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チラシの裏 3枚目
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ネタにするには微妙だけど、投下せずにはいられない。
そんなチラシの裏なヤツはこっちに
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時間を止めて2get
言ってみたかっただけですすいません
紫魔氏乙
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>>1
乙です!
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>>1
グッショブ、えっとね…ガッポイガッポイガッポイ
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「…兄を止めて欲しい?」
「ああ。兄さんはシグマ軍の中での結構な立場にいるはずだ…
情報を得るためにも、頼むよエックス。
ゼロさんがこのミッションを受けたら…多分兄さんを殺してしまうだろうからな」
「…解った。クワンガーのことはゼロの方に話をしてみよう」
ハンターベースで彼を待っていたのは、
シグマの元へ行った兄クワンガーを止めて欲しいという弟だった。
ゼロが向かう筈だったこのミッションを請け負い、
必ずやクワンガーを殺さずに取り戻すこと…。相手を殺さない戦いはエックスとしても望む所。
断る理由はなかった。
「お前が自らクワンガーの奴を倒すと言い出すとはな…
いいだろう、やってみろ。タワーの最上階にいるが
クワンガーのことだ、塔のあちこちを改造してお前を待ち構えていることだろう」
タワーには地下から潜入する。
まずは地下部分から地上1階まで梯子を伝って昇ったエックスは
1階で一旦踏みとどまることとなる。
「…赤外線センサーね こちらから遠隔操作を割り込ませているから
僅かな間だけ、動作が停止する仕組みになっているわ
感知されればレーザー射撃よ、気をつけて!」
センサーの切れ目を見計らい、イレギュラーを破壊しつつ先へ進んでいく。
「ここから上には中型メカニロイドが沢山いるわ
それを抜けたらエレベーター。これで一気に上まで昇るわよ」
敵のボディを次々にストームトルネードで抉りつつ上のフロアへ。
「! エレベーターホールにトラップが仕掛けられているわ!
針に当たらないよう気をつけて!」
そしてエレベーターが止まった所で一度外部へ。
非常用に用意されていた外部の梯子を伝い更に上へ。
そしてイレギュラーの群がる上部フロアを壁を蹴り昇った先に…
「…ほほう…君が来ましたか、エックス
願ってもない事だ」
「クワンガー、弟からはお前を生かして帰すよう頼まれている。
抵抗しないで同行してもらいたい」
細身の男が姿があった。彼こそが第17部隊所属の特Aハンター、ブーメル・クワンガー…。
バスターを降ろし、エックスはクワンガーを相手に説得を始める。
だが…。
「君は解っていないようだ私がどうしてシグマ隊長の反乱に従ったか…」
レプリロイドの可能性、人間より優れていることの証明。
そんなものは今までに何度も聞いた。
「それは何も、シグマ隊長の可能性を見るためだけではない。
…貴方の力を見たかったからですよエックス」
「!?」
思わぬ言葉に耳を疑う。
「戦いの中でレプリロイドの可能性が開花するというのならば、
それは君とて同じこと…。その力を私に見せていただこう!」
-
速めの速度でエックスの方向へ突進してくるクワンガー。
だがエックスやゼロのそれと比べ微妙に遅い。
冷静にバスターを構え、クワンガーへと走り、撃つ…だが。
「消えた…!」
「こちらですよ」
気がつくと背後にいた。
「食らいなさい!」
彼の得意技、頭のV字パーツをブーメラン化し低速で飛ばすブーメランカッター。
それ自体の回避は簡単…のはずだったのだが。
「フンッ!」
クワンガーもまたエックスへ近づく。
微妙な速度差には慣れることは難しい。その上先ほどのようなテレポートも持ち合わせている。
どの動作にしても速い部類に入るエックスのような者には見極めづらい戦法。
「…そこだ!」
「クッ…」
バスターの衝撃により僅かに後退する。
だがクワンガーが移動してきたのは至近距離。
そこから近づけば…どうなるか。
「はぁあ!」
「うっ………がはっ!」
その瞬間、カッターで体を挟み、そのままその細身からは想像もつかない力で
天井上へ放り投げたのだ。
そしてエックスはそのまま床へと重力によりたたきつけられる。
「グッ…う…うう…まだまだ!」
バスターは当たる。そう能力的に強い訳ではない。
だが…2度、3度と投げ続けた。
…力が残っていない。次投げられたら恐らくエックスの体は持たない。
「まだ…だ…!」
「エックス!跳べ!奴は空中での戦いを不得意としている!」
ゼロからの通信だった。
クワンガーが特意とするのは投げ。その手は空中では使用できず、
またブーメランを見切ることも容易い。
地上戦では追い詰められがちだが、高いジャンプ力を活かし戦えば…
だが。
「………けど、そうしたら…」
「イレギュラーであるクワンガーを生き延びさせるため…
お前は死ぬつもりか!」
…迷っては居られない。後一発…あと一発でクワンガーが諦めてくれれば。
エックスは大きく跳び、クワンガーを飛び越え、一撃を放つ。
「くっ…!」
「もう諦めるんだ!」
「解っている筈だ、私は君達の可能性を見てみたいと!」
「弟の気持ちを無視するつもりか!」
通じる相手ではなかった。クワンガーは壁へエックスを追い込もうとする。
そんなクワンガーの動きより何より、クワンガーの弟との約束が彼を何より追い詰めていた。
けど…負けられないのだ。
エックスは壁に足をかける。
そしてダッシュの力でその壁を力いっぱい蹴る。
そして部屋の中を大きく飛び…
着地と同時に身体を捻り…
渾身の一撃を叩き込んだ。
「流石だ………!」
「………まだ言葉は話せるな クワンガー…ハンターベースへ戻るんだ」
「…エックス。貴方はやはり只者ではなかったようだ。私に出来ることはシグマ隊長の下へ導くことのみ。
…海です。…我々のアジトは…海に沈んでいる。そこを調査させなさい…」
「クワンガー、いい加減弟の言葉に耳を傾けろ!」
「それでは…さらばです」
「クワンガーーーーー!!」
そして彼の体は炎に包まれ…消滅した。
「……」
エックスはただ、黙ってその場を立ち去ることしか出来なかった。
「エックス…今日は取り敢えず休みなさい」
「…ホラ御覧なさい? ハンターって言うのはネ…やっぱりこういうモンなのヨ」
「…………………」
「…お兄さんの事は仕方ないものと諦めなさい。
ま…ワタシもきっと同じ立場にこれからなるんでしょうケド…」
-
「海を探せ…ね
でも今、海もシグマの部下が固めてるから
それどころじゃないのよ…」
「…俺が行くよ。もう、この戦いを早く終わらせるしかないんだ」
「指揮しているのは第6艦隊所属だったランチャー・オクトパルドよ。
…第6艦隊も離反者が多いわ…」
「他にも居るのか…」
敵の居場所は浅い海に存在する海底油田。
警備の薄い浅瀬を見つけ、そこから侵入する。
「大型メカニロイドの反応が5つもあるわ。相当警戒してるみたいね…」
「先へ進むのに障害になるのはそのうちのいくつだい」
「3つって所かしら… 水中ではファイアーウェーブは使えないからストームトルネードで乗り切って!」
アンコウ型の大型メカニロイドが二度行く手を阻む。
性能は後に出てきたものの方が上で、また足場も狭かったものの、
ストームトルネードの威力の前では敵ではなかった。
「水面に注意して!鯨型の大型クルーザーからの魚雷ね」
「追って来ることはないだろう…合間を縫ってすり抜けるよ」
そしてその次に現れるはウツボ型の大型メカニロイド。
水中を自在に泳ぐこのメカニロイドは行く手を阻む以外、特にこれといって障害ではない。
「体から振り落とされないように頭に攻撃をし続けて!」
そして岩場の中に隠れた油田内部に居たのはランチャー・オクトパルド。
「私は悔いてなど居ませんよ。同じ部隊の友である『彼』には悪いことをしたとは
思っていますがね… しかし彼も恐らくハンターのやり方には不満を持っているはず。
私のした事もいずれ理解してくれると信じています…
さぁエックス。私のこの芸術的な力…見せてあげましょう…!」
「行きなさい!」
オクトパルドが一斉にミサイルの乱射を行う。
「何!?」
オクトパルドは大量の魚雷ホーミングトーピードで敵を押し潰す戦法を得意としていた。
「くっ…!避け…きれない…」
オクトパルドから放たれ、広範囲に広がる魚雷。
オクトパルド自身が大きく動く以上、これから逃れるのは難しい。
そしてその上…
「どうです!!」
更に追尾性能を高めた魚型の魚雷がエックスを文字通り包み込み…
一斉にエックスの体に衝突。エックスの体はたちまち爆発に包まれてしまう。
「ぁああああああああああ!」
…動きが複雑だという問題などではない。
動いて魚雷を乱射する、酷く単純な戦い方である。
だが…並みのレプリロイドでは考えられない量を無尽蔵に生産し、その火力で押しつぶしにかかるのだ。
「さぁこっちへ来なさい…」
続けて体を高速回転させ、渦潮を作り出し…
エックスを捕らえる。そして6本の腕をエックスへと刺し込み…
「…お前…エネルギーを!?」
「私の糧となってもらいますよ!」
削られた体力が更に抜けていく。これほどまでに一方的にペースを握られるとは。
だが…そこまでだった。
「ブーメラン・カッター!」
クワンガーから得たブーメランでオクトパルドを刻む。
弱点とはいえないが、複数ある腕を刻むことは十分に出来た。
「…な、何ですと…私の、私の腕が!!」
「ここまでだ、オクトパルド!」
6本の腕がなくては彼は魚雷を撃つしかない。
その勢いも減り、大幅にパターンも少ない。戦術の少なさでは最早、メカニロイドと大差なかった。
「芸術は…爆発なのです!」
攻勢に転じたエックスのバスターの前に、とうとうオクトパルドも敗北を喫した。
-
「お疲れ様、これで漸くこの地域の近海を調査できるようになったわ」
「…でも見つかるまでにはまだかかるだろう
それまでの間、俺は森の方に行ってみようと思う」
「前線基地のある場所ね。あそこにも古い物体の反応を感知しているのよね…
そうそう。今その森には水が溜まっているみたいだから足元に注意してね」
「洞窟の上に反応があるわ…ただし誰かが守ってる様子。大きめのエネルギー反応よ」
「…どんな敵だろう」
「どすこぉおおい!」
待ち受けて居たのはロボット大相撲の横綱といわれた巨漢メカニロイドRT55-J。
半端ではない耐久性、パワー、伸縮自在のアームが武器の巨大メカニロイドだ。
「この洞窟の崩落は彼が原因かもわからないわね…」
「かなりの長期戦になりそうだ…」
いくら攻撃しても減らない耐久力に圧倒されつつも彼を倒し、
現れたカプセルでエックスはボディパーツを入手する。
「このカプセルではボディパーツを授けよう。
これを装備することで、ダメージを半減できるようになるはずだ」
そして崩落の止まった洞窟を抜け、崖を昇った…
だがそこには沼が。
「エックスだけで戦うには不利な場所ね
ライドアーマーがあるからこれを使ってみて!」
いつぞやVAVAが使用していた改造型とは異なる通常のライドアーマーだが
戦闘力は十分に高い。
「操作は… 良し。行くぞ!」
沼地におけるライドアーマー同士の対決も制し、最深部の…金網の部屋で
この森を占拠するハンターとついに対面することとなった。
「第9レンジャー部隊の隊員、スティング・カメリーオ。
シグマの下についた13人の中でも特に異彩を放つ戦い方をするとされているわ」
「…何処に居る、カメリーオ!」
「ににに…エックスか。
俺は悪いがハンターには嫌気がさしてこっちにきたんだ。
邪魔はさせないよ…ににに…」
「…変わった奴だったが、悪い奴とは思ってなかった…」
「今更そんな言葉は要らないぞエックス!ににーー!」
言うと同時に金網へ張り付くカメリーオ。
そしてすぐに体を背景へ溶け込ませる。
「!?」
「ここだぁ!」
すぐに姿を見せ、その長い長い舌でエックスを刺す。
「アァーーー!!」
「まだまだいくぜぇー! ににに!」
気の抜けた声と共にまた姿を消す。居る場所はわかっている。
バスターを撃ちさえすれば…!
「食らえ!! …?」
「ににに!こっちだぁ!」
部屋の端から姿を現したカメリーオは
尻尾から3方向へ拡散するレーザーを放つ。カメレオンスティングと呼ばれる彼特有の武器だ。
「くっ…!」
「しゃーっ!」
柔らかい舌がしなり、今度は鞭のようにしてエックスを薙ぎ払う。
「うぁぁああ!」
-
どこにいるか全くわからない。姿を現すときは攻撃のときのみ。
これでは埒が明かない…
そこで思いついた。カメリーオは姿を隠すとき彼特有の声を出している。
彼が攻撃するのと同じタイミングでこちらが攻撃すればきっと。
「ににに…」
そう言って姿を消す。
次に声がする所が、出現の場所、攻撃を叩き込む場所だ。
「ににに!」
伸ばされた舌を紙一重でかわし、チャージショットを放つ。
「にぁああ!!?」
そして直接攻撃するべく床に落ちるカメリーオ。
これを逃さない手はない。槍のように真っ直ぐ伸びる舌を飛び越え、
背後から一発。
壁へ逃げ、カメレオンスティングを放とうとしたところを一発。
カメリーオの動きにも大分適応できるようになってきた。
だがここでカメリーオにも奥の手があった。
「ほれほれぇえ!」
舌を天井に引っ掛け、そのボディを左右に揺することで天井全体を揺らすというもの。
この前線基地もただの部屋ではない。
鋭い針が天井に備え付けられた、カメリーオが戦いを想定して作った部屋だったのだ。
「まさか!!」
「にーにーにー♪」
天井から針の雨が降り注ぐ…半端な数ではない。
全てを回避するのはとても難しい。
舌をどうにかして…
「ブーメランカッター!」
カメリーオの胴体、顔、舌の3箇所を切り刻むべく、ブーメランを放る。
「にぃいい!?」
切れはしなかったものの、カメリーオの体には切れ跡がつき、天井からは大きく弾き飛ばされた。
続いてそのカメリーオに向かい、大きく跳んだエックスはブーメランを放つ。
今度は性能を対空から地上へと変えたブーメランカッターがカメリーオの後頭部、背を抉るように切る。
「にぃいいいいいいいいいい!」
カメリーオが天井の隅へと移動し…カメレオンスティングを放つ動作をする。
バスターに切り替えたエックスは壁を蹴り、空中でカメリーオを仕留める最後の一撃を見舞った。
「にゃ!?にゃにゃにゃぁあああああ!?」
壁に大きく体を打ちつけ、カメリーオもまた炎に包まれていった。
「ハンターの中でも嫌われ者とされていた彼だけど… これほどまでに高い能力を持っていたのね」
「あまり知らないが…変わり者とは感じたけど…悪い奴には俺には見えなかったな」
そして。
「任務が終わったようだな、エックス。 ようやっとシグマのアジトが発見された。
海の中から姿を現した巨大な要塞で、一筋縄でいくものではないだろう」
「私の率いる第0部隊の部下にも潜入させてみましたが…
先ほどから連絡がありません。
そこで、今度は貴方とゼロとで潜入を行ってもらいたい」
「俺達で一気に決着を着けに向かう。解ったな、エックス」
「…ああ。待っていてくれ、ゼロ!」
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ら氏、埋め乙です
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スレに規制でいけないのでここでシステムアルファ公式
萌え萌え二次大戦人気ランキングBest10
1位 あかぎ 日本:航空母艦赤城
2位 ベローチェ イタリア:L3軽戦車
2位 ふがく 日本:重(戦略)爆撃機富嶽
4位 レイ 日本:零式艦上戦闘機
5位 チハ 日本:九七式中戦車
6位 エイミー アメリカ:M26パーシング重戦車
7位 てんざん 日本:艦上攻撃機天山
8位 レント ドイツ:Ju88
9位 ロジーナ ソ連:T-34
10位 シン アメリカ:M4シャーマン中戦車
10位 ルーデル ドイツ:Ju87スツーカ
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鋼の乙女たちの独断と偏見での胸の大きさ
爆
ロジーナ ソ連:T-34
あかぎ 日本:航空母艦赤城
フェイ ドイツ:5号戦車ティーガー1
ラン イギリス:重爆撃機ランカスター
マチルダ イギリス:歩兵戦車マチルダ2
巨
ミハエル ドイツ:3号突撃砲
エーリヒ ドイツ:Bf109
ルーデル ドイツ:Ju87スツーカ
ナナ 日本:九七式艦上攻撃機
やまと 日本:戦艦大和
ふがく 日本:重(戦略)爆撃機富嶽
ハイネ アメリカ:SBDドーントレス
クレア アメリカ:P-40
フェアリー イギリス:フェアリー・ソードフィッシュ雷撃機
普
レント ドイツ:Ju88
エイミー アメリカ:M26パーシング重戦車
ネコ アメリカ:F4Fワイルドキャット
ルリ アメリカ:航空母艦エンタープライズ
燕 中国:I-16
マーリン イギリス:スピットファイア
貧
レイ 日本:零式艦上戦闘機
てんざん 日本:艦上攻撃機天山
チハ 日本:九七式中戦車
ベローチェ イタリア:L3軽戦車
アリス&クラレンス アメリカ:P-38ライトニング
シン アメリカ:M4シャーマン中戦車
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「それでは以上だ。
明日に備えて諸君は早く体を休めるように」
明日の戦いについての作戦会議。
エックスとゼロは他のハンター達から遅れて内部へ潜入することとなった。
「エックス、どうやらシグマのアジトは電波が遮断されているようだから
私はサポート出来ないようだから…
明日、貴方をシグマのアジトに転送して以降、一応はミッションの最後まで待機することになるけど
それからは貴方とのミッションは無いことになるわね」
「研究所に戻るのかい」
「ええ。大体報告書も纏めたし、そうするつもりよ
もう人手不足ということにもならないでしょうし。
まぁ貴方なら何とかなると信じてるわ。また会うことがあれば宜しくね」
金色の長髪を靡かせて、彼女は部屋へ戻ろうとドアを開ける。
「研究所で同僚に言っておくわ、ゼロ以外にも目を付けるべきハンターがまだいるって。
…そうそう。研究と言えば、イレギュラー研究の第一人者の博士が貴方に話があるらしいわ」
「…あの人か。テレビでたまに見るよ」
「来たかねエックス君。
明日、シグマのアジトに潜入するそうだね、頑張ってくれたまえ」
「…はい」
「この話はゼロ君にはもう言ってあるのだが、
…不可能ならそれでも構わないが…出来るなら、シグマを倒したら
彼のボディは君が持ち帰り、私の元へ届けてくれないかね」
「…と言いますと」
「私はイレギュラー化という、レプリロイドを冒す病について研究を進めている。
今回の事件は…未曾有のイレギュラー事件だ。
そしてそれを引き起こしたシグマは最早ただのイレギュラーでは…ない。…解るね」
「………はい」
「彼という存在は、私にとっても非常に貴重な研究材料になる。
第二第三のシグマを出す前に…イレギュラーに悩まされる日が、二度と来ないために…
…ああ、いやすまない。これは君らには失礼だったかな」
「いえ。きっとみんな…同じ気持ちです」
「…そうか。だとするなら、そうなることがきっと…
イレギュラーという病に冒されたが為、世界の敵と成り果ててしまった
君らの上司『シグマ隊長』の望みでもあるのだろう」
「…そうですね。解りました シグマのボディは私が回収します」
「ケイン博士にも宜しく伝えといてくれ。」
シグマの思惑がよく解らない。本当に、博士の言っているように、イレギュラー化はただの病なのだろうか。
イレギュラーと一口に言っても沢山いる。これまでに倒した8人のハンターは
どれも自分の意思を持ったままイレギュラー化していた。狂うとか、故障とか…そういうもので済ませるものなのだろうか。
…悩んでいても仕方ない。戦いに備えるべきだ。明日は…長い。
そして翌日
とうとうその時がやって来た。
「二人とも、気をつけて!」
「行って来るよ」
「3…2…1… 転送!」
PM5:30.
夕日に染められた赤い空、立ち上る煙、鉄の焦げる匂い…メカニロイドやレプリロイドのおびただしい残骸。
他のハンター達がシグマ軍の戦力を減らすべく戦った跡…
そこは…もう、戦場だった。
「敵の勢力を分散するために二手に分かれるぞ、エックス!
俺は先に行く。お前は後からついて来い!」
ゼロが相変わらずの高速ダッシュでエックスから離れ、そして恐ろしい速度でその先からは爆炎の花が咲く。
ゼロはやはり…強い。
一呼吸をつき、エックスも進む。
ストームトルネード、ホーミング・トーピード、ブーメランカッター。
様々な武器を駆使し、道を塞ぐ敵、空から奇襲する敵を次々破壊していく。
少しはゼロに近づけただろうか。そんな事を思いながら。
小さなリフトを次々に乗り継ぎ、崖の上のシグマのアジトへと足を踏み入れる。
今は戦闘のため岸に近づいているだけのことであり…
すぐに陸からは離れるであろう。引き返す道は…もうない。
狭い通路にひしめき合う敵を倒しつつ先へ進むと、天井が高い部屋に出た所で、
上から赤と紫、二つの光が降って来た。
「エックス、お前は下がっていろ。こいつは俺が倒す!」
「ハッ、一人で粋がるねぇ…」
ゼロが構える。
…と、その瞬間、背後の扉が開き、VAVAがその先へと逃げていく。
「逃がすか!」
ゼロもすかさず追う。
…どの道、エックスにはここしか進む道は無い。
少し待ってからエックスもゼロを追うように先へ進む。
-
通路の先は大部屋でゼロはとうとうVAVAを追い詰めた。
そこにはカプセルと…ライドアーマー。
すばやい動作でVAVAはライドアーマーに乗り込む。
前回のそれと同じようなデザインをしているが…果たして違うのは色だけか。
「ハハハハハ!悪いなぁ、ゼロ!アンタとの戦いは楽しかったが、
コレでおしまいにさせてもらおう!」
「ほざけ、そのアーマーの腕を俺に折られたことを忘れたのか?」
いつぞやのように青き矢のようなチャージショットを放つ。だが。
「忘れたな!」
ダッシュでゼロとの間合いを詰め、ゼロをその腕で殴ったのだ。
「くっ…」
「まともに動けないんじゃあないのか?
今搭乗席に上手く当てていれば俺を倒せたかも知れないのになぁ…」
一撃だけだが結構な痛手である。だがゼロは力を振り絞り…跳んだ。
「消し飛べえぇええええええええ!」
「何ィ!?」
まだ跳べる体力があるとはVAVAは予想してはいなかった。
搭乗席めがけチャージショットを再度放つ。
だが…
「チッ…アブねえじゃねえかよ!!」
「ぐああああああ!」
わずかに体をずらすVAVAの操縦技術に、ゼロの攻撃は阻まれ、
その腕でゼロは振り払われた。
「さて…お前は大人しくしていてもらおうか。最強のハンターさんよ…」
「ぐ…あぁあああ!ああぁあああああああああ!ああああああああああ!」
強力な電流の流れる捕獲用カプセルの中にゼロを押し込む。
ふと、目の前の扉が開く音がする。
そして入ってきたのは…。
「ゼロ!?」
エックスだった。
「おお、お前が来たかエックス。
ゼロの命が惜しければ俺の命令に従え…。」
「エックス、俺に構わずコイツを殺れ!」
「く……」
一瞬の後、エックスはバスターをVAVAのライドアーマーへ向ける。
「ほう、俺とやろうっていうのか?
随分姿が変わり、強くもなったつもりだろうが…
俺のライドアーマーもまた、格段にパワーアップしている!
どこまでやれるか見てやろうか!」
「うっ…がはっ………!ぁ…!! …うっ」
結果は言うまでもない。
ゼロのバスターをもって、ゼロの俊敏性をもっても尚敵わなかったVAVAのライドアーマーに、
エックスが通用するはずなど…なかったのだ。
「ハハハハハハハハハハ!!!!」
超硬質のボディを持つ黒光りするライドアーマーの肩を震わせ笑うVAVA。
最早、エックスに成す術はない。
「う……ぐ……ぬううう…!」
「?」
「うぉおおおお!!」
カプセルが割れる。獣のようにライドアーマーの操縦席に赤きボディがしがみつく。
「貴様!! ゼロ、お前まだそんな力が!!」
そして腕にチャージを行う。
振り払おうと体を揺する。
「VAVA!」
腕でゼロの体にパンチを見舞う。
「お前の相手は…」
壁へぶつける。
「この俺だ!!!」
チャージをまだ続ける。限界まで力を貯め…そして。
「エックス…お前にしてやれるのは…これまでだ!!」
ゼロは自らのボディにバスターを撃ちこみ…そして。
…エックスもこれまで8度に渡り見た光景が展開される。
ボディの中心部から閃光が放たれ。
ボディの各所から炎が上がり…爆炎に包まれ。
そして…全てが真っ白な光に包まれる。
…特Aクラスのハンターの最期。9回目に見たのは…ゼロのものだった。
「ゼロおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
-
妖Luna85%でクリア。ここがHardとLunaの境界という気がする
多分90%はまだ無理。あと15%がこんなにも遠いとは
今Hardやったら簡単に感じるんじゃなかろうか
-
「全く、手間かけさせやがって。」
視界が開け、煙の中から姿を現したのは…
生きていたゼロなどではなく、VAVAだった。
「さぁ、次はお前の番だ。準備はいいか?」
「う…うぅ…ううう…」
「何だ、泣いてやがるのか?
いい、いい。すぐに犬死したゼロに会わせてやるさ…」
「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
「!?」
VAVAの拘束弾で身動きを封じられた上、
瀕死の重傷を負っていたはずのエックスがなんと立ち上がった。
「な…何!?」
エックスが物凄い速度で向かってくる。
「勢いだけで俺を倒せるかよ!」
得意の電撃弾を肩から放つ。
だが…エックスはすばやくそれをかわし…
VAVAの背後からゼロ距離でチャージショットを放つ。
「なぁっ!?」
「ウォオオオオオオオオオオ!」
距離をとろうとするVAVAをバスターの乱射で追い撃つ。
「チィッ!!」
部屋の上を高く跳び、拘束弾を撃ち着地する。
これにはエックスも足を絡め取られる。
「ウァアアアアアアア!」
お構いなしにエックスはVAVAを撃つ。
「化け物めええええ!」
それを自力で振りほどき、また一発。
「ぐ…て、てめぇ!」
もう形振り構わない。エックスに向かい突進を仕掛ける。
ゼロと互角なこの速さならエックスも…。
「!?」
だがエックスはまたもチャージショットを撃つと同時に飛び上がり、
VAVAを飛び越し…
そしてまた向き直り、ダッシュによる加速をつけて最後の一撃をVAVAへと見舞った。
「死ねえええええええええええ!!」
「なあっ!?」
このときVAVAを支配していたのは…
自分を破ったB級ハンターへの憎しみのみであった。
「エックス……如きにぃいいい!」
VAVAの体から閃光が放たれ、辺りが真っ白な光に包まれた。
「ゼロ…ゼロ!」
上半身だけとなったゼロの体を揺さぶり、声をかけ続ける。
「お前にいつも、油断をするなと言っていながら…このザマだ
…随分、強くなったな…。」
この状態になっても尚口を開くゼロにエックスは言葉を被せる。
「ゼロ、もう話さないでくれ!俺がハンターベースまで運ぶ!」
「フッ…エックス…もうそんな時間はないぜ…
シグマは…見た目からは想像もつかないような力を手に入れている…。
俺の…アームパーツを持っていけ。お前の力はこれで格段にアップするはずだ」
「でも…!」
「俺のことはいい…」
そしてゼロから、最期の一言がエックスに託される。
「さあ…行け、 イレギュラーハンター・エックス!」
エックスの孤独な戦いの幕開けであった。
-
ずーっと、ずーっと前から言いたかったことを言います!
…新ジェームズ・ボンド、これなんてプーチン?
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さーて、萌え萌え2次大戦のほうですがただいま太平洋戦線編、
戦績オールA&トゥルールート入りました!
一同「おおーっ!」
そりゃ最初からレベル27のレイがいれば戦績オールAも当たり前なんだけどね
アルファ「私たちの影がすっかり薄くなりましたね、シャーリィ」
シャーリィ「ああ、レッドフォックス倒してからじゃねーのかおい」
…一撃で1600のダメージを出してくる人と対等に戦えるかっつの!
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妖Luna90%クリア記念sage
残機0、ボム0の滑り込みセーフ。反魂蝶は冷や汗モノ
みょんで死にまくった分、ゆゆ様で神回避できたのが勝因だったかしら
あと10%。ようやくゴールが見えてきた
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「チャージ・ホーミングトーピード!」
無数の魚雷が再生クワンガーを囲み、一気に爆発する。
「チャージ・ファイヤーウェーブ!」
炎の龍を腕から放ち、瞬く間に再生ペンギーゴに炎となって絡みつく。
「チャージ・カメレオンスティング!」
姿を消したエックスは再生イーグリードの至近距離で拡散レーザーを撃つ。
「チャージ・エレクトリックスパーク!」
電撃の壁が鎧を失った再生アルマージに迫る。
「チャージ・ブーメランカッター!」
エックスを中心として4つの巨大な刃が縦横無尽に暴れまわり再生カメリーオを切り刻む。
「チャージ・ショットガンアイス!」
氷の像を再生マンドリラーの頭へと落とす。
「チャージ・ローリングシールド!」
無敵のシールドでミサイルを無力化し、弾になったバリアが再生オクトパルドの身体をその回転で抉る。
「チャージ・ストームトルネード!」
飛び上がった再生ナウマンダーを巨大竜巻が持ち上げ、そのボディを360度包み込む。
「…またこのエリアのエネルギー反応が消えると同時に通信が出来るようになったわ
シグマの居るエリアはその真上。最後のエネルギーを転送したわ。受け取って」
「ああ。助かるよ」
8体の特Aクラスレプリロイドの再生体との対決。
巨大な高性能メカニロイドとの対決を行うこと3回。
戦いを潜り抜けたエックスは、
最後の回復を終え、暗闇の中最後の縦穴へと向かっていた。
いや…これは穴ではない。れっきとした通路なのだ。
壁蹴りという、選ばれし者のみが使える…選ばれし者のみ立ち入ることを許される
シグマの間への通路。
連続した壁蹴りでエックスはその道を進んでいき…
そして部屋へと出た。待っていたかのように床の扉が閉まる。
「…………」
「待っていたぞ、エックス。
君一人でここまで来るとは、大したものだ。」
主人の前に立ち、主人を守るべく白い息を吐き威嚇する紫色の狼。
その背後にはマントに身を包んだ緑色のボディ。
顔に傷のあるこのスキンヘッドの男こそ…シグマだ。
真っ直ぐにシグマを見据え、睨む。かつての上司だった男を。
「…いい目だエックス。迷いがない。だが…少し待ってはくれないかね
私のペットがさっきから黙っていなくてね…
何せ、裏切り者の始末は全て彼に任せているものだからな」
そう言うとシグマは後ろへ下がる。
それを合図とし、紫色の狼型メカニロイドが小さく跳び、地面を足で鳴らす。
「ウォオオオオオオン!」
シグマのペット、ベルガーダーとの戦いが始まる。
始まるや否や、ベルガーダーはエックスに向かい飛び掛る。
エックスはそれをダッシュで潜り、チャージショットを放つ。
「ギャゥン!」
遠くにいるエックスに向け氷の息を吐き出す。
だが壁を蹴りエックスは回避。
「アォオオオオオオン!」
それを見たベルガーダーは今度は炎を吐く。
床を伝い、壁へと昇る火柱。
冷静に壁を飛び降りたエックスは後ろからショットガンアイスを放ち、
またもチャージショットを放ち、反対側の壁へ。
ならばとベルガーダーも壁へとジャンプし、
壁を蹴り反対側の壁へ跳ぶ。
…特Aランクの一部しか使えない三角跳びを彼はシグマの手で習得させられていたのだ。
だが。
「行けぇええ!」
彼の放ったチャージショットによりベルガーダーは吹き飛ばされ、地面へ落下…
砕け散った。
-
「見事だ、エックス。流石はあのゼロが見込んだだけはある。
いいだろう、それでは…この私が相手しよう。」
飛び上がり、一瞬でマントを脱ぎ捨て…エックスの知っているシグマの格好を取る。
光の剣、ビームサーベルを抜き、そして…
戦いが始まる。
「行くぞエックスゥウウウ!」
「行くぞシグマアアアアアア!」
かつてない気迫でシグマが叫ぶ。
一瞬の間にシグマはエックスに近づき、剣を振るう。
だがエックスはその一瞬の間で壁を蹴り、最小限の動きでシグマの背後を取っていた。
「エレクトリックスパーク!」
「ぬう…!」
それでも大したダメージにはならない。
「えぇい!」
サーベルを振るうシグマから距離をとり再びエレクトリックスパーク。
距離をとるべく壁の上へ。
「そこだ!」
額から発せられる光のマシンガン。
だがエックスは僅かに身体をずらし回避。
シグマは目にも止まらぬ速さで三角跳びをし、これに応じる。
シグマが近づくのを待ってチャージ・エレクトリックスパークを放ち、床へ垂直に落ちる。
また三角跳びを用い下へ落ちるシグマに低速のエレクトリックスパークで連続ダメージを図る。
「ぬぐぐ…!」
そしてまた剣を振るいに近づいた所にエックスもまた近づく。
「何をしているぅう!!」
考えられない動きをしたエックスを斬ろうとする…が、チャージ・カメレオンスティングを発動。
これによりエックスは一時的に何者をも透過する透明な体となり、シグマの剣も通用しない。
そしてシグマの体を突きぬけ、カメレオンスティングを放つ。
効果時間が切れる前にまた壁の高い位置へ。
「同じ手は二度も通用せんぞ!!」
そしてチャージを始める。
1段階目。
三角跳びを多用しエックスへ近づくシグマ。
2段階目。チャージ完了を意味する黄色い光に包まれる。…以前ならば。
今のエックスはそれ以上の力を得ていた。
更にエネルギーを貯め続け…赤色に。
ここで勝負は決した。
「これがゼロから受け継いだ力だ… 終わりだ!シグマ!!!」
エックスの背後にまで衝撃が及ぶ紅色のチャージショット。
無数の赤きエネルギー弾が螺旋の形を取り、シグマへと注がれていく。
「……………」
目が生気を失ったように活動を停止し、
ピクリとも動かぬシグマの体から閃光が発せられ、炎が上がり…
シグマの体は跡形もなく消えていった。
-
ずっと『風と共に去りぬ』を見てたけど、ダメだ、ダム崩壊寸前だ…orz
-
部屋の中心には、シグマの首…
にやりと口元が笑ったシグマの首がある。
「クククク…」
首がひとりでにどんどん部屋の上部へと浮き、持ち上がっていく…そして…
何かと結合した。その瞬間…部屋から闇が消え去った。
「!!」
そこにあったのは…部屋全体を覆う、巨大な狼を模した巨大な狼の上半身。
そしてその頭部にはシグマの首が収まっている。
巨大なメカニロイドであろうか。
いや、しかしこのボディを動かすのが最強のレプリロイド・シグマの頭脳であるならば…
メカニロイドとレプリロイドの定義から考えるに…
この巨体は、シグマというれっきとしたレプリロイドであるといえる。
「さあ、始めようではないか!
戦いを!
苦痛を!!
破壊を!!!
その先にお前はレプリロイドの進化の可能性を見出すであろう!!」
このときを待っていたとばかりに歓喜の声をあげるシグマ。
「イレギュラー・シグマ!
お前の野望もここまでだ!お前を…倒す!」
まさにシグマの内面そのものを呈した姿といえよう。
ちっぽけな少年と、巨大な狼。
全く異なる大きさの二人の戦士の…同じ大きさの魂を持った戦いがここに始まった。
「あああああああああーっはっはーーっはあああああぁあああああああああああああああ!」
「これから…新しいレプリロイドだけの世界が…始まるという…の…に…!
エックスぅうううううううううううううう!!!」
崩れ行くシグマの体。
最早ボディの回収は不可能であろう。
…エックスは一人、脱出した。
爆発が各所から生じ、
沈みゆくシグマのアジト。
その様子を岸からじっと見つめ続けるエックスの姿がそこにあった。
「お前が倒したのは、私自身ではない。
バラバラになった機械は私の分身のようなもの。
私は再び力を蓄え、実体を持って復活することが出来る。
エックスよ、また会える日を楽しみに待っているぞ、ハハハ……」
「如何なされました、シグマ様」
「ハンターベースのエックスに宛ててメッセージを送ってきた所だ。
それで…準備は進んでおるかね」
「13人のハンターの現存する残り4人は着々と腕をあげております。
新型レプリロイドの研究は…5体のうち、4体は順調に進んでおりますが…
1体は失敗作ですなぁ。処分しておきました。後、そのうちの1体にはまだまだ…時間がかかりそうですじゃ」
「ふむ。
それで…アレは回収したか」
「ええ、もちろん。
ハンターからのスパイの方も洗脳が完了しております。」
「シグマ様、俺らはいつ暴れられるんですかい」
「そうだな…半年、といったところか。その頃に活動を再開しようではないか。」
「だそうですよ。イーグリードの仇はそれまでお預け、といったところで。」
「…………」
-
それから半年。
エックスはシグマに代わる第17精鋭部隊をまとめる隊長に昇格し、
ゼロのいない世界で彼は、シグマの残党との戦いに追われていた。
その日は巨大メカニロイド生産工場を停止させるべく動いていた。
荒地に作られた工場へはハンターもよく使用するバイク、ライドチェイサーで急行する。
レーザーの雨。これを潜りぬけることは至難の業だ。
「エックス隊長!
見てばっかりなんて居られませんよ!俺にも一緒に行かせてください!」
「ダメだ、攻撃が激しすぎる!君は戻って…あっ!!」
「ぐああああああああああ!!」
エックスレベルの者でなければ、無理に突っ込むとこうなる。
エックスはレーザーの雨を潜りぬけ…
工場の入り口でウィリー走行、そのまま突き飛ばすような形で降り、
入り口を守る大型メカニロイドに車体をぶつける。
そしてバスターの乱射でこれを破壊、先へ進む。
バーウェインと呼ばれるメカニロイドのシャッターを破壊し、
先へとまた進む。
生産され続けるメカニロイドを始末し続け、
上フロアへの縦穴では分厚い壁が迫り来る所を壁蹴りで昇る。
上のフロアの奥の穴から落下した所で工場の最深部にたどり着いた。
そこに落下してきたのはこの工場で生産されている超巨大メカニロイド・CF−0.
エックスの体の10倍はあろうかという巨体の持ち主だ。
しかしその耐久力は半年前に戦った特A級レプリロイドと比べると大したことはない。
力任せなパンチ、大きくジャンプしてのボディプレス、どちらも軽々とかわし
頭にバスターを何発か撃ちこんだ後チャージショットを一撃放てばすぐに…
そのボディは大爆発を起こし、残骸が宙に舞っていった。
「成る程。あれがあのエックス…。」
「ヘッ、大したことないぜ!」
「…少し様子を見ましょう。
それより、例のレプリロイドの方ですが…
扱いは解っていますね」
「ふむ。パーツはほぼ揃っておるんじゃが…まだコントロールが不完全でのう。
もう暫くかかりそうじゃ…」
「解りました。では暫く時間稼ぎは部下の方に任せておきましょう。急がなくては…」
「…君は。また呼ばれたのかい」
金髪にピンク色のアーマーに身を包んだ女性の姿がそこにあった。
以前エックスを担当したオペレーターだ。
「ええ。貴方のおまけで前回のことを褒められて…また何かあったら、ってね
以前は仕方なく人員が足りないから貴方の担当になっていただけなんだけど」
「…でも今回どうしていきなり」
「シグマ軍が活動を活発に行っている地域が見つかったのよ
シグマの側近と見られるレプリロイド達が多分そこに潜伏していると、ケイン博士も言っていたわ」
「…北極も近い寒い地域か」
「今回も前回同様気が抜けない戦いになりそうよ。
何せ…今回は前回見つからなかった4人の特Aランクのハンターがいるし、
それに…」
「…?」
「……後々話すわ。
とりあえず最初はこのミッションからね」
-
「最初のミッションは…気象コントロールセンター。そこに行きましょう」
「了解」
転送先は温室のような暖かな部屋。
「エックス、気をつけて。ここにはイレギュラーが沢山いるわ」
「…了解。」
巨木の形をした建物の中には水晶玉のような装置があり、
そこを超えると天候が変わる。むし暑い。
地面から顔を出し、ソーラーレーザーを発射するメカニロイドや
暑さで生命維持が困難になっている蛙型メカニロイドを撃破しつつ進む。
「雨!?」
「さっきの蛙が元気になるわね ここはウェザークリスタルを使って
天候を制御できる場所なのよ」
視界の悪い中、彼は何かを発見する。
「…これは…?」
「サブタンク。エネルギーを貯蔵して回復することも出来る代物ね
……前回、ナウマンダーやイーグリードやアルマージやマンドリラーのミッション先の施設に
配置されていたようなのだけど……」
「…まぁ、過ぎたことを悔やんでも仕方ないさ。取っておこう」
エレベーターで2Fへ。
「ここからターゲットの場所まではウェザークリスタルの連続よ」
「つまり…天候が連続で変化し続けるってことだね」
「そういうことになるわ。クリスタルを破壊しても天候は設定したとおりになって
そこから変化させられなくなるだから無意味って覚えておいて」
「了解」
晴れ…猛暑のときは敵の落とすサボテン型メカニロイドの成長が早く、
ソーラーレーザーのメカニロイドが本領を発揮する。
雨…豪雨のときは敵の落とす避雷針メカニロイドに雷が落ち、
蛙型メカニロイドは活発に活動する。
そんな中を駆け抜けて最深部のセンター中央部へとたどり着く。
「この先は到着地点と同じく温室よ。ここにいるレプリロイドは…手ごわいわ。
予想できない攻撃をしてくるかもしれない。気をつけて」
「ああ。久々の特Aクラス戦だ、気を引き締めておくよ」
「動くな!」
「やーーーだーーー。」
気の抜ける声がする。
…暖かい部屋をいかにも好みそうな、植物のような珍妙なレプリロイドがそこにいた。
「まず名前を教えてもらおう」
「ワイヤー・へチマールだよーーーん」
間延びした声。だが…これもシグマの部下には違いない。何か意図があるはず。
バスターを構えたまま。
「では、お前の所属はどこだ」
「? なーにかなーそれー…」
「お前のイレギュラーハンターでの所属はどこだったかと聞いている…。」
だが帰ってきた答えは
「しーらないよーーーー?イレギュラーハンターって悪い人ってことしか知らないよーーー」
「……ごめんなさい、エックス」
「説明してくれ」
「…彼は……ハンターじゃないの」
「!?」
「シグマのアジトには再生レプリロイド達が居た場所があったって言ったわよね
あそこは研究施設だったのよ」
「……まさか」
「ええ。彼はそこで生まれたレプリロイド。
シグマによって作られた…『イレギュラーによって作られたイレギュラー』よ」
「…!?」
その言葉に…驚きを隠せない。
「何話してるのーーーー?」
「…彼自体がすでに危険ということか」
「違うわね。多分彼はこの様子だと上からの命令にしたがっているだけ…」
「…保護しよう。」
「イレギュラーによって作られたレプリロイドもまた、イレギュラー。危険な存在とされているわ
「生まれながらのイレギュラー…だというのか」
「………。」
-
「何やってるのーーーー!?」
へチマールの体からムチが伸びる。
「!!」
エックスはそれを軽々とかわす。だが…
「エックス、ごめん…今ので…確定してしまったわ」
「くっ…」
再びバスターを構える。
「んーーーー?」
「すまないっ!!!」
踊りが大好きなだけの、ただの子供レプリロイドにどうして。
迷いの中、エックスの戦いは始まった。
「わわ!!? ストライクチェーーーン!」
ツルの形をしたムチをぐるぐると回す。
エックスのチャージショットはそのムチに吸収されてしまう。
「えぇええええい!」
そして彼はチェーンを伸ばす。貫通力の高いこの攻撃はカメリーオのソレほどの速さはないものの…
リーチがあまりに長い。
エックスはチェーンをくぐり、チャージショットを再びへチマールに当て、
チェーンが縮む直前に後方に向かいジャンプ、距離を置くと同時にチェーンをかわす。
「これならどうかなっ」
ツルを天井へと刺し、ぶら下がり…種を体から投げる。
その種は壁や床へくっつき、トゲのついた植物メカニロイドへと成長する。
「くっ!!」
エックスはぶら下がるへチマールにチャージショットを食らわし、
メカニロイドはバスターで潰す。
「チェーンにはこんな使い方もあるんだよっ!!」
再びチェーンを伸ばしてきたへチマールにバスターを食らわせる…が。
「えい!!」
チェーンを壁に刺し、急速に縮ませることで自らが体当たりする作戦に出たのだ。
だが速度もたかが知れたもの。そのまま飛び越し、後ろからチャージショット。
と、ここでへチマールの様子がおかしくなった。
「い…いたい…痛い…痛いいいいいいいいいいいいいい!」
へチマールの体がみるみるうちに赤く変色し…
頭がトゲに変化した。
「コレは!?」
「シグマはただのレプリロイドを作ろうとしていたわけじゃない…
特殊能力を持ったレプリロイドを作っていたのよ!!」
「となると…」
「恐らく彼の能力は…」
「天候制御か!」
時すでに遅し。雷が至るところに降り注ぎ、エックスはガックリと膝をついてしまった。
1発、2発、3発、4発。
彼は雷を自在に落とす、恐るべきレプリロイドへと変化していた。
「うっ……」
「…やるしかないわ。この痛みを忘れないようにしながら…」
「……すまない…!」
もう一度彼に謝りながら、駆け抜け…そして貫いた。
「やあああああああああああああああああああああああああああ!!!」
幼い声が響き渡り、へチマールは消滅していった。
「………戻ってきて、エックス」
「ああ」
-
「エックス、エックス!」
「…?どうしたんだ」
オペレーターの様子がおかしい。なにやらあわてている様子だ。
「いいから来て!モニターを見て欲しいの」
「なっ……!?」
見ると、白昼堂々、町の中心を全長200mはあろうかという巨大空母が悠々と浮かんでいる。
足元に位置する道路はその重さで潰れている。
「今度はこれを止めるのを貴方にお願いしたいんだけど」
「解った。これは黙ってみては居られない」
すぐに転送を行う。
「中は沢山のメカニロイドが待ち構えている上、足場も悪い部分もある。
そこはリフトで移動してみて」
「解った!」
最下階まで降りたが、そこに道は無い。
かといって、前部と後部を繋ぐ通路なども特に見当たらない。
「後部へ移動するには…これしかないわ そこは倉庫よね エックス、ライドアーマーに乗って!」
「これは…新型!?」
VAVAが生きていたら喜んでいたであろう、強化されたライドアーマーだ。
背中にはジェットブーストがつき、腕には3本のドリルが装着されたライドアーマー『ラビット』。
「オラオラあああああああああ!」
人が変わったようにライドアーマーを使いこなし、行く手を阻む敵を破壊するエックス。
「…ふぅ。さあ、先へ進もう」
「………」
ライドアーマーから降りた後、エックスはリフトでの空中戦をこなし、
外部ではメカニロイドの発生を食い止めたりもしながら空母後部のオイルプールのある部屋へとたどり着いた。
「何だこの部屋…オイルだらけ…」
「随分趣味の悪い部屋ね…」
「ガハハハハハハハ!俺様の城へようこそエックス!
お前のオイルもここに全部流してくれや!」
「…アリゲイツ!」
「オクトパルドと同じ所属の乱暴者ね
副隊長なんだけど凶暴で残忍。…イレギュラー化は…彼には少し納得かしら」
「オイオイ、随分言ってくれるじゃねえか!?
ハンターベースにこのまんま進路変更してやろうか?アァア!?」
「エックス、やられる前に!」
「解った。」
「ハッ、生意気な口利きやがってんじゃねえぞ小僧!」
そういうとアリゲイツはいきなりプールの中に飛び込んだ。
「下から来るつもりね」
「解りやすい戦法だ」
壁の上へ逃げ、敵が水面に出るのを待つ。だが…
「何!?」
突然、鋭いトゲつきの刃に包まれた車輪が壁を登ってくる。
スピンホイールだ。
「危ないっ」
とっさに下に下りてしまう。だが…
「かかったな馬鹿めがあああああ!」
そのときを見計らい水中から大口を開けてアリゲイツは飛び掛る。
「ああ、少し危なかったよ!」
アリゲイツから遠ざかると同時に彼に向かってチャージショットを放つ。
「ぬがああああああ!」
続いてアリゲイツは口から弾を乱射する。
「遠距離攻撃に関しては穴があるようだな、アリゲイツ!」
隙の多い攻撃は容易くかわし、バスターを見舞う。
「てんめぇええええ!」
肩についたホイールを飛ばす。水上版のスピンホイールだ。
「まだまだまだまだ飛ばすぜオラオラあああ!」
刃のついた車輪が水面を走り、壁を走り、天井にぶつかりエックスの上へ降り注ぐ。
それを連発するものだから、ジャグリングの中にいるような感覚になる。
だが攻撃の手は一切緩めない。早く奴を仕留めなければ、町の危険は恐るべき速度で拡大していくのだから。
「貫かれちまえやああああああああ!」
水面から大きくジャンプ、体を高速回転させ、その口をドリルにして壁へ突撃する。
まさにパワーの塊と言える。
だがこれもかわし…
「ストライクチェーン!」
へチマールから貰った武器がここで役に立った。真っ直ぐに伸びるチェーンは
アリゲイツの頭を的確に捉え貫いた。
「エッ…クス…キサマあああああああああああ!!!」
横暴な男、アリゲイツの最期だった。
「空母の動きは止まったみたいね…エックス、有難う」
-
「おお、エックスか!」
「お呼びですか、ケイン博士。」
ハンターベースで彼を待っていたのはレプリロイドの生みの親とされる
人間のケイン・クライン博士。
「実は先ほど、『カウンターハンター』と名乗る
謎の3人組のレプリロイド達から通信が入ったのじゃ…」
「…カウンターハンター…。」
「半年前から、薄々シグマの側近がVAVA以外にも存在するだろうということは
解ってはいたのじゃが…」
「とうとう動き出したのですね」
明らかになった、今回の敵。
その敵の声に、エックスは聴覚を研ぎ澄まし、注意深く耳を傾ける。
「(ガー)…ロック…(ガガ)…エッ…クス…」
ノイズ混じりな老人の音声はエックスの名を呼ぶ。
…エックス、の前は一体何を意味しているのだろう。
続いて粗暴な男の声。
「ゼロのパーツは俺達が手に入れた!
帰して欲しければ…」
そして冷静な中年紳士らしき声。
「貴方一人で取りに来てください。
ゼロをもし、復活させたいのであれば、ですがね…
待っていますよ、エックス」
ここでメッセージは途切れた。
「…カウンターハンターは3人で構成されているのですか」
「うむ。シグマが居ない今、シグマ軍を指揮しているのは恐らく彼らだろう。
ゼロのパーツを人質としおびきよせ、奴らはお前を倒すつもりなのじゃ。」
「敵が指定してきた場所はどこですか!?」
「待って、エックス!
罠よ。今は力をつけるべき期間。焦って戦ってしまっては…」
オペレーターの説得。
「それに今日は、緊急で片付けなければならないミッションが1つあるのよ」
「…解った。そのミッションを優先しよう」
「有難う、エックス
…場所は砂漠よ。ターゲットのいる場所は妨害電波が発せられて近づくことが出来ないから
付近のレンタルチェイサーショップに転送することになるわ」
「チェイサーの扱いなら任せてくれ。行ってくるよ」
着いた先もまた、シグマ軍により襲撃されていた。
「メカニロイドが数体か…」
バスターの連射でこれを難なく破壊。
地下のチェイサーに跨る。
「ここから一気にミサイル基地まで進むわよ、砂漠を突き抜けて!」
急加速で地下駐車場から飛び出し、
砂漠の谷を越える橋を備え付けの小型ショットで作動させる。
「砂嵐!?」
「急にイレギュラーも襲ってきた…
どうやら人工的なもののようね…でも気にしては居られない。先へ進んで!」
「うっ…視界が…」
「行けない、衝突するわ!!!」
「うわああああ!?」
あわててチェイサーから飛び降りる。
チェイサーはそのまま高速でどこかへ走り去っていき…大爆発を起こした。
「…ごめん」
「砂嵐が収まったわね…。発生装置にでも当たったのかしら」
「……」
「ひとまず、次のチェイサーを探しましょ」
運よくそばにチェイサーを見つけたエックスはまたチェイサーで行く手を阻むメカニロイド達を倒しながら走行。
そして…
「ミサイル基地はもうすぐ…急加速して!この谷越えは厳しいわよ!」
対岸との高低差のある大きな砂漠の谷。今回は橋などはない。
谷から落ちぬよう設置された柵をショットで倒し、ジャンプ台代わりにしながら…
「うぁあああああああああああ!」
エックスは巨大な谷を無事飛び越え、ミサイル基地へと潜入することに成功した。
「そのまま最深部まで…あ!」
「どうしたんだい」
「奥に…恐らくカプセルの反応がある!そこでチェイサーを降りて!」
サソリ型メカニロイドにぶつけ、チェイサーを飛び降りる。
「スピンホイール!」
その先で待っていたのはやはりカプセル、そして謎の老人。
「エックス…ここでは新たなるフットパーツを授けよう。これにより、お前の力は更なる覚醒へと向かうはずだ。
新しい能力は『エアダッシュ』。上手く使いこなしてくれ…」
またも光が彼を包み、彼の頭に電撃と共に知識が打ち込まれ…新たなパーツが生成された。
シグマとの戦いで壊れた物より更に上の、新たなるパーツを入手したエックスは
その下階でミサイルを発見する。
-
「これよりミサイルの破壊に入ります」
「発射時刻になったわ、急いで!」
バスターを乱射するがミサイルはなかなか壊れない。
「ダメ、発射するわ!」
「…なら空中分解だ!」
そして空高く舞い上がり…
間一髪、間に合った!
「よし!」
ミサイルの爆発から逃れるべく、ミサイルの側面を大きく蹴り、退避する。
そして閃光が視界を包む中、彼は砂の上へと着地した。
「やるようだな、エックス」
「…オストリーグ!」
ソニック・オストリーグ。イーグリードの率いていた第7空挺部隊の隊員で、
鳥型レプリロイドでありながら飛行機事故により飛行能力を失い脱退したが…
その驚異的脚力をシグマに買われたという者だ。
「俺が何のためにここにいるか、わかってるな?」
「…俺からは弁解する事もない。俺は…イーグリードを殺した。
…戦おう、オストリーグ」
「そう言われると却って腹の立つものだな…
だが例え隊長が生きていても俺はシグマ軍の一員であることに変わりはない
全力で行かせてもらうぞエックス!」
戦闘態勢に入り…オストリーグは一直線に駆け抜ける。
この一帯は凹凸の激しい地形となっていて、戦うにも走るにも難のある場所だ。
だが…オストリーグの脚力は物ともせず、エックスを突き飛ばすべく猛スピードで突き進む。
「ハァアア!」
オストリーグが低い場所にいる時に高いところから飛び越し振り向きざまにチャージショットを食らわす。
逆は確実に跳んでも突き飛ばされる。ある程度はエックスの脚力も重要となる戦いだ。
「!? 居ない!」
すぐにオストリーグは姿を消した。
…よく見ると遥か彼方に砂煙を撒き散らす影が見える。
「であああああああ!」
エックスを踏み潰しにその距離を一跳びで飛び越え、エックスを踏み潰しにかかる。
「させるか!」
とっさの回避でまた一撃。
「ソニック・スライサー!」
オストリーグは口からブーメランを射出する。
「!」
ブーメランと交差する形で、オストリーグの側にダッシュしこれを避ける。
「かかったなエックス!」
「げふっ!!」
とび蹴りが待っていた。
まるで大きな何かに投げられるかのように放物線を描き、10mほど後方まで突き飛ばされる。
「くっ…」
負けてはいられない。突き飛ばすべく大股で走り続けるオストリーグを潜り、高く跳んでまた一発。
「しつこい野郎だ…!」
太陽を背に、高く飛び上がるオストリーグ。
「まさか!」
大量のソニックスライサーを一度に射出したのだ。
それらは空中で分かれ、翻り…
刃の雨となり降り注ぐ。
「これで終わりだあああ!」
しかしこれもまた、体を僅かにずらし…刃と刃の間に身を置くことで回避していた。
「…チッ、隊長やシグマ様を倒しただけはあるな…化け物かよ
だが気を抜くなよ、俺は何度だってこの技を使える!」
「二度は使わせない!」
オストリーグは高く飛び上がる。
エックスはそれを追うべく、高い位置からジャンプ…そしてエアダッシュ。
「なっ!?お前、空中を…!!!」
「うぉおおおおおお!」
オストリーグの首に零距離のチャージショットを見舞う。
「…くっ……流石……は…!」
首を反動で捻じ曲げながら、オストリーグは地に落ち、炎に包まれた。
「ちっ…俺様の招待を無視するとはエックスの野郎、いい度胸してやがる…
或いは俺を恐れたか?」
「タイミングが悪かったようじゃな『バイオレン』。お前さんはそこで待っておるがよい」
「まぁすぐに我々が始末しますがね。…恐らくは8人のうち、彼とでも戦えば
エックスの気持ちも変わることでしょう。」
-
うー、ドンパチがしたいドンパチがしたい、
第二次世界大戦時(特に海戦兵器)の兵器を使ってドンパチしたい!
艦砲射撃で米国籍艦艇沈めたいーっ!
シャーリィ「だれか止めてこい」
アルファ「わかりました、シャーリィ」
-
>>30
諦めて、スター・デストロイヤー VS デス
TIEハンター VS ビックバイパー
フォース VS リークパワーやろうよ…。
-
>>31
いや、たまにはSFから離れたいのですよ
-
「…この施設がなにやら怪しいのよね」
「…あれか」
「地図の上からでもはっきり見えるでしょう
この島が世界に誇れる施設、中央コンピューターね」
「そこは敵に占拠されているんだろうか?」
「警備はきちんとしているはずなんだけれど…
なにやらおかしな事件が内部で起きてるらしいのよね
夜、何かの人影が見えるような気がしたけど誰もいないとか。
いつの間にか人が倒れたり、見回りのポイントを忘れていたりとか…急病にかかっていたりとか。」
まるで怪談か何かのように語るオペレーター。
エックスは首をかしげる。
「君にしては珍しいね…」
「変だと思っているのは確か。だから何か裏にあるんじゃないかって気がしたのよ
エックス、調査をお願いできるかしら」
「了解。」
中央コンピュータ内部に足を踏み入れるエックス。
エレベーターで上層部の機密フロアへと昇る。
数段階のレベルに分けられており、そこには
「ここにどれだけの情報が詰まっているんだろう。
全部を調べさせてくれるとは思えないけど…」
巨大な球形モニターの部屋に到着する。
「綺麗な夜景が見えるでしょう?
…私の調べによると、外からはどうやらその部屋に人影が見えるといううわさがあるらしいの。
外からは高さからしてよくは見えないはずなんだけどね…」
そのときである。
「よく来ましたねエックス」
けたたましい警報音と共にシャッターが閉まり、どこからか声がした。
「…カウンターハンターか!」
「ご名答 これは貴方をおびき寄せるための罠ですよエックス。
貴方を殺すのにここの警備はこれ以上ない武器となる。
残念ですがここで死んで貰いましょう」
「エックス!警備システムは貴方を攻撃対象として見ている。
最深部に逃げて!」
「最深部!?」
「セキュリティの中枢まで行けばなんとかなると思うの!」
バリアを展開し、警備メカニロイドがエックスに近づいてくる。
チャージショットでバリアを破壊、機能を数秒間ストップさせている間に飛び越す。
サーチライトに当たるとその瞬間警報音が鳴り響き、天井のブロックがメカニロイドとして機能し
エックスを排除すべく攻撃をはじめ、フロアとフロアを繋ぐ橋も落下する。
その先ではまたもブロックが行く手を遮るべく、またはエックスを押しつぶそうと移動を始める。
「耐久力の少ないものを見分けて破壊して、早く先へ!」
「解った!」
その先、会議室のような部屋である機密レベル2への入り口でプロジェクターから現れたのは
可視プログラム体で構成されていると思われる謎の剣。
「何だ、こいつ!?」
「自動攻撃システムね…こんな技術、私見た事ない!」
チョップレジスターと呼ばれるそのプログラムは縦横無尽に動きまわり、
エックスを切り刻むべく斬撃を繰り出す。
「柄の部分が弱いみたい!攻撃してみて!」
「了解!」
それを倒した後は深い深い縦穴を降りることに。
サーチライトに3回当たり、警報音が多重に鳴り響く。
「今度は…なんだ!?」
「エックス…上!」
降りた先の巨大な広間にて…なんと粘土のような形をしたブロックがエックスを押しつぶすべく落下してくるではないか。
「何だ!?何なんだ!?」
そして床へ付着すると同時にフロアと一体、複雑な地形を形成。それはまるで、さっきまでもずっとそんな形の部屋であったかのように。
「最新の技術というのはこんなに厄介なものなのか… わっ!?」
続けて謎のフレームがエックスを捕獲する。これもまた、可視プログラムらしい。
「エックスを解析するつもりね!?」
「そんなことをしてどうするつもりなんだ!?」
そのフレームに解析されること3回。
答えは部屋の出口で明らかになった。
-
エリアとエリアを繋ぐ、空洞に架けられた橋の上。恐らく機密レベル3はこの先であるのだろう。
そこで何者かが無から生成されたかのように、現れた。
ゴツゴツとした胴体に細く長い手足、裂けた口に目は一つ。
中央コンピュータが自慢する最強のセキュリティのようである。
「レイダー・キラー…内部職員からはそう呼ばれているみたい」
「すまないが、破壊させてもらおう。 ん…?」
ふと、先ほどエックスを追い回したフレームが現れ、レイダーキラーの体に吸い込まれるように近づいていく。
「まさか…」
カタタタタタ…システム音が鳴り響くと共に、レイダーキラーは輝き、その姿を変える。これは…データ送信だ。
またフレームが現れ、レイダーキラーにデータを送信する。…またも色が変化する。
3度目の送信が終わったとき、レイダーキラーの黄色は紫へと変化していた。
「…侵入者の戦闘データにあわせ、最適な戦闘方法を計算するプログラム!?」
「そうなると…つまり!」
「恐ろしい強敵が出来上がってしまったわ… エックス、戦える!?」
「それしか道なんてないんだろう!」
バスターを構え、チャージショットを放つ。
だが…
「バリア!?」
続けて上下に撃ち分ける高速ショット。
飛び越し、潜り…攻撃を加える。
レイダーキラーは大きくジャンプし、3方向にレーザーを放射する。
「くっ…」
そしてまた上下に撃ち分けるショット。
「見切った!」
だが。
「!!」
同じパターンは2度繰り返されることはなかった。
今度は低空のジャンプでエックスを素早く踏み潰しにかかったのだ。
「お前…!」
バスターを撃つがバリアにより阻まれる。
「…戦いは長引きそうね」
戦いが終わった頃にはすでに満身創痍。
サブタンクで回復の後、機密レベル3へと向かう。
踏み入れた瞬間止まらぬ警報音が鳴り響き、全力でシステムがエックスを殺しにかかる。
だがそれに負けることなくエックスは突き進み続け…そして。
「ここよ!ここがシステム中枢。ここでセキュリティを無効化すれば貴方は脱出できる」
「……オペレーター、ここにいるシグマの部下は?」
「ここはカウンターハンターが指定してきた場所ではないし、特にこれといって反応は…
…あっ… 今反応が出てきたわ!」
そうオペレーターが告げた瞬間、部屋の隅に黒き砂のようなものが集まり、レプリロイドの形を取った。
「…………エックス、コロス…。」
「…君は!」
「…あったわ!…第0部隊隊員…マグネ・ヒャクレッガー…!」
-
310 :名無しは無慈悲な夜の女王 [sage] :2009/04/01(水) 18:22:26
ウーキーペディアのエイプリル
「コルサントはエンドアの戦い後、すぐに帝国から解放されました」
「オーダー66を生き延びたのジェダイはヨーダとオビ=ワンしかいません!」
「シス・オーダーはダース・シディアスの死を最期に消滅しました」
「最近のニュース:エピソードⅢが劇場公開されました」
…ナイスジョーク!w
-
「半年前、確か俺とゼロが突入する前、
確か第0部隊のハンターが一人潜入して通信が途絶えたと言われていたが…」
「ええ、ヒャクレッガーの事ですよ」
オペレーターの横から通信に割って入ったのは第0部隊の隊長だった。
「…彼はとても有能な隊員です。
故に、敵に回れば恐ろしい敵となるのは間違いない。…エックス隊長、お気をつけて」
「……いいんですか」
「第0部隊は通称『忍び部隊』任務の途中でこうなることは覚悟の上です
それに、きっと私が彼でも同じことを望むことでしょう…」
「…解りました。では…」
「ウウウ…グガガガガガ!」
戦闘態勢に入る。ヒャクレッガーが砂のように消え、別の場所で再構成される。
場所は天井の上だ。
「手裏剣…!」
弧を描き飛ぶ、同時に放たれた3枚の手裏剣。
壁を蹴り、天井のヒャクレッガーにチャージショットを見舞いつつそれを飛び越す。
またも姿を消し、移動するヒャクレッガー。
今度は長い尾をブロックごとにわけ、飛ばしてきた。
「ビット攻撃か…!?」
2つのトゲ付きのビットがエックスの動きに同調し周りを囲う。
「バスターもかき消された…」
ヒャクレッガーの尾の硬度の高さが伺える。
「強力な磁力で挟み込むつもりよ!」
二つのビットが止まった瞬間、磁石としての性質が働きエックスの体を貫くべく作動する。
こうなったらエックスの動きには同調しない。
タイミングよく切り抜け、ヒャクレッガーにまた一発。
「グオォオオオオオオオ!」
負傷したヒャクレッガーは今度は尾全体の磁力でエックスを引き付けにかかった。
エックスの体は浮き上がり、どんどんと吸い寄せられている。
「何をする気だ…」
「アレは…!エックス隊長、離れてください!」
「どうなるんですか!?」
「それは…」
エックスの首をがっしりと掴む。
そしてそのまま首筋に尾の先端の針で刺し…
「あああああああああ!!!」
何かを注入した後、エックスを放り投げた。
「…何だ…?」
「何か身体に違和感はないかね」
「問題ありません。ヒャクレッガーへの攻撃を再開します」
バスターを構え…チャージを…
…おかしい。チャージ…が出来ない!
「それなら!!」
通常のショットをヒャクレッガーに撃ちこむ。
効いてはいるようだが…チャージショットと比べると格段に威力は落ちる。
「グオオオオオオオオ!」
またも注入。
…今度はバスターの連射が効かなくなった。
「グオオオオオオオ!」
今度はダッシュが出来なくなり…
その次には最早ジャンプ力まで低下する始末。
「…これがヒャクレッガーの能力…!?」
「コンピュータウィルスをレプリロイドの体内に注入する…
こうなるとレプリロイドの病もまるで人間のそれと同じね」
天井へ逃げ、手裏剣をばら撒き始めるヒャクレッガー。
確かにこうすれば今のエックスでは太刀打ちしようがない…どうすれば…
しかしエックスもまた、諦めてはいなかった。
壁を少しずつ、且つ素早く蹴り、昇っていく。
「グオォオオ!?」
「少しばかり…遅すぎたようだなッ!」
そして…壁を蹴り身を投げ、なけなしの一発の弾丸を天井に張り付くヒャクレッガーの額に撃ちこんだ!
その瞬間。
「あっ…うううぐっ… ああぁっ!!」
脳天を打ちぬかれた形となるヒャクレッガーは
体をのけぞらせ、目は天を仰ぎ、ビクビクと痙攣した後…
青き炎に包まれながら跡形もなく散っていった。
「エックス隊長。」
「はい…」
「ヒャクレッガーを救って頂いたこと、感謝致します。」
「………いえ。俺は……」
警備システムを停止させ、エックス自身からの危険が去った後、エックスはまた、黙り込んだ。
「…では、こちらはこちらで用事がありますのでこれで…失礼。」
第0部隊隊長は去っていった。
「エックス。ヒャクレッガーのこと、第0部隊の隊長が少し話しているの聞いちゃったのよ」
「…やっぱり、俺のこと恨んでるかな」
「それはないわ。ただ… ヒャクレッガーはゼロを尊敬していたそうよ。…是非自分達の部隊に入って欲しかった、とも。
ゼロは戦闘時、激しい戦いをする事もあるけれど、反面気配を消しての行動も得意だったと聞くし。
隊長もそれを本気で考えていたみたい。それなりのポジションを用意することも考えて。」
「…………そうか。」
「ヒャクレッガーの最後の願い、叶えてあげましょう… ゼロを、復活させて。」
「…ああ」
-
「お、おお…!これはこれは『アジール』様…お越しになるなら一言
おっしゃってくれれば宜しかったのに。如何なさいましたかブク?」
「そうですねぇ…貴方の所は実に適当と言える。少し使わせてもらいますよ」
「ああ、エックスを!いえ、アジール様自らお出ましにならなくとも 私めが一ひねりで始末致しますので…」
「ほほう 我らがシグマ様を一度とは言え破った彼を、貴方が一ひねりできる…と申しますか」
「あ、い…いえいえそんな滅相も無い!!」
「かといって、戦ってつまらぬ負け方をされても困りますがね…何より私が戦いたいのですよ、彼とはね」
「次の指定場所は海中か…」
「元特A級ハンター、バブリー・クラブロスが占拠している海底基地…
水中メカニロイドの格納庫が彼の指定してきた場所になるわ」
「二人を相手か…やってみるよ」
夕日に照らされた海辺の洞窟。
「ここら辺は水族館があることで有名なのよね…エックス、知ってる?」
「確か…腕の立つ館長がいるって噂なんだったかな…。」
洞窟の中から海水へ飛び込む。
水中を泳ぐサメ型メカニロイドを手早く始末し、また潜っていった所で…
「巨大メカニロイドね…」
腹部のサーチライトで海中を照らす巨大魚型メカニロイドに遭遇する。
「破壊…はどうしよう」
「構わないわ。先へ進みましょ」
メカニロイドは無視して基地へと海中を歩いていく。だが…
「…扉か」
「ここは洞窟内を締め切るための仕切りの役割もしているわね…
恐らくは基地の中もこういった扉がある。これがある限り、海には出られないわ…」
「別の道を探そう」
そう言ってエックスが引き返した瞬間……。
ガガガガガガ…と大きな音がする。振り返ると…
先の巨大メカニロイドが扉の上で航行を停止した瞬間、
その扉が独りでに開いたのだ。
「…このメカニロイドだけは通すのか…」
「メカニロイド用格納庫……これよ!」
「…?どういうことだろう。」
「このメカニロイドのコアチップを認証して開く仕組みだと思うの。
だから…このメカニロイドを破壊してしまえば!」
「! 俺が格納庫に入ることが出来る…!
…よし、試してみるよ」
「このメカニロイドは鋭い刃に弱いわ。」
「それなら…ソニックスライサー!」
オストリーグから得た武器で巨大魚を切り刻む。
まずは尾びれ、次に背びれ、次に小型メカニロイド達を追い抜き前方から頭を狙う。
続いて海底近くに下りてきた際に胸びれ、そして最後に腹のサーチライトを…
「まずい!」
サーチライトにエックスが当たってしまった。その瞬間、メカニロイドはレーザーをサーチライトの範囲と同じ範囲に発射し始める。
「一時距離を置きましょう」
レーザーをかわし、くらげの形をした小型メカニロイドを始末した後、またサーチライトへのソニックスライサー。
「破壊成功!!」
メカニロイドは煙を吐き海底へ沈んでいった。
「…これだな」
「急ぎましょう、基地へ!」
コアチップを手に水中基地へ向かう。
岩壁を登り、基地の正面入り口を通り越し更に上へ。
水面に近づいたところで…見えた。
硬い天井が水面の遥か上で揺らめいている。
水面から勢いよく飛び出し、着地。
倉庫というだけあり、そこそこは開けた部屋だ。
床の扉が閉じ、完全な四角部屋となった所で…彼は姿を現した。
「よかった、私の趣向をご理解いただけたようだ。
ククク…」
どこからか空間が裂け、紫色の残像が真っ直ぐに地面に降りてくる。
「ようこそエックス。
私はカウンターハンターの一人…アジール。
お相手致しましょう…」
ンフフ…と、肩を上下させオーバー気味に笑う。
-
「ゼロのパーツを返せ!」
勿論戦闘の用意はとうに出来ている。ダッシュし加速で威力を強めたチャージショットをアジールへと放つ。
だが…
「おっと!」
アジールはその倍しようかという恐ろしい速度で剣を左右にスパスパと振るいチャージショットを切り刻み、
エックスへ向かってきたのだ。
「なああっ!?」
とっさにジャンプして回避。
「いい動きです!」
続けて部屋の端まで到達した瞬間に体を目弐も留まらぬ速さで翻し、垂直に飛び上がる。
体と同時に無論、両手で持った剣も天井近くまで突き上げられ、エックスへと向かい、エックスの体の4倍はあろうかという巨大な衝撃波を発する。
「ぐあぁあああああああああああああああああああ!」
エックスの体に、床に対して垂直な一本の傷が付けられる。
「エックス!!!」
「大丈夫だ。見た目ほど傷は深くない…」
「…驚きましたねぇ。私の剣を食らってもその程度とは…
しかし続けて回避はできますまい!」
二度、三度。恐ろしい速度で垂直に跳び、落下しを繰り返し衝撃波を発生させる。
だがこの技はアジールの腕の位置より下には発生しない。垂直跳びの力のみで衝撃を発生させているためだ。
下から上へと腕まで振るってはここまで真っ直ぐに空気を切れはしない。
だから体勢をそれより低くすれば当たらない。
ダッシュで衝撃波を潜り抜け、アジールの体にチャージショットを放つ。
「くっ…」
続けてバスターを連射し撃とうとするが、これは初めの際の高速剣にて弾かれる。
そしてまたかわす。
だがバスター攻撃の隙を与えないため、アジールは今度は往復して高速剣を繰り出す。
「あまりに強力な攻撃だ…だが…。見切ったぞアジール!」
「痛い所を突かれたものですねぇ…。もう一度仰られたら私とて心が折れそうだ…
だが、次は全てかわしきってから仰るように!」
高速剣、高速剣、衝撃波、衝撃波、高速剣……
恐るべきペースで技を繰り出すアジールの猛攻。
これを破ることが出来ず、幾多のイレギュラーハンターが彼の前に刻まれていったのだろう。
対応できるかどうか。戦いはそこにかかっているといっていい。
一度食らえば最早相手のペース。
回避しながらチャージショットを放ちを続け…
エックスの動きがとうとう止まる。
「お疲れですか!?」
またも高速剣でエックスに近づく。
「そうでもない」
垂直に跳び、軽くかわしたエックスはアジールの背中に最後の一撃を…「置いた」。
「攻撃の手が緩んでいるようで…す…がはっ!!?」
言いながらアジールは気づいた。エックスのボディカラーが変化していることに。
そして、そのときにはすでに遅かった。 …ヒャクレッガーの尾を模したその武器、マグネットマインがアジールの背に付着、
起爆する瞬間だったのだから。
この攻撃が恐らく通常のバスターでも、今の様子からすると自分は負けていた。
アジールは半ば悔しそうに苦笑した。
「ククク…。私を…ここまで追い詰めるとは…信じられん!
…次にお会いするときを楽しみにしていますよ…」
空間を切り裂き、紫色の残像は消えていった。
ゼロの、パーツを残して。
「…ゼロのレッグパーツか…」
「さぁ来るブク!!オクトパルドやアリゲイツのようにはいかないブクよ!」
「スピンホイール!」
「何!?」
口から放たれる泡バブルスプラッシュも、小蟹攻撃も、泡のバリアも…
肩から生えた蟹鋏を模したビームカッターも通用せず。
クラブロスはエックスによって、水中で華麗に燃え尽きたのであった。
「エックスか…カウンターハンターに勝ったそうじゃな…」
「ええ。ヒャクレッガーのように特殊能力はない分、単純に戦闘能力が恐ろしく強力な敵でしたが…
何とか勝利を収めました。…どうしたんですかケイン博士。浮かない顔ですね」
「エックス、お前こそどうしてそんな顔をしておる?
…手に入らなかったんじゃろう、ゼロのパーツ等…」
「…いえ、手に入りましたよ。約束は守る敵でした。この通りです」
「…なんじゃと…?」
-
「残る敵は3人。クラブロスは弱かったけれど…残りはどれも強敵よ
気を引き締めて行きましょう、エックス」
「ではカウンターハンターの残り1人の指定場所へ向かおう。
そいつを倒せばきっと以前無視してしまった1人も姿を現すはず」
「………敵の指定場所は…火山。
そこにいる特Aハンターはあまりに強いと聞くわ。
カウンターハンターも一緒に相手にさせるなんて出来ない。…どちらか選んで」
「……スクラップ置き場と…エネルゲン鉱山か。エネルゲン鉱山だな。住人の生活がかかっている」
そしてエックスはエネルゲン水晶が採掘される鉱山へ向かった。
エネルゲン水晶とは、レプリロイドの動力源となるもので、後の時代ではEクリスタルと略されることもある。
「ここを占拠すると言うことは余程の食い意地の張ったイレギュラーなんだろうね…」
「…あまり考えないほうがいいわ。純粋な敵ほど…貴方倒すのいやなんでしょう
ここの風景を見てリラックスしながら…というわけにはあまり行かないかもしれないけど」
鉱山内部がすでに綺麗な水晶で構成された空間。
地面も、壁も、天井も…全てが水晶で構成された美し過ぎる場所だった。
「ライドアーマー。手早く頼むわ」
「ああ!」
「オラオラあああああああああああああ!」
美しい水晶の中、メカニロイドを粉砕するエックスのライドアーマー。
ライドアーマーを降り、
巨大なクリスタルに埋まったメカニロイドを破壊した先で彼は更に下層へと降りることとなる。
「…見下ろすと結構な坂だね」
「勢いがつきすぎて敵と衝突しないようにね…」
「…!」
そう言った途端である。
水晶の坂を巨大な結晶が滑り降りてくるではないか。
「まずい、さっきもあったけどこれほど長い坂となると…!」
「急いでエックス!」
追いつかれぬように全速力で走り、水晶を飛び越す。
間一髪で水晶によって潰されずには済んだ。
「…待ってエックス。その下…」
「谷じゃないか、ただの。」
「ここからは見えづらいけど、谷の対岸から見ると貴方の立ってる位置のずっと下に、
横穴が見えるのよ。そこに…カプセルの反応を感知したわ」
「…降りてみよう」
壁に脚をつけ、滑り降りる。
メカニロイド達が密集したその中に、カプセルを発見した。
「来たか、エックス。ここではお前のサーチ能力を覚醒するヘッドパーツを授けよう。
これで目には見えにくい通路や特殊な場所などを探し当てることが出来よう…」
頭にパーツが生成された。
坂道を今度は上から滑り降りてくる結晶を回避したりなどしながら
最深部でターゲットを発見する。
「ここにいるのはシグマによって作られた5体のレプリロイドのうちの一人、
クリスター・マイマインよ」
「彼もまた……」
「仕方ないことよ…。 エックス、今度はコアチップを持って帰るから
死なせない程度に頑張って!」
「…ああ!」
「あ、そうそう…へチマールのも何とか回収に成功したわ」
「そうなのか…!」
助けるための戦いになる可能性が少しでもあれば。エックスは扉を潜る。
-
「…な、何だよ…!俺に何かしようってのか…」
「………」
「へチマールを倒したのはお前なんだろう!?俺聞いちゃったぞ!」
「…子供…か。」
「今回放たれたレプリロイド3人は皆そうよ。」
「少しの間、眠っていてもらう!」
迷うことはない。マイマインに向かいバスターを放つ。
「わああああああああ!」
マイマインはとっさに殻に篭りこれを遮った。
「…アルマージ級の殻か…!」
首を大きく振り、口から粘液を撒く。
「く、食らえ!」
その瞬間を狙ってバスターを撃つも、粘液を直に浴びてしまう。
異臭がするのか?それとも溶かされてしまうのか?
どちらでもなかった。エックスはその瞬間、粘液に囲まれ結晶化したのである。
「……!! …!」
「え…ぇえええええええええい!」
殻に篭り、高速の体当たりを食らわす。相当な重量をもっての体当たり。
水晶は粉々に粉砕され、エックスの体は青き輝きと共に部屋の端へと弾き飛ばされる。
「ガッ…!」
「…あ、当たった!当たった!もう一度!」
殻に包まっての突進。
さすがにエックスの方が速い。これを余裕で回避する。
「攻防一体か…強力な攻撃だが…すぐに見切る事ができる! マグネットマイン!」
マイマイン本体に磁力攻撃を当てる。
「ひゃあああああああ!!」
マイマインの体が痺れたと思うと、急に殻からマイマイン自身が弾き飛ばされてしまった。
「いたぁっ!」
「今よ!」
「マグネットマイン!」
丸裸になったマイマインに磁力の機雷を撒き続ける。再び殻に篭られないよう、殻を蹴りながら。
「これは…アルマージのと比べ軽量化にも成功しているから、すぐに俺の力で飛ばせる!」
「相手は強い能力は持っていても素の能力は低いようね」
「返してぇえええ…!」
サッカーボールの要領で殻を蹴りつつマイマインを攻撃する。
そんなやり取りをしているうちに…マイマインがとうとう殻をキャッチしてしまった。
「お…おおお、俺の…!」
もう二度と殻から離させるものか。殻に篭ったマイマインはそのまま天井近くへと跳びあがり、高速回転をし始めた。
「高速の突進か…でも、アジールほどの速さを持つわけも無い!」
「……何か嫌な予感が…」
「俺の勝ちだあああああ!」
触覚に高圧電流が流れた…。かと思うと、突然目の前が歪み始めた。
「こ………れ………は……」
「ええええい!」
マイマインは再び殻に篭っての突進を始める。
「え………いっ」
突進にあわせジャンプで回避。…だが、体が浮くのが物凄く遅い。
…体が動かない。着地も…遅い。そして、そのときに気づく。回避行動が早すぎたと。そして…
「ぐ…あ…あ…あ……!」
ゆっくりと部屋の端まで飛ばされる。
「マイマインの能力…まさか、範囲内の自分以外の存在の時間を遅らせる…時間操作!?」
エックスは倍の速度のマイマインと戦っているようなものだ。
しかもその上、自分の感覚そのものは正常だから動きは数段遅れている。
これでは…エックスに勝ち目は…
「逃げて、エックス!」
ゆっくりと頷いた。なんとかこの速度でもマイマインの動きを回避できるようだ。
紙一重で攻撃をかわしながら…暫くの後。
「…! 時間が元に戻った!」
「あぁああ!ど、どうしよう…! もう一回!」
空中での高速回転から動作を再スタートする。
だがエックスは二度もその手は食らわない。
「大人しくしていてもらう…マイマイン!」
顔を出し、時間操作を始めるその瞬間…エックスは空中を滑走し、マイマインの腹を吹き飛ばした。
「ぎゃああああああああああああ!!」
青き炎が辺りを覆いつくし、マイマインの体が弾けた。
「よし!」
そして頭の辺りから飛び出てきたマイマインのコアチップを手に、彼はハンターベースへと帰っていった。
-
「敵の指定した場所は?」
「火山。…こうなったら確定のようね
サブタンクは貯蔵してきたからきっと勝てるわよ…エックス」
「ありがとう。」
マグマの煮えたぎる活火山。ここで一体誰が何を企んでいるというのか。
「13人いた特Aランクハンターも後一人。 …エックス、貴方ならきっと誰だか解る」
「……ああ。」
カブトムシ型の大型メカニロイドを撃ち落とし、火山に開いたほら穴から火山内部へ。
狭い洞窟に群がるイレギュラーを倒しながらマグマ溜りへ。
「…嫌な予感がする」
「的中よ、マグマが噴火へ向けてせり上がってくる!飲み込まれないように早く上へ!!」
もう元の入り口からは出られない。火口から脱出する他ないと判断し、
ひたすら壁を蹴って上へ。
マグマが追う中をイレギュラーを倒しつつ、必死に上へと駆け上がり…
「今よ!」
火口からマグマがあふれ出す寸前でエックスは火口から飛び退いた。
天に向かいまっすぐに突き上げる炎の柱がすぐ傍に。
「ここは小さなほうの山。…ここから先は別の山で、さっきとは比べ物にならないマグマが溜まっているわ」
溶け行く岩の柱を伝いながら岩壁へ。洞窟にはここから入っていくようだが…
「さっきと同じカブトムシ型のメカニロイドか!」
「待って。カウンターハンターの指定位置はこの上にある部屋よ。
そこに行くには洞窟の壁を破壊しなきゃならない…もっと上へ!」
壁を蹴り上方へ。
「そこ! …相手が狙いを定めるまで待って」
エックスをそこから動けないと判断、突進のモーションに入る。
「跳んで!」
壁を突き破り爆発するメカニロイド。土と一緒に破片が下に落ちていくのが解る。
今開いた穴から入ればすぐ先に扉がありその先が…
「フォッフォッフォ…手荒い方法で入ってきたのうエックス。」
カプセルの底だけを削り取ったような乗り物に乗り、
黒きマントとシルクハットを模したヘッドパーツ、ルーペのようなカメラアイと
特徴的な格好をした白髭のレプリロイドが現れた。
「…カウンターハンター!」
「サーゲスじゃ。お前さんのその体が、どこまで持つか…楽しみじゃわい」
マントを脱ぎ捨て、戦闘が始まる。
「フォッフォッフォッフォ!」
始まるなりサーゲスは高くジャンプ、回転しながらシルクハットからエネルギー弾を撒き散らし始めた。
「!?」
「驚いたかの?フォーッフォッフォッフォ!」
空中回転射撃をまたも行う。
弾と弾の間を見て、着地した瞬間を狙う…が。
「惜しいのう?」
カプセルの底の淵に沿って光の壁が発生、バスターを吸収してしまった。
これではどちらかというと、カプセルから蓋のみを取ったような形といった方が正しい。
3度目の回転、それならばと空中にいる間にサーゲスの身体にバスターを撃ち込む。
光の壁が発生していないところを見計らい、着地してすぐにまた一発。
「ハーッハッハ!思わず尻餅をついてしまったわい…
じゃが、一つ対処を覚えた程度でいい気にはならん方がよいぞ!」
カプセルの底から床へ向かって何かが落下した。薄く丸い形をしていて赤く光った…
「地雷か!」
「お前さんの戦える範囲はどんどん狭まってゆくぞ?さぁ、どうするエックス!フォーッフォッフォッフォ!」
続けてジャンプしての回転射撃。そしてまた地雷。
「どうすれば…!!」
2個、3個、4個と増え、対処ができなくなってゆく。
そしてどんどん行動範囲を狭められ、弾を回避できなかったり、地雷を踏んだりする。
「エックス!敵も地雷を置くのに少し時間がかかるはず。地雷を一気に破壊する手段を考えて!」
「…そうか スピンホイール!」
地形に沿いその刃を走らせるスピンホイールなら!
効果は覿面。スピンホイールは一気に地雷を切り刻み、爆発させていった。エックスはその間爆発の及ばない高いところで待機。
「行くぞサーゲス…!」
着地した瞬間を狙い放たれた一撃。再びサーゲスに尻餅をつかせた。
「ガッハッハ…なかなかやりおるわい…次会う時が楽しみじゃなあ…」
声が少し若返った気がしたが…気のせいだろうか。
そしてゼロのヘッドパーツ。
「…ゼロの顔ね」
「…すぐに元に戻すからな、ゼロ!」
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