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お題でマイナーカプを語るスレ

226名前が無い程度の能力:2011/11/30(水) 22:03:34 ID:s8/FXpzc0
>>217
『従者チェンジ』幽々子×小町 編

幻想郷の有力者が互いの従者を交換してから一日が過ぎた。
場所は冥界の白玉楼。悠大な枯山水の中庭は冬の曇天に映え、淋しい雰囲気を醸している。
そんな庭を眺めながら、掘り炬燵でお茶を啜っている亡霊の姫君と呑気な死神。
この屋敷の主人である西行寺幽々子と是非曲直庁の官吏である小野塚小町は、のんびりを一日を過ごしていた。
本来なら小町が白玉楼の庭師である魂魄妖夢の職務を代行するのだが、庭の木々は既に冬囲いが終了している。
もう一方の魂魄流剣術師範という肩書きは、幽々子が修練を怠けている為に有名無実化していた。
とどのつまり、二人は非道く暇を持て余していたのである。
「うぅ〜ん、暇ねぇ……」
「はぁ……暇ですねぇ……」
ズズッとお茶を啜る2人。小町が手土産に買ってきた大福200ヶ入り段ボール箱は、既に8割が消化されている。
「こう暇だと、逆にしんどいわ……妖夢が居ればからかって遊べるのに」
「それは本人にとっては災難なだけでは……てかっ、お嬢は何で四季様を交換相手に選んだんですかい?」
渋い番茶を飲み干してから、小町は唐突に尋ねた。小町のサボり癖の非道さは冥界でも有名だからだ。
特に幽々子は、是非曲直庁から冥界の幽霊の管理を委託されている身分である。
「ほら、私たちって似た者同士じゃない? マイペースっていうか、のんびり屋っていうか……」
「似た者……まぁ、確かにそうでしょうね……」
「それで、組んでる相手もまた生真面目で几帳面。所謂『凸凹コンビ』って奴ね……」
甘い玉露を一口飲んで喉を潤し、幽々子はクスッと微笑を浮かべた。唇の端には大福の餡子がくっついている。
「だから、閻魔様にこう提案したの。『マイナスとマイナスを掛ければプラスになるように、似た者同士で居たら性格も矯正されるのでは?』ってね……」
「はぁ……それはつまり、似た者同士でウマが合うって訳ではなく……」
「勿論、真面目過ぎて融通の利かない妖夢の為よ。今頃は二人とも仕事しっ放しじゃないかしら」
あっけらかんと小町の問いを否定し、人差し指を立てて満面の笑みを浮かべる幽々子。
恐らく、映姫もそれを期待して小町を白玉楼に送り出したろう。そして、それは確かに功を奏し始めていた。
小町は憮然とした表情で頬杖をつき、モノクロな庭の景色へ視線を逸らした。
庭は綺麗に掃き清められ、枯葉1枚も落ちていない。
普段から仕事をサボっているとはいえ、小町も全く仕事をしない訳ではない。最低限のノルマはこなしている。
それが、いざ全くの手持無沙汰となると、小町は腰回りがソワソワする居座りの悪さを感じる。
「ふふっ……仕事をサボっての休息と、休息しかない仕事。どちらがしんどいかしらね」
不敵に笑って幽々子は最後の大福をぺろりと平らげた。そして、お嬢様らしからぬ態度で横たわって居眠りを始めた。
「zzz………」
「はぁ、アンタにゃあ敵わないですよ………映姫様の下に戻ったら、もうちっと仕事に熱入れようかねぇ」
意欲の萌芽に苦笑しながら小町は重い腰を上げると、幽々子に掛ける毛布を探しに居間を出た。


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