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ガルパン みほルートGOODエンド

117名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/11/04(金) 01:27:42 ID:PQ3qaN1M

 【まほルート GOODエンド】

 
 「ふぅ……」

 自身の書斎の椅子に腰掛け、妻―――まほさんは息をついた。すかさずお茶を出し、軽くその肩を揉んでやる。お疲れですか、と声をかけると、わずかに眉をひそめてこちらを見上げてきた。
 
 「今はプライベートだ。そんな改まった態度はやめてくれ」

 そういわれて、自分の失敗に気づく。現在自分は彼女の秘書のような仕事をしており、西住流次期家元として多忙な生活を送る妻を支えている。仕事を抜きにしても年下であり、さらに婿養子という立場もあって思わず敬語を使ってしまうが、結婚当初から彼女はこれをお気に召さないようで、私的な場では対等な態度を取るよういつも言われているのだ。
 やれやれ、と呆れたようにしつつ、まほさん―――もとい、まほは体重をこちらに預けてきた。こちらは立ったままなので、腹の辺りに彼女の頭がくる格好だ。この体勢は我々にとって「お約束」の開始の合図である。

 「んっ……」

 その艶やかな髪を撫でると、心地よさそうな声を漏らす。そのまま二度、三度と手を動かすと、さながら猫のマーキングのように頭をこちらの体にこすりつけてくる。
 

 「……やはりいいな。こういう時間は……」

 どこか微睡むような口調でまほが言う。これは彼女が最大限に気を抜いている証拠だ。よほど近しい人間でなければ見ることのできない、最も素に近い姿。

 「お前以外には見せないぞ?こんなところは……」

 こちらの考えを見透かされたのか、釘を刺すように言われてしまう。裏を返せば、世界で唯一、彼女のこうした甘えたいという欲求を叶えることが可能であり、それを果たす義務があるということになる。なんとも責任重大だが、望むところだ。


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