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お題でマイナーカプを語るスレ
225
:
名前が無い程度の能力
:2011/11/27(日) 17:50:50 ID:I8P306vw0
>>222
『従者チェンジ』神奈×咲 編
幻想郷でメイドと言えば、紅魔館の瀟洒なメイド長こと十六夜咲夜の名が真っ先に挙がる。
主への忠誠心は絶対的である、規則正しい生活で咲夜は粛々と職務を遂行する。
そんなメイドの鑑とも言える咲夜は現在、守矢神社の参道を歩いているところであった。
「はぁ、お嬢様の思いつきにも困ったものですわ……」
咲夜は深い溜め息をついて、鬱蒼と天を覆う林の梢を見上げた。
事の発端は昨晩、彼女の主であるレミリア・スカーレット嬢が博麗神社で催された酒宴の席で放った一言だった。
「幻想郷には何人か従者がいるけど、最も優秀なのは私の咲夜に違いないわ」
酒精で頬を薄紅色に染めながら、レミリア嬢は意気揚々と自分の従者の自慢話を語り始める。
それに触発され、幻想郷の有力者はこぞって自分の従者が一番優秀だと褒めちぎり合戦が展開された。
その様子を、当の従者たちは呆れたような気恥ずかしそうな、複雑な表情で見守っていた。
「あぁ〜、もう! じゃあ、アンタとこの従者と私の咲夜を交換するわ! それで咲夜の優秀さを肌で実感しなさい!」
業を煮やしたレミリアが、何故か洩矢諏訪子に向かって従者の交換を宣言した。
「あはっは、それは良いアイディアだね。よし、お宅で早苗の実力を思い知るがいいよ!」
諏訪子もその宣言を笑って快諾し、咲夜や早苗の意思は置き去りに交渉が成立した。
それを契機に、あっちこっちで続々と面白半分の従者チェンジが成立していった。
当事者である5ボス連盟+αのメンバーは、その成り行きを茫然と見送りながら、各々が指定された場所に3日間出向く事となった。
その行先は下記の通りである。
紅)十六夜咲夜→守矢神社
妖)魂魄妖夢→是非曲直庁
妖)八雲藍→地霊殿
永)鈴仙・優曇華院・イナバ→命蓮寺
花)小野塚小町→白玉楼
風)東風谷早苗→紅魔館
緋)永江衣玖→大祀廟
地)火焔猫燐→八雲一家
星)寅丸星→永遠亭
神)物部布都→天界
そんな訳で、咲夜は重い足取りで守矢神社に辿り着いた。
冬の凩が吹く、寂しげな境内には四方に荘厳な御柱が聳え立っている。
「やぁ、いらっしゃい。守矢神社にようこそ」
鳥居をくぐった咲夜を境内で出迎えたのは、神社に奉られている山の神・八坂神奈子であった。
「紅魔館から参りました、十六夜咲夜でございます。到らない部分が多々あるかと思いますが、宜しくお願いします」
極太の〆縄を背負った神様と対峙しても咲夜は物怖じする事無く、瀟洒なメイドらしく凛然と挨拶をした。
「ほぅ、紅魔館のメイドは礼儀正しいねぇ。まぁ、そんな固苦しいのは抜きにのんびりやろうよ」
「はぁ……ところで、もう一方の面白い帽子を被った神様の姿が見受けられませんが……?」
「あぁ、諏訪子は朝から間欠泉地下センターに出掛けててねぇ……夕方には戻ってくるだろうけど」
指で頬を掻きながら、神奈子は苦笑した。実際は諏訪子が酔っ払って昨晩の出来事を覚えておらず、すっぽかして温泉に行ったのだが。
「そうですか。では早速お仕事を云い付けてください、お嬢様」
「おっ、お嬢様……!? ぷっ…あっはっはっは!」
咲夜に『お嬢様』と呼ばれ、神奈子は目を丸くして素っ頓狂な声を上げた。そして、腹を抱えて豪快に大声で笑い飛ばした。
その様子を、咲夜は小首を傾げて多少柳眉を顰めながら不思議そうな表情で見つめている。
「あはっは……それは諏訪子に言ってやりなよ。多分、小躍りして喜ぶだろうからね。私は『神奈子』で良いよ」
神奈子はそう言ってバシバシと咲夜の背中を叩いた。普段の主とは異なる接され方に、咲夜は顔を顰めながらも不快には思っていなかった。
(なかなか豪快な神様ね……少し距離が近しい気もするけど、無駄に疲れるような面倒な性格でなくて安心だわ)
主の我侭で世話を焼く事には慣れている咲夜だが、それはレミリア嬢への絶対的な忠義があるからだ。
いくら主の命令とは言え、仮初めの主人に誠心誠意で尽くしたくはないのが咲夜の本心であった。
「よしっ、そろそろお昼時だしご飯でも作ろうかね」
「えぇ、すぐに準備しますわ神奈子様。何かリクエストはありますか?」
「いやいや、ウチではご飯を作るのは家族全員の共同作業なんだ。咲夜は私の手伝いをしてくれるかい」
「はぁ、しかしそれではメイドの実力を発揮できませんわ」
「構うもんか。『郷に入りては郷に従え』と言うじゃないか……」
そう言って神奈子は咲夜の腰を小突きながら、神社の台所へと案内した。
(やたらとスキンシップしてくるわね、この人。まぁ、それが不快にならないのが彼女の神徳なんでしょうけど……)
自分の主にはない距離感に戸惑いながらも、咲夜はくすりと笑って神奈子の後をついて行った。
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