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イベント優先スレ
194
:
田中 夕
:2011/07/23(土) 22:42:34 ID:c1.PBF/s
>>189
「だが断る!!」キリッ
ハツビーの雷を《右手》で弱めるも、身体が少し痺れながらも彼は立ち上がる。
「はぁ………黒龍…俺がわからないみたいか…
なんで、そうなったかわからないけど」
右手の甲に《丸い円に八つの棒が生えたような模様》が浮かび上がり輝く。
「まずは《殴る》!!話はそれからだ!!!」
そう言いながら彼は向かってくる炎を……
「うらぁぁぁぁあ!!!!」
《右手》で払い、まるで剣で炎を切り裂くように吹き飛ばそうとする。
果たして《八握剣》の《破邪》の力で炎を消せるか?
>>190
「丑三さん!!黒龍と白龍がなんかわからないけど暴走してるんです」
彼は丑三に気付きそう叫んだ。
>>191
「大丈夫です!」
普通の人間なら死んでいたが、彼は《右手》で防ぎ雷を弱めたようだ。
>>193
「了承!!あと白龍もだよ」
おい!田中くん!!自分はいいのかぁぁぁぁあ!!!
とりあえず彼は承諾した。
《ハツビー》が《黒龍と白龍》を殺さなければ彼は奢ってくれるだろう。
195
:
丑三夜中
:2011/07/23(土) 22:52:05 ID:8w5oeMbU
>>191
「おいおい、いつからそんな性格になっちゃったのよ?グレた?」
やっぱり聞こえてないな、とある種納得して、しっかりと武器を構える
どうやら相手は本気のようだ、舐めるのは言動だけにでも留めていなければ
「露奇と零が泣くぞ?」
右手の白い木刀が外面を脱いで、白い炎を纏う刀の姿を現す
その右手の刀で、爪の攻撃を受け止め、カウンターで左の木刀で白龍の胴体に突きを放つ
>>192-194
「とりあえずあれだ!さっきからフレンドリーファイアしてんの誰!?よく見えないけどマジ自重して!俺死ぬかもしんないから!!」
来る途中に見た雷とかばんばん味方に当たってたように見えたし、あんなもん自分がくらったら死ぬとは行かなくても気絶するかもしれない
目の前の敵に集中しているせいで周りに誰がいるかよく見てないし、声は皆聞き覚えがあるが…
196
:
黒龍「」&白龍『』
:2011/07/23(土) 23:01:00 ID:HbHPxpxY
>>192
『お主はなぜ我の心配をする。
まだ初対面と言うのに。』
そんな中、巴津火の呼んだ雨が降り始める。
お陰で、水を使う白龍に取って非常によいコンディションとなった。
>>193-194
降り続く雨と、夕の破邪の力によって、炎は消えた。
それを見た黒龍は怒り・・・雄叫びをあげた。
「ぐぉぉぉぉぉっ!!貴様らっ・・・!」
炎が効かぬなら、やはり引き裂くしかないと、巴津火に近づいた。
巴津火の顔面に、鋭い爪が飛ぶ。
>>195
『人間、何を言っている・・・。これ以上の侮辱をするならば、ただじゃおかないぞ?』
カウンターを読むのが少し遅れ、腹に突き刺さる。
だが、コンディションは巴津火のお陰で最高なのだ。
開いた左手に紅い水を纏わせると、丑三へ狙いを定めた。
197
:
瞳
:2011/07/23(土) 23:07:42 ID:SmXQZqJk
>>193
「なんて奴だ!やっぱり、私達のことなんて、気にかけていないんだな!」
巴津火の常識に捕らわれない振る舞いに、怒る瞳。
>>194
「良かった…」
夕は、強かった。一安心する瞳。
>>195
「巴津火という奴だ。奴は、多分暴れられればいいんだ。私達のことなんてまったく気にかけてない。」
瞳にとっては、丑三はいけ好かない奴だが、それ以上に巴津火の振る舞いは、気にくわなかった。
>>196
「初対面なんかじゃない!あなたは、私の友達だ!」
思いを込め叫ぶ。
198
:
巴津火
:2011/07/23(土) 23:11:48 ID:1gBuqmPQ
>>194
「えー?白いのも?」
ちょっぴり難しい表情で考え込む巴津火。しばしの後。
「判った。でもおごってくれなかったらあの白いのと黒いの、ボクが食べちゃうからな!」
双龍か、ランチ&パフェか。
どっちでも巴津火は美味しく食べるつもりのようである。悪食?
そして水溜りの中央に立つと巴津火はぱん、と両掌を胸の前で打ち合わせた。
「澪の真似!…ありゃ?」
澪がやっていたように水溜りの中から水を硬化させた剣を呼び出そうとしたのだが、
呼応して水面から持ち上がってきたのは、巴津火の身の丈よりも長い矛だった。
「これはこれでいいや。で、フレンドリーファイアって何?…おっ!」
雨の向こうに霞む丑三に、巴津火は知らない言葉を聞いてみる。
聞きながら水の矛で、黒龍の爪を目の前すれすれで受け止めた。
「…お前、ボクの顔狙ったな」
紫濁の瞳が剣呑な光を帯び、瞳孔は三日月のように細くなって黒龍を覗き込む。
どろり、と濃い妖気が辺りを毒するように広がった。
「お仕置きだ」
爪を受けていた水の矛が崩れ、空いた巴津火の両手が黒龍の両手を掴みとろうとする。
その大力で黒龍を捕まえる気だ。
199
:
巴津火
:2011/07/23(土) 23:12:56 ID:1gBuqmPQ
//安価ミス、正しくは
>>194-197
です。
200
:
田中 夕
:2011/07/23(土) 23:15:08 ID:c1.PBF/s
>>195
「俺です!俺!!田中です!!!」
叫びながらアピールする田中だった。
>>196
黒龍が怒り、ハツビーに攻撃する瞬間の隙を田中くんは見逃さなかった!
「黒龍!!!」
ダンッ!!と地面を蹴り、黒龍に向かい走り、上半身を右側に回転させ、拳を握り
「歯……食いしばれぇぇぇぇえ!!!!!」
《破邪》の力を込めた《右手》で黒龍の顔を上から下にぶん殴り、地面に叩きつけようとする。
彼を正気に戻す為に!!
>>197
「瞳!!ハツビーは俺の家族だから許して!!」
ハツビーの攻撃に巻き込まれたのにそう言う田中くん。
やっぱり彼はお人よしだ。
>>198
「ハツビー!俺は約束を必ず守る男だ!家族に嘘はつかないさ」キリッ
黒龍を殴る瞬間に彼は言った。
201
:
丑三夜中
:2011/07/23(土) 23:28:25 ID:8w5oeMbU
>>196
「…まったく、どこのどいつがやったか知らんけど、ビッショビショじゃねーの」
ヒュンヒュン、と刀を回して、地面に刺すようにして立てる
「あっちを立てればこっちが立たず、ハードモードだなこっちは」
雨の恩恵で力を増した白龍を見て感じる、ちょっとした危機感
汗か雨か、顔を伝う雫がぽたりと落ちた
>>197-198
「巴津火?巴津火って誰よ?」
聞いたこと無い名前だ、と辺りを探すと、雨の中にそれらしい奴が
…何処かで見たような…?
>>199
「おお!お前もいたか!田中!」
「ちなみにフレンドリーファイアってのはあれだ!味方を攻撃することな!難しいけど間違っちゃあかんぞ!」
202
:
黒龍&白龍
:2011/07/23(土) 23:35:32 ID:???
>>198
,200
自分よりも小さな者に受け止められ、隙を突かれて人間にぶん殴られる。
地面に叩きつけられはしなかったが、プライドの高くなった彼は完全に怒り狂った。
手を合わせ、空中へ向けた時、黒い龍が三体現れる。
それは零の使っていたあの技に酷似しているようにも見える。
「我によくも……っ!!この野郎ぉぉぉぉ!!!!
ぶっ殺す、生きて返さない!人間っ!!ぐおおぉぉっ!」
巴津火と夕に、三体の黒い巨龍が放たれた。
そこから発せられる妖気は並大抵ではない。
>>197
,200
『友達?お主は何を言っているか分かっているのか?
神である私にはそんな者要らぬ。』
いくら想いが籠もっていようと、今の彼女には届かない。
そして、丑三へと爪を大きく振りかざした。
『私への侮辱の罰だ、人間』
203
:
瞳
:2011/07/23(土) 23:40:59 ID:SmXQZqJk
>>198
「巴津火が黒龍を!?マズい!黒龍!逃げろ!」
黒龍の元に向かいたいが、白龍を放っておくわけにはいかない。
そのため、黒龍に向かい叫んだ。もっとも、瞳が向こうへ行ったら、巴津火と黒龍の二人から攻撃を受けていたかもしれないが…
>>200
「許してと言われても…」
巴津火は、聞いた話では紫狂の一員だった妖怪。
紫狂には、散々酷い目にあわされてきた。巴津火だって、黒蔵に酷いことをしている。そうそう許せるわけがない。
かといって、争うつもりもないのだが…
>>201
「巴津火というのは、つまりあそこの…」
と、指さすがそもそも見えない可能性も高い。
>>202
「神!?何を言っている!?あなたは、白龍!私の友達で、露希の大切なパートナーだ!」
いまだ、言い続ける。その言葉が伝わらないとも思わずに。
204
:
巴津火
:2011/07/23(土) 23:51:41 ID:1gBuqmPQ
>>200-203
「お子様ランチとジャンボパフェ、約束だぞ!」
視線は黒龍へ据えたまま、田中君に釘を刺す巴津火。
このちび邪神へのお供えものは、そんなもので『良い』らしい。
「だからボクも約束は守ってやる。お前は殺すなって、夕が頼むからな」
黒龍を捕まえようとしたのだが、夕の拳の一撃を喰らわせる間しか押さえていられなかった。
逃れた黒龍の両手の爪が、巴津火の両の手から血を滴らせた。
「夕、一度しか言わない。下がれ。本体はお前に任せる」
巴津火の血を含んだ雨水が、水溜りから3本の鎌首を持ち上げた。
巨大な3匹の龍に比べればずっと細く頼りなさげな水の蛇だが、その蛇は龍を迎撃しに向かう。
龍の妖気も巨大だが、巴津火の血を含んだ水もただの水ではない。
「雷蛇!」
水蛇が巨龍に絡みついた瞬間、巴津火は足元の水溜りに雷光を叩き付けた。
それは水蛇を伝わって3匹の龍を打とうとする。
「ボクの毒を試させてやれ」
3匹の水蛇もそれぞれ龍に噛み付き、巴津火の血の毒を注ぎ込もうとした。
205
:
田中 夕
:2011/07/24(日) 00:01:05 ID:c1.PBF/s
>>201
「はい!います!
なるほど…それがフレンドリーファイアか」
うんうん、と頷きながら彼は納得する。
>>202
>>204
「悪いけど生きる!!黒龍を正気に戻す為に!!!」
そう言いながら、右手に《力》が強くなり始める。
「わかった!!約束は守る!!」
そう言うと、彼は三匹の龍から離れ
黒龍を向き、前に倒れるように体制を取り、その勢いを利用してダッ!!と地面を蹴り、《風》のように黒龍に接近しようとする。
成功したら、《破邪》の力を込めた《右手》で、アッパーを黒龍の顎に放ち、《気絶》させようと試みる。
>>203
「瞳!!ハツビーは良い子だよ!!だから信じて黒龍たちを殺さないって約束したよ!!俺もいるし!!
責任は俺がとる!!!」
自信をこめた目で瞳を見つめ、必死にそう言う。
206
:
丑三夜中
:2011/07/24(日) 00:15:26 ID:8w5oeMbU
>>202
「神神神、どいつもこいつもそればっかりだな、たまには仏さんとかいないのか?」
「大体、神だからどうしたってんだ、立場ばかりにしがみついて偉そうにしているだけじゃないか」
大袈裟に呆れたポーズを取って挑発する口ぶりで言うと、飴をかみ砕いて棒を吐き捨てる
「それに神様にしちゃあちょっと…可愛すぎるってな!」
白龍が爪を振ると、地面に刺した刀を抜いてガード、先程と同じように木刀で突きを放つ
丑三は相手に攻撃を防ぐ際、必ず右手の刀で防がなくてはならない
それは、言わずもがな木刀ではガードするにはそれが柔らか過ぎるからである
なので、必然的にカウンターを打つ武器は刀よりは柔らかい木刀となるが、それは斬るや刺すではなく〝叩く〟等に近く、勿論攻撃力も落ちる
攻撃がかわしやすく、勝つ攻撃を当てやすいその瞬間、それが来るまで、待ちに徹するしかないのだ
>>203-205
「え?どこの!?いやそれよりもさ!」
「お前!知り合いとやり合いたくないって気持ちは解るがな!そこであれやっちゃ駄目これやっちゃ駄目って言ってる場合じゃないぜ!」
「何がなんでも今はやるしかないんだ!語りかけるのはやりながらでも難しくない!躊躇うな!」
「…ていうかぶっちゃけ俺一人じゃやばいから手伝ってマジで!!」
ふざけているのか真面目なのか、白龍に対応しながら瞳に叫ぶ
余裕かましてはいるが、大分危ういと感じているようだ
207
:
黒龍&白龍
:2011/07/24(日) 00:28:40 ID:???
>>204
,205
がぶり、と噛まれて毒をあっけなく注がれる。
龍達は苦しみ、酷く暴れる。
お陰で巴津火の蛇はやられたようだが、こちらも毒のせいで直ぐに倒れてしまった。
「なぜこいつらには通用しないんだ…ぐぁっ!!」
顎へとアッパーを喰らい、後ずさる龍。
気絶しそうな体を堪えているが、体は限界に近付いていた
>>203
,206
『お主、まだ言うか!…ふふ、二度とそんな口叩けぬようにしてやるわ。』
瞳にはそう言うも、彼女もかなり限界が近い。
何しろ、本来の姿での本気には負担が大きすぎる。
呪い、と言うのも影響しているのかもしれない。
そんなことも知らず、丑三に連続で攻撃を与える。
>>ALL
徐々に追い詰められていく二匹。
ふとその時だった。二匹の脳裏に、見知らぬ者がフラッシュバックした。
黒には少年、白には少女が。
『だ、誰だコイツ!?我はこんな奴知らない!!』
「ぐぅぅっ……。」
まだ記憶が正常だったころ、心と体に彼らの思い出を刻みつけたのだろう。
頭を抑えながら、二匹は苦しみ始めた。
攻撃を仕掛けるチャンスは今しかない。
208
:
瞳
:2011/07/24(日) 00:36:46 ID:SmXQZqJk
>>204
,
>>205
「すまない…私には、そうは思えない。
だけど、夕。あなたのことは、信じるよ。」
辛そうな表情で言った。瞳には、巴津火を許すことも、信用することもできなかった。たとえ、友人が言おうとも…
>>206
「ああ…わかっている…わかっているさ…」
ここで全滅したりしたら、すべて終わりだ。瞳にだってわかっている。
しかし、頭でわかっていても、体が上手く動くとは限らない。腕が、足が震えて、刀に変化させることすらできないのだ。
>>207
(私も…私も戦わなくては…私も…)
そう思っていたところ、二人が苦しみだした。
「黒龍?白龍?いったい何が…?」
209
:
巴津火
:2011/07/24(日) 00:41:32 ID:1gBuqmPQ
>>205-208
「どうかな、ボクの毒は?ボクの言う事を聞くなら、その苦しみを消してやっても良いぞ」
巴津火の妖毒が染みた黒い3匹の龍の耳には、その誘いは甘美に聞えるかもしれない。
その紫濁の瞳は本体の、黒龍へも向けられる。
「お前もまだ抗うつもりか?」
弱った黒龍を魅了し、その心を絡めようとする蛇の瞳が隙を狙っていた。
「大人しくすれば、殺しはしないぞ。約束したからな」
そして黒龍の次は白龍をちらりと見る。
「ボクの呼んだ水を勝手に使いやがって」
巴津火は忌々しげに片手を白龍に向かって振った。
ぴしゃん、と血の雫が白龍のほうへと飛ぶ。
「邪魔されたら困る。抑えろ。ボクがお前たちの本来の主だぞ」
血の雫が落ちた水溜まりが、命じられたとおりに白龍の足を包み込み、抑えて止めようとする。
210
:
田中 夕
:2011/07/24(日) 00:50:43 ID:c1.PBF/s
>>206
>>207
>>208
>>209
「黒龍…もういい加減正気に戻りなよ?零が心配するだろ?
俺に技教えてくれるんでしょ?
それに姉さんがまた女装させてあげたいって言ってたよ?」
そう言いながら、彼は苦しむ黒龍にそう言い。
「瞳……時間かかってもいい。ハツビーの事、理解してあげて」
そう優しく言う。
「ハツビー凄いな……何やったかわからないけど
コレでとりあえず安心?」
ハツビーが二匹を止めたのを見て関心する。
「あとは二人が正気に戻る方法を考えないと…丑三さん!わかる?」
そこで丑三にふる田中くんだった。
211
:
丑三夜中
:2011/07/24(日) 00:59:42 ID:8w5oeMbU
>>207
「いでっ!いでっ!やべっ!もうっ!もたなっ!」
白龍の連続攻撃をなんとか受けながらも、その防御も段々と崩れてくる
もうそろそろやばい―――と思ったその時、攻撃の手が止んだ
攻撃を叩き込む最大のチャンスが到来した、と思ったが…
「…これは…」
白龍と黒龍の様子を見て、攻撃しようとしていた手を止める
>>208
「…解った、じゃあお前は攻撃しなくていい」
「代わりに、あの二人に呼びかけ続けろ、もしかするとがあるかもしれない」
白龍と黒龍の様子から何か感じ取った丑三は、その役目を瞳に頼んだ
もし、意志や思い出がまだ残っているのなら、それを呼び起こせば…
>>209-208
「おう、ぶっちゃけわかんね」
「どうしてこうなったのかもわかんないし、だったら対処法も予測出来ねえ」
田中の問い掛けに、随分と素直で簡潔な答えを一つ返す
「一応、こういう感じの時は呼び掛けてみるのがいいと思うが…」
「効かなかったらその時はその時だ」
もし、白龍と黒龍が元に戻らない、その時は…
放っておけば今すぐにでも人に仇成す者を、そのままには出来ない
この場の何者にもその手を下させたくはない、その時手を下すのは…自分がやる、そう密かに心に決めた
212
:
黒龍&白龍
:2011/07/24(日) 01:11:48 ID:???
>>208-211
黒い龍達は巴津火の問いかけに反応するも、首を振って消えさる。
やはり相手の力は借りたくないようだ。
皆が気を戻す方法を考える中、双龍の体から一つの黄色い光が空へと飛んで消える。
その光は徐々に強くなっているのが分かる。それは何を意味するのか…。
そして、何処からか、金属音と足音が聞こえる。
それはこちらへと向かってくる。零と露希だ。
零「…!!黒龍…っ。」
露希「白龍!」
二人は直ぐに龍へと駆け寄り、声を掛ける。
だが、龍達は聞き覚えのあるような無い様な声と脳裏と現実で一致する零達に戸惑っていた。
213
:
瞳
:2011/07/24(日) 01:15:06 ID:SmXQZqJk
>>209
,
>>210
「努力はしてみるよ…」
チラリと巴津火の方を見て答えた。
そもそも、黒蔵の体を使っているのが瞳が巴津火を受け入れられない原因だ。だが、瞳にはどうすることもできない。
>>211
「わかった、すまない…」
自分の弱さを久しぶりに実感する。
しかし、瞳にも黒龍と白龍に呼びかけることはできる。
>>212
「露希っ!零!」
二人が来てくれたので、どうにかなると思ったが、果たして…
214
:
巴津火
:2011/07/24(日) 01:22:46 ID:1gBuqmPQ
>>210-213
もう必要は無いと判断したので、巴津火は雨を降らせるのを止めた。
これでお互いの姿が認識しやすくなる。
「一人だけ戦ってないのは、お前だったのか」
ここへきて瞳と初めて目が会い、そうと認識すると巴津火はぷいっとそっぽを向いた。
実に可愛くねーお子様である。
尊大な態度でくそ偉そうにしてはいるが、その着衣はずぶ濡れてぺったりと身体に張り付いている。
しかも物が白っぽい浴衣なので大分透けて見えているのだ。
夜だからまだ良いようなものの、明るいところではかなり危なっかしい。
「なんだあの光?」
露希と零の接近を他所に、田中君の横で大あくびをしながら巴津火は光を目で追っている。
夜遊び中のお子様は一暴れ済んで、そろそろ眠いのだ。
「あいつら皆知り合いか?」
丑三、露希、零、瞳、夕の顔見知り同士が一堂に集まり、それを知らずにぼっちなのは巴津火のみである。
215
:
田中 夕
:2011/07/24(日) 01:28:14 ID:c1.PBF/s
>>211
>>212
「なるほど……なら」
そう考えるとちょうどよく零たちが来た。
「あ!零!!露希!!
黒龍と白龍が俺達の事がわからないで暴れてるんだ!
何か正気に戻す方法ない?」
二人に事情を説明しそう言う。
>>213
>>214
「瞳……ありがとう!」
ペコリと深く頭を下げる。
「って!ハツビー!!なんで喧嘩腰なの!?
ごめん!瞳!!」
ハツビーが瞳をからかったのを見て慌て頭を下げる田中くん。
苦労人である。
「光?なんだろうアレ?」
田中くんも気付いたが不思議そうに見てる。
「ハツビー眠い?ノワールまで運ぼうか?」
眠そうなハツビーを見てそう聞く。
216
:
丑三夜中
:2011/07/24(日) 01:39:53 ID:8w5oeMbU
>>212-215
「…なんだあれ、魂?いやまさかな…」
飛んでいく光を見て、まさか死んじゃったんじゃないかと嫌な予感が頭を過ぎる
…が、それを確かめる前に露奇と零が現れた
「いよう、その様子を見ると事情は知ってるのか?」
「治す方法とかはあるのか?もしお前らにもどうしようも無いなら最悪、俺はお前らの友人を手に掛けなきゃならなくなる訳だが」
もし、この二人が対処法を知ってるなら、そこで終わり、めでたしめでたし、だ
だが恐れるべきはそれが無い事、そうだとしたら、やるべき事を、それとなく伝えておく
「あー、そこにいるお前らも」
「もしどうしようもないって解ったら、手出すなよ、嫌だろ?」
周りにいる田中、瞳、巴津火にも釘を刺しておく
意地やカッコつけに見えるかもしれないが、これだけは譲れない
子供にそんな辛い思い出を作らせてたまるか
217
:
黒龍&白龍
:2011/07/24(日) 01:48:32 ID:???
>>213-216
光が出て宙に消え…龍達の体は次第に消えかかってきた。
そう、光は消滅を意味するのだ。
だから後に死ぬ。丑三が手を出さなくとも、居なくなるのだ、この世界から。
露希や零がどうしようとこの光は止めることは出来ない。
それは周りに言葉を発しない零と露希を見れば分かる筈。
しかし....小さな奇跡は起きた。光は消えねど、消えた意識が戻って来たのだ。
瞳や夕が、諦めずに呼び掛けてくれたお陰だろう。
黒龍「ぅっくっ……」
白龍「ろ…きに、皆様方…。」
218
:
瞳
:2011/07/24(日) 01:54:47 ID:SmXQZqJk
>>214
「……」
一人だけ戦っていない――その言葉に胸を痛めた。しかし、何も言い返せなかった。
>>215
「いや…大丈夫だ。」
実際のところ、だいぶ気にしている。しかし、今はそれしか言えなかった。
>>216
コクリと静かに頷いた。そして、緊張が走る。
>>217
「そ…んな…消えてしまうのか!駄目だ!黒龍!白龍!」
涙を流す瞳。必死に、必死に訴えかける。
それが、通じたのか――
「黒龍!?白龍!?」
219
:
巴津火→黒蔵
:2011/07/24(日) 02:01:37 ID:1gBuqmPQ
>>215-218
「だってあいつ『紫狂』抜けたんだ」
唇を尖らせる巴津火。
抜けたという意味では瞳もリーダーの窮奇も同じようなものではあるのだが、
一人ぼっちの紫狂になった寂しさや持って行き場のない心もとなさが、
同じ紫狂だった筈の瞳への八つ当たりとして発露していた。
そして眠いかと問われて、慌ててあくびをかみ殺す。
「…まだ眠くないもん!」
事の次第を見届けるまでは寝るわけには行かない。
傷の痛む掌をぎゅっと握り締めて睡魔に抗う巴津火であるが、戦闘でかなりの力を使い
その表情ははっきりと眠そうである。
「…眠くなーい、ボクは眠くないぞー」
しかし頭がぐらんぐらんと揺れている。瞼は今にもくっつきそうである。
眠くさえなかったら、丑三に大人しく釘を刺されているような巴津火ではない筈だ。
きっと双龍を食わせろとか言い出したに違いない。
そしてすとん、と巴津火の意識が落ちた。代わりに黒蔵が目を覚ます。
現在、睡魔は皆さんの心の平和のために大変いいお仕事をしているようだ。
「あ?瞳、夕、露希に零?飴男?」
なにやら切羽詰った瞳たちの様子に、黒蔵は辺りを見回す。
何がどうなったのか良く判らないが、田中君が居るのであとで詳しく聞こうと思った。
(なんか俺、とてつもなく場違い?)
「白龍?黒龍?」
深刻な雰囲気だけは流石に察した。
220
:
田中 夕
:2011/07/24(日) 02:14:10 ID:c1.PBF/s
>>216
>>217
「え?……何言ってるんだよ?丑三さん……
大丈夫だよ!白龍も黒龍も露希と零を見て思い出そうと……」
《その言葉》に彼は青ざめ丑三を説得しようとするが………
現実は残酷だ
「白龍……?黒龍……?冗談だよね?
零も露希もなんか言ってよ!!!なんで二人とも消えていってるの!?ねえ!!!」
涙を流しながら、叫ぶ田中。
「黒龍…白龍……消えちゃヤダよ……俺…俺………」
思い出すも消えていく二人に対し彼は泣きながらそう言うしかなかった……
>>218
>>219
「《紫狂》?」
聞き慣れない言葉に彼は首を傾げる。
「あ…黒蔵になった……
黒蔵……黒龍と白龍が………」
彼は泣きながら黒蔵にことの事態を説明する。
ついでに彼はハツビーと黒蔵を二重人格の人間と思っている。
ついでにハツビーは殺しをしてないから必ずハツビーに田中くんは奢るだろう。
221
:
丑三夜中
:2011/07/24(日) 02:18:52 ID:8w5oeMbU
>>217
「…あぁ…成る程、な」
光が消えると共に黒龍白龍の姿が消え掛かっているのを見ると、すべて理解した
「うぇーい俺恥ずかしいー!恥ずかしいよー!〝その時は…〟(キリッとかはっずーー!!」
この時、丑三は今すぐ家に帰って枕に顔を埋めて足をバタバタさせたい気分で一杯だった
「…まあ、どうでもいいか」
「俺からのアドバイスだ、どっか行く時は、笑ってけ、泣いて別れるなんていい事じゃないからな」
ニヤッとした笑顔を龍達に向けて、それだけ言うと顔を逸らした
>>218-220
「どっかで見たことあると思ったらやっぱり小蛇ちゃんか、二重人格?」
巴津火から黒蔵に人格変更して、ようやく違和感が確信に変わった
とりあえず気になるが、今は―――
「まあいいや、それどころかじゃないみたいだしな」
「…俺がやる必要もなかった訳だ、軽蔑されるような事にならなくて一安心かな?」
洒落にならない冗談で田中の問い掛けに答える
もうそれ以上、かける言葉はなかった、かけられなかった
泣き出した田中にかける言葉は、見つからない
222
:
零なか
:2011/07/24(日) 02:35:42 ID:???
>>218
『瞳…様……。露希を…よろしくお願いします…。
親友の貴方様なら出…来…ますよね…?信じてます…。』
涙を流し、白龍は瞳に抱きついた。
>>219
「黒蔵…俺…もっと…お前と話したかった…。
黒蔵は優しいから……きっと…なんでも乗り越えられるよ…。」
優しさを知っている黒蔵の肩をそっと叩いた。
>>220
「ごめんな…田中……。お前とはやっと友達に…なれたのにな…
田中、俺さ…お前に感謝してるよ…楽しい時間をありがとうな……。」
己の辛い現実を背負いながら、必死に生きる田中の頭を撫でた。
>>221
『そうですね…丑三様…。やはり、貴方の様な笑顔が一番良いですよね。
ほんの感謝の気持ちです、受け取って下さい。』
どんなときにも持ち前の明るさで周りを和ませる彼の頬にキスをした。
>>ALL
双龍の此処に居る者への挨拶がすべて済んだ。
残るは兄妹のみ。
零「……」
露希「行かないで…」
会話は小さな声で行われ、内容は彼らしか知らない。
零と黒龍、露希と白龍で抱き合っていた。
光が一層強くなって、まばゆい光が空に逝く。もう消える間際なのだろう。
双龍は、丑三の言うとおり、微笑んでいた。
………そして消えちゃった。
零と露希の胸に、彼らの温もりを残して。
223
:
瞳
:2011/07/24(日) 02:49:00 ID:SmXQZqJk
>>219
「私は…」
望んで紫狂に入ったわけではない。しかし、それは事実。
「私は、紫狂なんかじゃない!!」
言うのが、遅かったため、黒蔵に怒鳴ってしまう。
>>220
「すまない…紫狂については、いつか必ず説明する…」
涙を流しながらそう言った。
>>222
「ああ…露希のことなら任せろ…だから、だから行かないでくれ!」
涙を流し、叫ぶ。大切な存在を失いたくなかった。
しかし――
「白龍…黒龍…」
224
:
黒蔵
:2011/07/24(日) 02:54:44 ID:1gBuqmPQ
>>220-223
瞳に怒鳴られて、一瞬面食らった。
「うん?違うよ、瞳は。…俺?『憑かれてる』んだ」
丑三に頷いてそう答えた黒蔵に、田中君が状況の仔細を伝えた。
「白龍と黒龍が?何で?…いッ!」
寝起きでぐしょぬれの黒蔵にその説明は、まさに寝耳に水である。
思わず傷のある掌で田中君の服を掴んでいた。
「何で二人がそんなことにならなくちゃいけないのさ?」
理不尽である。しかし、その理不尽さは黒蔵も散々かみ締めてきては居るのだ。
だから丑三の言葉の正しさも判っては居るのだが。
(また。また誰かを見送るのか)
また親しい人が消えてしまうのか。
濡れた服の上から、蟹の欠片が入った守り袋を押さえる。
白い浴衣の胸元にじんわりと赤い滲みが広がった。
「白龍、黒龍。何か最後に俺にしてあげられる事、ある?」
守り袋の中身を布越しに感じながら、黒蔵は消え行く二人にそう尋ねた。
しかし、その応えは無いままに彼らは消えた。
(逝っちゃった)
結局、ただ見送る事しかできなかったのだ。
黒蔵は泣けなかった。代わりに田中君が泣いているから。
225
:
田中 夕
:2011/07/24(日) 03:05:02 ID:c1.PBF/s
>>221
「………そんな事ない…丑三さんは…辛い役目を…背負うと……グスッ……してる……グスッ
貴方は…優しいから……」
泣くのを堪えようとするも涙が溢れてくる。
>>222
「黒龍……………俺こそ……色々助けてくれて……ありがとぅ……ヒグッ…グスッ…
俺……黒龍たちの分まで…生きるから……」
頭を撫でられながら彼は必死に言葉をつむいだ。
>>223
コクリと頷きながら、彼は泣いていた。
>>224
「わからないよ……グスッ……なんで…二人が暴走したのか…なんで死ななきゃいけないのか………ヒグッ」
服を掴まれながら、泣きながらそう答えた。
>>ALL
そして黒龍と白龍が消えた瞬間、彼は声を堪え、体操座りをし静かに泣き始めた。
……また一つ《人間》は《命の消失》を味わい。
また一つ《想い》を背負う。
しばらく彼はその場から離れず動かなかった。
/すいません…眠気限界の為に先に落ちます。
/皆さんお疲れ様でした!!
/イベント楽しかったです
226
:
丑三夜中
:2011/07/24(日) 03:12:09 ID:8w5oeMbU
>>222-225
「結局、俺って毎回肝心な時に役立たずなのよね」
龍達が消えたのを見ながらぽつり、と呟く
ぐしょ濡れの顔から、ぽたりと雫が一滴落ちた
「…何がどういう事か気になるが、今聞くのは野暮ってもんか」
どうして二人がああなったのか、その理由が気になるが、この状況で聞くのは気が引ける
「つー事で、俺は一足先に帰らせてもらうよ」
「じゃあな」
その別れの言葉は、今その場にいる者だけに向けてではなく
木刀を背中にしまうと、擦れ違い様に泣いている田中の頭を軽く叩いてから、歩いて行った
/お疲れ様でした
227
:
零露希
:2011/07/24(日) 03:16:20 ID:HbHPxpxY
消えてしまってから、零たちも動けずにいた。
溢れ出る涙は止まることを知らず。
田中と一緒に、泣き崩れてしまった零と露希だった。
//皆様、遅くまで絡みお疲れ様でした!
228
:
瞳
:2011/07/24(日) 03:22:51 ID:SmXQZqJk
>>224
-
>>227
大切な存在を失うのは、悲しいことだ。白龍も黒龍も、瞳にとっては大切な友達だった。二人を失ったのは、辛いのだ。
「うう…どうして…」
だが、一番辛いのは、露希と零だろう。長年一緒だったパートナーを失った二人――
二人の心を察してか、何も声をかけずに涙を流したまま去って行った。
/皆さん、お疲れ様です。ありがとうございました。
229
:
黒蔵
:2011/07/24(日) 03:27:07 ID:1gBuqmPQ
>>225-228
「俺、夕と一緒に帰るよ。皆、また後でな」
黒蔵は田中君が落ち着くのを待って一緒に帰ることにした。
七罪者に狙われているのだから、この状態での田中君を一人にはしておけない。
「飴男。…ありがとな」
そして帰ってゆく丑三がすれ違いざま、振り向かないまま礼を言う。
その胸中には守らなければならない秘密と、守るべき者への思いが静かに渦巻いていた。
(まだ俺は泣けない。まだ、やるべき事がある)
次の日に黒蔵は一人ここへ戻ってくるだろう。
白龍と黒龍それぞれに一本づつ、2本の花を手向けるために携えて。
そして……仕事先の病院へと向かうのだ。
//皆さんお疲れ様&絡みありがとうございました。
230
:
釜蓋朔日
:2011/07/31(日) 22:22:40 ID:1gBuqmPQ
旧暦7月1日は地獄で釜の蓋が開き、故郷へ帰る魂があの世を旅立つ。
地に耳つけて澄ませれば、遥か底よりの亡者の声が聞えるという。
精霊棚を設えて、点せ迎え火盆提灯。
盆の最後に送り火で、霊魂が送られるその日まで、あの世とこの世の境が揺らぐ。
この日に獄卒が地獄の釜の蓋をあけるのを、死者の魂は待っていた。
蓋が開かれたその時、精霊馬の背に揺られ、祖霊は一路故郷を目指すのである。
231
:
バトー
:2011/07/31(日) 22:38:44 ID:8w5oeMbU
>>230
今か今かとその時を待ち侘びる死霊達を尻目に、続々と獄卒達が集まって来る
馬の頭に牛の頭、犬や鹿の頭もいる
全てが獣の頭を持つ人型の鬼達で、いつもは責め苦を与える武器を持つ手に、今日は何も持っていない
「…今年もこの日が来たか」
「来たか、じゃない、今まで何処にいたんだバトー」
「聞くところによると、仕事を放って人間界にいたらしいな?」
集まった獄卒達の中で、馬の頭を持つ物が小さく視線を集めている
地獄で仕事をバックレて遊ぶ獄卒の事は、地獄の中では小さな噂となっていた
「俺も人間界に行こうかねぇ」
「お、いいな、あっちは飯が美味いらしいぜ」
「そろそろ時間だ、その話は後にしろ」
そんなお喋りも終わり、獄卒達が一斉に釜に手を宛てがい、蓋を開く
地獄の釜は今開かれた、あの世とこの世が繋がった
これを境に死霊達は現世に旅立つ、獄卒達も暫しの休息を謳歌する
歌えや踊れ、盆の始まりだ
232
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/05(金) 23:04:54 ID:1gBuqmPQ
(確か、この店だ)
『Perfect incompleteness』の前に、人に化けた衣蛸はやってきた。
仕立てのいいスーツにかっちりした革靴。ホストのスーツとは異なり、役人らしいお堅い雰囲気ではある。
遊びに来たのではなく、依頼を受けての訪問だった。
『叡肖さん!よかった、来てくれた』
小柄な少年が通りにさっと目をやり、警察の影がないことを確認してから
店を駆け出してきて叡肖を迎える。
その幼い見た目のホストは、どうみても法に引っかかっている。
『今丁度アニさん、アネさんもいるよ』
依頼者はこの黒蔵。
穂産姉妹が助かるよう、何とかしてくれと泣きついた張本人である。
「あんま期待すんな、まずは話を聞いてからだ」
今日の叡肖は真面目な話で来たつもりなのだ。
そう、誰かに失礼なことでもされない限り、この時点での悪ふざけは封印しておくつもり…だったのである。
233
:
メリー
:2011/08/05(金) 23:13:22 ID:c1.PBF/s
>>232
「そうだよー。まずは話を聞いてからだよー」
…………………………………………え?
黒蔵が疑問に思い蛸さんの後ろを見たら、麦藁帽子をかぶって、白いワンピースを着た金髪のちびっ子がいるだろう……
そうメリーだ。
なんとなく暇でブラブラ歩いてたら常連客の蛸さんを見つけ得意のストーキングスキルで着いてきたのだ!!!
……もっとも蛸さんには130%バレていただろうが…
234
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/05(金) 23:19:51 ID:BQ990e1A
>>232
『Perfect incompleteness』そこには露希の彼氏が居る。
今日はその彼氏に会いに来たのだが、来る途中にばったりと友人に出会った。
『おお、露希じゃないか、久しぶりだな。』
「へ?稀璃華さん!久しぶりですね。」
『ああ、そうだな。ところで、零がここで働いてるって聞いたんだが。』
「今は休んでますけどね。ボクもここに用が会って来たんだ。行こ!」
黒蔵や叡肖には気づかず、中へと入っていく。
235
:
夜行集団
:2011/08/05(金) 23:28:29 ID:d.Sq2D9c
>>232
飛び出す黒蔵の少しあとから、
蒼の髪色を持つ言いようの無いほどに整った顔立ちの、
叡肖も良く知るホストが扉を開け、ゆっくりと歩いてきた。
「やあ、こんにちは叡肖さん
こんな男所帯、同じ男性である君には居苦しいかも知れないけど、
今ホステスのほうはあけて無くてね、ここは我慢してくれないかい?」
そして叡肖は感じるかもしれない。
その氷亜の美形がさらに上昇し、
またそれ以上に彼の持つ妖気がより、上質なものになっていることを。
あの橋のあと、ようやく氷亜は完全な雪男となったのだ。
>>233
「じゃあなかn」
叡肖に話しかけていた氷亜は、足元から感じた違和感に言葉を止める。
ゆっくりとその声のしたほうへ視線を落とすと、
メリーだ。あきらかにこの店にも下手したらこの街にもまだ早い子。
「あ、あれ〜?叡肖さんについて来ちゃったのかな?
でもこのお店はだめだよ?まだ君には早いからね。
君がもう少し大きかったらよかったんだけど」
優しく苦笑いながらもメリーの頭を撫でた氷亜。
そう言っても小さな子どもを一人、この街にいさせておくわけにはいかず、
結局は店に招くのだろう。
>>234
そんなひと悶着があったものだから、
氷亜は露希の来店には気づかない、なんてことはありえず、
ヤンデレな彼はいち早く彼女を見つけていた。
「こんにちは露希。
用件は僕が聞こうかな?誰かに伝えてあげるよ」
彼女には気づかれないよう背後に忍び寄り、
そんなことを優しい口調で話しかけ、両手をそっと露希の肩にのせた。
>>ALL
「ではみなさん、僕達のお店にようこそ。
とは言っても話し合うのはスタッフルームになりそうだけどね」
丁寧に彼らに頭を下げ、
あげた時には顔に苦笑をひっつけていた。
236
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/05(金) 23:36:01 ID:1gBuqmPQ
>>233-235
「やあ、氷亜殿。元気そうで何より……ん?
ああ、ついてきてたのはメリーちゃんだったのか。この暑い中をついてきちゃったのかい?」
叡肖がよしよし、とメリーの金髪を撫でると、汗ばんだ髪の毛の感触が掌に伝わった。
「携帯回線を伝ってついて来たなら、もっと楽だったろうに。
すまないが氷亜殿。この子も知人なんだ、同席させてやってくれないか。
メリーちゃん、何か冷たい美味しいものでも、お兄さんがご馳走しようね」
メリーを一人前の淑女のようにエスコートして、衣蛸は店に入ってゆく。
虚冥が見たらロリコンだ何だと蛸をからかうネタにしかねない。
彼らと前後してやってきたもう一組の客は、片方は叡肖も知る女性、もう一人は見知らぬ女性(に見えた)。
(露希ちゃんの友達かね?)
氷亜と露希の中は知っていたので、叡肖は冷やかすつもりもなくそっと目礼して通り過ぎる。
一方、客のために扉を開けて控えている黒蔵のほうは……ちょっぴり緊張しているようだ。
〔露希がいる…ヘマしませんように〕
丁度頭を下げているので、まだ稀璃華に顔は見えていないが、黒蔵は稀璃華にとって
巴津火として見知った顔の筈だ。それと気づいたとき、稀璃華はどうするだろうか。
そして皆が入店すると、黒蔵も皆の後を追って、一番最後にスタッフルームに入っていった。
237
:
メリー
:2011/08/05(金) 23:48:19 ID:c1.PBF/s
>>234
フッと横を見ると露希と知らない女性(本当は男性)がいるのを見つける。
「お姉ちゃん!!だよー」
幼女スマイルで二人に向かい手をふる。
>>235
そして氷亜が声をかけて来て
「メリーは立派なレディーだよー」ムクー
撫でられながらも、頬を膨らませながら大人発言する幼女。
実年齢も見た目も精神レベルも大人とは言えないが……
「けど確かここは(田中家に話を合わさせる為の設定的には)お父さんが働いてるから問題ないんだよー。牛乳大好きでっていうwwwが口癖の男の人だよー」ニパッー
…………爆弾投下しやがった!!!!!しかも幼女スマイルで!!!
本人は悪気はない。ただ言葉が足りないだけである。
>>236
「それしようと思ったけど、それは振り切られた時の最後の手段なんだよー。それにこのお店に(田中家に言い訳するための口合わせ用の)お父さんがいるから多分問題はないんだよー」フンスッ
頭を撫でながら、少しいばったように言う。
蛸さんが虚冥をからかうネタになりそうな爆弾発言を言ったのには気付いてないメリーだった。
「ありがとうだよー。お兄ちゃん!!」
>>全員
そしてメリーは蛸さんにエスコートされながらトテトテと着いていくだろう。
238
:
零なか
:2011/08/05(金) 23:54:34 ID:BQ990e1A
>>235
「あっ!こんにちはっ、氷亜さん!!
用件って言うか、氷亜さんに会いに遊びに来ただけなんだ♪」
肩にある手をきゅっと掴み、後ろに振り向く。
いつも以上にかっこいいと思ったのは露希だけではないはずだ。
『(ホストってやっぱり天国じゃないか。
露希もこんな良いイケメンを…ってなんで!?)』
>>236
「叡肖さんもいらしてたんですか、こんにちは。」
『…こ、こんにちは。(滲み出るSッ気のお兄さん、しかも幼女連れてる!!
これはなんだ、幼稚園帰りにお父さんが迎えに来るアレか?萌えるな…)』
叡肖は気づいてるだろうが、露希の連れは男である。
果たして、ここに居る何名の方が気づくのだろうか。
『…あれ?君、なんでここに?(出たよショタッ子!)』
「稀璃華さん、黒蔵君の知り合い?やっほー、黒蔵君♪」
『黒蔵?いや、巴津火って前に行ってたぞ?』
「うん、黒蔵君の中に巴津火君がいるんだ。
後で詳しく説明するから、今はとりあえず着いて行こうよ。」
話せば分かるであろう稀璃華は、そのことについてはあまり触れなかった。
特に同様する訳でもなく、黒蔵に微笑みかけた。
>>237
「メリーちゃん!今日のボクは運が凄く良いみたいだね。
黒蔵君にメリーちゃん、それから氷亜さんに氷亜さんに氷亜さんに……」
メリーの髪を撫でながら、ぶつぶつ呟いていた。
『こんにちは。(ん?このSっ気スーツさんはパパでは無いのか。)』
239
:
夜行集団
:2011/08/06(土) 00:09:05 ID:d.Sq2D9c
>>236
「ああ、構わないよ。この子のことは知っているからね。
流石にスタッフルームだったら誰も文句は無いと思うし。」
しょうがないよね、とへらへらと氷亜は笑って許可する。
ちなみにこの子の事というのは、つまりこの子の素性も知っているということであり、
そういう面でも断る必要はないと暗に告げていた。
お客でにぎわう店内の端を通過するなかで、
叡肖はもしかしたら仕事中の虚冥を見つけるかもしれない。
虚冥は叡肖には気づいておらず、ましてや我が子だと嘯いているメリーが、
彼にエスコートされていることなど夢にも思っていない。
>>237
「そっかゴメンねレディメリー?」
ははは、と明るい笑い声とともにもう一度頭を撫でた。
そのときメリーの発した言葉に氷亜の手は止まり、
目は丸くなって少し驚いている様子。
「ふっ・・・そうだね・・・ぷぷっ・・・
狂骨の・・・ぷすっ・・・愛娘だもんね・・・くくっ」
そしてかすれかすれに氷亜の声が聞こえ、
さらに息を漏らす音が混じるのは、その境遇に笑いをこらえているのに違いない。
>>238
振り向いて笑顔を見せる露希に、
用件を聞いたのに無いと答えられ少し気まずくなるはずなのに氷亜は、
むしろその言葉によって顔に満面の笑みを浮かべた。光り輝いているようだ。
「そっか!!露希が僕に会いに来てくれるなんて嬉しいよ!
なにか飲むかい!?なんでも出してあげるよ!!」
>>ALL
華やかな店内とは違い、数個あるスタッフルームの中の大き目の部屋の内装は、
かなり簡素なコンクリートで四方を囲まれた部屋だった。
壁際にはちょうど全員がそれぞれ座れるような、とてもやわらかいソファーが。
「じゃあ、話を始めようか
叡肖さん、お酒のお店だけど今回は大事な話だ。
だから飲み物の注文はアルコール以外でお願いするよ」
その一つに腰掛けて氷亜は話を切り出した。
彼の右手のソファーには雨子神、左手には日子神が座って、
いやくくりつけられていた。
240
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 00:15:08 ID:1gBuqmPQ
>>237-239
「やあ露希ちゃん。俺たちは邪魔しないから、気兼ねなくこのお店を楽しんでいってね」
露希にそう答えた叡肖は、次に稀璃華に自己紹介した。
その際、稀璃華から微妙に何か違う雰囲気を感じるも、心中で訝しむだけでそれを表には出さない。
「はじめまして、俺は叡肖。露希ちゃんとは縁があってね…。いや、メリーは俺の子じゃないよ?」
さらにメリーがそれを裏付ける。驚愕の事実の暴露とともに。
「牛乳…でっていう…が、メリーのお父さん、ねぇ」
それは初耳だったな、と叡肖は黒蔵と氷亜のそれぞれと顔を見合わせた。
稀璃華に微笑みかけられてどぎまぎしていた黒蔵のほうは、叡肖を見て思いっきり首を横に振る。
(黒蔵も初耳か。さて)
氷亜はとみると…肯定している。
面白くなってきたな、と思いつつ、今日すべき事が優先である。
ソファーにくくりつけられたままの穂産姉妹に黒蔵はちょっぴり青くなるが、
叡肖はここの主である氷亜に注意を向けたままだった。
「アルコール抜きね。了解。俺は冷たいウーロン茶でも貰えたら十分だ。
メリーちゃんは何がいいかな?」
叡肖はソファーに腰掛けてそう氷亜に頼んだ。壁際に立つ黒蔵が客のオーダーを受ける。
241
:
メリー
:2011/08/06(土) 00:25:02 ID:c1.PBF/s
>>238
「わふっ!!」
頭を撫でられながら少し嬉しそうな表情をする幼女。
「お…お姉ちゃん。なんか怖いんだよ……」
ぶつぶつと呟く露希に若干恐怖を覚える幼女だった。
「こんにちはだよー!お姉ちゃんは露希お姉ちゃんの友達だよー?」
キョトンと首を傾げ彼女(彼だが)に聞いた。
>>239
「わかればいいんだよー」フンスッ
ない胸を張りながら、何処か誇らしげそうにしてる。
そして頭を撫でられる手が止まり笑いをこらえてる氷亜を見て、首を傾げる。
「どうしたんだよー?お父さんから私の事聞いてるんだよー?」
虚冥から事情を聞いてるならなんで笑いをこらえてるのかな?と不思議に思っている。
「オレンジジュースがいいんだよー!!
……ってその人達なんで縛られてるんだよ?」
姉妹が縛られてるのを見てメリーは首を傾げる。
>>240
「オレンジジュースがいいんだよー」
蛸さんにそう言い、ソファーにちょこんと座る。
「なんだかわからないけどメリーも協力できる事はするんだよー
黒蔵と叡肖お兄ちゃんには田中家はお世話になってるからだよー」
242
:
零なか
:2011/08/06(土) 00:38:38 ID:BQ990e1A
>>239
「そうだなぁ…コーヒー牛乳とかあるかなぁ?」
『(まさか、露希にこんな彼氏が…一体何なんだろう。)』
コーヒー牛乳なんて置いてあるのだろうか…。
そんなことはさておき、部屋に入ると、露希から笑顔は消えた。
くくりつけられた雨子神、日子神を見つめていた。
>>240
『わ、私は稀璃華です。(やった、喋れた!)』
嬉しさの余り、涙目の眼からは涙が零れた。
注意深く彼を見ていれば、どこか変だと言うことに気づくだろう。
『でって言う?……え。(うわぁイケメンさんここに居るのか。気まずい様な…)』
>>241
「だってここはボクと氷亜さんの神聖なる空間で誰も邪魔は出来ないのさフフフ」
まだブツブツ言っている。周りに聞こえて無ければ良いのだが。
『あ、ああ。こんにちは。露希とは結構長い付き合いなのだ。』
お姉ちゃん、と呼ばれても特に否定はしてない。
もはや自分の性別など気にしてないようだ。
243
:
夜行集団
:2011/08/06(土) 00:47:14 ID:d.Sq2D9c
>>242
「コーヒー牛乳?
あるよ」
さらっと言ってのけてしまった。
普通、ホストクラブだったらそのようなメニューがあるのは、
さながら有名寿司店がどや顔でカレーライスを出すくらいの暴挙なのだが、
ここには虚冥がいる。
つまり彼のごり押しによってこの店には、約20数以上の牛乳メニューがある。
「(ふふ・・・露希。それは僕も同じ意見だよ)」
そして彼女の呟きを逃さず聞いていたものがここに。
その者は叡肖と大事な話をしなくてはいけないので、誰にも気づかれないようにんまりしていた。
「ああ、アニさんアネさんはあまり気にしなくていいよ。
見た目の割りにあの縄は痛くは無いからね」
部屋に入って表情の変わった露希へと囁いた。
244
:
夜行集団
:2011/08/06(土) 00:47:49 ID:d.Sq2D9c
>>240
彼らが到着する前、縛られた穂産姉妹は激しく抵抗していた。
しかし抵抗しつくし、その行為の無駄を理解したためか二人は、
下をうつむいたまま暗い顔で黙り込んでいる。
「・・・叡肖さん。せっかく来て頂きましたが、無駄ですよ」
『貴方では・・・いや・・・僕達以外では・・・
これは解決できない・・・』
叡肖へ向ける二人の目には、捕まったのが不服なのか悔しさが滲み出し、
その瞳のさらに奥には焦りがのぞかせる。
>>241
笑いを懸命にこらえていたが、メリーが首を傾げこちらを見ていることに気づいた。
ああ、と声を出してようやく笑いを噛み潰しきり、
「知ってるよ、狂骨とはお友達だからね。
ねえ、狂骨は・・・いいお父さんかな?ぶふっ!!」
しかし最後のワードを言い切った後は耐え切れず、吹き出していた。
「アネさんアニさんたち?
あれはくくっておかないと直ぐ逃げちゃうんだ。
それこそ動物みたいにね」
そう言って二人に目をやるときの氷亜には、
半ばもう割り切ったような諦めと、自分達に頼らない彼女達への苛立ちで、
少し冷たい雰囲気が漂っていた。
/投下ミスしてましたスイマセン!!
245
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 00:54:10 ID:1gBuqmPQ
>>241-244
『ウーロン茶が一つ、オレンジジュースが一つ、コーヒー牛乳が2つ…』
オーダーをチェックする黒蔵。
こういう時はなけなしの脳みそがフル回転しているので、弄られてもあまり反応できない。
そして、全員の注文が揃うとスタッフルームから足早に出て行こうとする。
「メリーちゃんは良い子だな。…パパに似ずに」
協力するというメリーににこにこと答え、さらに小さく呟いた叡肖。もし聞き取れたら地獄耳である。
そして稀璃華を短い間、眼の端で見る。
(メリーの『お姉ちゃん』に否定はしないのか…気のせいか?)
「さて、氷亜殿、穂産のお二人、本題に入ろうか」
今はそんなことよりも、と本腰を入れようとする叡肖。
「そう黙っていては解決できるものも出来なくなるでしょう。
まず事情くらいは聞かせてもらえませんかね?こちらにも貴女方を案じているものが居ましてね」
叡肖は出て行こうとする黒蔵の背中をちらり、と見た。
黒蔵にあんなにしつこく食い下がられたのは、叡肖にも予想外だったのだ。
246
:
メリー
:2011/08/06(土) 01:07:55 ID:c1.PBF/s
>>242
「こ…怖いんだよ……」
ちょっと涙目になりながら、メリーはヤンデレの片鱗を肌で感じるのだった。
「そうなんだーだよー」
幼女には彼を男と見分けるスキルはなかった。
田中姉だったら見極められただろうが……
「メリーはメリーって言うんだよー。お姉ちゃんはなんて言うんだよ?」
>>242
>>243
「う〜ん……まだお父さんの事よく知らないから良いかどうかは断言はできないんだよー
けど……私をほっとこうと思えばほっとけたし、わざわざ父親と言わなくってもよかったのに父親って言ったり、このまま存在を忘れ去られて消えそうな私を心配してくれたり………
私はお父さんは好きだよ」ニパッー
最初は悩みながらも、最後は嬉しそうにしながらそう話す。
「……ってなんで笑うんだよ!?」ガビーン
「逃げちゃうんだよ?……
よくわからないけど…お姉ちゃんたちは自分達の問題に周りを巻き込ませないようにしてるの?だよ?
けど、黒蔵たちは関わろうとしてるんだからもう巻き込まれてるのと同じじゃないのかな?だよ?
それでも話せない事?だよ?」
氷亜の話を聞き、姉妹に向かい首を向け、真剣な表情で聞く。
>>245
「どういたしましてだよー」ニパッー
幼女スマイルでそう言いながら姉妹を見て
「よくわからないけど、この二人の問題を黒蔵は解決したいんだよ?
けどこの二人は事情を話さず逃げるんだよー?」
とりあえずメリーは今の状況を蛸さんに確認した。
247
:
零なか
:2011/08/06(土) 01:16:28 ID:BQ990e1A
>>243
「痛くないにしてもなんか可哀そうな…。
アネさん、アニさん、きちんと喋って。
凄く…心配しちゃうよ…。」
紐のことは氷亜に言われて安心するが、そんなことじゃない。
いくら彼女ら自身の問題であれ、露希も出来ることはしてあげたいのだ。
>>245
『(なんで見られてるんだ?)』
本人は特にばれようが何しようが問題ないのだが。
仮に男だとばれたらどうなってしまうのだろうか。
>>246
「ん?メリーちゃん、どうしたの?(虚冥さん愛されまくってるよ。頑張れパパ。)」
『私は稀璃華だ。よろしくな、メリーとやら。』
怖がるメリーに心配している露希。
まさか、自分の呟きのせいだとは思ってもいない。
248
:
夜行集団
:2011/08/06(土) 01:24:18 ID:d.Sq2D9c
>>245
叡肖が切り込んだ質問を二人に投げかけたが、
それでも先ほど言葉を口にしてから、一切しゃべらなくなった二人の口は、
のりでもくっつけたのかがんとして開かない。
「・・・ふー、じゃあ僕からあるていど、僕が知っていることを話そう。
とは言っても少しだけだけどね」
それに痺れを切らしたのか氷亜は静かに、そして長くため息をついて、
淡々と話し出す。
「っ!!」
『氷亜!!・・・余計なことは・・・』
氷亜がはなし始めたことに、穂産姉妹は強く反応した。
その顔にはあきらかな焦りが見え、雨子神は思わず大きな声を上げたほど。
「黙っていて、じゃないと口を凍らすよ。
・・・叡肖さん、いきさつをある程度知る僕としては、
この先に起こるであろう事のなかはある程度伏せてあると先に知っておいてね。
そうだね・・・端的に言うと、
アネさんアニさんは死にたがっている。それもただの早熟的な自殺願望とは違って、
確固たる意思によってで」
>>246
連続して投げかけられる、穂産姉妹への純朴な質問。
それに先ほどまで石のように喋らなかった日子神が、
耐え切れなくなったのかキッとした目つきを、メリーへと向けて話し始めた。
「そうですよ!!巻き込みたくないんですよ!!
でも、もう・・・黒蔵たちは・・・
だから、だから私達は!!
今までの一切の繋がりを!!切りたかったん・・・です・・・
なんで私達は・・・どうせ終わってしまうのに・・・もう一度繋がりを持ってしまったのでしょう・・・」
途中声を荒げ、子供に対して決してしなかったような態度をとってしまう。
だがその怒気と声の大きさは、言葉尻とともに小さくなっていった。
最後のその後悔の言葉は、実は今のこの状況のことよりも、
もっと昔の彼女たちが一度、全てを失くしたころからの深い後悔なのだ。
>>247
「でも、こうしないと二人は止められないんだ」
氷亜の顔は、心配や後悔は通り過ぎきったのか、ひどく冷淡だ。
しかし逆に露希のその心配で、雨子神には若干のとげとげしさが生まれしてまう。
『もし・・・本当に僕達を心配して・・・くれるのなら・・・
さっさとこれを解いて・・・僕達ごと忘れて欲しい・・・』
249
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 01:38:22 ID:1gBuqmPQ
>>246-248
「その通りだよメリーちゃん。だからちょっと手伝ってくれないかな。
…あのお姉ちゃんたちの傍に行って、慰めてあげて欲しいんだ」
真剣に心配してくれる幼女相手には嘘をつきにくいだろうと、上手く話を聞きだしてくれるよう
衣蛸はメリーに頼んだ。
縛られている二人の傍に小さな子供を近づけたらどうなるのか、なんて蛸は知らない。
もし知ってても知らぬふり。
「小さい娘にああまで言って貰えるとは……虚冥殿も父親冥利に尽きるよねぇ?」
蛸は微笑ましげに氷亜に同意を求める。
そしてその頃、コーヒー牛乳を取りに行った黒蔵が虚冥に
「今、娘さんが来てますよ」と伝えたのだった。
しかし、そんな御気楽な空気を一変させるように雪男の口を借りた告白が始まり、
しばし場を凍らせた。
「繋がりを切りたかった、繋がりを作る事が怖かった、と言いましたね」
凍る空気を気にもかけずに、ゆるりと蛸が口を開く。
「ならば、上手く切ってしまえば良い」
あろうことか、衣蛸は笑っていた。
「貴女方がしたような切り方じゃ、切りたい縁も切れやしませんよ。
お宅らは水商売でしょう?縁には縁の切り方ってもんがあることくらい、よーくご存知でしょうに。
縁を切ったつもりで切られた相手に縋られる。今は、まさにそれじゃないでしょうかね」
繋がりを切りたくて切ったつもりの穂産姉妹、切られても諦めたくない、その関係者達。
「死にたい、死を覚悟している、というのならば、
上手く始末を付けてめでたしめでたしな流れをつくる努力くらい、当然してるんでしょうね?」
片方の眉を品良く吊り上げて、試すように叡肖が姉妹を見た。
250
:
メリー
:2011/08/06(土) 01:51:17 ID:c1.PBF/s
>>247
>>248
>>249
「なんでもないんだよー」フルフル
元(?)に戻った露希に対し首を振って答える。
「稀璃華お姉ちゃんだよー。よろしくなんだよー」
そして蛸さんの言葉にコクリと頷き姉妹に近づく。
「……………お姉ちゃんたち。忘れられるって事は本当の《死》なんだよ?」
《都市伝説のなりそこない》はその言葉に悲しそうに言う。
「巻き込むから忘れろ?だよ?
死にたいからってのはどうせ死ぬ運命だからって事だよ?
……………お姉ちゃん達…
それは《自分達の為に》忘れさせたいんじゃないの?自分達が死んで誰かが悲しむのは嫌だから忘れてくれって事だよ?
存在を忘れられるのは凄い凄い悲しいんだよ?辛いんだよ?
だから、お姉ちゃん達は忘れ去れたくないから繋がりを作ったんじゃないの?だよ?
……皆を巻き込むからその繋がりをきって忘れ去ってって消えたいんだよね?………辛い選択だと思うんだよ……
けど……そんなの皆の為じゃないんだよ……ただの自己満足なんだよ……お姉ちゃん達だってわかってるんだよ?」ボロボロ
いつの間にか《都市伝説》は泣いていた。
自らの意志で《忘れさせよう》とする彼女達に怒りと悲しみと辛さを感じながら子供のように泣いていた。
251
:
零なか
:2011/08/06(土) 01:59:37 ID:BQ990e1A
>>248-250
「それで、二人は満足出来ますか?
未練とか全く無しに天国へと逝けますか?
二人を想っている友達や仲間は、それで許してくれると思いますか?」
出来ることならば、彼女らの意思に任せてあげたい。
しかしそれでは駄目なのだ。
「白龍の時、貴方達は彼らを想ってやろうとしてくれましたが…。
私だったらしないな、そんなこと。」
ちらりと叡肖を見る。
彼の質問に対し、この姉妹は何と言うのだろう。
『(話の内容は掴めた。どうするかだな、この先。)』
「メリーちゃん、おいで。」
必死に訴えかけて泣いてしまった幼女を優しく抱きとめる。
こんなに小さくとも、死の辛さは分かっているのだ。
姉妹にも、分かって欲しい…。
252
:
夜行集団
:2011/08/06(土) 02:13:18 ID:d.Sq2D9c
>>249
黒蔵の言葉に、虚冥は少しだけ顔をのぞかせようと思ったが、
氷亜の強い立ち入り禁止の言葉を思い出して諦め、ゆっくりと席につく。
氷亜の予想は当たって、この部屋の空気には言いようのない緊張感。
もはやぴりぴりとした雰囲気を発している穂産姉妹が、
叡肖の氷亜へ向けた言葉に小さく反応し、下唇をかんでいた。
「そうだね、言われてみればアネさんアニさん。
どうして ―旅に出ます― の一嘘もつかなかったの?」
叡肖の言葉に隣を交互に見やって、氷亜は馬鹿にしたように賛同する。
その顔には、少しの怒りが垣間見えて。
『・・・それは・・・この街から出て行ける者の嘘だ・・・』
「でも私達は、この街から出てはいけないんです・・・
この街でしなくちゃいけないんですよ・・・」
しかし穂産姉妹はその問いに、
諦めの匂いを混じらせながら返答を呟く。
>>250
「・・・。」
先まで危うく、感情が爆発してしまいそうになるほど、
心の火が燃焼してしまったいた。
しかしその日子神の炎は、メリーの涙で消し止められる。
いまだ燻り続ける雨子神とは違って。
『忘却は・・・死・・・。でも・・・そんなことは知っているよ・・・
だから忘れて欲しいんだ・・・僕達は死ななくちゃいけないのだから・・・
忘れるのは・・・つらい。忘れられるのも・・・つらい。
でも・・・僕達は・・・僕達のことは・・・
覚えている方がつらいんだ・・・忘れないほうが悲しいんだ・・・
自己満足じゃない・・・だってそれで・・・みんなが救われるんだ・・・』
眠気ではなく、本当に言葉につまり、
それでも何とかして声に出した雨子神の響きは、寂しく部屋にこだまする。
>>251
「満足しますよ。未練はあっても、天国にはいけないだろうけど、
それでも満足はできます」
火は消えてもまだ目には確固たる意思。
その瞳孔は強く、露希へと向けられている。
『許しては・・・くれないと思う・・・。
それが僕たちが何も言わず・・・消えた理由・・・。』
「それと、白龍たちですか・・。
実はあの時、慮ってなんていませんでした。
なぜなら貴方達がやってくるのを知ってたんです。妖気を察知して。」
そこで日子神は自棄的に笑った。
「どうせならと、白龍にしかけるところだけあなたたちに見せて、
嫌われたかったんです。敵だと思われたかったんです。」
『だって・・・その方がいなくなっても悲しくないよね・・・?』
253
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 02:23:21 ID:1gBuqmPQ
>>250-252
今や叡肖はすっかり役人の表情を投げ捨てている。
色街を遊び歩く遊び人、遊女や太鼓持ちを引き連れて、面白おかしく抜け目なく
世を遊び渡る者の表情だ。
切り損ねた縁が腐れたり、恨み辛みの怨恨に摩り替わる場面など、色街には山ほどある。
縁を切る時は、切られる相手にも納得できるような理由を用意しなくては上手くいかない。
(死んで切れる縁ならば、黙って今を楽しんで、ぽっと消えればすむものを…)
しかしそう簡単ではないことは、叡肖も判っている。
(が、それができる二人ではないか。
さてさて、遊女と縁を切るように簡単には行かないな)
まず詳しい事情が判らなくては、衣蛸にもどうしようも無い。
しかし、他の方向からの試みも出来ないわけではない。
「事情を話したくないと言うのなら、せめてもう少しマシな締めくくりにするために
お二人が必要とするものは何かありますかね?」
遊び人の声音に、皮肉っぽい軽薄さとは別な冷たいものが混じる。
二人の答えから得るものがあるかもしれないという算段と、涙や荒れた感情を拭い思考を促す
冷徹さであった。
254
:
メリー
:2011/08/06(土) 11:33:58 ID:c1.PBF/s
>>251
>>252
>>253
「………」コクリ
メリーは小さく頷きながら露希の元へ行き優しく抱き留められる。
「自己満足だよ……だって何を…理由に……みんな救われるって思ってるんだよ?
今こうして皆が必死になってるんだよー?それなのに…お姉ちゃんたちがこうすれば大丈夫って勝手に自己完結して終わらせちゃってるんだよ」
姉妹の方を見てメリーは思った事を口に出す。必死に…必死に言葉をつむぎながら
255
:
露希
:2011/08/06(土) 11:52:50 ID:HbHPxpxY
>>252-254
「な・・・そんなことで・・・?嫌われる為に?・・・っ、酷いよ・・・・・・。」
雨子神から視線を逸らして、メリーをよりいっそう強く抱きしめる。
涙を流しながら、必死に喋る。
「いなくなって悲しくないと思うのは友達じゃないよ。」
一旦、メリーから離れると、日子神に近寄り、手を振り上げた。
256
:
夜行集団
:2011/08/06(土) 13:26:26 ID:d.Sq2D9c
>>253
,
>>254
,
>>255
「気遣いなんていりませんよ・・・!!」
『必要なものなんて・・・』
「一切いりませんわよぉ?
強いて言うのなら、皆様の無関心かしらぁ」
叡肖の気遣いがむしろ心の苦痛を呼び覚まし、
それに耐えられず雨子神が怒鳴ろうとしたとき、
上品な女性の声が、その言葉に割り込んだ。
突如スタッフルームに出現した女性は、
今まさに振り上げられた露希の手を掴んで、どうどうと部屋の中央に立っている。
顔には美しい微笑を携えて。
「だから、それを姉妹はご存知の為に、
貴女との友達を止めようとしたので無くて?どこかで会ったお嬢さん?」
穂産姉妹の言葉を、代弁するように気が高まった露希へと、
冷たい雰囲気を持って話しかける。
『・・・別にわざわざ来なくても・・・』
「でしたら、ここからお逃げすることはできませんわぁ」
雨子神の言葉に苦笑をしながら、
ふと視線の言った先にいた少女を見つけた。
「あらぁ?小さなお嬢さん
貴女があの農家の言っていた、どこまでも正しい子どもかしらぁ」
257
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 13:58:36 ID:1gBuqmPQ
>>254-266
『お待たせしま……』
グラスを載せたトレイを手に入ってきた黒蔵が、場の異様な雰囲気に凍りついたように動かなくなる。
一呼吸置いて喋ろうとした黒蔵を叡肖は片手を挙げて制した。
「いいから黒蔵はサーブを続けて。今いらっしゃったレディも、この場で野暮なことは無しですよ」
つ、とトレイに手を伸ばした叡肖は、オレンジジュースのグラスを取ってメリーに差し出しながら
その腕でさりげなく女性からメリーを庇う。最悪の場合に備え、外への伝達係としての確保だ。
その仕草に触発されて、慌てて黒蔵もトレイのグラスをそれぞれの注文者の前の卓に置いて行く。
それでもその合間には、横目でちらりと新規の客を見た。
〔あの女の人、あれだよな?〕
あの時、寺院の吹き飛ばされた扉の破片で出来た傷も、左肘の槍傷も、河童の膏薬で
ほぼ治りかけているが跡はまだはっきりしている。
途中からは巴津火に入れ替わっていたので、あの後どうなったか黒蔵には判らずじまいだ。
「さてお二人とも、どうします?
どうやらこちらに事情通が現れたようですが、彼女に聞きましょうか?
それともご自分の口から話しますかね?」
叡肖は今度は姉妹に向けてそう尋ねた。
(氷亜殿はいかがするおつもりか、まだ姉妹を縛ったままにしておきますか?)
姉妹の隣にいる氷亜に視線でそう尋ねると同時に、黒蔵にも、
女性からのオーダーも受けるように指先の動きで促す。
『あの……お客様のお飲み物は何に致しましょうか』
促されて一瞬表情が引きつったものの、空のトレイを小脇に、おずおずと黒蔵が女性に声をかける。
動きのぎこちなさが、その心中の戸惑いや不安をあらわしていた。
258
:
メリー
:2011/08/06(土) 14:53:35 ID:c1.PBF/s
>>255
>>256
>>257
「誰なんだよ?」
叡肖にオレンジジュースを渡され、庇われながらも、涙目で女性を見つめる。
……が、彼女の発した言葉に睨み付けるようにし
「お姉ちゃん……最近神社とかの神さま殺してる蛇の妖怪なんだよー?
あのマンドラゴラのお兄ちゃんの仲間なんだよ?」
蛇女の事については田中くんが星護から聞いた話を聞いて知っていた…だから彼女が発した「農家の」と聞き、彼女がソレだとわかった。
「………神様殺してまわってるのは、あのお姉ちゃんたちに関係あるんだよ?」
イザという時の為の体制をとりながら、現れた女性にそう聞いた。
259
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/06(土) 15:30:00 ID:HbHPxpxY
>256-258
「・・・!貴女は・・・。」
手を捕まれた時、もの凄く冷たいなにかが通り過ぎて行く。
話を聞いていた稀璃華は、そっと露希を掴み、ソファーに座らせた。
『ほら、暴力はダメだ。落ち着け。』
まだ何か言い足りなさそうにしている露希の元へ、タイミングよく黒蔵が現れた。そのお陰で、少し落ち着いたそぶりを見せる。
「黒蔵君、ありがとうね。」
しばらくコーヒー牛乳を飲んでいたのだが、メリーの発した言葉に驚いていた。
260
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/06(土) 15:41:39 ID:d.Sq2D9c
>>257
女性、もといメデゥーサは露希の手をそっと離し、
ゆっくりとしてそれでいて上品に、あたりに首を動かし見回す。
その際に金の光沢を放つ髪が、当ても無くさらりとなびいた
「ええ、わたくしも物知らぬ少女ではありませんわぁ。、
身の程をわきまえるべき場くらいでしたら、存知じ上げておりますものぉ」
ふう、と潤んだ唇から息を小さく漏らし、
そっと優雅なしぐさで、近くの開いていたソファーに腰かけて言った。
我ながら無茶をしたものだ、とでも言うようにその整った顔は、すっと表情を消している。
「まあ!お気遣い痛み入りますわぁ、さすが貴方達のお城、と言ったところかしらねぇ?
赤のワインをくださいなぁ。
ここになにがあるかは分かりませんしぃ、細かな箇所はおまかせで」
メデゥーサは恐る恐る、こちらに話しかける顔があることに気づき、
黒蔵にまるで、彼女が聖人かと思わせるほどの、明るく優しい笑顔を向けて注文した。
彼女のその言葉のなかに含まれた、氷亜への言葉にも彼は動じず、
また、二人に近寄るようなしぐさも無いので、縄は解く気は無いのだろう。
(彼女はそんなことで目くじらを立てないよ、仲間の仲間のよしみかな)
>>258
メリーの声のした方へ首をくるりと向ける。
すっとその場で立ち上がり、ドレスの両裾を軽く持ち上げてお辞儀をした。
「始めまして、正しいお嬢さん。
わたくしの名前はメデゥーサ。皆様も良く知るあの妖怪ですわぁ」
そしてふわりとソファーに再び腰掛け、
メリーへと目線を向けて問いに口を挟まず聞いた。
「ご名答、それの仲間であり神殺しの実行犯ですわぁ。
補足させて頂きますと、彼はその時は若づくったようですが、
実の人の姿は結構な中年ですわよぉ?」
メデゥーサは口元に手を当てて、くすくすと笑い声を漏らした。
「ええ、もちろん。わたくしにはそれ以外の因縁もあれど、関係は大有りですわぁ。
わたくしたちが破壊しつくしてその後、手中に収めたい物がありますのぉ。
それは、彼女達の神体、ですわぁ」
>>259
思いを喉奥に戻そうとする彼女の姿に、
悪意は感じないものの冷ややかな微笑を、メデゥーサは投げかける。
「そもそも皆様、そして貴女も、
彼女達にあまり無理を強いらないでくださいましぃ?
縁を切るなんて、彼女達にできるはずがありませんものぉ。
だって、穂産姉妹は結実、繋がりの結合を司っていますのよぉ?」
その言葉に穂産姉妹も、思わずうつむいて下へ顔を向けてしまう。
言葉もさることながら彼女の身にまとった、技巧の光る装飾があしらわれた黒いドレスが余計に、
彼女の秘めた凶悪さを表していた。
261
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 16:26:57 ID:1gBuqmPQ
>>258-260
「ここへ来た目的は、神崩れ狩りですか?」
オーダーを受けて部屋を出てゆく黒蔵には、あまりいい働きは期待できないなと叡肖は思った。
それでも、虚冥を扉の前で話を立ち聞きさせるくらいは出来るかもしれないし、
或いは黒蔵自身が虚冥の使役霊の器となって戻ってくる可能性もある。
「零落してたちの悪いものとなった神格を刈り取る存在は確かに時として必要とされるが、
メデゥーサ、貴女はどうやらそういう者でもなさそうですな」
メリー達の見たように神社を壊していたならば、メデゥーサは穂産姉妹のような神崩れではなく
真っ当な神格も狩っていたことになる。
「彼女達に縁を切る事が出来ないのはもう判ってましたよ」
だから先ほどの衣蛸は彼女達に、納得のできる結果のため、今後をどう結びたいかを尋ねたのである。
「彼女達に無理を強いることはしませんが、それなら貴女について伺おうかな。
美女のに話は黄金の価値があるからね」
くつろいだ風にソファーに身を委ねた遊び人は、機嫌よくメデゥーサに話を振った。
その表情は活き活きとし、水を得た蛸である。
(相手が美女なら話しのし甲斐もあるよな)
この状況もきっちり楽しむつもりの叡肖は、客であるにも関わらずメデゥーサを持てなす
ホストのようでもある。
同時にそこには穂産姉妹が語らぬなら彼女に語らせようという魂胆と、そして氷亜達が露希を宥め、
必要なら動けるようにする配慮もあった。
262
:
メリー
:2011/08/06(土) 17:17:07 ID:c1.PBF/s
>>259
>>260
>>261
「メリーはメリーだよ」
ペコリと挨拶を仕返し
「……外国の妖怪なんだよ?
なんで外国の妖怪がお姉ちゃん達についてそんな詳しいのだよ?」
一つの疑問……何故西洋妖怪である彼らが、こんな島国の神達を狩り、彼女達の御神体を求めるのか?
「……単刀直入に聞くんだよ…
マンドラゴラのお兄ちゃんが呟いてた《坊ちゃん》がメデューサのお姉ちゃん達のリーダーで
そのお姉ちゃん達は《坊ちゃん》と関係あるんだよ?」
思い出すはマンドラゴラが呟いた「うちのところの坊ちゃんもそうすりゃあ、友達も」って言葉だ。
関係ないかもしれないが…メリーはそこが引っ掛かっていた。
だから少しカマをかけてみた。
263
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/06(土) 17:25:38 ID:HbHPxpxY
>260-262
メデゥーサが現れてからは、下に俯き何も喋らなくなった露希。
メデゥーサが喋れば、動揺を隠すようにコーヒー牛乳を啜ったり、飲み物が無くなればため息を付き、それっきりだ。
稀璃華が背中を摩ったりするも、無意味なことだった。
母親的雰囲気と優しさで包みこんでくれた二人。露希にとっても、この場にいない零にとっても、非常に信頼出来る存在だった。
なのにその存在は自ら消えようとしている。考えれば考えるほど、分からなくなる。
その時、露希の啜り泣く声が聞こえるだろう。
264
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/06(土) 18:52:24 ID:d.Sq2D9c
>>261
、
>>262
、
>>263
叡肖の言葉で、メデゥーサの目は丸くなって、口は少しすぼんでいる。
どうやらその少し驚いたような表情から察すると、
彼女は言葉の意味を分かっていないようだ。穂産姉妹も同じく。
「あ・・・あははは!そうでしたか。
皆様の目にはそう映られましたか。理解が及ばず、申し訳ありませんわぁ」
そしてそれを納得したとき、珍しくも彼女は大口を開けて笑った。
それも直ぐにはしたなく思って失礼、と短く言ってから止めたが、まだ顔には笑顔を讃えて、
全員へと向けゆっくりと喋りだす。
「違います、違いますわぁ皆様。
わたくしはむしろ、この姉妹を迎えに来ましたのぉ」
首を振って苦笑をするメデゥーサは、
メリーの言葉にその仕草を止め、彼女へ近づくように少しソファーから身を乗り出した。
「貴女・・・よく覚えていらしたわねぇ。将来が楽しみですわぁ。
厳密に言うと、坊ちゃんはリーダーではありませんが、
その子が要因となってわたくしたちが、世界中から集まったのは事実ですぅ」
『・・・露希・・・少し外の空気を吸ったらどう・・・
氷亜も一緒に言ってあげて欲しい・・・』
話の最中、露希のその姿にいたたまれなくなって雨子神は、
自分がくくられていることもいとわず、氷亜にそう提案する。
「・・・いいよ。この場なら逃げ出せないだろうしね。
露希、一緒にいったん外に行こうか?」
そして氷亜はゆっくり立ち上がって、優しい笑顔を露希に向け、
右手を差し出した。
265
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 20:02:21 ID:1gBuqmPQ
>>262-265
笑う女を他所に、ウーロン茶のグラスに口を付けて
叡肖は冷たさを楽しむと共に少しばかり細工をする。
「先ほどからこの二人は、俺の質問に答えちゃくれんのですよ。
きっとこの街でしなくてはならないことを尋ねても、だんまりなんでしょうね。
今も、貴女についていくのが本当の望みなのかどうかすら、自分じゃ答えられないようだ」
蛸の歪な瞳孔が穂産姉妹に向けられた。そこには二人を案ずる様子は欠片も無い。
そこに入ってきた黒蔵はグラスワインメデゥーサの前のテーブルに置くと、
露希や氷亜の様子に彼らが出て行くのかと思い、扉を押さえて控える。
そしてメリーの言う「坊ちゃん」の話は叡肖には初耳だった。
「察するところ、この二人がその坊ちゃんには必要なんでしょうな?
そして坊ちゃんは移動の自由が利かないと?」
でなければメデゥーサが二人を連れて行かずに、向こうから来る筈なのだ。
穂産姉妹曰く「この街から離れられない」のだから、彼女たちが逃げる心配はない。
「貴女が二人を連れてゆきたい、そして二人も行きたいなら、俺個人には止めるつもりは毛頭ないよ」
露希や黒蔵、氷亜達の想いなどこの蛸には関係ないのだ。
「ただ、二人を死なせないでくれとは頼まれているし、
夜行集団の長や氷亜殿がそう望むなら、俺はその通り彼らに手を貸す立場だ。
二人ともそろそろちゃんと言うべきこと言ったらどうなんだい?
このまま後味の悪い結果を出すのが本当にお望みかな?」
天狗や桔梗姫は何を望むだろうか。叡肖の動きはそれから決まるのだ。
266
:
メリー
:2011/08/06(土) 20:44:13 ID:c1.PBF/s
>>263
>>264
>>265
「お姉ちゃん大丈夫だよ?」
心配そうに露希を見る。
そしてメデゥーサの言葉に
「どうもなんだよー」
「じゃあ、坊ちゃんの目的は何なんだよ?神様殺して、お姉ちゃん達の御神体狙って、マンドラゴラのお兄ちゃんは《自分は悪い人》って言ってるんだよ?」
そう……目的がわからないんだ。
姉妹が死にたい理由も、死ぬ運命も理由も予測は立てられるか、わからないのだ。
「理由も目的もちゃんと話さないんじゃ…みんな納得できないんだよ」
267
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/06(土) 20:58:17 ID:HbHPxpxY
>>264-266
「・・・ううん、ここにいるよ。アネさんアニさんの想ってることを話すまではここにいるよ。」
涙を拭き、少し赤くなった目で氷亜に微笑んでみせた。
彼女らから何か言わない限り、ここから離れる気はない。それだけ二人への意思は固い。
『(でもすべてが満足いく終わり方になるとは限らないよな。
あの縛られた二人もどう思ってんのか分からないし。叡肖って人は心強いが、あの人も何考えてるのか。私には読めないな、この先)』
「ありがとね、メリーちゃん。大丈夫だよ。」
268
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/06(土) 21:05:35 ID:d.Sq2D9c
>>267
氷亜は露希の頭を優しく撫で、そしてそっと短い間抱きしめた。
「分かった。でもそれでも辛くなったら、
僕が隣にいるからね」
露希のソファーの横で、まるで露希をかばうかのように立つ。
ついでにそっとコーヒー牛乳を彼女に差し出して。
269
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/06(土) 21:06:14 ID:d.Sq2D9c
>>265
言葉のわりに、その実あまり困窮していない叡肖へ、メデゥーサはふふ、と上品で艶やかな笑いを向けた。
そして、手の甲で顔を支える格好で肘をソファーの肘掛に突く。
「貴方は相当、姉妹にてこずっていらっしゃるのねぇ?
確かにこの二人は、超、が形容詞としてついてしまうほどの頑固ですわぁ」
しかし、その雰囲気とは対照的に穂産姉妹は、叡肖の言葉の最後の棘に、
彼女達の琴線に触れたのかキッとそちらを睨むが、それでもまだ沈黙は続けられる。
「その推察力、末恐ろしい殿方ですわぁ。ほぼ合っていますものぉ。
そう、この姉妹は坊ちゃんにとって、大変重要な意味を持つ存在なのです。
ですが坊ちゃんの行動は、そこまでの制限は無くてよぉ?
ただ単純にこの街には、まだ、入れないというだけですわぁ。
竜宮の方で、なおかつ穂産姉妹の神話を知らぬ貴方ゆえにお教えいたしますが、坊ちゃんは日陰者の身ですのぉ」
言葉の最中にメデューサはうん、と軽く咳払いをして、穂産姉妹の発言を促していた。
咳払いをきっかけに、穂産姉妹はようやく、その重く閉ざしていた口を開く。
「私達は、このまま彼女と一緒にここを出ます。それが私達の願い」
『そして・・・助けなんて欲しくない・・・それが僕達のもう一つのお願い・・・
もし邪魔するのなら・・・僕達は力づくでもここから逃げる・・・』
雨子神は、その言葉の後で部屋にいる全員を睨みつける。そこにいつもの眠気は無い。
>>266
メデゥーサは静かで上品に微笑み、メリーの質問にゆっくり首を振る。
さらりとなびく金の髪は、少し彼女達の憂いを感じさせた。
「目的は言えませんわぁ、小さなお嬢さん。
言ってしまうとわたくしたちの計画そのものが、破綻してしまいますものぉ
唯一つ言える事でしたら、計画の完遂の後、貴女たちもきっと、
するべきだったと納得していただけるということですわぁ」
/投下ミスですスイマセン
270
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 21:46:52 ID:1gBuqmPQ
>>266-269
「さてね。その坊ちゃんの詳細も、計画とやらの詳細も貴女はくれる気がないようだ。
事と次第によっちゃ、貴女方の計画の遂行を手伝う事も可能だったんだがなぁ」
衣蛸はニヤニヤし始めた。
このメデゥーサという女の計画を邪魔するのも楽しそうだ。
そして、穂産姉妹の本気度も計ってみる必要がある。
「沈黙は金、とかいうよね。この3人に乾杯」
茶化すように笑った衣蛸は、自分のウーロン茶のグラスを高々と掲げると、その中身を
穂産姉妹とメデゥーサにむけてぶちまけた。
メデゥーサは兎も角、縛られている二人は避けようがないだろう。
「……結べ、界」
辺りに潮の香りが強く満ちた。
衣蛸も水の妖怪である。
その墨を混ぜられていたウーロン茶は、降りかかったものを惑わせ能力と動きを少し低下させる。
蛸が逃走時の時間稼ぎに使う、本来の墨の使い方でもある。
これで稼げる時間さえあれば、衣蛸には十分なのだ。
「お二人の願いをかなえるには、こういう方法もある」
4本の蛸の腕が叡肖のジャケットの裾から伸び、穂産姉妹に迫る!
「死人に口なし、ってね。いっそ、このまま永遠に黙ってみますか?」
眼を丸くして言葉をなくした黒蔵が、一瞬遅れて止めようと飛び出した。
遊び人はメデゥーサだけを見つめて冷たく笑っている。
271
:
メリー
:2011/08/06(土) 22:23:24 ID:c1.PBF/s
>>268
>>269
>>270
「…………信用できないんだよー」
メデゥーサに向かいメリーは言う。
「手の内は見せず、ただ理由をはぐらかし、自分達が正しいというのは誰にもできるんだよー
それに私はお姉ちゃん達の神話はわからない。だから坊ちゃんの事もよくわからないんだよー」
そう言ってメリーは深呼吸をし
「だからコレは予想だけどだよー
坊ちゃんがこの町をいれさせる為に、それに必要な神様を殺して、坊ちゃんをこの町に入れさせて、この町から出られないお姉ちゃん達に合わせる。そしてお姉ちゃん達の御神体を坊ちゃんにとりこませる……違うんだよ?」
あくまで予測、《都市伝説》が想像するありきたりの予測。
けどソレがあってないにせよ。相手がなんらかの反応をすると思い、メデゥーサと姉妹の顔を見る。
(……予測があってたらメデゥーサは叡肖お兄ちゃんの攻撃を止めるだよー
間違ってたら……私が叡肖お兄ちゃんを止めるんだよー)
そう思考しながら蛸さんの行動は今は見ている。
272
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/06(土) 22:34:10 ID:HbHPxpxY
>>268-271
「氷亜さん・・・ありがとう。」
氷亜の優しいエスコートにより、安心感を得ることができた。
差し出されたコーヒー牛乳を一口飲むと、メデゥーサをずっと見続けている。
冷静になれたのか、そんな叡肖の行動も止めることなく、ただじっと見ているのであった。
273
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/06(土) 22:38:27 ID:d.Sq2D9c
>>270
メデゥーサはやれやれ、とでも言うように呆れたため息をつく。
そのままもう一つつきかけ、それを胸に押し戻すためにワインを口にした。
「試しに手伝ってみるのも面白そうですわねぇ。
しかし、開始1秒後には、貴方は絶命しておりますわよぉ?」
そしてグラスのワインを飲み干してから、
彼女は悪意を多量に含み、なおかつ上品な笑みを叡肖へ向ける。
それでも彼がウーロン茶を引っ掛けたときには、油断無く直ぐに召喚された蛇が、
彼女にかかることを防いだ。しかし穂産姉妹は両方とも、全てを浴びてしまう。
「・・・どういったおつもりですのぉ?女性にそのような仕打ち、理解できませんわぁ」
『・・・くっ・・・叡肖・・・』
「あなたなにを!!」
その為二人は力を失い、縄もあいまって余計に無力化されてしまう。
叡肖がその触手を止めなければ、穂産姉妹は手も足も出ないのだろう。
>>271
「だからあの農家も言っていたでしょう?
わたくしたちは正しくない、悪だ、と」
叡肖の急襲に、メリーへと返すメデゥーサの声からは、
少しだけ怒りが垣間見えている。
「―――!!」
メリーの予想は少し違う。それに細かなところにいたっては不正解だ。
しかし、その中にも真実を握っていたものが含まれ、
彼女は本当に驚いたのか、カッと目が開かれていた。
「・・・正解不正解の返答は、控えさせていただきますわぁ」
しかし動揺を見せるわけにはいかず、冷淡な返答をメリーへ。
>>272
しかし叡肖の行動によって、優しさに包まれていた氷亜の雰囲気が、
ピンと糸を張ったような緊張感へと換わる。
そしてそっと露希の耳元に顔を寄せて、露希以外聞き取れないほどの声で話す。
「(少し不味いことになった・・・。
もしあのレディーがこのことで激怒してしまったら、
露希、君にも戦いに参加して欲しい・・・。)」
274
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 22:54:59 ID:1gBuqmPQ
>>271-273
『叡賞さん、やめて!お願い、やめて!』
止めようと飛び込んだ黒蔵を、一本の蛸の腕があっさり巻き取って逆さに宙に持ち上げてしまう。
「お前には別の仕事があるんだ、黒蔵。例の水鏡をやってもらおうじゃないか」
衣蛸は吸盤のついた太い腕で穂産姉妹の喉元を抑えつけ、
逆さ吊りのままの黒蔵を、その傍に吊るす。
『叡肖さん!?』「それ、そこの今零した水でな」
顔を真っ赤にうっ血させ、苦しがった黒蔵が身体を支えようと片手を部屋の床につくと、
ウーロン茶の水溜りが磨かれた床の上で水鏡となる。
その水はもちろん穂産姉妹にも掛かっているのだ。
「その坊ちゃんとやらに必要なこの二人が、死にたいというなら今すぐ死なせてあげますよ。
そうすればメデゥーサ、ここで貴女たちの計画は邪魔できる。
ただ、俺以外の残されたものが納得しないでしょう。
だからこうやって聞き出すんですよ、彼女たち自身からね」
メデゥーサがこの水鏡すら妨害するならば、穂産姉妹が人質である。
そして人質を殺すことが必要になれば、叡肖はこの場にいる誰よりも躊躇わないだろう。
もちろん、このまま姉妹を始末してしまうのが叡肖にはもっとも簡単な方法だ。
しかし水鏡という一つの段階を挟む事で、氷亜やメデゥーサにも行動する余地を与えたのだった。
そして、叡肖は人の腕で筆を2本取り出し、その穂先を口に咥えた。
275
:
メリー
:2011/08/06(土) 23:09:04 ID:c1.PBF/s
>>272
>>273
>>274
「(反応有りなんだよー)」
「それで充分なんだよー」
僅かなメデゥーサの反応をメリーは見逃さなかった。
だがどれが正解なのかメリーにはわからない。
しかし……恐らく姉妹が死ぬのは《今》ではないのは確かだ。
順番を踏んでから姉妹を殺すのだろう。メデゥーサが今姉妹に手を出さないのも………ん?
「(待てよ?だよ?恐らく姉妹を手に入れる為にメデゥーサは交渉に来たのだよ?もし万が一メデゥーサが失敗した場合………)」
「…念の為だよ」
メリーはメデゥーサの援軍が来る事を考える。
そして叡肖がやる事を邪魔されないようにメデゥーサに警戒しながら、援軍の事も視野にいれ警戒する。
276
:
零なか
:2011/08/06(土) 23:11:19 ID:HbHPxpxY
>>273-275
叡肖の行動には多少無理があるようにも見えるが。
このような形でないと、坊ちゃんのことも言ってくれないのだろう。
「(大丈夫、稀璃華もいるから・・・メリーちゃんはボクが。)」
氷亜とは逆の、露希の隣に座る稀璃華にもそのことを伝えると、叡肖達の行動を見守る。
277
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/06(土) 23:18:20 ID:d.Sq2D9c
>>274
、
>>275
、
>>276
縁を切られたとはいえ、元仲間ではあるはずの氷亜は、
この状況に取り乱す様子も無く、静観をするだけであった。
突きつけられた叡肖による交渉、いや、交渉よりも力づくな、
言うなれば脅迫に、穂産姉妹、メデゥーサともども言い返せず黙る。
「確かに、この状況は姉妹でなかったとしたら、
わたくしといえど貴方の言いなりになる他ありませんわねぇ。
よろしいですわぁ。貴方のその知略に敬意を払い、
わたしたちの計画の始まり、全ての始まりをお教えしますわぁ。無理やり過去を覗かせはしませんわよぉ?」
しかしメデゥーサは、過去の露呈に怯える穂産姉妹とは違い、
毅然とした態度で叡肖に対応していた。
「ただ、この場で話す気はありませんわぁ。貴方一人の秘密にさせていただきます。
日本神話人世第34章禁伝第2項をお調べなさってはぁ?
機密事項ですので簡単ではありませんことよぉ」
しかし、その言葉に叡肖は乗ってくるのだろうか。
278
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/06(土) 23:27:11 ID:1gBuqmPQ
>>277
「メリーちゃん、これ持っててくれるかな。氷亜殿には、蛇の押えを頼もう」
叡肖は筆を持っていないほうの人間の手で、メリーに携帯電話を手渡す。
いざという時はメリーにこれで使いを頼むのだ。
そして蛸は氷点下にならなければ大丈夫である。
そしてメデゥーサの誘いに、叡肖はニヤリとした。
「俺一人の秘密じゃ駄目だ。さっき言ったよね?俺以外の、この場にいる皆が納得しない、と。
俺は納得なんてしなくてもこの通り二人を握っているし、何も知らないまま握りつぶせる。
どうせ話すなら、俺以外の全員にしなきゃ無意味だね」
そうでなければ意味が無い、と筆先を舐めながら蛸は不敵に笑った。
黒蔵はあいかわらず、吊り下げられたままである。
279
:
メリー
:2011/08/06(土) 23:39:08 ID:c1.PBF/s
>>276
>>277
>>278
「了解だよー」
叡肖のケータイを受け取りながら、イザという時のこちらの援軍を《呼べる》ように動けるようにしてる。
「(……さっぱりわからない単語なんだよー)」
メデゥーサの言葉「日本神話人世第34章禁伝第2項」にメリーは首を傾げた。
280
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/06(土) 23:49:38 ID:HbHPxpxY
>>277-279
「メリーちゃん、ボクの隣においで。(稀璃華、よろしくね。)」
『(ああ、大丈夫だ、任せろ。)』
まずは、メリーの安全確保。本当に万が一の時の為。
そして、稀璃華も乱入の出来る状態にある。こちらの準備は整った。
『(日本神話人世第34章?調べがいがありそうだな。)』
281
:
夜行集団 メデューサ
:2011/08/06(土) 23:56:35 ID:d.Sq2D9c
>>278
氷亜は叡肖に短く分かった、とだけ言ってその身体を雪男へと変化させる。
その際に小さな声で、
―彼女の行動には、小さなことでも見落としちゃだめだよ。
蛇はどこへでも忍び寄る―
と忠告をした。
「・・・いいでしょう。でしたら、握りつぶしてしまわれてはどうかしらぁ?
もうその姉妹は捕まった時点で、価値は喪失しておりますものぉ」
しかしそれにメデゥーサの目は冷ややかで、口元には笑みが。
それはあきらかに脅迫された者の態度ではなかった。
「(騙されちゃだめだよ。彼女はむしろそれを望んでいるんだ。
この状況だし、詳しい説明はいまはできないけど、
穂産姉妹を彼女に近づけてはいけない、ってことは知っておいて)」
そんなメデゥーサを他所に、氷亜は目を彼女に向けたまま囁いた。
>>279
すると、視界の端で受け渡される携帯電話。
細かなことはともかく、メデゥーサはある程度彼らの考えを理解する。
「ふふ、果たして貴女のお友達が、
いったいどれだけの役割を果たせるかしらぁ?」
口元に手の側面を当てて、黒い雰囲気で微笑し
それから彼女はメリーに小ばかにしたような言葉を発す。
>>280
「あらぁ?貴女もご参加なさるのでぇ?
やめておいたほうがよろしくてよぉ?」
そのメデューサの身体は、伝説にもあるあの姿に変容する。
金の髪は獰猛な蛇へ、決め細やかな白い肌には緑の鱗、
目は蛇のように獰猛な鋭さを、準備は万端なようだ。
>>ALL
「とは言っても、あまりわたくし騒がしくはしたくありませんのぉ」
その言葉とともに、一切の予備動作は無く、
その眼光からあの力、その瞳を見た対象者の魂を強制的に停止する、
あの禍々しい力が放たれていた。
目の色や、目つきに変化は無いため、
偶然警戒して瞳を見てしまった者は、前触れも無く身体の自由を無くすであろう。
282
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/07(日) 00:09:47 ID:1gBuqmPQ
>>279-281
「黒蔵、頑張れ。石化しても殿下が何とかしてくれる」
叡肖が何のために黒蔵をぶら下げたままにしているのか、というと、こういう理由である。
逆さにしたまま、メデゥーサへの盾にしているのだ。
同時に床に出来た水鏡越しに相手の様子を伺う。
その名前から、ある程度の予測はしていたのだ。
「ではお言葉に甘えて」
穂産姉妹に叡肖の筆先一本が近づき、メデゥーサから見えないよう「縮小化」と記そうとする。
これが書かれれば姉妹の身体は小さく縮んで蛸の手の中である。
…ただし再び水をかけられるまでは。
そしてもう一本の筆は、黒蔵がさっき持っていた金属製のトレイに「鏡」と記す。
途端にトレイは、銀の皿のように輝きを増した。
「露希ちゃん、それ!」
文字を記し終わり、筆を咥えた叡肖は丸い鏡面となったトレイを取ると露希に向かって床を滑らせた。
283
:
メリー
:2011/08/07(日) 00:14:33 ID:c1.PBF/s
>>280
>>281
>>282
「わかっただよー」
そう言いながら露希の方に移動し、メリーは叡肖のケータイにアクセスしながら、電波をかいし誰か呼び出す、自分が移動して大丈夫そうなモノを探す。
「(確かメデゥーサは石化の魔眼を持ってるんだよー。眼はあわせないようにして)」
露希の後ろに隠れながらメリーは考える。
284
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/07(日) 00:24:28 ID:HbHPxpxY
>>281-283
『私、貴方と互角に戦える自信あるよ。舐めてもらっては困るね。』
目を見たら、石化する。それがメデゥーサの怖いところ。しかし、それが効かないとなるだけでかなり違う。
稀璃華は元々、石だから。
「叡肖さんっ!」
床を滑るトレイをタイミングよく掴み取った。
これがあれば、相手側がこちらを見ることは多分ないはず。
「(メリーちゃんも見ちゃダメだよ。)」
しっかりメリーを抱き寄せた。
285
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/07(日) 00:32:54 ID:d.Sq2D9c
>>282
「止めてください私達は!!」
『・・・怨むぞ・・・叡肖・・・!!』
椅子にくくられながらも、近づく叡肖に毒づき続ける二人。
だがそのことは一切の効果も無く、叡肖の手中へ。
叡肖には効果が無かった。
黒蔵の程はわからないが、この状況の彼ではどちらでも変わらないのだろう。
そんなことをメデゥーサは思考しながら、
穂産姉妹が捕まってしまったことに眉間にしわを寄せ、舌打ちをした。
「なるほど・・・予習はばっちりでいらっしゃるのねぇ。
しかし、この目を防いだくらいで得意顔にはならないでくださいましぃ?
わたくしは神殺し、貴方とは格が違いますわぁ」
メデゥーサの蛇へと変貌した髪が、徐々に一つ一つが意思を持って蠢きだす。
そしてその髪の十匹ほどが、凶悪な毒牙とともに叡肖へと伸び、襲い掛かる。
そのうち3匹は左右から、そしてそのあとの数匹は上下から。
>>283
、
>>284
稀璃華の挑発に、先ほどまで苛立ちを垣間見せていた彼女に、
にやりと悪意の強い笑みを呼び起こした。
「ふふふ、夢見る少女は美しい、かしらぁ?
ずいぶん強気なお嬢さん?」
そしてメデゥーサはそちらのほうへ、少し琴線に触れたのであろう叡肖とは違う規模、
やく60以上の蛇が向けられた。
それら全ては一直線に向かうが、全てに強大すぎる毒牙が光っている。
「それに、貴女方もずいぶん愚かしいですわぁ。
確かにわたくしの瞳を見なければ石化しない。しかし、
そんな相手をしっかり見ずに戦えるかしらぁ?」
露希とメリーの後ろには、気づかれないうちに全長約8mほどの大蛇。
その数は三匹であり。氷亜はそのうちの二匹と戦闘を行っている。
286
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/07(日) 00:42:04 ID:1gBuqmPQ
>>283-285
穂産姉妹の抗議も蛸の面に小便である。
「いやー、お兄さんまた女の子を泣かしちゃうなー。しかも、複数」
向かってくる蛇を、より太さのある蛸の腕が束ねて絡める。
その蛸の腕に浮かぶ色素胞の文字は、「解毒」。
ダメージをある程度覚悟しての技である。
しかし数は蛇のほうがずっと多い。
「お兄さんねー実はちょっと、あの女の人の化粧の仕方に不満があるんだよねー。
メイク直ししても良いかな?」
嘘だ、と朦朧とした意識の元、鼻血をたらしつつ黒蔵は思った。
あんなに楽しそうな声音の時の叡肖さんは、絶対何か企んでるに違いない。
実際、衣蛸はうずうずしていた。メデゥーサに落書きしたくてたまらないのだ。
「だれか、あの人押さえててくれるひとー?」
ぐるりとその場を見回すと、露希達を庇う稀璃華と目があった。
うん?と片方の眉を跳ね上げて、視線で彼に(彼女に?)問う。
「(やってくれるね?)」
叡肖の、墨で真っ黒な腹の中では、メデゥーサに記す文字はもう決まっている。
一瞬でも稀璃華がメデゥーサを押さえこみさえすれば
衣蛸の筆は、この上なくえげつない仕事をするはずだ。
287
:
メリー
:2011/08/07(日) 00:48:04 ID:c1.PBF/s
>>284
>>285
>>286
「やれやれなんだよー
クロコ連れてくればメデゥーサのお姉ちゃんの相手は楽なのにだよー」
クロコなら眼をつぶって嗅覚だけで戦える。
だがあの馬鹿犬はケータイ持ってないから呼び出せない…
そして、背後にいる巨大な蛇に気付き、メリーは蛇に向かい何処から取り出したデザートイーグル(ママさんのコレクションの一つ)を取り出し、一発蛇の頭に放とうとする。
「メリーも戦うんだよ?答えは聞いてないんだよー」
そう言いながらメリーの服から大量の包丁やハサミにカッター等の刃物が現れ浮かび上がる。
288
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/07(日) 01:05:22 ID:HbHPxpxY
>>285-286
-287
『少女、お嬢さん、それは誰のことか言ってくれるか?』
余裕の笑みだった。彼は石、そのもの。自ら右手を石にしてその手を前に出す。
石だから、噛み付かれても毒は廻らないはずだ。
その間に、9ミリ程の鋭く尖った石を多く作り出した。それは弾丸のようにも見えるかもしれない。
それを蛇目掛けて一斉に放つ。
「よし、やろうかメリーちゃん。」
前回、メデゥーサに構えた剣を出した。だが、以前とは何かが違う。
・・・白き龍が宿っているように。そんな輝きを放っていた。
289
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/07(日) 01:15:19 ID:d.Sq2D9c
>>286
髪の蛇はなんなく防がれる。
だが、彼女にとってはさした問題ではない。
「なにか愉快な考えがお浮かびになられたらしいですわねぇ?
いいでしょう、どうせ余興。もしあの子がここまでこれましたら、
その文字、受けて差し上げますわぁ」
今度は一気に数が増え、さらに一つ一つがさらに一回り太くなった、
より凶悪な蛇が、100以上の軍勢で持って襲い掛かる。
もはやそれは蛇の洪水と言えた。
>>287
メリー達へと向かった大蛇は、
馬鹿ではないらしくその銃弾をさっとかわして見せた。
しかし避けきれずに、身体に少し銃弾がかする。そのことで怒りを発生させてしまい、
おぞましいほどの蛇の威嚇声をメリーに浴びせた。
黙って隠れていれば、大蛇も狙わなかったかも知れないがもう遅い。
その鋭く、そして凶暴な牙が、メリーへと凶器も恐れずに振り下ろされる。
>>288
「皆様、根本的な間違いを犯しておりますわぁ。
わたくしに対してそのような小さな攻撃、
それに戸惑うくらいで、数多く神を危める事ができるとお思いかしらぁ?」
メリーへと向かった三匹の蛇にさらに、
またどこからか同じほどの体躯を持つ、5匹の大蛇が姿を現す。
そのうちの二匹が、露希へと強烈な突進を繰り出す。
その一方稀璃華の散弾によって、60もあった蛇の突進がチリジリになっていた。
しかしその直ぐあとに数はさらに60増えた。
おそらくこのまま打ち続けたとしても、その数の多さに稀璃華は押されてしまうだろう。
「しかし、このまま消してしまうのも面白くありませんねぇ。
ここまでいらっしゃい?お嬢さん?」
その言葉のあとに、稀璃華へと向けられた直線の突進は止み、
数多くなった蛇は二手に分かれていった。
それはまるで道を作ったようで、その先には微笑をたたえるメデゥーサがいた。
290
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/07(日) 01:27:40 ID:1gBuqmPQ
>>287-289
「普通の蛸ならこんなことしないんだけどねー、うん」
4本の腕がさらに伸びた。叡肖の身体は脇が膨れ上がり元の化物の姿の片鱗をみせている。
大蛇も現れて部屋は大分狭くなる。
一本は黒蔵を掴んだまま、残り3本の腕が根元から扇のように「衣」を広げた。
衣蛸の腕の間にある膜は、押し寄せる蛇の群れの攻撃を面で押し包むように防ぐ。
「お兄さんは衣蛸だから、こうやって、鯨やら船やら捕獲して飲みこむのよ」
衣蛸の「衣」は鯨や船舶にすら突き破れない、柔軟な膜である。
「メリーちゃん、蛇をやっつけるなら針を投げな。
頭に刺せば死ぬし、周りにばら撒けば苦しむから」
古来、日ノ本における蛇妖の弱点といえば、桃、なめくじに鉄の針である。
メデゥーサの使う蛇がわざわざ外国から連れ込んでいるものでないならば、それで対応出来る筈だ。
そして、稀璃華がメデゥーサへ向かうのに会わせて、叡肖も黒蔵を盾にしたまま動く。
(あの子がどこまで出来るか、に掛かってはいるな)
「罠には注意しておこうか」
叡肖は、そう声をかけた。
291
:
メリー
:2011/08/07(日) 01:34:50 ID:c1.PBF/s
>>288
>>289
>>290
「うんだよー
了解だよー」
露希と叡肖に向かいそう言うと
「とりゃぁーだよー」
小さい身体のみのこなしを利用しながら動きまわり、向かってくる蛇の牙をギリギリかわしながら、眼に向かい大量の刃物の嵐を放とうとする。
そしてその中に紛れ鉄の針も10本くらい放とうとする。
292
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/07(日) 01:45:29 ID:HbHPxpxY
>>289-291
「鉄?ならば剣は持って来いだね♪」
まずは、一匹目の始末から。普段持ち歩く小太刀を一本だし、頭に投げる。
そして二匹目。翼を使い、空中を飛ぶと、剣を下に向けて急降下した。狙いはやはり頭。
『ああ、警戒はきちんとしてる。なにか用か、メデゥーサ。』
呼び出されたからには、行くしかないと思い、蛇の道を歩く。
その時の彼には満面な笑みが。
293
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/07(日) 01:55:01 ID:d.Sq2D9c
>>290
「あぁあぁ、ここは結界張っておいたからって、
あんまり壊されると後が大変だから、そこんところは注意して欲しいよね」
身を膨張させ、足を大きく広げた叡肖に、そんなのんきな注意をする声がした。
その声の主は、すでに大蛇4匹蛇50匹を冷凍し、全て粉砕した氷亜であった。
>>291
凶器に戸惑わず、突進をかました大蛇は、刃物の洗礼を受けることとなった。
しかしある程度堅い鱗を持つこの蛇は、
痛がりこそすれ、致命的なダメージではない。
その為ゆっくりと鎌首をもたげ、再びメリーに襲いかかろうしたが、
ようやくその時、彼女の放った針が蛇に効果を示す。
怒りで滾った蛇の顔が、弱点の属性のものによって苦痛に目をカッと開き、
その場でのたくりまわって暴れ始めた。
はっきり言って隙だらけだ。
>>292
一本の小太刀は、大蛇の丁度眉間あたりに突き刺さる。
苦手とするものと、さらに脳あたりを的確に狙われ、
喉元から断末魔の渇いた声を漏らし、一匹目は絶命した。
二匹目も同じように眉間に刺さり、苦しそうな声は出すものの、
西洋の蛇だったためか弱点とはいかず、反撃としての尻尾が鞭のように、露希へと襲い掛かる。
「このまま殺しても面白くありませんしぃ、
早くこちらにいらした下さいなぁ?来れるのなら、ですが」
そういって突き進んだ稀璃華を皮切りに、
蛇の道の入り口、そして天井は大量の蛇にふさがれ、蛇のアーチとなった。
その途端、蛇は凶暴さを取り戻し、180度パノラマで稀璃華へ毒牙を向ける。
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