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陰陽師 〜真実の能力〜

1ピーチ:2012/04/16(月) 18:53:41 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
こんにちは〜♪ピーチでーす
第二章目に入りました!
これからも応援お願いしまーす

2白鳥夕:2012/04/21(土) 20:29:51 HOST:248.237.accsnet.ne.jp
ピーチだー!
楽しみにしてるよ〜ン

3ピーチ:2012/04/22(日) 09:52:53 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
白鳥夕さん>>

おっ!ラジャー!頑張ってできるだけ更新するねー!

4麻琴:2012/04/22(日) 11:02:31 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
初めまして!!麻琴です!!〜前世と現世〜みました!
とても面白かったです♪
更新、楽しみにしてますっ!!

5ピーチ:2012/04/22(日) 19:29:09 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
※ここでは「能力」は「ちから」と読みます。注意して下さーい。

「・・・今日も無かったか・・・?」
「あぁ・・・」
「・・・・・・」
誠人が受けた呪詛を抜いてから、かなりが経っていて、十二月になる手前だった。
「一週間なんて、すぐだったのになぁ・・・」
「誠人、帰るぞ」
「あ、ゴメン・・・もう少し見回りしてから帰るから・・・」
誠人は適当に誤魔化して、一番最初に裕也と誠人自身が呪詛を受けた場所に行ってみた。その途端、誠人の周りを、禍々しい妖気が支配した。
「・・・!」
≪・・・自ラ望ンデココニ来ルトハナ・・・≫
「・・・お前、一週間とか言ってなかったか?」
その言葉を聞いた妖は、面白そうに答えた。
≪・・・霊力ノ高イ人間ガ、見ツカラナクテナ・・・≫
耳からではなく、直接頭に響いてくる声。
≪デモ、モウ心配ハイラナイ・・・印モツケタ・・・≫
「!?」
“印もつけた”この妖は、確かにそう言った。
「だ・・・れに・・・!?」
≪早クシナイト、ソノ人間ガ死ンデシマウナァ・・・≫
不気味な笑みを浮かべ、さも面白そうに言う妖を消し飛ばしてやろうと思った直後。妖が、闇に消えた。
「あ・・・!?」
「誠人?どうした?」
「え?」
声のした方を向くと、いつ来たのか、尭悸が立っていた。
「し、神!?いつの間に・・・!?」
「今来た。それから神じゃない、尭悸だ」
「・・・あ・・・」
「とにかく、帰るぞ?」
「あ、うん・・・」
「・・・どうした?」
「え?」
唐突に聞いてきた尭悸の言葉に、誠人は思わず聞き返した。
「何か隠してるだろうが」
「・・・何で、そう思うの?」
「顔に出るから、すぐ分かる」
その言葉を聞いて、誠人は諦めたように口を開いた。
「・・・一番最初に呪詛受けたとき、ほんとは裕也もいたんだ」
「・・・え?」
「だから、裕也の受けた分を自分に移した」
やっぱり・・・と尭悸は思った。誠人が、他人の受けた呪詛をそのままにしているわけが無い。
「その前に、いきなり妖が現れて・・・」
「妖?どんな妖だ?」
「さぁ・・・本で見たのは確か・・・妙臨とか書いてあった気がする・・・」
「・・・妙臨?」
誠人は、尭悸が知らないなら自分が知るはずがないと思ったが、なら、誠人が陰陽師だった頃もいなかったことになる。その直後。背後から、悲鳴にも似た声が聞こえてきた。
「・・・!?」
誠人と尭悸は顔を見合わせ、声のした方へと走っていった。
「・・・な・・・!?」
「こいつ・・・!」
声が聞こえた所に行くと、先程“印をつけた”と言っていた妖・・・妙臨が、血まみれになって倒れていた。その上には、妙臨の何十、いや、何百倍もの妖気を放つ妖魔が立っていた。
「・・・おい・・・」
誠人達の存在に気付いても、見向きもせずに戻ろうとする妖魔を見て、誠人が呼び止めた。
≪・・・何ダ?≫
「何で、この妖を始末した?」
≪・・・必要無クナッタカラダ・・・≫
「・・・お前、何が目的なんだ・・・!?」
≪オ前ヲ主ニ献上シ、元ノ主ニ戻ッテモラウ・・・ソシテ表ノ世界ト裏ノ世界ヲ一ツニスルコト・・・≫
「・・・一つに・・・?」
誠人は、妖魔の言葉に聞き入ってしまい、つい自分の周りの結界を緩めてしまった。
≪ソウダ・・・ダカラ、オ前ニハ死ンデモラウ・・・≫
妖魔がそう言った直後。誠人の周りを、死鬼が取り囲んだ。
「あ・・・!?」
「・・・バカが」
そう言って、尭悸が誠人の周りの死鬼を焼き払った。
「・・・ゴメン・・・」
「・・・お前、一人だったらどうするつもりだったんだ?」
「・・・・・・分かんない」
尭悸はやえやれ、と言うように首を横に振った。そして、今度は妖魔に向かって炎を放った。突然のことに避けきることができなかった妖魔は、背中に大火傷を負った。
≪・・・今日ハ、コレクライデイイダロウ・・・≫
そう言って、妖魔は闇に消えて行った。
「・・・逃げたか・・・」
尭悸が呟きながら、誠人を見た。なぜか、誠人の全身が微かに震えていた。
「・・・誠人?」
心配になった尭悸が誠人に呼びかけると、誠人ははっとした表情になり、それから薄く笑みを作った。
「あ・・・ゴメン、何か・・・」
「・・・恐怖、か・・・」
「え・・・?」

続きまーす

6ピーチ:2012/04/22(日) 19:30:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
麻琴さん>>

初めまして〜ww読んでくれたんだ!あろがとう!!

じゃあ、こっちも更新頑張るねー!ww

7波香:2012/04/22(日) 19:50:39 HOST:p214.net220148006.tnc.ne.jp
入れて
タメ(・∀・)オッケー!

8ピーチ:2012/04/22(日) 20:00:39 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
波香さん>>

初めましてーwwあたしもタメおkだよーww←自分が言葉使い悪いからww

9波香:2012/04/22(日) 20:05:19 HOST:p214.net220148006.tnc.ne.jp
4649
ピーチ
うちもたまに悪くなるんで・・・
あんま来れないです

10ピーチ:2012/04/22(日) 20:42:02 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「な、何で・・・!?」
あまりに唐突なことを言われて、誠人自身が混乱し、上手く言葉が出てこない。
「・・・あのな、お前は天野 誠秋の生まれ変わり」
「・・・あ・・・」
その言葉で、まさともようやく理解した。つまり・・・
「誠秋も、同じ反応したことあるんだ・・・」
と、尭悸に尋ねた。
「そーゆーこと」
軽い口調で答える尭悸を横目で見ながら、誠人は自分自身を落ち着かせた。
「・・・・・・何でだろうな」
「へ?」
尭悸が、思わず素っ頓狂な声をあげて聞き返した。
「あ、いや・・・何であんなに怖かったのかな、って思って」
「確かに、今までとほとんど変わんなかったぞ?」
尭悸の言葉に頷きながら、誠人はあることに気がついた。
「・・・神」
「・・・?何だ?」
「あのさ・・・さっきの妖魔って、妙臨に対して“用が無くなった”って言ってたよね?」
「・・・あぁ、それがどうした?」
誠人は、妖魔が怖かったわけではない。妖魔の放つ、あの残酷すぎる妖気が、誠人の足をその場に留めた。
「やっぱ妖気かな・・・」
一人で苦笑している誠人に、尭悸が
「・・・お前、何言ってんだ?」
と尋ねた。
「いや、俺が動けなかった理由が何となく分かった気がしてさ・・・」
誠人はしばらく黙っていたが、やがて静かな口調で、
「・・・あんなのに負けてたら終わりだよなぁ・・・」
と、呟いていた。
「あんなのって・・・妖気か?」
「うん、もう少し修行しないとダメかな・・・」
誠人が独り言のように呟いた直後。不意に、頭の中に映像のようなもの、誠秋の記憶が流れ込んできた。
「・・・!」
<来るな。お前が勝てる相手じゃない>
<・・・いくら天石でも、それは聞かない>
<じゃあ・・・勝算があるのか?>
<あるわけないだろ?そう言う天石こそ、あるのか?勝算が>
<・・・あるなら、当てて欲しいな・・・>
<笑い事じゃないだろ!?とにかく・・・俺が行く>
<ダメだと言ったろうが?お前の耳はただの空洞か?>
<そんな玩具、必要ないな・・・だ・・・>
そこで、記憶が途切れた。
「・・・何だ・・・!?」
「誠人!?」
「え?」
顔を上げると、心配そうな表情を尭悸が覗き込むようにして、誠人の様子を伺っていた。
「・・・神?」
「尭悸だ。それよりどうした?急にしゃがみ込んで・・・変なものに当てられたか?」
「・・・あ、何でもない。ゴメン」
思わず、顔を背けた。尭悸の目には、何かの力がある。ずっと見ていると、その瞳に引き込まれそうな。
「嘘吐くな、さっき言ったろうが?顔に出るって」
尭悸に指摘され、誠人は大人しく話し出した。
「・・・誠秋の記憶、見てた・・・」
「・・・え?」
「いきなり、何の前触れもなく流れてくるような感じ」
「・・・そうか」
尭悸は、それ以上の追求はしなかった。
その直後、二人の目の前に激しい竜巻が起こった。
「!?」
≪見ツケタゾ・・・我ノ贄トナル者・・・≫
「・・・贄、だと・・・!?」
≪オ前ニ用ハ無イ・・・我ガ必要トシテイルノハ、オ前ダ・・・≫
言うが早いか。突然目の前に現れた妖が、ナイフのような鋭く、尖ったものを飛ばしてきた。
「うわっ!?」
「気をつけろ」
「・・・あれ?」
良く見ると、飛んできた尖ったものの正体は、風だった。
「・・・とにかく、逃げた方がよさそうだね・・・」
「・・・あぁ」
二人の意見がまとまった途端、尭悸が一瞬早く地を蹴った。続いて、誠人も尭悸の後を追う。
≪・・・逃ゲキレルト思ッテイルノカ・・・≫
誠人が、家の中に入った時、瞬時に家の周りに結界を張った。
「・・・すげぇ反射神経・・・」
尭悸が、半分呆れながらぼそっと言った。
「反射神経だけ・・・だけどね・・・」
「ま、誠人?どうしたんだよ?」
「え?あ、いや・・・」
何でもない、と言いながら部屋に戻って行った。

続く

11:2012/04/22(日) 21:07:57 HOST:zaq7a66c598.zaq.ne.jp
ピーチ>>はろはろノノ

てか、何で第2章の内容を新しいスレに書いてるんや?

前のスレ、勿体無くない?

12ピーチ:2012/04/22(日) 21:46:38 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
燐ちゃん>>

はろー!ww←マヌケ。

・・・勿体無いかな?じゃあ、三章目からはここに書く!

13ピーチ:2012/04/22(日) 22:03:43 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
部屋に入ってから、誠人の表情が一変した。静かに両手を胸の前で組み、結界の強度を少しずつ上げていく。
「誠人?入るぞ?」
そう言って、返事を待つことなく明人が部屋に入ってきた。
「珍しいな、お前が鍵掛けないって」
「・・・珍しいの?それ・・・」
ゆっくりと立ち上がりながら、誠人が不機嫌そうに言った。
「冗談冗談・・・」
明人が、苦笑しながら言い訳をする。
「誠人」
「・・・何?」
「この周り・・・囲まれてるぞ」
「え?」
明人が、訳が分からないと言う風に首をかしげる。
「・・・この周りは固めてある・・・ここから行く」
「分かった」
そう言って、誠人も尭悸も、窓から外に出て行った。
「あ・・・おい!俺も行くぞ!」
「へ?」
あまりに唐突なことを言われて、思わず誠人と尭悸の声が重なった。
「いーだろ?俺だってできることくらいあるわけだし」
「いや、でもな・・・」
必死で言い訳を考えている尭悸を見ながら、誠人が意外な事を言った。
「・・・いいじゃん?何言っても聞きそうにないし・・・」
「え・・・?誠人?」
まさか、誠人が賛成するなんて思いもしない二人は、揃って目を丸くした。
「あのさ、もし来るなら・・・そこら辺に転がってる害の無い雑鬼達を安全な所に連れて行ってて」
「あ、あぁ・・・」
「・・・仕方ない、行くぞ。外にいるのは、俺が焼き払う」
「うん。頼んだよ」
おかしい。明らかに誠人の様子がおかしい。いつもなら、絶対に一人でどうにかしてる。まして、明人を連れて行くなど、言うはずがないのだ。
「・・・どうしたんだ?」
尭悸が、不審そうに誠人に尋ねた。
「別に。どうもしてないよ」
そう言って誠人は、尭悸が始末したわけでもないのに、結界の外へ出ようとした。それを見て、慌てて明人と尭悸が誠人を引き戻した。

続きまーす

14ピーチ:2012/04/22(日) 22:28:53 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「バカか、お前は!?まだ妖魔はうようよいるだろうが!」
「・・・ゴメンゴメン・・・」
そう言いながら、誠人は慣れた手つきで結界の外に神札を投げ飛ばした。勢い良く燃えた紙札を見て、思わず後退る妖もいた。
「・・・行こう」
「・・・あぁ・・・」
尭悸は、誠人が何かしたわけでもないのに、なぜか妙な違和感を感じた。誠人自身が発しているわけではない。恐らく、誠人を狙っている妖の気配だろう。その軽い考えが、尭悸の足元をすくった。
「う・・・わぁ!?」
「え?」
声のした方を見ると、誠人が自ら結界の外に出て暴れ回っていた。
「誠人・・・!?」
「うわ・・・っ!危ない!!」
誠人の言い方は、まるで自分自身の意志で動いているわけじゃない、と言うような言い方だ。
「・・・まさか・・・」
「・・・尭悸?」
「多分、あいつ自身の中で歯止めが効かなくなったんだ・・・!」
「歯止め?」
オウム返しのように尋ねる明人を見て、尭悸は小声で答えた。
「あぁ・・・何とかしねぇとな・・・」
「でも、どうやって?」
「・・・・・・明人、避けろ」
「・・・?」
明人が答える前に、尭悸は周りにいる妖魔を焼き払い、その炎を誠人にまで向けた。
「な・・・にやって・・・!?」
何かを言いかけた明人だったが、尭悸を見て思った。そうだ。あの尭悸が、ただ無意味に炎を放つわけが無いのだ。
「誠人?大丈夫か?」
「・・・うん、ありがと・・・」
少し掌に火傷を負ったが、尭悸はちゃんと誠人の暴走を止めた。尤も、誠人は暴れたくて暴れたわけではないが。
「だから、少しは考えろって言ったろ?」
「・・・俺、今日は大して力使った覚えないけど・・・」
「今までの分が、一気に爆発したんだろうな・・・」
「・・・・・・・・・」
明人が、心配そうな表情をしながら誠人を呼びかけた。
「・・・?誠人?」
明人のその声を聞いて、初めて我に返ったように言葉を返した。
「え?あ・・・ゴメン、聞いてなかった・・・」
「心配する必要ない、元々だからな」
尭悸の呆れながらの口調に、誠人は思わず苦笑してしまった。
「大丈夫じゃねぇっての!こいつ元々、力弱いんだからな!?」
と、威勢良く言い返す明人を見ても、誠人はやはり、苦笑しかできなかった。
「・・・とりあえず行こう?」
やっと、いつもの調子に戻った誠人を見て、二人ともほっと安堵していた。誠人は歩きながら、さっきの妖のことを考えていた。
「・・・あの妖、何だったんだろ・・・?」
誠人が、独り言のように呟いた時。一体の妖の声が聞こえてきた。
≪我ノコトカ?≫
「・・・え?」
反射的に、三人が後ろを振り返った。そこには、先程の妖が静かに佇んでいた。

続く

15ピーチ:2012/04/22(日) 22:50:03 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
突然、誠人達の前に現れた妖。誠人はその妖に見覚えがあった。
「ふう・・・き・・・!?」
そうだ。確かに、あの時この手で封印したはずの風鬼だった。
≪能無シト思ってハイタガ・・・一向ニ来ナイカラ直々ニ来タマデダ・・・≫
そう言った後、風鬼はこう付け加えた。
≪オ前ノソノ魂ヲ喰ライニナ・・・天野 誠人・・・≫
「・・・名前まで知ってたか・・・」
小さく呟きながら、誠人は胸の前で両手を組んだ。それを待っていたかのように、風鬼が隙を与えず誠人の周りに竜巻を放った。
「え・・・うわっ!?」
≪・・・カカッタナ・・・≫
そう言って、風鬼が誠人のすぐ近くまで行った。
「・・・!?」
いきなり、誠人の周りで暴れていた竜巻がピタリと止まった。そして、誠人が音も無く、静かに地面に降り立った。
「・・・尭悸・・・あいつ、誠人じゃない」
傍にいた明人が、尭悸に小さく耳打ちした。
「分かってる・・・!」
尭悸は答えながらこう言った。
「・・・多分、風鬼が憑依したんだよ、誠人に」
「え・・・!?」
≪良ク分カッタナ・・・サスガハ神ノ使イト言ウベキカ・・・≫
誠人を通して、風鬼が口を開いた。風鬼の言葉に答える前に、尭悸が風鬼に向かって炎を放った。その炎を真正面から受け、誠人の左腕がオレンジ色に包まれた。
「あ・・・!」
それを見た明人が、小さく声をあげた。尭悸が狙ったのは風鬼。しかし、実際には風鬼ではなく誠人を狙ったことになる。ようやくそのことに気付いた尭悸が、咄嗟に炎を消した。
≪頭ニ血ガ上ッタカ?大事ナ主ヲ傷付ケルトハナ・・・≫
「・・・明人、一度家に戻るぞ」
「・・・え?でも誠人は・・・」
「だから言ってるんだ・・・あいつの力を借りるしかない・・・」
そう言って、尭悸は明人を待たずに走り出した。あっ、と声をあげ、仕方なく明人も走り出す。
≪・・・≫
風鬼は、二人の背中を見送りながら、小さく呟いた。
≪・・・コノ者サエ手ニ入レバ、後はドウデモイイ・・・≫
呟きながら、闇に姿を消した。

続きまーす

16麻琴:2012/04/22(日) 23:13:53 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
こ 興奮してきた…や やばい
と とりあえず、頑張ってください!

17ピーチ:2012/04/22(日) 23:18:50 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
尭悸は、家に着くと同時に守人の部屋へと駆け込む。慌てて、明人も尭悸についていく。
「ぎ、尭悸!?どうしたんだ・・・?そんなに慌てて」
「・・・誠秋の式紙作ってくれ」
「え?」
「あいつの力が必要なんだ」
「・・・分かった」
守人は、それ以上は何も聞かずに、誠秋に似せた式紙を用意した。
「・・・誠秋いるだろ?」
静かな口調で、尭悸が式紙に問いかけた。
「お前はどう思う?大事な寝場所をとられて。仕返ししたくないか?」
尭悸のその呼びかけに答えるかのように、式紙から尭悸以上の闘気が放たれた。
「もちろん・・・」
「・・・あ・・・」
「怒ってるに決まってるじゃん?」
「・・・じゃあ力を貸してくれるか?」
「いいよ」
誠秋と尭悸の会話に明人が割って入った。
「・・・あのさ、行くなら早くしようぜ?遅くなったら誠人がどうなるか・・・」
その先は、言わずとも分かった。尭悸も誠秋も、首を縦に振った。
その頃、風鬼はそろそろ誠人の憑依から抜けようとしていた。しかし、頃合を見計らって、誠人が暴れだした。
≪・・・何ノツモリダ・・・!?≫
(それはこっちの台詞だ・・・何するつもりだ?あいつらには・・・)
≪黙レエェェェ!!≫
風鬼がそう叫んで、小さく何かを呟きだした。それを境に、誠人の動きが完全に封じられる。その後で、風鬼が吐き捨てるように言った。
≪ヨクモ・・・余計ナ手間ヲカケサセタナ・・・≫
そう言ってしばらくしてから、風鬼が誠人の憑依から抜けた。その途端、誠人はガクン、と激しく膝をつき、そのまま力なく倒れ込んだ。誠人の様子を見た風鬼が、不気味な笑みを作りながら言った。
≪・・・偉大ナ陰陽師ノナレノ果テガコレトハナ・・・≫
そう言って、自分の周りに放っていた竜巻を誠人に向け、まるで操り人形のようにして、意識の無い誠人を起き上がらせた。どんなに痛めつけても目を覚まさないことを確認した風鬼は、誠人の両腕を後ろに持っていき、竜巻の先を誠人の両手首に絡めつける。やがてその竜巻は動かなくなり、縄の役目を果たす。
≪コレデ・・・完全ナル力ヲ取リ戻スコトガデキルゾ・・・!≫
一人で笑っている風鬼の元に、数体の妖がやってきた。
≪・・・!ソノ子供ハ・・・!?≫
≪コンナ子供ヲツレテクルダケデ、ナゼアレホド手コズッタ?≫
≪ソ・・・ソレハ・・・≫
風鬼は、決してその先を言わせなかった。
≪マァ、別ニ構ワナイ・・・オ前ラニモ消エテモラウ≫
≪・・・エ?≫
その直後、風鬼が妖に向かって竜巻を放った。瞬時に、その妖がバラバラに砕け散った。
≪大シタ力ハナイカ・・・ヤハリ、コノ者ガ一番ダナ・・・≫
「ちょっと待てよ?」
≪・・・!?≫
風鬼が、誠人を手にかけようとした直後、背後から聞き慣れた声が聞こえてきた。

続きまーす

18ピーチ:2012/04/22(日) 23:20:57 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
麻琴さん>>

わーいっ!ありがとー^0^

・・・って言うか、まだ起きてた!?←今さら何をww

はーい、了解でーす!頑張りまーすww

19麻琴:2012/04/22(日) 23:28:07 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
へへっ(;。;)実はいつも2時ぐらいまで起きてて不良気味♪
ちなみに私は中1だよん♪

20ピーチ:2012/04/22(日) 23:53:45 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
≪ソ・・・ノ声ハ・・・!?≫
「久しぶりだな・・・風鬼?」
後ろを振り向くと、そこには凄まじい闘気を放つ誠秋が立っていた。
「そいつ、返してもらおうか?」
≪・・・冗談ジャナイ・・・コノ者ハ・・・我ノ力トナル者ダ!!!≫
言うが早いか。風鬼は隙をついて竜巻を放った。それは、今までとは比べ物にならないほど強く、激しかった。しかし誠秋は、それをいとも簡単に避ける。
「そいつ・・・天野 誠人を返せって言ってんだけど?聞こえねーの?」
誠秋がそう言った時、不意に誠人の周りが竜巻に囲まれた。
「!?」
「え?」
風鬼は、段々と勢いを強めていく。それを見た尭悸が、咄嗟に炎を放った。
≪!?≫
突然のことに対応できなかった風鬼は、思わず風を止めた。それを待っていたかのように、尭悸が火を縄に変化させて、風鬼に向かって放つ。
「おー・・・ナイス、天石」
そう言って止めを刺そうとした時、風鬼が口を開いた。
≪・・・我ヲ滅スレバ、ソノ者ニカケタ封印ハ解ケヌゾ・・・!≫
「別に、構わねぇけど?」
その言葉が、誠秋が風鬼に送った最後の言葉だった。そして、胸の前で手を組み、止めを刺した。
「『臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前』!」
その直後、誠秋が使っていた式紙が消し飛んだ。恐らく、誠秋の放つ力に耐え切れなくなったのだろう。呆然とそれを見ていた明人が、はっと我に返り、誠人の所へ行った。慎重に。それを見た誠秋が、静かな口調で言った。
「じゃあ、俺もそろそろ戻るよ」
「・・・あぁ・・・いろいろ助かった」
誠秋は、その呼びかけに答えず、薄く笑みを作りながら、闇へと消えた。
「おい!誠人!?」
明人のその声を聞いて、尭悸は我に返り、急いで誠人の元に駆け寄った。
「・・・って・・・!」
「・・・!」
「大丈夫か!?」
「・・・あ、れ?明人?」
「あれ?じゃねぇよ!大丈夫なのか!?」
尭悸が、ぼんやりとした誠人の瞳を覗き込むようにして見ている。その直後、誠人が我に返ったように慌てた口調で二人に聞いた。
「あ・・・!風鬼は!?」
「もう、消し飛ばした」
「・・・え?」
「とにかく、怪我はしてねぇな?」
明人のその問いかけに、尭悸がふっと表情を曇らせた。
「・・・尭悸?」
誠人がそう問いかけた時、左腕に痛みが走った。良く見ると、なぜか左腕にだけ大火傷を負っていた。
「あれ・・・?この火傷・・・?」
「・・・あ。それ、は・・・」
明人が、戸惑いながらも小声で説明を始めた。尭悸は、黙ってそれを聞いている。
「・・・へぇ・・・」
そう言った後、誠人は尭悸の方を向き、
「ありがとう」
と言った。尭悸は、自分の耳を疑っているのか、誠人のその一言を聞いて顔を上げた。
「え?」
「だってその時は、俺の中に風鬼がいたってことになるよね?」
「え?あ、あぁ・・・」
「その時の俺、風鬼に縛り付けられたみたいに動けなかったからさ、逆に助かったよ」
「いや、でも・・・」
尚も言い募ろうとする尭悸を見て、誠人は薄く笑みを作りながら言った。
「それに、このくらいの傷なら、ニ、三日で治るよ」
「・・・あぁ」
「・・・とりあえず、家帰ろ・・・」
疲れ切った表情を浮かべながら、誠人が歩き出した。
「そーだな、いつまでもここいたって意味ねーし」
明人も、誠人についていくように後を追った。

陰陽師 〜真実の能力〜    終わり

21ピーチ:2012/04/22(日) 23:56:11 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
麻琴さん>>

おぉっ!!あたしもそんくらいまで普通に起きてる!!←親に見つかんなかったらww

不良かぁ・・・あたしも仲間いりだー!

あたしは新中2ww←精神年齢5歳以下ww

22麻琴:2012/04/23(月) 00:07:18 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
あ そーだ。
私のこと、呼び捨てまたは まこ でいいよ。その代わり、ピーチさんのこともピーチってよんでいい?
このシリーズ面白いね!!

23ピーチ:2012/04/23(月) 00:12:10 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

じゃー早速まこーww

全然オッケーだよーwwどーゆー呼び方でもいーよ←例えばバカとかアホとか文才なしとか・・・

面白い・・・何かすッごく嬉しい言葉が来た・・・!

今まで少しでも読んでくれた人々に感謝じゃーww!!

24ピーチ:2012/04/23(月) 00:26:40 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
第三章目スタート!!(次の行から)

陰陽師 〜心の内にあるもの〜

家に着くと同時に、誠人が壁にもたれかかった。それを見た明人と尭悸は、
「・・・どうした?」
と驚きながらも冷静に尋ねた。
「・・・ゴメン、何でもない」
「お、おい?どこ行くんだよ?」
そう問いかけてくる明人に、誠人は短く返した。
「部屋。ちょっと寝てくる」
「・・・あぁ・・・」
次の日、誠人はいつものように時間通り起きる・・・筈だったが。
「誠人ー!!」
と言う声が、ドアの外からはっきり聞こえてきた。
「あ・・・!」
小さな声をあげて、誠人が部屋から飛び出してきた。
「珍しいじゃん?お前が、あの明人に起こされるなんて」
「・・・あの、は余計だ。尭悸・・・」
「あー・・・」
誠人は、困ったような表情をしながら明人に言った。
「ゴメン明人・・・俺遅れるかも知れないから先行ってて」
「え?あ、あぁ」
それだけ言って、誠人が準備を始める。明人と違い、いつもなら前日に終わっている筈の教科書をかばんに入れることさえ、たった今始めた。
「・・・珍しいな、ほんとに」
「・・・何でかな、昨日終わらせたはずなのになぁ・・・」
尭悸には、苦笑しながらかばんに教科書を入れる誠人の表情が少し、いや、かなり疲れているように見えた。
「あ、まずいかも・・・」
誠人が、時間を確認しながら呟いた。時間を確認すると、時計の針は七時四十五分を指していた。
「大丈夫だ。お前なら走れば間に合う」
「・・・そだね」
行ってきます、と言いながら誠人は外に出ると同時に走り出した。そのお陰で、何とか遅刻にはならなかった。

続きまーす

25麻琴:2012/04/23(月) 00:41:24 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
ピーチ>>うーん。年上に悪口は言えないかな。
あー、やっぱこの話好きだな。お気に入りだよ!頑張ってね!

26ピーチ:2012/04/23(月) 00:52:46 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

うーん・・・あたしの中には上下関係存在してない←基本的にww

イヤだって思ったらとことん悪口言うタイプ←その内恨まれるぞww

お気に入りに入ってくれた!良かった!!

あ、でもね。陰陽師 〜前世と現世〜で検索したら出てきたって友達が言ってたよ

ま、アメブロの方だけどww

あたし多分亀更新(亀より遅い、亀に失礼だ!)だから、そっちで見るのもいいんじゃない?←幼稚すぎる文でよければww

27ピーチ:2012/04/23(月) 00:53:33 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

お母さんに見つかった!!

ごめん!今日は落ちるね!!

28麻琴:2012/04/23(月) 01:11:57 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
うん。私も限界かも…
おやすみなさいzzzzz.....

29ピーチ:2012/04/23(月) 20:46:09 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
一時間目が終わってから、後ろから裕也が声をかけてきた。
「珍しいな、まさかお前が遅刻寸前とはな」
「・・・今日は・・・ねぇ・・・」
語尾を延ばしながら、誠人が苦笑した。
「ねぇ・・・裕也?」
「あ?」
「・・・あれって、長宮達だよね?」
「あれって・・・あぁ、そう」
裕也が答えた直後、尭悸が素早く口を挟んだ。
「無茶するな」
「大丈夫だよ、あの程度なら」
少なくとも、風鬼のように厄介な相手ではない。
「強さの問題じゃない、ただでさえ無理してるくせに・・・」
「・・・大丈夫だって」
突然、誠人の口調が一変した。それには、尭悸までもが一瞬怯んだ。
しかし、誠人自身はそのことに全く気付いていなかった。
「ただい・・・ま?」
学校の授業が終わり、家に帰ると、珍しく客が来ていた。
「あ!この間の男の子、誠人君よね?」
「え?」
帰ってくるなり客が来ていること自体に驚いているのに、突然「この間」と言われても、全く見当がつかなかった。そんな中、守人は静かな口調で誠人に問いかけた。
「・・・誠人、お前この間、昼間に妖退治やったな?」
「・・・え」
少し思案してから、誠人は思い出したようにあぁ、と言った。
「やっぱりね!この子、凄いですよ!裏家業なんて勿体無い。表家業にしたらどうですか?」
「え?」
これには、誠人も守人も驚いた。
「だって、あたしには視えなかったけど凄かったんですよ」
そう言いながら誠人のことをほめる客を見て、誠人は思わず小声で呟いてしまった。
「・・・この人って・・・確か・・・」
「杉浦 美奈歩だな、ここら辺ではおしゃべりで有名な」
途中を、尭悸が補足した。
「・・・やっぱり?」
二人がそんな話をしている間に、杉浦は礼を言いながら帰っていった。しかし誠人達は、その話を殆ど聞いていなかった。
「・・・結局、裏専門止めるの?」
「まぁ・・・あの人が来るなんて、思ってもいなかったからなぁ・・・」
小さく呟きながら、守人は、結局表家業にすると、杉浦の前で宣言してしまったらしい。
「もう・・・ここまで来ると、後には引けないからなぁ・・・」
「えーっと・・・俺のせいだよね?」
誠人が、小さくなりながら守人に尋ねた。しかし、
「大丈夫だよ、いっそ表に出した方が、誠人も動きやすいだろ?」
と快く認める守人を見て、誠人の気が、少しだけ楽になった。

続きまーす

30麻琴:2012/04/24(火) 00:09:50 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
見たよアメブロ!そういう展開なんだ!
そういえば、ピーチもアメーバやってるんだ!実はウチもだよん!
続き楽しみにしてるね♪
ファイト!(^o^)/

31ピーチ:2012/04/24(火) 07:00:29 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

そーなの!?仲間はっけーんww!!←アホ

ねーねー、良かったらピグともなんない?

32麻琴:2012/04/24(火) 17:44:52 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
なりたいなりたい!でも、15歳未満って、ほら
制限されてるじゃん。だから、今はできないかもね。
ウチは、Mako♪って名前でやってるよ♪
ピーチは?

33ピーチ:2012/04/24(火) 18:01:27 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
天野家が、陰陽師と言う職業を公にしてから、一週間が経った。
「誠人ーーー!!」
「・・・毎回毎回お前らなぁ・・・」
そう呟きながら、誠人は頭上から降ってくる雑鬼達をひょい、と身軽によける。
「いでっ!!」
「ぎゃあ!!」
「ば、バカ!乗るな!乗るな〜!」
叫びながら、誠人にSOSを出す雑鬼達を見て、誠人は仕方なく手を貸した。
「ふぅ・・・重かったぁ」
「・・・自業自得だぞ・・・」
誠人の独り言を聞いた雑鬼達が、素早く反論する。
「あーーっ!その言い方はないだろー?」
「そーだよなぁ?」
「もーちっと言い方考えてくれよなー」
「誠秋ぃ?」
「・・・行こう?尭悸・・・」
「・・・そーだな・・・」
呆れた口調の誠人に、尭悸も賛成して、雑鬼達を軽く受け流し歩き出す。その直後、雑鬼達が思い出したようにポン、と手を打ち誠人を呼び止めた。
「あ、そーだ誠人ー!!」
「・・・何だ?」
「・・・・・・あのな、また変な奴らが・・・」
雑鬼達の言葉を聞き、誠人は目を見開いた。
「・・・変な奴ら?」
「あぁ、何か・・・鳥みたいだったけど何か違う・・・」
それを聞いた誠人は、一瞬で血の気が引いた。
「知ってるのか?誠人?」

続きまーす

34ピーチ:2012/04/24(火) 18:03:05 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

あたし今できたよー!!あたしは「太陰」って名前でやってるー!

申請しといてくんない?

IDは「179−562」だよー!

頼むー!

35波香:2012/04/24(火) 21:19:06 HOST:p143.net220148008.tnc.ne.jp
これんかった。
ゴメン

36ピーチ:2012/04/24(火) 22:55:32 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
波香さん>>

これんかった?何が??

37ピーチ:2012/04/24(火) 23:42:28 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「・・・多分、だけど・・・」
「だけど、何だ?」
「もしかしたら・・・愕なんじゃ・・・」
「・・・愕?」
しかし、雑鬼達の次の一言で、誠人はほっと安堵した。
「いや、あいつとは感じが違ったぞ」
「あ、確かに」
「え?」
誠人は、雑鬼達が発した次の言葉に耳を傾けた。
「えーっとなぁ・・・鳥の状(かたち)してて、猿みたいなぎょろぎょろした目だったのと、ゾウの体してて、変な声出す奴らだったぞ」
「・・・猿?」
「ゾウ?」
誠人と尭悸が、続けて聞き返した。
「そう。そんな感じ」
「・・・サンキュ」
「おい・・・どうするつもりだ?」
「まぁ・・・まずはここら辺を調べてみる」
そう言って、誠人はさっさと早足で歩き始めた。
しばらく見回って、そろそろ帰ろうかとした時。後ろから何かが飛んできた。尭悸は咄嗟にそれをよけたが、誠人は一瞬反応が遅れ、振り向いた直後に頬を掠めた。
「・・・え?」
良く見ると、それはブーメランのようなもの。でも、何かが違うものだった。
「な・・・何だこれ・・・」
「・・・誠人、立て」
尭悸の言葉で、誠人の目の前に尭悸が立ちはばかっていることに気がついた。そして、尭悸の前には、酷くどす黒い妖気を放つ妖魔がいた。
≪大丈夫カ?≫
「・・・!」
「そんな物騒な物飛ばしてきたお前が言うことか?」
尭悸が凄まじい闘気を放ち、妖魔に言葉を返した。
≪・・・ソノ者・・・≫
妖魔が、小さく口を開いた。
≪ソノ子供・・・人間、憎シミヲ抱イテイルナ・・・我ラ妖ニ対シテカ?≫
「・・・え・・・?」
誠人は、妖魔のその言葉を聞いて、頭が真っ白になった。誠人自身が気付いていない感情だったから。
「何・・・言って・・・」
≪我ハオ前ノ考エヲ読ミ取ルコトガデキル・・・裏ノ感情ヲ見抜クコトナド造作モナイ・・・≫
妖魔のその言葉をずっと聞いていた誠人は、段々視界がぼやけてきたのが分かった。何だか、頭の中を探られている気がする。
「・・・お前・・・何してる・・・!?」
突然の誠人の言葉に、尭気が思わず、
「え?」
と声を洩らした。
≪我ハ何モシテイナイ・・・顔色ガ悪イゾ?≫
妖魔がそう言った瞬間。誠人が突然壁にもたれかかり、そのまま意識を失った。
「まさ・・・と!?」
≪・・・ヒ弱ナ人間ダナ・・・≫
それだけ言って、妖魔は闇に姿を消した。

続きまーす

38麻琴:2012/04/26(木) 18:27:51 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
ごめん。いってみたけど、申請できん。
ちなみに私は、
maoki0111
だよん♪
盛り上がってきてますね〜(^o^)/すっごい!

39ピーチ:2012/04/26(木) 18:48:38 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

ありゃりゃ〜・・・じゃあさ、サブ作ったら??

こーゆー所での友達って、ピグではいないからさーww←わがままでゴメン((汗

40ピーチ:2012/04/26(木) 20:27:37 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
妖魔が姿を消した後。いつもならすぐに妖魔を追いかけるはずだが、今日はそれ所じゃなかった。
「・・・明人連れてきてなくて、正解だったな・・・」
そう言いながら、尭悸は誠人を担ぎ上げ、そのまま家まで運んで行った。
家に着いてから誠人を運び、しばらく明人が様子を見ていたら、突然誠人が奇妙なことを言い出した。
「・・・余計なこと・・・るな・・・!」
「・・・!?尭悸!」
「目、覚めたか?」
「そうじゃないけど・・・今何か変なこと言ってた、こいつ」
「変なこと?」
「余計なこと、とか何とか・・・」
「・・・余計なこと?」
二人が悩んでいるうちに、誠人が目を覚ました。
「あ・・・れ?ここって・・・」
「あ、大丈夫か?」
明人が、誠人が目を覚ましたことに気付き、心配そうに尋ねる。
「え?あ、うん・・・大丈夫」
明人の目には、そう言った誠人の目が、一瞬濁って見えた。
「・・・誠人?」
「え?何?」
「あ、いや、わり・・・何でもない」
そう言って、明人は誠人の部屋を後にした。
「・・・じゃあ、俺も守人の所行くな」
「うん」
誠人はそれ以上返さずに、尭悸が出て行ったことを確認してから、急いで本を開いた。そして、しばらく探して見つけたページには、こう記されていた。
「・・・名前は裂。その状は鳥の如く・・・孔雀のように鮮やかな羽を持っている・・・」
そして、その目は餓えた獣のように血走っている。と書かれていた。それを見た誠人は、確認のため、守人の所へ行った。
「・・・尭悸?」
「来ると思ったよ・・・」
呆れた口調で言う尭悸を見て、誠人は思わず苦笑をこぼした。
「どうした?」
「あ・・・さっきの妖魔の一体、見つけたんだけどさ・・・」
「・・・鳥の状に猿の目か?ゾウの体で変な鳴き声出す奴か?」
「鳥に猿だけど・・・猿じゃなくて獣だった」
説明には、と付け加え、誠人は持って来た本を尭悸に見せた。
「・・・まぁ確かに・・・」
そう呟いてから尭悸と誠人は、明日調べる、と言ってその時は深く気に留めてはいなかった―――。

続きまーす

41波香:2012/04/26(木) 21:24:02 HOST:p103.net220216005.tnc.ne.jp
来れませんでした
誠に申し訳ございません

42麻琴:2012/04/27(金) 01:05:01 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
うん。母さんの許可が降りたら
サブ作るつもり。そのときはいうね
誠人、目が濁っちゃってるよ…
ヤバイ!

43名無しさん:2012/04/27(金) 07:02:27 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
波香さん>>

だーいじょーぶ!気にしない気にしない!

全然おkだしさーww

まこ>>

わーぃ!仲間だ仲間だー!

うn。誠人ちょっとヤバイねww←ネタばれww

44ピーチ:2012/04/27(金) 18:51:15 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ゴメン!↑の名無しはあたしのだった!!

すいません!!

45波香:2012/04/27(金) 21:08:07 HOST:p079.net220148002.tnc.ne.jp
本当
ゴメンそれと「波香」でいいよ。

46聖奈:2012/04/27(金) 21:33:15 HOST:p079.net220148002.tnc.ne.jp
ピーチうち名前買えたんだ
聖奈に。
波香から

47Mako♪:2012/04/27(金) 21:36:53 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
いいじゃん?ってか今私も変えた。
でも、今までと同じように呼んでね!

48ピーチ:2012/04/27(金) 21:48:56 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖菜さん>>

あ、いーじゃん!波香さんでも良かったけど、どっちも好きだなーww

まこ>>

あー!!ピグの名前!!!あ、そー言えばサブ作った??

49聖奈:2012/04/27(金) 21:50:17 HOST:p079.net220148002.tnc.ne.jp
ピーチ
本当ありがとう

50ピーチ:2012/04/27(金) 21:53:50 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖菜さん>>

あははっ♪楽しいねー喋るのも小説書くのもww

これからも仲良くたのみます←アホww

51聖奈:2012/04/27(金) 21:53:52 HOST:p079.net220148002.tnc.ne.jp
麻子s呼びタメOK?
うちはいいんだけど

52聖奈:2012/04/27(金) 21:54:45 HOST:p079.net220148002.tnc.ne.jp
うん
てかまともに話すの初めてかも
もうすぐ落ちるけど・・・

53ピーチ:2012/04/27(金) 22:11:26 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「行ってきます」
そう言って、誠人と尭悸はいつもより早く、家を出た。もちろん、明人は一緒ではない。
「・・・尭悸、気をつけてね・・・」
「へ?」
尭悸が聞き返した直後、誠人がねずみの姿をした尭悸を抱え、軽く跳躍した。そして、誠人と尭悸がいた場所に、雑鬼達が降ってきた。
「いってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「・・・俺悪くない」
「・・・お前悪くない」
尭悸と誠人の声が、見事に揃った。
「学校前から傷つくって行くわけにはいかねぇよなぁ・・・」
と、関係のない事で尭悸が感心している。
「・・・それ、関係ないから・・・」
「お、おい!誠人!」
「また何か出たな?」
冷静に尋ねる誠人を見て、尭悸はまた、関係のないことで感心していた。
「やけに冷静だなぁ・・・」
「・・・それも関係ないから・・・」
「あ、あのな!何か・・・」
「分かったから!落ち着いて話せ!」
誠人に言われた雑鬼達が、今後は口々に言い出す。
「昨日お前らが帰った後、また出たんだよ!」
「あの化け物が・・・!」
「・・・!」
それを聞いた誠人と尭悸は、ここの周りを少し見回って行く、と言って、学校に向かいながら辺りを見回した。学校に着くまでは一瞬も気を抜かなかったが、学校に着くと同時に、無意識に入っていた肩の力を抜いた。
「・・・何もいないな・・・」
「昼間は、エネルギー溜めてるのかな」
誠人は、冗談交じりに言いながら、尭悸に帰る時は明人の方につくように頼んだ。

続きまーす

54聖奈:2012/04/28(土) 09:41:26 HOST:p248.net220148011.tnc.ne.jp
読んだよ
なんか続きが気になってしまう

55:2012/04/28(土) 13:51:43 HOST:zaq7a66fe3c.zaq.ne.jp
ピーチきゅん>>名前をこうして見た←

嫌だったら言ってな。

てか、漢字が読まれないヤツがあるんだけど…。

読み仮名振ってくれたら、読めるっす。

つか、難しい漢字知っとるなw

相当、勉強してるねんな!!!

56ピーチ:2012/04/28(土) 17:25:35 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
燐ちゃん>>

わーっ!「ピーチきゅん」いーじゃん!!

じゃー燐ちゃんは「りんりん」でいい??

読めない漢字・・・どれ!?読み仮名書くから!!←ゴメン!!

57ピーチ:2012/04/28(土) 17:30:08 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖菜>>

うn。頑張って更新するから!!

ただ・・・テスト期間に備えての勉強もあるから更新率下がるかもだけど・・・

58:2012/04/28(土) 17:36:09 HOST:zaq7a66fe3c.zaq.ne.jp
ピーチきゅん>>めっちゃ乙女っぽい名前になっちまったw

りんりんって中国人みたいやわ…。

エエよwもう中国人だと認識してもらってもw

59ピーチ:2012/04/28(土) 17:47:39 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
りんりん>>

・・・ワタシハ、チュウゴクゴヲリカイデキマセン。←読みにくいかも・・・ゴメン!

りんりんはれっきとした日本人じゃー!!←うるさい。アホww

60:2012/04/28(土) 17:52:37 HOST:zaq7a66fe3c.zaq.ne.jp
ピーチきゅん>>でもいいんだよw

中国人と言うか外国人に間違えられるのさ…←理由は不明w

61ピーチ:2012/04/28(土) 18:28:08 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「何で?」
「だってさ、あいつら・・・天野の人間なら誰でもいいって言ってたんだ」
「・・・え?」
さすがの尭悸も、その言葉を聞いて目を丸くした。
「・・・・・・俺さ、こないだ風鬼の部下みたいなのに襲われかけたことあったろ?夏休み」
「あぁ・・・」
そうだ。あの時、尭悸の炎がなければ。確実に誠人はその妖魔達に殺され、悪ければ妖魔達の言う、[主]に献上されていたかも知れないのだ。
「・・・あの時言ってたんだ、だから最悪の場合・・・」
「分かった」
危険なことだけはするな、と念を押してから、尭悸は明人のクラスに行った。ねずみの姿のままで。
「・・・だーいじょうぶかなぁ・・・」
そう独り言を言いながら、誠人は何かを小さく呟きだした。
「・・・この学校に六体、か・・・」
はぁ、とため息を吐きながら誠人が教室を出ようとした時、裕也が教室のドアを開けた。
「うわっ!?」
と叫びながら、思わず後ろによろめいた誠人を見て、裕也が慌てて謝った。
「あ、わりぃ!」
「え?あ、いや・・・大丈夫だよ、こっちこそゴメン」
「いや、いいけど・・・どこ行くんだ?」
「え?」
唐突に聞いてきた裕也に、思わず誠人の声が裏返った。
「・・・お前はな、単純だからすぐ分かんの!何か考えてるときは他の話なんか一切入ってこないの!」
「・・・あー・・・」
裕也の一言で、誠人の顔が微妙に引き攣った。
「・・・ったく・・・」
「あ、いや・・・ちょっとこの敷地内にいる妖を追い払ってこようと・・・」
誠人の言葉を聞いた後、裕也の顔が一瞬で真っ青になった。
「・・・裕也?」

続きまーす。

62ピーチ:2012/04/28(土) 18:30:10 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
りんりん>>

ナゼに!?

ってゆーか、あたしの友達に「りんりん」ってあだ名の子がいるよー^0^

それより・・・読めない漢字ってどれ?

63ピーチ:2012/04/29(日) 08:07:38 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
裕也の視線の方を見ると、誠人の後ろに、菱島 のどか(ひしじま のどか)と山内 まどか(やまうち まどか)、島園 あゆみ(しまぞの あゆみ)が立っていた。
「・・・あ・・・」
「え?天野君って霊能者?」
「超能力者じゃない?」
「えー?霊能者だよ、きっと」
口々に言う三人を見て、誠人が必死で言い訳をしている。
「れ・・・霊能者って・・・」
「じゃあ単純に霊感あるだけ?」
「えー?それはないんじゃない?」
「だって、違うっぽいこと言ってるよ?」
「でもさぁ・・・」
その会話を制すように、裕也が口を開いた。
「おーい!お前ら勝手なこと言ってんじゃねぇぞ?」
「・・・何考えてんの?裕也・・・」
「別に、言ってもいいだろ?どーせ、このおしゃべりにかかれば学校に広まるなんてすぐなんだし。変な噂たてられるよりいいだろ?」
「・・・まぁ、そうだけどね・・・?」
「え?何なの?」
のどか達が、好奇心百パーセントの表情で聞いてきた。
「・・・陰陽師・・・」
裕也の言葉に納得し、誠人が観念したように小さく言った。
「・・・え?」
「陰陽師!?」
「すっごーい!!」
「・・・じゃあ俺、行ってくるから・・・」
「あ、おい!?」
その言葉に返すこともせず、誠人は額を押さえながら教室を出て行き、屋上へ行った。
「・・・神の化身よ・・・この場に在る妖を、消し飛ばせよ・・・」
誠人はそう呟くと、すっと踵を返し、教室へ向かった。その途中で、明人達と出くわした。
「あれ?どうしたんだ、誠人?」
「・・・気付いたな?」
明人と尭悸が、ほぼ同じタイミングで尋ねた。
「うん・・・それからゴメン・・・」
「・・・何だ?」
「・・・陰陽師だって、ばれたみたいだね・・・」
「はぁ?」
明人と尭悸の声が、見事に揃った。が、明人はすぐに、
「まぁ、仕方ねぇな・・・」
と言った。
「え?」
今度は、誠人と尭悸の声がきれいに揃った。
「な、何で?」
「だってお前のクラス・・・おしゃべりな奴多いだろ?男女問わず」
「・・・あ」
誠人のあ、と言う言葉を聞いて、明人は苦笑しながら、
「それにどーせ、あの杉浦・・・さんが話してるだろーしよ?」
「・・・そうだね・・・」
「んじゃな」
「・・・うん・・・」
教室に戻ると、早くもクラス中に知れ渡っていた。
「あ、オース!天野!」
「お前、陰陽師なんだってな?」
「どんなことしてるの?」
教室に入った直後に、誠人はクラスのあちこちから質問攻めにあった。

続きまーす

64ピーチ:2012/04/30(月) 09:12:03 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「・・・ゴメン、あのさ・・・」
「おーまーえーら!」
誠人は、後ろを向かなくとも声の主が分かった。
「いきなり質問攻めはねーだろ?」
「・・・やっぱり裕也か・・・」
「・・・やっぱりとは何だ、やっぱりとは」
「何でもないです」
少し機嫌を悪くする裕也を必死で宥めながら、誠人は後ろを振り返り、クラスメイトの近藤 紗枝に尋ねた。
「・・・近藤ってさ、霊感とかある?」
「え?」
元々、紗枝は大人しい性格なので何かあったとしてもほとんど自分一人で抱え込む癖があるらしい。
「れ・・・いかん・・・?」
それを聞いたのどかが、紗枝に尋ねた。

続きまーす。

65:2012/04/30(月) 09:35:04 HOST:zaq7a66fe3c.zaq.ne.jp
おお!!

よくなってる!!

難しい漢字には振り仮名振った方がエエね。

66ピーチ:2012/04/30(月) 10:25:15 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
りんりん>>

難しい字・・・

うn。テキトーに探して見つけた字には振り仮名振っとくからww←事実名前とかちょーテキトーww

67ピーチ:2012/05/01(火) 23:14:39 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「近藤さんって、霊感あるの?」
「え・・・と・・・」
言いにくそうにしている紗枝を見て、誠人は尭悸に小さく耳打ちした。
「・・・尭悸」
「分かった」
そう言った尭悸は、ねずみの姿から犬や猫、虎など、様々な動物に変化した。動物だけでなく、妖などにも。
「・・・あ・・・」
「やっぱり・・・」
「え?」
「近藤さ、今の変な生き物視えたろ?」
「変な生き物ゆーな!」
即座に反論する尭悸をよそに、誠人はそのまま続ける。
「あのさ・・・何か、いつも絶対に手放さないようなもの、持ってない?」
「・・・いつも?」
「そう。出かけるときも寝るときも」
「・・・この髪ゴム・・・なら」
「ゴメン、ちょっと借りるね」
それだけ言って、誠人が何かを唱えだす。しばらくしてから、髪ゴムを紗枝に返しながらこう言った。
「・・・絶対にその髪ゴムだけは手放すな、分かったな・・・?」
普段の誠人とは息らかに違うその言い方で、一瞬、クラス中が静まり返った。
「・・・分かった」
それだけ言って、紗枝は自分の席に着いた。
「・・・お前、何したんだ?」
「別に・・・近藤が霊感あるなら、それなりにまずいかな、と」
誠人はそう言った後に、裕也にブレスレットのようなものを渡した。

続きまーす

68Mako♪:2012/05/02(水) 20:30:06 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
きゃーー!!
良いですね〜〜♪
大興奮です!頑張ってくださいね!

69ピーチ:2012/05/02(水) 22:52:04 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

わーっ!!!久しぶりー!!

元気だったー?←こーゆー者を「アホ」といいますww

うん!頑張るにゃ☆

70Mako♪:2012/05/04(金) 02:33:18 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
スランプと書かれてたので、ちょっと心配です>.<
体には、気をつけてね!
もう1つ(?)のやつ面白いw
ファイトなのです!

71ピーチ:2012/05/04(金) 13:06:34 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

ありゃー・・・ブログの件??

面白いと言ってくれる人がいるだけで幸いなのじゃ〜ww

あ、サブ作れたー?←アホ。それどころじゃないww

72ピーチ:2012/05/04(金) 15:06:09 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「え?何だこれ?」
「あげる。それ、手首にでもつけてて」
「いや、だから・・・」
「数珠・・・みたいなもの」
誠人はそれだけ言うと、自分の席に着き、本を読み始めた。
「・・・あ・・・」
「どうした?」
誠人の声に、尭悸が尋ねる。
「・・・これ、俺見たことある・・・」
「・・・え?」
誠人が指したものを見て、尭悸は一瞬、パニックになりかけた。誠人が「見た」と言っているものは、誠人が誠秋の頃、要するに平安の世に暴れていた妖だったからだ。
「・・・どこでだろ・・・どっかで・・・」
「気のせいだ」
「え?」
誠人は、突然言った尭悸の「気のせい」の意味が理解できなかった。実際に見たからである。
「でも、俺実際・・・」
「気のせいだ、あまり深く考えるな」
誠人は、尭悸の言い方に不満を持ちながらも、納得することにした。
そして、一時間目、二時間目と過ぎていき、帰る頃には尭悸は明人の所へ向かった。
誠人に頼まれたからだ。尭悸からすれば、自分の主は誠人だけ。そして誠人は、帰る時は、たまに裕也が誘った時意外は基本的に一人だ。
「誠人ー!一緒帰ろーぜー」
「・・・あ。うん、いいよ」
小さく、薄い笑みを浮かべる誠人に、裕也は唐突に言ってきた。
「あのさ・・・今日泊めてくれないか?」
「え?」
「あー・・・父さん達とけんかしてから学校来たから・・・頼む!」
「・・・えーっと・・・父さん達がOKしたらいいけど・・・」
「・・・サンキュー」
誠人の家に着いた時、ちょうど明人も帰ったようで、玄関の前で偶然出くわした。
「あ」
とお互い同じことを口にしたが、明人は友達と何か約束があるようで急いでいた。誠人は裕也を連れて守人に訳を話し、裕也を泊めることになった。
「・・・何か悪いな」
「いいよ。だって俺も、泊めて貰ったしさ」
そう言いながら、誠人はどこかへ行く準備をしていた。
「どっか行くのか?」
「・・・ちょっと、見回りに」
「え?今の時間から?」
裕也は、分かっていたが思わず時計を見てしまった。時刻はまだ、五時を過ぎたばかりだったからだ。
「違う違う。今朝ちょっと、妖気感じたからさ」
簡単に見回ってくるだけ、と言って誠人はそのまま出かけていった。
「誠人ー!」
そう言いながら、誠人の頭目掛けて飛んでくる雑鬼達を簡単にかわし、そのまま歩みを続ける。
「むー・・・せっかく分かれて飛んでいったのに」
「何でよけられたんだぁ?」
「あのな・・・お前らの行動くらい、ある程度は予想できんの!」
「あ!だからか!」
「納得納得!」
「・・・お前らなぁ・・・」
誠人の拳が少し震えてきた時、ふっと誠人の影が、何かに隠された。
「・・・何だお前・・・」
後ろを向かず、静かな口調で言った。雑鬼達は、誠人の合図で戸惑いながらも逃げ出した。そして、ゆっくりと妖に向き直る。
≪・・・我ガ名ハ偽墺・・・≫
誠人は、自分の目の前にいる妖の言葉に耳を疑った。ぎおう。確かにそう言った。
≪・・・愚カナ者ダ・・・アノ者ヲ消シタイカ?≫
「・・・あの者?」
≪神蛇ト・・・天野 明人ダ≫
「ふざけんな。消したいなんて思わねぇよ」
反論の意見を聞いた偽墺は、その不気味な声を響かせながら誠人を制した。
≪怖ガルコトナドナイ・・・消スコトナド一瞬デ終ワル・・・≫
「う・・・るせぇ・・・」
≪ソレガ、オ前ノ中ニ眠ル感情ダ。オ前自身モ気付カナイホドノ・・・ナ・・・≫
偽墺は何がおかしいのか、先程からずっと笑っている。
「・・・何するつもりだ・・・!?」
≪オ前ノ考エテイルコトナド、スグニ分カル・・・≫
「・・・!?」
突然、誠人の頭が割れるように痛んだ。
「い・・・って・・・」
≪・・・力ヲ貸ソウカ?≫
力を貸す。偽墺のその言葉を聞いて、誠人の薄い青色の瞳が段々と濁っていくのが分かった―――。

続きまーす

73ピーチ:2012/05/04(金) 15:21:49 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
≪コノ釘ハ、絶対ニ誰ニモ見セルナ・・・詳シクハ、明日説明シテヤル・・・≫
誠人はその言葉に小さく頷き、偽墺の前から姿を消した。
誠人が家に着いて中に入った時、明人が顔を出した。
「・・・」
「あ、いた!お前、今までどこ行ってたんだよ?」
「・・・・・・関係ないだろ?」
「はぁ?」
「関係ないだろって言ってんの」
「・・・確かに、関係はないけど・・・」
「じゃあ関わんな」
それだけ言うと、誠人はすぐに自分の部屋に行き、鍵を掛けた。後ろを振り向くと、裕也が寝転んでいた。

続きまーす

74Mako♪:2012/05/04(金) 21:04:35 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
母さんはいいって言うんだけど、
父さんがね…
まあ、近々やるつもり♪
f i j h t!

75ピーチ:2012/05/04(金) 21:17:22 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

あー・・・お母さんよりお父さん厳しい家庭ww

うちは逆だなーww

76ピーチ:2012/05/04(金) 23:18:11 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「あ・・・」
「あ、お帰り」
「・・・うん」
あくまでもいつものように、誠人は薄い笑みを浮かべた。
「・・・何で鍵掛けたんだ?」
「ゴメン、いつもの癖でさ・・・一人になりたい時に掛ける癖があって」
「あ、俺邪魔?」
「いや、いいよ」
そう言って、誠人はくくっていた髪ゴムを外した。
「・・・お前さ、結構髪長いよな・・・」
「・・・・・・・・・え?何か言った?」
誠人は、まるで聞いてなかった、と言う風に答えた。
「いや、何でもない」
「・・・ならいいけど・・・」
と言った直後、明人が部屋のドアを軽く小突いた。
「裕也?いるか?」
「え?あぁ、いるけど?」
「ちょっと話があるんだ・・・出てこれる?」
「あぁ、分かった」
と答えながら、裕也は誠人の部屋を出て行った。静まり返った部屋から、ガラガラと言う音が、やけに大きく聞こえた。
「・・・七本、か・・・」
七本の釘。それを見たときから、誠人は大体の予想はついていた。だから、今こんな目に遭っているのだ。
「まっさとー!!」
「え?」
不意に、裕也の声が聞こえてきた。誠人はその声に動揺し、思わず釘を落としてしまった。
「あ・・・っ」
「え?」
「あ、ゴメン・・・開いてるよ?」
「あ、ほんとだ」
がちゃ、と音をさせ、裕也が部屋に入ってきた。
「鍵掛けた方がいい・・・か?」
「・・・うん、できれば」
「・・・お前、何隠したんだ?」
「え?」
誠人の返答に、裕也は目を見開きながら、
「誠人は普段、そこまで焦ることないからなぁ?」
と言った。
「いや・・・何も隠してなんか・・・」
誠人は誠人で、必死に言い訳をしている。
「そ、そう言えばさ・・・裕也、明日学校こっちから行くの?」
「え?あ、あぁ・・・それっきゃねーよなー・・・」
突然話題を変えられ、裕也もそれに乗せられてしまった。
「じゃあ、俺の方から言っておこうか?仲直りするように」
「いや・・・一日経ったら忘れるような記憶力の浅い人間だからよ・・・父さん」
「・・・そうなんだ・・・」
「だから明日になれば忘れてるよ、きっと」
「そっか・・・」
そう言いながら、誠人は時計を確認した。七時前になっていた。
「じゃあ俺、行ってくる」
「あ、あぁ・・・」
そう言って、誠人は部屋から出て行った。

続きまーす。

77ピーチ:2012/05/04(金) 23:46:40 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
誠人が外に出た時、尭悸も一緒についてきた。
「おい待てって!誠人!!」
「うるさい」
「え?
うるさい。そう言った時の誠人の目が、心なしか死んだ魚のような、虚ろな目に見えた。
「俺一人で何とかできるから。帰れよ」
「な・・・!?」
誠人は今まで、人に命令をしたことがない。「帰れよ」なんて言葉を使ったのは、今日が初めてだ。
「足手まといは、いらない」
足手まとい。その言葉を聞いた尭悸の頭の中で、何かがプツっと音を立てて切れた。気がした。
「足手まといで悪かったな!?俺からすれば、お前の方が足手まといだ!!」
「・・・不死身の生き物に、足手まといって言われるとは思わなかったな・・・」
「・・・え?」
「お前に何が分かるんだ?痛い。その感情だけで済んでるお前に?俺らみたいな変な力持った人間はな、下手したら一生、死と隣り合わせなんだぞ?尭悸みたいに不死身なわけでも何でもない。なのに、何で自ら危険を冒さないといけない?」
尭悸は、誠人の言葉をただ黙って聞いていた。誠人の言うことが正論だからだ。自分は、いつか死ぬわけでもない。あえて言うなら、神のその手にかかった時だろう。
「分かったなら、もう帰れよ」
静かな口調で言い放った誠人は、そのまま闇に姿を消した。
「・・・じょうがねぇな・・・」
小さく呟きながら、尭悸は一度家に戻った。妖気を背後に感じた誠人は、後ろに向き直り、一気に呪言を唱えた。
「『三つ時に溢れる闇色の空気よ・・・その色を天の色へと変えいけ』」
しかし、その術は勢いがついたまま誠人に向かって跳ね返った。術をもろに受けた誠人は大きく吹き飛ばされ、近くにあった木で背中を強く打った。誠人の術を跳ね返したのは、偽墺だった。
「いて・・・っ!」
≪良クバ死シル者ヨ・・・≫
偽墺は、その先を言わなかった。代わりに、違うことを言い出した。
≪何デ自分ダケ・・・ソウ思ッタダロウ?≫
「あぁ思ってるよ!何で・・・!?」
≪ダカラ、恨ミヲ晴ラセバイイ≫
そう言って、偽墺は先程渡した釘の説明を始めた。
≪マズアノ釘ハ、一夜ニ一本シカ打ッテハナラナイ・・・ソシテ絶対ニ誰ニモ見ラレテハナラナイ。分カッタナ?≫
「・・・分かった・・・」
そう言った時の誠人の目は、もう完全に誠人のものではなかった。他の何かに操られている。そんな瞳。

78麻琴:2012/05/05(土) 17:37:22 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
そっか。
今度ね、できたら、だけど、ここで小説書きたいな。
ピーチみたいな上手なのは無理だけどww
この前、間違ってた。
H I G H T ! !

79ピーチ:2012/05/05(土) 18:28:26 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

わわわっ!!あたしなんかで上手だったら、つっきーとかねこことかりんりんとかやばいよ!!

あたしはまだまだだよー!

80ピーチ:2012/05/05(土) 19:59:19 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
≪ナラバ、今スグ始メロ・・・≫
偽墺の命令通り、誠人はすぐに神社に移動し、誰もいないことを確認してから釘を打ち始めた。カーン、カーンと言う不気味な音が辺りに響き渡る。
≪・・・モウ、ソレクライデイイダロウ・・・今日ハ・・・ナ・・・≫
「・・・・・・」
全て偽墺の命令通りに動く誠人を見て、偽墺は口元を歪ませた。
≪今日ハモウ帰ッテヨイ・・・≫
そう言うと、自分はさっさと闇に姿を消した。それを見た誠人も、気配を殺し、自分の家に帰った。そして、部屋に入ったと同時に裕也に呼びかけられた。
「・・・誠人」
「・・・何?」
「お前、何か変だぞ?」
「・・・別に、何も変じゃないよ?」
「・・・ならいいけどな・・・」
「悪いけど、俺ちょっと寝るね」
時刻は、一時を回っていた。普通なら、裕也はもう寝ていてもおかしくない時間、いや、寝ていないとおかしい時間だ。
「え?あ、あぁ・・・悪い」
「いいよ、こっちこそゴメン・・・」
次の日、誠人はいつもより早く起き、朝食も食べずに家を出ようとした。明人はもちろん、まだ眠っている。
「あれ?誠人、どこ行くんだ?」
「え?」
よほど耳がいいのか。部屋を出ようとした時、裕也が目を覚ました。
「あ、いや・・・ちょっと早めに学校行こうかなって思って・・・」
「・・・俺も行こうかなぁ・・・」
ふわぁ、と眠そうに欠伸をしながら、裕也がぼそっと言った。
「・・・ほんとにまだ早いよ?」
「いーのいーの。俺、準備まだだし」
裕也の答えを聞いて、誠人ははぁ、とため息を吐き、
「分かった」
とだけ答えた。

続きまーす。

81聖奈:2012/05/05(土) 20:01:44 HOST:p160.net220148004.tnc.ne.jp
久々だー
来たよ。

82ピーチ:2012/05/05(土) 20:03:34 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖奈>>

おー!久しぶりー!!

もうすぐ三章目も終わるよー←何の宣伝だww

83ピーチ:2012/05/05(土) 20:05:49 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
*お知らせ*

もーすぐ第三章〜心の内にあるもの〜が終わるので、第四章に入る前に陰陽師の裏話を書こうと思いまーす。

84聖奈:2012/05/05(土) 20:28:59 HOST:p160.net220148004.tnc.ne.jp
そうなの
こない間に・・・
>ピーチ

85ピーチ:2012/05/05(土) 20:46:59 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「準備かんりょー!」
小声で叫ぶ裕也を横目で見ながら、誠人は
「じゃあ、行こうか?」
と尋ねた。
「あぁ・・・でもこんなに早く家出るの初めてだなぁ、俺」
「あ・・・そうなの?」
「いや・・・それが普通だと思うけど?」
裕也が、苦笑しながら言った。
「・・・そーなんだ」
ぼそっと呟く誠人を見て、裕也は
「まぁ、早く行こーぜー」
と軽く言った。
「あ、うん」
学校に着いてから、誠人はまず学校全体に結界を張った。学校全体と言うだけあって、かなりの時間を要した。その内、他の生徒が来る時間になって、明人達も登校してきた。
「あ、誠人!!お前何で・・・!?」
「早めに来ないといけなかったから」
誠人は短く返すと、そのまま逃げるように教室に入っていった。
「・・・ったく・・・」
「・・・どうしようもないだろうな」
「え・・・何?尭悸もあいつとけんかしたの!?」
「どーだろうな・・・あいつ、いきなり変わったからな」
「・・・え?」
明人には、尭悸の言う誠人が変わった、という意味が良く分からなかった。
「・・・一時的なものだろうな、あまり深く考えるな」
「・・・あぁ・・・」
その頃誠人は、表向きはいつもと変わらない自分を演じていた。が、内心はあの釘のことで頭がいっぱいだった。そんな誠人の心境を知らずして、のどかが声をかけてきた。
「ねぇ、天野君!」
「え?」
「あのさ・・・あたしたまに幽霊見たりすることあるんだけど・・・どうすればいいかな?」
「あぁ・・・」
そう呟いた後、誠人が裕也に渡したものと、ほぼ同じ数珠をのどかに渡した。
「それを肌身離さず持っててよ。それだけでも、効果はあると思うからさ」
「あ、うん!ありがとう!」
そう礼を言って、他の女子の所に行くのどかの背中をぼんやりと眺めながら、誠人はふっとあることを考えた。それは。
「・・・このクラスって髪長い人多いなぁ・・・」
そう思って、すぐにクラスの中で霊感のある人には、と数珠を渡して回った。こうしてれば、万が一危険なことに巻き込まれた時でも、自分の身を守ることはできる。
「そういえばさ、裕也」
「へ?」
「最近、家の周りに変わった様子ない?」
「あぁ・・・特にはな、お前のおかげで」
「そっか・・・良かったね」
そう言ってからも、授業は着々と進んで行き、帰宅の時間になった。
「じゃーな、誠人!昨日はありがとな!」
「・・・うん、じゃあね」
裕也の言葉に小さく返し、誠人はそのまま家に帰った。
「あ、お帰り。早かったんじゃない?」
そう言って迎えたのは、母の水希だった。
「・・・あれ?珍しいね、この時間に家にいるって」
「まぁ、たまには早く帰れるってことね」
水希は、いたずらっぽく笑みを浮かべて言った。
「それより、今日朝食食べずに行ったでしょ?朝くらいは食べていきなさい。分かった?」
「・・・分かった・・・」
参りました、とばかりに片手を挙げて、水希に精一杯の抵抗をする。水希は、天野家で一番口も気も強い。今まで、水希に口で勝てた者は誰一人としていないのだ。
「今“分かった”って言ったからね?」
「・・・忘れてなければ・・・ね」
小さく呟いただけのつもりが、水希の耳にはしっかり届いており、整った綺麗な顔をずいっと突き出して、
「今何て言ったのかなぁ?」
と問い詰められた。誠人は慌てて、
「あ、いや・・・その、最近食欲ないことあるからさ」
と誤魔化した。
「・・・嘘だったら承知しないわよ?」
「・・・分かってるって・・・」
水希は、普通にしてればか弱いような印象を与えるが、それはあくまで印象。その証拠として、今まで何度も家に入ってきた空き巣などを一人で袋叩きにしている。
そのような時の水希の口癖が、
「あー良かった、護身術身につけといて」
・・・なのだ。これにはさすがの明人も、舌を巻いていた。
「・・・じゃあ俺は・・・」
そう言いかけた誠人を遮り、水希が口を開いた。
「あ、それから・・・」
「え?」
「明人と尭悸が何か心配してたけど・・・何かあったの?」
水希の言葉を聞いて、少し動揺しながらも誠人は平静を装い、
「・・・何でもないよ」
と短く返し、そのまま小走りに部屋へと向かっていった。
しばらくして、明人達が帰ってきた。そして数秒後には、誠人の部屋の前に来て、ドアを軽く叩きながら呼びかけた。
「・・・なぁ、誠人?」
「悪いけど、今夜から見回りには行かないから」
「・・・え?」

続きまーす。

86聖奈:2012/05/05(土) 20:48:18 HOST:p160.net220148004.tnc.ne.jp
おもろい。
おもろい。
続きが・・・

87Mako♪:2012/05/05(土) 21:42:56 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
聖菜さん>
ですよね〜♪
更新、楽しみにしてます!

88ピーチ:2012/05/05(土) 23:00:52 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖奈>>

おー!!ありがとー!!

もーすぐ第三章終わるよーww

まこ>>

おーえんありがとー!!更新頑張るね!!

そんで、今度は第四章ー・・・の前に!

三章終わったら、陰陽師の裏話とか書くつもりなのだー!ww

89名無しさん:2012/05/05(土) 23:03:11 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
おもしろくない。おもしろくない。続きが・・・

90Mako♪:2012/05/06(日) 00:53:40 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
名無し>>
意味不。あやかしの方にも来てた奴?
面白くない?何が?続きって何?
マジで意味不。説明いらないですけど
説明してほしいくらいですね♪
ピーチ!気にせずに頑張ってね!

91ピーチ:2012/05/06(日) 08:53:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

サンキュー!!うん!まーったく気にしないから!!

・・・ほんとは昨日更新頑張ったんだけど・・・本文長すぎてエラーなっちゃったww

今日は頑張るから!!

92聖奈:2012/05/06(日) 11:17:29 HOST:p160.net220148004.tnc.ne.jp
きったよん。
おっはー

93ピーチ:2012/05/06(日) 12:22:57 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖奈>>

おっはーやっぴーww←意味分からんww

94ピーチ:2012/05/06(日) 12:42:21 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
誠人が見回りに行かないと言ってから、四日が経った。相変わらず、誠人と明人、尭悸の三人の間は厚い壁に妨げられているかのように、進展がなかった。
喧嘩をしたわけでもなければ誠人が元に戻ったわけでもない。それもそのはず。誠人は、偽墺の操り人形になってしまったのだから。誠人にかけられた、その糸を切り離さなければ、誠人が元に戻ることは、まずない。
「・・・」
誠人は、自分の部屋に鍵を掛け、窓を開けた。そして、そこから外に出て行く。その後で、いつもの場所へと向かう。そう。最近の“いつもの場所”と言うのは、雑鬼達のいる所ではなく、偽墺に連れてこられた神社だ。
「・・・今日で六本目・・・」
まるで、魂を抜かれたかのような言い方。それは、誠人を知る者なら、悲鳴を上げて逃げ出すものがいても、おかしくはないだろう。いつもなら澄んでいるその瞳は、闇の中で育ったかのような黒々とした濁った色に変わっていた。
しばらく、誠人が持ってきた釘を見据える。そしてやがて、カーン、カーンと言う不気味な後を響かせる・・・筈だった。
突如、誠人の背後でゴォッ、と音がした。驚いて振り返ると、そこには誠人の手に握られている釘を睨みつけている尭悸の姿があった。その後ろには、明人の姿も確認できた。
「・・・な・・・!?」
「燃やせ・・・あの釘全てを」
尭悸の命令に従い、尭悸の放った炎蛇は誠人が打ちつけた釘を、灰も残らず消し去った。
「・・・何でこんなことをした?」

続きまーす。

95Mako♪:2012/05/06(日) 13:00:04 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
おうっ!
ピーチ!良報だぜ!
パパが、サブ許してくれた!
条件付きだけど。
・宿題を終わらしてから。
・パソコンは1日1時間まで
・家のお手伝いは必須!
だよん。頑張るよ!ピーチの友だちになりたいしね♪ピーチも頑張って♪

96ピーチ:2012/05/06(日) 13:23:54 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

おうっ!←まねww

わーぃ♪やったぜぃっ!←アホww

頑張って!あたしも早く友達なりたーい!!

97ピーチ:2012/05/06(日) 16:15:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
尭悸が尋ねた言葉に対して、誠人の背後から返事が来た。
≪我ガ、ソノ者ノ恨ミヲ晴ラシテヤッタマデダ≫
「!?」
「・・・偽墺・・・!」
尭悸が苦々しくその名を吐き出した途端、偽墺が誠人にこう言った。
≪ホラ・・・オ前ガ一番恨ム者ガキタゾ・・・存分ニ暴レ回レ≫
その言葉を聞いて、誠人は勢い良く跳躍し、屋根の上で着地した。それを見た尭悸が、誠人と同じ所まで跳躍した。しかし、誠人の狙いが明人に向いたので、すぐに明人の所まで戻った。
「・・・誠人に、何をした?」
≪・・・アノ者ガ自ラ望ンダコトダ・・・我ハ何モシテイナイゾ?≫
その言葉を聞いた尭悸の炎が、一瞬にして変わった。今までオレンジ色だった炎が青になり、そして真っ白に。全てを飲み込む色へと変化した。
「ふざけるな・・・!今すぐ誠人を元に戻せ!!」
≪ダカラ、我ハ何モシテイナイ≫
今まで、尭悸だけを包んでいた闘気が、明人をも包みこんだ。最悪の場合のことを考えて、明人の周りに尭悸なりの結界を張ったのだ。
「・・・明人、絶対にこの中から出るな」
「・・・分かった」
明人の答えを聞いて、尭悸は誠人のいる場所に向かって、高く跳躍した。
「・・・邪魔スルナ・・・」
誠人の声なのに、喋り方が明らかに違う。
「やっと本性を現したな・・・」
そう言うが早いか。尭悸が、誠人の周りを激しい炎で取り囲んだ。その炎が段々と変化し、真っ白な大蛇になった。それを見た誠人が、正確には誠人に憑依した妖が焦って宙に浮いた。その途端、誠人が地面に向かって倒れ込んだ。
「あ・・・!?」
尭悸は、凄まじい闘気で妖をその場に拘束し、地面ぎりぎりの所まで落ちかけた誠人を、腕を掴んで持ち上げた。
「・・・さて、と・・・何で誠人に憑いた?」
誠人を明人に預け、尭悸は闘気で妖を威嚇しながら尋ねた。
≪・・・ソノ者ノ能力ハ最高ノモノ・・・主ニ捧ゲル贄ニ相応シイ・・・≫
「答えろ」
≪ソノ者・・・極上ノ力・・・≫
尭悸が何を言っても、妖はうわ言のように同じ言葉を言い続けているので、無駄なことだと判断し、尭悸の独断で焼き払った。
「次はお前だ・・・偽墺・・・」
現在、誠人は明人と共に炎の中に身を潜めているため、偽墺は二人に手出しはできない。
≪・・・愚カナ奴・・・コノ者ガ自ラ望ンダコトヲ、断チ切ルノカ?≫

続きまーす。

98ピーチ:2012/05/06(日) 16:30:37 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
偽墺のその言葉を聞いても、尭悸は表情を変えずに、きっぱりと言い放った。
「構わない」
≪!?≫
不意に、炎の中から凄まじい闘気が放たれた。
「『臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前』!!」
「へ?」
≪ナ・・・!?≫
「消え失せろ・・・この地に害を為すものよ・・・」
あまりに突然のことに、さすがの偽墺も抵抗できず、不気味な悲鳴を上げながら消えていった。
「・・・っ・・・!」
「お、おいっ!?」
いつの間に出てきたのか、明人が誠人の様子を見て、心配そうな声をあげた。
「あんまり無理すんな!!」
「大丈夫・・・」
「・・・誠人」
いきなり、尭悸が抑揚のない声で尋ねた。
「いつ、偽墺にあった?」
「・・・裕也が泊まりに来た時」
それを聞いた明人が、納得したような表情をした。
「そう言えば・・・あの後辺りからおかしくなったもんな、お前」
「・・・あの時、何かいきなり身体の自由が利かなくなってさ・・・」
明人と尭悸の顔色を伺いながら、誠人が小さく言った。尭悸ははぁ、とため息を吐き、少し語尾を強めながら言った。
「・・・とりあえず帰るぞ。お前そのままだと、その内倒れるだろうが?」
「・・・そんなつもり、ないんだけどなぁ・・・」
「そんなつもりはなくても、気付いたら倒れてんだよ。お前は」
「じゃあ・・・部屋に入るまでは倒れないようにするよ・・・」
その言葉を聞いた明人が、話に割って入った。
「それが一番厄介だ。お前鍵掛けるだろ?」
「・・・あ・・・」
「あ、じゃない。ったくよ・・・」
その後も、明人と尭悸はぶつぶつ文句を言いながら。誠人は黙ってそれを聞きながら、家まで帰った。

続きまーす。

99聖奈:2012/05/06(日) 21:36:48 HOST:p196.net220216001.tnc.ne.jp
話が進んで
ついていけん

100ピーチ:2012/05/06(日) 23:19:00 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖奈>>

ありゃりゃ・・・ゴメーン!前の話読んで、何とかついてきて!←無茶言うなww


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