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お題でマイナーカプを語るスレ

1名前が無い程度の能力:2008/10/14(火) 01:17:33 ID:UmBHZNY20
お題であげられたカプを語ったり妄想したりするスレです
キャラスレや百合スレでさえスルーされるようなマイナーな組み合わせをお題とすることで普及や新地開拓を目指します。

お題はおよそ>>20ごとを目安とします。
お題を出す人は、お題となるカプと次のお題の安価、あと一言おねがいします。

また、カプと書きましたが恋愛的なものに限らず、友人的な関係やこいつら絡ませたら面白そう、みたいなかんじでかまいません。
マイナーか否かの区別はあんまみないなぁ、くらいで。
組み合わせにも限度があるので多少のループはあると思いますが、せっかくなので無茶でもなんでも見たことないカプをだしましょう。

あと>>20ごとってのは適当に決めたので多いとか少ないとかあるときは変えてもかまいません。


絵やssは大歓迎です。多少遅れても気にせず投下してください。

175名前が無い程度の能力:2010/05/09(日) 00:43:12 ID:wocDC0C60
鈴てゐキボンヌ

176名前が無い程度の能力:2010/05/09(日) 15:34:28 ID:DlyZFLggO
リリカがやっぱり妹欲しいって宴会で駄々こねて、名前がレイラっぽいと言うことで霊夢を紹介されて
最初は二人ともぎこちないただの家族ごっこだったんだけど
一緒に生活してくうちに段々本当の家族として意識し合ってしまいには博麗理々花として博麗神社に住み込むお話希望(音楽活動するときはリリカ・プリズムリバーの芸名を使う)

177名前が無い程度の能力:2010/05/12(水) 01:31:30 ID:NuFNesUU0
イヌ科の従者で咲藍っていいと思うんだよ
いちゃいちゃしなくても、一緒に宴会の片付けしたり、人里に買い物に来て井戸端会議したり
でも狐狩りの猟犬ってイメージが強いのか二次では争ってばっかりなのよね

178名前が無い程度の能力:2010/06/20(日) 11:52:13 ID:Yj9Hn1Jc0
浅木原さんのうどみょん来た、創想話で来た! これで勝つる!
と、過疎スレでこっそり応援しておく。

179名前が無い程度の能力:2010/07/20(火) 00:33:48 ID:2sAk6Z7Q0
過疎いな

180名前が無い程度の能力:2010/07/20(火) 20:59:00 ID:mSXOnmhQ0
ここが過疎るくらい、各マイナーカプの受け皿が他所にあるって事かねぇ。
マイナーというより無接点カップルとかは脳内メインだから難しいし、
接点があればあったで何処かでネタになってるし。

181名前が無い程度の能力:2010/07/22(木) 03:41:27 ID:fRVHBFc6O
>>176
私には小さな夢があった。
それは夢といえるかどうか、と言える代物なのだが、不可能と言われれば不可能に近い、夢であった。
妹が欲しい。

姉さん、という機会が多い私は、常々姉妹という事を考える。
具体的には姉妹の境界線とはなんなのか。
特に騒霊である私達には血などないに等しい中で、どうやって姉妹たりえるのか。
簡単に言ってしまえば、なんで私はルナ姉、メル姉を「姉」と判断しているのか。
いつ考えても堂々巡りの中に消えていく。
所詮一番年下の考え事。「姉」の気持ちが分からない。「姉」の気持ちが分かれば多少は姉妹がわかるのではないか。
その繋がりの好奇心から、次第に自分が「姉」として機能したくなったのだ。

そんな中、私は博麗霊夢と出会う。
元々、なにか惹かれるものがあったのは違いない。特に名前に興味が強かった。
なぜか「霊夢」という言葉に昔の誰かの面影を残したのだ。

そのような思いを胸に残したまま、宴で事は起こった。
珍しく演奏抜きで宴に呼ばれた私達は、いつも呑めなかった分を取り戻すかのように呑み更けていた。
酔いが回っていたのだろう。きっとそうなのだろう。
そこに呑み更けていた霊夢に抱きつき、霊夢は私の妹なの!そうなの!と声高々に言ったのだ。
その時の周りの反応はあまり覚えていない。ただ、霊夢の満更でもない顔が未だに脳裏を横切る。
それからの記憶は、ない。

「姉さん、起きなさい。起きなさいったら。」
記憶が蘇ったのは、その言葉からだ。何故か布団の中にいた私は、ゆっくり身体を起こした。
「あ、姉、あ、リリカ。その、朝ごはん。できたから。」
霊夢は私に目も合わせず、立ったままそういうとすぐに縁側を走っていった。

縁側を歩いて匂いのする方へ進むと、なるほど二人分の食事が丸ちゃぶ台の上にあった。
「ほら、はやく食べましょ。」
そう急かされると、私はちゃぶ台に座り、朝食にありついた。
食事も終わり、姉の待つ屋敷に戻ろう、と朝食の礼を霊夢に伝えようとした。
すると、その口を塞ぐかのように霊夢が口を開いた。
「私、妹でいいから。」

182名前が無い程度の能力:2010/07/22(木) 04:12:45 ID:fRVHBFc6O
>>181続き
驚いた。酒の席での、おおよそ冗談にもつかない一言を、彼女は真に受けていたのだから。
「その、妹らしいこと、出来ないかもしれないけど、いてほしい。いてほしいの。」
私は、黙ることしかできなかった。

昼過ぎにもなると、姉達が博麗神社に来た。
唖然とした顔したまま縁側に座った私をみて、二人はため息をついた。
「霊夢には礼を言っておかないと。とりあえず、帰るわよ」
「何があったかは帰ってきくから、私達と帰りましょう〜」
寡黙ながらハリのあるルナ姉の声と柔らかなメル姉の声を聞きながら、ゆっくりと腰をあげた。
すると、霊夢が顔をこわばらせながら、神社の奥から出てきた。
「待って!行かないで!お願いだから行かないで!」
二人の姉は驚いて、霊夢の顔を見ながら口を開いた。
「何があったか知らないけれど、妹をこのままにしておくわけにはいけないわ」
「迷惑をかけたみたいだしねぇ。その件に関してはプリズムリバーの姉としてお礼しますわぁ」
こう言うと、霊夢のこわばった顔から力が抜け、そのまま大粒の涙を流しながら、床に伏した。
「お願いします。お願いしますから…。リリカを。姉さんをつれていかないで下さい。」
そう言われると二人は怪訝な顔をした。
「いや、リリカは私の妹よ?貴女の姉ではないわ。少し冗談がきついわ」
「そうよぅ。あ、昨日の宴の話ね。手の込んだ事をするわねぇ」
こう言っても霊夢は引き下がらない。三人の間に、暗雲が立ち込み始めた。
私は、二人に、もう一晩泊まっていくよ、と笑いながら、二人を帰した。
その方法でしか、この場をまとめられないと判断したからだ。
怪訝な顔をしたまま二人は、そういう事なら、と言葉を残し、社交儀礼じみた挨拶をし家路についていった。
霊夢はまだ額を床につこたまま、泣いていた。

その一件からというもの、霊夢は何かと私に気を配ってくれた。
縁側でぼうっと座っていたら、お茶と羊羮を持ってきて、頬杖をしながら私をにやにや、と眺め、
楽器を鳴らし始めたら、それこそ無邪気な子どものように、私に近付いてきて、色々と話しかけてきた。
魔理沙なども遊びには来たのだが、あからさまに私と態度が違う。
むしろ、魔理沙などの対応が見慣れた霊夢であって、私との付き合い方は、とても不自然なものに映ったのだ。

183名前が無い程度の能力:2010/07/22(木) 04:47:15 ID:fRVHBFc6O
>>182続き
その不自然な感じを受けながら夜が来た。
「姉さん。今から人里にちょっと呼ばれてるから、留守番お願いします。」
と霊夢がいうと、私は博麗神社に一人残された。
夜の博麗神社は、虫の声すら聞こえぬくらい静かだった。
騒霊と言えど、死を経験したわけではない私は、この静けさに、小さな恐怖を感じた。
静けさに、人、それも少女が、強がれるわけないのだ。
その時であった。
何故、霊夢が私にこだわったのか。いや、それだけではない。私の「姉妹」とはなんなのか。
私が疑問に思っていたものが、全てこの静けさが答えてくれた。

―一人の少女が住むには、ここは広すぎる―

博麗神社のような、ある程度の広さを持つ場所に、一人で住めば、いくら博麗神社の巫女とはいえ、たまらないだろう。
この広い神社で夜を過ごすには、一人の少女には辛すぎる。
本来なら、家族がいるべきだ。だが、彼女には、そんな家族すらいない。全て一人だ。
一人しかいないのだ。

ルナ姉も、メル姉もいない。
この神社には、博麗霊夢、一人しかいないのだ。

そう思うと涙が溢れ出てきた。
何故、酒宴の一言をあそこまで大切にしたのか、姉達が連れて帰ろうとした時に、騒霊程度に額を床に伏したのか。
それを思うと涙が止まらないのだ。しまいには声をあげて、子どものような泣きじゃくっていた。
姉妹って、こういうことだったのか、という気持ちが溢れ出て止まらなかった。

その内、妹が帰ってきた。
私の泣きじゃくっている姿をみて、多少戸惑っていたが、妹は私に抱きつくと、いつしか私と一緒に泣き始めた。
それを返すかのように、私は妹を抱きしめ、二人で泣きながら夜を越したのだった…。

あれからというもの、私は未だに博麗神社にお世話になっている。
名前もいつしか、博麗莉々花に変わり、また、プリズムリバーの三女として、その日々を過ごしている。
相変わらず、妹は私にまとわりつくように日々を過ごしている。
練習中の時などは、この前珍しくメル姉が怒ったほどだ。
それでも妹は笑顔を絶やさず私を見ている。
そんな近辺を思い出しながら、縁側で二人で座っていると、妹は私の頬にキスをしてこう言ってきた。
「莉々花姉さん。大好き」
私は、赤面した。
<了>

すまない。1レスで書くつもりが長々となった。
スレ汚しスマソ許せぃ!

個人的には、幽香とレティのカップリングが気になってたり。なんか似てるし

184名前が無い程度の能力:2010/07/22(木) 05:51:19 ID:58ty3Xls0
早苗と非想天則の切ない系を・・・

185名前が無い程度の能力:2010/10/02(土) 00:53:59 ID:rO9h7QuM0
世界に広がれサナアリの輪!

186名前が無い程度の能力:2010/10/12(火) 00:23:14 ID:MVsob5XsO
>>177
こげな感じ?
咲夜「あら、ごきげんよう」
藍「ん。ああ、紅の館の」
咲夜「ええ。なにをしていらっしゃるの?」
藍「ん。ああ、夕飯の買い物をな」
咲夜「あら奇遇で。私も夕飯の買い物に来たんですよ」
藍「それは奇遇だ。にしてもあの人数を料理するのは大変だろう」
咲夜「メイドの当番制にしていますので。今日は買い物当番が倒れまして、その代わりです」
藍「中々部下思いなんだな」
咲夜「いえいえ、暇でしたし、紅魔館のメイド隊リーダーである以上、世間の爪の垢をなめておかねば」
藍「殊勝な心がけだ。私の主人もそういう姿勢であればいいんだがね…」
咲夜「いいじゃないですか。いかに強いといえど無駄に外敵に晒す必要はありません」
藍「はは、それは一理あるな」
咲夜「それに私の主もやっと最近になって外に興味を示すようになってきたんですから」
藍「ほほぅ。そうだったのか。まぁ、そう言われればやっと私の主人も外に興味を持ったな…」
咲夜「…巫女ですか?」
藍「ご名答」
咲夜「…やっぱり」
藍「博麗の存在は大きいな」
咲夜「…あーあ」
藍「ど、どうした?」
咲夜「紅魔館の人じゃないから言いますけど、なぁんでその役割は私じゃなかったのかなぁ…と」
藍「…」
咲夜「私はあの方に従えてきて、これからもそうであるのに、あれ以上の関係になるのは無理なのかなぁ、って」
藍「…ふふふ」
咲夜「なっ!何がおかしいんですかっ!」
藍「いやあ、若いなぁ、と。それは役割だよ」
咲夜「…役割?」
藍「博麗の巫女は私達の主と協力し合う役割だが、私達は私達の主を守る役割だ。違うかな?」
咲夜「…そうね」
藍「私達は主人の盾であり鎧だ。だからこそ一番肌に近い存在なのだと思うぞ」
咲夜「ふふふ。役割…か。そうね。ありがとう九尾さん」
藍「い、いや。気にしないでくれ。そ、その…なんか今になって恥ずかしい…」
咲夜「世紀の九尾さんも顔を真っ赤にする時があるんですね」
藍「う、うるさいな…」
咲夜「ふふふ」

咲夜「さて、買い物も済んだし帰りますわ」
藍「ああ、ではまた」
咲夜「…きゅーうびさん♪今日は楽しかったわ。また買い物に行きましょう♪」
藍「!! あ、ああ。また行こう」

187名前が無い程度の能力:2010/11/01(月) 02:45:36 ID:WJKJ1E1I0
レミパチェってあんまみられないよね
接点あるどころか友人同士なのに少ないのはなんでだぜ・・・

188名前が無い程度の能力:2010/11/05(金) 14:52:07 ID:kDgmc0120
軽くこんなのでいいのだろうか?



パチュリー「…………」
レミリア「…………」
パチュリー「…………」
レミリア「…………」
パチュリー「…………」
レミリア「…………ねえ、パチェ」
パチュリー「…………何かしら、レミィ」
レミリア「パチェとお茶を飲むのってずいぶん久しぶりだと思うんだけど」
パチュリー「…………そうだったかしら」
レミリア「そうなんだよ。
     で、だ。その久しぶりの友人とのティータイムに本を読みふけり私の顔すら見ないというのはどうかと思うわ」
パチュリー「気にしないでいいわよ。私は気にしない」
レミリア「私が気にするの!
     だいたい本を読んでるだけならわざわざテラスに出てくる必要ないじゃない!」
パチュリー「貴女がたまにはお茶に付き合えって図書館から引っ張り出したんでしょうに」
レミリア「う〜〜〜〜!
     もういいわよ!パチェを誘った私がバカだったわ!」
パチュリー「うん、そうね」
レミリア「〜〜〜〜!咲夜!後を片付けておきなさい!」
パチュリー「…………レミィ」
レミリア「何よっ!?」

(ぺろっ)

レミリア「ひゃん!」

ガタガタッ!ビターン!

パチュリー「ケーキのクリーム……頬についてたわよ」
レミリア「あうあう……」
パチュリー「(クスッ)レミィはホント可愛いわね。
      それじゃあ、本は止めてお茶でも楽しみましょうか」

189187:2010/11/17(水) 00:07:57 ID:8IqQ2X820
一週間以上前になってしまったが
>>188

よかったぜ・・・

190名前が無い程度の能力:2010/12/15(水) 23:23:30 ID:51AgTW420
>>184

早苗「諏訪子様、酷いです……」
早苗は非想天則を見上げて呟く。
早苗「こんな心躍るサイズと姿形なのに、動かないなんて……」
その声に応えるように非想天則が前後に揺れる。
早苗「あなたもそう思うでしょう!?」
非想天則は、一言で言えばアドバルーンである。
間欠泉地下センターからの熱蒸気を受けてたゆたうだけの、ただの風船なのだ。
もちろん早苗もそんな事は解っている。
解っているが言わずに居られない――要するに未練たらたらなのである。
しかし風船風情にそんな想いが通じるはずもなく、非想天則は今日もただ揺れていた。

と、そこに小さな小さな奇跡が起きた。
非想天則の前方への揺れと、地下からの熱蒸気供給大幅減少のタイミングが重なった結果、
非想天則はうなだれる形でしぼみ、その手の先がちょうど、早苗の頭上で止まった。
それは小さな波紋だったが、多感な年頃の少女である早苗の背中を押すに十分な力を持っていた。
早苗「……そうよね、あなたもやっぱり動きたいのよね!」
早苗の頭の中で、何かが閃いた。
非想天則は風船、つまり自分が風を起こせば操れる。
瞳に星を輝かせると、早苗は御幣を掲げる。
そこから放たれた弾幕は、非想天則を大地に繋ぎ止めるくびきを打ち砕いた。

神奈子「ねぇ諏訪子、アレ……」
諏訪子「んー?」
守矢神社の縁側でひなたぼっこをしていた神奈子が、麓を指差す。
縁側に寝そべっていた諏訪子が身を起こすと、非想天則の姿が見えた。
諏訪子「あー……頭に早苗乗ってるねぇ」
神奈子「あの子ったら何やってんのよ」
諏訪子「あーうー。とにかくさ、手遅れになる前に何とかしてくるよ」

早苗「非想天則、ゴー!」
山の二柱の苦悩も知らずに、早苗は盛り上がっていた。
自分の風で動かしているので、冷静に見れば巨大な人形遊びなのだが、
非想天則の肩に乗った早苗は『操縦している』感覚に酔い痴れている。
大地を踏みしめる事も足元の木々をなぎ倒す事も叶わないが、
上下に大きく揺れながらの一歩ごとに眼下の景色が流れて行く。
早苗は横――非想天則の横顔に向けて微笑み、一人頷く。
今、非想天則は歩いている。
今、自分は非想天則を操縦している。
これこそが人型巨大ロボ非想天則本来の姿なのだ、と。
状況に満足していた早苗は、だから、足元の森が揺れるのに気付くのが、少し遅れた。

早苗「これは……赤口さま……諏訪子様!?」
足元の森から突如現れた白い蛇が、非想天則の胴体を這い上がる。
二匹の白蛇が非想天則の両足に絡み、その上から三匹目が頭部めがけて襲う。
早苗「くっ……でも非想天則の装甲が、この程度で!」
テンションの上がっていた早苗は、諏訪子が非想天則を止めに来たという事実に逆上、
非想天則の装甲を恃む台詞を吐き出す。
が、何度も言うが非想天則は風船である。
早苗のテンションなどお構いなしに白蛇が非想天則の頭を噛むと、
牙で開いた穴から、猛烈な勢いで空気が漏れ、非想天則はしぼんで行く。
早苗「そんな……非想天則が……私の夢が……!」
必死に風を起こして非想天則に吹き込むのだが、むしろ逆効果。
風が勢いを増せば増すほど、頭に開いた穴が裂けて広がり、さらに風が逃げて行く。
早苗が形振り構わずその穴へと手を伸ばして塞ごうとしたところで、
白蛇が早苗を飲み込み――フェードアウト。

神奈子「お帰り。早苗は無事?」
諏訪子「一応ね。怪我はさせてないつもりだけど」
神奈子「そう。それで、あっちの方は?」
諏訪子「んー……ぎりぎりアウト、かな」
神奈子「あら、どうして?」
諏訪子「あいつ、しぼんで潰れる瞬間に……『ありがとう』だなんてさ」
神奈子「ふーん……それは、産みの親と育ての親、どっちに対してかしらね」
諏訪子「……少なくとも、私じゃないわよ」
諏訪子は帽子のつばを掴み、目深に下ろした。



―裏―
あれ、これ切ないの諏訪子じゃね?
―裏―

191名前が無い程度の能力:2010/12/18(土) 15:46:56 ID:T9oBBFnsO
たまにこういうのが投下されるからたまらぬぇ!

192名前が無い程度の能力:2010/12/18(土) 15:58:11 ID:rUDN5QO.O
藍パチュ……
パチュ藍……

193名前が無い程度の能力:2010/12/18(土) 20:14:38 ID:0fPvAYdIO
>>186
悶えた。GJ。

194名前が無い程度の能力:2010/12/20(月) 07:20:50 ID:TMgLTYuUO
ちょっと人が出てきたぬぇ
今、メルパルというのを考えていたり
全く逆の二人が惹かれあう…いいじゃないですか

195名前が無い程度の能力:2010/12/20(月) 10:26:26 ID:Q1GjRXYs0
阿求×妖夢がいいなぁ。
だって、ぐもんしきを読む限りでは体温を確かめ合う仲みたいだし。

196名前が無い程度の能力:2011/02/01(火) 00:35:02 ID:2K3C86Z.O
衣玖×魔理沙

「お尋ねしたいのですが、ここ数日の間に総領娘様がこちらへと訪ねてきてはいませんか?」
「いきなり不躾な事聞くなぁ…」
「あ、すみません。いきなり押し掛けてこんなことを」
「あー…いや別にいいけど。おまえんとこの天人なら確かに昨日ここに来たぜ。正確にいえば霊夢も一緒だ。人の家に来るなりイチャイチャするわ…と思ったらいきなりケンカを始めるわで散々だったぜ」
「!…そのケンカについてもう少し詳しく」
「なんだ?私の家の前でドンパチやっただけだ。ただあまりにも煩かったんで恋府が一枚犠牲にはなったが」
「やはり…そんな事が……着いてきて下さい。こちらから余波を感じます」
「ん?余波ってなんだっ…て!お…おい…引っ張んな!」



「ここです…地面を見て下さい。」
「なんだ?穴があいてら?」
「この孔から何か力の様な物を感じませんか?」
「…力?……いや感じないけど……今気付いたがこの穴ってもしかしてあのアホ天人の…」
「(コクコク)」
「ふざけんなぁっーーーー!?えっ?てっ事は何だ?来るのか?地震が?私の家に?もしかしてもしかしなくてもそうなのか?」
「申し訳ありません…具体的な時刻は把握出来ていませんががこの辺一体の木々が倒壊するほどの地震が訪れる恐れがあります」
「何処だ?あの馬鹿天人は今すぐここに呼んで地震を止めろ!」
「それが…総領娘は霊夢さんとケンカした事を理由に自室に書き置きを残し家出していて目下捜索中でして…」
「…う、嘘だろ?」
「…残念ながら」
「ああもぅ!お前はどうなんだ?ここまで訪ねて来たんだ。なにかしろ手の打ちようがあるんだろ?」
「いえ、竜宮の使いは地脈を感じ取り民衆に危機を伝える事しか出来ません。今日ここに訪れたのも総領娘様の行方を霊夢さんから聞き出してその道中で余波を感じたまでで…なんの対策も…」
「…分かった。なら規模はどれぐらいだ?私の家は無事なのか?」
「恐らく無事では済まないかと…地盤が崩れ万が一耐えきれたとしても、木々が覆い被さり潰れる可能性があります」
「…!こうしちゃいられない!」
「…お待ち下さい!この孔を調査してか(ズンッ)…ッ……魔理沙さん!…待って!」

197名前が無い程度の能力:2011/02/01(火) 00:36:41 ID:2K3C86Z.O
「…私の家がこんな事で…まだまだしたい研究だってあるんだ」
「魔理沙さん!今すぐここから離れっ(ゴゴゴゴゴッ)」
「え…(ゴゴゴゴゴッ)」



「魔理沙さんッ!魔理沙さんッ!」
「んッ…ん…」
「…良かった。意識が…」
「…衣玖か?」
「…はい」
「地震は…」
「どうやら治まったようです」
「お前…羽衣で私を…」
「そんな事よりお身体の方は何処か痛い処はありませんか?」
「ああ…いや。何ともない…」
「良かった」
「…!お前こそ怪我をしてるじゃないか!」
「これぐらいなんともありません」
「いいから見せろ」
「あ…」
「痛むか…痛むよな。結構深いし…」
「私も妖怪の端くれですので放っておけば何れ傷は塞がります。…っぅ!」
「痩せ我慢は辞めろ。…痛いんだろ?」
「そんな事は…」
「これは助けて貰った礼だ。お前が妖怪の端くれなら私も魔法使いの端くれだからな」
「痛みが引いていく…これは?」
「治癒魔法だ。…といっても一番簡単なモノしか扱えないが。血ぐらいならこれでどうにかなる」
「…有り難うございます」
「…礼を言うのは私の方だ」


続く

198名前が無い程度の能力:2011/02/10(木) 08:01:49 ID:4UM1vpO20
何故だ……一週間以上待っても続きがこない……
物凄く消化不良……イクマリなんて見た事無いから続きが気になるのだぜ

199名前が無い程度の能力:2011/02/16(水) 18:01:57 ID:wGRr/xi.O
ぶったぎる様になってしまうけれど、閻魔理沙とか駄目かな。

白黒には目のない映姫様が、魔理沙の自宅に押し入って半ば強制的に同棲スタート。その内に「白黒」が好きなのか「魔理沙」が好きなのか分からなくなる映姫様。

逆に魔理沙は、映姫様が果たして「閻魔だから」白黒に拘るのか、それともそうではなく「四季映姫として」白黒(=自分)が好きなのかを問い質す。答えに窮した映姫様は、思い切って閻魔を辞めてみる。

そして普通の女の子になって魔理沙に接してみて……みたいな。そんな感じ。

後はサナアリが流行ってくれれば(ry

200名前が無い程度の能力:2011/02/18(金) 15:17:43 ID:zxTceu4c0
全然ありかと

マイナーカプ好きとしては
小町ぐらいとしか接点のない四季様はもっといろんなカプがあっていいと思うんだ

201名前が無い程度の能力:2011/02/18(金) 23:57:08 ID:5TB96e4QO
レミリア×ミスティア

歌を歌う
所々おかしい節があるものの
綺麗な歌声が夜風に溶け込んで私へと伝わる。
歌い終わると彼女は少し恥ずかしげに頬を染めながら私の元へと寄ってきた。


「歌。上手になっています。」
「…そ、そうかしら?」
「ええ。自信を持って下さい。」
「…照れるわね。貴女に言われると。」
「いえいえ……明日ですよね?妹さんの誕生日」
「そうよ。あの子にはまだ秘密にしてあるから」
「きっと驚くでしょうね。」
「ふふ。そうね。」
「それでは、最終調節にもう1コーラス行きましょう。」
「分かったわ。………〜♪」


「ありがとう…心から礼を言わせて。」
「私はただ後押しただけです。元々レミリアさんの声は綺麗だったから。
私は歌詞を教えるぐらいしかする事がありませんでした。」
「ううん。貴女の声真似をするだけでも十分勉強になった。貴女のおかげよ」
「そんなこと」
「あるのよ。そんなこと」
「……ぷっ。はは……何だか照れますね。お酒の御代わり要ります?」
「ええ。最後に一杯だけ」


「…明日聴きに来てね」
「勿論行きます」
「うん。それじゃ帰るわ。明日は早いしね」
「お気をつけて」
「ああ、それと…」
「?」
「また歌を教わりに来ても良いかしら?」「勿論いいですよ」


何となくレミミス
夜の種族同士でもっと需要があってもいいと思うんだが…

202名前が無い程度の能力:2011/02/19(土) 00:44:11 ID:t1kbm9FE0
さとレミお願いします

203名前が無い程度の能力:2011/02/19(土) 07:33:27 ID:2cm49BR60
>>202

 読書が趣味のさとりが初めて紅魔館を訪れたのは何時のころだったか。最初は図書館の本を求めていたはずなのに、今ではこうしてレミリアの私室へ足を通わせる時間の方が長くなっていた。

「ああ、ほら。ケーキのスポンジが零れてますよ」
「むぅ」

 心を読む覚り妖怪に対して、しかしレミリアは決して変わる事は無かった。無論レミリアが覚りに対して思う所が無いわけではけれど、それらを包み隠さず全て言葉にする彼女の表裏の無さに、気付けばさとりは心奪われていた。
 それに加えて、さとりは誰かの世話をするのが大好きだった。普段の生活に動物達の世話が多く絡んでいるからか、自然とさとりは、主であるのにも拘らず、他人の世話をする事に生きがいを覚えてしまったのだ、
 そしてレミリアはと言うと、これがまた世話を焼いて貰うのが大好きだったのだ。つまりは二人は正反対の性格をしており、故にこうして瀟洒な従者抜きで語り合う様になったのである。

「口許。クリームついてますよ」
「むぅ」

 白いハンカチでさとりがそれを拭う。
 しかし、いくらレミリア自身に好意があり、さとり自身に悪気がないのだとしても。レミリアはプライドの高い性格だった。

「あっ、ちょっと」

 ぱっとさとりの白いハンカチを奪い取る。例え心の読めるさとりと言えども、その場の思いつきまでは対応し切れない。そしてそれをしょっちゅうするのがレミリアなのだ。すわ何事かとさとりは思わず身構えた。
 実は以前にも似たような事があり、その時さとりは頬を引っ張られる目にあった。軽くふざけたもの程度でしかなかったけれど、存外にさとりの頬の柔らかさに満足したレミリアは、それから時折さとりの頬をつまもうとする癖がついた。
 なので今回もきっとそうするだろう。そう思いさとりは、両手で自身の頬をガードした。

 しかしレミリアが取った行動は、それとは違うものだった。

「お返しだ」

 白いハンカチを翻す。それは即ち、先ほどレミリアの口許を拭いた面であり、クリームが付着している箇所だった。そして何を思ったか、レミリアはそのハンカチをさとりの口に押しやったのだ。

「ふみゅう」

 自然とさとりの口から息が漏れる。抵抗し様にも、レミリアの腕力を押し返す力をさとりは持っていなかった。
 そしてそのままされるがまま一分間。ようやくレミリアがハンカチを離した。唇が白いのは、勿論押さえつけられたからではない。そして次にレミリアが何をしようとしているのかも、さとりには読み取れた。

「ちょ、ちょっとレミ、ん、んむぅ」

 言葉を遮る様に、レミリアがさとりの唇を塞いだ。逃げられない様に右手はしっかりと腰に回し左手でさとりの髪を撫でる。最初は強張っていたさとりも、やがて、諦めたかのようにレミリアに身を預けた。
 そうして二人の唇についたクリームが溶ける頃、ようやくレミリアはさとりを解放したのだ。ぺろりと舌で唇を舐め、

「うん。悪くない」
「心臓に悪すぎます。……レミィ? そう呼べば良いの?」
「ん、ああ。さっきの途切れた感じが丁度いい」
「そんなの、一々覚えていませんよ」

 そんなさとりの言葉に、レミリアがにやりと笑い言った。

「安心していいよ。いくらでもキスしてやるから」


 みーたーいーなー。

204名前が無い程度の能力:2011/02/19(土) 21:13:10 ID:t1kbm9FE0
>>203
gj!!!
すばらしい

205名前が無い程度の能力:2011/03/06(日) 21:04:28 ID:a.A7S2vM0
ゆかアリで何か一つお願いしたい。
そろそろ新しい燃料が必要だ

206<激写されました>:<激写されました>
<激写されました>

207名前が無い程度の能力:2011/03/30(水) 01:18:29 ID:aXRyiuow0
燃料

208名前が無い程度の能力:2011/04/09(土) 18:55:15 ID:agtC3dsI0
>>192
「邪魔するぞ」
「あら、珍しいわね。何の用?」
「調べ物だ。ここの偏った蔵書に用がある」
「いいけど、代わりに何か置いていってね」
「そうなのか?」
「貴女なら色々と他では得難い物を持ってそうだし」
「ふむ……よかろう(すっ)」
「えっ?」
(ちゅっ)
「んっ!?」
「『実地の経験』も他では得難い物だろう?」
「う〜……」

「さて、邪魔したな。今日持って行く分は、また今度返しに来る」
「返さないでいいわよ」
「となると、ますますまた今度来なくてはならないな」

「あれ、パチュリー様。今、藍さん手ぶらでしたよね?」
「……私の心を持って行かれたのよ」


書いてから思ったがここまでだと魔理沙でも同じだな。
やはり九尾らしくもっとネチョ方面に誑かす方がそれっぽいのだろうか。

209名前が無い程度の能力:2011/04/10(日) 21:07:38 ID:4JFe1T1.O
共に動物とお話しの出来る さと×華仙でお願いします。

210名前が無い程度の能力:2011/05/08(日) 01:37:04 ID:e7HiuayEO
パシャ
「 人の食事風景を無断で撮るなんて、礼儀の成っていない天狗ね」
「いやはや、何とも美味しそうにスイーツを召し上がるので、つい」
「それにしたって、一度断ってからでも良いじゃない?」
「そう思いましたが、断ってしまうと表情がぎこちなくなってしまうでしょう。
意識しない方が良い絵が撮れるんです」
「む…」
「ですから、失礼と存じつつ無断で捕らせていただきました」
「…今回だけよ」
「ありがとうございます」


「珈琲好きなの?」
「へ?」
「さっきからそればかりか頼んでいるじゃない」
「ああ、これですか?…えーと、特に好き、という程でも無いのですが、
お節介妬きの同僚から目が冴えると勧められたので、
徹夜仕事があるときに淹れて持っていくんです。
きっと、そのせいで飲むのが癖になっているんでしょうね」
「ふーん。それって美味しいの?」
「まあ、それなりに。一口飲んでみますか?」
「いいの?」
「別に構いませんよ。熱いので気を付けて下さい」


「…苦。騙したわね…美味しくなんかないじゃない!」
「初めてなんてそんなものですよ」
「むー…」
「これにですね。備え付けのシロップとミルクを混ぜると…はい。今度は問題ありませんよ」
「嘘じゃないわよね?」
「本当ですよ」
「嘘だったらただじゃおかないから……ゴク」
「どうですか?」
「…美味しい!」
「でしょう」


「はい」
「はい…って、何ですか?」
「珈琲の分。私も衣玖のお勧めでここに来てみたの。このパフェ美味しいから食べてみて」
「い、いえいえ。お構い無く」
「いいから」
「わ、分かりました。自分で食べれますからスプーンを戻して下さい」


「(周囲の視線が…)」
「どうしたの…口にあわなかった?」
「いえ、お勧めだけあって美味しかったですよ」
「でしょ!」


「ねぇ、貴方これから暇?」
「ええ。暇と言えば暇ですが、何故そんな事を?」
「衣玖が教えてくれたお店を一緒にみてまわらない?」
「そうしたいのは山々ですが、ネタを探すのも記者としての…」
「…ダメ?」
「う………分かりました。付き合いましょう」
「やったー」
「……やれやれ、里のスイーツ特集という見出しの記事もたまにはいいかもしれませんね」

あやてん
百合というより二人の絡んでる様子を書いてみたかった。
続く…かも

211名前が無い程度の能力:2011/05/08(日) 01:52:25 ID:e7HiuayEO
>>210

212名前が無い程度の能力:2011/05/08(日) 01:53:17 ID:e7HiuayEO
>>210
誤字
×捕らせて→〇撮らせて
×妬き→○焼き

213名前が無い程度の能力:2011/05/08(日) 18:59:56 ID:rollFAWs0
>205
ゆかアリって紫×アリスでいいんだよな?
燃料になるか判らんが……





紫「お元気〜?」
アリス「八雲紫?……何の用よ?」
紫「あらつれないわねえ……私と貴女の仲じゃない。
  解ってるくせに……」
アリス「暇つぶしね」
紫「うん、そう♪」
アリス「……本当に腹立たしい奴ね」
紫「だって暇なんだも〜ん」
アリス「言っておくけど全然可愛くないから。
    そんなに、暇なら霊夢のところでも行ったらいいんじゃない?」
紫「最近、構ってくれなくてつまらないのよ」
アリス「なんかしたんじゃないの?」
紫「お饅頭の餡子だけ隙間に送ったのがいけなかったかしら?」
アリス「本気で能力を無駄なことに使ってるわね貴女は……」
紫「ねえ、何か面白そうなことでも知らない?」
アリス「だからそういうのはもっと能動的な奴に頼みなさい。
    暇人同士、魔理沙とか文とか」
紫「いいじゃない、研究の方は一段落したんでしょ。
  少しは付き合いなさいよ〜」
アリス「全く、だからわたしはあいつ等ほど暇じゃな…………」
紫「?」
アリス「…………」
紫「どうしたのよ、突然黙りこくって?」
アリス「ねえ、紫」
紫「な、何よ……?」
アリス「わたしが研究中なの知ってたの?」
紫「……別に可笑しなことじゃないでしょ。幻想郷のことは大体全部把握して……」
アリス「そうじゃなくて。
    貴女の物言いは研究が一段落したから来たってことよね?」
紫「……そうだけど」
アリス「私の研究が終わるのを……わざわざ待ってたの?声も掛けずに?」
紫「!だ、だって研究室には結界が張って……」
アリス「隙間を開けば簡単に入ってこれるじゃない」
紫「え、あ、う……」
アリス「研究の邪魔にならないように気を遣ってくれたの?」
紫「ち、違っ、違うわよ!
  わたしがそんなっ、気、気を遣うなんてこと!」
アリス「…………ねえ、もしかして『わたしで』遊ぶためじゃなく、『わたしと』遊ぶためにきてくれたのかしら?」
紫「〜〜〜〜!」
アリス「あ、こら、逃げようとしないの!ちゃんと答えなさい」
紫「…………そ……」
アリス「そ?」
紫「そうよっ!
  貴女の研究が終わるのを待ってたわよ!
  終わったら遊ぼうと思ってたわよ!悪い!?」
アリス「いや、悪くないんだけど……正面から言われるのはさすがに照れるわ」
紫「それは言わされたこっちのセリフよ!」
アリス「そこまで言われたら付き合わないわけにはいかないわね」
紫「べ、別に無理に付き合ってくれなくてもいいわ……」
アリス「……言い方が悪かったわね」
紫「?」
アリス「『わたしも』貴女と遊びたいわ、付き合ってくれる紫?」
紫「ま、まあ、お互いにそうなら遊ぶ方が自然よね」
アリス「クスッ」
紫「……何よ」
アリス「なーんでもないわよ。
    そうねえ、まずは…………美味しい紅茶でもいかがかしら?」



アリス「ああそういえば、さっきのことだけど」
紫「…………さっき?」
アリス「やっぱり訂正するわね、貴女すごく可愛いわ」
紫「〜〜〜〜っ?!ア〜〜リ〜〜ス〜〜〜〜!」





どうも俺が書くといちゃいちゃには成っても、らぶらぶにはならんな

214名前が無い程度の能力:2011/05/13(金) 01:09:04 ID:a7Rz4RgA0


215名前が無い程度の能力:2011/05/25(水) 23:29:19 ID:G8WTR44oO
星うどんというのは、どうだろう?

二人ともよく人里に出入りしているし
顔を合わせることもあるだろう。

薬売りの途中でテンパり気味な鈴仙を
見かねて星君が声をかけるとかありそう

216名前が無い程度の能力:2011/05/26(木) 00:59:57 ID:.ammA7iw0
鈴仙「あら寅さん。今年の阪神はもうダメかも知れませんね〜w」
星「ぐぎぎぎぎ」

217名前が無い程度の能力:2011/07/18(月) 23:46:16 ID:BPLy6zoQ0
このスレは保守が必要な程の過疎スレか…
見ないといえば見ないゆゆこまとかいいよね(おっぱい的な意味で)

218名前が無い程度の能力:2011/08/26(金) 02:31:28 ID:4PUnWaOMO
花映塚で自殺する者は悟った賢者か、考え過ぎた愚者だ
そのうちの九分九厘は自殺を正当化しようする愚か者である
って小町のセリフがあるけど、幽々子も自殺した一人
ここで幽々子が悟った賢者に属するならば小町が幽々子に尊ぶような関係
そんな小町→幽々子のカップリングSSがあるなら読みたいでごさる

219名前が無い程度の能力:2011/09/11(日) 16:32:42 ID:AUV3sa3s0
雛パルをキボン

220名前が無い程度の能力:2011/09/11(日) 16:35:26 ID:AUV3sa3s0
保守age

221名前が無い程度の能力:2011/09/11(日) 21:53:59 ID:Li20ikxw0
神奈子様とゆかりんと勇儀姐さんの絡みが見たいです
ていうかゆかかなと勇かなとゆか勇が見たいですむしろ3Pでも可
ゆかりんが酔った勢いで姐さんに好き放題するとか
三人で風呂入ってきゃっきゃうふふとか
姐さんの和服はゆかりんがプレゼントしたんだなどと真剣に妄想中

222名前が無い程度の能力:2011/09/22(木) 23:55:40 ID:FrvFnB6I0
神奈子様と咲夜さんのカプが見たい
紅魔館と守谷神社で従者とりかえっことかで二人きりになるとか(諏訪子はお出かけ)
ネチョよりもほのぼのとしたお二人を見たい

223名前が無い程度の能力:2011/11/26(土) 21:29:37 ID:5NOOygwg0
>>221
神奈×紫×勇 11月26日は「いい風呂の日」らしいですよ。


幻想郷に初雪が舞い、レティ・ホワイトロックが姿を現した時季。
妖怪の山の麓に建設された『間欠泉地下センター』。その最深部に『旧都健康ランド』が開設された。
旧都の洛外から徒歩で十数分の高台にある複合的な福利厚生施設である。
核融合で加熱された温泉やサウナを有する健康ランドは、旧都の住民にとって目新しい娯楽となった。
そんな健康ランドの大浴場、旧都の街並みを眼下に望む露天風呂を貸し切って酒を酌み交わす少女が3人。
「ふうっ、此処の温泉もなかなか気持ちいいわね」
雪の舞うほの暗い地底の空を眺めながら呟いたのは、妖怪の賢者こと八雲紫。幻想郷に多大な影響力をもたらす大妖怪だ。
「流石は核融合の力だね。技術開発も順調で何よりだよ」
満足げに頷きながら手拭いで顔をサッと擦ったのは、守矢神社の八坂神奈子。間欠泉地下センターの建設に携わった神様だ。
「お蔭で旧都の連中も仕事が増えたって喜んでたよ。有難いねぇ」
そう言って盃に満たされた冷酒を口に運んだのは、怪力乱神と称される星熊勇儀。地上を追われた旧都の住人を束ねる鬼の領袖だ。
この『旧都健康ランド』は、紫(政)・神奈子(官)・勇儀(業)の三位一体となって建設された。
よって、彼女ら三人とも建前は近しくもない間柄を装っていたが、実際はこうして共に入浴するくらい仲が良い。
彼女らが揃って胸の存在感が大きいのも、ウマが合う一つの要因でもあった。下着談義で数時間も話し込んだ事さえある。
現に、3人の胸はどれも温泉に浸かれば浮力を得るほどで、たわわなおっぱい山脈が出来上がっている。
「さぁさぁ、神奈さんも紫さんもジャンジャン飲んでくれ。地底の杜氏が醸した自慢の酒だよ」
湯船に浮かんだ特大のお盆から一升瓶を手に取り、勇儀は2人の盃に酒をなみなみと注ぐ。
「おぉ、これはかたじけない。いやぁ、地底で飲む雪見酒ってのもまた粋だねぇ」
注がれた冷酒を一気に飲み干し、ぷはぁーと息をつきながら神奈子は勇儀に返杯する。
「ふふっ、いつか地底とも胸襟を開いて和平交渉を進めるべきかしらね……」
盃の酒で淡紅色の唇を濡らしながら、紫はしんみりと地底の空…幻想郷の大地を見上げた。
「あはっは、なにしんみりしてるのさ。大丈夫、少しずつだが雪融けは始まっているよ」
「そうさ、それにアンタが胸襟を開いたら男どもはみんな別のトコがおっ立ちまうよ」
勇儀の磊落な励ましと、神奈子の下ネタを織り混ぜた豪快な冗談に、一同はドッと大声で笑った。
綿を千切ったような雪は静かに舞い落ち、少女の色白な柔肌に触れては融ける。
常夜灯で照らされた旧都に、女3人合わせて姦しい笑い声が高らかに木霊した。

224名前が無い程度の能力:2011/11/27(日) 00:22:41 ID:I8P306vw0
>>219
>>223のside story? 雛パル


『旧都健康ランド』で神奈子・紫・勇儀が賑やかに笑い合っている同時刻、露天風呂に岩陰にひとつの人影があった。
尖った耳介に亜麻色のショートヘアーが湯に濡れ、緑色の瞳は三白眼で鋭い視線を放っている。
「うぅ〜、なによ勇儀ったら……あんなに愉しそうに笑い合って、妬ましい……」
人影の正体は水橋パルスィ。普段は旧都の洛中と洛外を隔てる橋の下に住む橋姫だ。
彼女は勇儀から健康ランドの優待券をもらい、今日ちょうど来訪したのだ。
運よく勇儀と遭遇し、うっすらと筋肉質ながらもグラマラスな肉体に羨望と嫉妬の眼差しを突き刺そうと企んでいたのだが…
「勇儀だけならともかく、あんなおっぱい連峰が相手じゃ私が惨めなだけじゃない。あぁ、妬ましい……」
苦々しい独り言を嘯きながら、パルスィは自分の控えめな胸に手を当ててみた。
多少は柔らかな感触があるものの、やはり自己主張できるような大きさではない。
新緑の瞳には、どこか物悲しい憂いが帯びている。深く溜め息をついたパルスィに、誰かが声を掛けてきた。
「あら、アナタ厄いわね」
「……はい?」
唐突に声を掛けられ、パルスィは怪訝な表情を浮かべて振り向いた。
湯船の淵に立つ、緑の髪を頭の後ろで束ねた少女がパルスィを見下ろしている。
胸元から垂れたタオルで隠された少女の身体は華奢だが色白で、腰回りは美しくくびれている。
「お隣、よろしいかしら?」
「……此処は公衆浴場よ、勝手にどうぞ」
一瞬だが少女の身体に見蕩れてしまったパルスィは、ハッと頬を朱に染めながらそっぽを向いて答えた。
その答えに、少女はニコリと静かな笑みを浮かべて会釈した後、パルスィの隣で湯に浸かった。
ちゃぷん――
掛け流しの源泉が注ぐ為、お湯は熱めだ。かすかに桜色を帯びる少女の肌。うなじが妙に艶っぽい。
可憐な少女の横顔をチラチラと横目に見ながら、パルスィは近隣では見かけない顔だと思った。
往来の多い橋に住んでいるパルスィは、地底の住人なら大抵は顔を覚えている。
況してや、少女のような可愛らしい容貌なら嫉妬の対象として尚更覚えている筈だ。
「ねぇ、アナタ旧都では見かけない顔だけど……?」
「あぁ、私は山から来たのよ。名前は鍵山雛、厄神をしているわ。アナタは?」
「厄神? そう……私は橋姫の水橋パルスィ」
雛は小首を傾げて自己紹介をし、パルスィもそれに倣って身分を名乗った。
厄神と聞いて、パルスィは不躾だと思いながらも若干の好奇心から雛に尋ねてみた。
「ねぇ、雛。アナタは人間を憎んでいないの? 厄神なんて、都合の良い汚れ役じゃない……」
パルスィの問いに、雛は困ったような表情で苦笑した後、う〜んと大きく背伸びをした。
ぷるんと小ぶりながら張りのある乳房が湯の中で揺れる。しばらく雛は掌で湯を掻き混ぜていたが、やがて重畳な口調で語り始めた。
「今年、外の世界では大きな厄災が相次いだわ。たくさんの人間が死んで、生き残った人間は神に祈り、また神を呪った……でもね」
そう言って雛はパルスィの顔を見つめ、諭すように言葉を投げ掛けた。
「でもね、それが人間の宿業なの。決して進歩しない、過ちを忘れた頃に繰り返す存在。そして、そんな人間に崇拝されるのもまた神の宿業……」
パルスィはその言葉に、切実な哀憐が滲んでいる事に気付いた。相手に負の感情を抱かせる橋姫だからこそ、他人の抱く感情には敏感だ。
「……ごめんなさい、気を悪くさせちゃったわね」
「うぅん、いいのよ。カナちゃんから優待券をもらってラッキーだったわ……」
アナタに遇えたから。そう言って雛はニカッと白い歯を見せて笑った。
その笑顔に、パルスィは耳まで赤く火照るのを感じ、慌てて雛から背を向けた。
のぼせた訳でもないのに、身体は芯から熱く、心臓は早鐘を打っている。
「……どうしたのパルスィ?」
「なっ、なんでもないわ……」
とうの昔に捨て去った筈の“ときめき”に動揺しながら、パルスィは顔を洗う仕種で誤魔化している。
「ふぅん……そうだ、折角だから背中流し合いましょうよ」
「えっ、えぇ!?」
不思議そうに見つめていた雛の突拍子もない提案に、パルスィは益々狼狽した。
「ほら、背中を流し合うのは一種の禊なの。アナタの厄をさっぱり流してあげるわ」
「えぇ、ちょっと……雛ぁ」
善は急げと言わんばかりに、雛はパルスィの腕を掴んで引っ張り上げた。
裸体が露わとなり、パルスィは羞恥と昂揚で目を回しそうになっている。
雪が舞う地底の温泉で、ひとつの淡い恋が芽生えようとしていた

225名前が無い程度の能力:2011/11/27(日) 17:50:50 ID:I8P306vw0
>>222
『従者チェンジ』神奈×咲 編


幻想郷でメイドと言えば、紅魔館の瀟洒なメイド長こと十六夜咲夜の名が真っ先に挙がる。
主への忠誠心は絶対的である、規則正しい生活で咲夜は粛々と職務を遂行する。
そんなメイドの鑑とも言える咲夜は現在、守矢神社の参道を歩いているところであった。
「はぁ、お嬢様の思いつきにも困ったものですわ……」
咲夜は深い溜め息をついて、鬱蒼と天を覆う林の梢を見上げた。

事の発端は昨晩、彼女の主であるレミリア・スカーレット嬢が博麗神社で催された酒宴の席で放った一言だった。
「幻想郷には何人か従者がいるけど、最も優秀なのは私の咲夜に違いないわ」
酒精で頬を薄紅色に染めながら、レミリア嬢は意気揚々と自分の従者の自慢話を語り始める。
それに触発され、幻想郷の有力者はこぞって自分の従者が一番優秀だと褒めちぎり合戦が展開された。
その様子を、当の従者たちは呆れたような気恥ずかしそうな、複雑な表情で見守っていた。
「あぁ〜、もう! じゃあ、アンタとこの従者と私の咲夜を交換するわ! それで咲夜の優秀さを肌で実感しなさい!」
業を煮やしたレミリアが、何故か洩矢諏訪子に向かって従者の交換を宣言した。
「あはっは、それは良いアイディアだね。よし、お宅で早苗の実力を思い知るがいいよ!」
諏訪子もその宣言を笑って快諾し、咲夜や早苗の意思は置き去りに交渉が成立した。
それを契機に、あっちこっちで続々と面白半分の従者チェンジが成立していった。
当事者である5ボス連盟+αのメンバーは、その成り行きを茫然と見送りながら、各々が指定された場所に3日間出向く事となった。
その行先は下記の通りである。

紅)十六夜咲夜→守矢神社
妖)魂魄妖夢→是非曲直庁
妖)八雲藍→地霊殿
永)鈴仙・優曇華院・イナバ→命蓮寺
花)小野塚小町→白玉楼
風)東風谷早苗→紅魔館
緋)永江衣玖→大祀廟
地)火焔猫燐→八雲一家
星)寅丸星→永遠亭
神)物部布都→天界

そんな訳で、咲夜は重い足取りで守矢神社に辿り着いた。
冬の凩が吹く、寂しげな境内には四方に荘厳な御柱が聳え立っている。
「やぁ、いらっしゃい。守矢神社にようこそ」
鳥居をくぐった咲夜を境内で出迎えたのは、神社に奉られている山の神・八坂神奈子であった。
「紅魔館から参りました、十六夜咲夜でございます。到らない部分が多々あるかと思いますが、宜しくお願いします」
極太の〆縄を背負った神様と対峙しても咲夜は物怖じする事無く、瀟洒なメイドらしく凛然と挨拶をした。
「ほぅ、紅魔館のメイドは礼儀正しいねぇ。まぁ、そんな固苦しいのは抜きにのんびりやろうよ」
「はぁ……ところで、もう一方の面白い帽子を被った神様の姿が見受けられませんが……?」
「あぁ、諏訪子は朝から間欠泉地下センターに出掛けててねぇ……夕方には戻ってくるだろうけど」
指で頬を掻きながら、神奈子は苦笑した。実際は諏訪子が酔っ払って昨晩の出来事を覚えておらず、すっぽかして温泉に行ったのだが。
「そうですか。では早速お仕事を云い付けてください、お嬢様」
「おっ、お嬢様……!? ぷっ…あっはっはっは!」
咲夜に『お嬢様』と呼ばれ、神奈子は目を丸くして素っ頓狂な声を上げた。そして、腹を抱えて豪快に大声で笑い飛ばした。
その様子を、咲夜は小首を傾げて多少柳眉を顰めながら不思議そうな表情で見つめている。
「あはっは……それは諏訪子に言ってやりなよ。多分、小躍りして喜ぶだろうからね。私は『神奈子』で良いよ」
神奈子はそう言ってバシバシと咲夜の背中を叩いた。普段の主とは異なる接され方に、咲夜は顔を顰めながらも不快には思っていなかった。
(なかなか豪快な神様ね……少し距離が近しい気もするけど、無駄に疲れるような面倒な性格でなくて安心だわ)
主の我侭で世話を焼く事には慣れている咲夜だが、それはレミリア嬢への絶対的な忠義があるからだ。
いくら主の命令とは言え、仮初めの主人に誠心誠意で尽くしたくはないのが咲夜の本心であった。
「よしっ、そろそろお昼時だしご飯でも作ろうかね」
「えぇ、すぐに準備しますわ神奈子様。何かリクエストはありますか?」
「いやいや、ウチではご飯を作るのは家族全員の共同作業なんだ。咲夜は私の手伝いをしてくれるかい」
「はぁ、しかしそれではメイドの実力を発揮できませんわ」
「構うもんか。『郷に入りては郷に従え』と言うじゃないか……」
そう言って神奈子は咲夜の腰を小突きながら、神社の台所へと案内した。
(やたらとスキンシップしてくるわね、この人。まぁ、それが不快にならないのが彼女の神徳なんでしょうけど……)
自分の主にはない距離感に戸惑いながらも、咲夜はくすりと笑って神奈子の後をついて行った。

226名前が無い程度の能力:2011/11/30(水) 22:03:34 ID:s8/FXpzc0
>>217
『従者チェンジ』幽々子×小町 編

幻想郷の有力者が互いの従者を交換してから一日が過ぎた。
場所は冥界の白玉楼。悠大な枯山水の中庭は冬の曇天に映え、淋しい雰囲気を醸している。
そんな庭を眺めながら、掘り炬燵でお茶を啜っている亡霊の姫君と呑気な死神。
この屋敷の主人である西行寺幽々子と是非曲直庁の官吏である小野塚小町は、のんびりを一日を過ごしていた。
本来なら小町が白玉楼の庭師である魂魄妖夢の職務を代行するのだが、庭の木々は既に冬囲いが終了している。
もう一方の魂魄流剣術師範という肩書きは、幽々子が修練を怠けている為に有名無実化していた。
とどのつまり、二人は非道く暇を持て余していたのである。
「うぅ〜ん、暇ねぇ……」
「はぁ……暇ですねぇ……」
ズズッとお茶を啜る2人。小町が手土産に買ってきた大福200ヶ入り段ボール箱は、既に8割が消化されている。
「こう暇だと、逆にしんどいわ……妖夢が居ればからかって遊べるのに」
「それは本人にとっては災難なだけでは……てかっ、お嬢は何で四季様を交換相手に選んだんですかい?」
渋い番茶を飲み干してから、小町は唐突に尋ねた。小町のサボり癖の非道さは冥界でも有名だからだ。
特に幽々子は、是非曲直庁から冥界の幽霊の管理を委託されている身分である。
「ほら、私たちって似た者同士じゃない? マイペースっていうか、のんびり屋っていうか……」
「似た者……まぁ、確かにそうでしょうね……」
「それで、組んでる相手もまた生真面目で几帳面。所謂『凸凹コンビ』って奴ね……」
甘い玉露を一口飲んで喉を潤し、幽々子はクスッと微笑を浮かべた。唇の端には大福の餡子がくっついている。
「だから、閻魔様にこう提案したの。『マイナスとマイナスを掛ければプラスになるように、似た者同士で居たら性格も矯正されるのでは?』ってね……」
「はぁ……それはつまり、似た者同士でウマが合うって訳ではなく……」
「勿論、真面目過ぎて融通の利かない妖夢の為よ。今頃は二人とも仕事しっ放しじゃないかしら」
あっけらかんと小町の問いを否定し、人差し指を立てて満面の笑みを浮かべる幽々子。
恐らく、映姫もそれを期待して小町を白玉楼に送り出したろう。そして、それは確かに功を奏し始めていた。
小町は憮然とした表情で頬杖をつき、モノクロな庭の景色へ視線を逸らした。
庭は綺麗に掃き清められ、枯葉1枚も落ちていない。
普段から仕事をサボっているとはいえ、小町も全く仕事をしない訳ではない。最低限のノルマはこなしている。
それが、いざ全くの手持無沙汰となると、小町は腰回りがソワソワする居座りの悪さを感じる。
「ふふっ……仕事をサボっての休息と、休息しかない仕事。どちらがしんどいかしらね」
不敵に笑って幽々子は最後の大福をぺろりと平らげた。そして、お嬢様らしからぬ態度で横たわって居眠りを始めた。
「zzz………」
「はぁ、アンタにゃあ敵わないですよ………映姫様の下に戻ったら、もうちっと仕事に熱入れようかねぇ」
意欲の萌芽に苦笑しながら小町は重い腰を上げると、幽々子に掛ける毛布を探しに居間を出た。

227名前が無い程度の能力:2011/11/30(水) 22:47:03 ID:s8/FXpzc0
>>215
『従者チェンジ・後日談』星×うど 編

人間の里の居酒屋。その軒先には『本日貸切 5ボス連盟+α御一同様』と記された看板が掲げられている。
店の座敷には、守矢神社の風祝である東風谷早苗がビールジョッキを片手に乾杯の音頭を取っていた。
「えぇ〜、それでは皆さん! 別の主の下での三日間お疲れさまでした! そして、少し早いですが今年も一年、お疲れさまでした! 乾杯!!」
「「「かんぱ〜い!!」」」
チリン、チリンとグラスを軽く打ちつけ合う音が響き、賑やかに従者らの慰労会&忘年会は幕を開けた。
各々、交換された同士で隣り合って、三日間の苦労や成果を報告し合っている。
「いやぁ、咲夜さんちの吸血鬼姉妹は破天荒でした。流石は幻想郷、常識に囚われていない」
「くすっ、貴女の神社の神様も豪快だったわよ。部下に指示せず誰かと一緒にご飯を作ったのって何年ぶりかしら」
「はぁ、閻魔様の仕事量が非常に多くて……書類整理とか幽霊の誘導とか、大変でした」
「ははっ、お前さんも暇を見つけては一服するゆとりを学んだようだね。あたいも手持無沙汰が過ぎるのはもう御免さ……」
ワイワイガヤガヤ。鶏の唐揚げや枝豆などの料理をつまみ、チューハイからウイスキーまで酒を酌み交わしながら、談笑が弾む。
そんな中、テーブルの隅の方でひっそりと酒を飲み交わしているのは、命蓮寺の寅丸星と永遠亭の鈴仙・優曇華院・イナバであった。
「どうも星さん、お疲れさまでした」
「ああ、これは恐縮です。鈴仙さんもお疲れさまでした」
鈴仙が熱燗の銚子を1本手に取り、互いに会釈しながら星の御猪口に注いでいく。
馥郁たる日本酒の香りとアルコールが鼻を突き抜け、気分は揚々として話にも花が咲く。
寅と卯、干支も隣り合う二人は御猪口を片手に訥々と語り合う。
「如何でしたか、ウチ(永遠亭)の主人は?」
「輝夜様と永琳様…えぇ、とても聡明で見聞が広くて、美しい方たちでした」
「でも、とっても変わり者でしょう?」
「ええ、とっても」
鈴仙の問いに星が答え、二人は互いに目を合わせながらクツクツと笑い合った。
「さあさあ鈴仙さん、般若湯の御返杯です」
「あぁ、これは申し訳ない星さん」
今度は星が熱燗の銚子を1本手に取り、互いに会釈しながら鈴仙の御猪口に注いでいく。
「如何でしたか、ウチ(命蓮寺)の主人は?」
「聖様…えぇ、とっても母性的で寛大で、安らかな気持ちになる方でした」
「でも、とってもマイペースでしょう?」
「ええ、とっても」
星の問いに鈴仙が答え、二人は互いに目を合わせながらクツクツと笑い合った。
日本酒を飲み干した二人は次に焼酎のお湯割りを注文して談笑を続けた。
湯気とともに立ち昇るアルコールの匂いに酔いながら、鈴仙が星に尋ねた。
「如何でしたか、私の悪友は?」
「あぁ、てゐさん…えぇ、すっごく話し上手で楽しい人でした」
「でも、すっごく狡賢いでしょう?」
「えぇ、すっごく」
鈴仙の問いに星が答え、二人は互いに目を配せながらクツクツと笑い合った。
穀物の芳醇な香りを含むアルコールの味に酔いながら、星が鈴仙に尋ねた。
「如何でしたか、私の部下は?」
「あぁ、ナズーリンさん…えぇ、すっごく行動力があって頼りになる人でした」
「でも、すっごく口煩いでしょう?」
「えぇ、すっごく」
星の問いに鈴仙が答え、二人は互いに目を配せながらクツクツと笑い合った。
「……またそちら(命蓮寺)に遊びに行ってもよろしいですか?」
「ええ、勿論。みんな歓迎します。私もそちら(永遠亭)に伺ってもよろしいですか?」
「ええ、勿論。鳥鍋を用意してますので、いつでもいらしてくださいな」
二人はそうして互いに約束を交わしながら、静かにグラスをかち合わせて友情を深めていった。
季節は冬。そとでは粉雪が静かに空から舞い落ち、幻想郷に真っ白な雪化粧を施している。

228名前が無い程度の能力:2011/11/30(水) 22:56:44 ID:s8/FXpzc0
連投失礼しました。
お題消化完了しましたので、従者チェンジの残りを置いておきますね。

・映みょん         ・みこいく(とじいく)
・さと藍(こい藍)     ・ゆか燐(ちぇん燐)
・聖うど(ナズうど)    ・永星(輝星、てゐ星)
・レミさな(フラさな)   ・天ふと

229名前が無い程度の能力:2011/12/02(金) 20:55:18 ID:IRcaz4q20
ttp://up2.pandoravote.net/up15/img/pantou00030393.jpg



これに勝てるマイナーカプはないだろう?

230名前が無い程度の能力:2011/12/03(土) 11:43:19 ID:ixhd9wwE0
台詞もない書籍の名無しモブ人間含めたら際限なくなるだろ

231名前が無い程度の能力:2012/01/17(火) 23:24:38 ID:rM5J06t20
そぉい

232名前が無い程度の能力:2012/01/18(水) 05:41:41 ID:h8vIOug.0
誰か てゐ×雛で1本お願いしたい。
マイナー過ぎるかな・・・?

233名前が無い程度の能力:2012/01/25(水) 17:06:57 ID:V7q5gvR20
上げるか。

234名前が無い程度の能力:2012/01/26(木) 23:38:17 ID:T4JOvCMo0
料理上手でツンデレで思春期真っ只中なちゆり×天然で無自覚で研究一筋な教授
みたいなちゆゆめを誰か書いてください…!お願いします…!

235名前が無い程度の歯車:2012/01/31(火) 18:50:55 ID:pajQPxDo0
レティ×穣子ってどうだろう?
冬嫌いな穣子と冬しかいないレティとかいいと思うんだが・・・

236名前が無い程度の能力:2012/02/24(金) 20:40:12 ID:.Yx0uelo0
聖×パチェってある?

人の口から出てくる言葉よりも活字を信用するパチェが
徳のなせる技なのか白蓮の言葉にだけは耳を傾けてしまうみたいな……

237名前が無い程度の能力:2012/02/26(日) 18:29:09 ID:KuKqcfwc0
>>235

雪の降らない冬を、私は知らない。
この秋津洲のはるか南洋には、雪がまったく降らない冬でも暖かな常夏の島嶼があるらしい。
1月に桜が咲くと聞いた時には、「梅より先に桜が咲くものか」と冗談にしか思えなかった。
東海(太平洋)側の桜でさえ3月に咲く。4月でも残雪のある幻想郷では想像できない光景だ。
一面が白に塗りつぶされる大雪も嫌いだが、だからと言って一年中夏のような陽気も違和感を覚える。
では春はどうかと聞かれれば、それでも私は「夏と冬よりはマシ」と言う具合にしか答えないだろう。
とどのつまり、私は秋を象徴する女神として「秋」以外の季節になると腰の据わりが悪くなるのだ。
だから、この凍みた雪原で『冬の忘れ物』と対峙しているのは、非常に苛立たしい気分だった。
「ごきげんよう、豊穣の女神様……」
レティ・ホワイトロックと言う名の雪女みたいな妖怪は、どこか含みのある笑みを浮かべて会釈した。
「ごきげんよう、冬の忘れ物………」
私は精一杯の皮肉を言の葉に籠めて挨拶を返した。彼女はその皮肉に飄然とした笑みを浮かべたまま佇んでいる。
如月も半ばのよく晴れた昼下がり、空は深い青に澄み渡り、遠く山々から吹き下ろす風の声すら黙する静けさだ。
「立春を過ぎ、もうすぐ彌生……私の居座る時季も終わりますわ」
「そう、それは結構なことね……でも、そう言って近年はドカ雪を置き土産に残していくようだけど」
彼女は毎年この時季になると、殊勝にも別れの挨拶にやってくる。その為、私は彼女のホームに出向かなくてはならない。
しかし、ここ最近の豪雪は目に余るモノがある。雪融けの遅れは必然と農作業に影響し、収穫も左右する。
私はギュッと雪原を踏み締めた。無機質な白の下には、稲を刈り終わった水田がひっそりと春を待っている。
彼女に文句を言ったって如何にもならない事象なのはわかってはいるが、それでも私の言葉尻は刺を含んでいた。
「クスッ、貴女は気候が似る春を迎えても幾分か不機嫌ですからね。季節は廻ってこそ清らかになるというのに……」
「新たな生命の萌芽を感じられる春は喜ばしいわ。少なくとも、苛烈な夏や冷酷な冬よりは……」
こんな遣り取りに何の意味があるのだろう。私は時折、心の中で虚しさを感じる。
にわかに風が強くなってきた。凍てつく風が耳朶や指先をジンジンと悴ませる。
「それでは、私はこれでお暇させていただきますわ。精々、ご自愛くださいませ……」
そう言ってスカートの裾を翻し、レティ・ホワイトロックは鉛色の雲が広がりつつある空に消え去っていた。
風に舞い、細かな粉雪が降り始める。私は彼女の消えた曇天を眺め、ひとつ溜め息をついて踵を返した。
「……里で温かいモノでも食べて行こうかしら」
吐く息が白く立ち昇り、消えていく。また季節は廻る。私はこの感情をいつまで蟠らせていればいいのだろう。

本当は、彼女の寂しげな横顔に心を揺らされているというのに……

238名前が無い程度の能力:2012/03/02(金) 17:27:17 ID:6U92PekUO
>>232
不幸が立て続けに起こり神も仏も信じなくなった人間に少しでも信じる事を思い出してほしい
そういった人のきっかけ作りに幸運を呼ぶ能力目当てで、てゐを追っかけまわす雛
最初はうるさがっていたけど、そのお人好し具合が大国主様のようで、だんだん雛に好意を抱くてゐ

が書けなかった

239名前が無い程度の能力:2012/03/03(土) 18:10:37 ID:0Q8gn3OM0
>>238
>不幸が立て続けに起こり神も仏も信じなくなった人間に少しでも信じる事を思い出してほしい
>そういった人のきっかけ作りに幸運を呼ぶ能力目当てで、てゐを追っかけまわす雛
>最初はうるさがっていたけど、そのお人好し具合が大国主様のようで、だんだん雛に好意を抱くてゐ

僭越ながらSSを書いてみたのでご笑覧ください。

ある弥生の昼下がり、うららかな春の日差しが感じられる幻想郷。
残雪に青竹が鬱蒼と茂る『迷いの竹林』を、緋色のドレスを着た厄神が歩いていた。
フリル盛りだくさんのドレスと同じ色のリボンで深緑の髪を胸元で結っている彼女の名は鍵山雛。
西洋人形のように端整な容貌はどこか愁いを帯び、きょろきょろと辺りを見渡している。
「今日は…いないかしら?」
「また来たのかい、厄神様?」
雛の独り言を遮るように、どこからか少女の皮肉めいた声が響いた。
ハッと雛は声のした方へ振り返ると、淡い桃色のワンピースにカーキー色のコートを羽織った少女が立っていた。
ウェーブのかかった黒髪から、白い兎の耳が生えている。少女の名は因幡てゐ、古参の妖怪兎だ。
「えぇ、どうしても貴女の能力を借りたくて……」
「何度も言ってるでしょう? あたしは利益になることはしない。見込み違いだよ」
雛の懇願を聞き終える前にてゐは冷然と手を振って断る。それでも、雛は引こうとはしなかった。
「貴女も知っているでしょう? この一年でどんな厄災がこの国に起こったか……」
「それは先刻ご承知ですよ。ウチの師匠は幻想郷の賢者殿と交友がありますから」
柳眉を八の字に顰め、てゐは苦虫を噛み潰した表情で雛を見つめ返した。
大震災・水害・豪雪など自然災害はもとより、人間が人間を苦しめる不幸が『外の世界』を覆っていた。
疑う事に疲弊し、未来に希望を見出せなくなった人たちは即物的・俗物的となって信仰心を捨て始めた。
『絆』なんて白々しいスローガンだけが虚しく響き、拝金主義・物質主義が哀しく謳歌されている。
「でも、それが人間たちの選んだ『幸福』じゃないんですか? 主観的な幸福を他人が杓子定規で測るのは、神様の傲慢でしょう?」
「……そうかもしれない。でも、私は信じたいの。もう一度、人間が敬虔な心で祈り、助け合える事を」
「めでたい神様ですね。生憎、あたしの能力は精々『四十葉のクローバー』程度です。とても人間を改心させるなんてできませんよ」
「それでも………いえ、今日はもう引き揚げるわ。でも、どうかよく考えてみて?」
雛は胸元の髪の穂先を無意識に弄りながら、痛々しい表情でてゐに背を向けた。
ザワザワと竹林の梢が震える。悔しそうな横顔で山へ帰っていく雛を、てゐは黙って見送った。
やがて雛の姿が見えなくなると、てゐはひとつ深い溜め息をついて空を見上げた。竹に切り取られた青空は高らかに澄んでいる。
「はぁ………愚直でお人好しで世間知らず、まるであの方にそっくりだ……」
そう言っててゐは自分の口角がわずかに吊り上がっていてる事に気づき、慌てて首を横に振った。
「やれやれ、大国主命様と似ていると思うのは畏れ多い。あたしも2千年以上生きてだいぶ幻想郷に染まったようだ……」
腰に手を当て、てゐは苦笑しながら棲み処である永遠亭に戻って行く。
その道中もてゐの表情は少し綻んでいる。いつしか、てゐも雛との逢瀬を愉しみにしている事に、彼女もまだ気づいていない。

240名前が無い程度の能力:2012/03/05(月) 02:10:27 ID:bJr3YIscO
>>239
まさか自分の話が書かれて、しかもこんなに早く作ってくれるとは思わんだ
そんな感激とともにそれだけ書ける技量に嫉妬でパルパル

2411/2:2012/03/10(土) 20:39:45 ID:dC9DxMXE0
>>234

何処からか香ばしい匂いが漂ってくる。
淡い朝日の光と小刻みな音に、岡崎夢美は目を覚ました。
「……ぅん〜っ」
重たい瞼をこじ開け、ゆっくりと身体を起こす。ぼやけた視界が徐々に明瞭となる。
夢美は見慣れぬ部屋のベッドに眠っていた。衣服と雑誌に床を占領された、手狭な8畳の洋室。
「あれ? ココは…?」
寝ぼけ眼を擦りながら、夢美は首を傾げる。よく見ると、夢美の着ている水色のパジャマも彼女のものではない。
思い出そうとしても、夢美には昨夜の記憶がまったくない。研究室で魔法力学の存在証明を考えていたはずだが…
「やぁ、おはよう教授。よく眠れたかい?」
その時、ベッド正面のガラス戸が勢いよく開かれ快活な少女が顔を出した。
金色の髪が稲穂のように揺れる。夢美は見知った部下の顔を見てホッと安堵の表情を浮かべた。
「あぁ、ちゆり……ココは何処?」
「あたしのウチだよ。ったく、研究熱心なのもほどほどにしときなよ」
水兵のような青いセーラー服の上にエプロンを纏った北白河ちゆりは、両手を腰に当てて呆れた表情で言った。
夢美はやっと、自分が研究途中で寝入ってしまった事に気付いた。寝ぐせで跳ねた茜色の髪をポリポリと搔く。
「じゃあ、ちゆりが送ってくれたのね。ありがとう…」
可愛らしいえくぼをつくりながら、夢美は純真な笑みでちゆりに礼を述べた。
「にゃ、なんてことないよ! さぁ、早くしないと朝ごはん冷めちゃうからな!」
何故か顔を赤面させながら、ちゆりはフリルの付いたエプロンを翻してそそくさと台所に引っ込んでいった。
その様子を、夢美は不思議そうに見送る。ちゅんちゅんと外では雀が暢気に啼いていた。
「怒らせちゃったかしら……? あら、ボタンが……」
きょとんとした表情でしばしベッドに腰かけていた夢美は、パジャマの胸元が肌蹴ていた事に今さら気付いた。
どうやら、ちゆりの服では夢美の豊かな胸囲をカバーしきれなかったらしい。ベッドの下にはボタンが力なく転がっていた。
「もう、女の子同士なんだから恥ずかしがることないのに……」
クスリッと柔和な笑みをこぼしながら、夢美はベッドの側に置かれていた自分の衣服に着替え始めた。

2422/2:2012/03/10(土) 20:41:05 ID:dC9DxMXE0
一方、台所へ引っ込んだちゆりは不満と照れ臭さが入り混じった複雑な気持ちでむくれていた。
「うぅ、教授はいつもあんな無防備で、子猫みたいな笑顔で……あぁ〜、もう!」
心の中で混線する気持ちを収拾しようとしながら、ちゆりは朝食の残った準備に取り掛かる。
ガス釜で炊いた白米は艶やかで、ネギ・豆腐・ワカメの具が入った味噌汁は芳醇な香りを湯気と共に立ち昇らせる。
だし醤油と砂糖で甘めに味付けた出し巻き卵に、大学のある地元の大粒納豆。パリッとした海苔も小鉢に盛られている。
そして、ちゆりは冷蔵庫からデザートのいちごを取り出した。春先に出回る旬ないちごは、隣県の名産「○○おとめ」だ。
「いちごは教授の大好物だからな……ちょっと値が張ったけど、大好きな教授に喜んでもらえるなら……はっ」
そう言いながらちゆりは、自分がいちごのパックを持ったままニヤニヤしている事に気づき、慌てて頭を激しく横に振った。
しかも、無意識のうちに恥ずかしいセリフまで独り言で呟いている。煩悶としてちゆりは思わず叫んだ。
「だぁー、もうなんであたしはぁー!」
「あらあら、楽しそうね」
「わきゃあ!?」
唐突に背後から声を掛けられ、ちゆりは素っ頓狂な声を上げて飛び跳ねた。
振り返れば、夢美がいつもの服装に着替え終えてニコニコと優しい笑みでちゆりを見つめている。
「朝からちゆりは元気ね。何か良い事でもあったの?」
「あっ、えっと……まぁ……」
気恥ずかしさで耳まで真っ赤にしながら、いちごのパックを後ろ手に隠してモジモジするちゆり。
そんなちゆりの挙動不審さには気付かず、夢美は食卓に配膳された朝食を見て感嘆の声をあげた。
「あら、ちゆりってお料理が上手なのね……」
「ふぇ? ま、まぁそれくらい出来て当たり前だろ?」
「うらやましい……きっと良いお嫁さんになるわね」
「おっ、お嫁……!!?」
夢美のさりげない一言に、ちゆりは水蒸気爆発でも起こしたような様子で狼狽した。
「そ、そんなの興味ないよ! さぁ、さっさと食べて出勤しようぜ!!」
「はいはい……」
声を荒げてご飯を茶碗によそうちゆりと、それを笑顔で見つめながら席に着く夢美。
遠回りで、いちごのような甘酸っぱいちゆりの恋心が旬を迎えるのは、もう少し先の話になりそうだ。【おわり】

ツンデレ難しいですorz

お題:かがり火 逃げ水 宿り木

243名前が無い程度の能力:2012/03/10(土) 21:01:21 ID:lVpHRjX20
>>237

久しぶりに見てみれば、まさか自分の妄想を書いてくださるとは…

ふぉぉ…いいな…

244名前が無い程度の能力:2012/06/10(日) 21:39:01 ID:dfDdzFAo0
少なくとも自分は見たことんないんだけど神奈雛ってどうだろう

245名前が無い程度の能力:2012/06/14(木) 16:26:13 ID:sKrOqOPQ0
らんゆゆ

246名前が無い程度の能力:2012/09/18(火) 20:27:46 ID:aADzusWc0
某所で見た輝夜×レミリア
萌えたなあこれ

247名前が無い程度の能力:2012/09/25(火) 00:59:29 ID:a4praUrcO
>>246
こんな過疎スレなんだからどう良かったとか好きに書き捨てればいいじゃない

248名前が無い程度の能力:2012/10/06(土) 14:51:21 ID:K3DyC/0I0
>>244神奈×雛


神無月。それは日本国に住まう八萬の神々が出雲に集い、地元を留守にするからだと云う。
ここ幻想郷でも、例えば秋を象徴する女神の姉妹が早々に出雲へと旅立って行った。
「今年は豊作だったから、ちょっと贅沢に『サンライズ出雲』ッて云う寝台特急でのんびり行くんだぁ」
間延びした口調で豊穣を司る妹神は嬉しげに云っていた。豊作か凶作かで胸の大きさが変わる彼女のバストは、今年は確かに豊満だった。
そんなたおやかな乳房に若干の羨望を視線に籠めながら、厄神である鍵山雛は姉妹の旅立ちを見送った。
「じゃぁ雛、お土産買ってくるから楽しみにしていてね」
静穏な雰囲気を醸す紅葉の姉神の言葉に、雛は軽く頷く。手を振り幻想郷の東端へ飛び去る姉妹の姿が見えなくなると、雛はひとつ溜め息をついた。
「ふぅ……ふたりとも気を遣わなくても良いのに。八十禍津神の系統である私が出雲に行っても疎まれるだけだわ」
胸元で結わった深緑の髪を指で弄びながら、雛は踵を返して帰路に着く。山は紅葉の女神の寵愛によって徐々に朱や黄金に色付いている。
山の頂には荘厳な御柱を四方に配した守矢神社が建っている。麓からは天狗との間で悶着があった架空索道(ロープウェイ)が伸びている。
ふと、雛はそのロープウェイの籠(ゴンドラ)が稼働している事に気付いた。参拝客の利用するそれは即ち、守矢神社の神が居る事を示していた。
「あら? 守矢の神は出雲へ行かなかったのかしら?」
不思議に感じた雛は、くるくると回転しながら守矢神社の境内へと降り立った。
幸い、雛の厄は鎮守の森に囲われた神域では無毒化される。参拝を終えた客の数人が雛に気付いて軽く会釈した。
そして、本殿の中央にはそれまで参拝客の相手をしていた山の神・八坂神奈子の姿があった。
「おや? これは珍しい客だね。いらっしゃい、雛」
フランクで親しみやすい態度が信条の神奈子はニカッと快活な笑みを湛えて雛を出迎えた。
「えぇ、こんにちは神奈子さん。貴方たちが出雲に旅立っていないようだったから、不思議に感じて立ち寄ってみたわ」
普段はあまり厚遇されない雛にとって、神奈子のフランクさは不慣れだったのか、ややぎこちない笑みで雛は挨拶を返した。
「あぁ、うちは諏訪からは出られない立場だからね…あたしは姑と顔を合わせたくないってのが本音だけど」
神奈子の姑に当たるのは建御名方の母である奴奈川姫だろう。翡翠の宝玉で着飾った美女である噂は雛も寡聞にして小耳に挟んでいた。
「クスッ、神奈子さんにも苦手なモノがあるのね」
「苦手じゃなくてウマが合わないんだよ。それに、最近の大社は観光地化して煩雑になっていてね。好きじゃないんだよ……」
そう云った神奈子の横顔は、廃れゆくモノを哀れむ物悲しさが滲んでいた。それは、人々の宿痾として生まれる厄を扱う雛には十分理解できる心境だ。
参拝客は誰も居なくなった境内に妙な空気が沈澱する。秋晴れの空は徐々に雲が覆い始め、風も心なしか強く吹き始めた。
「……さて、変に重苦しい空気になっちまったね。折角来てくれたんだ、呑んでいかないかい?」
「まあ、昼間っから呑むなんて厄いわね」
神奈子の提案に、しかし雛の口調は軽く面白がっている様子で答えた。
「へへっ、蟒蛇ってのは酒を呑むのが仕事さね。さぁ、入ってくれ」
豪快に笑いながら神奈子は雛の肩を抱いて本殿へと促した。出雲から遠く離れた幻想郷の地でも、神宴が幕を開けようとしていた。【了】

249名前が無い程度の能力:2012/10/06(土) 18:04:30 ID:iEgkUHQw0
幽香×妹紅お願いします><

250名前が無い程度の能力:2012/10/07(日) 06:28:36 ID:7fzDGA2E0
さらっとしてていいね。

2511/2:2012/10/08(月) 22:19:43 ID:BFTswC220
>>249
幽香×妹紅


秋季皇霊祭を終えると、日はすっかり短くなる。宵闇に急かされるようにして、今宵も中有の道の屋台に灯りが点る。
喧騒と雑踏に人間も幽霊も妖怪もすべて混じって酒や美食や娯楽に愉しく興じるのは、何とも和やかな光景だ。
そんな人妖の海嘯に揺られ、ぶらぶらと道を歩く少女がひとり。しなやかな銀色の長髪が屋台に吊られた裸電球の光に煌めく。
無地のワイシャツに緋色のズボンをサスペンダーで吊っている、少女の名前は藤原妹紅。不老不死の宿業を背負う蓬莱人である。
「〜〜〜♪」
ズボンのポケットに両手を突っ込み、妹紅は鼻歌交じりで上機嫌に闊歩する。久しぶりに得た銭で、ひとり気楽な酒呑みに繰り出したのだ。
「ふっふ〜ん♪ さて、どの店で呑もうかなぁ……」
きょろきょろと軒を連ねる屋台を見分する妹紅は、ふと『おでん』と記された暖簾の前で足を留めた。
おでん。熱々の煮汁が染みた具に齧りつき、人肌に温めた燗酒で流し込む。想像しただけで妹紅は思わず生唾を呑み込んだ。
「よし、ここにしよう!」
頬を緩めながら妹紅は一目散に屋台の暖簾を潜った。その途端、眼前には出汁で煮込まれたおでんが湯気と共に芳醇な香りを漂わせている。
「へい、らっしゃい!」
菜箸で煮込み具合を見ていた店主が、威勢の良い掛け声で出迎える。妹紅は簡素な長椅子の端に腰を落ち着けると、鍋の中味を見繕った。
十種は超えるおでんダネの数々は、どれも個性豊かで旨そうだと妹紅の胃袋に訴えてくる。
妹紅は財布の中身も頭の隅で勘定しながら、取り敢えずは定番の品を注文する事にした。
「店主、大根とこんにゃく、卵…あぁ、巾着も頼む。酒は人肌燗にしてくれ」
「へい、まいど!」
注文を受けて店主は手早く菜箸で皿に移していく。鍋の角には熱燗用のスペースが設けられ、熱湯に御銚子が投入された。
出汁を吸って黄金色になった大根、肉厚な存在感のコンニャク、つるつるの煮卵、そしてもっちりとした巾着。

2522/2:2012/10/08(月) 22:20:31 ID:BFTswC220
「へい、おまち! …あっ、らっしゃい幽香さん!」
妹紅の前におでんを盛った皿を置いたと同時、店主が入口の方へ声を掛けた。聞き覚えのある名前に妹紅はくるっと振り向いた。
「あら、珍しい人と会ったわね」
ウェーブの掛かった深緑の髪を肩辺りまで伸ばし、白の長袖のシャツに赤いチェック柄のベスト、下はベストと同じ柄のロングスカート。
手に日傘を携え、不敵な愛想笑いを浮かべているのは、四季のフラワーマスターこと風見幽香であった。
「あぁ、珍しいな。ここへは良く来るのか?」
手狭な屋台の長椅子では必然と相席となる。妹紅の問いに幽香は泰然と答えながら、拳ひとつ分の間を開けて妹紅の隣へ腰を下ろした。
「えぇ、夏が終わって肌寒くなるとね。いつものを頂戴」
「へいまいど!」
通い慣れた店で一度は言ってみたい「いつもの」という言葉ひとつでさらりと注文を終わらせ、幽香は懐からシガレットケースを取り出した。
「おっ、なんだお前さんもタバコ吸うのか?」
「えぇ。タバコ良いかしら……とは聞く必要もなさそうね」
いぶし銀のブリキ製、ヒマワリのレリーフが施されたケースを手で弄びながら、幽香は妹紅が取り出したタバコの箱を一瞥した。
マールボロ。赤と白のパッケージと奥深い味わいは、彼女のイメージと合致する。妹紅はタバコを咥え、指先から生じた炎で火を点けた。
二度三度、喫煙する度にタバコの先端が明滅する。肺臓でゆっくり味わった紫煙を吐き出し、妹紅は少し嬉しそうに微笑んだ。
「この界隈じゃタバコを嗜む奴なんて少ないと思っていたが……アンタが愛煙家だったとは意外だったな」
「ふふっ、実はこれマリファナよ」
「………冗談だろ?」
さりげなく言い放った幽香のセリフに、妹紅はタバコを咥えたまま目を丸くして幽香の方を見遣った。
幽香は何も言わず、少し小首を傾げてシガレットケースから取り出した一本のタバコを咥える。妹紅の見た事の無い銘柄だった。
「……クスッ、冗談よ。フラワーマスターらしいジョークでしょ。あっ、ちなみにフラワーでもflowerじゃなくflourだと『粉マスター』って意味になるわ」
そう言って悪戯に成功した児童のような快活な笑みを浮かべる幽香に、妹紅はただ苦笑するしかなかった。
「粉マスター」。まるで毒の粉や痺れ粉や眠り粉を扱う草系モンスターのようだと妹紅は思った。
妹紅はさりげなく置かれた灰皿にタバコの灰を落とし、出てきた日本酒を御猪口に注ぐ。馥郁たる酒精の香りが鼻腔をくすぐった。
ちらっと横目に見ると、幽香の頼んだ「いつもの」が出てきた。卵、ロールキャベツ、牛スジ串、ウィンナー、タコ足……。酒は麦焼酎の湯割りだった。
「がっつり肉というかたんぱく質ばかりだな……」
「フラワーマスターは肉食なのよ。あっ、そうだ火を貸してくれない?」
思い出したように幽香はまだ火を点けてないタバコを咥えたまま妹紅に尋ねた。
中途半端になったタバコを吸ってからおでんにありつこうと思っていた妹紅は、タバコを咥えつつ指先から再度炎を点した。
「ほら、これで……」
「あぁ、こっちで十分よ」
差し出そうとする妹紅の手を軽く押さえ、幽香はしな垂れる髪を掻き上げながらおもむろに妹紅へ顔を近づけてきた。
あまりに唐突な仕種に妹紅の動きが停止する。まさに一寸、肌の温もりすら感じられそうな距離で幽香は妹紅のタバコから火を分けた。
幽香のタバコに火が点くまでの数秒間、髪から漂う少女特有の甘い香りに妹紅の胸が不意に高鳴る。
「ふふっ、ありがと」
一口吸ったタバコを指で挟みながら、幽香はやはり勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
これほどタバコを吸う仕草が様になる横顔を、妹紅は知らない。幽香の横顔に見蕩れていた事に気づき、妹紅はハッと顔を背けた。
「あぁ……」とか細い声で何とか返事をし、妹紅はからかわれている気恥ずかしさで慌て気味に日本酒を呷った。
私もいつしかタバコが似合う女になりたい。そう思いながら吸ったタバコの味は、苦くも甘酸っぱいフレバーであった。【終わり】

253名前が無い程度の能力:2012/10/09(火) 00:20:40 ID:X/AL3j.M0
>>251-252
うおあああああ!!!ありがとうございます!!!

254名前が無い程度の能力:2012/12/18(火) 00:11:33 ID:UscQIrF20
ありそうであんまない気がするパチュリーとフランが欲しいです

255名前が無い程度の能力:2012/12/18(火) 00:45:29 ID:.ZfGQdIQ0
パチェフラはそそわで確か、かなりプッシュしてる人がいた気がする。
フランちゃんが常識人寄りで、パチェがかなりの変人なやつ。

256名前が無い程度の能力:2012/12/18(火) 01:03:32 ID:UscQIrF20
喉飴さんかな。
あの人の作品も大好き

257名前が無い程度の能力:2013/01/20(日) 02:02:36 ID:ZcYjnxyEO
咲フラをお願いします

258名前が無い程度の能力:2013/02/07(木) 19:07:22 ID:ubtHRL6.0
ぬえもこをお願いします。

259名前が無い程度の能力:2013/04/30(火) 17:03:14 ID:VTPD3JkM0
a

260名前が無い程度の能力:2013/06/05(水) 10:41:46 ID:CpOF/.fAO
なんでゆかえーき流行ってないんだ…

261名前が無い程度の能力:2013/06/05(水) 12:01:34 ID:UTex9vbUO
めーレミってマイナー?

262名前が無い程度の能力:2013/06/05(水) 13:12:19 ID:uKKNP1WwO
めーレミは他が強過ぎるだけでマイナーではないな。

263名前が無い程度の能力:2013/06/05(水) 22:37:56 ID:HhZyZHloO
魅魔理沙をもうちょっとこう…
師弟関係ネタが好き

264名前が無い程度の能力:2013/06/16(日) 00:16:42 ID:yutXwzPc0
心綺楼でふといちの道が開けた、とここでこっそり言ってみる。
姉妹的な関係が似合う。

265名前が無い程度の能力:2013/06/16(日) 18:55:07 ID:OAq/bPU.0
ミスティア×リリカ

花映塚でも絡んでたし、音楽勝負みたいな?

266名前が無い程度の能力:2013/06/16(日) 19:14:47 ID:9sK7oR4M0
神霊廟でさなみょん妄想が捗るぜー
買い物でばったり、とか

2677月30日 6:00-18:00 したらば掲示板利用不可です。詳細は板トップのお知らせへ。:2013/07/24(水) 10:38:16 ID:9.dYynC20


268名前が無い程度の能力:2013/08/12(月) 18:04:28 ID:VIpHO29Q0
>>257 咲フラ

レミリアお嬢様が風邪を召された。鬼の霍乱とは将にこの事だ。
お嬢様が弱っている今こそ千載一遇のチャンス。これを契機に淡白になった主従関係を見直してもらわなければ!
その為には多少は鬱陶しがられてもお世話を焼いてアッピールしなければなるまい。最近は自立心が芽生え、私のお世話が拒まれるのだ。
私、紅魔館のメイド長を務める十六夜咲夜は燃えていた。部下の妖精やホフゴブリンが引くくらい燃えていた。
正直、朝食のミルク粥を「あーん」って食べさせただけでもうあまりの可愛さに胸が張り裂けそうだった。
雨に打たれた仔犬みたいな表情で、深紅の瞳も熱っぽく潤んで、汗をかいているせいでいつもより濃厚な匂いが漂って…
とにかく今のお嬢様の姿は庇護欲というか母性本能をピンポイントでくすぐるのだ。
お嬢様は朝食とお薬を召し上がられて、今はお休みになられている頃だ。汗を大量にかいたままでは病状が悪化してしまう。
私はしっかり乾かしたタオルと熱めの蒸しタオル、それにリンゴと下ろし金を携えてお嬢様の部屋を訪ねた。
コンッコンッ―――
規則正しく2回ノックした後、わたくしは返事を待たず扉を開けて入室した。お嬢様は眠っていると予想していたからだ。
だが、部屋に入って正面のキングサイズのベッドの傍らには、見慣れた鮮やかな羽が静かに佇んでいた。
「お見舞いですか、妹様?」
私はタオルやリンゴを乗せた盆をテーブルの上に置きながら、妹君のフランドールお嬢様に声をかけた。
「んっ……別に、ただ様子を見にきただけ」
お見舞いと言う単語がお気に召さなかったのか、妹様は不機嫌そうにツンッとそっぽを向いてしまう。
お嬢様は思ったほど汗をかかれてはいないようだ。私は踵を返して出ていこうとする妹様を呼び止めた。
「リンゴでも召し上がりませんか? お嬢様はしばらくお目覚めにならないでしょうから……」
「………ぅん」
小さく頷いて妹様は近くの椅子へ腰掛けた。私は得物のナイフを取り出すと、リンゴを素早く八等分に切り分けた。
「ウサギとアルマジロ、どっちがいいですか?」
「アルマジロなんて出来るんだ……」
私の一芸に少し目を丸くして妹様はアルマジロをリクエストした。アルマジロの形に皮を剥いたリンゴを手渡す。
しばらくは私も妹様も黙っていた。妹様がシャリシャリとリンゴを咀嚼する音と、お嬢様の寝息だけがお部屋に響いている。
「ねぇ、咲夜……お姉様の具合良くなる?」
ポツリと呟いた妹様の質問に、私は一瞬雷に撃たれたような感覚に陥った。思わずお嬢様の顔面に濡れタオルを落とす所だった。
狂気と破壊能力によって幾世紀も地下へ軟禁されていた妹様。そんな妹様がお嬢様の容態を心配なさっている。
「えぇ、ただの夏風邪ですよ。一晩お休みになれば元気になりますわ」
「そう、良かった……」
そう言って微笑むと妹様はパタパタと足早に部屋を出ていかれた。その横顔に、かつての頽廃的な情緒不安定さは見受けられない。
私の知らない所で妹様も成長されていた。思えば、霊夢や魔理沙が異変解決で乗り込んできて以来、妹様にも数人の来訪者がある。
魔理沙はいつも妹様と遊んでいくし、こいし様やぬえ様は私が気付かぬ間に妹様の部屋へ闖入していて友達になっている。
「ふふっ、きっともっと素敵な館になるわね……」
蒸しタオルでお嬢様の身体を拭く準備をしながら、私はこの館の未来を思い巡らして静かに笑った。【FIN】

269名前が無い程度の能力:2013/08/15(木) 16:58:32 ID:o70WDaCcO
>>268
おぉぉ、こんなにも可愛い咲フラを書いてくださりありがとうございます!
これであと一年は戦える……!

270名前が無い程度の能力:2013/08/18(日) 13:46:22 ID:9oCDzPIs0
>>261 めーレミ

ガラガラガラガラ―――
紅魔館の庭園は薔薇の盛りを過ぎて、青々と茂る葉っぱだけの地味な風景だ。そんな庭園を一台の台車が通って行く。
無論、全自動なんて便利な機能や魔法は付いていない古めかしい木造の台車には、押す者が必要である。
台車にはみ出るくらいの白いシートに包まれた大きな荷物の影に隠れて、赤髪の少女がのんびりと押していた。
台車に乗せているとはいえ重さ数百㌔㌘はあろう荷物を軽々と押している少女の名は紅美鈴。この館の門番である。
美鈴はやがて庭にある掘立小屋の前で台車を停めると、さっと襟元を正して手櫛で髪を整えた。
コンッコンッ――
「お嬢様、紅美鈴ただいま戻りました」
「……入りなさい」
チョコレート色の扉をノックして美鈴が名乗ると、部屋の中から凛然とした声が返ってきた。
美鈴はその声に従い、扉を開けて台車を部屋に搬入する。後ろ手に扉を閉めると、そこは天井の高い飼育小屋だった。
美鈴に返事をしたのは無論この飼育小屋の主ではない。その飼い主・レミリア嬢である。
一方の部屋の主はチュパカブラという吸血獣。美鈴が運んできた荷物を見るや否や、嬉しそうに飛び跳ねた。
「くすっ、この子ったらさっきまで大人しかったのに、ご飯が来たら急に元気になったわ」
「誰しもお腹が空いていれば大人しくなりますよ……よいっしょっと!」
チュパカブラの行動にレミリアは可笑しそうに表情を綻ばせた。美鈴が台車のシートを外すと、巨大な水牛が姿を現した。
美鈴が仕留めてきた水牛に、チュパカブラは勢い良く牙を突き刺して血を吸い始めた。
その様子をレミリアと美鈴は静かに眺めている。ふと、レミリアが昔を懐かしむような口調で語り始めた。
「ふふっ、この館も随分と住人が増えたわね。思い出すわ、貴女がやって来た頃のこと……」
「食いっぱぐれた野良妖怪でしたからね。青二才で、雇っていただいてからも随分と反逆しました」
「咲夜が来るまでは貴女がメイド長だった。お料理とお茶を淹れるのは上手かったけど、それ以外は全然ダメだったわね」
「たはは…それは手厳しい」
レミリアの辛辣な評価に美鈴は苦笑いを浮かべた。チュパカブラは満腹なのか、水牛から離れてレミリアの足元で蹲っている。
しゃがみ込んでレミリアはチュパカブラの頭をそっと撫でる。美鈴は血抜きされた水牛の片付けに取り掛かっていた。
「ふふっ、可愛い。ねぇ、今度は湖にネッシーでも飼わない? きっともっと楽しくなるわ」
「ははは、それはまた豪気な話ですね。紅魔館はちょとした大家族ってとこでしょうか」
「えぇ、フランやパチェや咲夜や小悪魔、妖精メイドもホフゴブリンもツパイも、そして貴女も大事な家族よ。だから…」

―――これからもよろしくね、美鈴。

「はっ、はいっ!」
そう言って微笑むレミリアを、美鈴は一瞬目を見開いて驚いた表情を浮かべ、しかしすぐ直立不動で敬礼した。
美鈴にとってレミリアからの労いの言葉は久しぶりだった。それだけに青天の霹靂のようなレミリアの言葉に美鈴は感極まった。
「(嗚呼、この方の下に居て良かった。この方が主人で本当に良かった。)」
美鈴はそう思い、いっそう業務に励む事を心に誓った。珍しく昼寝をしない美鈴を咲夜が不気味がったのは翌日の話である。【終】

271名前が無い程度の能力:2013/11/09(土) 16:20:38 ID:s63JU/Cw0
ttp://i.imgur.com/5CNowRl.jpg

272名前が無い程度の能力:2013/11/09(土) 16:21:59 ID:s63JU/Cw0
誤射

273名前が無い程度の能力:2013/11/09(土) 20:34:22 ID:idZTLD/k0
白黒はっきりつける映姫が灰色のナズーリンと出会ったら…

274<激写されました>:<激写されました>
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