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獣人総合スレ 避難所

693ネコ足靴下 ◆TC02kfS2Q2:2012/04/27(金) 23:46:16 ID:yj1R3LVs0

 タスクはクラスの友人たちに電話をかけまくった。とにかく、姉のことをわずかでいいから知りたい。
知っている者に出会いたい。しかし、タスクがしていることは渓流でマグロを釣り上げようとしていることに等しかった。
笑われればいいじゃん。と……。覚悟。なんか、できるもんかと、必死に姉を探す。友人に連絡を取る。
 悲しいかな。「そういえばさ、この間貸したアレ返せ」と今は忘れていたい催促をさせる仕打ちを受けた。
 なんの手掛かりも掴めぬまま家路につく。夕暮れ近いそらがこんなに切なく見えるのは自分が大人に近付いたせいなのか。
 
 「仕方ない。って、諦められないよ。姉ちゃん」

 姉の電気アンマを思い出しながら、タスクはコンビニに立ち寄りチーズケーキを買った。
 コンビニの洋菓子は何故か美味いらしい。嘘か誠か、あまり縁のないジャンルだけに、タスクは不安を抱いた。

     # 

 帰り道途中の公園で姉に似た少女が制服姿で一人ブランコに乗っている姿を見た。
 近寄ると少女は逃げもせず、襲い掛かりもせず、ただブランコを細い脚で揺らしていた。

 「わたしをおいて、どこいってたの」
 「姉ちゃん、探しに」
 「いるわけないでしょ。タスクとわたし、ふたり兄妹だし」
 「それより、鍵かけたの?」

 少女は小さく頷いた。カーディガンのポケットから合い鍵のキーホルダーを覗かせて、ブランコに乗っかる。
 見ている姿はあどけない少女。
 公園で、情けなくなるまで遊んでおいで。
 と、言いかけたい。……ぐらい。と、間をおいたなんてちょっとね。と、タスクは笑う。

 「あのさ。おしてくんない?ブランコ」

 タスクは少女の背後に周り、小さな肩に手をかけると少女の脆さを実感した。がさっとコンビニの袋の中で音がする。
 優しく扱わなきゃ、大切にしなきゃ、と、ゆっくり背中を押すと少女の髪が揺れて、シャンプーの香りがした。

 (同じ香りだ……)

 「タスクにあやまんなきゃいけないの、わたし」

 少女は歳に見合わぬ大人しめな口調で話しはじめた。
 猪口才なと、タスクは感情を普段どおり押し込めた。

 「『さくさくぱんだ』のこと。ランドセルの中にかくしてたつもりだったけど、本当は入れ忘れていたの」

 しおらしい……というか、本当にどうでも良い話。
 タスクは揺らす力を弱めて、少女の話しに耳を傾けた。手にぶら下げたコンビニの袋も落ち着いて声を潜めている。

 「なんだろうな。タスク、タスクっていつも言ってるけど、こんな妹に一生つきあってくれること。まじ、ヤバいぐらいうれしいし」

 拙いくらい幼い声。危ういくらいの言葉使い。それに惹かれた訳ではないが、タスクはブランコをといきなり止めた。

 「モエ!行くぞ!」


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