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お題でマイナーカプを語るスレ

1名前が無い程度の能力:2008/10/14(火) 01:17:33 ID:UmBHZNY20
お題であげられたカプを語ったり妄想したりするスレです
キャラスレや百合スレでさえスルーされるようなマイナーな組み合わせをお題とすることで普及や新地開拓を目指します。

お題はおよそ>>20ごとを目安とします。
お題を出す人は、お題となるカプと次のお題の安価、あと一言おねがいします。

また、カプと書きましたが恋愛的なものに限らず、友人的な関係やこいつら絡ませたら面白そう、みたいなかんじでかまいません。
マイナーか否かの区別はあんまみないなぁ、くらいで。
組み合わせにも限度があるので多少のループはあると思いますが、せっかくなので無茶でもなんでも見たことないカプをだしましょう。

あと>>20ごとってのは適当に決めたので多いとか少ないとかあるときは変えてもかまいません。


絵やssは大歓迎です。多少遅れても気にせず投下してください。

2511/2:2012/10/08(月) 22:19:43 ID:BFTswC220
>>249
幽香×妹紅


秋季皇霊祭を終えると、日はすっかり短くなる。宵闇に急かされるようにして、今宵も中有の道の屋台に灯りが点る。
喧騒と雑踏に人間も幽霊も妖怪もすべて混じって酒や美食や娯楽に愉しく興じるのは、何とも和やかな光景だ。
そんな人妖の海嘯に揺られ、ぶらぶらと道を歩く少女がひとり。しなやかな銀色の長髪が屋台に吊られた裸電球の光に煌めく。
無地のワイシャツに緋色のズボンをサスペンダーで吊っている、少女の名前は藤原妹紅。不老不死の宿業を背負う蓬莱人である。
「〜〜〜♪」
ズボンのポケットに両手を突っ込み、妹紅は鼻歌交じりで上機嫌に闊歩する。久しぶりに得た銭で、ひとり気楽な酒呑みに繰り出したのだ。
「ふっふ〜ん♪ さて、どの店で呑もうかなぁ……」
きょろきょろと軒を連ねる屋台を見分する妹紅は、ふと『おでん』と記された暖簾の前で足を留めた。
おでん。熱々の煮汁が染みた具に齧りつき、人肌に温めた燗酒で流し込む。想像しただけで妹紅は思わず生唾を呑み込んだ。
「よし、ここにしよう!」
頬を緩めながら妹紅は一目散に屋台の暖簾を潜った。その途端、眼前には出汁で煮込まれたおでんが湯気と共に芳醇な香りを漂わせている。
「へい、らっしゃい!」
菜箸で煮込み具合を見ていた店主が、威勢の良い掛け声で出迎える。妹紅は簡素な長椅子の端に腰を落ち着けると、鍋の中味を見繕った。
十種は超えるおでんダネの数々は、どれも個性豊かで旨そうだと妹紅の胃袋に訴えてくる。
妹紅は財布の中身も頭の隅で勘定しながら、取り敢えずは定番の品を注文する事にした。
「店主、大根とこんにゃく、卵…あぁ、巾着も頼む。酒は人肌燗にしてくれ」
「へい、まいど!」
注文を受けて店主は手早く菜箸で皿に移していく。鍋の角には熱燗用のスペースが設けられ、熱湯に御銚子が投入された。
出汁を吸って黄金色になった大根、肉厚な存在感のコンニャク、つるつるの煮卵、そしてもっちりとした巾着。

2522/2:2012/10/08(月) 22:20:31 ID:BFTswC220
「へい、おまち! …あっ、らっしゃい幽香さん!」
妹紅の前におでんを盛った皿を置いたと同時、店主が入口の方へ声を掛けた。聞き覚えのある名前に妹紅はくるっと振り向いた。
「あら、珍しい人と会ったわね」
ウェーブの掛かった深緑の髪を肩辺りまで伸ばし、白の長袖のシャツに赤いチェック柄のベスト、下はベストと同じ柄のロングスカート。
手に日傘を携え、不敵な愛想笑いを浮かべているのは、四季のフラワーマスターこと風見幽香であった。
「あぁ、珍しいな。ここへは良く来るのか?」
手狭な屋台の長椅子では必然と相席となる。妹紅の問いに幽香は泰然と答えながら、拳ひとつ分の間を開けて妹紅の隣へ腰を下ろした。
「えぇ、夏が終わって肌寒くなるとね。いつものを頂戴」
「へいまいど!」
通い慣れた店で一度は言ってみたい「いつもの」という言葉ひとつでさらりと注文を終わらせ、幽香は懐からシガレットケースを取り出した。
「おっ、なんだお前さんもタバコ吸うのか?」
「えぇ。タバコ良いかしら……とは聞く必要もなさそうね」
いぶし銀のブリキ製、ヒマワリのレリーフが施されたケースを手で弄びながら、幽香は妹紅が取り出したタバコの箱を一瞥した。
マールボロ。赤と白のパッケージと奥深い味わいは、彼女のイメージと合致する。妹紅はタバコを咥え、指先から生じた炎で火を点けた。
二度三度、喫煙する度にタバコの先端が明滅する。肺臓でゆっくり味わった紫煙を吐き出し、妹紅は少し嬉しそうに微笑んだ。
「この界隈じゃタバコを嗜む奴なんて少ないと思っていたが……アンタが愛煙家だったとは意外だったな」
「ふふっ、実はこれマリファナよ」
「………冗談だろ?」
さりげなく言い放った幽香のセリフに、妹紅はタバコを咥えたまま目を丸くして幽香の方を見遣った。
幽香は何も言わず、少し小首を傾げてシガレットケースから取り出した一本のタバコを咥える。妹紅の見た事の無い銘柄だった。
「……クスッ、冗談よ。フラワーマスターらしいジョークでしょ。あっ、ちなみにフラワーでもflowerじゃなくflourだと『粉マスター』って意味になるわ」
そう言って悪戯に成功した児童のような快活な笑みを浮かべる幽香に、妹紅はただ苦笑するしかなかった。
「粉マスター」。まるで毒の粉や痺れ粉や眠り粉を扱う草系モンスターのようだと妹紅は思った。
妹紅はさりげなく置かれた灰皿にタバコの灰を落とし、出てきた日本酒を御猪口に注ぐ。馥郁たる酒精の香りが鼻腔をくすぐった。
ちらっと横目に見ると、幽香の頼んだ「いつもの」が出てきた。卵、ロールキャベツ、牛スジ串、ウィンナー、タコ足……。酒は麦焼酎の湯割りだった。
「がっつり肉というかたんぱく質ばかりだな……」
「フラワーマスターは肉食なのよ。あっ、そうだ火を貸してくれない?」
思い出したように幽香はまだ火を点けてないタバコを咥えたまま妹紅に尋ねた。
中途半端になったタバコを吸ってからおでんにありつこうと思っていた妹紅は、タバコを咥えつつ指先から再度炎を点した。
「ほら、これで……」
「あぁ、こっちで十分よ」
差し出そうとする妹紅の手を軽く押さえ、幽香はしな垂れる髪を掻き上げながらおもむろに妹紅へ顔を近づけてきた。
あまりに唐突な仕種に妹紅の動きが停止する。まさに一寸、肌の温もりすら感じられそうな距離で幽香は妹紅のタバコから火を分けた。
幽香のタバコに火が点くまでの数秒間、髪から漂う少女特有の甘い香りに妹紅の胸が不意に高鳴る。
「ふふっ、ありがと」
一口吸ったタバコを指で挟みながら、幽香はやはり勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
これほどタバコを吸う仕草が様になる横顔を、妹紅は知らない。幽香の横顔に見蕩れていた事に気づき、妹紅はハッと顔を背けた。
「あぁ……」とか細い声で何とか返事をし、妹紅はからかわれている気恥ずかしさで慌て気味に日本酒を呷った。
私もいつしかタバコが似合う女になりたい。そう思いながら吸ったタバコの味は、苦くも甘酸っぱいフレバーであった。【終わり】


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