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【デルタフォース】クラスの三バカの日常Part5

1Ψ:2011/02/05(土) 22:54:39 ID:7MRi28Lg
「クラスの三バカ」こと上条当麻、青髪ピアス、土御門元春、並びに途中でできたバカップル【例:上条×ミサカ・土御門×白雪・青髪ピアス×白井・一方通行×打ち止め 等】はもちろんクラスメートや先生達、常盤台の生徒やオリジナルキャラも登場可能なリレー形式で学園都市や魔術世界の日常をどんどん書いていくスレです。ギャグ中心でシリアスは控えめに。雑談も控えめに。

初心者大歓迎です。

次スレは>>970 の人が建てること。(無理な場合は新しい番号指定お願いします。)

Part1↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1210612236/

Part2↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1262012651/

Part3↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1266059443/

Part4↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1273412014/

まとめwiki↓(2月5日現在、停止中)
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/14.html

2:2011/02/23(水) 20:35:21 ID:.Oa7DcSA
Ψさん
意味が分かりさせんよ。
表では生きていることにしつつ
裏では死んだことになっていて
その実生きているなんて。

3Ψ:2011/02/23(水) 21:07:58 ID:soupKMUE
☆さん
いや、学園都市ならしかねないでしょ。
そもそも生きているなら学園都市が知らない訳ないし。
まぁ、外伝なのでその辺は☆さんに任せますが。

4:2011/02/24(木) 09:23:49 ID:GADdaATw
いやだから、実は生きていることを極秘にして
『グループ』『アイテム』といった面々や表の人達には
「第1位との戦いで死んだ」ってことで済ませたとか。

5:2011/02/24(木) 09:28:32 ID:GADdaATw
ちがった。
彼を極秘に『封印』して、(なにしろアルカトラズ囚人のことは、極秘事項だから)
表向きは「死亡」
暗部の者たちには「未だ行方不明」あるいは「外で発見して抹殺」と説明していたとか。

6:2011/02/24(木) 14:39:54 ID:Fy9d1xxc
移動完了ですの

7ё:2011/02/24(木) 20:17:56 ID:QYh6cWG6
新レス一発目、投下します。

―――――――――

「最大主教がうちの新入りで殆ど面識の無い飾利と闇咲と直接話し合いたい、ねぇ。その後は本場のイギリス清教の勉強か」
「はい。おかげでスケジュールも大変で当麻お兄ちゃんの高校の球技大会が終わったらすぐにここを発つんですよ」
「私は初春の護衛とあっちに居るうち(天草式)の男共への喝入れです。GWが終わるまでですから二週間空けることになるので不安だったんですけど……」

 第九学区のとあるビルの1階にある応接室、初春とシェリーと対馬はそこに居た。
 1階全てがシェリーの個展会場でつい先ほどまでスタッフと最終打ち合わせを終えた所なので、念押しで対馬が人払いの術式を応接室に展開している。
 ちなみにイギリス清教の勉強のアイディアを出したはキャーリサとヴィリアンだが、そう簡単に会えない初春との思い出作りがメインだったりする。

「シェリーさんがその様子なら私の心配も杞憂かもしれませんね。この調子なら出立前に女教皇と建宮さんにも」
「止めときな。あの2人は私ほど大人じゃあ無い。現に私だって本当は飾利に付いて行きたいのをこうして我慢してるんだぞ」

 シェリーが初春の2週間ほどの渡英に異を唱えなかったのは初春が自分の所へ戻って来てくれる、そして初春分補充と称して自分の膝の上に座らせてギュっとしているからである。
 対馬は思う、シェリーさんでこの様子なら間違いなくあの2人は一騒動は起こしてくれるだろうと。

「でも結局は火織お姉ちゃんと建宮さん、それにシェリーさんは今回の同行は許可されていないんですけどね。ローラさんからの厳命で」
「最大主教が? 何でまた」
「シェリーさん達が学園都市配属になって以来、弛んでいるって話を幾度と無く聞かされたみたいなんです。だからこの際、監察することになってその対象が」
「私達ってことか。弛んでるつもりは無いんだけどねぇ、こっちとしては。飾利を可愛がってるのは弛んでるとは言わねぇし」

 それを弛んでるって言うんですよ、対馬は思わずそうツッコミを入れたかったが相手が相手なので声には出さなかった。
 なので対馬は更に伝えるべき事をシェリーに伝える。

「監察役は2名で期間は私達の渡英している2週間。その間は監察対象の3人は学園都市から出てはいけないことになってます」
「また随分と厳しいねぇ。ところで監察役の2人って誰が来るのかもう決まってるのか?」
「私は直接会った事ないんですけどオルソラさんは確定です。後の1人はまだ決まっていないみたいですよ」

 初春からオルソラが監察役で学園都市に来ることを聞いたシェリー、まともな監察が出来るのか不安に思った。
 とりあえず初春達の渡英と学園都市支部の監査の話を終えた3人は立ち上がって応接室から出ることに(人払いの術式は解除)。

「神裂と建宮には私から言って聞かせるから安心しな。少しの間、寂しくなるけど今は私の作品を楽しんでくれよ、飾利♪」
「光栄です。私と対馬さんがシェリーさんの個展のお客さん第一号だなんて」
「違う違う。飾利が1番で対馬が2番。そこはちゃんと線引きしてもらわないとな」

 かくして大事な話の後で初春はシェリーに抱きかかえられたまま、作品を鑑賞するのだった。
 その2人の後ろを邪魔しないように作品を鑑賞する対馬、ステイルも別件でローラに呼び出されたことを思い出したが静かな雰囲気を壊したくないので後回しにすることに。

――――――――――

 学園都市では午後5時だがロンドンは日本より9時間遅れているのでただ今午前8時。
 朝早くからイギリス清教の女子寮ではオルソラによる監査役1名を決めるジャンケン大会が繰り広げられていた。

8:2011/02/24(木) 23:22:48 ID:GADdaATw
予告した外伝2弾、希望があったら書きすすめようかと思います。
前回は本人の知らないところで渦中にいた初春ですが、
今回いよいよ本格的に酷い目に会い、覚悟を決めさせられます。
ちなみに現在、バレンタイン編のライバル対決の撮影準備のところまで読み進めていますが、
『第5帝国』にも、彼女のライバルといっていいキャラがでてきます。
どのようなキャラかというと、上条サイドの美琴みたいな感じで、
初春を電気椅子で焼き殺そうとするような人です。

9:2011/02/25(金) 00:44:55 ID:.HzvFafo
いや、訂正。
美琴じゃなくて、麦野に近かった。

10■■■■:2011/02/25(金) 15:14:11 ID:powYinaE
>>☆氏
自分書き手でもない全くの部外者なんだけど、本家と外伝で齟齬が生じているのでは?
外伝で作ったオリ設定?を本家に逆輸入するなって皆言いたいんじゃないの

11:2011/02/25(金) 15:43:40 ID:.HzvFafo
指摘してくれてありがとうございました。
確かにかなり傲岸不遜になっていました。
外伝の設定をどこまで認めてくださるかは(そして続けるかどうかは)
ここの書き手さんたちに決めていただきたいと思います。

12■■■■:2011/02/25(金) 21:45:32 ID:c.u33IRg
書いてる者の1人ですがあえて名前の方は伏せさせて頂きます。
☆さんのお話は面白いですが外伝と呼べるのかどうかは正直難しいです。
外伝はあくまで本編の補助のお話、ですが☆さんのお話は本編とも取れるような内容。
時間軸を考えるとこっちの話の後の本編に取れてしまうんですね。
僕個人としては☆さんのお話はデルタフォースのパラレルストーリーかIFの物語として捉えています。

☆さんの気を害するようなことばかり書いてしまい申し訳ないですが続きを見たいのも本音です。
なのでデルタフォースのアナザールートとしての投下なら僕は構いませんというか歓迎です。

13:2011/02/25(金) 22:12:10 ID:.HzvFafo
すっきりした回答、有難うございました。
時間軸上の都合で、作中の時間が7月28日になっても返事がなかったら、
この話(外伝第2弾執筆)はなかったことにする予定だったので、
早々とお返事をいただけて嬉しいです。
さてさて。6年後に初春のハートを掴むのは誰かな?

14:2011/02/25(金) 22:15:32 ID:.HzvFafo
あと、アルカトラズ内部の様子を書いて気付いたんですけど、
風斬ってデスタフォースじゃ出番ないなあ。
エイワスだって出たのに。

15±:2011/02/26(土) 17:21:49 ID:zFzyAcWg
まあ、風斬ですからね………

――――――――――

「まったく、何でこんなことになってしまったんでしょうかね」
「それは初春さんたちがこちらに来るからでございますよ」
「………そういう意味じゃないんですけどね」

 女子寮内は全員でのジャンケン大会の会場へと変わっていた。
 こんな光景に自分の部隊の大多数(ほぼ全員)が参加していることにアニューゼは愚痴を言っているのである。

「シスターアンジェレネ、これは一番ましな私が行くべきなのです!」
「いいえ、たとえシスタールチアの頼みであってもこれだけは譲れません!」

 タダのジャンケンのはずなのにこのままでは魔術で決着をつけることになりそうだとアニューゼは本気で思った。
 ゆえにアニューゼは手っ取り早く決着をつけるため、最も早く済む方法を決行することにした。

「ここにいるオルソラが出した手に負けたやつから順番に抜けていって最後に残ったやつが護衛ってのでどうですかね?」
「「「「「「「「「「乗った!!!」」」」」」」」」」

 このよく学校でありそうなルールにのっとりじゃんけんをすることによって、スムーズにジャンケン大会を進めることに成功したアニューゼ。
 なお、結果としてこの大会の勝者となったアニューゼがそのまま初春の護衛となった。

16ё:2011/02/26(土) 21:45:11 ID:iXttW/pQ
「というわけでこちらでの初春さんの護衛はアニェーゼさん、私と一緒に神裂さん達の監察に行くのはアンジェレネさんということで」

 オルソラの言葉でアニェーゼはようやく気付く、当初の目的がすげ変わってることに。
 本当はアニェーゼも学園都市に行きたかったのだがこっちでも噂になっている初春に会いたかったので、護衛はそのまま受けることにした。
 そしてオルソラと同行し、神裂達の監察役の1人になる人物アニェーゼと最後までジャンケンで残ったアンジェレネに決定。

「わーいっ♪ 学園都市の美味しいものがいっぱい食べられるなんてラッキーすぎます!」
「シスター・アンジェレネ、あなたが学園都市に向かうのは必要悪の教会学園都市支部の監察です。遊びに行くんじゃないんですよ」
「わ、わかってますよぅ。で、でもでも、仕事の疲れを癒す為に遊び、食べ歩くことも必要だと思うんです。そうだ! シスター・ルチアに素敵なブラをいひゃいいひゃい!」

 必要悪の教会学園都市支部の監察という目的を後回しにしているアンジェレネの両頬を喝入れの意味を込めて引っ張るルチア。
 そんな大小シスターコンビを呆れた眼差しで見ていたアニェーゼがふとオルソラを見るのだが、

「あちらに着いたら早速皆さんと一緒にアクセラさんと打ち止めさんのバーチャル結婚式の打ち合わせをしなくては。ああ、あの2人の幸せそうな姿、早く拝みたいのでございます」

 主目的を完全に忘れてることを察し、自分の選択肢、間違ったんじゃねーでしょうかと頭を抱えていた。
 ちなみに一打のバーチャル結婚式は既に終わっていることを聞き、オルソラが別のカップルでやりたいと言ってバカップル達を困らせるのはGWの話。
 かくしてオルソラとアンジェレネ、必要悪の教会学園都市支部の監察役として学園都市に赴くことが決定した。

――――――――――

 舞台は再び日本、時刻は午後8時、場所は教会寄宿舎の初春の部屋。
 現在この部屋に居るのは初春、インデックス、ステイル、シェリーの4名のみ。

「初春と闇咲と直接話をしたい、か。最大主教にしてはまともなことを考え……違うな。何か裏があるに違いない」
「考えすぎなんだよステイル。最大主教はよく知らないかざりとおうまのことを知ろうとしてるだけ。悪いことなんて考えてないんだよ」
「インデックス……そう、だね。そうだといいね」

 ローラのことを疑っていないのはインデックスのみ、残る3名は内心では何か企んでるだろうと思っていたりする。
 そしてシェリーはインデックスとステイルに初春が明日からGW終了までの2週間、ロンドンに滞在することを神裂と建宮に言わないように注意した。

「……分かった。けどシェリー、どのみち神裂と建宮、それに君は学園都市に残るように言われてるんだろう?」
「ああ。ま、それに今回は個展があるから私はここを離れられないんだけど」
「でもずーっと秘密にしておくは無理があるかも。だからここはかざり達がここを離れた後でかおりとさいじに説明した方がいいと思うんだけどどうかな?」

 インデックスの提案にシェリーも納得し、その際に自分だけでなくインデックスにも神裂と建宮の説得に付き合わせることを約束させる。
 1つの問題が片付いたのを確認した初春、少し前に対馬から聞かされたことを思い出してステイルに告げた。

「そういえばステイルさんも私達より遅れるでしょうけどロンドンに出向するみたいですよ」
「ステイルが何で! ステイルは何も悪いこともヘマもしてないんだよ! それなのにどうして!」
「お、落ち着くんだインデックス! 僕なら平気だから!」

 自分でも分からないうちに感情が昂ったインデックス、はっと我に返ると顔を真っ赤にして初春のベッドに顔をうずめた。
 ステイルとシェリーは勿論、初春もこのインデックスの行動には驚いたがすぐさま気持ちを切り替えてステイルの件について説明を始める。

「ステイルさんが呼び出されたのはどうやら夏の戦争についてみたいですよ」
「何で僕なんだい? 僕は特に何もしてゲフッ! シェ、シェリー! どうして殴るんだい!」
「てめぇは本当のバカか? 勝手に戦争の開始を宣言しておいて何もしてないは無いだろ」

 売り言葉に買い言葉状態でブレイン相手に戦争することを1人で承諾してくれたステイル、そのことを思い出してばつの悪そうな表情を浮かべた。
 一方で初春は自分の携帯を色々と弄くった後でステイルに渡した。

「というわけで詳しいことについてはご本人から直接伺って下さい♪」
「ご本人からって……最大主教に繋がってるのか、この携帯!」

 そうですよー♪ と楽しげな声で答えた初春を呪う間も無く、ローラのやや怒ってる感じの声が聞こえてきた。

17:2011/02/27(日) 16:45:35 ID:KlWZ51Bg
・第14章
真夜の天然さ、優しさ、化け物ぶり。
初春の恐ろしさ、ヤンデレ3人(五和含む)、下らない理由で学園都市に来たフィアンマと、
ゴタゴタした分(最強決定戦あたりから、完全にバレンタインだったことを忘れていた)
色々なキャラが掘り下げられたと思います。
それにしても一方通行ひどいな。半蔵が浜面に、「(麦野とも)ちゃんと話しあえ」って言っていたけれど、
一方通行がこれ言おうものなら直前の行動があれなだけに、「おめーに言われたくねー」ってツッコムところでした。

18:2011/02/27(日) 16:48:43 ID:WUloEYAs
ちなみに懐かしくもそのときの>>104書いたのは私ですが、
半年後にああいうものを書くとは思ってもみませんでした。

19:2011/03/01(火) 21:43:00 ID:/4O3Q7zk
「スパーク」という暗部組織のSS書いた人誰だっけ?
あの設定、非常に使えそうだからこっちの作品にも使いたかったんだけどなあ。

20:2011/03/01(火) 22:44:56 ID:/4O3Q7zk
まあ、簡単に言うと・・・・・
とある女スパイが、上条勢力相手に大立ち回り演じて、
無敵設定のハズのやつら(超能力者、井野原真夜、『グループ』ら)を
ブチ倒していくお話。もちろん、外伝(アナざーストーリー)でです。

21Ψ:2011/03/01(火) 23:13:57 ID:2gCfRe32
えっとコレの外伝のやつですよね?
それなら俺ですよ。ってか今更ながら全然書いてね〜

22±:2011/03/02(水) 20:24:26 ID:tqRERdgU
「ステイルーーゥー!!何勝手な事したありけるのよ!」
「あ、最大主教!?何故僕だけ!?」
「そんなもん勝手に戦争を決めたからに決まってるからだボケェーーェー!!」
「最大主教!さっきから口調がおかしいぞ!何があった!?」

つい先ほどから口調がおかしい最大主教にツッコミを入れるステイル。
そのツッコミを待ってましたと言わんばかりに最大主教は語り始めた。

「ふ、ようやく気付いたかステイル。テレビジョンや本を参考にしてついにあのバカ口調を直す事に成功したありけるのよ!」
「…戻ってますよ」
「………!しまった!せっかく直ったのに…」
「一応聞きますが、何を参考資料に?」
「じ…仁義無き闘い」
「………そのアホ口調で学園都市のトップと話したりしてませんよね…?」
「そ、そそそんな事」
「したんですね!」
「は………はい」

いつの間にか攻守が逆転している二人。
ちなみにこの件の決着は今後天草式が最大主教の日本語を監修する事でまとまったとか。

――――――――――

その頃、友愛高校体育館
そこにはインデックス率いる『歩く教会』チームに負けてしまった郭や滝壺がいた。

「………負けちゃいましたね」
「大丈夫、くるわ。私達の敵ははまづら達が取ってくれるから」
「…そうですよね、滝壺氏!いくら麦野氏や絹旗氏が強いからって半蔵様や浜面氏、それに姫神氏が負けるはずないですしね!」
「そう、だから私達は明日のためにお弁当をつくろう」
「うぅ〜、今日より腕によりをかけて作りますよ!」

負けたことに落ち込んでいた郭だったが、滝壺のおかげで回復した。
そして、明日の半蔵の弁当に特大兵糧丸が詰め込まれる事になったとか…

――――――――――

その一方、インデックスとステイルを除く『歩く教会』チームの3人
腕を組み合いながら歩いている光景があった。

「分かっていた事です、分かっていた事です。とミサカは…」
「…まあ、当麻お兄ちゃんですからね」
「…なんと言うか、明日頑張れ」
「私とあの人とじゃ競技が違うじゃないですか!とミサカは憤慨しつつやけ酒を飲むようにコップに注がれたジュースを一気飲みします!」

宣言したとおりにやけ酒のごとくジュースを飲み始める御坂妹。
しかし、明日教師達の計らいで決勝で上条達と戦えるのは彼女にとって幸せだろう。

23±:2011/03/02(水) 20:28:26 ID:tqRERdgU
投稿ミスりました
後半の御坂妹のくだりはなかった事にして下さい

24±:2011/03/02(水) 22:23:22 ID:tqRERdgU
すいません
投稿ミスりました
後半の御坂妹のくだりはなかった事にして下さい

25:2011/03/03(木) 13:26:10 ID:pVAMGkcs
・第一五章
わーお。夏の戦争に学校全体のレベル底上げ。すっごい伏線出ちゃったよ。

絶対無敵、不敗伝説を持つ上条勢力を打破出来る存在は現れるのか?

26:2011/03/03(木) 13:29:48 ID:pVAMGkcs
あと、一旦はヤンデレ化した心理掌握の成長フラグも良かったです。
彼女には、もっと活躍してもらいたいです。

27:2011/03/04(金) 17:23:29 ID:tALOG3ZA
・第十六章
 おお、こんなにスッキリまとまったデルタフォースエピソードはなかったんじゃなかろうか。
 短いながらも、Ψさんが言っていたように後々の伏線にもなりえる貴重な話。
 結局はいちゃついちゃったけれど、困っている人をほっとけない当麻と美琴の
原点回帰が見られたのもよかったです。

28:2011/03/04(金) 18:19:48 ID:tALOG3ZA
ええと、今後挑む予定の球技大会編・・・・ものすごく長丁場?

29■■■■:2011/03/04(金) 19:12:48 ID:x9ZJV1FQ
3Dカメラで撮ったおっぱいエロすぎw
すれ違いおっぱい@ともも
ttp://oppai.upper.jp

30:2011/03/04(金) 20:16:02 ID:tALOG3ZA
・夏の戦争に関する提案

初春×ブレインの対談や土御門の根回しの結果、
ブレインの7人の幹部(7つの悪徳にちなんだ能力・人格を持っている)と
学園都市が誇る超能力者7人の対抗戦が、
ローラ・教皇・ツァールスキー立会いの下行われることに・・・・

なんていうのはどうですか?

31:2011/03/04(金) 20:17:07 ID:tALOG3ZA
未だ出ていない6位のことを考えて
6回戦で決着(4勝)させたいです。

32ё:2011/03/04(金) 21:11:52 ID:E7cd7EZA
「彼女たちには悪い事をしたな。本来なら明日の準決勝で黄泉川先生のクラスと当たるつもりだったが……」
「それは仕方の無いことですよ木山先生。シスターちゃん達の乱入は予想外だったのですからミスしても仕方ないですよー」
(私は最初から知っていたとは言えないな、これは)

 その頃のとある居酒屋の個室、小萌と木山はハイペースで酒を酌み交わしていた。
 お互い酒に強い2人、常人なら倒れてもおかしくない酒量をすでに召し上がってる状態にも関わらず全く酔わない恐ろしい大人2人である。

「それにしても月詠先生のクラスには驚かされます。まさか全チームが準決勝まで勝ち残り、ともすれば全種目決勝進出の目も見える所まで来るとは」
「私も正直な話、ビックリしてるんです。上条ちゃん達と白雪ちゃん達と吹寄ちゃん達はともかく姫神ちゃん達が残るなんて失礼ですけど思ってませんでした」
「ですがそのお陰で決勝はスペシャルマッチの1試合のみになりそうです。そちらのクラス以外の決勝進出チームの選りすぐりも頼もしい子供ばかり。明日が楽しみですよ」

 酒のペースもおつまみを食べるペースも落とす事無く会話を続ける小萌と木山、そして話題はスペシャルマッチの内容へとうつる。

「そういえばスペシャルマッチはサッカーですよね? どのような感じにするのですか?」
「基本は45分ハーフのいたって普通のサッカーです。能力の相手への直接使用(特に攻撃)を禁じる以外は能力の制限は殆ど無しですけど」

 ただし結標の【座標移動】でのゴール、一方通行の黒いシリーズ(黒翼と黒き悪魔の右腕)、麦野の閃光の左腕は使用禁止という特別措置が決定している(当然かもしれないが)。
 ちなみにステイル、エツァリ、ショチトル、五和に関しては明日、同じ魔術師の闇咲から禁止事項が伝えられる手筈になっている。
 ジョッキになみなみと注がれているビールを淀み一つ無く一気飲みをした小萌がダン!! とジョッキを置いて、

「とにかく! 明日はどんなことになっても私達のクラスが1番になるですよーっ! 上条ちゃん達はやれば出来る子なんです!」

 高らかに上条達を信頼した上での勝利宣言をして見せた。
 月詠先生は本当に子供みたいに元気だな、本人に聞かれたら怒られそうなことを木山は考えつつ熱燗に口を付けるのだった。

――――――――――

「はい、明日の午後にはこちらを発つ予定です。それよりヴィリアン姉さまもキャーリサ姉さまも本当にお仕事大丈夫ですか?」
『勿論です。私も姉上も飾利と目いっぱい遊ぶ為に今日まで頑張ったんですから。心配してくれてありがとう飾利♪』

 場所は再び初春の部屋、既にお風呂も済ませて後は寝るだけの所にヴィリアンからの電話があって今に至る。
 ちなみにステイルのローラによるロンドンでの説教が決まった所でインデックス、ステイル、シェリーは自分の部屋に戻っている。

「いえ、そう言ってもらえるなら私も安心です。でもイギリス清教の実地での勉強もあることを忘れないで下さいね」
『ええそれはもう充分承知してます。それとウィリアムも時間を作ってくれて、飾利の滞在期間中はロンドンで過ごすんです。きっと楽しい思い出が出来るでしょう』

 どうやって神の右席たるアックアことウィリアムが時間を作ったのか気になってしょうがない初春だが、1つの企みを思いつく。
 けどそれはヴィリアンに言えば反対されそうなことなのでロンドンに着いてから直接本人に頼んでみようと決めていた。

「ところでキャーリサ姉さまはどうしてます?」
『姉上ですか? きっと今頃はレッサーとあの子のちょ、ちょっと姉上!』
『よー飾利、元気そうだな♪』

 いきなりヴィリアンからキャーリサに代わったことに最初は驚いた初春だが、度々あった電話でもこんな感じなのでもう慣れっこだ。
 キャーリサに聞きたいことがあったのでちょうどいいと思った初春、内容は番外個体改め美雷のことだ。

「はい。キャーリサ姉さまもお変わりなく。ところで美雷さんは元気ですか?」
『元気も元気、すっげー元気だ。最初は魔術の世界に戸惑いを見せていたがレッサーが居たせいだな、すっかり順応しきってるよ』
「そうですか、それを聞いて一安心しました。私もそっちに着いたら美雷さんと色々お話したいので楽しみです♪」
『あー、それなんだがな……。おそらく飾利がこっちに着く頃には美雷はここには居ないだろー。レッサーと何か企んでるからな』

 キャーリサの言葉に残念な気持ちと同時に、美雷がレッサーと何を仕出かしてくれるのか興味と共に不安になった初春だった。
 それから初春とキャーリサとヴィリアンは日本時間で日付が変わるまで楽しく会話を続けたという。

33ё:2011/03/04(金) 21:33:50 ID:E7cd7EZA
 日曜日に変わったばかりの頃、上条は今日頑張ったご褒美として美琴に電磁マッサージを受けていた。
 他のバカップルは球技大会の疲れとかいつもの規則正しい生活とかで寝てるにも関わらず、この上琴は本当に元気である。

――――――――――

±さんの麦野、絹旗、御坂妹の絡み、本当はやりたかったんですけどどうしてもシリアスになりすぎるので断念しました。
どうしても『とある科学の超電磁砲』の八月十九日をベースに考えてしまうので……。
けどこの三人の絡みをコメディチックにしたものをいつかここでやりたいと同時にシリアスの方を外伝でやりたいと思いました。

☆さんの夏の戦争のアイディア、対抗戦は私も考えています。
でもこの戦争ってブレインたちの組織と上条勢力の小規模(?)な戦争と捉えています、切っ掛けは魔術師のステイルですし。
ブレインたち7人の幹部VS超能力者(レベル5)だと上条勢力の立場がかなり無くなってしまいます。
なので対抗戦なら上条勢力から何名か出した方がいいと思います、というか上条出ないというのはちょっと……。
立会人に関しては大いに賛成なので、GWでその辺の仕込みも考えていこうと思います。

34:2011/03/04(金) 22:04:08 ID:tALOG3ZA
上条は最終決戦や非常事態における秘密兵器的役割を持たせるために、大トリ的役割を持たせられるし、
一方通行は対抗戦の本命だから前線に出られるけれど、
浜面やポリモアリ―カップルはどうしよう・・・・
敵のキャラの濃さにかかっている気がする。

35Ψ:2011/03/04(金) 22:37:32 ID:wnc7FhUo
俺もёさんに大体は賛成ですね。
まぁ、俺はその夏の戦争の前に初春がロンドンに行っているときの話と、紫木と吹寄の話を同時にやって欲しいかと(←どうせ余り書けないと思うので俺の願いで。)
ってか完全に読み専になっていますが、いつになったら戻ってこれるのだろう?
バカにたくさんの小説を書きまくったせいで、かなり戻れなくなっている今の状況ですorz。確か今書き続けているやつだけでも六つはあった気が^^;
とりま、時間があればこっちに書きますわ。ほとんど無いのですけどw

36P:2011/03/04(金) 23:11:44 ID:bLWf/LYM
私もёさんに賛成です
レベル5でブレイン7人はさすがに無理があると思われます

今現在、他で書いてたりするんですが、別に時間がないわけではないので
ここにはよく足を運びます
ですが、話の構成、設定の整理などが頭で追いつかないため、書くことができません
ほんと、身勝手ですいませんが、書けることができたときにはよろしくお願いします

37:2011/03/05(土) 09:42:04 ID:fCZ20YI.
・球技大会(朝練前)
 恋愛が人を高めることには異存ないけれど、
上条さんのわがままっぷりにムカついた。

現在の心境は、後ろから追い立てられながら走らされている感じ。
原作最新刊で私が計画している構成がつぶされるのが先か、
このスレが7月に追いついてしまうのが先か、
本編読み切った私が書き逃げするのが先か・・・・・

あと6月初春の球技大会編も見たいけれど、2回連続球技大会ネタはさすがに食傷気味でしょうかね。(初春は運動はからっきしですし)
柵川中学が友愛高校並に曲者ぞろいになったらともかく・・・・・

38ただの読み専:2011/03/05(土) 22:01:13 ID:fEJhRz8k
原作の上条さん達の進路希望が

上『しあわせになれればなんでもいい』
土『メイドの国に行きたい(以下略)』
青『 モ テ た い 』

でしたけれど、今の彼らに進路希望調査をしたらどんな回答が出るのだろう...
どれも、彼らの彼女に見せたら、カエル顔の医者に緊急オペが入りそうですけれど...

39:2011/03/05(土) 22:19:34 ID:fCZ20YI.
上「美琴と一緒ならどこでもいい」
土「メイドの国でクーデターを起こして白雪を王妃、舞花を女王(義理の父子)、俺を国王にする」
青「黒子はんと×××(マニアックかつとんでもなく多彩なシチュ)」

40±:2011/03/05(土) 22:26:48 ID:qyVV3D/U
「当麻、大丈夫?」
「ああ、きく〜。気持ちいいぞ美琴」
「そっか、よかったーー!!」

 当麻の体を心配していた美琴だったが、当麻の発言で一気に元気になった。
 しかし、美琴は当麻の右手を見て少し寂しそうな顔をした。

「私の能力じゃ今日一番頑張っていた当麻の右手をマッサージ出来ない……」
「美琴………」

 美琴の寂しそうな顔を見て当麻は少し考えた。
 どうにかして美琴に笑顔になってもらおうかと。
 少し考えた当麻はその方法を思いつき、笑顔で実行し始めた。

「…大丈夫だよ、美琴」
「えっ………?」
「美琴がそう思ってくれるだけで上条さんの元気は100倍だぜ」
「当麻……」

 当麻がとった行動――それは美琴を安心させることだった。
 当然、当麻がとった行動は美琴を寂しそうな表情から満面の笑顔に変えた。
 だから、美琴も考えた。
 同じように今の当麻をもっと元気にする方法を。

「当麻、右手かして」
「ん?どうしたんだよ、美琴。…まあ、いいけど」

 当麻は何も考えずに美琴にそのまま右手を差し出した。
 すると、美琴は差し出された右手をつかみそのままマッサージをし始めた。
「み、美琴っ!?」
「能力が使えないから、…コレで我慢して」
「いや、むしろ上条さん的には嬉しい…」
「…当麻ぁーーー!!」

 当麻の発言でさらに嬉しくなった美琴。
 そのままキスのしあいに突入してしまった。
 なお、これが原因で明日うとうとしてしまい、目を覚まさせる名目のもと、みんなにボッコボコにされてしまうのはまた別の話…

――――――――――

 そして、翌日(上琴的には本日のままだが)
 準決勝まで勝ち進んだチーム全員が友愛高校のグランドに集結した。

――――――――――
 このままだとまたグダグダになりそうなので勝手ながら進ませてもらいます。
 僕としては夏の戦争はёさんの意見に賛成です。
 しかしながら、僕としてはGWに紫木×吹寄のデートとともに他のカップリングの『情報屋見守り隊』という名のデートをやってみたいと思ってますが他の皆さんはどうでしょうか?

41:2011/03/06(日) 07:51:10 ID:44LLTzNs
皆さんがそう仰るのならその通りにします。
どんな戦争を描いてくれるか楽しみにしています。
でも、もし原作に残り一人(第6位)が現れたら、
このリレー小説内でも、「超能力者全員集合」みたいな話を
やりたいです。

42ё:2011/03/06(日) 18:46:00 ID:iEMeC7ys
「くぁ……ねむぐおっ!」
「どうしたぜよカミやん、そんな眠そうなツラしや……まさか!」
「いってーな土御門! いきなり殴ることねーだうぎゃっ! また殴った! しかも最初より強いぞ!」

 朝から眠たげにしてる上条に喝を入れた土御門だが、そこからある1つの妄想をしてしまう。
 その妄想は上琴の関係を知ってる者なら怒りを覚えるもので再度上条を殴り飛ばした後で、

「ものどもであえであえーーーーっ! カミやんがとうとう自分の彼女にいけないことやっちまったぞーーーーっ!」
「はあっ! 何でそんな結論に達するんだよ! 俺は美琴と確かにイチャイチャして寝不足だが、Hはしてない! 責任取れるようにあだっ!」
「カミやん、ボクはカミやんを信じとる。せやけどな……球技大会中に寝不足になるまでイチャイチャするのはアカン! よって嫉妬ファミリーによる制裁や、かかれーーっ!」

 青ピや嫉妬ファミリーと共に上条を殴り、蹴り、引きずり回し、踏みつけるなどのお仕置きを敢行した。
 上条は心の中で不幸だーーっ! と叫びながら薄れゆく意識の中で確かに見た、普段は参加しそうに無い一方通行、浜面、半蔵も加わっていたのを。

「テメェは球技大会だってのにナニやってンですかァ! 今日のためにベストコンディションを作るためにこっちは打ち止めにあまり構ってやれてねェンだよォ!」
「滝壺のチームがまさかの敗北で慰めようとしたら球技大会があるから駄目って断られたんだぞ! それなのに上条お前って奴は羨ましいぞチクショーッ!」
「浜面と同じく!」

 普段は参加しそうに無い3人、単に上条が羨ましいだけである。
 その様子をオロオロしながら見てる翔太、その視界を見覚えのある手が遮る。

「あ、淡希? どうして僕の目をふさぐの? 上条くんを助けなくていいの?」
「いいのいいの。翔太があいつらに染まるのは私も困るし。それにあいつらも本気じゃないでしょ、多分」
「そうなの? なら僕が心配するのもはわわわわっ! あ、あわあわあああ淡希っ! む、胸がっ! 僕のこ、こここ後頭部にっ!」
「もー翔太ったら可愛い反応してくれるわねー♪ で・も。本当に嫌なら止めるけど?」

 い、嫌じゃないよ……、翔太がかすかにそう言うと結標はさらに自分の胸の中に居る恋人を強く抱きしめた。
 上条フルボッコの図、月結のいちゃつきを巻き込まれない所から見ているのはポリアモリーカップル。

「みんな朝から元気だね〜。ま、これくらいの元気が無いと球技大会は盛り上がらないんだけど」
「そうだな。そんでもって俺達のクラスが全種目ぶえっくしょん! へっくしょん! ふぇっくしょん!」
「真昼さん大丈夫? やっぱり今日は休んでたほうがいいよ」

 マスクをして盛大なクシャミを連発した真昼、実は昨日のスパリゾート安泰泉の混浴で湯冷めしてしまったのが原因だ。
 ちなみに混浴といっても今回は真夜が相手側と真昼と茜川に頼み込んで、水着着用の許可を貰っていたりする。

「へへっあんがとよ真夜♪ けど心配すんな! これは花粉症だからな!」
(花粉症で熱が39度も出るなんて聞いたこと無いよ……。真昼ちゃんって時々思うけど相当……いやいや、それは上条君のデルタフォースの専売特許だし)
「お早うございます井ノ原先輩、お姉様、茜川さん」

 ポリアモリーカップルに礼儀正しく挨拶したのは心理掌握で、ポリアモリーカップルもそれぞれに挨拶をした。

「今日は日頃の恩に報いる為にも私達のクラスが勝たせて頂きますわ。そちらに井ノ原先輩、お姉様、そして白雪さんが居るとしても」
「うん、楽しみにしてるよ。けど俺達だって負けない。心理掌握さんの成長、見せてもらうよ……ってレベル4の俺がレベル5の君に言うことじゃないかもしれないけど」
「能力のレベルは関係有りませんわ。私は井ノ原先輩を純粋に尊敬しているのですから。できることならアク様にも変わりつつある私を見せたかったですわね」
「きっと一方通行にも伝わるよ。じゃあ決勝で」

 心理掌握と穏やかな会話と握手を交わした真夜、2人の会話を邪魔しないように離れていた真昼と茜川の所へと駆け寄った。
 鼻水が垂れそうな真昼の鼻をティッシュでサッと拭ってやる茜川、恥ずかしそうに茜川に礼を言っている真昼、そんな真昼に自分のジャージを羽織わせる真夜、3人を見て心理掌握は思う。

(あの3人、まるで本当の家族のように自然な感じを作りますのね。いつも思いますがとても3人同時交際をしてるようには見えませんわ。……人というのは本当に不思議ですわね)

 心理掌握は学園都市唯一のポリアモリーカップルに妙な癒しと不思議を感じながら、自分たちのクラスへと戻って行った。
 ちょうどその時、上条たちの方で大きな爆発音がした。

43ё:2011/03/06(日) 18:58:37 ID:iEMeC7ys
「これ以上うちのクラスの恥を晒すのは止めなさーーいっ! というわけで久々の雪の竜巻だよ!」
「たった1人をよってたかって襲うたぁ根性入ってねーなぁ! そんなお前らに根性入れる意味ですごいパーンチ!」
「当麻さんに何ということを! たとえ天が許しても当麻さんの永遠のメイドのこの私が許しませんっ! 七教七刃!」

 白雪、削板、五和の奇跡的にタイミングの合った攻撃でうぎゃー! と叫びながらベクトル変換が間に合った一方通行以外の面々は吹っ飛ばされる(上条も)。
 こういう攻撃が慣れっこな上条はすぐさま復活して一方通行達の所へと戻るが、白学ランの削板と上半身メイドで下半身ブルマーの五和の姿を捉えるとすかさずツッコミを入れた。

――――――――――

GW編(?)で吹寄と情報屋のデートですが私もやりたいと思っているので賛成です。

44:2011/03/07(月) 21:31:00 ID:zLHwC5f2
・球技大会当日までの感想

 Pさん。大会当日まですっ飛ばしてくれてありがとうございます。
 もう練習まるまる書くと、間違いなく本番がPart5までおあずけになっていたでしょうね。

 なんか男子(真夜以外)ばっかり疲れたり痛めつけられていない?

 五和の扱いがほんとひでえ。
 彼女と反目している初春の方は上手く失恋を乗り越えて地位をどんどん高めているのに・・・・・。

 最後の助っ人が垣根じゃなくて削板でほんとよかった。おかげで外伝がちゃんと作れました。
 こういうイベントにはこの根性さんがうってつけでしょう。

45:2011/03/07(月) 21:31:58 ID:zLHwC5f2
多分明日には皆さんに追いつけると思います。

46:2011/03/09(水) 21:09:05 ID:pV/yFWxk
ようやくここまで追いついた・・・・
昨日はいろいろと用事とかあったから。
さて。私はとりあえず自分なりの展開を絡ませるタイミングと待つとしましょう。

47±:2011/03/12(土) 11:24:57 ID:3oBksz9Y
「削板に五和!?何でお前たちがここに?つーか、何だその格好!?」
「それはこの姿じゃなければ俺の根性が8割減だからなぁーーー!!」
「ふふふ、前に聞いたのですよ当麻さん!男性は皆、メイドとブルマーに萌えるという事を!」

 2人の発言に対してその場にいた全員が同じ事を思った、もうどうでもいいやと。
 しかし、ふと五和の発言に疑問を抱いた白雪が五和に話しかけた。

「ねえ、五和さん」
「何ですか、白雪さん?」
「別にさ、その2つで全員が萌えるなんてことはないし、その2つを合わせたってもっと萌えるとかはないと思うよ」
「…!まさか、土御門さんとそこの青髪の方の発言は間違っているのですか!?」

 五和のカミングアウトを聞いた瞬間、白雪はそのまま戦いの跡地に向かった。
 そして、そこで横たわっている土御門を発見するとその真横に氷の剣を突き刺した。

「……も―とはるう♪」
「な、なな何のようですかにゃー、月夜?麦野並みにコワいにゃー…」
「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・だ・ぞ♪」

 次の瞬間、土御門を中心に氷の竜巻が発生し、その近くにいた仲間達をものみこんだ。
 ちなみにその時の白雪の笑顔を見て、土御門は思った。
 ああ、もう死んでもいいかもと。
 なお、当然ながら白雪が加減していたため、巻き添えをくらったものも軽傷ですんだので試合への影響はなかった。

――――――――――

 一方、何とか攻撃を逃れた浜面達。
 その逃げた先に現れたのは覆面を被った『歩く教会』チームの面々であった。

「絹旗に麦野…何やってんだ?」
「ちょ、超人違いです!私の名前はシルクです!」
「そ、そうだぞ。私はムギムギだ。決して麦野たる人物とは何の関係もない!」

 バレバレの変装をしている2人に浜面は呆れていると、向こうで姫神と謎の覆面シスター(見るからにインデックス)が口論していた。

「例え、あいさが敵でも負けないんだよ!そして私の名前はピュワシスターなんだよ!」
「バスケの主役は。私。誰にも。負けない。」

 2人はいがみ合いながら火花を散らしていた。
 この後、決勝がサッカーになってしまうが姫神が浜面と半蔵を使い、大活躍するのはまた別の話。

48:2011/03/12(土) 12:23:50 ID:scF6agI.
一方通行がぶっ飛ばされなかったか。惜しい惜しい。
わがままだとは思いますが、球技大会中じゃなくてもいいですから機会があったら
一方通行に街中をぶらぶらさせてくれませんか?
こっちが考えている新キャラを絡ませるタイミングが掴みずらくって・・・・。

49:2011/03/12(土) 12:40:33 ID:scF6agI.
サッカーの対戦(予定)チームは・・・・

上条当麻               クールビューティー
一方通行               ピュアシスター
井ノ原真夜              ムギムギ
井野原真昼              シルク
浜面仕上               シガレット
服部半蔵        VS     エツァリ
姫神秋沙               ショチトル
土御門元春              五和
白雪月夜               削板軍覇
東原(キーパー)           心理掌握(キーパー)
???                結標淡希

こんな感じでしょうか?

50:2011/03/12(土) 12:41:34 ID:scF6agI.
井ノ原って打ち間違えやすい・・・

51:2011/03/12(土) 12:48:56 ID:scF6agI.
翔太が???に加われば少林サッカーの炎のシュートと
雪の竜巻シュートのコラボができそうなんだけれど・・・・

52■■■■:2011/03/12(土) 14:06:30 ID:hyBRXwr2
地震やばし

53■■■■:2011/03/12(土) 14:51:21 ID:TrLYhi4Q
情報屋は入れたほうがいいんじゃないですか?

54ё:2011/03/12(土) 15:18:51 ID:R/cwqP5.
「じゃーな上条。決勝で根性入ったいい勝負しようぜ!」
「私も失礼します。決勝で私、当麻さんと愛の篭ったベースボールが出来るのを楽しみにしてます」

 五和と削板に宣戦布告されて上条は気付いた、あいつらエツァリ達と同じチームなのかと。
 決勝がとんでもないことになりそうだと予感した上条と一方通行がげんなりしていると、

「おはようございます、とクールビューティーは未来のだんな様と学園都市最強ぺドに丁寧に挨拶します」

 友愛高校の体操服に身を包み、覆面の上に軍用ゴーグルを装着した人物が朝の挨拶をしてきた。
 上条も一方通行も最初は本当に誰なのか分からなかったが特徴のある喋り方、こんな所に現れそうな人物をピックアップした結果、

「あ、あの〜、もしかしてあなた様は御坂妹さんではないでせうか?」
「はい、確かにその通りなのですが今のクールビューティーはクールビューティーなのです、とクールビューティーは」
「クールビューティークールビューティーうっせェぞ! つーかまず俺に対して謝るのがスジってもンだろうがァ! 誰が学園都市最強ぺドだァ!」
「貴方以外に該当する人物が見当たりません。それに上位個体と週1で一緒にお風呂に入ってる時点で覆りようの無い事実ではとクールむぐっ」

 【妹達】の中で1番関わりの深いミサカ10032号こと御坂妹だと判断できた。
 その後で仲間内でも知りえない一方通行の禁断の事実を御坂妹が口にしたので、慌てて一方通行は彼女の口を塞いだ(手遅れだが)。
 一方通行は目をギラギラさせながら自分と打ち止めの秘密をどうやって知ったのか尋ねると、考えれば妥当な答えが返ってきた。

「ミサカネットワークを通じて上位個体が惚気てくるから仕方ありません、とクールビューティーは聞くこっちの身になれと貴方に愚痴ります」
(あンのクソガキィ……。後で会ったら久々に説教してやらねェとなァ)
「ですがご安心下さい。上位個体もさすがにアホではないらしく番外個体の眠ってる間にミサカネットワークを使用しています、とクールビューティーは安心させてあげます」

 上条は思う、『絶対能力進化』計画で関わりを持ったこの2人がいい意味で変わったなぁと。
 その僅かな隙をついて御坂妹は上条の右手を両手でそっと握って自分の胸へと導こうとしていた。

「ちょ! 何してんだよ御坂妹!」
「何と言われましても同じ競技で参加できない寂しさを埋めようとしてるだけです、とクールビューティーはドキドキしながらあ、貴方に触れられ」
「何だそこに居たのかい、クールビューティー。そろそろ僕たちの試合が始まるから皆が待って……ゲッ! か、上条当麻……」

 上条を救ってくれた(?)のは同じく友愛高校の体操服に身を包み、覆面をした背の大きな少年だった。
 一見すると正体不明に見えるが、その少年は煙草を銜えていたので一発で上条にも正体を看破されることに。

「ステイル? お前まで何やってんだよ! しかも御坂妹と同じような覆面を被りやがっ」
「ち、違う! ぼ、僕は君の知ってるステイル=マグヌスではない! 今日の僕はそう、ピュアシスターの守護者ことシガレットさ! ではそうゆうことで」
「名残惜しいですがまた後でお邪魔させてもらいます、とクールビューティーは当麻さんにだけさよならの挨拶をします」

 シガレットことステイルに連れられて去って行った御坂妹を見送った上条は、インデックスも居るのかと考えると気のせいではなく気疲れを感じ始めていた。
 それは一方通行も同じだが上条が自分達の秘密に触れてこないことを受けて、内心でラッキーと思いながら準決勝前のチーム練習を始めるのだった。

――――――――――

「あっ、来た来た。おーいっ、飾利ー、涙子ー」

 上条を中心とした騒動から少し経った頃、友愛高校正門前では美琴が初春と佐天の2人と合流していた。
 今日はみんなで一緒に球技大会を見に行こうと約束していたのだが、いつも居そうな面子が居ないことに気付いた美琴が初春に尋ねる。

「今日は2人だけ? 黒子はとっくに○○さん、春上さんは土御門さんと白雪さんの所へ向かったのは分かるけどそっちのいつもの人達は?」
「建宮さんはすでに食堂に詰めていて、火織お姉ちゃんは後から合流、シェリーさんは個展会場で作品のチェックで第九学区に。とまあ、こんな感じで」
「あれ? 最愛は?」
「最愛ならいずれ分かりますよ、美琴姉さん♪」

 最愛、球技大会に出てるわね、美琴は佐天が楽しげな笑みを浮かべて答えたのを見て妙な確信を得ていた。
 そのことについて考えてる美琴に突然、初春が抱きついてきたことで絹旗のことは頭の中から綺麗に吹っ飛んでしまう。

55:2011/03/12(土) 15:30:44 ID:kab0MQaY
>>12アナザーワールド・・・となると
このスレに外伝のキャラ(柵川中学剣道部員等)をそれなりに絡めるのは×でしょうか。
モブ程度ならよろしいとか?

あと、前の試合でキーパー東原の出番があったのがよかった。
下心もあったとはいえ野原と違って割と普通に熱血君やっていたから
彼の活躍が当日全くないとなると寂しいもんなあ。

56ё:2011/03/12(土) 15:59:32 ID:R/cwqP5.
「かっ、飾利? きゅ、急に何するのよ!」
「えっとですね、私考えてたんですよ。美琴お姉さんとは義理とはいえ姉妹。だから妹の私がこうやって甘えるのは普通かなって♪ ダメ、ですか?」
「まあ、あんた達なら黒子みたいに邪な気持ちは持ってないものね。分かった、飾利と涙子と最愛ならいいわよ。むしろ歓うわわっ!」
「美琴姉さんに許可貰った記念であたしは後ろからー♪」

 最初は初春、2週間の渡英期間中は美琴と会えないのでちょっと甘えるだけだったが、ついでに今後も義妹トリオのハグの許可をゲットする辺りは抜け目無い。
 その後、初春と佐天とのじゃれ合いもそこそこに、美琴は2人と一緒に友愛高校へと入るのだった。

―――――――――――

 準決勝参加チームがそれぞれの試合会場に向かう中、情報屋だけは体育館へと足を運んでいた。
 目的は当然ながら吹寄だが、彼女を中心に最後の調整を行っているので気軽に声をかけられずに見守るだけだったが、

「あっ、紫木君だ〜。吹寄さん、紫木君が話したそうな顔してるよ」
「そ、そう……。まったくあいつも試合があるのにあ、茜川さん?」
「そんな固いこと言わないの♪ ほら、紫木君に喝でも愛でも入れてくる!」

 情報屋の存在に気付いた茜川に言われるまま押されるまま、自分の所まで来てくれた吹寄を前に緊張してしまう。

「う〜ん、初々しいね〜♪ ……ところで野原君は何でそんなに悔しそうな顔してるの?」
「決まってるだろ! 情報屋が妬ましい、ただそれだけだっ! いっそのこと情報屋が振られギャンッ!」
「はいはい、2人の邪魔しないの。私達は練習練習♪(頑張ってね紫木君、そして吹寄さん)」

 醜い嫉妬に塗れた野原にバレーボールを投げつけて黙らせた茜川は吹寄と情報屋の邪魔にならないように2人から離れる。
 茜川と野原のやり取りに全く気付いていない吹寄、情報屋の緊張を解くという意味で喝を入れた、しかも思いっきり。

――――――――――

上条のクラスの決勝メンバー、正直言うとかなり迷ってます(情報屋は出したいけど)。
とりあえず真昼は不参加、真夜は前半不参加で考えてます(フラグは立ってるはず)。

57±:2011/03/12(土) 16:15:10 ID:bzCeTFXk
☆さん
>>12のいう外伝とは『とある死神と少年少女』のことではないのでしょうか?
僕個人としてはやはりIFの世界として『とある死神と少年少女』を受け止めさせていただいております。
しかし、僕としては他の外伝で登場した魅力的なキャラは出したいと思います。
まあ、どれだけ絡めるかは別として柵川中学剣道部員の方々は比較的だしやすいので日常になれば絡ませることができると思います。
僕個人の意見なので他の方々の賛成が得られれば…ということになりますが皆様はどうでしょうか?

あと、これは個人的なことなのですが
今柵川メンバーとオリキャラで外伝を書こうと思っているのですが☆さんの出した柵川中学剣道部員の方々を使用してもよろしいでしょうか?

決勝のメンバーに関することですが一方通行の充電が90分なので途中で力尽きるので前半か後半のどちらかだけの参加ではないかと思います。
自分としては情報屋も出したいですが茜川も出したいです。
でも削板なんかボールをすごいパンチしそうだなぁ……

58:2011/03/12(土) 17:55:38 ID:CzL3IwzM
ううーん、私が出したキャラを独自に使う分にはいいんですけど、前半の話に関しては難しいところです。
というのも、★や☆として出したキャラや展開は私的には完全に独立しているわけではなく、
例えば朝陽さんとアロネウスが知りあいだったという風に相互に絡み合っているところも否定できないからです。
私としては「アルカトラズ少年院」の関係者をオリキャラとして出したいなとは思いますが・・・・。

59とある通気管:2011/03/13(日) 09:54:54 ID:RCJJgnkk
生存報告なのよな
みんな!生きてるか!?

60:2011/03/13(日) 16:23:44 ID:OTEQ5DCQ
こっちは九州だから大丈夫。

61±:2011/03/13(日) 17:21:51 ID:Ts8j78uc
「情報屋、顔を上げなさい」
「えっ、はい」

 言われるがままに顔を上げる情報屋。
 次の瞬間情報屋に向かって飛んできたのは吹寄のおでこであった。

「いったあー!」
「これで緊張は解けたでしょ?」
「だからってこれはないだろ、吹寄!」
「あ、それともう一つ」
「…?」
「今度、遊びにいく権利の条件の変更よ。活躍したらから優勝したらに変えるわ」
「えっ、それってつまり…」
「だから、この後の試合も頑張りなさい!ほら、行った!」

 そう言い終えると吹寄はそのまま情報屋を体育館の外に押し出した。
 しかし、押し出された情報屋の方は…

(この間までは、活躍したらっていう曖昧な条件だったけど、これでようやくゴールが見えてきたぜ!)

 などと考えていたとか。
 なお、バレー組はそのあとの試合で苦戦しながらも勝ったため、決勝へとコマを進めるのだった。

――――――――――

 一方、バスケ組
 姫神達は目の前にいる準決勝の相手チームを無視して乱入者チームの対策をねるために作戦会議をしていた。

「まさか乱入者が。彼らだったとは」
「しかも麦野と絹旗までいるとは…姫神様、どうします?」
「姫神様、浜面、青ピ、俺にいい作戦がある」
「なんや、半蔵はん。詳しく教えてくれや」
「ああ、まず相手の麦野に浜面をぶつけるんだ」
「ちょっと待て、半蔵!それじゃ俺、死ぬから!」
「半蔵。流石。名案。」
「はっ!お褒めいただき光栄であります、姫神様!」
「あの、少しは俺の話を…」

 自分の命のために必死に抵抗する浜面。
 しかし、そのやたらと必死な行動があの方の逆鱗に触れてしまった。

「浜町のクセに。生意気。」
「ギャー!姫神様、お許しをーーぉ!!」

 そんなコントをやりながら試合が始まっているバスケ組。
 しかし、完全にアウトオブ眼中の準決勝の相手チーム。
 一度も見向きもされぬまま、姫神チームに完敗するのであった。

――――――――――

 その頃、サッカー組
 こちらでは大変な事態が発生していた。

「あれ、真夜。いつの間にそんなに色白に?」
「真昼さん、それは俺じゃなくて白雪さんだから」
「……真昼ちゃん、本当に大丈夫?」
「大丈夫だって、ほら」
「いや、凄くフラフラしてるからね、真昼さん!」

 サッカー組は真昼が風邪をこじらせてしまったため、どうすべきか悩んでいるのだった。

62:2011/03/13(日) 18:56:20 ID:eb9AMA9k
「アルカトラズ少年院」などについての設定やキャラをこの作品に出すのは果たしてOKですか?

あと真夜と月夜って似ているのか・・・・・。

63ё:2011/03/13(日) 21:17:35 ID:DTjRWpU.
「大丈夫だって。花粉症ってのは目も痒くなるだろ? そのせいで視界が悪くなって月夜が真ぶわっくしょん!!」
「まだ風邪を花粉症って言い張るのかよ! 井ノ原姉ってやっぱりバぎゃんっ!」

 真昼に対する暴言を雪の翼の一薙ぎで阻止した白雪、しかしそれは真夜が怒って東原も大変なことになるのを防いだに過ぎない。
 現に白雪に吹っ飛ばされた東原を見て、真夜は拳を握る手から力を抜いているのだから。

「けど本当にどうするの? キャプテンとしては真昼ちゃん抜きで準決勝に臨みたいけど……嫌だよね? 真昼ちゃん」
「当ったり前だろ! こんなにみんなと頑張ってんのにここに来て俺だけのけ者は嫌だかぶえっくしょん! そもそも風邪じゃなくて花粉しょうわわっ!」

 まだ風邪を花粉症と言い張る真昼、しかし彼女にとってはこれが人生初の風邪なので仕方ないのかもしれない。
 クシャミも激しく足元もフラフラながらも頑固な真昼を大人しくさせたのは彼女を無理やりおぶった真夜だった。

「前半は俺が真昼さんを背負ってディフェンスに集中するよ。もちろん東原にも見せ場は作るようにする。オフェンスで白雪さんに負担掛かるけどいいかな?」
「……分かったよ。ただし! 井ノ原くんが真昼ちゃんを背負って試合するのは前半だけだよ! 後半はゴールポストにもたれて動かないことを約束して!」
「お、おうっ……」

 条件付きとはいえ試合参加を認められた真昼、しかし白雪に怒鳴られたことと真夜に負担をかけていると思ってしゅんとなってしまう。
 そんな真昼を見て変な萌え方をしてるのは白雪の応援団の一部で、彼女達が井ノ原ツインズを姉弟ではなく兄弟として見ているのが原因である。

「弟さまに甘えるお兄さま、何とも仲睦まじいですわー♪」
「強気なお兄さまにしっかり者の弟さまが背中を貸す……兄弟愛を超えた素晴らしい絆を感じます」
(落ち着きのある弟さまが攻めでやんちゃなお兄さまが受けというのもいいものですわね!)

 口に出したり心の中で考えてる以上に井ノ原ツインズは世間的に禁断気味な関係なのだが知ってる者や信じてる者は意外と多くない。
 そんな外野の動きなど全く関係なく準決勝が開始、前半は0対0で折り返した。
 相手は1年生ということもあり能力者のレベルも総じて高く、攻めの起点が白雪1人なこと、真昼に負担をかけまいと動きを制限された真夜と不利な条件が並んだが、

「ナイスだよ東原くん! シュートを10本も打たれたのに全部セーブするなんて!」
「まあな! それもこれも球技大会でファンになってくれた娘たちの熱い視線があればこそだぜ!」

 球技大会のきつい練習と本番の試合で本人自体の身体能力が向上し、【技術盗賊】を存分に活かしている東原の功績で互角に持っていけたのだ。

「ホントに東原には助けられたよ。けど後半はそんなに負担はかけないから。ここから俺も得点してもいいって木山先生に許可貰ってるし」
「そっか井ノ原弟も本格的にオフェンス参加……ん? 負担はかけないって相手に攻めさせないってことじゃないよな?」
「そのつもりだけど。東原のことは信じてるけど後半は真昼さんがゴールポストで休むだろ? 万が一があったら大変だからさ」

 じゃあベンチで休ませろよ、東原は言いたかったが白雪が出した条件なだけに心の中で思うことに。
 そして後半、真夜がボールをキープすると【瞬間超人】全箇所70で強化された状態でシュートを放つ。
 その結果、シュートをカットしに行った相手チーム全員を蹴散らしてゴールネットへと突き刺さり先制点を叩き出す。

「よっしまずは1点…………あれ? 何だか皆、静か過ぎるんだけど」
「井ノ原くん、さっきのシュートは誰が見ても引くよ。元春も言ってたでしょ? 全力でシュートするなって。シュートも力をセーブするなら私も許可するから」

 あれでも8割だったんだけど、真夜はそう言おうとしたが止めた、理由は何となく。
 ならばと今度は一度やってみたかった11人抜きを敢行、見事に達成して2点目をゲット。

「うーん、何だか井ノ原くん見てたら私もテンション上がってきたよーっ!」

 そして白雪の闘志にも火が付いて雪の竜巻シュートとか吹雪のシュートとか雪の翼シュートをガンガン決める。
 試合は終わってみれば白雪が7得点、真夜が4得点を挙げて11対0の圧勝で白雪たちが決勝へと駒を進めた。
 ちなみに相手チームの被害は白雪の必殺シュートで齎したものが大きかったりする。

――――――――――

 そして舞台は上条たちの野球組、吹寄の喝でテンション大幅アップした情報屋が仕切っていた。

64±:2011/03/14(月) 20:03:50 ID:YKcxrroI
「いくぞ、野郎ども!目指すは優勝じゃあーぁーーー!」
「「「「「「「「おおっーー!」」」」」」」」
「掛け声が小さい!もう一回じゃああーー!!」
「「「「「「「「おおっー!!」」」」」」」」
「もういっぺんじゃあー!!!!!」
「「「「「「「「おおっー!!!!!」」」」」」」」

 ようやく目標が完全に決まった情報屋。
 その異常に高いテンションは野球組内に伝染しており凄まじいモチベーションとなっていた。
 なお、その異常なテンションを見た相手チームは

(な……何だあの異常な熱気は……?)×相手チーム全員

 となっていた。

「プ、プレイボール!」

 審判の掛け声で試合が開始。
 上条チームの攻撃の時には…

「チョロいんだにゃー」
「甘いよ」
「チョロ甘なンだよォ!」

 と3人に連続で打たれ、そして…

「…ここだぁ!」

 情報屋が満塁ホームランを打ち上げた。
 そして上条チームの守備の時には…

「おらよっ!」
「君ってさーもしかしてあの子の事が好きなの?」
「え、あ、はい……って、うわっ!」

 上条の豪速球と情報屋の【思考漏洩】のコンボに手も足も出なかった。
 かくして、上条率いる野球組は異常なテンションのまま、決勝へとコマを進めた。
 しかし、この時の彼らは知らない。
 上条達のクラスの全チームが決勝に勝ち進んだため、決勝戦が某次世代ゲームのサッカーゲームよろしくのサッカーへとなる事に…

――――――――――

 すべての準決勝が終わり、決勝まで勝ち進んだチームすべてが再びグラウンドに集められた。
 しかし、そこにいる猛者たちは知らない。
 この先にどんな不幸が待ち受けているかを…

「何で俺たちはこんな所に集められているでせうか?」
「さァな。だが決勝戦前の挨拶とかじゃなさそゥだなァ」
「皆さん、とっても重要なお話があるのです!」

 マイクを限界まで下げて段の上にたつ小萌先生。
 そして、小萌先生はこの後の決勝戦の内容とそれに関することを告げた。

65ё:2011/03/15(火) 21:18:42 ID:7hnYmf9w
「私、というか先生達は思っても無かったのですよ。私のクラス全チームが決勝に残るなんて。バスケくらいは負けると思ってたんですけどね〜」

 小萌先生ひどっ、上条のクラスの生徒全員が同じことを思っていた。
 しかし小萌のぶっちゃけトークはまだまだ続く。

「そう考えるともう私のクラスの精鋭さんVS相手の決勝進出チームの精鋭さんの1試合で決勝戦やっちゃおうってことになったのです〜。なんかめんどくさいし」
「めんどくさいって何すかそれ! 小萌先生ともあろう方がそんな言葉を吐くなんて予想外にも程がありますよ!」
「上条ちゃんシャラップ。いいじゃないですか、これで勝った方が各種目の優勝もゲットということで。総力戦、響きが何かかっこいいじゃないですか〜♪」

 このアイディア、小萌先生のじゃ無いな、普段はおちゃらけてるがやる時はとてもやる土御門はすぐに察した。
 こんなことを考える教師はたった1人しかいないと踏んでいる土御門は、首謀者たる木山に質問する。

「それで木山センセ、オレ達がやる種目ってのは何なんだ? 球技大会を何だかんだで仕切ってるのはアンタだ、この決勝も当然アンタの仕切りだろう。さ、ちゃっちゃと話すぜよ」
「(初春の言った通り土御門は本当は凄い切れ者だったか)いいだろう。種目はサッカー、試合時間は45分ハーフ。相手への直接攻撃ならびに能力使用が禁止されてる以外は普通のサッカーだ、殆どな」

 決勝の種目がサッカーと聞いて嘆いたのは当然ながらサッカーを選択していなかった者達。
 反対に最初からサッカーを選択していたそれぞれの主力メンバーと思しき者達は、

(成程、昨日の試合終了後に木山先生から全く新しいチームになるかもしれないと仰っていたのはこうゆうことだったのですね。それにしてもアク様と試合とは私は何と幸運なのでしょう!)
「良かったよ〜、他の種目ならどうしようかと思ったもん。これも私や井ノ原くんや真昼ちゃんの日頃の行いがいいせいかもね♪」
「ま、まあな。しっかし花粉症がここまでふぇ、ふぇっくしょん! はっくしょん! へっきしょん! ぶえっくしょい!」
(確かにサッカーというのは運がいいけど真昼さんがこの調子じゃあなぁ……)

 細かい所が違えどもラッキーと思っていた。
 最初は騒いでいた決勝進出者達も1試合で終われるならそれもいいかと思い始め、決勝のスペシャルマッチを受け入れることに。
 生徒全員が納得した所で木山は上条クラスの相手チームのメンバーを発表する。

「上条達の相手チームは僭越ながら私が選抜した。では発表する。エツァリ、ショチトル、削板軍覇、五和、心理掌握、結標淡希、そして【歩く教会】チーム。以上だ」
「【歩く教会】チーム? 一応聞いておきますけどそれってインデックスとかが覆面被ってる変な一だあだだだだっ! か、噛むなよインデックス!」
「違うんだよ! 私は清純可憐なあのインデックスじゃないんだよ! 私はピュアシスター! とうまの言い方はインデックスに失礼って分からないかな!」

 もの凄く久しぶりにインデックスに噛まれてる上条、最初は久々の衝撃に驚いたがすぐに順応してしまった、難儀なことに。
 噛み続けてるインデックスを器用に頭からぶら下げたまま、上条はパッと見で分からない少女が落ち込んでいるのを発見した。

「あ、あの〜そこのお嬢さん。わたくし上条当麻が何か気に障ることでもしたのでせうか?」
「……お兄ちゃん超酷いです。他の人たちはともかく私のことまで超変な一団扱いだなんて……。私はお兄ちゃんと超一緒に遊びたかっただけなのに」
「その喋り方……最愛かよ! ゴメン! 他の連中はともかく最愛は変じゃないもんな。けど俺としてはちょっと嬉しいかな。最愛がここまでして俺と兄妹のスキンシップを取るなんてさ」
「おっ、お兄ちゃんのそうゆう所はお兄ちゃんらしいとは思いますけど相手を超選ぶことを進言します。それと私以外の【歩く教会】の面々が超怒ってることも」

 絹旗は素直に自分のことを気にかけてくれるのは嬉しかったが、思わせぶりな言葉がフラグ立てになることもそれとなく忠告した。
 その後、覆面を脱ぎ捨てた(御坂妹はゴーグル着用)絹旗以外の【歩く教会】チームから集団リンチを受けてる上条を尻目に土御門は自分達のチーム選びについて木山に尋ねる。

66ё:2011/03/15(火) 21:19:55 ID:7hnYmf9w
「なあ木山センセ。こっちのチーム選びはどうするぜよ? あんたが選んだ選抜メンバーがギリギリということを考えるとこっちも11人キッカリしか参加できないのかにゃー?」
「そっちの交代は自由だ。何せ選抜チームは全員が全員、優れた実力を持っている。そっちは君を含め実力者揃いといっても無能力者が少なくない。それくらいは融通してやらないとな」

 それを聞いて安心してチームメンバーを選べると思った土御門は、今度は声を落として試合に関する制限について尋ねた。
 声を落としたのは参加者の中に魔術サイドの人間が数名混じってることが理由である。

「ところで制限とかはどうなるんだ? 能力者はともかく魔術師はあんたは専門外だ。どうするつもりぜよ」
「基本、得物は持たせないつもりだ。魔力で生み出した武器は別としてな。後は闇咲先生にお願いしてある。能力者に関しては対象者のみ決勝開始前に集めて私が説明するさ」
「ま、誰が対象者かは想像はつくとしてだ、オレから頼みがある。井ノ原弟に能力のフル使用を認めてくれ。相手を考えるとチトきついぜい」
「(フル使用でなくとも全箇所70ずつでも今の真夜なら充分なのだが……)それは無理だな。詳しいことは本人に聞くといい。というわけで全員解散」

 木山の解散の合図を受けて小萌と木山は職員室へと、決勝選抜メンバーと上条のクラス以外の生徒達は昼食を摂る為に思い思いに移動を開始した。
 土御門は木山の言葉が気になり、真夜に彼の能力について尋ねると意外な答えが返ってきた。

「うん、確かに今からだと無理かな。フル使用、つまり全箇所90の強化にするには一旦能力を解除するかリミット待たないといけないし」
「だったら何の問題も無いはずぜよ。リミットはともかく一旦解除してすぐに【瞬間超人】の全箇所90強化するがいいんだにゃー♪」
「だからそれが出来ないんだよ、すぐには。自分で解除、リミットで能力オフになるにしてもインターバルで450分待たないと能力使用出来ないんだ」

 そう、真夜の【瞬間超人】の最大使用時間は強化できる数値の総量の分数(今なら450なので450分)なのだ。
 しかも最初に使用した総合数値をその状態から引き上げることは出来ず、総合数値を上げる場合は自分で解除してから再度使用する必要がある。
 そして再度使用する場合のインターバルはどれだけ強化しても最大使用時間と同じ時間が必要となることが最近の木山の調べでようやく判明したのだった。

「(例外は上条の右手でキャンセルされた時だったかな、バレンタインで殴られた時はすぐに能力使用出来たし)まあ、そうゆうこと。それと決勝は真昼さんの看病したいから出るつもりは無いよ」
「びえっくし! ぶわっくしょい! はっくしょん! あ゛〜、ようやぐ風邪の実感が出てきた気がするぜ……。頭痛ぇし体寒ぃし……」
「はーい真昼ちゃん鼻水出てるからチーンしようねー。真夜君、私も一緒に看病する?」
「赤音さんは試合に出て球技大会楽しんでよ。こっちは俺1人で大丈夫だから。じゃあ行くよ、真昼さんをベッドで休ませたいから」

 最後に真夜は今日の弁当をみんなで分けるように茜川に頼み込むと、真昼を背負って保健室へと向かうのだった。
 土御門も真夜の恋人優先主義は知ってるので何も言わずに了承したが、戦力と考えていた二人が抜けたのはかなり痛かった。

(まさか双子が出ないとは誤算もいいところだ。井ノ原弟は可能性はあるだろうがフル出場は望めないだろうな。アクセラは打ち止めちゃんに充電してもらえればフル出場はいけるが……)
「サッカーってのは予定外だがやるこたァ同じだ。正々堂々と敵をブッ倒して優勝だァ! 見てろよ打ち止め、俺なりのフェアプレイってのをよォ!」
「一方通行のフェアプレイがすっごく楽しみだから頑張って応援するねってミサカはミサカは宣言してみる!」

 今のアクセラは充電を受け付けないだろうな、土御門は青春してる学園都市最強を見て断念した(能力の使用時間、残り55分)。
 上条の方を見ると絹旗以外の【歩く教会】チームのフルボッコが継続中なので、仕方なく土御門は上条と井ノ原ツインズ以外のクラスメートを集めて参加する選手について話し合うことに。

67:2011/03/15(火) 21:34:52 ID:iMNL8gbg
もし>>62の質問に何も意見がなければ好きにさせてもらいます。

68:2011/03/15(火) 21:38:03 ID:iMNL8gbg
なんというか、自分の中ではそろそろ☆と★の物語が交錯しそうなもので・・・・・

69■■■■:2011/03/15(火) 21:55:05 ID:7hnYmf9w
☆さんの書かれているSSは面白いのですが外伝という意味では違うと思うんです。
外伝とは本編の補助となるような伝記や注釈などを意味するもので☆さんの書かれているSSの時系列を考えると明らかに本編に取れるんです。
それにアルカトラズ少年院にしろノイル=マージにしろ、絡めるとなるとこのスレの決まりごとでもあるギャグ中心にはならずシリアスになります。
書いてる側としては使いたい設定なのですがシリアス控えめのスレなのでそうゆう意味ではOKとは言えないです、ごめんなさい。
夏の戦争も基本シリアス抑えるつもりなのでがっつりシリアスにはしない風で考えています、戦争なのに。

前にも書きましたが☆さんのSSはこのデルタフォースSSの外伝としてというよりはデルタフォースSSの平行世界やアナザールート、ifの物語として楽しんでいます。

70:2011/03/15(火) 22:10:07 ID:iMNL8gbg
ありがとうございます。
数スレ分スルーさてれいたのでやきもきしていたところでした。
じゃあ、私の考えているキャラは外伝の方で独自の絡め方をさせたいと思います。

71:2011/03/16(水) 00:31:56 ID:Hp7Khz3M
>>69まあ確かにノイル=マージなんか出しちゃったらギャグというよりブラック・ユーモアになりそうだもんなあ。

72±:2011/03/16(水) 17:25:19 ID:akdxlRhc
「とりあえずサッカーだった月夜と東原は確定として、他をどうするぜよ」
「ん〜、私は元春がいればどんなチームでもいいよ」
「白雪、それはお前がただ土御門と一緒にサッカーやりたいだけで戦略も何もないじゃないか!白雪って意外とばイタタッ!何をする、茜川!」
「土御門くんのことならともかくー月夜ちゃんを馬鹿にした発言は月夜ちゃんの親友たるこの私が許さんー!」
「元春ならともかくって何!?元春をバカにした発言はいくら赤音ちゃんでも許さないよ!」
「貴様ら、全員静まれ!重要な作戦会議中だ!」

 白雪をバカ呼ばわりしかけた東原にくってかかった茜川と茜川の土御門を軽視した発言にきれかけた白雪2人を頭突きで止めた吹寄。
 その吹寄の様子をみて全員落ち着いたらしく、再び作戦会議という名の参加メンバー決めを再開した。

「しかし、どうするぜよ?他のメンバーにサッカー経験者はいないんだにゃー」
「それでもあれだけ強力な相手だと上条くんや一方通行くんは入れたほうがいいんじゃないのかな?」
「でもさー上条くんはともかくとしてー一方通行くんの充電は大丈夫なのかなー」
「残りの使用時間じゃァ………前半か後半のどっちかしか出られねェな」
「……………今から打ち止めのところに行って充電してもらってこい」
「そンなことしたら俺なりのフェアプレイができなくなるだろゥがァ!」

 いきなり駄々をこね始める一方通行。
 この様子を見て、その場にいたクラスメイト全員が思った、学園都市最強の威厳もあったもんじゃねえと。
 この様子を見て土御門が何かを決断した。

「わかったぜい、一方通行。お前は前半に出て点をとりまくれ。それが一番打ち止めが喜ぶ!」
「ありがとゥ、土御門ォ!」

 ガシッ、と土御門の肩をつかもうとした一方通行だったが、土御門がひらりと身をかわしたためその手は空を切ることとなった。
 ひらりと身をかわした土御門はその場にいる全員に確認を取り始めた。

「とりあえず、カミやんとアクセラの参加に意義のあるやつはいるかにゃー?」
「「「「「異議なしっ!!!」」」」」

 上条と一方通行の参加に特に反対意見も出なかったため、彼らの参加は決定した。
 しかし、上条の本人確認がないまま勝手に参加メンバーに入れられたのはやはり上条の日ごろの不幸のせいだろう。

――――――――――

 僕は一方通行を前半で出して、後半に真夜と交代と思っております。
 とりあえずあと7人、他の方に任せようと思っております。

73■■■■:2011/03/16(水) 22:47:10 ID:OhLrwMhA
心理掌握って魔術師にトラウマがありませんでしたっけ?
一緒のチームにいて大丈夫なんですか?

74■■■■:2011/03/16(水) 22:53:44 ID:odPuFq3Y
>>73
派閥のリーダーとして虚勢を張っているのではないのでしょうか

それよりインデックスの頭の中を覗いて、原典の毒に侵されないのか心配

75:2011/03/16(水) 23:36:46 ID:YiBFH.Rw
あ。それ私の考えているネタにちょっと掠るところです。
いずれ私なりに解釈してみるつもりです。

76ё:2011/03/17(木) 17:00:08 ID:hMNpjr6Q
「そんでもって翔太も確定ぜよ。お前さんの【火炎地獄】は充分強いし身体能力もまあまあ高いから戦力になる」
「で、でも僕、あ、淡希と戦うなんていくら球技大会といっても気が……」
「分かってないにゃー。確かに結標だってお前さんと戦いたくはないだろう。だがしかし! 球技大会で頑張る恋人の雄姿をあいつは望んでるんだぜい!」
「そう、かな? もし球技大会で僕が頑張ったら淡希、褒めてくれるかな?」

 何も言わずサムズアップと共にスマイルで答えた土御門を見て、翔太が5人目のプレイヤーに。
 翔太以外は気付いていた、土御門のスマイルがもの凄く胡散臭いものだということに。

「(翔太のおかげで完璧とはいかなくても結標封じは上手くいきそうだな)じゃあ次は茜川、お前さんも参加決定ぜよ」
「まっかせて! 真夜君と真昼ちゃんが居ないのは残念だけど月夜ちゃんと2人、親友の息の合ったコンビネーションを見せてあげるから♪」
「頑張るよ赤音ちゃん! 私達とみんなの力を合わせて優勝を勝ち取るんだから!」

 茜川の参加を取り付けた土御門、最初はさっきの自分切っ掛けの喧嘩で不安だったが見た限りでは大丈夫だと思い込むことにした。
 残る5名について考えているとバスケの準決勝で【歩く教会】チームの戦い方を見ていた浜面が進言する。

「なあ土御門。さっき絹旗たちのチームの戦い方を見てたんだけどよ、あいつら途中からガラッと動きが変わったんだよ。まるで相手チームの全部を見透かしたみてぇに」
「(相手チームを見透かす……成程、禁書目録か。あいつの完全記憶能力で相手チームの動き、癖、フォーメーション、戦い方を把握するってことか)浜面、ナイスな報告ぜよ」
「気にすんな、俺たち仲間だろ!」

 友情のスクラムを組んできた浜面を真っ正面から受け止めた土御門を見た一方通行は柄にも無く寂しいとか思っていた。
 そんな一方通行の心情など知る由も無い土御門は浜面と服部を参加メンバーに指名する。

「浜面と半蔵、お前ら2人はバスケの時みたいなコンビネーションを見せてくれ。月夜と茜川、そしてお前ら。攻撃の起点として期待するぜよ」
「任せろ土御門! 当然我らが姫神さまも最初から出場するんだよな! 俺たちと姫神さまの大活躍で優勝ってのが当ぜ」
「いや、姫神は出ない。あと念押しでオレもだ」
「「ふっざけんな! そんなこと認めうぎゃっ! 目が、目があああああっ!」

 人の話は最後まで聞けっての、土御門はそう思いながら浜面と服部の両目を思いっきり指で突いて大人しくさせた。
 両目に走る痛みに耐えながらこっちを見上げる浜面と服部、そして恨めしそうにこちらを睨む姫神に土御門は簡単に説明する。

「【歩く教会】チームの戦いを察するに前半と後半、全く違うチームにする必要がある。だからこその人選だ。詳しいことは後で話すが要はオレと姫神は秘密兵器ってやつですたい♪」
「秘密兵器。何て素晴らしい響き。任せて土御門くん。秘密兵器でキャプテンの私が。クラスを優勝に導いてみせる」
「「さすが姫神さま! 心が広い!」」

 キャプテンにした覚えは無いんだがにゃー、そんな土御門の呟きなど聞いていない姫神は上機嫌で浜面と服部と共に下がった。
 気持ちを切り替えて土御門は次に選んだ参加メンバーを告げようとしたが、

「土御門、貴様の意見は聞かない。あたしと情報屋は試合に出るわよ」
「そうゆうわけで俺も試合に出たい、頼む土御門!(ホントは怖いけど吹寄だったら試合に出ないで優勝したら約束が反故にされそうだし……)」
「(この2人は流れ的に最初から出すつもりだったから手間が省けたぜい)ああ、頼む」

 最初から張り切ってる吹寄、一身上の都合で張り切ってる情報屋からの名乗りで2人の参加が決定。
 残るあと1枠を考えて土御門は大いに悩む、戦力としてではなく人間として。

「ここはボクの出番や! 黒子はんに赤見に白子ちゃんが見に来るのに参加せんわけにはいかんねん!」
「彼女持ちは大人しくしてろってーの! 俺が大活躍してうちの生徒だけでなく見学に来てる女の子やお姉さん方を惚れさせる崇高な目的を邪魔すんな!」
「何が崇高や! そんなんただモテようとしとるだけやないか! そないな邪な願望持った野原に決勝は任せられへん!」

 いがみ合ってるのは青ピと野原、この2人のどちらかからあと1人を選ぼうと思っていた土御門だが本気で悩んでいた。

77ё:2011/03/17(木) 17:10:55 ID:hMNpjr6Q
上条チーム現状確認。
スターティングメンバー:上条、一方通行、浜面、服部、吹寄、白雪、茜川、情報屋、東原、翔太。
スターティングメンバー(仮):青ピor野原。
控え(姫神的にスーパーサブ):土御門、姫神、真夜(予定)。

心理掌握の魔術師トラウマの解決方法は私なりに考えていますがそこはその時の書く人に任せようとも思ってます。
少なくとも今の心理掌握はむやみやたらと相手の心を覗いたりはしないのでインデックスの一〇万三〇〇〇冊の魔道書に侵される可能性は低いはずですし。

78±:2011/03/17(木) 21:41:05 ID:bmjFGxlE
(あたりに強い青ピか、念動力でボールのスピードを落とせる野原か……どっちでもいいんだがにゃー)
「ほな、ここは公平にツッチーに決めてもらいましょうか!」
「おお、確かに公平だ!おい、土御門!」

 一瞬にして土御門との間合いをつめた青ピと野原。
 土御門はさすがに慄き、そのスキをすかさず二人に攻められた。

「なあ、ツッチー!こんなモテようとしとるだけの野原より僕の方が百倍ええよな!」
「何を言うか、青ピ!お前と違って俺は能力を使ってボールの速度を落とせるんだぞ!お前より百倍使えるわ!」
「ふ、2人ともおちつくんだにゃー」
「「どっちだ(や)、土御門(ツッチー)!」」

 あんまりに決断しない土御門に青ピと野原はさらに土御門に近寄り始めた。
 しかし、その体勢は傍から見れば、非常に誤解されやすい体制であったため………

「○○くん(青ピの本名)、野原くん、そんなに元春に近づいていいのは私だけーーぇ!!!」
「「ギャーァーーーー!!」」

 当然といえば当然ながら、土御門の彼女である白雪に2人とも氷付けにされてしまうわけであった。

「はあ……はあ……、助かったぜい月夜」
「元春のためだもん。このぐらいどうってことないよ!」
「ん………月夜……」
「元春……」

 土白が2人の世界に入りかける。
 2人の唇が少しまずつ近づいていく。
 あと数cm………

「黒子はんとも昨日はイチャイチャを自粛したのに目の前で見せられてたまりますか!」
「そのとおりだ、青ピ!そしてこんな氷の中で寝静まってたまるか!」

 土白の二人の世界を壊すかのように青ピと野原が氷の中から復活!
 せっかくいちゃついていたのを妨害されたことにより白雪が不機嫌になるが土御門が考えをまとめたように口を開き始めた。

「前半は野原、後半は青ピでいくにゃー」
「………それは分かったけど、何でそんな風にするん?」
「ついさっきも言ったが前半と後半で全く違うチームにする必要がある。そのためだぜい」
「…わかった。とりあえずこれで俺は前半で活躍できるようだしな!」
「僕も後半で黒子はんや赤見、白子ちゃんにかっこいいところをみせることができるしな。それでいいでー!」

 ようやく土御門の許可をもらいまとまった青ピと野原。
 しかし、その2人以外は思った。土御門、お前白雪といちゃつきたいがために適当に決めただろ、と。
 だがこれで試合に参加する11人が決定し、あとは木原先生たちに報告をするだけとなった。

79:2011/03/18(金) 19:21:28 ID:rJI2PMjE
前々から言っていた
一方通行×新キャラ×打ち止め×心理掌握の外伝を今書いているのですが、(本編も書きたいけれど、スポーツもの
苦手なんだよなあ)誰か打ち止めと心理掌握がお互いをなんと呼び合っているのか
設定してくれませんか?

80:2011/03/18(金) 19:40:33 ID:rJI2PMjE
現在の執筆段階ではお互い
「打ち止めさん」「心理掌握」と呼び合っている設定です
(もっとも、心理掌握から打ち止めへの呼称は未だ使われていませんが)

81ё:2011/03/18(金) 21:08:39 ID:SGzLR8NU
呼称が特にないんですけどね、打ち止めと心理掌握の間には。
球技大会初日に困ってた打ち止めに心理掌握が声をかけたけど打ち止めが心理掌握のことを『優しいおねーちゃん』って呼んだだけ。
対して心理掌握は打ち止めのことを特に呼称つけて呼んでないんです、というかここで初めて2人がまともに出会うので。

打ち止めのことは☆さんの考えるとおり『打ち止めさん』でいいと思います。
心理掌握は私の中で『メン子』呼びにしようと画策してます、いつまでも心理掌握だと固いですしw

82:2011/03/18(金) 21:26:44 ID:rJI2PMjE
参考にさせてもらいます。
あと、アナザーワールド設定の外伝キャラの内、ノイルの方は☆としてのストーリーで後々活躍する予定があるのですが、
麗奈様とレオ君は何というか、勢いと願望で作っちゃったようなキャラなので、今の所日常パートで絡んでくれたら
面白いだろうなというようなキャラです。
ですからこの2人に関しては特例というか、むしろこのスレで他の人々に上手く使ってもらいたいと思います。

83:2011/03/18(金) 21:37:55 ID:rJI2PMjE
私の執筆してきたもの見てもらえればわかるんですけど
コメディというか、ドタバタしたノリとかを描くのはどうも苦手でして・・・・

84:2011/03/19(土) 08:50:09 ID:TlDbIGTc
メン子・・・・古い子供の遊び見たいでお嬢様としては野暮ったいかな・・・
「こころちゃん」という呼び名が「なかったシーンをあったかのように語るスレ」で言われていたけれど。

85:2011/03/19(土) 18:48:51 ID:TlDbIGTc
特に異議がなければ当初の設定(「打ち止めさん」「心理掌握」)のまま、
20時ごろに外伝スレに自作SSを投稿します。

86ё:2011/03/19(土) 21:08:56 ID:sS82oX1A
「さて心理掌握、君には覚えているサッカーのルールや戦略をサッカーを知らないメンバーに覚えさせてもらいたい」
「つまり私の能力で持っているサッカーの知識を他の皆さんにインストールしろということですわね」
「流石に察しがいいな。とはいえあくまでサッカーを知らない者達だけに施す処置だということを忘れるなよ」

 その少し前、木山は心理掌握を呼び出して彼女の仲間となるメンバーにサッカーの知識を能力を駆使して詰め込むように指示を出していた。
 ちなみに対象者はインデックス(上条と同居時に気まぐれに覚えた)、五和(天草式に必要になると考え一通り)以外だったりする。
 入学当初ならまだしも、精神の成長途上の心理掌握なら余計なことはしないと踏んでいる木山、ふとあることを思い出し尋ねることに。

「そういえば君は確か魔術師にトラウマがあると聞いたことがあるが……大丈夫か?」
「え、ええ……。自分でトラウマの影響を最小限に抑えていますので……。本当は今すぐにでもトラウマを乗り越えたいのですがその……」
「時間も無いしまあ仕方あるまい。エツァリとショチトルと五和はあまり知らないがインデックスとステイルはいい奴らだ。気軽に接してやってくれ」
(私の中で1番のトラウマがそのステイルさんということは言えませんわね……)

 少し震えて汗もそれなりに出てはいるが大丈夫だろう、木山はかなり適当な判断を下していた。
 心理掌握がトラウマを『消し去る』ではなく『最小限に抑える』に留めたのは、『消し去る』を実行した場合にトラウマに付随する全ての記憶を消去する必要があるのだ。
 その場合、記憶の齟齬が生まれてしまい新たなる混乱が生まれるだけなので『最小限に抑える』に留めるだけにしたのだ。
 ちなみに心理掌握が能力を使わずに魔術師のトラウマを乗り越えようと頑張ってるのは、尊敬する真夜が過去に麦野に対するトラウマを乗り越えたと聞いたからだったりする。

「チームワークは難しいだろうが試合中に培ってくれ。君の能力で意思の統一を図れば簡単だろうがそれでは球技大会の醍醐味が無くなるからな」
「分かってますわ。能力を使って簡単にチームワークを形成するのは虚しいだけ。やはりスポーツならば少しづつ仲間の和を育むべきですもの」

 この子、本当にいい方向に変わりつつあるな、木山は心理掌握に影響を与えている一方通行と真夜を思い出して少しだけ微笑んだ。
 心理掌握は普段あまり感情を出さない木山の微笑みを見て少し驚きながらも丁寧に挨拶をして職員室を後にした、入れ違いに入ってきた土御門にも頭を下げて。

「あのお高く留まった心理掌握がオレに頭を下げるとはな。っと、そんなことよりもホラ木山センセ。オレ達のクラスの出場メンバー表、持って来たぜよ」
「ご苦労。……ふむ、なかなか興味深い選出だな。これなら面白い試合が見られそうだ」
「そいつはどーも。相手チームの全員が曲者揃いってのが困りもんですたい。禁書目録もそうだが絹旗と削板、あの2人が最高に厄介だからにゃー」
「気付いていたか。だが安心しろ。削板はともかく絹旗には1つだけ禁止事項を設けてある。君なら察しはついてるだろう?」

 まあアレを禁止にしたとしても絹旗は脅威だけどな、土御門はそう言いながら職員室を後にした。
 誰も居ない職員室で木山は気まぐれで作ってきたサンドウィッチを出して、コーヒーを淹れに給湯室へと足を伸ばすのだった。

――――――――――

 その頃、美琴は1人で上条を探していた、早起きして作った愛妻(?)弁当を携えて。
 最初に合流した初春と佐天、途中で合流した黒子、打ち止め、春上はというと、

「私と涙子さんは火織お姉ちゃんと合流してから最愛さんの所へ行きますのでまた後で」
「ではお姉さま、黒子も○○様とお昼をご一緒したいのでここで失礼しますわ」
「ミサカは一方通行にお弁当食べてもらうんだーってミサカはミサカは猛ダッシュで探しに行く!」
「あたしは元春お兄ちゃんと月夜お姉ちゃんを探しに行くの」

 思い思いのお昼を過ごす為に一旦別れることに。
 するとそこに【歩く教会】チーム(絹旗除く)の集団リンチから解放された上条が姿を現した。
 その痛々しい姿に美琴は切れそうになったがかつての茜川との約束を思い出すと何とか踏みとどまり、上条を看病しながら事情を尋ねる。

87■■■■:2011/03/20(日) 00:24:49 ID:dch5660c
ン?科学の街なのに、発明好きな少年少女がいないヽ('ー'#)/

88:2011/03/20(日) 09:05:29 ID:Id3n.XDM
ёさん申し訳ありません。

89:2011/03/20(日) 09:06:17 ID:Id3n.XDM
野暮ったいとか言って結局なんも変えずに投稿してしまって。

90±:2011/03/21(月) 20:08:49 ID:C/paurEg
「と……当麻ぁ!」
「うう………み……美琴……?」

 とりあえずそのまま上条に膝枕をする美琴。
 すると上条は落ち着いた表情になり、ゆったりとし始めた。

「当麻、大丈夫?」
「ああ、美琴の膝枕のおかげで痛みが引いてきたぜ」
「もう!当麻ったら〜♪」

 上条の発言でハートマークをだしながら照れる美琴。
 その様子を見て上条は笑うが、美琴は思い出したかの様に上条に何があったのか聞き始めた。

「ねえ、当麻」
「ん、どうしたんだ美琴?」
「なんかボコられてたみたいだけど何があったの?」
「ああ、あれな。あれは『歩く教会』チームの面々――インデックスにステイルに御坂妹、麦野に最愛なんだけど――間違えて変な覆面集団って言っちまったのが勘に触ったらしくそのままボコられただけさ」

 変に誤魔化してもしょうがないのでありのままの事を話す上条。
 それを聞き終えた美琴はすぐに手をださなくてよかったと思いつつ、もう一度上条に詳しく聞いた。

「本当にそれで全部?」
「あ!最愛はフルボッコに参加してないな」
「そう……ねえ、当麻。何か欲しいものある?」
「ん〜、そうだな……」

 そう言って少し考え始める上条。
 そしてすぐに上条は欲しいものを思いつき、美琴におねだりをした。

「んじゃあ、美琴のキスが欲しいかな」
「うん、分かった!」

 そう言ってそのまま上条にキスをする美琴。
 そうしてその後、美琴エナジーを貰い元気になった上条がサッカーにて大暴れをする事になる。

――――――――――

 その頃、初春と佐天は神裂と合流して絹旗の所に向かっていた。

「そういえば神裂さん、どうして遅れたんですか?」
「実は教師の仕事があって……サボろうとしたんですがあいにくあと一歩のところで同僚に見つかってしまったので」
「火織お姉ちゃん、サボリはダメですよ!」

 神裂がサボリをしようとしたのを知り、怒る初春。
 その怒る初春を可愛いと思いながら神裂は初春の怒りを鎮めるために行動をとった。

91:2011/03/21(月) 22:25:15 ID:dCgcgEq6
「大丈夫ですよ。ちゃんとこなしてきましたし、むしろ皆さんに間に合うように早めに済ませてきたんですよ。ですからほら。頭なでなでしてくれたら・・・・・」
「もう、しょうがないですねえ。」
 まるで犬がパタパタ尻尾を振ってじゃれるように頭を突きだしてくる神裂の頭を優しく撫でる初春。
 ハ―ッと、まるで温泉に入っているかのように気持ちよさそうにしている神裂。人目をはばからずにそんな風にして歩いた3人は、やがて覆面を被った絹旗と合流した。
「あ。飾利、涙子、神裂先生。超丁度良かったです。今から会場に超一緒に行きましょう。」
 そう
言って彼女らを引っ張っていく絹旗だが、神裂はその方向を見て疑問を呈した。
「絹旗、どこへ?そっちは常磐台でも友愛高校でもなさそうですが。」
「あ、神裂先生。ひょっとして超聞いてませんでしたか?」
「神裂お姉ちゃんは昨日からの仕事を大急ぎで終わらせてきたから知らないんですよ。」
「そうですか。それは超可哀そうです。では、教えてあげましょう。」
 そう言って、絹旗は、昨日自分達対抗選手に、ついさっき友愛高校チームに言わ渡されたことを報告した。
「サッカーの試合は、第20学区のドームで超行われるんです。
 あまりに使用される能力のインフレが激しく、激戦が予想されるんで、実際にプロの試合が超行われるような超広大なフィールドの方が超目一杯実力を発揮できるだろうということだそうですよ。」

初めて本編に参加しました。上手く通るといいんですが・・・・・

92:2011/03/21(月) 22:26:29 ID:dCgcgEq6
そう
言って彼女らを引っ張っていく絹旗だが、神裂はその方向を見て疑問を呈した

はミスです。繋がっています。

93ё:2011/03/22(火) 20:30:02 ID:x4noRo1M
 何だかんだでそれぞれに昼食を済ませ、友愛高校の生徒と教師、【歩く教会】チームなどの助っ人達、観覧希望者は第二十学区の全天候スタジアムに集結した。
 決勝に出場する選手たちはそれぞれの控え室へと通される。

「じゃあ俺と真昼さんは医務室で応援してるから。みんなは試合頑張って」
「井ノ原弟、お前さんも一応控えに入ってることは忘れるなよ。いざとなったら試合に出てもらうからな」

 そうならないように祈ってる、真夜は真昼を背負って医務室へと向かった。
 いや、絶対にいざという時は来る、上条達全員が同じことを思っていた。

「さて、試合前にやっときたいことがあるぜよ」
「やっときたいことって何なん?」
「チームのキャプテンを決めるんだにゃー♪ ちなみにオレは監督兼選手だから外ぐおっ!」

 決勝に臨むにあたってキャプテン選びを提案した土御門だが、いきなり後頭部に打撃をもらってしまう。
 頭が割れそうな痛みに耐えながら後ろを振り返った土御門が見たもの、それは魔法のステッキ(ヘッドクラッシュ)を構えた姫神だった。

「土御門くん。寝言は寝てから言って。チームのキャプテンは秘密兵器の私」
「「その通りです姫神さま!!」」
「ちょっと待ちなさい! 大事な決勝戦のキャプテンはクラス委員長のこのあたしよ!」
「ふ、吹寄には悪いけどお、俺もキャプテンに立候補する! この試合に対する思いは誰よりも強いんだからな!」
「ハッ、テメェら雑魚どもに決勝戦のキャプテンっつー大役が務まるわけねェだろうがァ! つーわけでレベル5第一位の俺がやってやンよォ!」
「アクセラくんは打ち止めちゃんにカッコいい所見せたいだけでしょ! キャプテンは最初からサッカーに参加してるこの私だよ♪」

 姫神、吹寄、情報屋、一方通行、白雪のキャプテン立候補者たちが誰一人として譲ることなくもめ始める。
 東原と野原はあの雰囲気に入れず、茜川は真夜が居ないなら白雪でいいと考え、浜面と服部は姫神の応援、上条と翔太は巻き込まれたくないのでキャプテンに立候補していない。
 このままでは埒が明かないと思った土御門は、

「分かった分かった。そんなにキャプテンになりたいならジャンケンで決めたらいいぜよ。カミやんを含めた6人でパパッとやって欲しいですたい」
「ちょっと待て土御門! 何で俺まで入ってんだよ! キャプテンに立候補してないって分かってるよな!」
「こうゆうことはカミやんが居ないと始まらないですたい。ま、カミやんがジャンケンに勝てるなんて思ってないから気軽にやってくれ」

 上条も巻き込んでのキャプテン決定ジャンケンを提案すると、キャプテン立候補者達はあっさりと受け入れた。
 キャプテンなんかやりたくねぇのに……不幸だ、いつもの言葉を呟いた上条はジャンケンに負けるつもり満々である。
 ジャンケンの勝者がキャプテンというルールのもと、上条のクラスのキャプテン選出ジャンケンが幕を開けた。

――――――――――

 その頃、相手チームの控え室前では【歩く教会】チームと美琴、初春が顔を合わせていた。
 初春と大抵一緒に行動している神裂は、五和の上半身メイド下半身ブルマーの服装を見て別の部屋で五和に説教中。
 佐天はショチトルを発見、久々の再会を楽しんでいる最中である。

「……まあ、インデックスが居るからステイルさんも居る、最愛が居るからオバサンが居る、それは分かる。でも……なんでアンタがここに居るの?」
「何でと言われる意味がサッパリ分かりません、とクールビューティーはお姉様に未来のだんな様と試合で出来ることを自慢してやります」
「オーケー妹。今のは考えるまでも無く攻撃してもいいって合図よね」

 どや顔をする御坂妹(彼女なりに)に切れる寸前の美琴の前に割って入った初春、見事に美琴の怒りを抑えることに成功。
 ちなみにオバサン呼ばわりされた麦野も美琴に対して怒っているがこちらは絹旗が何とか抑え込んでいる。

「ダメですよ美琴お姉さん、妹(まい)さん。こんな所で姉妹ゲンカは」
「オーナー初春がそう言うなら、とクールビューティーは素直に引き下がると共に便宜上の名前は観阪 妹(みさか まい)と告白します」
「…………え? 何、アンタ達知り合い? というか便宜上って?」

 初春曰く、冥土返しの病院に通院しているうちに【妹達】と知り合いになり、今では仲良くさせてもらってるとのこと。
 そんな時、御坂妹からレンタルショップの会員証を作るのにミサカ10032号では作りづらいと相談を受ける。
 最初は初春も迷ったが、冥土返しに尋ねたら力になってくれと後押しされて学園都市に居る【妹達】に色々と便宜を図るようになったのだ。

94ё:2011/03/22(火) 21:20:16 ID:x4noRo1M
「そうゆうわけでクールビューティー達は彼女をオーナーと崇め、頼まれごとを引き受けるようになったのです、とクールビューティーは現状説明を終えます」
「いつかは世界中の【妹達】さん達もと思ってるんですけど今の私の力では学園都市の【妹達】さん達が精一杯で……」
「知らなかったわ、飾利とあんた達がそんな関係だったなんて。……ね、ねぇちょっと待って。まさか飾利、あんた……」

 今までの会話を聞いて信じたくない1つの事実に気付いた美琴、血の気が一気に引くのが分かった。
 目の前の義妹から侮蔑の視線を送られる、罵倒を浴びせられる、そう考えると怖くて堪らない美琴を襲ったもの、それは初春からの抱擁だった。

「大丈夫ですよ美琴お姉さん。【妹達】さん達のことも【絶対能力進化】計画のことも知ってます。でもそれで美琴お姉さんを嫌いにはなりません」
「……嘘。だったらあんたは私のしたことも知ってるんでしょ? なら」
「言ったはずです、それで美琴お姉さんを嫌いにはならないって。悪いのは小さい美琴お姉さんを騙してDNAマップを提供させた人達です」

 それ以上の言葉は美琴には出せなかった、初春の小さい体ながらも包み込むような抱擁の不思議な力によって。

「責めたくなる時もあるでしょう、たとえ乗り越えた今でも。でも美琴お姉さんはこうやって生きています。本当なら許せないはずの一方通行さんとも仲良くなって」
「飾利……」
「全てを受け入れて未来に向かって生きてる美琴お姉さんの味方ですよ、私。たとえこの先どんなことがあったとしても。もちろん一方通行さんもでわぷっ」

 初春の言葉を遮って美琴は目の前の少女に抱きついて声を出して泣き続けた、時々ありがとうと呟いて。
 年不相応過ぎる包容力を見せる初春を見てその場に居る面々は思った、精神年齢が実年齢の倍以上はあるだろうと。
 そして泣き止んだ美琴に何度も大丈夫と尋ねた初春、本人のスッキリした表情を見て気持ちを思いっきり切り替えた。

「じゃあ皆さん、試合頑張って下さい♪ 私達は観客席から皆さんの頑張りを見てますから」
「待つんだよかざり。私たち、いい加減この覆面脱ぎたいんだけどどうしたらいいかな? このままだとうまに私たちが参加してるって分かってもらえないし」
「……インデックス、あんた本気で言ってるの?」
「みことには悪いけどとうまは追試と補習を逃れたことが無いくらいのおバカさんなんだよ。私たちの正体なんて検討すらついてないかも」

 いや、そこまでバカじゃあ無い、インデックス以外の全員が思ったがバカ自体を否定していないのはあんまりな話だろう。
 しかしインデックスが納得していないので初春が彼女に覆面を脱ぐタイミングを教えることに。

「だったら試合開始前に皆さんで一斉に脱いだらどうでしょう? それならきっと当麻お兄ちゃんも驚いてくれますよ」
「確かにそれなら上条当麻も驚いてくれるだろうね(驚くよりも呆然としそうだけど……)」
「でしたらクールビューティーも従います、とクールビューティーは覆面を脱いでもゴーグルは取らないことを宣言します」
「幻想殺しはともかく浜面の驚くツラが見られるならそれが一番良いタイミングか。本当ならもっと派手にバラしたかったけど」
(お兄ちゃんにはとっくに超ばれてるとは言えませんね。けど麦野の言うとおり浜面のバカっぽく驚く顔は超見ものかもしれません)

 他の【歩く教会】チームのメンバーが肯定的なことを受けてインデックスも初春の案を受け入れることに。
 そこに闇咲が現れ、ステイル、五和、エツァリ、ショチトルを呼び寄せて別室での禁止事項についての説明を始めた。
 なおインデックスは禁止するような事項は無いので対象外となったが、そのことで少しむくれたのは本人だけの秘密である。
 合流した神裂に抱きかかえられながら初春は美琴、佐天と一緒に観客席へと向かうのだった。

――――――――――

 その頃、数十回のあいこを経て上条のクラスのチームのキャプテン選出ジャンケンが終了、それはすなわちキャプテンが決定した瞬間でもあった。

95:2011/03/22(火) 22:52:31 ID:GsyTvnjI
 当事者たちは逆に気付かなかったのだが、この決定事項はつい昨日学園都市にいきわたったばかりなのだが、顔ぶれの豪華さ・・・・何しろ、未だ詳細不明の第7位と、現在その生死さえ定かになっていない第2位を除く全ての超能力者達、更にはバレンタインの決闘のビデオが出回ったことにより、最強の無能力者としてその名を学園都市中に轟かせていた上条当麻やら層々たる面子で、
この試合がもはや従来のサッカーの枠を超えた、SFカンフー映画もびっくりの大覇星祭並みのショーになるであろうことは誰の目にも明らかえ、球技大会が他の学校より早く始まってちょうど休日に行われたこともあって、ドームは満杯だった。
 美琴、初春、佐天がいるところから少し隔てた席では、質素かつカジュアルなファッションに身を包んだのカップルらきし2人が、これから行われるであろう試合について興奮を抑えきれずにいた。
「楽しみですねえ麗奈様。」
「本当ね。新坂君、どっちが勝つと思う?これ見る限り。」
 くるくる巻き毛の上品さを漂わせている美女は、試合前に渡された各選手のプロフィールと、彼らの前日の試合の様を映した小型ビデオを見ながら問いかけた。
「麗奈様はどっちだとお考えですか?」
「私は貴方に聞いてるのよ。」
「はっはい。ええと・・・・」
 少し凄みを増した声におののきつつも、彼はそれらのデータを「分析」した。
「友愛高校の人達・・・特に元からサッカーにいたチームなんかは確かにすごい力ですけれどなんというか・・・なまじっか癖のありすぎるチームかなあと・・・・」
「ふうん・・・・」
「最も身体能力が高い井ノ原姉弟の登場も出奥でそうですし。一見地味ですけれど、【歩く協会】とか名乗るチームの方は、特に司令塔たる『ピュアシスター』と『シガレット』、『ムギムギ』と『シルク』のコンビが整っていて、『ピュアシスター』を中心としたチームワークというか、統制力がちゃんと取れている感じがしますね。 
 あとは能力面ですけれど・・・・」
「ほう?」
「多分・・・対策は取れていると思いますよ。恐らく統制を採っているあの『ピュアシスター』、これまで見てきた限りでは相手チームの動きをきちんと把握してきてる頭がよさそうな感じの娘ですし、それに『ムギムギ』や『シルク』もそれぞれ超能力者、大能力者なんでしょう?あとはそう、超能力者の『心理掌握』と『削板軍覇』がいかに動くかがポイントでしょうね。」
「ふうん、つまりあなたは【歩く協会】チームの方を買っているわけ?」
「はい、麗奈様は?」
「奇偶ね。私は友愛高校チームに一票よ。」
「どこが奇偶なんですか?」
「これで賭けれるしょう?どっちが勝つか。」
「・・・・ちなみに根拠は?」
「第1位の一方通行は恐らく他の超能力者達なんか圧倒する実力でしょうし、白雪とかいう娘の攻撃のバラエティもすごいし、井ノ原姉弟がやっぱり粒ぞろいよあのチームは。ほら、それから神裂先生に鍛えられたバレーボールチームも出るっていうし。」
「個々の実力がよくても、チームで上手く動くとは限りませんよ。ブラジルなんかも選手は強いですけれど、日本はチームプレーで勝負して対抗するタイプですから。」
なまじっか皆と比べて突出しているがためにチーム競技が比較的苦手な麗奈と、周囲や他人との和を重視するタイプの早坂とでは、試合に関する観点が違うらしい。
「だから賭けましょうって言っているのよ。もしあなたが勝ったら新坂君、あなたが勝っただった今度1日だけ家に泊めてあげるわ。」
「ほ、ほんとほんと!出来れば夏休みにお願いします!」
本当に、心から嬉しそうに顔をほころばせる早坂。
「ええ、じゃあ私が勝ったらどうしようかしらね・・・・・」
 ふーん、人さし指を顎に当ててしばし楽しそうに思案した麗奈は、携帯からインターネットにつないであるリンクを出した。
「これに付き合いなさい。」
「え。ええと・・・夏休み蛍体験・・・・・?」
 古い趣を色々残してある学園都市外の都市、京都で夏に行われる、自然の蛍を眺める夜のキャンペーン。
「そう。京都に行く旅行ついでに参加するんだけど、あなたにこの京都旅行に付き合っていろいろ雑用と押しつけたいから。」
「はは、わかりました。なんとか父さんと母さんを説得してきますよ・・・・。」
(よしよし、さあ、勝ちなさい、友愛高校チーム)
 居丈高に友愛高校を応援した麗奈は、離れに観たことある者たちの塊を見つけた。


ついに彼女達を絡めてしまいました。もうやるっきゃない!

96:2011/03/22(火) 22:53:01 ID:GsyTvnjI
「フレー、フレー、浜面さーん、半蔵さーん。」
「絶対勝つよな俺達のチーム」
「あったんまえだろ。いつもは憎ったらしいが、一方通行だっているしよぉ。」
「あの2人の運動神経とチームワーク、そして2人が神のように崇めているっていう姫神さんとかいう人の未知数の実力あれば能力者連中なんて目じゃねえぜ。」
 友愛高校チーム応援していたのは、半蔵達が取りまとめているのスキルアウトのチームだった。
「貴方達も来てたの。」
「ウゲッ麗奈、新坂・・・」
「つれないわねえ、植森君、今日は別に喧嘩なんて野暮なことはしないわよ。貴方達だって、自分達のリーダーを応援しているだけでしょう?」
 普段自分達の柵川中学及びその生徒への手出しを止めつづめて、柵川中学を第13学区に次ぐアンタッチャブルゾーンにしている天敵といっていい2人に出会ってそれまでの浮かれモードから一転、白けた雰囲気になっていくスキルアウト。そんな彼らを盛り上げたのは、人のいい天然君、新坂だった。
「ねえねえみんな。麗奈様も友愛高校チーム応援しているんだって。僕の方は【歩く協会】チームの方応援しているんだよ。それでさ、少し待ってて。」
 そう言って彼は、麗奈の方に言って何か耳打ちして、それに対してあわてた感じで手を振るものの結局うなだれた感じで折れた麗奈。新坂は2人のところへ行って告げた。
「もし君達と麗奈様が勝ったらね。この京都旅行プランに連れてってくれるって。」
「ほんとかよそれ!!」
「旅費は?」
「ああ、それだったら団体プランがあるから、負けた僕の方がおごるよ。だから今日は普段のことは忘れて、楽し・・・」
「ウヒョウ!やっぱ金持ちって最高だなおい!」
 実は親が結構資産家な新坂は新たな条件をつけて、彼らと麗奈の仲を取り持とうとし、結果として敵同士でありながら彼らと共にワイワイはしゃぐこととなった。一方勝手に2人きりの純和風デート計画をつぶされた麗奈は・・・
(バカバカ馬鹿坂!何勝手に賭けの内容変更してんのよ!私の下僕の分際で!)
 普段は敵対しているものの、調子のいいスキルアウト達にかこまれながらどっちを応援するべきか本気で悩んだ。

97:2011/03/22(火) 22:56:05 ID:GsyTvnjI
とんでもない伏線はっちゃいましたが、
万一友愛高校チームが勝っても、半蔵や浜面や姫神がとりなせば、
別の条件で彼らを納得させられると思います。

98:2011/03/22(火) 23:11:25 ID:GsyTvnjI
 その10分後、試合開始がかなり近い頃、銀髪の、背が日本の小学生並みに低く幼い容姿を持つ少女がしょぼーんとした感じで夫婦に背負われる形で入ってきた。
「パパ、ママ、ほんとごめんなさい、やっぱりブレーキの調子直しとけば・・・・」
「過ぎたことを言っても仕方ないだろう。それよりもセレナ。いるんだろう?お前の恩人が。」
「うん!一方通行様凄い活躍してくれるのかなぁ。」
「ちゃんと拍手したりして精一杯応援しなきゃね。」
 自分を背負っている父親や母親に励まされて試合に対する興味を一層、当初出かける時より盛り上げた少女。目当ての少年が活躍するのは前半のみなのだが、打ち止めに見せるためのそのフェアプレーが、別の少女のハートをも射止めることになろうとは予想もしなかったろう。

99:2011/03/22(火) 23:27:42 ID:GsyTvnjI
「だから賭けましょうって言っているのよ。もしあなたが勝ったら新坂君、あなたが勝っただった今度1日だけ家に泊めてあげるわ。」→「だから賭けましょうって言っているのよ。もしあなたが勝ったら新坂君、今度1日だけ家に泊めてあげるわ。」

100:2011/03/22(火) 23:33:41 ID:GsyTvnjI
未だ詳細不明の第7位と、現在その生死さえ定かになっていない第2位

そして中学生の超電磁砲

101:2011/03/22(火) 23:34:51 ID:GsyTvnjI
未だ詳細不明の第7位と、現在その生死さえ定かになっていない第2位、そして
中学生の超電磁砲を除く5人もの超能力者達

に、変更してください。

102■■■■:2011/03/23(水) 09:34:38 ID:tRw2YiR2
7位は、削板じゃなかったけ?
6位では?

103:2011/03/23(水) 09:36:00 ID:wDXo9kHk
月夜が入ったから8人になっているんですよ。
外伝では、7月以降にまた7人になりますけれど。

104:2011/03/23(水) 09:37:37 ID:wDXo9kHk
ちなみに裏設定では、外伝に出ているセレナードと一方通行の出会いは
この日の朝です。

105■■■■:2011/03/23(水) 09:40:46 ID:z6l1Ty.2
あー!なるほど(o^-')b

106ё:2011/03/25(金) 21:10:34 ID:sfu9G7Ig
 何かスタジアムが人でいっぱいで盛り上がってるとかどうでもいいと思ってる人間が1人居た。
 その人物は自分の身に降りかかった不幸に思いっきり落ち込んでいる最中である。

「不幸だ……。よりにもよってやりたくもねぇキャプテンになるなんて神さま、上条さんは悪いことをしたのでせうか?」

 不覚にもジャンケンで勝ってしまった上条、自分のクラスのチームのキャプテンになったことを心底嫌がっていた。
 というのもこれでまた目立って街中で追い掛け回される確率が増える不幸に見舞われる、それが上条の考えである。
 しかしそんなものは全くもって今さらな話な上に、最近では追い掛け回されることが減って来ている傾向にあるのだが本人は分かっていない。

「ちくしょおおおおおおおっ! せっかくキャプテンになって頑張って吹寄にもっと認めてもらおうって思っグギャッ!」
「な、何言ってるのよこのバカ! しかし何て屈辱! まさか上条にジャンケンで負けるだなんてあたしのクラス委員長の威厳が……っ!」
「確かに屈辱。だけどそれ以上に。上条くんが。キャプテンになったことを。不幸とか言ってるのが。すっごく腹が立つ」
「そうだよ! せっかくキャプテンになれたのに上条くんの贅沢者!」
「全くだなァ。不幸とか抜かしてるせいで考えてねェのか? キャプテンになったテメェを御坂が更に惚れ直すって羨ましい展開をよォ」

 口々に不満や愚痴を言っているのは上条のグーに敗北したキャプテン立候補者達、その中で一方通行の言っていたことが根強く印象に残った上条。
 そしてイメージするのはキャプテンになった自分を何故かチアリーダーとして応援する美琴の可愛い姿だった。

「いよっしゃあああああっ! 俺は不幸じゃない! すっげー幸せ! つーわけで俺がキャプテンをやるからには絶対勝つぞーーーーっ! みんなもしっかりついて来いよ!」

 ポジティブシンキングになっていつも以上に大張り切りする上条にその場に居た全員が思った、爽やかだけど暑苦しいと。
 これでようやくいつもの上条のクラスに戻り、皆もいつもの調子を取り戻した所で白雪が土御門に尋ねる。

「ところで元春って魔術の使用制限とかされてないの?」
「使っただけで大ダメージ受けるんだぞ? 制限される以前にオレの方が使う気起きないぜよ。ま、月夜が居れば魔術に頼る必要性も無いからにゃー」

 純粋に自分を頼ってくれた土御門の態度が嬉しくなった白雪、人目も憚らずに自分の恋人に抱きついた。
 その様子を羨ましそうに見ていたのは一方通行、青ピ、浜面、服部、茜川の恋人が近くに居ない面々(上条は美琴のチアリーダー妄想で平気)。

「にゃー、何か色々と盛り上がってるみたいだからこっちでポジション勝手に決めちまうか。オレもルールくらいは知ってるからな」
「土御門、ちゃんと勝てるポジション選びしなさいよ。貴様のせいで負けたとか思いたくないから」
「わーってるって。吹寄さんのご所望通り、情報屋がカッコよく見えるようなグオッ! ……冗談ですたい」

 吹寄に頭突きを喰らうというアクシデントに見舞われつつも、土御門は自分のチームのポジションをテキパキと選び始めるのだった。

――――――――――

「では君達の得物はこちらで預からせてもらう。試合が終われば返すから安心してくれ」

 こちらでは魔術師の禁止事項の説明が終わった所で、闇咲がそれぞれの危険な武器を預かっている所だ。
 要は魔術師達のそれぞれの得物を預かることが禁止事項を守らせることと同義となるのだ。
 特にエツァリとショチトルは得物を取り上げられたことで落ち込んでいたが、持っている身体能力だけで頑張ると前向きに考えた。

「闇咲、僕のルーンのカードは預かりはしないのかい?」
「ステイル、君の場合はルーンのカードそのものに攻撃性を感じないと感じたからだ。イノケンティウスを使わなければ問題は無い」

 勿論相手への直接攻撃は禁止だ、そう闇咲が付け足したのを受けてステイルは素直に頷いて部屋から出て行った。
 ちなみにエツァリとショチトルが得物を取り上げられたのは魔術自体が危険なこととプレーが度々止まるを防ぐことが理由である。

107ё:2011/03/25(金) 21:38:29 ID:sfu9G7Ig
「では闇咲さん、私の海軍用船上槍、確かにお預けします。これはサッカーには不要な物ですから」
「分かった。それと五和、後で他の魔術師達にも伝えておいてくれ。君達の得物を返すのは私ではなく」
「いやー悪い悪い。ちょいと遅れちまったのよ。で闇咲、俺が預かることになる……のは……」

 エツァリとショチトルも既に部屋を出ており闇咲と五和だけしか居ない部屋に入ってきたのは建宮だが、その建宮は五和の上半身メイド下半身ブルマーを前に固まってしまう。
 ちなみに建宮を呼んだのは闇咲で、彼も初春と対馬と同じ便でロンドンに向かう都合上、あと少しでここを発たないといけないという理由がある。

「い、五和……。お前さんとうとうそこまで手段を選ばんようになっちまったのか。教皇代理として実に悲しいのよな……。ま、それはともかく写真に収めヒイッ!」
「建宮さん、突き刺されたいんですか? それとも切り刻まれたいんですか?」
「じょ、冗談なのよね……。しっかし海軍用船上槍を取り上げられるとは……まあ球技大会だから当たり前か。けどこれで五和の戦力も半減って思ったがそうでも無いのな」
「流石に見抜いてましたか。というわけで試合、期待してて下さいね。私と当麻さんの愛に満ち溢れたサッカーを♪」

 そっち方面じゃ期待してねえっての、建宮は口にしたら殺されかねないことを心の中で思っていた。
 しかし上半身メイド下半身ブルマーの服装が天草式魔術としての効果を顕していたことには感心していたりする。
 闇咲に後を任された建宮は目の前にある魔術師達の得物を慎重かつ丁寧に管理をするのだった(特にエツァリの原典)。

108☆〜:2011/03/26(土) 12:52:10 ID:FacEPk/w
皆さん、はじめまして。☆〜と申します。初投稿で、まだまだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。

109☆〜:2011/03/26(土) 17:51:00 ID:FacEPk/w
あ、打ち間違えました。
私、読み専門の、初コメントでした。
このSSを書いていらっしゃる皆さんは、何というか凄くて、私には到底真似出来ません。
皆さん、これからも頑張ってください*

110■■■■:2011/03/27(日) 11:52:41 ID:Z2EH7To.
segaってね☆

111Ψ:2011/03/28(月) 10:27:40 ID:hdZ988zM
超お久しぶり〜
もう忘れてかけていると思いますがΨです〜
にしても本当に読み専になっていますが、7つも小説を書いていたりブログをしていたりしているので、時間なんて取れないに等しいですよねorz
で、今日は何で書いたのかと言うと、書けない代わりに要望でも言っておこうかとのでw
ただ単にあるキャラを出して欲しいだけなんですけどねw
っていう事で、誰でも良いからフレメアを出してくれると嬉しいです♪
うん、それだけです。なんか出てきたら面白そうな気がしたのでw
っていう事でお願いします。俺はこちらに書ける時間がないに等しいので。

ところで、球技大会が終わったら何するの?

112Ψ:2011/03/28(月) 10:55:39 ID:hdZ988zM
追記、
絹旗の一方口調も出して欲しいですw

113:2011/03/28(月) 12:21:00 ID:5IBjUJZQ
Ψさん、どこでどんな名前で小説書いているか教えてくれませんか?
というか、ここに来る皆さんは、やっぱりここ以外でも色々書いているようですね。
できたらみつけてみたいです。

114:2011/03/28(月) 12:25:37 ID:5IBjUJZQ
球技大会終わった後・・・・
今まで出ている案としては
「GW・情報屋&吹寄デート見守り」と
「夏の戦争準備編」でしょうか。

115Ψ:2011/03/28(月) 14:32:22 ID:hdZ988zM
★さん
教えて欲しいですか。
小説は良いのですが、ブログは……結構痛いです。
一応載せておきますけど。
『七つの罪を断罪せし者 “Judgement Sanctuary”』というサイトです。
小説の方の名前は竹馬プシーと言う名を使ってます。
ってかもはや公開すると言うねw

116:2011/03/28(月) 15:56:36 ID:5IBjUJZQ
ありがとうございます。
さがしてみます。

117■■■■:2011/03/30(水) 20:37:50 ID:svXZh.Go
多分、能力者への禁止事項書かないと進められそうに無い予感がしたので僭越ながら。

――――――――――

「というわけで以上が君達専用の禁止事項だ。さあ、復唱したまえ」
「復唱ってアンタねぇ……。私らがそんなに信用できないっての?」
「言わないと分からなさそうな人間がいるからね。じゃあ早速だがムギムギ、君から」

 上条のクラスの相手チームで呼び出された対象者達、木山の子供扱いに噛み付いたのは麦野。
 しかし試合開始前からやる気満々の削板を見て仕方ないといった感じで折れることに。
 そして禁止事項の復唱が御坂妹、結標、麦野、絹旗、削板の順で開始された(心理掌握は元からサッカーなので除外)。

「当麻さんへのセクハラは禁止、とクールビューティーはここに宣言します」
「ボールとサッカーゴールの【座標移動】は絶対にしない」
「浜面へのセクハラの禁止……チッ。左腕でボールに触れたらハンド扱い。【原子崩し】使用の際は出力を抑える」
「【窒素装甲】でボールを掴んだら移動は超禁止です」
「【念動砲弾】を使う時は周囲に迷惑をかけない! 分かってるって! そんな根性入ってねぇマネはしねぇから安心しろ!」

 一部、能力と全く関係ない禁止事項があるが誰も気にしてはいなかった(相手への能力使用、攻撃禁止は基本なので省略)。
 木山は多少は不安ではあったが、目の前の少年少女を信じて控え室へと帰した。
 それから少しして今度は上条チームで唯一呼び出された一方通行が入ってきた、不満そうに。

「どうしたんだい? 私に呼び出されたのがそんなに不満なのか?」
「何で俺だけなンだよォ! 白雪は元からサッカーだからってのは分かンだけどよォ、茜川呼ばねェってのはえこひいきですかァ!」
「茜川は普段から知ってるからね、自分でやってはいけないことの区別はついているだろう。私がわざわざ言わなくてもね」

 白雪のダチってだけでアウトだろォ、一方通行は一瞬そんなことを思ったが茜川の普段の行動を思い返して何とか納得した。
 ちなみに茜川は衝撃波に周囲の人間を巻き込まないようにと考える一方で、土御門が提案した掛け声に紛れて相手への音波攻撃を考えていたりする(鼓膜破らないように)。
 木山はしかめっ面の一方通行など気にすることなく禁止事項を淡々と告げた。

「相手への能力使用の厳禁、これは基本だな。君個人の禁止事項は反射、黒翼と黒い悪魔の右腕の現出だ」
「妥当っちゃあ妥当だなァ。反射なンぞサッカーが盛り上がらねェし、翼と右腕はこンな所で見せるモンじゃねェしな。後は好きにしていいンだろ?」
「勿論だ。他の能力者達も私の設けた禁止事項の穴を察して能力を使ってくるだろうからな。それを見つけるのもこの試合の醍醐味というわけさ」

 一方通行は理解していた、黒翼と黒い悪魔の右腕は自分の切り札と共にその先、純白の翼に小さな輪を冠した天使を思わせる状態への取っ掛かりだ。
 自分の手の内を一般人が多く見守る中で見せるつもりは最初から無かったが、木山がそのことを配慮していたかのような禁止事項に一方通行は関心していた。
 それと同時にまるで木山が自分の能力について把握してるのではという疑問が湧き上がったが、上条の影響なのか木山を信用して深く考えることを中断する。

「私からは以上だ。試合、頑張りたまえ」
「テメェに言われるまでもねェ。それと相手がどンなトンデモ軍団だろうと勝つのは俺たちだ。俺らのクラスの団結力なめンなよ」

 あの学園都市最強が団結力を口にするとはな、木山はそう呟いて部屋から出て行った一方通行の成長とも呼べる変化を微笑ましく思っていた。
 自分のやるべきことを終えた木山は手早く部屋を片付けた後で、観客席へと向かうのだった。

――――――――――

『ええっ! 決勝戦は友愛高校じゃなくて第二十学区の全天候型スタジアムで行われるんですか!』
「ああ」

 試合開始まであと5分、闇咲は対馬と電話で話しており内容は学園都市出立の件についてである。
 電話越しでも対馬の驚きを感じ取っていた闇咲、冷静に彼女に指示を下し始めた。

「対馬、君は後半が始まる前までにタクシーをこちらに付けておいてくれ。地図は後で転送しておく。私達の荷物は空港にもう送ったのだろう?」
『は、はい。おそらくそれが飛行機に間に合う為の最良のスケジュールなんですよね? 闇咲さん』
「その通りだ……と言いたいが問題が出て来てしまった。初春のことだ」
『おおかた女教皇様がベッタリで抜け出すのが難しいんでしょうけど心配無用です。初春もそれを考えていなかったわけでは無さそうですから』

118ё:2011/03/30(水) 20:57:22 ID:svXZh.Go
>>117は私です。

――――――――――

 イギリス清教では後輩にあたる闇咲に対して対馬が敬語な理由、それは年上として普通に尊敬できるという建宮が聞いたら怒りそうなものだった。
 普段の初春と神裂を思い返した闇咲、よくよく考えるとそれほど問題ではないと初春の件について結論付けることに。
 対馬との電話を終えてから少しして、グラウンドの方から大歓声が聞こえてきたので、闇咲は選手が入場したことを察するのだった。

――――――――――

 主審の災誤、線審の黄泉川と小萌に続いて上条クラスのチームと決勝進出チーム連合軍がグラウンドへと入場していた。
 チームの先頭はチームのキャプテンで上条とインデックス(【歩く教会】メンバーは覆面着用)で、左腕にはキャプテンマークが付いている。
 そしてセンターサークルに到着した選手たちは互いに相手チームと向かい合うことになる。

119ё:2011/04/11(月) 21:03:08 ID:Fl5LaQhA
……4月になって書き込みゼロ。
サッカーの試合が書きづらいのかそれとも……。
このままというのは寂しいので試合を進めようと思うのですが書いていいのでしょうか?

120読者:2011/04/12(火) 17:32:40 ID:NpMxnPW2
はじめまして!
Wikiにあるところより結構進んでますね・・・
こういう掲示板にはじめて書き込むんですけど、僕見たいなんが書き込んでいいのか少々不安です・・・。

続き楽しみにしてます!!
ssとか書いたことないので、どれだけ苦労しているかあまりわかりませんが、がんばってください。

121タク:2011/04/13(水) 23:59:34 ID:HZ0yT6mI
お久です。
最近は、スポーツばかりでなかなか書けないんだよね。
だから書ける人が書いていけば良いのでは?

122ё:2011/04/15(金) 19:13:51 ID:PBbC6BZo
読者さん、タクさん、ありがとうございました。
ふんぎりが付いたので投下します。

――――――――――

「ふっふっふっ、とうとうこのマスクを脱ぐ時が来たんだよ。とうまはとうまだからこのピュアシスターの正体に」
「おいインデックス、お前の正体なんてとっくにバレバレだっつーの。つーかさっきも俺、お前のこと名前で呼んだだろ」

 意気揚々とマスクに手をかけて素顔披露に入ろうとした時、上条からの予想外(インデックス的に)の発言に体が止まってしまう。
 まさか上条に正体がばれてるとはこれっぽっちも思っていないインデックスがショックを受けていたが、

「超ありえません! 馬鹿の体現者と言われてる浜面に私達の正体が見破られるなんて!」
「私の正体を見破るなんてさすがは浜面、運命の赤い鎖で私が繋いでるだけのことはあるわね。馬鹿なのは否定しないけど」
「お前らホントひでーよ! だいたい絹旗、俺が馬鹿の体現者って言ってるのってお前だけだからな! むしろそのフレーズは上条にがふっ!」
「浜面のくせにお兄ちゃんに対する超暴言、許せません! 次、お兄ちゃんのことを馬鹿って言ったら超殴りますよ!」

 もう殴ってんじゃげふっ! そう言いつつ浜面が絹旗に殴られて宙を舞っているのを見て冷静になった。
 ちなみに浜面が麦野を完全にスルーしたのはこれ以上、面倒になるのは御免だったからだったりする。
 【歩く教会】チームが覆面を脱ぎ捨てた所でそれぞれのチームで因縁のある者同士で会話が交わされる。

「とうま、今日は勝たせてもらうんだよ。そして思い出させてあげる。私ととうまの立場ってものをね」
「インデックスが勝利を望んでいる。だから上条当麻、今日は容赦なく君を叩き潰してあげるよ」
「当麻さん、今日はいい試合にしましょうね♪ そして堪能して下さい、天草式蹴球術を改良した五和流ご奉仕サッカーを!」
「こうしてあなたと楽しい時間を過ごせることを嬉しく思います、とミサカは抑えられない気持ちを口にします。そしてあなたの唇を奪ってあげましょう」
「上条! サバイバル合宿では負けたが今日は勝ってやるぜ! 俺の根性入ったプレイを見せてやる!」
(何で俺ばっかりこんなに絡まれるんだよ……はぁ、久々に不幸だ)

 インデックス、ステイル、五和、御坂妹、削板からの言葉を聞いた上条、ちょっとだけげんなりした。

「上条当麻のことは試合で判断するとして……土御門さん。今までに受けた数々の仕打ちの恨み、貴方に勝利することで晴らさせて頂きます」
「私個人としてはお前に恨みなどさらさら無いがエツァリがこう言ってるんだ、勝たせてもらう」
(こうゆう絡まれ方はカミやんの専売特許だっつーのに……。ショチトルはともかくエツァリに教えてやらんとな。人として魔術師としてどっちが上かを)

 エツァリは個人的な恨みを晴らす為、ショチトルはそのエツァリの為にも打倒土御門を宣言した。
 土御門は土御門で【グループ】の一員としてエツァリに立場をいうものを分からせてやる為に闘志を燃やす。

「あ、あの、ア、アク様。きょ、きょきょ今日は宜しくお願いいたします! 私、胸を借りるつもりで試合をさせていただきますので!」
「知るか。テメェがどうしようが俺の知ったこっちゃねェンだよ。胸でも何でも勝手によろしくやってろっての」
「ありがとうございます! ……ところで井ノ原先輩は?」
「(ンだコイツ? 何で礼なンぞ言ったンだァ?)だから好きにしろっての……。双子なら姉が風邪ひいて弟はその看病で居ねェよ」

 一方通行は気付いていない、いつもなら心理掌握のことは適当に受け流すか無視するのだが言葉は悪くともそれなりに相手するのはかなりの譲歩ということに。
 困惑している一方通行から井ノ原ツインズのことを聞いた心理掌握は、特に真夜に成長した姿を見せられないことを残念に思っていた。

123ё:2011/04/15(金) 20:35:29 ID:PBbC6BZo
「しょーたっ♪ 今日はよろしくね」
「う、うんっ! ぼ、僕も負けないよ!」
「(もー翔太ったらかーわーいーいー♪)ねぇ翔太、この試合で勝った方が相手に1つだけお願いできるってのはどう?」
「い、いいよ。でも安心して淡希。僕、淡希が嫌がることは絶対にお願いしないから」

 敵同士なのにいちゃついてる月結を見て対抗心みたいなものが芽生えた麦野が浜面に宣言する。

「よし浜面。この試合、私達が勝ったらいっぱ」
「それ以上はアウトだっつーの! ていうかそれ以前に俺とお前の間で賭けなんて成立しねぇ!」
「ちっ、だったら試合で浜面をボロボロにしてから拉致してヤッちまうか(冗談だよ冗談。今日はいい試合しような)」
「頼むから本音を口にするの止めて! 普通は建前を口にするもんだろ!」

 自重することを全くしない麦野に浜面は試合開始前だというのに疲れを感じていた。
 そこへ笑顔で上条と話していた絹旗が戻ってくるとさっきまでの可愛らしい笑顔はどこへやら、実にふてぶてしく浜面に告げる。

「浜面、今日は超思い知らせてやります。ここ最近、超調子に乗ってる浜面に自分の本来の立場を。そう、自分がいかに超下っ端かということをね」
「上等だ! その生意気で可愛げの無い態度、今日こそひっ! う、腕を振り上げたって怖くねーからな!」

 絹旗が軽く腕を上げただけで服部の後ろに隠れた浜面を見た絹旗、明らかに見下した視線を浜面に送った。
 そしてお互いのチームが礼儀正しく挨拶を交わすと、それぞれのチームのキャプテンを中心に円陣を組み、

「俺たちの目指すものはただ1つ、優勝だけだ! 勝つぞーーーーーーーーっ!!」
「おーーーーーーーーっ!!」×上条以外のチームメイト
「私達は元はバラバラのチーム。当然目的も違う。だけど勝ちたい気持ちは一緒。だからみんな、頑張って勝利を掴むんだよ」
「おうっ!」×インデックス以外のチームメイト

 気合を入れるとそれぞれのポジションについた、以下の通りに。
 上条チーム:GK東原、DF上条、吹寄、野原、情報屋、MF一方通行、浜面、服部、翔太、茜川、FW白雪。
 決勝進出連合チーム:GK心理掌握、DF結標、ステイル、削板、MFインデックス、五和、エツァリ、ショチトル、麦野、FW御坂妹、絹旗。

「そちらは白雪さんの1トップですか。しかし土御門がベンチとは私達も超なめられたものですね」
「そんなことないよ絹旗ちゃん。これも元春が勝利の為に考え抜いた手なんだよ。……それにしても隣のゴーグルの子って美琴ちゃん?」
「ミサカはお姉様ではありません、とミサカはあなたにならオーナー初春からミサカのことを話してもいいと言われているので後日説明することを約束します」

 このようなちょっとした会話の後で災誤の試合開始のホイッスルが鳴らされた。
 決勝進出連合軍ボールで始まった決勝戦、御坂妹は絹旗へとボールをパスするとそれを絹旗は手でキャッチして投げる体勢へと入る。
 絹旗の行動をハンドだと思っていた上条チームのスターティングメンバー、油断していたがプレイが止まる気配を見せないことに疑問を抱いていると、

「何やってんだ! 早く絹旗を止めろ! そいつにハンドは適用されないんだぞ!」
「後の祭りですよ土御門。まずは1点、超いただきます!」

 土御門の焦りをはらんだ檄が飛ぶが絹旗は構わず全力でボールをゴール目掛けて投げた。
 【窒素装甲】にとって投げられたボールは並外れた速度とパワーを伴ってゴールへと向かう、土御門の言葉の意味に気付いた一方通行、浜面、服部が向かうが間に合わない。

「え? 何でプレイ止まぐえっ!!」

 全く警戒していなかった東原ごと絹旗のシュートはゴールへと吸い込まれた、開始わずか9秒で。

124:2011/04/15(金) 22:43:45 ID:WsbYqYno
ドームで覆面を脱ぎ捨てた【歩く協会】チーム。それに対する観客達それぞれの反応。
例えばスキルアウト達は・・・・

「浜面さんと話している奴らって『アイテム』だっけ確か?」
「3人いたってな確か。1人は浜面さんの彼女で俺達も見たことあっただろ?もう1人は浜面さんに2回程ぶっ倒された第4位。あれは3人目か?」
 もしこれを聞いたら麦野は直ちにこの少年を殺し、浜面はそれにプラス『今こそあんたをぶったおしてどっちが上かわからせちゃおうかねえーはーまづらー』っていう展開を予想して青い顔をしていただろう。
 比較的控え目な印象を与えるスキルアウトの少女が側の仲間に尋ねた。
「改めて見ますと、超能力者って何人いましたっけ?」
「ええと1位3位4位5位6位8位・・・・6人。」
「・・・・私達にとっては・・・・。」
「・・・・爆撃飛び交う戦場に裸一貫で踊り出るようなもんだろうな。
 人それを無謀という。」

「絹旗って大能力者よね。」
「ええ・・・窒素を使う・・・接近戦じゃ無敵のチート能力者って・・・ハア、ハア・・・」
「・・・・笹川中学(こっち)の体育大会や球技大会とんでもないことになりそうね。」
「うちって・・ウッ・・強能力者以上って他に・・・いましたっけ?」
「生徒会として全校生徒の名簿全部見ているから断言できる。いないわ。」
「・・・・球技はチームです、はい。ところで、ハア、麗奈様・・・・?」
「何、新坂?」
「(あ、機嫌悪い)僕何か悪いことしました?」
ドス!!
「さあ?」
 そう言って彼女は目の前の新坂少年の肩に肘を乗せ、黙って競技を観戦した。
 先ほどから関節技を掛けられ続けたことに加えて、先ほどのひざ蹴りによる背中へのダメージで涙目になっている後輩には目もくれなかった。
(これでも公衆の面前である分、椅子や足置きマットにしなかっただけましと思いなさい新坂。)

 そこからかなり離れた親子連れでは、社交界のマダムのような上品な感じを漂わせている母親が「綺麗な子たちねえ。」と【歩く協会チーム】の女子勢をほほえましく眺めていて、一方真面目なビジネスマン風の父親は、彼女らをついさっき渡された紹介と照らし合わせていた。
「『原子崩し』って試合に使うのかな。ビーム出す能力なんて。
 ・・・・ん?ナターシャ?」
「・・・・ハ!!あ、あれが一方通行さんですよぉほらあの白い髪と肌と赤い眼の人ぉ」
「え!?学園都市1位!?」
パンフで知った相手の正体に仰天する父は気付かなかった。自分の娘が気になっていたのはむしろ先ほど彼が気にしていた『原子崩し』の方で、セレナードが彼女を見て凄い形相でいることに。
(麦野・・・・やっぱりアイツか!!)
 セレナードは麦野とフレンダが大っ嫌いだった。
 能力や技術の差を鼻にかけて筆舌つくしがたいいじめをしかけてくるやら、暗部にひたっている自分達のことを棚に上げて人の家族をクズ呼ばわりするやら。
(幸いフレンダの方はあの日とうの麦野にぶち殺されてくれたし、あいつの方も無能力者に少なくとも2回は負けて隻眼隻腕になったとかで溜飲が下げられたけど。)
 あの麦野の腰ぎんちゃく。力のある奴には謙りまくるくせに自分より弱い奴をいびるのが趣味のような女のことだ。その下衆な八方美人の根性が裏目に出たんだろう。だとしたらなんともあいつらしい死に方だ。
(あーあ。誰か麦野・・・もう絹旗でもいいです。この試合の中でもう一度くらいぶっ飛ばしてくれませんかねぇ。確かあれが・・・・浜面仕上ですかぁ。あれじゃ少なくとも絹旗は無理そうですねぇ。)
 とりあえず一方通行と浜面仕上に、かなり邪悪なものも含めた期待を込めて彼女に対する憎しみを抑えると、そこでもう一人の顔見知りに気付いた。
(あ。ピュアシスター確か)

125:2011/04/15(金) 22:50:05 ID:WsbYqYno
ぶっ飛ばしてくれませんかねぇ→ぶっ飛ばされてくれませんかねぇ

126:2011/04/15(金) 22:51:25 ID:WsbYqYno
あと3位(美琴)は出ていなかったから5人でした。

127:2011/04/16(土) 12:16:30 ID:txgXpBBo
 急にそわそわし始めたインデックスに気付いたステイルは試合の中でさりげなく近づき声を掛けた。
「どうしたんだいインデックス?具合でも悪いのかい?」
「な・・・なんでもないんだよ・・・?」
「(トイレにでも行きたいのかな)試合は続けられるかい?」
「もちろん!続けるんだよ!」
 インデックスは体調に問題あるわけではなかった。
 彼女が落ち着かなくなってしまったのは、観客席を見てしまったからだった。
 絶対記憶能力と言う特殊な頭脳を持っている彼女は、街で見た人々の顔を皆覚えているわけで、特に少しでも関わったものの顔は絶対に忘れない。
 したがってこの満員のドームの中でも自分が見かけた者、関わったものの顔はすぐにみつかり、そしてその中には・・・・

 セレナードとインデックスの出会い。それはちょうど一方通行とインデックスのそれと同じようなものだった。
 道に迷って空腹でぐったりしている純白シスターさんを彼女と同じくらいの長さと色の髪の少女が拾い、空腹を健気に訴える彼女を側のレストランに連れて行ったのだが・・・・
「それでねそれでね。ステイルが今日も仕事でまた教会に1人ぼっちにされちゃってね。一応お金はたくさんあったんだけれど迷ってへとへとになっているうちにどんどん消えちゃったわけでね。そんなところにあなたが来てくれて凄く嬉しいんだよ。『喰わせ殺し』以外の料理も楽しめて新鮮だったし。」
 要はステイルとやらを初めとして面倒を見てくれている人達が仕事で構ってくれなくて1人ぼっちになりがちだということだった。この少女の口ぶりから察するにそれは「とうま」とかいう昔の人とところと変わらないいつものことらしい。
「まったくみんな薄情なんだよ。科学なんてわからない私をこんな街に一人っきりにしておくなんて。しかもこっちのおなかと背中がくっつきそうなほど留守にしておくか勝手に余計なことに首を突っ込んで傷ついて帰ってくるやらでとうま並みのおひとよしぶりなんだけれど心配される私の身にもなって・・・・」
「あんたさぁ。」
 それまでインデックスの愚痴を最初は割と親身に。途中から話し半分で聞いていた彼女は、耐えられなくなった風に切り出した。
「ん?なんなんだよ?」
「私はねぇ、『何かをしてくれるから』その人を好きになるってのはどうかと思いますけどぉ。」
「む?ステイルやとうまとはそんな関係じゃないんだよ。そりゃぁ・・・」
「だからってさぁ。


 相手が自分の為に何かしてくれるのを当然って思うのってどうですか?」


 そこで碧眼の少女は物音を立てない優雅な振る舞いで席を立ったのだが。
(な・・・・なんだよこれは・・・・?)
 緑色の瞳の少女は彼女に何か言い表せない感覚を抱いた。
 だがもし裏社会に身を置いていたか、人を見る目が磨かれた者がそのときの彼女を見ていたら察していただろう。


 この少女は、守られることや他人が自分の為にすることに対して死ぬほどの・・・・いや、死ぬことすら許されぬような苦悩を味わい続けてきたのだと。


「これ食べれる?」
「う、うん。食べられるんだよ。」
「じゃぁこれあげます。そろそろ私のサイフ的に限界なのでこれでぇ。安心してください。奢りですから。」
 こうして彼女は、全く手をつけないでいてかなり冷めた自分の料理をインデックスに譲ると、これ以上彼女と一緒にいたくないという風に伝票を持ってカウンターへと行った。
(食べる気ありませんよぉあんなの見たら)
 銀髪緑眼シスターの、品性や食べ物への敬意といったものが欠片なく、もはや『食べる』というより『貪っている』とでも形容すべき暴食ぶりを思い出してげんなりしつつ、かなり高くついた勘定を払った。
 彼女の方は、財布的にかなり痛手となったもののその後彼女のことを特に鮮明に思い出すでもなく普通に過ごし続けていたのだが、起こったことを忘れられない銀髪緑眼の少女の方にはいつまでもそれがわだかまりつづけることとなった。
こうして以後セレナードが教会と関わるようになった後も、インデックスは彼女の前ではまるで警察にたまたま遭遇した犯罪者かのように気まずい気分を感じ続けることとなった。

『アイテム』ほど彼女を邪険にすることこそなかったものの、人物の好き嫌いが激しい気があったセレナードは獄中の姉への手紙でインデックスについて
「全くシスターらしいところがなかった。」と書き、プライベートでは浦上に対して
「あの人(ステイル)は何であんなぐうたらでわがままで卑しい人を好きになったんでしょうか」と言っていたりしたことが確認されている。

128:2011/04/16(土) 12:22:31 ID:txgXpBBo
セレナードがレギュラーキャラ達に示した嫌悪感ですが
私としては「納得してもらえる嫌悪感」にしてみるよう心がけました。
同じ人物でも、見る人によって違う面を見せるというか、
麦野やフレンダが弱い者いじめをしていたりするのを「ありえそう」と感じてもらったり
インデックスに関するセレナードの評価に納得してもらえるのがとりあえずの目標です。

セレナードはまだ月夜と初春には会っていません。
特に初春とは、彼女に心酔してゆく様をなんとか描いてみたいです。

129:2011/04/16(土) 12:23:36 ID:txgXpBBo
『アイテム』ほど→『アイテム』に対するものほど

130:2011/04/16(土) 12:50:07 ID:txgXpBBo
(な・・・・なんだよこれは・・・・?)
    ↓
(な・・・・なんなんだよこれは・・・・?)

131Ψ:2011/04/16(土) 18:02:59 ID:tAxFpmmU
う〜ん……久々に来たけど余り言う事も無かったりww
けど☆さんにだけ一つ言うことが。
「・・・」では無くて、「…」の方に変えてくれると良いですよ。

132:2011/04/16(土) 19:24:16 ID:/Hmgqd3w
…ですね。わかりました。
Wordで打っていたのをコピーしていましたので。

あと集合<彼女のときもそうだったんですけど絹旗って今回
浜面に個人的に恨みでもあるんでしょうか?

133Ψ:2011/04/16(土) 22:04:38 ID:tAxFpmmU
いや、恨みというより浜面に対しては毎回そんな感じですよ。建宮の時と同じような感じだと。

134:2011/04/17(日) 05:36:47 ID:Qz3hhheM
いや、「最近超調子に乗っている」といっていたからなんのことかと。

135■■■■:2011/04/17(日) 08:30:45 ID:rxMbnCtU
青髪ピアスが学級委員な件

136ё:2011/04/17(日) 19:40:10 ID:B8YwhG1E
 絹旗が先取点を取ったことで決勝進出連合チームがはしゃぐ中、納得いかない吹寄が審判の災誤に詰め寄ろうとした。
 それを止めたのは絹旗をよく知っている浜面で、吹寄が納得出来るように説明を始める。

「絹旗の奴は直接ボールに触ってるわけじゃないから反則にはならないんだよ。あのパワーも全部あいつの能力の賜物ってやつだ」
「(だとしたらあの子は念動力系の能力者って所ね、しかもかなり強力の)分かった。説明ありがとう浜面」
「浜面の奴、吹寄にありがとうって言われてやがる……。くそっ、こっちも負けてられん! 吹寄にあの絹旗って子の情ほヒッ!」
「余計なコト喋ンじゃねェ。テメェが五体満足でデコ女とデートしてェならなァ」

 情報屋が何かを言おうとしたことに気付いた吹寄だが、一方通行が肩に手を回して脅してるのを仲良くしてるのだと勘違いしてその場を離れた。
 その一方で、絹旗の【窒素装甲】による殺人シュートをまともに喰らった東原を心配してるのは上条と野原のみ。

「お、おい大丈夫か? 東原。さ……あの子のシュートのダメージが酷いなら土御門に言って交代」
「だ、大丈夫だ、か、上じょゲホッゲホッ! こ、これくらい、し、白雪との練習で、な、慣れっこだし、ここで交代したらお、女の子に、モテねぇよ」
「よく言った東原! その頑張る姿に試合会場の女の子の何人かは感動してるはずだ! よし、俺も負けてられん。女の子にモテる為にも!」
(野原も東原も何であそこまで女の子にモテたいって思うんだ? 俺には分からんな。ま、モテたことなんて一度も無いわけだけど)

 熱血のベクトルを間違った方向へと向けてる東原と野原を見て上条は口に出してたら周囲からリンチに遭いそうなことを考えていた。
 そして試合が再開される、上条チームのボールで。

「さて、さっきは油断したけど今度はこっちの」
「言ってるそばから油断とは余裕ですね、とミサカは第五位へと立ち向かいます」

 ボールをキープしてる白雪に挑む御坂妹、能力の強度に差はあるが一対一を制したのは御坂妹だった。
 ミサカネットワークで得た効果的なプレッシャーのかけ方でパスを出せない白雪に放電で目くらましをし、その隙にボールを奪うという手段で。

「め、目がっ! ちょ、ちょっと今のはズルイよ!」
「油断してる方が悪いのです、とミサカはさらっと抗議を受け流します。それにこの程度で喚いていては試合には勝てませんよ」
《妹さん、ボールを五和さんへ。こちらの臨戦態勢を完全なものにする為に》
《了解です、とミサカは第六位ことメン子さんの指示に従うと共に念話もミサカネットワークでの会話もさして変わらないかもと感想を口にします》

 御坂妹はメン子呼ばわりされたことで喚いている心理掌握を無視して五和へとパスする。
 パスを受けた五和は全身で感じ取っていた、自分に対して視線が集まり、力が漲ってくるのを。

(周囲の期待の視線を自分の力へと変換するこの術式、上手く機能してますね。上半身メイド、下半身ブルマーの注目を集める服装が功を奏しました)
「おーい邪道メイド。さっさと攻め込めよ。あんたがしくじっても私らがフォローしてやるからさ」
「……上着を下乳がギリギリ見える所まで着崩してる貴女に邪道って言われたくありません。では天草式十字凄教五和、参ります!」

 変則的な強化術式を組み込んだ上半身メイド下半身ブルマーに身を包んだ五和、いつも以上の運動性能を発揮して相手ゴールへと疾駆する。
 ただでさえ強化されてドリブルのスピードが速い上に、鋭いフェイントで翻弄する五和は白雪、茜川、翔太、浜面、服部をあっさりと抜いた。
 見事な五和のプレーに観衆が湧き立つ中、一方通行が不敵な笑みを浮かべて五和の前へと立ちはだかる。

137±:2011/04/18(月) 16:10:59 ID:VDVAHm6A
えーと……どうもお久しぶりです………
ようやく時間ができたためここに来ることが出来ました
だけどもう暫く忙しそうなのでたまにしか来れませんが、来れるときに頑張ろうかと思います……
――――――――――

「ふン、この教育上よろしくなェ変態メイドがァ、でしゃばってンじゃねェぞォ!」
「例え白モヤシでも今の私は止められませんよ!……覚悟!」
「だったら見せてやるよォ……学園都市最強のフェアプレイって奴をよォ!!」

 一方通行はそう叫ぶや否やその場で足踏みをし、ベクトル変換で辺りの土を宙に巻き上げた。
 当然、そんな事をすれば五和のキープするボールは宙を舞い、更にその土埃のせいで五和の姿は観客には見えなくなってしまった。

「しっ…………しまった!!!」
「どォした、変態メイドォ!さっきまでのキレがねェぞォ!!」

 そう、一方通行の巻き上げた土埃によって五和の姿が見えなくなってしまった事により五和が用いていた自分に向けられる視線を力に変える魔術の効果が薄れたのだった。
 当然ながらそんな魔術だとは一方通行が知るはずもないが、やはりそれは運が良かったのだろう。

「はン、このままゴールまで一直線だァ!」

 そのまま一気に加速する一方通行。
 いきなりの加速にディフェンス陣は呆気にとられ、その隙に一方通行はゴールを目指した。

「おい、第六位!ソッチ行ったが大丈夫か?」
「アク様が…………アク様が私のもとに向かってきているぅーーー!」
「こんな第六位で学園都市は大丈夫なのでしょうか?とミサカは今気付いた不安を口にだしてみます」

 御坂妹が呟いた不安の通り、大丈夫ではなかった。
 何故なら現在心理掌握は一方通行に見とれている。
 つまり一方通行が蹴ろうとしているボールの軌道やらを全く見ていない。

「コレが学園都市最強のフェアプレイって奴だァ!!」

 当然、そんな事になればシュートはド真ん中にでも行かなければ普通に決まってしまうのだった。
 コレにより開始1分で上条チームが得点、スコアは1―1と降り出しに戻った。

138:2011/04/18(月) 20:03:41 ID:fqm/5SEw
 序盤からの能力による激しい攻防。だが、この攻防を通して一番評価が上がったのは大能力者のシュートを(得点にはなってしまったものの)能力を使わずに受け止めて
そのまま試合を続行させるという根性を見せた東原だったりする。

139ё:2011/04/19(火) 09:23:06 ID:qBDTR.QQ
東原は絹旗のシュートを受け止めたわけじゃなくて、無警戒で反応できずにボールごとゴールへ突き刺さっただけですが。
あと根性の根源が女の子にモテたいだけなのである意味、欲まみれの執念かと。

――――――――――

「アク様が私に、アク様が私にきゃんっ!」
「はいはいトリップは試合が終わってから。こっちも一方通行のノーモーションの加速に反応出来なかったから大きいことは言えないけどね」
「俺はあの第一位の一方通行が真っ正面から突っ込んでくるっつー根性入ったプレイに関心してただけだ! 次はちゃんとやるから任せとけ!」

 夢見心地の心理掌握をチョップ一発で現実へと引き戻した結標、自身の油断に反省しつつ削板の態度に若干呆れていた。
 そこへ残りのチームメイトが集まってきたのを確認した心理掌握はインデックスに尋ねる。

「インデックスさん、相手チームの行動パターンを完全に記憶するのに時間はどれだけ有しますか?」
「う〜ん、20分あれば何とか。よく知ってる人達なら時間はかからないけど、あまり知らない人も居るから」
「分かりましたわ。皆さんも相手チームのプレーを多く引き出すようにご協力、お願いします」

 心理掌握の謙虚な態度にチームメイト達は頷くと、迅速にポジションへと就く。
 そして決勝進出連合軍のボールで試合再開、反撃が始まるかと思われたが、

「ハッ遅ェ! そンなハエが止まりそうな動きしてンじゃねェよ!」

 足元のベクトル変換を使っての鋭いスライディングで御坂妹からボールを奪った一方通行に阻まれる。
 すぐさま五和、エツァリ、ショチトル、麦野が一方通行に詰めようとするがインデックスがそれを制する。

「そのまま行かせて。白い人のプレースタイルを確認したいから。それにゴールならさいあいが向かってるしぐんはも居るから大丈夫、シュートは防げるんだよ」
(これが一〇万三〇〇〇冊の魔道書を記憶している禁書目録ですか。見た目と違い、冷静な判断力を持っているとは実に頼もしいですね)
「エツァリ、私達は絹旗たちが止めたボールを受け取るためにこのまま待機だ。前線は既に五和と麦野が上がっている」

 エツァリとショチトルは絹旗と削板を信じてすぐにボールを受け取れる場所まで下がり、五和と麦野はいつでも攻められるように上がっていた。
 そんな相手チームの動向などお構いなしな一方通行は完全フリーの状態でシュートを放つ、コースは真っ正面に。

「これで2点目ェ!」
「それはどうでしょうねアクセラ! 私が居るかぎりはそう簡単にゴールはぬぐっ! うおおおおおおおおおっ!」
「口だけは達者じゃねェか絹旗ァ! けどテメェに【窒素装甲】があってもその小せェナリじゃあボールは受けれても止められやしねェンだよ!」

 一方通行のシュートに立ち向かう絹旗、シュートこそキャッチ出来たもののシュートの威力に体が押されてしまう。
 何とかグラウンドに足をつけてふんばって威力を殺そうとするもそれだけでは足りず、なおも押される絹旗の真後ろに削板が現れる。

「よく踏ん張ったな絹旗、いい根性してやがる。後は俺が根性入れて踏ん張ってやるからお前はボールをグラウンドに叩きつけろ!」
「超了解です! やあっ!」

 削板の指示通りに絹旗が無理矢理ボールをグラウンドに押し込めるように叩きつけると、削板は両足に力を入れて絹旗を支える。
 その結果、PA(ペナルティエリア)まで2人の体は持っていかれたもののシュートを止めることに成功した。
 一瞬の沈黙の後、スタジアムから大歓声が湧き起こる中、絹旗はグラウンドに半分埋まってしまったボールを引っこ抜いてエツァリへと渡す。

140:2011/04/19(火) 21:32:09 ID:FvYKWmjU
観客からの視点ではそんな感じかなと。

141±:2011/04/20(水) 18:13:40 ID:x1TEhjp2
「エツァリさん、超パスです!」
「任せてください、絹旗さん!」

 そう言って絹旗からパスを貰ったエツァリはすぐさまボールを持って敵陣へと駆け上がった。
 一方の上条チームは一方通行が止められた事に驚きながらもすぐさま態勢を立て直し始めた。

「浜面、半蔵、出番よ!」
「分かった吹寄!行くぞ浜面!麦野を止めるぞ!!」
「分かった……って何で麦野行き!?」
「いいから行かんか!」

 麦野を止めに行けと言われて戸惑う浜面。
 しかし吹寄の一喝で恐怖心を捨てて半蔵と共に麦野を止めに行く。

「(ん?このままだと私と浜面の1対1!これはチャンス!)おい、エツァリ!コッチにボールをまわせ!」
「(なんという自信………コレなら!)分かりました!いきますよ!」

 浜面と戦えるという事だけに目をつけて麦野はエツァリからボールを要求。(半蔵はアウトオブ眼中)
 それを見たエツァリはその並々ならぬ自信にかけてあえて2対1の麦野へとパスをだした。

「やっと1対1で戦えるなぁー、はーまづらあ♪」
「いやいやいや、半蔵もいるから2対1だ!」
「そんな奴知らねー、失せろ!」

 そう言って麦野は向かってきている半蔵が通るルートの地面に【原子崩し】を放った。(当然言われたとおり威力は加減したが)
 だがしかしそれでも威力は高く、グラウンドの土が持ち上がりさすがの半蔵も足を止めた。

「すまん、浜面!1対1で頼む!!」
(クソッ!こうなったらやるしかないのか!?)

 浜面は意を決して麦野との1対1へと挑む。

142ё:2011/04/23(土) 21:40:19 ID:az1GoChw
「どーしたどーしたはーまづらぁ。遠慮しないで私からボール奪いに来いよ」

 浜面と麦野の1対1の構図が出来上がって3分、お互いに動く気配を見せずに膠着状態に。
 麦野の場合はこのシチュエーションを楽しんでいるだけなのだが、浜面の方は全く違っていた。

(どうする? ここは素直に麦野の挑発にのるべきなのか? いや、ここで動いたら麦野の思う壺だし……)

 学園都市で一番麦野のことを知っている男子こと浜面仕上、彼の頭に麦野に対する油断はこれっぽっちも存在しない。
 そして本来気の長い方どころか超の付くほどの短気の麦野が行動に移る。

「てめぇ浜面ぁ! さっさと私を攻めろよコラァ! この1対1で私が勝ったら私の右胸、浜面が勝ったら私の左胸を好きにしていいんだぞ!」
「何だよその俺に全く得のねぇふざけた提案は! いや別に麦野の胸がダメ胸ってわけじゃなくてだな、俺には滝壺がうおっ! な、何だぁ!」

 浜面が驚くのも無理は無い、この2人のやり取りを見て観客から物凄い歓声が聞こえてきたのだ。
 とはいえ、男による浜面への嫉妬に塗れた罵声や怒号が半分以上を占めているのだが。
 そして浜面と麦野の1対1の構図を打ち破る者が現れる、青ピの次に上条のクラスの変態こと野原である。

「はーまーづーらー! 俺と代われーーっ! そんでもって俺がその美人のお姉さんの両胸をーっ!」
「また野原君は吹寄さんの男の子のイメージを落とすよーなことを! 衝撃波はもったいないしそれに今のこの状況なら……いけるかも♪」

 野原の欲望まみれの突貫を防ごうとする茜川、今の大歓声(大ブーイングとも言う)に包まれたスタジアムにあることを閃く。
 そして上条、一方通行、白雪に耳をトントンするジェスチャーをした後で、

「野原君ストーーーーーーーーーーーーーーーーップ!!!!!!!!」

 野原を諌める言葉に紛れて【鼓膜破砕】による超音波の大声を炸裂させた。
 超音波の大声に対処出来なかった麦野は脳を揺さぶられて能力を行使するどころかまともに動くことすら出来ずにいた。
 それは浜面も同じ、というか敵も味方も観客も茜川の大声に目を回していた、3人を除いては。

「やるじゃねェか茜川のヤツ。さすが白雪のマブダチ、能力もすっかり凶悪になってンなァ! ホラよ上条ォ!」
「任せろアクセラ! この逆転シュートを美琴に捧げるぜ!」
「よしアクセラくん後で殴る♪ けど今は上条くんの逆転シュートのフォローをしないとね、とりゃー!」

 茜川からのサインを受け取った上条は【幻想殺し】で、一方通行は超音波の大声をベクトル操作で相殺、白雪は雪の耳栓で事なきを得ていたのだ。
 一方通行が脚力のベクトル変換で麦野の距離を詰めてボールを奪って上がってきた上条に絶妙のパス、パスを受け取った上条はダイレクトシュート、そのシュートに白雪が雪でコーティングするという協力プレイを披露。
 雪でコーティングされた上条の強烈シュートだが立ちはだかる者が居た、超音波のダメージから何とか立ち直って炎剣を構えたステイルである。

143±:2011/04/24(日) 13:03:00 ID:CNekwKEE
「悪いが…………シュートは入れさせない!」
「すっ、すているっ!」
「インデックス、ここは僕に任せてくれ。―――僕は君のために生きて死ぬ!」
「いや、ただシュートを止めるだけだから死なないと思うんだよ」

 そう言ってステイルは颯爽と飛んでくるシュートのもとへと走り出す。(インデックスの呟くは耳に届いてない)
 ぐんぐんステイルとボールの間の距離が縮まっていき、ステイルは炎剣で勢いがころせると確信した。
 しかし、そんな幻想は粉々に壊されてしまった。

「「―――がはっ!!」」
「ビックリなんだよ!倒れていたえつぁりにつまづいてすているが転ぶなんて」
「エツァリ!君は何でこんな所に倒れている!」
「そんな事よりステイルさん!ボールは!?」

 シュートばかり意識していたため、足下を見ていなかったステイルは【鼓膜破砕】で倒れていたエツァリにつまづいてしまった。
 そしてエツァリに言われて上条のダイレクトシュートの事を思い出すステイル。
 振り返ってみるとゴールへと向かって凄い勢いで飛んでいくボールが見えた。

「しっ、しまったーーーぁ!!!」
「大丈夫なんだよ!まだ最後の壁があるんだよ!」
「「最後の壁?」」

 その場にいたエツァリとステイルはインデックスが指している最後の壁たる人物が思いつかなかった。
 しかし、すぐにそれが誰なのか分かった。

「ステイル!インデックス!エツァリ!あとは俺の根性に任せろ!!」
「「「削板(ぐんは)(さん)!!!」」」

 この時一瞬削板軍覇は誰よりも頼もしいと、『歩く教会』チーム全員が思った。
 そう、一瞬である。

「すごいパーンチ」

 そう言いながら削板は飛んできたボールを殴りつけた。
 一瞬にして会場が静まり返った。

「ハンドッ!」
「えっ、何でいきなり試合が止まるんだ?」
「何やってんだ、お前ぇーーー!!!」×10

 次の瞬間、『歩く教会』チーム全員による削板しばきあげタイムに突入した。

144:2011/04/24(日) 21:17:18 ID:yclSzFSg
「痛ってーあの馬鹿ゴエ女。観客(俺達)まで巻き込むことはねえだろ。まだジンジンする。」
「なんかそうしている間に凄いことが起こったっぽいようですね。」
 スキルアウト達が気絶から除々に目を覚まし、口ぐちに赤音への不平を述べた。
 彼らだけでなく観客全体にもそういった不満はうずまいていたのだが、ついさっき自分達の安全が保障されないことが証明された今、明からさまなやじや怒声を飛ばしたりすることなく、ヒソヒソガヤガヤと言い合う程度であった。
「得点に変動はないようだが…ん?ナンバー8にイエローカード?」
「ハンドですよ。」
「おっ。新坂。」
「皆さん大丈夫ですか?ちょっと早く眼覚めたんですが、起きていたのは上条当麻と一方通行と第5位だったみたいですよ。」
「ああ、『幻想殺し』は何か能力が効かないようだし一方通行も音のベクトル反射したんだな。第5位はどうしたんだろ。合図でもしていたのかなあらかじめ。」
「よくそんなの見れたなお前。」
「ええ、こういうのからの立ち直りは早いんですよ。」
「やっぱりあの女王様に苛められまくってるからか?」
「えっ!い、いえ、そう、なのかな……あっ。そういえば麗奈様ですけど。」
 そう言って少年が目を向ける先には未だ気絶していた麗奈がいた。
 なんというか、目がなるとになってもおかしくなさそうな気絶ぶりだった。
「まだ目覚めないんですよね。よっぽどショックだったみたいで。」
「ああ、Sって打たれ弱いって聞くから。」
 誰も気付いていないが、新坂はごくっと生唾を飲み込んでいた。
 普段から無敵に感じていた麗奈がふいをつかれたことによってさらけ出した、普段見ない無防備な姿の斬新さに、
さしもの草食系少年もざわめいたのだ。
「フウ。仕方ないですね。」
 彼はとりあえずゴロン、と彼女を寝かせてその頭を自分の膝に乗せた。
 数分後、膝枕に気付いた部長が顔を真っ赤にさせた直後、観客席のある方面からとんで
もない轟音が響いてきて、とある少年の幻想殺し並みの天然ジゴロ&不幸体質が発揮されることになるのは別の話。

145読者:2011/04/25(月) 22:17:50 ID:yYrzLdb.
おお〜
結構進みましたね〜
すごく面白いです!!

質問なんですけど、Wikiのほうって更新しないんですか?
『エツァリ』でとまってますけど・・・

146ё:2011/04/26(火) 21:44:29 ID:L.ir0.C.
読者さんの言葉はこちらとしても凄く励みになるので嬉しいです、ありがとうございます。
Wikiの方は……そちらに掛かるほどの余裕がまだ作れない状況なので。
他の方もやられてるようではあるんですけどね。

――――――――――

 削板がハンドしたのは上条チームにとっては幸運なことにPA内だったのでPKを獲得。
 とりあえず削板しばきあげタイムを終了させた決勝進出連合軍改め【歩く教会】チームが削板に指示を出してるのを見ながら、

「じゃあPKは情報屋に任せる。みんなもそれでいいよな?」

 上条の一言で情報屋がPKを蹴ることを提案、殆どのチームメイトが情報屋の事情を知っているだけにあっさり賛成。
 情報屋の事情を知らない東原と野原は一方通行と白雪が黙らせ、吹寄の方は上条自ら説得して納得させた。

「ついてますわね。てっきりアク様か白雪さんが蹴るとばかり思ってましたわ。失礼ですが名前を存じ上げないあなたが相手なら止められるかもしれません」
「……さすがにその2人と比べられるのはキツイけど能力が戦闘向きじゃない心理掌握ならいける! ……かも」

 自分に対する心理掌握の評価の低さに凹みつつも、情報屋は同じ精神系能力者なら運動もさほど得意では無いと前向きに考えた。
 そしてPK、情報屋は左上ゴール隅のギリギリの所に奇跡的にシュートを放ち、誰もがゴールを決めたかと思われたが、

「はっ!!」

 心理掌握の華麗なダイビングキャッチに阻まれてしまう。
 ここで勘違いの無いように言っておくが心理掌握は運動神経が悪いわけではない、むしろいい方である。
 しかし今までの自分から手を下さないスタイル=本人は運動出来ない人のイメージが世間では固まっていただけに過ぎないのだ。

「ふうっ、能力を使わずに相手のシュートコースを読むのは苦労しますわね。ダイビングキャッチのせいで顔が汚れてしまいましたが……悪くないものですわ」
「やったねめんこ! 逆転されるピンチを防いでくれてとっても感謝してるんだよ!」
「イ、インデックスさん! わ、私のことをそのように呼ぶのは」

 試合開始前に翠嵐が控え室にやって来て心理掌握のことをメン子呼ばわりしたことで、チーム内でも数名がメン子のあだ名が浸透することに。
 心理掌握は何度もメン子と呼ぶインデックスに再度注意しようとするが、他の皆もメン子と呼びつつも労ってきたので仕方なく受け入れることにした。

「削板さん、あなたのその、すごいパーンチ、でしたか? 直接殴らなくとも衝撃を撃ち出せるのですから今度からはお願いしますわよ」
「任せとけメン子! どんなシュートだろうと俺のすごいパーンチと根性で吹っ飛ばしてやるぜ!」
「他の皆さんはインデックスさんの解析が終わるまで引き続き相手チームのプレーを引き出すように心がけて下さい。麦野さん、今は自制なさって下さいませ。これも勝つためですから」

 他の皆がポジションに付く中、麦野が少し渋っていたが解析が終了したらいくらでもと心理掌握が約束してくれたので納得してポジションに付いた。
 ダイビングキャッチのせいで付いた汚れを気にする事無く、心理掌握はボールをエツァリへと投げて渡す。
 心理掌握の今のプレーで観客が上条チームよりも【歩く教会】チームに好感を持ちつつあるのだが、それが表面化するのは少し先のことである。

「さて、先ほどは麦野さんに渡しましたが今度は自分たちで攻めましょう、ショチトル」
「分かってる。だが忘れるなよエツァリ、相手チームのプレーを引き出すことも大事ということを」

 ショチトルの言葉に返事をする代わりに頷くことで肯定の意を示したエツァリは、浜面と服部のコンビネーション並みに息の合ったパスワークで上条チームゴールへと駆け上がる。
 しかも上条チームのディフェンスを引き出すように攻め上がる様子は見事としか言いようが無いほどである。
 そしてエツァリは浜面と麦野の間に割って入ろうとした野原がブロック出来るようにシュートを放った、目的は野原の能力を使わせる為である。

147±:2011/04/27(水) 21:46:49 ID:dPewwEgU
「はっ!そんぐらい楽勝だぜ!」

 そう叫びながら野原はシュートコース内に動いて【襲撃緩和】を発動、ボールの勢いを緩和してボールを手に入れる。
 野原はそのまま前線へと駆け上がり始めた。

「野原!コッチにパスよ!」
「了解だぜ、吹寄!」
「フォローは任せてー」

 サッカー内で一気に攻め上がり始める元バレー組の吹寄、茜川、野原。
 意外とコンビネーションのいい3人にディフェンスの削板と結標は翻弄されていた。

「あー、あそこまでボールが動き回られると【座標移動】の狙いがつけられないじゃないの」
「くっ………なかなかな根性だ……………敵ながら天晴れだ!」

 そんな風に2人が惑わされている間に、颯爽と抜き去る3人。
 そしてシュートに対し茜川が2人に提案する。

「ねーねー、バレーの練習中にボツにしたさー、アレやらない?」
「えっ………アレって俺がダメージおってしばらく手が使えなくなったアレか?」
「ああ、バレー的には反則のアレね。分かったわ、フォローはするからやるわよ茜川さん」
「えっ!マジでやんの!?俺はまだ――」
「いいから、さっさと配置につきなさい野原」
「は、はい………」

 あんまりやりたくない、と言いたげながらも野原は仕方なくゴールに背を向けた。
 当然、能力を使用してない心理掌握には野原の意図は読めなかった。
 しかし、心理掌握の直感が告げた。――あれはマズい。

『結標さん、今すぐゴール前に絹旗さんと削板さんの転送を!絹旗さんと削板さんはディフェンスの準備を!』
「分かったわ」
「超了解しました!」
「任せろ、俺の根性にかけて!!」

 削板達に念話で作戦を伝えて準備を終える心理掌握。
 しかしそれと同時に元バレー組も準備を終えた。

「よーし、行くよー野原君ー♪」
「あーもうヤケクソだぁー!どんとこい!」
「よし………行くわよ!」

 そう吹寄が合図をするとともにボールを上へと蹴り上げた。
 それと同時に茜川は野原に向かって走り出し、野原はまるでアンダーハンドパスをするかのように手を構えた。
 そして茜川は野原の手に足を乗せ、それを野原が茜川の身体を思いっきり上に向かって打ち上げた。

「食らえ、必殺のオーバーヘッドシュート!ワッ!」

 そのまま空中でのオーバーヘッドキック+【鼓膜破砕】による衝撃波を加えた高速シュートを放つ茜川。

148±:2011/04/27(水) 21:47:15 ID:dPewwEgU
 しかしそのゴールとの間には【座標移動】で飛んできた絹旗と削板が立ちふさがっていた。

「2点目は超あげませんよ!」
「絶対に止めてやる………俺の根性で!」

――――――――――

自分が削板を使うと何故か所々に根性ってワードがはいるな………
削板って本当にこんなのでよかったっけ?

149:2011/04/28(木) 00:20:36 ID:TWbHDf.c
「ん?」
「あっ気付きましたか?」
 目に飛び込んできたのは日陰が指している物の慈愛に満ちた笑み。
「!!!!!!!!!!!!」
 ガンッ!!
 直後、自分が想い人に膝枕されているという状況を察知して、
彼に盛大な頭突きをくらわすことになるのも構わず猛スピードで起きあがった。
「わわわわわわたしわたしわたしわたしどどどどどどどうしどうし」
「イタタタ・・・・おおおおおお落ち着いてください麗奈様」
「やめろって苑内!」
 らしからぬパニック状態で暴れまくる彼女を、不良集団達が必死で引き押さえるという
普段とは逆のシチュエーションが展開され、ようやく静まった麗奈に、周囲の者達が事情を説明してやったところ・・・。
「あれ?どうかしましたか?」
(よ・・・・よりによって新坂や、(不良共)あいつらの前で・・・・しかも、しかも、その後、膝枕なんか・・・・)
 顔から火が出そうになってジッとうつむく麗奈。そんな彼女の心配を、少年は変な風に察した。
「しっ心配いりませんよ。皆さん試合に集中していますから麗奈様が見つかることは・・・。」
「違うわよ馬鹿!」
 あれ?違ったかな?といった表情を見せた新坂。
 彼らはその関係を知られないように、外を連れ立って歩くときは麗奈は普段の巻き毛をまとめて軽く化粧を施したりし、おしゃれに興味がない新坂の方も、軽く服装なんかを変えたりしていて、彼女達2人の関係を知っているのは、皮肉にも彼ら2人と幾度となく抗争を繰り広げているスキルアウトや不良達だったりする。もっともそれは、「そんじょそこらの風紀委員を凌駕する最強カップル」としての恐怖の対象としてのものだったが。
 未だ気持ちの整理がつかずうつむき続けている少女の様子にスキルアウト達も戸惑っていた。
 もっともそれは大抵男子で、女子の方は「まったく男ってやつは」といった表情を浮かべていたが。

ポン

 肩に置かれた手に顔を上げると、ある意味混乱の原因となっている少年が、しかしそんな自覚などなく穏やかな笑みを浮かべて言った。
「見ましょう。」
「は?」
「ほら、試合。いまいいところなんですよ。」
 そこでようやく試合を見るためにグラウンドに顔を向けると、なんだかものすごいシュートを2人の能力者が止めようと壁と作っている所だった。
「どっちが勝つか。あなたと私の賭けはまだついてないでしょう?まだ1対1なんですよ。」
 その言葉を聞いたとき、それまで心ここにあらずといった表情でいた麗奈の心に再び負けず嫌いと興奮の火がついた。
「ふっ・・・ふふふふふ・・・・確かにね。見ものねほんと。
 止めれるかしらあのシュート?」
「2人とも力強いですからねえ。」
「あら、でももうひとひねりくらい・・・そう!そこよ!」
「あっ取って取って!!」
 別々のチームを応援して興奮しまくっている両者を見て、スキルアウトはとりあえず騒ぎが収まったことにほっとした。
「やれやれ。」
「それにしても隅に置けないわね新坂君も。」
「結局気絶前より彼女と盛り上がってるもんね。」
「ほんのときどきすごいとこあるよなあいつ。」
「なんだかんだで肝心な時にあの女王様を上手く手なずけてるもんな。」
「普段は下僕っぽいんだけどね。」
「まあ・・・災難に遭いやすいことは確かだな。。」

150:2011/04/28(木) 00:23:08 ID:TWbHDf.c
いいと思いますよ。

151ё:2011/04/28(木) 21:09:56 ID:x01fUnjQ
 自分と同じ中学の生徒が騒いでることなど全く知らない絹旗、茜川の衝撃波が加わった高速シュートを迎え撃つ。
 絹旗は考える、この試合を更に盛り上げ、どこかで応援してるであろう美琴、初春、佐天が喜んでくれそうなプレーを。

「(見た目のインパクトやカウンターの威力を超上げることを考えたらこれでしょう!)どっせいっ!!」

 なんと絹旗は向かってくるボールを【窒素装甲】の右ストレートで思いっきり殴りつけたのだ。
 このまま一気にカウンターシュートを決めようとするが茜川のシュートの威力が予想以上に大きく、その場でせめぎ合うことに。

(くうっ! あの人のシュート、アクセラには及ばないにしても超パワーあるじゃないですか! このままでは……)
「最愛さんガンバレー!」
「負けるな最愛ーっ! あたし達が付いてるぞーっ!」
「最愛、あんたは私と当麻の義理でも自慢の妹! 私達が誇れるプレー、見せなさい♪」
「(聞こえた、超聞こえました! 飾利と涙子、そしてお姉ちゃんの超応援が! これで超漲ります!)ぬおおおおおおっ!!」

 自分のプレーで歓声が再び大きくなって普通は聞こえない美琴、初春、佐天の応援が絹旗には聞こえた、決して空耳などではない。
 3人の応援が絹旗に活力を与え、ボールとの互角のせめぎ合いから徐々に絹旗が押し始めると、

「削板さん! 私がボールを超殴り飛ばしたらすごいパーンチを撃って下さい!」
「了解だ! そんな根性あるプレーを見せたんだ、俺も根性入ったシュートくらいは見せねぇとなぁ!」
「じゃあ超いきますよ、ぬおりゃーーっ!!」
「すごいパーンチ!!」

 絹旗が撃ち返したボールを削板が上手くタイミングを合わせて【念動砲弾】を撃ち出した結果、とんでもないカウンターシュートが発生。
 【窒素装甲】のパワー+【念動砲弾】のパワーが加わったシュートが上条チームのゴールへと襲い掛かる。
 型破りにも程がある絹旗と削板のコンビのシュートに上条チームの殆どの者が反応できない中、主人公たる上条がPA内で立ちはだかる。

「やるな最愛、それと削板! けどこのシュートで逆転するって幻想があるならそんな幻想、この俺がブルゥヘ!」
「アッチの根性バカと同じことやろうとすンなバ上条ォ! チッ、体勢が不安定だが何もしねェよりはマシだからなァ! うおりゃっ!!」

 キャプテンになったことでテンションの上がってる上条、考え無しにシュートを右腕で殴り飛ばそうとしていた、【幻想殺し】が発動しないのに。
 それを阻止したのは上条を横から右の飛び膝蹴りでぶっ飛ばした一方通行、その際に左足を出してシュートの軌道を変えることに成功。
 おかげで軌道が逸れてゴールの外へとボールは飛んでいくはずだったのだが、

「さすがです白い人。ですが私をフリーにするのは甘いとしか言いようがありませんよっと!」
「詰めが速いっ! くそっ、届けっ!」

 五和が猛ダッシュで詰めていて、力強い跳躍でヘディングシュートを放った。
 キーパーの東原が反応出来ていたが、五和のヘディングシュートの速度が速くて後一歩の所で間に合わず逆転ゴールを許してしまう。
 前半15分、再びリードをもぎ取った【歩く教会】チームが五和を中心に喜ぶのとは対照的に、上条はさっきやろうとしていたプレーについて吹寄に説教されていた。

152:2011/04/28(木) 23:06:30 ID:yMqn2GzU
外伝の方も、見直しが終わったら明日にでも投下できそうです。
読んでいる人は楽しみにしてください。

・新坂礼男
 (上条さんの不幸&フラグ体質+浜面の下僕気質+真夜の性格)÷3
みたいな人と考えてください。

153±:2011/04/29(金) 11:33:12 ID:xiFFffuc
「上条!貴様何やっている!!」
「ギャーァッ!ゴメン!吹寄ぇーーっ!」

 まるでついさっきの削板のように吹寄にしばかれていく上条。
 その様子を見て、野原は恐怖におののきながら情報屋に聞いた。

「なあ、紫木………お前一体吹寄のどこに惚れたんだ?やっぱり胸――」
「ちっがーーう!そこじゃない!俺は吹寄の優しさに惚れたんだ!断じて身体じゃない!」

 吹寄の魅力が身体とか言い出す野原に珍しく情報屋はキレ、大声で吹寄の魅力について叫びだした。
 無論、そんな大声では辺りに聞こえるため、ちゃんと吹寄にもその叫びは届いていたりする。

「………あの馬鹿……」
「ふ、吹寄さん?顔赤いでせうよ?もしかして情報屋の事―――」
「―――っ!だっ、黙れー!」

 情報屋の愛の叫び(?)を聞いて、顔を真っ赤にした吹寄。
 その様子にしばかれつつも茶々を入れた上条はそのまま照れ隠しの頭突きをくらうはめに。

「い、いいか、上条!金輪際あんな事はしようとするな!そしてついさっきの件についての話題には触れるな!分かったな!」
「はっ………はいっ!」

 そして試合再開のホイッスル。

「とられたら取り返す………行くぜ翔太!情報屋!」
「うん、行こう!」
「ついさっきのPKが決まっていれば逆転されなかったんだ……俺も行くぜ!」

 先ほどミスを取り返すため、攻めあがる上条とそのフォローにあがる翔太、そして情報屋。
 その3人を警戒してか、心理掌握は絹旗と削板に指示をだした。

『絹旗さん、削板さん。2人は自陣ゴール前で待機を!このまま守りきりますよ!』
「攻めあがれないのは残念ですけど……超わかりました」
「うーん、それが指示ならしょうがねえ……」
『エツァリさんとショチトルさんは2人であの3人のもとへお願いします』
「分かった。……行くぞエツァリ」
「ええ、行きましょう」

 心理掌握の指示に従い絹旗と削板は自陣ゴール前で待機、エツァリとショチトル上条達のもとへ向かった。

「さあ、上条当麻!僕達の因縁に決着を!」
「お前に恨みはない。だがここを通す訳には行かない」
「エツァリにショチトル!例えお前らが強くても俺達3人には勝てないぞ!なあ、情報屋!翔太!」
「ああ、そうだな!上条行くぞ!」
「じゃあ足止めは僕が!それっ!」
「くっ……!足元に火が!」
「コレでは進めん……」

154±:2011/04/29(金) 11:33:52 ID:xiFFffuc
 翔太は【火炎地獄】によってエツァリとショチトルのまわりのグラウンドを燃やす。
 その火によって2人は思うように進めなくなってしまった。

「ナイスだ、翔太!」
「うん、でもまずは同点にしよう!それっ!」
「なっ!超いきなり炎の壁が!」
「まさか……俺の熱い思いが俺達のまわりに炎を―――っ!」
『そんな訳ないでしょう!敵の能力です!』

 今度は【火炎地獄】を使って絹旗、削板のまわりに炎の壁を作り出す。
 2人が呆気にとられている間に一気にゴール前に3人は攻めあがった。

「よしっ!決めてこい、情報屋!」
「おっしゃぁー!行くぜぇ!」
「ついでにコレも!」

 上条からボールを貰った情報屋は渾身のシュートを放つ。
 さらにそのシュートに翔太が【火炎地獄】で炎を纏わせ、即席の炎のシュートへと変わった。

「まっ、マズい!」

 心理掌握はボールを止めようとするも纏われた炎のせいで止めきれず、見事にシュートはゴールに突き刺さった。
 ついに同点となり上条達は喜んだが、しかし彼らは気付かなかった。
 つい先ほどのプレーによってインデックスが全員の癖を見抜いた事に………

155ё:2011/04/30(土) 10:40:34 ID:PBYIG.dk
「めんこー、とうま達のチームプレーの記憶、終わったんだよ。とはいってもとりあえずはなんだけど」
「そうですか、ありがとうございますインデックスさん。前半23分で同点、上出来といってもいいでしょう」

 インデックスの報告を聞いた心理掌握、前半の半分で同点という事態に満足していた。
 というのも正直な話、インデックスの記憶完了までは上条チームにリードを許していると踏んでいたからである。
 心理掌握は他のチームメイトも招集すると、

「皆さん、インデックスさんの方が準備を終えました。ここからは思いっきりプレーして下さって構いません。特に五和さんはもっと伸び伸びとプレーなさって下さい」
「分かりました任せて下さい!(オフェンスでもディフェンスでも活躍し、そんな私の勇姿に惚れた当麻さんが……いや〜ん♪)」
「それから絹旗さんはディフェンスよりもオフェンスに力を入れてくださって大丈夫です。五和さん、ステイルさん、結標さん、削板さんで充分に対処出来ますので」

 様子見のプレーを解除、数名に指示を送る以外は自由にプレーするようにチームメイトに伝えた(五和には違う意味で不安を覚えたが)。
 そして各々が所定のポジションに付く前にインデックスが麦野に頼みごとをする。

「しずり待って。しずりには白い人のマークに付いて欲しいんだよ。そのピカピカしてる腕を使って」
「あぁ? 冗談でしょ? 私はこれからずーっと浜面をピッタリねっとりマークすんだよ。それをよりにもよって第一位って」
「これはしずりにしか出来ない大事な大事なことなの。今の白い人を抑えられるのはしずりだけなんだよ。言わばしずりはこの試合のキーマンだね」
「(第一位を抑えられるのは私だけ……私にしか出来ないこと……私が試合のキーマン、か。いいねぇ♪)オッケー任せなさい」

 インデックスは麦野から協力を得られたことに安心すると同時に、絹旗に言われたとおりに言ったらあっさり通ったことにほんの少しだけ驚いていた。
 ちなみに当初、閃光のアーム使用を禁じられていた麦野だがそれでは試合にならないと木山に直談判して出力を抑えてという条件付きで許可を得たという裏話があったりする。
 そして【歩く教会】チームボールで試合再開、早速絹旗がボールを掴んで全力でボールをゴール目掛けて投げた。

「ぬおりゃアあああああああああああああっ!!」
「絹旗ちゃん甘いよ!」

 しかし白雪が6枚の雪の翼を前面に出し、絹旗のシュートを受け止める。
 絹旗のシュートに押されながらも、途中で浜面と服部を吹っ飛ばしたものの見事に受け切ってみせた。
 白雪がボールを自分のやや前方に蹴り上げ、体を少し傾けるのを見たインデックスが心理掌握の念話を介してステイルと結標に指示を送る。

《つきよの翼のシュートが来るよ! ステイルにあわき、お願い!》
「当然っ! 灰は灰に――― ―――塵は塵に―――」

 炎剣を出したステイルが追加呪文の詠唱するのを聞いた土御門は、白雪の動きに合わせるかのようなステイルの行動に疑問を抱く。
 しかしすぐさまその意味を理解すると大慌てでベンチから白雪に大声で指示を出すも、

「月夜撃つなっ! 今すぐそこから離れるんだ!」
「も、元春? 何で急にって嘘っ!」
「―――吸血殺しの紅十字!!―――」

 一度動き出した雪の翼を白雪が止められるはずも無かった。
 そして結標の【座標移動】で白雪の前に飛んで来たステイルの二本の炎剣と、白雪の雪の翼がぶつかり合う。

156±:2011/04/30(土) 21:29:37 ID:oYA6IqZk
 ステイルの炎剣で白雪の雪の翼が相殺。
 それによって翼を失った白雪はそのまま空中に投げ出された。

「つっ、月夜ーーぉ!!」
「うわっ!危ないなぁ、もう!」

 ベンチから土御門が心配して叫ぶが、白雪何とか空中で着地姿勢をとり見事に着地成功。
 しかし、ボールは奪われてしまいそのボールは結標のもとへ。

「それじゃあ行くわよ………五和!」
「はい、承りました!」

 一瞬で結標の足元にあったボールは消え去り最前線にいた五和の足元へ。
 いきなりのカウンターに上がっていたディフェンス陣は誰も反応出来なかった。

「さあ、コレで3点目です!ソレッ!」
「そうはさせるか!フンヌッ!」

 ゴールギリギリを狙ってきた五和のシュートを何とかして弾く東原。
 しかしその弾かれたボールを今度はエツァリが拾い、再びシュート体勢に入る。

「決めさせてもらいますよ………それっ!」
「だからさせねぇよ!!」

 今度は逆サイドを狙ってきたエツァリのシュートを今度は気合いで外に飛ばす東原。
 そんな絶体絶命のピンチを止めたおかげか、まるで東原を応援するかの様に大歓声が会場を包み込んだ。

「ナイスセーブだ、東原ぁ!」
「イテテッ、上条!まだ今日は一球も止めてねーんだ。こんぐらいで誉めんな」
「調子のってンじゃねェよ、三下がァ」
「………久々に見たな、一方通行のツンデレ」
「あァン!?誰がツンデレだァ、野原クンよォ?」

 ギャーギャー騒いでいる中、その一方で心理掌握達は再び作戦会議をしていた。

「あのGKの人………ついさっき見た時と動きが違うんだよ!」
「おそらく彼の能力【技術盗賊】が関係してるんでしょう」
「確か………一度見た技を覚える能力、でしたっけ?」
「まさか止められるとは………不覚です」
「でもずっと動いてなかったから体力が有り余ってるだけなんだよ!ずっと攻めれば倒せるんだよ!」
「インデックスさんの言うとおりです。どんどん攻めていきましょう」

 心理掌握の言葉に一同は賛成、すぐに次のプレーの準備に入る。
 そして運命のフリースローが始まった。

157とある読み専:2011/05/01(日) 10:14:15 ID:cf1/5JO.
そういえば心理掌握の名字が「食蜂」と判明したわけなんですが使用しないのでしょうか?

158:2011/05/01(日) 13:10:34 ID:wtZKox7Q
私は原作「しか」読まないのでどこから出したのか分からないのですけど
「とある科学の超電磁砲」あたりからですか?
甘いような痛いような苗字ですけれど何と読むんでしょうかそれ。

159Ψ:2011/05/01(日) 16:26:36 ID:TSfVnhio
なんか来てみたら、今月の電撃大王に第五位である「食蜂」の話をしているな。
ちなみに☆さん、読み方は「しょくほう」です。

160:2011/05/01(日) 18:50:51 ID:s9WXRJyw
ありがとうございます。
フルネームが早く判明することを祈ります。

個人的にはハーフタイムでどうしてもやりたいことがありますので、
展開が進むのを楽しみにしています。

161ё:2011/05/01(日) 18:56:42 ID:E3HOHXz6
確かに心理掌握の苗字が食蜂って判明したけど……私は今の所は使う気にはなれないです、球技大会中は少なくとも。
ところで±さんに質問です。
「運命のフリースロー」ってあるんですけどサッカーにフリースロー、無いですよ。
コーナーキックかスローインのどっちかだと思うのでどちらなのか教えて欲しいです。
それとさり気なく結標がボールを【座標移動】してますけどボールの【座標移動】は禁止事項です。
これの処置はこっちで既に考えてるので安心して下さい。

162±:2011/05/01(日) 21:28:07 ID:D3OnWXF6
なんと……素で間違えてました………超恥ずかしい…
「運命のフリースロー」のところはスローインでお願いします。
あと【座標移動】の件よろしくお願いします!

163:2011/05/01(日) 23:24:04 ID:qCMAngNs
セレナ×初春の絡みは果たしてどこで出すべきでしょうか…
この球技大会か、その次か…セレナに、初春を
凄いと思わせるような展開にしなきゃならないから難しい。

164ё:2011/05/02(月) 08:44:34 ID:JAVR5o42
セレナ×初春……って言われても正直すごく困ります。
☆さんの外伝はこっち、つまり本スレのパラレルストーリーとして観させてもらってますので。
パラレルストーリーのメインオリキャラを本スレでもというのはちょっとって思ってしまいます、申し訳ないですが。
出すとするなら新坂や苑内のように登場させやすい設定、例えば魔術とか関係無い所での友人とかにした方が良いような気がします。

――――――――――

 【歩く教会】チームのスローインが始まる前に審判の災誤が結標にイエローカードを突きつけていた、先の五和へのボールの【座標移動】の件である。
 今回は直接ゴールに入れたわけではなくパスだったこと、災誤自身もすぐに気付かなかったということもあってイエローカードだけに処分を留めたのだ。

「次、同じようにボールを能力で飛ばしたら即退場だ。分かったな?」
「はいはい」
「……反省の色があまり見えないがまあいいだろう」

 ちなみに結標のボールの【座標移動】に気付いたのは木山、彼女はこの試合の一責任者として常に注意を払っているのだ。
 そして試合が再開、御坂妹のスローインを絹旗が受けるがその表情は笑っていた。

「どんどん攻めてスタミナ切れを待つなんて私の性に超合いません。というわけでどりゃーーーーっ!!」

 絹旗はその場でボールを思いっ切り殴りつけてゴール目掛けてシュートを放つ。
 一方通行が脚力のベクトル変換を使って地面に足を付けずに滑走して絹旗のシュートを止めようとするが、

「おおっと、こっから先は行き止まりだよ第一位」
「なっ! チッ、味なマネしてくれンじゃねェかエロデレ女ァ! そのイカレた腕で俺をマークするなンざよォ!」
「てめぇのその移動方法は確かに速い。けど動きが直線、目標に到達するまで足は地面に付いてねぇ。いつもなら反射織り交ぜて障害物壊して進むんだろうけど」
(読まれてやがる!)
「今までのプレー見てると反射の使用、禁止されてんだろ? それで私の【原子崩し】のアームを蹴散らすなんて出来るわけねぇよなぁ!」

 進路上に背中を見せ、閃光のアームを巨大化させてマークに付いた麦野に阻まれてしまう。
 反射が使えればそのまま突っ切れただろうがそれを禁止されている状態では急制動をかけて回避、迂回して移動するしか出来なかった。
 その僅かな時間の間に絹旗のシュートは上条チームのゴールへとグングン進むが、進路上に野原が立っていた。

「げえっ! アクセラの奴、間に合わねぇのかよ! ちくしょー! こうなったら【襲撃緩和】でぐぎゃっ!」

 一方通行以外に頼れる面々の上条と翔太と茜川は距離的に遠く、白雪はステイルの執拗なマークで自由にさせてもらえない状況なのでやけくそ気味で野原が奮起。
 しかし【襲撃緩和】で迫る物体の威力と速度が二割減としても絹旗の【窒素装甲】で殴られたボールの威力も速度も高すぎて、あえなくぶっ飛ばされしまう。
 それでもボールはゴールへ迫ることはなく、野原の真上に上がったので彼の犠牲は無駄にはならなかった、ほんの一瞬だが。

「能力や技術すらも蹴散らすのに必要なのは圧倒的なパワー! 参考になりました絹旗さん! やあっ!!」
「は、速いけど真っ正面ならぐっ! う、うわああああっ!!」

 宙に舞ったボールに反応したのは五和で、華麗なジャンプからのボレーシュートを放った。
 五和のボレーシュートに東原は反応できたものの、周囲からの期待の視線を強化の力へと変えた五和のパワーに負けて体ごとゴールへと突き刺さる。
 前半30分、【歩く教会】チームが再び逆転。

165ё:2011/05/02(月) 09:27:12 ID:JAVR5o42
 逆転を許した上条チーム、目下の心配は東原と野原のダメージで土御門も駆けつけていた。

「大丈夫か? 東原に野原。何だったら代わってもいいんだぜい?」
「ゲホッゲホッ! し、心配すんなよ土御門。俺なら、へ、平気だし、それに……このチームで勝ちてぇんだ」
「分かった。だが次にお前さんに何かあったらその時は有無を言わせずに交代させるぜい。野原はどうかにゃー?」
「お、俺もが、頑張る(くっそーっ! 正直もう交代してぇよ! けど東原の奴は引っ込まねぇしそれに女の子にボロボロでも頑張る所をアピールすれば……ぐへへ)」

 土御門はここでの交代はまだ早いと考えていたので東原と野原の続投に安心していた。
 そして上条チームボールで試合再開、白雪が攻めるかと思われたが猛スピードで一方通行がボールへと突っ込んできた。

「調子こいてンじゃねェぞ三下チームがァ! コイツですぐさま同点にしてやンよォ!」

 先ほど、麦野のマークにあしらわれる形になった一方通行が怒りのシュートを放った。
 絹旗のシュートより威力も速度も上と思われるシュートを前にしても、心理掌握は慌てることなく念話で指示を送る。

《結標さん、削板さんを手筈通りに》
「オッケー。行くわよ削板」
「おおよ!」

 心理掌握の指示で結標は削板を【座標移動】で上空へと飛ばした、一方通行のシュートのコースに重なるように。
 上空へ飛ばされた削板がしたこと、それは【念動砲弾】で一方通行のシュートを押し潰すという力技だった。

「空からのすごいパーンチ! おおっ、すごいパーンチ喰らっても突き進むたぁ根性入ったシュートじゃねぇか!」
「あ、あンなのアリかァ!」
「超有りですよアクセラ。真っ正面から受ける必要なんて超無いってことです。インデックス、超任せますよ」

 削板のすごいパーンチで押し潰されたものの、PA内まで進んだ一方通行のシュートは脅威の一言に尽きるもの。
 埋まってしまったボールを引っこ抜いて絹旗がインデックスにボールを投げて渡すも、翔太の華麗なインターセプトに阻まれてしまう。

「僕だって負けないよ! ここで同点にしないと勝負が厳しくなるからね!」
「くうっ! 小さいのにやりますわね。結標さん、今すぐ……結標、さん?」
「翔太カッコいい、翔太可愛い、翔太激萌え……」

 翔太の近くに居た結標だが、自分の恋人の勇姿に見蕩れてしまい、鼻血を出しながらあっちの世界へと旅立ってしまった。
 そんな結標の姿を見て【歩く教会】チームの面々は揃って思った、この役立たずと。
 結標の状態に気付かない翔太はそのままシュートを放つ、【火炎地獄】を使ってボールに炎を纏わせて。

「さっきも止められなかったんだから今度だって!」
「甘い、甘いぞ小僧! そんな炎、俺の根性で消し飛ばしてやる! すごいパーンチ」

 翔太の炎のシュートは削板のすごいパーンチによって炎は消し飛ばされ、シュートの勢いも殺されて不発に終わる。
 そして削板はボールを自分の前に上げて再度すごいパーンチを放つ。

「すごいパーンチ。こいつで引き離してや」
「させないよ! ワアアアアアアアッ!!」

 すごいパーンチで撃ったシュートで追加点を狙った削板だが、茜川の横からの衝撃波に威力を殺されてしまう。
 こぼれ球を御坂妹が拾い、華麗なドリブルで攻め上がるとDFの上条が立ち塞がるという御坂妹にとってある意味、理想的なシチュエーションが発生した。

166:2011/05/02(月) 10:54:54 ID:lR4PKALs
>>164
ですよねえ…ただ、初春の「代理」ができるような人がいたら
彼女が気兼ねなく海外で活躍できそうで便利なんですが…

167:2011/05/02(月) 11:08:34 ID:ZfhpyRsE
とりあえず今はあまり欲張らずに、一方通行とのフラグに専念します。

168:2011/05/02(月) 12:10:56 ID:l4KElwzI
相手のプレーを分析していたのはなにもインデックスだけではなかった。

・ベンチ

(やっぱりこういうのでは絹旗のアドバンテージが大きいな…彼女を止める方法としては2つ。)

 戦闘面だけではなく、相手の裏をかきつづけることにも秀でている土御門は、【歩く協会】有利で進む戦況を見据え、逆転への糸口を紡ぎ出す。

(1つは直接的方法…丁度さっき麦野が一方通行にしたように、彼女をマークするとかして動きを止める方法。
 もう1つは、彼女に2回反則をさせて、レッドカードで退場にすること。
 …そうだ!決定的な利がこっちにあった!!)

・観客席(スキルアウト+剣道部員)

「やった!【歩く協会】有利で進んでますよ。」
(どうやらピュアシスターが本領を発揮したようですね)
「ちっくしょーう。手を使える怪力ショットとかあの『すごいぱーんち』とかマジで反則だろう。」
「かろうじてゴールキーパーが頑張っているようですけどね。」

 【歩く協会】チームが相手チームを掌握している状況を、楽しそうに眺める少年と、不良達。
 だがそんな中、苑内麗奈は1人思案していた。
 今ははっきり言って微妙だが、曲がりなりにも1度宣言した以上友愛高校チームを応援する立場にいた彼女は、その明晰な頭脳で、自然とこの状況を逆転しうる方法を模索していた。

(でも、問題は…イエローカード…)

・ベンチ

(そう…あっちの持っているイエローカードは計2枚。
 【座標移動】と第8位。いずれも、絹旗に次ぎこの試合の主戦力たりうる能力者。
 加えてもう一つ、あっちのチームにある不利は―――人手不足。)

 わざわざ結標が転校扱いにしてまでエツァリとショチトルを引っ張って来たことからも分かるとおり、【歩く協会】はいわば寄せ集めに近いチームだ。
 彼ら1人1人が一筋縄ではいかない能力や実力を持つ者達だが、試合前に前半後半でどのようにチームを振り分けるかに腐心していた土御門はこの違いを生々しく実感していた。

(つまりあいつらは補充というのを考えていないんだ。
 1人2人抜けても代わりがでるとかいうことはできず、そのままでプレーするしかない。
 たとえ補充ができたとしても、あいつらの穴を埋められるほどの奴が出せるのかどうかも分からない)

・観客席(セレナード)

(あれ?ピュアシスターってあんなに役に立つんでしょうかねぇ。)
 どうも彼女の指示を中心に動いているっぽい【歩く協会】チームの快進撃に戸惑い始めたセレナードは、一方通行への応援と麦野への嫌悪から、友愛高校チームの立場で解決策を思案しはじめた。
(まぁ絹旗さんは、あのしゃべり方を除いたら、性格や思考に超問題があるような人物じゃぁありませんしねぇ…口癖移っちゃったなもぅ。)

 しかし彼女は、もう1つのあからさまな利点に気付いていた。

(ただ、あの2人の方は…なんかあの熱くなりやすい人と、ショタッ子の前ではダメダメになってしまった当の2人だったらもしかしたら…)

 そしてセレナードは、急遽ルールブックの【特設ルール】の項を開いた。

 サッカーにおける通常のルール。
 能力者としての彼らに設けられた制限(ハンディ)。
 彼ら自身の性格・趣向の穴。
 そしてこの試合における表・裏・両方における諸事情。
 それらが、試合の熱に浮かされることなく冷静に優れた思考を巡らせ続ける3人の頭の中で絡み合い…

「あっ!!!
 …ある…逆転の方法。」
 苑内が。

「あとは…あのチームの中にそれに気付ける人がいるかどうかですねぇ。」
 セレナードが。

 そして、他の2人以上にこれらの事情を熟知していた土御門も当然…

169:2011/05/02(月) 12:11:52 ID:l4KElwzI
ルールブック→パンフレット

でした。

170:2011/05/02(月) 12:18:39 ID:l4KElwzI
ええーっとすいません、よく考えていませんこっから先。

171:2011/05/02(月) 12:33:21 ID:l4KElwzI
なのでもし思いつかなかったらスル―してもらってかまいません。

172±:2011/05/02(月) 22:58:27 ID:ioxQWHVE
☆さん
本当に個人的なお願いなんですけど、オリキャラを使用する時に前から出ている既出キャラとできれば組ませて出しては貰えないでしょうか?
どうにも自分の中ではこのキャラはあのキャラとはこんな感じの関係ってのがないと物語が作りにくいんです(☆さんの考えてる設定もできる限り無視したくないので)
――――――――――

「ここは通さないぞ、御坂妹!」
「当麻さんとの1対1………とミサカは抑えきれない興奮を露わに―――」
「うわっ!超考えてる事が麦野と一緒です!」
「「失敬な!(とミサカは怒りを露わにします)」」

 御坂妹の発言に絹旗が失言、それが麦野と御坂妹を怒らせた。
 しかしその怒った隙に上条は御坂妹からボールを頂き、一方通行は麦野のマークを振り切り前線へと上がる。

「いくぜェ……上条ォ!」
「一方通行………いくぞ!」

 そういいながらパスを回しつつあがってくる上条と一方通行。
 ある種の最強コンビたるこの2人。
 彼らをそう簡単に止められるものはそういない。
 ―――そう、彼らを除いて。

「一瞬の隙をついて抜き去るとはなかなかな根性だ………いいぞ、相手になってやる!!」
「ふふふ、白モヤシさん………当麻さんとコンビを組んでいいのはこの私だけです!」
「誰が好き好ンでこンな三下と組まなきゃいけねェんだァ!!」
「俺だって好き好んで一方通行と組みたくはねーよ!どうせ組むなら美琴がいい!!」

 上条たちの前に立ちふさがる削板と五和。
 自分こそ上条のベストパートナーと信じて疑わない五和にとって、この上条の発言は怒らせるものだった。

「ふふふ、当麻さん………私のこのプレーで目を覚まさせて上げます!」
「ふふん、上条さんのめは覚めてるし、頭の中は美琴一色だ!」
「いや、少しはサッカーの事考えろォ……」
「惚れた女の事をずっと考えているなんて………何たる根性だ………」
「おい、それ根性関係ねェぞォ」

 愛の為に戦う馬鹿×2と根性の為に戦う馬鹿。
 こんなのに挟み込まれた一方通行はもはや不憫としか言えなかった。

「いくぞ、一方通行!美琴への愛の為に!!」
「あ、あァ……(何て答えりゃいいンだ?)」

 その言葉と同時に上条は一方通行にパスを送る。
 パスを貰った一方通行は前を見ると一気に迫ってきた削板との1対1になっていた。(五和は上条にマーク中)

173:2011/05/02(月) 23:05:09 ID:VDAws21M
前から出ている既出キャラってどの範囲をいうんですか?
苑内さんや新坂君を、当麻や土御門たちと組ませて出してくれと?

174:2011/05/02(月) 23:17:27 ID:VDAws21M
苑内さん、新坂君、ノイルさんは笹川中学が主な活躍の場であるため
高校生達と絡みにくいんですよねえ。

逆にセレナードは、初春へのほれ込みや「アイテム」との亀裂など、色々な人との関係を書き表したいとは思うんですが
いかんせん現在観客席なものでして…。

175:2011/05/03(火) 07:43:30 ID:Ndrcr.qM
柵川中学でした。

176ё:2011/05/03(火) 08:30:19 ID:c.7SjyRY
「ハッ、レベル5の一番下っ端が俺とやり合おうってかァ? 出直して来い三下の中の三下ァ!」
「小せぇ、小せぇなぁ第一位。数字の上での序列なんかを気にしてるなんて根性足りてねぇ証拠だ。そんな数字の差、根性で埋まんだよ!」

 言葉では強がってる一方通行だが、削板を前になかなか抜くことが出来ずにいた。
 サッカー経験があまりない一方通行にフェイントは使えず、高速で左右に振っても付いて来れる削板を振り切れないのだ。

(正面突破は難しい、かといって他の奴らへのパスは間違いなくコイツにカットされる。となるとあとはコッチしかねェか)
「ぬっ!」

 一方通行が取った策はボールを宙へと上げる、つまり上から削板を振り切るというものだった。
 宙へと上げられたボールに一瞬気を取られた隙に一方通行は脚力のベクトル変換で空高く舞い上がりシュートを撃とうとする。

「コイツで同て」
「気を抜きすぎじゃない? 一方通行」
「む、結標ェ!」

 一方通行のシュートは【座標移動】で彼よりも速く、そして高く宙に躍り出た結標にボールをキープされて阻まれてしまう。
 結標は冷静に下を見渡した後でショチトルにパスを出すと自分は【座標移動】で颯爽とグラウンドに降り立った、鼻血の跡が残ってて今ひとつ決まらないが。

「ナイスだ淡希! このチャンス、無駄には」
「そうはいくか!」

 ドリブルで攻め上がろうとしたショチトルからボールを奪ったのはスライディングタックルを決めた浜面。
 そしてそのまま服部と一緒に攻め上がる浜面の前に立ちはだかったのはエツァリだった。
 浜面と服部のコンビネーションプレーを知ってる者からすればエツァリに止められる道理は無いのだが、

《エツァリ、しあげと地味な人の言葉に惑わされないで。地味な人の指にだけ注意を払って。それが2人の本当の狙いだから》
「浜面こっちだ!」

 完全記憶能力で一通りの上条チームのプレーの癖を記憶したインデックスが居るのでその道理は覆される。
 エツァリは浜面にパスを求める服部の右指を注視、一瞬だけ人差し指が前を向いていたのを見て確信し、

「(パスではなく浜面さんがそのままドリブルということなのでしょう。だったら)ボールの奪うのは容易いですね、自分ならば」
「「何っ!!」」

 パスコースを塞がずにドリブルしている浜面から華麗にボールを奪ったエツァリ、浜面と服部の驚きを無視して前線へと大きくボールを蹴り上げる。
 そのボールを拾ったのは絹旗で、PAの外からボールを【窒素装甲】でボールを殴りつけてシュートを放った。

「じょ、冗談じゃねぇよ! あんなシュートくらったら命がいくつあっても足りやしねぇ!」
「あーもう野原君邪魔! 私がやるから離れて! ワアアアアアッ!」

 先ほど絹旗のシュートでぶっ飛ばされた野原には絹旗に対する恐怖が刻み込まれて臆してしまっている。
 代わりに絹旗のシュートの防いだのはまたしても茜川の横からの衝撃波だが、

「ゴホッゴホッ!(強めの衝撃波を間をあまり空けずに撃っちゃったからな〜、喉が限界かも……)」
「茜川さん!」
「だ、大丈夫。それより吹寄さんはゆ、紫木君にパスを!」

 追加点を二度に渡って防いだ茜川の払った代償は大きかった。
 そんな茜川を心配したのはこぼれ球をキープした吹寄で、茜川に言われるままに情報屋へとボールを繋げる。
 吹寄にいい所を見せたい情報屋がドリブルで攻め上がるとインデックスが進路を阻む。

177ё:2011/05/03(火) 10:02:20 ID:c.7SjyRY
「私だってやる時はやるんだよ(この人、確かもとはるが前に教えてくれた……)」
「こんな小さい子が相手なら何とかなるかも(この子って前に上条と一緒に住んでたシスターだな。……少しくらいなら)」

 ボールを奪おうとするインデックス、ボールをキープしつつインデックスを抜こうとする情報屋の攻防は一進一退。
 しかしながら2人が考えているのはサッカーとはあまり関係の無いことだったりする。
 吹寄との明るい未来の為の勝利を目指していた情報屋、久々に悪い癖がぶり返すがそれが致命的なミスを招く結果に。

「そういえば君ってつい最近、外から来」
「やっぱり聞いてた通りの人なんだね。答えてもいいけど忠告してあげる」
「ちゅ、忠告?」
「もし私が答えることを聞いたらあなたの平穏な日常はおしまい。誰に助けられる事無く殺されるかもね。平穏な日常を犠牲にする勇気あるの?」

 情報屋の特有の欲を出して【思考漏洩】でインデックスから情報を引き出そうとした情報屋、しかし逆にインデックスの忠告めいた脅しに固まってしまう。
 ちなみにインデックスに忠告を教えたのは土御門で彼に言わせれば思いっ切りソフトな部類に入るらしい。
 情報屋が固まってる隙にインデックスはボールを奪い、フリーになっている御坂妹へとパスする。

「当麻さんも学園都市最強ぺドも居ないのならミサカにも追加点が取れます、とミサカはボールに雷を纏わせてシュートします」

 DFでオーバーラップした上条には五和が、攻守の要とも言える一方通行には一方通行がそれぞれマークに付いてディフェンスに参加出来ずにいた。
 そして御坂妹がチャンスとばかりに雷を纏ったシュートを放つが、先ほどの汚名返上を狙って野原がシュートを防ぎにかかった。

「今度こそ観客の女の子にいい所をあばばばばっ! こっ、こここなくそっ!」

 【襲撃緩和】でシュートは受け止めたものの、雷のダメージを受けてしまう。
 しかしモテたい執念が体のダメージと痺れを一瞬だけ凌駕し、ボールをクリアすることに成功した後で野原は立ったまま気絶した。

「テメェにしちゃあ上等だ野原ァ! 後は俺にチッ! 邪魔すンじゃねェエロデレ女ァ!」
「ああ、もう邪魔しねぇから安心しなよ。てめぇの出だしさえ抑えりゃ後は私が攻めるだけだからさぁ」
「攻めるだァ? テメェにそんな手段が……マジかよ」
「ばいばーい♪」

 クリアされたボールをキープしようとした一方通行の飛び出しを阻止したのは麦野の閃光のアームを駆使した巧みなマーク。
 そして麦野は閃光のアームを伸ばして上条チームのクロスバーを壊さないように掴むと縮む勢いでボールへと迫ってキープ、そのままゴールへと突き進む。
 東原の【技術盗賊】を過小も過大もせずに適切な評価をしている麦野は、

(こいつなら右でも左でも反応して防がれる。パワーで潰すには私のシュートじゃあ足りないし絹旗も削板もこっからは遠いし)
「「麦野さんっ!」」

 東原からゴールを奪う為の手段を割り出すも、決定的な答えを導き出せずにいると自分を呼ぶ2人分の声が聞こえた。
 その声を聞いた麦野はすぐさま決断し、閃光のアームをクロスバーから離してPA外からゴール左隅と見せかけて逆方向のゴール右隅へとシュート。
 それを読んでいた東原は横っ飛びで麦野のシュートをパンチングで防ごうとするが、

「これなら防げませんよね!」

 麦野のシュートにダイビングヘッドで合わせてきた五和がシュートコースを逆方向に変えた。
 ところが東原はそんな五和のプレーにも反応し、クロスバーを掴んで思いっ切り足を伸ばしてシュートを防いだ。

「よしっ! このこぼれ球を誰かが拾ってくれれば」
「いえ、残念ながらこれで終わりです」

 ピンチを凌ぎ切ったと思っていた東原の目に映ったもの、それはこぼれ球をヘディングでゴールへ押し込むエツァリの姿だった。
 五和とエツァリの呼びかけが聞こえた麦野の決断が導いた追加点が前半40分に【歩く教会】チームへと入り、4対2と上条チームを引き離す。

「くそっ! 防ぎ切ったと思ったのに痛っ!」
「無理はいけませんよキーパーさん。五和さんのシュートを防ぐ為に随分と無茶をしたのですから」
「あ、ああ、ありがとな。け、けどまさかあんたまで詰めてるとはやられたぜ……」
「これが自分たちのあなたへの評価ですよ。ここまでしないと追加点は取れなかったでしょう。ナイスプレーでした」

 痛めた右腕を心配してくれたエツァリに感動した東原は左腕で握手を求めるとエツァリもそれに応えた。
 その際、どさくさに紛れてショチトルを紹介してくれと頼むもやんわりかつキッパリとエツァリに断られたのだった。

178ё:2011/05/03(火) 10:14:07 ID:c.7SjyRY
「それにしても驚きましたよ五和さん。てっきり詰めているのは自分だけと思ってましたから本当に助かりました」
「いえいえ。それに当麻さん分をフルチャージしたのでマークに付く必要無くなりましたから♪」
(ああ、五和さんの表情が輝いてる理由はそれですか。上条当麻も苦労してますねぇ)

 何があったのかは知らないが上条が疲れた表情をしているのを見て、エツァリは他人事ではあるが同情した。
 一方の上条チームは負傷した東原に交代を勧めるも前半が終わるまでということで残すことにしたものの、問題は別にあった。
 御坂妹の雷シュートをクリアして立ったまま君り……もとい、気絶してる野原である。

179■■■■:2011/05/03(火) 11:45:17 ID:fSvyvkmo

オリキャラは、どこまで増えるのだろうか?

2スレから読み続けているが、一読者としてみれば増やしすぎは読みづらい。正直、オリキャラは白雪・井ノ原親子の取り巻きまでよかったのでは?

書き手も、以前と比べて減ったのもそこに理由があると思う。

一読者のくだらない感想なので、気にせず是非とも完結させてください。

180:2011/05/03(火) 12:54:27 ID:Pmmzg8vA
井ノ原親子の取り巻きって誰?

181±:2011/05/03(火) 14:05:37 ID:Mkj2YDqQ
「野原………は流石に無理か」
「仕方ないにゃー。交代ぜい、青ピ!」

 野原の容態を確かめる上条だが、野原はうんともすんとも言わなかった。
 そのため、土御門は危険を感じて先にアップさせていた青ピとの交代を決めた。

「やあ、ツッチー。ようやく僕の出番?」
「ああ。本当は後半からの出場の予定だったが野原はもう無理にゃー」
「任せてツッチー!僕の活躍で残りの前半は無失点で切り抜けたるわー!」
(………何故だが今日の青ピは何かやりそうな気がするにゃー)

 実は青ピは今日の朝に黒子や弟子達と会い、凄い活躍を見せる事を約束していた。
 そのためか、今日の青ピはいつもとは違う雰囲気を醸し出していた。

「キーパーが超負傷している今が好機です!追加得点頂きま―――」
「悪いけど、そんな事はさせませんでぇ!」

 五和が開始早々ボールを奪い絹旗にパス、絹旗必殺の【窒素装甲】による投げシュートのパターンに入ろうとする。
 しかし、それをよんでいた青ピは災誤とのぶつかり稽古で鍛え上げられた自らの身体をパスコースに割り込んでのトラッピングを敢行する。

「(本当にツッチーの言ったとおりや。絹旗ちゃんは攻めの機転やな)ほら、行きますでー、白雪はん!」
「オッケー、ナイスだよ、〇〇くん(青ピの本名)!」

 白雪が青ピからボールを貰い、一気に攻めあがる。
 しかし目の前にいたステイルはすぐさま反応し、炎剣を繰り出す。

『ステイル!炎剣を地面に向けて放って!コレでつきよのだいたいの攻撃パターンは潰せるんだよ!そのあと蜃気楼で近づいてボールを奪うんだよ!!』
「分かった!それっ!」

 言われたとおり、足元に炎剣を放ち、炎の噴出を引き起こすステイル。
 白雪が炎の壁で足を止めた隙に蜃気楼で近づきボールを奪い去った。

「あ!何時の間に!」
「悪いけど君と遊んでる暇はないんだ。悪く思わないでくれ」
「行かせないよ!」

 白雪を抜き去ったステイルの前に出てきたのはおなじみショタっ子こと月詠翔太だった。
 炎の能力者vs炎の魔術師。
 なかなかな対戦カードか今ココに揃った。

182Ψ:2011/05/03(火) 17:01:57 ID:tBwtOGFs
オリキャラね…… >>179が言うとおり確かに多いよな……
まぁ初期のオリキャラは1スレ目の無名の方とかが追加していたのが最初でしたので、その後はそのキャラを使って書いていったという感じですからね。
でもって中盤、翔太以外のオリキャラは自然に追加されたような感じですが、まぁ翔太以外は打ち止めのクラスメイトの名前を追加しただけですので、最低限度で追加しただけですからね。
それで今は……外伝の方からのオリキャラが追加された感じかな?
まぁ、向こうを読めばオリキャラの性格などが分かるのですが、外伝を読んでいない方は困ると思うのですよね。
その前でも14人もオリキャラがいたのに、またさらに増えるという事はさすがに多すぎると思うのですよ。
それによって読んでいる方も理解が出来なくなっているかもしれません。俺もその内の一人ですし。
っとなるとやっぱりオリキャラの削減になるのでしょうね。
それで一番の削減するとしたら今までで余り使っていないオリキャラと、外伝のキャラになると思うんですよね。
けど、今までで余り使っていないオリキャラでもある野原と東原は今になって何故か重要な立ち位置に居るような感じなので削減は出来ませんね。
そうなると外伝のキャラしか削減するしかないのかと思うのですよ。☆さんには悪いですけどね。
やっぱり外伝は外伝で、こっちはこっちでやった方が良いのかと思います。
まぁ、登場数を減らすとかしかできないんですけどね。せめて球技大会だけとか。
とまぁ、言いたいことは最低限度のオリキャラで十分だという事です。これ以上増やすのはどうかと思いますしね。それで書きたいのに書けないという方もいるとは思いますし。
俺は小説を書いていますが、無駄になるようなキャラはいませんからね。それぞれ活用できるようになるべくキャラの数は少なくしておりますので。
以上、読み専の代表として述べさせてもらいました。読み専の代表なのかは分かりませんがww
それでは。

どういえば今書いている方で古くから書いている方ってёになるのかな? 俺もかなり古くから書いていたものですがww

183:2011/05/03(火) 17:51:27 ID:4oLXlUPg
…分かりました。柵川中学剣道部員の方は、本スレでは最小限しか出さない傾向にします。

ですがハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラと、
セレナと既出キャラとの絡みがあるのですがよろしいでしょうか?

あと、>>168は、やっぱりスル―の方針でしょうか?

184:2011/05/03(火) 17:56:26 ID:4oLXlUPg
ハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラや、
セレナと既出キャラのこれまで、そしてこれからの関係を明示あるのですがよろしいでしょうか?
でした。

185:2011/05/03(火) 17:56:48 ID:4oLXlUPg
ハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラや、
セレナと既出キャラのこれまで、そしてこれからの関係を明示するシーンを計画してあるのですがよろしいでしょうか?
でした。

186:2011/05/03(火) 19:44:41 ID:/f07XYNE
いや、やっぱり新キャラは直接出すのはやめておきます。

187:2011/05/04(水) 08:46:00 ID:aP/y/MGE
以後は本編には新キャラをあまり出さない方でいきます。
外伝の方は、「(キャラ的に)余裕があったら見てください」的な。

188ё:2011/05/04(水) 09:13:54 ID:IlWp8kFM
「ふむ、炎対炎ですか。なかなか興味深いですね」
「ていうかステイルさんの相手って当麻兄さんの同級生なんですね、あんなに童顔で背も小っちゃいのに」

 観客席からステイルと翔太を見ているのは神裂と佐天、お互いに興味を持っていたがその内容は別物だった。
 その一方で2人の対決にそれほど興味を持てない者達も一緒だった、美琴と初春である。

「あーあ、サッカーのせいなのかなー。当麻があんまり活躍してなくて物足りなーい」
「まあまあ美琴お姉さん。きっと後半になったら当麻お兄ちゃんも活躍しますよ(さて、私もそろそろ)」

 美琴、神裂、初春、佐天の周りには実は人は少なかった、神裂がこっそり張った弱めの人除けの結界のお陰である。
 ちなみに打ち止め、滝壺と郭はそれぞれの自分のクラスと、黒子は何故か来ていた寮監に捕まってしまい一緒ではない。
 日本出立前に上条達に挨拶しておきたい初春、そろそろ移動しないといけないと思って席を立つが当然ながら神裂が心配そうに声をかける。

「か、飾利? どうしたのですか、まだ前半は終わってませんよ。何か用事があるなら私も」
「大丈夫ですよ火織お姉ちゃん。美琴お姉さんと涙子さんが一緒ですから。火織お姉ちゃんは待っていて下さい」
「御坂と佐天が一緒ならやはり私も! 飾利のお姉ちゃんとして…………っ!!」

 神裂の追求を止めたのは初春からのハグで、これだけで神裂は借りてきた猫のように大人しくなってしまう。
 普段は神裂から初春へのハグばかりだがその逆、つまり初春から神裂へのハグは極めてレアなのだ。

「(さすが対馬さん、火織お姉ちゃんのこと分かってるなぁ)じゃあ行ってきます。私が帰って来るまで待って下さいね、火織お姉ちゃん♪」
「ええ♪ 飾利も気をつけて。御坂に佐天、飾利のことはお任せします」
「「は、はぁ……」」
「では行きましょう2人とも」

 少し席を外すだけで大げさな神裂に呆れる美琴と佐天だが、神裂のシスコン(初春限定)レベルを考えると妙に納得してしまった。
 席を立って全天候型スタジアムの屋内へと先頭に立って進む初春から美琴と佐天に思いがけない言葉が投げかけられる。

「あの調子なら火織お姉ちゃんも2週間は大丈夫でしょう。後は当麻お兄ちゃん達にロンドン行きを報告するだけです」
「「…………2週間? ロンドン? 飾利、どうゆうこと?」」
「お2人への報告が遅くなってゴメンなさい。私、今からロンドンに短期留学すはわわわわわっ!」

 初春のロンドン行きを聞かされた美琴と佐天は事情を詳しく聞く為に初春の肩を掴んでユサユサと揺さぶりながら話を聞こうとした。
 しかしそれでは話を聞けないことにようやく気付いた美琴と佐天は軽いパニックから回復、同じく目を回していた初春が回復するのを待って事情を聞いた。

「キャーリサさんとヴィリアンさんと一緒に思い出作り、ねぇ。飾利ってホントにお姉さん達に愛されてるわね。というか留学じゃなくてただの旅行でしょ、それ」
「う〜ん、キャーリサ姉さまとヴィリアン姉さまと遊ぶのは後半の一週間で前半の一週間は本当に勉強するから嘘は言ってませんよ」
「そう考えるとさっきの神裂さんへの言葉も嘘じゃないってことか。飾利って本当にいい性格になりつつあるよね……」
「涙子さんったら褒めても何も出ませんよ♪ じゃあ行きましょう」

 佐天は口を滑らせて出た言葉で初春に怒られると思っていたので少々驚いていた。
 当の初春は全く気にするどころがやや上機嫌で美琴と佐天と一緒に上条チームの控え室へと向かうのだった。

――――――――――

 一方のステイルVS翔太だがこちらの一対一はまだ続いていた。
 というのもステイルも翔太もこうもお互いの距離が近いと自分の炎で相手に直接攻撃してしまうということで能力使用を控えたのだ。
 膠着状態に入った2人の対決、45分経過してロスタイムが1分と発表された所でついに動きを見せる。

189ё:2011/05/04(水) 10:12:12 ID:IlWp8kFM
(仕方ない。この少年が火傷しないように地面に炎を放ってその熱気に怯んだ隙に)
(本当は危険だけど今の僕ならきっと出来る。この人の目の前で一瞬だけ炎を出してその怯んだ隙に)
((ボールを奪う!))

 お互いに炎で相手を怯ませた隙にボールを奪おうとし行動に移ろうとするが、それは起こらなかった。
 ステイルと自分を【座標移動】で入れ替え、恋人の翔太と一対一をしたくなった結標の仕業である。

「さー翔太、少しの間だけど私と2人っきりで遊ぼっか♪ あんな老け顔相手するよりかいいでしょ?」
「あ、淡希……えっと……」
「結標! 君は何を考えているんだ! 今は試合の最中だというのには、放せエツァリ!」

 入れ替えられたステイルが試合中にも関わらず結標に詰め寄ろうとするも良識あるエツァリに羽交い絞めにされてしまう。
 翔太は突然のことに最初は呆然とするものの、結標が自分をじっと見ていてボールを奪いに来る気配を見せないので謝りながら自分の恋人を抜き去った。
 それでも結標が追いかける気配を見せなかったので翔太が完全にフリーになるが、

「全く結標さんってばいざという時に使い物にならないんですから!」
「うわっ!」

 五和の鋭いスライディングタックルで翔太からボールを奪い、自ら上条チームゴールへと攻め上がる。
 一方通行は麦野に、白雪はステイルにマークされているので五和は猛然と駆け上がるかと思われたが、後ろからの気配に気付く。
 その気配に気付いた五和は上条チームゴールに背を向けてボールをバックパスすると、すぐさまそこから退避した。

「任せましたよ削板さん!」
「さすがだぜ五和! 俺並みの根性を持ったいい女、以心伝心ってやつだな! むっ」
「させないっ! たとえ怪我することになってもこの追加点は守るんだから!」
「口から衝撃波撃つ女か、俺の前に立つたぁいい根性してんじゃねぇか! いくぜ、手加減無しだ!」

 気配の主は削板で本人も以心伝心と言ってはいるが、単に妙に暑苦しさを感じただけに過ぎない。
 削板のオーバーラップに気付いた茜川は今までなら真横から衝撃波を撃ってシュートを防いでいたが、残り時間と後半の士気を考えて真っ向勝負に出たのだ。

「すごいパーンチ!!」
「ワアアアアアアアッ!!」

 衝撃波を撃ち出す2人、しかしレベル5とレベル4では真っ正面からのぶつかり合いでは勝負にならず、

「キャアアアアアアッ!」

 削板のすごいパーンチがボールを撃ち出す形になり、茜川も真っ正面に居たせいで吹っ飛ばされてしまう。
 しかも意図的かつ直接的に茜川を能力で吹っ飛ばしたわけではないので削板の反則は取られなかった。
 だがボールは上条チームゴールの遥か上を通り過ぎて得点にはならずゴールラインを割った所で前半終了のホイッスルが鳴った。

「ふっ、得点にはならなかったが前半最後にいい根性勝負が出来て満足だあだっ!」
「そんなこと言ってる場合ではないでしょう。女性に対してあのような……全く」

 削板の反省無しの態度を諌めたエツァリは怪我を負った茜川に削板を伴って謝罪しようとしたが、上条チームが集合して慌ててるのを見て後回しにすることに。
 それよりも問題なのは結標の翔太絡みのプレーの数々だが、こちらは心理掌握が考えを練り始めてる所だ。

「どうするメン子。淡希が自分の恋人に対してあの様子では2点リードでも危ういぞ」
「ええ、その辺は私に考えがありますわ。あまり人の想いに細工を施すのは好きではありませんが……」
「まさか淡希の恋人に対する感情を愛情から憎悪へと変えるつもりなのか?」
「そのような恐ろしいこと、するわけがありませんわ。ただ暴走しない程度に愛情を抑えるだけですわよ、2時間ほど」

 ショチトルは心理掌握の処置に安心すると、結標が控え室に着く前に目覚めたら気絶させるように頼まれると【歩く教会】チームメイトと一緒に控え室に戻って行った。
 一方、上条チームは体を張って追加点を阻止した茜川の心配をしていた。

「赤音ちゃん! 赤音ちゃん!」
「だ、大丈夫だよ月夜ちゃ〜ん。ゴメンね、2人で活躍して勝とうって頑張ってたのに……」
「あまり無理するなよ茜川。後は俺たちが頑張ってチームを優勝に導くからお前はゆっくり休んでてくれ」
「あはは、か、上条君が言うと何か力強く感じるね〜。うん、分かった。私は試合終了まで寝ることに……する……よ」

 妙な説得力を持つ上条の言葉に安心した茜川、ようやく意識を手放して気絶すると白雪に背負われて医務室へと運ばれる。
 白雪と茜川を見送った土御門は東原が右腕を痛そうに抑えてるのを見て、冷静な判断を下した。

190ё:2011/05/04(水) 10:45:23 ID:IlWp8kFM
「東原、お前さんも医務室へ行け。その様子じゃあ試合はもう無理だ」
「ま、まだだ、まだやれる! 後半も」
「怪我人のキーパーであのチームの猛攻は凌げると本気で思ってるのか? ハッキリ言ってやる、今のお前じゃあ足手まといだ」

 土御門の真剣な、それでいて容赦の無い言葉に東原は言い返すことが出来ず、頷くことでしか返事を返せなかった。
 落ち込んだ東原を見た土御門は普段のおちゃらけた(?)感じになって東原を労う。

「ま、お前さんはホントによくやってくれたぜよ。予想以上の戦果をあげてくれたにゃー。女の子へのアピールも十二分に出来てるぜい」
「女の子のアピール……? そ、そういえばそうだったな、すっかり忘れてたぜ」
「ありゃりゃ、てっきりお前さんは女の子にモテたい一心で頑張ってると思ってたんだが。オレの目算もまだまだ甘いってことかにゃー?」

 意外と熱い男だった東原が医務室へと向かうのを見て、ベンチで気絶してる野原に気付いた土御門は服部に野原を医務室へ運ぶように頼み込む。
 服部はそれを快く引き受けて野原を背負って医務室へ向かおうとするが、一つの事実を突きつけた。

「土御門、後半になったら真夜は絶対に出場する。そのことをよーく考慮しておけよ」
「おー、井ノ原弟が試合に出てくれるのか、そいつは好都合ってもんですたい。茜川が不慮とはいえ怪我したからにはあいつも怒って……怒って?」
「そうゆうことだ。始業式での怒れる真夜の復活だ、冷静で容赦の無いあの真夜がな……」

 土御門は思い出していた、始業式のゴタゴタで妙に礼儀正しいのに呼び方はフレンドリー、だけど麦野の【原子崩し】のダメージを精神力だけで耐えていた色々と異常な真夜を。
 とはいえ【歩く教会】チームに勝つためにはこれ以上は無い人材なのでその点では素直に喜んでいたが、別の問題が発生した。

「さて、問題は交代するメンバーぜよ。キーパーはカミやんに変えて、空いたMFとDFに2人。オレと姫神と井ノ原弟で3人、あと1人か」
「つっちー、そないなことは控え室に戻って考えたらええ。今ボクらに必要なのは休息なんやからね」
「青ピ、5分くらいしか参加してねぇお前さんが言うことじゃないと思うぜい」

 後半の出場メンバーについて考えるのは青ピの言う通りに控え室に着いてから考えることにした土御門。
 しかし上条チームの控え室を開けると美琴、初春、佐天が出迎えることはまだ知らない。

――――――――――

 東原と野原は球技大会だけの活躍で考えてます、というかどうしてこうなったのか……。
 出番あるとしても青ピが『嫉妬ファミリー』を動かした時だけにしかならないような気がします。
 ただ、真夜のマジ切れの性質上、東原と野原の名前も考えないといけなくなりましたが。

191:2011/05/04(水) 11:05:30 ID:aP/y/MGE
紫木がもう少しで暗部か魔術に関わりそうでひやひやするなあ。
この人、将来そういう裏方面の情報屋になりそう。
東原…うん。もてていいと思うこの人。

192:2011/05/04(水) 11:07:54 ID:aP/y/MGE
今更だけれど>>168はハーフタイムの時に入れた方がよかったかなと思いました。
急遽閃いたアイデアだったので、あせって時期を間違えてしまった…。

193:2011/05/04(水) 14:18:54 ID:5LrHNQt2
観客席(スキルアウト+剣道部員)

ハーフタイムでガヤガヤと周囲がざわめき、スキルアウト達もてんでんばらばらになりはじめたころ、剣道部員2人は現在の展開について話し合っていた。
「ハッ。思ったよりやるわねあのチーム。」
「やっぱり統率がとれていますからね。」
「……あら、でも後半はまだ分からないわよ。どうも選手交代があるみたいだし。」
(でも、正直な話……私、ホッとしている。)
 苑内の胸の中にあったのは、この勝負の先…隣にワクワクとした様子で座っている少年との賭けの内容について。
 勝ち負けにおける内容を事前に設定しておいて、どっちに転んでも自分にとって得になるように設定したトトカルチョ。
 だが、予想外のことがあってその様相が少し…いや、大きく変わった。
(こいつら(不良達)を連れたら色々うるさそうだし、悪ノリしてせっかくの雅な雰囲気、風流が台無しになりそう。ここはあのまま【歩く協会】のリードを許して彼と1日泊まった方が・・・・あーあ。せっかくこいつの趣向に合わせて用意してあげたのにこれ・・・・)

 一方、少年の方も、その胸の中に去来していたのは、言葉とは逆の想い。
(蛍の光、見てみたいなあ…)
 その願望は、彼の能力にも関係があったのかもしれない。
 新坂礼男の能力は、【発光現象(ダイオード)】。対象を発光させ、微かな熱と光の放射源とする力。
 低能力故に、それこそ蛍の発光のような淡い光でしかなく、本人にとっても暗闇の中で便利というぐらいのものだった。
 だが、
(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないですよはい。)
 彼が幼少期見た蛍や満点の星空。何より、その後写真なんかで見た蛍の光のカーペットや乱舞。天の川。
 それはまさしく、自分が作り出した人造の光とは比べ物にならない…そう、本物の星空とプラネタリウムぐらいの差があった。
 暗闇の中でこそ、ポウ、ポウ、と見える光。それが彼はこの上なく好きだった。
 この学園都市の人造の光、ネオンで埋め尽くされた夜の街の光景は、一種の趣といえたが、やはりギラギラとまばゆ過ぎて、毒々しすぎるものがあり、長くいれるものではなかった。
 長く学園都市にいて、自然や田舎といったものに触れる機会がなかなかなかった新坂は、麗奈に紹介されたときから、急激にそれへの・・・・田舎や自然の闇の中で見える光への警鐘に襲われた。
 いや、長らく奥にしまってあったそれへの願望が噴き出たといった方がよかった。
 彼が父親に頼めば、たとえ負けても夏休みにそれへ連れて行ってもらえただろうが、それは彼の中の何かが許さなかった。
 1度賭けとして出されて、それに敗れて行きそこなった以上、強引に行こうとするのは一種のルール違反…そう、彼が麗奈と初めて関わったときに言われた「金持ちぶっている」ことに感じられたからだ(もっとも、今も無意識的にそれを行って麗奈の不興を買っているのだが)。
(友愛高校チームには…少し取り返してほしい…かな…)

「まだ負けてないわよ。友愛高校チームは。」
「【歩く協会】の方がこのまま押し切りますよ。」

 当初はお互いの予見によって始まったトトカルチョ。
 だが思いつきと気遣い、そして思わぬ番狂わせにより、お互いがひそかに応援しているチームが逆になってしまっていることに、2人は気付くよしもなかった。

194:2011/05/04(水) 14:21:02 ID:5LrHNQt2
(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないですよはい。)

(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないよ。)

195sage:2011/05/05(木) 13:14:31 ID:g93V3HLk
3バカ更新されてないんですけど、どうなんですか?

196読者:2011/05/05(木) 16:24:27 ID:GD0XVGiI

書いてあったら、悪いんですけど
青ピって、レベル0の設定ですか?
あるなら、使ってもいいかな〜なんて思ったんですけど…

197読者B:2011/05/05(木) 16:55:46 ID:HNVmeSh2
>>196
青ピは能力とレベルはまだ不明だと思いますけど

198■■■■:2011/05/06(金) 06:13:00 ID:gdh4pl/k
>>196
原作での上条の言動から推測される上条の高校のレベルから、青髪のレベルは0〜2だと思われる
ただ、青髪が何らかの理由で上条の高校のレベルに甘んじている可能性もあるため、断定はできない

199読者:2011/05/07(土) 22:31:21 ID:BmFT8eJc
確かにそうでした(汗)

200ё:2011/05/11(水) 08:07:08 ID:0X8t.Dtk
「とーうまっ♪ お疲れ様♪」

 上条が自分達のチームの控え室のドアを開けると、笑顔と愛嬌全開で美琴が抱きついてきた。

(み、美琴がどうしてここに? けど正直こんな嬉しいお出迎えは無いわけだから……ま、いっか♪)
「きゃっ♪ もう当麻ったら」

 控え室に美琴が居た疑問など上条にとっては大した問題ではなく、美琴のハグに自分も答えるようにハグしている腕に力を入れる。
 そんな上琴バカップルを上条チームの面々が呆れ顔で見つめる中、勇気ある(?)2人がツッコミを入れた。

「もー、当麻お兄ちゃんったら私達のことは気付いてくれないんですね。美琴お姉さんに夢中なのは分かるんですけど」
「しょうがないよ飾利。美琴姉さんが大好きだからこその当麻兄さんなんだからさ」

 美琴と同じく控え室に居た初春と佐天の言葉にハッと我に返ると上琴はすぐさま離れる。
 上条は舞い上がっていたことを反省すると、自分を訪ねてくれた義妹の2人の頭を優しく撫でた。

「飾利と涙子もわざわざ来てくれてありがとな。気付くのに遅れてゴメン。けどとっても嬉しいぞ」
「えへへ〜♪」
(これ、普通の女の子なら誤解するよね……。飾利はとっくに吹っ切ってるしあたしも当麻兄さんのことはそんな風に思ってないから平気だけど)
「そういえばどうして3人だけなんだ? 確か神裂も一緒って聞いてたけ」
「ひいいいいいいいいいいいいいっ!!!」

 上条と初春&佐天の義兄妹のほのぼの雰囲気をぶち壊したのは情報屋、理由は初春の姿を見たからである。
 初春と神裂がトラウマになっている情報屋は控え室の隅っこに座り込んで「花飾りこわい」を呟き始める。
 情報屋の急変に驚いた吹寄、姫神、翔太が駆けつける中、土御門は初春と小声で話し始めた。

「う〜ん、今の情報屋を見るとあの時はやり過ぎたって改めて思うぜよ」
「私もです。いくら土御門さんのシナリオ通りにやったとはいっても実際にあの紫木さんを見たら……」
「初春ちゃん、全部が全部オレのせいにするってのは酷くないかにゃー? お前さんとねーちんの演技力にも責任はあるんだぜい」
「そ、それはそうですけど……。そ、それよりも皆さんに伝えないといけないことが!」

 土御門の意地悪な追及から逃れる為に、初春はここに来た目的でもあるロンドン短期留学のことを告げる(魔術の話は一切伏せて)。
 話を聞いた上条、土御門、青ピ、浜面が寂しそうにする中、日頃から初春に思う所がある一方通行だけは喜んだ。

「そっか頑張れよ初春。いっそのこと短期じゃなくて永住でもしちまったらどうだ? そうすりゃあっちのテメェの義姉どもも大喜びだぜェ」
「一方通行さんにそこまで応援されるなんてちょっと嬉しいです。でも安心して下さい、私が居ない間はオルソラさんが私の代わりとしてこっちに来ますから♪」
「よしキッチリ勉強してちゃんとココに帰って来い(冗談じゃねェぞ! コイツがロンドンに永住したらババアシスターがこっちにずっと居る……そンなのはゴメンだァ!)」
「ありがとうございます♪ とはいっても2週間で帰ってきますからご心配なく」

 学園都市最強を唯一オモチャに出来る初春が渡英すれば自分の身は安泰と考えた一方通行だがオルソラと比較した結果、すぐさま手の平を返した。
 一方通行の態度に満足した初春は今すぐここを発つことを告げた後で皆に挨拶をする。

「じゃあ皆さん、行ってきます♪ 私が居ない間、火織お姉ちゃんと建宮さんのこと、宜しくお願いしますね」

 初春の挨拶に上条たちはそれぞれに激励の言葉を初春に贈ると、絹旗への挨拶もあるということで控え室を佐天と共に後にしようとした。
 しかしいきなり初春が振り返ると、上条に対してギュッと抱きついた。

「か、飾利?」
「えへへっ♪ しばらく会えないから当麻お兄ちゃん分を補充です〜。美琴お姉さん分はすでに補充してますから」

 美琴と佐天以外が呆然とする中、初春は満足げな笑顔を浮かべて今度こそ佐天と一緒に控え室を後にするのだった。

201:2011/05/12(木) 00:35:20 ID:n2W2/Tu.
(……会っちゃったなぁ、よりによってこいつに……)
カツン・カツン、と杖を突きながらもトイレに行って用を果たしたセレナは、その帰りの通路で最も会いたくない人物と会ってしまっていた。
「あーらセレナおっ久しぶりねえ。怪我してんの今日?」
「え、ええ麦野様。試合での活躍、見事でしたね。」
「んふふー。そうでしょー。でえもねえ。私としてはあんなロリ好きの変態白モヤシなんかよりは浜面のお相手をしたかったなあ。」
(うーん、セレナとしては一方通行様の大活躍の方楽しみにしていたんだけどなぁ)
「後半にも……出るんでしょう?」
「もっちろんよう。後半こそみっちりお相手しなくちゃねえ。」
「……楽しみにしていますよぉ。」
 とりあえず今回は機嫌がいいみたいで安心し、例えて言うなら寝ている猛獣の側を通過するような気持ちで麦野の側を通ろうとしたのだが……
ゲシッ!!
「ッッッッ!!!!」
 鳩尾に強い打撃を食らったセレナは声にならない悲鳴を上げてのたうった。
「あーれー?何か知らないけど思わず蹴飛ばしちゃった―☆まあいいか、小さすぎてよく分かんないんだしー。」
 ゲシ、ゲシ、ゲシ!
 その後も、浜面の相手ができなかった鬱憤を晴らすかのように何度も麦野足蹴にされ続け、せっかくこのイベントで高ぶった気持ちを
台無しにされながら、ああ、私は将来レベルが上がったとしてもこんな女のようにはなりたくないなとしみじみ感じたセレナは、ふと、
いつもと違って『反撃』ともよべないながらも『獲物』があることに気付いた。
「ありー?なんだったかなー。まあいいや」
 そう言って、麦野がセレナと入れ替わりにトイレへ行こうとしたそのとき。

 パシ、と、足首辺りに刺激を感じた。

 その途端、グルン!!と般若の形相で振り向き、ついさっき足元に当たった松葉杖を見咎めた麦野は、グワッとセレナを掴み、その顔を、ガン、と殴った。
「テメエエエエエ!!なあに調子こいてんだああ!?せえぇっかくスッキリしようとしていた気分がブチ壊しじゃねぇかぁぁぁぁぁ!!
 ああ、おい!?何?聞いてる?フレンダの奴がいなくなってちょっと調子こいてんの?どうしてくれるってんだこれ、ああ?」
 そう怒鳴り散らした麦野はバキイ!!と松葉杖を腕力でへし折った。
「ああムカつく、おい、続きトイレでしよう。とりあえずあんたの顔便器にでも突っ込んで洗わないとどうも見るに堪えそうにないなあんたのそのバタ臭い面。」
怪物か暴君の如き女が捕虜のようにズリズリと引きずり、引きずられた少女が、チッと舌打ちながらされるがままにされていたとき。

「………何をやっているんですか………」

 飴玉を転がすようでいながら、麦野にすらもゾッとするものを感じさせるものを秘めた声が。
 2人の女がそちらの方向を向くと。
 花型のヘアピンを付けた髪の長い少女が茫然としている側で、
頭にお花畑みたいな飾りをつけた少女が拳を握りしめ、仁王立ちし、正面切って怪物に対峙したいた。

202:2011/05/12(木) 00:40:42 ID:n2W2/Tu.
既出キャラ×オリキャラの絡みはこんな感じでどうでしょう?
麦野のやな女っぷりに納得していただけるといいんですけど。

203:2011/05/12(木) 01:17:57 ID:n2W2/Tu.
そう怒鳴り散らした麦野はバキイ!!と松葉杖を腕力でへし折った。
 ↓
そう怒鳴り散らし、バキイ!!と松葉杖を腕力でへし折られた様を見せられたセレナは
思わず恐怖で顔を引きつらせて「ヒッ」と声を漏らした。

引きずられた少女が、チッと舌打ちながらされるがままにされていたとき。
 ↓
引きずられた少女が、ガタガタと歯を震わせはじめたとき、

セレナが麦野を嫌いながらも恐れている様を表現できたらなと。

204:2011/05/12(木) 01:20:03 ID:n2W2/Tu.
「松葉杖を腕力でへし折られた様」じゃない
「松葉杖を腕力でへし折る様」だった

205■■■■:2011/05/12(木) 07:00:59 ID:lG2sEStg
オリキャラ出すより、黒夜とかシルバークロース出した方が………

206■■■■:2011/05/12(木) 13:07:51 ID:BogqY6rM
>>205
黒夜出すくらいならフィアンマの出番を増やす方が良いと思う

207±:2011/05/12(木) 20:54:58 ID:hUH1LC0Q
 一方、医務室ではずっと試合の様子をモニターで見ていたあの男が黙々と準備を始めていた。

「真夜ー?何処行く気だ?」
「ん?真昼さん、ただ少し調子にのっているみんなを黙らせに行くだけだよ?」

 満面の笑顔でさらりと怖いことを言ってのける男―――井ノ原真夜。
 そんな笑顔を見て、真昼は心の中で『歩く教会』チームの面々にご冥福を祈った。

(………とりあえず赤音の奴を故意ではないにしても怪我させた削板ってやつが一番危ねーな)
「あ!でも俺が行っちゃうと、誰が真昼さんやこの後入ってくる赤音さん達の面倒は一体だれが―――」
「――その役目は僕に任せて貰おうか。一応本職だからね」

 扉の方からそんな声が聞こえ、真夜が振り向くとそこにはカエルが立っていた。
 いや、正確にはカエルではなくカエル顔の医者―――冥土帰しだった。

「………少し頼まれてね。多分凄い事になりそうだから医務室に居てくれってね」
「………木山先生かな?」
「木山先生だろ」

 そんな風に頼むのは木山先生しかいない、と真夜と真昼は推測した。
 しかし、本当は彼に頼んだのは木山先生ではなくブレインこと雲川芹亜である声を彼らは知る余地もない。
 するとその時、また扉が開く音が聞こえた。

「にゃー!井ノ原弟、出番だにゃー!」
「あ、元春くん。準備はバッチリだよ」
「………って最初っからぶちぎれてるぅ!?俺らが戦ってる間に何があったんだにゃー!?」
「………土御門、察しろ」
「ああ、茜川か………そういや井ノ原姉、風邪は大丈夫かにゃー?」
「ああ、だいぶ良くなってきた」

 そのままたわいもない会話を始める真昼と土御門。
 するとその話が盛り上がる前に冥土帰しからストップがかかった。

「まあ、元気になったのはいいけど君はまだ安静だよ。それと怪我がないならそろそろ戻ってくれないかい?もうすぐ怪我人が大量に運ばれてくるからね」
「おお、それは失礼だったにゃー。行くぜい、井ノ原弟」
「うん。じゃあ真昼さん、あとで勝利の報告にくるから」

 そう言って真夜と土御門はそのまま医務室をあとにした。
 しかし彼らは知らない。
 ちょうど今、上条は初春の件でクラスメイト達からしばかれている事を………

208ё:2011/05/12(木) 22:50:37 ID:t4RqTvj2
「上条てめぇこの野郎! 可愛い恋人の次は可愛い妹か! リア充爆死しろ!」
「まさか中学生にお兄ちゃんって呼ばせてるなんて……上条くん不潔!」
「どうゆうことか説明しろ上条! そしてそのポジションは是非俺に!」
「せ、説明って言われても海よりも深く山よりも険しい事情があるような無いような……つーか爆死とか不潔ってあんまりだろ!」

 最初は純粋に選手達を励ましに来た上条のクラスメイト達だったが初春が最後に上条に抱きついたシーンを間の悪いことに目撃してしまったのだ。
 初春と佐天に気付かれないように隠れた後、2人の姿が見えなくなってから上条強襲を実行したのだった。
 上条とハーフタイム中だけでも一緒に居る為に控え室に残った美琴、本当なら雷撃を上条を襲ってる人間全員にみまってやりたかったのだが、

「み、美琴ちゃん。ここはガマンせんでもカミやん助けるために雷撃かましてもええと思うで?」
「そうしたいのは山々なんですけどああも当麻に密着してると当麻も攻撃することになっちゃいますので……」
(それって要は上条さえ居なかったら躊躇わずに攻撃するってことだよな……)

 【幻想殺し】で防げない所から感電して上条にダメージを与えるという理由で敢え無く断念。
 ちなみに吹寄と姫神も参加しているはずなのだが、情報屋の状態の方が気になっていたので上条に起こったことの経緯が分からず不参加。
 そうゆう意味では上条の不幸もランクダウンとはいっても不幸なことには変わりないわけだが、その不幸を終わらせる者が控え室へと入ってきた。

「何してるんですか皆さん。当麻くんは疲れているんです、更に疲れさせるなんてことは止めて下さい」

 控え室に入ってきた真夜の喋り方に彼のマジ切れを知らない者達は呆気に取られた。

「い、井ノ原弟、だよな? いや、そんなことよりもだな、上条が何したの」
「どうでもいいです。当麻くんに限って悪いことはしないと僕は信じてますから。応援に来てくれた皆さん、嫉妬するくらいなら出て行ってください」
「し、嫉妬くらいって……。お、俺たちは」
「いいから出て行って下さい。選手の皆さんの疲れが取れませんから。気持ちだけ受け取ります、ですから観客席で応援宜しくお願いします」

 必要以上に丁寧な言葉遣いと有無を言わせぬプレッシャーに上条を責めていたクラスメイト達は真夜に抗議すること無く控え室を後にした。
 ようやく静かになった控え室で真夜のマジ切れを知ってる人間代表として浜面が尋ねた。

「な、なぁ井ノ原弟。もしかしてさ、茜川が削板の奴に吹っ飛ばされたことで怒ってるのか?」
「仕上くんにも皆さんにも誤解の無いように言っておきます。僕はそれに関しては試合中のプレーとして捉えてるので怒ってはいません。赤音さんも頑張ってましたし」
「それで怒ってたわけじゃないの? じゃあ一体」
「簡単です、赤音さんを傷付けておいて何の謝罪も無かったからですよ。そんな礼儀知らずの人に赤音さんの愉しみを奪われたと思うだけでまた怒りが込み上げて来ます」

 だから優勝したがっていた赤音さんの頑張りを無駄にしない為にも勝利しましょう、真夜の言葉に選手全員が共感を覚えて頷く。
 真夜の今の状態が初見な吹寄、姫神、翔太、情報屋(立ち直り済)は彼の妥協の無さに驚き、残る者達はマジ切れのベクトルがかなりマシなことに安心していた。
 これで自分達の勝率が上がったと確信した土御門は実はこっそり考えていたあるプランを提示する。

「さー、後半戦に向けて頑張るとするぜい! そこでだ、美琴ちゃんも居ることだしここでオレから1つ提案がある」
「提案?」
「後半戦になって必要になってくるもの、それは応援だ。てなわけで美琴ちゃんにチアリーダーになってもらってオレ達の応援をぐぎゃっ!」
「土御門、貴様バカなの? 大体御坂さんがそんなことに応じて……」

 美琴にチアリーダーになってもらうと宣言した土御門を殴った後で吹寄はてっきり本人が猛反対するかと思っていた。
 しかし吹寄は目を疑った、視線の先に照れくさそうにチアリーダーの件を上条に聞いている美琴の姿があったから。

「ね、ねぇ当麻。当麻はさ、わ、私がチアの格好して応援してくれたら……嬉しい?」
「本音を言えば上条さんは美琴のチアリーダー姿は見たいです。しかし今考えると美琴の可愛い姿を衆目に晒すってのは……。けど美琴の応援は欲しいわけで」
「分かった。ちょっと恥ずかしいけど当麻が望んでくれるなら私、頑張るわ♪」

 美琴が引き受けてくれたことに上条は心の底から喜んだ、何せキャプテンを快くやっている動機がこうやって叶ったのだから。

209ё:2011/05/12(木) 23:36:01 ID:t4RqTvj2
 その数分前、女子トイレでは初春の怒りにもろに触れてしまった麦野が青ざめていた。
 時間も無いということで初春はうろたえながら言い訳をしている麦野を、

「とりあえず悪い事をしたのでお説教です♪」

 この一言で黙らせて個室へと一緒に入っていった、その前に佐天とセレナに特製耳栓を渡して。
 特製耳栓の意味を知っている佐天は状況が全く呑み込めていないセレナに急いで特製耳栓を着けた。
 それから30秒後、個室から出てきたのは平然としている初春と彼女に続くように出てきたのではなく倒れこんだ麦野だった。

(き、絹旗から聞いたことはあるけどここまで精神的に追い込むなんて……。初春の怒りに触れるようなことだけはや、止めよう)

 初春の裏モードを初めて目の当たりにし、気絶する前に麦野は思った、生活態度を初春に怒られない程度に改善しようと。
 特製耳栓を外すようにというジェスチャーを初春がしたのを見ると、佐天は自分とセレナの特製耳栓を外すと気絶した麦野を抱えた。
 セレナがキョトンとしていると、麦野から救ってくれた初春が頭を下げてきたことに大いに驚いた。

「すみませんでした。あなたのことは知らないですけど麦野さんが迷惑をかけてしまったようで。後で本人にもよく注意しておきますから」
「え、えっと痛っ!」

 セレナが所々に傷を負っているのを見た初春は時間が無いながらも迅速にスタジアムに居る浦上に連絡、すぐ来てもらうように手配した。

「今、私の友人にあなたの傷を治すように頼んでおきました。他にも困ったことがあったらその方に言って下さいね」
「あ、ありがとうございます。と、ところであなたは」
「飾利急いで! 挨拶する時間無くなっちゃうよ!」
「私はどこにでも居る普通の風紀委員で麦野さんのお友達です。縁があったらお話しましょうね♪」

 麦野を背負って移動してる佐天に追いついた初春はもう一度セレナの方を向いて丁寧におじぎをして小走りで去って行った。
 セレナは初春の言葉を信じられない気分で聞いていたがそれとは別の感情も生まれていた。

(麦野を友達だなんて奇特な人ですねぇ。でも……私には無い強さを持ってて憧れちゃうなぁ。飾利さま、かぁ♪)

 その後、浦上が来てくれて回復魔術(セレナは魔術とは知らずに)で麦野に負わされた傷を治療、そのまま浦上に連れられて両親の所へと戻るのだった。

「ねぇ飾利。誰にメールしてるの?」
「当麻お兄ちゃんと美琴お姉ちゃんばかり幸せなのは不公平ですからね。他のカップルさんにも幸せをと♪」

――――――――――

 時間は戻って上条チームの控え室、そこに打ち止め、黒子、滝壺、郭が訪れていた。
 4人とも、初春のメールで恋人の応援をするようにハッパをかけられてここに来たのだ。

「にゃー♪ こいつはちょうどいいぜよ。美琴ちゃんだけでなく4人のチアリーダー追加決定ですたい」

 そうして土御門が出したのは5人分のチアリーダーの衣装、しかし土御門の趣味が入っているのかメイドを思わせるようなものではあるが。
 しかも最初から図っていたかのようにサイズも5人にピッタリというおまけ付きで。
 医務室に野原を運んでいてここには居ない服部を除いた一方通行、青ピ、浜面の反応はというと実に正直なものだった。

210:2011/05/13(金) 00:24:50 ID:mPokQjlg
ёさん、ありがとうございます!!
初春が麦野にどう立ち向かうのか、正直全く考えていませんでしたから!!

211:2011/05/13(金) 00:30:05 ID:mPokQjlg
観客席(セレナード)

「ただいまぁ。」
 少し時間がかかったものの、元気そうな様子で戻って来たセレナードが、彼女より年上の少女に背負われて来たのを見て父親が尋ねた。
「おかえりセレナ。ところでそこの方は?」
「あ、私浦上と申しまして、ちょっと…」
「あのねえ、セレナと話があってねぇ、一緒に応援しようってことになったのー」
「えっええ!?」
「あっ。でっでもぉ、浦上お姉ちゃんも用事とかあったぁ?」
「い、いえ、そんなことは……」
「ありー、じゃぁどうしますぅ?」
「ど、どうするって……?」
「セレナ達と応援するぅ?それともやっぱり別のとろろへ行くのぉ?」
(うーん……この少女も悪い人じゃなさそうだし……一緒にはしゃぐぐらいなら……)
「分かりました。一緒に応援しましょう。」
「わーい♪セレナの方はねぇ、友愛高校チーム応援しているんですよぉ。」
(ああ、分かる、あんなことがあったら……)
「ありがとうございますね。浦上さん。」
「い、いえ、お母さん、ですよね?私も他の人との方が………」
「あらうれしい。あれ、セレナード、あなた松葉杖は?」
「あ?ええっと……」
「ああ、すいません。私がうっかり壊してしまいました。安心してください。この試合が終わるまでになんとか新しいのを取り寄せますから。」
「そう……」
 セレナードの「深く追求しないでください」という雰囲気を感じ取り、両親はこのことに関してこれ以上は聞き出さないことにした。
 こうしてロイヤル一家と共に後半のサッカーの応援をすることになった浦上が観客席でスタジアムに魅入っているいる間、セレナは
両手をワキワキさせる何てことのない仕草をしていたのは全く気付かず、それを見た両親が
(何を『探って』いるんだ?)
と考えたことも知る由もなかった。
(初春飾利……私の一つ上の中学2年生。風紀委員をしていること以外は普通の女子中学
生……能力も低能力の『低温保存』。『書庫』から知り得る情報はこれだけ。でも……何かありそうですねぇ。麦野をああもあしらう気迫といい、
この謎の少女[浦上]といい、そもそも急に転校してきた『アイテム』の構成員が1人、絹旗最
愛との仲……聞き出してみますか。)
 このときはまだ魔術の存在すら知らなかったセレナが、初春飾利という少女の本当の凄さを知るの
は、もう少し後の話であった。

212:2011/05/13(金) 00:33:40 ID:mPokQjlg
私の一つ上の中学2年生。
 ↓
私と同じ柵川中学の一つ上の学年。

213:2011/05/13(金) 00:43:36 ID:mPokQjlg
話があってねぇ、
 ↓
話が合ってねぇ、

214:2011/05/13(金) 00:46:10 ID:mPokQjlg
もう本当にすみませんが、セレナの秘密については
「いつでも『書庫』を除ける。」
「『誰が』『今』『どこに』いるのかがわかる」
「絹旗並みの怪力を出せる」とだけ言っておきます。
いつか彼女が、初春か一方通行か側室同盟達に心を開く描写と共に書き出したいです。

215:2011/05/13(金) 01:27:40 ID:krdsdqZM
あともう一つ失敗としたのは、
両親はセレナを「ナターシャ」と呼びます。

216±:2011/05/13(金) 18:25:14 ID:VzeaMxbg
「似合うかな?ってミサカはミサカは少し恥じらいながらあなたに聞いてみたり」
「どうですか、〇〇様!こんな黒子は!!」
「はまづら……………似合う?」

 着替え終わった3人は各々の相手に感想を求めた。
 そして各々の相手はすぐさま土御門の方を向いて叫んだ。

「「「土御門(ォ)(ツッチー)!!!」」」
「ん?どうしたぜい、3人共?」
「「「グッゥゥジョォオォォブッ!!!」」」

 ひとしきり叫び終えると3人はそれぞれの相手の方を再び見始め、誉め始めた。
 そんな様子を寂しそうに眺めていた郭はボソッと愚痴を漏らした。

「ハァ………何でこんな時に半蔵様はいらっしゃらないんですかぁ………」
「ん?半蔵なら野原を医務室に連れて行ったぞ?」
「ほっ、本当ですか上条氏!!?よーし、ちょっと行ってきます!」

 そう言うや否やすぐさま走り去っていく郭。
 その様子を上条は眺めているとふとご立腹な白雪の姿が目に入った。
 当然、白雪がご立腹な理由は馬鹿な上条にも易々と想像できた。

「なーんで、サイズがピッタリな服ばかりなのかなぁー?」
「月夜さん、そんな事は後でどうにでもなりますから今は作戦をたてましょう」
「………まあ、あとでもいっか」

 怒っている白雪を軽く落ち着かせる真夜。
 その2人はすぐさま作戦会議に入った。

――――――――――

 所変わって、『歩く教会』チーム控え室。
 そこでは今ちょっとした大事件が発生していた。
 そう、トイレから帰ってきた麦野が凄まじいほどにやつれていたのだった。

217Ψ:2011/05/13(金) 20:02:42 ID:QyMLtpxo
超久々に書くわ。
ほんとうにいつ振りだろう? もう最後に書いたのが分かりませんww
ってか、こんなことして良いのだろうかね? 月曜から中間テストなのに…… しかも高校三年生ですからねw
ちなみに、書き方は昔みたいな感じではなくて今小説で書いている書き方で行きますので。
ってか、初春の説教がどうしてもなのはを思い出す俺は何だ?

−−−−−−−−−−−

「む、麦野超どうしたのですか!?」

 絹旗は戻ってきた麦野のやつれ具合を見て尋常ではないという事をすぐに察した。
まぁ麦野がやつれているのは当然だろう。あの初春の説教ことO☆HA☆NA☆SHIを先ほどまで聞かされていたのだから。
絹旗の言葉で『歩く協会』チーム全員が麦野の方を向き、一体トイレに行っている間に何があったのかと思っていた。

「何でもないわ。この世では無いものを見せられたようなだけだから……」

 いや、だから一体何があったのだよ。と、絹旗以外の者はそう思った。
絹旗はそれを聞いて麦野に何があったのかすぐに分かった。多分初春に説教でもされたのだろうと。それ以外に麦野がこれほどやつれる事なんてないだろうと思ったのだ。
また絹旗は前に自分も同じ目にあっている身でもあるので、麦野が初春を怒らせる事をしたのに対しては自業自得だとは思ったが、反して同情する面もあったりしていた。

「それでどうするの?このままじゃ作戦会議も出来ないわよ」
「確かにそうですよね。麦野さんには今すぐにも復活してもらわないと」

 結標とエツァリの言うとおりであり、麦野が復活してもらわないと後半のサッカーにも影響が出てしまう。そのためには今のうちに麦野を復活させる必要があるのだ。
しかし心理掌握はある事を思いついたのか、『歩く協会』チームにある事を伝える事にする。

「とりあえず皆さんは後半への準備をしておいてください。麦野さんを元に戻すのに時間が掛かりましたら試合の始まる少し前に念話で作戦を言いますので」
「(超)分かった(わ)(んだよ)(りました)(りました。とミサカは早速準備に取り掛かります)」

 心理掌握の言葉を聞き、心理掌握と麦野以外の『歩く協会』チームのメンバーはそれぞれ後半への準備をし始めた。

「まぁ、麦野さんがやつれている理由の記憶を一時的に消せば良いので、そんなに時間は掛からないと思いますが……」

 心理掌握は麦野のほうを向くと、早速能力を使って麦野がやつれている理由である初春の説教の記憶を消す事にしようとした。
しかし心理掌握は予想もしていなかった。初春の説教が自分の思っていた予想より遥かにすさまじいものだったと言う事を。

(な、なんですのこれは!?こんなの、私の方が保てる訳がないじゃない!!)

 そう、記憶を消すという事はその記憶を見るということでもある為であり、それは初春が麦野にした積極を全部聞かされると同じなのであるのだ。
そんな記憶を見てしまったら、心理掌握がその記憶の内容を見るのをやめようと拒絶反応を起こしてしまい、能力の使用を中断してしまったのだ。

(これは少し時間が掛かりそうですわね。少しずつやっていくしかなさそうですし)

 そんな事を思いながら、心理掌握は後半の試合が始まる前に何とかしようと頑張ってみるのだった。

−−−−−−−−−−

変だったら言ってください。

218■■■■:2011/05/13(金) 23:47:39 ID:ut2wm0Jw

オリキャラ増えすぎてよみにくいかも

219ё:2011/05/14(土) 07:22:59 ID:LFlcCsII
 絹旗が後半の準備として軽くストレッチを始めようとすると、控え室のドアの近くに遠慮がちに立っている初春と佐天を発見する。
 先程の麦野の件について尋ねようとした絹旗だが、聞いてはいけないと思いスルーすることに。

「来てくれて超嬉しいですよ飾利、涙子♪ お姉ちゃんと神裂さんは?」
「美琴姉さんは当麻兄さんの所、神裂さんは飾利の事情で観客席だよ」
「飾利の事情、ですか?」

 佐天から初春の事情で神裂を連れて来ていないと言われて不思議に思ってる絹旗に初春からロンドンへの短期留学のことを聞かされる。
 初春は絹旗なら笑顔で送り出してくれると思っていたのだが、おもむろに肩に手を置かれて真剣かつ寂しそうな表情で尋ねられた。

「……ってきますよね?」
「は、はい?」
「ちゃんとここに超帰ってきますよね? 私は超嫌ですよ! あっちに飾利が超永住するなんて!」
「あ、あの最愛さん? 2週間の短期留学ですからちゃんと帰ってきますよ」
「そんなの超当てにならないです! ヴィリアンさんならまだしもキャーリサさんが居るんですよ! 無理矢理飾利を超手元に置きたがって」
「その心配は無用だよ絹旗。闇咲と対馬、出発は違えども僕も一緒なんだ。それにキャーリサ様でも公私混同で下手な真似はしないはずさ」

 絹旗にここまで心配されるとは思っていなかった初春が嬉しさを感じつつも困っていると、ステイルが現れて助け舟を出してくれた。
 ステイルの言葉に絹旗は何とか納得し、ステイルに初春を絶対に学園都市に帰すように約束するとようやく笑顔を初春に向けた。

「飾利、GWに超遊べないのは残念ですけど頑張って下さい。その分、帰ってから超思いっきり遊びましょう♪」
「はい♪ あ、それと麦野さんに言伝をお願いします。私はもう怒ってないから安心して下さいって。最愛さんは試合頑張って下さい」
「飾利、そろそろ行こう。スタジアムの外で対馬さんと闇咲さんが待ってるんだよね?」

 そして初春は佐天と一緒に控え室を後にした、絹旗とステイルに見送られながら。
 絹旗は初春からの言伝を麦野に伝えると麦野の調子がいつものものに戻ったことに驚いた、心理掌握と一緒に。

「ま、まさかあんな伝言1つで復活するなんて……。人間というものはますますもって不思議ですわね。では次は結標さん、こちらへ」
「私が? 何で?」
「前半での失態、忘れたとは言わせませんわよ。後半でもあの調子なら私たちの勝利も危ういものになります。なので少し気持ちを試合中だけ変えさせて頂きますわ」
「気持ちを変える? もしかして翔太への愛を憎悪に変えるとか?」
「しませんわよ、というか私へのイメージが悪すぎませんか? 優先順位を変えるだけです、恋人さんへの愛情よりも私たちチームの友情と勝利を優先させるだけですわ」

 翔太への愛情を操作されるかと焦った結標だが、心理掌握の提案が比較的優しいものだったので受け入れることに。
 【歩く教会】チーム、後半への準備はほぼ万全、後は後半戦における作戦会議のみである。

――――――――――

 一方の上条チーム、土御門からこんな提案が出される。

「後半はオレらのボールから始まる。そこでまずは奇襲だ。井ノ原弟、始まったら全力でシュートを撃て」
「分かりました。ただ僕のサッカーのポジションはリベロ、DFですからダッシュしてからのシュートになりますけど構いませんか?」
「むしろその方がいい。DFがいきなり攻め上がってシュートって……読まれるかもしれんがお前さんの力なら問題は無いぜよ」

 土御門の提案に真夜は頷いて答えた、それを見た土御門が考えたのは一方通行のことだった。
 実は一方通行、前半の45分+ロスタイムの1分、ずっと能力使用状態にしており残る能力使用時間は9分だけなのだ。

(ったくアクセラの奴、動かない時は電極のスイッチオフにしろって言っといたのに張り切りやがって。しゃーない、一旦ベンチに引っ込めるか)

 土御門は考えた結果、一方通行をベンチに下げて残り時間9分で再投入することを決意し、その旨を一方通行へと伝える。
 しかし打ち止めのチアリーダー姿でテンション上がりまくりの一方通行に反対されることに。

220■■■■:2011/05/14(土) 09:35:36 ID:KTmg3NbI
>>217
それは初春が麦野にした積極

積極ではなく説教だと思うのですが

221Ψ:2011/05/14(土) 13:03:37 ID:s9gxD1dY
>>220さん
すみません。気づいていたのですけど、すっかり言っているつもりでいました。
訂正しておいてください。
後、今書いているのって☆さん、ёさん、±さんの三人だけですか?

222■■■■:2011/05/14(土) 14:11:40 ID:ANY76TTY
すいません、いつも楽しく見てます。
ところでサッカーっていったん抜けた選手もう一回入れましたっけ?
そこだけ気になったので

223±:2011/05/14(土) 14:46:43 ID:JQGkUHQw
「なンでだよ!そンなンじゃ打ち止めにかっこいィ姿を見せられねェだろォがァ!!」
「黙ってろ、一方通行!電池切れかけのお前なんかお呼びじゃないにゃー!!」
「そうだぜ、一方通行!電池切れで途中退場になるより、最後に出てきてカッコ良く決めた方が打ち止めも喜ぶぞ!」
「当麻くんの言うとおりです。ここは僕に任せて少し休んでいて下さい」

 打ち止めにかっこいい姿を見せられないと駄々をこねはじめる一方通行。
 しかし土御門、上条、真夜の3人続けての正論意見を浴びて仕方なく一方通行はその作戦にのる事にした。
 一方、そんな様子を眺めていた姫神は浜面と半蔵を呼びつけた。

「浜面。半蔵。こっちに」
「「はい!お呼びでしょうか、姫神様!」」
「最初に。行っておく事がある。なにやられているの」
「「ほっ、本当に申し訳ありません、姫神様!!」」
「まあ。2人じゃ仕方ない。あなた達の力は。私がいて。初めて凄さがわかるもの」
「「まっ……まさか姫神様………アレを!」」

 姫神の浮かべる不吉な笑みに対し何かに気付く2人。
 そしてすぐに身構えた2人に対して姫神は自分の作戦を話し出した。

「――浜面。半蔵。私が合図したら……」
「「分かっております、姫神様!」」
「ならいい。解散」

 その言葉を聞いて2人は姫神に一礼してからその場を立ち去った。
 そして1人ポツンと残った姫神に白雪は近づきながら話しかけた。

「姫神さん、ついさっき2人が言ってたアレって一体何なの?」
「私たち。バスケの時に使ってた作戦。ちなみに今までの試合じゃ。一度も見せてない」
「………サッカーでも使える作戦なの?」
「大丈夫。問題ない」

 そう言うと姫神は控え室の扉を指差した。

「時間。行こう」
「あっ………うん」
「白雪さん」
「えっ……なっ、何、姫神さん?」
「勝ちましょう」
「………うん、そうだね!頑張ろう!」

 そう言うと白雪は姫神の手を引いて控え室の外に出た。

――――――――――

 両チームとも準備が終わり、遂にグラウンドに出てきた。
 スタジアム内の観客達は両チームの姿を見て再び歓声をあげ始めた。

224ё:2011/05/14(土) 22:48:00 ID:LFlcCsII
選手交代の件ですが、本当なら一度下がったらピッチに戻れないことは知ってましたが特例ということで是非。
【歩く教会】チームがあまりにも精鋭ばかりだったのでこれくらいは上条チームにサービスと考えた次第です。

――――――――――

 スタジアム内の大歓声を初春と佐天はスタジアム出口付近で聞いていた。

「わぁ、すごく盛り上がってますね。涙子さんもお見送りはここまでで大丈夫ですので観客席に戻って下さい」
「分かった。けど飾利、美琴姉さんや当麻兄さんや最愛や神裂さんにはしてくれてあたしだけ無しって不公平じゃない?」
「もちろん分かってます。涙子さん、皆さんのことを宜しくお願いします。えいっ♪」

 別れのハグをされた佐天、意外と初春のハグが心地良かったのか予想以上の満足を得ていた。
 佐天から離れた初春が対馬たちとの待ち合わせ場所に向かおうとしたのだが、

「あーっ! 佐天お前さん、姫からの熱い抱擁を受けるとは何と羨ましい! 飾利姫、この建宮斎字にもお情ごふっ!」
「建宮のくせに飾利のハグを要求するなんて生意気!」

 魔術師達の得物を預かっていた建宮に偶然見つかってしまい阻止されてしまう。
 初春は佐天の金属バット攻撃には目をつぶり、建宮への対処をすることにした。

「建宮さん、どうしてここに居るんですか?」
「実は魔術師達の危険とみなされた得物を預かるという仕事を任されたのよ。飾利姫はこれからどちらへ?」
「ここ(学園都市)を離れなくてはいけない用事があるんです。でもご心配なく、私はちゃんと建宮さんの居るここ(学園都市)に帰って来ますから」
「成程、ここ(スタジアム)を離れなくてはいけない用事でしたか。ならばこの建宮斎字もお供……にっ!」

 建宮も神裂同様に自分に付いて行くと言うと思った初春は、神裂と同じ方法で大人しくさせる、つまり建宮にハグをしたのだ。
 これにはハグをされた建宮、その様子を見ていた佐天も呆然するしか出来なかった。
 ハグの実行者の初春は建宮から離れると愛らしい笑顔で建宮に言った。

「じゃあ行ってきます♪」

 そんな初春を佐天と建宮は彼女が見えなくなるまで手を振り続けて見送った。
 佐天は初春のハグでデレデレしてる建宮に心の底からイラッとすると、思いっきり脇腹を肘で小突く。

「はうっ! さ、佐天、い、いきなり何をしやがるのよ……ゲホッゲホッ」
「うっさい調子に乗るな! 言っとくけどさっきのハグ、建宮とあたしだけされたわけじゃないからね。美琴姉さんも当麻兄さんも神裂さんも最愛もされたんだから!」
「お、俺は別に調子に、の、乗ってるわけではないのよな。いや、勿論至福の時間だったとは理解してるわけだが」
「大体ね、飾利はあんたのことはお父さんのような人って認識しかしてないの! 恋人になれるかもとか考えないでよね! お父さんは一生お父さん止まりなんだから!」

 佐天の容赦無い物言いに建宮が凹むのを見て溜飲が下がった佐天は建宮と一緒にスタジアムの中へと戻って行った。
 一方、佐天達と別れた初春を出迎えたのは対馬と闇咲、そして初めて出会う一人の魔術師だった。

「えっと、オリアナさんでいいんですよね?」
「あら、お姉さんのことを知ってるなんて噂通りの勤勉屋なのね。では改めて自己紹介するわ。私はオリアナ=トムソン、ロンドンまで無事にあなた達を送り届けるのが今回の仕事よ」
「こ、これはどうもご丁寧に。私は初春飾利でイギリス清教のサポートをさせてもらってます」
「よろしくね初春♪ 今回は特に危険も無さそうだから楽しみながらロンドンに向かいましょう」

 訳あってイギリスの為に働いてる運び屋のオルソラと共に初春、対馬、闇咲は彼女がレンタルしたワゴンに乗って第二三学区へと向かうのだった。

(行きはあの2人が騒々しくて大変だったけど帰りは安心できる旅路になりそうね。それにしてもこの初春、確かに可愛いけど王女2人が熱を上げるほどかしら?)

――――――――――

 一方のグラウンドでは各チームが後半前の準備運動に勤しんでいた。

225ё:2011/05/14(土) 23:22:33 ID:LFlcCsII
「あれ? アクセラがベンチに超引っ込んでますね。あれっていいんですか?」
「絹旗、あんた知らなかったの? あっちのチーム、私らみたいな精鋭だけで組んだチームじゃないから1人だけ一度引っ込んでももう一度出られるのよ」

 絹旗は麦野からルールを説明されるとは思っていなかったので少し驚いていた、本人に失礼とは思いながら。
 【歩く教会】チームは後半から出てきた選手に注目を集める。

「とうとう土御門が出てきたか。あいつのことだ、恐ろしい作戦でも練ってるに違いない」
「自分も同感です。土御門さんならどんなえげつない手でも平気で使いますからね。油断大敵です」
「確かに土御門は脅威だけど私達の結束には敵わないわよ。翔太には悪いけどこの試合、絶対に勝つ」
(メン子の能力で変わった淡希……不思議な感じがするな)

 土御門をよく知るステイルとエツァリは彼に対する警戒を今まで以上に強めた(結標は心理掌握の影響でそうでもないが)。

「浜面と服部を超下僕のように扱ってストレッチをしてるあの人、神経を超集中させてようやく認識出来るレベルの影の薄さですね」
「そうなの? 私はあいさのことはそんな風に思ってないから平気だよ。大丈夫、あいさは私が何とかするから」

 姫神という影の薄い女性を平然と認識できるインデックスを絹旗はしょうもない理由と分かっていても尊敬することにした。
 レベル5の麦野、心理掌握、削板が注目しているのは意外(?)にも真夜1人だった。

(ちっ、よりにもよって化け物が後半から登場かよ。一方通行が引っ込んで楽になるかと思ったが前半以上にきつくなりそうね……)
(井ノ原先輩にも私の成長の証を見ていただけるのは嬉しいのですが前半の茜川さんのことで怒ってらっしゃるのなら……これ以上無い脅威ですわ)
(あのにーちゃん、初めて見るツラだな。さっき俺と根性張り合った女の代わりならまたいい根性勝負が出来そうだ)

 交代メンバーに特に注目していない御坂妹と五和はというと、

(後半は当麻さんとスキンシップをとって勝利してミサカをアピールします、とミサカはもっとやる気を出します)
(このまま試合に勝利して当麻さんが私への愛に目覚める、まさに理想通りの展開が待ってるわけですよ♪)

 いつも通り上条のことを考えていた、試合のことも忘れずに。
 一方、上条チームでは土御門からポジション交代されたメンバーと後半から参加したメンバーと話し合っていた。

「後半はオレと月夜の2トップでいく。月夜もそのつもりで動いて欲しいぜよ」
「うん♪」
「カミやんはキーパーだ。これなら右手も使い放題だ、きっちり役目を果たすんだにゃー」
「美琴の応援をゲットした上条さんに全て任せろ! 0点に抑えて勝利を掴んでやるぜ!」

 白雪と上条の2人にはアドバイスするべき内容がすぐに湧き出てきたが、姫神と真夜に関してはかなり迷っていた。
 仕方ないので土御門は多少無責任と思いながら、2人にアドバイスをする。

「姫神と井ノ原弟は……自由。とはいっても姫神は基本MFだから本分を忘れるなよ。井ノ原弟はリベロだから本当に自由にさせるしかないんだにゃー」
「任せて。私と浜面と半蔵。3人居れば勝利は確実」
「勝ちましょう元春くん。赤音さんが望んでいたクラスの勝利と優勝、そして制理さんと友くんの恋の成就の為に」

 自分でもすっぱり忘れていた吹寄と情報屋の恋、それをマジ切れしてる真夜の口から聞かされてとても驚いていた。
 しかし裏を返せばそこまで頭が回るほどに冷静な真夜という存在がやけに頼もしく思えた。
 いよいよ後半戦開始と思われたが、スタジアムにスピーカーから木山からの思いがけないイベントが発表される。

『さて、後半開始の前に選手激励の為に各チームへの応援タイムを設ける。まずは【歩く教会】チームからは繚乱家政女学校の有志による応援だ』

 木山からの紹介を受けて繚乱家政女学校の生徒達による可憐で華やか、それでいて可愛らしさを残す応援が始まった。
 その瞬間、土御門は地面に突っ伏した、何せ舞夏が応援の指揮を楽しそうに執っていたのだから。

226:2011/05/15(日) 11:20:43 ID:a8kwde1c
初春って外国語できるってことでいいんだよね?
「交渉人」なんだからさ。

227Ψ:2011/05/15(日) 11:35:51 ID:AtcD.tJA
☆さん
まぁ、出来なかったとしても別にそんなに影響が無いかと。
向こうが初春にあわせれば言いだけですし。

228■■■■:2011/05/15(日) 13:01:00 ID:/zVG9Kf6
ハワイ行った時に使われた学園都市製翻訳機を使えばいいかと。

229:2011/05/15(日) 18:06:02 ID:HDCFoRqM
>>227
マナー悪くないそれって?

230Ψ:2011/05/15(日) 19:54:19 ID:AtcD.tJA
>>229
それは……どうなんだろう?
一応俺は読み専に近い立場なので、そういう事は他の書き手にも聞いくれた方がいいかもしれません。一応参考程度にっていう感じで。

231ё:2011/05/15(日) 21:24:06 ID:Dj4mFJt2
私の中では初春は英語は日常会話が出来るレベルにまで達してます。
1月に入って正式にイギリス清教のサポーターとして活動するようになってそれに伴って英語を学び始めました。
周りにはインデックス、ステイル、シェリーも居るし、何より神裂が居るので英会話の勉強には事欠かないでしょう。
いつ、日常会話が出来るレベルに達したのかは他の方のご想像にお任せします。

232±:2011/05/20(金) 21:30:55 ID:IfQ6mGLE
「フッフッフッ、土御門さんにダメージを与える為に用意したこの計画がここまで効くとは………予想以上です!」
「うわー、えげつねーとミサカは若干この行動に対し引きながら答えます」
「………そんな事してるって当麻お兄ちゃんにバレたら超嫌われますよ」
「えっ……!さ、さすがにバレる筈は――」
「何やら集まっているみたいですよ、とミサカは事実を報告します」
「えっ!何でぇ!!」

 そう言いながら御坂妹はピシッと指差し、五和もそれにつられるようにその方向を見た。
 するとそこにいたのは地に倒れている土御門を心配して集まった上条と白雪、そして情報屋であった。

「………おいおい、大丈夫かよ土御門ぉ!」
「大丈夫だって上条くん。いつものようにシスコンがぶり返しただけだって」
「いやいやいや!なんでシスコンが持病みたいになってんだよ!!さすがにありえねえからな!!」
「いや、実際土御門のシスコンは病気みたいなものだろ。元シスコン軍曹だし。なあ、白雪?」
「うん、しかも不治の病だね。メイド萌えと同クラスの」
「……お前らちゃっかり酷いなー」

 2人の土御門に対する容赦ない発言にひいている情報屋。
 しかしそのとき彼らの足元に転がっている何かが動き出した。

「……俺は月夜一筋だにゃーぁあ!!」
「うわっ!いきなり蘇りやがった!」
「もとより死んでないにゃー!つーか、カミやんも月夜も酷いぜよ!」
「いや、事実だろ」
「こないだだって私にメイド服着せようとして何言ってんの?」

 上条と白雪の同時攻撃にたまらなく再び倒れかける土御門。
 それを遠目で見ていた3人は各々呟きはじめる。

「………良かったー、バレてない」
「……もう少し注目すべき点があるのでは?とミサカはさすがに可哀相な元シスコン軍曹に同情します」
「まあ、超土御門さんですからね。しょうがないでしょう」

 上条に土御門にダメージを与える計画がバレてない事に安堵する五和。
 その一方で絹旗と御坂妹はみんなから扱いが酷い土御門に多少なり同情した。
 そしてちょうど繚乱家政女学校の応援も終わり、次のアナウンスが入った。

233ё:2011/05/22(日) 10:27:35 ID:qfBQJ1Zc
『次は上条チームへの応援だ。つ……長いので略すが白雪ファンクラブと上条チームの関係者達による応援だ』

 本当なら【月夜様に氷付けにされたい同盟】という名前があるのだが、木山の感性で長いと判断されたことに殆どのファンクラブ会員は納得していなかった。
 しかしここで騒いだら白雪に一生氷付けにしてもらえないという推測、前日に注意してきた真夜が居たことを受けて抗議には出なかった。

「L・O・V・E、ラブリー月夜様ーーーーーーーーーーーーーーーーっ♪」×【月夜様に氷付けにされたい同盟】
「とーまーーーーっ! がんばってーーーーーーーー!!」
「○○さっまー、黒子がついてますわよー!!」
「頑張れ一方通行ー、ってミサカはミサカは一生懸命エールを送ってみたり♪」
「半蔵様の勝利の為にこの郭、力の限り応援します!」
「はまづらが無事に戻ってきますように」

 【月夜様に氷付けにされたい同盟】を率いるように先頭で応援している美琴、黒子、打ち止め、郭、滝壺の効果も相俟ってスタジアムは更に盛り上がる。
 上条、青ピ、浜面、半蔵は恋人の応援に士気を向上させるが一方通行、白雪、おまけで土御門はそうでもなかった。

「は、恥ずかしい、恥ずかしすぎるよ……。こうゆう時にちゃんと仕切ってくれる万彬ちゃんと絹保ちゃんが居ないのはやっぱり痛いよ……」
「ク、クソォ……。打ち止めが頑張って応援してくれてるってのに俺はベンチ……すっげェ申し訳ねェ気分だぜェ」
「カミやん達が羨ましいぜい。舞夏は学校の関係上、五和のチームの応援。んでもって月夜はチアメイドに着替えてくんねぇし不幸としか言いようが……月夜?」
「も、もう恥ずかしい体験したからき、着てあげてもいいよ。ベンチに置いてある紙袋の中にあるんでしょ? 私のサイズぴったりのチアメイド衣装」

 衆人環視の中で死ぬほど恥ずかしい思いをした白雪の思考状態は普段なら絶対に受け入れないチアメイドを着るという決意をさせる程に麻痺していた。
 即興で雪の更衣室を作って中に入った白雪、上条チームの応援が終わると同時に雪の更衣室を派手に壊してチアメイド姿で現れた。

「さ、これで元春も試合に集中できるでしょ? 感想は試合が終わって聞くから後にしてよ。私のファンクラブの皆、騒いだら分かってるよね?」

 先手を打つことで周囲を黙らせた白雪、伊達にレベル5に上り詰めたわけではない。
 土御門も白雪の先手にやられたと思いながら、自分の恋人の姿を見て何かを閃くと白雪に小声で作戦を指示する。

「とまあそうゆうわけだから月夜、手筈通りに頼むぜよ」
「オッケー♪ ここは1つ派手に決めてあげるよ」

 土白の2人が話しているのを見ていた絹旗、御坂妹、五和、インデックスは相手の出方を予想する。

「きっと前半の私達みたいに奇襲を超仕掛けるんでしょう。白雪さんには超注意が必要です」
「ここに学園都市最強ぺドが居るなら彼を使うでしょうからミサカたちは新しい第五位に注意を払えばいいでしょう、とミサカは結論付けます」
「そうですね。主導権を握るという意味なら白雪さんのあの格好で得点を奪うのが効果的でしょうし」
「私もみんなと同意見だけど一応あいさにも注意するね。つきよの方は他の皆に任せるんだよ」

 4人以外も先手を打ってくるのは白雪と予想した、見た目も能力も派手で観客を味方につけるにはこれ以上無い人材ということで。
 各チームがそれぞれに円陣を組んで声を上げてポジションに就くと笛が鳴った、運命の後半戦開始である。

234ё:2011/05/22(日) 11:33:43 ID:qfBQJ1Zc
「じゃあ行くぜよ月夜」
「オッケー元春♪ とうっ」

 ボールを土御門に渡すと白雪は雪の翼を6枚展開させると思いっきり高く跳んだ、ほぼ垂直に。
 【歩く教会】チームは白雪の跳躍に目を奪われた、それが土御門の思惑通りとも知らずに。

「先取点、ゲットだぜい♪」
「ふっ!!」

 土御門はボールを白雪には繋げない、したり顔でバックパスをした、【瞬間超人】で全箇所70強化をしている真夜へと。
 真夜は全力疾走からの全力シュートを撃った、白雪に気を取られている【歩く教会】チームなどお構い無しに。

「ん? なんぐおっ!!」

 真夜のシュートは針路上に立っていた削板の前でホップして削板を吹っ飛ばした。
 こぼれ球にすぐさま詰めていた真夜はボール目掛けて跳躍すると、加減ゼロのオーバーヘッドシュートを撃つ。
 削板が吹っ飛ばされたことでようやく白雪から意識を離した心理掌握だが、気付いた頃にはボールは彼女の背後のゴールネットに激しく突き刺さっていた。

「まずは1点です」

 綺麗に着地した真夜は口元に少し笑みを浮かべる程度の喜びを見せた、開始わずか7秒で得点を決めたにも拘らず。
 作戦が見事に成功した土御門は白雪と真夜にハイタッチをして喜びを表現した、【歩く教会】チームにどや顔をしながら。

「ちょ、超やられました……。あの白雪さんを囮にするなんて土御門、超やってくれますね」
「しまったんだよ……。あの人、白い人とフィアンマの戦いの嵐の中、とうまを運んだ人だから警戒すべきだったのに……。もとはるの思い通りすぎるんだよ」
「派手な囮とはいえ気を取られる時間はそれほど稼げないだろう。その僅かな時間で得点を決められる伏兵と隠してるとはやってくれるね、土御門」

 絹旗、インデックス、ステイルが土御門の作戦に悔しがる中、麦野と結標と心理掌握は真夜への評価を下していた。

「くそっ、相変わらずデタラメな身体能力してやがるなあの化け物。次はこうはいかないけどね」
(仮に私が気付いて【座標移動】で誰かをシュートの壁にしても間違いなく真夜が詰めてたわね。取られるべくして取られた1点と考えた方が良さそうだわ)
「さすがは井ノ原先輩ですわ。しかも確実に怒りが振り切れている状態……脅威ではありますが負けませんわよ」

 そんな中、真夜は話の分かりそうなエツァリに頭を下げた後で削板への言伝を頼む。

「あの白い学生服の人に伝えて下さい。本来なら股抜きをした後でボールがホップするかと思ったんですが力が入り過ぎてホップするのが早まって怪我をさせてすみませんと」
「わ、分かりました。しかし驚きました、上条当麻の知り合いにあなたのような礼儀正しい人が居るなんて。しかしどうして自分に言伝を頼んだんです?」
「あなたが話の分かりそうな人だと思ったこと、もう1つは僕の怒りが勝利で収まるまで白い学生服の人と会話をしたくないからです。ではこれで」
「……世界は広いなエツァリ。ああゆうタイプの人間も居るんだな」

 そうですね、エツァリはショチトルにそう返しつつ削板が怒りを買った理由を察していた。
 当の削板が真夜のシュートの威力の強さに根性入ってると喜んで笑っているのを見てエツァリは軽いイラつきを覚えた。

「これで1点差……一気に余裕が無くなりましたね。今度は私が相手ゴールへと切り込みましょうか?」
「五和さん、ここは私に超任せて下さい。私の【窒素装甲】のパワーでお兄ちゃんの守るゴールから超ダイナミックに点を取ります」
「それでいきましょう、とミサカは前半の絹旗さんの活躍を考えていい案だと同意します」

 【歩く教会】チームボールからの試合再開、御坂妹から絹旗へボールを渡すと絹旗はボールを【窒素装甲】で掴み取る。
 それを見た土御門はチームメイトにサイドに散るように指示、上条チームゴールへの道をわざわざ作ってやった。

「成程、私のシュートをお兄ちゃんがキャッチしてこちらの出鼻を超挫くつもりですね」
「ま、そうゆうことだ。それにカミやんと遊ばせてやるってサービスも込みってのを忘れんで欲しいにゃー♪」
「……ふっ、超感謝しますよ土御門。さあお兄ちゃん、私の全力シュート、超受けて下さい!」
「来い最愛!」

 土御門のお膳立てというか目論見に乗っかった絹旗は【窒素装甲】でボールをフルパワーで殴りつけてシュートを撃った。

235±:2011/05/22(日) 15:54:13 ID:MklVHPd6
「最愛、確かに凄いシュートだ!だがな、この程度の力で俺からゴールが奪えるなんて思ってんのなら………まずはその幻想をぶち殺す!」

 そう叫びつつ上条は飛んできたボールを右手で殴った。
 いくら絹旗の【窒素装甲】でのシュートが強かろうと、幾度とない激しい戦いで鍛え上げられた上条の右拳にはかなわず、ボールは一気に【歩く教会】チームのゴール前へと飛んでいった。

「いっ、一発でこちらのゴール前まで飛ばすとは………化け物か、奴は」
「ショチトル、弱音をはいている余裕はありませんよ。僕らは彼らを倒さねばならないのですから」
「エツァリ………すまん、私とした事が」
「いいのですよ、ショチトル。さあ、反撃と行きましょう!」

 飛んできたボールをトラッピングして手に入れたエツァリ。
 ショチトルを引き連れてエツァリはすぐに前へと出るが、そこには上がってきた半蔵が立ちふさがった。

「ここで取り返してもう一点追加させてもらう!オリャッ!」
「くっ!ショチトル!」
「任せ―――」
「甘い」

 スライディングタックルをしてきた半蔵をかわし、フリーだったショチトルにパスを送った。
 しかし、そのパスをまるで待っていたかのようにどこかからいきなり現れた姫神が華麗にパスカット。
 そのままフリーとなった姫神はゴールとの距離を詰め始めた。
 しかし、その前に立ちふさがったのは【歩く教会】チームの中で唯一姫神を簡単に視認できるインデックスだった。

「あいさ、ここは行かせないんだよ!」
「インデックス。相手にとって。不足なし。だけど。私に勝とうなんて。考えが甘い」

 そう言いつつ軽いフェイントでインデックスを抜き去った。
 そして今度は心理掌握との1対1
 しかし相手が姫神という事で心理掌握は戸惑っていた。

「(………どうしましょう?表情からまったくどっちを狙っているのか分かりません)………こっちです!」
「残念。逆」

 姫神の駆け引き(?)によって見事に心理掌握を騙し、上条チームは追加点を入れた。
 しかし、一方の【歩く教会】チームは早急に集まり、作戦会議を行いはじめた。
 当然、議論の内容は真夜と姫神の対策である。

236ё:2011/05/22(日) 20:14:42 ID:qfBQJ1Zc
「正直、開始5分で同点にされるとは思ってませんでしたわ。井ノ原先輩はともかくあのような女性まで居るなんて」
「まずはあの2人をどうにかして抑え込まないとね。姫神の存在感の薄さはインデックスに通用しないけど」
「さっき簡単に抜かれたな。とはいえインデックスに同じフェイントは通用しない、心配無いだろう」

 姫神対策としては引き続きインデックスがマークに付くことが決定、抜かれた場合を考えてショチトルが常にフォローに入ることを自ら志願する。
 残るは真夜だがこちらは簡単に決まった、あくまで対策だけはだが。

「井ノ原先輩には五和さん、お願いできますね?」
「……仕方ないですね」

 【瞬間超人】で強化された真夜の動きに付いていける五和が真夜のマークに就くことにした、五和本人は相当大変だと覚悟の上で。
 ちなみに削板も考えた心理掌握だが、本人の性格を考えて比較的自由にさせた方がいいと判断して却下した。

「後は金髪サングラスの人ですが」
「土御門さんには自分が。付き合いの長さを考えるならステイルさんが適任ですが白雪さんを抑える役目がありますし」
「頼むよエツァリ。それに僕ではいいようにあいつにあしらわれる、むしろ君のような人間の方が適任だよ」

 土御門のマークはエツァリが名乗り出ることで問題なく解決。

「結標さんは全体のフォローと恋人さん、麦野さんはアク様が居ないので浜面さんとついでで相方さんのマークをお願いしますわ」
「了解」
「オッケー♪ 後半はたっぷりねっとり浜面と対決か、ゾクゾクするわ。おまけで浜面のダチも面倒見てやるよ」

 麦野のモチベーションを理解していた心理掌握は彼女に適切な指示を下す、半蔵に関して少し不安を感じはしたが。

「FWの絹旗さんと妹さんは守備を気にせず攻めて下さい。削板さんももっと攻め上がって構いません。結標さんの【座標移動】のフォローで対処可能ですから」
「わっかりました! 今度こそお兄ちゃんからゴールを超奪ってやります」
「当麻さんと触れ合えるチャンスは無駄にしません、とミサカは役得と感じつつも試合に勝ちたいと決意を新たにします」
「よっしゃーっ! 上条相手に得点する、何とも根性漲る展開じゃねぇか!」

 攻撃の核となる3人のやる気に満ちた表情に満足した心理掌握はチームメイトにポジションに就くように促す。
 4対4の同点で試合再開、絹旗はボールを持つと結標に向かって叫んだ。

「結標さん、妹さんを上に超飛ばして下さい!」
「上……なるほどね。じゃあ行くわよ!」

 結標に叫んだ直後、絹旗はボールを空高く放り投げるとその軌道上に【座標移動】で飛ばされた御坂妹がスタンバイしていた。
 
「絹旗さんナイス判断です、とミサカはこの好機に雷撃シュートを撃っちゃいます」
「井ノ原弟ばかりええカッコはさせへんでー。ボクの強くなったこの体でどんなシュートもあばばばばっ!!」

 高高度からの御坂妹の雷を纏ったシュート、いくら当たりが強くなった青ピでも雷の耐性などあるわけもなくダメージを受けた。
 しかし体が麻痺しても意識は途切れてはいないので途中退場ということにはならなかった。
 青ピのブロックを突破した御坂妹の雷撃シュート、威力そのものはかなり弱まっており上条の【幻想殺し】で雷を解除、簡単にキャッチする。
 上条はすぐさま近くに居た吹寄にボールを投げるが、

「甘いですよ当麻さん。でもそんな甘い所も」
「告白なんて余裕ですね。そうゆうあなたも充分甘いと思いますよ」

 変則的な強化術式の恩恵を受けている五和によってインターセプトされピンチに陥るも、真夜が素早く五和へと詰めていた。
 ドパン! ドパン! ドパン! と激しい音を出しているのは五和と真夜がボールを蹴り合っているもので、全く互角の展開を見せる。
 ボールはサイドラインを割って【歩く教会】チームのスローインで再開、絹旗はチームメイトが作戦通りにそれぞれにマークに就いてるのを確認すると削板へボールを渡した。

「ナイスだ絹旗! 行くぞ上条ぉ! すごいパーンチ!」

 削板のすごいパーンチで撃ち出されたシュートが上条が守るゴールへと襲い掛かる。

237±:2011/05/22(日) 22:22:17 ID:MklVHPd6
「カミやん、アッパーの要領で下から打ち返すんだにゃー!その方が簡単に弾き飛ばせるぜい!」
「分かったぜ、土御門!オリャァア!」

 土御門に言われたまま、上条は下から上へとアッパーの要領でボールを弾き飛ばす。
 しかし、すごいパンチの勢いも凄まじいもの。
 激戦の中で鍛え上げられた上条の力でも軌道を逸らしてゴールを免れるのが精一杯だった。

「っ!ゴールポストに!すぐに拾うんだにゃー!」
「あいにくそんな暇与えないわよ!それっ!」
「サンキューです、結標さん!!コレで超逆転です!!お兄ちゃん覚悟!!!」
「させないよ!燃えろ!!」

 ゴールポストに当たり跳ねたボールに対し土御門はすぐさま拾うように指示を出す。
 しかし、それより早く結標が反応し、【座標移動】で素早く絹旗を絶妙な場所に送った。
 そしてそのまま【窒素装甲】でシュートを撃とうとした絹旗に対してそれを防ぐ為に翔太は絹旗の回りを燃やして行動を制限、その隙にボールをクリアした。

「(……翔太が活躍したのに結標の奴、前半みたいに見とれてない……心理掌握に何かされたのか?)海原、ついさっきから邪魔にゃー、いい加減退くにゃー!」
「あいにく、僕の今の使命はアナタを行動させない事。退く事は出来ませんよ」

 土御門に徹底してマークして動けないようにしている海原。
 そのせいで土御門はつい先ほどから声による指示しか出せてなかった。

「元春が動けないなら、私が!いくよー!!」

 翔太がクリアしたボールを拾った白雪、相方である土御門が動けぬ事を確認するとグランドを凍らせてその上を滑るかのように1人でボールを持った駆け上がった。

「もっ、物凄く速いんだよ!!」
『今までにないパターンの攻撃……削板さん!氷に向かってすごいパンチを!!』
「おう、任せろ!すごいパーンチ!!」

 白雪がいきなり新しいパターンで攻めてきた事によってインデックス、心理掌握は驚いた。
 しかしすぐに対応策として削板のすごいパンチを発動、グランドの芝生を土ごと吹き飛ばしつつも白雪の氷のレーンとボールを吹き飛ばした。
 そしてこぼれたボールを一番近かったステイルが拾い、近くにいた麦野へパスした
 ボールを貰った麦野は駆け上がるが、それを止めるべく浜面と半蔵が目の前に現れた。

238ё:2011/05/24(火) 17:47:19 ID:swo2H0ZQ
「悪いがここから先はいどぅわっ!」
「邪魔すんな地味男ぉ! せっかくの私と浜面のイチャイチャタイムに割り込むんじゃねぇよ!」

 半蔵を【原子崩し】の威嚇射撃で黙らせた麦野の気持ちは既に目の前に居る浜面にしか向けられていない。
 浜面は思う、肉食獣に襲われる小動物の気持ちが痛いほど分かると。
 麦野は浜面との1対1(本人の感覚で)を少しでも長く愉しむ為に、浜面は麦野相手に不用意に動けない為に膠着状態に。

「どーしたどーしたはーまづらぁ。私からボールを奪うんだろぉ? 私は攻めるの大好きだけど浜面なら攻められるのは大好きなんだぞ♪」
(だから動きづれぇんだよ! 半蔵はさっきの威嚇ビームで動けねぇ、麦野からボールを奪えそうな奴らにはマークが付いてるし……)

 麦野に対抗出来そうな土御門、白雪、真夜、翔太にはそれぞれエツァリ、ステイル、五和、結標がマークに付いているので浜面の援護にすぐには来られない。
 状況打破について真剣に考えている浜面にテンション上がりまくりの麦野がバカっぽい宣言をした。

「よし、浜面のやる気が上がる為に私から提案だ。私が抜いたら両乳、浜面がボール奪ったら両尻を好き放題にしていいぞ♪」
「いいぞ♪ じゃねーんだよ!! 俺らの間にそんな賭け成立しねーっての! どんだけエロいんだお前は!」
「浜面……そんなに褒めるなよ、照れるじゃない♪」
「照れんなーーーーっ! ええいっ、このままじゃ埒が明かねぇ。イチかバチか」

 浜面は目の前の少女がこうなった原因が自分にもあることを反省しつつも、腹をくくって麦野のボールを奪うべく動こうとした。
 しかしその前に情報屋が上がってきて奪おうとした、麦野の怒りを買うことも知らずに。
 イチャイチャタイム(あくまで本人の感覚)を邪魔された麦野は閃光のアームで情報屋を薙ぎ払おうとするも、浜面が割って入ることで惨劇は回避された。

「止めろよ麦野。こんな所でお前にそんなことはさせたくねぇんだ。ちゃんと試合で決着着けようぜ、いいな?」
「……ちっ、わーったよ。じゃあ私らが試合で勝ったら浜面、お前を私の部屋に監禁するからな。つーわけでショチトル!」
「ちょ! 最後にとんでもねーこと言ってんじゃねーよ! ……分かった、その賭け乗ってやる(勝てばいいだけだしな)」

 さらっと賭けを成立させた麦野、フリーのショチトルにパスを送るも情報屋が決死のスライディングでカットする。
 情報屋は気付けば自分がフリーだということに気付き、そのままボールを持って【歩く教会】チームへと攻め、PA内へと入る。
 しかしそこに追いついたショチトルがボールを奪おうとしたその時、情報屋を呼ぶ声が聞こえた。

「紫木こっちよ!」
「吹寄! 任せたっ!」
「えいっ!」

 上がってきた吹寄の声を聞いた情報屋は反射的に左へとセンタリングを出した、しかも奇跡的にタイミングピッタリで。
 情報屋の綺麗なセンタリングに吹寄おでこDX状態の吹寄がヘディングシュートを撃つも、心理掌握のダイビングキャッチで得点は奪えず。
 一進一退の攻防に観客が大いに盛り上がる中、心理掌握は近くまで下がってくれていた結標にボールを渡す。

「どうするの? 上条がキーパーになってから絹旗と削板でも得点できないのは大きな痛手よ」
「そうですわね。それにあの背の高い青髪の人も意外と当たりは強いですし、真っ正面からの力押しでは……真っ正面?」
「メン子?」
「結標さん、とりあえず削板さんにボールを渡して下さい。上条当麻から得点を奪う一手を思いつきましたので」

 結標にメン子呼ばわりされたことなど気にも留めず、心理掌握はボールを持った削板ではなく御坂妹と絹旗に念話を送った。

《絹旗さん、削板さんがクリアされたボールをキープして妹さんに渡して下さい。妹さん、上条当麻を抜ける自信はおありですか?》
《まさかこんな時にメン子さんが当麻さんで抜けるなんて下ネタを言うとは、とミサカは常盤台の性の乱れを嘆かずにはいられません》
《いっ、言ってませんわよ! 私は妹さんに上条当麻を抜き去るフェイントがあるかどうかを尋ねてるのであって……》
《メン子さんメン子さん、妹さんは超分かっててやってるんですから流していいですよ。私の方は超了解です、確かにお兄ちゃんには効果的ですし》

 ちょっとしたイザコザはあれども、心理掌握の作戦を御坂妹と絹旗は受け入れることにし、削板の様子を注意深く見ながら走り出す。
 猛然と上がる削板はPAの少し手前でドリブルを止め、ボールを胸元まで上げるとすごいパーンチでシュートを撃ち出した。

239:2011/05/24(火) 19:52:31 ID:leTB6PGA
観客席(セレナード+浦上)
 初春に関する何気なさを装った追及を浦上がやんわりとかわし続けていた中、(彼女自身は
初春の「友達の一人」ということにしている)試合運びの中でようやくセレナが
話題を変えてくれた。
「じゃぁさあ浦上お姉さぁん。」
「何ですか?」
「あの浜面って人は麦野の恋人ぉ?」
「えっええっと……」
「あとねぇ、一方通行様と心理掌握ってできちゃってるのぉ?
 どっちも超能力者だしぃ、名門校出身(長点上機、常磐台)だぃし、女王様や
最強って何か凄い組み合わせだしぃ。」
「い、いや、それは……」
「それにぃ……なぁんかあの2人試合中も意識し合っている感じがしますしぃ……」
「えっ。そ、そうかしら……」
 前者の2人ならともかく、この超能力者カップル(と、思っている)に関して
こういうことに気付く辺り、一方通行への想いもあるもののかなり洞察力があるのかもしれない。

240:2011/05/24(火) 20:02:52 ID:leTB6PGA
「い、いや、それは……」→「いや、それはな…」
細かい指摘ですみません。

241±:2011/05/24(火) 21:14:49 ID:Ge6FXtBs
「いくぞ、上条ぉ!コレが俺の根性の詰まったすごいシュートだぁぁあぁぁあぁぁ!!」
「いいぜ、削板……お前が俺からゴールを奪えるっていうのなら、まずはその幻想をぶち殺す!」
「……それ以前に、削板くんから吹き出している謎の煙に対するツッコミはないの!?」
「翔太……気にするだけ無駄ぜよ。なんせ削板だからにゃー」

 自らの本気を相手にぶつけ合う削板と上条―――もとい、FWとGK。
 その2人の間にはいれる者はおらず、観客達も含めてすべての者が静かにその行く末を見守っていた。

「削板………お前の根性が凄い事はよく分かった…………だがな!この程度で、俺の美琴への愛に勝てると思うな!!」
「愛の力、だと……!俺の根性に勝つとは……なんつーパワーだ………」
 自称愛の力で上条は削板の『すごいシュート』を真っ正面から打ち破った。
 全員はその上条の力に圧倒されつつも、すぐに上条が弾き飛ばしたボールを取りに行った。

「全員、ボールとって速攻だぜい!相手は今のカミやんの活躍で隙が出来ている筈にゃー!」
『皆さん、落ち着いて下さい。今はボールをとって妹さんに回して下さい!』

 互いの指揮官の指令はすぐに両チームに伝わり、両チーム同時にボールを取るために動き出した。
 しかし、その中で1人だけ動かぬ者がいた。

『い、五和さん?何故そこで止まってらっしゃるのですか?』
『だって……ついさっき当麻さんが……』
『(まっ、まさか今頃気づいた――いや、ようやくと言うべきでしょうか?)そ、そんなにおち―――』
『――こんな大衆の中で私への愛を言ってくれるなんて!!』
『はぁ?』

 五和がつい先ほどの上条の叫びで、ようやく上条と御坂の関係に自分がはいれるものじゃないという事に気がついたのか、と思っていた心理掌握にはこの状況は理解できなかった。

『いっ、五和さん?』
「だってメン子さんも聞いたでしょう?ついさっきの当麻さんの告白!『俺の五和への愛に勝てると思うな!!』ってもう最高じゃありませんか!」
『アナタの耳はどんだけ希望に満ち溢れているんですか!?』

 心理掌握が五和の暴走を止めようとしている間に両チームほぼ全員参加のボール争奪戦は絹旗が勝利していた。
 そして絹旗は取ったボールを先ほどの指令の通り御坂妹に渡した。

242:2011/05/24(火) 23:12:56 ID:g7yV.jZI
観客席(セレナード+浦上)

「あれ?五和さんって人だけボーっと…」
「五和……(この威風堂々とした告白で流石に吹っ切れたか…ああ、でも、
あの希望に満ちた顔は……まさかまた変な風な超解釈を……)」
 浦上が他の観客達とはかなり違う意味でハラハラしているの見たセレナは
(よし、ならまず五和さんあたりから攻めてみるか)と、シフトチェンジしてみた。
「前半の活躍ぶりすごかったですねぇ五和さん。格好は派手ですけど。」
「ええ、人目を引く格好でありつつ、自らへの注目を力へと変換させる術式を織りこむ。
 よく生かしているわね。」
 小声とはいえ思わずぽろりと漏らしてしまった魔術用語にハッと口を押さえる浦上。
 しかしセレナは敢えてそのミスを突いてガードをより一層固められるようなことはせず、
あえて聞こえないふりをして更に掘り下げた。
「浦上お姉さんって、初春さんと同じく五和さんとも友達なんですねぇ、どんな
人なんですかぁ?」
「頑張り屋で純粋で……好きな人には尽くしまくるタイプよ。」
「いい人ですねぇ。」
「いいえ。」そこで浦上はかなり悲痛な様子に顔をゆがめた。
「問題はその相手が自分を見ていないとしても……いわゆる強引に自分を振り向かせようとする
のよ。それこそ、恋敵…この場合、美琴って人を…極端な話八つ裂きにしてでもね。」
「ママ、恋敵って恋のライバルのことだよね?」
 母が苦笑して首を縦に振るのを確認して、セレナは頭の中で『整理』した。
(それが本当なら『超電磁砲』美坂美琴と一人の男を取り合っていることになりますねぇ。
 五和さんについては…(わきわき)…浦上お姉さん同様詳細不明。
 最近突然学園都市に来て、繚乱学校で働いていること以外情報なし。
 未成年?にも関わらず、能力開発どころか正規の教育すら受けていない…)
「いつまでとどまっているのかしらね。」
「はい?」
 浦上は、心から憐れむような表情で、仲間の女をジッと眺めた。
「恐らく飾利もそうだったんでしょうけれど…彼、上条当麻に慕情を募らせる他の女達が、
次々とそれをふっ切って、本当の思いやりによって、彼と美琴の幸せを願い、成長し、そして新たな道を歩んでいるのに………
 一体いつまで彼女は自分勝手な愛に生き、全てを失っていくのかしら……」
「………私も………」
「え?」
 GK兼司令塔として仲間を引っ張っている心理掌握を見ていたセレナは、
つい先ほどまで彼女と相対して選手として活躍していた白い少年を思い起こし、無表情でポツリと呟いた。
「私も、一方通行様と心理掌握さんの間に割り込もうとしている時点で、もう…どちらかになっちゃう
のが決まっているのかなぁ。」
 浦上はポン、と、眼下のセレナの頭に手を置いて呟いた。
「応援しているわよ。」
「………ありがとう………」
 ニコッと、少しくすぐったそうに、でも、とてもうれしそうな笑顔を向ける少女を見て、思わずドキンとした浦上は、
一瞬、本当に一瞬だったが、打ち止めよりこの子を応援したいと考えたりした。

 流石に、その幼女が笑顔の裏で、浦上のガードがかなり緩んできていることに……
浦上自身と、上条当麻という現在フィールドで活躍している少年と、
初春、美琴、五和との関係を聞き出すまでに至ったことに
ほくそ笑んでいたことは知らなかったが。

243:2011/05/24(火) 23:16:14 ID:g7yV.jZI
美坂美琴→御坂美琴
でしたね。

244:2011/05/24(火) 23:21:57 ID:g7yV.jZI
「いつまでとどまっているのかしらね。」
「はい?」→「え?」

245ё:2011/05/25(水) 20:23:16 ID:4tJxgL5o
「当麻さんには悪いですがミサカが確実に得点してみせます、とミサカは必勝宣言をしてみせます」
「随分と面白い事を言うようになったな、御坂妹。だからといってチームの守護神たる上条さんを相手に」
「えいっ」

 上条と1対1になった御坂妹はシュートをするフリをした、しかし上条は見事なまでに反射的に動いてしまう。
 その後もシュート、パスのフリに過敏に反応してしまい面白いように御坂妹の単純なフェイントに引っかかる上条。
 観客はその様子にクスクス笑ってしまうが例外は居るものである、美琴に御坂妹に五和だ。

(ちょっと何よあの当麻、お猿さんみたいで可愛いじゃない♪ 今度家に帰ったら私もやってみよっと)
(ここまでいいように反応してくれる当麻さんに萌えを感じます、とミサカはもう少し続けたいと思いつつも仕上げにかかります)
(きゃーーっ当麻さんったらかーーわーーいーーいーー♪ さっきの告白はカッコよかったのに今度はかわいいなんて素敵です!)

 御坂妹に踊らされた上条に御坂妹がボールを取れるか取れないか微妙な所に出す、当然ながら上条は反応して飛びつく。
 しかしそのボールはバックスピンがかかっており、地面に付くとボールは御坂妹の所へ戻り上条は地面にダイブしてしまう。
 突っ込んでくる(?)上条をスピンターンでかわして無人のゴールへと進み、シュートを撃つ。

「これで確実に逆転です、とミサカは余裕なので普通のシュートを撃ちます。えいっ」
「当麻くんを抜いたからといって余裕を持つには早いですねっ!」

 御坂妹のシュートは全力疾走でゴール前に走ってきた真夜にクリアされてしまうが、その光景に誰もが驚いていた。
 いくら五和のマークが緩くなったとはいえ実は一番ゴールから遠い所にいた真夜が間に合うなど味方含めて誰一人思っていなかったのだ。
 これで上条チームの危機は回避されたはずなのだが、

「助かったぜ真ぎゃふんっ!」

 地面に転がっていた上条が勢い良く立ち上がって真夜のクリアボールを振り向きざまの顔面に受けてしまい、自分のチームのゴールネットを揺らした。
 後半16分、あまりの間抜けな逆転劇に御坂妹と真夜は「えっ?」と呟くしか出来なかった。
 決勝戦初得点をオウンゴールで上げた上条に吹寄と姫神から制裁が加えられることに。

「馬鹿か馬鹿なの馬鹿なんでしょ! せっかく井ノ原弟が貴様のフォローしてくれたのにオウンゴールするなんて真正の馬鹿ね!」
「せっかくの私の。同点ゴール。こんなふざけた展開で。無駄にするなんて。死んでいいよ」
「いだっ! 俺だって好きでオウンゴール決め! ぐえっ! たんじゃね! あだっ! ぎゃんっ! いだだだだっ!」
「制理さんも秋沙さんも落ち着いて下さい。当麻くんだけに非があるわけではありません。ボールをキープして攻め上がる選択をしなかった僕も悪いんですから」

 真夜の自分達を宥める発言に吹寄と姫神は上条への制裁を止めた、理由は真夜の発言の正当性と名前呼びである。
 吹寄も姫神も真夜に名前を呼ぶのを止めてもらうように頼むも、真夜が頑として折れなかったので受け入れることにした。
 逆転されたことで策を練ろうとした土御門だが流れが相手側に傾いてるのを感じ、どうしようか迷っていると真夜が策を出す。

「元春くん、一方通行くんがピッチに再び戻るのはいつ頃なんですか?」
「そうだな……この後の通常活動時間を考えると残り時間6分って所だ。ロスタイムも考えた上での時間だがどうしてそんなことを聞く?」
「僕が稼げるだけ時間を稼いで、時が来たら当麻くんか秋沙さんと仕上くんと半蔵くんのどちらかに同点ゴールを決めて貰うんです」

 最初は真夜の策に難色を示した土御門だが、残り時間が少ない所で同点にすれば流れも自分達に向き、尚且つ一方通行のテンションもいい状態で試合に臨めると感じて受け入れることに。
 ちなみに真夜が姫神&浜面&半蔵を推したのは切り札があると知っているから、上条を推したのはキーパーのオーバーラップは意外性があるからとのこと。

「僕はあの変わったメイド服を着た女性との1対1で時間を稼ぎます。あの人は1対1なら逃げないでしょう、それ程の身体能力と自信を持ってますから」
「(確かに今の五和は観衆に魅せるプレーをしている。きっと観客や周囲の期待の視線や歓声を力にする術式を組んでるんだろう。成程、それなら)分かった、それでいくぜい。皆もフォロー頼むぜよ」

246ё:2011/05/25(水) 21:09:09 ID:4tJxgL5o
 そして上条チームボールで試合再開、土御門からボールを貰った白雪はすぐに上がってきた真夜にパスを送る。
 真夜は御坂妹と絹旗に詰めることすらさせない速いドリブルで、更にエツァリとショチトルを鋭く巧みなフェイントを織り込んであっという間に抜き去る。
 そこへ予想通りに五和が真夜の前に立ちはだかると、真夜もドリブルを止めてボールをキープして距離を取った。

「後半の貴方の活躍を見てて思いました。是非とも戦ってみたいと。今の私の身体能力に付いて来れるのはそちらのチームでは貴方1人でしょうから」
「つまり僕に勝つことで流れを完璧にそちらに持っていくということですね。けど僕だって負けません、この試合にはかかっている物が沢山ありますから」
「では……始めましょう! この試合を決するであろう私達の戦いを!!」
「望む所です」

 そして始まった真夜と五和の1対1の勝負、まずは真夜が高速フェイントで五和を抜き去ろうとするも五和が見事に反応して抜かせない。
 今度は五和が鋭く足を使ってボールを奪おうとするも真夜の巧みなボール捌きでキープを続ける。
 ならばと真夜はボールを高く上げてヘディングで五和の裏へ落とそうとするが五和もそれを読んでいて互いのヘディングがぶつかり合う。
 全く互角のヘディング勝負でボールは2人の中間点に落ちると着地した2人は激しくボールを奪い合う。

(な、何て人ですかこの人は! 通常よりも強化された私の身体能力に付いてくるなんて! 正直サブメンバーかと思っていましたがとんでもない、優れたプレイヤーです)
(戦ってみて初めて分かりました、この人はとても強いです。一見して当麻くんに現を抜かしてると思えばこうして冷静に対応してくる、本当に凄い人ですね)

 互いの足を削り、ボールをキープする為に体をぶつけ合い、鋭く速い動きを見せる真夜と五和に観客は大歓声を送った。
 あまりの激しいぶつかり合いにお互いの顔、足に傷が付き始めたので災誤がプレーを止めようとするも、この1対1の雰囲気に笛を鳴らせなかった。
 時間が経つにつれて大歓声を送っていた観客も徐々に静かになり、ついには真夜と五和の激突を魅入るように見守り始める。
 そして観客だけでなく上条チームも【歩く教会】チームも固唾を呑んでこの1対1を見守ることになった。

「私は正直凄く楽しいです、こうやって今の私の全力と渡り合える相手がいることが! 貴方の名前、教えてもらえませんか!?」
「それは試合が終わってからにしましょう。今は1対1に専念したいんです、この楽しくて心躍る1対1に」
「そうですね! けどこの勝負、勝つのは私です!!」
「勝利は譲りませんよ。勝つのは僕たちですから」

 激しくぶつかり合うも楽しく会話をする真夜と五和、しかし2人には大きな違いがあった。
 五和はテンションが上がっておりあくまで真夜との1対1に勝利することを狙い、真夜は楽しいと思いつつも自分の策を忘れておらず時が来るのを待っていた。
 後半30分が経過しても真夜と五和の1対1はまだまだ終わらず、それ所か更に激しさを増していた。

247±:2011/05/25(水) 22:07:09 ID:cLQpujoU
 いまだ終わらぬ真夜と五和の1対1に観客達は息をのんでいた。
 その感覚はグラウンド全体を包み込んでおり、【歩く教会】チームのメンバーは五和が、上条チームのメンバーは真夜が勝ってくれると信じて誰一人その間に割ってはいろうとする者はいなかった。

(真夜の奴……1対1じゃなけりゃ抜くぐらいは出来るはず……言ったとおり時間を稼いでいるのかにゃー?)
(浜面。半蔵。井ノ原くんが勝ったら。アレを)
((了解であります、姫神様!!))
(いくら五和が強くてもあの真夜に勝てるとは思わない………つーか、なんか試合あとについさっきの事で美琴に何か言われそうな気がする……)
(流石は五和だな……スゴい根性だ!!)
(五和のやつ………あの化け物相手にここまでやるとは……浜面、覚悟しなぁ)

 各々こんな事を思っている間に2人の1対1は激しさを増していく。
 そして後半40分に差し掛かった時、この均衡が崩れた。

「―――楽しい時間でしたけど、そろそろ終わらせて貰いますよっ!」
「なっ……誰もいない所にバックパス――」
「あいさがいるんだよ!」

 一瞬の隙をついて真夜はキープしたボールを背後に放った。
 そして放った先の誰もいないスペース――もとい姫神がいる場所に放られたボールは走り込んできた浜面と半蔵のペアに渡り、2人は一気に攻めあがる。
 五和を信じていた【歩く教会】チームの面々は五和が抜かれたという一瞬の隙によって走り込んできた2人への反応が遅れてしまった。

「いくぞ、半蔵!俺たちの必殺、曲がるシュートだ!!」
「おう!いくぞ!!」

 2人は同時にシュートを放ち、それは斜め上へと向かって飛んでいった。

(この軌道……明らかに場外ホームランじゃない!確かに曲がるなら入るかも知れないけどそんな能力者はいない筈――)
「――甘い」

 その言葉と共に現れたのは、そのシュートに対してオーバーヘッドシュートをうとうとしている姫神。
 その状況を見て、心理掌握はさっきの言葉の意味を理解した。

「(そうか!曲がるというのは途中でシュートを加えて軌道を変えるという事……)これは、姫神先輩の影の薄さを利用した――」
「………」
(なんか、凄い気にしてるー!!)

 しかし凄まじい勢いで放たれるオーバーヘッドシュートを止めることが出来ず、後半42分再び同点となった。

248±:2011/05/25(水) 22:10:04 ID:cLQpujoU
すみません
最後の行の後半42分の所はカットしてください
……なんか読み返してみたらちょっと時間に矛盾が出てきそうなので

249ё:2011/05/27(金) 21:00:43 ID:Ku98nBuc
 後半40分に同点ゴールを決めた姫神は、この同点劇の演出者でもある真夜とハイタッチを交わす。
 そこへ五和が割って入ってきた、理由は真夜のバックパスの件である。

「どうして貴方、あそこでバックパスをしたんですか? まさか私を1対1で抜けないからとは言わないですよね」
「僕は最初からあなた相手に1対1で勝つ気が無かったんです。時間を稼いでいい感じの時間で同点にしたかったんですよ」
「えっ? だ、だってあんなに楽しそうにしてたじゃないですか? あれも演技とは言わないですよね?」
「楽しかったのは事実です。下手をすれば目的を忘れるほどに。それに僕言いましたよ? 勝つのは僕たちって」

 五和はようやく納得した、目の前の少年は最初から1人で戦ってはいない、チームで戦っていたのだと。
 それならば仕方ないと思った五和は真夜にチームとして勝利することを宣言すると自分のチームの所へと戻って行った。

「井ノ原弟、それに姫神もご苦労さまだぜい。ところでカミやん、何でオーバーラップしなかった?」
「いや……姫神と浜面と半蔵が邪魔したら殺すぞって感じの視線送ってきたからつい、な。けどきちんと同点になったんだからいいだろ?」
「まあな。さて、残り5分、いよいよアクセラ投入ってわけなんだが問題が1つ発生した」
「問題?」

 上条は一方通行投入に何の問題があるのかさっぱりだったが、近くに居た姫神と真夜はすぐに理解した。
 全く理解していない上条に姫神が一方通行投入時に発生する問題を説明する、自分の願望も含め。

「アクセラくんが出るということは。選手の交代を意味する。土御門くんはそのことで悩んでる。私は絶対に交代しないけど」
「そうゆうことだカミやん。オレとお前、浜面と半蔵と姫神、月夜と井ノ原弟と翔太は勝つ為に必要だから交代は無し」
「残るのは青ピ、吹寄、情報屋……ああ、確かに悩むほどの問題だな。

 上条は理解した、一方通行と交代する選手が現れる以上は誰かがベンチに下がるということだ。
 土御門が残すと言った選手は【歩く教会】チーム相手に外せない戦力、吹寄は性格上譲りそうに無い、情報屋は吹寄とのデートが懸かっている。
 残るは青ピなのだがここで外したら後で絶対に拗ねるだろうから簡単にはいかない。

「さて、3人の中で誰を外したらいいもんかにゃー……」

――――――――――

 一方の【歩く教会】チームではインデックスからのとんでもない作戦が提案されていた。

「ほ、本気なのかい? インデックス」
「私はいつだって本気なんだよ。残り5分、これでいかないと勝利は掴めないと言っても過言じゃないね」
「でもメン子さん、削板さん、結標さんを残して後は全員攻めるというのは超大胆過ぎます!」

 インデックスの作戦はシンプルでキーパーの心理掌握、削板、結標の3人に守備を任せ、残る全員で攻めまくるというものだった。
 殆どのメンバーが難色を示す中、心理掌握がキッパリとインデックスの作戦に賛同する。

「私は賛成ですわ。あちらは絶対にアク様を投入してきます。守備は最小限必要な人間を残し、残る全員で攻めて相手の攻撃を潰していく位でないと」
「それが一番でしょうね。一方通行の奴、ベンチで休んで体力も有り余ってるから惜しみなく全力出してくるわね。守備は私と削板、メン子で何とかする」
「結標とメン子の言う通りだぜ! これくらい根性入った作戦じゃねぇとあいつらには勝てねぇ! ゴールは俺達が守ってやる、残るお前達は得点を決めて来い!」

 心理掌握と結標と削板の力強い言葉に悩んでいたメンバーは迷いを吹っ切って残り時間、全力で攻め続けることを決意する。

――――――――――

 その頃、なかなか選手交代を指示しない一方通行がしびれを切らして土御門へ詰め寄って来た。

「土御門ォ! さっさと俺をピッチに立たせろォ! 変える奴決めてねぇンならテメェが代わるかァ!」
「チッ、相変わらず我慢をする事を知らん奴ですたい。……仕方ない、情報屋」
「お、俺が交代! 頼む! 最後まで試合させ」
「話は最後まで聞けっての。お前さんが吹寄を説得っつーか口説いてアクセラと交代してもらうように頼むんだにゃー」

 情報屋は最初は自分が交代しないことに安心したが、土御門から吹寄を口説いて交代させろという無茶振りに大いに慌て始める。

250ё:2011/05/27(金) 21:15:38 ID:Ku98nBuc
±さんの後半42分を後半40分にさせて頂きました。
後半40分に差し掛かったとあったのでこれなら多分矛盾は無いと思います……無いですよね?

251±:2011/05/27(金) 22:11:26 ID:Wfa28teY
ёさん、ありがとうございます
多分、矛盾はないはず……?

――――――――――

「むっ、無理無理無理無理っ!!!」
「無理じゃないにゃー、やれ」
「ファイトやでー、紫木はん」
「そォだ紫木……やりやがれェ」
「俺はお前の事応援してるぞ、紫木!!」
「なんでこんな時に限ってバカルテット勢揃いで応援なんだよ!!つーかそういう交渉ならもっとふさわしいのがいるだろうが!井ノ原とか」

 本人に告白するのはいいのに口説く――もとい交渉するのは嫌がる男、紫木。
 紫木はいきなり背後から何者かに触られ振り向くとそこには笑顔の真夜がいた。

「そういうことは僕は得意じゃありませんから。お任せしますよ、友くん」
「………そういえば紫木くんの下の名前って友だったよね……」
「基本、みんな紫木か情報屋だしな……呼ぶとき」
「もしかして、もしかしたらじゃなくて、俺の下の名前、みんな忘れてたのか!?―――って、俺気がついたら逃げ場なし!?もはややるしかねーのか!?」
「「「「「「だからやれって言ってん(ン)だよ(言っているんですよ)」」」」」」

 上条、土御門、青ピ、一方通行、真夜、翔太ら全員につっこまれ逃げ場をなくす紫木。
 そんな紫木に残された行動はひとつ――上条の昔の口癖を叫ぶ事だった。

「ふっ、不幸だぁーー!!」

――――――――――

 結局、紫木は上条の真似をしてもどうにもなるわけではなく吹寄を口説きに―――もとい交渉しにきたのであった。
 そして当然交代したくない吹寄にこんな事を頼めば、紫木が酷い目にあうのは目に見えていた。

「情報屋………あたしを馬鹿にしてるのか?」
「しっ、してません!断じてっ!!」
「つまり情報屋、あんたはあたしより活躍出来ると?」

 多少なり怒った形相で話しかけている吹寄。
 紫木は吹寄を落ち着かせるために土御門に言われた殺し文句を実行した。

252ё:2011/05/29(日) 10:35:39 ID:CK7StjOI
「……正直言うと出来ないと思う。けど俺頑張るから! 吹寄に認めてもらえるように!」
「情報屋、貴様どうしてそこまであたしに……」
「それは……一緒に遊びに行った時にちゃんと言いたいから後にしてくれると助かる。俺は吹寄に勝利を捧げたい、吹寄の笑顔が見たいから」

 一瞬よぎったのは自分が吹寄に惚れた理由、しかし情報屋はここで言うのはお門違いだと思い口にはしなかった。
 吹寄は情報屋の言葉に心動かされたのか、顔を赤くさせたが本人に見られるわけにもいかないのでそっぽを向いてベンチへと向かう。
 しかしその途中、白雪に赤面してる顔を見られた吹寄はそれをネタに弄られてしまうことに。

「へー、吹寄さんの恥ずかしがってる顔って可愛いねー♪ いつものツンツンしてる顔よりもそっちの方が魅力的だよ」
「なんですと? 吹寄のデレ顔とはなんともレアだにゃー♪ これは是非とグオッ!」
「だっ、黙れ土御門! とっ、とにかく絶対に勝ってよね! あたしがベンチに引っ込んで負けたら全員タダじゃおかないから!」

 ベンチに下がった吹寄を見て上条は思った、ツンデレだなぁと。
 そして交代で入ってきた一方通行が空気を読めない宣言をする。

「よォし、ここで俺が逆転ゴールを決めて優勝……ンだよテメェら、その呆れたツラは」
「あのさアクセラ、ここは情報屋の顔を立てて情報屋にゴールを決めさせるもんだろ。それくらい上条さんにだって分かりますのことよ」
「全くアクセラは打ち止めちゃんの前だとカッコつけたがって困るぜい。前半結構活躍したんだからもう充分だろ?」
「せやでアクセラはん。紫木はんの事情を知ってる身としてはここは華を持たせるのが普通やで。どんだけ幼女に好かれブルゥへ!」

 デルタフォースに言われ、確かにその通りかもと揺らぎ始めた一方通行は悩みだす(青ピを殴ったのは無視して)。
 するとそこへ白雪、真夜、翔太が一方通行を後押しするように言葉をかける。

「得点は友くんに譲るとしてもそのアシストを一方通行くんがすればいいんですよ。それでも充分に活躍したことになりますから」
「井ノ原くんの言う通りだよ。ゴールを決めるだけがサッカーじゃないし、逆転劇の演出の方がカッコいいと僕は思うけど」
「それに普段はしない誰かの援護をするアクセラくんを見たら打ち止めちゃんだけでなく観客みんなもいい印象持ってくれるよ、きっと」

 3人の後押しで情報屋の逆転ゴールのアシストをする決意をした一方通行、彼の頭の中は打ち止めの笑顔6割と情報屋の恋の成就&チームの優勝が4割だったりする。
 一方通行たちの輪に入っていない姫神と浜面&半蔵も、

「紫木くんの為じゃない。吹寄さんの為に。私達も紫木くんをフォロー。2人とも。協力をお願い」
「「了解です姫神さま!!」」

 チームの勝利の為に頑張る事を改めて誓う、ただしモチベーションは情報屋ではなく吹寄だが。
 そして試合再開、【歩く教会】チームは絹旗がボールを持って先手のパターンでもある【窒素装甲】のパンチによるシュートを撃とうとするが、

「何度も同じパターンが出来ると思ってンじゃねェぞォ!」

 MFに入った一方通行が脚力のベクトル変換であっという間に絹旗との間合いを詰め、ボールに蹴りを叩き込む(翔太がDFに下がって)。
 しかし即座に絹旗も対応、本来得意としている防御の体勢に入って一方通行のシュートを吹っ飛ばされながらもボールを真上に飛ばした。

「……いたた。ったくアクセラの奴、超手加減無しですね。ステイル、ボールを超頼みます!」
「任せろ! 悪いが土御門、高さ勝負なら君に負ける気は全くしないよ」
「ちいっ!(DFのステイルが攻撃参加だと? ゴール前には結標、削板、心理掌握だけか。成程、攻撃特化で行くつもりか。面白ぇ!)」

 DFのステイルが攻め上がってきたのを受けて土御門はすぐさま【歩く教会】チームが攻撃集中の構えを取ったことを理解、楽しいと思いつつ受けて立つことを決意する。
 土御門と競り勝ったステイルがヘディングでエツァリ、エツァリからショチトル、ショチトルから五和へとダイレクトパスで素早く繋ぐ。

253ё:2011/05/29(日) 10:54:43 ID:CK7StjOI
 右サイドから猛然と切り込んでくる五和の前に真夜が立ちはだかる。
 先程の1対1の攻防がまた見られると思った観客は期待するが、

「すみません。今は自分のことよりもチームの勝利を優先します!」

 五和はPAへと走り込んでいた麦野と御坂妹を視界に収めてセンタリングを上げる。
 一見すると五和が勝負を投げたと思われるプレーだが、チームの勝利の為に無茶を控えたことに真夜は気付いていた。
 そのセンタリングに麦野が反応、ジャンプしてヘディングシュートを撃とうとするが、

「そない簡単にボク相手に制空権取れる思うたらアカンでお姉さん♪」

 長身の青ピ、しかも災誤によって鍛えられた体を前に競り負けてボールをヘディングでクリアされてしまう。
 しかしそこに守備完全無視で攻めに専念していたインデックスが詰めてボールをキープしてドリブルで情報屋をかわす。
 インデックスは御坂妹にパスを送ろうとしたが翔太がマークに付いていたので自分でゴールへと攻め上がり、この試合で初めて上条との一騎打ちをすることに。

――――――――――

 ようやく球技大会編のゴールが見えてきました、ここまで長くして本当にすみません……。
 吹寄と情報屋のデート編が早く書きたいなと思っていたりします。
 でもその前に初春がイギリス留学したことを知った神裂&建宮の扱いとか、学園都市入りしてる2人(オルソラとアンジェレネじゃない方)のことも少し書きたい……。

254Ψ:2011/05/29(日) 17:38:52 ID:/Xvrp.0w
たまに姿を現すψですw
ёさん、それは全部一緒にしてGWにやれば良いと思いますよ。
後球技大会になったら俺も少しは参加すると思います。球技大会は本当に何も内容が思いつかなったもので^^;
まぁ、時間が取れればの話なんですけどねww

255±:2011/05/29(日) 21:31:43 ID:x39T3aL2
僕もψさんの意見に賛成です
………でも、神裂と建宮は絶対いろんな意味でダメダメになってそうだな……

――――――――――

「覚悟するんだよ、とうま!右に蹴るんだよ!」
「あいにくとそこまで馬鹿じゃないぞ、俺は!」
 言った方向と逆の方向に蹴るという馬鹿しか引っかからない典型的な騙しを使ってきたインデックス。
 流石の上条もそんな簡単なのには引っかからず、なんなく左に蹴ってきたボールをキャッチした。

「よしっ、このまま逆転だ!土御門!!」
「了解だにゃー、いくぜい!」

 上条からのパスを華麗にトラッピングする土御門。
 そして土御門はそのまま持って上がろうとした時、その前に2つの人影が飛び出してきた。

「そんな事、超させませんよ!」
「ここは通しません!とミサカは身体をはってボールを奪いにはいります」

 ボールを奪うために土御門へと駆け寄った絹旗と御坂妹。
 流石の速攻に土御門もなすすべない――のように思われた。

「お勤めご苦労様だにゃー」
「「えっ?」」

 ニヤリと少し笑ってからバックパスを出す土御門。
 いきなりの行動に絹旗と御坂妹は反応出来なかった。
 そしてその出したパスに反応して駆け上がる影が1つ。

「行くぞ、情報屋!!」
「って、おい!いいのかよ、上条!ゴールほっぽりだして!」
「ここで決めれば何の問題もない!それにもしもの時は真夜に任せたから大丈夫だ!!」

 土御門からのバックパスを広い、情報屋を引き連れて駆け上がる上条。
 行かせまい、と追いかけようとする者達もいたが……

「悪いが、ここから先は一方通行だ!」
「悪いけど、紫木くんの恋路の邪魔はさせないよ!それっ!!」
「浜面。半蔵。やっておしまい」
「「了解しますた!姫神様!!」」
「僕もいるでー!」
「さあ、死にたいやつからかかってくるにゃー!」
「元春、それ死亡フラグ………まあ、何はともあれここは通さないよ!」
「ゴールは僕に任せて皆さんは当麻くんと友くんの援護を」

 上条チームの残り全員が守備に回り、【歩く教会】チームの動きを封じはじめた。
 そのために上条と情報屋のコンビは2人で削板と結標を抜き去らなければならなかった。
 残り時間はロスタイムも含めてあと僅か、ココで決めた方が勝つ事となる。

256ψ:2011/05/29(日) 21:46:21 ID:/Xvrp.0w
今更ながら>>254誤字してたorz
「球技大会になったら」じゃなくて「球技大会が終わったら」じゃん。
とりま、球技大会が終わったら多分参加しますので。
無駄にレスしてしまってすみません。

257ψ:2011/05/29(日) 21:47:38 ID:/Xvrp.0w
あ、後どうでも良いけど大文字のΨから小文字のψに変えますね。特に意味は無いのですけどww

258:2011/05/29(日) 22:39:01 ID:CCG5eQsY
±さん、ёさん、急に専門用語がいっぱいでてきましたが
勉強してきたんですか?
私もスポーツものは得意でなかったのでついさっきようやく追いついたと
いったところでした。
苑内達の様子ももう1回ぐらい書きたかったんですが、もう、決着付いてからで
いいや。

259ё:2011/05/31(火) 07:34:31 ID:LQPu0.MY
「さぁ来い上条! お前の根性と俺の根性、どっちが上か白黒ハッキリつけようぜ!」
(まさか削板の奴、ここですごいパーンチってのをやるつもりか? いや、いくら何でもそれは無い。とすると……)
「行くぜ、すごいスライディーング」

 削板のすごいスライディーング、要は音速の2倍の速度で繰り出されたスライディングである。
 しかし体は地面を滑っておらず超低空で飛んでいるのでスライディングというより飛び蹴りと呼ぶ方が正しいのかもしれない。
 普通に考えれば避けられないのだが上条は普通のカテゴリーに収まる人間ではない、強敵との戦闘をくぐり抜けてきた猛者なのだ。

「なにっ! かわしただと!」
「悪いな削板。今はお前と真っ正面から勝負するつもりはねぇんだ。何せ人の恋路がかかってるんだからな!」
(他人の恋の為か、ホントに根性入ったすげぇ奴だな)

 削板のすごいスライディーングをジャンプでかわした上条、着地して心理掌握の守るゴールへと切り込んでいく。
 ところがそこへ【歩く教会】チーム最後の砦が上条の進撃を阻む。

「削板を抜いたからって気を抜き過ぎよ!」
「うわっ! む、結標っ!」

 【座標移動】で上条の前に現れた結標の鋭いスライディングで上条はボールを取りこぼしてしまう。
 宙に舞ったボールにいち早く反応したのは白雪で、雪の翼の力強い跳躍ですぐさまボールに詰め寄ると雪の翼でボールを撃ち出す。
 コースは【歩く教会】チームのゴール右上隅、しかし心理掌握もきっちり反応していた。

(コースは厳しいですがキャッチは出来ますわ。そして近くまで下がっている削板さんへパス。すごいパーンチで逆転で試合終了、いけますわ!)
「ナイスセンタリングだァ白雪ィ! 行ってこいよ紫木くんよォ!」
「のわああああああああああああっ! へぶしっ!!」
「(アク様がチームメイトの誰かを撃ち出した!)し、しまったっ!」

 そこにいつの間にか情報屋の後ろに回っていた一方通行が情報屋を風のベクトルを操作して射出した。
 暴風で飛ばされるという人生の中でもワースト3に入る恐怖体験をしている情報屋の顔面に白雪の撃ち出したボールが上手い具合にヒット。
 そしてボールは心理掌握とは逆方向に飛んでゴールネットを揺らしていた、上条チームの逆転である。

260:2011/05/31(火) 22:51:03 ID:dQWh5qN2
観客席(ロイヤル一家+浦上)

「ウワーーーー!!!スゴイスゴイスゴーーーイ勝っちゃったーーーー!!!
 やっぱり一方通行様ってスゴーイ、カッコイー!!!」
 セレナードは興奮しっきりでキラキラと満面の笑みをたたえて喜び、浦上は両親と共に、その様を微笑ましく見ていた。
しかしやがて
「さてっと。じゃぁそろそろ帰ろぉっと。」
と言って席を立ったのには驚いた。
「えっ。もう帰っちゃうんですか?これから式典とかがまだあるのに。」
 と、尋ねると、セレナは困ったように首を傾げて言った。
「うん。本当言うとこれからも楽しみたいんだけどぉ。でもねぇ、足を直しに行かなくちゃぁ。」
「え?だったら丁度いいですよ。今ここには学園都市1の名医が…」
 しかしその言葉を父が、何故かどことなく有無を言わせない様子で遮った。
「すみません浦上さん。ナターシャの足は専属医でないと直せないんですよ。」
「あ。でも、松葉杖が……」
「いいですよぉ。向こうに連れて行ってもらったら別にありますしぃ。
 ママァ、たしか真羅(しんら)さんは……」
「今は助手さんと一緒にここに来ているから先に行ってなさいって。」
「わかりましたぁ。じゃぁねぇ浦上さぁ…」
「ま、待ってください!!せめてちゃんと杖を受け取って……」
「ううーん、私もこれから先も見たんだけどぉ、ほら、この後いろいろあって落ち着いて
冷めちゃってから帰るよりわぁ、少しでも興奮とかときめきとか残したままにしたいでしょぉ?
ほらぁ、もう私じゅうぶん満足しましたしぃ。」
 まあ確かに1理ある。恐らく病院に行って入院するんだったら、ある程度試合のことを思い出して
余韻に浸りながらの方がいいだろう。しかし、あくまで麦野によるもので
天草式(自分達)は関係ないとはいえ、このまま帰してしまうのは飾利から世話を任された身としてはいささか気分が悪い。そこで、
「わかりました。じゃぁ、後で必ずあなたの下に素敵な松葉杖を送りますから。
 ロイヤル・N(ナターシャ)・セレナードさん、ですね?」
「うん、浦上お姉さん、初春飾利さんにもよろしくね。また会いたいって。」
「伝えておきましょう。」
 こうして、セレナは早々と両親にかかえられながらスタジアムを去って行った。
 浦上は知る由も無かった。彼女がこの後半、新しく投入されたある選手に注目していたことなど。
「あれが、真羅さんの息子、井ノ原真夜……『会うのは』初めてですねぇ。」

261:2011/05/31(火) 22:54:32 ID:dQWh5qN2
観客席(スキルアウト+剣道部員)

 自分達が応援しているチームが勝ったスキルアウトは、風船をヒューヒューと
上げるやらクラッカーや爆竹をバンバン鳴らすやら、挙句の果てにはビールや酒類をありったけ開けまくるやらで、周囲と比べて格段に騒がしくて浮いていた。
「ヒャッハ―!!やったぜ浜面さん半蔵さん。」
「てゆーかあの曲がるシュートってなんなの、未だ分かんないんだけど私。」
「細けえことはいいんだよ俺も何で曲がったのかわかんねぇし。」
「おい、打ち上げ会の予約とってあるんだろうな。例のディスコだぞ。」
「当ったり前だぜ!!今夜は呑みまくって浴びまくるぜ!!」
「ヒャッハ―」
「ヒ―ハー」
(客席でこうっていうんなら夜はどんだけはしゃぐのよこいつらは!)
「麗奈様ぁ。勝っちゃいましたね麗奈様の予想通り。」
「えっ。ええ、そうね。ほら、私の言った通りでしょう?」
「あーあ、こっちもいい試合していたと思ったんだけどなあ。」
(良かったー、これで京都に行ける蛍を見れる♪)
(ま、いっか。お泊まりなんて、夏の間いくらでも理由をつけてできそうだし)
 各々がまあそれぞれ胸中で結果について納得していると、スキルアウト達が一斉に新坂に詰め寄った。
「新坂―!約束通り連れてってもらうぜ京都―!」
「分かりましたー。そっちの浜面さんと半蔵さんも頑張ってたみたいだし、慰安旅行だと思えばいいですよ。
 ほら、ここでよかったんですよね麗奈様?」
 そう言って持っていたケータイで蛍観光ガイドのページを確認して、スキルアウト達と打ち合わせをし始めた新坂。
 そんな彼を横目で見て、麗奈はぼそりと呟いた。
「あなたの費用持ちそれ?」
「まあ、負けちゃいましたからね。だからちょっと行ける人数には限りがありますけど…ここに集まっている人々は……うん、全員行けますね。浜面さんと半蔵さんも含めて。」
「ねえねえ、どうせならあの2人の彼女達も連れてったら?出来る?」と、スキルアウトの女子1人が、郭と滝壺のことを思い出して尋ねたところ
「えっ?ええっと…あと、1人ぐらいなら……」
「そう……ま、考えとくわ。」
 滝壺の方は暗部の報酬があるので1人でもまかなえることをまだ知らない不良少年達。
 そんな中、植森少年は彼女達が試合中ときどきしていた会話の中で気になっていたことを訊いた。
「あ。それからさお前ら。なんか絹旗について心配ごととかある風だったよな。」
「ええ、あの人がいると、球技大会のパワーバランスが……」
「おまえらで十分賄えると思うけどな。なあ?」
「「「「うん。」」」」
 音頭を取っていた植森の問いに、他のスキルアウトは全員一斉にうなずいた。
「そうかしら?」
「どうでしょう?」
「いやだって麗奈、お前石やコンクリートぶった切ったって聞いたけど?」
「あれはあくまで木刀持っていたから……」
「「「「それで切れるお前が凄いよ」」」」
「それから新坂、お前なんかも」
「うーん…どうでしょうかぁ…」
 新坂は腕を組んで真剣に悩んでいる風だったが、彼の細身のどこにこんな力が……
かつては駒場利徳とスピード、体力でほぼ互角に渡っていた様をよく見ていたスキルアウト達に言わせると、
彼のことが絹旗より……ある程度能力で強化された彼らから見たらよくある種の手合いより遥かに脅威といえた。
 むしろ闘い慣れた彼らから見たら、下手したらまだ絹旗よりこいつらの方が実力が上なのではと真剣に考えてしまう位だ。
しかもこれで2人ともまだ修行中ということで腕を上げてきているというのだから恐ろしい。
「ま、後で直接絹旗と話し会った方が早いわね。」
「まあそうでしょうね。あーあ。以外と痛い出費ですよ。
 もし京都で面白いことが起こりそうとなったら、お父さんがいくらでもお金出してくれるんだけどなあ。」
「ああ、ありそうねあの男だったら。今ここに来ているの?」
「ええ、こんな面白いイベント逃すはずないでしょう?何より自分でセッティングしたんですから。」

262:2011/05/31(火) 22:55:49 ID:dQWh5qN2
 はしゃぐ選手達から離れた所では、審判としての仕事を終えてきた災誤を含めた教師陣が、
落ち着かない様子でそわそわしながら観客席のある方向を見ていた。
 やがて子萌先生の携帯が鳴り、彼女が緊張した声で応じ続け、やがてパタン、と、ケータイを閉じると、プルプルと震えていた。
「子萌先生…ダメでしたか?」
 災誤が心配そうに声をかけると、


「ヤッタ―!!!やりましたよー!!!」 


 子萌先生がバンザーイ,と伸びをしてニコニコと他の先生に報告し、その結果にワ―っと教師陣から歓声が上がった。
「ごっ合格ですか!?」
 思わず親船素甘が訊き返すと、子萌先生ははいーと応じた。
「今後こういう『面白そうな』ことやらかしてくれるんあら、わが校への出費は惜しまないそうです。」
「そ、それじゃあ修学旅行や能力強化合宿なんかは…」
「期待できそうですねー」
「私達(教師)のボーナスは!」
「もっちろんですよー」
「ヨッシャ―!!!」
「いやあ、子萌先生のクラス様様ですよ。」
「ほんとですねえ、よりによって統括理事会のあんな人の目に止まるとは。」
 教師達が見上げた観客席の最上段、そこではこの学校の校長がぺこぺこと側の男に頭を下げていた。
 黒のタキシードを着た、キザな風ではあるものの非情に優雅さを漂わせた青年といった面持ちの男は、どこか悪魔か吸血鬼を思わせた。
「あの方が以後私達のマネージャーになる学園都市統括理事会の1人、新坂道男(あらさかみちお)さんですよー。」
 子萌先生が指差した男を見て、黄泉川はケッと吐き捨てた。
「なーんかキッザな感じするじゃん。実際は馬鹿なことばっかりやりまくってるくせに。」
「よっ黄泉川先生、マネージャーさんにそんなこと言うもんじゃありませんよー、第一おバカちゃんが好きじゃなかったんですか―?」
「ブルジョワ階級の成金遊びはまた別じゃん。」
「そうですかねー、先生はああいう楽しい人は好きですよ―、子供みたいじゃありませんかー。あれ、親船先生?」
 親船素甘は、ホームページで見た彼の昔の写真と指差された男をきょろきょろと見比べながら呟いた。
「あの人……中学の息子がいるんですよね……それであの若さ……しかもしかも、どう見てもこの昔の写真より若返っている……
どんな健康法使っているのよ一体……」
「ええっと……やっぱり活気があふれるというか…子供の心を持っていると若返るんじゃないんでしょうかねえ。」

263:2011/05/31(火) 22:58:33 ID:dQWh5qN2
 子萌先生がそう言うのも無理はない。
 親船最中が外交、潮岸が軍事とするなら、
新坂道男の役割は情報と呼べた。
 主な仕事は学園都市に入ってくる外からの情報や、
逆に学園都市が外へ流す情報の取捨選択、操作といったものだった。
 その腕は優秀で、ロシアとの戦争時に学園都市内部に波風を立てず、
逆に外に対する情報開示により混乱を起こし、学園都市の交渉やアピール、世論操作に大きく貢献した事実がそれを物語っているのだが、彼が学園都市の人々に知られている所以は、
むしろ趣味が人をからかうことといっていいくらい、無駄に金をかけた様々な悪戯をしでかしてくる担ぎ屋ぶりで、周囲からは「大金を持った馬鹿」と見られている。
 かつては仕事人間だったのだが、礼男を生んだ奥さんに逃げられて以来、(そのため現在は父子家庭)精神年齢と
見た目の年齢が大きく若返ったらしく、事実親船教師が見ているかつての彼は、初めて見た人から見るとどうしても目の前の若々しい男が十年以上の時を経て貫禄を得て口髭を生やしている風にしか見えなかった。
(親船最中と対立したとき、名前と見た目を彼女そっくりに仕立てた部下に、本物の彼女とは正反対の主張の講演をさせて親船最中の講演のつもりで来た観客達を困惑させただの、
学園都市の成立日の祝日に、馬車を使ったパレードを行い、外国の王族がやってきたというデマを流して民衆を熱狂を起こして、実際は彼自身が乗って学園都市中を回っていただけだっただの、エイプリールフールに「学園都市がタイムマシンを発明した」という嘘ニュースを流して、昔の身なりをさせた人物と、人体消失の手品を使った大規模なセットや演出で本気で信じた人もいたりして、未だ学園都市ではエイプリールフールを「ロード・デイ」と呼ぶ人もいるだの、よくやるじゃん。こんな人だから、このイベントも見逃すはずなかったじゃん。)
 そう、他でもないこの男が、当初常磐台で行われる予定だった今回の球技大会の決勝戦の変更を提案し、その為にわざわざ管轄外の学園都市のスポーツドームを貸し切り、メディアの専門として面目躍起といった広報を行って、今回の1大イベントに仕立てたのだった。
 普通なら非常に有難いはずの存在の男に対し、黄泉川愛穂だけは親船とは違う意味で、即ち非情に胡散臭そうな目で彼を睨めつけていた。
(子萌先生はああ言っていたけれど……色々と悪い噂も絶えない男じゃん。拷問ショーなんかもよく見物して、自身も様々な責め苦を考え付いたりするような、興味の方向が危ないところにも向いていることもあるとか、無類のゲーム・ギャンブル好きで、その黒づくめで歳不相応の若々しい上品ないでたちと、多くの者達を負かしてその金・場合によっては命さえも奪う圧倒的かつ容赦ない勝ち方から「吸血鬼」の異名を取っているとか、勝負に関する取り決めはそれが『どんなものでも』容赦なく執行するとか……よくよく用心しといた方がいいじゃん。)

264:2011/05/31(火) 23:01:27 ID:dQWh5qN2
最後の投稿、改行あんまりしなかったせいで、無茶苦茶になっちゃった……
キャラのあまりの増加が叫ばれましたので、新坂道男については本編では
「友愛高校のスポンサー」という存在だけで登場させ、セリフなんかは
つけない予定です。
ただ、すごいキャラではあるので外伝で活躍させたいです。
あと、井ノ原真羅については、朝陽さんが出たんだから、研究者の父が出ても
いいかなって……

265:2011/05/31(火) 23:11:34 ID:dQWh5qN2
>>261の最後に付け加えるセリフ(新坂の)
「後で自分の仕事が何倍にも増えるっていうのに…自分の父ながらよくやるよ。」

266:2011/05/31(火) 23:14:19 ID:dQWh5qN2
あと、どなたか、井ノ原姉弟の外見的特徴が書かれている所を
知りませんか?2人は似ているようですが…
父親を書くとき、子供に似ている風にしたいので。

267§:2011/05/31(火) 23:45:45 ID:IQ7.xTGQ
ひさびさにやって来ました。とりあえず本編(ピッチ内)を投下です。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


「き、」
「「「「「「「「「「決まった(ァ)ーーーーーーーー!!」」」」」」」」」」
「やりやがったな情報屋!」
「あの野郎なんて根性入ったヘディング(?)なんだ!!」
「お前らまだ気抜くんじゃないぜよ?まだ試合は終わってないんだからにゃー」
「あれ?友くんは…?」

テンションが最高潮に達するスタジアム。
そんな中このゴールの主役である紫木は…

「ぐふぅ、あ、アクセラぁ…。感謝してはいるが別な方法は無かったのかよぉ」
「ンだァ!?せっかくゴール譲ってやったンだろォが!?文句でもあるンですかァ!!?」
「いや、だからもっと優しくできなかったのかって…」
不機嫌になった一方通行におどおどしながらも自らの意見を述べる紫木。
しかし

「一方通行!!貴方のアシストいぶし銀で痺れちゃった!ってミサカはミサカは賞賛を送ってみたり!!」
という打ち止めからの声で機嫌をなおし
「打ち止めァ!次はオレがゴール決めて差を広げてやるぜェ!!」
と言い残し自分のポジションへと帰っていく。

その頃逆転を許した【歩く協会】チームは…
「すいません。あそこで私がもっとアク様の動きに気を配っていれば…」
「過ぎたことは仕方ないんだよ。それに相手の攻撃力を甘くみて選手をあげるようにいったの私にも責任はあるかも…。それよりもいま話し合わなくちゃいけないのはいかにしてこの短時間でゴールを決めるかなんだよ!」
「確かに。残り時間はあと僅かだね…。」
「でしたら…とミサカは最後の賭けとなる戦略を提示します。 ごにょごにょ」

「!!いや、でもそれは…!」
「でもここまで来たら超覚悟決めましょう!!」
「そうね、それしかないわ!」
「こんなに根性入った作戦は初めてだ!!」
「腹をくくるしかないね。」
「なんとしてでもとうま達にかつんだよ!!」

【歩く協会】チームは御坂妹の提案した最後の賭けにのった。

その『最後の賭け』の正体は

「「「「「「「「「「「決着はPK合戦で(超)お願い(するんだよ)(するよ)(します)!(とミサカは頭を下げます)」」」」」」」」」」」

「は、」
「「「「「「「「「「「は(ァァァァァァァァァァァァァ)ああああああああああああああああ!!!!???」」」」」」」」」」」

268:2011/06/01(水) 00:11:21 ID:fhXpXStQ
あれー、終わりじゃなかったの―?

269ё:2011/06/01(水) 08:47:57 ID:MY2pJmJE
私が書いた>>259ではあくまで情報屋が逆転ゴールを決めただけであって試合終了とは書いてませんからねぇ。
☆さんの投下分は試合が終了してから繋げても大丈夫かと思いますよ。

それといきなり井ノ原ツインズの父親の名前が出て驚いてますが専属医ってことは医者なんでしょうけど職業違います…。
第11章の『終わりなきバカップル』でミニ情報として父親は科学者と書かれてます。
セレナの足が科学者でないとどうにか出来ないのであれば納得は出来るんですけど。

270:2011/06/01(水) 18:00:48 ID:MDrIPVIQ
そのとおり、医者ではなくて科学者です。
「専属医」というのは、あくまでセレナの父がそう言っていただけです。
>>168は完全にいらんかったなと痛感。

271:2011/06/01(水) 20:58:50 ID:WSSF4aiw
あと、当初の設定では月夜と仲良くなるはずが
浦上と懇意になったのには驚き。
こういう意外な展開が、リレー小説のいいところです。

272ё:2011/06/01(水) 21:01:30 ID:MY2pJmJE
§さんの続きから投下します。
試合終了後、☆さん投下分の>>260〜>>263に繋げる形で。

――――――――――

 【歩く教会】チームの最後の賭け、その内容に上条チームは怒りを通り越して呆れていた。
 何とか気を取り直した土御門が冷静に【歩く教会】チームキャプテンのインデックスに尋ねる。

「なぁ禁書目録。要するにお前さん達は今までの試合は無かったことにしてPK合戦で本当の決着をつけよう、そう言いたいのか?」
「うん。さすがはもとはる、察しが良くて」
「ふっざけんじゃねーーにゃーーっ! 今までの努力や汗を無駄にするような提案なんぞ呑めるわけねーーだろーーっ!」
「ふふんっ、超分かりました。土御門は私達とPK合戦で勝つ自信が超無いから拒否するんですね。まったくとんだ超チキン野郎です」

 【歩く教会】チームの不条理極まりない提案&絹旗の暴言に土御門もさすがに我慢の限界に来ていた。
 そこに真夜が割り込んで【歩く教会】チームを正当かつ容赦の無い追い込みを仕掛ける。

「すみませんがあなた達のそのプライドの無い提案、受け入れることは出来ません。試合終了後ならまだしも試合中ですよ」
「そ、それはそうだけど……」
「それに泣きの1回のようなPK合戦、今まで僕たちを応援してくれた観客の皆さんに申し訳ないと思います。それに潔くありません」

 真夜の物言いに【歩く教会】チーム全員が何も言えなかった、麦野や絹旗でさえも。
 そして止めとして真夜がPK合戦を反対する理由が語られるのだが、それは意外にも【歩く教会】チームの不利を示すものだった。

「PK合戦になったら僕達は当麻くんじゃなくて一方通行くんをキーパーにします。風のベクトルを操作すればどんな相手だって止められますから」
「……確かにそうよね。私は【座標移動】でのボール移動は禁止されてるから直接ゴールは決められないし……。誰も決められないんじゃないかしら?」
「流石は淡希さん、理解が早くて助かります。そちらもその白い学生服の人の奇妙なパンチがありますけど一方通行くんのシュートは止められないですし」
「そんなもん俺のこ」
「時間もギリギリあるようですから諦めるのは早いと思いますよ。さ、試合を再開させましょう。試合終了後、同点だった場合はあなた達の提案を受け入れることも考えますので」

 削板の発言を遮った真夜を見て削板以外の【歩く教会】チームは思う、間違いなく削板に怒っていると。
 真夜の言葉、そして早めに表示されたロスタイムが2分なのを見てインデックスは素直に引き下がり、奇跡的な逆転勝利を掴むことを決意する。

「いやー助かったぜよ井ノ原弟。あそこでお前さんが割り込んでくれなかったらオレらしくなく挑発に乗ってた所だぜい」
「いえ、正直ギリギリでした。一方通行くんの能力使用時間を相手の方々に悟られていたら危うかったです。さ、今は勝つことだけを考えましょう」
「よし! 情報屋の逆転ゴールでようやくここまできたんだ、絶対に勝つぞぉ!!」
「「「「「「「「「「おおっ!!!」」」」」」」」」」
「勝負は最後まで分からない。みんな、ここは出せる力の全てをもって逆転して優勝を勝ち取るんだよ!!」
「「「「「「「「「「オーーーーーーーーッ!!」」」」」」」」」」

 両チームの最後の円陣の後、後半44分から【歩く教会】チームのボールで試合再開。
 そこからの3分間、余計な言葉は一切聞かれず、互いのチームは全力でぶつかり合った。
 お互いに一歩も譲らない試合展開に観客席に居る応援団も一生懸命彼らを応援し、選手もそれに応えるように更に頑張りを見せる。
 そして主審の災誤の試合終了のホイッスルが吹かれた、6対5で上条チームの勝利と共に上条のクラスの全種目優勝が決まったのだった。

273:2011/06/01(水) 21:43:18 ID:WSSF4aiw
もう順序がおかしくなっちゃいますけれど、
先に井ノ原真羅さんを出しちゃいましょう。
>>262
非情に→非常に

274:2011/06/01(水) 21:43:52 ID:WSSF4aiw
白衣の怪物

第十学区のとある研究所に停まった高級車の後部座席から、父親に背負われたセレナが出てきた。
 その顔は先ほどまでの試合にときめいたものと大きく違い、自分を背負う父親に、ニヤニヤ笑いながら話しかけた。
「まあ安心しなって親父。こんくらいの怪我だったら、レイシェルの奴にも直せるくらいの軽―いものさ。」
「ミランダか。」
「セレナの方は興奮しっきりのままおねんね状態さ。今頃麦野にやられた分、いとしの一方通行様の勇姿を思い描いてにやにやしているさ。あたいにゃ見えんがね。ケケケ!」
「お前にも試合、見えたか?」
「ああ、あの男(新坂道男)が目をかけるのもわからぁ。
 とーんでもねースペクタクルだったよまったく。あんたにとってもそうだったろ?」
「まあな。」
 軽口をたたき合いながら研究所の歩き慣れた長い廊下を歩き続ける親子。
 ふと2人は、別の方向からやって来た、元気がなさそうな男とすれ違った。
「止まって。あれー早乙女、確かあんた今日ここを出て行くんだってね。」
「あっああ。」
「確かあんたが担当していたところがとんでもない失態巻き起こしちゃって教授が、まあ多分上層部によるものだが、消されちゃったんだってねえ。」
「……」
「良かったなあ殺される価値ない下っ端研究員で。」
「………」
 歳歯も行かない少女に次々と図星を指摘されて、下を向いて押し黙るしかない研究員。
 少女はそんな彼をふん、と鼻で笑った。
「2度とここに来んな。私ら『実験生物(モルモット)』に言わせたら、あんたのような奴が1番むかつくんだよ。
 とっととそのぬるま湯気質が似合う所に行っちまいな。
 どうせあんたは、こっから先一生チャンスなく、しがない研究員で終わるんだからさ。」
「……ありがとう。」
 ペコリと頭を下げ、ややスッキリしたようにすれ違って行った。
 再び歩き出しながら、しばらく黙り、やがて父親は口だけを動かして呟いた。
(まあ、これもあいつなりの優しさなんだろな。)
「ま、ああいう奴が似合った所に落ち着くのを見るのが1番ホッとするかな。はて……そういえば一方通行の奴の保護者になっている芳川とかいう研究者も、丁度そのタイプだったな。」
 ミランダがそう一人ごちたとき、ふと、あの試合、いや、正確にはその前と間にセレナを介して関わった2人の超能力者が思い出された。
(まあ、確かに戦えって言われたら恐いんだろうけどさあ)
 しかしミランダやセレナに言わせると、これからここに来る男は……自分達が
これから入る部屋の主は、
『最強』だの『第1位』だのといった称号に悦に入っているガキや、
気に入らない奴を力で潰しまくることしか頭にないようなアバズレ女なんかより遥かに恐ろしかった。

275:2011/06/01(水) 21:44:42 ID:WSSF4aiw
2時間後

「いやあ待たせたね。」
 そう言って頭を掻きながら、白衣を来てメガネを掛けた男が金髪の少年と共に親娘がいる研究室に入って来た。(父は外のベンチに腰掛けている)
 その顔立ちは、中年ではあったものの、やはりピッチで活躍していた少年に所々似ていた。
「奇偶だねえ、よりによって試合前に一方通行と関わるなんて。
 レイシェル。まず君が見てやって。」
「はーい。」                                 ・・
 眼鏡の男に呼び掛けられた、黒い眼をした金髪の少年は、彼女の足元に膝まづくとカチ
・・・・
ャカチャといった音がし続け、やがてその脚部から顔を上げずに男に行った。
「軽い欠損を起こしていますが、まあ、取り換えやメンテですぐ直るでしょう。」
「そう、じゃあ任せた。ついでに他の四肢全てについても点検、メンテしてやって。」
「わかりました。」
「私はこっちの方やっとくよ。正直な話、今、重要なところに来ているから。」
 こうして白衣の男、井ノ原真羅は別の作業に、レイシェルと呼ばれた少年の方はセレナの脚に向き合った。
 真羅は作業の最中、鼻歌を歌いながらセレナに言った。
「どうセレナード。息子の活躍すごかった?」
ヴォン。
「悪いがあたいは今、ミランダでね。」
「あれ、じゃぁ君でもいいや、息子どうだった?」
ウイーン、ウイーン、ウイーン、
「どうしてあんたみたいな学者肌からあんなポテンシャルが生まれたんだ?」
「母譲りなんだよ姉弟そろって。
 あーあ、こっち譲りの奴もほしかったんだがなあ、レイシェルがいるとはいえ。」
ピーガガガ、ピ、ピ、ピ、ピ・・・・
「……さすがに近親姦やハーレム体質は誰からも受け継いでないよな。」
「こっちもびっくりだったよそこらへんは!まあ今考えるとそれによって、あいつの心身の著しい成長スピードの原動力になったんだからよかったといえばよかったんだけれどさ。」
そう言いつつも、とある父親はその後も心から嬉しそうに、楽しそうに、はにかみながら、息子自慢をし続けた。

目の前の、声帯や全身の骨を潰されて、もはやその感情を唯一表しうる表情すらをも機械で覆われた子供を、全身に取りつけた機器で更に犯しながら。

「………」
経歴上、ロイヤル家の娘達は多くの種類の研究者を見続けてきた。

 例えば。
今すれ違った栗野宮や芳川桔梗のような、善人にも悪人にもなりきれない生ぬるい研究者。
例えば。
木原数多のように、研究対象どころかあらゆる他者に悪意をふりまく地獄の炎のような研究者。
例えば。
生半可な良心や同情といったものを向けるようなことをせず、努めて能面のような表情で、或いは最初っからそんな苦悩すらなく、たんたんと実験をこなしていく氷のような研究者。

だが、この目の前の男は、敢えてそういった飲み物に例えるとするならば、
甘い飲み物と苦い飲み物とすっぱい飲み物やら、他にも色々な奴をまぜこぜにした結果、温度といった以前に、その舌触りや味を堪能してしまう前に一刻も早く呑み下してしまいたいような、そんな男だった。
 ミランダやファイネスに言わせると、神様なんてのはいないか、到底信じる価値なんかありゃしない奴だ。この期に及んで両親と共に十字教、正確にはローマ正教のカトリックの神なんてのを信じているセレナの精神がよく理解できない。
 それでも、井ノ原真羅という研究者を。
 実験動物に対するこの上ない残忍さと、妻に頭が上がらない家族思いでお人良しの両方の面を同時に見せ続ける男を見ると、つくづく思う。
(もしこいつが死んで天国の門とやらに来たら、神様…正確にゃあ、天国の門を守っているペトロとかいう奴が日本の閻魔さんの役割を担っているそうだが…そいつはこいつをどう裁くんだ?あたいらや、いわゆるジキル博士とハイド氏みたいなのだったら、精神か人格を分離させて別々の体にしちまえばいいんだが……)

276:2011/06/01(水) 21:48:09 ID:WSSF4aiw
井ノ原真羅(いのはらしんら)

 井ノ原姉弟の父。
 学園都市の研究者で『ある分野』のエキスパート
 実験対象以外に対しては息子の真夜並みのお人よしで、妻の朝陽に家計を管理されているかかあ天下。
 息子と娘の恋愛については激しい家族会議の結果、「子供を作らない(万が一出来たら実家と手を切る)」「籍を入れない」という条件下でまあ許容している。


Q:井ノ原真夜についてどう思う?

・ロイヤル・ナターシャ・セレナード曰く
「えっと……人がいい分、却って恐いんですよねぇ……態度の変化が大きいことも含めて、真羅さんの息子なんだーってつくづく実感して……
 姉弟とも、能力や興味においては母譲りであることがせめてもの救いでしょうか。」

・ロイヤル・ミランダ・セレヌスティー曰く
「精神力が強いっていうより……性欲がないんじゃねえかいあの男。とっつきにくくて苦手だ。」

277ё:2011/06/01(水) 21:52:44 ID:MY2pJmJE
これは>>263の後に繋がるということで1つお願いします。

――――――――――

「よっしゃ勝ったーーーーっ! やったな情報屋!」
「ああ! ありがと上条、ありがとみんな!」
「今日ばっかりは紫木はんに華持たせんとな♪ 何せ吹寄はんに男が出来て大人しくなギャンッ!」
「青髪くんったらそんな打算的なこと考えてちゃダメだよ。あの元春でさえ純粋に紫木くんを応援してたんだから。ね? 元春」
「もちろんだぜい♪ まったく青ピはそうゆうトコロがダメダメなんだにゃー(少し打算があったのは秘密秘密っと)」

 球技大会の主役といっても過言ではない情報屋をデルタフォースと白雪が取り囲んで騒いでいた。
 その様子をやや離れた所から見ていたのは姫神、浜面、半蔵、そして吹寄。

「良かったね吹寄さん。紫木くんが頑張ってくれて。後でいいから。紫木くんにおめでとうって。言ってあげて」
「ま、まあアイツもそれなりに頑張ってくれたし、それくらいは……。で、でも違うからね! あたしは情報屋が頑張ってくれたのが嬉しいわけじゃなくて……」
「ホントに吹寄はいつでもどこでもツンデうぎゃっ! す、すびばぜん姫神さま……」
「ったく浜面、お前ってホントに学習しねぇのな。じゃあ姫神さま、俺たちは郭たちの所へ」

 姫神に殴られた浜面を引きずって半蔵は郭たちの居る所へと向かった、すでに上条と青ピもそこに居たりする。
 その騒がしい取り巻きを離れた所で見てるのは人が多くて打ち止めの所へ行けない一方通行と勝利したことで怒りを収めた真夜の2人。

「一方通行は他の皆と騒がないのか?」
「そうゆうのはガラじゃねェってわけじゃねェけどな。つーか弟、テメェこそあの2人の所へ行かなくていいのか?」
「閉会式が終わってからにするよ。抜け出したら真昼さんと赤音さんに追い返されそうだし。自分達に気を遣うなってさ」
「あ、あのアク様、それに井ノ原先輩。今日はありがとうございました!」

 そこに心理掌握が現れて一方通行と真夜にお礼を言った、全力で試合をしてくれたことに対して。
 心理掌握は愛する一方通行、尊敬する真夜に変わりつつある自分の在り方を見てくれることが一番の目的だったりする。
 短いながらも成長の跡を感じ取っていた一方通行と真夜はそれぞれに感想を口にする。

「テメェが正々堂々とスポーツするたァな、ちったァ見直してやるよォ」
「それにチームの皆ともちゃんと向き合ってたね。頑張ったね心理掌握さん」
「あ、ありがとうございます!」

 心理掌握の礼儀正しいお辞儀に一方通行は何も言わず手をひらひらさせて去って行った、口元に僅かばかりの笑みを作って。
 真夜はそんな2人の雰囲気を笑顔で眺め、心理掌握が頭を上げた後で試合について色々と会話を交わし始めた。

――――――――――

 心理掌握と真夜と別れた一方通行が向かった先は上条や青ピや浜面や半蔵が居る所、すなわち自分達の恋人が応援してくれた場所の前だった。
 応援していた美琴、黒子、滝壺、郭は観客席からグラウンドに下りていてそれぞれの恋人といちゃついていた、節度は控えて。
 1人寂しく佇んでいた打ち止めが一方通行に気付くと、元気いっぱいに自分の恋人へとタックルのように勢い良く抱きついた。

278:2011/06/01(水) 23:28:50 ID:5k9zKkGo
・レイシェル・フーバー

 真羅の助手で、15歳にして初春クラスの担任を受け持つ天才科学者。担当は古文。
 当然、マットサイエンティストである。
 教職は師に勧められて就いている「副業」といった感じで、真羅の助手としての研鑚の方を好むため学校に来ることは少ないが(1カ月に10日ぐらい)、「実年齢が生徒と同じ」ということで子萌先生に次ぐ名物教師とされている。頭はいいため、要領よくこなしているもののやはり教師としてはまだまだ半人前。
「1090(イチマンキュウジュウ)」という名前の恋人がいるらしい。

279:2011/06/01(水) 23:31:08 ID:5k9zKkGo
10090号は「青年」と言っていたけれど……
まあ、欧米人って背が高いから青年っぽく見えないこともない…かな…

280:2011/06/02(木) 00:51:23 ID:dE11ZFLQ
うーん、白と黒の色々とんでもないお父さんが出ちゃったなあ。
自分で作っといて何だけれど、真夜はともかく
礼男はよくこんな父ちゃんに育てられてまともでいられたものだ。

281■■■■:2011/06/02(木) 01:04:25 ID:kD7NNXWI
オリキャラが増えすぎて訳が分からなくなって来たな…
相関図とか無いものだろうか

282:2011/06/02(木) 07:25:24 ID:dE11ZFLQ
>>275
すれちがった栗野宮→早乙女
栗野宮は、当初の案でした。
どうでもいいことですが。

283ψ:2011/06/02(木) 10:32:15 ID:pYeYp93E
……ちょっと確認。
>>259の後に続くのが>>267>>272に行ってその次に>>260-263に行って、その後の>>274-275>>277はどちらへいけば良いのですか? 個人的には>>277の方が良いのですけどww

284ψ:2011/06/02(木) 10:40:13 ID:pYeYp93E
もう一つ言い忘れた。
前に球技大会が終わったらこちらで書くと言いましたが、無理かも知れません。
理由は俺が書いている小説の中で、ある一作品を電撃文庫の第19回電撃小説大賞に応募する事にしましたので。
締め切りは来年の4月10日何ですが、今から準備しておかないといけませんのでね。結構真面目に書きますし。
なのでたまに時間が空いたら書くという感じになりますかね? 分かりませんがww

285ψ:2011/06/02(木) 10:56:49 ID:pYeYp93E
最後に戯言を。レスの無駄をしてすみません。
今思えばこのリレースレが無ければ俺は小説を書くことなんて無かったと思うんですよね。
このスレには本当に感謝しています。このスレがあったおかげで今の俺がいるのですから。
それでは。

286:2011/06/02(木) 12:47:45 ID:IwZ7wFJw
>>274>>275は、球技大会編のエピローグみたいなものです。
第20学区と第10学区はかなり離れていますし、それから更に2時間が経過した
ので、とっくに球技大会は終わっていますし。
ですのでこちらの続きは、選手たちのエピソードが終わった後に投下しようかと思います。
ただ、皆さんに早めに真羅とレイシェルのキャラや設定を掴んでもらえたらなと。

ψさん、このスレが単なる趣味の集まりに留まらず、実際の人にも影響を与えうることを知って
嬉しいです!!もし当選したら、作品紹介お願いします!!

287:2011/06/02(木) 12:48:23 ID:IwZ7wFJw
混乱させてしまって誠に申し訳ありません。

288■■■■:2011/06/03(金) 00:31:00 ID:tIvV4uP6
オリキャラが増えすぎ

289:2011/06/03(金) 01:14:25 ID:f3lOh/p.
安心して。
私が予定している外伝ストーリーが滞りなく進めば、
セレナは当分、この物語から退場するから。

290:2011/06/03(金) 01:32:57 ID:f3lOh/p.
もしそれでも増えすぎて困っているっていうのならそうですね……
オリキャラの生死を決める権利を持つのは、そのキャラの作者だと私は考えているので、
(月夜や井ノ原一家の生みの親って誰?)整理案としては、
1、海外へ飛ばす(番外個体)
2、どこかで修業していることにする
3、どこかに封印してしまう(垣根帝督)
といったところでしょうか?

291■■■■:2011/06/03(金) 02:12:38 ID:cBJ9/SfA
俺ルール無双はじまた

292■■■■:2011/06/03(金) 12:04:19 ID:QxfbiaJY
月夜はずっと前に登場させてるんだから問題ないんじゃないかい?
オリキャラよりも原作キャラ(番外個体・ていとくん)をフェードアウトさせようという考えがわからねぇ。

外伝のオリキャラは外伝に留まらせておけばよかったと思うよ。

293:2011/06/03(金) 12:14:22 ID:HgdjP70Q
いや、フェードアウトというか、
比較的出番を押さえているなあって。

294:2011/06/03(金) 12:19:36 ID:OOmxNivg
あと、真夜のキャラが海原とかぶってきた気がしたなあ。
彼の現在の1人称は「僕」でいいんでしたっけ?

295ё:2011/06/03(金) 21:19:50 ID:mb4SSZvI
雑談ばかりでSS投下が無いので。

――――――――――

「今日の一方通行はいつもよりカッコよかったよってミサカはミサカは今の気持ちを体で表現してみた!」
「オ、オゥ、ありがとな……(ったくなンつータックルかましやがンだコイツはよォ……。チッ、腹が痛ェ)」
「むーっ、その気の無い返事は何なのってミサカはミサカはむくれながら勝利のキッスをむぎゅ」
「ンなコト人前でやるンじゃねェ!」

 自分達らしくイチャイチャしてる一打を微笑ましく眺めている上琴、当然こちらも自然な感じでラブラブモードだ。

「優勝おめでとう当麻♪ でも……当麻って前半はともかく後半は足引っ張ってたよね。オウンゴールまで決めちゃうし」
「うぐっ……そ、それは上条さんも気にしていたことなのに。けど実際、目立ってたのは他の奴らだったしなぁ。反論出来ねぇな」
「大丈夫♪ 私には当麻が頑張ってるのはちゃんと伝わったから。それに当麻はどんな当麻でも大好きなのは変わらないかキャッ♪」

 美琴の可愛さにあてられた上条、感動のあまり美琴を思いっきりハグする(キスは場を弁えてしない)。
 節度を意外にも守ってる上琴に対して節度やモラルなど関係なくいちゃついてるのは青黒、というか主に黒子。

「○○様、途中出場ながらすんばらしい活躍でしたわ! この黒子、文字通り○○様に惚れに惚れ直しました! というわけで2人の赤ちゃんを今ここで!」
「気持ちは嬉しいけどボクは犯罪者になるのは嫌やねん! 後生やからここは気持ちをクールに」
「よいではないですかよいではないですか。○○様の女性の趣味が黒子一択になればさらにギャフンッ!」

 暴走する黒子を黙らせたのは美琴の雷撃、気絶した黒子の表情は満ち足りているのを見た青ピは柄にも無く真面目に黒子に不安を覚えた。
 その一方でバカップルなのにいちゃついてる雰囲気を見せないのは浜滝と半郭。

「はまづら、優勝おめでとう。けど必要以上にひめがみに下僕っぽかったからちょっとマイナス」
「私も滝壺氏と同意見ですよ半蔵様。いくら球技大会の為とはいえ半蔵様が他の誰かにかしずいているのはちょっとショックでした」

 滝壺と郭がむくれていたのは浜面と半蔵の姫神に対する扱いのことで、球技大会に勝つ為とはいえあそこまでやられるといい気はしないもの。
 結局、姫神に対する態度は球技大会が終わったので改めることを約束させられた浜面と半蔵だが姫神への下僕モードはそう簡単には抜けないのだった。

「悪いが君達、いちゃつくのは閉会式が終わってからにしてくれないか。他の生徒や参加者はすでに集まっている、君達も早く来たまえ」

 バカップルの集まりに容赦なく割り込めるのはそういった空気を全く介さない木山で、上条たちも慌てて動き出す。
 その際、自分達のクラスに結標が居たことを不思議に思ったが翔太を満面の笑みで胸元で抱えてるのを見てすんなりと納得した。

――――――――――

 そして閉会式が始まったが、最初から優勝旗やトロフィーは用意されておらず授与式も無い上に校長の話は黄泉川から巻きが入ったので手早く終了。

「やれやれ、長い長い球技大会が終わってようやく落ち着……いかん、とんでもなく嫌な予感が頭をよぎったぜい」
「嫌な予感?」
「月夜も知ってるだろ? 初春ちゃんがロンドン行ったって話。仮にねーちんと建宮とシェリーに何も言わずに出立したらって考えたら」
「うわぁ……。で、でも大丈夫だと思うよ。初春ちゃんがあの3人に内緒でどこか遠くに行くなんてありえないもん」

 それもそうだな、土御門は白雪の言葉に納得して考える事を止めた。
 しかしシェリーだけが初春の渡英を知っていて、神裂と建宮には知らされていないというある意味悪い真実があることを土御門が知るのは先の話。
 そんな中、木山から今後の日程について発表がされようとしていた。

296ё:2011/06/03(金) 21:56:35 ID:mb4SSZvI
「さて、明日以降の予定だが……GWが終わるまで休みだ」

 まさかの木山の発言に会場に居た友愛高校の生徒は少しの沈黙の後、歓喜の声を高らかに上げた。
 木山はそんな状況下の中でも冷静かつ淡々と続きを話す。

「とはいえ課題はあるからな。課題は明日取りに来るように。それとこのGWを含めた大型連休は他の中学高校でも適用されているぞ」

 今度は友愛高校の生徒ではなく観戦に来ていた他校の中学生と高校生が歓喜の声を友愛高校の生徒に負けない勢いで高らかに上げた。
 他校の中学や高校も友愛高校と同じ形の大型連休にしたのは多くの優秀な新入生が入ったとはいえ、学校の地位的にはまだ低い友愛高校ばかりずるいというしょうもない理由だったりする。
 打ち止めは小学生なので大型連休にはならずにむくれていたが教師として付き添いで来ていた朝陽に元居た席まで連れられた後で宥められていた(赤見と白子が何故か気絶して倒れていた)。

「では最後に球技大会のMVPを発表する。これは優勝したチーム、というか月詠先生のクラス以外の生徒や参加者も対象だ」
「なお、MVPに輝いた選手の人には1つだけうちの学校で叶えられるお願いを叶えちゃいますよー。そのお願いは皆さんが本番前日に書いてもらったものです」

 実は友愛高校の生徒全員が何かのアンケート程度の認識しか持っておらず適当なことしか書いていないという何とも悔やまれる事実があった。
 特典はともかくMVPの称号は素直に嬉しいのでそれぞれに予想を立て始めていた。

「順当に考えりゃまず間違いなく俺だろうなァ」
「馬鹿抜かせアクセラ。ここは1日目と2日目を通してって考えれば上条さんしかいませんのことよ!」
「オレはそんなもん興味無いから誰でもいいけど真面目に考えれば白雪か井ノ原弟も候補だと思うにゃー」
「だったら俺は絶対に無いな。昨日と今日の準決勝の前半まで規制かかってたから大して活躍してないし。俺は白雪さんだと思うな」
「元春と井ノ原くんの推薦があったらもしかしたらって思っちゃうな〜」

 上条達がMVP予想をクラス内でしている一方で【歩く教会】チームもMVPを考えていた。

「私がMVPだったら嬉しいですけど恥ずかしいですね(これでMVPに輝いたら当麻さんの高校で一ヶ月実地研修が出来ます!)」
「根性って点なら俺だろうな!」
「いやいや、全試合通じて超活躍した私にもチャンスはあります(」
「キャプテンの私のが可能性が高いんだよ!(MVPでとうまの学校の食堂の食券5万円分はもらったね)」

 自己主張しているのは五和と削板と絹旗とインデックスだけで残りのメンバーは自分達は無いだろうと考えていた(2人ほど本気の願いを持っていた)。
 そして木山の口から球技大会のMVPが発表された。

――――――――――
☆さん、真夜の怒りは球技大会優勝で完全に収まったので一人称も「僕」から「俺」に、口調もすでに戻ってます。
垣根はともかく番外個体(+もう1人)はGW編に出す予定です、一応仕込みはそれとなくしてます。

297:2011/06/03(金) 22:00:48 ID:i7TjdIUg
・真羅の研究所
「なあ、レイシェル」
 真羅ののろけぶりを聞き流しつつ、ミランダは眼下で自分の脚を直しているレイシェルに、気になることを尋ねることにした。
「ん?何?」
「あんた確か、柵川中学の2年1組を担当していたろう?」
「そうだけど。まあ、ほとんど行ってないけどね。研究しっきりで。」
「そのクラスに初春飾利って奴いるでしょ?」
「ああ、いたね。」
「どんな人?」
「……………あんまり学校行かないからよくわかんないや。」
 それを聞いた真羅は、はあ、とため息をついて(『作業』は辞めずに)言った。
「勧めているんですから、ちゃんと参加してくださいよ。
 あなたはもっと人と関わる方法を身に着けてもらいたいんですから。」
 彼に言わせると、自分の研究においては『人の心』を知ることが重要なそうだが、
目の前で展開されている光景を見るにつけて、お前に言われたくない、とミランダはつくづくおもいつづけた。
「私は会ったことがありませんが。」
(ん?)
 まさか真羅の方から話が続くとは思っておらず、思わず顔を上げる。
「彼の父……隆俊さんとは、高校の頃の親友でしたよ。
 今はお互い家庭を持ったり、進む道を大きく違えたりで、同窓会ぐらいしか会えませんでしたがね。」
「へえ……」
「何故、彼女に興味を?」
「…………」
 この男に初春を関わらせることに激しい抵抗を感じはしたものの、こいつの研究分野には指し触りはないだろうし、
何よりつっぱねたらかえって興味を増やさせることになりそうだと感じたミランダは、彼女が『原子崩し』を圧倒した経緯を話した。
「へえ、超能力者達の中でも屈指の凶暴性、凶悪性を持つことで有名な麦野沈利を、ねえ……レイシェル、今度学校行ったときにでも見てみ……」
「いえ、それが。」
 しかしそこで彼から放たれた言葉は。
「今思い出したんですが、彼女、イギリスへの短期留学を申請してきたんです。一週間ぐらい」
 それを聞いたミランダは、げんなりと呟いた。
「間が悪いったらありゃしねえやまったく。」
 これにより、神裂先生の欠板が多くなったため、担任で会ったレイシェルの通勤が多くなるのは、後の話。
「…ん?ちょっと待て、なんで一週間なんていう超短期留学なんだおい?」
「ああ、何でも……」
 彼からこの後聞かされた『噂』により、始まった。
「科学」の恩恵と悲劇の申し子と、
「魔術」の交錯が。

298:2011/06/03(金) 22:07:26 ID:i7TjdIUg
あれ?井ノ原家の両親って
・朝陽、赤見、黒井 と
・真羅、レイシェル とに分かれていたの?
てっきり夫婦そろってだと思っていたのに(まあ、レイシェルがくっついていたようだけれどさ)。

299:2011/06/03(金) 22:08:43 ID:i7TjdIUg
担任で会った→担当であった

300:2011/06/03(金) 22:13:08 ID:i7TjdIUg
一週間ぐらい

一週間ぐらいの

301:2011/06/03(金) 22:15:30 ID:i7TjdIUg
彼の父→彼女の父

302:2011/06/03(金) 22:19:55 ID:i7TjdIUg
とりあえず、真羅の研究所のシーンはこれで終わりです。

303:2011/06/03(金) 22:56:06 ID:GWp1Gkvw
私的にはMVPは絹旗でしょうか?

304読者:2011/06/04(土) 18:58:56 ID:pFvHPswY

俺的には情報屋で良いと思いますね
なんとなくですけどww

305:2011/06/04(土) 21:15:19 ID:O1hN6zM2
ちなみに当初新坂道男はハーフタイムでセリフ付きで出す予定でした。(>>183
あと、もし新キャラ出さずの縛りがなかったら外伝に出ていた
セレナの友達も出す予定でしたが、まあ、彼女達の紹介は、やはり外伝スレにて
別の機会にでも。

あと皆さん、外伝の方の感想はなかなか書かないんですが、書きづらいかやっぱり興味ないんでしょうか?

306:2011/06/05(日) 10:27:41 ID:6dC0TH.k
>>297
真羅ののろけぶり→真羅の家族話

307:2011/06/05(日) 23:19:46 ID:77GelVcY
最近になってようやく茜の口調を掴んだ(というか、口調があることに「ようやく」気付いた)感じ。
あやうくこっちが考えていたキャラのと被る所だった危ない危ない。
こういうのを読者によくよく印象づけてしまう鎌池さんの技量には本当に
感服します。

308±:2011/06/07(火) 20:34:37 ID:A.nj1dwE
「MVPは………………………………削板軍覇!!」
「「「「「なっ、何だってーぇえーぇえ!!」」」」」
「ん?やはり俺の根性が一番だったか!」

 削板が選ばれた事に驚くその場にいた全員。
 そしてその様子を見ていた小萌先生がすぐに理由を説明し始めた。

「ちゃんとした理由があるのですよー。削板ちゃんは初日の野球で全打席ホームランの快挙をあげてたのです!それについさっきの試合でも守備の中心となって活躍してましたので見事MVPに選ばれたわけです!!」

 小萌先生の説明によりその場にいた全員が納得し、削板は表彰台に向かっていった。
 一方で、その場にいた生徒たちは削板の望みが気にかかっていた。

「いったい削板のやつ何をお願いするんだろうな?」
「アイツの事だァ………どうせ根性関連の事に決まってる」
「いやー、案外意外な所つくかもしれないぜよ」
「元春がそう言うならそうかもしれないね♪」
「それよりなんでボクじゃなかったんやー、MVP」
「お前の場合、願いが引っかかったんだろう?そんなに活躍もしてないし」
「それより。なぜ私が。MVPではないの」
「本当審査員の奴ら、真の主役が誰か分かってないな、半蔵」
「ああ、そのとおりだ浜面!」

 そんな事を話している間に削板は表彰台の上に上がっており、先生方から表彰をうけていた。

「削板ちゃん、特に何かお願いを聞いてなかったので何にしますか?」
「俺はこの友愛高校の連中の根性に感動した!!だから―――」

 ここまで聞いた途端、その場にいた全員が削板がこの先に何をいうのか理解できた。

「俺は決めた!この友愛高校に転入する!!」
「なっ、なんだってーぇえ!!!」×その会場内にいた全員

 これにより削板軍覇の友愛高校三年への転入が決まり、友愛高校は結果としてレベル5を5人も持つ凄まじい高校となった瞬間だった。
 そしてこれにて閉会式は終了となった。

309:2011/06/07(火) 21:50:15 ID:EbdozAec
あれ?何言うか理解してたんじゃなかったの?

310:2011/06/08(水) 01:30:31 ID:Fl5OuDYc
 とある観客席には、興奮して腕を振り上げているメガネの男と、金髪の少年と、「歩く協会」チームの1名と全く同じ容姿をした無表情な少女がいた。
「先生、やりましたねえ。」
「ああ!やってくれたな真夜!こんちくしょうが!」
「おめでとうございます、とミサカ10090号は応援して送り出した10032号の敗北を少し残念に思いつつも賛辞を送ります。」
「先生、ところで出ているのは息子さんだけのようですね。」
 その指摘を受けた途端、先生と呼ばれた男はさっきまでの威勢が嘘のようにげんなりとしてハァーと、ため息をついた。
「ああ全く、よりによってこんな日に風邪だなんて真昼の奴。普段は馬鹿なぐらい健康な奴なのに。」
「正直ほんとなんですか?あの礼儀正しそうな子がすっごいただれた関係持っているなんて」
「爛れたとは…!!い、言えるかな?確かに私も初めて聞いたときはすっごい驚いたというか、息子を本気で精神病院に入れようかと……」
「ま……まあまた別の機会に窺うとしまして、正直顔や態度はまあ似ていますけど、あの運動神経はやっぱり……」
「言ったろう?朝陽譲りだって。」
「あれ?そういえば朝陽さんはこの会場に来ているのですか?と、ミサカはお父さんの方に聞いてみます。」
「ん?10090ちゃん、君、朝陽を知っているのかい?」
「ええ、私達の上位個体がお世話になっていますので、とミサカは言います。」
「ああそうだったうん。いや、来てはいるんだが……」
「ならどうしてわざわざ私と?」
 金髪少年が疑問の声を上げると、男が観客席のある一部を指差した。
「ほら、あいつが連れている赤やら黒やらが相当監視が必要な問題児みたいで……」
「現在気絶しているあの2人ですねと、ミサカは双眼鏡で確認しながら言います。」
「でも帰り際ぐらいはやっぱり息子に会ってみたら?」
「まあ…そうだな。」
 そう言って男は立ち去りかけ、その間際、少年にこっそりと呟いた。
「子供達の勇姿を見せるためとはいえ、済まなかったな私に同伴させて……」
「いえ、先生の……」
「今度こそゆっくり、彼女とデート楽しむがいいさ。」
 クールな印象を持っていた少年の顔をボンッと赤らめさせて男が去っていくと、少女は不思議そうに少年の顔を覗き込んだ。

311:2011/06/08(水) 01:31:54 ID:Fl5OuDYc
「何を言われたのですかあの人に?とても緊張していますよ、と、ミサカは不安と疑問を……」
「い、いやいやいやいや、な、何でもないから、それよりさ、ほら、なんというか、その……」
「???」
 男からの激励により、かえって話の持って生き方がわからなくなってきてしまった少年だったが、ここでどっかで聞いた豆知識が役立った。
(落ち着け!そ、そうだ、確かこういうイベントの後は、ご飯や買い物と言ったレジャーをしたくなるもので、現に……)
「わ、私はポップコーンだけじゃお、お腹いっぱいにはならないんで、その、も、もしよかったら、その、こっから更に食事に行くのに……」
「ああ、それは丁度いいです、と、ミサカは貴方の提案に渡りに船と飛びつきます」
「は?」
「実は私の妹達と、10032号の残念会を催したいのです。できたらそれに参加させてくれませんか?と、ミサカは貴方を他の妹達に紹介するいい機会を利用させてもらいます。」
「え、ああ、い、いいよ……うん、って、あれ?ちょっと待って待って待って」
 そこで呼吸を落ちつけようとした少年だったが……
「あ、ポップコーンの欠片、とミサカはもったいないと手を伸ばします。」
 ヒョイ、と唇の端についていたポップコーンを取り、そのままパクンと口に含んで美味しそうにゆっくり咀嚼する少女を見てまたも頭が真っ白になってしまった。
(え?あれー?何言おうとしたんだっけ私―?え?え?え?え?うわー!…)
「さて、では打ち上げ会場に行きましょうとミサカは立ちあがって貴方の手を引っ張ります。」
「ええーっと…あ、そうか!!」
「先ほどから一体どうしたのですか?とミサカはこれからの妹達への顔合わせに向けて心配を募らせつつ尋ねます。」
「そう!それだよそれ!」
 少年はようやく彼女に対し「本題」を告げた。
 「妹達」のことをよく……量産化計画から、絶対能力進化実験までを知っている彼だからこそ思い付けた大事なことを。
「ほ、ほら君達クローンでさ、なんか、いろいろいると見分けつかないからさ、とりあえず君のこと分かるように、なにか、そう、メイクとか、髪留めとかつけよう!10090」
「それはいい提案です、と、ミサカは大いに同意します!」
「じゃあさ、まずは近くの小物店にでも行く?」
「行きましょう行きましょう!出来ればひよこかゲコ太の目印がいいです!と、ミサカはどんなのを買ってくれるんでしょうとワクワクしながら貴方の手を引きます!」
 そう言って少女と少年は、幸せそうに、忙しそうに、スタジアムを後にした。

・ミサカネットワーク
「ムッ!何故か唐突に『リア充死ね!』という単語が思い浮かびましたと
ミサカ16254号は打ち上げ準備中に不審な感じと共に言ってみます。」
「まさかミサカ達の誰かが将来有望そうな若者を?と、ミサカ13577号は10090号あたりが発信源でしょうかと、今までの行動から朧気ながら予想してみます。」
「ムー、もしこの後の会でそれを確信させたら?と、19090号はややドキドキしつつ訊いてみます。」
「この会を「10032号の頑張りを称える会」から「10090号をシバく会」へ変更ですと
ミサカ20000号は柔軟な解決策を提案します。」
「「「「「「「了解(ラジャー)っとミサカ達は賛意を表明します」」」」」」

312:2011/06/08(水) 01:39:11 ID:Fl5OuDYc
付け足し。適当な所にでも。

「先生。とりあえず一段落したら…」
「ああ、分かってるさ。2時間後に私の研究所へ。ちょうどいいから
軽いものだったらできる限りあなたに任せてみるとしましょう。」
「ええ!というわけだからさ10090、悪いけどそう時間は……」
「1時間でも結構ですよとミサカは気にしないでと笑顔で励まします。」
(あ。なんとなくわかる。笑顔だ。)

313:2011/06/08(水) 01:44:37 ID:Fl5OuDYc
>>311後ろから5行目の
「そう言って」以後を「そして」にし、
その前>>312を付け足してください。
やっぱり自分で決めたいやこういうことは。

314±:2011/06/08(水) 07:32:39 ID:8x2ApYQ2
削板は他校からの助っ人という事で前日授業でこれなかったんじゃないか?という風に思ったのでこうしました。
なのでそれを含めた上で訂正をしておきます

「削板ちゃん、特に何かお願いを聞いてなかったので何にしますか?」
「俺はこの友愛高校の連中の根性に感動した!!だから―――」
 ↓
「削板ちゃん、前日は授業でこれなかったからお願いを聞いてなかったので何にしますか?」
「俺はこの友愛高校の連中の根性に感動した!!だから―――」

で、おねがいします

315:2011/06/08(水) 12:34:18 ID:.qAH2E4Y
>>312
「2時間後」を「4時間後」にしてください。
セレナが研究所にいくまでに2時間はかかるんじゃないかなあ、と、
勝手に解釈しましたもので。

316:2011/06/08(水) 20:01:35 ID:Fl5OuDYc
「はあ!?今何て……」
「も、元春、どうしたの?」
携帯電話でどこかと連絡を取っていた土御門が唐突に声を荒げたのに不安に感じた月夜が心配そうな面持ちで彼を見ていると、やがて電話を切った彼がガ―っと頭を抱えた。
「ちくしょうが!!なまじっかこっちが選手だったもんだから、試合に気を配り過ぎて見落としてた!!この土御門一生の不覚だ!!」
「元春!!まさか球技大会の間に学園都市に危機が!?」
「いや、そういうんじゃない、むしろ俺達にとってはある意味非常にいいことなんだがにゃー……」
 口調が戻りつつも、非常に渋い顔で彼が指差した先を見ると、
黒いタキシードを着た端正な顔の青年がこっちを見て、わざわざ手を振りながら穏やかに笑っていた。
「あ。あの人は……」
「月夜、お前も知っているか。」
「そりゃあ知っているよ。統括理事会の中でもこの人を知らない人っていないんじゃない?新坂さんがどうしたの?」
 騒ぎやデマを巻き起こしまくるお祭り男新坂道男は、学園都市の政治機構にあまり詳しくない生徒達にも、いや、
むしろだからこそ、統括理事会といったらまずこの人の顔が思い浮かんでしまうくらいの有名人だった。
「このイベント……前々から急な変更に疑問を持っていたんだが、どうやらそれ、あいつがやってたらしいんだ。」
「ああやりそうだねえ噂通りだったら。」
「それでな。今度の俺達の奮闘ぶりに満足したあいつは、以後友愛高校のマネージャーになるんだとさ。」
「えっ!?統括理事会の!?確かあの人ってすっごいお金持ちなんだよね?」
「ああ。要は『金をいくら使ってもいいからもっと面白そうなこと起こしてみろ』とでもいう感じなんだろうさ。他の奴らに知れるのは恐らく
連休が終わってからになるだろう。ま、その連休中にも情報屋あたりの耳聡い奴から『噂』として漏れるだろうがな。」
「スゴイスゴイ!私達の学校、スッゴイ大きくなっちゃうね!?大覇星祭や一端覧祭なんかもスゴイ豪華になりそう!」
「ああ、『学校としては』それでいいんだろうが。」
「?どしたの元春?何かヤバいことでもあるの?」
 あまり浮かない顔の土御門に要領を得ない月夜が疑問を呈すると、土御門は何故か両耳を抑えながら吐き捨てた。
「俺個人としてはな。あいつが世界で一番苦手なんだ。」

317:2011/06/08(水) 20:01:54 ID:Fl5OuDYc
 元から土御門は彼に莫大な借りがあった。
 いくら情報、人心を「ある程度は」操作するプロといっても土御門は所詮個人だ。
 様々な組織を裏切りつつある彼は、むしろそういった分野においては並みのプロ以上の苦労を強いられていた。
 新坂道男はその地位や権限もさることながら、情報操作の面ではもはや土御門ですら舌を巻くほどの腕前を持っていた。
 今まで幾度も起こって来た魔術師の侵攻を始めとする学園都市のトラブルにおいて、土御門が到底カバーしえないどころかどう始末をつけていいか思わず悩むようなところまでをも処理し続けてきた。
「だからこの後、初春飾利とイギリスのシスターが入れ替わりでイギリスと学園都市を出入りすることはもちろん、
そっから先に繋がるであろう『戦争』においてもこいつが間違いなく出しゃばってくるだろうから念を押して打ち合わせでもしておくかと
今こいつと連絡取り合っていたところだったんだ。そうしたら……」
「ああ成程。ふーん、単なる遊び好きの馬鹿じゃなかったんだね。」
「そんな奴だったら数百倍ましだったさ。」
「元春いつだったか言ってたよね、統括理事会は2つのタイプに分かれるって。
 真っ先に死ぬべきクソ野郎と善人であるが故に貧乏くじひちゃう人だって。
 あの人は?」
「間違いなく前者だな。」
(1秒もかからず即答しちゃったよ。騙し合いや頭脳戦が得意な「背中指す刃」のこいつにも苦手な相手がいるんだ。
 元春には悪いけどなんか面白いというか新鮮な気持ちだなあ。)
 しかし月夜がそれで納得してしまった分、やはり彼女自身はまだ土御門の術中に嵌っていたといえた。
(さすがに月夜には言えんよな。俺が一度あの悪魔と対決した結果………生涯最大といっていい煮え湯を飲まされたことなんか。)
 借りがあるどころではない。
 本来裏のかき合いといったものに十分自信があったはずの彼を、その得意分野で圧倒的に上回り、そして………
(未だ疼く。あいつの声を、噂を聞くと耳が……)
 今はもう問題がないが、負けの代償としてかつて限界をこえた音を聞かされたことで鼓膜が破られ、
数か月の間難聴と痛みと疼きに苦しんだ両耳を抑えつつ、
土御門は今もときどき考える。
(もし、あの時ほんの紙一重、俺が油断しなかったら。奴のあの策を見破り、逆手にとって打ち勝ったとしたら……ハッ!もう仕方ないか。いまさら考えた所で。)
 アレイスターがあらゆる要素を備える『人間』だとしたら、そういったセオリーを覆し得る正に「悪魔」といっていいかもしれない。
 その行動原理はあの『人間』と違って分かりにくくなく、単に「面白そうからか」という、単純、且つ最も厄介なもの。
 トリックスターと言われながらも自分の世界を守るという、まだ分かりやすい原理の下に行動している土御門とは根本的に格が違う気さえした。
 しかし、それでも。

(新坂。もし、お前が俺の仲間を、世界をその興味で弄ぶっていうんだったら。

 この「背中刺す刃」は今度こそ、いや、背後といわずどこからでも、お前をめった刺しにする。
 例えそれで俺自身が折れることになろうともな。)

318:2011/06/08(水) 20:27:25 ID:Fl5OuDYc
新坂。もし、お前が俺の仲間を、世界をその興味で弄ぶっていうんだったら。

…まあいいだろう。
だがな新坂。もしお前が俺の仲間を、世界を、その興味で弄んだなら。

319:2011/06/08(水) 20:29:51 ID:Fl5OuDYc
弄んだなら。 →弄んだときは。

320ё:2011/06/08(水) 22:09:07 ID:64EGBY3M
「えー、皆さん。球技大会優勝、おめでとうなのですー♪ そんな皆さんの為に優勝記念パーティーを開いちゃいますよー!」
 
 一度集合した上条のクラスの生徒全員は、小萌のパーティー開催宣言に心の底から歓喜した。
 その後、小萌からそのまま友愛高校の食堂へ向かうように告げられて少しテンションが落ちたが、それでもバカ騒ぎが好きなことには変わりない。
 上条達選手陣は汗を流すためにシャワー室へ向かおうとする中、真夜が1人だけ小萌に呼び止められる。

「頑張った真夜ちゃんにこんなことを頼むのは心苦しいのですが、パーティーに出す料理を作ってもらえますか?」
「別に構いませんよ。でも俺だけってことはないですよね? 他にも人手が無いと」
「その点は抜かり無いのです♪ 先生はちゃんと頼れる人達に声をかけてるので安心して下さい」

 分かりました、真夜は嫌がりもせずに引き受けると荷物を小萌に持ってきてもらうように頼むとその場を後にした。
 その足で真夜は医務室に直行、風邪もほぼ治りかけている真昼と意識を取り戻した茜川を連れて友愛高校へと向かうことに。

――――――――――

「みんな試合ご苦労さんなのよ。ほら、自分のはちゃんと忘れずに持って帰るんだぞ」

 こちらは建宮の居る魔術師達の得物預かり所、預けていた魔術師達は既にシャワーを浴びて着替えも済ませてここに来ている。

「確かに返していただきました。天草式教皇代理、信用できる人物のようですね。ではショチトルに五和さん、自分達も向かいましょうか」
「五和、お前さんどこに向かうってのよな?」
「これから【歩く教会】チームの皆さん、もちろんサッカーの方ですが食わせ殺しでパーティーをするんです」
「ほぅ、それはまた羨ましいのよね。こっちは上条当麻のクラスの連中の為にパーティーの料理作らにゃいかんっつーのに」

 建宮の愚痴を聞き逃さなかった五和とエツァリが建宮に詰め寄る、あまりの速さに建宮は驚きショチトルは呆れていた。
 五和とエツァリは建宮から小萌に自分のクラスのパーティーの料理を作る依頼を受けたことを話したが、2人の興味はそこには無くパーティーが上条絡みということにあった。

「当麻さんの参加するパーティーでご奉仕するべきか、今日の激闘を一緒に戦った仲間達と楽しい時間を過ごすべきか……迷いますね」
「上条当麻が居るということは御坂さんも当然参加するでしょう。そこで自分の出した結論をお2人に告げるいい機会ですがチームの皆さんとも親睦を深めたいですし……」
「2人とも、今日の所は試合を共にした仲間と過ごすのよね。お前さん方が言ったことはいつでも出来る、けどあのチームで楽しく騒ぐことはあまり無いだろう。そうゆう出会いは大切にするのよ」

 建宮のまともな物言いに五和とエツァリが【歩く教会】チームの方を選ぶのを見て、ショチトルは建宮という男に関心していた。
 こうして何の問題も無く終わるかと思われたが、五和の何気ない一言が問題を引き起こす。

「まあ建宮さんの言う通り、当麻さんに大っぴらにアタック出来るチャンスはいくらでもあります♪ 初春さんがイギリスに居る約2週間が勝負ですね」
「…………五和、海軍用船上槍を組み立てろ。悪いがアステカの魔術師のお2人さんは先に行ってるのよ。五和も後で向かうから安心しろ」

 エツァリとショチトルは建宮の豹変ぶりに驚きながらもそそくさと部屋を後にし、五和も言われるがままに海軍用船上槍を組み立てて念の為に構えを取る。
 次の瞬間、建宮がフランベルジェで袈裟斬りしてきたので五和も慌ててガードし、ガギィィィィィン! と大きな音を出すだけに被害を抑えた。

「なっ、ななななな何するんですか建宮さん! 今の斬撃、本気で殺す気満々じゃないですか!」
「五和、世の中には言って良いことと悪いこと、そして言ったら死んで侘びることがあるのよね。飾利姫が俺を置いてイギリスへ行くなどと、死んで償うしか道は無ぇぞ」
「ちょ、ちょっとタイムです! ここはきちんと話をぬぐっ! こ、今度は押し潰す気ですか! うわっ!」

 建宮の斬撃を受け止めたはいいが、私服に着替えてしまった五和には球技大会で見せたほどの力は無く大人げない建宮の押し込みに負け、部屋のドアを突き破って廊下の壁へと叩き付けられる。
 背中に強烈な痛みを感じながらも五和は体勢を立て直したが、それよりも速く建宮の横薙ぎの一閃が迫っていた。
 五和は割と本気でマヌケな人生の終幕に泣きそうになったがそうはならなかった、神裂が七天七刀の鞘で建宮の後頭部に一撃入れて建宮を気絶させてくれたお陰である。

321ё:2011/06/08(水) 22:11:34 ID:64EGBY3M
「まったくこのような所で何をしているかと思えば……。五和、怪我はありませんか?」
「は、はい。あ、ありがとうございます女教皇様」
「先程の試合、服装はともかくお見事でした。ところでどうして貴女が建宮に襲われていたのですか?」

 命を救ってくれ、自分の試合を褒めてくれた神裂に最初は感激していた五和だが、この経緯を説明すれば同じことの繰り返しになると思って頭を悩ませる。
 どうにかして切り抜けようとしたその時、神裂の横にいた佐天に気付くと、

「そのことなら隣に居る女の子に聞いて下さい! おそらく女教皇様の知りたいことも教えてくれますから! では私はこれで!」

 早口かつ大声で佐天へと責任転嫁をしてダッシュで逃げ出したが、神裂も初春のことを知りたがってると瞬時に推測したのは流石である。
 神裂は五和の逃亡に少しだけキョトンとすると、気絶した建宮を引きずって上条たちの居る控え室への歩みを再開させた。

「佐天、飾利はどこに行ったのですか?」
「(その質問97回目……)当麻兄さんか土御門さんが教えてくれます」
「そうであればいいのですが……。もしシェリー辺りが飾利が可愛いからと独り占めしていたらと思うと」

 同じ質問、似たような妄想をする神裂に佐天はげんなりしていた。
 少し歩くと一室のドアが開き、上条のクラスの決勝進出メンバーがゾロゾロと出てきた(美琴、黒子、打ち止め、滝壺、郭はスタジアムの外で待っている)。
 神裂、疲れた表情の佐天、気絶している建宮を見た土御門は状況を理解して自分と上条以外を先へと行かせた、神裂に食い下がる野原を力づくで黙らせて。

「佐天はあなた達に聞けば分かると言っていました。なので聞きます。飾利はどこに居るのですか? 嘘や黙秘は許しませんよ」
「(やっぱりそれか……。下手に引き伸ばすよりもスパッと真実を告げた方がいいな)さ、カミやん。ねーちんに教えてやるぜよ」
「ああ、別にいいけど。あのさ神裂、飾利なら今日からGWが終わるまでイギリスに留学するってさ。多分キャーリサやヴィリアン、最大主教の世話に……神裂、さん?」

 特に深く考えずに初春のイギリス留学を告げた上条、しかし神裂が何のリアクションも見せないことを不思議に思って神裂に近づいた。
 そして上条は気付いた、神裂が立ったまま気絶していることに。

「カミやん、お前さんは本当に残酷な男だぜい。ねーちんに初春ちゃんがイギリス留学してることを平然と告げるとはな。ねーちんの初春ちゃんへの依存っぷりを知ってるくせに」
「当麻兄さん、もう少しくらい優しく言ってあげても……。飾利が誰かと一緒って知っちゃったせいで神裂さん、考えること放棄しちゃったじゃないですか」
「……悪い。いくら神裂でも飾利のイギリス留学でここまでの反応するとは思わなかった。けどとりあえず神裂と建宮、どうし」
「おーい兄貴ー、上条当麻ー、佐天ー」

 自身の軽率ぶりの反省を終えた上条は気絶してる神裂と建宮を置いてはいけないと思い、どうしようか考えようとしていた。
 そこへ舞夏がのほほんとした雰囲気で現れた、珍しく警備ロボットの上に乗らず自分の足で。

「にゃー舞夏ー♪ 会いに来てくれたのは嬉しいんだがちょーっと間が悪かったかな。今カミやんと佐天ちゃんと一緒にこの2人をどうしようかと」
「それなら問題ないんだぞー。私はもともとこの2人を探してたんだぞー。なんてったって兄貴のクラスの優勝パーティーの料理を作るんだからなー」
「だったらこの2人を担いで学校に戻ればいいな。学校に着く間には2人も意識を取り戻すだろ」
「2人がこの調子というのはちと心配だが腕の振るい甲斐はありそうだなー♪」

 神裂を佐天と舞夏で、建宮を上条と土御門でそれぞれ運ぶことに。
 そして残ってくれていた美琴と白雪と合流し、同じく残ってくれていたマイクロバス(運転手は災誤)に乗って友愛高校へと向かうのだった。
 かくして球技大会は幕を閉じ、優勝パーティーというGWを含めた大型連休が始まるのであった。

322ё:2011/06/08(水) 22:13:46 ID:64EGBY3M
球技大会編、これにて終了とさせていただきました。
優勝パーティーからGW編としましたがまあ、優勝パーティーから大型連休の始まりと思ったので。

323:2011/06/08(水) 22:56:01 ID:Fl5OuDYc
私的には浜面と半蔵は、スキルアウト達のパーティーに
参加すると思うんですがどうでしょう?

324:2011/06/08(水) 23:14:25 ID:Fl5OuDYc
苦手なスポーツものを必死でこなして、作家の皆さんもお疲れさまでした。
今までの話を読み終わってからの途中参加でしたが「外伝キャラを本編に絡ませるべきか」の実験として私にとっても大変有意義な話でした。
どうやら皆さんのキャパをオーバーしているようなのでこれ以上の登場は控えさせていただくとします。
ありがとうございました。

325±:2011/06/09(木) 21:46:10 ID:23HLNIQM
長かった球技大会編もついに完結しましたね!
これで書き手も増える………筈
では優勝パーティー編もといGW編、はじめさせていただきます

☆さん
別に浜面や半蔵スキルアウト達が応援に来てるのを知ってるわけではないのでそのパーティーに参加する必要はないかと思います

――――――――――

「では、今回の優勝を祝して……」
「「「「「乾杯ー!!!」」」」」

 吹寄の合図で全員がグラス(言うまでもなく中身はジュース)を持ち上げて乾杯をした。
 しかし、その乾杯の時に揺れたグラスからこぼれたジュースが上条の頭にかかった。

「……不幸だ」
「と、当麻大丈夫だって!きっといい事あるからさ!」
「いや、美琴がいるだけで俺は幸せだぞ」
「当麻………」

 開始10秒ほどで早速いちゃつき始める上琴。
 周囲の人たちは、もう勝手にやってくれと言わんばかりに離れていった。

「みんなー、どんどん作るからどんどん食べてね」
「なあ〜、なんで優勝に貢献した真夜が調理とか雑用やってんだよ〜」
「真昼さん、そんな事言わないでよ。俺が好きでやってんだしさ。……はい、大好きな麻婆豆腐」
「ん、サンキューな。……ウチの味付けより辛くないな」
「………それは、あんだけ辛かったら殆どの人が食べられないよ」
「……アレがうまいのに」

 実は超辛党の真昼はこの麻婆豆腐の辛さが物足りないらしく、不満げに愚痴をもらしはじめた。
 それを見ていた真夜は仕方ないなと言わんばかりに豆板醤を真昼に渡した。

「……自分のとるぶんの所にいれてよ」
「やっぱり気が利くなー。そういう所、好きだぜ」

 そういう笑顔が俺も好きだよ、と言い残して真夜はまた調理場に戻っていった。

――――――――――

 一方、別の場所では白雪と茜川が仲良そうに話していた。
 当然、話の内容は今日の試合の事だった。

326:2011/06/09(木) 21:52:11 ID:28O/qz2E
……残念。
真羅さんの方はどうやら息子達とすれ違ってしまったようで……
朝陽さんと絡ませようかな……

327:2011/06/09(木) 21:58:36 ID:28O/qz2E
>>324
正確には今出ているキャラで精一杯といったところですのでこれ以上の新キャラの増加は
こちらでは控えることとします。

少し制作裏話を。

328:2011/06/09(木) 22:18:36 ID:28O/qz2E
実は新坂道男は>>96を書いている最中に、この賭けを成立させるために生みだされたキャラです。
あのカップルだと通常女の子の方が所謂お嬢様なのですが、それだとどうしても麗奈がこの賭けを成立させないということになるため、
通常とは反対に男の子の家の方がお金持ちということにしました。(まったく、作者の手を掛けさせる天然君です)

原作だと、やっぱり統括理事会がお金持ちの印象が強かったので職業は決まったのですけど
そうなると、土御門が19巻で言った「統括理事会の善人」の中に入らないような人である一方
やっぱり彼の父親なんだからとんでもない下衆や悪人は違和感あると悩んだ結果
ホーレス・デ・ヴェレ・コールという実在したとんでもない悪戯者のイメージが思い浮かび、
土御門以上のトリックスター的性格になりました。現在ではさながら
「封神演技」(藤崎竜)の申公豹というキャラみたいなものでしょうか。

あと、潮岸や親船のように、学園都市を運営しているキレ者としてちゃんと役割や得意分野を与えたいと考えた結果
大衆を煽るメディアなんかが相応しいような感じがしました。
当初は設定合わせの為に作ったキャラのはずなのですが、なんかすっごい暴走しそうです。

裏設定
・天体観測や宇宙開発部門にも力を入れていて、(礼男が星空に興味を持ったのは父の影響といえる)その理由は
「宇宙人がいたら面白そうだから」
「月や火星に行ってみたいから」といった彼らしいものらしい。

329:2011/06/09(木) 22:22:38 ID:28O/qz2E
彼らしいものらしい。→彼らしいものだという。

真羅とレイシェルも、セレナの設定でどうしても
科学者を絡ませたいので昔にちらっと出てきた設定を拝借させてもらったのと
「学園都市の大科学者」というとなんかイカレ狂った人という印象がある一方
こっちも真夜と真昼の父親という設定故の歯止めがあったのでこうなっちゃいました。
清々しい程の下衆な人を書くことって難しいんだなと痛感。

330:2011/06/09(木) 22:42:39 ID:28O/qz2E
ただ、こっちの2人はまだキャラがはっきりとしていない感じです。
せめて独特の口癖位決めとけばよかったかな。

331±:2011/06/13(月) 18:49:27 ID:W6hjWdpw
うーん………書き手が来ない……………
もし書きにくいのであれば白雪と茜川のからみをなくしてください
………むしろ試合の事が難しいのか?

332ё:2011/06/13(月) 18:53:57 ID:84frBEPA
 ちょっと考えることがあったので投下遅くなりました。

――――――――――

「赤音ちゃん、体の方はもう大丈夫?」
「うん♪ 来てくれた先生の腕が良かったからね〜。心配してくれてありがとね月夜ちゃん」
「良かった、安心したよ。けどお互い、決勝ではあまり活躍出来なかったね。赤音ちゃんの場合は前半しか出場してなかったこともあるけど私は……」
「しょうがないんじゃないかな〜。月夜ちゃんは徹底的に抑え込まれてたもん。でも決勝ゴールのアシスト、見事だったよ♪」

 白雪と茜川、親友同士の会話は実に楽しそうではあるのだが食べている料理がかなり変わったものだった。
 BLTサンドを食べているのは白雪だが挟まれているベーコン、レタス、トマトから冷気が発していて見るからに冷たそうなもの。
 片や茜川はミートドリアを食べているがあまりの熱さにミートドリアが激しくボコボコと音を立てているもの。
 両極端な料理を白雪と茜川が美味しそうに食べているのを周囲のクラスメートは信じられないといった風な視線を送っていた。

「月夜ちゃんが食べてるBLTサンドって土御門君の妹さんのお手製?」
「うん。舞夏のこうゆう気配りはさすがメイドって感じだよ。そうゆう赤音ちゃんのミートドリアは井ノ原くんが作ったんだよね?」
「もっちろん♪ 真優しくて気配りも完璧、でも時には怒ってくれる。私も真昼ちゃんも真夜君が恋人でホント幸せ〜♪」
「はいはいごちそうさま。でも料理を作ってくれる男の子が恋人ってちょっと羨ましいよ。私も元春に料理作ってもらおうかな〜」

 会話に華を咲かせつつ白雪と茜川は次の料理のリクエストを考えていた。

――――――――――

「いやー、一時はどうなるかと思ったが何とか2人でも回るもんだなー。なかなか出来るなー、えっと」
「井ノ原真夜だよ、土御門さん」
「そっかー、お前が例の双子の弟かー。よろしくな真夜ー」

 調理場で慌しくも会話をしながら料理を作る余裕を見せているのは舞夏と真夜、時折来るリクエストにもきちんと対応出来ている。
 本来ならあと2人調理場で料理を作っているはずなのだが、

「建宮のおっさんと神裂さんって人、料理作るどころじゃ無かったね。2人がどんな料理を作るのか楽しみだったのになぁ」
「私も同感だが無いものねだりしても始まらないんだぞー。それに今となってはあの2人が復活してもかえって邪魔だからなー、正直言って」

 舞夏の言葉を少し酷いと感じながらも真夜は今のリズムを崩したくは無かったので同意見だったりする。
 そして2人は楽しげに料理を作り続ける、皆にパーティーを愉しんでもらう為に手伝ってもらうことを断る雰囲気を出し続けて。

――――――――――

 その一方で本来なら調理場で料理を作っているはずだった神裂と建宮はテーブルの一角を占拠して、もの凄く落ち込んでいた。
 お互い無言でウーロン茶を飲んでいる神裂が落ち込んでいる理由、それは当然ながら初春の渡英に他ならない。
 そこへやや申し訳なさそうに土御門がやって来た、右手には沢山のねぎまと串かつを乗せた皿、左手には小萌にばれないように舞夏に用意してもらったオレンジチューハイを携えて。

「にゃー、お2人とも心中お察しするぜい……。2週間も初春ちゃんがイギリスにおぶっ!」
「よくもまあぬけぬけとそのようなことが言えますね。飾利の渡英をっ! 知っていながらっ! 止めなかったっ! 重罪人がっ!」

 いつもの調子で話したのが悪かったのか、土御門は神裂の怒りを買ってしまい5回ほど顔面をテーブルに叩きつけられてしまう。
 聖人たる神裂の手でテーブルに叩きつけられた土御門のダメージは深刻で意識が飛びかけるほどだった。
 そこへ周囲にばれないように回復魔術で傷を癒してくれた建宮に感謝しようとした土御門だが、

「女教皇様も落ち着くのよね。この重罪人を殺るなら話を聞き終わってからでも全く問題無えのよ」

 単に話をさせる為だけにしてくれたことを知ると一瞬で感謝の念は消え去った。
 土御門は目の前の初春バカの2人に真面目な口調で今回の件について話した、当然ながら自分が初春の渡英を今日知ったことも忘れずに。

333ё:2011/06/13(月) 20:10:23 ID:84frBEPA
「成程。あなたも飾利の渡英は今日知ったはいいが渡英理由は知らされていない。そうゆうことですね?」
「まあな。闇咲と対馬が同行するって話だから十中八九魔術絡みだろう。おおかた最大主教が」
「飾利姫のあまりの可愛さにとうとう我慢出来なくなって自分の手元に置こうって考えたわけか、あの年齢不詳の女狐め」
「いや、そんなことは絶対に」
「むぅ、飾利の愛らしさなら起きうる事態ですね。建宮、こうしてはいられません! 我々も急ぎ飾利を追いあうっ!」

 人の話を聞かず、勝手かつおバカな結論を出す神裂と建宮に呆れた土御門は暴走しかけた2人を止めようとした。
 そこへ個展の最終チェックを終えたシェリーが神裂の頭をはたいて暴走を抑えた、真夜に作ってもらったぺペロンチーノを食べながら。

「ったく天草式のトップとナンバー2のお前らが取り乱してどうすんだよ。そんなんじゃ飾利も安心してイギリス行けねぇだろ」
「シェ、シェリー……」
「事情なら私が話してやる、包み隠さず全部な。だからもう妙なこと考えたりするなよ。飾利を困らせたくなかったらな」

 そしてシェリーの口から初春の渡英の理由、その間に入れ替わるように学園都市入りするオルソラとアンジェレネの目的が語られた。
 神裂と建宮はローラの目的に多少納得できなかったものの、キャーリサとヴィリアンとの思い出作りの為の渡英に納得した。
 土御門はローラの呼び出しと初春のイギリスの2人の義姉への配慮にそれぞれのらしさを感じる中、オルソラとアンジェレネに監察役が務まるのか心底不安になった。

「基本、オルソラとアンジェレネの監察対象は私とお前ら2人だけど土御門、お前や他の学園都市支部の奴らも対象に入ってるだろうから気を付けろよ」
「心得てるぜよ。あの2人に監察なんて出来るとは思えねぇけどそれなりに大人しくするから心配いらないにゃー。ねーちんと建宮も分かってるとは思うが」
「分かっています。飾利が居ないからといって腑抜けるようなことはしません。しかしオルソラとアンジェレネが飾利の代わりとは全く以って割に合いませんね」
「それは仕方の無いことなのよ女教皇様。にしてもシェリーには話して我らにはお話して下さらなかったとは……物悲しいものがあるのよな」
(そりゃお前らがそうゆうリアクション取るって飾利が分かってたからだっての……)

 失意のどん底からようやく立ち直った神裂と建宮を見て土御門とシェリーは安心したが、やっぱり初春不在ということを考えると不安が少し残った。
 立ち直った2人が本来やるべきパーティーの料理作りに向かおうとしたが、調理場から発せられる雰囲気を感じ取り向かうのを止めるのと同時に暇になってしまう。
 とりあえず何か食べようとしたその時、神裂の携帯が鳴ると神裂は相手が誰かも確認せずに電話に出た。

『もしも』
「飾利ですね! 良かった、渡英する前に貴女の声が聞けて!」
『あ、あの火織お姉ちゃん、黙ってイギリスに行くことになってゴメンなさい。けど安心して下さい、必ず火織お姉ちゃん達の所へ帰ってきますから』
「いいんです、いいんですよもう……。私も建宮もこうして貴女が電話をしてくれただけで充分です。ところで今どちらに居るのですか?」

 電話を掛けて来た初春から第二三学区の国際空港に居ることを伝えられた神裂、今回は心に余裕が出来たので建宮にも初春と話す許可を与えた。
 建宮も初春の言葉を聞いて心から満足していた、ただし初春と神裂の会話内容と殆ど同じことに気付かずに。
 神裂は建宮から電話を返してもらうとオリアナが居ることを初春から聞かされたので、オリアナと電話を代わってもらった。

334:2011/06/13(月) 21:09:45 ID:NcHUVPb2
「はーい。天草式の聖人さーん。こちらオリアナ・トムソン。
 貴方とまあた遊べなくなっちゃったのは残念だけど安心してえ。
 プロの『運び屋』の名に懸けて貴方の可愛い妹ちゃんはお姉さんが責任を持って
運んであげるからね♡」
「また…?」
「あっ。いやいや、こっちの話よん。」
 何だか気になることを言われたのだが神裂にとってそれ以上に気になることは。
(な……何ていうか……私とはとても相いれなさそうな危険な香りを感じさせる女ですね。
 こんな女に本当に飾利を預けて大丈夫なんでしょうか)
 若干の不安を感じつつも、とりあえず飾利の『輸送』についての確認を慎重に取ることにした。
 だがこの後の彼女の卑猥極まりない発言の連発により飾利の身を別の意味で非常に案じることになるのだった。

 一方盛り上がっているパーティーの中、その誰にも気付かない異変に気付いたのは同じく誰にも気づかれずにいたとある少女だった。
「……服部君と。半蔵君は。どこ?」

・男子トイレ
『えー。そっちの方に参加するんですか―?』
「ほんっとゴメンな。まさか正直お前らが来てくれてたとは知らなくて……」
『仕方ありませんね。後日2人の為に別に打ち上げ用意してあげますよ。主役なんですから。』
「いやもうほんとすまん!!」
 半蔵は別の場所でパーティーを開催していたスキルアウトの仲間達と連絡を取り合っているところで、側では浜面もメールで謝罪していたのだが。
「……ん?お、おい!半蔵!代われ!貸せ!」
「どうした浜面?」
 半蔵から携帯をもぎ取った浜面は電話の向こうにいるスキルアウトに確認した。
「植森、本当か!お祝いとして京都に行けるって!費用なしで!」
「なにーーーーー!!」
『ああ、言い忘れていましたね。ほら、新坂と苑内の奴らも来てて、ノリで一緒に楽しんでたんですが……』
「ゲッ!まじかよあの化け物カップルが!!」
「ええ、それでですね……」
 それから浜面は、彼らが新坂と苑内のトトカルチョの外ウマとして乗ったこと。
 その結果乗った苑内に勝ったということで、天然坊ちゃん新坂礼男の費用持ちで、夏休みの蛍体験もできる京都観光旅行に行ける旨を知らされた。(ついでに学園都市統括理事会が友愛高校のマネージャーになる件も)
「うわー!マジかよ!!」
『ほんっとあなたたちさまさまですよ。行きますよね?』
「あったりめえだろ!なあ、半蔵!」
「異議なし!!」
『あ。ですが一つ補足が……』
「ん?何?」
『俺達とお2人さんと新坂、苑内を入れたらあと1人しか連れてこれないらしいんですよ。
予算の都合で。
 ですからその、2人の恋人に関しては……』
「………」
「………」
 互いに顔を見合わせる浜面と半蔵。しかしやがて
「…譲るよ。半蔵。」
「…い、いいのか?だって、お前も、その、あいつと…」
「滝壺は暗部で稼いだ貯金があるって。
 だけど……」
「?」
「こういうのってさ……男の方が他人に出してもらって、女には自費でって……何かかっこ悪いだろ?」
「………」
「だからだ、その……もし行くとしたらさ……何とかバイトでも何でもしてちゃんと稼いで……自分の分は自分で支払いたい。
 というわけだ植森。
 俺の分は空けて郭ちゃんを入れてくれ。」
『浜面さん……』
 思ったら初めてかもしれない。
 それまで裏路地の汚い仕事で金を得てきたただの高校生の浜面が、全うな方法で金を得たいと思ったのは。
 それはもしかしたら、それまでの不良少年としての人生からの決別をはっきりと決意した故だったかもしれない。とにかく。
『分かりました。でわ……』
「ちょっと待って。」
「「え?ひ…姫神様?」」
 球戯大会が終わったにも関わらず、特訓によって背後から感じてしまった威圧に思わず振り向いた2人。その目の前には。
「聞かせてもらった。その話の流れだと。あと1人分は空くんだよね。」
『「「そ、その通りですが……」」』
 物静かな威圧を込めた声に、彼女と話したことのない植森ですら敬語になった。
「2人を率いて。抜群の。チームワークを見せて。チームに貢献した私を外すって話は。無いよね。」

335:2011/06/13(月) 21:12:15 ID:NcHUVPb2
そういうばかなり昔の話なんですけれど
月夜の超能力者昇格パーティーで、一方通行と土御門が
「よく人を殺した後に飯なんか食えるな」って言い合っていましたが
店に行く前に「グループ」として何か仕事していたんでしょうか?

336:2011/06/13(月) 21:19:10 ID:NcHUVPb2
 その結果乗った苑内に勝ったということで、
 ↓
 その結果乗った苑内が勝ったということで、

以後の本編で絡ませるべきか外伝で出すか迷うエピソード

・学校全体のパワーバランスを保つために苑内に呼び出された絹旗。
 その場に同行した佐天(苑内×新坂の関係は知らない)が、苑内に新坂への想いを打ち明けてしまい……

後日談
・新坂と佐天のデートをセッティングしてしまい、浮かない気持ちでいた苑内。
 絹旗達と会ったことでB級映画で憂さ晴らししようとし。

337:2011/06/13(月) 21:26:50 ID:NcHUVPb2
余談ですが、苑内と新坂は
現在それぞれの家に帰っています。彼らは健全な青少年ですので。

338:2011/06/13(月) 23:41:47 ID:NcHUVPb2
パーティー本会場では、別の人物の電話も鳴っていた。
「ん?母さんか。ああ、真夜は今パーティーの調理中。
 そっちは?ああ、父さんと。」

339ё:2011/06/14(火) 20:45:35 ID:EbLoHZv.
 真昼に電話をかけて来たのは母親でもある朝陽、子供達(茜川含む)への釘刺しが主な用件だった。
 朝陽に言われるまでも無く真っ直ぐ家に帰るつもりだった真昼は少しうんざりしながらも母親の忠言を最後まで聞いた。
 真夜と茜川はともかく真昼は羽目を外しまくると予想していた朝陽は娘の態度に安堵した後で、

『それはそうと真昼。さっきから私や真羅のことを母さんとか父さんって言ってるけどどうかしたのか? いつも通り』
「ちょ、ちょっとは女らしくしようって思ってだな……。いつまでも母ちゃんや父ちゃんじゃ女らしくねぇだろ?」
『無理する必要は無いと思うぞ。真夜だってありのままのお前に惚れたんだろ? だからそのままでいろ、変わる必要なんてどこにも無いんだからな』
「……ありがとな母ちゃん。今日は父ちゃんと飯食えるといいな」
『どうせ今日も研究に没頭して泊り込みってパターンだろ。ま、そうなったら2人分の飯を私が食えばいいだけだし』

 我が娘の追求する女らしさのズレに呆れながらも真昼に自分らしくあれと諭した。
 ちなみに井ノ原家の父でもある真羅だが、自身の研究に没頭する癖があり約束を忘れることもあるのだが家族全員慣れっこだったりする。

「んじゃそろそろ切るな。母ちゃんは父ちゃんが喜んでくれそうな美味い飯でも作ってやれよ」
『ああ。それとな真昼、女らしいお前を想像してみたんだが正直に言う。親の私から見てもすっげー不気味だぞ。じゃあな♪』

 最後にとんでもない暴言を残して電話を切った朝陽に最初は怒った真昼だが、冷静に考えてみて自分でも不気味だと納得してしまいちょっと悲しくなった。
 気晴らしに真昼は【線形視認】を使って周囲の感情のベクトルを見ていると面白い動きをしている2つのベクトルに気付く。
 その2人が何かコソコソと話しているのに気付いた真昼は会話内容を聞きたいと思ったが当然ながら小声の会話など聞こえるはずもない。
 するとどうゆうわけか1人寂しくブラックコーヒーを壁にもたれてストローで飲んでいる一方通行を発見すると、

「おーいアクセラ。何1人で黄昏てんだよ?」
「ンだよ姉の方か。今、打ち止めが上条と御坂の所に行ってて暇してンだよ。そうゆうテメェは俺に何か用事でもあンのかァ?」
「あそこに吹寄と紫木が皆から離れて話してんだろ。紫木はともかく吹寄がオレンジとピンクの入り混じったいい感じのベクトル出してんだよ」
「確かオレンジは好意でピンクは愛情……それがゴチャゴチャになってるベクトルをデコ女が出してるってかァ。面白ェ会話が聞けそうじゃねェか」

 球技大会を経ていい感じになっている吹寄と情報屋の会話を盗み聞きさせるようにベタながらも誘導、一方通行もあっさり受け入れた。
 一方通行は少し精神を集中し、周囲の声を遮断しながら吹寄と情報屋の声のみをよく聞こえるようにベクトルを操作し始めた。

――――――――――

「というわけで初春は無事にイギリスまで送り届けるから安心なさい。第二王女と第三王女たっての頼みでもあるし。あ、お姉さんのおっきな胸でもあの子を守ってあげるから♪」
『どうやら移動手段には別段問題は無さそうで……待ちなさい! 誰の胸で飾利を守ると?』
「お姉さんの胸でよ♪ 何だったらこの柔らかくて気持ちいい胸であの子を抱きしめちゃおうかしら? 一緒に添い寝もいいわね〜♪ そうそうお風呂も一緒に」
『そこで待っていなさい破廉恥魔術師! 私の唯閃では、放しなさい土御門! 建宮にシェリー、あなた達ま』

 イギリスまでの移動手段を神裂に説明した後、気紛れに神裂をからかったオリアナだが予想以上の反応に途中で電話を切った。
 少しやり過ぎたと反省していると初春、対馬、闇咲から窘められてしまう。

340:2011/06/14(火) 21:11:19 ID:X9rjNO4o
いや、単に忘れていただけです。
真昼が両親を「母ちゃん」「父ちゃん」と呼ぶこと。

もし、戦争における対抗戦案を採用するのなら、「ブレイン」の幹部達の総称ですけれど、
「ジャック・スポット」っていうのはどうですか?

341:2011/06/14(火) 21:11:59 ID:X9rjNO4o
違った、「ジャックポット」だった。

342:2011/06/14(火) 21:15:03 ID:X9rjNO4o
メンバーについては色々思い浮かぶんだけど
みなさん新キャラ増加についてこれていないみたいで……
もし気があるのならちょっと設定とか載せてみます。
あと、>>336のエピソードっていつかやる予定…あります?

343ё:2011/06/14(火) 21:25:25 ID:EbLoHZv.
「ダメですよオリアナさん。火織お姉ちゃんは純粋な上にいい意味でも悪い意味でも真っ直ぐな人なんですから」
「初春の言う通りだ。私は君とは初対面だがただの好奇心で人をからかうのは良くないな。もう少し大人の対応を望む所だ」
「確かにからかいが過ぎたわ、反省してる。……それよりも対馬って言ったわね。お姉さんの喉元に突き立ててる物騒な物を引っ込めてくれない?」

 初春と闇咲は割と軽めの窘めだが天草式の対馬は女教皇である神裂へのからかいを許せず、迷い無くオリアナの喉元へレイピアを突き立てる。

「ご心配なく。きちんと認識阻害の術式をかけてますので。先程の女教皇様への態度を改めると誓ってくれればすぐに下げますのでご安心を」
「わ、悪かったわよ。これからは天草式十字凄教のトップに相応しい対応をするから、ね?」
「対馬さんもこの辺で許してあげて下さい。オリアナさんも悪気があったわけじゃなくて火織お姉ちゃんとコミュニケーション取りたかっただけなんです。悪乗りが過ぎたとは思いますけど……」
「……まだ反省の色が見えない気はするけど初春もああ言ってくれてることだし許してあげるわ」

 多少納得出来ない所はあれど初春からの言葉も受けてオリアナを許した対馬、スムーズにレイピアを袋に収めた。
 そして搭乗手続きを済ませた初春たちはオリアナの案内で自分達が乗る飛行機がある場所へと向かう。

「それにしても王族の専用機に乗れるなんて夢みたいです♪ てっきり噂に聞く超音速旅客機に乗らされるとばかり思ってましたから」
「第二王女と第三王女からのお達しでね。イギリスまでの空の旅を快適かつ幸せなものにしろって話なのよ。ホントに貴女ってあの2人に愛されてるのね」
「アハハ……。じゃあステイルさんも?」
「ステイルって確かルーン魔術の子でしょ? あの子は問答無用で超音速旅客機よ。最大主教が結構怒っててね、地獄の空の旅を提供するみたい」

 ステイルに同情しながらも対馬と闇咲は初春と同行するだけでVIP扱いされることをラッキーと思っていた。
 そして王族の専用機に乗り込んだ初春一行はイギリスに着くまでの長い間、快適かつ幸せな空の旅を堪能することに。

――――――――――

 その頃、吹寄と情報屋の会話を聞く為のベクトル操作を終えた一方通行はかなり楽しみにしていた。
 聞こえてきた内容、それは今日の決勝の頑張りと明日の学校で課題を受け取った後のデート(吹寄曰く遊び)についてだった。

――――――――――

☆さんの>>336のエピソードは外伝でお願いします。
こうゆう本編にあまり関係無さそうな話こそ外伝でやって欲しいと思うので。

344■■■■:2011/06/14(火) 23:39:28 ID:LFJ/Wzgg
ついてこれないというか、あまり登場させ過ぎて原作から離れすぎるのが嫌なんじゃ無いかと
特に原作キャラとオリキャラのカップリングとかは嫌悪感とまで言っていいかは分かりませんが
好み時では無い方も多いでしょうしね。

そういう意味で原作キャラとオリキャラの日常パート以外の絡みは
外伝スレの方でやった方がいいかと

345■■■■:2011/06/14(火) 23:42:07 ID:LFJ/Wzgg
訂正

好み時では無い方も多いでしょうしね。

好みでは無い方も多いでしょうしね。

346:2011/06/15(水) 00:42:40 ID:bnl1b3DM
ありー、柵川中学も友愛高校並みの曲者ぞろいにしたかっただけに残念。
個人的には原作キャラ×オリキャラ(土御門×月夜)なんかより
白井黒子×青髪ピアスのカップリングの方に違和感を感じますね。

どうでもいい話。

登場させる気は毛頭ないんですが、この調子だともし月夜の母親なんてのがいたとしたら、
「黒夜」は被るから「闇夜(やみよ)」といったところでしょうか。
白雪闇夜……なんか悪の親玉みたいだな。

347■■■■:2011/06/15(水) 01:07:57 ID:h1rqyeZg
どうでもいい話のベクトルがその文体だとわからねェんだが
上下どっちに向いてるんですかァァァ

348:2011/06/15(水) 12:45:56 ID:o.Hd9lWY
下。のつもり。
でも上もどうでもいいっていえばどうでもいい。

349■■■■:2011/06/15(水) 16:58:52 ID:4fg0njdY
勃起不全のおっさんvsヤリマン娘w※画像有り
ttp://yariman.zxq.net

350:2011/06/15(水) 17:58:38 ID:dqk4y2Yk
>>344
え?>>336の佐天×新坂って
日常パートの絡みだと思っていました。

351■■■■:2011/06/16(木) 00:44:00 ID:yuKoYgm6
>>350
日常ではあるかもしれませんがスレタイにある通りここは上条さんの
高校が主であって佐天さんの在籍している中学は本編とは違うと思うのです

その考え故に外伝の方かなと

352:2011/06/16(木) 01:32:46 ID:8L/4o3qw
分かりました。

353:2011/06/16(木) 01:35:04 ID:8L/4o3qw
じゃあ……本編でそれとなく佐天さんが新坂君を意識しているぐらいに
留めておきます。

354:2011/06/16(木) 01:36:36 ID:8L/4o3qw
本編で→本編では

355■■■■:2011/06/21(火) 23:53:16 ID:vpI5mGGg
www

356±:2011/06/22(水) 22:22:16 ID:qRjedTeM
皆さん、お久しぶりです。
ここ最近テストが近づいてきたのでこの場に足を運ぶ事が少なくなり、書き込む事が出来なくなってきました。
とりあえず7月はじめにテストが終わるので、それまではあんまり来れませんが、暇があれば書き込むので、その時はよろしくお願いします。
………受験生はつらいぜ

――――――――――

「………ところで、情報屋。課題貰ったあとの遊びに行く計画はちゃんと出来てるのか?」
「ああ、それなら―――――もしかして楽しみにしてくれてるのか、吹寄――?」
「ちょっ!!な、何を急に言い出すのだ、貴様はぁ!ただ聞いただけだろう!自惚れるな!」

 顔を真っ赤にしながら完全否定し始める吹寄。
 端から見たら完全にツンデレなのだが、それを聞いた情報屋は精神的に大ダメージをおっていた。

「そっか……吹寄は俺と出かけるのがそんなに――」
「――そ、そんな事は言ってない!………で、結局どこに行く予定だ?」

 自分が言った言葉が情報屋を傷付けた事に責任を感じた吹寄はすぐさま話題を変えた。
 そのあと、情報屋は自分の考えている計画を話したが、それが実は聞かれており、当日に様々なメンバーがその場に集まって来ることをまだしらない。

――――――――――

 一方、そのころ青ピと土御門は会場の中心で論議を繰り広げていた。
 その論議の内容とは…………………………

「何をいってんねん、ツッチー!チアの服が一番似合うのは黒子はんにきまっとるわ!」
「青ピ………それには賛同できないにゃー。チアが一番似合うのは月夜以外いないぜい!」

 ――ただの自分の彼女が一番チアが似合うという事を主張してるだけだった。
 当然、この状況でその会話を止める奴はおらず、むしろ会話に加わる者もいた。

「何言ってんだ。美琴がこの世で一番かわいいに決まってんだろ!」
「チアは関係ないが、真昼さんと赤音さんが一番に決まってる」
「あっ、淡希だって負けてないよっ!」
「馬鹿め!滝壺が一番だぁ!」
「さすがにそれには賛同出来ないぞ、浜面。郭が一番似合ってた」

 なんとクラス内の彼女持ちの奴らが一同に集まって彼女自慢を始めてしまった。
 一方で、それを聞いている彼女たちはそれぞれ様々な反応を示していた。

357:2011/06/22(水) 22:31:22 ID:FG.Gj4jg
ジャージや和風やメイド雪女や変態のチアってどんななんだろ。

358:2011/06/22(水) 22:39:33 ID:FG.Gj4jg
あと真夜、こればっかりは1人に決めてくれ。

359:2011/06/23(木) 19:56:05 ID:IAS.sh5s
訂正
>>95
父さんと母さん→父さん 新坂家の設定ができたのはこの後です。
>>297
一週間→二週間
>>127
『アイテム』ほど彼女を邪険にすることこそなかったものの→『アイテム』に対するほど邪険にすることこそなかったが、

――――――――――――――――――――――――――――――――

 治療を終えたセレナが返った後の研究所では、帰り支度を始めていたレイシェルが、論文を書き続けている師に話しかけた。
「せんせー、息子さんとは会えたんですか?」
 それを聞いてピタ。と真羅が手を止めてしばらく時間が止まり、やがて彼は切り出した。
「いや。あのあと優勝パーティーにまっすぐいっちまってね。また会えずじまいさ。」
「そうですか。」
 なんとなく聞いただけだったのでそのまま帰ろうとしたら、真羅がぽつりと続けた。
「……いつもそうなんだよなあ。」
「は?」
「あいつらが中学生の頃の一端覧祭、見に行くって約束してね。
 前日は学会での発表のみにした。」
「ふーん。それで?」
 口調は変化無し。その代わり真羅はそこでギリッと止まっていたペンの筆圧を上げた。
「当日。バカな教授達への分かりやすい説明を求められるやらやら、挙句の果てには
『実際見せてくれ』ということでの実習まで行って結局午後までかかって
会えずじまいだったさ。」
「……あー……」
「翌年の大覇星祭にも、参加することを約束した。」
「……どうしたんですか?」
「当日、何か暗部でごたごたがあって私の力がいるとかでひっぱりだこになった。」
「……天才って辛いですね……」
「んで、久々に一家団欒になったら、知らん間に娘と息子がインモラルになってて、妻が
当たり前のようにそれを受け入れていた。あと、これは私個人のことなんだが……」
「はい?」
「実家の実父の危篤を受けて、急いで実家に帰ろうとしたら……」
「間に合わなかった。」
「ああ、仕事を『最低限』に抑えて急いだにも関わらず20分程遅く、死に目に立ち会っていたのは
息子ではなく義理の娘と孫達というのを見てどうにもな……」
 ふう、と溜息をついた男にレイシェルは話しかけた
「今からでも帰ったらどうです?」
「だよなあ。このペースだと子供達の結婚式や葬式にも遅れちまう。(まあ恐らく真夜と茜川とかいう方とだろうな……多分。)
 だから……浮気なんかもされるんかいなあ。」
「え?されてるんですか?」
 思えば教職上の理由と言っていたが、夫婦であるはずの彼等が息子の活躍の日に別行動をしていたのはていたのはそんな事情があったのだろうか?
「お前、妻を見たろう、いくつに見える?」
「30代でしょうか?」
「正解は41。私と同年代だ。」
「…若々しいですね。」
「美人か?」
「醜くはないですね。」
 正直で悪くないはずの答えを聞いた真羅は心配ごとが当たった風にげんなりと溜息をついた。
「はあ、やっぱりか……正直年相応の見た目だったらまだ安心できんだけどな。
 なんか最近態度が急に優しいし……」
「いいことじゃありませんか?」
「子供には分からんさ。」
「?えーっと……じゃあ、そっちは浮気とかしないんですか?
 ほら、同僚の研究者にも美人なのとかが確か……」
「こういうのに携わっているとな。人間の見た目の美しさにどうもあんまりビビッと
こないんだよ。」
「ああ、何か分かります。」
13歳で大学を卒業して学園都市の最先端研究にも携わっている天才少年をして「天賦の才」と言わしめた程の研究者を見たレイシェルはなんとなく納得した。
(そりゃぁ普段から人の体いじくりまくってたらねえ。むしろ実験に性的に近い興奮感じるような人ですから。もちろん子供いるから普通の性欲もあるでしょうけどね。)
 そしてもしここにセレナかミランダがいたなら、恐くてとても口に出せはしないものの思っただろう。

 必要ないだろう。普段から自分を含めて老若男女問わず、主に「置き去り」なんかを実験(凌辱)しまくっているあんたには。

 そしてそんな師匠の窮状に流石にいたたまれなくなった少年は話題を戻すことにした。
「帰ったらどうです本当に?」
「ああ。そうするよ。球技大会の勢いにでも乗る気だったが明日にでも仕上げるかこれは。
 ありがとう。」
 真羅はそう言って書きかけの原稿を放っておいて帰り支度をして呟いた。
「でも結局子供達は恐らくまだパーティーだろうな。家にいるのは妻のみだろ。」
「いい機会じゃありませんか。しっぽり愛し合いましょうよ。」
「馬鹿!師をからかうな!」
 レイシェル・フーバーは、顔を赤くして怒った師を見て、とりあえずドームでのお返しができたことに満足した。

360:2011/06/23(木) 20:19:56 ID:IAS.sh5s
真夜の浮気なんかとは無縁な気質は
こういうところを受け継いだのかもしれませんね。

361:2011/06/23(木) 21:38:31 ID:IAS.sh5s
返った→帰った

362ё:2011/06/25(土) 21:38:55 ID:GSyT8o5k
「○○さま、黒子をそのように想って下さるだなんて感激ですわ! 今宵は黒子流フルコース夜伽をギャフンッ!」
「バカなこと言ってんじゃないわよ、というかフルコース夜伽って何よ……。どうかした? 滝壺さん」
「しらいに雷撃お見舞いしたのにみさかの顔にやけてる。やっぱりかみじょうにこの世で一番かわいいって言われて嬉しい?」
「……ちょっと言いすぎかもって思ったけどやっぱり嬉しいものは嬉しいみたい。滝壺さんも人のこと言えないと思うけどなー」

 髪の毛をもっさりアフロにして気絶した黒子をスッパリ忘れて自分の恋人の言葉を嬉しく思っている美琴と滝壺、分かりやすい位に顔が緩んでいる。
 美琴と滝壺が静かに喜んでいるのとは対照的にテンション高めで喜んでいるのは郭。

「聞きましたよね白雪氏、茜川氏! あの半蔵様が私のことを皆さんの前で、皆さんの前で……キャーッ! 私、幸せすぎて困っちゃいます!」
「く、郭さん落ち着いて……って無理だね。会話の内容はともかくやっぱり好きな人に一番って言われるのって嬉しいよ♪ 赤音ちゃんは……ちょっと違うかもだけど」
「私? 私はいーのっ♪ 私と真昼ちゃんを同じ一番に想ってくれてこその真夜君だもん。私としては料理の手を休めて発言してくれたことがポイント高いよ〜」

 郭のテンションの高さに圧倒されつつも、やっぱり自分の恋人に一番と言われて嬉しい白雪と茜川であった。
 ちなみに真夜があの集まりに参加したのは発言したほんの一瞬、発言後はすぐさま厨房へと戻って料理作りを再開させている。
 そして本来なら翔太の発言を聞いてハッスルしそうな結標だがここには居ない、心理掌握の能力で友情が一番状態が継続中で【歩く教会】チームのパーティーに参加しているのだ。
 そんな中、1人だけあの集まりに恋人が参加してなくて寂しげな打ち止めが美琴の制服の裾をクイクイッと引っ張った。

「打ち止め、もしかしなくてもアクセラが一番って言ってくれなくて不満なんでしょ。でも仕方ないわよ、あいつってそうゆうことあまり人前で言うタイプじゃないし」
「分かってるけどやっぱり言って欲しかったなぁってミサカはミサカはパパに一番って言われたママがすっごく羨ましいって僻んでみる!」
「はいはい分かった分かった。とりあえずアクセラ呼んで……って珍しい組み合わせね」

 むくれてる打ち止めを宥めるように頭を撫でる美琴が一方通行を探すとすぐに見つかったのだが真昼と一緒ということに少し驚いていた。
 その一方通行は真昼を連れて厨房のカウンターから顔を覘かせて真夜を呼んでいる所だった。

――――――――――

「明日の紫木と吹寄さんのデートを尾行するぞって何でそれを俺に言うんだ? 一方通行」
「しゃあねェだろ、姉の奴がテメェの許可が下りねェと参加しねェって抜かすンだからよォ。で、どうなンだ?」
「なぁいいだろ真夜。俺の【線形視認】があればあいつらのフォローもしやすいし。それに何より吹寄にも分かってもらいてぇんだよ、愛の素晴らしさってやつをさ」

 真夜は少し悩んだ後で許可を出した、その間も料理を作る手を休めずに。
 一方通行と真昼はそのまま上条たちの所にも報告しようとするが、真夜から待ったがかかる。

「ただし。面白半分で2人を尾行したりしないこと。俺はあくまで紫木と吹寄さんが上手くいくように動くつもりだからさ」
「オゥ、当然じゃねェかァ。俺は基本、カップルの味方だからよォ」
「真昼さんは聞くまでもなかったね。俺は昼から参加する、当日の尾行するみんなの分のお弁当作るから。後で何人参加するのか教えてね」

 真夜は一方通行の答えがとても頼もしかったが、他に誰が尾行に参加するのか気になると同時に不安になった。
 今度こそ一方通行と真昼が上条たちの所へ向かおうとするが、今度は呼び止められたのではなく目の前に置かれたデザートに足を止めた。

363ё:2011/06/25(土) 22:14:04 ID:GSyT8o5k
「ンだ、これ?」
「コーヒーパフェ♪ 一方通行が好きって聞いて試しに作ってみたんだ。で、こっちが」
「マンゴーシャーベットだぞー。数量限定の珠玉の一品だー」

 コーヒーパフェ、要はコーヒーゼリー、コーヒークリーム、コーヒーアイスなどコーヒー味満載のパフェである。
 マンゴーシャーベットは舞夏製作で、味も三ツ星クラスではあるが20個と数に限りのあるものだった。
 一方通行はコーヒーパフェ、真昼はマンゴーシャーベットをそれぞれ口にすると、

「う、うっめェ!! コーヒーの苦味とパフェを形作る甘味がいい具合にマッチしてやがる! うめェ上に俺好みの味、やるじゃねェか弟ォ!」
「こっちのマンゴーシャーベットも絶品だぜ! シャーベットそのもののシャキシャキ感にマンゴーの果肉が残すほんの少しの柔らかさ。しかも瑞々しい甘さ、最高だぜ♪」

 これ以上無い高評価を聞いて真夜と舞夏はハイタッチで喜んだ。

「これでみんなのリクエストに応じたパフェがいけるな♪ あくまでパフェに出来そうなリクエストに限るけどみんなきっと分かってくれるから安心かな」
「マンゴーシャーベットは私の今日の自信作だからなー♪ 美味そうに喰ってくれて一安心だぞー。さー2人とも、それを食べながらそれとなく宣伝してこいー」

 舞夏に促されるまま、一方通行と真昼はコーヒーパフェとマンゴーシャーベットを食べながら上条たちの所へ今度こそ向かった。
 2人が去った後、舞夏と真夜はパーティーのお開きの時間を考慮し、デザートの準備に本格的に取り掛かるのだった。

――――――――――

「つーわけでテメェら明日、紫木とデコ女のデートを尾行するぞ。参加してェ奴は手ェ挙げろ」
「言っとくが面白半分とかは認めねぇからな。あくまで紫木と吹寄のカップル成立のフォローをするんだからな」

 上条たちと合流した一方通行はコーヒーパフェを、真昼はマンゴーシャーベットを食べながら明日の情報屋と吹寄のデート尾行の参加を募った。
 そして返答だが上条、土御門、青ピ、浜面、半蔵は手を上げて参加決定、翔太1人が手を挙げないというものだった。

「ゴメン、明日は前々から淡希が2人っきりで過ごしたいって言ってたから……」
「ま、しゃあねェか。結標の奴がこうゆうのに興味あるとも思えねェし、久々に2人っきりでいちゃつきてェだろうしな」
「となると残るは俺たちの恋人の方だな。とりあえず美琴にも話を……ってちょうと皆一緒にいるじゃねぇか。おーい美琴ー、みんなー」

 情報屋と吹寄のデート尾行参加を決めた上条だが恋人達にも伺いを立てようと思い、偶然にも美琴、黒子(気絶中)、打ち止め、滝壺、郭、白雪、茜川が一箇所で固まってるのを発見。
 上条に呼び出された恋人達は一方通行に代わり、こうゆう説明が得意な土御門が情報屋と吹寄のデート尾行について説明した後で参加するかどうかを尋ねた。

364:2011/06/25(土) 22:35:03 ID:R7wnQMz6
・裏設定
 騙され易く世間知らずな性格故に家計は妻に管理されていますが、
天才科学者である真羅の収入は朝陽よりずっと多く、井ノ原家の生活自体は
彼1人の収入でも維持できます。

365:2011/06/26(日) 21:12:58 ID:ykHja6pc
「見た目年齢30代の、そこそこの器量の女性」
井ノ原朝陽さんの外見に関する描写はこれでいいでしょうか?

366:2011/06/29(水) 23:22:21 ID:dzEwXbGk
・二人目の達成者

 友愛高校チームが宴たけなわの真っただ中、「歩く協会」チームの方はと言うと……
「こまりましたね。」
「困ったねえ。」
「超困りました。」
「困ったもんだねえ。」
 とぼとぼとぼとぼと商店街を徘徊していた。(御坂妹は、妹達の打ち上げの方に参加していた)
「うー!も、もうお腹と背中がくっつきそうなんだよご飯ご飯ごはーん!!」
「インデックスさん、皆気持ちは同じなんですよ。わがまま言わないでください。」
 心理掌握に窘められて駄々をこねているシスターを見たチームの幾人かは軽い殺意を覚えた。というのも、
当初予定していた【喰わせ殺し】での打ち上げが頓挫したのは彼女に依る所がおっきかったからだ


遡ること数時間前
「すっすまねえ皆、今日ばっかりはリクエストに答えられそうにねえ!」
 店に来たところでいきなり店長に頭を下げられて告げられた言葉に慌てふためいた
チームの皆が理由を尋ねた所、店主からの返事は更に衝撃的なものだったのだ。
「いや出ちゃったんだよ!」
「出たって何がだい?」と、顔なじみのステイルが詰め寄ると、店長は頭を掻きながら答えた。
「ここの1500円コース完食に挑戦して今、まさに制覇せんとしている兵が!」
「「「「「「「「「な、何―――!!!」」」」」」」」」
「そ、その人ちょっと見ていいかい?」
「おう、あそこだ。」
 そう言ってくい、と、店長が指差した先にいたのは。
「いやあ、あの娘にしろインデックス譲ちゃんにしろ、まさかこんなかわいい女の子達に
うちが喰い殺されるとは……分からないもんだな世の中は。」

 その少女の食べっぷりは、インデックスとは全く違っていた。
 がつがつとした、セレナが「貪るように」と形容して嫌悪を催したインデックスのそれとは違い、ごく普通に食べているといってよかった。
 ただ普通と違ったところは。
 気迫。
 一心不乱に、話をするでもなく、ただただ目の前の器や食材と格闘している、
そう形容するのが相応しい。
 背筋をぴんと伸ばしたままカッカッカッと丼を丸ごと掻き込み終えたかと思うと、味噌汁に
手を伸ばしてズズズズズ、とすすり上げ、脇の小鉢を箸でつまみ上げて食し、その次には皿に盛られた
ハンバーグをスプーンとフォークで切り分けて食す。
 動作一つ一つ自体はインデックスが挑戦したときと比べると非常に普通で、丁寧なもの
なのだが、まるでやりてビジネスマンかマシーンが高速で処理しているかのように手早くパキパキと
済ませていた。今にも手に残像がかかって数本に見えてもおかしくなさそうだ。
やがて全ての皿の料理を高速処理し終えた少女が店長を呼び、「これで完食でいいの?」と確認し、
店長からの言質を取ったところ、パチン、と、持っていたスプーン(最後に食べていたのはスープだった)を卓上に置いて手を合わせて
「ごちそうさま」と告げた。
 店内が水を打ったように静まり返る中、少女の脇にいてその様を眺めていた少年が店長に
「じゃあ、僕の分はただでいいんですか?」と尋ねるた。「おお、いいとも!」と太鼓判を押した店長は、入り口に戻ってステイルに頭を下げた。
「というわけなんだよ。2人だけとはいえただでさえ食べ放題モードになっちゃっててそっちを優先させなきゃならん今、インデックス譲ちゃんや他のみんなのお腹まで満足させられる器量が
うちにはなさそうなんだ。勘弁してくれ。」
「いや……なら仕方ないさ。悪かったね店長。」
 申し訳なさそうに何度も謝罪を繰り返す店長の様にいたたまれなくなったステイルは絶望と空腹でげんなりしている
インデックスを連れてチームの皆と徘徊する羽目になったのだった。
 その去り際、本来の恋心を押さえられたままの結標淡奇がなんとなしに呟いた。
「いけないいけない、てっきりあの男の娘にビビッときちゃった……」
 そしてボブカットの少女が、その男の娘のことを思い出して苦い表情を浮かべていたことは誰も気付かなかった。

367:2011/06/29(水) 23:24:15 ID:dzEwXbGk
「ここにしましょう。」
「はい?」
 先ほど史上2人目の偉業を成し遂げた巻き毛の女王、苑内麗奈の言葉に、板についたテーブルマナーで無料の西洋料理を食べていた
男の娘、新坂礼男が反応した。
「この店。料理のバリエーションも店内の環境も、店員の態度も、どれを取っても上位ランク。
 おまけにさっきのやり方でグループは無料。
 ここなら、今後の剣道部の皆の打ち上げや歓迎会なんかにうってつけじゃない?」
「はい。僕もそう考えていましたよ。」
 自らの意を得た答えに満足し、以後はバーにいるかのように目を瞑って一人ごちている
少女の様を見た少年はつくづく思った。
(ほーんと。嘘みたいだなさっきまでの。
 普段はあんなんじゃないのに。)
 苑内は普段から大喰らいなわけではなく、むしろ普段の食事は常人以上に簡素で
少量だ。だがその反動からか本気で。つまり満腹まで食べるとなれば、
さっきまでの取りつかれたような様相を見せ、【喰わせ殺し】の1500円コースを食べて切ってまだ余裕綽々といった表情を浮かべるほどだ。
(バレンタイン以外で生かせるとはねこの性質。)
 バレンタインには学校内の誰よりも女子からのチョコをもらってしまい、
「本人の気持ちを無碍にしたくはない」というので時間がかかりつつもちゃんと食べて丁寧に返事を出して、
そしてまた女子生徒からの好感度を上げてしまっている苑内。
 そんな生真面目な彼女が、新坂は大好きだった。

368:2011/06/29(水) 23:36:42 ID:dzEwXbGk
>>337とかなり矛盾してしまいました………

369:2011/06/30(木) 00:31:07 ID:H3TDUs3w
>>366
器量→容量

370■■■■:2011/06/30(木) 00:34:45 ID:FIJ6gGsY
誤字とかそんなれべるじゃなく読みづらいな
なんだこれ

あえて晒しage

371:2011/06/30(木) 00:39:08 ID:H3TDUs3w
あれ?読みづらい?確かに
量が
うちにはなさそうなんだ。勘弁してくれ。」
は失敗だったけれど
なるたけ丁度よく改行したつもりが裏目に出ましたかね?

372■■■■:2011/06/30(木) 00:43:15 ID:FIJ6gGsY
改行とかそんなこと言ってんじゃなくて、
全体的にごちゃごちゃっとしすぎてるんじゃねって言いんだが

セリフと地の文の間に空行挟むとかさ、もちょっとなんかゴニョゴニョ

373:2011/06/30(木) 01:10:31 ID:H3TDUs3w
分かりました。
皆さんからの要望ということでしたら、そうするよう努めます。

374:2011/06/30(木) 01:17:08 ID:H3TDUs3w
(バレンタイン以外で生かせるとはねこの性質。)

は、設定上新坂君の考えです。分かりづらかったかな?

375目から汗が…乙です:2011/06/30(木) 01:47:42 ID:LVRRxcKo
とりあえずハンバーグはナイフとフォークで食べるもんだと
思うんだが……

376涙目:2011/06/30(木) 08:36:05 ID:YcJBd1/c
他のSS作者の文面と比較すれば判ると思うんだけど
読みやすいかどうかなんて

377:2011/06/30(木) 12:10:09 ID:XNkzlGqU
>>375
すいません、間違えました。

読み易い文を目指して、もっと精進します。

378:2011/06/30(木) 14:30:17 ID:XNkzlGqU
 そんなわけで代わりの店を探してさまよう羽目になった「歩く教会」チーム。
 基本的に無言だったのだが、先ほど愚痴を窘められてふてくされていたインデックスの、

「でもでもなんなんだよ新参者なのに私とステイルのポジションを奪おうとしているあの
クルクルビューティーにサラサラ男女は。」

と、いう不平には皆一斉につっこんだ。

379:2011/06/30(木) 14:32:40 ID:XNkzlGqU
こんな感じでしょうか?

380涙目:2011/06/30(木) 18:14:48 ID:YcJBd1/c
376です
空行入れると入れないとでは違いますよ

楽に文を追っていけます
好きなリレースレなんで、小言を申し上げてしまいました

職人さんの苦労を理解できないのに意見ばかり申し訳ありません
今後の展開も期待してます!

381:2011/06/30(木) 19:09:47 ID:H3TDUs3w
もうひとつ、絹旗と新坂の因縁ですが、
やがて外伝に投下予定の短編では、
浜面が来る前に「アイテム」の仕事として彼の暗殺を請け負った結果
返り討ちにされた過去があったということにしています。
(このときはフレンダ、絹旗、滝壺で相手をしたため麦野には会っていない)

追伸
 現在ここの舌のブログ記事に出ているデカ目中国少女(賛否両論あるので
〝美″はつけませんでしたが、私にとっては慣れればそれなりにいいと思う。)
の反響を見ていると、ノクターンが実在したら「美少女」になるのかちょっと不安になってきました。

382:2011/06/30(木) 20:01:36 ID:H3TDUs3w
舌じゃなくて下…

383:2011/07/01(金) 15:06:07 ID:25PCAtBk
 しかし、そんな彼等に希望が舞い降りた。
「あれ?【歩く教会】チームの皆さん、どうしたんですか?」
 と、ある男に声をかけられた。
 サポーターの1人かとでも思ったステイルが軽く事情を話して受け流そうとした所、
「なら私に奢らせてください。」
「えっ、いいんですか?」
「ええ、負けたとはいえあなたたちもよく奮闘したそうですし、
あっちの方だけがパーティーで盛り上がるっていうのは不公平でしょう?」
 その声に、それまでしょぼーんとしていたインデックスがパア―っと顔を輝かせた。
「おじさんいい人!」
「ありがとう。」
 ステイルが念を入れて名前を尋ねると、男は眼鏡を押さえて答えた。
「井ノ原真羅といいます。友愛高校チームの井ノ原真夜の父ですよ。」
 それを聞いた海原と心理掌握は、言われてみれば彼にどことなく似ている風貌の男に対して
(やっぱりあの人の父親だけあっていい人だ)と思った。
 かくてインデックス達がうきうきと周囲の飲食店を物色している中、当の真羅は苦笑しながら自虐的に呟いた。
「まあいいか…あいつにとっても、私に早く帰ってきてもらわない方がいいだろうし。」

384:2011/07/01(金) 15:07:10 ID:25PCAtBk
喰わせ殺しにて優雅に西洋料理を食べていた新坂礼男は、ふと、自分の父親のことを思い出していた。
先ほどかけたところによると、彼はまだ帰ってきていないようだ。

(父さんもレストランで舌鼓を打っているか、仕事か……或いは……
やっぱりアサヒさんのところかなあ。)

 頭に浮かぶのは、最近かなり父と親しげな雰囲気の若々しい女性。
 この球戯大会でも、2人はかなり近いところにいた。競技が終わった後も、それこそ学校内でも自分と苑内のように何気ない調子で1言2言言葉を交わしていた程度だったのだが、
同じような隠れた関係を持っていた礼男にはなんとなく分かってしまっていた。

(新しいお母さんか……うーん……)

 物心着いたころから父や使用人に囲まれて育った彼からしてみれば、もちろん乳母なんかはいたものの、
所謂「お母さん」のポジションに位置する年上の女性と上手く付き合う方法などよく分からなかった。正直な話、変な異物感を抱えながら生活するよりは、
今のままの父子家庭でいいとさえ思っていた。

(それにあの人の側にいた赤髪や黒髪の子共達……連れ子かな……とも一緒となると、なんかちょっと色々とややこしそうなことになりそうだし………)

385:2011/07/01(金) 15:08:00 ID:25PCAtBk
すいません、まだ空白行を開けるのに慣れなくて>>383で忘れてしまいました。

386:2011/07/01(金) 18:37:10 ID:25PCAtBk
気になる表現は出しちゃいましたが、
前にも言いました通り私は新坂道男をこの本編に直接登場させる気はありません。

387■■■■:2011/07/01(金) 20:55:27 ID:25PCAtBk
>>384
ややこしいことになりそうだし………

ややこしくなりそうだし………

どうでもいいけどこっちの方がすっきりするかなと。

388■■■■:2011/07/01(金) 21:02:08 ID:25PCAtBk
ややこしいことになりそうだし………

ややこしそうなことになりそうだし………

元の分もまちがっていた。ホント、くどくどしい表現だな。

389±:2011/07/02(土) 16:28:21 ID:4aaCo0gE
テスト終わりましたー!
いや、正確に言えば終わったのは昨日だけど色々と忙しくて今日になってようやくこれました。
じゃあ、いつもどおり始めたいと思います。

――――――――――

「―――って感じだけどどうするんだにゃー?」
「「「「「「行くっ!!(ってミサカはミサカは断言してみる!)」」」」」」

 土御門が説明し終えて参加を聞くと同時に参加を表明する彼女達6人(集まった7人のうち黒子は未だに気絶中)
 さすがに速攻での参加表明に男性陣は驚いたが、こうなるであろうと予測していた土御門は淡々と今回の計画の説明を始めた。

「―――っと、あとは現地で説明するからこの集まりはいったん解散だにゃー」
「ん?どうしてだ土御門?ここで一気に説明してしまった方が―――」
「―――バカだぜい、カミやん。こんな風に集まってたら吹寄と情報屋が気付くにゃー。あくまで今回は見守るんだからにゃー」
「………あぁ、そっか。流石だな土御門」

 土御門の説明に納得する上条たち。
 でもまあ。と土御門は続けた。

「――この場で全部の計画を話しても、カミやんや浜面みたいなバカは明日には忘れてしまうってのもあるにゃー」
「ちょっと待て、土御門!上条はともかく俺がバカってのは酷いだろ!」
「大丈夫、はまづらがバカでも私は見捨てない」
「うおぉぉぉ!!!滝壺ぉぉぉおぉおーーーぉぉ!!!!!!」
「ちょっ!なんで上条さんへのフォローはないの!?」
「だって………当麻がバカなのは否定できないし…………」
「がはぁ!!!!」

 美琴の容赦ない一言で上条はその場に倒れふした。
 そしてその様子を見てたメンバーは言われたとおり吹寄と情報屋に気づけれないように散りはじめた。

――――――――――

ここに☆さんの>>366から>>384までを入れる予定

――――――――――

 そしてようやくパーティ会場にたどり着いた【歩く教会】チーム。
 ここまでの長い道のりのせいか、はたまた【喰わせ殺し】で出会った連中のせいか、インデックスの食いっぷりは半端ないことになっていた。

390ё:2011/07/02(土) 19:25:01 ID:6BwPC/lM
 インデックス達【歩く教会】チームが選んだパーティー会場、それは上条のクラスがパーティーをしている友愛高校の食堂だった。
 本来、真羅のおごりでパーティーをしようとしていた【歩く教会】チームが上条達のパーティーに現れたのには理由があった。
 インデックスを中心に飲食店を物色している所に真羅に電話があり、

「はいもしもし」
『真羅、お前仕事はもう終わったんだよな?』
「朝陽……あ、ああ。今日はこれから」
『だったら早く帰って来い。せっかく作った料理が冷める』

 朝陽からの帰宅を促すものだった。
 真羅は戸惑いながらも断ろうとするのだが、

「わ、悪いけど今日は外で食べたい気分なんだ。それに僕が居てはご飯も美味しくなくな」
『はぁ? 何言ってんだ真羅。私はお前と2人でご飯食べたいから待ってるんだぞ。下らないこと言ってないで』
「下らなくなんかないさ! 朝陽は魅力的だからモテるし朝陽も僕と居るよりも他の男性と一緒の方が」
『いい加減にしろこの馬鹿。私の事を魅力的と言ってくれたのは嬉しいが、私が浮気してるとか勝手に決めるな』

 スパッと真羅の断りを拒否、さらにはグチグチ言っている真羅を嗜めた。
 朝陽は自分の夫のネガティブっぷりに呆れ、長いため息を吐いた後で真羅に自分の気持ちを伝える。

『最初に言っておく。私は真羅、お前の事を愛してる。たとえお前が嫌だと言っても離れてやるつもりはない。私は自分の家族が大好きだからな』
「ほ、本当かい? そ、それは僕にとっても嬉しい言葉だけど君が前に新坂統括理事と親しげに話してるのを見たって助手が……」
『……あれは私を自分の部下になるように誘ってきた、それだけだ。ったくあの阿呆には困る、アレイスターの奴にも釘刺しされてるだろうに』

 真羅は朝陽からの愛の言葉と誤解を払拭する真実を聞いて、憂鬱な気持ちから一転して幸せな気分になった。
 ちなみに朝陽を暗部に引き戻さないようにと指示を出しているのはアレイスターで、自分の手元に置いておくには厄介極まりないというのが理由。
 過去に自分の家族を盾に暗部へと朝陽を引き戻そうとした者も何名か居たが、その悉くを完膚なきまでに叩き潰した実績も持っているほどだ。

『とにかくあの阿呆のことは心配するな、二度と下らん誘いをしないように手は打っておく。だからさっさと帰って来い真羅。2人っきりのディナー、楽しみにしてるからさ』
「分かった! 今すぐ帰るから待っててくれ! じゃあまた後で」
『ああ。けど帰ったら一発殴るから覚悟しとけよ。下らんこと抜かした罰だ』

 朝陽に殴られることを告げられた後で電話を切った真羅、しかしこればっかりは仕方ないと思い素直に受け入れることに。
 真羅は自分の妻とのディナーが入ったことを告げた後で謝罪すると、インデックス達も何も言えず素直に真羅を帰した。
 その際、真羅が何気なく自分の息子たちのパーティーに参加してはどうだろうと提案したのを受け、

「それもアリかも。皆、とうまの高校に乗り込んでとうま達を驚かせるんだよ! そしてご飯を乗っ取ろうよ!」

 他の【歩く教会】チームも了承して友愛高校で開かれている上条のクラスのパーティーに乱入を決意するのだった、ご飯を乗っ取ることはするつもりゼロで。

――――――――――

「うまうまうまうまうまーーーーっ!」
「うめぇ! うめぇじゃねぇかこのメシ! 料理人の根性がたっぷり入ったうめぇメシだ!」
「うまい、超うまいですよ! 【喰わせ殺し】のメニューに勝るとも劣らない超素晴らしい料理です! コックさんたち、じゃんじゃんおかわりを超要求です!」
「最愛落ち着いて食べようよ、美味しいから気持ちは分かるけど。すみませーん、あたしもおかわり♪」

 舞台は再び友愛高校の食堂、舞夏と真夜の料理を大絶賛しながら猛然と食べているのはインデックス、削板、絹旗、絹旗と一緒だった佐天。
 その一方でステイル、エツァリ、ショチトル、心理掌握の良識派の面々は小萌に謝罪しながら自分達のパーティー参加を頼んでいた。

391:2011/07/02(土) 20:01:42 ID:rIshvmwQ
朝陽さんって暗部に属していたんかい。
両親揃ってとんでもねえカップルだなあ。

392ё:2011/07/02(土) 20:10:34 ID:6BwPC/lM
「うーん、先生としては皆さんの参加は断る理由も無いんですけどそろそろお開きにしようと思ってましてですね……」
「そんな……何とかならないんですか?」
「ステイルちゃんの頼みでもこればっかりは……ってシスターちゃん達は既に愉しんでますね。厨房の2人に聞いて」

 小萌が厨房に居る舞夏と真夜に相談しようとする前に厨房から声がかかった。

「大丈夫ですよ小萌先生! 俺達も食材もまだまだ余裕はあります。それに料理を求めてくれる人達を無碍にしたくありませんから」
「真夜の言う通りだぞー。私たちはシスター達の乱入でへこたれるような柔な人間じゃ無いんだぞー。相手を持て成さずに帰すのはメイドの恥だからなー」

 真夜ちゃんはメイドじゃないですよー、小萌は心の中でツッコミを入れながら厨房の2人の意思を尊重してパーティー終了を1時間延長することに。
 小萌の決断に良識派の面々は何度もお礼を言った後で自分達もパーティーを愉しむ為に思い思いに移動を始めた。

「僕はインデックスの所に行くよ。ま、今回は彼女のフォローだけじゃ済みそうに無いだろうけどね」
「私は白雪さんの所へ参りますわ。新たに第五位となった彼女と一度ゆっくりとお話したいと思ってましたの」
「意外だなメン子。私はてっきり一方通行の所へ向かうとばかり思っていたのだが」
「あいにくとアク様はあの少女と楽しそうにしてますので今回は……。そうゆうショチトルさんは?」

 心理掌握の質問にショチトルはエツァリの首根っこを捕まえながら、

「エツァリの付き添いで上条当麻の所だ。先の試合で出した結論を上条当麻と御坂美琴に伝える為にな」
「ちょ、ちょっとショチトル! じ、自分はまだ気持ちの整理が付いてなくてですね! 貴女にぐえっ!」
「気持ちの整理なら着く前に付けろ。まったく往生際の悪い。じゃあなメン子、お互いパーティーを愉しもう」

 上琴の所へと向かった、引きずられるエツァリが苦しんでるのは気にしないで。
 【歩く教会】チーム乱入に驚いている上琴の所に到着したエツァリはショチトルが見守る中、自分の導き出した心情を上琴に告げる。

――――――――――

何か朝陽の浮気っぽいフラグがありましたが、朝陽は浮気するキャラじゃないのでそのフラグは折らせてもらいました、☆さんには申し訳ないですが。
朝陽とアレイスターの関係性はこちらのレスでは書く気は全くありません、書くとしても外伝の方でしょう。
ちなみに朝陽自身は暗部に所属していたことは無く、警備員時代の活躍を知って暗部側がスカウトに来てただけのことです(この話を膨らませる気はありません)。

393±:2011/07/03(日) 09:02:33 ID:kSCvkOvQ
「上条当麻………話があります」
「海原――いや、エツァリ……………何だよ」

 美琴とショチトルが見守るなか、向かい合った上条とエツァリ。
 そしてエツァリは上条に自分の心のうちを話し始めた。

「………自分は前から本当は気づいていたのです。……自分と御坂さんは釣り合わない。彼女と隣にいるべきなのは上条当麻―――あなたが一番ふさわしいという事に」
「エツァリ……」
「でも、自分はそれを認める事が出来ませんでした。――気持ちの上で分かっていても、心のどこかで認められなかった」

 だから自分はこの試合に望んだのです。とエツァリは今までの心境を吐露し、上条はそれを黙って聞いていた。
 そしてその様子を近くで見守っている美琴やショチトルも同じ様に静かに聞いていた。

「この試合を通して、心のどこかでアナタを認めきれない自分を何とかして、自分も次のステップに進もうと」
「………それで答えは出たのか?」
「ええ、ようやく」

 そう上条に言ったエツァリは今度は美琴の方を向いて言った。

「御坂さん、最後に1つ聞かせて下さい。―――アナタは今、彼と共にいて幸せですか?」
「……はい、とっても」
「ならば、いいんです。……自分もやっと彼女と向き合える」

 エツァリの問いに笑顔で答える美琴。
 その笑顔を見たエツァリは満足した顔を見せて、今度はショチトルの方を向いた。

「………終わったのか、エツァリ」
「ええ、アナタには長い間待たせてしまいましたが………ようやく自分の答えを言う時が来たようですね」

 エツァリはそう言うと、ショチトルの肩を掴んだ。
 そして何も言わずにその唇を奪った。

「―――これが自分の答えです」
「………言葉でも…………………言ってくれ………………………」
「……ええ、分かりました」

 エツァリはそう言うと、少し顔を離してからショチトルに向かってこういった。

「好きです、ショチトル。どうか自分の恋人になってくれませんか?」

394:2011/07/03(日) 11:23:16 ID:ryn4DZIc

・新坂邸

「ただいま。」
「おかえりなさいませ若―。」 

豪奢な西洋風建築の屋敷に帰って来た新坂礼男は、瑠璃色の髪と目をしたまだ少女といっていいような年齢の使用人に尋ねた。

「ただいまルリー。父さんは?」
「もうお帰りになりましたよー。」
「ちょっと会ってきてもいい?」
「どうぞー。」

 ルリーというらしき少女の案内で、書斎に言った礼男はそこの机で髪を掻き上げて上を向いている父を見つけた。

「ただいま。」
「ああ、礼男か。」
「…父さん、朝陽さんの所へ行ってきたの?」

 若干緊張して尋ねた所、道男はふー、と肩の荷を下ろしたように息を吐きながら続けた。

「会ったさ。だがまあ……」
「?」
「恐らくこれっきりだな。」
「……振られちゃったんだ。」
「まあな。」
「…そう…あ。それとさ。」

 礼男はそこで重要な要件を思い出し、自身の携帯からあるサイトを出して父に見せた。

「この日程でさ、部長やある団体達と京都旅行に行くことになって、費用は僕持ちになっちゃったけどいいよね?」
「……ふーん、蛍観光か……まあ、好きにするがいいさ。」
「うん。ありがとう。じゃあね、お休み。」
「ああ。」

 そう言って礼男が去った後の書斎に残された男は、やがてパソコンを取りだして「仕事」の指令を打ち込んだ。
『イギリス留学中の初春飾利の監視。彼女とイギリス清教、イギリス国家の関係性の変化等の確認、及び彼女と【ブレイン】との交渉内容、そして。

その背後に蠢いているであろうローマ正教の内偵。』

(去年の大覇星祭と同じく、この【ブレイン】の騒動の背後にも十中八九ローマ正教の野望があるだろうな。
 全く、哀れで見苦しいことこの上ない。)

 こうして今後の予定を仕切り直して一息ついた道男は、自分が振られたことを切りだしたときに隠そうとしながらもホッとした様子を見せた息子のことを思い出していた。
 写真や映像を一切処分し、関わりを絶った気でいたにも関わらず、どんどんありし日の妻に似てきている息子。(周囲はその美貌を父譲りだと考えていたようだが。)
 そして全くの作為の余地なく、彼が付き合い始めたある女性のことを考えながら平坦な声で言った。

「運命の悪戯か、あるいはまだお前とよりを戻せということなのか、
なあ……玲於奈(れおな)。」

 そう一人ごちた彼の耳目に浮かんだのはかつての妻と。

 つい先ほど彼をこっぴどく振った、それこそあの妻とは似ても似つかぬようあ女性。

395:2011/07/03(日) 11:23:45 ID:ryn4DZIc
勝手に契約破ってしまって誠に申し訳ありませんん。

396:2011/07/03(日) 11:25:16 ID:ryn4DZIc
似つかぬようあ女性。

似ても似つかぬようなある女性。

397:2011/07/03(日) 13:45:57 ID:ryn4DZIc
・ルリー=アージェネット

 繚乱家政学校の生徒(舞花の後輩)で新坂家の使用人。
 主な仕事は新坂礼男の護衛やお世話。
 元は奴隷として身売りに出されていて、「ルリー」という名は
その目や髪の色から新坂道男に付けられた。

 実は外伝に出ていて、当初はセレナの同級生(柵川中学在住)にする予定
だったのですがやっぱりメイドとなると……まあいいか。

398:2011/07/03(日) 18:19:34 ID:ryn4DZIc
ところで自分で立てといてなんですけど
京都旅行編はどんな感じにしましょう?

399:2011/07/04(月) 00:27:21 ID:Mi5Hz0wg
終わった恋(新坂×朝陽)、始まった恋(エツァリ×ショチトル)、続いている恋(朝陽×真羅)、昔の恋(礼男×玲於奈)。
大人と子供で様々な恋が繰り広げられている……

400:2011/07/04(月) 00:29:19 ID:Mi5Hz0wg
昔の恋(道男×玲於奈)だった。

401■■■■:2011/07/04(月) 01:02:54 ID:RyCEIkN2
そろそろ空気読もうか……

オリキャラ出したいのはわかるが
自分の考えたキャラ出したいならSS速報とかPixivとかで
自分のSS書けばいいと思うよ

ここは皆でリレーしてSSを書く場所であって
自分の考えでやりたい放題する場所では無いんだよ

スレ汚し申し訳ないです

402読者:2011/07/04(月) 07:48:42 ID:YqMWP7Jk
一読者として、言わしてもらいますが
☆さんが書いてる、セレナや新坂などのシーンは正直、このスレとかみ合ってない気がします
しかも、オリキャラが多過ぎて、話についていけません

まぁ、結局のところ、書くなら外伝で書いて欲しいと言う事ですね

一読者としての意見ですので、スルーしちゃっても構いませんw

403:2011/07/04(月) 09:04:38 ID:Mi5Hz0wg
自分の未熟ぶりを指摘してくださいまして
有難うございます。

404ψ:2011/07/04(月) 21:30:51 ID:x94IMXsg
こんにちは、もはや意見しか言っていないψです〜
本当なら復活して書こうと持ったけど、余り時間が取れないです……

とまぁ、本題を話しますか。
>>401>>402が言ったとおり、オリキャラは正直なところを言うと出しすぎです。
前にもいった気がしますのに、余り変わっていないと思うのですよ。
出しすぎるともはや禁書の二次創作というわけではなく、同じ名前を使った物語という考えになってしまい、最悪な事になってしまいます。
そのようになってしまったものが現に居ますので、そのような事にはなって欲しくないのです。
なので今まで黙っていたけど、少し本音を言います。
正直な話、>>402のようにセレナや新坂などのシーンはたまによく分からなくなる時がありましたね。
外伝は読んでいますけど、それでも分からなくなる時がありましたので。
もっと言えば、セレナが出る前まではまだ内容が理解できましたね。
なので俺的にはもうwikiで紹介されているだけで十分だと思います。
これ以上増やすのも最低限度でも良いと思うし、外伝のオリキャラは外伝だけにして欲しかったです。
とまぁ、これは俺の意見ですが、俺と同じような事を思っている方は結構居ると思います。
もう一つ良いますと、前に読み専の人が書きづらいと言いましたが、実は俺も書きづらいと思っています。
俺の場合は他の方とは違うのですが、理由はオリキャラが増えすぎたおかげで内容が追いつけず、どのように書けば良いのかというのが分からないのですよ。
なので読み専の方が入りやすいように、オリキャラはwiki内だけのキャラを使うだけにし、外伝のオリキャラは球技大会の章だけで終わらせてくれると嬉しいです。
それでは。


……ぶっちゃけた話、セレナや新坂などのシーンはすっ飛ばしていたという。それでも内容は何とかつながったし。

405■■■■:2011/07/04(月) 21:32:35 ID:bILcDZDI
などと意味不明な供述を続けており

406:2011/07/04(月) 23:24:21 ID:YYBj8Fp.
正直な話、私自身にとっては突き刺さるような言葉ですが同時に
非常に価値がある箴言です。
「外伝と本編の交錯がどこまで許されるか」の実験の結論であり指針でもあると
思います。
よく胸に留めておきます。

407:2011/07/04(月) 23:41:26 ID:YYBj8Fp.
あと、確かに井ノ原真羅のキャラはこの物語に出すには毒が強すぎたと痛感しました。
子供達や住人達の人権、未来、安心、そういったものを
尊重し、守り続けている朝陽さんと
否定し、踏みにじり続ける真羅さん(まあ、彼の研究が大いに人々に貢献している面もあるのですが)とでは、
学園都市の明暗をくっきり現していて興味深いカップルだと個人的には思います。
多分そういう自分を相容れない所をよくよく了解した上で相手を愛している朝陽さんは
本当にすごい人だなあと思います。

408:2011/07/04(月) 23:45:51 ID:YYBj8Fp.
しかし裏設置にもあったように
井ノ原家の一家団欒が夫の収入によって成り立っているというところに
この学園都市の「本質」があったりするんじゃないかなあと思っています。
あの「家訓」って多分本来真羅さんのものなんだよな……

409ψ:2011/07/05(火) 00:03:14 ID:Gv.sNDss
☆さん。
すみません。さすがに言い過ぎました。
別に☆さんを批判している訳でなく、ただ外伝のオリキャラを余り出してほしくないのです。
なのでリレーに参加してくれるのは嬉しい事なのでこれからも書いてくれると嬉しいです♪

410:2011/07/05(火) 00:04:04 ID:cvcj2CMI
ありがとう

411:2011/07/05(火) 00:10:49 ID:cvcj2CMI
こうしてみると皆さんに受け入れてもらえるような小説を作るのって
やっぱり難しいなと痛感。

412■■■■:2011/07/05(火) 00:53:30 ID:KvMDTvLY
ぶっちゃけオリキャラが飽和状態なんだよ
基本原作に出てくるキャラで話を展開して
どうしても必要な時に追加すればいいと思う
それと☆さん、デルタフォース以外ではコテハン外せよ
かなり前に一度言ったと思うが

413■■■■:2011/07/05(火) 16:08:14 ID:P4/xklkA
オリキャラが増えすぎて見にくくなっているのは事実
あと、元々デルタフォースの日常を書くスレだったのに、
青ピ・土御門・上条さんがほとんど出ていなくて残念

414:2011/07/05(火) 16:37:20 ID:obLFRE/g
必要最小限での登場となれば
セレナか新坂道男くらいでしょうか?
とくに新坂さんは、例えばバレンタインの
2つのイベントの両方(月夜の測定、フィアンマ×一方×上条)に
首突っ込みそうです。

>元々デルタフォースの日常を書くスレだったのに
まあ、真夜のキャラが出来すぎていることと、初春がある意味超人っぽくなってきいているせいで
主役を食いかねないでしょうからね。(特に初春はもう原作とは完全に別人になっちゃっている)
あと、青髪ピアスがどうにも活躍させにくいのも理由のひとつでしょう。

あと東原はデート尾行に参加しないのかな?
情報屋と仲いい感じがしたんだけど。

415:2011/07/05(火) 16:44:08 ID:obLFRE/g
ついでに言いますとオリキャラじゃないんですけど
垣根に関しては本編で初春と絡めたいなとも考えていましたが
一方通行×打ち止めの焼き直しみたいになって面白くなさそうだという考えから
打ち止めときちんと向き合った一方通行とは対照的に、
彼女から逃げ続けるキャラとなってしまいました。

416:2011/07/05(火) 16:48:29 ID:obLFRE/g
まあですが本当にWikiのオリキャラだけでいいとなったら
以後それでいきます。

417ψ:2011/07/05(火) 18:05:01 ID:K.M4RPGQ
そもそもオリキャラの事ですが、考えてみれば合宿の前からだと白雪(もう一人言うなら情報屋)しかオリキャラを使っていなかったのですよね。 他はリレースレが出来た時にみんながオリキャラをどんどん付け足していたが余り使われていなかったし。
それから何故か余り使われていなかった赤音や井ノ原姉弟がカップルになったりとなってある意味ここから始まったとも言えるのかもしれませんね。
まぁ、彼らはメインというより補足している部分を彼らで補っているような感じだったので必要といえば必要なんですけどねww それ以外は自然と必要になっただけのオリキャラなのでやはりこの球技大会からなんですかね?
野原や東原は球技大会だったから必要になっただけであるけど、この二人はもう余り出す必要も無いと思われますね。
なので最低限オリキャラを使うとするならば、白雪、赤音、井ノ原姉弟、情報屋、翔太だけで良いんじゃないかと思います。
まぁ、打ち止めのクラスのシーンはこの先もあると思われますので、その時に朝陽、赤見、黒井を使えば良いかと思います。
これでも多いと思うのなら赤音、井ノ原姉弟の出場回数を減らせば良いんじゃないかと。
これが俺が思う最低限度だと思います。
実際に球技大会まで文句が言われる事は無かったので俺はこれだけで良いと思います。

それにカップルの数も増えてきたので、後必要になると思うのは五和ぐらいじゃないかと。
初春はまぁ、あの位置で良いんじゃない? あれを変えるのはどうかと思うし。
☆さんが言った初春と垣根の絡み合いですが、個人的に言うとどっちでも良い。
けど今の初春の位置を変えなければの話です。
ってか初春と垣根の絡み合いって多分やれないような気がしますよ。次の章は初春が出るとしてもキャーリサとヴィリアンのくだりだけじゃないかと思うし。どうなるかは知らないですけど。
後、もう一つ言うならば外伝と本編に入れて欲しくないので、そうなるとやはりないかと思います。

まぁ、俺が一番思っているのは球技大会より前みたいな感じでいきましょうということです。
ってか球技大会の章が長すぎたかと思います。前スレの>>528から球技大会が始まっていますからね。大体650レスぐらいを球技大会で使っているんじゃないかと思いますし。
とまぁ、さっさと球技大会を終わらせて次の章に入りましょ。ってかいつでも入れるような気がしますが。

それと☆さん、もう一つ言いたかったのですが、訂正するのは良いのですけど、連レスを余りして欲しくないかなと。
纏めて書き込んでくれると無駄にレスを消費しなくて済みますのでそこだけ言っておきます。

後、俺も雑談をしているので余りいえないのですが、雑談をそろそろ終わらせません?

418:2011/07/05(火) 19:07:49 ID:jMqGhz3U
すみません。
投稿してから後にどんどん間違い違いが見つかってしまって
自分の表現力のまずさに頭を痛めています。

どうも皆さんスポーツものはかなり苦戦したようです。
私も観客席ばっかり書いていましたからね。

最後に確認しますが、
垣根帝督は以後(「次」以後)もここに出る予定はないとみていいでしょうか?

419ψ:2011/07/05(火) 19:26:49 ID:K.M4RPGQ
☆さん
まぁ、それは分かりませんよ。この先がどんな事になるのか分からないのですから。
登場するかもしれないし、しないかもしれませんからね。


とりあえz、雑談をやめましょうか。

420:2011/07/05(火) 19:36:48 ID:jMqGhz3U
エツァリの告白を受けたショチトルは、彼の耳元に唇を寄せてそっと呟いた。

「遅すぎだ。どれだけ……その言葉を待っていたと思っている。
 勝手に学園都市に行くやら、そこで変にいついちゃうやら…。」
「………申し訳………ありません。」
「全く…」

 情報屋のデート尾行の打ち合わせに一人混じらなかったある男に、井ノ原真昼は問いかけた。

「東原、どうしたんだお前?お前確か情報屋とは仲が良かったと思ったんだが。」
「……ん?ああ…俺は、行かない。」

 教師の目が届かないことをいいことについだ酒を、離れたソファーでチビチビと呑みながら彼はポツリと返答した。

「えー、なんでだよ?」
「井ノ原。俺の情報屋への感情、どうなっている?」
「友情だな。」
「よかった。皆が花を持たせて応援したとはいえ……」
「あ。でも嫉妬も若干混じってるぞ。やっぱ自分を差し置いて彼女出来たことが
羨ましいんだろ。」

 否定できずにいた東原は、続いて真夜への感情を読み取らせる。

「嫉妬と羨望だな。確か合宿の時にもお前、情報屋と組んで俺達を裏切ろうと……」
「スッストップストップ!今は別に……」
「そうか?ならいいんだが…でもよお、なんでわざわざそんなことを俺に聞いたんだ?」
「…………」

(言えないよな…正直あいつをかなりかっこよく感じたから、俺も木山先生の特訓受けようなんて)

 女運を掴んだかどうかは分からないが、彼は彼なりにちゃんと成長を遂げていたようだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ёさん、浮気フラグ折ってくれてありがとうございました。
 正直朝陽さんと真羅さんが本当に愛し合っているのか私自身にも自信なかったので
その確認の為に敢えて浮気フラグを立ててみましたが、
これで彼等の関係が掴めました。

421:2011/07/05(火) 19:37:58 ID:jMqGhz3U
どうでしょこんな感じで?

422ё:2011/07/05(火) 21:10:10 ID:J5we0oQc
 いいと思います、まあ私が言うことじゃない気はしますけど。

――――――――――

「おめでとさんだにゃーエツァリ&ショチトル♪ オレ達の前でのキスからの告白、ホントにいいモン見せてくれたぜよ」

 すっかり幸せムードに浸っていたエツァリとショチトルを現実に引き戻したのは土御門からのからかい混じりの祝福の言葉。
 そこでエツァリはようやく思い出す、ここで上条のクラス主催の球技大会優勝記念パーティーが開かれている事を。

「あーーーーーーーーっ!! こんな大勢を前にしてあのような行動……自分としたことが迂闊過ぎました。おまけに知り合いだらけという最悪のロケーションで……」
「私は気付いていたぞ。あそこまで盛大な告白をしてくれたのなら浮気もそう簡単には出来ないだろう」
「ショ、ショチトル! 貴女、自分のことを信用してくれないんですか?」
「海原の姿でも今の姿でもお前は女に愛想を振り撒き過ぎるんだよ、エツァリ。お前と初めて出逢った時から一途な私と違ってな」

 かつて美琴に惚れて【翼ある者の帰還】を抜けたエツァリにショチトルへの反論など出来るはずもなかった。
 そこへエツァリをよく知る人間が集まり、彼を徹底的に冷やかしにかかる。

「よかったなエツァリ。公衆の面前での告白なんて上条さんにだって出来なかったことをやってのけるとは!」
「変装したり暗部に入ったり好きな子をストーキングする変態なエツァリがまっとうな愛に目覚めてオレとしても嬉しいことですたい♪」
「やったなロリコンストーカーァ! テメェの横にいるその女、死ンでも離ごふっ! み、御坂テメェ……」
「当麻をロリコンみたいな風に言うな! えっと海原……エツァリさん。色々あったけどショチトルさんを幸せにしてあげてね♪」

 上条、土御門、一方通行の冷やかしは無視して美琴の言葉に感動を覚えたエツァリ。
 しかしここで同じ【グループ】の結標が何も言ってこないことを不思議に思ったエツァリは土御門の彼女の所在を尋ねると、

「あいつなら心理掌握にかけられていた友情優先を解除された反動で翔太を連れてどっかに消えたぜよ、文字通り」
「消えたって……いいんですか?」
「いいも悪いも無いだろ。あの2人は立派な高校生なんだ、それなりに弁えてるはずぜよ」

 最悪ともいえる返答が返ってきたことに不安を覚えるエツァリだが土御門はそれほど気にした様子は見せなかった。
 結標のことを考えるのを止めたエツァリは本気で今後の身の振り方を考え始める。

「しかしこれからどうしましょうかねぇ? 今の【グループ】に自分を引き止めるほどの強制力はありませんし、かと言って【翼ある者の帰還】に戻るのも無意味ですし」
「だったらイギリス清教に入ったらいいんじゃないか? なぁ、土御門」
「カミやん随分と言うようになったな……。けどま、それも悪くないかもしれんにゃー。原典所持者が居るなら最大主教も文句は言わんだろうし。後でこっちから掛け合ってやるぜい」

 上条の言葉に土御門は思う、初春ちゃんが言いそうなことを言ったと。
 土御門はエツァリとショチトルのイギリス清教入りのことはGWが終わってから考えることにすると白雪の所へと戻るのだった。

――――――――――

 その頃、エツァリ&ショチトルカップル誕生を心底羨ましそうにしている五和の姿があった。
 いつもなら美琴からの雷撃覚悟で上条にご奉仕アタックを敢行するのだがパーティーを台無しにしたくは無かったのでレタス炒飯を食べて大人しくしていた。

423:2011/07/05(火) 21:16:48 ID:gGCuiXjg
でも新キャラが出ないとなると
戦争はどうするの?
確か対抗戦にするって案があったけど。(早速新坂道男が出しゃばりそうな「面白そうな」イベントです!)

私が考える限りでは
「各々の個人的理由や、そもそもトップの『ブレイン』の独断でやる気がなかったため
7人中1人しか参加表明しなかった」といったところでしょうか。

424■■■■:2011/07/05(火) 21:26:57 ID:3Vqk.8VM
めんどくせぇ奴だなお前

425ё:2011/07/05(火) 21:33:14 ID:J5we0oQc
「珍しいですね五和。あなたが上条当麻を前にして行動を起こさないとは。自重をすることを覚えたとは成長しましたね」
「……女教皇様、一体私をどんな非常識人間だと思ってるんですか。私だってTPOは弁えますよ」
「とか言って厨房に入ろうとして土御門の妹に追い出された挙句、パーティーでは静かにしろって叱られただけなのよな」
「たっ、建宮さん見てたんですか! ……くっ、パーティーで料理を当麻さんに振舞って惚れさせるいいチャンスだったのに」

 見直して損した、神裂はそう思いながらさっきのちょっとした感動を返せとか意外と真剣に考えていた。
 五和は五和で会場入りした時に見かけたシェリーが居ないことに気付いた。

「そういえばシェリーさんは?」
「シェリーなら疲れたと言って帰りました。オルソラとアンジェレネが到着してるどうかの確認も兼ねてですが」
「あの2人が初春さんと入れ替えで来ると聞いた時には驚きましたよ。私としては初春さんが居ない方が色々とあだだだっ!」
「飾利が居ない方がいいなどと間違いでも口にすることは許しません。まったくあなたはいつになったら飾利の可愛さに気付いてく」
「女教皇様、五和もう聞いてねぇのよ。アイアンクローで気絶しちまってるのよな。それより俺も戻るのよね。あの2人が着いてるか心配ですし」

 初春のイギリス留学を喜んでる節のある五和をアイアンクローで黙らせた神裂、建宮と共に教会へと戻ることにした。
 正直な話、アンジェレネはまだしもあのオルソラが一緒ならタクシーを使っても教会に辿り着けずに迷子になれそうな気がしたのだ。
 気絶した五和を抱えた神裂と建宮が食堂を去ったすぐ後に、真夜のリクエストパフェ10人分と舞夏特製のマンゴーシャーベット19個を賭けたジャンケンが始まるのだった。

――――――――――

「オルソラさん、ここに本当に私達がお世話になる教会ってあるんですか?」
「おかしいですわね〜、留学生が沢山いるので間違い無いと思うのですが。タクシーさんにも正しく伝えたはずなのでございます」

 空港に到着したオルソラは確かにタクシーの運転手に言った、教会がある学区まで行って欲しいと。
 ただしそこに『沢山』というフレーズを付け加えた結果、タクシーは第一二学区へとオルソラとアンジェレネを運んだのだ。
 そんなわけで迷子になっていることに気付いていないオルソラはマイペースに、アンジェレネは空腹に目を回しながらありもしないイギリス清教学園都市支部の教会を探し続けるのだった。

――――――――――

 時間は過ぎ、球技大会優勝記念パーティーがお開きになり上琴は自分達の家へ帰る途中だった。

「いやー、今日は珍しくラッキーだったなー♪ まさか俺が舞夏のマンゴーシャーベットを食えたなんてな。しかもすっげー美味かったし」
「私は真夜さんのリクエストパフェ食べたけど凄かったわ……まさかゲコ太パフェを作ってくれるなんてね。ゲコ太を忠実に再現するなんて素晴らしい腕の持ち主ね」
「あいつの場合は日頃から料理作ってるし当然といえば当然だろ。けど上条さんは驚きましたよ。まさか美琴がゲコ太の形をしたパフェを食べるとは」
「食べるのが勿体無い位の出来だったから躊躇ったけどあのパフェが言うのよ、私に食べて食べてって。そう言われたら断れなくて。味が抹茶風味でちょっとビックリしたけど本当に美味しかったわ♪」

 パーティーの話に華を咲かせながら歩いていたせいなのか、いつのまにか上琴ハウスが見えていた。
 早く帰って明日の吹寄と情報屋のデートに備えたかった上条だが玄関から声がしたので警戒を強めて足を止める。

「ど、どうしたの当麻?」
「しっ、誰か居る。もしかしたら俺達を襲うために来たのかもしれない。少し様子を見よう」

 上条の真剣な表情を美琴はカッコいいと思いながらも、玄関から聞こえてくる声に耳を傾けた。
 そして聞こえてきた声と会話内容に上琴は揃ってまだ襲撃者の方がマシだったと本気で思うはめに。

426ψ:2011/07/05(火) 21:37:39 ID:K.M4RPGQ
さっき読み直した。

そういえばそんな事ありましたねww(←素で忘れてたww
まぁ、それは仕方ない事ですので、登場させるしかないですね。
……で、かなり先のようなことですけど、こういう事でフラグを折る事はしたくないので多分それは続くでしょうね。
ってか部下が捕まっているのに『ブレイン』が動かないと言うのもおかしいので。


後、どうでも良いけど、元ローマ正教の人間なのに『ブレイン』という英語の名前というのはなんだろうと超今さらながら思ったりww

427ё:2011/07/05(火) 21:45:51 ID:J5we0oQc
「あーあ、ミサカ1度でいいから第三学区の高級サロンに泊まりたかったなー。お母さんが沢山お金持たせてくれたってのに、レッサーのどケチ」
「どケチじゃないですよ美雷さん。キャーリサ様が持たせてくれたお金には私達の帰りの飛行機代が含まれてるんです。高級サロンで2週間泊まったら帰れなくなりますよ」
「それでタダで泊まれそうなお姉様(オリジナル)とその旦那の家に泊めてもらうってのはいいけど本人達いつ帰ってくるのよ? ミサカそろそろ飽きてきたー」
「我慢して下さい。上条さん達との交渉が済んだらアクセラさんを性的に襲いに行っても構いませんから。ちなみに私は上条さん篭絡の準備は済ませてます、ほら♪」
「ぎゃっはっはっはっ! レッサーあんたそんなエロい下着着けてヤル気満々じゃん!」
「でも美雷さんは天然でせくしぃで羨ましいですよ。私達と同じ制服着ててベイロープを凌ぐせくしぃさってどんだけですか……。スカートは短すぎるかもですけど」

 上琴ハウスの玄関の前に居たのは上琴を待っているレッサーと番外個体こと美雷だった。
 これならまだ自分達の命を狙う襲撃者の方がいくらかマシだったと思った上琴(特に美琴)。
 これ以上こんな会話をされた自分達のご近所の評判が悪くなると思った美琴は美雷には悪いと思いながら2人目掛けて雷撃を見舞った。

428:2011/07/05(火) 22:49:42 ID:gGCuiXjg
これまでの議論をよく踏まえて、最後の大博打を打ちます。
ついさっき外伝スレに投稿してしまった2スレ分の展開。もし、これまでの
雑談(議論)が無かったら、私は迷うことなくここに投下してしまったでしょう。
この展開をここで採用しないのなら、以後セレナはこのスレに出さないことを誓い、
彼女の秘密(及び真羅の専門分野)については外伝(パラレルストーリー)のみで
明かすことにします。

如何ですか?

429■■■■:2011/07/05(火) 22:59:53 ID:3Vqk.8VM
いらんです

430:2011/07/05(火) 23:01:28 ID:gGCuiXjg
わかりました。

431:2011/07/05(火) 23:37:42 ID:6k6M8DxY
>>426
「脳」はイタリア語では
チェルベッロっていうらしいんですが…まだ『ブレイン』が
イタリア人と決まったわけではないですし。

432■■■■:2011/07/12(火) 03:26:09 ID:UmyhR5I6
まじカオス

433:2011/07/16(土) 21:56:17 ID:dBKsq3Kg
雑談時の活発さに比べて
ストーリー投下が停滞状態になっているという矛盾。

434:2011/07/17(日) 00:04:25 ID:DqeivDoo
一つ確認したいんですが、
「戦争」にも、青髪ピアスを何らかの形で関わらせなければなりませんか?

435■■■■:2011/07/17(日) 11:40:47 ID:gSTQ2zLc
出したく無いならば、☆さんが書く時は出さなくてもよろしいかと
出したい人はどう出せばいいか考えているでしょうし

436ψ:2011/07/17(日) 22:22:09 ID:emUtyTcc
☆さん
>>435に同感。
それは書いている人の自由ですから出したいなら入れればどうかと思います。
俺もここで書いているときはいろいろとやりましたからねww
例えばあの新居パート2だって元々は俺が考えた事だしww
まぁ、☆さんがやりたいようにやれば良いのですよ。オリキャラや外伝のキャラをこれ以上増やすだけはやめて欲しいけどww

437:2011/07/17(日) 22:51:17 ID:SBdRh4Ck
いや、このスレのタイトルや性質上、どの章においても(あくまで私自身が書くかどうかはさておいて)
上条、土御門、青髪を関わらせるのかなと。つまり、関わらせる必要がないとなれば
出さずにいるということもできるのかなと。

あと、ψさんとёさんも、>>428には不賛成ということでいいですか?
現在実質作者になっているのは私とёさんだけといっていいせいか更新が
極端に遅い……

438■■■■:2011/07/17(日) 23:00:21 ID:DHwV07TU
あんまり意見おしつけんなよ

439:2011/07/17(日) 23:00:27 ID:SBdRh4Ck
「ブレイン」幹部で考えている案(オリキャラ)

・その体質を利用して多くの吸血鬼達を従えて「吸血鬼の女王」として君臨する「吸血殺し」

………ダメ、かな?

440±:2011/07/18(月) 06:21:56 ID:qGku69JA
皆さん、お久しぶりです。
二週間ぐらい来れなかったら、☆さんに忘れられていてちょっと寂しい±です。
別に泣いてませんよ。

久しぶりに投稿、の前に一言。
幹部の事はまた近くなってから決めればいいのでは?

――――――――――

「あっ、カミジョウにミコ――――ギャアァアーーーーッ!!!」
「うっわ、相変わらず容赦ないねー、お姉様」

 美琴の放った雷撃の槍をくらい気絶するレッサーと華麗にかわしてみせる美雷。
 上条はその場で倒れられていると近所付き合いがかなり最悪になるのでとりあえずレッサーを中に運び、美雷を中に招き入れた。

「どうして美雷とレッサーがコッチに?」
「うーん、お母様にお小遣いを貰ったから久しぶりに里帰りしよう、としたらレッサーがついてきた感じかな?」
「とりあえずレッサーは縛り上げておきますか。前に当麻を襲おうとした前例があるわけだし」

 そうぶつくさいいながら、どこからともなく縄を取り出す美琴。
 そして3人でレッサーを簀巻きにしてその辺りに転がして、上琴は就寝、美雷は空き部屋に止めてもらう事にした。

――――――――――

 そして翌日、友愛高校の前。
 そこにいたのは1組の男女――情報屋と吹寄だった。

「課題は………まあまああるわね」
「いや、多いぞ!この量は!見た感じ難しそうだし」
「………一度自分の力で解いて、それでも分からない所があるなら教えてやる」

 そっぽを向きながらそんな事を言う吹寄。
 端から見れば両思いなのは一目瞭然なのだが、当の本人達は気付いてないようだ。
 そして彼らが気づいてない事はもう一つ。

「こちら真昼。ターゲットらは甘い雰囲気を周りに出しまくってるぞ!ベクトルの色も凄まじい事に!どうぞ」
「同じく、こちら赤音ー。会話の節々から甘い雰囲気が伝わってます!どうぞー」

 そう、物陰からトランシーバーで連絡を取り合っている『吹寄と情報屋の恋を応援し隊』の面々がいることだった。

441:2011/07/18(月) 06:34:24 ID:tEisPSRo
「こちら野原、現在の吹寄の乳の揺れ具合は……」
「野原君、いい加減にしないと……」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

±さん、忘れて申し訳ありません!!ようやく投稿再開されましたか!
20日まで無かったらここに来るのやめようかなと本気で思っていた所でした!

それで苦言を呈するのは辛いんですけど、いきなり時間が飛び過ぎてまいっています。
「あれ」の確認の為に、せめて迷子のシスター2人がどうなったのかくらいは書いてほしかったです。

442ё:2011/07/18(月) 07:50:29 ID:wpXxLQEU
☆さんのオルソラとアンジェレネの外伝の展開ですけどちょっと無理があるんじゃないかと。
第一二学区は神学系の学校が集まり各種宗教施設が多く並ぶ多国籍な町並みの雰囲気がある所。
セレナを出すとしたらの場合、留学生が多く集う第一四学区の方でしょう。
……というよりもいくらオルソラとアンジェレネでも初春の名前を出したとはいえ初対面の少女に自分達の内情をべらべら喋るとは思えませんし。

ここから本編投下ですけど、ちょっと人数減らそうかと思いますのでご容赦を。

――――――――――

 白雪はナチュラルに混ざっていた野原の実況に苛立ちを覚え、野原本人を氷付けにした。
 とはいえ命に別状が無いように数時間後に自動解凍されるように設定はしてある(今の白雪はこれ位は可能)。

「元春ー、トランシーバーでの連絡は色々とまずいと思うから他の手段を求めるよどうぞー」
『了解だぜい。つーか最初から手はすでに考えてるから月夜、それに井ノ原姉と茜川は一度教室に戻ってきてくれ』

 通信を切られた白雪は土御門の策が何なのか不思議に思いながらも真昼と茜川に連絡、野原は放置して2人と合流して教室へと戻る途中で、

「あれ? 吹寄さんと紫木くんの所に居るのって井ノ原くんじゃない?」
「ホントだ。あんな所で何やってんだ? あいつ。あっ、ちょっと話してすぐに離れた」
「何だったんだろうねー。真夜君のことだから2人の雰囲気を壊すようなことはしないって……メールだ。ふむふむ、へぇ〜♪」

 真夜が吹寄と情報屋に接触しているのを発見、何をしているのか不思議に思っていたが茜川に送られたメールで疑問は解決した。
 茜川へのメールによると真夜は土御門に頼まれて超小型で高性能、しかも自動変色機能付きというばれにくい盗聴器を情報屋の制服に取り付けたのだ。
 3人はこれならばれる心配をそれほどすることなく2人を追えると安心して教室へと入った(真夜は皆の昼食作りで家に直帰)。

「さっすが元春、やることがえげつないよ。……あれ? 気のせいか人数が」
「気のせいじゃなく減ってるんだぜい。アクセラは打ち止めちゃんが学校サボらないように、半蔵と郭ちゃんは半蔵の実家から同棲の件で呼び出されて学園都市の外だ」
「浜面はどうしたんだよ? 滝壺が居るってのにあいつが居ないのって変じゃねーか」
「はまづらはきぬはた、私たちの後輩の中学通学祝いにむぎのに借り出された。私が残ってるのははまづらにここを託されたから」

 教室に居たのは上条、土御門、青ピのデルタフォースに滝壺と意外なほどに少なかった。
 ここに居ないメンバーの内、一方通行は本当は参加するつもりだったが番外個体こと美雷が学園都市に居ることを知らされて慌てて回収に向かったのが本当の理由。

「後で美琴ちゃんと黒子ちゃんが合流するにしても随分と少なくなっちまったがこれはこれで好都合だ。小回りが利くからにゃー♪」
「……つっちー、黒子はんも来られへん。風紀委員の仕事サボろうとしたら寮監補佐の浦上はんに捕まってもうたってメールが来た」
「黒子ちゃん、風紀委員の仕事あるのにサボろうとしてたのか……。それならしゃーないにゃー。カミやん、美琴ちゃんの方は大丈夫か?」
「美琴なら問題無い、ちゃんと来る。ただな土御門、もしかしたら余計なのまで付いてくるかもしれんから覚悟してくれよ」

 上条の言葉に嫌な予感を感じながらも土御門は教室に居るメンバーを引き連れて美琴が待っている友愛高校の近くの公園へと向かった。

443ё:2011/07/18(月) 07:58:35 ID:wpXxLQEU
「おーい当麻ー♪」
「みんな遅い。私なんて巫女服に。着替えるくらいの。余裕があったのに」
「あっ上条さーん♪ おや土御門さんに滝壺さんまでご一緒でしたか。お久しぶりですー。……御坂さん、そろそろロープ解いてくれませんか?」
「ダメに決まってるじゃない。あんたを自由にしたら当麻に色目使いまくるもの。ま、当麻なら誘惑されるなんて絶対に無いけどね。私のこと愛してるもの!」

 公園に居たのは美琴だけでなく制服から巫女服へと着替えた姫神、そしてロープで縛られて地面に転がっているレッサーだった。
 姫神のことはいいと踏んだ土御門だがレッサーがここ(学園都市)に居ることに驚き、小声で上条に説明を求めた。

――――――――――

オルソラとアンジェレネの方は私の方で考えてさせてもらっています、次の投下の時に書こうかと。

444:2011/07/18(月) 09:56:17 ID:tEisPSRo
個人的には多国籍的町並みなもんだから、
ローマ正教徒であるセレナのことを考えたらむしろ14学区に次いで彼女がよく行く所だと……

柵川中学ではなく、12学区の神学校の寄宿制という設定にした方が
自然だったかもしれませんが……

445:2011/07/18(月) 10:06:52 ID:tEisPSRo
あと、前々から言っていたようにセレナは「誰が」「今」「どこに(学園都市内限定)」いるのかが
分かる力があるので
むしろ初春と入れ替わりにやってきた2人の人物にあらかじめ「当たり」をつけたといったほうが
いいかもしれません。

446:2011/07/18(月) 18:52:27 ID:6nzCmz2s
次の投下は一週間は先かな…?

447■■■■:2011/07/20(水) 15:28:23 ID:iQ/RsSEY
「ええっと……そういえばレッサー、お前、何でここに?」
「大方、当麻をまた陥れようとしたんでしょこの泥棒猫が。」
「いっいえいえ、そりゃまあ、ついでにそんな感じのことも……」
「ほらみなさい。」
「でっでも!ちゃんと仕事もあるんですよホント!」
「「「は?」」」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ある小学校近くでは、そこにいた2人の人物の招待を知っているものからすれば
とても驚嘆すべきであろう光景が繰り広げられていた。

「離せ!離せッつぅんだヨ!
 あそこで打ち止めがいじめられてンの見て指くわえて見ていられるか!」
「一方通行様!子供同士のスキンシップを邪魔するものではありませんわ!
 ここで乗り込んだらあなた、完全に不審者ですの!」
「それがどォしたッてんだァ!あいつを守る為だったらどんな汚名でも……。」
「変なことを言わないでください、一歩間違ってしまえば単なる変質者の発言ですわよ!」
「ンだとォ!」

 単体で軍隊並みか、いや、一方に関してはそれ以上の戦力を持つ
学園都市最高峰の存在が2人。
 悪戦苦闘しているとはいえ一方通行の激情や攻撃性を必死に調整して、
本来なら赤子の手をひねるように自分をけちらしていたであろう相手を押さえつけて続けている辺り、心理掌握はさすが
精神系能力者の頂点に君臨する存在といえよう。
 そしてそういった「操作」と同時に一方通行がかき集めた「音」と、彼が双眼鏡で見ている映像を読み取った心理掌握は、必死に彼を説得していた。

「あれはどう見ても打ち止めさんを『助ける』場面ではないでしょう!むしろ……」

448:2011/07/20(水) 15:29:02 ID:iQ/RsSEY
「ムー!勉強ぐらい教えてあげるってミサカやミサカは……」
「いいよお前になんて!誰が習うか!」
「ま!お姉さまからのご指導をこうもきっぱりお断りするなんて、
なんと無礼で贅沢な!」
「ほんまや。芳川ちゃん勉強スッゴクできるってのに……」
「喜んで受けるのはおめーらぐらいだよあんな指導!」

 ウン、ウン(他の男子)

「ム!ミサカの教え方そんなに悪いっていうのかってミサカはミサカはプライドを傷つけられてプリプリしてみる!」
「まことにその通りですわ!お姉さまの
『間違ったらスタンガン!ハラハラビリビリ特別講義』を思い出しただけで、白子はもう、
シビレが…ハア…ハア…」
「お前、もしかして時々わざと間違ってねえか?」
「うふふふふ………さあ、どうでしょう………ゲヘへへヘ………」
「キモ!いいよもう、こんなヘンなしゃべりのアホ毛に教わらなくたって……」
「キー!ミサカのコンプレックスをよくもよくも!くらえ!ミサカキーックって
ミサカはミサカは生意気な貴方に正義の鉄槌を食らわす!」
「グエ!アベ!ギャ!」
「お、お姉さま!そのようなクソザルにそんなことを…」
「いいの!こいつ一度しっかり懲らしめないとってミサカはミサカは…」
「だからって……

 なぜそのようなクソザルにそんなサービスショットを!パンチラキックに、7
私ですら見ることのない、お姉さまの絶対領域まで!!!」

 そこでようやく打ち止めは冷静になった。
 怒りに身を任せて彼を蹴り上げた際、思いっきり足を高く上げてしまったこと。
 そして今、あの少年は自分が踏みつけて仰向けにされていて、しかも頭が彼女の増したにあるわけで必然的に……

「ギャー!エッチヘンターイ!!って、
ミサカは、ミサカは、ウ…ウエーン!」

ビリビリビリビリー

「ギャー!」

ーーーーーーーーーー

「あ、あのクソガキガァァァァァ!
 殺す!ぜェッテェに殺してやるーーーーーー!」
「だぁぁから落ち着きなさいって!過保護が過ぎますわよ!」
「テメェが口出しすんじゃねェババア!
 俺の打ち止めがあんな奴に汚されやがって!」
「ここでぶちのめしてしまったら打ち止めさんに友達できませんことよ!」

 そこで一方通行はようやく動きを一旦止めて心理掌握の方を向いた。

「ンだそりゃ、どォいうことだ?」
「あの2人の関係、どことなくですけれど、イチャイチャする前の美琴さんと
『幻想殺し』に似ていると思いません?」
「あァ?悪ィが俺ァその2人はよく知らねェンだが、あんなんだったってェのか?」
「とにかく、あれで出てきてしまっては、打ち止めさんにはまともに話し掛ける人すらいなくなりますわよ。
 あなたのことを恐れて渋々従うか、腫れ物のように避けるか。それでいいんですの?」

 そこで一方通行の動きがピタッととまった。
 そのときの彼の脳裏に浮かんだのは、他でもない、
特殊で巨大すぎる才能を持ったが故に普通の生活を送ることを許されなかった彼自身の生活だった。

「…ケッ。一昔前は『放置プレイマニア』なンぞと呼ばれていたが…ガキの扱いってのは
本当に難しいぜ。」
「『最強』のあなたや精神系のエキスパートの私にとっても。だからこそ、一生懸命になるのでしょう?」
「……フン。」

 傍目からその2人を見た通行人は思った。

 まるで、子育てをしている夫婦のようだと。





449:2011/07/20(水) 15:38:00 ID:iQ/RsSEY
(……ああ……私も、五和さんのことを笑えませんわね。)

 改めて打ち止めを静かに見守ることにした1組の男女。しかし、心理掌握の
内心を占めていたのは、胸を張り裂けんばかりの思いであった。
 彼を押さえつける為に覗いた際、後から後から溢れ出てきて精神系能力のエキスパートであるはずの彼女でも
御し切れなかった、打ち止めへの思い。不意に彼の脳裏に浮かんできた、
『最強』故の孤独。もし打ち止めと一方通行の関係が、『それ』に深く
関わっているとするならば……正直な話、心理掌握自身、
少なくとも『今』は……まだ、打ち止めと一方通行の関係に
自分のそれが遥かに及ばないことを認めざるを得なかった。

(あの子(クソガキ)…真昼さんがいないから、正確なところは分かりませんけれど多分……)

 心理掌握は、打ち止めが追い掛け回している、たいへん活発そうな印象を受ける少年に対して
テレパスなどを使わずそっと心の奥底だけで「伝えた」

(もし、打ち止めさんに対してその気があるのでしたら……苦労しますわよ。)

450:2011/07/20(水) 15:40:41 ID:iQ/RsSEY
オリキャラとして出す気はないんです。
ただ、打ち止めクラスの日常が、パクリの変態キャラによるものというのがどうかと思ったので
まっとうなクソガキに登場してもらいました(「となりのトトロ」のカンタ君をモデルにしています)

ですので名前や設定は考えていません。モブだと思ってください。

451■■■■:2011/07/21(木) 03:44:59 ID:20yq404M
☆さん、その「パクリの変態キャラ」という言い方はあの二人を登場させた他の執筆者の方に対して少し失礼ではないでしょうか。
言いたいことは何となく分からないでもないですが、もう少し言葉を選ぶべきかと。
単なる一読者がこんなことを言うのもおこがましいとは思うのですが、どうしても気になったのでこれだけ書き込ませていただきました。

452:2011/07/21(木) 06:22:29 ID:vvETtr0U
まことに仰るとおりです。
ёさん、申し訳ありませんでした。
もっと言葉をもっと慎重に選ぶよう努めます。

453■■■■:2011/07/21(木) 12:19:37 ID:.vBe.pmg
お前らには、速さがたりねぇ

454:2011/07/21(木) 14:22:17 ID:.D.OQepU
は?

455■■■■:2011/07/21(木) 14:33:37 ID:gm4JNBOk
複数の書き手が居るスレで>>450の書き込みは致命傷だろう…
一応謝罪しているが軽く感じるね、宣言をすぐ翻しているし他スレでテスト投下しているしね
個人の単独スレ建ててそっちで好きなように書いたらいい、他の書き手に気を遣う事もないだろうし

ぶっちゃけ本音を明かしたら?

456:2011/07/21(木) 15:25:51 ID:TKtQCJPo
……………………………………書き込み……………………………………やめる踏ん切りつきました。

457:2011/07/21(木) 15:55:51 ID:TKtQCJPo
本音を言うと……白子と赤見がちょっと……少なくとも私にとっては、その……
微妙でした。

458■■■■:2011/07/30(土) 00:27:06 ID:m2esVHCw
☆さんを責めるつもりではありませんが・・・
一読者としてあなたのオリキャラの登場や連スレの方が微妙でした。
でも☆さんが嫌いではありません。
まだまだ書き続けて欲しいです。
頑張って下さい。応援してます。
読者のくせに生意気言って申し訳ございませんでした。

459■■■■:2011/07/30(土) 00:40:29 ID:Ew0JYeQE
このスレは好きだが他の書き手に敬意を払えない奴は支援できない。
その内我慢できずにまた暴走するよ。

失われた信用を取り戻すのは難しい。

460■■■■:2011/07/30(土) 02:57:57 ID:/5mjyGaM
期待あげ

461:2011/07/30(土) 23:29:49 ID:ngbzhl0c
漫画は読んでいないんだけれど、
とうとう食蜂さんが出てきてここが少々苦しくなってきたかな?

462ё:2011/07/31(日) 15:22:18 ID:P03nbCgA
 正直、投下していいのかどうか悩みましたが雑談ばっかりというのも何ですので。

――――――――――

 そこへ番外個体こと美雷が現れ、一方通行へと挨拶をする。

「おーい第一位ーっ、あなたのミサカが来てやったぞー♪」
「ンげっ! 何でアイツが! チッ、考えてるヒマは無ェ!」
「アクさウッ! ど、どうし……」

 美雷の登場に焦った一方通行は心理掌握に思考を読まれる前に、そして有無を言わせずに当身で彼女を気絶させた。
 一方通行の唯一の幸運、それは心理掌握の後方から美雷が現れた、つまり心理掌握に顔を見られなかったことである。

「あーらら、第一位ったら一般人に攻撃するなんていっけないんだー。ミサカだってそんなことしないのに」
「誰のせいだと思ってンだコラァ!」
「さぁ? まさかミサカじゃないよね? だってミサカ、この女と会うの初めてだし」
「テメェがそのツラで堂々と歩いてっと色々と問題が出てくンだよォ! ちったァ御坂のクローンって自覚持ちやがれェ!」

 美雷は【妹達】とは産まれた経緯は違えども美琴のクローン、そんな美雷が堂々と顔を晒して歩くと色々と面倒なことになりかねない。
 一方通行の懸念などお構いなしな美雷は彼の右腕を掴んで自分の方へと引き寄せる。

「じゃあさじゃあさ、ミサカにサングラス買ってよ。それで問題解決でしょ?」
「ふざけンじゃねェ! 何で俺がテメェに奢ンなきゃいけねェンだァ! 大体俺は打ち止めを監視する役目が」
「それって過保護過ぎじゃない? 最終信号が大事なのは分かるけどあの子も周りももっと信用しなって。まっ、ミサカが言えた義理じゃないけど」

 美雷に言われた思う所があった一方通行は舌打ちしながら美雷を振りほどいて、小学校から離れようとした。
 すると打ち止めの教室から朝陽と目が合った一方通行は気絶している心理掌握のことを頼んだ、不器用なジェスチャーで。
 しかし不器用なジェスチャーでも伝わったのか、朝陽はOKサインを出して一方通行の視界から消えた。

「ンじゃ行くぞミサカワー……美雷。テメェの目立ったツラを隠す為のサングラス買いに行くぞ」
「え? 何? 第一位がミサカにプレゼントしてくれるってワケ? やっりー♪」

 自腹に決まってンだろボケ、一方通行は少女の淡い(?)希望をスパッと断って今度こそ小学校を後にした。

――――――――――

 その頃、ロープから解放されたレッサーはポケットから手紙を取り出した、イギリス王室の紋章が刻まれた封蝋付きの。
 その手紙を土御門に渡すと、

「はい、これで私のお仕事は終わりです♪」

 レッサーはあっけらかんとそう告げた。

463:2011/07/31(日) 15:36:06 ID:o3n1BuwU
>>460
書き手側から言うと投下や雑談以外では、無闇に上げない方がいいよ。ぬかよろこびだし、
1日でトップ10から、3〜7日でトップ30から外れちゃうの見ると
やりきれない。

464:2011/07/31(日) 15:44:33 ID:o3n1BuwU
物理系最強の一方通行と
精神系トップの心理掌握って
何気に最強カップルかもしれない。

465ё:2011/07/31(日) 16:17:36 ID:P03nbCgA
「ちょ、ちょっと待てレッサー! まさか土御門にラブレターを渡すのが仕事だったのか?」
「私としてはあんたが当麻を諦めてくれるのはすっごく嬉しいけど土御門さんはちょっとヤバくない? 月夜さんも居るのにさ」
「いやーモテる男はつらいぜい。けど悪いなレッサー、お前さんはオレのタイプじゃない。だから諦めてくれ。それにオレには月夜が居るしな♪」
「ち、違いますから! 私は上条さんラヴですからね! それにこの手紙は学園統括理事長宛てです!」

 上琴はアレイスター宛ての手紙を土御門が貰ったのかよく分かっていなかったが本人はすぐに理解した。

「要はオレにこの手紙を持ってアレイスターと交渉しろってことだろ? オレしか適任者が居ないっつっても面倒なことこの上ないにゃー」
「交渉じゃなくてただの配達人ですから。それにその封書の内容、詳しくは知りませんけど脅迫状らしいですよ」
「脅迫状ってまた物騒な……。いくら王室派の人間が常識から外れてるっつってもそこまでは」
「上条さんは知らないでしょうけど実はキャーリサ様、学園都市に戦争しかけるつもりだったんですよ。美雷さんから聞かされた【第三次製造計画(サードシーズン)】の件で」

 レッサー曰く、キャーリサが美雷から【第三次製造計画】の内容を聞かされ、その流れで【絶対能力進化計画】についても知ってしまったとのこと。
 その命を弄ぶ所業に怒り心頭なキャーリサが本気で第4次世界大戦を引き起こそうとしていたのだが、周囲と美雷本人、それに初春の説得もあって未遂に終わる。
 あのキャーリサが個人的感情で動いたことに驚く上琴と土御門だがレッサーに言わせれば本人のワガママと母親としての自覚があればこそらしい。

「というわけでその件に関しては目を瞑ってやるからその代わりに夏の戦争に一切の介入を許さない、決着はこちらで着けるという感じの内容です」
「ちなみにさレッサー、【絶対能力進化計画】と【第三次製造計画】について知ってるのって他に誰か居るの? それとさ、その、私のことは」
「エリザード様にヴィリアン様、あとは騎士団長と【新たなる光】のメンバーだけです、当然ながら堅く口止めされてますよ。それと御坂さんのことは特に何も。御坂さん本人は悪くありませんし」
「レッサー……ありがと」

 美琴に優しく頭を撫でられたことで一瞬、ほんの一瞬だが上条との仲を認めようとしたレッサーだったがすぐさま持ち直すが、美琴に対する警戒心はかなり弱まった。
 そこへ吹寄と情報屋の尾行を土御門から任されていた先行グループを代表して白雪から土御門に電話が掛かって来た。

『もしもし元春、そっちの話は終わった?』
「おお、今しがたな。そっちの方は何かあったのかにゃー」
『吹寄さんと紫木くんだけど映画館に入っちゃったよ。でも大丈夫、姫神さんが2人の後ろにピッタリ付いてどの映画を見るのかチェックしてるから』
「でかしたぜい! じゃあ今からカミやん達とそこへ向かうから独断行動なんてしないで待ってることですたい」

 その後、白雪から映画館の場所を聞いた土御門は彼女からの電話と切ると上条達に説明、走ってその映画館へと向かった。
 なおレッサーが付いてきたことに上琴も土御門も気づいていたが、ここに来てのけ者にするのは気が引けたので黙認することに。

――――――――――

 映画館に到着した上琴、土御門、レッサーは白雪が気を利かせて先に買ってくれていた映画のチケットを受け取っていた。
 しかし美琴とレッサーは青ざめてしまう、美琴は映画が怖いと大評判のホラー映画だったことに、レッサーはかつて襲われた挙句に服をひん剥かれた黒子の恋人の青ピを目にして。

466±:2011/07/31(日) 20:21:11 ID:1mhQlTgc
「ちょっ………この映画、凄い怖いって有名な奴…………と、当麻助けてーぇ!!」
「大丈夫だ、美琴!俺がっ!!俺がついてるからっ!!!」

 公衆の面々の前でいちゃつきだすバカップル。
 周りの面々はその2人を呆れたような目で見ていた。
 その一方でレッサーはと言えば………

「ななな………」
「ん?どうしたんや、お嬢ちゃん?ボクの顔になんかついとるん?」
「あ、あの悪魔の彼氏ぃーー!!なんでこんな所に!?」
「ちょっ、黒子はんを悪魔呼ばわり!?それは許さへんでー!」
「止めるんだにゃー、青ピ!お前じゃ勝てねえぜい!」

 レッサーの黒子に対する発言に珍しくキレかかる青ピ。
 しかし明らかに青ピが勝てないのがまるわかりなので、土御門はすぐさま青ピを押さえつけた。

「放してツッチー!男にはやらねばならない時があるんや!!」
「騒いだら中の2人に気付かれるでしょ!頭冷やしなさい!!」
「アダッ!!」

 騒ぎ出した青ピのせいで中にいる吹寄と情報屋に気付かれるといけないと思った白雪。
 青ピの頭を冷やす(物理的に)ため、ある程度の大きさの氷を青ピの頭上に作り出した。
 当然、効果は抜群。
 青ピは頭に氷をくらったことによって、小一時間気絶するはめになってしまった。

「さあ、みんな。追いかけるよ」

 白雪の号令によって全員が中に入っていった。

467:2011/07/31(日) 22:11:09 ID:o3n1BuwU
ёさん、アレイスターへの釘さしって、
作者的に一体どんな意図があるんですか?
もし……もしこれから先書くことがあったらですけど、
展開上の留意点として参考にしたいです。

468ё:2011/08/02(火) 19:54:16 ID:sSvPkcg2
……どんな意図があるって聞かれても正直困ります。
そこまで深く考えないといけないのかと思い悩みました。
考えた理由としてはシンプルで魔術師間での争いに科学側の大々的な介入で借りを作りたくない為。
キャーリサとしてはアレイスターに私闘で借りを作るなんてまっぴらゴメンというシリアスじゃない理由です。

――――――――――

「悪いけど先行っててくれ。俺、ポップコーンと飲み物買うからよ」
「じゃーオレも。ホットドッグ食いながら見たいしにゃー♪ あ、ポテトも買っとくぜい」

 映画館に入るや否や、土御門と真昼は食べ物と飲み物を買いに売店へと向かった。
 今回観る映画のポスターを見て飲み食いする気が湧いている2人を前に、

「……何であの2人、内臓とか筋繊維とか諸々が剥き出しのゾンビが出る映画で食べる気が湧くんだ?」
「ゾ、ゾンビだけじゃないわよ。ゆ、幽霊も出るしグロテスクな蟲のクリーチャーも出てるじゃない。しょ、正直、2人の神経を疑うわ……」
「普通に観る分には。問題無いけど。食べたり飲んだりしながらは。絶対無理」
「こ、これは数々の修羅場を潜り抜けた私でも見るのは遠慮したい気分です……。学園都市で生活してる男の人は恐ろしいですね」

 正気すら疑っているのは上琴、姫神、レッサーで全員が全員、レッサーの発言に大きな誤りがあることに気付かないほどに冷静では無くなっている。
 驚いてはいるものの、4人よりは冷静どころか土御門と真昼寄りなのは2人にそれぞれ近しい白雪と茜川だ。

「元春、あの映画は3時間の長丁場だからホットドックとポテトは2人前がいいと思うよ。あ、私にはオレンジジュースのL、お願いね」
「真昼ちゃん、ポップコーンのLを2つは欲張り過ぎ。私はジンジャーエールのLだけでいいから1つだけにするんだよ〜」

 上琴、姫神、レッサーのように何も飲み食いしないで観る客がこのホラー映画では常識で吹寄と情報屋もこちら側にあたる。
 ポスターを見ながら早速ポテトやらポップコーンを平然と食べてる土御門と真昼を白雪と茜川以外の入場していない客(上琴たち含む)は、かなり引いていた。

「んじゃさっさと入場しちまおうぜい。席は吹寄たちにばれないように月夜が買ってくれた席に座ってくれ」
「私は。吹寄さんと紫木くんの。真ん前だけど。ばれたりしない?」
「問題無いにゃー。あの2人は観察してた所、既に映画の方に気が行ってる。姫神ならばれる心配は無いってもんですたい」
「俺と赤音はあいつらのやや後ろか。ま、暗くても感情のベクトルは見えるし赤音も充分に声を拾える距離だな」
「姫神さんの方が会話拾いやすいかもだけど私も一応2人の会話、聞くようにするね〜」

 そして上琴と土白のカップルは吹寄と情報屋とは遠めの席でいちゃつく腹積もりだが、上琴はそれどころではないかもしれない。
 一番ごねたのは気絶中の青ピと隣の席に座らされるレッサーだが、上条の説得と美琴と白雪の軽めの脅しもあって渋々納得した。

469ё:2011/08/02(火) 20:01:50 ID:sSvPkcg2
「んじゃ早速入るとするか。その前にマナーとして携帯の電源をオフっと。……美琴、本当に大丈夫か?」
「だ、だだ大丈夫……。とっ、とととと当麻が居るから、うん」
「あ、映画始まる前に真夜君にメールしないと。それに合わせて昼食作ってくれるし♪」

 そして午前10時15分、映画が始まった。

――――――――――

「赤音さんからメールだ。ふむふむ……あのホラー映画を見てからの昼食となると軽めの方がいいかな」

 赤音からのメールを見た真夜、皆が観ている映画の評判を知っていたので肉を使った料理を取り止めることにした。
 ちなみに真夜、麦野と出会うまではホラーは少し苦手だったが麦野に出会って以来、ホラーに対する耐性が付いてしまい平気だったりする。

「真昼さんと赤音さんは大丈夫だろうけど他の皆も大丈夫って保障は無いし、サラダとかフルーツサンドとかヘルシーな弁当の方が無難か。よし、そうしよっと」

 気配りのレベルが一般の高校生を超えている真夜は鼻歌を歌いながら真昼と赤音、ならびに上条達の昼食作りに取り掛かった。

――――――――――

 午前11時、初春が居なくてテンションガタ落ちの神裂と建宮はというと、

「「はぁ…………」」

 必要悪の教会学園都市支部の教会でだらけきっていた。
 そこへ今日から個展を開くシェリーが出かける支度をして現れる。

「オイオイお前らなぁ……。飾利が居ないからってテンション落とし過ぎだろ」
「私には解せません。どうしてシェリー、貴女はそんなに平静を装っていられるのです? 飾利が可愛くないとでも言うつもり」
「ねぇよ。飾利が可愛い、そんなのは当たり前だろ。私はあの子が心配しないようにいつも通りに過ごすって決めてるのさ」

 大人なシェリーを前に神裂と建宮もさすがに反省したのか、いつも通りにしようとするもののそう簡単にはいかず動く気力までは湧かなかった。
 ダメダメな2人に呆れたシェリーは、

「ホントにしょうがねーな、てめぇらは。今、クレインが手の平サイズの飾利の粘土人形(クレイドール)作ってるからそれで元気出せよ」
「そ、それはホントですか! 私だけの飾利の粘土人形を作られているというのは!」
「プ、女教皇様だけではなく俺の分もあるんだろうな! もし無かったら暴動起こしてやるのよな!」
「叫ぶ気力は取り戻したか。じゃあ動く元気まで出たらオルソラとアンジェレネを探して来いよ。ステイル見送りに行ったインデックスと合流してな」

 はーい、神裂と建宮がそう返事したのを受けてシェリーは教会を後にし、個展会場へと向かうのだった。
 心の片隅で未だにこちらに顔を出さないオルソラとアンジェレネという迷子の2人を心配しながら。

――――――――――

 時間は過ぎて午後12時30分、映画館では色々と大変なことになっていた。
 青ピが意識を取り戻し、映画を見た途端に叫びそうになったのをレッサーが鋼の手袋レッサースペシャルカスタムで殴って気絶もさせた。
 姫神と茜川は映画を観ながらも吹寄と情報屋の会話に耳を傾けている中、土御門と真昼はホットドックとかを食べながら映画を楽しんでいたりする。
 そんな中、上条は困っていた、美琴が恐怖のあまり上条の膝の上に座ってぎゅっと抱きついているせいで。

470:2011/08/03(水) 01:38:34 ID:yq.cJSqk
……ほんと、なにやってるんだシスターさんたちは?

471■■■■:2011/08/03(水) 04:17:05 ID:RZtLfy3c
まだいたんだ☆……踏ん切りとか言ってたくせに……

472■■■■:2011/08/03(水) 17:29:49 ID:P5sOD5..
>>470
ここでは名無しに戻れば?

473ψ:2011/08/03(水) 22:52:11 ID:/5fG3eBY
久々に来てみたのは良いのですけど……

これはひょっとして俺も戻したほうが良い空気ですか?
書く暇がないと言えばないのですが、書こうという意欲はまだあるんだよな……
書ける時間があれば、書きたいのですけどね……

474±:2011/08/04(木) 13:15:41 ID:g4LlFIYk
ψさん
別にとる必要はないと思いますよ

最後に一つ
………新しい書き手さん、本当に来て下さい

――――――――――

(…………………これは………もう、何というか………………)
「とっ……当麻ぁ…………………」

 凄まじい怖さのあまり、思いっきり抱きついてきている美琴。
 自称、鉄壁の理性の持ち主である上条の理性にもひびが入りつつあった。

(待て待て待て!!今俺達は情報屋の恋を応援してるんだ!だから素数を数えて心を落ち着かせるんだ………1、2、3、5――――)
「ウゥ…………怖いよ〜〜当麻ぁ…………………」
(7、9、11、13、15………無理だぁーーー!!!)

 もはや心ここにあらず素数すら数えられなくなってしまった上条。
 またこの場でいちゃつきだそうとしたとき、背後から声が聞こえた。

「………上条くんー、さすがにここでいちゃつくのはどうかと思うよー」
「……………茜川、何時の間に?」
「私、耳良いからー」

 上条が行動を起こす前に釘をさしにいった茜川。
 茜川のおかげでなんとか本能を抑えつけた上条はなんとか映画の終了まで乗り切ったのだった。

――――――――――

「……………まさか吹寄、こんなのが好きだったとは流石に思わなかったぞ………」
「あたしも流石にこんなに怖いとは思わなかったわよ、バカ………」

 映画も終わり、ようやく映画館から出てきた2人。
 その一方、2人を尾行していた連中はと言えば………

「いやー、なかなかの迫力だったにゃー!」
「そうだね、元春!大切な人を守るために拳銃一本で化け物に立ち向かうシーンとか最高に盛り上がったね!」
「いや、むしろ俺は右肩からへんな赤い腕をはやした男を殴り飛ばすのが良かったぞ!!」
「うーん、私的には巨大な棒を持った大男が一振りで50体ぐらいのゾンビを吹き飛ばしたのが良かったかなー」

 映画の感想を言い合っていた。
 なお、話に参加していない連中はおおかたダウンしていた。

475:2011/08/04(木) 14:16:44 ID:b395q.tQ
>>471
以後は雑談や感想もやめます。

476■■■■:2011/08/04(木) 19:49:10 ID:8.Z7E0og
>>473
同じく戻す必要ないっす

477■■■■:2011/08/04(木) 23:16:05 ID:AWQ1KOwM
>>473
同じで必要ないんじゃないかな?
☆さんは……ですが

478ψ:2011/08/05(金) 16:39:54 ID:rVgqNIV6
じゃあ、今まで通りで行きます。
それと思っていた事なのですが、ここって鳥は付けないの?
一時期なりすましもたまに出ていたから、どうなのかなって。
まぁ、今はそれほどでもないのですけどねww

479ψ:2011/08/05(金) 16:47:07 ID:rVgqNIV6
連投すまん。言い忘れたことがあったので。

気になったけど、>>174の尾行していた人たちの感想って元春と月夜と真昼と赤音だよね?
なぜ姫神までダウンしているのか分からないのですが^^;
別におおかたダウンしていたと書いてあるからそれほど影響はないとは思いますけど。

480ψ:2011/08/05(金) 16:48:08 ID:rVgqNIV6
またしても連投すまん。
>>174じゃなくて>>474でしたね……

481±:2011/08/05(金) 18:55:27 ID:xnZcXL2Y
あ、いや……………その…………
姫神の存在、完全に忘れてました………

482±:2011/08/05(金) 19:14:16 ID:xnZcXL2Y
連投すいません。
感想の人はそれであってますよ。

483ё:2011/08/07(日) 18:14:51 ID:kanz6QS6
「何やよう分からんうちに映画終わっとってしかも顔面がメッチャ痛いんやけどレッサーちゃん? やったっけ。キミ、ボクに何したん?」
「……目が覚めたあなたが叫ぶのを防ぐ為にレッサースペシャルカスタムで殴っただけですが何か問題でも?」
「ありありやんか! 何で加害者のキミが開き直っとんの! 女の子には優しいボクかて怒る時はおこブフォッ!」
「五月蝿い人ですね、まったく。こっちはあの映画のグロさに参ってるというのに……。鳥人が死んでその脳が3つに割れて動き回ってたのは……うぷっ」

 悪いとは思いながらも執拗に食い下がる青ピを今度はアッパーで黙らせたレッサーだが、本人も映画で相当参っていた。
 まあ、3つに割れた脳ミソが脈打ちながらべチャべチャと音を立てて動き回るのを観れば仕方ないだろう。

「当麻ぁ、怖い、怖いよぉ……。き、黄色と緑の半魚人と、う、裏切った女の子の上半身と下半身がさ、裂かれてもう、動いてて……」
「よしよし、美琴の気持ちが落ち着くまで上条さんがギュッとしててあげませう(あんだけ機敏に、しかも臓物巻き散らかして動けばなぁ)」
「かみじょう、みさか、大丈夫?」
「おっ、悪いな滝壺。……あれ? 滝壺って俺達と一緒じゃなかったよな?」
「私、映画観ると眠くなるから。だから騒がしい映画より静かな映画で眠りたかったからアレ観てた」

 上琴に飲み物を差し出してくれた滝壺が指差した先には、感動必至と大評判の恋愛映画のポスターがあった。
 実は美琴が観たかった映画なのだが上条は滝壺が寝てる=つまらないと解釈し、その映画を観ることを少し考えることに。
 ちなみに内容は歳の離れた騎士とお姫様の身分違いの恋愛という映画でも現実でもありがち気味なものだったりする。

「……私は。本物の蟲が。死体を食い破るように。湧き出したシーンから。吹寄さん達どころじゃ無かった……」
「アレも確かに凄ぇけど上条さん的にはゾンビ共が死体の肉や内臓を食べるシーンが……『スタッフが後で美味しく食しました』のテロップはいらねぇだろ」
「あんな映画が全年齢指定って学園都市の価値観っておかしいです。外だったらZ指定モノですよ!」
「れっさー、それは学園都市だから仕方ない。ちなみに3DでR指定だよ」

 な、何もかも規格外過ぎです、レッサーは力無くそう呟くことしか出来なかった。
 そこに映画平気組が合流し、土御門が滝壺の足元にある大きな包みに気付く。

「にゃー、映画の後は腹が減っちまったぜい。滝壺ちゃん、もしかしてその包みってオレ達の弁当?」
「うん。みんなが出てくる前にいのはら弟がやって来て食べてくれって。本人は急用が出来たからってどっか行っちゃったけど」
「ちぇー、ようやく真夜と合流出来ると思ったのによー。滝壺、急用って何か聞いてねぇのか?」
「急いでるみたいだったから詳しくは。行き倒れを助けに行くとしか」

 真昼と茜川は真夜が合流しないことにガッカリしつつ、その理由を聞いて実に彼らしいと思っていた。
 そんな中、土御門は盗聴器からの音声で吹寄と情報屋が近くの公園で昼食を摂ることを聞くと上条たちを率いて公園へと向かうことに。

――――――――――

 その頃の映画館からやや離れたスイーツ専門の喫茶店、真夜は目の前の光景に自分の行動を少し後悔していた。

「はむはむ、もぐもぐ、ごっくんっ。はーっ、ようやく生きた心地がしてきましたー♪」
「そ、そう、それは良かった……。ところでアンジェレネちゃん、ケーキやパフェを15人前も食べて大丈夫?」
「ふぇ? あ、ああっ! ご、ごめんなさい……。で、でもでも、私、学園都市に来てから何も食べてなくて……。あの、チョコラータ・コン・パ」
「待って! それ以上は流石に今の持ち合わせじゃあキツイから我慢して! 後で作ってあげるから、ね?」

 真夜が出会ったのはアンジェレネで上条たちの昼食を運ぶ途中で涎を垂らしてこの喫茶店を食い入るように眺めていたの発見、声をかける。
 少し待ってるようにアンジェレネに告げた後、先に映画館を出ていた滝壺に弁当を渡し、戻ってこの喫茶店に入ってアンジェレネに事情を聞いて今に至る。

484ё:2011/08/07(日) 18:16:11 ID:kanz6QS6
「アンジェレネちゃんはシスターさんで連れの人と第一二学区からこの第七学区まで歩いて来たんだよね。連れの人とどこではぐれたか分からないかな?」
「ご、ごめんなさい分からないですぅ。けど目的地の教会がこの学区にあるのは分かってますから大丈夫です、きっと」
「そっか、それなら警備員や風紀委員のお世話になる必要は無さそうだね。教会のある場所は分かるよね?」

 真夜の質問にアンジェレネは少し考えた後で、教会の場所を知らないことに気付いて顔を赤くさせて素直に分からないと返事を返した。
 そこで真夜が警備員か風紀委員に保護してもらうように提案しようとしたのだが、

「じゃ、じゃあ教会まで案内してもらえませんか? しょ、初対面の人にも、申し訳ないとは思いますけど……」

 アンジェレネから教会までの道案内を頼まれてしまう。
 老若男女、困ってる相手を放ってはおけない重度のお人好しの真夜に断る術は無く、首を縦に振った。

「あ、ありがとうございます! えっと」
「そういえば名乗ってなかったね。俺は真夜、井ノ原真夜。じゃあ行こっか、アンジェレネちゃん」
「はいっ井ノ原さん」

 随分と大きな迷子を拾ったと思いつつ、真夜はアンジェレネを連れてイギリス清教学園都市支部の教会へと向かうことに(本人は普通の教会と思っている)。
 なお、お会計で自分の所持金が残り300円になったことはアンジェレネのことを考慮して言わないことにした。

――――――――――

『美味い、美味いよ吹寄! いやぁこんな美味しい弁当が食べられるなんて幸せだぜ俺!』
『か、勘違いしないでよ。あたしはただ自分で作った方が安上がりだって思っただけで別に貴様に喜んでもらおうと思っては……』

 公園で昼食を摂りながらも吹寄と情報屋の会話を聞いている上条一行、こちらも真夜が作ってくれた弁当を食べている最中だった。

「まったく吹寄はわっかりやすいツンデレさんだぜい。しっかしこのレアステーキのサンドウィッチ、実に美味だにゃー♪」
「土御門、お前って奴は……」
「その台詞、そっくりそのままカミやんに返すぜい。一体いつまで美琴ちゃんを抱っこしてるつもりだ?」
「しょうがねーだろ、美琴が中々離れてくれねーんだからさ。けど真夜の気遣いには助かったぜ。俺たちとお前たち、タイプごとのサンドウィッチを作ってくれて」
「あらまあ、とうまさんとみことさんは相変わらず仲がよろしいようで。土御門さん達もご一緒で何をしてるのでございますか?」

 美琴にサンドウィッチを食べさせながら土御門と会話をしていた上条は聞き覚えのある、しかしここに居ることが不自然な人物の声を聞いて固まった。
 声のした方へと視線をやると、そこにはのほほんとしたオルソラがおり上条だけでなく土御門を始めとする彼女と面識のある者たちも驚きを隠せずにいた。

485:2011/08/07(日) 18:50:43 ID:cY7vuWzI
すいませんёさん、言いたいことがあったので、
多分本当にこれでここへの書き込みを終わらせます。

分かりました。セレナは以後ここには出さないということですね。

486:2011/08/07(日) 21:39:52 ID:cY7vuWzI
真羅についても同様ですか?

487■■■■:2011/08/08(月) 01:13:11 ID:pnK.WUhM
正直言っていらない子だろ
書き手さんも苦労してるように思えるよ外伝キャラには

ここはデルタフォーススレであってオリジナルキャラのスレじゃないし

他の書き手さんも気分的に楽でしょう…使わないほうが

488:2011/08/10(水) 02:28:33 ID:VMVdnvhQ
みなさんあまりロイヤル一家をお気に召さなかったようで残念です。

489■■■■:2011/08/10(水) 02:46:36 ID:PsKtRNPc
気に召すとかではなくて、ここはデルタフォースのスレであり
スレの前提としてデルタフォースとその近くにいる人たち以外は基本モブに
近いものであり、そちらがメインになるのはスレの趣旨とは
違うからかと、

☆さんがオリスレでオリキャラ満載の話を書くなら何の問題もないかと

490■■■■:2011/08/10(水) 06:55:17 ID:WLA1CwuQ
>>489
禿同
オリキャラは基本モブだよな
ここでは

引退マダァ?KY☆

491■■■■:2011/08/10(水) 07:38:46 ID:1aoFUzA.
☆さん、ご存じかもしれませんが、「Mary Sue」という言葉があります。
これに留意するか、別サイトを立ち上げるか、書くが発表しないかでしたら
特に問題ないのではないでしょうか?

492:2011/08/10(水) 08:08:31 ID:VMVdnvhQ
書き込み引退宣言。

493■■■■:2011/08/10(水) 08:55:53 ID:PsKtRNPc
>>☆
引退する必要は無いかと、このスレはスレの趣旨に従って
みんなで書いていくものであって、このスレの方向性に沿い
話を作っていく分には何の問題も無いと思います。
しかしながら、個人のエゴを押し付けるのではみんなで話を作るという事を
否定する事にもなりスレの否定につながる事を考えていただければ
何の問題も無いかと

494■■■■:2011/08/10(水) 22:54:38 ID:VMVdnvhQ
Mary Sueって確か、
「2次創作において、作者の願望が実現したようなご都合主義的なキャラ」のこと?

495■■■■:2011/08/11(木) 10:53:52 ID:7Uv0pn4U
井ノ原真羅をこの本編で出してもいいのでしょうか?

496■■■■:2011/08/12(金) 21:46:38 ID:4w93B36Q
↑☆さんかな?
引退したから違うと思いますが
基本オリキャラはモブですよね

497■■■■:2011/08/12(金) 23:23:13 ID:UUlUIO5g
はい、正解。
いや、真羅の方はどうなのかなって。
一応、少なくとも設定上はいることになっているから……
オリキャラ=モブ……月夜や井ノ原姉弟も?

498■■■■:2011/08/13(土) 00:57:40 ID:f6Sbv/jU
誰であれ、外伝のオリキャラの話はもう見たくないです。

499:2011/08/13(土) 01:01:04 ID:KddlEauA
……ねえ、雑談や感想ぐらいなら……参加してもいい?
本編にストーリーを書きこむことは…少なくとも当分は自重するからさ……

外伝のオリキャラとここのオリキャラってやっぱりそんなに違うと感じるのですか…

500■■■■:2011/08/13(土) 02:13:30 ID:nBedW5dc
月夜みたいに純正キャラとの絡みありき(土御門的な意味で)ならいいんだけどオリキャラ同士の絡みなんぞ見てても面白くないな
モブキャラの域を逸脱して欲しくないのが正直なところ、出来れば要らない

501■■■■:2011/08/13(土) 02:31:18 ID:RWu8ax.s
>>498
同意

>>499
わからねぇ?
本スレ読者全員が外伝見てるわけじゃねぇんだよ
外伝で先に登場させていきなり本スレで色々と絡ませてもよくわからんのよな
なら外伝も読めってのはナンセンス
☆が先に本スレで登場させてたってなら別だけどな!
だが、あくまでもオリキャラはモブだ
井ノ原も同様
白雪は土御門の相方設定だからデルタフォース繋がりで絡ませられるからメイン迄とは言わないが、サブとして許容できると俺は思う

でもまぁ、なぜそこまで外伝キャラに拘る?

あと、書き手が減った原因
①以前からの書き手さんが外伝を見ていない
②いきなり外伝キャラ登場させてもらってもよくわかんねぇよ!(以前からの書き手談)
③外伝キャラ>>>>デルタフォース④疲れる…もういいわ

②については友人談だ、
思うに、他の書き手さんを無視した結果こうなったんだよ

☆にとっては外伝が本スレなんだろうけどな

502■■■■:2011/08/13(土) 03:55:36 ID:XqDNOPuQ
>>☆
まず外伝と言う言葉の意味を調べてみましょう。そして外伝のキャラが
本編においてどういう存在なのかも考えてみてください

>>他の皆さん
せっかくの良スレなのですから、荒れるようなレスではなく
まったり逝きましょうwwwwww

503:2011/08/13(土) 09:27:36 ID:KddlEauA
成程………ようやく掴めた……気がします。

504:2011/08/13(土) 09:28:50 ID:KddlEauA
そうか……他でもない自分のせいで書き手が減ったのですか……
確かにそれは……問題です。
こことあっちは別………よく肝に銘じておきます。

505■■■■:2011/08/13(土) 11:10:10 ID:2lQx9wwo
前から見させて貰っていますが、正直な感想を述べます。
☆さんのサイトな訳ではないですし、好きにしたいなら他で自分の作品をしたらどうですか?
書き手やめます云々とかレス乞いみたいにしか見えません。
此処を貴方のスレにサイトにしないで下さい!!
他の書き手さんを無くさないで下さい。
理想境やなろうやpixivとか自分だけでして下さい
これに返事とか書かないで結構です

本当に………お願いします

506±:2011/08/13(土) 16:54:56 ID:joVzcib6
「って、オルソラッ!?どうしてこんな所に!?」
「あっ!確かカミやん家で会ったシスターはん!」
「……質問に答えるなら見てのとおり昼食ぜよ」
「はい。初春さんの代わりに学園都市の視察に来たのでございます」
「……いや、だからなんでここに?」
「つーか、ちゃっかり井ノ原弟の弁当食べてるぜよ……」
「とても美味しかったのでございます」
「………普通に入ってきてるけど、上条くん達の知り合い?」
「………ベクトルを見た感じだとそうみたいだぞ、赤音」

 いきなり現れて弁当を食べているオルソラに全員が驚いた。
 彼女を知るメンバーはこの場に現れた事に。
 彼女を知らない者達はまるで当然のように弁当を食べてる事に。

「実は………アンジェレネさんが迷子になってしまって」
「はぁ?」

 オルソラの話からアンジェレネもこちらに来ている事に驚く上条。
 そしてオルソラはこちらに来たわけをちゃんと魔術の事を伏せて話し始めた。

――――――――――

 その頃、第3学区の個室サロン。
 そこでは浜面と麦野が絹旗の入学祝いパーティの準備をしていた。

「絹旗の為とはいえ…………なんで俺が麦野と一緒に準備なんか」
「あん?なんだ浜面。私と一緒が嫌とはどういう事だぁ?」
「いや、そのまんまの意味………すまん滝壺、俺死ぬかも」
「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね!!」

 早速【原子崩し】を浜面に向かって放とうとする麦野。
 もはや、絶体絶命のピンチというところに浜面に最後の希望が舞い降りた。

「お客様、失礼します」
「うわっ!店員さん!?どどどどうかしましたか!?」
「いえ、ただあなた様を探している方がいたのでお連れしました」
「にゃあ」

 店員さんの後ろにいたのは10歳ぐらいの金髪の少女―――フレメア=セイヴェルン。
 かつて『アイテム』の一員であったフレンダの実の妹であった。

「喧嘩、ダメ」
「あっ、ああ……」

 フレメアに言われるまま【原子崩し】の使用を止める麦野。
 麦野がとりあえず収まった事を確認した浜面はフレメアに何故ここに来たのか尋ねた。

――――――――――

前にフレメア出してって誰かが言っていたのを思い出したので出させてもらいました。

とりあえず読み専の皆様
雑談はホドホドに

507ё:2011/08/14(日) 20:07:56 ID:5te2TWc2
「んーとねー、大体、浜面と遊びたいから探してたの。でも浜面見つからなくてどうしようって思ってたら」
「あたし達がフレメアちゃんを保護してここに連れて来たんですよ。最愛から今日のパーティーは浜面さんと麦野さんのおごりって聞いてましたし」

 フレメアの後ろから姿を現したのは佐天で、絹旗は彼女の姿を見ると嬉しそうに駆け寄ってハグをした。
 そこへ更に絹旗を心から喜ばせる嬉しいサプライズが巻き起こる。

「こーら最愛ちゃん、私たちに内緒で飾利ちゃん達の学校に転入したって聞いて驚いたわよ。前もって言って欲しかったわ、義理でもあなた達のママなんだから」
「あらあらその制服、最愛さん的にお気に入りみたいね〜。とっても似合ってるわよ最愛さん」
「み、美鈴ママさん、それに詩菜ママさんも! ちょ、超嬉しいです!」

 佐天に続いて現れた詩菜と美鈴の登場に絹旗の喜びは最高潮になり、満面の笑顔で2人に抱きついた。
 ちなみにこのことを知らせたのは佐天で、絹旗に詩菜と美鈴の訪問を知らせなかったのは彼女なりのプレゼントだったりする。
 この展開についていけていないのは浜面、麦野、フレメアで麦野は初対面の詩菜と美鈴について浜面に尋ねる。

「なぁ浜面。あの2人、誰だよ? しかも絹旗の義理のママとか言ってるけど」
「上条と美琴ちゃんの母親。義理のママって言った方が美琴ちゃんの母ちゃんな」
「ふーん(確かに御坂のやつにそっくりだな、胸以外。けど絹旗の義理の母親って何よ? あいつと初春と佐天が義理の姉妹ってのと関係あるのかねぇ)」

 表面上は平静を装っているが、それでも絹旗と詩菜&美鈴の関係には内心では不思議で一杯だった。
 絹旗が詩菜&美鈴とじゃれ合っているのを見ていた浜面のジャージをフレメアが引っ張って、

「にゃあ。浜面、お腹すいた。大体パーティーはまだなの?」
「あ、ああ。そうだったな。おーいみんなー、そろそろパーティー始めようぜー」
「ところで浜面さん、理后さんはご一緒ではないのですか?」
「あ、あいつなら今日は別行動っす(自分達の子供と一緒に他人のデートを尾行してるなんて言えねぇよな……)」

 パーティー開催を促すと浜面は麦野と一緒にテキパキと準備を終え、主賓とゲスト達に飲み物を出した。
 そして浜面が乾杯の音頭を取って、絹旗の柵川中学転入記念パーティーが幕を開けるのだった。

――――――――――

「なるほどなぁ、あそこの教会で勤めとる人らの監察とはえらいご苦労さんやねぇ」
「いえいえそんなことはないのでございますわ。ところでアンジェレネさんが迷子になってしまったのですけど」
(話がいきなり巻き戻るの相変わらずなのね……)

 こちらは昼下がりの公園、マイペースなオルソラにようやく映画の恐怖から回復した美琴は妙な安心感を覚えていた。
 一方でオルソラとは完全に初対面の姫神、真昼、茜川はオルソラのキャラに少し驚いていた(レッサーはイギリスで面識有り)。

「変わった人。これはもしかしなくても。私という素晴らしい個性の。ピンチかも」
「大丈夫だよ姫神さん。姫神さんも姫神さんで充分にキャラ立ってるから。……真昼ちゃん、どうかした?」
「あのシスターの姉ちゃん、おっぱいでけぇなぁって思ってさ。俺もあれの半分くらいの大きさがあれば女らしくなれるかもってさ」
「何を血迷ったことを言ってるんですか。男性が女らしさを求めるなんてどうかしてますよ。そもそもその女装、似合って無いにも程がげふっ!」

 実は会った当初から真昼のことを言葉遣いや仕草から男だと思っていたレッサー、真昼に性転換願望があると思い込んでストレートに注意した。
 しかし当然ながら真昼は女性なわけでレッサーの発言は失礼以外の何物でも無く、怒りに任せてレッサーの側頭部に体の回転を加えた肘鉄を叩き込む。

508ё:2011/08/14(日) 20:10:42 ID:5te2TWc2
「てめぇこのガキ! 俺のどこが男だ! どっからどう見ても立派な女だろうが! ホラ見てみろ! おっぱいもちょっとはあるしちゃんと男に付いてるモンも付いてねぇだろ!」
「ほ、本当ですね……。し、信じられません、御坂さんよりもせくしぃの素質が感じられない女性が世の中にギャンッ!」
「レッサー、あんた何どさくさに紛れて私がセクシーじゃないって言ってるのよ。雷撃は目立つからこの砂鉄のハリセンで往復ビンタね♪」

 真昼がどうやって女性であることを証明したのかは各々の想像に任せることにしよう。
 驚きを隠せないレッサーが何気なく洩らした美琴の悪口を本人に聞かれてしまい、砂鉄製のハリセンで往復ビンタされているのはレッサーの運の無さ故だったりする。

「美琴が元気になったのはいいことだけど吹寄たちにバレたりしねぇかな?」
「その心配は無用だぜいカミやん。あの2人、こんだけ騒いでるオレらに気付かねぇくらいに2人の世界作っちまってるし」
「相変わらずとうまさんはみことさんが大好きなのでございますね。ところで皆さんはここで何をしているのでございますか?」

 冷静に美琴と真昼によるレッサーへのお仕置きを眺めている上条と土御門にオルソラが割って入り、この集まりについて尋ねた(2回目)。
 土御門はかいつまんで説明をするとオルソラは、

「成程、つまりみなさんはあのお2人を見守りつつ恋人にしようとしているのでございますね。実に素晴らしいことでございますわ。私も微力ながら力になりましょう」
「そ、それはちょっと……。それにオルソラはアンジェレネを探して教会に行かなきゃいけないんだろ? 土御門、お前からも……土御門?」

 吹寄と情報屋の恋を応援する気満々のオルソラを上条は断ろうとしたが、

「分かったぜいオルソラ。お前さんの協力、心より感謝する。それとアンジェレネのことは心配無用ぜよ、おそらくオレらの知り合いが保護してるからな」
「まあ、それはよかったのでございます」
「おい土御門、いいのかよ? オルソラも連れてって」
「むしろ必要な人材ですたい、オルソラは。吹寄と紫木はオルソラの顔を知らない、つまり堂々と接触させて2人の仲を進展させるってわけだ」

 土御門はオルソラなら怪しまれずに吹寄と情報屋に接触出来ると踏んでオルソラの同行を許可した。
 上条も土御門の説明に納得し、その後で推測ではあるがアンジェレネが真夜に保護されていることを聞かされてオルソラの同行を認めた。

「元春、2人が動きを見せたよ。話を聞いてる限りだと服を買いにSeventh Mistに向かうみたい」
「どうやらゆかりきがふきよせに服をプレゼントするみたいだからこれは2人の仲を進展させるいい機会かもしれない」

 そこへ真面目に吹寄と情報屋の会話を聞いていた白雪から2人の次の行き先と目的地の情報が入った。
 上条たちは急いで片づけを済ませて、吹寄と情報屋の尾行を再開させた。

――――――――――

 その頃のイギリス清教学園都市支部の教会では、神裂が捕虜(?)の1人でもあるクレインが作ってくれた初春の粘土人形にクレームを付けている所だった。

509■■■■:2011/08/14(日) 21:15:02 ID:X3NNhlEo
☆さんいなくなったのかな??よかったらオリキャラスレに来てみませんか??上のような人もいませんし、☆さんのように世界観を理解してキャラを大好きな人の作品を見てみたいです。
お待ちしてますね

510■■■■:2011/08/14(日) 22:13:05 ID:ZbaMjW12
>>506-507両氏の投下は良いですね。フレメアが登場しましたし、実はお姉ちゃんは生存していた…って展開は難しいですね(笑)

また、以前ご兄妹で投下されてた方も復帰しないものですかね…


>>509氏へ
貴方は少し勘違いされていらっしゃいますね。
このスレに関して言えば、上で苦言を呈している方が的を得ていると思いますが?
この件に関しては2月頃からオリジナルキャラの扱いに関して色々と意見が出てましたし、デルタフォースを中心としたスレですから☆氏の投下内容に違和感を感じるのは当然かと……

外伝スレにも同様なレスをされてますが、こちらにもレスする必要はありましたかね?

オリジナルキャラ出すなとは申されてないと思いますし、問題とされたのは扱いだと思います。多少キツい表現で苦言されているとは思いますが。

>>509氏、☆氏がここで書かれた内容も理解されてますか?過去の投下者を否定するような書き込み…他の投下者からも苦言を申されてます。

このスレの趣旨も理解せず、>>509のような言葉で意見されるのは如何なものか?

同じくオリジナルキャラを愛する同志が否定されたのが悔しかったのかわかりませんが、言葉を選んで欲しいものですね。
実に残念です。

511±:2011/08/15(月) 13:30:54 ID:8JHvOi..
「………これは飾利ではありません!アナタは飾利の何を見ているのですか!!」
「えっ、いや、その……………」
「そうなのよな!飾利姫はもっと美しく!!そして愛らしさがかけているのよな!!!」
「流石建宮!やはりコレは飾利の紛い物でしかありませんね!!」
(粘土人形なんだから完全に再現なんて無理に決まってるじゃないか!!フィギュアでも作れと言いたいのかコイツらは!!)

 完全に悪徳クレーマーに成り下がっている神裂と建宮。
 せっかく頑張って作った初春の粘土人形をけちょんけちょんに言われて傷つくクレインの為にハイドンは2人に向かって言った。

「粘土人形なんだからしょうがないだろ?」
「何言ってんですか!クレインはやるって言ったんですよ!飾利そっくりにするって!!」
「そうなのよな!」
「………それだったらフィギュア作っている会社にでも頼めよ………あっ!」

 クレインの実力を信じてなのか完璧にそっくりにしてくれると信じて疑わない2人。
 フィギュアと言ってハイドンはあることを思い出した。

「そうだ。アレなら……………」
「アレ?アレとは何ですか、ハイドン」
「………前に秋葉原に言った時に初春にそっくりなフィギュアが置いてあったような―――」
「――――それは本当なのよな?」
「―――――嘘だったら七閃で斬ります」
「いや、そんな気がしただけ―――」
「――確か今、GWで休暇を貰った牛深が近くによるはずです」
「よし、買ってきて貰うのよな!!」

 ハイドンの話を聞かずにどんどん話を進めていく2人。
 結果、そのフィギュアが来るまでという期間付きなのでそのダメ出ししまくった粘土人形で我慢することとなった。
 余談だが、その2人の頼みでフィギュアを二つ買いに行くはめになった牛深はいろいろと恥ずかしい目にあう事となる。

――――――――――

 一方、紫木と吹寄は楽しそうに買い物をしていた。

「吹寄ー、コレなんかいいんじゃないか?」
「ああ、ありがとう紫木………お前って意外とセンスあるんだな」
「まあ、頑張ったからな………」

 実はこの日の為に紫木は服の組み合わせについて勉強してきたのだった。
 そのおかげか、吹寄に似合う服を探す事が出来たのだった。
 しかし、彼らは気付かない。
 背後から近づいてくる巨乳シスターの存在に………

512■■■■:2011/08/18(木) 17:03:16 ID:Za1LFxjc
☆氏wwwww

513ё:2011/08/19(金) 21:20:01 ID:mLsCnQNU
『いらっしゃいませお客様。当店の服はお気に召しましたでしょうか?』
『はい。とても』
『あらあら♪ 当店の服というよりも彼氏さんのコーディネイトがお気に召したようでございますわね〜』
『かっ、かかかか彼氏とかそんなんじゃなくてこいつは、紫木はその……一番気を許せる異性の友人です!』

 セブンスミストの制服を着て店員になりすましたオルソラの言葉に吹寄は柄にも無くアタフタしてしまう。
 その様子をばれない所から眺めているのは吹寄と情報屋のデートを見守る面々だ(声は盗聴器で拾ったもの)。

「あんな風に顔を真っ赤にさせてるのって俺を怒ってる時しか見たことねぇぞ……」
「カミやんの場合は大抵が自業自得だから同情は一切してやらんですたい。にしても吹寄が乙女してるってのも変な感じぜよ」
「確かに吹寄さんのキャラじゃないよね。ところで2人とも、気付いてる? 吹寄さんが紫木くんのことを情報屋じゃなくて紫木って呼んでるの」
「「おおっ、確かに!!」」

 白雪の指摘に気付いた上条と土御門、これは小さいながらも大きな前進と素直に喜んだ。
 すると吹寄が情報屋の選んでくれた服を持って試着室に入っていくのが見えた。

「ゆかりきの選んだ服をふきよせがちょっと嬉しそうに抱いていた。ゆかりきは見た目によらずなかなか出来る。はまづらにもあれ位の甲斐性は欲しいかも」
「(滝壺ちゃん、浜面に求めすぎだろ……)さて、これで吹寄の会話は拾えなくなった。後はオルソラの手腕に期待するかにゃー」
「土御門くん。あのシスターさんに。指示とかは。送らないの?」
「無駄なんだよ、オルソラは超が付く程の天然だからさ。上条さんもあの人の天然は未だに理解できませんのことよ」

 上条のオルソラについてのキャラクターを聞いた姫神は土御門がバクチを打ったと思っているが実はそうではなかった。
 オルソラが何をやらかしてもいいように第二、第三の刺客(?)を用意しているのだ。

「レッサーと青ピの準備は茜川1人に任せてるからいいとしてだ、美琴ちゃんと井ノ原姉は?」
「何か2人してランジェリー売り場に行ったぞ。ここを離れる前に井ノ原姉が言ってたけど吹寄のベクトル、好意のオレンジに愛情のピンクが混じり始めたってさ」
「ほほぅ、ならば一気呵成に押しまくってカップルへと2人を進展させてや」
「そんないい雰囲気なのに青髪くんを投入して大丈夫? 青髪くんの髪を黒く染めれば別人って上条くんの戯言信じちゃって」

 白雪の鋭い、というより当然の指摘に土御門は少し考え、そして後悔し始めたがもはや引き返すことなど出来るわけもなかった。
 上条が白雪の言葉に落ち込んでいるのを励ましつつ、土白と姫神と滝壺はただただ事の成り行きを見守るのだった。

514ё:2011/08/19(金) 21:21:30 ID:mLsCnQNU
 時は少し遡り神裂(+建宮)がクレインにクレームを言い終えた頃、迷子のアンジェレネは真夜に連れられて無事にイギリス清教学園都市支部の教会に到着した。
 真夜はこれで晴れてお役御免になれたと思ってアンジェレネと別れようとしたのだが、

「ここがアンジェレネちゃんの探してる教会だよ。じゃあ俺はこれで」
「あ、ありがとうございます井ノ原さん。でも……私にチョコラータ・コン・パンナを作ってくれる約束は?」
「そういえばそうだったね……。今日じゃないと駄目かな?」
「そ、そんなことないんですけどでもでもやっぱり今飲みたいって思ったら飲まないとダメかなって思って……」
「分かった。じゃあすぐに作ってあげるよ」

 控え目のようでそうでないアンジェレネのワガママを突っぱねることなど出来るわけも無く、アンジェレネにチョコラータ・コン・パンナを作ることにした真夜だった。
 アンジェレネは素直に喜んだが彼女は気付いていない、こんなワガママは真夜だから通じるのであって自分の知り合いだったら有無を言わさずに却下されることを。

「じゃあまずは調理室、もしくは食堂を探さないと。アンジェレネちゃんは場所は分かる……わけないよね」
「ごめんなさい、分かりませ……あっ! 確か寄宿舎の方に食堂があるって聞いたことがあります!」

 アンジェレネの言葉を受けて、真夜は教会から少し離れた所にある寄宿舎を発見してアンジェレネと一緒に向かうことに。
 それから少しして神裂が教会から出て来たのだが、

「おや? 寄宿舎に入っていったのは確か双子の弟さんと……アンジェレネ? いやいや、有り得ない組み合わせです」
「女教皇様、どうかされたのよな?」
「いいえ別に。ただありもしない幻を見ただけです」

 自分の脳内だけで有り得ないと判断、アンジェレネと真夜の2人を幻だと思い込んでしまうが初春が居なくてポンコツ状態のせいである。
 そして神裂はオルソラとアンジェレネの捜索、建宮は警備員の仕事へと向かうのだった。

――――――――――

 舞台は再びセブンスミスト、試着してる吹寄を待っている間にオルソラが悪意ゼロの天然行動に出てしまう。
 オルソラが手にしている服、それはかつてシェリーに着せようとしていた女神様ゴスメイドを情報屋に勧め出したのだ。

515±:2011/08/20(土) 20:37:11 ID:tEqD3zBo
「彼女さんにはコレが似合うと思うのですけど」
「確かに………ってアホかぁーー!!こんなの見せたら完全に嫌われるわー!!」

 オルソラが持ってきた女神様ゴスメイドを見て一瞬似合うと思ってしまった紫木。
 しかしそんな事頼んだら完全に嫌われるという事に気付き速攻で却下した。
 だが、相手はオルソラ。
 ただ断ったぐらいでそう簡単に何とかなる相手ではなかった。

「お気に召さないのでしたら、こちらの堕天使エロメイドの方も似合うかと………」
「いやいやいや!!確かに気には召したけどそういう問題じゃない!」
「ならば女神様ゴスメイド―――」
「いや、さっき断ったから、それ!つーか何で土御門が好きそうなゲテモノメイドの奴ばかりすすめるんだよ!」

 オルソラのスキル『お婆ちゃん』の発動によりオルソラの会話がループし始めた。
 それによって紫木はループ地獄へと落とされるはめとなったが、一方その会話を聞いていた尾行組は色んな意味で大変な事になっていた。

「………アレって元春の指示?」
「ちょっ!月夜、待つぜい!流石の俺でもあんな指示は出さないにゃー!!」
「流石の私でも。ひく」
「ひっ、姫神まで!?」
「大丈夫、そんなつちみかどを私は軽蔑している」
「それ、大丈夫じゃないぜい!」
「土御門……ドンマイ」

 土御門が白雪、姫神、滝壺の3人に軽蔑したような目で見られたのを見て上条は心の中で冥福を祈った。
 なお、その一方で暴走(天然)したオルソラを止めるべく、第2の刺客である青ピが飛び出していた。

「ちょっとちょっとオルソラはん!彼氏さんにそんなんすすめたら彼女さんに嫌われてしまうでー!」
「―――って、ちょっと待て青ピぃ!!何でお前こんな所にいるんだよ!」
「何言うてんねん、彼氏さん!人違いやで!!僕は――えーと………黒ピや!!」
「ふざけてんのか!!髪黒く染めただけで騙せると思うな!」
「………何を騒いでいるんだ、紫木?」

 髪を黒く染めた青ピ――こと黒ピは当然ながら紫木に速攻でバレてしまった。
 その事で騒いでいると、試着に行った吹寄がようやく戻ってきた。
 このままでは尾行がバレる!と上条、土白、姫神、滝壺は思ったが、神は彼らを見放さなかった。

516±:2011/08/20(土) 20:37:47 ID:tEqD3zBo
「まったく………こんなに騒いで、他の客に迷惑じゃないか。すいません店員さん」
「ちょっ、待て吹寄!それはどう見ても青ピだ!」
「………他人の空似だろ?青ピがパン屋にいるならともかく、こんな所に居るはずがないだろう?」

 まったく正体に気付いていない吹寄。
 まさしく神の奇跡か、と全員が思ったが、その原因は吹寄もこのデートに多少なり浮かれていたからであった。

「それより紫木。あたしに何かいう事があるんじゃないか?」
「えっ……………ああ、凄く似合ってるぞ吹寄!すげー可愛いぞ!!」
「かわっ――!!!なっ、何を急に言い出すんだ貴様は!!?」

 可愛いと言われた事に思いっきり照れてしまった吹寄。
 照れ隠しに紫木に怒鳴りつけ始めるが尾行組はその光景を微笑ましく見ていた。

「吹寄ってあんな表情出来たんだな……」
「上条君。それは吹寄さんに。凄く失礼」
「だけど、今のふきよせは本当にかわいい」
「確かに………まあ、月夜が一番だがにゃー!」
「元春、照れちゃうよー」

 そして彼らはその微笑ましい光景を楽しむ事にした。

――――――――――

 その頃、一方通行と美雷もセブンスミストにいた。
 その目的は一つ。
 美雷に着けさせるサングラスを買うためだった。

「〜〜〜♪」
「お前なンか浮かれてねェか?」
「ん〜〜♪別に〜〜♪」
(………なンだ、コイツ。変な物でも食ったのかァ?)

 普段とは違い、嬉しそうに一方通行に寄り添っている美雷。
 当然、その様子に困惑しながらも何もしてこないでいるので一方通行はそのまま放置した。

「オイ、着いたぞ」
「ね〜ね〜、どれが似合うと思う?」
「……………アレなンかいいンじゃねェか」
「んー、じゃあそれ。買ってくるねー♪」

 一方通行が適当に選んだのをそのまま買いにいく美雷。
 嬉しそうに買いにいく様子を見て、一方通行は考えていた。

(………アイツにも女らしいところがあるンだなァ)
「あれ?一方通行、何でココにいるんだ?」
「確か打ち止めのところ行くって言ってなかったけ?」

 急に声をかけられ振り向くと、そこには尾行組とは別行動をとっていた美琴と真昼がそこにはいた。

517ё:2011/08/21(日) 19:30:44 ID:4rQbktHw
「ンだァ? テメェらがここに居るってこたァデコ女と紫木がここでデートしてるみてェだな。で、何でテメェらだけしか居ねェンだ?」
「私がどうにか出来るような展開じゃなかったからついでに女性らしい下着でも見ようかなって思って」
「俺も一緒に付いて来たってわけだ♪ 興味もあったし。吹寄と紫木の互いのベクトルがいい感じになってたから見張る必要も無かったしな」

 コイツら確かに女らしさに欠けまくってるよなァ、一方通行は2人が持っている袋を見ながら表情には出さずに失礼な事を考えていた。
 普通の人間ならこれ以上のツッコミは入れないのだが感情のベクトルが視認出来る真昼が居たので、

「げふっ! テ、テメェ姉この野郎、いきなり右ストレートかますたァどうゆう了見だァ!」
「てめぇこそ俺と美琴が下着買っただけで小馬鹿にしたようなベクトル向けやがって! 俺らが女らしいこと求めるのがそんなにおかしいか!」
「えっ、真昼さんそれホント? アクセラ、いくらアンタが打ち止めの彼氏で当麻の友達でもそれは許せないわ!」
「ちょ、待て話せばギャンッ!! ……久々で効いたぜ、ぐふっ」

 一方通行にはもれなく乙女2人からの制裁がプレゼントされた(手加減はされている)。
 真昼に殴られた顔面を押さえながら、美琴の雷撃の痺れが取れたことを確認した一方通行は興味本位で2人に尋ねる。

「ところでよォ、テメェらその下着を着けた所を彼氏に見せンのか? ソッチ方面じゃ健全なカップルのテメェらがよォ」
「ん? まぁ一応な。さすがにちょっと恥ずいけど寝る時は下着(スポーツタイプ)と上に一枚着るだけだし。普段とちょっと違うって程度だな♪」
「ええっ! ま、真昼さん、真夜さんに見せるんですか? というかいつもそんな格好で寝てるって……大人ですね」
「そっか? けど俺からしてみりゃ美琴の方が女らしいって思うぜ。あんなほとんど紐で隠せる場所が少ねぇ下着買うなんてよ。上条も喜ぶかもしれねぇな」
「とっ、とととと当麻の前であの下着を着けた私を……無理無理無理! か、からかわないで下さい真昼さん!」

 歳の差など関係無いといった感じで仲良くしている美琴と真昼を見て一方通行は思う、テメェらちったァ場所選べと。
 乙女2人がはしゃぎ出したので暇になった一方通行、何を思ったのか出来心で美琴が買ったと思われるエッチぃ下着を着けた打ち止めを想像した結果、

「……何? 床に赤い水たまりが……アクセラ! アンタいきなりどうしちゃったのよ!」
「ベクトルが七色にフィーバーしてるとかワケ分かんねぇけどしっかりしろ! 今すぐスタッフに」
「ひ、必要ねェ……。ちいとばかしの、のぼせちまっただけだァ……。血なンざ俺にかかれば」

 美琴と真昼が驚くほどの鼻血を噴出、膝を付いて苦しそうにはするものの電極のスイッチを入れてベクトル操作で血液の流れを押さえ込んだ。
 七色に光り輝く感情のベクトル、実はそれは煩悩を意味しているのだが真昼がそのことを知るのはまだ先のことである。

「も、もう行けよ。俺のことなら心配すンな。血を流すのは慣れっこだしよォ。それに上条たちと合流しねェとまずいだろ……」
「「あっ!!」」

 一方通行の指摘からすぐに美琴には上条から、真昼には茜川から移動の旨を伝えるメールが来た。
 美琴と真昼は一歩通行を気にかける言葉を何度も投げかけながら尾行組と合流してセブンスミストを後にするのだった。

「おっまたせー♪ ミサカにサングラスって結構似合うってあれれ? どうしたのその血だまり。もしかしてミサカでエロいことでも」
「それだけは絶対にねェ……チッ、血は止めたが失った分が多すぎたか。しゃあねェ、メシにすっぞ」
「やっりー! 今度こそあなたの奢りでよろしくー♪」

 喰わせ殺しなら量のわりに安いからおごってやるか、一方通行は美雷と一緒に遅めの昼食を摂る為に喰わせ殺しへと向かった。
 ちなみに美雷の購入したサングラスは目元まで覆うタイプのものだったのでこれ以降、周囲の視線を集めることはかける前よりも減っていたりする。

518ё:2011/08/21(日) 19:32:07 ID:4rQbktHw
 そしてセブンスミストでいい買い物&いい雰囲気をゲットした吹寄と情報屋は仲良さ気にセブンスミストを出た、尾行されていることに気付かずに。

「井ノ原姉、2人のベクトルはどんな塩梅かにゃー?」
「驚いたな、吹寄の感情のベクトルの愛情を占める割合が増えてるぜ。それでも紫木のと比べると釣り合いは取れてねぇけどな」
「よしよしいい感じだ……ってレッサー、何でそんなに拗ねてるのでせう?」

 尾行しているメンバーは概ね機嫌は良かったが、レッサーだけは少し拗ねていた。
 上条が理由を尋ねた所、オルソラと青ピだけで吹寄と情報屋のムードが良くなったことが面白くないらしい。

「せっかく私も頑張って着替えてスタンバイしてたんですよ! それなのに2人だけで終わらせるなんて……」
「大丈夫なのでございますよレッサーさん。汚名を返上するチャンスはまだまだ」
「私別にヘマなんてしてませんから! というわけで土御門さん、私にあのカップルの仲をぐっと引き寄せる名誉挽回の機会を!」

 土御門はレッサーが間違った言葉を使っていることにツッコミを入れようと思ったが、

「そんなに慌てなさんな。レッサーには次の店でさっきと同じように店員になりすましてもらうぜい」
「おおっ、それは素晴らしい! それでそれで? 次の店というのは」

 食いつくレッサーを少し鬱陶しいと思いながらも土御門が指差した先、そこには健康グッズ専門店があった。
 吹寄と情報屋が入って行ったのを確認した一行は裏口から周り、土御門が店の店長と交渉した末に自分達の行動を了承してもらうことに成功する。

「れっさーファイト。これで頑張ったらかみじょうもみさかもれっさーのことを見直してくれるかも」
「滝壺さん……ありがとうございます! おかげでモチベーションが上がりました! というわけで行って来ます!」

 滝壺の言葉で俄然やる気を出したレッサー、土御門の指示も待たずにいきなり吹寄と情報屋に接触を図る。

519±:2011/08/22(月) 16:31:13 ID:AwCGM.Ek
「紫木、どっちの方がいいと思う?」
「…………えーと」

 紫木が完全に迷っていた。
 目の前に出されたのは、『食べるだけでみるみる強度が上がる20の栄養素が入った超絶パン!パンナコッタΩ!』と『刮目せよ!!脳が超能力者なみに冴え渡る究極のドリンク!オロナミソG!!』
 見るからに胡散臭い商品のうちどちらかを選ばなければならない紫木。
 もはやご愁傷様といわざるおえなかった。

「ふふふ、そんなバチモンよりこちらの方がよいですよ」
「ん?何コレ?………『身体に塗るだけで肌が綺麗になる魔法のクリーム』?」
「そうです!コレを彼氏にでも塗ってもらえば一石二鳥です!!」
「「……………………………………」」
「な、何で急にだんまりなんですか!?まさかその巨乳からいってもう必要ないという事ですか!?」

 宣伝からセクハラへと暴走し始めるレッサー。
 明らかに2人はひいており、さらに見ていた尾行組も全員ひいていた。

「………おい、コレどうするんだよ土御門……」
「黙ってろ!今考えてる!!」
「やっぱり、れっさーはれっさーだったね」
「冷静に言ってる場合じゃねーぞ!あの2人アイツに対して不審のベクトル向けてるし!」
「だっ、誰かが止めに行った方がいいんじゃないの?」

 レッサーの暴走に焦りはじめる上条と土御門、それをいつもと変わらない様子で眺めている滝壺。
 そんな中、真昼があの2人がレッサーを不審がっていることを伝え、美琴が止めようと動こうとした。
 しかし、それを姫神が止めた。

「しかしそんな事をしたら。尾行がバレる」
「でっ、でもコレじゃあ時間の問題です!」
「あらあら大変な事でございますね」
「こうなったら最後の手段だにゃー!茜川!月夜!」
「えっ!もしかしてアレ!?」
「アレってなんなの、月夜ちゃん!?」

 かくかくしかじか、と土御門はみんなを集めて耳打ちをする。
 その作戦を聞いた白雪と茜川は顔を真っ赤にして拒否するが、時間がないのを理由にその作戦は決行された。

520±:2011/08/22(月) 16:31:54 ID:AwCGM.Ek
 その一方、話せば話す程酷くなっていくレッサーとどうにかしてこの状況を脱出しようと試みる紫木と吹寄。
 そんなどうしようもない状況に救世主(ヒーロー)が舞い降りた。

「そこまでです、悪の幹部レッサー!」
「あなたの悪事、ここで終わらせます!!」
「―――誰ですか、いきなり人を悪者呼ばわりするのは!!―――って白雪さんと茜川さん?」

 レッサーが振り向くとそこにいたのはゲテモノメイド服に身を包んだ白雪と茜川。
 一応顔を隠すためにつけたらしい何処で売ってるか分からない蝶を象った眼鏡をつけているが、正体はバレバレだった。

「わっ、私は白雪などではないっ!えっ、えーと…………メっ……メイドホワイトだぁ!」
「…………あ、じゃあー私はメイドレッドって事でー」
「………………えーと、私はどう反応したらいいんですか?」

 唐突に変な名前を名乗り出す白雪と茜川にどうリアクションしたらいいか分からないレッサー。
 そんなレッサーはおいといて白雪と茜川は呆然としている紫木と吹寄に声をかけた。

「さあ、私たちがアレを引きつけている間に早く!」
「…………」
「紫木!なんか分からないけどとっとと逃げるわよ!」

 いまだに状況を理解できず呆然としている紫木を引っ張っていく吹寄。
 引っ張られていってようやく状況を理解した紫木は吹寄に小声で質問した。

「なあ、吹寄。アレって白雪と茜川だよな?」
「あたしも一瞬そう考えたけど、よく考えたら白雪さんと茜川さんがこんな公衆の場であんな格好すると思う?」
「………思わない」
「つまり、アレは多分他人の空似よ。そうに決まってるわ!」

 何とか上手く自分に言い訳してアレは2人ではないと思い込もうとしている吹寄。
 その考えの裏には、自分たちが尾行されているのではないかという可能性を消そうとしていたりする。
 そして2人が立ち去ったその場所では大変な事になっていた。

「ちょっと!せっかく私が頑張って2人をくっつけようとしたのになんですかいきなり!!」
「………るさい」
「へっ?」
「うるさい!レッサーがいなければ私は元春以外の人にこんな姿見せずにすんだのに!」
「そうよ!どうせ見せるなら真夜くんの前が良かった!」

 そう2人が叫んだ途端氷と音の攻撃がレッサーに決まった。
 そして騒ぎが終わった後には凍りついたレッサーがそこに転がっていたとか………

521ё:2011/08/26(金) 21:19:29 ID:qkxvxfDA
「はぁ〜、今日も完璧に雲川さんにやり込められてしまいました……」
「五和のそのチャレンジスピリッツには脱帽ものだがそろそろ諦めた方がいいんだぞー。雲川にとっては誰でもちょろい相手だからなー」

 その頃、他の中学高校と違って今日が休みでは無かった繚乱家政女学校の講師の五和と生徒の舞夏は歩いていた。
 会話の大まかな内容は繚乱きっての才女でもある雲川鞠亜に五和が講師としての威厳を示す為に挑んで敗北、というもの。
 落ち込んでいる五和を微妙に励ましている舞夏の構図は微笑ましいものがある、2人がメイド姿というのもポイントだろう。

「舞夏さんは雲川さんとお友達ですよね? 何かこう年上の威光を示せるような」
「無いぞー♪ 雲川に弄ばれて授業が終わるお決まりのパターン突入だなー」
「即答ですかっ! はぁ、1度でいいから雲川さんを……あれ? 女教皇様じゃないですか」
「おや、五和に土御門の妹さんですか。五和、堕天使メイドを止めたようで何よりです」

 メイド2人の前に現れたのはオルソラ&アンジェレネを探していた神裂だった。
 実は繚乱に勤め始めた当初、五和は堕天使メイドだったのだが神裂自らの折檻の末に普通のメイド姿へと落ち着いたのだ。
 神裂は五和にオルソラ&アンジェレネの件を報告して別れようと思ったのだが、

「……あ、あの〜女教皇様。どうして私たちをじっと見てるんでしょうか?」
「いえ、飾利が居ないGWでやろうとしていることの選択肢の一つと思いまして。では私はこれで失礼します」

 2人のメイド姿を見て何かを思案した後で改めてオルソラ&アンジェレネ探しを再開させた。
 神裂と別れた五和と舞夏はやることも無かったので暇つぶしがてら、適当ではあるがオルソラ&アンジェレネを探すのだった。

――――――――――

「ふぇー、学園都市にこんないい店があるなんて意外ー。ミサカちょっとだけ第一位のセンス見直しちゃった♪」
「がっはっはっはっ! 初めての嬢ちゃんに褒められるたぁ光栄だねぇ! モヤシ坊主が小っこい嬢ちゃん以外の子を連れてくるたぁ思わなかったがなぁ!」
「るせェ……。つーかテメェ店長だろうが、こンな所で油売ってねェで仕事に戻れ」

 ゆっくりしてけよぉ! そう言い残して『喰わせ殺し』の店長が去って行くのを見送った一方通行と美雷。
 2人は今、遅めの昼食を摂っている所で一方通行が最初に取って来た料理をまだ食べてる中、美雷は第3ラウンド突入した所だった。
 一方通行が美雷の食欲に呆れながら料理をつまんでいると、取り皿大盛りに料理を積んだ美雷が帰って来た。

「またテメェはそンなに取りやがって……。アッチでまともなメシ食わせてもらってねェとか言わねェよな?」
「ぜーんぜん♪ 高級料理ばっかり食べてるよ。でもここに同レベルの料理があったことにミサカ驚いてるけどね」
「じゃあ何でそンなに張り切ってンだァ?」
「騎士団長のジジイが口うるさっくてさー、マナーがどうとか淑女ならどうとか。だから伸び伸びと食べるのミサカ久々なんだー」

 第二王女キャーリサの義娘になった美雷のことを思っての騎士団長の行動に納得できた一方通行だがその反面、美雷にマナーとか似合わなさ過ぎとか思っていた。
 騎士団長に少しだけ同情しつつ、一方通行はこの後でそろそろ打ち止めを迎えに行こうとか考えていた。

522ё:2011/08/26(金) 21:22:37 ID:qkxvxfDA
「ステイルはイギリスに行っちゃったしスフィンクスはここ数日見かけないし一気に暇になったんだよ……」

 こちらはステイルを見送りに行ってイギリス清教学園都市支部前まで戻って来たインデックス、昼食は空港で済ませている。
 ステイルが居ない影響なのか、上条たちと遊ぶという選択肢が思い浮かばなかったインデックスが久しぶりに祈りを捧げようとした所、

「くんくん……寄宿舎の食堂からおいしい匂いがしてるんだよ。私をのけ者にして美味しいものを食べてるなんて許せないんだよ!」

 寄宿舎食堂から漂ってきた匂いを察知し、いつもの食いしん坊に戻ったインデックスがダッシュで寄宿舎へ突入、わき目も振らずに食堂へと入った。

「どうだったアンジェレネちゃん、俺の作った苺のミルフィーユは?」
「とっても美味しかったです! 井ノ原さんには私のワガママに付き合ってもらってありがとうございま」
「あーっ! アンジェレネばっかりずるいんだよ! 私にもおいしいものを要求するからね!」

 チョコラータ・コン・パンナを作った後もアンジェレネのリクエストに応えてスイーツを作っていた真夜、なかなか充実した時間を過ごせたとか思っていた。
 でもそろそろ真昼と茜川(+上条たち)と合流したかったのでそろそろここを出ようとした所に運悪くインデックスが登場。
 結局、インデックスのリクエストにも応えることになってしまい、真夜が尾行組と合流出来るのが先延ばしになってしまう。

――――――――――

 その頃の尾行組はレッサーの件以降、これ以上怪しまれることは出来ないので本当に見守るだけになってしまった。
 凍りついたレッサーを転がしながら移動する尾行組は順調にデートしてる吹寄と情報屋を見て和んでいたりする。

「いやー、実に初々しい。俺と美琴にもあんな時期がありました。でもドキドキは今でも継続中だったりするわけで」
「もー当麻ったら♪」

 いちゃつくなら他所でやれ! 尾行中の上琴がイチャイチャしていることに気付いた残りの尾行組は揃って同じ事を思っていた。
 時刻は午後4時前、事前に2人が最後に向かう場所を遊園地と突き止めていた土御門が行動に出る。

「さて、オレはちょっくら行ってくるぜい。最後の後押しってのをやってくる」
「最後の後押しって?」
「それは見てのお楽しみだにゃー。あの2人の先回りしなくちゃいかんから皆はゆっくり来てくれていいぜよ」

 土御門がダッシュで移動したので上条たちも土御門を見失わないように移動を開始する。
 その間に土御門は移動しながら変装するという荒技をしながらも吹寄と情報屋の先回りに成功、事前に用意していた路上のテーブルの前に座った。

「あの姿。もしかして」
「間違いなく易者だね。なるほど、つちみかどもいい手を考える」

 土御門の後押し、それは易者に変装して吹寄と情報屋を占うというもの。
 しかし土御門は陰陽師とはいえ占いは魔術使用となってしまうので占いの内容は全部嘘の土御門のシナリオ。
 易者を装って吹寄と情報屋を呼び止めた土御門の完璧なペテンが今ここに披露される。

523±:2011/08/27(土) 08:34:33 ID:WUHNnOGY
「ちょっとそこの2人」
「………占い師?」
「何かあたしたちに用でもありますか?」
「いや、ちょっと珍しいなと思ってのう。まあ立ち話もなんじゃから座りなされ」
「あ、わざわざどうも」
「……ありがとうございます」

 どことなく古臭い口調で話しかける土御門。
 得意の話術で上手いこと2人を座らせ話し始めた。

「お主らを呼び止めたのは他でもない。今時のカップルでは珍しく赤い糸で結ばれているのが見えたからじゃ」
「「あっ、赤い糸ぉおぉ!!!!!??」」
「まあ、最近は増えてきたがのう。ウニ頭の男しかり、青髪の男しかり、白髪モヤシしかり」
「「(アイツ等の事か!!)」」
「ワシも老い先短い。だからそういうカップルを見つけると声をかけずにはいられないんじゃ。最近の若者は些細な事で別れるからのう」
「「……………」」

 この科学の街なら普通信じられない占い。
 しかしそれに最もらしい理由をつける事で土御門は紫木と吹寄に信じ込ませた。

「まあ、お主らみたいないいカップルが別れる事はないだろうがのう。いらぬお節介じゃったか?」
「いえ……ありがとうございます」

 そういって頭を下げて立ち去っていく2人。
 2人が完全に見えなくなったのを確認してから土御門は変装を解き一息ついた。

(まあ、ざっとこんなもんだぜい)
「「土御門ぉー(ツッチィー)!!!」」
「うわっ!!カミやん!?青ピ!?どうしたぜい?」
「ついさっき言ったこと本当か!?俺と美琴は赤い糸で繋がれてるって!」
「僕と黒子はんも!?」
「おっ、俺はそう思ってるだけだにゃー!確証はないぜい」
「まあ、もとより俺は美琴一筋だけどな!」
「僕も黒子はん一筋やでー!」
「………ノロけはいいけど、尾行はどうなってるんだにゃー?」
「美琴と滝壺、それに姫神が続けてるぞ」
「まあ、そろそろ追いつかないといけないから行くでー!」

 そう行ってさっさと行ってしまう上条と青ピ。
 残された土御門は立ち上がって追いかけようとすると背後に白雪がいるのに気付いた。

「……月夜?」
「ねえ、元春。私たちにもあるよね、赤い糸」
「……………当たり前だぜい」

 そういって土御門は白雪の手をとり先に行った2人を追いかけはじめた。

――――――――――

 2人のデートも終盤。
 場所は上琴の初デート場所でもある遊園地だった。

524ё:2011/08/28(日) 19:54:09 ID:oKSYwMhw
『じゃ、じゃあ入ろうか』
『え、ええ。ゆ、紫木、その……ほら』
『……吹寄? えっと、この差し出された手はうわわっ!』
『か、勘違いしないでよ! あたしはただ貴様がはぐれないようにと思ってだな……さっさと来い!』

 盗聴器からの会話を聞きながら吹寄が情報屋の手を握って引っ張って入園して行くのを尾行組は微笑ましく見ていた。
 デートしている2人が遠くなったのを確認した土御門は他の皆に指示を送ろうとしたが、

「これが学園都市の遊園地ですか、きっと凄いハイテクな乗り物ばかりなんでしょうね! さあ楽しみますよーっ!」
「こらレッサー! 自分勝手に突っ走るんじゃねぇ! 俺も一緒に楽しむんだからよ!」
「ちょ、ちょっとレッサーに真昼ちゃん! そんなにテンション高いと2人に見つかっちゃうよ! ええい、久々だけどとりゃー!」
「「うわっ! ぎゃんっ!!」」

 遊園地を見てテンションが上がって遊ぶ気満々の氷付けから解放されたレッサーと真昼に水を刺されてしまうものの、白雪が足元に氷を張って滑らせて事なきを得る。
 滑って転んだ(受身は取っている)2人に呆れながらも土御門は上琴に指示を出す。

「んじゃカミやんと美琴ちゃん、今日のところはご苦労様。後はオレ達に任せて2人仲良くこの遊園地でデートでもするといいにゃー♪」
「土御門……ありがとな! 吹寄と紫木のこと、頼んだぜ。じゃあ行こうぜ美琴」
「うんっ♪」

 そして上琴はお互いに腕を絡ませながら吹寄と情報屋の2人とは比べ物にならない程のラブラブオーラを撒き散らし、遊園地へと入園した。
 上琴を追いかけようとしたレッサーを絞め技で落とした土御門に白雪が尋ねる、彼氏の手際に少し引きながら。

「元春、上条くん達を自由にさせていいの? 美琴ちゃんならまだしも上条くんが吹寄さん達に会ったらボロが出るかもしれないよ」
「なーに心配無用だぜい。カミやん達は吹寄達には顔を見られていない。園内で会ってもデートに偶然出くわしたと思う程度だにゃー。それに」
「かみじょうもみさかも多分こっちのことは忘れてデートを楽しんでると思う。だからバレないしかみじょう達の雰囲気にふきよせとゆかりきに中てられれば」
「吹寄さんと紫木くんはより一層。気持ちを近づけることが出来る。そうゆうことでしょ? 土御門くん」

 上琴をリリースした理由の大半を滝壺と姫神に話されて少し拗ねた土御門だが、特に文句を言うことはしなかった。
 そこへいつの間にか集団から離れていたオルソラが全員分のチケットを購入して戻って来たがその行動が土御門に不幸をもたらす。

「さあさあ皆さん、私たちも中に入るのでございます。それと土御門さん、チケットのお支払いをお願いしますわ」
「何となく予想は付いてたものの釈然としないぜい……。青ピ! お前さんもチケット代払うんだにゃー。同じ男としてな」
「つっちーひどっ! 男はボクらだけや無いで、井ノ原あブフォッ! うぎゃーっ! ……ほ、ほんばにずびばぜんでじだ……」

 正月の件もあって予測はしていたもののやっぱり納得が出来ない土御門は青ピを巻き込んで入場券の支払いを済ませ、尾行組を伴って入園するのだった。
 ちなみに青ピは真昼を男扱いしたことで本人からのアッパーと茜川の音の衝撃波による制裁で気絶、レッサーに嫌々引き摺られながら入園する羽目に。

「ふぅ、これだけ探しても見つからないとはあの2人はどこで油を売ってるのでしょう? 遊園地……アンジェレネが好みそうな場所ですね。念の為に探してみましょう」

 少しして神裂がオルソラとアンジェレネが居る可能性を考えて、悩みはしたものの遊園地へと入園することにした。

525ё:2011/08/28(日) 19:59:46 ID:oKSYwMhw
「はぁ〜、○○様は今頃何をしておいでなのでしょうか? 何かこう、やる気が全く起きなぎゃんっ!」
「黒子ちゃん、愚痴をこぼしながら風紀委員の仕事しちゃ駄目でしょ。もっと真面目にやらないと、ね?」
「りょ、了解ですわ浦上様……」

 青ピが気絶してることなど夢にも思わない黒子は初春の代わりに彼女のパートナーを務めている浦上と一緒に、風紀委員の仕事に従事していた。
 時折、黒子を叱咤しながらも真面目に仕事をこなす浦上を見て固法はちょっと感動していた。

(これよ、これこそ風紀委員の仕事の雰囲気よ! 初春さんには悪いけど絹旗さんが出てくると風紀委員というよりも別の何かって思われるものね……)

 固法は2週間程度とはいえ初春が絹旗を連れてくるようになる前の風紀委員のやり方に戻ることに妙な充足感を覚えるのだった。
 まあ、絹旗が初春の手伝いと称して風紀委員の仕事をすれば病院のお世話になる人間が激増するから当然なのかもしれない。

――――――――――

(ネットの噂だとここの遊園地の観覧車に乗って一番上に行った時に告白すると必ず結ばれるってあった……絶対に決めてみせる!)

 遊園地に入園した紫木は最後に観覧車に乗って告白することを決意しており、それまでの間はひたすら吹寄の好きなようにさせると決めていた。
 しかしその選択が紫木自身を苦しめることになってしまう。

「よし紫木、まずは小手調べであれに乗るわよ」
「あ、ああ……え゛? スーパーロングマッハコースター……」
「ん? どうした紫木、顔色が悪いぞ。あたしはこの遊園地の絶叫マシーンを制覇するつもりなんだが嫌だったら」
「だ、大丈夫だ。俺なら平気だからさ……あはは(告白する前に心停止で死ぬかもしれない、俺……)」

 そう、情報屋こと紫木友は絶叫系の乗り物が大の苦手で吹寄の絶叫マシーン制覇もしたくは無いのだが彼も男の子、好きな女の子の前ではカッコつけたいのだ。
 かくして紫木の生死を賭けた遊園地デートが幕を開ける。

――――――――――

 その様子を眺めていた尾行組、盗聴器からの会話で紫木が明らかに怖がっているのを察知して心配していた。

「情報屋の奴、絶叫マシーンが苦手みたいやね。つっちー、フォローせんでええの?」
「駄目だな。これは紫木の心の問題だ、オレらにはどうすることも出来んですたい」
「こればっかりは紫木君の頑張りに期待するしかなさそうだね〜。……真昼ちゃんにレッサーちゃん、ウズウズする気持ちは分かるけどここは我慢してね」

 茜川の言葉通り、今のメンツでは情報屋の吹寄への想いの強さに賭けることしか出来ない土御門だった。

「ようやく見つけましたよオルソラ。こんな所で遊んで……土御門、それに皆さん。こんな所で何を?」

 そこに後から入園してきた神裂が声をかけた、土御門達が居ることに驚きつつも全員が一度は会ったことがある点を幸運と思って。

526■■■■:2011/09/10(土) 01:27:57 ID:cdR7C6jw


527■■■■:2011/09/13(火) 11:01:32 ID:f2L18nTo
もう潮時だね

528ё:2011/09/13(火) 20:35:55 ID:NrdibdpU
……書くのを止めたわけではなく、連続で投下に気後れしてるだけです。
私以外の書き手の±さんが来られない今、書いてるのが私だけという現状が……。

新しい書き手さんが現れて欲しいものですが、とりあえず明日あたりにでも投下しようかと思います。

529:2011/09/13(火) 21:43:21 ID:nMPgwydI
ёさんは私が外伝に投下した裏話、どう思います?
続き投稿するのはやっぱりダメでしょうか?

530■■■■:2011/09/13(火) 22:02:16 ID:f2L18nTo
正直言って新しい書き手を求めるのは無理かと。

この現状を見て私は投下する気にならない。

リレースレって大変なんですよね。例えば、レス借りますってな感じの短編ネタスレだったら考えたけど。

531■■■■:2011/09/13(火) 22:59:54 ID:FFbU9/kw
>>529
オイ★さンよぉ
もうこっちにはこないンじゃなかったのかァー?

532:2011/09/13(火) 23:01:19 ID:nMPgwydI
あり?雑談ならOKかと。
あと、どうしても書き手さんの意見が欲しかったんです。
また、皆さんの妨害にならないかと……

533■■■■:2011/09/14(水) 00:30:31 ID:iStLQ3us
>>529
★氏それは外伝スレのレス番368の事?もしその事だったら外伝スレで問うべきじゃない?
あとご指名で問うのは非常にKYだと思うのだが?

「外伝スレなら好きにすればいいんじゃない?」

多分、このように思ってるじゃない?俺も思ってるし。この板自体住民も少ないし、感想等欲しいと思ってるなら期待しない事。

534:2011/09/14(水) 00:42:26 ID:0032Ow4w
ええっと…好きにしていいなら、あっちにて好きに投下させてもらいますはい。

535■■■■:2011/09/14(水) 00:49:07 ID:iStLQ3us
>>534
好きにすりゃいいと思ってるのは俺なんで他の人は知らんよ?
あとこっちを巻き込むな。

536■■■■:2011/09/14(水) 10:50:24 ID:.BtPbhcU
デルタフォースの日常ってタイトルは名ばかりで日常的な話があんまりないなぁ…。

まとめサイトで読んで参加したいと思ったんだが、話がもうついていけないのが本音。
でもリレーSSの中では続いてる方なのかな?

537:2011/09/14(水) 10:51:55 ID:0032Ow4w
ついていけないって具体的には、
これまでの話を読むのが疲れるって意味で?

538■■■■:2011/09/14(水) 18:38:24 ID:YwQBdqpE
そりゃリレーSSにこれまでの展開を把握せず全オリキャラの性格等を理解せずに途中参加するのは不可能だし(古参に迷惑)
けど連載が長く続けば、余程興味がないと長大化したログを追う気力も起きないなんて普通でしょ
結果新しい書き手は現れず、古参の書き手が頑張るしかない
一度どんな形であれゴールを迎え、設定諸々をリセットして再スタートとか手を打たない限りは現状のままだと思われ

539ё:2011/09/14(水) 20:24:51 ID:aTDjPk.U
……投下、ちょっと見送らせていただきます。

他の皆様の意見を考慮してから投下するつもりです。

540■■■■:2011/09/14(水) 20:47:47 ID:g1ItBrZ6
オリキャラ出した時点でこういう展開になるのは予想出来た筈だが

541531:2011/09/14(水) 21:04:46 ID:ghElZOgs
だから原作に登場するキャラで話を進めたほうがいいと小一時(ry

542:2011/09/14(水) 22:26:10 ID:0032Ow4w
いやもうほんとスミマセン。
ひとまずのゴールっていうと、夏の『戦争』辺りでしょうか?

543:2011/09/14(水) 22:26:41 ID:0032Ow4w
或いは、現在2年の上条クラスの卒業とか?

544■■■■:2011/09/15(木) 02:35:50 ID:CqUUqaK2
>>542>>543
ゴールせんでも普通に打ち切りでいいんじゃね
だらだら続けても今までと何も変わらんし

545:2011/09/15(木) 09:51:01 ID:zY09WBWw
上条「俺達の日常(闘い)は」
一方「これからだァ!」

ご愛読ありがとうございました!
ええっと…次が思いつかん。何を楽しみにすればいいんだっけ?
まあ、こんな感じ?

546:2011/09/15(木) 09:55:09 ID:zY09WBWw
ちなみに始まったのは
2008,5,14だから3年間は続いていたことになりますねはい。

547■■■■:2011/09/15(木) 18:48:24 ID:i8c2kNIA
別にアンタが終わらせる必要は全く無いけどな。
しばらく放置しておけばいいんじゃね?
その間に流れも変わるかもしれんし。

548§:2011/09/17(土) 03:44:23 ID:vCFrtf1o
長い間来てなかったけど終わりそうなの?

549:2011/09/17(土) 10:45:10 ID:OhQ0EbF2

続かないといったほうがいい。

550■■■■:2011/09/17(土) 12:14:13 ID:zSiZSHCo
>>549
散々掻き回しておいて何を言っている
元気になったなお前

551■■■■:2011/09/17(土) 12:49:52 ID:5LyL9/52
>>549
だからさァもう書き込みしないって言っていたよなァ
いつまでいるつもりなンですかねェ

552■■■■:2011/09/17(土) 18:31:39 ID:kzq/kBiI
読み手としては楽しめているので、これで終わりというと寂しいですね

新しい書き手さんは気長に待ちつつ、続けて貰えると嬉しいです

553■■■■:2011/09/18(日) 23:49:17 ID:YM2FBV4c
このSS面白いから終わってほしくない

>>95 >>96 >>98 >>99 >>124 >>127 >>144 >>149
>>168 >>193 >>201 >>239 >>242 >>260 >>261 >>262
>>263 >>274 >>275 >>276 >>278 >>297 >>310 >>311
>>312 >>316 >>317 >>334 >>359 >>366 >>367 >>383
>>384 >>390 >>394 
をなかったことにして

>>209 >>217 >>328 >>339
を訂正すれば元に戻れると思う

数字ばっかりだけど言いたいことが伝わっているとありがたい

554■■■■:2011/09/19(月) 01:48:42 ID:LfgZOf.o
わざわざ乙wwwww

555■■■■:2011/09/19(月) 08:20:29 ID:Ea8vDJoU
簡単に言うがまとめ編集者の苦労を考えろ
>>553
お前★か?乙乙www
まとめの訂正お前がやるか?
返答よろ

556ψ:2011/09/19(月) 09:07:12 ID:gn6jpy5s
……来ないうちにこんなことになっているとは。

やっぱり、球技大会のが原因なのかな?

俺としてもこのスレが終わって欲しくないですね。 このスレは俺にとって小説を書くきっかけになりましたし。

とりあえず、今の問題は書き手ということですね。
参加したいけど、それが出来ない

557ψ:2011/09/19(月) 09:09:18 ID:gn6jpy5s
すみません。途中で投稿しまったorz

とりあえず書き手をどうにかしてふやさない

558ψ:2011/09/19(月) 09:23:14 ID:gn6jpy5s
もうやだ…… スマホで書くのは今日でやめよううん。

とりあえず書き手をどうにかして増やさないといけませんね。

まぁ、書き手になるのは個人の事なので、やはり書いてくれる人を志願してくれれば良いのですけどね。

一応これだけは言っておくけど、続けて欲しいのなら、自分から書いていった方が良いのではないでしょうか?
まぁ、俺は書きたいけど書けないというのが現状ですし……
とまぁ、どうなるかは読み專に掛かっていると思いますので。 俺も含めてですがww

それでは。

559:2011/09/19(月) 11:52:43 ID:6TDgko9Q
その場その場でだらだら続けるんじゃなくて、
前もって誰かが大筋(プロット)を考案して、基本的にそれに沿うようにするか、
普通のSSスレみたいに各々の人が最初から最後まで自分で作ったSSを投下するというスタイルにするとか(互いに齟齬がなければ、2つ以上の物語が同時並列しているのもOK)?

後者だと如何にも「日常」っぽくなるけれども、リレー小説と呼べなくなりそう……

560:2011/09/24(土) 23:37:54 ID:EXKrZaN2
思いつかないこともないんだけど、続き書きこんでいい?

561:2011/09/25(日) 00:12:04 ID:kKWu1TUc
…すいません。やっぱりやめます。

562■■■■:2011/09/25(日) 09:12:48 ID:BZCmLXXg
江本海馬

563:2011/09/25(日) 13:33:27 ID:dERwY8hY
その心は?

564■■■■:2011/09/25(日) 23:48:58 ID:BZCmLXXg
★悪かったな、温泉ツーリングに行ってて遅くなった。

それはさておき、このキーワードでググってくれたかな?そんな事はどうでもいいか…
これはあるSSに登場したオリジナルキャラだ。しかも作者は痛々しく黒歴史(ブラック・ヒストリー)とも言われている。
気が付いたのだが、黒歴史という点で共通しているね?
ただ、この作者は身を引いた点が違う。

はっきり言う。お前がいるだけで投下は止まる。現状を考えると書き手が増えるとは思えん。禁書はただでさえキャラが多いのに、オリジナルキャラが乱立しちゃ収集が着かないだろう。

さらに投下していい?辞めます?

く う き よ め よ

流行りで言えば

詠 矢 空 希 か?

お前はリレースレには向いてないよ?理由はわかるだろう?

あとは、自分でスレを立てて1人で黙々とやればいいさ。好きなだけ『オレ無双』すればいい。

これだけは言っておくよ。デルタフォーススレ気に入ってたんだよな…バレンタインイベント〜打ち止め入学あたりまでは。
少し離れていたら見知らぬオリジナルキャラがまぁ(笑)

★…ぶち壊してくれてありがとう。

565:2011/09/25(日) 23:58:49 ID:QY6O8Cvs
一本取られました。

566:2011/09/26(月) 00:05:38 ID:bUOy.lsg
ちなみに>>560で投下しかけたのは、
打ち止めの学校に引き取られた心理掌握の場面ですが、このスレの流れに確かに合わないですね。
どうも脇道や裏話みたいなことばっかり思い浮かんじゃって……
外伝の方に投下させてもらいます。

567■■■■:2011/09/26(月) 03:06:07 ID:rkWJXz4U
★さんよぉ
お前がなに書くつもりだったかなんて興味ねぇんだよ
てか、自分が潰したくせによく来れるよな
おかしいと思わないの?
頭だいじょうぶ?

568■■■■:2011/09/26(月) 03:07:36 ID:rkWJXz4U
★さんよぉ
お前がなに書くつもりだったかなんて興味ねぇんだよ
てか、自分が潰したくせによく来れるよな
おかしいと思わないの?
頭だいじょうぶ?

569■■■■:2011/09/26(月) 08:35:11 ID:dnH9AxjM
数年ぶりに覗いてみたらなんというカオスに…
長文とオリキャラ導入は新参が入り難いべ

570■■■■:2011/09/27(火) 00:06:48 ID:s1jLyiMU
正直、オリキャラのキャラクター像を把握しなきゃ書けない。
でも、オリキャラ多すぎるし、ログは長すぎる。
しかし、その長いログを熟読しなきゃキャラクター像は掴めない。

そんなんじゃ書き手は集まらないでしょう。

個人的意見だけど、3バカが毎日あれこれバカやるのが3バカの日常だと思ってるんですよ。
上条さんの夏休みのような非日常なる前の日常のようなものを想像してたんだけどなぁ…
なんか言いたいこと上手く書けないや。
好きなオリキャラもいるけど、いっそのことリセットしたほうが良さそうだと思います。

571■■■■:2011/09/27(火) 01:30:29 ID:svl26gqU
そもそも超能力者を5人も有して、主人公になりうる人物3人が皆通っている学校の日常が
「普通」の訳ないよな。

572■■■■:2011/09/27(火) 03:07:38 ID:ZnWBcf0E
>>570
「漂流教室」みたいな大地震か、過去を変えようとする大規模魔術によって、
上条さん達がこのシリーズが始まったときにタイムスリップしてしまい、
そのとき以後のキオクが丸ごと失われてしまい、
バカップルが誕生した合宿が何らかの手違いで行われなかったために
歴史が変わってく……みたいなの?

573■■■■:2011/09/28(水) 01:02:26 ID:RrEU94PQ
上琴がくっついた時は嬉しかったなぁ…
とりあえず、もう新たにリレー作りませんかね?
このシリーズを続けたい人はこっちで続ければいいし、リセット希望の人は新しい方でやればいいし。
まぁシリーズの名前は変えざるを得ないけど、あれこれ考えるならいっそ両方やればいいのでは?

と、少々でしゃばってしまいましたが、如何でしょうか?
まぁ、リレーに参加していない私が言っても仕方ないのですがorz

574■■■■:2011/09/28(水) 10:10:12 ID:tqNBBwBo
>>572の勢いで作ったネタ。
無視してくれてかまいません。

575■■■■:2011/09/28(水) 10:11:32 ID:tqNBBwBo
・素粒子研究所

「間違いない!ニュートリノは光より速い!この発見を利用すれば、もはや
タイムマシンも夢ではないぞ!」
「続いてはこの量でもっと大規模な実験を!」


数十分後
「グワアアアアア!な!何だ!周囲が歪む〜!」
「まっまさか!これは我々の方がタイ………」


 こうしてこの瞬間、学園都市のある研究所の実験により、
世界は一度滅亡した。






「…にゃー。……Zzzzz」

男子A「俺・・・、実は舞夏ちゃんのことがだいすきでさー 」

ガバッ! 
ここで土御門の目が覚める。
が,はやくも生徒の話題は変わっていた。

「うにゃ?何か壮大な夢でも見ていた気が……」

 ぼんやりした頭で夢のことを考えて、思わずその場の男子の別の話題に加わり損ねた土御門。
 そんな彼の前では、早くも上条当麻がクラスの全勢力によりフルボッコにされるといういつも通りの日常が繰り広げられていた。

「にゃー、月夜、あいつらまとめて凍らせて……月夜?」
「え?それって私のこと土御門君?無理だよ私の能力じゃ。」
「あ?あっれー?なーんか……何でお前のこと名前で呼んじまったんだ?さっきまで見た夢でも関係してるのかにゃー?」
「どんな夢だったの?」
「……よく覚えてないぜい。頭が未だフラフラで思いだせないしよ。」
「そう。ならきっときれいなお月さまが出てた一五夜の夢でも見たんだよ。」
「そ、そうかもしれないぜい。」

 あと、何でせいぜい吹雪を巻き起こす位の能力しか持たない月夜に、目の前の戦場を無理やりおさめさせることなんか期待したんだろう、何て苦笑しつつ、土御門は
なんとなく戦場(そこ)に声をかける。

「今度は一体何が原因だにゃー?」

 ピタ。
 その途端、それまでの喧騒が水を打ったように静まり返り、考えてみれば
そう大したことない理由で争っていたことを皆が思い知る。
 そしてその途端授業の予鈴が鳴り。

「はーい、それじゃあ朝のHRを始めるのですよー、皆さん席についてくださーい。」

 担任教師の到着で、予定通りに一日が始まり。
 そして歴史が変わりだす。






「うーん………初秋の頃にタイムスリップしてしまったようだな我々は。」
 20名ほどのとある研究員たちは、とある素粒子研究所で皆どうすべきか話しあっていた。
「今のデータ、取れたかね?」
「所長、この過去の世界では未来の研究結果なんてありませんよ。」
「チックショー、せっかく世紀の大発見だったっていうのに………」
「あきらめるな、ニュートリノが高速を超えることだけは分かったんだ。ただ………
加減にはもっと最新の注意を払おう。」

576■■■■:2011/09/28(水) 15:11:52 ID:xWCMa/4M
・その日の放課後、職員室

子萌「やれやれ、今日は居残りも無く、職員会議に遅れなくてよかったですよ。」
校長「ええ子萌先生、あなたのクラスも合宿に参加するんですから、担任の意見を是非お聞きしたい。」
子萌「どれどれ〜………」

 合宿の計画表を見て、沈黙する月詠子萌。
 始めは気にしなかった教師陣も、長くなるその沈黙に耐えかねたように切り出した。

教頭「あの、子萌先生、何か問題が……」
子萌「こ、これって……決定ですか?」
教頭「い、いえ、さっきも仰ったように、一応担任の意見を聞いてから………」
子萌「じ、実はですねえ、先生はついこの前、教師としての仕事で偶然、
 常磐台の教師と話すことになりまして。」
教師A「そ、それで…?」
子萌「その常磐台の修学旅行先も、この温泉なのですよー」

 担任からのその情報に、場の空気が一変する。

教師B「そ、それは…ちょっと……」
校長「うーむ、確かに……」
教頭「エリート校との鉢合わせに、もしわが校が迂闊に恥をさらすようなことがあれば……」
教師A「しかも常磐台といったら超お嬢様学校、場合によっては我々よりもそういった礼儀といってものに敏感なはず…」
教師B「お金持ちのお嬢様達の感覚からしたら、私達の学校や生徒がとんでもなく貧相で野蛮に見えてしまうかも……」
教師C「言っちゃあなんですが、その中でも子萌先生のクラスの生徒は何と言うか、元気がいいのは分かりますが……特に男子達のはっちゃけぶりが……女子高生たち相手にはちょっと……」
子萌「はい〜……」(それに、女子高と鉢合わせとなると、上条ちゃんのフラグ体質やらそれに感化された他の男子達が……はう〜上条ちゃん、どこまであなたはこうなのですか〜)

 本人が聞いたら理不尽極まりなさそうな苦言を呈しつつ、まあ、それでも今回は防げそうで何よりと気を取り直した子萌先生は、新たな方向を示唆することにした。

子萌「な、なら温泉はやめて、せっかくなので北……東北とかどうでしょう?
 本当なら夏がいいのでしょうけれど、あっちも本格的に寒くなる前でしょうし……」
校長「おお、それはいいのかもしれませんな。」
教頭「農業生活でもさせれば勉強になりますし。」

 皆が賛同しかけたとき、男性教師Aがからかい半分に尋ねた。

「そこもまた誰かと鉢合わせになるんじゃないんですかぁ?」

 すると女性教師Bが手を上げた。

「あのー、実は柵川中学の合宿が……」

 しかし、男女共学であることと、上条達の高校とは同程度のランクであること、
 むしろ他校との交流の機会が増えるということで概ね万場一致の了解を得るに至った。
 かくして上条の高校の合宿先は、東北の農業体験に決定した。
 一方却下された温泉の方では、『必要悪の教会』と常磐台の鉢合わせが、変な騒動を巻き起こすこととなるのだが、それは別の話。

校長「さて、次に明日来る転校生のことですが……」

577■■■■:2011/09/28(水) 21:36:38 ID:dq2CKUpE
ちょっとこの流れに乗っかって。
止まってる本筋の方は10月に入ってから地道に再開させます、軌道修正しながら。

その日の放課後、帰宅途中の上条当麻

(……おかしい。何で気付いたら去年の秋頃になってんだ? こうなる前に妙な感覚に襲われたのは覚えてるんだが)

 幸か不幸か【御使堕し】の時と同じとはいかなくとも記憶だけはしっかりと残っている上条。
 周囲の反応から異質なのは明らかに自分だと理解している上条は学校では下手な事を口にしなかった。

(となると美琴とのラブラブ生活さようなら、おかえりなさいインデックスとの共同生活。…………超不幸だーーーーーーーーーっ!)
(けどもしかしたら俺みたいに記憶が残ってる奴が居るかもしれねぇな。土御門がアウトだったのは痛かったけどクヨクヨしててもしゃあない、頑張るとすっか)

 【幻想殺し】が宿った右手をじっと見ながら上条は前向きに動き出すことにした。
 しかし彼は知らない、美琴と出逢って今の自分がどれだけ不幸なのかということを。

同じく放課後、教室の井ノ原真夜

 目を瞑って自分の能力の数値が100に戻ってることを1人教室で確認している真夜。
 この当時の彼ならパニックでおかしくなっているのだが、【瞬間超人】で強化していたお陰で記憶だけ無事なのでいたって平静である。

「能力だけじゃなくて身体の方も戻ってる、か。タイムスリップしたみたいだから当然といえば当然かな」
「もしかしたら俺みたいな境遇の人間が居るかもしれない。ゆっくり探すとする……のはいいんだけど」

 真夜が思い悩んだこと、それはポリアモリーで付き合っていた真昼と茜川のこと。
 タイムスリップする前なら今のままでいいと考えてはいたが、今の現状を思い返すとどうしたものかと悩むのだった。

夕方、風紀委員第一七七支部の初春飾利

 仕事をしながらも初春が考えていること、それは精神のみタイムスリップしている今の状況だった。
 彼女もまた前述の2人同様に記憶が消えることは無く精神のタイムスリップを果たしている。

「う、初春? 今日のあんたちょっと変だよ。急にボーっとしたかと思ったら顔つきが何ていうかその、ちょっと大人びたというか……」
「大丈夫ですよ、る……佐天さん。私なら平気ですから(きっと火織お姉ちゃんが作ってくれた花飾りの護符のお陰だろうけど……寂しいですね)」

 初春の記憶が無事な理由、それは神裂が作ってくれた花に見立てた主に脳を護る護符の力によるものだった。
 上琴、佐天と絹旗、神裂、そして多くの絆を喪ったことを寂しく思った後で初春は状況把握と自分に出来ることを探し始める。

夕方、黄泉川のマンションの一方通行

「……チッ、胸糞悪ィ揺れだったぜ。しかも揺れが収まったと思ったらタイムスリップ……ふざけてやがる」

 タイプスリップにも誤差はあり一方通行が精神のタイプスリップを果たしたのはついさっきのこと。
 彼が記憶を残している理由は偶然にもその時、ベクトル操作を【反射】で設定していたお陰だったりする。

「この様子だと俺以外に記憶が無事な奴……上条はまず間違いねェ。他の奴らはどうにも分かンねェからとりあえず上条にあたるとすっか」
(……おそらく打ち止めとの関係もチャラだなァ。クソッ、上条じゃねェが不幸だって叫びたくなるぜェ……)

 一方通行は【幻想殺し】の力を、そして上条当麻という人間を信頼して上条を探しにマンションを飛び出した。

舞台は学園都市を離れてイギリス清教女子寮、神裂火織

「……何の悪夢ですか、これは。目が覚めたら女子寮……飾利が居ないじゃないですかっ! 私の大好きな可愛い妹の飾利がっ!」

 神裂の記憶が無事な理由、それはひとえに運である。
 初春が居ないことで冷静じゃない神裂は精神だけタイムスリップしたことに気付いていない。

「うっせえぞ神裂! 朝っぱらから喚いてんじゃないわよ!」
「シェリー! まさか貴女、飾利に何かしたわけじゃないですよね? 事と次第によっては」
「カザリ? 何言ってんだお前?」

 シェリーの言葉に疑問を持った神裂は考え出した、自分の今の状況について。

578:2011/09/28(水) 22:19:22 ID:qeF7UHsE
リセットし過ぎ!
整理するとえーっとこういうこと?

タイムスリップした理由:ニュートリノによるタイムスリップ研究の失敗(科学)

無事だった者達の理由
上条当麻:幻想殺し(これって「異能の力」なのかなあ?)
一方通行:ベクトル操作(何を反射したんだろう)
初春飾利:護符
神裂火織:運(?)
井ノ原真夜:?

納得がいく理由なのは飾利のみじゃねえか………

579:2011/09/28(水) 22:25:28 ID:qeF7UHsE
あと、本編の方でもこの場面で土御門が煽って上条リンチが始まったと考えると、(「全部カミやんが悪いんだにゃーっ!! 」 )
記憶を失っているはずのこの人が自覚しないうちに
歴史を変えるトリックスターになっちまってるじゃねえか。

580■■■■:2011/09/29(木) 00:05:00 ID:Oeljl.96


581:2011/09/29(木) 00:08:25 ID:irnSnP6o
すみません。引退宣言しましたが
このリセット展開に合いそうなのが思いつきました。
単なる戯言だと思ってなかったことにしてくれてかまいません。

582:2011/09/29(木) 00:10:28 ID:irnSnP6o
(時間は…去年の初秋!?タ、タイムスリップ!?ば、馬鹿な!どのような……そんな魔術、聞いたことが……ハ!?)

 そこで神裂が思い出したのは、あまり思い出したくないのだが、【御使堕ろし】という、
『不幸』により発動してしまった大規模魔術。
 あれによる影響は、体と心の入れ替わりという目茶目茶なものだったのだが、
土御門によると『儀式場』の状態によっては、風水のエキスパートである彼にすらも分からない術式が発動する可能性もあったという。
 もしかしたら……

(そ、そんな……じゃあ、またこの広い世界のどこかで、『術者』が『儀式場』探し………)

 外見ですぐ分かる【御使堕ろし】とは違い、今度は未来の記憶を持っている人物の捜索。
 まるで砂漠でダイヤを探すようなものだ。
 絶望に切羽詰まった神裂は、次の刹那、ドアの外の気配を感じると同時に、ようやく気付いた。
 侵入者によるもの以外、何一つ物音がしないことと、周囲の違和感。先ほどから周りがあまりに「変わらなさ過ぎて」いることに。
やがて女子寮のドアがキイ、と開き……

583:2011/09/29(木) 00:10:38 ID:irnSnP6o
数十分後、イギリスの日本人街

「ほう、ならばあなたの(義理の)妹の飾利さんも……」
「ええ!間違いありません!あの娘に渡した術式が役に立つとは!ああ!例え離れていても、私は飾利の役に…!」

 感極まって恍惚とした表情を浮かべる神裂を、綺麗な年増の女性が苦笑しながら優しく見守っていたが、やがて落ち着きを取り戻した神裂は、非常に真剣な面持ちでその女性に尋ねた。

「ところで神楽氏、これは魔術ですか?」

 その言葉に、神楽と呼ばれた女性は顔をしかめた。

「正直に言えば…科学…それも不慮であってほしいというのが私の見解ですね。」
「何故?」

 神楽と呼ばれた女性はそこではーっと息を突き、遠い所を見る目で言った。

「時間とは…現在の魔術でも触れることが許されない禁断(タブー)。神の領域……
 せいぜいできることといったら『予言』や『幻視』…それも、果たして当たるかどうか分からないような、その程度のもの。
 恐らく魔術、科学関わりなく、人が迂闊に手を出してはいけない宇宙の絶対的真理……時間の専門家である私ですら、できることといったらこの程度。」

 そう言って彼女は懐から取りだしたラットに手をかざすと、やがてそのラットが
みるみる小さく、幼くなり、やがて元の大きさの何分の一かという赤ん坊になったかと思うと、今度はみるみる大きく、やがて元の大きさを超え、動きが鈍くなった。
 ラットが完全に老化したと思ったらすぐ若返り、当所の若さを取り戻した。

「ごめんねボナフェテイーナ。見せしめのためとはいえ毎度毎度こんなことに使ってしまって。」

 文字通り実験動物(モルモット)にされたにも関わらず、ラットがよく懐いた様子で女性の懐に戻ると、女性は話を続けた。

「このように、物の時間を操ることと、あとは、時間を止めることくらい。今のように。」

 今。
 建宮が、五和が、浦上が、対馬が、諫早が、牛深が、香焼が、いつも通りの「日常」を送ったまま止まっている状態。
 「動き」を、「時間」を持つのが、ちゃぶ台で談笑している2人の女性のみという状態。
 神裂は、謙遜気味に言うこの女性の、現在の科学、魔術を以ってしても不可能とされている「時間」を操る力に底知れないものを感じつつも、
恐らくそのおかげでタイムスリップを逃れたのだろうといっていたこの時間のエキスパートの女性により、それまでの混乱状態とは段違いの心強さを感じた。
 神楽というらしき女性が立ち上がった。

「丁度いいじゃないですか。私と、貴方と、さっきまで私と話していた初春さんが大丈夫となれば、学園都市に行くことには何ら異議はありませんね。」
「ええ!予定が正しければ、この後数カ月もすれば学園都市に行く手はずになってありますし!」
「私は『本業』がありますのでこれで。『原因』を突きとめられることを心よりお祈りしてますよ。分かりましたら私にもお知らせください。」
「は、はい!本当に有難うございます!神楽玲於奈様!」

 ぺこぺこと頭を下げ続ける神裂を見て、女性、神楽は困ったように言った。

「あの、できれば私のことは誰にも、そう、飾利さんにも秘密でお願いできます?
 もしかしたら来年、貴方達と戦わなければなりませんから。ブレインの幹部、『ジャックポット』の一員として。」
「ええ!それはもう!」
「ふふ、信用していますよ。
 そうそう。私がここを出て帰る間、そう、10時間後位にはここの時間は動きますから。」

 そう言って帰りかけた女性は、ふと振り返って最後に言った。
 そして何気なくかけられたその言葉により、神裂は一気に絶望の底にたたき落とされる。

「ま。言っては何ですが、恐らくバック・トゥ・ザ・フューチャー(未来への機関)は無理でしょうね。過去にすらこのような『ズレ』が出始めているようでは。
 『原因』には興味はありますが……この『過去』の世界で生き続けることを早く受け入れた方がよろしいですよ。」

584■■■■:2011/09/29(木) 00:10:56 ID:Oeljl.96
あぁなんか間違って書き込んでしまった…orz
申し訳ない。

結局続けるのかね?
とりあえず、リレーの失敗するパターンは無意味にキャラを増やし過ぎる点だと思う。
原作キャラだからって出し過ぎるのも良くないんじゃなかろうか。

585:2011/09/29(木) 00:11:16 ID:irnSnP6o
神楽玲於奈(かぐられおな)

586:2011/09/29(木) 00:11:47 ID:irnSnP6o
ああ、じゃあこの展開やめときます。

587:2011/09/29(木) 01:29:45 ID:irnSnP6o
上条宅では、当麻がインデックスに追い詰められていた。
と、いってもいつものように歯をギラギラさせられているわけではない。
ただ、上条にとっては1秒1秒がそれこそ地獄に匹敵する瞬間だった。

「ねえ、とうま……とうまは私といたくないの?」

588■■■■:2011/09/29(木) 01:48:48 ID:tu7Zgfw2
なんだか混沌としてきたなあ…

それでも何も言わない現書き手さん、本当に新しい書き手に来てほしいの?

589■■■■:2011/09/29(木) 02:18:36 ID:prKxV98Y
せっかくここまで書きての皆さんがリレー形式で作って来たわけですし、
元々の流れでオリキャラを消して(出さないようにして)続ける方が良いかと
私は思うのですが如何でしょうか?

590■■■■:2011/09/29(木) 05:34:22 ID:dGkCw.qc
>>587
オイオイ★さンよォ
今まで散々ひっかき回していたくせに、何事もなかったのようにヌケヌケと戻って来るなンてェ、どういう了見だ
引退すンじゃなかったのか?

しかも性懲りもなくオリキャラなンぞだして

591±:2011/09/29(木) 07:31:50 ID:Lzr6CkoI
すみません、本当に一ヶ月も来れなくて……………
自分としては>>589さんの意見に賛成です。
とりあえずいらないオリキャラは消し去って(出番をなくして)いかなければたぶん新規書き手は増えないでしょうね………
まあ、書き手が増えないと自分かёさんのどちらかが来れなくなったら終わってしまうし…………(主に来れないのは自分だが)

個人的には過去に戻るのはしたくないですね。
今まで書いてくれていた書き手さんにも失礼でしょうし。

最後に一言
これって本編投下してもいいの?

592ё:2011/09/29(木) 08:33:21 ID:27m16pdg
±さん、過去戻りはあくまでネタ的なものだと思うので気にしなくてもいいかと。
本編投下は望む所、というかしてくれると本当に嬉しいです(私も戻りやすいですし)。

593:2011/09/29(木) 11:24:19 ID:aVE2nfnI
……関係無い複数の話が同時並行して進んでいる!?
まるでSSスレみたいに…。
「日常」を書くってこういうこと……?

594±:2011/09/29(木) 19:54:24 ID:Lzr6CkoI
文章の量が少ないかもしれませんが、投下させていただきます。

――――――――――

「……………なるほど、そのようなことがあったんですか」
「そうだぜい。オルソラのおかげで上手くいったんだにゃー」
「そうそう!だからオルソラさんをあまり怒らないであげてね、神裂さん」
「まあ、貴方達がそういうのであれば」

 オルソラが時間になっても来ない事に怒ろうと思っていた神裂。
 しかし、土御門と白雪の説得のおかげでその怒りを収めていた。

「しかし、件の二人の事は放っておいていいのですか?」
「あ、二人がいなくなってる………」

 神裂の一言で今の状況に気がついた真夜。
 それにつられて他のメンバーも焦り出すが、土御門は一人何食わぬ顔をしていた。

「もっっ、元春ぅ〜!!どうすんのこれ!!」
「落ち着け、俺らは盗聴器をもっているにゃー」
「「「「「「「「あ」」」」」」」」

 すっかり盗聴器の存在を忘れていた土御門を除くメンバー。
 かくして、尾行組は盗聴器から流れてくる音を頼りに吹寄と情報屋を探すこととなった。

――――――――――

 一方、その頃吹寄と情報屋は近くのベンチで腰かけていた。
 理由は簡単。
 絶叫系のアトラクションに乗りまくったため、情報屋がダウンしてしまったからであった。

595■■■■:2011/09/29(木) 22:17:35 ID:hUf4DEjI
オリジナルキャラの採用
設定上の矛盾
キャラクターを増やした結果、原作の設定に対してズレが生じる可能性が原作キャラのみの二次創作よりも増えてしまう。
カッコ良くて腕も立ち……といろいろ完璧超人なオリジナルキャラが主人公たちを差し置いて大暴れし、他の原作キャラを存在感・活躍で完璧に食ってしまう。
オリジナルキャラクターを使用した二次創作によくある話で、オリキャラが「メアリー・スー」「ゲイリー・ストゥー」と呼ばれるタイプに陥ってしまうケース。端的に言えば「ぼくのかんがえたさいきょうキャラ」。
「なんで○○の二次創作でオリキャラ無双やってんだ!」とキレられるパターンである。
(潜在的に「オレTUEEEEがやりたいだけ」というのがこの手合いの作者に多い。そして、そういう作品は 非常に薄っぺらく、なおかつイタい 物語になりがちで、読み手からすれば非常につまらない場合が多い)

596:2011/09/29(木) 22:23:32 ID:06.8Cp3w
…念のため訊くけどどのキャラのこと言っているの?

597■■■■:2011/09/29(木) 23:13:13 ID:5rVb6rRk
オオカミ少年★ふざけんなよ?
神楽何とかとか…
躊躇せずまた新キャラ出してさ、オリキャラ自重とか話してんのに…何考えてんの?バカなの?死ぬの?
空気読まない、他の書き手さん無視、言葉は軽い。こんなんじゃリレーなんて無理だろ?男か女か知らんが、男だったらケジメ付けろ。
新たな書き手が来れない状況をさらに悪化させているの分からんか?意図的にやってるんだろうけど。
外伝で好きなだけやれ。俺は文句は言わん。ただ、そちらに新たな書き手さんが来るとも思ってないがね。

598■■■■:2011/09/29(木) 23:36:35 ID:prKxV98Y
±さん乙です

>>★さん
以前☆さんにも言わせていただきましたが、オリキャラを
出したいのならば自分でスレを立てるか、もしくは他の書き手の人に
大まかなプロットなどを書き、聞いてみてみるのが筋かと思います

あと、どのオリキャラが云々より個人個人で勝手にキャラを増やし
元々の流れや禁書の世界観を壊してしまうのが問題かと

599■■■■:2011/09/29(木) 23:41:19 ID:5rVb6rRk
>>596
あくまでも仮定だが、>>595の言いたい事は

オリジナルキャラ>>>>>>>原作キャラ

って事をいいたいんじゃない?
このスレの状況を…キャラ単体じゃなく。オリジナルキャラを出したいが為に話を作ってるとか。

ここはデルタフォーススレなんでオリジナルキャラは自重。

600:2011/09/30(金) 00:02:55 ID:vNUdcIKQ
・プロット

神楽玲於奈
 『ブレイン』の下に集う幹部の一人。
 能力はチートなのだが平和主義者で、今回の学園都市との『戦争』も乗り気でないために、
交渉といった裏方に徹し、戦闘には不参加というスタンスを取っているのだが………

 本業は南米の小学校の先生。
 趣味は映画観賞。絹旗とは違い、CGや最新技術を駆使した一流映画を嗜むのだが
趣向がグロ・ホラーであるため、ある意味彼女よりも趣味が悪く、生徒達の間では、
「神楽先生の家へ遊びに行ったらテレビや映画のことに触れてはならない」というのが
暗黙の了解になっている。

 こんな感じ?

 まだ先のことですが、『ブレイン』との戦いとなると、(ましてやそれが「対抗戦」ともなれば)
どうしてもオリキャラの登場を避けることはできないと思ってしまったので……

601:2011/09/30(金) 00:17:24 ID:vNUdcIKQ
付け加え
 彼女は正確には時を止める(0にする)のではなく、
自分や対象の時間を早めているだけで、
例えば彼女が自分の時間を3600倍にすれば、
外からの1秒が彼女にとっては1時間になっているという具合です。

602■■■■:2011/09/30(金) 00:23:50 ID:6TF1tR/.
>>★

つプロット=話の展開

603:2011/09/30(金) 00:27:09 ID:vNUdcIKQ
安心してください、本編にはこのキャラ出しません。
番外っぽい過去編のみです。

604■■■■:2011/09/30(金) 00:33:06 ID:6TF1tR/.
つまりこのスレには出さないと
ならば最初から外伝のスレの方に出せばよかったのでは?

605:2011/09/30(金) 00:40:16 ID:vNUdcIKQ
ええ、そっちにはもっと前から出てました。
ただ、>>575からのノリに乗っかかってしまう形でつい……

人物設定っていったら、
そろそろボスキャラであるブレインとスカルのキャラ(正体)を
はっきりさせといた方がいいのでは……?

606■■■■:2011/09/30(金) 00:40:51 ID:lvCl/6vc
いい加減★は消えなさい。
引退宣言したんだろ?ん?

607■■■■:2011/09/30(金) 00:50:12 ID:L6IMJg5s
みんな専ブラ導入して★NGにすれば時々レス飛ぶだけで今居る書き手・ROM専にとっては解決になるんじゃないか
新規参入にはテンプレで★NGして貰う方向で・・・その内消えてくれる事を願いつつ

608■■■■:2011/09/30(金) 00:54:56 ID:Vafl1XEU
10レス目から指摘されているだろうに。ノリに乗ってとかってさ、他の書き手さんの事眼中無しじゃねぇかよ。今までそのノリで出してきた結果がこの有様じゃね?

出したもん勝ちだもんな?他の書き手さん、好きに使ってください!これでOK!このノリだろ?

609■■■■:2011/09/30(金) 03:25:08 ID:JdRWp5hg
ぶっちゃけオリキャラもあれだが、義妹設定とかなんじゃそりゃって感じでもある。まぁ2次創作だから気にしすぎちゃいけないけど、なんだかね。

とりあえず、☆さんは何がしたいんですか?
まだ書きたいならまずはスレの流れを理解して下さい。
自分のやりたい事だけやって、他は無視っていうんじゃ荒らしと同じレベルです。
そんなに自分の考えたキャラクターを出したいなら、スレを立てるか、オリジナル小説を書いて下さい。

610■■■■:2011/10/02(日) 02:09:29 ID:cy4jtnxc
軌道修正して続けるなら、戦争は中止にすべきだと思う
日常とかけ離れるし、オリキャラが増えるし、長丁場になりそうだし

新キャラ引っさげてカムバックしようとしている人もいるみたいだしね

611■■■■:2011/10/02(日) 20:59:12 ID:Wn8Lwlto
初になるのでしょうか?

こちらのサイトでは読み専な者でございます。

さて、★さんにご提案があります。

まずこのサイトの二次創作、つまり三次創作という形で
貴方の構想を完全に独立させ、他の二次系小説投稿サイトで作品を発表してみてはいかがでしょうか?

そうすれば貴方のオリジナルキャラたちはそこで日の目を浴びますし、こちらの書き手さん+読み手さんにとってもそれがいいことのように議論の推移から推察いたします。

たぶんこのスレの最初の目的は、それこそ三バカが昨日学校帰りに何食ってうまかったとか、そこにアクセらとか絡んでなんか大事になったとか、そんなネタがやりたかったのでは? とか思っちゃってます。

ですので、残念ながら★さんのやりたい大きめな話は他の方がやりたいことと乖離しているかと思いますので、ここでの活動はもうかなり難しいのではと思ってしまいます。

ぐだぐだ書きましたが、ご一考いただければ幸いです。

他の書き手の方、読み手の方駄文失礼致しました。

612■■■■:2011/10/02(日) 21:10:28 ID:B4lI.c9s
問題はいくら言っても効き目がないことなんだよなあ
さっさと引退して欲しいんだが

613■■■■:2011/10/02(日) 21:34:27 ID:k7E3w5TI
このスレも末期だな
比べたりするつもりは無いけど、このままだと上手いSS書ける職人さんがSSスレとか他サイトに流れていってしまいそうだ
実際SSスレは過疎気味だけど安定してる。投下すれば感想は必ずつけてくれるし、SSを書きたい人からしたらそっちのが環境は良い
このスレで書きたい!って人も居るだろうけど、この流れじゃ気楽に投下はできないだろうな

614ё:2011/10/02(日) 22:07:03 ID:mT98o3q.
本編続きを投下します、2レスほど。

―――――

「大丈夫か? 紫木。まったく無理をして、ほら」
「あ、あぁ、ありがと……。んぐんぐ……ふうっ」

 吹寄から差し出してくれた麦茶を飲み干してようやく情報屋は気持ちを落ち着かせた。
 絶叫マシーンのはしごを耐え抜いた情報屋だが、自分を心配そうに見つめる吹寄を前に申し訳ない気持ちで一杯に。

「ゴメンな吹寄、結局、し、心配させたみたいで……。吹寄の楽しみを邪魔したくなくて我慢してたけど結きょ」
「まったくだ。苦手なら苦手とそう言いなさい。あたしは無理して付き合ってもらっても嬉しくないわ」
「はは……か、返す言葉も無い。ホントにごめへぶっ!!」

 何度も謝る情報屋をビンタで黙らせた吹寄は、情報屋にそっぽを向いて情報屋にとって思いもしない言葉を口にする。

「今度からはあたしに相談すること。貴様が楽しまないとあたしだって本当の意味で楽しめないから。いい、分かった?」
「そ、それってへぶらっ!」
「う、うるさいっ! とにかくそうゆうことだから貴様は今は休みなさい! か、肩くらいは貸してあげるから。最後は紫木、貴様のリクエストに応えてあげる」
「あ、ありがとう、じゃ、じゃあお言葉に甘えて……か、観覧車」

 吹寄の照れ隠しのビンタに苦笑しつつも情報屋は彼女の肩に頭をもたれ掛けて休むことにした、観覧車での告白に備えて。
 ちなみに吹寄が情報屋に肩を貸したのは彼女なりに勇気を出した行動だと付け加えておく。

―――――

「ふー、一時はどうなるかと思ったがいい雰囲気をキープしてくれて安心したぜい」
「でもさ元春。あそこは肩じゃなくて膝枕じゃない? 私だったらそうするよ」
「白雪、それは貴女たちのようなカップルの常識です。吹寄の行動も充分に勇気あるものだと思いますよ」
(神裂はん、ナチュラルにボクらと一緒におるけどオルソラはんを連れて帰らんでええんやろか……。爆乳が爆乳を気にかけるとは絶対言えんけど)

 その様子を把握していた尾行組は更に仲良くなった2人を見て安心していた。
 2人の雰囲気を前に尾行組にも動きが出始めた。

「この調子ならもう安心だね〜。土御門君、月夜ちゃん。私はもう行くから真昼ちゃんのこと、よろしく〜♪」
「あ、赤音ちゃん?」
「真夜君がなかなか合流してくれないから心配になっちゃって。教会に居るって話みたいだから迎えに行くの。真昼ちゃんは楽しんでていいからね〜」
「おうっ! 俺は最後まで見届けるぜ。家に帰ったらお前と真夜にバッチリ報告してやっからよ」
「では私も失礼させていただくのでございます。アンジェレネさんの無事をこの目で確認したいですから」

 よほどのことが無い限り、吹寄と情報屋のカップル成立は間違いないと確信した茜川はオルソラと一緒に真夜が居るであろう教会へと向かうことに。
 それから少しして神裂も後ろ髪を引かれつつもオルソラと茜川を追いかけて教会へと向かった、オルソラが心配というその1点で。

(あの2人を見て私も上条さんを御坂さんから華麗に奪い返す策を立てなくては!)

 ただ1人、尾行する理由が異なるレッサーも居るが尾行組は特に問題無く吹寄と情報屋を見守るのだった。

615ё:2011/10/02(日) 22:08:24 ID:mT98o3q.
 その頃、上琴は思いっきりデートを楽しんでいた。

「あー、何か久々に2人っきりのデートって感じがするなー」
「実際そうじゃない。何だかんだでみんなと一緒に行動することが多くなったもの」
「そうゆうのが慣れっこになってるからすっかり麻痺してる気がするな……。美琴と2人っきりのデート、もっと増やすか」
「私も当麻に賛成♪ ついでにたまには当麻と手合わせしたいなー、というのは冗談だけど」

 美琴さん少しバチバチしてるでせうよ! 上条は美琴が少し帯電してるのを感じ取って恋人の冗談に疑問を感じていた。
 上条が自然な感じで帯電している美琴の頭に右手を乗せて帯電を収めた後で、優しく頭を撫でると美琴はくすぐったさに笑顔を浮かべた。

「じゃあ最後に何か乗って帰るとすっか。美琴、何乗りたい?」
「観・覧・車♪ そこで今の続きをしたいんだけどダメ?」
「もちろんダメじゃないでせうよ! ただし、あまり羽目を外さない程度にすること。分かったか?」

 うんっ♪ という美琴の返事に少し不安を覚えたものの、上条は美琴と手を繋いで観覧車へと向かうのだった。

―――――

 そして上琴が観覧車に乗り込んで少しして吹寄と休んで元気になった情報屋が観覧車に乗り込んだ。
 その後で尾行組もばれない程度に間隔を空けて観覧車に乗り込むと、盗聴器から吹寄と情報屋の声が聞こえてきた。

616■■■■:2011/10/03(月) 00:50:29 ID:cmIgRMcA
読み専でここに追いついたものです。

なんで★はオリキャラを出すことをごり押ししてくるのか謎。
自身が書いてるSSと、こっちを併せたいというだけでオリキャラ出すのはどうかと。

リレーの流れを絶つどころか、意味も無く自分好みのキャラを作っても共感は得られないですよ。
一応オリキャラの設定を作ってるみたいですけど、共感どころか「そんなのいらねぇ」と見られてるのでは?と思います。

読む立場ですので発言するのもあつかましいとは思いますが、世界観(この場合このスレでの内容)を乱してまで自己を突き進むのはどうかと・・・

他の方が共感してるのならその方の文章で出てくるとは思いますが、独りよがりな設定はリレー小説では無理があると思います。

617■■■■:2011/10/04(火) 02:33:26 ID:WbQK/gCg
まぁ世界観はともかく、随分前から色々キャラ崩壊してますけどね…

618±:2011/10/04(火) 07:38:41 ID:gLAt8Zbs
まあ、それを言ったら………
では本編

――――――――――

『うーん、うわさ通りのいい眺めね』
『ああ、そうだな(これなら告白も………)』

 盗聴器から聞こえてくる音から感じ取られる向こうのいい雰囲気。
 それを聞いていた尾行組の土御門と白雪もいい雰囲気になっていた。

「いやー、初々しくていい感じだぜい」
「ん〜、今度二人きりでデートしよ、元春!」
「いや、あえてどこかで泊まりがけで旅行ってのもいいんじゃないかにゃー」
「あっ!いいね、それ!」

 観覧車内でいちゃいちゃオーラを放ち始める二人。
 そのオーラによって周りにすごい影響が出始めた。

「…………黒子はん、ああ黒子はん、黒子はん………………」
「なんで。五七五なの。○○くん(青ピの本名)」
「あっちでイチャイチャ、こっちでイチャイチャ………これならコーヒーをブラックで飲めます!」
「…………………俺も帰ったら真夜と赤音とイチャつこう」

 完全に甘い雰囲気を出し始めた結果、何とも言えない状況となった観覧車内。
 こんな状況でも彼らの耳にはちゃんと盗聴器の音だけは聞こえていた。

――――――――――

 そして時間がたち、情報屋たちの観覧車がだいぶ上に近づいたころ。
 ちょうど上琴の観覧車が頂上にたどり着きそうになっていた。

619■■■■:2011/10/04(火) 20:56:09 ID:2dx8a0og
>>616
とりあえず★さんが少し自重してくれれば、流れ自体は前通りに回復するのかな
多分、新参の書き手さんは殆ど来ないと思うけど。SSスレに流れるよこの有様じゃあ

620■■■■:2011/10/04(火) 23:52:51 ID:NCW9JIYc
>>619
自重どころか来ないでもらいたいよ
来る度にこのようになるから
もう新規の書き手を望むのは無理っしょ?過去ログどころか外伝も目を通さなけりゃ書けないだろうし…途中で折れるよ(笑)

621■■■■:2011/10/05(水) 03:49:43 ID:sAWg9N7Y
外伝なんかあるの?
本編の球技大会までしかまだ読んでないけど、段々面白くなくなってしまった。
なんか、読み始めたから仕方なく読んでる感じになる。

そもそも魔術サイドが関わった時点で非日常じゃないのかなぁって思う。
誰かリレー仕切り直しやってくれないかな…。
長すぎて途中参加できない。

622■■■■:2011/10/05(水) 07:04:18 ID:S3sARbcU
>>621
あるよ。☆がスレ立てた。外伝もリレー形式みたいだけど。
こっちよりもオリジナルキャラが多い。なぜか本スレよりも先に多くのオリジナルキャラが登場し、混乱の一端を担っている。

今回の事で改めて思った。
オリジナルキャラはSSを駄目にすると。

623■■■■:2011/10/05(水) 11:09:01 ID:sAWg9N7Y
>>622
わざわざありがとうございます。
オリキャラがSSをダメにするってのは極論だけど、このスレのタイプのオリキャラはSSをダメにするタイプだと思う。

原作キャラと絡まずにオリキャラだけの話がある時点でアウトじゃないかな。
なんの為に出したのかわからないキャラが多すぎる。

624■■■■:2011/10/05(水) 11:41:20 ID:GVsWKAgM
リレー小説においてキャラを増やしていく行為自体が愚行そのもの

本来ならタイトル通りデルタフォースの三人だけで十分の筈

625■■■■:2011/10/05(水) 15:25:40 ID:pbJVvZYc
・このスレの執筆者とROMが望んでる二次創作
  原作キャラのみでリレーを行い、原作キャラを深く描写するタイプ
・☆氏のやりたがっている二次創作
  原作世界をシェアワールドとして、各執筆者のオリジナルキャラを中心に交流するタイプ

自分にはこう見える。
☆氏の遊び方も愛好者同士でやる分にはいいんだよ。Pixivの版権企画とかモロ後者だし。
この二つの遊びが別物で決して混り合う事は無いと☆氏が理解しない限り、
スレルールにオリキャラ禁止と明記するしかないと思う。

626■■■■:2011/10/05(水) 22:15:08 ID:9sdoXyfw
別にオリキャラはSSを駄目にしたりしないと思うよ
ストーリーと文章力でいくらでもカバーできる……けど、
リレーの場合はどちらもバラつくし、ストーリーに至っては前と後にも合わせなきゃならない
個人SSならオリキャラ出しても面白い人いるけど、多人数SSだと、なあ……

★さん、SSスレ行けば良いんじゃね? 職人足りないし歓迎されると思うんだけど

627ё:2011/10/09(日) 21:58:40 ID:1UAwtiiA
本編投下です、2レス。

――――――――――
「相変わらず観覧車からの眺めは絶景だなー。ホラ、美琴も見てみろよ」
「んー、あとで。今は当麻の膝枕を楽しみたいもん♪ キスしていちゃつくのダメなんだからこれくらいはいいよね?」

 今、上条は観覧車での必要以上のいちゃつきを美琴に禁止した代償として美琴のリクエストで膝枕をしている所だ。
 最初は駄々をこねた美琴だが土御門たち(というか土御門だけ)が居ることを思い出して妥協することに。

「土御門さんに下手なところ見られたらまたからかわれるから仕方ないものね。それでも当麻の膝枕ゲットで私は嬉しいけど♪」
「それは光栄の至りだけどそろそろ下りるだけなので上条さんも美琴たんの膝枕を所望したいのでせうが?」
「たん言うな。でも当麻のリクエストに応えてあげるから入れ替わ伏せてっ!」

 上条への膝枕を実行するべく身体を起こした美琴だが、何かを発見して上条もろとも床部分へと身を隠す。
 いきなり引っ張られて訳が分からない上条が何事かと尋ねようとしたが慌てて鼻ごと口を塞がれてしまう。

「静かにっ! さっき吹寄さんが見えたの! 見つからないように大人しく……だ、大丈夫?」
「ぷはっ! はーっはーっはーっ……窒息死するかと思ったわ! それに声なんて聞こえないんだから鼻と口塞がなくてもいいだろ!」
「ご、ごめん……。で、でも見られるのはまずいから少しの間はこのままがいいと思うのよ。ね?」

 そ、それもそうだな、上条はそう呟いて美琴を抱きしめて安心出来るまで大人しくすることにした。
 そして見つからない所まで進んだと判断すると、上琴は吹寄と情報屋に見つからない為に観覧車を出たらすぐさまダッシュで逃げる決意を固めるのだった。

――――――――――
「しっかしなかなか喋らないにゃー、この2人。観覧車に乗ってからずーっと無言って息が詰まると思うんだけどな。井ノ原姉、ベクトルはどんな感じぜよ?」
「安定してピンクだから問題はねーぞ」
「それならいいんだけど元春の予想ならここでロマンティックに告白でしょ? このまま何も無いのは良くないよ」
「せやけどボクらには何も出来へんで。というかバレるのもあかんし。姫神はんと滝壺はんは許してもらえるかもし……あれ? 2人がおらへギャフンッ!」

 吹寄と情報屋に見つからず、それでいてあまり離れない観覧車に乗り込んだ尾行組はそれなりに楽しんでいた。
 青ピが姫神と滝壺が居ないことを口走ると存在感の薄い姫神の魔法のステッキで殴打されてしまう。

「青髪くん。こんなに近くに私が居るのに。失礼すぎる。滝壺さんなら。最初から乗ってなかったよ」
「あ、滝壺さんなら帰りましたよ。いきなり目をくわっとさせて浜面さんが悪の道に走ってるとか言いながら」
「レッサー、そうゆうことは先に言って欲しいぜい。ま、滝壺ちゃんが居なくても」
『きょ、今日はありがとな、ふ、吹寄』

 青ピが姫神に殴打されて痙攣していることを完全無視して残る尾行組は盗聴器から聞こえた情報屋の声に聞き耳を立てた。
 そしてその期待通り、いよいよ情報屋が吹寄に告白するという一大イベントが幕を開ける。

――――――――――
 その少し前、絹旗の柵川中学転入を祝うパーティー会場では、

「ううっ! な、何だ? きゅ、急に寒気が……」
「どうした浜面、風邪ひいたのか? バカなのに。よし、そんなバカな浜面を私が暖めてやろう♪ もちろん裸で抱き合ってな」
「にゃあっ! そんなの大体ダメーっ! 浜面がもしも風邪ひいてるなら私が看病するのーっ!」
「む、麦野もフレメアも落ち着けって! 麦野はマジで脱ごうとすんな! フレメアは麦野に立ち向かうなって!」

 謎の悪寒に襲われた浜面を巡って麦野とフレメアが小競り合いをしている最中だった。
 それを少し離れた安全圏で佐天と絹旗、それに詩菜と美鈴が眺めていた。

「あらあら仕上さんってばうちの刀夜さんと当麻さん的な感じなのね〜。これは当麻さんもろともお説教かしら?」
「超心配無用ですよ詩菜ママさん。浜面はお兄ちゃん達とは超違います、あれは珍しい動物に構ってるとかそんな感じですよ」
「仕上くんには悪いけど理后ちゃんが居るのに浮気なんて出来るとは思えないわよ。理后ちゃんの尻に敷かれてるもの」
(浜面さん、散々な扱いだなぁ……。否定しないあたしもヒドイかもだけど)

 パーティーは特に大きな問題も無く、それでいて平和的に盛り上がっていた。

628ё:2011/10/09(日) 21:59:45 ID:1UAwtiiA
「い、いいわよ礼なんて。これはあくまで球技大会での約束を果たしただけだし、あ、あたしも楽しかったし」

 観覧車が頂上に着いた頃、吹寄と情報屋はようやく口を開いた。
 土御門たちに盗聴されてることなど露とも思わず、2人はいい雰囲気で話し続ける。

「そ、そっか、楽しんでくれたんだ……よ、良かったぁ」
「まったく貴様は……。じゃ、じゃあ改めて。紫木、今日はとっても楽しかったわ、ありがとう」

 お礼を言い終えた吹寄の笑顔が情報屋には直視できなく、ついついそっぽを向いてしまった。
 情報屋の急な行動を心配に思った吹寄が情報屋の顔を覗き込むと、顔を真っ赤にさせた情報屋と見つめ合ってしまうことに。

「だっ、大丈夫か? 紫木。あたしが気に障ることをしたのなら謝るけど」
「ぜ、全然吹寄は悪くない! 単にお、俺が吹寄の笑顔が可愛すぎたから直視出来なかっただけで……あっ!」

 吹寄は情報屋の言葉にハッとなって慌てて距離を取った、顔を真っ赤にさせながら。
 何度か深呼吸をした後で、吹寄は情報屋に自分の偽らざる気持ちを打ち明ける。

「紫木、今日は本当に楽しいデートだった。男と一緒でここまで楽しいと思ったのは生まれて初めてだとあたしは思う。きっと紫木、貴様と一緒だからだ」
「吹寄……」
「けど貴様にほ、惚れているかどうかと言われたら……違うとしか言えない。だから」
「……だから?」

 吹寄は椅子から立って触れるか触れないか、絶妙なキスを情報屋にした後で続きを言った。

「あたしを貴様に惚れさせなさい! そうしたら貴様の恋人にでも何でもなってやるわ! 分かった?」

 情報屋は吹寄の宣言&ファーストキスの衝撃が強すぎたのか言葉を発せず、コクコクと頷くことしか出来なかった。
 言いたい事を全て言い終えた吹寄はようやくいつもの調子を取り戻した、顔の赤みは少し残ってはいるが。

「シャキッとしなさい! 言っておくけど貴様への印象、球技大会が始まるまでは低かったわよ。サバイバル合宿では簡単に裏切ってるし、情報をよからぬことに使おうとするし」
「…………あ、う、うん。以後気をつける。……はは、すっごい凹むな」
「だからシャキッとしろ! 球技大会中の貴様は一生懸命で前向きだったでしょ! あたしをガッカリさせないでよ!」

 カップル成立、とはいかなかったものの吹寄相手にかなり前向きな答えを貰った情報屋はこれからも自分を磨く決意を固める。
 吹寄は吹寄で自分の気持ちを恋と認めると世界が変わったような感じを受けて、情報屋に期待を持つのだった。

――――――――――

 吹寄と情報屋のやり取りを一部始終聞き漏らさなかった尾行組、彼らのテンションはとても高いものへと変わっていた。

629±:2011/10/11(火) 17:29:58 ID:j7xRIpyM
「キタァァァアアアーーーーーー!!!」
「とりあえず届いてないだろうけどおめでとう!吹寄さん!!」
「これでもうすぐ吹寄も俺らの仲間入りか………嬉しいぜ!」
「これで主要キャラ独り身は。私だけ………ふふふ」
「メタ発言が控えるぜい、姫神」
(……………やはり私のセクシーな身体を見せつけるのが一番……)

 どこの宴会会場だ、と言わんばかりに一気にハイテンションとなった尾行組。
 むろん、それはついに結ばれた(正式にはまだだが)二人を祝ってのことであるが(レッサー一人だけ何か違うが)。
 そして観覧車から降りてから土御門がこの場を仕切ってこういった。

「ふぅ〜、ようやくこれで情報屋の件も終わったし、これで解散ってことでいいかにゃー?」
「よーしっ!俺はちょっと走って真夜と赤音につたえてくる!じゃあ、またな!!」
「僕も黒子はんに伝えにいくで〜。またな〜ツッチー」

 自分の恋人たちに伝えるためにこの場を離れていく青ピと真昼。
 それを見送ったあと、土御門は白雪に話しかけた。

「………俺らも帰るぜい」
「うん!いこっ!!」

 そう言って土御門と白雪もこの場を去って行った。

――――――――――

 そして、観覧車から降りた情報屋と吹寄は仲良く手をつないで遊園地の出口へと向かっていた。
 しかし、その出口付近で遭遇した。
 珍しく財布を落として探している上条と美琴に……

630■■■■:2011/10/14(金) 02:18:26 ID:ZUkhaxIU
カップリングが好きなだけに悲しいが、このスレも終わらせて再スタートor終了した方がいいんじゃ?

このまま続けてもキャラが多すぎて書き手も増えないし、長さも相まって読み手すら減りそうだし。

再スタートは最初こそ微妙だろうけど、流れに乗れば今よりはよくなると思うのよ。
今までここに書いてくれた書き手には悪いけどさ…

631■■■■:2011/10/14(金) 16:45:25 ID:VLAKqT7g
新たにここに書きこむ者です。
とりあえず次の物語の繋ぎみたいなものを書きますが、
オリキャラを利用しているため、展開に賛否両論かもしれません。

――――――――――――――――――――――――――――――――――


「上条、貴様らどうしてここに?」
「ふ、吹寄?いや、美琴とデートしに来たんだけど財布を落としちまって………不幸だ………。」
「貴様の口から聞くのは久しぶりねそのセリフ。」
「どんな財布?俺達はここら辺で探しとくから遺失物コーナーへ行った方がよくない?」
「サンキュー情報屋。」

 こうしてカップル2組は、2手に分かれて財布を探すことにした。

「紫木。そう簡単に見つかるの?」
「運がよければ。
 あーあ、誰か黒革の折りたたみ式の財布見かけてないかな―。」

 一見何気なく、しかし周囲が聞こえるように言ったその言葉に、側にいた少年が、

「あっ。それだったらさっき拾って遺失物コーナーに届けましたよ。」

 と、応じた

「サンキュー。行こうぜ吹寄。」
「何かあっさり分かっちゃったわね。」
(何気に運がいいなあいつ。
 まさか周囲に拡散させて発した俺の思考漏洩で、こうも簡単に分かっちまうとは。)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 その頃、白雪と共に帰途についていた土御門の下に一通のメールが届いた。

「誰からのメール?」
「バイト先からの連絡。」

 そう言って見せた画面には、確かに何時何分までにとあるコンビニに来るようにと
事務的に書かれていた。
 そして土白カップルを追い越す形で、少女のような顔をした―――先ほど上条の財布のありかを教えた少年が、
唄いながら通り過ぎた。

632■■■■:2011/10/14(金) 16:46:21 ID:VLAKqT7g
「にゅー。ちょっと舞花の所へ行ってくるぜよ。先に帰ってくれ月夜。」
「うん。分かった。」

 こうして、白雪と分かれた土御門は、耳を塞ぐようにしながら先ほどの少年の、普通の人には単なる鼻歌にしか聞こえない「それ」とメールの翻訳内容、

『イギリスの初春飾利から連絡あり。
 現地の日付が代わるまでに、私の邸宅に来るように。』

を確認したと同時に、そのメールの主が頭の中に現れ、
楽しそうに言った。

「さあ、日常(子供の遊び)は終わりだ。」


 とある小学校の校庭のある場所の近辺では、異様な緊張感が生じていた。

「以後よろしくお願いします。芳川美咲華さん。」

 その声の主、心理掌握の視線の先は、昼に打ち止め、いや、芳川美咲華と一悶着起こした
例のクソガキの視線と真正面からぶつかっていた。
 真昼の能力を使わなくても分かるほどに、じりじりと射ぬくような、
それでいてその種類がよく分からない―――嫉妬、疑念、侮蔑、羨望―――それらを始めとした様々な感情を
ないまぜにしたような不気味な感情のベクトル。
 クソガキは、その視線に震えを起こしながら、しかし後ろの少女を守るように超能力者に対峙して言った。

「お姉ちゃん………誰?」

633■■■■:2011/10/14(金) 17:47:54 ID:1Wz0ZwzU
おィおィまさか★さンじゃあねェよな?

634■■■■:2011/10/14(金) 18:47:54 ID:o67v5UzQ
>>633
書き方から言って★ではないと思う
オリキャラの追加は勘弁だぜ……

635ψ:2011/10/14(金) 19:33:36 ID:otLvlAZI
お久しぶりです。
いつの間にか進んでてちょっと驚きましたww

で、再スタートという件がでていますけど、やはり私もそうした方が良いと思いますね。
でも、再スタートとしても、やはりカップリングだけは変えてほしくないというのがありますね。
今の今までそのカップリングできましたので、それだけは正直嫌だなと思いますし。
なのでカップリングは、上条×美琴・土御門×白雪・青髪ピアス×白井・一方通行×打ち止め辺りまでは変わってほしくないかと。 浜面と滝壺?個人的にマイナー好きな私ですから、個人的に変わってもww(オイ

ってか、それ以前に再スタートって最初から始めるのですか?
正直それは嫌というのがあるのですが……
せめて途中からが私にとっては嬉しいのですけど。

まぁ、もはや読み専になりつつある私に言う権利とかあるのかと思いますがww

とりま、どうなるかは任せますね。 私自身たまにしか来れませんし。
それでは。

636■■■■:2011/10/14(金) 21:29:58 ID:1Wz0ZwzU
>>634
しかしオリキャラで色々議論になっているのにあえて空気読まず投下するなんてなあ……

637±:2011/10/14(金) 21:35:04 ID:4w4TC08o
まあ、オリキャラは置いといて
とりあえず>>631さんは次回投稿時からコテハンをおねがいします。

638■■■■:2011/10/14(金) 22:05:41 ID:o67v5UzQ
>>636
KYなところが★に見えなくもないけどねww

>>635
現在のカップリングを維持するなら白雪は特例としてオリキャラはNGとテンプレに記載して再スタートもアリだと思う。題材も学校生活にあるイベント、大覇星祭など本当の意味で学園都市のとある学生の日常生活みたいな……

せっかく再スタートとなるのなら、ていとくんやフレンダ、木原クンなどは生存している等……

再スタートについてはまだ議論は必要でしょうねぇ?

再スタートの場合、外伝は本スレとは関係無しとテンプレに記載しなくてはね。

639■■■■:2011/10/20(木) 01:58:24 ID:bc98X3G2
Let's 再スタート

640■■■■:2011/10/20(木) 14:39:29 ID:L3HcCuuI
新スレ立てて
新約とか始める気ですか?
戦争編辺りから。

641■■■■:2011/10/20(木) 18:12:58 ID:XHvRN3ms
ああ、恋愛戦争をな
火種はあるし

642■■■■:2011/10/20(木) 18:40:05 ID:OkNDvoT6
どこに?

643ё:2011/10/20(木) 20:32:46 ID:YHFdXwC.
…シリアスな流れをどう絶とうか考えてるうちに忙しくなって書く暇が無くなって今に至ってます。
明日には余裕が出来るのでSSの続きを投下します。

新スレも再スタートもそれまで待って頂けたら幸いです。

644■■■■:2011/10/21(金) 12:25:36 ID:1LFmDmIM
新スレで新たにスタートとかなら、時系列はあまり細かく決めなくていいんじゃないかね?

新訳編からとか決めると、δフォースに絡む話に持っていき辛い。
あと個人的なもんだが、キャラ崩壊はしないで欲しい。
魔術サイドのキャラとか結構崩壊してるじゃん?
あと義妹組とか。

645ё:2011/10/21(金) 14:09:53 ID:V0hXAau2
本編投下、2レスです。

―――――
 怯えながらも毅然と自分と対峙する少年に心理掌握は少しの驚きと共に感心していた。
 心理掌握は少年を安心させる為に威圧を解こうとしたのだが、

「(さて、脅すのはここまでにしましょうか)はじめまして。私はきゃんっ!」
「何大人げねェマネしてンだテメェは」

 年甲斐も無く子供に絡んでいると思い込んだ一方通行の一撃で昏倒させられてしまう。

「ヨォ、大丈夫かテメェら……って打ち止めじゃねェか。それに」
「何だかよく分かんないけど助かったよってミサカはミサカはお礼を言ってみたり。ところでこの人だれなのってミサカはミサカは尋ねてみたり」
「コイツァ心理掌握だ、別に覚える必要ねェからな。それよりガキ、テメェも何か言えよ」

 自然な雰囲気の一打を前に少年は自分でも理解出来ないムカムカを感じ、その気持ちを素直に口にした。

「だっ、誰が助けてくれって言ったんだよ! お節介なんだよバーカバーカ白髪バーカ! ロリコンモヤシジジー!」

 少年は一方通行にあっかんべーをしながら暴言を吐くという命知らずの行動をして走り去ってしまった。
 元来超が付くほどの短気の一方通行は能力発動させて本気で病院送りにしようと思ったが、打ち止めの献身的な説得&抱きつきで気持ちを落ち着かせた。
 冷静になった一方通行は気絶させた心理掌握をどうしようかと頭を悩ませると、そこに第一七七支部で戻ろうとしていた黒子と浦上を発見する。

「おいテメェら、この女を保護しろ。俺はコイツ連れて帰ンなきゃいけねェンだ。こうゆうのもテメェらの仕事なンだろ?」
「それはそうですけど……。ですがわたくしとしてはどうして心理掌握さまが気絶してるのか気になりますわ」
「単なる正当防衛の結果だ、気にすンな。じゃあ後は任せたぞ」

 黒子がなおも詰め寄ろうとしたのを浦上が抑えてくれたことに感謝しつつ、一方通行は打ち止めと一緒にその場を後にした。
 マンションへの帰り道、一方通行が番外個体こと美雷が居ることと行動を共にしていたことを告げたせいで打ち止めにヤキモチを焼かれたのは当然のことである。

―――――
 その頃、とある邸宅の応接間へと通された土御門は邸宅の無駄な豪華さを愚痴りながらコーヒーを口にした。
 邸宅の主は苦笑しながらも土御門をたしなめる。

「人様の家に来た早々に文句を並べ立てるのはどうかと思うがね。これから大事な話をしようというのに」
「オレはこれでも驚いてるんだ。まさか戦争の件であんたが出てくるは思わなかったぜ、貝積統括理事。リラックスに家の悪口くらい言ってもいいだろ?」
「おやおや、お前でも驚くという感情があるとはな。私としてはそっちの方が驚きだけど」
「アンタまで一緒かよ雲川センパイ(初春の名前を挙げたということはこの2人ともコネクションを持ったということか。頼もしいやら恐ろしいやら)」

 土御門を呼び寄せたのが学園都市統括理事の1人でもある貝積継敏と統括理事会のブレインこと雲川芹亜という事実に土御門本人は柄にも無く驚いていた。
 学園都市、科学サイドでのことならまだしも魔術側の件で呼ばれるなど露とも思っていなかったのだ。

「お前のその驚き顔を見られただけでも私としては満足だけど。まあ魔術なんて力がある方が私としては驚きに値するけど」
「…………私は今でも理解に苦しんでる。とはいえ初春の言うことだ、信じないわけにはいかないのだが」
「初春とアンタらってどんな関係ぜよ?」
「孫のように可愛らしい聞き上手の子供」
「なかなか楽しいメル友だけど」

 初春効果でシリアスな雰囲気が壊れたと感じた土御門、連絡役に寄越した少年について尋ねたが伝言内容を理解していない部下の1人という答えが返ってきた。
 それを聞いて安心した土御門は早速戦争の件を尋ねたのだが、貝積の口から信じられない言葉が出てきた。

646ё:2011/10/21(金) 14:11:00 ID:V0hXAau2
「夏の戦争だがな、回避できたとのことだ」
「回避出来たというよりは戦争の理由そのものが無くなったということだけど……どうした?」

 貝積と雲川の言葉に土御門の頭は真っ白になった、2人の言っている言葉が理解出来なかったのだ。
 雲川に数回往復ビンタをくらってようやく正気に戻った土御門は自分の考えていた話し合いとは違うことに脱力してしまう。

「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜、とんでもない肩透かしを食らった気分ですたい。で? どうしてそんなことになった」
「簡単な話だ。君達が身柄を預かっている捕虜の2人が正式にイギリス清教に属したということさ」
「正しく言うなら初春の部下だけど。それでも奴らの戦争を起こす大義名分が無くなったという事実は揺るぎ無いものだけど」
「成程な、ハイドンとクレインは戦争を起こす口実を作る為にここに来たってことか。任務達成できようが捕虜になろうが死のうが、どうでもいい駒って所か」

 土御門の理解力の良さに雲川も貝積も頼もしさを覚えていた。
 そこへ更に雲川から今後の予想しうる展開が語られることに。

「駒とはまた随分な言い方だな。私もその辺は否定しないけど。でもこれで奴らは下手に行動出来ないし戦争も起こせない」
「何故そう言いきれる? 敵のブレインやスカルが属する組織が戦争を起こすとは考えないのか?」
「その線は無いだろうな。戦争を起こすにしろ行動を起こすにしろ、やるのなら第3次世界大戦終結後に間髪入れずにやっている。立派な理由が奴らには必要なのさ」
「仇討ちにしろ下っ端の部下を助けるにしろ美談ある戦いはそれなりに擁護されやすい。戦争後に支持されなければ意味が無い、それだけのことだけど」
「ただの蹂躙行為ではなく、世間的に素晴らしい理由を掲げた聖戦を奴らは求めたというわけか」

 3人は確信していた、敵がこれで戦争を起こすことは皆無に等しいということを。
 肩の力を完全に抜いた雲川は土御門に今後について伝える。

「おそらく初春から電話があるだろうがハイドンとクレインはロンドン送りが決定してるけど。出立日は」
「それならお前さんに聞くまでも無く察してるから安心するぜい。うちの監察役と一緒に帰るって所だにゃー」

 土御門の答えに雲川は言葉ではなく口元に笑みを作って肯定の意を示した。
 ここでの用事は済んだと思った土御門は席を立って去ろうとしたが、

「ところでどうして初春ちゃんはアンタら2人に先に伝えたんだにゃー?」
「第二学区の貸切を許可してるのが私たちだからだけど。色々と根回しが面倒なんだぞ、意外だろうけど」

 そうか、疑問の解答が納得できるものだったので土御門はそう呟いて貝積邸を後にするのだった。
 戦争中止の件のメールを関係者全員に送ろうと思った土御門だったが、白雪が急に恋しくなったので先送りすることに。

―――――
「上条さん、美雷さんは今日帰らないみたいですよ。アクセラさんのマンションに泊まるってメールがありました」
「そっか。じゃあ今日は俺と美琴とレッサーの3人か」
「よしレッサー、あんたもどっか行きなさい。せっかくの当麻との2人っきりの時間を邪魔しないでよ」
「いえいえそうはいきません。何せこれから上条さんのお母さんとのご対面という大事なイベントが控えていますから」

 夜、上琴とレッサーは姫神とも別れて上琴ハウスへと向かう途中、レッサーから思いもしない言葉を聞いていた。
 レッサー曰く、絹旗とメールをやり取りしていて佐天、詩菜、美鈴と行動を共にしていると連絡を受けて上琴ハウスで落ち合う約束を交わしていた。
 上琴がどうしようか悩んでいるうちに上琴ハウスが見え、ちょうどいいタイミングで逆方向から佐天、絹旗、詩菜、美鈴が現れて鉢合わせてしまう。

647■■■■:2011/10/21(金) 17:50:23 ID:oPj0wzUI
あれ?てっきり連絡役の男の娘とメールの送り主って
新坂親子かと思った。

648■■■■:2011/10/22(土) 00:48:39 ID:g5mlPkfc
土御門を呼んだのが貝積の方だとすると、
>>631>>632って、
一部書きなおす必要ありますかね。
それから
番外個体→御坂美雷
打ち止め→芳川美咲華
でいいんでしたよね確か。

649キラキラ:2011/10/24(月) 18:54:52 ID:7k5Bzirg
>>638により、コテハン入れて投稿します。(>>648も私です。)

――――――――――――――――――――――――――――――――

 土御門が去った後、貝積と雲川がいる部屋に連絡が響いた。
 連絡の相手は、土御門への連絡に寄与した少年だった。

「邸宅へ侵入者出現。」
「詳細は?」
「映像を出します。」

 直後、貝積の部屋の壁に設置されたディスプレイにその侵入者が映し出された。

「!?こ、こいつは………」
「貝積、即刻目をそらせ。直視しないようにしろ。」
「言われなくても。」

 雲川は少年に、その侵入者をここへ通すように指示を出した。

「確かにかつて統括理事に狼藉を働いた過去はあったものの、
今更そんなことをやる理由もないと思うけど。」
「念のため『オジギソウ』を始めとした無人迎撃態勢は整えておく。」
「賢明だけど。私としては、2回も同じ説明をしなければならないことにうんざりする。
 だがまあ、向こうの立場上、土御門の時よりは少しは詳しく話しとくか。」

 こうしてある程度の準備が整ったところで、少女のような少年にエスコートされた
『侵入者』が、応接室に到着した。

「初めまして『前方のヴェント』。
 念のため訊くけれど、貝積を潰しに来たのか?」
「ハッ。少女の傀儡になっているようなジジイなんかヤル価値あるかい。」
「だ。そうだけど。」
「………否定はできんな。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 その、絹旗のお祝いという名目で上琴ハウスへの訪問は許可された者レッサーは、
届いたメールを読んで愚痴り始めた。

「ったく。私の働きなんだったんですか一体。」

650■■■■:2011/10/25(火) 00:47:45 ID:r/BtFMbE
外伝の話の続きになってる…

651■■■■:2011/10/25(火) 00:50:29 ID:5Nrh5rL2
いや、そっちを見てなくても分かると思う。
要は土御門と同じく交渉の顛末を尋ねに来たってことで。

652■■■■:2011/10/25(火) 23:02:49 ID:4F9J0XZs
だいたい>>649は本当に★じゃないのか?

653■■■■:2011/10/26(水) 10:41:10 ID:zU9CzFyU
もう話が進むのを楽しみとも思えないんだが

654■■■■:2011/10/26(水) 19:55:31 ID:Yia78XJM
>>652
★臭がぷんぷんするなww

ここまで叩かれて投下してたとしたら大したもんだよ。書き手としては最低だけどね。

>>653
同じく。もう投下されても、『とりあえず目を通すか』ぐらいしか思わない。

655ψ:2011/10/27(木) 23:37:38 ID:Q9zqYDrs
ふと思ったことなんですが、新スレのこまごまとしたことを決めるのに、デルタフォース専用の議論スレを作ってみるのはどうでしょうか?
このままこのレスを使ってもよさそうですが、かなりのレスを使いそうですし、雑談も一部増えているような気がしますので。
議論スレなら、いろいろな案を見るのに分かりやすいし、新スレの内容が決まった後でも、次の章の内容を読み専と一緒に決めたり、質問や疑問(←まぁ、これは今まで通りでもいっかww)、外伝スレについてなどと使い道がありそうですので。
それに投票を私がやった時に思ったのですが、読み専が余り参加していないのですよね。 当時は参加しにくいというのもあったからかもしれませんがww
まぁ、参加しにくかったとしても、議論スレなら読み専の方でも参加しやすいようにしようと思ってます。
また、これは新スレの方とこちらのスレの雑談を控える事にもなりますので、個人的にはいいと思ってます。
とりま、皆様の意見を聞きたいので、書かせてもらいました。
ちなみに、議論スレが建つなら私が建てようと思っていますので。最近はこちらを見ていたことが多かったのでたぶん大丈夫かと。
それでは。

656■■■■:2011/10/28(金) 00:48:36 ID:0UJQSkxI
建てても糞スレ扱いされんじゃない?ゴタゴタが続いているし。まぁ、気にしないけど。

建てても、外伝は除外だろ。あっちは好きにやるようなので。
もう外伝はデルタスレを名乗るには相応しくないしね。

個人的には早めに完結させて、仕切り直しのほうがよろしいかと思うが。

657ψ:2011/10/28(金) 07:24:35 ID:SyRjuUz.
>>656
それは私も考えたのですが、やはりそうなりますかね?
外伝については確かに除外しても良いかも知れませんね。あっちは書きたい人が書いてるだけですし。

とりま、まだ一人しか聞いていませんが、やはりいらないですかね?

658■■■■:2011/10/28(金) 07:59:17 ID:0UJQSkxI
>>657
ご苦労お掛けしますね…
気にしても仕方ないし、建てて頂いた方が良いかなぁ?他に駄スレも存在してるわけだし(笑)

新スレへ移行するに前に議論する事も多々あるし、反発は甘受する事として私は建てて頂く方向でお願いします。

659■■■■:2011/10/28(金) 10:34:02 ID:zhkiCihg
なんかもう無理矢理シリアスに持っていく流れに疲れ果てました。
軌道修正かけてもシリアスの流れになってくのでいっそのこと新スレ移行でもいいかって思ってます。
どうするのかは議論スレが必要なので私も建てる方に賛成ということで(あまり長くならないように)。

660ψ:2011/10/28(金) 16:58:03 ID:SyRjuUz.
>>658
駄スレになるかもしれないけど、建てた方が良いと……

>>659
確かにシリアス方向になぜか向かっていますね……
それと、やはりこのままここでやっていったとしても、かなりレスを使いそうですよね……

……もう少し待ってみますが、その間にスレを建てる準備でもしておきます。

661■■■■:2011/10/28(金) 17:26:33 ID:0UJQSkxI
>>660
いやいや議論スレが駄スレになるという事じゃありません。書き方が悪かったですね…申し訳ない。他の人がどう思うかわかりませんが…結局建てたけど過疎ってるスレが多いスレの事です。

662ψ:2011/10/28(金) 17:46:27 ID:SyRjuUz.
>>661
あぁ、そういう意味ですか。確かに過疎っているスレが多いですねww

後、建てる場合なのですが、スレタイをどうしましょうか?
『【デルタフォース】クラス三バカの日常 議論スレ』だとしても、新スレのスレタイも考えると別のスレタイにした方がよさそうですので。


また、スレを建てる場合の最初のレスはこんな感じで大丈夫でしょうか?

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

『【デルタフォース】クラス三バカの日常』と、新たに建てる新スレなどについての疑問や質問、次の章の内容などを決めていくスレです。

《注意事項》
・荒らし禁止。
・このスレはsage進行でお願いします。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力してください。
・【デルタフォース】シリーズに関係ないレスは止めてください。
・このスレは議論スレですので、書き手だけでなく読み専である方もなるべく参加してくれるとありがたいです。


【デルタフォース】クラス三バカの日常Part5
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1296914079/

デルタフォース外伝
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1287183024/

【デルタフォース】クラス三バカの日常 まとめwiki 
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/14.html

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

一応外伝スレのリンクもつけておきましたが、とりあえず意見をください。

663■■■■:2011/10/28(金) 19:06:45 ID:AnyU7Gw2
まずこの議論でかなり消費しそうですから、
雑談スレでやった方がよいのでは?
基本、新スレは、そこで伺いを立てるそうですから。

664ψ:2011/10/28(金) 19:21:54 ID:SyRjuUz.
>>663
……言われてみればそうかも^^;
でもここまで言って雑談スレに移動したとしても、なんかこっちにレスをしてきそうなのは気のせいでしょうか?
それに後は議論スレを建てるかどうかの意見だけですから、今更雑談スレでこの意見を聞くことにするというのもなんかどうかと思うし……
かといって、これ以上レスをここで無駄にするというのもな……

……なので、もう決議とりますわ。なんかそれが一番よさそうですので。
デルタフォースの雑談スレを建てることに賛成もしくは反対だけしかいなかった場合はその時点で決定します。
一応今日の日付が変わるまで待ちます。私が起きていればの話ですがww 寝てたら明日の午前9時頃まで。
それでは待ってます。
後、勝手に決めてすみません<(_ _)>

……ちなみに私の票は入れた方が良いのでしょうか?

665±:2011/10/28(金) 20:54:14 ID:U14pG5lw
ψさん
久しぶりに来てみれば議論が進んでるだけ、みたいなことがここだとよくあるので自分的にはそういうスレがあったほうが嬉しいです。
それとψさんも票を入れてもいいと思いますよ〜

そしてキラキラさん
こんな状況でよくきてくれました!
これからよろしくお願いします!
あ、シリアスは控えめにしてくださいね
そして前の投稿とつなげないと投下しにくいからそこには気を付けてくださいね

では、久しぶりに本編投下させていただきます

――――――――――

「おや、今日は運が超いいですね。こんなに早くお兄ちゃん達にあえるなんて」
「何いってんのよ、最愛。当麻兄さんと美琴姉さんだよ。待ってたに決まってんじゃん」
「そうですよ。当麻さんはともかく美琴さんは気が利きますから」
「えーと………その黒髪の子が最愛が言ってたレッサーちゃんだっけ?」

 こちらが気づくとほぼ同時に向こうを気づき声をかけてきた。
 自分の話題が上がっていることに気付いたレッサーはすぐに詩菜達に向かって走って行った。

「あっ、はいそうです!私がレッサーです!えーと………」
「そうか〜、あ、私は御坂美鈴」
「私は上条詩菜です。ところでレッサーさん」
「あっ、はい何でしょうか?」
「当麻さんは美琴さんのです。あなたが入る余地はありませんよ」

 にこっと笑ってそんなことを宣言する詩菜。
 その一言に完全に固まったレッサーを横から見ていた美鈴が絹旗と佐天に声をかけた。

「最愛ちゃん、涙子ちゃん、レッサーちゃんを私たちが止まってるホテルに運ぶわよ」
「超了解しました!」
「はーい!」

 そしてそのまま絹旗と佐天がレッサーを持ち上げてそのまま運んで行った。
 そして詩菜と美鈴は上条と美琴に声をかけた。

「じゃ、レッサーちゃんは私たちが預かるから二人で仲良くね」
「当麻さん。わかったいるとは思いますが浮気はだめですよ」

 そう言い残して去っていく二人。
 一瞬の出来事に終始唖然としていた上条と美琴はそのまましばらくそこに立ちすくんでいた………

666■■■■:2011/10/28(金) 21:14:59 ID:UrQd4mW2
議論スレ立て、賛成です。
そして±さんが久々に投稿…正直、もう来られないかと思ってたので驚いてます。
SS投下はもう諦めていたけど少し思い直してみようかと。

667■■■■:2011/10/28(金) 21:35:43 ID:0UJQSkxI
スレ建て賛成でお願いします。

668ψ:2011/10/28(金) 23:18:40 ID:SyRjuUz.
……反対がなさそうなので締め切りますね。
ってなわけで、スレを建てようと思います。
スレタイは……『【デルタフォース】シリーズ 議論スレ』でいいでしょうか?
新スレの事も考えたらなんかこうなりましたので。
とりま、このスレタイでよければ建てようと思います。

669■■■■:2011/10/28(金) 23:31:29 ID:0UJQSkxI
スレタイはそれでいいのではないでしょうか。宜しくお願いします。

670ψ:2011/10/28(金) 23:33:05 ID:SyRjuUz.
>>669
了解しました。それでは建ててきます。

671ψ:2011/10/28(金) 23:41:07 ID:SyRjuUz.
とりあえず建てました。

【デルタフォース】シリーズ 議論スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1319812621/

672ψ:2011/10/28(金) 23:46:30 ID:SyRjuUz.
あ、外伝スレのリンクもそのまま貼ってしまった…… ま、別にいっかww

673■■■■:2011/10/28(金) 23:55:07 ID:0UJQSkxI
乙です。
まぁ、外伝の件は何とかなるでしょうwww

674ё:2011/11/04(金) 22:35:03 ID:QcYjSwYE
新しい方がまだ議論中なのでここに続きを投下します、2レス。
シリアスに行く気はこれっぽっちもありません、あしからず。

――――――――――
「行っちゃったわね、みんな……」
「ああ、そうだな……。とりあえず家入ろうぜ、メシ喰いたいし」
「そうですね。では今日はご恩返しの第一歩に私が腕を振るいましょう」
「神裂さんのご飯、久しぶりで楽しみでございますわ」

 とりあえず気を取り直した上琴が上琴ハウスへ入ろうとしたその時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
 慌てて振り返るとそこにはクリスマスパーティーでのメイド服に身を包んだ神裂と修道服のオルソラがそこにいた。

「かっ、神裂! 何だその格好! というかオルソラまで一緒って何コレ?!」
「何だと言われるのは心外ですね。言ったはずです上条当麻、あなたへのご恩返しをしに来たと」
「だっ、だからってそのメイド服でしかもオルソラさんまで一緒にってどんな恩返しするつもりなんですか! とっ、当麻を誘惑しないで下さい!」
「あらあら〜相変わらずみことさんはとうまさんが大好きなのでございますわね〜。ダメですよ神裂さん、とうまさんを誘惑しては」

 御坂はあなたにも言ってるんですが、神裂はオルソラへのツッコミをせずに流すと上琴ハウスへ入るように促した。
 それから美琴が神裂の食器や食材を把握する鋭い視線を受けながらも、慣れた手つきでお茶とお菓子を出した。
 上琴が気持ちを落ち着かせたのを確認すると、神裂は夏の戦争回避の件をさらっと伝えた後でご恩返しについての経緯を話し出した。

――――――――――
 時は少し遡り午後7時、教会の寄宿舎食堂で後片付けをしていた神裂に電話がかかって来た。
 既に寄宿舎食堂でインデックスとアンジェレネの相手をしていた真夜、神裂と一緒に教会に来た茜川に断りを入れた後で電話に出ると、

『もしもーし、火織お姉ちゃん。元気ですかー?』
「飾利っ!! 良かったです、貴女の元気な声が聞けて……。大丈夫ですか? 誰かに妙な真似をされていませんか? キャーリサ様とか最大主教とか最大主教とか」

 イギリスから初春から電話がかかって来たので神裂のテンションは一気にマックスまで上がった。
 苦笑した後で大丈夫との返答を聞いて安心した神裂は初春から夏の戦争回避に成功したとの報告に驚きを隠せなかった。

『私も驚きました、まさかハイドンさんとクレインさんが私の為に働いてくれるという宣言だけで戦争が回避出来たんですから』
「そ、それだけのことでですか? ……そういえばあの2人、胸に我々イギリス清教の十字架をかけていましたね。……成程、そうゆうことですか」
『さすが神裂さん、状況判断が早くて助かります。初春さんの考え無しの優しさがこうも事態を好転させちまったのは助言した私も驚いてんですけどね』

 神裂は理解した、かつて【法の書】を巡る戦いでローマ正教の問題にオルソラの洗礼を切っ掛けに介入したことを。
 そしてアニェーゼの言葉を聞いて得心がいった、今回の件にアニェーゼが助言をしたことも。

『敵は自分達の部下が捕虜になったことで戦争を起こす名目を得てやがりました。だったらオルソラさんの時のように捕虜2人をイギリス清教徒にしちまえばいいって思ったんです』
『正直、何気なくローラさんに相談してあっさりオッケーされた時はちょっと不思議でしたけどきっとこれを見越していたんですね。最大主教だけあってローラさんって凄い人です』
「(くっ、あの女狐……飾利に尊敬されるとは)しかしハイドンとクレインはロンドン送りになるのでしょう? その移送中に襲われる心配は無いのですか?」
『それは無いですよ。そうゆうことをする人たちならわざわざ宣戦布告なんてしませんし、捕虜だって平気で見捨ててるはずですから。ブレインさん達は理性的な魔術結社ですよ』

 確かに律儀に戦争の期間を宣告、仲間とはいえ下っ端2人を見捨てない、そんな幹部のいる魔術結社なら馬鹿げたことはしないだろうと神裂も結論付けた。
 その後、少しばかりのお喋りを挟んで神裂が初春と遊べなくて元気がないとぼやくと、

『火織お姉ちゃんが私と遊びたいって言ってくれたのは嬉しいです♪ でもそれじゃあダメですからその次にしたいことをやってはどうでしょう?』
「その次にやりたいこと、ですか?」
『当麻お兄ちゃんへの恩をGWで一気に返しちゃいましょう。火織お姉ちゃん、当麻お兄ちゃんのこと大好きだからモチベーション上がりますし♪』

 初春から上条への恩返しを、しかも大好きというフレーズまで付けられて提示されてしまう。

675ё:2011/11/04(金) 22:36:34 ID:QcYjSwYE
「た、確かに上条当麻への恩は忘れてはいませんし恩返しもしたいと思ってます! で、ですがわ、私が上条当麻を大好きということには……その」
『そんなこと無いですよー♪ 火織お姉ちゃんが男性の中で一番当麻お兄ちゃんを意識してるってこと、分かってる人は分かってますから』
「くうっ、飾利が私を理解してくれているのは喜ばしいことなのですが他にも知っている者達が居るとは……って違いますから!」

 今さら何言ってやがんですか、アニェーゼがそう呟いたのを聞いて神裂はいつか彼女にお仕置きしようと密かに誓った。
 そして神裂は少し考えた後で今までの上条への恩義を思い返し、

「分かりました飾利。このGWで上条当麻に受けた恩義、全て行動で返します! 決して上条当麻が大好きというわけではありませんからね!」
『はいはい♪ じゃあ私とアニェーゼさんはこの辺で。後片付けとか介抱とかありますから』
「そちらで何かあったのですか?」
『うちの女子寮で初春さん歓迎パーティーを盛大に開いたんですよ。キャーリサ様とかヴィリアン様とか最大主教とかシスター達とか……。私ら以外は全員酔っ払って倒れちまって燦々たる有様ってやつですよ』

 ルチアがキャーリサ様に無理矢理飲まされて気絶したのは痛手ですよ、アニェーゼのその愚痴を最後に初春との電話は終わったのだった。

――――――――――
「とまあ、このような経緯があって今に至るというわけです」
「でも今、午後8時ですよ。どうして来るのが遅くなったんです?」

 神裂からここに至る経緯を聞いた美琴が冷静なのは、上条が大好きというフレーズを削ったお陰である。
 遅くなった理由を神裂は語り出す。

「どうしたら上条当麻への恩を返せるか悩んだ後で、私が居ない間の教会の食事をどうしようかと考えていたらつい……」
「そこでアルバイトという形でインデックスさんやアンジェレネさんのお相手をしてくださっていた双子の弟さんに私が頼んだのでございますわよ」
「当然、弟さんは快く引き受けてくれました。茜川と彼のお姉さんも一緒という条件で。ただ、アルバイトではなく無償のボランティアとして引き受けてくれたことが申し訳無くて……」

 インデックスとアンジェレネ相手にボランティアは割に合わなさ過ぎるな、上条は誰にも聞こえないようにボソッと呟いた。
 その上条、いつもなら神裂の押しかけを断るのだが度々恩を返すと言われるのは流石に嫌なので今回だけ受け入れることにしたのだ。
 ちなみにオルソラ同伴の理由を本人に尋ねた所、神裂の監察という至極真っ当な答えに上琴も少しビックリしていた。

「では早速恩返しの内容を伝えましょう。上条当麻、あなたには世間一般から見て御坂に釣り合う立派な男子になってもらう為にGW中、鍛えてあげましょう」
「…………鍛える?」
「ええ。確かに上条当麻、あなたは御坂に相応しい男性です。ですが一般人から見ればただのレベル0のフラグ魔と第三位、釣り合っていません」
(確かに当麻がアクセラ倒したのだって知ってる人間なんて裏の事情に通じてる人間しか知らないものね……)
「ただしあなた一人だけ鍛えるわけではありません。土御門の青髪の少年、それに浜面も一緒に鍛えてあげましょう」

 一方通行と真夜が居ないことに抗議した上条だが一方通行は第一位、真夜は恋人のレベルも釣り合ってるし教会の食事を任せているということで却下された。
 上条は土御門、青ピ、浜面に明日からGWの間、泊りがけで恋人を連れて遊びに来いと電話で誘うように神裂に命令された(鍛えることは伏せて)。

676wiki見てた人:2011/12/26(月) 08:49:47 ID:hpnPwj46
誰かまとめwiki更新してください。
それと、今まで読み専でしたが、少し書きもやってみようと思います。
あと、議論になってるオリキャラですが、重要キャラ(彼氏、彼女)の白雪、井ノ原ツインズ、紫木、茜川は引き続き使って、
他のキャラは登場回数少ない順で順次減らしていくべきかと。
教室での出来事なんかは、球技大会で出た東原と姫神に語らせれば事足りると思う。
もし足りなくても、男子Aとかにするべき、これ以上オリキャラ増えるのはあまり良くないと思います。

677■■■■:2011/12/26(月) 20:13:49 ID:dK2.AVq.
ここのサイトの掲示板・・・
マジ激ヤバなんですけど
登録制だけど情報の質がパネっす
裏情報が凄すぎます
登録は無料みたいなんで
一度は、観てみる価値あり
bit.ly/vfUZoA

678■■■■:2011/12/28(水) 03:43:15 ID:omLqO6sw
今までの内容を見ておもったんだが・・・
まず、複数名で☆さんを叩きすぎ。「ネットだから誰がやってるのかわからないからいい」とかではなく、
ネットだからこそ、全員が言動に責任を持つべきだと思う。
実際、僕は自分の友人がそうやってネットで叩かれて、自殺に追い込まれたりしているのを見たりしています。
みなさんがやっていることはそういうことであるとわかっていただきたいです。(まあ、とんでもない馬鹿じゃなかったら自重するよ普通)

もう一つ(一つ目が重い話なのでこれは軽く)、登場キャラですが
まとめると
・原作登場キャラ(科学サイド)
当麻 美琴 一方通行 打ち止め 元春 黒子 青ピ 浜面 滝壺 半蔵
舞花 佐天 初春 絹旗 麦野 (食蜂) 吹寄 姫神 結標 御坂妹 番外個体
軍覇  郭  小萌 木山 親船 芳川 黄泉川 ゴリラ カエル医者 
・〃(一般サイド)
御坂・上条の両親
・〃(魔術サイド)
たるいので、イギリス清教、ローマ正教、ロシア正教他
※課題になっているオリキャラ
白雪 紫木 翔太 真昼 真夜 茜川 は現在原作キャラと恋仲にあるので外せないと思う。
井ノ原&茜川はオリキャラ同士だが、他のカップルとの関係が強いから残すべきだと思う
他は東原と野原を教室での出来事に使うくらい?だと思う。
誤字あったらスマン。あと、これを基準として「これは絶対いる」ってのを追加していけばいいと思う。
あと、魔術サイド省略してスマン

679■■■■:2011/12/28(水) 15:50:07 ID:wpQmWaII
いや☆は叩かれもしゃーないよ
それに二つ目の話題は議論スレがあるんだからそっちでしたら?

680■■■■:2011/12/29(木) 02:47:58 ID:nKcjoe2Y
>>678
私は>>679に同意
オリキャラの事もあるが他の書き手を貶めたんだから自業自得
複数の書き手によって成り立つスレでコレはいかんだろ?
同情の余地無し

681■■■■:2011/12/29(木) 09:17:33 ID:vqKBMuz6
むしろ言動に責任持ったほうがいいのは☆のほうだな

682■■■■:2011/12/29(木) 09:36:46 ID:Kbws86zQ
蒸し返すなよ。

683■■■■:2011/12/29(木) 11:48:43 ID:42XC9vxc
ここで終わり?

684Ω:2011/12/29(木) 19:53:48 ID:wnNVx2ik
どうも、676改めΩです、一応話の書き込みは本編再スタートまでしませんが・・・
名前決めたので報告だけ。

685アレイスター:2012/02/12(日) 22:37:34 ID:l0LccJdk
「くくく、もう終わりなのかね」

686名無しさん:2012/02/12(日) 22:39:24 ID:l0LccJdk
誰かいませんかーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

687■■■■:2012/02/12(日) 22:47:08 ID:UmRdFHyc
晒しageやめれw

688■■■■:2012/02/13(月) 07:38:07 ID:tJAQ1cNc
おやおや?追放された★さんチィースwww

689■■■■:2012/02/29(水) 21:19:53 ID:smCX07jc
誰もいないね……

690ちょっとWiki更新した人:2012/03/20(火) 17:13:02 ID:IoQdbmVo
あー、あー。
ども。今まで読み専だった者です。
誰か居ませんかー?
出来たらで良いんですけどWikiの題名考えてくれませんかね?
自分全然国語力ないんで<(^^;)
ヨロシクです。
後、事後報告で悪いですがWiki更新させてもらいました。
これからも時間を見つけて進めたいと思います。
良いですよね?てか、勝手に進めてきますw

691今更だが:2012/04/11(水) 23:37:57 ID:uso8I.ac
今更だが上条のクラスメートFFF団
みたいだよね

692■■■■:2012/09/06(木) 07:02:46 ID:LO2e6TIE
東原ってさ柔道すれば最強じゃね

693■■■■:2012/09/06(木) 13:23:06 ID:/V77GjL2
平凡な日常も終焉

694■■■■:2012/10/05(金) 01:28:11 ID:h1ok.Zqg
まだこのスレ残ってたのか
懐かしいレベルだ
このスレに投下されてる自分の文章読むと恥ずかしくなるね
ゴチャゴチャしてるけど再開してもいいのよ?

695■■■■:2012/10/05(金) 21:03:37 ID:r9LJ3Gq.
☆じゃ……ないよな?

696■■■■:2012/10/06(土) 03:50:12 ID:dZRO78r2
ちがうよー
もっと地味な奴だそんなに何回も書いてないよ
3回くらいかね?

697sage:2012/10/10(水) 23:34:56 ID:3UD15vrQ
________

そして、彼らのGWは、トンデモな方向に染まってしまうことを、まだ彼らが知らないのは幸か不幸か...

________

その頃
カエル顏の医者
「近いうちに、彼がまた運び込まれそうだと思わないかね?」
近くにいた看護師たちはカエル顏の医者のいみぶかな発言にただただ不吉なものを感じていた

698■■■■:697:2012/10/11(木) 00:16:31 ID:cq4CEU1Q
iPhoneからの投稿なので、かなり短い単位ですが、あげさせてもらいました

699& ◆ki3WXl8kfU:2012/10/11(木) 00:26:10 ID:cq4CEU1Q
<<697で<<698なiPh(ryユーザーです
名前だけは決めたので、報告します

700■■■■:2012/10/11(木) 03:40:25 ID:jOaLDOSM
誤爆?
じゃないとしたらどこから?

701&:2013/03/28(木) 15:37:18 ID:PpEiv4Jg
「特訓に巻き込まれたそんなはまずらを応援してる」
「え?ちょっとgshw」ばた
彼女からの微妙な応援を聞く前に浜面は撃沈した。
「はあ。この程度では話になりませんよ。もっとペースをあげて行きましょう。」
「不幸だー!」
神裂のペースアップ宣言に定番のセリフを載せることができた上条は、幸せかもしれない。すでに浜面撃沈、土御門も動いているのかわからない。つまり、神裂の相手は今の時点で上条だけになってしまった。
「2日目でこれでは、どうしようもありません。あと三日ですから、頑張って耐えてください。」
「神裂!そのお前の幻想をぶち殺す!」
「当麻!頑張れー!」
御坂はこれも当麻の為と思い、間に割って入りたい気持ちを抑えて、応援に徹する。

702β:2013/05/17(金) 19:25:19 ID:kC0FJ8gU
初めて来ました、ここのスレとSS保管庫とは話は繋がっているんですか?

703■■■■:2013/05/18(土) 00:29:58 ID:IniuyKQ.
この分野自体がオワコ・・・

704■■■■:2013/05/18(土) 17:57:51 ID:bOaY/OZA
上条当麻ラブだ

705β:2013/05/19(日) 10:53:49 ID:Si2ka57Q
このスレ、オワタの?

706β:2013/05/19(日) 11:13:25 ID:Si2ka57Q
誰でもいいから、書いてくれェ…

707■■■■:2013/05/19(日) 13:00:38 ID:zyvxOt5U
こっちは色々あってほぼ(?)終わってる状態。
第7章あたりから別のスレで再スタートっぽい感じで始まってる。
まあ、あっちもあっちで微妙ではあるけども。

あとβさん、書き込むならメール欄にsageと入力しよう。

708tips about seo:2013/12/20(金) 20:40:57 ID:YmP4AGYo
gs4vVF Awesome article post.Really looking forward to read more. Keep writing.

709■■■■:2014/09/16(火) 18:29:14 ID:4MH62v.U
このスレに影響を受けて速報にスレ建てたやっていたがエタって落ちたな
エタるとこまで影響受けなくてもいいのにな

710■■■■:2014/09/19(金) 00:17:58 ID:GDA9FG3k
晒しageやめろwww

711■■■■:2014/12/28(日) 19:46:55 ID:0OSYd8w.
カミやん………

712■■■■:2018/02/20(火) 19:13:51 ID:0l/okuUw
懐かしい

713■■■■:2018/02/21(水) 04:58:11 ID:F8wPQEAI
さらしあげですねわかります

714■■■■:2018/02/21(水) 14:49:12 ID:3sH.xsiU
もしかしたら誰か続けてくれるかな〜、なんて。
まあ、ないとは思ったけど。

715■■■■:2018/03/04(日) 03:51:43 ID:KE5Jw8QU
昔やってた人はもういないだろうし、リレー形式と言ってるけど
ぶっちゃけ昔からものすごくリレーしにくい
今から参加しようと思ったら今までの全部読まないといけないし、
何より内容が………

716■■■■:2018/03/04(日) 12:07:47 ID:N4NEPc/c
最初の温泉編まではよかった。
そのあとがぐだぐだなンだよ。
白雪とか井ノ原姉(弟)とか。

717■■■■:2018/03/07(水) 03:17:21 ID:PvkXdzLw
その白雪とか井ノ原とかのオリキャラ勢がよくわからん
取り扱いもわからんって人も多いんじゃね?
俺もぶっちゃけこいつらよくわかんないし
そのくせにデルタフォース関係なしでこいつらしか出ない話作る人もいたし

718■■■■:2018/03/08(木) 20:04:33 ID:xKwxjE3.
井ノ原の自分の分をわきまえて能力自体は強化しないとか、ほんとわかんねえよ。

719■■■■:2018/07/02(月) 11:12:34 ID:6HXxbBFQ
逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃダメっす逃げちゃだめだだめだ逃げちゃ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだもう無理だ

720■■■■:2018/07/10(火) 22:02:15 ID:XYQDBXCo
またさらしあげかよwww

721■■■■:2018/11/27(火) 08:30:05 ID:AzdqECbg
僕らは逃げている
自分の弱さから

722■■■■:2018/12/29(土) 05:10:21 ID:dxyb9DTY
三竦み

723■■■■:2019/03/09(土) 14:46:28 ID:qAyyJeqA
j5得

724■■■■:2019/03/11(月) 01:21:10 ID:HUmcDKNo
gd

725■■■■:2019/05/16(木) 15:47:18 ID:909HTcMk
sdfg

726■■■■:2019/06/05(水) 23:14:34 ID:7rEgkUuE
513564132546

727■■■■:2019/07/06(土) 16:44:01 ID:1t38bzCw
46515151

728■■■■:2019/07/13(土) 03:22:05 ID:3TWPKraM
586786

729■■■■:2019/07/29(月) 16:20:15 ID:fkFcrgOE
ビリビリことみこっちゃんとツンツン当麻さんの公式カップルは最高

730■■■■:2019/10/29(火) 20:28:34 ID:abk8ed9U
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル

731■■■■:2020/03/25(水) 19:25:57 ID:MD5JUfNs
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル

732■■■■:2020/04/13(月) 21:30:36 ID:p35mXOoo
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル


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