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ガルパン みほルートGOODエンド

91名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/01(火) 22:25:42 ID:5JTBaTF6

 【エリカルート GOODエンド】

 「……あなた、何時に来たの?」

 待ち合わせ場所である駅前のオブジェの横で佇んでいると、その相手である妻―――エリカがやってきて、開口一番に呆れたような口調で言った。一緒に暮らしているので、当然彼女の持っている服は一通り知っているが、今日着ているそれは一番のおしゃれ着のはずだ。確か、最後に見たのは娘の入学式だった。
 彼女の質問に、大体30分くらい前、と答えると、さらに呆れの色が強くなった。現在時刻は17時。ちなみに待ち合わせの時間は18時半だ。今日は平日だが、仕事は午後休を取り、午前の勤務を終えると同時に会社を出た。それから今日の予定を入念に確認した上で、この場所で待ち構えていたのだ。

 「これじゃ、待ち合わせの時間決めておいた意味ないじゃない」

 ため息を一つついた上で、苦笑しながらエリカが言う。正論だが、そこにはこちらほどではないにしても待ち合わせ時間よりかなり早くやってきた自分への皮肉も含まれているのだろう。

 「ここにいつまでもいても仕方ないし、行きましょう」

 そう言いながら自然と腕を絡ませてくる。日が落ちて冷えた空気にさらされて冷えた身体は、その温もりをより確かに感じさせる。

 「あの子に感謝しないとね」

 歩き始めて少しして、ポツリとエリカが言う。そう、今日のこの―――結婚記念日のデートが実現したのは、ひとえに我が娘の気遣いのおかげだ。

92名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/01(火) 22:26:11 ID:5JTBaTF6
 『再来週の水曜日は逸見の方のおばあちゃんの家に泊まるから』

 2週間ほど前のある日、夕食後のリビングで雑誌を読んでいた娘が言った。確かに彼女は母方の祖母と特に仲がよいが、なぜいきなりそんな予定が入っているのか一瞬理解できなかった。

 『……その日結婚記念日でしょ。私はお邪魔でしょうから』

 口調こそ拗ねたようなものだが、その顔は明らかに笑いをこらえるようなもので、娘なりの冗談だとすぐにわかったが、そうだとしても彼女を邪魔などと思ったことは一度たりともない、と言っておいた。父として、そこはゆずれない。

 『はいはい。……ま、そういうことだから。思う存分イチャイチャしてきなよ。普段以上にね』

 いつの間にかそんな気を遣えるようになっていた娘の成長に感動すると同時に、その言葉に引っかかりを感じた。確かにエリカと夫婦としてのスキンシップはそれなりに行っているが、娘にはなるべく見られないよう自重しているのだが。

 『……バレてないと思ってたの?マジで?』

 驚愕と呆れを半々に含んだ表情で娘がこちらを見るが、驚きの度合いはこちらの方が大きい自信がある。なにせ、これまで完璧に隠しおおせていたつもりのだから。

 『……ハァ。だからって、別にやめなくてもいいからね。絶対にママ機嫌が最悪になるし』

 表情を呆れ100パーセントにすると、視線を再び雑誌に向ける娘。もはや伝えるべきことはすべて伝えたから話は終わり、ぶっちゃけこれ以上はメンドイ、といった様子だった。しかし、娘のせっかくの厚意を無駄にするわけにはいくまい。さっそく脳内で、結婚記念日当日のプランの組立と、毎朝のいってらっしゃいのキスのタイミングの見直しを始めた。

 「あの子もどんどん成長してるのね。ずっと一緒にいるのに―――いや、一緒にいるから余計に気づけないのかも」

 苦笑しながらエリカが言った。子供の成長は親にとって喜ばしいが、同時に寂しさを感じさせる。その気持ちはよくわかるが―――今日はせっかくのお祝いだ。暗い表情をいつまでもさせるわけにはいかない。そう思い、彼女に今日のこのあとの予定を伝えた。

 「カフェで少し時間を潰してから食事、ね。いいと思うわ。ちなみにどこのレストラン?」

 その問いに待ってましたと言わんばかりに答える。今日予約してあるのは都内でも有数の高級レストランだ。普段あまり散財をしない分、今日は出し惜しみをしないことにしたのだ。そして、そのレストランで最も人気のメニューが―――。

 「ハンバーグ!?いいわにっ!……いいわねっ!」

 わに。

 「……いいわねっ!」
 
 わに。

 「……ッ!」

 腕を組んでいる方の指で、思い切り二の腕のあたりをつねられてしまった。このプラス方向でテンションが上がると高確率で噛んでしまう癖も、夫である自分からすれば魅力の一つなのだが―――彼女的には不本意らしい。

 「ふん。なによ、まったく……」

 そう言いながらも、組んだ腕を離さないのが、彼女が本気で怒っているわけではないことの証明だ。

 「……これで美味しくなかったら、今度はほっぺをつねるわよ」

 ジトッとした視線で言われてしまった。キチンと同僚やネットから情報を集めた上で最良のプランを立てたつもりだが、思いがけずハードルが上がってしまった。

 「もちろん、あなたのエスコートも採点基準に含まれるから。せいぜい気張りなさい?」

 表情を笑顔に変え、エリカが言う。その言葉にもちろん、と答えつつ、腕を組んでいた方の手をポケットから出し、彼女の手を握る。いわゆる恋人つなぎだ。

 「……まあ、いいんじゃない?」

 顔を赤くし、そっぽを向きながらの高評価をいただいた。さて、この調1子で00―ーいや、120点を目指すとしよう。

93名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/01(火) 22:31:07 ID:rRdi79Fs
ついに来たわに!

94名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/01(火) 22:34:48 ID:UGe6mL0k
お前の事を待ってたんだよ!

95名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 00:17:24 ID:yTFYy33M
 【エリカルート BADエンド】

 「本当にごめんなさいね、いつも」

 家に上がって早々にかけられた言葉になんとか笑顔を作っていえ、と答えた。いつものことだ。そしてその後、目的の部屋の戸をノックするが、なんの反応もない。これもいつも通り。今度は声をかける。すると、来訪者の正体を把握した彼女は、扉をわずかに開け、そこから腕―――幽鬼のように細く、白い―――を出し、こちらの手を掴んで中へと引きずり込んだ。最初は心臓が止まるかと思ったが、それも毎度のこととなればなんの感情も湧かない。

 「……遅かったじゃない」

 これでも、大学の授業が終わると同時にここへ向かってきたのだ。道中でコンビニに寄りはしたが、それも必要な過程なのだし、文句を言われる筋合いはない。しかし、そんな本音を飲み込み形だけの謝罪をする。

 「今日もいつものやつ、買ってきたのよね?」


96名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 00:19:49 ID:yTFYy33M

 何様のつもりだ―――そんな心の声をまたしても押し殺し、笑顔で手に持っていた袋を差し出した。奪い取るようにそれを受け取った彼女―――エリカは、そのままゴミや物が床中に散らかった部屋の中央のテーブルに腰を下ろし、袋の中身であるハンバーグ弁当を貪り始めた。かつて戦車道の名門、黒森峰女学園のエースだった逸見エリカの融資は―――どこにもなかった。
 彼女がこうなってしまったのは、1年前、エリカが3年生となり黒森峰の隊長に就任して臨んだ全国大会にあった。そのさらに2年前、9連覇を果たし、前人未到の10回目の優勝に手をかけたその年、黒森峰は決勝戦で敗北を喫し、まさかの準優勝で終わった。そしてその翌年も、決勝戦で、しかもまったくの無名校であった大洗女学園の前に敗れた。試合に参加した当人たちはその結果に満足こそしなくとも納得はしていた。だが、周囲―――他の黒森峰の生徒や理事会、OG、そしてメディアは、その結果を必要以上に重く見た。
 さらに、それまで隊長を務めていた戦車道の名家の娘である西住まほが卒業したことも重なり、学園の内外で黒森峯の戦車道に対する風当たりは強くなった。そんな中で隊長となったエリカにのしかかった重圧は、筆舌に尽くしがたいものだったろう。
 当時既に彼女との交際は始まっていたが、エリカの隊長就任を期に、少し距離を取ることとなった。否が応にも注目を浴びることになるその立場上、明確に禁止こそされていなかったものの、交際相手が居るというのはあまりよろしいことではなかったからだ。それでも別れなかったのは、お互いに強く想い合っていたからだ。しかし、この選択は今となっては間違いであったと思うようになった。もっと彼女のそばにいて支えるか―――あるいはきっぱりと別れてしまうべきだった、と。
 周りからもたらされたプレッシャーは、着実にエリカを追い込んでいった。最初こそかつて大洗との試合で学んだことを活かそうとしていたが、やがてその生来の真面目さも災いし、チームの構成員全員に完璧を求めるようになった。その必要以上いに厳しい態度と言葉に、徐々に全体の士気は下がっていった。
 そして、それは大会での結果―――初戦敗退へと繋がった。
 低い士気は細かなミスを次々に発生させ、それに苛立ったエリカの言葉に、さらに隊員の士気は落ちていく。そんな悪循環は、質実剛健、一切の乱れを許さぬ黒森峰本来の戦車道とはかけ離れた試合展開を生んだ。
 もし相手がプラウダやサンダース、聖グロリアーナや、あるいは因縁のある大洗ならば、まだよかっただろう。しかし、戦ったのはその年に初参加した無名校で、挙句の果てに2回戦で敗退している。一切の言い逃れが許されない失態だった。
 断っておくが、逸見エリカは戦車道において極めて優秀な選手だ。誰よりも熱意を持って戦車道に取り組み、隊長としての素養も十二分にあった彼女だったが、取り巻く状況がそのあり方を歪ませてしまった。プレッシャーに耐えることもその素養と言われてしまえばそれまでだが―――それでも、少しでも周りの彼女への接し方が違えば、と思ってしうまう。もちろん、自分自身を含めて。
 そして、エリカは壊れてしまった。厳しい視線に耐えられず、学校に通うどころか外出さえもままならずに自室へ引きこもるようになった。彼女は、家族さえも恐るようになってしまった。
 彼女の家族に乞われ、また自分もその様子を心配していたこともあり、エリカのもとへ久しぶりに訪れたとき、その変貌ぶりに驚かされた。髪は傷みきり、目の下は大きなクマで覆われ、身体はやせ細っていた。さらにそこには細かな生傷がいくつもあり、その姿はもし夜の墓場で遭遇すれば間違いなく幽霊と思っただろう。それまでこちらからの連絡に一切応じなかったエリカは、部屋に入った途端にこちらへ抱きついてきた。プライドが高く、甘えることが苦手な彼女らしからぬ行動だった。

 『……助けて。怖い……、助けてよ……』

97名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 00:20:18 ID:yTFYy33M
 肩を震わせながら弱々しく呟いたその言葉は、自分の知る逸見エリカがそこにいないことを確信させた。
 それから、今に続く生活が始まった。なんとか学園側の計らいもあって卒業はできたエリカだったが、当然当初の予定だった大学への進学は断念せざるを得なかった。部屋への籠城を続ける彼女のもとへ、大学の授業が終わってから直行する。その道中で彼女の好物であるハンバーグ弁当を買っていく。エリカはこの弁当以外は一切口にしないらしく、それもその身体をやせ細らせる原因となった。何度か試しに別の弁当を買ってきたこともあったが、手を付けようともしなかった。エリカの家族から弁当代を渡されるようになったのは通いだしてから1ヶ月を過ぎた頃だった。正確には数回目の訪問の時点で差し出されていたのだが、断っていた。しかし、そんな日々が続いて、肉体的、精神的、そして経済的な負担が無視できなくなり、受け取ってしまった。一回そうなってしまえばどんどん躊躇はなくなっていき、やがて当然のことになってしまった。

 「……ねぇ、どうしたの……?」

 いつの間にか弁当を食い終わっていたエリカがこちらを見ながら言った。弱々しく、何かに怯えるような眼だった。

 「ねぇ、あなたまで私を見捨てるの?黒森峰みたいに!戦車道みたいに!」

 突然大きな声を出しながらこちらに迫って来るエリカ。だが、こうして不安定になるのも今に始まったことではない。

 「いや、いや……捨てないで、一緒にいて……でないと、私……」

 こちらにすがりつきながら、すすり泣くように彼女が言う。これも初めてのことではない。
 人は慣れる。どんな異常な状況でも、それが長く、何度も繰り返されれば慣れてしまう。最初に抱いた、恋人を救いたい、という想いも、一向に改善しない状況の連続に、どんどん摩耗していった。もはやこうしてエリカの下へ来るのは、義務感や責任感ではなく、ただの惰性になりつつあった。
 
 「お願い……捨てないで……」

 目の前で嗚咽する、かつて逸見エリカだったものを見下ろす自分の目は―――はたして、あのときの周囲の視線と、どちらが冷たいだろうか。

98名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 00:27:33 ID:yTFYy33M
というわけでエリカルートでした

ミリタリーバーバーアキヤマはかわらず大洗の学園艦にあります。主な客層はご近所の常連さんに加え、かつての優花里の戦車道での活躍を聞きに大洗女学園の戦車道受講者がちょくちょく来るとか。
懇切丁寧かつわかりやすく話してくれますが、要所要所で夫や娘のノロケ話が混ざるのがたまにキズらしいです

さて、というわけで宣言通りBADエンドのネタが尽きたので、今後は先に挙げたキャラのGOODエンドのみを書こうと思います。
とりあえず明日はキャプテンになると思います

では、今日拙い文にお付き合いいただきありがとうございました

99名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 00:28:54 ID:kknq8HQQ
悲しいなぁ…

100名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 00:29:40 ID:fiY/uex2
乙シャス!
毎日いいゾ〜これ

101名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 00:35:01 ID:jofYXHrE
ヤメロォ!(BAD)ナイスゥ!(GOOD)

102名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 07:54:22 ID:uNxTju4k
何が悲しいってエリカなら本当にこう成りかねない って思えるのが辛い

103名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 08:35:34 ID:AldZnBDE
良くも悪くもエリカって手を抜けないタイプだからね、しょうがないね
とにかく乙だゾ

104チーズケーキ鍋:2016/11/02(水) 10:38:37 ID:???
エリカのBADだけ男じゃなくてエリカの方がとことんBADなENDなのが辛いゾ…
実際はこうなりそうならまほが守ってくれる気はするけど

105名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 11:14:50 ID:IpQPxnUU
エリカ√の攻略は、
エリカ本人にはバレないように
他の隊員に「男持ちかよ」って反感を抱かれないようにしつつ、エリカのフォローに当たり
かつ、エリカ本人もきつくなりすぎないように嗜める
という一個でも選択肢間違えるとbad直行の地雷原みたいなルートになりそう

106名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 11:39:53 ID:vsgMuwN.
「うまいハンバーグ」を毎週与えてストレスを溜めさせなければいけそう(適当)

107名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 18:09:26 ID:GA0.NFFg
>>106
モンスターファームか何か?

108名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/02(水) 18:12:06 ID:t60YEEMI
ガルパンキャラが冷凍保存されてるとか、ちょっと興奮しますね

109名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/03(木) 02:55:02 ID:gXtuJRo2
すみません。>>1ですがキャプテンルートを書いてたら本文が吹き飛んでしまいました

明日何人かまとめて書くんで許してつかあさい

110名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/03(木) 12:32:15 ID:ddyZI06E
がんばれ>>1ァ ふんばれェ

111名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/03(木) 12:51:51 ID:YUwYuwdQ
こんなところでテクノロジーの恩恵にあずかれないとはな

112名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/03(木) 15:19:18 ID:gXtuJRo2

 【典子ルート GOODエンド】

 正午。午前の勤務時間終了の合図と同時に、引き出しの中の二つの包みのうち明るい色の方を取り出し、社屋を駆け足で出発する。目的地は妻の勤務先だ。
 事の起こりは今朝だ。妻は起きてきた途端に朝の会議があるから早く出勤しなくてはならないのを忘れていた、と言い出した。今日の食事当番は自分だったのだが、彼女はせっかく作ってくれた朝食を食べられなくて申し訳ないと何度も謝りながらトーストだけを咥えて家を飛び出した。そしてその時、この包み、すなわち弁当を忘れていった、というわけだ。彼女の職場には食堂があるはずだが、今日の弁当は結構な自信作だ。どうせなら食べて欲しい、と思い、こうして届けに行こうとしているのだ。目指すは妻の勤め先―――大洗女子学園。

 10分もかからないで目的地に到着した。我々夫婦の職場は非常に近く、普段は一緒に出勤をしているくらいだ。さて、確かこの学校の午前最後の授業である4時間目は12時15分終了だったはず。と、すればおそらく妻はまだ仕事中という事になる。とりあえず正門前にいる警備の方に事情を話し、昼休みに入ったら彼女に取り次いでもらうのがベターか。そう考え、さっそく声を掛けようとしたのだが、

 「ほらーッ!へばるなーッ!あと少しでゴールだッ!根性ーーーッッ!!!」

 少し離れたところから聞こえた声に動きを止める。まさに腹の底から出ている、といった風の理想的な大声と、いつもの口癖。間違えるはずもない、彼女だ。
 声の方を見てみると、案の定妻―――典子は、ジャージ姿で体操服姿の少女たちの先頭を走っていた。どうやら体育教師である彼女の今日の授業はマラソンであるらしい。
 なんとなく悪戯心が働き、物陰に身を隠してみる。せっかくの機会だし、我が妻の仕事っぷりを見るのも悪くないだろう。

 「よーし、みんなよく頑張った!ナイス根性!」
 
 満足気な笑顔で言う典子がまったく息が上がっていないのに対し、生徒たちの方はすっかり音を上げていた。皆ゼェゼェと荒く息をついている様子に少し同情してしまう。典子の体力はまさに規格外だ。休日のたびに彼女の趣味であるスポーツ、特にバレーボールの練習に付き合うたびに似たような状態になっている身としては他人事とは思えなかったのだ。もっとも、おかげで腹が出始めたと嘆く同年代の同僚に比べ、体型や運動能力はずいぶんマシなものになっているが。

 「さあ、お待ちかねの昼休みだ!みんなしっかり食べて体力つけて、午後の授業も頑張るように!」

 彼女がそういった直後、ちょうどチャイムが鳴った。生徒たちはありがとうございました、と揃って礼をすると校舎の方へ歩いていく。

 「さてッ!私もお昼……に……」

 そこまで言うと、急に典子は硬直、そしてすぐに頭を抱えながらしゃがみこんでしまった。

 「……あぁぁぁぁぁ……!!」

 うめき声のようなものまで上げ始めた。……どうやら肝心の自分の昼食である弁当を忘れたことに気づいたらしい。
 さて、そろそろ頃合か。普段見られない妻の姿を堪能し終えたところで、当初の目的を果たすべく彼女に近づき、その肩を叩く。

 「うぅ……何か質問?悪いけど後にしてくれ……今は私は……うぅ……」

 顔を伏せたままでそう答える典子。どやら生徒と勘違いしているらしい。誤解を解くべく、あえてわざとらしい口調でなにかお困りですか、と声をかけてみる。

113名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/03(木) 15:20:26 ID:gXtuJRo2
 「……へ?」

 顔を上げると、呆けたような表情でこちらを見る。そして数秒静止したかと思うと、

 「……ッッッ!!!」

 満面の笑顔になって思い切り抱きついてきた。

 「んうぅ……!んうぅぅ……!!」

 そのままこちらの胸板に顔を埋めてくる。夫としては嬉しいことだが、問題がふたつ。
 ひとつは、彼女の腕力だ。バレーと戦車道で鍛え上げれたその剛腕は万力のごとくこちらの身体を締め上げる。思えば最初の告白やプロポーズの時もこんな感じだったな、と思いつつも、ミシミシと悲鳴を上げる肉体。
 そしてもうひとつの問題は―――。

 「先生!今何か変な声がしましたけど大丈夫……です……か……」

 教師想いの教え子たちが、さきほど典子があげた奇声に反応して引き返してきたのだった。そして、予想外であろう光景に揃って硬直した。

 「ん……?あっ!ああ……これは、その……えーと」

 ようやく置かれた状況に気づいた典子は、その怪力からこちらの身体を解放すると、生徒たちの方へ向き直り必死で釈明しようとするが、しどろもどろになり一向に意味のある言葉を紡げないでいた。

 「……先生。もしかして、その人って……」

 いち早くフリーズから立ち直った生徒が、こちらを見ながら問いかける。

 「あー……うん。私の……旦那様だ」

 赤い顔で彼女が答えた途端、

 「……きゃあぁぁぁーーーーッッ!!!」

 と、なぜか黄色い悲鳴が上がった。

 生徒たちは一気にこちらに近づいてくると、矢継ぎ早に質問をしてくる。

 「あの高校時代に出会ったっていう!?」

 「毎日好きだ、とか愛してる、とか言ってくれるっていう!?」

 「どんなに仕事で疲れて帰ってきても夫婦のスキンシップを忘れないっていう!?」

 「世界で一番根性があって素敵で根性があるっていう!?」

 なにやら小っ恥ずかしい情報が次々と出てくるのはどういうわけか。……まぁ、出元などひとつしかないわけだが。その出元である隣に立つ妻を見ると、顔を真っ赤にし、申し訳なさそうにただでさえ小柄なその身体を縮こまらせていた。

 「……ああー!もう!もういいだろッ!ほら、早く戻るんだッ!!」

 ついに羞恥が限界に達したらしく、大声で叫ぶ典子。生徒たちは「きゃあーこわーい」なんて言いながら校舎へと逃げて(?)行った。

114名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/03(木) 15:21:52 ID:gXtuJRo2

 「ハァ、ハァ……まったく……」

 マラソンでは一切乱れのなかった息を荒くしていた彼女は、それを整えると、

 「すみませんでしたッ!!」

 こちらへ向き、そう叫びながら勢いよく頭を下げた。

 「せっかく作ってもらった朝食を食べられなかったばかりか、お弁当を忘れてそれを届けてもらい、挙句の果てには生徒たちにあんな……本当にすみませんでしたッッ!!」

 体育会系である彼女は、自分が悪いと思ったときは今のように全力で心からの謝罪を行う。ちなみに敬語なのは彼女がひとつ年下だからである。こちらとしては夫婦で対等な関係なのだから必要ないと言ったのだが、年長者を敬うというポリシーは曲げられないとのことだ。
 なんにせよ、大したことはしていないのだからそんなに謝らなくてもいい、と告げる。典子の全身全霊の謝罪はむしろこちらが申し訳ない気持ちになってくるのだ。

 「ありがとうございますッッ!!」

 そういってもう一度頭を下げると、ようやく元の姿勢に戻った。しかし、確認しなければならないことがひとつあった。

 「?なんでしょうか?」

 先ほどの生徒たちの態度は気にしていないが、彼女らが口にしていた情報はいったいなんなのか。

 「あー……あれは……」

 一瞬歯切れが悪くなったかと思ったら、

 「すみませんでしたッッッッ!!!!!」

 先程よりも大きな声で再び頭を下げた。
 
 「生徒たちに聞かれて、つい我慢できずに自慢してしまいましたッ!たくさん言ってしまいましたッッ!!本当にすみませんッッッ!!!」

 ……この様子ではあれら以外に色々と話しているらしい。頭を抱えたくなったが、同時に妻の愛情を感じて嬉しくなってしまう。嘘のつけない彼女だ、それだけこちらを深く想ってくれている証拠といえるだろう。
 とは言え恥ずかしいのも事実なので、とりあえずもう少し自重するよう注意した。

 「はいッ!努力しますッッ!!」

 ……絶対に言わない、とは約束できないのもやはり正直な彼女らしい。その努力を信じ、これ以上は言わないことにした。

 「ああ……でも……」

 不意に肩と声を落とし、典子が言う。

 「絶対にあの子たち、さっきのこと噂してます。明日には絶対学園中に伝わって……あぁぁぁ、間違いなくイジられる……」

 憂鬱そうに嘆息する姿に同情を禁じえないが、こればかりはどうしようもないだろう。

 「……よしッ!」

 パァンッ、と自身の頬を両手で張り、背筋を伸ばす。その表情は、すっかりいつもの気合に溢れたものになっていた。

 「ウジウジ悩んでいても仕方ありません!こうなったら真正面から受けるのみです!」

 まるでバレーか戦車道の試合に臨むかのようなやる気に満ちた様子の彼女に、餞別代わりに包みを渡す。というか、これが目的で来たのだが。

 「ありがとうございますッ!大丈夫ッ!どんなことだって、根性と―――」

 なんとも頼もしい笑顔で、典子は宣言する。

 「旦那様の愛があればッ!乗り越えられないはずがありませんッ!!うおぉぉぉーーーッッッ!!!ラブ&根性ーーーーーーッッッッ!!!!」

 叫びながら校舎の方へと突貫していくその背中を見送りつつ、先ほどの約束はおそらく果たされないだろうな、と思う。
 さて、こちらもそろそろ戻らねば。思いもがけず騒がしい昼休みになってしまったが、それ以上に活力をもらえた。彼女に負けない愛と根性で、午後の仕事をかたづけてしまおうか。

115名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/03(木) 15:26:31 ID:WbRl0.pQ
ああ^〜

116名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/03(木) 15:31:47 ID:gXtuJRo2
というわけでキャプテンルートでした
昨日はすみません

エリカルートでBADエンドを回避するのに一番いいのは
「西住姉妹の好感度を上げると出現する『大洗女子との練習試合を提案する』の選択肢を選ぶ」ことです
全国大会前にみぽりんにボコにしてもらい、現在のやり方が間違っている、ということをエリカに自覚してもらうことで初戦敗退を回避できます
さらに西住姉妹のうち好感度の高い方がそれとなく(みぽりんはうっかり口を滑らせ)『主人公』が影でエリカのために努力していたということを彼女に伝えてくれて好感度も大アップ、ていう感じ(適当)

夜にはまほさんとミカさんを書きたいです(書けるとは言っていない)

117名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/04(金) 01:27:42 ID:PQ3qaN1M

 【まほルート GOODエンド】

 
 「ふぅ……」

 自身の書斎の椅子に腰掛け、妻―――まほさんは息をついた。すかさずお茶を出し、軽くその肩を揉んでやる。お疲れですか、と声をかけると、わずかに眉をひそめてこちらを見上げてきた。
 
 「今はプライベートだ。そんな改まった態度はやめてくれ」

 そういわれて、自分の失敗に気づく。現在自分は彼女の秘書のような仕事をしており、西住流次期家元として多忙な生活を送る妻を支えている。仕事を抜きにしても年下であり、さらに婿養子という立場もあって思わず敬語を使ってしまうが、結婚当初から彼女はこれをお気に召さないようで、私的な場では対等な態度を取るよういつも言われているのだ。
 やれやれ、と呆れたようにしつつ、まほさん―――もとい、まほは体重をこちらに預けてきた。こちらは立ったままなので、腹の辺りに彼女の頭がくる格好だ。この体勢は我々にとって「お約束」の開始の合図である。

 「んっ……」

 その艶やかな髪を撫でると、心地よさそうな声を漏らす。そのまま二度、三度と手を動かすと、さながら猫のマーキングのように頭をこちらの体にこすりつけてくる。
 

 「……やはりいいな。こういう時間は……」

 どこか微睡むような口調でまほが言う。これは彼女が最大限に気を抜いている証拠だ。よほど近しい人間でなければ見ることのできない、最も素に近い姿。

 「お前以外には見せないぞ?こんなところは……」

 こちらの考えを見透かされたのか、釘を刺すように言われてしまう。裏を返せば、世界で唯一、彼女のこうした甘えたいという欲求を叶えることが可能であり、それを果たす義務があるということになる。なんとも責任重大だが、望むところだ。

118名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/04(金) 01:29:12 ID:PQ3qaN1M

 「さて、と」

 そういいながらまほが姿勢を戻した。普段なら時間の許す限り続けるところだが、今日はもう満足したのだろうか。

 「交代にしよう。ほら、向こうのソファに移動するぞ」

 普段とは違う展開に戸惑っているこちらの様子もお構いなしに、彼女はソファの方へ移動すると、そこに座った。そしてそのままその隣の座面をポンポンと叩く。ここに座れ、という意味だろう。
 おとなしくその指示に従って腰掛けると、直後にガシリと頭を掴まれ、そのまま横倒しにされてしまった。必然的に頭は彼女の方へ向かい、その手で太腿のあたりへ誘導される。いわゆる膝枕である。

 「考えてみれば、仕事に忙殺されてこうした妻らしいことをあまりしてやれていなかったからな」

 こちらの頭をポンポンと優しく叩きながら、慈愛に満ちた表情で見下ろして彼女は言った。これはどちらかというと妻ではなく母のやることなのでは、などと思ったが、それを口にすればおそらくこの温かさと柔らかさを手放すことになるだろうから黙っておく。

 「お疲れ様。いつも……ありがとう」

 普段の怜悧さが鳴りを潜めた穏やかな声が心地よく耳朶を打つ。
 ここに至るまで少なくない困難があった。彼女が背負う西住の者としての宿命は重く、共に背負うために、平凡な自分には多大な努力が必要だった。
 他に楽な道はいくらでもあった。だが、それらはすべて西住まほへの想いを断ち切る、という何物にも代え難い苦痛を対価として支払う必要があった。
 一生続く努力と、一生続く後悔。天秤にかけるまでもなく前者を選んだ。実際に楽ではい日々が今も続いているが―――

 「これからもよろしく、旦那様」

 ―――こんな幸せを得られたのだから、それは疑いようもないほどに正解だったのだろう。

119名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/04(金) 01:30:50 ID:.oyZ4qrA
いいゾ〜これ

120名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/04(金) 01:30:58 ID:PQ3qaN1M
というわけでまほルートでした。短くてすみません

ミカルートも書くといったな。あれは嘘だ

すみません。明日まで時間ください……

121名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/04(金) 07:01:55 ID:dVLTzaxE
おう、考えてやるよ

122名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/04(金) 12:19:09 ID:KJqPe0pw
エリカのグッドEND時の全国大会の成績はどうなるんだろう?
なんとなく、決勝でみほに負けそうなイメージがある。

123磯辺事典子:2016/11/04(金) 12:47:28 ID:???
凄ェ!流石>>1ァ!
こんな所で文才の恩恵に預かるとはな
確かに
こいつは>>1、見ての通り話の上手い奴だ

124名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/05(土) 02:02:41 ID:cpE1rAhg

 【ミカルート GOODエンド】

 「やぁ、おはよう」

 ある日曜の朝。せっかくの休日だというのに早い時間に目が覚めてしまった。二度寝しようかとも思ったが、こういう時に限ってなかなか寝付けなくなるもので、仕方なく観念してリビングに向かった。すると珍しいことに、妻がコーヒーを淹れていた。昨晩寝室にいなかったのでてっきり入れ違いの形になったかと思ったのだが。

 「お察しの通り、これから寝るところだよ。でも、今朝の空気はとても澄んでいてね。こんな素晴らしい朝ならばキミと共有しない手はない、そう思ったのさ」

 理由を語りながらも手は止めず、テーブルに二人分のカップを用意し、そこに芳醇な香りを放つコーヒーを注いでく。

 「ミルクに角砂糖がふたつ、だったね」

 普段はこちらが淹れる立場であることが多いが、彼女はしっかりと好みを覚えていてくれた。上機嫌に鼻歌を交えながら自身も席に着く妻―――ミカは、彼女の言うところの素晴らしい朝がもたらす日差しに、徹夜明けのためか若干目を眩しそうに細めながら、こちらに微笑みかける。

 「では、この素敵な朝に―――乾杯」

 彼女との出会いは高校生の頃まで遡る。ふとどこからか聞き慣れない、だが心地よい音楽の演奏が聞こえてきて、その発生源を探していくうち、これまた見慣れない弦楽器―――カンテレを演奏する同年代と思しき少女に出会った。

 『風は音楽と―――そして出会いを運ぶ。今のキミのようにね』

 不意にこちらを見て、そんな詩的なこと言い微笑んだ彼女と結婚することになるなど、誰が予想できようか。

 「確かに一風変わった出会いだったね。でも、同時に必然でもあったのさ。今のこの穏やかな時間がそれを証明している」

 ミカはこうした独特の言い回しを好む。交際期間を含めればかれこれ10年近く一緒にいる自分や彼女の親友たちでさえも時折よく分からないことがあるが、今のは簡単だ。要するに『結婚してよかった』と言ってくれているのだ。
 1時間ほどそうして語り合っていると、そろそろ眠気が本格的に襲ってきたのか、ミカが小さくあくびをした。あまり素を見せることをしない彼女のこんな姿を見れるのは、夫の特権といっていいだろう。

 「さて、そろそろ私は休ませてもらおうかな。お昼頃には起きるよ。せっかくの休日だ、昼食も一緒に取りたいからね」

 そう言いながら寝室へと歩いていく。どうやら今日は一日家にいるつもりらしい。
 ミカは現在、いわゆるアーティストのような仕事をしている。絵画だったり、オブジェだったり、その独特の感性から生み出される一品は一部の層にかなり受けており、会社勤めをしている自分の給料と(多少の波があるとはいえ)遜色ない収入を得ている。ちなみにネットで販売するのみで、自身の素性は隠しての活動だそうだ。その辺りのミステリアスさも人気の秘訣なのかもしれない。
 そういった仕事柄、『勤務時間』は不定期であり、そのインスピレーションが湧くならば今日のように昼夜が逆転することも珍しくない。また、ふらりとカンテレ片手に外出することもあり、まさに気まぐれなミカには天職といえるだろう。

125名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/05(土) 02:04:11 ID:cpE1rAhg
 
 とはいえ、こうした妻の振る舞いを、夫として最初からすべて受け入れられたわけではない。彼女は本当にこんな平凡な自分を好いてくれているのか、あるいはこの結婚さえも一時の気まぐれなのではないか―――と。
 こんな不安を妻の親友ふたりに相談したところ、こちらが大真面目に聞いているのにも関わらず彼女らは腹を抱えて大笑いしながら、

 『気まぐれ?あなたとの結婚をが?ありえないよ!だってあのミカだよ?ことあるごとに『彼に嫌われていないだろうか』だの『彼好みの女性になるにはどうればいいだろうか』だの私たちに聞いてくるミカだよ?それまで戦車道とカンテレと帽子のこと以外こだわりがなかった癖に、あなたのことに関しては必要以上に気にしまくるミカだよ?』

 『人が取ってきたものだろうと構わず食べるくせに、アンタと出会ってからは『コーヒーの美味しい淹れ方を教えて欲しい』とか言い出したんだよ?あのミカが!そんなの明らかに本気に決まってるじゃん!』

 とのアドバイス(?)をくれた。ついでにくれた情報は、ミカは時折母校である継続高校に現れ戦車道の後輩たちの指導をしているらしいが、ただでさえややこしい言い回しが、頻繁に、しかもそこだけ妙にストレートで分かりやすい旦那自慢が混ざるおかげで二割増でややこしくなっているとのこと。
 さらに、そもそも極度の人見知りであるミカが積極的に関わろうとする時点で平凡とは言えないので安心しろ、とも言われてしまった。
 我ながら単純だとは思うが、そんなふたりの言葉にすっかり励まされ、気持ちが楽になってしまった。ちなみにこの後、ミカ抜きで二人にあっていたことがバレ、妻からのチクチクとした追求と視線をいただいたことを付け加えておく。

 さて、と立ち上がり、窓の外に視線を向ける。雲ひとつない青空が広がり、ミカの言う通り素晴らしい朝だ。簡単に朝食を食べたら少し散歩でもしようか、と考えていると、

 「あぁ、そうそう」

 不意にミカが戻ってきて言う。

 「今日は一日家にいるんだろう?私も偶然にも今日は仕事をするつもりがなかったんだ。さっきも言ったけど、折角の休日なんだ。普段はできない二人での昼寝、なんてのもいいんじゃないかな?なんなら今からお昼までの睡眠も一緒にとっていいかもしれないね。もちろん無理強いはしないさ。でもそうしたスキンシップには夫婦にとって大切なことが詰まってると私は思うんだ」
 
 普段は口数の少ない彼女が、珍しく早口でまくし立てるように喋るということは、それだけ余裕がない―――言い換えれば本心からの言葉だということだろう。なんてことはない、要約すれば『一緒に寝たい』というだけだ。なるほど、確かにここ数日はなかなかそういう時間が取れていなかったのを思い出す。
 こちらの様子を伺うような妻のもとへ歩み寄り、その手を取って寝室に改めて向かう。

 「ふふっ。そうこないとね」

 嬉しそうに、これもまた彼女にしては珍しい無邪気な笑顔を浮かべた。さきほどのコーヒーもあって眠気は完全に失われているが、あるいはミカの柔らかな香りと体温を感じながらならばふたたび夢の世界へ旅立てるかもしれない。

126名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/05(土) 02:09:51 ID:QGF9qzP2
やっぱりミカはすげぇよ

127名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/05(土) 02:10:40 ID:cpE1rAhg
というわけでミカルートでした
誰も期待してなくても書きたくなる、それがSSってもんだろ

個人的にはエリカGOODエンドでは無事優勝を果たしたと考えています。
そうでもしないとエリカみたいなタイプは未練を残してしまって幸せになれないんじゃないかなと

次は……前言を覆して唐突に思いついた会長BADエンドのみを書こうかと思ってます(ゲス顔)

128名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/05(土) 05:10:59 ID:mKqNuuKk
ミカほんとすき

129名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/05(土) 08:32:07 ID:BVB2dtJU
>>127
やっぱ1はすげえよ

130名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/05(土) 08:34:15 ID:NzOeodC.
ああ^〜

131名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 01:52:46 ID:g4Rw9hRI
 【杏ルート BADエンド】

 「あれー、久しぶりだねぇ」

 ある日の仕事帰り、近所のコンビニに立ち寄って酒類のコーナーを見ていると、背後から声をかけられた。振り返ればそこには小柄な女性、どちらかといえば少女という表現の方が合っているくらいに幼い容姿をした彼女―――角谷 杏の姿があった。

 「高校の頃以来だっけ?いやー、当たり前だけど大人っぽくなったねぇ」

 くたびれたスーツを着て、さらに肉体的にも精神的にも疲労困憊な20代後半の自分の姿は、おそらく大人っぽいを通り越してオッサン臭ささえあると思うのだが、彼女はイヤミのない笑顔で言う。彼女の方はパンツスーツ姿であったが、その幼い容姿に反して妙に様になっていた。

 「オーダーメイドでさ、結構高いんだ。不便で困るよ」

 そう自嘲気味に言うが、裏を返せばそれだけの財産を持っている、ということだ。そんな皮肉な解釈を咄嗟にしてしまう自分にまた嫌気がさす。

 「……ずいぶんお疲れみたいだね。今見てるのは自棄酒用?」

 わずかに表情を真面目なものにして杏さんが言う。図星を突かれたことに少しイラついたが、素直に肯定しておく。隠す気力もなかった。

 「……よし、じゃあせっかくだし私に付き合わせてよ。ここで買うってことは家も近いんでしょ?私もそうだから、なんなら私の家でもいいよ」

 突然の申し出に驚いたが、受け入れることにした。女性とはいえ知らない相手ではないし、正直彼女をそういった対象として見たこともなかった。愚痴を零す相手が欲しかったという本音もあった。

 「よーし、じゃあおつまみも買っていきますか。ここはお姉さんがおごっちゃうよー」

132名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 01:54:04 ID:g4Rw9hRI
そして杏さんに言われるままにそのあとを付いていく。ほどなくして彼女の現在の住処であるアパートに到着した。想像と異なり、自分の家と大差ないごく普通のものだった。

 「ささ、どうぞ御遠慮なく」

 その言葉に従い、上がらせてもらう。中はきっちりと整理整頓されている、というよりそもそも物が少ない印象だ。

 「逆に会社のデスクは割とゴチャゴチャしてるんだけどね」

 そう話しながら買ってきたものをテーブルに広げていく。酒は缶ビールばかりなのでグラスは必要ない。

 「それじゃ、乾杯」

 缶を軽くぶつけ、口をつけて一気に喉に流し込む。普段あまり酒を飲まないのでそれだけで脳が痺れて体が熱くなるような感覚に包まれる。

 「……で、何があったのかな?お姉さんに話してごらんよ」

 優しい口調での問いかけが、酒で緩んだ心に自然と流れ込んでくる。容姿に似つかわしくない包容力を感じ、どんどん言葉と感情が溢れ出してきた。
 職場ででった女性と交際していたこと。その女性との婚約も考え、まさに今日プロポーズをしようと指輪を買ったこと。だが、まさに今日、他に好きな人ができたという理由から別れを告げられたこと。そしてその新しい相手が、同僚であり友人でもあった男だったこと―――。口に出してみれば、驚く程ありきたりな話だ。今時ドラマでもないくらいに。しかし実際に自分の身に降りかかったこの事態は、こうして飲み慣れない酒をあおり、ついさっき再会した女性に愚痴をこぼし、さらには涙を流すくらいには心を引き裂いたのだ。

 「……そっか。辛かったね。悲しかったね。大丈夫、泣いたっていいよ。それが普通だよ」

 そう言いながら、彼女はこちらの頭を抱き抱えるようにし、そのまま髪を優しく撫でた。そのあまりの心地よさに、更に感情が暴走する。もはや涙は止まる気配すらなかった。
 そして、そのぬくもりの中で彼女への認識を自然と改めた。杏さんとの出会いはまだ互いに高校生の頃だ。ひょんなことから出会い、仲を深め―――彼女から告白をされた。
 しかし、断った。その気持ちは嬉しかったものの、初めて会った頃から彼女になにか底知れないものを感じた。生徒会長として時折見せる辣腕を振るうその姿は、普段の飄々とした振る舞いと大きく乖離していた。特に二度の大洗女子の廃校阻止。それは戦車道チームを率いた西住みほの能力もあったが、そもそも試合による決着というところまで持っていけたのは杏さんの手腕によるものだと聞く。そんな並外れた能力を持ちながら平時はそれをまったく感じさせない。そんな彼女からの告白が、正直―――怖かった。こんな平々凡々な自分に好意を抱いているという。恋人になって欲しいという。その言葉を素直に信じることができなかった。そして、そんな本心を素直に伝えることすらも怖かったのだ。
 だから、嘘をついた。他に好きな人がいるから、と。その答えに彼女は

 『……そっか。なら仕方ないね、うん。残念だけどさ』

 そういって寂しげに微笑む姿に罪悪感を覚えたが、その後杏さんが大学に進学し、自然と連絡も取らなくなった。
 そして今日の再会になったわけだが、今の杏さんからはあの日恐れた底知れなさは感じられなかった。どこまでも暖かく、柔らかい。なぜあの時自分は拒絶したのか、恐怖したのか。

 「大丈夫、大丈夫。私はキミの味方だからね」

 そういって杏さんは、優しく頭を撫で続けてくれる。そのぬくもりのためか、徐々に睡魔が襲ってきた。

 「そんな人、最初からキミにふさわしくなかったんだよ。年下の子なんてさ」

 ……?振られた女性が年下だったと言っただろうか。

 「言ったよ、さっき。ほら、そんなこと気にしないで。そのまま眠っちゃいなよ」

 その言葉にさらに眠気が強くなる。感じた小さな違和感も溶けていくようだった。

133名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 01:55:09 ID:g4Rw9hRI

 「……あの時さ、私が最後に言った言葉、覚えてる?『キミのこと、これからも好きでいいかな?』っていうの」

 「キミはそれにいいですよ、って言ったんだよね。私は覚えてるよ。一回も忘れたことない」

 「だから私は今でもキミのことが好きだよ。ずっと、ずっとね」

 「ところで私、嘘をつかれるのはあんまり好きじゃないんだよね。嘘をつく人も」

 「だから私は、あの時の言葉が嘘と知った時、大好きなキミに嘘つきになってほしくない、って思ったんだ」

 「そしてキミは、他の人を好きになった。これでキミは嘘つきじゃなくなった」

 「でもね、嘘とはいえあの日のキミの言葉に結構傷つきもしたんだ。だから」

 「キミにも同じ言葉を言われたらどうなるかって知って欲しかったんだよ」
 
 「辛かったでしょ?悲しかったでしょ?」

 「それがあの時の私の気持ち」
 
 「で大丈夫。それももう終わり」

 「私はキミのことが好きで、キミももうすぐ私を好きになる」
 
 「あの告白の日からここまで7年8ヶ月と13日と……7時間か。長かったけどふたりが結ばれるこれ以上ないハッピーエンドだよ」

134名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 01:58:25 ID:g4Rw9hRI
というわけで会長ルートBADエンドでした
むしろまともなGOODが思いつかないという

次は宇津木ちゃん書きたいけど思いつくだろうか

135名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 02:29:36 ID:6vVkN0hs
全て許すわけじゃないところすごいすき

136名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 03:35:37 ID:KSTaScbI
宇津木ちゃんはgoodでもbadでもサキュバスっぽく搾り取られるルートになりそう

137名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 08:43:54 ID:13flLtHA
これgoodじゃないの(麻痺)

138名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 10:10:47 ID:MNkRgx1s
ハッピーエンドじゃないか

139名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 10:24:56 ID:opf9S2iM
ああ^〜いいっすねぇ^〜

140名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 19:22:04 ID:pGSavwr2
この日のためだけに8年近く色んな策略を使ってきたんだろうなぁと思うとその執念がこわい

141名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 23:52:25 ID:g4Rw9hRI

 【優季ルート GOODエンド】

 自宅のドアを開け、ただいま、と声をかける。すぐにふたり分の足音とともに

 「「おかえりなさぁ〜い」」

 という声が返ってくる。これだけで仕事の疲れも一気に吹き飛ぶ。妻の優季と娘が笑顔でねぎらってくれる以上の癒しは、少なくとも自分にとってはこの世に存在しない。

 「今日も一日お疲れ様〜。お風呂できてるよぉ〜」

 そう言いながら優季が鞄と上着を受け取ってくれる。我が家では最寄りの駅に着いた時点での帰るコールが気味づけられており、そこから帰宅の時間に合うよう風呂の準備をしてくれている。結婚以来毎日これを続けてくれているのだから彼女には頭が上がらない。

 「ねぇねぇ〜、わたしもいっしょに入っていいでしょぉ?」

 娘が抱きつきながら言う。もう三年生になるのにこの調子なのは父としては複雑である。反抗期になって欲しいとはまったく思わないが、かといってここまでベッタリで親離れしないというのもどうなのか。

 「だめよぉ〜?」

 優季が娘を引き離しつつ言う。そのまま屈んで彼女と目線を合わせ、

 「あなたはもう大きいんだから、お風呂くらいひとりで入らないと。パパはお疲れなんだしね?迷惑になっちゃうでしょ〜?」

 と笑顔で注意した。しかし、その笑顔には明らかに威圧感があった。有無を言わせない、とはこのことだろう。

 「え〜?迷惑なんかじゃないよね〜?だってパパ、わたしのこと大好きだもんね〜?」

142名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 23:53:39 ID:g4Rw9hRI

 娘も負けじと同種の笑顔で反論する。容姿は自分と優季をちょうど半々の配分で混ぜたぐらいだが、ことこういう部分に関しては完全に妻似な娘であった。
 ピキッ、という音が聞こえた気がした。優季は笑顔の迫力をさらに増しつつ、ゆっくりとこちらに顔を向ける。

 「あなたからも言ってあげてくださいよぉ〜?こんな大きい子がパパと一緒にお風呂なんておかしい、って。ね?」

 「そんなことないよね〜、パパ?ね?」

 娘も同時にこちらを向く。圧迫感にたじろぎそうになるが、この家の家長としてなんとか踏ん張り、自分は二人とも大好きだが、お風呂はそろそろひとりで入った方がいいかもね、となるべく角が立たないように言った。

 「ね〜?パパもこう言ってるでしょ〜?」

 笑顔をドヤ顔に変え、勝ち誇ったように娘に優季が言う。普段はまさに良妻賢母といった風だが、こういう場面では娘と同レベルの争いを繰り広げてしまう妻であった。
 
 「え〜?ヤダヤダヤダ〜!パパと一緒に入るぅ〜!」

 対する娘は、今度は泣きながらダダをこね始めてしまった。こうなると彼女は長い。正直今日は汗もかいたし、なるべく早めに風呂に入りたかった。それになにより、娘の涙は大半の父親にとってジョーカーの如き存在だ。しかも普段はあまりワガママを言わない子なだけに、その効果はさらに抜群になる。
 しょうがなく、今日だけ、と約束した上で一緒に入ることを了承した。娘はすぐに笑顔になると、風呂場に駆けていく。と、その途中で振り返ると、

 「あ、ママはダメだよ〜?ウチのお風呂はパパとわたしが入ったらいっぱいになっちゃうんだから」

 先程の優季そっくりなドヤ顔で言い放つと、そのまま風呂場へと入っていった。

 「……あなた〜?うふふふふふ……」

 ふたたび凄みのある笑顔になりこちらを見る優季。まあ、こればっかりはしょうがない。意志の弱い自分が悪いのだから。

 「今日はぁ〜……『3回追加』ね〜?」

 こちらの肩に手を置き、少し背伸びをしてこちらの耳元で囁くように言う。

 「明日はお休みだしぃ、大丈夫よねぇ〜?」

 ……今日は寝不足が確定したようだ。おそらく日中にかいた以上の汗を流すだろうことを見越し、今のうちにしっかりと身体を洗うことを決意しつつ、風呂場へと向かった。

143名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/06(日) 23:55:32 ID:g4Rw9hRI
というわけで宇津木ちゃんルートでした

次はダー様ですが、明日書けるかどうかは……微妙です

格言調べないといけないからね、しょうがないね

144名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/07(月) 00:11:52 ID:u2DnXLWM
こいつは>>1、見ての通りガルパン愛と文才を持つすごい奴だ。

145名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/07(月) 00:16:23 ID:hRofJDAg
ダー様も楽しみにしとるで
格言なんて彼岸島語録とかコマンドー名言集とか適当に言わせとけばへーきへーき

146名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/08(火) 01:01:57 ID:UTKunjS2
すみません
>>1ですがダー様に手こずってるので明日投稿したいと思います

147名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/08(火) 01:04:49 ID:Pxd7GpP.
しょうがねぇなぁ(悟空)

148名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/08(火) 23:49:26 ID:UTKunjS2
 【ダージリン GOODエンド】

 『こんな格言を知っている?『恋と戦争においてイギリス人は手段を選ばない』―――』

 『私を求めるなら、そのくらいの覚悟が必要、ということよ』

 『貴方にそれがあるのかしら?』

 『へぇ……。言い切るのね、面白いじゃない。なら試してあげるわ。私を失望させないでね』

 ……どうやら知らぬうちにウトウトしていたらしい。随分と懐かしい夢を見てしまった。彼女に出会い、惹かれ、想いを伝えたあの日。完全なOKではなかったとはいえ、確かにチャンスを掴むことができた。そして―――。

 「眠ったわ。相変わらず天使のような寝顔よ……あら?」

 かけられた声に意識が覚醒する。時計に目をやれば午後10時過ぎ。日頃仕事でなかなか家にいられない妻―――ダージリンは、娘と久々に母子の時間を過ごせて満足そうだ。今は、まだまだ話したいという娘を寝かしつけて夫婦の寝室に戻ってきたところだ。残念ながら明日も学校なので夜ふかしはさせられない。

 「寝顔は貴方似ね。ふふ」

 そう口許に手を当てながら微笑みつつ、ベッドに腰掛けている自分の隣に座った。どうやら今の一瞬の油断を見られたらしい。夫婦とはいえ、なんとも気恥ずかしい。

 「……それにしても、こうして家族で楽しい時間を過ごすと、あの日のことを思い出すわね。貴方のプロポーズを」

149名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/08(火) 23:50:07 ID:UTKunjS2
 【ダージリン GOODエンド】

 『こんな格言を知っている?『恋と戦争においてイギリス人は手段を選ばない』―――』

 『私を求めるなら、そのくらいの覚悟が必要、ということよ』

 『貴方にそれがあるのかしら?』

 『へぇ……。言い切るのね、面白いじゃない。なら試してあげるわ。私を失望させないでね』

 ……どうやら知らぬうちにウトウトしていたらしい。随分と懐かしい夢を見てしまった。彼女に出会い、惹かれ、想いを伝えたあの日。完全なOKではなかったとはいえ、確かにチャンスを掴むことができた。そして―――。

 「眠ったわ。相変わらず天使のような寝顔よ……あら?」

 かけられた声に意識が覚醒する。時計に目をやれば午後10時過ぎ。日頃仕事でなかなか家にいられない妻―――ダージリンは、娘と久々に母子の時間を過ごせて満足そうだ。今は、まだまだ話したいという娘を寝かしつけて夫婦の寝室に戻ってきたところだ。残念ながら明日も学校なので夜ふかしはさせられない。

 「寝顔は貴方似ね。ふふ」

 そう口許に手を当てながら微笑みつつ、ベッドに腰掛けている自分の隣に座った。どうやら今の一瞬の油断を見られたらしい。夫婦とはいえ、なんとも気恥ずかしい。

 「……それにしても、こうして家族で楽しい時間を過ごすと、あの日のことを思い出すわね。貴方のプロポーズを」

150名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/08(火) 23:55:47 ID:UTKunjS2
 【ダージリン GOODエンド】

 『こんな格言を知っている?『恋と戦争においてイギリス人は手段を選ばない』―――』

 『私を求めるなら、そのくらいの覚悟が必要、ということよ』

 『貴方にそれがあるのかしら?』

 『へぇ……。言い切るのね、面白いじゃない。なら試してあげるわ。私を失望させないでね』

 ……どうやら知らぬうちにウトウトしていたらしい。随分と懐かしい夢を見てしまった。彼女に出会い、惹かれ、想いを伝えたあの日。完全なOKではなかったとはいえ、確かにチャンスを掴むことができた。そして―――。

 「眠ったわ。相変わらず天使のような寝顔よ……あら?」

 かけられた声に意識が覚醒する。時計に目をやれば午後10時過ぎ。日頃仕事でなかなか家にいられない妻―――ダージリンは、娘と久々に母子の時間を過ごせて満足そうだ。今は、まだまだ話したいという娘を寝かしつけて夫婦の寝室に戻ってきたところだ。残念ながら明日も学校なので夜ふかしはさせられない。

 「寝顔は貴方似ね。ふふ」

 そう口許に手を当てながら微笑みつつ、ベッドに腰掛けている自分の隣に座った。どうやら今の一瞬の油断を見られたらしい。夫婦とはいえ、なんとも気恥ずかしい。

 「……それにしても、こうして家族で楽しい時間を過ごすと、あの日のことを思い出すわね。貴方のプロポーズを」

151名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/08(火) 23:56:27 ID:UTKunjS2
 ―――こんな格言を知っていますか?『結婚は悲しみを半分に、喜びを2倍にしてくれる』。

 あの時の自分の言葉が、そしてその時の彼女の答えが脳裏に蘇る。

 『もちろん知っているわ、その言葉はね。でも』

 『でも、その言葉が真実かどうかは、残念ながら知らないの』

 『だから……教えてくださる?これから先の人生、すべてをかけて』

 思い返すといつも不安になることがある。最初にダージリンから試すと言われた自分は、彼女を失望させていないか。あんなプロポーズをダージリンにした自分は、彼女にちゃんとあの格言の正しさを教えられているのか―――。

 「はあ……。まだまだ女心はわかってないようね。もうしばらくは私のほうが教える立場かしら」

 呆れたように言われてしまう。確かに、娘との接し方を例にとっても、妻よりもはるかに一緒の時間を過ごしているはずなのに度々その機嫌を損ねてしまうあたり、その通りなのだろう。

 「そうよ?あの子だってもう立派な淑女だもの。ふさわしい扱いをしなければならないわ」
 
 そう言って楽しげに笑う。しかし娘と言えば、なぜダージリンは急に帰ってきたのだろうか?「娘の顔が見たかった」と言っていたが……。

 「……もう、本当にわかってないわね」

 そう言うと、不意に立ち上がり、こちらの両方を軽く押してベッドに倒してくる。常夜灯をバッグにして、わずかに逆光気味の彼女の顔が微笑むのが見えた。

 「―――こんな格言を知っている?『イギリス人は恋と戦争では手段を選ばない』」

 もちろん知っている。他ならぬ彼女から教わったのだから。しかし、それが今の状況と合うとは思えない。

152名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/08(火) 23:57:12 ID:UTKunjS2
 「いいえ、合っているわ。だって―――」

 その笑みがより強くなった。

 「いくら愛しい娘だからといって、私の旦那様を取られるわけにはいかないでしょう?」

 ……ますます混乱した。いったいどういうことろうか。

 「貴方、この間の電話で言っていたじゃない。あの子に『大きなったらお父様のお嫁さんになる』って言われたって。それはもう楽しそうに」

 言われて思い出す。確かに先日そんな内容の電話をしていた。では要するに、娘にヤキモチを焼いた、ということなのか?
 少しからかうような口調で聞いてみたが、彼女は大真面目に返してきた。

 「当然でしょう?今言ったように、あの子ももう私と同じひとりの淑女なの。もちろん母としてあの子のことは自分の命と同じくらい大切に思っているけれど、それとこれとは話が別」

 話しながらもダージリンはどんどん顔を近づけてくる。もうすでにふたりの距離はまつげが触れ合うほどになっていた。

 「夫を奪われそうになってるのに、黙っていられるわけ無いでしょう?だから―――」

 ついにその距離が―――唇において、ゼロになる。
 
 「だから、貴方にはひと晩かけて思い知ってもらうわ。貴方が真に愛すべき『女』が、世界にただひとり、このダージリンだけだということを」

153名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/08(火) 23:58:56 ID:UTKunjS2
三重投稿とかなんすかこれ(白目)
マジすんませんでした

次はドゥーチェを書くかも知れない(必ず書くとは言っていない)

154名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/09(水) 00:32:30 ID:sP4ku1v6
ああ^〜いい…
ドゥーチェも書いてくれよなぁ〜頼むよ

155名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/09(水) 00:32:57 ID:sP4ku1v6
ああ^〜いい…
ドゥーチェも書いてくれよなぁ〜頼むよ

156名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/09(水) 17:29:52 ID:VIvY6QMA
こだまかな?

157名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/09(水) 23:55:31 ID:uwifTe3.

 【アンチョビルート GOODエンド】

 「あっ!コラッ!そのジェラートはおやつだ!今食べるんじゃない!」

 「お前はお姉ちゃんなんだから、妹には優しくしてあげないとダメだろ!おもちゃくらい貸してあげろ!」

 「あーもう!ご飯の前にはちゃんと手を洗えー!」

 
 「あうぅ……、ぐえぇ……」
 
 いつものごとく慌ただしい一日が終わり、ようやく娘達が床についた。妻―――千代美は、子供部屋からリビングに戻ると、ソファーに座っているこちらへやってきて隣に座ると、そのまま太腿に倒れ込んできた。いわゆる膝枕の格好となった。

 「疲れた……。ものすっごく疲れた……」

 太腿に顔を埋めながらくぐもった声でお決まりの文句を言った。母親である彼女にとっては毎日が戦争である。

 「他人事みたいに言うな!お前だって……お前だって……うぅ」

 顔をこちらに向けて反論しようとしたようだが、すぐに語気が弱くなる。
 
 「……ダメだー!お前、仕事から帰ったら子供の世話も家事の手伝いもやってくれるから文句言えないじゃないか!毎日ありがとう!」

 最終的に感謝されてしまった。こちらとしては仕事で帰るのも遅くなりがちなのでむしろ頭が上がらないくらいなのだが。我が家が息災で回っているのは間違いなく妻のおかげなのだ。

 「いーや!そんなことないぞ!お前が毎日頑張って働いてくれているから私たちは食べていけるんだ!この家はお前のおかげで回ってるんだ!」

 むむむ、とにらみ合う。すっかり体を起こして、千代美も譲る気はない、という気配を出してくる。
 と、お互いに耐え切れず吹き出してしまう。お互いを褒め合ってケンカなど、なんて平和でバカバカしいのか。

158名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/09(水) 23:56:15 ID:RnTupjxY
もう始まってる!

159名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/09(水) 23:57:08 ID:uwifTe3.
 「まったくだ。ま、似たもの夫婦っていうことなのかもな」

 クスクスと笑っていた千代美だが、すぐにまた膝枕の体勢に戻ってしまった。

 「いや、でも今日もホントに疲れた……。ウチの子達はどうしてああやんちゃなのかなー……」

 それは確かに思う。我々夫婦はそこまで活発な性格、というわけではない。千代美もかつてアンツィオ高校の戦車道の隊長として辣腕を振るっていたが、本質的には読書が趣味な大人しい女性である。

 「アイツらの影響かなー……。やっぱりちゃんと言わないとダメか……」

 アイツら、というのはもしかしなくても、先に述べた通り彼女がかつて指揮をしていた高校時代の戦車道のチームメイトのことだろう。当時からとても慕われていた千代美のもとに度々訪れては旧交を温め合っており、それは現在でも続いている。余談だが、あまりにも慕われてすぎていて、交際を始めるまでに彼女らと色々なすったもんだがあった。まあ、最終的には祝福してくれて、結婚式はそれはもう盛大なドンチャン騒ぎになったのだが。

 「子供たちの面倒を見てくれるのはいいんだが……。妙な影響与えちゃってるみたいだしなぁ」

 誰が言ったか「ノリと勢いだけはある。調子に乗ると手ごわい」アンツィオ高校。その気風は世代を超えて我が子らに受け継がれつつある。そしてそんな相手を敵に回すとどうなるか、ということをその身を持って味わう羽目になった千代美である。もう少し大きくなって落ち着きが出てくれば、隊長として指揮していた頃程度の苦労に収まるようになるとは思うが、それまでは真っ向勝負の日々だろう。

 「でも、アイツらも善意でやってくれてるから言いづらいんだよなー。助かってるのも事実だし……」

 おそらくこの調子では注意は無理だろうな、と思う。なにせ人一倍面倒見が良く人も良い千代美のことだ、かつての―――否、今も仲間であるあの面々にはどうしても甘くなるところがある。こればかりは性分なのだから仕方あるまい。

 「はぁ……。とりあえず、明日はもう少しおとなしくしてくれればいいけど……」

 自分でも注意が無理だと悟ったのか、思考を目の前の問題に戻したようだ。といっても、願ってどうこうなるわけでもない。それはもちろん千代美自身わかっているだろうが、さて、ならば夫としてここで取るべき行動は―――。

160名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/09(水) 23:57:43 ID:em6glqJo
チョビママだと子供がいっぱいできそう

161名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/09(水) 23:57:59 ID:uwifTe3.
 「ん?な、なんだ?―――わぷっ」

 横になっている千代美を両手で起こしてから自分もソファーに横たわり、彼女の華奢な体を抱きしめる。自分が下敷きになる形だ。恥ずかしがって口にはあまり出さないが、妻はこの体勢がお気に入りだ。
 せめてこうやって妻の労をねぎらい、明日への活力が少しでも増えるように。それができるくらいには彼女から愛されている自信がある。

 「あう……」

 顔を赤くして、すっかりおとなしくなってしまった妻の様子で、作戦が成功したのを確信する。結婚して早数年、子供までできたのにこの初々しさなのも彼女の魅力の一つだ。

 「……あたまも」

 ポツリと呟くように千代美が言う。

 「頭も、撫でろ……。そしたら、明日も頑張れるから……」

 お安い御用、というよりも望むところだ。優しくその自慢のロングヘアーを梳くように撫でる。

 「んー……」

 心地よさそうな声を出し、こちらの胸に頬ずりをしてくる。
 基本的に甘えられ、また自身も甘やかすタイプである千代美が甘えてくれる。そんな存在になれた自分が誇らしい。

 「……あ、でも」

 不意に千代美が顔を上げて言う。
 
 「お前も頑張りすぎちゃダメだぞ?体を壊しちゃ元も子もないんだから。辛かったり、困ったことがあったらすぐに言っていいんだからな」

 ……まだ完全に甘えてもらうには足りないようだ。彼女らしい心配の言葉にわかった、ありがとう、と返す。
 納得したように笑顔になると、ふたたび胸に顔を埋めた。さて、明日もこうして妻をねぎらうためにも頑張るとしよう―――彼女が心配しない程度に。

162名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/10(木) 00:00:05 ID:Yr79CDjE
というわけでドゥーチェルートでした

ネタ切れが顕著ってはっきりわかんだね

次はそど子かなあ……なにも考えてないけど

明日書ければ書きたい(書けるとは言っていない)

163名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/10(木) 00:05:38 ID:Exb/VK.2
アンチョビに甘えるのではなく、甘えさせる夫の鏡
あはあ^〜たまらないわに

164名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/10(木) 00:27:07 ID:jKjXk0dU
やったわに!

165名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/10(木) 05:34:20 ID:qaKOReoY
やりますねぇ!

166名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/10(木) 05:37:50 ID:OuSE3lEg
本当にそど子書くならスレ立て再開するかな〜俺もな〜

167名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/11(金) 01:30:22 ID:BOfbT0PA

 【みどり子ルート GOODエンド】


 「それじゃ、いーい?もう一度確認するわよ」

 朝、リビングにて。昨夜の疲労などまるでなかったようにして、みどり子がハキハキとした喋り方で言う。

 「これからの共同生活において守るべき規則!これらを守ってこそ素晴らしい……その、夫婦、生活、を……送れるのよっ!」

 改めて口に出すのは恥ずかしあったのか、『夫婦生活』の部分だけ口ごもりながら言った。最後のほうをやけに勢いよく言ったのは、完全に照れ隠しだろう。

 「そこ!茶々を入れない!とにかく、規則の確認をするわよ。一つ!家事は一日ごとの交代制とする!一つ!最寄駅に着いたら必ず連絡を入れること!一つ!食事のメニューについては……」

 朗々と読み上げていく。大概の人間にとって、規則とは必要ながらも煩わしいものだろう。しかし我が妻に関しては、規則を守り、守らせることはもはや生き甲斐ですらあるのだ。
 そんな彼女だが、そういった気質故の苦労も多い。自身が真面目に振舞うことは当然であり、苦とは思わない。だからこそ同じことをほかの人間にも求めてしまうが、それは多くの者にとっては面倒と思われる。みどり子はそれを許せず、結果厳しい態度を取ってしまうのだ。本来の彼女は優しく面倒見の良い女性であり、規則に厳しいのも相手やそのコミュニティを思いやる気持ちが強いからだ。当然、憎まれ役のような扱いは不本意だし、辛くもある。彼女は常に自身と他者の板挟みになっているのだ。
 ならば、そうして摩耗した心を癒すのは、夫となった自分の役割だ。みどり子という女性の根底にある優しさに気づくことができ、想い合うまでに至れた自分の当然の義務であり、権利である。こうして相手に課す規則はその不器用な愛の結晶だ。喜び受け入れこそすれ、拒絶する道理はない。

 「……一つ、夜は11時までには寝ること!一つ、常に相手への思いやりを忘れないこと!以上!これらの規則を守るよう常に心がけること!なにかしょうがない事情で破る場合は、必ず相談してちょうだい。何か質問はある?」

 20以上ある自作の規則を淀みなく言い切った彼女は、どこか満足気だ。そんな姿を可愛らしいと思いつつも、大丈夫だよ、そど子と答える。しかし、鋭くなったその視線で、自分が下手を打ったことに気づく。

 「……そ・ど・子〜?」

 『そど子』というのは彼女のあだ名である。旧姓でのフルネーム『園 みどり子』から取られたもので、高校時代から親しい間柄の人間にそう呼ばれているが、逆に言えばその愛称で呼ぶことを許されるのは、彼女に認められた証拠である。故に自分のステータスとも感じながらそう呼んでいたのだが―――。

 『明日からは、そど子呼びは禁止ね』

 昨日の夜、いきなりそう宣言された。

 『もう園じゃないんだから、そど子にはならないでしょ。だから……ちゃんと、名前で呼んで』

 その時の恥ずかし気な表情がとても魅力的だったのを覚えている。が、習慣というのはそうすぐには抜けないものだ。

 「……はぁ。まあ、初日だし今のは聞かなかったことにしておくわ」

 表情から険が抜け、こちらもホッと息をつく。結婚生活初日からの―――正確に言えば昨日からだが―――お説教は回避できたらしい。

168名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/11(金) 01:30:51 ID:BOfbT0PA
 「それに……今夜はさっそく、規則の例外になると思うし……」

 ?今夜?今日はお互い1日休みのはずだが、何の例外が発生するのだろうか。

 「〜〜〜ッ!だからッ!昨日は式の疲れで寝ちゃったから、実質的に今夜が……その、ショヤ、になるでしょッ!だから11時には寝れないってこと!」

 言われて納得すると同時に、顔が熱くなるのを感じる。我々は高校時代に出会い、交際を始めたが、真面目なみどり子の意向に合わせ、清い関係を続けてきたのだ。婚前交渉などもっての他、という彼女に合わせるのは、色々と盛んな年頃には辛いものがなくはなかったが、それでも最終的には結ばれると信じ、耐えてきたのだった。しかしいざ結婚となると、その調整、そして当日の忙しさと夫婦になれる喜びでそちら方面への意識はあまりしていなかった。

 「なによもう……。私だって、我慢、してきたんだから」

 そっぽを向きながら言うみどり子。……正直、真面目な彼女が我慢、すなわち期待をしていたということに驚いた。

 「あっ!勘違いしないでよね!別にいやらしい気持ちとか、そういう意味じゃないのよ!純粋に愛情表現というか……とにかく純粋なものなの!」

 あわてて取り繕うように言われた。男としてはどちらでもどんと来い、というところだが、あえて言わないでおく。機嫌を損ねて今夜の予定が先延ばしになってはたまらない。一度意識してしまえば、もはや待ち遠しく思う気持ちは抑えられない。

 「コホン。……まあ、そういうわけだから。今日みたいな例外もありえるってこと。でも、ちゃんと普段は守ってよね。この規則は、私たちふたりのために考えたものなんだから」

 もちろん守るとも。規則も、そしてみどり子のことも。

「……期待してるわ。というか、そうでなかったら結婚なんてしないし」

ただ、規則の例外が確定した今夜に関しては自信がない。主に自分の手から彼女を守れるか、という意味で。なんとか自制心が頑張ってくれることを祈りつつ、ふたたび規則の説明を始めたみどり子の言葉に耳を傾けた。

169名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/11(金) 01:30:51 ID:BOfbT0PA
 「それに……今夜はさっそく、規則の例外になると思うし……」

 ?今夜?今日はお互い1日休みのはずだが、何の例外が発生するのだろうか。

 「〜〜〜ッ!だからッ!昨日は式の疲れで寝ちゃったから、実質的に今夜が……その、ショヤ、になるでしょッ!だから11時には寝れないってこと!」

 言われて納得すると同時に、顔が熱くなるのを感じる。我々は高校時代に出会い、交際を始めたが、真面目なみどり子の意向に合わせ、清い関係を続けてきたのだ。婚前交渉などもっての他、という彼女に合わせるのは、色々と盛んな年頃には辛いものがなくはなかったが、それでも最終的には結ばれると信じ、耐えてきたのだった。しかしいざ結婚となると、その調整、そして当日の忙しさと夫婦になれる喜びでそちら方面への意識はあまりしていなかった。

 「なによもう……。私だって、我慢、してきたんだから」

 そっぽを向きながら言うみどり子。……正直、真面目な彼女が我慢、すなわち期待をしていたということに驚いた。

 「あっ!勘違いしないでよね!別にいやらしい気持ちとか、そういう意味じゃないのよ!純粋に愛情表現というか……とにかく純粋なものなの!」

 あわてて取り繕うように言われた。男としてはどちらでもどんと来い、というところだが、あえて言わないでおく。機嫌を損ねて今夜の予定が先延ばしになってはたまらない。一度意識してしまえば、もはや待ち遠しく思う気持ちは抑えられない。

 「コホン。……まあ、そういうわけだから。今日みたいな例外もありえるってこと。でも、ちゃんと普段は守ってよね。この規則は、私たちふたりのために考えたものなんだから」

 もちろん守るとも。規則も、そしてみどり子のことも。

「……期待してるわ。というか、そうでなかったら結婚なんてしないし」

ただ、規則の例外が確定した今夜に関しては自信がない。主に自分の手から彼女を守れるか、という意味で。なんとか自制心が頑張ってくれることを祈りつつ、ふたたび規則の説明を始めたみどり子の言葉に耳を傾けた。

170名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/11(金) 01:33:36 ID:BOfbT0PA
というわけでそど子ルートでした
(やっつけで)すまんな
あとはソッドレ兄貴に任せます

次は適当に思いついたキャラでかきたいと思います

明日は無理っぽいので明後日思いついてたら書きます

171名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/11(金) 01:44:37 ID:BYp9T59E
そどそどしてきた

172名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/11(金) 03:28:06 ID:tz79rARQ
これはいい…染みる…
まぁ そど子と一発ヤる→最終回 くらいに考えてるからまた思い立ったらスレ立てるくらいの頻度でやってくゾ

173名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/13(日) 01:19:09 ID:s.GaxU5U
明日には投稿できると思います
一個くらいBAD書いても……バレへんか

ソッドレ兄貴期待してるゾ

174名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/13(日) 01:25:48 ID:QyUPD44Q
あくしろよ

175名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/13(日) 22:16:21 ID:s.GaxU5U

【愛里寿ルート GOODエンド】

 家に帰りドアを開けた途端、ガシャン、ガシャンと何かが割れるような音が聞こえた。あわてて靴を脱ぎ中に入ると、キッチンが悲惨な状態になっていた。

 「あ……お、おかえりなさい……」

 蚊の鳴くような小さな声で、割れた食器と食材だったであろうものを前に座り込んでいる彼女―――愛里寿は言った。見ればあちこちに調味料などが散らばっており、ちょっとした事故現場のようである。

 「その……お料理、してて……レシピのとおりにやってたんだけど……」

 彼女の足元にはタブレット端末があった。それを見ながら調理をしていたのだろう。
 とりあえず愛里寿には動かないように言い、物置からほうきとちりとりを取ってくる。まずは食器の破片を片付けなければ。

 「あ、わたしも手伝う……」

 そう言う彼女にはふきんで汚れを拭いてもらうことにした。その陶器のような肌が傷つくのはいただけない。
 二人がかりでキッチンを小一時間かけて元通りにして、リビングで一息ついた。今夜の夕飯は店屋物にしておこう。

 「ごめんなさい。あなたの役に立とうとしたんだけど、かえって迷惑を……」

 しゅん、という擬音がぴったりな様子で俯く。先程まで着用していたボコ柄のエプロンは洗濯機に直行した。キッチンがあの事態であったのにも関わらず愛里寿自身の被弾がほぼゼロだったのは彼(?)のおかげである。それがボコミュージアム名誉館長である彼女の愛に答えたためか、ひたすらボコられ続けるその宿命家なのかはわからない。
 と、そんなことはどうでもいい。対面にいた愛里寿の隣に座り直し、彼女の髪をぐしぐしと撫でる。愛里寿はこんな風に少し強めに撫でられるのが好きだ恐縮した雰囲気が少し和らぎ、おずおずとこちらを見上げてきた。しっかりと目を合わせ、怒っていないことを伝える。

 「……でも、お料理くらいできないとちゃんとした奥さんになれない……。式ももうすぐなのに」

 何も結婚式で手料理を振舞うわけでもなし、それを前に焦る必要はないと思うが、彼女的には譲れないらしい。
 さて、どうしたものか。ここで料理は自分が受け持つからいい、というのは簡単だ。しかし、愛里寿のなかに譲れない「奥さん像」がある以上、それを否定するのと同義のこの言葉は侮辱にしかならないだろう。ならば―――。

 「あっ……」

 その華奢な体をしっかりと抱きしめる。出会った時からその体型はほとんど変わっていない。母似のナイスバディに成長することを密かに期待していた当人は些か以上に不服のようだが、こちらは一向に気にならない。

「ん……」

 おずおずとこちらの背中に手を回してくる愛里寿。小さいが確かな熱を持った手のひらが心地よい。
 そして、優しく、だがはっきりと伝える。急ぐ必要はない、ということを。

 「でも」

 反論しようとする彼女を制止する。これから夫婦になり、長い時間を過ごすのだから、その中で少しずつ上手くなっていけばいい。一応、自分も料理に心得くらいはあるので教えることもある程度はできる。お互いの足りない部分を補い合ってこその夫婦なのだから。

 「……」

 こちらの言葉に聞き入っている様子だが、もうひと押しが必要そうだ。そのヒントを一瞬だけ部屋を見渡して探す。―――よし、あれだ。
 部屋のある箇所を指差し、そちらを見るよう言う。

176名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/13(日) 22:17:35 ID:QyUPD44Q
ああ^〜

177名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/13(日) 22:21:37 ID:s.GaxU5U
 「なに……?ボコ?」

 指し示したのはリビングの一角を占める愛里寿のボコグッズゾーンだ。そう、これは彼女の大好きなボコと同じだ。何度負けてボコボコにされても諦めずに立ち向かう。彼女が魅力に感じている部分は、そのまま今の彼女にとって見習うべきものでもあるのだ。

 「ボコと……同じ……」

 言葉を噛み砕くようにゆっくりと呟く。よかった、これで納得してくれたか―――。

 「でも、ボコは頑張っても勝てないからボコなんだよ?」

 ……そうだった。そういえば愛里寿がボコについて語るときに、いつもその部分を強調していたのを思い出す。
 ああ、だのええと、だのといった意味を為さない言葉ばかりが口から溢れる。このまま説得の失敗となるのを覚悟したが―――。

 「くすっ……大丈夫。ちゃんと伝わったから。あなたの気持ち」

 愛里寿が子供の失敗を許す母親のような優しい目と口調で言う。いつの間にか立場が逆転してしまったようだ。

 「時間がかかるかもしれないけど……あなたと一緒なら、きっと頑張れるから」

 微笑み、こちらの胸に顔を埋めた。この愛らしい姿と仕草、健気な性格の時点で自分的には『理想の奥さん』なのだが……まあ、今それを言うのはむしろ無粋だろう。言葉を飲み込み、出前の到着を告げるインターホンが鳴るまで、愛里寿の頭を撫で続けた。


 かくして、愛里寿の料理に関する騒動は一旦の決着を見た。まったく関係ない話だが、この日の夜の愛里寿の寝巻きは、普段の着ぐるみタイプではなく、ボコ柄のスタンダードなパジャマだったことを付け加えておく。ヒントは「脱ぎやすい」。
 またさらなる余談として、結婚後メキメキと料理の腕前を上げた愛里寿自身の提案で食事会が開かれたのだが、招いた客人のうち大学選抜時のチームメイト3人と、大洗のあんこうチームの武部沙織が我々の姿を見て血の涙を流すかのような形相になっていたが、あれはなんだったのか。

178名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/13(日) 22:23:24 ID:s.GaxU5U
というわけで愛里寿ルートでした

明後日くらいに短めのBADエンドを投稿できればいいかと思ってます
(遅筆で)すまんな

179名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/13(日) 22:26:37 ID:QyUPD44Q
ホモはせっかち

180名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/13(日) 23:17:28 ID:zP.L7U36
もう待ちきれないよ!早くbadルートを出してくれ!

181名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/14(月) 00:04:00 ID:afnmaJoM
ケツ舐められた事あんのかよ誰かによ(BAD)ルート見たいけどな〜俺もな〜

182名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/14(月) 12:47:34 ID:Qlk9.HME
いいわに!

183名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/15(火) 21:19:22 ID:AwZbmai2

 【愛里寿ルート BADエンド】

 
 とにかく今は逃げなければ。他のことを考えている暇はない。いくら裕福な名家といってもできることには限界があるはずだ。どこかの遠く離れた田舎町にでも行って素性を隠していればきっと―――。
 そう必死でプラスの方向に思考を向けるが、同時に彼女の笑顔や寂しそうな表情が脳裏によぎる。彼女には何の罪もない。なら、彼女を救うこともできるのではないか?こうやって一人で逃げ出すのは、あの娘を見捨てることと同じではないのか?
 そんな『他のこと』を考えたせいか、目の前に黒いいかにも高級そうな車が何台も現れ、こちらの希望を蹂躙するように行く手を遮った。
 
 「やーってやーるやーってやーるやーってやーるぞー♪」

 そして、この状況におよそそぐわない呑気な調子の歌が聴こえてくる。彼女―――島田愛里寿が好んでいる歌だが、もちろんこの声の主は愛里寿ではない。

 「いーやなあーいつを……なんだったかしら?」

 歌を中断して車の後部座席から降りてきたのは島田千代さん―――愛里寿の母親にして島田流戦車道の家元。すでに周囲には屈強な黒服の男たちが控えている。なんともわかりやすい絶望的な状況だ。

 「いやねえ、あの娘に何度も聞かされたから覚えてると自分では思ってたんだけれど。この歳になるとなかなか新しいものが覚えづらくて。戦車道に関することでせいいっぱい」

 新しいもの、ではなく興味がないもの、の間違いだろう。千代さんがわざわざあの歌―――ボコられぐまのボコのテーマを歌ったのは、あの歌が愛里寿の戦車道における本気を出した際に口ずさむ癖からだろう。要するにこう言いたいのだ―――逃がさない、と。

 「だから、貴方にもあまり手を煩わせないでほしいの。こう見えて忙しいんですよ」

 頬に手を当て、笑顔を浮かべながらこちらに近づいてくる。しかし視線は鋭くこちらを射抜いており、動くことを許さない。まさに蛇に睨まれた蛙だ。

 「それにほら、あの娘も悲しむし。貴方も嫌でしょう?愛里寿が悲しむのは」

 すでに千代さんとの距離はあと二、三歩でゼロになるというところまで近づいていた。だがせめてもの抵抗でその涼しげな顔を睨み据える。確かに愛里寿を悲しませるのは本意ではないが、それでも自分の人生まで狂わされるのはもっとごめんだ。

 「んー……、困ったわねぇ」

 わざとらしく眉をひそめ、首をひねってみせる。この反応も予想通りなのだろう。
 
 「あ、そうそう。貴方のご家族やご友人、みんないい人たちね?揃って貴方のことを心配していたもの」

 ……それは、つまり。

 「わかるでしょう、その気持ち。貴方が今抱いたのと同じ感情よ。誰かを心配し、自分が身代わりになってもいい、っていうね」

 ああ、もうここまでだ。ジョーカーを切られた―――というよりは、最初からこちらには手札すら配られていなかったのだ。そんな明らかなイカサマゲームなのに下りることもできない。すべては千代さんの掌の上だ。
 無言でうなだれ、千代さんが乗ってきた車に乗り込む。もはやそれは護送車にしか見えなかった。

 「いい子ね。聡いに越したことはないわ。島田の一員になるならば特に、ね」

184名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/15(火) 21:20:01 ID:AwZbmai2
 「あ……おかえりなさい」
 
 島田の屋敷に戻ると、愛里寿がすぐに奥から駆け寄ってくる。ほっとしたような愛らしい表情だ。

 「よかった……。迷子になっちゃったか、悪い人に捕まったのか、って心配してたの。買い物って言ってたのに全然帰ってこないから……」

 ―――悪い人に捕まった、というのはあながち間違いではない。正確には捕まったから帰ってこれなかったのではなく、捕まってしまったから帰ってきたのだが。

 「お母様に相談してよかった……。ありがとうございました、お母様」

 こちらの傍らに立つ千代さんに向かって頭を下げる愛里寿。千代さんはいつもの柔和な笑みを浮かべている。

 「これくらいお安い御用よ。なんと言っても、可愛い娘と、その娘の将来のお婿さんのためだもの」

 「お、お母様……!」

 頬を紅潮させながら抗議するような口調で愛里寿が言う。これが他人事ならどれほど微笑ましい光景だろう。

 「ふふ……。さ、二人とももう部屋でお休みなさい。今日は疲れたでしょうし」

 「……はい。さあ、お部屋に行こう?」

 愛里寿に手を引かれるままについていく。その柔らかな感触と温もりを振りほどく力は、自分にはなかった。

 「今日はボコの放送日だったんだけど、あなたと一緒に観たかったから我慢して録画しておいたの。予告だと今回の相手はニワトリで―――」

 楽しそうに語る彼女に相槌を打ちつつ、後ろに視線を向けた。そこには笑顔で手を振る千代さんの姿があった。それはまるで、これまでの日常との絶対的な別れを象徴しているかのようだった。

 「―――でも、ボコは絶対に勝てないの。どんなに頑張っても勝てないのがボコだから」

 愛里寿はニコニコと笑いながらボコの魅力について語る。それのどこに惹かれる要素があるのかは理解し難いが、同時に他人事とも思えなかった。どんなに頑張っても、絶対に勝てない。絶対に―――。

 「楽しみ、だね。二人で観るの。あなたといっしょだと、なんでも楽しい」
 
 ……考えてみれば、こうして愛里寿がどんな少女かを知ってしまった時点で逃げることは不可能だったのだろう。この笑顔を裏切ることはもうできそうにない。
 だから、せめて守ろう。愛里寿がこの―――島田家の歪みに穢されないように。

185名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/15(火) 21:22:10 ID:AwZbmai2
というわけで愛里寿BADエンドでした

次はやっぱり未定です
とりあえずは小ネタ的なものでも書いてみるかな〜俺もな〜

186名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/15(火) 21:22:38 ID:ylAGpRWE
よし、ハッピーエンドだな(錯乱)

187名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/15(火) 21:28:25 ID:V1dxNUcc
魔王からは逃げられない(恍惚)

188名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/15(火) 23:58:59 ID:MQugTsMo
名家には歪んだ家しかないのか(偏見)
圧倒的権力に抵抗出来ないのはやっぱりいいですね

189名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/17(木) 00:42:29 ID:SPoAtIgI

 【小ネタ 各ヒロイン好感度別反応 朝の挨拶編】

 <みほ>

 好感度10%(顔見知り程度):「あ……おはようございます」(社交辞令程度の笑顔で挨拶のみで終了)


 好感度50%(仲の良い友人):「あ、おはよう!今日はいい天気で良かったね。私ってただでさえ出不精だから、雨の日は学校に行くのも辛くて―――」(笑顔で雑談)

 好感度100%(恋人)    :「おはよう。ごめんね、早く顔が見たいからって家の前まで来ちゃって……迷惑だった、かな?―――そっか、よかった。じゃあ、行こう?」(家まで迎えに来て、その後手をつないで出発)

 好感度444%(???)   :「―――おはよう。ごめんね、起こしちゃった?なるべく静かにやろうと思ったんだけど……私って戦車道以外は本当に不器用だから。でも頑張らないと。立派な奥さん―――ううん、お母さんになれないもんね」
               「なんのことって……あ、そっか。昨日のことは覚えてないよね。でも、説明もなにも今言った通りだし……あ、付け加えるなら―――すごく、素敵だったよ?」(こっつん作戦(意味深)です!)



 <沙織>

 好感度10%(顔見知り程度):「あ、おはよー。ねぇ、昨日出された課題、もうやった?私あれ苦手でさー」(当たり障りのない雑談)

 好感度50%(仲の良い友人):「おはよー!あ、また寝癖ついてる!もー、いつも身だしなみには気をつけなよ、って言ってるじゃん!そんなんじゃ一生モテないよ!」(世話を焼く)

 好感度100%(恋人)    :「んっ!……んーっ!……もー、察してよ!おはようのキスに決まってるじゃん!してくれるまでここから動かないからね!」(ベッドの上に陣取る)

 好感度444%(???)   :「おはよ。もうご飯できてるよ。……なに、もうやめてくれって。奥さんが旦那さんに朝ごはん作るのを、どうしてやめなきゃいけないの?ねぇ、なんでそんなこと言うの?ねぇ、なんで夫婦じゃないなんて言うの?ねぇ、なんで妄想だなんて言うの?ねぇ、ねぇ、ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ」(その目は虚ろだった)

190名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/17(木) 00:44:05 ID:SPoAtIgI
次のネタが難産してるからお茶を濁す何番煎じ小ネタ

明日以降(明日とはいっていない)残りのあんこう3人書きます


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