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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2

1『星見町案内板』:2021/02/26(金) 23:22:22
『H城』の周囲に広がる『城址公園』の敷地を共有する『学び舎』の群れ。
『小中高大一貫』の『清月学園』には4000人を超える生徒が所属し、
『城郭』と共に青春を過ごす彼らにとって、『城址公園』は広大な『校庭』の一つ。

『出世城』とも名高い『H城』は『H湖』と共に『町』の象徴である。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647476/

628夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/08/16(水) 01:46:42

「わたし『ミネラルウォーター』のシュルイあてるのトクイだって、
 はなしたコトあったっけ??」

空き教室の一室で、一緒にいる相手に話し掛ける。

      「『カワのミズ』」

          コトッ

      「『イケのミズ』」

          コトッ

     「『ミズウミのミズ』」

          コトッ

三本の『ペットボトル』を机の上に並べていく。
中身は『鵺鳴川の水』と『烏兎ヶ池の水』と『湖畔の水』だ。
当然『煮沸消毒』はしていない。

「いや〜〜フトおもったんだよね〜〜!!
 こういう『シゼンのミズ』って、どんな『アジ』するのかなって!!」

        クルクルクルクルクル

「ナツの『ジユウケンキュウ』として、
 イマから『テイスティング』しようとおもうんだけど、どう??」

片手に持った『ストロー』を回しながら、サングラス越しに目を輝かせる。

629功刀 初雪『サクラ・ブルース』:2023/08/16(水) 02:11:45
>>628

『保健室登校』の常連である『功刀』だが、
『同級生』との面識はさすがにある。


         コトッ

            「『汚水』」

         コトッ

            「『汚水』」

         コトッ

            「……『汚水』」

学生服の上に羽織った『羽織り』の袖を口元に添えて。

「聞いた気はするけれど……バッカじゃないのかしらぁ?」

露骨に眉をひそめて『ボトル』から顔を離すようなしぐさをする。

「悪いことは言わない。やめておきなさいな。
 この虎穴にいるのは『虎児』じゃあなくて、
 得体のしれない虫だの菌だの……気色悪い物だけ」

          「けほっ」

「病院で過ごす夏休みはつまんないわよぉ」

丸眼鏡越しの視線に輝きはなく、辟易の色を織り成していた。

630夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/08/16(水) 04:17:26
>>629

傍から見れば、夏休みの残りを棒に振る『命知らずの行為』であり、
『それだけ』で済んだら、むしろ『ラッキー』だろう。

「いやいやいや、そういうワケにはいかんのだよ。
 なんてったって、わたしは『アリス』だからな!!
 イッカイきになりだしたらキチンとカクニンしとかないとヒルネもできないって、
 わたしのナカの『コウキシンさん』がいってるぞ!!」

      クルクルクルクルクル

「フフフフフ――――『アマチュア』にはオススメできないけど、
 アリスは『セミプロ』だからヘーキだ!!
 フユに『スズラン』も『アジミ』したコトあるし!!
 なんか…………こう『ピリッ』として『スリリングなフレーバー』だった!!」

        ――――――ピタッ

『ストロー』を回していた手が止まる。

     ズ ギ ュ ン ッ

そして、『人型スタンド』が現れた。
輝く『金髪』が緩やかに靡き、全身に纏うのはカラフルな『光のリボン』。
両目を覆う『青いリボン』は『サングラス』と同色だ。
鋭利な切っ先を有する『爪』は、『ネイルアート』を思わせる。
そのヴィジョンは総じて、『本体自身の姿』に似ていた。

「よし!!『カワのミズ』からいってみるか!!
 たぶんコレがイチバン『わかりやすい』とおもうんだよね〜〜。
 ほら、『ナガレ』があるからさぁ」

ペットボトルの栓を開け、迷いなくストローを差し込む。
もちろん『超人的味覚』は『移植済み』。
ちなみに『スタンド使いである事』は教えてなかったが、本人は忘れてしまっていた。

631功刀 初雪『サクラ・ブルース』:2023/08/17(木) 00:36:21
>>630

「どんな穴にでも飛び込まないと気が済まないの?
 虎児のいない穴にはウサギもいない。
 『墓穴』の底まですってんころり……そんなのつまんないわ」

          ヒュルン

「まっ…………好奇心の価値は否定しないけれど。
 せっかくならもう少し、面白いものを楽しんだらぁ?」

『純白の小太刀』……それを『手に発現』させ、
『峰』の側でこつん、と『ペットボトル』を打つ。

もう片手は口元に残している――――表情を気取られにくいように。

「身近に『使い手』がいるのは驚いたわ。
 『そ・れ』…………私の知っているのとは、随分違うのねぇ」

        ツイッ

刃を持つ手を返し、手の甲で『ヴィジョン』を指し示す。

「なかなか『見目麗しい』じゃない」

『夢見ヶ崎』に酷似するその姿は『初雪』の知る常識とは違っている。

632夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/08/17(木) 01:51:27
>>631

「もしかしたら『トラ』と『ウサギ』が『おちゃかい』してるかもしれないじゃん??
 あとから『キリン』もきたらどうしよう??
 なるべく『テンジョウ』たかくしとかないと!!
 『ふきぬけ』にして『アカリとりよう』の『マド』もほしい!!」

            ピクッ

    「ほうほう??『ユキちゃん』よぉ〜〜〜〜」

                 ジッ

          「『ソレ』は――――――『アレ』だ!!」

思わず興味を引かれ、反射的に『小太刀』を見る。
詳しくないので、分かるのは『小さい刀』という事くらいだ。
この手の形は初めてではないが、なかなか珍しいタイプだった。

「そういや『カタナ』のヤツ、まえドッカでみたな…………。
 『ブラック・ムーン』だっけ??『くろいカタナ』だった」

以前に戦った相手。
その中に『刀』を使うヤツがいた。
だからどうだという訳でもないが、何となく思い出したのだ。

「でもさぁ、コレは『しろいカタナ』だよねぇ〜〜。
 しっくりくるカンジがグッド!!」

「そしてアリスは、またあたらしい『ウサギ』をみつけてしまった!!」

        つまり………………『ユキウサギ』か!!

     「う〜〜〜〜〜〜ん」

ストローに指先で触れながら、目を閉じて小首を傾げた。

「たとえるなら『にちようびのコウサテン』。
 『ヒトがザツゼンとながれてる』みたいなカンジ。
 さすがに『シゼンのミズ』は『フジュンブツ』がおおいな!!」

『超人的四感』の一つ――――『超味覚』によって、ストロー越しに『味』を感知する。
やはりというか『雑味』が強い。
『ビョーインでナツやすみ』がイヤなコはマジでマネするなよ!!

633功刀 初雪『サクラ・ブルース』:2023/08/17(木) 05:04:47
>>632

「あなた……前からそこまでぶッ飛んでたかしらぁ?
 イカれてるのは帽子屋だけで結構っ。正気は10シリングじゃあ買い戻せないわ」

小さく鼻を鳴らす。

「ともかく、語彙も経験も豊富でお羨ましいこと…………けほっ」

        「とはいえ、褒められて悪い気はしないわ。
         『美術品』や『舞台道具』ではないにせよ、
         理想は『羊頭羊肉』
         見た目の優美さも、また『質』なのだから」

言葉の奥から読み取れたのは『刃物は珍しい』ということだ。
もしいくらでもいるなら、『1つの例』を挙げるとは考えにくい。

「……そうすれば『飲まなくてもわかる』 の?  
 さしずめ、あなたの言うところの『窓』を作る能力ということかしら。
 好奇心が人の形をしたあなたらしいといえば、らしいけれどぉ」

『正体』は知らないが――――便利そうな能力だ、と思う。

「これは『戦う』ためにある力だと思っていたわ。
 結局、千の思考も一見に如かず……勉強にはなるわね」

自分の能力も大いに役立つものだが、『毛色』が違う。
『戦闘の役に立つ』ものばかりが『スタンド』だと思っていたが――――存外奥が深い。

「将来は『ゲテモノ美食家』としてひと財産築けるんじゃあない?
 あなたになら鬼子母神の柘榴が、代用食足りえたのかも分かるのでしょうし」

汚水の食レポに眉を顰めつつ、こうなったのであれば、それを続けることを止めはしない。

634夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/08/17(木) 07:58:48
>>633

「『アリスのアリス』は、なんでもわかっちゃうんだよなぁ〜〜。
 だって『アリス』だし。フハハッ!!」

誇張は混ざっているが、決してデタラメではない。
こうして『出してるだけ』で、多種多様な『最新情報』が手に入るのだから。
今だって、生徒同士の噂話や教師の世間話が、遠くの方から自然と耳に入ってくる。

    「『ドクター・アリス』ってナマエだから、
     ユキちゃんもおぼえてかえってほしいな!!」

           シ ャ ラ ァ ン

『光』のように輝く『金髪』をかきあげる『人型』。

「ちなみに『こういうカタチしたの』がイチバンおおいっぽい。
 アタマがあってウデがあってアシがあってってヤツ!!
 わたしより『ゴージャス』なのは、みたコトないけどさぁ」

一旦ストローを抜いて、『湖畔の水』のチェックに取り掛かる。

  「おん??やっぱチョットちがうな??」

      「コッチは『ヒコージョーのロビー』。
       ヒトはイッパイだけど、それなりにまとまりがある。
       で、たまにうるさい」

             「――――そんなトコ!!」

『水質の分析』を終え、初雪に向き直る。

「いつだったか、トモダチに『ジャーナリスト』が『テンショク』だっていわれた。
 ショージキわるくないな!!
 アリスのユメは『セカイのゼンブをみるコト』だから!!」

「そのコは『ケーサツカン』になるんだって。
 ユキちゃんは、そういうのあったりする??」

         スッ

眉を顰める顔を横目で見つつ、最後のペットボトルに手を伸ばす。

635功刀 初雪『サクラ・ブルース』:2023/08/17(木) 20:39:27
>>634

「『アリス』は『迷い歩く』イメージだけれど――――」

 アリス
『夢見ヶ崎』の能力としては、妥当なのだろう。

「――――『ドクター』を名乗らせるからには、
 それはも〜、なんでもご存じなんでしょうねぇ」

緩やかに刀身を解除し、ごく当然のことを言った。
『湖畔の水』には、もちろん興味を惹かれてはいない。

「味の喩えを『目』でするのは――あなたらしい、のかしら?
 まっ、少なくとも。美味しそうには聞こえないわね」

        フン

「飛行場になんて、ろくに行ったことも無いけれど……」

が、通り一遍ではない程度に、返答はする。

       「『将来の夢』……」
       「けほっ」

                ス…

「……さぁ? 考えたこともないわぁ。
 『多岐亡羊』……やれることが多すぎるというのも、考え物だわ」

口元は大きな袖で隠したまま、『最後のボトル』に視線を落とす。

「『ジャーナリスト』は『後ろ暗い』ことも多い仕事と聞くわ。
 『前向きで明るい』あなたに、果たして向いているのやらねぇ」

そして、揶揄うような声色に話をそらした。

636夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/08/17(木) 23:53:41
>>635

初雪が口にした感想は、さりげなく的を得ていた。
元々は『視力を持たない本体』を補助する為に目覚めた能力だ。
『光あふれる世界』という名の『不思議の国』に来る前の『アリス』。

「『ドクター』っていうくらいだからな!!
 『カラダのつかれぐあい』から『ココロにためこんでるストレス』まで、
 なんでもかんでもイロイロわかっちゃうね〜〜〜〜。
『ツボおしマッサージ』もトクイだぞ」

『人間の匂い』は『心身のコンディション』によって、様々に推移するものだ。
『疲労』が蓄積した人間からは『アンモニア臭』がするし、
『ストレス』を抱えていれば『硫黄臭』が漂う。
『ドクター・アリス』の『超人的嗅覚』は、それを『見抜ける』。
『超人的触覚』と『超人的精度』が合わされば、
『按摩』のような『ツボ押し』だってお手の物。
まぁ、コッチにかんしては、マダマダおおいに『ケンキュウのよち』があるな!!

  「ふむふむ、ユキちゃんもやるなぁ」

          「でも、『ドクター・ブラインド』…………」

     「――――じゃなくて『ドクター・アリス』も『タキボーヨー』だぜ??」

『長い付き合い』だった。
今でも、たまに間違える事がある。
『ドクター』の部分を説明するなら、『前の方』が分かりやすかったかもしれない。

「で、『タキボーヨー』ってナニ??
 『しにせオンセンりょかん』のナマエとか??
 『ウミのサチ』と『ヤマのサチ』でまよっちゃうってコトだ!!
 こんどはソッチのレポートやるか!!」

           ――――――ストン

最後のペットボトル――――『烏兎ヶ池の水』にストローを差す。
これだけは形が違う。
『専用のボトル』だ。

「コレ、『ジンジャのミズ』でさぁ。
 しってる??『カラス』と『ウサギ』の。『300エン』だった」

「『ヌエ』ってヤツがおちたとかナンとか…………。
 ベツに『ミズがひかってる』とかはなかったけど、『パワースポット』なんだって。
 こんどイッショにいかない??」

『烏兎ヶ池』は『霊池』だ。
もちろん飲用の際は『煮沸推奨』。
そのまま飲んで入院する無謀な輩も世の中にはいるだろうが、
夢見ヶ崎明日美は『毒味』をしても無事でいられる。

「ほかにも『コウホ』があるから、ホントに『なる』かどうかはわかんないかなぁ〜〜。
 でも、わたしは『ゼンブ』しりたいから、
 『オモテ』も『ウラ』も『ウラのウラ』もバッチリみとどけないと!!
 『オモテのオモテ』もわすれずに!!」

            キラリ

   「ユキちゃんさぁ――――『カンがするどい』っていわれない??
    あ、ソレも『タキボーヨー』??」

繊細な手付きでストローを玩びながら、
『光のリボン』で隠された『ドクター・アリス』の『眼』が初雪を見つめる。

637功刀 初雪『サクラ・ブルース』:2023/08/18(金) 00:48:26
>>636

「『疲労』や『ストレス』を感じた動物は味が落ちるそうだものね。
 猟師が獣を一撃で斃すのは自然への敬意だけじゃあなくて、
 商品価値のためもあるんだとか…………けほ」

『ドクター・アリス』の能力は『当てづらい』。
味覚が鋭いだけ、ということもないのだろう――――とは考えているが。

「『多岐亡羊』」
「目標も可能性も多ければ多いほどいいとは限らない……という意味よ」

   「あなたには当てはまらなさそうな……つまんない考え方かしら?」

『故事成語』はこの世の真理では無い。
『初雪』自身、それは己を飾り立てる鎧の一つに過ぎないのだから。

「……『烏兎ヶ池神社』の『霊水』。それだけは『知ってる』。
 効能は……『病気平癒』。……全く、いい商売してるわぁ。
 煮沸しないと飲めやしない……獣が漬かったドブ水で、何の病気が治るのかしらね」

                フン

         「餅は餅屋。薬は薬屋。『薬剤師』は『国家資格』」

「ま……藁にも縋りたい気持ちまでは、否定する程子供でもなし。
 …………池の周りの散歩くらいだったら、付き合ってあげても構わないけれど?」

『飲んだことがある』から、ますます興味はない。
もっとも、当然、それは『煮沸』されたものだったように思うが。

「……けほ、『勘』? どちらかといえば、『理論』のほうが好きなのだけれど。鈍いとは思ってないわ。
 そういう言い方をするあたり、あなたの『鵺的』な部分をなにか暴いてしまったかしら?」

638夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/08/18(金) 02:10:14
>>637

大抵のスタンドには『動き』がある。
それがない『ドクター・アリス』は、他人からは何をしているのか分からない。
『視覚』を得た今は尚更そうだろう。

「ユキちゃん、『モノシリ』だな!!
 アリスとしては、『ウサギのあしあと』はおおいほうが、
 『ウサギ』をみつけやすくなってイイかなって!!
 でも、ちゃんと『カイセツ』してくれるとスゲーたすかる」

      「ま、そんな『ウマいハナシ』はナカナカないよね〜〜」

『同級生』だから『身体が弱い』のは知っている。
『霊水』に対して思う事も、おぼろげながら察せるが、深くは言わない。
ただ、『一定の理解』を示した。

    「ほうほう――――」

           「ふむふむ――――」

                  「なるほどなるほど――――」

「『ちょうどイマごろのトショシツ』ってカンジ。
 レイボウがきいてるから、すずみにきてるヒトがワリといる。
 フダンよりハナシゴエはするけど、ヨソよりシズカ」

「よし!!これにて『レビュー』かんりょう!!
 めぼしい『めいがら』を『せいは』したぞ!!」

    スッ

      「ゴチソーさまでした」

                  ポイッ

使い終えたストローをゴミ箱に落とす。
『おいしかった??』ってきかれると、おいしくはないな!!
のむんだったら『エビアン』とか『ボルヴィック』にしとけ。

「あ〜〜〜〜なんかノドかわいたな〜〜〜〜」

        グビグビグビィ

『4本目のボトル』を取り出して口をつける。
自販機で買った『ミネラルウォーター』だ。
何て事のない普通の商品だが、『超味覚』を通して味わうと、
『未処理の水』とは比較にならない程に『クリア』な飲み心地だった。

「――――――うまい!!
 だいいっかい『ウォーター・オブ・ザ・デイ』をジュショウしたのは、
 『とびいりさんか』の『きたアルプスてんねんすい』!!
 カンペキにゴボウぬきのブッちぎりだ!!」

未処理の水を飲み続けていると『ミネラルウォーターの美味しさ』が良く分かる。
あたりまえにある『ミズのたいせつさ』をリカイするイベント。
それが『W・O・T・D』のシュシなのだ。

「『ヌエ』??イケにおちたってヤツ??
 あ、ソイツ『ネイルアート』がシュミとか??」

本体とスタンドが共に小首を傾げ、同じような仕草でカラフルな『爪』を眺めた。
とぼけている訳ではない。
しかし、ある意味『鵺に触れた』のも事実ではある。

639功刀 初雪『サクラ・ブルース』:2023/08/18(金) 21:47:57
>>638

「……人のこと言えない自覚はあるけれど、
 あなたのユーモアは少しわかりにくいわ」

        「もっと素直な方が好み」

   ツイ

明確な返答になるような言葉は使わず、視線を窓のほうに向けた。
外ではセミすら静まる猛暑が渦巻いている。

「……ふ。鵺の趣味は『身体改造』でしょう。
 舌を蛇みたいにする人間はいるけれど、
 しっぽ代わりに蛇をつけるセンスにはかなわないわね」

「……」

          スッ

カバンから自分の水筒を出し、
緩やかにコップをひねって、白褐色の液体を注いだ。

「『正午の紅茶・ロイヤルミルクティー』……
 どんな純粋なお水よりも、結局これが一番美味しいわ」

          グイ

甘い。
奥行きのない、健康でもない甘さ。

「……『池』。行くなら、夏が終わってからがいいかしらね」

窓の外を見たまま、そうこぼした。
空き教室の夏の日は、そのようにして流れていくのだろう――――

640烏丸レイ?『???』:2023/09/27(水) 15:31:54

休日の城址公園――――――

  「 セイギノ シシャ 『レイヴン・ゼロ』 ココニ サンジョウ! 」

         「 テヤッ! トォッ! 」

       「 レイヴン ストラァァァァァァイク!! 」

ヒーローっぽい姿の何かがポーズを決めたり、
高速でパンチやキックを繰り出したり、様々なアクションを行っている。

641烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/28(木) 00:20:33
>>640
「……」
こっそりとその様子を見ていたのは…
レイヴンゼロの中の人こと、烏丸レイである。

「なんでこんなところに…?」
驚いた表情でじっと見ている。
謎のレイヴンゼロ、そのデザインは自分の考えたものと似ている

642烏丸レイ?『???』:2023/09/28(木) 08:05:07
>>641

レイが見ている前で『レイヴンストライク』を放つ謎のヒーロー。
本来は飛び蹴りの筈だが、こちらは跳躍からの踵落としだった。
独自にアレンジを加えているようだ。

    「 コノワタシ 『レイヴン・ゼロ』ガ イルカギリ 」

            ス ゥ ッ

       「 アクノ サカエル タメシハ ナシ 」

着地した状態から静かに立ち上がる姿は、
『レイヴン・ゼロ』に酷似しており、体格までレイと一致している。
しかし、微妙にデザインが違う。
偽者なのだろうか?

643烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/28(木) 21:09:02
>>642
「ちょっと待ったぁ!そこの人!」
ざっと偽物の前にレイは姿を見せる。
ぐっと両手を組んだ状態でポーズを決めている。

「何を勝手にレイヴン・ゼロを名乗っているんです!
 本物はもうちょっとこう…飛び蹴りなんです必殺技は!」
どこかこだわりがあるようだ。

644烏丸レイ?『???』:2023/09/28(木) 22:31:39
>>643

『レイヴン・ゼロ(本物)』こと烏丸レイに気付き、
そちらを振り返る『レイヴン・ゼロ(偽者)』。

        ポ ン ッ !

その直後、『偽者のヒーロースーツ』が消え去り、『変身』が解除された。
仮面の下から『赤茶色のショートヘア』が現れる。
少々ハネた前髪には『稲妻の髪留め』があり、瞳は『グルグル模様の黒』。
真紅とオレンジのコントラストがあしらわれた『炎のようなマフラー』が風に靡く。
その姿は、レイ自身が一番よく知っている筈だ。

「ちょっと待ったぁ!そこの人!」

「何を勝手にレイヴン・ゼロを名乗っているんです!
 本物はもうちょっとこう…飛び蹴りなんです必殺技は!」

レイの目の前で『全く同じセリフ』を口にしているのは…………『烏丸レイ』だ!
完全に『同一人物』!
まるで『鏡』を見ているかのように見分けがつかない!

645烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/28(木) 23:22:13
>>644
「なっ!?」
まさかの自分と全く同じ声、同じ姿。
まるで録音したかのように一緒だ。
一体どういうことか!

「…偽物現るってところでしょうかね…?
 だけど私が本物なんだから!」
そういいつつもじっとみるが
やっぱり自分にしか見えない。

「ちょっと失礼」
そう言って触ってみる
「まさか幽霊…なんてことは」

646ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/09/28(木) 23:46:10
>>645

触れてみると、意外にも普通に触れた。
少なくとも幽霊の類ではないらしい。
もしやドッペルゲンガーか何かだろうか…………?

        ポ ン ッ !

次の瞬間、レイの前に立つ『烏丸レイ』が再び姿を変える。

    「こんにちは、烏丸レイさん」

代わりに現れたのは、『古代ギリシャ風』の装束を身に纏う女だった。
背中に翼を備えた『鳥人』のような姿。
以前、ヒーローショーで共演した『ハーピー』だ。

「失礼いたしましてございます」

       ス ッ

羽毛に覆われた両腕を広げ、恭しく頭を下げる。

647烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/29(金) 00:12:59
>>646
「幽霊じゃない…
 一体何モノ!」
と、声を上げたところで
ポンッ
「うわっ…!」

突然姿を変える何者か

目を開けるとそこにいたのは
「あ、あなたは!
 ハーピーさん!」
驚いた表情で彼女を見つめる。
あの時、ヒーローショーを一緒に行った時以来だ

「またあいましたねー!
 あの時のヒーローショー、とても良かったですよ!
 …しかし私の変装をするなんて何故…」
と考えてから

「というか、このあたりは校内だったような…?」
もしかしたらある程度自由に入れるエリアかもしれないが
学校にいたのも気になるようだ。

648ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/09/29(金) 00:56:37
>>647

思い返してみれば、先程の『踵落とし』にも見覚えがあるだろう。
『アリーナ』で行われた試合のクライマックスに、ハーピーが披露した技。
それと同じモーションだった。

「この近辺は『公園』でもありますので、
 『ニンゲン以外』も立ち入る事の出来るエリアとなっております」

「一般に『公園』とは『公共の場』であり、
 公共の場では『不特定の存在』が出入りを許されているそうでして」

正確に言うと、ここは『城址公園内(>>640)』。
つまり、学校関係者でなくとも入れる範囲だ。
それを考えると、さほどおかしい話ではないが…………。

「実を言いますと、私の『能力』は『変身』なのでございます。
 その力は、たった今ご覧になったかと思いますが」

自らの『スタンド能力』を明かしたのは、今日が初めてだった。
もちろん『正体』は絶対に秘密だ。
いつの日か、この星の『空』を支配する時までは。

「つまり、これを取り入れたヒーローショーを開催すれば、
 また多くの集客が望めるのではないかと」

「題して、『レイヴン・ゼロ』対『偽レイヴン・ゼロ』」

「と――――まぁ、このような趣向はいかがでございましょう?」

あのヒーローショーは、お互いにとって有益なイベントだった。
総合的に見て、レイは中々の『ビジネスパートナー』だ。
機会があれば、また新たな舞台を作るのもいい。

649烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/29(金) 22:59:43
>>648
「…今になって思えばあのかかと落としは
 アリーナで見たことがあるかも…
 あそこで気づけたかもね…そうなると。」
そう言ってじっとその顔を見る。

「あー、たしかに。
 このあたりであれば普通に入れますね。
 ならまあ普通かな…」
この場所が城址公園であることを思い出して
なるほどとうなずいた。


「変身のうりょく…つまり私と同じタイプの能力ってことですか!
 なんだか気が合う気がしますね。」
変身という言葉を聞いてどこか共感するような様子を見せている。
おそらくは、レイの考えている自分自身のような変身能力とはなにか違うかもしれないが

「へー!面白そうな話じゃないですか!
 本物対偽物の戦い…うーん、特撮ならよくあるけどなかなか燃える展開だなー!」
どうやら彼女はかなり乗り気らしい。
特撮大好きな彼女としては、ぜひともやってみたいようである。

650ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/09/29(金) 23:52:21
>>649

『グレゴール・ザムザ』と『ハロー・ストレンジャー』。
どちらも『変身』というキーワードが共通している。
そういう意味では『近い能力』と言えるだろう。

「大方そのようなモノです。
 『レイヴン・ゼロ』に関しては、
 ヒーローショーで良い『データ』が取れましたものでして」

「喜んでいただけたのであれば何よりかと。
 ワタクシ、『ニンゲン』については色々と勉強しております」

        ソッ

言いながら、顎に片手を添える。

「『ニンゲンの世界』では『鉄は熱い内に打て』と申します。
 少しばかり『リハーサル』をしてみますか?」

       ポ ン ッ !

「 コノ ワタシガ イルカギリ ソラノ ジユウハ ワタサナイ 」

『過去に聞いたセリフ』を発すると同時に、
再び『レイヴン・ゼロ』に変身する。
『リアルタイム再現』ではないので精度は低下しており、
やはりヒーロースーツのデザインは微妙に違う。
しかし、『偽者』を演じるなら丁度いいだろう。

          ――――――ザッ

軽く構えを取り、いつでも『アクション』に移れる態勢を整える。

651烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/30(土) 00:26:40
>>650
「あの時のショーで一緒にやったからこそ 
 あれくらいの変身ができたんですねー。
 結構完璧な再現でしたよ」
どこか嬉しそうな様子である。

「人間観察が趣味、みたいな?」
ニンゲンの勉強と聞いて、何気なく理由を考えてみる。

「リハーサル…良さそう!
 ぜひぜひやらせていただきます!」
そう言ってスッとレイを構える。

「フフフ、偽物相手の戦いというのは楽しそうですね。
 燃えてきた!」
そう言ってぐっとポーズを取る。

「『グレゴール・ザムザ』!変身!」
変身ポーズを取るとともにからだが光り輝き、ヒーローの姿に変身した。

「『レイヴン・ゼロ』見参!
 覚悟しろ、偽物め!!」
そう言ってビシッと偽レイヴンゼロを指さして声を上げる。
強い力を感じさせる姿である!

652ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/09/30(土) 00:56:13
>>651

             ヒュォォォ………………

二人の間に吹く風が、それぞれのマフラーを揺らす。
『変身』を完了させた『二人のレイヴン・ゼロ』の対峙。
まさしくヒーローの戦いを思わせる光景だ。

         スッ

おもむろに片手を上げた偽者が、同じように本物を指差した。

  「 カナラズ オマエヲ タオス 」

              バ ッ !

『宣言』と共に素早く踏み込んで距離を詰め――――

                  「 テ ヤ ッ ! 」

レイの正面から、小細工なしのストレートパンチ(スB)を放つ!
もちろん演技なので『寸止め』するつもりだが、
『グレゴール・ザムザ』なら十分に避けられるだろう。
今、戦いの火蓋(ヒーローショー)が切って落とされた!

653烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/30(土) 19:15:43
>>652
「ふっ、いざ参る!」
そう言って腕をぐっと組んだ。
同時に偽物の踏み込みに対して
素早く構え直す


「ふっ!」
寸止めであろうが、そのストレートパンチを速やかに横へと回避した。
そして踏み込んだ相手の動きに合わせて

「とぉっ!!」
寸止め狙いでのローキックを放つ(スB)
もし寸止めでなければ防御姿勢を取らないといけない攻撃である

654ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/09/30(土) 19:45:11
>>653

『偽レイヴン・ゼロ』の拳は空を切り、『レイヴン・ゼロ』の蹴りが放たれる!

  「 ナニヲ ! マダマダ ! 」

      ダ ン ッ !

その場で垂直に跳躍し、ローキックの軌道から逃れる。

       「 トウッ !! 」

           バ ッ !

続けざまに空中から、『踵落とし』が繰り出された!
ヒーローショーというのは、やはり派手な技の方がウケがいい。
微妙に『縦軸』がズレており、
脚を振り下ろしても命中しないように配慮されているが、
一般の子供達からは激しい戦いが展開されているように見える事だろう。

    ――――――どうする『レイヴン・ゼロ』!?

655烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/30(土) 22:18:52
>>654
「これくらいでは倒せないか…!」
ぐっと拳を握って再び地面に足をつける。
そして空中から放たれる踵落とし!

「まだまだ…!
 この程度の攻撃など!」
そう言って両手を組んで力を込める!
どうやら受け止める体制のようだ。

パワー的には拮抗しているため
受け止めることは十分に可能だろう

656ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/09/30(土) 23:03:05
>>655

高速で振り下ろされる踵落としは、恐るべきギロチンのように迫ってくる!
しかし、『レイヴン・ゼロ』は逃げずに立ち向かう!
何故なら、彼女は『ヒーロー』なのだ!

「 ワタシハ コノテイド デハ マケナイ !」

        ガ シ ィ ッ

見事に踵落としを受け止める『レイヴン・ゼロ』!
パワーは『グレゴール・ザムザ』が上回っている為、問題なくガードに成功した。
大技を防がれた事で、『偽レイヴン・ゼロ』は一瞬の隙を見せている。

             ――――――『反撃』のチャンスだ!

657烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/09/30(土) 23:50:22
>>656
「フッ!たとえパワーもスピードも同じでも
 貴様には足りないものが一つある!」
そう言って構えを取る!

「正義の心までは真似られないってことさ!」
レイヴンゼロは踵落としを弾くと同時に
パンチの連打!このまま偽物を追い込んでいくのだ!

「レイヴン・テンペスト!!!」
どうやらこれが必殺技の名前のようだ。

658ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/10/01(日) 00:21:42
>>657

   バババババババババッ!!

              「 ウ ウワー 」

                     ドッゴォ――――――――ン!!

まさしく嵐を思わせるラッシュを食らい、派手に吹っ飛ぶ『偽レイヴン・ゼロ』!
実際には自分から吹き飛んでいるのは言うまでもない。
『ハロー・ストレンジャー』にはダメージフィードバックがないので、
もし本当に当たったとしても全く問題はないのだ。

     ザ ッ

『偽レイヴン・ゼロ』は、なおも立ち上がる。
まだ観念していないようだ。
いや、この『構え』は………………?

  「 コレデ オワリニ スル 」

       ダダダダダダダダダダダダダッ

『レイヴン・ゼロ』めがけて一気にダッシュ!

         「 レ イ ヴ ン 」

           ダ ン ッ !

勢い良く飛び上がり…………!!

    「 ス ト ラ ァ ァ ァ ァ ァ イ ク ! ! 」

最強の必殺技『イーヴィル・レイヴン・ストライク』が放たれる!!
これに対抗するには『レイヴン・ストライク』しかないだろう。
『正義の心』があれば、『悪のレイヴン・ストライク』を撃ち破れる筈だ!!

659烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/10/01(日) 00:38:37
>>658
「どうだ!これが正義の力!」
そう言ってガッツポーズを決めるレイヴンゼロ!
しかし相手が見覚えのある構えを見せた。

「一気に決めに行くつもりか!
 だが私も負ける訳にはいかない!」
そう言ってレイヴンゼロも構えを取り

「見せてやろう!
 本当の必殺技!」
そう言って勢いよくダッシュし、飛び上がる!

「レイヴン…」
そして飛び上がってから勢いよく足を突き出す

「ストラァァァァイク!!」
裂帛の気合とともに放たれる飛び蹴り
これこそが真の『レイヴン・ストライク』だ!

660ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/10/01(日) 00:56:09
>>659

       カ ッ ! !

二人の『レイヴン・ゼロ』が空中ですれ違い、
正義と悪の『レイヴン・ストライク』が交差する!

    ――――――スタッ

着地し、立ち上がろうとするが…………

            グ ラ ッ

「バ、バカな…………!」

『変身』が解除され、『偽レイヴン・ゼロ』の姿が変わっていく。
その正体は『レイヴン・ゼロ』に敗れた『鳥人ハーピー』だ!
『レイヴン・ゼロ』と同じ力を得て逆襲を試みたハーピーだったが、
『正義の心』の前に再び敗れ去る事になった…………!

「一度ならず二度までも…………!
 おのれ…………おのれ『レイヴン・ゼロ』…………!!」

            バ タ ッ

激闘の末に『悪のレイヴン・ゼロ』は滅びた…………。
しかし、『レイヴン・ゼロ』の戦いはこれからも続く!
さぁ、子供達に向けて最後のメッセージだ!!

661烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/10/01(日) 15:00:23
>>660
「ふっ…!」
華麗な飛び蹴りを決めたレイヴンゼロは
そのままくるりと空中で回転し、地面に着地した。
必殺技の締めといえばまさにこれであろう。

「悪の栄えた試しなし!
 レイヴンゼロが全ての悪を打ち倒す!」
そう言ってぐっと天を指さした。


「この空も大地も私がすべて守る!
 それがレイヴンゼロだ!」
そう言って決めポーズを見せた。
子供へのメッセージを見事に伝えてみせたようである。

662ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/10/01(日) 15:42:22
>>661

ヒーローに相応しい名乗りとポーズで凛々しく決める!!
ここがステージの上なら、子供達の拍手や歓声が聞こえてきた事だろう。
今は練習中なので、観客はいないが…………。

     パチ パチ パチ パチ パチ

レイの耳に拍手の音が聞こえる。
そちらを見ると、いつの間にか起き上がったハーピーが両手を叩いていた。
軽く埃を払い、歩み寄っていく。

「リハーサルとしては『上々の出来栄え』と呼んで差し支えないかと。
 本番は未定ですが、良い『データ』が取れましたもので」

「――――結構なお手前でした」

「そういえば、レイさんとは『戦ってみる約束』がありましたね。
 図らずも『それを果たせた』といった所でしょうか」

『アリーナ』の試合を観戦した後に、控え室で交わした約束。
レイとハーピーで『野試合』を行うという話だった。
少々違う形ではあるが、半分くらいは叶った事になるだろうか。

    マ ジ  ヤ         ガ チ
「もし『本気』で戦りたい時は、私も『全力』でお相手いたしますが」

『グレゴール・ザムザ』は強い。
『進化の秘密』を手に入れる為には、
『強いニンゲン』の力を調査する事も必要だ。
しかし――――今日の所は、ひとまず『お開き』になるだろう。

663烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/10/01(日) 17:32:34
>>662
「ふぅ、まるで本物の拍手が聞こえたかのようで…ん?」
ふと振り返ると、そこから実際に拍手の音が聞こえた。
先程の状態から変身を解除したハーピーが拍手をしていた。

「どうもありがとうございます。
 いいリハーサルになったのならこっちとしても…とても嬉しいです。」
そう言って頭を下げ、同時に変身を解除した。
いつも通りの少女の格好に戻る。

「そうですね、これはまぁリハみたいなものでしたけど
 でもやってて楽しかったですよ。」

「うーん、全力での戦いは…
 少なくともここでは無理でしょうね。
 アリーナは…まだよくわからないですね。」
今のところ、まだアリーナで戦う予定はなさそうだ。
だが、今回のことで多少は興味を得ただろう。

「あ、もうすぐ休み時間が終わりそうですね。
 そろそろ戻らないと…」

664ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2023/10/01(日) 19:19:57
>>663

「おや、お戻りですか。
 ではワタクシも『ビジネス』を再開するといたしまして」

           ――――――パチン

   バ サ サ サ サ サ サ サ サ サ サ サ サ サ サ サ ァ

ハーピーが指を鳴らすと、どこからか多くの『野鳥』が集まってきた。
その種類は様々だが、見事に統率された芸術的な飛行を披露している。
以前のヒーローショーでも見せた『鳥を操る技術』だ。
これも『スタンド能力』の一部なのだろうか?
詳細は謎だ…………。

「チャンスがあれば、また同じステージに立ちましょう」

         バササッ

「それではサヨウナラ、『レイヴン・ゼロ』」

              「カァー」

『レイヴン・ゼロ』に合わせるように、肩に一羽の『カラス』を留まらせ、
立ち去っていくレイを見送る。

665烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/10/01(日) 19:56:36
>>664
「まぁ、ちょっと名残惜しいけども
 そろそろもどらないとなので」
そう言うと、突然ハーピーの周りに野鳥が集まってくる。


「すごい、集まってますね!!
 これもサーカスの芸の一つですか?」
とても楽しそうな顔でじっと見ている。

「…もちろん、またレイヴンゼロとして
 頑張りますよ!次はまた、楽しくヒーローショーとかしましょう!」
そう言ってハーピーの姿を見送っていった。

「…もっと頑張ってやるぞー!」
大声で言いながら、レイは急いで学校の方へ戻っていった

666円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/23(月) 02:55:48

装いは冬に近づく。
冬服なのはもちろん、羽織るパーカーも厚手。
被っているパンダキャップだけがいつもと同じだった。

「〜〜〜〜♪」

特に何をするでもなく校庭を歩いていた。
セララが『一人で、しかも何もしていない時間』は貴重だ。
そして今も、その貴重な時間は終わろうとしている。

       ――――前から>>667が来るからだ。

667御影憂『ナハトワハト』:2023/10/23(月) 06:51:09
>>666

前方から歩いてきたのは、白いロングワンピースを着た人影だった。
長く伸びた前髪で、顔の大部分が覆い隠されている。
その異様な風貌たるや、まさしく『ジャパニーズホラー』の体現と言えよう。

        ザッ ザッ ザッ

スタイルアップと歩きやすさを兼ねた、
厚みのあるウェッジソールサンダルの足音が次第に近付き――――――

         ピ タ ッ

何かに気付いたように立ち止まると――――――

          クルリ

迷いなく身体を反転させて、そのまま引き返す方向に歩き出そうとする。

668円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/23(月) 12:49:02
>>667

『ジャパニーズホラー』の大半は薄暗い空間や照明で行われる。
『太陽』に照らされた『貞子』は、番宣や始球式をするくらいの存在だ。

「わーっ、ウレイさんだ!
 ウレイさんウレイさーん! どこ行くんですかー?」

       トトトト

当然のように駆け寄る。
自分から離れようとしたのを理解していないのか、
理解したうえで何ら気にしていないのか――――

「ねえねえウレイさーん。もしかして今ヒマ?
 ヒマだったらあたしウレイさんと遊びたいでーす」

満面の笑みを浮かべて軽やかに追走しながら、
セララはある種の人種にとっての悪夢のような誘い方をし始める。

669御影憂『ナハトワハト』【大2】:2023/10/23(月) 16:53:16
>>668

江戸から明治にかけて描かれた『幽霊画』からも分かるように、
『白い衣装に長い黒髪』は由緒正しき『象徴的正装』である。
しかし、今は『幽霊の時間帯』ではなく、
御影が化けて出るのは『夜の帳が下りた頃合』だ。
まだ明るい内は『学生』をやらなければならなかった。

(………………セララが………………『一人』………………)

        ザッ ザッ ザッ

(………………『誰か』………………見つけないと………………)

        ザッ ザッ ザッ

今日の講義に出席し、レポートを纏めた御影は、一段落ついて休憩に入った。
いつかの『異世界列車』で一緒に尽力する結果になったが、
しばらくはセララから遠ざかり、平和な日々が続いていたように思える。
だが、遂に平穏が破られる時が訪れてしまったようだ。

  (………………誰か………………)

           ザッ ザッ ザッ

              (………………『いない』………………)

相手をするのはハッキリ言って気が進まないが、
どこかに押し付けようにも『人がいない』。
ほんの一瞬だけ、全力疾走で離脱する事も考えたものの、
それは『円谷世良楽を苦手としている』と認めるも同然。
御影憂は『恐怖を与える者』であり、
何かを恐れる事など断じてあってはならないのだ。
邪魔な『弱み』は捨て去らねば。
今日この場で。

      ――――――ザッ

決意を秘めて立ち止まり、改めてセララと向き合う。

「………………今………………『忙しい』………………」

       ボソリ

葛藤の末に結局『逃げ』を選んでしまったのは、
やはり『苦手意識』によるものだったのかもしれない。
実際は『かなり暇』だ。
そうでなければ、のんびり歩いてこなかったし、
客観的にも忙しそうには見えなかっただろう。

670円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/23(月) 18:11:41
>>689

『列車』の一件以来しばらく遭遇していなかったのは、
二人の行動範囲があまり近くないせいもあるだろうが、
あるいは――――この日のための『タメ』だったのかもしれない。
怪物が出る前には、被害者たちの日常が描かれるように。

「えーっ!? 忙しいんだー!? 
 ふーん、そっかー。だったらしょーがないですネ。
 ウレイさんといっしょに怖い話の動画とか見たかったのになー!」

        「最近また流行ってるよねー怖いの!」

どう考えてもオバケを怖がるつもりで見ようとはしていない。
ロクな鑑賞体験にならなそうだ。

「まあいいや! やっぱり大学のなんか課題とかですかー?」

暇じゃないと知ってもしつこく誘うようなら、
セララに今ほどの友人の数はいないだろう。

「あたしも今日けっこう宿題多めだったんだよね。あはーっめんどくさーい!」

が、『実際忙しそうにしてない』ので、話しかけちゃダメとは思っていない。

671御影憂『ナハトワハト』【大2】:2023/10/23(月) 19:07:33
>>670

セララの性格は知っているので、こうなる事は半ば予想していた。
おそらく『期待値』は非常に低いだろうと。
もっといい返しを思い付かなかった事は悔やまれるが、それも今更な話だ。

「………………まぁ………………ちょっと………………」

「………………『考え事』………………してるっていうか………………」

何か適当に『忙しい理由』をでっち上げようと頭を働かせたのだが、
だいぶ『歯切れの悪いもの』になってしまった。
これでは信憑性に欠ける。
『久々』という事も手伝って、やはりセララが近くにいると、
どうしてもペースを乱されてしまうのは否定できない。

「………………『変な列車』………………覚えてる………………?」

「………………いつ乗ったか………………分からない………………」

とりあえず誤魔化す為に、『あの話』でも振っておこう。
その行為が『忙しくなさそうな裏付け』となってしまう事を、
この時の本人は見落としていた。
痛恨のミスだ。

672円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/23(月) 22:21:42
>>671

「えーなになに? あたしも一緒に考えてあげますよ! あはーっ」

猫の手も借りたいという言葉もある。
勿論セララは自分の手が猫並みとは思っていないが。

「あー、あったよネ。
 みんな元気にしてるかなー。あ! そうだ思い出した!
 ウレイさーん、ヒマなときプラネタ連れてってくれるって言ってましたよネ。
 あたし最近あんまりヒマじゃなかったんだけど、今ヒマだなー!」

『列車』の一件はいろいろあったが、一番に思い出したのはそれだ。
最近のセララは友達とばかり遊んでいて一人でいる事が少なかったが、
ちょうど今、『このまま行くと予定のなさそうな日』が少しだけあった。

「考え事終わったらウレイさんもヒマですよねーっ!
 でもでも、確かにいつ乗ったんだっけ? あたしも覚えてないなー!」

御影の内心など知る由もなく、セララは話を勝手に進めようとする。

673御影憂『ナハトワハト』【大2】:2023/10/23(月) 23:30:56
>>672

思い返してみても理不尽な出来事だった。
持っていた覚えがない切符が盗まれたせいで、それを探し回る羽目になったのだ。
何よりも首謀者が野放し状態なのが癪に障る。

「………………『原因不明』だから………………また『誘拐』されるかも………………」

こんな話でビビるようなセララではないだろうが、ささやかな嫌がらせだ。

     「………………あ………………」

そういえば、そんな約束をしていた気がする。
せっかく忘れていたのに思い出してしまった。
いや、この話題を振らなければ、セララも忘れていたのではないか?

(………………『しくじった』………………)

心の中で舌打ちするが、もう遅い。

「………………暇………………『かも』………………」

「………………『考え事』………………終わったら………………」

この時点における最大の考え事は、『いかにしてセララを回避するか』であった。
回避が限りなく不可能に近付いた今、確かに考え事は終わりそうだ。
その必要がなくなるのなら。

「………………ウレイさんは………………『スタンド』の事………………もっと知りたい………………」

「………………『スタンド使いの友達』………………紹介してくれない………………?」

だが、転んでもタダでは起きない。
セララと顔を合わせたなら、それを利用するくらいは考えなければ。
昼の『学生』と夜の『幽霊』の他にも、
御影には『密偵』としての役割もあるのだから。

「………………『プラネタリウム』は………………連れてく………………」

自分から言った以上、約束も果たさなければならないのが辛い所だ。

674円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/24(火) 00:07:59
>>673

「うわーっほんとだーっ、こわーい! ウレイさんも気を付けてネ。
 まー、ウレイさんもあたしくらい強そうだし大丈夫かな!あはーっ」

案の定、あんまり効かなかった。
あるいはこれでもビビっているのかもしれない。

「やったやったー! あはーっ、プラネタ行くの久しぶりー。寝ないようにしよーっと。
 ウレイさんウレイさーん、暗いからって怖い話しないでくださいねー?」

実際セララはこのことを覚えていたのだろうか?
覚えていたならしつこく電話くらいしてきそうなものではある。

「あー、そういえば、あれも『スタンド』みたいなものでしたもんねーっ!
 ウレイさんなら良い人だし、紹介してもいーですけど」

            クイッ

考えるように少し首をかしげる。

「あーっでもでも、『スタンド使い』なのってあんまり言いふらさないかー。
 あたしも友達の子がスタンド使いなの、あとから知ったりとかしますし!」

         「あんまりたっくさん知ってるわけでもないしなーっ」

が、『紹介』はあまり気乗りしていないようだ。
セララの脳裏に浮かぶのは『天音ちゃん』や『ユズちゃん』だが――――

「うーんうーん、それにウレイさん、あたしの友達にいないタイプですもんねーっ、
 あたしの友達と気とか合うかなー!? うーん、合うかも? 数学より難しーっ」

『友達付き合い』という事柄において、セララはそれほど適当ではなかった。が、悪感触でもない。
加えて言えば、この言い方。自分と御影は気が合うと思っているのは、以前も言っていた通りだ。

「あ! ウレイさんもスタンド使いの友達とかいるの? あたし以外で!
 いるんだったら、ウレイさんの友達も併せてみんなで遊びに行くのもいーかもですネ」

675御影憂『ナハトワハト』【大2】:2023/10/24(火) 16:12:11
>>674

セララの言う通り、スタンドを持っている事は不用意に口外しない。
他ならぬ御影自身も、基本的に秘匿しているのだから。
スタンド使いを紹介してもらうのは大きなリターンが見込める反面、
『御影憂がスタンド使いである事実』を、
セララを通して知られてしまうリスクを抱えている。

(………………でも………………『一人で調べる』よりは………………効率がいい………………)

御影に『スタンド使いの知り合い』は少ない。
『一方的に知っている』というケースが大抵だからだ。
こちらから『スタンド使いである事を明かす』のは、限られた相手だけだった。

「………………『飯田咲良』………………とか……………」

「………………『学生寮』に住んでる………………『中等部』の………………」

数少ない一人の名前を挙げる。
『ヴィジョン』まで見せたのは、彼女とセララくらいなものだ。
当然ながら『能力』を教えた事はない。

「………………他には………………特に………………」

「………………別に………………『友達がいない』………………訳じゃあない………………」

念を押すように付け加えたが、
セララとは違って『普通の友達』も多くないのが実情である。

(………………氷山………………フラジール………………赤月………………斑鳩………………)

どれも『一方的にスタンド使いである事を知っている人間達』だった。
友達に仕立て上げられそうなのは『赤月』だが、ここで出すのは都合が悪い。
向こうは『御影がスタンド使いだ』と知らないからだ。

(………………いや………………)

発想を変えよう。

「………………スタンド使いじゃないけど………………」

「………………『赤月ナカレ』とか………………」

あくまで『普通の友達』として紹介してしまえばいい。
そして、セララに探りを入れさせる。
プラネタリウムの件を考えると、あまりアテにはならなそうだが、
『保険の保険』程度にはなるだろう。

「………………『焼き菓子の缶』………………もらった………………」

「………………セララにも………………あげたっけ………………」

「………………『クッキー缶』………………」

さらに遡り、『遊園地騒動』を思い出す。
どうでもいい事だが、あの時セララは『また感想を言う』と言っていた。
まぁ『お土産品』だし、不味くはなかった筈だ。

676円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/25(水) 04:46:32
>>675

「へーっ、あたし中等部の友達ってあんまりいないかも!
 ウレイさんって意外と顔ひろーい。
 アカツキさんって子もあたし知らないなー。寮に住んでる子?
 でもでもスタンド使いじゃないなら、スタンドの話するのはNGですネ」

友達の少なさを殊更に弄ったりはしないが、『意外』は本音のトーンだった。

『御影の狙い』はともかく、セララはスタンドの話を大っぴらにこそしないが、
『既に知っている同士』であれば、隠すことにそれほど拘泥してはいない。
なんなら友達相手なら自分から明かしたこともある。『こだわり』とは無縁だった。

「あたしはどうしよっかなー! うーん、勝手に教えてよさそうな子いないかも。
 ウレイさんと気が合いそうな子いるし、今度会ったとき聞いてみまーす」

               「楽しみにしててネ」

これは『甘城天音』のことだ。
セララの友人はだいたい『明るい』とか『素直』な性格が多く、
御影や甘城はどちらかといえば例外的と言える。

御影が名前を出して紹介しているのだから、
そこは合わせるのが筋のような気もするが・・・
セララは『相手に合わせる』とかそういうのはそれほどしない。

「あーあれ! なんでしたっけ、チョコはいってたやつ?
 パパとママと一緒に食べましたよー。甘くて美味しかったでーす。
 あたし嬉しかったなーっ、ウレイさんがお土産くれて」

焼き菓子缶への感想も簡素なものだ。
感謝は本当だろうし、完全に忘れたわけではないのだろう。

「てゆーかなんかウレイさんとあたしって、
 たまに面白いこと巻き込まれますよねーっ。あはーっ!
 
    ・・・あ、でも遊園地はオチがつまんなかったかも。前話したっけ?」

677御影憂『ナハトワハト』【大2】:2023/10/25(水) 09:16:16
>>676

実際に接触したのは御影ではなく『度会一生』だが、
甘城には既に遭遇しており、『能力の一部』を含めて情報を得ていた。
クリスマスの夜、信じられないくらい強烈な辛さの、
『ジンジャークッキー(ブート・ジョロキア入り)』を味わったのだ。
もっとも、これは『本人の手作り』であり、
スタンドとは何ら関係がない(余ったクッキーは御影が食べた)。
口直しに『アップルパイ』を渡されたものの、こちらは警戒して食べなかった。
それが途中で消失した為に『スタンドの産物』だと分かり、
度会は『菓子類に関する能力』だと推測したのである。
無論、セララが何を考えているかなど予想できる筈もない。
御影としては『待つだけ』なのだが、
むしろセララが『思ったよりは秘密を守れるらしい』と知れた事の方が、
今回の収穫としては大きかったと言えるだろう。

「………………赤月も………………『寮生』………………」

「………………中等部で………………赤いメッシュ入れてる………………」

御影自身も『学生寮住まい』なのだが、セララには言ってない。
理由は『言わずもがな』。
以前たまたま出くわしてしまった時は、
ドライヤーが壊れて前髪を上げていたので、
『別人のフリ』をしてやり過ごしたのだが。

「………………『オチ』………………」

その言葉で一つ思い出した事があった。

「………………そういえば………………」

「………………『あの後』………………何かあった………………?」

セララと別れた御影は、そのまま『ほしみland』を去った。
『エクリプス』絡みの騒ぎであり、『アリーナ』が関与した事も把握しているが、
犯人の処遇を含めた結末については認知していない。
セララは『アリーナのスタンド使い』と行動していたフシがあるし、
そこにも立ち会った可能性がある。

678円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/25(水) 20:14:04
>>677

「へー、ウレイさん中等部の寮の子たちと仲いいんだーっ。
 あはーっ、もしかして怪談お姉さんみたいなことしてるの?」

『怪談』どころじゃない怖がらせ方をしているわけだが、
そんなことは知る由もない。
それを知るものの数こそ、御影の手腕だろう。

「あたしもたまに寮遊びに行くから、見かけたら声かけてみまーす」

『も』というあたり、御影も遊びに行ってる認識らしい。

「はーい、お土産もらったからお土産話返しまーす。
 あの後さー、あたし犯人の人? 名前忘れたけど、
 あの人を、アリーナの何とかって人たちと一緒にジンモンしたんですよねーっ!」

         「まー、普通に話聞くだけだったけどネ」

普通じゃない方がよかったかのような言い草だが、
特段の悪意や害意は声色に含まれない。

「星のナントカって人にやったらご褒美あげるって言われたからやったっていってたっけ。
 でも役に立たないから捨てられたーって。あはーっ、ちょっとかわいそうですよねーっ」

         「でも、もっとかわいそうだったんだよね。
           ウレイさーん、あたしヤな話しちゃうけどいいですかー?」

いつもの話は嫌ではない前提だが、『そういうこと』をセララが言い出すのは珍しくはある。

679御影憂『ナハトワハト』【大2】:2023/10/25(水) 21:33:48
>>678

御影にとって、『恐怖』は生きる為になくてはならない『糧』だ。
相手が怯えれば怯える程に、心の奥底が満たされていく。
特に、実際に『ナハトワハト』と対峙した経験のある赤月には、
相応の爪痕を残しているだろう。
一応その後でフォローしたものの、
『納涼祭』で行った『肝試し』で再び恐怖に陥れている。
御影にとって赤月は中々いいオモチャだった。
しかし、セララはビビらない。
だから何となく避けてしまうのだ。

  「………………暇な時とかに………………
   ちょっと………………話してるくらいだけど………………」

寮内でセララに出くわす事があったら、
偶然そこにいたように装おうと心に決めた。
他の寮生が通りかかったりしなければ問題ない。
もし通りかかった時は――――――『口封じ』しておこう。
無論、危害を加えるという意味ではない。
適当に口裏を合わせてもらうのだ。

「………………うん………………『可哀想だと思う………………」

これっぽっちも思っていない。
どんな餌で釣られたのか知らないが、話を聞く限りだと、
おそらく最初から切られる予定だったのだろう。
見え透いた甘言も看破できない間抜けには、惨めな結末が良くお似合いだ。

    「………………?………………」

        「………………いいけど………………」

勿体ぶった前置きに首を傾げる。
こういう配慮をするのは、セララにしては珍しい。
もしかすると『よほどの何か』が起きたのか。

680円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/27(金) 12:59:48
>>679

セララの口ぶりも明らかにかわいそうだと思っていない――――
というより、思ってはいるがどうでもいいと思っているのだろう。

だからこそ、口が重くなったのもよくわかりやすい。

「ありがと! それがさー、その人、いきなり殺されちゃったんだよね」

『死ぬ』のはどうでもよくないのだ。

「『エクリプス』って人たちのことを喋ろうとしてたんだったかな。
 あたしが止めてあげたらよかったんだけど、急に殺されて無理だったんですよ」

         「わー、思い出してもショックー。
          友達にはなれない人だけど、
           流石にかわいそうだったなー」

珍しく口調が暗いともいえるが、
まあ、話題からして当然ではある。

「あーあ、ウレイさんミント食べる?
 あたしは落ち込んだから食べまーす」

               ヒョイ

ポケットからミントタブレットの小さな箱を取り出し、それを食べて口を閉じた。

681御影憂『ナハトワハト』【大2】:2023/10/27(金) 14:04:09
>>680

どんな話が来るのか『予想』はしていた。

「………………そう………………」

セララの口から事の顛末を聞き、ぽつりと呟く。

     ――――――グッ

その両手が無意識に握られる。
決して『義憤』などではない。
自分の欲望の為に多くの人々を傷付けたのだから、そんな奴は死んで当然だ。
しかし、それを陰で見ながら笑っている人間がいる。
そういう奴らは許せない。

「………………本当に………………『嫌な話』だった………………」

心の奥底に宿る『幼少期の記憶』と共に、
『黒い感情』が這い上がってくるのを感じた。

   ス ゥ ゥ ゥ ゥ ・ ・ ・ ・ ・ ・

深呼吸して気持ちを落ち着かせ、握っていた手を開く。

「………………ちょうだい………………」

       ソッ

ミントタブレットを受け取るべく、片手を差し出した。

682円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/27(金) 23:14:40
>>681

              カリ

すぐに噛んでしまってから――――

  「はーい、落とさないでくださいねーっ」

カコッ カコッ

箱を振って小さな粒を御影の手の上に落とす。

「ごめんネ嫌な話聞かせて!
 殺した人、どこかでやっつけられてたらいいなー」

       スッ

     「あたしたちでやっつけてもいーですけど」

またそれをポケットにしまいつつ、くるりと踵を返した。

「ウレイさーん、あたし気晴らししたくなったなー!
 『考え事』 もう終わっちゃいました?」

それから笑った顔だけで振り返って、『この後の予定』を促した。

683御影憂『ナハトワハト』【大2】:2023/10/27(金) 23:59:16
>>682

無言でミントタブレットを受け取り、そのまま口に運ぶ。

       ガリ

今の話を思い返し、心持ち強めに歯を立てた。
御影は『アリーナ』と『エクリプス』が嫌いだが、
自分から積極的に何かを仕掛ける気はない。
それ以上に心を惹きつけて止まない関心事があるからだ。
すなわち『恐怖』。
『心理学部の学生』として『恐怖を与える術』を日々研究し、
『夜の街を跋扈する亡霊』として実地で『研究成果』を検証し、
『恐怖を与える者』として在り続ける事こそが御影憂の『ライフワーク』。

だが、『アリーナ』にしろ『エクリプス』にしろ、目の前にいたなら目障りだ。
もし邪魔になるようなら――――『二度と邪魔できなくする』。
その時が来たら、事件の裏で笑う奴らも、御影に出会った事を後悔するだろう。

        いや、『させてやる』。

「………………場所は………………『天文台』………………」

         ボソッ

「………………『嫌な話』だったし………………」

         ボソリ

「………………『キレイなもの』………………見に行こ………………」

          ――――――ザッ

セララの求めに応じるようにして歩き出す。
行き先は『プラネタリウム』だ。
『口直し』ついでに『約束』を果たしておく事にしよう。

684円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2023/10/28(土) 00:31:52
>>683

「あはーっ、やったー! それじゃー行きましょ行きましょ!」

御影に続いて歩き出す。

「プラネタ今何やってるのかなー!
 あたし普通のヤツしか見たことないんですよねーっ」

セララの嫌な気持ちは既にほとんど吹き飛んでいた。

結局のところ死んだのは他人だし、
友達になれそうな相手でもなかった。

それでも――――話せば嫌な気分になるものはある。
それを意図的に増やすものがいるのであれば、容赦はしないだろう。

「ウレイさんの案内付きで見るの楽しみー。
 やっぱり、持つべきものは友達ですネ」

          『嫌なひと』がどうなっても、どうでもいいのだから。

685ジョン・スミス『デッド・カン・ダンス』:2023/11/15(水) 21:00:17
『歓楽街』(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1659501857/266-299)にて、
あらゆる『ニンゲン』に化けれる『謎の骸骨』と遭遇した『アリス』は、
行方不明の『コバヤシ タケル』青年の手掛かりを探るべく、『コバヤシ』に扮して町をウロつけと頼み込む。
『顔見知り』が多い『学校』は止めておけと忠告を受ける『骸骨』だったが―――


「『清月学園』・・・・・・小中高一貫のマンモス校で在学生徒は『4000人』・・・・・・
『サークル』も活動的で『星見イースターフェス』は町おこしにも貢献・・・・・・」

「ゲェーッ! マジかよ!」 
                  「日本も土地が狭いってのにご苦労なこって・・・」

そんなもの、馬の前にニンジンをぶら下げるようなもの!
『ダチョウ倶楽部』に『押すなよ』というぐらい『無意味』なことであった!

     バァア―――z___ンッ

「・・・・・・っつゥーことで、早速潜入してみたワケだがァ・・・・・・」

(オレの『変装』も『永続』じゃあねェ―――ッ
ちょっくら『職員室』辺りにでも顔出して、『オレ』の情報でも抜き取るかよ・・・)

  「え〜っとォ・・・・・・『職員室』は・・・・・・っと」

『バンカラ帽』を被った『琥珀色』の瞳を持つ青年――『小林 丈』の姿で堂々と校舎へ潜入。
トレンチコートに身を包み、片手には学校見学向けのパンフレット持ち
最短ルートで進行しつつ(逃走できるよう)入り組んだ通路を選びながら徘徊している。

686ジョン・スミス『デッド・カン・ダンス』:2023/11/26(日) 13:00:31
>>685
「着いたぜ、『職員室』。
さあ〜〜て・・・・・・そんじゃ気合い入れ」

               ドロォ
                      「アッ」 「やべ」

    『ぎゃああああああッ!?』
                       『人が溶けたァー!?』

   ワーッ ワアーッ!

  「・・・・・・・・・」  「Ohォ・・・」
                    「my」
                         「God」

『職員室』に潜入する直前、『時間切れ』で『変装』が解けた。
情報収集とかそれ所ではなくなったので、大慌てで学校を後にした。
幸い『目撃者』は少数だったが―――もしかしたら『骸骨』が出たという噂が校内に流れたかもしれないし、流れなかったかもしれない。

ジョン・スミス『デッド・カン・ダンス』――→『収穫なし』『再起可能』

687美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/01/08(月) 07:15:11

清月学園敷地内にある『屋外拡声器』。
『防災行政無線』の発信用に設置されている『音響機器』だ。
拡声器から『120m』離れた物陰に、
カナリアイエローの『ベスパ』が停まっていた。
シートに座るのは『アメカジファッションの女』。
『美作くるみ』だ。

     「ん…………」

          「――――『アレ』ね」

周囲を注意深く観察し、『プラン9・チャンネル7』を発現。
そして、対象を視界内に収める。
ただそれだけで『ロックオン』は完了した。

  《『1001-111(イチゼロゼロイチ・イチイチイチ)』》

     《『1001-111(ナイン・セブン)』》

突如として拡声器から響く『スタンド音声』。
『半径300m以内のスタンド使い達』は、この『奇妙な放送』に気付けるだろう。
だが、その時には既に『発信者』は現場から消えている。

「『広域情報発信』が『プラン9』の『真骨頂』」

一人の『スタンド使い』として一皮剥ける為には、
何かしら『画期的な閃き』が必要になると前から考えていた。
そして、遂に美作は『それ』を掴んだ。
今なら確信できる。
自分は『もっと上に行ける』と。
目標を実現する足掛かりとして、こうして『事前情報』を街中に伝播させ、
『イベントの宣伝活動』を行っているのだ。

    バァァァァァァァァァ――――――――――ッ

軽快なエンジン音を奏でながら、
美作は愛車と共に『次の場所』に向かって走り去る。

688夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』【高一】:2024/01/14(日) 04:51:29

『夢見ヶ崎明日美』は『アリス』だ。
アリスは『ウサギを追う者』。
今日も今日とて『ウサギ』を――――すなわち『好奇心の対象』を追い求めていた。

「ねぇねぇねぇねぇねぇ〜〜〜〜〜〜。
 『ウサギっぽいオンナのコをみかけたらシアワセになれる!!』ってハナシしってる??」

現在の時間帯は『放課後』。
学園内を歩き回り、目についた生徒に話し掛ける。
相手は知り合いかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

「『アリスとウサギがそろってるトコをみたら2ばいハッピーになる!!』んだって!!」

その傍らには『金髪の人型スタンド』がいる。
ウサギを追う為には、日々の情報収集は欠かせない。
今も『超人的聴覚』を駆使して、学園内の噂話を集めている最中なのだ。

689夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』【高一】:2024/01/20(土) 06:59:51
>>688

  「むむっ――――」

          ク ル ッ

   「このカンカクは『あらたなフシギのケハイ』…………!!」

              タッ タッ タッ

                   「――――ゆかねば!!」

690リゼ『サクラメント』:2024/02/02(金) 21:33:20
学生が帰路につく時間帯、正門から少し離れた自販機の傍に、
髪も服も肌も不健康な程に白い女がしゃがみ込み、通行人の姿を見上げている。

植え込みの陰になって通行人からは見えていないが、自販機に近づいたものはその姿を認めて、ぎょっとして足早に離れていく。

691リゼ『サクラメント』:2024/02/03(土) 23:25:14
>>690
日が沈み生徒の数がまばらになってくると、
溜息をついて立ち上がり、どこかへと消えた。

692コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』:2024/02/11(日) 14:30:08

「わおわおわお、お城の麓におっきい学校〜」

         スッ

スーツケースは駅のロッカーに預けて、
『鬼柳』に教わったスポットの一つに来ていた。

            ウロウロウロウロ

     「この角度の方がカワイイかなあ〜」

  ウロウロウロウロ

             「お城と校舎どっちも……」


『Vlog』用のコンパクトカメラを片手に歩き回る姿は、
狐耳ヘッドホンの特徴的なシルエットもあって、実に目立つ。

なんなら、不審者か何かと思われても不思議はないだろう。

693コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』:2024/02/14(水) 07:51:41
>>692(待ち継続)

        パシャー

              パシャー


今は『自撮り写真』を撮っているようだ。

写り込みはしないように周りに気を配ってるから、
迷惑にはならないだろうけれど――
何にしたって、目立つ様子なのは確かだ。

逆に、目立つから話し掛けづらいって事もあるのかもしれないが……

694コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』:2024/02/16(金) 22:23:41
>>693
しばらくすると満足したのか、そこにもういなかった。


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