インドとパキスタンが領有権を争うカシミール(Kashmir)地方のインド側、ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州は10月31日まで、インドで唯一イスラム教徒が多数派を占める州として特別な地位と部分的な自治権が認められていた。この特別扱いに対して長年、ヒンズー至上主義者は反感を抱いてきた。
インド政府は昨年8月、ヒマラヤ(Himalaya)地域にありイスラム教徒が多く住むジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州の自治権を剥奪した。ジャム・カシミール州は昨年10月31日にジャム・カシミールとラダック(Ladakh)の二つの連邦政府直轄地に分割され、ジャム・カシミールでは事態の沈静化を図るため夜間外出禁止令が出され、緊張が高まっていた。
インドのアナリストらは、緊張緩和、またはインドによるこの地域の奪還に懐疑的だ。ニューデリーのシンクタンク、オブザーバー・リサーチ・ファウンデーション(Observer Research Foundation)のハルシュ・パント(Harsh Pant)氏は、「いま中国が言っていることは、どれも額面通り受け取ることはできない。願わくば、今度こそインドが教訓を得ればいいのだが」と述べた。