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陰陽師 〜真実の能力〜
77
:
ピーチ
:2012/05/04(金) 23:46:40 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
誠人が外に出た時、尭悸も一緒についてきた。
「おい待てって!誠人!!」
「うるさい」
「え?
うるさい。そう言った時の誠人の目が、心なしか死んだ魚のような、虚ろな目に見えた。
「俺一人で何とかできるから。帰れよ」
「な・・・!?」
誠人は今まで、人に命令をしたことがない。「帰れよ」なんて言葉を使ったのは、今日が初めてだ。
「足手まといは、いらない」
足手まとい。その言葉を聞いた尭悸の頭の中で、何かがプツっと音を立てて切れた。気がした。
「足手まといで悪かったな!?俺からすれば、お前の方が足手まといだ!!」
「・・・不死身の生き物に、足手まといって言われるとは思わなかったな・・・」
「・・・え?」
「お前に何が分かるんだ?痛い。その感情だけで済んでるお前に?俺らみたいな変な力持った人間はな、下手したら一生、死と隣り合わせなんだぞ?尭悸みたいに不死身なわけでも何でもない。なのに、何で自ら危険を冒さないといけない?」
尭悸は、誠人の言葉をただ黙って聞いていた。誠人の言うことが正論だからだ。自分は、いつか死ぬわけでもない。あえて言うなら、神のその手にかかった時だろう。
「分かったなら、もう帰れよ」
静かな口調で言い放った誠人は、そのまま闇に姿を消した。
「・・・じょうがねぇな・・・」
小さく呟きながら、尭悸は一度家に戻った。妖気を背後に感じた誠人は、後ろに向き直り、一気に呪言を唱えた。
「『三つ時に溢れる闇色の空気よ・・・その色を天の色へと変えいけ』」
しかし、その術は勢いがついたまま誠人に向かって跳ね返った。術をもろに受けた誠人は大きく吹き飛ばされ、近くにあった木で背中を強く打った。誠人の術を跳ね返したのは、偽墺だった。
「いて・・・っ!」
≪良クバ死シル者ヨ・・・≫
偽墺は、その先を言わなかった。代わりに、違うことを言い出した。
≪何デ自分ダケ・・・ソウ思ッタダロウ?≫
「あぁ思ってるよ!何で・・・!?」
≪ダカラ、恨ミヲ晴ラセバイイ≫
そう言って、偽墺は先程渡した釘の説明を始めた。
≪マズアノ釘ハ、一夜ニ一本シカ打ッテハナラナイ・・・ソシテ絶対ニ誰ニモ見ラレテハナラナイ。分カッタナ?≫
「・・・分かった・・・」
そう言った時の誠人の目は、もう完全に誠人のものではなかった。他の何かに操られている。そんな瞳。
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