したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

利水・治水スレ

1とはずがたり:2007/11/05(月) 00:45:52
ダム・堰堤・運河・暗渠etc
公共事業に占めるダムなどの費用は非常にでかいものがある。専用スレで研究・観察。

行革スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1038805069/?KEYWORD=%A5%C0%A5%E0
土建スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1105074193/?KEYWORD=%A5%C0%A5%E0
ダムサイト
http://damsite.m78.com/top.html
ダム便覧
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/Dambinran/binran/TopIndex.html
ダムマップ
http://www.dammaps.jp/

557 ◆ESPAyRnbN2:2010/03/31(水) 12:47:31
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1038805069/2747

http://mainichi.jp/select/today/news/20100331k0000e010042000c.html
> 国交省:組織改編は前原カラー色濃く 4月1日実施
> 河川局では、治水を1級河川と2級河川に分けて別の課で進めていたが、治水課に一元化する。有識者会議で
> 検討中のできるだけダムに頼らない治水策を推進する観点から、同省組織令に記載された治水課の事務内容から
> 「ダムの整備と併せて行われるものに限る」という文言を削除。流域治水の企画立案と推進という包括的な
> 業務内容に記載を変えた。

> 別の官僚は「ダムありきの組織ではなくなった。治水のあり方は有識者会議で検討中なので、手探りで進めるしかない」
> と不安の声を漏らす。

558 ◆ESPAyRnbN2:2010/04/03(土) 12:53:24
>>99
公共事業チェック議員の会>>212-213>>217 大河原が同席したのか。

http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20100403ddlk08010079000c.html
霞ケ浦:牛久のNPO、国交相に浄化策など提案 「前向き回答得た」 /茨城

 牛久市のNPO法人アサザ基金(飯島博代表)は2日、前原誠司国土交通相が基金が提案する
霞ケ浦の生態系保護や水質浄化策について検討する姿勢を示し「前向きな回答を得られた」と発表した。

 基金によると、前向き回答は、同基金側の要請に基づき1日、国交省内で初めて実現した前原氏との会談で、
直接伝えられた。会談で前原氏は、霞ケ浦のアサザやヨシなどの生態系に悪影響を及ぼすと考えられている
冬季の水位上昇管理の廃止と、霞ケ浦導水事業の代替案となる逆水門の柔軟運用を求めた基金側
提案に対し、水位の上昇について「下げられるか検討を指示した」と回答。逆水門についても、実現可能か
調査することを約束したという。会談には辻元清美副国交相や、超党派の議員でつくる「公共事業チェック
議員の会」事務局長の大河原雅子参院議員が同席した。

 二つの提案は基金が90年代後半から訴えてきたが、国から前向き回答を得られたのは初めてという。
飯島代表は「相当の前進。大きなチャンスになる」と語った。【山崎理絵】

559 ◆ESPAyRnbN2:2010/04/04(日) 09:41:08
そりゃ進まないわ。
> 堤防沿いの住民にいったん転居してもらい、…堤防上に新たな住宅やマンションを建て、街に戻ってきてもらう
> 堤防の整備が終わるまでは4年もかかり、土地を手放して、戻らなかった住民も半数ほどいた

「公共事業チェック議員の会」、積極的に活動中ですね。
> 12月には超党派の議員でつくる「公共事業チェック議員の会」(会長・松野信夫参院議員)のメンバーが
> 現地を訪れて住民と意見交換をした。
> 前原国交相は…今月中旬には江戸川区のスーパー堤防を視察し、住民らからも意見を聴く予定だ。

http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201004020260.html
スーパー堤防、構想瓦解? 住民反対、22年で整備5%
2010年4月4日8時59分
  
 200年に1度の規模の水害から大都市を守る「切り札」――。そんなふれこみで20年以上も前に
事業が始まったスーパー堤防の整備が進まない。転居を迫られる住民たちの反対が根強いうえ、
費用対効果を疑問視する声も上がる。ダムの見直しを掲げる前原誠司国土交通相も近く視察し、
堤防の見直しに乗り出す。

 スーパー堤防の正式名称は「高規格堤防整備事業」。人口と資産が集積する首都圏と近畿圏を
洪水や高潮から守るため、バブル真っ盛りの1987年に事業が始まった。

 堤防沿いの住民にいったん転居してもらい、堤防の幅を高さの30倍に広げて強固にした後、
堤防上に新たな住宅やマンションを建て、街に戻ってきてもらう仕組み。用地買収が不要な
利点があるとされた。

 国交省は、人口が密集する首都圏の利根川や近畿圏の淀川など6河川で計872キロに整備する計画だが、
22年間で完成したのはわずか29.2キロ。整備中を含めても47.6キロで、計画の5.5%にとどまる。
これまで投じられた事業費は6790億円で、このペースで進めば、完成は400年先で、事業費は
12兆円に上る計算になる。事業費の3分の2は国が負担するため、東京都江戸川区のように、
積極的に活用して、川沿いの再開発を進めようとする自治体もある。

 整備が進まない大きな理由は、住民の負担感と地権者の合意形成の難しさだ。地権者が事業主体になる
場合は3分の2以上の同意が必要で、完成した地域の多くは、工場や会社の跡地が多く、住民が転居に
同意した例はわずかに過ぎない。

 完成したケースが、荒川沿いから一時移転を迫られた江戸川区平井7丁目(整備区間150メートル)にある。
しかし、堤防の整備が終わるまでは4年もかかり、土地を手放して、戻らなかった住民も半数ほどいた。

 1800世帯が暮らす江戸川区北小岩地区(同2.2キロ)でもスーパー堤防の計画が持ち上がるが、
住民の間では、平井7丁目の先例から、地域のつながりが崩壊することへの警戒感が広がる。

 「すでに高さ10メートルの堤防があり、これまでも堤防が壊れたことはない。本当に必要な事業なのか」。
「スーパー堤防・街づくりを考える会」の運営委員長・戸口素男さん(68)は言う。今の堤防の補強や
破堤した場合に備えた揚水ポンプの強化など別の対策の検討を求めている。

 一方、「区内全川のスーパー堤防化」を掲げる江戸川区沿川まちづくり課の山口正幸課長は、
地球温暖化などで台風が強大化し豪雨が増加していると指摘。「区内の7割は海抜ゼロメートル地帯で、
対策は不可欠」と話す。消防車が入れないような狭い道路の拡張など、まちづくりとセットで取り組む
必要性も説く。

 公共事業への関心が高まるなか、政治も動き出した。昨年11月、江戸川区北小岩地区の住民らが
衆参両院の議長に同地区の整備構想撤回を求める請願を出した。12月には超党派の議員でつくる
「公共事業チェック議員の会」(会長・松野信夫参院議員)のメンバーが現地を訪れて住民と意見交換をした。

 スーパー堤防を疑問視する声は国会でも議論を呼んだ。3月15日の参院予算委員会で、前原国交相は
「ダムと同様、税金の使い道を考えた時に、自公政権の時に進められていた計画のままでいいのか、
当然ながら見直しの対象になっていく」と表明。今月中旬には江戸川区のスーパー堤防を視察し、
住民らからも意見を聴く予定だ。(大久保泰、歌野清一郎)

     ◇

 〈スーパー堤防〉 1987年に事業が始まり、91年に河川法で高規格堤防として法的に位置づけられた。
首都圏の利根川、江戸川、荒川、多摩川の4河川と、近畿圏の淀川、大和川の2河川で、整備する区間が
設定されている。

560チバQ:2010/04/07(水) 21:45:29
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20100404ddlk43010370000c.html
宝の川:球磨川流域問題/上 国土交通省 /熊本
 ◇政権交代で態度一変
 ■当初は消極姿勢

 「川辺川ダムは中止になったと、9月に大臣もおっしゃっていたじゃないですか」

 昨年10月の国と県、球磨川流域12市町村長でつくる「ダムによらない治水を検討する場」の5回目協議。終了後、国土交通省九州地方整備局の藤巻浩之河川調査官は「国交省としては川辺川ダムをあきらめたのか」という報道陣の質問に答えた。

 政権交代直後の9月26日、就任間もない前原誠司国交相は人吉市で蒲島郁夫知事の要望に応える形で「国としても積極的に代替案を提案したい」と明言した。これを受け国交省の対応も一変した。

 衆院選直前の7月の4回目協議と比較すれば、同省の「ひょう変ぶり」が分かる。「川辺川ダムが最適な治水対策」との主張を変えなかった国交省は自ら代替案を提示せず、県が提案した案のシミュレーション結果を公表した。その際、一部地区で「堤防決壊の恐れがある」とした上で、近年発生した全国の堤防決壊事例を写真付きで紹介するなど、「ダムなし治水」への消極的姿勢が表れていた。

 ところが、先月29日の7回目協議では「直ちに実施する対策」の一つに「堤防の質的強化対策」を挙げた。

 ■「極限」?

 「ダムによらない治水策を極限まで検討する」とした会合は、7回目協議で国が初めてとりまとめ作業に着手した。議論でまとめた20項目の対策のうち、合意が得られそうな11項目=表参照=を球磨川の今後20年〜30年間の具体的な治水方法を決める「河川整備計画」に盛り込む方針だ。同省幹部の一人は「これ以上の案はもうない」と、「極限」に達したという認識を示した。

 だが、20項目は県の提案や住民討論集会で議論されていたものばかり。球磨川中流域の住民が水害の原因と主張する荒瀬、瀬戸石両ダムを撤去した場合の水位低下効果など、既存の河川工作物の議論や検討はしておらず、「ダムなし治水」を極限まで追求したとは言い難い。

 さらに、整備計画の元となる河川整備基本方針には依然「流域内の洪水調節施設で流量を調節する」という文言があり、川辺川ダムの必要性を捨ててはいない。

 藤巻調査官は整備計画原案について「『検討する場』の合意事項を入れる」とした上で「現状の基本方針と整合性の取れるものにする」と、基本計画の修正には慎重な考えを示している。

  ◇ ◇

 政権交代で川辺川ダムの中止方針が決まる一方、県営荒瀬ダムの撤去か存続かを巡り蒲島郁夫知事の政策が二転三転した。08年9月の川辺川ダム白紙撤回表明で知事が言った「球磨川は守るべき宝だ」という信念に基づく地域づくりや治水策は実現できるのか、大きく揺れた流域の1年間を追った。【高橋克哉】

==============

 ◇国交省が公表した「直ちに実施する対策」の内容◇
 対策                  事業費

八代市萩原地区の堤防補強         90億〜110億円

 深掘れ対策・高水敷造成

築堤盛土                 20億円

下流部の掘削(一部)           20億円

堆積が著しい個所などの掘削        80億〜100億円

かさ上げ実施済み地区への対応       1億円

未対策地区の宅地かさ上げ         150億〜180億円

人吉橋下流左岸の掘削・築堤        2億円

堤防未整備地区の段階的築堤(遊水地確保) 10億円

市房ダムの操作の変更           検討費用のみ

被害を最小化するためのソフト対策     主に各市町村ごとに検討

堤防の質的強化対策            検討中

下流部回収の進捗に合わせた内水対策    3000万円(ポンプ1台あたり)

561チバQ:2010/04/07(水) 21:45:54
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20100405ddlk43010306000c.html
宝の川:球磨川流域問題/中 荒瀬ダム /熊本
 ◇振り回されたものの
 ■川辺川の運動が契機

 「何だか、つかみどころのない人だったなあ」−−。蒲島郁夫知事が県営荒瀬ダム(八代市坂本町)の発電継続を断念した先月24日、ダムの撤去を求めてきた八代市坂本町の本田進さん(76)は、知事の印象をボソッとつぶやいた。

 本田さんが、度重なる水害に業を煮やしてダム撤去を求めようと決心したのは約30年前。同調してくれる住民もいたが、保守地盤の強い土地柄ということもあり、「どうやって県に反抗すればいいのか分からなかった」と振り返る。

 球磨川上流の川辺川ダム問題で市民団体などが活動する様子を見て「自分たちにもできる」と01年、仲間とともに川辺川ダム建設の是非を問う住民投票実施を当時の坂本村議会に直接請求した。否決はされたが、荒瀬ダムによって悪臭や振動、水害などに苦しめられ、球磨川の清流復活を望む住民らの「撤去してほしい」という秘めた思いに火がついた。

 ■撤去、存続、そして撤去

 本田さんらの思いに応えるように当時の潮谷義子知事は02年暮れ、8年後の10年4月から撤去する方針を決めた。だが、その後就任した蒲島知事は08年11月「撤去は存続より金がかかる」として方針を覆した。その2カ月半前、知事が川辺川ダム計画では「球磨川は宝」「清流を守りたいという地元のローカルな価値観を川作りに反映させてもいい」と高らかにうたい上げた姿勢との差に、本田さんは「まったく整合性がつかない」と憤った。

 地元住民は一致団結して1000人近い規模の集会を開いたほか、何度も蒲島知事に直談判した。それでも知事は存続方針を変えなかった。しかし1月、発電用水利権の失効を前原誠司国土交通相から通告される。県議会最大会派の自民党も反対住民らの動きを受けて撤去に翻意するなど、再度の方針転換を余儀なくされた。

 蒲島知事は発電継続断念を表明した会見で「撤去費用のためには1円でも節約したいと考えた。しかし、地元などに説明が足りなかったかもしれない」と話した。

 荒瀬ダムの発電停止は決まった。しかし、撤去費用をどう捻出(ねんしゅつ)するのか。県が2年後としている撤去着手はできるのか。そして美しい川は取り戻せるのか。課題は多い。

 本田さんは「目標は荒瀬ダム撤去ではなく、球磨川全体を活気のある川に育てていくこと。これからの道のりの方が長く、大変かもしれない」と表情を引き締めた。【高橋克哉】

562チバQ:2010/04/07(水) 21:46:26
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20100406ddlk43010554000c.html
宝の川:球磨川流域問題/下 五木村 /熊本
 ◇「脱・ダム湖観光」に動く
 ■地場産品を充実

 五木村中心部の頭地代替地にある「道の駅 子守唄の里五木」には毎週末、収穫された旬の野菜が並ぶ。ゼンマイや葉ワサビ、クレソンなどが観光客の目を引く。村は観光強化の一環で「道の駅」の地場産品を増やそうと昨年8月から週1回、村内全域を車で回り農産物を集めている。

 「私が出した野菜、売れとるやろうか」。3月上旬の休日、村内の女性(68)は「道の駅」に出荷した野菜の売れ行きを気にしていた。道の駅の集荷担当、山崎澄子さん(59)に昨秋から熱心に説得されて冷凍の葉ワサビを初めて出荷してみたが「自宅用に作っていたものなので、売れるか心配だった」という。だが葉ワサビは全部売り切れ、杞憂(きゆう)に終わった。26日にもクレソン10束を出荷し完売した。1束100円の8割が生産者に渡る。生活の糧にするには少ない額だが、女性は「金額よりも自分が作った物を、お金を出して買ってくれる人がいることが何よりうれしい」と話す。

 ■観光ガイドの夢

 「ここに展望台があれば、いいんだけどな」。頭地地区に住む豊原袈年さん(63)が指さす先は、頭地代替地の東端の高台にある砂防ダム付近。代替地とその先の水没予定地が一望できる。

 昨年3月、観光ガイド「ぴーあーるし隊」を仲間5人と結成した。川辺川ダム中止方針で全国的に注目を集め、「週末を中心にフル回転の1年間だった」と振り返る。「五木の子守唄」から昔ながらのかやぶき民家が並ぶ景色を想像してくるのか、代替地を訪れた観光客の感想は「こんなに住宅地が並ぶ場所だとは思わなかった」という声が最も多いという。客のほとんどが1時間程度の滞在で、水没予定地以外の昔ながらの地域までは案内できない。「期待に沿えず申し訳ないが、ありのままの姿を伝えるしかない」と、移転前の村中心部の写真を収めたアルバムを片手に水没予定地を回る。

 展望台のほかにもう一つ、豊原さんは観光振興のために行政に取り組んでほしいことがある。水没予定地に季節ごとの花を植えてほしいという。「ダムのことは分からないが、花くらいは植えてもいいんじゃないかな」と夢を膨らませる。

 川辺川ダム計画が持ち上がってから40年以上。ダム建設を前提に村づくりを進めてきた五木村だが、民主党中心の政権になってダム計画は事実上なくなった。川辺川を見下ろす村中心部では「脱・ダム湖観光」に向けて動き始めた村民たちの姿がある。【高橋克哉】=おわり

【関連記事】

563 ◆ESPAyRnbN2:2010/04/13(火) 11:35:15
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100413-OYT8T00063.htm
生活再建、移転しない住民も
国交相に要請書 八ッ場あしたの会

 八ッ場ダム(長野原町)建設中止を求める市民団体「八ッ場あしたの会」と「八ッ場ダムを考える1都5県議会
議員の会」は12日、代替地は十分な安全性が確保されていないとして、代替地に移転しない住民を対象にした
生活再建策を実施するよう求める要請書を前原国土交通相に送った。

 要請書には、奥西一夫・京大名誉教授(地質学)ら専門家が、代替地造成の工法や、建設コンサルタント会社による
設計調査結果を独自に分析した資料を添付。川原畑地区の付け替え道路ののり面や、川原湯地区の代替地など
具体的な場所を挙げて、地滑りの危険性があると主張している。

 現行法規では、移転補償は水没予定地からの立ち退きが前提のため、11日に記者会見したあしたの会の
渡辺洋子事務局長は「ダムが出来ても出来なくても危険性がある。水没予定地で生活再建を進められる法的
枠組みが必要だ」と訴えた。

 これに対し、国土交通省八ッ場ダム工事事務所は「現状で危険性はない。今後も安全な代替地を提供していく」と
している。

 また、議員の会メンバー約20人は12日、水没予定地の約80戸を回り、ダム中止に対する地元住民の考え方を
聞き取り調査した。

 二十数人から意見を聞けたといい、議員の会は今後、調査結果を踏まえて前原国交相に面談を要請。国会議員
による「八ッ場ダム中止プロジェクトチーム」を設置するよう各都県選出の国会議員に働きかける。5月の大型連休
明けには、生活再建をテーマにしたチラシを作成し、現地に全戸配布する。

(2010年4月13日 読売新聞)

564 ◆ESPAyRnbN2:2010/04/14(水) 12:48:39
マニフェストの大幅見直しですか?
> 富岡議員は、…「前原国交相の就任早々のあの(中止)発言は誤りだった。地元の歴史的経緯を踏みにじった
> 発言で反省している」と謝罪した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100414-OYT8T00097.htm
長野原町長 無投票再選
ダム推進、決意力強く

 八ッ場ダム問題に揺れる長野原町で13日、町長選が告示され、ダム建設推進を掲げる現職の高山欣也氏(66)
(無所属)が無投票で再選を果たした。祝勝会では、地元選出の小渕優子衆院議員(自民)が「ダム本体着工を」と
気勢を上げる一方、富岡由紀夫参院議員(民主)が前原国土交通相の中止発言に謝罪する一幕も。国、1都5県、
地元がそれぞれの思惑を抱える中、町のかじ取りを託された高山氏は「ダムが中止になるとは思っていない。
必ずや解決できると思う」と力強く決意を語った。

 高山氏の公約は、ダム推進のほか、生活再建関連事業の早期完成への努力、安定した財政基盤の確立など。
午前8時半過ぎに届け出を済ませると、町内で出陣式を開き、選挙カーで遊説に出た。「高山です」「よろしくお願い
します」と、ダム推進を前面に出すことはしなかったが、水没予定地の川原湯温泉街では、車を出迎える支援者もいて、
高山氏は窓から身を乗り出しながら手を振って応えた。

 午後5時過ぎ、無投票再選が決まると、選挙事務所では祝勝会がスタート。小渕議員や自民党県連幹事長の
南波和憲県議ら自民党関係者が集まる中、民主党からは富岡議員が姿を見せた。花束贈呈の後、高山氏は
目を潤ませながら、「皆さんに与えられたチャンスを精いっぱい生かしていきたい」と決意表明した。

 あいさつに立った小渕議員は「八ッ場ダムを抱える長野原での無投票再選は大変意味がある。国に対する強い
メッセージになる」と声を張り上げ、「一日も早くダム本体の着工を」と呼びかけると、会場は大きな拍手に包まれた。

 続いてマイクを握った富岡議員は、神妙な表情で登壇。「この場にお邪魔することを非常に考えた」と切り出し、
「前原国交相の就任早々のあの(中止)発言は誤りだった。地元の歴史的経緯を踏みにじった発言で反省している」と
謝罪した。

 さらに「まだ地元の皆さんと、話し合いを十分に出来ているとは言えない。私の責任で皆さんに納得して頂き、
色々な問題について話し合いが進められるよう尽力したい」と語り、自ら問題解決に乗り出す考えを明らかにした。

 祝勝会後、高山氏は記者団に対し、「今後の重責を感じた。今日の気持ちなら頑張れると思う」と、改めて意欲を
語った。さらに、国が今夏以降、八ッ場ダムを含む全国のダム事業を再検証して建設の是非を判断することについて、
「新しく検証して線引きすれば(ダム本体を建設せざるを得なくなり)、大臣も振り上げた槌(つち)を下ろせるのでは
ないか」と話した。

(2010年4月14日 読売新聞)

565とはずがたり:2010/04/18(日) 13:41:41
西条市の我が侭にも思えるんだけど。どうせ工業用水余ってるんじゃないの?

【松山市議選 2010 51万人の未来】
(上)「分水」かみあわぬ議論
2010年04月16日
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1224913247/662

◇署名過熱 冷ややか市民も
     ◇
  減圧給水や断水、プールの開始延期――。 水不足に度々悩まされた松山市。 門田浩司・市水資源担当推進監は「安定した水源確保は市民の悲願」と力を込める。 市の水源の約半分を占める石手川ダム(約630万トン)が底をついた1994年には、最大1日19時間の断水が1カ月以上続いた。 工業用水が止まり、工場は操業停止を余儀なくされた。 翌年以降も取水制限や減圧給水は度々実施され、昨年も4〜5月の少雨で、夜間断水が予告された。

  市は「10年に一度の渇水に耐えられる」だけの水量として、1日当たり4万8千トンが不足していると算出。 中村時広市長は19の水源開発方策の中から、西条市にある黒瀬ダムの工業用水転用を最優先とする方針を表明し、07年12月の市議会で可決した。

  市の試算では、黒瀬ダムから水道を引く事業費は400億円前後。 水道料は10〜15%の値上げが見込まれるという。「本当に4万8千トンも必要なのか」 「雨水タンクの設置など、コストがかからない方法について検討したのか」。 市議会でも、分水案に反対する質問がしばしばあるが、市は「議決をいただいているので、分水案の実現に全力を尽くしたい」 と答弁を繰り返し、大きな議論にはなっていない。
     ◇
  一方の当事者である西条市は松山市の分水案を拒否し続けている。 松山で水不足になれば、西条でも水不足になる、ただでさえ松山に消費を奪われて地元商店街が衰退しているのに、水まで持って行かれてはたまらない――というのが西条市の言い分だ。
 その西条市が、松山市の水不足対策として提案するのが、県と農林水産省が管理する「面河ダム」 (久万高原町、約2750万トン) からの分水だ。 同ダムは63年に完成、当初、松山市も水道用水を引く計画をしていたが、財政難から工事への参加を見送った。 94年には、面河ダムの工業用水を一時的に転用した実績もある。 西条市の伊藤宏太郎市長は「水不足になれば融通するつもりだが、恒常的に水を持って行かれると困る。 松山市は自助努力をしていない」 と批判する。
     ◇
  松山市がとったこんなデータがある。

  給水制限が前年から7カ月続いた03年、市は、水資源対策についての意識調査を実施。 回答した1042人のうち「経費がかかるなら、断水もやむを得ない」 とした回答は36・1%で、「経費がかかっても不安は完全に解消すべきだ」 と答えた26・1%を上回っていた。

  道後温泉近くで飲食店を営む男性(58) は「節水はしているし、ため池や雨水利用などの方法もある。 大金をかけてまで水を引く余裕があるのだろうか」 と首をかしげる。

  94年の断水の時は、200リットルのタンクを軽トラックに積み、2キロ離れた場所で地下水をくんで営業を続けた。 今回の署名にも協力したが、どこかスッと来ないものが残る。 「嫌がるよその市をあてにするよりも、自分たちで出来ることに取り組む方が大事なのではないか」。 男性はそう話した。

566チバQ:2010/04/29(木) 13:02:07
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1624475.article.html
農相、「諫干開門」来月決断 与党検討委、報告書を提出
 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防開門調査をめぐる政府・与党検討委員会座長の郡司彰農水副大臣は28日、「有明海再生の可能性を探るため、環境アセスメントを行った上で開門調査を行うことが適当」とする報告書を赤松広隆農相に提出した。開門の時期や期間、事前対策の具体的内容には触れていない。赤松農相は5月中旬にも開門に向けた最終決断をする意向を示した。

 郡司副大臣は開門期間に関し「個人的には海温変化などを見るためには通年の調査が必要ではないか」とし、少なくとも1年以上開門すべきとの認識を示した。

 報告書は、長崎県側が懸念する防災や営農への影響への事前対策と予算を示す必要性を指摘。被害が生じた場合の補償を含め、必要経費は政府が負担すべきとしている。検討委メンバーの長崎県の西岡武夫、大久保潔重両参院議員は「反対」だったことも明記、反対姿勢を崩していない長崎側に配慮している。

 赤松農相は決断時期について「早ければ来月下旬、遅くとも来月末」とし、「検討委の意見を尊重しながら(長崎県側に)できるだけ納得してもらうよう汗をかくことが私の仕事」と明言。判断前に長崎に出向き、理解を求める考えを示した。30日には長崎県の中村法道知事や民主党関係者らが上京し、面会する。

 報告書は「地元関係者の理解を得ることを前提」としているが、赤松農相は「百パーセント納得といわないまでもそのための努力はしたい」と話した。開門方法や時期、防災・営農対策は「開門方法で変わってくる。費用面を含め最善の策をアセス結果を見た上で決めていく」とし、開門時期はアセス結果が出る来春以降という認識を示した。

 開門をめぐる訴訟の対応は「取り下げれば開門期間は(佐賀地裁判決の)5年になり、ただちに取り下げにはならないと思う」とした上で、和解の可能性については「開門の方向性を出す訳だからあるかもしれないが、それもアセスの結果待ち」とした。

567チバQ:2010/04/29(木) 13:02:44
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20100429/02.shtml
諫干報告書に反対派怒り爆発 開門派も「一日も早く」



開門反対派が緊急に開いた会合。「開門調査実施」への批判の声が相次いだ=諫早市高城町、諫早商工会議所
 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防開門問題で、政府・与党の検討委が28日、「開門」を適当とする報告書を赤松広隆農相に提出、長崎県内の反対派は怒りを爆発させ、賛成派も“宝の海再生”への方向性が見えないことへのいら立ちをあらわにした。

 「開門が1年遅れれば、海の回復も1年遅れる。もう待てないという気持ちを分かってもらいたかった」−。茶色に濁った有明海を望む佐賀県太良町の公民館。「開門」を長年訴えてきた漁民らは渋い表情を見せた。

 会見に応じたのは、潮受け堤防排水門の開門訴訟を起こした諫早市小長井町、雲仙市瑞穂、国見両町、佐賀県太良町の漁業者の代表。口をついたのは「一日も早い開門を」という切実な願いだった。2月に反対から方針転換した瑞穂漁協の室田和昭副組合長は、夏に堤防内で発生するアオコを懸念。「5月に少しでも開門し、海水を入れて、アオコの被害を抑えてほしい」と訴えた。

 一方、諫早市内の商工関係者や農業者らでつくる諫早湾防災干拓事業推進連絡本部(栗林英雄本部長)は市内で緊急評議員会を開催。会場は政府、与党への怒りの声が充満した。

 諫早商工会議所の高尾茂会頭は「非常に幼い、子どもっぽい決め方。こちらから裁判を起こすことも考えなければならない」と指摘。別の出席者は「民主党は事業仕分けで威勢のいいことをやっているが、開門すれば何百億円もかかる。矛盾だらけでむちゃくちゃだ」と語気を強めた。

 営農者の水頭貞次さん(60)は赤松農相が現地視察した際、自らが栽培するミニトマトを食べてもらった。「その時は『おいしいね。農業に影響の出るようなことは絶対にしません』と言っていたので安心していた。あれは何だったんだ」と吐き捨てた。

 「非常に残念で遺憾」と憤ったのは中村法道知事。「営農の経営もようやく安定しつつある中で、なぜそういうこと(開門)がありうるのか非常に疑問に思う」と語った。

【編注】高尾茂会頭の高は、口が目の上と下の横棒なし

568チバQ:2010/04/29(木) 13:03:21
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20100428-OYT8T01157.htm
諫早長期開門憤りと歓迎の声
 国営諫早湾干拓事業を巡り、与党議員らの検討委員会(座長・郡司彰農水副大臣)が28日、潮受け堤防排水門の長期開門調査を求める報告書を赤松農相に提出したことを受け、開門に反対する県や干拓地の営農者には反発が広がった。一方、長年開門を望んできた漁業者らは歓迎の声を上げた。

 「どんな方法で開門するか分からず、納得できない。塩害など農業への被害は避けられない」。ネギやキクの収穫期を迎えた干拓地で、農業生産法人・諫干ドリーム会長、山開博俊さん(62)は憤った。

 「干拓地で夢を持とう」。そんな意味を込めて社名を付けた。ハウスや農機具など、干拓地約35ヘクタールへの投資は約15億円。入植者41法人・個人でつくる土地改良区の理事長として15日、諫早市を訪れた赤松農相に、開門調査には農業者の同意を取るよう求めたばかりだった。

 「農相は参院選で民意を問うと言っているが、生活の糧を政争の具にされてはたまらない」と訴えた。

 小長井町漁協副組合長、野田清一さん(61)は「国が進めた事業で、2、3か月の議論で開門と判断するのはおかしい」と不信感をあらわにした。約10年前、有明海にいかだを浮かべ、カキをつるす養殖方法を本格化させた一人。「開門されれば潮流が速くなり、カキ養殖ができなくなる」と訴えた。

 一方、2月、諫早湾内の3漁協で初めて開門賛成へ方針転換した瑞穂漁協(雲仙市)の石田徳春組合長(72)は「声が届いたと大いに喜んでいる」と歓迎。ただ、県が開門に絶対反対の立場をとっているため、「赤松農相は干拓地の塩害対策などをきちんと説明してほしい」と求めた。

     ◇

 開門反対の諫早湾防災干拓事業推進連絡本部は28日、諫早市の諫早商工会議所で急きょ、評議員会を開いた。

 栗林英雄本部長は「農相らの現地視察はパフォーマンスだったとすら思える。環境影響評価を行ってから、開門するかどうか、結論を出してほしい」と訴えた。

 出席者からは、「農相は視察で『農業に影響のあることはしない』と言ったが、何だったのか。開門すれば農業用水が使えなくなる」「(与党の推薦候補が落選した)知事選のしっぺ返し。開門せずに、有明海を再生する方法をやるべき」などの声が上がった。

(2010年4月29日 読売新聞)

569名無しさん:2010/04/30(金) 20:43:27
武田信玄の甲斐の治水
http://www.youtube.com/watch?v=o2IbFqt1RM0

570チバQ:2010/05/06(木) 12:13:27
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1627925.article.html
長崎との隔たり大きく 諫早湾干拓堤防開門の課題
防災・塩害へ具体策焦点

 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防閉め切りから13年。政府・与党検討委員会が「開門調査実施」の結論を示し、佐賀県側が求めてきた「中長期開門調査」に向けて大きく動き出した。しかし、防災や営農面への影響を懸念する長崎県側の反発は強く、実現にはまだ多くのハードルがある。現時点でみえている開門調査の状況や、長崎側の懸念と対応策など、課題をまとめた。


 【長崎の懸念】





 長崎側の開門への主な懸念は、営農面では、塩害や海水流入で農業用水に使えなくなる調整池に代わる水源確保。防災面では、洪水被害や開門に伴う排水門保全工事や既設堤防補修などだ。

 水源確保について佐賀県や有明海訴訟弁護団は、ため池整備や下水浄水場の排水使用を提案しているが、長崎側は、ため池用地の確保は困難とし、下水処理水は水質基準に適さず風評被害の恐れもあると難色を示す。


 また、排水門保全工事や既設堤防補修などに600億円超かかるとする2003年の農水省試算を引き合いに「税金の無駄使い」と反発。弁護団は「一気の全開門ではなく、段階開門なら排水門保全など必要ない」とするが、隔たりは大きい。


 検討委報告は、これらの懸念に対する具体的対策は示していない。検討委座長の郡司彰副大臣は「アセスと並行して検討し、全体はアセスを受けてまとめるべき」と、アセス結果を受け、ケースに応じた対策と費用を示す方針だ。赤松農相は被害が生じた場合の補償にも言及している。


 【地元理解】


 検討委の報告書は、開門の前提として「万全の事前対策による地元関係者の理解」を明記した。


 赤松広隆農相は「百パーセントといわないまでも、(対策を)ここまでやってもらえるだったらというぐらいまでは努力する」(4月28日)、「(対策を示しても)理解が得られるかは分からない。政治判断しなければいけない場合は決断するが、理解を得る努力は丁寧にやる」(30日)と、長崎への気遣いを見せながら慎重に話す。


 一方、中村法道長崎県知事は「地元合意は不可欠」と、「理解」を「合意」という言葉に変えて反発。検討委メンバーの西岡武夫参院議院運営委員長も「座り込んででも阻止する」と鼻息は荒い。


 ただ、諫早湾内の漁協で開門を求める声が強まり、今夏の参院選長崎選挙区に出馬を目指す犬塚直史参院議員が「開門賛成」を表明するなど、状況は微妙に変化している。


 【開門時期・期間】


 検討委報告は、開門方法や時期、期間にも触れていない。ただ、開門時期は方法と対応策を示す必要があるため、早くてもアセス結果が出る来春以降になることは確定的。


 開門期間について郡司副大臣は「海温変化に伴うデータ収集などの面からしても、少なくとも1シーズンは必要」とし、1年以上の「中長期開門」という認識を示している。


【写真】開門反対の姿勢を貫く中村長崎県知事と面談する赤松農相(前列右から2人目)。開門に向け、今後は理解を得られる対応策を示せるかが焦点になる=4月30日、農水省

571 ◆ESPAyRnbN2:2010/05/15(土) 15:00:13
あれ、防災担当大臣は?

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4428201.html
利根川河川敷で防災訓練、国交相も参加

 群馬県の利根川河川敷では、台風などによる大規模な水害に備えた防災訓練が行われています。

 利根川のはん濫に備える15日の訓練には、地元の水防団や住民らおよそ2万人が参加し、土のうを
使って堤防の決壊を防ぐ伝統的な方法による水防訓練などが行われました。

 この訓練は1947年に日本列島を直撃し、大勢の被害者を出したカスリーン台風の教訓を活かそうと
始まったもので、毎年、梅雨に入る前のこの時期に行われています。59回目の今年は、カスリーン台風の
際に大きな被害を受けた群馬県板倉町が会場となりました。

 会場を訪れた前原国土交通大臣は、八ッ場ダムの建設中止の方針を示すなど、ダムに頼らない治水を
目指して全国のダム建設の再検証を進めているだけに、真剣な面持ちで訓練に参加していました。
(15日11:10)

572 ◆ESPAyRnbN2:2010/05/15(土) 20:30:34
http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010051501000493.html
八ツ場ダム中止を明記へ 参院選公約で国交相

 前原誠司国土交通相は15日、群馬県の八ツ場ダムについて「(治水策の)検証はするが中止の方向は
変わらない」と述べ、民主党の参院選マニフェスト(政権公約)にあらためて建設中止を明記する考えを
表明した。同県内で利根川の水防演習を視察後、記者団に語った。

 その後、前原氏は群馬県の大沢正明知事と非公開で会談。ダム事業を継続するかどうかの判断基準を
検討する国交省の有識者会議について、大沢知事が「中止を前提とせず、予断なく検証すると約束して
ほしい」と要望し、前原氏は「白紙の状態で検証させてもらう」と答えたという。

 前原氏は記者団に「国交省の有識者会議で、できるだけダムに頼らない治水を考えている。どのように
持続可能な対策を行っていくか(参院選マニフェストに)明記したい」と述べた。

 また熊本県の川辺川ダムについても、あらためて建設中止をマニフェストに明記する考えを示した。

2010/05/15 16:41 【共同通信】

573とはずがたり:2010/05/18(火) 17:51:54

荒瀬ダム撤去へ近く準備会 辻元副大臣が視察
2010年05月17日
ttp://kumanichi.com/news/local/main/20100517001.shtml

「荒瀬ダム撤去を求める会」の本田進さん(左)の要望を聞く辻元清美国交副大臣=16日午後、八代市坂本町(小野宏明)

 辻元清美国土交通副大臣は16日、八代市坂本町の県営荒瀬ダムを視察。撤去に向けた課題を国と県で協議する検討会議の準備会が近く発足するとの見通しを示した。国交省九州地方整備局は「19日までに準備会で打ち合わせ、5月中にも検討会議を立ち上げたい」としている。

 辻元副大臣は「撤去に伴う井戸枯れや消防用水などの問題を解決する必要性は認識している。ただ、国も財政難なので、国、県、地域が一体となって知恵を出し合わなければならない」と述べた。

 検討会議は、4月末に前原誠司国交相が設置を表明。撤去工事に伴う周辺の護岸整備や道路のかさ上げなどを話し合う場を想定している。準備会では九地整と県土木部が検討会議のメンバーや話し合う事柄をまとめる方針。本体の撤去技術は、荒瀬ダム撤去技術研究委員会で検討する。

 辻元副大臣には、村田信一副知事と県内の国会議員、県議、市議でつくるグループが、撤去に伴う財政支援などを要望。地元住民代表も井戸枯れ対策などを求める要望書を手渡した。(岡恭子、長野希美)

574 ◆ESPAyRnbN2:2010/05/24(月) 12:36:52
>>555
http://mytown.asahi.com/tokushima/news.php?k_id=37000001005240002
反可動堰から第十堰保全
2010年05月24日

 NPO法人吉野川みんなの会は23日、徳島市内で総会を開き、会の解散を決めた。同川の可動堰(ぜき)計画に
ついて、前原誠司国土交通相が「可動堰は造らない」と表明したことで最大の目的を達成したためで、今後は今ある
第十堰の保全や川のあり方をより多くの人で考える新たな受け皿づくりを各人が進めていく。
(水沢健一)

 前原国交相の表明は今年3月にあり、「可動堰は造らず、第十堰を残す前提で治水対策を検討してほしいと
(河川局に)指示した」と述べた。この日の総会で同会理事の姫野雅義さんが「可動堰への賛否で住民が区別され、
無関心派が増えている」と会の活動が広がりにくい現状を指摘。河川整備計画(2009年)に第十堰保全を
盛り込ませることが新たな課題だとして「誰もが楽しみながらかかわれる場が必要」と説明した。参加者からは
「逆戻りを許さない力を培っていくことが重要」「もっと多くの人が協力できる形にするべきだ」といった意見が出た。
採決では、議決権のある34人のうち26人が解散に賛成した。

 みんなの会は、00年1月の徳島市の住民投票で9割を占めた「可動堰反対」の民意を実現するために生まれ、
02年にNPO法人になった。可動堰に代わる「緑のダム」構想をまとめ(04年)、森林の治水機能を上げれば洪水に
対応できると提案。自然教室を開いて子どもたちに川の魅力を伝え、河川整備や第十堰の補修方法に住民の意見を
採り入れるよう国に要望活動してきた。

◆「吉野川大切」取り組み次々 遊び通して魅力治水史勉強会も◆
 可動堰をめぐる対立を超え、多くの人に川に関心を持ってもらおうという活動はすでに始まっている。

 4月に発足した「川遊び部」は、遊びを通して吉野川の魅力を伝えるグループだ。住民投票10年の催しでスタッフ
をした井上貴彦さん(29)=三好市=らが「ずっと川を大切にしたい」と企画。現在20〜30代を中心に約20人が
集まり、4月は第十堰の近くでカヌーに乗り、5月は干潟で泥だらけになって遊んだ。

 みんなの会が開いてきた自然教室のスタッフらも独自に、新たな教育活動を準備中だ。第十堰に至る河川敷に、
名前とメッセージを彫り込んだ青石プレートを敷き詰めていくプロジェクトも持ち上がっている。

 一方、姫野さんらは6月6日、治水史の専門家を招いてシンポジウムを開催。これを機に治水史の勉強会をつくる
計画だ。このほか、シオマネキなどの希少生物が生息する吉野川河口の干潟をラムサール条約の登録湿地に
しようという動きも出ている。

575 ◆ESPAyRnbN2:2010/05/25(火) 09:10:01
「公共事業チェック議員の会」など、行政監視の点で鋭い実績を積み上げてきた民主党議員が行政府入りした今、
確かに過去の(自民党や官僚による)行政に対する監視・抑制は改善された。
しかし、今度は民主党が行う利害調整に対し、どのように主権者が監視、抑制すべきなのか。
「野党」自民党の責任の自覚に問題もあり、大きな課題となっているように思う。

> ただし党の「幹事長室」と省庁の「政務三役」が政策を決定する構造が、党利へ傾斜することを自戒すべきである。
> 経団連とは距離を保つが、党の支持労組「連合」傘下のエネルギー、鉄鋼、石油などの労組による経団連と
> 類似の抑制圧力とどう向き合うか。

http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20100525k0000m070138000c.html
記者の目:諫早湾干拓事業の開門調査=原剛
 ◇民主は「環境政治」を確立せよ
 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の象徴、7キロの潮受け堤防が閉め切られ、諫早湾の干潟が有明海から
遮断されて13年たった先月28日、政府・与党の検討委員会は有明海の環境悪化の影響を調べるため、
堤防の排水門を開くよう、赤松広隆農相に求めた。農相は近く、開門調査の実施を表明する見通しだ。

 堤防閉め切りから4年たった01年、全国ノリ生産量の約4割を占める有明海の養殖ノリが、黒く色づかず色落ちし、
佐賀、福岡県など沿岸漁民の暮らしを直撃して以来の懸案である。

 諫早湾開門調査は、利益誘導型の政党構造と官僚支配を排除して初めて可能となった。日本の環境政治史上
画期的な意味を持とうとしている。この初めての本格的な「事後環境影響評価」の試みにより、環境政治の枠組みを
確立する歴史的な任務を、鳩山政権と民主党に期待したい。

 ◇公共事業の監視 超党派の歴史
 鳩山由紀夫、菅直人、前原誠司、仙谷由人、長妻昭、川端達夫、小沢鋭仁の各氏−−。長良川河口堰(かこうぜき)
反対運動のNGO(非政府組織)に先導され、超党派の国会議員が加わった「公共事業チェック機構を実現する
議員の会」(94年結成)を前身とする「公共事業チェック議員の会」の中心となったのは、鳩山首相と菅副総理兼
財務相である。各氏ら現内閣の主要な閣僚を含む64人の民主党議員と福島瑞穂党首ら11人の社民党議員が
会に加わっている。

 「議員の会」はなぜ結成されたのか。「産業界・官界・政党の提携」による利益誘導型政治・行政の手法が、
公共事業のあり方や公共事業による環境、自然破壊の激化によって国民の批判を受け、機能しなくなったからである。
自民党、官僚行政が自壊に至る間、環境政治・行政への圧力の源はどのように形作られてきたのだろうか。

 自民党総務会−政務調査会−傘下部会、そして閣議の内容を実質的に決定することの多い各省庁事務次官会議が
その原点となった。党所属の国会議員はいずれかの部会に属し、そこで検討、立案された政策は政務調査会を経て、
総務会で党の政策とされた。

 諫早湾干拓事業で環境庁(現環境省)と対決したのは、自民党農林関係合同部会のリーダーで農水族の松岡利勝
衆院議員(後に安倍内閣農相、自死)と82〜98年に地元長崎県知事を務めた高田勇氏であった。

 他方、事業の施主である農水省構造改善局は、自民党農林部会と通じ、干拓事業に疑問を呈した環境庁を
霞が関の官庁ベースで押し切った。予算を組んだ大蔵省(現財務省)も同調した。しかし諫早湾干拓事業の目的は、
農地造成から淡水資源の確保、防災事業へと変えられ、「先に事業ありき」の本質を露呈していく。

 族議員に支配される商工、建設、農林の自民党3部会を相手に、環境政治・行政は挫折を強いられてきた。
例えば75〜85年に6度国会へ提案された環境影響評価法(99年施行)は、開発事業、特に発電所立地への
影響を恐れた産業界と通産省(現経済産業省)の意向を受けた自民党商工部会によって、ことごとく廃案とされた。
成立していれば、89年着工の諫早湾干拓事業は大幅に変わっていたはずだ。

 そもそも環境省設置法に記された環境大臣の権限の核心、内閣総理大臣を介しての他省庁大臣への勧告権限も、
内閣法によって「閣議にかけて決定した方針」の範囲内に限られている。次官会議が閣議を仕切る政治・行政の
力学が貫徹される仕組みである。

576 ◆ESPAyRnbN2:2010/05/25(火) 09:10:37
 ◇族議員の排除と次官会議の廃止
 民主党・鳩山政権は、第一に、党の政策調査会の部門会議を廃止し、各省庁に政策会議を設けることで、
政策決定の過程から族議員を排除した。第二に、政策決定にあたり、閣議決定の内容を誘導してきた事務次官会議を
廃止し、霞が関全省庁一致の原則を壊した。自民党政治・官僚行政が設けた環境政治での二重の関門は、
一掃される形となった。政府、与党の検討委により、開門が求められたゆえんである。ただし党の「幹事長室」と
省庁の「政務三役」が政策を決定する構造が、党利へ傾斜することを自戒すべきである。

 経団連とは距離を保つが、党の支持労組「連合」傘下のエネルギー、鉄鋼、石油などの労組による経団連と類似の
抑制圧力とどう向き合うか。地球温暖化対策の行方にかかわってくる。

 高度経済成長の半世紀を経て、いま日本の社会は、環境政治・行政に何を期待しているか。かつて「議員の会」に
加わり、現場で実践者に学んだ与党議員は、その原点に立ち戻って行動するときである。
(客員編集委員、早稲田大学特命教授)

毎日新聞 2010年5月25日 0時08分

577とはずがたり:2010/06/04(金) 18:30:57

八ツ場ダム中止、引き継ぐ考え 前原氏、退任会見で示唆
http://www.asahi.com/politics/update/0604/TKY201006040239.html
2010年6月4日13時 15分

 前原誠司国土交通相は4日の退任記者会見で、就任時に中止を表明した八ツ場(やんば)ダム(群馬県)について、「方向転換して8カ月半で解決するなんてそんな甘いものではない」「次の内閣でもぶれずにやっていくことが大事だ」と述べ、中止の方向性を引き継ぐ考えを示した。

 中止表明で地元に混乱を招いたことについては「大変申し訳なく思っている。現地の方々には何の罪もない」と改めて陳謝。その上で、「今までの河川計画のままでは、いくらお金があっても足りない」と指摘した。現行の利根川水系では、八ツ場ダムが完成してもさらに5、6基のダムを造らないと治水安全度の目標が達成されないことや、完成まで400年かかるとされるスーパー堤防の現状を挙げ、「政権交代を機に今までの施策を見直していく一歩を歩み始めたわけで、一朝一夕でできるものではない」と述べた。

578 ◆ESPAyRnbN2:2010/06/08(火) 14:28:07
>>577
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100608-OYT8T00030.htm
前原国交相再任が内定 知事、長野原町長は歓迎 八ッ場ダム地元、落胆の声も

 前原国土交通相が8日に発足する菅内閣で再任されることが内定し、八ッ場ダム(長野原町)の関係者からは、
歓迎と落胆の声が上がっている。

 前原国交相と「人間関係が出来ている」という大沢知事は6日、記者団の取材に対し、「新しい大臣が一から現地を
見て、(理解の)熟度を高めるには時間がかかる。地元にとっては待てる時間がないから、良かったと思う」と歓迎する
意向を示した。

 長野原町の高山欣也町長も「前原さんは以前よりも地元の方を見るようになった。民主党内で『いらない』と言っていた
湖面1号橋も、住民に意向調査をして建設にゴーサインを出す英断を下した。大臣に替わってもらっては面倒。
前原さんで良かった」と話す。

 一方、川原湯地区ダム対策委員長の樋田洋二さん(63)は「前原さんは自分の(中止の)考えを主張し続け、
ぶれない人。できればほかの人に変わってほしかった。これでダム問題は、また長いトンネルに入ってしまう」と
残念そうに語った。

(2010年6月8日 読売新聞)

579 ◆ESPAyRnbN2:2010/06/09(水) 16:53:52
http://kumanichi.com/news/local/main/20100609005.shtml
五木村再建へ特措法 来年の通常国会に提出へ 2010年06月09日

 前原誠司国土交通相は8日夜、初閣議後の記者会見で、建設中止を表明している川辺川ダム事業に関し、
水没予定地を抱える五木村の生活再建の裏付けとする特別措置法案を、来年の通常国会に提出する考えを
明らかにした。五木村の例を、大型公共工事を止める際のモデルケースにする方針。

 前原氏は、川辺川ダムの中止に関し、「流域市町村の協力も得て、ダムによらない治水の議論がまとまりつつある。
残っているのは、ご迷惑をおかけした五木村の生活再建の仕組みをどうするかだ」と説明。

 その上で「生活再建の裏付けとなる法律をつくる作業を国交省内部で進めている。これは来年の通常国会に
出すべき法案だと考えている」と明言した。

 前原氏は、公共工事の中止に伴う生活再建について「地域を限定した法案ではない」とも強調。ただ、「一番初めに
地域の方々の同意をいただき、モデルケースになるのが五木村、川辺川ダムだと考えている」と述べ、川辺川ダムの
中止に伴う五木村の生活支援を全国初のモデルケースにする考えを示した。

 五木村の再建策をめぐっては、人吉球磨の首長らが3日、国交省を訪れ、国の責任で五木村の再建策を進めるよう
要望。民主党も参院選のマニフェストに、川辺川ダム中止をあらためて盛り込む考えで、国交省は、国主導で県、
五木村を交えた協議の場の設置も検討している。(潮崎知博、原大祐)

580 ◆ESPAyRnbN2:2010/06/18(金) 08:35:37
>>579
http://kumanichi.com/news/local/main/20100618001.shtml
国交副大臣、五木村訪問へ 協議機関設置を確認 2010年06月18日

 川辺川ダムの水没予定地を抱える五木村の生活再建をめぐり、三日月大造国土交通副大臣が、同村を訪問する
ことが17日分かった。蒲島郁夫知事も同席する予定で、20日を軸に日程の調整が進められている。

 五木村などによると、国と県、村の3者が村の再建について話し合う協議機関の設置を確認するのが狙い。
三日月氏と蒲島知事との間で、スケジュールの最終調整が行われているという。

 三日月氏は国交政務官時代に引き続き、川辺川ダム事業の見直しに携わっており、現地での3者協議を経て、
村再建策の検討を本格化させるとみられる。

 五木村の再建をめぐっては、前原誠司国交相が「国が押しつけるのではなく、地域で考えていかなければならない
問題だ」として、地元の意向を反映させたい考えを明言している。

 三日月氏らの来村に向け、五木村は17日の村議会ダム対策特別委員会で、対応を検討。当日はダムの是非に
触れず、村再建に絞って協議に望むことを申し合わせた。

 和田拓也村長は「副大臣には村の現状を見てもらい、再建のため最大限努力してほしい」と話している。

(本田清悟、亀井宏二、原大祐)

581 ◆ESPAyRnbN2:2010/06/21(月) 08:48:18
>>564
> 前原国土交通相は20日、高崎市内で開かれた民主党の中島政希衆院議員の国政報告会にゲストとして出席
> 参院選群馬選挙区から立候補予定の富岡由紀夫参院議員も駆け付けたが、前原国交相とは入れ違い
> 富岡氏が4月の長野原町長選で前原国交相批判とも受け取れる発言をして以降、関係が疎遠になっているという

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100620-OYT8T00817.htm
前原国交相 八ッ場ダム、理解求める
「憎くて中止したのでない」

 前原国土交通相は20日、高崎市内で開かれた民主党の中島政希衆院議員の国政報告会にゲストとして出席し、
本体中止を表明している八ッ場ダム(長野原町)について、「(財政制約で)ダムを永遠に造り続けるわけにはいかず、
政権交代で治水のあり方を根本的に変え始めたが、そのきっかけが八ッ場ダム。憎くて中止したわけではない」と
語り、政策転換に理解を求めた。

 前原国交相は、自民党政権が無駄な公共投資を続けてきたと批判した上で、「地元の皆さんには本当に申し訳ない
気持ちでいっぱいだが、そういう(無駄な)ものに手をつけて、日本を持続可能な社会に変えていかないといけない」と
語った。

 参院選群馬選挙区から立候補予定の富岡由紀夫参院議員も駆け付けたが、前原国交相とは入れ違い。民主党
関係者によると、富岡氏が4月の長野原町長選で前原国交相批判とも受け取れる発言をして以降、関係が疎遠に
なっているという。

 富岡氏は報告会後、記者団の取材に対し、「(遊説で)自転車に乗っていて遅れただけ」と時間調整を否定。
「(ダム問題では)地元の方とよく意見交換をしないといけない」と語り、参院選公示後、長野原町にも遊説に出向く
考えを明らかにした。

市民団体が戸惑い

 一方、市民団体「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」の総会が20日、県庁昭和庁舎で開かれた。八ッ場ダムを
巡り、「中止の方針を表明している」「予断を持たずに検証」などと記載した民主党の参院選マニフェスト(公約)に
ついて、「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」の嶋津暉之(てるゆき)代表は「前原国交相の発言は、昨年10月頃と
変わっていない。建設中止が後退したとは思っていない」と報告したが、出席者からは「(マニフェストが)トーンダウン
しており残念だ」という声も。断定調で「中止」と記載した昨年の衆院選マニフェストからの変化に、市民団体側も
戸惑っている。

(2010年6月21日 読売新聞)

582 ◆ESPAyRnbN2:2010/06/21(月) 08:54:36
>>580
http://kumanichi.com/news/local/main/20100621001.shtml
国交副大臣、五木村振興策「協議の場」設置確認
2010年06月21日

 国土交通省の三日月大造副大臣が20日、川辺川ダムの水没予定地を抱える五木村を訪問し、村の振興策について
蒲島郁夫知事、和田拓也村長らと意見交換。国、県、村で「ダム中止後の生活再建を協議する場」を設置することを
確認した。三日月氏は「地元の意向を聞きながら、スピード感を持って取り組みたい」と意欲を示した。

 川辺川ダムをめぐっては、前原誠司国交相が昨年9月に事業中止を明言。蒲島知事も一昨年9月、建設反対を
表明している。国、県、村の3者協議がスタートすることで、国主導の村再建策がようやく動きだす。

 取材に対し、三日月氏は「国交省が協議の場の窓口となるが、課題によっては省を超えて知見を持ち寄りたい」と
述べた。ただ、今後のスケジュールや、協議の進め方については「白紙」と答えるにとどまった。

 来年の通常国会に提出を予定している村の生活再建に関する特別措置法案にも、「協議内容は大きく影響する」と
指摘。ダム中止後を想定した水没予定地の利活用も協議テーマの一つになる、との見解を示した。

 意見交換は村役場会議室で行われ、村議や球磨川流域の首長らも出席。和田村長は「村はダムに翻弄[ほんろう]
され、苦渋の決断をした。計画を押し進めた国と県は、村再生に大きな責任がある」と述べた。

 三日月氏は「ダム中止にいたる過程で、心配と生活上の不便をお掛けして申し訳ない」と陳謝した上で、ダムに
よらない治水の整備と水没地域の生活再建を約束した。蒲島知事も「村の再建には国、県、村の共同体制が必要」と
話した。

 意見交換に先立ち、三日月氏は水没予定地の頭地地区などを視察した。(本田清悟)

583チバQ:2010/07/04(日) 12:11:34
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20100704/CK2010070402000103.html
八ッ場ダム建設中止問題 視界不良のまま論戦
2010年7月4日

八ッ場ダムの建設予定地前を通る選挙カー=長野原町で


 昨年の政権交代で一躍、全国の注目を浴びることになった八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の建設中止問題。地元の反発を受けて政府が最終判断を先送りし、いわば視界不良のまま突入した参院選で、群馬選挙区の候補者はそれぞれ主張を展開している。

 民主現職の富岡由紀夫氏(46)=国民新推薦=は「具体的な生活再建案を早く提示し、地元の納得を得て本体は中止する」との立場。与党の一員として「政府と地元のパイプ役になる」と訴えるが、公示後は長野原町に入っておらず、深入りを避けているように見える。

 二日は選挙カーが同町入りしたが、本人は高崎市など都市部で活動した。陣営は「選挙期間は十七日間しかない。当選しないと意見を聞いても政策に反映できない」と説明。厳しい選挙情勢を踏まえて大票田を優先した苦渋の決断との認識を示した。本人も同町入りに前向きだが、具体的な日程は未定という。

 これに対し、「ダム中止撤回」を掲げる自民現職の中曽根弘文氏(64)は公示日の六月二十四日、同町の川原湯温泉街で出陣式を開催。ダム建設予定地の住民に直接語りかけ、民主党との対決姿勢を鮮明にしている。

 中曽根氏は出陣式で高山欣也町長らを前に「治水や利水のためには(八ッ場ダムを)何としても完成させないといけない」と声を張り上げ、ダム建設の正当性を強調した。

 同三十日にも同町を遊説し、八ッ場ダム問題を重要視する立場を地元にアピール。陣営は「八ッ場は米軍普天間飛行場移設問題と並ぶ“民主党混迷”の象徴」と位置付ける。

 また、共産新人の店橋世津子氏(48)は「治水、利水の両面でダムは必要ないが、民主党のやり方には問題がある。住民のふるさとを壊している。住民から理解を得て、きちんと情報を伝えていくべきだ」と主張している。 (中根政人、加藤益丈、菅原洋)

◆住民たちは思い交錯
 こうした各党の対応に地元住民の間ではさまざまな思いが交錯する。

 川原湯温泉で旅館を経営する豊田明美さん(45)は「八ッ場ダム問題は群馬選挙区の大きな争点。民主党の候補者は現地に入り、住民の今後の生活再建など政策を堂々と語るべきだ。地元でダムの論戦がないため、争点がかすみ、住民は冷めてしまった」と憤る。

 一方、同温泉街近くで牛乳製造販売業を営む豊田武夫さん(58)は「前原誠司国土交通相が中止方針を表明後、二度も現地を訪れて住民に理由を説明しているのだから、それでいいのではないか。ダム問題を争点にしようという選挙戦略は理解できない。地元が混乱するだけだ」と話している。 (山岸隆)

584 ◆ESPAyRnbN2:2010/07/09(金) 16:14:00
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100709ddm001010056000c.html
ダム見直し:コスト最重視 代替策と必ず比較−−有識者会議案

 全国で進められているダム事業の見直しに向け、事業の検証方法を検討してきた国土交通省の有識者会議は、
必ずダムなしの代替治水策と比較し、コスト最重視で判断することを柱とする手順案をまとめた。検証は対象ダムの
事業主体の国や都道府県が行い、ダムなし治水策も立案する。ダム建設を巡り、ダム以外の治水策との比較を
一律に求めるのは初めて。同会議が示す代替治水手法には、浸水危険地域の土地利用規制など、川の水が
あふれることも想定した対策も盛り込んだ。

 同会議は近く手順案を決定。検証が秋にも始まり、結果は早ければ来年度予算に反映される見通しだ。

 同会議は昨年12月、「できるだけダムに頼らない治水」を掲げる前原誠司国交相の肝いりで発足。国と水資源
機構が事業主体の「直轄ダム」31事業(32施設)と、国の補助を受けて都道府県が建設する「補助ダム」53事業
(53施設)の妥当性を検証するため▽代替治水手法▽検証の進め方▽治水策の評価基準−−を中心に議論してきた。
その結果、直轄ダムは国が、補助ダムは都道府県が、関係自治体と検討の場を作り、プロセスを公開しつつ検証
するとした。

 検証の進め方は(1)対象ダムの計画から精査する(2)現行の河川整備計画と同程度の安全を確保した2〜5の
代替治水策を立案する(3)安全度、コスト、実現性など8項目で概略評価する(4)コスト最重視で総合評価し、
国交相に結果を報告する(5)国交省政務三役は有識者会議の意見を聴きながら最終的に判断する−−との流れを
提示した。代替治水策は、会議が提示する25の治水手法を用いるとした。

 評価基準で最重視するコストは、ダム建設継続ケースでは残りの事業費と完成後の維持管理費を中心に算出。
ダムなし案ではダム中止に伴う経費を出す。ダムは完成まで治水効果はないことから、5、10年後など段階ごとに
どんな安全が確保できるのかも評価基準に取り入れた。【石原聖】

毎日新聞 2010年7月9日 東京朝刊

585チバQ:2010/07/11(日) 01:42:55
7434 :チバQ:2010/07/10(土) 02:32:36
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2010sanin/rensai/rensai4/20100628/20100628_0001.shtml
ダム政策 「脱ダム」の先に何が 「このままじゃ村が滅びる」
2010年06月28日 14:42  長い間積み残されてきた九州各地の政治課題が、昨年9月の政権交代を機に相次いで動きだした。民意が、閉そく状況に風穴をあけた。それから9カ月。政治が人々にもたらしたのは、期待か、不安か、あるいは失望か。試金石となる参院選が24日公示される。いま、九州が問う。



集会所で5年後の地域の姿を話し合う頭地地区の住民たち=15日午後7時半ごろ、熊本県五木村 川辺川は、標高千メートル級の山懐に抱かれた熊本県五木村を流れている。透んだ水は魚影を見通せるほど美しい。国は1966年、この清流をせき止める「川辺川ダム計画」を発表。水没予定地を抱える村は、以来40年余り揺れ続けてきた。

 15日夜、水没予定地からの移転者が入植した頭(とう)地(じ)地区の集会所で、約20人が地域振興に知恵を絞っていた。「山開きを企画したらどうか」「貸農園を作ろう」。楽しげな議論の中、林業男性(70)がぽつりと漏らした。「5年後にダムの新法はできとるじゃろか」

 政権交代が起きた昨年9月、前原誠司国土交通相は就任10日後に五木村に来た。村民に向かい「ダム中止」に政策転換した謝罪と、地域再建の支援法をつくる話を口にした。男性は期待を膨らませた。だからこそ、その後の進展が見えないことにいらだつ。「蛇の生殺し状態。早くせんとみんな年を取ってしまう」

   ◇   ◇

 ダム計画は、村の過疎に拍車を掛けた。水没予定地からの移転は、離村を促すきっかけともなった。現人口はダム計画前の4分の1(約1350人)に減少。高齢化率は40%を超える。

 「このままじゃ村は滅びる」。村の端にある端(たん)海(かい)野(の)集落の農業松永泰男さん(58)は言う。この夏、35年続けた花き栽培をやめる。33軒あった集落は一軒家となった。手伝いを頼むあてもなくなり、もう仕事を続けられない。村に来訪した前原国交相を松永さんは「救世主」と呼んだ。自民党政権当時に、大臣と村民がひざを突き合わせて話した記憶はない。「政治が変わった」と、そのときは思えた。

 通常国会が閉じ、参院選が事実上始まった後の今月20日、三日月大造国交副大臣が水没予定地を視察した。松永さんにもはや高ぶりはない。「再建策の内容には触れずじまい。選挙向けのパフォーマンスじゃないか」

   ◇   ◇

 五木村から川を下ると、ダムに揺れるもう一つの地域にたどり着く。熊本県が撤去方針を決めた球磨川の県営荒瀬ダム(八代市)。財政難で撤去費に悩む県は、国に財政支援を求めている。
 ダムの横に自宅がある下村勉さん(80)は、放水の水圧に伴う振動や騒音に悩まされてきた。家の壁には4メートルほどの大きな亀裂。「長年の振動でできた」という。

 2008年7月末、下村さんはダム視察に来た民主党幹部に「撤去に力を貸してください」と懇願した。手を取り、固く握った幹部は答えた。「国が支援すればできる。私たちが政権を取ったら必ずやる」

 また夏が来る。下村さんは、連日テレビに映る菅直人首相の姿を見つめて念を押す。「あんたの握手の手応え。私は信用しとるけんな」

    ×      ×

 ●ダム政策

 民主党は「コンクリートから人へ」の理念を掲げ、無駄な公共事業を削減する一環でダム事業の見直しを進める。前原誠司国土交通相は、全国136のダム事業のうち89事業を再検証する方針を発表。国交省の有識者会議は「ダムによらない治水」の新基準を今夏をめどにまとめる。民主党は、マニフェスト(政権公約)に川辺川ダム(熊本県)と八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の中止を明記し、政権交代を果たした。


=2010/06/23付 西日本新聞朝刊=

587チバQ:2010/10/08(金) 20:55:55
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokushima/news/20101008-OYT8T00009.htm
「川と仲間愛したリーダー」
姫野さん遺体発見


遺体の発見現場周辺で、手を合わせて冥福を祈る姫野さんの知人(海陽町の海部川で)  川を愛し、仲間を愛したリーダーだった。海陽町の海部川で行方不明になっていた吉野川の「第十堰(ぜき)住民投票の会」の元代表世話人、姫野雅義さん(63)の遺体が7日、見つかった。仲間のためにアユ釣りに出かけ、帰らぬ人となった。無事を祈っていたゆかりの人々は、早すぎる死を惜しんだ。

◇現場◇

 牟岐署や消防団などの約90人に加え、県内だけでなく東京や秋田からも、姫野さんの知人ら約50人が駆けつけ、捜索にあたった。

 姫野さんらが設立した環境教育団体「川の学校」のスタッフで、京都精華大4年、加茂光さん(23)らが海陽町大井の海部川下流域で姫野さんの遺体を発見した。加茂さんは「生きていてほしいと願っていた。現実を目の前に突き付けられ、つらかった」と肩を落とした。

 捜索現場に駆けつけたNPO法人「吉野川みんなの会」の元代表理事、豊岡和美さん(48)は「無理難題も言われたけど、最後は全部責任を引き受ける人だった」と大粒の涙を流した。

◇歩み◇

 姫野さんは、建設省(当時)が水面下で進めていた可動堰計画に疑問を感じ、1993年に住民運動を始めた。5年後には、「第十堰住民投票の会」を発足させた。約10万人の署名を集め、2000年1月の住民投票では、反対票が9割を占めた。

 可動堰化に含みをもたせる建設省に対し、計画を阻止しようと、姫野さんは04年の徳島市長選に立候補したが落選。その後、第十堰の可動堰化は改築も保存の議論もされない棚上げ状態となった。

 今年3月、姫野さんと面会した前原国交相(当時)は「可動堰化は選択肢にない」と明言した。「目的を達成した」として5月には「吉野川みんなの会」を解散し、第十堰の保存に向けての活動を始めていた。

◇ゆかりの人々◇

 「吉野川みんなの会」で代表理事を務めた徳島市国府町の農業、山下信良さん(59)は、行方不明となる前夜、「お堰」と呼んでいた同NPOの事務所で姫野さんらと食事をした。姫野さんは「もうすぐアユが禁漁になるから明日が最後のチャンス。あそこ(海部川)は捕れる。冷凍庫に入れとくけんな。みんな食べてだ」と笑っていたという。

 山下さんは「釣り好きだから、『川を死なせたらいかん』との思いで運動をしてきたのだろう。最期が川というのがつらい」と言葉を詰まらせた。

 今年3月に前原国交相を共に訪ねた成蹊大(東京都)の武田真一郎教授(51)は「決して感情的にならず、行動力を発揮できる人だった。みんなで遺志を引き継がねばならないが、同じような力は発揮できないかもしれない」と惜しんだ。

 「もう一度、姫野さんの笑顔が見たい」。4日に徳島市内でコンサートを開いた歌手の加藤登紀子さん(66)も、突然の悲報にショックを受けていた。

 姫野さんとの出会いは7年前。イベントへの出演を依頼するため、広島にいた加藤さんに会いに姫野さんが徳島から駆けつけた。「驚くほど行動力があった。笑顔を絶やさず、『きっと何か楽しいことがありそう』と自然と人が集まってきた」と振り返った。

 加藤さんは「本当に川を愛した人だった。姫野さんは川に帰っていかれた、と思いたい」と悼んだ。

(2010年10月8日 読売新聞)

588チバQ:2010/10/09(土) 20:44:22
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20101009ddlk10010191000c.html
八ッ場ダム・流転の行方:民主の国会議員有志、議連を発足へ /群馬
 ◇建設中止前提、生活再建案を提示
 八ッ場ダム問題の打開策を探るため、民主党の国会議員有志が議員連盟を発足させる方針を決めた。昨年のダム中止宣言以来、水没予定住民との間で着地点を見いだせない中、ダムが中止されても生活再建に支障が出ない解決策を提示するのが目的。19日に東京都内で設立総会を開く。

 議連の名称は「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」とし、会長には前衆院国土交通委員長の川内博史衆院議員(鹿児島1区)が就任予定。呼びかけ人には、同党の県選出国会議員6人を含む11人が名前を連ね、そのうちの一人、初鹿明博衆院議員(東京16区)は「地元の不安を取り除くためにも、党として生活再建案を示したい」と話した。

 今後、衆参の与党議員に広く参加を呼びかけ、現地視察や住民からの意見聴取を重ねる。設立総会では、水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津暉之(てるゆき)氏と、市民団体「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長が現状報告を行う。【奥山はるな】

589チバQ:2010/10/16(土) 22:09:52
古い記事だけど
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/isahaya/2010/kikaku1/01.html
孤立した“長崎の声”

  「机上論の繰り返しだ」



 27日深夜。諫早湾防災干拓事業推進連絡本部長、栗林英雄の電話が鳴った。「検討委員会が“開門”に向きつつある。あす長期開門の報告書を農相に出すかもしれない」。声の主は、民主党参院議員の西岡武夫だった。

 この数時間前、西岡は東京・赤坂の中華料理店にいた。政府・与党の諫早湾干拓事業検討委の非公式会合。座長を務める農水副大臣、郡司彰から渡されたメモには「開門調査をする方向で報告書をまとめて大臣に提出する」との趣旨が記されていた。

 「不本意だ」。西岡は郡司にそう伝えた。諫干は父・竹次郎が知事時代に発表した長崎大干拓事業構想がルーツ。西岡にとって「既に完成した事業」を事実上否定する報告書は、到底受け入れられるものではなかった。

 「委員は諫干の事情を知らない人が多すぎる。地元の歴史、伝統、苦しみを知らずに机上の議論の繰り返しだ」。電話口でこぼす西岡。だが、開門反対派の栗林は憤りを抑えきれず言い返した。「裏切られた」

 もう一人の本県側委員、参院議員の大久保潔重もまた、開門反対の立場を主張してきた。しかし、結論への受け止め方は、西岡と異なる。

 「防災・農業経営が現状の水準を確保されねばならない」「費用は政府として負うべき」−。大久保は、28日提出された報告書について「かなり踏み込んでいる。政府は開門調査との両立が可能だと確信を持っている、と私は感じる」と語った。検討委内で“開門受け入れ”の条件に「リスクの排除」を主張してきたからだ。

 郡司は、報告書提出後の会見で「意見を重ねる中で(各県の)それぞれの歴史や個々人の議員の生きざまもあることが分かった」と、一任を取り付けた経緯を振り返った。だが、佐賀県などほかの委員が賛成一色の中、孤立した形となった西岡は、こう不満を口にする。「民主党はもうちょっといろいろな意見を聞くべき。地方分権といいながら(長崎)県連の意見なんか聞いていない」

 同日、諫早市内であった推進連絡本部の緊急評議員会。あいさつに立った栗林は、赤松や検討委員らが今月、相次いで現地を視察したのを「単なるパフォーマンスにすぎなかった」と切り捨てた。地元の実情を分かってもらえたと期待していただけに落胆は大きい。「もう民主党政権はごめんだ」。そう語る顔は紅潮していた。(文中敬称略)

◇   ◇

 与党が諫干事業の潮受け堤防開門調査にゴーサインを出した。決断は防災や営農に影響を及ぼさないのか。夏の参院選にどう響くのか。波紋を追う。(諫干問題取材班)


2010年4月29日長崎新聞掲載

590チバQ:2010/10/16(土) 22:10:16
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/isahaya/2010/kikaku1/02.html
営農者「冗談じゃない」

  「水」の解決策なく不信感



 広大な農地の一角に、丸々としたキャベツが整然と並ぶ。27日、諫早市の中央干拓地。国会内で開かれているはずの政府・与党検討委会合の緊迫感とは対照的に、普段と変わらぬのどかな収穫作業が続いていた。ただ、従業員たちの作業を見守る「アラキファーム」の責任者、荒木一幸(33)の心中は穏やかでなかった。

 「開門されれば、農業はできなくなる」

 2年前に熊本から家族4人で移り住み、中央干拓地にログハウスを建てた。大型の農業機材に投じた金額は5千万円ではきかない。この土地に懸けている。

 開門論議は、入植時には既に終わった話だと思っていた。なのに、昨年夏の政権交代で雲行きが怪しくなった。自民党政権時代のものを端から疑ってかかる民主党。懸念はこの日の夜、あっさり「現実」になった。

 干拓農地では2008年4月から41の個人・法人が営農を始めた。有機栽培を含め化学肥料を抑えた環境保全型農業が進む。「農作物は市場で高く評価され、経営も軌道に乗りつつあった」(県担当者)

 それが開門するとどうなるのか。




中央干拓地でキャベツを収穫する荒木一幸さん=27日、諫早市
 県の説明は−。「開門で調整池の淡水が海水に変われば、新たな水源の確保が必要になる。海水は農場の土壌にも染み込む。強風で海水が作物に降り掛かれば、塩害も起きるだろう」

 荒木が考える一番の問題は「水」だ。ところが、検討委報告書は何の解決も示していない。「決め方がずさんだ。何のための委員会だったのか」

 28日の反対派団体緊急会合では、県農林部長の浜本磨穀穂も「到底納得できない」と怒りをあらわにした。営農者の一人は「今度はわれわれが犠牲になれということだ」と吐き捨てて会場を後にした。

 ところが、開門派は「営農への影響は心配いらない」と意に介さない。開門訴訟弁護団事務局長の弁護士、堀良一は県の言う塩害説を「もしそうなら海岸の近くは、どこも農業ができないはず。詭弁(きべん)だ」と一蹴(いっしゅう)。「漁業と農業が共存できる道は開門しかない」と強調する。

 海洋環境に詳しい九州大大学院教授の経塚雄策も「水源は下水処理場の再生水などで十分賄える。強風などでの海水の飛沫(ひまつ)は多くなく、塩害は心配ない」と指摘する。

 荒木も、こうした意見を知らないわけではない。それでも思う。「冗談じゃない」。見込み違いが起きたら、誰が責任を取れるのか、と。

(文中敬称略)

 【編注】「浜本磨穀穂」の浜はサンズイにウカンムリにマユ毛のマユの目が貝


2010年4月30日長崎新聞掲載

591チバQ:2010/10/16(土) 22:10:49
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/isahaya/2010/kikaku1/03.html
“呉越同舟”の大臣室

  ねじれ鮮明、副産物も



 「農相への申し入れに同席させてもらえませんか」

 新聞各紙が「諫早湾干拓 長期開門へ」を大見出しで報じた28日、知事の中村法道は県議会の議員控室に足を運び、民主党県連幹事長で県議の渡辺敏勝に頭を下げた。

 渡辺は報道を受け、県連代表で衆院議員の高木義明を通じて、一足早く、農相への面会を取り付けていた。だが、県の要請には農水省は「大臣の都合がつかない」−。困り果てた中村は、渡辺に“呉越同舟”を自ら頼み込んだ。

 渡辺ら民主党県連にとって中村は、2月の知事選で推薦候補を立てて戦い敗れたばかりの「敵」。農相の一連の発言を「知事選の意趣返し」とする見方さえある。そうした事情からか、高木は「遠慮してもらえないか」と知事の同行に難色を示した。

 ところが、中村の面会希望を知った農相の赤松広隆は、当事者が拍子抜けしそうなほど屈託のない“鶴の一声”をよこす。「同じ日なら一緒に来ればいいじゃない」

 与党の地方組織が、知事選で激突した相手と共同歩調を取りながら、党中央に翻意を直訴する−。30日の農水省大臣室には、諫干開門をめぐり、幾重にもねじれた賛否の空気がそのまま持ち込まれた。

 赤松は夏の参院選前に方向性を示し、争点化すると言うが、民主党参院議員の西岡武夫は「それは間違い。県連にとってマイナスだ」と反論する。県連も反対の立場を貫く構えだ。

 賛否のねじれは、その県連内でも鮮明になりつつある。

 「長期開門調査をすればいろいろなことが分かる」。参院選長崎選挙区で再選を目指す民主党現職の犬塚直史は、「開門」の流れを前向きに受け止めている。犬塚の反応に、渡辺はぶぜんとした表情を見せる。「それでは、諫早市議は(選挙で)動いてくれない。墓穴を掘るつもりか」

 一方の自民党は、ここぞとばかりに民主党攻撃を強める。「選挙の争点にして判断を問うのはポピュリズム、大衆迎合主義だ」。自民党県連幹事長の松田正民はこう憤りをあらわにし、抗議行動の検討を始めた。

 民主党中央の「開門意向」は意外な副産物も生もうとしている。参院選の候補者を絞り切れずにいた自民党県連は30日、「出馬の意思はない」としていた前知事、金子原二郎に公認申請を求め、金子はこれに応じる姿勢を見せた。ある県議は意味深な笑みを浮かべ、こう推し量った。「金子は『開門の方向』に怒っている。状況の変化が彼の考え方も変えたのではないか」

 複雑な波紋を投げ掛ける与党の「決断」。その行方はまだ見えない。(文中敬称略)


2010年5月1日長崎新聞掲載

592とはずがたり:2010/10/17(日) 00:38:41

灘崎地区への水道管延伸工事完了 通水祝う
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2010100609284915/

 岡山市南区の灘崎地区への水道水の安定供給のため、市水道局が2006年度から取り組んでいた旧市域からの水道管延伸工事が完了し、5日、給水が始まった。同地区の一部約1800世帯に日量最大2200トンを給水し、渇水時の水不足解消を図る。

 旧市域の水道管幹線の南端(同中畦)から直径30センチの鋳鉄管を敷設。同彦崎に整備した灘崎西配水池(容量1500トン)と接続し、灘崎地区内の植松、彦崎地区に給水する。水道管の総延長は約8キロ。総事業費は約12億8千万円。財源の約半分は合併特例債を利用した。

 この日、同配水池で地元住民ら約60人が出席して通水式があり、高谷茂男市長が「安全でおいしい水を安定して供給することは、地域の安全・安心に大きな役目を果たすと確信している」とあいさつ。出席者がくす玉を割って通水を祝った。

 灘崎地区は上水道の自己水源がないため、高梁川水系を水源とする県南部水道企業団(倉敷市)から供給を受け、日量平均4700トン(09年度)を使用している。植松、彦崎地区を除くエリアは引き続き同企業団から受水する。

 灘崎地区はこれまで高梁川の渇水時にはたびたび水不足に悩まされており、05年3月の合併以降も2度の節水要請があった。このため、合併時の新市建設計画に旧市域からの水の安定供給が盛り込まれていた。
(10/6 9:28)

593チバQ:2010/10/20(水) 19:41:05
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101020/CK2010102002000076.html
八ッ場ダム議連発足 『安心感を早急に』
2010年10月20日

議連の設立総会であいさつする川内博史衆院議員(左から2人目)=東京都内で


 八ッ場(やんば)ダム建設中止問題を打開しようと、民主党の国会議員有志らが、十九日発足させた「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」。ダム中止を想定した生活再建案を研究・提案し、早期の法案提出を目指すという。 (中根政人)

 議連会長には、前衆院国土交通委員長の川内博史衆院議員(鹿児島1区)が就任。このほか、同党の県関係衆院議員六人が名を連ねるなど、計十一人が議連の発起人となった。

 川内氏は「八ッ場ダム建設中止は、ダムに頼らない治水を目指す党の政策の象徴的な存在。地元住民に安心感を与えられる具体案を早急に提示したい」と強調。議員立法による生活再建関連法案を、来年の通常国会へ提出することを目標に掲げた。

 一方、国土交通省が進めるダムの再検証については「作業は長期化するだろう。国交省河川局はあくまでダムを造るのが仕事であって、代替の治水策を考えろというのは難しい話だ」と懐疑的な見方を示した。

 会場では、ダム問題の現状を紹介するための勉強会も実施。ともにダム事業見直しを求める市民団体で「水源開発問題全国連絡会」の嶋津暉之共同代表と、「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長が、ダム中止を前提とした生活再建事業の法制化などを強く要望した。

594チバQ:2010/10/22(金) 19:58:23
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101022-OYT1T00916.htm
蓮舫氏、スーパー堤防視察…仕分け第3弾に向け
 蓮舫行政刷新相は22日、政府の行政刷新会議が特別会計を対象に行う事業仕分け第3弾に向け、東京・下丸子の多摩川の「スーパー堤防」を視察した。


 水が堤防を越えても決壊しないよう、長く緩やかな傾斜を住宅地側に持たせた高規格堤防のことで、国は全国6河川872キロ分の整備へ、1987年から今年4月まで総事業費6943億円を投入したが、整備率は5・8%。蓮舫氏は記者団に「いつまでに整備できるか見えないのは、税金の使い方としてどうか」と語った。

 蓮舫氏や国会議員の仕分け人は22日までに、日本年金機構関連の施設など12か所を視察、「本番」への準備を終えた。ただ、足元の民主党議員から「仕分けには賛成だが、自分の選挙区には来ないで」と、地元票を気にして、視察を敬遠する声もあったという。

(2010年10月22日19時23分 読売新聞)

595チバQ:2010/11/03(水) 00:14:35
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101102dde012040005000c.html
特集ワイド:海外インフラ整備に都参入 紛争・貧困、水ビジネスで解決
 水道事業を海外で展開する「水ビジネス」がテレビや雑誌をにぎわしている。水道は身近な存在だが、そのビジネス内容はよく知られていない。どのようなものか。【宍戸護】

 ◇企業とタッグ、安心感とコスト意識の相乗効果も
 都内のJRや私鉄に乗っていると、車内のテレビ広告で、女子高生が水道水をゴクゴク飲むシーンをよく見かける。最後に「東京水」の3文字。一昨年10月から6バージョンを流しているという。この「東京水」を作り出す技術と経験が日本の水ビジネスのカギを握っている。

 水ビジネスはアジアや南米などで主に海外の企業が展開している水道事業を指す。飲料水(上水)や海水淡水化、工業用水、下水に分けられ、上下水道が9割。飲料水を作る浄水場の設計・建設、管理運営▽水道管から水が漏れる対策▽料金徴収▽地震対策−−などがある。

 浄水場は規模にもよるが設計・建設費に数百億円から数千億円かかり、しかも契約は20〜30年間になる。経済産業省は中国、インドや東南アジアの人口増や経済発展に伴い、世界市場は07年の36兆円から、25年には87兆円に成長すると予想する。

 水は人の命を左右するインフラだけに、ビジネス相手の国や自治体も慎重だ。一企業だけではなく、その背後にある自治体や国の関係も重視する。世界では今、英、仏、シンガポール、韓国が自国企業を後押し、官民一体となって水ビジネスに取り組む。

 日本では1957年に定められた水道法の1条で目的を「清浄にして豊富低廉な水の供給」とし、6条で「水道事業は原則として市町村が経営する」と規定し、自治体が長年水道事業の技術やそのノウハウを独占してきたため、企業の経験が乏しいのが実情。

 これに対し、世界最大級の上下水道事業会社、仏ヴェオリア・ウォーター(ヴ社)はナポレオン3世の勅令に基づいて1853年、南東部のリヨン市で水道事業を始めた。小さな自治体がたくさんあり、民間に任せたほうが効率よく運営できたからだ。以来、世界66カ国で事業展開し、1億6300万人が利用している。仏スエズの利用人口も約1億人規模だ。

      □

 「インドネシアに持っていく書類の準備はできた?」。10月28日、東京都水道局次長の森祐二郎さん(54)は部下に語りかけた。31日から10日間、「水ビジネス」使節団団長としてインドネシアを訪れ、都水道局が持つ技術をどう生かすことができるか、を調べる。森さんは「現地では水道管から水が漏れたり、盗んだりするケースが多いと聞いており、力添えできるはず」と語る。

 都水道局は今年1月、「国際貢献」を掲げて「水ビジネス」参入を表明した。大手商社やメーカー50社から聞き取り、日本との結びつきなどを考えて、アジア6カ国に8月から使節団を送っている。マレーシア、ベトナム、そして今回がインドネシアだ。

 というのも都水道局は給水人口約1250万人で国内最大の水道事業体。水道技術も高く管から水が漏れる率は3%、水道料金の徴収率は99・9%。トルコ・イスタンブール市が世界13首都水道局を調べた報告書(06年)によると、総合評価ではパリ、ロンドンを抑えて堂々の1位。

 職員は約4000人。複数の自治体水道局職員は「銀行業界に例えれば、私たちは信用金庫か農協、都はメガバンク」と口をそろえる。東京都の水ビジネス参加表明は、企業にとって強力な助っ人となる。ただ地方公営企業法で、商売できない都水道局は海外自治体と交渉し、第三セクター「東京水道サービス」(TSS)が現場を担う。

 TSSは都の水道事業を「水源から蛇口」まで受託している。社員約1000人。飯嶋宣雄社長(65)は元都水道局長で、68年に入庁し、あらゆる水道事業を経験した。

 例えば、浄水場ろ過池の効率を上げる実験をした。春夏秋冬を通し、ろ過に使う砂や炭の大きさを変えて調べる。水温が高ければ、含まれる不純物は微生物によって分解されやすく、低ければ多くなるという。「例えが悪いが、川に小便を流すと、冬はアンモニアがそのまま流れてくるが、夏は分解される」と飯嶋さん。自然条件が複雑に絡み合って、文献通りにいかない。

 経験が浅い企業が外国の水道事業を買収し効率を上げるのは難しい。飯嶋さんは「どんな事業でも、どうすれば利益を出せるか、ノウハウを持っている」と自信を見せる。

 国内の浄水場建設が一段落しており、職員が蓄積したノウハウを引退前に活用して若い職員に引き継ぎ、浄水場の更新に役立てたいというホンネもある。

596チバQ:2010/11/03(水) 00:14:54

      □

 「水ビジネス」を5年前から訴えている「草分け的な存在」もいる。国連技術顧問の吉村和就さん(61)だ。「世界の紛争や貧困は水問題がほとんど絡む。日本の水処理技術は世界一。その解決に役立つ」と力説する。

 吉村さんは水処理会社に就職し、果物缶詰シロップや魚類、金属の汚水をきれいにする仕事をしてきた。転機は97年から5年間の国連出向。水環境の専門家の立場から、ケニアでは水がどこにあるかから考えて、チベットでは女性の就労問題に取り組んだ。吉村さんは「水処理技術を使う前に、水源や飲める水の確保から始める。今までやっていた仕事の範囲は狭かったと思った」と振り返る。

 吉村さんは都の水ビジネス参入を歓迎する。「時間と金がかかるインフラ事業は相手も慎重で、一企業より都水道局のほうが安心感がある。でも企業には自治体にはないコスト意識とスピードがある。一緒に展開すれば海外でもやっていける」という。課題もある。「住民の税金で運営されているのに海外で損失を出したり、テロが起きた場合はどうするか。政府の後押しも当然必要」と指摘する。

 政府も重い腰を上げつつある。6月にまとめた新成長戦略では、急成長するアジアでの水インフラの整備を挙げた。10月には、国際協力銀行(JBIC)が日本企業による海外の上下水道事業に対し融資を行う時、国が保有するドル資金を活用できる仕組みを近く整備すると発表した。

      □ 

 実はヴ社は02年に日本法人を設立し、埼玉、広島、千葉で下水道事業を始めている。都水道局も海外で活発に事業を展開できるようになるのか。吉村さんは「都水道局も規模は拡大するだろう。しかし、国際貢献という本来の目的を忘れてほしくない」と話す。

597とはずがたり:2010/11/04(木) 02:25:28

広域水道企業団を設立 大阪市を除く42市町村が集結 大阪府
2010.11.3 00:00
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/101103/lcl1011030002001-n1.htm

 大阪府内の37市町村は2日、府営水道事業を継承するため「大阪広域水道企業団」を設立した。来春の供給開始までに、さらに5市が加わり、大阪市を除く府内の自治体が集結する見通しだ。

 来年2月に府議会の承認を得た上で、府水道部の施設や資産などを無償で譲り受ける予定。

 設立を受け、橋下徹知事は府庁で記者団に「これが市町村連携の典型だ。大阪市は断る理由がない」と述べ、大阪市に参加を呼び掛けた。

 府営水道事業をめぐっては、大阪市が指定管理者として府全体の給水事業を受託することで一時合意していたが、府内42市町村が反発、企業団結成を目指していた。

598神奈川一区民:2010/11/06(土) 17:52:59
【八ッ場ダム】馬淵国交省「予断を持たずに検証する」マニフェストに基づいた中止の方針を事実上白紙撤回

 馬淵国土交通相は6日、群馬県長野原町で大沢正明・県知事らと懇談し、建設
中止か、継続かを再検証中の八ッ場ダムについて、「今後、『中止の方向性を持ちながら』という
言葉には言及しない。一切の予断を持たずに検証する」と述べ、前国交相の前原外相が昨秋
表明していた中止方針を事実上、白紙撤回した。

 建設中止を明言している民主党のマニフェストの修整については言及しなかった。

 また、馬淵国交相は再検証作業を終える目標時期について、「2012年度予算に反映させ
たい。来年秋を目標に結論を出したい」と語った。建設負担金を支出する利根川流域の東京、埼玉など
6都県は、再検証作業の日程が明らかになるまで、今年度分の負担金支払いを留保する
としており、大沢知事は「早急に6知事で集まって話し合いたい。支払いについて理解が得られる
と思う」と述べ、馬淵国交相の発言を受けて、負担金問題が解決するとの見通しを示した。

(2010年11月6日16時32分 読売新聞)
ソース http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101106-OYT1T00514.htm

599チバQ:2010/11/20(土) 20:53:56
>>99>>162>>558
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000001011200002
霞ケ浦導水を超党派で視察
2010年11月20日

 超党派の国会議員でつくる「公共事業チェック議員の会」(会長・松野信夫参院議員、75人)のメンバーが19日、政権交代で建設が凍結されている霞ケ浦導水事業を視察するため、水戸市の那珂川を訪れた。


 会は全国各地の公共事業を視察し、提言などをしている。那珂川と霞ケ浦を地下トンネルでつなぐ同事業の視察は、地元議員や辻元清美・元国土交通副大臣らの提案がきっかけという。この日は、松野会長と大河原雅子参院議員、茨城1区選出の福島伸享衆院議員の3人が訪問。未完成の那珂川取水口付近(水戸市渡里町)で、国交省霞ケ浦導水工事事務所の担当者から事業の説明を受けた。


 視察後、松野会長は報道陣に対し、「昭和59年の建設着手からいまだに完成せず、今後費用がどのくらいかかるのかいささか不透明。多額の費用を使って進める価値があるのか、さらに疑問になった」と述べた。福島氏は会として事業の中止を申し入れる考えを示した。

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20101120/417673
【霞ヶ浦導水を問う】「疑問さらに深まった」 国会の超党派議連視察
(11月20日 05:00)
 国土交通省が進める霞ケ浦導水事業をめぐり、国会議員による超党派の議員連盟「公共事業チェック議員の会」(73人)の会長で参議院議員の松野信夫氏(民主党)ら衆参議員3人が19日、水戸市渡里町の那珂川取水口建設地を視察した。

 霞ケ浦導水は国交省のダム・導水事業の検証対象の一つで、同会による視察ははじめて。

 取水口建設地では、同省職員が事業概要を説明。議員からは「(ポンプ施設である那珂機場を2004年度末、桜機場を01年度末に完成させたことについて)まだ使えないのに、ポンプを早々と設置するのはいかがなものか」、「(那珂川と利根川の水を融通し合う仕組みについて)一方の川だけドカッと雨が降り、隣の川がカラカラなんて考えにくい。渇水なら両方渇水では」などと疑問の声が上がった。

 視察後は、取水口建設差し止めを求め、水戸地裁に提訴した漁協側の谷萩陽一弁護団長が裁判経過を説明し、「政治の力で止めることが大事」と訴えた。

 松野会長は報道陣対し、「本当にこの事業が必要なのか。疑問はさらに深まった。昭和50年代から工事が始まっているが完成せず、後どのぐらい費用が掛かるかも不透明だ」と感想を述べた。

600チバQ:2010/11/22(月) 22:55:21
>>139>>472とか
http://mytown.asahi.com/kagawa/news.php?k_id=38000001011220001
反対住民「島が沈む」 新内海ダム予定地
2010年11月22日


「団結小屋」の中で作業をする山西さん(中)らダム反対派の地元住民=小豆島町

 「島自慢の景観がなくなり、観光も産業もダメになってしまう」――。小豆島の景勝地・寒霞渓近くで県が計画している新内海ダムに反対する地元住民の思いだ。建設予定地にある所有地に「団結小屋」を建て、明け渡しを拒否しているが、22日、その期限を迎える。(飯島健太)


 寒霞渓を望む神懸山へと向かう県道を上っていくと1軒のプレハブ小屋が目に入る。壁に赤字で「団結小屋」「新内海ダム即時中止を求める団結の証し」とある。
 「この土地を黙って明け渡しはせん。そんな気持ちを表したかった」。所有者で「寒霞渓の自然を守る連合会」代表の山西克明さん(71)=小豆島町神懸通=が話した。


   ◇


 小屋の近くの内海ダムの下流で新内海ダムの建設工事が進められている。総事業費185億円。大半を国と県が折半する。コンクリートの堤防は長さ423メートル、高さ43メートル。貯水量は内海ダムの8倍近い106万トン。小豆島町の大川新也町議は「洪水と渇水の恐れをなくすため、大きなダムは必要だ」と訴える。


 県によると、1976年9月、台風17号による豪雨で内海ダム流域の河川が氾濫(はんらん)し、10人が重軽傷を負った。別当川沿いの2地区(神懸通、草壁本町)では、床上浸水が425戸にのぼった。


 しかし、山西さんは言う。「76年の被害は別当川の氾濫だけが原因やない。97年に町内に吉田ダムができたとき、当時の町長は『もう渇水問題は大丈夫』と言ったはずや」


 県は05年4月から用地買収を始めた。だが、山西さんら地権者16人が応じない。「交渉が進まない。強制収用するしかないのか」(県用地対策室)。09年2月、国は新内海ダム建設を認め、今年7月、県収用委員会は地権者からの土地の強制収用を認める裁決を下した。


 前年の8月だった。「コンクリートから人へ」を掲げる民主党が総選挙で大勝した。それからまもなく、山西さんら反対派住民は東京に前原誠司・国土交通相(当時)を訪ね、陳情書を手渡した。同党は全国のダム見直しを明言し、期待が膨らんだ。前原大臣は同年12月に小豆島を訪問。真鍋武紀知事(同)に事業の見直しを要請したが、同意を得られず、事業認定は取り消されなかった。


 「このまま県の言い分に従うんか。何かやらなアカン」。山西さんは考えた末、団結小屋を建て、内壁に工事前のダム周辺や反対運動の様子を記録した写真を張った。


 「何度も県の担当課に行ったが、こっちの言い分を聞いてくれへん。納得できん」。この気持ちを伝えようと、山西さんら反対派住民は昨年6月〜今年9月、国や県、町などを相手取り、工事の事業認定や県収用委の裁決の取り消し、事業費の差し止めなどを求める裁判を計5件起こした。


 10月末、工事を請け負うゼネコンなどの共同企業体が「お知らせ」と題する紙を周辺の約100戸に配った。平日の作業時間を1〜2時間程度延長することや日曜も作業をする可能性を示す内容だった。「工事を早く進めるための口実やなあ。裁判で結論が出る前にダムが完成してしまうわ」。笠松祝江(ときえ)さん(83)はこう受け止めた。


   ◇


 今月上旬、神懸山の木々は赤や黄色に色づき始めていた。瀬戸内海と島々が望め、観光客が写真を撮っていた。


 山西さんは何よりも譲れない、反対の理由があると言った。「重機で削られる山肌を見てると自分の子や孫が切り刻まれる気持ちになる。島自慢の景観がのうなったら、お客さんが来んようになるんやないか。自分の土地が水の中に沈むのはええ。観光も産業もダメになって島全体が沈む。そんなふうに思うんや」

601とはずがたり:2010/12/12(日) 23:03:00

なぜ人気? 中国人、日本の森林を相次いで買収 (MONEYzine)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_merger__20101212_3/story/moneyzine_190245/

中国人が日本の水源地である森林の取得に積極的だ。その背景には、2025年には世界で55億人の人間が水不足に陥るとの予測があるからだ。

 外国人が日本の森林の買収を進めている。この数年、日本の森林の価格は下落を続けており、今が底値と判断した海外投資家が購入するケースが多い。また、水源として利用しようと考える海外企業もあるようだ。

 世界の水の需要状況では、先進国では健康や美容などへの関心の高まりから、良質な水へのニーズが旺盛になりつつある。一方で、発展途上国では人口増加や経済発展によって、生活用水が不足する事態が起きている。

 経済産業省が発表した2008年度の通商白書によると、安全な水の供給を欠いている人口は、世界で11億人とされ、安全な水が無いために、毎日4500人以上の児童が亡くなっているという。水不足は今後更に深刻化するとみられており、2025年には世界で55億人の人間が水不足に陥ると予想されている。

 日本の森林を買収する外国人の中でも、特に中国人の動きが目立っている。中国には長江や黄河などの大河があり、豊富な水を有する国のイメージがある。しかし、中国の年間平均降水量はおよそ660ミリで、1700ミリ近い日本の半分にも満たない。さらに、長江や黄河にはそれにつながる支流が少ないため、大地に水が行き渡りにくいといった欠点もある。そのため、慢性的に水不足の問題を抱えている。また、中国の国土は平地が多いため、河川の水の流れが遅く、汚れた水が滞留しやすい。河川の汚染が進む中国では、汚染が水不足に拍車をかけているといっていい。中国人が日本の森林の買収に動く背景には、こうした事情がある。

 日本は資源のない国だといわれているが、実は森林と水に恵まれた有数の資源国である。そのことに気付いた外国人は、今後も日本の森林の買収を続けるとみられている。

 これに対し林野庁は都道府県にヒアリングを開始し、情報収集に努めているという。しかし、それだけでは買収を止めることはできない。諸外国のように、外国人や外国法人の土地所有について地域を限定したり、事前許可制をとるなどの制限を設ける必要性がありそうだ。

602チバQ:2010/12/30(木) 18:50:47
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101228/CK2010122802000059.html
「八ッ場ダム」深まる混迷<上> 国交相発言に地元混乱
2010年12月28日

八ッ場ダム予定地を視察する馬淵国交相(前列中央)。「中止の方向に言及しない」という発言が、地元を混乱させた=11月6日、長野原町で


 「今後は、『中止の方向性』に言及しない。一切の予断を持たずに(ダムの是非を)再検証する」。十一月六日に、八ッ場(やんば)ダム建設予定地を抱える長野原町を訪問した馬淵澄夫国土交通相。首長らとの意見交換の場で唐突に発した言葉が、地元を新たな混乱に陥れた。

 首長らは当初、この発言をダム中止方針を「白紙」に戻す意味に受け止めた。大沢正明知事は「地元を安心させる前向きな言葉」と評価。長野原町の高山欣也町長も、過剰と思われるほどの喜びようを見せた。

 だが、ダム問題打開への期待感は、政権内からの別の発言で一気に“暗転”した。

 「(馬淵氏は)方針の大転換を言ったのではない」。同十四日に県内入りした民主党の岡田克也幹事長は、党のダム中止方針に変更はないと強調。津川祥吾国交政務官も、県関係の民主党国会議員に「政策転換」を否定していたことが判明し、対話ムードは一挙に冷え込んだ。地元住民は今月七日、馬淵氏からの意見交換会の要請を断ることを決めた。

 地元住民らは、政権への不信感を増幅させる一方、本年度のダム事業負担金支払いを“拒否”し続ける流域六都県の知事にも疑心暗鬼を募らせた。

 ダム本体工事が着工されていない現状で、都県の負担金はダム予定地の生活再建に充てられる。知事らの行動は、再建を遅らせ地元住民を苦しめる矛盾を引き起こしていた。

 東京都の石原慎太郎知事の発言も、地元の切実な思いを逆なでした。「(ダムという)品物をもらわずに金を払うばかがいるか」

 負担金支払いの可否が、政権との対決材料にされていると危機感を抱いた高山町長は、大沢知事に「支払い」を直訴。地元との“不協和音”を恐れた六都県知事は、結果的に負担金支払いに応じざるを得なくなった。

 馬淵氏は譲歩の意味を込めて、六都県知事に対して「来年秋」としていた再検証の終了時期を可能な限り前倒しすると表明した。

 だが、検証作業を担当する国交省関東地方整備局の「検討の場」は、十月と十一月に各一回、事務レベルの幹事会を開催したのみ。六都県知事らが参加する本会議は一度も開かれず、再検証の進行状況は今も明らかにされていない。

 「国交相のあの発言は何だったのか。今も真意が分からない」。八ッ場ダムに関する民主党政権のあいまいで裏付けのない言葉が、地元住民を困惑させ、問題の真の解決をさらに遠ざけている。

  ◇    ◇

 八ッ場ダムの建設中止が宣言されてから一年以上。国は治水や生活再建の代替案を提示できないまま、解決を先延ばしにした状態だ。今年も残りわずかとなった中、混迷が深まるダム問題の現状を問い直した。 (この企画は中根政人、山岸隆が担当します)

■ 八ッ場ダム問題・政権交代後の動き ■
2009 9・17 前原誠司国交相が建設中止を宣言

   9・23 前原氏がダム予定地を視察し、大沢知事らと懇談。地元住民は意見交換を拒否

   10・27 6都県知事との会談で、前原氏が「ダムの必要性を再検証する」と発言

 10 1・24 長野原町で、前原氏と地元住民が初の意見交換会を開催。議論は平行線に

   3・18 建設の是非が問題化していた「湖面1号橋」について、前原氏が建設継続を表明

   7・27 6都県知事が、10年度のダム事業負担金について支払い留保を国に通告

   9・17 菅改造内閣が発足。馬淵澄夫新国交相は「ダム中止の方向を持ちながら予断なく検証する」と強調

   10・1 ダム再検証のための「検討の場」が正式発足。第1回幹事会を開催

   11・6 馬淵氏がダム予定地を視察。「今後、中止の方向には言及しない」と発言し、「建設中止」の前提を事実上撤回

   12・2 6都県が留保していた10年度のダム事業負担金の支払いを表明

   12・7 馬淵氏による意見交換会の開催要望を地元側が拒否

603チバQ:2010/12/30(木) 18:51:17
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101230/CK2010123002000066.html
「八ッ場ダム」深まる混迷<下> 困難な問題決着 「中止」「継続」とも前途多難
2010年12月30日

ダム建設で一致する流域都県の知事ら。国が中止を決めた場合は訴訟も辞さない構えだ=10月25日、長野原町で


 「もし国が一方的に建設中止を決めれば、裁判に打って出るのは仕方ない」

 七日の県議会一般質問。大沢正明知事は、再検証で八ッ場(やんば)ダムの必要性が否定された場合の対応について“徹底抗戦”を強調した。

 馬淵澄夫国土交通相が「来年秋」に目標を設定し「できる限り早期に終了させる」とした通りに検証作業が終われば、二〇一一年は、計画提示から半世紀以上にわたるダム事業の成否が決まる歴史的な節目となる。

 だが、ダムの「中止」「継続」のどちらの結論を出しても、その後に起こる問題への対処は容易でない。

 民主党が昨年の衆院選で掲げた公約通りに国がダム中止を決定しても、ダム事業自体を廃止できるめどは今も一切立たないままだ。

 ダムを法的に中止するには、事業計画に相当する「基本計画」廃止などの手続きが必要となる。特定多目的ダム法は、基本計画の廃止や変更には「関係知事の意見を聞くことが必要」と定めている。

 知事の「同意」の必要性は明記されていないが、前原誠司前国交相は「関係都県の理解を得るまで、法的な中止手続きはしない」と発言。馬淵氏がこの方針を踏襲した場合、ダム建設を求める流域六都県の同意を得るのは、現状では不可能だ。

 六都県知事は「ダム建設が中止になれば、事業負担金の支払いの根拠がなくなる」とも主張。大沢知事の言葉が示すように、本年度は六都県で約八十八億円に上る負担金の返還などを求める訴訟を起こす可能性を示唆しており、負担金問題に対する国の見解を示すことも不可欠となる。

 一方、国がこれまでの政策を百八十度転換し、ダム建設を決めた場合にも課題は山積だ。本来、昨年九月に入札予定だった本体工事は一年以上凍結されたまま。過去に完成時期が二度も延期されてきた経緯を考えると、早期完成を求める地元や六都県の思いとは裏腹に、計画で定めた一五年度の完成は極めて困難な情勢だ。

 さらに、ダム湖に水をためた場合の周辺の土地の安全性も不透明だ。国交省は水没対象地区の住民の移転代替地の耐震性などを調査したが、あくまで「貯水なし」の状態が前提だ。県は地元住民の不安に配慮して、同省に貯水時の水圧などの影響も考慮に入れた再調査を求めている。

 再検証の行方ばかりに注目が集まる八ッ場ダム問題。だが、ダム事業見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長は「建設の是非を決めただけでは、ダム問題は決着しない」と訴え、こう警告する。「着地点の見えない地元の生活再建も含めて、国が問題解決の困難さを正確に認識しない限り、現在の混迷から抜け出すことは絶対にできない」

604とはずがたり:2011/01/14(金) 11:04:55

1月14日のながさきニュース
長崎新聞
石木ダム再検証に意見反映を 反対地権者が川棚町長に要望
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20110114/04.shtml

石木ダム反対派の意見を聞く山口町長(右から2人目)=川棚町役場
 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム事業で、反対地権者らが13日、川棚町役場で山口文夫町長と初めて面会。県や同町などで進めている事業の再検証に地権者の意見を反映させるよう申し入れたが、町長は「自分が疑問に思うことを質問する」と答えるにとどまった。

 県は昨年、国から事業再検証の要請を受け、佐世保市、川棚、波佐見両町と「検討の場」を設置。反対派は「関係自治体だけで公正な検証は不可能」と地権者らの参加を求めたが聞き入れられず、12月に1回目の会議が開かれた。

 反対派は「町は強制収用など大きな犠牲を払う当事者として意見を述べてほしい」「佐世保市が主張する水需要予測の根拠を示させるべきだ」などと要望。「町の将来的な水使用量など独自に検証した上で検討の場に臨むべきだ」との意見も出た。

 これに対し、町長は「町は県に治水対策をお願いする立場。ダムにはこだわらない」としながらも「ダムが最も効果的と判断されている以上、推進する」と回答。次回以降の検討の場については「地権者の意見を代弁するのではなく、それを踏まえた上で事業に関する疑問を質問したい」とした。

606チバQ:2011/03/20(日) 20:02:23
>>559
やはりスーパー堤防が必要ですね
http://www.asahi.com/national/update/0319/TKY201103190440.html
「日本一の防潮堤」無残 想定外の大津波、住民ぼうぜん(1/2ページ)2011年3月20日14時52分
.
住民たちが「日本一」と自慢していた津波防潮堤。右側奥は壁が破壊されていた=岩手県宮古市田老地区、吉村写す

  
 「日本一の防潮堤」「万里の長城」――。住民たちは、そう呼んで信頼を寄せていた。岩手県宮古市田老地区にあった全国最大規模の津波防潮堤。だが、東日本大震災の未曽有の大津波にはなすすべもなく、多数の死者と行方不明者が出た。「今後、どうやって津波を防いだらいいのか」。住民たちはぼうぜんとしている。

 「津波は堤防の倍くらい高かった」。防潮堤の近くに住んでいた漁師小林義一さん(76)は顔をこわばらせて振り返った。11日の地震直後、いったん堤防に避難した。だが、山のような津波が海の向こうから押し寄せてくるのが見えたため、急いで丘に駆け上り、難を逃れた。自宅は押し流されて跡形もない。

 小林さんは「防潮堤は安心のよりどころだった。『防潮堤があるから』と逃げ遅れた人も多かったのではないか。堤をもっと高くしないと、これでは暮らしていけない」。

 約4400人が暮らす田老地区は「津波太郎」との異名がある。1896(明治29)年の明治三陸津波で1859人が、1933(昭和8)年の昭和三陸津波で911人が命を奪われた。

 防潮堤は、昭和三陸津波襲来の翌34年に整備が始まった。地元の漁師らによると、当時の田老村は、高所移転か防潮堤建設を検討。結局、海に近い所に住みたいとの村民の要望や代替地の不足から防潮堤建設を決断し、当初は村単独で整備を始めた。工事は中断を挟みながら段階的に進み、半世紀近く後の78年に完成。総工事費は80年の貨幣価値に換算して約50億円に上る。

 こうして出来上がった防潮堤は、海寄りと内寄りの二重の構造。高さは約10メートル、上辺の幅約3メートル、総延長約2.4キロと、まるで城壁のようだ。岩手県によると、二重に張り巡らされた防潮堤は世界にも類はない。総延長も全国最大規模という。60年のチリ地震津波では、三陸海岸の他の地域で犠牲者が出たが、田老地区では死者はいなかった。日本一の防潮堤として、海外からも研究者が視察に訪れるほどだった。

 しかし、今回の津波は二つの防潮堤をやすやすと乗り越えた。海寄りの防潮堤は約500メートルにわたって倒壊し、所々にコンクリートの残骸が転がっていた。隣近所の多数の知人が行方不明になったという男性(45)は「津波の前では、頼みの防潮堤がおもちゃのように見えた。こんな津波を経験して、このまま田老で暮らせるのかどうか分からない」と泣きながら話した。

 今後の津波対策をどうするのか。漁師の川戸治男さん(69)は「漁師なら海の近くに住みたいと考えるだろうが、やはり高台の方に移住すべきではないか」と話す。

 宮古市は津波防災都市を宣言している。地域振興課長の鳥居利夫さん(59)は「防潮堤は、これまで経験した大津波を想定して整備された。だが、今回は想定外だった。今後、どう津波対策を立てるのか。今のところ思いつかない」と肩を落とす。(吉村治彦)

607チバQ:2011/03/20(日) 20:03:34
本当いってる爺がいた・・・

http://sankei.jp.msn.com/region/news/110314/tky11031421580009-n1.htm
石原都知事、蓮舫氏に「スーパー堤防はいりますよ」と痛烈な一撃 会談は5分で打ち切り
2011.3.14 21:44

東京都の石原知事(右)と面会し、節電の要請をする蓮舫節電啓発相=14日午後、東京都千代田区の都道府県会館
 「スーパー堤防、いりますよ。あなたに(「廃止」と)言われたけどね」

 東京都の石原慎太郎知事は14日、節電の要請のため訪れた蓮舫行政刷新担当相と会談し、蓮舫氏が取り組んだ政府の事業仕分けがスーパー堤防を「廃止」と判定したことに異論を唱えた。

 蓮舫氏は昨年10月の仕分けの際、「二百年に一度の大洪水を想定するのは百歩譲って分かるが、全部の完成まで四百年かかるのは現実的か」「いつまでに整備できるか出口が見えない。お金の使い方として疑問だ」などと批判していた。

 また当時、仕分け人の1人は事業仕分けの場でスーパー堤防について「二百年に一度の災害に備えて、四百年かけて事業をする意味が分からない」と述べていた。

 石原氏は東日本大震災の津波被害を踏まえ、「東京湾は一番津波が起こりやすい。もう1回計画し直しましょう」と提言したが、蓮舫氏は「スーパー堤防はあまりにも無計画だった」と反論して平行線に。石原氏はあきれた表情を浮かべ、15分間の予定だった会談は5分で打ち切りとなった。

608チバQ:2011/03/21(月) 15:03:52
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110320-OYT1T00777.htm?from=main3
ジャンボ機250機分の波、世界一の防波堤破壊
 早稲田大学の柴山知也教授(海岸工学)が19日午後、本社機で上空から視察し、岩手・釜石湾入り口の「世界最深」の防波堤を破壊した津波について、「時速1000キロ・メートルで飛行中のジャンボジェット250機分以上の運動量があった」と試算した。

 釜石湾の入り口に南北からせり出した防波堤は、全長約2キロ・メートル。地震前は海上に高さ約8メートル、厚さ約20メートルでそびえ、港湾を守っていた。しかし上空から見ると、北側の防波堤は約800メートルにわたり大きく崩落し、かろうじて残った部分が海面に虫食い状に残っていた。海面に出た部分には、残ったコンクリートブロックが様々な方を向いて崩れた姿をさらしていた。

 防波堤は、最深63メートルの海底に東京ドームの7倍に当たる700万立方メートルの巨大なコンクリート塊を沈め、その上部にコンクリート壁が構築され、2009年に完成したばかりだった。

 国土交通省によると、1896年(明治29年)の明治三陸地震(マグニチュード8・5)の揺れや津波に耐えられるように設計され、「世界最深」としてギネス記録に認定されていた。

 大船渡港(岩手県大船渡市)にある巨大な湾口防波堤(全長約750メートル、水深約40メートル)も完全に崩壊し、水没していた。柴山教授は、「地震で破損した箇所に高い破壊力の津波がぶつかり、一気に崩壊した可能性がある。予想をはるかに超える威力だ」と指摘した。

 防波堤内側の海岸沿いにある「最後の砦(とりで)」の防潮堤も多くがなぎ倒された。同県宮古市田老の高さ10メートルの巨大防潮堤(全長約2・5キロ)は、住民らから信頼感を込めて「万里の長城」と呼ばれていたが、津波はそれを乗り越え、集落をのみこみ大きな泥沼を作っていた。

 同県山田町の防潮堤も50〜60メートルにわたり激しく倒壊し、灰色の泥をかぶった町には漁船や家々が、がれきと一緒に転がっていた。

 柴山教授は、「全国的に防災対策を作り直す必要がある」と唇をかんだ。(金子靖志)

(2011年3月21日03時07分 読売新聞)

609荷主研究者:2011/03/22(火) 22:10:55

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110318/dst11031811180035-n1.htm
2011.3.18 11:16 産経新聞
水田が巨大な「池」に 新型水門機能せず 宮城・石巻

平成17年に完成した水門。水門が閉じられているせいで、内側に流れ込んだ水が引かない=17日午後、宮城県石巻市北上町(西尾美穂子撮影)

 東日本大震災に伴う大津波は、近代的なシステムも打ち砕いた。宮城県石巻市沿岸部の広大な水田は津波で「池」になってしまい、何億円も投じて作った近代的な排水施設はもろくも停電でダウン。結局、前時代的な手動に切り替えての排水作業が続くが、被災から1週間近くになっても、水位が下がる気配はない。

 石巻市北東部にある北上町橋浦地区。大地震が起きた11日までは、山並みに北上川の雄大な流れが映え、追浜湾から太平洋を望む、ぜいたくな自然に恵まれた田園地帯が広がっていた。

 10メートル以上に達したとみられる津波は北上川の土手を乗り越え、水田と点在する民家をすべて押し流した。津波が引いた後は巨大な「池」が残された。この辺りが低地であるため、水が引かないのだ。

 「池」の中には、ところどころに骨組みだけを残した民家の残骸が残る。水辺には木くず、冷蔵庫、車、便座、衣類、小舟…あらゆる生活の痕跡が打ち寄せられていた。

 平成17年に完成したばかりの水門が、大規模な洪水でも水を排出するはずだった。ところが、遠隔操作が自慢の新型水門は停電のため機能しなかった。

 「何億円だか、10億円だか、金はかかっている。オレから言わせるとばかな水門だよ。万が一の際に役に立つモノをつくらないと意味がない」。同地区に住み、からくも津波から逃れた農業の男性(61)はうらめしげだ。「津波が堤防を越えて集落を襲うとは、想定していなかった」。国土交通省河川環境課の担当者の声も暗い。

 遠隔操作が無理となった水門は手動で4日後の15日に開かれ、一帯の水をくみ取って河川側に流すポンプ車4台も緊急配備されている。だが、莫大(ばくだい)な水量に比べれば焼け石に水。「排水の見通しは立っていない」(国交省)という。

 周辺では多数の死者、行方不明者が出ており、正確な数は特定できていない。地元の救助隊などが、重機や船などで、必死の捜索を続けている。軽トラックで通りすがった男性は「海水が入ってきちゃうと、田んぼが駄目になる。もう無理かもな」とつぶやいた。

610とはずがたり:2011/03/24(木) 12:20:38

福島第1原発:都内浄水場から放射性物質…乳児飲用控えて
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110323k0000e040074000c.html

 東京都水道局は23日、金町浄水場(江戸川水系、葛飾区)の水道水から、国の基準を超える放射性ヨウ素が検出されたと発表した。食品衛生法に基づく暫定規制値で、放射性ヨウ素が水道水1キログラム当たり100ベクレルを超える場合は乳児の飲用に使わないよう求めているが、210ベクレルが検出された。都は同浄水場が水道水を供給している23区と武蔵野、町田、多摩、稲城、三鷹5市の全域に対し、水道水で粉ミルクを溶かしたり、乳児に飲ませないよう呼びかけている。一般向けの基準(300ベクレル)は下回っている。

 都は「代替の水が確保できない場合は飲んでも差し支えないレベル」と説明している。

毎日新聞 2011年3月23日 14時25分(最終更新 3月23日 17時22分)

611とはずがたり:2011/03/24(木) 22:48:56

放射性物質:水道水、日立でも 乳児飲用、松戸も基準超
http://mainichi.jp/select/science/news/20110325k0000m040104000c.html

 水道水から乳児(0歳児)の飲用に関する国の基準(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性ヨウ素が検出された問題で、茨城県日立市と北茨城市は24日、23日に採取した水が基準を超えたと発表した。このうち日立市では十王浄水場が298ベクレル、森山浄水場が150ベクレルだった。北茨城市は浄水場4カ所のうち、中郷浄水場で23日に採取された水道水から116ベクレルが検出されたが、24日朝の採取では78ベクレルまで下がった。両市とも同日、乳幼児を対象に飲料水の配布をした。一方、常陸太田市の久米浄水場では23日採取分で150ベクレルを観測。笠間市内の浄水場からも170ベクレルを検出した。

 千葉県水道局は24日、いずれも利根川水系の江戸川から取水する、ちば野菊の里浄水場(松戸市)で220ベクレル、栗山浄水場(同)で180ベクレルを、23日に検出したと発表した。同局は「雨により大気中の放射性物質が流れ込んだ影響が大きい」とみており、浄水段階で活性炭を増やすなどの対策を取った。

 埼玉県川口市の新郷浄水場でも22日に採水した水道水から1キログラム当たり120ベクレルの放射性ヨウ素を検出した。24日には46ベクレルに下がった。新郷浄水場は江戸川などから取水している。【臼井真、斎藤有香】

毎日新聞 2011年3月24日 20時51分(最終更新 3月24日 21時22分)

612:2011/03/25(金) 03:42:34
芸能ニュース検索ね

http://geinoukensaku.anime-report.com/

613とはずがたり:2011/03/26(土) 01:41:41

茨城・笠間市も乳児の基準値超え水道水
http://news.livedoor.com/article/detail/5440082/
産経新聞
2011年03月25日11時51分

 茨城県笠間市は24日夜、同市が取水している県企業局の涸沼川浄水場から23日に採取した水道水で、1キログラム当たり170ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。茨城県内の自治体で、1歳未満の乳児に対する暫定基準値(同100ベクレル)を超えた水道水が検出されたのは、日立市など計5市村となった。

 同市では乳児が水道水の飲用を控えるよう、市民に呼びかけている。24日午後8時から、平成22年3月以降に生まれた乳児のいる世帯に対し、2リットル入りペットボトルの飲料水3本(計6リットル)の配布を始めたという。

614チバQ:2011/03/27(日) 05:34:17
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110327/dst11032700080001-n1.htm
日本一の防潮堤を過信 岩手・宮古市田老地区「逃げなくても大丈夫」
2011.3.27 00:08 (1/2ページ)

クリックして拡大する

防潮堤の上でたばこを吸いながら、がれきの山となった街を見つめる男性=26日午前10時43分、岩手県宮古市(安元雄太撮影)
 「日本一の防潮堤」を過信していた−。過去の津波被害を教訓に、高さ10メートルの防潮堤が整備された岩手県宮古市田老地区。東日本大震災では、大きな津波が防潮堤をあっさりと越えた。市によると、防潮堤を信じた結果、犠牲になった住民は少なくないという。(内海俊彦、平田雄介)

 「逃げなくても大丈夫だ」。11日の地震発生直後、元漁業の熊谷勝美さん=当時(87)=は、こう言い続け、息子夫婦の勝幸さん(63)と、よねみさん(61)に自宅から避難するよう何度も催促されたが、応じなかった。

 だがその直後、自宅はあっという間に津波に流され、逃げ遅れた勝美さんは1週間後の18日、変わり果てた姿で見つかった。「津波太郎」の異名を持つ田老地区。明治29年6月の明治三陸地震の津波で1859人、昭和8年の昭和三陸地震の津波では911人の死者・行方不明者が出た。

 これらの津波被害を教訓に、9年に防潮堤の工事が始まった。工事は三段階に分けて進められ、最終的に53年に完成。海側と陸側の二重構造で、高さ10メートル、総延長約2・4キロと、国内屈指の規模となった。

 この間、35年のチリ地震の津波では、他の三陸沿岸地域で犠牲者が出たが、田老地区ではゼロ。「日本一の防潮堤」として、国内外の研究者が視察に訪れ注目を集めた。

 しかし、東日本大震災の大津波は防潮堤をいとも簡単に越えた。「高さ20メートル以上」ともいわれる津波が次々と押し寄せ、海側の500メートルの防潮堤は崩壊し、真っ黒な濁流が田老地区を一気に飲み込んだ。

 よねみさんによると、勝美さんは生前、「防潮堤が二重だから津波はこっちに来ない」と話し、大きな信頼を寄せていたという。「夫も『早く逃げよう』と言っていたのに…。電気も消えて、テレビも映らなかった。もう少し情報があれば早く逃げてくれていたかも」とよねみさんは話す。

 田老地区の被害状況は特定されていないが、死者・行方不明者は数百人に上るとみられている。

 ある宮古市職員は「田老の人たちの心のどこかに『防潮堤があれば大丈夫だろう』とか、『自分の代には津波は来ない』という思いがあったのかもしれない。何度も避難訓練をやってきたが、私たち自身も津波の恐ろしさが分かっていなかったのかもしれません」と力なく話した。

615とはずがたり:2011/03/28(月) 12:57:13

下水あふれる恐れ 宮城県、節水徹底呼び掛け
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110328t11038.htm

 宮城県は27日、被災した浄化センター(終末処理場)が機能停止中の仙塩など三つの県営下水道の下流域で、汚水が路上にあふれる恐れが強まったとして住民に節水の徹底を呼び掛けた。水道やガスの復旧が進み、風呂や洗濯などの生活排水が急増していることが要因。
 七北田川以北の仙台市、多賀城市、大和町など3市3町をカバーする仙塩流域下水道の場合、各市町で上水道がほぼ復旧。上流の泉区でガス供給が再開すると、生活排水も急増するとみられる。
 同下水道は現在、応急措置で対応しているが、処理能力は震災前の2割にとどまり、処理が追い付かなくなるのは必至。下流の多賀城市内でマンホールから汚水があふれる量や箇所がさらに増える見通しとなっている。
 県は、下水道の上流域で汚水をポンプでくみ上げ、消毒して川に放流する緊急対応の実施に向け、仙台市と調整を始めた。悪臭や水質汚濁の懸念はあるが、県は「これ以上マンホールから汚水があふれ出る事態は避けたい」としている。
 県は仙塩浄化センターの一部復旧目標を4月下旬に設定。阿武隈川下流流域下水道(5市6町)の県南浄化センター(岩沼市)と、北上川下流東部流域下水道(2市町)の石巻東部浄化センター(石巻市)は5月中旬に一部復旧する見込み。


2011年03月28日月曜日

616とはずがたり:2011/03/30(水) 14:58:21

消波ブロック、津波には逆効果 切れ目に集中、堤防決壊
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY201103300106.html
2011年3月30日12時0分

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/TKY201103300114.jpg
図:

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/TKY201103300181.jpg
写真:津波を想定しない海岸堤防(右)は、消波ブロック(左奥)がとぎれた部分で決壊した。地面がえぐられ、堤防の内側の陸地だった部分まで海水が満ちている=福島県相馬市磯部地区拡大津波を想定しない海岸堤防(右)は、消波ブロック(左奥)がとぎれた部分で決壊した。地面がえぐられ、堤防の内側の陸地だった部分まで海水が満ちている=福島県相馬市磯部地区

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/TKY201103300176.jpg
写真:津波で破壊された福島県相馬市の住宅街。自衛隊員が捜索していた=27日、溝脇正撮影拡大津波で破壊された福島県相馬市の住宅街。自衛隊員が捜索していた=27日、溝脇正撮影

 東日本大震災で被災した福島県相馬市で、沖にある消波ブロックの列の間に津波が集中して、陸側の防波堤が決壊したことが、早稲田大の柴山知也教授(海岸工学)の調査で分かった。消波ブロックなどで高波や高潮に備えていた護岸設備は、前提としていない津波には弱かった。

 柴山さんらが調べた相馬市の磯部地区は、砂浜の海岸に設けられた海岸堤防が複数の場所で決壊し、津波が街中に流入した。多くの家屋が押し流され、現在は基礎部分が残されている。

 柴山さんによると、磯部地区の海岸堤防は海側に波の力を弱めるブロックを置いて台風などによる高潮や高波に備えている。堤防の沖には、海岸線と平行して消波ブロックが並べられている。消波ブロックの列は、海岸の水質悪化を防ぐためにすき間があけられている。

 海岸堤防は、消波ブロックの列の切れ目に面した部分だけが決壊した。消波ブロックの切れ目に津波が集中、強い水流となって海岸堤防を直撃したと考えられる。柴山さんの測定では、磯部地区を襲った津波の高さは6〜8メートル。三陸地方を襲った十数メートルの津波に比べると低い。

 福島県の基本計画では、磯部地区の海岸堤防の目的は台風などによる高潮や高波対策で、津波は想定外。国土交通省によると、過去に津波の被災経験の少ない地方では、海岸の防災対策で津波を考慮しないことが多いという。

 柴山さんは「津波に備えた防潮堤は、水流に耐える設計で崩れにくいが、磯部地区のような波の勢いを吸収する堤防は、長時間にわたり水流が押し寄せる津波には弱かったのだろう。同様の海岸は多く、対策を考える必要がある」と話した。(長野剛)

618とはずがたり:2011/04/04(月) 20:23:47

放射線許容量、水道水も暫定基準維持 厚労省
http://www.asahi.com/national/update/0404/TKY201104040329.html
2011年4月4日20時3分

 厚生労働省は4日、暫定基準を超える放射性物質が含まれた水道水の取り扱いについても発表した。食品と同じように、暫定基準(放射性ヨウ素は1キロあたり300ベクレル〈乳児は100ベクレル〉、放射性セシウムは200ベクレル)を当分の間、維持するとした。

 摂取制限の目安として、直近3日分の検査結果の平均値が暫定基準を上回った場合と定めた。ただ基準を大きく超えた場合には、1回でも実施するという。

 解除時期については、直近の3日間の平均値が基準を下回るとともに、値が減少傾向にあることとした。

水道水の摂取制限基準「あいまい」 自治体側に戸惑い
http://www.asahi.com/national/update/0401/TKY201104010532.html
2011年4月2日7時1分

 原発事故の影響で放射性物質が検出されたことによる乳児向けの水道水の摂取制限は、1日までにすべて解除された。基準は国が決めたものだが、判断は自治体に委ねられているため、自治体側から「国は解除の指針を明確にしてほしい」と求める声も出ている。

 東京都が23区などで乳児に水道水を与えるのを控えるよう呼びかけたのは3月23日。葛飾区の金町浄水場で採取した水から基準を超える放射性ヨウ素が検出されたためだが、翌24日には基準を下回ったとして制限を解除した。

 飲料水の摂取制限の基準は国の原子力安全委員会が1キロあたりの放射性ヨウ素300ベクレルと設定。さらに厚生労働省が100ベクレルを超えた場合は乳児による摂取を控えるよう通知した。ただ解除の細かな規定がなく、判断は水道を運営する自治体などに委ねている。東京都などは、基準を下回った日にすぐ解除を判断した。

 解除を発表する24日の記者会見で、都の担当部局の見解が一時食い違った。水道局は「水道管に2日間くらい基準を上回る水が残る可能性がある。引き続き摂取を控えて」と説明。福祉保健局は「数値は基準を下回った。健康上問題ない」と述べた。報道陣から「統一しないと混乱する」と要望があり、両局の担当者同士が数分間相談。「解除します」と見解をまとめた。

 解除後も市民の不安は続き、東京都の相談窓口に寄せられた声は1600件を超えた。都は26日、「国民の間に無用な不安と混乱を生じさせた」として、国に指針の明確化を求めた。

 21日以来、乳児を含むすべての人の摂取制限を呼びかけていた福島県飯舘村では、29日以降に採った水が乳児の基準を下回ったため、4月1日に制限を解除したが、念のため乳児向けには摂取を控えるよう呼びかけている。

 判断を自治体に委ねていることについて厚生労働省は「住民の安全を考えると、状況をよく把握した地元の自治体が判断することが一番」と説明している。(塩原賢、上沢博之)

620とはずがたり:2011/05/25(水) 16:59:04

旧北上川沿い、浸水防止壁を整備 河口から3.4キロ
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/05/20110525t11001.htm

冠水している旧北上川沿いの市道=24日、石巻市門脇町1丁目

 東日本大震災により宮城県石巻市の旧北上川下流域で冠水被害が出ていることに関し、東北地方整備局北上川下流河川事務所は24日、台風に備えて8月末までに浸水防止壁の整備などを進める応急対策工事の概要を発表した。
 工事区間は、河口から約3.4キロ上流の石巻大橋付近までの両岸。津波によって流域は広範囲にわたって浸水し、多くの家や工場が流された。約70センチ地盤沈下し、護岸の損傷も相次いだため、震災後も道路や住宅地の冠水被害が続いている。川の水が逆流している排水路もある。
 事務所によると、6月末までに川べりに土のうを設置。新たに集水溝や逆流を防止する排水管を敷設する。8月末までには、水面から高さ1.7メートル、厚さ40センチの浸水防止壁を整備する。石巻市は排水ポンプで満潮時のくみ出しを行う。
 一帯では過去も台風などで冠水被害が出たことがあり、事務所は市の復興計画と歩調を合わせ、2016年までをめどに堤防建設を含む新たな治水対策に着手する。
 庄司正彦副所長は「河川整備計画ではより大きな堤防の必要性を議論してきており、復興計画と連携して治水対策を図りたい」と話している。

2011年05月25日水曜日

621とはずがたり:2011/06/15(水) 21:47:18

都の下水処理施設で高放射線量…避難区域に匹敵
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20110608-567-OYT1T00603.html
2011年6月8日(水)14:33

 東京都大田区の下水処理施設内の空気中から、毎時約2・7マイクロ・シーベルトの放射線量が検出されていたことが、都の調査で分かった。

 計画的避難区域の福島県飯舘村の放射線量と同程度で、文部科学省によると、都内でこれほどの放射線量が検出されたのは初めて。放射性物質を含む汚泥の影響とみられるが、都は「検出場所は屋内。敷地の境界では問題なく、誤解を招く恐れがある」とし、調査結果を公表していなかった。

 都によると、この施設は都下水道局の「南部スラッジプラント」で、都内2か所の下水処理場で発生した汚泥を集めて焼却し、灰を東京湾に埋め立てるなどしている。都の5月の調査では、この施設の焼却灰から1キロ・グラム当たり1万540ベクレルの放射性セシウムを検出していた。

 今月6日、都が放射線量を測定したところ、焼却灰の仮置き場所となっている棟内の空気中で毎時2・693マイクロ・シーベルトを検出した。同じ日の飯舘村での放射線量は2・86マイクロ・シーベルトだった。同施設内の放射線量を1年分に単純換算すると約23・6ミリ・シーベルトとなり、計画的避難区域の対象となる年間積算量の20ミリ・シーベルトを上回る。

 都は、施設内の別の場所では毎時0・038マイクロ・シーベルトにとどまっていることなどから、周辺住民らへの健康被害の恐れはないと説明。作業員には手袋やマスクの着用を改めて指示したとしている。

622荷主研究者:2011/07/03(日) 13:47:23

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1106210004/
2011年6月21日 神奈川新聞
三保ダムに不安の声、耐震性で「想定外」ない対策を/小田原

 東日本大震災を受けて三保ダム(山北町神尾田)の耐震性に関心が高まっている。20日の小田原市議会では、野坂稔氏(光政会)が一般質問の中で「安全といわれてきた原発が事故を起こした。ダムは大丈夫なのか。不安の声が多く対応が急務だ」と取り上げた。

 三保ダムは1978年、市内を南北に流れる酒匂川上流に県企業庁によって建設された。高さ95メートル、長さ588メートル。せき止めた貯水池は丹沢湖で、洪水調整や発電などを行う多目的ダムになっている。

 酒匂川水系ダム管理事務所によると、71年当時の設計基準に基づき建設された。耐震性については関東大震災級の揺れを想定したものという。

 野坂氏は「今回の震災では津波など想定外の事態が相次いで起きた。安全としてきたダムが決壊することも考えて、対策を見直す必要がある」と指摘した。

 ダムは決壊しない想定になっているため、同事務所は決壊による被害予測はしていない。しかし、震災を受けて「耐震性の再検証は課題であり内部での検討を始めた。住民の不安解消に、まず地元自治体に説明したい」(ダム運用部)と話している。

 一方、一般質問に対して市は「ダムの問題は県の所管ではあるが、流域自治体と安全性や住民への周知について話し合いたい」と答弁した。

 被災地の福島県では、49年に完成したかんがい用ダムが決壊して7人が死亡、1人が行方不明になった。

 三保ダムの近くには活断層があり、県西部地震などの切迫性も高い。震災の教訓となった「想定外」をつくらない対策の見直しが求められる。

623チバQ:2011/08/08(月) 23:41:40
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20110805/CK2011080502000072.html
「八ツ場ダム」見えぬ決着<上> 政治の無責任 中身ない「是非論」応酬
2011年8月5日

関連首長との懇談後、長野原町の高山町長(右)と握手する大畠国交相=東吾妻町で


 「治水や利水の面で完全な必然性がなければ、八ッ場(やんば)ダムを造るべきではない」。二〇〇八年八月、八ッ場ダム建設予定地の長野原町を訪れた鳩山由紀夫前首相。当時民主党幹事長だった鳩山氏が発したこの言葉が、同ダムをめぐる一連の政治問題の端緒となった。

 鳩山氏が八ッ場ダム事業の存在を問題視した時点で、ダム計画はすでに提示から半世紀以上が経過していた。この間、地元住民は地域の将来図を描けないまま放置され、ダム予定地の集落は加速度的に衰退。ダム問題は、単純な是非論では片付けられないほどに複雑化していた。

 住民らの苦しみをよそに、民主党は「国の公共事業のあり方を見直す」として八ッ場ダムの建設中止をマニフェストに盛り込み、〇九年の衆院選で大勝。国土交通相となった前原誠司氏が就任直後に「マニフェスト通りに中止する」と宣言したことで、八ッ場ダムは政権交代の象徴的話題として急浮上した。

 だが、その後の民主党政権の政策や関係者の発言は、ダム問題を解決に導くものとは程遠かった。前原氏は「(住民の生活再建に関する)新たな補償を新規立法で行う」としながらも、在任中に実行することはなかった。前原氏から国交相を引き継いだ馬淵澄夫氏は「中止の方向性に今後一切言及しない」と政権の基本方針を“封印”。大畠章宏国交相に至っては、ダム問題に関する言及が極端に少なくなった。

 一方、自民党の県関係国会議員や大沢正明知事の言葉も重みを欠いた。あくまで民主党批判を目的とした「ダム推進」の主張を繰り返すにとどまり、ダム予定地の住民が置かれた苦境を打開しようという明確な意思は感じられない。

 民主党政権が八ッ場ダム建設中止を宣言してからもうすぐ二年。政治の世界では、中身のない是非論のみが交わされ、ダム予定地の住民に“光”を与える提案は一切出てこなかった。八ッ場ダム問題は、結果的には政治家の「無責任」のみを如実にあぶり出した。

◇    ◇

 民主党政権の誕生とともに、建設の是非をめぐって全国的な騒動となった八ッ場ダム。問題の打開や決着への道のりは現在も見通せないままだ。今秋をめどに国のダム再検証の結論が出される前に、ここまでの政策的な取り組みや、ダム予定地の状況を振り返った。

 (この企画は、中根政人が担当します)

624チバQ:2011/08/08(月) 23:42:09
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20110806/CK2011080602000072.html
「八ツ場ダム」見えぬ決着<中> 不透明な再検証 「予断なき議論」に疑問
2011年8月6日

利根川の基本高水を再検証した日本学術会議の分科会=東京都内で


 「中止ありきではなく、八ッ場(やんば)ダムの必要性を予断なく再検証する」。二〇〇九年十月二十七日、前橋市内で同ダム事業に参画する六都県知事と会談した当時の前原誠司国土交通相。政権交代直後の「ダム中止宣言」が地元住民の猛反発を受け、わずか一カ月余りで“騒動”の沈静化に動かざるを得なくなった。

 無駄な公共事業の削減、「政官業癒着」の根絶…。本来、民主党が八ッ場ダム中止の理由に掲げたこれらのテーマは、政権と地元関係者との感情的なやりとりばかりがクローズアップされる中で次第に見失われていった。

 ダム建設の是非に関する議論は現在、河川工学の観点による検証の枠組みに委ねられている。後任の国交相となった馬淵澄夫氏は、ダム建設の根拠となった利根川の基本高水の計算方法にも疑問を示し、前原氏の政策を補強した。だが、再検証作業は、政権交代で市民が期待した「開かれた議論」とかけ離れた展開を見せている。

 ダム本体の再検証は、国交省関東地方整備局の「検討の場」で昨年十月から議論が進められている。だが、七月までに計七回開催されたのはいずれも流域都県の知事らは出席しない事務レベルの幹事会で、同整備局が示した利水の代替案を関係都県が「絵空事」と切り捨てるなど、かえってダム建設の妥当性が強調される現場となっている。

 一方、基本高水の再検証では、利根川の治水基準点となる伊勢崎市八斗(やった)島の最大流量について、国交省が「再計算値は、(ダム建設を妥当とした)従来の値とほとんど同じ」とする結果を発表。検証作業を担当した日本学術会議の分科会も、国交省の作業を“追認”するにとどまった。

 大畠章宏国交相が「今秋をめどに、なるべく早期に結論を導く」としているダム再検証。作業の過程を見る限り、国が言う「予断のない」ものとなっているか疑問だ。議論は難解な専門用語の中に閉じ込められ、ダム問題自体が市民から遠い存在になりつつある。

625チバQ:2011/08/08(月) 23:42:33
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20110808/CK2011080802000071.html
「八ツ場ダム」見えぬ決着<下> 建設予定地は今 住民の心覆う「むなしさ」
2011年8月8日

ダム湖を渡る橋として完成した「湖面2号橋」=長野原町で


 「八ッ場(やんば)ダム建設中止を前提とした生活再建の議論は絶対にできない」。昨年一月二十四日、当時の前原誠司国土交通相との意見交換会に臨んだ長野原町の住民代表らは、声をそろえてダム建設を主張。見通しの立たない地域復興の実情を訴えた。

 ダム中止が宣言されてからの約二年間、建設予定地の長野原町では、半世紀以上も翻弄(ほんろう)されたダム計画が止まったことへのむなしさと、将来の青写真が描けないことへの苦しみが住民の心を覆っている。

 ダム問題に関わった前原氏、馬淵澄夫氏、大畠章宏氏の三人の国交相は、いずれもダム建設予定地を訪問したものの、地元首長との会談の場でダムを中止した場合の生活再建案を示すことは一切なかった。「国は重要なことに何も取り組もうとしない」。ダム建設の賛否を超えた次元で、住民らはダム問題への国の“本気度”を疑うようになっている。

 八ッ場ダムを造らない場合の地域の将来がはっきりしないままでは、ダム計画に依存してきた長野原町を翻意させることは到底不可能だ。同町の高山欣也町長は「国は、住民を納得させるだけの説明をしていない」と、民主党政権を突き放した態度をとり続ける。

 長野原町では、ダム建設を前提とした生活再建事業の一環として、新たな道路や街区の工事が着々と進む。大半の区間が完成した国道145号バイパスは、草津温泉など周辺の観光地へ向かうバスや乗用車がひっきりなしに行き交うが、そのルートは、ダム建設予定地にある川原湯温泉などを迂回(うかい)する。温泉街に近い国道の旧道は交通量がめっきり減り、ダム予定地の集落の衰退に拍車を掛けているように映る。

 「八ッ場ダムをめぐる騒動に振り回されるのはもうごめんだ。落ち着いた暮らしを早く取り戻したい」。地元住民の願いとは裏腹に、民主党政権の混迷の中で八ッ場ダム問題は存在自体が世間から忘れられつつある。そして、住民にとってのダム問題の「決着点」は今も闇の中だ。

627とはずがたり:2011/09/16(金) 09:12:28

2011年9月4日19時58分
水力発電所2カ所が停止 大雨で川が増水し水没 関電
http://www.asahi.com/national/update/0904/OSK201109040063.html

 関西電力は4日、台風12号による大雨被害で、奈良県十津川村にある長殿発電所(最大出力1万5300キロワット)など二つの水力発電所が機能を停止したと発表した。

 長殿発電所は普段、遠隔で操作している無人の発電所。4日午前9時ごろ、関電の従業員が状況の確認に行き、発電所の建物が熊野川に水没しているのを確認。和歌山県日高川町の船津発電所(最大出力2500キロワット)も日高川の増水で停止した。

 また、十津川村にある揚水式水力の奥吉野発電所(最大出力120万6千キロワット)も土砂や流木が流れ込んだ影響で、新たに上部ダムに水をくみ上げられない状況という。関電は「当面の需給には問題がない」としている。

628とはずがたり:2011/09/16(金) 09:16:28

2011年9月13日0時20分
Jパワーにダム放流の説明求める 熊野川流域自治体
http://www.asahi.com/national/update/0912/OSK201109120138.html

 和歌山、奈良、三重の14市町村でつくる熊野川流域対策連合会(会長=田岡実千年・和歌山県新宮市長)は12日、熊野川水系に水力発電用のダムをもつJパワー(電源開発)の西日本支店に対し、台風12号に伴う豪雨の際の放流の経緯などについて、早急に説明するよう求める申し入れをした。新宮市議会も同日、同社に同様の申し入れをした。

 いずれの申入書も、ダムの操作のほか、流域自治体の被害状況を同社がいかに把握しているかも尋ねている。同社は熊野川水系の風屋、小森、二津野などのダムを管理している。

629とはずがたり:2011/09/16(金) 09:18:12

記録的豪雨で3ダム満杯、治水の役目果たせず 和歌山
2011年9月14日20時16分
http://www.asahi.com/national/update/0914/OSK201109140067.html

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/OSK201109140076.jpg
写真:台風12号の豪雨で洪水調節ができなくなった椿山ダム=10日午後、和歌山県日高川町、朝日新聞社ヘリから、水野義則撮影拡大台風12号の豪雨で洪水調節ができなくなった椿山ダム=10日午後、和歌山県日高川町、朝日新聞社ヘリから、水野義則撮影

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/OSK201109140075.jpg
図:和歌山県周辺の地図拡大和歌山県周辺の地図

 和歌山県内にある四つの治水用ダムのうち三つが、台風12号で治水機能を失っていたことが県への取材で分かった。100年に1度の大雨に対応可能とするダムもあったが、記録的豪雨で満杯に。上流から流れた水をそのまま放流し、下流の被害を防げなかった。

 日高川、古座川、有田川にある椿山(つばやま=日高川町)、七川(しちかわ=古座川町)、二川(ふたかわ=有田川町)の県営ダム。治水を主目的とし、1988、56、66年度に造られた。台風12号に備えて水を事前に放流し、水位を最低水準まで下げていた。

 県河川課によると、最大の椿山ダムは、貯水容量4900万立方メートルで、100年に1度の雨(1日雨量523ミリ)に対応できるとされていた。しかし、ふだん上流から毎秒30立方メートルほど流れる水の量が、3日昼に30倍以上の1千立方メートル超に。県は一部をためて残りを下流に放流する「洪水調節」を続けたが、ダムがあふれて制御不能になるおそれが出たため、4日午前0時過ぎ、流れた水をそのまま放流することにした。

 ピーク時の4日午前3時の流入量は毎秒約4千立方メートルで、同ダムの過去最高の3倍近くになり、降り始めからの総雨量は1千ミリに達した。

630とはずがたり:2011/09/16(金) 09:19:45

2011年9月13日13時14分
熊野川の大部分、「洪水予報」の対象外 台風12号
http://www.asahi.com/national/update/0913/OSK201109130029.html

 台風12号で氾濫(はんらん)し大きな被害を出した熊野川(1級河川、延長183キロ)の中上流域が、降雨量などから3時間後までに上昇する水位を予測し、住民に「洪水予報」を出す河川に指定されていなかったことが、国土交通省や各県への取材で分かった。

 水防法によると、河川を管理する国や都道府県は、氾濫すれば重大な被害が想定される河川を「洪水予報河川」に指定できる。同河川に指定されると、気象庁と共同で3時間後までの水位を予測し、洪水予報を住民らに周知することが義務付けられる。洪水予報は自治体が避難指示や勧告を出す判断材料の一つになる。

 だが、洪水予報を出す対象になっているのは、国交省が管理する河口から約5キロの下流域だけだった。その上流域は県境で接する和歌山県と三重県、さらに上流は奈良県がそれぞれ管理している。和歌山県は、その時点の基準地点の水位から氾濫発生などの情報を出す「水位周知河川」に指定しているが、奈良、三重両県はいずれの河川にも指定していない。奈良県の担当者は「山間部なので洪水よりは土砂災害を警戒してきた」と話している。

631とはずがたり:2011/09/16(金) 17:02:22
>>629
あとひとつの県営治水ダムは広川ダムか。

和歌山県営ダム4カ所、さらなる備え 水位1M下げる
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201109160031.html
2011年9月16日

 和歌山県は、4カ所の治水用ダムの水位を台風12号時より約1メートル下げて大雨に備えている。台風12号で三つのダムが満杯になり、下流に被害が出たことから運用を変更した。

 椿山(つばやま)(日高川町)、七川(しちかわ)(古座川町)、二川(ふたかわ)(有田川町)、広川(広川町)の各県営ダム。洪水時に上流からの水の一部をためて下流への流量を減らす機能がある。県河川課によると、台風12号では椿山、七川、二川の3ダムが満杯になり治水機能が失われたため、今回はさらに水位を引き下げた。

 一方、熊野川水系にはJパワー(電源開発)のダムが6基あるが、いずれも発電専用で洪水調節の目的はない。奈良県十津川村の風屋、二津野の両ダムについては、上流部に土砂ダムがあり、決壊で急に水位が上がるおそれがあるため、従来より大きく水位を下げているという。

632とはずがたり:2011/09/16(金) 17:07:24

台風12号:死者・不明106人に 土砂ダム4カ所決壊恐れ
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110907ddm001040089000c.html

土砂ダムの位置
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/20110907dd0phj000008000p_size6.jpg

 日本を縦断した台風12号による被害は、毎日新聞の集計で7日午前0時現在、12道県で死者48人、行方不明者58人の計106人に上り、死者・行方不明者計99人を出した04年の台風23号を上回って台風災害としては平成最悪となった。国土交通省は6日、土砂崩れで川がせき止められ川の水がたまる「土砂ダム」を奈良、和歌山両県で計5カ所確認したと発表。うち4カ所で決壊する恐れがあるとして土砂災害防止法に基づく緊急調査を始めた。

 国交省によると、4カ所の土砂ダムは、奈良県の熊野川流域にある十津川村長殿▽同村栗平▽五條市大塔町赤谷と、和歌山県・日置川流域の田辺市熊野。奈良県は5カ所のほかに野迫川村北股と天川村坪内で確認した。【まとめ・井上大作】

 ◇人形・おもちゃ、全て流され−−奈良・十津川村

 「こんなこと、あってはいけないんだ」。死者・行方不明者が12人に上った奈良県十津川村。森林組合代表理事の弓場耕一郎さん(63)は熊野川の濁流を見つめながら、吐き出すように言った。陸上自衛隊のヘリに奈良県五條市内のグラウンドから同乗し、6日午前10時45分、同村に入った。

 これだけ大きな被害は、168人が亡くなった1889(明治22)年の大水害以来だという。

 当時の村は壊滅状態となり、約2500人の村民が新天地を求めて北海道に集団移住し、新十津川村(現・新十津川町)を開いた歴史がある。

 弓場さんは「どんなことになっているか、よく見てきたらいい」と乗用車を貸してくれた。国道168号を南下し、村営住宅2棟が流され、1人が死亡、7人が行方不明となった十津川村野尻に向かった。現場と熊野川をはさんだ対岸には、土砂が幅150メートルほど崩れ、川に流れ込んだ痕跡が残っていた。

 木造2階建ての住宅は、いずれも基礎のコンクリートと、床板を残すのみ。建物部分は30メートルほど離れた場所に押し流され大破していた。周辺には子どもの絵本や人形、おもちゃ、小さな靴などが数多く散乱していた。住宅が押し流された時には、2棟に計11人がおり、行方不明の7人のうち3人は1〜11歳の子ども。2棟の家族とも知っているという男性会社員(59)は「小さな子どもたちを早く見つけて家族と一緒にさせてやりたい」と話した。

 午後2時ごろ、同村上野地のヘリポートでは村職員らが、自衛隊が空輸してきた食料や水をトラックに積み込んでいた。

 村内には土砂崩れなどで孤立している地区があり、7日から村職員と自衛隊が食料を徒歩などで届ける。【高島博之】

==============

 ◆台風12号による死者・不明者◆

    死亡 不明
北海道  0  1
埼玉   1  0
山梨   0  1
三重   2  1
奈良   4 20
和歌山 34 34
兵庫   1  0
広島   1  0
香川   1  0
徳島   3  0
愛媛   1  0
鹿児島  0  1
 (7日午前0時現在、本社集計)

毎日新聞 2011年9月7日 東京朝刊

633とはずがたり:2011/09/16(金) 17:08:58

土砂崩れでダム形成4か所、土石流の恐れ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110906-OYT1T00588.htm

山肌が長殿谷に崩れ、土砂でせき止められた十津川の支流(5日午後、奈良県十津川村で、読売ヘリから)=永井哲朗撮影

 台風12号の豪雨によって、土砂や流木が川をせき止めてできた「土砂崩れダム」が、6日までに奈良、和歌山両県内で少なくとも4か所形成されていることが、国土交通省などの調査でわかった。

 決壊すれば土石流が発生する恐れもあり、一部では付近住民に避難勧告が出された。同省などは現地の詳しい調査や監視を続け、土砂の撤去を検討する。

 ダムが確認されたのは奈良県の野迫川(のせがわ)村北股(きたまた)、十津川村長殿(ながとの)、天川村坪内(つぼのうち)と、和歌山県田辺市熊野(いや)。

 野迫川村のダムは4日午前に見つかり、斜面の崩落で谷が埋まっていた。村は同日午後、下流の23世帯60人に避難勧告を出し、全員が避難。現場では自衛隊がポンプで水をくみ出し、村も監視を続けている。十津川村では、土砂が高さ約80メートル、幅約50メートルにわたってダムをつくっており、村が住民に避難を呼びかけている。
(2011年9月6日13時30分 読売新聞)

634とはずがたり:2011/09/16(金) 17:16:46
こんなのもあるのか
>1889年(明治22年)8月の大水害で生じた同村永井の土砂崩れダム「大畑ドロ」

2土砂崩れダム、緊急排水工事に着手…国交省
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110916-OYT1T00557.htm?from=popin2

土砂災害が想定される土砂崩れダム(16日午前、奈良県五條市大塔町赤谷で、読売ヘリから)=大久保忠司撮影

 台風12号の豪雨で奈良、和歌山両県にできた「土砂崩れダム」周辺では16日夕から強い雨が降る恐れがあり、国土交通省は「土石流など重大な土砂災害が想定され、避難が必要」として厳戒を呼び掛けている。

 同省近畿地方整備局によると、危険性が高いと判断した奈良県五條市大塔町赤谷地区、和歌山県田辺市熊野(いや)地区の2か所の土砂崩れダムでは現時点で目立った水位上昇はないが、約10〜30ミリの雨で水があふれる恐れがあり、決壊した場合、赤谷地区では幅約300メートルの土石流が約20キロ下流までに達する危険性がある。このため、両県では270世帯521人に避難指示が出ている。赤谷、熊野両地区について、同省は16日午後から排水路設置などの緊急工事に着手した。

 一方、奈良県十津川村は同日、1889年(明治22年)8月の大水害で生じた同村永井の土砂崩れダム「大畑ドロ」が決壊する恐れがあるとして、下流の重里地区92世帯178人のうち、21世帯45人に避難勧告を出した。県によると、台風12号の大雨でわずかに土砂が流れ出たという。

 気象庁によると、台風15号が沖縄付近に停滞している影響で、南から湿った空気が紀伊半島に流れ込んでおり、16日夕から17日夕にかけて特に雨が強まる見込み。両県では17日正午までの24時間に、多いところで300ミリを超える雨が予想されている。
(2011年9月16日13時25分 読売新聞)

635とはずがたり:2011/09/16(金) 20:41:15

'11/9/11
4つの土砂ダム 「深層崩壊」の恐怖
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201109110052.html

 紀伊半島豪雨で大小12の土砂ダムができた。うち四つは決壊して土石流が発生する恐れがあり、住民は不安と緊張の中で避難生活を送る。決壊は避けられるのか。ダム形成のメカニズムと対策を検証した。

 ▽深層崩壊

 特徴的なのは、深さ数十メートルの地盤までえぐれていることだ。被害が大きかった奈良県五条市や和歌山県田辺市の周辺は研究者の間で、表層土とともに深層の地盤も崩れる「深層崩壊」の多発地域として知られた。

 産業技術総合研究所地質調査総合センター(茨城県つくば市)によると、日本列島の主な山地は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際、海洋プレートの堆積物が大陸側に押しつけられてできる「付加体」が土台になっている。

 付加体は強い圧力を受け、不連続な地層ができやすい。岩がまじった地層にうろこのような割れ目が走り、大量の雨が降れば深部に染み込んでたまる。さらに、今回大規模な土砂崩れが起きた場所は山の斜面と地層の傾きがほぼ平行で滑りやすい。浮き上がった地盤の塊が「流れ盤」となって崩落、川をせき止めた。

 ▽中越より危険

 土砂ダムは2004年の新潟県中越地震で55カ所、08年の岩手・宮城内陸地震でも15カ所出来たことがある。中越で最大規模だった東竹沢のダムは高さ31・5メートル。五条市大塔町清水のダムは高さ120メートル、水の量は5倍以上の約1300万立方メートルと、はるかに大きい。

 国土交通省北陸地方整備局の浅井誠二あさい・せいじ建設専門官は土質の違いに着目。「中越は水を通しにくい細かい土砂や泥。今回は岩石がまじり、豪雨で土が大量の水分を含んでいる」と、より高い決壊の危険性を指摘する。

 内陸地震では、ダム上部から「越水」したが、流量が少なく、浸食による決壊には至らなかった。清水のダムは3日間で水位が1メートル以上も低下。堤の下部から水が漏れ出し水道みずみちができているとみられ、越水せず決壊を招く可能性がある。

 また、東竹沢は近くまで国道が通り、重機の投入がスムーズだったが、それでも排水路完成までに約2カ月かかった。今回の四つはいずれも山奥でインフラが脆弱ぜいじゃくなエリア。排水などの処置には困難が予想される。

 ▽マニュアル

 国交省が専門用語で「河道閉塞へいそく」と名付ける土砂ダムは「天然ダム」「せき止め湖」とも呼ばれる。焼岳の噴火で出来た長野県・上高地の「大正池」のように美しい天然湖を形成する場合もあるが、土砂崩落による湖が安定して長く続く例はほとんどないとみられる。

 清水のダムが決壊すれば土石流は約20キロ下流まで押し寄せると予想される。中越、内陸地震後につくられた「天然ダム対策工事マニュアル」は、水位監視などの初期対応から、排水路建設、土砂の撤去といった最終的な対策まで具体的に示されている。

 近畿地方整備局は8日から水位計のブイを投下し、カメラ設置を終了。下流域には夜間でも土石流発生をキャッチできるセンサーの配備も検討する。10日に上空から視察した京都大防災研究所斜面災害研究センターの釜井俊孝かまい・としたか教授は「安定するか決壊するかは五分五分で切迫した状況だ。台風シーズンを乗り切り、来年の梅雨、雨が多くなる時期までに早く水を抜きたい」と話した。

636とはずがたり:2011/09/17(土) 10:16:37

>土砂ダム決壊時に被害が予想される地域を「警戒区域」に設定。住民の立ち入りを原則禁止
>災害対策基本法に基づき、無断で立ち入った場合は、10万円以下の罰金または拘留が科される。

>警戒区域が設けられたのは、田辺市熊野(いや)地区▽五條市大塔町の赤谷、宇井、清水地区▽野迫川村の北股地区▽十津川村の長殿、宇宮原(うぐわら)、上野地地区

田辺市熊野(いや)
ttp://yj.pn/OYor2P

五條市大塔町の赤谷、宇井、清水地区
赤谷
ttp://yj.pn/4KujrS
宇井
ttp://yj.pn/ccFN8q
清水
ttp://yj.pn/ckrOC7 OR ttp://yj.pn/SBlIxY

野迫川村北股地区
ttp://yj.pn/V-doMk

十津川村長殿、宇宮原(うぐわら)、上野地地区
長殿
ttp://yj.pn/iokjeP
宇宮原
ttp://yj.pn/Ky7yQV
上野地
ttp://yj.pn/jWQbmu

2011年9月17日1時26分
土砂ダム下流の警戒区域広がる 和歌山・奈良
http://www.asahi.com/national/update/0916/OSK201109160070.html

 台風12号で被災した奈良県南部や和歌山県南部で大雨に対する厳戒態勢が続いている。奈良県五條市、同県十津川村、同県野迫川(のせがわ)村、和歌山県田辺市の2市2村は16日午後、土砂ダム決壊時に被害が予想される地域を「警戒区域」に設定。住民の立ち入りを原則禁止し、避難の徹底を呼びかけている。

 警戒区域が設けられたのは、田辺市熊野(いや)地区▽五條市大塔町の赤谷、宇井、清水地区▽野迫川村の北股地区▽十津川村の長殿、宇宮原(うぐわら)、上野地地区。災害対策基本法に基づき、無断で立ち入った場合は、10万円以下の罰金または拘留が科される。

 国土交通省近畿地方整備局によると、田辺市熊野地区の土砂ダムでは、16日午後に累積雨量が決壊のおそれがあるとされた10ミリを超え、同日深夜から水位は徐々に上昇し始めた。五條市大塔町の赤谷地区でも夜になってから水位が上昇し、累積雨量も決壊のおそれがあるとされた30ミリを超えた。

 同整備局は、赤谷地区の土砂ダムについて、16日午後に排水路設置のための緊急工事に取りかかる予定だったが、雨のため作業は中止された。また奈良県警も行方不明者の捜索を打ち切るなど、復旧・捜索活動に支障が出ている。

 川の氾濫(はんらん)に対する警戒も厳しくなった。和歌山県那智勝浦町では、那智川に流木や岩が流れ込み、川幅が狭くなっているため、陸上自衛隊が川底にたまった土砂を重機で取り除いた。同県新宮市の熊野川河口付近では一部でのり面が崩落したため、同整備局が石を詰めた袋を設置する応急工事を進めた。

637とはずがたり:2011/09/17(土) 10:27:08

土砂ダム:奈良、和歌山で厳戒続く…排水路を設置へ
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110916k0000e040031000c.html

土砂ダムが決壊する危険性があるため田辺市熊野地区へ通じる市道に鍵付きの門扉を設置する作業員ら=和歌山県田辺市で2011年9月16日午前9時55分、長谷川直亮撮影
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/20110916k0000e040034000p_size5.jpg

 奈良、和歌山両県では16日朝から一部で雨となり、台風12号による豪雨で両県内にできた土砂ダムは決壊の恐れが高まった。16日午後から17日にかけて激しい雨が予想されている。近畿地方整備局は警戒を強めるとともに16日、和歌山県田辺市熊野(いや)と、奈良県五條市大塔町赤谷の土砂ダムで土砂の一部を削って水を抜くための排水路を設ける緊急工事をすると発表した。この日午後から工事のために現場につながる道路を補修する作業に着手するが、いずれも排水路完成まで数カ月かかる見通しという。

 近畿地方整備局によると、排水路はいずれも長さ500メートル、幅15メートルで、土砂をくりぬいて造り、内部を金属のネットと石で固めて崩れるのを防ぐ。熊野の土砂ダムについては、ポンプ排水も同時進行で進める方針で、早ければ17日にも着手する。赤谷の土砂ダムでは大雨の時にポンプ排水も行う方針だが、現場に重機やポンプを運ぶのに少なくとも3日間はかかるという。

 関係自治体も警戒態勢を取った。田辺市はこの日朝、土砂ダムによる土砂災害の恐れがあり、避難指示が出ている熊野地区を封鎖するため、地区に通じる市道に、金属製門扉(幅4.5メートル、高さ1.4メートル)を設置した。

 大阪管区気象台によると、奈良、和歌山両県では沖縄付近でほとんど停滞状態になっている台風15号の影響で南から湿った空気が入り、16日昼過ぎから雷を伴った激しい雨が予想される。同日正午からの24時間雨量は、多いところで300ミリ〜200ミリに達する見通し。紀伊半島では18日まで強い雨に警戒が必要で、普段よりも少ない雨量で土砂崩れや土石流が起きる恐れがあることから、気象台は大雨警報を発令する基準を暫定的に引き下げて、警戒を呼びかけている。【堀江拓哉、熊谷豪、川口裕之】

毎日新聞 2011年9月16日 11時36分(最終更新 9月16日 12時19分)

639とはずがたり:2011/09/17(土) 17:35:34

台風12号被害:土砂ダム重機空輸作戦 決壊阻止へ検討
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110915k0000e040066000c.html

奈良県十津川村長殿地区の土砂ダムの下流に設置されたワイヤーセンサー。水位が増すと警告を出す(近畿地方整備局提供)
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/20110915k0000e040067000p_size5.jpg

 台風12号による豪雨で奈良・和歌山両県に土砂ダム17カ所が相次いででき、うち5カ所に決壊の恐れがある問題で、国土交通省近畿地方整備局は15日までに、奈良県の3カ所のダムでヘリコプターの着陸地になる場所を確認した。今後専門家の意見を聞き、ポンプ車や重機を分解して運び現地で組み立てることができるか検討する。それでも難工事になるのは確実な状況。大阪管区気象台によると、奈良・和歌山両県南部では、15日午後以降、雨の警戒が必要で、16日昼〜17日には雷を伴った激しい雨になる可能性があるという。気象台は土砂災害への警戒を呼びかけている。

 ◆科学の目で

 整備局はこれまで、奈良県五條市大塔町赤谷地区のダムに8日、十津川村長殿、栗平(くりだいら)、和歌山県田辺市熊野(いや)3地区のダムには9日に、岩手・宮城内陸地震(08年)で初めて活用した投下型水位観測ブイを設置した。このうち栗平のダムは水位が少しずつ上昇する一方、3ダムでは低下の傾向にあるという。それでも熊野ダムは10ミリ、赤谷は30ミリ、長殿は350ミリ、栗平は660ミリの雨であふれる恐れがあり、警戒している。あふれることで、ダムが決壊して土石流が起きる可能性が高まる。整備局は監視カメラや土石流を感知するワイヤセンサーを導入、警戒を強めている。

 ダム周辺では斜面に亀裂ができている所もあり、工事や調査のために近付くと危険な場所もある。このため遠隔操作できる無人化(ロボット)工法を用いた重機の投入も検討する。

台風12号による主な土砂ダム
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/20110915k0000e040088000p_size8.jpg

 ◆難敵

 一度に多数の土砂ダムができた例としては、近年では新潟県中越地震(04年、55カ所)や岩手・宮城内陸地震(15カ所)がある。国交省東北地方整備局によると、最大級の土砂ダムの対策工事では現場が谷が深いためヘリも使えず、1年かけて工事用の道路を造った上で、排水路を整備した。今回も決壊の恐れがある5地区のダムは山中にあり規模も大きく、関係者は「難敵」と指摘する。

 土砂ダム対策としてはポンプで水をくみ出したり、堤に排水路を開けて少しずつ水を出すなどの方法が考えられる。国は近く、両県などと工法や工期などを検討し、早期の対策を目指す。

 ヘリコプターが着陸できる場所が見つかったのは赤谷、長殿、栗平の3ダム。いずれも地上から近付くのが難しい。

 ◆新しいダムも

 整備局は15日、5カ所のうち最後に見つかった奈良県野迫川(のせがわ)村北股のダムについて、「今後50ミリの夕立程度の降雨量があればあふれ出す恐れがある」と発表した。堤の高さは25メートル、満水時の水量は4万立方メートルで、現在2万立方メートルの水がたまっている。住民は避難しているという。【堀江拓哉、酒井祥宏】

毎日新聞 2011年9月15日 11時52分(最終更新 9月15日 13時27分)

640とはずがたり:2011/09/20(火) 14:43:54

土砂ダム:「越流」であふれ、決壊の恐れ 和歌山・田辺
http://mainichi.jp/select/today/news/20110920k0000e040006000c.html
2011年9月20日 8時57分 更新:9月20日 13時27分

水が堤を越える「越流」が起きたとみられる土砂ダム=和歌山県田辺市熊野で2011年9月19日午後3時43分、本社ヘリから幾島健太郎撮影

熊野地区の土砂ダム決壊に備え、警戒体制を確認する和歌山県田辺市大塔行政局の職員ら=和歌山県田辺市で2011年9月20日午前8時34分、大西岳彦撮影

 台風12号による豪雨でできた和歌山県田辺市熊野(いや)地区の土砂ダムの水位計が20日午前8時、満水を示す値になり、その30分後に水が堤を越えたことを表す数値を記録した。国土交通省近畿地方整備局は「土砂ダムから水があふれる『越流』が起きているとみられる」とし、県と市に「決壊の恐れが高く厳重な注意が必要」と避難の徹底を呼びかけた。台風15号の影響などで雨が強まり、水の流入で水位はさらに上昇傾向にある。下流約2.5キロに設置した監視カメラの映像では20日正午現在、土石流などは見られないという。

 午後0時10分に水位計が満水時を14センチ上回る数値を記録するなど、水があふれていることを示しているという。熊野地区の土砂ダムは高さ60メートル、満水時の水量は約110万立方メートルで、土石流が発生した場合、幅200メートル、長さ4キロに被害が及ぶと想定している。

 田辺市は既に16日に土砂ダム近くの熊野地区(19世帯30人)を災害対策基本法に基づく警戒区域に設定し、住民は避難している。20日朝には土砂ダムの下流約4キロにある面川(めんがわ)地区の住民にも地区外に避難するよう促すことを決めた。地区には既に避難指示が出ているが、一部住民が避難所や高台の自宅に残っている。市職員が午前8時から巡回して住民に説明し、約2キロ西側にある施設に車で避難させる方針。

 紀伊半島豪雨ではこれまで、奈良・和歌山両県の17カ所で土砂ダムが確認されている。整備局が「早ければ20日昼以降に越流が起きる」としている奈良県五條市大塔町赤谷地区のダムは20日正午現在、水位差が5.86メートルで、奈良県野迫川(のせがわ)村北股地区のダムは6.60メートル。【堀江拓哉、川口裕之】
 ◇越流と決壊

 国土交通省近畿地方整備局などによると、「越流」とは、土砂ダムの水が堤の高さを越えてあふれること。「決壊」とは、堤の一部または全部が崩れること。越流して水が堤の上部や外側を浸食すると、あふれる前に比べ、土砂ダムが決壊する危険度は高まる。決壊して、堤の土砂が水とともに下流に流れると土石流となる。越流が起きなくても決壊することがある。

641とはずがたり:2011/09/20(火) 16:17:15
>>630

台風12号:熊野川氾濫、「洪水予報」の対象外 流域県、指定見直しへ
http://mainichi.jp/kansai/news/20110913ddn001040003000c.html

 台風12号で氾濫し、甚大な被害を出した熊野川(183キロ)について、流域を管理する和歌山県や三重県などが、氾濫の危険性などを住民に知らせる「洪水予報」の対象河川に指定せず、予報を出していなかったことが、毎日新聞の取材で分かった。下流を管理する国は対象河川に指定して下流域の予報を出しており、対応の分かれが上中流域の避難の遅れに影響した可能性がある。両県は「想定を超える雨量だった」として、指定見直しの検討を始めた。

 和歌山県の仁坂吉伸知事は12日、毎日新聞のインタビューに応じ、熊野川を含む主要河川について、豪雨時に河川の水位変動を細かく予報する「河川水位シミュレーション」を導入することを表明した。

 熊野川は、下流域5キロを国(国土交通省)、上流を奈良県、その間を和歌山県(右岸)、三重県(左岸)が管理している。今回の台風では、和歌山、三重両県内で熊野川が氾濫し、流域の和歌山県新宮市で死者・行方不明者計14人、三重県紀宝町で同2人に上る。奈良県では氾濫は起きなかったが、土砂崩れなどで甚大な被害が起きた。

 水防法では、洪水による重大な損害が生じる危険性がある大規模河川について、管理する国や都道府県が「洪水予報河川」に指定。豪雨などの際、3時間後の水位予測を自治体や報道機関に通知。「氾濫危険水位」「避難判断水位」などと区分し、周知することが義務付けられている。しかし、熊野川について指定していたのは国だけで、和歌山県はその時点で到達した水位を知らせる「水位周知河川」のみに指定。三重県や奈良県は、両方とも指定していなかった。

 三重県河川・砂防室は「ここまでの被害は想定していなかった。水位計を設置してデータを集め、見直しを検討したい」としている。また、和歌山県の仁坂知事は、「洪水対策を見直す必要がある。想定を超えた雨へ備えたい」と語った。【藤顕一郎、藤田剛】

毎日新聞 2011年9月13日 大阪朝刊

642とはずがたり:2011/09/22(木) 10:58:17
河川の水位予測システム 知事、導入検討を表明 和歌山
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110922-00000057-san-l30
産経新聞 9月22日(木)7時56分配信

 台風12号の豪雨被害を受け、仁坂吉伸知事は21日、降雨量に応じて河川の水位の変動を予測できるシステムの導入を検討していることを明らかにした。開会中の9月議会で高田由一議員(共産)の一般質問に答えた。

 仁坂知事は「世の中のどこにもないシステム。できるかどうかは分からない」と前置き。降雨量と予測雨量から水系全体に流れる水量を算出して水位を予測分析するシステムを国と協力して作り、避難情報の発信などに役立てたいとの考えを説明した。

 仁坂知事は想定外の水量と豪雨で逃げまどった被災者の経験談をあげ、「普通の水害なら所定のところに避難すれば大丈夫だったのに、異常事態だった。こうしたシステムができれば違う対策ができるのではないか」と期待感を示した。

643とはずがたり:2011/09/26(月) 16:39:06
面川地区
http://yj.pn/V08vFb

2011年9月20日9時3分
和歌山・田辺の面川地区、全住民避難へ 土砂ダム警戒
http://www.asahi.com/national/update/0920/OSK201109200007.html

 和歌山県田辺市は20日、土砂ダムがある熊野(いや)地区の南に隣接する面川(めんがわ)地区に残っている住民全員を避難させると発表した。同地区には避難指示が出ていたが、一部の住民が高台の施設などに残っており、土砂ダムから南西に約7キロの市の施設に避難させるという。

 同日朝の災害対策本部会議で市は「住民が川沿いの道を通る際に危険」として避難させることを決めた。市職員が車で地区内を巡回し、一緒に乗って避難するよう住民に呼びかけ始めた。

 熊野地区は市が16日に警戒区域に設定し、立ち入りを禁じている。

地区にとどまる住民も 避難指示の面川地区
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=217970

 和歌山県田辺市熊野(いや)にできた土砂ダムの決壊を警戒し、避難指示が出された下流域の面川地区では、さらに下流へと避難した住民がいる一方、台風が最接近した21日になっても自宅にとどまる人がいる。

 市の災害対策本部によると、熊野地区の18世帯28人は16日午後の「警戒区域」設定後、全員が地区外に避難。台風15号の接近に伴い市は20日、面川地区に残っている16世帯29人にも地区外に避難するよう指示した。しかし21日午前11時現在、10世帯19人は「高台だから大丈夫」と自宅などにとどまっている。

 高台にある「井の谷」の住民3世帯6人がそのままとどまり、空き家に7世帯13人が避難してきている。市防災対策室は「高台のため安全と判断したと思うが、川沿いの市道が冠水した場合に孤立などの心配が残る」と話す。

 地区外に避難したのは6世帯10人。2世帯2人は三川生活改善センター(同市合川)に、4世帯8人は上富田町などの親類の家に身を寄せている。

 避難した人も、指示に強制力がないこともあり、避難には消極的だった。

 家高たつ子さん(83)は市職員に説得され、着の身着のまま約2キロ離れた合川地区の避難所に逃げてきた。金田幸さん(78)も市職員に促されて避難し「自宅に愛犬2匹を残してきた。家に帰って餌をやりたい」と漏らした。
(2011年09月21日更新)

644とはずがたり:2011/09/26(月) 16:39:20

田辺市 面川地区一時帰宅容認
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20110923-OYT8T00740.htm
土砂崩れダム安定 避難所や高台限定

 田辺市は23日、台風12号の豪雨で熊野(いや)地区にできた土砂崩れダムの下流にある面川地区(24世帯39人)の住民に対し、地区内の避難所や高台にある自宅などに戻ることを容認する意向を伝えた。同地区には避難指示が出されており、20日には地区外への避難も呼びかけていた。天候が比較的安定していることを考慮した措置で、住民らは「これで少しは体が休まる」などとほっとした表情を浮かべていた。

 面川地区は16日、避難指示の対象となった。市は土砂崩れダムが満水状態となった20日、残っていた住民に、地区外への避難などを要請。住民らはその後、市三川生活改善センター(同市合川)や、面川地区内の高台で過ごしていた。

 その後、土砂崩れダムの水位が減少し、当面、好天が続くとみられることなどから、真砂充敏市長や市職員はこの日、面川地区の高台や市三川生活改善センターに避難している住民に、地区内の避難所などに戻ってもいいことを伝えた。

 20日から同センターに避難していた男性は「避難所暮らしが長い間、続くかもしれないと不安だったので、うれしい。自宅に戻ったら風呂に入りたい」と笑顔を見せていた。

 ただ、土砂崩れダムが決壊する可能性はあるとされており、真砂市長に、いつ安全な状態になるのか尋ねる住民もいたという。
(2011年9月24日 読売新聞)

土砂ダム下流住民、3時間弱の一時帰宅
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20110923-OYT8T00740.htm

 台風12号の豪雨で上流に「土砂崩れダム」ができ、立ち入り禁止となっている和歌山県田辺市熊野(いや)地区で25日、警戒区域設定から9日ぶりに住民の一時帰宅が認められた。

 18世帯28人のうち、希望した15世帯21人と親戚ら74人がこの日午後、地区内へ入り、生活必需品などを持ち出し、3時間足らずで再び地区を離れた。

 一方、奈良県野迫川(のせがわ)村は25日、警戒区域の北股(きたまた)地区(37世帯87人)で26日午後に一時帰宅を行うことを決めた。

 同県五條市も27日、大塔町宇井地区の死者・行方不明者の家族らに限って警戒区域への一時立ち入りを初めて行う。
(2011年9月25日22時35分 読売新聞)

645とはずがたり:2011/09/28(水) 13:34:34
>500年から1000年の頻度とされる今回の津波痕跡高は20メートルを超えた地域もあるが、県河川課は「整備費、維持管理費を考えると防潮堤は15メートル程度が限界」と説明。
>コストの問題もあり、高くすればいいというものでもない。構造物だけに頼るのではなく、逃げることを基本にした住民の防災意識を高める必要がある
無理矢理ばか高い防波堤造って力で自然をねじ伏せようとする姿勢が薄いのは評価できるね。

岩手沿岸の防潮堤、最大15.5メートルに 整備目標発表
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/09/20110927t31014.htm

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/civil-engineering/20110927a3_01.jpg

 岩手県は26日、東日本大震災で被害を受けた防潮堤のうち、広田湾(陸前高田市)など10地域を対象に、新たな整備目標の高さを発表した。高さは15.5〜9.7メートルで、現行の計画堤防高と同じか、それ以上に設定した。今回の津波痕跡高を超える防潮堤はなく、「多重防災」で対応する方針。
 現行の計画堤防高と、今回の津波痕跡高、新たな整備目標高はグラフの通り。目標とする高さは、一定頻度(数十年から百数十年)で発生する津波を想定し、津波のせり上がりや地盤沈下なども考慮して決めた。
 広田湾の場合、一定頻度の津波の中でも、想定宮城県沖地震で起きる津波が最大規模になるとし、高さは11.5メートルと想定。それに1メートルの余裕を持たせた「12.5メートル」を新たな整備目標とした。
 500年から1000年の頻度とされる今回の津波痕跡高は20メートルを超えた地域もあるが、県河川課は「整備費、維持管理費を考えると防潮堤は15メートル程度が限界」と説明。「避難路の整備や土地のかさ上げなどで補いながら、まちづくりを検討する必要がある」と話した。
 県は津波防災技術専門委員会を設置し、整備目標高を検討。県沿岸部を24地域に分け、今回の10地域を先行して発表した。残る14地域は10月中に決める。


◎地元首長ら 追加対策必要/復興の基準に/防災意識重要/景観も配慮を

 東日本大震災で被害を受けた岩手県沿岸の防潮堤の新たな整備目標が26日、一部公表されたことで、これを基準にまちづくりの計画策定が本格化する。地元では示された防潮堤の高さにおおむね理解を示す一方、追加対策の必要性を指摘する声も上がった。
 市役所周辺が13.8メートルの津波に襲われ、市街地の大半が壊滅した陸前高田市。高さ15メートルの防潮堤整備を求めてきたが、県が示した高さは12.5メートルだった。戸羽太市長は「15メートルあれば、浸水区域でも十分安全と判断していたが、こだわるわけでない」と説明。「12.5メートルで整備を進めるならば、幹線道のかさ上げなど、プラスする対策が必要」とし、国、県に追加対応を求める考えを示した。
 宮古市の山本正徳市長は「市の復興計画を作成する上で、大きな基準になる。内容をしっかり把握したい」と述べた。
 今回15.1メートルの津波が襲来した大槌湾の防潮堤は、震災前(6.4メートル)の2倍以上となる14.5メートルを示された。大槌町の碇川豊町長は「専門家が検討した結果であり、総合的には理解する」と一定の評価をした。
 その上で「コストの問題もあり、高くすればいいというものでもない。構造物だけに頼るのではなく、逃げることを基本にした住民の防災意識を高める必要がある」と、ソフト対策も併せて実施する重要性を強調した。
 防潮堤の高さは、観光業者にとっても関心が高い。宮古市の景勝地・浄土ケ浜を巡る観光遊覧船を運営する岩手県北自動車観光船事業部の佐々木司部長は「人命を守ることは最優先だが、リアス式海岸の美しい景観をどう保全するか。バランスよく整備されることを望みたい」と話した。

2011年09月27日火曜日

646とはずがたり:2011/09/29(木) 16:27:18

長良川河口堰、5年以上の開門提案 愛知県専門委が報告書
2011年09月22日09:59
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20110922/201109220959_14985.shtml

 長良川河口堰(ぜき)=三重県桑名市=の開門調査の可否を検討してきた愛知県の有識者会議(座長・小島敏郎青山学院大学教授)の下部組織である専門委員会は21日、「少なくとも5年以上」の試験開放を提案する報告書をまとめた。有識者会議での審議を経て、大村秀章知事に提出されるが、開門調査実施の方向性は踏襲される見通し。

 報告書は堰が開放されれば、下流で問題となっている貧酸素状態の改善やヤマトシジミの分布範囲の拡大が予測されるなど、「環境が回復に向かう可能性が高いと指摘。塩水の遡上(そじょう)により堰上流での取水ができなくなるが、水の利用が堰建設時の想定を大幅に下回っていることもあり、木曽川水系などによる代替は可能との試算を示した。

 一方で、塩水遡上の実測データはなく、堰を開放した場合、どの程度塩水が上がるのかは不明とする。遡上しても、農業などに被害が生じない対策を求めている。

 調査の実施に向けては、国や水資源機構、長良川流域の岐阜、三重県のほか、漁業関係者や県民が参加した協議機関の設置も提案する。

 報告書は1カ月間のパブリックコメント(意見公募)を経て、10月末にも有識者会議に提出される。パブリックコメントは県外からも広く募っており、小島座長は「県と調整の上、要望があれば岐阜や三重などの関係者に対する説明会を行うことも考える」としている。

647とはずがたり:2011/09/29(木) 16:27:29

県専門委、開門調査“ゴーサイン” 岐阜、三重の反発必至
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20110922/CK2011092202000102.html
2011年9月22日

長良川河口堰建設費の負担割合
愛知県 383億円
三重県 325億円
岐阜県  60億円
名古屋市 55億円
国   670億円
─────────────
合計 1494億円
(億円未満は四捨五入)

長良川河口堰の年間維持管理費負担額
愛知県 3億円
他   7億円
─────────────
合計 10億円

 長良川河口堰(ぜき)(三重県桑名市)の開門調査の可否を検証する愛知県の専門委員会が21日、ゴーサインを出す報告書をまとめた。背景には、わずかしか使わない水のために巨額の負担が続く愛知県や名古屋市の「水余り」の現状がある。だが、こうした目線は「都市部のエゴ」とも映りかねず、開門の実現に必要な岐阜、三重両県の同意取り付けは困難が予想される。

 河口堰建設では、毎秒22・5トンの取水が可能になった。だが、企業の節水対策などが進み、16年たっても実際の取水量は、そのわずか16%。名古屋市の水道用水や県の工業用水にはまだ1滴も使われていない。

 建設費1493億円のうち、愛知県は3県1市で最も多い383億円を負担。年間の維持管理費10億円のうち3億円も担う。大村秀章知事は9月の定例会見で「金利分を含めると、愛知県と名古屋市で事業費の半分を負担している。より良い運用に向けた最適の解があるはずだ」と訴えた。

■塩害への影響

 堰を運営する水資源機構や国が、開門を拒む理由は「塩害」への懸念だった。治水目的で上流の河床突起部をしゅんせつし、塩水が遡上(そじょう)するのを防ぐために設けたのが河口堰。「開門すれば河口から30キロ上流まで塩水が遡上し、田畑や用水に塩害が出る」と主張した。

 だが、報告書は「塩水がどこまで遡上するかは不明」と指摘。開門調査の期間中は、堰の上流で塩分濃度を観測し、基準を超えれば閉門などの操作を行うとしている。

 こうした方針に岐阜、三重両県知事は反対を表明。堰の上流域で米や大豆を栽培する岐阜県海津市の農業受託会社「福江営農」の後藤昌宏社長(51)も「塩害があった場合、誰が補償してくれるのか」と心配する。

 開門調査の実現には、建設費を負担した岐阜、三重両県や、水利権者らの同意が不可欠だ。今後、新たな協議の場をつくるように大村知事が働きかけていくことになる。

 今回の専門委は、当初から人選が開門推進派に偏り、21日の会議後には傍聴者から「開門の結論ありきではないか」「議論が尽くされていない」と批判が相次いだ。今後の協議の場も、同様に強引な手法で進めれば、開門への理解は得られないだろう。

■見通しの甘さ

 公開ヒアリングに招かれた赤須賀漁業協同組合(三重県桑名市)の秋田清音組合長は「河口堰が公益でないというのなら、しゅんせつした砂を戻してほしい」と憤った。一時は裁判を起こして河口堰建設に反対したが「公益のため」の大義の前に、苦渋の決断で着工に同意。その信義を否定される事態に、都市部目線の施策に翻弄(ほんろう)され続ける怒りをぶつけた。

 批判されるべきなのは建設当時の見通しの甘さだが、こうした歴史を重く受け止め、塩害の懸念を払拭(ふっしょく)しない限り、関係者の同意は得られない。報告書作成を実現性のないパフォーマンスに終わらせないためには、環境改善も含めた「流域全体の利益」を説く丁寧な議論が必要になる。 (島崎諭生)

648とはずがたり:2011/09/29(木) 16:32:24

追跡2011:長良川河口堰検証プロジェクトの行方 開門調査へ作業大詰め /愛知
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20110904ddlk23040121000c.html
 ◇愛知県知事に報告へ 実施にはハードル高く

 愛知県が進める長良川河口堰(ぜき)の検証作業が大詰めを迎えている。検証チームは集中審議を終え、「開門調査は可能」とする報告書の骨格を固めた。今月中にも大村秀章知事に報告書を提出する方針で、知事の判断が注目される。しかし、運用開始からすでに16年がたつ河口堰で実際に開門調査を行うには、クリアしなければならないハードルは高い。【加藤潔、大野友嘉子】

 「ゲートを全部開けるか閉めるかの二者択一の議論ではない。どのような開け方をするか、柔軟に多様な対応を整理している」。検証プロジェクトチーム(PT)座長の小島敏郎・青山学院大教授は8月31日の会合でこう述べ、柔軟に議論する姿勢を示した。

 検証作業は、2月の愛知県知事選・名古屋市長選でタッグを組んだ大村秀章知事と河村たかし市長が、共通マニフェストに開門調査を盛り込んだことがきっかけだった。

 6月に開かれた検証PTの第1回会合で、大村知事は「河口堰のよりよい運用を提言、実行したい」と狙いを述べた。衆院議員時代から河口堰に批判的な河村市長は「ゲートを開けると、どういうまずい点があるのか列挙してもらい、それをカバーできるか踏み込んで考えたい」と開門調査に意欲を示した。

 検証作業はPTと下部組織の専門委員会の2部構成で実施。委員はいずれも河川工学や環境などの専門家で、河口堰の推進派と反対派からそれぞれ起用された。PTは公開ヒアリングを開くなどしながら総括的な議論を進め、専門委は専門的な知見に基づき報告書を作成する。開門調査の実施に踏み込んだ報告書を今月中にもまとめる方針だ。

 「開門調査を前提に強引に議論を進めている」。愛知県幹部は検証チームの動きを警戒する。PT座長の小島氏は河村市長のブレーンの一人。専門委の共同座長を小島氏とともに務める今本博健・京都大名誉教授は「脱ダム」派だ。別の県幹部は「検証作業には河村市長の意向が強く働いている」と推測する。

 検証作業は知事直轄の知事政策局が事務局を務め、河口堰を所管する地域振興部と水道事業を所管する企業庁は蚊帳の外だ。しかも、議論や報告書作成は検証チームに一任されており「事務方でも議論がどこに向かうのか分からない」(県幹部)状況だという。

 河口堰を管理する独立行政法人・水資源機構も危機感を募らせる。8月2日に専門委で意見陳述した水資源機構中部支社の富岡誠司副支社長は、開門調査に向けて議論を進める検証作業に対し「すでに結論めいたことも(資料に)書かれている。ここで説明するのはいったい何なのか」と皮肉った。

 ただ、検証結果を踏まえて大村知事が開門調査の実施を求めたとしても、実現は容易ではない。

 河口堰の事業主体は水資源機構。愛知県と名古屋市は岐阜県、三重県とともに建設費を負担する関係自治体に過ぎず、開門調査には国土交通省、水資源機構、岐阜・三重両県の同意が不可欠だ。

 長良川流域の岐阜県海津市や三重県桑名市は長い間水害に悩まされた。「河口堰を開門すれば塩害が生じる」との懸念もあり、両県として開門調査への同意は難しい状況だ。さらに三重県は河口堰から津市、松阪市向けに水道水を取水しており、開門すれば代わりの水源が必要になる。

 岐阜県の古田肇知事は記者会見で「見守っていきたいということに尽きる」、三重県の鈴木英敬知事も記者会見で「具体的な話がないので、それがあった時点でしっかり伺いたい」と今のところ静観の構えだ。だが岐阜県の担当者は「長良川は大半が岐阜県を流れる川。これまで県として独自に検証作業も行ってきた。今更何を検証をするのか」と困惑した表情を浮かべた。

649とはずがたり:2011/09/29(木) 16:32:43

 ◇シジミ漁獲量は激減 行政に振り回される漁師−−桑名の漁協

 午前5時、三重県桑名市の赤須賀港から漁船が次々と出航する。親子2代でシジミ漁を続けている長谷川宏平さん(45)は、ジャリジャリと音を立てながら、鉄かごでシジミを取る。「昔はたくさん取れたんだけどね」と表情を曇らせた。河口堰の運用開始後、長良川に塩水が流れ込まなくなり、取れなくなったという。

 赤須賀漁協などによると、同漁協の80年のヤマトシジミの漁獲量は9000トン近くだったが、09年は1000トン強にまで激減した。木曽岬干拓地の埋め立てや地盤沈下で漁場が減り、追い打ちをかけたのが河口堰の建設だった。

 赤須賀漁協は、河口堰の建設同意を巡って内部分裂したが、結局は同意した。もろ手を上げて賛成する漁師はいなかったが「お上と真正面からけんかはできなかった」と漁師の一人は語る。泣く泣く同意し、漁獲量激減に苦しんだあげくの開門調査だ。

 「僕たちは建設に反対したのに、国はそれを押し切って河口堰を造った。それが今回、いらなかったかもしれないと言う。政治家と行政は何をやっているんだ」。長谷川さんはそうこぼした。本格運用から16年の年月は何だったのか。

 赤須賀漁協の秋田清音組合長(70)は「当時も今も、人間のために犠牲になる生き物や生活者の視点が全くない。都会の論理で考え、しわ寄せを食うのは我々だ」と話す。長谷川さんは「行政の勝手な都合で振り回されるのはもうたくさん」と憤る。

 ◇検証チームの論点 利水、治水、塩害、環境など

 愛知県の長良川河口堰検証チームは▽利水▽治水▽塩害▽環境−−などの各項目で議論を展開した。主な論点は次の通り。

 ■利水

 河口堰によって淡水化した水は水道用水、工業用水としての利用が可能になった。開発水量は毎秒22・5トンだが、実際に使われているのは3・592トンで開発水量の16%にとどまる。竹村公太郎・元国土交通省河川局長は「10年に1回の渇水に対応するには河口堰の水が必要」と主張。富樫幸一・岐阜大教授は「工業用水や農業用水を融通すれば水は足りる」と反論する。

 ■治水

 川底をしゅんせつすることで洪水を防ぐ。高木不折・名古屋大名誉教授は04年10月に東海地方を直撃した台風23号の事例を基に「しゅんせつしたことで以前と比較して約2メートル水位を下げる効果があった」と指摘。一方、小島氏は「川底は土砂に埋まり、しゅんせつによる治水効果は減っている」と主張する。

 ■塩害

 川底をしゅんせつしたため、水資源機構は「開門すれば海水が河口から約30キロ地点まで遡上(そじょう)し、地下水に塩分が混じる」と主張。今本氏は「塩水の遡上を過大に評価している可能性が大きい」と疑問を呈する。このほか、開門すれば、淡水に塩分が混じるため、愛知・三重両県が行っている飲用水の取水が困難になる可能性もあり、代替水源の確保も課題になっている。

 ■環境

 川を遮断する河口堰の設置は堰より上流を淡水化し、河川環境に影響を与えた。水資源機構は「植生や魚種は安定している。アユやサツキマスは長良川以外でも減少しており河口堰の影響ではない」と主張。山内克典・岐阜大名誉教授は「河口堰は汽水域の生態系を破壊し生物多様性を著しく減少させた。水門を開放すれば自然は再生する」と訴えた。

==============

650とはずがたり:2011/09/29(木) 16:33:30
>>648-650

 ■ことば
 ◇長良川河口堰

 長良川河口から約5・4キロ上流の三重県桑名市にある全長661メートルの国内最大級の可動式堰。水資源開発公団(現・水資源機構)が建設し、95年7月6日、10あるゲートを全閉して本格運用を始めた。塩水遡上(そじょう)防止、治水、愛知・三重両県と名古屋市の利水開発を目的としている。総事業費は1493億円で、国と愛知・岐阜・三重3県、名古屋市が負担している。

==============

 《長良川河口堰をめぐる主な動き》
1959年 9月 伊勢湾台風による水害発生
  60年 1月 建設省(当時)が長良川河口ダム構想発表
  65年 6月 国が木曽川水系を水資源開発水系に指定
  68年10月 河口堰建設基本計画を閣議決定
         水資源開発基本計画(フルプラン)策定
  71年12月 建設着手
  73年 3月 フルプラン改定(第2次)
     12月 漁業者らが建設差し止め提訴(81年取り下げ)
  78年 9月 岐阜県知事が着工同意
  82年 4月 住民ら20人が差し止め提訴
  93年 3月 フルプラン改定(第3次)
  94年 5月 全ゲート試験稼働
      7月 建設差し止め訴訟棄却
  95年 3月 建設完了
      5月 野坂浩賢建設相(当時)が本格運用開始を発表
      7月 全ゲート操作開始(運用開始)
  98年12月 建設差し止め訴訟控訴棄却
  04年 6月 フルプラン改定(第4次)
  10年12月 大村秀章氏と河村たかし名古屋市長が河口堰開門調査を盛り込んだマニフェストを発表
  11年 2月 愛知県知事選で大村氏が初当選
      6月 愛知県が河口堰検証プロジェクトチーム設置
==============
 《長良川河口堰検証プロジェクトチーム》
◎小島敏郎・青山学院大教授(環境政策)
 蔵治光一郎・東京大生態水文学研究所長(森林水文学)
 辻本哲郎・名古屋大教授(河川工学)
 松尾直規・中部大工学部長(河川工学)
 村上哲生・名古屋女子大教授(陸水学)

 《長良川河口堰検証専門委員会》
◎小島教授
◎今本博健・京都大名誉教授(河川工学)
 伊藤達也・法政大教授(人文地理学)
 粕谷志郎・岐阜大教授(生物学)
 木本凱夫・元三重大助教授(地域保全工学)
 藤田裕一郎・岐阜大流域圏科学研究センター長(河川工学)
 蔵治所長
 村上教授
 (オブザーバー)
 辻本教授
 松尾学部長
 ◎は座長、専門委は共同座長

毎日新聞 2011年9月4日 地方版

651とはずがたり:2011/09/29(木) 16:40:21
奥沢ダム:小樽市、老朽化で廃止へ 上水道専用、道内で最古 /北海道
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110831ddlk01040217000c.html

 小樽市は30日、97年前に建造された道内で最も古い上水道専用の「奥沢ダム」を、廃止すると発表した。老朽化で堤防に陥没が見つかったためで、既に取水を停止した。取り壊すかどうかは未定という。

 奥沢ダムは1914年(大正3)に完成した。基礎基盤に土を盛り上げて築造したアースダムで、貯水量は42万3000立方メートル。08年には土木学会が土木遺産に認定した貴重な建造物だ。

 また、ダムのある奥沢水源地は、地元企業のCMで撮影に使われるなど市民の憩いの場にもなっており、85年には旧厚生省の「近代水道百選」に選ばれている。

 1日約4000立方メートルを供給し、市内水道水の8%を担っていたが、6月下旬から堤防を通って漏れる濁った水の量が増えてきた。市水道局が水位を下げて調べたところ、堤防に直径約3メートル、深さ約1・4メートルの円すい状の陥没を発見。改修には数十億円の費用がかかり、水道水の供給は他水源でまかなえるため、廃止を決めた。

 市は堤防の一部を掘削して、ダムに流れ込む水を近くの川に合流させる計画。ダム全体は「市民の公共の場でもあり、できるだけ残したいが、今後協議していく」としている。水源地の一般公開は今月上旬から中止されている。【坂井友子】

毎日新聞 2011年8月31日 地方版

小樽:奥沢ダム、老朽化で廃止へ 上水道専用では道内最古
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110830hog00m040004000c.html

水位の下がった奥沢ダムで、陥没の状態を調べる市職員
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/risui/20110830hog00m040003000p_size5.jpg

 小樽市は30日、97年前に建造された道内で最も古い上水道専用の「奥沢ダム」を、廃止すると発表した。老朽化で堤防に陥没が見つかったためで、既に取水を停止した。取り壊すかどうかは未定という。

 奥沢ダムは1914年(大正3年)に完成した。基礎基盤に土を盛り上げて築造したアースダムで、貯水量は42万3000立方メートル。08年には土木学会が土木遺産に認定した貴重な建造物だ。

 また、ダムのある奥沢水源地は、地元企業のCMで撮影に使われるなど市民の憩いの場にもなっており、85年には旧厚生省の「近代水道百選」に選ばれている。

 1日約4000立方メートルを供給し、市内水道水の8%を担っていたが、6月下旬ごろから堤防を通って漏れる濁った水の量が増えてきた。市水道局が水位を下げて調べたところ、堤防に直径約3メートル、深さ約1・4メートルの円すい状の陥没を発見。改修には数十億円の費用がかかり、水道水の供給は他水源でまかなえるため、廃止を決めたという。

 市は今後、堤防の一部を掘削して、ダムに流れ込む水を近くの川に合流させる計画。ダム全体は「市民の公共の場でもあり、できるだけ残したいが、今後協議していく」としている。水源地の一般公開は今月上旬から中止されている。【坂井友子】

毎日新聞 2011年8月30日 22時51分

652とはずがたり:2011/10/05(水) 13:39:48

2011年10月5日9時49分
東京都、ベトナムで水ビジネス 浄水場建設や管理担う
http://www.asahi.com/national/update/1004/TKY201110040714.html

 東京都の猪瀬直樹副知事は4日、ベトナムのハノイで、現地の水道公社と浄水場を建設するプロジェクトを進めていることを明らかにした。来年度、着工して約5年後に日量15万トンの給水をめざす。出資比率などは協議中。都によると、自治体の水道事業の技術を海外に売り込む「水ビジネス」で、本格的な浄水場建設は初めてという。

 都出資の第三セクター「東京水道サービス」と、日本の民間水処理会社、ハノイ市水道公社が合弁会社を設立する。ハノイ市郊外のドン川の表流水を水源とする浄水場を建設し、維持管理も担うという。

 ハノイ市は、経済成長に伴う工場進出や人口増にインフラ整備が追いつかない状況。都の水ビジネスを進めてきた猪瀬副知事は「将来は30万トン供給する予定で、本格的な海外進出になる」と話した。都はノウハウを生かして国際貢献するとともに、収入を都の水道事業に還元したい考えだ。

653とはずがたり:2011/10/05(水) 13:41:24

2011年7月16日5時1分
大阪市水道局などベトナムで水事業 政府輸出策の一環で
http://www.asahi.com/business/update/0716/TKY201107150764.html

 大阪市水道局や東洋エンジニアリング、三井物産などが、ベトナム・ホーチミン市で上水道事業に乗り出す。経済産業省が15日、海外での水ビジネス事業化に向けた調査の委託先に選んだ。政府が成長戦略で進めるインフラ輸出の一環だ。

 ホーチミン市はベトナム最大の都市。2007年に790万人だった人口は、25年に1300万人に増え、給水量も1日155万立方メートルから340万立方メートルに増えると予想される。

 ただ、漏水率が40%と高く、送水の水圧が不十分といった課題を抱える。そこで、大阪市などが、経産省の今年度予算950万円を活用し、効率的な配水を実現する事業化に向けた調査を実施。来年度から事業の準備を進め、15年からの本格参入を目指す。

2011年7月8日1時8分
大阪市「水ビジネス」ホーチミン市と協定 上下水道整備
http://www.asahi.com/national/update/0707/OSK201107070126.html?ref=reca

写真:上下水道の技術協力などでの包括提携の覚書に調印する平松邦夫市長(左)とホーチミン市人民委員会のグエン・タン・タイ副委員長=ベトナム・ホーチミン市、宮崎写す拡大上下水道の技術協力などでの包括提携の覚書に調印する平松邦夫市長(左)とホーチミン市人民委員会のグエン・タン・タイ副委員長=ベトナム・ホーチミン市、宮崎写す

 大阪市の平松邦夫市長は7日、ベトナム・ホーチミン市で、同市人民委員会と上下水道の技術協力などでの包括提携について合意し、覚書に調印した。大阪市は今後、企業と官民連携チームをつくり、ホーチミン市での下水道整備に向けた事業化調査や水道技術の支援を開始。ベトナムでの「水ビジネス」に本格参入する。

 サイゴン川流域にあるホーチミン市は低地が多く、大雨や高潮による水害が多発。市場経済化を進めるドイモイ(刷新)政策導入で人口が急増し、市の給水能力もパンク寸前という。

 大阪市も低地が多く水害に悩まされてきた経緯があり、00年に「なにわ大放水路」(内径6.5メートル、総延長12.2キロ)を本格稼働させるなど、下水道整備による水害対策を進めてきた。

 市は、ポンプ場や下水道建設の技術を持つ大手建設会社などとチームを作り、ベトナム側に大阪での対応例を提案。今後、現地の排水方法や下水道の整備状況などを調査する。

654とはずがたり:2011/10/05(水) 13:41:50

北九州市、カンボジアの水事業受注 海外は自治体で初
http://www.asahi.com/business/update/0310/SEB201103100008.html
2011年3月10日8時34分

 北九州市は9日、カンボジアで建設される浄水場の設計について指導、助言するコンサルタント業務を市水道局が受注したと発表した。政府の途上国援助(ODA)の一環だが、1400万円の対価を受け取る。市によると、日本の水道事業体が海外水ビジネスを受注したのは初めてという。

 経済産業省によると、海外水ビジネスの市場規模は2025年に87兆円と見込まれ、国が地方公営企業の参入を認める見解を出したことから、同市や横浜市、東京都など各地の自治体が参入をめざしている。今後、自治体間競争が激しくなりそうだ。

 北九州市が受注したのは、カンボジア・シエムレアプ市の浄水場の設計に関するコンサル業務。設計自体は国際協力機構(JICA)のODAとして国内の民間企業が受託した。シエムレアプ市の水道公社がこの設計を検証する際に指導や助言をする。JICAが今年2月に委託先を公募し、北九州市は横浜市のシンクタンクと共同で応募した。応募は1件だけだった。

 JICAによると、海外の水道事業のコンサルは従来、民間企業や第三セクターが受注しており、自治体が受注したのは初めてという。

 北九州市水道局は1999年からカンボジアに無報酬で職員を派遣し、水道技術の援助をしてきた。「援助で現地の事情に通じていることもあり、水ビジネスの第1号となることをめざしてきた。今回の受注を足がかりに市内企業とも共同して、上水道の運営などより本格的な水ビジネス参入につなげたい」と話している。(菊池文隆)

655とはずがたり:2011/10/08(土) 23:03:39
可哀想に。。(´;ω:`)
それにしても1mほども土に埋もれてしまうんですね。颱風の増水恐るべし。。

増水で流された小4男児の遺体発見 岐阜、台風で不明
http://www.asahi.com/national/update/1008/NGY201110080050.html

 岐阜県警多治見署は8日、同県多治見市前畑町の土岐川の堤防で、9月20日の台風15号による増水で用水路に流されて行方不明だった同市立根本小学校4年横山奨馬君(9)の遺体が見つかったと発表した。

 同署によると、8日午後5時ごろ、堤防の草刈りをしていた作業員が土の中から人の手のようなものを見つけて110番通報した。署員が1メートルほど土を掘ったところ遺体が見つかり、歯の治療痕から横山君と確認した。

 遺体が見つかった場所は、横山君が流された用水路から南東に約5キロ離れていた。

656とはずがたり:2011/10/15(土) 16:25:50

八ッ場ダム:「建設が最良」に学者10人反論 声明文
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111015k0000e040069000c.html

 建設の是非を検証中の八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)について国土交通省関東地方整備局が「コスト面などからダム建設が最良」との結果をまとめたことを受け、河川工学や防災地形学の学者10人が近く、野田佳彦首相や前田武志国交相に検証の抜本的なやり直しを求める声明文を提出する。検証結果について「科学性・客観性が欠如したものと言わざるを得ない」として、公開の場で公正な検証を行うことを求める方針。

 声明を出すのは大熊孝・新潟大名誉教授(河川工学)、奥西一夫・京都大名誉教授(防災地形学)、今本博健・京都大名誉教授(河川工学)ら。

 関東地整は利根川の治水対策にあたり、今後20〜30年で達成可能な毎秒1万7000立方メートルを河川整備計画相当の目標流量に設定。ダム建設に加え四つの代替案を比較検証した結果、コスト面ではダム案が約8300億円で最も安く、10年後の治水効果を一番見込めると判断した。利水面でも必要性があるとした。

 これに対し、今本名誉教授は「治水面では科学的な裏付けがないまま、ダムを造ることを前提に目標流量を設定している。八ッ場の洪水調節効果量は少なく、全く役に立たない。利水面も流域自治体の意見を追認しただけで、現状とかけ離れた過大な水需要予測になっている。河川行政に批判的な専門家も入れた第三者機関を設置し、公開の場で検証してほしい」と話す。

 関東地整は現在、検証結果について一般から意見を募るパブリックコメントを実施しており、終了後に対応方針案を国交省に報告し、国交相が有識者会議の意見などを踏まえて最終判断する。【樋岡徹也、奥山はるな】

毎日新聞 2011年10月15日 15時00分(最終更新 10月15日 15時44分)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板