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お題でマイナーカプを語るスレ

2411/2:2012/03/10(土) 20:39:45 ID:dC9DxMXE0
>>234

何処からか香ばしい匂いが漂ってくる。
淡い朝日の光と小刻みな音に、岡崎夢美は目を覚ました。
「……ぅん〜っ」
重たい瞼をこじ開け、ゆっくりと身体を起こす。ぼやけた視界が徐々に明瞭となる。
夢美は見慣れぬ部屋のベッドに眠っていた。衣服と雑誌に床を占領された、手狭な8畳の洋室。
「あれ? ココは…?」
寝ぼけ眼を擦りながら、夢美は首を傾げる。よく見ると、夢美の着ている水色のパジャマも彼女のものではない。
思い出そうとしても、夢美には昨夜の記憶がまったくない。研究室で魔法力学の存在証明を考えていたはずだが…
「やぁ、おはよう教授。よく眠れたかい?」
その時、ベッド正面のガラス戸が勢いよく開かれ快活な少女が顔を出した。
金色の髪が稲穂のように揺れる。夢美は見知った部下の顔を見てホッと安堵の表情を浮かべた。
「あぁ、ちゆり……ココは何処?」
「あたしのウチだよ。ったく、研究熱心なのもほどほどにしときなよ」
水兵のような青いセーラー服の上にエプロンを纏った北白河ちゆりは、両手を腰に当てて呆れた表情で言った。
夢美はやっと、自分が研究途中で寝入ってしまった事に気付いた。寝ぐせで跳ねた茜色の髪をポリポリと搔く。
「じゃあ、ちゆりが送ってくれたのね。ありがとう…」
可愛らしいえくぼをつくりながら、夢美は純真な笑みでちゆりに礼を述べた。
「にゃ、なんてことないよ! さぁ、早くしないと朝ごはん冷めちゃうからな!」
何故か顔を赤面させながら、ちゆりはフリルの付いたエプロンを翻してそそくさと台所に引っ込んでいった。
その様子を、夢美は不思議そうに見送る。ちゅんちゅんと外では雀が暢気に啼いていた。
「怒らせちゃったかしら……? あら、ボタンが……」
きょとんとした表情でしばしベッドに腰かけていた夢美は、パジャマの胸元が肌蹴ていた事に今さら気付いた。
どうやら、ちゆりの服では夢美の豊かな胸囲をカバーしきれなかったらしい。ベッドの下にはボタンが力なく転がっていた。
「もう、女の子同士なんだから恥ずかしがることないのに……」
クスリッと柔和な笑みをこぼしながら、夢美はベッドの側に置かれていた自分の衣服に着替え始めた。


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