ギャラアッッッ!!」
バァァァァァン!
モロバレル「バッ......バレッ!!」ギリリ
ショタT「メガギャラドスの攻撃は、モロバレルが受け止める!!」
戦艦棲姫「ナンデスッテェ......!?」
陽炎「頼りになる子ね。やるじゃない、あんた達!!」
ショタT「えへへ......だってさ、モロバレル!」
モロバレル「バレッ!」ニッ
離島棲姫「ヤレヤレ、アンタ達の言う通りにしたってこのザマじゃあネェ......」
戦艦棲姫「チッ......人の子を使いパシってオイテ......!」
重巡棲姫「いい加減自分の手を汚したらドウだァ......!?」
離島棲姫「安心しなサイ。言われナクテモ、この子の出番よ」
631
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/25(木) 23:18:40 ID:2fZZwYuA
ショタT「陽炎」ボソッ
陽炎「?」
ショタT「今僕らのポケモンは、滅びの歌を食らった状態になってる。頃合を見て引かなきゃいけないよ」
陽炎「ちょうどいいわね。じゃあついでにあたしらもトンズラこくわよ」
ショタT「えっ!?」
陽炎「初めからガチる気なんてないわよ。あたしは連中に一泡吹かせたら即退散するつもりだったよ?」
ショタT「そ、それは初耳なんだけど......」
陽炎「ショウタも一緒に逃げるわよ? あんたみたいな真面目な子が、あんな奴ら相手に熱くなったって仕方ないわ」
フフフフフフッ......
陽炎&ショタT「......?」
離島棲姫「何をコソコソお話してるの......? 作戦会議かしら、逃げるための?」
ショタT「......っ!」ゾクッ
離島棲姫「残念ネ。悪いけれどアナタ達の考えは全てお見通しナノヨ」
陽炎「......だったらどうする気?」
離島棲姫「フフッ、こうするノヨ!!」
ポゥン!
スタッ
ショタT「こ、このポケモンは!?」
陽炎「なに......この妙な感じ......?」
離島棲姫「逃げれるモノナラ逃げてご覧!! 私の可愛いしもべカラ!!」
離島棲姫「お出でナサイ! ゴチルゼル!!」
ゴチルゼル「ゴチー!!」
離島棲姫「逃しはシナイヨォッ!!」
滅びのカウント<2>
続く
632
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:12:52 ID:S/SQL2ac
ゴチルゼル「ゴチー!!」
離島棲姫「逃がしはシナイヨォッ!!」
ショタT「ゴ、ゴチルゼル?」
陽炎「マズい予感がする......ギャロップ! 戻りなさい!!」
モンスターボールをかざす陽炎
離島棲姫「無駄ヨ」
陽炎「はっ......!」
ギャロップ「ロッ......!?」
陽炎「モンスターボールに......戻すことができない!?」
離島棲姫「コノ子の特性『影踏み』の効果ヨ。 コレでアナタ達はもう此処から逃げ出す事ナド出来はシナイ」
ショタT「影踏み!?」
陽炎「困ったわ......随分と珍しい子を連れてるのね」
離島棲姫「今度はアナタ達の番ヨ。コノ状況、ドウスル気......?」
陽炎「決まってるでしょ。ねぇ、ショウタ?」
ショタT「......うん」
陽炎&ショタT「ぶっ倒す!!」
633
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:13:56 ID:S/SQL2ac
陽炎「狙うはゴチルゼル! 行くよギャロップ!」
ショタT「モロバレル! 僕らは変わらずに陽炎達をサポートするよ!」
ショタT「怒りの粉!」
モロバレル「ばれれっ」ファサー
離島棲姫「同じ手は食らうモノカ。戻りナサイ、メガギャラドス!」
メガギャラドス「ギャラ!」ポゥン
メガギャラドスをボールに戻す
陽炎「げっ、自分は戻すんかい!」
ショタT「そうか、影踏みの効果は味方には適用されないのか......」
離島棲姫「お出で、バンギラス!!」
ポゥン!
バンギラス「ギルルァ!!」 ズドン!
ゴォォォォォォォォオォ
砂嵐が吹き荒れる
陽炎「これまた、嫌な奴のお出ましね......」
ショタT「あのバンギラスか......!」
陽炎「でも構わないよ! ギャロップの攻撃! フレアドライブ!!」
ギャロップ「ギャロオオオオッ!!」ゴオオオオオオオ
ギャロップのフレアドライブ!
バアァァァァァァァン!!
ゴチルゼル「ゴチ〜〜〜〜ッ!」ボオオオオ
陽炎「どうよっ......!?」
離島棲姫「フン......ゴチルゼル、瞑想!」
ゴチルゼル「ゴチィィィィ......」キラーン
静かに精神を集中させるゴチルゼル
離島棲姫「コレでゴチルゼルの特殊能力を強化スル」
離島棲姫「サァ。次が、その子達のラストターンよ」
滅びのカウント〈1〉
634
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:15:14 ID:S/SQL2ac
ゴォォォォオオオオ
砂嵐が吹き荒れている
バンギラス「ギラァッ!!」ドン!
ゴチルゼル「ゴチー」キッ
陽炎「困ったわねぇ......」
ショタT「隣にいるバンギラスに気を取られるけど......僕らがすべきはゴチルゼルを倒すことだね」
陽炎「そのためにもできる限りのことをやるしかない、って訳か」
陽炎「だったらやるよ、ギャロップ! これが最後の突撃よ!!」
陽炎「フレアドライブ!!」
ギャロップ「ギャロォォォォォオップ!!」ゴオオオオオ
陽炎「行っけぇぇぇぇえええ!!!」
バアアアアアアアン!!
陽炎「......!!」
ゴチルゼル「......ゴ......ゴチっ!!」 バン!
陽炎「ダメかっ......!」
ショタT「だけど次の攻撃で落とせるくらいまで削れたはず! 行けるよ!」
離島棲姫「それはドウかしら? ゴチルゼル、『眠る』」
陽炎「なに!?」
ゴチルゼル「ゴチィ......zzzz」
離島棲姫「眠るにより体力を回復スル。 ソレダケじゃナイ」
キラン
ゴチルゼル「ゴチっ!!」シャキン
離島棲姫「持たせていたカゴの実の効果で、ゴチルゼルは目を覚ます」
陽炎「ちっ、チクショウ......」
ショタT「ま、まだだ! モロバレルの攻撃! クリアスモッグ!!」
ショタT「ダメージは少ないけど、これで能力変化を無効にする!」
離島棲姫「サセナイヨォ。バンギラス、岩雪崩!」
バンギラス「バンギィィィィ!!」ゴゴゴゴ
大量の岩が空中に舞い上がる
635
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:16:22 ID:S/SQL2ac
ドドドドドォン!!
陽炎「いっ!?」
ショタT「岩雪崩!?」
離島棲姫「岩雪崩は相手の場のポケモン複数にまとめて攻撃デキル技。そしてコレデ......」
ガクッ
ギャロップ「ギャ......ロッ......プ」バタッ
ギャロップは倒れた
陽炎「あたしのギャロップが......」
重巡棲姫「フン、やはり滅びの歌なんぞに頼るまでも無かったネェ!」
離島棲姫「そんなコト無いわよォ? ホラ、そこの子もご覧?」
モロバレル「ばれれっ......!」
モロバレルは怯んで動けない
ショタT「しまった......岩雪崩の追加効果か......!」
離島棲姫「加えてコノ瞬間、滅びのカウントは『0』にナル! 約束サレタ破滅の時間ヨ!」
モロバレル「ばっ......ば......れ......」
ショタT「モ、モロバレルっ!!」
バタッ
モロバレルは倒れた
636
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:18:19 ID:S/SQL2ac
陽炎「くそっ、時間切れってことね......」
ショタT「ありがとう。戻って、モロバレル......」
陽炎「ギャロップ、あんたも戻りなさい。ありがとね......」
ポゥン ポゥン
離島棲姫「サァ残りの手持ちを出しなサイ。まだコノ子達は戦い足りないデスッテヨ?」
重巡棲姫「コノ際だ、徹底的にヤリナヨ」
戦艦棲姫「存分に遊んでアゲナサイ!」
ゴォォォォオオオオオ
バンギラス「ギルルァッ!!」
ゴチルゼル「ゴチー!」
陽炎「............」
ショタT「............」
離島棲姫「アラ? 怖気づいちゃッタ? ゴメンナサイねェ、このお姉サン達怖い顔してるモノネェ......」
重巡棲姫「アタシらを見て言うなヨ」
戦艦棲姫「離島姉さんが一番怖がらせてるデショウ......」
陽炎「ふざけないで」
離島棲姫「?」
陽炎「そりゃあ、あたしだって最初は本気でやる気は無かったわよ」
陽炎「だからお互い程々におふざけして後はさっさとおさらば、って考えてたんだけどねぇ。でもいい加減............」
陽炎「舐めんじゃないわよっ!!!!」
離島棲姫&重巡棲姫&戦艦棲姫「......」
陽炎「......ショウタ、あんたも言いたい事あるなら言いなさい」
ショタT「ありがとう、でも陽炎が全部言ってくれたよ」
ショタT「僕らは、本気だよ!!」キッ
陽炎「そういうことよ」
離島棲姫「......ソレナラ私も、遊び抜きで本気で潰してアゲルのが礼儀ってモノカシラ?」
陽炎「やってみなさい。相手になるわ!!」
637
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:19:16 ID:S/SQL2ac
ショタT「これ以上、あの人たちに好き勝手はさせない! 僕の本気で、全力で迎え撃つ!!」
ショタT「頼んだよっ、ルカリオッ!!!」
ポゥン!
ルカリオ「ルカッ!」
陽炎「ここがあたしらの正念場よ。ここで引いたら、この陽炎の名が泣くわ!」
陽炎「さぁ、頼んだわよ!」
ポゥン!
陽炎「やっと出番よ! あたしの相棒、リザードン!!」
バサッ!
リザードン「リザァァァァァアアア!!!」ゴォォォオ
ショタT「リ、リザードン......?」
リザードン「ドン!!」キリッ
ショタT「カッコいいっ!!」パァッ
陽炎「ふふっ......バカ、まだ喜ぶ所じゃないでしょうが」
ショタT「あっ......う、うん! 切り替えて行くよ!」
638
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:20:07 ID:S/SQL2ac
離島棲姫「フゥン、ソレが貴方達の切り札?」
戦艦棲姫「イヤ、姉サンまだヨ! あのルカリオはッ!!」
ショタT「そうだ、まだだ!! ルカリオ、いい!?」
ルカリオ「リオッ!」
キラッ
ショタT「これが僕らの全力だ! メガシンカァァァ!!」
ルカリオ「ルゥゥゥゥゥゥ......!!」
ルカリオが光に包まれる
離島棲姫「何ッ!?」
陽炎「へぇ......」
ショタT「来い! メガルカリオッ!!」
メガルカリオ「ルゥゥゥゥカァッ!!!」 バァン!!
重巡棲姫「メガシンカだとッ!?」
集積地棲姫「こりゃぁビックリだナ......」モグモグ
戦艦棲姫「で、デモ安心しなさい、離島姉サン。私のバンギラスなら、あのメガルカリオの攻撃は耐えらレル!」
ショタT「......!」
離島棲姫「............成る程」
戦艦棲姫「ソウ。ヨプの実の効果で格闘技は半減デキル。以前もソウした様に、返り討ちにしてヤルワ!」
ショタT「くっ......」
キラッ
陽炎「それはどうかしら」
離島棲姫「?」
639
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:21:11 ID:S/SQL2ac
ショタT「陽炎......それってまさか......?」
陽炎「いつかこれを使わなきゃいけない時が来るとは思っていたけど、それが今とはね」
陽炎の手の中にあるメガストーンが光り輝く
陽炎「準備はいい!? リザードン!!」
リザードン「リザァッ!!」
陽炎「ニトロチャージで滾る闘志! 重なる想いでオーバーヒート!!」
陽炎「メガシンカァァァァッ!!」
リザードン「ザァァァァァ......!!」
リザードンが光に包まれる
カァァァァァァァ
離島棲姫「ンッ......!?」
戦艦棲姫「コ......」 重巡棲姫「コレハ......!!」
集積地棲姫「............砂嵐が......止んダ......?」
バンギラス「ギラッ!?」
ゴチルゼル「ゴチッ......!」
陽炎「これが、あたし達を勝利へ導く希望の光! 昇れ、灼熱の太陽!! メガリザードン『Y』!!!」
バサッ!
バサッ!
メガリザードンY「リィィィィィザァァァァァァアアアア!!!」ゴォォォォ
640
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:22:27 ID:S/SQL2ac
離島棲姫「ソノ姿ッ......!?」
ショタT「リザードンの......メガシンカ......!!」
陽炎「この瞬間、メガリザードンYの特性『日照り』の効果が発動!!」
メガリザードンY「リザァァァァッ!!」
カッ!!
日差しが強くなった
陽炎「このフィールドの天候を、砂嵐から晴天に書き換えた!さぁ、 やりなさいショウタ!!」
ショタT「そ、そうかっ!! ルカリオ、行くよッ!!」
メガルカリオ「ルゥゥゥゥゥ......!!」ゴゴゴゴ
ショタT「波導弾!!」
メガルカリオ「カァッッッ!!!」
メガルカリオから放たれた波導弾がバンギラスに飛んでいく
陽炎「砂嵐は、岩タイプのポケモンの特殊耐久を上昇させる効果がある!」
ショタT「つまり、砂嵐が止んだ今なら、バンギラスにより高いダメージを通すことが出来る!」
バァァァァン!!
バンギラス「ギラァァァァッ......!!!」
戦艦棲姫「マ......まだヨォッ!!!」
キラン
ヨプの実の効果でダメージを軽減する
バンギラス「ギ......ギラッ!!!」 ドン!
ショタT「まだ耐えれるのか......!!」
戦艦棲姫「良くヤッタワ! 確かにかなりダメージは食らったケド、持ちこたえたわヨッ!!」
離島棲姫「まとめて潰してシマエ! バンギラス、岩雪崩!!」
陽炎「残念ね、それはあんたらの方よ!」
離島棲姫「何ッ!?」
陽炎「リザードン、熱風!!」
メガリザードンY「リザァァァァァァアアアアアア!!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
バンギラス「バンギィィィィィイ......!!」ボオオオオオ
ゴチルゼル「ゴチィィィィイ......!!」ボオオオオ
641
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:23:56 ID:S/SQL2ac
陽炎「熱風の攻撃対象は、相手の場のポケモン2体! こいつでどうよっ!!」
戦艦棲姫「オノレェェェェ!!」
ガクッ
バンギラス「ギ......ラ......ス......」ドォン!
バンギラスは倒れた
ショタT「やった......!」
陽炎「いや、まだ早いわよっ!」
ゴチルゼル「ゴチィッ!!」カッ
離島棲姫「ソノ通りヨ! ゴチルゼル、ヤッテシマイナサイ!」
離島棲姫「サイコキネシス!!」
ゴチルゼル「ゴチィィィィイイイ!!!」
ゴチルゼルのサイコキネシス!
メガルカリオ「ルカァァァァァ......!!」ビビビビ
ショタT「ルカリオ!!」
メガルカリオ「リ......リオッ!!」キッ
ショタT「よし、まだ行けるね!」
陽炎「もう一踏ん張りよ! やるわよ!!」
離島棲姫「懲りナイ......子達............!!」
ポゥン
倒れたバンギラスをボールに戻す
離島棲姫「でも私には、マダこの子が残ってイル......お出で、メガギャラドス!」
ポゥン!
メガギャラドス「ギャラァァァァアア!!」 ドン!
642
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:25:03 ID:S/SQL2ac
離島棲姫「最早誰であろうと構わナイ。一匹でも多く沈めてヤルワ」
離島棲姫「メガギャラドス、滝登り! ゴチルゼル、サイコキネシス!」
メガギャラドス「ギャラァァァァァアア!!」
ゴチルゼル「ゴチィィィィイイイ!!」
ショタT「そうはさせない! ルカリオ、波導弾!!」
メガルカリオ「ルゥゥゥゥゥ......カァッ!!!」ゴオオオオオオオオ
メガルカリオの波導弾がメガギャラドスに発射される
バァァァァン!!
メガギャラドス「ギャラァァァッッ......!!」
戦艦棲姫「ソノ程度で、沈んでタマルカァッ!!」
陽炎「だったらこれでどう! リザードン、もう一度熱風よ!!」
メガリザードンY「リィィィィィザァァァァァァアアア!!!」
ゴオオオオオオオオオオ!!!
メガリザードンYから放たれた熱風が相手の場に吹き荒れる
メガギャラドス「ギャァァァァァァッ......!!!」ボオオオオオオ
ゴチルゼル「ゴチィィィィィ......!!」ボオオオオオオ
離島棲姫「ソ......そんな............」
キラン
メガギャラドスのメガシンカが解除される
ギャラドス「ギャ......ラ......」
ドォン!
ゴチルゼル「ゴ......チ......」
バタン
ギャラドスとゴチルゼルは倒れた
643
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:26:04 ID:S/SQL2ac
陽炎「............ふっ」ホッ
ショタT「や、やった......!」
メガルカリオ「ルカァッッッ!!!」キリッ
メガリザードンY「ザァァァァァァアアアアアア!!」ゴオオオオ
離島棲姫「負ケタ......私が......私の子ガ......」ガクッ
重巡棲姫「ぐぬぬぬっ..........ン?」
ボォォォォ
重巡棲姫「オイ集積......お前ソノ木の実......」
集積地棲姫「ア?」
木の実「」ボォォォォォオ
集積地棲姫「ア"ア"ア"ア"ア"ッ!! アタシの買い集めた木の実がァァァァァ! も、燃えテルゥゥゥゥウウ!?」
ザッザッザッ
戦艦棲姫「......ン?」
<キャッキャッ
(やけにハイテンションな奴とガタイのいい奴が楽しそうに走ってくる)
レ級「オイ姉御達! 見ろよ見ろよ! ナマコブシだゼ、ナマコブシ! コイツを投げて遊ぼうゼ!!」
ナマコブシ「(・大・)」
20inch連装砲くん「......!......!」
戦艦棲姫「ドコほっつき歩いてたノヨ! このお馬鹿サンたち!!」
レ級「歩いてたんジャネェ! 潜ってたンダヨ!! わざわざ潜ってコイツを拾ってキタンダヨォ!!」
ナマコブシ「(・大・)」
20inch連装砲くん「......♪」←大事にナマコブシを抱える
戦艦棲姫「ソレどころじゃナイノヨッ! 見なサイ!!」
レ級「ア......?」
ショタT「げっ」
レ級「ウゲェェェッ!? アノ時のガキィィィ!?」
20inch連装砲くん「!!??」
重巡棲姫「分かったらナラさっさと始末シナ!」
レ級「オウヨ!! 出てキヤガレ、ガオガエン!!」
20inch連装砲くん「......!!」
ポゥン ポゥン
ガオガエン「ガォォォオオオ!!」ドン!
ゾロア「ゾローッ!!」ポン
陽炎「ショウタ」
ショタT「うん」
陽炎&ショタT「逃げるっ!!!」ババッ
レ級「ナニィーーーーーーーッ!?」
644
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:28:15 ID:S/SQL2ac
波打ちぎわに向かって全力疾走する陽炎とショタ提督
重巡棲姫「ハァッ!? ナンデ逃げンノヨッ!!」
集積地棲姫「ゴチルゼルがやられたからダロ」
ゴチルゼル「ゴチィ............」グター
ショタT「もう影踏みの効果はないからね! 戻って、ルカリオ!」
メガルカリオ「リオッ」ポゥン
陽炎「あんたも戻りなさい、リザードン」
メガリザードンY「ドン!」ポゥン
陽炎「おいでマタ風! 準備はいいわねっ!」
マタ風(陽炎のマンタイン)「マンタッ!」
ショタT「僕のマンタイン! 本気で頼むよ!」
マンタイン「マンタ〜」
マンタインの背中に飛び乗る二人
陽炎&ショタT「全速前進!!」
マンタインたち「マァァァ、ンタァッ!!」カッ
二人の駆るマンタインが激しい水飛沫を上げ海上を滑っていく
____________
_______
___
645
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:29:25 ID:S/SQL2ac
ザァァァァァァ
ショタT「............追ってこないね」
陽炎「来たら返り討ちにしてやろうと思ったけど拍子抜けね。ま、別にいいけど、面倒だし」
ショタT「正直ホッとしてるよ。今になって急に疲れが回ってきたし......」
陽炎「悪かったわよ、色々無茶につき合わせて......って元は無茶してたのはあんたでしょうが」
ショタT「そうだったっけ......? もうよく覚えてないよ......」
ショタT「......あっ、そうだ! 元々は僕と陽炎でバトルしようって話になってたんだ」
陽炎「言われてみればそうだったわね。邪魔が入ったせいであたしもすっかり忘れてたわ」
ショタT「それじゃあ......」
陽炎「でもゴメン、もうそれ無し」
ショタT「えっ?」
陽炎「......あんた達とは、もっと相応しい舞台で、全力で戦いたい。今こんなところでやっても詰まらないわよ」
陽炎「それとショウタ、あんたの学校には自分より強い奴はいるの?」
ショタT「え? う、うん。いるけど」
陽炎「だったらまずはそこで一番になってみなさいよ。そしたらきっと、どこかでまた会える」
陽炎「その時を楽しみにしてるから」
ショタT「陽炎............うん、僕も楽しみにしてるよ!」
陽炎「期待してるわよ♪」ニコッ
続くったら続く
646
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:30:06 ID:S/SQL2ac
大淀博士「さーて今回のポケモンは」
大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ
No.6
大淀博士「No.6と言えば、そう、リザードンですね」
大淀博士「地上1400メートルまで羽を使って飛ぶことができ、高熱の炎を吐きます」
大淀博士「苦しい戦いを経験したリザードンの吐く炎はより強く燃え上がりますが、その炎を自分より弱いものに向けることはしないそうです」
大淀博士「それではリザードンさん、どうぞこの私で経験値を稼いで下さい。具体的に言うとまずウチさぁ、欲情してんだけど......」
リザードン「ザァァァァァ......!!」ゴォォォォオオオ
大淀博士「(めのまえが)すっげぇ白くなってる」
ここで一句
リザードン
かえんほうしゃで
焼いてかない?
大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」
647
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 20:32:17 ID:S/SQL2ac
次回
登場キャラ
>>648
ポケモン
>>649
648
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/07/30(火) 21:06:35 ID:zgbc69aI
リシュリュー
649
:
プトレノヴァインフィニティ
:2019/07/30(火) 21:07:32 ID:???
ラプラス
650
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/09(金) 22:37:41 ID:TnBoNm3w
(相変わらず亀進行なのは)未熟です
(新作発売までに畳めない可能性が)濃いすか?
651
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/09(金) 22:37:59 ID:TnBoNm3w
ザッザッ
静かな水面を背景に砂浜を歩く一人の女性
「Ultra-Chimere-01 Parasite」
「Zeroid」
「ふぅーん......本当に、こんなところにいるのかしら......」
_____________
________
____
652
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/09(金) 22:49:52 ID:TnBoNm3w
ザアァァァァァァ......
少年の駆るマンタインが海上を走る
ショタT「......どう、マンタイン? 僕もだいぶ上手く乗れるようになったでしょ?」
マンタイン「マンタ〜」
ショタT「ねぇ、もっと速く走れる? 今の僕達ならいける気がするんだ!」
マンタイン「マンタ〜」
ショタT「よしっ! じゃあ行くよ!」
マンタイン「マ〜〜〜......ンタァッ!!」
バシュッ!(加速)
ショタT「うわっ! ......っと......よし、大丈夫! まだまだ行けるよっ!!」
マンタイン「マ〜〜〜ン〜〜〜タァ〜〜〜!!」
ザアァァァ!(さらに加速)
ショタT「うおっ!! 凄い! 本当に風になったみたい!! さすがだよ、マンタイン!」
マンタイン「マンタ〜〜〜............ン?」
ザーッッッ!!(急停止)
ショタT「うわッッッ!?!?!?」 バシャァァアンッッッ!!!!
前方に吹っ飛ぶショタ提督
ブクブク............ザバッ!
ショタT「ゴホッゴホッ!! もう、マンタイン! なんで急に停止するの!?」
マンタイン「マンタ〜〜〜」クイッ
沿岸に向けて指(?)さすマンタイン
ショタT「......? ......あっちに何かあるの?」
砂浜に青いポケモンの姿が見える
ショタT「......あれって......ラプラス? ......あっ」
「すみませーーーーん!!!!!」
ラプラスの傍にいる少女が手を振り大きく声を上げる
吹雪「力を貸してくださーーーい!!!」
653
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/09(金) 22:51:27 ID:TnBoNm3w
-砂浜-
ザッザッザッ
浜辺に横たわるラプラスに駆け寄るショタ提督
ショタT「これは......」
吹雪「す、すみません! 失礼なのは承知ですが、どうかこの子を助けてあげられませんか?」
ラプラス「ラプ......」ズキッ
ショタT「ひ、ひどい傷だ......」
吹雪「とにかく何でもいいです、キズぐすりか何かがあれば......」
ショタT「う、うん、待ってて! これでどう?」
すごいキズぐすりを使った
・・・ ・・・
吹雪「............どう、ラプラス、大丈夫?」
ショタT「............」
ラプラス「............ラ〜〜♪」ニコッ
ショタT「よかった、効いたみたいだね」
吹雪「ほっ......良かったぁ......」
吹雪「自己紹介が遅れました。私、吹雪って言います。本当にありがとうございます」
ショタT「僕はショウタ。このラプラスは君のポケモン?」
吹雪「いいえ、この子は野生のラプラスです。私がここを通ったとき、苦しそうに横たわっているのを見かけたんです」
吹雪「あいにく薬の類を持ち合わせていなくて......あなたが来なかったら大変なことになってたかも......」
ショタT「そっか、力になれてよかったよ!」
吹雪「......でも、何でかな」
ショタT「?」
吹雪「私の知ってる限りでは......この海域にはラプラスの天敵になるような強い野生ポケモンはいないんですよ」
ショタT「......それって」
吹雪「悪いトレーナーにでも襲われたのかなぁ......ともかく心配」
654
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/09(金) 22:52:31 ID:TnBoNm3w
「 Laplace? 」
吹雪「ひゃっ!?」
ショタT「!」
二人の背後から女性の声がかかる
「人の名前みたいね。私の国では“Lokhlass”って呼ぶわ」
ショタT「......あなたは?」
リシュリュー「リシュリューよ。Bonjour!」
吹雪「えっ!?......えぇっと......ぼ……」
ショタT「ぼ......ボンジュー、ル......?」
リシュリュー「ふふっ♪ 『こんにちは』よ。 ねぇ、ところでその子を見せてもらえる?」
吹雪「ラ、ラプラスをですか......? すみません、この子はケガをしていて......」
リシュリュー「だから気になるのよ。見せてくれるわね?」
吹雪「は、はい......」
ショタT (大丈夫かな......)
ラプラス「ラ?」
リシュリュー「..................成る程ね」
ショタT「......?」
リシュリュー「あなたたち、もうお家に帰りなさい」
吹雪&ショタT「えぇっ!?」
吹雪「な、なんですか急に!?」
ショタT「何か事情があるなら説明してください!」
リシュリュー「適当に嘘ついて誤魔化すつもりはないわ。でも本当のことも喋れない。秘密事項だからね」
リシュリュー「ともかくここは今危険なの。あなたたちのために助言してるんだから、言うこと聞きなさい」
吹雪「そ、そんな......」
リシュリュー「......さてと、どうしたものかしらね」
水平線に視線を投げるリシュリュー
ショタT「............いる」
リシュリュー「?」
655
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/09(金) 22:53:33 ID:TnBoNm3w
ショタT「お姉さんの視線の先に、あなたが探してる何かがいるんですね。 そして、それがラプラスを傷つけた犯人!」
吹雪「!」
リシュリュー「え? ......えぇっ!?」
ザッ!
海に向かって走り出すショタ提督
ショタT「来て、マンタイン!」
マンタイン「マンタ〜」ザバァン
海中から飛び出すショタ提督のマンタイン
リシュリュー「ちょっと! 私の話聞いてたっ!?」
吹雪「私も! おいで、マタ雪!」
マタ雪「マンタァ!」ザバァン
何処からともなく出現する吹雪のマンタイン
リシュリュー「ど、どういうことよ!! ふ・ざ・け・な・い・で!!」
ショタT「お姉さん悪い人じゃなさそうだから、ラプラスのこと頼みます!」
吹雪「私からもどうかお願いします!」
スタッ
ショタT「準備OK! マンタイン、行くよ!!」
マンタイン「マンタ〜ッ!!」バシュッ!
吹雪「準備完了!マタ雪、発進!!」
マタ雪「マンタァッ!!」バシュッ!
二人のマンタインが水平線の向こう側に走っていく
リシュリュー「勝手になにしてんのよ!! 言うこと聞かない子供、キ・ラ・イっ!!」
続く
656
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/11(日) 21:02:51 ID:WDQtZ/RU
リシュリュー「まっ、待ちなさい! あのお馬鹿さんたち......!!」
リシュリュー「あなたたちのような子供に『あの子』は危険すぎる......私が行かないと行けないのにっ!!」
ツンツン
リシュリュー「?」
ラプラス「............ラプ!」
リシュリュー「............Lokhass......ダメよ、あなたはまだ傷が」
ラプラス「......!!」キッ
リシュリュー「......そうよね......分かった、私に任せなさい」
〜海上〜
ザァァァァァァ......
マンタインを走らせるながら言葉を交わす二人
ショタT「......ねぇ、吹雪ちゃん?」
吹雪「なに?」
ショタT「悪いけど、危険な目に遭っても責任は取れないよ。本当について来てよかったの?」
吹雪「だったら尚更。ショウタくん一人に危ないことはさせません!」
吹雪「あなたはラプラスの恩人だから......どんな悪い人がいるのか知らないけど、がんばります!」
ショタT「いや、でも......」
吹雪「もしかしてショウタくん、ラプラスを襲った犯人に心当たりがあるんですか?」
ショタT「確信はないけど......この妙な感じ、前にも......」
吹雪「?」
ショタT「あのときは凄く怖かった。でも僕達は強くなった。次こそは......」
ショタT「!!」
657
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/11(日) 21:04:17 ID:WDQtZ/RU
ショタT「吹雪ちゃん、気をつけて! やっぱりいる!!」
吹雪「えっ、何が!?」
周囲に目を凝らす
ショタT「どこだ......!」
吹雪「............!! ショウタくん、下!!」
ショタT「ハッ!? マンタイン、よけてっ!!!」
マンタイン「マンタッ!!」ザッ
即座に舵を切る
それに僅かに遅れ、さっきまで自分がいた場所に閃光が走り
バァアアアン!!!!
激しい水飛沫が立ち上る
吹雪「きゃぁぁぁぁっ!?」
ショタT「攻撃っ!? あれは!!」
『パワージェム』
宝石のように煌く光を発射して相手を攻撃する。
技の主が水の底から浮上する
水飛沫が静まってゆくにつれ、その姿が顕になってゆく
吹雪「このポケモンは......!?」
ウツロイド「ウツ〜〜〜!」
658
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/11(日) 21:05:43 ID:WDQtZ/RU
ショタT「やっぱりコイツだ!!」
吹雪「ショウタくん、この子、何者!? 初めて見たんだけど!」
ショタT「正直、僕も分からないんだ。分かるのはこいつがラプラスを襲ったこと、今は僕らが襲われてるってこと!!」
ウツロイド「ウツ〜〜」キラッ
ウツロイドの体が発光する
ショタT「でも臨むところだよ。 強くなった僕の仲間達が相手だ!」
ショタT「出て来い! スターミー!!」
ポゥン!
スターミー「ヘアッ!!」
ウツロイド「ウツーーーーッ!!」カッ!!
ショタT「サイコキネシス!!」
スターミー「シュゥゥゥワッチ!!」カッ!!
バアアアアアアン!!!
両者の攻撃がほぼ同時に炸裂する
スターミー「デュワァァァァッ!?」
ウツロイド「ロイ〜〜〜〜っ!?」
ショタT「スターミー、大丈夫!?」
スターミー「へ......ヘァッ!!」
ショタT「よし! もう一度!」
吹雪「待って! 焦っちゃダメだよ、落ち着いて!」
ショタT「ここで引く訳にはいかない......!」
吹雪「そうじゃないの。今の相手の攻撃、かなり強力だったよ。このまま普通に撃ち合ったら負けちゃう!」
吹雪「だからもっと上手く立ち回るの。ショウタくん、マンタインを走らせて、スターミーと一緒に私に着いて来て!!」
ショタT「えっ!? う、うん!!」
659
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/11(日) 21:06:35 ID:WDQtZ/RU
ウツロイド「ウツ〜〜〜〜!」キラッ
ウツロイドが再び攻撃の態勢に入る
ショタT「行くよマンタイン、スターミー!!」
マンタイン「マンタァッ!!」バシュッ!
スターミー「ヘアッ!!」バシュッ!
ウツロイド「ロイッ!!」カッ!!
ザバァァァァン!!
パワージェムの着弾箇所に水柱が立ち上るが、既にそこにスターミーの姿はない
ウツロイド「ウツ?」
ザァァァァァァァ!!
ショタT「よし、かわせた!!」
吹雪「ショウタくん、もしかしてマンタインに乗りながらバトルしたことない?」
ショタT「う、うん、ないけど......」
吹雪「サーフバトルは勝手が違うの。限られたフィールドで技を出し合う通常のバトルでは、技を当てるのは簡単で、かわすのは難しい」
吹雪「でもこの広い海上なら、トレーナー自身がマンタインに乗りながらポケモンと共にフィールドを駆け回ることで」
ショタT「そうか! 相手の攻撃を避けながら攻撃することが出来る!!」
吹雪「そう、でもそれは相手も同じ。だから根気が必要。集中力を切らした方が負けだよ!」
ショタT「やってやる! いい、スターミー!?」
スターミー「ターッ!!」
660
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/11(日) 21:07:44 ID:WDQtZ/RU
ウツロイド「ロイ〜〜〜」
ウツロイドが追ってくる
漂うように、音も波も風も立てずに、それでいて驚くほどの速さで迫る
吹雪「不気味......でも怖がっちゃダメよ、私......!」
吹雪「ショウタくん、あの子はまた私達を攻撃してくるよ。 でもそれが反撃のチャンス!」
ショタT「うん......!」
ウツロイドの体が発光し始める
吹雪「来るよ............回避ッ!!」
ザバアアアン!!
かなり近い位置に水柱が立ち、海水が顔にかかる
ショタT「くっ......!!」
吹雪「怯まないで! そのまま反転!!」
ショタT「行くよスターミー、サイコキネシス!!!」
スターミー「シュゥゥゥワッチ!!」カッ!!
ウツロイド「ロイッ」フワッ
バシャァン!!
ウツロイドに向けて放ったサイコキネシスは海水だけを吹き飛ばし、本体は空高く上昇して攻撃をかわした
吹雪「ショウタくん、今度は上!!」
ショタT「分かってる!」
吹雪「......?......待って!」
ショタT「!?......マンタイン、ストップ!」
マンタイン「マンタ〜」ザザーッ
ショタT「......何だろう?」
ブン
ブン
ウツロイド「ウゥゥゥゥゥゥ......ツゥゥゥゥ!!」
上空のウツロイドが妙な動きを始める
小刻みに体を揺さぶったかと思えば、今度は触手を大きく振り回す
それは見えない何かをばら撒いている様にも見えた
661
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/11(日) 21:08:41 ID:WDQtZ/RU
吹雪「ショウタくん、あれって......?」
ショタT「よく分からないけど......やるなら今だ!!」
吹雪「でも、かなり高いところにいるよ! スターミーの攻撃届くかな?」
ショタT「やってみせる! スターミー、行くよ!」キラッ
スターミー「ヘァッ!」
ショタT「吹雪ちゃん、かなり大きい波が起きるよ! 気をつけて!!」
吹雪「えぇっ!? う、うん!!」
ショタT「スターミーが解き放つ、全力のZワザ!! ワールズエンドフォール!!」
スターミー「タァァァァァァァ......!!」カァァァァァ
ゴゴゴゴゴ......
ウツロイド「ウツ?」
ウツロイドの頭上に巨大な岩が出現する
ショタT「避けれるもんなら避けてみろっ!!」
スターミー「シュゥゥゥゥゥゥワッチ!!」 カッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォオォ!!
ウツロイド「ウ......!! ウツーーーーッ!!!???」バキィッ
巨大な岩がウツロイドの頭に乗っかる形で直撃し、そのまま海面めがけて落下をする
662
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/11(日) 21:09:47 ID:WDQtZ/RU
吹雪「凄い! ショウタくん、Zワザが使えるんだ!!」
ショタT「そうだよ! あいつのパワージェムも強かったけど、僕のスターミーはもっと強いよ!」
ゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオ!!!
ウツロイド「ウ......ウツ......!」ググググ
海面がすぐそこに迫る
ショタT「そのまま海の底まで沈めっ!!」
着水
と思われた、次の瞬間
ウツロイド「ロ"イ"ト"ッッッ!!!」カッ!
ゴゴゴオオオ!!!
ゴゴゴォォォ
・・・ ・・・
ショタT「え......」
恐ろしいほどの静寂
海上の波は依然として穏やか
そして目の前には
ウツロイド「ウゥゥゥゥゥゥゥ......!!」
巨大な岩石を頭に載せたまま海上で静止するウツロイドの姿
663
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/11(日) 21:10:39 ID:WDQtZ/RU
吹雪「う……受け止めた......!?」
ショタT「ま、まずい......絶対にまずい!! スターミー逃げてっ!!」
スターミー「ヘァッ!?」
ウツロイド「ウゥゥゥツァッッッ!!!」カッ!
炸裂音
ウツロイドの頭上の岩塊が砕け散り小石の雨を降らせる
それと同時に、ウツロイドの体から放たれた光線がスターミーの体を貫く
ピコンピコン......ピコ......ピ......
ショタT「......そ......そんな......」
スターミー「へ......ヘァッ......」
スターミーは力尽きた
『ミラーコート』
相手受けた特殊攻撃のダメージを2倍にしてその相手に返す。
続く
664
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/14(水) 22:31:43 ID:efcJT/w.
ショタT「ス、スターミー......」
スターミー「へ......ヘァッ......」
スターミーは力尽きた
ショタT「......ありがとう、良く頑張ってくれたね。戻って」
ポゥン
吹雪「Zワザを受け止めて、その力をはね返すなんて......」
ショタT「凄い耐久力だ......はっ!?」
ウツロイド「ウゥゥゥゥゥツゥゥゥ!!」カッ
ウツロイド周囲に赤いオーラがあふれ出す
吹雪「な、何が起こってるの......」
ショタT「力を増したように見える......ともかく、僕らにとってはあまり良くないのは確かだね」
ウツロイド「ウ〜〜〜ツ〜〜〜」
サーッ
不気味なほど静かにウツロイドが迫ってくる
吹雪「ま、また来る!」
665
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/14(水) 22:33:10 ID:efcJT/w.
ショタT「でも、確実に体力を削れてるはず。スターミーの頑張りを無駄にしない為にも、攻撃あるのみ!!」
ショタT「頼むよ、オオスバメ!!」
ポゥン!
オオスバメ「スゥゥゥb」
グサッ
オオスバメ「バッ......!?」ズキッ
露骨に表情を歪めるオオスバメ
ショタT「......!? オオスバメ、どうしたの?」
ウツロイド「ロイ〜〜!」スーッ
吹雪「ショウタくん、もうそこに!」
ショタT「っ!? オオスバメ、まずはアイツから距離をとるよ!! 僕らに着いて来て!」
オオスバメ「スッ、スバッ!」コクッ
ショタT「行くよ吹雪ちゃん。マンタイン、頼むよ、発進!!」
マンタイン「マ〜〜〜ンタッ!!」
発進する、その直後
スパッ
マンタイン「......ンタッ!?」ビクッ
停止する
自分を駆るトレーナーの異変に気付く
マンタイン「マ......マンタ......?」
吹雪「......ど、どうしたの?......きゃああああっ!?」
ショタT「............っ............」
左脇腹辺りに違和感がある
目をやると、服が破け赤く染まっている
激痛
666
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/14(水) 22:34:12 ID:efcJT/w.
ショタT「ぐっ............ぁっ..........!!」
音にならない悲鳴、かろうじて搾り出すような声だけが洩れる
吹雪「ショウタくんっ!!!!」
ショタT「っ......来ないでっ!!! そこをっ......動いちゃっだめ......だっ......!!」
吹雪「はっ......!!」
空中に浮かぶ『何か』に鮮血が付着している
それにそっと手を伸ばす
吹雪「......いたっ!」
とがった岩が皮膚に食い込む
吹雪「そうか、これが!!」
ショタT「はぁっ......はぁっ......はぁっ......!!」
必死で呼吸を整えながら考える
さっきウツロイドが上空で見せた謎の挙動
オオスバメの苦悶の表情
今、自分の体を襲っている激痛
全てが頭の中で繋がる
『ステルスロック』
相手の周りに無数の岩を浮かべて出てきた相手のポケモンにダメージを与える。
667
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/14(水) 22:35:19 ID:efcJT/w.
ウツロイド「ウツ〜〜〜〜」
ウツロイドが迫る
吹雪「ショウタくん! アイツが来る、しっかりして!!」
ショタT「はぁーっ......はぁーっ......わ......分かってる......っ......オオスバメッ!!」
オオスバメ「スバァッ!!!」
ショタT「もうわざわざ逃げ回ったりなんかしない......ここで正面から......」
ショタT「倒すっ......!! オオスバメの攻撃......! ブレイブバードッ!!!」
オオスバメ「スゥゥゥゥバァッッッ!!」
オオスバメのブレイブバード!
ウツロイド「ウツッ〜〜〜!?」ドゴッ!
ショタT「どうだっ!?」
ウツロイド「ロ......ロイッ!!!」カッ
吹雪「ま、まだっ......!」
ショタT「手応えがない......そうかっ......!」
ウツロイド「ウツゥゥゥゥ!!」キラッ
発光
オオスバメ「スッ!?......スバァァァァッ!?」
ウツロイドから放たれる閃光がオオスバメを襲う
ショタT「オ......オオスバメ......」
オオスバメ「ス......バ......」
ザバン
力なく着水し、ただ海面を漂う
オオスバメは力尽きた
668
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/14(水) 22:36:53 ID:efcJT/w.
ウツロイド「ウゥゥゥゥツゥゥゥゥ!」グーン
ウツロイドの体から再び赤いオーラをがあふれ出しより力を増す
ショタT「はぁっ......はぁっ......はぁ......戻って、オオスバメ......」
オオスバメ「ス......」ポゥン
ショタT「はぁーっ......はぁー............ん?......吹雪ちゃん......?」
吹雪の手がショタ提督の体を支えている
吹雪「安心して、ここにいるよ」
ショタT「はぁー......ありがとう、吹雪ちゃん............」
ウツロイド「ウツ〜〜〜」
ゆっくりと迫る
全身の触手が舌なめずりをするように蠢きながら
ショタT「来い......まだ僕らは戦えるよ......」
吹雪「ま、まだやる気なの......?」
ショタT「はぁはぁ......大丈夫、任せてよ......」
ショタT「さっきのオオスバメの攻撃で......確信出来た」
ショタT「最初は見た目に騙されたけど......アイツ......岩タイプのポケモンだ」
ショタT「はぁー、はぁー......でもそれなら大丈夫。僕の相棒......ルカリオなら、岩タイプに有利に戦える。これで、トドメをさせる......」
吹雪「......ル、ルカリオって、あのルカリオ?」
ショタT「はぁ、はぁ......ほ、他にどのルカリオがいるのさ......」
吹雪「ね、ねぇショウタくん......私の知ってるルカリオは......海では戦えない......」
ショタT「..................」
海
海
海
目に映るのは見渡す限りの水平線
唯一匹、眼の前に対峙するアイツを除いて
ショタT「ルカリオが......戦えるフィールドが......無い......?」
続く
669
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:28:41 ID:DvUWV9cU
ショタT「......ルカリオが戦えるフィールドがない......!?」
ウツロイド「ウツ〜〜〜」スーッ
敵が眼の前に迫る
ショタT「ハァー......ハァー.....そ、そんな......」
少年の全身から恐怖の念が湧き出すかのように大粒の汗を作っていく
吹雪「......」
グッ
ボールを握り締める
吹雪「大丈夫、私がやる」
ウツロイド「ロイーーーーッ!!」
ウツロイドが襲いかかる
吹雪「私が、あなたを護るんだから! さぁお出で!!」
ポゥン!
吹雪のボールから出てきたポケモンがウツロイドに飛び掛る
吹雪「ジュゴン! ねこだまし!!」
ジュゴン「ゴン!!」
パチン!
ウツロイド「ウツッ!?」ビクン
ジュゴンの攻撃に怯んだウツロイドが動きを止める
670
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:29:46 ID:DvUWV9cU
吹雪「お前は私が落とす! ジュゴン、潮水!!」
ジュゴン「ジュゴォォォォオ!!」バァァァァ
ウツロイド「ウツ〜〜〜〜」ヒョイッ
ジュゴンの攻撃を後方に下がりつつかわし再び距離を離す
ショタT「ハァ......ハァ......まずい、あの距離じゃあ......こっちの攻撃は簡単に避けられる......」
吹雪「くっ......!!」
ウツロイド「ロイ〜〜〜」
発光
パワージェムの構えを見せる
吹雪「だったら狙いなんかつけない! お願い、当たって!!」
吹雪「ジュゴン、凍える風!!」
ジュゴン「ゴォォォオオ!!」
ウツロイド「ウツッ!!」カッ
ジュゴンの放つ凍える風が前方広範囲に広がる
その冷気の流れに逆らう形でウツロイドの撃った光弾がジュゴンめがけ飛んでゆく
バァァァン!!
直撃
ジュゴン「ジュゴォッ......!?」ズキッ
吹雪「ジュゴン! しっかりして!」
キシ キシ
ウツロイド「ウツッ......!?」ブルルッ
ウツロイドの体表が氷結し、動きが鈍くなる
671
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:31:00 ID:DvUWV9cU
吹雪「ダメだ......強い......!!」
ジュゴン「ゴ、ゴン......」
サバン
ジュゴンは力尽きた
ショタT「ハァー......ハァー......」
ジュゴンの体にとがった岩で傷つけられた裂傷が見える
周辺には依然として見えない岩が漂っている
吹雪「......戻って、ジュゴン」
ポゥン
ショタT(......やっぱり......この岩のせいで......)
傷口を押さえ、痛みも押し殺しながら少年は考える
見えない岩を注意深く掻き分けて安全な海域まで離脱するか
ウツロイド「ウツ〜〜〜」
多分アイツが許してくれない
ダメージ覚悟で猛スピードで逃げるか
吹雪「......ショウタくん」
あの子を自分と同じ目に遭わせる訳には行かない
ショタT「ハァーハァー......ハァーハァー......」
ウツロイド「ウツ〜〜〜〜〜〜〜〜」
凍える風で鈍くなった体で、ゆっくりゆっくりとこちらに近づいてくる
672
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:31:58 ID:DvUWV9cU
ショタT「吹雪ちゃん、周りの岩に注意して、逃げて............」
吹雪「!? そ、そんなっ......」
ショタT「見て......僕にはまだ......ハァー......これがあるよ......」
空のモンスターボールを見せる
ショタT「ハァー......もしかしたら、ゲットできるかも......」
吹雪「ダメだよっ......危な過ぎる......!」
吹雪の目から涙が落ちる
ショタT「お願いがある............帰ったら、あのお姉さんにゴメンなさいって......僕の分まで......」
吹雪「そんな......!!」
「やっ!と!見つ!け!たっ!!」
ウツロイド「ウツッ!?」
ショタT「はっ......!?」
吹雪「この声は!?」
ザアアアアアアッ!!
一人の女性を乗せたポケモンが海上を走ってくる
ラプラス「ラァァァァ!!」ザァァァァ
リシュリュー「私がやる! どきなさい!!」
673
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:32:55 ID:DvUWV9cU
吹雪「ラ、ラプラス、いけないっ! 今ここは危険です!!」
リシュリュー「んー......? 止まりなさい、Lokhass!」
ラプラス「ラプっ!?」ピタッ
目を凝らす
目では見えないそれを確かに捉える
リシュリュー「“Piege de Roc”......成る程、手負いのこの子で近づくのは危険ってことね」
ラプラス「ラ、ラプ......」
リシュリュー「だけどこの位置からでも、何も出来ない訳じゃないわよ。あなたたち! 戦えるポケモンは残ってる!?」
ショタT「......!」コクッ
吹雪「は、はい!......でも、足場がないんです! ショウタくんのポケモンが立つことの出来る足場が!!」
リシュリュー「足場?......分かったわ......」
リシュリュー「“ Laser Glace ”!!」
ラプラス「ラァァァァッ!!」カッ
ラプラスの冷凍ビーム!
674
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:34:02 ID:DvUWV9cU
ピキピキピキピキピキピキ!!!
氷点下の冷気が走る
しかし攻撃はウツロイドの明後日の方向に飛んでいく
ウツロイド「うつ〜?」
吹雪「ダメ! 全然当たらない!!」
ショタT「いや、違う......!」
リシュリュー「見てごらん。勝利への航路は、誰かに与えられるものでなく、自ら切り開くものよ!」
リシュリュー「現れなさい! 未来を導くサーキット!!」
ラプラスから放たれた冷凍ビームは海上に線を描き
吹雪「......あっ!!」
ショタT「これだっ!!」
氷の台地が眼前に広がっている
リシュリュー「どう、分かったかしら?」
ショタT「......条件は揃った。頼むよ......ルカリオ!」
ポゥン!
スタッ
ルカリオ「ルカァッ!!」
氷上に立つルカリオ
675
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:34:58 ID:DvUWV9cU
ショタT「僕らの想いは......波導の力を操る勇者へと受け継がれる! メガシンカ!!」
ルカリオ「ルゥゥゥゥ......!!」
ルカリオが光に包まれる
ウツロイド「ウツ?」
ショタT「来い、メガルカリオ!!」
メガルカリオ「カァッッッ!!!」
ウツロイド「ウッ......!?」
サーッ
ウツロイドがメガルカリオから距離をとろうとする
吹雪「まずい、また逃げる気だよ!」
ショタT「いいや、逃がしはしない......絶対にっ!!」
ショタT「行くよっ......ルカリオの攻撃......波導弾!!!」
メガルカリオ「リィィィィィオッッッ!!!」ゴオオオオオオ!!
メガルカリオからウツロイド目掛けエネルギー弾が放たれる
ウツロイド「ロイッ!!」ヒョイッ
ウツロイドが避けようとする
しかし
ウツロイド「ロイッ......ロイッ?......ロイッ!......ロイッ!?」ヒョイッヒョイッヒョイッヒョイッ
ウツロイドの動きに合わせ波導弾が追尾してくる
ショタT「無駄だよ......波導弾は......ポケモンの持つ波導の力に引き寄せられて......どこまでも追い続ける!!」
ウツロイド「ロ......ロイ〜〜〜ッ!?」
バアアアアアアン!!
ウツロイドに波導弾がヒットする
676
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:35:42 ID:DvUWV9cU
ショタT「はぁー......はぁー......」
吹雪「............!」
リシュリュー「......」
ウツロイド「ウッ......ツ〜〜〜......!」シュウウウウ
煙を上げ満身創痍となりながらも、今だ空中に留まるウツロイド
ショタT「こ......こいつ......まだ落ちないっ!?」
吹雪「そんなっ!?」
リシュリュー「......でも、ここまでのようね」
キッ
キッ
ギュイン!
突如、空中にワームホールが出現する
ショタT「っ!?」
ウツロイド「ロイ〜〜〜〜......」スーッ
ウツロイドはワームホールに消え、海は本来の姿を取り戻した
静かな海に
677
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:36:39 ID:DvUWV9cU
〜砂浜〜
ショタT「......いたっ!」
リシュリュー「応急処置よ。これで終わりじゃないからね。さっさと帰って手当ての続きをするわよ」
ショタT「あ、ありがとうございます......」
吹雪「ポケモンセンターならすぐ近くにあるよ。どう、歩けそう?」
ショタT「もう大丈夫だよ」
リシュリュー「そんなわけないでしょうがっ」グイッ
ショタT「んえっ......!?」
リシュリューに担がれるショタ提督
ショタT「さ、さすがにこの格好で連れて行かれるのは......///」
リシュリュー「ワガママ言うんじゃないわよ、まったく......ん?」
ラプラス「らぷー」
リシュリュー「あなた。あの子が呼んでるわよ」
吹雪「......? ......ラプラスが?」
ザッザッ
ラプラスに近寄る吹雪
ラプラス「らす〜〜〜」
吹雪「............あなたも、私と一緒に......来たいの?」
ラプラス「ら〜♪」
吹雪「ふふっ♪ ありがとう。はいっ、モンスターボール」
ポゥン
ヌッ ヌッ ヌッ
カチッ!
吹雪「......ラプラス......ゲットですっ!」
どこからともなくラプラスの歌声が聞こえる
続くったら続く
678
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:37:25 ID:DvUWV9cU
大淀博士「さーて今回のポケモンは」
大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ
No.131
大淀博士「No.131と言えば、そう、ラプラスですね」
大淀博士「人の言葉を理解する高い知能を持ち、海の上を人を乗せて進むことを好みます」
大淀博士「密漁で絶滅が危惧されたため保護の対象となっていますが、地域によっては逆に増え過ぎているそうです」
大淀博士「私個人としては乗るのも乗られるのも好きなんですけどね。ラプラスさんは騎上位ってのは、したこのないんですか?」
ラプラス「ラプー!」
ドォン!!!
ラプラスの のしかかり!
大淀博士「乗るのも大好きだそうでs」ムギュー
ここで一句
ラプラスと
いつでもどこでも
ラブプラス
大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」
679
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:41:02 ID:DvUWV9cU
次回
登場キャラ
>>680
ポケモン
>>681
680
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 22:42:13 ID:X/0zRo.6
タカオ(アルペジオ)
…一応コラボした仲ということで…だめなら安価下
681
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 23:32:15 ID:fadaRNOI
ブラッキー
(艦娘も必要なら秋月)
682
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/15(木) 23:47:34 ID:DvUWV9cU
>>680
>>681
うけたまりっ!
基本的に上の安価は艦これキャラ以外は対応出来ないつもりですけどアルペキャラならまぁ行けます、あんまメインで書けないかもしれませんが…
(既に安価外のキャラをメインで書くことが多いのはゆるして)
683
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 07:32:21 ID:Op/oQJ66
まず謝罪
今回のエピソードで
>>680
の安価は捌けませんでした...(小声)
いつ拾えるか分かりませんが遠くならないうち登場させたいです、書きたいキャラではあるので
今後も場合によっては安価を見送ったりするかもしれませんがどうかご了承下さい
(では書けた分だけで投下して)イッキーマウス...
684
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 07:33:23 ID:Op/oQJ66
朝
スー......スー......
建物内の一室で少年が静かに寝息を立てている
ガラッ
トッ トッ
そこに静かに歩み寄る少女
吹雪「......」
ショタT「すー............」
吹雪「......あっ......朝だよ、ショウタくん。起きて」
ショタT「............あ......うん......」
億劫そうにかけ布団をどける
吹雪「昨夜は寝付けなくて辛いと思うけど......朝ご飯、出来てるからさ」
吹雪「あ、服、脱がすよ......?」
ショタT「............?」
吹雪「いやっ! そ、その......傷あて、新しいのに変えるだけ、だから......ね......?」
ショタT「......そっか......」
左の脇腹に手を当てる
昨日の戦闘で付いた傷を医療用の傷パッドが覆っている
傷はさほど深刻ではなく、肉が抉り取られるような痛みはもう無い
吹雪「ちょっと痛むけど、我慢してね......」
ショタT「......っ」
吹雪「......はい、終わり」
ショタT「......ありがとう......」
吹雪「立ち上がれる?」
ショタT「うん......っと......」
よろめく体を支えてもらいながら歩きだす
ショタT「ねぇ......吹雪ちゃん」
吹雪「なぁに?」
ショタT「本当にありがとう......」
吹雪「............私の方こそ」
685
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 07:34:08 ID:Op/oQJ66
〜テラス席〜
吹雪「ほら、あちらに」
ショタT「......あ」
サングラスをかけた一人の女性がイスに腰掛けている
テーブルには異国の香り漂う朝食が並べられている
リシュリュー「フーン。案外Vacancesで過ごすには悪くないトコかもねぇ」
リシュリュー「ただ......Cafeの一つもないなんて、どんだけ田舎なのよ」
吹雪「あぇっ!?......す、すみません、何もない所で......」ペコリ
リシュリュー「あらっ、来てたの? というかあなたが謝る必要ないでしょう」
リシュリュー「ん?」
ショタT「......昨日は、ありがとうございました......」ペコリ
リシュリュー「ふん。礼ならそっちに言いなさい。夜通しあなたの面倒見てあげてたのよ?」
ショタT「えっ......?」
吹雪「えぇっ!? 言わなくていいですからっ......///」
リシュリュー「分かったから、さっさとお食べ。冷めるわよ」
(着席)
ショタT「頂きます......んっ」モグッ
吹雪「もぅ、いただきますっ......はむ」モグッ
吹雪「......こ、これ!」
ショタT「おいしい......」
ガツガツモグモグ
リシュリュー「ふふっ、沢山食べて、早く元気つけなさい」
♪♪♪
リシュリュー「んー? 連絡?」
リシュリュー「......あら、客人がお見えね」
686
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 07:34:57 ID:Op/oQJ66
陸奥「ボンジュール♪ で良かったかしら、リシュリューさん?」
リシュリュー「Bonjour. 別に気遣わなくていいわよ。おはよう、陸奥」
リシュリュー「で、そっちの子は?」
陸奥「さ、自己紹介をお願い」
後ろにいる少女が前に出る
秋月「秋月です。陸奥さんの下でご指導を頂いております」
陸奥「優秀な子よ。いずれ立派なレンジャーになれる。あなたからも助言をくれると助かるわ」
リシュリュー「ふーん、よろしくね」
秋月「よろしくお願いします」
陸奥「......急に本題に入るけど、『例の子』に遭遇したと言うのは本当?」
リシュリュー「遭ったわよ。けど先を越されたわ。ほら、そこの」
陸奥「......あら?......あらあらあら!」
ショタT「......モグモグ......ん?」
陸奥「あーなーたー、いつぞやのやんちゃな少年じゃない。ここで何してるのー?」
陸奥「分かった。ま〜た大人のお姉さんを困らせるようなことしたのね? 本当に、イケナイ子」
ショタT「あ......はい......」
陸奥「あ、あら?」
ショタT「......すみません」ペコリ
陸奥「............」
ポン
少年の頭を撫でる陸奥
ショタT「えっ......」ナデナデ
陸奥「怖かったのね。でも大丈夫、もう私たちが傍に居るから」
ショタT「......ありがとうございます」
陸奥「ふふっ♪ そこのお嬢さん? あなたもこの子と一緒に?」
吹雪「......えっ? あっ、私ですか!?」
リシュリュー「昨日からずーっと一緒よ。その若妻は」
陸奥「あらあら」
吹雪「んえぇぇっ!!??///」
687
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 07:35:43 ID:Op/oQJ66
リシュリュー「折角の朝食よ。あなたたちも一緒にどう? 今cafeを淹れるわ」
陸奥「それじゃあお言葉に甘えて♪ さ、秋月さんも」
秋月「えっ、あ、秋月にはそのようなおもてなしは......勿体無いです......」
陸奥「ダメです。こういうのは断る方が失礼よ。ありがたくご馳走にならなくちゃ」
秋月「そ、それでは......」
(着席)
クロワッサンを持つ秋月の手が震えている
秋月「た、多大なる感謝の意を込めて......い、い"た"だ"き"ま"す"っ!!!」
リシュリュー「重いっ!!!!」
陸奥「彼女は日ごろから節制に努めてるから」モグモグ
秋月「グスッ......美味しい、美味じいでず......」ポロポロ
リシュリュー「涙流しながら食べるのはやめなさい......パンがふやけてるでしょうが......」
陸奥「ところでお嬢さん、名前はなんていうの?」
吹雪「あっ、私は吹雪です」
陸奥「吹雪さんね。というか、君の名も聞いてなかったわ?」
ショタT「あっ、僕の名前はショウタです」
陸奥「ショウタくん、私の名は陸奥。改めてよろしくね♪」
ショタT「よろしくお願いします......」
688
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 07:36:34 ID:Op/oQJ66
・
・
・
リシュリュー「......と言う訳で、色々あったのよ」
陸奥「やっぱり無茶な子ねぇ」
秋月「でも、立派だと思います。未知の敵にも勇敢に立ち向かえるなんて」
陸奥「勇敢なのと無謀なのは違うわ。もう少し懸命な判断が出来たはずよ」
ショタT「......すみません......」
陸奥「あらやだ、もう私ったら。説教するつもりは無かったのに......」
リシュリュー「言うべきことはキチンと言わなきゃダメよ。同じことされたら堪ったもんじゃないわ」
陸奥「ま、活発なお年頃ですもの。少しくらいは大目に見てあげましょう。それより......」
陸奥「秋月さん? 彼と一戦交えてみたくない?」
秋月「え? つまり、ポケモンバトルですか? いいんですか......?」
陸奥「誰かを護るということは、誰よりも強くならなければいけないってことよ。その為には鍛錬を怠ってはいけないわ」
陸奥「安心しなさい、この子は強いわよ。格上と分かれば気兼ねなく戦えるでしょう?」
秋月「は、はい! お任せ下さい!」
ショタT「え......バトル......ですか?」
陸奥「えぇ、いいかしら?」
ショタT「でも............僕は......もう......」
吹雪「............?」
ショタT「戦いたくない......」
続く
689
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 23:27:39 ID:Op/oQJ66
夜
ザァー ザァー
波が打ち寄せる音
浜辺に座り込む一人の少年
ショタT「............」
夜空はきれいに晴れ渡り、風はあくまで涼しい
穏やかな海面には白い満月がくっきりと映えている
ショタT(......何やってるんだろう、僕......)
ふと思い出す
もうすぐ夏も終わる
学校が始まり以前の生活に戻れる
ぼんやりと考えていた
ショタT(............戻れるのかな)
ザッ ザッ ザッ ザッ
足音
足取りは早いが刻まれるリズムは一定で、息が整っているのが分かる
ショタT「......あっ......」
走る人影が目に映る
立ち上がる
あちらもこちらの存在に気付いたらしく駆け寄ってくる
月明かりに照らされ、そう近づかないうちに相手の顔がはっきりと分かる
ショタT「......秋月ちゃん?」
秋月「ショウタさんですか? どうしたんですか、こんなところで」
・
・
・
690
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 23:28:42 ID:Op/oQJ66
ショタT「凄いね。毎日走ってるんだ」
秋月「一日たりとも怠っては、訓練になりませんから」
ショタT「訓練邪魔しちゃったけど、いいの?」
秋月「......今は特別。私の方こそ、話しかけてよかったですか?」
ショタT「うん。大丈夫」
秋月「私、朝も思ったのですけれど、あなたのこと本当に尊敬してます」
ショタT「......?」
秋月「『例の子』のこと、陸奥さんからは部外者に話さないようにって言われてるんですけれど」
秋月「あの『ウルトラビースト』......今だ正体を掴めていない謎の強敵に、立ち向かったあなたに敬意を抱いています」
ショタT「............」
秋月「この秋月も、いずれ立派なレンジャーとして、助けを求める者達を護る職務に就く者として、あなたのように......」
ショタT「僕は」
秋月「......はい......?」
ショタT「............護れなかったよ」
秋月「ショウタさん......」
<ショウタくーん! どこいるのー!?
ショタT「あっ......」
ザッザッ
吹雪「はぁ、はぁ、ショウタくん、ここにいたの......」
吹雪「......あぇっ、秋月さん......も......?」
秋月「あ......は、はい! ランニング中に偶然会ったので......」
吹雪「あ、そうなんですね......あはは......」
・・・ ・・・
ショタT(......なにこの空気)
691
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 23:29:18 ID:Op/oQJ66
ショタT「吹雪ちゃん、心配かけさせてごめんね。帰るよ」
吹雪「あっ......う、うん」
吹雪「............ねぇ、ショウタくん。本当に、もう戦いたくないの?」
ショタT「えっ?」
吹雪「昨日会ったばかりの私が、こんな事言うのも変だけど......」
吹雪「今日のあなたの言葉が、らしくない気がしたから......」
ショタT「......本当だよ。悪いけど」
吹雪「............分かった、ありがとう」
ショタT「......」
優しく微笑みかけられる
少年は困惑する
その優しさにどう応えたらいいのかも分からない
吹雪「そうだ、ねぇ秋月さん!」
秋月「ん? なんですか?」
吹雪「私と、ポケモンバトルしませんか?」
ショタT「?」
秋月「えぇっ? 吹雪さんとですか?」
692
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 23:30:02 ID:Op/oQJ66
吹雪「元々はショウタくんがあなたのお相手をするって話がありましたよね。けれど、ご覧の通りです......」
吹雪「もし良ければ、彼の代わりにこの吹雪がお相手をいたします。私こう見えて、学校での成績はトップなんです!」
ショタT「そうだったんだ」
吹雪「と、とは言っても......田舎の弱小校の1番だけどね......」
秋月「いいえ、光栄です! 是非ともお手合わせお願いします!」
吹雪「こちらこそよろしくお願いします!」
吹雪「......ねぇショウタくん」
ショタT「ん?」
吹雪「もし、見るのも嫌でなければさ、私たちのバトル見ていかない?」
ショタT「......構わないよ」
吹雪「よかった」ニコッ
二人の少女は広い浜辺へと歩き出し、十分な距離を保ったまま向かい合う
腰を下ろしそれを眺める
月は依然として明るい
二人の表情まではっきりと見える
693
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 23:30:30 ID:Op/oQJ66
秋月「......」
吹雪「......準備、完了です!」
秋月「それでは始めましょう。お出で、ブラッキー!!」
ポゥン!
ブラッキー「ブラッ!!」スタッ
吹雪「それじゃあお願い。私の、グレイシア!!」
ポゥン!
グレイシア「レイッ!!」スタッ
秋月・吹雪「バトルッ!!」
ショタT「......」
続く
694
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/25(日) 21:49:42 ID:wnbHn2a6
秋月「お出で、ブラッキー!!」
吹雪「お願い、グレイシア!!」
ブラッキー「ブラッ!!」
グレイシア「レイッ!!」
ショタT(ブラッキーはかなり耐久力のあるポケモン。対するグレイシアは、強力な氷技を武器とする)
秋月「早速行きます。ブラッキー、バークアウト!」
ブラッキー「ラァッッッ!!!」カッ
ブラッキーの赤い瞳が鈍く光り、発せられる怒号がグレイシアを襲う
グレイシア「グッ......!」ビクッ
秋月「バークアウトの追加効果! 相手の特殊攻撃を弱体化させる!」
吹雪「だったらこっちは! グレイシア、凍える風!!」
グレイシア「シアーーーッ!!」ヒュウウウウウウウ
ブラッキー「キッ......!?」ブルルッ
ブラッキーの体毛が氷結し漆黒の肢体に霜が降り始める
吹雪「これでブラッキーの動きを鈍らせる! このまま畳み掛けるよ!」
秋月「ですが既に、バークアウトで特殊技は弱めてる! 受けきってみせます!」
吹雪「試してごらん! グレイシア、『氷の息吹』!!」
695
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/25(日) 21:50:37 ID:wnbHn2a6
ショタT「氷の息吹......あれの技は確か」
グレイシア「レイーーーッ!!」
コォォォォオオオオ!
ブラッキー「ラッ......!?......ブラーッ!!」キシキシキシ
凍てつく冷気がブラッキーの身体を突き刺し体力を削り取る
秋月「しまった、この技は......!」
吹雪「氷の息吹は、的確に相手の急所を突く技。つまり!」
ショタT「能力ダウンを無力化出来る......」
吹雪「これでバークアウトで火力を下げられることなく攻め立てられる!」
秋月「やりますね......ですが構いません! こっちも攻めます!」
秋月「ブラッキー、イカサマ!!」
ブラッキー「ラーッ!!」カッ
ブラッキーが赤い瞳が再び発光し、グレイシアに突撃する
バキィッ!!
グレイシア「アッ......!」
696
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/25(日) 21:51:37 ID:wnbHn2a6
ショタT「イカサマは、威力を相手の攻撃力に依存するかなり独特な技......」
吹雪「でもグレイシアの攻撃力はそんなに高くない。大したダメージにはならないよ!」
吹雪「再び、氷の息吹!!」
グレイシア「レイーッ!」
コォォォォオオオオ!
ブラッキー「ブラッ......!」キシキシッ
吹雪「よし。これで、次の攻撃で倒してみせる!」
秋月「いいえ、やらせはしません。ブラッキー、『月の光』!!」
ブラッキー「ラァァァッ!」
ブラッキーの体表に描かれた輪っか模様が妖しい光を放つ
それと同時に傷が回復していく
秋月「月の光によって体力を回復する! これでまだ戦えます!!」
吹雪「くっ......! だったら攻め続けるよ!」
吹雪「氷の息吹!」
秋月「もう一度、月の光!」
さらに回復
吹雪「まだまだ! 氷の息吹!!」
秋月「こちらも、イカサマ!!」
撃ち合い
吹雪「くっ............!」
グレイシア「フゥー......フゥー......!」
グレイシアの口から小刻みに息がこぼれる
秋月「どうですか。私たちは、まだまだやれますよ!」
ブラッキー「ブラッ!」キッ
697
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/25(日) 21:52:36 ID:wnbHn2a6
グレイシア「グッ......!」
吹雪「私だって......まだ......!」
ショタT「......ねぇ、吹雪ちゃん......」
吹雪「......ん?......な、なに?」
ショタT「どうして、そんなに無理してるの......?」
吹雪「......私、強くなりたいって思ったから......私が強くなって、みんなを護りたいって」
吹雪「だからここで諦めちゃいけない! またあの時みたいになって、誰かが傷つくのを見てるだけなんて嫌だから!」
秋月「吹雪さん......」
ショタT「............」
吹雪「行くよ、グレイシア! 氷の息吹!!」
グレイシア「シアーーーーッ!!」
コォォォォォオオオオ!
グレイシア「ッ......!?」
吹雪「はっ!?」
狙いが外れる
放たれた冷気はそのまま風に乗りどこへとも無く消えてゆく
秋月「月の光!!」
ブラッキー「ブラーッ!!」キラキラ
再び回復する
その身体にはもはや一つの傷も残されていない
吹雪「くっ............」
秋月「吹雪さん。もう、ここまでにしましょう。勝敗は、決しました」
ショタT「吹雪ちゃん......」
吹雪「............戻って、グレイシア」
グレイシア「レイ......」
ポゥン
698
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/25(日) 21:53:41 ID:wnbHn2a6
秋月「ブラッキー、ありがとう。戻って」
ブラッキー「ブラッ!」
ポゥン
秋月「お手合わせ、ありがとうございます。とても勉強になりました」
吹雪「こ、こちらこそ、ありがとうございます......」
秋月「私たち......きっと、同じ想いを共有できる仲間なんだと思います。さっきのあなたの言葉を聞いて、そう確信しました」
吹雪「あっ......う、うん......!」
秋月「すみません、なんだか厚かましい発言かもしれませんが、私の正直な気持ちです」
吹雪「あ、ありがとう......私こそ、嬉しく思います」
秋月「ショウタさんも、どうか深く気を落とさないで下さい。あなたの助けになることなら、私なんでもしますから」
ショタT「あ......ありがとう......」
秋月「それでは......重ね重ねですが、本当にありがとうございました」ペコリ
秋月「私はもう少しランニングの続きをします。人のことは言えませんが、お二人もあまり遅くならないうちに......」
ショタT「うん、ありがとう。さ、吹雪ちゃん、帰ろう?」
吹雪「う、うん......」
ザッ ザッ ザッ
走り去る秋月の背中を見送る二人
吹雪「......私は、そんな立派な人間じゃないよ」
ショタT「......?」
吹雪「あの子に勝って、私強いんだよ、ってところ見せたかっただけなの。あなたに」
ショタT「吹雪ちゃん......」
吹雪「ごめんね......私のわがまま付き合せちゃって」
ショタT「............」
続く
699
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:13:18 ID:kRhSedyo
明くる日
陸奥「みんなー、朝ご飯よー!」
\いただきまーす!/
秋月「んふふ〜、美味しいぃ〜〜」モグモグ
吹雪「南瓜の味噌汁、南瓜の煮っ転がし、それに麦飯......」
ショタT「急に質素になりましたね」モグモグ
陸奥「リシュリューさんはもう帰っちゃったから。あの人多忙なのよ」
箸を止める
ショタT「......またどこかで、『あいつ』が出たんですか?」
一瞬、女性の目つきが険しくなる
陸奥「............さぁね。言っておくけど、この件について詳しい話は出来ないわ。相手があなたでも例外ではありません」
ショタT「はい......」
陸奥「安心しなさい。あなたの身は大人のお姉さんが責任を持って護ってみせるわ。だから、ちゃんと良く噛んでご飯を食べてよ」
秋月「ん〜、それにしても安心する味です。我が家みたい......ってあれ? この味どこかで」
陸奥「ふふっ♪ 気付いたかしら。さぁ、こっちにおいで」
スタッ
秋月「......あっ!」
涼月「おはようございます、みなさん」
700
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:14:29 ID:kRhSedyo
秋月「涼月じゃない! どうしてここに?」
涼月「秋月姉さんたちが近くに来てると聞いて、少し顔を出そうかと」
陸奥「って訳で、折角だから彼女に朝食を作ってもらったの。ちょっとしたサプライズだったでしょ?」
ショタT「......!?」ドキッ
秋月「でも涼月。どうして建物の中なのに水着姿なの?」
涼月(水着)「この時期は正装だと蒸れちゃうので」
陸奥「これでちょっとは元気になったでしょ、少年?」ボソッ
(耳元でささやくお姉さん)
ショタT「い、いや......///」←うつむく
吹雪「ムスーッ」
陸奥「さ、沢山食べて元気つけておかなきゃ。今日は体力使ってもらうから」
秋月「分かりました。ちなみにどんな訓練を予定しているんですか?」
陸奥「えぇ? 無いわよ、そんなの。今日はお休み」
秋月「え、それは......(困惑)」
陸奥「分かってないわねぇ、一生懸命遊ぶのも仕事の一つよ」
陸奥「世間の子供達はまだ夏休み。訓練に明け暮れるのもいいけれど、たまにはあなたたちも羽を伸ばしなさい」
秋月「はいっ、ありがとうございます!」
涼月「それではお言葉に甘えて♪」
陸奥「ねぇ、吹雪さん? もしよかったら、この子たちの相手をしてもらえないかしら?」
吹雪「は、はい、お任せ下さい!」
陸奥「もちろんつき合ってくれるわよね?」
ショタT「あっ、はい......」
_____________
_______
____
701
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:15:45 ID:kRhSedyo
砂浜
白露「いっちばん乗りーーーーーーーーっ!!!!」
村雨「じゃあ村雨が二番乗りーっ♪」
・・・ ・・・
白露「......てか、あたしら二人だけ? 夕立は? 時雨は?」
村雨「夕立は夏休みの宿題と奮闘中。時雨さんは夏休みの宿題をやりたがらない夕立と奮闘中よ」
白露「もー何やってんのよーっ! 最後の最後まで全力で遊び倒さないと夏休みが逃げちゃうでしょうがーっ!!!」
村雨「遊び倒しても夏は明けると思うけど?」
白露「ならば今この瞬間を一番楽しめるように頑張るまでよ! さっそく着替え......」
バサッ
村雨(水着)「じゃーん☆ 村雨がいっちばーん早く着替えましたー♪」
白露「なにーっ!? ま、負けたーっ!!」
白露「んで、下に着てきたのは分かるんだけど、帰りどうすんの? 着替えあんの?」
村雨「そこまでは考えてなかったわ♪」
白露「さすがのあたしでも白昼堂々浜辺で生着替え披露してやる程の度胸はないよ。ちょっと着替えてくるから待っててね」
村雨「はいはーい♪ じゃあ村雨その間に、かわいいでも男の子に話しかけちゃおっかな〜?」
白露「む、村雨さん、アレすか......? いわゆる逆ナンってやつすか......?」
村雨「そんな如何わしいことじゃありません。村雨はさみしがりやだから、ちょっと話し相手が欲しいだけです」
村雨「ほら、さっそくあそこに」
白露「んー?............あああああああぁぁぁぁぁっ!!!!」
<あああああああぁぁぁぁぁっ!!!!
ショタT「うわっ!?」ビクッ
吹雪「ひゃっ!?」
陸奥「あら? あの子......」
702
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:16:59 ID:kRhSedyo
ザッザッザッ!!!
白露「ショウタ! 久しぶりじゃない!! ってあの時のお姉さんまで! また会っちゃった!!」
陸奥「お久しぶりね、白露さん。あの時はありがとう」
ショタT「あっ......久しぶり」
秋月「知り合い、ですか?」
陸奥「以前事件が起こったときに私たちを助けてくれた、立派なトレーナーさんよ」
白露「ふっふーん♪」
ザッ ザッ
村雨「へぇー、白露ちゃんの知ってる子だったの。先越されちゃったわ」
歩み寄る水着姿の少女
村雨「村雨よ♪ 白露ちゃん共々私のことも、よろしくねっ☆」
(ウィンクを飛ばす)
ショタT「ぁっ......///」
陸奥「あらあら、より取り見取りね」
涼月「?」
吹雪「......ばかっ」
(少年の脇腹を小突く)
ショタT「ぐはぁっ!(迫真)」
村雨「うふふっ、かっわいいー♪」
703
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:17:57 ID:kRhSedyo
白露「ショウタ! ここで会ったが百年目!! あんたのライバルとして、ここでポケモンバトルを申し込むよ!!」
ショタT「えっ......い、いや......その......」
(困惑)
吹雪「あっ......あの!」
陸奥「白露さん、ゴメンなさい。今日はそういう気分じゃないのよ。みんな遊ぶのを楽しみにしてるから」
白露「あっ、そっか。それもそうだね! じゃあ一緒に遊びましょっか!!」
陸奥「ええ、そうしましょう」ニコッ
陸奥「......これでよかったかしら?(小声)」
ショタT「あっ......ありがとうございます......」
吹雪「......」ホッ
秋月「とは言っても、私たちまだ水着に着替えてないですよ」
白露「同じく」
吹雪「わ、私も着替えた方がいいのかな......あんまり自信ないんだけど......」
陸奥「吹雪さん、ダメよ、臆したら。ここで女を見せなくちゃ」
吹雪「ちなみに陸奥さんは......?」
陸奥「私は遠慮します。年頃の少年には刺激が強過ぎるからね♪」
ショタT「なんの話ですか......」
704
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:18:49 ID:kRhSedyo
村雨「じゃあ村雨たちはお先に泳いでまーす」
涼月「みなさんも早くいらして下さいね」
陸奥「はい、楽しんでらっしゃい」
ショタT「............」
キッ
キッ
眩暈
既に何度か経験したこの感覚で確信する
ショタT「............い、いる」ボソッ
吹雪「えっ......?」
震える声でかろうじて呟く
いつの間にか少年の額に大粒の汗が浮かんでいる
ショタT「ま、まずい......危ない......海に............近づいちゃダメだッッッ!!!」
陸奥「な!?」
吹雪「えっ!?」
秋月・白露「!?」
ピチャッ ピチャッ
涼月「え?」
村雨「んー?」
海に足を踏み入れる
同時に近くの海面に二つの影が出現する
ザバァァァァン!!!
705
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:20:00 ID:kRhSedyo
水飛沫が立つ
海面から飛び出した影の正体が二人の少女に襲い掛かる
村雨「えっ......きゃああああああ!!!」
涼月「いやあああああああ!!!」
秋月「まさかっ!?」
白露「げぇっ!? なにあれっっっ!?!?!?」
ウツロイド1「ウツ〜〜〜!」
ウツロイド2「ロイ〜〜〜!」
村雨「や......やだ......」
涼月「............助けて」
陸奥「ウルトラビーストッ!? しかも、2体!?」
ショタT「はぁーっ......はぁーっ......!」ガクッ
吹雪「ショ、ショウタくん、大丈夫!?」
ショタT「ぼ、僕はいい......!......あの二人がっ!!」
白露「あんたぁー!! 村雨になにしてくれてんのよーっ!!!!」ザッ
秋月「涼月っ!! 待って、今行くから!!!」ザッ
必死の形相で駆け寄る二人
村雨「............」
涼月「............」
秋月「涼月、大丈夫? 今助けるからね......」
白露「どこのどいつだか知らないけどねぇ! 可愛い妹分に乱暴するような不届き者はタダじゃ置か......」
硬直する
血の流れが止まったかのような病的なまでに白い肌
深く暗く冷たい瞳
そこに見た顔は自分達が知っているそれでは無かった
白露「............あんた......誰?」
秋月「あなた............涼月......?」
706
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:21:55 ID:kRhSedyo
涼月「......」
腕を高く挙げる
ザッ!!
そのまま真下の地面に深く振り下ろす
地中に居る何かを掴むようにしてこぶしを強く握り締め、低い声で呼びかける
涼月「オ出デ............シロデスナ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!
地鳴りと共に地面がせり上がってくる
白露「な、何よこいつーっ!?」
シロデスナ「シィィィィロォォォォオ......!」ゴゴゴ
村雨「......」
海に目を向ける
村雨「......チュッ♥」
水面に向かって投げキッスをする
その合図に呼応して水の底から黒い影が広がる
村雨「来ナサイ............ブルンゲル!!」
ザバアアアアアアン!!!
激しい水飛沫とともに浮上する
秋月「あっ、あれは......!?」
ブルンゲル「ブゥゥゥゥルゥゥゥゥウ......!」ゴゴゴ
707
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/31(土) 01:22:42 ID:kRhSedyo
秋月「くっ......!!」
ピッ
図鑑の起動音
秋月「浮遊ポケモン、ブルンゲル! 獲物を海に引きずり込み、命を奪うとされている......!!」
秋月「あっちは、砂の城ポケモン、シロデスナ!! 砂嵐を巻き起こし、相手の身動きを封じて生気を奪う......!!」
白露「そ、そのポケモン図鑑、夏限定モデルとかじゃないよねっ!? あたし今は怪談話聞きたい気分じゃないんだけどっ!!」
秋月「気を引き締めてください......今私たちが直面しているのは、お伽噺等ではない現実の恐怖です!!」
白露「くっそーっ! 村雨、あたしを怖がらせないでよ! 早く元の姿に戻りなさいっ!!」
秋月「涼月! お願い、目を覚まして!」
涼月「......元二戻ル......?......目ヲ覚マス......?......何ヲ言ッテイルノデスカ......?」
村雨「フフフッ♪ ヤット、目ガ覚メタンジャナァイ......」
続く
708
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/04(水) 21:46:25 ID:jNVbiSXo
砂浜
ブルンゲル「ブルァァァァァ......!」ゴゴゴ
シロデスナ「デェェェェェス......!」ゴゴゴ
村雨「フフフッ♪ ヤット目ガ覚メタンジャナァイ......」
涼月「............」ジロッ
視線が合う
秋月「っ......!!」ゾクッ
白露「あ、あんた......なに、言ってんの......?」
ショタT「ぐっ......」
右手で脇腹を押さえうずくまる
吹雪「ショウタくん、しっかりして!」
ショタT「だ、大丈夫......それより教えてください.....あの子達に......何が起こっているんですか?」
陸奥「コードネーム:UB01 PARASITE ......ポケモンとしての名前は『ウツロイド』」
吹雪「......ウツロイド?」
陸奥「彼らは人に寄生を行うことが分かっている。そして......」
陸奥「何らかの方法で寄生主の肉体と精神に働きかけ、潜在能力を極限まで引き出し、暴走させる」
白露「な、納得いかないっ! それじゃああれが本気の村雨の姿ってわけ!?」
秋月「認めません......私の知ってる涼月は、あんなに人を見下すような目はしない!」
709
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/04(水) 21:48:48 ID:jNVbiSXo
吹雪「元に戻す方法は、無いんですか......?」
陸奥「詳しいことは調査中だけど……彼らの寄生には自衛の側面があるとされてる」
陸奥「寄生主が力量不足と判断すれば、自ずと離れていくはずよ」
ショタT「......つまり」
秋月「察しはつきました......!」
白露「いひひっ、オッケー!」
二人がボールを構える
陸奥「秋月さん! あなたは、私が見てきた訓練生の中で最も優秀な子よ。この状況を託していいと信じているわ!」
秋月「はいっ! お任せ下さい!!」
陸奥「白露さん! 以前あなたには助けてもらったけれど、どうやら今回もそうなりそうね。大丈夫かしら!?」
白露「もっちろん!! 任せてくれちゃってぇー!!」
ショタT「僕達も力に......うぐぁっ!」
(傷口が痛む)
陸奥「あなたは無理よ。吹雪さん、聞きなさい」
吹雪「はっ、はいっ!!」
陸奥「男の子を御するのも女の仕事よ。またその少年が無茶したら、引っ叩いてでもぶん殴ってでも止めるのよ。出来る?」
吹雪「……分かりました! お任せ下さい!」
ショタT「えぇーっ!?」ガビーン
710
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/04(水) 21:49:51 ID:jNVbiSXo
秋月「それでは頼みます、ブラッキー!」
白露「お願いよ! カメックス!!」
ポゥン! ポゥン!
ブラッキー「ブラッ!」スタッ
カメックス「ガメェッ!!」ドン!
秋月「白露さん! この秋月に、力を貸してください!」
白露「お互い様ねっ、じゃあ行くよ!」
ブルンゲル「ブルァァァッ!!」
シロデスナ「シィィィロォォォッ!!」
涼月「オ相手......シマス......」
村雨「ヨセバ良イノニ......馬鹿ナ子達ッ......!!」
秋月&白露「バトル!!」
711
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/04(水) 21:51:04 ID:jNVbiSXo
白露「カメックス! 『水の波動』!! まず狙うは、シロデスナ!」
秋月「ブラッキー、『バークアウト』!」
カメックス「ガァァァメッ!!」バシュッ!!
ブラッキー「ラァッッッ!!」カッ!
涼月「『守ル』ッ......」
シロデスナ「スナッ!!」
ゴゴゴゴゴ
シロデスナの周囲に砂の防護壁が出現する
バァァァン!!
両者の攻撃は壁に阻まれ、無傷のシロデスナが鎮座する
白露「ちぃっ!」
秋月「でも、ブラッキーの攻撃はシロデスナだけを狙った訳じゃない! そちらには食らってもらいます!」
ブルンゲル「ゲェーッ!?」ブルッ
ブラッキーのバークアウトを受けブルンゲルがたじろぐ
村雨「フーン......」
秋月「バークアウトの効果! 攻撃を受けたポケモンの、特殊攻撃を弱体化させる!!」
白露「よっしゃー、やるじゃん!」
村雨「ハイハァイ............ブルンゲル!」
ブルンゲル「ブルン!」
村雨「トリックルーム!!!」
ブルンゲル「ブルァァァァァッ!!」カッ!!
キッ キッ キッ
軋むような音を立てて空間が歪んでゆく
712
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/04(水) 21:52:53 ID:jNVbiSXo
吹雪「な、なに......あの空間......」
ショタT「トリックルーム......素早さの上下関係を逆転させる空間を生み出す技……!」
陸奥「あの面子で最も遅いポケモン......つまりあの空間で最も速く動けるのは、恐らくシロデスナ」
幾何学模様の透明な壁が出現し、交戦中のポケモンとトレーナーたちを閉じ込める
村雨「......楽シマセテ、アゲルカラ......」ニィィ
涼月「............」
白露「どんなことして来ようが、村雨、あんたはあたしが責任持って連れ戻すからね! 覚悟しなさいよっ!」
秋月「涼月......何度でも呼びかけてみせる! 私の言葉があなたに通じるまで!!」
白露「臆せず攻めるよっ!」
秋月「同じく!」
涼月「遅イ......シロデスナ、『ド忘レ』」
シロデスナ「シィィィ.....ロォォォォ......???」カッ!
シロデスナの特防が大幅に上昇する
涼月「ソンナ言葉......キカナイ......通ジナイ......」
秋月「それが、あなたの答えってこと......」
村雨「私ノ事マデ、忘レナイデネ......ブルンゲル、『熱湯』!!」
ブルンゲル「ブルルルァァァァァ!!!」バァーッ!!
煮えたぎる熱湯がブラッキーを襲う
バシャッ!!
ブラッキー「ブラァァァッ......!」ジュウウウ
秋月「ブラッキ......!?」
村雨「サァ、食ライナサイ......!」
「うあぁぁぁぁあぁぁあっ!!!!」
713
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/04(水) 21:57:22 ID:jNVbiSXo
白露「なっ!?!?」ビクッ
突然の絶叫に驚く
横に視線を向ける
吹雪「えぇっ!?」
ショタT「な......」
陸奥「ど、どういうこと......」
秋月「あっ......!......熱い......! か、体がっ......!!」
息を荒げ苦悶の表情を浮かべる
涼月「......」クスッ
村雨「ホラ......コウスル方ガ、楽シメルワ......」
白露「どどど、どういう事よ! 説明しなさい!」
村雨「コノ空間デハ、可愛イシモベ達ト、同ジ苦シミヲ受ケルノヨ......フフフ」
ブラッキー「ブラッ......!」ジリ
秋月「はぁっ......はぁっ......熱い......痛い......!」ジリ
ショタT「火傷......!」
陸奥「ダメ、このバトルは危険すぎる! 逃げなさい!!」
ブラッキー「キー......」
心配そうに見つめる
秋月「ぐっ......大丈夫......これで、あなたと苦しみを分かち合える......」
秋月「引きません......行きます! ブラッキー、もう一度バークアウト!!」
714
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/04(水) 21:58:12 ID:jNVbiSXo
ブラッキー「ブ.....ラァッッッ!!」
ブラッキーのバークアウトが相手の場に響き渡る
シロデスナ「スナーッ!」ビリッ
ブルンゲル「ゲェーッ!」ビリッ
涼月「......ウルサイ子......」
村雨「オトナシク、シテ貰ウヨッ!」カッ
ブルンゲル「ブルァァァァァ!!」カッ!
ブルンゲルの目が妖しく光る
ブラッキー「キ......ッ......!?」ガチッ
秋月「う......っ.......がぁ......っ......!?」
苦しそうに喉元を押さえる秋月
白露「な......何よ......今度はなんなのよっ......!!」
村雨「ブルンゲルノ特性『呪ワレボディ』ノ効果。私ヲ狙ッタ者ノ攻撃ヲ封ジル」
村雨「ソノ耳障リナ声、出サナイデクレナイ?」
白露「くっ......!!」
秋月「はぁっ......はぁっ......だ......大......丈夫......だか......ら......!」
715
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/04(水) 21:59:54 ID:jNVbiSXo
吹雪「ダメだよ......早く止めさせないと......」
ショタT「でもあの二人は……絶対に止めないと思う……」
陸奥「残念だけど、そのようね」
陸奥「だったら勝って。この恐怖を終わらせて、無事に帰って来なさい!」
白露「うおーーーーっ!! 村雨、聞きなさいっ!!!!」
村雨「チッ......言ッタ傍カラ......」
白露「この勝負、あんたたちの為に、この子たちの為に、何よりこのあたしの為に、絶対勝ぁーーーつ!!!」
白露「行くよ、カメックス! もう一度、水の波動ッ!!!」
カメックス「ガァァァァメェッ!!!」バシュッ!!
白露「今度こそ吹っ飛ばしてやるわ! 狙いはシロデスナ!!」
ザバァン!!!
シロデスナ「シィィィィロォォォォ......!!」
涼月「グッ......!」
砂と水が混じりあい泥の雨が降る
白露「どうよっ!!」
カメックス「ガメッ!!」
涼月「......フン......」カッ
シロデスナ「デェェェェェス!!」カッ!
白露「げっ!?」
シロデスナの体表に水が染み渡り黒く変色してゆく
涼月「シロデスナノ特性:水固メ。水技ヲ受ケルコトデ体ヲ硬質化サセル......」
涼月「マダ......終ワラセナイカラ......」
続く
716
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/08(日) 23:07:47 ID:eswj99kU
砂浜
本来なら砂以外は何もないはずの場所に、幾何学模様を持つ謎の空間が出現している
空間内には、2人の少女と4匹のポケモン
そして、人としての温かさが微塵も残されていない、深く悲しい目をした少女が2人
ショタT「............」
陸奥「やっかいね......シロデスナは、ド忘れと特性:水固めによって、耐久力を大幅に上昇させている」
吹雪「でも、ブラッキーのバークアウトで、攻撃を弱めることには成功してます」
ショタT「そのバークアウトも、今はブルンゲルに封じられた。しかも、熱湯による火傷まで食らってる」
陸奥「今だ無傷なのはカメックスだけ......でも、いつ矛先がそちらに向いてもおかしくないわ」
陸奥「言うまでもないだろうけど......気を抜かないでね、二人とも」
-+-+-+-+-+- トリックルーム内部 -+-+-+-+-+-
シロデスナ「シィィィロォォォオオオ......!」
涼月「......」
ブルンゲル「ブルァァァアアア......!」
村雨「......」
白露「ぐぬぬぬ......」
カメックス「ガメッ......」
717
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/08(日) 23:09:03 ID:eswj99kU
白露「......」チラッ
視線をすぐ横に投げる
肩で大きく息をする二者の姿が目に映る
ブラッキー「ラァッ......キィッ......」ゼェゼェ
秋月「はぁーっ......!......はぁーっ......!」
火傷と金縛り
体を焼ける激痛と喉元を掴まれる息苦しさ
二つの苦痛が少女とそのパートナーの表情を歪ませる
白露「う、嘘でしょ......マジでトレーナーにまで痛みが伝わってくるっての......?」
村雨「無理シチャッテ......」
涼月「............可哀想...........」
秋月「白露さん......怯んでは、ダメ......攻め、続けて......!」
白露「い、言われなくたってぇ! 行くよカメックス!」
カメックス「ガメッ!」ガコン!
718
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/08(日) 23:09:58 ID:eswj99kU
涼月「......シロデスナ」
シロデスナ「デスナッ!」カッ!
ズズズズズズズズズ......
白露「げっ!?」
涼月「『砂集メ』」
足場の砂地が不自然に流動し始める
流砂は唯一箇所、シロデスナの元へと集められ、そして
シロデスナ「スナーッ!!!」ゴゴゴゴゴ
涼月「フゥゥゥゥ......」
シロデスナの崩れた体が再構築されてゆく
白露「せ、せっかくあたしのカメックスが吹き飛ばしてやったのにっ!!」
秋月「くっ......!」
村雨「ブルンゲル! 再ビ、熱湯!!」
ブルンゲル「ブルッァァァァァァ!!」バァーッ!
バシャァン!
ブラッキー「キィーッ......!!」ジュウウウ!
秋月「うぁぁぁぁあああああッ!!!」
再び身を焦がす鋭い痛みが走る
719
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/08(日) 23:11:08 ID:eswj99kU
白露「さっきから手負いのあの子ばっかり狙って! あたしは無視!?」
村雨「心配シナイデ。ソッチヲ片付ケタラ、幾ラデモ構ッテアゲルワヨ」
涼月「スグ......楽ニシテ、アゲマスカラ......」
秋月「......はぁっ......ま、まだ......行ける......っ!!」
秋月「ブラッキー......イカサマッ......! 狙いは......シロデスナ!」
ブラッキー「ブラッ......!!」カッ
ブラッキーの目が赤く光り、シロデスナに突撃する
涼月「キカナイ......ッ」
ガキィン!
シロデスナ「スナーッ!」ドン!
ブラッキー「キィ......!?」
秋月「か......堅い......っ!」
白露「ち、ちっくしょー......さっきあたしが水技を当てたせいって訳......!?」
秋月「こ、この装甲......加えて、回復能力......あの壁を突破するのは......不可能............!」
シロデスナ「デェェェェェスナァァァァァ!!」
涼月「フフフッ......」
白露「だ、だったらこっちよォッ!!!」
カメックス「ガァァァァ......!」コォォォォ
カメックス目が光り、砲身に黒いエネルギーが充填されていく
白露「見せてやるわ、村雨! あんたたちなんかよりも、この白露の方がよっぽど悪い奴だってこと!」
白露「カメックス、悪の波動!!!」
カメックス「ガメェッッッ!!!!」ゴオオオオオオ!!
漆黒のエネルギー波がブルンゲルに向けて放たれる
720
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/08(日) 23:12:19 ID:eswj99kU
バァァァァン!!
着弾
ブルンゲル「ゲェーーーーッ!?」
村雨「ウァッ......!!」グッ
白露「どうよっ!」
カメックス「ガメッ!!」キリッ
秋月「よ、よしっ......呪われボディの効果は、発動していない......まだ、攻め続けられる......」
村雨「......フ、フフッ......アハハハッ......!」
白露「な、なによ......何がおかしいのよっ!?」
村雨「イイワ、オイデ。何度デモ、受ケ止メテアゲル......」
村雨「先二、音ヲ上ゲルンジャナイヨッ!!」カッ!
涼月「シロデスナ、シャドーボール!!」
シロデスナ「シィィィィロォォォォッ!!」ゴオオオオオオ!
黒い弾丸がカメックスを襲う
バァァァァァァン!!
カメックス「ガァァァァァ!!」
白露「うあぁぁぁぁぁぁっ!!」
シャドーボールの着弾と同時に二者の悲鳴が上がる
ブラッキー「キィッ......!」
秋月「し、白露さん......!」
村雨「教エテヤルワ! コレガ、絶望ヨ!!」
村雨「ブルンゲル、自己再生!!!」
ブルンゲル「ブゥゥゥゥゥルァァァァァ!!!」
続く
721
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/09(月) 22:55:29 ID:j04kpiH.
村雨「教エテヤルワ! コレガ絶望ヨ!! ブルンゲル、『自己再生』!!!」
ブルンゲル「ブルゥゥゥゥゥ......」
キラン キラン
村雨「フゥゥゥゥゥゥ......」
白露「う......嘘でしょ......?」
秋月「ブルンゲルの、傷が......消えてゆく......」
ブルンゲル「ブゥゥゥゥゥルァァァァァ!!!」
かすり傷一つない艶やかな体を取り戻す
村雨「ンフフフフ♪......トッテモ、イイ気持チ......」
シロデスナ「デェェェスナァァァ!」
涼月「サァ......オ楽シミノ続キヲ......始メマショウ......」
白露「こ、これじゃ......いくら攻撃してもキリがないよっ!」
秋月「......でも、回復技を使えるのは、あの子たちだけじゃない......!」
秋月「いくよ、ブラッキー......!」
ブラッキー「キィ!」カッ
ブラッキーの体の模様が黄色く発光し始める
秋月「月のひ......」
「秋月さん待って!!!!」
秋月「えっ......?」
ブラッキー「ラッ......?」
空間の外から声が届く
陸奥「その技を使ってはいけない!」
722
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/09(月) 22:56:36 ID:j04kpiH.
吹雪「えっ?」
ショタT「どうして......?」
陸奥「回復技を使ってはダメ。このバトルでは......」
陸奥「ポケモンの体力より先に、トレーナーであるあなたの精神が持たなくなる!」
吹雪「で、でも......相手の二人は平然としてます。きっと回復したおかげで......」
陸奥「騙されないで!その二人は、初めから苦痛なんか感じてない!」
ショタT「......!?」
秋月「......そうなの......涼月......?」
涼月「............」
白露「こんのぉーっ! 散々あたしら痛めつけてた癖に自分らは平気だったって訳!? インチキもいい加減に......」
村雨「......心外......ソンナ、セコイ事シテルト、思ワレテルナンテネ......」
ショタT「............陸奥さん、本当にそう思いますか?」
陸奥「さぁ、本当かは分からないわね」
陸奥「でも、これ以上戦闘を長引かせるのが危険なのは確かよ。早くなんとかしないと」
吹雪「ど、どうすれば......」
723
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/09(月) 22:57:24 ID:j04kpiH.
秋月「ねぇ、涼月......お願い......もう、やめにしよう......?」
目に涙を浮かべ問いかける
涼月「............ソウネ......ヤメマショウ」
白露「え、マジ?(キョトン顔)」
秋月「涼月っ......!」
ただその一言で、秋月の表情が晴れ笑顔が浮かぶ
涼月「コンナ戦イ......スル意味アリマセン......ダカラ......」
涼月「コッチニ......オイデ......」
手招きする
糸を手繰り寄せるように白く冷たい指を泳がせる
白露「うげっ......な、なんなのアイツ......すっごい気味悪っ......」
秋月「そうよね、涼月。あなたの言う通りね」
白露「ゑ?」
ザッ
一歩を踏み出す
白露「ええっ!? ちょちょちょっと君!?」
724
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/09(月) 22:58:11 ID:j04kpiH.
吹雪「秋月さん、様子がおかしい!」
ショタT「まずいっ!!」
陸奥「ダ、ダメよ、行っちゃ駄目! 戻ってきて!!」
ブラッキー「キ......キィ......」ブルブル
自らの主を恐怖の目で見つめる
秋月「私も......涼月と......」ザッ
涼月「争いも......憎シミモ......」
秋月「苦痛も......何モナイ......」ザッ
涼月「平和ナ場所デ......」
秋月「貴女達ト......一緒二......」ザッ
ブラッキー「キィ......キィィィッッッ!」
バッ!
白露「目覚ましビンタァァァ!!」
パチィン!!
秋月「うぁっ!?」ヒリヒリ
725
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/09(月) 22:59:09 ID:j04kpiH.
白露「そんなん認めん! そんな何もないとこに連れてかれたら、一番目指す意味ないでしょーがっ!!」
涼月「邪魔ヲッ......!」
白露「それと君! 今更だけど、この場で改めて自己紹介させてもらうよ! 手短に!」
白露「あたし白露! ポケモンマスターになる女! 以上! 君は?」
秋月「わ、私の名は......秋月......!......そうだ......私は、秋月です!!」
白露「よろしくねっ、秋月!」ニッ!
ショタT「や、やった!」
吹雪「秋月さん......!」
陸奥「ふふっ。さすがね、あの子」
白露「バトル続行よ! あたしとカメックスが駆け上がる頂点へのロードを邪魔する奴は、誰であろうとブっ飛ばあああす!!」
白露「攻撃用意よ、カメックス!!!」
カメックス「ガメッ!!!」 ド ン !
726
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/09(月) 23:00:26 ID:j04kpiH.
秋月「心配させてごめんね。私はもう、自分を見失ったりしません......!」
秋月「一緒に戦って、ブラッキー、そしてみんな!!」
ブラッキー「ブラァァァッ!!!」カッ!
ブラッキーの体の模様が再び発光し始める
陸奥「まさか月の光を!?」
ショタT「いや、違う......月の光じゃない」
吹雪「......これは......?」
吹雪の持つモンスターボールの1つが揺れる
吹雪「............聞こえる......ブラッキーが、『この子』に呼びかけてる!」
秋月「私の力だけでは......あの子たち救い出すことは出来ない......だから......!」
秋月「繋がれ、魂のバトン! 闇夜を照らせ、月光の架け橋! お願い、私の仲間達!!」
秋月「ブラッキー、『バトンタッチ』!!」
ブラッキー「ラッキィィィ!!」カッ!
ブラッキーがまばゆい光を放ちボールに戻っていく
秋月「バトンタッチは、戦闘中のポケモンを、他のポケモンに交代させる技!」
秋月「力を、貸して下さい......あなた達の力なら、涼月を救える......!」
秋月「......私が交代先に選ぶのは、吹雪さんの、グレイシア!!」
吹雪「......!......ショウタくん、行ってきます!」
ショタT「......うん、行ってらっしゃい」
ザッ!
走り出す
戦闘が行われている空間へと向かってゆく
走りながら、モンスターボールに問いかける
吹雪「グレイシア、準備はいい?」
グレイシア『レーイッ!』
727
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/09(月) 23:01:37 ID:j04kpiH.
村雨「フーン......要スルニ逃ゲルンダ?」
涼月「......残念......ソレナラ、アナタノ眼ノ前デ......」
涼月「アナタノ、オ友達ヲ......葬リ去ッテアゲマス......」
秋月「......白露さん......このような形でこの場を去ることを、お許し下さい」
白露「いひひっ♪ ま、つらい時は助け合いよ!」
白露「あたしは、秋月が信じた仲間を信じる。だから安心して」
秋月「はいっ......お願いします!」
空間の壁側へと走ってゆく
幾何学模様の透明な壁を境に、二人の少女が向かい合う
秋月「すみません、吹雪さん。勝手に、あなたを巻き込んでしまって......」
吹雪「そんなことないよ、秋月さん。ありがとう、私を頼ってくれて」
秋月「はい......後は、任せました......!」
吹雪「うん!」
パァン!
ハイタッチの音が響く
続く
728
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:03:26 ID:dWZ2jWjM
陸奥「大丈夫? よく頑張ったわね、秋月さん」
秋月「いいえ、まだ終わってません......!」
陸奥「そうね。でも、ちょっと意外だったわ」
陸奥「普段のあなたなら、あんな危険な事に他人を巻き込んだりしないもの」
秋月「......仰る通りです......誰かを守る立場の人間として......失格です......」
陸奥「そうじゃないの。むしろ喜ぶべきことよ。それだけ、信頼できる仲間を持てたってことじゃない」
陸奥「勝てるんでしょ? 吹雪さんたちなら」
ショタT「勝てます」
陸奥「あら?」
ショタT「そうだよね?」
秋月「......はい!」
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
トリックルーム内部
シロデスナ「シィィィロォォォ......!」
ブルンゲル「ブルァァァアアア......!」
吹雪「............おいで、グレイシア!」
ポゥン!
グレイシア「シアーッ!」スタッ
村雨「歓迎スルヨ......セイゼイ、楽シマセテネ......」
涼月「フン......」
ポン
吹雪「ひゃっ!?」
吹雪の肩に手が置かれる
白露「よろしくね。あたし白露、君は?」
吹雪「あっ、私は、吹雪。よろしく!」
白露「ひひっ♪ さーてと、自己紹介も済んだことだし......」
白露「バトル続行よッ!!」
カメックス「ガメッッッ!!!」 ガコン!
729
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:04:31 ID:dWZ2jWjM
吹雪「でも白露ちゃん。相手は再生技を持ってるよ。闇雲に攻撃するだけじゃ突破できない!」
白露「闇雲? 違うねっ!! 轟く雨を降らせる乱雲は、この白露の方よ!!」
白露「カメックス、水の波動!!!」
カメックス「ガァァァメッッッ!!」 バシュウン!!
白露「ぶっ放せ! 狙いはシロデスナ!!」
ザバァン!!
シロデスナ「スナァァァァッ!」ズズズ
水の波動を受けシロデスナの体の一部が崩れ落ちる
涼月「ウグァッ......!!......ダガ......シロデスナノ『水固メ』ガ発動......!」
カキン カキン
涼月「コレデ、ヨリ強固ナ壁トナル!」
シロデスナ「デェェェェェス!!」
涼月「サラニ......シロデスナ、『砂集メ』!!」
ザザザザザザザザ......
涼月「再ビ現レナサイ、堅牢ナル城塞ヨ!」
シロデスナ「シィィィィィロォォォォォォ!!!」 ドン!!
白露「やっべ、やっぱりキリがねーわ」
吹雪「結局無策っ!?」
730
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:05:26 ID:dWZ2jWjM
村雨「ブルンゲル、熱湯ッ!」
ブルンゲル「ブルァァァァァアアアア!!」バシャーッ!
吹雪「はっ......!」
バシャァン!!
グレイシア「グゥゥッ!?」ジュウウウウ!
吹雪「うああああぁぁぁぁぁっ!!!」
村雨「挨拶代ワリダヨッ! 受ケ取リナッ!!」
ショタT「吹雪ちゃん!!」
秋月「吹雪さん......!!」
陸奥「うろたえてはダメ......信じるのよ、あの子たちを」
吹雪「はぁーっ......はぁーっ......!」
白露「くっ......んなろーっ! あんたらには血も涙も無いんかーい!!」
村雨「アハハッ......! ソンナモノ!!」
涼月「......当ノ昔二......忘レマシタ......」
731
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:06:44 ID:dWZ2jWjM
ザッ
踏みとどまる
吹雪「はぁっ......はぁっ......ダメよ、吹雪......あたしが強いってところ、頑張れるってところ......」
吹雪「見せなくちゃっ!!」
グレイシア「レイッ!!」カッ!
吹雪「この一撃が......活路を拓く! 私たちの、未来を導く勝利への航路!!」
吹雪「グレイシア、『氷の息吹』!!」
グレイシア「シアーーーーーッ!!」
コォォォォォオオオオオオ!!
吹雪「狙うはシロデスナ!!!」
キシ
シロデスナ「......デ......スッ......!?」
涼月「.............ウッ......!?」
キシ
キシキシキシキシキシ
砂の城塞に降りた霜が、黒い装甲を白く蝕んでゆく
シロデスナ「スナァァァァァアアアア!!!」
涼月「グギャァァァァァァアアア!!!」
凍てつく冷気が身体を突き刺す激痛となって二者を襲う
732
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:07:47 ID:dWZ2jWjM
吹雪「氷の息吹の効果! この攻撃は、必ず相手の急所を捉える!!」
ショタT「シロデスナは、ド忘れを使うことで特殊耐久を強化させていた。でも!!」
陸奥「急所を狙えば、能力の上昇を無効化することが出来る! そういうことね」
秋月「涼月......思い出して......私たちのことを!」
吹雪「想いよ、届け! そして、還ってきて! 涼月さん!」
村雨「クッ......!」
涼月「ハァッ......ハァッ......オノレッ......オノレェ!!」
白露「あたしより目立つのはいただけないけど、ま、そんなこと言ってられないっか」
白露「続くよカメックス、水の波動!!」
カメックス「ガァァァメッッッ!!」 バシュウン!!
波状の砲弾が凍結したシロデスナを襲う
バァァァァァアアアアン!!!
シロデスナ「デェェェェェェスッ!!!」
涼月「ウァァアァァァアアァァァァァッ!!」
ガクッ
シロデスナ「ズゥゥゥ......ウゥゥ......ナァァァァアァァァァアア......ァァァァ......」
ズズズズ......
堅牢だったシロデスナの体壁が崩壊してゆく
吹雪「............涼月さん」
涼月「ァ......アぁ......り......が......とう......」
バタッ
シロデスナ 戦闘不能
733
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:08:41 ID:dWZ2jWjM
秋月「涼月! しっかりして!!」
サァァァァァァァ
幾何学模様の壁が消えてゆく
ショタT「......!......トリックルームが消えていく!」
陸奥「ええ、あの空間は時間が経つと消滅するからね。攻撃のチャンスよ!」
涼月「............」
村雨「アタシヲ......残シテ......クタバルナンテ............」
村雨「オ馬鹿サンッ!!!」
ブルンゲル「ブゥゥゥゥゥルァァァァァァアアアアア!!!!」ゴゴゴゴゴ
吹雪「くっ......!」
白露「村雨......今度は、あんたの番よっ!」
陸奥「しかし困ったわね。グレイシアの氷技は、水タイプのブルンゲルには有効じゃない」
ショタT「しかもブルンゲルの特性:呪われボディのせいで、下手な攻撃をしていたら封じられます」
陸奥「その上、相手は自己再生で粘り続けることが出来る......となればやるべきことは......」
ショタT「一撃で吹っ飛ばすこと!!」
キラッ!
白露「はっ!?」
734
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:09:45 ID:dWZ2jWjM
輝き
白露の胸元から光が溢れる
吹雪「......!?......白露ちゃん、それって......?」
ショタT「あの光......まさか!!」
首からぶら下げていたペンダントを手にとる
そこに埋め込まれた宝玉がまばゆい光を放つ
白露「こ、この輝きは......!!!」
白露「なんすかこれ?」
吹雪「ズコーッ」
ショタT「なにやっての白露!! それはキーストーン! メガシンカの光だよ!!」
白露「メ、メガシンカ!? メガシンカって言ったら、あんたのルカリオがやってたあれのこと!?」
ショタT「そうだよ! なんで今まで使わなかったのさ!!」
白露「知らなかったのよ! これは、いつか役に立つから持っとけって言われてただけよ!!」
白露「ほら、カメックスだって!」
カメックス「ガメッ!」バン!
カメックスが持っているメガストーンを見せ付ける
ショタT「聞いて白露。メガシンカは、人とポケモンとの絆の証......」
ショタT「強い想いを、力に換える!!」
白露「......成る程ね。つまり、今までのあたしらは想いが足らなかったって訳か......」
白露「冗談じゃなーいっ!! あたしとカメックスは、いつどんな時だって限界まで全力のフルパワーよっ!!!」
カメックス「ガメ!」
カッ!!!
735
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:11:06 ID:dWZ2jWjM
白露のキーストーンが光り輝く
カメックスのメガストーンがそれに呼応する
白露「行くよっ、カメックス!!」
カメックス「ガメェェェェ!!」
白露「あたし達の想いが1つになった時、はるか水平線の彼方まで、最強の轟砲が鳴り響く!!」
白露「メガシンカァァァアアア!!!!!」
カメックス「ガァァァァ......!!!」
カメックスが光に包まれる
白露「おいで! あたしの、いっちばんの相棒! メガカメックス!!」
ガコッ!
ガコッ!
ガコンッ!!
メガカメックス「ガァァァァァァメッッッ!!!!」 ド ン ! !
736
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:11:40 ID:dWZ2jWjM
村雨「ソ、ソノ姿ハ......!?」
白露「聞きなさい、村雨!」
村雨「嫌......聞キタクナイ......!」
白露「今から、あんたを......!」
村雨「ヤ......ヤメテ......放ットイテ......ヨ......」
白露「連れ戻してやるからねえええええっ!!!!」
村雨「私ニ......構ウナアアアアアアッ!!!!」
ブルンゲル「ヴゥゥゥウゥゥゥウゥゥ.......!!!!」
両者の目が青白く光り、身体から黒い瘴気があふれ出る
村雨「ブルンゲル!! 祟リ目!!!!」
ブルンゲル「ブルァァァァァァァ!!!!」ゴオオオオ!
瘴気がドス黒い炎となりメガカメックスと白露へ向けて放たれる
737
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:12:22 ID:dWZ2jWjM
白露「あんたを元に戻すためになら......鬼にでも悪魔にでもなってやるわ!!」
白露「どうせワルなら、いっちばんワルにねっ!!」カッ!
メガカメックス「ガァァァァァ......!!」コォォォォ
メガカメックス目が赤く光り、砲身に黒いエネルギーが充填されていく
吹雪「グレイシア、『手助け』!!」
グレイシア「レイッ!!」カッ!
吹雪「手助けは、味方の攻撃を強化する技! 私たちの力を受け取って!!」
白露「カメックス、『悪の波動』!!!!」
メガカメックス「ガメッッッ!!!!」ドォン!!!
ゴオオオオオオオオオ!!
漆黒のエネルギー波が広がる
相手の放った黒い炎を飲み込み、そのままブルンゲルへ襲い掛かる
ブルンゲル「ブルッ......」
バァァァァァアアアン!!!!
738
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/11(水) 00:13:01 ID:dWZ2jWjM
ブルンゲル「ゲェェェェエェエエェェェェェェ!!!!」
村雨「ウギャァァアッァァァッアアア!!!」
悪の波動に押し出され、遠く海面まで吹き飛んでゆく
ブルンゲル「ェェェェェェ.............」
ザバァン!!!
大きな水柱が立ち上がる
村雨「ァ......あ......った......かい......」
バタッ
ブルンゲル 戦闘不能
メガカメックス「ガァァァァメェェェェェ!!」 ド ン ! !
白露「まいどありー♪ ............って気分じゃないけどね」
続く
739
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 00:07:03 ID:hQtj2ep6
吹雪「............か」
ショタT「......勝ったね」
白露「村雨ーっ!!!」
秋月「涼月っ!!」
陸奥「......!?......待ちなさい!!」
ズズズズ......
地面に倒れた二人の少女の身体から虚ろな影が浮かび上がってゆく
ショタT「あ......あいつらだ!!」
ウツロイド①「ウ〜ツ〜......」
ウツロイド②「ロ〜イ〜......」
陸奥「出たわね、ウルトラビースト!!」
キッ キッ キッ
空間が軋んでゆく
そして異空間へと繋がるワームホールが出現する
740
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 00:08:05 ID:hQtj2ep6
ショタT「まずい、また逃げる気だ!」
陸奥「逃がしはしない! ショウタくん、これを!!」
ショタT「これは......?」
少年は大人のお姉さんからウルトラボールを受け取った
陸奥「それは彼らの捕獲に有効とされるボール! あとは分かるわね?」
陸奥「あの子たちが、あんなに頑張ってくれたのよ。君もちょっといいトコ見せてみなさい。男の子でしょ!!」
ショタT「はい、やります!」
陸奥「よろしい。君は左を、私は右を狙うわ! 」
ショタT「分かりましたっ!」
陸奥「いい? いくわよ!」
両者振りかぶって
ショタT & 陸奥「「てーっ!!!」」
投げた
741
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 00:08:48 ID:hQtj2ep6
シャッ!
少年の投げたボールは目標を捕らえ
ウツロイド①「ロイッ!?」
ポゥン!
ポンポンポン......
地面に落下する
ゴオオオォッッッッ!!!!
ウツロイド②「ウッ!?」
バキィッ!!
ウツロイド②「ロイィィィィィッッッ!!!???」
ズサーッ!
もう片方は着弾の衝撃で目標を大きく吹き飛ばす
白露「すげェ! 効果抜群だァ!」
秋月「でも剛速球過ぎてボールが反応してない!!」
陸奥「あらあら」
ウツロイド②「ウッ...ツッ......」ビクンビクン
片方のウツロイドは海岸に打ち上げられたクラゲと化す
哀れ。
742
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 00:09:54 ID:hQtj2ep6
ショタT「僕の方は......!」
ヌッ
ヌッ
ヌッ
ポゥン!!!
ウツロイド①「ロイ〜〜〜!!!」
再びボールから飛び出す
ショタT「ダメかっ......!」
吹雪「そんなっ!」
ウツロイド①「ウ〜ツ〜ロ〜」スーッ
一体目のウツロイドが異空間へ姿を消してゆく
スタスタ
地面に転がる方のウツロイドに歩み寄る
陸奥「もうダメよ、あんまり悪いことしちゃ......」
ポイッ
再びボールを投げる
ウツロイド②「ウッ......!」ポゥン!
ショタT「......!」
ヌッ
ヌッ
ヌッ
吹雪「お願い............」
カチッ!
ボールはそのまま静止する
秋月「や......」
白露「やった............!」
秋月・白露・吹雪・ショタT「ゲットだーーーーっ!!!!」
陸奥「お姉さんも、本気になっちゃうぞ♥」
743
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 00:11:12 ID:hQtj2ep6
陸奥「ありがとう、みんな。本当によく頑張ってくれたわ」
ショタT「お疲れ様、吹雪ちゃん」
吹雪「えへへっ......でも、みんなの頑張りがあったから、私も頑張れただけだよ」
白露「ここ数年でいっちばん頑張ったよーっ!」
秋月「ところで陸奥さん......涼月たちは、助かるんですか......?」
陸奥「安心して。今専門の医療班が対処してくれてる。これまでの事例から考えると、あの子たちは無事に目を覚ましてくれるわ」
陸奥「ただ、彼女たちが今回のことを覚えていなければ、そのままにしてあげて。思い出しても、つらいだけよ......」
白露「なんか聞かれたら、『ヤドンのあくびに釣られて変な夢見てたんじゃないのー?』って言っとくよっ」
陸奥「ふふっ、そうね。お願い」
陸奥「それでは......大人として、今回の総評を簡単に述べさせて頂きます」
陸奥「あなた方は、件の不測の事態に際し、聡明かつ勇敢な対応をもって収束させましたことを、ここに賞します」
陸奥「とても立派なことね。あなた達はもう、大人への一歩を踏み出してるわ」
白露「いひひひっ♪」
秋月「ふふっ」
吹雪「えへっ」
ショタT「へへっ」
陸奥「そしてここから先は............一人のお姉さんとしての、個人的なお話」
陸奥「そんなに急いで、駆け足で大人になったって......つまんないわよ」
秋月「えっ......」
白露「なんで?」
陸奥「あなた達は、まだまだ好き勝手遊んで、嫌な宿題はちょっと位サボって、その後ちゃーんと叱られて」
陸奥「そして、つらい事があったら......大人に泣き付いて、よしよしされるの......そういう事が許される年頃よ」
吹雪「......」
ショタT「......」
陸奥「......ま、それでもって言うのなら、自己責任で進みなさい。あなた達の目指す道を」
白露「もっちろん!! 言われなくたって、あたしは一番を目指す女、白露よっ!!」
秋月「陸奥さん! 秋月も......決して立ち止まるつもりはありません! もっと強くなって、皆を守れるように......!」
吹雪「わ......私もっ......!」
視線を合わせる
ショタT「......うん」
頷く
ショタT「僕も!!」
続くったら続く
744
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 00:11:58 ID:hQtj2ep6
大淀博士「さーて今回のポケモンは」
大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ
No.197
大淀博士「No.197と言えば、そう、ブラッキーですね」
大淀博士「月の光がイーブイの遺伝子に作用することで進化した姿、それがブラッキーです」
大淀博士「その黒い体毛に覆われた身体は闇に溶け込み、攻撃の瞬間には体表の輪っか模様を妖しく光らせます」
大淀博士「素敵ですね。私も月明かりに照らされてこのあられもない姿をさらけ出してみたいと思うことも」
バトン「ポン☆」
大淀博士「帰んな」
ここで一句
秋の夜に
すすきと団子と
ブラッキー
大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」
745
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 00:13:36 ID:hQtj2ep6
次回
登場キャラ
>>746
ポケモン
>>747
746
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 02:46:10 ID:1SEGQe4k
タ級
747
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 16:13:48 ID:D06OPjgc
アーケオス
748
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/13(金) 23:19:26 ID:hQtj2ep6
>>746
>>747
承りました
余談です
名前出てないけど防空埋護姫と深海雨雲姫を実質消化したので今後は出せないと思います
あとシロデスナがどこを切り取ってもふざけた鳴き声にしかならないのは誤算だった
749
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:14:18 ID:VGFu0v5w
〜〜〜海上〜〜〜
ザァァァァァァ
マタ雨「マーンターッ!!!」
マタ雪「マンタ!」
マンタイン「マンタ〜〜〜〜」
トレーナーを乗せたマンタインが3匹
その一団が海上を滑るように走る
吹雪「............心配」
ショタT「何が?」
吹雪「いや、何がって......つい昨日まで散々な目に遭ってたのに」
ショタT「......ウツロイドのこと?」
吹雪「それしかないでしょ! また出てきたらどうするの? 戦うの!?」
ショタT「やってみせる! 今度こそは、ゲットしてやる!」
吹雪「なんだか後戻りしてない......?」
ショタT「そんなことないよ。あの時は一人で頑張ろうとしてたけど、今は頼れる仲間がいる!」
ショタT「そうだよね、白露」
白露「もっちろんんんんんん!!!!!!」グーb
750
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:16:09 ID:VGFu0v5w
白露「あんにゃろー! 今度出てきたらこの白露の手でギッタンギッタンのケチョンケチョンにしてくれるわ!!」
白露「あたしと、更に進化したこのカメックスの力でねっ!」
カメックス『ガメッ!!』
ボールから鳴き声が聞こえる
ショタT「ほらっ」
吹雪「はぁー......」
白露「どこかの誰かが、あの時の村雨みたいになるのも嫌だしさ」
白露「村雨は......本当は、あんなこと言う子じゃないんだよ」
ショタT「......白露......」
白露「あっ、そんな気にしなくていーのいーの。そうそう、さっき大人のお姉さんから連絡あったよ」
白露「村雨も、あの銀髪のお嬢さんも、今はとっても元気だって!」
吹雪「よ、よかったぁ......!」
白露「まだ色々様子見ないといけないけど、学校始まるまでには戻れるってさ!」
ショタT「うん! 本当に、無事でよかったね......」
ショタT「......って......そう言えばもう夏休みが終わるのかぁ」
吹雪「もう、無事にお家に帰ることが出来ればいいでしょ。あんなに大変な思いしたんだから」
ショタT「それもそうだけどさ......」
マンタイン「マンタ〜〜〜〜」
ザァァァァァァァァ......
751
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:17:49 ID:VGFu0v5w
海上遠く
「............ガキが3人」
「......ダネ」
双眼鏡を覗き込む女性が2人
サメハダー①「サメェッ......!」ガルルル
サメハダー②「ハダァッ......!」グルルル
いずれもサメハダーの背に乗っている
「見ナイ顔の小娘が2人......ケド、残る白帽子の小僧ハ......」
「......」チラッ
手元に2枚の広告チラシ程の大きさの紙
双眼鏡から見える少年の顔と片方とを見比べる
「確かめてミヨウカ」
「行くヨ」
サメハダー①「サメェッ!!!」カッ
サメハダー②「ハダァッ!!!」カッ
バシュウン!!!
激しい水飛沫を立てて2体のサメハダーが発進する
752
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:19:04 ID:VGFu0v5w
白露「そーそー、そう言えば秋月からも伝言があったよ」
ショタT「秋月ちゃんから?」
秋月『あの海域は、UBの存在もそうですが......最近は別の理由で危険だと聞きます』
秋月『なんでもあの一帯に、通りかかったトレーナーに無差別に攻撃を仕掛ける一団がいるそうです』
秋月『もし遭遇した場合は、下手に刺激せずに早急に立ち去るよう心掛けて下さい。お願いします』
吹雪「......なんだか物騒だね」
白露「でもこの白露、挑まれた勝負から逃げはしないよっ! 掛かってくるならドンと来......」
「「ハイドロポンプ!!!!」」
サメハダー①「ザァァァァァ!!!」バババババ
サメハダー②「ハァァァァァ!!!」バババババ
ショタT「なっ!?」
吹雪「んっ!?」
白露「だぁぁぁぁぁぁあああああっ!?」
マンタイン一同「ンタァーッ!!??」
753
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:19:56 ID:VGFu0v5w
並走する3人の間の隙間を狙って、背後から弾丸のような水流が放たれる
ドドドドオオオオンンンン!!!!!
そして眼の前に2本の水柱がそびえ立つ
ショタT「くっ......!!」ザァァァァァ
滝のような海水の雨の中を走り抜ける
吹雪「何事!?」
後方を確認する
水飛沫の中に2人の人影が見える
もやが晴れてゆくと共にその姿が顕になる
タ級「......サァ、ソノお顔、よぉーく見せてミナサイ?」
ヲ級「............」ジロッ
サメハダーたち「ダァァァァァ!!!」グルルルル
754
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:20:49 ID:VGFu0v5w
ショタT「サ、サメハダー......に乗ってる!?」
吹雪「さっきの攻撃は、あの子達の仕業!?」
白露「うげーっ!? 行ったそばから何とやら!!!」
タ級「......間違いナイネ?」
紙と少年の顔を交互に見る
ヲ級「............ウン」
白露「な、なんだ貴様らーっ!? 勝手に頷いてないであたしらにも説明しなさぁーいっ!!!」
ヲ級「......面倒くさい.......コレデも見ナ」
バサッ!
2枚の紙を3人の元に放り投げる
パシッ
白露「んー? ............ふぁっ!?」
吹雪「えぇっ!?............こ、これって......手配書っ!?」
ショタT「げっ、これ僕の顔っ!? しかも......!!」
白露・吹雪・ショタT「「「 懸賞金ーっ!!!??? 」」」
755
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:21:45 ID:VGFu0v5w
ヲ級「見ての通りダヨ。コレデ説明しなくテモ......」
タ級「ブッ潰される理由が分かったデショウ?」
吹雪「それに、こっちの方の......赤髪......二つ結び......私、この子知ってる!!」
吹雪「私の隣町のスクールで生徒で、そこで一番の実力者! 名前は確か、陽炎!!」
白露「一番ッッッ!?」ギョギョギョッ
ショタT「吹雪ちゃん、陽炎のこと知ってたんだ......」
吹雪「一回、練習試合でバトルしたことがあるんだけど......勝てなかったなぁ。凄く強かった」
吹雪「......って、なんでその子と二人揃って仲良く指名手配されてんの? ショウタくん本当に日頃から何してる訳?」ムスー
ショタT「色々あって......」
白露「おのれーっ! 一番の名を騙る不届き者はこの白露が許さん!!」
ビリッ!(真っ二つになる陽炎の顔)
吹雪「いや、本人は騙ってないと思うけど......」
タ級「お喋りはお終いヨッ! 出て来い、アバゴーラ!!」
ヲ級「オイデ......アーケオス」
ポゥン! ポゥン!
ザバァン!
バサァッ!
アバゴーラ「ゴルァァァァ!!」
アーケオス「キャォォオッス!」
756
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:23:08 ID:VGFu0v5w
吹雪「くっ......ショウタくん、下がって! あの人たちの狙いは君だよ!」
ショタT「じゃあ尚更、僕が相手しなくちゃダメだよっ! 吹雪ちゃんが下がってよ!」
吹雪「また無茶する!」
ショタT「でも!」
白露「聞きなさぁぁぁぁぁあああああい!!!!」カッ!
吹雪・ショタT「ひぃっ!?」ビビクッ
ヲ級「......?」
白露「あんたら、この白露の顔をよーく覚えておきなさい! 何故なら......!」
白露「今度いっちばん高い懸賞金が懸けられるのは、この白露なんだからねっ!!!」 ド ン ! !
ヲ級「..................」
タ級「 ハ ? 」
吹雪「ねぇ白露ちゃん......? あなた秋月さんから直接忠告聞いたんじゃないの?」
白露「聞いたは聞いたけど承諾はしてないっ!」
白露「んじゃ任せたよ、カメックス!!」
ポゥン!
ザバァン!!!
カメックス「ガァァァメェェェ!!!」ドン!
激しい水飛沫を上げ、カメックスの巨体が海上に浮かぶ
757
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:24:07 ID:VGFu0v5w
白露「こんな紙切れの奴なんかより、この白露の方がよっぽど美味しい獲物だってことを教えてあげるよっ!」
ペラペラッ(真っ二つになった陽炎の顔で扇ぐ)
白露「もっとも、狩られるのはそっちの方だけどねっ!!!」
カメックス「ガメッ!!!」ギロッ!
アバゴーラ「ゴラァァァ......!」
アーケオス「ケェェェェェ......!」
タ級「生意気なガキだネェ......!!」ピキッ
ヲ級「イイネ......自分カラ喧嘩売ってくる奴を潰すのハ、心が痛まナイヨ」
ショタT「僕もやる! 来い、スターミー!!」
吹雪「あ、ちょっと!」
ポゥン!
スターミー「ヘァッ!!」
ショタT「白露! 僕も一緒に戦う!」
白露「いひひっ! じゃあ行くよーっ!!」
ショタT・白露「「バトルッ!!」」
758
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:25:05 ID:VGFu0v5w
ショタT「スターミー、ハイドロポンプ!! 狙うはアーケオス!!」
スターミー「ヘァアアアアアッ!!!」バババババババ
スターミーから水流の砲弾が発射される
ヲ級「フン」
コツン
サメハダーの頭を杖で小突く
サメハダー「ダァァァァッ!!」ゴオオオオッ!
アーケオス「ケェェェェッ!!」バシュッ!
ヲ級を乗せたサメハダーとアーケオスが急発進する
タ級「遅れるんじゃナイヨッ!」
ドン!
サメハダーの上で足を踏み鳴らす!
サメハダー「サメェッ!!」ゴオオオオッ!
アバゴーラ「ゴォォォラッ!」ザバッ!
タ級のサメハダーとアバゴーラもそれに続く
ザバァァァァァァン!
さっきまでアーケオスがいた位置で大きな水柱が立つ
ショタT「......っ! 避けられた!」
吹雪「ダメだよショウタくん! こんな遠くから棒立ちのまま攻撃しても、かわされちゃう!」
ショタT「そ、そっか......こっちも動き回って、相手の動きを捕捉しないと......!」
白露「だったら追っかけるよー!!」
マンタインたち「ンタァァァァッ!!」
バシュッ!!!
マンタインも発進する
759
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:26:11 ID:VGFu0v5w
ザァァァァァァァアアアア!
サメハダー、それを追うマンタイン、それらに随伴する形でポケモン達が水上を疾走する
タ級「ハッ、ド素人めッ」
ヲ級「見せてヤロウカ。海ニハ海ノ、戦い方がアルってことヲ」
ヲ級「......アーケオス」
アーケオス「ケーッ!」
バサバサッ!
羽ばたきと同時に高度を上昇させてゆく
ショタT「な、何をする気だ......?」
見上げる
アーケオスの影が太陽と重なる
ヲ級「......行ケ」
杖を振るう
トレーナーの命令と同時に、上空から黒い影がマンタインの一団めがけてダイブしてくる
アーケオス「キャァァァオッ!!」ゴォォォォォオオオ
ヲ級「今ダ......」
バサッ バサッ バサッ バサッ!!
急降下し、激しく羽をばたつかせる
吹雪「ひゃっ!?」
白露「うげっ!? ななななっ、なにあれっ!?」
ショタT「岩!?」
ヲ級「『岩雪崩』!!」
アーケオス「オォォォォッス!!」
羽ばたきにあわせ、アーケオスの両翼から大量の岩石がばら撒かれる
760
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 23:27:12 ID:VGFu0v5w
白露「あ、あんな危なっかしいモンどこに積んでたのよ!!」
ショタT「まずい......! あの位置から岩雪崩を撃たれたら......!!」
吹雪「私たちも巻き込まれる!!!」
アーケオス「ケォォォォッス!!」
ゴオオオオォォォォォォ!!
風圧が起こる
ショタT「うわぁっ!!」
マンタイン「マンタ〜〜〜ッ......!」
体勢を崩さないよう踏みとどまる
巨大な黒い影が上空を通過したその直後
ショタT「はっ............!」
それとは別の無数の影が空を覆う
タ級「教えてアゲル。 コノ海で生き残るのハ、強い者でも、賢い者でもナク!」
ヲ級「容赦ノナイ者ヨ」
ドドドドドオオオオォォォォオン!!!
降り注ぐ岩石の雨が海面に白い柱を乱立させてゆく
続く
761
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/19(木) 23:06:38 ID:KdQQqMyY
タ級「教えてアゲル。 コノ海で生き残るのハ」
ヲ級「容赦ノナイ者ヨ」
アーケオス「ケォォォォッス!!」ゴオオオオオオ
アーケオスの岩雪崩!
ショタT「............!」
ドドドドドオオオオォォォォオン!!!
水飛沫で海上が白く染まる
タ級「............トハ言え困ったネ。奴らがコノまま沈んじゃ、私らが仕留めたと証明デキナイヨ」
ヲ級「............」
白い幕の中を凝視する
ヲ級「......心配ナイ」
タ級「............ッ!?」
メガカメックス「ガァァァァメェッ!!!」ガコン!
スターミー「ヘァァァァァァッ!!」ギュィィィィィイン
攻撃を受けきった2体のポケモンが対峙する
762
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/19(木) 23:07:42 ID:KdQQqMyY
タ級「アレは、メガシンカ!? ......た、タダのガキじゃないッ!」
ヲ級「確かにコレハ、イイ獲物ダネ......」
メガカメックス「......ガメ?」
心配そうに懐に目を向ける
白露「ひひひっ♪ ありがとう、カメックス。もう悪い雨は上がったみたいだね」
スターミー「ジュワッ!」
吹雪「スターミー......あなたが庇ってくれたの?」
ショタT「ありがとう、スターミー」
スターミー「シュワッチ!シュワッチ!」
まじで最高なスターフィッシュpokemon!
完璧な星型ボディで程よい耐久で、見ててもエロいし声もいいし、エロかっこよさ五感で感じさせてくれるのはマジで気持ちいい。
他のやつはつまらなくなるよ、マジで。
白露「見たかあんたら! こいつがあたしの、いっちばーん頼れる、正義の盾よっ!!」
メガカメックス「ガメェェェェ!!!」ドン!
ショタT「反撃だ! 行くよスターミー!!」
スターミー「ヘァッ!!」カッ!
763
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/19(木) 23:09:42 ID:KdQQqMyY
タ級「いいダロウ......相手にナルさ......!」
アバゴーラ「アバァ......!」
ピキッ
ヲ級「......ダガ果たして.......我らの攻撃からトレーナーを庇いながら、反撃が出来るのカイ?」
杖を振るう
アーケオス「ケェェェェ!」
再びアーケオスが攻撃の姿勢にうつる
吹雪「また来る......!」
ショタT「白露!」
白露「なーにっ。さっきはビビッて反撃のチャンスを逃しちゃったけど、次は上手くやる」
白露「あいつがあたしらを攻撃しに近寄ってくる瞬間に、真正面から、撃ち落すっ!!」ドン!
メガカメックス「ガメッ!!」
ガコン!
主砲を構えるメガカメックス
吹雪「えぇっ!? で、でもそれだと、白露ちゃんはどうするの!? あの岩の雨をどうやり過ごす気!?」
白露「こんなもん臆した方が負けさ! 当たらないって思ったら、当たらないよっ!」
ショタT「......いや、その必要はない。アーケオスの攻撃を待たずとも、僕が仕留める!」
白露「 ? 」
吹雪「............そうだっ! ショウタくんとスターミーなら、それが出来るっ!」
ショタT「頼んだよ、スターミー!!」
キラッ!
スターミー「ヘェァァァァァァァアアアアア......!」カアアアアア
スターミーが光を纏ってゆく
764
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/19(木) 23:10:38 ID:KdQQqMyY
ショタT「Zクリスタルよ......僕とスターミーに力を!!」
Zクリスタルが輝きを増す
ヲ級「......見エル? アレ?」
タ級「エェ......やはり使って来たネ」
アーケオス「ケ......?」
アーケオスの頭上に黒い影がかかる
見ると、どこまでも続く岩の天井が広がっている
白露「すっごーい! あれって、もしかして!」
吹雪「そうだよ! これが......」
ショタT「スターミーが解き放つ、全力のZワザ!」
ショタT「ワールズ......」
タ級「ナラバ、コチラも見せてヤロウ。我ラの力を!」
アバゴーラ「アバァァァァ......!」
ピキピキピキッ
アバゴーラの甲羅に亀裂が走ってゆく
ショタT「 !? 」
765
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/19(木) 23:11:40 ID:KdQQqMyY
吹雪「.....!? ......し、しまった、アーケオスにばっかり気を取られてたけど......まずい!」
白露「アイツはさっきから何やってんのよっ!!」
アバゴーラ「ゴォォォォオ!」
ガララララ
甲羅が崩壊してゆく
ショタT「まさか、この技はっ!?」
タ級「『殻を破る』!!」
アバゴーラ「ラァッッッ!!」
パァン!!
装甲を脱ぎ捨てるアバゴーラ
タ級「サァ行け!!」
アバゴーラ「アァァァァバッッッ!!!」
バァァァンッ!!!!
後部の排水器官から大量の海水が爆発的に噴射される
それにより巨大な水柱が立ち上がる
瞬時に最高速度に達したアバゴーラが標的目掛け突撃する
ショタT「ま、まずい! 速......」
タ級「遅イッ!!!」
スターミー「ジュワッ!?」
アバゴーラ「ガァァァァァッ!!!」
顎
スターミーの眼の前に大きく開いた口が出現する
まばたきする間すら与えず攻撃が仕掛けられる
タ級「『噛み砕く』!!!」
ガギィッッッ!!!
766
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/19(木) 23:12:44 ID:KdQQqMyY
ショタT「ス......スターミーッ!!」
スターミー「ヘ......ヘァッ......ッ!」ギチッ
アバゴーラ「グルルルル......」
強靭な顎がスターミーを捉える
ピキッピキッ
ゴリッゴリッ
吹雪「ひっ......!」
耳を塞ぐ
白露「うげぇっ......!」
万力の軋む音が鳴り、標的の体が圧壊されてゆく
スターミー「デュ......ワッ......!」
ピコンピコンピコンピコン
同時にスターミーのコアが激しく点滅する
タ級「まだ餌の時間ジャナイヨ。用が済んダラ、サッサと戻って来ナサイ」
アバゴーラ「グルル......ラァッ!」クイッ
獲物を乱暴に放り投げる
ザバァン!
アバゴーラが主の元へ戻り、力なく漂うスターミーがその場に残される
ショタT「そんな............」
スターミー「......シュ......ワッ......」
光を失う
スターミーは力尽きた
続く
767
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/21(土) 16:38:52 ID:n00iBmms
タ級「『噛み砕く』!!!」
アバゴーラ「ガァァァァァッ!!!」
スターミー「ジュワッ!?」
ガギィッッッ!!!
ショタT「スターミーッ!!」
上空に大きく見えていたZワザが対戦相手に無視され、攻撃を食らった時には消えていた
スターミー『20回以上? 30回以下? 何回咀嚼されたか分......』
スターミー「......シュ......ワッ......」
グタッ
スターミーは力尽きた
ショタT「......スターミー......ありがとう。休んで」
ポゥン
吹雪「こ、これが殻を破るの力......!」
ショタT「油断した......まさかアバゴーラがここまで速く動けるなんて.......!」
白露「感心してる場合じゃないよっ!!」
ショタT「っ......!」
アーケオス「キャォォォォオォオオオッス!!!」ゴオオオオオオ
アーケオスが上空から急降下してくる
768
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/21(土) 16:39:48 ID:n00iBmms
吹雪「ま、またアーケオスが!!」
ショタT「くっ......!!」
白露「そこ! 今すぐあたしのそばに来なさい!!」
ショタT「えっ!?」
白露「作戦変更! とにかく今は君らを守る! だからカメックスの後ろに!」
メガカメックス「ガメ!」コクッ
ショタT「白露......カメックス......分かった!」
吹雪「ありがとう、二人とも......!」
マンタインたち「マンタ〜〜!」
ヲ級「岩雪崩......」
杖を振るい指示する
アーケオス「ケェェェエェェエエエ!!」バサッバサッバサッ!!!
両翼から大量の岩石がばら撒かれる
白露「カメックス、準備はいい......?」
メガカメックス「ガァァァァ.......!」コォォォォォオ
背中の砲塔にエネルギーが充填されてゆく
ドドドドォン!!!
水飛沫が立ち上る
降り注ぐ岩石がメガカメックスの周囲に水柱を作ってゆく
769
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/21(土) 16:40:24 ID:n00iBmms
ガガガンッ!!
メガカメックス「ガァッ......!!」
いくつかの岩石がメガカメックスに命中し砕ける音が響く
吹雪「カメックス!!」
白露「怯むんじゃないよ、相棒......」
上空を黒い影が通過する
見上げる
既にそこにアーケオスの姿は無く、ただ無数の岩だけが浮かんでいる
ショタT「............!」
マンタイン「マ......」
硬直する
時空が歪んだかのようにゆっくりと頭の中で秒の針が刻まれる
しかし確実に、岩石は自分達目掛けて距離を縮める
自分を乗せるマンタインの身が黒い影にすっぽりと包まれたその時
白露「今よッッッ!!!!」
メガカメックス「ガメッ!!!」
ガコン!
メガカメックスが振り向き、素早く砲の標準を合わせる
白露「水の波動!!!」
メガカメックス「ガァァァァメッッッ!!!」
ドォォォオン!!!
即座に轟音が鳴り響く
770
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/21(土) 16:41:00 ID:n00iBmms
パァァァァン!!!
波状の砲弾が頭上の岩石を撃ち抜き爆散させる
吹雪「や、やった......!」
ショタT「すごい......!」
マンタインたち「マンタ〜〜〜!!」
威力を落とすことなく水の波動が空中を突き進む
弾道上にアーケオスの姿を捉える
白露「行っけぇぇぇぇぇええええ!!!」
ヲ級「ダガ遅い」
アーケオス「ケオッ!!」サッ
進路を変え、背後からくる砲弾を避ける
ショタT「!? ......かわした!」
白露「ちぃっ......!」
タ級「馬鹿メ! ソンナ距離を置かれてカラ撃ったトコロデ、当たるモノカ!」
ヲ級「ソンナにコイツを撃ち落したいノナラ、正面からでなきゃダメだヨ」
アーケオス「オォォォォッス!!」キッ!
771
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/21(土) 16:41:50 ID:n00iBmms
メガカメックス「クッ......!」ギリッ
悔しそうに歯軋りする
白露「......」
ショタT(白露だって、最初からそれは分かってた。でも、僕らの身の安全の優先して、あの撃ち方を命令した......)
吹雪「白露ちゃん......私たちのために」
白露「なーに。いつどんな時だって、あたしは自分の戦い方が一番だって信じてるよっ!」
白露「ミスったら、次はもっと上手くやる! それだけ! だよね、カメックス!!」
メガカメックス「ガメッ!!」コクッ
ショタT「でも......これ以上白露たちの足を引っ張るわけにはいかない。自分の身は、自分で守る!」
ショタT「来い、オオスバメ!!」
ポゥン!
オオスバメ「スバァッ!!!」バサッ!
ショタT「とは言ったけど、安心して吹雪ちゃん。君は僕とオオスバメが守るから」
オオスバメ「スバッ!」キリッ
吹雪「えぇっ......!? あ、ありがとう......///」
ショタT「白露は、僕らを気にせず好きに戦って!」
白露「いいのかい? それじゃ、細かいことは考えずに好き勝手暴れちゃうけど?」
ショタT「それが一番いい。君とカメックスの実力は、こんなもんじゃないはずだから!!」
白露「フッ! 分かってるじゃないっ!!」ビシッ!
b(グー)
772
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/21(土) 16:42:37 ID:n00iBmms
タ級「覚悟は出来たカシラ?」
ヲ級「マ、出来てなくてもやるケドネ」
アーケオス「ケェェェェオッス!!」ゴォォォォォ
アーケオスが高度を上げる
白露「ショウタ、あっちは任せた。あたしはこっちをやる!」
ショタT「......分かった!」
バサバサッ!!
アーケオスが羽ばたく
上空から再三岩雪崩が放たれる
頭上が岩石の雨で埋め尽くされてゆく
ショタT「オオスバメ......行くよ!」
オオスバメ「スバッ!!」バサッ!
急加速し、アーケオス目掛け空へと駆け上がってゆく
吹雪「えっ......何してるの!?」
しかしオオスバメの眼前には既にアーケオスの放った岩の壁が広がっている
ヲ級「オオスバメを、岩雪崩の中に突っ込ませる気ダネ......」
タ級「所詮は壁にしかナラナイって訳かい! 酷いトレーナーだねェ!」
オオスバメ「............」ゴオオオオオオ
目前に岩石が迫る
773
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/21(土) 16:43:26 ID:n00iBmms
ショタT「ここからが......僕らの反撃のターンだ!」
ショタT「黒き烈風よ! 秘めたる鋼鉄の意志をその翼に現出させ、岩をも切り裂く刃となれ!」
オオスバメ「スバァァァ!!」
キン!
キン!
オオスバメの両翼が黒い光沢を纏う
ズガァァァァァァァン!!!
上空で岩石がはじけ散る
ヲ級「......!?」
タ級「ナニィッ......!?」
アーケオス「アー......? ......ケェッ!?」
オオスバメ「スッバァァァァッ!!!」ズバッ!
爆散した岩の中から無傷のオオスバメが出現する
その目はアーケオスただ一点を標的に定め向かってくる
ショタT「オオスバメ!『鋼の翼』!!!」
オオスバメ「スッッッ......バアアアアアアア!!!」
ズバァッッッ!!
アーケオス「キェェェェエエエエッ!?」バササァッ!
上空で極彩色の羽根が舞い上がる
続く
774
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:30:33 ID:sRM2k/6Q
ショタT「『鋼の翼』!!!」
オオスバメ「スッッッ......バアアアアアアア!!!」
ズバァッッッ!!
アーケオス「キェェェェエエエエッ!?」バササァッ!
タ級「鋼技......!?」
吹雪「や......やった!」
アーケオス「ァァァ......」ヒュウウウ
羽根を散らしながら落下してゆく
ヲ級「まだダヨッ......」
アーケオス「......ケェッ!」カッ
ガツガツ
落下しながら羽毛の中に隠し持っていた木の実を貪る
ショタT「あれは......!」
ヲ級「オボンの実の効果で、体力を回復スル......」
バサァッ!
バサァッ!
アーケオス「ケォォォォォッス!!」ゴオオオ
力を取り戻し、両翼を大きく広げ再び飛行体勢を取る
775
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:31:33 ID:sRM2k/6Q
ショタT「......アーケオスの特性は『弱気』」
吹雪「体力が半分をきると、技の威力も半減しちゃう特性だよね」
ショタT「だからアーケオスを狙うことで間接的に防御になるって考えたんだけど、そう簡単にはさせてくれないか......」
ヲ級「置物にサレちゃ適わないカラネ」
アーケオス「ケェェェェェェッ!!」ゴオオオオオオ
再び急降下を始める
メガカメックスとそのトレーナーを標的とし突撃する
吹雪「白露ちゃん!」
白露「..........」
腕を組み、敵を睨み付ける
ショタT「白露、アーケオスがそっちに! オオスバメ、追いかけるよ!」
オオスバメ「スバッ!」バッ!
反転し、アーケオスを追走する構えを取る
タ級「他人の心配をシテル場合カシラ?」
ショタT「!?」
オオスバメ「スバッ......?」
オオスバメの眼下の海面に黒い影が写る
本来ならあるはずのない場所に影が落ちている
それが自身のものではなく、海中を潜航している別の何かだと気付いた時
ザバァァァン!!!
黒影が白い水飛沫へと変わり、その中から敵が姿を現す
アバゴーラ「アバッ!!!」バシュッ!
776
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:32:33 ID:sRM2k/6Q
吹雪「アバゴーラ!?」
ショタT「いつの間にっ!?」
タ級「『滝登り』!!」
アバゴーラ「ゴォォォォラッ!!」バアアアアアア
後部の排水器官から滝の如き噴水を行い、上空へと飛び出す
その目にオオスバメの姿を捉える
ドゴォォォォォオン!!
ショタT「オ......オオスバメ!!」
アバゴーラ「グルルル......!」ギリリリ
オオスバメ「スッ...........バァッ......!!」ガハッ
怒涛の水流を纏ったアバゴーラの頭突きがオオスバメの腹に入る
攻撃が入った後、両者が海面へと落下する
777
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:33:28 ID:sRM2k/6Q
ザバァン!
片方は難なく着水し悠然と主の元へと戻る
タ級「サァ......落ちナサイ!」
アバゴーラ「ゴラァッ!!」
ヒュウウウウウ......
黒い翼が力を失う
舞散った羽が上空に足跡を残す
オオスバメ「ス......」
どこまでも続く深い青がオオスバメの視界を埋め尽くしてゆく
ショタT「オオスバメぇぇぇぇっ!!!」
オオスバメ「スバァッ!!!!」カッ!
力が漲る
目を見開き、身体の筋肉の盛り上がる
巻きつけていた襷が耐え切れずちぎれ、身体から抜け落ちる
タ級「ナニィッ!?」
両翼を大きく広げ旋回する
着水する間一髪で体勢を整え直し、海面スレスレを疾走してトレーナーの元へ戻ってゆく
ショタT「おかえり、オオスバメ」
オオスバメ「スバッ!」キリッ
778
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:34:23 ID:sRM2k/6Q
吹雪「あれは......」
舞散った黒い羽と共に細い布地が宙を舞う
ショタT「気合の襷。以前にも僕とオオスバメを助けてくれた。でももう回収は無理だね......」
襷が風に流され視界から消えてゆく
タ級「シブトイ連中メ......!」ギリッ
ヲ級「......スグに始末するサ......」
指揮棒を振るう
アーケオス「ケェェェェ!」
バサッバサッ!!
白露「......」 メガカメックス「......」
白露の隣にメガカメックスがピタリ寄り添う
両者とも毅然とした態度で構える
吹雪「白露ちゃん......!」
ショタT「大丈夫。あの二人なら......絶対」
白露「............絶対、今度こそは外さないよっ!!!」
メガカメックス「ガメェッ!!!」
ガコン!
背中の一門の主砲が標的を捉える
エネルギーの波が充填される
779
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:35:42 ID:sRM2k/6Q
ヲ級「岩雪崩!!」
アーケオス「ケォォォォオッス!!」ゴオオオオ
目前にアーケオスが迫る
メガカメックスに向けてその両翼から岩石が放たれる
白露「今よッ!!!」
メガカメックス「ガァァァメッ!!!」
ドオオオオオォォォン!!!
轟砲が鳴り響く
衝撃波を伴った砲弾が放たれる
即座に上空を埋め尽くしていた岩の雨が砂嵐へと変ってゆく
しかし
ヲ級「ヌルイな......」
指揮棒を振り上げる
アーケオス「ケオッ!!」バサッ!
同時にアーケオスが高度を上げる
吹雪「そ、そんなぁっ!」
ショタT「............」
メガカメックスの放った砲弾はアーケオスを素通りし空高く飛んでゆく
780
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:36:26 ID:sRM2k/6Q
タ級「アーハッハッハ!! 随分と意気込んでたみたいダケド......笑わせるネェ!!」
アバゴーラ「アバババ!!」
アーケオス「ケーケッケッケ!!」
ヲ級「結局は、自分の身を守るので精一杯......ナノかい?」
タ級「ダカラ甘いノヨ! 他人を傷つける事モ、自分の身を危険に晒す事も躊躇スルようなガキ共に、この海で生き残れる資格ガ」
白露「............いひひっ♪ それはどうかなー?」
タ級「 ア ?」
ヲ級「............ハッ!?」
上空を見上げる
虚しく空を切ったと思われていた砲弾が放物線を描き落下している
その弾道上にいたのは
タ級「狙いはアバゴーラかッ!?」
アバゴーラ「アバッ!?」
781
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:37:38 ID:sRM2k/6Q
タ級「ダガやはり甘イッ! 甘い甘い甘過ぎるッ!!」
ドォン!!!!
自分が乗るサメハダーの身体を乱暴に蹴り飛ばす
サメハダー「ダァッッッ!!!」バシュッ
アバゴーラ「ゴルァッ!!」バシュッ
サメハダーが急発進、アバゴーラがそれに随伴する
タ級「ソンナ分かりきった弾道! 目を瞑ってでも避けれるワヨッ!!」
ショタT「言ったね」
ザァァァァァァ
タ級「クソったれガ......」
海上を滑りながら悪態をこぼす
サメハダー「............ダァッ!?」ゾクッ
タ級「ナニ今更ビビッてンノヨッ! この臆病モンがッ!!」
サメハダー「ダダダダダ......」ガクガク
サメハダーが体表が鳥肌に変ってゆく
タ級「............?」
ヲ級「マズイッ、後ろッ!!!!」
タ級「馬鹿なッ!?」
アバゴーラ「バッ!?」
振り向くとそこに
ゴォォォォオオオオ!!!
エネルギー波の砲弾がアバゴーラに導かれ高速で迫ってくる
タ級「あの弾丸ハ......!?」
白露「メガカメックスの攻撃!! 『波導弾』!!!!」
メガカメックス「ガメェェェェエエエエッ!!!」
ドオオオオオオォォォォン!!!!
その日一番の巨大な水柱が立ち上がる
続く
782
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/22(日) 22:39:07 ID:sRM2k/6Q
長い……
次の投稿でこのエピソード締めるのでどうか最後までご付き合い下さい
783
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:00:04 ID:DtZhh13.
タ級「馬鹿なッ!?」
アバゴーラ「バッ!?」
白露「メガカメックスの攻撃!! 『波導弾』!!!!」
メガカメックス「ガメェェェェエエエエッ!!!」
ドオオオオオオォォォォン!!!!
メガカメックスの放った波導弾がアバゴーラに直撃する
爆発と共に激しい水飛沫が舞い上がる
ヲ級「オノレッ......」
吹雪「やった!」
ショタT「そうだ。波導弾から逃れることは出来ない......絶対!」
白露「ひっひー♪ やったね、カメックス!」
メガカメックス「ガメェッ!」
白露&メガカメックス「ンガッッッッ!?!?」
ショタT「っ......!?」
吹雪「嘘っ!?」
水飛沫のもやが晴れてゆく
直立する二者の影が浮かぶ
タ級「味な真似ヲ............」
アバゴーラ「ゴラララ............」シュウウウウ
アバゴーラのボロボロの身体から湯気が上がる
目は力を失わず依然として敵を睨み付けている
784
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:01:09 ID:DtZhh13.
吹雪「そうだ......アバゴーラの特性の一つは『頑丈』」
ショタT「それなら耐えられる。頑丈は、気合の襷と同じ効果を持つ特性だから」
白露「ななな! 納得いかーん! その頑丈な殻さっき自分で破ってたでしょーがっ!!」
ヲ級「......行けるカイ?」
タ級「当然ダ」
アバゴーラ「ゴォォォォッラアアア!!!」
アーケオス「ギャオォォォォォッス!!!」
咆哮が轟く
むき出しの殺意が目を光らせる
溢れ出す憎悪が空と海に広がる
吹雪「ひっ......!!」
マンタインたち「マンタ〜......」ブルブル
ショタT「まずいよ白露......あいつら本気だ......!」
白露「こっちゃ端から本気だよッ!!!」
白露「......とは言え、確かにちょっとヤバいかもね」
785
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:02:18 ID:DtZhh13.
タ級「やるぞ、アバゴーラ......容赦はイラナイ」
タ級「......構エ」
左手を前方に突き出す
指を伸ばす
その指示に従いアバゴーラが動く
アバゴーラ「ゴラッ......!」バッ
左前足のヒレを前に伸ばし、埋め込まれた岩の爪が突き出る
同時に腕の筋肉が盛り上がり、圧縮されたエネルギーが先端の爪に込められてゆく
明らかな攻撃の構えであることが即座に分かる
構えを取る両者の視線が、敵の姿ただ一点を捉える
伸ばした指の先に標準が定まる
吹雪「まさか......!」
ショタT「まずい! 白露っ!!」
毅然として構える
仁王立ちで腕を組み、こちらも敵を睨み付ける
視線が殺気を伴い身体に突き刺さるのを感じる
マタ雨「マンタ......!?」ゾクッ
白露の乗るマンタインが震える
白露「いひひっ......獲物はあくまでこの白露って訳だね?」
786
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:03:16 ID:DtZhh13.
ショタT「トレーナーを狙う気か......!」
吹雪「白露ちゃん!! 危ない逃げてっ!!!」
白露「ま、案外悪い気はしないね。大物扱いってのはさ」
ザバァァァッ!
メガカメックス「ガメェッ!!」ドン!
主を庇うためメガカメックスが立ち塞がる
吹雪「カメックス......!」
白露「ありがとう、カメックス。さすがあたしの相棒っ!!」
白露「......でも、心配いらない」ボソッ
囁きかける
メガカメックス「ガ?」
白露「あんたは、あいつをぶっ飛ばすことだけを考えてくれれば、それでいい」
メガカメックス「............」
白露「大丈夫! 信じてるからっ!!」ニッ
白い歯を見せる
メガカメックス「ガメっ!」キリッ
787
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:04:23 ID:DtZhh13.
白露「マタ雨、怖いかもだけどつき合ってねっ!」
マタ雨「マンタっ!!」キリッ
ガコン! ガコン! ガコン!
メガカメックスが全身の砲と手足を収納し甲羅だけの姿になる
メガカメックス「............」
ヲ級「最後マデ......守りに徹スル気か......」
タ級「ナラバ......貴様の正義の盾とヤラが、我ラの無慈悲な砲弾に引き裂かれるソノ瞬間を、目に焼き付けるがイイ」
タ級「貴様を始末するのはソノ後ダ!! やれ! アバゴーラ!!」
アバゴーラ「ゴラァァァァァッ!!」カッ!
白露「行くよ、カメックス!!」
メガカメックス「ガメッ!!」カッ!
タ級「ストーンエッジッッッ!!!」
白露「アクアジェットォォォォォォオオオ!!!」
アバゴーラの剛腕に込められた力が爆発する
轟音と共に岩石の徹甲弾が発射される
同時にメガカメックスが甲羅の後部から高圧の水流を噴射
その身体が一つの弾丸となり目にも止まらぬ速さで敵に突撃する
反対方向から放たれた二種の弾丸
それらが海上でかち合う
ことはなく、何事も無かったかのようにただすれ違う
ドオオォォオォォォオォン!!!!
両方向で同時に水柱が上がる
吹雪「し............」
ショタT「白露ーーーーっ!!!」
788
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:05:47 ID:DtZhh13.
「ひひっ♪」
岩の弾丸は仁王立ちするトレーナーの真横を素通りし、遠く後方で着弾していた
ヲ級「............!」
吹雪「白露ちゃん......!」
ショタT「......白露」
二人に笑顔がこぼれる
白露「やっぱりあたしらが......いっちばんだよねっ!!」
メガカメックス「ガメェェェ!!!」 ド ン !
タ級「馬鹿なッ......狙いは完璧だっタ......何デ......」
ガクッ
アバゴーラ「ゴ......ラ......ッ」ザバァン
アバゴーラはたおれた
タ級「何で、アタシの子がヤラレテ! アンタら二人とも無事ナノヨッ!!!」
ヲ級「......逸らしていタ......メガカメックスの甲羅が、ストーンエッジの弾道を逸らしていタンダ......」
タ級「納得いかナイッ!! アンナ、ガキ共にこの私がッ!! コンナ屈辱ヲッッッ!!!」
ヲ級「タっちゃん............」
789
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:06:42 ID:DtZhh13.
タ級「我ラは、奴等よりずっと昔にコノ海の上で生マレ、コノ海を支配してキタ! 此処は我らの縄張りダッ!」
タ級「陸地でノウノウと暮らし、稚拙なマンタイン捌きでチンタラ走ってる連中に、道を譲ってやれとでも言うノカ!?」
ヲ級「............」
タ級「先輩に対する態度ガ、ナッテナインジャないかしらァッ!?」
ショタT「............」
マンタイン「マンタ〜......」
吹雪「そ、そんな無茶苦茶な......」
白露「だったら教えてあげる。今日からこの海は」
白露「いっちばん強くて! いっちばん凄い! この白露の縄張りよっ!!」
メガカメックス「ガメエエエ!!!」
タ級「......ッ!!」ギリッ
白露「当然だよね? 白露が一番だもん」
ヲ級「ナラバそれもここで終わりダ」
ショタT「はっ!?」
上空を見上げる
アーケオス「ケォォォオッ!!」
目の色を変えたアーケオスが攻撃の構えを取る
790
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:08:01 ID:DtZhh13.
ヲ級「私もヤル。タっちゃん一人に屈辱を味わせはシナイ」
指揮棒を振るう
アーケオス「キェッェェェェッ!!!」 ゴオオオオオオオオ!
アーケオスが急降下する
翼を折り畳み、まったく羽ばたく素振りを見せない
飛行するというよりも猛スピードで落下するかのような挙動でメガカメックスに向かってゆく
吹雪「......!? あの構え、岩雪崩じゃない......まさか!」
ヲ級「行ケ、アーケオス。憎悪ヲ運ブ彗星トナリ、我ガ敵ニ破滅ヲモタラセ」
ヲ級「『諸刃の頭突き』!!!」
アーケオス「ケェェェェエエエエエ!!!」
メガカメックス「ガメッ!?」
両者の目が合う
ショタT「させない」
シャッ!
アーケオスの背後に黒い影が張り付く
ヲ級「............!?」
ショタT「気合の襷は、ただ攻撃を耐えるために持たせたんじゃない。全てはこの一撃のため!!」
アーケオス「ケォッ!?」バッ
振り返る
オオスバメ「スバァァァァアアアアッ!!」
ショタT「オオスバメ! 『起死回生』!!!」
バサァァァァァァッ
上空で花びらのような羽根が舞い上がる
791
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:09:04 ID:DtZhh13.
ショタT「......よくやったね、オオスバメ」
オオスバメ「スバッ!」
吹雪「やっと、終わった......」
ヲ級「............」
アーケオス「ア......ァ............」ヒュウウウ
アーケオスがその羽根の散らしながら力なく落下してゆく
深く青い海面が近づく
ヲ級「歯ァ食いしばれェ!!!!!」
アーケオス「キャォォォォッス!!!!」カッ!
792
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:10:07 ID:DtZhh13.
アーケオスが着水直前で旋回する
飛行体勢を取り戻し直角の軌道を描き、海面ギリギリを疾走する
吹雪「嘘っ!?」
ショタT「そ、そんなっ! 地力で耐えたッ!?」
力を振り絞り翼をばたつかせる
足は海面を蹴り飛ばし、文字通り水上を走るように前へ前へと進む
初速の勢いは失いながらも猛然とメガカメックスに突撃する
ヲ級「ソンナ無様な最期ハ許サナイッ! 非道にハ、非道の気高サが無くてはナラン!!!」
ヲ級「散ルなら華々シク散レッ!!!」
アーケオス「ケェェェェェエエエエ......ッ!!!」
ゴオオオオオオン!!!
白露「......」
吹雪「カ......」
ショタT「カメックス!!!」
メガカメックス「ガ......メェ......ッ!!!」
アーケオス「キェェェ......ッ!!!」
アーケオスの諸刃の頭突きがメガカメックスの土手っ腹に食い込む
両者とも歯を食いしばる
ピキッ ピキッ
甲羅が軋む嫌な音が鳴る
793
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:11:05 ID:DtZhh13.
白露「......伝わったよ。そっちには、そっちのプライドってもんがあるんだね」
白露「でもねぇッ!!!!」
メガカメックス「ガァァァァッ!!!」
バァン!!
アーケオス「キャォォォッ!?」
メガカメックスが腹部に込めた力を解放し厚い甲羅が衝撃を弾き返す
反動で大きく吹き飛ばされるアーケオス
白露「どんな悪い事されようが! どんな正論並べられようが! 絶対に、勝ちは譲らないっ!」
白露「あたしは白露! 一番になる女よっ!!!」
メガカメックス「ガメエエエエエ!!!」 ド ン !
ザバァン!
ヲ級「............」
眼の前に浮かぶ自分の分身をただ眺める
折れた翼が花びらを散らし海面が色鮮やかに染まる
アーケオスはたおれた
___________
_______
___
794
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:12:21 ID:DtZhh13.
海岸
ショタT「吹雪ちゃん。わざわざ送ってくれてありがとう」
吹雪「私はあんまり力になれなかったけどね......全部白露ちゃんのおかげ」
白露「ひっひー♪」
吹雪「でも本当によかったよ、ショウタくん。これで無事に帰れるね」
ショタT「吹雪ちゃんは、帰り気をつけてね。連中の仲間がいるかもしれない」
白露「だったら、またあたしの出番ね! なんせここは白露の縄張りだからっ!!」
白露「海は平和は、あたしが守るっ!!」キリッ!
吹雪「あ、あんまりあの人たちの影響受けない方がいいよ......」
白露「ショウタ! なんやかんやあったせいでアンタとの決着つけれなかったけど、今は見逃してやるわ!」
ショタT「え?」
白露「今の白露は最強過ぎて勝ち目ないからまた今度にしてあげる、ってこと!」フーン!
吹雪「すごい自信過剰......」
白露「次に会う時までにキッチリ修行しておきなさい! あんたとのバトル、楽しみにしとくよっ!!」
ショタT「うん、僕もだよっ!」
白露&ショタT「いひひひっ」
吹雪「いいなー、そういう仲って」
白露「何言ってんの! 吹雪も戦友! アンタや秋月達と戦って勝ち取った勝利はあたしの誇りだよっ!」
吹雪「えへへっ♪ ありがとう、白露ちゃん」
白露「じゃあ折角だし、みんなで一緒に言ってみよう。せーのっ」
白露・ショタT・吹雪「すぅ......」
(一呼吸)
「「「一番目指すよーっ!!!」」」
続くったら続く
795
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:13:24 ID:DtZhh13.
大淀博士「さーて今回のポケモンは」
大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ
No.567
大淀博士「No.567と言えば、そう、アーケオスですね」
大淀博士「大昔に絶滅したポケモンで、鳥ポケモンの祖先と考えられています。化石から復元することで現代に蘇りました」
大淀博士「群れで狩りをし、追い詰めた獲物を空から強襲して仕留めます。でも飛ぶより走るほうが得意だとか」
ノッソノッソ
(地に足つけてのっそり歩いてくるアーケオス)
アーケオス「ア?」
大淀博士「ひゃだ...ひゃだ...!! あなた、アーケオス......って言うのねっ!! かわいすぎよっ!! この顔立ちに、このムッチリ、ムッチリ、ムッチリしたカラダ!! あんたたち、」
アーケオス「ケェッ!!」ドン!
(アクロバットにドロップキック決めるアーケオス)
大淀博士「逝くわよっっっ!!!!!!!」バキィッ!
ここで一句
アーケオス
モフモフしたいわ
嗚呼毛雄
大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」
796
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/27(金) 22:15:35 ID:DtZhh13.
次回
登場キャラ
>>797
ポケモン
>>798
797
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/28(土) 00:42:34 ID:5pmyaXqk
秋津洲
798
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/28(土) 06:47:39 ID:mykZDbjc
デリバード
799
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/29(日) 22:02:19 ID:QL0D28VI
(最近長くなりがちで)これはキツいですよ
思えばもう800レスなんですね
多分そう遠くないうちに無理やりにでも畳むつもりなので読んで頂ければ幸いです
800
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/29(日) 22:02:46 ID:QL0D28VI
ある日の昼前
〜トレーナーズスクール男子寮〜
二人の少年が自分のベッドで寝転んでいる
グゥゥゥゥ......
ハウ「腹減った」
グラジオ「減ったな」
ハウ「でも飯準備する気にならないや」
グラジオ「そうだな」
ハウ「涼しいからいつまでもお昼寝したい」
グラジオ「暑い時も昼寝してたけどな」
ハウ「もう夏休みも終るのか〜」
グラジオ「俺らの夏はとっくに終わってるさ」
ハウ「まぁのんびり出来てよかったけどね〜」
グラジオ「まぁな」
ハウ「......」
グラジオ「......」
ハウ「ショウタも家帰ってのんびり出来た〜?」
ショタT「......」キュッ
(鏡の前で襟を正しシャツを伸ばす少年)
ショタT「ふっ......」キラリーン
(謎ポーズ)
ハウ「............」
ハウ「何か変なこと仕込んだ?」
グラジオ「変なことじゃない」
801
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/29(日) 22:03:42 ID:QL0D28VI
グラジオ「デートらしいぞ」
ハウ「へー」
ショタT「そっ、そういう訳じゃ......っ///」
グラジオ「言っておくが俺からしたらまだまだ地味過ぎる。もっと腕に」
ハウ「それで、デートと変なポーズとなんの関係が?」
ショタT「さすがに人前ではしないよ! こんなポーズ」
グラジオ「フッ......(苦笑)」
ショタT「あとデートじゃなくて......ちょっと真面目にお話したいって誘われただけ、だから......」
ショタT「以前グラジオくんが教えてくれたでしょ。トレーナーズアカデミー。そこに行ったとき、優等生の女の子とバトルしてさ」
ショタT「なんというか、一目置いてもらって......その縁で」
ハウ・グラジオ「......」
ハウ「デートだよね?」
グラジオ「デートだな」
ショタT「違うよ」
802
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/29(日) 22:04:25 ID:QL0D28VI
ショタT「じゃあもう出かけるから。僕の分のご飯はいらないからね」
ハウ「楽しんできなよ〜」
グラジオ「健闘を祈るぞ」
バタン
(戸が閉まる音)
ハウ「............」
グラジオ「............」
ハウ「ショウタに飯準備させるつもりだったのに」
グラジオ「フッ......」
ハウ「......」
グラジオ「......」
ハウ「ピザ食べたい」
グラジオ「そうか」
ハウ「宅配で割り勘」
グラジオ「構わん」
ハウ「ツナマヨ」
グラジオ「マルゲリータ」
ハウ「食おう」
グラジオ「食おう」
そういうことになった
803
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/29(日) 22:05:19 ID:QL0D28VI
トレーナーズアカデミー学園都市
〜喫茶店にて〜
ショタT「......///」ドキドキ
夕雲「うふふっ♪ また一段と凛々しくなったのね、ショウタさん」
ショタT「そ、そんなことないよ......」
夕雲「夕雲も、張り切っておめかしして来た甲斐がありました。あなたに不釣り合いだといけませんから」
ショタT「そそそ、そのようなことは御座いません......」
夕雲「もぅ、ダメよ? そんな固くなっちゃ......ね?♥」
ショタT (余計緊張します)
ショタT「......」
ズズー(熱々のコーヒーを啜る)
ショタT「熱っ!!」
夕雲「あらまぁ......本当に世話の焼ける人。大丈夫?」
テーブルナプキンで口を拭いてもらう少年
ショタT「だ、大丈夫です......///」
______________
_________
_____
804
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/29(日) 22:06:24 ID:QL0D28VI
静かな散歩道を歩く二人
ショタT(緊張し過ぎて全然話せなかった......)
ショタT「............な、なんかごめん。ちょっと、ああいう雰囲気慣れてなくて」
夕雲「ふふっ♪ これから慣れていけばいいのよ」
夕雲「それに、誘った私の方にも気遣いが足りてなかったわね。ごめんなさい」
ショタT「いや、本当に僕が情けないだけだから......」
夕雲「でも夕雲は、あなたのそういう所も素敵だと思ってるわ。だから落ち込んじゃダメよ?」
ショタT「あっ......ありがとう///」
夕雲「うふふっ♥」
夕雲「......それじゃあ、ちょっと本題ね」
ショタT「?」
夕雲「ショウタさん......あなたは、今の学校生活に満足してる?」
ショタT「え? んー......まぁ悪くないかな」
夕雲「そうなのね。私は......ちょっと退屈」
ショタT「なんか、優等生なりの悩みって感じだね」
夕雲「それでね、思ったの。あなたが傍にいてくれたら、もっともっと彩のある日々が送れるんじゃないかしらって」
ショタT「えっ......?」
夕雲「ねぇ......こっちの学校で、夕雲たちと一緒にお勉強してみない?」
ショタT「............それは」
<カモオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!
夕雲・ショタT「!?」
805
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/29(日) 22:08:07 ID:QL0D28VI
デリバード「でり〜っ!」ジタバタ
レ級「大人しくしナ!!」
ガオガエン「ガオオオッッッ!!」ギロッ!
デリバード「デリッ......」ビビクン
ガオガエンの脇に抱えられたデリバードが縮こまる
レ級「ン〜〜〜ッ♪ いい匂いだゼェ〜、コイツ?」
ガオガエン「ガオガオッ♪」
秋津洲「やめてっ! その子だけは放してかもっ! って、かもじゃなくて絶対放してっ!!」
ガオガエンに掴みかかる少女
レ級「ウルセェ!」
ガオガエン「ガオッ!!」
ドン!
ガオガエンの軽いラリアットで少女が大きく吹っ飛ぶ
秋津洲「きゃああああああっ!!」
ズザアアアア
デリバード「デ、デリ〜〜ッ!!」
デリバードの目がら涙がこぼれる
レ級「コンナ旨そうな匂いさせてオイテ食うなとか馬鹿かテメェッ!」
レ級「行くゼ、ガオガエン。早くリコ姉トコ持って帰って食っちまおうゼ!」
ガオガエン「ガオッ!!」
806
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/29(日) 22:09:20 ID:QL0D28VI
タッタッタッ
柄の悪いトレーナーとポケモンのコンビが走り去ってゆく
デリバード「デリ............」
連れ去られるポケモンとそのトレーナーとが目を合わせる
非力さと涙に覆われた瞳が鏡のように映る
秋津洲「デリバード......ごめん......助けて......あげられなくて......」ボロボロ
<大丈夫ですかーー!
秋津洲「............?」グスン
ショタT「はぁ、はぁ......これは、いったい何が?」
夕雲「ひどいお怪我を......今お助けを」
秋津洲「わっ......私のことはいいかもっ! それよりっ......!!」
・・・ ・・・
ショタT「......えっ!? ポケモンを攫われた!?」
夕雲「酷いことを............」
〜トレーナーズスクール男子寮〜
ハウ「ピザ楽しみだな〜」ワクワク
グラジオ「フッ」
続く
807
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/04(金) 22:34:20 ID:6TimNxlk
夕雲「私は夕雲、こちらはお友達の」
ショタT「ショウタです」
秋津洲「ぐすん......あたし、秋津洲。相棒のデリバードと一緒にピザのお店をやってるの」
秋津洲「............でも、そのデリバードが連れ去られて......しかも、すっごく怖そう人と強そうなポケモンで......」
秋津洲「デリバードが食べられちゃうかも〜〜〜〜〜っ!! うえええぇぇぇん!!(泣)」
夕雲「事情は分かりました。ショウタさん」
ショタT「うん、分かってる。助けに行かなきゃ」
秋津洲「確かあっちの方向に走っていったけど......」
秋津洲が指差す方向に鬱蒼とした森が佇んでいる
秋津洲「もうどこ行ったか全然分かんないかも〜〜〜......」
夕雲「.............?」
道端にある目印を見つける
夕雲「お利口な子ね。行きましょう」
ショタT「え?」
秋津洲「......?」グスン
808
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/04(金) 22:35:24 ID:6TimNxlk
〜どこかの空き地〜
ザッザッザ
レ級「昼飯だゼー、リコ姉」
ガオガエン「ガオォ!」
デリバード「......」ブルブル
周囲を木々に囲まれた空き地
足を踏み入れると生えっぱなしの夏草がカサカサと音を立てる
レ級「相変わらず何もネェ所ダナ」
奥に佇む女性が鋭い眼光を投げる
リコリス棲姫「アタシの自慢の箱庭ニ、文句デモ?」
レ級「マァそう怒ンナヨ。ホラ、昼飯ダゼ!」
ガオガエン「ガオッ!」グッ
デリバード「デッ......!」ビクッ
デリバードを差し出すガオガエン
レ級「ドウだ、旨そうな匂いダロ?」
リコリス「......何でデリバードごと?」
レ級「エ? どういう意味?」
リコリス「荷物だけブンどればよかったダロ。まさかデリバード食わせる気か?」
レ級&ガオガエン「............?」
レ級&ガオガエン「......」クンクン(デリバードの匂いを嗅ぐ両者)
レ級&ガオガエン「......」クンクン(デリバードの荷物の匂いを嗅ぐ両者)
レ級&ガオガエン「............」(目を合わせるトレーナーとその相方)
レ級「テヘペロ☆」 ガオガエン「ガオガオ☆」
リコリス「ドアホか」
デリバード「......」ホッ
809
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/04(金) 22:36:19 ID:6TimNxlk
レ級「テェメェェェ! 自分が食いモンじゃネェって分かってンナラさっさと言えやゴルァァァァ!!」
ガオガエン「ガオオオオオオオォォォォォォォッ!!!!」
デリバード「デリィィィィィイ!?」ビクビクビクッ!
リコリス「ドーデもイイ、サッサと中身寄越シナ」
レ級「ソウダな、ホラよ!」
荷物の中にあるピザの箱を取り出す
箱を開ける
リコリス「............」
中から出てきたピザは端の耳部分がきれいにちぎり取られている
レ級「ホーラ、イイ匂いダゼ〜。アタシ、ツナマヨ貰うゼ」
ガオガエン「ガオ〜」
リコリス「オイ」
レ級「ア?」
リコリス「コノ世には、耳の無いピザなどと言う趣のナイ物が存在スルのカ?」
レ級「別に無くてイーじゃん。味ネェし」
< かもぉぉぉぉぉぉおおお!!
レ級「アァン!?」
ガオガエン「ガオッ!?」
リコリス「......?」
デリバード「でり〜〜〜っ(嬉)!!」
ザッ!
秋津洲「デリバード、見つけたかも!」
810
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/04(金) 22:37:51 ID:6TimNxlk
ショタT「夕雲ちゃんの言う通りだったね!」
夕雲「ちぎれたパンの耳を辿るなんて、お伽噺みたいでロマンチックね」
レ級「アアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!」
ショタT「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
顔を合わせると同時に叫ぶ二人
リコリス「アノ顔ハ......?」パサッ
手元に置いてあった2枚の手配書に目をやる。片方に描かれた少年の顔と眼の前の顔を見比べる
ショタT「何かと思ったらまたコイツ......!」
レ級「てめェの方ダヨッ!!! ダガ会えて嬉しいゼ!」バッ!
手配書を見せ付ける
夕雲「......!」
レ級「なんせテメェとコノ小娘ぶっ潰せば、離島の姉貴からガッポリ小遣い貰えるンダからヨ!!」
ガオガエン「ガオォォォッ!!」
リコリス「離島嬢のバカにもつき合ってみるモンだナ」
秋津洲「えぇっ!? 君そんな指名手配されるような悪い人なのっ!? 見かけによらないかも〜......」
ショタT「色々あったんですっ! というかどう見たってあっちの方が絶対悪そうでしょう!」
ショタT「ゆ、夕雲ちゃん......もちろん誤解だよ。分かってくれよね......?」
夕雲「............」
レ級が見せ付けてきた手配書
その片方の赤髪の少女を睨み付ける夕雲
夕雲「ふーん、随分と楽しい夏休みを過ごせたのねっ」プイッ
ショタT「あ、あれっ......」
811
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/04(金) 22:39:01 ID:6TimNxlk
レ級「サァー、ヤッテやるぜ、ガオガエン!!」
ガオガエン「ガオォォォッ!!」
リコリス「下がれ」
レ級「エ?」 ガオガエン「ガオ?」
リコリス「私の庭で、勝手に騒がれたら困るンダ」
レ級「デ、デモヨォ......」
リコリス「悪い事は言わナイ。やめておきナ。ココは私のフィールドだ」
レ級「ワ、分かっタヨ......リコ姉に任せル......」
リコリス「安心シロ。報酬はお前にクレテやる。あのガキはお前が離島嬢の所まで持って行きナ」
レ級「マジー? だったら何も文句ネェヨっ!」
リコリス「という訳ダ。遊んでモラオウカ。行っておくガ逃げたらコイツがタダじゃ済まないヨ」
デリバード「デリっ!?」
レ級「大人しくシテナ! 人質ナラヌ鳥質ダゼ!」
ガオガエン「ガオッ!」
秋津洲「ひどい! デリバードを返して......!」
リコリス「返してヤルサ。このバトルが済んだらナ」
ショタT「............」
夕雲「......あいにく私、ならず者と手合わせすることは出来ません。我が校の品格に関わりますので」
不機嫌そうに言い放つ夕雲
ショタT「......そうだよね。ごめん、夕雲ちゃん。君をこんなことに巻き込んじゃって......」
申し訳なさそうに答える少年
夕雲「............」
812
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/04(金) 22:39:42 ID:6TimNxlk
ショタT「行くよ、僕のポケモンたち!!」
リコリス「フ......歓迎してヤルヨ」
夕雲「はぁ......ダメね、夕雲ったら」
溜息をつく
ショタT「モロバレル、頼んだ!」
リコリス「来イ、ダーテング!!」
ポゥン!
ポゥン!
モロバレル「バレッ!」スタッ
ダーテング「ダーーーッ!!」バサッ
秋津洲「なんか悪そうなのが出て来たかも......」
夕雲「ダーテング。草と悪の複合タイプ。トレーナーに似てよこしまな顔付きね」
リコリス「けッ!」
ショタT「でも、相性は悪くない! 行くよ、モロバレル!!」
モロバレル「バレーッ!」
攻撃の構えを取る
リコリス「ダーテング、『グラスフィールド』」
ダーテング「ダァァァァァァァ......!」カッ
813
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/04(金) 22:40:23 ID:6TimNxlk
ダーテングが目を光らせ呪を唱える
それに呼応し場に変化が起こる
ガササササササ
秋津洲「な、なにこれ......!?」
夕雲「おかしい......グラスフィールドは場に草を茂らせる変化技のはず......なのに」
ショタT「か、枯れていく......草が」
青々と茂っていた雑草が何かに力を奪われるかのように萎む
茶色い地面が顕になったのち、何かが一斉に芽吹いてゆく
急激に成長を遂げた茎の先端の蕾が鮮やかな色と共に花開き
夕雲「悪趣味ね......」
ショタT「確かに草は草だけど......これって......」
秋津洲「ひ、彼岸花!?」
真紅の華が一帯を赤一色に染める
リコリス棲姫「サァ......掛カッテ来ナ」
続く
814
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/05(土) 22:09:17 ID:1m2kSf9A
場に彼岸花が咲き乱れる
秋津洲「ちょ、ちょっと縁起悪いかも〜〜〜......」
リコリス棲姫「安心シナ。コイツらはイイ奴ダ。お前にも恵みをくれてヤルサ」
ショタT「恵み......?」
夕雲「普通、グラスフィールドによって植えられた草花は、地面に接している者に滋養を与えてくれるわ」
ショタT「そっか、体力を回復させる効果があるんだね」
夕雲「でも......嫌な予感がする。気をつけて下さい、ショウタさん」
ショタT「うん、ありがとう。夕雲ちゃん」
ショタT「モロバレル、『クリアスモッグ』だ!!」
モロバレル「バレーーーッ!!!」プシューーーー!!
透明な毒霧を相手に噴きつける
ダーテング「ングッ......!?」ゴホッ
ショタT「効果は抜群だ!」
モロバレル「バレッ!」
リコリス「フン」
キラン
ダーテング「ダァァァァ」
彼岸花が揺らめき力を分け与える
815
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/05(土) 22:09:59 ID:1m2kSf9A
秋津洲「回復されまくって倒せないかも......なんてことないよね?」
夕雲「フィールド効果の回復量は高が知れてるわ。気にせず攻め続けるのよ」
ショタT「うん! もう一度クリアスモッグだ!」
リコリス「ダーテング、『神通力』!!」
ダーテング「ダーーーーッ!!」カッ!
モロバレル「バレーーーッ!!」プシュー!
ダーテング目が光り、身体から霊気が湧き上がる
立ち上るエネルギーが念力となってモロバレルを襲う
それに遅れダーテングも毒霧を受ける
モロバレル「バレレーッ......!」ズキッ
ダーテング「ダァァァ......ッ!」ゲホッ
ショタT「しまった、エスパー技か......! でも!!」
モロバレル「モロッ!!」キランキラン!!
モロバレルの身体がきらめく
ショタT「モロバレルに持たせた『黒いヘドロ』の効果、そしてグラスフィールドの効果で体力を回復!!」
夕雲「ふふっ。いい道具を持たせてるのね」
レ級「ケッ! アタシのガオガエンが出りゃあんなキノコ」
リコリス「黙って見てナ」
ダーテング「ダァァァ......!」キラン
816
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/05(土) 22:10:54 ID:1m2kSf9A
リコリス「じゃあ、これならドウダ? ダーテング、『暴風』!!」
ダーテング「ダァァァァッ!!」
バサァッ!!
ダーテングが両手を大きく扇ぐ
真紅の花びらが舞い上がる
秋津洲「きゃぁぁぁぁっ!」
ショタT「今度は飛行技かっ......!」
ゴオオオオオオオオオオッ!!!
暴風がモロバレルを空中に持ち上げ
モロバレル「バレーーーッ!?」
ドォン!!
地面へと叩きつける
ショタT「大丈夫!? モロバレルっ!」
夕雲「いや......」
モロバレル「バレバレ〜〜っ?」ピヨピヨ
ショタT「まずい、混乱してる! しっかりして!」
モロバレル「バッ......! バレレッ!!」
バキィッ!
訳も分からず自分を攻撃する
レ級「ヘッ、ザマネェナ!」
リコリス「これでトドメだ。ダーテング、神通力!!」
ダーテング「ダァァァァァッ!!」
カッ!
目が光る。放たれた念力が満身創痍のモロバレルに追い討ちをかける
ショタT「くっ............!!」
モロバレル「バ......レ......ッ......」
バタッ
モロバレルはたおれた
817
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/05(土) 22:11:25 ID:1m2kSf9A
ドクン
鼓動
ショタT「うっ......!」ガクッ
地に膝を着く少年
夕雲「......ショウタさん、大丈夫っ!?」
秋津洲「えっ、な、なんなの!?」
少年の額に大粒の汗が滲む
ショタT「はぁーっ......はぁーっ......な、なんだこれ......」
動悸が激しくなる
リコリス「フッ......少シ、刺激が強過ギタカ?」
夕雲「......」
睨み付ける
夕雲「......説明して頂けますか? いったいどんな仕掛けが?」
ブチッ
地面から一本の花を引き抜く
リコリス「コノ花がくれるノサ。恵みモ、毒モ」
818
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/05(土) 22:12:16 ID:1m2kSf9A
夕雲「毒......」
リコリス「私はネェ、生温い戦いに興味はナインダヨ。トレーナーも命賭けなきゃ、ツマラナイだろう?」
リコリス「ダカラこのフィールドに『種』を植えておいたのさ。本気のバトルをする為の仕掛けをネ」
リコリス「コノ花が与える毒が、トレーナーとポケモンに作用し神経を昂ぶらセル。スルトドウダ?」
リコリス「自分のポケモンと一緒に戦ってる気分にナルダロウ? ドウダ、瀕死の味ハ?」
夕雲「............」チラッ
モロバレル「バレッ......」グタッ
力なく地に伏せるモロバレル
ショタT「はぁーっ、はぁーっ......!」ゼェゼェ
秋津洲「ショウタくん! しっかりして、どうしたの!?」
ショタT「お......おかしい......もう、治ったはずなのに......」
苦しそうに脇腹を押さえる。塞がったはずの傷が疼く
ショタT「(......思い出す......あの時を......)」
肩を震わせる
夕雲「ショウタさん......」
リコリス「にしても情けネェガキだ。もう少しヤルかと思ってたケドナ」
819
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/05(土) 22:12:51 ID:1m2kSf9A
ギュッ
夕雲「......大丈夫」
ショタT「え......?」
秋津洲「きゃっ......///」
夕雲に優しく抱きしめられる少年
レ級「ヒューッ」
リコリス「ませてんナ。最近のガキは」
ショタT「ゆ、夕雲ちゃん......」
夕雲「私の知らないうちに、とても辛いことを経験したのね......」
夕雲「あなたが一番苦しんでいた時に傍に居てあげられなかったこと、夕雲、とても悔やみます」
夕雲「でも大丈夫よ。もう夕雲が、ずっとずっと、一緒に居てあげますから。だから安心して」ギュッ
ショタT「......僕は......」
夕雲「怖いのね。でもいいじゃない、別に」
夕雲「夕雲が、全部包み込んであげる。だから、もっともっと、甘えてくれても、いいんですよ」
ショタT「............ありがとう」
夕雲「うふふっ。でもちょっと待ってて下さいね」
少年の持つ空のモンスターボールを優しく取り上げる
夕雲「......秋津洲さん、ショウタさんをよろしく」
秋津洲「えっ、あっ、は、はいかもっ!」
820
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/05(土) 22:14:21 ID:1m2kSf9A
夕雲「戻りなさい、モロバレル」
モロバレル「バッ......」
ポゥン
夕雲「あなたもよく頑張ってくれましたね。お礼を申し上げます」
夕雲「後は......この夕雲に任せてちょうだい!!」
秋津洲「ええっ!? 夕雲ちゃんがやるの!? だ、大丈夫なの......?」
夕雲「実力に関してならご心配なく。それ以外の問題について今は考慮しませんが」
リコリス「本当にイイのカイ、お嬢ちゃん? 言うケド私は、お前のようナ奴コト嫌イダヨ」
夕雲「嬉しい限りです。お互い様ね」
リコリス「チッ......手加減はイラネェ。ありったけの戦力注ぎ込んで来ナ」
リコリス「このバトルでテメェの身が持てバの話だがナァッ!!!」
夕雲「言われるまでもありません。持てる限りの力で貴女の仲間を一人残らず沈めてあげる」
(殺気)
レ級「ゲッ!?」ビクッ!
ガオガエン「ガオッ!?」ビククッ!
デリバード「デッ!?」ビビクン!
リコリス「面白ェ......!!」
レ級「オイオイ、正気かよコイツら......」←引き気味
秋津洲「て、てててっ! 夕雲ちゃんちょっと忘れてない!? あっちには鳥質のデリバードが!」
夕雲「関係ないわよ! みんな一緒に沈みなさい!!!」
秋津洲「ええええええええっ!?」 デリバード「でりいいいいいいっ!?」
続く
821
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:48:35 ID:SmXXUIwo
秋津洲「......ショ、ショウタくん、大丈夫かも? まだ苦しい?」
ショタT「僕はもう大丈夫です......それより......」
フィールドに目をやる
対峙する二人のトレーナー
不吉な真紅の花畑が依然として一面に広がっている
リコリス棲姫「ホラよ。サッサと掛かって来ナ、ガキィ!」
ダーテング「ダァァァァッ!」
夕雲「この草花で覆われたフィールドには、私の華やかなポケモン達が相応しい」
手元には4つのボール
その内の一つを構える
夕雲「さぁ、貴女の相手はこの夕雲です! おいで、私の新たな主力、キュワワー!」
ポゥン!
キュワワー「キュワー!」フワッ
『キュワワー』
はなみつポケモン
タイプ:フェアリー
特性:フラワーベール/ヒーリングシフト
ショタT「キュワワー......?」
秋津洲「可愛いかもー! って、あんな可愛い子で戦えるの?」
夕雲「ご心配なく。戦闘、開始!」
822
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:50:50 ID:SmXXUIwo
リコリス「騙されネェゾ、そいつは草タイプじゃねェ」
夕雲「よくご存知ね。大体の方は勘違いされるんですよ」
リコリス「へっ、だったらコレダ!」
ダーテング「ダァァァァ......!!」ゴゴゴゴ
バサッ!!
ダーテングの両目が強烈な光を放ち、両手を大きく扇ぐ
風が吹き花吹雪が舞い上がる
真紅の花弁を巻き込み、赤く染まった竜巻が出現する
リコリス「知らなかっタラ覚えておけヨ。この場で繰り出される草技はヨリ強力にナル!」
夕雲「ええ、知ってます」
リコリス「分かってンナラ、テメェも巻き込まれネェよう気を付けンダヨッ!」
リコリス「ダーテング、『リーフストーム』!!!」
夕雲「遅いわね」
シュッ
キュワワーの姿が消える
リコリス「!?」
夕雲「キュワワーの特性『ヒーリングシフト』の効果」
夕雲「体力を回復する技を先制で繰り出すことが出来る。それが攻撃技であっても例外なく、ね」
夕雲「やりなさい、キュワワー! 『ドレインキッス』!」
ダーテング「ダッ!?」バッ
背後に気配を感じ振り向く
それに合わせキュワワーがダーテングに接吻する
CHU☆
823
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:51:54 ID:SmXXUIwo
キュワワー「きゅわーっ♥」チューッ
ダーテング「ちゅ......ん......んちゅ......」
レ級「オホー」
リコリス「ナナナ何ヤッテンダァァァ! ダーテングゥゥゥゥゥッ!!!」
キュワワーに力を吸われダーテングの目の輝きが失われてゆく
それに同調し巻き起こした竜巻が弱まる
宙に浮かぶ花びらが静かに舞い降りる頃
ガクッ
ダーテング「ン......グッ......」
ダーテングは倒れた
ショタT「よしっ!」
秋津洲「やったかも!」
リコリス「ウグッ! ゲホッゲホッ!!」
同時にそのトレーナーが咳き込む
夕雲「この花の毒の影響で、自分のポケモンと戦ってる気持ちになる、と先程おっしゃっていましたね?」
夕雲「まさか、貴女まで口づけされてる幻覚を見てる訳じゃないでしょうね? 夕雲そちらの趣味は......」
リコリス「クソがッ......!!」ゼェゼェ
ポゥン
ダーテングをボールに戻す
残った3つのボールから一つを摘む
リコリス「出て来い、アマージョ!!!」
ポゥン!
アマージョ「アマーッ!!」スタッ
『アマージョ』
フルーツポケモン
タイプ:草
特性:リーフガード/女王の威厳
824
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:52:57 ID:SmXXUIwo
夕雲「アマージョ......」
リコリス「ホラよ、掛かって来ナ!」
アマージョ「マージョッ!」キッ
夕雲「引かざるを得ないわね......戻りなさい、キュワワー!」
キュワワー「きゅわっ!」ポゥン
キュワワーをボールに戻す
秋津洲「えっ、なんで戻しちゃうの?」
ショタT「そうか......アマージョの特性の一つは、先制技を無効化する『女王の威厳』」
ショタT「つまり、先制技化したドレインキッスも効かないってこと」
リコリス「女王様に舐めた真似は許されネェゾ」
夕雲「ふん。何が女王様よ」
別のボールを構える
リコリス「手持ちヲ交代スルのは構わネェけどサッサと出シナ! さもネェと、攻撃を食らうノハ......」
アマージョ「アマッ!」バッ
パチッ!
アマージョが取り出した鞭を鳴らす
リコリス「テメェダカラナァッ!! アマージョ、『パワーウィップ』!!」
アマージョ「マジョーッ!」バッ
鞭を大きく振るう
秋津洲「ひぃぃぃぃっ!?」
ショタT「夕雲ちゃん!」
夕雲「......おいで」
ポゥン!
825
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:54:07 ID:SmXXUIwo
シュッ
鞭が空を切り裂く、その軌道上で赤い花びらが血飛沫のようにが舞い上がる
バチィン!!
対象を捉えた鞭が炸裂音を鳴らす
リコリス「ケッ......!」
夕雲「出てきて早々こんな仕打ちをさせてすみません。でもあなたなら大丈夫でしょう?」
夕雲「頼んだわよ、ラフレシア!」
ラフレシア「ラッフー!!」バン!
秋津洲「ホッ......」
ショタT「よし、いける。たとえ草技を強化しても、草と毒の複合タイプをゴリ押せる程の威力はない」
夕雲「この子を出すのが遅れていたら、本当に夕雲が攻撃を食らっていたわね」
リコリス「当然ダ。テメェに手加減する程の容赦は残ってネェヨ」
夕雲「うふふふっ......それは結構。夕雲は今、どうお返しして差し上げようかと腐心してるところです」
妖しく微笑む
ショタT「夕雲ちゃん......?」
リコリス「ヤッテミロ......!!」ブチッ
レ級「リ、リコ姉、幾らなんでもキレ過ぎジャネーカ......?」
夕雲「さて、夕雲たちもこのフィールドの恩恵は受けさせて貰いますよ。いいわよね?」
リコリス「勝手にシナ」
ラフレシア「らふーっ!」キラン
花が揺らめきラフレシアに力を分け与える
826
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:55:56 ID:SmXXUIwo
リコリス「見せてやるヨ。 戦闘ってのはネ、コウイウモンダヨッ!!」
アマージョ「マーーーー!!」バッ
アマージョが跳躍する
身軽に空中を舞いラフレシアに突撃する
リコリス「アクロバット!!」
アマージョ「ジョッ!!!」バシッ!
華麗な蹴りが上空から繰り出されラフレシアの脳天に直撃する
ラフレシア「ラフーッ!?」バキィッ
夕雲「きゃあっ......!」ズキッ
ショタT「ゆ......」
秋津洲「夕雲ちゃん!」
ショタT「くそっ......また飛行技か......!!」
夕雲「......ふぅ......確かに......ラフレシアの痛みが伝わってくるようだわ」
夕雲「さすがに、草ポケモンの女王と呼ばれるだけの実力はあるわね」
リコリス「ハッ!」
アマージョ「アーマママッ!」
高笑いが響き渡る
827
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:56:56 ID:SmXXUIwo
ラフレシア「ラフ......」ジー
心配そうに主を見つめる
夕雲「安心なさい、ラフレシア。あなたが自信をなくしては私まで不安になるわ。大丈夫よ」
リコリス「フ、中々いい顔ダッタゼ? ソイツがくたばる時のテメェの顔は更に見ものダネェ」
アマージョ「アマママ」ホホホホ
夕雲「そう、早く見れるといいわね」
夕雲「ラフレシア、『日本晴れ』」
ラフレシア「シアーーーッ!!」カァァァァァ
日差しが強くなった
秋津洲「暑っ!? なにこれ!?」
ショタT「日本晴れは天候を書き換える技です。これで、このフィールドは晴天になった」
秋津洲「そ、それに何の意味が〜......?」汗ダラー
ショタT「......色々と」
828
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:58:01 ID:SmXXUIwo
リコリス「ナァニ考えテヤガル......」
夕雲「直に分かります」
リコリス「ソウカヨ。じゃあトットトくたばりヤガレッ!! アマージョ、再びアクロバット!」
夕雲「......残念ながら。ラフレシア」
ラフレシア「ラフッ!」カッ
アマージョ「マーーーー!!」バッ
アマージョが再び跳躍し空中から足技が繰り出される
その足先がラフレシアに触れた瞬間
夕雲「『力を吸い取る』!!」
ラフレシア「フゥゥゥゥゥ!!」キュインキュインキュイン
アマージョ「アマママまっ!?」シュウウウウ
触れた箇所から力が吸い取られてゆく
リコリス「コレハッ!?」
夕雲「ラフレシアの特性:葉緑素! 晴天化での素早さが2倍になる! これでラフレシアがアマージョに先手を撃てます」
夕雲「さらに『力を吸い取る』の効果! 相手の攻撃力を奪い、体力を回復する!!」
夕雲「さぁ、仕留めてみなさい! ラフレシアを、この夕雲を!」
バキィッ!
リコリス「オノレェ......」
アマージョ「ジョッ......」ギリッ
夕雲「............あら、この程度?」
ラフレシア「ラッフー!」
悠然と構えるラフレシアと夕雲
829
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/06(日) 21:59:09 ID:SmXXUIwo
夕雲「それではもう一度。『力を吸い取る』!」
ラフレシア「フゥゥゥゥゥ!!」キュインキュインキュイン
アマージョ「アマっ.......!」シュウウウウ
再びアマージョから力が奪われてゆく
リコリス「グッ......!!」
夕雲「満たされました、うふふふっ♪」
ラフレシア「ラフーッ♪」キラリン
夕雲「さぁ、性懲りもなく掛かって来なさい、女王様」
リコリス「テメェ......!!」
アマージョ「ママママ......!!」プルプル
夕雲「おやぁ? まさか、私のラフレシアの体力を削りきることが出来ないんですかぁ?」
夕雲「そんなぁ、話が違いますよぉ〜? この子を仕留め、夕雲が苦しむ時の顔を見たかったのではなかったのですか、女王様ぁ〜?」
夕雲「失望しました。結局貴女は所詮偽りの女王。紛い物の、趣味も悪い玉座に踏ん反り返るだけの、この狭い箱庭の支配者」
夕雲「下らない......あまりにも下らなすぎます。さぁ、さっさと掛かってらっしゃい。バトル中よ」
秋津洲「ひっ......」
ショタT「ゆ、夕雲ちゃん......どうしてそこまで......」
リコリス「............!!」ギリリリ
夕雲「答えのない所を見ると図星のようでしたね。でもいいの、そんなこと。夕雲にはどうでもいい事」
リコリス「テメエエエエェェェェェェッ!!!!!」
夕雲「関係ないって言ってるでしょう! 私にとって重要なのは、貴女が私の愛する人を傷つけたということ!!」
ショタT「えっ!?」ドキッ
夕雲「どんな理由があろうと、この人を傷つける者は許しません! やりなさい! ラフレシア!!」
夕雲「『ヘドロ爆弾』!!!」
続く
830
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/08(火) 00:21:05 ID:BRKxSv9U
夕雲「やりなさい、ラフレシア!! ヘドロ爆弾!!!」
ラフレシア「ラフッ!」
ラフレシアの目の色が変わり攻撃の姿勢に入る
リコリス「チッ......!」
アマージョ「ジョッ......!」ギリリ
歯軋りをする
夕雲「いいのですか? 私たちはまだ反撃を受けていませんよ。もっとも、貴女方にそれだけの気力が残ってるか知りませんが」
夕雲「そのまま何もせず突っ立ってるだけならば......大人しく狩られなさい!!」
リコリス「ヤラレルかよ! 行けアマージョ!!」
アマージョ「マーッ!」バッ!
跳躍する
先ほどの華麗な舞は見せず、ただ敵に突撃する
夕雲「ふん、随分と華やかさに欠けるアクロバットになったわね」
ショタT「いや違う......この動きは!」
トン
ラフレシア「シア?」
ラフレシアの花弁の上にアマージョの足が乗る
リコリス「『蜻蛉返り』!」
アマージョ「ジョッッッ!!」バッ!
831
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/08(火) 00:23:04 ID:BRKxSv9U
ラフレシア「ラッ!?」バシッ!
アマージョがラフレシアを踏み台にし、自分のトレーナー目掛け跳び去ってゆく
リコリス「サァ、戻レ!」
アマージョ「アマー!」ポゥン!
ボールを前にかざし、自分目掛けて跳んで来たアマージョをボールに戻す
ラフレシア「フー」
夕雲「とんぼ返りでしたか。蚊に刺される程の痛みも感じませんでしたが」
リコリス「良くヤッタ、アマージョ。ダガ、アンナノお前が手を煩わせる相手ジャネェ」
リコリス「後でマタ暴れさせてヤルカラヨォ......今はコイツに任せナ」
リコリス「出テ来イ! ロズレイド!!」
ポゥン!
ロズレイド「ローズッ!」スタッ
『ロズレイド』
ブーケポケモン
タイプ:草・毒
特性:自然回復/毒の棘/???
ロズレイド「......」スッ
深々とお辞儀する
スポットライトのような強い日差しがロズレイドを照らし出す
832
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/08(火) 00:25:05 ID:BRKxSv9U
夕雲「ふふふっ♪」スッ
スカートを軽くつまみ深々と頭を下げて応じる
ラフレシア「ラフー」グイッ
それに合わせてラフレシアも頭を下げる
ショタT「えっ、あっ......」コクッ
秋津洲「ど、どうもかも......」コクッ
つられてお辞儀する
レ級「相変わらず、気取ったヤロウダナ」
リコリス「ソウイウ奴ナンダヨ。悪くネェダロ」
ロズレイド「レイッ!」キリッ
夕雲「成る程。女王がいる以上、エスコート出来る紳士がいなくてはなりませんからね」
(お辞儀中)
ラフレシア「............」
依然として深々と頭を垂れる夕雲とラフレシア
・・・ ・・・
ショタT「夕雲ちゃん......?」
ロズレイド「?」
リコリス「オイ、イツマデ頭下げてる気ダ。フザケテんのか?」
夕雲「............バトル、続行」
ラフレシア「ラッフゥゥゥ!!!」カッ!
833
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/08(火) 00:26:53 ID:BRKxSv9U
レ級「ゲッ!?」
リコリス「ハァッ!?」
ボコボコォ
ラフレシアの巨大な花弁の中心に構える砲口、その奥底で何かが沸き立つ音が聞こえる
夕雲「『ヘドロ爆弾』!!!」
ラフレシア「シアーーーーーッ!!!」
バシュゥゥゥッ!!!
頭を下げたまま標準を合わせ、煮え滾るドス黒い砲弾を放つ
バァァァァン!!!
ヘドロ爆弾がロズレイドに着弾する
ロズレイド「ズレェッ......!」シュウウウウ
ショタT「こ、攻撃したーっ!?」
秋津洲「もはやただの不意打ちかもー!」
夕雲「なーにが紳士よ。夕雲、キザな男はキライですから」
ラフレシア「らっふーッ!!」プンスコ
834
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/08(火) 00:30:32 ID:BRKxSv9U
ショタT「っ......!」
バッ バッ
衣装の汚れを払い落とす音がする
ヘドロ爆弾が炸裂し立ち込める毒霧、その奥から鈍い光が漏れる
リコリス「......今度は、コチラノ番ダ」
ロズレイド「ローズッ!!」バッ!
両手のブーケ状の腕を振るい、漂う瘴気を吹き飛ばす
右の赤い花束をラフレシアに差し向ける
その右手は既に赤熱による発光で白く染まりきっている
ショタT「まさか......!」
夕雲「困ったわね、その攻撃は......」
リコリス「忘れてネェゼ。ソイツが発動してクレタ『日本晴れ』の事をナァ」
リコリス「テメェらに私のフィールドの恩恵があるヨウニ、コノ天候も私ヲ助ける力があるって訳ダ!」
リコリス「ソノ身を炎に焼かレ、セイゼイ苦しみナァ! ヤレ、ロズレイド!!」
ロズレイド「ロォォォォズッ!!!」カッ!
リコリス「『目覚めるパワー』!!」
835
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/08(火) 00:31:47 ID:BRKxSv9U
ゴオオオォォォ!!
ロズレイドの右手から灼熱のエネルギー弾が放たれる
ショタT「ま、まずい!」
バァァァァァン!!!
ラフレシア「シアァァァァァァッ!!」ボオオオオオオ
夕雲「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ラフレシアが炎に包まれる
それに同調しトレーナーにも痛みが伝わる
秋津洲「ひ.....ひどいっ!」
リコリス「目覚めるパワーは、ポケモンの個体によってタイプが変化スル技。このロズレイドが放つ目覚めるパワーのタイプは『炎』!!」
リコリス「分かってるダロウが、晴天化では炎技の威力が増加スル! ダガそれだけジャネェ!」
リコリス「コイツの特性:テクニシャンによって、威力の低い技が強化サレル!!」
リコリス「ホラよッ! お灸をスエテヤルヨォッ!!!」
ガクッ
ラフレシア「ラッ......フ......」バタッ
ラフレシアは倒れた
ショタT「夕雲ちゃん!!」
駆け寄ろうとする少年
夕雲「はぁ......はぁっ......さ......下がりなさいっ......!」
ショタT「っ!?」
夕雲「こ、この程度......まだやれるわ!」
ショタT「夕雲ちゃん......」
夕雲「......ふぅー......迂闊だったわね。頑張ったわ、ラフレシア。お戻り」
ラフレシア「シアッ......」ポゥン
836
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/08(火) 00:32:32 ID:BRKxSv9U
リコリス「まずは一匹......」ニィッ
ロズレイド「レーイッ!」
夕雲「ふん」
新たなボールを構える
リコリス「褒めてやるヨ。ソッチの坊主は一匹でダウンだったからナァ」
ショタT「くっ......!」ギリッ
夕雲「......この人を馬鹿にする事は......夕雲が許しません」
夕雲「おいで、ウツボット」
ポゥン!
ウツボット「ボォォォット!!」トン
夕雲「それに気になります。そう言う貴女が、いったいどれだけ戦えるのか......」
夕雲「この夕雲に見せてご覧なさいっ!」
リコリス「テメェの方がナァッ! ロズレイド、再び『目覚めるパワー』!!」
ロズレイド「ロォォォッズ!」カッ!
リコリス「後悔シナ! 自分が用意した晴れ舞台で、無残に焼かれる事ヲナァッ!!」
837
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/08(火) 00:33:45 ID:BRKxSv9U
夕雲「いいえ、後悔などしません。今度は貴女の番ですから」
ウツボット「ウッツゥゥゥゥ!!」ボォッ!
ウツボットの口から球体のエネルギー弾が空高く打ち上げられる
リコリス「ハッ!?」
ロズレイド「レイッ!?」
上空を見上げる
打ち上げられた球体が太陽と重なる。その瞬間
ゴォォォォォォォォ!
球体は巨大な火の玉へと変わりロズレイド目掛け落下する
夕雲「『ウェザーボール』!!」
ドオオオオオオオオン!!
ロズレイド「ロォォォォォッ!!!」ボオオオオオオオ
ロズレイドが業火に包まれる
リコリス「ウギャアアアアアアアアッ!!!」
夕雲「先程はどうも。倍返しよ」
続く
838
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:46:56 ID:2YNS64Vw
今回のエピソードまで書ききったらもうこのスレも終わるかもしれません
よろしくお願いします
839
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:47:34 ID:2YNS64Vw
ガクッ
ロズレイド「ロ......ズ......っ」バタッ
ロズレイドは倒れた
夕雲「これにて舞台は閉幕よ。役者さんは下がりなさい」
フィールドを照らす光が弱まってゆく
リコリス「オ、オノレェ......ッ! 戻レ、ロズレイドッ!」
ポゥン
夕雲「夕雲が残す戦力は、ウツボットとキュワワー。そしてもう一体」
ウツボット「ボット!」
夕雲「対するあなたはアマージョと」
リコリス「コイツだけだ」
ボールを構える
ショタT「これで、3対2......」
秋津洲「よしっ、勝てるかも!」
レ級「オ、オイ......勝てンノカ、リコ姉?」
リコリス「......黙って見てナ。出て来ヤガレ!!」
ポゥン!
夕雲「......!」
一瞬夕雲の表情が硬くなる
ショタT「こいつは......!」
ナットレイ「レイッ!!」ドン!
『ナットレイ』
とげだまポケモン
タイプ:草・鋼
特性:鉄のトゲ
840
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:48:14 ID:2YNS64Vw
ショタT「まずい、ナットレイは草と鋼の複合タイプ。弱点を突くには炎技を撃たなきゃいけない!」
秋津洲「え、炎技? じゃあさっきと同じ技を出せば」
夕雲「もう出ないわよ」
日差しが弱まっている
ショタT「日本晴れの効果は、時間の経過と共に消滅するんだ。ウェザーボールは天候の影響でタイプを変化させる技だから......」
夕雲「悲しいことに、この状況で撃っても炎技にはならない」
秋津洲「えぇぇぇぇっ!?」
リコリス「容赦はシネェ! 行け、ナットレイ!!」
ナットレイ「ナットォォォ!!」
ギュイイイイイイイン!!
ナットレイがベーゴマのように高速回転し始める
周囲の彼岸花の散らし赤い花吹雪が舞い上がる
回転力を保持したままウツボットにゆっくりと突撃してゆく
夕雲「だからと言って引き下がる訳にはいきません。成すべき事を成すまで」
夕雲「ウツボット、リーフストーム!!」
ウツボット「ボットォォォォォ!!!」カッ
ウツボットが頭部の葉を上げ大きく口を開き、その口から大量の枯葉が渦を描き吐き出される
リーフストームが突撃してくるナットレイを迎え撃つ
バァァァァァァン!!
土煙に枯葉と赤い花びらが混じり合う
841
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:48:52 ID:2YNS64Vw
ショタT「......!」
秋津洲「や、やったかも......?」
ギュイイイイン......
立ち込める土煙の奥から嫌な音が聞こえる
夕雲「......まぁ、そうでしょうね」
リコリス「コノ程度か。 ヤレ、ナットレイ!!」
ナットレイ「ナットォォォォオ!!」ギュイイイイン!
高速回転するナットレイが土煙を吹き飛ばしウツボットの正面に現れる
ウツボット「ウッ!?」
リコリス「ジャイロボール!!」
ズガガガガガッッッ!!!
ナットレイ「レレレレレレッッッ!!!」ガガガガガ
ウツボット「ボットォォォォォ......!!」ズババババ
ナットレイの鋼鉄の棘がウツボットの表皮を削りとってゆく
夕雲「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ウツボットの苦痛がトレーナーに伝わる
ショタT「夕雲ちゃん!!!」
リコリス「アハハハハ! イイ叫びダヨ。精々苦しみナ!!」
842
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:49:24 ID:2YNS64Vw
バタッ
ウツボット「ボッ......ト......」
ウツボットは倒れた
夕雲「はぁ......はぁ......さすがに......ダメかもね......」
ギュッ
夕雲「............まぁ」
ショタT「夕雲ちゃん、しっかりして!」
夕雲の肩を支え手を握る少年
夕雲「ふふふ......ごめんなさい、ショウタさん」
夕雲「夕雲、あんなに強気だったのに......こんな情けない所をお見せしてしまって......恥ずかしいわ」
ショタT「そんなことない。夕雲ちゃんは僕は助けてくれた。今度は僕が......!」
夕雲「はぁ......何言ってるの......あなただって限界だったでしょ」
ショタT「............それでも」
リコリス「唐突にラブコメ始めテンジャネェヨッ!! 目障りナンダヨォッ!!!」
リコリス「そんなにイチャついてたいんナラ、続きは地獄でやりナァッ!! 二人仲良く葬ってヤルヨッ!!!」
ナットレイ「ナットォォォ!!」ギュイイイイイイン!
ナットレイが再び回転する
夕雲「......ショウタさん、聞いて」
ショタT「......?」
843
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:49:55 ID:2YNS64Vw
夕雲「夕雲は、あなたと一緒にいれば、もっともっと強くなれる。だから」
夕雲「私の傍に居て」
ショタT「......分かった」
ギュッ
互いの強く手を握りしめる
夕雲「うふふふっ♪」
夕雲「さぁ......よく頑張ったわ、ウツボット。戻って下さい」
ウツボット「ボット......」
ポゥン
夕雲「ふぅ......お願いします。この夕雲に、力を貸して下さい」
夕雲「再びおいで、キュワワー!!」
ポゥン!
キュワワー「キュワー!」
リコリス「ケッ! ナニかと思ったらマタソイツか」
ショタT「(キュワワーはフェアリータイプのポケモン。鋼タイプのナットレイに有効な相手とは言えない......でも)」
ショタT「僕は、夕雲ちゃんを信じる」
夕雲「えぇ、お願いします」
844
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:50:22 ID:2YNS64Vw
リコリス「ナットレイ、ジャイロボールだ!!」
ナットレイ「レイィィィィィィッ!!」ギュイイイイン!!
ナットレイが高速回転しながらキュワワーに突撃する
夕雲「......キュワワー、『トリック』」
キュワワー「キュワッ!」カッ
キュワワーの目が光る
ナットレイ「レイッ!?」
互いのポケモンに異変が起こる
夕雲「トリックは、互いのポケモンの道具を入れ替える技」
キュワワー「キュワーッ!!」シャキン!
身体に金属をまとう
夕雲「成る程、あなたの持ち物はメタルコートでしたか。通りで強力な鋼技が繰り出せるわけですね」
夕雲「でも重要なのはそこじゃないわ。これであなたのナットレイは」
ポン
ナットレイ「ナナナっ!?」
奇抜なデザインの眼鏡を装着する
夕雲「この『こだわりメガネ』を装着したまま戦ってもらいます」
845
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:50:57 ID:2YNS64Vw
ショタT「これでナットレイはメタルコートを失い、拘りメガネによって一つの技しか繰り出せなくなった」
リコリス「............だからドウシタ」
ナットレイ「ナットォォォォ!!」ギュイイイイイン!!
キュワワー「キュッ......!?」
夕雲「......」
リコリス「構ウカヨォッ!! サッサとヤレェ、ナットレイ!!!」
秋津洲「ひぃっ!!」ゾクッ
ズガガガガガガッ!!!!
ナットレイ「ナットォォォォ!!!」ガガガガガガ!
キュワワー「キュワァァァァァァッ!!」ズバババババ
夕雲「うっ......ぐぅっ......!!」ギュッ
ショタT「夕雲ちゃん......!!」
夕雲「はぁーっ......! はぁーっ......! だ、大丈夫よ......あなたが......いるから」
リコリス「コレデ残すハ1匹。話にナラナイネェ」
バタッ
キュワワー「キュ......ワ......」
キュワワーは倒れた
846
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:51:33 ID:2YNS64Vw
秋津洲「やばいかも......相手はまだ無傷の奴が2体残ってるのに......!」
夕雲「キュワワー......ごめんなさい......でも良くやってくれたわ。ありが......」
夕雲「っ......!」ガクッ
ショタT「夕雲ちゃん!」
夕雲「はぁ......はぁ......ショウタさん、あ、あの子を、このボールに......」
震える手で空のボールを渡す
ショタT「......分かった。戻って、キュワワー」
ポゥン
夕雲「はぁー......はぁー......」
ショタT「やっぱり限界だよ......もうよそう」
夕雲「なに言ってるの......ここからが本当の勝負です......」
夕雲「この子達が、その身を削って希望を繋いでくれた......そしてあなたが、この夕雲を支えてくれている今......」
夕雲「残す敵は、弱い自分だけ......これは、夕雲自身との戦いよ!」
夕雲「行くわよ! これが夕雲の切り札、我らの主力 of 主力!!」
ポゥン!!
夕雲「お出で、フシギバナ!!」
フシギバナ「バナァッ!!」ドン!
847
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/10/20(日) 19:52:23 ID:2YNS64Vw
リコリス「似た様な奴バッカ出してキヤガッテ......ソイツで私のナットレイを倒す気カイ!?」
ナットレイ「ナット!!」キッ
夕雲「えぇ、倒します............ただ」
キラッ
夕雲の手の中で何かが光を放つ
ショタT「夕雲ちゃん......それって」
夕雲「お願い......あなたの力を貸して」
ギュッ
より強く手を握り締める
ショタT「............うん、任せて」
ギュッ
応じるように握り返す
夕雲「ふふふっ......本気で行きますよ。いいわね、フシギバナ」
フシギバナ「バナァッ!!」カッ!
夕雲のキーストーンが激しく光り輝く
フシギバナのメガストーンが呼応する
夕雲「愛の炎が、世界の全てを包み込む。慈母の花弁よ、開け」
夕雲「メガシンカ!!」
フシギバナ「バナァァァァァァ......!!!」
フシギバナが光に包まれる
夕雲「現れよ、メガフシギバナ!!」
バサッ!
巨大な花が音を立てて開く
メガフシギバナ「バァァァァァナァッッッ!!!」ドン!!
続く
848
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/30(木) 23:39:41 ID:x.m5stNg
夕雲「行きますよ、フシギバナ」
メガフシギバナ「バナァッ!!」
リコリス棲姫「メガシンカ......!?」
秋津洲「な、なんかすごそうかも!」
ショタ提督「でも......」
リコリス棲姫「ンだからドウシタ! それでコイツに勝てると思ってるのかヨ!!」
ナットレイ「レイッ!!」キッ
夕雲「試してみますか......?」
夕雲「『ギガドレイン』!!」
メガフシギバナ「フシィィィ!!」カッ
849
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/30(木) 23:40:12 ID:x.m5stNg
キュインキュイン!!
メガフシギバナがナットレイから体力を奪う
秋津洲「やった!」
ショタT「いや、ダメだ......」
ナットレイ「ナッ?」
(キョトン顔)
秋津洲「あれっ、攻撃は? ダメージは?」
レ級「ブアハハハッwww 食らう訳ねェダロ!!! 草ダゼ草!!」
秋津洲「はぁ!? 何がおかしいの! 教えてよ!」
レ級「草だからつってンダロウがヨッ!!!」
秋津洲「ひぃぃぃぃ!?」ビビクン
ショタT「ナットレイは草と鋼の複合タイプだから、草技は殆どダメージが通らないんだ......」
秋津洲「ええ!? じゃあ何で......」
夕雲「......」
リコリス「端っから打つ手がネェンナラ強がンなよナァ!」
リコリス「ナットレイ! 『ジャイロボール』!!!」
ナットレイ「レィィィィ!!!」ギュイイイイイン!!
高速回転したナットレイがメガフシギバナに突撃する
850
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/30(木) 23:41:14 ID:x.m5stNg
ズガガガガガァッ!!
メガフシギバナ「バナァァァッ!!」ズババババ
夕雲「くぅっ......!!」ズキッ
胸に痛みが走る
ショタT「夕雲ちゃん!」
ギュッ
手を握り締める
夕雲「はぁー......はぁー......伝わってくるわ、あの子の痛みが」
夕雲「ふふっ......あなたが近くに居てくれても、つらいものはつらいわね......」
ショタT「ぼ、僕は......」
夕雲「ふぅ......『夕雲のために何かしてあげないと』って顔ね? 偉いです、いい子よ#9829」
夕雲「でも私があなたに求めるのは、あなたが夕雲の傍で、ずっと夕雲のことを見ていてくれる。ただそれだけ」
夕雲「たとえ私が苦しんでいるときでも......目を逸らしちゃダメよ」
ショタT「夕雲ちゃん......」
リコリス「のんきにラブコメしてんじゃネェヨッ!! さっさとくたばりヤガレェ!!」
夕雲「......いいえ、これからです」
夕雲「フシギバナ、『光合成』!!」
キラン キラン キラン
リコリス「何ィ!?」
秋津洲「き、傷が......無くなってく!」
メガフシギバナ「バナァァァ!!」ドン!
夕雲「これで体力を回復します」
851
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/30(木) 23:42:00 ID:x.m5stNg
リコリス「構うかよォ!! やれナットレイ!!」
ナットレイ「ナットォォォォ!!」ギュイイイイン!!
ズババババ!!
再びナットレイのジャイロボールがメガフシギバナを襲う
メガフシギバナ「ナァァァァァッ......!」ギリッ
夕雲「きゃっ......あっ......!!」ズキッ
ショタT「夕雲ちゃん.....ダメだよ!」
夕雲「ええ......分かっています......でもこれでいいの」
夕雲「『光合成』!!」
メガフシギバナ「フシィィィィィ......!!」キランキランキラン
回復
夕雲「来なさい。この身尽きるまで、何度でも受け止めて、幾らでも苦しんであげる」
リコリス「ジャア苦しめヨォッ!!!」
ナットレイ「ナットォォォォッ!!!」ギュイイイイン!!!
ズババババババッ!!!!
鋼鉄のトゲが執拗にメガフシギバナの身を削ってゆく
メガフシギバナ「フシィィィ......!!」グググ
夕雲「くっ......!!」
リコリス「いい加減沈めよッ!!シズメェッ!!!」
夕雲「......沈まない......愛は沈まない」
夕雲「『光合成』!!!」
キラン キラン キラン
852
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/30(木) 23:42:33 ID:x.m5stNg
リコリス「ぐっ......」ギリッ
夕雲「さぁ、おいで。まだまだ戦えるわ」
メガフシギバナ「バナアアアッ!!」ドン!
ナットレイ「ナナナ......」ジー
主を見つめるナットレイ
リコリス「チッ......! ナンダヨその目はァ! 文句あんのかヨ!?」
ナットレイ「ナッ......」ビクッ
ショタT「............!」
相手のナットレイが放った『ジャイロボール』の回数は
ウツボットに1回、キュワワーに1回、メガフシギバナに3回
計5回
ショタT「次で6発目」
秋津洲「?」
夕雲「......」
リコリス「サッサとヤレよ臆病モンがッ!!」
ナットレイ「ナ......ナット〜〜〜ッ!!」バッ
ポカポカポカ!
リコリス「は?」
ナットレイは わるあがきをした!
853
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/30(木) 23:43:05 ID:x.m5stNg
メガフシギバナ「......バナァッ!!」
バシッ!
悪足掻きをしてくるナットレイを乱暴に跳ね除ける
ナットレイ「ナット~~~......」ズキズキ
リコリス「ナニやってんだァァァァ!! ナットレイィィィッ!!!」
秋津洲「な、なにあの攻撃......というか、攻撃?」
ショタT「あれは『わるあがき』。出せる技が無い時だけ放たれる」
ショタT「そして繰り出せば少なくない反動ダメージを食らう、技とも言えない技だ」
リコリス「バカ言うンジャネェ! なにもジャイボに拘らなくても別の技ガ......」
リコリス「ハッ!」
〜〜〜
夕雲『キュワワー、トリック!』
キュワワー『キュワッ!』カッ
ナットレイ『ナナナッ!?』ポン
〜〜〜
ナットレイ(@こだわりメガネ)「レィ〜......」
リコリス「テメェの狙いはこれか......!!」
854
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/30(木) 23:43:44 ID:x.m5stNg
夕雲「ふふふっ、もう出せない? 5発が限界? 鍛え方が足りてないんじゃないですか?」
リコリス「テメェッ!!」
ナットレイ「ナー......」ショボン
リコリス「チッ......分かってらァ、引きゃいいンダロ」
アマージョの控えたボールを構える
リコリス「コイツに交代すりゃ......」
夕雲「それを私が許すとでも?」
メガフシギバナ「バァァァァ......!!」
ゴボゴボッ
メガフシギバナの巨大な花弁の奥底で毒沼が沸き立つ音が聞こえる
リコリス「グッ......!?」
夕雲「その子が出て来た瞬間に沈めてあげる。何もさせないまま、無残に」
リコリス「舐めんじゃねぇェェッ!!!」
ナットレイ「ナット〜〜〜ッ!!」ブンブン
ナットレイが一心不乱にただ突撃する
バキィッ!!
バキィッ!!
夕雲「ふん......」
メガフシギバナ「バナッ!」ドン!
ナットレイ「レイ~~~......」ピクピク
相手のナットレイは倒れた
続く
855
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/30(木) 23:44:08 ID:x.m5stNg
すごく中途半端に中断してしまいました
キリがいい所までは書くつもりなのでよろしくお願いします
856
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/01/31(金) 09:50:46 ID:EM1rgrYw
いいですよ〜
ゆっくりでいいのでゆっくり休んでください
857
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:47:08 ID:0EjrJZ3Y
ナットレイ「レイ~~~......」(グルグル目)
夕雲「ふん......」
メガフシギバナ「バナッ!」ドン!
秋津洲「や、やったかも!」
ショタT「すごい......あのナットレイを倒した」
夕雲「その子に貸してあげたメガネはちゃんと返してくださいね。高いので」
リコリス「イラネーヨ! コンナノ!!」
ブン!
こだわりメガネを拾い上げ夕雲に向かって投げつけるリコリス棲姫
パシッ
触手が受け止める
メガフシギバナ「バナ」スッ
夕雲「どうも」
リコリス「チッ」
858
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:48:09 ID:0EjrJZ3Y
ポゥン!
アマージョ「ジョッ」スタッ
主のボールから勝手に飛び出すアマージョ
リコリス「......?」
アマージョ「マージョ」ギュッ
ナットレイ「ナット......」
倒れたナットレイを優しく抱き上げる
秋津洲「あの子......仲間を労わってあげてる......かも」
ショタT「メガフシギバナが相手なら、アマージョを犠牲にしてでもナットレイを引かせる価値はあったはず」
夕雲「でもしなかった。恐らく彼らにとってあの子は......」
アマージョ「......」ギュー
ナットレイ「レィ~~~......///」
夕雲「大事なお姫様なのね」
リコリス「......それぐらいにしとけ」
ポゥン
ナットレイをボールに戻す
リコリス「行くぞアマージョ。お前が可愛がるのは、アイツらの方ダ」
アマージョ「............」
アマージョ「ジョッ!!!」カッ!
ザッ!!!
走り出す
彼岸花の赤い花びらを散らし、相手目掛けアマージョが疾走する
859
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:48:53 ID:0EjrJZ3Y
ショタT「来た!!」
夕雲「フシギバナ、攻撃用意!!」
メガフシギバナ「フシッ!!」バッ
花弁の発射口を前方に向ける
砲口部で毒液が濃縮されててゆく
敵に標準を合わせ
放つ
夕雲「『ヘドロ爆弾』!!」
メガフシギバナ「バナァァァッ!!」
バアアアン!!
アマージョ「マァッ......!」シュウウウウ
リコリス「チィッ......!!」
着弾
しかし怯まず走る
メガフシギバナとの距離が縮まり
その目が確かに敵を捉える
リコリス「ヤレッ! アマージョ!!」
860
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:49:41 ID:0EjrJZ3Y
夕雲 (恐らく次に見せる動作は跳躍......)
ショタT (繰り出す技は飛行技の『アクロバット』!)
夕雲「迎え撃つわ。フシギバナ、次弾装填。発射準備!」
ザッ!
前方のアマージョが姿を消す
夕雲「そこ......っ!」
ショタT「っ!?」
居ない
跳躍したと思われたアマージョの姿が上空にない
メガフシギバナ「ナッ!?」
ザザザッ!!
眼の前で彼岸花の草むらが揺れる
それと同時に赤い花びらが舞う
身を低くして繰り出される鋭い回し蹴りが瞬時に草花を刈り取る
リコリス「『ローキック』!!」
アマージョ「マジョッ!!!」バシュッ!
グギィッ!
メガフシギバナ「バッ......!? ナァッ......!」ドォン!
前足を挫かれたメガフシギバナが大きく体勢を崩す
861
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:50:21 ID:0EjrJZ3Y
リコリス「跳べッ!」
アマージョ「マーッ!!」バッ!
跳躍
空中へと華麗に舞い上がる
そして落下の勢いを利用し重い蹴りの一撃が繰り出される
リコリス「『アクロバット』!!!」
アマージョ「ジョッッッ!!!」ザンッ!
ドォンッ!!!
メガフシギバナ「フシィッ......!!」
夕雲「くっ......!!」
強烈な蹴りでメガフシギバナの巨体が地面に組み伏せられる
秋津洲「や、やられたっ......!」
ショタT「夕雲ちゃん!!!」
リコリス「まだダッ! トドメだアマージョッ!!」
アマージョ「マジョォォォォオッ!!!」バッ!
再び跳躍
メガフシギバナの頭上を影が覆う
アマージョの怒りを込めた足先が敵の脳天を狙う
862
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:51:04 ID:0EjrJZ3Y
夕雲「......お見事です。でももう終わりにします」
ズズズ
体勢を崩したままメガフシギバナの背中の巨木が動く
夕雲「そこよ」
メガフシギバナ「フシッ!!!」カッ!
その花弁の中心に構える砲口が上空の敵を捕捉する
夕雲「『ヘドロ爆弾』!!!」
メガフシギバナ「バァァァナッッッ!!!!」
バアアアアアン!!!
夕雲「............」
メガフシギバナの背中から立ち上る紫色の硝煙
バサッ
落下
そのポケモンの小さい身体がトレーナーの目の前で赤い草むらの中に横たわる
アマージョ「マ~~~......」
リコリス「アマージョ......」
アマージョは倒れた
863
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:51:44 ID:0EjrJZ3Y
リコリス「お前達の......勝ちか......」ガクッ
ザッ
真紅の花びらが宙に浮かぶ
アマージョの横に倒れこみ花畑の中に身を埋めるリコリス棲姫
夕雲「ふぅ......」
ショタT「お疲れ様、夕雲ちゃん」
夕雲「うふふっ♪ 私に任せて良かったでしょう?」
夕雲「でも勿論これっきりじゃないわ。これからもずっとずっと、あなたと......」
ショタT「えっ......///」
秋津洲「ね、ねぇ二人とも....../// 邪魔しちゃ悪いのは分かってるんけれど、あたしのデリバードちゃんは......」
夕雲&ショタT「あ」
デリバード「デリ〜〜〜!」ジタバタ
ガオガエンに羽織締め食らうデリバード
レ級「よくもヤリヤガッタナ! クソガキ共ガァァァ!」
ガオガエン「ガオォォォッ!!!」
864
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:52:27 ID:0EjrJZ3Y
メガフシギバナ「バナァァァッ!!」ギロッ!
レ級「ヘッ、ナンダヨ。ヤんのか?ヤレんのかよ!!コイツごと!!」
ガオガエン「ガオッ!!」
デリバード「............!」ブルブル
ショタT「くっ! せっかく夕雲ちゃんがバトルに勝ったのに......!」
夕雲「......秋津洲さん? あの子のことで質問いいですか?」
秋津洲「え? な、なに......?」
夕雲「あなたのデリバードさんは、張り切り屋さんで空回りしちゃったり、お仕事中に居眠りしちゃうことはない?」
秋津洲「そんなことないかも! いや絶対ないっ! あの子はとってもマメで真面目で何でもちゃんとしてくれる良い子なの!!」
秋津洲「バトルだけは苦手かもだけど......(小声)」
夕雲「分かりました」
夕雲「フシギバナ、『眠り粉』!!」
メガフシギバナ「フシィィィィ......!!」パラパラパラパラ
デリバード「..................バ?」
レ級&ガオガエン「ガァァァァァ......Zzzz」
夕雲「......戻ってください、フシギバナ」
メガフシギバナ「バナ!」
ポゥン!
865
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:53:20 ID:0EjrJZ3Y
走り寄る1人と1匹
デリバード「デリーーーっ!!」タタタタ
秋津洲「デリバードーーーっ!!」
ギュッ
秋津洲「痛くなかった? 怖かったよね? もう大丈夫だからっ......」ウルウル
デリバード「デリィ〜......」グスン
ショタT「......そっか、やる気に満ちたデリバードは絶対に眠らないんだね」
夕雲「これで本当に終わりね。さぁ、帰りましょう」
「オイ」
秋津洲「ひぃぃぃぃぃぃ!?」ビクッ
デリバード「デリィィィィィ!?」ビビクン
ショタT「っ!?」
リコリス「教えてクレヨ、嬢ちゃん」
夕雲「......私ですか?」
リコリス「何でアタシラが負けたノカ......貴様らにアッテ......アタシラに無かった物......」
夕雲「ふふっ......『愛』よ」
リコリス「......だってサ」
アマージョ「マ〜......」ボケー
リコリス「ハ、当てにならねェな」
続くったら続く
866
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/04(火) 23:55:38 ID:0EjrJZ3Y
大淀博士「さーて今回のポケモンは」
大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ
No.225
大淀博士「No.225と言えば、そう、デリバードですね」
大淀博士「自分の餌を人やポケモンに分け与える習性があるため、いつも餌を探し回っています」
大淀博士「遭難した人を助けたエピソードもある一方で、自身の雑食性ゆえに虫ポケモンを渡されることもあるだとか」
デリバード「デリー」ス
大淀博士「まぁ、ありがとうございます。でもいつもの感じだとどうせ」
プレゼント「カッ!!(発光)」
大淀博士「はいはい爆弾ねYESYESYES」
ここで一句
デリバード
王道を征く
ヘルス系
大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」
867
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/05(水) 00:00:41 ID:B2zzViTE
久しぶりに書けて楽しかったです
性懲りもなく安価投げます
次回
登場キャラ
>>868
ポケモン
>>869
868
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/05(水) 00:21:15 ID:SwnAUTPs
神州丸
869
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/05(水) 00:22:42 ID:MfDJcZrs
ヘルガー
870
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/08(土) 21:07:25 ID:D8Rerj.E
ある日のとある道路
ショタT「ここら辺は探索したことなかったなぁ〜」
ショタT「............って、何だこれ?」
テント「......」チョコン
(道端に立てられた一人用のテント)
ショタT「こんな場所でキャンプ......?」
バサッ!
突如テントの入り口が開きポケモンが飛び出してくる
ヘルガー「ガルルルルァッ!!!」
ショタT「うわぁぁぁぁぁっ!!!?」ビクビクッ!
871
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/08(土) 21:08:08 ID:D8Rerj.E
「お座りっ!」
ヘルガー「!」ピタッ!
(その場で背筋を伸ばし律儀にお座りするヘルガー)
ショタT「ハァハァ......び、ビビったぁ......」
ヌッ
テントから人影が這い出てくる
神州丸「失礼した、少年。怪我はないか?」
ショタT「だ、大丈夫です......」
ショタT「......でもなんで、こんな所にテントを?」
神州丸「見ての通り、ここをキャンプ地としているのであります」
ショタT「ただの道端じゃないですか......」
872
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/08(土) 21:08:48 ID:D8Rerj.E
神州丸「私は神州丸と申します。貴殿の名は?」
ショタT「僕はショウタ。トレーナーズスクールに通う学生です」
神州丸「そうか、ポケモントレーナー殿でしたか。不肖、生憎トレーナーではない為お手合わせは致しかねます」
ショタT「じゃあこの子は?」
神州丸「こやつはあくまで番犬であります」
ヘルガー「ヘルッ!」
神州丸「ご安心下され。良く躾けられておりますから」
ショタT「は、はぁ......」
神州丸「私が『噛め』と言わない限り決して噛むことはありま」
ヘルガー「ガルルッ!!」(とびかかる)
ショタT「ぎゃーーーっ!?」
神州丸「お座りッ!! 何をしているこの駄犬がッ!」
ヘルガー「クゥ〜ン......」
ショタT「し、死ぬかと思った......」ヘナヘナ
神州丸「驚かして申し訳ない。こやつ、せっかちな性格でありまして」
ショタT(いやあなたが『噛め』って言ったからでしょうが......)
873
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/08(土) 21:09:53 ID:D8Rerj.E
神州丸「ふむ、ショウタ殿。『トレーナーでもない者がこんな所で一体何をしていたのか』と言いたげな顔だな」
ショタT「え、あ、まぁ......」
神州丸「お答えしよう。まずはこれを見て下され」スッ
蓋がされた大きい鍋を見せる神州丸
ショタT「いい匂い......これもしかして、カレーですか!?」
神州丸「然りであります」
ショタT「って、まさかカレー作るためだけにキャンプしてた訳じゃ......」
神州丸「そうとも言える。そうでないとも言える。実はこのカレー、未完成なのであります」
ショタT「未完成?」
神州丸「コクが足りないのです。そしてコクを出すためには、どうしてもあれが必要不可欠であります」
神州丸「そう、上質な木の実が」
ショタT「じゃあ、あなたは木の実を求めてここに?」
神州丸「その通り。そうだ、試しに一つ見てもらえるといいでしょう」
874
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/08(土) 21:11:04 ID:D8Rerj.E
木の実が取れる木の前に立つ二人
神州丸「例えばこの木。そこそこ実をつけております」
ショタT「じゃあさっそく取っていきましょうか?」
神州丸「はい。ですが行儀良く一個ずつ取っていては埒があきません。ここは派手に揺らして一網打尽であります」
ショタT「えっ?」
(木の幹に掴みかかる神州丸)
神州丸「ふんふんふんんふんっ!!!」ザザザザザザ!!
ショタT(その絵面は女性としてどうかと......)
ポロポロポロッ
落下する木の実たち
ショタT「あっ、でもちゃんと落ちてくるんだ」
神州丸「ふんっ!ふんっ!......ちなみにこの作業、頃合を見てやめた方が懸命です。なぜなら」
ザザッ!
木の実でない何かが落下する
ショタT「うわっ!?」
ホシガリス「ホシーっ!」
野生のホシガリスが飛び出してきた
875
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/08(土) 21:11:56 ID:D8Rerj.E
ショタT「もしかしてこいつ、ホシガリスですか? 実物を見るのは初めてだ......」
神州丸「そうです。こやつ、木の実に目がない輩で」
ホシガリス「ホシッ!」パクッ
神州丸「木の実を見ると反射的に口に咥えるのであります」
ショタT「せっかく落とした木の実が1個取られちゃいましたね」
神州丸「まぁ親切に返してくれるわけでもないのでさっさと追い払ってしまいましょう。ヘルガー!」
ヘルガー「ガルルルルァッ!!」
ホシガリス「ホッ!?」ビクッ!
タタタッ!
ホシガリスは逃げ出した
神州丸「まぁこんなところであります」
ショタT「でもこれ結構キツそうですね」
神州丸「そこで、若きトレーナー殿。もし宜しければご一緒に木の実集めでも」
神州丸「上手くいけば究極のカレーをご馳走して差し上げます」
ショタT「きゅ、究極の......カレー......!?」ゴクリンコ
神州丸「如何でしょうか?」
ショタT「やりましょう!」
続く
876
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/10(月) 18:52:30 ID:tClWVKzU
【木の実を集めよう!】
ショタT「この木がいいかな......?」
目の前に色とりどりの実をつけた木が立っている
神州丸「目の付け所が良いでありますな、ショウタ殿」
ショタT「神州丸さん。試しに僕が揺らしてみていいですか?」
神州丸「どうぞ。頭上にはよく注意して下さい」
神州丸「“大物”が落ちてくる可能性があるので」
877
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/10(月) 18:53:16 ID:tClWVKzU
ショタT「よしっ、やってやる」
(腕まくり)
ガッ
木の実に掴みかかる少年
ショタT「ふん!ふん!ふんっ!」ザザザザ!
ポトポトポト
揺らされた木から沢山の実が落下する
ショタT「はぁっ......! はぁっ......! すごい、大量だ!」ザザザザ!
神州丸「いい調子であります。ですがそろそろ......」
ズドォォォン!
ショタT「うわーーッ!?」ビクッ!
神州丸「出やがったでありますな」
ヨクバリス「バリー」ヌッ
野生のヨクバリスが飛び出してきた
878
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/10(月) 18:54:08 ID:tClWVKzU
ショタT「なんだコイツ!?」
神州丸「こいつはヨクバリスであります」
ヨクバリス「ヨク?......バリッ!?」
周囲に転がった木の実に気付くデブ
神州丸「普段は鈍くてのんきな奴。しかし......」
ヨクバリス「バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!」
神州丸「いったん獲物を見かけると凄まじい勢いで木の実を貪る欲張りポケモンに大変身であります」
ショタT「僕が苦労して落とした木の実がーーーっ!?」ガーン
神州丸「こいつ、見かけによらず中々やり手で下手にバトルすると痛い目に遭います。なので」
神州丸「ヘルガー! 『ほえる』!!」
ヘルガー「ルガアアアアアアッ!!!」
ヨクバリス「バリィィィィッ!?」ビクビクビク!!
神州丸「こうやって追い払うのが無難であります」
ショタT「あれ逃げてるんですよね?」
ヨクバリス「バっ......リっ......!」ノッソノッソ
重い身体を引きずり立ち去って行くヨクバリス
神州丸「さぁ、気を取り直して次の木に行くであります。全てはカレーの為に」
ショタT「全てはカレーの為に」
____
__
_
879
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/10(月) 18:55:03 ID:tClWVKzU
〜採集終了〜
神州丸「良い木の実が集まりました。これぐらいあれば大丈夫でしょう」
ショタT「も、もうヨクバリスは見たくない......」ヘトヘト
神州丸「それではさっそくカレー作りに取り掛かるであります」
神州丸「まずはルーに木の実を投入」
ポトポトポト
神州丸「そして火を起こす」
ボッ
鍋の下に小さい火が灯る
神州丸「ショウタ殿、火を大きくするのでこの扇で風を送って下さい」
神州丸&ショタT「パタパタパタパタ」
神州丸「良い火加減であります。では今度はおたまでルーをかき混ぜましょう。焦らず、手早く、丁寧に」
神州丸&ショタT「グルグルグルグル」
神州丸「そろそろ仕上げであります。真心込めて」
神州丸&ショタT「ラブ注入」
キラリーン☆
神州丸「完成であります」
880
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/14(金) 20:07:43 ID:fobnzQak
カレー「グツグツ」
ショタT「すっごくいい匂い!」
神州丸「さて早速頂きましょう。それではお皿にご飯を」
ショタT「楽しみだな〜」
ザザッ!
背後の草むらが揺れ動く
神州丸「はっ!? 後ろッ!」
ショタT「えっ!?」
フォクスライ「......」スッ
野生のフォクスライが飛び出してきた
881
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/14(金) 20:08:17 ID:fobnzQak
神州丸「ショウタ殿、下がってください」
ショタT「こいつは確か......きつねポケモンのフォクスライ!」
神州丸「ええ。タイプは悪。得意技は『泥棒』。その顔と気性が見事に一致した分かり易い奴であります」
フォクスライ「フォッ......」ニィ
挑発するような笑みを浮かべる相手
ショタT「なんだか不敵な奴ですね」
神州丸「えぇ。この輩はさっきのヨクバリス共と違って簡単には引き下がってくれません」
ショタT「つまり......」
神州丸「是非もない。戦って退かせるまで! 頼むぞ、ヘルガー!!」
ヘルガー「ガルルッ!!」ザッ
神州丸「戦闘用意!!」
882
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/14(金) 20:09:05 ID:fobnzQak
フォクスライ「......!」
相手も戦闘体勢をとる
神州丸「『火炎放射』ッ!!」
ヘルガー「ルゥゥゥ......!」スゥゥゥ
大きく息を吸い込む
灼熱の炎が牙の隙間から溢れ出る
神州丸「放てぇっ!!」
フォクスライ「ラァァァァッッッ!!!!」ゴォッ!!
フォクスライのバークアウト!
ヘルガー「ガッ!?」ビクッ!
フォクスライの怒鳴り声で身を竦めるヘルガー
同時に口に纏っていた炎の勢いが弱くなる
ショタT「あれはバークアウト! こちらの特殊攻撃を弱める効果があります!」
神州丸「出鼻を挫かれたということか......構うな!!」
ヘルガー「ガァァァァァアアア!!!」ゴオオオオオオオ!!
火炎放射がフォクスライを襲う
883
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/14(金) 20:09:49 ID:fobnzQak
バァァァン!
直撃
白煙が立ち込める
神州丸「どうだ......」
ショタT「............まだです」
煙の向こうで影が動く
フォクスライ「フォッフォッフォッ......」
バッ バッ
長い尻尾で煤けた毛を払う
その身振りには余裕が伺える
フォクスライ「ラァァァッッッ!!!!」カッ!
ヘルガー「ルッ.....!!」ビクッ
フォクスライが再び敵を怒鳴りたてる
ショタT「またバークアウト......!」
神州丸「しぶといな。だがそちらの攻撃も大したダメージにはならん! 攻め続けるのみ!」
神州丸「構わず火炎放射だ!!」
ヘルガー「ガァァァッ!!!」ボオオオオ!
フォクスライ「ライッ......!」ジリ
ヘルガーの火炎放射に苦悶の表情を浮かべるフォクスライ
884
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/14(金) 20:10:42 ID:fobnzQak
神州丸「ふ。さすがに堪えたようだ......」
フォクスライ「フォッ」ニッ
嘲る様な笑みを浮かべる
ショタ「!?......しまった」
ボリ ボリ
懐に隠し持っていた木の実を齧りだす
フォクスライ「スラーッ!」
キランキラン
ショタT「あれはオボンの実! 体力を回復された!」
神州丸「どうやら......我々がヨクバリスに構っている隙を見て1個くすねていたらしいでありますな」
フォクスライ「フォッフォッフォ......」ニタァ
ヘルガー「ヘルッ......!!」ギリッ
ショタT「あれ? ということは、かなり早いうちから僕らをつけ狙っていたって事ですか?」
神州丸「そして時機を見て、今この場に現れた。つまり狙いは......」
神州丸「このカレーかっ!!」バッ!
振り向く
そして異変に気付く
ショタ「カレーが無くなってるー!?」ガビーン
カレーの入っていた鍋が忽然と姿を消している
885
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/14(金) 20:11:42 ID:fobnzQak
神州丸「ぬ、盗まれてる!? バカなっ! じゃあさっきから戦っているこいつは......」
ショタT「......囮!!」
フォクスライ「フォーック!!」ザッ!
相手が跳躍しヘルガーに襲い掛かる
その長い尻尾を振るい猛打を食らわせてゆく
ヘルガー「ガァッ......!」バチン! バチン!
フォクスライのスイープビンタ!
ショタT「そうだ......僕らを引きつけている間に、きっと仲間に泥棒させたんだ!」
神州丸「おのれぇっ! 我々を......侮るなぁッ!!」
神州丸「やれ、ヘルガー! 『煉獄』!!!!」
ヘルガー「ガルッ!!」ギロッ!
ヘルガーの口から黒煙が噴出し、その瞬間フォクスライの目の前が白く輝く
フォクスライ「フォッ......!?」
バアアアアアアン!!!
相手のフォクスライが業火に包まれる
886
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/14(金) 20:13:45 ID:fobnzQak
フォクスライ「ラァァァァ......!!!」ジリジリ
ショタT「煉獄......当たりさえすれば、強力な火力を押し付け火傷を負わせる容赦のない技だ」
神州丸「貴様が不用意に接近したお陰で、容易に直撃させることが出来たわ」
フォクスライ「フー......フー......!!」ゼェゼェ
ザザッ
素早く踵を返し草むらの中に飛び込む
フォクスライは逃げ出した
ショタT「しまった、逃げた!」
神州丸「構わん。どうせ逃げ足の速い奴だ。追いつきやしない」
神州丸「それに我々が追わねばならないのはカレーの行方。つまり奴の“共犯者”の方であります」
神州丸「戦闘直後だが休む暇はない。いけるか?」
ヘルガー「へルッ!!」シャキン!
神州丸「よし。ヘルガー、『かぎわける』!!」
ヘルガー「............」クンクンクンクン
ショタT「......!」
ヘルガー「......ルガー!!」クイクイッ
神州丸「うむ、こっちだな。行こう」
____
__
_
887
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/14(金) 20:33:37 ID:UzbRILvA
展開が楽しみ
888
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:00:39 ID:XEtBamD6
ザッザッザッザッ
青々と茂る草むらの中を進む一同
ヘルガー「......」クンクン
ショタT「こんな所に逃げ込まれたら敵わないですね」
神州丸「鼻の利くこいつが居なければ、追跡はまず無理であったな」
ヘルガー「............ルッ!」キッ
鋭い視線を前に向ける
神州丸「どうだ、見つけたか?」
ヘルガー「ヘルッ」クイクイッ
神州丸「む......」
前方に注視する
長い草むらの影に隠れ、小さい横穴が見える
神州丸「間違いないな?」
ヘルガー「......」コクッ
神州丸「よし、取り掛かるぞ」
ヘルガー「ガルッ!」
889
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:01:48 ID:XEtBamD6
ザッザッ
前に歩み出るヘルガー
神州丸「ショウタ殿は大きめに下がっていてください。危ないので」
ショタT「え? は、はい」
神州丸「ヘルガー、あの巣穴一帯の草むらを根こそぎ焼き払ってしまえ! 『火炎放射』!!!」
ヘルガー「ルゥゥゥガアアアアアアア!!!!」
ゴオオオオオオオ!!
灼熱の炎をふき出す
火柱を扇状に凪ぎ払う
神州丸「......これくらいでいいだろう」
ヘルガー「フゥゥゥゥ......」
ショタT「ご、豪快だなぁ......」
パチッ パチッ
青々としていた草原が消え、黒い地面から白煙が上がる
巣穴が顕になる
神州丸「さぁ、姿を見せろ。蒸し焼きにされる前にな」
ババッ!
巣穴からポケモンが飛び出してくる
ショタT「出た!」
神州丸「予想通り」
フォクスライ♀「スラーッ!!」ザッ
890
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:02:41 ID:XEtBamD6
ショタT「またフォクスライ!?」
神州丸「ええ。でもさっきのとは別の個体であります。恐らくつがいでしょう」
フォクスライ♀「ラァァァッ!!」ギロッ!
ヘルガー「ルッ......!」ビクッ
神州丸「相手はだいぶ気が立ってるようであります。呆れたものだな」
神州丸「先に盗みを働いたのは貴様らであろう。覚悟しろ、行くぞヘルガー!」
ショタT「待って下さい、神州丸さん。ヘルガーはさっきの戦闘の疲れが残ってるはずです」
神州丸「確かに......ならば如何いたしましょう、ショウタ殿」
ショタT「僕らがやります」
ボールを構える少年
神州丸「分かりました。若きトレーナー殿の腕前、拝見させて頂きましょう。ヘルガー、下がれ」
ショタT「お疲れ様、ヘルガー」
ヘルガー「ヘルッ」スッ
ショタT「......随分久しぶりな気がするけど、頼んだよ」
ボールに語りかける
ショタT「行けっ! ルカリオ!!」
ポゥン!
ルカリオ「ルカッ!!」スタッ
891
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:03:32 ID:XEtBamD6
神州丸「成る程、格闘タイプのルカリオ。確かに相性は圧倒的にいい。頼れるな」
ショタT「まずは小手調べだ! ルカリオ、『波導弾』!!」
ルカリオ「ルッ......カァッ!!」
バシュッ!
フォクスライ♀「フォッ!?」
高速の光弾がフォクスライに襲い掛かる
バァァァァン!!
フォクスライ♀「ラァァァ......!」シュウウ
直撃する
ショタT「どうだ、効果抜群だ!」
フォクスライ♀「スゥゥゥッ......ラァッッッ!!!!」ゴォッ!
フォクスライのバークアウト!
ルカリオ「リオッ!?」ビクッ
怒声にたじろぐルカリオ
神州丸「ちっ、またバークアウトか」
ショタT「いや、いけます。初撃でかなりのダメージが入った。今更特攻を下げられた所で......」
「ラァッッッッ!!!」ガァッ!
ルカリオ「ルァッ......!?」ビクッ!
ショタT「なっ!?」
不意打ちの怒声でルカリオがさらに身を縮める
892
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:04:39 ID:XEtBamD6
神州丸「この声は......!」
フォクスライ♂「フォッ......!」スタッ
火傷を負った雄のフォクスライが飛び出してきた
ショタT「さっきの奴か!」
ルカリオ「リオッ......!」ギリッ
フォクスライ♂「フォク!」キッ
フォクスライ♀「スラーッ!」キッ
睨みを利かせる2頭
神州丸「ショウタ殿。さすがに1対2では分が悪い。ここはやはり私たちも」
ショタT「いいえ、僕らならやれます!」
ショタT「......行くよ」
ルカリオ「......」コクッ
目を瞑り、呼吸を整える
カッ!
少年の持つキーストーンが輝きルカリオが光に包まれる
神州丸「これは......」
フォクスライたち「フォッ......!?」
ショタT「............メガシンカ!!」
メガルカリオ「ルゥゥゥゥカァッ!!!」バン!
893
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:05:24 ID:XEtBamD6
神州丸「なんと、神々しい姿......驚きであります」
ショタT「野生のポケモン相手だろうと容赦しないよ! 観念しろ、僕らのカレーを盗んだ悪い奴ら!」
メガルカリオ「ルッ!」ザッ
構える
コォォォォォオ
波導のエネルギーが掌に集まってゆく
フォクスライ♂「......ッ!?」ゾクッ
身震いする相手
ショタT「波導だ......」
「スネーーーっ!」
フォクスライ♀「フォクッ!?」バッ!
フォクスライ♂「スラッ!?」バッ!
相手が後ろを振り向く
ショタT「っ......!?」
メガルカリオ「ルッ......」ピタッ
こちらも動きを止める
神州丸「鳴き声?......巣穴から......?」
巣穴から何かが這い出てくる
894
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:06:05 ID:XEtBamD6
タッ タッ
おぼつかない足取りで歩いてくる
クスネ「ス......ネッ......」ヨタッ
ショタT「あ、あれはクスネ......ということは、この2頭の子供......?」
神州丸「それも、随分と弱っている様子......」
クスネ「クスゥ......」コテッ
フォクスライ♀「スッ!」 フォクスライ♂「ラッ!」
弱りきったクスネが両親の所に歩み寄る前に地面に伏せる
そこに近寄る父と母
ショタT「............」
フォクスライ♀「ルゥゥゥッ!」ギッ!
フォクスライ♂「ラァァァッ!」ギッ!
今までにない形相で威嚇する2頭
895
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:06:50 ID:XEtBamD6
神州丸「状況は飲み込めました。何故彼らが今回このような強行に及んだのか......」
神州丸「それは、病弱な我が子にせめて美味しい物を食べさせてやりたいという、親の真心」
ショタT「真心......」
神州丸「子も子で立派であります。あんなか細い体でも、親の身を思いやる強い心を持ち合わせている」
神州丸「......ですがショウタ殿。人のものを捕ったら泥棒。悪事であることに変わりはありませぬ」
神州丸「連中から問答無用で奪い返すのもまた道理。寧ろそれが正しい。一体誰に非難される筋合いがありましょう」
ショタT「それは......」
神州丸「私は貴殿の味方です。さぁ、お好きに為さればよろしい」
ショタT「............」
クスネ「スゥ......」
フォクスライたち「グルルルル......!!」
ショタT「......ルカリオっ!!」
メガルカリオ「ルカッ!!」
ショタT「............もういい、戻って」
メガルカリオ「......」コクッ
ポゥン
メガルカリオがボールに戻っていく
896
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:07:45 ID:XEtBamD6
クスネ「......」
フォクスライたち「ス......!?」
神州丸「ショウタ殿......」
ショタT「ごめんなさい、神州丸さん。僕には出来ないです」
ショタT「僕はただ、美味しいカレーを食べたかっただけなんです」
ショタT「でもあのカレーを取り返して、それがどんなに美味しくても......」
ショタT「きっと......美味しくは食べれないと思ったから......」
神州丸「分かりました。それでは諦めます」
神州丸「............ふぅ。正直、安心しました。私はきっと、貴殿がそうしてくれることを心の奥底で望んでいたのでしょう」
神州丸「さて、これ以上あやつらの気苦労を増やすのも良くない。立ち退きましょう」
ショタT「はい」
神州丸「帰るぞ、ヘルガー」
ヘルガー「ガルッ」
ザッザッ
踵を返す一同
クスネ「......」ジー
フォクスライ夫婦「......」
ショタT「............」
振り向く少年
ショタT「今度会ったら、感想聞かせてね」
______
____
__
897
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:09:10 ID:XEtBamD6
ショタT「折角だし、カレー食べて元気になって欲しいなぁ......あのクスネ」
神州丸「沢山の木の実の滋養が溶け込んだカレーは体力増強に効果的。きっと大丈夫でしょう」
ショタT「でもすみません、神州丸さん。カレー取り返せなくて。僕が甘いせいです」
神州丸「ふふふっ、貴殿は自身が作ったカレーと同じくらい甘甘でありますな」
ショタT「え?」
神州丸「実は盗まれる前に味見をしたのであります。なぁに、不肖も甘口は嫌いではありません。出来るものなら米と一緒に大皿で......」
ショタT「あなたも意外とせっかちな性格なんですか?」
神州丸「そそそそんなことはない」
神州丸「......そうだ、甘いで思い出した。ショウタ殿、これは私からの餞別だ」
ショタT「?」
キャラメルの箱を取り出す神州丸
神州丸「はい、あーん」
ショタT「えっ? あ、あーん......///」
パクッ
ショタT「......」モグモグ
神州丸「ほら、幸せであります」
ショタT「......うん♪」
続くったら続く
898
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:12:33 ID:XEtBamD6
大淀博士「さーて今回のポケモンは」
大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ
No.229
大淀博士「No.229と言えば、そう、ヘルガーですね」
大淀博士「ダークポケモンのヘルガーはその分類名に違わず非常に恐れられてきたポケモンです」
大淀博士「その不気味な遠吠えは死神の呼び声とも言われ、吹き出す炎は地獄の業火に焼かれるが如き苦痛を伴うだとか」
大淀博士「あぁ私も身を焦がすほどの熱い恋に堕ちてしまいたい。さぁヘルガー私をその炎で包み込んで下さい」
大淀博士「あなたの灼熱の炎が私を傷つけ、苦しめている間、私はあなたを忘れないでいられる。喜んでいられる、あなたの愛を感じて」
大淀博士「そしていつかきっと、あなたも私の愛に気付く。それが愛し合うってことなんじゃないですか」
ヘルガー「......」(ダーク♂ドン引き)
ここで一句
ヘルガーは
実は早起き
真面目な子
大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」
899
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:14:41 ID:XEtBamD6
完走目指します
次回
登場キャラ
>>900
ポケモン
>>901
900
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/18(火) 23:59:31 ID:8Idb/LcM
南方棲鬼
901
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/19(水) 00:01:20 ID:yuheSqqM
ストリンダー
902
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/02/19(水) 08:25:51 ID:.RT5Syag
( ;∀;) イイハナシダナー
903
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/03/26(木) 00:59:43 ID:1w/oVwuM
ある日
雷「ふーっ、今日はいい天気♪ ね、ピカチュウ?」
ピカチュウ「ピカ〜〜〜」ゴロ~
芝生に寝転がるピカチュウ
雷「ふふっ♪ ショウタ、あんたもだらけ過ぎちゃダメよ? ............ん?」
ショタT「......」ボケー
明後日の方向に視線を向ける少年
ピカチュウ「......ピカピ?」
雷「ショウタ、どうかしたの?」
ショタT「......なんか落ち着かない」
雷「どうしたの急に」
ショタT「だから......なんと言うか............落ち着かない」
雷「それじゃ分かんないでしょ。何でもいいから話してみなさいよ」
ショタT「うーん......なんだろう......」
(沈黙)
雷「もー、黙っててもダメじゃない。ねぇ、なんか美味しいものでも食べ行かない? ほら、あのお店」
ピカチュウ「ピッカ!(喜)」
ショタT「え? う、うん......」
904
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/03/26(木) 01:00:56 ID:1w/oVwuM
〜甘味処〜
ツボすけ(♂のツボツボ)『ママーッ!!!!!!!!』ビューッ!!!!
ツボすけはほとばしるような叫びとともにきのみジュースを出した。たまげたなぁ。
霞「きっしょ。もう出すな。そして黙れ」
霰「霞姉さん......言い過ぎ」
間宮「ご、ごめんなさい......この子は大好きなママの顔を思い浮かべないとジュース出せないんです」
霞「んな事実聞きたくなかったわよ!つーかそんな穢れた液体飲まされんの!? 嫌なんだけどッ!!!」
霰「クレーマー......」ボソッ
ガチャッ
雷&ショタT「お邪魔しまーす」
間宮「あら、いらっしゃいませー♪」
(先客と目が合う雷)
霞「あああああああああああっ!!?」
雷「ぎゃあああああああああっ!!?」
霰「うるさい」
ショタT「君たちは確か......練習試合の時の」
雷「あの時やっつけたでしょーーーっ!?」
霞「だから何よっ!!!」
905
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/03/26(木) 01:02:33 ID:1w/oVwuM
間宮「ショウタくん? この子たちの知り合い?」
ショタT「ええ。一度授業で顔を合わせたことが」
霰「この前は負けたけど......元気だよ......」
霞「ふんっ! 別にコイツに負けたとは思ってないわよ! やっつけられた覚えなんて尚更ないわッ!」
雷「なーに? コイツってあたしに向かって言ったー?」
ショタT「い、雷ちゃん、やめなってば。お店の中だよ......」
ショタT「......あっ!」
ツボすけ「ツボツボ?」
ショタT「ツボすけ、久しぶり。元気してた?」
ツボすけ (元気ですよん)
間宮「もうすっかり立派にお仕事してくれてますよ。ショウタくんのお陰ね」
ショタT「それは良かったです。じゃあツボすけ? ジュースでも貰っていいかな?」
雷「あ、そうね! 喧嘩なんかしてたらここに来た意味ないわ!」
ショタT「でも僕らが先に貰っていいのかな? 先客が......」
霞「あー別に。お先にどうぞ。私らとっくに飲む気失せたから」
ショタT「あれ......?」
906
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/03/26(木) 01:03:27 ID:1w/oVwuM
雷「ふふーん......分かったわ? あんまり態度悪いから、ツボすけが機嫌損ねてジュース出してくれなかったのね?」
霞「はぁ? 訳分かんない。言っとくけどそいつは......」
雷「ねぇねぇツボすけ? この雷様に美味しいジュースいーっぱい飲ませてちょうだい?♥」
ツボすけ『ママーッ!!!!!!!!』ドビュルルルルルル!!!!
ツボすけはほとばしるような叫びとともにきのみジュースを出した。たまげたなぁ。
霞「げぇっ!?」
間宮「す、凄い! サーバー一杯分のジュースが一瞬で!!」
雷「じゃあ早速頂きまーす♪」
霞「よ......よくそんなもん飲めるわ......正直引くんだけど」
霰「いただきます」
霞「ええっ!? 霰も飲むの!?」
ショタT「僕も頂きます」
霞「ちょ、ちょっと待ちなさい! あんたらあの光景見てなんとも思わないの!?」
雷「あんたこそ何考えてんの」
907
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/03/26(木) 01:04:39 ID:1w/oVwuM
霰「これは......ただのジュース......ただのおいしいジュースだから」
雷「そうそう、飲まなきゃ損損よ。まぁ出して貰えないなら可哀想だけどね」
霞「はぁ!? 私だけ仲間外れ!? ふざけないでよ!! あんた! 私の分も出してよ! 出せるんでしょ!? 出しなさいってば!!」
ツボすけ『ママーッ!!!!!!!!』ブビュルルルルルル!!!!
ツボすけはほとばしるような叫びとともにきのみジュースを出した。たまげたなぁ。
雷「ファッ!?」
ジュースで一杯のジョッキを持つ霞
霞「おっ、重......!? ったく、やれば出来るじゃない! もったいぶってないで最初から出しなさいな!」
霰「さっき......もう出すなって......」
ショタT「…………」
雷「ぐぬぬぬ......! ねぇツボすけ! この雷の為にもっともーっとジュース出しくれていいのよ?」
ツボすけ『ママーッ!!!!!!!!』ドビューッ!!!!
霞「ちょっ!? わ、私にはもっと出せるでしょう!?」
ツボすけ『ママーッ!!!!!!!!』ブビューッ!!!!
雷「もっと!!」
ツボすけ『ママーッ!!!!!!!!』ピューッ!!
霞「もっとよ!!!」
ツボすけ『ママーッ!!!!!!!!』ピュッピュッ!!
間宮「すっ......凄っ♥ こんなにたっぷり......♥ 濃厚なジュース溜め込んでたなんて♥」ハァハァ
ショタT「もう二度とジュース飲めないね」
908
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/04(土) 14:03:16 ID:OV69ja8Q
もう出ないよぉ・・・
909
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/19(日) 17:38:41 ID:oMzKht/A
・
・
・
ピカチュウ「ピーカ?」
ツボすけ(もう出ないですよん)「..............」ゲッソリ
雷「ぷはぁー、ごちそうさまでした!」
霰「美味しかったです......」
霞「ま、まぁまぁね」
ショタT「おいしいけど、おいしい......」←結局飲んだ
霞「......で、そこのアンタ」
ショタT「............」(上の空)
霞「アンタよっ!」
ショタT「ひぃっ!?」ビクッ
(霞ににらみつけられる少年)
霰「霞姉さん......ちゃんと、名前で呼んであげないと......」
霰「......ね? ショウタ......くん?」
ショタT「う、うん......(覚えててくれてたんだ.......)」
910
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/19(日) 17:39:26 ID:oMzKht/A
霰「お悩み中......なの?」
ショタT「ま、まぁ......」
雷「もー、ダメじゃない。あたし以外の子にまで心配懸けさせちゃ」
霞「ふん! この大事な時期によくそんな間の抜けたツラできるわね」
ショタT「大事な時期?」
霰「..................え?」
ショタT「え?」
霞「......アンタ、ジムチャレンジのことで悩んでるんじゃなかったの?」
ショタT「ジムチャレンジ?」
霞「はぁ!? 何それ!! ジムチャレンジ知らないとか嘘でしょ!? 舐めてんのッ!? 大体ねぇ、アンタがそんなんじゃアンタらに負けた私らはどうなんのよ! バカみたいじゃない!! しっかりしなさいよッ!!」
ショタT「そそそそんな怒らなくても」
霞「ジムチャレンジ! スクールを代表するトレーナー達がその学校の威信を懸け、8つのジムを巡りチャンピオンを目指す!!」
霰「......バトルの祭典」
ショタT「チャンピオンを目指す......バトルの祭典!?」
霞「はぁー......マジで知らないとかビックリ呆れるんだけど......」
ショタT「雷ちゃん......僕初めて聞いたんだけど......」
雷「あー......ウチ万年弱小校だからすっかり忘れてたわ」
911
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/19(日) 17:40:25 ID:oMzKht/A
雷「でもいいじゃない! ショウタ、やっちゃいましょう! ジムチャレンジ!!」
ショタT「うん、やろう! なんだか急にワクワクして来たよ!」
ショタT「いい事教えてくれてありがとう! 霞ちゃん、霰ちゃん!」
霰「......(ニコッ」
霞「えっ......べ、別に礼言われる程の事でもないけど......」
恥ずかしそうに視線を横に投げる霞
ショタT「あ、でもさっきスクールを代表するトレーナーって言ったよね? じゃあ僕らの学校から1人しか出れないってこと?」
霰「もちろん、1人だけ............一番強い人が」
霞「言っとくけど、ウチのトップは私らなんかよりもよっぽど強いからね!」
霰「......」コクッ
雷「じゃあウチの一番はアンタよね、ショウタ!」
ショタT「............いや、違う」
雷「?」
ショタT「決着をつけなきゃ。あの子と」
912
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/19(日) 18:23:19 ID:06lAR0p2
興奮してきたな
913
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/27(月) 22:00:31 ID:CLKwDmlg
寮の自室
ショタT「............ねぇ、ルカリオ」
ルカリオ「ルカ?」
ショタT「覚えてる? キミと僕が初めて出合った時のこと」
ショタT「あの時から、僕たちの物語は始まったんだね」
ルカリオ「......」
ショタT「............ちょっと大げさすぎたかな」
ルカリオ「リオ」コクッ
(頷く)
ショタT「でもまだまだ。終わらないよ、僕らの冒険は」
ショタT「行くよ、ジムチャレンジ! 強いライバルたちを倒して、目指すはチャンピオンだ!!」
ルカリオ「ルカッ!!」
ショタT「......でもその前に、決着をつける。ほっぽちゃんと」
ルカリオ「......!」
目つきが変わる
ショタT「ほっぽちゃんに勝つ。そして正真正銘、この学校のトップになる!」
914
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/27(月) 22:01:56 ID:CLKwDmlg
ハウ「聞いたよー!!」
ショタT「うわっ!?」ビクッ
グラジオ「フッ......やるんだな、ショウタ?」
ショタT「ハウくん、グラジオくん......うん!」
グラジオ「それでいい。胸を張れ」
ハウ「お前こそがこの学校の一番だって、俺信じてるからさー」
ショタT (......前から思ってたけど、二人は何でこの学校にいるんだろう)
ハウ「......? どうしたの?」
ショタT「二人はさ、ずっとこの学校にいるつもりなの?」
ハウ「......」
グラジオ「......いい質問だ。話そう」
グラジオ「俺達は『ある存在』を追ってこの地方に来た。だが結局、その足がかりは掴めないまま今に到っている」
グラジオ「このまま何の成果も無く、手をこまねく訳にもいかない。つまり......」
ハウ「残念だけど、もうすぐここを離れなきゃいけないね」
ショタT「............そうなんだ」
グラジオ「ショウタ、出会いがあるんだ。別れもあるさ。いつだってな」
ハウ「だから最後にさー! お前の一番カッコいい所、俺らに見せなよー!」
グラジオ「そうだ。約束だぞ。出来るな?」
ショタT「......うん!!!」
_______
_____
__
915
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/27(月) 22:02:48 ID:CLKwDmlg
ワーワーワーワー
ざわめき
ピカチュウ「ピ~~~カ~~~」
空高くを見上げるピカチュウ
バトルスタジアム
街の中心に位置する巨大な建造物
その観客席が大勢の人で埋め尽くされている
雷「この田舎町にもこんなに人が集まるもんなのね......」
ピカチュウ「ピカピカ」ウンウン
潮「正直ビックリです......」
霧島「ふふふ、今年の我が校は張り切ってますから。頑張ってお客さん集めて盛り上げてるんですよ!」
霰「............ジムチャレンジは、チャンピオンリーグ出場選手を決めるための......あくまで予選」
霞「つまり、このバトルは所詮予選のための予選。の割には張り切り過ぎでしょ」
雷「げぇっ!? なんでアンタらまで居んのよ!?」
霞「はぁ? 居て悪い?」
霰「......どうせ他の学校の子も、見に来てるよ」
雷「何よそれ! ここウチの代表決めるためのバトルなのよ! さてはあたしらの手の内を探るために」
霞「バーカ、んなもん意味ないわよ」
霰「ジムチャレンジが始まれば......チャレンジャーが、最初に戦うのは......ジムリーダー」
霞「だからアンタらの戦力は関係ないのよ。分かった?」
雷「ふーーーん!!! だったら別に見に来る必要もないじゃない! 腹立つっ!」プン
霧島「まぁ、トレーナーなら人のバトルを見たがるものですから」
916
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/27(月) 22:03:40 ID:CLKwDmlg
選手控え室
そこで静かに佇む少年
ショタT「............」
着慣れない白いユニフォーム姿で鏡の前に立つ
鏡の中の自分と向き合う
ショタT「僕の......いや、僕らの一番カッコいい所......見せないと」
ショタT「そうだよね、みんな?」
手の中のボールに語りかける
ショタT「............行こう!!」
歩く
狭く薄暗い通路を通り抜ける
光と歓声が溢れる舞台に立つ
917
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/04/27(月) 22:04:48 ID:CLKwDmlg
北方棲姫「オネェチャン! ほっぽ頑張ル!」
港湾棲姫「エエ、頑張ってネ♪」
北方棲姫「なんぽの姉貴も見テテ。ほっぽヤルヨ」
南方棲姫「アァ」コクッ
離島棲鬼「ブーーーーーーーーッ!!!!(ブブゼラ)」
北方棲姫「しぇからしか」
離島棲鬼「はい」
ショタT「............」
広大なフィールド
その向かい側に居る少女と目が合う
北方棲姫「......決着をつける時ダ」
ショタT「......うん」
918
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 07:51:16 ID:9Nqa/oF.
霧島『えー、使用ポケモンは3匹。対戦ルールは3vs3のシングルバトルです』←アナウンス
2人のトレーナーのポケットに3つのボール
その内の1つを手に取り、構える
ショタT「ほっぽちゃん。君と出会えたから、僕はみんなに出会えた」
ショタT「だからこのバトルは、君たちへの感謝を込めた恩返しバトルだ!」
北方棲姫「ソウカ。デモ勝たせてくれる訳じゃナインダロ」
ショタT「当然だよ、全力で行く!!」
北方棲姫「ソレデイイ。全力で潰してヤル」
ポゥン!!
ポゥン!!
ショタT「頼んだよ、スターミー!!」
北方棲姫「来い、ピジョット!」
スターミー「ヘアッ!!」スタッ!
バサッ! バサッ!
ピジョット「ピジョーーーッ!!」
霧島『戦闘開始よッ!!!』
919
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 07:52:19 ID:9Nqa/oF.
ショタT「見せてやる、僕らのゼンリョク!」
ほっぽ「私ダッテ強くナッタゾ。覚悟シロ」
スターミーの体が光り輝く
スターミー「タァァァァァアアア!!!」
ショタT「スターミーが解き放つ全力のZワザ! ワールズエンドフォール!!」
ピジョットの頭上高くに巨大な岩石が出現する
ショタT「行っけぇぇぇぇっ!!!」
スターミー「シュゥゥゥワッチ!!!」カッ!
ゴゴゴゴゴ......
岩石が落下を始める
ほっぽ「ピジョット、メガシンカ!!」
ショタT「メガっ......!?」
ピジョット「ピィィィッ!」
ピジョットが光に包まれる
ほっぽ「サァ行ケ!」
バシュッ!!
光を纏ったままスターミー目掛けて高速で突撃する
ショタT(こっちの攻撃よりも......速いっ!)
ほっぽ「蜻蛉返り!!」
メガピジョット「ジョットォォォ!!!」カッ!
920
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 07:53:35 ID:9Nqa/oF.
バキィッ!
スターミー「デュワァァァッ!?」
スターミーに攻撃を食らわせたメガピジョットが180度反転
高速でトレーナーの元に戻る
ほっぽ「帰レ、ピジョット」
ポゥン!
ほっぽ「頼ンダゾ、ヨノワール」
ポゥン!
ヨノワール「ノワァァァル......」
ショタT「ヨノワール.....! でもだったらそいつに食らってもらう!」
スターミー「ヘァッ!!」カッ!
ゴオオオォォォ!
空に浮かぶ岩石が落下速度を上げる
ほっぽ「受け止メロ」
ヨノワール「ヨノォォォ......!」
頭上に手をかざし防御の姿勢をとる
ショタT「狙いはヨノワールだ! やれっ、スターミー!!」
スターミー「シュゥゥゥワッチ!!」
ドォォォォオオオオオン!!!
岩石が地面に衝突し土煙が舞い上がる
921
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 07:54:14 ID:9Nqa/oF.
ショタT「どうだ!」
ほっぽ「コノ程度」
ヨノワール「ワァァァル」ドン!
堂々と構えるヨノワール
ショタT「堅い......!」
ほっぽ「ヤレッ、ヨノワール!」
ズズズズ......
ヨノワールの影が伸び黒線が地面の上を走ってゆく
その影からヨノワールの分身が出現しスターミーの背後を取る
ほっぽ「カゲウチ!!」
ヨノワールの影「ヨノッ!!」
ヨノワールの影打ち!
ズガッ!
スターミー「デュワァァァッ!」
ショタT「ス、スターミー!」
ピコンピコンピコンピコン!!
スターミーのコアが赤く点滅する
922
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 07:55:20 ID:9Nqa/oF.
ショタT「スターミー頑張って! こっちも反撃だ!」
ショタT「ハイドロポンプ!!!」
スターミー「ヘァッ!!!」ドバーッ!
スターミーから放たれる怒涛の水流がヨノワール本体を狙う
ヨノワール「ヨノォォォ......!」ドドドド
ほっぽ「耐えろ」
ヨノワール「ワールッッッ!!」バァン!
後ずさりしながらもスターミーのドロポンを受けきる
ショタT「くっ......大技2発も叩き込んでるのに」
スターミー「ジュワッ......ジュワッ......」ピコンピコンピコン
ほっぽ「トドメだ。ヤレ、ヨノワール!」
ヨノワール「ノワァァァッ!」ズズズ
再びヨノワールの影が動く
923
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 07:56:34 ID:9Nqa/oF.
〜観客席〜
潮「スターミーさん、もうかなり危なそうです......」
霰「相手はまだ......余裕そう」
霞「ふん。撹乱用の蜻蛉返りと先制技の影打ちでくたばる寸前とか、だらしない子」
雷「し、仕方ないでしょうが! ちょっと相手が悪いだけじゃない!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーっ!!」
声を上げるピカチュウ
雷「そうね、ピカチュウ。あたしたちが応援しなきゃ。スターーミーーー頑張ってーーー!!!」
スターミー「!!」
スターミーの超エロエロの星型ボディが犯されるのを見て陵辱フェチの観客がまた「がんばれがんばれ」を連発。
スターミーは苦し過ぎて妙な鳴き声しか発することができない。
でもその目は無意識にもしっかり相手を見据えている。
筋肉バトル奴隷だからね。
スターミー「ヘァッ!!!」シャキーン!
今日は↑の声援とご主人様の想いが仕込まれたガタイなんでパワーが違うぜ!インド象並みの馬力だぜ!パンパンにパンプした全身の棘皮勃ちまくりでエロさ全開、流れるしたたる液体がこれまでの激闘をしっかり記憶によみがえらせてくれて燃えまくり、バトルして下さいって心の中で叫びながらガンガンに筋肉痛めつけてやって全身パンプアップさせてマジエロヒトデの出来上が
ショタT「戻れ、スターミー!」
スターミー『マジオレの気持ちを最後までくじくなよな!』ポゥン
さっきまで大きく見えたスターミーがセンパイに無視され、ボール戻ったときには消えていた。
ほっぽ「交代か。構うな、カゲウチだッ!」
ショタT「来い、オオスバメ!!」
ポゥン!
オオスバメ「スバァァァッ!!」バサッ!
ヨノワールの影が敵を捉える
しかし何も起こらない
ヨノワール「ノォォォ......」
ほっぽ「フン。ノーマルタイプか」
924
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 07:59:41 ID:9Nqa/oF.
ショタT「それだけじゃない! この隙に、この道具の効果が発動する!」
ジュウウウ!
オオスバメ「スバッ......!」
体から煙が立ち上る
ショタT「僕がオオスバメに持たせているのは『火炎玉』! これでオオスバメは火傷を負う!」
雷「えぇぇっ!? 何でそんな道具持たせてんのよ!?」
霞「そりゃ何考えてるかは分かるわよ。余程のことじゃないとやらないけどね」
潮「そっか。あの子の特性は確か、状態異常のときに強くなれる『根性』です!」
霰「......本気だね」
ショタT「オオスバメ、お願い。僕に力を貸して」
オオスバメ「......」コクッ
頷く
そして鋭い眼光を相手に向ける
ショタT「......行くよっ!!」
オオスバメ「スバッ!!」
925
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 08:00:22 ID:9Nqa/oF.
ほっぽ「いいダロウ。やるゾ、ヨノワール」
ヨノワール「ヨノォォォ......!」
ピキピキピキ
ヨノワールが拳に凍気を纏う
バシュッ!
オオスバメが上空に舞う
即座に切り替えし地面目掛け急降下
加速したまま直角に軌道を変え、低空飛行で敵に目掛け一直線に突撃する
ショタT「オオスバメの攻撃! 『ブレイブバード』!!」
オオスバメ「スッバァァァァ!!」
ほっぽ「ソノ翼.....オイテケ。ヨノワール、『冷凍パンチ』!」
ヨノワール「ノワァァァル!!」
バアアアアアアン!!!
炸裂
静まり返るスタジアム
ショタT「............オオスバメ!」
オオスバメ「スバッ!」キッ!
ガクッ
ヨノワール「ヨ......ノ......ワ」
ほっぽ「............戻レ、ヨノワール」
ポゥン
相手のヨノワールは倒れた
926
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/04(月) 08:27:44 ID:3tuMryhg
ウリ狂語録で草生えた
でもなかなかいい勝負してますねぇ!
927
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 07:53:30 ID:J0etTisM
霧島『倒れたのはヨノワール! ショウタ選手とオオスバメ、お見事です!』
ショタT「やったね、オオスバメ!」
オオスバメ「スバ!」
ショタT「......でも、まだだよ!」
オオスバメ「......!」キッ!
再び相手を睨み付ける
ほっぽ「任せたゾ......!!」
ポゥン!
バサッ! バサッ!
オオスバメの体格を大きく上回る翼が上空に舞い上がる
メガピジョット「ピジョォォォッ!!」
ほっぽ「調子に乗るナッ! ヤレ、ピジョット!」
928
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 07:54:14 ID:J0etTisM
ショタT「行けっ、オオスバメ!」
バシュッ!
オオスバメが急加速しメガピジョット目掛け突進する
ショタT「『空元気』っ!!」
オオスバメ「スッバァァァァッ!!」
ズガァッ!
強烈な体当たりがメガピジョットの身体に食い込む
メガピジョット「ピ......ジョ......!!」グググ
雷「よっしゃ! ド真ん中に命中よ!」
霰「............違う」
ほっぽ「ハジキ返セ!」
メガピジョット「ジョッ......トッッッ!!!」バァン!
メガピジョットの分厚い鳩胸がオオスバメを突き放す
929
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 07:54:51 ID:J0etTisM
ショタT「!?......受けきった!」
オオスバメ「スッ!?」
大きく弾き返され体勢を崩すオオスバメ
ほっぽ「ソコダ、撃ち落セ! ピジョット、『暴風』!!」
メガピジョットの巨大な両翼が竜巻を起こす
暴風がオオスバメに襲い掛かる
ショタT「まずい、オオスバメ! 避け......」
ほっぽ「避けてミナッ!」
ゴオオオオオオオオ!!
オオスバメ「スバァァァァッ......!」
暴風がオオスバメの羽根を散らす
ショタT「くっ......」
バサッ
黒い翼が力なく地面に伏せる
オオスバメは倒れた
930
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 07:55:49 ID:J0etTisM
ショタT「......よくやったよ。戻って、オオスバメ」
オオスバメ「ス......」ポゥン
霰「あの子の特性......『ノーガード』......絶対に攻撃を避けないし、外さない」
雷「な、なぁんだ......それじゃ当たって当然じゃない」
潮「でも、かなり大きいダメージが入ったのは確かです」
霞「後は先手を打ってトドメを刺すだけよ。そして」
霞「アイツなら、それが出来るはずよっ!」
ショタT「頼んだよ、僕の相棒!」
ボールを構える少年
ショタT「来いっ、ルカリオ!!」
ポゥン!
ルカリオ「ルカッ!」スタッ!
ほっぽ「来るゾ。用意シロ」
メガピジョット「ピジョッ!」
ショタT「行くよ」
ルカリオ「......」コクッ
少年のキーストーンが光を放つ
それに呼応しルカリオが光に包まれる
ショタT「メガシンカ!!」
メガルカリオ「ルゥゥゥカッ!!」バァン!
931
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 07:56:37 ID:J0etTisM
ショタT「ルカリオ、『神速』だっ!!!」
シュッ
メガルカリオが瞬時に姿をくらます
ほっぽ「受け止メロ」
メガピジョット「......」コクッ
空中で構えるメガピジョット
シャッ!
その目の前にメガルカリオが姿を現す
ショタT「食らえっ!!」
メガルカリオ「ルッカァァァッ!!」
バキィッ!
神速の拳がメガピジョットの横っ面に入る
メガルカリオ「ルゥゥゥ......!!」グググ
メガピジョット「ピィィィ......!!」ギギギ
硬直する両者
ほっぽ「今だピジョット、『熱風』ッ!!」
メガピジョット「ピィィィ!......ジョッ」
メガピジョットの両翼が熱気を纏う
メガルカリオ「ルッ!?」
ショタT「はっ!?」
メガピジョット「......ット」ガクッ
バサッ!
翼から熱と力が失われ地面に落ちる
メガシンカが解除され元の姿に戻る
ピジョットは倒れた
932
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 07:57:43 ID:J0etTisM
ショタT「よしっ! やったね、ルカリオ!」
メガルカリオ「リオッ!」
雷「やった! これで2体倒した!!」
ピカチュウ「ピッカー!!」
潮「ほっぽちゃんの残す手持ちは、あと1体です!」
港湾棲姫「ほっぽちゃん......頑張ッテ」
離島棲鬼「ちょっちょちょちょちょっとやばくナイっ!? ほっぽちゃん負けちゃいソウなんだケドッ!?」
南方棲姫「ヤカマシイ女だな」
南方棲姫「私のシモベを貸してやっテルンダ。そう簡単にヤラレタラ困るンダヨ」
離島棲鬼「兎も角ほっぽちゃんを応援スルワヨッ! 届け、私のエール!!」ブーーーーーーーーーーーーッ!!!(ブブゼラ)
南方棲姫「ヤカマシイっつってんダロッ!!」
ほっぽ「戻レ、ピジョット」
ピジョット「ピィ〜......」ポゥン
<ブーーーーーーーーーーーーッ!!!(ブブゼラ)
ほっぽ「............ミンナの応援、無駄には出来ナイ」
最後のボールを構える
ほっぽ「なんぽの姉貴が託してクレタ、コイツの力で勝ツ! 来いッ!!」
ポゥン!
ほっぽ「頼んだゾ。ストリンダー!!!」
ストリンダー(ローの姿)「ダァァァ......」
933
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 13:20:01 ID:nEfGZuK6
ショタ提督が勝って欲しい一方でほっぽちゃんも勝って欲しいと思っちゃう
934
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 23:50:14 ID:J0etTisM
ショタT「ストリンダー......あのポケモンは確か」
『ストリンダー(ローの姿)』
パンクポケモン
タイプ:電気・毒
特性:パンクロック/マイナス
ショタT「毒、電気。つまり、鋼技も、格闘技も半減か」
メガルカリオ「リオ......」
雷「うげっ......ここに来て相性の悪い奴が」
霰「............行ける......ショウタくんにはまだ、スターミーが控えてる」
霞「瀕死ギリギリだけどね」
潮「ルカリオさん、頑張ってください!」
ショタT「構わない。行くよルカリオ! 勝負だっ!!」
メガルカリオ「ルカァッ!!」カッ!
メガルカリオの身体に光が集まっていく
収束した光がエネルギーの弾丸になる
ほっぽ「ヤルゾ、ストリンダー!!」
ストリンダー「ストォォォ......!」
ウィンウィンウィンウィン
ストリンダーが胸の発電器官をかきむしる
ベースのような音を鳴らし身体に電気を纏う
ショタT「ラスターカノン!!」
メガルカリオ「ルッカァァァッ!!!」
ほっぽ「オーバードライブ!!」
ストリンダー「リンダァァァッ!!!」
935
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 23:51:26 ID:J0etTisM
バアアアアアン!!
爆発
両者の攻撃が互いの相手に炸裂する
メガルカリオ「リッ......オォォォ!」バチッバチッ
ストリンダー「ダァァァッ......!」シュウウウウウ
ショタT「ルカリオ、しっかりして!」
メガルカリオ「ルカッ!!」キッ!
踏みとどまり相手を睨むメガルカリオ
ほっぽ「くっ、ヤルナ......」
ストリンダー「............」ジロッ
(メガルカリオから視線を逸らし目を横にやるストリンダー)
雷「よっしゃぁぁぁっ! よく耐えたわ、ルカリオ!」
ピカチュウ「ピッカァァァ!」グッ
潮「やりましたね!」
霞「ま、上出来ね。相手には大したダメージ入ってないけど」
霰「でもこれでいい......あと一撃叩き込めば、十分」
霞「スターミーで仕留められるからね。それで勝ちよ」
936
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 23:52:45 ID:J0etTisM
ショタT「行ける! もう一度、勝負だ! ルカリオッ!!」
メガルカリオ「ルカァッ!!」
ほっぽ「受ケテ立ツッ!! 行くゾ、ストr」
「戻レ、ストリンダー!!!」
ストリンダー「......」コクッ
ポゥン!
ショタT「えぇっ!?」
メガルカリオ「ルッ!?」
ほっぽ「......ッ!?」
観客席から光線が飛ぶ
光線に包まれたストリンダーが主のボールの元に戻っていく
ほっぽ「な、なんぽの姉貴......ナンデ......」
南方棲姫「......ソレはコッチのセリフだよ、ほっぽ」
937
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 23:54:46 ID:J0etTisM
港湾棲姫「なんぽさん......?」
離島棲鬼「エ"ッ!? なんちゃん何ヤッテンノ!?」
南方棲姫「約束はコウだったゾ。『私のシモベを託ス。その代わり絶対に“勝て”』ト......」
ほっぽ「デ、デモ......まだ勝負ハ......」
南方棲姫「アァ、マダ勝負は着いてナイ。ダカラ......」
南方棲姫「私が勝たせてヤルンダヨォッッッ!!!!」
ボゥン!!!
南方棲姫の持つモンスターボールが突如巨大化する
霧島「まさか、まずいっ! ショウタくん逃げてっ!!」
メガルカリオ「ル......ッ!?」
ショタT「な、何が起こってるの......」
南方棲姫「コノ虫唾ガ走る世界に刻メ、戦慄ノ二重奏!!」
南方棲姫「キョダイマックス!!!」
巨大化したボールを空高く放り投げる
上空で弾けたボールからポケモンが出現する
ドオオオオオオン!!!!
スタジアムが揺れ土煙が巻き起こる
そこにいる誰もが天を見上げる
ショタT「こ、これが......ポケモン......?」
南方棲姫「現れろ!! キョダイストリンダー!!!」
GXストリンダー「ヴォオオオオオオオオッ!!!!」
938
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/05(火) 23:56:17 ID:J0etTisM
潮「きゃあああっ!?」
雷「なんじゃこりゃぁぁぁ!?」
ピカチュウ「ピカァァァ!?」
霞「嘘っ!? 使うとか聞いてないんだけど! ダイマックス、いや......」
霰「キョダイマックス......!」
南方棲姫「コイツの攻撃は本物ダヨ......!」
ストリンダーが背中に手をかける
その手が巨大なギターの形をした電気の集合体を掴む
ストリンダーの巨体が電気ギターを天高く掲げ、足元のメガルカリオに狙いを定める
南方棲姫「キョダイカンデン!!!!」
GXストリンダー「ダアアアアアアアアアアッ!!!!」
ショタT「そ......そん......な」
空を見上げる少年の目の前に白い稲妻が広がる
メガルカリオ「ルッ......!? ルカァッ!!!」
ドン!
敵に背中を向け自分のトレーナーを突き飛ばすメガルカリオ
ショタT「ルカっ......!?」
バアアアアアアアアアン!!!!
少年の目の前で巨大な稲妻の柱が立ち上る
ショタT「ルカリオォォォォ!!!」
939
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/06(水) 09:23:13 ID:hbZuMDoU
まさか自分を犠牲にして・・・
940
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:08:36 ID:MuSr86Co
ズサァッ!
ショタT「うぐっ......!」
突き飛ばされた少年の身体が地面の上を滑る
ショタT「ル、ルカリオは......!? ルカっ」
土煙が晴れる
雷撃で黒く焦げた地面の上にその身体が力なく横たわっている
ルカリオ「ル............」バチッバチッ
ショタT「ルカリオォォォッ!!!」
相棒の元に駆け寄ろうとする少年
南方棲姫「サッサと次の獲物を出しナァ、ガキィ!!!」
ショタT「うっ......!」
足を止める
震える手をボールに伸ばす
ほっぽ「ヤメテ、姉貴! コンナの、バトルジャナイヨっ!」
南方棲姫「いいや、コレが本物の戦闘ってヤツダ。学校では教わらナカッタダロ? ダカラ駄目ナンダヨッ!!」
南方棲姫「見せてやるサ。戦場で怖気づいた奴がドウナルカッテノヲ」
南方棲姫「ストリンダーァッ!!! テメェの獲物はマダくたばっちゃイネェゾ!」
GXストリンダー「グゥゥゥルルルルルッ!!」
雷鳴が轟くような音を上げて喉を鳴らす
その不気味な眼光が獲物を捉える
941
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:11:24 ID:MuSr86Co
ショタT「はぁ......はぁ......!」
南方棲姫「......出す気がネェンナラ、テメェごとぶっ潰してヤルヨォ!」
南方棲姫「ストリンダー! キョダイカンデン!!」
GXストリンダー「グオオオオオオォォォォッ!!!」
再び巨大な電気ギターを振り上げる
ルカリオ「ルゥゥゥッ......!!!」
ルカリオの目が見開く
しかし起き上がる体力はもう残されていない
ショタT「っ......!!」
とっさに空のボールを握る
それを横たわる相棒に向ける
目と目が合う
ルカリオ「............!」
ショタT「............大丈夫。この中にいれば、キミは無事だから」
ボールから光線が伸びる
ルカリオが光に包まれる
ショタT「......戻れ、ルカリオ」
942
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:12:58 ID:MuSr86Co
フィールドからルカリオが消える
一人の少年が静かに構える
ショタT「今度は、僕が守る番だ......」
霞「なっ、何のんびりしてんのよ、早く次を出して戦いなさいよっ!!!」
霰「まさか......出さない気!?」
潮「そんなっ、だっ、ダメッ!!」
潮「............あれ、雷ちゃん?」
ほっぽ「馬鹿ヤメロッ!!」
南方棲姫「モウ止められるカヨッ!!」
GXストリンダー「ダアアアアァァァァッ!!!」
電気ギターを振り下ろす
フィールドが白い光で満たされる
南方棲姫「ブッ潰れろォッ!!!」
「お願いピカチュウ!!」
「ピッカァァァッ!!」
943
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:14:17 ID:MuSr86Co
ショタT「............!?」
上空に閃光が広がる
ストリンダーの巨大な電気ギターが空中で何かに受け止められる
ショタT「ピ......ピカチュウ!?」
バチバチバチバチバチバチ!!!
ピカチュウ「ピッカァァァァァァ......!!!」
GXストリンダー「ダアアアアァァァァッッッ......!!!?」
ギターから溢れ出る膨大な電気がピカチュウの身体に吸収されていく
ショタT「はっ!?」
横に目を向ける
少年の元に一人の少女が走る
雷「ショウタ!! 無事!? 大丈夫!? 怪我は無い!?」
ショタT「雷ちゃん!?」
南方棲姫「バ、バカなッ!? 私のストリンダーの攻撃ガ......アンナ子鼠ごときに止められたノカッ!?」
ピカチュウ「ピカっ!」ドヤッ!
雷「ふふーん! その子鼠に自慢の攻撃を止められた感想を10字以内で述べなさい!」
南方棲姫「ブッ殺すぞクソガキッ!」
944
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:16:26 ID:MuSr86Co
霧島「二人ともっ!!」
二人の元に駆け寄る霧島
雷「先生!!」
霧島「ありがとうございます、雷さん。ショウタくんを守ってくれたのね。あなたとピカチュウお陰よ」
雷「えへへっ♪」
ピカチュウ「ピッカ♪」
霧島「もう大丈夫よ、下がって下さい。あとは私に任せて。教師として、あなたたちをお守りしま」
ショタT「先生」
霧島「す......あれ?」
雷「ショウタ......?」
ショタT「............あの力......僕らには使えないんですか」
GXストリンダー「グルルルルルゥゥゥ......!!」
四つん這いで前傾姿勢を取り威嚇するキョダイストリンダー
霧島「............」
(少し考える)
雷「えっ、何? まだ戦う気なの!? バカ、やめてよ! もう十分頑張ったじゃない!」
ショタT「約束したんです。みんなと。カッコいい所、見せるって」
雷「あーーーー聞いてない聞いてない知らない知らない。先生、もうあたしたち下がりますから」
ショタT「お願いします! 戦わせて下さいっ!!」
雷「もーやめてよ! だったらあたしとも約束して! これ以上あたしを心配させないでっ!!」
霧島「出来るわ」
ショタT「よしっ!」グッ!
雷「あぁぁぁぁもうやだぁぁぁぁ!!」
ピカチュウ「ピーカ......」ヤレヤレ
945
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:19:26 ID:MuSr86Co
霧島「これよ」
霧島はショウタの腕にダイマックスバンドを着けた
霧島「既にダイマックスパワーは集まっているわ。私の言う通りに動きなさい!」
ショタT「はいっ!」
霧島「さぁ、あなたの最後の切り札を繰り出すのよ!!」
ショタT「頼んだよっ! スターミー!!」
ポゥン!
スターミー「シュゥゥゥワッチ!!」
(バトルの)続きだぜ。
ピコンピコンピコンピコン
スターミー「ウグッ......!」ガクッ
膝(?)をつくスターミー
雷「ちょっと、もう限界じゃない! 無理させないで!」
霧島「無理じゃないわ! この一撃で全てを決めるわよ!」
ショタT「はいっ!!」
雷「正直あなた教師としての適正ないと思うんだけど......」
霧島「ダイマックスは、一度繰り出したポケモンを再度ボールに戻し、ダイマックスパワーを与えることで可能となる!」
霧島「さぁ、あなたのポケモンに、全てを注ぎなさい!!」
ショタT「分かりました......行くよスターミー!」
スターミー「ヘアッ!」コクッ!
ルアーボールから光が伸びスターミーがボールに戻っていく
少年の手の中にあるボールが突如巨大化する
そして空高くボールを投げる
ショタT「現れろ! 僕の新たなるヒーロー! ダイマックス、スターミー!!!」
巨大なボールが弾け、光の中からその姿を現す
DXスターミー「トゥゥゥゥゥアッ!!!」ドォン!!
946
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:20:39 ID:MuSr86Co
ショタT「バトルだ! 行くよっ、スターミー!!」
DXスターミー「ジュゥワッ!!」
スターミーが構える
南方棲姫「クソッ!! ヤッチマイナ、ストリンダー!!」
GXストリンダー「ガアアアアアアアアアッ!!!」
バチバチバチバチッ!!!
ストリンダーが再度ギターを振り上げる
霧島「ダイマックスしたポケモンの攻撃は、より高威力なダイマックス技に変化するわ!」
霧島「あなたのスターミーはエスパー技のサイコキネシスが使えるはずよっ! 命令しなさいその技の名前は......!!!」
ショタT「......はい! やれっ、スターミー!!」
ショタT「『ダイサイコ』ッッッ!!!」
DXスターミー「シュゥゥゥゥゥワッッッ!!!」カッ!
947
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:21:35 ID:MuSr86Co
スターミーが巨大な光線を放つ
その光線がキョダイ化したストリンダーを襲う
GXストリンダー「ダァァァァァァァアアアアア......!!!!」ババババババ!!!
ショタT「いっけぇぇぇぇっ!!!」
DXスターミー「ヘァァァァァアアアアッ!!!」
南方棲姫「オノレェェェッ!!!」
GXストリンダー「ンダアアアアッ!!!」
バアアアアアアアアアアアアン!!!!
キョダイストリンダーの巨体が弾け飛び巨大な火花が散る
その真下の地面に、元の姿のストリンダーが力なく横たわる
相手のストリンダーは倒れた
南方棲姫「バカな......コノ......私のシモベが......ッ!?」
雷「や......やった......!」
ピカチュウ「ピッカ......!」
霧島「うふふっ.....よく出来ました♪」
オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
スタジアムが歓声に包まれる
948
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:22:33 ID:MuSr86Co
ショタT「......」
少年の視線が観客席上部に投げられる
二つの人影を捕らえる
ハウ「へへーっ♪」
グラジオ「フッ......」
ショタT「......うん」コクッ
静かに頷く少年
その視線を再び目の前の相手に投げる
ほっぽ「......ショウタ」
ショタT「ほっぽちゃん......」
少年の口元に笑みが浮かぶ
ショタT「ありがとう。楽しいバトルだったよ」
続くったら続く
949
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:23:26 ID:MuSr86Co
大淀博士「さーて今回のポケモンは」
大淀博士「ぴっぴかちゅう!」ガチャ
No.849
大淀博士「No.849言えば、そう、ストリンダーですね」
大淀博士「その性格によって、ハイな姿/ローな姿に分かれる珍しいポケモンです」
大淀博士「両者に共通することは、胸の発電器官を掻きむしり電気を起こす時に楽器のような音が響くことです」
大淀博士「15000ボルトもの電気を発生させたり澱んだ水をガブ飲みして毒素を取り込んだりケンカ腰だったり相手を舐めてかかったりまぁ大変な子ですね」
大淀博士「それはさて置き。ストリンダーさん! また胸でかくなりましたね!」サワサワ
ストリンダー「ダアアアアアアアアアッ!!」(オーバードライブ)
大淀博士「WRYYYYYYYY!」ビリビリビリ!!
ここで一句
ストリンダー
ブッ壊すほど
パンクロック
大淀博士「みんなもポケモン、ゲットですよ」
950
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 00:24:28 ID:MuSr86Co
次回で締めです
最後までお付き合い下さい
951
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/07(木) 08:41:31 ID:lZDb7cGY
いつも名勝負をありがとう
期待しますよーするする
952
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/17(日) 23:59:16 ID:hwKPhjQ2
〜〜〜以前、研究所にて〜〜〜
謎の機械「ババーン」
明石「できました、ポケモン転送装置改です!」
大淀博士「やけに大きいですね」
明石「はい! 更なる改装を経てより高性能になりました!」
明石「と言う訳で、今回実験にお付き合いしていただくカビゴンさんの登場です」
カビゴン「ゴン」
明石「これまではポケモンを転送するためにはボールに入れる必要がありました」
明石「ですが、今回の改良によってボールに入れることなくそのままの状態での転送が可能になっています」
大淀博士「成る程。つまりゲットする必要がないという訳ですね。確かに便利そうです」
明石「体格と体重の大きいカビゴンで成功すれば、まぁ大体のポケモンに対応したと考えていいでしょう」
明石「それではカビゴンさん、この機械の中にお進み下さい」
カビゴン「ゴン」
953
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/05/17(日) 23:59:36 ID:hwKPhjQ2
ドスッ ドスッ
右の入り口から装置の中に入るカビゴン
カビゴン「?」
何かに気付く
愛宕「すや〜〜〜......狭い所ってやけに落ち着くわね〜〜〜......」zzzz
カビゴン「............ゴン」
明石「それではポチッと!」
ガガガガガガガガガ!!
プシューーーー
左の出口から装置の外に出るカビゴン
明石「やりました!」
大淀博士「実験成功ですね」
カビゴン(愛宕)「ゴン?(あら?)」
〜〜〜〜〜〜
〜〜〜
〜
954
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:41:29 ID:5ug3wRhA
エタりかけた1年後にエタりかけてその1年後にエタりかけましたね
自分...続きっすよ?
955
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:42:03 ID:5ug3wRhA
海上を船が走る
ハウ「なんだかあっさりしたお別れだったねー」
グラジオ「これくらいでいい。男の別れに湿っぽさはいらん」
ハウ「もうショウタと俺らの3人でバカやることもないのかー」
グラジオ「俺まで勝手にバカに勘定するのか。まぁ悪くはないけどな」
グラジオ「とは言え、バカばかりやってはいられん。ここでの収獲はなかったしな」
ハウ「そうだねー。俺もせいぜいカビゴンゲットしたくらい......ってあれ?」
グラジオ「?」
ハウ「ボールの中にカビゴンがいない」
グラジオ「結局バカしかやってない訳か」
956
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:42:30 ID:5ug3wRhA
トレーナーズスクール寮の一室
室内は綺麗に片付けられている
ベッドに1人の少年が寝転がり、どこを見るでもなく天井に視線を投げている
ショタ提督「静か............」ボソッ
なんとなく呟くが返事はない
ショタT(ハウくんも、グラジオくんも、もういないのか)
ショタT(ジムチャレンジが始まれば、僕も1人で旅に出なきゃいけない)
ショタT(ちょっぴりだけど......寂しいかな)
ショタT「............いや違う。ひとりぼっちじゃないよね」
ボールに目を向ける
♪〜♪〜♪〜
ショタT「?」
電話が鳴る
ショタT「もしもし......あ、雷ちゃん。どうしたの?」
ショタT「え、お客さん?............え?」
957
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:43:03 ID:5ug3wRhA
大淀博士「ショウタくん、お久しぶりですね」
明石「元気だったかしらー?」
ショタT「大淀博士に明石さんまで。急にどうしたんですか?」
大淀博士「ショウタくんがジムチャレンジ出場を決めたと聞いて駆けつけてきました」
明石「うーっす!未来のチャンピオン!」
ショタT「気が早いなぁ......」
ピカチュウ「ピーカ?」
雷に話しかけるピカチュウ
雷「で、結局この人ら誰なのって」
ショタT「僕の地元では有名な変人......」ボソッ
大淀&明石「え?」
ショタT「名高い学者の方々」
霧島「その通り。大淀博士はこの地方におけるポケモン研究の第一人者。明石さんは転送システムを立ち上げた実力派技士ですよ」
雷「じゃあ結構すごいんじゃない」
潮「雷ちゃん、そこは普通にすごいって言おうよ......」
958
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:43:27 ID:5ug3wRhA
大淀「ふふっ、なんだか見ない間にたくましくなりましたね。ショウタくん」
ショタT「そ、それ程でも......///」
明石「あなたがカビゴンに襲われて、町を飛び出した時はどうなる事やらって感じでしたけどねぇ〜」
ショタT「本当ですよ。」
大淀「あのカビゴンさんも、今どこで何をしているのやら......」
雷「あのカビゴンってあのカビゴンのことじゃない?」
潮「あのカビゴンのことですかね......?」
ショタT「ねぇ明石さん、大淀博士。多分そのカビゴンはもうこの土地にはいないですよ......」
明石「あらどうして?」
雷「あたしらの友達がゲットしてたのよ。でもその友達も故郷に帰るってことになって」
ショタT「多分そのまま遠くに旅立ったんじゃないですかね」
明石「がーーーん! そりゃ残念......」
大淀「折角実験を成功させた偉大なカビゴンさんだったのに」
ショタT「僕はそのカビゴンさんに襲われて大変だったんですけどね」
959
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:43:55 ID:5ug3wRhA
ショタT「ともあれ、応援に来てくれてありがとうございます。忙しいのにわざわざ」
明石「ふっふっふ......私達がただ黄色い声援を送るためだけに来たとでも?」
雷「? なんかしに来たの?」
ピカチュウ「ピカ?」
何かを嗅ぎつけるピカチュウ
大淀「ええ。ところで、これを見てください。どう思いますか?」
大淀博士はダイキノコを見せ付けた
潮「すごく......大きいです......」
雷「モロバレルにそっくりね」
ショタT「モロバレルにはまったく似てないよ」
霧島「これは『ダイキノコ』ですね。一口食べるだけで力が漲ってくる凄いキノコなんですよ」
明石「そりゃもうギンギンに」
雷「本当に怪しいセールスの人とかじゃないのよねあなた達」
大淀「百聞は一食にしかず。それでは実際に食べてみましょう。勿論ちゃんと料理して」
_____
___
_
960
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:44:26 ID:5ug3wRhA
〜近くの道路〜
ドスン! ドスン! ドスン!
(地鳴り)
カビゴン「ゴン!」ドッスン!ドッスン!
カビゴンは激走した。
何としてもかの少年の元へ帰らねばならぬと決意した。
カビゴンにはトレーナーの命令が分からぬ。
カビゴンは、野生のポケモンである。
木の実を食べ、草の上で寝て暮らしてきた。
けれども少年に対しては、人一倍に敏感であった。
カビゴン『はぁ〜〜......久しぶりに動くとやけにお腹空くわねぇ〜〜......』
カビゴン『食べられそうな物は片っ端から口に入れてるのに全然お腹が膨れないわ〜〜......』
(やけに美味しそうな匂いだ漂ってくる)
カビゴン「!?」ガタッ!
カビゴンは走った。
カビゴンの腹は、からっぽだ。
何一つ満たされていない。
ただ、わけのわからぬ大きな力に引きずられて走った。
961
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:44:49 ID:5ug3wRhA
野外で調理する一同
グツグツ
(巨大な鍋の中で煮えたぎるスープ)
大淀「さぁ、そろそろ頃合でしょう」
ショタT「凄く怪しいスープだね......」
ルカリオ「ルー......」←若干引き気味
潮「本当に食べて大丈夫なんですかね......」
ピカチュウ「ぴか^〜」
涎を垂らすピカチュウ
雷「この子は楽しみにしてるみたいね」
明石「では実食......ん?」
ドスン ドスン ドスン
霧島「地震?」
ドスン! ドスン! ドスン!
雷「な、なんか近づいてきてない......?」
ショタT「............げぇっ!?」
ドオオオオオオン!!!
962
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:45:14 ID:5ug3wRhA
カビゴン「ゴン!!」
カビゴンが飛び出してきた!!
ピカチュウ「ピカアアアッ!?」
雷「出たああああっ!?」
ショタT「カビゴン!? ハ、ハウくんと一緒にいたんじゃ!?」
カビゴン「カビ?」チラッ
鍋に目を向けるカビゴン
大淀「あ、カ、カビゴンさん......?」
明石「お、お久しぶりで......」
ガシッ(鍋を掴む)
カビゴン「ガァァァ」
バキィッ!(鍋が噛み砕かれる音)
鍋ごとスープを一気飲みするカビゴン
明石&大淀「あ」
ショタT「食べちゃった......」
カッ!!
カビゴンが光に包まれる
つづく
963
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/05(木) 20:50:44 ID:d9bB25OU
おひさ
頑張って
964
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/06(金) 01:10:41 ID:dr3pOMfU
>>483
店長お久しぶり
965
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/06(金) 01:11:06 ID:dr3pOMfU
安価は無視してください…
966
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/08/06(金) 08:32:31 ID:E/TA6u8o
なんとここで更新が来ましたか
待ってました・・・続きが楽しみだ
967
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2022/06/24(金) 15:20:21 ID:sdhQ1dIk
まだかまだかと叫ぶ
968
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2022/12/10(土) 12:30:35 ID:W1Nwcxn2
めいさく
969
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2023/04/19(水) 01:10:45 ID:VRVJGW/M
童貞くんが人妻熟女と最高の筆下ろし性交
970
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2023/05/05(金) 00:36:18 ID:OGR2tFZw
ギャグ走り
971
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2023/05/12(金) 02:03:45 ID:7ye5GUHM
一般戦国大名「ショタと性行為しまくってやるぞ!」
豊臣秀吉「女しか興味ないぞ」
家臣共「えっ?」
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