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戦場スレpart2
1
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/11(水) 20:01:52 ID:Ue7B6b.Y
ロボットの戦闘シチュや、イベントの際にお使い下さい。
320
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/27(木) 20:30:43 ID:I/G1tgUI
>>317
「くっ・・・」
自分がレイナの話を聞かなかったように、レイナもヒツギの言葉に答えない。
そもそもヒツギの言葉は自分を犠牲にして逃げろと言っているのだ、喧嘩をしていなかったとしても頷いてはくれなかっただろう
「……あいつは強い。片手でゲシュペンストを止めちまうパワーもそうだが、パイロットの操縦技術も尋常じゃない
通ったのはミサイルとナイトフライヤーだけ、普通に撃っても往なされるだけだ。
その傷もすぐに回復しちまう。弱点らしい弱点はまだ見えていない・・・アドバイスも出来ない、ごめん」
顔を伏せ、しばし沈黙をすると何か諦めたかのようにぽつぽつと語り始めた
「・・・ありがとう、レイナ」
>>319
ちょうど同じタイミングで視界の端にあった赤が消滅する、どうやらナイトフライヤーの壁からもう抜け出してきたらしい
アカリがくるまで持ってくれればよかったのだがそうは上手くいかなかった
「流石に俺を抱えながら戦うのは無理だ!」
敵の戦闘力を鑑みれば抱えながら戦うのは現実的に不可能だ
ヒツギの様子から手を離しても特攻するなんてことは今のところなさそうだ
321
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/27(木) 21:51:54 ID:SNDs4..s
>>310
五つの円陣から飛び出して、エクセリオンとエフゼロ、そして自分のラプターに向かってくるホーミング・レーザーのような動きの光線。
高速で走りながら牙を剥くそれらの光線を見て取ったアカリは、静かにパイロットスーツのヘルメットを脱ぎ、脇に置いた。
来ている。あの感覚。世界が速度を失い、自分だけが加速している、あの速度領域。
「……毎回、このヘルメット、邪魔になるわね。もうちょっと使いやすいのを陳情しようかな?」
自分を狙っているレーザーは五条。それぞれがバラバラの位置からぐにゃりとその軌道を曲げて、ラプターを貫かんとした。
もう少しで当たる。その瞬間、ラプターのバーニアが凄まじい勢いでフレアを吹き出し、ラプターは急加速。
レーザーはラプターの位置に飛び込んだが、急加速により機体の姿を見失い、あえなく空を切った。
すぐさま軌道を変えて飛んでくるレーザーを横目で確認したアカリは、ロールを打ちながら急旋回する。
「……!」
近くに居た光線のうちのひとつが、ラプターに追いすがるが、ラプターはくるりと機体を回転させながら人型へと変形、脚部バーニアで急制動をかける。
結果、レーザーはラプターの目の前を通り過ぎるだけに終わった。
それに続いて、また別のレーザーが天頂から逆落としにラプターを狙っていたが、
アカリはそれを脚部バーニアの噴射を停止させないことによるバク転によって回避。
「うっとうしいハエは落とさないとね!」
ラプターのツインアイが本格稼働に伴って一瞬だけ青く大きく輝き、ラプターは左腕の盾にマウントしていたランチャー銃を右手に備えた。
その間に、三条目のレーザーがラプターの左後ろから迫り来ていたが、もちろんそれを見逃すアカリではない。
ラプターはそのレーザーに対して盾を突き出し、レーザーを受ける。
足止めのレーザーとはいえ、特機のパワーから繰り出されたその光を受けるには、ラプターの盾は軽い。それを解っていてなお、アカリは盾を使った。
盾はレーザーを真正面から受けるようには構えられておらず、やや斜めに、受け流すように構えられていた。
受け流すとは言っても盾にショック力が掛かるのは同じ。盾を弾かれる程ではないが、強い力が盾を押し戻す。
それこそ、アカリが狙っていたものだった。盾に掛かるショック力を防御するのではなく、あえてそれに流されるように機体を動かす。
レーザーが通過し、盾がそれに引きずられるように弾かれて、機体が急速回転を始める。
その回転がちょうど一回を数えたときに、アカリは機体に制動をかけて回転を止めた。
伸ばされるラプターの右腕。右手に構えられたランチャー銃の銃口は、今し方通り過ぎたばかりのレーザーに向いている。
間髪入れずランチャー銃のトリガーが引かれ、銃口から青白いビームが射出される。
ビームはレーザーに追いすがってその激しいエネルギーフローでレーザーを引き裂き、霧散させた。
「まずひとつ!」
次いで右方向、上下から来る二条を左足のバーニアだけに急速ブーストを吹かせた、早めの斜めバク転で躱す。
レーザーはラプターの方向に少し軌道を変更しつつ、上下からラプターの空けた空間に飛び込み、その軌道を交差させようとした。
その瞬間を狙ってランチャー銃から射出されたビームがレーザーの交差点を薙ぎ払い、一気に二条のレーザーを消滅させた。
「ふたつとみっつ!」
残るは下方向からくる二条。やや左方向から来るひとつにはランチャービームの正面衝突をお見舞いし、
その間に近くまで来ていた、ほぼ真正面からの最後の一つを、右腰から抜きはなった左手のビームソードでぶった斬った。
四散したレーザーの粒子がキラキラと光りながらラプターの装甲にぶつかって、小さく火花を散らしていく。
「……よっつといつつ!」
322
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/27(木) 21:55:01 ID:SNDs4..s
>>317
,
>>319
高速で飛んでくる追尾性のレーザーを五つ墜とす。
前のゲシュペンストでは出来なかったであろうその芸当に、アカリは改めてラプターの性能を思い知らされた。
「……と、浸ってる場合じゃない。急いでレイナさん達の所へ行かないと」
レーザーに対応している間、ユウセイとレイナから援護要請を受けていた。
機体が動けなくなっただけのユウセイはともかく、ヒツギを確保しているらしいレイナの方は敵機に狙われていて、深刻な事態に陥っているようだ。
アカリは急いでラプターの高度を下げつつ、レイナたちの所へ向かう。
戦況モニターで確認はしていたが、ズーム機能を使って見たレイナ達の実際の光景は思った以上にひどい。
それどころか、敵機があの双槍を構えて、レイナを狙おうとしているではないか。
「レイナさん達から離れろ! この化け物め!!」
接近しながら構えられたビームランチャーの銃身部分が展開し、その部分が激しく発光しはじめる。
銃口部分からは放たれるのを今か今かと催促するように青白い光が漏れ始め、銃身部分と銃口の光が次第にその激しさを増していく。
それらが最高潮に達した瞬間、アカリはトリガーを引いた。
一般的なPTを飲み込むほどの太さを持ったビームが銃口から迸り、敵機の左半身を抉る軌道で飛んだ。
323
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/27(木) 22:35:24 ID:hzNFt6Yk
>>320
【「……あいつは強い。片手でゲシュペンストを止めちまうパワーもそうだが、パイロットの操縦技術も尋常じゃない
通ったのはミサイルとナイトフライヤーだけ、普通に撃っても往なされるだけだ。
その傷もすぐに回復しちまう。弱点らしい弱点はまだ見えていない・・・アドバイスも出来ない、ごめん」】
「データは集まった。後は私に任せなさい」
敵を抑える自信は有るらしい。彼女には恐れも迷いも見えない。
と言ったものも、勝つには至らないだろう。あくまで撤退する為の時間稼ぎに過ぎない
【「・・・ありがとう、レイナ」】
「何のことかわからないわね。……ほら、さっさと行きなさい」
またしてもヒツギのストレートな反応をはぐらかすと
アイゼルネは真上にゲシュペンストを放り投げた。
>>322
「頼んだわよ」
ビルトラプターが丁度こちらへやって来ていた。
流石は半身。タイミングはドンピシャだ。丁度上手くゲシュペンストを回収出来るだろう。
レイナは二機を仰ぎ、見送った。
>>319
【「王を名乗るか……面白い。
ならば娘よ。貴様に王たる器が有るか、この俺の眼で見極めてくれよう」】
「そうか。ならば、かかって来るが良い哀れな騎士公」
アイゼルネも青の騎士に対抗する様に戦略的に何の意味も無いが、
大きく悪魔の羽を広げた十字の決めポーズを取っている。
【「……ゆくぞ」】
「!!(……はやいな!?)」
>>上体を前傾させ、攻撃動作に移るヒューキャリオス。
>>その初動が視認された次の瞬間には、もうアイゼルネをその手の槍の間合いに納めていた。
「……でも、そう来ると思っていたわ」
それでもレイナは意味深にまだ余裕を見せる。
敵の踏み込む動作からの、一瞬にして突き出される槍の一撃。
その速さをカメラが捉えられたかどうかすら微妙なその神速の攻撃は
しかし、アイゼルネ・ブルートを僅かに掠める程度に終わった。
――――初手。左肩を貫く確率、80%
皆がボロボロに倒されていた間に、僅かな時間で未来視の力を借りてレイナが組み立てた攻撃予報である。
だが、敵のスピードに圧され、完全回避には至らなかった。
もし、アカリ並の反応速度が有ったなら、無敵の能力だったかも知れない……。
「そしてこれを凌いだ後のアイゼルネの行動……」
右瞳がいつもより深く濁った状態になっているレイナ。多分自分自身でも気付いていないだろう。
周りの音など聞こえていない様な緊張感と集中状態。
無意識にだろうか、ぶつぶつと自分の成すべき次の動きを唱してアイゼルネへと反撃をさせる。
「簡単には倒れてやらないわ」
アイゼルネの2倍はあるだろう敵機体。レイナはその下半身を狙う。
ヴァンパイア・クロウで青巨神の左側の脚部へと一閃。切り抜けて、背後に回り込んだ。
クロウ以外にももっと攻撃を入れてやろうかと頭をよぎるが、これで攻撃は精一杯。
打ち止めである。
敵の行動に隙が無さすぎて、攻撃の機がなかなか巡って来ないのだ。
欲張って攻撃時間を伸ばせば、それは付け入られる隙になる。
攻めいるならば、敵の決め玉を凌いだ時。ダメージを与えるにはそれを虎視眈々と待ち続け、突くしかチャンスは無い。
レイナは意外にも事を慎重に考えていた。
【アイゼルネ:残りHP80%】
324
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/27(木) 22:54:24 ID:ArN3QwZM
警報と警告を告げるアナウンスが鳴り続けるコクピット内
ディスプレイにはサブカメラにより砂嵐混じりの景色と機体からの退避を指示する警告分が大きく表示されていた
>>318
>「レオンお兄様!!」
通信機から警報をもつんざく声の主はレイナ
「レディーは黙って男の帰りを信じて待つもんだぜ?…ちょっとみすぼらしくなったけどな」
>>315
このまま戦域外まで流れるかと思われたがほんの僅かな振動、砂嵐混じりの映像からは良く見慣れた機体の姿、エフゼロだ
「…ラウディ軍曹か。見事な空中キャッチだなぁ。思わず居眠りこける程の静かさだぜ…待ってろよ武器とメイン推進システムは守ってんだ!あの鉄屑を穴だらけにしてやる」
もっとも守れた武器はガンレイピアとマシンキャノン、そして翼を失った為切れ味の低下したソニック・エッジ
ミサイルは脚部そのものと背部に装備されていたウェポンバックのいずれもが敵の光線で吹き飛ばされて喪失している
コンソールとキーボードを弄る軽快なタイプ音が警報と共に響く
テスラドライブはおろか残された全身のアポジモーターは復旧しつつあるものの月の重力に引かれながら両機は高度を下げていく
>「助かったわ、軍曹。……あともう一つ、すまないのだがこの人と一緒に甲斐まで撤退して欲しい。すぐに」
それを聞いて慌ててマイクに近づき発生していた
「まだだ!軍曹のバックアップのお陰で直に飛べる!さっきのがマグレだって証明してみせる!」
端末を弄る速度は更に上げているが
推進系はまだ息を吹き返さない
325
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/27(木) 23:27:01 ID:ArN3QwZM
――――プトレマイオス郊外
白い大地を疾駆する巨大な黒い人影。その手には本体以上の全長の巨大な【出刃包丁】を携えて
背部の大型ブースターからは青白い巨大な炎が吹き
白い砂を吹き飛ばしながらプトレマイオスを目指し爆進する
「…戦況は…やはり、そうか…」
搭乗者はそう呟くと同時に黒い影の眼光が一層煌めきブースターの炎は
衝撃波を伴い爆音を発すると共に大きく噴き出し、ほんの僅かに、その足元が浮き上がり機体は更に加速する
「もう直ぐだ。皆、死に急ぐなよ…!」
326
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/28(金) 06:37:57 ID:tGjHKzYU
>>324
【「まだだ!軍曹のバックアップのお陰で直に飛べる!さっきのがマグレだって証明してみせる!」】
「わからず屋ばかり、そんな何人も要らないわ。……ラウディ軍曹、いいから行ってちょうだい」
先程、ヒツギの声をスルーしたのと同様にレオンハルトの強行もまた、絶対に認めてやらない。
早く撤退してくれとラウディ軍曹を急かすばかりだ。
「何も無理はしないわよ。私もあの巨神の隙を突いてから最後に離脱するから」
いつもの飄々とした余裕の有る様子からは想像も出来ない、明らかな無茶をしてまで戦おうとするレオンハルトのその姿。
それをレイナは自分の事を過度に心配してくれているからでは無いかと独自に考察する。
そう読解した上で、何も心配は要らないとレオンハルトに告げるレイナ。
327
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/28(金) 07:28:22 ID:0q/0NDXk
空気のない月面でエアブレーキも無いものだが、低空飛行程度で収まるまではエクセリオンのテスラドライブを復旧させる事に成功したようだ。
>>318
「……お兄様……」
まず、そこだった。忍び笑いが隠せない。
「下がれと言われても……」
彼個人としては、レイナよりマデリーンの指示の方に従うようしつけられており、そちらは……
>>324
「……中尉、提案があります。
二機のブレイクフィールドを同調させて奴にぶつけるんです」
つまりはツープラトンの体当たり。
328
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/10/06(土) 17:49:09 ID:ycB/A4cU
月面での戦闘で殿を務めたレイナは、その役割を果たせず倒れ伏してしまった。
レイナの愛機アイゼルネ・ブルートは凄まじい再生能力により、無傷に等しい状態なのだが、それを操るパイロットの方に問題が起きたのだった。
強敵を相手に一度ボロボロにされたアイゼルネをマシンセルの急速活性で瞬時再生させる為に、コクピットの特殊システムへ左手を直に接続したその時に
突然、レイナを襲った激しい苦痛。
自身で胸を抱きながら、コクピット内で苦痛に耐え震えるレイナ。
熱を帯びた尋常では無い激しい吐息。発熱する身体。激痛。
それこそ歯を食い縛り、目尻に涙すらも浮かべそれを必死に耐えていた。
端から見ていても全く意味が解らないだろうこのレイナの突然の不調。
心配されるのを嫌い、レイナはまともに動かせすらしない震える指先で全ての通信を拒否させた。
―――ここで自分が倒れる訳にはいかない。弱味を見せる訳にはいかない。だからもちこたえてくれ。
その時のレイナの心境であるが、
結局は自身の愛機アイゼルネを動かす事は出来ずに、追撃に来た敵の攻撃を無抵抗に受け続ける。
限界を迎え、レイナが意識を手放したのはそのすぐ先の事であった。
しかしながら完全に意識を失う前に朧気ながら彼女が見た最後のヴィジョンは……。
どういう訳か、例の死のヴィジョンを完全回避したヒツギ・ハヤセの姿だった。
かくしてヒツギの死という災厄の未来は変わったと、レイナは人知れず安堵した。
そしてそのすぐ後に、実際にヒツギのゲシュペンストによりレイナとアイゼルネ・ブルートは救出される事になる。
――――――――――――――――――
……まだ死んでいない。
意識を失い、時折苦しそうにうめきながらも、レイナは必死に生きようとしていた。
レイナ・カーマインはこれまでもずっと抗っていた。
自分の身体があたかも別のモノに染まり侵食されていく様な嫌な感覚に。
その未知への侵食は時に激痛を伴い、レイナの身体の中。臓器方面に内側から負担を掛ける。
これは人在らざる身である事を忘れさせない為の戒め。あるいは呪いの様なものなのかも知れない。
しかしながら、彼女の身体の秘密は一部の人間にしか知られていない。
知られる訳にはいかないのだ。
329
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/06(土) 18:22:25 ID:BCOncwyE
>>328
「クソッ!!!」
レイナが伏せる病室の扉の向こう側で隔壁に拳を叩きつける
轟音と共に拳一つ分がめり込み、直径約50cm大のクレーターが形成されていた
「ヒツギは助かった…だが……!」
ぶっきらぼうにベンチへと座り込み天を仰ぐ
…あの時に突撃せず攪乱に徹していればレイナへの追撃は無かった
完全に初手を誤っていた
結局、例の騎士とのダメージにより飛行は出来たが左右のテスラドライブの同期率が安定せず、情けない事に引き返すハメになった
「……レイナは助かるのか?」
天を仰いだまま、イクリプスへと訪ねた
330
:
使用人
◆zv577ZusFQ
:2012/10/06(土) 19:53:02 ID:ycB/A4cU
>>329
【「……レイナは助かるのか?」】
「それは予定通り地球に降下していただけるのでしたらですね。今は抗薬が病魔の進行を塞き止めていられます。
伊豆の屋敷にお嬢様の専門医が在住しておりますので屋敷の設備へと早急に連れて行ければ、最悪の事態は回避できるはずなのですが」
優秀な使用人は、やはり緊急事態でも取り乱したりはしない。
イクリプスは冷静にレイナの状況を少々イラついた様子のレオンハルトへ告げた。
淡泊過ぎるのでは無いかと思われるイクリプスだが、彼女とレイナの間には確固たる信頼が存在する。
我が主レイナが金属細胞の浸食ごときに負ける訳が無いと主の復活を信じている。
「それからもう一つ。
お嬢様から固く禁じられているので、この病に対しての深い説明は出来かねます。
私、使用人への追求はどうかご遠慮願います」
レイナが苦しむ原因は何なのだ?と間違いなく追求されるに違いないので、
それを先読みしてイクリプスは釘を刺す。
主からの直々の口止めなのである。イクリプスは例え何を言われようが、主の許し無しに答える訳にはいかない。
331
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/07(日) 02:52:08 ID:nirygqH.
対しヒツギは顔を下に向けて腰掛けたまま、飲み物を手に落ち着いていた。
落ち着いていたというよりは疲れたといったほうがいいのだろうか、それもその筈ヒツギは既に騒ぎ終えた後だった
その結果何が分かったかといえば、この状況において何もできないということだけだ
「くそ・・・っ!!」
自分を助ける為にこうなったのだから彼女の言葉を聞いていれば変わっていたのだろうか?
自省の念がヒツギの中で渦巻く、手に持っていた紙コップがくしゃりとつぶれた
332
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/07(日) 20:24:19 ID:A944LRys
ユウセイは、ただ静かに、レオンとは違う、ベンチに腰掛け、近くの窓から空を見ていた。
【俺のせいだ、念動力者である俺なら、】
演習の時の、レイナ嬢に真相を聞けてたら、少なくともこの未来には。
【俺と同じ境遇の奴を、クソッ】
ベンチをグーで殴る。
333
:
“タケミカヅチ”
◆E8ckRIIdug
:2012/10/08(月) 22:56:58 ID:zXNwTk96
『ふむぅ、面妖な』
この、自らを神であると称する知性体は、レイナ・カーマインが被った異変を読み取ろうと思えば出来ない事も無かった。
しかし、それをしないのは不得手な領分だからというだけではない。
彼女自身が自分の介入を拒むであろう事が分かる気がするからだ。
代わりに艦内の様子を見る。
自身が収まるハードウェアの持ち主は主の復活を信じている。
三人の男たちはそれぞれのやり方で自らの責任を取る事を考えている、あるいはそのように見える。
格納庫の中では各機体の整備が進められ、ラウディや救出部隊、救出された生き残りたちも作業中。
一方ブリッジは……
『……捕まえた……これが“神様”ね……』
334
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/09(火) 22:32:09 ID:xf9iuJEg
>>328-332
「ああ、皆さん。やはりこちらでしたか」
それぞれに意気消沈する三人の青年たちと、立ちふさがるように病室の前に立っている使用人の前に、
パイロットスーツ姿のアカリを伴って、リリーが現れた。
アカリはずーんと沈んだ三人の姿を見て伏し目がちな表情になっていたが、リリーはいつもの無表情のままである。
「そろそろ本艦は大気圏への突入態勢に入ります。
……いえ、本当はもうちょっと後なんですけど、どうも今の皆さんは腰が重そうなので、早めに言っておきたかったのです。
気持ちの見切りが付かないのは仕方がありませんが、ここに居たまま突入を迎えるのはお勧めしません。
大気制動の影響で、結構揺れますからね。自室に戻るなりして、突入に備えていただけますか?」
レイナとの付き合いはほとんど無いリリーだが、かといってレイナの負傷に何も思うところが無いわけではない。
だが、彼女に近しい人間が沈んでいる今、その尻を叩くのにはリリーのような「外側の人間」が適役である。
それをわかっているからこそ、リリーは直接ここに出向いたのであった。
335
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/10(水) 22:02:37 ID:TUCqxvZE
>>334
「ん・・・?」
下を見ていると廊下の色が一瞬にして暗く染まる、暗い部分と明るい部分の境がはっきりと分かるほどだ
それは長く伸びており、その形から何なのかは容易に想像がついた
顔を上げたヒツギは視線を向けると女性が二人、一人はアカリでまだパイロットスーツのままだ
もう一人はリリー、直接こちらに来たということは何か伝えたいことがあるのだろうか
>「そろそろ本艦は大気圏への突入態勢に入ります。
> ……いえ、本当はもうちょっと後なんですけど、どうも今の皆さんは腰が重そうなので、早めに言っておきたかったのです。
> 気持ちの見切りが付かないのは仕方がありませんが、ここに居たまま突入を迎えるのはお勧めしません。
> 大気制動の影響で、結構揺れますからね。自室に戻るなりして、突入に備えていただけますか?」
「大気圏突入・・・もうそこまで来たのか、ずいぶん早いな」
心労を紛らわすように深く息を吐き出すと、両の手を持ち上げた
そのまま平手で自らの顔を両端から強く挟み込んだ。
肌がぶつかる景気のいい音が廊下に響く、かなり古風な気合の入れ方だがヒツギらしい方法だ
「ありがとうリリー少尉、すぐに部屋に戻るよ
そういえばゲシュペンストの確認も忘れてたな・・・左腕を丸ごと犠牲にしちゃったからなぁ、あいつ」
レイナを救出する際、手首がなくなっていた左腕へ槍を無理やり突き刺させてそらした
その際丸ごと持っていかれてしまったのだ
336
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/11(木) 16:15:00 ID:ui3cWmEE
>>234
「むっ?、暗くなった。」
と、同時に此方に接近する二人を感じる。
察するに、アカリ伍長とリリー少尉だろう。
どうやら、此方の気持ちを察して早めに来てくれたんだろう。
「了解です。すみません、リリー少尉」
部屋に戻り、冷蔵庫をあさっているとイサム大将お手製のクスハ汁が有ったが。
「………ちっ。」
取りあえず、ほっとき、お茶を飲むことにした。
【アルブレード、ゴメンよ無茶させちゃって。】
337
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/11(木) 16:40:10 ID:jIfFvk.g
>>330
(病気…?)
あの巨大な騎士からの攻撃を受け続ければサバイバリティの高い機体でも搭乗者がタダで済むものでもない
未解明部分の多いアイゼルネのスペックを楽観視したとしてもだ
結局レイナを機体ごと回収したのはヒツギだ
或いは彼女は既にヒツギが察し、俺に伝えたと考えた上での発言にしては珍しい
それ故に彼女が「務めて」冷静で居ることを察するには充分だった
「どうやら頭を切り替える必要があるらしい」
立ち上がり医務室から離れようとした所に見覚えのある二人が大気圏突入の旨を伝える
>>334
「ああ、了解した。俺は格納庫に行ってくる。エフゼロの四肢で修復してるから調整が必要なんでな」
338
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/13(土) 22:24:23 ID:yliATAt6
「そういや俺、宇宙に上がったの初めてだな」
大気圏突入という言葉を引き金に、ふと思い出したかのように口にする。
地球生まれの地球育ちで家族もすべて地球の中で済む職についていたし、月面に旅行に行こうという話もあったがそれも一夜限りのものだった
いざ月面にいたときは病院に戦場にで実感も沸かなかったが、思い返してみればもったいない事をしたような気がする
「・・・悪い、確か大きな窓があるテラスみたいなところあったよな、どこだっけか」
場所が分からないことが少し恥ずかしいのか、照れくさそうに頭をかきながら訪ねる
甲斐の施設に1番詳しいのはリリー少尉、どうやら彼女に場所を教えてもらうことにしたようだ
>>337
イクリプスの言葉に対し疑問符を浮かべているレオンの視界の端でヒツギが微かに首を横に振った。
ヒツギの交渉術などたかが知れている、しかしその性格を考えれば何度も質問したはずだ。
そんな彼が黙っていることを考えれば、病気の一点張りで中二病以外何を患っているのかすら分からなかったと見て間違いないだろう。
339
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/16(火) 19:24:23 ID:XtQSFD1w
>>335-338
そこに居あわせた、病室の前のイクリプスを除いた三人がそれぞれに腰を上げたのを確認したリリーは小さく嘆息し、
隣にいたアカリの手を軽く引っ張った。
男三人の雰囲気に呑まれて気分の下がり気味だったアカリは、リリーに手を引っ張られた瞬間はややきょとんとしていたが、
すぐにその意味に気づいてしっかりと頷きを返し、踵を返してもと来た通路を戻っていく。
騎士のような姿をした敵との戦闘の後も未だアカリがパイロットスーツのままなのは、ラプターによる前方哨戒任務に就いているからである。
レイナの状況を鑑みてそう時間をおかずにプリニウス基地を離れたので護衛艦を帯同させることができず、
加えて月面での戦闘で消耗している部隊しか艦載していなかった甲斐にとって、こうした哨戒機の存在は必要不可欠であった。
少し時間を掛ければプリニウス基地に駐屯していたペレグリン級を護衛艦として連れて来られたのかも知れなかったが、
プトレマイオス基地の救援で忙しいプリニウス基地の輸送艦艇を護衛艦として使える可能性は非常に低く、
そもそも帰路を急ぐ甲斐の巡航速度がペレグリン級のそれを上回っているために、護衛艦の有無は始めから勘定に入っていなかった、というのが実情だ。
その前方哨戒任務に就いていたアカリがここに来れていたのは、ラプターの補給のために一時帰艦していたからである。
だがレイナの容態が特に好転していないことがわかり、ラプターの補給もそろそろ完了するとなれば、アカリがここに居る意味はない。
リリーがアカリの手を引っ張ったのは、それに気付かせるためであった。
床を蹴って、無重力特有の浮遊するような移動方法で戻っていくアカリを見届けていたリリーだったが、
そんな彼女に、ふとヒツギが艦の施設について質問してきた。何でも、大きな窓のあるテラスのような場所を求めているらしい。
「大きな窓、ですか。でしたら、艦橋二階、後部にある第一展望デッキなどはいかがですか? 大型のドーム窓を備えた本艦最大の展望デッキですよ。
それとは別に、船体の左舷と右舷に第二、第三展望デッキがそれぞれありますが、あちらはどちらかというと水中展望を目的としたデッキですから、
宇宙空間の遊覧には向きませんね。
あ、それと地球重力圏までもう少しなのでやや急ぎ足になりますが、機動兵器ハンガーから直接、宇宙空間に出てみるという手もあります。
迫力はこちらが一番でしょうね。何しろ、スーツの薄皮一枚隔てた先がもう宇宙空間ですから」
ヒツギが何を求めてそういった場所の位置を訊いたかは不明だが、とりあえず遊覧だろうと判断したリリーは、それに適した場所を提示する。
340
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/17(水) 23:03:38 ID:IZsRMVJY
>>339
「艦橋2階か・・・宇宙遊泳はさすがにいいかな、十分コックピット内で体感したしさ」
確かにぶっ続けで2回も出撃したのだから無重力状態は良い意味でも悪い意味でも十分堪能できただろう。
気合を入れたからか冗談が言えるまでに切り替えられているようだ
「ありがと少尉、、じゃあ早速見に行ってくるよ。アカリンもお疲れさん」
小さくステップを踏むように前へと踏み切った、軽く手を振りながらそれぞれとは別の方向へと水平に流れてゆく
特にその姿や振る舞いはいつもと何も変わらない、だからこそ逆にその背中には違和感が溢れていた
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
いざ第一展望デッキについたヒツギは、椅子に腰掛け黒の世界に浮かぶ数多の点を見上げていた
そのまま視線を降ろしてゆくと見えてくるのは視界いっぱいを包み込む青い星。
降下が近いということもあり地球の姿を眺めるにはタイミング共にぴったりであった
「・・・・・・」
肩から力を抜き、膝に自らの肘を乗せその腕を支えとして頭を乗せた。
無気力と言えるような体勢のまま感傷に浸っていたヒツギであったが、その顔が更に下に向けられる。
今度は自らの影と足元に広がる床だけの視界。
自分の馬鹿さ加減が、弱さが悔しい。
こういう姿を誰にも見せたくないといういかにも男の子らしい考え方だ。
グッと奥歯を噛み締める彼の背中に声をかけられる人間が居ようか?
大気圏突入によって星のドームは壁に包まれてゆく
それに伴い室内が暗闇に飲まれてゆく中でもヒツギはその姿勢を維持したままだった。
341
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/18(木) 08:25:04 ID:PDgHxFYg
大気圏突破後。ユウセイは、適当に艦内を散策していた。
「むっ、アレは?」
ブリッジで見られないものを見たんで
気になって、来てしまった。
「何ですか?これって」
聞こうとした瞬間ケータイに連絡が。
「はい、ユウ」
「もしもし、アストだけどねぇ、あんたの船で、太古のOS手に入れたそうね」
「さぁ、知りませんが」
「とぼけんじゃないわよ、早く私の研究所に持ってきなさい。」
【分かんないんだけどねぇほんとに】
「あっ、それは無理です。いま重傷者がいて」
「ふーん、そうなんだ、分かった。また連絡します。」
そういい、切られた。
「レイナ嬢、のこと伝えなくて良かったかな。」
その事だけをきにしたが。
まぁいいや、で処理した。
だが、この後、ユウセイが泡を食って倒れることは、本人は想像していなかったのです。
342
:
レオンの手記
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/23(火) 20:51:18 ID:7/nMsm0A
――月面に駐留していた連邦軍と共に辛くも敵アンノウンからの追撃を振り切り
ほうほうの体で帰還する甲斐であったが伊豆基地への到達後に更なる衝撃的事実を知る
その最たるものは連邦軍上層部へイサム自らが月面での経緯を報告するも、その返答は
『月面での異常は見受けられない』と言うもの。
この際に出撃していた筈の味方部隊も何故か同じ証言を行っていた『らしい』
それよりも上層部は
『過酷な演習による過度の戦力損耗、現方針から鑑みて大掛かり過ぎる軍備増強への姿勢に対する説明』に対しての説明を強く求めていたとそうだ
――さて俺の機体(の損傷に対する始末書)はさて置き、実際に爪痕の大きいグルンガスト、ゲシュペンスト、アルブレード達に対する傷が『演習に依るもの』で片付けるとは…
思うべき所も多々あるが、まずは離れる羽目になったヒツギの元へ向かうべきか
343
:
エミリー
◆jclrQ5ykSY
:2012/10/23(火) 23:35:57 ID:EckslorA
>>342
「レオン、どう言う事?」
連邦軍上層部に納得していないのはレオン達だけじゃない。
私はエミリーを心配し、アメリカから日本に来たけど・・・
「月面の襲撃・・・私はそいつ等を地球に寄せ付けない為に、呼ばれてきてるのよ。」
事実、アメリカ軍もドローンやテロリストの相手で手一杯だ。
一人でも欠員を出せない状況で、応援に来ているんだ。
「上層部と局長さんのやり取りは私やアメリカ側も知ってる。
あのやり取りについて、向こうが説明を求めてる。」
私達はナイトの様な部隊に襲われたって報告を受けてるんだ。
異常は無かったじゃ、向こうが納得するはずも無い。
どんな事情があるにせよ、その事情を向こうに説明しないといけない・・・
344
:
レイナ&イクリプス
◆zv577ZusFQ
:2012/10/24(水) 07:28:41 ID:dA1bmGNE
月面から命からがら逃れて来た甲斐は、何とか無事に極東支部へと帰還する。
極東支部には既にカーマイン家の手の者だろうか、メイド達何人かと自前のヘリが床に伏せるレイナを待ち構えていた。
「ご苦労様でした。メイド隊。
では皆様。大変申し訳ありませんが、我々はこれで失礼させていただきます」
連邦軍の一同へとまだ意識を取り戻さない主に代わって頭を下げて、謝罪をしていく使用人。
それを終えると速やかにかつスマートに見た目にも明らかに衰弱した様子のレイナを((意識が有れば決して許さなかっただろう)
所謂お姫様抱っこをして艦外へと運び出し、その大きな医療ヘリへ護送した
「ではヘリを飛ばして下さい。もうしばしご辛抱くださいお嬢様。じきにカナメ様の元へ連れて行きますので…」
ヘリを操縦するのはまるで似つかわしく無いが若いメイド。
イクリプスは弱るレイナの身体を優しく抱き寄せ、母性的な介抱を見せる。
そしてヘリはバリバリバリと不愉快な騒音を立てて極東支部を一目散に飛び立ち、だんだんと視角出来ない程に小さくなって行った
345
:
レイナ&カナメ&イクリプス
◆zv577ZusFQ
:2012/10/24(水) 10:00:48 ID:dA1bmGNE
屋敷に戻ったイクリプスはレイナを抱え、すぐにレイナの病への“専門医”の元を訪れた。
「カナメ様。お嬢様をお連れしました。治療をお願いします」
レイナを搬送した先は怪しげなモノが培養液に満たされた水槽やらが存在する
まるで特撮物の悪の怪人を改造手術してしまえそうないかがわしい設備であった。
イクリプスは部屋に充満する科学薬品の混ざりあった危険な芳香に脳内で不快を示しつつも、レイナを寝台に寝かせる。
一般的な医務室と言うにはどうも混沌としたこの部屋に例の専門医とやらは存在している。
「予定より早いわねイクリプス。はやく同化を塞き止めるわよ。とりあえず最初に一本射っとくわね。
暴れ狂わない様にお嬢様をしっかり固定してイクリプス?」
桃色の髪をしたレイナとそれほど年も変わらなそうな少女がそこには居た。
イクリプスへ、治療の補助を命令しているあたり、彼女こそがレイナを治せる専門医と言う事なのだろう。
ゆったりしたネグリジェの上に白衣を羽織るというヘンテコなファッションをしている。
不自然なほど長い前髪の内からは眠そうにトロンと垂れた金色の瞳が伺える。
彼女はカナメ・ライブラ。レイナとは幼少からの幼馴染みであり、だらしない外見からは想像も出来ないが、レイナ一派のブレインである。
「かしこまりました。ではお嬢様、失礼します」
イクリプスの手により、レイナの身体が寝台にがっちりと固定される。
これから行う療法はレイナ以外には想像もしない程の苦痛を伴う。こうするのも決して大袈裟なものでは無い。
手始めの抗薬の注射。
桃色の髪の少女は鈍く光る極太針の注射器を用意していた。
この先を思えば、まだ意識が回復していないのは幸いかも知れない。
「お姉さんなんだから我慢よ。……いくわよ」
レイナの頭を撫でる桃色髪の少女は汗ばむレイナの首元。その血管へと注射器の針は無慈悲にも突き刺した。
「!!!……ぐう!……が……あぁが!?!?」
その痛みの方が勝ったのか、声にならない声を上げ反射的に目を開くレイナ。しかし、しっかりと拘束されているので身体を動かしてもがく事は出来ない。
ただただ痛々しい声が上がるだけである。
その後、吠え猛るレイナを気にかけないかの様なカナメの迷いの無い作業により、合計3本の抗薬を追加で注射した。
「毎度の事ながら恨まないでね。私には今はこれが精一杯なのよ」
「いえ。お嬢様はカナメ様に感謝こそすれ、恨んでなどおられませんよ」
「そうだと良いのだけど……ね?」
体内では抗薬とレイナの体を内から蝕もうとする金属細胞マシンセルが抗争を繰り広げている事だろう。
その体内での戦いが激化する度に、レイナの身体へも断続的に焼けつく様な激痛が加えられてくる。抗薬が憎き金属細胞の浸食を止める際の副作用だ。
「ぅぐっっぁ!!……があ!!あ!!」
抗薬の浸食への浄化はレイナが身体で感じ取れる程に効いているのだ。
プライドも何も捨て去り、のたうち回る今のレイナの姿にはもうカリスマなんてものは見られない。
しかし、今は恥辱にも何でも耐えるしか無い。これ以上、この身体の浸食を起こさせない為に。
「クク……ククク!!私……っ!このレイナ・カーマインがぁぁ!
たかが金属細胞ごときになぁ!屈するものかああ!」
しばらく暴れ狂っていた叫ぶだけのレイナだったが、ようやくニンゲンの理解できる言葉を口に出した。
それは心の底からの屈託の無い全力での勝利宣言。
―――――――――
今回も打ち勝った。親友の作り出した抗薬が浸食を完全に塞き止めた。
峠は完全に越えた様だ。勝利宣言の後、スイッチを切られた玩具の様にすやすやと寝息を立て、今度は何の苦しみも無さそうに意識を手離す。
安心したイクリプスは寝台とは別のふかふかベッドへレイナを移す。
「ふわああ。……ああ、ご苦労様ね、イクリプス。もう大丈夫よ。状況をメイド達に教えてあげて」
寝息を立てるレイナにつられたのか、気の抜けた大あくびをするカナメ。
机に突っ伏し、心底眠そうに目蓋をショボショボさせている。これがニュートラル時のカナメ・ライブラである。
「ありがとうございます。ではお嬢様が目を覚ますまで、お願いしますカナメ様」
レイナの監視をカナメに任せ、イクリプスは通常の職務へと戻る。
不気味な悪の秘密結社の実験室の様な部屋にはレイナとカナメ。二人が残された。
「何だか気持ちが良さそうね……私も眠くなっちゃうわ。まだまだ10時間しか寝てないしね」
と、しばらくたった時には二人分の寝息が聞こえて来るのだった。
346
:
ユウセイ&アスト
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/24(水) 17:02:06 ID:oDLCGsUo
レイナ嬢が、マシンセルに打ち勝ったとき、ユウセイは、アルブレードの損傷ぐわいを調べていた。
「やっぱ、あれじゃあな、」
あの、戦闘のことを、ぼやいていると
基地に、helicopterが来た。
誰のだろうって、考えてると、
中から、アスト博士がでてきた。
「あっ、ユウセイくん。居たんだ。大丈夫?」
ユウセイは、とっさに、逃げようとした。
「逃げたら、DCの資料見せてあげないわよ。」
「絶対に、見せてくれるなら、手伝ってもいいです。」
二人は、大国魂のあるところまで、行く。
「これね、太古のOSと言うのは、」
「はぁ、自分はよく知りませんが。?!」
この、感じ、奈良であった。
「どうやら、奈良のと」
「同じのようね。さっ、ちゃっちゃとやるわよ。」
二人で問答無用で、解析を始める
「ところで、重傷者って。」
【ここで、一人になっても困るしな。】
「どうしたのよ、早く教えなさいよ。」
「えっと、レイナ嬢みたいなんです。」
アスト博士の手が止まった。
が、
「そう、なら大丈夫ね。」
「良いんですか?、行かなくて。」
「大丈夫よ、あの子なら。」
叔母の感なのかな?と思いながら手伝っていく。
347
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/10/25(木) 00:03:18 ID:Vz4rmHU6
>>346
「はじめまして、アスト・カーマイン博士」
そこに加わったのはマデリーン・エッシェンバッハ少佐。
ざっと自己紹介してから、解析作業に参加する。
その横でラウディが手伝わされている。
彼女らがいる甲斐の一室は、もう、何というか、近寄り難くて。
348
:
◆E8ckRIIdug
:2012/10/25(木) 00:11:50 ID:Vz4rmHU6
>>342-343
その不可解な処置を、伊豆にいたのなら説明出来たであろう人物、即ち河嶋大佐は伊豆にいない。
甲斐が戻ってくる前日からジュネーブに召喚され、連絡が付かないのだ。
「それはもう、酷い顔で出ていきましたよ」と言ったのは、物資搬入のため伊豆に来ていたヴィルヘルム・エッシェンバッハ。
マデリーンの夫にして予備役少佐、重工業メーカー・ローランド社の社員である。
なお、夫婦の再会の挨拶は“タケミカヅチ”解析を優先するために省略された。
349
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/25(木) 01:25:26 ID:JDqcDK46
腹の置くまで深く息を吸い込み、ゆっくりとした体の動きに合わせ少しずつ吐き出してゆく。
床はフローリングでも絨毯でもなくイグサを何十にも編まれて作られた畳
極東支部にそんな場所は一箇所しかない、それに合わせてヒツギの服装は胴着になっていた
「フゥ・・・」
突き出した右腕を引き戻し、左腕の肘を曲げてその角度のままに前へ持ち上げてゆく。
左手の指を一本ずつ伸ばす、その体のこなしは戦闘というよりは型を確認しているという方が近い。
精神統一のために行っているとみて間違いない。
ふと視線に入り込んだ道場の窓をヘリが横切るのが見えた、珍しいことに軍用のものではない。
結局極東支部についてもレイナの姿を見ることはできなかった
到着してすぐ、近くの医療施設に搬送されるのかと思ったが屋敷に戻る為の迎えが来るという話だった
キュッとヒツギの口元が強く締められるが、すぐに口を薄く開き同じように一定の長さで息を吐き出し始めた
しかし入り込んだ雑念をどうしても振り払えないのか、ぴたりと動きが止まってしまった
「あ゙あぁぁぁぁ!」
それを追い出さんと、謎の叫び声を上げながら自らの頭に両手を置いて掻き毟る。
両腕をだらりと下げると共に、ため息を吐いて道場に座り込んだ。
「・・・ハァ、少し休憩しよう」
350
:
ユウセイ&アスト
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/25(木) 21:50:02 ID:J7bAB7RM
「っ?だれ?」
「マデリーン少佐です、ほら。」
片手は、化け物のスピードで操作しながら、ipadを取り出す。
「あぁ、どうも。」
ニコニコしながら、喋っているが、常人の10倍以上のスピードでPCを操作している
351
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/26(金) 17:05:55 ID:CNCX7O4Q
皆がそれぞれに四半舷休息状態を過ごしている中、アカリとリリーは伊豆基地から離れ、最寄りの駅で電車を待っていた。
パーカーにプリーツ付きのキュロットスカートという動きやすそうな服装のアカリと、
それとは対照的なワンピースにカーディガンという大人しい服装のリリーがホームで並んで立っている様子は、
どこかの姉妹のようであり、二人が軍人であることなど思わせないものであった。
見た目がそうであるならば会話の内容も同様で、手帳に挟んでおいた路線図を眺めるアカリと、
携帯端末で周辺の情報を調べているリリーが今日一日をどう過ごすかを話し合っている。
「どうします、少尉? 基地の人たちは大体、遊びに行くとしたら熱海か、少し足を伸ばして小田原に行くらしいですけど」
「せっかく一日乗車券を買ったんですし、小田原から攻めてみましょう。小田原城を見てみたいですから」
「日本の古城に興味が?」
「ええ。今まで日本に来ることはあっても、そういう歴史的な建造物を見る機会は全くありませんでしたからね。
……そんなことより「アカリさん」、基地の外で「少尉」は止めて下さい」
「えっ? ……ああ、はい。でも何と呼べば?」
「普通に呼び捨てにしてください。そうですね、年の離れた従姉妹、という体で行きましょう」
「従姉妹ですか……じゃあその、ええっと、リリー?」
「はい、それで結構です」
二人は尉官と下士官という階級の大きく離れた関係であるが、それを無視して呼び捨てにしろ、とはまた、言うことが大胆だ。
アカリは少し意外に思ったが、よくよく考えてみると初めに会った頃ならともかく、
上下関係に余り頓着しないダウナーなキャラクターとしての馬脚を現しつつある今となっては、それほど不思議ではないことに気付く。
そんなことを考えていると、リリーがふと、周囲を見回し始めた。アカリもつられて周りを見る。
平日の昼間だからだろうか、ホームには自分たちと同じように電車を待っている客が離れた場所にちらほら立っているだけで、他には特に何もない。
それをアカリと共に確認した形となったリリーは小さく頷いて、
「……それにしても、うちの部隊、少しきな臭くなってきましたね」
「きな臭くなった、とは?」
「今回の件に関するカイオウ大将の強引なやり口、聞いてないんですか?
大将は月面での「あれ」、演習だったなんてゴリ押しているらしいですよ。関係者の口もそういう名目で統一させているらしいです」
「え!? い、いくらなんでもそれは無理がありすぎじゃないですか……?」
「ええ。高い確率で破綻するでしょう。きな臭いと言えば、カーマイン家の方達もそうです。
今回のことで発覚した、レイナ・カーマイン嬢の「持病」もきな臭いと言えばそうなのですが、
この部隊の意志決定には、彼女らが大きく関わっているらしいではないですか。
アカリさんも疑問に思ったことはありませんか? 民間の、一資産家が、連邦軍大将の直属部隊に影響を与えていることに」
「それは……ありますけど、でも、レイナさんたちは悪い人たちじゃないと思うんです」
「ええ、それは私も思います。しかし、それとこれとは話が別なのです。
悪い人でなければ、していることも悪いことではない? いいえ、それは違います」
「………………」
「私は自分の飼い主は連邦軍だと思っていますし、今でもそう思っています。
しかし今回の一件で、私に今、引き金を引かせているのは一体誰なのか、という疑問が生まれました。
……アカリさん、あなたの飼い主は誰なのか、少し考えておいた方が良いかもしれませんよ」
そこまで話してから、アカリの気持ちが沈んできていることに気がついたらしいリリーが、「なーんて」と(やはり無表情で)おどけて見せた。
「そんなこと言ってますけど、上司に言われるがまま引き金を引くのが私達のお仕事ですから、考えたところでどうこうなることでもないとは思いますけどね。
すみません、アカリさん。人と出かけるのなんて何年ぶりかなので、少しテンション上がりすぎてたみたいです。
陰謀論者さんオッスオッスの精神で流して下さると助かります。でないと黒歴史にまたひとつ、項目が増えることになりそうなので」
「……あはは、それなら逆に流さないでおきましょうか? 黒歴史と枕を抱いてばたばたしてもらうというのも、面白そうですから」
「鬼畜キタコレですね」
そうやって会話をいつものものに戻していっている間に、電車がホームへと入ってきて、それを合図とするかのように部隊の話は二人の間から消えた。
だがそれは小さな、しかし確実なしこりとなって、アカリの胸の中に残った。
352
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 07:51:14 ID:cBhN.PqI
>>349
【「・・・ハァ、少し休憩しよう」】
「そうですか。なら少し私に付き合ってもらえませんか、ハヤセさん」
突然、ヒツギしか居ない筈の静かなその空間に、ハキハキと透き通った女性の声が乱入する。
ヒツギが息を正すそのタイミングを見計らった様に、道場には一切の穢れも無いしゃきっと正された純白の制服を纏う黒髪ストレートの華奢な少女がやって来た。
明智ライト大尉。乱れを許さない真面目を絵に書いた様な少女である。
月面基地で本来のホーム欧州へと出戻ったはずのライトが、何故またしても極東支部へと訪れたのか?
ただ遊びに来ただけなんて事は彼女に限って絶対に無いだろうが。
「欧州への技術協力とあなたへのスカウトのお話ですよ」
どうやら、欧州支部からのメッセンジャーをさせられている様だ。
欧州支部と言えば軍内でも一握りのエリートだけを揃えた正に一流部隊である。
その待遇は厚く、将来的に見てもそれは大きなステータスとなるだろう。
ヒツギにとってもこの案件はメリットの多いものだろう。
それともう一人。ヒツギ用の資料の他に、あのハヤミ・ユウセイ用の資料もライトは用意しているのだが、上層部は本気なのだろうか?狂言なのか?
などと、ユウセイ曹長(ライトは階級が二等兵になったのを知らない)のふざけた奇行を実際に見てきたライトは困惑気味だ。
353
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 14:00:35 ID:YNLU6b4M
>>352
>「そうですか。なら少し私に付き合ってもらえませんか、ハヤセさん」
突如として後ろから投げかけられた声に体を跳ねさせすぐさま後ろへと振り返る。
そこにいたのは何度も話したことのある顔見知り、記憶している限りだと彼女はヨーロッパの方へ向かったと聞いていたのだが
「ビックリした、あけっちか・・・久しぶり」
胸を撫で下ろしながら再会したことに対しての言葉を投げかける。
その表情を見るにまったく気づいていなかったらしい。
後ろに人が立っているのに気がつかないほど集中していたのか、逆に気が散っていたのかのどちらかだ
レイナの情報はライトにも届いているだろう、どちらに転んでもヒツギがそれを気にしていることは明白だった
>「欧州への技術協力とあなたへのスカウトのお話ですよ」
「へ?」
きょとんと目を丸くしてかなり間の抜けた声をこぼすヒツギ。
ルーキーであるヒツギにとって、どこかからスカウトが来るなんてまず思っていなかったことだろう
ぽかんとしていたヒツギだったが、我を取り戻したのかそのことについて聞きなおそうと口を開いた。
が、自分の格好と話している場所のことをすぐに思い出す、見知った相手とはいえ女の子と話すのに汗臭いのは頂けない
・・・それに気分転換もしたいところだった
「話の内容が気になるけど、外の空気が吸いたいからちょっとだけ待ってくんないか?
急いでシャワーを浴びて着替えてくからさ」
この時ライトは思っていなかっただろう。
この「外の空気が吸いたい」という言葉、屋内から外に出たいと言う意味ではなく、基地から外に出たいという意味だったことに
354
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 15:07:17 ID:cBhN.PqI
>>353
【「ビックリした、あけっちか・・・久しぶり」】
「だからですね。その、あけっちと呼ぶのはやめて下さいと/////」
いつの間にか名付けられ、しかも周りに浸透していた愛嬌のあるその呼び方へと律儀にツッコむ。
本気で嫌がってはいないのだが……何だか気恥ずかしいのだ。
【「話の内容が気になるけど、外の空気が吸いたいからちょっとだけ待ってくんないか?
急いでシャワーを浴びて着替えてくからさ」】
「ふむ?……ああ、確かにそうでしたね。場所を改めましょう」
ライトとしても男男したこの様な空間で話をするのは、あまり好ましく無い。
ヒツギの提案は二つ返事で承諾する。
施設のカフェにでも行ってと考えた。素直に話を聞いてくれそうで何よりである。
「あとですが。ハヤミ・ユウセイ曹長は呼べますか?この件について、あの人にもご同行願いたいのです」
シャワーを浴びに行こうとするヒツギを僅かに引き止め、ユウセイ二等兵の居場所を聞こうとするライト。
あまり気は進まないが、もう一つの目的を同時にこなしておくつもりだ
355
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 18:57:05 ID:YNLU6b4M
>>354
ヒツギからしてみればライトも立派な仲間である。
欧州と極東の仲が悪いことなど彼が知る由も無い、そういうことには疎い・・・というよりはそういう不用意なことは伝えていないのだろう。
>「あとですが。ハヤミ・ユウセイ曹長は呼べますか?この件について、あの人にもご同行願いたいのです」
「ユウセイ?だったらOSがどうとか行ってたし研究棟じゃないかな
多分アスト博士も一緒のはずだから、そっちの居場所調べたほうが早いかもな」
ユウセイも同行というのは非常に珍しい話だが、自分がシャワーを浴びている間に捕まえてくるということか
「分かった、じゃあ1階の受付前で落ち合おう」
研究棟とこっちを行ったりきたりするよりは早いし、出入り口なのだから当たり前だが外に出るにも近い
時間効率が的にもこれがベストな待ち合わせ場所のはずだ。
「そういうわけでよろしく、俺は急いでシャワー浴びてくるよ」
356
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 19:26:18 ID:cBhN.PqI
>>355
【「ユウセイ?だったらOSがどうとか行ってたし研究棟じゃないかな
多分アスト博士も一緒のはずだから、そっちの居場所調べたほうが早いかもな」】
「研究棟ですか。ではアナウンスで呼び出して貰います」
ライト自らがユウセイの元へと向かうつもりは、そんなに無いのでむしろこちらへ召喚する形になるだろう。
それに何やら厄介事に巻き込まれてしまいそうな乙女の勘が働いた。
【「分かった、じゃあ1階の受付前で落ち合おう」
「そういうわけでよろしく、俺は急いでシャワー浴びてくるよ」】
「わかりました。速やかにかつ丁寧に身を清めて来て下さい。
では今から私はハヤミ曹長を呼び出しますので」
ライトはその間に係の者に頼んで、研究棟で作業に没頭しているらしいユウセイを呼び出して貰う事にした。
“30分以内に1階フロントへ集合せよ”と
357
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/27(土) 20:04:22 ID:NVxKcMG2
>>356
アナウンスが鳴りユウセイが呼び出される
「ああ、呼び出しか。まだ、0、00045%しか終わってないのに。」
ガックリする、ユウセイ
「後は任せて、素直に応じなさい。」
諭す、博士
「了解、後は任せます。」
自室に戻り、シャワーを浴び、適当な服に着替え
ウィーダーインゼリーを一気飲みする。
「さてと、」
ユウセイは、フロントに向かう。
「お待たせしました。明智大尉、ご用件は。」
ちょうど、30分経った
358
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/10/27(土) 21:23:13 ID:soLvNY.w
>>350-357
「あら残念」
なかなかに良い速度で打ち込むので少しは使えるかと思い始めた矢先だったので。
タイピング速度で言うならキーボード二つ同時に壊してからが本番とか言う世界と比べちゃいけません。
「まぁ仕方がない、ユーティライネンの力を借りるわ」
もう指揮系統を気にせず独断で軌道防衛艦隊を呼び出す。
ライトあたりが知ったらどうするとか全く気にしない人たちである。
そして、そんなならず者たちに良いように弄ばれるタケミカヅチ。
神様の立場、絶賛大暴落。
359
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 21:27:45 ID:YNLU6b4M
>>356
>>357
「ギリギリセーフ!!・・・か?」
30分から1分ほど遅れてヒツギもやってきた、しかしその服装は制服ではない
シャツの上にデニムのライダースを羽織り下はスリムなチノパン・・・と、どう見ても私服である。
服にあまり拘りがなさそうな性格からそのままに、年齢相応といえばその通りの非常にシンプルなものだった
「とりあえず歩きながら・・・」
ここで察しが着くだろう、外の空気が吸いたいという言葉は文字通り敷地の外に出たかったということに。
確かにまだ日は高く外に出るには絶好の時間だろうが・・・
「あ、それともユウセイとの話はここで終わらせたほうがいいのか?」
ユウセイの様子からまだ忙しいということを察したのか、外に連れて行くか否かで立ち止まる
解析作業があるのであれば連れて行くことも無い。
どこかに座って話を進めればいい話だ、その後で外出すれば良い
「とりあえず立ち話も何だからカフェで座りながら話そうぜ」
となれば1番ベターな選択肢は最初からカフェに向かうことだろう。
その趣旨を切り出し、2人尻目に歩き出した。
360
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 22:28:03 ID:cBhN.PqI
>>357
>>359
【「お待たせしました。明智大尉、ご用件は。」】
【「ギリギリセーフ!!・・・か?」】
「二人ともアウトです。完全に。常に5分前行動を心掛けて下さい。
私は遅刻なんて一度もした事が有りませんよ?雨の日も風の日もお腹痛くてもそれは何故かといu……ぶつぶつぶつ」
ビシッとフロントの掛け時計を指差す。たったの1分ほど遅れてしまったらしい。
それすらも規律を重んじる彼女は口うるさく注意する。
遅れたヒツギはともかくとして時間ぴったりに来たユウセイにとってはとんだとばっちりだろう。
「あ。ところで、二人は何故私服ですか?」
しかし、長々と続くと思われたお説教も、ヒツギのラフな格好へのツッコミへ移行する形で終わりを迎える。
【「とりあえず歩きながら・・・」】
「えっ?これって……外へ?」
何だか妙な予感が乙女の脳裏を過った。
若い男女が二人っきり(ユウセイも居ます)で外へ。これって俗に言う……。妙な考えを持ち出した。
そんな事を考えたライトは途端に白かった顔色を耳の先まで紅潮させている。
その後にヒツギがユウセイがうんたらとか言っていた気がしたが、完全に聞き逃してしまった様だ。
【「とりあえず立ち話も何だからカフェで座りながら話そうぜ」】
「そそ、外へ出るんですか??」
平常時とは違い言葉をどもらせ、そわそわした様な期待する様などっちともつかない様子で訪ねている。
いったいどうしてしまったのだろうか?
361
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/27(土) 22:36:15 ID:NVxKcMG2
「いえ、軍服で行くと戻ってタイピングすんの大変なんで。」
ユウセイは、黒いシャツに、青の上着というしょぼい格好。
>>「あっ、それともユウセイの話はここで終わらせた方がいいのか?」
「ああ、出来ればな、抜け出せるいい理由が出来たが、おもしろくなってきちゃったし。」
「基地のカフェいきましょうか。」
>>「そそ、外に」
「行きませんよ」
絶対にテンパっている、明智大尉を後目に、
ヒツギに続き、カフェに向かう
362
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 22:58:28 ID:YNLU6b4M
>>360
>>361
>「えっ?これって……外へ?」
「だからそう言ったろ?」
ヒツギは道場に朝から居れる程度には暇だったのだ、後に予定が入っているなんて事も無いのだろう
とはいっても気分転換と言っていた様に特に何かがしたいという理由は無かったのだが
>「そそ、外へ出るんですか??」
「まだ外に出ないって。さ、早く行こうぜあけっち!」
ライトがしどろもどろしているのに見かねたのか、彼女の元に引き返すと両肩に軽く手を置いて背中を押し始める
そのままライトの位置に合わせて歩いていくことに決めたようだ。
しかして数分後、施設内にあるカフェにある丸テーブルに3人は座っていた。
今時病院にも大手コーヒーチェーンが店を持つ、こういった場所が施設内にあることも珍しいことではないのだろう
当然ながら人の姿はまばらだ、重要な話であったとしても盗み聞きされるとは考えづらい。
「で、スカウトって何の話?」
テーブルに置かれた三つの飲み物の内1つを片手にヒツギはライトへと尋ねる。
ユウセイにも後の仕事がある、単刀直入に聞いたほうが早いと見たのだろう
363
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 23:55:09 ID:cBhN.PqI
>>361
>>362
【「行きませんよ」】
【「まだ外に出ないって。さ、早く行こうぜあけっち!」】
「あ……はい//////」
デリカシーの無い事に定評の有るユウセイにすらライトが狼狽する様は見透かされいたのだろう。
2人に指摘されて我に帰る。
なんの事は無い。基地施設のカフェテリアへまずは向かうと言っているのだ。
そして異色の3人はそこへ到着すると、各々席につく。
ライトの前にテーブルを挟んでユウセイ、ヒツギが並んで掛けている。
【「で、スカウトって何の話?」】
「まだ完全には決定していませんが、これより極東支部は我々、欧州支部との綿密な協力体制を敷いていく事になります。
そこでハヤセさん達の能力を見て高く評価した上層部のご意向により、二人はより恵まれた欧州部隊への正式な配置を勧めておられるのです」
ちなみに、ヒツギに対しては正式な軍人では無いので勧誘と言う立場だが、
ユウセイは職業軍人である。半強制的な異動命令となり、実質拒む事は出来ない。
勧誘における細かな資料をそれぞれ、手渡すと同時に3人分の飲み物がテーブルへともたらされる。
ちなみにライトは温かなロイヤルミルクティを頼んだらしい。甘甘のやつを。
「いきなりで気持ちが落ち着かないでしょうが、一息ついてまずお手元の資料を読んで下さい。今回の案件が詳しく載っています。
……しかし、私が言うのもあれですが、今後ともこんなチャンスは滅多に訪れたりしませんよ」
ミルクポットから真っ白になりそうなぐらいの量ミルクを入れ、砂糖も人並み放り込む。
ちなみにレイナは紅茶へミルクみたいな不純物を入れるとは冒涜ゥゥとキレる。
彼女らはこんな所も気が合わない様だ。
364
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/28(日) 00:31:43 ID:z5upQM9w
>>363
>「まだ完全には決定していませんが、これより極東支部は我々、欧州支部との綿密な協力体制を敷いていく事になります。
>そこでハヤセさん達の能力を見て高く評価した上層部のご意向により、二人はより恵まれた欧州部隊への正式な配置を勧めておられるのです」
「あー、ヘッドハンティングって訳か」
元々は軍人になる予定だったのもあり、今は片足突っ込んでいるようなものだ。
現状「少尉」の前に「特別」や「特殊」が付くヒツギにとっても悪い話ではない
ただそんな彼を止めてしまうものが一つだけあった
「・・・配属ってことはそのまま欧州行きってことだよな」
彼の生まれ育った国である日本
今後甲斐に搭乗していれば世界中を回ることになるのは明白であり、実際の所はこっちに居ようがあっちに居ようがそんな違いは無い。
だが彼の年齢で故郷を捨てろなどとパッと決められる内容ではなかった
そしてもう一つ・・・
(しかし欧州となれば"彼女"の故郷があるはずだ。
でもそれとは逆にこちらに別荘がある、今はこっちに居るわけで・・・)
(甲斐に所属する可能性のほうが高いのか?だったらこのままでも変わらない・・・
待て待て、このまま容態が悪くなったら別荘じゃなくて普通家に帰ることになるだろう)
(いや、そもそも契約そのものが破棄された以上気にするのも今更なのだろうか?)
顎に手を当てたまま何かを考える様子のヒツギだったが
どうやってもまとまらないのか、諦めたように手元にあったコーラのストローに口を付け吸い込む
「もし期限がまだあるんだったらちょっと考えさせてくれないか
ごめん、すぐには決められそうに無いんだ」
氷だけが残ったグラスをテーブルに戻し、渡された資料を足元のメッセンジャーバッグにしまい込んでそういった
365
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/28(日) 01:36:26 ID:oL7ZjXTE
>>364
【「もし期限がまだあるんだったらちょっと考えさせてくれないか
ごめん、すぐには決められそうに無いんだ」】
「ええ……確かに、即答するには話が美味し過ぎて不気味に思いますね。大丈夫です、私も同じ考えですから。
ですから、資料をちゃんと見ての前向きな返答を期待しています。もし私の部下となったら悪い様にはしません。
私の直属の上司もあなた達の資質を素直に賞賛しています」
もちろん時間的猶予は与えるつもりだ。
ただし、必ずや決心をしてくれるはずだとライトは確信にも似た予想をしていた。
正義感の強い彼なら尚更、精鋭部隊での更なる活動を望むはずだと。
そして出来る事なら共に恒久平和の為に戦いたいと心から思っていた。
「今の軍は統制が全く取れていないのですよ。だからDC残党の様な死に体につつかれるんです。
我々、欧州を中心とした強固な団結力が必要なのですよ」
まだ熱いのか慎重にふーふーと冷ましながら紅茶を口にするライト。
ミルクを多く摂取するのは、自分の平坦な乳分を補う為なんかじゃ無いんだからね。と言い訳じみた事を暗示する。
だが実の欧州は既に邪な毒牙にかかっており、ライトの様な真に平和を願う真面目な士官ばかりでは無い。
しかしシルヴィエ・クロイツの思想を盲信している若者達は上層部の腐敗したその実態を知らない。むしろ聞かない。たちが悪い。
366
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/28(日) 08:54:41 ID:/otLOu0U
「急すぎて、驚いています。」
そう言うのは、ユウセイ【オレンジジュースを飲んでいる】
「ヒツギは、兎も角、何で俺までまた念動力者だからですか?」
【あれ?、なんで何回もあるように言ってんだ?おれ】
それは、兎も角。まぁ拒否権はないんだが。
「こちらとしては、問題ないんですが。まだ心残りがあるというか。」
「ある二人に会っておきたいんです。河嶋大佐とイサム大将に、できたら」
あの夢が本当に正しいなら俺は、DCの
【それと。もし、DC残党、と接触できるなら。】
弥生が、救えるチャンスが増えるかもしれない。
「了解しました、正式な通告は。」
ユウセイは、これを承諾したようだ。
367
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/28(日) 10:50:33 ID:oL7ZjXTE
>>366
【「ヒツギは、兎も角、何で俺までまた念動力者だからですか?」】
「それは私の方が聞きたいぐらいです。聞いていますよ、ハヤミ曹長の悪名は。もちろん悪い意味での」
うんざりした様な苦い表情をするライト。ヒツギはバルクレイスの機能を発動出来る希少な人材だとはデータの上で知っていたが、彼。ユウセイはどうだ?
いくら戦闘技術が優れていたとしても、トラブル三昧の問題児をわざわざ引き取る様な意図がわからない。
「ほんと、何ででしょうね」
ぼそっと小声でそんな失礼な事を洩らしてしまった。
ライトが気になってユウセイのデータを調べたところ、公表されている念資質のランクはB-と言ったところであり、Aランク念動力者の数値には結構遠い。
平凡なモノであったのだが。
【「こちらとしては、問題ないんですが。まだ心残りがあるというか。」
「ある二人に会っておきたいんです。河嶋大佐とイサム大将に、できたら」】
「それはどうぞ済ませておいて下さい。後日正式に辞令がいくと思われます」
ライトの思っていた通り、ユウセイはやはり命令系統の関係上、拒む様な事は無かった。
あっさりと従う姿勢を見せてくれた。
368
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/28(日) 19:28:41 ID:z5upQM9w
>>365
>>366
>ですから、資料をちゃんと見ての前向きな返答を期待しています。もし私の部下となったら悪い様にはしません。
「あけっちの部下かぁ。そうだよな、あけっちは欧州の所属だしな」
大切なことを忘れていたが、ライトがこの話を持ってきたということは彼女もあちらの所属なのだ。
だからといってどういう訳でもないが、友人が居るというのは重要なことだ
>私の直属の上司もあなた達の資質を素直に賞賛しています」
「それは素直にありがたいけど俺全然だよ、まだまだ半ちくだ」
月面の件、公式な発表は"過度な演習"ということになっているが、何らかの戦闘があったのは明らかだ。
そして敗戦であったということも分かることだろう
>我々、欧州を中心とした強固な団結力が必要なのですよ」
欧州を中心とした、という部分はさておきとして強固な団結力というのは肯定していた
ピエロや黒いSSが所属する謎の組織のこともある、今後のことを考えれば当然だろう
「ま、それは後でいいや。とりあえずこの話終わったなら早速外に行こうぜ
気分転換するために出てきたわけだしさ」
そういうとテーブルから立ち上がりライトへと顔を向ける。
もちろん行くだろ?という表情だが・・・
「あ、ユウセイはどうする?」
369
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/28(日) 19:50:31 ID:oL7ZjXTE
>>368
【「ま、それは後でいいや。とりあえずこの話終わったなら早速外に行こうぜ
気分転換するために出てきたわけだしさ」】
「わ、わ。外に行こうぜですって!?私の用事はもう済んだのですけど。
……は!ややっぱり、ま、まさかこれって。いや、でもこんなのって。こ、こんなのって」
何やら葛藤があったらしい。小声で意味が解らない事を早口でぶつぶつと繰り返している。
そして何故か頭が沸騰し続けている。
そんな時だった。ぐー。とライトの平らなお腹が空腹を訴える為の警笛を鳴らす。
「……あ。……しし、仕方ないですね。退院祝いを兼ねてお昼をご馳走します/////
はやく何でも良いんで何処へでも連れてってください」
ここで食べていけよ。とはツッコミたくなるだろうが、今のライトにはそんな事も気付けなかった。
370
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/28(日) 19:54:05 ID:/otLOu0U
>>「あ、ユウセイはどうする?」
ヒツギの問いに対し
「あー、解析作業大変なんだよね。本気で抜け出してやろうかな」
少し考え
「止めとく、少佐クラス+博士一人抜け出したら只じゃすまない。」
ふつうじゃない二人だから言えること
「まぁ、いい気晴らしになったよ、じゃあね。ご馳走様でした。」
手荷物をまとめ、出ようとする。
「ああ、それと、これ。」
彼のiphoneに移るものは、明智大尉と、ヒツギがいちゃいちゃしてるように見える写真。
「これ、レオンさんにやってレイナ嬢に見せたらどうなるかな。」
決まっているカオスになるって決まっている。
「送られたくなければ、後で手伝いにきてねじゃあね。」
足早に、研究所へと戻っていく。
「お疲れ、何の話だったの?」
戻ってきて最初に見えたのは、顔が若干黒くなってるアスト博士
「なんで、顔黒くなってるんですか?」
「いや、一機スパコンが爆発して、でも凄いわね、すぐリカバリーできたわ。」
よくみると、さっきまでいなかった人たちが2、30人
「で、進行率ナンパーですか」
「まだまだ、1,56%よ」
予想より進んでるな、そう思いながら、また作業を再開する、ユウセイ
泡を食っている奴らは気にしない。
371
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/28(日) 20:18:07 ID:z5upQM9w
>>369
その面白おかしい様子をみているヒツギ、なんというか女友達と遊びに行くこと自体を気にしていない様子
何をしているんだこいつはという表情をしているだけだが、そんな2人の間に流れていた空気を叩き切るように音が響いた。
自分の音かと思ったが、その様子を見るにライトの物だったらしい
>「……あ。……しし、仕方ないですね。退院祝いを兼ねてお昼をご馳走します/////
>はやく何でも良いんで何処へでも連れてってください」
「ぷっ・・・! あっはっはっは!いやごめんごめん」
取り乱しているライトについ我慢ができなくなったのか、思わず声を上げて笑ってしまった。
デリカシーが無いということは本人でも分かっているようでごめんごめんと謝ってきた
「いやさ、俺も一汗かいてちょうど腹がすいてるんだ。
さすがにサンドイッチとかじゃ物足りないから、まずは外で何か食うか」
つりあがっている口元を手で隠しながら、
一刻も早くここから立ち去りたいであろうライトをつれてテーブルから立ち上がる
「とりあえず出てみて、手近な店に入ろうぜ」
372
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/28(日) 21:06:12 ID:oL7ZjXTE
>>371
【「ぷっ・・・! あっはっはっは!いやごめんごめん」】
「な、笑い過ぎです。上官侮辱ですっ!」
気恥ずかしい所を見られて?聞かれてしまった。
どんどん自分の弱味を握られていく。どうしよう?
【「いやさ、俺も一汗かいてちょうど腹がすいてるんだ。
さすがにサンドイッチとかじゃ物足りないから、まずは外で何か食うか」
「とりあえず出てみて、手近な店に入ろうぜ」】
「……あ。はい(ドキドキ)」
ヒツギは誘ったのだが、ユウセイは忙しくて来れないらしい。
という事は完全にうら若き男女が二人っきり。経験の不足しているライトは変に意識してしまっていた。
故に、エンジェルフェザー隊の純白制服と黒タイツの神聖な格好のまま、流れに流され表に出ていってしまう。
冷静に考えたらこれはかなり周囲の目を惹くコスプレの様な格好であった。
「なな、何でも良いですよ。私はそれなりに高給取りですから」
街へ躍り出た天使さんは常時そわそわしながらヒツギへついて行く。
懐には特に使用目的も無い使いきれない程の資金が残っている。食事をご馳走する程度の、お財布事情は何も気にせず任せてもなんとも無いと主張する。
373
:
ラウディ
◆E8ckRIIdug
:2012/10/28(日) 22:02:33 ID:A1SZCqFM
>>370
「おかえり……」
泡を喰うどころか苦虫噛み潰した顔をした約一名。
色々試行錯誤した結果、エクストラハードな超弾幕系シューティングをノーミスでクリアしろとか言う話になっていたのだ。
「……何この世俗にまみれきった神様。
しかもこれタケミナカタかよ、タケミカヅチの筈なのに」
「何が超対空大社ゲパルトだよ。さらっと混ぜんなよ」
引っ張り込まれた整備兵甲乙が玄人向けな不満を口にしたので、わからない人は無視されるが良いでしょう。
374
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/28(日) 22:34:29 ID:/otLOu0U
>>「おかえり。」
「どうした?」
そこには、『mission、このシューティングゲームをクリアせよ。』
と書かれてあり。
「少しやってみようかな。」
ユウセイは、そのゲームをスタートさせた。
「これは、鬼畜だな。」
ユウセイ無双も好きだが、シューティングもそれなりにはできる
が。
一時間後
「だめだこれ。」
中盤で撃墜。
「鬼畜すぎんだろ、まてよ。」
これなら解析して。
「別のゲームに変えちゃえばいいんじゃん。」
もちろん、変えるのは、
バーニングPTと同じものに
「さて、ボコボコにしちゃうよ。」
これなら、向こうからの介入でも鬼畜な相手程度なので、念動力者である、ユウセイにとっては楽勝である。
30分後
「ふい、おしまい。」
全クリ
「博士あと、よろしく、」
「ユウセイ君!」
さすがに疲れたのか、吐血してから、倒れやがて、泡を食い始めた。
だが、大国魂は、完全にフリーで解析自由になり、解析スピードも40倍以上早くなったのだ
375
:
◆E8ckRIIdug
:2012/10/29(月) 01:14:14 ID:0Mtpi/rI
「深淵を覗き込む者は、自らも深淵に見られていると知れ」
このような言葉を残したのは誰であったか……
>>374
「……大国魂?」
「俺ら、タケミカヅチの解析してたよな……?」
「……サブルーチンとして内包してたようね。
つまり、ハヤミ君がイカサマめいた事までして開いたのはおまけに過ぎなかった……」
「いやいやいや!それはあんまり過ぎます!」
「同じ神様だし、この解析結果は参考に……(警告音)……外部からの介入?」
「た、大変!大国魂が外部とコンタクト取って……」
一方、大国魂の本体を取り込んだリガシン一派のアジト……
「……ユズ、どうなっているの?」
「タケミカヅチとのデータリンクシステムが起動した、ってところかな?
お互いに同じネットワークにアクセス出来るようになって、一度は切れた物がつながって……」
「……こっちの足が掴まれる前に切ろう」
「はい、姉様。向こうはどうせ伊豆基地かそのあたり……先生、お願いします」
『どぉれ』
「……外部との接続、物理的に切断しました」
「まさか、残留していた大国魂が、奪われた本体との結合を求めるとは……」
376
:
◆E8ckRIIdug
:2012/10/29(月) 01:24:20 ID:0Mtpi/rI
>>375
続き
「……それだけじゃないわ」
「少佐?」
「私と同じ、電脳直結の出来るハッカーがそれに相乗りを試みていた」
「ああ、それで線を叩き切れと」
「大国魂が有意のデータをやりとり出来たかはともかく、そいつが悪さした可能性は否定出来ない……」
「まさか……」
「タケミカヅチの解析は一時中止!
スタンドアローン状態でシステムの洗浄にかかります!」
「「「ぎゃーっ!?」」」
そんなわけで、本来の目的の達成率は上がらないまま時間と体力は喰い潰されていくのであった……
377
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/29(月) 15:46:21 ID:seNv3UlY
>>372
ざっと道をまっすぐ進んだだけだが、今日はどこの店も空いている。
いや空いているなんてレベルではない、客が誰一人として居ないといっていい
どんな時間であれ多少は人が居るであろうファミレスすら窓から覗いて見える範囲では客が見えないのだ。
そのくせ人だけは多い、人が多い癖に飲食店に人が居ない理由とはなんぞだ
というヒツギの疑問はすぐに解決した、外灯につけられた広告だ
「"小田原城グルメフェスタ"・・・はーなるほどね、だから飲食店が空いてるわけだ」
近くでこんなお祭りをやっているなんて知らなかった
そういえばアカリンたちが出かけたって言っていたが・・・これなのかもしれない
「これなんてちょうどいいんじゃないか?これだったら軍服で外に居てもおかしくないかも」
その広告を指差してライトへと尋ねる
観光という名目で休憩時間に外へ出てみたなんて事も言えるだろう
378
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/10/29(月) 17:06:07 ID:ousu261M
そんないろいろな理由で外出している一行
すると「プ〜ン」と良いにおいがしてくる
そのにおいのする方向を見てみると一軒のラーメン屋台があった
ご丁重に隣に「ここに止まる許可は取ってあります」と看板が置いてあり
そこにメニューも書いてあった
『ラーメンの種類 味噌・醤油・塩のみ、一杯500円、量は十分な量を保障します ギョウザ6つ300円』
と、もし入ってくるならば中で大きく新聞を目の前に広げる店主の姿があり、顔は見えない
店主も気づいておらず、話かければ気付くだろう
379
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/29(月) 18:37:52 ID:0EZkTERM
>>377
【「"小田原城グルメフェスタ"・・・はーなるほどね、だから飲食店が空いてるわけだ」】
「近頃はそういうの流行ってますよね。経済効果が見込めるんでしょうか?」
ライトは賑やか過ぎる人の波に少々うんざりしている様子。
そして何故か周囲の(特に異性)からの妙な熱い視線を感じたりするのだが、それも全く思い当たる節がない。
と言うか気付いていない。
【「これなんてちょうどいいんじゃないか?これだったら軍服で外に居てもおかしくないかも」】
「え……うっ?……この視線は軍服のせいでしたか。…も、もし…スキャンダルを報道されでもしたら……ぶつぶつぶつ」
やはり純白のこの制服は目立ってしまうのだろう。この事に気付いていたならもっと早く教えてくれれば良かったのに。
と、ライトは恨めしそうにヒツギを見ている。
ひとしきり小声でぶつぶつ言い終えると、どうやら落ち着いた様だ。
この純白潔白の聖なる制服は恥ずかしさ等、微塵も無い栄誉有るものだ。もうなにもこわくない
死亡フラグと言うか一種の開き直りで有る。
「私はお祭りのものでも何でも良いですけれど、せっかくですのにそんなリーズナブルなので良いのですか?」
まさか自分に対して気を遣っているのじゃ無いかと、有らぬ心配をしてみた。
380
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/30(火) 17:09:17 ID:d449zyW.
>>379
>「近頃はそういうの流行ってますよね。経済効果が見込めるんでしょうか?」
「B級グルメとかのブームがあったからな、こういったイベントをすれば普段外食に来ない人も来てくれるんじゃないか?」
こういったイベントは人が多い上に食べているので移動することが殆どない、ライトがウンザリしているのも分かる。
あまり離れすぎると逸れてしまいそうだ、この人の量と配膳に並んでいる列を考えると分断されたら合流するには骨が折れるか
ほれ、とヒツギが何の躊躇もなしに手を差し出している
>「私はお祭りのものでも何でも良いですけれど、せっかくですのにそんなリーズナブルなので良いのですか?」
「いーや、むしろ『せっかく』なんだったら値段とか関係なしにこっちのほうがいいだろ?
外に出たんだし楽しめたほうがいいじゃんか」
値段のことなどヒツギは微塵も考えてはいない。
逆にこういう庶民的なものにつれてきてよかったのかと疑問に思うが、彼が嬉々として語ったように遊ぶならば楽しめるほうがいい
こういった食べ歩きのお祭りは見世物はなくても、出店の雰囲気に当てられてそれなりに楽しめる
「とりあえず近場のから行こうぜ、あそこのラーメンが空いてそうだな」
指差した方向には確かにラーメン屋があった
381
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/30(火) 17:20:17 ID:fc4.Ss1k
>>377
,
>>379
「おや、珍しい組み合わせではありませんが、珍しい人が居ますね」
会場内に入ったばかりの二人にそう話しかけるのは、紙袋を抱えた私服姿のリリーである。
軍服を着た美少女として注目を集めているらしいライトに対しても安心と信頼の無表情を向けている彼女は、
右手に包み紙に包まれた、食べかけのコロッケらしきものを持っている。既にこの会場の客になってしまったらしい。
「リリー? ああ、ここに……って」
リリーの後ろから、同じく私服姿のアカリが現れる。
大小のビニール袋を提げている彼女はリリーを探していたらしかったが、リリーの前に居る二人を見て意外そうな顔をした。
無論、その理由はライトにあるだろう。
「あれ、え? どうして……?」
「待ったです、アカリさん。まずはその疑問をグッと飲み込んで、あのはっぴを出して下さい」
「へ? あ、はい!」
何やら大きいビニール袋をがさごそとやりはじめるアカリ。少しして彼女が取り出したのは、黒地に金の縁取りが為されたはっぴ。
背中には金色の刺繍で作られた三つ鱗の北条家家紋、その下には同じく金色の刺繍で大きく「相模の獅子」と書いてある。
「明智「さん」、上着の下はブラウスですか? でしたら、上着を脱いでこれを羽織って下さい。
これだけの人がいる中で、軍装はさすがに悪目立ちしそうな気がしますので。
大丈夫です。この「氏康はっぴ」なら、他にも着ている人がいますから」
リリーの言うように、大勢ではないにしろ、同じはっぴを着ている客がちらほら居る。
問題はライトが制服を脱ぐかどうかと、この派手なはっぴを着る気になるかどうかだが、果たして。
382
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/30(火) 19:01:28 ID:/wYyBTFU
>>380
【ほれ、とヒツギが何の躊躇もなしに手を差し出している】
「……ぇ?……え!?」
仲良くお手てを繋ぎましょうという意味以外の何物でも無い。
これは自分にはまだ難易度が高い。
ライトはワナワナと手を震わせ、ただただ声にならない声をあげて悶えているだけだった。
【「いーや、むしろ『せっかく』なんだったら値段とか関係なしにこっちのほうがいいだろ?
外に出たんだし楽しめたほうがいいじゃんか」】
「ハヤセさんが良いなら……その。私はかまいませんが……」
ここが祭の場ならそういうしきたりに合わせるのがルールであろう。
それならば楽しまなければならない。と自己解釈する。
【「とりあえず近場のから行こうぜ、あそこのラーメンが空いてそうだな」】
「……あ、待ってください////」
祭の雰囲気に順応しようとしたのか、少女は少し積極的になろうと動いた。
こんなところまでは誰も見ていないプライベートな場だ。それにこの人混みにのまれては大変だ。はぐれてしまう。
故に、彼と手を繋ぐぐらいは不可抗力であろう。
一大決心。ライトはそのか細い真白な手を、厚意で差し出された彼の手と絡めようと恐る恐る恐る恐る近付けていく。
その距離もう僅か数センチで指が触れあうといったところで…………
>>381
【「おや、珍しい組み合わせではありませんが、珍しい人が居ますね」】
「ぇ……ああああ!?いや、違うんです。違うんです!」
そのライトの決心を無慈悲にも中断させざるを得ないリリー少尉の横槍。
慌ててライトはその手を引っ込めるが、気付かれていないだろうか?
【「リリー? ああ、ここに……って」】
「く、クレマチ伍長!?……あ。き、奇遇ですね。あなた達も祭にに?
すす、すっかり馴染んでいますね」
二人とも手には袋やらを提げている。露店のものを買い込んだと思われる。祭を満喫してるのだろう。
【「あれ、え? どうして……?」
「待ったです、アカリさん。まずはその疑問をグッと飲み込んで、あのはっぴを出して下さい」
「へ? あ、はい!」】
「もし……どうかしましたか?」
何やら派手で悪趣味なはっぴを取り出しているアカリ達。
これは何だ。と、ライトは怪訝に尋ねるが嫌な予感しかしない。
【「明智「さん」、上着の下はブラウスですか? でしたら、上着を脱いでこれを羽織って下さい。
これだけの人がいる中で、軍装はさすがに悪目立ちしそうな気がしますので。
大丈夫です。この「氏康はっぴ」なら、他にも着ている人がいますから」】
「卿に入れば卿に従えと言うやつですか。確かに……先程。いや最初からずっと背筋がざわつく様な視線を感じていまして」
木を隠すには森の中とも言う。確かに、この氏康はっぴを来ている民衆はそこらにいくらでも居る。
少し躊躇った後で、やはり意を決したのかライトはエンジェルフェザーの上着を脱ぎ去り、皆様の思惑通りに氏康はっぴを羽織り、祭仕様となった。
「もうなにもこわくない」
383
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/31(水) 17:33:36 ID:6tdYVLI.
>>381
>>382
>「明智「さん」、上着の下はブラウスですか? でしたら、上着を脱いでこれを羽織って下さい。
> これだけの人がいる中で、軍装はさすがに悪目立ちしそうな気がしますので。
> 大丈夫です。この「氏康はっぴ」なら、他にも着ている人がいますから」
ライトがヒツギの手を取ろうとしたとき二人に声が投げかけられた、見ればアカリとリリーが居るではないか
彼女らが出かけているとは聞いていたが、まぁこんなお祭りをやっていたら合流することになるのは当然か。
その手にはなにやら派手な模様のはっぴ・・・そういえばイベントのスタッフや飲食をしている一般人も着ているのを見た気がする
なるほど上に羽織れば軍服であったとしても目立つなんてことはそうあるまい
>「卿に入れば卿に従えと言うやつですか。確かに……先程。いや最初からずっと背筋がざわつく様な視線を感じていまして」
「悪い、そこまで気が回ってなかった。最初から俺の上着貸せばよかったな」
ヒツギの着ているライダースはライトにしてみればダボダボだろう、スカートごと隠れるので確かにいいかもしれないが・・・
ダボダボとなると逆に目立ってしまったかもしれない
「アカリンとリリー少尉ありがとう、俺だけだったらここまで対応できなかったろうし・・・
あ、まだそんなに食ってないなら一緒に食べようぜ」
当然ヒツギに悪意はない、悪意はないのだ
384
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/10/31(水) 19:08:56 ID:ByzT6FYE
なるほど確かに、ヒツギの指さす方向にはラーメン屋があった
他と比べて客引きがない、単純に他と比べたら見劣りするせいだろうか?
それはラーメン屋台であった、しかも手で引くタイプの
椅子は6つ、全員には十分の椅子があった
隣に看板が置いてあり、メニューも書いてあった
種| み し し 全| サ| ラ ギ 漬 全
類| そ お ょ 品| イ| イ ョ 物 品
う 五 ド| ス ウ 二
ゆ 百 ザ 百
円 6 円
大 つ
盛
り
八
百
円
値段もちょうどいい
385
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/10/31(水) 19:09:42 ID:ByzT6FYE
なるほど確かに、ヒツギの指さす方向にはラーメン屋があった
他と比べて客引きがない、単純に他と比べたら見劣りするせいだろうか?
それはラーメン屋台であった、しかも手で引くタイプの
椅子は6つ、全員には十分の椅子があった
隣に看板が置いてあり、メニューも書いてあった
種| み し し 全| サ| ラ ギ 漬 全
類| そ お ょ 品| イ| イ ョ 物 品
う 五 ド| ス ウ 二
ゆ 百 ザ 百
円 6 円
大 つ
盛
り
八
百
円
値段もちょうどいい
386
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/02(金) 17:33:29 ID:QFcWiB52
>>382-383
まんまとライトに氏康はっぴを着せることに成功したリリーは満足げに頷いた。
「これで見た目の没個性化は完了です。あとは……」
「…………。あ! リリー、ちょっとこっちへ!」
「はい? 何です……ちょ、うわー」
何かに思い至ったらしいアカリに強引に連れ去られ、抑揚のない悲鳴を上げてリリーがフェードアウトする。
ヒツギとライトから少し離れた屋台の裏側にリリーを連れ込んだアカリは、そこで何事かをリリーに吹き込むと、
小走りで戻ってきて、
「お二人ともすみません。私達、小田原城趾観光の途中でここに引っかかっていたのを思い出しまして、ええ!
私達はもう十分食べましたので、お二人はそのままお食事に行って下さい! また後で合流しましょう! でわ!」
そんなことをやや早口にまくしたてたアカリはスチャッと手を挙げてから、戻ってきたとき以上の走りでリリーのもとへ戻っていった。
戻っていった先では、リリーが持っていたコロッケを平らげて、ハンカチで口を拭っていたが、
アカリが戻って来ると、小首を傾げて、
「一体どうしたというのですか、アカリさん。私達もまだ、ちょっとスナックなものを食べたくらいで、
本格的にお昼ご飯は食べていませんよ? もう一度小田原城天守閣を見に行きたかったんですか?」
「いえ、リリー。そういうことではないんです。あの二人……というか明智さんに漂っていた微妙な雰囲気、気付きませんでしたか?」
「………………ああ、なるほど。言われてみれば確かに。私としたことが……とんだ失敗を。
しかし、カーマインさんの事を考えると、明智さんはやや不利ではないですか?」
「そして当のハヤセさんは、それに気付いている風ではない。確かに不利ですが、先日の月でのこともあります。
今のハヤセさんは精神的に不安定気味……そこに明智さんの勝機があるのではないかと」
「明智さんの攻め方次第というわけですね。ふーむ、これは面白いですよ……」
「どう転ぶかはわかりませんけども、今は若い二人に任せておくのが吉でしょう」
「世話焼きの姑みたいなことを。まあでも、確かにそうですね」
二人でうんうん頷き合ったアカリとリリーは、少しの沈黙を経てから、顔を見合わせて、
「……で、監視ポイントの件なんですけど」
「フフフ、アカリ屋、おぬしも好き者よのう」
「いえいえ、お代官様ほどでは……」
アカリがニヤリ笑い、リリーがグッと親指を立てて、二人はヒツギとライトを望める遠方のポイントを捜して暗躍を始めた。
387
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/02(金) 19:05:07 ID:cpnptBqM
>>383
「悪い、そこまで気が回ってなかった。最初から俺の上着貸せばよかったな」
「い、いえいえ。気にしないで下さい(…そそそんなの余計恥ずかしいですよ!)」
心の中で声を大にしてツッコミを入れる。もしそんな事をしたら、顔から火が出てきてしまうだろう。
>>386
【「これで見た目の没個性化は完了です。あとは……」
「…………。あ! リリー、ちょっとこっちへ!」
「はい? 何です……ちょ、うわー」】
「どうしたのでしょう……二人とも?」
いきなりリリーを屋台裏に連れ込んで消えたアカリ。何をしているんだろうか?と首を傾げ、呼び止めようとしたのだが
すぐにアカリだけが走って戻って来た。
本当にどうしたんだろう?
【「お二人ともすみません。私達、小田原城趾観光の途中でここに引っかかっていたのを思い出しまして、ええ!
私達はもう十分食べましたので、お二人はそのままお食事に行って下さい! また後で合流しましょう! でわ!」】
「え。あ。ちょっとどうして?」
そしてアカリは凄い勢いの早口でヒツギの誘いを断り、また走り去って行った。
これすらも超反射の力の産物だろうか?アカリに対してこちらからは一切合切の返答も反応も出来なかった。
「……ふむ。もしや私と居ると気を遣うのでしょうか」
自分は彼女達よりも階級が幾つも高い。エリートの自分に対しての要らぬ遠慮や緊張感やらを持ってしまうのだろう。とライトは納得した。
……まぁアカリはともかく、リリーに至ってはそんな物を持ってはいないだろうが。
ライトはアカリの企てた真の目的には今のところは全く気付いていない様子。
>>385
「ハヤセさん。このラーメンの屋台で良いんですか?」
ヒツギの指差す方向には確かに移動式のラーメン屋台が存在していた。
構えるお品書きが見えたのだが、なんともまぁリーズナブルなお値段である。
しかし、周りの屋台の繁盛に比べ、このラーメン屋台は閑古鳥が鳴きそうなほど客の足が伸びていない様だった。
「ここで良いんですか?」
もう一度改めてヒツギに聞いてみた。店は他にいくらでも存在しているのだ。
何かあまりにも人のガラガラな店には入りづらい事が無いだろうか?
388
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/03(土) 02:06:01 ID:Qb8oz0HE
>>386
>>387
>「お二人ともすみません。私達、小田原城趾観光の途中でここに引っかかっていたのを思い出しまして、ええ!
> 私達はもう十分食べましたので、お二人はそのままお食事に行って下さい! また後で合流しましょう! でわ!」
「え、おい!・・・って行っちまった」
一緒に食べないかと誘った途端、アカリがリリーが駆け出していってしまったではないか
なにやら耳打ち合わせをしている様子だったが、もしかしたら彼女たちだけの予定があったのかもしれない。
>「……ふむ。もしや私と居ると気を遣うのでしょうか」
「いや別にそういうわけじゃないだろ、アカリンたちはもう食べたって言ってたし後に予定でもあったんだろう
ああいってた以上仕方ないし、俺たちだけで食おうぜ」
当然といえば当然だが、ヒツギも彼女たちの真意など気づいては居なかった。
それどころか誤魔化しを真に受けているようだ
>>385
>「ここで良いんですか?」
ライトがヒツギに念押ししたのも分かる、他の店と違って疎外感がすごい。
なんというか他の出店は挨拶や客引きで人が寄り易い空気を作っているが、この店はそういったものはまるでない
漂ってくる匂いにつられる客は何人か居るが、大体がその空気とビジュアルから敬遠している感じだ。
「んー・・・でもなぁ」
ヒツギは自分の腹を両手で抱えた、彼もかなり腹が空いている。
午前中の運動もそうだしここまで歩いてきたこともある、ヒツギからしてみたら食べられたらいいという感じは拭えない。
とはいえライトも居る以上そういうわけにも行かないだろう
「こういうイベントだし発泡スチロールで出来たトレー的なものも用意してるんじゃないか?
雰囲気が苦手だったらそれで貰って、設置してあるテーブルで食べようぜ」
彼なりに悩んだ結果、とりあえず店主の様子を見て判断することに決めたようだ。
こういったイベントに出ている以上それなりにまともな人間ではあるだろう、きっと多分
ヒツギはライトを尻目にラーメン屋へと近づいてゆく
「すみませーん」
とりあえずファーストコンタクトとして1番無難な言葉を投げかけてみた。
389
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/03(土) 07:32:02 ID:Dl2wYyzw
暖簾をくぐってみると新聞を手に持っている店主の姿
しかし目の前に大きく広げて顔が見えない
>「すみませーん」
と、いう掛け声を言っても全然反応しない、どういうことだろうか?
「…グゴー、グゴゴゴゴ〜…スー、グガー」
……盛大ないびきをかいて寝ている
もう一回話しかければ起きるだろう
390
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/03(土) 08:18:39 ID:7KDjfArs
>>388
>>389
【「こういうイベントだし発泡スチロールで出来たトレー的なものも用意してるんじゃないか?
雰囲気が苦手だったらそれで貰って、設置してあるテーブルで食べようぜ」】
「苦手…という訳では無です。ハヤセさんが良いなら良いんですけれどね?
では、行ってみましょうか」
先程から屋台に近付くにつれ、スープの芳醇な良い匂いが鼻を刺激し、食欲をそそられている。
もうこれ以上迷っていたらまたしても胃袋が警笛を鳴らしそうであった。
それはライトとしても威厳が損なわれるので避けたい事態である。
……微妙にムードが出ないのはこの際仕方がないだろう。
【「すみませーん」】
「……店主さん、寝ていますね?」
ヒツギが屋台へと声をかけるが、待てども応答は無い。
あまりにも暇をもて余してていたのだろう。屋台の主人は深い寝息をたてている。
ライトは呆れた様に深いため息を吐いた。
391
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/04(日) 04:25:14 ID:O7K8fKbI
>>389
>>390
>「苦手…という訳では無です。ハヤセさんが良いなら良いんですけれどね?
>では、行ってみましょうか」
良いかどうかはさておき、屋台で食べ物を買うことは多々あったが
ヒツギはこういった椅子が付いた屋台で食べるという経験そのものがない。
帰り道におでんの屋台を見たことはあったけれど寄る理由もなかった。
当然ながらライトもそんな経験はないだろう
>「…グゴー、グゴゴゴゴ〜…スー、グガー」
>「……店主さん、寝ていますね?」
「・・・みたいだな」
さすがのヒツギも頬を引きつらせた、道理で客が一人も居ないはずだ。
雰囲気が悪いといっても店は店、自分たちがそうという訳でもないが物好きも居るだろうし
空いているのであれば人ごみを避ける人が、他にも出店しているものを全て食べようとする人も居るだろう
それでも居ないのは店主が寝ているのではまず食べること自体が出来ないのだから。
「しゃーない、別のところにするか」
寝ているのなら起こすこともないし、店主が居眠りするような店で食べる理由もない。
食べるものならば見渡せばすぐに見つけることが出来るのだから
「あー、さっきアカリンたちがコロッケ食べてたし俺たちもそれ食うか」
そういえばさっき彼女たちが手にコロッケを持っていたはずだ、ということはその店もあるだろう。
コロッケならば客の回転も速いし並んでもそう時間がかかる事はない
腹の足しにしながら焼きそばの列にでも並べばいいだろう
「しっかしコロッケの立ち食いなんて中学以来だ、揚げたてを味わえる数少ない機会だったなぁ」
392
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/04(日) 09:31:52 ID:MFkdWrIY
「…ん?」
話し声が聞こえたからか、起きたようだ
「お客さんかい?」
バサッと新聞を仕舞って言う
そこでようやく顔が見えた
若めの顔、目は眠そうだが結構眼光は鋭い方だ
393
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/07(水) 18:50:29 ID:R67DFoWo
>>391
【「しゃーない、別のところにするか」】
「……うーん。この有り様ですとそれが無難ですね」
どおりで客足が伸びない訳だ。職務を投げ売ってまで居眠りとはなんたる弛みだ?等と真面目な彼女は内心思っていた。
【「あー、さっきアカリンたちがコロッケ食べてたし俺たちもそれ食うか」
「しっかしコロッケの立ち食いなんて中学以来だ、揚げたてを味わえる数少ない機会だったなぁ」】
「それは良いですね。行きますか」
ここに拘る理由も全くもって無い。ラーメンは諦めて屋台を離れようとする。
>>392
「待って……ハヤセさん。店主が目覚めました。どうしますか?」
この屋台の主はようやくお目覚めの様だ。さっきまでは解らなかったがその不真面目な店主はライト達とそう年齢も変わらない若者の様だ。
394
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/08(木) 01:20:22 ID:sq5rbfjM
>>393
「どうしようって言われてもなぁ・・・」
ヒツギの表情を見ればわかると思うが、あまり気乗りはしていないといった様子だ。
とはいえここで帰ってしまっても感じが悪い客ということになってしまう。
そもそも客の前で寝ていた店主のほうが感じが悪いのだが、同列に見られても・・・というところか
しかし自身の空腹の度合いから言えば背中とお腹がくっついてしまうのも近い。
背に腹は変えられないという言葉もあるし、素直に食べてしまったほうが手っ取り早いだろうか
「起きたのならちょうどいいしこのまま食べようぜ」
>>392
「2人です、えーっと・・・」
先ほどまで寝ていた店主へと一応人数を告げると、店に備え付けられた席へと座った。
そして掲げられたメニューへと視線を向ける
「メジャーな三種類は全部あるのか・・・じゃあ俺は塩で」
意外にも醤油や味噌ではなく塩を選択した。
イメージ的にはこってりしたものを好みそうだが、そうでもないらしい
「あけっちはどうする?塩かぶりそうなら俺別の頼むけど」
395
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/08(木) 18:37:18 ID:IqrUCwm6
>>394
【「あけっちはどうする?塩かぶりそうなら俺別の頼むけど」】
「では、私も同じく塩にします。被りの面はお気遣い無く」
さっぱりあっさり塩味。イメージ通りといった所だろうか。
逆にヒツギが塩味をチョイスするのは少々意外であるが。
396
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/08(木) 19:18:40 ID:o4CABZ6w
>>393-395
>「メジャーな三種類は全部あるのか・・・じゃあ俺は塩で」
>「あけっちはどうする?塩かぶりそうなら俺別の頼むけど」
>「では、私も同じく塩にします。被りの面はお気遣い無く」
「あいよ!、んじゃ塩二丁ね!」
と、陽気に笑うと店主は二つの容器を出す
「おっといけねぇ聞き忘れてた、…あんちゃん方、ラーメンは大盛りかい?、普通かい?
ネギとかメンマを多めにするかい?」
397
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/09(金) 22:49:35 ID:7lPW9/z2
>>395
「あー、やっぱ被ったか・・・俺も塩が好きなんだ
ただニンニクがキツイ塩は苦手、そういう店のほうが多いんだけどさ
ライトは塩か醤油というイメージを持っていたがどうやらその通りのようだ
「でもあけっちがラーメンとか食べてるイメージが無いな、同じ麺でもどっちかって言うとパスタっぽい」
しかし何を頼むかは想像がついても、どうしてもラーメンを食べるというイメージは浮かばない。
それなら何故ライトを引き連れてラーメン屋に入ったのか、という話になるが
「そういやサイドの餃子とかは・・・いや、周りの出店も寄りたいし腹は空けとくか」
ここまできてラーメンだけ食べて帰るなんてのは正直勿体無い。
どうせならば長く遊びたいし、いろいろな物を摘んでいきたいところだ
>>396
「いえ、全部並みで大丈夫です」
せっかくサイドメニューを頼むのをやめたというのに、ここで本体を大盛りにしたら元も子もなくなってしまう。
ここは並みで十分だろう
398
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/10(土) 04:18:56 ID:hWMPKcsM
>>387-396
そうして二人がラーメン屋台の席に着いた頃……そこからやや離れたパラソルテーブルの林立する場所の一角に、
サングラスを掛けた女性が座っていた。
薄茶色の長髪を指で弄びながら、時折サングラスを通してラーメン屋台の前にいたヒツギとライトを盗み見ていたが、
彼らが屋台の席に着くと、おもむろに携帯端末を取り出して、
「ヨウィン1からルミエスト2へ。オーバー」
「こちらルミエスト2。感度良好。どうしましたか? オーバー」
「状況が変わりました。〝紅血は英雄に変わった。〟繰り返します。〝紅血は英雄に変わった。〟以上です」
「な、なんということだ……これが世界の選択だというのか……」
「ええ……そのようです」
「………………………………」
「………………………………」
しばしの沈黙の後、サングラスの女性の隣で、小さなため息が聞こえた。
そこには厳つい男のお面を付けた、小柄な少女が座っている。
「……よりによってラーメン屋台とは。いや、一方では予想通りでしたけど」
「そうですね。腰を落ち着けられる場所に行った、という点では評価は出来るのですけど、あの店舗方式では……」
「ええ。すぐ正面に店主が居るために、存分に明智さんとハヤセさんがストロベリることができません。
そして腹に溜まるラーメンという料理のチョイス……これは厳しい展開ですよ」
「リリー。ひょっとすると私達は……」
「その先は言わぬが花ですよ、アカリさん。明智さんがハヤセさんをスカウトに来たというのなら、まだまだチャンスはあります。
我々のたくら……もとい、気遣いを明智さんが有効活用できないとは、まだ決まったわけではありません」
「しかし、余計な気遣いだったかも知れませんよ。結果によっては、変な期待を持たせた分、気持ちの下降が激しいかも……」
「その時は…………あー、その時は、私達で彼女をフォローしましょう。
それはそれとしてアカリさん。髪を下ろすと印象がガラリと変わりますね」
「え、そうですか? それはあんまり意識したことありませんでしたね……。どういうふうに見えます?」
「両親が作った因縁に起因する貴族間の陰謀によっていつの間にか没落貴族になって苦悩する若い当主を心配すると同時に諦念を感じ、
いつまでも貴族然としていられないことを家の中の誰よりも早く悟って、市井の女としての態度を身に付けかけている当主の妹のような、
そんな印象を受けます」
「そんな具体的な印象与えてるつもりないですよ!?」
「あ、ちなみにこの当主の妹は最後まで貴族としての意識が抜けきれない当主と喧嘩別れした後、
数奇な運命を辿って大きな街の市長となった元パン泥棒兼脱獄犯と出会って共に暮らすようになり、最終的に修道院の院長になって、
足を天頂に突き上げたままベッドの上で修道院のシスターたちに看取られて大往生します」
「うん、古典小説っぽくなってますけど、死に様に難がありますね。というか何の話ですか?」
密かに監視しているようで、こちらはこちらで楽しんでいるようである。
399
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/10(土) 10:15:17 ID:bLWz5k82
>>397
>「いえ、全部並みで大丈夫です」
「あいよ〜」
と、その若い店主は返事をすると普通の容器を二つ取り出す
そして材料を(料理描写は必要ないと思われるので省きます)
〜10分後〜
「へいお待ちどうさん!」
と、二つの塩ラーメンを二人の前に置く
食べてみた場合の味は……、美味しい、かなり美味しいだろう
それこそ屋台にするには惜しいくらいに
>>398
(作ってる最中のこと)
「…」
チラッ、とその店主が二人を見る
「…視線は二つ…そしてあんちゃん達に…か」
と、ヒツギ達には聞こえないが、アカリ達にはなぜか聞こえる
「なるほど、出歯亀か」
と、いう呟きはヒツギ達には届かず…アカリ達にしか聞こえない…
そして料理を作る作業に戻る
400
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/11/10(土) 12:03:12 ID:6Z42JX92
>>398
そんな二人の前に、
「あちらのお客様からです」
と、山盛りというか“山”のようなチョコパフェが一つずつ届けられた。
届けたパテシェの指し示す方には、地味なスーツ姿のエレミーラ・タイデグリー中尉がいて、乾杯と言わんばかりにザッハトルテの皿を持ち上げて見せた。
テーブルの上には空になった大皿が三枚、鎮座していた。
ワインボトルが何本か転がっているが、グラスも幾つかあるところを見ると誰かと会っていたらしい……
401
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/12(月) 18:56:06 ID:qruoyJQM
>>397
【「あー、やっぱ被ったか・・・俺も塩が好きなんだ
「でもあけっちがラーメンとか食べてるイメージが無いな、同じ麺でもどっちかって言うとパスタっぽい」】
「パスタっぽいですか。でもそんな事は無いですよ。職務が忙しいとカップ麺で済ませますし。
……て、何言わせるんですか!?」
わざわざ聞かれてもいないのにあまりよろしく無いと思われる身の上を語ってしまった。
>>399
【「へいお待ちどうさん」】
「はい、ありがとうございます」
手際良くすぐに熱々の塩ラーメンが二人の席に運ばれて来た。
屋台特有のちんけな物だと勝手に予想していたが、それは予想を裏切り食欲をそそる上質な一品であった。
「いただきましょう。いただきます」
きっちりと律儀に手を合わせ、豊穣の神に感謝の祈りをささげる。
そして、割り箸を歪みが生じない様に慎重かつ丁寧に綺麗に分割し、いざ食事の準備は整った。
れんげを使い、まずはその透き通るスープを一口。
「…………コホン。なんと形容すれば良いものか。優しい味がしますね。ほっとする様な」
等とコメントしているが、素直に美味しかった様だ。間違いなく。
402
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/13(火) 07:57:37 ID:326iEHrA
(なんかさっきから寒気が・・・)
何かを感じ取ったのか、ラーメンが出てくるのを待っていたヒツギがくるりと後ろを振り向いた。
(・・・気のせいか)
その場にいる人間の量を考えれば、ヒツギが気づくことはまず有り得ないだろう
だがそれでも不審がったのは彼の直感が獣じみているとでも言うべきか、それとも気づかないなんてまだまだ未熟というべきか
>>401
>「パスタっぽいですか。でもそんな事は無いですよ。職務が忙しいとカップ麺で済ませますし。
>……て、何言わせるんですか!?」
「え、カップ麺食べるの!?」
その驚きようはまるで子供におたまじゃくしがカエルになると伝えたかのようだ
失礼な話だがヒツギの中のライトはカップ麺を渡しても「体に悪い」という理由で食べないようなイメージだった。
そしてこのイメージを口にして伝えずとも、先ほどの驚き方を見れば何となく想像がついてしまうのではないだろうか
「なんつーか、多少高くついても冷凍食品とか食べると思ってた
いや・・・でもカップ麺食べるとか普通に考えれば普通だよな」
カップ麺を食べたことがないアイドルがいるかと問われたとして、その答えがNOであるように
年齢が近しいライトがカップ麺を食べたことがないなんてことはまず有り得ない。
そもそも彼女も軍人だ、当然長期保存が利く食料を一通り食べたことはあって然るべきだった
「ごめん、俺が変なイメージを持ってただけだったみたいだ
住む場所の高さが一つ違うとか思ってたけど、ホントはずっと身近だったんだな」
さっきから失礼なことばかり言っているからか、なんともバツが悪そうな笑顔を浮かべた
ラーメンが店主に差し出されると、ヒツギは何かに気づいたかのようにバッグをあさり始めた。
取り出したのは青いミニタオル
「一応そのはっぴ借り物だし、下は制服だろうから汚さないようにってな」
気が利く・・・というわけではなく、制服のことに気づかなかった事に対し彼なりにショックを受けた結果だった。
それだったら最初からラーメン屋にくるなよ何てことは気にしてはいけない
>>399
「おーきたきた、いただきまーす」
差し出された割り箸を手に取り、両の手を合わせてから軽く頭を下げる
ライトと比較すればそれこそ性格か育ちの違いがわかると言う仕草。
割り箸を横にしながら裂くと、そのままラーメンに手をつけた
ヒツギが苦手だと言っていたニンニクを大量に使うといった匂いではない。
持ち上げた麺も薄いスープが絡み程よく光を反射している
そしていざその麺を啜ってみると・・・
「うまっ!?なにこれうまっ!!」
麺は彼の想像を軽く凌駕した、その証拠に目を丸くして驚いている。
普段なら食べながら喋るなんてよほどしないだろうが、それを忘れるほどの味だったのだろう
403
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/14(水) 07:25:35 ID:Va0SWHEI
>>402
【「え、カップ麺食べるの!?」】
「な。そんな驚きます?タマにですよ!?ほんとに」
どんな温室育ちのお嬢さんだと思われていたのだろうか?
ライトはこれと言って何の不自由も無く育てられて来たが、所詮は小市民の家庭である。
インスタント食品のお世話になる機会もそれなりには有った。
何より、手間要らずで便利である。
【「なんつーか、多少高くついても冷凍食品とか食べると思ってた
いや・・・でもカップ麺食べるとか普通に考えれば普通だよな」
「ごめん、俺が変なイメージを持ってただけだったみたいだ】
「そうでしょう。普通なのですよ。
まさか自分のためだけに一流シェフを独占する様などこかの名門貴族の令嬢じゃあるまいしね」
ライトが頭に思い浮かべたお嬢様の姿はレイナ・カーマインその人だった。確かにレイナの生活レベルは常人とはかけ離れている。カップ麺など食べた事が無いかも知れない。
天敵の姿を思い出した事でライトには煩わしい気分が込み上げて来る。
少々、やけになった様にズズズーと麺を力強くすすっていた。
【「一応そのはっぴ借り物だし、下は制服だろうから汚さないようにってな」】
「あ……こ、これは失敬」
ふと見せるヒツギの紳士な気配りのおかげで、危うく喉を詰まらせるところであった。
404
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/14(水) 19:04:02 ID:bNe5FEv6
>>399-403
時折とりとめのない話をしながらラーメンを食べているヒツギとライトを遠くからこっそりと眺めていたアカリとリリーだったが、
そうして少し経った頃、リリーが突然、
「飽きました」
「え?」
唐突な退屈宣言に、アカリが呆気にとられ、彼女がかけていたサングラスがズレた。
それをサッと直しながら、アカリはリリーを問い詰めにかかる。
「リリー、どういうことです? このままあの二人を生暖かく見守るのでは無かったんですか?」
「や、最初はそのつもりでした。でも見て下さいよ、あの様子」
リリーは何事かを話しながら普通に食事をしているヒツギとライトを指し示し、
「ただのメシ風景じゃないですか。私はですね、アカリさん。ヒツギさんの天然ジゴロな言動を受けて、
赤くなってオーバーリアクションする明智さんが見たかったのですよ。それが何です、あのフツーっぷりは」
「はぁ……でも、店が店ですし……」
「いえ、それはわかりますよ? それでもヒツギさんなら……ヒツギさんならきっと何とかしてくれる……そう思っていた時期が、私にもありました。
しかし結果はこの通り。明智さんはオーバーどころか大してリアクションをせず、赤くもならない。ハッキリ言ってつまんないです」
「どうしてそこまで明智さんのリアクションと赤面顔を見たいんですか?」
「愚問ですね。ハイソでエリートな明智さんがそこまで感情を乱すのが萌えるからです!」
グッと握り拳を上げてリリーが力説する。アカリのサングラスが、またズレた。
その途中で出歯亀がどうこう聞こえたような気がしたが、ちょっとした精神的ショックを受けているアカリと、
言い切った達成感に酔っているリリーの耳は、それを右から左へと流してしまっていた。
こうしてアカリとリリーの間に奇妙な膠着状態が出来上がったが、それは長くは続かなかった。
何故なら、二人の目の前にレミー中尉からだという甘味の「山」が届けられたからだ。
「…………………………あー、えーっと、その……リリー? これって、そのー……」
「…………ええ。十中八九嫌がらせですね。異空間騒ぎのときに彼女を無視した因縁が、まだ残っていたみたいです。
アカリさんはそのとばっちりを受けた形になりますかね」
そう言ってから、リリーはおもむろに携帯端末を取り出す。
ガワは市販の物と差異が無いように見えるが、その中身はリリーが独自にカスタムしたハイエンドな一品である。
その端末でメール等の確認をするフリをしながら、端末との接触部分を通し、半機械化されている脳とリンクさせる。
リンクした端末を使い、周辺のNシステムと会場内の警備システムに静かに同時ハックをかけ、レミー中尉の周辺に居るかも知れない軍関係者、
及びリリーの得ている「情報」に照らし合わせた「危険人物」が居ないかどうか、顔認証を始める。
少し時間が掛かる。そう判断したリリーは、接触を絶やさないように右手から左手に携帯端末を持ち替え、スプーンを右手に持ち、
「まあ逆に考えれば奢りのブツですから、遠慮無く頂きましょう。嫌がらせではなく、天然でやっている可能性もありますし」
「にしたってこの量は辛いですよ……」
「食べきれないときは私に任せて下さい。ではいただきます。…………ほむほむほむ! ほむっ!」
「そんなかけ声(?)が出る食べ方がありますか!」
405
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/14(水) 20:55:34 ID:f45WwGRY
>>400-403
>「…………コホン。なんと形容すれば良いものか。優しい味がしますね。ほっとする様な」
>「うまっ!?なにこれうまっ!!」
「あたぼうよ!、俺の唯一知ってる故郷の味だからな!」
故郷…というのは些か気にはなるかもしれない
「…」
>「一応そのはっぴ借り物だし、下は制服だろうから汚さないようにってな」
>「あ……こ、これは失敬」
(『恋』を捨てた俺じゃ分からないが…これが初心といったものか)
と、少しニヤニヤしながら考える
(…そんな俺が恋のキューピットになれるんかね…?、…おっ)
と、その時彼の右腕につけている腕時計から音が出る
見た目は腕時計だがあるいはブレスレットにも見えたかもしれない
「ちょっと用事だわ!、もし俺が来る前に食ヴぇ終わったらお勘定はそこに置いといてくれ!」
と、会計箱を指さす
「んじゃごゆっくり!、…初心さん達」
と、言うとその場から離れる
406
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/15(木) 08:38:03 ID:bmTVDDpI
>>403
>「そうでしょう。普通なのですよ。
>まさか自分のためだけに一流シェフを独占する様などこかの名門貴族の令嬢じゃあるまいしね」
名門の令嬢という言葉で同じ人物を想像したヒツギは思わず噴出しそうになってしまった。
驚いたというよりは面白くてといったほうがいいだろう
「どうだろ、レイナならチキンラーメンとかボリボリ食べてたりとかしてるんじゃないか?」
ライトについて勘違いしていたのも軍人としての姿しか知らなかったからだ。
ヒツギはライトとは違いレイナについての予備知識はほとんど無く、一緒に行動していたあの姿しか知らない
だからこそまったく逆の姿を想像することができたのだろう。
「・・・悪かったな、無理やり連れてきたようなもんだったし」
蓮華で掬ったラーメンの汁を飲み込んだヒツギは、どんぶりから昇る白い湯気をため息で歪めてからそう呟いた。
気づいていないのかと思っていたが、どうやらヒツギ自身も無理やり連れてきたという自覚はあったらしい
「いやさ、ちょっとヤキモキしてたのもあって気分転換をしたいと思ってたんだ。
『一人で外でもぶらつこうか』ってところに来たから、誰かと遊んだほうが切り替えできるかもなってさ」
言葉を濁してはいるが、おそらくライトもここら辺の事情は理解しているだろう。
「誰でもいいみたいな理由で誘ってごめん
でもありがと、お陰で何と無くだけど気が楽になった」
横でラーメンを食べているライトへと顔を向け、この日一番楽しそうに笑った
>>405
「・・・って、店ほっといてどっかいくのかよ!」
時計から音が鳴ったということは何かの予定があったということだろうか
店で寝ていたのもそうだがかなりフリーダムな店主だ。
変わりに店番をする人間も居ないというのに、どうやって回っているのか不安になる
407
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/11/15(木) 20:09:07 ID:gcZ/HtdI
>>404
奢った当人は嫌がらせというつもりは無く、単に(この店こんな似非名古屋風よ!)と面白がっての事であり、ヒツギたちに寄越さないだけ自重したのだと解釈して下さい。
もしくは酔っぱらいの悪ノリ。
彼女が先刻まで会っていたのは、軍情報部や査察部及び関係者。非公式な情報交換だが半分は甲斐と関係ないやりとり、最近の月面基地の動向や不在中の伊豆の様子など。
そして、直近の伊豆の動向と引き替えに参謀本部やジュネーブの情報を受け取ったり、情報の対価の精算について話し合ったり。
そんな中に混じって、一人の退役軍人がいた。
通称“タタールから来た陰謀大佐”ウー・グリソム。
今現在、リリーたちのテーブルの隣に一人の少女を引っ張ってきてロシア訛りのフランス語とノルド語とコプト語を適当に混ぜて説教中の、銀髪の四十男である。
説教されている少女は白いパーカーのフードをすっぽり被り、サングラスをしている。実は何時ぞやのビンタ・ドルバコだが、誰一人それを知る者はいない、はず。
おっと、今度は色黒で黒いパーカーを頭から被ってミラーシェードの少年が、マラ=ルーム=バ=ラリン語で説教に加わった。
408
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/11/15(木) 20:23:10 ID:gcZ/HtdI
>>407
グリソム退役大佐がレミーと会っていたのは財界関連の情報交換である。
カーマイン関連の情報はみんな欲しいのだ。
しかし、今現在お説教に参加している少年少女に関する情報は何処にもない。
第一に、何でこんな訳の分からない言語を使うのか。
特に少年の言語、そもそも長ったらしいテンポの上、ケニングと言う更に長ったらしくする手法を混ぜ込んでいるので大佐もじれったくて困っている。
とにかく、この三人の周囲には近寄り難い……
……あ、今、少女の口から“タケミカヅチ”と言う固有名詞がこぼれた、気が。
409
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/16(金) 17:13:21 ID:276WmNrY
>>407-408
本人達にとっての真実が、他人にとっての真実となるとは限らない。むしろ、異なることの方が多い。
今回もそのケースとなったようだ。
リリーたちをその場につなぎ止めるかのような巨大なパフェ、「陰謀大佐」などという異名を持つ退役軍人が(おそらく偶然ではあろうが)近くに来たこと、
警備システムのログから確認できるレミー中尉の会談相手等々……それらはリリーに疑念を持たせるには十分な材料だった。
通信ログを改竄し十数個のダミーを噛ませながら、ハッキングの痕跡をきれいに消したリリーは携帯端末をカーディガンのポケットに仕舞い、
「アカリさん、この場を離れましょう。今すぐに」
「え? 今食べ始めたばっかり…………え!? 無くなってる!?」
アカリが驚くのも無理はない。あれほど山盛りになっていたパフェが、少し目を離した隙に無くなっていたのだから。
対するリリーは「なんだそのことか」と言いたそうな顔で、
「ああ、どう考えてもアカリさんのお腹には入りそうも無いので、こちらの分を食べながら、密かにアカリさんの皿から強奪していました。
しかし状況が少し変わったので、ブーストをかけさせてもらったというわけです」
「にしたって早すぎですよね!?」
「おや、アカリさん、お気づきになっていなかったので? 私、サイボーグなんです。加速装置くらい積んでますよ」
「仮に積んでいたとしてもそれ効果違いますよね、絶対!」
「いいからほら、早く来てください」
「あ、り、リリー、引っ張らないで……!」
そんなやりとりをしつつ、リリーはアカリを強引に引っ張ってその場を離れた。
「タケミカヅチ」というワードが聞こえてきたような気はしたが、アカリもリリーも件の神の一件には関わっていなかったために、
知識としては知っていても、そのワードに引っかかることはなかった。
ともあれ、アカリを伴ってそれなりの距離を離れたリリーは、やや険しい顔で思案する。
(エレミーラ・タイデグリー……何のつもりでしょうか。少なくとも「あの関係」ではなさそうですが、このような場所で、
非公式にああいった面々と会談するというのはどう考えてもおかしい。
部隊内部の情報をどこかへ流しているのは確実……しかし、何の情報を?
例の月での一件がまず挙がりますが、それだけでは無い可能性は濃厚……ともすれば、こちらの身も危うい?)
リリーは無意識に、腰の辺りに手をやっていた。
(むやみやたらに使うな、とは言われましたが、使うなと言われたわけではない。
……場合によっては、銃弾による解決もやむなし、でしょうか?)
「リリー? リリー!」
思考が物騒なものになったところに、肩を叩かれる感覚と、強めに呼ばれる自分の名前に、リリーはハッとする。
「どうしたんですか、リリー? さっきのことといい、呼んでも気付かなかったことといい、何だか変ですよ?」
「……そんなに呼んでたんですか?」
「ええ、何度も!」
口をへの字に曲げて怒り顔のアカリに、リリーは「う〜ん」と考え込んでいるようなわざとらしい唸り声を聞かせて、
「いえね、ヒツギさんたちがストロベリらないというのであれば、私達がするしかないな、と思いまして。
アカリさん、アカリさんさえ良ければ、私の部下になりません?」
「唐突すぎて何もかもわからないですよ!?」
怒ったと思えば今度は困惑し、慌てふためいている。そんなアカリの様子を、リリーは内心、「面白いかも……」と思いながら眺めていた。
410
:
◆zv577ZusFQ
:2012/11/17(土) 06:53:20 ID:xevKq57s
>>406
【「・・・悪かったな、無理やり連れてきたようなもんだったし」】
「い、いえ。違います無理矢理だなんて……そんなことは。
むしろですね……わわわ割と有意義でしたが!?」
ところがライトの方は案外満更でも無かったらしい。ヒツギの心配は無用である。
【「いやさ、ちょっとヤキモキしてたのもあって気分転換をしたいと思ってたんだ。
『一人で外でもぶらつこうか』ってところに来たから、誰かと遊んだほうが切り替えできるかもなってさ」】
「知ってます。そんな事だろうと思いましたよ」
【「誰でもいいみたいな理由で誘ってごめん
でもありがと、お陰で何と無くだけど気が楽になった」】
「あ…あ…そ、そうですか////////……な、ならよ、よよ良かったです」
その少年の見せた笑顔に思わずドキリとさせられてしまうライト。
見れば彼女の白い肌はほのかに紅潮しており、言葉も噛みに噛みまくりであり、動揺して昂っている様子が明らかである。
「……ご、ごちそうさまでした!!///////」
その後、どうもこの状況下でヒツギと目も合わせる事すら困難になり、まぎらわす様に慌てて塩ラーメンを胃に流し込む。
>>405
「ちょっと待って。……ああ、行ってしまわれましたか」
」
店を放り出して姿を消した屋台の店主。
ライトは呼び止めようと待ったをかけるが、もう聞いていない様だ。
「しかし店をそのまま放置する訳には……困りましたね」
屋台の防犯の面からどうにも席を立とうにも立てず、困惑している。
411
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/21(水) 17:00:33 ID:ejhC2w.Q
【近くの林】
「…、リョウ、なにかあったか?」
ブレスレットに話しかける
大川健二、その正体は「次元犯罪組織ゲルシャドー」を追う「次元刑事ブライン」なのである!!
そして一見腕時計に見えるこれは実は「バトルスーツ・ブライン」を送る為のブレスレットなのである!
そしてそのブレスレットから声が…
【次元警察組織】
ここは、幾多もある次元空間の狭間にある一つの空間
そしてその空間に浮いている船(?)があった
それは次元警察ブライン、大川健二を送り込んだ正義の組織、「次元警察組織」である!
そしてブレスレットからブラインへの情報のようだ…
「あぁ健二、レーダーに反応だ、君の今いる空間の次元が不安定になっている、おそらく「ゲルシャドー」が現れる可能性が高い、注意するんだ」
オペレーターが健二に注意をする
「了解した、通信切る」
と、健二が言うとブツッ、という音が出る
「…、さて、奴らが来るか…」
と、さっきの店主だった時とは大違いの顔をしている
【屋台】
「いや〜すまんすまん、ちょいと用事でね…すまないが店じまいだ」
屋台に戻ったとたんにヒツギとライトに言う
ふと空を見るとなんとなく空に違和感を感じるだろう…まるで空が歪んでいるような…
412
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/22(木) 03:04:21 ID:BpZQly.k
>>410
「ちょ、一気に飲み込んで大丈夫なのかよ!?」
ライトの細い体に一気に流し込まれていくラーメン
汁物であるから詰まる事は少ないだろうが咽てもおかしくはないはずだ
そもそもの話をすれば、ヒツギは何故一気に飲み込んだのかも気づいていないのだが
>>411
「店じまいですか、ごちそうさまでした」
やはり何らかの用事があったらしい、帰ってくるまで時間がかからなかったことを考えると電話か何かだったのろう
「確か一杯500円でしたよね」
バッグから折りたたみ式の財布を取り出しその中から紙を1枚引き抜いた。
2人分で1000円、ぴったりの金額だ
(ん――――?)
突然にして日陰が生まれたことに違和感を感じたのか、空へと視線を持ち上げた。
雲が渦巻いているというのだろうか、いやどちらかといえばこれは・・・
「歪んでる!?」
何度も転移、次元の歪みを目撃し時にはそれに連れ込まれたこともあったヒツギ。
その経験がおそらくは『敵』が現れるであろうことを予見させた
413
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/11/22(木) 07:02:34 ID:nLsKfHGs
>>411
>>412
【「確か一杯500円でしたよね」】
「ち、ちょっと待って下さい。主旨が違って来てます。もともとはハヤセさんの回帰を兼ねて私が食事を御馳走するはずでしたよ。
たいへん安くて恐縮ですけれど、ここは私が払います。払わねばなりません」
ヒツギが速やかにラーメン二杯分の料金を払おうとしたのを制止して、ライトは自らの財布を取り出す。
「……あ/////なんと千円札が無い。小銭も。……ええと、ええと」
どうやら欧州から日本へ来る際に貨幣を用意するのを失念していた様だ。
なんと一銭の日本円も無い。唯一有るのはクレジットカードだけだ。しかし、こんなラーメン屋台ごときではカードを切りようが無いだろう。
これは非常に不味い。これでは偉そうに奢ってやると豪語したライトの面子丸潰れである。
非常に恥ずかしい事態である。
どうやってこの場をやり過ごす?ライトは思考を巡らせる。
そんな最中、世界に異常現象が起き始める。
最初に気付いたのはヒツギの方だ。
ライトもつられて空を仰ぎ見て空が空間がネジ曲がっているのを確かに視認する。
「こ、これは!?あの時の事象と類似した空間の変異……?
ハヤセさん、スクランブルの予感です。伊豆基地へ調査を依頼しますよ」
すっかり戦闘モードとなったライトは羞恥心も何処かに捨て去り、今さっきまで割とノリノリ?で袖を通していた氏康はっぴを脱ぎ、キリッとした白の制服姿へと戻っていた。
そして直ぐ様通信端末を使い、伊豆基地へとこの空間の捻れを報告した。
何かあってからでは遅い。早めに動いた方が良いに決まっている。
414
:
アカリ&リリー&???
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/23(金) 22:52:57 ID:05ixbjBk
>>411
「突拍子がなかったことは認めますが、ちょっとばかし大切なお話なのです」
強引に引っ張ってきたときのをそのままに、手を繋いだまま並んで歩くアカリとリリー。
「とりあえず落ち着こう」というリリーの提案にしぶしぶ従ったアカリだったが、
その胸中にはいまだ疑問の嵐が吹き荒れているらしく、先ほどの言の説明をリリーに求めていた。
「この部隊の目的が何なのかはさておき、この編成は一時的なものでしょう。
カイオウ大将に個人的な付き合いがあるシュナイダーさんや、カーマインさんとの繋がりのあるハヤセさんのような例外を抜くと、
この部隊はどこからか引き抜かれてきた人ばかりです。アカリさんも、元は極東支部東北方面軍に所属していたとか」
「まあ、そうですね」
「そしておそらく、ここでの経歴もあって、全てが終わった後、元の部署に戻って以前と同じ生活、同じ仕事……とは、いかないと思います。
ほぼ間違いなく、別の部隊に異動することになるでしょう。ですが、それだけならまだマシな方です」
「その心は?」
「例えばですが、「多少」人道を無視する傾向にある異能力研究機関などに飛ばされたとしたら……どうです?」
「ちょ、それって、その……」
「ええ。アカリ・クレマチという名の哀れなモルモットの出来上がりです。可能性は低いとは思いますが、ありえない話でもない。
そのための保険としてなんです、さっきの話は」
「あの部下にならないか、という?」
「ええ。実は私、ちょっとしたコネを持っていまして。まあ、そのあたりの話は細々としていますし、重要でもありません。
要はあれです。単純なんですよ。その、えーっと……この先も一緒に働かないかと、そういうわけでして」
「リリー……」
滅多に表情を動かさないリリーだったが、流石にこそばゆく、顔を正面に向けて視線をアカリから逸らす。
そうして目線を映した正面には、少し奇妙な人物がいた。
黒色の軍服に黒色の軍装マント、そして長い銀髪が印象的な女性。その姿を見て、リリーの足が止まる。
「リリー?」
リリーが足を止めたのを見て、その原因であろう、リリーの正面に立つ女性にアカリも目を遣る。
すると、それを確認するかのようなタイミングでその女性が、アカリとリリーの背後にある空を指さした。
「!?」
彼女が指し示す場所を、ほぼ同時に見たアカリとリリーは、すぐにその異常に気付いた。
なんと空の一部が、壊れた魚眼レンズに映し出されたかのように、歪んでいるではないか。
似たような現象を、ついこの間体験した二人は、同様の事態が起こることに思い至った。
急いで基地に戻ろうとしたアカリだったが、その手をリリーが離さず、たたらを踏んでしまう。
「リリー、こうしてる場合じゃ……!」
「わかってます。そのためにここに残ってもらうんです」
そう言うとリリーは携帯端末を取り出し、どこかへと連絡を入れた。
415
:
大川 健二
◆Iny/TRXDyU
:2012/11/24(土) 00:18:09 ID:tVJo3EsQ
どんどんひびが入ってくる空、気付いた人も数多く
そしてその罅が割れる
「…お出ましか…」
と、健二は呟くと会計をさっさと済ませる
【空】
『内側に』空が割れる、中は何も見えなく、ただ黒いナニカが呻いている
そしてその中から卵のようなものがペッ、と吐き出すように出てくる
青く、脈打っているように見え、さらに体液のようなものが纏わりついており、物凄く気持ち悪い、まるでエイリアンの卵のような…
「青い…ってことは偵察型か…」
その卵のようなものを見ながらつぶやく、もし今の健二の目を見る者がいたなら、その目には明確な憎悪が見えたかもしれない
そしてその卵はある道路の上に落ちると、その卵から蔓のようなものが延び、道路に突き破りその下で蔓が木の根のようになる
さらに瞬く間に空が四か所割れると中から気持ち悪い生物が一か所二体づつドシャリと落ちてくる
「…$(’&$&%&$)&$($)&$)%(’)(’)&’(&$#$’%#$&%!!!」
鳴き声、マトモに聞き取れない、鼓膜を破るような『音』がその怪物から響き渡る
その怪物の近くにあるビルの窓は
その怪物の見えた特徴を箇条書きにすると
・体中から体液を流しており、さらにその体液は道路を溶かすことから溶解液だと考えられる
・四足歩行のようで、顔のような部分はクモのように目が8つ…いや16個は並んでいる
・さらにそのビルを丸のみにできそうなほど大きい口あり、中からは触手のようなものが呻いている
・二種類あり、四足歩行タイプが4体、そもそも足がなく、翼のような腕を持ち空を浮いているタイプが4体
グロ耐性がなければ一瞬で気絶しそうなほど生理的に受け付けない外見だ
「陸タイプと空タイプのゲーリーが4体づつか……あばよ!」
と、二人に言うと猛スピードで屋台をひっぱってゆく…、普通の人間にはありえない、時速70kmくらいありそうな速度で…
【空が内側に割れて青い卵が落ちてくると道路の下に木の根のように張り付く
そらにそれを守るようにグロテスクな怪物が2種類、陸タイプと空タイプが4体づつ現れて卵を囲む】
416
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/11/24(土) 22:15:01 ID:AlSc3CqI
>>413
>「こ、これは!?あの時の事象と類似した空間の変異……?
>ハヤセさん、スクランブルの予感です。伊豆基地へ調査を依頼しますよ」
「あぁ、基地に戻るのもそうだけど一般人をすぐに退避させないと」
超常現象とも取れる現状に対し、素早く基地へと戻るだけでなくイベントに集まった一般人の退避も提案するヒツギ。
確かにこのままだとイベントに集まった人たちが危険だ、さらにこの場に残られてはいざとなったとき邪魔になってまともに戦うこともできない
今一度裂けてしまった空に視線を戻すと・・・
>>415
裂けた空から落ちてきたのはドロドロとした粘膜に覆われた巨大な球体
青い色をしたそれは命を持っていることを証明するかのように蠢き、大地にその身を縫い付けてゆく
そしてそれに続くように空から新たなものが落ちてくる。
落ちてきたそれは地面に叩き付けられることは無く、粘度の高い不快な音を立てて大地へと着地した。
「うっ・・・!!」
その容姿にさすがのヒツギもうろたえる。
ドロドロとした体表に解読不能な奇怪音、ギョロギョロと周囲を見渡す取ってつけたような複数の丸い眼
生命体として不完全な姿というべきか、精神的にくる不快この上ない姿をしていた。
>「陸タイプと空タイプのゲーリーが4体づつか……あばよ!」
「ゲーリー・・・?ちょ!!・・・はや過ぎるだろう」
417
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2012/11/25(日) 21:07:22 ID:LtkUZNSQ
この異常事態にレミーは立ち上がり、酔いの回った足元がふらついてまた座った。
呑まなきゃやってられねェです。
代わりに電話をかける。
甲斐に確認を取り、出撃準備中、ただし数名は外出中、若干名は医務室送りまで聞き出す。
「……で?
ヴィルヘルム・エッシェンバッハ予備役少佐……あの営業マンね。
彼に現役復帰しろと……妻の尻に敷かれてるわね」
なんでも、クーリマン軍曹のエフゼロのコクピットに押し込まれそうになっているらしい。
「さて、私は……」
あたりを見渡し、慌てず騒がず場所移動をはじめた陰謀大佐の襟を掴んで、
「ヘイ、タクシー!」
「乗ろうとしたタイミングで戻す気か!この酔っぱらいは」
なお、少女(ビンタ)はすでに姿を消し、少年も動くところだった。
418
:
◆zv577ZusFQ
:2012/11/26(月) 13:11:21 ID:9NwC.Hoc
>>415
「奇形の化物……」
空間の裂け目から出現したのは異形の有機生命体が4つ。
見るに忍びないグロテスクさを持つそれらのアンノウンに対して、嫌悪感を顕にするライトの表情。
【「陸タイプと空タイプのゲーリーが4体づつか……あばよ!」】
「は?どういう事ですか!?」
屋台の店主が何やら事情を理解しているかの様な意味深な言葉を残し、目の前から去っていく。
ライトは彼を呼び止めようとしたが、それは叶わなかった。
>>416
【「あぁ、基地に戻るのもそうだけど一般人をすぐに退避させないと」】
「伊豆基地へはたった今、救難要請を出しておきました。
その間に我々はスノウフェイル少尉とクレマチ伍長と連携して速やかにこの周辺の一般の方の避難誘導を行いましょう」
まだ会場へ残っているだろうアカリとリリーに対して協力要請を出し終えると、何やら周辺を見渡し何かを探している様だ。
そして目当ての物を見つけると、ライトはそこへ駆け込んで行った。
「どうぞハヤセさん。これを使って市民を統率しましょう」
ホイッスルやら拡声器やらを祭の本部テントから拝借して来た様だ。
(……ただ。部隊の到着には少なくとも10分以上の時間が要る。それまでの間アンノウンを止める手立ては無い。…アンノウンが攻撃する素振りを見せた場合、どうしても時間がかかりすぎている。
人的被害をゼロには出来ない)
しかし内心ではそんな事を考えていた。
419
:
アカリ&リリー&???
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/27(火) 08:48:30 ID:tPhCo9x6
>>415
「ええ、そのように。やや遠回りになりますが、ラプターの推力であれば二分少々で済むでしょう。
他の部隊も出撃の用意をしているのですね? 結構。可及的速やかにお願いします」
携帯端末での伊豆基地との通信を切り、リリーは振り向く。
そこにはニヤついた顔をしている軍装の女性と、何が何だかわからないような顔で女性とリリーを交互に見ているアカリ。
リリーは凄まじいジト目で女性を見た後、ため息をついて、
「あー……アカリさ……クレマチ伍長、裏手の駐車場にあなたのラプターが到着します。
上に量産型ヒュッケバインが乗っていますが、そちらは気にせずに。私も後で向かいますので、先に行っていてください」
「あ、はい……了解です、少尉」
何か引っかかるものを感じるのか、アカリは微妙な顔のまま裏手の駐車場へと走っていった。
それを見届けたリリーは、女性に改めて向き直り、
「で、ここで何をしているのですか?第16特殊作戦群第3大隊「シャドウ・ウルブズ」隊長、尼子統久特尉どの?」
思いっきり疑念の混じった言葉を受けた女性……尼子統久は、しかし肩をすくめて見せただけで、
「そう睨まないでくれ「雪兎」。たまたま伊豆基地に用があって、たまたまここの催し物を聞いて、
たまたまここに居合わせただけだ。本当だよ?」
「胡散臭さ爆発ものですが……まあ今はそれで良しとしましょう。あなたがここに居るということは、部隊も?」
「いや? 「ウルブズ」はちょっと厄介事に当たっていてこの近辺には居ない。
居るのは私と、小田原のホテルで惰眠を貪っている部隊の技術顧問だけだ」
「使えないですね。こういう時のために、あなた方は居るのでは?」
「そうは言っても、完全に不意を突かれた形だからな……仕方のないことさ。……で、だ」
統久は小田原城近くの道路に落着し続けている化け物の群れを、振り向かずに指さし、
「アレは何だ? 話を聞く限り、お前の部隊は「ああいうもの」との経験があるのだろう?」
「……誰から聞いた話かは知りませんけど、「アレ」は初見の存在です。見たことがない」
「ほう、そうか。だが……あの様子からして「そういうこと」なのだろう?」
「ええ……どう見ても「異訪者」ですね。ほぼ間違いなく」
「そうか……」と呟き、統久はマントを翻して化け物たちへ体を向けた。
そうしてから、軍服のポケットから黒革の手袋を取り出して両手に填め、
「ならば、「我々の敵」ということに、なるな?」
そう言って化け物達の方向へ歩みを始める統久の顔には、凶暴な笑みが宿っている。
だが、それから数秒後に、その笑みは空へ向けられることになった。リリーが統久のマントを引っ張り、統久の体がエビ反りになったためだ。
「……どうして邪魔をする?」
「や、「あなた方の敵」であることは承知していますが、ああいう出方をされた以上、「私達の敵」でもあります。
オフェンスは我々が引き受けますので、ディフェンスはあなたが。幸い、その悪趣味な軍装マントで、あなたは目立ちますので」
統久を引き留めるリリーの手には近くのテントに置いてあった拡声器があり、それの持ち手は統久の方に向けられていた。
「私に婦警の真似事をしろと言うのか? いやはやまったく、少佐相当の私に一介の少尉がとる態度ではないな」
「性分なものでして。ご容赦を」
「フン!」と鼻を鳴らして不満を露わにした統久だったが、その手にはリリーから渡された拡声器が握られており、それを口の前に持ってきていた。
『会場の市民の皆様、こちらは地球連邦軍です! まもなく私どもの第一陣が到着いたします!
慌てず、冷静にこちらへ避難して下さい! 繰り返します……!』
拡声器で呼びかける統久を尻目に、リリーは裏手の駐車場へと急いだ。
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