第13課
前回から続いて、冒頭にカリーマ先生がアラビア語であいさつし始めました。
كيف حالكم جميعًا؟ みなさん、ご機嫌いかがですか?
كريمة موروكا السمني 師岡カリーマ・エルサムニーです
.تـُرَحِّبُ بكم في هذا البرنامج この番組にようこそ
かつてラジオ講座で、妹の師岡イマーンさんも同様のあいさつをしていました。
على مهلك アラー・マハリカ を「アラー・マハリク」と読ませるなど、
実用会話風への試みがみられます。
それぞれのフレーズでは能動分詞や動詞などがバンバン出てきますが、
前回シリーズとは打って変わって、できるだけ文法用語を多用しないように
心がけておられるような感じで良いです。
第15回(先週分)
今回のフレーズ
في أيّ ساعة يبدأ الحفل؟ 「何時に公演が始まりますか?」
は、スキットのような公演当日ならもっと簡潔に
متى يبدأ الحفل؟ 「いつ公演が始まりますか?」
と尋ねることもできます。公演当日なら、答えは時刻に限られますから。
〔時刻の表現〕 時計の絵柄を背景に、時刻の表現を紹介したのは良かった。
ただ、せめて字幕をカタカナではなくアラビア文字にできなかったものか。
それから、時刻を表すなら「分」の表現も必要になりますね。まあ、番組の
放送時間が短いんだから、あれもこれもはできないんでしょうか。
كم الساعة الآن؟ 「今、何時?」という表現も出てきました。
كم ساعة يستغرق الحفل؟ と言えば「公演は何時間かかりますか?」になります。
第18課
いままでカタカナが多かった字幕が改善されてきました。
今回のフレーズは「撮影してもいいですか?」
هل يمكن أن أصوّر؟ ハル・ユムキン・アン・ウサウウィル?
と派生型動詞も出てくる複文ですが、実際の観光では外国人旅行者ならより口語的に
ممكن صورة؟ モムキン・スーラ?(写真オーケー?)
ぐらいでも十分に通じるでしょう。相手の態度と表情で返事もわかります。
第19課(書き込み一週遅れです)
今回のメインフレーズは
هل يمكن أن تعزفَ لي قليلا؟ 私のために少し演奏することができますか?
このところ、接続法を用いた複文が続いていますが、それにしては十分な
文法説明をする余裕・方針がないようです。
「私のために少し演奏をしてもらえますか?」の意味なら
لو سمحت تعزفْ لي قليلا؟
と لو سمحت(もしあなたが許していただけるなら)という表現を使う方が簡潔です。
より簡単には、ミン・ファドラク(من فضلك)でよし。
むしろ、
ما رأيك في ؟
の方をメインフレーズにしたら、覚えるフレーズとしてはベターだったかも。
(>>188へ続く)
第21課
今回のメインフレーズは
هل يوجد مقاس أصغر؟ もっと小さいサイズはありますか?
なんだか会話風に省略されたフレーズです。意味は通じるんでしょうが。
「これはとても大きい。これより小さい服はありますか?」という意味で、
هذا كبير جدا. هل عندكم ملابس أصغر منه؟
ハーザー・カビール・ジッダン。ハル・インダクム・マラービス・アスガル・ミンフ?
とした方が座りが良いような感じを受けました。
スキットでのカリーマ先生の質問「ハル・ユウジャド〜」も、店員の答えも、
服のサイズ規格の有無を訊いていたようにとれます。「ハル・インダクム〜」
と訊けば、「店頭に在庫がありますか?」というニュアンスでのやりとりに
なります。
>>195
【バイトゥッディーン】(بيت الدين)http://en.wikipedia.org/wiki/Beit_ed-Dine
ウィキペディアによると
「its style is a cross between traditional Arab and Italian baroque.
その様式は伝統アラブとイタリア・バロックとの間に交差するものである。」
ということなので、「イスラーム建築」の代表としては疑問かも。
>>200
手元の文法書には「lam+動詞未完了短形」と「mā+動詞完了形」では、
それぞれ使われる文脈が異なると書いてあるのを見ると、両者を簡単にイコールで結んで良いのかは少し疑問。
「mā+動詞完了形」は、過去に継続した状況を否定する場合に使用が制約されるのに対し、
「lam+動詞未完了短形」は、一般的に過去の一点に起きた状況を否定する場合に使われる、
(現代文語アラビア語で過去形を否定する場合、普通に使われるのはこちら)という違いがあると記載。
(cf. El-Said M. Badawi、Mike G. Carter、Adrian Gully、M. G. Carter,
Modern Written Arabic: A Comprehensive Grammar. Routledge, 2003 p.472-473)
第24課
今回が事実上、今期の最終学習でした。
メインフレーズは
من قال ذلك؟ マン・カーラ・ザーリカ(誰がそれを言ったか?)
疑問詞マン(من)は関係代名詞にもなるので、疑問符(؟)をつけなければ
「そう言った者は」という関係節になります。
من ذلك؟ マン・ザーリカ「あれは誰?」という用い方もできます。
今シリーズの総括は後日として、最後に両講師の好きな言葉を掲げておきます。
師岡カリーマ・エルサムニー講師
.إنّ غدا لناظره قريب
インナ・ガダン・リナーズィリヒ・カリーブ「まさに明日は、それを待つ者にとって近い」
アルモーメン・アブドゥッラー講師
.من لا يشكر الناس لا يشكر الله
マン・ラー・ヤシュクル=ン=ナース・ラー・ヤシュクル=ッラーハ
「人々に感謝しない者は、神に(も)感謝しない」
カリーマ先生、モーメン先生、花緑師匠、長い間お疲れ様でした。