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獣人総合スレ 避難所

694ネコ足靴下 ◆TC02kfS2Q2:2012/04/27(金) 23:46:38 ID:yj1R3LVs0

 何かのスイッチが入ったようにタスクは少女をブランコから下ろすと、手を引いて家に向かって走った。
 少女は嫌がるどころか、むしろ幸せそうな顔をしてタスクの手を握っていた。

 今だに両親帰らぬ自宅に着くや否や、タスクは少女を居間のソファーに座らせて、しばし待つように命じた。
カーペットの上にはランドセルがそのまま沈黙を守る。しばらくすると、どたどたと足音立てながらタスクは
紙袋を携えて少女のもとに帰ってきた。テーブルの上には未開封の『さくさくぱんだ』の姿があった。

 「これ、受け取って下さい!っつか、受け取ってくれ!」
 「え?ってか、マジで受けるんですけど?」
 「いいから!受け取れ!」

 少女がタスクの紙袋を手にして封を開けると、一足のふわふわした靴下が顔を出した。
 トラ柄で足の底にはぷっくりとネコの肉球があしらえられている『ネコ足靴下』だった。

 「なにいいい?まじ、ヤバすぎない?」
 「……」
 「ねえ!ヤバくねえ?」

 無言は銀。雄弁はしらん、雄弁なんかそれ以下じゃい!
 言葉だけでは伝えられぬ、少女の瞳がびしびしとタスクに伝わった。初めてモエが『ネコ足靴下』を目にしたときと
同じ反応にタスクは安心した。やがて少女はタスクの反応を見て、おっとりと大人しくなった。

 「はいてみて、いい?」

 少女は履いていた靴下からネコ足靴下に履き変えるとソファーの上に立ち、モデルのようなポーズを決めてみた。
少しぶかぶかなのは当たり前。タスクは姉へと買ってきたのだから。ずり落ちた靴下は少女の足元を彩っていた。

 「なんだか、ルーソみたいで女子高生って感じ?」
 「う、うん。喜んでくれて嬉しいな、おれ……いや、兄ちゃんはね」
 「わたし、イヌなのににゃんこになったみたい。にゃー!にゃー!」

 ソファーの上を歩くと少女は靴下に付いた肉球の感触を楽しみながら、ちょっとしたネコ気分を味わっていた。

 幼い響きで「まじ、ネコキックすんよ。まじで」というセリフがタスクに向かって飛び出すのかどうかは
チーズケーキの味をモエが気に入るかどうか次第だった。


   おしまい。


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