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【デルタフォース】クラスの三バカの日常Part5

86ё:2011/03/19(土) 21:08:56 ID:sS82oX1A
「さて心理掌握、君には覚えているサッカーのルールや戦略をサッカーを知らないメンバーに覚えさせてもらいたい」
「つまり私の能力で持っているサッカーの知識を他の皆さんにインストールしろということですわね」
「流石に察しがいいな。とはいえあくまでサッカーを知らない者達だけに施す処置だということを忘れるなよ」

 その少し前、木山は心理掌握を呼び出して彼女の仲間となるメンバーにサッカーの知識を能力を駆使して詰め込むように指示を出していた。
 ちなみに対象者はインデックス(上条と同居時に気まぐれに覚えた)、五和(天草式に必要になると考え一通り)以外だったりする。
 入学当初ならまだしも、精神の成長途上の心理掌握なら余計なことはしないと踏んでいる木山、ふとあることを思い出し尋ねることに。

「そういえば君は確か魔術師にトラウマがあると聞いたことがあるが……大丈夫か?」
「え、ええ……。自分でトラウマの影響を最小限に抑えていますので……。本当は今すぐにでもトラウマを乗り越えたいのですがその……」
「時間も無いしまあ仕方あるまい。エツァリとショチトルと五和はあまり知らないがインデックスとステイルはいい奴らだ。気軽に接してやってくれ」
(私の中で1番のトラウマがそのステイルさんということは言えませんわね……)

 少し震えて汗もそれなりに出てはいるが大丈夫だろう、木山はかなり適当な判断を下していた。
 心理掌握がトラウマを『消し去る』ではなく『最小限に抑える』に留めたのは、『消し去る』を実行した場合にトラウマに付随する全ての記憶を消去する必要があるのだ。
 その場合、記憶の齟齬が生まれてしまい新たなる混乱が生まれるだけなので『最小限に抑える』に留めるだけにしたのだ。
 ちなみに心理掌握が能力を使わずに魔術師のトラウマを乗り越えようと頑張ってるのは、尊敬する真夜が過去に麦野に対するトラウマを乗り越えたと聞いたからだったりする。

「チームワークは難しいだろうが試合中に培ってくれ。君の能力で意思の統一を図れば簡単だろうがそれでは球技大会の醍醐味が無くなるからな」
「分かってますわ。能力を使って簡単にチームワークを形成するのは虚しいだけ。やはりスポーツならば少しづつ仲間の和を育むべきですもの」

 この子、本当にいい方向に変わりつつあるな、木山は心理掌握に影響を与えている一方通行と真夜を思い出して少しだけ微笑んだ。
 心理掌握は普段あまり感情を出さない木山の微笑みを見て少し驚きながらも丁寧に挨拶をして職員室を後にした、入れ違いに入ってきた土御門にも頭を下げて。

「あのお高く留まった心理掌握がオレに頭を下げるとはな。っと、そんなことよりもホラ木山センセ。オレ達のクラスの出場メンバー表、持って来たぜよ」
「ご苦労。……ふむ、なかなか興味深い選出だな。これなら面白い試合が見られそうだ」
「そいつはどーも。相手チームの全員が曲者揃いってのが困りもんですたい。禁書目録もそうだが絹旗と削板、あの2人が最高に厄介だからにゃー」
「気付いていたか。だが安心しろ。削板はともかく絹旗には1つだけ禁止事項を設けてある。君なら察しはついてるだろう?」

 まあアレを禁止にしたとしても絹旗は脅威だけどな、土御門はそう言いながら職員室を後にした。
 誰も居ない職員室で木山は気まぐれで作ってきたサンドウィッチを出して、コーヒーを淹れに給湯室へと足を伸ばすのだった。

――――――――――

 その頃、美琴は1人で上条を探していた、早起きして作った愛妻(?)弁当を携えて。
 最初に合流した初春と佐天、途中で合流した黒子、打ち止め、春上はというと、

「私と涙子さんは火織お姉ちゃんと合流してから最愛さんの所へ行きますのでまた後で」
「ではお姉さま、黒子も○○様とお昼をご一緒したいのでここで失礼しますわ」
「ミサカは一方通行にお弁当食べてもらうんだーってミサカはミサカは猛ダッシュで探しに行く!」
「あたしは元春お兄ちゃんと月夜お姉ちゃんを探しに行くの」

 思い思いのお昼を過ごす為に一旦別れることに。
 するとそこに【歩く教会】チーム(絹旗除く)の集団リンチから解放された上条が姿を現した。
 その痛々しい姿に美琴は切れそうになったがかつての茜川との約束を思い出すと何とか踏みとどまり、上条を看病しながら事情を尋ねる。


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