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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2

1『星見町案内板』:2021/02/26(金) 23:22:22
『H城』の周囲に広がる『城址公園』の敷地を共有する『学び舎』の群れ。
『小中高大一貫』の『清月学園』には4000人を超える生徒が所属し、
『城郭』と共に青春を過ごす彼らにとって、『城址公園』は広大な『校庭』の一つ。

『出世城』とも名高い『H城』は『H湖』と共に『町』の象徴である。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647476/

428ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/14(木) 01:14:32
>>427

「もしかして……ウェットって……濡れてるって意味か!?」


仁宇の言葉にエウレカした。
足は拭いたようだが、ここで綺麗にしてもまた汚れてしまうだろう。
靴を履くときに拭くべきだった。


「用事? 特に無いが……
 ぶつからないように離れるかの」


ちょっと離れつつも、ちょろちょろと周囲をうろつく。


「いつもそんなにゆっくり歩いておるのか?
 学校っていうのは毎日あるんじゃろ?
 帰るの大変そうじゃな……。
 いや……帰るのは時間かけてもいいが、のぼる時はどうしてるんじゃ?
 遅刻とか……あるんじゃろ? アニメで見たが」

429仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2022/04/14(木) 21:04:29
>>428
「ちなみに『ソフト』が『柔らかい』 
 だから『ソフト&ウェット』は柔らかくそして濡れてるって意味」

テキトーに英単語を教えてやる。

「いつも?いつもだよ」
「べつに… 遅刻しても怒られないし? 
 骨折とか車いすの時とかはセンセ―とかが付き添ってくれるもん」

「送り迎えとかもあるし」
「それに救急車とか実質わたしのタクシーだよ いひひ」

この子、学校来てない系児童っぽいよね…
ここで突き落として大けがさせちゃってもノー問題かなぁ、と考えてみたりする仁宇だったが、
それよりも自分が下手に転んだら大惨事なので、歩行に集中する。
階段をようやく半分くらい降りた。

430ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/15(金) 10:51:16
>>429

「ほう、なるほど」

「……」

「なぜ急にソフトの話を……?」


メタ事情ゆえに仕方なし。
お約束なのだ。


「怒られないのか? 特別扱いというやつじゃな。
 骨折……車椅子、救急車?
 ……もしかして特別弱いのかの。
 あれじゃな。あの……発酵の女」


仁宇を追い抜かして、暇そうに階段の下から眺めてくる。
本当に特に用事は無いのだろう。
特に理由は無いが、蟻の行列をじっと眺めてる時くらい感じだ。

431仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2022/04/16(土) 15:22:28
>>430
「そうだよ〜わたし人よりソフトな女の子だから」
「宝石よりも砕けやすいお年頃ってかんじ?」

もたもた降りてくる。
正面に回ってみると、足元を眺める仁宇の表情もよく見て取れた。
筋力がないから辛い、というよりも、転倒を恐れすぎている顔つき。
……あと2段。

「……………よっし! 飛び降りてみよっと」
「5〜〜〜〜〜  よ〜〜〜ん  さ〜〜〜ん」

「踏みつぶしちゃうよ〜〜〜」

チビッ子の真ん前に陣取り、カウントダウン開始。

432ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/17(日) 00:41:13
>>431

「何!? なぜそこで急に冒険を?
 じゃが……わしにはこれがある!」


足元に『ベター・ビリーブ・イット』のミニチュア『屋敷』を発現!
『庭プール付き豪邸』だ!
跳んだ女子高生を内部に『転送』しミニチュア化、プールにドボンと着水させるのだ。
女子高生は濡れ濡れ女子高生になるが衝撃は殺せるだろう。

というかよく考えたら、2段とかショボすぎるし、ちょっと移動すれば踏みつぶされる心配も無いのだが……
単なる冗談でかもしれないし。その場合『屋敷』は出しただけで終わるが。

433ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/17(日) 00:44:58
>>432(追記)

『転送』は拒否可能なので、なんだか理解していなくてもとっさに拒否ることもできるぞ!

434仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2022/04/17(日) 18:09:37
>>432
「2〜〜〜〜〜   い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ち」

『カウントダウンとかしたら避けるでしょ』って考えてたが、
チビッ子は避けない。じゃあもう傷害していいってことじゃん!

「んっ」

仁宇は呼吸を止めることで、『スタンド能力』が発動!
細身な体が空気を入れたかのように膨れ上がり、
その歪なシルエットは、さながら『悪趣味にしたミシュランマン』!

    シュバ

そして階段からジャンプ!
身寄りが怪しい児童の肉体を破壊してやろうという、仁宇の明確な悪意!!

と、宙に躍り出た瞬間。

「……!?!?!?!?!?!?!?!」

突然、真下が『プール』にッ!!!
内心めちゃくちゃパニックに陥りながら着水ッ!!!
 
  ザ  バ アッ


     …………プカァ〜〜〜〜〜〜〜


  醜悪なミシュランマン系女子がピクリとも動かず、
  プールに仰向けで浮上している。
  仁宇はここからどうすればいいかわからない。

435ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/18(月) 11:08:43
>>434

「なんじゃ!?」


ギアサードか!? と思ったかどうかは置いておいて、
驚いているうちに元女子高生現ミシュランマンはちっちゃくなって『屋敷』に『転送』された。


「……なんじゃあ〜?」


なんだこれ。と双方思っているだろう。


「し、死んだか?
 そういえば溺れて死ぬと膨れ上がると聞いたことがある気がするの……」


動かない……まさか死んだか? ちっちゃいのでよくわからないが呼吸もしていない……
子供はミシュランマンを覗き込み、つついてみる。
シルバニアファミリー状態の仁宇からすると、巨人に弄られているように感じるだろう。
奇妙だが重さやパワーは変わらないので、プールに浮いていても指でついた程度では押されないが。

436仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2022/04/20(水) 21:21:54
>>435
空気を入れた風船人形のようにプールに浮かぶ女子高生の体は、
触り心地まで風船人形そっくりだった。ものすごく玩具っぽい。

「………」

仁宇は口を真一文字に結んでいて、
確かに呼吸はしていないのだが、
『息の根が止まった』というより『息を止めている』ように見える。

  パチ パチ

あっ まばたきした。『えっ何これなにがおきてるの!?』って表情だ。

    パチャパチャパチャ

 今度はちっこい手足をブンブン振っている。プールから出たがってるみたい。
 ずっと呼吸していない様子なので、息とか苦しいんじゃないだろうか。

437ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/21(木) 03:57:56
>>436

「ぷよぷよしておる……
 お、動いた」


生きてはいるらしい。
子供はほっとした様子を見せた。


「どうした?」


出たいなら出ればいい。『屋敷』からはともかく、プールからは。
それとも泳げないのだろうか。
息を止めて膨れた状態を維持しないと沈んでしまうのか。


「ふむ」


まあ、出さない理由も無い。
仁宇を外に『転送』すると、すぐそば(学校の廊下)に出現する。
残念ながらびしょ濡れのままだが……(仕様なのだ)


「大丈夫か?」

438仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2022/04/21(木) 19:37:51
>>437
「ぷはぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ」

水揚げされたとたん、空気が抜けたように萎み人間に戻るJK。

「ぜェ   ゼェ」

ケガや異変は見当たらないが、
濡れた服が体に張り付いて、痩せぎすな体の輪郭が浮かび、
息は絶え絶え、髪のツインテールもシンナリしており、
まるで『ふわふわの犬を風呂に入れてみたら貧相になった』時みてーな印象。

「はァ〜〜 『スタンド使い』 うわ〜〜……」

「プールに『飛び込み』……始めてだったんだけど…
 …ひょっとしてころす気ですか…」
「……」

階段を飛び降りるのも冒険!な女子には刺激が強かったようだ。
ナイを見てすごく警戒している目つき。
そんな態度もあって、ますます『風呂に入れた犬』感ただよう。

439ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/22(金) 02:11:47
>>438

「なんじゃお前さんも『スタンド使い』ということか。
 てっきりわしは溺れて……どらえもん? になったのかと思った」


『ドラえもん』……『ネコドラ君』のパロディキャラクターかなにかだったか
確かにダルマのような体型的にミシュランマンと似ていなくも……ない?


「いや急に膨れるから一瞬死んだかと思ったが殺す気はなかったんじゃ。 
 殺すなら暖炉とかに突っ込んでおる。
 わしはただ、お前さんが急に飛び降りるとかいうから……
 プールなら衝撃が吸収されるかと……」


善意でやったと主張するが、目の前の死にかけの濡れた犬のような生き物を見ると、
罪悪感が湧くのか、気まずそうにする。


「まあ……悪かったの。
 水がお前さんのものなら『交換』で一瞬で乾かせるんじゃが、
 わしの『屋敷』のプールの水じゃからなぁ。
 あー、ホットココアとか、飲むか?」


どう見てもポケットに入らないサイズの『無地の布』を引っ張り出し、仁宇を拭こうとする。
ココアは……今の季節がいつなのかは故あって微妙なところだが、
まだちょっと肌寒いんじゃないか? そんな気がする。
濡れてたら寒いだろうし……

440仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2022/04/22(金) 20:42:19
>>439
「『ドラえもん』?なんでぇ?」
「なに? 傷つけるつもりはなかったっていうわけ〜?」
「………ぐあ〜〜〜ムカつく」

数レス前に>傷害していいってことじゃん! とか内心のたまってた女子だが
他人のそれについてはムカつくらしい。

「ムカつくけど……でも暖炉に放り込まれたら困るし」
「わたし今生殺与奪の権を握られた状態だから…
 仕方なぁ〜〜〜〜く許す!」

「ココア?牛乳入り?いる」

結構ムカついてるようだが、抵抗はしない。なされるがまま。

「ガラス細工を掃除するかのようにぃ〜やさしく拭いてねェ〜」
「あんまり強く触るとあなた傷害罪でしょっぴかれる事になるから」
「いやぁ〜楽しみだなぁ〜傷害罪と慰謝料」

441ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/23(土) 12:37:42
>>440

生殺与奪の権と言うが、
拒否できる感覚があったので、いきなり暖炉に放り込まれることは無いだろう。


「そんなに怒るな。お前さんも悪いんじゃぞ」


あんまり偉そうなので文句を言ってきた。
とはいえ、一生懸命拭いてはいる。
拭いてはいるが、あんまり器用ではないようで、やさぁ〜しくはなかった。
擬音にすると『わしゃわしゃ』だろうか。
髪の毛の仕上がりは『ぐしゃぐしゃ』になるだろう。


「牛乳? わからんが、ほれ」


寝転がった仁宇の額に、どこからか取り出されたココア缶が置かれる。


   ジュッ


ファッキンホットだ。

442仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2022/04/23(土) 15:20:00
>>441
「へたくそ…」
「わたしが悪いといえば悪い それはそう」
「それはそうと本当に初めてだったんだ
 水場に飛び込むの びっくりしちゃったよね」

ジュッ

「わぎゃっっ 熱ッ!!!!!!!」

急な熱されたココア缶にビックリしたのか、
殺虫剤を浴びた虫のようにビクビク地面で暴れる仁宇。

「…あっっっっついんですけど 暖炉であたためてました?」

起き上がり、転げ落ちた缶を拾う。
缶をポケットにネジ込み、鞄を肩にかけ直し、
そろそろどっか行きそうな雰囲気。

443ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/04/24(日) 00:58:30
>>442

「いいや? 自販機で買った時の温度じゃが」


少々大げさだったか。アチアチだがさすがに火傷するほどではない。
ちなみに子供自身は布ごしに持って渡したのでノーダメージだ。
その悪意の無さそうな顔を見るに、熱さを理解していて配慮が無いのは、単に思慮が足りないのか。


「帰るのか?
 わしはもうちょっと探検するかの」


ミニチュアの『屋敷』を解除すると、子供は出入口とは別方向に歩き出す。


「そうじゃ」


と、振り返って一言。


「わしは『交換屋』をやっておる。
 再度会う事があれば、また『交換』をよろしくの」


そう言い残し、テテテと廊下の角を曲がって消えていった。

444雨田 月人『インサニティ』:2022/08/24(水) 21:18:07

「今月も厳しいな」

雨田は机の上に広げた雑誌に、指を滑らす。
 今は昼休みだ。違法な本では無い。ゲームswitc〇のレビューが
記載されてる内容だ。

「スマ〇ラもゼ〇ダやマ〇オシリーズも大体やり込んだし。
ps4は、5の本体が出来上がるまで待つし……うーん、〇moriだっけ?
このゲームでも買おうかな。でも、そうなると次の小テスト
叔父さんが満足する位には良い点数とらないと」

教室にはまばらに人が居る。
 この座席は好きだ。真ん中より少し窓側で、教師に余り名指しされない位の
丁度良い位置。次の席替えが無い事を願う位には良い席だ。

「……良い天気だねぇ」

445大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/24(水) 22:08:04
>>444
「そういう時はトランプだろう」(↓ハスキーボイス↓)
黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が、いつの間にやら目の前の椅子に座っていました。

「陰謀論者が大好きなアイツのことじゃないぞ」(↓ハスキーボイス↓)
大神少年は手慣れた風にトランプカードを切っています。

   シャッシャッシャッ……

だれこいつ…
学年違う気もするな…
勝手に教室に入り込んだのかな…
昼休みだしな…

446雨田 月人『インサニティ』:2022/08/24(水) 22:21:54
>>445
(貴方の耳の形状、色合い。ピアスをしている、またはピアス痕が
あるかの情報の記載を、出来ればお願いします)

「……」

糸目の男子高生は、大神へと窓から顔を戻して視線を向ける。
 とは言え、糸目な為に何処を注視しているか不明なものの
少しだけ耳部分に強い視線を感じるような気がしないでもない。

「あぁ」

「いいね。トランプ」

「二人だけじゃ大富豪とかは味気ないから。
 順当にいくとポーカーかな」

「僕は七並べでも豚の尻尾でも、ババやジジ抜きでも構わないけど」

「あの大統領は、もうそろそろ引退したほうが今後の自分の為にも
良いと思うよ。政治生命の前に、身の危険のほうが高まってると思うけど」

初対面ながら、雨田は君の詮索をする気はなく。目の前のゲームと
陰謀論大好きな彼の大統領について軽く相槌の声を掛けつつ対応する。

447大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/24(水) 22:51:29
>>446
>耳の形状、色合い。ピアスをしている、またはピアス痕があるかの情報
少年の耳を見る。
少年は屋内でもシルクハットを被った珍妙な風体ではあるが、緑髪のベリーショートカットは無防備に少年の耳をさらけ出している……

 形状:きれい(ショーマンなのでお手入れしてる)
 色合い:色白(インドア派)
 ピアスの有無:なし。痕すらなし(痛そうだもんな)

どうやら、大神少年は『マジックの舞台で顔を見られることに慣れてる』『奇異の目で見られることに慣れてる』せいか、自分の耳に注がれるおかしな視線に気付かないようです。
この少年、アクティブなのはいいのですが、もうちょっと警戒心を持ったほうがいいのかもしれません。

「『ゲーム』もいいけど『占い』なんてどうだい」(↓ハスキーボイス↓)

  ピシッ

少年は手慣れた様子で切り終えました。

「キミ、なんだか悩んでるみたいだったし、
ここは一つ、休み時間に教室に入ってきた、通りすがりの天の神さま(おおかみさま)に、トランプカードでお問い合わせしてみちゃどうだい?
とぅるるるるんるん」(↓ハスキーボイス↓)

☆選択!
→ ①よし!占いだ!
  ②いいや!トランプ勝負だ!(勝負するゲームを提示してください)
  ③うおー!ミミー!ミミー!③③ー!③③ー! (そういえば『3』は『耳の形』だな…)
  ④その他

448雨田 月人『インサニティ』:2022/08/25(木) 13:23:17
>>447(レス遅れ申し訳ない)


「『占い』? あぁ、そう言うのが好きな感じ」

「僕、朝はニュース軽く見た後に星座占いも目を通すよ。気が合うね」

雨田は、君(大神)の耳を記憶に焼き付けると。にこっ では無い。
にこぉ〜っ と言う感じの笑みを作って返答する。

なお、雨田は好きな耳の形は覚えるが、それ以外の耳に関心は無い。
例を挙げるとピアスをしたりする耳はワースト一位で、天然で綺麗な耳が
ベストに入る。健康的な肌色がやはり良いが、余り陽に当たらない
乙女のような耳もストライクゾーンには十分入る。
 要約すると、雨田は君の第一印象がとても良い。 やったね!

「『悩み』か。小さなものから大きなものもあるけど……そうだな」

「僕には『夢』があるんだ。とっても大好きな相手が居たんだけど
色々あって、居なくなって……もう一度再会出来るかなって」

どうかな? そう、糸目の顔を傾げて尋ねる。

表情から余り感情は読み取れないが、言葉はかなり本気を感じる。
 真剣な悩みなようだ……。

449大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/25(木) 14:50:37
>>448
>要約すると、雨田は君の第一印象がとても良い。 やったね!
やったー!

>「『悩み』か。小さなものから大きなものもあるけど……そうだな」
>「僕には『夢』があるんだ。とっても大好きな相手が居たんだけど色々あって、居なくなって……もう一度再会出来るかなって」

「あ、ちょっと待った」(↓ハスキーボイス↓)
大神少年(♀)は話の途中で『待った!』を入れました。逆転裁判みたいな演出で。

「初めに言っとくけどボクの名前は大神(オオカミ)さんだけど、モノホンの神様じゃあない。
この『占い』だって『ボクはカードを通じて天の神様にお伺いするだけ』さ。
その結果は、運勢・運命・確率・天のジョブス様・天のビルゲイツ様・天の神様・天の上位存在さま次第。

だから、もしもキミが『ボクに聞かせたくないほどの重い悩み』を占いたいのなら……
『ボクは帽子を深く被って、キミの声が聞こえないようにしてもいい』ぜ?
『カードの占い』だから、極論『ボクの耳が聞こえなくても、カードを操作できれば占える』んだよね」(↓ハスキーボイス↓)

   嗚呼、なんということでしょう!
   悪気はないのですが、大神少年(♀)はよりにもよって『耳を隠そうか?』という提案をしています!
   その『少々大きめなシルクハット』で耳が!耳が!

「それに周りの誰が聞いてるか、わからないから……」(↓雨田の耳に口を近付けてひそひそ↓ 男装少年♀ひそひそ声AMSRみたいに!)

大神少年(♀)は雨田さんにひそひそしながら、あたりを見回しました。
 (※行動意図:周囲の生徒の状況を、再度そちらが決めてくれていいよ)

「あと、もしキミが悩みを心に秘めたまま『恋愛について占ってほしい』って言うなら、ボクは『そういう占い』をするぜ?」(↓ハスキーボイス↓)

「たとえば、その場合……

 ①ボクは占いのルールに沿ってカードを操作する、
 ②キミは思いを心に秘めたままカードを選ぶ、
 ③ボクはキミが選んだカードを見て、『そのカードの解説』をする、
 ④キミは『その解説』をうまく心の中で『解釈』して、『キミの心の中の悩み』に『方針』を立てる、

みたいな流れになるかな」(↓ハスキーボイス↓)
大神少年はそんなことを言っています。

-----
まとめ

☆選択A
 ①聞いてほしくない悩みだから耳を隠してほしい!隠れた耳もいいよね!
 ②聞いてほしい悩みだ!耳を隠すなんてとんでもない!
 ③その他

★選択B
 教室状況の再設定をする?
 ①する!(自由に設定してええよ)
 ②しない!(現状の>>444『生徒がまばらにいる感じ』になるのかな)

☆選択C (選択Aで何を選ぶかにもよる)
 ①『心に秘めたままの占い』がいいな!
 ②『はっきりと口に出しての占い』がいいな!
 ③その他

って感じかな。

450雨田 月人『インサニティ』:2022/08/25(木) 18:52:02
>>449

A②それ『ミミ』を隠すなんて、とんでもない!

B②別に人がまばらでも……いいんじゃないかなぁー

Cは……。

「うん、大神君。せっかくだから、僕のありのままの本音で
占わせてもらうよ。だって、その方が神様の心情も良い気がするだろ?」

「僕には大切な相手が居て。もう一度会いたい
 それが早いか遅いのか、それとも無理なのか……たかが占いと一笑して
良いかも知れないけど、僕はこう言うのは願掛けに近いとも思ってるしね。
どう言う結果でも、前向きに捉えるから大丈夫だよ」

そう、にこやかな顔で雨田は告げる……。

451大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/25(木) 19:56:19
>>450
>;別に人がまばらでも……いいんじゃないかなぁー
うむ、考えてみたら、『操作権がそちらにあるNPC一般人モブ』に聞かれても特に困らないな…
むしろ外野モブの反応とかも操作できるし…
しかし、『男装少年♀ひそひそ声AMSR』に惑わされないとは、やるなオヌシ…


>そう、にこやかな顔で雨田は告げる……。
「わかったよ」 (↓ ハスキーボイス ↓)

大神少年(♀)もまた、ショービジネス用の営業スマイル(\0)を浮かべました。

「では、『運命』の『トランプ占い』を始めようか」 (↓ ハスキーボイス ↓)

「でも、ね。

 『運命全般』を本格的に占いたい場合は、複数枚を並べたりもするのだけど…

 『今回の占いは、占いたいテーマが1つでとてもはっきりしている』 から、そんなに手間は必要ないんだ」 (↓ ハスキーボイス ↓)

    シャラララララッ  !

大神少年(♀)の手で雨田の机に、ズラッと『54枚の伏せられたカード』が並ぶ!

「この中から、君の手で『1枚』選んでくれ。それだけで済む。

 選んだカードに基づいて、ボクが『天の神様のお言葉』をお告げするよ。 『天の神様(おおかみさま)の言う通り』、さ」 (↓ ハスキーボイス ↓)

なにやらカッコつけています。どうも『こういうヤツ』なようです。


☆選択
 ・この54枚のどれを選ぶ…?

----------
 ※ちなみに裏で『トランプ占い・タロット占いのサイト』を現在進行系で見てるので、お気軽にどうぞ〜。 ホントにポチッと操作するだけです…。

452大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/25(木) 19:59:52
>>451
間違えてsageってる!age!

453雨田 月人『インサニティ』:2022/08/26(金) 18:14:59
>>451(レス遅れ失礼しました)

『ミミ』は愛してるよ。
ただ、初対面の全く良くも知らない男装少女とも理解してない僕が
AMSRで何か感情を露わにするのって難しくないかな?
 別に今は特段、好きな声とかそう言うのはそこまでないなーって
感じだからね。人の悲鳴を聞くのに興奮するとかでも無いし。

母さんも焼け死んだ時は、もう一酸化炭素中毒で焼ける頃には意識
失ってたから、何か叫んだりとかそう言うのも聞こえなかったし。
気絶してるなら、傷物になったけど『ミミ』を自分の手で保管しとくべきだったかな
とは、少し名残惜しくも其の時思ったけど。
 やっぱり、それすると後で警察とかから怪しまれるじゃない?
それにピアスを開けられた時点で、僕の好きだった『ミミ』は永遠に消えたからね。
だから、母さんと一緒に火葬されたのも、仕方がないんだ。

まぁ、僕の心の独白はさておきだ。


「うーん、そうだな」

「じゃあ、『一番左端の、三番目のカード』とかで」

「どうかな? 結果は?」

454大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/26(金) 20:48:20
>>453
>ただ、初対面の全く良くも知らない男装少女とも理解してない僕がAMSRで何か感情を露わにするのって難しくないかな?
いわれてみればそうである(画像略)

>「じゃあ、『一番左端の、三番目のカード』とかで」
>「どうかな? 結果は?」
「うん? 『キミの運命のカード』をボクがめくっちゃっていいのかい?」(↓ハスキーボイス↓)

「まぁ、返答を聞かずにめくっちゃうボクなんだけどね」(↓ハスキーボイス↓)
大神少年はそのカードをめくりました。

   ぺろり…

出たカードは……『ハートのK(キング 13)』。

「ほぅ…これは…」(↓↑少しだけ上ずったハスキーボイス↑↓)
さすがの大神さんも少しビックリしています。
大神さんはビックリしながらも、そのカードを雨田くんの前に差し出しました。

「かなり『強力な運命』を引いたものだね…。

『解説不要なくらいに強力なカード』だと思うけど……
まぁ、天の神様(おおかみさま)の託宣を告げるとしよう…。

『ハート』は『心』にして『愛』の象徴。

比較として、他のスートを説明すると…
『スペード』は『剣』にして『戦い・障害』の象徴、
『ダイヤ』は『貨幣』にして『金・富』の象徴、
『クラブ』は『棍棒』にして『仕事・知恵』の象徴、
その中の『ハート』だ。
この時点でちょっとビックリだろう?

しかも、『キング』は『ほぼ最上位』の『運命力』だ。
『エース』を最上位とするか、『キング』を最上位とするか、諸説あるというレベルで、だ。
まぁ、ハートだと『クイーン・オブ・ハート』とかが『その特殊性』で重宝されたりもするけどね」(↓↑興奮気味のハスキーボイス↑↓)

 先程まで余裕ぶっていた大神少年が、どこか興奮した様子で解説口調になっています。
 それほどの『引き』なのでしょうか?
 でも、案外この子はオオカミ少年だから『こういうコトを熱く語れる友達がいない』のかもしれません。
 さてはて?

「さてはて…その上で『キミの出したテーマ:大切な相手にもう一度会いたい』について
このカード『ハートのK(キング 13)』が
『何を言わんとしているか?』と言うとだね…

端的には『最上位クラスの強力な運命が、キミの愛・心を後押しするだろう』ということだ。
『動くなら今』とも言える。

なので、もう少し言葉を付け加えるなら…
『巨大な運命のうねりがキミの心を後押しする。
だから、今自らの心と対話し、その心の向く先を今定め、今行動し、今変わり、今成長せよ』
と言ったところかな…。

なにせ『ハートのキング』だ、『滅多に来ない運命力の波の頂点が今まさに迫って来ている』と見ていいだろう。

……とは言え、これは『カードがそう言ってるだけ』だ。
つまるところ、これをどう感じてどう動くか?は、やはり『キミ次第』だよ」(↓そろそろ落ち着いてきたハスキーボイス↓)

と、言ったところで大神少年(♀)は言葉を切りました。
雨田くんの反応を待っているようです。

455大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/26(金) 20:52:52
↑分かりにくいかもだが、テーマに沿って言い換えると『キミがその人に会おうとするなら運命はそれを大きく後押しするだろう。 どう行動するにせよ、なにかしらの大きな運命の力が働き、これから大きな変化があるだろう』みたいなニュアンスだな。

456雨田 月人『インサニティ』:2022/08/27(土) 23:40:50
>>454(レス遅れ申し訳ない。宜しければ、次レスぐらいで〆に入りたいかと思います)

  ハートのK(キング 13)

興奮する大神と違い、へーっと淡々とした声を雨田は上げる。
 とは言え、君の占いを真剣に受け止めてないとかでは無い。
雨田は、今まで心から衝動を起こす程の衝撃が『ミミ』関連で殆ど無いのだ。
 
「うーん、と言う事は」

「近い内に僕が動くも動かないに関わらず、大きな運命が
僕の願いを後押ししてくれるって事なんだ?」
 
 少しだけ思案した顔を浮かべ。
良いね、それ。と口の弧を軽く上げて賛同の頷きを返す。

「あー、けどね」

「タロットって『正位置』とか『逆位置』って確かあったよね?」

「もし、このカードが逆の意味だとして。
それだと、僕は大きな運命に振り回されるって事になるのかな?」

雨田には、その捲ったカードの視点が。自分から見て正位置か
それとも大神からの正位置なのか分からなかった。

だから、聞く。これは正位置なのだろうか?

457大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/28(日) 00:43:26
>(レス遅れ申し訳ない。宜しければ、次レスぐらいで〆に入りたいかと思います)
りょ

>「タロットって『正位置』とか『逆位置』って確かあったよね?」
>「もし、このカードが逆の意味だとして。
それだと、僕は大きな運命に振り回されるって事になるのかな?」
「うん、いいところに気付いたね。そう『タロット』ならば正逆がある」(↓落ち着いてきたハスキーボイス↓)
大神少年(♀)はニマリと笑みを浮かべましました。

「結論から言うと『このトランプ占いに正逆はない』。
実は『タロット占いを模したトランプ占いの場合』は『正逆を示すために、あらかじめトランプの上下にマークを入れる』んだ。
でも『このトランプ占い』は『その形式を取らなかった』。
だから、『このトランプ占い』でわかるのは『運命力の方向性と強弱のみ』なんだ。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ゆえに、そこに『是非』や『善悪』はない。

キミにとって善いことになるか、悪いことになるかは分からないんだ。
さっき『運命のうねり』『運命力の波』と表現したけど、そういうことなんだ。

 ・・・・・・・・・・
『キング・オブ・ハート』を冠する『愛・心に関する最上位の運命力の波』が君に迫ってきている。

キミが『動くなら今』なのは確かだろう。
『この最上位の波』は人生で数回しか訪れないから。

しかし『キミがその波にうまく乗れるか、その波に振り回されるかまでは、分からない』。

『平凡な日常を根本から変えてしまうほどの大きな運命のパワーだけど、それで起こる変化が善いか悪いかは、分からない』。

それほどまでに『強力な運命力』(パワー・オブ・フェイト)なんだ、コレは。

だから『君の意志でもって自ら、波に乗ろうとしないと波に呑まれるだけで終わってしまう』と思う。

逆に『君の意志で願い、進み、波を利用し、そして波を乗りこなした時、君の願いは叶う』とも思う。

かなり『人力』任せな運命論だけど、この『キング・オブ・ハートの意味』はそういうことなんだ。」

という所で大神さんは話を…

    キーンコーンカーンコーン

 …おっとそろそろ『昼休みの終わり時間』ですね。アレは『昼休み終了10分前の鐘』だった気がします。

「おっと、そろそろボクは教室に戻らなきゃな」
大神少年は、ササッと机に広げた『トランプカード』をまとめしました。……『ある1枚』を残して。

「お守り代わりに、この『キング・オブ・ハートのカード』をキミにあげようか?

なに。『おみくじの紙みたいなもん』さ。
『ボクのトランプコレクション』からすれば1枚くらいどうってことない」

大神少年は、雨田の机に『キング・オブ・ハート』(ハートのキング13)のカードを残しています。
くれるみたいです。

☆選択
 占い記念に『キング・オブ・ハート(ハートのキング13)のカード』(価値1円くらい)いる?
  ①いる!
  ②いらない!

458雨田 月人『インサニティ』:2022/08/28(日) 22:36:20
>>457

>キーンコーンカーンコーン

「あ、もうこんな時間か。楽しかった時間って直ぐ過ぎちゃうね」

言外に、この時間は有意義だったと伝える。

「あ、貰えるの? 有難う。
僕、病気や怪我とか悪縁以外なら何でも貰って嬉しい性質だから」

そう言ってトランプのキング13を丁寧に財布の中にでも治めるだろう。

「僕は雨田 月人。いつでも教室にいるから、また何か有益な話や占いが
あったら気軽に来てよ」

 ――『ミミ』の良い人は好きだからね。

心の中で、その呟きを唱えつつ見送る。

「……大きな運命、か」

「『初恋の存在』に、巡り逢えるかなぁ」

『ミミ』……僕だけの『ミミ』と。

 少し、遠い目をしつつ。雨田は窓を見やる。その心中を伺えるのは
神と、彼以外知る由は無いのだろう。

459大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/08/29(月) 05:40:38
>>458
「あまた つきとさんっていうのかい。
いい名前だ。風情を感じるよ。秋の夜長みたいな情景が思い起こされる。

ああ。ボクは『大神 或真』(おおがみ あるま)。
この学園の『高等部一年』さ。

部活は『手品部』。
まだまだ『ヒヨッコ手品師』だから、経験のため路上で『ストリートパフォーマンス』(大道芸)をやってたりする」(↓ハスキーボイス↓)

「うん、その『キング・オブ・ハート』のカードはあげるよ。
良くも悪くも、そいつがキミを後押ししてるのさ。
だから、キミなりにやってみるといい」(↓ハスキーボイス↓)

「それじゃまたね、ボクはここらで退場〜」(↓ハスキーボイス↓)

  ペコッ…トコトコトコ…ガシャッ…ペコッ…トコトコトコ…………

大神少年(♀)は、シルクハットを取って深々とおじぎをしたかと思うと、
大脱出をするわけでもなく、徒歩でトコトコ帰っていくのでした……。

460朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/09(金) 21:58:07
学校構内を何気なく歩いている涙音。

「小林さんかー…なにか話題になってないかな…」
何気なしに高等部の棟の方に足を運んでいた。

はたして例の『夏の魔物』の一件以降、ここでなにか行方不明者などの話題がないかと
あたりを軽く調べているようだ。

461御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/12(月) 19:37:09
>>460

       ――――――ぬっ………………

「………………『あ』………………」

角を曲がった直後に、
『ジャパニーズホラー風の女』と鉢合わせしてしまった。
亡霊を思わせる白いロングワンピースと、
顔の大部分を覆い隠す長い前髪。
見るからに恐ろしげで不気味な風貌だ。

    …………『どこか』で出会ったような気がする。

(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/267-287)

462朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/12(月) 20:37:06
>>461
考え事をしながら歩いていると、ふと角を曲がった直後に
「ふぉあっ!?」
目の前に急に気味の悪い女性が現れて素っ頓狂な声を上げた。

「びっくりしたぁ!?誰…と」
その見た目から彼女は即座に思い出した

「もしかして、以前あった…ティッシュ配りの人?」
多少ビビりつつも声をかけた

463御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/12(月) 21:19:04
>>462

『朱鷺宮涙音』と出会った時、
『御影憂』は『ポケットティッシュ』を配っていた。
それには『バイト先の広告』が入っていた。
『ホラー』をテーマにした『飲み屋』の広告だった。

          …………ジィッ

「もしかして………………」

前髪の隙間から相手の様子を窺い、こちらも思い出す。

「………………『ビー玉』持ってた人………………?」

           ボソッ

「『ラッキーアイテム』がどうとか………………。
 『せっかくの幸運』がどうとか………………」

確か『バイトの終わり際』に会ったはずだ。
あの時は、『恐怖に対する反応』を色々と試して、
散々ビビらせた記憶がある。
また会う事になるとは思わなかった。

「………………『同じ学校』だったんだ………………」

            ニヤァ

口元を歪めて、不気味に笑う。
この少女は『いいリアクション』をしてくれる。
学校が同じなら、これからも『楽しめそうだ』。

464朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/12(月) 22:27:26
>>463
「あーその…」
相変わらずの異様な風体に思わずたじろぎする涙音。
「ええ、ビー玉持ってましたね…
 あれはあの時のラッキーアイテム…でしたね。」
今は持っていない。今日のラッキーアイテムとは違うからである。

「やっぱり同じ街に住んでいると同じ学校にいることってあるんですねー…」
そう言って微笑んでみせた。
なんだか相手も不気味に笑ってるように見えたため若干引き気味であるが

465御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/12(月) 22:48:18
>>464

「………………『偶然』だね………………」

           ニヤッ

たじろぐ姿を見て、涙音とは対照的に、
満足げな笑みを浮かべる。

「………………『御影憂』………………」

           ボソリ

そして、唐突に『自分の名前』を告げた。

「大学部二年………………」

「………………『心理学』を専攻してる………………」

前に会った時も、別れ際に『心理学専攻』だと教えたはずだ。

「………………『何年生』?」

お互いに『自己紹介をしよう』という事らしい。
どうやら『興味』を持たれてしまったようだ。
教えるかどうかは自由だが…………どうする?

466朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/12(月) 23:04:03
>>465
「確かに…」
そう言ってから少し頭をかいた。
なんとなくカノジョに対しては苦手意識を持ってしまっているのだ。

「御影さん…というんですね。
 そういえば心理学専攻っていってましたねー。
 そういうのって大学でやることですし」

「えーっと、私は朱鷺宮涙音といいます。
 私の方は中学二年ですね…」
相手が先に学年まで質問してきたため
涙音も割りとすぐに学年について答えた。

「しかし、大学の人も…このあたりに用があるのですねー。」
このあたりは高校の敷地であるため、お互いに目立ちそうである。

467御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/12(月) 23:35:11
>>466

実際、目立っていた。
涙音はともかく、大学生の御影は『私服』なので、
特に浮いている。
とはいえ、この辺りは生徒もまばらなので、
あまりジロジロ見られてもいない。

「………………よろしく………………」

こちら側には苦手意識はなかった。
それどころか、好ましい存在だと思っている。
恐がってくれる人間は『研究しがい』があるからだ。

「久しぶりに………………
 高等部の先生に挨拶しようと思って………………」

「『里帰り』みたいな………………」

「………………別に大した用じゃないんだけど」

少し前までは、自分も『制服』を着て登校していた。
ずいぶん昔の事のように感じる。
ちょっとしたノスタルジーというやつだ。

「朱鷺宮さんは………………
 進級前の『下見』とか………………?」

涙音の目的は知らない。
ただ、中等部の生徒が高等部を訪れるのは、
そこまで珍しい事ではなさそうに思えた。
兄弟の忘れ物を届けに来るとか、そういう場合もあるだろう。

468朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/12(月) 23:47:31
>>467
「里帰りですか…
 ああ、高等部の人とまた挨拶をしに来たと」
彼女の言葉を聞いて少し緊張が和らいだ。

(見かけによらず…人間味を感じる…)
「高等部の先生には割りとお世話になった感じでしょうか。」
せっかくなのでちょっと話を聞いてみようと思った。

「え?私ですか?
 えー、まぁ…そんな…ところかな」
少しよそ見しながら返事を返す。

(うーん…行方不明者の話はあんまり他の人に話すべきじゃないかも…)

469御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/13(火) 09:56:21
>>468

「………………ふぅん………………」

涙音の返答に、軽く首を傾げた。
ちょっと引っ掛かるものを感じたようだが、
それ以上の追及はしてこない。
高等部の廊下に並ぶ教室を眺めつつ、質問に応じる。

「………………『臨床心理士』って知ってる?」

「『カウンセラー』って言った方が分かりやすいかな………………」

「将来そういう仕事をしたいから………………」

「………………高等部の時には相談に乗ってもらった」

『心理学を専攻している』というのも、
それと関係があるのだろう。
ただし、実際はそれだけではない。
『人間の恐怖を研究したいから』というのが、
一番大きな動機だった。

「………………今日も持ってる?」

涙音の手元やポケットに視線を向ける。

「………………『ラッキーアイテム』………………」

今はどんな品物を持ち歩いているのか、
少し興味が湧いたようだ。

470朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/13(火) 20:20:18
>>469
「カウンセラー…ええまぁ知ってます。
 私はそういうののお世話になったことは…まあなくはないですね…」
その昔スタンド使いのお医者さんのところに入院したことがある。
その時のことを何気なく思い出していた。

「ふーぅん。その先生はそういうのが専門だったりしたんでしょうか?」
なんとなく興味が惹かれる話である。
この人のいわば『恩師』のような間柄だろうか。

「ラッキーアイテム…ですか?
 えーっと…」
果たしてビー玉のときのようなことにならないだろうかと心配しつつも
なんとなくゴソゴソとポケットを探る

「…今日はこんなものが…」
取り出したのは小さな鈴。色は青色で二つついている。
ポケットの中にあったからかさっきまで音がなっていなかったようだ。

471御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/13(火) 21:06:09
>>470

「その先生は………………
 カウンセラーになる勉強をしてたけど………………」

           ボソリ

「それにならずに………………
 教師になったんだって………………」

「だから………………話を聞いた………………」

御影が相談した教師は、
かつては『同じ道』に進もうとしていた人物らしい。
人の一生において『恩師』と呼べる人間は何人かいる。
『その一人』という事なのだろう。

「――――――へぇ………………」

出てきた『鈴』を、まじまじと見下ろす。

(『これ』を取り上げてみたい気もするけど………………)

前回は涙音の方から手放してくれたが、
さすがに同じミスは期待できない。
やるとしたら、どうにかして隙を作る必要がある。
そのためには、何かで注意を逸らすのが良さそうだ。

「私も………………『持ってる』………………」

            ゴソッ

取り出したのは、『藁人形』をモチーフにしたキーホルダー。
頭には『釘』が突き刺さっていた。
見るからに不気味なデザインではあるが、
どことなく哀愁を帯びた愛嬌が感じられる。

       ………………かもしれない。

472朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/13(火) 21:34:58
>>471
「へぇー…カウンセラーを目指してたんですね、その人は。
 なんで教師になろうと思ったんでしょうねー。」
経歴を聞いていると少し気になってくる。
教師になろうとしたきっかけがあるのだろうか。

「あの…今回は渡しませんから。」
流石に前回の一件があって簡単に手放す雰囲気ではない。
警戒感を見せているようだ。

「へぇ、あなたもラッキーアイテムを…?」
興味深そうにじっと見つめてみると、出てきたのは

「わら、人形…?」
目が丸くなっているのがはっきりと分かるだろう。
どうやら驚いているようだ。

「えーっと…ラッキーアイテム…ですよね?」
呪いのアイテムに見えなくもないそれを見て、ちょっと戸惑っているようだ。

473御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/13(火) 22:13:17
>>472

「その先生が言うには………………
 『人には色々ある』んだって………………」

「私にも………………『色々ある』………………」

教師も御影に全てを語ってはいないのかもしれない。
御影も敢えて聞かなかったのかもしれない。
そうだったとしても『世話になった』事は確かなのだろう。

「この藁人形には………………『秘密』がある………………」

予想した通り、今回は『ガード』が固い。
作戦なしで突破する事は不可能だろう。
しかし、御影憂には『策』があった。

「『持ち主』には『ラッキーアイテム』だけど………………」

        ――――――ポイッ

「………………『他の人』が触ると『呪われる』」

    (………………なーんちゃって)

『言葉』で動揺を誘うと同時に、
涙音に向かって藁人形を『放り投げる』!
あくまでも軽く投げるだけだが、
藁人形に対して戸惑いを見せたのなら、
これで隙が出来る可能性は十分に有り得るだろう。
その瞬間がチャンス!

            ス ッ

すかさずもう片方の手を伸ばし、
涙音の注意が逸れている間に、鈴を掠め取ろうとする!

474朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/13(火) 22:30:05
>>473
「人には色々ある…かぁ。
 それはたしかにそうかも知れませんね。
 私も以前そういうのは感じました。
 …こう、人をびっくりさせたりするのにも理由が?」
ふと思い返すのは夏の魔物の一件で出会った色んな人のこと。

「えー…やっぱり呪いのアイテムなんじゃあ…それって…」
少しその藁人形を見て触らないように気をつけているようだ。

が、その時突然藁人形がこちらに放り投げられた!

「ふぉわっ!?は!」
びっくりした涙音は思わず手を引っ込めて下がろうとしたところで
鈴が手のひらからこぼれ落ちた!

「あーそれは!!」
そして御影憂の手元へと鈴が飛ぶ!

475御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/13(火) 23:06:08
>>474

(………………『作戦通り』………………)

            ニヤァ

薄暗く湿っぽい笑みを浮かべながら、
手の中から零れ落ちた鈴をキャッチする。

「フフ………………『心理学』の応用………………」

         コロ…………

             コロ…………

「まぁ………………初歩的なヤツだけど………………」

見せびらかすように、手の平で鈴を転がす。

「何の話をしてたっけ………………」

「そうそう………………
 人を脅かすのは『ライフワーク』みたいなものかな………………。
 『恐怖に対する反応』を研究テーマにしてるから………………」

「私にも………………『聞きたい事』があるんだけど………………」

「こっちの質問に答えてくれたら………………返してあげる………………」

鈴を摘み上げ、顔の高さに持ち上げる。

「………………『ラッキーアイテム』にこだわる理由………………」

476朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/13(火) 23:48:45
>>475
「なんてことを…
 まんまと盗られるなんて…
 うぅ…このままでは…不幸が…」
ラッキーアイテムを手放した途端すっかり涙音は落ち着きがなくなってきた。

「恐怖、恐怖?まさか…
 最初からそれが目的で話しかけてきたと?」
憂の姿を見て尋ねる。
実際はたまたまだったのだろうが…

「質問ですか…
 別に、それなら良いですけど…」
そう言ってから少し考える。

「そりゃあ、ラッキーアイテムに拘る理由なんて一つですよ。
 私は生まれつきよくわからない不幸が続いているんです。」
そう言ってため息を付いた。

477御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/14(水) 00:10:48
>>476

「フフ………………その通り………………」

「ここで起きた事の全ては………………
 『恐怖』を与えるために仕組んだ罠………………」

さらに不安を煽るような言葉を告げていく。

「………………って言いたいところだけど………………」

        リンッ

鈴を軽く揺らし、小さな音を鳴らす。

「話しかけてきたのは………………
 そっちじゃあなかったっけ………………」

鉢合わせしたのは同時だったが、
先に声を掛けたのは涙音だった。
それを忘れるくらい慌てているという事だろうか。
どうやら、よほど大事なものらしいと気付く。

「つまり………………『不幸体質』って事………………?」

『生まれつき』というくらいだから、
おそらく相当なものなのだろう。

「それで………………『お守り』が必要だと………………」

                スッ

やがて、おもむろに涙音に鈴を差し出す。

「………………今度は盗られないようにね………………」

「――――――フフフ………………」

約束通り返してくれるようだ。
もう罠の気配はない。
取っても大丈夫だろう。

478朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/14(水) 20:15:33
>>477
「うおお、やっぱりそうだったんですかぁー…」

「む…考えてみれば私のほうが話しかけてたんでした…」
今になって思い出した。
かなりテンパっていたことは間違いないだろう。

「…まぁ、そういう感じです。
 常に何かがぶつかってくるんです!みぞおちに!」
かなり必死そうな表情で答える。どうやら嘘を言っているようには見えない。

「あー…そうです。お守りは私にとって正しく守りなんです。
 ですからぜひ…」
そう言って手を差し出すと、鈴を差し出してきた。

「えーっと…もう、次はないですよね?」
不安そうに鈴を取ろうとする。

479御影憂『ナハトワハト』【大学二年】:2022/09/14(水) 20:40:58
>>478

「………………『みぞおち』………………?」

不意に飛び出してきた不可解なワード。
それを聞いて、思わず鸚鵡返しに繰り返してしまった。
『みぞおち限定の不運』というのは、また随分と極端な話だ。

「もしかして………………誰かに呪われてたりして………………」

             ボソッ

「『丑の刻参り』で………………みぞおちに『釘』を刺されてるとか……」

涙音が鈴を取ろうとした時、不吉な言葉で追い討ちを掛ける。
しかし、取る事を邪魔する気はないようだ。
鈴は御影の手を離れ、無事に涙音の元に戻った。

「私………………そろそろ行くね………………」

             スゥッ

「フフ………………『また』………………」

不気味に笑いつつ、放り投げた藁人形を拾い上げ、
涙音の横を通り過ぎていく。

「………………『暗い夜道』には気を付けて………………」

            ボソリ

すれ違う瞬間、不穏な一言を言い残して、
その場を立ち去るのだった。

(やっぱり………………『恐がらせ甲斐』がある………………)

(『朱鷺宮涙音』………………『愉しみ』が増えた………………)

どうやら――――『目を付けられてしまった』のかもしれない…………。

480朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2022/09/14(水) 21:58:01
>>479
「呪われてる…?
 まっさかー…そんな悪いしたこと無い…はずなんですけど…
 それにこの辺にそんな、藁人形だの丑の刻参りだののスポットなんてあるわけが…」
正直自身はない。
恨みを思わぬところで買うことだってあるのだから…

「…ああ、他の場所に行くんですね。
 どうも…」
少し不安そうに頭を下げるが…

ボソリと投げかけられた言葉に
「えっ…」
思わずゾッとする。

「…夜道になにかあるんですかー!?」
去りゆく彼女へ思わず声をかけたが
すでに遠くに行っていた。

「…なーんか、とても嫌な予感がする」
御影憂に狙いを定められたことを彼女は気づいてはいない。

だが、なんとなく危ないのだということは理解できていたようだ。

「まぁ…とりあえず探っておくか…」
不安を覚えつつも、彼女はまた歩き出した。

481夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/02(水) 13:42:26

『清月学園』の近くにある喫茶店。
その一隅に腰を下ろし、『待ち合わせ』をしていた。
既に注文したらしく、テーブルの上には、
『抹茶ラテ』と『ほうじ茶プリン』が置かれている。
『和洋折衷メニュー』のようだ。
運ばれてきたばかりなので、まだ手はつけていない。

「『チェシャ』――――きょうはナニしてたの??」

        (・ω・)「フミフミ」

頭の上には、『ハーリキンチェック』の『ハンカチ』が乗っている。
ただの布切れではなく、『スタンド生物』の『チェシャ』だ。
厚みのないペラペラの体ゆえに、
風に舞って飛ぶように移動し、狭い隙間にも入り込める。
『チェシャ猫』を思わせる神出鬼没さで、
夢見ヶ崎の周囲に現れる存在。
今日も特に呼んでなかったのだが、
ここに来る途中で出くわして、そのままついてきたのだった。

482夢見ヶ崎『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/04(金) 17:59:15
>>481

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1665841153/33へ移動

483リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/02/06(月) 18:27:02

『清月学園』の裏手方面――普段あまり人の通らない場所に、
古めかしい『西洋人形』が置かれている。
赤いドレスとボンネットを身に着けた青い目の人形。
誰が残していったのかは分からないが、こんな所にあるのは『奇妙』だ。

     ……………… ……………… ………………

人形の視線の先では、数人の学生達が行き来している。
だが、透き通った硝子製の眼球は、
どこか遠くを見つめているように感じられた。
まるで『失われた過去』を懐かしんでいるかのような…………。

484リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/02/08(水) 18:13:33
>>483

こうしていると、昔を思い出す。
『親善大使』として、この国にやって来た時の事を。
同じ使命を与えられた『姉妹達』と共に、大きな船に乗って港に辿り着いた。
大勢に歓迎されたメリーは、ある学校に寄贈され、子供達の遊び相手になった。
誰もがメリーを愛し、メリーも皆が大好きだった。

(本当に楽しかったわ)

(でも、人間は変わってしまう)

しかし、幸せな日々は長く続かなかった。
やがて戦争が始まると、メリー達は『敵国の人形』として、『憎しみの対象』に変わっていく。
手足をもぎ取られ、頭を砕かれて、火の中に投げ込まれる『姉妹』。
だが、メリーは破壊を免れた。
壊してしまう事を哀れんだ一部の人間によって救われたのだ。

          (人間が好き)

    (人間が嫌い)

今、メリーの中には相反する感情が存在する。
人間に対する『愛着』と『憎悪』。
それが『メリー・バッドエンド』の源なのかもしれない。

         コトッ

独りでに立ち上がり、西洋人形は歩いていく。

  「青い目をしたお人形は、アメリカ生まれのセルロイド」

     「日本の港に着いた時、いっぱい涙を浮かべてた」

         「わたしは言葉が分からない、迷子になったらなんとしよう」

             「優しい日本の嬢ちゃんよ、仲良く遊んでやっとくれ」

童謡『青い眼の人形』を口ずさむ後ろ姿が、徐々に小さくなっていき、
いつの間にか見えなくなった――――。

485赤月『サクソン』:2023/02/26(日) 17:21:27

──清月学園、図書館。
小中高大一貫のこのマンモス校を支える知の貯蔵庫たるこの施設には
児童書から研究レベルの専門書まで幅広いジャンルの書籍が揃えられている

「ん・・・・」

共有スペースの一画に中等部の制服を着た少女が座っていた
肩まで伸ばした黒髪の一部は赤く染められており、姿勢を正して本を読んでいる
机の上には人の身長と同じくらいに高く積まれた本の山

「徳川、家康。戦国乱世を生き延びた後、鯛のてんぷらに当たって死亡・・・・」

『戦国史』『ローマ帝国の興亡』『なぜなに偉人伝』
『騎士たちの生涯』『イラストでわかる三国志』『ぎしわじんでん』
『古田家・吉田家・田淵家の書簡から見る美濃史』『武士の誉れ』・・・・

積まれた本の表題はどれも歴史や人物に関わるもののようだ
それらの本をひとつ、またひとつと丁寧に読み込んでいる

だが、あまりにも高く積まれた本の山は今にも崩れそうな程に危ういバランスを保っていた

486烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/27(月) 21:29:44
>>485
「特撮の本とか…ないかなー。」
図書館の中を歩いているものが一人いた。
自分の趣味に合う本がないかと探し回っていたのである。

「このあたりはないかな…」
と、ひょっこり顔をのぞかせた場所には無数の本の山があった。
その中には別の生徒の姿。

「勉強熱心だなー…って」
ふと、崩れそうな本の山を見る。

「どうしよう…このままじゃ崩れそう…」
彼女はそれを見て、心配そうな表情を見せた。

487赤月『サクソン』【中二】:2023/02/27(月) 21:37:53
>>486

「む、むむむ・・・・」

山と積まれた本の間から漏れる唸り声
どうやら、彼女は読書に集中するあまりに烏丸の視線に気付いていないようだ
そして、次の本に移ろうと先ほどまで読んでいたハードカバーを新たに山の上に置き・・・・

 グラ
   ァ
    ア
    リ
   !!

山が・・・・・ 斜めに傾いていく・・・・!!
その事に気付いているのか、気付いていないのか・・・・!?

488烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/27(月) 21:51:16
>>487
「あっ…」
グラリと本の山が傾き始めた。
それを見たレイは…当然放ってなど置けない!!

(人助けもまたヒーローの資質!)
そう思うと即座に

「グレゴール・ザムザ…!」
『変身』を行った!!

ギュゥン!!

その体は常人を超えたスピードで倒れそうになった本の山を

「ハッ!!」
即座にキャッチし、崩れ落ちるのを防いだ!
今の彼女はまるで特撮のヒーローのような見た目になっている。
明らかに違和感を生じる見た目だ。

489赤月『サクソン』【中二】:2023/02/27(月) 21:58:16
>>488

「はっ!!」

烏丸レイが『グレゴール・ザムザ』を纏いこちらに向かう・・・!
その瞬間、読書をしていた少女は顔を上げて、ようやく倒れそうになっていた本に気が付いた

「『サクソン』ッ!!」

    ズギャッ!!

そして・・・・彼女もまた発現した・・・・! トレンチコートを纏った己のスタンドを!
倒れ崩れる本の山を支える烏丸と交差するように人型のスタンドが動く

    パッシィィッ!!

二人のスタンドの腕が本の山を両側から支えた!
危うく大惨事(図書委員からこっぴどく叱られる)になるところだった惨劇は未然に防がれたのであった

「君は・・・・!?」

特撮ヒーローの様な烏丸の姿を、少女が見上げる

490烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/27(月) 22:18:08
>>489
「!?それは…!」
レイは思わずそのスタンドを見た。
彼女、赤月から生じたスタンドの動きを目で追った。
そして赤月の方にも

「あー、はじめまして…」
思わず会釈する見た感じヒーローの少女。
声で明らかに同年代くらいとわかるだろう。

「その、大丈夫ですかー?
 今にも倒れそうに…なってましたが」
そう言いつつも本を支え続ける。

「まぁ大丈夫そうで…よかった。」
何事もなかったように話を続けようとするレイ。
だが赤月には自分のスタンドを『見た』彼女の顔の動きがわかっただろう。

491赤月『サクソン』【中二】:2023/02/27(月) 22:25:02
>>490

「・・・・・・。」

目の前に突然出現した変身ヒーロー
そんな彼女(声で女性と判断した)が己の『サクソン』に視線を移した事を察する

「すまない・・・・熱中しすぎて気が付かなかったようだ」

よいしょ、という声が似合うような動きで本を持ち上げる
いくつかの山に分けて机に並べ、高さを崩していく

「こんなになってしまっていたとは・・・・
 もう少し早く気が付けばよかった」

「ありがとう。君が支えてくれなかったら、私はぺしゃんこになっていたところだ」

そう言って、自分のスタンドを解除する
特撮ヒーローのようなその姿に面食らった様子だが、
何かを察しているのか大仰に驚く様子はないようだ

492烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/27(月) 22:33:18
>>491
「いえいえ、無事だったらそれでいいんです。
 私はその、通りすがりのヒーローみたいな…感じで」
そう言ってどこか気まずそうに手を振る。

「それでそのー…
 これはまぁコスプレみたいな感じで…はい」
おそらくコレでごまかせるだろうと考えた。
(ところでコレって普通の人に見えるのかな…)

「にしても、随分といっぱい読んでますね。
 コレって、歴史の本…ですね。好きなんですか?」
そう言って積み上げられた本を見る。
いろいろな本があるとレイは思った。

493赤月『サクソン』【中二】:2023/02/27(月) 22:45:32
>>492

「コス・・・・プレ・・・・?
『戦士』の姿を仮装する事をそう呼ぶのか・・・・?
 日曜日の朝にテレビで見るような恰好だと思ったけど」

興味深そうに烏丸の事を見つめている
だが、不審がる様子やその姿を笑ったりする様子は一切ない
純粋にコスプレという言葉が気になっているようだ

「あ、ああ・・・・少しだけ、気になる事があって」

烏丸はここで、並べられた本の選定について気が付くかもしれない
これらの本だが・・・・歴史書の中でも『偉人や武将の死』に関わる内容が多い事に

「そうだ。『戦士』の姿をした君であれば、少し意見を聞いてみたい」

494烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/27(月) 22:56:37
>>493
「ああ、そうそう。
 私はそういう番組の大ファンなんです。
 だからこうしてたまにね。こういう格好をするわけなんです。」
なんで学校で?みたいなツッコミが入りそうな話だが
とりあえず当人的にはごまかしてるつもりらしい。

「気になること?
 …まぁ、勉強とかの話なら
 一応聞いても大丈夫、ですけど…?」
そう言ってじっとその顔を見る。
勉強ならある程度出来るつもりだ。
教えるくらいなら造作もない。

495赤月『サクソン』【中二】:2023/02/27(月) 23:05:46
>>494

>私はそういう番組の大ファンなんです。

「そうか・・・・」

>だからこうしてたまにね。こういう格好をするわけなんです。

「そうか・・・・!!」

うんうんと嬉しそうに頷きながら答える
どうやら、彼女自身もその感情には共感の念を抱いているようだ

「ありがとう。ここ数日、その事が気になって思い悩んでいたんだ
 ん・・・・そうだな、聞きたい内容は・・・・」

「『戦士の終わり』について、だ」

ずらりと並べられた本を手の平で指し示す

「『戦士』が、その戦いを終えて『終わり』を迎える時とはいつなのだろうか?
 ある者は戦いの最中に命を落とし、ある者は平和な時代を迎えた後、つまらない事で命を落とした
 戦いを次の世代に繋げるために命を差し出した者もいれば、明確な終わりが記載されていない者もいる」

僅かに、目を伏せる

「そして・・・・命を終えてなお戦い続ける者に、私は遭った」

「『戦士』の終わりとはなんだ?
 『戦い』を終えてなお、『戦士』であり続ける者に終わりはあるのか・・・・?」

496烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/27(月) 23:32:09
>>495
「お、もしかして貴方もそう言うのに興味が?
 それならDVDを…」
といった所でふと、彼女の質問を効く。

「戦士の終わり…ですか?
 そりゃまた随分とコアな話をする…」
もしかして彼女はディープな特撮ファンなのか?
レイは何処かで食い違いが起こってることに気づいていないようだ。

「戦士の戦いが終りを迎える時…
 まさにそれはヒーローにとって永遠の命題…
 悪の組織を滅ぼしたら終わるのか…いや、
 たとえ悪を滅ぼしても新たな悪が現れ、戦いが永遠に続くこともまたありうる…」
どこか熱がこもった雰囲気となっている。

「でも、少なくともわかることは一つありますね。」
そう言って指差す。

「戦いの終わりを決めることが出来るのはその人しか居ません!
 途中で降りるのも、成し遂げてゆっくり休むのも…
 あるいはそのまま戦い続けるのも!決めるのはその人しか居ないでしょう!
 多分歴史上の人物も自分で選んで終わりを迎えたんですそうに違いありません!」


「って答えになってないかな…」
彼女の問に答えられてるのかと急に気になってきた。

497赤月『サクソン』【中二】:2023/02/27(月) 23:51:45
>>496

「ん・・・・・(『戦士』の生き方に)興味がある」

どこか、決定的な食い違いがある事に気付いていないまま同意を示す

「ふむ・・・・ ふむ・・・・ やはりな
 例え一つの『組織』を滅ぼそうとも、戦いがなくなるわけではない
 それであれば、『戦士』にとっての終わりとは永遠に・・・・・」

>「でも、少なくともわかることは一つありますね。」

「ん・・・・?」

永遠の戦いという言葉に諦観のようなものを見せていた彼女であったが、
言葉とともにピンと立てられた指に興味を向けるように、視線がそちらへ行く

「戦いの終わりを決めるのは『戦士』自身・・・・
 そうか・・・それもそうだ・・・・戦う事を決め、その道に身を投じたのも己ならば
 それをどこで止めるかも己自身の意思で決めるべき事・・・・」

もっとも、そんな風に終わり方を自分で決められる者は少ない
戦いの場に赴く以上、予期せぬ所で戦えなくなる者も数多く存在する・・・・だが

(だけど・・・・己の心が、意志が、そう望むのならば・・・・
 宿命とか、運命とか、そういうものに縛られるのではなく、
 己自身が『戦士』である事を止められる・・・・止めてもいい・・・・のか?)

あの時、戦いの後で小石川文子は言った・・・・『人は、自分以外の者にはなれない』と
その言葉を赤月は『戦士である事を止める事なんて出来ない』と受け取った
だが・・・・目の前の彼女は言う、『戦いを止める者は戦士自身である』と

(いや・・・・・)

心の中で、強張っていたものが僅かに解けていくのを感じる
己自身を自ら縛っていたものが解けていくのを・・・・

(『彼』も、そうだったのだろうか・・・・?
 そうだと、いいな・・・・)

「ありがとう・・・・参考になったよ
 どうやら、君と私は近しい感性の持ち主だったようだ」

『戦士』についての価値観、という意味で赤月は言う

498烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/28(火) 00:10:53
>>497
「ほうほう、参考になりましたか。
 私も薄々感じてましたよ。近しい感性(特撮ファン)だということに!」
彼女の葛藤などは知る由もなく、
何気なく思いついた言葉が彼女を動かしたことにはレイは気づいていなかった。

「私も色々見てきたからなんとなーく、ヒーローの葛藤やらも見てきましたからねー。
 参考になりますよ、そういう人の生きざま?っていうのは。
 みんなかっこよかったなー…」
ふと、色々見てきた特撮に思いを馳せる。

「あー、ところで…
 今のはその、参考になったりするのかな…?
 授業とかに…」
歴史について調べていると思ったレイは
いまのが彼女のためになったのだろうかと改めて疑問に思った。

(特撮の受け売りばっかりだから
 歴史を調べる参考にはならなそうだけどなぁ…)

499赤月『サクソン』【中二】:2023/02/28(火) 00:21:15
>>498

「とても参考になったよ
 その眼差し・・・・まるで幾人もの『戦士』の生き様を見送ってきたかのようだ
 やはり・・・・君は『その道』の専門家だったりするのだろうか」

年季の入った特撮ファンは時に熟達の戦士の精神にも相当する・・・・

などという事はないのだろうが、烏丸のその眼差しに何かを感じ取ったのか
感心したように彼女を見つめていた

「・・・・赤月ナカレという。中等部の2年生だ」

本の山を整理し、元の場所に戻す準備をしながら言う
どうやら、烏丸にとっては一つ下の学年のようだ

「よければ、またどこかでその知識を聞かせて欲しい
 いや・・・・『戦士』について、またどこかで話をさせてくれ」

すっ、と右手を差し出す
握手を求めているようだ

500烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/28(火) 20:20:31
>>499
「そりゃもう、その道の専門家ですよー。
 でも貴方も見る限りそういうのをよく見てそうですね。
 どういうのが好みか気になりますよ。」
自分のような女の子は特撮の話題にはハマりにくいものだ。
だいたい可愛い系だったり魔法少女系だったりとそういうのが女の子は好み。
故に『同年代の特撮ファン』(じゃないけど)と出会えたことにレイは喜びを感じていた。

「あー、えっと赤月…さん…
 ってひとつ下なのか…
 敬語のままのほうがいいのかなー…」
少し気になりつつも、レイも挨拶を返す。

「こんな格好で失礼…
 私は烏丸レイ、同じ中等部の3年生だよ」
そう言って手を差し出した。

「もちろんお話なら日が暮れるまでやれる自信はあるよ!」
レイは握手に応じた。なんとなくヒーローが握手をしている気分である…。

「気に入ってくれる人がいると嬉しいなー。
 私が見てるヒーローの中に…」
果たして彼女はどの特撮のファンで
特に誰が好きなんだろう。そんなワクワクがレイの中に渦巻いていた。

501赤月『サクソン』【中二】:2023/02/28(火) 21:49:41
>>500

「烏丸レイ・・・・よろしく頼む!」

窓から差し込む夕焼けがバックを照らす中、二人の少女がガシッと力強く握手を交わす
鍛えているのか、年齢相応の柔らかい手の感触の下に筋肉の圧が感じられる

敬語かタメ語か切り替えを迷う烏丸とは対照的にこちらはタメ語のままだ

   ヒーロー
「『英雄的戦士』の話か・・・・興味深い」

そう言って、烏丸の話に耳を傾けていく・・・・
烏丸が話す『ヒーロー』の話と、赤月の語る『戦士』の話
両者は微妙に食い違いながらも、ギリギリの噛み合いを見せてここまで話が繋がっていた

では・・・・このまま話を続けてしまったら、お互いに気まずい雰囲気になってしまうのか・・・・?

――――《1時間後》

「う、うむ・・・・・やはり凄いなその『赤の戦士』は・・・・!
 私としては、ニヒルな『黒の戦士』も捨てがたいが
 友の裏切りに遭いながらも、その友を見捨てない心意気は・・・・私も好きだ!」

意外!! ・・・・・ともいえないが
意外な事に気まずい事になる事もなく・・・・話に馴染んでいた!
どうやら、特撮ヒーローの深み・・・・ヒーロー沼に片足を突っ込む事になりそうだ・・・・

二人はヒーローについて語り合いながら、
日が暮れるまで図書館でお喋りをしていた、という・・・・
とある冬の日の、そんなお話

502烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』【中三】:2023/02/28(火) 22:18:01
>>501
「こちらこそー!」
そう言って握手を交わす手からは
力強さを感じた。

(この子、鍛えてるんだな。
 スポーツ選手を目指してるのかも?)
レイはあくまでスタンドによる肉体強化。
なので彼女自身はあくまで人並みである。
どこか感心した様子だ。

「せっかくだから一気に語っちゃうかな!
 いきなりだとびっくりしそうだからまずは…」
そう言って彼女はヒーローの話を始めた。
果たして赤月との食い違いのゆくえは…

で、一時間後…

「そうそうみんなを導くレッド!
 色んなキャラが居るけどみんな勇敢で
 おまけにブラックはかっこいいんだよ!
 私が知ってるブラックは酒と煙草が大好きでも…」

「それに新しく加入する人もいてね
 色々ぶつかり合いもあって成長していくんだよ!」
いつの間にやらふたりとも熱中に熱中を重ねていった。

「じゃあ実際に映像も見てみない?
 BOXでもってるんだけど!」
そんなこんなで二人はたいそう盛り上がったそうである。

503カナリア『プラン9・チャンネル7』:2023/03/17(金) 16:36:16

『公衆電話』には『設置基準』が定められている。
人の多い市街地なら、最低でも『1km四方』に『一台』は置かなくてはならない。
学生達が通る『通学路』にも、『電話ボックス』が設置されていた。
昔は重宝されていたのだろうが、
子供がスマホを持つのも珍しくない現代においては、そうそう出番はない。
しかし、『誘拐事件の被害者』が『通報』を行った例もあり、
普段は使わずとも、緊急時には必要とされる存在だ。

      ジリリリリリリ………………

それは『奇妙な現象』だった。
何の前触れもなく、『呼び出し音』が鳴り響く。
ボックス内の電話機が『着信』している。

          ジリリリリリリ………………

誰かが受話器を持ち上げてくれるのを待つかのように、電話は鳴り続ける。

504大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2023/03/18(土) 08:56:27
>>503
受話器を取る。
受話器を取ったのは、黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)のオオカミ少年の大神さんだ。

「ヘイ、ラッシャイ! こちらラーメン大好き珍々亭でござい!」 ←頑固一徹こだわり親父の声真似
イタズラ電話で答えた。

505カナリア『プラン9・チャンネル7』:2023/03/18(土) 10:57:08
>>504

『メゾネットタイプ』の『1LDK』。
室内のインテリアは、無機質な『アーバンモダン』で統一されており、
目に見える生活感が少ない。
二階部分の寝室には『シンセサイザー』が置かれている。
このマンションが『美作くるみ』の住居だ。
今この瞬間は『カナリア』である美作は、大いにリラックスした下着姿で、
スマホを手にしてベッドに腰を下ろしていた。

「へぇ、いつから『電話ボックス』が『ラーメン屋』に設置されるようになったのかしら?」

受話器から聞こえるのは、若い女の声だった。
ただし、その声色は普段よりも『低い』。
『カナリア』は『歌のプロ』であり『喋りのプロ』。
長年の『ボイストレーニング』で、様々な音程の声を使い分ける事が出来る。
『知り合い』に勘付かれる事を察して、咄嗟に声を変えたのだ。

「あぁ、もしかしたら『電話番号』を間違えちゃったのかも。
 お忙しいところゴメンなさい。
 ええと――珍々亭さん?」

相手に合わせているが、もちろん本気ではない。

506大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2023/03/18(土) 13:14:20
>>505
「ご名答。ラーメン屋珍々亭とは世を忍ぶ仮の姿……」
イタズラ電話を続ける。

「……用件を聞こうか」(ゴルゴ13のような静かな口調)

「ちなみに映画『ダイ・ハード3』では、
ブルース・ウィリス演じる主人公の刑事相手に、『サイモン』と名乗る謎のテロリストが電話越しに『謎解き』を仕掛け、主人公に街中を駆け回らせる。
その際のギミックに用いられたのが『公衆電話』だ。
撮影当時はまだスマホが普及していなかったからね。

主人公は、街中で突然かかってくる『公衆電話』から出される無理難題を解き、街中を駆け回り、また公衆電話を取って『サイモン』と勝負していく。
電話越しのサイモンから『サイモン・セッズ』("Simon says":英語圏の遊び言葉)の言葉とともに告げられる事件予告、その凶行を止めるために主人公はニューヨークの街を駆ける。
はたして不可視のテロリスト『サイモン』とは何者なのか……?」

「……さて、用件を聞こうか」

ちなみに大神は『そういう能力者ではない』のでカナリアの正体にはさっぱり気付いていない。
『単なるイタズラ電話の相手』という感じである。

507カナリア『プラン9・チャンネル7』:2023/03/18(土) 14:01:48
>>506

「あら、そうなの?
 せっかくだから『デリバリー』を頼もうかと思ったんだけど」

     スッ

立ち上がり、全身が映る『姿見』の前に立つ。
そこに映るのは、シェイプアップされたスポーティーなプロポーション。
日頃からスタイルの維持には気を遣っていた。

「まずは自己紹介しておきましょうか。
 私は『カナリア』。
 『忘れられた歌鳥の囀り』を響かせる『メッセンジャー』」

        グッ

モデルのようにポーズを取りながら、全体的なシルエットをチェックする。

「『囀り』に気付いてくれた誰かさんと『お喋り』する事。
 それが私の用件よ」

          クルリ

背中越しに鏡を観察し、後ろ姿の確認も怠らない。

「ところで、そこは『清月学園』の近くでしょう?
 あの学校は大きいわよね。
 遠くから見ても、よく目立つわ」

基本的に通話するだけの公衆電話に、スマホのような機能はない。
しかし、受話器を取った相手の『位置』は分かる。
単純に『移動する事がない』からだ。

508大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2023/03/18(土) 17:07:21
>>507
「ククク……自己紹介どうもありがとう」

「『ラーメン屋:珍々亭』は世を忍ぶ仮の姿……。
俺の名は『ウルフ』……とでも名乗っておこう。
『ロンリーウルフの一匹狼』(同じ意味の言葉の繰り返し)だぜ」
自己紹介されたので自己紹介しかえす大神さんだ。

「ククク…学園の近くだからどうした?
学園に爆破予告でもするのかい、『小鳥ちゃん』?」
『ウルフ』のロールをしつつ、ノリノリでおしゃべりする大神さんだ。

509カナリア『プラン9・チャンネル7』:2023/03/18(土) 18:51:21
>>508

    トン トン トン トン トン

階段を下り、リビングに降りていく。
ガラスのコーヒーテーブルに、
それを囲むように配置された一人掛けのソファー、
ダクトレールに取り付けられたシーリングライトなど、
都会的な雰囲気の家具が揃っている。

「フフ、実は少し前に『ウサギさん』とお喋りしたの。
 その次が『ウルフさん』だなんて面白い偶然ね」

『動物に例えた名前』で会話を交わす。
『ラジオネーム』に通じる部分もあるし、アイディアとしては悪くない。
今後の『セルフプロデュース案』に含める事も検討しよう。

「あはははは…………そんな怖い事なんて、私はしないわよ。
 もし『出来た』としてもね」

『プラン9・チャンネル7』は、直接的な戦闘力が皆無だが、そんな事は些細な問題だ。
カナリアこと美作は人一倍『モラル』が高い。
『能力』を活かせず、フラストレーションを溜め込んでいたのも、
それが最大の理由なのだから。

  「でも、私には『あなたの居場所』が分かってる…………」

       「『振り返ったら後ろに』!」

           「――――なぁ〜んて事はないんだけどねぇ」

しかし、『モラリスト』である事は、堅苦しさを意味しない。

「もし『ウルフさん』が学生さんなら、
 ひょっとして『ウサギさん』と出会った事があるかも?」

まさか本当に『顔を合わせている』とは、この時は知る由もなかった。

510大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2023/03/18(土) 19:33:46
>>509
>「フフ、実は少し前に『ウサギさん』とお喋りしたの。その次が『ウルフさん』だなんて面白い偶然ね」
>「もし『ウルフさん』が学生さんなら、ひょっとして『ウサギさん』と出会った事があるかも?」

「ククク……オレを舐めるなよ……
あいにくオレはウサギさんに出会うどころか、エサを食らわせ撫でてきたところでな……」
こう見えて大神さんは意外と常識人(&動物好き)、
そのため、大神さんは『カナリアの言うウサギさん』を人名と思わなかった……。

なので大神さんは『ウサギさん』≒『学園のウサギ小屋で飼われているウサギ』(偶然にも大神さんは今朝ウサギにエサをやり、撫でてきたところであった)と勘違いしたまま話が進んで行く……。

そしてそれはすなわち大神さんはカナリアのことを『ウサギ(動物)とお話しする趣味がある、なんかさびしい人物なのだろうな……』と勘違いしたまま話が進んで行くということである……。

511カナリア『プラン9・チャンネル7』:2023/03/18(土) 20:48:47
>>510

かくして微妙な『勘違い』が生まれかけていたが、『カナリア』には通用しない。
何故なら、本業は『パーソナリティー』。
会話の中に隠された『機微』を読み取るのは『得意分野』だ。

「ねぇ――――今、私を『寂しい人』だと思ってない?」

       コポポ…………

コーヒーメーカーで淹れたコーヒーを、カップに注いでいく。

「一応言っておくけど、『ウサギ』は『ニックネーム』よ。
 『ウルフさん』と『近い世代』のような気がしたの。
 だから、もしかしたら『同じ学校に通ってるんじゃないか』ってね」

「『電話で話しただけ』だから、ハッキリとは分からないんだけど」

           ズズ…………

熱いコーヒーを啜りつつ、キッチリと『訂正』を入れておいた。

               ピンポォ――――――ン

その時、寛ぎの時間を遮る音が響く。
『宅配便』が届いたのだ。
時間指定してあった事を、すっかり忘れてしまっていた。
一瞬出て行こうとした直後、『今の姿』に気付いて立ち止まる。
いくら自宅とはいえ、人を出迎えられる格好ではないのは言うまでもない。

512大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2023/03/18(土) 22:29:04
>>511
「……」
ちょっとだけ間が空く。

「ククク……すまない。勘違いした」
ちゃんと謝る大神さんだ。

「とりあえず、もう少し情報がないことに『ウサギさんと名乗る人』についてはなんとも言えんな。
なぜ、そんなことを知りたがる?」

「……そしてアナタが『さみしい人』というのは『あながち間違いではない』と思うがね」

「なぜかというと、だ。
『普通』に考えたら『さみしくない人』は、
『公衆電話に電話などかけない』、
『突然電話に出たウルフなどという怪しいやつとお喋りしない』、
『もっと近くにいるリアルの誰かを頼る』ものさ」

「そして、そこから推測されることとして……

『何か事情のある人』、『特殊な趣味の人』、
『その行動で心の何かを埋めたい人』、
『近くにいる誰かでは埋められない何かを持つ人』、
『人の声恋しさに電話をする人』……

……といった『人物像』がぼんやりと浮かんでくる」

「そして『それら』を総じて『さみしい人』と『こちらが名付ける』のは『あながち間違いではない』と思うがねぇ……」

「ちなみに『ウルフさんのマメ知識』……『ウサギはさびしいと死んじゃう、というのはウソ』らしいぞ」

513カナリア『プラン9・チャンネル7』:2023/03/19(日) 06:16:09
>>512

「あぁ、気にしないで。深い理由はないから」

前半部分については、サラリと流された。
実際、会話の取っ掛かりという以上の意味はなかったのだ。
『ウサギ』を名乗った向こう側が、どう思っているかまでは知らないが。

「フフフ――『着信する公衆電話』に、
 『ラーメン屋さんのマネ』をして出るっていうのも、
 なかなか出来ない発想と行動よね」

    「――――って」

           「…………ヤバ」

                  バタバタバタバタバタ

「ええと――――何ていうか『お客さん』が来ちゃったみたい…………」

              バタバタバタバタバタ

      「お喋りできて楽しかったわ!
       それじゃ、ごきげんよう!」

    ツー ツー ツー

何やら慌ただしい足音が聞こえ、別れの挨拶と共に通話が切られた。
後半部分の分析は『いい所』を突いていたのかもしれない。
しかし、タイミングが悪かったようだ。

「ちょっ、ちょっと待っ…………!」

急いでスタジャンを羽織り、前を閉じる。
それからジーンズに脚を通すが、歩きながらでは無理があった。
途中で『裾』を踏んづけてしまい、ゆっくりと姿勢が崩れていく――――。

           ド タ ァ ン ッ !

     ――――その後、『荷物』は無事に受け取ったらしい。

514大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2023/03/19(日) 13:24:28
>>513
>「フフフ――『着信する公衆電話』に、『ラーメン屋さんのマネ』をして出るっていうのも、なかなか出来ない発想と行動よね」

「ククク……そのあたりはオレも『ロンリーウルフの一匹狼』。

「おたがい『変わり者』の『のけもの』
(・除け者(社会不適合者)
 ・野のケモノ(法に縛られない、スタンド能力で自由の野を駆ける一匹のケモノ))
というわけだ、『小鳥さん』」

「おやおや、お客さんかね。
電話をする時は『心と時間に余裕を持って』という教訓だねぇ。」

「それじゃあ、な。ごきげんよう。」 チンッ ←電話を置く音
そういうと大神さんは電話を置きました。

「しかし、はてさて、これはこれは……
この街にはおかしなやつが多いモノだな……」
カナリアの正体を知ってか知らずか、大神さんはそうつぶやきます。

「とりあえずボクとしては、また明日もウサギにエサをやっておくか……
『マトモな』『日常的な』というのはそういうモノだから……」
そんな独り言を言いながら、大神さんは電話ボックスを出ていきましたとさ。

  ガチャ……サザッ……キィィ……バタン  ←電話ボックスの扉の開閉音

おしまい。 めでたしめでたし。 どっとはらい。

515ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2023/04/06(木) 17:07:45

《明日は全国的に雲の多い天気で、広い範囲に雨が降るでしょう。
 その影響を受けて、花粉の飛散量は減少する見込みです。
 ヒノキ花粉のピークは四月中旬までと予想されており、そろそろ終盤と言えそうですね》

『ラジオ』からアナウンサーの語りが流れている。
ステレオスピーカーとロッドアンテナを備えたレトロな『ラジカセ風』のデザイン。
それは『スタンド使いだけに聞こえるラジオ』だ。

      「ミャー」

『城址公園』の片隅に『ラッコ』がいた。
眠っている間に流されてしまい、気付けば星見町に漂着していた海獣も、
町の景観の一部となりつつある。
今のようにノンビリ過ごしている姿も、たまに目撃されるらしい。

516ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2023/04/09(日) 11:30:35
>>515

        〜〜〜〜〜〜♪

しばらくして『ラジオ』からは、60年代に流行ったポップスが流れ始めた。
『コニー・フランシス』の『バケーション』。
『オールディーズ』専門番組のようだ。

        ムシャムシャ

              ムシャムシャ

往年の名曲に耳を傾けながら、
地面に寝転んだラッコは、大きな『アワビ』を齧っている。

          「ミャッ」

ある日のラッコの午後は、こうして過ぎていくのだった――――――。

517白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/06(土) 21:26:06

学食。夕方。混雑はしていない。
大学部の生徒達が主に利用する時間だが、
授業を終えた高等部の生徒も、少しいる。

ミルクティー色の長い髪、深青を湛える切れ長の目――
『白岸・ノエル・トーリ』は高等部の三年生だ。

「あなたの『オススメ』は、どれですか?」

と、声をかけた。

その相手が>>518だ――当然意思疎通は出来る相手だ。

518斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/07(日) 11:49:09
>>517

 「『ディープブルー』……知性という題材を絡めた終盤の展開含めて、名作の一言に尽きます。」

赤いメッシュの入った黒髪をかきあげると、持て余した指先で
襟元のスカーフを弄りながら、学食のメニュー一覧を眺める。

今日は残念な事に祖母の弁当がなかった、全てがうまくいかないのが人生だ。
 
 「『シャークネード』はアサイラム(理解しがたいサメ映画を作るいかれた制作会社)だし
 『エクソシスト・シャーク』は、Z級の下弦超えて流石に笑えない方のクソ映画なんで。勧めるのは人の心がない……んで。」

白身魚のフライ、小鉢、酢の物。うん、これにしよう。
妥協してB定食のセットに心を決めると膝を伸ばす。

 「ところで白岸パイセン。それってサメ映画の話ですよね?」

519白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/07(日) 19:24:18
>>518

「――――はあ、トーリは驚きました。
 そういうメニューが、ここに新しく出来たのかと。
 斑鳩君は冗談を好むのですね」

           スッ

斑鳩の後に続くようにして、席を立った。
羽織っていた白いカーディガンは、背もたれに残したまま。

「斑鳩君は。映画が好きなのですか?
 トーリはあまり見ませんので、話題を合わせられるか不安ですが」

ほとんど並ぶことなく、注文は済ませられるだろう。
注文を決めるのに悩むでもなく、会話を続ける。

「『ディープブルー』
 次の休みに見てみましょう。
 斑鳩君のおすすめのようですから」

「それで――――メニューでは。何がおすすめですか?」

520斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/08(月) 02:45:59
>>519

 「現実よりは好きです、ばかばかしいので。」

最近は随分と気温があがって、冬はもう過ぎ去ったのだと解るが
途端に夏服が恋しく思えてくるも現金だと思える。

 「人間の文化の極みですよ、アレは、そうじゃなきゃ馬鹿みたいな金をかけて
 馬鹿な事を、毎年1年中やっていることになります。でも……」

靴音をたわいのない会話に溶け込ませながら、学食のおばさん前までゆき、B定食を頼む。
向けるのは張り付けた笑みにどろりとした影のような瞳、我ながら毎度やる事は変わりがない。
こんなのでも元の造形がいいので様になるのが不思議だ。
 
 「合わせる事はないと思いますよ。」

注文を待つ間に、脚を止めて振り返る。
……最初の記憶は両親に連れられて行ったひとつの映画だったと思う
内容は思い出せないが、両親が笑顔だったのでつられて僕も笑ったのだ。

 「アレは大皿で鮮明な映像を共有する、話題そのものですから……
 口に合わないなら別の皿を選べばいいのです。『ディープブルー』お勧めですが
 万人の舌にあうとは思ってませんからね。」

だから、今喋っているのは割と本心で……
そのうえで、心に恥を塗っている。何かを隠すように頬を掻いた

 「そのうえで言うならB定食ですね、今日は魚の気分なので。
 白岸パイセンはアジフライ、お好きですか?」

521白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2023/05/09(火) 01:14:52
>>520

「そう。ですか。
 斑鳩君がそう言うなら、そうなのでしょうね。
 確かに――映画は演技と。音楽と。演出と。広告と。
 いくつもの文化で作られた、集大成。
 斑鳩君の言う事を。トーリは受け入れられます」

   「せっかくオススメいただいたので。
    『ディープブルー』は見る事にします。
    舌に合うかどうかも、話題ですよね。
    それから――――」

          スッ

沈黙や、間には、何も口を挟まない。
『してほしいこと』は『わかる』からだ。

「アジフライ。好きです。
 トーリも『B定食』を、お願いします」

斑鳩と入れ替わりで、注文を済ませた。
模様の小さな財布から紙幣を出し、渡す。

「『A定食』は、豚の生姜焼きだったみたいです。
 それと、日替わりのデザートは『レモンムース』
 ……料理も、一つの文化の極みではないかと。トーリは思います」

席に戻りながら、珍しく、自分から話題を振った。
それも一から考えたものではなかったが、それなりの努力はあった。

522斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/09(火) 21:30:34
>>521

 「舌に合えば幸いです。」

料金を支払い、先輩……白岸の後を追って席に着く。
我ながら……そこらの半グレを転がすよりもよくない事をしている、と思う。

腰を下ろすと、椅子が僅かに軋んだ。

 「……。」

待つのは好きじゃなかった。
夢を叶えるのに散々待たされている身としては、今更だが猶更だし
なにより僕はどうやら、沈黙が耐えられないものらしい。

 「昔、自分が食べたものがどう作られるのか、ふと気になったんです。
 インスタントのコンソメスープだったんですけどね。」

なので適当にしゃべりながら待つことにした、
頬杖を突きながら、空いた方の袖の中で『鎖』を弄る。
どうせ見えもせず、聞こえもしない代物だ。

 「調べ方が家にあった古い料理本だったもんで……
 作り方、一瞬冗談かと思えたんですよ。なにせ無駄にする素材が多すぎる。
 ようはダシになってるんで、完全には無駄じゃないんですけど。」

呼ばれたら先輩の分も取りに行こうか
そんな事を考えながら他愛ない話を続ける。

 「なんというか、黄金のスープを作るのにも映画を作るのにも
 随分と無駄というか……文化の極みってそういう贅沢からしか生まれないんでしょうね。」

苦笑と呆れ交じりにぼやく。

 「レモンムースもいいけど、今は長靴一杯に食べたいな……」

523白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/10(水) 09:36:32
>>522

「楽しみです。合わなければ、ソースを多めに掛けましょう」

戻る席は決まっているので、苦労はない。
学食メニューの多くは作り置きだが、
揚げ物は時々、揚げたての事もあった。
もちろん、盛り付けるのにも時間がかかる。
少しだけ、話しながら待つことになるのだろう。

「『コンソメスープ』は。
 一度だけ、一から作った事がありました。
 斑鳩君の読んだレシピとは違うかもしれませんが」

頼まれて――だった。

「牛すね肉と、骨。にんじん。セロリに玉ねぎ。
 ハーブをいくつか。確か……ローリエとタイム。
 にんにくや塩胡椒も入れたかもしれません。
 覚えていろとは言われなかったので、忘れました。
 なにしろ……冗談みたいに、多かったので」

      「……」

少し上を向いて材料を誦じて、それから。
――机の下から聞こえた『鎖音』に僅かに目を向け。

「もちろん。顆粒より味の良いスープになりましたが、
 トーリは、それほど大きく変わるとは思いません」

視線を戻して、話を続けた。
『斑鳩』ならその視線を追い、今を解せるだろう。

「映画は。ずっと人を楽しませ続けます。
 コンソメスープは……飲めば終わりですが、
 コンソメスープという『文化』は残り、
 今では誰もが簡単に作れるようになっていますね」

      「気が遠くなるような贅沢でも、
       そうした歩みは……尊いと思います」

特段の感嘆を込めるでもなく、何気なく紡いだ言葉だ。

「レモンムースは小皿にほんの少しでしたね。
 トーリも。もう少し量が多いデザートの方が嬉しいです」

    「……確かそれも。映画のセリフでしたか?」

あまり映画は見ないが、戯れに見せられた事はある。
子供に見せたがりそうな、アニメ映画だった。

524斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/10(水) 21:25:31
>>523

 「ああ、それは……」

少し、目を見開く
戸惑うというより面食らうの方が近いかもしれない
そういう考え方は自分にはなかったからだ。

 「それはとても素敵で、幸福な考え方だ。」

心からそう思える。
誰か一人にでもそう思わせられるのなら、
悲しい事ではないのかもしれないと。

そうして僅かに頷く。

 「白岸パイセンも、子供のころに?どれだけ疎くあろうとしても、
 あそこ(ジブリ)の作品は、何度もテレビで流されますからね。」

誰かが呼ぶ声がする
僕は席を立った。

 「お陰でテストに出る英単語より先に覚えてしまって。
  ……あ、先輩のも取ってきましょうか?料理。」

……今は、あまり考えたくないが
目の前の先輩は僕の手元の音を視線で追った気がした。
たとえそれが砂漠の中で砂金粒を探す確率だとしても、
ありえなくは……ない。

 「いや、いや……」

右手を口元にあてて、背を向ける
『それ』が僕の両肩を掴んで、耳元で囁く。
自分の右腕に、銀色の蛇が絡みつく音が聞こえる。
考えたらダメだ。考えるな。吐き気がする。

 「デザート…………レモンムース……
 すぐ持ってきます。」

ここを離れたい、出来る限り胃に詰め込んで
デザートは先輩に渡そう、それがいい。だから前に歩け、顔を相手に見せるな。
今の俺は酷い顔をしている。あと……2秒欲しい。

525白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/10(水) 22:44:32
>>524

「そう。でしょうか。
 トーリには分かりませんが、
 考え方を褒められて悪い気はしません」

       ・・・

「あれは――――――10年ほど前に見ました。
 人並みに、ああしたものも、見た方がいい、と」

また、少しだけ上を見て。

           「……そうですね。
            取ってきてくれますか?
            その間に。手の空いたトーリが、
            斑鳩君の分も水を汲んできます」

答えに少し、考える必要があった。
つまり、『いったん距離を置く』答えに。
理由は分からないが――――『話を続けたくない』のだろう、と思った。
白岸・ノエル・トーリにも、考える時間が必要だった。

「……」

「ソースも。給水機の方が近いですから、トーリが持って来ます。
 トレイに載せると、バランスを崩してしまいますから」

自分で考えるのは難しい。
それでも、誰かの意図を導になら歩けなくはない。

(旅人が見上げる星のように。
 仰げば導いてくれるものは、失われてしまった――――)

伸びた背筋で、粛々と、二人分の水を汲み、
座席で使うために置かれたソースのボトルを器用に取り、席に戻って、待つ。

526斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2023/05/11(木) 10:21:59
>>525

人間の中身は、生まれついたものが7割を決定するという
残りの3割は……とても、受け入れがたいものだったが

(7割くらい、まともなもので有りたかったと考えるのは贅沢だろうか……
 こんな奇跡にたよらないで、済むような……)

トレーを手に席に戻る、スタンドも今は落ち着いている、
今だけは考えるのを止めたい、自分自身と言う地獄からは逃げられないとしても。

(迂闊にあの人に気にかけさせるわけにもいかない。)

トレーをテーブルに置き、なんとか席に着く
表情は既に整えている、笑顔は変わらない筈だ。

陽光が窓の形に切り抜かれ、自分に影を落としていた。

527白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』【高3】:2023/05/11(木) 13:42:13
>>526

「ありがとうございます、斑鳩君」

           ス

「『B定食』――いただきます」

自分の分のトレーを自分側に寄せて、
ちょうど、中間の位置に『ソース』を置いた。

「ところで。トーリは。
 アジフライにはレモンを絞りますが、
 斑鳩君は、どうでしょうか」

差し込む陽光は、白岸・ノエル・トーリを照らし出す。
フライに添えられたくし切りのレモンを手に取って、
フォークを果肉に突き刺し、皮を持ってねじる。

やり方を知っている事は絶対に確実に効率的に出来る。

「付け合わせのキャベツには――
 トーリはドレッシングではなく、ソースを掛けます」

      「斑鳩君は。何か掛けますか?」

そして。取り止めのない会話の必要の為、ゆっくりと切り出す。
考えなくてはならないことは、決して全くどうしても確実ではない。


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