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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2

1『星見町案内板』:2021/02/26(金) 23:22:22
『H城』の周囲に広がる『城址公園』の敷地を共有する『学び舎』の群れ。
『小中高大一貫』の『清月学園』には4000人を超える生徒が所属し、
『城郭』と共に青春を過ごす彼らにとって、『城址公園』は広大な『校庭』の一つ。

『出世城』とも名高い『H城』は『H湖』と共に『町』の象徴である。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647476/

528斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/12(金) 04:47:07
>>527

 「大丈夫ですよ……いただきます。」

子気味いい音と共に割り箸を奇麗に分割する(精密動作:B)と
食事に手を付け始める。

 「成程、パイセンは『レモン派』ですか……僕は、
 レモンの爽やかさも捨てがたいと思いつつ」

赤い蓋の小瓶に手を伸ばす。

 「醤油の香ばしさも気に入っています。」

他愛もない会話を続けながら
アジフライをなるべく急ぎ気味に堪能する。

 (偶には悪くないな……侮りがたし、学食)

しかし、胸中にある物を咀嚼しながら
目の前の料理も堪能するという行為は、例え身体が2つあっても
困難な行為だったらしい、自分で試して今解る。スゴクキツイ。
『プラン9・フロム・アウタースペース』とはいかずとも『実写版デビルマン』くらいキツイ
前者よりは後者の方がまだツッコミどころが多々ある分、マシかもしれないが。

 「ごちそうさまでした。……あ、それとよろしければ此方のデザートはお譲りします
 もうお腹一杯なのですが、残すよりは求める人の手に渡るべきだと思うので。」

食べ終わり、箸を置くと席を立つ。

 「それでは白岸パイセン、また機会があれば。」

529白岸・ノエル・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/05/12(金) 19:49:12
>>528

「トーリはレモンと。ソースも掛けます。
 アジフライでも。エビフライでも。
 ソースは、『タルタルソース』が好みですが」

        「濃口ソースも、好きな方です」

話しながら、食べ進めていく。
食事中の会話として、メニューの内容はこの上ない。
自分と相手のことを話すより、ずっと簡単だ。

「斑鳩君。……そうですね。
 それは、いただきましょう、お互いのために。
 トーリはレモンムースも、好きな方ですので」

     スッ

「この曜日。この時間、トーリはよくここにいます。
 機会があるかは、斑鳩君。『お任せします』」

望まれているにせよ、望まれていないにせよ、
主導権を渡すことは、望むところで、得意な事だ。

「……」

斑鳩が去った後、少しだけその方向を見ていたが、すぐにデザートに戻った。

530斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/13(土) 00:41:04
>>529

背中越しの言葉に、振り返らずに手を振る
今の僕には、思い出すべき事が多々ある


鎖の使い方、影が自分にへばりついている理由
3人目の存在……

それでも、一時でも事を忘れた
忘れてしまった……。

 (僕を許さないのは、誰だろうな)

次の目的地へ向かうために、僅かばかりの幸福感と共に
彼は夕日の最中へ歩みを進めた。

531白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/17(水) 15:33:50

教師に頼まれ、『地歴準備室』に教材を返しに来た。
清掃員も入り込まず、普段鍵のかかった部屋は、
少し埃くさく、灯りにも関わらず薄暗い雰囲気がある。

「…………」

        ゴト ン

所定の台の上に、地図帳や小さめの地球儀など、
地理の授業で用いた教材の箱を返した。

それから、なんとなく部屋の入り口の方を見た。
物音がしたような気がしたからかもしれないし、
あるいは、誰かに声を掛けられたのかもしれない。

532乃々『ポリシネル』【中二】:2023/05/19(金) 16:50:44
>>531

入口に立つのは中等部の生徒らしかった――――。

左右で長さの違うアシメショート。
透ける程に薄いシアーレースのカーディガン。
首と手首と足首に巻かれたリボン。

――――何かを忘れたような表情で、そこに立ち尽くしている。

「……?」

手の中には筒型の『ピルケース』。

「あ……」

室内のトーリに気付き、軽く会釈した。

「あの――失礼なんですけど……どこかでお会いしませんでしたか……?」

ここにいた理由は覚えていない。
記録を見れば分かる。
でも、まずは確認しておこうと思った。

533白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/19(金) 20:13:08
>>532

「――――――?」

身体ごと振り返ると、ミルクティー色の長い髪がなびく。
入り口に立つ少女に向ける切れ長の目は、深い青を宿す。
とはいえどんな印象であれ、『覚えてはいない』だろう。

                 ペコリ

「こんにちは」

小さく会釈を返す。

「どこかで。ですか。
 ――――トーリは。即答できません。
 ただ。面と向かって話すのは、
 きっと、初めてでしょうね」

     ノエル
「『白岸・N・トーリ』といいます。はじめまして」

学校生活の中では幾度も知らない誰かとすれ違うし、
何かしらの活動をすれば、学年の違う生徒と会う事もある。

「何か……お探し、でしょうか。手伝える事は。ありますか?」

『ピルケース』に僅かに視線を向けたが、
そういう物が必要な人間は別に珍しくもない。すぐに顔をじっと見る。

534乃々『ポリシネル』【中二】:2023/05/19(金) 21:18:10
>>533

「……そうでしたか」

「『もしかしたら』と思ったので……。
 私ったら……いきなり変な事を聞いちゃって……」

安心と同時に、少しばかりの気まずさを感じ、語調は次第に弱まっていく。

「『千々石乃々(ちぢわのの)』です。はじめまして」

だから、トーリの挨拶には大いに助けられた。

       ゴソ

ピルケースをしまい、代わりに小さな手帳を取り出し、頁をめくり始める。
中身は几帳面な筆跡で埋まっていた。
乃々自身が『何処で誰と何をしたか』の記録だった。

     (えっと……)

          パラ パラ パラ

『白岸・ノエル・トーリ』――その特徴的な名前は、どこの頁にも書かれていなかった。
やはり『初対面』だと改めて理解する。
迷惑を掛けていなくて良かったと思う。

「――あ……すみません……」

手帳から顔を上げ、トーリに視線を戻す。
『地歴準備室』の前にいた理由についても、これといった記述がない。
重要な事柄は全て残してあるので、書いていないという事は、
きっと何の気なしに歩いていたのだろう。

「いえ……探し物がある訳じゃないんです。
 普段は閉まってる場所が開いてたので……」

記録にない事は『予想する』しかない。

「だから、少し気になって、それで覗いてみたんだと思います」

自分の性格と状況から、今に至った行動を『推理』した。

「……何だかちょっと特別な雰囲気のある部屋ですね」

間を持たせようとして、室内を見回す。
全く興味がないと言えば、それはウソになる。
入った事はない――筈だった。

535白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/19(金) 21:40:47
>>534

「分からないことは。聞くのが大事です。
 千々石さんのしたことは、
 トーリは、とても正しいと思いますよ」

肯定の言葉――気持ちから出た素直な言葉を返し、
メモ帳をめくる姿を、適度に視線を動かしながら待つ。

「謝らなくて、大丈夫です。
 トーリには分かりませんが、
 千々石さんには、必要な事なのでしょう」

大抵のことはすぐに覚えられるから。
メモに何もかもを書くのはどこか奇妙に見えるが、
その『理由』を推理するほどの謎でもない。

「そう。気になって――――」

自分の行動なのに『思います』は、少しおかしな話だ。
が、あえて必要もないことを追求する趣味もない。

「確かに。ここが開いているところは見ませんね。
 トーリは、時々教材を返しに来る事がありますが、
 初めから開いていた事は、ありませんでした」

      「鍵が一つしかないので、 
       それは。当たり前ではありますね」

冗談を言った――というわけではなく、
言いながら理由に思い至り、答えまで行ってしまった。
それだけのことだ。

「それに。確かに、変わった雰囲気の部屋だと。
 トーリも、千々石さんと同じように思います。  
 十年も前の教科書。かびた、なにかの本。
 日に焼けてくすんでしまった地図。新品の地球儀。
 ここには、『歴史』が積み重なっています。
 ……それから、この『埃』も。きっと、十年以上」

今度は、冗談を言った。
なんとなく間を持たせる必要がある気がしたからだった。
指先は机の上に溜まった埃をなぞり。

     「ふう……」
              ブワ…

「掃除をすれば。さぞかし気持ちが良いでしょうね」

それを唇に近づけ、吹いて、飛ばした。勿論入口とは逆側にだ。

536白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/19(金) 21:42:20
>>534

「分からないことは。聞くのが大事です。
 千々石さんのしたことは、
 トーリは、とても正しいと思いますよ」

肯定の言葉――気持ちから出た素直な言葉を返し、
メモ帳をめくる姿を、適度に視線を動かしながら待つ。

「謝らなくて、大丈夫です。
 トーリには分かりませんが、
 千々石さんには、必要な事なのでしょう」

大抵のことはすぐに覚えられるから。
メモに何もかもを書くのはどこか奇妙に見えるが、
その『理由』を推理するほどの謎でもない。

「そう。気になって――――」

自分の行動なのに『思います』は、少しおかしな話だ。
が、あえて必要もないことを追求する趣味もない。

「確かに。ここが開いているところは見ませんね。
 トーリは、時々教材を返しに来る事がありますが、
 初めから開いていた事は、ありませんでした」

      「鍵が一つしかないので、 
       それは。当たり前ではありますね」

冗談を言った――というわけではなく、
言いながら理由に思い至り、答えまで行ってしまった。
それだけのことだ。

「それに。確かに、変わった雰囲気の部屋だと。
 トーリも、千々石さんと同じように思います。  
 十年も前の教科書。かびた、なにかの本。
 日に焼けてくすんでしまった地図。新品の地球儀。
 ここには、『歴史』が積み重なっています。
 ……それから、この『埃』も。きっと、十年以上」

今度は、冗談を言った。
なんとなく間を持たせる必要がある気がしたからだった。
指先は机の上に溜まった埃をなぞり。

     「ふう……」
              ブワ…

「掃除をすれば。さぞかし気持ちが良いでしょうね」

それを唇に近づけ、吹いて、飛ばした。勿論入口とは逆側にだ。

537乃々『ポリシネル』【中二】:2023/05/19(金) 22:40:16
>>536

  「『鍵は一つしかない』……」

              「あは……本当ですね」

笑うべきか迷ったけれど、うっすらと笑った。
身に着けた『シアーレース』にも似た幽かな微笑み。
消え入りそうではあるものの、それでも笑顔は保たれている。

     「『歴史』」

冗談だったのかもしれないと思う。
だけど、心の奥に響く部分があった。
自分にはないものだからだろう。
いや、正確に言えばある。
それが『自分の中にない』というだけで。

「あの――よかったら私……あとで『掃除』しましょうか?」

ほんの少し躊躇ってから、勇気を出して申し出る。

「今日は放課後に予定も入っていないので……」

『この部屋の歴史』に触れてみたくなった。
そうする事で何かが大きく変わる訳じゃないとしても。
それに、部屋が綺麗になるのは悪い事じゃない。

「……もしかしたら、この中から『宝物』が見つかるかもしれません」

        クスッ

雑多に置かれた品々を見ながら、冗談交じりに笑う。
トーリに合わせたというのもあるが、それだけではなかった。
『歴史』というのは、自分にとっては何よりも価値のある『宝物』だから。

538白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/19(金) 23:04:02
>>537

「はい。職員室で、見ましたから」

冗談ではないので、大真面目な顔で、頷いて返した。
そして口元にあった指をこめかみに添え、
『千々石』の提案に、少しだけ上を向き、思案する。

「掃除は。先生から、頼まれてはいませんが。
 ですが…………自分から良いことをするのは、
 トーリには、とても尊いことのように思えます」

         コクリ

そして、首を下げた。

「無断になるのは。良くありませんから。
 トーリから、先生に話を通して、
 そしてトーリも、その掃除を手伝う事にします」

『千々石』に合わせたというのが主な理由だが、
それだけで放課後をふいにするほどは酔狂でもない。

「思い出作りも。学生の本分と、教わりましたので。
 多くの同級生は……この部屋に来た事が無いまま、
 きっと、この学舎を去るでしょうから」

      「トーリと。千々石さんは、
       その点、『より良い』事になります。
       これがまず、一つ目の『宝物』ですね」

もう一度。小さく頷く。
『言われたことをする』のは得意だし、安心する事だから。
それに実際問題として……普段起きない事を楽しむ情緒も、ある。

539乃々『ポリシネル』【中二】:2023/05/19(金) 23:38:46
>>538

「――あ……そうですね……」

「白岸先輩、お願いします」

誰も見ていない間に『妖精』がやった事にする訳にもいかない。 
きちんと許可を取るべきだ。
そして、その役目は自分よりも彼女が適任だと分かる。

「……『思い出』の一つ」

ぽつりと小さな声で呟いた。
自分の記憶は『消える』。
全てを『記録』に残したとしても、それは『記憶』じゃない。
けれど、もし自分が何もかも忘れてしまったとしても、
出会った相手が覚えていてくれたなら、それも『思い出の形』だ。
日々の出会いを積み重ねていく事が『千々石乃々の歴史』になってくれる。

「ここで先輩と私が知り合えた事が……『二つ目』」

トーリの後を繋ぐように言葉を紡げば、アシンメトリーの髪が軽く揺れる。

「――そう思っても……いいですか?」

        ソッ

さりげなく首のリボンに触れながら、深い青色の目に問い掛けた。

540白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/20(土) 00:04:27
>>539

「……」

首元にある手をゆっくりと下ろし、視線を合わせる。


「それは。良い考えだと、トーリは思います。
 千々石さんとトーリが、
 仲良くなれるかどうかは、これからですが」

    「少なくとも。この広い校内で、
     トーリが会釈をする相手は増えます。
     トーリにとっては、好ましい事です」

「知り合う事には、それだけで。意味がありますね」

『千々石』の事情は知らないし、知る由もない。
何かあるのだろう――とは思っていても、
深く掘り下げ、問題を切り開くことはしない。
だから、少しでも、互いに望ましい答えを。
それは白岸・ノエル・トーリの望みゆえにだ。

「そうと決まれば。先生に伝える必要があります。
 トーリはここの鍵を返しに行きますから、
 その時に、合わせて伝えておきましょう」

「千々石さんは、先に。
 教室に戻っていていただいて、構いませんよ」

今は、この部屋に長居する用はない。
千々石のいる出入り口に、つかつかと近づいていく。

「ここは埃っぽいですから。制服が汚れてしまいます」

541乃々『ポリシネル』【中二】:2023/05/20(土) 00:38:28
>>540

トーリが歩いてくるのを見て、出入口から廊下に出た。
そこにいては邪魔になってしまう。
それから、改めて会釈をして――――。

「……私も白岸先輩と知り合えて嬉しいです」

「もし私を見かけたら、遠慮なく声を掛けて下さい」

その時には忘れてしまっていたとしても、
『今日ここで出会った』という事実は変わらない。
そして、一緒に『地歴準備室の掃除をした事』も。
乃々の記憶から消えたとしても、トーリの記憶には残るだろう。

    「それじゃ……」

            スッ

もう一度お辞儀をしてから、自分の教室に戻っていく。

     スタ

           スタ

                 スタ

『白岸・ノエル・トーリ』との出会いは、
大切な『記録』の一部として、手帳に綴られる事になる。

542白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/20(土) 01:39:48
>>541

「千々石さんがそう言うなら――トーリはそうします」

         コクリ

「それでは、また。
 放課後に、ここでお会いしましょう。
 もちろん、単なる口約束ですから、
 本当にお会いするかは……『お任せします』」

      「トーリは、お待ちしてますね」

   ツカ
      ツカ


そう言い残して、『職員室』の方に歩き去った。

『学校生活を楽しむ』。
与えられた指針に従って行なっていることだが、
その中で生まれる感情や、情動は自分自身のものだ。

543小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2023/05/21(日) 23:46:22

『H城』に近い『城址公園』を歩く『黒い女』。
その身を包んでいるのは死者を悼む『喪服』だ。
同色の『キャペリンハット』を被っている。

       モゾ…………

風もないのに『帽子』が動いたように見えたのは、
ただの気のせいだろうか?

544小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2023/05/24(水) 16:29:19
>>543

帽子に軽く手を添えながら、清月学園に視線を向けた。
一日の授業が終わる頃合いらしく、制服姿の生徒達が何人か見え始める。
それを確認してから、しばらく公園内を歩き続け、やがて立ち去っていった。

545『晴れ……時々』:2023/05/27(土) 15:22:17

 キーンコーンカーンコーン

 『昼休み』だ。清月学園の廊下では、購買に行こうとしたり仲の良い友達と
別の所へ移動する学生達も多く見える。

 ――小角っチ〜! 何処っスか――っ!
      どたっ どたっ どたっ

……騒がしい声が、少し先の廊下の突き当りより、>>545の者は聞こえる事だろう。
 少女の声で、誰かを探してるようだ。元気な走る足音も聞こえる。

廊下を走るなと注意したり、様子を見て厄介そうなら関わらず壁から伺う事も出来るだろう。

546『照光が灼き焦がす』:2023/05/27(土) 18:30:31
>>545

「お嬢さん、廊下を走ってはいけませんヨ」

そのような声が――廊下の先から聞こえてくる。

「ルールは守ルべきです。
 『お天道様は見てイル』
 横紙破りをするのは……
 その時に罰されずとも、
 いずレ、天運に見放されまス」

朗々と話すイントネーションはやや独特だ。

「人探しでシたら、手伝えるかもしれませんが。
 小うるサい男と顔を合わせたくなケれば、
 そのまま来た道を引き返してもかマいません」

おそらくだが――――『留学生』か何かだろう。
ここで来た道を戻れば、『平穏な探す時間』は続けられる。

547『晴れ……時々』:2023/05/27(土) 20:12:46
>>546(少々、特殊な事由の場スレですが、そのまま進ませて頂きます。
乱入等も歓迎させて頂きます。また、本日はこの投下でtobeです)

「ん! あっ、ごめんなさいっス!
自分、『朝山』って言いますっス!
 ちょっと人を探してるっス! 友達なんっス。
けどちょっと行方がわからないっス」

 元気な少女の声が廊下に響く。
朝山と名乗る少女に、その声を掛けた人がどう対応しても良いし。
 別の第三者が、その会話に挟み込むのも問題ないであろう。

少女は『人探し』をしているようだ……。

548『照光が灼き焦がす』[:2023/05/27(土) 21:18:41
>>547(朝山)

「イエイエ、謝るのは良イ事でス。
 『御免で済むなら警察イラない』
 そんな言葉もありまスが、
 警察沙汰ではあリませんからネ」

      ニッ!

「すグに謝る。私の好キな『スタイル』です」

曲がり角から歩み出て来るのは、
恐らく――――『大学部』の生徒だろう。
俳優を思わせるハッキリした目鼻立ちに、
引き締まった長躯に纏うのは、健康的な浅黒い肌。

「自己紹介遅くナり、『スミマセン』
 『アサヤマ』さん、初めマして。
 私の名前は、『ケゲラパニ』デす!」

                スッ!

握手の手を差し出しながら、彼は話を続ける。

「それデ。そノ『行方』ト言うのは、
 ――――『今日見てナい』でスか?
 そうじゃないナら、『警察』だト思いまスが」

『人探し』をするのであれば、
『どう対応するか』は『朝山』の方だ。どうするべきか――――?

549『晴れ……時々』:2023/05/29(月) 15:26:12
>>548(昨日はレス返信出来ずに、申し訳ありません)

「おぉ、『ケゲラパニ』さん!
私は『朝山 佐生』っス!」 ガシィ!

宜しくぅ! と言う元気なハンドコミュニケーション!
 パワフルに朝山は『ケゲラパニ』の手を握ってぶんぶん上下に揺らすぞ!


(初めて見る人っス。なんか芸能人見たいっス!
あっ! 芸能人なら、もしかしたらの、もしかしてで
クァンカンさんの知り合いかも知れないっスね)

「んーっとスね。『小角』って言う娘が、私と同学年で
友達なんっス。外で出会ったら楽しくお喋りもするし
何か困った事があったら一緒に解決する仲なんスけど
不思議と学校じゃ余り話せないんっスよね」

 身振り手振り、体も使って小角と仲良しで事をアピールしつつ話し続ける。

「私の友達には、年上のお姉さんも居て、その小角っちと
友達なんスけど。ちょっと連絡しようとしたら連絡が取れないって
言うから心配なんで。今日会って、お姉さんが心配してたよ!
 って事を伝えようとしてたんスけど。どーも、絶賛会えない最中なんっスよ。
昼休み中に会えなかったら、別の休み時間中に先生にでも
聞いてみようかなーって思ってるっス」


そう、どうにも会えないのが不思議だ、不思議だと言わんばかりに
最後は真顔になって告げた。
 確かに、同級生ならば大きな学園と言えども
クラスをずらっと、不審者ならまだしも、こんな明け透けな彼女が
特定の一人に呼びかければ、何かしら反応あって可笑しくないものだが……。

550『照光が灼き焦がす』:2023/05/29(月) 17:09:23
>>549(朝山)

「ハハハ! 元気がよくて良いデすね!」

      ググッ

         ・・・ ジッ

決して強い力で握られているわけではないが、
上下に振り回そうとしてもその体幹はブレない。

「なるホド、それは少し心配デすね!
 ですガ、仲良しなのであれば、
 彼女、『小角サン』のクラスに行クのは?」

・・・・・
そもそも論だが、『小角 宝梦』という少女について、
『朝山』は本当に実情を把握出来ているのだろうか?

  彼女との共闘の事実は『ほとんど無い』し、
  彼女から身の上話をしてきた覚えも『無い』。
  何か事情があってそうなのではなく、
  単純に『小角』と『朝山』に然程の関係が無い。
  会えないのは『不思議』でもないかもしれない。

「そしタら会えなくても知り合いは見つカるし、
 もし今日がお休ミでも、それが分かるでショウ」

        ニッ


「他のクラスを訪ネルのが不安でシたら、
 私も一緒に行きまスか?
 年上のお姉サンより頼れるかは分かりまセンが!」

気の良い笑みを浮かべる『ケゲラパニ』。
彼は――『善意』で声をかけて来ているのだろうか。
――漆黒の視線に滲む値踏みの色を、『朝山』なら感じ取れる。

551『晴れ……時々』:2023/05/29(月) 18:56:15
>>550

>他のクラスを訪ネルのが不安でシたら、
 私も一緒に行きまスか?
 年上のお姉サンより頼れるかは分かりまセンが!

「いやいやいや! ケゲラパニさんは、この悪の首領にも
物怖じする事なくパワフルコミュニケーションが可能なんっス!
 それならば! この朝山とケゲラパニさんの異国タッグによる
コンビネーションにて、小角ちゃんに対する情報も
ドーンの! バーンっ!! と!!!
 きっと簡単に見つかる筈っス!
こちらこそご協力に感謝するっス! お礼に後で
うちゅーとーいつ部の、のりさんのお菓子を振舞うっスよ!」

悪の首領など、不思議な事を明朗に語る変わった少女だが
君の親切にすっかり気を許してるようだ。諸手を挙げて手伝いに喜んでる。
 値踏みの色に対しても、彼女の真っすぐな気性だと。
それに疑念を覚える程に精神が成熟してないなのか、生来から人をそんなに
疑う事が無いようで、全く気にした様子はない。

「それじゃあ、さっそく行くっス! 早くしないと
昼休みも終わっちゃうっス!!」

 そう、跳ねて彼女は急かす…彼女、朝山が行き当たりばったりで
別のクラスに突撃するのを、大人な君なら幾らかコントロール出来る。

……それに『別の出逢い』も、もしかすればあるかも知れない。

552『照光が灼き焦がす』:2023/05/29(月) 19:19:40
>>551(朝山)

「ハハ! 朝山サンのドコが悪いのデすか!
 廊下を走ったのは悪いデすが、
 いわゆる、『喉元過ぎれば熱さを忘れる』
 ンー? これは少シ違いましたカね?」

       ザッ

「トモカク、エエ! それデは行きまショウ!
 私はもちろん教室を知りませんカら、
 朝山サン、エスコートはしマすが、案内は任セます!」

手綱を取る様子も特になく、
『朝山』の後ろをついて歩く『ケゲラパニ』。
彼はあくまで『小角探しの手伝い』であり、
行動の主導権は『動く側』――『朝山』を尊重する。

「それニしても、その『お姉さん』ハ、
 一体『小角サン』ニどんな用事なんでショウね?
 ご家族ニでも連絡すレば、話も早い気がしますガ」

        「あくまで歳の離れた友人デ、
         家族ぐるみの付き合いはナイ?」

歩きながら、彼は『朝山』に問いかけて来た。

「私モ、インターネットで知り合っタ友達、
 そんナ感じではありますケドネ! ハハハ!」

深刻な問いかけではない――のだろう。
勿論、どの程度答えるかは『朝山』次第。
それで動く何かも、あるかもしれないが――先は読めない。

553斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/30(火) 05:57:02
>>551‐552

勢いよく扉を閉め、生徒会室を出ると廊下を曲がる。

 (…………。)

黒炭の黒髪に赤いメッシュ、常に薄く笑みをたたえた表情に浮かぶ瞳は、決して笑っていない
何時も通りの自分が、昼休みの学生の最中を歩いていく。

目的は『小角 宝梦(おづの ほうむ)』及び、彼女のいるであろう筈の教室だ。
故に、偶然ではあるが必然だったかもしれない。

教室へ向かう道中にて、恐らくは大学部の生徒の隣で、
やたら元気な声と共に、黒いショートヘアが揺れる姿を視界に納めるのは。

(『朝山 佐生』(あさやま さお)……小角と同い年だったな、確か。)

人探しに関して『俺』は役立たずだ、なら多少なりとも縁のある、ついでに同学年であろう人物に話を聞いておく
悪くない選択肢だと翔は考えた。速足で二人に近づくと、気軽に声をかける。

 「こんにちは、廊下の真ん中でなにしてるんだ?」

554『晴れ……時々 雨』:2023/05/30(火) 17:48:32
>>552
>>553

>それニしても、その『お姉さん』ハ、
 一体『小角サン』ニどんな用事なんでショウね?

朝山「うーんっと。小角っチは【探し物が得意】なんっスよ!
多分、【小石川】おねーさんの用事も、何か探し物があってだと思うっス」

朝山は、隠しごとが正直出来ないタイプだ。
 絶対に秘密にして! 等と言われれば。スタンドの事など漏らす事ないが
大体言っても良いだろうと言える程度の事は無意識に話してしまう。

>こんにちは、廊下の真ん中でなにしてるんだ?

朝山「あ! いかるん先輩っス! なーんか随分久しぶりな気がするっス!
この前の、焼肉は美味しかったっスね!
 ケゲラパニさん、この人。私の友達で、いかるん先輩っス!
いかるん先輩! ケゲラパニは私と一緒に小角っちを探す手伝いしてくれてるっス!」

朝山の隣には長身の男性が居る。朝山は元気に紹介をしつつ
クラスまで歩いていく……そうすると、他のクラスの出入り口にいて
一人の高等部の生徒が居た。恐らく、斑鳩 翔なら少なからず面識が
あるかも知れない。(※知り合い、もし望むなら親交が深くても良い)

?「それじゃあ、『小角』さんって数日前から欠席なんだ?」

モブ女子生徒「うん……恐らくインフルエンザとかだと思うけど」

?「残念だけど、休んでるなら仕方がないよね。あっ、用事は全然
何時でも問題ないから、学校に来た時にでも自分で言うよ!
 時間取らせて御免ねー」 くるっ

?「あれ? もしかして、君達も小角って言う娘に頼み事あって
来た感じ? 残念ながら、彼女、お休み中だよ」

 「――僕 雨田 月人」

……糸目の、男だった。制服を軽く気崩して、温和な笑顔を浮かべて
君達に、自己紹介をする。

 朝山は、えー? 小角っチは欠席っスかーっ。と大袈裟に
残念だーっと両手を上げて倒れそうなポーズで感情を表現している。

雨田「残念だよね。僕も探して欲しい人がいて
何でも、このクラスの小角さんって探し物が大得意だって軽く耳にしてさ。
宛てにしてたんだけど、居ないってなると……どうしようかな」

雨田も、肩を竦めて小角の不在に対して軽い落胆を覚えてるようだ。

小角は、いま現在学校には居ない……さて、どうするだろう?
 君達全員、彼女の住んでる家でも把握していれば赴く事も可能だろうが。

555『照光が灼き焦がす』:2023/05/30(火) 18:50:16
>>553(斑鳩)

「こんにチは! 少シ人探しを手伝っていまシた。
 おっト! 自己紹介を先に。
 私は『ケゲラパニ』……『大学部』デ、
 今年から『国際人文学』を学んデいまス!」

       ニッ

「どうゾ、よろシク!」

留学生風の男からは、簡潔な挨拶が返ってきた。
その『要件』は、『朝山』が詳しく話してくれている。

>>554(朝山)

「なるホド。小角サンに、『小石川サン』が、
 『探し物』ヲ依頼しようとしてイル…………」

          ジ…

「それダケ、彼女ハ探し物が得意なのデスね!
 中学生ナのに、『大人』からモ頼られル」
  
       「――尊敬に値しマス」

一瞬――細まった目には感情の色が燃えたが、
『雨田』らとのやり取りを聞く頃には沈静化している。

「彼女ヲ頼る人ハ、とテも多いのでスね!」

「ですがインフルエンザなら、お見舞いはゴ法度でス。
 他の病気デモ、押しかケルのは迷惑でショウ」

特段断定する調子ではない。
『朝山』と『斑鳩』次第で、『ケゲラパニ』の動きは変わる。

556斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/30(火) 21:12:04
>>554

 「今度はカラオケでも行くかい?朝山コーハイ……ま、今は人探しが優先だけどな。ついてくよ。」

祖父は何時もこういっていた『偶然が続くのは2度まで、3度続くならイカサマを警戒しろ』
今朝、通学途中に偶然見かけたあの喪服姿に、話を聞いておけばよかったかもしれない……
自分にとっては都合がいいが、僕は何か妙な胸騒ぎを感じていた。
 
 「雨田ァ?君もか……」
 「ま、探し人しようにも当人がいないなら仕方ねぇよな。気ぃ落とすなよ。」

心配するなと雨田に優しく肩を叩く
残念ながら家を把握してない以上は、此処にいる誰も確認できないのだから。

 (もし病気なら……ケゲラパニ先輩の対応は正しい、正しくないのは此方の事情だけだ。)

仮に誰も家を把握してないなら……
いや……把握していても、言い出すのは躊躇われた、自分が生徒会役員という理由は有るが
偶々偶然『小角 宝梦』の住所まで知っている等というのは無用な警戒心を引き出しかねないと考えたからだ。

 「……今のケゲラパニパイセンの台詞で気が付いたんだが、病気なら教師に連絡がいってる筈だよな?乗り掛かった舟だし、聞きに行ってみるか。」


>>555

 「よろしく、ケゲラパニ……パイセン 留学生かな?そうだとしたら日本語も随分堪能だ。」 

軽く握手を交わし、これ幸いとばかりに同行する。

 (もしそうなら上澄みってところだな……しかし、こんな人大学部に居たのか?)

生徒会室の学生リストをそれとなく思い返した。
もし生徒会で聞いたことが事実なら……警戒しすぎるなどという事はない。

557『晴れ……時々 雨』:2023/05/31(水) 10:28:30
>>555-556

>ま、探し人しようにも当人がいないなら仕方ねぇよな。気ぃ落とすなよ

            ポンッ

雨田「……んっ……そーだねー」 ヘラァ

? ……一瞬、斑鳩は『両耳』に強い視線のようなものを感じ取れた。
 だが、その違和感めいたものを察する前に視線は消失する。
雨田の方角のようにも感じ取れたが。此処は、廊下。
 人通りは少なからずあるので、彼が発したものなのかは少々判断つかなかった。

>彼女ヲ頼る人ハ、とテも多いのでスね!

方針としては、妥当な手段はやはり『小角のクラスの担任に事情を聞く』と
言うのが、安牌であり常套手段だ。

教師が居るだろう職員室へ移動する傍ら、歩きつつ雨田が
緩慢ながら、聞き逃さない程の声量で君達に語り掛けた。
それは上記のケゲラパニの言葉に反応してのものだ。

雨田「そう言えば、不思議だよね。偶然だとは思うけど
君達三人、僕も含めると四人。一斉に四人も、一人の女の子の
探し物の力を頼って集めるってさ」

偶然にしても、ちょっと有りえないレベルだよね。と、糸目の彼は
温和な口調と、笑みを崩さないままに話し続ける。

雨田「それだけ彼女の力が凄いって事なのかな。
探し物って、『占いの力』で?」

朝山「え?? なんで知っ……むぐぐ」

雨田「あれ? やっぱり、そうなんだ。
へー。いや、大神君って言う後輩が居てさ。彼、占いが得意だから
もしかして小角ちゃんって子もそーなのかもって思ったから」

朝山の反応に、雨田はやっぱり当たりか。と邪気なく笑う。

どうやら、朝山は『小角の力』を知ってるようだ。
雨田の鎌かけに、思わず反応してしまったらしいが。少々バツが悪い
と言う表情を朝山は浮かべてる。これ以上根掘り葉掘りは
その事に聞き出す事は難しそうだ。

558『照光は灼き焦がす』:2023/05/31(水) 12:09:24
>>556(斑鳩)

「昔カラ、何度か日本に来てマしたから!
 それデも、日本語勉強するために頑張りましタよ」

      ニッ!

「二つホド『年上』になっテしまいまシたけどネ!」

『生徒会』だからなんでも知れるわけではないが、
『ケゲラパニ』は留学生という目立つ立場なのもあり、
極めて『偶然』学生名簿に名前があったのを思い出す。

    ――『学生を偽った何者か』では無いようだ。

>>557(朝山)

「私は『探シ物』ではありませんケどね!
 とはいえ、当たル占い師というノは、
 時に『為政者』にナルほど頼りたいのが人のサガ」

      「『納得』はシます。
       『賛同』はシませんが!ハハ!」

『ケゲラパニの笑みも崩れない』。 
ニコニコと笑いながら、一同のやり取りを見ている。

   「『太陽』の光ハ闇を照らす『恵ミ』
    デスが、過ぎれば『灼け焦げる』」

そして、ゆっくりと、そう付け加えた。

「教師ニ連絡なク休むことはないでショウね。
 朝山サン、彼女の『担任』はどなたなのデすか?」

小角のクラス担任は『佐川』という男性の数学教師だ。
『朝山』であれば、知っていて不思議はないだろう。

「乗り掛かっタ船。私モこの人探シ、最後まで乗りまスよ!」

559斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/31(水) 21:10:14
>>557-558

 「いやぁ大先輩だねぇケゲラパニパイセンは!尊敬すべき勤勉さだ!」

事は何時始めてもよい……等と、僕は口が裂けても言えないが
それは他人にも等しく適用される事ではあるまい。

 「おーっと、学年を超えてアベンジャーズが結成されちまったな。」
 「結成に2人くらい足りないが行くかァ4人で!アベンジャーズ・アッセンブル!因みにホークアイポジ希望だ!」

何か両耳に感じた気もするが、まぁ気のせいだろう。斑鳩翔はこの学校内では適当(適切に当たる)である。
雨田も含めてクラスメート全員とはそこそこの気のいい距離を築いてきた、その為の人格だからだ。
それと、『俺』の知る限り……ケゲラパニという学生はいた筈だ。

ただ、もしこの事態が『誰か』に引き起こされた場合……

 (彼女を見張っていた人間が学内にいると考えるのは、おかしくないよな……)
 (噂通りなら、例の『占い』はそれだけ……強力だ。)

それを見張っていたであろう人間がこの中に紛れてるの可能性は(注:悪の首領を除く、彼女にそんな腹芸は出来ないだろうから)
想像に難くない。生徒にここまで広がっているあたり、彼女自身もそこまで隠していなかったのだろう。

 (ただ、見張りがいるとした場合……まだここにいて、後続で探し始めた人を確認するか)
 (僕なら真っ先に彼女の安否を探すが……他にも何処の誰が狙ってるかは気にならないわけじゃない、むしろいい機会だ)
 (全員あぶりだして当面の安全を確保する……かもな、考えすぎかもしれないが。)

560『晴れ……時々 雨』:2023/06/02(金) 10:41:59
>>558-559(レス遅れ失礼しました。
また、NPCの佐川については、こちらで性格など決めて使用して問題ないでしょうか?)

朝山は、小角と同学年だ。誰にでも気さくに話し掛ける彼女は
以前学校でも別クラスであろうと堂々と小角を見かけたら近づいた事もある。
 だから、当然。担任が『佐川』である事も知ってる。

佐川先生っスねー。と、三人へ返事しつつ先頭を歩く。
 問題など、早々学校の廊下で起きる筈もなく。直ぐ職員室に着く筈だ。

雨田「一応、まともな『理由』を作っておくべきだよね」

入る前に、雨田は糸のような目の上の眉を微かに形を悩むように変えて呟く。

雨田「朝山ちゃん……ちゃん付けて良いよね? あー、有難う。
朝山ちゃんなら、まー、友達だから今日の欠席理由を知りたいですって
言ったら相手も素直に答えてくれるだろうけど。
 僕ら三人。いや、ケゲラパニ先輩は別に小角ちゃんって娘に用事ないけど
僕に斑鳩君って接点彼女と殆ど無いじゃない?」

簡略的に言えば、多勢で押しかけても。正当な理由なければ
異色のメンバーに対し担任も休んでる生徒の事情を説明も渋るだろうと言う事だ。

雨田「行き当たりばったりでも良いけどね。
 僕、別に此処で待機して。後で朝山ちゃんに理由聞くだけでも構わないし」

そう、話の最後で彼はそう嘯いた。

561『照光が灼き焦がす』:2023/06/02(金) 13:27:05
>>559(斑鳩)
>>560(朝山)

「私は『ブラックパンサー』がいいデす! ハハ!
 あまリ詳しクないのデ、イメージですけド!」

――『斑鳩』の巡らせる想像は『ありそうな話』だ。

『彼女の能力』を『もし知っているなら』、
そこにまつわる『パワーゲーム』の存在は予想出来る。
もっとも、彼女は――少なくともここ暫くについて、
自ら『力』を持つなどと喧伝する事は無かったが。

「今どキ、『クラスメート』でも、
 勝手ニ住所を教えテしまうのカ分かりまセんよ。
 個人情報の流出、日本の人みんナ気にしてまス。 
 まア、『朝山サン』なら悪用はしないでショウけど」

        「マ、後は先生の性格次第でスね!」

この『ケゲラパニ』という青年が、
どのような真意を秘めているかは謎だし、
『小角宝梦』が『今どういう状況か』も謎。

『数学教師』の佐川は――『朝山』が知る限り神経質そうな男だ。
一方的に友人と主張する『朝山』に、果たして素直に情報をくれるか?
『小角宝梦』は『学内で常に1人』といったポジションの女子ではなく、
『朝山』以外に『見舞』を任せる事は出来るし、その必要があるのか自体分からない。
『斑鳩』も信頼のおける生徒会とはいえ接点が無い。言わんやケゲラパニをや、だ。

           ・・・『職員室』はもう目の前だが、『どう動く』?

(※ 『小角宝梦』は当方のPCであり、
  現在の状況は全て『確定』しています。
  それを『必要性』に応じて捜索するというのは、
  『フィールドワークミッション』級の状況であり、
  即ち、関連NPCは当方がマスタリングします)

562斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/02(金) 23:27:36
>>561
>>560

3人の後に首元のスカーフをなびかせながら続く
事は新しい仲間を加え順調に行くかに思えた、しかしどうやら……避けがたい問題があるようだ。

 「雨田の指摘はもっともだなぁ……正当性もなけりゃ接点もない」
 「それでも朝山リーダー1人で聞けば行けるかもしれないが……佐川先生ねぇ。」

しんけい‐しつ【神経質】

1 情緒的に不安定で、わずかなことにも過敏に反応して自分を病的な状態だと思い込む気質。
2 これからトドメをさす相手の靴下が裏返ってる事を気にして、ちゃんと履かせてからトドメをさそうとする気質。

佐川の名前にすこしうんざりした様子で、真っ赤なスカーフを弄りながらブラックパンサーの隣で考える。
ボロボロでもいいから策を練らないといけないらしい、僕は考えるのは苦手なんだけど。

(普通にやっても追い返される、大多数では駄目、必要なのは……えーと?住所だっけ?)
(疑い深く、思慮深く、心配症で、細かい事に拘る……下手な嘘では意味がないが、逆に……この気質を利用できないか?)

 「うーん……。」

(……説得する必要は無い、単に不安そうに『彼女は学校に来てませんか?朝から姿が見えないんですけど』と言えば、神経質な先生自体が気にして家に『電話をかける』)
(学校に登録されてるなら家への『固定電話』だろう……固定電話なら、番号さえわかればそこから『住所』まで割り出せる。家に行けば彼女が今どんな状況かもおのずと知れる。)

 「……うーん。」

(ただ、既に電話をかけてる可能性はもちろんあるわけで)
(そうなるとくたびれ損だ、事前に『もう電話をかけましたか?』とかで探りを入れて……あーいや、えーっと神経質なら何度でも電話するか?相手に寄るな)

 「雨田はアイアンマンとして……朝山リーダーは……やはりキャップ……!」

(不確定な予想よりは相手が思い通りに動かなかった時用のプランBを考えて……いやそもそも住所じゃなくて事情を聞くんだったかな?)
(事情の有りそうな人間を仲間に引き入れる、先生の個人情報の後ろ暗い事で脅す、僕以外が騒動を起こして先生の注意を引くうちに机から情報を手にいれ……いや、ブラックな手段は首領がいるのでやめといて。)
(誰でもよくないなら個人間の事情だよな、その上で大人というか、教師という人間が神経質につつきたくなくなる……ノート貸してて、彼女の欠席で自分の成績が落ちるのは看過できないとか…他には…ちょっと品がないアイデアだな、使いたくない。)
(とりあえず案を聞かれたら、聞かれた時に答えるとして……)

むにゃむにゃと唸りながら考えてるうちに、職員室の前まで来てしまった。
策は……策は有る、でも先にみんなの意見を聞くべきかもしれない。

 「……あれ、僕たち今何が目的なんだっけ?事情聴取?気になる彼女の住所探し?キャップの盾拾い?」

キャプテンアメリカは盾が本体だからな。

563『晴れ……時々 雨』:2023/06/03(土) 11:05:12
>>561(了解いたしました。回答有難うございます)
>>562

>僕たち今何が目的なんだっけ?事情聴取?気になる彼女の住所探し?キャップの盾拾い?

雨田「うーん。僕はスパイダーマンの新しいスーツのデザイン考案でも良いけど」

朝山「何を言ってるっスか! 盾も蜘蛛も今は必要ないっス!
そりゃー、小石川おねーさんには。小角っチから連絡が取れないって心配してたし。
最近、自分も小角っチとは話してないから。まずは佐川先生に小角っチの住所を
聞き出すっス!」

雨田「住所探しか。その娘がボッチとかじゃなければ同級生から聞き出すのも
手だけど。一番確実なのは、職員室で答えて貰えれば確実だよね。
 生徒の住所だって、先生なら一覧の書類持ってるだろうし」

と言った感じで、まず教師に住所を聞き出す形になりそうだ……。

朝山「悩んでも仕方がないっス! ノックして、もしも〜しっス!」

 コン コン!

朝山「失礼しまーっス! 佐川先生に話があるっス!!」 ガラッ

考えるよりも、体で動くタイプなのだろう。朝山は皆と相談するより
当たってから成り行き次第で臨機応変に対応するんだ! と無策で
職員室の扉を開いた。

 雨田は、少し面白そうな顔をしつつも止める様子はない。

暴走する悪の首領のストッパーとして、他二人が数学教師の佐川に対し
援護射撃をするか。彼女が当たって砕けてから、アプローチを変えて
攻めるのも一つの手だろう……。

564『照光が灼き焦がす』:2023/06/03(土) 13:46:50
>>562(斑鳩)
>>563(朝山)

『小角』は銀の髪など個性的な見た目を持ち、
言動も『朝山』とさほど変わらないような奇矯さだが、
その『朝山』に信頼できる友がいるように――
彼女が何名かの女子とよくつるんでいるのを、
『朝山』は、記憶の彼方に覚えているかもしれない。

「ワオ。朝山サンは矢張り、行動力の塊デすね!
 神経質な人、意外ト素直に来られルのに弱いデすし、
 私はこのまま様子を見ておきマす」

様々な可能性と対策を考える『斑鳩』に対し、
『朝山』の行動はまさしく『即断即決』。

「キャップがマズそうなら、助けニ入りまショウ」

『ケゲラパニ』もどうやら『見守る』ようだ。
よほどの事になればフォローもするかもしれないが、
本質的にこの人探しで彼は『付き添い』。
基本は『朝山』と、『斑鳩』にかかっているのだろう。

            そして職員室内では・・・

「……『朝山』君か。こんにちは」

数学教師『佐川』が顔を上げた。
センター分けにした髪にはほんの僅かに白髪が混ざり、
眼鏡の奥の眼光は、常にどこか探るような色がある。

「……何かな? 『授業』で何か分からない点でも?
 『偉い人』になるには……『数字』は必須だからね」

手元のパソコンは…………何かの『リスト』だろうか?
この位置からしっかり見えるようなものでは無い。

先生は特に何か忙しそうにしているだとか、
他にも生徒が来ていて大変そうだとか、
そういった事はなく…………『話す余裕』はありそうだ。

565斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/03(土) 17:04:26
>>563
>>564

 「ンッンー『住所』ね了解……探すのは通話履歴でも住所一覧でもいいわけだな。」
 
 (もし通話してるなら……ここ最近の数件の内の筈だ、失敗の場合は隙を見て……ってうん?)
 (コイシカワ?…小石川ってあの喪服の……誰か待ってんのかなと思ってスルーしたけど、やっぱ話聞いとくべきだったかもしれない。)

そんな事を考えてるうちに……
首領は僕がうんうん唸ってる間に突っ込んでいった、まるで疾風だ!Need for Speed!

 (『俺』の能力じゃこういう時には役に立たねぇしな……)
 (スマホの録画機能ONにして掌に鎖巻いて固定しておくか?機会さえあれば何か録画できるかもしれねぇ。)
 (いやでも目敏く見つかったらそれこそチャンス0になりかねないし……この面子の前で使っていいものか……。)
 (こういうときムラタがいたらなー……こう、自撮り棒みたいな感じでにゅーんと録画が。にゅーんと。)
 
・・・・・・。 

 「まぁ――――いいだろう!なんだかんだ朝山キャップがうまくやるかもしれないしな!」 

まぁそれはそれとして……3人が職員室内に入る前にそっと離れて人目がない事を確認し、ないなら……
職員室のもう一つの扉に細工を仕掛けておく

おもちゃ箱の中にボールを詰め込むと、枠の中に詰め込まれた『圧力』でお互いを押し合ってボールが外れなくなったりする
アレの応用だ。

鎖を接続した塊で足場を作り、
『鎖』の塊をちょっと、扉の上窓の『枠』に伸ばして敷き詰め、圧力で固定して置いておくだけだが……
もしダメな時には使えるかもしれない。

 (ま、バレそうならやめるけど……予備の予備くらいはいいだろ。)

566『晴れ……時々 雨』:2023/06/04(日) 17:04:43
>>564-565

朝山「佐川せんせー! おはよーございますっス!
 実は小角ちゃんの休んでる理由が聞きたくて職員室に来たっス。
何時もなら昼休みにでも教室で一緒にお喋りできた筈なのに
今日は居ないっス! クラスの子にも、お休みだよーって言われたし。
 もし風邪とかなら、お見舞いに行くし。なんか家の都合で休んだとかなら
学校に戻るまで待つっスけど」

ちょっと心配だから、先生に事情を聞きに来たっス! と朝山は
佐川教師に、そこで言葉を区切って返答を待つだろう。

 行き成り、小角っチが心配だから家の場所教えて! と尋ねて
答えてくれるとは朝山も思ってない。
 それに画面を行き成り覗き込む事もしない。大事な仕事だったら
邪魔しちゃ悪いと、普通の常識を今は働かせてる。

その少し後ろで、雨田は糸のような目で軽く微笑しつつ待機してる。
 さり気なく気配を消してるが、人並みなので佐川教師の意識に留まる可能性も
あるにはある。偶然か故意か不明だが、斑鳩の細工よりも前に居る位置だから
細工が他にはばれない可能性は高いだろう。

567『照光が灼き焦がす』:2023/06/04(日) 18:50:57
>>565(斑鳩)
>>566(朝山)

「『おはようございます』は既に敬語だから、
 『ッス』は要らない。……というのは現文の範囲か」

『佐川』から神経質な指摘が飛んできた。
もっとも、怒ってる風ではないが。

「小角君か……『インフルエンザ』だよ。
 だから、見舞は行かないでくれるかな。
 『仲良くお喋り』して感染されても困るし、
 授業の『プリント』は家が近い子に頼んで、
 郵便受けに投函してもらっているからね……」

『真っ当な回答』だ。
ほとんど取り付く島がない、と言ってもいいだろう。
ここからどうやって『住所を聞き出す』かは、
恐らく…………想定される以上に『難しい』はずだ。

「他に、何か話はあるかな?」

もちろん、ここで引き下がる『必要』は無いが。

「ふウむ、でしタら復帰を待つしかないでショウね!
 ハハ! 待つヒマあれバ、自分の脚で探してモ良いデすが!」

ケゲラパニはそうとだけ付け加えた。
それもごくごく真っ当な意見と言える。

一方の『斑鳩』は一人、室外にて『仕掛け』を始める。
幸い、今の廊下には他に人も見当たらない。無事完了出来る。

568斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/04(日) 20:42:15
>>567
>>566

仕掛けは終わった、終わってしまった。

 (遠隔操作ならこんな苦労しないんだけどな……ないものねだりしても仕方ない。)

鎖の塊が落ちてこないのを確認すると、仕掛けを施してない方の扉の前に立つ。

 (中の朝山首領キャップリーダーがうまくいってる事を祈りたいが……)
 (いや、最悪を想定して動くべきなんだろうな。)

予備の、予備の予備の予備までは使いたくない。
できれば……これも役に立ってほしくないが。

 (今から職員室内に同じ目的で入っても、同じ行動しかできない。)
 (それよりはもう少し職員室内を動ける立ち位置が欲しい……となれば。)
 (『鍵を返却する』……そう珍しい行動でもないし、ある程度経路は自由にとれる。)
 (後は隙を作って確認するだけ、相手の性格に期待するのは避けたいが……)

考えた策の内数個はもはや取れない択だ。
最悪、『絡まってもらうしかない』のは我ながら業腹だが。

 (多少でも注意を逸らせば、何方には機会がある筈だと考えるしかないな。)

『自宅の鍵』を内ポケットに移動させる
ノックを2回、許可を貰えたら室内に入ろう。

569『晴れ……時々 雨』:2023/06/06(火) 16:32:28
>>567-568(レス遅れ失礼いたしました)

朝山「インフルエンザっスか! それじゃー、結構休むかも知れないっスね」

うーん、と少し考える顔を朝山は浮かべる。

怪我したとか、そう言うのでないのなら一安心だ。
 でも、小石川おねーさんも、用事が急いでるなら早めに小角っチに
連絡出来るようにした方が良いっスよねー。と思考する。

そして、ピコーン☆ と思いついた顔を浮かべ得心する。

朝山「それじゃ! 『お手紙』書くっス!
 お見舞い出来ないなら、早く良くなってね! って言う手紙に
小角っチが居ない間に、こう言う事あったよって書いてあげるっス!
 きっと家で一人で退屈だろうし、お手紙を読んだら少しは退屈凌ぎになるっス!
だから、佐川せんせー! 小角っちの住所教えてくださいっス!
 早速お手紙を今日書いてポストに送るっス!」

雨田も、後ろで。へーっと多少は感心した表情を浮かべる。

お見舞いの『手紙』。住所を知るのなら、確かに打って付けと思える……。

570『照光が灼き焦がす』:2023/06/06(火) 17:13:57
>>568(斑鳩)

『仕掛け』を終えた『斑鳩』は次なる知略に入る。
なるほど、鍵を返すというのは良い口実だろう。
まさかそこで嘘をつく生徒など想像しづらいし、
それが『生徒会』の一員であれば、なおさらだ。

       コン コン

「どうぞ〜」

若い女性教師の声が聞こえた。入って良さそうだ。
そして……入ってみれば、話は進んでいるらしい。

         ・・・あまり芳しくは無さそうだ。

>>569(朝山)

「て、手紙……………………?
 それは……メールやラインじゃあダメなのかな」

至極真っ当な突っ込みが入った。

「……いきなり見舞のお手紙が届いても、
 『小角』君は困ってしまうんじゃないか?
 いや、絶対にするな、とは言わないけどね。
 ただ……病気で寝込んでいるんだから、 
 あまりいつもと変わったことはせずに、
 待っていてあげるのも優しさじゃあないかな」

『朝山』が『小角』と大した知り合いではなく、
連絡先すら知らない間柄である……と思われれば、
ますますこの神経質な教師は懸念を深めるだろう。

          ・・・ザッ

後ろの方で『斑鳩』が入室してきたのが分かる。
成り行きを見ているケゲラパニや雨田とは違い、
彼は、何かしらの助けを差し出してくれるだろうか……?

571斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/06(火) 19:43:57
>>569-570

まず誓っていおう、失念していたわけじゃない、わけじゃないが……
他の教師がいる場合僕の策は著しく成功率が下がる。そして今聞いたのは女性の声だ。

(2人以上いる……いや、まだ大丈夫だ、女性教師の机が扉に近くなければ!)
(そして1人だけなら僕が会話して足止めしに行けばいい……他にいなければ用事の最中でも神経質な教師なら自分で行く……筈だッ!)

 「失礼します、借りてた鍵のォ……返却に来ましたァ」

上着の中で『自宅の鍵』をひと鳴らしして移動する。
見せなくても音で伝えるだけでよい、遠目で見ても判別は難しいだろうが……余計な判断材料を与える必要はない。
 
 (さーて、我らがリーダーは……どうか?)

職員室内をざっと見る
我らがリーダーの旗色はよくは……なさそうだ。

 (開けてみるしかないらしいな、チョコレートの箱を。)

今から僕は、入ってきた扉から鍵の返却位置までのルートで、朝山達と佐山先生の横を通り、かつ自然なルートを選択しなければならない。
更にその際、『ロスト・アイデンティティ』の発現させた頭部による『スタンド会話』で朝山リーダーに伝える事がある。
ついでにモニター見るくらいも許される……だろう、自分に重なるように発現するスタンドの頭部は、口と、独自の視聴覚と、脳は有しているから。

 『今からドアがノックされる、先生が机から離れたら、痕跡の残らない範囲で住所か、電話から今朝がたの電話の通話記録からかけてきた番号を探してくれ』

佐川先生がスタンド使いじゃない事を祈ろう。もし病欠の電話なら、それは登校前の連絡になる筈だ。
固定電話からの番号なら、番号の初めで更に判断基準を増やせる……数個に限定できれば後は虱潰しでいい。

鍵の返却場所に来たら、適当なカギと位置を入れ替えて……『マスターキー』か『放送室』の鍵を手に入れる。
最悪は先生を適当な場所に放送室で呼び出して、その間に『職員室で堂々と盗みを働く』ために。

ノックの方法は……『鎖の塊』を使う。
接続は僕が触れる必要があるが、触れていなくても、分離は出来る。
そして鎖の塊は……元から折りたたまれた網のような形状に分離すれば、能力関係なしに当然の帰結として鎖はそういう風に広がる。

鎖の塊の一部を『渦を巻いて束ねられた先端に重りのついたロープ状』に分離すれば、
鎖の塊から伸びた部分は重力に引っ張られて下に降り……『ドアを叩く』扉越しには『誰かがノックした』ように聞こえるだろう。
後は品のない学生のように、何個かで『盛大にノック』してやれば……。

 (佐川先生、『指導の時間』だぜ……『神経質な教師』なら『注意すべき生徒』は見逃せない筈だよなァ〜……!)

我ながら『筈』ばっかりなのは嫌になるが……後は佐山先生の移動距離とドアに手をかける瞬間に『予備の予備の予備』を使うかどうかだ。

572『晴れ……時々 雨』:2023/06/09(金) 10:20:45
>>570-571(レス遅れ大変失礼しました)

>手紙……………………? それは……メールやラインじゃあダメなのかな

朝山「ちっちっち! っス! 甘いっ! 甘ぁ〜い!! っスよ佐川せんせー!
手紙には真心が込められるっス! それに、メールやライン以外の
ちょーー---っと別に届けたい秘密のサプライズ菓子を渡すとか
色々出来る事があるっスよ!」

「それに、佐川せんせーは大事な事を忘れてるっス……そう、重大な事っス!!

――中学生は、学校に携帯なんて持ってきちゃいけないっス!!
 だから、いまスマホとかで小角っちの住所を出すのは難しいから
佐川せんせー、教えてっス!」 ドーンッ☆
 
 悪のパワフル熱論で朝山は畳みかけようとする! 後ろで雨田は
微笑ましそうに口の弧を軽く上げ見守ってる。

>『今からドアがノックされる、先生が机から離れたら、
痕跡の残らない範囲で住所か、電話から今朝がたの電話の通話記録からかけてきた番号を探してくれ』

 コクッ

朝山は、斑鳩へと軽く首を縦に振って了解の意思を示した……。

573『照光が灼き焦がす』:2023/06/09(金) 10:55:15
>>571(斑鳩)

「あぁ、鍵ね〜。はいはい、こっちこっち」

女性教師はどちらかと言えば扉に近い位置だったが、
斑鳩が入室してくると立ち上がって近づいて来た。

「一応、間違ったところに返したりとか、
 いろいろあるから……見とく事になっててねえ」

『鍵の返却』――このばかでかい学校となると、
それをするにもある程度のケアは必要ということか、
単に、この女教師が教師らしい節介焼きの気質なのか。

とはいえ――スタンド使いでもなんでもない教師だし、
『斑鳩』のプランとして『足止め』をするのと理屈は同じだ。
ルート選定も、『斑鳩』の能力と知性なら何ら難しくはなかった。
職員室のルールを超えるような警戒はこの部屋の中に何も無いのだ。

            
          ドドドド ドォーーーン


「あらっ、すごいノック……」

――――『朝山』にスタンド会話で意図は伝えられた。
そして、『佐川先生』は難しい顔で『ノック』を見に行ってくれた。
とりあえず『朝山をフリーにする』目的の方は無事に達成だ!

「……佐川センセが行ってくれたし、
 私達は気にしなくてよさそうねえ?
 さ、鍵箱開けたげるから、ちゃんと返しておいてね」

問題は…………鍵の返却が、ゆるいとは言え監視されている事だろう。
『鍵箱にも鍵がある』ような物いいだし、こうなると中身も検められていそうだ。

『鍵の入れ替え』作戦は……どうする? 実行するかどうかは、まだ決められる。

>>572(朝山)

『真心』と『スマホ禁止』を持ち出した『朝山』。
前者には一瞬、『佐川』の仏頂面が緩んだ気がした。
生徒のやさしさを一概に否定はしない教師らしい。
しかし……後者を口にすると、彼の眉根に皺が寄る。

「……あ、朝山君。そんなルールはウチには無いよ。
 昨日見たドラマか何かと混同していないか?
 君が個人的に持ってきていないという意味なら、
 それはまあ…………学生として正しいとは思うけど」

2020年7月以降、文科省はスマホ禁止を解禁し、
学校でのスマホは『条件付き容認』となっている。
そして繰り返すようだが『自由な校風』の清月では、
少なくとも……全面的なスマホの禁止などしていない。
これまで学園で綴られてきた多くの交流の中で――
ごくごく真面目な生徒達も『スマホ』を持ち出して、
連絡先の交換をする一幕があったのは、確かな事実だ。
 
「そもそも。小角君のお見舞いに行くという子は、
 彼女と同じ部活の生徒だけでもう何人かいるんだ。
 それだって本当はどうかと思うが……ともかく。
 君の『優しさ』は十分に伝わっているけど……
 住所も連絡先も知らない間柄の君が来たとして、
 病床の彼女には、負担になってしまうと思うんだ」

        「……お話はそれだけかな?」

ほとんど子供を諭すような口調で『佐川』は返す。
この神経質な教師にパワフル理論は響かない。
あるいは理屈を持ち出さず『若さ』だけで行けば、
少なくとも絆される可能性くらいは『あった』か?
           
          ドドドド ドォーーーン

重い空気を引き裂くのは『ドアの激しいノック音』

            ――『斑鳩』の作戦だ!

「……全く。
 朝山君。私は少し様子を見てくるが……
 用事が他にあるならそこで待っていてくれるかな」

狙い通り、『佐川』が立ち上がってそちらに向かった。
他の教師より率先して動くあたり、
神経質さもある種『熱意』による物なのかもしれない。

「……『見らレますよ』」「『画面』」

        ボソ

朝山にだけ聞こえる声で『ケゲラパニ』が声を掛けた。
その声色はやはり感情が読めないが……事実を伝えていた。

574斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/09(金) 19:10:53
>>573-572
 (スタンド会話……『ケゲラパニ』の前で使いたくないが、使わざるをえなかった、な)

女教師と一緒に鍵箱の前まで行く、そして『ロスト・アイデンティティ』の影が視界が席を離れて
扉の前まで行く佐川先生を捉えた。

 (よし、これで佐川先生はいった!……後は朝山首領がうまくやってくれるかって所だ。)
 (佐川先生をすぐ戻らせない策もあるが、できれば使いたくない……頼むぜキャプテン!)

ノックした鎖の部分は消滅させる、これで佐山先生の視界に『鎖』は入らない、いらない警戒もさせない。
扉を開けて一歩でも出れば……必然的に先生の頭上に『鎖の塊』がある事になる。
あとは根元を少し削って落とせばいい…先生の頭上に、『塊を網状に分離させた鎖』を。

 (実行しようと思えば、更に十数秒はこれで時間を稼げる。遠隔操作じゃあ〜、少しできない事だ……そして此方はもう『失敗してもいい』)
 (元はと言えば時間稼ぎが目的、たとえ説教食らってもいいが……。)

鍵箱の手前で、女教師が自前の鍵で開けようとしている。
箱は鍵付き、教師が開けようとしてるのを止める事はできない……理由もない。
もし鍵箱の中に、鍵が全部そろってるか、鍵が何一つない……なんてことはないと思うが。

 (監視付き……入れ替え作戦は『中止』せざるをえないが、これでリーダーの方は完全に死角になった。)
 (『何秒』だ?10秒か…20秒か……この女の目も塞がなくては。『下』に向けさせなくては。)

目の前の女が……箱を開けた瞬間だ、鍵箱を開けた瞬間。
ロスト・アイデンティティは佐山先生を目で追っている……タイミングは、そこだけだ。
女が、鍵箱を開けて、中をのぞく直前……。
 
 「あっ!先生!!」

胴体の鎖を切り離して落とす、床に落ちた鎖は音を出す、鍵が落ちた時と同じような金属音を。
そして瞬時に落とした鎖は消滅させる。これで『鍵が下に落ちた』という嘘だけが残る。

 「待ってください先生……『返却する鍵』……落としてしまって、先生も探してくれませんか?」
 「見あたらないんです、もしかして先生の足元とかに蹴っちまったかも、すいません先生!」

女の視界が下にいった瞬間……
『ロスト・アイデンティティ』の腕で、鍵箱から適当な鍵を取り出す。
後はゆっ……くりと時間をかけながら探してる途中で、やっと見つけたとこれ見よがしに手のひらから鍵を出してやればいい。という予定だ。

575『晴れ……時々 雨:2023/06/09(金) 20:27:54
>>573-574

(よし! それじゃー、雨田先輩、いかるん先輩!
ケゲラパニ先輩も佐川せんせーの足止めをお願いするっス!)パクパクッ!

パワフルに、彼女は口パクで伝達し。いかるんもとい、斑鳩のメッセージ通りに
『電話』を調べ、履歴から小角の電話番号を探るっ。
それにケゲラパニの言葉から、先程まで佐川先生が居た為に
ちゃんと見れなかった画面のリストもずらっと見る。
 特にこちらに関係ないようなら、直ぐ目を離すだろうが。

>待ってください先生……『返却する鍵』……落としてしまって、先生も探してくれませんか?

雨田「あら、そりゃ大変だ。いま、こっちの机の下に何か小さな影が
走った気がするし。僕も手伝いますよ」

 朝山の言葉を受けて、雨田も佐川が振り返っても丁度朝山が見えない
位置取りへと場所を移しつつ、朝山が見えない方角に影が滑ったと言う
出鱈目を言いつつ時間を稼ごうとする。

雨田「

576『照光が灼き焦がす』:2023/06/10(土) 14:20:30
>>574(斑鳩)

佐川は扉を開けて外に少し顔を出している様子だ。鎖はもう無い以上、何も問題は無い。
少なくともこの程度のイタズラは彼の眉根に皺を増やす程度で、重大なことではない。

            カチャン

「まあ、もう。しっかりしてよね〜。
 それじゃあ一緒に探しましょ……あら、あなたも手伝ってくれるの?」

……なぜか『雨田』もこちらに来て鍵の捜索を手伝い始めたようだが、
『ケゲラパニ』が外に向かってるあたり、そこで何かしらの分担があったか。

「何の鍵だったの? 一応目印とかあるからさ〜。何かの準備室とかあ?」

女教師が床を探しながら問いかけて来るが、
『斑鳩』は鍵箱の中を漁ることに成功している。いくつかの鍵はないが、
少なくとも作戦に支障が出るような……一本もないとか全部ある、とかは無い。

……『攻撃的な仕掛け』も用意してはいるが、とりあえず『朝山』は情報を漁れていそうだ。
彼女の予測不能さを考えると、あらかじめ指示をしておいたのは大いに意味があっただろう。

>>575(朝山)

ここは『現実』だ。口パクでの指示など、当然伝わる筈はないが――――

(ハハぁー、仰セのまマに。必要な事ですかラ、ね)

          スッ

同じように口パクで返し、『ケゲラパニ』は職員室の外に出ていった。
彼が、『外に向かった』佐川を足止めしてくれる『かもしれない』。

電話機を見てみるが…………とりあえず、受信記録に携帯番号が『四つ』ほどあった。
確かめる手段はやはり虱潰しになるが、これで目的には一歩近づいた。

パソコンの画面に表示されている物は複数あった。
一番表は、佐川が顧問の『男子バトミントン部』の所属生徒が載ったスプレッドシート。
生徒の名前はハイパーリンクになっているようで、より深い個人情報を漁れる可能性はある。
他のリンク箇所から遡り、他の部活や同好会の生徒を探す事も出来そうだが……
小角が『何部』なのか知らないなら、当たりをつけるのは困難だろう。

他にはオンラインでの教員向けの研修ページや、何かしらの報告書らしきファイル、
いわゆる『校務分掌』であろう資料など……あまり『小角』に繋がる物では無さそうだ。

         『価値のある情報』があれば、『当然』盗んでも良いが・・・

このまま行くと、どう長く見積もっても『2分』もせずに佐川は戻って来るだろう。

>>575(雨田)

「影? やだあ、虫とかじゃないといいんだけど」

『斑鳩』の言葉によって『落とした鍵』を探しているのは別の女教師だ。
もっとも『佐川の足止め』は『ケゲラパニ』が向かったようなので、
こちらに回ったのはそれほど間違いでも無い……『かもしれない』

探すフリをして時間を稼ぐ以上、突っ立っているわけにもいかないはずだ。
とりあえず、『偶然鍵が落ちている』ようなことは無さそうだ、が。

               《…………》

         シルルルル……


窓から差し込む日光に照らされた、教員デスクの机の下の、『それ』と目が合った。

『大蛇の顔』…………の、『ヴィジョン』だ。
床から『すり抜ける』ように…………『いる』
いや、ただの蛇ではない。どこか『龍』の意匠もある。

           ちなみに『耳』は無い。


    《危害ハ 加エナイ》

          《話ス ツモリモ ナイ》


やや独特なイントネーションで、そのスタンドはそう告げてきた。

『雨田』は『斑鳩』とも『朝山』とも少し離れた位置にいる。
この『スタンド』の声は、間違いなく『雨田』以外には聞こえない。

577斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/10(土) 23:17:45
>>576-575

斑鳩翔の心を埋めていたのは1つ。
『あと何秒で佐山先生は戻ってくる?』
という事だけだ。

目の前のすべてはそれに比べて大した事ではないかのように思えた。
佐山先生を害する事なく妨害できるのは……さっきのノックが最後だからだ。

(鎖の網……網とはいえ実態は『金属塊』だ、頭上に落として無傷という訳にはいかない)
(目的は足止めだ、害する事じゃあないとはいえ……現実的に危害なく足止めできる手段は……)

もうない。再ノックという考え方もあるが、そもそも職員室内に振り返られたらアウトの可能性は高い。
首領の調べ物が終わらず、先生が振り返ろうとしたら……。

 (…………一人の負傷と一人の行方不明、どちらを優先するべきかは、解る。『俺たち』の目的だ。)

鍵箱から鍵を一つ取り出し、掌に隠し持つ。

 「勘弁してくださいよセンセ、先生の前で失敗して……僕は恥ずかしさで頭真っ白ですよォ。」
 「畜生、どこかなァー……。」

床に頭をこすりつけて探す、見つけるのはもう少し後だ……。

578 『晴れ……時々 雨』:2023/06/12(月) 17:29:58
>>576-577(レス遅れ失礼しました)

基本的に『悪の首領』を謳う朝山ではあるが、盗みをする事はない。
ちゃっかり、人のおやつをつまみ食いする事はあるが、職員室にある
人の物を勝手に盗ると言う思考まで至らない。

(あっ! 電話番号っス! これで小角っチの事がわかるかも知れないっス!)

 ヴンッ!

『ザ・ハイヤー』を発現し、朝山は持ってるなら自分の手帳などで。
(※無ければ、机にありそうな紙など拝借する)
急いで番号をザ・ハイヤーにもペンを持たせ記入するだろう。
佐川先生は神経質だ。それでいて、電話機があるなら大事な用件で学校に
連絡があった場合、すぐメモしないといけない時に近くに筆記用具がないと大変だ。
だから、当然近くにペンがあると思うので、それを一時拝借する。



そして……『雨田』だ。

 彼は、机の下の『スタンド』と目が合って、そいつが『自分を認識してる』と
理解した瞬間に、二つの選択肢が脳内に出来た。

一つは有無言わさず、自分の操る幽霊(インサイ二ティ)で抹消させる。

(人は周りに居る……そして、あの時の『ゲーム』から考えるに……だ)

雨田は、少し前に現在自室として利用させて貰ってる叔母の家で『ゲーム』をした。

そこで得た三つの出逢い『ミミ』
 粗野と風土の異なる異世界の三つの素敵な相手。それに勝るものは無かったが
どうも画面越しで話した他の相手は、自分と同じ幽霊の素質を担うらしかった。

(勘だけど、斑鳩君とか朝山ちゃんとか。僕の幽霊見えそうな人、この
学園に居そうなんだよなぁ)

今は、雨田は動く気は無い。幾らか満たされ、運命の出会いまで
大きく事を動かそうとしない。だから『龍』か大蛇らしい幽霊に対して
傍目無関心な様子で、しゃがんで鍵を探す振りを続けた。

雨田「最近は、虫多いですからねー。僕の家にも結構湧くんで大変ですよ」

女教師に、微笑みを崩さず返答しつつ。大蛇について思いめぐらす。

ミミと縁のない存在。故に、執着まではしないが自分だけに『話しかけた』
 さも当然とばかりに幽霊と会話出来るだろうと見当付けたのは
少々、余り良いとは言えない感情が雨田の胸中には過っていた。

(まっ、面白そうではあるけどね。これが大神君の、大きな運命の波に
関係あるかもだし)

 そう、気分は前向きだ。雨田は、今は満たされている。そう、今は……。

579『照光が灼き焦がす』[:2023/06/12(月) 18:45:12
>>577(斑鳩)

『行方不明者』を見つけるためには、『傷つく人間』くらい。出していい。
『他に手段はあるかもしれないが』――――『仕方ない事だ』
『できる手段を、つかわない』のは、きっと、怠慢に他ならないのだから。

               カチャ ・・・

鍵箱から取り出した鍵にはプラ製のキーホルダーがついており、
それは『中等部等準備室②』の鍵との事だ。

            「……」

             「全く―――――」

『佐川』の声が聞こえる。

まだ職員室の外だ。振り返ってはいない。だが『ノック犯に見切りをつけた』

                     ヴン!

その間に『朝山』が己のスタンドを発現して、
机からペンを拝借して、紙に何かを書きこんでいる――――『間に合った』か。

「ん〜〜〜どこにもないわねえ、棚の下とかに入っちゃったかしら」

女教師がゆっくりと体を起こすが、既に鍵箱での『事』は成している。問題はあるまい。

>>578(朝山)             

『朝山』自身も手帳を持ち歩いていても不思議は無いし、
その読み通り、『佐川』は机の上のメモを切らすようなタイプでは無かった。
ペンも、即座に使える鉛筆が見つかったし、ボールペンもインクは潤沢だ。

                      サラサラサラサラサラ

さささっと電話番号を書き写した。
『小角宝梦の現状を把握する』事は、これで『きっと出来るだろう』――――――

>>578(雨田)

謎の存在を排除する選択肢は頭の中から排除した『雨田』
恐らく――――それは正解だっただろう。
この存在は恐らく『反応してもされなくてもいい』と考えていた。
つまり、『目の前の人間が気分を害そうがどうとでもなる』という意味だ。

            ≪……≫

                   シュルルン

『職員室内』の様子を見ていた『蛇竜』はやがて床に潜って消えた。

「湿気もすごくてェ、どこからかずっとハエが入ってきたりするわよねえ」

何だったのかは分からないが、今はまだ『雨田』は微笑んでいられる。きっと、これからも。

580斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/13(火) 02:31:53
>>578-589

視界の端に朝山首領が何かを書き込んでいる姿が映った時は安堵した。
やると事を決めたとはいえ、必要ないならそれに越したことはない。

(鎖は解除しておくか、必要ない以上は誰かに見られたら事だ。)

 「おっと、ようやく見つけましたよセンセ!あー……」

いや、雨田に言及する必要は無い、些細な違和感とはいえ
名前を知っている事に無駄に言い訳を重ねる事もない。
ようやく見つけたよというばつの悪い笑顔を作って、鍵箱に戻そう。
視線を首領に向けさせない所作でもある。

 「梅雨入りですもんね。ホント、お騒がせしました……それじゃ。」

鍵を返してしまえば、後は長居する理由もない。
女教師に一礼して踵を返そう。

 (ん?ブラックパン……いや、ケゲラパニは何処に行った?)

581『晴れ……時々 雨』:2023/06/14(水) 12:29:09
>>579-580

(よしっ! これで後は四つの番号を後で調べるだけっス!)

朝山は、本当に今は携帯を持ってない。多分、何かのドラマか何かが
影響受けたのか。うっかりかは不明だが、学園にスマホは持ってきちゃ
いけないだろうと思って家に置いている。

佐川先生が戻って来るまで、大人しく待つだろう。
 斑鳩や雨田が自分の代わりに小角の何か手掛かりを見つけるかも
知れないと思ってるし。それに、小角の担任なら、こう伝言して貰いたいと
朝山は考えてるからだ。

朝山「それじゃあ、佐川せんせー。今日は失礼するっス。
小角ちゃんが学校に戻ってくるのが遅くなるんだったら。私からも
お見舞いの品を送りたいから、もしそうなるようだったら私も
そっちのクラスをちょくちょく覗きに来るけど、報せてくれたら助かるっス。
私の話に付き合ってくれて有難うございましたっス」

 そう礼を告げてから立ち去るだろう。悪の首領は、ちゃんと学園では礼儀を
重んじるのだ!!



雨田「夏場ですからねぇ。仕方がないですけど」

(消えた)

外部? それとも学園の教職員が担う幽霊?

手掛かりは外見だけ。目的も動向も不明だ。別に僕の敵と言う訳では無いけど……。

(うーん……消化不良なのは、ちょっと苛々するよね?)

雨田は満たされている。だが、それとは別の事柄だ。
今、この時に起きた『蛇竜』との邂逅は。それでいて、ミミが付いてない
存在と言うのも癪に障って来る。

(けど、今は胸に収めるしかないな)

自分が、幽霊(インサニティ)を遣える事は、いずれ誰かしらに
知られる機会はあるかも知れない。あの時のゲームの管理者であるだろう
人物には知られてる訳だし。

(まぁ、いいさ)

 漠然な不安とは言えぬものの、不発弾が先の何処かで埋まっているような
予感はしている。
 だが、それがいずれミミとの出逢いに繋がるかも知れないし。

雨田は、先行きに憂いは持たない。彼にとっての中核は愛する存在(ミミ)との
事柄に詰め込まれている。蛇竜は、それには該当しないのだから。

582『照光が灼き焦がす』:2023/06/14(水) 13:17:04
>>580(斑鳩)

『暴力』など振るわないに越した事はない。
パワーの『朝山』と、智謀の『斑鳩』が揃ったことで、
作戦は無事に終えることができた。

「あぁ、よかったよかった。ええ、それじゃあ。
 あ。生徒会活動がんばってねえ」

女教師に見送られ、職員室から出る。
何事も問題はない。何事も――――

>>581(朝山)

『小角の電話番号が含まれていない』可能性もゼロという事はない。
しかし、それは流石に心配するほど『ありそう』な可能性ではあるまい。

「……あぁ、ちゃんと待っててくれたのか。
 ……そうだね、君の優しさを無碍にするのも悪い。
 お見舞いに行けない分、帰って来てから、
 しっかりと見舞ってあげればいいだろうし。
 休みが長引くなら、その事は教えるよ」

『欺いた』相手と約束を取り付け、『朝山』は職員室を出る・・・

>斑鳩・朝山

「……」

『ケゲラパニ』は職員室外の廊下に立っていたが、
『斑鳩』そして『朝山』が出てくると、視線を上げた。

「『ケゲラパニ』…………アイツらが、話ノ?」

その隣に、『もう一人』
いつの間にか、彼と同じく色黒の少女が立っている。
髪は金に染めており、丸く大きな目を向けて来る。
学生服からするに、『中等部』の生徒のようだ。

「エエ! 私の仲間、アベンジャーズでス。ハハハ!」

『笑み』を浮かべる『ケゲラパニ』

「とはいえ、仲間失格かモしれまセん。
 『友人』に呼び止めらレ、先生の足止メを失敗しましタから!」

『佐川』の足止めをした様子がなかったのは、この少女と話していたかららしいが……?

>>581(雨田)

例えるなら――ゲームのキャラクターとして取り込まれると言うより、
大きな『盤面』がいつの間にか敷かれ、その上を踊る駒にされるような。

           得体の知れない何かが、何かの為に動いている。
           そうした性質の、『不安』は生じ得る。


「本当にねぇ〜」


相槌を打つ女教師。『斑鳩』の用は済んだようだ。
いずれにせよ『雨田』の満足はここに転がってはいまい。

特に何かすることがないなら、職員室を出てしまってよかろう。

583斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/14(水) 14:40:49
>>582-581

「…………。」

職員室から教師が出てこない事を確認すると、
大きく息を吐く。そして朝山の方に向き直り

 「やったな朝山キャプテン!うまいこといったッ!!」

ハイタッチ、ガッツポーズ(職員室に響かないよう小声で)
お好きな方で喜びを表現する。

「『コマが回り続けない事を確認したい』くらいだ!いやー……なんとかなってよかっ……」

周囲を見渡して足りない1人を探す、俺の予想に反して
お目当ての人物はすぐに見つかった、だが隣の人は面識がない筈だ。
知り合いか……?何故ここにいて
何の話をしていたのだ?ケゲラパニにとっても、住所の件は重要だと思っていたが……

「あッ!ケゲラパニパイセンがイカした女の子引っ掛けてるッ!!アイアンマンの役だろそれ!」

この警戒は表に出さない方がいいかもしれない
或いは関係なくなるかもしれないが……

「やるねパイセン、我らが朝山キャプテンと同じく隅におけない人というわけだ。で、どちら様?ひょっとしてもうそういう関係〜?」

手首を数回振ってゼンマイを巻くと
話を聞こうと身を乗り出す。

……俺にとっては屈辱だが
時には下に見られるべき時がある。
油断させれば先手を取れる場合もある。

584『晴れ……時々 雨』:2023/06/15(木) 13:46:09
>>582-583(たびたびレス遅れ申し訳ない)

 「そうっスね! 悪の小角っチ、番号ゲット大作戦は大成功っス!(小声)」

同じく、朝山も斑鳩に対しハイタッチをする。そして、!ケゲラパニの隣に
居る少女に遅れて気づくと、物怖じせずに近寄って挨拶するだろう。

 「こんちわーっス! ケゲラパニ先輩の友達っスか?
自分は朝山 佐生っス! うちゅーとーいつ部の部長もしてるんっスよ!」

宜しくっス! と握手の手を差し出す。




 「それじゃあ、僕も用事終えたんで失礼します。また何かあったら
宜しくねー、先生」

 雨田も、職員室から少し遅れて出てくる。

「朝山ちゃん、斑鳩君ー。どう? バッチし成功した?」

そして、糸目を僅かに片方開いてケゲラパニと見知らぬ女性に視点を移動させる。

(……『蛇竜』……謎の幽霊が消えた後に、謎の女の子、か)

 偶然か? または、これは符号が合っているのか……。

雨田は、先程起きた未知なる遭遇と、未知なる女性の繋がりも一瞬考えたが。
 それ以上に気になったのは、色黒の女性の『ミミ』だった。

ケゲラパニのミミに対しても関心は抱いてる。愛する存在(ミミ)に対して
性別や人種の境界など無いのだから。

585『照光が灼き焦がす』:2023/06/15(木) 19:12:23
>>583(斑鳩)

『ケゲラパニ』はそもそもは『人探しの手伝い』での付き添いだ。
それは『彼固有の事情』より優先されないのかもしれない。
『斑鳩』は……その少女を『見た』覚えはあまりなかったが、
この広い学園の中、そのような生徒がいる事に不思議は無い。

「……」

少女が何かを言いかける前に――

「華のあル話なラ私もよかっタですガ、
 ハハ、たダの『イトコ』デすよ!
 一緒に留学しテきた、ワタシの『イトコ』」

       「彼女、『グア』と言いマす。
        少し『人見知リ』ですガ」

『ケゲラパニ』から説明があるが、
『斑鳩』はそこに『違和感』を感じ取れる。
余裕綽々の好青年の顔に、一瞬の焦りが生じていた。

「…………『グア』ダ。よろシク」

        ペコリ

『グア』の目は友好や歓迎の色を持たない。『人見知り』――

>>584(朝山・雨田)

「『グア』ダ。………………………よろシク」

『朝山』の握手の手は取られない。

「『ケゲラパニ』……コイツは」

「おお、『グア』!
 もっと愛想よクしないトいけまセんよ」
             「私のようニ!」

             ニッ!

『グア』が何かを言いかけたが、
『ケゲラパニ』は制するように言葉を重ね、
明るく、笑みを浮かべた。

異邦の二人の耳はただそこにある。『愛する』気持ちは届かない。
『雨田を警戒している』――――或いは、もっと『広い』のか?

586斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/16(金) 07:04:08
>>584-585

 「なァんだ、ハトコかぁ〜……期待通りじゃなくてちょっぴりガッカリって感じだが」
 「斑鳩だ。よろしくグアちゃん。」

先手を取ったかいは……あったかもな。
お前、まさか本当に『はとこ』だなんて思ってないだろうな?

声をかけられた際にくるりとケゲラパニに背を向けると
そのまま雨田に話しかける。

 「おっ、雨田ァ〜もちよ も・ち。ハイタッチするか?ヘイ」
 「トムクルーズもびっくりのM・I・P(ミッションインポッシブル)だったが完璧成功だぜ、我らがリーダーの手でな。」
 「後はしらみつぶしの時間さ。」

いま、そこの男……ケゲラパニが焦ったぞ。
ほんの一瞬だったが、確かに焦燥の色が見えた。
視線の揺れか、筋肉のこわばりか、理由は何でもいいが……俺たちにそう見えたのは重要だ。

 「ところで話変わるんだけどさぁ。雨田……あの二人どう見える?」

からかい交じりの声色で、僕はニタニタしながら口元を抑える。

 「はとこらしいけどさァ、あの様子じゃあやっぱりィ……妹の心配する過保護な兄貴ってトコか!?」
 「アタックすんなら強敵かもなァ〜雨田?熱視線か?」

さっきから随分と、そう。つつかれたくない傷を庇っているようにも見える。
遮ってばかりなのも……迂闊に口に出させたくない『何か』を感じる。

噂ばかりで確信はなかったが……尾角は『本物』かもしれない。
この状況、アリーナ内で見た派閥であれ、エクリプスの残党であれ……。

例え多少のリスクをおってでも、自分の『眼』を送り込んでおきたくなる『スタンド使い』!

 (どうにか……利用できないものかな、どうにか利用して……1回のチャンスを掴めないものか?)

(アリーナ内にも派閥がある事は、トライコーンの事で知ってる、エクリプスの残党だというラッパーもいた。)
(もし、この2人がアリーナの派閥内の人間だとして。もし、此処にいる事がある一つの派閥の暴走だったら、派閥間での裏切りだったら……)
(面白くはないだろうな、他の派閥は。同時に、暴走した派閥の力を背信の罪で解体・吸収する絶好の機会!)
(仕掛けたのが残党であれ、一派閥であれ……或いは名も無きニュービーであれ。小角という扇の要(或いは火薬庫)に手を出されて、扇そのものがぐらついてるんだからな。)
(席が限られてるなら……ぐらついてる誰かを蹴り飛ばして座るのが一番だ。)

 「ま、こんくらいで此処から離れよう、調べるにも……先生の目に留まりたくないだろ。」
 「休みも終わっちまうしな。」

俺の妄想ミルフィーユ妄想蜂蜜漬けって感じだな。インセプションでもされたか?

(君は全ての人間が善良だと?コマを回すか?『小角がいなくなった』という現実をまず確かめよう。)

                        オ マ エ
まさか、俺は人の醜悪さを憎悪し続けている。だから斑 鳩の中にいる。

587『晴れ……時々 雨』:2023/06/16(金) 20:32:38
>>585-586

 朝山は『グア』が握手しなかったことに対し、不思議そうに首を傾げたが
ケゲラパニが『人見知り』だと告げると直ぐ笑顔を浮かべ。

 ガシッ  ぶんぶんッ!

「はい、宜しくっス! これで、グアちゃんと私は友達っス!!」

そう、パワフルに勝手にグアの片手に自分の両手を重ねてブンブン振って
友達の握手を行おうとするであろう。




雨田「……うーん、いや斑鳩君。恋愛方面じゃなくってさ」

斑鳩の熱視線と言う言葉に、変わらない糸目と笑顔を浮かべつつ。

雨田「――何か僕達と違って、小角って娘に確かな用事ないのに関わらず
積極的に動いてくれてるなって。それが今更凄く不思議に思っただけだよ」

 朝山は、知り合いであり年上の友人からも連絡あって人を探してた。

 自分もまた、運命の相手『ミミ』に出逢いたいので。その助言として
軽く学園内で頼りになるらしいと言う。ほぼ願掛けで正直そこまで
期待してなかったが、その朝山と同じ人間を探してた。

 なら。斑鳩にケゲラパニ……善意で、あそこまで職員室で
行動を起こそうとするのだろうか?

 『剃刀』のように、決して毒は吐かないものの鋭く切り込んでいた。

単純な善意。そう言う理由で協力する事だって偶にはあり得るのかも知れない。

然し呉越同舟でないものの、全く関連性ない四人が一緒に同じ人間を
探す確率なんて決して高い訳がない。なら、これは偶然でなく『必然』なのだろう。

(俄然……興味湧いてきたなぁ、
小角ちゃん、かぁ)

          ――その娘『ミミ』を、一度直接見てみたいなぁ。

588『照光が灼き焦がす』:2023/06/16(金) 21:23:25
>>586(斑鳩)

無数に層を為す思考は、層であるがゆえ、一層下の『斑鳩』自身の考えが論拠。
内心で自嘲する通り『妄想』に過ぎない可能性は極めて高いにせよ、
しかし…………根底、最下の層、『ケゲラパニ』への違和感は、
決して『確信のない考え』と言い切れるような物ではないだろう。

「ハハハ!! カらかいすギですヨ〜『斑鳩』サン!
 私は嫌いジャありませんガ、『グア』はそういうの嫌ですネ?」

「……言ウマデもアるカ?」

『グア』は『斑鳩』の軽薄な口振に冷たい……口振に、か?
あるいは『より深い部分』に、反応している可能性もある。
この少女は底冷えする程に冷たいが、故に『底が見えそうな気はする』

「オォ、そうでス、そロそロお休み時間終わってしまいまスね!
 『グア』……私タチも、退散すルといたしまショウか!」

まだ見ぬ『悪』が動いているのか?
あるいは。『欲』が動いているのか?

――――或いはそれよりずっと激しく根付く、『正義』の逆鱗か?

いずれにせよこの場で答えを出すのはかなり難しいだろうし、
この場から退散するのは正解に思える。もう、いい時間だ。

>>587(朝山・雨田)

『朝山』の笑みに、返ってくるのは『ケゲラパニ』の笑みだけ。

「…………触るナ。『友好』ハおマエの匙加減ではナイ。
 ……どうシテモやりタイなラ、ソコノ『イトコ』とヤレ」

・・・ネイルで彩られた『グア』の手は掴めない。
パワフルな手は、ただ空振る。何も掴めない。
勿論、望んでもない手を掴み振り回すよりは良いことだ。

「アァー、すみまセン『朝山』サン!
 『グア』は今日ハ、実ハ、とてモ御機嫌斜メなんでス」

          「いヤ、いつモかもしれませんガ! ハハ!」

……そして『ケゲラパニ』は横から『フォロー』する。
気難しい少女と、その従兄。不自然過ぎるほどではない。

「……? 『困った誰かのタメ』に動く。何か不思議ですカ?
 あなタ、とてモクールな人みたいでス!
 『朝山』サンの半分くらイ、パワフルになるトいいでスね!」

『雨田』の疑問には、ごくごく当然だろ?とばかりの返答。
だが、これは『そう』かもしれない。『そういう人間』はいる。
鋭い刃を振るった先は煙。あるいは何もないただの空気だ。
心の刃は、果たして、ただの『空振り』で終わるのか――?

「…………チッ。『ケゲラパニ』……おマエの暇潰シに、
 ワタシまデ付キアウ理由はナイ。…………先に行クゾ」

『グア』は冷え切った目で『朝山』を、『雨田』を見た後、
『斑鳩』に少しだけ視線を止め、それから踵を返し去る。

「アァ! ハハ……スミマセぇん、気難しい『身内』でしてネ!」

『ケゲラパニ』もすぐに後を追いかけそうな雰囲気だ。
何か言っておくことやする事があるなら今のうちだろう。

589斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/17(土) 05:43:14
>>587-588

 (…………。)

再び顔を向ける前に表情を整える。
目元を緩めれば印象は穏やかなものに
口元に笑みを湛えろ、眉をもう少しなだらかに、OK鏡の前で練習したとおりだ。
身体をケゲラパニ達の方へ向ける。
 
 「いや、悪い悪い……初対面相手に失礼だったな。美人さんの前だとどうにもあがっちゃって。」
 「お詫びに今度おきにの映画でも紹介するよ。」

さも悪かったというように罪悪感を交えた声色を。
僕の底まで見させてやる義理はない……が。

 (嘘は下手そうだが、それ故に気づかれそうだな……あまり話さない方が良い。)
 (まぁ……普通なら二度と会う事もない筈だが。)

朝山首領は相変わらず猪突友情(誤字に非ず)している
多分どこぞの空手家の如く後退のネジを外してあるに違いない。

 「なんだ知らなかったのか雨田?世の中には『イイ奴』の方が多いんだよ。」
 「朝山キャップ見ればわかるだろ?」

交友関係は広く浅く、僕も雨田の事はそんなに知らない
偶に人見る時、何か視線ずれてない?という気はするけど。

 「じゃーねケゲラパニパイセン!ハトコと仲良くね!」

去っていく二人に手を振る。
僕にはできなかったからね、それに、これ以外喋ることもない。

幸福に生きるだけなら、剃刀のように斬りこんだり、氷の瞳で覗き込む必要は無い
1.過去を忘れた無知な馬鹿でいればいい、2.妄執にまみれても幸せにはなれない。

3.ただ、私は過去で出来た人間で、時が来れば決着を付けたいだけだ。

590『晴れ……時々 雨』:2023/06/17(土) 19:52:11
>>588

>触るナ。『友好』ハおマエの匙加減ではナイ

>『グア』は今日ハ、実ハ、とてモ御機嫌斜メなんでス

朝山「ん〜〜〜そうなんっスか? それじゃー、また今度一緒に
時間があって、気が向いたら私のクラスに遊びに来て欲しいっス!!
 今日も放課後、うちゅーとーいつ部の恒例作戦会議で
パンケーキ作りするつもりなんっス!」

少し、冷たい返答に口をタコのように突き出して落胆めいた表情を浮かべるものの
直ぐに良いことを思いついたと言わんばかりの笑みで、そう饒舌に告げる。
 グアちゃんも、気が向いたら来るっス! と満面の笑顔で
そう相手の意思を理解しない招待をするだろう。



そんな彼女を横目に、斑鳩へ対して『雨田』は返答する。

「まー、朝山ちゃんは……ちょっと見ない感じの子だから
あんまり参考例にはならないんじゃない?」

朝山と言う人(ミミ)は、眩しい程に煌めきあるものの……正直
食指が動く程ではない。疵はなく、もし手に入るなら欲しい程度の
欲求はあるものの。雨田にも好みがある。その好みから少々外れてると言う点で
彼女は、自分の中では正直深く踏み来ないし、踏み込まれるのも気が引ける。

 「さて、と。それきゃあ用事も終わったようだし。
小角ちゃんと何とか連絡出来そうなんでしょ?」

この辺が、自分の『潮時』だろうと。雨田も結論付ける。

「もし、連絡出来て。会うようなら、僕も出来れば誘ってよ
一つ、その娘に占ってほしい事があってさ。
 運命の相手について、見たいな。
はは、僕もそう言う事柄には意外と関心あるんだよ」

 それじゃあね、と雨田は最初から変わらず糸目と微笑みを引っ提げて
朝山と斑鳩に、ケゲラパニとグアに対しても軽い別れの挨拶を
向けたのと同様の掛け声で彼は立ち去る。

……雨田も、去っていった。これで、朝山と斑鳩。
『小角』へ接触を試みようと残ってるのは、二人のみだ。

591『照光が灼き焦がす』:2023/06/17(土) 20:32:00
>>589(斑鳩)

『グア』は『斑鳩』の詫びに鼻を鳴らすと、
それ以上は特に何も返しては来なかった。

「ハハ! どうモ、ありがとうネ。
 『斑鳩』サンも良い友達と過ごシてくだサい!」

『ケゲラパニ』と『グア』……
二人が『何』なのかは今は『わからない』
世の中には『わからない』事がたくさんあるし、

       その大半はずっと、そのままだ。

無理に光を当てたとて、灼けつくだけかもしれない。

      ……いずれにしても。
        これで、『朝山』と二人、残される。

>>590(朝山・雨田)

『グア』は『朝山』の態度にも一切の軟化を見せず、
無言でそのまま立ち去ってしまった。

「私モ――『占い』ニハ、興味ありマす。
 ですガ、この後はとても忙シい。
 また今度……何か『わかっタなら』教えて下サイ」

           ニッ


      「それデはね!
       皆サん、また会いまショウ〜」

そうして『ケゲラパニ』も笑みを残して立ち去り、
残されたのは――『小角の能力』目当ての二人だけという事になる。

592斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/06/17(土) 23:52:40
>>590

さて、この後どう動くべきか?授業を受けて放課後に探すのが一番波風が立たないが。
音信不通の女の子を探すなら急いだ方が良いだろう、単なる『インフルエンザ』だと連絡はされたそうだが。
……もし『嘘』だった場合、彼女の家の中に誰がいるのだろうか?

 「ん〜……」

授業の単位とくだらない夢
どちらが僕にとって大事なのか?

 「フケるか。」

住所を数軒回るなら脚がいる、まぁ僕はアレがあるとして……
朝山首領をチラリとみる。

 「首領、バイク乗れたっけ?」

593白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/06/22(木) 17:26:22

「…………」

昼休み――学内のカフェスペースは、
高等部以上の生徒が多い印象がある。

ミルクティーのような色の長い髪と、深い青の瞳。
『白岸・ノエル・トーリ』も、高等部の三年生だ。

        コト

この時間は、混雑している。

相席になった相手――>>594に会釈して、席に着く。

594白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/06/26(月) 10:48:52
>>593(撤退)

相席したクラスメイトとしばし談笑した後、席を立った。

595白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/07/29(土) 23:30:19

学園敷地内を歩いていた時、
トーリの手元に一枚の『紙』が飛んできた。
猛暑日を和らげる風が、それを運んできたのだ。

「……」

『夏季制服』に汗の雫を落としながら、
ゆっくりと、それを拾い上げて周囲を見渡す。

それが何の紙かはまだ見ていない――どこから来たのだろう?

596熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2023/07/30(日) 10:16:32
>>595

『紙』を手に取る白岸
『紙』には手書きで何かの文字が書かれているようだ
薄らと透けて見える中身にはどこかの地名が書かれているようだが・・・・

「ごめんなさい。こちらにゴミが飛んできませんでした?」

周囲を見渡す白岸の背中に若い女性の声がかけられる
この『紙』の落とし主だろうか?

「メモ書きが飛んで行ってしまって」

597白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/07/30(日) 10:56:30
>>596

「……はい。トーリがそれを、拾いました」

声にほんのわずかに背が跳ね、
ミルクティーのような色をした髪が揺れる。
すぐに『探している相手』と理解し、返答した。

「中身は。見ておりません」

『ゴミ』という言い方からして、
見て問題があるとは思えないが、
念のため、その点には触れておく。

「一度、地面に落ちてしまったから……
 少しだけ、汚れてしまっていますが」

      「良かったです。
       水溜まりに落ちなくて」

そしてゆっくりと振り返り、声の主の姿を確かめる。

598熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2023/07/30(日) 11:29:34
>>597

振り返って声の相手を見てみると、そこには一人の女性が立っていた
ふわりとしたヘアメイクに穏やかな白を基調としたブラウス
比較的若年層ながら私服姿のその女性は大学部の学生であろうか

「水溜りに落ちていたら手が汚れてしまうものね
 良かったわ」

目を細め、敵意のない笑みを浮かべながら接近する

       ちらっ

「あなたは高等部の学生さん?」

女性は白岸の制服に一瞬だけ視線を落とすと
『紙』を受け取るために手を伸ばしながら話しかける

599白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/07/30(日) 12:04:29
>>598

「お気遣い。ありがとうございます。
 トーリの手は……汚れてもかまいませんが、
 汚れた手で差し出さずに済んで、良かったです」

青色の双眸を手元に落とす。
紙についたわずかな砂埃を払い、差し出した。

「はい。『高等部』の三年生です。
 ……あなたは、大学部の方ですか?」

高等部までの生徒は概ね制服だ。
改造でもはや原型を留めていないとしても、
どこかに『制服らしさ』が残っている。

「大学部の方と話すのは初めてです。
 あまり、交友が広くないので……」

そして、素朴な感想を述べた。
『学校生活』を楽しむ上で、何か良い機会にも思えた。

600熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2023/07/30(日) 12:17:05
>>599

「ええ。去年まではあなたと同じように制服を着て学校に通っていたの」

言外に『大学一年生』である事を示す
浪人の可能性は少したりとも考慮していない

受け取った『紙』は・・・・ルーズリーフであるが、
それは折り畳まれたまま受け渡される
何かの調べごとのような雰囲気だ

「三年生だと色々と大変でしょう?
 受験勉強もこの時期には夏期講習とかもあるし」

601白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/07/30(日) 14:37:03
>>600

「そう、なのですね。
 とても。大人びて見えるので、驚きました。
 トーリも……来年には、そうありたいです」

『老けている』という意味ではないし、
その点は解してもらえる相手だろう。

「はい。勉強時間が増えました。
 内部進学をさせていただく予定ですが、
 だからこそ、勉学に手は抜けませんね」

     「多少……息抜きはしますから、
      大変なだけでは、ありませんけど」

『エスカレーター式』とも揶揄される制度だが、
広いとはいえ『門』はあるし……無かったとして、
基礎的な教養を身に着けておかない理由もない。

「それは。大学の、課題か何かでしょうか?
 ……あくまで、興味本位の質問ですが」

勉強の話から繋げる形で、『それ』に視線を向けた。

602熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2023/07/30(日) 15:07:27
>>601

「うん。長丁場になるから息抜きは大事だよね」

笑みを浮かべながら答える
とはいえ、相手は自身よりもよっぽどしっかりとしているようだ

「ああ、これ?」

「別に課題の為の資料ではないわ
 一言で言うと・・・・」

と、話題の対象が先ほど拾ってもらった『紙』へと移る
少し恥ずかしそうに目を伏せて、折りたたまれた中身を外に出す

「・・・・ちょっとした、『興味の対象』
 ・・・・って事になるのかな?」

紙面に書かれていたのはいくつかの『地名』
『旧■■トンネル』、『〇〇地区』、『〇×ビル』、『鈴蘭畑』・・・・

噂話や都市伝説に詳しい者であれば、それらの地名が
星見町内で不審な事故や事件が起きたとされる奇妙な噂の舞台である事がわかるだろうが・・・・

603白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/07/30(日) 15:42:23
>>602

「はあ。なるほど……」

紙面に並ぶ地名の共通点を、トーリは『知らない』

「見せていただいて、ありがとうございます」

      ペコリ

だが、それでも『逆説的に』感じる部分はある。

「……推理をするようで、不躾ですが。
 『肝試し』の会場には。合った場所が多そうですね。
 廃墟に近づく是非は置いておけば、ですが」

鈴蘭畑にはさほどイメージが無いが、
他の地域はどれも『治安の悪いイメージ』があった。
鈴蘭畑も、『鈴蘭』という花の持つニュアンスが、
そこはかとなく『不気味さ』を醸し出す。

「『ホラー』が。お好きなのですか?」

それを興味の対象とするあたり、『ホラー趣味』なのだろうか?

604熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2023/07/30(日) 16:01:28
>>603

「ふふっ・・・・」

「大学生にもなって、こんな事に興味があるだなんて
 ・・・・それも自分よりも年下の子に言うのはちょっと恥ずかしい気分ね」

照れ臭そうに答えるその姿からは
白岸の推測が『正解』である事が暗に感じられる

>「『ホラー』が。お好きなのですか?」

「・・・・・・。」

「ええ。大好きなの。こういうの」

少しの間をおいてそう答える
当たらずとも遠からず、という事だろうか

「あなたは・・・・ああ、ごめんなさい」

ふと、互いに相手の名前を知らない事に気が付いた

「私の名前は『熊野 風鈴』
 清月大学の経済学部、一年生」

「あなたのお名前も教えてもらってもいいかしら?」

605白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/07/30(日) 16:33:03
>>604

「トーリは……理解の浅いジャンルですが、
 『趣味』に。貴賤は無いのではないかと、思います」

他人を害さない限りは、だが。
『まさかそんな事をする人間には見えない』し、
そこをあえて触れる理由もない。

「ああ……そう、でしたね。
 名乗るのが遅れ、申し訳ありません」

       スッ

顔を上げてまっすぐと、目線を合わせる。

 シラキシ
「白岸・ノエル・トーリと、申します。
 大学で何を学ぶかは、まだ、決められていません。
 それから……趣味は、お菓子を作る事です」

「熊野さん。よろしくお願いいたします」

それから、やはりまっすぐと頭を下げた。

「『経済学』……『政治・経済』の時間に、少しだけ習いました。
 お金を扱う、大切な学問だと。それも、トーリの知らない世界です」

「……なぜ、その学部を選んだのですか? 良ければ、参考にしたくて」

606熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2023/07/30(日) 17:09:09
>>605

「ありがとう。白岸さん
 あなたの趣味も素敵だと思うわ」

『趣味』について語り合う二人
現代においては個として自立した人間が何を趣味にしていようと人それぞれだろう
・・・・・無論、それは誰かを害す事がないというのを前提としているが

>「……なぜ、その学部を選んだのですか? 良ければ、参考にしたくて」

「・・・・・ごめんなさい」

白岸から投げられる些細な質問
それに対する答えは回答ではなく謝罪の言葉であった

「期待に応えられるような理由はないの
 夢があるわけでも、目的があるわけでもなくて」

「・・・・・お父様に」

「将来的にある程度の学歴がある方が『安心』だと言われて
 言われるがままに進路を選んだだけ」

「高校生のあなたに夢がない話をしちゃってごめんなさい」

607白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/07/30(日) 19:15:46
>>606

「ありがとうございます。
 お菓子は。作り方が決まっているのが安心します。
 安心するための趣味……『ホラー』とは逆ですが」

「どちらも素敵で間違いないと、思います」

頷き、『学部選びの理由』にゆっくり相槌を打つ。

「そう……なのですね」

(うらやましい。……強い指針があることが)

思いはするが、口に出さない。
自由の価値は理解している。

「いえ。私こそ、無遠慮な質問でした。すみません」

        スッ

首を横に振る。

「よかったら。大学の事をまた教えてくれませんか?
 学部選びもですが、大学生活をトーリは知りません」

そろそろチャイムが鳴る時間だ。
言外にこの場での別れを伝えつつ、問いかけた。

608熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2023/07/30(日) 20:20:27
>>607

「いいえ。私の方はそんなに気にしてはいないもの
 それにお父様の言う事は正しいわ
 将来目指すものが決まっていないなら、選択肢が多く取れる方がいいもの」

(本当に、正しい事だわ・・・・)

(正し過ぎて嫌になるくらいに)

            フッ・・・・・・

ゆっくりと頷きを返す

「ええ。勿論
 私なんかの話で良ければいくらでも
 ふふっ・・・・ ちょっとしたオープンキャンパスの気分ね」

スマホを取り出し、連絡先の交換を申し出る
断られたら無理強いはしない

「それでは、白岸さん
 時間が空いた時にでもまたお話しましょうね」

そう言って熊野はこの場を離れていった

609白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/07/31(月) 02:28:48
>>608

「……そう、ですか。そうなのですね」

確たる指針を与えてくれる親がいること。
率直に言えば…………やはり羨ましい。

だがそれを口にしない良識と、
顔に出さない性質がトーリにはあった。

「ありがとうございます、熊野さん。
 今度は……時間がある時にお話ししましょう」

           「それでは……また」

       スタスタ

背中を少しだけ見送ってから、トーリもその場を去った。

610御子神『イン・ジャスティス』:2023/07/31(月) 15:06:15

夏休み期間中の清月学園
出入りする人間はまばらであり、閑散としている
遠く、練習中の吹奏楽部の演奏と運動部の掛け声が聞こえる

「・・・・・・・・・・・むぅ」

そんな炎天下の日中
黒いマントを羽織った偉丈夫が校門の前に佇んでいた
かれこれ1時間になるだろうか。その間、スマホを弄る事もなく、じっと門を見つめている

男の髪は白く、厳めしいその肌にはじわりと汗が滲んでいた

611真白『ユキカゼ』:2023/07/31(月) 22:15:53
>>610
(うわぁ〜・・・・・・)

学校備え付けのトレーニングルームを借りようと登校して来たが、校門に黒マントの男の姿を見つけた。
口に咥えた紙パックジュースのストローを噛みながら、思案する。

(明らかに不審者! なんだけど・・・・・・。
 う〜ん。誰かの保護者かもだし。初手『斬る』は論外。
                  ハジメノ カンモン
 ・・・少し話を聞いてみて、『バカな風紀委員』辺りにブン投げてみるか〜)

 ジュル  ジュル ・ ・ ・

「ぷはっ・・・え〜っと、そこのオジサン?」

ジュースを吸いきって、恐る恐る、声をかけてみる。

612御子神『イン・ジャスティス』:2023/07/31(月) 22:45:41
>>611

「ほう・・・・小娘か」

男はギロリと真白に向けて視線を向けると
荒々しい口調でそう口にした

「己(おれ)に話しかけてくるとはなかなかに『勇気』があるな
 うむ・・・・良い機会だ。ひとつ貴様に聞きたい事がある」

ククク・・・・と、機嫌が良さそうなくぐもった笑い声
ギラギラとした瞳が真白の全身を値踏みする様にねめつける


「この学校に、白髪の子供はいるか?」

613真白『ユキカゼ』:2023/07/31(月) 22:58:26
>>612
(話しかけるのに『勇気』が必要だと思うなら、
 校門に陣取るの止めたほうが良いでしょ・・・・・・・)

と、ツッコミを入れたくなったが、グッと堪える。
只者ではない雰囲気が強い。


「白髪――って。
 ・・・・・・私?」

髪を一房、無意識に撫でる。
はて、人探しをされるような事に心当たりは――無くはない、が。

614御子神『イン・ジャスティス』:2023/07/31(月) 23:09:09
>>613

「『白髪』・・・・・・」

見れば話しかけてきた少女の髪も一房だけ白い
視線が一瞬だけそちらに向き・・・・

「そんな『紛い物の白』ではない」

『紛い物』扱いした

「己が求めているのは完全なる『白』
 クククク・・・・・ちょうどこの己のようにな」

襟足の長い白髪が太陽光の下で薄く光を通す
それ程の高齢には見えないが、老人のような白だ

「そして、年齢も違う
 貴様よりも年若く・・・・そうだな、12歳といったところか」

615真白『ユキカゼ』:2023/07/31(月) 23:23:14
>>614
「んなっ! 『紛い物』だとぉ!」

ファッションではないし、
自分だってオシャレを追求してる訳ではない。
が、年頃としては多少自慢の髪を『紛い物』扱いされるのは憤慨だ。

「本気で失礼なオジサンだなっ。
 人に物を尋ねる態度を知らないの?」

「まぁ・・・私は心当たりないけど。
 年下はなあ」

この学園も広い。
同級生でもよく知らないのに、下級生となると手が回らない。

616御子神『イン・ジャスティス』:2023/07/31(月) 23:36:52
>>615

「何ぃ・・・・・?」

     ズズイっ!

紛糾する真白の言葉を無視するように、彼女の顔に己の顔を近づける
・・・・・いや、正確に言えば真白の持つ一房の白髪に顔を近づけているのだ

              すっ・・・・

抵抗を受けなければ右手で彼女の白髪を軽く掬おうとする

「染めているのではないな」

「これは・・・・地毛か・・・・・」

                     クククク・・・・・

「己は・・・・『間違えて』いたようだな・・・・く、ククク・・・
 ぐ、ぐ、うっ・・・・! おぉっ・・・・・・・・・!!」

       瞬間!

              全身を稲妻に撃たれたかの様に男は仰け反り!

    地面を・・・・・・転がり回るッ!!

617真白『ユキカゼ』:2023/07/31(月) 23:59:05
>>616
「むっ・・・」

髪を触られるのに抵抗がないとは言わないが、
どうも悪意とか嫌らしい感じはしない。軽く触るぐらいなら見逃そう。
マジマジと見られるのは、少し恥ずかしいが。

「そう。地毛! 理由は・・・・・・私にも良く分かんないけどね。
 こんな私でも、ここのケアには多少・・・気を・・・使って・・・・・・?」

誤解が解消したのを良いことに、自慢をぶつけようとした矢先。
眼の前で、男が悶え苦しみ始めた。突然の事に、全く理解が追いつかない。

「何、何何!? なんなのこの人!? ・・・いや、救急車!?」

慌てながらも、カバンからスマホを取り出す。
どう見ても尋常ではない様子だからだ。

618御子神『イン・ジャスティス』:2023/08/01(火) 00:04:15
>>617

       「待て・・・・!」

  はぁーっ! はぁーっ! と息を荒げながら
   119をCallする真白の動きを手で制する

「その必要はない
 己は『間違い』に対してアレルギーな体質でな」

    「じきに治まる」

相手の動きを制する様に掌を真白に向けたまま立ち上がる
息はまだ荒いが、深呼吸を繰り返してゆっくりと調息しているようだ

「『紛い物』と言ってしまった事は謝罪しよう
 よく見てみれば、手入れの整った・・・・ああ、良い髪だ・・・・」




             「もっとも、己の妻ほどではないがな」

619真白『ユキカゼ』:2023/08/01(火) 00:18:43
>>618
「いや、『間違い』アレルギーって・・・」

つくにしても、もう少しマシな嘘というものがあろう。
それほどまでに隠したい何かを、この男は抱えているのか。
頭の中で、様々な言葉が飛び交う・・・・・・。

炎天下でも黒いマント・・・
    体温調整に不具合・・・
         歳の割に白髪・・・
             突然の発作・・・
             支離滅裂な会話・・・

(ま、まさか・・・!?)

学校でも口を酸っぱくして言われる『アレ』に思い至る。
具体的に名前を出すとやばそうな『アレ』。『ディアボロの資金源』だ。
まさか――星見町に蔓延しつつある?
これはもしや『9』を『0』にすべきか?
だが、そんな思考は男の褒め言葉によって遮られる。

「い、いや・・・出来れば一目で気付いて欲しいけどね。
 分かってくれれば良いんだけど・・・」

そうだ、そんな事があるはずはない。
本当に『間違い』アレルギーなのだ。
それで自分の『髪』に気付いたのだから良しとしよう――。

「いやそこは素直に褒めようよ! なんだよこのオジサン!」

真白はキレた。

620御子神『イン・ジャスティス』:2023/08/01(火) 00:33:56
>>619

「・・・・確かに、貴様の髪は良く手入れが行き届いており美しい
 それは素直に認めよう」

「だが・・・・己自身に嘘をつく事は出来ぬ・・・・!」

炎天下に出会った奇妙な風体の男
危ない『アレ』による影響を考える真白であったが、その口振りは極めて理論的だ

「妻の白髪の方が、美しさは・・・・・上だ
 その事実を・・・・歪める事は己には出来ない・・・・!」

『のろけ』・・・・なのだろうか?
キレる真白に真っ向からそんな事を言い始める

621真白『ユキカゼ』:2023/08/01(火) 19:39:39
>>620
「はぁ〜ン・・・?」

偶然出会った見ず知らずの少女に、唐突に『のろけ』をする。
その理不尽さ、本当に『間違い』アレルギーならば『ありえる』のだろうか?
より美しい妻がいるのに、他人を褒めるのは『間違い』だと分かっているから言えない・・・・・・。

「・・・・・・はぁ。分かったよ。
 貴方の奥さんの方が美しいっていうの、
 別に私がムキになって否定する事じゃあないしね」

「また路上で苦しまれても困るし」

一先ず、そこで納得する。
『アレ』云々も思い込みすぎだという事にしておこう。

「・・・・・・とはいえ。私以外が『納得』するかどうかは分からないから。
 一つ言っておくけど、めちゃくちゃ不審者だからね」

姿格好、あまつさえ、『子供』の情報を欲しがるのは、怪しすぎる。

622御子神『イン・ジャスティス』:2023/08/01(火) 21:08:23
>>621

「助かる」

真白の内心でどんな『納得』がなされたのか
それに思いを馳せる事はないが、彼女の大人な対応にはひとまず感謝の念を捧げた

「思い出の中の妻の姿はいつでも美しい
 あれから12年か・・・・」

「・・・・・・・む?」

独り言のように呟いていたところで、自身が『不審者』扱いされている事に気付く

「己のどこが不審だと言うのだ?」

623真白『ユキカゼ』:2023/08/01(火) 21:27:27
>>622
「どこが――って。何もかも、だけど」

マジで分かってないのかな・・・という風に、頭を掻く。

「一番はその格好!
 よりにもよって学校の前で、その『黒マント』は不味いでしょ。
 それこそオジサンのいう『間違い』。ファッションが場所にあってないよ」

恐らく学校の周辺でなくとも、奇異な目で見られること間違いなしである。
学校の周辺なら尚更だ。逆によく今まで通報されなかったな!

624御子神『イン・ジャスティス』:2023/08/01(火) 22:06:55
>>623

「いいや・・・・小娘よ」

     バサバサバサバサ・・・・・

炎天下の日光を浴びながら、強風を浴びてマントがはためく
黒一色のように見えたその布地は、所々に異なる色合いが重なり合っていた

「己のこの『装束』は仲間たちとの絆の証だ
 そう簡単に脱ぎ捨てるわけにはいかない」

   赤茶色の染み・・・・
    あれは【血】の色だろうか・・・・

「小娘。貴様にもあるだろう
 二十に満たない年月しか生きてなかろうと、仲間との強き想いが」

625真白『ユキカゼ』:2023/08/02(水) 21:03:22
>>624
「・・・その色、まさか」

自分の推測が正しければ、あれは『血』で染められた色だ。
かなりの『修羅場』をくぐっている・・・。

「・・・ごめんなさい、って言っとくよ。
 『想い』の大切さっていうのは、理解できるからね。
 軽々しく『脱げ』なんて言うものじゃない・・・・・・」

「でもやっぱり怪しいから、『対策』は考えたほうが良いと思うよ?」

そこはそれだ。
重ねた『想い』が強くても、多くの人には伝わらない・・・残念だが。

626御子神『イン・ジャスティス』:2023/08/02(水) 21:24:02
>>625

「理解してくれてありがとう
『辺石町』を出てからは、誤解のせいでトラブルが起きた事もあるからな・・・・」

    バサバサバサ・・・

彼女らの心配もよそに黒衣ははためく
染みの色は完全に布地に沈着している
十何年も昔のものだ。無理はない

「『対策』か・・・・・」

「除菌消臭剤を試してみるか・・・・・」

そう言いながらくるりと背後を振り返ると
そのまま脇目も振らずにこの場を立ち去っていく

「娘よ。質問に答えてくれて感謝する
 貴様の善意が、優しさが、この先も続く事を祈っているぞ!」

627真白『ユキカゼ』:2023/08/02(水) 21:43:19
>>626
「あー、うん。
 オジサンも・・・探してる子が見つかるといいね!」

黒マントの男に、声をかけて見送る。
友達には・・・『悪い人じゃないと思うけど、近寄らないように』と言っておこう。


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