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陰陽師 〜真実の能力〜
72
:
ピーチ
:2012/05/04(金) 15:06:09 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「え?何だこれ?」
「あげる。それ、手首にでもつけてて」
「いや、だから・・・」
「数珠・・・みたいなもの」
誠人はそれだけ言うと、自分の席に着き、本を読み始めた。
「・・・あ・・・」
「どうした?」
誠人の声に、尭悸が尋ねる。
「・・・これ、俺見たことある・・・」
「・・・え?」
誠人が指したものを見て、尭悸は一瞬、パニックになりかけた。誠人が「見た」と言っているものは、誠人が誠秋の頃、要するに平安の世に暴れていた妖だったからだ。
「・・・どこでだろ・・・どっかで・・・」
「気のせいだ」
「え?」
誠人は、突然言った尭悸の「気のせい」の意味が理解できなかった。実際に見たからである。
「でも、俺実際・・・」
「気のせいだ、あまり深く考えるな」
誠人は、尭悸の言い方に不満を持ちながらも、納得することにした。
そして、一時間目、二時間目と過ぎていき、帰る頃には尭悸は明人の所へ向かった。
誠人に頼まれたからだ。尭悸からすれば、自分の主は誠人だけ。そして誠人は、帰る時は、たまに裕也が誘った時意外は基本的に一人だ。
「誠人ー!一緒帰ろーぜー」
「・・・あ。うん、いいよ」
小さく、薄い笑みを浮かべる誠人に、裕也は唐突に言ってきた。
「あのさ・・・今日泊めてくれないか?」
「え?」
「あー・・・父さん達とけんかしてから学校来たから・・・頼む!」
「・・・えーっと・・・父さん達がOKしたらいいけど・・・」
「・・・サンキュー」
誠人の家に着いた時、ちょうど明人も帰ったようで、玄関の前で偶然出くわした。
「あ」
とお互い同じことを口にしたが、明人は友達と何か約束があるようで急いでいた。誠人は裕也を連れて守人に訳を話し、裕也を泊めることになった。
「・・・何か悪いな」
「いいよ。だって俺も、泊めて貰ったしさ」
そう言いながら、誠人はどこかへ行く準備をしていた。
「どっか行くのか?」
「・・・ちょっと、見回りに」
「え?今の時間から?」
裕也は、分かっていたが思わず時計を見てしまった。時刻はまだ、五時を過ぎたばかりだったからだ。
「違う違う。今朝ちょっと、妖気感じたからさ」
簡単に見回ってくるだけ、と言って誠人はそのまま出かけていった。
「誠人ー!」
そう言いながら、誠人の頭目掛けて飛んでくる雑鬼達を簡単にかわし、そのまま歩みを続ける。
「むー・・・せっかく分かれて飛んでいったのに」
「何でよけられたんだぁ?」
「あのな・・・お前らの行動くらい、ある程度は予想できんの!」
「あ!だからか!」
「納得納得!」
「・・・お前らなぁ・・・」
誠人の拳が少し震えてきた時、ふっと誠人の影が、何かに隠された。
「・・・何だお前・・・」
後ろを向かず、静かな口調で言った。雑鬼達は、誠人の合図で戸惑いながらも逃げ出した。そして、ゆっくりと妖に向き直る。
≪・・・我ガ名ハ偽墺・・・≫
誠人は、自分の目の前にいる妖の言葉に耳を疑った。ぎおう。確かにそう言った。
≪・・・愚カナ者ダ・・・アノ者ヲ消シタイカ?≫
「・・・あの者?」
≪神蛇ト・・・天野 明人ダ≫
「ふざけんな。消したいなんて思わねぇよ」
反論の意見を聞いた偽墺は、その不気味な声を響かせながら誠人を制した。
≪怖ガルコトナドナイ・・・消スコトナド一瞬デ終ワル・・・≫
「う・・・るせぇ・・・」
≪ソレガ、オ前ノ中ニ眠ル感情ダ。オ前自身モ気付カナイホドノ・・・ナ・・・≫
偽墺は何がおかしいのか、先程からずっと笑っている。
「・・・何するつもりだ・・・!?」
≪オ前ノ考エテイルコトナド、スグニ分カル・・・≫
「・・・!?」
突然、誠人の頭が割れるように痛んだ。
「い・・・って・・・」
≪・・・力ヲ貸ソウカ?≫
力を貸す。偽墺のその言葉を聞いて、誠人の薄い青色の瞳が段々と濁っていくのが分かった―――。
続きまーす
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