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獣人総合スレ 避難所
1
:
名無しさん@避難中
:2009/03/17(火) 20:14:12 ID:/1EMMOvM0
獣人ものの一次創作からアニメ、ゲーム等の二次創作までなんでもどうぞ。
ケモキャラ主体のSSや絵、造形物ならなんでもありありです。
なんでもかんでもごった煮なスレ!自重せずどんどん自分の創作物を投下していきましょう!
ただし耳尻尾オンリーは禁止の方向で。
エロはエロの聖地エロパロ板で思う存分に。
獣人スレwiki(自由に編集可能)
http://www19.atwiki.jp/jujin
あぷろだ
http://www6.uploader.jp/home/sousaku/
獣人総合スレ 5もふもふ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1236878746/
【過去スレ】
1:
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220293834/
2:
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224335168/
3:
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227489989/
4:
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231750837/
692
:
ネコ足靴下
◆TC02kfS2Q2
:2012/04/27(金) 23:45:49 ID:yj1R3LVs0
タスクは不思議な思いを巡らせながら自分の部屋へ入って制服から着替えた。
目の前のものから現実逃避を試みようと友人から借りたマンガを読み出す。しかし、頭が回らないから入らない。
やがてマンガにも飽きて読むのをやめてうつ伏せに布団に沈む。自然と腰が疼き尻尾が動きに合わせて前後に動く。
頭で考えても答えなんか出ない。そんなときゃ、体動かせ。誰の言葉か知らないけれど、タスクはベッドに転がって
友人から借りたマンガを読むよりも、外の空気を吸うことを選んだ。
自分の部屋から出ると隣には確かに『モエの部屋』と小さな看板が添えられている。
訝しい気持ちで居間を覗くと、制服姿の少女がソファーの上で丸くなって居眠りをしていた。カーペットに伏した
ランドセルの上にはタスクが無くしたと思っていた合い鍵が乗っており、拾い上げてポケットへと無造作に入れた。
「姉ちゃんの、大根。大根脚……って、また言いたいな」
イヌのキーホルダーが付いていたから……間違えはないんだよ、と。
「タスク……ケーキ、買ってきてよお。コンビニすいーつってやつ」
少女の寝言にびくっとタスクは肝を冷やした。
#
「解せない!解せない!解せない!」
呪文のように唱えながらタスクは街に出たけども、面白くないぐらい変化が無いことに少し苛立ちを感じた。
自分がこの世界からつまはじきされたのかと、後ろ向きな思考がタスクの尻尾を引っ張る。だが、絶望は希望にも変わることは
世の常だ。姉の友人二人組がオープンカフェでカフェオレを嗜んでいる姿を見つけたのだ。女神はいた。しかも二人。
「あ、あの!」
リボンを付けたネコとメガネのウサギの少女に話し掛けると、まるで自分のことを知らないような顔をされたことに不安を過ぎらせた。
「因幡さんに……、ハルカさん」
「なんでわたしたちの名前、知ってんの?」
メガネの少女はタンブラーを机に置くと、ぱちくりと瞬きをしていた。一方、リボンのネコ少女はにこにこと笑っていた。
「リオさぁ、もしかして。わたしたち、誘われてるとか?」
「あの!ウチの姉……芹沢モエなんですが」
「誰?その子?ハルカ、知らないよね。そんな子」
タスクの胸をえぐったメガネのウサギの言葉。女子高生二人組はそれぞれカバンを持つと、ネコの子は優しく手を振って、
ウサギのメガネはこそこそと避けるようにその場を去っていった。「もしかして、リオ狙いだったり」「それ無い無い」と声がする。
短めのスカート揺れる二人の後ろ姿はモエのことをいっそう募らせた。
二人の女神は羽を散らしながら本屋へと入っていった。
693
:
ネコ足靴下
◆TC02kfS2Q2
:2012/04/27(金) 23:46:16 ID:yj1R3LVs0
タスクはクラスの友人たちに電話をかけまくった。とにかく、姉のことをわずかでいいから知りたい。
知っている者に出会いたい。しかし、タスクがしていることは渓流でマグロを釣り上げようとしていることに等しかった。
笑われればいいじゃん。と……。覚悟。なんか、できるもんかと、必死に姉を探す。友人に連絡を取る。
悲しいかな。「そういえばさ、この間貸したアレ返せ」と今は忘れていたい催促をさせる仕打ちを受けた。
なんの手掛かりも掴めぬまま家路につく。夕暮れ近いそらがこんなに切なく見えるのは自分が大人に近付いたせいなのか。
「仕方ない。って、諦められないよ。姉ちゃん」
姉の電気アンマを思い出しながら、タスクはコンビニに立ち寄りチーズケーキを買った。
コンビニの洋菓子は何故か美味いらしい。嘘か誠か、あまり縁のないジャンルだけに、タスクは不安を抱いた。
#
帰り道途中の公園で姉に似た少女が制服姿で一人ブランコに乗っている姿を見た。
近寄ると少女は逃げもせず、襲い掛かりもせず、ただブランコを細い脚で揺らしていた。
「わたしをおいて、どこいってたの」
「姉ちゃん、探しに」
「いるわけないでしょ。タスクとわたし、ふたり兄妹だし」
「それより、鍵かけたの?」
少女は小さく頷いた。カーディガンのポケットから合い鍵のキーホルダーを覗かせて、ブランコに乗っかる。
見ている姿はあどけない少女。
公園で、情けなくなるまで遊んでおいで。
と、言いかけたい。……ぐらい。と、間をおいたなんてちょっとね。と、タスクは笑う。
「あのさ。おしてくんない?ブランコ」
タスクは少女の背後に周り、小さな肩に手をかけると少女の脆さを実感した。がさっとコンビニの袋の中で音がする。
優しく扱わなきゃ、大切にしなきゃ、と、ゆっくり背中を押すと少女の髪が揺れて、シャンプーの香りがした。
(同じ香りだ……)
「タスクにあやまんなきゃいけないの、わたし」
少女は歳に見合わぬ大人しめな口調で話しはじめた。
猪口才なと、タスクは感情を普段どおり押し込めた。
「『さくさくぱんだ』のこと。ランドセルの中にかくしてたつもりだったけど、本当は入れ忘れていたの」
しおらしい……というか、本当にどうでも良い話。
タスクは揺らす力を弱めて、少女の話しに耳を傾けた。手にぶら下げたコンビニの袋も落ち着いて声を潜めている。
「なんだろうな。タスク、タスクっていつも言ってるけど、こんな妹に一生つきあってくれること。まじ、ヤバいぐらいうれしいし」
拙いくらい幼い声。危ういくらいの言葉使い。それに惹かれた訳ではないが、タスクはブランコをといきなり止めた。
「モエ!行くぞ!」
694
:
ネコ足靴下
◆TC02kfS2Q2
:2012/04/27(金) 23:46:38 ID:yj1R3LVs0
何かのスイッチが入ったようにタスクは少女をブランコから下ろすと、手を引いて家に向かって走った。
少女は嫌がるどころか、むしろ幸せそうな顔をしてタスクの手を握っていた。
今だに両親帰らぬ自宅に着くや否や、タスクは少女を居間のソファーに座らせて、しばし待つように命じた。
カーペットの上にはランドセルがそのまま沈黙を守る。しばらくすると、どたどたと足音立てながらタスクは
紙袋を携えて少女のもとに帰ってきた。テーブルの上には未開封の『さくさくぱんだ』の姿があった。
「これ、受け取って下さい!っつか、受け取ってくれ!」
「え?ってか、マジで受けるんですけど?」
「いいから!受け取れ!」
少女がタスクの紙袋を手にして封を開けると、一足のふわふわした靴下が顔を出した。
トラ柄で足の底にはぷっくりとネコの肉球があしらえられている『ネコ足靴下』だった。
「なにいいい?まじ、ヤバすぎない?」
「……」
「ねえ!ヤバくねえ?」
無言は銀。雄弁はしらん、雄弁なんかそれ以下じゃい!
言葉だけでは伝えられぬ、少女の瞳がびしびしとタスクに伝わった。初めてモエが『ネコ足靴下』を目にしたときと
同じ反応にタスクは安心した。やがて少女はタスクの反応を見て、おっとりと大人しくなった。
「はいてみて、いい?」
少女は履いていた靴下からネコ足靴下に履き変えるとソファーの上に立ち、モデルのようなポーズを決めてみた。
少しぶかぶかなのは当たり前。タスクは姉へと買ってきたのだから。ずり落ちた靴下は少女の足元を彩っていた。
「なんだか、ルーソみたいで女子高生って感じ?」
「う、うん。喜んでくれて嬉しいな、おれ……いや、兄ちゃんはね」
「わたし、イヌなのににゃんこになったみたい。にゃー!にゃー!」
ソファーの上を歩くと少女は靴下に付いた肉球の感触を楽しみながら、ちょっとしたネコ気分を味わっていた。
幼い響きで「まじ、ネコキックすんよ。まじで」というセリフがタスクに向かって飛び出すのかどうかは
チーズケーキの味をモエが気に入るかどうか次第だった。
おしまい。
695
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/04/27(金) 23:48:06 ID:yj1R3LVs0
以上、芹沢定食でした。
696
:
名無しさん@避難中
:2012/04/28(土) 15:56:39 ID:0BU9huvw0
投下乙です
思わず読み返してから納得してしまったwww
697
:
ヘ ノ
: ヘ ノ
ヘ ノ
698
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/05/19(土) 23:37:08 ID:ktblaAvo0
ケモノのいない、ケモスレ。とか。
投下します。
699
:
引っくるめて好きだし
◆TC02kfS2Q2
:2012/05/19(土) 23:38:03 ID:ktblaAvo0
「わたしほど花が似合わない女の子なんていませんよ」と花屋の中で翔子が卑下するので、
花屋で働くルルは微笑み返しをするしかなかった。明るいショートカットの翔子は自分の男っぽさを自覚していたからだ。
翔子はギターを背負ったまま学校からの帰り道、小さな花屋に立ち寄った。用があるから立ち寄った。始めは咲き誇る花々の園に
立ち入ることに躊躇いを感じたが、店内にいたルルの笑顔に引き寄せられるように足を踏み入れた。お互い同じ空気を感じたのか、
二人の間には『初対面』の壁は見られなかったし、花が二人を取り持っていたので翔子も気を置けなく話すことができた。
働くルルは長い髪をシュシュでまとめ、あちこちと歩き回るたび店内に彩を添えていた。
よく働く娘だ。本当によく働く。掃除に飾りつけ、レジの管理……。働くこと自体を楽しみに変えることは一種の才能だ。
仕事に勤しむ腕まくりをしたルルの二の腕は細く白い。水を扱う花屋でその腕を酷使しているようには見えなかった。
繁忙のときが過ぎたので一休みついでにルルは来客者を弄ぶ。
「お探しだよね」
「はい。お世話になってる先生に贈り物として」
「軽音楽部とか?」
「んー。じゃないけど、そういうもんです」
背中のギターが手掛かりに翔子の目的を見破ったルルは店員として上出来。黒いギターカバーからぶら下がる
ショッキングピンクが眩しいハート型のキーホルダーがワンポイントでルルの目をひいた。ルルの二の腕を翔子が見つめていると、
お返しばかりと翔子はルルのわずかなお時間拝借とばかり、尻尾を立てたネコのように擦り寄ってきた。
「もしかして、お姉さん。ネコの人と付き合っている、もしくは一緒に住んでいる。とか」
バラの束を抱えてルルは動きを止めた。そして、小さく頷きながら「そうよ」と、翔子の為に頬を赤らめてくれた。
新聞紙が広げられた机の上にバラの花束を置くと、すたすたと洗面台へ向かい、白く艶やかな指先を石鹸で洗った。
翔子はルルの次なる言葉を期待していたが、ルルは玉となってルルの手の平を滑る水滴を掃うのに夢中だった。
確かにわたしたちは『ケモノ』と暮らしている。昔から、その昔からのことだから疑問なんか感じなかった。
しかし。翔子もルルも同じ、ケモ耳も尻尾も持たぬ人間同士、少しでも共通点さえあれば自然と口数増える。
ましてや、お互い女の子。だから、翔子はルルと些細なことであってもどうにかつながりたかったのだ。
「痛っ……沁みたっ」
「大丈夫ですか!お姉さん」
「うん。大丈夫」
700
:
引っくるめて好きだし
◆TC02kfS2Q2
:2012/05/19(土) 23:38:26 ID:ktblaAvo0
片手を上げて顔を歪めるルルに翔子の方が驚いた。しばらく動きを止めて、平常心に戻ると再びルルは手を洗いはじめた。
「それ、引っ掻き傷ですよね」
「うん、分かるんだ」
冷静な分析に対しても冷静に返すルルは、落ち着いた口調で一生の想い人のことを語った。
「今日、朝ね。先生とケンカしちゃって。100対0で先生がいけないんだけど、お願い聞いてくれたから許しちゃった」
「先生?」
「あ。ウチの相方、先生してるからね。クセになっちゃった」
タオルで手を拭きながら頬を染めたルルは翔子の目からはどの花よりも高値に見えた。
ガラスケースに写り込む翔子の姿を見ていると、自分の良く言ってさばさば、悪く言ってがさつな性格が意志を持たない
透明な板にさえも見透かされてしまっているのではないのかと、何となく感じてしまった。
「で、どんなお願いしたんですか」
と、翔子の問いかけを無視するように、翔子の携帯が鳴った。
恐縮して一言頭を下げて翔子は電話に出ると、くるりと踵を返した。背中のギターがルルの目の前に現れていた。
「え?丈?何ーっ!貸しスタジオの予約忘れただと?てめぇ……、丈、ど……どんまい」
声のトーンを落とし、会話を手短に終わらせて制服のポケットに押し込めるように携帯を仕舞った。背中のギターがやけに重く感じる。
もしかして、ガラスケースどころかルルにまで自分の隠していた女の子の牙を晒してしまったのではないのか。
ゆっくりと翔子が振り返ると、ルルはエプロンを摘んで翔子だけへのエールを送っているように見えた。
「お友達?」
「みたいなもんです」
「じゃあ、彼……」
「違いますっ」
ルルは翔子の慌てっぷりがおかしくて、おかしくて、くすりと声を出した。
店内で騒ぎ立てたことを翔子は詫びてギターを担ぐ肩紐をぎゅうっと握り締めた。自分を諌めるため太ももをに抓るように。
「わたし、見ての通りバンドやってるんです。今の電話、ベースの丈からなんですが。アイツ、図体がでかいオオカミのくせして
大人しいし。なのに、わたしアイツに期待しちゃうんです。オオカミならもっと、さ、がおーって!しろって」
「ふふっ。で、あなたがお世話焼いちゃうとか」
「そんなんじゃないです!」
701
:
引っくるめて好きだし
◆TC02kfS2Q2
:2012/05/19(土) 23:38:45 ID:ktblaAvo0
机に並べられたバラの束。茎には小さな刺がちくちくと散りばめられていた。ルルは一茎つまみ上げて、くんくんと花の香りを
翔子の目の前で独り占めしてみた。こめかみに汗する翔子にルルが持っていたバラを一茎渡し、虎……いや、小ネコのように
両手に軽くこぶしを作り両腕を軽く上げてポーズを決めてみた。
「女の子だって、牙むいちゃうぞ」
「……」
「わたしが先生にしたお願いごと。の仕返し」
目を丸くして携帯をポケットに仕舞う翔子がルルには愛しすぎて、くるりとちょっと早めの向日葵のような顔をして
「なんてね」
「え?」
「あなた、他人って思えない」
と、ルルは付け加えた。
#
仕事を終えて帰宅するルルの足取りは雲の階段を登って行くような心地良さだった。半袖と長袖が入り混じる街、ルルは人間、
迷わず長袖。大分日が落ちたとはいえ、日差しはまだ強い。日に焼けることはちょっと、嫌かな、と。
「先生にお願いごと!ここでキスしてよ」
今朝、ルルが出掛けに掲げたお願いごと。
先生は少し戸惑っていたが、目の前の若い芯の強い視線を見ていると、断ろうと言葉を選んでいるうちにルルの両腕は先生を囲み、
色つやのよい唇が先生のざらつく舌を挟んでいた。自宅だというのに先生は恥じらって、ルルの両腕を解き放つとルルの両手首を掴んだ。
微かになぞるネコの爪がルルの薄い肌に白い線をひいた。
痛いかも。痛いかも。
だけど、息が掛かるほどに近く、甘く、息苦しく。たった、くちびるを交わすだけなのに、相手のことが言葉無くても通じる不思議。
ルルは帆崎の舌に思うがままになじられて、牙を舌に這わして、そして仕返しされて。傷ついて。
そんな下敷きあって、若い娘のちっぽけな言葉に説得力を増す。先生に爪とか、牙があってよかった……と。
「そんなこと引っくるめて、好きだし」
#
「翔子ちゃん。分かるかな」
「うーん。オトナって分かりません」
庇った傷跡がルルの気持ちを確かなものにしていた。
おしまい。
702
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/05/19(土) 23:40:13 ID:ktblaAvo0
翔子もルルも動かしていて楽しいっす。
投下おしまい。
703
:
名無しさん@避難中
:2012/05/24(木) 00:37:22 ID:57Nw75H20
丈と翔子ってそういうあれなのか!
あれなのか!
704
:
名無しさん@避難中
:2012/05/25(金) 00:20:46 ID:QlzBzbaE0
丈「違うよ」
翔子「そんな訳ねえだろ!」
丈「『なんな訳』って…」
翔子「草食オオカミのどこがいいんだよ?っつーか、マジ無理」
丈(…だから、翔子は無理だって)
705
:
名無しさん@避難中
:2012/07/02(月) 19:47:46 ID:xjfUSUIw0
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3156068.jpg
706
:
名無しさん@避難中
:2012/07/02(月) 19:55:14 ID:CbJmL7LE0
うほっ
707
:
名無しさん@避難中
:2012/07/02(月) 23:31:10 ID:jHIyFUPU0
よくわからないけど和んだw
708
:
名無しさん@避難中
:2012/07/04(水) 01:43:00 ID:h6BcPc6gO
リオ耳だけwww
709
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/10/07(日) 09:00:43 ID:DHj3On2.0
ちょっと季節は過ぎたけど、投下します。
710
:
キツネとブルマと風紀委員長
◆TC02kfS2Q2
:2012/10/07(日) 09:02:09 ID:DHj3On2.0
逆光が差し込む踊り場、大人の色香漂うティーンエイジ。銀色の髪は落ち着いて、つんと伸びる尖った耳が迷いの森へと誘う。
彼女はキツネ。ふっくらと焼きたてのパンに負けない柔らかさを匂い漂わせる尻尾が彼女が腰掛ける手摺りを伝わって
清流のように流れる。すらりと、そしてむっちりと伸びた若々しさを隠しきれないお御脚を組み直していると、背後から足音が、
聞こえてきた。下の階から誰かがやって来たようだが、キツネの娘は手摺りから下りようとはしなかった。上履きの音からして
同級生の生徒、そして男子だと判断した。
「あっ……」
キツネの耳は聞き逃すことが大嫌い。
空気が僅かに揺れる程度の声さえ彼女に届き、次の一手を繰り出す楽しみを与えてしまう。
彼女は制服のブラウスのボタンを一つ一つ外しはじめ、シルエットとして映えるようにわざと大きく孤を描くように脱いだ。
竜の如く天を昇るブラウスはやがて徳をえた仙人が地上に舞い降りるかのようにはらりと階段に落ちた。
やって来た足音が少年のものだと睨んだ上の行動だ。実際、彼女がふんだどおり。少年がブラウスに気を取られて視線を再び
キツネの娘に戻すと、逆光の中に豊満な二つの胸が露となって横向きの姿としてしななかな曲線を学び舎の窓ガラスを銀幕にして
映し出していた。髪を掻き分けて脚を戻すと短いスカートのホックを外す。焦らすように腰から太もも、太ももから膝、膝から
ふくらはぎ、ふくらはぎから足。そして、つま先を潜る。
娘が前屈みになると豊かな胸がはち切れるような太ももに挟まれる。こぼれ落ちそうな胸はほお張ったシュークリームから
はみ出るクリームを連想させた。またもキツネの娘はスカートを高く投げ捨てると、またも一度脚を組んで左手でこぼれそうな胸を
なぞっていた。手摺りは彼女に下敷きになりつつ息苦しそうに軋んでいた。
軽い身のこなしで踊り場に降り立つと、散らしたスカートを拾い上げた。まだまだ高くなる夏の日差しが眩しくて、
キツネの娘・小野悠里のスク水姿は女性の柔らかさと少女のイノセントの双方を一目で言い表していた。
「もうすぐ水泳の補習の時間ね。急がなくっちゃ」
ブラウスと制服を小脇に抱えて悠里が階段を降りようと一段一段と歩く度に、熟した果実のような胸と吸い込まれそうな
尻尾を揺らしていた。キツネ色と紺色の配色艶やかな女神が青い空の元へと降り立つ。
季節はもうすぐプールと別れを惜しむころ。
#
711
:
キツネとブルマと風紀委員長
◆TC02kfS2Q2
:2012/10/07(日) 09:02:33 ID:DHj3On2.0
「ルイカ、ごめんね。待たせて」
「……今、いいとこなんだけど」
「ごめん」
生徒会室は涼しい。蒸し暑さ残る季節、この部屋で暇を持て余すことを正当化するにはもってこいの理由。生徒会の手伝いで
リオは男手を必要としていた。しかし、今日に限って誰も捕まらない。唯一助太刀に応じたルイカは本を読みながら語る。
「どうせアイツら水泳の補習にすすんで出てんだろ。受けなくていいヤツもな」
「どうして?」
「知るか」
リオは書類をめくりながらルイカを横目で睨んだ。
書類廃棄の手伝いだ。どうしても男手が要る。今日じゃなくてもいいけど、早めに片付けたい。何故なら「お仕事もできる
気が利く子を演じてみたかった」から。先生に褒められたかったから。「やってみせます」と胸張った。暇そうだったからルイカを呼んだ。
だけども、男手とは言え、ルイカ一人だけなのでまだまだ心もとないから助っ人も根回しした。
風紀委員の後輩が来ることになっているが、ただいま部活の真っ最中。なぎなた部に所属する大柄なミサミサが来てくれれば
十万馬力は確実だ。椅子に体操座りをしていたルイカがやきもきしているリオを無視してまた本をめくる。目は真剣だ。
机の上には一台のビデオカメラがあった。風紀委員のかわいい後輩が「なぎなた部のかかり稽古で自身の姿を確かめたい」と日頃
呟いていたので、リオがこっそり風紀委員から持ってきた物だった。気の利く先輩だって褒められたかったから、こっそりと。
カメラマン気取りでリオがレンズをルイカに向けるとしかめっ面で怒られた。
「あ、あのさ。もうすぐしたらミサミサが来るから、そしたら作業を始めるね」
ビデオカメラを目にしたミサミサが「先輩!ありがとうございます!」と凛々しい声で感謝するシーンをリオはよからぬ妄想していたが、
罰を与えるように次第にビデオカメラを持つ手が重くなってきた。随分と軽量化されたとは言え、メカの塊はまだまだ人には重く感じる。
「……」
「怒ってる?」
「ん」
「その本、生徒会のブログで紹介されてた本だよね」
「……あっそ。知ってるけど」
各委員会が生徒会のブログで個人的でも何でもいいから気になるものを紹介している。文章とか写真とか動画と駆使して
なんだか生徒会、マジ進んでるじゃーん?と、リオはブログの更新を楽しみにしていた。
「図書委員のチョイス嫌いじゃないな。ちょっと、ヲタっぽい本だけど……それ、面白い?」
ルイカは本を閉じて立ち上がり、まるで獲物にとどめを刺すが如くリオを見下ろした。
712
:
キツネとブルマと風紀委員長
◆TC02kfS2Q2
:2012/10/07(日) 09:02:55 ID:DHj3On2.0
「つまんない!つまらな過ぎて続きが気になる!早く続きを読ませろ」
「ごめん」
『図書委員が紹介した』というのは偽りだ。リオが図書委員を言いくるめて、自分が気になる本を紹介したのだ。
一般向けでもあり、ヲタ向けでもある本だから、いろんな人に読んで欲しい。だから図書委員の名前の後光を拝借した。
本を紹介した主として、ルイカが読んでいる本の評価が非常に気になっていた。全力で、覚悟を決めて勧めた本だからこそ、
ルイカが夢中になって、夢の中に飛び込んで読んでいることにリオはヲタ冥利に尽きているところだった。そんなときに飛び込んだ、
ルイカの怒号だ。リオは体を小さくして痛みに耐えながら心の中で小さくガッツポーズを決めていた。
外は快晴だった。篭って本を読むには最も相応しくない天気だろう。なのに、ルイカは本を読んでいた。耳を澄ませば、青いプールから
補習を受ける生徒たちの弾けるような歓声と水しぶきが聞こえてきそうだ。耳かっぽじいても、リオもルイカもそんな声お構いなし。
「なあ。因幡」
ルイカの声にリオは書類を整理する手を止めた。
「おれ。見たんだけど」
「何?」
「階段で水着姿の女子を」
目を赤くしたリオは息を飲んだ。
「すんげー、なんっつーか。エロい体つきしててさあ、『お前、男を誘うしか能がねーの?』ってぐれえ」
「誰?それ」
「確か、小野ってヤツ。聞くけど、同じ女としてどう思う?」
羨ましい!
羨ましい!
羨ましい!
ちょっと、嫉妬。
でも、羨ましい!
真面目のまー子で通すリオは返答に困り、沈黙を続けていた。いっそ、正直になってしまうのうも手の内だけど、風紀委員長が許さない。
妄想が!妄想が!悠里の水着姿の妄想がリオを悩ませていた。例えば、口に牛乳を含んだとしよう。その状態で悠里の水着姿をそっと
頭の中で想像しようか。ごっくんするもよし、抑えきれない興奮に耐えかねてだらりと口元を汚すもよし、相手目掛けてぶっかけるもよし。
713
:
キツネとブルマと風紀委員長
◆TC02kfS2Q2
:2012/10/07(日) 09:03:18 ID:DHj3On2.0
「けしからんと思います!」
言葉は選んだから、リオには後悔はない。
するとリオの携帯がけたたましく鳴る。慌てているときに限って意地悪するなんて、携帯は意志を持っているのではなかろうか。
ビデオカメラを置いておぼつかない手を動かして受信すると、聞きなれた後輩の申し訳なさそうな声がずきずきと飛び込んできた。
「もしもし、あ!ミサミサ?ええ?来れない?なぎなた部の練習で先輩に付き合わないといけないからって?ちょ、ちょっと!
これだから真面目のまー子は!!ちょっとぐらいインチキできないの?ミサミサ!!……うえーん。ミサミサぁ」
「おれ、帰る。拘束される理由なくなったし」
「ちょ!ま、待ってよお!!ルイカー!二人でやろうよ!」
目を吊り上げてルイカは本を手にして生徒会室の扉を開けた。リオの手には剣も盾もない。今日の作業は諦めなければならないと、
リオは机を蹴るとビデオカメラはぐらぐらと揺れる。壊しては風紀委員長生命一巻の終わりと脳内に電気が走り片手で奪い取る。
「もう!ルイカー!かんばーっく!」
廊下の先ではルイカが振り返えることなく生徒会室から去って行く姿……さえ見えなかった。
わたし一人でやるの?やだやだ!先生に「やってみせます!」と胸張ったことを後悔しろとでも?やだやだ!
ルイカを探せ!
リオは校内手当たり次第に駆けた。夢中だったのでビデオカメラを手にしていることさえ忘れていた。
あれだけ賑やかだったプールも静けさの水面を取り戻し、きらきらとさざなみを輝かせる鏡と姿を変えていた。
秋の始まりの感傷に浸ることを惜しみ、リオは必至にルイカを探していたると、さっきまで手にしてた本を携えていたルイカを
ちらと見かけた。ニアミスだ。リオはルイカの名前を呼んだが、尖った耳には届かなかった。
遠くから男子の歓声が聞こえてくる。くんくんと世の中の女子たちが尻尾を振ってきゅんとなるような性質の声ではないが、
一瞬の青い春を謳歌する声には憧れや回顧にも似た脆さを感じる。時の流れを否定する歓喜の声は切ない。
男子の声が明るければ明るいほどリオは孤独の寂しさに苛まれていた。そんなにプールが楽しいか。
「もうやだ……。メアド聞いときゃよかった」
骨折り損のくたびれもうけというのかルイカはその後、姿を見せなかった。ルイカはこのあたりでも見かけない種族だ。
短刀のごとく尖った耳、けっして優しいと言えない目つき。一目見えれば忘れられないカルカラの少年だ。平凡なウサギは校内を駆ける。
図書館、校庭、保健室、はたまた生徒会室か。そして、最後に辿り着いた静かなる和室にて、リオは諦めかけて折れそうになった心が
息吹き返すことに気付いた。いや、いろんな意味で。
714
:
キツネとブルマと風紀委員長
◆TC02kfS2Q2
:2012/10/07(日) 09:03:41 ID:DHj3On2.0
(むはっ!悠里?)
茶道部が使う和室は開いているときには誰でも入れる。だから、小野悠里は水泳の補習で疲れた体を休めていた。彼女の傍らには
上がったばかりなのだろうか、濡れて紺色が元よりも色濃くなったスク水が入った透明なバッグが淫らに投げ出されていた。
風呂上り、ならぬプール上がりの悠里からは塩素と女子の香りが入り混じって、茶色な和室を桃色淫靡な空間に塗り替えている。
畳の上で横になって、紺色のブルマからはみ出るキツネ色の太ももを剥き出しにして、出来たてのマシュマロのように柔らかな尻で
ブルマを丸く描かせて、ふかふかの尻尾は触りたくなる欲を掻きたたせざる得ないような禁断の誘惑を醸し出していた。
余す所なく悠里の胸の曲線を露にする体操着から、むんむんと桃色の花びらが散って、胸のゼッケンの『小野』の文字が歪む。
女の子の体は見ているうちに、不埒ながらも突付いてみたくなる。指で、指で、そして××で。揺らぐこともなくはちきれそうな
若い肢体が無防備にも畳の上で横になっている。しかも、禁断な制服のおまけつき。リオは鼻息を荒くして深呼吸をしていた。
(うらやましいぜ!悠里たん!いや、悠里ねえさん!寝返ってくれ!正面を向いてくれ!)
「あぅん」
(え?マジで?ふんは!)
唱え続ければ願いが叶う言霊が存在するかのように、ごろりと悠里は言葉どおり寝返った。
背中で見えなかった二つの胸がはちきれそうなぐらい体操着越しに主張して、丸みを帯び熟れ始めた体でリオを誘った。
蕩けそうな二つの果実がうずうずと想像の世界にて見えそうで見えないもどかしさ。むしろ、そっちの方が萌えるんだと言いたげであった。
知らず知らずのうちに、リオはABCの歌を口ずさんで右手でビデオカメラ持って指折り、左手で自分の胸に手を当てながら悠里の
ハニートラップの餌食になっていた。意味、違うかもしれないけれどこの際関係ない。
「えっと……Eはないな。F?G?いやいやもしやHとか」
アルファベットを数える度に、桃色の風船がだんだんと膨らんでゆく。
リオが邪な妄想繰り広げているなか、悠里は夢の中でゆらゆらと尻尾を躍らせ、ブルマのゴムひもを指で弾いた。
「あんっん」
(ひんっ!)
「火照っちゃう……」
(……寝言だよね、寝言)
悠里の甘くて、決して触れてはいけないリンゴの実がゆらゆらとリオの目の前で揺れていた。それと同じくしてリオの携帯も震えた。
発信主はミサミサだった。「今、終わりましたので馳せ参じます」との内容だった。美しい日本語にリオは心打たれ、状況を悔いた。
そうだ。ルイカだ。ルイカはどこだ。わたしはルイカを探していたんだと、我に返ったリオは和室を後にしようと踵を返そうとした矢先。
715
:
キツネとブルマと風紀委員長
◆TC02kfS2Q2
:2012/10/07(日) 09:04:02 ID:DHj3On2.0
「因幡、何してんだ?」
背後から忍び寄る声。唾を吐き捨てるような軽蔑にも似た目線。リオが振り返ったときには既にルイカの顔は引き攣っていた。
ルイカの目線がリオの手元に向いていたことで、この場面をどうルイカに説明するかという困難に直面した。
ビデオカメラ、持って来ちゃった……。
リオが手にしている文明の利器は行き場は失われ、ただ風紀委員長を辱めに追いやる為だけの小道具に成り果てた。
こっそり撮ってましただなんて言えません!むしろ、堂々と……。ウソです!この状態でどんな言い訳をしても、
怪しさの上塗りにしかならないし、どんな口の立つ弁護士でも陪審員の心情によって逆転無罪は勝ち取れないであろう。
「風紀委員は生徒会のブログにけしからん動画でも載せる気なのか?」
「違う!違うんだよお!ミサミサのところにこれを持って行こうとね!」
ビデオカメラ片手に涙を目に浮かべるリオを置いて和室から去ろうとしていたルイカの手にはさっきまでの本は既になかった。
尖った耳は決して優しくはないが、人が嫌いではない。一人ぼっちの女子の声をしかと受け止めて、そして足を止める。
「因幡さ。それ、ミサミサ……ってやつに届けるんだろ?いつまでもガキみてーに泣いてるんじゃねえよ。先輩の示しが付くのかよ?」
「……うん」
「それにさ、小野が起きるだろ」
音を立てないようにふすまを閉めると、悠里の寝姿が日差しに照らされシルエットとなって浮かび上がっていた。
影ながらに緩急のあるスタイルは健在。名残惜しそうにリオは悠里の影絵を見つめていた。
「ったく、生徒会室戻ったらウマのデカ女が起立して待ってるし、本の続き借りようとしたら貸し出し中だし」
「え?」
同じ高校生なのに、どうしてルイカの背中が広く見えるのだろう。ルイカの不器用な声がほんのりとリオを包む。
もう、泣かない。だって、こんなヤツからバカにされたくないから。
「図書委員もあんな本紹介すんな!ほら、行くぞ!」
「何?何なの!?」
「ったく。気が利かねぇなあ!風紀委員長!」
リオは小さな胸に誓いを立てるとニの腕を力強く引っ張る暖かさを感じた。塩素の香り残り流れゆく廊下を背景にルイカの背中を
見ながら、二人してミサミサの待つ生徒会室に向かっていることをリオはまだ知る由もなかった。
ビデオカメラはもう重くない。
おしまい。
716
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/10/07(日) 09:04:58 ID:DHj3On2.0
悠里さんはいいものだ。
投下おしまい。
717
:
名無しさん@避難中
:2012/11/01(木) 01:02:33 ID:fr367Da60
ttp://dl10.getuploader.com/g/sousaku_2/84/furry519.jpg
718
:
名無しさん@避難中
:2012/11/01(木) 06:04:16 ID:yh3vIHew0
かぼちゃ
719
:
名無しさん@避難中
:2012/11/05(月) 01:40:00 ID:BbpTgDys0
規制されてるので
ししみや先生やっぱいいキャラしてるわー
>>797
wiki編集お疲れ様です。
非常にありがたいです。
自分も時間をみつけて編集したいとおもいます。
学校の部活動やら周辺施設やらでまとめてwikiらしくしていきたいですね。
ババドン
ttp://dl10.getuploader.com/g/sousaku_2/87/kabe.jpg
720
:
名無しさん@避難中
:2012/11/05(月) 03:15:59 ID:TTKBsAQg0
ワロタw
721
:
名無しさん@避難中
:2012/11/05(月) 14:43:52 ID:GC8rKIg60
こわいわw
722
:
名無しさん@避難中
:2012/11/08(木) 11:46:32 ID:7Z6bkVSE0
どういうことなの…
723
:
名無しさん@避難中
:2012/11/08(木) 16:02:38 ID:h3YxQFNk0
ババァ脚長いな
724
:
名無しさん@避難中
:2012/11/10(土) 21:07:20 ID:adF1ugHYO
ドン!
ヒカル「…」
クロ「はやくクロのものになるニャ!」
ヒカル「なにそれ」
クロ「『かべドン』ニャ。ヒカルくんはクロのものニャ」
(壁ドンしているクロを遠くから眺めているリオ)
リオ(うっ…。羨ましいぞ!クロからあんなこと言われたら、何されてもいいよ!)
悠里「因幡ちゃん、犬上くんを遠巻きに眺めて、実は狙ってるとか?」
リオ「ゆ、悠里!わたしは決してそんなことは」
悠里「……」
リオ「初等部の子でもないっ」
悠里「……(そんなこと言ってないのに)」
リオ「……」
悠里「そうだ。因幡ちゃん、お裁縫出来ないかな?カーディガンのボタンが綻びそうなんだ」
リオ「(そりゃ、あんなはみ出そうなおっぱいしてたらなあ…)わたしが?」
悠里「(出来ないことないけど、針がちくちくするのが怖いの)みんなの委員長は頑張る子だよね」
リオ「やります。やらせて下さい!」
悠里「かわいいなぁ。じゃ、カーディガン脱ぐね」
ぬぎぬぎ。
リオ「うっ。悠里さ、ブラウスのボタンも綻んでるんだけど」
悠里「あら。いやだなあ」
胸を片手で撫で上げる悠里。
ぶちん!ぶちん!ぶちん!
リオ「わー!?ブラウスのボタンが飛んだ!」
ドン!!
ヒカル「二人とも何してんの?」
リオ「犬上?これは決して壁ドンでなくて、飛んだボタンを捕まえようとしてたら、つんのめりながら片手が壁にドン!ってなった訳で…」
クロ「かべドンニャ」
リオ「悠里!動かないでよ!動くと犬上に見えちゃう!今、わたしの腕がいい具合に悠里のブラ…を隠してるんだから!ってなんでもない!」
ヒカル(そこで止めるのかよ)
クロ「なにしてるニャよ。ヒカルくんはクロのものになったんだから、はやくワッフルごちそうするニャよ」
すたすたすた…。クロ、先に出て行く。
ヒカル「う、うん。今、行く。…あっ」
チャリン…。ころころ。
100円玉がリオ、悠里の足元に転がってゆく。
リオ「犬上!来るな!」
犬上「行かないって」
悠里「ふふっ。わたしが取ってあげよっか?」
リオ「」
725
:
名無しさん@避難中
:2012/11/11(日) 00:49:30 ID:CxvsrES20
続きの裏展開はどこで見れますか
726
:
名無しさん@避難中
:2012/11/15(木) 00:04:07 ID:Iit19PZg0
モエ「タスク!何してんの?」
タスク「ゲーム」
モエ「ゲームじゃ分からん!細かく教えなさい!」
タスク(面倒くさいな…)
ちら、画面を見せる。
モエ「『とびだせ どうぶつの森』?」
タスク「そうだよ。村長になって村を興すゲームだよ」
モエ「タスクが村長ならば、わたしは県知事になって支配してやんよ!」
タスク「そんな殺伐なゲームじゃないし。それに、ほら。秘書のしずえさん」
モエ「なに、この子」
タスク「姉ちゃんと同じイヌっ娘なのにねえ。ほら」
しずえ「そうそう、今日は新築のお祝いにかべがみを持ってきました!」
タスク「『タスク!新築祝いにかべがみ持ってきたんだけど、自分で貼りなよ!メンドクサイから!」
モエ(ぎぎぎ…)
しずえ「それで、ついでに貝がらをひとつ、お土産に拾っていきてただけたらうれしいなぁー…」
タスク「『ついでにさ!貝がらひとつ、お土産に拾ってきてくんない?ってか、死ぬ気で拾ってきなさい!拾うまで帰ってくんな!』」
モエ(ゴゴゴ…)
しずえ「あっ!お誕生日、わたしと同じですーぅ!すごい、偶然ですねーっ!!」
タスク「『マジ?誕生日同じとか?超無理なんだけどー!!』」
モエ(びきびき…)
数日後。高等部・教室にて。
リオ「モエ。何してんの」
モエ「ゲーム」
リオ「ゲームじゃ分かりません!」
モエ「タスク村を合併吸収してやんよ」
そのころ、中等部・教室にて。
タスク「村がのっとられたー!!」
アキラ「……」
727
:
名無しさん@避難中
:2012/12/04(火) 02:17:47 ID:vXyMWevgO
アキラ「クリスマスが近いのに彼女も居ないなんてヤバくね?」
タスク「アキラだって彼女なんか居ないじゃん」
ナガレ「…(稽古初め何時だっけ)」
アキラ「クリスマスってアレじゃん、聖なる夜に性なるナニかに発展できそうじゃん!」
タスク「彼女が居れば、だろ。ろくすっぽチューもしたことねーっての」
アキラ「だ、か、ら、彼女が欲しいんじゃないか!なー、ナガレだって、性なることやチュー、彼女としたいだろ?!」
ナガレ「ん?お前らまだなの?」
アキラ「」
タスク「」
ナガレ「わりっ、俺稽古あるから行くわ。じゃーな」
アキラ「……ほ、本当だろうか」
タスク「わからん。わからんが…有り得そうで怖い」
ナガレ「(あるわけねーだろ)」
728
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/12/19(水) 23:48:19 ID:liN.ac4Y0
クリスマスには早いけどこんなお話。
729
:
◆TC02kfS2Q2
:2012/12/19(水) 23:51:06 ID:liN.ac4Y0
この世にサキュバスが居るのなら、居るで良い。
でも、ねぼすけなサキュバスが居るとしたら……どうだろう。
夢の中から追い出され、日が昇る街に舞い降りた淫魔を受け入れてもばちはあたりはしないだろう。
クリスマスの朝、早く目覚めた犬上ヒカルはちょっと早目に補習へ行こうと玄関を出た矢先、雪のようなダウンジャケット姿の
小野悠里と出会った。ダウンの裾からはちらりと短めスカートが顔を見せ、健康的な太ももがヒカルの視線を奪った。
学校は冬休み、そして冬季補習の始まりだ。
「犬上くん、補習?」
「……」
「いっしょに、行こ」
灰色の朝に舞い降りた銀髪の妖魔に唆されて男子高校生のヒカルは袖を引っ張られる。途中、坂の下のコンビニで買い物し、
まだ閑散とした学園を仰いだ。無防備なな学び舎を見ることなんて、滅多にないことだ。まだまだ薄暗い空にそびえる楼へ足を伸ばす。
朝っぱらから寝ぼけまなこの学校の目を盗んで、二人はいっしょにコンビニで買った即席カップのうどんを朝食にした。
うどんの真っ白な麺が無彩色のコンクリを明るくし、油揚げが池を彩る一枚の落葉のように汁の中に浮かぶ。立ち上る湯気は
誰もの心を安らげる温泉のようだ。うどんに心奪われる悠里という子はそんな畳の香りが似合うキツネの子。
「雪、降らなかったね」
「……うん」
「わたしの家じゃ、降ろうが降りまいが関係なしだけどね」
古いお寺の娘だから。キツネの小野悠里は制服の上から纏ったダウンジャケットで衿元を寒風から防いで白い息を吐いた。
渡り廊下に腰掛けて頂く即席のカップうどんは妙に美味い。元々口数の少ない犬上ヒカルも更に口数が減っていることが、
ただのカップうどんも星三つのグルメに変貌したことが伺える。
悠里は口にくわえたお湯少なめ、時間控えめで出来上がった硬めな即席的太い麺に感触に喜びを感じていた。
この時間、幸いながらも職員室でお湯を頂けたことに感謝しつつ、悠里とヒカルは舌鼓を打った。
桃色の舌に絡ませながら吸い込むと、じゅるりと音を立てて透明な汁で口元を濡らす。微かに飛んだ雫が悠里の薄い手を汚した。
前に垂れた銀色の髪の毛を掻き上げて、ゆっくりと顔を近付け「あんっ」と、耳を立てなければ聴こえない程の悠里の声をあげる、
様は彼女なりの相手への愛情表現なのだろう。一口一口を恋人との大切な時間を過ごすように、丁寧に口をすぼめ温もりを感じる。
ここでしか味わえない秘密の味にまた、じゅるりと音が響かせる。
体が徐々にほてってきたのか、悠里はカーディガンのボタンを緩め、襟元を開く。すると二つのたわわで淫靡なる丘の膨らみが
やゆんと露になり、悠里の右手の動きに合わせてよゆんと揺れ動く。ただでさえ制服の上からでも張りが顕著に見える悠里の胸は、
ちらりと一部を見せ付けるだけでも容易に彼女のグラマラスな雰囲気を漂わせていた。肩までかかるウェーブの銀色の髪の毛は、
彼女の年齢よりも大人びて妖艶なる花の蜜を演出する。
「うぅん……。はぁ、美味しい。もっと……もっと」
初めて口にしたときはいつだっただろう。そんなことさえも覚えていない。
虜になってしまった故に一人占めできる幸福感、ほしいままに魅了されてしまう服従感、そして一気に汁を飲み干す征服感。
後生忘れませんと、誓った出会い。一回限りの出会いでは物足りなくて、また会いたくなってしまう背徳感。
きっとまた、会うんだろう。悠里はキツネの尻尾を揺らして、エクスタシーにも似た感情を露にした。
最後の一滴、最後の一滴まで。
全てを飲み干す。
不覚にも悠里の口から白いものがたらりと零れ、キツネ色のてのひらへだらりと垂らした。
いけない。こんがりとトーストのようなキツネのてのひらの毛を濡らしてしまった。
そう。小野悠里という子は青年誌の巻頭グラビアから飛び出したような子だ。汚れを知らぬ少年が隣り合わせになったなら、
少年の鼓動と瞬きが加速するかもしれない。体全体から滲み出る色香が無垢なるキャンバスを桃色に染める。悠里自身も決して
無垢な少年をたぶらかす自分が嫌いではないどころか、自分のアイデンティティとして武器にしているので嬉々として隙あらば
オフェンスを仕掛けて征服欲を満たすのであった。
730
:
◆TC02kfS2Q2
:2012/12/19(水) 23:51:49 ID:liN.ac4Y0
「……」
「犬上くん!」
ヒカルがうどんに一途になれなかったのは隣り合わせでキツネ色の太股をちらつかせる悠里のお陰だった。
意識無くとも自然に目に入る曲線美は上質なパンプキンスープの舌触りを思い起こさせる。美味は体に毒だと目線を逸らすと
やゆんな二つの丘がヒカルの眼を悪戯に弄ぶ。ダウンジャケットの隙間から覗く制服のカーディガンは破壊的に豊かな胸を包み切れず、
ボタンが一つ手を休めていた。大きく胸元を見せ付ける開襟シャツからは男子禁制なる桃の園が門にて罠を仕掛けていた。
「……あの」
空になったカップを脇に置いた悠里が次に手を付けたのはヒカルだった。ヒカルが油断した隙に悠里は腕を絡ませて、
箸持つ手を休ませて、ヒカルの二の腕を自らの胸に押し当てていた。俗に言う……。
「あててんのよ」
温かなダウンジャケット越しだからか柔和なる感触は二割増し、ヒカルも「当たってない、当たってない」と言い訳することで
自分の純情を守ろうとしていた。
風吹き抜ける寒い筈の渡り廊下も悠里の仕業で夏のプールの気分と相成った。ヒカルは悠里の持つ思春期男子を包み込むような体温と
ミステリアスな銀色の髪の冷気で揺り動かされるしかなかった。
ヒカルの理性が限界に達するかはいざ知らず、巧みなさじ加減で絡ませた腕をゆっくりと動かし、当たるか当たらないかの綱渡りで
ヒカルの眼を泳がせていた悠里はいきなりその腕を離し、すくと短いスカートを翻しながら立ち上がり体育館の方へと駆け出した。
「犬上くん!」
幸か不幸かヒカルは鳴りやまない胸の鼓動を手の平で確かめつつ悠里の後を追った。
明々と明かりの点いた体育館は霜が溶けそうなぐらい熱気と気勢に包まれていた。裸足の足が床を叩き、竹と竹がぶつかり、
文字通り鎬を削る様が悠里とヒカルの前で広がっていた。
一際目立つ一組がいた。一人は男子、一人は少女の打ち合いだった。
「めぇええん!!」
「まだまだ!夜月野!脇が甘いぞ!」
「はい!刻城先輩!どぉおおお!!」
「めぇえん!」
小柄な少女は頭を降りかかる一刀をかわし、竹刀が面をかすって響く音を辺りに残していた。
見ているヒカル側からしても手に汗握る光景で、うどんで緩んだ瞼も意識せずとも見開く闘いだ。
「朝練、すごいよね。やっぱり袴姿って見てるとわたし、なんだか疼いちゃうし」
「いつも剣道部の練習見てんの?」
「ときどきね。ほら!あっち見て。つばぜり合いしている男子って燃えるね」
体育館の出入口にもたれ掛かる悠里はカーディガンの衿元を指先で弄りながら、若きもののふたちの稽古を眺めていた。
さっきまでヒカルに寄りかかり、道を外しかねない誘いをしていた娘も乙女の心を忘れていなかった。
「世間はクリスマスってのに、そんなことを忘れ武道に打ち込む姿って」
激しい打ち合いの末、一瞬の隙を狙い篭手と見せかけて小柄な体の不意をつく。またしても素早い足裁きで我が身を庇う。
「どぉおおお!!」
「……思う?」
答えることを忘れたヒカルは小柄な少女剣士が余裕釈釈の身構えな先輩相手へ果敢に打ち込む姿を自分の言い訳にした。
そして打ち合いは激しさを増し、そしてお互い攻めの体勢で剣を打ち鳴らす。
「お互いに隙を見せないね。だから真剣な眼差しに痺れちゃうし、どちらか隙を見せる瞬間も……」
「うっ!」
右脇を手で抑えたヒカルをローファー一足片手に悠里はにまにまと眺めていた。
「今度は左脇、いっとく?隙だらけの犬上くん」
ヒカルは一本取られないように脇を固めた。
日が昇ったとは言え、足元が寒いので、朝練に未練を残したヒカルと悠里は自分たちの教室に入った。
ヒカルは本を相手に、悠里は携帯片手に何かのサイトと相手をしていた。
「へぇ。うどんに牛蒡の天ぷら、そしてかしわご飯だって」
書の世界に没頭した隙だらけのヒカルのお陰で悠里の独り言に終わった。冬季補習の時間までまだまだ。
「なんだか、昨日の夜は特別な夜だってね。佐村井さんやはせやんも言ってた。わたしにとっては毎晩特別な夜かもね」
731
:
◆TC02kfS2Q2
:2012/12/19(水) 23:52:22 ID:liN.ac4Y0
多少気にしつつ、ヒカルは悠里の言葉に耳傾けながら本をめくっていた。教壇に腰掛け、劣情を煽り立てるように
脚を組んだ悠里は言葉を続けたが、目の前のヒカルは隙を見せまいとじっと活字を目で追っていた。
「小さい頃から檀家さん見てたからかもしれないけど、何事も毎日の積み重ねだよね。信心も本も武道の鍛練……
そして、ついつい誰かの気を引いちゃうことも。だから、昨日の夜だけを特別にしたくないなって」
「お祭りみたいなものだけど」
「そうね」
否定も肯定もしない悠里からはオトナの香りがした。
そんな折、ヒカルたちの教室に朝練で果敢にも先輩に打ち込んでいた少女剣士が訪問してきた。
袴姿に防具を付け、ジャージを羽織ったネコの少女だった。悠里は何事も無かったように脚を組み替えた。
「……あのー。さっきまでわたしたちの朝練、見学されていた方ですよ……ね?」
「……うん」
「おにぎり、お呼ばれしませんか?沢庵も美味しいです!」
本をめくる手を止めたヒカルと悠里は時間が止まったかのように裸足の少女をずっと見ていた。夜月野と名乗る少女は
悠里とヒカルの関係、そして起きようとしている状況に自分自身の納得出来る説明が出来ず、寒い中で額に汗を垂らした。
防具の垂には力強く『佳望・夜月野』の毛筆の文字が書かれていた。それを見つけたヒカルは名前を呼んで夜月野の背筋を凍らせた。
「名前を呼ばれるとは思いませんでした!」
夜月野は耳を立てて肝を潰した。
武道に励む者として、見せてはならぬ態度。そう思いつつ夜月野は見振り手振りで話を続けた。
「あ、あの!わたしたち!」
「ってか、どうして、ここがわかったの?」
「こ、ここだけ明かりが点いてたから刻城先輩が……」
「お気持ちありがとう。ごめんなさいね。わたしたち見てただけだから頂けないね」
大人の対応の悠里に対して、慇懃にお辞儀をしたネコの少女は裸足の足音を残して教室から去った。
「だろうね」
教室での出来事と他者に説明するにはハードルが高い。悠里はカーディガンのボタンを弄り、ぴょんと教壇から降りた。
大きな尻尾が弧を描いて、ヒカルの目の前を横切っていった。
「さて。わたしは帰るね。学生の本分、果たすんだよ!犬上くん!」
「え?小野、補習は?」
「そんなこと言ってないし」
そういえば、悠里は一言も「補習を受ける」とは言っていなかったのをヒカルは思い出し、額に汗を流した。
ダウンジャケットを羽織り、大きな尻尾と銀色の髪、そしてたわわな胸を揺らして悠里は教室にヒカルを残して消えた。
ヒカルは朝の僅かな時間だが、キツネにつままれていたのではないのかと腕を抓ってみた。腕の痛みはすぐに忘れたかったが、
腕で感じた悠里のあだっぽい柔らかさを忘れることが出来ずに本をめくるスピードが落ちた。
帰路の悠里はこっそりと体育館に近付き、おにぎりを囲む剣道部員たちを覗きにやって来た。さっきのネコ少女の夜月野も
仲間たちに囲まれ、朝練とは違った明るい声を上げていた。その中には夜月野曰く刻城先輩らしき姿もあった。彼は袴が良く似合う
ネコのメガネ男子だ。冷静かつ、礼儀正しい模範生だ。悠里的にはかなりポイントは高かろう、そんな男子こそ悠里の色仕掛けで
牙を抜いてみたくなるものだ。そして、悠里よりも年下で言っちゃ悪いが悠里より色気はない夜月野が落ち着き払った刻城先輩の隣で
恥じらうのを見ると、やはり悠里もちょっかいを出したくなるもんだ。
「夜月野は背が小さいから面を取られ易い。瞬発力を鍛えて面を取られないようにしろ。足さばきな」
「はい!」
「そして守りに入るな。面を割る覚悟でな」
目を輝かせている夜月野が刻城先輩の話に頷く姿に、悠里に潜む妖魔が羽根を伸ばし始めた。
武道男子、そして袴男子が色香に崩れる姿は悠里にとっては大変なご褒美だ。
「クリスマスに目もくれず、その存在さえ忘れ、ひたむきに武道を精進する刻城くん。覚えて損はない子ね」
人差し指を口に当て、思案顔で眼を潤ませた悠里が踵を返して尻尾を揺らすと、体育館から夜月野の声が上がった。
「それではちょっと遅れたけど、メリークリスマス!!」
おしまい。
732
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/12/19(水) 23:53:33 ID:liN.ac4Y0
『袴ときつね』
これでおしまいです!
投下おわり。
733
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/03/01(金) 21:04:51 ID:l/gcxVvs0
投下しまっすわん。
734
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/03/01(金) 21:05:16 ID:l/gcxVvs0
雨降りだからバイクを降りよう。たまにはこんな日もあっても良かろう。
一雨ごとに暖かくなるのは毎年のこと。さらば冬と言いつつも、今日はバイクには乗りません。
市電で街を移動するのは久しぶりだとミナは言う。乗り慣れたエンジンの心地は足から伝わるモーターの振動に変わり、
流れる風景もガラス窓越し。バイクからの目線から見落としてたはずの物が目に見えてきて、どんよりとした灰色の空も
決して嫌いになれなかった。むしろ青空が持つ二つ目の顔を見せてくれいるようで、裏表のないいいヤツだとも感じる。
周りに人が居る。誰も知り合いではないけれど、車内はすんの暇を共有する名もなき劇場か。
長年暮らしてきた街の違う顔を垣間見るようで、ミナは生暖かい空気を楽しんでいた。
「早速、冬クールの一番決めよっか?」
「どれだろう。さくらが言ってたヤツ、三話目で脱落しちゃったし」
「わたしもー。キャラデザが過去の呪縛から抜け切れてなくて萎えーってね」
「このテイストで描いときゃいっかって保険かけてるのかなぁ?ねえねえ、違う絵描けないの?」
「でも、再生回数伸びてるよね。男子には受けるんだ。あーいう古風な子」
「男版『ウチら』だからね、アイツら」
「それはさておき、春クールの青田刈りでもしよっか?豊作ですよ」
話の内容はともかく、ミナは吊り革に捕まって自分たちの世界に浸る女子高生の会話を聞いていた。
遠い姪っ子たちが我が家の居間でだべっているようだった。何を話してるかは分からないが、それだけでいい。と。
ただ、二人は冬の終わりを惜しみつつ、春の訪れに喜びを感じているんだと、ミナには何となく分かってきた。
一人はイヌっ娘、一人はネコっ娘。お互い制服は違うが共通点は眼鏡っ娘。ミナとは違う世界を生きる二人と共に
車窓を分かり合うことにミナは不思議に思えてきたし、それが市電の魔力なんだとも感じた。
「さくらはイヌ耳キャラが出るだけでご飯三杯はいけるよね」
「だからさ、もっちーもイヌ耳に萌えるべきだよ!」
ふと、さりげないイヌっ娘の言葉にミナは聞き耳を立てた。
「『もっちー』……」
この子も『もっちー』なんだ、と。自分が知っている『もっちー』ではないな、だけどほんのちょっとだけ思い出した。
「どうしてるかな」
二人してはしゃぐイヌっ娘ネコっ娘たちの歳の頃を思い出していると、相変わらず降り続けてるのにも関わらず
いつの間にかガラス窓を叩く雨音が消えていた。ミナの鼓膜が雨音を聞くことを拒否しはじめたのだった。
#
ミナの知る『もっちー』は教室では借りてきたネコのように大人しいネコだった。
それゆえクラスメイトの女子からは何となく浮いていた。
そして、隙あらばもっちーのことを笑おうと、揚げ足を取ろうとクラスメイトの女子たちはもっちーに目をつけていたことが
ミナには面白くなかった。ただ、彼女は他の女子には無かったさくら色のような色香を兼ね備え、そして気丈にもミナの前では
笑顔を絶やすことをしない子だった。
「何かあったら、わたしに言うんだよ」
ミナはもっちーに対して口をすっぱくしていた。
ある日、もっちーは普段見せない顔をしてトイレの手洗い場にいた。トイレのサンダルを履いたもっちーは誰かから見られることを
避けるよう、クラスメイトから逃れるよう、そっとしてくれと言わんばかりに静かにたたずんでいた。
もっちーの後ろ姿を見かけたミナが鏡越しにもっちーを覗き込むと、蛇口をしめ、ハンカチを焦るように隠した。
ミナが立てたトイレのつっかけの音に反応して、いかにもばつの悪い反応を示したもっちーはミナに目を合わせようとしなかった。
735
:
『もっちーのこと』
◆TC02kfS2Q2
:2013/03/01(金) 21:06:00 ID:l/gcxVvs0
「何かあったらって……言ったじゃない!」
「いいんです。杉本さんには迷惑かけられないし」
「わたしも迷惑してるから遠慮しないで!」
ミナももっちーの態度を認め、そっともっちーの洗い立ての手首を握る。これでお互いひんやりだ。
「もっちー。大丈夫。わたしがアイツらから守ってやるから」
一言も話していないのにも関わらず、もっちーの行き場のない感情を受け止めたミナはトイレ脇の土間に投げ出された
片方だけのもっちーの上履きに誓いを立てた。所詮、ガキがやったことだから大人げなくて結構……そんな屁理屈は許せない。
「隠すなんて、卑怯過ぎるし」
口を閉ざしてしまったもっちーはミナの声を何様かと思い込んだか、わっと感情を解き放ち、再び自分の手を濡らした。
あれから、高校を出て、お互いそれぞれ自分の道を歩みだし、風の便りさえ届かなくなってきた。
そんなもっちーがミナの前に現れた。偶然の出会いだった。
愛車に跨り冬の夜の風を走り、休憩に凍てつく手を缶コーヒーで温めていると、ふと明かりが恋しくなった。
喜んで寒い中を走り回るのはイヌかバイク乗りぐらいだと、ミナは自虐的になっていたところに差し伸べられた暖かな光。
誘ってないのに誘われたかのごとく、ミナは愛車に待てを命じて明かりの灯るレストランに近寄ってみた。ガラス張りの店内が
わいわいと人のぬくもりに唆されて、色恋沙汰の始まりが種蒔かれているようにミナには見えた。
わたしになんか、関わりないかも。だって、缶コーヒー如きで喜んでいるような女だし。でも……誘われたら嬉しいかも。
チーズの香り漂うレストランが小さな頃に憧れた二次元の世界に見えてきた頃、三次元のリアルなんだとミナは引き戻された。
「もっちーだ」
ミナが知る限りのもっちーは男の匂いなどしなかった。ミナが知る限りのもっちーは女の香りなどしなかった。
たかが十年ちょっとだ。十年ちょっと会わなかっただけでこんなにも人は変わるのか。
同年代の男女が一同小洒落たレストランのテーブルを囲み、チーズフォンデュを食している中で、ミナが知っている
もっちーが姿を現すことはなかった。言うならば……小悪魔もっちー。魔方陣の代わりに小さな鍋、契約の代わりにぶどう酒の杯を交わす。
男どもがもっちーに明太子味のチーズフォンデュを勧めるなか、もっちーは目を細めながらパンを摘んでいた。
ガーリック味もいいかもと男が張り切ると、男の腕を叩きながらもっちーは明太子味を選んでいた。そして、しっかりガーリック味も
堪能しているのをミナが見逃すはずはなかった。
「なんだかなぁ」
あまり見つめていると妬みに変わるを嫌ったミナは残りの冷え切ったコーヒーを飲んだ。
もっちーは悪魔の契約を交わしました。
真っ白な正義がくすんで見えてきました。
魔界へ魂を売ったもっちーに乾杯。
だって、ちやほやされるの羨ましいし。
#
「どうして、もっちーにみんなちやほやするのかなぁ」
暇を貰ったミナのバイクがガレージで鈍い光を反射していた。ミナはタンクの光沢を肴にしながら北の方の地図を眺めて
もっちーの新たなる門出を嫉妬していた。
バイクがミナをちやほやしてくれるわけでもないし、春だからコイツにつんつんしてみるか。
おしまい。
736
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/03/01(金) 21:06:28 ID:l/gcxVvs0
投下おしまいっす。
737
:
名無しさん@避難中
:2013/03/21(木) 20:40:15 ID:Ip.vqT4s0
怪盗シロ先生
http://imefix.info/20130321/611344/rare
738
:
名無しさん@避難中
:2013/03/21(木) 20:42:24 ID:jQevw4W20
ありがとうございます。ほんとに描くとはさすがw
739
:
名無しさん@避難中
:2013/03/21(木) 20:45:44 ID:3LIN.aG20
そこはかとなくエロい
740
:
名無しさん@避難中
:2013/03/21(木) 23:28:34 ID:N8fhMoOk0
混ざってる混ざってるw
741
:
名無しさん@避難中
:2013/03/22(金) 22:44:57 ID:XrLJbLaU0
>>737
コレッタ「か、かえすニャーーー!!」
怪盗シロ先生「……」
http://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/287/kaitou_shiro.jpg
742
:
名無しさん@避難中
:2013/03/22(金) 22:54:26 ID:XEhnZ1dk0
コレッタかわいいお
743
:
名無しさん@避難中
:2013/03/22(金) 23:03:39 ID:pmyEjx160
それを盗むかwww
744
:
名無しさん@避難中
:2013/03/23(土) 00:17:04 ID:QOI.Iae60
しかもすぐ捕まりそうなwww乙です。
745
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/05/10(金) 20:07:42 ID:wr8SlciI0
本スレのお題「ぬいぐるみ」書きました!
ババアも出るよ!
746
:
しろいゆき
◆TC02kfS2Q2
:2013/05/10(金) 20:08:29 ID:wr8SlciI0
保健室のベッドに乱雑に置かれたサイフ、携帯、ハンカチ、手袋、マフラー……白先生の私物であった。
ちょっとしたお値打ち品、オトナの女が持つような品ばかりだが、乱れ打つよう無様に並んだ姿を晒してる。
ベッドの脇に跪き右手を鶴が首を伸ばすように突き出して、手首を下げる三十路のネコ一人。保健室の主だ。
「この感覚。この感覚だぞ……。ここから左に……3秒!」
まるで機械のように腕を水平移動させながら白先生はぶつくさ独り言。ぎこちなく腕の動きを止めると今度は下に動かし始めた。
そしてハンカチを鳥がくちばしで咥えるように掴むと再び一言発する。
「よし!この感覚だぞ」
さながら、ゲームセンターのクレーンゲームの真似事。腹痛でやってきた子ネコのコレッタが背後にやってきたことに
気づいた白先生はしらんぷりの態度を取って保健医の顔に戻り、がらがらっとカーテンを引っ張りベッドの上を隠した。
#
ここまで通い詰めれば、もはや常連客だ。寒い中、若いもん集まる街のゲーセンの一角、ひとり三十路のネコがいた。
他のゲームに興味を持たず、真っ先にクレーンゲームに噛り付くこの客は遊ぶことを知らなかった。なぜなら、景品のぬいぐるみに
心奪われ、まるでストイックなアスリートのようにまっすぐに、ひたむきにガラスケースに向き合っていたからだ。
「頼む、笑ってくれ。クレーンの女神よ、笑ってくれ……」
クレーンゲームにへばり付き、めげることなくガラスのケースで重なり合うぬいぐるみを手に入れようと、白先生は右手にボタン、
左手に硬貨を携えて機械に運命を託していた。コレッタたちの笑顔を見たいから、一万二万は当たり前。百遍だめなら千遍だ。
ぐぐっと近付くアームがぬいぐるみを優しく抱き上げる。祈る気持ちで行方を見守るが、ガラスの壁は厚く思いは伝わらず、
アームの束縛を拒否したぬいぐるみは自由な世界へと戻っていった。白先生に宣告されたものは非情にも『ゲームオーバー』。
白先生はぎゅっと左手の中の硬貨を握り締めた。仕事を終えたケースの中のクレーンは真面目にスタート位置へと戻っていった。
ふと、白先生がガラスの中のぬいぐるみから目を背けると、明らかに場違いな自分が通りに晒されていることに気付いた。
人気者であるクレーンゲームのコーナーは一元さんでも気軽に入れるように一階にあることが大抵だからだ。
月給切り詰め手に入れたちょっと品の良いダウンジャケットにブーツ姿の白先生は周りの若者だけが持つ金で買えない何かに嫉妬した。
たとえ、それが無意味なことであろうとも、せずにいられない三十路の悲しい性だった。
「あっ」
隣のケースは羽振りが良い。硬貨を入れて間もないと言うのにぬいぐるみをゲット。吸い込まれるようにぬいぐるみは
取り出し口へと転がっていった。プレイヤーは学園・高等部の生徒と歳はそんなに変わりはしない、ぱっつん前髪みどりの黒髪美しい
ウサギの少女だった。見覚えないので佳望の生徒ではないはず、しかし、彼女に興味を抱いた白先生はそっと近付き手元を覗き込んだ。
少女は白先生を不審がることもせず、白先生の心の内を見透かすように明るく口を開いた。
「不思議ですよね?どうしてそんなに上手いんだって?それにわたし、そんなに目を動かしてませんからね」
ウサギの少女の声に白先生は息を止めた。
747
:
しろいゆき
◆TC02kfS2Q2
:2013/05/10(金) 20:08:47 ID:wr8SlciI0
「気配で分かるんです。わたし、勘だけはいいんです」
「ほう……。しかし、それだけで」
白先生が話し終える前、少女はまた一つぬいぐるみをゲット。彼女の視線に動きはなかった。
「モーターの音やぬいぐるみを挟む音を頼りにしてるだけですよ。わたし、耳だけはいいんです」
と、話しているうちにまたひとつゲット。
白先生には聞こえなかった取り出し口にぬいぐるみが転がる音を聞いた少女はガッツポーズをする。
ふと、白先生のブーツのつま先を叩く感覚があった。足元には白い杖が転がり、少女は少し焦った顔をしてしゃがみ込み、
手探りで杖を探していた。冷たい少女の手が白先生の太ももを掴んだ。
「す、すいません!」
少女の白い杖を拾い上げた白先生は優しく声をかけた。
純白の杖の先は赤く塗られ、使い込まれて出来た傷が少女との信頼関係として刻まれている。杖には彼女の名前と思われる
『YUKI』との文字が記されていた。
「気をつけてな。『ゆき』。ほら、手を握るぞ」
初めて会ったのに自分の名前を呼ばれた不意打ちに『ゆき』の手が止まった。
白先生は「ああ、すまん。仕事柄、相手を名前で呼ぶ方が信頼を築けるから」と言う。
「はい。先生」
「……」
「『雪妃』も名前で呼んでくれて嬉しいです」
しっかりと両手で握らせた白先生は目を丸くした。
初めて会ったのに自分が保健室の住人だと分かるとは。
「オキシドールの匂いがしたんです。医者か学校の保健室の先生か。どちらも先生だなって」
「……」
「わたし、鼻だけはいいんです」
「……」
「ほんのお返しですよ」
#
別の日、同じゲーセンにてクレーンゲームの興じていた白先生はオオカミの青年から「お姉さん」と呼び止められた。
彼は先日会った雪妃よりも年上の印象を受ける物腰柔らかい青年だった。淀みのない目はおよそオオカミのものとは即座に
考えがたいぐらい、ガラス球のような光が周りの筺体から発する明かりで輝いて見えた。
「お姉さん。ぬいぐるみ、取りたいんですよね」
「……今、必死にやってるところだけどな」
「ぼく、取って見せますよ。ノーミスで取りますから、じっとアームから目を離さないでくださいね」
煙に巻かれたような気持ちで青年の言葉に乗せられた白先生は自分の顔が反射するガラスケースの中のアームに焦点をあわせていた。
それよりも、三十路を超えた自分を「お姉さん」と他人から、しかも見知らぬ他人から呼ばれたことに少々動揺していた。
で、技のほうだ。
アームが動く、掴む、あがる、投入口までぬいぐるみを運ぶ。そして、青年の元にぬいぐるみが……。鮮やかとしか言いようがない。
『天才という名は彼のためにあると言っても過言ではない』という言葉さえも陳腐に聞こえるボタン捌きであった。
「お姉さん。差し上げますよ」
「い、いいや。いいよ。自分で掴んでこそ、ゲームだ」
青年は少し悔しそうな顔をしてぬいぐるみをお手玉のように軽く空中に上げながら、白先生との再会を誓う言葉を残して
ゲームセンターの出入り口へと去っていった。すれ違いに現れたのは白い杖の少女だった。先日のような笑顔はなく、寧ろ
青年に対して軽蔑の眼差しを向けていることに等しい態度を雪妃が取っていることに白先生は気づいていた。相手の心情に
気付くことは職業の性だと白先生は(自分ひとりで)言う。
白い杖をかつかつと地面に当てながら雪妃は真っ直ぐとゲームセンターに入ってゆき、杖の先が白先生のブーツに当たると
ぜんまいの切れたロボットのようにぴたっと足を止めた。
748
:
しろいゆき
◆TC02kfS2Q2
:2013/05/10(金) 20:09:08 ID:wr8SlciI0
「ごめんなさい!先生ですよね。声が聞こえました」
白先生は首を縦に振ることで返事をしようとしたが、雪妃のために「ああ」と口に答えを出した。
「あいつ、『イカサマ王子』です」
確かに王子と名乗るにふさわしいほどの振る舞いだ。だが、雪妃は低い声で続けた。
「筺体にコイン、入れてないんです。なんらかの小細工を使った方法で誤作動させてます。きっとコインの投入口に……。
だって、コインを投入する音が聞こえなかったんです。わたし、耳だけはいいから分かるんです」
「……証拠は。証拠がないとこちらも手を出せないぞ」
「はい。立証は目撃者でも居ない限り難しいでしょう。先生、気をつけてくださいね。あいつ……年上好みですから」
「……」
「年上の女性に擦り寄ってぬいぐるみを贈る。いつも敬語ですし、気に入られやすいんです。
イカサマはゲーム感覚でしょう。一瞬でもいいから、自分をチヤホヤしてくれるような女性を探しているんです」
雪妃はゲームの神へ訴えるようにクレーンゲームにコインを投入し、次々とぬいぐるみを狩っていった。
「この辺であいつの名と破廉恥な振る舞いを知らない者はいません。ただ、証拠があがらないんです。
なのに……わたしにだけ証拠が聞こえるのに、証明できないって……悔しいじゃありませんかっ!!」
#
『イカサマ王子』がコレッタに近づいているのを白先生はゲームの最中に目撃した。
年上好みと聞いていていたはずなのに。目をぱちくりしていると王子はコレッタに何かを話しかけ、以前白先生に求めた
ことと同じようにアームの先を見放さないようにコレッタに指示をしているのに気づいた。あろうことか、コレッタにだ。
コレッタとイチャコラしているのを見るだけで、白先生は胸の奥が沸騰してくるような気がした。
だから、というのは失礼かもしれないが……白先生は途中でゲームを放棄して王子に寄りつめた。
王子は鬼気迫る形相の白先生に対して、なんとも紳士的な表情で迎え入れた。作法も知らぬ野武士が氷の面構えをした
貴公子に斬りかかる、と言うべきか。ただ、言えること。野武士は本気だ。
「イ……王子さまだね」
「そんな呼び名、されているんですかね。ぼく」
「失礼覚悟で聞く。コインは入れたのか」
白先生の問いかけを遮るように筺体のランプが灯りだし、いかにもせせら笑っているように見えてきた。
そして、あれよと言う間にぬいぐるみが捕獲され、コレッタの元へと取り出し口に転がってきた。
何も事情を知らないコレッタは不思議そうにぬいぐるみを眺め、そしていつのまにか手中に収まっていた。
「否定しないな」
「肯定もしていませんよ。コインは入ったのでしょうか?疑問ですね。なのに、ぬいぐるみが手に入った。お姉さん、質問は愚問です」
「ちゃんと、ちゃんとコインの音がしないっていう証言もあるんだぞ」
「お姉さん。冷静に考えてください。コインの音って聞こえますかね」
「あの子……あの子には聞こえないんだ!」
冷静になれ。落ち着け。感情に訴えるな。ババア。
王子の嫌味なほどの爽やかさが白先生を煽り立てた。
「コレッタ!近づくな!離れろ!こいつ、こいつはな!」
「ニャ?」
「店員さーん!ここでオバサンが暴れていますよー!」
王子が手を振っているうちにわらわらと制服姿の店員が集まり始め、白先生は羽交い絞めにされながらクレーンゲームから
引きずりはなされていった。きらきらと輝き続ける電飾に照らされて、テンション上がる音ゲーのサウンドに囲まれて、
三十路を過ぎた一人の保健医は両手を振り乱しながらスタッフオンリーの札が掲げられた部屋に店員と共に吸い込まれていった。
「王子!王子はいくらでも傷つけ!!でも、コレッタだけは傷つけるな!!わたしが許さん!!」という声を残して。
749
:
しろいゆき
◆TC02kfS2Q2
:2013/05/10(金) 20:09:26 ID:wr8SlciI0
#
日の長くなった五月晴れの午後。
白先生は市電の中で雪妃に再会した。手を伸ばせば気づく距離だが気づくことが無い雪妃を驚かせないように
声をかけながら肩を優しく叩くと、雪妃はにこりと花を咲かせた。もちろん、あの日と同じように白い杖を片手にしていた。
初めて会ったときの冬服から制服から涼しげなワンピースに身を包んでいる雪妃の姿は白先生には新鮮だった。
雪妃の持つ白い杖にはケレーンゲームのぬいぐるみがぶら下がる。市電が加速をする度にゆらゆらと揺れるぬいぐるみを
白先生は目で追っていた。
「先生、あれからゲーセン行ってますか?」
「いや……全然」
あの店に近づくのはやめた。
なんだか自分が恥ずかしくなるからだ。法や世間が白先生を許しても、白先生が自分を許せなかったのだ。
「それじゃ。わたしと一緒に行きましょうよ」
「……」
白先生が巻き込まれた店内での出来事を知らない雪妃は白先生がクレーンゲームに夢中になっている姿を想像してにやりと笑った。
雪妃は白先生に再会の約束を交わし、途中市電を降りてかのゲームセンターへと杖に頼りながら向かった。歩きなれた道だから、
たどり着くまでがなんだか楽しい。にぎやかなサウンドが雪妃の耳にだんだんと聞こえてくるのがいやがうえにもテンションを上げる。
店内に足を入れた雪妃は杖の動きを止めた。
王子だ。あの王子、まだくたばり損ねていたのか。嫌でも鼓膜を響かせる王子の爽やかな声、そして折り重なるように幼い子供の声。
「さあ。コレッタちゃんの好きなもの、取って見せようか」
「ウチのコレッタがすいません!ほら、お礼は?コレッタちゃん」
「ニャ」
「もー!コレッタちゃんのご返事はいつも可愛いね。お母さん、萌えしびれちゃった」
雪妃は膝打った。打ちまくりだった。
イカサマ王子はコレッタではなく、コレッタの母親狙いだったことに。将を射んとせば、馬を狙え。
年上好みの王子が取った謀にまんまと転がされる、コレッタの母はコレッタ以上に周りに花びらを散らせていた。
王子と子供とちょっと子供っぽいオトナの声が三つ編みのように美しく輝きながら絡む。だが、美しいものにも消えるときが。
「……おにいちゃん。右手で何してるニャ?」
「ん?」
たじろぎを隠す王子の手元をコレッタが覗き込むたびに、コレッタの母は首を傾げていた。
「コレッタちゃん!な、何……ごめんなさいね!」
「ニャ!お金入れてないのにうごきだしたニャ!!」
「コレッタちゃん!」
「どうしてニャ?どうしてうごかしたニャ!?」
もはやこれまでか。王子は表情を変えずにいることに限界を感じ、脱兎の如くコレッタの元から店外へと駆け出すが、
刹那に脛に激痛を感じ地面にひれ伏した。悶絶に苦しみながら見上げる王子の視線の先には、聖剣のように白い杖を構える
雪妃の姿が逆光の中浮かんでいた。
「わたし、勘だけはいいんです」
白先生。また、ゲームセンターで会いましょう。
雪も融けました。
草木も萌え出でています。
悪いオオカミはいなくなりました。
ただ、美しすぎて、物足りません。雪妃は待ってます。
おしまい。
750
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/05/10(金) 20:11:58 ID:wr8SlciI0
「ぬいぐるみ」で描いた!
ババアもでるよ!のおまけまむが。
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/412/dr_shiro_cyan.jpg
投下はおしまいです。
751
:
名無しさん@避難中
:2013/05/13(月) 20:43:39 ID:eRw7z.IEO
ぬこぽ
752
:
名無しさん@避難中
:2013/05/15(水) 13:29:38 ID:o4fSKqi20
>>751
ニャッ
753
:
名無しさん@避難中
:2013/05/30(木) 02:34:50 ID:35kl/ZvY0
白「児ポ規制が改正されるぞ。気をつけろよ因幡
リオ「はああー?私は児ポなんで一ミリも関係ないですよ?先生こそ大丈夫なんですか
白「ガキの身体に興味持ってたら先生なんかできんわい!
リオ「ええー?本当ですかー?コレッタちゃんの柔肌をニヤニヤ眺めたりしてませんかー?
白「腹の立つ奴だな。だが実は興味は無いが生徒の成長を知るためにある程度のデータは覚えてるぞ。お前の胸囲は○○cm。
リオ「ギャー!わ、忘れろ!忘れてください!
白「腹回りは○○だったか?メリハリが無いな。
リオ「ぬおおー!訴えるぞ!勝つ見込みはあるぞ!
白「胸が薄いと細身の服が似合って良いな。羨ましいよ。ははっ。
754
:
名無しさん@避難中
:2013/05/30(木) 03:03:30 ID:7Abex2kc0
なぜ把握しているw
755
:
名無しさん@避難中
:2013/06/01(土) 21:04:39 ID:0tG/YBXI0
お知恵拝借。
けも学の「映画研究会(創作系)」の子たちを描こうと思って、キャメラを
三台用意しました。 ひとりは黒柴犬チビ助眼鏡っ娘ってのを考えてますが、
のこりふたりの種族は何にしたら良いでしょうか? 私が考えると全部犬に
なりそうで…
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/445/furry529.jpg
756
:
名無しさん@避難中
:2013/06/01(土) 23:12:17 ID:/Nfxb2hU0
目がよさそうな鳥とか?
757
:
名無しさん@避難中
:2013/06/01(土) 23:56:48 ID:YdgHYWV60
背が高いから映画館では最後列に座るという気配りをする映画好きなキリンさん
758
:
名無しさん@避難中
:2013/06/02(日) 09:08:39 ID:zYQYgfFA0
アクション映画が大好きだけど意外と運動音痴で熱血馬鹿でなおかつ無駄に馬鹿力なライオンさんとかw
ミージカル映画が好きだけど臆病で自分が歌う事なんて絶対無理!な小鹿さんとかw
759
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/06/03(月) 23:33:23 ID:VejPUCRk0
>>755
書いてみた。どんなキャラかなぁ?この子。でも、書いてみた。
760
:
「青い画」
◆TC02kfS2Q2
:2013/06/03(月) 23:34:00 ID:VejPUCRk0
プールでイヌが溺れた。
誰も疑うことは無かった。
梅雨の一休みの中、さんさんと水無月の太陽に照らされるなんて、なんという贅沢。
苦手な水泳が大手を振ってサボれるなんて、なんという贅沢。
スク水姿の女子に囲まれるなんて、なんという贅沢。
救い出されて尻尾を丸めた果報者のイヌは恥らいも無く無様な姿を披露していた。
彼女……、そう。彼女はコンクリ打ちっぱなしのプールサイドにて仰向けに、濡れた紺色のスク水に身を包んで息も荒い。
ここが安楽なる保健室のベッドでないことは我慢してくれればよいが、生憎ここは青空の元のプールだ。多少の犠牲はやむ得ない。
小さな体からはぁはぁと命の息吹が湯気を立たせて、ぽっこりお腹が上下に揺れる。空を流れる雲たちがやけに速い。
「まったく……。お前、己を考えろよ」
「はぁ……寝不足でした。眠いのを無理して……、だ、台本書いてました」
「無理すんな」
「助監督への道は厳しいんです。これしき……」
保健医の白先生、脈を計り、彼女の容態が安定したことを確かめると、イヤミの無いお説教で彼女に愛の鞭をお見舞いしていた。
ここで白衣姿なのは眩し過ぎるのでいそいそと白先生がプールサイドから退散すると、白衣の裾を引っ張る感覚がした。
無言で引っ張る力に対して、白先生は頷くことで「安心しろ」と伝えていた。程なくして裾は自由を得た。
太陽の日差しが眩しく思ったか、コンクリと同化していた彼女が目を見開いて、きゃんと無駄吠えの声上げる。
ちょっと太めの両脚を天高く突き上げ、勢い付けてむっくり起き上がると同時に、お互い打ち合わせをしたかのように
周りのスク水女子が一歩後ずさり。起き上がったチビっこイヌは滴る雫を拭いつつ、自身の健在をアピールしていた。
山椒は小粒でも辛いんだぞと、言わんばかりに。
「良い画が見えたんだよ!凄いんだったら!ゆらゆら揺れる画なんてプールの中じゃないと見られないんだから!」
「……」
「きれいな、画だったんだよ。あたしのファインダーに映ったんだよ」
濡れた黒い毛並みがきらきらと、自信なさげな胸がおしとやかに、ちっぽけな体全身で奇跡の瞬間を伝えたくて 身振り手振りで
『全学年の生徒に見守られながらプールの底に沈む』屈辱を『神からの恩恵を授かる』名誉に仕立て上げる姿。それは彼女の癖だった。
「おねえちゃん。何言ってるニャ?」
「吸い込まれるような画だよ!青い画ってこんなに涼しくも、心惹かれるものなんて!」
「ニャ?」
彼女は未来の映画監督を夢見る少女。そんじょそこらの失敗なんぞ、未だ見ぬ銀幕への拍手に変わるのならばなんでも……と。
「はやく……続きを撮らせてください!」
「ニャ……?」
あどけない瞳とネコ耳が溺れたイヌを捕らえる。
そして、また一歩後ずさり。
「とにかく、助かってよかったニャ」
「……ありがとうございます」
「年下に頭下げるのまだはやいニャよ」
彼女は低学年のネコたちに敬語で気を使った。
悟った。
初等部……女子小学生たちに紛れて泳ぐのはもうやめようと。
ちっちゃい頃を思い出すかもと思ったけれどとんだ大誤算。
やっぱりJSは最高だぜ!だなんて、うそっぱちだ。JSの頃の記憶なんて、プールの底に沈んでしまえ。
眠気が瞼にのしかかる。うとうとと、どっと疲れが彼女を襲い、再びプールサイドのコンクリへ体を沈め目を閉じた。
#
761
:
「青い画」
◆TC02kfS2Q2
:2013/06/03(月) 23:34:33 ID:VejPUCRk0
彼女は『監督』と呼ばれていた。女子高生だけど『監督』だ。
学園の映画研究会に所属する『監督』は事実、上に立つ立場だし、求心力も備えているし、映画監督を目指しているから異論は無い。
事件が落ち着いた頃、目を覚ました誇り高き『監督』は一人ぼっちで更衣室で濡れた体をタオルで拭いていた。
にぎやかだったプールは静寂を取り戻し、水面だけが自由な時間を弄ぶ。彼女の眼鏡が息で曇る。
黒い毛並み美しく、ちっちゃい体はちょこまかと、そして眼鏡で光る瞳はどんな原石でも見分ける選球眼を携えていた。
スペック高くても、所詮は女子高生。スク水姿で一人ぽつんと更衣室で姿見の前で突っ立ていた。肩に掛けたフェイスタオルから
しずくがぽたりと落っこちて、床を濃く湿らせる。時間が経つとともにその円は数を増やし、やがて不思議なサークルへと姿を変える。
照明の消えた更衣室に差し込む光は四角四面な窓からの日光だけ。
白く映える窓、床に落ちる影。『監督』はじっとその光を横っ面で受け止めていた。
「元気になったニャか?」
「さっき居た……」
「ミケのこと?わたし、ミケっていうニャよ」
更衣室の窓からひょこりと顔を出した子ネコが一人。さっきの事件を目の当たりにしていた子だった。
夏みかんのような明るい色がさらさらとプールの風に揺れ、前髪をハートの髪留めで括った三毛猫の子ネコ。『監督』を案じて
わざわざここまでやって来た。ぐったりと仰向けになっていたときにはオトナに見えたミケは今となって小さく見える。
「あたしがミケちゃんと同じぐらいの頃に見た映画を思い出してね」
「そうなんだニャ」
「あんな吸い込まれそうな空色の映画、あたしも撮ってみたいし」
雫がつららと『監督』の毛並みを走り、紺色に染まるスク水は緩やかな丘を描く。草原を走る透明な羊の群れのようだ。
優しい丘を登ったら、すらりと斜面を駆け下りる。そして粒は集い、『監督』の脚の付け根に淀む。
『監督』はくすぐったくて、人差し指でスク水からむちっと映え出る脚の付け根をさすった。
「絶対、撮ってやるんだから」
小さい頃に見たんだ。
まるで自分が魚になったように、青くきらめく空を自由に、銀幕の中にも空はあると。
そして、空の向こうには紺青に染まる空の果て。散りばめられた瞬く星。その中をふわりふわりと浮かんでくるり。
真っ暗な映画館に窓のように切り抜かれたスクリーン。
リアルと妄想が混じり合う非現実的な空間。
宇宙旅行はまだまだだけど、幻燈の前ではいつでもどうぞ。
浮世をすっ飛ばしたいから、無敵の英雄に願いを託す。
過ぎ去った日々は戻らないから、ちょっと指定席で現実逃避。
ずっとこのまま騙されていたいと願いつつ、幼き日の『監督』は再び同じ夢を見る日を、そして誰かに分かち合う日を待ち続けていた。
「おねえちゃんの映画を楽しみにするニャね。ミケは『かれし』といっしょに見に行くからニャ」
「いるんだ。彼氏」
「いないニャよ。これからさがすニャ」
「じゃあ、ミケちゃんの彼氏が出来るまでにおねーさんは空色の映画、頑張って撮っちゃうぞ」
「間に合わないかもニャね」
夏の雲は流れが早く、映画に、青い色に取り付かれ、幼心を抱いたままの『監督』も、今では華のじょしこーせー。
いつの日か『青い映画』を撮ってやるんだぞ。
スク水脱いで、制服に着替えたばかりの『監督』からは塩素混じりの夏の匂いがした。
おしまい。
762
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/06/03(月) 23:37:53 ID:VejPUCRk0
おまけ。
描いてみた。どんなキャラかなぁ?でも、描いてみた。
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/461/cinema_culb.jpg
投下、おしまいです。
763
:
名無しさん@避難中
:2013/06/09(日) 15:15:42 ID:9SZlIrvg0
アドバイスありがとうございます。
とりあえず5にん描いて本板の方に投稿してみました。
後は女性副部長が進行管理とかやれば成り立つのかな?
キャストは演劇部とかから調達するのかな?
また昨日も中古の8m/mキャメラを買ってしまった…
764
:
名無しさん@避難中
:2013/06/09(日) 19:50:15 ID:RnPqhTBA0
>>763
乙です。賑やかそうだw
765
:
名無しさん@避難中
:2013/06/29(土) 19:56:13 ID:Qd2YZu6M0
本スレババア本www乙ですー
766
:
名無しさん@避難中
:2013/06/29(土) 19:59:19 ID:G9FFuduE0
兎も巻き込んで是が非でもコレッタを魔法少女に!
767
:
名無しさん@避難中
:2013/08/03(土) 11:42:31 ID:SnqnR7HI0
もふもふスレも便乗age
768
:
名無しさん@避難中
:2013/08/06(火) 07:20:31 ID:EKFUNT2M0
白センセ ビキニ姿で のうさつよ
769
:
名無しさん@避難中
:2013/08/06(火) 20:08:20 ID:R1n2qVYc0
ババァ無理すんなw
770
:
青空町耳嚢 〜創作発表板五周年企画SS〜
◆KYvOzJo9IM
:2013/08/27(火) 16:22:39 ID:g1PJ08CI0
青空町耳嚢 第12/21話
【無念なり】
住宅街の裏通りで、犬と猫がケンカしているのに出くわした。
激しい争いの末、勝者となった灰色の大柄な猫は、ブロック塀に跳びあがると悠々と去っていった。
あとに残されたのは、満身創痍で倒れ伏している茶色のやせ犬。首にスカーフみたいなものが巻いてあるところからして、飼い犬のようだった。
あまりに痛々しかったので保護して飼い主に連絡しようかと近寄ったものの、その犬はよろよろと立ち上がって去っていってしまった。
その去り際、犬が悔しげに呟いた。
「無念なり」
次はがんばれ、と思わず応援したくなった。
【終】
-------------------------
【8/27】創作発表板五周年【50レス祭り】
詳細は↓の317あたりをごらんください。
【雑談】 スレを立てるまでもない相談・雑談スレ34
ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1361029197/
771
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/08/27(火) 20:02:50 ID:Hcu2UIes0
5周年おめ!!
わお!50スレ祭りとな!
50は無理だけど、SS書いた!ホラーじゃなくてすまない。
772
:
『タイムカプセル』
◆TC02kfS2Q2
:2013/08/27(火) 20:03:23 ID:Hcu2UIes0
髪の長い娘がざっくざっくと公園で穴を掘っていた。
陽射しの強い夏の真昼間、立木が落とす濃い影の元ひたすらシャベルで掘り起こす。
シャベルのリズムに合わせて束ねた髪が揺れ、一言も喋らず一心不乱に土の中を見つめていた。
「ルル姉、何やってんだ?」
声をかけられたことすら気付かずに、ルルという名の娘は穴を掘る。
ルルは人だ。ケモノたちの住むこの街では珍しい。ただでさえ目立つ存在なのに、可憐で華奢な体で重いシャベルを扱う姿は
どう転んでも目を引く。やがて、息も荒くなり一休みとシャベルを放り出すと、傍らにいた少年の足元にからんと転がった。
「ルイカ、見てたの?」
「ルル姉、訳わかんねぇよ」
ルイカと呼ばれた少年はケモノだが、あまり見ぬ種族ゆえやはり目を引く。やや耳はシャベルのように尖り、やじりのように
目つきのきついカルカラというケモノだった。
ルルとルイカを繋ぐのはたった一筋の親族であること。種族は違えど系譜が繋がると逃れられぬ関係となる。
ルイカはルルと見えない鎖で繋がれているようなしがらみを足元に感じた。
「見つかんない。どこにも」
「はあ?何がさ」
「タイムカプセル。わたしがちっちゃいときに埋めたの。覚えてるでしょ?」
「なんだよ。ガキくせ……」
「ガキのくせに人をガキ扱いするなんて大層な様ね」
茶色く窪んだ土、黒くうずたかく盛られた土、そして色白の娘。どれもこれも不釣り合いで、ちぐはぐで。
それを繋ぐタイムカプセルさえも見つからない。
「木の箱に入れてたの。大人になったら掘り起こすんだって」
「土に返ったんじゃね?」
「将来、思い描いた自分になれてるかって……どうか。大人になった自分への手紙だね」
無いものはない。求めても戻ってきやしないタイムカプセル。この星を捨てて遥かかなたへ飛び去ってしまったのか。
ルルは手を払い、また一度地球の裏側にまで通じるのではないのかという勢いで再び穴を掘りはじめた。
ルイカはルルの姿に一種の後悔を感じた。しかし、ルルに弱みは見せられぬ。
(ルル姉が埋めた後、おれが掘り起こしたんだよな)
ルイカの記憶は確かだった。
そのタイムカプセルはルイカの自宅の机の中にある。土にまみれた木箱は眠りを邪魔されてルイカの手元にあるのだ。
「ふう。休憩!ルイカ、穴、見てて!」
「おれが?何でだよ」
「危ないでしょ?掘りっ放しじゃ!わたしここにいるからアイス買ってきて!」
773
:
『タイムカプセル』
◆TC02kfS2Q2
:2013/08/27(火) 20:03:50 ID:Hcu2UIes0
ルルに刃向かうのは万死に値する。大袈裟かもしれないが、二人はそんな関係だ。ルイカは渋々と公園を去った。
しかし、もやもやした気持ちは晴れない。アイスを買いには行かずに、その脚で自宅に戻り机の中をまさぐった。
机の中は整理整頓されて風通しが良い。そんな町並みのような机の引き出しの中にぽつんと違和感ありありの木の箱が一つ。
「これだ」
土にまみれたようにくすんだ木箱、大きさはおよそ文庫本ほどだ。錆びた蝶番が固く、蓋を開けるのも至難だった。
やがて蓋は開き、中に一枚の桜色の便箋が日の目を見た。几帳面に畳まれた便箋に書かれた一文にルイカは目を止めた。
『りっぱなおとなになってますか』
幼く、たどたどしく、舌ったらずな手書きの文字。ルルが8歳のときに書かれた自分への手紙だった。
確か幼き頃のルルが大人になったルルと同じように穴を掘っていたんだ。ざくざくと、重なる姿は変わらなかった。
ルイカはその一部始終を眺めてて、ルルが埋めたタイムカプセルをルルがいない間に掘り起こしたのだった。
「ガキくせー」とルイカが減らず口叩いたからルルからびんたをお見舞いされた。だから今でも覚えている。
(一矢報いたかった)
語彙の増えた今、振り返るとそうだ。中の手紙の代わりにテストの裏の藁半紙を入れて、ルイカは土に埋もれているはずの木箱に入れた。
木目の刻まれたタイムカプセルをかばんに隠し、ルルの待つ公園へと脚を運んぶ。
「ルイカ、アイスは?」
「知らねーよ。おれはルル姉の下僕かよ」
あまりにも暑く、喉が渇くから、ルルがアイスを買いに走った。
これ幸運とルイカはルルの掘った穴を掘り続け、かばんに入れた木箱を埋めた。
「ったく」
穴をじっと見つめていると吸い込まれそうになる。だから踏ん張って、しがみつく。
程なくするとアイスを二本手にしたルルが頬を赤くして帰ってきたが、ルイカはアイスだけ受け取って公園から去った。
その晩。
ルルは自宅のリビングで木箱に入っていた藁半紙を眺めていた。久しぶりに再会したタイムカプセル。
そう。ルルはルイカが埋めた木箱を掘り当てたのだった。諦めかけていたのでちょっと嬉しい。丁寧に土を払い除け持ち帰った所だった。
藁半紙の表には結構良い点数のテストの答案、おまけに持ち主の名前まで書かれている。そして裏には男子の手書き文字。
『ガキくせぇこと、未だにしてんじゃねーよ』
「ルイカもね」
『りっぱなおとなになってますか』へのルイカからのアンサーだった。にやりとルルは手紙の返答主に噛み付いた。
おしまい。
774
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/08/27(火) 20:05:46 ID:Hcu2UIes0
ルルさんとルイカをお借りしました!!
と言うわけで、ザッキーも加えてこちらもどうぞ。
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/548/lulu_5th.jpg
775
:
名無しさん@避難中
:2013/08/30(金) 13:15:19 ID:smY3qPLc0
投下乙!
776
:
名無しさん@避難中
:2013/09/07(土) 07:58:37 ID:7wnoB0C6O
白先生、スク水の季節…終わっちゃいましたね。
いや、先生が着るんじゃなくて…
777
:
名無しさん@避難中
:2013/09/07(土) 08:20:42 ID:f0a9F6z60
ババァ無理すんなwww
778
:
名無しさん@避難中
:2013/10/05(土) 23:02:48 ID:G3eEYy9g0
「かわうそは僕の嫁」と「トド彼」、立て続けに耳尻尾どころじゃないケモノ
とのラブラブ漫画の単行本がでてきてました。
皆様におかれましてはこんなのは如何でしょう?
779
:
名無しさん@避難中
:2013/10/06(日) 14:41:13 ID:kg/aFcbI0
>>778
無茶するBBAは美しい。
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/599/shiro_manga.jpg
780
:
名無しさん@避難中
:2013/10/07(月) 11:55:53 ID:lVkr18Sk0
BBAめ、溜め込んだ使い道見失った結婚資金があるだろう!
781
:
名無しさん@避難中
:2013/10/12(土) 07:42:44 ID:BWNHqBf.O
リオ「ただのBBAには興味ありません。このなかに巨乳、残念、ロリコン、保健医がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
782
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/10/16(水) 19:30:17 ID:10nzO7Xs0
本スレ
>>116
お題「将来の夢」でちょいと書きました。
おまけ。
コレッタだよ!
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/609/Coletta.jpg
以下より、どうぞ。
783
:
『ユメミルコネコ』
◆TC02kfS2Q2
:2013/10/16(水) 19:30:52 ID:10nzO7Xs0
保健室の白先生が居眠りしていた。
人目も憚ることなく、無防備に椅子に仰け反ってすやすやと。
そろりそろりと忍び寄る小さなユメミルコネコが一人。
どきりどきりと揺れ動く小さな胸に希望を乗せて。
「ちょっとかりるニャ」
白先生を起こさないように、子ネコのコレッタがメガネをひったくった。薄い手のひらには重くのしかかるオトナのメガネ。
コレッタは頬を赤くしながら白先生のメガネをかけた。
メガネをかければちょっと一人前に見えるかもしれないと、コレッタはメガネのつるを摘んでいい気になっていた。
そして白先生の真似をしてゆっくりと、子ネコにはちょっと大き目のメガネをかける。
初めての視界はぐるぐると廻るよう。瞳は鳴門のようにぐるぐると廻るよう。
足元もふらふら、オトナになるって厳しいニャ。
メガネをかける前は「白先生みたいなオトナになりたいニャ」と、まだ見ぬ未来の希望へと手のひらをぐっと伸ばしていたのだが、
今やその手は制御不能!度があっていないからと子ネコのコレッタには理屈は通じぬ。
足元でんじゃらす!
コレッタは前のめりに転びそうになりつつ声を上げた。
ふにゃあああああああ!!
助かったニャ?
でも、おかしいニャ?
やわらかく。とろけそうな肌触り。ボーダーのシャツ越しながら、薄っすらと感じる(永遠の)嫁入り前の……。
「コ、コレッタ!!何しているんだ!!」
「ご、ごめんなさいニャ!白先生みたいになりたくて……ニャ」
「わたしみたいに?か?」
「ニャ!」
白先生はぐっと額に汗たらして堪えた。お願いだから爪は立てないでくれ。胸が痛いんだ。比喩でもなく、ホンキで。
コレッタの手中に収まりきれない白先生の無駄に大きな胸は子ネコになぜか自慢げだった。
おしまい。
784
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2013/10/16(水) 19:31:14 ID:10nzO7Xs0
投下おしまいです。
785
:
名無しさん@避難中
:2013/10/16(水) 19:45:25 ID:C/D6zyY.0
コレッタにゃんハスハス
786
:
名無しさん@避難中
:2013/10/29(火) 21:43:10 ID:FFL30Yic0
ttp://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/620/furry535.jpg
787
:
名無しさん@避難中
:2013/10/30(水) 07:06:11 ID:reOTjpGM0
がおー
788
:
名無しさん@避難中
:2013/11/24(日) 18:30:38 ID:fnBtgo/I0
「もう一ヶ月か……」
咥えた煙草の煙がやけに澄んで見える。汚れ塗れの世間よりかは煙の方が清く見える。
私は携帯灰皿に吸いかけの煙草を押し込んで、校舎の屋上から浮かれた町並みを眺めていた。
もうクリスマスなんか関係は無いと、とっくに切り捨てていたが、どんなに抗おうとも時の流れには逆らえないと知った二十歳の夜。
父との死闘が遥か昔のように流れ去り、私の眼帯だけが古傷を癒す。父など……、私の記憶には無い。
「獅子宮せんせー」
背後から叩くように聞こえる声、まさに彼女は乙女だ。
私と同じ歳だというのに、子猫の頃を引きずる彼女は泊瀬谷と呼ぶ。
私の勤める学園で現代文を教える泊瀬谷だが、些か少女趣味過ぎるのが難点だ。私がかい潜ってきた修羅場とは別世界に生きてきたから、
それはそれで理解は出来るが、闘いに明け暮れていた頃の獅子宮玲子と出会わなかった事を幸いだと思え。
「あと、一ヶ月ですね!」
「そうだな」
「プレゼント、どうしましょうかね!」
またも私に無縁なフレーズが現れた。
プレゼントか……。クリスマスイヴの夜にたむろする不逞なる餓鬼共にナックルパンチならばプレゼントしたことはあるが、
リボンや包装紙で飾られた物など私にはもはや関係無い。仮にも頂ける物ならば、血の滴るような生肉でも望もうか。一人マンションで
憂き世をえぐるように食したいと。それを泊瀬谷に伝えた所……。
「獅子宮先生、肉食系ですね!」
きっと泊瀬谷は勘違いしているのだろう。何しろ泊瀬谷は乙女だ。
泊瀬谷の脳内ではクリスマスの夜に寄り添う野獣のような男を描いているに違いない。
私は携帯灰皿をズボンのポケットにしまいながら、マリアナ海溝よりも深い呼吸をしていた。
−−−−−−了−−−−−−
789
:
名無しさん@避難中
:2013/12/01(日) 07:30:38 ID:Gi2EsxgQO
獅子宮「ぬこぽ」
790
:
名無しさん@避難中
:2013/12/01(日) 20:58:21 ID:qv1eS3No0
わん!
791
:
名無しさん@避難中
:2013/12/01(日) 22:32:29 ID:pQvCBvvs0
獅子宮「わん…だと?誰だっ。誰が吠えた!」
犬上「え?ぼくじゃないですよ…。早く、本の続きを読ませて下さい」
芹沢「え?マジ?わたしじゃない…ってかさ、あまがみ部じゃね?」
大場狗音「久々に出て来て、これなの?私のあまがみと獅子宮先生の本気噛み…どっちがいい?」
芹沢「弟を差し出します!タスク!!!!」
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