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陰陽師 〜真実の能力〜

1ピーチ:2012/04/16(月) 18:53:41 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
こんにちは〜♪ピーチでーす
第二章目に入りました!
これからも応援お願いしまーす

69ピーチ:2012/05/02(水) 22:52:04 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

わーっ!!!久しぶりー!!

元気だったー?←こーゆー者を「アホ」といいますww

うん!頑張るにゃ☆

70Mako♪:2012/05/04(金) 02:33:18 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
スランプと書かれてたので、ちょっと心配です>.<
体には、気をつけてね!
もう1つ(?)のやつ面白いw
ファイトなのです!

71ピーチ:2012/05/04(金) 13:06:34 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

ありゃー・・・ブログの件??

面白いと言ってくれる人がいるだけで幸いなのじゃ〜ww

あ、サブ作れたー?←アホ。それどころじゃないww

72ピーチ:2012/05/04(金) 15:06:09 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「え?何だこれ?」
「あげる。それ、手首にでもつけてて」
「いや、だから・・・」
「数珠・・・みたいなもの」
誠人はそれだけ言うと、自分の席に着き、本を読み始めた。
「・・・あ・・・」
「どうした?」
誠人の声に、尭悸が尋ねる。
「・・・これ、俺見たことある・・・」
「・・・え?」
誠人が指したものを見て、尭悸は一瞬、パニックになりかけた。誠人が「見た」と言っているものは、誠人が誠秋の頃、要するに平安の世に暴れていた妖だったからだ。
「・・・どこでだろ・・・どっかで・・・」
「気のせいだ」
「え?」
誠人は、突然言った尭悸の「気のせい」の意味が理解できなかった。実際に見たからである。
「でも、俺実際・・・」
「気のせいだ、あまり深く考えるな」
誠人は、尭悸の言い方に不満を持ちながらも、納得することにした。
そして、一時間目、二時間目と過ぎていき、帰る頃には尭悸は明人の所へ向かった。
誠人に頼まれたからだ。尭悸からすれば、自分の主は誠人だけ。そして誠人は、帰る時は、たまに裕也が誘った時意外は基本的に一人だ。
「誠人ー!一緒帰ろーぜー」
「・・・あ。うん、いいよ」
小さく、薄い笑みを浮かべる誠人に、裕也は唐突に言ってきた。
「あのさ・・・今日泊めてくれないか?」
「え?」
「あー・・・父さん達とけんかしてから学校来たから・・・頼む!」
「・・・えーっと・・・父さん達がOKしたらいいけど・・・」
「・・・サンキュー」
誠人の家に着いた時、ちょうど明人も帰ったようで、玄関の前で偶然出くわした。
「あ」
とお互い同じことを口にしたが、明人は友達と何か約束があるようで急いでいた。誠人は裕也を連れて守人に訳を話し、裕也を泊めることになった。
「・・・何か悪いな」
「いいよ。だって俺も、泊めて貰ったしさ」
そう言いながら、誠人はどこかへ行く準備をしていた。
「どっか行くのか?」
「・・・ちょっと、見回りに」
「え?今の時間から?」
裕也は、分かっていたが思わず時計を見てしまった。時刻はまだ、五時を過ぎたばかりだったからだ。
「違う違う。今朝ちょっと、妖気感じたからさ」
簡単に見回ってくるだけ、と言って誠人はそのまま出かけていった。
「誠人ー!」
そう言いながら、誠人の頭目掛けて飛んでくる雑鬼達を簡単にかわし、そのまま歩みを続ける。
「むー・・・せっかく分かれて飛んでいったのに」
「何でよけられたんだぁ?」
「あのな・・・お前らの行動くらい、ある程度は予想できんの!」
「あ!だからか!」
「納得納得!」
「・・・お前らなぁ・・・」
誠人の拳が少し震えてきた時、ふっと誠人の影が、何かに隠された。
「・・・何だお前・・・」
後ろを向かず、静かな口調で言った。雑鬼達は、誠人の合図で戸惑いながらも逃げ出した。そして、ゆっくりと妖に向き直る。
≪・・・我ガ名ハ偽墺・・・≫
誠人は、自分の目の前にいる妖の言葉に耳を疑った。ぎおう。確かにそう言った。
≪・・・愚カナ者ダ・・・アノ者ヲ消シタイカ?≫
「・・・あの者?」
≪神蛇ト・・・天野 明人ダ≫
「ふざけんな。消したいなんて思わねぇよ」
反論の意見を聞いた偽墺は、その不気味な声を響かせながら誠人を制した。
≪怖ガルコトナドナイ・・・消スコトナド一瞬デ終ワル・・・≫
「う・・・るせぇ・・・」
≪ソレガ、オ前ノ中ニ眠ル感情ダ。オ前自身モ気付カナイホドノ・・・ナ・・・≫
偽墺は何がおかしいのか、先程からずっと笑っている。
「・・・何するつもりだ・・・!?」
≪オ前ノ考エテイルコトナド、スグニ分カル・・・≫
「・・・!?」
突然、誠人の頭が割れるように痛んだ。
「い・・・って・・・」
≪・・・力ヲ貸ソウカ?≫
力を貸す。偽墺のその言葉を聞いて、誠人の薄い青色の瞳が段々と濁っていくのが分かった―――。

続きまーす

73ピーチ:2012/05/04(金) 15:21:49 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
≪コノ釘ハ、絶対ニ誰ニモ見セルナ・・・詳シクハ、明日説明シテヤル・・・≫
誠人はその言葉に小さく頷き、偽墺の前から姿を消した。
誠人が家に着いて中に入った時、明人が顔を出した。
「・・・」
「あ、いた!お前、今までどこ行ってたんだよ?」
「・・・・・・関係ないだろ?」
「はぁ?」
「関係ないだろって言ってんの」
「・・・確かに、関係はないけど・・・」
「じゃあ関わんな」
それだけ言うと、誠人はすぐに自分の部屋に行き、鍵を掛けた。後ろを振り向くと、裕也が寝転んでいた。

続きまーす

74Mako♪:2012/05/04(金) 21:04:35 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
母さんはいいって言うんだけど、
父さんがね…
まあ、近々やるつもり♪
f i j h t!

75ピーチ:2012/05/04(金) 21:17:22 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

あー・・・お母さんよりお父さん厳しい家庭ww

うちは逆だなーww

76ピーチ:2012/05/04(金) 23:18:11 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「あ・・・」
「あ、お帰り」
「・・・うん」
あくまでもいつものように、誠人は薄い笑みを浮かべた。
「・・・何で鍵掛けたんだ?」
「ゴメン、いつもの癖でさ・・・一人になりたい時に掛ける癖があって」
「あ、俺邪魔?」
「いや、いいよ」
そう言って、誠人はくくっていた髪ゴムを外した。
「・・・お前さ、結構髪長いよな・・・」
「・・・・・・・・・え?何か言った?」
誠人は、まるで聞いてなかった、と言う風に答えた。
「いや、何でもない」
「・・・ならいいけど・・・」
と言った直後、明人が部屋のドアを軽く小突いた。
「裕也?いるか?」
「え?あぁ、いるけど?」
「ちょっと話があるんだ・・・出てこれる?」
「あぁ、分かった」
と答えながら、裕也は誠人の部屋を出て行った。静まり返った部屋から、ガラガラと言う音が、やけに大きく聞こえた。
「・・・七本、か・・・」
七本の釘。それを見たときから、誠人は大体の予想はついていた。だから、今こんな目に遭っているのだ。
「まっさとー!!」
「え?」
不意に、裕也の声が聞こえてきた。誠人はその声に動揺し、思わず釘を落としてしまった。
「あ・・・っ」
「え?」
「あ、ゴメン・・・開いてるよ?」
「あ、ほんとだ」
がちゃ、と音をさせ、裕也が部屋に入ってきた。
「鍵掛けた方がいい・・・か?」
「・・・うん、できれば」
「・・・お前、何隠したんだ?」
「え?」
誠人の返答に、裕也は目を見開きながら、
「誠人は普段、そこまで焦ることないからなぁ?」
と言った。
「いや・・・何も隠してなんか・・・」
誠人は誠人で、必死に言い訳をしている。
「そ、そう言えばさ・・・裕也、明日学校こっちから行くの?」
「え?あ、あぁ・・・それっきゃねーよなー・・・」
突然話題を変えられ、裕也もそれに乗せられてしまった。
「じゃあ、俺の方から言っておこうか?仲直りするように」
「いや・・・一日経ったら忘れるような記憶力の浅い人間だからよ・・・父さん」
「・・・そうなんだ・・・」
「だから明日になれば忘れてるよ、きっと」
「そっか・・・」
そう言いながら、誠人は時計を確認した。七時前になっていた。
「じゃあ俺、行ってくる」
「あ、あぁ・・・」
そう言って、誠人は部屋から出て行った。

続きまーす。

77ピーチ:2012/05/04(金) 23:46:40 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
誠人が外に出た時、尭悸も一緒についてきた。
「おい待てって!誠人!!」
「うるさい」
「え?
うるさい。そう言った時の誠人の目が、心なしか死んだ魚のような、虚ろな目に見えた。
「俺一人で何とかできるから。帰れよ」
「な・・・!?」
誠人は今まで、人に命令をしたことがない。「帰れよ」なんて言葉を使ったのは、今日が初めてだ。
「足手まといは、いらない」
足手まとい。その言葉を聞いた尭悸の頭の中で、何かがプツっと音を立てて切れた。気がした。
「足手まといで悪かったな!?俺からすれば、お前の方が足手まといだ!!」
「・・・不死身の生き物に、足手まといって言われるとは思わなかったな・・・」
「・・・え?」
「お前に何が分かるんだ?痛い。その感情だけで済んでるお前に?俺らみたいな変な力持った人間はな、下手したら一生、死と隣り合わせなんだぞ?尭悸みたいに不死身なわけでも何でもない。なのに、何で自ら危険を冒さないといけない?」
尭悸は、誠人の言葉をただ黙って聞いていた。誠人の言うことが正論だからだ。自分は、いつか死ぬわけでもない。あえて言うなら、神のその手にかかった時だろう。
「分かったなら、もう帰れよ」
静かな口調で言い放った誠人は、そのまま闇に姿を消した。
「・・・じょうがねぇな・・・」
小さく呟きながら、尭悸は一度家に戻った。妖気を背後に感じた誠人は、後ろに向き直り、一気に呪言を唱えた。
「『三つ時に溢れる闇色の空気よ・・・その色を天の色へと変えいけ』」
しかし、その術は勢いがついたまま誠人に向かって跳ね返った。術をもろに受けた誠人は大きく吹き飛ばされ、近くにあった木で背中を強く打った。誠人の術を跳ね返したのは、偽墺だった。
「いて・・・っ!」
≪良クバ死シル者ヨ・・・≫
偽墺は、その先を言わなかった。代わりに、違うことを言い出した。
≪何デ自分ダケ・・・ソウ思ッタダロウ?≫
「あぁ思ってるよ!何で・・・!?」
≪ダカラ、恨ミヲ晴ラセバイイ≫
そう言って、偽墺は先程渡した釘の説明を始めた。
≪マズアノ釘ハ、一夜ニ一本シカ打ッテハナラナイ・・・ソシテ絶対ニ誰ニモ見ラレテハナラナイ。分カッタナ?≫
「・・・分かった・・・」
そう言った時の誠人の目は、もう完全に誠人のものではなかった。他の何かに操られている。そんな瞳。

78麻琴:2012/05/05(土) 17:37:22 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
そっか。
今度ね、できたら、だけど、ここで小説書きたいな。
ピーチみたいな上手なのは無理だけどww
この前、間違ってた。
H I G H T ! !

79ピーチ:2012/05/05(土) 18:28:26 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

わわわっ!!あたしなんかで上手だったら、つっきーとかねこことかりんりんとかやばいよ!!

あたしはまだまだだよー!

80ピーチ:2012/05/05(土) 19:59:19 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
≪ナラバ、今スグ始メロ・・・≫
偽墺の命令通り、誠人はすぐに神社に移動し、誰もいないことを確認してから釘を打ち始めた。カーン、カーンと言う不気味な音が辺りに響き渡る。
≪・・・モウ、ソレクライデイイダロウ・・・今日ハ・・・ナ・・・≫
「・・・・・・」
全て偽墺の命令通りに動く誠人を見て、偽墺は口元を歪ませた。
≪今日ハモウ帰ッテヨイ・・・≫
そう言うと、自分はさっさと闇に姿を消した。それを見た誠人も、気配を殺し、自分の家に帰った。そして、部屋に入ったと同時に裕也に呼びかけられた。
「・・・誠人」
「・・・何?」
「お前、何か変だぞ?」
「・・・別に、何も変じゃないよ?」
「・・・ならいいけどな・・・」
「悪いけど、俺ちょっと寝るね」
時刻は、一時を回っていた。普通なら、裕也はもう寝ていてもおかしくない時間、いや、寝ていないとおかしい時間だ。
「え?あ、あぁ・・・悪い」
「いいよ、こっちこそゴメン・・・」
次の日、誠人はいつもより早く起き、朝食も食べずに家を出ようとした。明人はもちろん、まだ眠っている。
「あれ?誠人、どこ行くんだ?」
「え?」
よほど耳がいいのか。部屋を出ようとした時、裕也が目を覚ました。
「あ、いや・・・ちょっと早めに学校行こうかなって思って・・・」
「・・・俺も行こうかなぁ・・・」
ふわぁ、と眠そうに欠伸をしながら、裕也がぼそっと言った。
「・・・ほんとにまだ早いよ?」
「いーのいーの。俺、準備まだだし」
裕也の答えを聞いて、誠人ははぁ、とため息を吐き、
「分かった」
とだけ答えた。

続きまーす。

81聖奈:2012/05/05(土) 20:01:44 HOST:p160.net220148004.tnc.ne.jp
久々だー
来たよ。

82ピーチ:2012/05/05(土) 20:03:34 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖奈>>

おー!久しぶりー!!

もうすぐ三章目も終わるよー←何の宣伝だww

83ピーチ:2012/05/05(土) 20:05:49 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
*お知らせ*

もーすぐ第三章〜心の内にあるもの〜が終わるので、第四章に入る前に陰陽師の裏話を書こうと思いまーす。

84聖奈:2012/05/05(土) 20:28:59 HOST:p160.net220148004.tnc.ne.jp
そうなの
こない間に・・・
>ピーチ

85ピーチ:2012/05/05(土) 20:46:59 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「準備かんりょー!」
小声で叫ぶ裕也を横目で見ながら、誠人は
「じゃあ、行こうか?」
と尋ねた。
「あぁ・・・でもこんなに早く家出るの初めてだなぁ、俺」
「あ・・・そうなの?」
「いや・・・それが普通だと思うけど?」
裕也が、苦笑しながら言った。
「・・・そーなんだ」
ぼそっと呟く誠人を見て、裕也は
「まぁ、早く行こーぜー」
と軽く言った。
「あ、うん」
学校に着いてから、誠人はまず学校全体に結界を張った。学校全体と言うだけあって、かなりの時間を要した。その内、他の生徒が来る時間になって、明人達も登校してきた。
「あ、誠人!!お前何で・・・!?」
「早めに来ないといけなかったから」
誠人は短く返すと、そのまま逃げるように教室に入っていった。
「・・・ったく・・・」
「・・・どうしようもないだろうな」
「え・・・何?尭悸もあいつとけんかしたの!?」
「どーだろうな・・・あいつ、いきなり変わったからな」
「・・・え?」
明人には、尭悸の言う誠人が変わった、という意味が良く分からなかった。
「・・・一時的なものだろうな、あまり深く考えるな」
「・・・あぁ・・・」
その頃誠人は、表向きはいつもと変わらない自分を演じていた。が、内心はあの釘のことで頭がいっぱいだった。そんな誠人の心境を知らずして、のどかが声をかけてきた。
「ねぇ、天野君!」
「え?」
「あのさ・・・あたしたまに幽霊見たりすることあるんだけど・・・どうすればいいかな?」
「あぁ・・・」
そう呟いた後、誠人が裕也に渡したものと、ほぼ同じ数珠をのどかに渡した。
「それを肌身離さず持っててよ。それだけでも、効果はあると思うからさ」
「あ、うん!ありがとう!」
そう礼を言って、他の女子の所に行くのどかの背中をぼんやりと眺めながら、誠人はふっとあることを考えた。それは。
「・・・このクラスって髪長い人多いなぁ・・・」
そう思って、すぐにクラスの中で霊感のある人には、と数珠を渡して回った。こうしてれば、万が一危険なことに巻き込まれた時でも、自分の身を守ることはできる。
「そういえばさ、裕也」
「へ?」
「最近、家の周りに変わった様子ない?」
「あぁ・・・特にはな、お前のおかげで」
「そっか・・・良かったね」
そう言ってからも、授業は着々と進んで行き、帰宅の時間になった。
「じゃーな、誠人!昨日はありがとな!」
「・・・うん、じゃあね」
裕也の言葉に小さく返し、誠人はそのまま家に帰った。
「あ、お帰り。早かったんじゃない?」
そう言って迎えたのは、母の水希だった。
「・・・あれ?珍しいね、この時間に家にいるって」
「まぁ、たまには早く帰れるってことね」
水希は、いたずらっぽく笑みを浮かべて言った。
「それより、今日朝食食べずに行ったでしょ?朝くらいは食べていきなさい。分かった?」
「・・・分かった・・・」
参りました、とばかりに片手を挙げて、水希に精一杯の抵抗をする。水希は、天野家で一番口も気も強い。今まで、水希に口で勝てた者は誰一人としていないのだ。
「今“分かった”って言ったからね?」
「・・・忘れてなければ・・・ね」
小さく呟いただけのつもりが、水希の耳にはしっかり届いており、整った綺麗な顔をずいっと突き出して、
「今何て言ったのかなぁ?」
と問い詰められた。誠人は慌てて、
「あ、いや・・・その、最近食欲ないことあるからさ」
と誤魔化した。
「・・・嘘だったら承知しないわよ?」
「・・・分かってるって・・・」
水希は、普通にしてればか弱いような印象を与えるが、それはあくまで印象。その証拠として、今まで何度も家に入ってきた空き巣などを一人で袋叩きにしている。
そのような時の水希の口癖が、
「あー良かった、護身術身につけといて」
・・・なのだ。これにはさすがの明人も、舌を巻いていた。
「・・・じゃあ俺は・・・」
そう言いかけた誠人を遮り、水希が口を開いた。
「あ、それから・・・」
「え?」
「明人と尭悸が何か心配してたけど・・・何かあったの?」
水希の言葉を聞いて、少し動揺しながらも誠人は平静を装い、
「・・・何でもないよ」
と短く返し、そのまま小走りに部屋へと向かっていった。
しばらくして、明人達が帰ってきた。そして数秒後には、誠人の部屋の前に来て、ドアを軽く叩きながら呼びかけた。
「・・・なぁ、誠人?」
「悪いけど、今夜から見回りには行かないから」
「・・・え?」

続きまーす。

86聖奈:2012/05/05(土) 20:48:18 HOST:p160.net220148004.tnc.ne.jp
おもろい。
おもろい。
続きが・・・

87Mako♪:2012/05/05(土) 21:42:56 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
聖菜さん>
ですよね〜♪
更新、楽しみにしてます!

88ピーチ:2012/05/05(土) 23:00:52 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖奈>>

おー!!ありがとー!!

もーすぐ第三章終わるよーww

まこ>>

おーえんありがとー!!更新頑張るね!!

そんで、今度は第四章ー・・・の前に!

三章終わったら、陰陽師の裏話とか書くつもりなのだー!ww

89名無しさん:2012/05/05(土) 23:03:11 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
おもしろくない。おもしろくない。続きが・・・

90Mako♪:2012/05/06(日) 00:53:40 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
名無し>>
意味不。あやかしの方にも来てた奴?
面白くない?何が?続きって何?
マジで意味不。説明いらないですけど
説明してほしいくらいですね♪
ピーチ!気にせずに頑張ってね!

91ピーチ:2012/05/06(日) 08:53:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

サンキュー!!うん!まーったく気にしないから!!

・・・ほんとは昨日更新頑張ったんだけど・・・本文長すぎてエラーなっちゃったww

今日は頑張るから!!

92聖奈:2012/05/06(日) 11:17:29 HOST:p160.net220148004.tnc.ne.jp
きったよん。
おっはー

93ピーチ:2012/05/06(日) 12:22:57 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖奈>>

おっはーやっぴーww←意味分からんww

94ピーチ:2012/05/06(日) 12:42:21 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
誠人が見回りに行かないと言ってから、四日が経った。相変わらず、誠人と明人、尭悸の三人の間は厚い壁に妨げられているかのように、進展がなかった。
喧嘩をしたわけでもなければ誠人が元に戻ったわけでもない。それもそのはず。誠人は、偽墺の操り人形になってしまったのだから。誠人にかけられた、その糸を切り離さなければ、誠人が元に戻ることは、まずない。
「・・・」
誠人は、自分の部屋に鍵を掛け、窓を開けた。そして、そこから外に出て行く。その後で、いつもの場所へと向かう。そう。最近の“いつもの場所”と言うのは、雑鬼達のいる所ではなく、偽墺に連れてこられた神社だ。
「・・・今日で六本目・・・」
まるで、魂を抜かれたかのような言い方。それは、誠人を知る者なら、悲鳴を上げて逃げ出すものがいても、おかしくはないだろう。いつもなら澄んでいるその瞳は、闇の中で育ったかのような黒々とした濁った色に変わっていた。
しばらく、誠人が持ってきた釘を見据える。そしてやがて、カーン、カーンと言う不気味な後を響かせる・・・筈だった。
突如、誠人の背後でゴォッ、と音がした。驚いて振り返ると、そこには誠人の手に握られている釘を睨みつけている尭悸の姿があった。その後ろには、明人の姿も確認できた。
「・・・な・・・!?」
「燃やせ・・・あの釘全てを」
尭悸の命令に従い、尭悸の放った炎蛇は誠人が打ちつけた釘を、灰も残らず消し去った。
「・・・何でこんなことをした?」

続きまーす。

95Mako♪:2012/05/06(日) 13:00:04 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
おうっ!
ピーチ!良報だぜ!
パパが、サブ許してくれた!
条件付きだけど。
・宿題を終わらしてから。
・パソコンは1日1時間まで
・家のお手伝いは必須!
だよん。頑張るよ!ピーチの友だちになりたいしね♪ピーチも頑張って♪

96ピーチ:2012/05/06(日) 13:23:54 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

おうっ!←まねww

わーぃ♪やったぜぃっ!←アホww

頑張って!あたしも早く友達なりたーい!!

97ピーチ:2012/05/06(日) 16:15:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
尭悸が尋ねた言葉に対して、誠人の背後から返事が来た。
≪我ガ、ソノ者ノ恨ミヲ晴ラシテヤッタマデダ≫
「!?」
「・・・偽墺・・・!」
尭悸が苦々しくその名を吐き出した途端、偽墺が誠人にこう言った。
≪ホラ・・・オ前ガ一番恨ム者ガキタゾ・・・存分ニ暴レ回レ≫
その言葉を聞いて、誠人は勢い良く跳躍し、屋根の上で着地した。それを見た尭悸が、誠人と同じ所まで跳躍した。しかし、誠人の狙いが明人に向いたので、すぐに明人の所まで戻った。
「・・・誠人に、何をした?」
≪・・・アノ者ガ自ラ望ンダコトダ・・・我ハ何モシテイナイゾ?≫
その言葉を聞いた尭悸の炎が、一瞬にして変わった。今までオレンジ色だった炎が青になり、そして真っ白に。全てを飲み込む色へと変化した。
「ふざけるな・・・!今すぐ誠人を元に戻せ!!」
≪ダカラ、我ハ何モシテイナイ≫
今まで、尭悸だけを包んでいた闘気が、明人をも包みこんだ。最悪の場合のことを考えて、明人の周りに尭悸なりの結界を張ったのだ。
「・・・明人、絶対にこの中から出るな」
「・・・分かった」
明人の答えを聞いて、尭悸は誠人のいる場所に向かって、高く跳躍した。
「・・・邪魔スルナ・・・」
誠人の声なのに、喋り方が明らかに違う。
「やっと本性を現したな・・・」
そう言うが早いか。尭悸が、誠人の周りを激しい炎で取り囲んだ。その炎が段々と変化し、真っ白な大蛇になった。それを見た誠人が、正確には誠人に憑依した妖が焦って宙に浮いた。その途端、誠人が地面に向かって倒れ込んだ。
「あ・・・!?」
尭悸は、凄まじい闘気で妖をその場に拘束し、地面ぎりぎりの所まで落ちかけた誠人を、腕を掴んで持ち上げた。
「・・・さて、と・・・何で誠人に憑いた?」
誠人を明人に預け、尭悸は闘気で妖を威嚇しながら尋ねた。
≪・・・ソノ者ノ能力ハ最高ノモノ・・・主ニ捧ゲル贄ニ相応シイ・・・≫
「答えろ」
≪ソノ者・・・極上ノ力・・・≫
尭悸が何を言っても、妖はうわ言のように同じ言葉を言い続けているので、無駄なことだと判断し、尭悸の独断で焼き払った。
「次はお前だ・・・偽墺・・・」
現在、誠人は明人と共に炎の中に身を潜めているため、偽墺は二人に手出しはできない。
≪・・・愚カナ奴・・・コノ者ガ自ラ望ンダコトヲ、断チ切ルノカ?≫

続きまーす。

98ピーチ:2012/05/06(日) 16:30:37 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
偽墺のその言葉を聞いても、尭悸は表情を変えずに、きっぱりと言い放った。
「構わない」
≪!?≫
不意に、炎の中から凄まじい闘気が放たれた。
「『臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前』!!」
「へ?」
≪ナ・・・!?≫
「消え失せろ・・・この地に害を為すものよ・・・」
あまりに突然のことに、さすがの偽墺も抵抗できず、不気味な悲鳴を上げながら消えていった。
「・・・っ・・・!」
「お、おいっ!?」
いつの間に出てきたのか、明人が誠人の様子を見て、心配そうな声をあげた。
「あんまり無理すんな!!」
「大丈夫・・・」
「・・・誠人」
いきなり、尭悸が抑揚のない声で尋ねた。
「いつ、偽墺にあった?」
「・・・裕也が泊まりに来た時」
それを聞いた明人が、納得したような表情をした。
「そう言えば・・・あの後辺りからおかしくなったもんな、お前」
「・・・あの時、何かいきなり身体の自由が利かなくなってさ・・・」
明人と尭悸の顔色を伺いながら、誠人が小さく言った。尭悸ははぁ、とため息を吐き、少し語尾を強めながら言った。
「・・・とりあえず帰るぞ。お前そのままだと、その内倒れるだろうが?」
「・・・そんなつもり、ないんだけどなぁ・・・」
「そんなつもりはなくても、気付いたら倒れてんだよ。お前は」
「じゃあ・・・部屋に入るまでは倒れないようにするよ・・・」
その言葉を聞いた明人が、話に割って入った。
「それが一番厄介だ。お前鍵掛けるだろ?」
「・・・あ・・・」
「あ、じゃない。ったくよ・・・」
その後も、明人と尭悸はぶつぶつ文句を言いながら。誠人は黙ってそれを聞きながら、家まで帰った。

続きまーす。

99聖奈:2012/05/06(日) 21:36:48 HOST:p196.net220216001.tnc.ne.jp
話が進んで
ついていけん

100ピーチ:2012/05/06(日) 23:19:00 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
聖奈>>

ありゃりゃ・・・ゴメーン!前の話読んで、何とかついてきて!←無茶言うなww

101ピーチ:2012/05/07(月) 22:33:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「・・・鍵掛けるなよ・・・」
じとっと睨みつける尭悸を見て、誠人は苦笑しながら、
「大丈夫だよ・・・俺、今日は終わらせないといけないことがあるからさ・・・」
「終わらせないといけないこと?」
尭悸が聞き返すと、誠人はうん、と答え
「明日さ、寄せ書きの表を作ってくるのが宿題みたいになっててさ。裕也と俺が」
「・・・何で?」
「いや・・・理由は良く分かんないけど、暇そうに見えたんじゃない?」
「・・・」
あまりに適当すぎる誠人のクラスを思い浮かべて、明人と尭悸ははぁ・・・とため息を吐いた。
「・・・だったら、さっさと済ませて寝ろよ?」
「うん」
そう言って、尭悸は誠人の部屋を出た。が、やはり気になるのか、誠人の部屋のドアに背もたれていた。
「・・・戻るか」
そう呟いてドアから離れた瞬間、部屋の中からゴン、という鈍い音が聞こえた。まさか・・・と思いながらドアを開けると、尭悸の予想通り、誠人が机に突っ伏していた。
「・・・おい・・・」
誠人は、尭悸の呼びかけには答えず、小さな寝息を立てていた。まるで、もう大丈夫だとでも言うように。安心しきった表情で。
「・・・しょうがないなぁ・・・」
尭悸は、ぶつぶつ文句を言いながらも、誠人を担ぎ上げ、そのままベッドの所で無造作に投げ捨てるように転がした。
次の日、誠人が水希に言われて明人の部屋へ行った時、既に尭悸が明人の頬を叩いていた。
「お、誠人。おはよーさん」
「あ・・・おはよ」
「なぁ誠人?お前の弟何とかしてくれよぉ?」
「・・・弟って言われても」
苦笑しながらも、誠人は明人の耳元で何かを呟いていた。その直後、明人がベッドから跳ね起き、誠人と明人が、見事に交通事故を起こした。
「・・・だいじょーぶかー?」
尭悸は知らん顔を決め込んだ。どうせそろそろ・・・。
「尭悸!!何で起こしてくれなかったんだよ!?」
ほら来た。そう思いながらも、尭悸は飄々と、
「起こしても起こしても起きないお前が悪い」
と言い返した。
「・・・とりあえずさ、準備したら?」
「・・・え?あーっ!まずい!!」
誠人の言葉で、とりあえず準備を始めた明人を見て、尭悸は呆れたように言った。
「全く・・・少しは自分で起きよう、ぐらいの努力をしてみたらどうだ!いつもいつも誠人に起こされるんじゃなくて!」
「努力はしてるよ!ただ、実を結ばないだけで・・・」
「だから進展がないんだよ、お前は!」
「うるせー!!」
朝っぱらから元気良く舌戦を始める明人と尭悸を見て、誠人は小さくため息を吐いた・・・。

続きまーす。

102ピーチ:2012/05/07(月) 22:52:19 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「行ってきます」
「行ってきま〜す」
誠人と明人が、同じタイミングで言った。
「あ、おはよう」
外に出た途端に、明菜が声をかける。
「オース」
「・・・おはよう」
明人は暢気に答えるものの、誠人は誠人は無意識の内に辺りを見回す。
「・・・どうしたの?」
明菜が、心配そうに誠人の顔を覗き込んだ。
「え?」
「何か・・・顔色悪くない?」
誠人は慌ててそれを否定して、先に行くといい、そのまま駆けていった。
「あたし・・・何か余計なこと言った?」
「いや?それはないけど・・・」
「まぁ確かに、顔色は悪かったな」
少し心配そうな表情になる尭悸を見て、明人は、
「・・・あいつのことだから、簡単には言わないと思うぜ?」
と言った。
「・・・あんまり酷かったら、家に帰らせる」
尭悸はそう言って、誠人の後を追っていった。
「あー・・・何か心配・・・」
明人のその言葉を聞いて、明菜が、
「家族思い?」
と微笑みながら聞いた。
「いや・・・あいつは特別、無茶が過ぎるんだよ」
「そう・・・」
一方、誠人は明菜に指摘されたことに対して、顔色悪いのかな・・・と思案する。そこに、ちょうど尭悸が追いついてきた。
「まーさーとぉー・・・何で俺を置いていく!?」
「あ・・・ゴメン」
そう言って謝る誠人の背後から、元気のいい裕也の声が聞こえてきた。
「まっさとー!!」
「・・・!!」
裕也の声が、頭の中で何度も反響しているかのように誠人の頭に響いた。
「・・・大丈夫か?」
「・・・大丈夫」
尭悸は、誠人の“大丈夫”を信頼していない。現に、今の“大丈夫”は明らかな嘘である。
「あんまり酷かったら、明人達呼んで保健室連れて行くぞ・・・」
「何もそこまでしなくても・・・」
「いーや、お前にはそこまでしないとダメ」
尭悸の言い方に、誠人の顔から思わず苦笑がこぼれた。
「・・・ま、本当に酷く見えたら、言ってよ」
「当たり前だ」
尭悸の見事な即答に、これまた苦笑しかできない誠人だった。

続きまーす。

103ピーチ:2012/05/07(月) 23:29:29 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「あ、そー言えば誠人・・・表作ってきた?」
「え?あぁ・・・作ってきたけど?」
裕也は、誠人の答えを聞いて、こう言った。
「俺も一応作ってはきたけどさ・・・こんなのでいいのか?」
裕也が見せたのは、紙に縦線や横線を引いただけの表だった。
「いいんじゃない?俺もそんな感じだよ?」
誠人は、裕也の表に比べて少しスペースが小さいだけだった。
「・・・細かいな・・・」
「え?何で?」
誠人本人は、長さを測って線を引いただけの表だった。
「まぁ、俺も長さは測ったけど・・・ほとんど適当だしな」
「へぇ・・・」
そんな話をしていると、尭悸が話に割って入った。
「誠人、お前やっぱい図書室行け」
「え?あ、いや・・・大丈夫だよ」
「え?どーした?」
尭悸の姿が見えない裕也は、首を傾げながら尋ねた。そしてその後、思い出したように言った。
「あ、もしかしてあの・・・何だっけ?誠人が前世から一緒にいる奴?」
「あ・・・まぁね・・・」
誠人は苦笑しながら答えた。そして、気付いたら尭悸の姿が見えなくなっていた。
「あ、あれ?」
そう言いながら辺りを見回すと、ドアの所から明人と明菜が顔を覗かせた。
「誠人ー!」
「・・・何でしょうか?」
「ほら、行くぞ」
「いや、だから大丈夫だって・・・うわっ!」
いきなり明人と明菜に腕を引っ張られ、誠人はバランスを崩した。
結局、二人に腕を引っ張られながら、誠人は保健室まで引きずられていった。
「架野橋先生・・・います?」
明菜が先に中に入り、その後に明人が誠人を引っ張りながら続いていく。
明菜は、保健室の中で架野橋と話をしていた。架野橋 なぎさ(かのはし なぎさ)。保健室教師だ。
「はい」
「へ?」
「体温計。熱測って」
「・・・明菜、ほんとに大丈夫だから・・・」
「いいから」
頑として譲らない明菜に折れて、誠人が体温計に手を伸ばした。
「・・・六度七分・・・」
誠人の言葉に、全員が目を見張った。そんなに低いわけがないのだ。
「だから大丈夫だって、俺言ったよ?」
もう戻るから、と言って誠人は教室に戻って行った。
「・・・何でだろう」
「あいつのことだから・・・また何かしたんじゃねぇの?」
疑問に思いながらも、明人達も教室まで駆けて行った。
「あ、誠人大丈夫か?」
「大丈夫、熱もなかったし」
その時、ちょうどチャイムが鳴った。五時間目の始まりのチャイムだ。
「あ・・・じゃあな!」
「うん」
裕也の席と誠人の席は、結構離れている。よく裕也が誠人の所に来るので、その時に限り裕也が席に着くのが遅くなる。
「・・・尭悸」
「何だ?」
「あのさぁ・・・邪魔なんだけど」
尭悸は今、誠人の机の上で大の字になっている。それを見た誠人は小声で、しかしはっきり言うと、尭悸は悪い、と言いながらその場をどいた。
その内、五時間目までが終わり全員が一気に鞄を掴み、一斉にドアの所まで走り出す。
誠人のクラスは、基本的に“帰りの会”というものが存在しない。たまに、担任の気が向いた時だけ“帰りの会”というものが存在するのだ。あくまで誠人のクラスは、だが。
「誠人ー、一緒帰ろーぜー」
「あ、うん」
「・・・誠人、今日は早めに帰れ」
「はい?」
「帰ってから、もう一回熱測れ」
「・・・大丈夫だったよ?」
誠人の反論に、尭悸は厳しく言い放った。
「お前は何しかけたか分からないからな」
「・・・・・・・・・・・・」
ただただ苦笑するばかりの誠人に、裕也が尋ねた。
「どーした?」
「・・・あ、いや、何でもない」
帰ろう、と早足で歩き出す誠人を追いながら、裕也は無意識に疑問を口にしていた。
「・・・何かあったのか?」

続きまーす。

104ピーチ:2012/05/07(月) 23:50:20 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「ううん、ただ早めに帰って熱測れぅって言われて・・・」
「へ〜・・・って、じゃあ俺、邪魔してるってこと?」
「・・・いや、大丈夫だよ。どうせ夜には外出回ってるんだからさ」
「・・・あ、そう」
半分呆れた口調で返す裕也を見て、誠人はわけが分からずに、でもそのまま帰った。
「・・・誠人、そこ動くなよ」
「・・・はい・・・」
まるで、いたずらをした子供に対する言い方だ。誠人は内心、そう思った。
その内、明人が体温計を持ってきて、測るように促した。
「九度八分だとぉ!?」
見せるのを嫌がっていた誠人から、強引に体温計を奪って確認した明人が声を張り上げた。それを聞いた尭悸や守人、水希までもが目を見開いた。
「・・・誠人、寝てなさい」
水希が、静かな口調で命令した。
「いや、でも・・・」
「分かった?」
「・・・はい」
やはり、口では勝てないと判断したのか。誠人は抵抗を止め、大人しく部屋へ向かった。
「・・・やっぱり口では勝てないな。お前には」
守人が、静かに呟いた。
「まぁね、一応子供の頃からだもん」
そう言いながら、少し舌を出す水希を見て、尭悸と明人は
・・・どれだけ強かったんだ・・・
と思った。
「まぁ、それは置いといて・・・」
尭悸が、守人に誠人が部屋から逃げ出さないようにしてくれと言った。
「部屋から?」
「あぁ・・・あいつ一時期、自分の部屋の窓から外に出てたんだぞ?」
「・・・部屋の窓?」
「あぁ。ま、こんな時にそんなことができるわけないとは思うけどな・・・」
尭悸は、語尾を濁しながらも誠秋の生まれ変わりだと言うことを強調しようとしていた。
「・・・まぁな」
尭悸の言いたいことが分かって、守人も段々心配になってきたのか、たまに部屋にいるかだけ確認することになった。
「よし、行くぞ明人」
「え?もう行くの!?」
「あいつは行動が早いからな・・・お前と違って」
「・・・うるせー」
少し不貞腐れた明人を横目で見て、尭悸は笑いを堪えながらさっさと歩き出した。
「あ、おいっ!ちょっと待てよ!」
明人は喚きながら尭悸の後を追った。

陰陽師 〜心の内にあるもの〜  終わり

105Mako♪:2012/05/08(火) 23:04:46 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
おりょ。100、おめでとう!
心の内にあるものも終わったね♪
頑張って!そうそう、サブ作ったから
申請出しとくね♪明日ぐらいには…

106ピーチ:2012/05/09(水) 00:58:55 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

おー!!サンキュー!←いろんな意味でww

うn。心の内にあるもの終わったから次は登場人物か裏話書くww

107白鳥夕:2012/05/10(木) 11:16:11 HOST:248.237.accsnet.ne.jp
登場人物,新入りでふ。
春名真子
朝日大悟

108白鳥夕:2012/05/10(木) 20:33:02 HOST:248.237.accsnet.ne.jp
ごめんなさい間違えておじゃましてしまいました。

109ピーチ:2012/05/11(金) 17:17:20 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
     陰陽師 裏話
「こんにちは、今辺 明菜です」
「こらー!!明菜、一番最初をちゃっかり奪うなー!!」
「え?だってずっと喧嘩してたでしょ?明人と霊尾で」
「い、いや・・・それは霊尾が悪いわけで・・・」
「人のせいにばっかりしてたら、将来苦労するよ?」
「う・・・っ」
「・・・ところで、この話の主人公って誠人だよね?」
「え?あぁ」
「じゃあ、普通は主役を最初に持ってくるもんじゃない?」
「あー・・・あいつは・・・」
「また余計な事に首突っ込んで怪我してる」
「あ、あれ?尭悸?」
「怪我って程の怪我じゃないけどね・・・」
「お、前・・・」
「・・・それの、どこが怪我じゃないの?」
「そう思うだろ?こいつ、事もあろうに、また得体の知れない妖相手に刀印結んで・・・」
「・・・それ以上は言わなくていいから・・・」
「だったら自分で言え」
「・・・え・・・」
「ほら、言えないだろ?得体の知れない妖に刀印結んで跳ね返されて、それにプラスされてその妖に殺されかけてんの」
「・・・天石のお陰で助かったけどね・・・」
「そーゆー問題じゃないっ!」
「・・・あのさ、みんな揃ったから始めよう?」
「え?何を?」
「・・・お前、頭打ったか?」
「打ってない」
「忙しすぎて忘れてるんだよ、仕方ないだろ」
「・・・何が?」
「今日、『陰陽師』の人物紹介とかキャラ設定とか、要するに『陰陽師』の裏話をするって言ったよ?」
「あ・・・・・・今日だったんだ」
「・・・まぁ、思い出したなら、始めようか」
「まずは題名ですが・・・これはいい題名が浮かばず、『陰陽師』の後にいろいろつければいーかと思ってつけた題名らしいです」
「え?」
「・・・要するに、適当なんだ・・・」
「さぁ?あたしに聞かないでよ。書いてあるままを読んだだけなんだから」
「・・・・・・」
「次にキャラクター設定の・・・あ、おいっ!明菜!!」
「・・・はい、誠人」
「え?俺?」
「当たり前でしょ?主人公なんだから」
「いや・・・それとこれとは話が別なんじゃ・・・」
「いいから。早くして」
「誰から?」
「当然。誠人から」
「・・・やっぱりそうなる?」
「うん」
「・・・まずは、俺の設定が・・・ねぇ」
「ん?」
「・・・・・・俺って優しい性格?」
「あー・・・優しいって言ったら優しいけど・・・」
「今の俺の設定を要約すると、『優しくて誰かが傷つくことを嫌っている』なんだよねぇ・・・」
「まぁ、確かに」
「傷つくことを嫌うのは、極端すぎるけどな」
「で、最初の設定を要約すると、『常に感情を剥き出しにしてて近寄りがたい雰囲気がある』だったらしいよ」
「・・・今の誠人で良かったな・・・」
「あぁ・・・」
「で、いろいろ考えた末、『家族の中で一番優しくて、明人に簡単に言い包められる』も、今の俺の設定だって」
「・・・その通り」
「うるせー・・・」
「で、次に明人の設定を要約したのが『自分勝手な誠人に振り回される』存在として使われてるらしいよ」
「確かに。良く振り回されてるな」
「で、その明人の最初に設定が『霊や妖が一切視えない』」
「・・・俺、視えないとかって嫌だぞ・・・」
「次が尭悸。設定が『神蛇の中で一番戦闘能力に優れている』」
「確かに・・・誠人が危ない所をいつも助けてるよな」
「それが俺の仕事だからな」
「・・・で、最初の設定が『明人と仲が悪く、対立ばかりしていた』」
「・・・つくづく今の設定に感謝する」
「俺も」
「次に秋菜・・・よりも、先に霊尾行っていい?」
「うん、いいよ」
「霊尾の今の設定が『尭悸・屋代に次ぐ力を持っている』とか『人の体調変化にすぐ気付く』」
「まぁ確かに、俺や屋代と近いな」
「誠人の体調にもすぐ気付いたしなー」
「・・・それは言う必要ない」
「まぁまぁ、それは分かったから続けて?」
「え・・・っと、最初の設定が『必要最低限の言葉以外は発さない』」
「まぁ、冷静なんだな。霊尾は」
「それから明菜。今の設定と最初の設定が全く変わらず、『髪が長くて視えないものを見る力を持った少女』」
「・・・視えないものって・・・」
「設定を帰る必要がないくらいキャラがはっきりしてたんだね、きっと」
「だろーな」
「父さん達は・・・時間がない上に長引きそうなので止めるらしいよ・・・」
「・・・随分と勝手な作者だなぁ・・・」
「まぁ・・・設定も変わってないらしいし・・・」
「・・・そーゆー問題か?」

今回はキャラ設定だけでーす。今度は人物紹介♪

110ピーチ:2012/05/14(月) 00:02:37 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
        陰陽師 裏話(2)
「次が・・・登場人物」
「勝手に話進めるな」
「まずは、明・・・」
「誠人から」
「・・・俺は最初の内はずっと誠秋が憑依したままでいーか、って言う軽い考えもあったらしいけど・・・」
「・・・けど?」
「それじゃあ俺に負担がかかるから、自分の意志で動けるキャラにしたらしい」
「とんでもねぇ作者・・・」
「で、次が明人。明人は基本、陰陽術が使えなかったらしいよ」
「はぁ!?何で!?」
「いや、何か最初の内にさ。俺が誠秋だって気付いてなかった頃、『明人はテキトーに誠人の身代わりにしてればいーか』と思ったらしい」
「・・・何が『いーか』なの・・・?」
「・・・俺もよくわかんない」
「ちょっと待て!俺なに?俺お払い箱!?」
「次は―――天石、水雷、ちょっと席外して貰える?」
「何で?」
「いや・・・ちょっと・・・」
「やだ。面白そうだから」
「・・・・・・・・・・・・天石と水雷は、最初存在していませんでした。って書いてあるけど・・・」
「・・・話せ明人、作者を火炙りにしてやる・・・!」
「だめだっつーの!」
「・・・所で誠人、お前さっきから何見てる?」
「え?あぁ、これ?」
「あぁ」
「何か・・・『陰陽師』の裏話とか書いてある紙。作者が落としたのを、明菜が拾ったって」
「・・・なるほどな」
「それと・・・今だから言うけど」
「・・・何か誠人、小声になってない?」
「・・・・・・神蛇全員、最初は存在してなかったらしいよ・・・」
「・・・え?」
「何だとーーーー!?」
「え・・・うわっ!?」
「ちょっと誠人、それどーゆー意味!?」
「む、夢幻!?鎖縛まで・・・」
「・・・ってことは・・・」
「もちろん、俺達もいるけど?」
「・・・やっぱり」
「・・・明人、明菜」
「・・・何?
「今すぐ止めて逃げる?これ続けてたら、その内反感買いそうで怖いんだけど・・・」
「あたしはあの目の方が怖いけど・・・」
「・・・・・・続けろと?」
「って事じゃない?」
「あのね・・・明菜」
「何?」
「明菜は反感買うことないからだけど・・・俺は後が怖い」
「陰陽師が何言うかーーーー!!!」
「・・・俺、嫌われてんのかな・・・」
「ちょっと、明人?誠人が拗ねるから・・・黙って?」
「俺騒いでねーーーし!!」
「いいから。とにかく黙ってて」
「・・・尭悸、屋代達黙らせてくれ・・・」
「今やってる」
「あ、でも・・・最初は明人の前世の義明とか、父さんの前世の守秋も存在しなかったらしいよ?」
「・・・マジかよ」

続きはまた書きまーす。

111ピーチ:2012/05/14(月) 00:19:46 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
第四章目スタート!(次の行から)
        陰陽師 〜最高の器〜
「あれ?どうしたの?」
誠人の部屋に行くと、誠人は布団の中で本を読んでいた。
「・・・お前さ、熱あるときくらい休んだらどうだ?」
尭悸の言葉を聞いて、誠人は冗談じゃない、とでも言うかのように顔の前で手をひらひらさせた。
「熱あるから休め・・・じゃないよ、俺いつもが手抜きだし」
これを言い出したら、誠人は何を言っても違うの一点張りになる。それを承知済みの尭悸は、呆れたようなため息を吐いた。
「・・・絶対に部屋から出るなよ?」
と言う明人に、尭悸は、
「いや、家から一歩も出るな」
と言い被せた。
「・・・分かった」
諦めたように小さく返事をする誠人の答えを聞いて、明人と尭悸は部屋を出て行った。それを確認した誠人は、棚の中から一枚だけ、式紙を取り出した。
「・・・い・・・」
「忘れてた」
唐突に、尭悸が部屋のドアを開けた。誠人は誠人で、全身を硬直させた。その時、式紙が、手から滑り落ちた。
「・・・これすんなって言いに来たんだよ・・・」
「・・・・・・えーっと・・・」
「神蛇の能力見くびるなよ?これ位はすぐ見つけ出せるんだからな」
「・・・はい」
誠人は、これ以上尭悸を怒らせないため、素直に返事をした。
しばらくして、誠人に急に睡魔が圧し掛かってきた。そして気付いたらそのまま眠っていた。

続きまーす。

112ピーチ:2012/05/15(火) 23:33:48 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「・・・あれ?」
誠人が起きたとき、真っ先に視界に入ったものは。見渡す限りの闇。その闇の中から、どんな生き物とも取れない妖の鳴き声が、耳からではなく、直接頭に響いてくる。
≪見ツケタゾ・・・天野 誠秋・・・!≫
「・・・え?」
誠人が言葉を発する前に、誠人目掛けて、妖が飛び掛ってきた。咄嗟に両手を組み合わせようとした時、妖が笑みを堪えながら口を開いた。
≪我ノコトヲ忘レタノカ?≫
その言葉が、誠人の頭にこびりついて離れない。
≪ナラバ仕方ガナイ・・・≫
コノ場デ力尽キヨ・・・その言葉を最後に、また違う声が聞こえてきた。
「・・・と・・・誠人!!」
「おいっ!起きろ!」
「・・・え?あれ・・・!?」
「あれ、じゃない!どうした!?」
「は?」
突然のことで、何を言われているのか全く分からない誠人の頭の上に“?”のマークが浮遊していた。
「・・・もういい・・・誠人、お前今日学校休めよ」
「え?何で?」
「まだ熱あるだろーが!」
明人の見事な即答に、誠人は一瞬、自分が風邪を引いていることを忘れていた、と思った。
「・・・あ」
「ってな訳で、お前は学校休み」
「あ、いや・・・ちょっと待ってよ」
「・・・もう、守人が学校に連絡入れたぞ?」
尭悸の、遠慮がちな声を聞いた誠人が、とってもゆっくりとした動作で尭悸の方を向く。
「・・・冗談?」
「ほんと」
「・・・」
「あ、じゃあ俺行ってくるから」
「・・・・・・行ってらっしゃい」
明人は部屋を出て行ったが、尭悸は一向に部屋を出ようとしない。

続きまーす。

113桐秦夕葉:2012/05/16(水) 09:55:01 HOST:248.237.accsnet.ne.jp
こんにちは この間までは白鳥夕だったんですが何となく名前をみました。たまに作り使っています。そうそう, 陰陽師 〜真実の能力〜おもしろいです。と言ってもまだまだ読みと途中なのですが…
これからも応援してますよ。

114ピーチ:2012/05/17(木) 22:15:28 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
桐奏夕葉さん>>

おぅっ!サンキュー!←アホww

うn。まぁ、更新も頑張るわぃ!←変な言葉は使っちゃいけませんww

115Mako♪:2012/05/18(金) 20:53:30 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
ははっwww!
ピーチ最近、更新しないから、何かあったんかと思った。
頑張ってね!
そういえばねぇ、明日、中体練っていう試合があるんだー。頑張ってきます。だから、ピーチも頑張ってね!

116ピーチ:2012/05/18(金) 22:00:10 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

えっ!中体連!?早くない!?まぁ、頑張れ!

ってか何部?←100%文化系じゃない・・・?

あ、更新ね・・・。最近暇がないというか面倒くさいと称するか・・・

まぁ、こーしんもっと頑張りますww

それとさー、今度暇な時にピグで会わない?

117Mako♪:2012/05/19(土) 00:13:35 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
ん。Ok!
ウチも最近パソコンする暇がなくて、全然できないみたいな!?
後ねぇ、まこはねぇ、女子バスケ部だよん♪
じゃあ、頑張ってな!

118ピーチ:2012/05/19(土) 13:02:58 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
まこ>>

うん、じゃあ今度暇な時ねーww

ちなみにあたしは美術だよーww←いらん説明するな。


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