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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

1『幸せ兎』:2017/11/19(日) 16:05:07

――――禍福は糾える縄の如し。

                    『史記 南越伝賛』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/

【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/

★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/

2『某日某所』:2017/11/28(火) 21:00:47

――――『アリーナ』内小会議室。

「君たちに今日集まって貰った理由についてだが――――」

                  バサ

「単刀直入に言うと、我等が『アリーナ』の力を、もっと伸ばすべきと考えている。
 エクリプスの残党の目撃情報が未だに絶えん。『国際犯罪組織』の残党だぞ!
 この星見町にのさばらせているのは、我々の力、いや人手不足という他ないだろう。
 より人手があれば『残党狩り』を、より積極的に行う事も可能なのではないか。
 更なる集客、それに伴うファイターや職員の増加による増強! その策を思案したい」

赤いジャケットを椅子に掛けつつ、熱弁する桜島。短く刈りこんだ髪に、眉。
見るからに『体育会系』とか、『風紀委員』といった雰囲気の、三十路の男。

「あぁ……えぇ……策って言われても。
 そういうの、上が決める事じゃないですかぁ……?
 それに、ウチら自警団が本業でもないですしぃ……
 上がもう十分叩いたって判断してるなら、良いのではぁぁ……?」

おずおずとした口調で意見するのは、寝不足の犬のような雰囲気の女。
タブレット端末に指を這わせつつ、白いマグに注がれた暗褐色の液体を啜る。

「……そうだな、対エクリプスはまあ、一旦脇に置いておくとしてだ。
 集客を向上させる事に関しては、上も思索を巡らせている案件。
 現場判断で出来る事ならやってもいいと――許可も出ている。
 我々は期待されているのだ! アリーナに貢献する能力がある、と!
 であれば、見事応えて見せるのが職員としての忠義を示すという事!!」

「えー、じゃあSNSとかで拡散するってのどうですか?
 集客に良くないですか? オレ、けっこうフォロワー多いですし」

声を上げた最後の一人は、ホスト風のスーツを着た、ティーンエージャーにも見える青年。
椅子を揺らすように座りながら、年上と思しき二人相手に特に気兼ねするような様子はない。

「あのぉ、ジョウキくん、それ却下でぇ……うちはグレーだから、
 そこまで大々的に告知していいものじゃないんですよォ…………」

「貴様、まさかここの事を『なう』とかやってるんじゃないだろうな!?」

苦笑しつつ手を横に振る彼の名は、ジョウキ。年若い彼もまた、このアリーナの職員である。

「アキさん、今時『なう』とか古いですって!
 インスタとかも、オレちゃんと守秘義務してるんで。
 まあ、じゃあ知名度は今まで通り客の口伝で良いとして、
 単純に飽き入ってるんじゃないですか? 戦うだけの娯楽に」

         「飽き……ですかぁ……?」 「…………詳しく話してみろ!」

「いや、もう『戦いを見るのに飽きてる』ってヒト、いたりするんじゃないですか?
 あと、ミクさんみたいなバトれないスタンド使いを呼び込めない気もするんですよね。
 だから――――ウ〜ン、『スポーツ』とかで対決させれば、新鮮じゃないですか?
 スタンド使いの『総合』がこんだけウケるんだし、『スポーツ対決』もアリな気が」

                     ・ ・ ・

意味のない身振りと共に話し終えた彼は、一瞬の沈黙に思わず他の2人を見渡す。
下手な事を言って場を凍らせるのは、彼にとって日常茶飯事だったから。

だが、今回は違うようだった。桜島の顔に浮かんだ熱のこもった笑みでそれが分かった。

「…………試してみる価値はあるな。
 先例はあるかもしれんが、我々には独自のアドバンテージがある!」

          ドンッ
 
                 「我等でアリーナの提供する新しい『娯楽』を作り出してやるぞッ」

3『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/11/28(火) 21:29:53

             ザ ザーーーーーン ・ ・ ・ ・

時刻は早朝。場所は星見町海沿いの倉庫街。
冬の風が吹く寂しい場所に、三人の女が集められていた。

正しくは『集まって来た』とも言えるのかもしれないが、
それぞれが何らかのツテでこの『割のいいバイト』を知った。
知人か、仕事仲間か、斡旋か、あるいは自分で仕入れた情報か。

少なくとも――――『偶然ここにいる』者は一人もいない。
いつの間にかそこに立っている、『ホスト』風の若者もそうだ。
彼は三人の誰からも『5m』ほど離れた距離に立っている。
軽薄な雰囲気ながらスーツは高級品。服に着られる『素人感』も無い。

「――――3人。全員集まってますよね?
 えー、これ、見えますかァ? 何本に見えます?」

             ピ!

若者は右手の人差し指を立てた。
それに重なるのは、『ヴィジョン』――メカニカルな腕部だ。
ヴィジョンの手の立てられた指は、『2本』である。全員に見える。

                キョロ
     キョロ

「てゆーか、説明まだですよね? もう説明も受けてるって人います?
 まあ、いてもとりあえず足並み揃えて、説明は聞いてもらいますけど」

試すような視線が一同に走る。あるいは何らかの別の下心かもしれない。
いずれにせよ、『割のいいバイト』にありつくならば、彼がその道しるべらしい。

                        →『星へと駆けよ、スタンド使い』開始。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
参加者は『簡易なプロフィール』『能力詳細』『持ち物』『外見』を添えて返レスください。

※原則的に『仕事を知った理由』は問いませんが、何かアイディアがあれば反映するので、
 それに関しても書いていただいて構いません(GMが無理筋と判断した場合は反映しません)

4夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/11/28(火) 22:33:57
>>3

「――『ジャパン』!!」

掲げられたスタンドの腕。
そこに示された指の数を見て、高らかに答える。
なぜなら二本だから。
本人としてはジョークのつもりだ。
面白いかどうかは別として。

ここに至るまでの経緯を少しばかり回想してみよう。
いつだったか忘れたけど、私は好奇心を満たすために、
一度だけアリーナに飛び入り参加したことがある。
もっとも、アリーナとの関わりは、それっきりだった。

だけど、そのことがきっかけで、アリーナとは少しだけ繋がりができていた。
そのちょっとしたツテから、とあるバイトを紹介されたのだ。
大きな好奇心と少しの金銭欲――
ヒマだった私は二つ返事でオーケーし、指定された場所へ足を運んだのだった。

「おっ――」

「カズハちゃん!」

「お久しぶり!!」

自分以外の二人――そこに知った顔を見つけて気安く声をかける。
馴れ馴れしいが、悪意はない。
そういえば、彼女はアリーナに興味があるようだった。
不思議な偶然だ。
まあ、それはともかく――。

「話は『ざっくりと』聞いた」

「要約すると、スタンド使って何か面白いことすればいいって」

「――合ってる?」

少なくとも、明日美の頭の中ではそう解釈されていた。
たぶん間違ってはいないだろう。
それが合ってようと合ってなかろうと、とりあえず説明は聞く。



☆★簡易プロフィール☆★
生まれつき視力を持たなかったが、ごく最近になって手術により視力を得た。
目に見える全てのものに興味を持ち、好奇心を満たすためならば、
危険に飛び込むことも厭わない。
特に、自分が今まで見たことのないものに対しては、一際強い反応を示す。16歳。

☆★能力詳細☆★
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/56

☆★持ち物☆★
財布、スマホ、板チョコ一枚とキャンディー一袋(おやつ)、
350mlペットボトルのミルクティー(ホット)、
それらを入れた小さい肩掛けバッグ。

☆★外見☆★
金に染めたセミロングの髪、焦げ茶色の瞳、身長160cm、
ジャケット、白いブラウス、青いジャンパースカート、タイツ、エナメル靴、
リボンのように巻いたスカーフ、両手の爪にネイルアートの付け爪、
全体的に『不思議の国のアリス』をパンキッシュしたような格好。

5夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/11/28(火) 22:39:55
>>4

外見に追加
・薄い色のレンズのサングラス

6弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/11/28(火) 22:48:41
>>3-5
        「…………」 ピース

無言でピースを返す無表情女。
要するに『見えている』という露骨なアピールだが……相手が隠していない以上、隠す理由も必要もない。
むしろ、『積極的に見せていくのが、今回の彼女の目的』という節もある。

   「よろしくお願いします」

説明を始めそうな雰囲気の男に、相槌を打つように一言。
スタンド能力を振るう必要のある依頼だということは
ここに来るまでに調べて知っているが、気負いはなかった。
そこには己の力に規律を課す……というような矜恃は微塵も『感じられない』。

「お久しぶりです。夢見ヶ崎さん」 「このような場で、本当に奇遇ですね」ダブルピース

『このような場』という彼女の言葉に、いったいどのような意味があるのか。
…………リクルートスーツに身を包んだ女の目的など、明白である。


簡易プロフ――
27歳女性。元役員付専属秘書、現無職。
担当していた役員が不祥事を起こし、
紆余曲折あって失職してしまった。
基本的に無感情・マイペースだが
『誰かのために働くこと』については
異様なモチベーションを見せる節がある。
現在貯金を切り崩しつつ無職ライフ中。

能力詳細――
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/60

外見――
リクルートスーツを身に纏った黒い長髪の女。
プラスチックで作られたみたいに無表情。
秘書然としたピシッとした佇まいが特徴。

所持品――
・リクルートバッグ(以下は中身)
・化粧品類 ・スマホ ・筆記用具
・財布 ・クリアファイルなど
・スペアの髪ゴムと髪留め

仕事を知った理由――
『アリーナ』へ求職するために調べていたため。
(可能なら依頼主がアリーナ職員であると知った上で依頼を受けたことにしたいです)

7遊部『フラジール・デイズ』:2017/11/28(火) 22:58:04
>>3

「――右手の指は一本。
もう一つの手は二本」

 「そのスーツ。良いブランドものだ
着こなされている。見習いたいものだ」

 くぐもった声が発せられる。

◆プロフィール
多重人格者。『78』の人格を有しており
統合の末、『11』の人格がいま現在出てるが……?

◇能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463236020/6

◆持ち物
財布、スマホ、カラーコンタクト、鬘、化粧道具、スニーカー
ジッポライター・タバコ
 着替え一式が入った、少し大きめのバック。

◇外見
黒い髪の毛(鬘)瞳は赤(カラーコンタクト)
大きなマスクで顔の大部分隠してる。
オレンジのコートに、白いブラウスと青いズボン。
シークレットブーツで2センチ背をあげてる。

8『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/11/28(火) 23:34:45
>>4-6(全員)

「あー、あー、あー、オッケーみたいですね!
 今日はよろしくお願いしまァーす。
 もう知り合い同士の方もいるみたいで。
 まあ今回、ガチでバトり合うとかじゃないんでその辺は――」

                 ズギュン

スタンドを解除した若者は、小さく頷いて軽い笑みを浮かべた。
『夢見ヶ崎』と『弓削』のユーモアに対する好反応も含まれているのだろう。

「あっ、ていうか、皆さん『アリーナ』って知ってますかね?
 スタンド使いが『戦う』闘技場なんですけど。オレはそこの職員。
 んで、今回の依頼人は俺の上司なんで、これアリーナの仕事なんですね。
 このスーツも、その人にオゴってもらったやつで。尊敬出来る人です」

      「闘技場っても今回危険とかはないんで。今から説明しますけど」

すでに『アリーナ』での試合を経験し、その伝手でここにいる夢見ヶ崎と、
断片的ながら『アリーナ』について調べをつけている弓削には既知の情報。

特に弓削にとっては――――職員に近づける案件というのは貴重なものだ。
唯一『アリーナ』を知るか否か不明なのは『遊部』だが、説明にはその事も含まれる。

「えー、自己紹介とかは移動中にするとして。
 大体あってますね。ただ面白い事をしてもらうってのもあるんですけど、
 要約すると『面白いことが出来るか』を試したいってオーダーなんです。
 アリーナのスタンド使いにやらせてもいいんですけどォ……色々難しくて」

        「まっ細かい事は到着してから、担当の人が話します!」

                ザッ

男はそう言うと、一足先に動き出した。

         ザッ
              ザッ

「マジの試合は、空き倉庫でやってたりするんですけど。今日はそれとは違うんで。
 うちで使ってる『会議室』まで移動します。クルマで来てるんでェ――――――」

「あぁ、初対面の軽そうなオトコの車が不安なら、歩きでも無理じゃない距離です」

                   ニヘラ

ここに集まったのは――――彼らの『本拠地』のような場所である都合だろうか、
あるいは『スタンド使いを集める』のに町中より都合が良いと判断したのだろうか。

いずれにせよ、バイトの場所までは少し移動時間があるらしい。従うしかなさそうだ。

9弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/11/28(火) 23:51:23
>>8
「徒歩で行ける距離で車を出して頂けるんですね」

揚げ足を取るというよりは、思わぬ好待遇に感心するような口調だった。
もっともそういうリアクションを期待したユーモアではないのだろうが……。

まぁ、軽い口調だが段取りはしっかりしている男である。
弓削は普通に男のことを信頼して従う。
それに、上手くすればそのうち上司になるかもしれないのだし。

無表情なのでイマイチ心情は分かりづらいが。

10夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/11/29(水) 00:59:42
>>8

「――ふぇ〜〜〜」

気の抜けたような声を出しつつ、男の話に耳を傾ける。
まあ、何でもいいや。
ここまで来ているのだから、今さら気持ちに変化が起きるはずもない。

自分にとって未知の体験ができるのなら、それ以外は問わない。
安全か危険かも含めて――。
とはいえ、男の説明通りなら、今回は特に危険はなさそうだ。

「よし、ロールス・ロイスで行こう!!」

「それが無理なら、軽トラの荷台でもいいよ」

軽口を叩きながら、男の後に続く。
実際は、その辺で見かけるような普通自動車か、それより少し上くらいの車を予想しているが。
車体とタイヤとエンジンがあって、まともにシートに座れるなら文句は言わない。

「近くまでなら、私が運転しようか?」

「――無免許だけど」

「みんなキャンディー食べない?」

歩いている最中も口は減らない。
アメを頬張りつつ、他の二人にも勧める。
ガリゴリと飴玉を噛む音が倉庫に響く。

11遊部『フラジール・デイズ』:2017/11/29(水) 22:33:27
>>8
>>10

>『アリーナ』って知ってますかね?
 >スタンド使いが『戦う』闘技場なんですけど

「いや、初めて聞く情報だ」

 >『面白いことが出来るか』を試したいってオーダーなんです

「それは、見えない人間にも。と言う意味合いも含んでるのかな
それとも、見える人間専用の催し、と言うものだろうか。
どちらかで、やり方も異なるだろう」

>みんなキャンディー食べない?

「貰おう。ありがとう」

 飴を貰う。口には含まず、ポケットに入れる

12『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/11/29(水) 22:55:58
>>9(弓削)

「行けるっても、20分くらいはかかっちゃうんです。
 この時代、そんだけ歩くのは終電逃した時くらいで十分でしょ?
 それに、今疲れられても困るんで。あ、肉体労働じゃないですよ」

       「ていうか、オレが歩くの嫌いなのが一番ですね!」

感心に気分がいいのか笑みを浮かべつつ、疑問には答えが返る。
つまり話せない相手ではないし、仕事の相手としては悪くない。

>>10(夢見ヶ崎)

「あ、試すっていうのは『皆さんを』じゃなくて、
 『そういう企画が成り立つか』を、ですんで。
 もし面白くなくても、報酬はしっかり払います」

気の抜けた声を『失意』と受け取ったのだろうか、
やや慌てたような様子で、話の補足をしてくれた。

「ハハハ! 出来るならリムジンに乗せてあげたいんですけど。
 ま、普通の車です。借りてる車なんで、ぜいたくは言えなくて」

          「運転は好きなんで。オレがやりますよ!」

軽口は、彼も好みらしい。沈黙の時間もなく、倉庫街を歩く。
他に人影もない。ときどき、遠くから波の音と水鳥の声は聞こえる。

>>11(遊部)

「あー、やっぱ知らない人も結構いるみたいですね。
 うちもいろいろ知名度上げようとはしてるんですけど、
 法的な?事とか、そういうのいろいろ難しいみたいで!
 だから今回知って、興味持って帰って貰えたら嬉しいですね」

          ニカ

「普段は基本、『分かってる人間』っていうか。
 『スタンド使いVSスタンド使い』を納得出来る人向けで。
 一応、見えない人にも楽しんでもらえるように、
 工夫とか……そういうのもいろいろ。でもまあ今回は、
 見えない人の事は考えてもらわなくても大丈夫ですよ。
 細かい事は、やっぱ着いてからの説明になりますケド……」

彼の笑みは、陰謀などとは無縁に見えた。

質問は、彼が分かる範囲でなら大抵応えてくれるようだ。
ある意味では『依頼主』と『雇われ』の関係として正当と言える。

>全員

―――――しばらく歩くと、なるほど確かに『普通の車』だ。

新車というほどではないがよく手入れされたミニバンで、
ナンバープレートが無いとか、窓が黒いとかの不審さはない。

「好きなトコ乗ってください。あ、運転席以外で!
 飲食は自由ですけど、なるべく零さないようお願いします」

              ガチャ

「車だと多分、10分かからないと思いますんでェ・・・
 その間に、オレ含めて自己紹介とかしときましょうか。
 まあ今回、チームプレーとかする場面はないんで、
 無理強いはしませんし……ウソでも確かめはしないんで!」

若者は後部座席のドアを大きく開き、三人に乗り込むように促す。

車内は清潔に整備されており、『不安』とは無縁の印象。
シートにも座布団が置かれているなど、配慮を感じさせる。
座席は恐らく『6人乗り』と思われで、この人数ならゆったり座れる。

全員乗り込めば若者が運転席に乗り込み、車はゆっくりと走り出す。

13弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/11/29(水) 23:33:26
>>12
「いえ、私も助かります。あまり歩きやすい靴ではないので」

リクルートスーツなので足元がスニーカーというわけにはいかないのだ。
なんてことを話しつつ、

「失礼します」

フツーに助手席に乗り込んだ。
六人乗りでわざわざ助手席を選ぶのだから、意外とリラックスしているのかもしれない。

「ちなみに、変形機能は」

リラックスしすぎかもしれない。

14弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/11/29(水) 23:38:35
>>10
道中。

「いただきます」

フツーに受け取った後包み紙のまま速攻でポケットにしまった。
受け取っておいて舐めないのは求職活動中だからである(リラックス中)。

15夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/11/30(木) 01:27:41
>>12
                           ターゲット
「――私だ。今、依頼人と接触した。これから『標的』が滞在しているホテルに向かう」

車を眺めていたかと思うと、唐突にスマホを取り出して口に当て、低い声を作る。
どうやら闇組織に雇われたヒットマン辺りになりきっているようだ。
海沿いの倉庫街に停車した車。
それを見て、犯罪ものの映画か何かをイメージしたらしい。
波の音と鳥の声が、それとは正反対の長閑な雰囲気を醸し出している。

「安全運転で頼むぜ、相棒」

「なにしろ、こいつで六台目だからな」

「また廃車にしたら、ボスから大目玉を食らっちまう」

「もっとも、奴らが仕掛けてきたら、車より命の心配をしなきゃならないが――」

「ボスから雷を落とされるのに比べたら大したことじゃねえな」

一人でギャングごっこに興じ、勝手に架空の敵やボスを捏造しつつ、後部座席に乗り込む。
そして、男の話を聞きながら、車内をキョロキョロ見回す。
何か不審があるというわけではなく、単純な興味からの行動だ。

「じゃ私から――」

「名前は夢見ヶ崎明日美。何にでも興味を示す好奇心旺盛な女の子」

「アリーナの試合には、ちょっと前に一回だけ出たことがあるんだ。飛び入りで」

「そして勝った!イェイッ!!」

「で――その繋がりで、今日のシゴトを引き受けたってワケ」

自己紹介を終えたら、喋って喉が渇いたのでミルクティーを取り出して飲む。
飲食自由と言われてるから遠慮はしない。
後は聞く態勢だ。

16遊部『フラジール・デイズ』:2017/11/30(木) 19:28:42
>>12(レス遅れ失礼しました)
>>

>うちもいろいろ知名度上げようとはしてるんですけど、
 法的な?事とか、そういうのいろいろ難しいみたいで!

「気にするな。ただ、私が人よりも無知なだけだ」

後部座席の、一番左の扉側に座る。

>>15

 「……そうか。貴方は強いんだな」

「好奇心も、良い事だ。好奇心をなくしてしまえば
活きる気力すら減る」

 「……私の名か?」

「――フラジールだ。
他の方の自己紹介をお願いしたい」

17『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/11/30(木) 21:09:18
>>13(弓削)

「どうぞどうぞ――えっ、変形ですか!?
 いやあ、そういうのはないですね!
 これはマジで、普通の車なんで」

虚を突かれたようだが、返答はまじめなものだ。
冗談かどうか掴みかねているのかもしれない。

「スーツだとけっこー寒くないですか? 暖房入れます?」

そういう彼自身もスーツなので、彼が寒いのかもしれなかった。

>>15(夢見ヶ崎)

       ターゲット
「えっ!? 『標的』――――ッ!?」

一瞬、彼の背後に『ヴィジョン』が浮かんだ。
機械――未来的なロボット。『モノアイ』が光る。
が、すぐにそれは立ち消え、驚愕の表情は笑みに変わる。

「――――って、なぁるほど。そーいうことですか。焦りましたよ。
 任せてください相棒サン。オレもボスにシバかれたくはないんでね。
 標的も油断できないやつなんで、今の内に車内で寛いどいてくださいよ!」

彼の世界では『ヒットマン』は『ファンタジー』とは限らないのだろう。
車内に変わった物はない。ごみ箱やティッシュ、ドリンクホルダーも完備。

「アリーナに飛び入り――ああ、欠場者が出たとかそういう?
 アリーナ関係者ってわけじゃないですよね、その言い方だと。
 なんにせよ、『勝った』って事なら期待して良い感じですかね!
 戦いは、『アタマも使える』やつが勝つ! そう思ってますから」
 
           「今日もよろしくお願いしますよ、アスミさん」

どうやら期待されてしまったらしい。

あの時の職員――『金一』との直接のつながりは彼にはないのだろうか、
少なくとも『アルカラ』としての勇姿を直で見た事はないようだった。

>>16(遊部)

「フラジールさんですね、今日はよろしくお願いします!」

あからさまな偽名にも追及は入らない。
呼び名があれば問題はない、ということだろう。

          ボフ

後部座席に座る。座布団のおかげもあり、座り心地は良いものだ。

>全体

倉庫街を抜け、車は町へと走り出す。安全運転と言える速度。

             ブロロロロロ……

「とりあえず、オレも自己紹介しときますね。
 吾妻 常喜(アガツマ ジョウキ)。今年でハタチ。
 アリーナの職員で、皆さんと同じ『スタンド使い』です」

「『桜島明人』さんの部下で、普段は実況とか、不正の監視とか。
 まあ色々やってます! まだまだ雑用みたいなトコはあるんで!
 今日は皆さん、よろしくお願いします。――――っと、信号か」

信号に引っかかる事はあるが、そこは法を破るつもりもないらしく、
足止めをされつつ『歓楽街』――――いわゆる『星見横丁』が見えてきた。

「秘密のアジト――――ってわけじゃないんですけど、
 横丁に今日の仕事場があるんで。もうそんなにかからないですね」

彼が横目に見ているカーナビには、一般的な『貸し会議室』が表示されている。
場所も彼の言通り、『星見横丁』に位置する。現在地を示すアイコンとの距離は近い。

18弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/11/30(木) 23:45:34
>>17
「今のは冗談ですが、暖房は有難いですね。この格好だと足が寒いので」ケロリ

無表情である。
まぁそんなコミュニケーションブレイクユーモア女はさておき、自己紹介。
此処に来て弓削は初めて横に座る男の名前を聞いた。吾妻。弓削は心のメモ帳にその名をしっかり書き留める。

「では最後に。弓削和華と申します。皆さんと同じくスタンド使いで――今は無職です。
 つまり、何色にも染まれるということになります。…………無色だけに」

            ドヤリ

「一応、前職は秘書などをしておりました。得意技はスケジュール調整です」

さらっと何かがぶっ込まれた気がしたが、関係なく自己紹介は終了した。
一応最後ということでオチを意識したのかもしれない。真相は藪の中だ。

「――室内で、スタンドを使うので?」

そんなこんなで。
カーナビに視線を向けつつ、問いかける。
まぁ十中八九そんなことはありえないが、
では何故貸し会議室に向かっているのか――
みたいな話のとっかかりにするつもりなのだ。

19夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/01(金) 07:46:21
>>17

男――吾妻が発現させたロボットのようなスタンドを興味深そうに眺める。
彼のスタンドの全身像を『見る』ことができたのは、自分にとっては幸運だった。
もっとも、別にそういう意図があってジョークを言ったわけではないが。

「まあ、そんなトコかな」

あの時のことを、ほんの少しだけ思い出す。
正直、吾妻が試合のことを知らなくて良かったと思った。
あの時の自分の姿を見られるのは、死ぬほど恥ずかしいものがあるからだ。

あの時は、自分も熱くなって、いつになく気持ちが昂ぶっていた。
そのせいで、普段の自分らしくない『マジ』な振る舞いをしてしまった。
らしくないというか、表に出すつもりがない部分を曝け出してしまったというか……。

まあ、もう終わったことだ。
いつも通り明るく楽しく行こう。
その方が私らしいし。

「――任しといてよ、ジョーキさん。今日もバッチリ決めるからさ」

「ヨロシク!!」

いかにも堂々とした態度で威勢のいい返事を返す。
本当に結果を残せるかは別にして、期待されているのなら応じるべきだ。
自分自身の決意表明という意味もある。
それが自分を追い込み、良い結果を出すことに繋がる――かもしれない。
それに、自分と自分の半身に、自信がないわけではない。

>>16
>>18

パチパチパチパチ

それぞれの自己紹介に対して拍手で合いの手を入れた。
短い間とはいえ、一緒に仕事をする間柄だ。
チームプレイは必要ないと言われているが、できるだけ仲良くしておきたい。

それに、彼らの未知の部分を『見たい』からという意識もないではない。
特に、横に座るフラジールには関心がある。
言動といい名前といい格好といい、頭のてっぺんから爪先まで謎だらけだ。

色々と気になることはあるが、とりあえずマスクの下に隠れた素顔を見てみたい。
とはいえ、無理なことをするつもりはない。
私だって、このサングラスを取り上げられたら視力の大半を失って困ることになる。

あくまでチャンスがあれば――の話だ。

20遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/01(金) 22:00:11
>>17

 「 吾妻 」

 「 吾妻 常喜。うん  覚えた。
明日美、和華 君たちの名前も 良い名だ。
 これから行う、催事が競争であるとしても。
名に恥じぬように、正々堂々と行おう」

 「……」

 スッ……スッ。

煙草を取り出すものの、思い直すように動きを止めコートの
ポケットへ戻す。

21『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/01(金) 22:24:51
>>18(弓削)

「あっ、冗談でしたか。ハハ……」

                 ブォォ〜〜ン

吾妻の安堵と共に暖房が入り始める。
助手席は暖気を浴びるには良い位置だ。

「………………へえ、秘書さんだったんですか!
 スケジュール調整。スマートな感じでイイですね」

       「よろしくお願いします、弓削さん!」

このご時世無職ジョークには反応に困った様子も見えたが、
当惑というより『面白いが笑っていいのやら』な態度に思えた。

「――――あ、仕事をするのは『室内』ですけど、
 スタンドを使うのは『室内』じゃないですね。
 『爆発』とか『炎』のスタンド使いもあり得るんで」

どこかあいまいな回答は、何かを隠す意図を感じる。
本人も気づいてか気づかずか、難しい顔をしていた。

「あー、コレ、具体的に喋ると怒られるんですけど、
 現場着いたら説明されるコトだろうしいいかァ……
 うちに『場所』を作れるスタンド使いがいるんですよ」

そして、捻りだすようにそんな補足を付け加えた。
この男がよほどの役者ではない限り、この言い方と表情は真実味がある。

>>19(夢見ヶ崎)

既に消えてしまってはいるが、姿は鮮明に思い出せる。
どういう能力で、どれほどの動きをするのかは『未知』だが、
初対面のスタンド使い3人を前に彼が臆さない根拠には違いない。
未知。ここに集まった自分以外はみな、未知を抱えた存在だ。
特に『フラジール』を名乗る彼女の『謎めき』は誰の目にも明らか。

「ああやっぱそうなんですね、
 オレじゃないですけど、その節はどうもです」

ファイターの欠場――――そして『リザーバー』の出場自体は、
それ程の驚きを持たれていない辺り、無い話ではないのだろう。
いずれにせよ彼が知るのは夢見ヶ崎の『表の一部分』だけという事。

「ヤル気十分みたいで、頼もしい限りですよ。
 まあミスってどうこうなるような仕事じゃないですけど、
 積極的にガンガンやってもらえる方がありがたい感じなんで!」

それゆえもあり、威勢のいい返事はそのまま好意的に受け取られた。

>>20(遊部)

「フラジールさんも、イカした名前ですよ。
 こうなんというか、ロックな感じっていうか……!」

他愛のない雑談、といった口調だ。

タバコは――微かに車内に『残り香』はあるとはいえ、
愛飲していなければ気づかないほど微細なものだった。
吾妻――あるいは車の主は『肯定的』なのだろうが、
弓削や夢見ヶ崎がそうとは限らない。判断は賢明だろう。

とはいえ一服の時間は用意してもらえると考えて良いだろう。
コンディションは整っている方が、彼らにも望ましいはずだ。

>全体

          ブロロロロロ・・・

車は貸会議室にごく近い、有料駐車場に入る。
そして特に駐車場所を吟味する様子もなく、
入り口から近いエリアにバック駐車を成功させた。

        「ふぅーっ、到着です」

「っと、駐車場からほんのちょっと歩きますんで。
 休憩必要なら、建物着いてからでお願いします。
 中に自販機とか、確か喫煙所とかもあるんで。
 外は寒いですしね、とりあえず入っちゃいましょう!」

           バタン

後部座席のドアも、吾妻の手でゆっくり開かれる。
外に出れば寒気に煽られ――――すぐ近くのビルが目に入る。
本当にごく一般的な、『貸会議室』の入っているビルといった印象だ。

少なくとも不審なテナントが入っているとか、そういうのはない。
三人を促すように、まず彼がビルの入り口へと真っ直ぐ歩いて行った。

22弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/01(金) 22:54:43
>>21
「ああ――なるほど、『そういうもの』もあるのですね。
 すみません、不勉強とはいえ言いづらいことを聞きました」
「聞かなかったことにします」

さらりとなかったことにし始める弓削。
とはいえコイツのここまでの言動を見た感じ、
きちんとなかったことにできるかは甚だ疑問だが……。

そんなこんなで下車。

「しかし、こうした部分を見ると『スタンド使い』という超常が
 関わっているとはいえ、組織の運営は普通の企業同様に見えますね」

とはいえ超常なので見えるという以外のことは言えないが。
そんな感じで所見を述べつつ、吾妻に続いた。
急に寒い場所に出たが、リクルートスーツの女は反応しない。

23夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/02(土) 08:13:35
>>21

「ふぅ〜〜〜ん」

目的地であるビルを見て、唇を尖らせ、やや残念そうな表情を浮かべる。
せっかくアリーナ絡みの仕事だから、もっと変わった場所を期待していた。
しかし、いざ到着してみると、どこから見ても普通のビルだ。
内心、少なからずガッカリしてしまったことは否めない。

だが――。

「ああ、そっかそっか」

「なるほどなるほど」

「いやー、私としたことがウカツだったぜー」

突如そんなことを言いながら、何事か納得したような顔をする。
アリーナは一般的な会社のように表には出ない。
言ってみれば、『ヒミツソシキ』みたいなものだ。

それを考えれば、あからさまに怪しく見えるワケがない。
そういった部分はコーミョーに隠していると考えるのが自然だろう。
このビルだって、パッと見は普通に見えても、きっと内部にはスゴい秘密があるに違いない。

「よし!!行こう行こう!!」

「――楽しみだなぁ〜〜〜」

一人で勝手な想像を膨らませつつ、吾妻の後に続く。
歩きながら周囲を見回し、ビルの入り口に視線を凝らす。
ここがアリーナと関係があるなら、何か珍しいものでもないかという期待の眼差しで。

24遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/02(土) 17:14:43
>>21

>フラジールさんも、イカした名前ですよ。
>こうなんというか、ロックな感じっていうか

 「ロック ロックか」

「ジミ・ヘンドリックス  グリーンデイ ニルヴァーナ」

「皆、世界に大きな改革を齎す一助となった。
私の働きが。今日のアリーナにも、彼らまで行かずとも助けになれば良いがね」

 最後尾から付いて行く。

25『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/02(土) 23:12:34
>>22(弓削)

「いやいやっ、ちゃんと説明してないのが原因なんで!
 ただまあ、『聞かなかった事』はありがたいですね」

逆に謝罪されたが、かえって深刻な調子ではない。
弓削を信じてるのか、言ってしまったから開き直ったのか。

「あー、『アリーナ』は法的なトコはともかく商売なんで。
 まあその辺、『派閥』にもよるみたいですけど……
 うちはあんまり、『スタンド頼り』って感じじゃないですね」

仕事感のない洒落たスーツを見る限り『自由』な職場なのだろうが、
上司がいて、部下がいるといった体系までは超常的ではないのだろう。

「超能力組織って言うと、『四天王』みたいなのがいるとか……
 そういうファンタジー想像してましたけど、まあけっこう普通ですよ」

これから見えてくる部分に『ぶっ飛んだ』物がある可能性はあるが。

>>23(夢見ヶ崎)

「??」

そうした様子を吾妻は不思議がっていたが、
特にそれについて追及してくることもなかった。

普通のビル――――としか言いようがないわけで、
しかも弓削に対する吾妻の話を聞く限りでは、
内部にも『異常』はないのではないだろうか・・・
そう思ってしまうような『普通』の説明、そして入り口。

「ウカツ――――ですか? よく分からないですけど、
 そうですね! とりあえず、エレベーター乗りましょう!」

「仕事、そんなに楽しみにしてくれるなら嬉しいですけど、
 スタンド使って何かするのが好きだったりするんですか?」

ここにいたるまで珍しい物はない。『ごく普通のビル』なのだが、
はたして夢見ヶ崎が期待するような『未知』がここにあるのだろうか。

>>24(遊部)

「あ、けっこう音楽詳しいんですね。
 オレ、普段は『邦楽』ばっかり聞いてるんで、
 ロックスターとか詳しくなくてお恥ずかしいですけど」

「『グリーンデイ』はすげえカッコいいと思います。
 歌詞分からないんで、翻訳サイト見ながらですけど」

彼には『音楽』の齎した革命への敬意はないようだが、
それは単に無知というだけで、楽しんではいるのだろう。

歌に込められたメッセージを受け取っていない、とも言えるが、
名作を娯楽として消費するのも、それはそれでいいのかもしれない。

>全体

話しながらも一同はビルの中に入り、エレベーターに乗り込む。
ロビーに階段は見当たらなかった。閉鎖されているのだろうか?
そもそもこのビルにはあまり人気がない。汚れているわけでもない。

「あ、こっから先『関係者以外立ち入り禁止』なんで。
 いろいろ『撮影』とかも禁止な感じになってます。
 まあ、皆さんはそういうのしないと思いますけど、念のため!」

エレベーターに全員が乗ってから、彼は思い出したように話す。
このエレベーターは『4階以上』にしか止まらないらしい。
ここが大きめの『雑居ビル』である以上、特別珍しい話でもないだろう。

                       カチ

だが、彼が押したボタンは数字が書かれていない。
位置的に『3階』に対応するのだろう事は推測できるが、
停止階ではないのだろう。さらに彼は『開くボタン』を押している。
『総合体育館』エレベーター――夢見ヶ崎はそれを想起できる。

                  グ
                    ォォォォ ・ ・ ・


     ――――チーン!

すぐにエレベーターは止まり、ドアが開いた。電気が薄暗く、人気のないフロア。
何もテナントなどは入っていないのだろうか。さながら『秘密基地』のようだが、
機銃が仕掛けてるとか赤いレーザーが飛び交っているとかそういう剣呑さはない。

26弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/03(日) 00:49:13
>>25
「承知しました」

そういえば携帯の電源を切っていなかったな――と思い至ったので、
弓削は手だけ鞄の中に入れて電源をOFFにした。
無用な誤解を生まない為にもこういうときは全部電源を切るに限る。

「事務所のような場所をイメージしていましたが」

と言いながら、ほどほどに誘導に従いつつフロアに出る。

27夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/03(日) 08:33:30
>>25

「ちょっと違うかな。スタンド使って色々やるのはキライじゃないけど」

「私って色んなモノを見るのが好きなんだ」

「特に、普通じゃ見られないような珍しいモノとかさ」

ビル内部へ足を踏み入れながら、吾妻に言葉を返す。
頭の中は、これから目にするであろう『未知』に対する好奇心で一杯だ。
初めて来日した外国人観光客なみにキョロキョロし、その時を今か今かと待ち構える。

「大丈夫!!撮影なんかしないさ!!」

撮影なんてする必要はない。
この両方の目にしっかりと焼き付けるつもりだからだ。
写真や動画も悪くないが、生で見る光景には適わない。

「……ふぅん」

吾妻の操作を横目で見て、一人ほくそ笑む。
アリーナと関わった時の記憶を思い出したからだ。
やはり、このビルにも表からは見えない何かがあったらしい。

「――面白くなってきた」

移動するエレベーター内で、口元に笑みを浮かべつつ小さく呟いた。
サングラスの奥の瞳が、溢れる好奇心の発露であるかのように輝いている。
扉が開いたらエレベーターの外に出て、視線だけを動かして辺りを観察する。

28遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/03(日) 11:45:13
>>25

 「どんな者であれ、ルールが存在する」

「日常の中でも 闘いの中でも」

 「私は、そちら側の敷く規制に関しては、特に反論はないよ」

「直接見て、嗅いで、耳にして、纏わりつく空気の肌触りと
吸い込んだ雰囲気の舌触りだけで十分さ」

 エレベーターを出たら、すぐ横の壁に立って辺りを一瞥する。
吾妻が再度、先導して歩くなら。最後尾を続けて歩く 
変わりはない。

29『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/03(日) 23:04:21
>>26(弓削)

「ご協力ありがとうございます」

「ここに常駐するって案も出てるんで〜……
 もし次来ることあれば明るくなってるかもですね。
 今のところは、会議室とか、たまに使ってるくらいなんで」

                カチ

かばんの中で、携帯の電源が切れたのが分かった。
これで、とりあえずビジネス的に問題なしだろう。
暖房の入らない廊下は少し肌寒いが、外程ではない。

「ウチはまだ、事務所構えるほど
 デカい勢力じゃあないんですよ。まだ」

>>27(夢見ヶ崎)

「おおーっ気が合いそうですね、オレは旅行とか好きで。
 というかまあ、『カメラ』が好きなんですけどね――――
 だれも見たことないものを写真に撮って、残したいんですよ」

       「一回見るのじゃ、満足できなくて。
       撮影禁止の場所で言うのも何ですけど!」

返ってきた言葉は、少しズレたものかもしれない。
彼も夢見ヶ崎の本質を見抜いてはいない。

             オォォォ ・ ・ ・

遠くからエアオンの音が聞こえるほど、この廊下は無音だ。
電気は薄暗いが見えないほどではない。部屋の電気が、
ほぼ消えているのがこの薄暗さの原因かもしれなかった。

この廊下は『廃墟』ではない。人が使っている形跡はある。
床に埃とか、蜘蛛の巣とか、電球の不吉な火花とかとは無縁だ。

>>28(遊部)

「ご理解頂けてありがたいです」

           ニッ

「あー、なんというか、詩的な言い方ですね!
 詩とか音楽とかが好きな感じなんですか?」

歩きながらも、吾妻は雑談を絶やさない。
直接見た廊下は薄暗くはあるが清潔であり、
悪臭などもない――――空気は、少し冷え込んでいる。

>全体

       ザッ 
               ザッ

廊下を進んでいくと、電気の点いた部屋が一つだけ見えてくる。
扉が大きく、それなりに『広い部屋』であることは想像できる。
一般的な『会議室』というよりは、講演に使うような部屋だろう。

                   「さて」

吾妻が立ち止まったのは、やはりその部屋だった。

「この中で説明します。オレじゃなくて、オレの上司で依頼人の方が。
 一応最初なんで、挨拶はお願いします。そういうの好きな方なんで」

              コン
       コン

          「んん”……あー、『桜島』さん!
           吾妻です。例の方々、連れてきましたァッ」

       ・・・

             ・・・
        
                    ガチャ

ドアが開いた。そして――その男が姿を現した。

赤いジャケットを羽織った背の高い男。三十路の顔付き。
短い黒髪と、はっきりとした眉からは『体育会』の色を感じた。
彼は品定めするように、眉間に僅かな皺を寄せ、一同を見渡す。

                 サクラジマ アキト
「――――君達が。そうか。オレは『桜島明人』だ。
 アリーナの職員をしている。そこの……吾妻の上司だ」

        「――――良く来てくれた! まずは、礼を言うッッ」

     ビシッ

そして彼は切り裂くような角度のお辞儀をし、3秒ほどしてから顔を上げた。

30弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/04(月) 00:00:16
>>29
「おはようございます」

張り上げるような声ではないが、それでもよく通る声で挨拶し、同じ様に礼をする。
定規で測ったみたいなきっちりとした礼である。

「本日ここでお世話になることになりました、
 弓削和華と申します。宜しくお願いします」

とりあえずは、挨拶。
そして、上司の名前を心のメモ帳にメモしておく。

丁寧ではあるものの、その物腰はいわゆる『体育会系』とは趣を異にするが――反応は、果たして。

31夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/04(月) 04:54:30
>>29

「なるほどね――」

吾妻の話を聞いて、相槌を打ちながら、にこやかに笑う。
彼は私の本質を知らないかもしれない。
でも、私だって彼の本質を知ってるワケじゃない。

その辺りは、お互い様だ。
同時に、未知であるからこそ、見えない部分を確かめる価値がある。
それは、何も吾妻に限った話ではないが。

「オッケー、任しといてよ」

「――バシッと決めてやるぜ」

吾妻に小さく言葉を返す。
そして、眼前に現れた桜島の全身像を観察する。
確かに、いかにも礼儀にはコダワリがありそうなタイプに見える。

「こちらこそ、呼んでくれたことに感謝する!!」

「私は夢見ヶ崎明日美。夢見る明日は美しいと書いて夢見ヶ崎明日美だ!」

「――どうぞよろしくッ!!」

こちらも負けじと、シャープなお辞儀と共に、勢いに乗った挨拶を返す。
こういうのは最初が肝心だ。
吾妻に宣言した通り、バシッと決めてやる。

32遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/04(月) 11:58:25
>>29

 > 詩とか音楽とかが好きな感じなんですか?

「刺激になる。どうして、このような文章を作り上げるようになったのか
どうやって、こう言うメロディーを刻もうと思ったのか」

「そう考えていると、余計な雑念がなくなるのでね」


>オレは『桜島明人』だ
>良く来てくれた! まずは、礼を言うッッ

「フラジールだ。今日は短い間だが、宜しく頼む」

 短く、一礼を返す。余計な脚色や紹介はいらない。

33『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/04(月) 23:30:50
>>30(弓削)
>>31(夢見ヶ崎)
>>32(遊部)

「――――いい挨拶だッ! 気に入ったッッ!!!」

            ブンッ

「特に君は筋が良い! そして君は礼儀が良い!
 最後に君はシンプルが良いッ! いい仕事仲間になれそうだ」

「俺の事もそう思ってもらえるよる尽力しよう! よろしく頼む!」

順々に夢見ヶ崎、弓削、フラジールに視線を向けた彼は、
暑苦しい笑みを浮かべて頷く。視界の隅で吾妻が胸を撫で下ろす。

そのまま桜島は部屋の奥へと歩いていき、吾妻もそれに続く。
そこには椅子が用意されている。『3席』、人数分ということだ。
向かいには机が置かれており、やはり三人分の『お茶』と、
ちょっとした『茶菓子』――――と思われる包みが置かれていた。

「いい椅子ではないのだが、寛いでほしい」

「そして、早速で悪いが、休憩を取りたい者は?
 いなければ今回の仕事の説明を開始したいのだが。
 ああ、吾妻。まだ説明は済ませていないだろうな?」

「はい、現地で説明した方が早いと思ったんで!
 オレ、そういう説明ってあんまり得意じゃないですし」

部屋の内装としては、まず机はほとんど片付けられている。
そして、数台の『パソコン』が設置されており――――
書類が収まっているらしきバインダーなども散見されるのだが、
少なくともここがスタンド使いの動けるような場には見えない。

「うむ。と、その前に。現段階で何か質問がある者はいるだろうか?
 遠慮は不要。機密事項でなければ、細かな事でもお答えしたいと思う」

が、奥に女性用と見えるコートが掛けられた椅子がある。
この二人のどちらかが女装趣味でもない限り、もう一人いるのだろう。

34遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/04(月) 23:39:36
>>33

>いい仕事仲間になれそうだ

「そうだ。我々はビジネスの為に集ってる
ビジネスは成功する為に行うものだ」

 「こちらこそ出来る限りの事は努めよう。
こちらの無知で、何かしら反故しかねない行動が
あれば遠慮なく言ってくれ」

「質問か」

「『企画』の詳細。それに尽きる」

「要が肝心だ。それがな」

35弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/05(火) 00:30:39
>>33
「………………」 チラ

さっと内装を見る。
無論、ファイル類からは意図的に視線を外すが。

一応片付いている……というより物がないようだが、
やはり動き回るような広さではない。
とはいえこれは『能力』が関係してくるとのことだし、
今後の説明と合わせて桜島の話すに任せるのが賢明か。

「コートがかかっているようですが」
「……もう一人いらっしゃるので?」

現時点で問うべきことはこれくらいだ。
スタンバイしているとかならともかく、
少し席を外しているとかであれば
事前に確認しておいた方が良い場合もある。

36夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/05(火) 04:52:26
>>33

「いえいえ――」

「座れるなら何だっていいよ」

「『空気』で出来た椅子じゃなければね」

言われた通り、席に腰を下ろす。
そして、言われた通り、全身を十分に弛緩させてリラックスする。
遠慮なくお茶を飲む。
トーゼン茶菓子も食べる。
これから仕事があるんだから、今の内にエイキを養っとかないと。

「んじゃ、さっそく説明して欲しいな」

「――早く仕事に掛かりたいからさ」

スタンド絡みの仕事となれば、そこは未知に溢れているワケだ。
この部屋が表からは隠されていたように、そういった部分は他にもあるだろう。
それらを早く見てみたいという気持ちを抑えられない。

「私は特にないかな、質問は」

「今のトコはね」

「強いて言うなら――それ誰の?」

そう言いながら、椅子に掛かっている女モノのコートを指差す。
私のじゃないことは確かだ。
今度、私も新しいコート買おうかな。

37『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/05(火) 11:42:31
>>34(遊部)

「遠慮が要らないのは助かる。
 やはり君はシンプルで良いッ」

>>36(夢見ヶ崎)

「空気椅子など客人にはさせないとも。
 ――――無論部下にも! 時代錯誤だからな」

茶と茶菓子の味はそこそこだ。
そこそこだが、逆に落ち着くには良い。

>>35(弓削)
>全員

二人が気にするのはコート。高級品には見えないが、
厚く、毛皮のような材質に見え、寒い冬にはぴったりだ。

「ああっ、あのコートは――――」

「吾妻ァ! 答えるのは俺がやるので、
 君は下に降りて『加古』に準備を頼んでくれ」

           「あっはい!」

      スタスタ

「失礼します。皆さんまたすぐ後で!」

吾妻は軽く一礼してから部屋を出る。

「あのコートは『加古』――――今日の仕事の『要』でもある同僚の物だ。
 現在下の階で準備をしている。つまり、仕事自体は下の階で行うわけだ。
 一度ここに寄ってもらったのは、荷物を置く為と、説明をする為の事」

>全員

「ではさっそく、説明に取り掛かろう」

      「今日君達にやってもらいたいのは……
        スタンド使いによる『競技』のテストだ。
         ―――――闘技ではなく、『競技』ッ!」

                       クルッ

       ガコン!
            ウィィィィーーーーーーン・・・


「――――――――我々『アリーナ』はッ!
 見る側には血沸き肉躍る『エンターテインメント』であり、
 戦うスタンド使いには『研鑽』し『発散』し『誇り』を鍛える場、
 つまり『見る側』も『戦る側』も満足出来る『闘争』の提供者だ」

「しかし――――『闘争』の方法は何も『果たし合い』だけではない。
 世には『諜報』『潜入』『篭絡』『娯楽』を得意とする使い手もいて、
 そうした者は現状のアリーナでは・・・『裏方』にならざるを得ない!」

            「ゆえに」
                    カチ!

スクリーンとプロジェクターの準備を整えながら、熱弁する桜島。
彼は機敏で、部屋に備え付けと思われるそれらはすぐに姿を現す。
スクリーンに表示されるのは――――動画の再生画面だ。

「スタンド使いによる、『10種競技』のような――――新たな闘争。
 提示された『状況』を己のスタンドと知恵で突破する『手段』を模索し、
 実際にそれを行った上で『堅実さ』『目新しさ』『流麗さ』を評価。
 戦闘能力ではなく、スタンドを用いた『解決能力』を競い合う『競技』を作るッッ!!」

       「――――なお、提案者は吾妻だ。好評の声は彼に掛けるように!」

新競技紹介用ムービー、とシンプルな題が添えられ、右下に『加古未來』のクレジット。

38『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/05(火) 11:43:01

                     カチ!

「今流すのは以前うちの職員で作成した『紹介用』の映像だ。
 その人物のプライバシーに関しては黙秘させてもらうし、
 そのうえで『関係者に見せる』点では了承を得ている」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『状況1 敵組織の荷物をスリ取れ!』

画面には『電脳空間』の如き奇妙な外観の『通り』が映っており、
まるで『3Dモデル』のような人間が――休日の大通り程度に行きかう。
その中で本物の人間は一人だけ。その人物も顔などはモザイクで隠されている。

そして――――向かいから歩いてくる、『ターゲットマーク』の書かれた人間。
カバンを持っており、自然を装いつつも、周囲をやや警戒しながら歩いている。
そして本当の運び屋ならあり得ない話だろうが、カバンから『荷物』がはみ出ている。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「反社会的な状況ではあるが……当然『そういうものばかり』ではない!
 しかしスタンド使いが真価を発揮できる状況は法的に怪しい事も多い」

「不快であれば、今回はなるべく抵触しない状況を用意するつもりだ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                ズギュン

本物の人間――――アリーナ関係者と思われる人物が、
人型のスタンドを発現して『ターゲット』のカバンからすれ違い様に荷物を奪う。
高速、かつ精密な動き。盗まれたことに気づかないターゲットはそのまま歩き去る・・・

                          『CLEAR!』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                          カチ!

「――――このように、最低限『状況』を打開できればそれでクリアという事になる。
 クリアではあるが、『他の参加者』もクリアしたならば、優れた者順に『加点』する。
 このような状況を複数回繰り返し、最終的にもっとも『点数』の多い者が『勝者』ッッ!!」

動画がそこで止められた。もし何か質問があれば、今なら聞き入れられるような気はする。

39弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/05(火) 13:47:22
>>37-38
「『なるほど』」

つまりその『加古』という人物が『場所』を提供するスタンド使いということなのだろう。

そして倫理的に問題のある条件設定ではあるが、そもそも弓削に倫理的正しさを斟酌する心性はない。
当たり前のように流して、映像を確認する。

「概ね理解できました」

今のは例だが、似たようなスタイルで進行していくことは想像に難くない。
とすれば……。

「ですが、『点数』について質問が一つあります」
「評価の基準には『堅実さ』『目新しさ』『流麗さ』があるとのことですが、
 この場合『流麗さ』は何を意味しているのでしょうか?」

堅実さは……分かる。偶然性や相手の行動に依拠するような方法だとよくないのだろう。
目新しさも、例を見れば何となく分かる。『誰でも出来るような方法』『工夫のない方法』はマイナス。
では流麗さは? ……おそらく『解決方法自体の鮮やかさ』が関係するのだろうが、
ピンときてないものを無理やり理解した気になって進めるよりは聞いた方が良かろう。

40遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/05(火) 18:07:36
>>37-38

「言うなれば 『即興芝居』だな」

 紹介映像を見終えて、一言。

「その状況に合わせた、問題ないと思える小道具は
借り受ける、と考えて良いだろうか?
 私は、余り器用な能力を持ち合わせてないし。
他の二人も、問題によって何かしら道具が必要な時もあるだろう」

 小道具の借用が許可できるかだけ確認を行う。

(『即興芝居』か……皮肉なものだな。
お芝居……か)

41夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/05(火) 20:04:24
>>38

「ふんふん、なるほどなるほど」

桜島の説明と映像を見て、感心したように何度も頷く。
スタンドの力が生かされる場は、何も単純な戦闘だけではない。
それを計れる場を作るというのは、非常に理に叶った試みだ。

「さっすが、吾妻!!よっ、日本一!!」

「あんたは、いつかやる男だと思ってたよ」

「昔、コンビ組んでた時のことを思い出すな……。
 あの時は、ドジ踏んじまってピンチになったアタイを、あんたが……」

吾妻に対し、最大限の賛辞を送った。
口調は真面目には見えないが、褒めていること自体は真面目だ。
ついでに、架空の思い出話を語った。

「いいねいいね」

「説明はまだ続くの?終わったなら、さっそく始めたいんだけど」

「とりあえず実際にやってみるのが一番ってね」

弛緩させていた姿勢を引き締め、背筋を伸ばす。
いつでも取り掛かれるというアピールだ。
自信はある。

目が見えなかった頃の自分は、健常者ができることもできない場合が多かった。
しかし、視力を得た今、かつてはできなかったこともできるようになっている。
だからこそ、今の自分にやってやれないことなどあろうはずがない――
と、夢見ヶ崎明日美は考えているのだ。

42『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/05(火) 23:40:12
>>39(弓削)

「『堅実さ』は『再現性のある必然的な成功なのか』!
 『目新しさ』は『その競技者ならではの成功なのか』!
 そして『流麗さ』は『絵的に映える手口での成功なのか』!」

「――――と言った所だ。今回はテストになるが、
 もし本番があればこれは『ショービジネス』……
 氏が言うように『即興演劇』としての意味合いもある。
 堅実で、目新しくても、手段が『極めて煩雑』であったり、
 時間をかけ過ぎており『即興性』を欠いていたり…………
 見ていて理解できないような方法では『高評価』は出し辛い!
 もっとも、三条件を必ず最高の形で満たす必要はないのだが」

「他の観点より『分かりづらい』基準である事は認めよう。
 そうした意見を貰えるのが、我々にとってもありがたいッ」

という事らしい。要は『第三者に見せる』事を意識する必要性だろう。

>>40(遊部)

「小道具……『日用的にあり得る範囲』でなら許可するだろうし、
 その場に存在する物品を拾う、盗む、その他手段で手に入れるのも許可している。
 イリーガルな手法でも、な。『ターゲット』は全て『能力の産物』だ。安心していい」

「ただし――――『小道具に頼った方法』はおおむね、低い評価を付けざるを得ない!
 スタンド使いであれば多かれ少なかれ、『独自性』を発揮する手段はあるはずだろう」

小道具は使えるようだが、先に挙げられた評価基準からすると、
例え『ナイフ』や『銃器』を使用するような許可が出たとして、
それのみで敵を打倒するような形では『可』の域を超えないのだろう。

>>41(夢見ヶ崎)

吾妻は既に部屋を出ているが――――

「君と彼にはそんな因縁があったとはな。
 その賛辞、しっかり彼に伝えておくッッ」

真面目に受け取られてしまったようだった。
コンビの話は、本気で信じているのかは分からないが。

「――――いい熱意だ。ああ、すぐに始めるつもりでいる」

「吾妻を先に向かわせたのは、すぐに準備をしてもらい、
 我々が到着したならばすぐに始められる状態にするためだ」

>全体

夢見ヶ崎の疑問への答えは、全員に向けて返されることになる。
桜島は私物と思われるバインダー類を手に取り、部屋のドアに近付く。

「つまり、休憩が不要であればすぐに下の階に向かう!
 『加古』の能力があるとはいえども、不測の事態は起こる。
 なるべく広い場所を用意した方が『やりやすい』と判断した」

      ガチャリ

「――――理解と準備が出来た者から着いて来るようにッ!!」

            ザッ

特に問題が無ければ下階に降りることになり、
恐らくはその後すぐに『仕事』が始まると思われる。

勢いよく歩み出た桜島だが、一応待ってはくれるようなので、
何かこの部屋でする事が残っているのだというならそれもいいだろう。

43弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/06(水) 00:03:00
>>42
「ご回答いただきありがとうございます」 ペコォー

まさしく『エンターテイメント』としての重要性というわけだ。
概ね予想通りではあったが、『即興性』や『絵的に映える』
という視点は自身にあまり頓着しない弓削にはない観点だ。
ここでそういった指定を聞くことができたのは大きいだろう。

        「そして」

   「『理解』致しました」  ザッ

……無駄にカッコつけた感じで、桜島に続く。
弓削なりにエンターテイメント性を意識した結果である。
あんまりそういうのは向いてないのかもしれない。地味だし。

44夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/06(水) 05:03:07
>>42

褒めてるのは本気だし、その点は問題ない。
でっち上げた過去話についても――たぶん問題ない。
不都合が起きたら、その時はその時だ。
何かあれば吾妻にフォローしてもらえばいいし。
自分とは気が合いそうだったし、大丈夫だろう。

「――オッス!!」

「理解と準備、共に完了!」

「我いざ行かん!新たなるトーソーの地へ!!」

桜島と張り合うように勢いよく立ち上がり、後に続く。
どんな『状況』が用意されているか楽しみだ。
まだ姿を見せていない加古の能力とやらも気になるし。
そして、競技が始まれば、同席者である二人のスタンドも見られるだろう。
それも楽しみの一つである。

45遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/06(水) 18:30:28
>>42

 勢いよく立ち上がり、ステージ向けて歩く桜島。そして、続く二人


 『……』 『……』 『……』 『……』

(……出たいか? いや、君たちの出演には未だ早い)

 「……ふぅ」

 三人に少し遅れるようにして立ち上がり、続いて歩いて行く。

仕事の内容は、把握した。あとは、やるべき事を最低限やるだけだ。

 (……こちらの『目的』も達成出来れば良いが)

46『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/06(水) 23:58:57
>>43(弓削)

少なくとも、知らずに挑むよりは良い結果を出せるはずだ。
それに職を求めるならば、印象を良くしておくに越したことはない。

>>44(夢見ヶ崎)

でたらめでも当事者が否定しないなら真実と変わらない。
その点、吾妻はわざわざこういう話を否定するタイプでもなさそうだ。

>>45(遊部)

仕事を果たすのは前提だ。しかしほかの目的を果たすにも、
この『スタンド』の奇妙に満ちた仕事ならば相応しいかもしれない。

>全体

二階には階段で降りる事になる――――扉が閉ざされていたが、
桜島(あるいはアリーナ自体か)の管轄という事なのだろう。
彼が持つ鍵で簡単に開き、一同はそのまま二階に降り立った。

この階層は先ほどまでいた三階とまるで構造が異なる。

       ザッ
           ザッ

「あっ、皆さんついさっきぶりです。
 もう準備できてるんで、こちらへどうぞ!」

吾妻に促され、桜島に率いられて辿り着いたのは開けた場所だ。
廊下の一角と考えて良いのだろうが、動き回るのに十分と言える。
そこに、女がいた。コートと合致する趣味の服装からして、
恐らく彼女こそが『加古』だろう。寝不足の犬のような女だった。

「加古ッ、準備は出来ているか?」

「はぁい。すぐにでも始められますけどぉぉ……
 一応、私について、自己紹介とかすべきかな、とは」

               カチャ
                   カチャ

「――それもそうだ。では自己紹介を頼む」

広いスペースの端にモニターとパソコンが用意されており、
そちらに幾つか椅子が並んでいる。職員の席はあちらという事か。

             カコ ミク 
「…………あ、はい。私『加古未來』です。アリーナの職員で、
 ゲームクリエイターでもあってェ……能力も、『電子』関係です」

       ペコ

    「端的に言いますケド……皆さんには『仮想の世界』に、
     私の能力で入って……今回の『テスト』を実施してもらいます。
     場所とか、人員とか、本物を用意するより安上がりなんでぇ……」

パソコンの一つを操作しながら、女は小さく会釈した。

先ほどの映像も、現実の空間で実施された物とは思えなかった。
電脳空間の如き非現実的な『道』は、実際に『非現実』の世界にあったのだろう。
少なくとも、スタンドが周囲に与える影響――破壊や騒音を気にしなくてのは確からしい。   

         「準備がいいなら、もう始められますけどぉぉ…………どうですか?」

(★全員が準備完了なら、『開始』)

47夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/07(木) 05:59:05
>>46

「おー、久しぶり。元気してた?」

「そういえば、これ提案したのってジョーキさんなんだって?やるじゃん!」

「さすが吾妻!!よっ、日本一!!」

繰り返しになるが、改めて吾妻に賞賛の言葉を送る。
桜島を通してもいいが、こういうのは自分の口から直接伝えておきたい。
架空の思い出話をもう一度するのは芸がないので止めておいたが。

「――ヨロシク!」

加古に挨拶し、周囲を見渡す。
非日常的な空気を全身で感じ、胸が高鳴る。
だけど、こんなのは序の口。
                      ワンダーランド
『テスト』が始まれば、もっと奇妙な『非日常空間』が待っているだろう。
楽しみで仕方がない――今は、ただその一言だ。

「『仮想の世界』か――」

 アリス・イン・サイバーランド
「『電子の国のアリス』ってトコロかな」

「――行こう」

この胸の内は、未知の世界に対する好奇心で溢れている。
そう――私は『アリス』だ。
夜空に輝く星々のように瞳を煌かせ、準備の完了を宣言した。

48弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/07(木) 13:22:53
>>46
「初めまして。本日お世話になります、弓削と申します」

挨拶に挨拶を返しつつ、

「なかなか本格的な……まるで研究所ですね。
 加古博士――とお呼びした方がいいでしょうか」

あたりを一瞥し、まじめ腐った表情で言う。
一応、冗談ではなくプロフェッショナルに敬意を払っているつもりである。

「……私の方は、いつでも開始できます」

直立不動のまま、最後に言い添える。

49遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/07(木) 22:21:06
>>46

「フラジールだ、宜しく頼む」

 能力についても、人柄についても詮索する気もない。
ましてや、今回の仕事において。その必要もないだろう

 「問題ない。始めてくれ」

粛々と、やるべき事をするだけだ。

50『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/08(金) 00:45:02
>>47(夢見ヶ崎)

「元気ですよ! あ、アキさ……桜島さんに聞きました?
 ありがとうございます! まあ、オレはアイディアだけで、
 本格的に作ったのはほとんどミクさんなんですけど……!」

「『アイディア』がないと作品は作れませんからぁ……」

お調子者風の吾妻だが、他二人よりは立場が低いらしい。
話す調子や、しぐさからそれが見て取れる。緊張感は無いが。

「アリス。言われてみれば、アリスっぽいですねぇぇ……クオリティ高いです」

コスプレか何かと勘違いされたのだろうか。単にファッションを褒めているだけか。

>>48(弓削)

「博士なんてそんなぁぁ…………私は研究者ではないので。
 ゲームが専門なので…………普通に加古で大丈夫ですよォ」

        「博士なんてそんなぁ……」

まんざらでもないようだ。

さすがに白衣を着るほどの自己主張は無いらしいが、
内心『インテリジェンス』を誇っているのかもしれない。

>>49(遊部)

仕事上の関係であれば、ドライな方が良い事もある。
未知との同化を望まないならば、深入りは不要だろう。

>全体

「えぇと、弓削さん、フラジールさん……『アリス』さん?」

                  「彼女は『夢見ヶ崎』さんですよ!」

「あぁ、失礼しました……夢見ヶ崎さん、よろしくお願いしますぅぅ……
 それじゃあ準備も良いという事で、『マトリクス・オデッセイ』を起動します」

             カチャ
                    カチャ

「皆さん等間隔に離れてもらって、スマホを出して、
 ええと……表示されてる『アイコン』をタップしてくださぁい……
 ちょっとだけ意識がフワッとして、気づいたら『飛んで』ますからぁ」

準備は出来ているはずだ。言われた通りに広がって動き、スマホを出すと、
画面に見覚えのない『イルカ』のようなアイコンがある。それをタップすれば―――

                           _
              ________r':::|
             ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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                                         ̄
                                       _
                                     |:::::}
                                         ¨´   _
                                           {:::}
                                            ¨

――――視界がブラックアウトしたのは一瞬で、今は光にあふれていた。

三人は気づけば『知らない場所』にいる。
そこは『部屋』のようだったが、今までいた部屋とは明らかに違う。

電子的な――――緑のフレームや、流れる0と1の粒子など、過剰に電子的で、
そういうふうに作られたかのような『空間』に、三人はいつの間にか立っていた。
エレクトロなBGMが非現実を煽るが、現実のように体は動き、望めばスタンドも出せる。

          ≪ ハロー ハロー≫
 
                           ≪ ヨウコソ ≫

    ≪ マトリクス・オデッセイ ノ セカイヘ ≫

                                   キュキュゥーーン

頭上から聞こえる『電子的な声』に顔を上げれば――そこには『電子的なイルカ』が泳いでいる。

                                      ・・・ここはまさに『電子の国』だ。

51『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/08(金) 00:54:57
>全体 つづき

【 皆さん 見えていますか? 大丈夫ですか
  そこが『仮想世界』マトリクス・オデッセイです 】

空間に――――『壁』と思われるそこに文字が流れ出す。
加古のものなのだろう。音声を流さないのは『演出』だろうか。

【 私のパソコンを 媒介に 『仮想世界』を作るのが 私の能力 】

【 どういう世界にするかは 自分で『クリエイト』する必要があり 】

【 好きな『状況』を作れる シミュレーターにも 使えます 
  私のパソコンの スペックの範囲でしか 運営できませんけど 】

                 ヴン!

【 今 皆さんの意識は この世界に『ログイン』してますけど 
  希望すれば 『ログアウト』して すぐ現実に戻る事も できます 
  戻っちゃった場合 またスマホのアイコンを タッチしてください 】

周囲の風景が変化する。『テスト映像』と似ている。
路地だ。周囲には人通りがあるが、それらは『停止』している。

そして――――『他の2人』の姿が、周囲に見えない。

【 『チームワーク』は今回 予定していませんので 『ルーム』を区切ります 】

       【 希望すれば あとで『ビデオ』は 差し上げますし 
         それを皆さんで 共有 していただても 構いません 
         ただし 関係者以外に ここでのことは 他言無用です 】

【 それでは 何も 問題なければ 『仕事』を開始したいと思います 】

                         ヴン!

    ザワ
         ザワ

一瞬空間が『ブレた』と思えば、周囲の通行人たちが『それらしいSE』と共に動き出す。
此処は現実ではない。それが分かる。しかし幻滅するほど『非現実』でもないリアリティがある。
一介のパソコンで演算できるとは思えないほどに、通行人たちは『自然っぽく』動いている。

【 それでは 始めましょう 】

                 【 健闘を 】

                            【 祈ります 】

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★特に何かが無い限り、次レスから『状況』が開始します。
☆提示された状況に『1レスで収まる』範囲で解決法を返信してください。
★仮想世界の人間等は特筆が無い限り『常識的な範囲での対応』をします。
☆小道具は『持っていてもおかしくない』範囲でなら『用意』された物として使用して構いません。
★通行人の持ち物や、落ちている物なども、同じく『あってもおかしくない範囲』なら用意されています。
☆その他質問があればこのレスにお願いします。

52夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/08(金) 06:16:09
>>50
>>51

「ああ、それね」

「――『アリス』でいいよ」

「だって、私は『アリス』だから」

加古と吾妻のやり取りに対し、悪戯っぽい笑みを浮かべて答える。
生まれつき目が見えなかった自分にとって、『光ある世界』は『不思議の国』のようなものだ。
だからこそ、私は『アリス』――『光の国のアリス』だ。
                           
                          サイバーランド      アイコン
不思議の国へ飛び込んだアリスのように、『電子の国』へ繋がる『入口』に指先で触れる。
視界のブラックアウトと、闇をかき消すように溢れる光の奔流が、
初めて視力を得た瞬間を思い出させた。
同時に、否応なしに胸の高鳴りが強まっていくのを感じる。

「――へえええぇぇぇ〜〜〜……」

        キョロ 
             キョロ 
      キョロ 
           キョロ    
   キョロ 
        キョロ
             キョロ
    キョロ
         キョロ

強烈な好奇心に後押しされ、瞳を輝かせながら周囲を見渡し、思う存分『非現実』を体感する。
別世界に迷い込んだアリスも、きっと同じような気分を味わっていただろう。
ふと、頭上から聞こえた声に反応し、満面の笑みで空中の『イルカ』を見上げる。

         『 L 』

「ハロー、ご機嫌いかが?『白ウサギ』さん」

         『 I 』

「見たところ、あなたは時計は持ってないし、ウサギでもないみたいだけどね」

        『 G 』

「――さあ、始めようよ」

        『 H 』

「すッッッッッッッッッッごく楽しくなってきた」

        『 T 』

傷の付いたレコードのように、途切れ途切れの言葉を発する無機質な声が響く。
その声の主は、自身の精神の才能である盲目のスタンド『ドクター・ブラインド』だ。
自らの半身を従えて、『光の国のアリス』は『電子の国』の冒険に繰り出した。

53遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/08(金) 18:16:54
>>50-51

 「……ふむ」

『マトリックス・オデッセイ』
 仮想空間に、他者の意識を転移させる。

『私』が『我々』と共に移るのか……と言う疑問はあったが
どうやら心配は今の所ないようだ。

 (『収穫』は……これを体感するだけでも、あったな)

 「『ビデオ』に関しては……加古さん、と言ったな」

「貴方に対し、私のスタンドの開示を拒否するのは。状況的に
論外として……彼女達二人に関して非公開を望む選択は、あるのだろうか。
また、逆も然りだ。他者に余り自分の力を見せびらかしたくない考えもあるだろう」

 「……まぁ、これ等の質疑に回答するのは。全て終わってからでいい。
宜しく お願いするよ」

 スタンド、『フラジール・デイズ』

それを他の二人に見せる気は、積極的にあるわけでも 拒絶の意思が強い訳でもない。

(まぁ、問題の内容次第だな)

 『我々』と『私』で 解いてみよう。『試練』をな

54弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/08(金) 19:30:51
>>50-51
『転移』。そしてそれが予兆する物を想像し、弓削は手を口元にやった。
それは無意識の行動だ。
口元には感情が出る。それを無意識に避けたのだ。
そして隠されたその口元には――

      「…………」 ググ

『愉悦』がありありと浮かんでいた。

弓削は自身に『とある制約』を課している。それはスタンドについての制約だ。
『スタンドを用いねば挽回しようのない失敗がない限り、力を使ってはいけない』。
彼女にとってこの能力は『罪を焼却する』為のものであり、
そうした制約に則ることが彼女の義務であると信じているのだ。

では、この状況はどうだろう?

能力を用いるにあたって、そこに弓削の失敗はあるか?
……無論、存在していない。この状況はあくまで段取り通りの展開でしかない。
しかも弓削は、そうなることを理解した上でこの依頼を受けていた。

だが、この状況は彼女の人間性と何ら矛盾することはない。
むしろ彼女にとって、現状は最も『過去の失敗を焼却しやすい』状況ですらあった。

             (たとえ道程が長くとも)

       (ここから、また始められる)

「承知しました。よろしくお願いします」

口元から手を外してそう言ったとき、彼女の表情は元の鉄面皮に戻っていた。

55『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/08(金) 23:46:29
>>52(夢見ヶ崎)

 セカイ     アリス
電子の国は夢見ヶ崎の好奇心を抑える事なく――――
むしろ後押しするように、電子的幻想の風景を形作っている。

周囲には『大通り』に存在し得るものは全て存在する。
人間の顔や体のつくりはやはり不気味の谷を超えはしないが、
この冒険に引っかかりを作るほど、雑な子供だましでもない。

【 ぜひ 楽しんでください 『アリス』さん 】

【 よろしく お願いします 】

                      ≪  START  ≫

>>53(遊部)

【 その辺りは プライバシーというか 商売道具なので
  他二名含め アリーナ職員以外に 非公開にすることは可能です 】

【 今日の仲間が 明日の商売敵に なる事は 珍しくないですので 】

それ以上の返答はない――――それは『開始』を意味するのだろう。
より詳しい事が聞きたいのならば、それこそ『終了後』という事か。

【 よろしく お願いします 】

                      ≪  START  ≫

>>54(弓削)

愉悦。その鉄面皮の真意を知る者は『弓削 和華』のほかに誰もいない。
電脳空間の主である加古にも、人の心の奥底まで読めるとは思えない。
ゆえに意味することは分からないが――――その目的を止めるものはいない。

【 よろしく お願いします 】

                      ≪  START  ≫

56『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/08(金) 23:53:56
>全体

                 ヴ
                    ン!

    それぞれの視界に映るのは、最初の『状況』についての説明だ。
    ロケーションは『星見街道』にも似た大通り、時刻は昼頃。
    所持品は、『散歩』程度の状況で持ち歩いている『日用品』までなら、
    よほどやりすぎない限り『マトリクス・オデッセイ』がデータを用意する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

                    状況その1
                  『おびきよせろ』

 あなたはアリーナから提示された『ある極秘任務』の補佐を請け負っている。
 やらなくてはならないのは、『ターゲット』の『足止め』と『攪乱』だ。
 つまり注意をひかなくてはならない。あなたの仲間が作戦を成功させるために。
 なおターゲットは『スタンド使いではない』が、『スタンドの知識』は一通り有する。
 あまりにも露骨すぎる干渉は彼の警戒心を高めるし、白昼の騒ぎは『マズイ』ぞ。

                   成功基準(※)
    『ターゲット』を足止めし、注意を『5〜10秒』程度周囲から逸らさせる。
   長く注意を逸らせれば逸らせるほどいいが、それが絶対の基準ではない。
  足止めする事は出来ても『周囲を警戒させてしまう』ような形はグレーゾーン。

            ※ただし、あくまで基準。例外アリ。
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

        ザワ
                        ザワ
            ザワ

星見町に住むものなら、このくらいに賑わう街道は見たことがあるものだ。
休日の星見街道に近い。100%そうではないが、雰囲気は一致している。
雑踏の中、ターゲットとなる人物は分かりやすく『ターゲットマーク』が描かれている。
        
               スタ
                     スタ

向こうから歩いて来るが、望むなら『思考する時間』は与えられるようで、
作戦を考えている間に横を通り過ぎて居なくなるような事はないようだった。

あの人物の足を止めさせ、なおかつ注意力を奪う――――それが第一の状況解決だ。
スタンドの力でそれが可能だろうか。あるいは話術、技術、環境の利用。択は無数にある。

                       状況その1 → 回答開始

57弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/09(土) 01:23:51
>>56
「――――」

           「!」

ふと気づくと『星見街道』。
そして、今回の『目的』を理解する。

     (足止め……)  (しかし『警戒』させてはならない――!)

端的に言って、『難問』だろう。
最低でも五秒もの『足止め』を、警戒心を与えずに行わなくてはならないのだ。
直接のスタンド行使などもちろん御法度……この時点で、かなり手は絞られる。

まして、『アンタイトル・ワーズ』は『書く/描く道具』を発現する能力。
無論その種類は多岐にわたるが、できることは『書く』ことのみである。
その条件下で、弓削にできることとは――――。

                           「…………『進退窮まる』」

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

  『「アンタイトル・ワーズ」』

精神の呟きと同時、弓削の背後から細身のヒト型スタンドが発現する。
『アンタイトル・ワーズ』は即座に駆け出し――
人通りの多い街道であれば大体あるであろう『立て看板』を入手する。
(ttps://tshop.r10s.jp/e-netsign/cabinet/main-img/in-stand/wa-450-2.jpg?fitin=198:198)

『立て看板』を入手した『アンタイトル・ワーズ』はまず『ペンキブラシ(白)』を発現して『立て看板』に塗りたくり、
その後『ペンキブラシ(赤)』を発現させ、『通行止め』の文字を書いてターゲットから離れた場所に設置する。

          『「アンタイトル・ワーズ」の能力によって、
           「筆記具」のインクなどは常に補充されます』

     『筆の仲間であるペンキブラシ「のみ」でもこの通り……』

            『(もっともペンキブラシなんて今まで発現したことないですが)』

――射程距離の長く精密性に優れた『アンタイトル・ワーズ』なら、
これらの動作を本体から離れた状態で、手際よくこなせるだろう。

無論、塗りたてのペンキだし、立て看板も店の物を使っているのだから
注意深く観察すれば偽物だと分かってしまうと思われる。
だが、遠目から見ればただの『通行止めの看板』にしか見えないだろうし、
何より『注意深く観察する』ということは少なくともその瞬間、
ターゲットはその場で『足を止め』、周囲から『注意を逸らしている』ということである。

なお、本体の弓削は適宜ターゲットとの距離を保つなどして、『アンタイトル・ワーズ』の作業時間を稼ぐ。

58遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/09(土) 11:05:10
>>56

 「成程」

 「スタンドでの直接的な干渉をすれば。危機感を抱かれ逃走及び
ターゲットの仲間に連絡などすれ、ミッションは失敗。
 周囲にも、不審な行動と捉えられる事も、同じく失敗。
第一門としては ――非常に容易だ」

 「然し出だしから、すまないが。少々『停止』して頂きたい。
あと『眼鏡』を貰おうか。
着替える時間だけ、貰う。およそ二分だけ 待って頂きたい」

大通りで直接着替えるとなれば、それだけでちょっとした騒ぎだ。
ビル内に入っていた服装は、第三者からすれば怪しさに満ちてるので
着替える許可だけは貰う。

 シークレットブーツを脱ぎ、バックの中に入れたスニーカーに履き替え。
服装も学生服の上に、今しがた着ているオレンジのコートと。何処にでも
居る普通の学生の姿形へと変わる。そして、『フラジール・デイズ』を発現。

 『……ボソボソ』
そして、指示を下して『開始』だ。



ターゲットと交錯する道なりを、スタンドと共に歩く。この時、演技は
私達のうちの誰かの人格なら誰でもいいが、とにかく歩きつつ
ターゲットが自分達の視界内に入る前に視認して『舞台外の指定』を行う。
 指定された相手は、女子学生一人が横を通り過ぎるとしか認識出来ない。
交錯して数メートルの距離が空いた時、小さく咳払いをしてスタンドに合図を
本体である自分が行い……ここで、『任務』を開始する。



 「あれ! 〇〇君っ!? 〇〇君だよね。
うわーっ、この前の親戚の集まり以来じゃない? 久しぶりー!」 パンッ!

 声を掛けるのは『私』だ。歩き去ろうとする『ターゲット』の肩を軽く叩き、呼び止め。
いかにも『遠縁の知り合いに再会した』かのような態度で拍手を打ちつつ話しかける。

 ターゲットは即座に否定して立ち去ろうとする可能性は高い……故に。

『お姉ちゃん……その人、よく似てるけど他人の空似。
眼鏡かけてないから間違えるんだよ、もー……』

 『瓜二つの、しっかりとした双子の妹』と言う演技を行わせ
話しかけている本体のターゲットの背後より舞台外指定の解除を『拍手』でしつつ
出現させつつ、呆れた様子で本体へと眼鏡を手渡す。

 この時、ターゲットは何時の間にか本体に良く似た人物が出て来た事に対して
多少は驚いたとして……スタンドでの干渉を疑う可能性は低い。
 背後から瓜二つの存在が出現しても、人混みに紛れていたか自分の視界内に
入ってなかったと考えるほうが、スタンドでの干渉と思考するより自然な筈だ。
 ただ単に自分は知り合いと間違え話しかけ、フラジール・デイズは妹として
自分に間違いを正す動きをするだけ……何処にでもある『日常』の『脆弱』な『衝撃』だ。

 「え、玲子― 絶対に〇〇君だって。眼鏡かけたって間違いなく……
……うわっ! 似てるけど違う―!? ご、御免なさいっ、人違いでしたっ」

 あとは、眼鏡をかけて自然に慌てた様子で恥ずかし気にターゲットに謝罪しながら
妹(フラジール・デイズ)を手に取り小走りに立ち去る。

 この、やり取りだけでも十秒程度の時間は稼げただろう……。

59夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/09(土) 11:16:05
>>56

    ペーパー
「――『 紙 』」

『マトリクス・オデッセイ』にリクエストし、折り紙程度のサイズの紙を一枚拝借する。
その紙を『ドクター・ブラインド』に持たせ、本体である自分から4〜5m離れた距離に移動させる。
移動する方向は、左か右――要するに、自分の側面に位置していればいい。
私自身は、『余所見しているフリ』をしながらターゲットに向かって歩き出す。
その際には、『ドクター・ブラインド』も距離を保ったまま進行方向へ随行させる。

「あッ――」

そして、ぶつかる直前で顔を正面に向け、慌てた様子で足を止める。
さも今気付いたという風に見せかけるために、やや驚いた表情で。
続いて、その場で止まったまま、ターゲットの顔を覗き込む。

「おっ」

「キンちゃん!久しぶり!!」

「――あ、ゴメンなさい。人違いでした……」

『知り合いだと勘違いして恥をかいた』という演技をし、そのまま何事もなく別れようとする。
そのタイミングを見計らって、私の背後を『紙飛行機』が横切っていく。
待機していた『ドクター・ブラインド』が作成して飛ばしたものだ。

飛んでいく『紙飛行機』をターゲットに見せることで視線を誘導し、注意を引く。
私自身は、その視線の動きを不思議そうに見つめる。
そして、こう尋ねる。

「???なにか???」

こう言うことで、ターゲットに『紙飛行機』のことを教えさせ、その分だけ時間を稼ぐ。
それが上手くいったら、トーゼン私は振り返る。
そして、『紙飛行機』の動きを目で追う。

その間、「なんでしょうね??コドモが遊んでるのかな??」とか言っておく。
もちろん、これも時間稼ぎのためだ。
ターゲットが立ち去る気配を見せたら、不審に思われない内に軽く挨拶して今度こそ別れる。

60『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/09(土) 18:19:24
>>57(弓削)

白いペンキと赤いペンキがそれぞれ塗られたブラシを発現し、
即席の『通行止め看板』を設置――――ターゲットの進路をふさぐ。

                   シュバ

          バババババッ

怪しい看板にはなってしまうが、むしろそれでいい。
周囲を警戒させなければいいのだ。看板が警戒されるのは好都合。

「…………? 『通行止め』……?」

狙い通りターゲットは、『立て看板』の前で立ち止まり観察している。
それだけの隙があれば、仲間が役割を果たすには十二分と言えるだろう。

持ち物に頼らず、スタンドの特質を活かし、偶然の介在も少ない。
決して『容易』な問題ではなかったが、弓削は知恵で成し遂げた。

これは、理想的な『成功』だ――――ファンファーレがそれを示す。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――
         
                           →『CLEAR!』


>>58(遊部)

服装のチェンジは――『許可』されたが、多発は『良くない』と思われる。
とはいえ能力の『真価』を活かすために変装は十分自然に求められる行動。
これくらいで『道具頼り』の烙印は押されまい。着替えを終え、演技を始める。

                  スタ

                       スタ

「!? ――――いや、人違いだろう。君のような知り合いはいない」

機械音声的ではあるが、反応もしてくれるようだ。
ほとんど『人間相手』の作戦と同じように考えてもいい、という事だ。
当然人違いを指摘され、否定される。これだけならそのまま通り過ぎて終わりだが、
 
 パチパチパチ

スタンドの特性を生かした――――『双子作戦』が功を奏して、更なる時間を稼いだ。
ターゲットが小芝居に気を取られている内に、十分仲間は『目的』を果たす事が出来る。

準備にやや手間取りはしたが、それは失敗を意味しない。
そしてこのやり方は『フラジール・デイズ』に特有の、目新しいものだ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:△
――――――――――――――――――――――――
 
                               →『CLEAR!』

>>59(夢見ヶ崎)

                ヒラ

希望通り、紙が手元に現れる。それを畳んで作り出すのは、紙飛行機。

「!? な、なんだ君は……キンちゃん? 人違いだろう」

                   スィーーーーッ

          「……!?」

本体による『人違い』だけで終われば『時間稼ぎ』は出来なかっただろうが、
相手の『疑心』に重ねるように宙を舞う紙飛行機が、視線を巧みに誘導する。

「あ、いや。紙飛行機のようなものが…………?」

そうなってしまえば――――相手も無視して立ち去る事は出来ない。
夢見ヶ崎の言葉に答えて立ち去るころには、既に仲間が目的を果たした後だ。

特有の能力を用いたわけではないが、精密性や射程は活かしている。
そして準備に手間取る事もなければ、流れは一つの物語で、ある程度自然。
少なくとも、『誰でも出来る』やり方ではない。文句なしの『CLEAR』のようだ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:△ 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――
 
                               →『CLEAR!』

61『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/09(土) 18:20:48
>全体

第一問を突破した三人は、周囲の風景が変わっていくのを感じる。
今度は――――これは星見街道ではなさそうだ。裏路地だろうか?
星見町の風景というよりは、もう少し『フィクション』な空気だ。
見たことがあればギャングとかマフィアとか、そういう『映画』のような。

そして、三人の手には先ほど渡された道具はなく、
代わりに名刺ケースほどのサイズの『小包』がある。
手放そうと思えば手放せるようだが、そこで状況が提示された。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

               状況その2
              『バレずに運べ』

      ここは敵の縄張りと自分達の縄張りの境界線。
   あなたは『敵組織』の監視を抜け、荷物を運ぶ必要がある。
  幸いにして敵にスタンド使いはいないし、スタンドの知識もない。

  取れる手段は二つ。監視に見つからずに進むか、荷物を隠すか。
  仮に見つかったとしても、持っている荷物を隠し通せれば問題ない。
  運ぶには期限がある。安全圏に隠して後で取りに来るなどは不可能だ。
   敵組織の者を暴力で排除するのは禁止。いらない諍いを生む。
   ただし『バレずに傷を負わせる』程度であれば特に問題はないし
  この場に監視がいなくなれば、見つかるような事態も起きないのだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

――――この路地の向こう側にまで抜ければ成功、という事だろう。
道の幅は『6m』ほどで、向こうまでの距離はだいたい『20m』ほどか。
走り抜ければすぐの距離だが、『そう簡単にはいかない』理由がある。

              「・・・」
 
                           スパー

道には人通りは無いが、『監視』の『タバコを吹かす男』がいるのだ。
まるで関所のようだ。まともに通るなら彼の視界を通るのは免れない。
ここにいるのは一人だが、大きな騒ぎになれば他の人間も駆けつけてきかねない。

そのため、求められるのは『あの男に見つからないようにこの路地を抜ける』か、
あるいは『見つかったうえで荷物には気づかれずに素通りさせてもらうか』――
もしくは『暴力があった』と気づかれない方法で、彼を一時的にこの場から排除するか。
それが状況2の解決に求められているであろう手段だ。抜け道は他にもあり得るだろう。

                                状況その2 → 回答開始

62弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/09(土) 19:29:13
>>61
「『正解』……いや『成功』の合図でしょうか、このファンファーレは」

ひとまず第一関門は突破とみていいだろう。
だが、安心する間もない。――ふと気づくと、そこは路地裏。

(……次の関門は――)
                   (『関所越え』、ですか)

まず最初に思いついたのは――『スタンドによって名刺を移動させる』という手段。
しかしこれは、少し考えれば悪手でしかないと理解できる。
正確には、不可能ではないだろう。
だが、一般人でも『小包』を目視することはできる。
監視がいなくならない限り、『小包』がいかに名刺サイズでも気付かず素通りはできまい。

そもそも監視がいなくならない限り、この関所を越えることはできない。
しかし、『アンタイトル・ワーズ』に物質を消したり移動させたりする力はない……。
では、どうすればいいのか。

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

                      「…………」
    『「アンタイトル・ワーズ」』

精神の呟きと共に、今度は弓削の前方目がけヴィジョンが走る。
その手に発現するのは――――『米粒サイズの鉛筆』。
(ttp://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/c/microart/2011_0113_023735-CA3H0045.jpg)
先行した『アンタイトル・ワーズ』は、これを使って
監視役の吸っているタバコに『積極的焼却』の条件で『通行手形』と書き込む。
『アンタイトル・ワーズ』の精密さを以てすれば、このくらいは十分可能だろう。
文字を書き終えたら一旦弓削のところまで戻り、『小包』を受け取る。

               『……では、やりますか』

    『これが私の「通行手形」です』

そしてタイミングを見計らい――タバコに書いた文字を『積極的焼却』。
相手がタバコの焼却に気付かず軽いやけどをするか、
あるいはタバコの減りに気づいて火を消し、新しいタバコをとるか――。
そのどちらにせよ、そのタイミングは監視の目も緩むはず。

               「………………」

その隙を見て、『アンタイトル・ワーズ』は監視の目の前を通過、監視の視界から外れる。
『小包』が隠せないとはいえ、所詮は名刺サイズ。
タバコの始末をしている/指の火傷に熱がっている最中の監視では気づけまい。

あとは本体が監視を通過したあと、ほどほどのところで
『アンタイトル・ワーズ』から荷物を受け取るだけだ。

63遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/09(土) 20:21:30
>>61

 服装は学生服に着替えたまま、脱いだ服は持ってるバッグに入ってる。
『フラジール・デイズ』も、自分と同じ外見だ。

 (……これは、少々難問だな)

『舞台外指定』をすれば、見張りに全く気付かれる事なく路地を抜ける事は簡単だ。
相手が一人なら、それだけで包みをスタンドに渡して通りを抜けるように指示すれば
それで済む。だが、それでは『味気ない』 全くもって味気がない。
能力だけの強引な力押しでは意味が無いのだ。

(……『関所』を抜ける。能力を使えば認識外になり 素通り出来る。
だが、それが『抜けた先』で通用するとは限らない。
 他の見張りの仲間が居て、呼び止められる可能性だって十分ある。
 『展望』を 約束された『安全』を確立しなくては)

(……よし、次の『演技』だ)

「……小道具を一つ借りる。『携帯電話』だ
任務を仰せつかってるのなら、事前に借用していた設定でも不思議じゃないだろう?」

 ―――――――――

「……うんっ、うん大丈夫。来週ねー
大丈夫、絶対にドダキャンしないってー。あははっ 一杯サービスするよぉ♡」

 スマホを耳にあてて、路地を歩く。路地裏と言うのは大体遮蔽物が多い
参考画像↓
(ttps://www.photock.jp/photo/middle/photo0000-3789.jpg)
自販機の影など、見張りの男と十メートルかそこらの遮蔽物に一度隠れて
通話は継続しながら、スタンドは発現する。
  
 「うん、じゃー切るね。うん 私も愛してるよー ばいばーい」 pi

「ふんふ〜ん、今日も営業頑張るぞー……あれ? ちょっとお兄さん
邪魔なんですけどー? 通りたいんですけどー。
ほーら、バッグにも何も入ってないってばー。ナイフとか何もないって!
 あ、煙草の火貸してくれる? このライター、燃料切れかかってるしー」

 『見張り』に堂々と、馴れ馴れしく話しかける。いかにも『水商売』系の仕事をしてる
感じのスタイルを匂わせつつ、陽気に喋りかけ。開けたバックも横に置いやる。
 喫煙仲間が好印象になりそうなら、喫煙する事も無論行う。

「最近他の場所でウリとかやると目ぇ付けられるから、此処で商売しようと
思ってるのー。他の人にも私の事教えてー? そしたらお兄さん安くするよー。
ねぇ、お願い『pululu』あれ、うわウザー。また掛かってきたし」

バッグを『置いたまま』。また、自販機の陰で電話する。
むろん、この着信は自販機影で待機するスタンドに指示させたものだ。
指示の方法は、電話に事前に記載したメール画面を見せて行う。

「もしもしー? え、電話出るの遅い? 全然遅くないしー。
浮気? ちがうしー! 何時も『入れて』とか催促するのそっちじゃんっ。
は? 何その妄想! まじ最悪なんだけどー。この変態!」

 電話中の合図と共に、『舞台外指定』したスタンドに『開けたバック』へ
事前に携行していた『包み』を入れる。大声で電話する本体に対し
見張りはそっちに意識を集中するだろうし、事前に会話して確認させたバッグを
一々注視してる可能性は低い。その危険も考慮しつつ、さりげなく開いてるバッグに
『包み』を入れた後に、自販機の陰に戻らせてスタンドを解除させる。
 そして、頃合い良く電話を終わらせる。

「あいつ、超しつこく電話してくるから最悪ー。もう縁切ろうかなー
あっ、通っていいでしょ? ふふっ、ありがとうお兄さん。
お礼に、今度サービスしてあげる」

 あとは、『水商売』の為に女が着替えと一緒に『包み』が入った
バックを堂々と提げて通り過ぎるだけだ。
 一度確認したバックを、再度呼び止めて確認し直す道理はない……。

もし、路地を抜けた先に未だ他の組織の仲間が居ても……今のやりとりを
見張りが把握してるなら、他の仲間に この女は異常なしと伝達をしてくれる筈。

未来にも『保険』をかける……何時、一寸先の道に罅が入るかなど
神でさえ予想はつかないのだからな……。

64夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/09(土) 21:30:55
>>61

「――チッ、ここも既に手が回ってるようだなぁ」

「だが、ここでしくじるわけにはいかねぇ」

「組織に拾われてから早数年――
 今までくだらねぇ仕事ばかりやらされてたオレが、
  初めてまともな任務を与えられたんだからよぉ」

「ここで手柄を立てりゃあ、ハキダメみてぇな今の場所から抜け出せる」

「成り上がるチャンスだ――オレはやるぜ」

少し前に見たギャング映画を参考にして、頭の中で勝手な物語を展開する。
気分は犯罪組織の下っ端だ。
当然ただ遊んでいるだけではなく、状況解決のためにも頭を働かせる。

 ロック
「 石 」

『マトリクス・オデッセイ』にリクエストして手頃な石を……いや、その辺に落ちてるか。
ともかく――まず『ドクター・ブラインド』で小さな石コロを一つ拾う。
そして、自分が歩き出すと共に『ドクター・ブラインド』を先行させる。
射程距離の限界まで離し、本体の5m先を進ませたい。
『監視』が『ドクター・ブラインド』の射程内に入り次第、行動を起こす。

シュバッ

『ドクター・ブラインド』の爪を振るい、『監視』の肌にほんの僅かな『切り傷』を付ける。

                       ブラックアウト
存在しない『視覚』を移植し、『監視』を『盲目化』させることが目的だ。
これで、私の姿は『監視』から『消える』。

さらに念には念を入れておく。
『視覚』を奪った直後に、石を自分の後方へ投げる。
落ちた音が『監視』に聞こえ、なおかつ私からは離れている位置を狙いたい。

『視覚』が効かなくなった人間は、『聴覚』に集中力を傾けるはず。
そこに物音が聞こえれば、そちらに意識を向けさせることができると思う。
『監視』が音の方向へ近付いてきたら、それとすれ違う形で路地を通り抜ける。

65『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/10(日) 13:50:43
>>62(弓削)

          ボ
           ウッ

「…………!?」

             「アチチッ!!」

      ポイッ

              バタバタ

                   『ヒュン』

タバコに広がった火に気づいたのは少し遅く、
手に感じた熱さで反射的にそれを投げ捨てた。
災難ではあるが、『タバコ』が燃えるのは普通。
ライターか、紙が悪かったのだろうと納得して、
その後に通りすがった女も特に異常は無し・・・

異常はない。手元に起きたちょっとした、『ごく普通』の災難に、
気を取られていたから――――通り過ぎた小包に気づけなかった。
他の何かではなく、タバコを狙ったのは弓削の『慧眼』と言える。

――――『あらゆる筆記具』を発現し、『筆跡』を燃やす。
その『能力』を最大限活かす、堅実性の高い回答が成立した。
スタンド使いとして、一つの『最適解』を選んだとも言える。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                        →『CLEAR』

66『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/10(日) 13:50:54
>>63(遊部)

携帯電話――――持ち込んだスマートフォンでも問題無いが、
いずれにせよその程度の『小道具』はやはり問題なく用意される。
この課題は『フラジール・デイズ』にとっては『楽勝』の領域だが、

フラジールはそこに――――更なる『工夫』と『展望』を求めた。

「あ? なんだァお前…………この辺では見ねえ顔だが。
 タバコ吸うならライターの管理くらい、ちゃんとしやがれ」

                   スッ

「ヨソから来たのか? この辺は俺らのナワバリだからな、
 許可を取ろうとするのは正解だぜ…………手荷物も問題ねえ」

        プカー

バッグの中を一通り無遠慮に検められた。当然そこに異常はない。
電話で夜を匂わせる胡乱な話をし始めれば、彼の興味もカバンから逸れる。

               スッ…

その隙に、カバンの中に――――『一度検められ安全圏になった』カバンの中に、
例のブツを隠す。これで、この先で再度策を講じる事もない。カバンは『安全』なのだ。

「縁切るなら俺らと結び直すのはどうだ?
 ――――良い『パートナー』になれると思うぜ。
 ビジネスでも、プライベートでもな。いい返事を期待してる」

                 「じゃあな」

結果、悪印象どころか『好印象』――――仲間意識まで与えた上で、
フラジールは検問を突破する。今後も『埋伏の毒』として活躍でき、
よほど大きなヘマでもしない限りその関係性が崩れる事もあるまい。

――――運び屋としてある種『理想的』だ。
スタンド使いとしても、能力だけでない『有能性』を見せられ、
演技や工夫が『自己満足』ではなく状況解決の質に直結している。

鳴り響くファンファーレは、その『優美』を称えるものと考えて間違いないだろう。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                       →『CLEAR』

67『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/10(日) 13:51:10
>>64(夢見ヶ崎)

気分はギャング映画。遊び半分にも見えるが、遊びも仕事に繋がる。
それに、これはエンターテインメント。演技は『実利』をも生む。

                    スチャ

今回のオペレーションに用いる道具は、『石』だ。
此処は裏路地。それもガラの悪い人間が溜まるような路地。
当然、石の一つくらい、探せば見つかる。壁の破片か何かだろう。

          ――――そこからの手順は極めて迅速に行われる。
    シュ
        バ

「!? ―――――なっ、なんだッ」

                   「暗い!?」

       「敵襲かッ・・・」
                      カラン!

                「今の音…………そっちかッ」
    フラ
        フラ

目論見通り、石が投げられた方向――――見当違いの方向に監視は向かっていく。
この後集まってくるであろう『増援』も、無関係の位置にいる夢見ヶ崎を疑いはしない。

そもそも、そんなものが来るより早く――――『運び屋』の任務は遂行されているのだ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                              →『CLEAR』

68『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/10(日) 14:22:38
>全体

二つ目の状況を突破した三人は、次のステージへ。
ここは……『料理コンテスト』の会場と書かれている。
なるほど、目の前には清潔な『調理場』が存在する。

香しい匂いに目を向ければ、既に出来上がった料理が。
どんな料理かは――――今見えている通りだ(任意で決めてよい)

どうやら調理の大筋自体はすでに完了しているようだったが、
一応調理場はまだ機能する。ここからひと手間加える事は可能だが、
時間をかけ過ぎる、例えば一から再調理などは著しく流麗さを欠きそうだ。
そもそも自分でこの完成品を超える料理を作れるという保証もどこにもない。

真向かいには全く同じ調理器具の備わった調理場がもう一つ。

そちらには『ライバル』である威厳に満ちた『料理人』が立っており、
彼の手元には、少なくとも見た目上は『こちらと全く同じ料理』が見える。
彼の側は料理もすでに完成しており、提出の準備は完了しているようだ。

彼、および料理との距離は、彼が動き出す前であれば『7m』ほど。
本体がある程度距離を詰めてもそれほど不自然ではないだろうが、
さすがに自分自身が調理場に乗り込んだりするのは厳しい気はする。

奥の椅子に座っているのは、『審査員』らしき人物。
人数は一人だ。こちらとの距離はだいたい『10m』か。
こちらも、料理を提出しに行く動きで自然に近づけるか。

                  ――――そして状況が提示される。

――――――――――――――――――――――――――――――

            状況その3
           『 魅力を示せ 』

      ここは『お料理選手権』の決勝戦。
   貴方がプレゼンする『料理』は納得の出来だが、
     ライバルは全く同じ品を提出するようだ。
     彼に勝てなければ入賞は有り得ないだろう。

         あなたが選べる行動は二通り。
       『自分の料理の魅力をアピールする』
       『ライバルの料理の魅力をなくしてしまう』
  
    スタンド使いならではの方法での宣伝を考えてもいい。
   審査員(なお一名)の印象を何らかの方法で操作してもいい。

    あるいは完成した料理の品質を爆発的に高めたり、
    ライバルの品質を爆発的に落としたりしても良いだろう。
   長期的な事は考えなくていい。今この瞬間、勝てばよかろう。
 
         なお、料理の種類は任意であり、
      この会場にあなた以外スタンド使いはいない。

               成功基準(※)

    自分の料理の魅力がライバルのそれを超えていると、
     審査員(一名)に思わせるための方法を考える。
                 もしくは
   自分の料理の品質を実際にライバルより上回らせる。
     どちらの場合でも『審査中』だけのもので問題ない。 
       審査自体が中止になるような蛮行はアウト。

         ※ただし、あくまで基準。例外アリ。
 
――――――――――――――――――――――――――――――

――――今までとは一風変わった雰囲気ではあるが、これも解決すべき状況。

料理の提出タイミングはこちらに委ねられているようで、
こちらが提出すれば、同時に相手も提出するようだ。
そのため必然的に、『先に食べられる』のはこちらの料理になる。

作り上げられた料理を『どうアピールするか』あるいは『品質を高くする』か。
あるいはライバルの料理にそれらの逆を――――『審査が中止にならない程度に』仕込むか。

                                      状況その3 → 開始

69夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/10(日) 19:46:46
>>68

「フゥゥゥゥゥ〜〜〜ッ」

「――よしッ、完成だ!!」

手元の料理を見下ろし、まるで自分が作ったかのように胸を張る。
視線の先にあるのは、一見すると『ハンバーグ』に見える。
しかし、肉は一欠片たりとも入っていない。
その代わりとして使用しているのは、脂の乗った新鮮な『鮭』だ。

ぶつ切りにした鮭の切り身を粗く潰し、絹ごし豆腐を混ぜ合わせてボリュームをアップさせ、
みじん切りのレンコンとタマネギを加えて食感をプラス!
それをゴマ油を敷いたフライパンに乗せ、さらに少々の醤油と味醂を足して、
両面に丁度いい色が付くまで焼き上げる!
お皿に盛り付けたら、同じフライパンで軽く炒めたさやいんげんと、
半分に切ったミニトマトを付け合せに添える!
最後の仕上げに、上から柚子を絞って爽やかさを演出し、
せん切りにした柚子の皮をパラパラと振りかける!

以上が、私が行った(ということになっている)調理の概要である!
名付けて『鮭バーグ』!!
この日のために考案した自信作だ!!
しかし、なんとライバルも全く同じ料理を出してきたではないか!
私と同じ発想に到達するとは、さすがは私のライバル……やるな!

「こうして決勝の舞台に立つのは、今回で二度目か……」

「確かに前回の大会ではアンタの勝ちだったけど、今回は譲らないよ」

「この勝負――私が勝つ!!!」

前大会のリベンジというでっち上げた過去話を語りながら、料理対決の気分を盛り上げる。
――さて、本番はここからだ。
完成した『鮭バーグ』を乗せた皿を、審査員の下まで運んでいく。
しかし、自分で料理の魅力をアレコレとアピールするつもりはない。
なぜなら――その必要がないからだ。

「――どうぞ」

「見た目は同じ料理でも、『ハッキリした違い』があることが分かるはずです」

「アナタの『舌』で、それを確かめてみてください」

自信に満ち溢れた表情で審査員の前に皿を置き――
『ドクター・ブラインド』で審査員に浅く切りつける。
目的は、『超味覚』の移植だ。
これによって、審査員は『超人的な味覚』を持つことになる。

――その状態で料理を口にすれば、どうなるか?

普通に食べた時とは比較にならない程に、料理の『味』が鮮烈に感じられるはずだ。
そして、審査員がライバルの料理を食べる前に、『超味覚』を解除する。
こうすれば、たとえ全く同じ料理だったとしても『ハッキリした違い』が生まれることになるだろう。

70遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/10(日) 21:23:06
>>68

「成程……料理コンテストか」

「私には……超人的な料理の才はない(人格達の中には居るだろうが)
魅力的な紹介など、思いつかない……この舞台は 試練は」

 「――サービス問題かな?」

―――――――――――――――――

予め、『舞台外指定』は『審査員』 所持品は、バックは邪魔だ。

所持してるのは、女として 嗜みの化粧道具とスマホ。服装は
学生服に、料理するのならエプロンを羽織ってるぐらいだ。

 料理は『カレーライス』と『ポテトサラダ』に『コンソメスープ』
いや……正直、どんな料理とかは関係ないのだ。味だって正直
同じ見た目で、あちらの料理人が優れていても関係ない。
 それでも勝利は揺るぎない。少し、隣の『半身』に命じておくだけだ

料理を出す前に自己紹介しておこう。

「どうも。〇〇シェフ 最初に自己紹介したかも知れませんが
改めて貴方に勝とうとする者として名乗りたくて……フラジールです」

『【給仕】のトレです』

「尋常に 勝負しましょう」

そのまま、相手を妨害する事なく審査員の前に出る。そして
料理も普通に出す。

「今回のカレーは、ヤギの乳をメインに甘味を引き立てました。
ポテトサラダも、刻んだポテトに隠し味として少々キウイを混ぜて……」

審査員が食べてる間に、料理が魅力なども語る。まぁ 無意味な事だ。
紹介に『合図』ぐらいは仕込んでるかも知れないし、全く無意味ではないが。

 その間に、『トレ』は無表情で食器を磨いたりして次のシェフの
料理が出る準備を行っている。

 「……と、これが私の魅力です。お待たせしましたシェフ……どうぞ」

そう、自分の食事が終わり。シェフに笑顔で食事を出すよう勧める。

ここで、シェフが何も疑問に思わず自分の食事を出した時点で『勝利』は決定だ。

 ……私のする事は単純だ。
『食器を磨く給仕』 そう、トレに大胆に事前に料理会場のシンクに備えてた
ttp://review.kakaku.com/review/K0000599953/ReviewCD=949397/
『無色無臭』の石鹸水の仕込ませた布巾で、私の料理を審査員が食べてる間
シェフが食べる時に用意してた食器、スプーンなどを拭かせる。ただ、それだけ……

審査員とは、料理の味のプロだ。僅かな味の変質だって見逃しはしない。
石鹸がこびりついた食器で食事すれば、どうやったって味が落ちる。

予め『給仕』の為にいる人間。審査員は食事をしてる間は、審査の為に
食事に集中する為に、傍らに置いてる食器に意識は注がない。シェフは
給仕である彼女の行動に対して疑問を抱かない。どちらの『盲点』もつく

例え敗北したシェフが後で。食事をしてる際に、自分に容姿の似た
あの身内であろう女を使って食器か何かに仕込みをしたんだと反論しても……
審査員には『世迷い事』と思われるだけだ。彼には最初から『自分一人』が
料理をして、シェフにも挨拶の為に近づいた以外で何も不審な行動をしてないのだから。

「無色無臭の液体なら、サリンなどもあるが……それは、流石に
洒落にならないし、シェフを殺人犯に仕立て上げるのなら別だがな」

71弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/10(日) 22:36:53
>>68
「――――」

ふと気づくと調理場。

       「この状況は……」

弓削は目の前に広がる状況を確認する。
完成した『ステーキ』、そして全く同じものを用意したライバル。

ライバルとの距離は7メートルで周囲にスタンド使いはいない――。
弓削のスタンドの射程距離は15メートル。
こっそり忍び寄って相手の料理の味をめちゃくちゃにするのは容易だ。

しかし、これはあくまでエンターテイメントショー。
『遠隔操作スタンドがこっそり忍び寄って相手を妨害』なんて解決法では、
『問題解決』としてはよくてもそれ以外の全ての観点で落第だろう。
ゆえに彼女は結論する。

  「やはり、『淡白な近道より劇的な回り道』ですね」

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

ではどうするか。
前提条件としてあるのは、『両者は同じ見た目の料理』ということのみ。
厳密な味で言えば負けているかもしれない以上、単なる印象向上だけでは心許ない。
確かな『品質向上』を突き詰めることが、『堅実さ』を保ちつつ勝利を得ることの近道だ。

          「『アンタイトル・ワーズ』」

ステーキを前に、弓削の身体から乖離するようにスタンドが発露する。
(なお、今回はステーキだが基本的に料理は焼いて作る洋食であればなんでもよい)

『アンタイトル・ワーズ』の能力でできることは、突き詰めて言えば
『文字を書くこと』と『ものを燃やすこと』……『敵を貶める』のではなく
『自分を高めて勝利する』ためには、それをどう使うかの工夫が求められる。
この場合――――

                   「隠し味には、『遊び心』を」

発現するのは『フードペン』。
(ttps://matome.naver.jp/odai/2145368825138480401)

これを使って、皿を縁どるように植物のイラストを描き込んでいく。
審査員の目を楽しませる――という名目のアピールだ。
そしてそれを審査員の前に出してから、

     「ああ、食べる前に少々お待ちを。
      実はそれはワインを練り込んだ特殊なインクでして……」

と言いながら、バーナーをイラストに向けて軽く浴びせ、
このタイミングで描いたイラストを『積極的焼却』で発火させる。

   「このようにすれば、目の前で『フランベ』をお楽しみいただけるかなと」

至近からの熱気により時間経過で冷めていたステーキは熱を取り戻し、
炙られたことでステーキはより一層匂いを引き立たせる。
さらには視覚的な面白さも備え、『五感で料理を楽しませる』ことができるわけだ。

        「ではどうぞ。――――冷めないうちにいただいてください」

72『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 01:34:30
>>69(夢見ヶ崎)

            シュパ

高速かつ精密に付けられた細やかな傷は、
痛みこそあれ審査を妨害する程のものではない。

その『隠し包丁』は――――相当後になってから、
いつ付いたのかもわからない切り傷と思われるだろう。
もし仮に今傷が見つかっても、それは『工作』に直結しない。

それほど『微細』な仕込みだが、『効果』の程は十分だ。
両者の品を食べ終えた審査員は、満足げな顔で頷く。

「…………うむ、勝者は――――――『夢見ヶ崎』サイド!!」

       カンカン
                カーン!

「食材の持つポテンシャルが最大限発揮されていましたな。
 対して、後提出者の品は同じ食材、同じ調理法でも…………
 味がぼやけていた。調理者の技術レベルの差か、食材への思いの差か」

「僅かな差ではありますが、夢見ヶ崎氏の料理の方が『想い』があったッ!!」

講釈を垂れる審査員は、自分の舌に、そして目の前の皿に何の疑いもない。

       「くっ……な、なぜ……」

ライバルはしきりに悔しがるが、原因は――――ただひたすら審査員の舌でしかない。
そして審査員の舌、主観が勝負を分けるという意味では『通常の決着』と何も違わない。

魔法はすでに解けている。後から何をどう調べても・・・異常はどこにも見つからない。
そして今後何回審査を繰り返そうが、この方法を用いれば成功するのも間違いないだろう。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                                       →『CLEAR』

73『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 01:41:42
>>70(遊部)

サービス問題――――思わずそう零してしまうほど、簡単に思えた。

「給仕? …………ああ、正々堂々、よろしく頼もう」

審査員には存在を悟られぬ『給仕』――トレは格調高く挨拶し、
ごく自然に、『見えざる毒』に浸された付近で食器を拭き取る。
無味無臭の石鹸水が、少しでも敵の『魅力』を削り取るように。

「うむ、ご馳走様でした」

フラジールの説明を受けながら黙々と料理を食べ終えた審査員。
おおむね満足そうな表情。そしてそれを見届けたライバルも、
食器への仕込みに気づく事もなく……そのまま料理を提出する。

     ―――問題はその先に起きた。

              カチャ…

「ん、この『ヌメり』……食器に洗剤が残っているようで」

誰も給仕のする行動に疑問は抱かない。それは確かに正論だ。
シェフからすれば給仕の仕事は違和感はあっても糾弾しづらく、
審査員からすればそもそも給仕の存在など知る由もないことで。

         だが。

「取り返させていただきましょう、貴方の審査はその後に」

「?? ちょっと待て、何故席を立つ。
 そこの給仕に取り換えさせればいいだろう」

「給仕? そんな者は用意しておりませんが…………」

「なッ……そ、そこにいるだろう!? トレとかいう女が……!!」

審査員の『味覚』を信じるなら、彼の料理を食べる経験を信じるなら、
彼が『味に影響するほど石鹸水のついたフォーク』に触れる事の意味も想像すべきだった。

給仕の事でシェフと審査員が言い合いになる中、トレは特に動く様子もない。
フラジール・デイズは与えた役や演技通りに動くスタンド。『この状況』において、
更なる妨害を自ら考えついて行う可能性もなくはないにせよ『彼女はそうではない役柄』だ。

最終的にライバルの『意味不明の言動』が祟ったか、食器を取り換えるまでに料理が冷めたか、
勝利したのはフラジール側ではあったのだが……総合的に見て、あまり良くはなかったと言える。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:× 目新しさ:〇 流麗さ:△
――――――――――――――――――――――――
※『トレ』は『命令に忠実なロボットのようなメイド』と認識している為、それに基づき判定。

                                          →『CLEAR』

74『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 01:43:16
>>71(弓削)

―――――――鳴り響く『ファンファーレ』を聴きながら弓削は勝利を回想する。

ただ単にフードペンを用いただけなら、『味』はむしろ落ちかねない。
炎によるフランベも、目新しくも料理のバランスを崩してしまいかねない。

然しそれを補って余りあるのは、『実演調理』の如き『演出』のスパイス。
どうあがいても冷めて油の浮き始めたステーキをただ提出されるのと、
目の前で『芸術』的な演技があった作品では、味以上の評価の差が生まれる。

      ――――即ち、突出して『流麗』な回答だ。

流麗さだけが評価されるべきポイントではない。
印象を操作する、その一点だけでも『勝利』にこぎつける事は可能かもしれない。
だが、それは『堅実』な勝利とは言えない。料理のレベルを高めれば『確実』だ。
書き記し、焼き尽くすその能力で、そうした『堅実』を成し遂げる『目新しさ』!

「そ、そんな手が……あったとは……………『御見事』だ」

ライバルである料理人すら、文句を言えない。
繰り返すようだが――――もはや『味の差』の次元ではない。
極端に言えばオフィスで食べるぬるくなった宅配ピザと、
パレードを見ながら食べるキャラクター型の生地のピザの違い。

       彼らだけではない。おそらく外でこの競技を見ている加古らも、
        今回の弓削の演技には正に『絶賛』の舌鼓を打っていることだろう。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                                      →『CLEAR』

75『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 02:04:40
>全体

――――――次の状況が目に前に広がることを理解できた。

ここは・・・『アンティークショップ』だろうか。
あるいは『骨董屋』か、中には『古物商』の域の品もある。
古い物の何でも屋、と言ってしまえば分かりやすい雰囲気だ。
どうやら買取もしているらしく、品種の雑多さはそのせいだろう。

           コト…

そして。目の前に立つ店主らしき『紳士』然とした老人が、
競技者の前に一つの品を置く。壺か、絵画か、家具か、古酒か。
片手で持てるサイズの品なのは同じだが、競技者ごとに品種は違う。
まあ、もしかすると全員同じという可能性もあるのだが(品種任意)

                ・・・状況が提示される。

――――――――――――――――――――――――――――――――

           状況その4
         『安く買いたたけ』
 
 君の前に置かれた品は、君が手に入れる必要のある古き品。
  しかし店主は言う――――『値段は100万円』だと。
   どうあがいても予算は『20万円』までが限界で、
   買うためには値切りをするしかないのだが・・・
  意味もなく、理由もなく値下げしてくれるはずもない。
  もっとも、値付けはあまり厳密な鑑定をしないようだが。

    小芝居でもして見るか、泣き落としてみるか。
     品が『安物である』証明をでっちあげるか
    あるいは『今すぐ100万円入手してみせる』
    『100万円相当の品を用意する』手もある。
    とれる手段はいろいろあるが一筋縄ではいかぬ。

            成功基準
      この品を合法的に自分の物にすること。
     窃盗、暴力による店主の排除、脅迫などは、 
     自分がやったとバレないならば問題はない。
    バレた場合、仮にその場は難を逃れてもアウト。
    店主はスタンド使いではないがスタンドを知る。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――

予算らしき金銭は手元にある。財布に入るならその中に入っているし、
もしはいらないならば手荷物の中に『金一封』の包みを見つけられる。

また幸い、見咎められない範囲でなら目の前の品を検める……ふりをして、
何かしらの仕込みを施す事も出来るだろうし、店内には雑多な品もある。
そうした骨董、アンティーク、ヴィンテージ品を利用する手もあるだろう。
品物の数も品種も多い。『それらしい』物であれば、見つかるはずだ。

これもまた、先ほどとは違う意味で毛色の違うお題ではある。
しかし『スタンド使い』であれば困難であれ――不可能ではないはずだ。

                          状況その4 → 開始

76弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/11(月) 14:59:30
>>75
「ファンファーレ……なるほど」

成功はここまで三つで全く変わっていない。
おそらく、成功の『度合』で演出が違うのだろう……と弓削は推測する。
まぁ、競技の沿革を把握するよりも先に、

                 「――――問題は、こちらですね」

ふと気づくと、そこはアンティークショップ。
そして提示された『成功条件』もまた、これまで以上の『難関』。
『アンタイトル・ワーズ』の能力で、いったいどこまでできるか――。

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

    「………………」

まず最初に思いついたのは、『アンティークペン』の発現だ。
『夏目漱石が実際に使っていたペン』あたりを発現すれば、
相手はアンティークショップの店主……すぐさま本物だと判断する。
代金を賄うことも当然可能だろう。

だが、これは少し考えれば危険な綱渡りだと分かる。

何せ品質はともかく実際には『存在しない』ものなのだから。
相手が本気になって検めればすぐにボロが出るし、
何より筆記具の射程距離は『20メートル』しかない……『堅実さ』に乏しい。
それにスタンド経験のない弓削……『特定のペン』を発現できるかは、まだ自信がない。
ここは――――。

              「申しわけありません××様。
               現在、手持ちはこれしかないのですが……」

そう言いながら、弓削は品物(これはなんでもよい)の横に用意した金額すべてを出す。
無論、店主がこれで頷くわけがないだろう。
それでいい。それを補うのが、弓削の能力なのだから。

     「もちろん、これだけではありません。
      『残りのお代』は『これから作り出す』ので……」  「『アンタイトル・ワーズ』」

そして発現するのは――『インクペン』。
『79ink』という、実在するインクペンだ。
(ttps://blogs.yahoo.co.jp/sunaph/50422023.html)

このインクペンの特筆すべき点は、そのインクにある。
特殊な科学技術により液体化させたゴールドをインクとして使っている為、
書いたその筆跡は数秒すると紫から完全なる金色へと変貌する。

  「××様もご存知でしょう? スタンド能力です」

 「私の場合は――『アンタイトル・ワーズ』」 「『筆記具』を発現し、筆跡を焼却することが能力」

     「『書くこと』が能力の一部なので、インクは無限に出すことができ……
      そして『書くこと』が能力の一部であるため、あとに残った筆跡自体は
      どれだけ私から離れようと、どれだけ時間が経とうと消えることはありません」

    「ああ、ご安心を……『焼却』できるのは『意味のある文字』だけ。
     無作為に書いた筆跡を後から『焼却』することは不可能ですので……」

つまり、このインクペンで何文字でも何百文字でも書けば、
それだけ『金』を大量に生み出せるというわけだ。
いや、ペンを中途半端に壊して適当なビンにでも
インクを無限に垂れ流しているだけでいいかもしれない。

          「お代」 「果たしてこれで……足りますでしょうか?」

なお、自身のスタンドを用いる経験に乏しい弓削は気付いていないが、
別に『筆跡=インクの持続時間が無限である』というような事実は検証されていない。
(そもそもスタンドを使う機会が絶無に等しいので検証することもなかった)
ただまぁ、12時間も持続していれば十分この場は凌げるし……問題はあるまい。

77遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/11(月) 19:28:00
>>75
(……ファンファーレが鳴らない。つまり、二回目を除き
私の回答の行動は、ベターに至っても、ベストでなかったと言う事か。
相手を蹴落とす為だけに能力を使うのは、やはり内申点があるとして
減点に繋がると考えるべきだろうな……)

(さて……今度も今度で難しい。舞台外の指定を使うとして
金庫から百万を盗む? または、相当の品を値札を外して 
さも 自分が持ってきた価値ある骨董品として出す?
……それも、一つの方法かも知れないが。先ほどの回答で
学んだが。『単純に他者を穢す行為』は相応しくないと考えるべきだ。
……さて、となれば。私のスタンドだと……臓器売買など出来ないしな。
ふむ、実に難しい。……この手段は、余り使いたくないが
――血を 少し見せなければいけないな)

 ――――――――――――――――――――――――

 所持品:特になし 『舞台外指定』は店主

 「へぇ……これが百万の絵画なんですね。凄い……何て美しい。
絶対に欲しいですっ。あの、手持ちは20万なんですけど
月賦払いで必ず支払うので……駄目? そんなー」

最初に、そんな無価値な説得を繰り出す。当然断られるのは承知だ。
そして、意気消沈した顔つきで言葉を続ける。

「わかりました……仕方がないです。安い絵画で我慢しますから
奥の置いてある絵画も見ていいです? はい……えっ、これって!?
こ、これ買いますっ! えぇ!? これが殆ど無価値ですって!??
か 買います買います。即買います! や、やった! 手に入れました!!
この『伝説の呪いの絵画』に!!」

 アンティークショップなら、100万の品があれば 当然数千円程の
無銘の絵画も置いてあるだろう。何か動物の描かれてるものを掲げて 
訝し気な店主に興奮を引き摺った表情で説明する。

「知らないんですか? この絵画って有名なんです。スタンド使いの中ですけど
『気紛れに 血まみれ』にしてしまう、呪いの絵画って!
 とある絵描きが、栄光を後一歩で掴み取れず。失意の内に怨念を込めた絵画
……この絵画は、他の値打ちのある。栄誉を受けた絵画が近くにあると
それを血まみれにしてしまうらしいです。恐ろしい話ですよね
 だけど、結構可愛い所もあって。大事に価値ある品として飾れば持ち主に
多くの幸運も与えるって話で……ぇ  きゃーー!!?」

 そこで、自分は。店主が飾り直したか、放置してる100万の絵画を指して叫ぶ。
絵画は……『血まみれ』になり、絵の真ん中にはこう書かれてるだろう。

 『ate(喰らった)』……と。

「……か、絵画の呪い。……ひっ!?」

そして、呪いの絵画の動物も。……口元に血が滴り、見事に
呪いを与えた事に満足しきったような表情を成すだろう。

 「……あ、の。もう、その血まみれの絵画 売れないですよね。
良かったら、私が手持ちのお金で買い取ります。それでも、厳しい?
んー……それじゃあ。 ――この呪いの絵画、欲しいですか?」

 (やはり、君『フラジール・デイズ』は。私の最高の半身だ)

種明かしは単純。
 何て事のない、無銘の画家の絵を呪いの品と説明する中で
骨董品の置いてある適当な刃物で手の平を軽く傷つけ、絵画に血を塗り ついでに字も書く。
 おまけで、店主も相互不干渉で通り抜けた後に。私の持ってる絵画にもペイントして達成だ。

スタンドの知識があるなら、呪いのスタンドアイテムの絵があると考えても可笑しくない。
 更に、大事にすれば持ち主に幸運も齎すと説明すれば。売った事を瞬時に後悔しつつも
100万だが、血で損傷してる絵と交換してくれるなら。先行きを考えれば20万で
伝説の呪いの絵画が買えるとなれば、店主も納得するだろう。

(血は、当然スタンドを解除すれば消える。100万の品は元に
無銘の画家の絵画の血も消える……けど、消えても全く不思議でない。『呪われてる』のだから)

クスッ

(けど……損得では、店主に損は多いものの。幸運が降り注ぐと確信を込めて商売を続ければ
いずれ、あのアンティークショップは実力で多くの幸運を獲得する。あの店主の手腕なら間違いなく
それを考えれば、あの絵画も正しく いずれ本当の『祝福の絵画』となるだろう)

 店を出て、フラジール・デイズと歩む足取りは とても強い。

78遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/11(月) 20:07:31
>>77

 あぁ……それと、これは。あえて記さなくて良いと思って省略したが。
店主と交渉する前に、事前に舞台外指定しつつフラジール・デイズに指示はしている。
 絵を探してる合間にも、時間はあるだろうし。その時にでもスマホで密かに指示を
作成して見せる事にするし、喋ってる合間に血のペイントにする合言葉なども作っておく。

79夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/11(月) 20:29:11
>>75

事の始まりは、私の父が残した一枚の『鏡』だった。
最初は、単なる骨董品であろうと考えていた。
しかし、実際は遥か昔に栄えたという超古代文明の遺産を手に入れるための鍵だったのだ。
そして鍵となる品物は、私が所有している『鏡』を含めて、この世界に三つ存在している。
長きに渡る調査の結果、ついに私は二つ目の鍵である『壺』を発見した。

今、それを手に入れるための交渉を行っている最中なのである。
だが、あまり時間は掛けられない。
世界の支配を企む秘密組織も、この壺を狙っているからだ。
第三の鍵である『短剣』は、既に彼らの手中にある。
急がなければ……世界が闇に包まれる前に……。

――アドベンチャー映画のような壮大な背景を捏造しつつ、『壺』を手に取る。

「――う〜〜〜む……」

両手で『壺』を持ち上げ、内側を覗き込む。
『入念にチェックしているフリ』をしながら、『ドクター・ブラインド』の手を『壺』の中に突っ込む。
そして、『壺』の内側を『爪』で引っかきまくり、傷だらけにしてしまう。
さらに、見えにくい壺の底部分辺りに、ひときわ大きな傷を付けておく。
それが済んだら、『壺』を置いて、店主に話しかける。

「その『100万円』っていうのは――」

「『内側の傷も含めて』っていう意味だと考えていいんだよねぇ?」

「この状態で『100万円』は釣り合わないんじゃない?」

「――『20万円』」

「それ以上は出せないよ」

こう言って、自分が付けた『内側の傷』を店主に確認させる。
値切りのコツは、傷や汚れている部分などの、価値が下がる要因を見つけること。
それがなければ、その場で作ってしまえばいい。
店主には悪いが、今は非常時だ。
なにしろ、この『壺』がなければ世界が……(以下省略)

80『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:25:24
>>76(弓削)

弓削の優れている点は――――『第一案』で終らない点だ。
アンティークペンでも状況を突破できた可能性は十分ある。
この競技はおそらく、『失敗前提』で創られた物ではないから。

――所謂『カテゴリーで括った器物発現能力』を持つスタンドは、
本体がどこまで『頭を回せるか』でその価値が顕著に変動する。
ここまでの状況全てにおいて『的確』な発現物を生み出した弓削は、
経験の乏しさに反し、極めて優れた『スタンド使い』と言えるだろう。

             サラ
                  サラ

純金の軌跡を描く『79ink』に、店主は満足げに頷く。
筆跡、インクは、スタンドがこの世に刻んだ『痕跡』だ。
破壊痕などと同義で、後から解除されるようなものではない。
12時間で失われるのは不可思議な現象、『発火能力』のみ。

「『筆記具を発現するスタンド』――――――いやはや。
 『スタンド使い』というものには、いつも驚かされますな」

もし店主が『1mlが10万円』という話を知っているならば、
満足げに歪んだ口元も、『当然の反応』と言った所だろうか。

尤もそれは購入価格で、金銭に変えられる需要があるかは怪しいが、
少なくとも『恩を売る』に値する能力者だと証明する価値はある。

「よろしいでしょう、現金と、このペンでお譲りします」

            スッ

これにより、無事に『骨董品』を手に入れる事に成功した。
驚愕があるわけではないが――――極めてスマートな解法だ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:△ 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                         →『CLEAR』

81『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:25:43
>>77(遊部)

単純に――『最優秀』の場合にのみ『ファンファーレ』が鳴る、
つまり『他の誰かがより優秀な演技を見せた』可能性もあるが……
実際『反応ありき』の方法より自分を高める方法の方が『楽』そうだ。
もちろん状況が不定である以上、毎回それが出来るとは限らないし、
それが出来ない状況でどのように『切り抜ける』のかもポイントになり得る。

ともかく、フラジールは『安物の絵』を買った。
買うことは出来た。そして、その『呪い』をでっち上げる事も、成功する。

              ベチャァ〜・・・

「なッ」

                「馬鹿な、そんな」

    「いや」

            「しかし……」

絵から流れる血に、顔を蒼白にしていた店主は、目に少しずつ熱を帯びさせる。

スタンドを知っているという事は必ずしも『競技者に不利』ではない。
相手に『能力を知られている』わけではないし、『確かめる術』もない。
何より『スタンドを知っているからこそ』引っ掛かりやすい『罠』もある。

「い……いや、『悪い話ではない』……骨董商として、
 こうした『曰く付き』の品はむしろ『望むところ』」

            「……しかし」

「今の今まで呪いが起動していなかった事は、幸運に思うべきか…………!」

ただし、危ない橋を渡っているのは間違いない。
フラジールが説明した呪いの内容が真であれば、
これまでにも『喰らった』事があってもおかしくないのだ。

今は素直に『受け入れている』ようだが、『いつまで騙し通せるか』は謎だ。
呪いの絵の側を『ここに置いておく』事も、露見のリスクを著しく高める。
彼は『他の絵』でこの現象が起きるかどうかを試す可能性は非常に高いだろう。

――――しかし、そんな『先のこと』は今『状況』を切り抜ける上では何ら無関係である。

「……まあ、つい今の今まで『この呪いの絵は元々この店の商品』だったわけで、
 私が『これを君から買う』というのも、おかしな話だが……一度売ったのも事実。
 これの価値を教えてくれたのも君だ。今更文句を言うのも、ケチな話というものか」

現時点で『呪いの絵』の所有権がフラジールにあるのかは怪しい、という問題もあったが、
これについても『場の熱に流された』のか、単に温情なのか、強い追及はしてこなかった。

          ・・・ギリギリで綱を渡り切った、と言えるだろう。それも成功だ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:× 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                                 →『CLEAR』

82『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:31:02
>>78(夢見ヶ崎)

壮大なストーリーを頭に描きながら、第四の状況に挑む。
それくらいの気持ちであれば、『演技』も滑らかになるというもの。

「――――傷? まさか、この壺は『最高の品質』ですし、
 それは仕入れの際、私の目と手で確かめました。そんな傷などあるはずが」

            スッ

   「……!? な、なんだ、この『切り傷』はッ……!」

                 「ま、まさかッ」

当然、このような事態になれば『疑われる』。
100万円もする高額の壺だ、ある程度の『精査』はしている筈。
その時にはなかった傷が、『夢見ヶ崎が触れた後』にあるとなれば。

「………………す、スタンドを……いや、しかしこれは『刃物』の傷ッ!
 ハッ、まさかネイルで……いや、であれば指に『汚れ』がついている筈」

     「なら何かの道具で」
 
                         「いや、刃物など」
 
     「持ってはいない……!?」

持ち物や手先を検められたが、証拠なく傷を付けられる道具は当然ない。
――――スタンドを知っているものだからこそ、ハマる落とし穴がここにあった。

夢見ヶ崎が意識していたかは兎も角、『ドクター・ブラインド』は『異形』だ。
それというのは、『爪』のこと。一般的なスタンドにはない機能が存在している。
『超能力なら何でもできる』と思わない、半端にスタンドの知識を持つ者だからこそ、
この切り傷をつけられるような『スタンド』があるというところまで想像が及ばない。

「いやはや……た、大変失礼しました。保管状態が悪かったのか……
 ええ、これだけ傷がついているのですから、『20万円』で十分かと」

                 「……その代わり、今の無礼はどうか内密に」

かなり危ない綱渡りではあった――――『手を突っ込む動作』と『切り傷』が、
それなりに連想できる範囲の『関連性』を持っているという点が、危ういところ。
それでも、現実味のある傷だったからこそ『保管のせい』と思わせる事が出来た。
例えば『突如浮かんで粉々になった』などであれば、流石に疑いは消えなかっただろう。

結果は『成功』だ。『堅実』や『斬新』には欠けるも、『無駄の少ない』解決が成立する。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:△ 目新しさ:△ 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                                     →『CLEAR』

83『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:35:12
>全体

四つの状況を切り抜け――――つぎに目の前に広がるのは、
町中のような、しかし人通りがほとんど見られない光景だった。

                    オ
              オ
                      オオオ  ・・・

一陣の風が吹く。

これが『最後の状況』であることが、全員に知らされた。
視界に映るのは――――極めて『電子的』な人影。距離は『10m』先。
こちらに背を向けて立っており、その両脚に纏わりつく靴は『スタンド』的だ。

―――――――――――――――――――――――――――――――
 
                状況その5
                『逃がすな』

    貴方は捜査と追跡の果て、ついにかの『悪党』を発見した。
     今貴方は『10m先』に、その敵の背中を見ている。 
     遮蔽物などはないが、まだ敵は気づいていないようだ。
      しかし敵は正面対決などを好むほど『愚直』ではない。
   正面から行けばまともに取り合わず、一目散に逃げ出すだろう。  
    敵は圧倒的な『逃げ足』を武器とするスタンド使いであり、
    逃亡の際には『自動車』にも匹敵する俊足を得るとされる。

          この状況で選べる択は三つ。
        『この場で逃がさない方法を考える』
       『逃げ出した敵を捕まえる方法を考える』
        『逃げた先を知るための方法を考える』

     逃げ足がいくら早くても、逃げ出す前に仕留めれば、
     何の問題も無い――――戦闘能力の有無は不明だが、
      少なくとも逃げられるよりはシンプルに事が運ぶ。

    逃げ出したとしても、それを捕まえる方法があれば問題ない。
   いくら足が速いとは言っても、こちらにはスタンドの力がある。
   単なる追いかけっことはわけが違う。手段はあるかもしれない。

      この敵を憎んでいるのはあなただけではない。
    逃げた先を――――完全ではなくても『絞り込める』なら、
    大集団で追い詰め、物理的に『逃げ出せない』状況を作れる。

               成功基準

      追いつけなくなる前に『逃げられない』ようにする
       負傷させる、拘束する、状況を構築するなど、
       この『状況解決』において『手段は問わない』
                または
         逃げ出した敵を『追跡』する手段か、
        行き先を特定する手段を考え、実行する
      実際の行き先がどこか、などは『断定』していいが
    断定に足る根拠と、そのための『方法』の提示は必須とする
 
――――――――――――――――――――――――――――――――

提示された状況からするに、あの電子的な人型の『モデル』が『悪党』なのだろう。
まるで人間らしいリアリティの無いその姿は、『暴力』への躊躇に配慮したものだろうか。

周囲の地形は町のようで、特筆するような『ギミック』等は見当たらない。
追跡劇を演じるのだとすれば、一般的な『町中』でのそれを想定することになる。
そして繰り返す事になるが、敵は背を向けておりこちらに気づいてはいない。

大きな音や接近などは気づかれかねないが、
逆に言えば気づかれない範囲での準備はし放題。
町中に見当たるようなものであれば、大抵は見つかる。

――――今まで以上の難問だ。だが、これは現実ではない。
失敗のリスクを深刻視せずに、『何が出来るか』を考える事が出来る。

                   ・・・そしてそれを『実行』出来る。

                               状況その5 → 開始

84『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:37:56
>  敵は圧倒的な『逃げ足』を武器とするスタンド使いであり、
>    逃亡の際には『自動車』にも匹敵する俊足を得るとされる。

敵の逃走速度は『スB』程度と捉えていただいても問題ない。

85遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/11(月) 23:49:49
>>83

「……ふむ 時間は、相手が気づかなければ
幾らか余裕あるんだろう?」

 「なら……大丈夫だ」 

「……追い詰めるのなら、刃物の一本は借用させて頂こう」

 ――――――――――――――――――

所持品:ナイフ  『舞台外指定』:悪党

 「 とうとう 見つけたぞっ 」  ザッ

 『悪党』に対し、奇襲はかけない。正々堂々と声をかける。

「貴様だけは許せない。お前の為に、多くのものを犠牲にされた人達の
代わりに……いまここで倒す!」  タッ
 
 「待てっ、逃げるな  ピ――――!」

 駆ける。当然ながら相手は一目散に逃げる。だが……

 「――チェックメイトだ」   

 自動車の速度で逃げ出した瞬間、『悪党』は目前に『張り巡らされたロープ』
に驚愕し……成す術なく激突するだろう。

 ……仕掛けは、こうだ。

まず、『フラジール・デイズ』を舞台外指定でナイフ所持で行動させ……
適当な十メートル圏内にない、駐車場などにある『標識ロープ』を適当な
長さに切らせ……それを体に巻き付けつつ、ある程度急がせつつも戻らせる。

そして、どの方角に逃げても良いように。周囲の電柱や樹を支柱にして
『悪党』の周囲の、衝突したら胸部部分に直撃する高さへロープを巻き付かせる。

『フラジール・デイズ』の望まぬ相手の指定で、触れてるだけのものは認識・干渉は
相手も可能だが。ロープを巻き付かせる間は、手で『持ってる』ものだ。
『持ってるもの』は認識・干渉は出来ない……。

縛り付ける部分が相手の死角になるように予め指示して、相手に声をかけて
逃走する瞬間に、ロープを完全に固定するようにタイミングして手を離すように
笛を鳴らして合図すれば。相手にとっては一瞬で突如出来たロープの結界だ。
 どの方角に逃げても良いように完全にリングは出来てる。

 「自動車程の速度……災いしたな。
その勢いで、胸部を打てば。ろくに呼吸もままならんだろう。
肉体も強化出来ていれば良かったのにね?」

 スタンドから受け渡されたナイフを掴みつつ、倒れる『悪党』を覗き込む。

「され……足の腱は、切らせて貰うか。殺しはせんよ
君が下される罰は、ここで死んで収まるものではないだろう?」

86夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/12(火) 07:54:46
>>83

「――見つけた」

         ド ド ド ド ド ド ド ド ド

ついに――ついに追い詰めたぞ……。
『無差別連続ピンポンダッシュ犯』!!
その俊足を駆使して町の平和を乱してきた凶悪犯も、今日が年貢の納め時だ!!
とっ捕まえて、駅前にある蕎麦屋の出前に転向させてやる!!

――今回の背景は、だいたいこんなカンジだ。

まず、自販機でペットボトルの『オレンジジュース』と『カフェオレ』と『トマトジュース』を買う。
そして、その場で三つとも三分の一の量だけ残して捨てる。
さらに、どれか一つのペットボトルに残りの二つを入れ、シェイクして三つを混ぜ合わせる。

                                            カクテル 
できあがるのは、『オレンジジュース』と『カフェオレ』と『トマトジュース』の『混合液』だ。
それを『ドクター・ブラインド』に持たせ、気付かれないギリギリの距離まで距離を詰める。

      ドシュッ

準備が整ったら、『混合液入りペットボトル』を、
『ドクター・ブラインド』で放物線を描くように投げつける。
投げる前に、あらかじめキャップは外してある。

            カクテル
上手くいったなら、『混合液』を頭から被ることになるはずだ。

トーゼン敵は逃げ出すだろうし、まともに競争しても追いつけるはずがない。
だけど、私は慌てない。
最初から、この場で捕まえようとは思っていないからだ。

                  カクテル
私の狙いは、敵に浴びせた『混合液』の『匂い』を辿ること。
『』ドクター・ブラインド』の『超嗅覚』なら、それも十分に可能なはず。
三種類の飲み物が混ざった匂いなら、他の匂いと嗅ぎ間違える心配もない。

                       カクテル
まったく追いかけないわけではなく、『混合液』を浴びせたら、できる限り後を追う。
あまり離れすぎて、匂いが辿れなくなることを防ぐためだ。
いずれにせよ、この方法で敵の進む道筋を追跡し、最終的な行き先を特定する。

          「 私は『アリス』―― 」

       「 そして、あなたは『白ウサギ』 」

    「 ――だから、私はあなたを逃がさない 」

87弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/12(火) 20:10:31
>>83
「ここは――」

ふと気づくと、人気のない町並み。
ここが『最終問題』。
今までの状況と打って変わって……『実戦』的な状況だ。
相手が攻撃してこないという前提はあるが、
この手の状況は戦闘に不得手な『アンタイトル・ワーズ』は不利である――しかし。

       「……ここまでの競技で得た『経験』を生かせば」

『堅実さ・目新しさ・流麗さ』で点数がつけられる。
おそらく『失敗前提』で創られたものではない。
それらの競技性を理解したうえで、この状況に最適な行動は何か。それは――。

   「――――」

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

「結局、ついぞ『追加の品』は使いませんでしたね……」

呟きながら、弓削は『アンタイトル・ワーズ』を発現する。
もっともそれが可能な応用性こそ『アンタイトル・ワーズ』の武器だ。
その武器を最大限に生かすために、『筆記具』を最大数――六本発現する。

まず『ボトル刷毛』が三本。油性の塗料を入れて発現し、刷毛を取り外しその場に置く。
(ttps://item.rakuten.co.jp/naisououendan/k12-3006_01/)

そして『タクティカルペン』。これも三本発現し、一本は本体、二本はスタンドが持つ。
(ttp://gigazine.net/news/20120331-tactical-pen/)

このうち、『タクティカルペン』二本を敵の頭上目がけ思い切り山なりに投擲したら――行動開始だ。
『アンタイトル・ワーズ』の精密性を以てしても命中は不可能だろうが、そう外した位置には落ちないはず。
速度に自信のあるスタンド使いなら『当たるかも』と思えば観察する前にまず回避、そして逃避するだろう。

そしてそうなれば弓削に追いつくことは不可能なので――
敵が回避する前に『アンタイトル・ワーズ』を敵に接近させ、足元に『塗料』をばら撒かせる。
スタンドは移動に音を出さないし、敵は逃避までの間に風切り音などでまず『上』に注意を向ける。
その瞬間は『足元』に対する警戒は限りなく小さくなるはず。

         「……この競技は、失敗前提ではない」

 「つまり『失敗するリスクを考えて縮こまった行動をする必要がない』ということ」

そしてこうなれば、あとは簡単だ。
いかに敵が人外の速度を誇っていたとしても、その足は地についている。
上方に注意が逸れていた敵は足元の変化に対応できず飛び退こうとし、
そしてそこで塗料で足を滑らせて転倒するはず。
転倒した敵が立ち上がるのと、弓削が接近しきるのとでどちらが早いかといえば――

      「ならば、最も堅実で、最も目新しく、最も流麗な行動は」

当然、後者。
そしてそのまま、弓削は転倒した敵の方へ飛び込むように倒れ込み――

           「この場で、この人を殺してしまうことですよね」

手に持った『タクティカルペン』を、体重をかけて『突き刺す』。
上空からのタクティカルペンの防御も考えなければ
ならない敵にとって、この弓削本体の行動は寝耳に水となる。

死ねば、逃走できない。殺せば、捕え続けたり後を追う方法を考える必要はない。
これが、弓削なりに競技の意義を理解し、そして『最善』を目指した結果だ。

88『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 14:26:00
>>85(遊部)

刃物は当然のように用意された。握りやすいサイズだ。

啖呵を冷笑するかのように、
敵は『急加速』でその場を離脱――――

            バシ
               ィイ
                  ィィーーーーン!!

「!?!?!?!?!?」

張り巡らされたロープが、その逃げ道を塞いだ。
いや、塞いだ――――だけではない。打ち据え、
そして地面に打ち倒した。『逃亡』の経路を潰した。

敵は当惑する。いつの間にこんなものが――
敵は動いてすらいない――
スタンドも――

その思考は、彼の背中が地面に激突した衝撃が霧散させた。

       ズ
           ザザッ

                「…………!!」

――準備に用いた時間を考えれば、『流麗』とは言えないだろう。

だが、与えられた状況に対する回答としては『堅実』を極める。
ただ逃亡を妨げるだけではなく、一手で『ダメージ』をも与えた。
応戦のリスクを負う事も無い。『動けない』間に勝負を決められる・・・!

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:△
――――――――――――――――――――――――

                         →『CLEAR』

89『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 14:26:10
>>86(夢見ヶ崎)

自販機くらいはどこにでもあるし、ジュースだって売っている。
手早く三種のジュースを手に入れ、嫌な鈍色の『カクテル』の完成。
ここじゃなきゃ中高生のドリンクバーくらいでしか見られない色合いと臭い。

           ドシュッ

投擲――――その速度は敵の初速を逃さない程度には早いが、
ペットボトルは命中しなかった。したのは『中身』だけだ。
不快に顔を顰めつつも、敵はそのまま逃げ去って行く。万事休すか?

             ・・・

                 ・・・そんなはずがない。


      フ
         ワ
           ァ

悪臭――――刺激臭――――『夢見ヶ崎』の嗅覚であれば、
もっと適切な表現が出来るかもしれない。漂うこの『匂い』に。

超嗅覚を以てしても、『体臭』等を追うのは相当に難しい。
だが、このような方法で『マーキング』してしまえば、
その匂いは容易に追跡可能な『痕跡』を逃走経路に残し続ける!

シンプルな手ではあるが――――間違いなく『優秀』な回答と言える。
対逃走における『マーキング』の価値は、『カラーボール』が既に証明しているように明白だ。
そしてその明白な『解決手段』を即座に用意し、手段のシンプルさゆえに何度でも『再現でき』、

                    〜♪

――――『ドクター・ブラインド』ならではの『嗅覚』を活かしている。
電子空間に鳴り響く『ファンファーレ』も、その堅実さを称えての事だろう。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                         →『CLEAR』

90『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 14:26:21
>>87(弓削)

               ヒュ
                      ヒュンッ

    バチャァッ

                   バチャァァッ


――――行動は電撃的に、そして超精密に行われた。

投じられたタクティカルペン。空を切る音を聞いた頃には、、
その足元に『アンタイトル・ワーズ』がまき散らした塗料。
高速回避。その速度と勢いを持って『足を滑らせる』結果。

                       ズルッ…

    ダ
        ダッ

敵が背から油性塗料まみれの地面に落ちる。
タクティカルペンを構えた弓削は既に動いている。
敵は頭上からの鋭利な落下物への対応を迫られ――

           「!!!」

一連の動作は非常に『手際良く』行われた。
敵が動かず、逃走以外の対応をしない以上、
そして『アンタイトル・ワーズ』の精密性がある以上、
オーバーワークであっても最低限は『再現性』を保てる。

失敗の恐れはいくらでも浮かぶ。しかし弓削はこの競技の本質を見抜いている。
競技者が『失敗』するところではなく――――いかに見事な成功をするかを見る。
一定の再現性さえ確保できているならば、『絵的に映える』行動を取るのに恐れはいらない。



                ザ
                  グゥッ!!!

結果。弓削の手に、『リアリティ』の薄い『肉を突き刺す』ような感覚が伝わった。
血の噴出や末期の痙攣と言った、リアルな物はない。敵はその場で『動きを止めた』。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                         →『CLEAR』

91『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 14:28:25
>全体

                ヴ
                   ヴ
                      ン

各々は状況を達成したあと――――『最初の空間』に戻っていた。
戻ってきた順番は弓削が最初で、その後に夢見ヶ崎、フラジールが続く。

          キュキューーーン

電子イルカのヴィジョン、『マトリクス・オデッセイ』が頭上を周回している。
そして周囲の壁面に、『加古』からのメッセージが映し出されはじめた。

【 以上で テストは 終了です 
  ご協力 ありがとうございました 
  今回得られた フィードバックは 必ず活用し 
  皆さんの データに関しては しっかり管理します 】

         キュキュゥン

イルカが『頭を下げる』ような動きを見せた。

もっとも、電子的すぎて誠意などとは無縁な動きだが――
少なくとも加古の感謝は言葉だけではないと見ていいのだろう。

【 それでは パソコンも そろそろ熱くなってきましたので
  『マトリクス・オデッセイ』 を終了したいと 思いますが
  その前に 何かここでしておきたい事などは ありますか? 】

     【 なければ ご自身の意志で 『ログアウト』 いただければ
        説明した通り そう思えば出来るように してますけど
         よくわからないのであれば こちら側から 『キック』します 】

92夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/13(水) 20:28:52
>>91

「――ンんんんん〜〜〜」

「おしまいかぁ」

電子的な空間の中心で、大きく伸びをし、名残惜しそうに呟く。
『電子の国』の冒険は、これで終わり。
どうやら『光の国』に戻る時が来たようだ。

「こっちこそ、珍しい経験をさせてくれてありがとう」

「うんうん、満足満足」

「――じゃ、帰るね」

期待した通りの――いや、期待以上の体験をすることができた。
ここに来ただけの価値は十分あったようだ。
満たされた思いを胸に、電子空間から帰還する意思を告げる。

「あなたもありがと、『白ウサギ』さん――」

「とっても楽しかったよ」

『電子イルカ』を見上げ、同じように頭を下げた。
向こうのそれに合わせて、こちらもやや『電子的な動き』で。

       サイバーランド  ログアウト
そして――『電子の国』と『お別れ』する。

93弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/13(水) 20:30:44
>>91
「ここは……」

そして、ふと気付くと電子空間に戻っていた。
辺りを見渡し誰もいなかったことを怪訝に思っていたが、
すぐに二人が現れたのを見て『誤差の範疇だろう』と見当をつける。

「こちらこそ。……お疲れ様でした」
「私からは特にありませんので……それでは、また向こうで」

二人に声をかけ、ログアウト操作を行う。

94遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/13(水) 22:10:16
>>91

「あぁ……楽しかったよ。自分の力も、再度見直す幅が見えた」

「有難う」

 シークレットブーツに履き替え、マスクを着用。学生服もバックに入れ直し
最初にログインした時の状態へと戻る。二人と鉢合わせする前に、それ位の
許可は取れる筈だ。

 「二人共お疲れ様」

他の参加者二人にも、短く労ってログアウトを行う。

95『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 23:37:32
>>92(夢見ヶ崎)

           キュキューーン

加古が操作しているのかどうかは分からないが、
返した礼に満足そうに回転動作を取っていた。
少なくとも、無駄な感謝ではなかったのだろう。

>>93(弓削)

何らかの誤差だったのだろう。状況の解決速度か。
いずれにせよ特に異常はなく、ログアウトも行われる。

>>94(遊部)

着替えは問題なく行うことが出来た。元のフラジールだ。
尤も、現実世界に戻れば『元通り』だった可能性はある。

>全体

≪ マトリクス・オデッセイ ヲ シュウリョウシテイマス ≫

        ≪ マタノゴリヨウ ヲ オマチシテマス ≫

                ≪ グッド・バイ ≫

        キュキューーーーーン

                           _
              ________r':::|
             ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
                   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` 、:::::j
                           |::::/
                      |::::|
                       |::::|
                        |::::|      _
                     |:::::|    /| |:::::}
                       |:::::」    |:::| |::/_
                       |/    L:ノ /:::|
                                |:::/
                                |/
                                  __
                                      ヾ::::}
                                         ̄
                                       _
                                     |:::::}
                                         ¨´   _
                                           {:::}
                                            ¨

――――視界がブラックアウトしたのは一瞬で、今は薄暗いビルの中にいた。

最後に画面をタッチしたのと同じ位置で、夢から覚めたかのように周囲の光景が開けた。

                パチパチパチ

「いや〜、お疲れ様です、皆さん! 見てましたよ。最後までバッチリでしたね!」

まず軽い声を上げたのは、吾妻だった。
モニターからやや離れて画面を見ていたらしい桜島も立ち上がる。

「――――諸君、テストへの協力に心から感謝するッ!
 そしてスタンド使いを見てきた『アリーナ』の職員として言わせていただくが、
 大変『見事』な『対応力』だった。『5つの状況』全てを、全員が切り抜けるとは!」

熱のこもった声で祝福する桜島に、パソコンに打鍵しながらも加古が何度も首肯している。
――どうやらクライアントの意向に沿った仕事をすることには、三人ともが成功したようだった。

96弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/13(水) 23:57:33
>>95
「!」

戻って来るなりの拍手に、一瞬面喰う。
が、無表情ゆえかなり分かりづらい。観察力がある人なら分かっただろうが。

    「……ありがとうございます。
     スタンドをこうして扱うのは初めての経験でしたが……」

  「とてもよい経験になりました」 ペコォー

無論、その『経験』は競技者としてという意味だけではない。
今後こうしたスタンド関係の仕事につくにあたっても、決して無駄にはなるまい。

97夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/14(木) 00:05:58
>>95

「やあやあ、みんな、おつかれ〜〜〜」

「――って、そうか。今、こんなトコにいたんだった」

その場にいる全員に労いの言葉をかけつつ、周りを見渡す。
自分を取り巻いているのは、元通りの薄暗いビルの中だ。
それを見て、戻ってきたことを実感する。

「なんといっても、私は『アリス』だし――」

「『アリス』にできないことはない!!」

「――ちょっと難しいのもあったけど」

得意顔で親指を立てた後に、小さな声で一言付け加える。
テストの結果が役に立つのは、何もクライアントだけではない。
今回の仕事は、自分のスタンドについての理解を深める良い機会になった。
そういう意味で、自分にとっても今回のテストは成功だ。
ここで得た経験は、今後の『冒険』にも大いに役立つことだろう。

「で、後はなんかすることあるの?」

依頼された仕事は終わった。
となれば、後は報酬を貰って帰るだけだろう。
もちろん、それも重要なことだ。
もっとも、もう一つの報酬には適わない。
好奇心を満たしてくれる『未知の経験』という名の報酬には――。

98遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/14(木) 18:04:29
>>95

 「……ふむ」

「今後も、このようなスタンドを用いて様々な状況を解決する様を
次は、アリーナの観客にも見せるパフォーマンスの一つにはなるだろう」

「……そう言う催しとして成功するかどうか。
試験的に私達を登用した。違うかな?」

 『フラジール・デイズ』 
『私』の力 『我々』の力 今後に変化はしていくだろう。
そう考えれば、見せたのは力の一端。特に開示したもので不利益はない……。

 「『マトリックス・オデッセイ』と言ったな」

「電子世界で振るった私達の力は、記録は可能ならば……記録の私達と
闘う事も可能だったりするのだろうか? 
別に深い意図のある質問じゃない……ただ、実験的に出来る幅がありそうでね」

『マトリックス・オデッセイ』の力にも、多少関心は惹かれた。

応用が利きそうだ、疑似戦闘などで経験を積む事が出来れば……実績に繋がる。

99『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/14(木) 22:45:43
>>96(弓削)

単に手の動きが疲れたのだろうか、
あるいは表情を察したのか――――
いずれにせよ、吾妻は既に手を止めていた。

「初めてなら尚更、あの行動力は素晴らしいものだ!
 非常に優れたスタンド使いだと認識させていただきたい」

桜島は特に弓削の手腕を評価しているようだった。
彼にアリーナでどれほどの権限があるのかは不明にせよ、
今後何らかの『仕事』をする上でも意味はあるかもしれない。

他の2人もそうした桜島の態度には共感しているらしく、首肯している。

>>97(夢見ヶ崎)

「オレも以前やった事ありますけど、
 それと比べても流石って感じでしたよ!」

吾妻の絶賛。アリスには触れてこない辺り、
そこまで『アリスネタ』に詳しくないのだろうか。

「あ……アリスさん。ご協力ありがとうございました、お疲れ様ですぅ」

「難易度調整は課題ですねぇぇ…………
 応用幅の広いスタンドが基本、勝つ……!って競技よりは、
 使い手の『センス』を競うようなモノにしたいですしぃ……」

――――難易度については、『開発』であろう加古が口を開く。
小さな声は聞かれていたようだが、それに対する見解も大きいとは言えない声。

「この後は報酬を授与するが、振り込みが良ければそれで対応するッ!
 我々は振り込みであっても手数料は要求しない。そして、その後解散とする!!」

上機嫌の桜島が、この後の予定を説明しながらバインダーより封筒を取り出す。
数は三つなので、全員『手渡し』の『当日支給』でも対応してもらえるようだ。

>>98(遊部)

「その通り! もっとも、先ほど語った以上の説明はないのだが・・・
 今回のテストで、この競技に『実現性』がある事が判断出来たッ!」

            「――――つまり諸君らのおかげだ!!」

熱の入った感謝を示す桜島。

開始前にも彼が熱弁していた通り――――今のテストは、
アリーナが想定する『新競技』の成立を問う物だったのだろう。   

「え、あ、はいぃ……つまり『模擬線』……ですよねぇ?
 理論上は不可能じゃないです、けどぉぉ……まだ『データ不足』で」

「『スタンドの使い方』とかの再現もですしぃ……
 細かい能力の『詳細』も……『それっぽい偽物』にしか。
 長時間戦闘が出来る思考能力が『NPC』にあるかどうかもぉ……」

もう一つの疑問には、加古から歯切れのよくない返答があった。
他にもぶつぶつと付け加えているが要するに、『ノー』と考えて良いだろう。     

>全体

「この場での報酬受け渡しを希望する者は残っていただきたい!
 後日振り込みの場合、振込先をこの場で教えていただくか、
 吾妻にメールで写真データを送付していただければ対応する。
 それが済んだ者は――――改めて、今日はご協力に感謝するッ
 現地解散という事になるが、この場この時点でこの『仕事』は終了としたい」

「その他、何か質問などがある者については可能な限り対応させていただくが!!」

              「オレも答えられることは答えますよ!」
                             「機密事項とか以外でしたらぁぁ……」

100夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/14(木) 23:14:37
>>99

「じゃあ、振り込みにしてもらおうかな。『スイス銀行』に」

「あ、でも私『コウザ』とか持ってないから――」

「今、ちょうだい」

冗談を交えつつ、封筒を受け取るべく片手を差し出す。
特に懐が寂しいわけでもないが、今もらわない理由もない。
ここは景気よく、帰りにどこかの店でパーッとやるか!!

……いや、これは次の『冒険』への軍資金。
無駄遣いは良くないな。
賢くジチョーしよう。

「質問は特にないんだけど、連絡先交換してくれない?」

「また何か仕事があったら紹介して欲しいから」

「私こういうの好きだし」

ついでに、この機会にコネを作っとこう。
あって困るものでもない。
『未知』への扉は、多ければ多いほどいいのだ。

101弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/14(木) 23:35:16
>>99
「私はこの場での受け渡しを希望します」

と言って、暗にその場に残ることを表明する。
思いがけず手腕を評価されたのはもちろん有難いが、
弓削にとって一番大事なポイントは
『これがどう求職に繋がるか』という一点である。

と、いうわけで。

「では、今回の件には直接かかわらない質問なのですが……。
 ……実は、『スタンドに携わる仕事』に興味がありまして」

「こうした『競技者』としてではなく、桜島さん達と同じく
 『スタンドを使ったビジネス』を運営していく立場の仕事に……」

ビジネスと大味に言い切ってしまうと、色々と語弊はあるだろうが……
要するに、スタンドという分野で『誰かを盛り立てる』仕事がしたいのだ。
だから弓削は今回、競技者でありながら
『競技の意義』や『ルール』についてかなりの思考を割いていたのである。
(無論、競技に適切に取り組むことにも利用したが)

  「質問というのは、皆さんがどのようにして『現在のお仕事』に就かれたか。
   ひいては『今現在中途採用は行っているか』という点になります」

夢見ヶ崎同様、コネを作る為の第一歩である。
第一歩というか完全に就職活動しているレベルだ。
あまりにも一足飛びすぎる話運びだが……。

「ぶしつけな質問で申し訳ありませんが……ご回答いただければ」

102遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/15(金) 19:48:48
>>99

加古の説明に対し、ゆっくりと相槌の意味合いで首を鷹揚に縦に揺らし 呟く。

「『データ不足』 か」

「なら、楽しい催しに参加した。幾らばかりの返礼にならないが」

「『私』が、誰か別のスタンドを扱う人間と出会う時に。貴方がたに
紹介する役割を請け負っても、問題はないかな?」

「日常では満足に奮えず、フラストレーションを抱えてる使い手だって
探せばいるだろう。そして、そんなサンプルが幾つも集まれば
マトリックスの応用の幅も増える。一石二鳥だろうさ……」

「紹介が多ければ多い程、例えば十人紹介したら5万貰えたりは可能かな?」


遊部 玲実の人生は……短いようで、長くもある。多くのスタンド使いと
出逢う機会は、体験している手前多いと確信がある。

それが良いか悪いか判断には苦しむところだが、有効活用するに越した事はない。

「あぁ。報酬は、この場で解散する前に頂こうか」

「何分、振り込むような場所が今の所ないのでね」

103『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/15(金) 22:00:08
>>100(夢見ヶ崎)

「――――中身は後で確認しておくように!
 連絡先か、ああ、教えておいても問題無いだろう。
 むしろ優秀なスタンド使いとのコネは有難いもの。
 必要があればいつでも連絡してくれてかまわないッ!」

   「無論、いつでも良い返事が出来るとは限らないが!」

吾妻の連絡先は仕事の前段階で教えられていた。
それに加え、桜島明人の名前が連絡帳へと並ぶ。
私的な用途の物かは不明だが。確実に『コネ』にはなる。
そしてそれは、向こうにとっても悪い話ではないらしい。

「夢見ヶ崎さんとはいい仕事出来そうですし、
 また協力してくれるならありがたいですね!」

吾妻は笑顔でそのような事を言っていた。
気に入られたらしい。

受け取った『封筒』には、紙幣数枚分の厚みを確かに感じた。
一日の『バイト代』としては、かなりの高額と言えるだろう。

>>101(弓削)

「中身は後で確認しておくように――――『仕事』に?
 …………成程! 言いたい事は『察させて』いただくが、
 まずアリーナでは『求人』を常に出している訳ではない!
 そして現在、俺の知る限りではだが、職員の求人は無いはずだ」

「現在の仕事に就いた経緯は――――申し訳ないが黙秘する。
 不親切ですまないが、可能な範疇でないと考えていただきたい」

桜島は封筒を手渡してから、そのように答えた。
彼のアリーナ入りにどのような経緯があったのかは不明だが、
見るからに武闘派の男。『イリーガル』な話でも不思議はない。
少なくとも一度仕事を共にし、目を掛けた相手に話せない程度には。

「そこの吾妻などは、ファイター経験のある職員だ。
 もちろん君にファイターになれというわけではないが、
 そちらの募集であればほとんど、随時行っている。
 仮に『職員』に繋がるような仕事があれば、回す価値もある。
 ――――『窓口』の役目も含め、俺の連絡先は教えておこうッ!」

しかし『今後』を持たせる程度には目を掛けているのも間違いない。
一足飛びとはいえ、『足場から転落する』ような事態にはならず、
むしろ足掛かりを得ることが出来た。これも実力を示した甲斐という物か。

>>102(遊部)

報酬は桜島に手渡された。封筒の中に数枚の紙幣の存在を感じた。

「ほう! 有難い話ではある。間違いなく、有難いのだが……
 紹介料か――――ああ、『紹介が成立したなら』俺は支払ってもいい。
 つまりだ、我々がその人材を必要とし、受け入れた時に限るという事!
 無能を無数に紹介されても仕方がないし、『常に人材がいる』訳でもない。
 だが必要な人材を紹介してくれるならば、1人につき『1万』は支払おう。
 例えば『実際に闘技に参加するファイター』等は、需要が極めて高いッ!」

             「連絡先を教えておこう。紹介の際はよろしく頼む!」

「あー……その、『マトリクス・オデッセイ』の能力は、
 出来れば完全に黙秘していただけたらありがたいですけど、
 アリーナの事を宣伝してもらえるなら、出費は悪くないですねぇ……」

おおむね肯定的な返答は得られた物の、
これはフラジールの意図とはやや外れる要望だ。

彼らが求めているのは『マトリクス・オデッセイ』の協力者ではなく、
アリーナ全体にとっての利益となる『ファイターの増加』なのかもしれない。

104夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/15(金) 22:57:35
>>103

「――うんうん!!」

「私も『ジョーさん』とは気が合いそうだし、また一緒になんかしたいね!」

勝手にニックネームを付けつつ、曇りのない晴れやかな笑顔で応じる。
珍しい体験ができて、しっかり報酬も貰えた。
その上、おまけにコネも作れた。
文句なし、言うことなしだ。
ただ一つ、心残りがあるとすれば――。

      チラッ

同じ仕事を受けたフラジールのことだ。
結局、彼女の正体に関する部分は『未知』なまま。
気にならないと言えばウソになる。
だが、今の段階では、それを知ることは難しそうだ。
『次に会えた時のお楽しみ』――そういうことにしておこう。

「じゃ、そろそろ帰ろっかな」

「アキトさん、ミクちゃん、ジョーさん、さよなら!」

「カズハちゃん、フラジールさん、またどっかで!」

全員に対して、いくぶんか馴れ馴れしい挨拶を済ませたら、封筒をしまって歩き出す。
これで、一つの『冒険』が終わった。
だけど、私の『冒険』は、これからも続いていく。
終わりは始まりでもあるんだから。
次なる『未知への冒険』が私を――『アリス』を待っているのだ。

105弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/15(金) 23:04:00
>>103
「ありがとうございます」

有難く連絡先を受領させてもらおう。
元より一発就職など望むべくもない。
だが、それでもいいのだ。
たとえ道程が長くとも、弓削は『始めることができた』のだから。

「今回の依頼を受けるに当たって
 こちらの連絡先もお伝えしていると思いますので……」

「ご入り用の際は、是非」

始めることが出来たなら――あとは進み続けるだけ。
進み続けていけば、止まらなければ、
その先には辿り着くべき場所もあるだろう。

「今後とも、末永く宜しくお願いします」

弓削和華の就職活動は、まだ始まったばかりだ。

106遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/16(土) 19:47:13
>>103(GM)

>『マトリクス・オデッセイ』の能力は、
 出来れば完全に黙秘していただけたらありがたい

「うん、そうだな……その部分の配慮に些か欠けた発言だった。
承知した、桜島 加古……闘いに自信を持つものがあれば
率先として紹介させて貰う」

 連絡先をスマホに記録する。

>>104(夢見ヶ崎)

>カズハちゃん、フラジールさん、またどっかで!

「……あぁ、またいずれ」

 

 「…………」

(今回の、『マトリックス・オデッセイ』での私の行動……。
非公開か、開示するか迷っていたが。アリーナに属する人間は
やろうと思えば、全員で共有出来る。既に記録はなされてるのだから
彼女等の力を知るのも、決して損にはならない。なら、『私』の
意見はさておき、全員共有する形が一番好ましい)

(夢見ヶ崎 弓削……彼女等は、基本的に『私』や『我々』の本質を
追及しようとする……脅威では、ない。
 まだ、私は未熟であり『成長段階』だ。……少しずつ、一歩を
疎かにせずに、積み上げていこう。砂上の楼閣ではない、盤石なる一石を)

(……『我々』は『私』は。不動なる力を積み立てる。
誰にも触れさせぬ確かな『力』を。
 『アリーナ』と言う組織を知る事が出来たのも、無駄にはならない。
――最後に『勝利』を手にする為ならば、幾らでも泥でも星にも
進む為の踏み台になろう。誰が一人でも『私』か『我々』が得られれば
それこそが……真の勝利だ)

 誰かが成さねばならない。この脆く弱き先の中で 世界に押しつぶされぬ力を

その為ならば『私』は何にでもなってみせる。

107『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/16(土) 22:25:55
>>104(夢見ヶ崎)

「そんときはよろしくお願いしますよ!
 出来れば『平和』な現場だと良いですね」

              ニカ!

「ああ、さようなら!また会おう!!」

        「お疲れ様ですぅぅ〜」

突然のあだ名を否定される事もなく、
桜島と加古の挨拶を背に、現場から帰路へと歩き出す。

――全ての未知が明かされる事はなかったけれど、
また別の未知への足掛かりはいくつか得る事が出来た。
アリーナ。吾妻。フラジール。それらが導く、次の冒険はいつの日か・・・

夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』→『仕事完遂』『報酬5万円』

>>105(弓削)

「ああ、使えるスタンド使いは外部の者でも優遇する。
 仲間になれるかもしれない者なら――――尚更に!
 こちらこそ今後ともよろしく頼むぞ、『弓削』君!」

道の始まりが見えた。
それが光差す道か、闇への一方通行かは、
今の弓削には――あるいは桜島達にも分からない。

だが、道があれば『進む』事が出来る。
止まらず進み続ける事が出来る道が、あらゆる結果の『原点』だ。

弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』→『仕事完遂』『成績最優秀』
                      『報酬10万円』

>>106(遊部)

「もちろん、フラジールさんが戦うのも……
 なしではないですからねぇ。武器とかも、
 『勝負が成り立つ』レベルなら貸し出しますしぃ」

「『義務』等は当然ない。だが紹介したいと思ったならば、
 そしてその相手が望んでいるならばいつでも受け付けるぞ!」

記録した連絡先は『アリーナ』とフラジールをつなぐ窓口だ。
今後、紹介以外でも何かに利用できる機会はあるかもしれない。

そして――――今回の仕事で得られたのは、
金だけではない。『意思』を積み上げる事が出来た。
成長という星がどれほど高い所にあるのかは不明だが、
積み上げ続けていれば――――いずれ辿り着けるだろう。

遊部『フラジール・デイズ』→『仕事完遂』『報酬5万円』

>全体

―――――――かくして、『アリーナ』桜島からの依頼は『完了』だ。

それぞれが、そして桜島達も必要なものを得る事が出来た。
劇的な一日というわけではなかったが、『有意義』な仕事が出来た。
その成果は封筒という形で、そして各々の心の中で確かに存在する。

            ガチャ

「……『新競技』の実施にはまだ時間がかかる。
 折衝や、プレゼンテーション、選手の選定、客集め。
 だが! 『アリーナ』の新しい可能性を切り開けるッ!」

    「それは間違いない。今日はそれが大きな収穫だ」

   ザッ
      ザッ

「やっぱ『フリー』のスタンド使いも優秀な人多いですよね。
 オレたちも負けてられないっていうか、刺激されましたよ!」

「ああ、人材という面でも――――特に『弓削』君は得難い使い手だ。
 モチベーションもある! いずれ共に仕事が出来るとなれば、
 それこそ『負けてはいられない』……吾妻、ジムでも行って鍛え直すか!」

「それもアリですね! ミクさんも後で合流しません?
 どうせその後、メシとか食いに行くでしょうし…………」

「あー……私、今日のデータをまとめなきゃいけないのでぇぇ……」

      「えー、じゃあオレも帰ろうかな」 「貴様! 鍛え直すのがメインだぞ!」


「あ、じゃあメシも連れて行ってくれるんですね?」

「当然だ。良い戦士は良い食事から生まれるッ!
 俺たち『アリーナ』の戦いはこれからも続くのだ・・・
 焼肉でも行って、可能性を切り開いた今日という日を祝うぞ!」   
 
                    『星へと駆けよ、スタンド使い』 → 終了

108『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/11(水) 23:04:22

    サ ァァァァァ ―――――――――――――――――――――ッ ・ ・ ・ ・

「……ったく、なんだって俺が猫の餌替えなんざ……
 あ? 雨? ゲリラ豪雨ってやつか。梅雨は嫌だねえ」 

       『ガシャアアアアン!』

                         ザァァァァーーーーーーッ ・ ・ ・

            『ビチャッ』

                         「あー。その。『お邪魔します』ね」
               ヒタ…  ヒタ…

「な、なんだお前!?
ここを何処だと思って――」

           『ドガ!!』
   
                「グェッ」      

                       「……随分、雑に扱われてる、ですね。
                        迎えに来ました、ですよ。『カーバンク」
    
    「フシャァァーー!!!」

                         『チャリン!』
 
   『チャリリリリリリリリリリリリリリ!!!』

                             『バシャン』

          ピョンッ

                              「ル』? まさかワタシを忘れて……
                               あ、まずい、です。逃げないで――」

    タタタタタッ

               『ビーーッ!』
   『ビーーッ!』

                       「警報……あー、すみません、一旦引きます。
                        シンエンさん。これは私、悪くないですよ。
         ザ              だってこれ、専門じゃないし。私のせいじゃない」
            ァ
                                 ァぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――ッ

                      ダッ

 『バシャン』

                      ザァァァアアアアアアアアアアアアアアアア  ・ ・ ・   
 
                                               ピチャン・・・
                                                       ピチャン・・

109『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/11(水) 23:21:35

・・・ 

・・・・・・

・・・・・・・・・


       ダダダダッ
                       ガチャン

「……もぬけの殻ッ」

      プルルルルル  プルルルルル

「はい、こちら『吾妻』です。今、現場着きました。
 ……やばいですね、マジで『その猫』をこんな設備で?
 っても、オレもその猫のこと知ったのは今日ですし、
 『縦割り』の限界ってところですかね〜。それか平和ボケ?」

「はい、窓が叩き割られてて、
 職員が一人殴り倒されてます」

          『パシャ』

「まーどっちにしろ、はい、すぐに犯人を追います。
 なんだかんだ言っても、身内のケツですもんね。
 ……って言っても、足跡一つ無いですし、
 どうせ、連中のスタンド使いの仕業でしょうし。
 結構骨は折れそうですけどね! はいっ、失礼しま〜す」

              『パシャ』  『パシャ』

                 「いや……やばいなァ〜〜〜ッ、これ」

――その日の内には、『奇妙な噂』が町を駆け巡っていた。
当事者、耳聡き者、貪欲な者、惹かれた者たちがそれを掴んだ。

ある者にとっては『保護対象』。
ある者にとっては『処分対象』。
ある者にとっては『富と名声』『生きた埋蔵金』『金を生む猫』『無限の財宝』。

2018年初夏の星見町で、無数の思惑の交差点となった猫の名を、『カーバンクル』と言う。

                               『金融永久機関カーバンクル』→『開始』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★参加者はこのレスに『外見』『持ち物』『能力詳細』等、告知記載の必要事項を返レス願います。 

☆当ミッションではレス順問わず『同一勢力のPC』への返レスをまとめます。
 これに伴い、レスの先頭・アンカーの前に勢力の名称を明記します。

★他勢力のPCレス、およびGM返レスについては、
 なるべく『見ない』または『見なかった体』でお願いします。
 (スレを分ける事も考えましたが、何かと不便なのでやめました)

110硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/11(水) 23:25:08
>>409
===========================================
【NPCに誘われた】巻き込まれ形式を希望します。

◆『簡易プロフィール』&『外見』
長身の不良男子高生。
真っ金金に染めた伸び放題の長髪、両耳にはピアスがギッシリ。
その見た目の割に物腰は柔らかい。
スタンドについてはよくわからないし今なんでこの場にいるかもよくわかっていない。
服装は上は刃牙の家の絵がプリントされた赤色のTシャツ、下は半脱ぎの洒落たツナギの袖を腰元で結んでる。靴はスニーカー。
supremeのキャップを唾後ろに被り、
数年前に放映されたプリキュアのプラスチックのお面で顔を隠してる。


◆『所持品』
ガラケー、財布、汗拭き用のタオル。
チャチな作りのmp3プレイヤーとイヤホンをポケットに無造作に突っ込んでる。


◆『スタンド概要』
手足で触れた物に『車輪』を取り付けるスタンド。
車輪を取り付けた対象を『安全運転状態』にする事で、
速度抑制と精密動作、一度限りの衝撃吸収を与えられる。
 
『RXオーバードライブ』Rx Overdrive
破壊力:B スピード:A 射程距離:E(1m)
持続力:E 精密動作性:E 成長性:B
(詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/58)

【意気込み】
皆々様の足を引っ張らないように頑張りたいと思います。

111スミノフ『デマーケイション』:2018/07/12(木) 01:18:13
>>109

【外見設定】
癖のある黒髪。
黒いタクティカルブーツ。モスグリーンのカーゴパンツ。黒のタンクトップ。しわの入った白のリネンシャツ。
銀のシルバーチェーンのネックレス。

【持ち物】
スマホ、財布、家の鍵、スミノフ一本

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/61

【簡易なプロフィール】
27歳。マイペース。喧嘩が好きだが、喧嘩っ早くはない。
強くなりたい。

【意気込み】
頑張ります

【仕事を探して見つけた】で参加希望。
仕事のないようについて深く把握していない形での参加が可能ならそれで始めたいです。

112宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/12(木) 01:19:19
>>109

――かつて、俺の心には『生きる意味』が存在した。
それは愛する女であり、俺は彼女のために日々を生きていた。
しかし、何の前触れもなく、彼女は何者かに命を奪われた。

そして、彼女を失った俺は、『代わりの目的』を手に入れた。
愛した女を殺した男に復讐する道だ。
幸か不幸か俺は目的を遂げ、同時に『生きる意味』を失った――。

――今の俺には『生きる意味』がない。
この命は、何の価値もない過去の残骸に成り果てた。
それでも俺が生きているのは己の罪を償おうとする意識があるからだ。

刑務所で長い年月を過ごしたが、
その生活を苦しいと感じたことは一度もなかった。
苦痛を覚えなければ、それは罰とは呼べない筈だ。
俺の心を占める果てのない『空虚さ』こそが、
罪を犯した自分が受けるべき本当の罰であると、そう俺は解釈している。

――今の俺にとって、『仕事』だけが唯一の慰めだ。
『仕事』に没頭している間だけは、ただ無意味に生きている『空虚さ』を、
一時的に忘れていることができる。
所詮は一時凌ぎに過ぎないと分かっていても、
俺には心の拠り所になっていた。

だが――『仕事』がない日というのも当然ある。
俺が困るのは、そんな時だ。
自分が生きているという『空しさ』を否応なしに強く感じさせられてしまう。

また何処かで時間を潰すかと考えていた時、
俺は思わぬ呼び出しを受けた。
俺の『力』を目覚めさせた女――『藤原しおん』からの呼び出しだ。
どうせ何も用事はないのだから、それを断る理由もない――。

             ――ザッ

「――久し振りだな」

短い言葉を投げ掛け、『藤原しおん』の向かいの椅子に腰を下ろす。
以前ここに来た時と同じように、仕事着である作業服姿だった。
呼び出しの内容が『仕事』であるなら、これが自分なりの『正装』だ。

「『連絡』を受けて来た。話を聞かせて貰おう」



■外見
――――――――――――――――――――――――――――――
・年齢44歳、身長185cmの屈強な体格
・黒髪の短髪、抜き身のような光を持つ黒い瞳
・カーキ色の作業服(ツナギ)
・道具入れを吊り下げるための丈夫な革製ワークベルト
・革手袋とセーフティーブーツ

■所持品
――――――――――――――――――――――――――――――
・ベルトに吊り下げられた道具入れ(容量はウエストポーチ程度)
・財布と携帯電話(ポケットの中)
・かつての婚約者の写真(ポケットの中)
・胸ポケットに入れて使う暗所作業用のL型ライト(道具入れの中)

■能力詳細
――――――――――――――――――――――――――――――
『ノコギリザメ』の意匠の右腕を持った人型スタンド。
なんらかの相手による傷害(損害)をスイッチに、
右腕を自動操縦スタンドの『ノコギリザメ』として分離することができる。
分離した『ノコギリザメ』は『シャークトレード』(悪徳交換)を強制し、
等価以上の傷害(損害)を相手に与えるまで暴れまわる。

『アヴィーチー』(人型)
破壊力:B スピード :C 射程 :E(1m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:C

『ノコギリザメ』
破壊力:A スピード :B 射程 :A(100m)
持続力:A 精密動作性:E 成長性:C

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/71

■簡易プロフィール
――――――――――――――――――――――――――――――
二十年前、婚約者を殺した男を復讐のために殺害して有罪判決を受け、
長年の懲役刑を終えて出所した。
愛する者も憎むべき相手も失ったことで、自らの『生きる目的』を喪失し、
心の中に大きな『空虚さ』を抱えながら生きている。
職業は配管工。

■意気込み
――――――――――――――――――――――――――――――
俺にとって最大の報酬は、『仕事そのもの』にある。
俺自身の『束の間の安息』のため、この仕事を完遂させるつもりだ。
最も、明日以降の『本業』に支障が出ては困るので、
『治療代』程度は貰うが。

113高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/12(木) 01:37:48
【簡易なプロフィール】
 ・大学二年生。文学部。
 ・名家の生まれだが、現在は半家出中。
 ・軽薄な三枚目を装っているが、根は真面目で小心者。

【外見設定】
 ・猫目、クセ毛。小柄、やや日焼け。
 ・和柄のパーカー、カーゴパンツ。
 ・左腕に『梅と鶯』の入れ墨。
 ・全体的に『チャラい三枚目』。

【持ち物】
『小さめのバックパック』
 ・携帯音楽プレーヤー
 ・お気に入りのヘッドフォン
 ・スマホ、タブレット(どちらも携帯回線で利用)
 ・大学ノート2冊、筆記用具一式
 ・魔法瓶の水筒(キンキンに冷えた麦茶)
 ・煙草(CHERRY)2箱、100円のオイルライター

【能力詳細】
 『ウィーピング・ウィロウ』
  植物の意匠をあしらった、スマートな人型のヴィジョン。
  音を発生させた対象の時間を止める、『静止』という現象を操る。

 破壊力:C スピード:C 射程距離:D(5m) 持続力:D 精密動作性:B 成長性:B→C
 (ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/78-80)


【早見とはどういう関係か】
 大学のゼミ(文学系)のOBと在学生、という関係を希望します。

 高天原⇒早見:『多少面倒な悩みでも断りにくい程度には世話になっている先輩』
 早見⇒高天原:『個人的に飯に誘う程度には付き合いのある後輩』

【意気込み】
 久々のスタンド板ミッション、それも高危難での参加なので、先ずは『生還』と『話についていくこと』を目標に頑張ります。

114『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/12(木) 19:43:15
【フリー】

>>110(硯)

そのまま待機していた『硯』に声を掛けたのは、坊主頭の男だった。
それなりにガタイもいい『体育会系くずれ』のような外見の彼とは初対面。
何が何だか分からないまま連れてこられたのは、怪しげな『地下バー』だった。
そこで屈強な『グラップラー』が待ち構えているという事は無かったが・・・

「……待って。私が誘ったのは『金髪』だけど『ピアス』はない。
 数日でそんなびっしり空けるなんてキャラでもないし…………
 もしかすると『別人』かもしれないわ。あなたちゃんと確かめたの?」

「はァ〜? 待ち合わせ場所で『お面』を被って待ってるやつなんて、
 二人といないでしょうよォ。このヒトが今回の『仕事仲間』ですよ」

                  「……多分」

人違いで連れてこられてしまった雰囲気であり、しかも何かの『仕事』の集まりのようだ。
先に席で待機していた女はおかっぱ頭で、『狙撃銃』のような『奇妙な武器』を抱えている。
その隣にいる男はしわの入ったリネンシャツにカーゴパンツという軽装で、『学生』には見えない。

・・・『サバゲーの会』という雰囲気でもないが、過激な『テロリスト集団』といった風にも見えない。

>>111(スミノフ)

この町で仕事を探す時――――奇妙な話だが、『スタンド使い』は『惹かれ合う』。
即ち、『スタンド絡み』の仕事が舞い込むことがある。今回はまさに、それだった。
依頼人は今隣に座っている女で、名を『マナビ』と言うらしい。本名は知らされていない。
知らされていないのはそれだけではない。仕事の詳細もだ。『猫探し』とは聞いている。

連れてこられた地下のバーにはもう一人『イラムシ』と名乗る坊主頭の男もいたが、
途中で『もう一人』を迎えに出た。その後はマナビの口数が少なく、沈黙に包まれていたが・・・

               ガチャ

イラムシが四人目を連れて、帰って来た。
現れたのは金髪にピアスのいかにもな『不良少年』――いかにもではない。

「……待って。私が誘ったのは『金髪』だけど『ピアス』はない。
 数日でそんなびっしり空けるなんてキャラでもないし…………
 もしかすると『別人』かもしれないわ。あなたちゃんと確かめたの?」

「はァ〜? 待ち合わせ場所で『お面』を被って待ってるやつなんて、
 二人といないでしょうよォ。このヒトが今回の『仕事仲間』ですよ」

                  「……多分」

女児向けアニメの『お面』と、青年誌の格闘漫画のTシャツという異様な姿だ。場に緊張が走る。
会話的にどうにも彼は人違いの可能性があるようだ。なんともお粗末だが、ここに恐らく『規律』が無い。
集団行動を強要されるような空気でもないので、それをプラスと取るかどうかは『スミノフ』次第ではある。

115『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/12(木) 19:43:34
【音仙】

>>112(宗像)

「…………キミが来てくれてよかった。私には『手勢』が少ない。
 そして私自身が大きく動けば、余計な混乱が生じてしまう……ええ。
 キミのような『動いてくれるスタンド使い』が、私には必要なんです」

                   コポ ポポ……

「あ……すみません、その、話が飛んでしまいました」

部屋はあの時と同じで、暖色のインテリアと熱帯魚の水槽が感覚を満たす。
あの時と違うのは『藤原しおん』の雰囲気で、それは明確な『焦り』だった。

「単刀直入に言うと、『仕事』をお願いしたい……というのは、もう伝えましたね。
 といっても、その。この部屋の水道を見て欲しいとか、そういうのではないんです」

      シュル
            シュル

「この町で、少し『良からぬ動き』がありまして……その、私がこの町の、
 良し悪しを決めるものではないんですけど……気分が良い音ではないので、ね。
 あまりことが大きくなり過ぎてしまうより先に、『解決』してしまいたいんです」

「つまりです。キミに『解決』をお願いしたい……のですが」

しおんの背後に聳える『音響機器で形作られた樹木』のスタンドがわずかに揺れ、
歪な『イヤホン』のような蔓が延びる。あの時は見えなかったが、『音仙』たる所以だろう。

「この件に『質問』は……ありますか? 無ければ、『条件』を決めたいと思ってます。
 そう『条件』……ええ。これは『仕事の依頼』ですから。『何を以て解決とするか』と、
 もう一つ『報酬はいくら出すか』……私が望む解決にも、いくつか『段階』がありますので」

             「ええと。話が長いといつも言われるので……『要件』は以上です」

116『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/12(木) 19:43:48
【早見】

>>113(高天原)

清月学園大学部・文学部棟に最も近い門から徒歩5分。
やや値が張るのと、場所が分かりにくいので今一流行らないが、
そこそこ良いランチを出すカフェ『みかづき』にて『その席』は設けられた。

「咲哉君、今日は来てくれてありがとう――――ああ、ええと。
 一応言っとくけど、『調理器具』とか『壺』の話題じゃあないよ。
 もちろん『絵』とかでもなくってね。ちょっと気になる話を耳に挟んで」

この人の良さげな風貌の男は早見勇。『高天原』にとっては『ゼミOB』である。   
年こそ多少離れているが、『地元記者』として卒業後も大学にも出入りしている彼とは、
それなりに親交があった。少なくともこうして、用件をボカシた召集に応じる程度には。    
彼は足で稼ぐフリー記者というよりは『公務員』か何かのようなスーツ姿でその日も現れた。

「眉唾なんだけど、『大金』を稼げるかも――――あっいや、ほんと怪しい話じゃないよ。
 ただちょっときな臭いのと、『危ない』匂いがするから……咲哉君に声を掛けたのはそれなんだ」

                 「1人で抱えて忘れるには、勿体ない話だからさ」

彼との付き合いで特筆すべきことがあるとすれば、彼は一般人だが『スタンド』という概念を知っている。
そして『高天原』がその使い手であることも、『ひょんなこと』から知られている。能力までは知らない筈だ。

117硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/12(木) 21:38:00
>>114

「親戚が来るんだ」

被っている面は子供用に作られている為、
当然顔面全てを覆うには至らず、鼻から下は露出している状態だ。
ちなみに目元の部分には穴が開いているので視界は問題ない筈だ。


「東京から親戚がやってくるとの事で、
 俺が駅でお迎えをするように言いつけられたんだが。
 5歳になる『従妹』がこのアニメに夢中だと聞いてね」

「せっかくだし『サプライズ』をプレゼントしようと思って、
 家の在庫品の山からこの『キュアなんとか』を発掘して、
 この炎天下の中、お面を被って待っていた所に現れたのが、
 坊主の君と、『銃』を持った君と、ラッパーぽい君達だ」


今一つ状況が理解できないので、
とりあえずもう1度周囲を見渡す。
(お面を被ったままなので表情は伺えないだろうが)


「なあ、ひょっとして君たち全員が、
 俺の従妹の――『硯 希良美(きらみ)』ちゃんなのかい?」


どうやら此処はバーらしい。
なので何か注文するのが作法なのだろうが、
あいにく未成年だから酒を飲むわけにいかない。


「酒は駄目なので――オレンジジュースをください」

118スミノフ『デマーケイション』:2018/07/12(木) 22:24:43
>>114
>>117

「……」

とりあえず椅子に腰掛けよう。
集団行動がないのはいい事だ。
自由にやれるということだから。
しかし同時にそれは自己責任が付きまとうことでもある。

「……スミノフでいい」

「お前の言う、キラミって名前のやつでもねぇ」

眠そうに欠伸をした。
椅子の背もたれに体を預けてリラックス。

「ラッパー……ラッパーなぁ……いや、ちげぇけど」

「俺はスミノフを頼む。なければ、テキーラサンライズ」

「お前下戸か? それか未成年か……つーか、名前は硯でいいのか?」

それから目線をマナビに向ける。
特になにか意思の見える目ではなかった。

「それで、こいつも仕事に連れてくのか?」

119宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/12(木) 23:27:00
>>115

藤原しおんの背後に佇む『スタンド』に、軽く視線を走らせる。
しかし、それについて深く知ろうとするような考えはない。
重要なのは、今日ここに俺が呼ばれた『意味』だ。

「この街において、
 あんたの『その力』が特別な意味を持つことは理解している。
 何せ、俺の力を目覚めさせた張本人だ」

「今回の件は、その『借り』を返す機会にもなると考えている。
 ここに来た以上、当然『仕事』は引き受けるつもりだ」

椅子に背中を預け、至って淡々とした口調で言葉を続ける。
休みの日に、こうして『仕事』を依頼されるというのは、願ってもない話だ。
この果てしない『虚無感』から一時とはいえ逃れることができるのだから。

「『水道が出なくなった』だとか、
 『水が止まらない』などと言われていたら困っていたところだ。
 生憎、今は工具を持ってきていないからな」

言葉を交わしながら、『藤原しおん』の焦りの混じる態度を見て、
内心で違和感を覚えた。
自分の知る『音仙』――『藤原しおん』の印象とは異なっていたからだ。
それ程までに、事は『重大』ということだろう。

「質問をしたいところだが、まだ俺は詳しい事情を何も知らない。
 まず、今回の『仕事』に関して一通りの説明をして貰えると助かる」

「具体的には、『現状』と『目的』だ。
 『解決』と『報酬』については、それと併せて説明してくれ」

「その後で疑問が浮かべば、手短に質問させて貰う。
 残されている時間は、あまり多くはないようだからな」

そこで言葉を終え、『藤原しおん』の表情を見やる。
大きな感情を表に出すことのない彼女が、今は焦っている。
そのことから、事は深刻であると同時に、
急を要するものでもあるのだろううと推測した。

120高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/13(金) 03:18:20
>>116

「むしろそういう話ならラクでいいんスけどねェ〜。」

 やんわり断って、それで終いだ。
 そもそも、そういうものに手を出す男ではないだろうと思っているし、
 『相手は誰でもいい用事』に、わざわざ自分を呼び出すこともないだろう。

 だから、厄介なのだ。

「相変わらず、ピッ! としてますね……。
 お仕事チョーシいいんスか? それとも社会人ってそういうモンすかね」

 本題の前に、近況を尋ねるくらいの世辞はあってもいいだろう。

「『大金』……『大金』かぁ〜〜〜〜……」

 ピンとは来ない。

「そりゃ、金はあって困るこたぁないですけど……
 早見さんは、金が目当て……ってワケじゃ、ないですよね」

 早見勇。一般人の記者。
 一般人の記者として生計を立てるために、必要な素養はなんだろうか。
 語彙と文才。情報収集力。コネクション。
 多くはあれど、一番はきっと未知や秘密を明かしたいという『好奇心』だ。

 彼の目当ては、むしろその『眉唾』な情報そのものではないだろうか。
 怪しい話ではない、けれども眉唾。
 気になるところだ。
 けれども自分は早見と違って、そこから深入りしようとは、本来なら思わない。

「『危ない』ってのが気になりますが……
 まっ、話くらいなら聞いていきますよ。 とりあえず、注文だけ頼んじまいますね」

 彼にはよくしてもらっている。
 本当の『危険』、それこそスタンド絡みの案件なんかに足を突っ込もうとしているのであれば―――

「アイスコーヒーひとつ。あと、灰皿」

121『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/14(土) 00:26:06
【フリー】
>>117(硯)
>>118(スミノフ)

「……………………思い切り『人違い』じゃない。
 それも他の人と待ち合わせをしているそうよ。
 いきなりの失態だけど、貴方本当に『プロ』?」

          フゥーーッ・・・

「申し訳ないけれど、私は『スズリキラミ』ではないわ。
 『マナビ』……そう呼んでくれていい。それと、この銃が見えるのね」

女は坊主頭の男に冷たい視線を向けつつ、奇妙な自己紹介を返した。 
硯はどうにも人違いに巻き込まれたようで、ここは『家族集会』ではない。

「『お面』を被ってる分かりやすい奴だから、『連れてこい』
 それだけしか指示を受けてないんですよォ〜〜〜こっちは。
 多少の手間を取ってでも……『合言葉』は決めておくべきだった」

            「はァい、オレンジジュース」

       コト

連れてきておいてこの言い草、とんでもないやつだが……彼が席を立って、
無造作にバーカウンターに置かれた色の濃い『オレンジジュース』を持ってきた。
それが硯の前に差し出される。グラスはよく冷えており、表面に水滴が浮いている。
バーテンダーらしき男は無言で、他に店員もいない。『セルフ』という事だろうか。

「…………『お迎え』。そう、用事があるなら、
 これを飲んだら駅に戻ってくれていいわ。
 お代は私が出すし、多少なら迷惑料も払うから。
 どうやらうちのポンコツが迷惑をかけたようだし」

マナビはそのように言うと、実際それ以上何か手出しをする様子はなかった。
その間に『スミノフ』のスミノフも用意され、やはり坊主頭の『イラムシ』がそれを持ってきた。

「……とはいえ『スタンド使い』で、ここに来てしまった以上、
 もし『仕事』に興味があるなら混ぜてもいい、かもしれない。
 無理やり連れて行く気はないわ。今なら元呼ぶはずだった人も呼べるし」

「そいつだってどんな奴か知らないですし、まァ……『誰でもいい』ですよ、オレは」

そして、『硯』には駅に戻る以外の選択肢もあるようだった。選ぶかどうかは自由だが、
草むしりをしましょうとかそういう類の『仕事』ではないように思える。目つきが剣呑だ。
人違いの人を呼んだからまた後日にしましょう、と言い出す者もいないし、急ぎでもあるらしい。

122『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/14(土) 00:26:22
【音仙】

>>119(宗像)

                キィィィーーーーン

【――――事の始まりは      その、事の始まりは省きます。
 まず、『エクリプス』という犯罪組織がいた。そして、少し前に『壊滅した』。
 ですが『カーバンクル』という……『エクリプス』のある派閥が利用していた『猫』。
 これを再利用しようと ……『アリーナ』という組織が秘密裏に生け捕りにしていたようで】

・・・『イヤホンの蔓』が片耳に触れ、『藤原しおん』の声が再生される。
台本か何かを読んでいるのか起伏の少ない口調で、時々『カット』が入っている。
スタンドを目覚めさせた能力とは思えないほどに『慎ましい』音声編集作業の跡だ。

「口で説明するのは長くなりますから……『編集』しておきました。
 現状と、目的……私の口からは並行して残り、ええ、『解決』と『報酬』を」

【それが 海外に潜伏していた『エクリプス残党』 いえ、『下手人』は推測ですが……
 ともかく何者かの手引きで『脱走』 手引きをした者もその場での確保に失敗したようです。
 そして今現在、『カーバンクル』を狙って『エクリプス残党』『アリーナ』 だけではなく。
 攪乱のためか 不本意か、どちらかの陣営が『情報筋』に『カーバンクル』の話を漏らしまして、
 まだごく一部ですが、『フリーのスタンド使い』としてこの町で活動していた者も動いている】

【――――――つまり、現在、この町は乱戦状態一歩手前です。これが『現状』】

                   【そして『目的』は、『事態の収束』】

「事態を収束させる『解決手段』は……私の希望という意味で、段階があります」

「ひとつ、『カーバンクル』の処分。殺すのでも、『再起不能』でも構いません。
 その猫が危険なのは、『スタンド』の性質ですから……それが使えないなら価値は消える。
 抵抗はしてくると思いますが、キミの『アヴィーチー』なら……十分、やれるでしょう。
 『アリーナ』にとってはこれは同じ目的のはず……『エクリプス残党』は目的を見失い、
 もちろん悪あがきをする者は出るでしょうが、付き合わず『退いて』くれて大丈夫です。
 ……そして『フリー』のスタンド使いも、『カーバンクル』の価値を諦めざるを得なくなる」

「そこまで行けば後は、『アリーナ』が大規模に収束に動いてくれるでしょう。報酬は、これくらい」

                 サラサラ

羽ペンを手に取り、無造作に置かれたメモ用紙に『30万』と記した。

「より希望として、上の段階になるのは……『生きたままの確保』です。
 そしてその場でも、後日でもいいですが、『アリーナ』に引き渡して解決する。
 こうすれば……彼らにある程度の『恩』を売りつつ、面子は立ててやれる。
 ……その、私の立場って、『アリーナ』的に微妙ですので……一応、気を遣うんです」

                「…………この場合、報酬を『10万』上乗せします」

そこまで言うと、『音仙』はやや歯切れ悪く黙り込む。質問を待っているのかもしれない。
あるいは、何か言いたいことはあるが……『言わない』事を選んだ、という沈黙かもしれない。

123『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/14(土) 00:29:32
【早見】

>>120(高天原)

「はは、『不審がられない』事は僕みたいな根無し草には必須だからね。
 スーツは良いよ。しっかり手入れしていればちょっとしたマスターキーだ」

「もちろん……これを買ったからお金に困ってるなんて話じゃないよ。
 むしろ、お金はオマケみたいなもの。あって困りはしないけど……
 ああ、注文は好きにしてくれて良いよ。メニュー全部とか言われたら困るけど」

早見は冗談っぽく笑うと、自分も『アイスココア』を注文した。
ウェイターは丁寧な態度でそれらを受け取り、店の奥に引っ込む。

「吸うんだっけ、タバコ。念のため喫煙席にしておいてよかった。
 それで、噂って言うのが……『お金を作り出す猫』、って話なんだ」

        「あ。ちなみに比喩表現じゃなくて、文字通り。
         『高級品種の猫』とかそういうのじゃないらしい」

――――自然な流れを装って、かなり胡散臭い話が紛れ込んで来た。

「確かな筋、とまでは言えないけど……かなり信用できる情報源でね。
 以前にも『スタンド能力』絡みのいざこさをそこから知った事があるんだ」

    「……まあ、これもちょっと『いざこざ』が背景にある話みたいだしね」

スタンド能力の可能性という原野は実に広大だ。
本来うつろわぬ『時』の領域に干渉する能力が存在するのならば、
『金銭価値』にまつわる能力があってもおかしくはない――のだろうか?

124高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/14(土) 03:27:48
>>123

「あっ、いえ! 流石に自分の分は……スンマセン」
「敷地内じゃ吸わないようにしてンすけど……あっ! よかったら、一本……」

 苦し紛れに、煙草の箱を差し出す。
 言い方がまずかった。稼ぎのある先輩を相手に、財布を頼りにしていると取られてしまったっておかしくない。
 煙草にしたって、一言断るのが礼儀だった。そういえば、彼と会うのは学内が多かった気がする。

「ハハ……」

 乾いた笑いを零す。早見の余裕が羨ましかった。

 今だって、数百円のドリンクや煙草一本に振り回されている自分とは違い、
 彼はそつなくスーツを着こなし、後輩のために喫煙席まで用意して、
 これからなにかスケールのデカい話を始めるのだろう。

 追加の注文は頼まなかった。胃がすっかり縮んでしまっていた。


「……『猫』ォ?」

 しかし、流石に眉を顰める。
 『お金を作り出す猫』。
 頭に『招き猫』や『ド〇えもん』が一瞬過るが、当然そういう意味ではないのだろう。

 ―――『スタンド能力』。
 その言葉に、素早く視線を左右に動かす。

「それ、絶対ヤバい話ですってェー……」

 金を生み出す能力を持った猫がいて、背景に『いざこざ』がある。
 そして、その情報が一般人の記者である早見に漏れてしまうところまでは、問題が膨らんでいる。

 情報とは、人が集まるところで生まれるものだ。
 一人二人で共有しているだけの事実なら、それは『知識』だ。
 そうではなく、多くの人間が共有した事実だから、網の目の粗いところから漏れて『情報』になったのだ。

「先輩には耳タコでしょーけどねッ、忠告させてもらいますよ!」
「十中八九、裏に何かしらの『組織』があります」

 特に『スタンド使い』たちで構成された組織については、いくつか心当たりがあった。
 噂程度に聞いただけのものもあれば、実際に対峙したものもある。
 いずれも、自分から近付きにいくようなものではない。

「先輩、まさか……『稼げる』って、その猫に手ェ出すつもりじゃあないでしょうね」

125硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/14(土) 07:10:35
>>118>>121(スミノフ)(GM)

「硯、金髪、お面、オレンジ。
 スミノフさん、君の好きなように呼んでくれて構わない」


         カランッ  ゴクゴク

炎天下の中立ちっぱなしだったので正直、喉はカラカラだ。
オレンジジュースを冷えたグラスに並々と注ぐと、
そのまま一気に飲み干し、身体の渇きを癒す。



             「プッハー!」


「マナビさん、あまり彼を攻めないでやってくれないかい?
 紛らわしい恰好で突っ立っていた俺にも非はあるし、
 いや、どう考えても全部俺が悪いんじゃあないかい。
 それに話を聞く限り、君達は仕事仲間なんだろう?
 俺のせいで君達が険悪な雰囲気になる必要なんてないんだ」



スタンドという単語を聞き、反射的に眉をひそめたが、
お面のお陰で、悟られないだろう。
頭の中で言葉を慎重に選びながら、口にする。



「そうだ。なんで気付かれたかはわからないが、
 実は俺も持っているんだ。その、『インチキ超能力』。
 …もっとも『足が速い』とか『寄り目ができる』とか、
 そのレベルの児戯に等しいものだから、1度しか使った事がないがね」


「マナビさん、ポンコツさん、スミノフさん、
 誰でもいいと言うなら俺にその仕事を手伝わせてくれないかい。
 ご迷惑をおかけしたせめてもの罪滅ぼしをしたいんだ。

 親戚の方は多分、お母さんがなんとかしてくれるだろうし、
 それに俺は、こう、見えても、結構な変わり者なんだ」

126宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/14(土) 09:13:50
>>122

「状況が込み入った状態にあることは分かった。
 現在、『カーバンクル』を狙う複数の勢力が存在する。
 そして、俺達も『その一派』という訳だな」

『藤原しおん』の説明を聞き、頭の中で全体の構図を思い描く。
今、同じ獲物を狙った抗争が起きようとしている。
これから、その渦中に飛び込んでいかなければならないようだ。

「――『殺し』か」

感情の篭らない声色で、静かに呟く。
相手が猫とはいえ、かつて殺しを経験した俺が、
こうして殺しを依頼されるとは因果な話だ。
こういった因縁は、どこまで行ってもついてくるものなのかもしれない。
それを考えると、表情に乏しい顔に、皮肉めいた笑いが浮かぶ。
しかし、すぐに唇を引き締め、元通りの冷淡な顔つきを取り戻した。

「常識で考えれば、自分を殺そうとする相手に、
 自ら命を差し出す者などいない筈だ。
 当然、抵抗するだろう」

『あの時』も、そうだった。
自分が殺した男も、自らの命を守るために、
激しく抵抗してきたことを思い出す。
その抵抗を握り潰し、俺は奴の命を奪い取った。

「だが、あんたの言う通り、確かに俺の能力は『それ』に向いている」

以前、謎めいた『少年』に対して能力を使った時のことを回想する。
あの時は、少年の片腕を切り落とし、
命にも関わりかねない重傷を負わせた。
もし食らった相手が人間ではなく猫であったとしたら、
『重傷』程度では済まないだろう。

「そちらの『希望』は承知した。
 その意向に沿って、『殺処分』よりも『生け捕り』を優先することにする」

軽く頷いて同意の意思を示してから両目を閉じて、
行動の方針について考えを巡らせる。
同じ目的を持つであろう『アリーナ』とは、手を組める見込みがある。
事前に『アリーナ』と接触できれば、
『仕事』をスムーズに進めることもできるだろう。

つまり、俺にとって敵となる可能性があるのは、
『残党』と『フリーランス』だ。
この二者とは、なるべく接触を避けるべきだが、
狙う獲物が同じである以上、そうもいくまい。
出くわした相手が『フリーランス』の場合は、自分も同じ立場を装うことで、
ある程度の誤魔化しが効くが、それが『残党』だった場合は、
おそらく争いは避けられないだろう。

『アリーナ』にしても、こちらを信用するという保証はない。
味方の振りをして近付き、土壇場で裏切るというのは、
十分に考えられる話だ。
そうった疑いを抱かれたとしても、何の不思議もない。
向こうの信用を得るためには、『行動』で示す以外にないだろう。
最低でも、『敵ではない』ことは理解して貰わなければ、
『仕事』に支障を来しかねない。

127宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/14(土) 09:15:41
>>126

「――幾つか『質問』がある」

おもむろに両の目を開き、正面の『藤原しおん』を見据える。
他の連中も既に動いている筈だ。
早く行動しなくてはならないが、その前に確認したいこともある。

「まず、『カーバンクル』の大よその『現在位置』と『外見的特徴』だ。
 それが分からなければ探しようがない」

「そして『危険』と言うが、それは『凶悪』というような意味か?
 『カーバンクル』が抱える『危険』の『種類』と『規模』を聞かせてくれ」

自らの精神の象徴である『アヴィーチー』も『危険』を秘めたスタンドだ。
その『危険性』は、凶悪な『殺傷力』として表れている。
『カーバンクル』の持つ『危険』は、それとは違うように感じられた。

「それから、『アリーナ』の概要を教えて欲しい。
 あんたの話し振りからすると、
 『エクリプスとは別の犯罪組織』ではなさそうだが」

仮に『生け捕り』にした場合、『カーバンクル』は『アリーナ』の手に渡る。
万が一それによって新たな混乱が起こるとすれば、
『殺処分』の方が街のためになるとも言える。
最も、『藤原しおん』のような思慮深い女が、
そのような相手と関わりを持つとは考えにくいが、念のためだ。

「これは『一応』聞くが――仮に『殺した』場合、
 その『亡骸』を持ち帰る必要はあるか?
 確実に『仕事』を果たしたという『証明』のために」

『処分した』という言葉だけでは安心できないということも有り得る。
『実物』を持ち帰れば、それは明確な『証拠』になるだろう。
ここまで話してから、若干の沈黙を挟んで再び口を開く。

「……余計な心配かもしれないが、俺には気を遣う必要はない。
 あんたは仕事を依頼し、俺は仕事を引き受けた。
 それだけの話だ」

何とはなしに、『藤原しおん』の態度に引っかかるものを感じた。
本来なら、他人に依頼せず、
自分の手でやるべきことだと考えているのかもしれない。
俺は『藤原しおん』という人間について、詳しくは知らない。
だから、そう見えただけかもしれない。
だが、それが気に掛かったことは事実だ。

128スミノフ『デマーケイション』:2018/07/14(土) 23:45:37
>>121

「喧嘩すんな」

スミノフに口を付けながらそう言った。
喧嘩をされても参加する以外にすることがない。

「そういうのはナシにしようや。俺は困らねぇが、割食うのはごめんだ」

「猫探し……だっけかな」

>>125

「じゃあ硯ちゃんだ」

「よろしく頼むぜ。変わり者のあんちゃんよ」

へらっと笑ってそう言った。

「俺もインチキちょーのーりょくってのを持ってる。俺のもそんなにすげぇもんでもねえさ」

「そういえば、ラッパーって言ってたな、そう言うの好きなのか?」

129『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/15(日) 03:37:38
【早見】

>>124(高天原)

「こっちは社会人だし、気にしなくたっていいよ。
 僕も学生の時分はセンパイに相当おごってもらったし。
 ここが『高級フレンチ』とかだと流石に困るけど、
 まあ……タダで話を聞いて貰おうとも思ってないからね」

こういう態度を大人の余裕、と言うのだろうか。
あるいは先輩風というやつか。それらは同じ物なのか。
いずれにせよ――落ち着いた態度に見えた。しかしそれは、
彼が『スタンド使いの世界』を良く知らない故にも見えた。

「まあ、十中八九ヤバイ話だとは思うんだ。『組織』はよく分からないけど、
 僕が知らないヤバさもそこに絡んでくるんだろう。ただ、『面白い』話だと思う」

     「猫がどうやって『お金』を招いてくれるのかも気になるし、
      この町の裏側でどういう事が起きているのかも気になる。
      ……それに、もしかすると大金にありつけるかもしれない」

             「でも、まあ、『金は命より重い』とは思わないし。
              『ジャーナリスト魂』で死ぬ気もないんだけどね。
              ただ、最初に言ったけど……一人で忘れるには面白い」

そんな『一般人』が半端に『スタンドの世界』を知ったが故か、その言葉には妙な熱がある。
とはいえ危険性を説かれれば、高天原が知る、普段のそこそこ常識がある早見の顔に戻る。

彼は今『境界線上』に立っている。それはものごとの表と裏のはざまであり、死線にもなり得る。

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131『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/15(日) 03:54:02
【音仙】

>>126-127(宗像)

「ええ、理解が早くて助かりますよ。そして、特に『組織』二つは、
 私と同程度か……より強い動機で、『カーバンクル』を狙うでしょう」

彼女の動機も決して弱くはなさそうだが、
謙遜の一環だろうか。あるいは根拠があるのか。

「まずは質問に答えます。見た目は『金色の毛のアビシニアン』……ああ。
 アビシニアンの見た目については、ええと。宗像さん、スマホはありますか? 
 画像を検索してください。ええ、それが手っ取り速い。無ければ私のでお見せします」

膝掛の上に置かれていた、シックなデザインのスマホを手に取る。

「現在位置は――――私の『ウィスパーズ』でも猫の居場所までは確定しきれませんが、
 逃げ出した地点が『倉庫街』……猫の足ではそれほど遠くまでは行っていないでしょう。
 猫の餌になるものも多い、『歓楽街』……そこを重点的に『聞き取り調査』したところ、
 それらしい音がありましたので……余程のことがなければ、そのエリアにいるはずです」

「『カーバンクル』の……『能力の詳細』は私の知るところではありませんが、
 価値のあるもの……『高価な物』を『増殖』させるような能力を有しているそうです。
 それゆえに……彼が引き起こす危機は、『単一のスタンド使い』の暴走と言う域を超える。
 人間が持つには強すぎる力ですが、『金銭』に価値を見出さない『動物』なら……持ち得ます。
 自然界において『無敵』とすら言える、『食品』を生み出すスタンド使いの人間が相当数いるように」

「そして、それゆえに『アリーナ』も判断を先延ばしにしてしまった。もし力を利用できれば、
 組織にとっての価値は尋常のものではないですから……ああ、彼らはスタンド使いの『闘技場』です。
 それゆえに多数のスタンド使いの戦士とスタッフ、職員を有し……スポンサーや情報網も『上等』。
 暴力、政治力、資金力……『星見町』で彼らを打倒し得る組織は無い。とはいえ、基本的には『善性』です。
 町が荒れれば、彼らの商売やエンターテインメントには悪影響……それゆえ、裏の『秩序』になっている。
 それに、組織は極度の『縦割り』で……様々な派閥が形成され、一つにまとまった事は数えるほども無い。
 だから……安心してください。今回の件も、動いているスタンド使いはせいぜいが数名と言った所でしょう。
 組織の実態に反して、やれる事は大きくない……大きすぎる力というのは、得てして動きにくいものですから」

「最後に……ええ、亡骸は欲しいです。写真でもいいですよ。
 ただ、『アリーナ』が回収したなら……それは構いません。
 回収しなければ報酬は無い、という事も……無いです。
 ある程度は、ええ。こちらからも『確認』させていただきますから」

           「…………その」

長回しで説明を続けていた藤原しおんは、そこで不安げに一息ついた。

「もし…………………………もし、仕事であれば、キミに頼って良いのなら。
 気を遣わず言っていいのなら……より『危険』な頼みも、ひとつあります。
 これは……聞かなかった事にしてくれても大丈夫です。『命に関わります』から」

                            「……『聴こえましたか?』」

そして呟くように言うと、黙り込んだ。もう一度言わせてしまえば『聞かなかった事』には出来ない。
命の関わり得る決断は『義理人情』や『流されて』すべきではないだろう。幸い彼女の声は小さいし、必死ではない。

132『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/15(日) 03:56:09
【フリー】

>>125(硯)

オレンジジュースの味は『本格的』で、絞りたてのように濃い。
だからうまいというものでもないが、そこそこ高品質なのだろう。

「……貴方が言う『インチキ超能力』のヴィジョンは、
 同じような『インチキ超能力者』にしか見えないの。
 ああ、銃の形のそれを見るのは初めて、かもしれないわね。
 珍しい方だから……つまり、貴方が見たこれが私の『ペインキラー』」

「……いいんですかァ? わざわざ教えちゃってェ」

マナビは硯に、己が抱えていた奇妙な銃を掲げて見せる。
イラムシは眉根を寄せるが、わざわざ止めに入る様子ではない。

「仕事仲間になってくれるなら、これくらい明かしましょう。
 フリーランスは昨日の友が今日の敵になる世界とはいえ、
 秘密主義ばかりじゃそもそも『友』になれないかもしれない」

        「あなた達にまで明かせとは言わないけどね」

そういうと、彼女は腕を下ろし、机の上に『ペインキラー』を置いた。
そして自分の前に置かれたコップの、『麦茶』らしき液体を飲み干す。

「ふゥン? もしものことがあってもオレから『お母さん』に説明はしませんよ。
 ここでの仕事は『自己責任』、それでいいなら……オレは良いですよ。
 『デキる』スタンド使いってのはァ……結構、変わり者が多いですしねェ〜」

マナビは元より、イラムシについても『仕事』への参加は拒まないようだ。
しかしその口ぶりは、これがとてもじゃないが『ホワイト』な職場ではない事を伺わせる。

>>128(スミノフ)

「そうね、今のは私が大人気なかったかもしれない」

「喧嘩ってつもりは無いんですがね。
 ビジネスの線で『ナアナア』にならない程度に、
 和気藹々とやりたいって気持ちはオレにもありますんでェ」

          「抑えさせていただきますよ、旦那」

この二人は根本的にそりが合わないのかもしれない。
とはいえ、牽制しておくことで致命的な行き違いを防ぎ得る。

「そうです、猫。それも『金を招く』猫と来たもんでねェ」

>両者

「オレも詳細の詳細、条件までは聞いてませんからねェ。
 お二人よりは深いところまで知ってるつもりではいますが……
 硯君に『聞かせちまっていい』ってなら、説明始めちゃってくださいよ」

「私は構わないわ。だから、硯君にも教えておきましょう。
 聞いたうえでやっぱりやめます、と言うならそれも構わない。
 もちろん他言無用にはしてもらうけれど……本題に入りましょう。
 私達のする仕事は、端的に言ってしまえば……『猫探し』よ。
 ただし飼い猫や、魚屋の魚泥棒じゃないわ。……『インチキ超能力猫』なの」

        「上手くやれば全員、一日で多分『80万』は稼げるわ。
         それと『フリーランス』としては『名声』にもつながる……
         硯君にはあまり関係ないかもしれないけど。ここまでは良い?」

133宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/15(日) 18:51:31
>>131

『藤原しおん』の動機――彼女の言葉通りなら、
この街の混乱を鎮めたいというのが一番の理由だろう。
『アリーナ』との関係を良好に保つことも、その中には含まれている。
あるいは、他にも何か狙いがあるのかもしれないが、
それは俺の関知する所ではない。

「そう呼ばれている物を持ってはいるが、俺は使いこなせていない。
 手間を掛けさせることになるが、見せて貰えれば有り難い」

『藤原しおん』の膝掛け上に向けて、軽く視線を投げる。
俺は、誰かと連絡を取る程度にしか使っていないものだ。
自分が使う分には不自由はしていないし、
今になって積極的に機能を覚えようとする気も起きなかった。

「『歓楽街』か。確かに『野良猫』が居着きそうな場所ではあるな。
 俺も何匹か見かけたことがある」

歓楽街も決して狭い場所ではない。
そこで一匹の猫を探すというのは難儀するだろうが、
それでも手掛かりがあるだけマシというものだ。
他の連中が先に見つけていなければいいが。

『藤原しおん』が口にした『ウィスパーズ』というのが、
彼女の背後に聳える『樹木』の名前なのだろう。
この『樹木』は、相手から『音』を聴き取り、また『音』を聴かせる。
彼女が言う『聞き取り』とは、その能力によるものなのか。
それらは『藤原しおん』という女の持つ謎めいた部分ではあるが、
この仕事とは何の関係もない話だ。
無意識に浮かび上がる思考を切り捨て、再び目の前の問題と向き合う。

「『金』か――」

「莫大な『富』は巨大な『力』になる。それが『底無し』であれば尚更だ」

「仮に『犯罪者』の手に渡れば――。
 いや、そんな力を目の当たりにすれば善良な人間でも変わるだろうな」

「そして、それを欲しがる人間には事欠かない。
 今回のように『カーバンクル』が野放しになる度に、
 血で血を洗う抗争が行われることは目に見えている」

「――『危険』だな。俺の能力などとは比較にならない程に」

「『幸運』も度を越すと『不幸』を招くというのは皮肉な話だ。
 『災い』を呼び込むとは、とんだ『招き猫』だな」

『カーバンクル』が抱える『危険性』は、
『アヴィーチー』が持つ『危険性』とは全く種類が異なるものだ。
しかし、世界にもたらす影響の大きさは天と地にも匹敵する隔たりがある。
悪用された場合は勿論、ただ存在するだけでも、
大きな争いの原因と成り得る『災いの種』だ。

「それだけ大規模な組織なら、
 外部と同じくらい内部にも睨みを利かせなければならないだろうからな。
 余程の事態が起こらない限り、大きな動きに出られないのも頷ける」

「しかし、『闘技場』とはな。そんな場所があるとは知らなかった。
 余暇を有意義に使うために、俺も参加を考えるか」

「そのためには、俺個人としても『アリーナ』とのツテは欲しいところだ。
 なるべく彼らに悪印象を与えないようにしなければな」

「では、もし『殺処分』した時は、『亡骸』か『写真』を持ち帰ることにしよう。
 『アリーナ』が『亡骸』を回収した場合も一応『写真』は撮ってきて、
 『依頼人』である、あんたに見せることにする」

一通りの会話を終えて、『藤原しおん』の言葉が耳に入る。
そのことに対して、多少の戸惑いを覚えた。
俺の知る限りでは、『音仙』――『藤原しおん』は、
こうした感情を表に出さない女だったからだ。
彼女の感情的な部分を見るのは、先程の『焦り』に続いて二度目だ。
無論、彼女にも感情はあるだろうが、それが見えることは少なかった。

「……俺は、さっき『借りを返す機会にもなる』と言った」

「無論そのためだけに来たつもりはない。
 何よりも俺自身に利益があると考えたからこそ、ここに来た」

「多額の報酬ではなく、この俺の命に『価値』を持たせるためだ。
 どれだけ『金』を積んでも買うことの出来ない『価値』を――」

「『仕事』が困難であれば、より一層それは大きくなる。
 そして、俺はそれを望んでいる」

「――『続けてくれ』」

『藤原しおん』に話の先を促す。
その口調に躊躇いはない。
何故なら、俺自身が『危険な頼み』を求めているからだ。

134高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/15(日) 21:41:05
>>129

「『面白い』ね……
 その原動力は、俺にはちょっとよく分からねェッス。
 いやいや、『面白い』のがダメってんじゃないんスよ? ただ……」

  「例えば……『例えば』ッスよ?
   コレ聞いて軽蔑しねーで欲しいんだけど……

   『飛び降り自殺の名所』って、話題としちゃあ『面白い』じゃあないスか。
   『何でそこが名所になったのか』とか、『心霊写真が撮れた』とか……

    ゴシップ誌に載ってりゃあ、先ず気になって読むでしょ。
    そこまでは、俺だってやりますよ。不謹慎よりも好奇心が勝ちますからね」


     「でも、早見先輩。アンタが今やろうとしてんのは、
      その『飛び降り自殺の名所』に、自分も行ってみよう……ってことです。」


 好奇心は猫をも殺す、という諺がある。
 過剰な好奇心は身を滅ぼしかねない、という戒めに使われる言葉。

 好奇心、それ自体は生きる上で必要不可欠のものだ。
 好奇心があるからこそ、人は知識を取得し、未知を解き明かすことが出来る。

 しかし、これを『危険』と天秤にかけてはいけないのだ。
 崩れかけた崖を覗き込もうと、最期の一歩を踏み出させるのは、他でもないその『好奇心』なのだから。


    「核心に、まだ触れちゃあいませんでしたね」


 彼自身、自分が境界線上にいることは自覚があるのだろう。
 そのまま踏み出してしまえば、後戻りが出来なくなってしまうことも。
 けれども見なかったことにして踵を返すには、もう踏み込みすぎてしまっていることも。
 だから、『一人で忘れるには面白い』なのだ。


 「どうしてそんな話、俺に持ってきたんスか。俺から言わせんのはナシっすよ」


 踏み込んだ一歩で崖が崩れたとき、多くの一般人は為す術なく落ちていくのみだ。

 ―――『ウィーピング・ウィロウ』なら、踏み留まれる。
 無論、例え話に過ぎず、早見がこの『スタンド』のルールまで知っているはずもないのだけれど。

135硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/15(日) 22:25:25
>>128>>132(スミノフ)(GM)

「硯ちゃん、か。
 俺はラップ好きな硯ちゃんなのかい。
 いや、ラップも好きだが、
 俺は節操がないから音楽は、何でも好きなんじゃあないかな」


コッ コココココッ


オレンジジュースの味はなかなかに気に入った。
カラになったグラスに、再びジュースを注ぎながら


「ああ。
 『16歳』は世間的にはまだまだお子様だが、、
 『手塚治虫』は今の俺の歳の頃にはもう漫画家デビューしていたらしいからな。
 俺も、自分の行動にはきちんと責任をもたないと、な」

          「だから」

「別に、構わないよ。
 その話、受けようじゃあないか」

136スミノフ『デマーケイション』:2018/07/15(日) 22:33:34
>>132

首を鳴らしてからスミノフを飲み干す。
別にこのぐらいで酔ったりはしない。

「80万。高ぇな」

「フリーランス抜きにして真っ当な仕事じゃあすぐには稼げねぇ額だ」

「それ相応の危険やらしがらみがあるんじゃねぇのか」

名声に興味はないが、仕組みは気になる。
猫がどういうものかというのは説明を受けられるとは思うが。

137『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/16(月) 02:15:17
【音仙】
>>133(宗像)

「そうですか……便利ですよ、スマホは。……ああ、ええと。
 歓楽街にいるような品種ではないので、分かりやすいかと。
 ……こちらでも……さらに情報が手入れば、キミに伝えるつもりです」

              ス…

「……猫なんて、どれも違いは無いという人もいますけど、
 これくらい『エレガント』な品種は……そう多くはないのでは?」

差し出されたスマホの画面には、高級そうな猫が写っている。
なるほど野良では中々見られないタイプだ。どこか気品すらある。
本物の『カーバンクル』がこの通りの見た目とは限らないとはいえ、
猫は猫。人間の身分では『大きな違い』は分かりかねる可能性も高い。

「さて、大体の事情は……把握していただけましたか?
 …………それだけでも十分『借りを返して』くれているのに。
 キミは……今、引き返せない地点に立とうとしてくれている」

「……『カーバンクル』の排除は一つの根本的解決ではあります。
 しかし、もう一つ……この町の安らかな音を保つためには、
 排除しなければならないモノがある………………分かりますか?
 彼らは……基本的に慎重に動き、私には立場上の枷がある。
 ゆえに普段は手出しが難しい……ですが今回は必ず、現れるでしょう」

       「…………つまり」        

                      「キミに」      

「その力を以て、『エクリプス残党』の排除を……頼めますか?」

音仙の目には熱は無い。冷えてもいない。
髪に半ば隠れた相貌には、『真意』だけだ。
勿論、敵を殺さずに排除する手段や――――
『途中で降りる』という選択が無いとは限らない。
だが、あまりに薄すぎる壁の向こうに、『殺し』がある。

「………………もう一度だけ、聴きましょう。今のは……『聴こえましたか』?」

138『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/16(月) 02:25:13
【早見】
>>134(高天原)

「記者、って言葉に責任をなすりつけるようだけどさ。
 その『飛び入り自殺の名所』を紹介するゴシップ誌は、
 誰が書いていると思う? ……僕もそういう因果なんだよね」

                      カラン

早見は運ばれてきたアイスココアを手元に引き寄せる。
氷がガラスに触れ、軽快な音を鳴らして、細かく砕けた。

「理由……君なら『止めてくれる』と、そう思ってもいたんだ。
 でもこうして話していると、それは言い訳だったんだと思う。
 なんたって止められれば止められる程、沸々と燃えてくる。
 …………つまり、誤魔化そうとしてた本当に考えている『理由』が」

                ゴクリ

それから、生唾を飲み込む。緊張、昂揚、恐れ。
理由となる感情は数え切れないほどにある行動だ。
その中の幾つが今の彼に該当しているのかも、計り知れない。

「……つまりだけどね」

「僕が君を呼んだ理由は――――『取材』を手伝って欲しいんだ。
 その『過程』で発生した利益は、君が粗方貰ってくれたっていい。
 いざとなったら僕を『見えない手』で殴って止めてくれたっていいさ」

           「……それが『スタンド』使いの君を呼んだ、理由だよ」

早見の目当ては――――ジャーナリズムと言う名を与えられた『好奇心』を満たす事。
彼が『高天原』をこの場に呼び出したのは、その手伝いをさせるため。話だけでは終われない。

139『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/16(月) 02:32:59
【フリー】
>>135(硯)
>>136(スミノフ)

「『手塚治虫』と来たもんだ。漫画好きなんで?」

飲み物の追加も各自の自由とばかりに、特に止められも勧められもしない。
イラムシが硯の方にメニュー帳を滑らせたが、オレンジ以外のジュースもある。

「受けるのね、分かったわ。それじゃあこの四人でやりましょう。
 当然金額相応の『危険』は伴うわよ。まあ死にはしないでしょうけど、
 ……しばらく入院する羽目にはなる、かもしれない。可能性の話ね」

「最悪骨の1、2本で済めばいいんですがねェ。
 治療費で全額飛ぶなんてのは勘弁ですよォ〜〜〜」

「ええ、なにせ……『猫』は、私達だけが狙っているわけじゃない。
 情報を先んじて買い、戦力を揃えたのは私達かもしれないけど。
 買うまでもなく情報を揃え、面子も揃っている『組織』が恐らくいる。
 彼らと衝突した時私たちの安全を保障してくれる物は? ……『自己責任』よ」

          「ええェ〜〜〜、自己責任、自己責任。
           オレはあんたらを必要以上に助けないですしィ、
           あんたらにもそれを期待しちゃあいませんともォ。
           まっ、必要があるなら手助けの一つや二つはしますが」

「私もほぼ同意見かもしれない。勿論、硯君やスミノフさんがどういう考えで動くかは任せるわ」

スタンスを表明する二人だが、真意は不明だ。嘘を吐く理由もない気はするが。

「まず、標的の名前は猫の『カーバンクル』……品種は『アビシニアン』と聞いている。
 スタンド使いで、『お金を生み出す』ような能力を持っている……かもしれない。
 何分猫だから、どういう原理で力を運用しているのか話してなんてくれないんでしょう。
 少なくとも、なにか『莫大な価値』をこれに見出している人間がいるのは間違いないわ」

お金を生み出す。そんなものがあればやりたい放題だが、
どう考えても手元に置いておくには危険な『爆弾』とも言える。
報酬が無限ではなく、現実的な額なのはその辺りの事情かもしれない。

この辺りはイラムシは知っている話らしく、まだ特に口を挟みそうな気配はない。

「……もし能力を詳しく知っている者がいるとしたら、管理していた組織『アリーナ』だけでしょう。
 後は元の飼い主である『エクリプス』という犯罪組織の残党が……この町にまだいるならあるいは?
 とはいえ、どちらも私たちと利害が一致しないはず。ああ、組織の軽い概要が知りたければ教えるけど、
 まずは『風紀委員』と『絶滅しかけの不良』位でいいかもしれないわ。どっちも『インチキ超能力』の、ね」
   
                                    「――――ここまでで何か質問は?」

140宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/16(月) 17:43:43
>>137

『藤原しおん』の言葉を受けて、自然と『過去に犯した罪』が想起される。
あの時は、個人的な感情による『私刑』だった。
そして今は、依頼されて行う『仕事』なのだ。

(……『なるほどな』)

自分の中で、不思議と納得する部分があった。
あるいは、今の俺の命の価値とは『殺し』の中に存在するのかもしれない。
そんな考えすら、脳裏に思い浮かぶ。

「その依頼――確かに『聞き届けた』」

「俺の『能力』は『殺傷』に適している。
 そして『俺自身』も『手を汚す』ことに抵抗はない」

「――どちらの『理由』も、あんたは知っているだろうが」

狙うべき『標的』は、堅気の世界の人間ではない。
この街で暮らす善良な住人にとって、確実に害となる存在だろう。
しかし、『殺し』は『殺し』だ。
こうした『汚れ仕事』を、
この街で真っ当に生きている者にさせるべきではない。
能力の相性だけではなく、その点でも俺には向いていると言える。
俺は、既に自分の手を『汚している』。
既に汚れた手であれば、また汚れようとも大した違いはない。

「『危険』は承知している。
 相手を『排除する』以上、こちらが『排除される』ことも覚悟の上だ」

敵は犯罪組織の残党だ。
当然、それだけでも十分な危険がある。
それと本格的に敵対するとなると尚更だ。
『傷付ける』以上は『傷付けられる』可能性があり、
『命を奪う』意思を持って臨むなら『命を奪われる』可能性が存在する。
危険の大きさという違いはあれど、『抹殺』も『復讐』も、
その根幹を成すのは『命のやり取り』だ。

「あんたは道を示し、俺は道を選んだ」

「――ただ、それだけの話だ」

感情に左右されない淡々とした態度と表情で、『藤原しおん』を見返す。
抜き身のような目の奥には、『偽り』や『迷い』はない。
唯一そこに存在するのは、『真実の意思』だけだ。

141硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/16(月) 20:39:02
>>139
「俺はなんでも好きだよ。
節操が、ないからな」

せっかくだしもう1杯何か頂こうと思ったが、
少額とはいえこれ以上ご馳走になるのは気がひけるのでツナギのポケットに手を突っ込み、
小銭を探すが手に触れる感触がない。
ので渡されたメニューをイラムシにかえす。


「質問は大丈夫だよ。
それに俺は扶養家族だからな。
万が一、怪我しても国民健康保険証が使えるから、
何も問題はないんじゃあないかな」

142高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/16(月) 22:44:37
>>138


 そう来たか。


「『俺一人が行って帰って来い』ってンなら、まだ楽なんですよ。ひでー話だとは思うけど」

 十中八九『スタンド』絡みの案件で、『スタンド』の見えない一般人と行動を共にするリスク。
 知識があったとしても、無力であることに変わりはない。
 こちらからは干渉できず、向こうからの干渉には無防備。視認すら出来ないのだ。

 それを、守りながら。


「……俺がチキって『行かない』って言ったら、先輩は一人で行きますよね」
「俺が『先輩の代わりに行く』って言っても、先輩は満足できないンすよね」

 大げさなほど大きく、溜息を吐く。

「……二人でいかなきゃあいけないんなら、手伝いますよ。
 そん代わり、俺の危機管理の判断には絶対に従ってください。
 俺が『アウト』って言ったら『アウト』です。そこで取材終了」

143スミノフ『デマーケイション』:2018/07/16(月) 23:13:04
>>139

「折れた骨は治せばいい」

時間と金でなんとかなることだ。

「ところで、その猫を捕まえてどうする」

「他に組織があったとして、アンタらが猫の目の前にいないとして、俺らが捕まえたら、その猫はどうする」

144『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/17(火) 01:38:11
【音仙】

>>140(宗像)

「…………………私は戦場に出ることは叶わない身の上ですが、
 重荷に手を添え支える事くらいは出来る。いえ、『させていただきます』」
          
「『アヴィーチー』は戦闘において、極めて強大なスタンドと言える。
 それでも、『無敵』ではありません。それは『キミ自身』も同じ事。
 ……『治療費』の一部負担、情報提供、あるいはほんの少しの助力。
 それくらいなら、私も……『目的』と併せ、それほど睨まれずに済む」

              ギィ…

安楽椅子に深く凭れ、藤原しおんは短く目を閉じ、開いた。

「エクリプスの全員がそうというわけではないですが、
 恐らく『殺し』に抵抗がないのは、相手も同じでしょう……
 キミの覚悟は、もう十分に、『聴き終わりました』。
 そして頼んだのは私。私達に『ブレーキ』はありません」

「……さあ、行ってらっしゃい」

                 チラ

        「…………外は『猛暑日』ですから、水分補給はどうぞこまめに、ね。」

そしてスマートフォンを一瞥し、そのような事をつぶやいた。
くるりと画面の向きを変え、宗像に見せた画面には『33℃』『天気:晴れ』の文字。
この部屋は涼しい。クーラーが効いているからだ。『ウィスパーズ』の木陰にも普通の世界がある。
それから、電話番号も表示された。知っておけば――と言うより、助力や情報提供を受けるには必須だろう。

145『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/17(火) 01:47:37
【フリー】

>>141(硯)

「そォですか? 『雑食』なんですねェ。
 お行儀の方は悪くないみたいですけども」

メニューを受け取り、机の隅に置き直すイラムシ。
彼にはもう飲み物でお茶を濁すつもりはないのだろう。
机に置かれたコップはとうに空で、氷だけ残っている。

「負傷する事が怖くはないのかしら? 強いのね。
 まあ物怖じしていないならありがたいけれど、
 『治らない傷』というのもある、かもしれないわ。
 貴方が良いなら良いけど、一応怪我には気を付けて」

         「貴重な戦力だもの」

案じるような言葉には多少の打算が滲むものの、嘘ではあるまい。

>>143(スミノフ)

「まァ〜骨は折れて治る度に頑丈になるとは言いますけども、
 折れる瞬間は普通にめちゃくちゃ痛いじゃないですかァ?」

        「治れば良いってモンでもないでしょ」

辟易するような顔でイラムシは眉根を潜めるが、嫌悪の色は薄い。
どちらかといえば、価値観の相違――というやつだろう。

「――これはここで明言しておくけど、『猫を捕まえると80万になる』のは、
 私がそういう取引先を持っているから。『そのルートだからその価格』。
 貴方達だけで猫を捕獲しても、私がいなければ儲けにはならない。
 だから……もし私が見ていない場で捕獲したなら、すぐに連絡して」

「……ああ、もし仮に『アリーナ』に売ったら、1人『30万』にもならないと思うわよ。
 どころかこっちには後ろ盾がないから、『捕獲に協力感謝!』で終わりかもしれない」

マナビはやや険しい顔で指を一本立てて、『諭す』ように語る。
個人的に動いても良さそうな雰囲気とはいえ、最終的な協力は必要だ。
逆に言えば『自分で高く売れるルートを用意する』とか『安くてもいい』なら、
猫さえ捕まえてしまえば『マナビの言う事を聞く』必要はない、という事になる。

                         ・・・それに意味がある状況ならば。

>二人

「他に質問はあるかしら。無ければ行動を始めたいけど、
 あとで条件やらなにやらで揉めるのはばかばかしいわ。
 今のうちに気になる事があったら何でも聞いてちょうだい」

          「途中で『欠員』が出た場合の報酬の分配は?」

「逃亡や裏切り、サボりでもしない限り、
 『リタイヤした者』にも公正に分配するわ。
 私が受け取る大本の報酬が『人数分』だから。
 その上で、集めて良い限度人数が4人なの」

イラムシも質問を飛ばす。80万――――
報酬額に変動は余程のことが無ければ無いようだ。マナビに着くなら、だが。

146『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/17(火) 01:51:47
【早見】
>>142(高天原)

「…………どうかな。一人で行く自信がないから誘ったんだ。 
 もしかしたら『踏みとどまる』……いや、今更そんな気もないな」

            「きっと我慢出来なかったと思う」

ひょっとしたら、『そういう可能性』もあったのかもしれない。
彼を『境界線上』に留め、『その時』を先延ばしにする方法。
あるいは『境界線』の向こう側を、ただ伝え聞かせるという方法。

「咲哉君に行ってもらうのも、結局のところそれは『消費者』としての満足。
 僕が本当に満たしたいのは『提供者』――――『記者』としての満足なんだ」

「だから……取材に協力してくれてありがとう」

だが早見と、『高天原』が選んだのはこの道だ。前途は多難だが、
現場でストップを掛ける権利はある。彼もそれに逆らうほど愚かではあるまい。

一息入れて、早見はおもむろにカバンからタブレット端末を取り出す。

「さて、さっそくだけど今回の件、出来る範囲で少し調べてみたんだ。
 ほんとに大した情報じゃないけど、なんとなく猫のいそうな範囲は特定できた」

                  「ここで話す? 後で歩きながら話そうか?」

147高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/17(火) 02:25:49

>>146

(因果なモンだなァ)

 ふと、自身の能力について思いを馳せる。
 『静止』―――音と時間にほんの少しだけ干渉する能力。

 比喩ではなく、たった今聞いた早見の音を、先延ばしにすることは出来たかもしれない。
 聞かなかったことにだって出来る。自分には関係のないことだった、と。

 しかし、それは所詮、一時の凌ぎだ。
 どちらを選んでも、いずれ後悔する。
 『留める』だけでは、何も変わらない。

 自分の知らないところで、早見が『好奇心』に負けてしまう日が来る。
 ならばせめて、自分の手の届く範囲で、『分かってもらう』必要がある。


  「……まっ、俺一人で行ったって、写真の撮り方も情報収集もシロートですしね。
   『スタンド使い』には『スタンド使いの』目線があるように、
   『記者』には『記者』にしか見えない情報っていうのもあるんでしょ。

     つか俺も『スタンド』が使えるってだけで、あなたと同じ一般人スから……。
     だからあんまり過信はしないでくださいよ。マジで!
     ぶっちゃけ俺の『スタンド』、真正面からの戦闘になるとキビシーですからね」


 あくまでも小声だが、念を押しておこう。


  「歩きながら話しましょう。
   他にその『情報』を手にしてる奴らより出遅れちゃあ、記事も何もねーッスからね」

148宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/17(火) 17:54:59
>>144

「『熱中症』は馬鹿に出来ない。
 それで『仕事』に支障が出ては困るからな」

表示されている電話番号を、頭の中に記憶する。
『現場』に着いた時に、一度こちらから掛けることにした。
そうすれば、番号が履歴に残る事ぐらいは知っている。

    スッ

椅子から立ち上がり、出口の扉に向かいかけた。
だが、その途中で立ち止まり、ポケットから一枚の写真を取り出す。
若い女が微笑み掛けている写真だ。

「俺からも一つ頼みがある。
 『仕事』が済むまでの間、『こいつ』を預かっていてくれ」

「『汚れ仕事』に連れて行くのは忍びない。
 ここに戻ってきた時に返してもらう」

そう言って、『藤原しおん』の手前に写真を置く。
『もし戻らなかった時は』――そう続けようかとも思ったが、止めた。
これは、『必ず仕事を果たす』という意思の表明だ。

           ――ザッ

「ああ。行ってくる」

安楽椅子の『藤原しおん』に背を向け、外に出て『歓楽街』へ向かう。
到着次第、記憶した番号に電話を掛けたい。
発信履歴に番号を残しておく為だ。

「――今、『現場』に着いた。これから『仕事』に掛かる」

それだけ伝えてから、通話を切る。
そして、手始めに近場の『コンビニ』に入りたい。
いざ争いが起こった時に、体調が良くないというのでは話にならない。
『藤原しおん』の忠告に従い、まず『水』を調達するつもりだ。
本格的に『猫探し』を始める前に、他にも手に入れておきたい物がある。

149硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/17(火) 19:39:54
>>145
「承知しました。よろしくお願いします」

ペコォーッ ペコォーッ

席を立ち、三者へ深々と頭を下げる。
そのまま着席。
こちらからは特に質問はない。スミノフ達が喋るのを待とう。

150スミノフ『デマーケイション』:2018/07/17(火) 22:57:59
>>145

テーブルの上にスミノフを置き、頭を緩く振る。
立てや横というより∞の形を描くような軌道。
思案。瞬間的な思考の連続。
ようは、全てを適当に考えるという事。

「80万もありゃあしばらくは困らねぇ」

「他の所にはつかねぇよ。金の事抜きにしても、そこのスジは通す」

覚悟は出来た。
今この場の人間は命が預けられるような関係性ではないが、背を預けなければいけない関係ではあるかもしれない。

「連絡先をちゃんと共有できてりゃあ他に聞きたいことはねぇ」

151『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/18(水) 19:37:03
【早見】
>>147(高天原)

「そうだね、歩きながらにしよう。向かう先は『歓楽街』。
 居酒屋とかパチンコとかフーゾクとかが多い通り……
 ってのはまあ今更説明するまでもないだろうけど、
 野良猫が多い通りでもある。『生ごみ』が多く出るから」

                ガタ

椅子から立ち上がった早見はカードで支払いを済ませ、
外の日差しに目を細めてジャケットを畳み脇に挟んだ。

「それにまあ、ちょっと薄暗いし。
 表通りほど『綺麗にしよう』感もないし」

          「猫には住みよい環境だろうね」

    スタスタ

「一応『戦闘』にはならないように僕の方でも気を付けるよ。
 交渉なり、言いくるめなり、そういうのは僕にもできるから。
 戦いになったら足手まといだし……以前にも巻き込まれたけど、
 スタンド使い同士の本格的な戦いになると身を潜めるのがやっとだ」    

向かう先は、先の言葉通り歓楽街――――『星見横丁』の方角だ。
徒歩で向かうには多少は時間がかかるが、バス停も途中にあるし、
もしくはもっと分かりやすい場所に出てから『タクシー』でも呼ぶのだろう。

152『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/18(水) 19:37:33
【音仙】
>>148(宗像)

「ええ、『預かる』――――言葉通り、そうさせていただきます」

                    スッ

「その、ちゃんと忘れず取りに来てくださいね。
 水槽の湿気で……よれてしまわないうちに……
 ここにいつまでも置いておくには、あまりにも『重い』」

写真は受け取られ、彼女の傍の小さなテーブルに安置される。
それ以上何を追及されるでもなく、『宗像』の任務が始まる。


              ザッ

                      ザッ

そこから『歓楽街』までは、それほど長い時間を要さずに到着できた。
町にはまだ人気があるが、猛暑ゆえかそれほど大盛況というわけでもない。
そして猫については視界内にはいない。ある意味当たり前ではあるが、
もし漠然と探す場合は、それなりの『時間』を要することにはなるだろう。

ともかく、コンビニはすぐに見つかった。水もこの季節だ、あふれるほど陳列されている。
ほかに客は――――まばらである。先に欲しいものを取られる、という事もまず無いだろう。

153『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/18(水) 19:39:30
【フリー】
>>149(硯)
>>150(スミノフ)

「ええ、よろしく硯君。スミノフさんも……信用させてもらうわ。
 明日どうなっているかは分からないけど、今日だけはこの4人で一蓮托生よ」

「っと、ああ。そうね、連絡先の共有だけは改めて確認しておきましょう。
 小文字と大文字を間違えていない? 後からは確認できないかもしれないわ。
 それと、硯君も一応教えておいて欲しいわ。私のも教えておくから。
 誰かと一緒に動くつもりとしても、意図せず単独行動になるかもしれないから」

「オレのも教えときます。仕事以外では使わないでくださいよォ」

マナビとイラムシからは一時的な物らしいメールアドレスが共有される。
というのは文字列がランダムだからだ。硯(まだしていなければスミノフ)も、
それくらいの『どうでもいい連絡先』を教えてよさそうだ。当然繋がる物に限るが。

「それが済んだらここを出るんですかァ?」

「そうね。もう、質問とかはないみたいだし。
 ……猫は『倉庫街』で最後に目撃されたそうよ。
 とはいえ、あの辺りは餌になりそうな物も無いし……
 少し北上して『歓楽街』に行っていても、おかしくない。
 そういうわけで私は、その辺りを中心に捜索するけれど。
 何か考えがあるなら他のところを探してもいいかもしれないわ」

「それと――――これは強制じゃないけど、誰か一人は私と来て欲しい。
 『ペインキラー』の能力は『麻酔』で、威力が無い。仮に敵と遭遇したらまずいわ」

         「んじゃあオレが行っても良いですけど、どうしますお二人は」

マナビ、あるいは他の二人と行動を共にするかは自由だ。
全員固まって動くのも、バラバラで動くのも意味はあるだろう。
ここを出てから決めてもいいが、今のうちに表明しておけばスムーズではある。

154硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/18(水) 22:59:26
>>153(GM)

「ああ、構わないよ。
 では早速『赤外線通信』で…
 そうか、勿論皆『スマホ』に決まっているか。
 
 今から読み上げるが、いいかい?
 俺のメールは…『suzuri_is_martial_arts_master@〜.jp』で、
 電話番号は……」

           パカ パカ パカッ


スマホが流行しているこのご時世に
ガラケーを使ってる程度にはモバイル機器の類に興味がない。
当然、捨てアドレスの取得の方法など知る由もないので、
素直にプライベートの携帯の番号とメールアドレスを教える。
(ちなみにこの恥ずかしいメールアドレスも
 友人に任せて取得してもらったもので、
 アドレス変更の方法など当然知らないので、
 結構な頻度でスパムメールが来る)


「成程、もし猫がまだ倉庫街にいるのならば、
 何かしら誘き寄せる為のものが必要になるな。
 なぁ、猫の好きそうな『食べ物』を適当に見繕ってもらえないかい」


          「ちなみに」


「マナビさんの護衛に関しては全てお任せするよ。
 君の『ペインキラー』と違って、
 俺の…なんだ?ええと、そうだ、俺の『猫捕まえ太郎』は、
 少々動きが『雑』だが、一人でも立ち回れるし、
 おそらく君を守る事だってできる。
 スミノフさん、俺は君達の意見を尊重するがどうするんだい?」

155スミノフ『デマーケイション』:2018/07/18(水) 23:26:37
>>153

「アドレスはone_drink500yen……」

スミノフは捨てアドを知らない。
というか捨てアドがいらない。
そういう生活をしているので仕方がない。
いわゆるトバシの携帯を扱ったことはあるが、あれも捨てアドのようなものだろうか。

「俺のはタイマン向けというか、タイマン専用だ。伏兵にはめっぽう強いらしいがね」

「俺としては巻き込まれた硯ちゃんに殺伐とした仕事場に華を添えててやるかどうか、悩んでた」

「だがこっちの意見を尊重するってんなら、尊重してもらえるだけの意見ってのを述べねぇとな」

スタンドは夢かなにかで一度使っただけだ。
裏返せば夢にまで見た舞台だ。

(俺と硯ちゃんが並ぶのはあんまり良くねぇか。慣れみたいな部分が足りてねぇかもしれねぇ)

(それにあの二人はそりが合わねぇ。だから手が合わねぇし、息が合わねぇか)

そこはフリーランスとしての仕事なのだから息がぴったりに合わなくとも問題ないとは思うが。

(……それにイラムシってやつと俺も合わねぇ感じだな)

「……俺が歓楽街の方に行こう」

「さっきも言ったように伏兵には強い。戦ってる最中に人ごみから来られても問題ねぇ」

一応、そういうことが出来るタイプだ。

「それに倉庫街の方にいた奴で超能力者なら、まず猫探しと思ってもいいんだろう」

「硯ちゃんのスタンドが汎用性たけぇならそっち行ったほうがいいだろ」

156宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/19(木) 00:31:37
>>152

何処にでもあるというのは有り難い。
ひとまずペットボトル入りの水を一本手に取る。
そして、『ペット用品』の棚に向かう。
社会の中に戻ってきてから知った事は多い。
コンビニも、その一つだ。

無論、コンビニ自体は、俺が塀の中に入る前から存在していた。
しかし、以前と比べて変わった部分も少なくない。
近頃のコンビニは、ペット用の品物も充実している。
当然、『餌』も扱っているだろう。
その中から、袋かパウチ入りの『キャットフード』を探す。

『ドライタイプ』と『ウェットタイプ』の二種類を手に取りたい。
扱い易いのは『ドライタイプ』だが、この猛暑だ。
乾燥した食べ物には食い付きが悪いかもしれない。
その場合は、水分を多く含んだ『ウェットタイプ』を使う事にする。
片方しかなければ、それでも構わない。

猫は人間よりも素早く、『アヴィーチー』の速度は人間と変わらない。
仮に見つけられたとしても、そのままの状態では、
生け捕りにする事は不可能に近い。
もし相手の注意を引くことが出来れば、多少なりとも確率は上がる。
動物を手懐ける時に『餌』を使うというのは一般的に知られている話だ。
もっとも、食料が豊富にある場所に住み着いているとすれば、
効果は薄いかもしれないが。

(上手く誘き出す手があれば良いが――
 今の時点で俺が思い付くのは、これぐらいだな)

レジに立ち、会計を済ませる。
水は腰の道具入れに、『キャットフード』はポケットに入れておく。
それからコンビニを出て、水を一口飲んでから通りを歩く。
期待はしていないが、それとなく路地に気を配りながら歩みを進める。
しかし、具体的な目星も付けずに探していては日が暮れてしまう。

(他の連中も既に来ているとすれば、
 俺と同じように『カーバンクル』を探している筈だ)

今、俺が探しているのは『カーバンクル』ではなく、
『カーバンクルを狙う人間』だ。
正確に言えば、『それらしい人間』という事になる。
体の大きな人間の方が、猫よりは見つけ易い筈だ。
そいつを辿って行けば、
『カーバンクル』の手掛かりを得られる可能性がある。
『猫』にしても『人間』にしても、すぐには見つからないだろうが、
今は他の手が思い浮かばないのが事実だ。

157高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/19(木) 01:58:22
>>151

「ゴチっす!」

 先輩に奢られたならば、礼を忘れてはいけない。
 一足先に店を出て、玄関先で頭を下げる。

「でも『歓楽街』スか。
 『猫』には楽園だかビュッフェだか知らないスけど……
 『学生』的にはしょーじき、長居したくないッスね。土地勘もないし」

 いいながら、『タブレット』を取り出す。
 インターネットで『星見横丁のマップ』を調べるためだ。

 もちろん、今すぐ詳しく調べなくてもいい。
 大雑把に、現在地との距離や、主要な道を流し見るだけだ。

 ただ、検索結果を表示させたままスリープモードにして、
 電源ボタンを押すだけで『マップ』を再び表示できるようにしておきたい。

「って、以前にも巻き込まれてンすか!? 何に首突っ込んだんですかマジで!!」

 驚き半分、呆れ半分で突っ込んでおこう。

「……俺の『スタンド』は、コソコソすんのは得意です。
 逃げたり、時間を稼いだり、後出ししたり……
 そういう意味じゃ、今回の先輩の申し出には向いている。
 けど『戦闘タイプ』が正面から向かってきたら、ジリ賓で負けます」

 情報共有は大事だ。
 特に、『ウィーピング・ウィロウ』の場合は。
 仲間が『静止』のルールを知っていることは、大きなアドバンテージになるし、
 一方で『静止』のルールを知らないことが、いざというとき障害になったりする。

 道すがら、早見に『ウィーピング・ウィロウ』の能力を伝えておきたい。

「……これオフレコで。」

158『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/19(木) 02:36:31
【フリー】
>>154(硯)
>>155(スミノフ)

「……arts、master……と。ありがとう硯君」

「ワンドリンク……っと。スミノフさんは、
 本当にスミノフがお好きなんですねェ〜」

ガラケーにはやや奇異の目を感じたものの、若くてもいるにはいる。
滞りなく連絡先交換は済んで、これで全員が情報を共有できるわけだ。

「それじゃ、スミノフさんは私と来てもらうわ。
 タイマンに『狙撃』で割り込んだらごめんなさいね。
 硯君がイラムシと組んで動くかは任せるけど、
 もし分かれて動くとしたら各自、行き先は共有してね。
 ああ、猫の好きな食べ物は事前に私が買って来てあるわ」

          ゴソゴソ

   ゴト

「缶詰だけど、指で蓋が開けられるタイプよ。
 やる事がやる事だし頑丈さを重視したの。
 とりあえずイラムシと硯君に一つずつ……
 パックの物やナマ物がいいならどこかで購入して。
 必要経費だし仕事が済み次第立て替えるから、
 もし本当に買ったらレシートは残しておいてね」

マナビはそう言うと荷物置きからリュックと帽子を取り、
席を立ちながら身に着ける。『ペインキラー』は解除された。

「オレはまあ、普段の仕事ではだいたい単独行動ですがねェ。
 組めって言うなら組みますよ。しかし、倉庫街かァ………
 あの辺は『アリーナ』のお膝元ですし、気は進みませんねェ」

イラムシもまた席を立ち、薄手のパーカーのようなものを羽織り直す。

「そうね、そういう事情もあるから、倉庫街の方は深追いしなくてもいい。
 あそこに潜伏しっぱなしなら『アリーナ』が見つけていてもおかしくないし。
 ……とはいえ放置しておくのもなんだから、一通りは調べておいてほしいかもしれない」

イラムシやマナビはそう言っているが、現時点での推測だ。そこに真実性の保証は当然ない。
何が合っているか、何が間違っているか確かめるすべもない。信じたいものを信じるしかない。
尤もそれらのエリアに猫がいる、というのは『買った情報』であり、前提となる。唯一信憑性はある。

「それじゃ、私とスミノフさんは早速歓楽街に……というかここがそうだから、外に出るだけね」

特に反論しないならば、スミノフはそういう事になるだろう。硯も判断次第だが倉庫街に向かおうと思えば向かえる。

159『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/19(木) 02:37:10
【音仙】
>>156(宗像)

コンビニエンス・ストアとはよく言ったもので、『便利』かつ『手間いらず』だ。
なにせここだけで買い物が揃うのだから――――もちろん専門性の高いものは無いが、
猫の餌などは問題ない。二種類を購入する。それと、水もだ。全て済んだら外に出る。

             ウィーーン……

水を一口含むと、多少渇きが癒えた。気を付けていればある程度、熱中症は避けられるだろう。
路地に気を配るが野良猫はいない。猫探し感全開の人間も少ない。網とカゴを持っているだとか、
探偵の恰好をしているとか、そういうのはなかなか町中にいないものだ……しかし、より密かな形はある。

       キョロ

            「………………」

                        キョロ

周囲を見回しつつ歩く『ホスト風』スーツの若者だ。軽薄な印象を振りまいてはいるが、
スーツは上手く仕立てられており『着られている感』は薄い。そして、その背後には『スタンド』。

――――――『スタンド』だ。メカニカルなヴィジョンで、銀色のボディ。『未来のロボット』を思わせる。

160『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/19(木) 02:38:27
【早見】
>>157(高天原)

「咲哉君ってそういうとこめちゃくちゃ真面目だよね」

カード入れをポケットにしまいながら、
先に出て頭を下げる高天原に苦笑する早見。
バカにしているのではなく、感心や驚きの苦笑だろう。

「僕もまあ、そんなによく来るわけじゃないからなあ……
 調べてたら色々妙な噂はあるし、『スタンド使い』も多そうだ。
 それよりもっと分かりやすく多い『チンピラ』も怖いんだけどね」

歓楽街に限らず、この町にはスタンド使い絡みらしき噂は掘れば当たる。
記者のように情報に敏感な職業なら、そういう『入り口』もありえるか。

ともかく、タブレットで地図を検索。現在地からは車で『数分』程度。
同じ町内なのだから、まあそれほど遠くも無く近くもなくというところか。
主要な道なども確認できたし、現地で再確認していけば迷ったりはするまい。

「いや、以前の『二つ』は今回ほど僕に否は無いんだよ!
 ちょっと知り合いに頼まれた案件絡みで遭遇したのと、
 あとは興味本位で買った『置物』が目当てのストーカーと。
 それ以前からスタンドって存在は、話だけ聞いてたけど……
 実物を見た……いや『見て』はないけどさ。ともかくその二件だね」

彼にも色々あるのだろうが、こうなると『首のツッコミ過ぎ』というより、
何か妙な星のもとに生まれたのか。本人も満更ではないとは言い切れない顔。

「へえ、『ウィーピング・ウィロウ』……なんだか詩的な名前だなあ。
 分かった。僕に理解しきれてるかはともかく、性質は覚えておくよ。
 もちろん人にも言わない。記者だからね、『情報を出さない』のも専門分野」

言葉通り、『彼が完全に能力の使い方を理解しているのかは不明』なので、
もし何か能力絡みで指示をするならなるべく意図は明確にするのがいいだろう。

「次のバス、ちょっと待つな……歩くか、タクシー呼ぶ?
 待ち時間と乗ってる時間で考えても歩くよりは早く着くと思う。
 ああ、料金とかは気にしないで。この仕事中は『経費』にするよ」

少し歩いてバス停前で立ち止まった早見が時刻表を確認し、そのように言った。

161宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/19(木) 16:55:45
>>159

(この男――『カーバンクル狙い』の一派か?)

それらしい人間が早めに見つかった事は幸いだった。
こいつがカーバンクルを追う者であるかどうかは定かではない。
しかし、疑わしい存在であることは確実だ。
猫が潜伏している『歓楽街』で、
『何かを探している』様子の『スタンド使い』に出くわすというのは、
単なる偶然の一致と片付けるにはタイミングが良すぎる。
『カーバンクル狙い』を疑う理由としては十分だ。

(『アリーナ』か『フリーランス』か、あるいは『残党』か――)

『藤原しおん』の言葉によると、『残党』は慎重に立ち回っている筈だ。
堂々とスタンドを出して歩いている所を見ると、『残党』とは考えにくい。
残る可能性は『アリーナ』と『フリーランス』だ。
男が『アリーナ』であれば、こちらに敵意がない事を示しておく機会になる。
『フリーランス』の場合は対立者という事になるが、
同じ立場だと思わせれば即座の戦闘は避けられるだろう。

     ――スッ

立ち止まり、額の汗を腕で拭う振りをして、その陰から男の動向を窺う。
いずれにせよ、今は他の手掛かりを掴めていない以上、
こいつを追うのが最善の道のようだ。
男が通り過ぎるのを待ち、すぐには悟られない距離を保って尾行する。
周りに他の人間がいれば、それらの背後に紛れるようにして歩きたい。
俺以外にも、この男のスタンドに気付いている人間がいるかもしれない。
余裕があれば、それについても不自然にならない程度に確認しておく。
仮にいたとしても、俺と同じように無関係を装うだろうが、念の為だ。

162硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/19(木) 21:35:21
>>158(GM)

「マナビさん、つかぬ事をお伺いするが、
 俺の好物は『鳥中華』なんだがそれは経費で落ちるのかい?
 そこの蕎麦屋が裏メニューで提供していて中々に美味いし、
 それに『領収書をきる』ってのを1度やってみたいんだ。
 なあ――どうだい?」


仮面で表情を隠したまま、素っ頓狂な質問をしてみる。
硯本人にふざけているつもりは一切ない。

          ガタッ


「アリーナだかフローラだかビアンカだが知らないが、
 その『アリーナ』って人達は俺の顔を知らない筈だ。
 ただお面を被っているだけの高校生が、
 輩に絡まれる道理はない筈なんじゃあないかな。
 
 俺はとりあえず彼と一緒に『倉庫街』を探し、
 お猫様がいない事を確認したら、そちらに合流するよ。
 さてと――」

椅子から立ち上がると、
イラムシへと向き直り握手を求める手を差し出す。


「若輩者故、至らない点も多々あるだろうがよろしく。
 君はこんなノリは好きじゃあなさそうだが、
 せっかくなんだ。握ってくれると嬉しいよ――『先輩』」

163スミノフ『デマーケイション』:2018/07/19(木) 23:06:06
>>158

「……」

ごろりと床の上に転がり欠伸をひとつ。
それから体のバネを使って跳ね起きる。

「やるか……」

移動しよう

164高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/20(金) 02:25:36
>>160

「へぁ?」

 真面目、と評されるのに慣れず、思わず振り返った。

「まあ『チンピラ』はしゃーなし、まだ明るい時間ですし。
 みんなあまり大っぴらには活動してないことを祈りましょう。
 にしても……それ一回お祓い行っといたほうがいースよ。マジで」

 如何にこの町には『スタンド使い』が多いとはいえ、
 自分も含め、彼らは日常に『潜んでいる』はずなのだ。
 何せ、本当に見えない引力でもあるかのように引かれ合ってしまうのだから。
 誰が見えているかも分からないまま無闇に能力を晒すのは、ネットに個人情報を投稿するようなものだ。

 だからこそ、一般人がそこまで『スタンド』に巻き込まれて、
 現在もなお無事に暮らしているというのは、中々に珍しい。
 ツキが良いのかは悪いのかはともかくとして。


                 (『引力』ね……まさか、なぁ)


「まっ、俺の『静止』については、細かく話すとキリないんで……
 『俺が聞こえた音にだけ使える』『一度に一つの音にしか使えない』上で、
 『音の本来の時間分だけ、ものの時間を止める』……って覚えといてください」

 全てを説明しようとすると、どうしても時間もかかる。
 このルールさえ共有しておけば、とりあえずはいい。

「バスは小回りも利かないですしね……せっかくだから、タクシー行っちゃいましょう」
「冷房効いてるといいなァ。ヘイ、タクシー、ヘイ!」

 近くにタクシー乗り場はあるだろうか。
 あるいは、道を通りがかった車両があれば、手を上げてつかまえたい。
 何より、タクシーの運ちゃんから何かしら、『歓楽街』のうわさとか聞けるかもしれないし。

165『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/20(金) 15:34:29
【音仙】
>>161(宗像)

正体は不明だが――――『今すぐ危険』ではないと推測する宗像。
青年は宗像にも一瞬視線を向けたが、特に何があるわけでもなく、
すぐに別の方向に向き直る。というより見回す過程で見られただけだろう。

          スタ
                スタ    スタ

周りには多少の人間がいるが、はっきり『青年を追っている』らしき者はいない。
彼は路地裏へと入っていくようだ・・・猫を探すなら相応しい場所とは言えるだろう。

とはいえ、この先も追うならば『周りの人間に紛れる』事は不可能になる。どうするか。

166『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/20(金) 15:34:58
【フリー】
>>162(硯)

「……お昼ごはんがまだだった? 別にいいわよ、経費で。
 数万とか使われると流石に責任を取れないかもしれないけど」

      「宛名は『上様』でお願いするわ。
       一度そう扱われてみたかったから」

経費で落とす許可は出たし、食べたければ食べるのもいいだろう。

          「ⅣとⅤが混じってますよォ」

「……倉庫街でお面をかぶって何かを探していれば、
 なにか『職務質問』まがいの事はされるかもしれない。
 裏組織とはいえ、正式な手続きで借りてる倉庫もあるはず。
 とはいえ下手に刺激しなければ戦いにはならないはずよ。
 適当に『落とし物』とでも言っておけば、いいかもしれない」

マナビはややはっきりしない物言いで、安全の保障をする。
実際のところ彼女も、その連中と深い関係があるわけでもないのだろう。

「『先輩』! 悪くなァ〜い響きですねェ。
 暑苦しいノリは好きじゃあありませんが、
 後進を育てるってのは嫌いじゃありませんよ」

            ガシッ

「まァ、今日だけかもしれませんがァ……よろしくやりましょう」

荒い握手はすぐに解かれる。

――――その後すぐ、イラムシと硯は『倉庫街』に向かう。
ここ、星見横丁からは『十数分』かかる距離の場所だ。
海風が吹き付け、偶然か業者がいない時間なのか人影は無い。
そして辺りには当然数多くの倉庫が規則正しく並んでおり、物陰は多い。

                 ザ   ザァァーーーーン ・ ・ ・

「『黒服』もいないし、『アリーナ』の厳戒態勢ってわけじゃなさそうですねェ。
 探すなら隅から隅まで……と言っても、虱潰しには数十分はかかりそうですが」

>>163(スミノフ)

イラムシと硯に前後し、『スミノフ』とマナビもバーを出る。
今日は猛暑日。日差しも強い。とはいえ行動に支障が出るほどではない。
ここの料金はマナビ持ちらしく、支払いを終えた彼女が後から階段を上って来た。

「こっちが本命だから……まずはとにかく探しましょう。
 これだけ暑いんだし、猫の習性を考えても路地の物陰が固いわね。
 あるいは屋内……この辺りは廃ビルも多いし、ひょっとしたらもある」

「物探しが得意なスタンドではないわよね?」

何か探すための案があれば、提示してもいいかもしれない。
後ろ盾を持たないフリーランスの身である以上、『情報』も自ら集める必要がある。

167『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/20(金) 15:38:33
【早見】
>>164(高天原)

「お祓いかぁ……あんまり、そういうの信じてないんだよな。
 でも、超能力があるなら『神様』がいてもおかしくないか。
 ……『科学』では説明できない事の前例を知っちゃった以上はね」

この町には数多の不思議がある――――
その全てが『スタンド』で説明出来るとは限らない。

「なるほど、つまり長くて大きい音だと確実で効果が高いんだ。
 僕が活かせるかは分からないけど、その辺は理解できたよ」

そのようなことを言いながら、自分のタブレット端末をいじる早見。
恐らくはタクシー会社でも調べているのだろう。と、そこに丁度良く。

              ブロロロロロ…

空車のタクシーが通りかかった。町内に戻るところと言った感じだろうか?
あるいは、この近くに乗り場があったのかもしれない。
どちらにせよ移動や連絡の手間が省けた。早見が呼び止め、滞りなく乗り込む。

「歓楽街の方面お願いします。適当に止めて欲しいところで声かけるんで」

「はいはい、歓楽街ね」

                      ブロロロロロ…

「………………」

まず、一番大事なことだがクーラーは効いている。

タクシー運転手は無口な性分らしく、自分から何かを話し出す気配はない。
とはいえ機嫌が悪いとかではなさそうなので、何か聞きたい事があれば聞けそうだ。
仮に高天原が何も言わなければ、早見の方から切り出すかもしれないが、確実ではない。

168宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/20(金) 18:31:07
>>165

(スタンドを出して歩き回り、人気のない場所へ入っていく。
 まるで誘っているような動きだな)

路地裏の手前で立ち止まり、逡巡する。
俺は『猫を探している人間』を探していた。
そこに一人の男が現れ、俺は尾行を始めた。

改めて考えれば、この男の行動は、
『カーバンクル』を追う人間を誘き出す為のものだと思えなくもない。
スタンドを見せながら、何かを探している風に歩けば、
手掛かり欲しさに寄ってくる者もいるだろう。
例えば、今の俺のようにだ。

(いや――今ここで選択の余地はない)

意を決して、路地裏に足を踏み入れる。
仮に追跡を中断したとしても進展は望めない。
何かがあろうとなかろうと、俺は入るしかないのだ。

  ザッ

足音は殺さない。
むしろ意図的に音を立てる事で、こちらの存在を男に気付かせる。
下手に足音を消して近付いたりすれば、相手の警戒心を煽り立て、
敵だと誤解されてしまう可能性が高い。
それを避ける為に、互いの距離が開いている状態で対峙するつもりだ。
距離を保つのは、俺自身の安全という意味も含まれているが。

「――聞きたいんだが、この辺りで『猫』を見なかったか?」

「『金色』の毛で、ここらでは珍しい奴だ」

世間話のような何気ない口調で、男に向けて質問を投げ掛ける。
これで、俺が『カーバンクル』を追っている事が分かるだろう。
この質問で相手の出方を窺い、男の『素性』を確かめる。

169硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/20(金) 21:25:22
>>166
「しかし、広い所だな。
 既に心が折れそうだよ」

首にかけたタオルで汗を拭い、周囲を確認する。
そういえば今は何時くらいなのだろうか。


「此処で猫が見つかればラッキーだが、
 この感じでは可能性は薄そうだな。
 
 先輩、とりあえず二手に別れて探してみよう。
 何かあってもなくても10分後にこの場所に集合だ。
 もし、何かあったら叫ぶなり連絡をお願いします」

カツ カツ カツ

そう言い放つととっとと歩き出し、
倉庫街の『屋根』や建物の隙間など、
猫が潜みそうな場所を重点的に探し始める。

170スミノフ『デマーケイション』:2018/07/21(土) 01:31:35
>>166

「物探しは向いてねぇ」

あくまでタイマンに絡んでくる部外者を弾き出すものらしい。
だから、猫をピンポイントに探すだけの力は当然ない。

「……このへんは仕事でよく来る。黒服とかそういうのだ」

だからある程度廃ビルなどの場所もなんとなくで把握している。

「……そうだな。その猫ってのがどういう環境でやってきたのかってのもあるが」

「こういう場所ならエサってのは大体廃棄のやつか、どっかの店員が気に入ってあげたりしてんじゃねえのか」

「だから、どっかの店で見たって奴がいるんなら聞いてみてもいいんじゃねぇか」

もっともそういう人間がいるかどうか分からないが。

171高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/21(土) 01:34:51
>>167

「ウィ〜〜〜〜ッフゥ〜〜〜〜〜〜……」

             ド カッ

 冷房! この季節には一番大事なことだ。
 シャツをパタつかせながら、視界が開けていて下座である助手席に乗り込む。
 シートベルトも忘れない。

「アッ 運転手さん! 俺『歓楽街』初めてなんスけど……
 なんか『治安良くない』って噂、聞いちゃったんですよォ。
 『変な事件が多い』とか、『怪しい連中のたまり場』とか……」


     「もし何か知ってたら、教えてもらえませんか……?
      『野良猫の溜まり場みたいに衛生のワルい場所』とか……
       『アブない奴らが多くて、近づかない方がいい場所』とか……」


 車で目的地まで『数分』程度となると、あまり多くは聞けないだろう。
 質問は、当たり障りの無い範囲に留める。

 それに、タクシーの運転手は一般人だ。(たぶん。)
 如何に地理に明るくて、いろんな客を乗せるとはいえ、
 核心に迫るような情報なんて持っていない可能性の方が遥かに高い。ダメ元だ。

「先輩も、何か聞いておきたいことあります?」

 念のため、情報収集の本職である早見にも、話を振っておこう。

172『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/21(土) 03:41:33
【音仙】
>>168(宗像)

青年を追って路地裏に踏み込む。
足音は殺さず、振り返った彼に質問する。

         ザッ

「………………いや〜っ、まさかこう早くかかってくれるとは。
 普通警戒とかしないですか? 後ろめたい事がないって事なんですかね。
 まあ、猫は見てないんですよ。オレもそれを探してるところって言うか」

その表情は、苦笑。

「それを追ってるやつも探してる、っていうか?」
 
            ニッ!

「いちおー、自己紹介しときますか!
 オレ、『アリーナ』の吾妻常喜(アガツマジョウキ)です」

                   スタ スタ

近付く宗像に、同じく近づく吾妻。
距離は『5m』といったところだろうか。
辺りにはゴミなどが散乱し、清潔とは言えない空間。

「あー、一応言っときますけど俺の『インスタントチューンズ』は速いですよ。
 下手な動きされたら、オレも動くんで。その辺ご理解よろしくお願いします」

            「あんたが『アリーナ』で見ない顔である以上、
             どんな相手でもオレは『警戒』しないとなんで!」

その笑みも軽薄だったが、口から出た言葉を話してはいない。
心の底から湧いて来る言葉だ。そういう真実味がある。

「もし善意の第三者とかだったらすいませんけど、とりあえず『自己紹介』お願いしても?」

――――とはいえ、問答無用の雰囲気ではない。『説明』『弁解』は十分すぎるほど可能だろう。

173『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/21(土) 03:42:40
【フリー】
>>169(硯)

「探知型のスタンド使いでもいれば捗るんですがねェ〜ッ。
 まあ、ないものねだりもしてられませんし……行きますかァ。
 肉声で叫ぶと『通報』とかされるかもしれませんから、
 もし覚えてたら『スタンド』通して叫ばせてもらいますよォ」

「まァ見つかれば御の字、見つからなくても『必要経費』っとォ」

今の時間は『お昼過ぎ』くらいだ。気温としてはピークだろうか?
いずれにせよ日が沈む気配も雲もなく、しばらく暑さは付き纏いそうだ。
(※他勢力との兼ね合いのため、明示はしません)

     カツ  カツ  カツ

しばらく歩いて見るのだが、『猫』は見つからない。
時々ネズミが走っていくのは猫の不在証明だろうか?
このまま行けば特に何事も無く『10分』経過しそうだ。

――――と、その時あまりよろしくないものが視界に入る。

「……………………」

             カツ   カツ   カツ

クールビズ的な服装の男だ。真っ黒なタブレットを手に前から向かって来る。
心なしかその足取りには焦りと、『何かを探すような様子』が見受けられる。
あれはアリーナとやらの職員なのだろうか、それとも無関係のサラリーマンか?
硯の考え通りなら『絡まれる事はない』だろうが、何かアクションをすべきだろうか?

無視するなら、恐らくは何事も無く――少なくとも硯側は何事も無く、倉庫街探索を終える。
実りが無いとも言えるが、捜索の安心としての『必要経費』は無事に支払った、という事にもなる。

>>170(スミノフ)

「そうだと思ったわ。私もそうだもの。
 情報系のスタンド使いは貴重なのよね。
 まあ私が知らないだけ、かもしれないけど」

彼女もスタンド使いに詳しい訳ではないのだろう。
詳しい人間がどれほどいるのか、という話にもなるが。

「私が飼うなら、機嫌を取るためにも良い環境に置くわ。
 スタンド使いの猫……猫ほど自由な生き物は中々いないもの、
 せめて気に入ってもらわないと都合よく能力を使ってくれないはず」

「ただ、アリーナは猫に『脱走された』そうだし……
 それほど『居心地のいい』環境じゃなかったかもしれないわ。
 だから、『ゴミを漁って食べていても』全然おかしくないわね。
 飲食店を回るのはいいアイディアだと思うわ。まずそうしましょう」

そういうとマナビはまず、今出たバーの入った建物の裏手に回る。
それからゴミ箱を確認して、すぐに戻ってきて、次に行きましょうと一言。

「この近くに行きつけの店なんてあるかしら? 私はあまり無いわ」

こうして次々店を回っていけばいずれはヒットするかもしれない。
あるいはマナビが何か妙案を思いつくかもしれない。気は長くとも確実な手だ。
相手は気まぐれな猫、それもスタンド使い。こちらくらい堅実に行くのも良いだろう。

174『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/21(土) 03:46:33
【早見】
>>171(高天原)

「…………初めてにせよなんにせよ、『廃ビル』には近寄らない事ですね。
 不良のようなやつらが溜まっているだけじゃなく、ぼろい建物も多いですし。
 妙な連中が占拠している、なんて噂がある建物も、いくつかありますし……
 それこそ、野良猫が住んでいてもおかしくないでしょうね……不衛生で危険です」

            ボソッ

         「僕がストーカーのスタンド使いと遭遇したのも廃ビルだよ」

早見がろくでもない情報を耳打ちしてきたが、ともかく廃ビルは怪しいようだ。
猫がいるかどうかは分からないが……『アブない奴ら』は、いてもおかしくない。

「あとは妙な客引きには気を付ける事、まあ良くしてくれる客引きもいますけど、
 これは危ないな、怪しいな、と思ったらすぐ逃げる事……向こうも仕事ですから、
 逃げたのをいちいち追いかけてくるのなんて、よっぽど切羽詰まった奴くらい……」

「それと怪しいのに引っかからない……道端に立ってるオネーチャンに声かけられても、
 向こうは仕事ですから……高い金を払うつもりがないなら、その気にならない。
 金だけで済めばいいけど、『幸せにします』なんて宗教みたいな商法もあるらしいし」

「まあ、治安は悪いですが……悪い街ではないよ。最近は、明るいうちは若い子も多いし」

とにかく、猥雑な町のようだ。とはいえ今はまだまだお昼過ぎ。
客引きと酔漢が跋扈しお店が決まった・決まらないの争いが繰り広げられてはいまい。

「あーっそうですね、運転手さん、どこかおすすめのお店とかってあります?
 危険さは重々承知の上で、初心者におすすめの『お昼から楽しめそうなスポット』とか」

早見は特に聴く事がない――というより『高天原』の聞いた事で十分だと判断したのか、
とりとめのない雑談ムードに移行し、運転手から『星見横丁』の『明るい部分』を聞き出している。
情報収集のプロとはいえ、それは彼なりのメソッドの上で成り立つ物で、『アドリブ』はそうでもないのか。

          「――――っと、噂をすればそろそろ入りますね、『歓楽街』」

あとはいつタクシーを止めるかだ。今は比較的『北側』の、表通りに近い方面にいる。
このまま南下していくか、それとも早めに降りて足で細かく探していくか、『高天原』にも選ぶ権利がある。

175宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/21(土) 08:18:40
>>172

(――やはり罠だったか)

「たった一匹の猫を何の当てもなく探し回るのは骨が折れる。
 危険も止むを得ないといった所だ」

歩くのを止めて立ち止まる。
それ以上は近付かず、現在の距離を保つ。
ここで事を荒立てるつもりはない。

(だが、『アリーナ』の人間と接触出来た事は悪くない)

身分を証明するような何かを提示された訳ではないが、
こいつが嘘を言っているようには見えない。
そもそも、今の状況で『アリーナ』を騙る必要性が感じられない。
恐らくは、真実を話していると判断しても差し支えないだろう。

「宗像征爾――ただの配管工だ」

自己紹介を受けて、こちらからも名乗り返す。
しかし、こいつが知りたがっているのは、そんな事ではあるまい。
幸い、ここなら他の敵対者に聞かれる心配もない。

「『音仙』という名を知っているか?
 俺は、その使いで来ている」

「目的は、この事態の収拾だ。
 『猫』を殺すか生け捕りにして、あんたらに引き渡す。
 生け捕りにした場合の処分は、そちらに任せる」

こちらの素性を説明し、相手の反応を待つ。
『藤原しおん』に電話を通して話して貰えれば手っ取り早いが、
彼女と『アリーナ』は微妙な関係にある。
それを考慮すると、出来る限り俺自身の口から説明すべきだろう。

もっとも、この男――吾妻が俺を信用するかどうかは分からない。
俺が同じ立場であっても疑いは抱く。
だが、ここで信用を得ておけば、
今後『アリーナ』の人間と敵対する可能性を取り除ける。

(後は、相手の出方次第だが――)

『もう一つの仕事』については言わない。
街を乱す『残党』の排除は『アリーナ』にとっても不利益ではない筈だ。
だが、今の時点で話す必要はないと考える。

176硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/21(土) 22:06:48
>>173

「あの」

「『アリーナ』の方からやってきたんだが。
『猫探し』の進捗はどうだい?
俺は『外注』の人間だから詳しい話をきいていないんだ」

此処はさも『アリーナ関係者』であるように装って、接近を試みる。
結構な博打ではあるが、
彼がアリーナの人間なら何かしらの情報を得れるだろう。

177スミノフ『デマーケイション』:2018/07/22(日) 02:11:24
>>173

「黒服だなんだの仕事は基本的にクラブとかそういう関係だ」

「だけどよぉ、クラブやバーってのは酒を飲む場所だぜ」

フードメニューが充実していない店の傍には寄らないかもしれない。
そしてスミノフが仕事をするのはそういう店の荒事処理だ。
フードメニューが出る場所に馴染みはない。

「ただ居酒屋とか後はカラオケ屋か。カラオケ屋ってのは飲みの流れで行って食いモン頼んじまうタイプ」

地理上そう言う事もあるだろう。
だが、それでも居酒屋などの方が廃棄食料は多そうだが。

「マナビちゃん。スナックを当たってみようぜ」

「あそこも酒を飲む場所だが、客商売だ。キャバだと嬢やら黒服が多いが、スナックならママが客の話を聞いてる」

「猫がいた客がいたかもしれぇし、ママ自身が餌あげたかもしれねぇ。それでだめなら居酒屋あたりをローラーだ」

とにかく人と自分の足で探すしかない。

178高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/22(日) 10:46:37
>>174

 「へェ〜〜〜〜 『廃ビル』に『客引き』に『宗教』ねェ。
  やっぱおっかないトコなんだナァ。ありがとうございます」


      (厄ネタの大売出しかよ!!!)


 口調はふざけているが、笑みは引き攣っている。
 特に『スタンド使いのストーカー』だ。

 『スタンド』能力なんて、悪用しようと思えば幾らでも出来る。
 高天原がそれをしないのは、法律だの自制心だの『外付けのブレーキ』があるからだ。
 『スタンド』を得たことで、自分を抑圧していたソレを、外してしまう人間。
 そういう人間も、やはりこの場所に流れてくるということなのだろう。


  「『幸せにします』、なんて、怪しすぎて逆に気になりますよ。
   そういうのってフツー、壷とか聖書とか買わせて『幸せになれます』って言うじゃん。
   でも『幸せにします』ッスよ? まるでその人にそういう力があるみたいな言い方……」


     (……時間に干渉する能力に、金を儲ける能力もあるんだ。
      『運命操作』ってのも、もしかしたら出来る『スタンド』があんのかな)


 早見に合わせ、雑談に興じる。
 思ったよりも有益な情報を仕入れることが出来た。


  「じゃー運転手さん、この辺に止めてください……」


 そう言ってタブレットを開き、場所の情報を伝える。
 徒歩で『廃ビル』に近づける辺りで降ろしてもらおう。

179『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/23(月) 01:32:15
【音仙】
>>175(宗像)

「『音仙』かァ。あんたみたいな部下がいるってのは初耳ですね!
 まあ、嘘で引き合いに出す名前とも思えないですけどォ〜〜ッ、
 事態の収拾って『目的』は好印象ですね。適当言ってるんじゃなきゃ」

        「にしても、引き渡す……引き渡すねぇ〜っ」

微妙な表情、という形容が一番に相応しいだろう。
少なくとも一発触発の空気ではないのだが・・・

「『音仙』、藤原しおん」

「ぶっちゃけその名前が出たから信用できるって輩じゃないんですよ。
 引き渡しってのもどこまで信じていいのやら。……嘘を吐く理由は、
 例のネコの能力を知ってるやつにはたいてい『生まれる』わけですからね」

「…………」

「と言っても、まあ、そこまで強く疑う理由もないわけで。
 うーん、うちの指揮下に入ると言ってくれたら楽なんですけどね。
 まあそう簡単なハナシでもないでしょ、そっちも仕事でしょうし」

どうにも話がうまくまとまりそうにない。敵対に繋がりそうにはないが、
相手にも退くに退けない事情があるらしく『撤退』してくれそうな気配がない。

                              ポツ

180『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/23(月) 01:32:27
【フリー】
>>176(硯)

「? ああっ、『外注』なんてのもいるんだったかな……
 いや〜全然だよ。進捗全然。猫の行方どころか足跡さえ追えてない。
 情報系のスタンド使いも、まだ一人も呼び込めてないみたいだし……
 いつものことだが、ウチの『派閥主義』だけはどうしようもねえな」

                 ハハハ

「『エクリプス』の残党連中が関与してるしてるって噂だし、
 こんな時くらいは上も手を取り合って欲しいもんなんだが。
 まあでもあんたみたいな『外注』を雇ってるだけマシなのかな」

ここは『アリーナ』の縦割り主義が幸いしたか、『硯』を関係者と勘違いしている。
恐らく彼らには『他の派閥がどんな人間を雇ったか』を即日把握できるような繋がりがないのだ。

「そういえばこの辺で――――――っと」

「悪い悪い、確認し忘れてた。『誰に』雇われてるんだ?
 あんたの上が俺らと同じ派閥なら良いんだが、
 違うと後で『情報漏洩』とかでうるさいかもしれないからさ」

           「ほんとどうしようもないんだけどさ」

しかし――――素性が『あいまい』な人間に、何でも話してくれるというわけでもないらしい。

>>177(スミノフ)

「スナックね。私はあまり馴染みがない種類の店だけれど、流石詳しいわね。
 ファミレスやチェーン居酒屋より、ずっと『情報収集』に向いているかもしれないわ。
 食べ物がたくさんあったって、話が出来ない相手じゃ無意味だし……そこに向かいましょう」

               スタ
                        スタ

それらしい店にはスミノフが先導することになるが、
いずれにせよこの歓楽街、そういった種類の店に事欠かない。
数分もしないうちに一件、スミノフの知る店が見つかるはずだ。

どうやら昼間も営業しているらしく、後はスミノフさえよければ入店できる。

        ポツ
               ポツ

                    「……雨? 『通り雨』かしら」

181『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/23(月) 01:32:39
【早見】
>>178(高天原)

「まあ…………一人だけで妙な所に行ったり、
 妙な人間に関わったりしなければ問題はないですよ…………
 懐の深い町ですから、きっと楽しめる場所も見つかります……」

運転手はフォローするようにそう言うが、要は『ヤバめ』ということだ。

「もしそれが『そう』なら、そういう『使い方』をしてる人間が大手を振って、
 こうして噂になれるくらいには『普通の人間』も好き放題してるんだろうね。
 割れ窓理論って感じでさ。治安が悪い、っていうより、やっぱり『猥雑』なんだろうな」

ストーカー案件や、『幸せ商法』についてそれ以上言及はなかったが、
懐の深い街と言うのは往々にして光以上の闇を溜めこんでいる物だ。
過剰なまでに飾られたネオンも、それを誤魔化すための虚飾に思えなくもない。

そして――――

「料金は払っておくから、先に降りてて」

早見の言葉に促されつつ、高天原は歓楽街に降り立つ。
空にはもうもうとかかる『雨雲』――――僅かだが雨も降り始めている。
この猛暑にはありがたいが、湿気と言う意味では不快指数を上げそうだ。

            ポツ

                ポツ…

廃ビルはすぐ近くにあり、本降りになるまでには中に入る事が出来るだろう。

182硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/23(月) 06:05:33
>>180
「実は、クライアントから仕事を受けた『先輩』に連れてこられた身なんだ。
顔合わせの時も少し遅れてしまってね。
詳しい話を知ってる先輩が、別の場所を捜索していて、
地下にいるのか知らないが電話が繋がらないんだ。
なんだっけ、あの『眼鏡』を掛けた人の良さそうな人。
名前が、ここまで、出ているのに」


喉元に手を当てお面の下で戯けた顔を作る。
『眼鏡』をかけた、という特徴なら日本人の大半に当てはまるだろうし、
(普段は掛けずとも事務作業する時、
その日たまたまコンタクトレンズの調子が悪かったから等)
更に『人の良さそうな』と添えることで、
目の前の人間がそれを好意的に解釈し、"同じ派閥ではないが悪くない印象"を抱いてる人物の姿を、
勝手に思い浮かべてくれる事を期待したい。

「『アリーナ』も一枚岩ではないらしいからな。
派閥争いの大人連中にうんざりする気持ちは、わかるよ」

183宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/23(月) 08:22:44
>>179

正確には部下ではないのだから、初耳なのは当然と言える。
だが、敢えて訂正はしなかった。
些細な部分で、いちいち話の腰を折るのは余計な手間だ。

(ここで余り時間を掛ける訳にはいかないが――)

この男には、一緒に来ている仲間がいる筈だ。
しかし、だからといって、いつまでも俺に構っている暇はないだろう。
こちらも似たようなものだが、仲間のいない俺の方が、より時間は貴重だ。
さっさと話を切り上げて、本来の『仕事』に戻らなければならない。
その為には、どうにかして折り合いをつける必要がある。

(『微妙な関係』――あんたの表現は極めて適切だな)

スタンド使いを生み出す『藤原しおん』――言い方を換えれば、
それは一つの『勢力』だ。
彼女に『その気』があれば、自分の手足となる『組織』を構築することも、
不可能ではないだろう。
街の秩序である『アリーナ』から、『脅威と成り得る存在』と見られる事は、
何の不思議もない。

「無論、今すぐ信じろとは言わない。
 俺の事は『要注意人物』だと認識してくれて構わない」

「あんたには仲間がいるだろう。
 その連中にも同じように周知して貰えると助かる」

今、俺は『敵かもしれない』という疑いを抱かれている。
それならば、無理に疑念を取り払う事には固執しない。
『敵かもしれないと思われている』という事は、裏を返せば、
『敵ではないかもしれないと思われている』という事だ。
危険と隣り合わせの『グレーゾーン』だが、
現時点で『敵』と見なされなければ十分だ。
それを証明する手段は、一つ考えてある。

「納得出来ないと言うなら――俺の『能力』を明かしてもいい」

「俺は、あんたの『能力』を知らない。
 俺の『能力』を知っておけば、俺と敵対した時に優位に立てる。
 悪い話ではないだろう」

冷淡な表情を変えず、平然とした口調で吾妻に告げる。
スタンド使いになってから、それほど日が経っていない俺でも、
『能力』を知られる事による危険は理解している。
これがリスクの大きな行動であるからこそ、
俺の言葉にも一定の『信憑性』を与えてくれる筈だ。
俺にとって『アリーナ』と争う意味はない。
そうでなければ『能力を明かす』等とは口が裂けても言わなかっただろう。

(――しかし、こいつの言う『生まれる』という言い回しが不可解だ。
 『藤原しおん』からは聞かなかった言葉だな)

それが『カーバンクル』に関するものである事は確かだろう。
もっと聞き出したい所だが、あからさまに尋ねるのは不味い。
今の口振りからして、こいつは、こちらが『知っている』と思っていた筈だ。
そうでなければ、わざわざ自分から喋ったりはしない。
このまま『知っている』と思わせておく方が、こちらとしては有利に働く。

(何だ――?)

不意に、何か気配のようなものを感じた。
体を動かさず、視線だけを走らせて、その出所を探る。
その間、吾妻からも注意は逸らさない。

184高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/23(月) 16:29:02
>>181

「……まァー 綺麗な部分だけじゃあ、
 成立しないッスもんね。『人』も『町』も……」

 裏を返せば、そういったお世辞にも善良なものではないものも、
 飲み込んでしまえるほどの深さや多様性があるということだろう。

 鞄を撫でる。底には、愛用の銘柄の煙草が入っている。
 正しさしか許されない場所、というのは、それはそれで息苦しかったりする。


            ポツ

                ポツ…


 反射的に、空模様に目を遣った。


「あ、ゴチっす!! ……今日、雨降るって予報だったっけな」

 タブレットではなくスマホを開く。
 天気予報のアプリか、なければブラウザで、星見町の天気情報を確認したい。

 どれくらい降り続くかによっては、傘や雨宿りのあてが要るかもしれない。
 折り畳み傘を持ってこなかったのは迂闊だった。

 いずれにせよ、早見が払い終えたのを確認してから、『廃ビル』へと急ぎたい。

185スミノフ『デマーケイション』:2018/07/23(月) 23:09:15
>>180

「見つかったらすぐ入っちまおう。情報と魚は速い方がいい……と、俺の感覚が言ってるぜ」

すんすんと鼻を鳴らす。

「雨かァ……俺は傘を持ってない。マナビちゃんは持ってるか?」

「ねぇんだったら上着貸すぜ。護送中の奴みたいに被れば多少マシになる」

入れるのなら入ろう。
雨に濡れるのは好ましくはない。
寒いからだ。
……雨が嫌な方向に流れなければいいが。

186『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/24(火) 00:58:30
【フリー】
>>182(硯)

「ああ……なるほどな。お前も『使われる側』ってわけだ。
 人が良さそうなメガネってなると……多分、『漣』さんだよ。
 まあ一応名前は覚えといた方が良い…………にしても、漣さんか。
 つっても普段から外部の人間を使ってるみたいだし、意外でもないかな」

知らない名前を挙げられても普段の会話では困るわけだが、
どうやら『漣』とやらが『アリーナ』の上にいる人間の一人らしい。

「一枚岩じゃないから意味があるって言う人もいるんだが、
 まあ俺には分からない感覚だ…………お互い面倒な立場だよな」

同情めいた顔を向けられてしまった。

「ああそうだ。さっき言いかけてたんだが、この辺で『白人の男』を見なかったか?
 同僚が見かけたみたいでな。声を掛ける前にさっさと逃げられたらしいんだが、
 普段ここに出入りしてる倉庫関係者でもないようだし……事態が事態だけにキナ臭い」

            「『エクリプス』には外国人も多かったようだしな」

この男に喋らせればもうちょっと情報を吐いてくれそうな気もするが、
そろそろイラムシと約束した時間としては良いころなようにも思える。
話の通っていない彼がもし探しに来たりすれば混乱を招く可能性もあるが、どうするか。

>>185(スミノフ)

「ええ、入りましょう」

「傘は、折り畳みなら。悪いけどこのサイズ、『一人用』なの。
 『狙撃手』が手をびちゃびちゃにするわけにもいかないし、
 申し訳ないけれど頭の隅くらいしか入れてあげられないかもしれないわ」

ともかくスナックに入れば、『雨宿り』は出来るだろう。
そこまで長居するかどうかはまた別の話だが……

        カラン

             カラン

「いらっしゃいませ〜ッ」

                 〜♪

古い歌謡曲だろうか? 少なくとも流行りの曲ではないBGMだ。
そして店も流行っていないし、いわゆる『ママ』は特に美人でもない。

「ここは貴方の行きつけ?」

スミノフがこの店を好きなのか、知っているだけなのかは知らないが、
まあ情報収集をする上では特に問題もない事ばかりだ。客が少ないのもむしろ良い。

187『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/24(火) 00:58:47
【音仙】
>>183(宗像)

「『要注意人物』……まあ、それは最初からするつもりでしたから!
 『音仙』がこの件に首突っ込んできてるってのも初耳ですし、ね。
 でも、『能力』を明かすですかぁ〜……うーん、イイとこ突いてきますね!」

             ニッ

「オレらにとって『スタンド』を教えんのはある意味、『武装解除』と同じ」

「嘘は言えるとはいえヴィジョンと『発動してるとこ』でも見せてもらえば、
 それである程度証明にはなりますからね。その話オレの判断で『乗ります』」

            「これ以上『時間』をかけるのも本末転倒ですし」

吾妻も軽薄な調子はすっかり消え、目を逸らす事なく対峙する。
それゆえに彼もまた宗像が動かす視線を追った。その先の地面がわずかに濡れていた。

         ポツ

               ポツ

       「…………雨?」

                         サァァァーーー ・・・

――――ただの『雨』だ。放水とかでもない。空に雲がかかり、水滴を零し始めているだけだ。

188『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/24(火) 00:59:08
【早見】
>>184(高天原)

ほどなくして、タクシーが走り去り早見がこちらに歩いてきた。
幸いか時間も早いので、この期間に怪しい人間が来るとかは無い。

    ザワ
          ザワ

視界の端では既に酒気を帯びた人間や、女連れでスナックに入る人間も見える。
並ぶ店構えも夜の街という印象ではあるが、昼からそれを愉しむ人間にも事欠かない。
学校や社会で説かれる正しさとは違うかもしれないが、『間違い』が生む楽しさもある。

「お待たせ、それじゃあ行こうか」

天気予報は『雲ひとつない快晴』だ。奇妙な不整合ではあるが、
それがこの仕事の不幸とは直結しない事を祈るばかりと言える。

「あそこの居酒屋が結構おいしいんだ、
 無事に終わったら晩はあそこにしようかな。
 咲哉くんが用事とか課題とかなかったらだけど」

           ザッ
               ザッ

廃ビル入り口には警備一つない。当然不良等の溜まり場化が想定されるが、
幸いな事にそういった様子は無く……ゴミだらけと言った有様でもない。
入り口からすぐ近くにはエレベーターがあるが、当然止まってしまっている。

「猫に階段を登れるか、って話だけど、僕は猫を飼ったことが無いんだ。
 まあ……降りられなくなったって話をよく聞くって事は、登るのかな」

                     「特別な猫だって言うなら尚更」

189高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/24(火) 02:12:02
>>188

 『降るはずの無い雨』。

 予報が外れた、と言ってしまえばそれまでだ。
 しかし、不吉の報せのように思えてならない。
 些細な事でも、神経がささくれ立っているように感じる。
 自ら『スタンド』絡みの問題に首を突っ込もうとしているからだろうか。

「……おおっ、イイですねぇ〜〜!
 俺、最近『やげん軟骨』ハマってんスよね……
 『から揚げ』か、『薬味にポン酢で和えてある』ヤツ! ありますかねェ」

「課題は、まァ、ホラ、いつでも出来ますカラ……」

 早見が明るい話を振ってくれるのがせめてもの救いだ。
 『歓楽街』ともなれば、クオリティへの期待も高まる。

 ともあれ、廃ビルへ。

「……勾配にも寄りますね。飼い猫はどうだろう……
 でもネコ科は意外と高いトコ、登っちゃいますよ。
 ヒョウとかは、木の上で寝たり食ったりしますし……」

「人気がないのは幸いでしたね。
 不良もホームレスも、『怪しい』集団もなさそうだ」

 まだ昼間だからか、それとも人が寄り付かない何かがあるのか……
 いずれにしても、探すために余計な手間をかけなくってもいい。
 先ずは一階から上に向かって、エリア潰して探していきたい。

 まずは『廃ビル』の一階を軽く見回す。
 ただ打ちっぱなしでひらけているだけの空間なのか、それとも部屋や廊下が入り組んでいるのか。
 荷物は置きっぱなしのままか、それともまっさらか。
 生ゴミや、土埃に残った足跡など、生き物がいたと思われる痕跡はあるのか。

190硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/24(火) 19:16:45
>>186
「『エクリプス』の残党か。
そいつは中々に、厄介だな。
わかった、警戒しておく」


『エクリプス』が何なのか未だによくわからないが、とりあえず話を合わせておく。

「では俺はこれで失礼するよ。
お互い、身体には気をつけよう」

この辺が潮時か。踵を返し集合場所へと向かいつつ、
ケータイを取り出しイラムシに、
『アリーナの人間と会った事』
『エクリプスの残党がいる事』
『集合場所に向かう』
事を伝える。

191スミノフ『デマーケイション』:2018/07/24(火) 19:53:25
>>186

「あるならいい」

自分が濡れて困るのは体が冷えるのと足が滑るくらいだ。
裏返せばそれいがいは全く心配しない。

「んー……」

頭を掻きママに二人で来てることを指で伝える。

「行きつけじゃねェ」

「付き合いでそれなりに来たことがあるがママが趣味じゃねぇんだ」

「顔は覚えてるし、どんな性格かもなんとなくはわかる。ただ名前も覚えてねぇ」

流石にママの目の前なので耳打ちをする。
趣味云々は黙っていてもいいことだが、言っておきたかったらしい。

「……まずなんか頼んどこう。雑談くらいのノリで切り出した方がいいだろうし」

192宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/24(火) 20:15:29
>>187

(――気を回し過ぎたか)

「では、始めるぞ。
 まず、少し下がって貰おうか」

地面から視線を外し、再び吾妻に向き直ると同時に、
自身の傍らに『アヴィーチー』を発現する。
『ノコギリザメ』の意匠が施された右腕に、
文字通り『ノコギリ』を備えた人型スタンドだ。
かつて俺の心に存在し、今は失われた『激情』を、こいつは持っている。

「俺の能力は『危険』だ。
 余計な傷を負いたくなければ、十分に離れておく事を勧める」

現在の距離は『5m』だが、
『ノコギリザメ』のスピードを考慮すると近過ぎる位置だ。
匂いの探知には僅かな間が生じ、吾妻も何かしらの対処はするだろう。
しかし、万が一という事も有り得る。

「その辺りに落ちている小石でも何でもいい。
 適当な大きさの物を、俺に向かって投げつけろ」

「言うまでもないが、大きな負傷を与えないようにだ。
 軽い出血程度なら構わないが」

防御の体勢も取らずに、吾妻を見据える。
俺は、『吾妻の手で投げろ』とは言っていない。
奴がスタンドを使って投げるのなら、
吾妻のスタンドの性能を推し測る事も出来る。

193『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/25(水) 01:35:44
【早見】
>>189(高天原)

「まぁね。一晩遊んだくらいで出来なくなる場合、
 それって遊ばなくても大体出来ないパターンだし。
 それにしても、やげん軟骨はいいね……焼き鳥もアリだな」

「もちろん謝礼も兼ねるわけだし、焼き鳥でも『鳥豪族』とは言わないよ」

鳥の大きさと安さで勝負する格安チェーン店のことだ。

       ザッ
             ザッ

「こういう場所って『埃っぽい』な、やっぱり……
 少なくとも定期清掃とかはされてないって事かな」

1階はエントランスホールという事か、基本的に開けた空間だ。
前方にちょっとした廊下が延びており、その先は『トイレ』。
ロビーらしき空間もあるが当然無人で、意味を成す施設は無い。

「警備員はいないけど、セキュリティというかなんというか、
 しっかり封鎖されてる感じか……まあ『電子ロック』じゃないし、
 無理やりこじ開けようと思ったら絶対無理ってわけでも無いのかな」

            「穴も開いてるし」

生ごみは存在しないが、足跡はちらほらある。ほとんど人の物だ。
しかし、その上からもわずかに埃が掛かっており『古い』と分かる。
――――幾つか、『猫』らしき小さな足跡もある。そちらの方が新しい。

早見の言葉通り、階段があると思われる廊下は『防火扉』のような金属壁で閉ざされていた。
ただ、老朽化しているのか穴が開いてしまっている。『ギリギリ通れない事もない』とは言える広さだ。

194『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/25(水) 01:36:31
【フリー】
>>190(硯)

「ああ、お互い今回も無事に切り抜けられると良いな」

          スッ

黒服は上手いことやり過ごすことが出来た。
それからイラムシに連絡すると、すぐに返事があった。
どうやら向こうも『集合場所に向かう』途中のようだ。

          チュン

                チュン

そして――――何事も問題なく、すぐに彼と合流出来た。

「こっちは『ハズレ』でしたかねェ。オレは幸い、
 アリーナの犬には会いませんでしたがァ〜ッ……
 上手く切り抜けたじゃあないですか? 手段は聞きませんよ。
 自分の『能力』ってのは明かしたくないところでしょうし」

スタンドで職員から逃れたと思われているらしい。
感心されつつも、イラムシが興味を示したのはむしろそのあと。

「にしても、『エクリプス』の残党ォ? 噂には聞いてましたが、
 キナくせえ話だ。連中はアリーナに壊滅させられて、
 星見町からは散り散りに逃げちまったと聞いていましたがね」

「……とりあえず、どうします? まだこのあたりを探してみるか、
 何か別のところに行くか、それとも『マナビ』達と合流しちまうか」

          「俺は合流で良いと思いますがねェ」

イラムシはこう言うが、アリーナのおひざ元である倉庫街は、
他にも何か『本来では得られなかった情報』の可能性を秘める。
勿論その分猫探しは遅れるわけだが、今のところ向こうからも連絡はない。
ここでイラムシと選択を違えたところで、仕事に大きな支障もないとは『思いたい』

>>191(スミノフ)

「趣味だと言われても驚くけど、そうなのね」

小声で返された。その間に二人分のおしぼりが用意される。冷えている。

「お暑いところわざわざ、ウチなんかに昼から来てくださって。
 お二人ですのね、カウンターにお座りなさってぇ?
 何か飲み物頼みますかしら、『アルコール』か『ソフトドリンク』かぁ」

「私はウーロン茶で良いわ。無ければ何でもいいけど、お茶」

スミノフも何か頼まなければならないだろうが、
果たしてここに『スミノフ』はあるのだろうか?
飾られている酒瓶は焼酎や日本酒が大半であり、カクテルとは無縁だ。

195『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/25(水) 01:38:13
【音仙】
>>192(宗像)

          スタスタ  スタ

吾妻は『軒下』になった部分に足を進めてから、
地面に落ちていたらしき『空き缶』を拾い上げる。
距離は『10m』といったところだろうか――――

「武器が生えてるタイプのスタンドですか。
 いないわけじゃないけど珍しいですね!
 確かに見るからに危険そうですが、っとォ」

           ヒュ

「言っときますけどオレ、ヤバいと思ったらマジになりますからね!」

スタンドによるデモンストレーションゆえの『同調行動』か、
吾妻もまたスタンドを用いての投擲。とはいえ勢いが軽い。
どう見ても本気ではなく、推し量れるのは精密性を最低限備えている程度。

                       コンッ
     ザァァァ
           ァァァァ
                     ァァァァーーーーーーッ ・ ・ ・ ・

本降りになり始めた雨にかき消されるほど、小さな音が鳴った。痛みはほぼない。

                  「こっちは構えてるんで、いつでもどーぞ」

196高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/25(水) 02:47:30
>>193

「エーッ 『鳥豪族』 俺、好きッスよ!
 『ささみわさび』とか、絶品! ハイボールに合う!!
 ……でもまッ 『歓楽街』に来てまで行くとこじゃねーかもナァ」

 安上がりな舌だ。

「……そうスね、ガッチリ閉じてますね。人間にとっては」

「……先輩、スンマセン!
 軽く『トイレ』の中を確認してもらっていいスか?
 俺は、この『防火扉』の方が、ちょっと気になります」

 老朽化した『防火扉』の、『ギリギリ通れないことも無い』穴。
 その穴の、地面からの高さを見る。
 人間にとって『ギリギリ』の幅なら、猫にとっては『スカスカ』だろう。

 また、穴の周囲の足跡はどうだろうか。
 壁の穴に向かうような足跡の線が残っているのなら、この奥にいる可能性が高くなる。

 そして、穴の向こう側はどうだろうか。軽く覗いてみたい。
 どれも、調べるのにそれほど時間はかからないだろう。

 いずれにしても、この階には人も猫もいなそうだ。

(俺だって、『誰かが入ってきたらすぐに見つかる』場所を拠点にはしたくねェ。
 『何かから逃げたり』、『隠れたり』しているなら、
 もっとそんな気分になるだろうな…… つっても、猫の事情も知らねーケド)

 というわけで、足跡や穴の様子にかかわらず、一階は早々に切り上げる。

 穴周りの様子を見るついでに、可能ならば『防火扉』も調べたい。
 強く押せば開くだろうか。あるいは、『防火扉』に非常用の通用扉はないか。

197宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/25(水) 14:22:33
>>195

「俺の『能力』は――『復讐』だ」

傍らに立つ『アヴィーチー』が、おもむろに右腕を持ち上げる。
本来なら無視する程度の『傷害』だが、今は『能力』を見せる事が目的だ。
今の投擲を引き金に、『アヴィーチー』の『能力』を発動する。

  ドンッ!

     ギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!!

「『こいつ』は、俺を攻撃した人間を自動的に追跡する――」

『アヴィーチー』の右腕が分離し、同時にノコギリが高速で回転を始める。
腕に当たれば腕が吹き飛び、足に当たれば足が断ち切られる。
『凶悪』を体言したかのような姿は、まさしく『凶器』に他ならない。

「そして、相手に同等以上の『傷害』を与えるまで止まらない」

  『 S H A A A A A A A A A A ! ! ! ! ! 』

      ドッギュゥゥゥ――――――z______ンッ!!

探知に要する一拍の間を置いて、『ノコギリザメ』が吾妻に突っ込む。
無論、そのまま放置する気はない。
これは、あくまでデモンストレーションなのだ。

「――俺が『解除』しない限りはな」

吾妻の手前に来た所で『能力』を解除し、追尾を中断させる。
戻ってきた『ノコギリザメ』は、再び『アヴィーチー』の右腕に戻るだろう。
そして、吾妻の反応を確かめる。

「納得したか?」

198硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/25(水) 19:43:15
>>194
「先輩、俺は『能力』なんて大層なもの持ち合わせていないよ。
口先八丁、舌先三寸でやり過ごしただけさ。
彼の名前と連絡先を聞かなかったのは悪手だったが。

俺は此処に残って『エクリプス』の残党というのを探してみようと思う。
スミノフさん達からの連絡もないし、
今合流してもしょうがないだろうしな。
先輩がどっちに向かうかはお任せるよ」

イラムシに倉庫街の探索をまだ続けたい旨を伝えると、
未だ向かっていない方向へと歩き始める。

199スミノフ『デマーケイション』:2018/07/26(木) 21:42:16
>>194

「……コーラでいい」

ないならいい。
いや、あるかもしれないが期待はできない。

「それで、マナビちゃん。なんだっけ」

「猫だっけか」

いきなりママに聞くのも不自然かとも思う。
とりあえずマナビの会話から広げていってママに聞こう。
猫について知っていたら話に入ってくるかもしれない。

200『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/27(金) 02:42:36
【早見】
>>196(高天原)

「安く済むならこっちはありがたいけど、
 どうせこのあたりまで出て来たんだから、
 もうちょっとグレードの高い店がいいかなって」

「でも『ささみわさび』は僕も好きだな。
 あの上に乗ってるわさびがチューブで欲しいよ」

             ザッ
      ザッ

そのようなことを言いつつトイレの方を確認しに行く早見。
明らかに人気は無いので、彼一人で行かせて問題はないだろう。

その間に高天原は『壁の穴』について調べていく。
まず、周囲には猫の足跡がそれなりにあるのだが、
まるで誤魔化すかのように『ランダム』な歩行だ。
あるいは穴を抜けるかどうかで相当逡巡したのだろうか?
穴の高さは下の端が床から『10cm』ほどの位置で、
ネコの身体能力なら十分に飛び越えられると思われる。

・・・最終的には、穴の向こうへと足跡が続いている。
向こう側には『階段』が見える。それ以上はよく分からない。

「咲哉くん、トイレの方は何もなかったよ。
 ドアが壊れてて入れなかったから、
 中までは見てないけど……行ける範囲ではね」

防火扉も調べてみたが、押しても軋むような音を立てるだけ。
錆びてしまっているか、穴が開いた影響で歪んでしまったか。
逆に言えば軋むような音はするので、何か手があれば『開く』かもしれない。
押せば開くタイプの防火戸、かつ簡素な物のためか、いわゆるくぐり戸は存在しない。

201『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/27(金) 02:48:19
>>197(宗像)

  『 S H A A A A A A A A A A ! ! ! ! ! 』

     クン
                『アヴィィィィィィィィィ』
            クン

     『血イイイィィィィィ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!』

完全自動攻撃の『ノコギリザメ』――切り離しの瞬間、
僅かな索敵の後『暴走特急』もかくやという勢いで突進する。

                『空キ缶投ゲラレタッ!!』
                            
      『空キ缶投ゲ当テラレタッ……!!』

「うおっ―――――――――!!!」

          シュカッ!

閃光の如き速さで『インスタントチューンズ』が動く、が。
その前に『ノコギリザメ』は『アヴィーチー』の元に戻った。
期せずして敵の速度を知る事が出来た。――――『神速』の域だ。

「いや〜、『自動操縦』と『近接』が合わさってるタイプは初めて見ましたね!
 敵に回る相手じゃなくてよかったって、心底思いますよ。オレでも勝てるかどうか」

          ニッ

「納得しました、信用しますよ」

見せた甲斐あって、どうやら信用は勝ち取れたようだ。
もちろんそれは全面的な物ではなく、警戒という名の物。
それでも、吾妻の顔も心なしか『安堵』が浮かんでいるようだ。

「っで。ここからどうするつもりか、予定とかあるんですか?
 当てもなく、って言ってましたし猫の手掛かりとかは持ってないですよね」

           「オレもそういうのは持ってないですけど!」

そういえば『音仙』が情報をくれると言っていたような気もするが、
今のところそういう気配はない。こちらから要求すべきなのか、
それとも彼女には彼女なりの何か後回しにする事情があるのだろうか。

202『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/27(金) 02:49:04
【フリー】
>>198(硯)

「へェ……ま、なんだっていいですがねェ。
 口先と舌先は首繋がってる限り裏切りませんから、
 上手く使えるならけっこうな事じゃァないですかね。
 それと、『アリーナ』連中と深くつながると面倒ですよ。
 ……まっ、『エクリプス』よりはマシですがねェ〜っ。」

彼は明確な『組織』というのが好きではないのかもしれない。

「あんな連中、見つけたってイイ事無いとは思いますがァ……
 まあ行くって言うなら止めませんけど、深追いは禁物ですよ。
 なんたっていい歳こいて大真面目に『犯罪組織』名乗ってた奴らだ。
 それが真面目で通じるような環境で、死線潜って来たァ『暴力』がある」

       「……まァ、強さとキャリアは必ずしも比例はしませんがね」

「んじゃ、後で歓楽街でェ」

そう言い残すと、イラムシはこの場を去る方向で動き出す。
硯は逆にこの場の、まだ向かっていない方向へ。ここで二人は別行動となる。

          ビュ
              オォォォオオ ・・・

夏の倉庫街には湿気た潮風が吹いている。
更につい最近雨でも降ったらしく、コンクリの地面は湿っている。
水溜りもいくつかあるほどだ……要するに、歩いていて結構、気が滅入る。

           ザッ
                  ザッ

黒服が向こうから歩いて来るが、サングラスの下は先ほどとは違った顔のように見えた。

>>199(スミノフ)

「はいはぁい、コーラとムギチャ。まだお昼ですものねぇ」

            「あっ、カラオケ何か入れますゥ?」

「いえ、カラオケはちょっと……そう、猫の話をしていたわね」

     「何も入れませんのねェ〜」

「ええ、歌うのが苦手で。…………多頭飼いを考えているんだけど、
 世話をちゃんとしきれるかが心配だ、って話はもう、したかしら?」

              「おニイさんは何か入れますゥ〜?」

カラオケを執拗に薦めてくるが、とりあえずコーラはあるようだ。
洋の雰囲気は皆無の店構えだが、最早『和洋』の枠に収まる物でもないのだろう。

話の方はマナビが広げて行ってくれているが、まだママは割り込んで来ない。もう少しエサがいるか……?

203硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/27(金) 10:35:32
>>202
「悪路を歩いていて気が滅入る、
とっとと戻りたい控え室。
こんな所でかきたくない汗水、
けれど垂らす俺は『アンダードッグ』」

「フフッ」

独り言をぶつくさ言いながら歩いていたら、
向こうから黒服の男がやって来た。
なので一度足を止め、無遠慮に男へと近づく。
相手が『エクリプス』だったらーーどうしよう。

「『漣』さんの方から来ました。
首尾はどうだい」

204宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/27(金) 18:08:08
>>201

最初の吾妻の言葉からスピードに秀でている事は予想していたが、
それを実際に目の当たりにすると、やはり驚きがある。
『ノコギリザメ』を上回るとは相当な速さだ。
これで、最低でも超高速と標準的な精度を持っている事は分かった。
仮に吾妻が敵になった場合は役に立つ情報だろう。
もっとも、役立つ機会が訪れない方が、こちらとしては有り難い。

「俺が手掛かりを持っていれば、この場に踏み入る事はなかっただろう」

「片っ端から虱潰しに探していても埒が明かない。
 『猫を探している人間』を見つけて、手掛かりを得ようと考えていた。
 その様子だと、あんたも似たような算段だったようだな」

あるいは『カーバンクル』を探す敵対勢力を誘き出して排除しようとしたか。
もしくは、その両方かもしれない。
どちらにせよ、今回は『外れ』を引かされたようだが。

「当てはない。
 だが、『当てを探す当て』なら思い付かない事もない。
 ただ『視点を変える』というだけの話だが」

顔を軽く上げて、滾々と雫を降り注がせる空を仰ぎ見る。
その時、『藤原しおん』の言葉を思い出した。
まだ『カーバンクル』の影すらも見えていないが、
『アリーナ』の人間と話を付けた事は一応の収穫と呼べなくもない。
その報告も兼ねて、何か掴んでいないか聞いてみるか。
だが、その前に済ませる事がある。

「他に言う事はあるか?
 なければ、俺は立ち去らせて貰う。
 そちらと同じように、俺も時間が惜しい身だ」

こちらとしても、『アリーナ』に絶対の信頼を寄せている訳ではない。
『藤原しおん』が何か掴んでいるかいないのかは分からないが、
それを無条件で吾妻に聞かせる義理はない。
まず、ここから立ち去り、それから『藤原しおん』に連絡を入れるつもりだ。

「いや、一つ言い忘れた。
 あんた――『名刺』を持っていないか?」

「個人的な話だが、『アリーナ』には一度参加してみたいと考えている。
 その為に、連絡先を教えて貰えると有り難い」

歩き出す途中で立ち止まり、吾妻に告げる。
『アリーナ』が運営する闘技場に関心がある事は嘘ではない。
しかし、本当の目的は別にある。
俺が知り得た情報を『アリーナ』に流す時に必要だからだ。
無論、あくまでも『こちらの都合に合わせて』だが。

吾妻から連絡先を聞けたのなら保持しておく。
聞けなかったのなら、それで構わない。
どちらにしても、路地裏から立ち去るという行動は同じだ。

そして、近場に建っている『高い建物』を探したい。
そこに上って『歓楽街』を俯瞰しながら、『藤原しおん』に電話を掛ける。
『カーバンクル』を巡る小競り合いでも起きていれば見つけやすいが、
さほど期待はしていない。

「――宗像だ。
 まだ『カーバンクル』も『残党』も見つけていないが、
 『アリーナ』の人間とは話を付けた。
 こちらが敵対行動に出ない限り、
 向こうからも積極的には攻撃してこない筈だ」

「そちらはどうだ。
 何か手掛かりを掴んでいないか?」

205スミノフ『デマーケイション』:2018/07/28(土) 00:27:26
>>202

「いや、カラオケはいい」

気分ではない。

「あぁ、聞いたな」

「確かに多頭飼いは難しいよなぁ。管理とか逃げたりとか」

206高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/28(土) 01:33:55
>>200

「あざっす! ……やっぱり、一階はハズレくさいスね」

 足跡を視線で追いながら。

「……こっちは手がかりになりそうッスよ。
 元々『穴』が開いていて一直線に通り抜けられるなら、
 こんなに足跡は多くならない……
 ここに『何か』があって、猫は『何か』をしたんでしょうね」

 いずれにしても、問題は帰結する。
 如何にして、この壁の向こうへ至るか。

 『ウィーピング・ウィロウ』という『スタンド』は、近距離人型のヴィジョンを持つ。
 しかしながら、その類に多い『戦闘特化』のスタンドとは異なり、
 特別パワーが強いわけでも、破壊工作に秀でているわけでもない。
 こじ開けるには、どうしたって時間がかかるだろう。

 能力をどうにか応用して、常ならぬ破壊力を生み出してもいいが、
 その試行錯誤に時間が取られるだろうことは明白だ。 
 それに、騒音。力尽くで抉じ開ければ、猫の耳に届くことは避けられないだろう。

「ここは、フツーに潜っていきましょう。
 『スタンド』使いの目線よりも、記者の目線よりも……
 先ずは猫の目線にならなきゃ、見えてくるもんもあるかもってモンです」

 先ずは、鞄を穴の向こうに軽く放り投げる。
 ついで、早見より先んじて、自身が穴を潜りたい。

 ……念のため、放り投げた鞄と地面の『摩擦音』あたりに目星をつけ、そろそろ耳を澄ませておこう。

----------------------------------------------------------------

【追加の質問】

・『防火扉』の穴およびその周辺に、破壊の痕跡はありますか?
 穴の断面や、周囲に飛び散る金属片、外から力が加わったような歪曲など。
 また、それが見られる場合、壁のどちら側からどちら側へ加えられた力かは分かりますか?
 あるいは逆に、『経年劣化』と分かるくらいに錆び、土埃が付着しているでしょうか?

207『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/28(土) 08:34:59
【フリー】
>>203(硯)

             スタ   スタ

         ピタッ

男は近づいてきた硯にやや面食らいつつ、立ち止まる。

「…………ん! ああっ、首尾は悪くないですよ。
 目撃情報とかを徹底的に洗い直してたところなんだ。
 それから、このあたりに設置してた監視カメラも。
 まあ、角度とか数的にどうしたって限界はあるけども」

        「当日は『雨』だったのもあるし」

雨でカメラの視界が悪かった、という事なのだろう。    
要するにそれくらいの性能のカメラでしかない、という話だ。

「そういえば、『漣』さんは何か言ってました?
 うちは派閥が違うから、なんともなんだけど……
 あの人は確か『カーバンクル』捕獲にも関わってたろ」

         「まあ、管理してたのはまた別の派閥だけど」

彼からは『アリーナ』の捜査状況をより細かく聞き出せそうだが、
そのためには見知らぬ『漣』について嘘を吐く必要がありそうだ。  
あるいは、こちらから何か別の話題で切り返すか――――
少なくとも相手が『エクリプス』では無さそうだから、そこは安心だろう。   

                                バシャッ

とはいえ、長居したり踏み込めばそれだけ『危険』との遭遇率は高まり得る。
ここが『アリーナ』という組織のお膝元で、『エクリプス』とやらも動いている以上は。

>>205(スミノフ)

「私の知人の知人が、多頭飼いしていた猫を捨ててしまったそうよ。
 …………生態系にも影響が出るし、人に慣れた猫は野生では生きづらい」

               「無責任な飼い方はしないべきよね」

       コト

等と猫について話していると、ソフトドリンクが給された。
グラスは冷えており、その辺りの気づかいは感じさせる。

「あら、猫の話? このあたりにもよく『野良猫』が遊びに来てますのよォ〜。
 もしかするとああいう子達中にも、『元飼い猫』がいたりするの、か・も?」

そして、ややズレた始まりではあるが――――『ネコの話』にママを巻き込む事も出来た。

208『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/28(土) 08:36:52
【音仙】
>>204(宗像)

吾妻の『インスタントチューンズ』――その神速。
使える時が来ない方がいいにせよ、貴重な情報と言える。

「こっちからは特には。っと、名刺ですか? 是非どうぞ!
 有望なファイターはいつでも募集してますからね。
 うちの闘技場はガチのタイマン以外でもやってますし、
 その気になったらいつでも連絡してくれたら嬉しいですね」
 
      「あ、この件が解決してからに限りますけど!」

連絡先が書かれた名刺も、問題なく受け取れた。

「ああ、最終的には猫はこっちに渡してくれるんでしたよね?
 その時の『連絡窓口』として使ってくれても良いですよ、その番号」

どこまで信用できる連絡先かは分からないが、
少なくとも個人の携帯番号のようだし、まあ本物だろう。
 
                    ザァァァァ・・・

いずれにせよ宗像は高い建物を目指すが、屋上を解放された建物は少ない。
よって俯瞰するにせよ雑居ビルの上階の窓から、という事にはなってしまうだろう。
もちろん、非合法な手段で屋上に侵入するというなら話は変わってくるが。

《…………もしもし、藤原です。
 ああ、宗像さん……『アリーナ』の件、ありがとうございます》

           《…………? あ、そちらは、『雨』ですか》

《ええと、それで…………手掛かりなんですが、少しは掴めてきました。
 ……恐らく『カーバンクル』は屋内、それも『上層階』にいます。
 地上2階か、10階かまでは分かりかねますが……『地面』にはいないはず。
 地面から土台を隔てただけの、『一階』でもない……そういう『音』でした。
 音、というか『鳴き声』ですけどね。『アビシニアン』の鳴き声は特徴があるので》

            《…………ただ、『常に鳴いている』わけではないので、
              どうしてもリアルタイムない場所の把握は出来ませんし、
                細かい座標も……絞り込むのには、時間がかかります》

《…………また何かわかったら、次はこちらから続報を入れますが》

                         《期待はし過ぎないでください、ネ》

209『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/28(土) 08:40:26
【早見】
>>206(高天原)

「一階にいるなら、もう誰かが見つけて捕まえてそうだしね」

「なるほど……『何か』をどかして奥に入ったのかな?
 けど、それならそのどかした何かが落ちてるはず、か。
 単に入るかどうか迷っただけ……なら話が早いんだけど」

早見も推測こそするが、的を射ているかは不明だ。
防火扉の周囲に明確な『破壊痕』は存在せず、
穴の断面は『くり抜かれた』ような形になっているが、
やや粗いもので、大規模な工具を用いたとは思えない。
無理やり力でブチ抜いたような『歪み』も視認出来る物は無い。
また、錆びも見られるが……それが原因と言うほど深刻でもない。

               ――――『奇怪』な穴だ。

「猫の目線。確かにそうだね。僕は『パパラッチ』じゃないけど、
 ああいう『追跡調査』は相手の立場に立って行動するらしい。
 自分が相手なら次はどこに行くか、どう身を潜めるか……ってね」

             「僕たちもそれに倣ってみようか」

ともかく穴の向こう側へとカバンを投げる。

             ドサッ

カバンがビルの床にぶつかり、擦れる音を立てたのは――問題なく聞こえた。
少なくとも床に何か異常があるとか、そういうのはなさそうだ。
 
                            ザリッ

その後穴を潜り向こう側へと……これも問題はない。やや狭いが、通れる狭さだ。

210宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/28(土) 19:55:17
>>208

「『上層階』――偶然だな。
 今、俺は『雑居ビルの上階』にいる。
 下の方で小競り合いでも起きていないか確かめていた所だ」

無意識の内に、自分の周囲に視線を向ける。
まさか、『ここ』にはいないだろうが。
二階以上ある建物は多い。
それらを全て調査対象に含めると、まだ範囲は相当に広いと言える。
しかし、屋外に注意を向ける必要がなくなった事は朗報だ。

「『雨』か――」

「あるいは、屋内に入ったのは『雨』を避ける為かもしれないな。
 その『鳴き声』が聞こえた時間は、大体いつぐらいだ?」

『雨』と『屋内』という単語から、『雨宿り』が思い浮かぶ。
人間なら『雨』が降ってきた時に『雨宿り』をするというのは自然な行為だ。
猫にも同じ事が言えるかは定かではないが、可能性はあるだろう。

(『カーバンクル』は野良猫だ。
 野良猫が屋内にいるということは、入れる場所があったという事になる。
 少なくとも、完全に閉め切ってはいないと見るが)

無論、スタンド使いなら『壊して入る』事は十分に可能だろう。
『カーバンクル』のスタンドがパワーのあるタイプかは知らない。
強力なパワーがなくても、人並みの力があれば、
窓を破る程度は不可能ではない。
しかし、それなら破壊痕が残るし、場合によっては音もする。
猫の知能では、それらを積極的に隠そうとする事も恐らくない筈だ。

(『普通に入った』と仮定すると――)

次に考えるのは、そこが現在も使用されている建物かどうかだ。
使用されている建物なら、当然そこには人がいると考えられる。
人のいる建物の中に、警戒心の強い野良猫が入っていく事は考えにくい。

勿論、使用されている建物に誰もいない場合もあるだろうが、
それなら施錠する筈だ。
施錠されていれば野良猫は入れない。
中に人がおらず、閉め切ってもいないという事は、
そこは『空き物件』の可能性がある。

『開放されている空き物件』なら、
そこに野良猫が紛れ込んだとしても不思議はない。
さらに、『カーバンクル』がいるのは一階ではないのだ。
野良猫が我が物顔で歩き回っている事を考慮すると、
人がいない確率は更に高くなる。

「一つ聞いてもいいか?
 その聞き取りは、どの程度の情報を把握出来るんだ?」

「『鳴き声』の周囲の『音』は聞き取れないか?
 例えば、『鳴き声』の近くで『人の声』がするというような事だが」

もし出来るのであれば、恐らく言うだろう。
『言わない』という事は、『出来ない』と受け取っている。
しかし、念の為に質問はしておく事にした。

「まだ推測の段階だが、
 俺は『施錠されていない空き物件の上層階』に、
 『カーバンクル』がいるのではないかと踏んでいる。
 ひとまず、それを当てにして探すつもりだ」

「――それと、もし出来るなら『天気』を調べてみてくれないか。
 『歓楽街』周辺の『雨』が降り続くかどうかを知りたい。
 屋内にいる目的が『雨宿り』だとすれば、
 『雨』が止むと『カーバンクル』が屋外に出る可能性がある」

電話越しに告げながら、窓から外を見やる。
現在の『雨脚』は強いだろうか。
このまま降り続いてくれると有り難いが。

211硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/28(土) 21:44:56
>>207
「成る程、『雨』か。

俺も先輩の付き添いで来ただけで、『漣』さんとは一度しか会っていないからな。
兎にも角にも、見つけてくれと、だけ。
詳しい情報を掴んでいたら、こんな所で猫缶持ってうろついていないさ」

手に持った猫のエサを持っておどけてみせる。
嘘に真実味を帯びさせるには、嘘の中に真実を混ぜるのがコツだと聞いたことがある。
素直に、こちらは手掛かりは殆ど持っていないと伝える。

「『猫探し』は探偵の仕事だってのが相場なんだがね。
よりにもよって俺の『初仕事』がこんな高難易度とはね、
何か有益な情報はあったのかい」

212スミノフ『デマーケイション』:2018/07/28(土) 23:31:39
>>207

ぐいっとコーラを一気に流し込む。
味はどこでも変わらないだろう。

「そうだなぁ……」

「あ?」

ママの言葉に反応する。
野良が来ている。
その中にこちらの狙いの猫がいるだろうか。

「あぁ……そういう奴って首輪してたりするよなぁ」

「……そういえば、ダチが昔……名前が思い出せねぇな……まぁ外来種の猫が野良猫になってたとか言ってたな」

「そういうのって大抵飼い猫だったりするんだろうなぁ」

213高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/29(日) 03:17:35
>>209

(つまり、この穴は『開いた』んじゃあねェ。誰かが『開けた』ンだ……)

「『虎穴に入らずんば虎子を得ず』……って言いますケド。
 この場合はどうなんでしょうね。ネコケツ? ネコジ?
 ……なんっか嫌な響きだなァ。まっ、『猫』と『穴』との相関性については、」


    「おい、とい、て」
                  「お先ッス〜〜」

 ひょい、と身を屈めて穴を潜る。
 小柄であることを嬉しく思ったことは無いが、こういうときは小回りが利いて便利だ。


「『俺が猫なら』かぁ…… 事情も分かったモンじゃねーけど……
 変な能力のせいで、人間にいいように使われて、追っかけられて。
 『同情』はしちまうかなー…… 好奇心交じりの、やっすい『同情』だけど。」

「って、そーゆーコトじゃあねーんスよね。先ずは見つけなくっちゃあ」

 穴を潜ったら、鞄を拾い上げて、周囲を軽く見渡す。
 特に、この穴を塞いでおけそうな板、もしくはその代わりになる何かしらがないだろうか。

214『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/29(日) 22:34:51
【音仙】
>>210(宗像)

《――――『2時間前』です。大体ですが……最後の鳴き声は。
 そのあと大きく動いていないか、一度も鳴かずに移動したか。
 ……今回歓楽街に入ったのがその更に『3時間』ほど前ですから、
 行動時間を考えれば『眠っている』可能性もそれなりに……あるかと》

         《…………『聴き取り』ですか?》

《周囲の音は…………『ありません』、と言っておきます。
 少なくとも『地上から察知できる程度の人の声』はありません》

                ザァァァァァ――――――――― ・・・

《…………………『雨』》

         ゴ ォォォ ォ ォ ・・・
 
通話口から聞こえるノイズが、唸るように聞こえた。

《『S県H市』『星見町』『天気は晴れ』――――『晴れ』です。
 少なくとも予報は、晴れ…………キミも、私の部屋で見たように、ね》

        《………………少し、調べてみます。『雨』について》

その声色は『懸念』だったが、雨に濡れる事にしては大げさだった。
少なくとも依然雨脚が弱まる事はない。強くなることもない。今は『一定』だ。

215『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/29(日) 22:35:14
【フリー】
>>211(硯)

「ふぅん? そうなんですか、あんがい『丸投げ』なんですね。
 まあ……あの人らしいと言えばらしいのかもしれないけども」

「有益かどうかは分かりませんけど、猫が向かった方向なら。
 多分もうこの倉庫街にはいないんで、『歓楽街』方面ですかね。
 まあ、通り過ぎて『表通り』まで行ってる可能性もありますけど、
 食べ物も隠れる場所もあの辺……ああ、歓楽街のが多いですからね」

         「もっと動ける人員がいれば虱潰しにするんだけど」

硯にとっては、有益な部類の情報だろう。
倉庫街には少なくとも『猫』の方はもういないようだし、
今後『アリーナ』の人間が歓楽街方面に向かうのもほぼ間違いない。

「ああ、いっそ本当に探偵でも雇ってくれたら楽なんですけどね。
 ああいう仕事のやつらって漫画とは違って猫探しばっかりらしいし、
 専門業者みたいなものでしょ。私達はそういうのじゃないからなあ」

                                    バシャッ

>>212(スミノフ)

「…………捨て猫問題と外来種問題のハイブリッドね。
 そういうのこそ人間のゴーマン、ってやつかもしれないわね」

マナビはそれなりに真剣な顔でそのような事を言っているが、
元から表情の薄いタイプの女なのでどこまで本気なのかは謎だ。

「ああ!そういえば……昔じゃあありませんから、
 お友達さんの猫ちゃんじゃないとは思いますけれど、
 今朝珍しい猫が来てましたわよォ。それこそ外国風の。
 あれも外来種っていう猫なのかしらね、なんだか怖いわァ〜」

       「それにしてもお二人さん、猫がお好きなんですのぉ?」

苦労のかいあって、それっぽい話を引き出せた。
が、それはこちらの視点で、ママには『一過性の話題』でしかない。
彼女としてはより語らいやすいであろう『広範な猫トーク』に持っていかれそうだ。

216『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/29(日) 22:35:37
【早見】
>>213(高天原) 

少なくとも、自然に開通したとしてはつじつまが合わない。
誰が、どうやって、いつ、何のために――――全て分からない。

「まあ人間相手の理屈が猫にも通じるか、っていうと怪しいけど、
 シンプルに『目線を低くする』とか、そういうのは良いかもね」

             ズイ
                   ズイ

「とはいえ……人間じゃないからこそ、証拠なんて残すかどうか。
 何かを持ち歩いてるような生き物じゃないし、指紋なんてのもない」

早見も、高天原ほど身軽にではないが穴を超えてきた。

「その推測からすると、猫は多分人間に捕まるのは嫌だろうね。
 であれば、捕獲のための手段も考えておく必要があるわけだ。
 まあたいていの野良猫は捕まるのは嫌だろうけども…………
 虫取り網くらいは用意すべきだったかな……まあ、後で買おう」

二人が通り終えたそこを塞げそうなものは近くには見当たらない。
少なくとも、そのままのサイズでその役目を果たせそうなものはない。
何か加工するか、探してくるか……そういう類の工夫は必要になるだろう。

217硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/29(日) 23:19:01
>>215
「成る程、君は『万が一』に備えて、
倉庫街の探索を任されているというわけかい?
俺も似たようなものだが、お互い『エクリプス』には気をつけよう」

メルメル

【フリー】組の連中に『猫』は『表通り』まで行ってる可能性が高いことを、
メールの一斉送信で伝えておく。

「だいたいわかったがーー
なあ、今何か聴こえなかったかい?」

黒服に確認しつつ、音のした方へ顔を向ける。

218スミノフ『デマーケイション』:2018/07/29(日) 23:26:02
>>215

「へぇ……」

「外来種、ねぇ」

来たか。さっさと情報を集めてしまおう。

「猫、好きだぜ」

「ただその外来種ってのは気になるな。飼い猫の可能性が高い、飼い主に返してやらないと」

マナビの表情は読めない。
スミノフは自分の表情がいまいちわかっていない。

「その外来種ってどういうタイプか分かるか?」

「後は、ここ以外でそういうの見たことある?」

マナビが探しているタイプの猫種の写真でも出してくれば助かるぐらいか。

219高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/30(月) 00:29:37
>>216

「そうそう、さっきの『穴』だってそうスよね。
 人間にとっちゃあ『抜け穴』みてーなモンだったけど、
 猫にとって見ちゃあ、『通用口』くらいの広さはあった」


 ふと、突然の雨が気にかかった。


「そういやぁ、『猫が顔を洗うと雨が降る』なんていいますけど……
 そもそもネコ科って、水が苦手なはずなんですよ。
 特に雨は、獲物が見つからなかったり、低気圧になったりで……」


 『猫の目線』に思いをはせるが、


「マジで捕まえんスね……。いや、そのために来てんだけど」

 『捕獲』という言葉の響きに、あからさまに体が強張る。

 ともあれ、先ずは2階へ進まなければ。
 『穴』から伸びる足跡にも注意を払いつつ、階段を上り、2階の造りを確認したい。

「先輩、もし猫見つけて捕まえたら……その後、どうするつもりなんスか?」

220宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/30(月) 01:04:35
>>214

「『二時間前』――」

(だが――『人の声』はない)

雨が降り始めたのは、ついさっきの事だ。
今から二時間前には既に屋内にいたのであれば、
『雨宿り』の為に移動したという線は消えるだろう。
しかし、『使われていない建物』に潜伏しているという可能性は残る。
他に当てがない以上、そこに絞って探す以外に手はない。
行動しなければ結果は得られないのだ。

「分かった。俺は今しがた話した通りに動く事にする。
 何か新しい情報を掴んだら連絡をくれ」

そう答えて通話を切ろうとした時、『藤原しおん』の変化に気付いた。
それが、単なる『雨』に対するものではないことは容易に想像がつく。
今の状況下で思い浮かぶのは一つしかない。

「――『能力』の関与を疑っているのか?」

天気予報が外れるというのは、決して有り得ない話ではない。
予報では『晴れ』だったが、それが外れて『雨』が降った。
一般的な感覚で考えれば、それで終わりだろう。

「それとも――何か知っているのか?」

しかし、『藤原しおん』の言葉には、どこか引っかかるものを感じる。
彼女が懸念を抱いているのは、『スタンド』を持つ人間であるからなのか。
あるいは、『雨』と『スタンド』を結び付ける何かに心当たりでもあるのか。

通話を続けながら歩き出す。
雑居ビルの入り口付近に立ち、表に視線を走らせる。
そこから見える範囲で、二階以上ある空き物件がないかを確かめる。

221『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/30(月) 16:55:03
【フリー】
>>217(硯)

「もう一通り探し終ったとはいえ、万が一はありますからね。
 そうなった時誰も探してなかったとなるとお叱りが恐ろしいし、
 まあ私みたいな『下っ端』の数人は残っておくべきなんだろうな」

            「ええ、気を付けましょう」

イラムシ、スミノフ、マナビにメールを送信した。
先に協力者(『先輩』)がいると明言している以上。
黒服もその様子にいちいち疑問を挟んできたりはしない。
彼の持ち歩くタブレットも、そういう役目もあるのだろう。

「ん、何かって――――――」

             クルッ

音がしたのは、二人から見て『右』だ――――水音がした。

         バシャ
                バシャ

「あっやべ〜〜〜〜っ、見つかってしまいましたネ。『またもや』」

男がいた。男としか形容しがたいが――――それは『纏うヴィジョン』ゆえだ。
倉庫の影にしゃがみ込んでいたが、どこか『おどける』ような様子で立ち上がった。

             「どーも、どぅーも、ワタクシ怪しいものではございまセェン」

奇妙な『スケートボード』のような物を脇に抱えた、『流線型』の装甲。それがその男だ。

>>218(スミノフ)

「首輪も何もなかったし、捨て猫だと思いましたけれどねぇ〜」

「それ、こういう猫じゃなかった? 私もついこの間見たかもしれないの」

              スッ

期待通りマナビがスマートフォンを取り出し、
ママに『アビシニアン』種のネコの画像を見せる。
どう見ても拾い物の画像だが、いかにも『自分で撮った』ような顔だ。

「……あぁ! そうそう、こんな感じの猫だったような?
 いやですわねぇ、年を取ると記憶があいまいになってきて、
 そっくりこの画像のネコだったかどうかは、覚えていないけど」

どうやら――――あたりを引いたようだ。
マナビが見せた拾い物の画像を『探し猫』と勘違いしているようだが、
情報収集の上でそれが何か問題になるのかは今のところ、分からない。

「朝店の前を掃除してたら、路地裏から出てきて、生ごみを荒らしていて、
 その後は……海側の方に走って行ったような、行かなかったような……
 他では見ていませんわねぇ。そもそも、今日はそう遠くまで出かけてませんから」

                 ブブブ

その時、マナビと――――設定しているならスミノフの携帯にも、メールの着信。送り主は『硯』だ。

222『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/30(月) 16:55:20
【早見】
>>219(高天原)

「詳しいね、確か風呂に入るのも嫌いなんだっけ?
 犬が水遊びしてるのはよく見るけど、猫のは見ないもんなぁ」

          ザッ  ザッ

埃が積もった床には、案の定二階へと伸びたネコの足跡がある。
この先も猫の視点が重要になるのか、与太話の域かは不明だが、
少なくともこうして、ちょっとした情報に繋がったりはしそうだ。

「……まあ、捕獲じゃなくてもいいんだけどね、『確かめたい』のが本題だし。
 けど、猫が持つ能力とか、そういうのを知るには手っ取り早いだろうから」

「もし捕まえたら……まあ、飼い主がいるなら返してあげるのが良いんじゃないかな。
 いないなら、他にも猫を探している人はいるだろうし……受け渡すのが良いだろうね。
 危険な橋を渡る気はないけど……交渉次第ではかなり『貰える』かもしれない。
 そういう意味でも『お金を生む猫』って言えるのかな……なんて言ってる場合でもないけど。
 ……流石に家に連れ帰って飼育しようとは思ってないよ。どう考えても度を越して危険だし」

階段を上った二階は、よくあるビルのように『廊下』が伸びる構造だ。
等間隔で部屋が並んでいるが、ほとんどはドアが閉め切っており、電灯も落ちている。
壁に不自然な穴もない――――不自然ではない穴はあるが、これは老朽化の範疇だろう。

                  ニャ〜〜〜
                        ォォオ

どこかから猫の声が聞こえた。早見もそれに気づいたらしく、高天原に視線を向けて頷く。

                  「……もしかすると、本当にもしかするかもね」

223『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/30(月) 16:55:35
【音仙】
>>220(宗像)

気温の高さもある。屋内の方が何かと都合は良いだろうし、
少なくとも雨宿りだけを目的としているのではないのだろう。

《…………私は》

             ザァ ァァァ ・・・

《………………私は『エクリプス』と……『アリーナ』の、
 そしてこの町のスタンド使い達の戦いに関与していなかった。
 というよりそもそも、その時点ではこの町にはいなかった。
 それも『アリーナ』との微妙な関係の、一因なのですが……
 だから、その……いえ、回りくどい言い方はやめる事にしましょう》

藤原しおんの声は、『エクリプス』の討伐を切り出した時のそれに近い。

    《『雨』のスタンドを持つ……『殺し屋』が存在したそうです。
      『アリーナ』との戦いにて敗れ……海外に逃亡していたと、
       『聴いて』います……あるいは『戻ってきている』のかもしれない》

             《能力の全ては…………調べ切れていませんが、
               今から『録音』している情報を探っておきます。
                …………もし遭遇したら、なんとか凌いでください》

見える範囲にもいくつかビルは存在するが、『空き物件』と分かる物は無い。
ぼろぼろの雑居ビルでも、人がいるかどうかわからないような店の看板はあるものだ。
多少は探し歩く必要があるかもしれない。高所から建物を探しておいた方が手早くはあったか。

224硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/30(月) 21:32:29
>>221

「おいおい」

   フンッ

突如として現れた『纏った』男を見、
思わず肩を竦め、お面の下で思わず苦笑する。
男の詳しい容貌は伺えないようだが、
その発音の『イントネーション』はやはり外国人のそれなのだろうか。


「君はどう見ても『不審者』じゃあないかい。
 自分で自分の事を怪しくないって言っている輩が、
 全ッ然、怪しくなかった例を俺は知らないんだ」



ガラケーをパタンと折り畳みツナギのポケットにねじ込むと、
眼前の敵を見据えたまま、『アリーナ』の『黒服』に話しかけ――


「『万が一』があって良かったじゃあないか。
 これで君は『上司』に雷を落とされずに済むし、
 俺もこんな『展開』を、待っていたのかもしれない。

 …この『不審者』さんは『派閥』などお構いなしみたいだし、
 俺達を蹂躙した後『ツイッター』に喜々として書き込む、
 『クリーチャー』なタイプと見た」

         ザムッ

大きく一歩踏み出し、


「此処は『共闘』ってのはどうだい。
 なので俺は君の名前を知りたい。
 ちなみに、俺の名前は――あの、ええと」


せっかくなので『洒落た』名前を付けようと、
コンビニで大抵『スミノフ』の横に置いてある
瓶の酒(『ジーマ』)の名前を口にしようとしたが、
『硯研一郎』は未成年が飲酒喫煙する事を良しとしない類の未成年だ。
当然、酒の知識も関心も殆ど持ち合わせてないので、
脳から『ジーマ』の名前を引き出せない。なので、


「『Mr.ストロングZERO』だ」



               ズキュンッ

咄嗟に、知っている酒の名を言い放ち、
傍らに『装甲車』を連想させる荒々しい風体の像――
(硯自身はその名前を知らないし興味もないが)『RXオーバードライブ』を発現する。

225宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/30(月) 22:10:06
>>223

「つまり、そいつが俺の『標的』という訳か」

(『雨』と『殺し屋』――『血の雨』というのは、我ながら悪趣味な冗談だ)

『藤原しおん』が知っているという事は当然『アリーナ』も知っているだろう。
吾妻は、それらしい素振りを見せなかった。
知っていて黙っていたのか、または本当に知らなかったのか。
そんな事は、どうでもいい。
重要なのは、この『雨』が何を意味するかだ。

「俺は、既に『雨』を幾らか浴びている。
 少なくとも、即座に変調を来たすというものではなさそうだ」

だが、本当に異常はないのかという懸念もある。
念の為に、雨に打たれた部分を確認しておく。
何もないに越した事はないが。

「敵の情報については任せる。何か分かった時点で伝えてくれ」

それだけ言って、何もなければ通話を切る。
この『雨』がスタンドによるものだとすれば、
今まさに『能力』を使っているという事になる。
『雨』が何を齎すのかについては情報がない段階では推測のしようもない。
しかし、何の為に降らせているかは仮定が立てられる。
考えられるのは、
『カーバンクルを探す為』か『敵対者を排除する為』の二つだ。
それ以外の目的があるとは考えにくい。
この二つの内の一つか両方と見て間違いないだろう。

(いずれにしても、『能力』が関わっている可能性がある以上、
 迂闊に『雨』を浴び続ける事は避けるべきか――)

だが、この場に留まり続ける訳にもいかない。
思案しながら水を一口飲んで、喉の渇きを潤す。
まず付近のコンビニへ向かい、そこで『蝙蝠傘』を一本調達する。
それから傘を差して雨を凌ぎ、
『二階建て以上の開放されている空き物件』を探して通りを歩く。

226スミノフ『デマーケイション』:2018/07/30(月) 23:16:07
>>221

(マナビちゃんサポートうめぇ)

しっかり合わせてもらった。
そして引いた当たり。

「海側ねぇ……」

硯たちに連絡しておこう、と思ったが連絡が向こうから来た。
それを確認して、ママの話をメールで伝えておこう。
目撃情報アリ、スナックのママ。朝見て、海側に走ってったらしい。
ぐらいで。

227高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/31(火) 00:09:24
>>222

「そうなんですよ。何が嫌なんスかねェ。
 確かに、髪型とかちゃんとキメてンのに雨降ってくると泣きそうになるけど。
 猫のが犬よりオシャレとか身だしなみとか、気にしてんスかね?」

 廊下に等間隔で並ぶ部屋。ほとんどはドアが閉まっている。

 その中から、『例外的に扉が開いている部屋』や『穴などの隙間が最初から開いている部屋』を探す。
 つまり、『猫が中に忍び込めそうな部屋』。
 扉の材質にもよるかもしれないが、猫が自分で扉を開け閉めはできないだろう。

「……まあ、そっスよね! なんか二重の意味で安心しましたよ、俺。
 猫にとっちゃあ、野良の方が気楽なのかもしんねースけど……
 次善としちゃあ、飼い主や居場所を探してやんねーとッスよ。」

「……なんて、行ってるそばから」

 猫の鳴き声……いざ自分が見つけても、『その猫』かどうかは分からない。
 なら、判別する方法はひとつ。


            ―――― シュ ザ ァ


 『植物の枝のような意匠』を揺らし、人型のヴィジョンが現れる。
 『ウィーピング・ウィロウ』。猫が『スタンド』を使うならば、視えるはずだ。
 この人型の『スタンド』を先行させる。先に目に入るように。

228『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/31(火) 05:18:24
【フリー】
>>224(硯)

スミノフたちにはメールが既に届いているはず。ガラケーは、閉じて問題ない。
ただ、今考えればこの黒服は『歓楽街の方が食べ物が多い』と発言していたし、
猫が大通りまで行ってしまった可能性は特別『高い』わけでもないのかもしれない。
それでも彼らに既存とは異なる筋の情報を提示したのは、大いに意味があるだろう。

「ソレは、貴方の経験が『島国レベル』なだけでぇスね、
 ミスター『安アルコール』さん。ワタシは世界レベルで考えてマスから、
 これくらいのことでは不審じゃありませェん! むしろ『面白外人』ネ」

方言的な訛りに聴こえない事も無いが、耳にしたことがない物だ。
標準語の単語選びでありながら、奇妙にのびやかで、語尾が跳ねる。
想像通り『外国人のそれ』と考えるのが自然だろう。人種は不明だが。

「それに世界レベルだけに、日本語もペラペ〜ラ。それに文化の方も」

     パッ

        「『郷に入っては郷に従え』で」

            「銃一つ無し、『丸腰』ですシィ〜〜〜」

真意は不明だが、戦うつもりは無いとでも言いたいのだろうか。
水音を立てたのが挑発のつもりではないなら、有り得なくもないが。

しらじらしい言い方だったが――――『硯』がスタンドを発現すると、
無言でスケートボードを地面に置き、その上に片足を乗せて見せた。

「そこ、通してくれませんカ〜? この辺りはもう散歩しつくしましたのォで」

     ズ   
              ヌ
                   ルゥ

「通してくれたら、危害は加えませェん。これがいわゆる『武士の情け』ネ」

その瞬間、ボードから『エイ』のような不可解な『ヒレ』と『尾』が現れる。

「よッ…………よかったのかどうかは、分かりませんが。
 私は『桜島派閥』の『一般職員』で、名前は『西園寺』。
 貴方のそれはどう考えても偽名なんで、下の名前は教えません」

        「西園寺と呼んでくれればいい、ミスター『庶民の味方』さん」

     スチャ

                                  クリーチャー
「私はスタンド使いじゃありませんが、秩序の民草として『化物』退治に協力しよう」

黒服の『西園寺』はサングラスをしっかりかけ直し、懐から『警棒』を取り出した。
まあ……ハッキリ言ってしまえば戦力になるかどうかは怪しいものではあるが、
共闘するに越したことはない――――謎の『纏う男』との距離は現在『15m』ほど。

                ヴヴヴ

携帯に何らかの着信があったが、それを確認している隙があるかどうかは判断に迷うところ。
まだ不審者は動かない。丸腰アピールは本気とは思えないが、様子見かそれとも消極的なのか。

229『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/31(火) 05:26:48
【フリー】
>>226(スミノフ)

硯のメールを見ると、猫は表通りまで行っている可能性も高いようだ。
どこまで信ぴょう性があるかは不明だが、それはママの話も同じ。
今は昼過ぎの為、『朝、海側に行った』という情報とも矛盾はしない。
とはいえ、歓楽街を調べ続ける事に意味がないとは思えない。

「まあ、店の前からっていうだけだからぁ……
 そのあとどこに行ったかまでは知りませんけれど」

「いえ、十分よ。ありがとうママさん」

能動的な有能さは不明だが、『サポート』は彼女の得意分野のようだ。  
もちろん、毎回毎回このような成功を収めてくれるとは限らないのだが。
いずれにせよ、得た情報は硯たちに共有しておいた。

        ヴヴヴ

そしてさっそくメールの返信かと思いきや――――『イラムシ』の携帯から、別件だ。
文面は『現在歓楽街。アリーナらしき人間を発見。軽〜く尾行中』とのこと。

≪簡潔ね。喋りと性格は、ねちっこいのに。
 まあ、この仕事の件で連絡したときも……
 こういう調子だったような気がするし、性分かもしれない≫

口頭とメールで態度が変わる人間は少なくはない。

≪…………確定情報になるまではイラムシに任せてもいいかもしれないわ。
 アリーナっぽい、と一目でわかる『黒服』は、ほとんど『一般人』らしいから≫

           ≪…………それに、彼の性格じゃ深追いはしないでしょうし。
             けど、向かえば一気に『核心』に迫れるって可能性もあるわね≫

≪この店で、これ以上核心に迫るのは……
 無理とは言い切らないけど、難しいでしょうし。
 場所を変えるとすれば選択肢にはなると思うわ≫

スタンド使いに特有の『精神』に働きかける会話で、マナビからはそのように提案があった。
イラムシは硯と別行動のようだし、若干の危うさは感じられるが……任せるか、様子を見に行くか。

230『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/31(火) 05:27:17
【音仙】
>>225(宗像)

雨に打たれた箇所は濡れているだけだ。視界内の地面も、同じだ。
雨滴そのものに今のところ異変は感じられない――――

《…………そういう事になります》

《無理に探さなくても……目当てが猫なのは、間違いないでしょう。
 ……猫を探す過程で必ず、見つかるはずです……もし、いるのなら。
 もちろん、相手が複数いて…………雨の殺し屋は猫捜索担当じゃない、
 そういう可能性はありますが……であれば、現れた者を倒しましょう》

           《…………それが『殺し屋』だからではなく、
             『エクリプス』だから……必ず、倒しましょう》

      ザァ
             ァァァーーーーーーーーーー  ・ ・ ・


電話が切れた後、宗像はコンビニに入り蝙蝠傘を購入した。
安物ではあるが、ひとときの雨をしのぐには十分だろう。            
そして通りを歩く……ほとんどの物件はやはり、何かしら入っている。
それでも時折空き物件は有るが、シャッターが閉じている物がほとんど。
そうでなければ『不良などのたまり場になりかねないのだから』当然と言える。

それでも、歓楽街を歩き続けていると――――

      「…………」
                ザッ 
                     ザッ

視界に『黒服』が入る。呼び込みのバイトにしては老けており、無骨な雰囲気だ。
何かを探すような様子でもあり――――『猫探し』に、何か関係があってもおかしくない。  

                   「……………」

そして、これは『偶然』…………その男の後方、物陰に身を潜める男が携帯を触っている。
やや大きなパーカーを目深に被っており、いかにも不審人物と言う趣き。『尾行』でもしているのだろうか?

・・・だとしたら、『何者』なのだろうか? 追えるのは、二人に一人。『二兎を追う』リスクは説明するまでもない。

231『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/31(火) 05:31:26
【早見】
>>227(高天原)

「まあ僕も良いスーツを着てる時とかの雨は最悪だね。
 今日のは、動きやすさ重視だから別に問題はないけど」

見た目ではいつも彼が着ている物との違いはよく分からない。

「でもさ、『トイプードル』みたいな犬も水遊びが好きだろ?
 あんなに髪のセットに時間かけてそうな犬でもさ…………
 それともあーいうのは猫的には『派手すぎ』なセンスってだけで、
 実際にはあれよりずっと毛並みに気を遣ってたりするのかもね」

          「『アフロヘア』と『黒髪ロング』の違いというかさ」

例外的に扉が空いている部屋は前方、右側に一つある。
ドアは装飾や表札がはがされた跡があるが、『占―師―――』と微かに見える。
占いか何かの店をやっていたのだろう。残念ながらもぬけの殻で、荷物などもない。

「本来の飼い主とかじゃなくても、ね。『収まるべき場所』というか、
 それが猫の幸せかとかじゃなくて、僕の気持ち的な話かもね」

「…………どこから聞こえたかな、今。この階なら話は早いんだけど」

                  「…………」

        キョロ

               キョロ

そして――――その部屋の向かい、一つ手前の部屋の扉には『穴』が空いていた。
これは一階の防火扉にも近く、辺りに破壊痕などは存在しない。調べる価値はあるか?
表札などは存在せず、鍵は固く閉ざされてしまっており、何の部屋なのかは伺えない。


            ―――― シュ ザ ァ


猫に対しては己のスタンド『ウィーピング・ウィロウ』を先行させ、偵察を図る。
とはいえ、すぐに見つかる距離であれば『鳴き声の出どころ』もわかりそうなものだ。
それが分からなかったということは、猫とはちあわせるまでには多少なり猶予はあるだろう。

その間に選択すべきなのは、部屋の捜索を進めるか、それとも廊下を進み奥まで観察するか。
スタンドの射程は5mだ。長いと言えば長いが、同時並行で進めるならどちらも効率は落ちる。
つまり――――部屋の捜索に欠ける集中力は落ちるし、あまり遠くまでスタンドを進められないという事。
『時間をかけて不味い事』も『目に見える範囲では』無いか。もっとも、現段階ではと言う但し書きはあるが。

232宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/31(火) 18:32:01
>>230

(やはり、それなりの時間が掛かる事は避けられないようだな)

閉ざされていない空き物件など、そうそう見つかるものではない。
歓楽街という場所の治安を考えても、それは当然だろう。
逆に、だからこそ絞り込みやすいとも言える筈だ。
もし目的の場所が見つかったとすれば、
そこに『カーバンクル』が潜んでいる見込みはある。
仮に可能性が低かったとしても、
他に手掛かりがない以上は探し続ける以外にない。

(あの二人――奴らも『狙い』は同じか?)

それぞれの位置関係を見ると、
『パーカー』が『黒服』を尾行しているというのが最も自然な解釈だろう。
『カーバンクルを探しているらしい人間』を追って、
何かしらの情報を得ようという魂胆かもしれない。
実際、先程の自分も同じような行動に出ていたのだ。

(俺の考えている通りだとすると――)

十分な距離を取った上で、『パーカー』の後を追う。
『パーカー』が『黒服』を追っているとすれば、
『パーカー』を追う事で両方を追う事が出来る。
そうではなかったとしても、最低限『パーカー』は追える筈だ。

『どちらも追わない』という選択肢も、あるにはある。
だが、その道は選ばない。
また外れを掴まされる事も考えられるが、
手掛かりは多いに越した事はないのだ。
外れだったとしても、対立者の情報を得る事が出来れば、
それはそれで収穫と言えなくもない。
少なくとも、『何か』はある筈だ。

(問題は、こいつらの『素性』だが)

『アリーナ』か『フリーランス』か、あるいは『残党』か。
片方が片方を尾行しているなら、別々の勢力に属している可能性が高い。
考えられる組み合わせは、『アリーナ』と『フリーランス』、
『アリーナ』と『残党』、『フリーランス』と『残党』の三つだ。
俺にとって最悪なのは、『フリーランス』と『残党』だった場合だろう。
争いが起こった時に『一対二』になる可能性が低い事だけが、
せめてもの救いか。

233硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/31(火) 20:09:10
>>228

「『庶民の味方』は意訳すれば『正義の味方』だ。
 なんというか、凄くいいんじゃあないかな。
 偶然にも『お面』を被っているのも――『それっぽい』。
 なあ西園寺さん、君には俺の事をおちょくった彼の姿はどう見える?」

         ズギュン

『スタンド使い』ではない『西園寺』に、
『エクリプス』の男のスタンドの『実体化』の有無を確認しつつ、
『オーバードライブ』でスタンド自身の右手の甲に触れ『車輪』を発現。
発現する『車輪』は、直径30cm程の『オートバイ』の車輪。
また設置の際、二輪車の構造上『車軸』と『車輪』の間には『シャフト』が現れる為、
『車輪』が直接『オーバードライブ』の腕に触れる事はない筈(※)


「おちょくられっぱなしも癪だ。
 なので、せっかくだし言い返してみようと思うんだ。
 あくまでも『形』だけだから、あまり気にしないでくれ。
 本当に思ってるわけじゃあないんだ。
 洋画でもよく言い合うシーンがあるだろ?
 せっかくの『ヒーロー』ごっこ、楽しみたいんだ。
 ちょっとした俺の、『我儘』なんだ。だから『ごめんなさい』。
 
                ……ん、んッ!」


メールの返信を見ている暇はない。
咳払いで喉の通りを良くすると、
すうと息を吸い――

234硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/31(火) 20:11:05


「その『世界レベル』の『面白外人』さんが、
 辺境の『島国』に閉じこもって『出稼ぎ』とは恐れ入った。
 こんな≪ピーッ≫の国で日雇い≪ピーッ≫をしている君は、
 本国では『落ちこぼれ』だったのかい?労働は大変だな。
 俺も将来、君みたいな『インターナショナル』な『サムライ』になれるかい?

 大貧民パスタ作った俺マジリスペクトかい?
 それに『スケボー』足元において≪ピーッ!!≫とは、
 いやはやなんとも、君は中々に≪ピ――ッ!!≫みたいだな

 もしかして『本国』に残してきた、≪ピーッ!≫で≪ピーッ!≫な
 ≪ピーッ!≫な『ママ』が出送りの際に君に渡してくれたものかい?
 ああ、よく見たら『エイ』みたな形しているし、
 ひょっとして夜な夜な≪ピーッ!≫で≪ピ――ッ!≫を『インサート』しているのかッ!
 君の『精神』は中々に≪ピ――ッ!≫で『クレイジー』みたいだ。
 オー!サムライ!ハラキリ!≪ピ――ッ!≫
 
 それに≪ピ――――――ッ!!!≫で≪ピ――――――――ッ!!!!!≫で
 ≪ピー―――――――ッ!!!!!≫な≪ピ――――――――――ッ!!!≫が
 ≪ピ――――――――――――――――――――――――――――
   ――――――――――――――――――――――――――――
   ――――――――――――――――――――――――――――
   ――――――――――――――――――――――ッ!!!!!≫かい?」



(当然、本心から思っている訳ではないし、この男の事を嫌ってすらいないが)
眼前に立つ『面白外人』を自称する敵の様子を注視しながら、
生まれて16年の人生の中で培ってきた全ての知識と経験を総動員し、
ありとあらゆる罵詈雑言を淡々と、抑揚なく、まるで呪詛のように吐き出しながら
傍らに立つ『オーバードライブ』と共に距離を詰めていく。

=================================
※『車輪』の設置図

     ======
   ■■■■■■■■■←タイヤ
       ||←車軸
―――――――――
RXの腕     |←手の甲
―――――――  |
      (__|←握り拳
=================================

235スミノフ『デマーケイション』:2018/07/31(火) 22:59:31
>>229

(それどうやるんだ……)

それは会話ができるのか。
ちょっとしたショックだ。

(マジでどうやるんだ……?)

自身の能力を発動して試してみよう。
『なるほどな』とか言ってみよう。

「そうだ、ママ。なんか、食べもんとかないのか?」

一旦彼女を遠ざけよう。
スタンドによる会話ができるなら別にそうする必要も無い。
ただ会話ができなかった場合、マナビに耳打ちをしたい。

「表通りをあたってみよう」

「この辺りは他のやつに任せる。続報が来ればタクシーかなんかでなるべく早く向かえばいい」

236高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/01(水) 01:32:50
>>231

「…………そっ……スよねェ〜〜〜〜 やっぱりィ?」
                           ウンウン

 スーツの違いが分からない男なので、曖昧に返しておく。
 早見の言には頷いていたが、


            「……なんか俺、『トイプードル』の毛玉が
              今後『アフロ』にしか見えなくなりそうッス……」


 早見の犬評は、絶妙な表情で聞いていた。
 やはり、記者ともなれば比喩にも長けていなければいけないのだろうか。

「あんな可愛い顔して『ファンキィー』な『ブロォ』なんですかね……夢に見そう……」
「探してる『猫』は、お淑やかなお嬢様系であって欲しいナァー。せめてメス。」


 ともあれ。


「……『墓荒らし式』ッスね。もしくは『FPS式』。
 たとえ可能性低くても、手前の部屋から順番に覗いていきましょう。」

 『スタンド』の視聴覚があるというのは、ありがたいことだ。
 しかし、同時操作の負担やリスクより確実性を求めていきたい。

(こんな廃墟で『占い師』か……ちょっと気になるな……
 時間がありゃあ、中をコッソリ覗き込んでみたかったが)

「先輩。この『占い師』の部屋の中なんて、写真映えするんじゃないですか?
 ……っていうのは、スンマセン、建前で。中を軽く調べてもらってもいいスかね……」

 自分は、『穴』のある部屋の前に進み。
 『ウィーピング・ウィロウ』で、穴の中を覗き込む。
 目当ての猫は見つからなくても、何かの手がかりは見つかるかもしれない。

 『スタンド能力』の利用痕跡や、此処を拠点にしていそうな集団の情報なんかあれば、大金星だ。
 ……後者のほうは、悪い意味で。

237『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/01(水) 22:10:43

【音仙】
>>232(宗像)

          ザァァァァ  ―――――― ・・・

追う事に決めたのは――――不審な『パーカー』の後だ。
確かにこれなら、彼が追っているらしき『黒服』の後も追える。
問題はその素性だが、少なくともライバルに対して奇襲ではなく、
尾行を選ぶ程度には『理性』があるようだし、即座に危険はあるまい。
もっとも、自分を尾行する謎の男に対しても理性的に行動するかは別だが。

              ザッ
                    ザッ

                『ピ』

特に問題なく尾行の尾行が始まるかと思われたが、先頭が立ち止まる。
・・・携帯電話を取り出して、どこかからの連絡を受け取っているようだ。
偶然電話がかかってきてしまったとかじゃあないなら、少なくとも仲間がいるのだろう。

そうなると落ち着かないのが『パーカー』の男。手持ち無沙汰そうに周囲を見渡している。
とはいえ、こちらに視線を向けたとして、『宗像』に気づいたとして、尾行には気づくまい。
パーカーの男に気づいた宗像のように、どこか別の視点から見るのでもなければ……
気配という概念こそあるが、この距離感であればよほどでなければ、それも悟られまい。

 「…………」

       ザ
          ぁぁ

            「…………」

                                              バシャッ

                ァァァァ―――――――――――――――ッ 

                                   「…………」

この場に集った者たちはみな、一様に静まり返って――――まるで嵐の前の静けさ。『宗像』はどうするか。

238『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/01(水) 22:12:19

【フリー】   
>>233(硯)

「……そのお面、『偶然』着けてくるような物なんですか?
 てっきりナチュラルボーン『正義の味方』ってやつかと。
 そういう気を利かせた部分も無くはなかったりしましたが、
 え? 姿? 妙なスーツ、多分スタンドを纏っていて――――」

              スチャ

「いかにも『マヌケ』そうな白人の男、年は『20』も行ってない。
 スケートボードに乗ってるのは『サングラス』有り無しでも同じですが、
 有りだと『エイ』に見える。『纏うタイプ』と『物体同化』のハイブリッドか」

                「こんなところですかねッ」

何か専門用語のような事を言っているが、確認は取れた。
敵のスタンドは『非実体型』――サングラスをズラした西園寺はそう捉えた。
その動作について説明がないのは『アリーナ』の人間と思われているゆえか、
ともかくそれを掛ければ一般人の彼にも『スタンド』が見える状態になるようだ。

硯は『RXオーバードライブ』の右手の甲に車輪を取り付け、
反撃を開始する。その狼煙となるのは――――鋭い貫く言葉の雨。
本心ではないからこそ激情ではなく、『淡々と』その切っ先を突き付けられる。

「…………………………………」   

            シュルルルルルル

                   キシャァァーーッ

      タンッ

                  「なッ」

スケートボードの『エイ』から奇怪な鳴き声。白人の男は『沈黙』している。
そしてその次の瞬間、突如として――――『視界から消えた』。

        シャ
                   ァァァ〜〜〜〜〜ッ

         「なんてッ」

                    「なァんンてッ」

「ワタシがそッ、そォ〜〜〜んな安いディスにノって、
 『言葉』で返してやるとォォオなんてッ…………思ってるでしょッ!!!」

       「返さなァイッ」

             「ワタクシの『ゼロフリクション』で」

                         「『斬ィィィり返す』からッ!!」                
  
正しくは消失ではない。注視していた『硯』には分かるが、『高速移動』だ。
明らかに通常のスケートボードを逸脱した『急加速』はスタンドゆえか。
初速はっともかく、その後は『それほどでもない』速度だが……人間の領域ではない。

要約すれば、敵は高速(スB)で左から回り込むように接近してくる―――――地形は、こんな感じだった。

■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□□□□□■■■
■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□□□□□■■■
■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□□□◎□■■■
■■■■■■■■□□◎□□■■■■■■■■□□□□□■■■
■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□□□◎□■■■
■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□□□□□■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□★□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□西□□□□◎□□□□□◎□□◎□□□□□◎□
□□□□□□□◎□硯□□◎□□□□□◎☆□□□□□□□□□
□◎◎◎□□□□□□□□◎□□□□□□□□□◎□□□□□
□□□□□□□□□◎□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□□□□□■■■
■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□□□□□■■■
■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□◎□□□■■■
■■■■■■■■□□□◎□■■■■■■■■□□◎□□■■■
■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■□□□□□■■■
■■■■■■■■□◎◎□□■■■■■■■■□□□□□■■■

☆=敵の最初の位置 ★=敵のスタンド使い。

■が倉庫。□がコンクリの地面。主に◎の辺りは『水溜り』になっている。
※地形は『だいたい』。文中の描写以上の理解が判定を分ける事はまずない。 
※当ミッションでは『MAP』は『参考』であり、判定の絶対基準ではない。
 また、全レスで必ず提示するわけでもなく、常に厳密な状況を示すわけでもない。
※PC側からこの場にあってしかるべきものを求めるのも自由。あるかはGMが判定する。

239『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/01(水) 22:12:30
【フリー】
>>235(スミノフ)

なるほどな、と『精神の声』が響いた。どうやら出来るようだ。

「食べ物? そうですわねェ〜、ポテトとか、サラミとか、
 そういう軽いものならすぐにご用意出来ますけれどぉ〜」

              ガタ

          「ちょっと取ってきますわね」

ママには食べ物の話を振り、それを取りに行ってもらった。
奥のちょっとしたスペースに引っ込んでいったため、
少しの間は会話に割り込まれることもなくなるだろう。

≪……………表通り? 手掛かりもないし別に構わないけど、
 ……あまり可能性は高くないんじゃないか、とは思うけどね。
 倉庫街との距離を考えても、間にあるここ『歓楽街』を考えても、
 でも……まあ、ゼロじゃないなら行く価値はあるかもしれないわ≫

              ≪……食べ物が来るまで待つ?≫

表通りに向かう事に関してはマナビはやや懐疑的なようだが、
彼女はそれほど主張が強い訳ではない。向かうならそれに従うだろう。

240『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/01(水) 22:13:59
【早見】
>>236(高天原)

「僕はずっと前から『アフロ』っぽいなあって思ってたんだ、あれ。
 共感してくれる人間が一人増えて嬉しいよ……っと、猫の種類か。
 一応『外国のネコ』だとは聞いている。『アビシニアン』だったかな、
 エジプトの猫で、なんというか高貴な印象っていうのかな……
 ただ、確定した情報じゃないから……先入観は持たない方がいいかもね」

                 「分かった、順番に行こう」


          プッ 
                プーーーーー 

外から車のクラクションが聞こえたが、それ以上何か破砕音などは無い。
トラブルが起きたとかはなく、まあ何か、よくある危険運転とかだろう。 

「いいよ。廃墟好きってわけでも無いけど、写真映えするのは本当だし。
 その間に咲哉くんは他のところを……っていうのは、元からそのつもりか」

              「それじゃ失礼して、っと」

開いた部屋に足を踏み入れる早見を尻目に、高天原は穴の開いた部屋の中を見る。

             シィーーーーーン・・・

気配らしい気配はないが……中は『古物店』か何かだったのだろうか?
運び忘れたのか、あるいは意図的に置いて行ってしまったのかは不明だが、
壺や妙な置物など、用途の良く分からない鑑賞品の数々が安置されている。

                   ……いや、安置ではない。

床に視線を向ければ、いくつか落下した芸術品がある。それらは粉々に砕け散り、
特に――――実用品ではなさそうだが、『冠』のような物はあちこちが『刳り抜かれて』いる。
 
                               ……『異様』と言っても、過言ではない。

241硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/01(水) 23:50:58
>>238

「友達の『翔ちゃん』もその『纏うタイプ』って奴だったな。
 俺の『これ』は『アレ』で『それ』だが、
 なんて言えば良いんだろうかな。ああ、『人』かい?」


           ズギュンッ

           「設置する場所を完全に、
            間違えてしまったじゃあないか」


『オーバードライブ』の右手で左手の甲に触れ、
右拳に備えたモノと全く同じ『車輪』を、同じ角度で設置する。


「だから先に謝罪をしたんだ。
 俺は自分の『良心』を傷つけながら、
 君の『自尊心』をいかに傷つけるかを考え、
 ゆっくりと丁寧に言葉を選んだつもりだったんだ」


「つまり、なんていうか。
 勇気を出して君を『コケ』にしたんだ。
 
 だからせっかくだし君も『コカ』してみるといい。
 俺と、この――『猫捕まえ太郎』を」
 

向かってくる『白人』との距離を一気に詰める。
そして『白人』を射程距離に捕えた瞬間、
横から薙ぎ払う軌道での『オーバードライブ』の『蹴り』を放つ。
(真っすぐではなくあえて薙ぎ払う軌道で放ち敵に触れる面積を増やす事で
 『精密動作性』の荒さを多少でもカバーする)

242スミノフ『デマーケイション』:2018/08/01(水) 23:57:49
>>239

『硯ちゃんのメールが気になってな』

悩みどころだ。
隅々まで調べるのは人員的に常に難しい。
だからある程度予想を付けたうえで探し、そこに強運が絡まないといけない。

『倉庫街方面の硯ちゃん、歓楽街のイラムシ、表通りの俺らで一応いるであろう地点それぞれにつけると思うけどどうだ』

『それでいいなら行ってみようぜ。案外アリーナってとこの奴がいるかもしれねぇ』

243硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/01(水) 23:58:36
>>241
また周囲に『ドラム缶』や『木材パレット』等がないか確認しておく。

244高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/02(木) 02:35:21
>>240

「『アビシニアン』スか。また珍しい種類、……」

 『スタンド』越しの異様な視界に、押し黙る。
 もう少し、注意深く観察したい。


  (『アビシニアン』は『スタンド使い』だ。そして、この部屋の中に居た。
    部屋の中で『スタンド能力』を使い、そしてこの部屋から出て行った……)


 早計といえば早計だろう。
 状況証拠はあるものの、他の可能性だって数えるほどある。
 しかし、『スタンド使い』としての予感も、同時にあった。


  (『穴』は、『スタンド能力』で作られたモンだ。
    一階の『防火扉』も、この『古物店』も、『冠』も……)


     (早見さんは猫について、『金を作り出す』つってたな。
      『金を稼ぐ』ンじゃあなく、『作り出す』ってのはどういうことだよ。
      『金を作り出す』のと『穴を作る』のは、同じひとつの能力……? 何よりも、)


   (『刳り抜かれた』中身は、どこに行ったんだ――――)


-------------------------------------------------------------------
【質問】
・『冠』の『刳り抜かれた』跡と『古物店』の穴、それから一階の『防火扉』について
 断面や、刳り抜かれた跡の形、穴の大きさなどについて、共通項はありますか?
 特に、『刳り抜かれた』痕跡は円形ですか?

・部屋内に、『冠』の『刳り抜かれた』跡のサイズや材質と近しい『中身』は散らばっていますか?

・部屋内に、紙幣や硬貨は散らばっていますか?

・『冠』の材質は、目視でどれくらい分かりますか?
 具体的には、『金属かどうか、また何の金属かの目星がつくか』『光沢はどうか』『厚さはどれほどか』分かりますか?

・一階の『防火扉』および、『古物店』の扉の材質は、どれくらい分かりますか?
 特に、金属かどうかは分かりますか?

・『冠』の他に、部屋内に『刳り抜かれた』痕跡は見つかりますか?

-------------------------------------------------------------------


「――――早見さん。そっちどんな感じスか?」

 確認後、早見と合流して、情報を共有したい。

245宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/02(木) 04:48:09
>>237

(こいつらには、雨を避けようとする気はないようだが――)

『雨』と『能力』に繋がりがある可能性を知っていれば、
俺のように雨を凌ごうとするだろう。
だが、こいつらは雨具を使っている様子はない。
その理由は『危険があるかもしれない事を知らない』のか、
それとも『危険がない事を知っている』のか。
それが分かれば、多少は判断の材料になっただろうが、
生憎どちらとも区別が出来ない。
少なくとも、
『危険があるかもしれない』とは思っていない事だけは間違いない筈だ。

(――間の悪い話だ)

仮に、俺が足を止めたとする。
今ここで『黒服』が振り返れば、自分が尾行されている事に気付くだろう。
こいつが主に注意を向けるのは俺ではなく、恐らくは『パーカー』の方だ。
だが、尾行されている事に気付いたなら、
『黒服』の警戒心が強くなる事は予想出来る。
その結果、『パーカー』の後ろに立つ俺の存在にも、
疑いを抱く可能性もなくはない。

(今は止むを得ないか)

敢えて足を止めず、そのまま進み続ける。
まず『パーカー』の男を追い越し、同様に『黒服』の横も通り過ぎる。
『黒服』が通話の最中であれば、出来る限り内容を聞き取っておきたい。
今の状況では、俺は単なる通行人だ。
聞かれないように声を潜める程度はしても、
不意打ちを仕掛けてくるような事は考え難い。

そして近くの脇道に逸れ、その場所から進入可能な建物を探す。
さっきまでいた雑居ビルのように、
ある程度の高さがある建物を見つけたい。
その上階から下の様子を見下ろして、
『黒服』と『パーカー』の動向を窺う事が目的だ。
高い建物を見つけられなかった場合は、ひとまず適当な場所に身を隠す。
そこで『黒服』と『パーカー』の通過を待ち、改めて尾行を行うつもりだ。

もし完全に見失ってしまった時は尾行を断念する。
何処に行ったか周囲を探し回る気はない。
その場合は、また『猫探し』に戻るだけだ。
確かに、手掛かりは多い方が良い。
だが、こいつらを絶対に追わなければならない理由がある訳でもない。

246『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/02(木) 23:59:49
【フリー】
>>241(硯)

周囲にドラム缶等は――――あまり数は多くないようだが、ある。
アリーナの連中が猫捜索の過程でどかしてしまったのかもしれない。

「誰が言い出したのかは知りませんし、
 別に知る必要もないと考えてるが、
 そういうのは『人型スタンド』って言う」

           「なにせ人型だから」

    ズギュン

精密動作性が低いとはいえ自分のスタンド上の事、
特に問題なく車輪を追加設置した。これで左右対称。

         「……フゥーッ」

「まさしくユゥーレイの正体見たり枯れオバナ!
 煽られた時は怒り狂いましィィたが、
 切り替えが早いのもワタクシの長所ですゥね」

「驚きましたか? ワタクシ日本のコトワザにも詳しいでぇす。
 あなたの考えはさしずめ、『トウローのオノ』――ですが、
 ワタクシの『ゼロフリクション』は斧ではなくギロチンね!」

敵はややクールダウンした様子を見せつつ、怪しげな講釈を垂れる。
そして――――

                 バシャ

         ヒュ
              ン

初速と同様――――圧倒的な『急加速』で向こうからも距離を詰めてくる!
何故この速度を常に出さないのかは不明だが、明らかに『高速』すら超えている。
硯にとってなじみ深い速度で言うならば――――『RXオーバードライブ』の拳速に近い。

  バシャッ

            「――――速ッ!?」

                              ギャアァン!

蹴りのタイミングを完全にズラされたが、敵にとっても薙ぐような『蹴り』の速度と軌道は想定外らしい。
もし突くような蹴りだったなら、回避され後ろに回られていただろうが――――今回敵が選んだのは『Uターン』だ。
減速すらないのは尋常な技ではないが、この『スケボーテクニック』もまたスタンドの産物という事だろうか?

           バシャッ

水溜りのやや後方まで下がり、落ち着きなく不規則に左右に身体を揺する。

「速い……ですが『荒ァい』……次は『対応』でェきます。何回目で『コカせる』か楽しぃみですネッ」

この攻防に目を白黒させているのは西園寺。彼の反射神経では『神速』同士の攻防は目で追いきれない。

                   「……なっ、何が起きたのか……まるで分からなかった……」

まるで少年漫画の世界だが、これはリアルだ。……今度は、硯の方から仕掛けに行く事が出来るだろう。


>>242(スミノフ)

≪……そうね、ここは硯君とイラムシと信じてみましょう。
 大通りと歓楽街はバスも通っているし、いざとなれば10分くらい、
 タクシーの数も多いし、もしかするともっと早く行けるかもしれない。
 向こうから来てもらう分にも、ね。人数の多さは『分散』でも生きるわね≫

≪アリーナと遭遇するのは、必ずしもいいことではないけれど…………
 私たちが知り得ない情報を多く持っているかもしれない。『虎穴』の故事ね≫

マナビからは同意を得る事が出来た。
この場所は――大通りと言える区画からそう離れてはいない。
向かう準備さえ出来たなら、すぐに到着する事が出来るだろう。

「サラミとチーズ、あとチータラなんかもありましたけれどぉ〜」

ちょうどママも帰って来たし、ややかわいそうだが勘定もしてしまえる。

(☆問題が無ければ次のレスで『大通り』方面へ移動します)

247『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/03(金) 00:00:19
【早見】
>>244(高天原)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【質問】
>・『冠』の『刳り抜かれた』跡と『古物店』の穴、それから一階の『防火扉』について
> 断面や、刳り抜かれた跡の形、穴の大きさなどについて、共通項はありますか?
> 特に、『刳り抜かれた』痕跡は円形ですか?

全て円形。大きさは異なる。それ以外で『観察した以上のこと』は分からない。

>・部屋内に、『冠』の『刳り抜かれた』跡のサイズや材質と近しい『中身』は散らばっていますか?

散らばっていない。

>・部屋内に、紙幣や硬貨は散らばっていますか?

古銭のようなものはあるが、直接的な『金銭』は見当たらない。

>・『冠』の材質は、目視でどれくらい分かりますか?
> 具体的には、『金属かどうか、また何の金属かの目星がつくか』『光沢はどうか』『厚さはどれほどか』分かりますか?

金属だが、何の金属かまでは分からない。
光沢は多少ある。フチの厚さは明確には分からないが、指でつまめる程度。

>・一階の『防火扉』および、『古物店』の扉の材質は、どれくらい分かりますか?
> 特に、金属かどうかは分かりますか?

どちらも『金属』だが、材質までは分からない。

>・『冠』の他に、部屋内に『刳り抜かれた』痕跡は見つかりますか?

ざっと見渡しただけではそれらしいものは無いが、探せばあるかもしれない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

穴から見える限りでは、こんなところだろうか。

「珍しいよね、僕も話でしか聞いた事はない猫だよ……ああ、向こうはもぬけの殻。
 物とかもほとんど無いし――――でも、占いの道具は置きっぱなしだったけど。
 商売あがったりで夜逃げって感じか、それとも後で取りに来ようとして、忘れてるか。
 猫に関係がありそうな痕跡は……特には見当たらなかったかな。食べかすとかもないし。
 下品なんだけどフンとかも見当たらないから、まだ長時間滞在はしてないのかもね」

そして、向こうはそんなところらしい。

「そっちはどうだった? 何か『糸口』になりそうな物はあったかな」

現時点では、推測の域は出ないが――――少しずつでも情報は集まりつつある。捕獲するなら、役に立つか。

248『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/03(金) 00:00:35
【音仙】
>>245(宗像)

               ザッ
                      ザッ

  「はい……」

               「分かりました、合流します……
                 それまでは待機願います……」

黒服の通話は、断片的にだがそのような内容だった。
そのまま雑居ビルを探し――――ビル自体はそれなりにある。
そしてたいてい、一つくらいは『客が来る店』を備えているゆえ、
上階まで登っても特に不審がられたり、呼び止められたりはしない。

            ァァァーーーーーーッ ・・・

ガラス越しの雨音は遠いが、いまだ止む気配はない。
街頭には人が減りつつある。今日は平日でもないし、突然の豪雨まで降った。
まばらな人影は傘を差しているか、慌てて走っているか、意に介さずと言った様子か。

黒服とパーカーは宗像がビルを上る間にも当然行動しているので、
一瞬見失いそうになったが――――いた。電話は終えたようで、
恐らくは今まさに動き出した、といったタイミングではないだろうか。

一旦全く無関係な動きをしたのもプラスで、これなら尾行にも気づかれにくいだろう。

249高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/03(金) 18:40:09
>>247

「こっちはちょっと『異様』ですね……」

 『猫の痕跡』。失念していたので、その辺はボカしておこう。
 それに、『スタンド』の仕業と思しき痕跡の報告が優先だ。

「中は、ひっくり返したみたいに散らかってました。
 品物だか置物だか……とにかく、いくつか割れて粉々ッス。
 ひと悶着あったのかも知れないですね……
 それに、『不自然』な痕跡もありました。十中八九『スタンド』絡みです」

「一階の『防火扉』、この店の『扉』も……部屋ン中の置物の『冠』にも。
 大きさはバラバラですけど、丸く『刳り抜かれて』ます。
 『刳り抜かれた』中身は、見つかりませんでした。
 能力の結果として『穴』が出来たのか、『刳り抜く』ことで何かをするのか……」

「その『猫』の能力なのか、他の誰のかもわかんねッスけど」

 自分の直感は、あくまで直感だ。自分の中でだけ留めておく。
 記者である早見には、事実のみを伝える。

「いずれにしても、此処にあるのは『痕跡』だけみたいッスね。
 上の階にも行ってみましょう……俺も、もう『スタンド』は出しています」

 そういうわけで、上階への道を探す。
 そろそろ何か出てきてもおかしくはない。
 自分たち以外のものが立てる物音には、常に気を配っておきたい。

250硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/03(金) 19:05:10
>>246

「ホラ、やっぱり怒っていたんじゃあないか。
 それに”灯篭の斧”だったけ。
 言葉の意味はよくわからないが、君は随分と博識なんだな。
 まるで”水を得た魚”だな」

 びゅおぉお

          ザムッ

空振りした『オーバードライブ』の脚で思い切り地面を踏み、
凄まじい速度で反転した『白人』を見据えると、
硯共々一直線に駆ける。

「言っている意味がわかるかい?
 わからないよな。俺も自分で何を言っているか解らない。けれども」
               ダッ!

「その『スケボー』を自在に操る様が、
 まるで『カラオケ』でアップテンポの曲を入れた時に画面に流れる
 ――『PV映像』みたいだなって事はわかる。
 ひたすら街を『スケボー』で滑走するやつなんだが、わかるかい?

 曲名はド忘れしたんだが、確か――『アジカン』の曲だった。
 『博識』な君なら知ってるかもしれない」


      ズアァァァァ――ッ!!!



「棘げェたつ心に響く鼓動ォ、
 君のインサァイッ!! 放つ一切ッ!!」

            「浮かぶ正体―ーッ!!」

唐突に歌い始め、『白人』を射程距離へと捕らえた瞬間、
『水溜り』に触れる事も厭わない『オーバードライブ』による
スライディング気味の蹴りを放つ。パス精BAE。
『白人』は壁を背にしている、ので『真後ろ』へと避ける事はできない筈。
この蹴りで敵の出方を伺う。

251宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/03(金) 19:07:18
>>248

まず、『黒服』の口調は『事務的』だった。
同業の『仲間』に対する連絡というよりは、
『上司』に対する報告のように聞こえた。
『フリーランス』ならば、そのような繋がりを持っている事は考えにくい。
それを考慮すると、『黒服』は『フリーランス』ではない可能性が高い。
つまり、『黒服』の所属は『アリーナ』か『残党』という事になる。

次に、『パーカー』の男だ。
もし『黒服』が『アリーナ』なら、こいつは『フリーランス』か『残党』だろう。
『黒服』が『残党』なら、『アリーナ』か『フリーランス』と考えるのが自然だ。
しかし、この男の行動は『残党』らしくはない。
外見だけで判断するのは危険を伴うが、
こいつが『犯罪組織』に関わっていたようには見えない。

仮に、『パーカー』が『残党』ではなかったとする。
そうなると、『パーカー』は『アリーナ』か『フリーランス』という事になる。
だが、こいつは『アリーナ関係者』にも見えにくい。
吾妻と比較すると、動きに粗が目立つからだ。
俺の勘では、こいつは『フリーランス』ではないかと思っている。

(先程の通話――どうやら仲間と合流する気のようだが)

雑居ビルの窓から外を見て、『黒服』の進行方向の周囲の地形と、
向かう先に建物があるかどうかを確かめる。
それからビルを出て、『パーカー』の尾行を再開する。
窓から大よその位置関係を把握しておけば、
ビルの外に出ても見つけやすいだろう。
『黒服』が『残党』だとすれば、いずれは排除しなければならない相手だ。
今の内に顔を覚えておけば、後々の『仕事』には役に立つ。

252スミノフ『デマーケイション』:2018/08/03(金) 21:22:35
>>246

「行こう」

「ごめん、ちょっと急用ができた。物事っていうのはすぐに変わるもんだな」

ここを出よう。

「あ、チータラかなんか持って帰れねぇか。金払うからさ」

一応猫の餌になるか。

253『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/03(金) 23:09:03
【早見】
>>249(高天原)

「一階には特に『人の痕跡』はなかったけど、不良でも無いなら、
 わざわざ痕跡を残したりはしないだろうからね…………
 もしかすると誰かが既にここに来ているのかもしれない、けど。
 猫に倒されたなら『血痕』の一つくらいはあってもおかしくないし、
 逆に猫を倒して捕まえちゃったならさっきの『鳴き声』は暢気に聴こえたし」

「飼いネコですら家の中を荒らしまわったりするんだし、その延長かもね」

「刳り抜くっていうのは……お金を生む、って話とは全然違うなあ。
 僕はスタンドに詳しくはないから、何とも言えないけど、
 お金を作るのと物を刳り抜く…………ちょっと関係が見いだせない」

             「『50円玉』……『5円玉』……うーん」

早見なりに考えてはいるようだが、彼にスタンドの推測は難しいだろう。
状況の整理も、現状では会っているのかどうか確かめるすべがない。
まあともかく高天原と早見は上階を目指す。迷宮でもないんだし階段はすぐ見つかる。

「よし、次で3階……外から見た感じそこまで無茶な高さじゃなかったし、
 もう半分くらいか、それよりもうちょっとは『踏破』したんじゃあないかな」

         「水でも飲む? 屋内とはいえ、熱中症は怖いからな……」

                  ……バタン

――その時遠くでドアの閉じる音が聞こえた。上ではない。横でもない。これは、『下』だ。
鳴き声というあいまいな基準の音ではなく、日ごろから聞く無機的な音だからこそわかる。

                          ……下階に、誰かが入っている。

254『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/03(金) 23:09:18
【音仙】
>>251(宗像)

推測と観察を続ける宗像――――方向を見て、尾行を再開した。
そちらの方角は一軒の店よりは雑居ビルが立ち並ぶ地区であり、
猫がいそうな建物を探す宗像の目的にも即していると言える。

       「……」

                「…………」

――――やがて黒服は『廃ビル』の前で、数名の『別の黒服』と合流した。
そしてそのまま建物に入っていく。パーカーの男は、それを追って動くだろうか?
 
          ザァ ァァーーーーーー ・・・

少なくとも今すぐ動き出す様子はない。『誘いこまれている』可能性もあるし、
迷っているのかもしれない。……宗像には当然気づいていないだろう。どうするか。

255『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/03(金) 23:13:49
【フリー】
>>250(硯)

駆ける硯に対して、敵は――――止まらない。向こうも『前進』だ!

「怒りはもう冷めたから、ノープロブレムね!
 それとアナタは言葉アソビが好きィみたいですが、
 ワタクシは違う。『行動』で示すタイプでぇす。
 それでもこうして話してあげているのは、
 ワタクシの方が『上の世界』であることの証明でしかなァい」

「そしてワタクシ、カラオケであまり『JPOP』入れませんから、
 アナタが言ィってる意味はよくわかりませェんが――――ともかく、
 しょせんあなたはワタクシと言う『大魚』に飲まれる水でしかなァい!」

            「これ即ち『水魚の交わり』でェす」

    バシィッ

                  ピョンッ

駆け寄り水溜りを突っ切っての『スライディングキック』に対し、
白人が取った行動は――――なんと、前進からの『ジャンプ』だ。
テコの原理と足の動きによりボードを浮かせ、ボードごと跳ねる。

「『ゼロフリクション』――――ワタクシのボード捌きで、『最ィィ強』ッ」

                 ヒュバァアッ!!!

それにより蹴りを飛び越え――――『前』に避けた。
水溜りに触れるほどの地を這う蹴りが今回は仇となったか。

敵の動きは『オーバードライブの』蹴りの速度に及ぶものではないが、
それを放つための間合い詰めに『前に駆ける』硯の動きは人間の速度。
それを見てからトリックを決めるだけの『速度』と『精度』が敵にはある。

               ギュ
            ル
                   ン

さらに――――跳ねて終わりではない。回転だ。空中で『横回転』する。
この曲芸じみた挙動を、スケートボードの世界においてはこう呼ぶ。

   「『フロントサイド180オーリー』ッッ!」

           ヒュバァァッ

               「斬り返し、今させェェェていただきマス!!!」

これはすれ違いざま『エイ』の『ヒレ』により硯の左の横腹を『斬り付ける』軌道だ。
エイのヒレに斬撃性があるかどうかは不明だが、言動、そして動作がそれを想像させる。
速度は『そこそこ速い(スB)』程度で隙もあるが、『RXオーバードライブ』は今、滑りこんでいる。

「あっ……! 危ないッ」

          ダッ

一手遅れて西園寺が駆けだしたが、明らかに間に合わない。追撃を防いではくれるかもしれないが。
 
                              ――――動ける余地はあるが、どう対応する?

256『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/03(金) 23:14:02
【フリー】
>>252(スミノフ)

「ええェ〜、そうですか、また近いうちに来てくださいねえ?
 あ、チータラ? それじゃあ料金に含めておきますから、はいどうぞ」

            ガサ

「ありがとう、ママさん。また来るかもしれないわ」

簡素な袋に入れた上で、コンビニで売っているチータラを渡された。
餌にはなるかもしれないし、捜索の合間の間食にも悪くないだろう。
特に何も無いなら、支払いは『経費』を管理するマナビが済ませてくれる。

――――いずれにせよ、外。

行きかう人間は減っている。

          ザァァァーーーーーーーーーーー ・・・

≪……さて、タクシーでも呼びつける? 『経費』で下ろせるけど≫

≪バス停の位置も一応知っているし、徒歩でもいけない距離じゃないわよ。
 まあ、バスは……何か見つけてもすぐ降りられないし、お勧めしないけれど≫

雨がまだ上がってはいないからだ。徒歩で向かうならば、それなりに厳しい道のりになるか。

257硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/04(土) 00:03:27
>>255


  「ッ!!」


空中で華麗なトリックを決める『白人』、
思わずお面の下で『ギョ』っとする。


「…これが『戦い』ってやつか。
 華麗だ。流石、『大物』を自称するだけの事はある。
 これはちょっと参ったな。絶望だ」

「否」


迫る『白人』と『オーバードライブ』を視界に捕え、


「まだ折れてないだろう」


上に飛んで避けられるのは流石に想定外だったが、
わざわざスライディング気味に飛んだのには『狙い』がある。
硯の一歩先、低空姿勢で蹴りを放つ『オーバードライブ』、
体勢の関係上、拳に備えた2つの『車輪』は床に触れる事になるだろう。
蹴りの途中で、両脇をグッと締めさせ、
まるで『ウォータースライダー』を滑るような姿勢を取らせ


      ――ギャルギャルギャルギャルッ!!

         ――ギャルギャルギャルギャルッ!!


拳の『車輪』に『全力』での『回転』を『逆』に命じる。
>>24メル欄:tumover,fuliirotaing=転倒、フル回転)
『オーバードライブ』と同等の速度、かつ逆方向に回転する2つの『タイヤ』は、
『オーバードライブ』の動きを止める所か勢い余り、
一瞬浮き、その装甲車のような像を『バック』させるだろう。
そして、『車輪』の回転と同時に――


        「俺も、今そっちに『飛ぶ』。
         短い距離になってしまうがな」


      メゴォ!!!  ドバッ!!!


獣と同等の『オーバードライブ』の膂力を用いて、
コンクリートの地面を、その両の脚で思いきり『踏み蹴り』ッ!
車輪の回転+パワーでヴィジョンを『白人』目掛け飛ばしッ!(パス精BAE+車輪の速度A)
空中で余裕こいてる『白人』めがけ『人間魚雷』もとい『スタンド魚雷』を放ち撃墜するッ!
(やはりこの場合『精密さ』がネックとなるが、
『オーバードライブ』の像の射程距離は『1m』と短いため
明後日の方向へ行こうとしても空中で留まるだろうし、
2つの『車輪』を使う事である程度の『安定性』を与える)

258硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/04(土) 00:12:31
>>257
蛇足だが硯自身は巻き込まれないように姿勢を低くしておく

259高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/04(土) 00:33:03
>>253

「あァー 『刳り抜かれてる』つながりッスか……」

 『5円』と『50円』。
 自分には無かった着眼点だ。
 現代の貨幣に関わらず、日本の古銭には『穴あき』が多い。
 『スタンド』の推測はともかく、考えるきっかけとしては頼りにしたい。

(貨幣の製造過程じゃあ、『圧穿』なンてのもある……
 あとはアレ、『レールガン』つったっけか、あの『ラノベ』の……)

 あくまで、頭に留めておくのみだ。
 3階への道を進む。


>                  ……バタン


「……いえ、水はまだ要りません。外は雨です、多少は気温も下がるし。
 それより急ぎましょう、早見さん。俺ら、ちょっとゆっくりしすぎたかも」

 背筋に怖気が奔る。
 退路の安全が脅かされたのだ。
 来たのは『猫』を狙う人物か、不良や浮浪者か、それともまた別の何かか。

 『クラクション』を鳴らしていた。
 『クラクション』は、誰かに何かを気付かせる目的で鳴らすものだ。
 二人以上の可能性もある。

「先に行っててください。ちょっとだけ細工します。
 ケータイの俺の番号、すぐ鳴らせるような状態にしといてもらえますか」

 一階から二階へは、あの『穴』を通らなければいけない。
 扉を閉じる音は、おそらく車のものだろう。
 来訪者と鉢合わせるとしても、まだ時間の余裕はあるはずだ。

 携帯を手に取り、閉じられた『古物店』、その穴の中に手を伸ばす。
 そして、手前側、すなわち扉側の壁に立てかけるようにして、自分の携帯を置いておく。
 穴から覗き込んでもちょうど死角となるが、手を伸ばせば届ける場所に。

 それが終わったら、早見の後を追い、三階へ急ぐ。

260宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/04(土) 00:37:15
>>254

(『廃ビル』か。確かに『野良猫』が潜り込みそうな場所ではあるな)

(そして――『残党』の潜伏先としても違和感はない)

万が一ここに『カーバンクル』が潜伏しているとすれば、
『黒服』に先を越される事になるかもしれない。
そもそも、奴らが合流した理由は何か。
単に連絡をするだけなら電話で済む。
その為だけに集合するのは時間の浪費だ。
あるいは、『カーバンクル』の手掛かりを発見したから集まった――
という見方も出来なくはない。

(少なくとも、集まる必要がある『何か』はあった筈だ)

『黒服』の素性や動向を確認したい所だが、
正面から堂々と入っていく気にはならない。
相手は複数いる。
そいつら全員が敵性のスタンド使いだった場合、
まず勝ち目はないだろう。
『アリーナ』には話を通してあるから、
見つかったとしても大きな問題にはならない。
だが、『残党』だった場合のリスクを無視する事は出来ない。

(あの男が入ってくれるなら、俺にとっては都合が良いが――)

このまま『パーカー』が『廃ビル』に踏み込めば、
俺は見物しているだけで情報を得られる。
しかし、そう簡単に事が運ぶとは考えていない。
ひとまず、今は待つ。

俺としても余り長く留まる気はないが、
この『パーカー』の男が仲間を呼ぶ可能性もある。
こちらから行動を起こすのは、それを確認した後でも遅くはない。
そういえば、『黒服』の仲間は全部で何人程だったか思い出せるだろうか。

『藤原しおん』は、
『アリーナ』から来ているスタンド使いは数名程度だろうと言っていた。
『黒服』の人数は、その範疇に収まる数なのかどうかを確かめたい。
もっとも、『アリーナ』に所属する一般人かもしれないが。

261スミノフ『デマーケイション』:2018/08/04(土) 01:02:04
>>256

持ってきていたスミノフを飲もう。
さすがに飲み屋では飲めないし、今がタイミングだろう。

「タクシーがいいだろう」

「歩きなど猫を見つける可能性は高いけど、その分時間がかかる」

「とりあえずそれっぽい猫とか、関係筋っぽい人間を見つけたら止めればいい」

「でなけりゃ、表通りのどっかで止めてもらえばいいよ」

262『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/04(土) 23:47:43
【フリー】
>>257(硯)

      ――ギャルギャルギャルギャルッ!!

         ――ギャルギャルギャルギャルッ!!

――――『RXオーバードライブ』の車輪が地に食らいつき回る。
車輪はモノを進めるためにある。ゆえに『推進力』にもなるッ!!

「ハァーッハッハッ………これが『世界』ッ!
 初めての『リアル』で三枚おろしにハアアァァァッ!?」
 
                  ズバシュ

白人の『ゼロフリクション』の刃は硯を浅く斬ったが、軽傷の部類だ。
あの危機的状況から軽傷で済んだのは、『迎撃』が間に合ったから。
回避しようと不自然な動きをした敵は、攻撃に失敗し、回避にも失敗した。

これ即ち、『二兎を追う者は一兎をも得ず』の教訓である。

「ぜ、ゼッ『ゼロフリクショ』」

              ドゴォ
                ォオオッ!!!!


                 「ゥウッガァァァッ!!?」

                      ドシャァッ!

硯の編み出していた打開の策、『スタンド魚雷』は宙を舞う怪魚を見事に撃墜した。
圧倒的な速度と破壊力に加え、空中で体勢を崩された敵は硯の後方に勢いよく転がる。
尤も、『RXオーバードライブ』は今の動作で即座の追撃には移れない状態だ。

「…………今投降すれば『再起不能』にはしないぞッ、『エクリプス』野郎!」

倒れているが明らかに『気絶』はしていない敵に西園寺がやや距離を取り、威嚇する。

         「…………やッ」

                      「やッ…………」

「野郎がッ…………! 『敵ながらアッパレ』………………なわけがなァいッ」

余裕の失せた呻き声と共に、白人が雨に濡れた壁を背にヨロヨロと立ち上がる。まだ動けるようだが、
此方の『精度の低さ』ゆえに『完全には入らなかった』のか。だが、そう体力も残っていないだろう。

               ヴヴヴ

また携帯に連絡が着ているようだが、さすがに今それを確認していられる程は『余裕たっぷり』でもないか。

263『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/04(土) 23:48:18
>>261(スミノフ)

≪そうね、この時間とは言え歓楽街。タクシーはすぐ見つかるわ≫

             ≪ほら、あそこに≫

スタンド『ペインキラー』を脇に抱えるようにして、
マナビの空いた手が指さす先にはなるほどタクシーが一台。

≪一応、『アリーナ』の職員らしき人間がいたら私もわかるかもしれない。
 以前その筋で仕事を受けた事もあるから――――もっとも、あそこは大所帯。
 知った顔以外で判別するなら、この雨天でも『サングラス』を外さない人間ね≫

        ≪これは、一部の派閥かもしれないし噂だけど。
         スタンドが見えるサングラスやメガネを持っているそうよ≫

そうして――――二人はタクシーに乗り込み、『大通り』方面に向かう。

「…………このあたりでそろそろ大通りですが、どうしやす?」

      ヴヴヴ

タクシーがちょうど大通りに差し掛かったころ、『イラムシ』からの着信アリ。
現状道端に明らかな不審人物などはいない。なお、現在車は信号で止まっているところだ。

264『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/04(土) 23:49:45
【早見】
>>259(高天原)

「そう、だけどそれならその『冠』とかがお金になってるはずだし、
 そもそも『50円玉』を作るためにいちいち物を壊しちゃうなんて、
 もしそれで儲けられるとしても、ちょっと気が長すぎると思うんだ」

     「――――っと、今の音。そうだね、ここは『急ごう』か。
       分かった。先に三階に上っておくよ。ヤバそうなら叫ぶ」

   タッ

早見は階段を早足気味に登り、先に三階へと踏み入った。
携帯の準備の方も、恐らくは問題ないだろう。
その間に高天原はこの階で『準備』を済ませておく。
古物店の穴は入り口となっていた穴よりも相当狭く、
ネコくらいしか通れないサイズ。隠し場所には適している。

連絡手段である携帯電話を捨ててまで備えるその『策』の正体は不明だが――
同時に、一階の方からわずかに聞こえる(床が薄いのか?)声の主もまた不明だ。

       タタッ

そして三階に足を踏み入れた高天原が見たのは――――――

           『キラ』

                       『キラ』

「……………これ、は」

廊下にまるでジャリのように散らばる小ぶりで色の悪い『宝石』の数々と、絶句する早見。

                            ……

                                ……

           ・・・下階からはわずかに話し声こそ聞こえるが、
               今すぐ階段を駆け上って来るような様子はない。

265『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/04(土) 23:52:21
【音仙】
>>260(宗像)

廃ビル――――人の入ったような気配は、この位置からでは見えない。
窓こそあるがやや曇っており、人影などを確認するにも距離と雨が悪い。

                ザッ
                      ザッ

今まさに入っていく黒服の数は『四人』で、あれが全員スタンド使いでもつじつまは合う。
もしもアリーナの人員であれば半分味方なのでこれほど頼もしい事もないだろうが、
彼らのうちだれ一人、目に見えるようなスタンドを見せないのは『違うから』とも思える。

            ザァァァーーーーーーーーーーー ・・・

「…………チィッ」

その様子を物陰から眺めていた『パーカー』はやや焦燥した様子で、スマホでどこかにメールしている。
電話を使わないのは緊急性より、『追う側』としての『隠密性』を優先した形、という事になるだろうか。

                      ――――その時。

     『バシャ』

              「…………」

遠眼にビルを見ていた『宗像』だからこそ気付いた。
そのビルの――――『バルコニー』と思われるスペースに、唐突に『現れた』女に。

          ザァァァァァ 
                   ァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーー・・・

少なくとも、ビルに入り終えた四人の黒服はそれに気づいていない。パーカーの男もだ。
気付いたからと言って、この距離で何が出来るわけでもないが――女は男達を見下ろしている。

                                 ・・・視線からして、宗像には気づいていない。

266宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/05(日) 01:39:36
>>265

(これだけの人数が一ヶ所に集まる――偶然ではないな)

こんな廃ビルに用事がある人間など、まずいない。
『特殊な背景を持つ人間を除けば』だが。
ここから観察する限り、
『黒服』と『パーカー』と『女』は別々の勢力に属しているように思える。
そして、俺が所属するのも別の勢力だ。
俺の見方が正しければ、今この場には四つの勢力が混在している事になる。

(いや、まだ動くには早い)

状況に目立った変化がなければ、こちらから動く事も考えていた。
しかし、新たに『女』の存在が浮上している。
そして、あの『女』が『残党』である可能性は少なくない。
恐らくは、これから何かが起こるのだろう。
具体的な行動に出るのは、それを確認してからでも遅くはない。

(あの『女』――『残党』か?)

現在地から分かる範囲で、
『女』の顔立ち・背格好・服装・大よその年齢を確かめる。
そして、引き続き観察を続行する。
今は傍観に徹し、より有利な立場から情報の収集に専念する。

267硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/05(日) 10:25:34
>>262

「『天晴』じゃあない『曇天』だ。
 『不良』の癖に素手で喧嘩せずに
 『こんなもの』に頼るなんて、最低だ。
 ――君も、そう思わないかい?」

           スゥゥン

『車輪』の回転を止め、立ち上がり一度態勢を整える。
『オーバードライブ』を体に重ね、倒れている『白人』を見下ろす。


「――随分と『安酒』に『悪酔い』したみたいだ。 
 『水』も滴る良い男になってるじゃあないか。
 俺は今からそんな良い男をボコボコにぶん殴って、
 顔面『皆既日食』にするかもしれないが、そこの所どうだい」


      ――ギャルギャルギャルギャルッ!!


再度、『オーバードライブ』の右拳の『車輪』を全力で回転させ、
立ち上がった『白人』目掛け殴りかかる(パス精BAE+車輪)

268スミノフ『デマーケイション』:2018/08/05(日) 23:34:43
>>263

「マナビちゃんのそれかっこいいよな」

『ペインキラー』のことを言っているらしい。
話を聞いているのかいないのかいまいち分かりにくい。

「あぁ、そろそろここで……あ、待ってくれ」

「電話だ」

タクシーの中で電話に応対する。
もし戻らないと行けなくなった時にすぐ動けるようにだ。

269高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/06(月) 20:45:34
>>264

 話し声や雑音が僅かでも聞こえるのは幸いだった。
 相手の人数も目的も不明だが、先に警戒が出来るというのはアドバンテージだ。
 下からの物音は聞き逃さないように、―――――

「なんっ」   「だ、これ」

 『宝石』。
 目に入ったあまりの景色に、思考も寸断される。

「……、昔のゲームの『BONUS STAGE』かよ」

 『スタンド』を知らなければ、そのまま目を奪われていたかもしれない。
 いくらなんでも異常だ。
 時間があれば、『宝石』もじっくりと観察するのだが・・・

「早見さん」
「出来るだけ『宝石』には触れないで……そのまま、次の階を目指してください」
「本命は、こっちかもしれません」

 小声で呼びかける。
 下の階から音が聞こえているというのなら、逆もまたそうなる可能性がある。

 それにしても。
 こちらの『宝石』が、『金を作り出す』猫の真価なのだろうか。

 だとしたら、先ほどの『刳り抜かれた穴』は何なのか。
 同じ能力の延長線上か、それとも関係ない第三者の『スタンド』か。
 いや、そもそも本当に『スタンド』の仕業なのか。
 まったくの偶然で作り出された状況だという可能性は無いか。

 答えは出ない。推測に時間を費やしている暇が惜しい。

 今一番はっきりとしているのは、『下から誰かが来る』という事実。
 そして、時間を稼ぐのは、自分の役目だ。

「ちょっと先行っててください。すぐ追っかけます」

 タブレットを取り出し、アプリを起動。
 下の階から上ってくる『足音』が聞こえる位置に陣取る。

「タブレットから、『LINE』で先輩のケータイにメッセ入れるんで……
 そしたら俺のケータイの番号鳴らしてもらえますか。一時しのぎにしかならねーだろうけど」

 携帯の着信音が鳴り響くのは、下の階だ。
 不審者の存在を演出する。

「鳴り続けるっつーのも不自然だから……『3回』。
 『3回』コール音をさせてから、切ってください」

270『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/07(火) 03:04:57
【音仙】
>>266(宗像)

偶然か、何かあるのか、スタンド使いの世界には奇妙な『天運』も多い。

      ザァァァーーーーーーーーーーーーーー・・・

女は目が細く、髪は後ろで括っていて、黒いレインコートを羽織っていた。
コンビニで3桁の値段で売っているビニールコートではない、本格的な物だ。
あれならば屋根のない簡素なバルコニーでも、身体を冷やす事がないだろう。
背丈は170cm手前と言った所か――――顔立ちは、フードに隠れ良く見えない。

                     キョロ

         キョロ

その女は『周囲を見渡す』様な動作を続けていた。
手には小さな望遠鏡らしきものがあり、それを覗いていた。
宗像のことも視界に入っていてもおかしくはないが、
ビルに向かって携帯を弄るパーカーよりは目立たないだろう。
少なくとも、今向こうから何かアクションをしてくるわけではない。

                    『バシャ』

しいて言えば、一つ上の階の『バルコニー』に『瞬間移動』したことくらいか。
今の階層は『3階』だが、高くなればなるほど当然『視野』は広がり……『瞬間移動』?

                    ――――あまりにも、『前触れ』が無い。

271『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/07(火) 03:09:12
【フリー】
>>267(硯)


            「ペッ」

      「ゲホッ」

              ダンッ


                      「グフ」

血の混じった唾を吐き捨てながら、白人は地を蹴り後ろに退く。
それは前方から迫る『硯』から逃れるためだが、後ろは――――壁だ。

    『キシャァァァァーーーーーッ』

            バシュゥゥゥゥッ!!!

     ――『壁に退き』、そのままボードが『壁面』を滑る(スA)

「――――こォ……んなもの? ハ! 『スタンド』は心の刃でェす。
 拳に頼るのが硬派というのは、島国の『ガラパゴス』な考ェえ方ですね」

     「それとッ勝った気でいるよぉぉウですがッ」

           「今日の空は『血の雨』以外にありませェェーーーンッ!!」

    バシャァァァーーーーーーーーーーーーッ!!!

重力も何もあった物じゃあない。まるでハーフパイプを駆けるように、
壁を濡らしていた雨滴を、その軌道で豪快に撒き散らしながら――――
この男は壁を後ろ向きに『滑り登って』オーバードライブの攻撃を皮一枚で避ける。

だが、本来なら攻撃と一体として放たれるであろうこの動きは、拳を回避するので精一杯。
正しくは今から攻撃の動作に移るのだろうが、少なくとも今は、ただ、『壁を滑り上っただけ』だ。

                     ――――この場から逃げでもしない限り、『滑れる先』は多くない。

>>268(スミノフ)

「そう? そういわれるのはやぶさかでもないわね。
 特別『サバゲー』や『FPS』が好きと言うわけでもないし、
 自分の『精神の型』が『銃』と言うのは昔けっこう驚いたけど」

着信という言い方がややこしかったが来たのはメールだった。
内容は簡潔だが――――それなりの『意味』を感じさせる。

『アリーナらしき人間が仲間を呼んで現在4人。
 歓楽街の廃ビルの中に侵入。現在ビル前で待機中』

地図アプリの座標も添付されている。歓楽街、表通り寄りの場所だ。
タクシーの運転手は特に何を言うでもないが、彼も仕事なので言えば戻ってくれるだろう。

もちろん、表通りを探索するなら――――それはそれで、何かしらの『意味』はあるはずだ。

272『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/07(火) 03:10:35
【早見】
>>269(高天原)

観察しない範囲で分かる事は、形状にある程度の類似性がある事だ。
円形――――というよりは球形を平たくした、といった趣だろうか、
ともかくそれだけはパッと見た範囲では一致しているように見える。

「…………分かった。階段を登ったらそこで待っておくよ。
 いくら何でも、この宝石を持ち帰ろうなんて思いはしないさ」

             ササッ

                「『3回』だね」

早見は足音を殺し、階の奥へと探索を始める。すぐに
対して高天原は――――この階に残り、『時間稼ぎ』を買って出る。

                 ……

                       ……

声や足音は常に――――ではなく、僅かに、途切れ途切れにだが今もある。

            ザッ …

まだ『2階』にまでは足を踏み入れて来ていない。あの通り辛い防火扉のせいか、
あるいは『上の階に向かう』のを優先していた高天原達とは異なる目的でもあるのか。

273宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/07(火) 22:11:34
>>270

(あの『レインコート』は安物ではないらしいな)

予報では、天気は『晴れ』だった。
それにも関わらず、あの女は『レインコート』を着込んでいる。
まるで、雨が降る事を『知っていた』かのようだ。

何処でも売っている安物なら、まだ分からなくもない。
しかし、女が着ているのは、それなりに値が張る代物だろう。
あんな物を事前に用意しているというのは、余りにも準備が『良すぎる』。

(奴が『雨を降らせるスタンド使い』ではなさそうだが、
 少なくとも『その仲間』か――)

(いずれにしても、『残党』の一味である事は、ほぼ間違いないようだ)

レインコートの女が『残党』であるなら、黒服は『アリーナ』か。
そう考えると、
やはりパーカーの男は『フリーランス』と判断するのが妥当のようだ。
まだ確定した訳ではないが、その解釈が理に適っているように感じる。

(まだ俺の姿を見られてはいない)

(まずは敵の『能力』を見定め、あの廃ビルに近付く機会を待つ)

実の所、『カーバンクル』を確保してから『残党』と戦う腹積もりだった。
こちらが『カーバンクル』を握っていれば、
向こうの動きを制限する事が可能になるからだ。
しかし、ここで出くわしたというのなら、
今この場で『仕留める』道も考えに入れる事にする。

傘は畳み、物陰に隠れる。
雨に濡れる事になるが、傘を差していると見つかりやすい。
そして、女の注意が逸れる時を待つ。
僅かな隙を見つけて、廃ビルへ接近するつもりだ。
その為に、身を隠せる場所を探しておく。

廃ビルには既に黒服が侵入し、パーカーの存在もある。
状況に変化を齎す要因には事欠かない。
そう遠くない内に、何かしらの変化が起こると踏んだ。
最悪パーカーの男には見つかっても構わない。
明確な敵にさえならなければ、俺の『仕事』に大きな問題はない。

(あの『瞬間移動』――もし自由に出来るのなら厄介だ)

女が瞬間移動なら、雨を降らせているのは別人の可能性が高い。
そいつが、今あのビルの中に潜んでいるかもしれない。
『残党』が複数だった場合は、こちらが不利になる。
『ノコギリザメ』と『アヴィーチー』で二人までなら対応出来なくもないが、
一人に攻撃を集中させる方が有利なのは言うまでもない。
今は可能な限り身を隠し、ビルに接近する機を窺う。

274硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/07(火) 22:12:32
>>271

「やはり、か」

寸前で『オーバードライブ』の拳を交わされたが、
正直な所あまり驚きはない。
顔をあげ、冷静に『白人』との距離を見極める。

「やはり『エイ』は『水』を泳ぐのか。
 ≪ピーッ!≫を『インサート』する為に『エイ』な訳がないよな。
 薄々はそうなんじゃあないかと思ってたんだ。
 別に、こんなもの後から言ったもの勝ちなんだが」


  
              ギャルギャルギャルギャルッ

                     ≪カラカラカラ…≫ ガコッ

足元に『木材パレット』が落ちているのならば、
『白人』から視線を外さずに、
『オーバードライブ』の片手でひょいと持ち上げる。


「別に勝ったつもりは微塵もないんだ。
 お互いに危険な領域に突入しているというのも理解している。
 
 見た所『高速移動』にはある程度の『水』が必要だと推察したのだが、
 ひょっとして今君が散布した水も使えたりするのかい。

 ――何にせよ、凄く怖いな。
 とりあえず君の『心の刃』を見せてくれないかい」


男の挙動を注視し、攻撃に備える。

275高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/07(火) 23:26:42
>>272

 『刳り抜かれた穴』の跡が一致していること。
 散在する『宝石』の形状が一致していること。
 共通項となり得るだろうか。いずれにしても、特徴を見て取れたのはよかった。

(……来ねェな)

 近づいてくる足音が絶えず聞こえていたのなら、相手の目的は上階にあるのだと分かる。
 そうではないということは、向こうも『探している』のだろうか。

(やっぱ早見さんを追うか……?)

 即座の足止めの必要がないとなれば、次に気にかかるのは彼の安否だ。

 『金を作り出す』能力とやらに暴力性は感じなくとも、早見はあくまで一般人。
 猫は、『スタンド』を使う。
 心得のある人間とはいえ、生身の力でどうにかできるとは思えない。

 下階の仕掛けは、少しの間の足止めにはなるかもしれない。
 しかし発動させたらその時点で、自分たちという部外者がいることは伝わる。
 死角に隠した。起動のときも、電話やメールにもロックをかけてはいる。
 それでも万が一見つかって、ロックも突破されれば、個人情報の塊だ。

(……クソッタレ、『やっちまった』ことにだけは頭が回る)

(後悔なんて何の役にも立たねェーって分かってんだろ、今気付いたとこからやンだよ……!)

 廃墟なら、携帯の着信音も響くだろう。
 気付かせるなら、『三階に上らせてから』だ。
 携帯の正確な位置だってバレにくくなるし、運がよければ二階に一旦戻ってくれるかもしれない。
 そして、『相手が下の階に上ってきたかどうか』は、その上の階にいても分かる。

 手近な宝石を二つほど掴み、手早くカーゴパンツのポケットに突っ込む。
 その後、可能な限り音を立てないように、早見を追って上の階に向かいたい。

-----------------------------------------------------
【質問】
・下の階からの足音の多さや、会話などから、どれくらいの人数かは把握できますか?

276スミノフ『デマーケイション』:2018/08/08(水) 00:09:39
>>271

「……マジかよ。行った来たりで忙しくなりそうだな」

「っていうか、俺だいぶ出遅れてるか? やべーな」

メールをマナビに見せておこう。
彼女の所にも来ているだろうが一応だ。

「マナビちゃんどう思うよ。俺は行くべきなんだと思うが」

「ようは、仲間を呼ぶほどの状態って事なんだろ?」

彼女も行くのに同意してくれるならそのビルに行ってみよう。

277『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/08(水) 23:07:30
【音仙】
>>273(宗像)

宗像は推論する――――情報のアドバンテージでそれが出来る。
 
                 バタン

       ササッ

物陰……付近のちょっとした『街路樹』の影に隠れ、
宗像はあくまでも女の注意が逸れる瞬間を待とうとする。
周囲には他にも数本の街路樹がある他、路肩の違法駐車や、
ビルの付近に存在する他の建物、より近くならビル入り口の柱の影。

              『バシャ』

「……………………」

女は再び立ち消え、雨に打たれながら『4階バルコニー』に現れる。
パーカー男はメールを打ち終えた携帯を握り、やはりまだ動く様子はない。
人を呼んだのだとすれば、ある意味当然とも言えるが……『まだ動きはない』。

                    ジロ…

だが――――女の『双眼鏡』が『パーカー』から、『宗像』に向いているのを感じる。
雨が降る中で『傘を閉じる』のも『見つかりやすい』動作だ。物陰に隠れたのが幸いし、見つかってはいない。

             ザァァァーーーーーーーーーー  ・・・

雨は降り続けるばかりで、強くなることも弱くなることもない。この膠着状態は何かが起きるまで崩れそうにもない。
女の目的は不明だが、少なくとも現状で『パーカー』や『宗像』に何か攻撃を仕掛けてくる、と言った様子もない。
あるいは攻撃をしていいのかどうか決めかねている、と言う可能性もあるが――――これ以上は想像の範疇を超えない。

278『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/08(水) 23:08:48
【フリー】
>>274(硯)

            ガコッ

木材パレットを拾う事は出来た。
とはいえ『オーバードライブ』の精度で、どこまで扱えるか。
投擲は言うに及ばず、振り回すだけでも命中性に不安が残る。

「お見せェ致しィィィィィイイイイましょうッ」

              シャバァ
                  ァァッ!

「『ゼロフリクション』の『水上滑走』――――その真ン髄!
 使えるのはッ! ただの『スケートボード』テクだけじゃナァイ!」

       「そこがニホンの猛暑の田舎町でも」

            「ワタクシのための『ハーフパイプ』がァァアるッ」

倉庫の壁――――その限界点であるフチに達した『スケボー乗り』の白人は、
まるで『冬季五輪』の『スノーボード競技』の如く、宙へと舞い上がる。

終わりではない。異常速度を残したまま空中で回転するそれは『処刑刃』のように、
地上で待ち構える『硯』の身体を切り裂くべく『着地』の軌道を描いて落ちてくる(スB)
自由落下でありながらこの速度は、硯の読み通り空間にまき散らした『水滴』所以か。
流石に安定した『道』がある地上のように、『神速の域』には達せないようだが、

いずれにせよこれは―――――

        「『キャブ・ダブルコーク1080』ィィィーーーーーーーーッ」

                        ギュルルルルルルルル!!!!

原型をとどめない完全な『殺人スケートボード』の技として、
回転刃が硯に、右斜め上方から『袈裟斬り』の如く刻一刻と迫る――――!!

279『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/08(水) 23:09:15
【フリー】
>>276(スミノフ)

「行くのを支持するわ。大通りに行けば完全に『新しい』情報を得られるかもしれないけど」

              「イラムシのところにも新しい情報はあるはず」

合意が成った以上、スミノフないしマナビがタクシー運転手に地図を見せ、
一同は現場へと急行する事になる。逆戻りではあるが、少なくとも大通りで騒ぎなどは無かった。
本命の大通りを放置して全員で歓楽街を探す、といった状況にならずに済んだのは十分な働きだ。

「確かに情報収集では一手遅れたけど、私は『捕獲』の、
 そしてあなたは多分『戦闘』の専門家でしょう?
 ……『尋問』のたぐいを仕事にしているイラムシが、
 情報収集で働くのはむしろ『当然』と言えるかもしれない」

        「――私達の仕事の本番は、『ここから』ということよ」

復路は空いており、もうすぐにでも歓楽街に帰る事が出来るだろう。
幸いにして提示された座標は『元いた位置』から向かうのとそう変わらない距離だった。

                          ブロロロロロ…

「次の信号のあと、すぐのビルですねぇ……廃ビルですが、よろしかったですかい?」

「かまわないわ。信号で止まったら、そこで下ろしてもらうかもしれないけど」

もうじき、『修羅場』が見えて来る頃だろう。空は不穏な気配を代弁するかのように、雨を降らし続ける。

280『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/08(水) 23:10:16
【早見】
>>275(高天原)

侵入者たちが何らかの集団だとすれば――――指示を待っている、と言う可能性もある。
何者かもわからない現状かなり『不明点』は多いが、ともかく高天原は行動を続ける。

                ジャララッ

宝石をポケットに突っ込み、足音を殺して上の階へ。
特に違和感はなく、重さも見た目通り。普通の『宝石』だ。
それが此処にあること自体が、普通ではないのだが。

        ザァァァーーーーーーーーーー ・ ・ ・

その途中、ちょっとした『ラウンジ』のようなスペースを通過した。
最早今となっては殺風景で、椅子等の調度品も片付けられているが、
窓に設けられた『バルコニー』の存在も、このビルの『過去の理想』を思わせ、
 
                     『バシャ』

…………今、バルコニーに『女』がいた。

背を向けて立っていた。こちらには気付いていなかった。そして、『消えた』。
分厚いレインコートを着ていて、結んだ黒髪が雨に打たれるがままだった。

                   ・・・今はもう『消えた』。

階段はすぐそこだ。階下の声や足音は……一旦静まっていたが。

             ダン
                 ダン

これは、階段を上る音だ。どうやら『2階』へと上がって来たのだろう。迫る謎と、新しい謎。
全てを解き明かす必要はないかもしれない。少なくとも階段の上から顔を覗かせる『早見』は無事そのものだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>・下の階からの足音の多さや、会話などから、どれくらいの人数かは把握できますか?
一人や二人ではないのは確実。よほど無口なやつがいないなら『五人』も超えないと思われる。

281宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/09(木) 22:03:43
>>277

(あのレインコートの女が移動しているのは、さっきから『縦方向』だけだ。
 まるで、『見えないエレベーター』に乗っているかのような――)

あるいは、『上下の移動』しか出来ないのではないか。
それが、女の能力に対する現時点における俺の推測だ。
即座の断定は危険を伴うが、可能性は少なからず存在する。

(だが――これ以上は不毛だな)

待つ姿勢を続ける事は、時間の浪費だと判断した。
こちらとしても、この場だけに留まっていられる程の暇がある訳ではない。
状況が動かないというのなら、強引に動かす事にする。

   ザッ

傘を左手に持ち、スイッチに指を添えて廃ビルへ接近する。
パーカーの男を追い越し、そのままビルの入り口付近へ到達したい。
こいつが今までに取った行動を観察した限り、
出し抜けに背後から不意打ちを仕掛けてくる確率は低いだろう。

(俺にとって最も問題になるのは『女の対応』と、
 この場に『女の仲間』が潜んでいるかどうかだ)

廃ビルに踏み入れば危険がある事は目に見えている。
しかし、多少の計算はないではない。
ビル内には、既に黒服達が入り込んでいる筈だ。
仮に全員がスタンドを持たない一般人だったとしても、
それを女に知られなければ心理的な牽制効果は見込める。
そして、四人もいれば一時的に注意を引く『囮』ぐらいにはなる。
あの連中も、この一件と無関係である筈はない。
実質的な戦力に数えられなくとも、
同じ場に居合わせた以上は最低限の役には立って貰う。

また、パーカーの男の存在もある。
レインコートの女だけに注意を払えば良い俺とは違い、
女の方は俺とパーカーの男の両方に意識を向けなければならない筈だ。
パーカーの男を味方だとは考えていないが、
少なくとも女の排除を妨害する事は考えにくい。
こいつが現場の近くに存在する事で、
女の注意を幾らか散漫にする程度の効果は期待できなくもないだろう。
仮に、この男が仲間を呼んだというのであれば尚更だ。

(今、こちらから出向いてやる)

あの位置から攻撃が来ないとも限らない。
何か飛んできた場合は回避する心積もりはしておく。
俺にとって『食らう』事は必ずしも不利益には繋がらないが、
まだ『能力』を使うタイミングではない。

(――さあ、何かして見せろ)

282高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/09(木) 22:38:03
>>280

「は?」   「……は? 怖……」

 『スタンド』だろうか。
 いや、きっと『スタンド』だろう。『スタンド』だ。
 薄暗い廃墟に憑いた、恨みを残して逝った女性の残滓的な存在ではない。
 なんだ、ただの『スタンド』か。危ないから、バルコニーの調査は後回しにしよう。

 いずれにしろ、早見と合流しなければ。
 『猫』に、登ってくる『集団』、さらに『消えた女』。
 どんどん状況が混迷してくる。

 相手の存在に気付いている今が、アドバンテージを取れる好機だ。
 今は、巧遅よりも拙速。

「下の連中、あんま急いでないみたいで……
 ケータイはまだ、俺の番号鳴らせるようにキープでお願いします。
 こっちの様子、見に来ました。どっすか、この階は。猫いました?」 ヒソヒソ

283スミノフ『デマーケイション』:2018/08/09(木) 22:51:06
>>279

「……そうだなぁ」

「戦闘が専門ってのはちょっと違うな」

夢で一度だけ見た闘い。
あれは誰だったか、どんな相手だったか。
いまいち覚えていない。
覚えているのはあの闘いについての感想。

「喧嘩だよ、俺の専門は」

リネンシャツを一度脱いで羽織る。
それと『デマーケイション』を腕に発現しておく。

284硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/09(木) 23:05:15
>>278

「確かに俺は『ガラパゴス』だが、
 このナリで拳一つに頼るような男に見えるかい?」

             「現に」


ガバッ

         ≪カラカラカラ≫

『木材パレット』をその手に握った『オーバードライブ』。
硯と『白人』の間に割り入り、


「文句を言いつつも『コレ』に頼っているんだ。
 君が使ってるからな、俺も使わざるを得ない。
 ――いや、言い訳に過ぎないな。
 これも、俺の『心』が弱いせいだ」


        「本当に最低だ」

手に握った『木材パレット』を振るうでも、投げるでもなく
まるで『盾』のように構え、強引に押す。
『サーフボード』は切れ味こそあれど先ほどの攻防を見た限り、
『破壊力』はそれほどでもないと推察した。
なので、『水』から離れ速度を失った『線』による『刃』の攻撃は、
触れた四肢を切断する程の威力はないとタカをくくり、
二重に組まれる事で1t以上もの積み荷の負荷にも耐える
『木材パレット』の『面』で受ける事で、
食い込ませ『刃』の太刀筋を変えその威力を削ぎ、あわよくば白人をふき飛ばしたい。
(番えた『盾』を、向かってくる敵目掛けただ押し出すだけだ、
 そこまで精密な動作は要求されないと思いたい)

285『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/10(金) 03:48:40
【音仙】
>>281(宗像)

当然『縦方向』以外の何らかの要素、と言う可能性もあるが、
推測するに越したことはない――――可能性を絞れるからだ。
無制限の瞬間移動なら、それはそれで何か『条件』があるだろう。

宗像の『アヴィーチー』が何らかの『被害』をトリガーとするように、
あるいはかつて共闘した少年の『インダルジェンス』の『接触発動』のように、
スタンドの殆どには……それが強大なほど何らかの『条件』が存在するものだ。

         ザァァァァァァ――――――――――― ・ ・ ・

   ザッ
          バシャ
               バシャ

水たまりが出来つつあるコンクリの地面を踏みしめ、廃ビル入り口に向かう。
その動きを見逃したのは既にビル内に入り、ドアから見えない位置にいる黒服達だけだ。

            バシャ

「―――――!? チィッ…………次から次へと、
 『惹かれ合う』ってヤツですかァ〜〜〜…………」

                 『ズギュン!』
   
状況の変化ゆえか、あるいは何か別の理由か、『パーカーの男』はスタンドを発現する。
顔、胴体、両手両足に『極彩色の毛』を生やした、不気味で大柄な人型ヴィジョンだ。

                   ザッ

                         ザッ

更にこの場に近付いて来る『二人組』――――おかっぱの女と、『ラッパー風』の男。
女は『狙撃銃』、男は『手甲』のようなスタンドを発現しており、明らかに尋常ではない。                  

                                   『バシャ』

次々移り変わる状況の中、入り口のドアは数歩先。ほぼ真上になったバルコニーはもはや見えない。
厳密には入り口前からやや『右側』に位置するため、首を上げれば2階のそれは見えなくもない、が。

女はどこにいるのか――――言い方を変えよう。『次どこに現れるのか』。

          ザァァ         『バシャ』     
                ァァァ
                                        ――――『背後』で水音。
                       ア ア 
                                  ア

286『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/10(金) 03:50:58
【早見】
>>282(高天原)

怪現象を目にするが、ビルの外のことだ。今は関係のない事。
ただのスタンド使いだろう。当然恐るべき存在ではあるが、緊急ではない。

「急いでない、か……ありがたいけど、『帰る時』の事を考えると危険だね。
 鉢合わせずに抜け出せる、非常階段でもあれば話が早いんだけどね」

               キョロ
                    キョロ

「まだあんまり探索できてないけど、さっき一度猫の声がした。
 潜めてる感じだったから……『僕らに気づいてる』のか、
 それとも『別の誰かに気づいてる』のか、ってところかな」

「まあ、今のところ特別、人の手が入ったような様子は無いけど……
 もし僕たちより先にここに入ってきてた『先客』がいるとして、
 マンガみたいに『泥の足跡』なんかは残してくれないだろうからなあ」

                         ザッ
                              ザッ

早見はそう言いつつ、高天原から離れすぎない程度に廊下を歩く。

「このフロアは――――何かの会社の『事務所』だったみたいで、
 その辺セキュリティ意識がしっかりしてたのかな、ドアは全部閉じてる。
 ただ、例によって何カ所か穴が開いてたけどね。猫が通れるくらいのだけど」

      「最初の防火扉くらい大きい穴なら、入って調べたりも出来そうなんだけど」

4階の構造もこれまでと似通ってはいる。
探索の必要が無いなら、5階に上る階段はすぐに見つけられそうだ。

もちろん歩みが遅い追跡者たちに期待し、情報をさらに集める手も無いではない。

287『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/10(金) 03:54:56
【フリー】
>>283(スミノフ)

「そう――――いっそう、頼りにしているわ。
 私はそれが苦手分野だから。……さあ降りましょう」

            ザァァァ―――――――――――――――― ・ ・ ・

タクシーを降りてすぐ、指定されたビルの前の光景は既に『異様』だった。
イラムシは『毛むくじゃら』のスタンドを発現しており、その視線の先には『作業服』の男。

男は今のところスタンドなどは発現していないようだが、
ビルに踏み込むような動きを見せており――――さらに。
 
                『バシャ』

その男のちょうど『背後』に、突如として『レインコートを着た女』が『出現』する。
出現。比喩ではなく、降り注ぐ雨の一滴が化けたかの如く、ごく自然にそこに現れたのだ。

イラムシにも当然それは見えているのだが、
慎重な男は『見知らぬ男』の危機には飛び出さない。

             誰もが、雨に打たれている――――

                   「……!」

マナビは『ペインキラー』を構え、素早く付近の『街路樹』に視線――――隠れるつもりだろう。
スミノフはどう動くべきか。少なくとも『二人』、未知の存在がいるこの戦場で、何をするべきか。

                                 ・・・距離はだいたい、『20m』ほど。

288『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/10(金) 03:59:18
【フリー】
>>284(硯)

「なッ」
    
                 バ
                   シィ

                       〜〜〜ン!


            「にィ〜〜〜ッ」    

木材パレットによる防御は成功する。
腕に痺れすら残らないほど明確な『パワー差』がある。
想像通り『オーバードライブ』の方が『破壊力』は上で、
木材パレットの『耐久力』についても全く問題なく『万全』だ。
多少の切込みは入ったが、『受ける』のではなく『押す』ゆえに、
深刻に食い込むより速く『弾き飛ばし』――――

   クルンッ
            ガガッ
                    ザザーーッ !!!
 
「ワタクシの、『スーパートリック』を」

           「そんンな『板ッキレ』で防いィでッ」

                    「良い気になってェいるでしょッ!」

しかし敵も『対処された後』の事は何も考えていないわけではなかった。
木材パレットを『持っている』のは見た上での攻撃だ。読み違えは、対処法。
盾にして『受ける』のではなく『前に押す』――その動きが敵より先んじたことで、
白人に出来たのは最大限『なんとか着地を大きく崩さない』程度の努力だけだ。

               ・・・数m離れた地点に、敵は『墜落』でなく『着地』する。

「……スゥーーーーッ、クールダウン、クールダウン……!」

                  「フゥ」

「……アナタ、まさか『喧嘩』に慣れていまァすねッ!?
 平和ボケしぃた町だと聞いていましたぁが、その戦い方……
 不慣れな様子はワタクシを騙すための、お芝ァ居という事ですか!
 まさしく『ノーあるタカは爪を隠す』……ですゥがそれくらいでッ」

     「フゥ」

         「しょせんは隠せる程度の爪でェーーース……!」

大技を綺麗に受けきられた狼狽、焦燥――――負の感情。
あるいは既に深いダメージを負った上での危険な着地の痛み。
余裕ぶった言葉にも色濃く漏れ出るそれらを誤魔化すかのように、

             ダンッ

                  シャァァ〜〜ッ

敵は再び地を蹴り、蛇行気味に地上を滑って――――『接近戦』の構えか?
敵の能力はほぼ見切ったとはいえ、往々にしてそれで終わらないのが戦いだ。

攻防により現在の硯の周辺には『地を濡らす水』は事欠かない。危険と言える。
ただ、硯の『背中側』――――後方はそれ程濡れていない。退く事は十分出来る。

「…………」

その、件の後方では西園寺が警棒を構え推移を見守っている。
敵のスタンドの『機動力』の前で彼は『一般人』故か、性格か、やはり役には立たないが……
少なくとも『邪魔』もしていない。指示をすれば聞いてくれるだろうか。意味があるかは不明だが。

289宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/10(金) 19:42:27
>>285
現時点での、それぞれの位置を教えて頂きたい。

290スミノフ『デマーケイション』:2018/08/10(金) 23:13:01
>>287

「……」

まぁ当然というべきか、相手も使う人間だ。
さて、どうするべきか。
いつか夢に見た相手は、どういう性質を持っていたか。
今の所、面倒なのはレインコートの方か。
蓋を開けないと分からないが。

「ん……」

イラムシに近づこう。
マナビが移動する時間がいる。
いきなり攻めに行くのもいいが、今回は集団戦だ。

「よ。来たぜ。あれ殴ればいいのか?」

「イラムシちゃんは殴れるタイプか? 裏方のが得意か?」

291硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/10(金) 23:20:41
>>288

「良い気になってる訳ないじゃあないか。
 俺は、どこからどう見てもただの『優良』な『不良少年』だ。
 あいにくだが『経験』は皆無、『思考』は停止、『欲望』も枯渇。
 持ち合わせいるものは、何も――ないんだ」


「君はそんな俺に随分と苦戦しているようだが」


       ギャルギャルギャルギャルッ!!

           ≪カラカラカラカラカラ≫

「ひょっとして、君も――『童貞』なのかい?」 


        バタン!!!!!

『オーバードライブ』の持っている『木材パレット』を真正面に置く。
『木材パレット』は成人の腕力で胸の高さ程までには持ち上げる事は可能だが、
両手で抱えて『全速ダッシュ』できない程度には重量が存在する。
真正面から突っ込んでくれば『刃』が食い込んで、動きが止まるし
パレットをジャンプ台に用いて飛んだりでもしたら、それこそ此方の――『餌食』だ。
これで『白人』の『最速最短のルート』を封殺できる筈。


「西園寺さん、『警棒』だ。
 近づいたら君のその『警棒』を叩き込んであげよう」


「『エクリプス』さん――
 旋回、蛇行、壁伝い、滑空、回転、足払い、袈裟斬り。
 できる事は色々あるだろうが、君はどうするんだい?
 勿論、俺と『西園寺』さんは、全部『撃墜』するよう努めるが」


既に満身創痍の『白人』に淡々と抑揚のない語調で語りかけ、
横に置いたパレットの後ろで『白人』の行動を注視したい。

292高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/11(土) 00:24:27
>>286

「さっきのバルコニーか、どこかの部屋に隠れてやり過ごすか……
 『静止』が一度に一回しか使えないモンで、正面突破は避けたいところッス」

「あっ……バルコニーなんですけど」

「先輩、なんつーか、こう…… 『人影』みたいなモン、見なかったスかね……」

 念のため、一般人の早見が見ることが出来たかどうか確認しておきたい。

「『猫穴』かァ…… さすがに、もう悠長には確認してらんないスかね」

「廊下の右は俺。左は早見さん。
 手分けして、穴の中に猫がいるかだけ確認しちまいましょう」

 そういうわけで、穴の中に猫がいるかだけ確認。
 なければ、早いところ上の階に移動したい。
 また、下の三階の物音にも注意しておく。

293『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/11(土) 09:36:17
>>289(宗像)
以下のMAPの理解度が趨勢を分けるものではなく、
ある程度の位置関係の把握のために使用いただければ幸い。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□■■■■■■■■
■■■▲▲■■■■■■■■■■■■■■□□■■■■■■■■
□□□女□□△△△△△△△□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□宗□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□樹□□□□樹□□□□樹□□□□樹□□□□樹□□マ□
□□□□□□イ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ス□□
―――――――――――――――――――――――――――――
○○〓〓○○○○○○○○○○○○○○○○〓〓○〓〓○○〇〇
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○〇○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宗:宗像
マ:マナビ
ス:スミノフ
イ:イラムシ
女:レインコート

―:歩道と車道を遮る低い柵。
樹:街路樹がある。人間が一人くらいなら隠れられる。天然の傘でもある。
■:ビル壁面。
▲:ビル入り口
〓:不法駐車。二文字で一台。
△:この位置の頭上にバルコニーが存在する。
〇:車道。広さは『フィーリング』。厳密な距離は判定に大きく影響しない。
□:歩道。車道の向かいにもある。

※地形は『だいたい』。文中の描写以上の理解が判定を分ける事はまずない。 
※当ミッションでは『MAP』は『今いる場所の参考』であり、判定の絶対基準ではない。
※レスで今後常に提示するわけでもなく、常に厳密な状況を示すわけでもない。
※PC側からこの場にあってしかるべきものを求めるのも自由。あるかはGMが判定する。

294宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/11(土) 10:45:21
>>293
宗像の視線はビル側に向いており、
その背後に女らしき何者かが現れたと解釈していたが、
女は宗像の正面に現れ、
その最中に背後で水音が聞こえたという解釈で良いだろうか?

295『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/11(土) 15:41:53
>>294(宗像)
確認したところ地図のミス(※1)のため、
以下のように訂正。混乱させてしまい誠に申し訳ない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□■■■■■■■■
■■■▲▲■■■■■■■■■■■■■■□□■■■■■■■■
□□□□□□△△△△△△△□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□宗□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□?樹□□□□樹□□□□樹□□□□樹□□□□樹□□マ□
□□□□□□イ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ス□□
―――――――――――――――――――――――――――――
○○〓〓○○○○○○○○○○○○○○○○〓〓○〓〓○○〇〇
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○〇○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宗:宗像
マ:マナビ
ス:スミノフ
イ:イラムシ

―:歩道と車道を遮る低い柵。
樹:街路樹がある。人間が一人くらいなら隠れられる。天然の傘でもある。
■:ビル壁面。
▲:ビル入り口
〓:不法駐車。二文字で一台。
△:この位置の頭上にバルコニーが存在する。
〇:車道。広さは『フィーリング』。厳密な距離は判定に大きく影響しない。
□:歩道。車道の向かいにもある。

※地形は『だいたい』。文中の描写以上の理解が判定を分ける事はまずない。 
※当ミッションでは『MAP』は『今いる場所の参考』であり、判定の絶対基準ではない。
※レスで今後常に提示するわけでもなく、常に厳密な状況を示すわけでもない。
※PC側からこの場にあってしかるべきものを求めるのも自由。あるかはGMが判定する

※1・・・レス考案中に試しに作っていた物だったため、実際のレスと食い違いが出た。

296宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/11(土) 16:35:36
>>295
了解。対応と回答に感謝。

>>285

(この場だけで『五人』とはな。良くもこれだけ集まったものだ)

近付いて来る二人連れは、恐らくパーカーの男の仲間だろう。
先程こいつが呼んでいたのが、あの二人だと見て間違いない。
油断ならない連中だが、現状では必ずしも邪魔とは言えない存在だ。

(――こいつも『人型』か)

パーカーの男も、俺と比較的近い位置に立っている。
能力は不明だが、基本的な分類としては俺と同じようなタイプらしい。
こいつも完全に無視する事は出来ない。
相手は既にスタンドを出しており、臨戦態勢に入っているのだ
だが、それを差し引いても、
この男以上に警戒しなければならない相手が間近に迫っている。

(音の方向と距離からして、ほぼ俺の真後ろだな)

水音が聞こえた直後に、近場の街路樹に身を隠す。
俺と相手の間に樹という障害物を挟み、
次に予想される攻撃を遮る事が狙いだ。
瞬間移動するにしても、樹と同一の位置に出現出来るとは考えにくい。

(女が『残党』かどうかは、まだ決定的な確証がないが――)

(奴の正体が俺の予想通りなら、
 こうして遭遇した以上――今、この場で『排除』する)

移動と同時に、『アヴィーチー』を発現する。
その両腕で、出来るだけ長さと太さのある枝をもぎ取る。
両方の手に、一本ずつ枝を握っておきたい。

297宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/11(土) 16:48:29
>>296

右腕の『ノコギリ』は発現しない。

298『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/12(日) 00:15:17
【フリー】
>>290(スミノフ)

「ビルを守ってるっぽい女と、ビルに入ろうとする男
 どっちから殴るかはともかく、まァ〜殴るのが早いでしょうねェ」

         「話し合いとはいかんでしょォ」      

「まあ……オレの『ヘイト・スティンガー』は『尋問』のスタンド。
 戦闘に向いてるわけでもないですがァ〜、苦手ってわけでも無い」

    「アナタのスタンドは見るからに『前線向き』って感じですかァ」

           ザァァァ ―――――――――――― ・・・

イラムシに近付き、確認する――――返答は以上のようなものだった。
マナビはその間に『街路樹』の影に隠れ、身をかがめて雨を逃れている。

                       ヒュン

謎の作業服の男は、レインコートの女の攻撃をすんでのところで回避した。
男は――――そのまま付近に存在する街路樹に身を潜めた形だ。傍らには『人型』のスタンド。

                         バキリ

        ・・・それで木の枝をへし折っているのは、武器にでもするつもりだろうか?

女は――――この位置から完全に見えたわけではないが、何か『刃物』を持っている。
それがスタンドなのか、また別の何かなのかは分からないが、今動く様子はない。
動きはしないが……爛々と輝く青い双眸で、周囲を見渡している。スミノフとも目が合った。
 
            「こんにちわ」
                             ニコ

狂ったイントネーションの挨拶に、笑顔がついていた。それをつなげる感情だけが不在だった。

299『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/12(日) 00:17:14
【音仙】
>>297(宗像)

            バ

                        ッ

音が聞こえた直後、振り返る事すらせずに近場の街路樹へ隠れる。
結論から言えばこれは――――『正解』だった。命運を分ける選択に勝った。

      ヒュ

           「…………」

                    ッ

背後から聞こえた空を切る音。
明らかに『拳』のそれではなく――――『刃物』だ。何か刃物を振るった音。

            バキリ

それが何かを視認する事は位置関係として出来ないが、ほぼ間違いない。
仮に背後確認や、あるいは攻撃を選んでいたら、浅くない傷が着いただろう。
スタンドを発現し木の枝をへし折る事は、出来た。それ以外の事は今できていない。状況把握もだ。

               「こんにちわ」

声だけが聞こえたが、それは今攻防を繰り広げた自分に対するものではない。『雨』のように気まぐれだ。

300『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/12(日) 00:18:17
【フリー】
>>291(硯)

「分かってます。分かってますとも、
 その為に与えられて使い方を教わってるんだ」
 
              ス

どこか剣道のように規律正しく警棒を構える西園寺に対して、
向かって来るエクリプスの白人の動きは――――混沌のものだ。

「シャッ」

                  「シャアァァッ」

        バタン!!!!!

「シャァァラァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ップッ!!!!!!
 これ以上アナタと会話してあげるつもりィィはありませんッ」

              「答える必要も」

    「無い」

        バッ
           「無いッ」
                 シュバッ
                     「ノォァ――――――――イッ」

明らかに通常のスケートボードを超えた『ジグザグ』の軌道。
さらに加速と減速を繰り返しての『惑わす』ような接近の手段。
当然非常に危険なものだ――――が、前に置いたパレットにより、
敵の最短の軌道は絞られている。口に出して挙げた物に限らず『読みやすい』。

その終着点は――――――

            バッ

    シュルッ

          「HAAAAAAAAAAAAッ」

                            バッシャァアァアアアア――――――ッ!!!

敵のダメージもあり、見えた。攻撃は――――硯の前方『3m』の地点での急カーブ。
西園寺がいない側から、背後に回り込むか、横から切りかかるか――――そういう軌道だ。
どこまで深くカーブを刻むかはまだ分からない。だが、来る。側面から回り込んで、襲って来る!

301『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/12(日) 00:20:39
【早見】
>>292(高天原)

「バルコニーかァ…………あっ、咲哉君も見たんだね!?
 ……という事は、ただの『過労から来る幻覚』とかではないか。
 見たよ。見た。人影っていうか……女? 髪型しか見てないけど」

「幻覚じゃないなら、『外』でも何か起きてるのかもしれないな……
 でも、スタンドなら僕には見えないはずだし、別の何かなのか……」

          「……推測の域は出ないね。今は気にしても仕方ない」

早見も例の女を目撃しているようだった。
ともかく穴の中を探索していき――――やはりと言うか『猫』はいない。

          ザッ

               ザッ

「次で『5階』……外から見た感じ、そこが最上階って高さだったけど。
 見落としがあるとは思えないし、今のうちに覚悟はしておいた方が良いか」

        スッ

早見はそう言うと、上階に続く階段の前でいったん立ち止まった。

「何か準備しておくものとかはあるかい? とは言っても、
 そんな大きな道具とかはないわけだけど。心構えとかね」

ここまでの階に猫がいなかった以上、この上の階にいなければおかしい。
勿論可能性として無くはないが……接敵する前にやるべきことがあるなら、今だろう。

逆に、特に無いならこのまま進んでしまう事に早見が反対する事も、まああるまい。

302宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/12(日) 18:08:16
>>299

女の力でも扱いやすい『刃物』といえば、小型の物だろう。
恐らくは、『ナイフ』か何かか。
女がいるらしき方向に視線を向けて、大きく一歩その場から後退する。

「一つだけ聞く事がある」

誰に向けたものかも分からない女の挨拶を無視して、淡々と口を開く。
しかし、こんな事を尋ねるのは無駄でしかないと薄々は気付いていた。
有無を言わさず攻撃を仕掛けて来た所を見れば、嫌でも察しはつく。
この質問は、あくまで念の為だ。
終わってしまった後で『人違いだった』では話にならない。

「――お前は『エクリプス』関係者か?」

返答を待たずに木陰から飛び出し、
右手の枝を女の頭部めがけて投げつける。
姿が見えずとも、声が聞こえた場所から、
大体の位置は判断出来ると踏んだ。
奴は『瞬間移動』が可能だが、
俺が枝を投げつける時点で既に消えている事は考えにくい。
足元には雨水が溜まっており、『瞬間移動』すれば自然と水音が生じる。
それがないという事は『瞬間移動』はしていない可能性が高い。

あるいは、枝を投じた直後に姿が消えるのか。
その点に関しては定かではない。
『瞬間移動』の特徴についても謎のままだ。
まず、この一手で相手の『能力』に探りを入れる。
これに対応された時点で、次の手を使う。

303硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/12(日) 21:06:56
>>300

「いや、駄目だ。
 君はまだ俺の質問に答えていない。
 どうしてもさっきの曲のタイトルが思い出せないんだ。
 『アジカン』の『アレ』を」


  ギャルギャルギャルギャル――ッ!!
      

        ≪カラカラカラカラカラ…≫


「それに、もう。
 お喋りができなくなってしまうんだから」


自身と『オーバードライブ』を重ねたまま、
まるで大蛇の如く這う『白人』の軌道をその目で見極め――


       「此処だッ!」


ダム!!   ズギュ――ン!!


『スケートボード』目掛け真っすぐ駆けるッ!
そして『オーバードライブ』が大きく一歩踏み込み、
『白人』と自身の間に割り込ませるように、『オーバードライブ』が発現できえる
最大の大きさの『車輪』を1つアスファルトの上に発現ッ!


基本的に『オーバードライブ』の『発現』する『車輪』の種類に制限はないが、
たった一つだけ『ルール』が存在する。
それは『オーバードライブ』が破壊可能なものである、という事だ。
逆に言えば『破壊力』がこちらに劣る『白人』に発現した『車輪』を破壊する手段は『ない』。
強引に突破すれば『刃』がタイヤに突き刺さり、また飛べば『恰好の的』。
今度こそ『撃墜』してみせる。

304高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/12(日) 22:35:35
>>301

「あーッ よかったァ……
 見たの俺だけだったら激コワでしたよ……
 でも早見さんも見えてる、ってコトは……」

 早見の言うとおり『スタンド』そのものであったなら、一般人である彼に視認は出来ないはずだ。
 にも関わらず、あの『女』は忽然と消えた。
 『スタンド』能力の延長線上か、それとも別の何かの現象か。

「『外』ッスか……
 人来てるし、クラクション鳴ってたし、
 『なんか』はあるんでしょうね。
 関わり合いになんなきゃあ、それが一番いいんですけど……」


          ザッ

               ザッ


 早見に合わせ、立ち止まる。

「準備ッスか…… そうですね……」

「こっからは、俺が…… というより、俺の『スタンド』が先行します。
 本音を言やぁ、早見さんにはこの階に残っててほしいんスけど……
 それだと、本末転倒になっちまいますからね。
 とりあえずケータイはそのまま、俺の番号を呼び出せるようにしといてください。
 下の階から物音や話し声が聞こえたら、すぐに鳴らせるように……それと」

「合図を決めときましょう。俺の能力上、声で指示するのが遅れることもある」


      ピッ


「俺が『人差し指』を一本立てたら…… 『静かに』の合図ッス。
 『話し中』でも声を止めて、『物音』も一切立てないでください」


 そんなところだろう。

 下の階から物音が聞こえれば早見に指示を出して、ケータイを鳴らしてもらう。
 一方で、物音が聞こえないようであれば、五階に上がってしまおう。

305スミノフ『デマーケイション』:2018/08/13(月) 00:12:31
>>298

「『ヘイト・スティンガー』? いかしてるねぇ。スケアリーモンスターズって名前聞いた時くらいあがってる」

「そうさな。俺のは名が体を表す。マナビちゃんの『ペイン・キラー』と似たようなもんだ」

シャツを押さえながら腕を回す。
まだその能力を使う必要はないかもしれないが。

「よぉ! こんにちはだな」

笑顔で言葉を返す。
左手でシャツを掴む。
これで、右手が空いた。

「遊びに来たぜ。殴らせろ」

右腕を握り直進する。
女の動きに集中する。
男は優先順位が低めだ。
お互いビルに入りたいという目的は合致しているだろうし。

306『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/14(火) 02:47:23
【音仙】
>>302(宗像)

              スイッ

首を逸らす事で、木の枝の投擲を回避された。
単調な攻めでは能力を見せる事すらせず回避される。
なぜか? 『アヴィーチー』の速度は『人間並』だからだ。
人間と人間の喧嘩でほぼ『零距離』からのパンチが避けられ得るように、
予備動作と『到達までの時間』を要する『投擲』は十分な回避可能性を残す。
枝は女の後方に存在する自動車にぶつかり、小さくない傷を残して地面へ。

刃物は――――いつの間にか不明だが、『持っていない』。
何処かで小さな水音がしていたとか、そういった事も無い。
瞬間移動と関連のある現象とは思えない。『何かがおかしい』。

その、怪異のような存在が――――『ターゲット』な事だけは、間違いないようだった。

                        バシャ

「よぉ! こんにちはだな」

         バシャ
                   「遊びに来たぜ。殴らせろ」

その現場に急接近するのは、『ラッパー風』の男だ。獰猛に右拳を握っているが、
どうやらあまり『宗像』には関心が無いらしい。狙いは、少なくとも今は『女』らしい。

        『バシャッ』

            「………殴られるのも、詰められるのも、キライ」


「ワタシ…………そういうの、キライなんです。この町の『スタンド使い』の皆さん。
 それに『引き裂く』のも好きじゃない。しばらく記憶に残ります。美味しくご飯食べられない」

     「アナタがたが大人しく引けば」
                         「何もしません」

「『エクリプス』はワタシのビジネス・パートナー。ビジネス果たせれば、それでいい」

           ザァァァ――――――――――――――――  


「話し合いで済むなら、それが一番だと思いませんか。アナタがたは……そう思いませんか?」
 
状況の加熱を透かすかのように、女は再び雨と共に消え、やや離れた位置に出現する。
見るからに武闘派の『ラッパー風』の接近を嫌ったか、『話し合い』とやらが本気なのか。

「…………………話し合いィ〜〜〜?」

パーカーの男は一定の距離を保ったまま、悪態を吐きつつスタンドに周囲を確認させている。
現時点で最後に視線を止めたのは、今宗像が投じ、地面に落ちたばかりの『木の枝』だ。
増援の一人であった女については、この位置から見える場所にはいない。木陰にでも隠れているのか?

                                ・・・女との距離は、『10m』ほど。

307『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/14(火) 02:47:38
【フリー】
>>305(スミノフ)

「そう褒めたってなにも出やしませんがねェ。
 ま、オレのも『名前通り』嫌らしく暴れさせましょうか」

満更でもない、と見て良いだろう。とはいえ慎重な男らしく、スミノフと共に接近はしない。
その少し後ろで、極彩色の毛を生やしたスタンドと共に

「おお、こんにちわ。挨拶が出来る人……キライじゃないけど。でもですね」

             バシャッ

                      バシャッ  

「――お前は『エクリプス』関係者か?」

    バシャッ

言葉と共に木陰から飛び出した『作業服』のスタンドが『木の枝』を投じ(スC)、
二重の意味で『投げ掛けられた』側となるレインコートの女はそれを苦も無く躱す。
軌道上、枝は女の後方に存在する自動車にぶつかり、小さくない傷を残して地面へ。
回避は最小限の首の動き。人間に不可能な動きというわけでもない。だが『慣れ』ている。

               バシャッ

その間にもスミノフは『距離』を詰める――――『殴る』のに必要な距離まで。
イラムシは下手な接近を嫌ったか、密集を嫌ったか、女や作業服から若干の距離を取る。
マナビに関しては完全に木の陰に隠れ、気配を断つかのように――現状動きを見せていない。

        『バシャッ』

              「………殴られるのも、詰められるのも、キライ」

「ワタシ…………そういうの、キライなんです。この町の『スタンド使い』の皆さん。
 それに『引き裂く』のも好きじゃない。しばらく記憶に残ります。美味しくご飯食べられない」

      「アナタがたが大人しく引けば」
                       「何もしません」

「『エクリプス』はワタシのビジネス・パートナー。ビジネス果たせれば、それでいい」

           ザァァァ――――――――――――――――  

「話し合いで済むなら、それが一番だと思いませんか。アナタがたは……そう思いませんか?」

状況の加熱を透かすかのように、女は再び雨と共に消えた。
スミノフの接近を嫌ったか、『話し合い』とやらが本気なのか、
その行き先は――――全員から等距離、とも思えるような、かなり中間の位置。

「…………………話し合いィ〜〜〜?」

イラムシはスタンドで周囲を見渡し、たった今投げられ地面に落ちた木の枝を視線に捉えている。

恐らく……この敵に尋常の『喧嘩』は通用しない。逆に言えば、その領分に持ち込めるならば。
それを成すだけの『力』は揃っている。もっとも敵の『瞬間移動』――――その正体は未だ、不明瞭だ。

              ・・・『それだけ』で終わるとも思えない。現在の距離は『10m』よりはやや短い。

308『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/14(火) 02:48:59
【フリー】
>>303(硯)

「シャラァップ! 『黙れ』と言ぃったんでェス!
 アナタこそ、その『減らず口』は二度と聞けなくナルッ」

                ズバ
                     シャァァァッ

         「そう思えば」

  ダァンッ

「なんて快適な『BGM』なァんでショォ〜〜〜〜ウ!!
 当然ッ バッググラウンドミュージックにッ! 『答える』必要はナイッ」

             『ガズゥゥゥッ』

       「あの世で永遠にタイトル不明の曲を『脳内再生』してなサァイ!
         ワタクシという『スケボー』の『サムライ』の恐怖記憶を添えてッ」

アスファルトに発現された車輪にスケートボードが激突――――スケートボードが!
フチの刃が食い込む、しかし、刃そのものが――――消えていく! ただのボードに戻るッ!

          ヒュバァッ

               「獲ォォオったァァッ!!!!!!」

それもそのはず、本体である『流線型のスーツ』がボードの上に脚を乗せていない。

                 ブオンッ!

衝突の寸前にボードをジャンプ台のようにして跳ね上がり(跳躍力スB相当)、
地を殴る『オーバードライブ』を飛び越えるように『硯』に『飛び掛かる』!

                     ――――要は『空中』から、『恰好の的』だ。

309『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/14(火) 02:49:43
【早見】
>>304(高天原)

「喧嘩とか、交通事故とかなら『関わらない』のが一番だろうけど、
 問題は…………外の喧嘩と、中の僕達が、『地繋ぎ』だった場合か。
 この廃ビルに関係のある人間が騒ぎを起こしている、だとか……
 あるいはもっと直接的に、僕らと同じ『猫』をめぐっての争いだ、とか」

            「今考えすぎても仕方ないんだけど……」

            ザッ…
                    ザッ…

    スチャ

「分かった。『能力』に少しでも役立てるように努力するよ。
 いざという時のために『完全に気配を断つ』練習もしてるんだ。
 つまり、映画とかであるような……『潜入調査』とかの時のために」

                 「…………」

下階からわずかに聞こえ始めた足音に、早見は迷わずケータイを鳴らした。
高天原の携帯の音は、これも僅かにではあるが―――――ここまで聞こえてきている。   

      「それじゃあ……連中が、とはいえどんな連中かも知らないけど、
       ともかく『囮』に引っかかってくれている内に……行こうか。5階に」

であれば、下の階を探索している連中が気付かないという道理は当然あるまい。
間違いなく時間を稼ぐことはできるだろう。たとえ不審でも『探さない選択肢』は存在し得ない。

310宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/14(火) 17:50:47
>>306

「――……」

『フリーランス』らしい二人の男を一瞥し、すぐに視線を外す。
こいつらも敵に成り得る連中だが、今は無視する。
姿の見えない女も同様だ。
向こうから攻撃してこない限り、こちらからも手出しはしない。
この時、俺は俺自身の『仕事』のみに意識を集中する。

「今、俺が何を考えているか教えてやる」

この女は、言葉では穏便な解決を匂わせている。
だが、こいつは自ら攻撃を仕掛けてきた。
発言と行動に一貫性が感じられない。
矛盾している。
つまり、信用するに値しない。

「どうやって、お前を始末するか――それだけだ」

元より、こいつの話に耳を傾ける気など微塵もなかった。
この女は、俺にとって『排除』する対象以外の何者でもない。
こいつが『エクリプス』と関わりがある以上、それは決定的となった。
『アヴィーチー』の右腕で新たな枝を折り取り、握り締める。
そして、女に向かって歩き出す。

311硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/14(火) 23:30:42
>>308
(『車輪』設置は拳ではなく足で行いました。
 描写不足大変申し訳ありません)

「――せっかくの『心の刃』を捨ててしまうのかい?
 俺にはよくわからないが、それは君の『プライド』なんだろう。
 だが、そのプライドなき一撃は『Mr.ストロングZERO』には通らない」


ギャルギャルギャルギャルッ!!

   ≪カラカラカラカラカラ≫


電動ノコギリのような車輪の回転音に紛れて聴こえる何かが空回りするような音。
『RX』を一瞬、背後に立たせた時、
硯の背中に最小の『車輪』を設置(>>267)し、
ずっと『安全装置』を発動している(>>274メルラン)。
刃による『斬撃』も防げるかどうかが不安だったが、
この状況ではもはやそれを考えるのは『杞憂』だったのかもしれない。


「無い知恵絞って、君の攻撃の方向を『誘導』したんだ。
 どうだい?『刃』を捨てたその状態、身動きは取れるかい?
 俺を『エイ』にする事はできるかい?俺は『エイ』なのかい?
 
 ……とにかく、この攻防のパズル、知恵熱が出そうだったよ。
 少し、『スッキリ』させてもっていいかい?」



右手で指鉄砲の形を作り、奇声を発しながら真上から飛んでくる『白人』へと銃口を向け、
『面』に隠された『硯研一郎』の顔を構成するパーツで、
唯一露出している口、その口角を上げ――微かに笑い



            「これもう、飛べない」


                オォォオオォ――――――ッ!
                 バギバギバギバギバギバギバギッ!!!
                ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―――ッ!!!


空中で身動きが取れない『白人』へ、
『RXオーバードライブ』の何者よりも速く、
そして何よりも凶悪な両拳による殴打のラッシュを叩き込みたい。パス精BAE

312スミノフ『デマーケイション』:2018/08/14(火) 23:42:57
>>307

「『エクリプス』? いや、それについての知識は日本語訳が日食ってことぐらいだぜ」

自分のいる場所、いた場所はそこではない。
どこにも自分の居場所はない。
フリーランスだ。

(マナビちゃんもイラムシちゃんも遠い距離の方が得意なんかねぇ)

(ペインキラーは鎮痛剤……イラムシはイラガの幼虫。毒針がある虫)

(ヘイトスティンガーなら刺し貫く奴……ま、いいか)

自分に向けられたものではないから。
分析すべきは目の前の二人。

「引き裂くのが嫌いってんなら刃物は置くべきだろうよォ」

「話し合いね……イラムシちゃん! そういう反応したら可哀想だろ?」

話し合い。
出来るはずもない。
恐らく平行線で、進まない。
その時間は無駄に出来ない時間。
だから、スミノフのやり方が、強引なやり方が出来る。

「してもいいが、お互いに譲れないだろ?」

シャツを持った手を前に突きだし、反対の手を地面に貫手する(パス精ACD)
地面を砕いて塊を握り込みたい。

313高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/16(木) 15:16:23
>>309

「そら、ホントに出来たらスゴイですケド……
 それ『マジの武術の達人』とかッスよ? それか『スパイ』とか」


                 Prrrrrrr … ! >


「……行きましょう。残された時間も少ない」

 『ウィーピング・ウィロウ』を先行させ、五階へと向かう。

314『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/17(金) 00:45:42
【音仙】
>>310(宗像)

       ボ
            キッ

木の枝の数にも当然限りはある。新たに一本折ったが、手頃な枝は減って来た。
そのまま女に向かって歩いていく……女は一歩引けばバルコニーの下、といった位置取りだ。

「そーですか、ワタシ……とても、残念です。『平和的解決』……なんてすばらしい」

                 「その次に素晴らしいのは、『一方的蹂躙』です」

       ニコ…

瞬間移動は、今するつもりがないのか――――正面からでもやり合えるとでもいうのか?

「どうやって始末されるか……おお、考えるだけでも怖い、怖いです」

                 「どんな『不可解』を、提出してくるのかが。とても」

           ・・・或いは、『幾らでも回避が間に合う』という余裕か?


【フリー】
>>312(スミノフ)

「アナタたちが下がるなら、ワタシ、『お礼』くらいは出来ますよ」

               ゴ
                    ガ
                       ンッ!!


貫手で地面を抉り取る。手のひらサイズの石塊は十二分に凶器になるが、
『デマーケイション』の精度では『飛礫』としての使用はやや信頼性に欠けるか。

         ザリ…

「あちらの方は、知りませんが、アナタ達――――お金目当て、違いますか?」

イラムシは小刻みに動き、『木の枝』をスタンドの手で慎重につかみ上げる。
作業着の男は――――新たに木の枝を折り、更なる攻撃へとつなげようという構えか?

                 「きっといい話、出来ます」

微笑みかける女に、イラムシは小さく舌打ちする。

「…………オレらフリーランスは『金で動く』。
 だからこそ、『金の契約』は裏切らないんですよォ〜ッ」

彼には彼の矜持がある――――のだろうが、女の言葉を完全に無視できているわけでもない。

315『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/17(金) 00:50:45
【フリー】
>>311(硯)
(※誤読失礼しました)

「ノ〜ッ、アナタ最後にパズルの解き方間違えてまァス。
 『ゼロフリクション』の真の刃はワタクシの『ボディコントロール』!
 世界という茨の道を走破してェきたのはボードじゃァない! このワタシだッ!」

       ドガッ

     「ホラッ」

           「ホラアァっ」

               ドガッ

「アナタのスタンド、精度がボロボロ! 見なさいッワタクシのテクなら簡単にサバ」

最初の数発こそ、白人の蹴りが――――
精度で優るゆえ、『オーバードライブ』の拳を逸らし、
それどころか交差するように当てて来た。だが『そこまで』だ。
それも安全装置により、一撃目は被害すら受けていない。

      ドギ
              ャッ

          「バァッ!?」

  「なっ」

            ドゴォッ

              「ガッ」

嵐のような拳が空中という『機動力』を活かせない場に誘導した敵を――
ここまでの攻防で打ち勝ち続け、既に浅くない『痛打』を浴びている敵を――

         すなわち、格好の的を。

                      「バッ」 
    「バカなっ」

                  「こんなッ」

                オォォオオォ――――――ッ!
                 バギバギバギバギバギバギバギッ!!!
                ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―――ッ!!!

砲兵の斉射もかくやという勢いで撃ち据え、打ち据え―――――ただ只管に討ち据えッ!

「バッガァァァーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」

                   ド
                        カァァァーーーーーッ!!!!

             そして――――その装甲を打ち砕き、地へと撃ち落としたのだ。
                砕け散った『面』から覗くその表情を、一言で言えば――――『負け犬』。

316『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/17(金) 00:52:12
【早見】
>>313(高天原)

「記者になろうと思った理由は『映画』とかの影響もあるんだ。
 まあ……スパイのまねごとをした記者の末路は、たいてい……だけどね」

             ザッ
                    ザッ
――――『5階』。

            「ミャ」

                   「オォォ〜〜〜〜ウ」

ハッキリと猫の声が聞こえた。早見が階段を上り終えたくらいのタイミングだ。
この階のどこかに、猫がいる――――階層の構造はほぼ同じだ。同じように探す事も出来る。

先行する『ウィーピング・ウィロウ』の視界は、これまでのように壁に空いた穴を捉える。
これといって分かりやすい店構えの部屋などは無く、荷物も大抵運び出されてはいる。

                            ・・・やや内装が『荒れている』様子もある。

317宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/17(金) 18:15:54
>>314

女の発した言葉を耳にした一瞬、過去の記憶が脳裏を過ぎり、
右腕に握っている枝が軋んで歪な音を立てた。
俺の心が何かを感じた訳ではない。
『アヴィーチー』の『右腕』――俺の中に燻る『残り火』が、
かつて殺した男を思い出して無意識に反応しただけに過ぎない。

どうやって奴を始末するか。
考えた結果、一つの結論に達した。
その為には、やはり『カーバンクル』が必要だ。

奴の最優先目的は『カーバンクル』の確保だろう。
俺が『カーバンクル』を握っていれば、
それを意識した動きをせざるを得なくなる。
当初の考え通り、今は『残党』よりも『カーバンクル』を優先する。

この場には、俺を含めて四人のスタンド使いがいる。
その状況でも女が余裕の態度を崩さないのは幾つかの理由がある筈だ。
まず、能力に自信を持っている。
そして、場数を踏んだ事による経験の裏打ちもあるだろう。
ここで俺を排除する事が、こいつにとって絶対目的ではない事も、
その一つとして考えられる。

「――……」

女を警戒しつつ、『ラッパー風』の男の動向に注意を払う。
男が女に仕掛けるタイミングを待って、この場から離れる為だ。
現在、女の注意は、主に俺と『ラッパー風』に向いている。

『ラッパー風』が目立つ行動を起こせば、より強く注意が向くのは、
そちらになる。
その隙を狙い、この混戦状況からの離脱を図る。
それを悟らせない為、『アヴィーチー』の左腕で投擲の構えを取り、
表面的にはあくまで交戦を続けるつもりである振りをしておく。

これだけの人間が一ヶ所に集まっているという事は、
歓楽街全体の密度は減る事になる。
つまり、ここ以外の場所は、その分だけ敵対者の数も少なくなる筈だ。
邪魔が入る可能性が低くなる分、幾分かは猫探しもしやすくなる。
もし黒服が『アリーナ』だとして、全員が一般人だったとしても、
この騒ぎに気付いてスタンド使いを寄越す可能性もある。
『フリーランス』の連中にしても、明確に危険な人間がいる以上、
俺が立ち去る素振りを見せたとしても気に掛ける余裕はないだろう。

(上――バルコニー)

最初に見た女の動きから、
次に女は二階のバルコニーに移動すると予想する。
また背後に回る可能性もなくはないが、それは既に見せた動きだ。
それを考えに入れると、
やはり一つ上のバルコニーに移動する可能性の方が高い。

「お前は、自分が『命拾い』した事に気付いているか?」

背後から攻撃された時、もし食らっていれば俺は能力を使っただろう。
負わされたのが重傷であればあるだけ、払わせる『ツケ』の額も増す。
それに対する奴の対処を見られなかった事は残念と言えなくもない。

仮に『ラッパー風』が動かないのであれば、
俺の方から仕掛ける必要が出てくる。
それによって『ラッパー風』が動いてくれる事を期待する。
言動から判断すると、嬉々として争いに飛び込む典型的な武闘派だろう。
そういった点を考慮すると、俺が手を出す手間が省ける見込みは大きい。
今は、その場に足を止め、静かに両者の動向を窺う。

318硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/17(金) 20:16:52
>>315


         「……」


「せっかく『世界』のテッペンを獲ったのだから、
 カッコつけたセリフの一つでも吐こうと思ったんだが
                
                 ――無事かい?」


手加減ができない状況だったとは言え、
絶叫しながら派手に吹き飛んだ白人の凄惨な様子に絶句し、
思わず気遣いの言葉をかけてしまう。
(『車輪』は全て解除しておく)



「あ」

「そうだ」「『脈打つ生命」だ」


          ギュッ!   〜〜♪  ――ッ♪

だが、どうしても思い出せなかった曲の名前が、不意に脳裏に浮かんだ。
ツナギのポケットから音楽プレイヤーを取り出しその曲を再生。
そして仰向けに倒れている白人の顔を見下ろす形にしゃがみ込み、
音楽プレイヤーに繋いでいるイヤホンの片方を白人の片耳にねじ込み、
この邦楽ロックの名曲を聴かせてあげたい。


「『世界』で売れている『ビートルズ』や『MJ』に比べたら、
 『ガラパゴス』かもしれないが、凄い前向きで良い曲なんだ。
 『島国』の歌、是非聴いてくれないかい?
 『ネコ』について色々質問したいから、残念ながら片耳だけだが。
  
          ――じゃあ、何から尋ねようかな」

319高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/17(金) 22:15:08
>>316

「『映画』ッスか……記者を題材にしたヤツ?
 あんま聞いたことないッスけど……あッ、それともマジに『スパイ』系ですか?
 俺はあんまり詳しくないけど、『不朽の名作』もある一大ジャンルですよねェー」


>            「ミャ」

>                   「オォォ〜〜〜〜ウ」




「……今。猫の声」

 いる。この階に。件の猫かは不明だが……
 しかし、『スタンド』の痕跡と思しきものが点在するこの廃墟。
 可能性は高いだろう。

 品種は『アビシニアン』。『金を作り出す』能力がある。
 それ以外の猫自身についての情報は無い現状、判別するには……

「……俺の『スタンド』を先行させ続けます。
 猫も『スタンド』が視えるなら、俺や早見さんの姿じゃあなく、
 『ウィーピング・ウィロウ』の姿が視えただけでも、反応があるはずだ」

 手近な穴から、『ウィーピング・ウィロウ』のヴィジョンのみで覗き込んでいく。

320スミノフ『デマーケイション』:2018/08/17(金) 23:52:40
>>314

「金は欲しいが、稼ぎ方ってのがあるからなぁ」

(イラムシちゃんは慎重なタイプだ。ちょっと頭に血が上ったくらいのがいいだろう)

イラムシにはあえて声をかけずにしておこう。

(こいつのパワーは間違いねぇ。問題は精度だが)

「おい、そこのあんちゃん。お前もこのビル入りたいんだよな? 俺もだよ」

「手ぇかせよ」

右手の塊を軽く握り(パス精ACD)、砕いておく。
握るのは一瞬でいい。
このパワーと精密性なら少し握るくらいの砕き方でいいはずだ。

「このビルに用が……!」

投げる。
正式には塊を砕いた状態でばらまく(パス精ACD)
一応作業着の男は巻き込まないように気を付ける。

321『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/18(土) 23:06:10
【音仙】
>>317(宗像)

               ギシ…


「人型のスタンドの能力は『接触発動』がほとんど、ですね」

宗像だけに聴こえる、軋み。女は歌うように滑らかに言葉を紡ぐ。

        「推理。します」

「木の枝に何か細工をしていた、に『本命』を。
 単に突き刺さったら死んでたという煽りが『次点』。
 大穴は何か『条件』を満たせば強力な攻撃が出来る」

               「ワタシ、経験豊富なんです」

「おい、そこのあんちゃん。お前もこのビル入りたいんだよな? 俺もだよ」

「手ぇかせよ」

レインコートの女の『推理』と共に、耳に入るのはラッパー風の男の言葉だ。
これは――――宗像への協力要請。ただし宗像の現状の考えとは一致しない。

「このビルに用が……!」
                ブオンッ

男はそのまま、拳でえぐり抜いたコンクリートの塊を……散弾のように砕いて投擲!
狙いは当然、レインコートの女。そういう軌道だ。

「全てに対応するには――――『一撃で首を刎ねる』のはどうですか?」

                      『バシャン』

                   「ただし、順番待ち。ですね」

瓦礫攻撃を―――女は『瞬間移動』にて回避し、『パーカーの男』の目の前に出現し、

「!? チィッ、『ヘイト・スティン』」

                  ドゴッ

                      「ぐぉっ……!?」   

――――蹴りを入れる。タイミングは転移直後。先ほどの『刃物』の時のような『間』はない。

         「ぐ、ククッ」
 
                     ガシィッ

「慢心か何か知りませんがァァァッ……軽ゥい蹴りの代償は、重くつきますよォ?」

パーカーの男は素手でその蹴り足を掴み、衝撃に操作が遅れていたスタンドの手もまた動くが、
この危機的状況に女は『焦り』どころか足を引き抜く『あがき』の動きすら見せない。これも余裕か?

          ビュ
                ォォォオ

だが今はそれより、この瓦礫をどのようにして回避するのか、という事が問題だ(パス精ACD)
ラッパー風の言葉を信じるなら敵意は無いようだが、彼の剛腕には『緻密さ』は見られない。

322『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/18(土) 23:06:23
【フリー】
>>320(スミノフ)

「そーですか? でも、アナタ、今してる仕事も『綺麗なお金』とは限らない」

                     「違いますか?」

核心を突くというよりは、探るような口調だ。
彼女はスミノフたちの素性を探りかねているのだろうか。

              バゴン

掌の中で硬い塊が一瞬にして粉砕され、即席の『散弾』へと化けた。
それをそのまま、投げる――――いや、『ばらまく』。雨を切り裂き弾雨が飛ぶ。

           ビュ
                ォォオオ

ただ、やはり『デマーケイション』の精度で、しかも『砕けた石』を投げるとなると、
どうしても狙いは絞りづらく――――数発程度は足を止めている『作業服』にも当たるルートだ。
というより、だいたい同じような方向にあるような物には漏れなく当たってしまうだろう。

             『バシャン』

女はこれを瞬間移動で回避。少なくとも『人間並』の速度の尋常な攻撃ではこの回避手段をとらえきれない。

「!? チィッ、『ヘイト・スティン』」

                  ドゴッ

                      「ぐぉっ……!?」      

転移先は『イラムシ』の『眼前』――――そして攻撃は刃物ではなく、『蹴り』だ。  
刃物攻撃は転移から一手遅れての物だったが、『武器』ではないゆえの事だろうか?  
唐突な一撃にイラムシはやや仰け反るが、彼もまた、この場に自らの足で立つ戦士。

         「ぐ、ククッ」
 
                     ガシィッ

「慢心か何か知りませんがァァァッ……軽ゥい蹴りの代償は、重くつきますよォ?」

           ニヤリ

本体の両腕で蹴り足を捉え、衝撃からそこに傍らで硬直していたスタンドの手を、処刑人の如く伸ばす。

                                  ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・

323『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/18(土) 23:06:37
【フリー】
>>318(硯)

「カッ………………カペッ………………」

             ピク

                  ピク

「やっ……やりましたね! エクリプス関係者らしきスタンド使いの撃破。
 これは『アリーナ』でも相当な『功績』ですよ……! 『武勲』と言っても良いッ」

感極まる西園寺をよそに、白人の男はそんな気遣いなど聴こえない様子。

         ギュッ!  〜〜♪  ――ッ♪

「!?」

           「ナッ」

「何ですかッ! この『ロックンロール』はッ! こんな目覚まし設定してなッ」

                 「…………ハッ!」

だったが、耳に差し込んだイヤホンと、そこから流れる『名曲』が彼の目を覚ます。
とはいえ上から見下ろす『硯』と目が合うや否や、その目を逸らし『沈黙』を決め込んだが。

「今連絡して、うちの『スタンド使い』の人にも来てもらいますよ。
 連絡を見たら今別のところに向かってるみたいなんですけど、
 そっちは確証とかないですし……こっちには間違いなく関係者がいる」

           ピ ポ ピ

             「人手が必要なのは、どこよりもここだッ」

その間に、西園寺はどこかに連絡しこの場に『アリーナの増援』を呼ぶ腹積もりのようだ。
今なら止められない事もないだろうが、増援自体はそうおかしな判断でもない。理由は必要になる。

324『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/18(土) 23:07:08
【早見】
>>319(高天原)

「記者が主題の映画って言うよりは――――『噛ませ犬』にされる映画かな。
 ジャーナリズムに燃える記者がスパイまがいの潜入劇で裏組織の情報を知るも、
 上層部にもみ消され、追い詰められ、そして……なんて展開、ある意味王道だけど」

         「ああいうのを見るたび、僕ならこうやって切り抜けよう、
          こうやって情報を広めてやろう、暴いてやろう…………
          ジャーナリストの魂の火は消せないと証明してやろうってね」

「ま……今そこまで立派なジャーナリズムに燃えてるかって言うと、また違うんだけど」

                 ザッ

                   「……ついにって感じだね。分かった、任せるよ」

        スゥ―――ッ ・・・

静寂の『ウィーピング・ウィロウ』が廊下を進み、一つ一つの壁の穴を覗いていく。

空の部屋。
        オフィス跡。 
                 同じくオフィス風。
                             会議室?
                                     顔。
              ギ
                  ロ
                     ォ

――――顔。
          パタ
                  パタ

                           ≪ ハ ピ  ピ ≫ 

       ≪ ピ  ピピ ピ ≫

部屋の中に浮遊する、『人間の顔』――――にしては、歪すぎる『デッサンの狂った顔』。
その両耳は蝶の羽のようになっており、あまりにも『不条理』なヴィジョンと、目が合った。  

        ≪ ハァ〜〜〜〜 ≫

                    ≪  ピピ ッ  ≫  

                               「ミャオ〜ウ」

その部屋には無数の『宝石』がある。先ほど見たものと同じ――――それに埋もれて丸まる『猫』がいる。

325硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/19(日) 00:08:45
>>323

「呼ばなくていい」


白人に目を向けたまま、
電話で増援を要請しようとする『西園寺』を制す。


「今から『アリーナ』ではなく『外注』のやり方で、
 彼に話を聞いてみようと思うんだ。
 やってみた事はないが、彼の返答次第では、
 おそらく『アリーナ』の流儀に反する事になってしまう。
 雇用主にコレを見られたら、今後の仕事に影響する」

「だから、今から俺がやろうとする事は3人だけの『秘密』にして欲しいんだ。
 君には俺の横に立ってもらい、彼に『質問』をしてもらいたい。
 ――俺より君の方が『事情』に詳しいだろうからな」

「適切な質問ができるだろう」


          ズギュン


『オーバードライブ』の右手に『車輪』を発現。
そして、タイヤ面を白人の額にぴたりとくっ付ける。


「勿論、こんな事やるのは初めてなんだが、
 もし君が『話し合い』に応じてくれないならば、
 【脈打つ生命】が終わった瞬間に、この『車輪』を思い切り『回す』。
 『猫捕まえ太郎』の『車輪』の速度は既知だろう?
 ――この状態で回したら、どうなるかも察せる筈だ」


          「『尋問』って奴だ」


「もし、それでも何も話してくれないならば、
 次は【サイエンスフィクション】が終わった瞬間にもう1度回す。
 それでもダメなら【ムスタング】、【深呼吸】、【融雪】、【未だ見ぬ明日に】と、
 以上全6曲の『ミニアルバム』を聞き終えたら『世界規模』の『人体模型』の完成だ。

 流石にこんな酷い事はやったことはないし、
 できればこんな事はしたくないが、もしやる事になったのならば
 君をなるべく痛めつけ、苦し悶えられる様に精一杯努める。


 ――ところで君の『名前』を教えてくれないかい」

326宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/19(日) 14:41:45
>>321
コンクリートの散弾は、大体どれぐらいの距離から放たれたものだろうか?
また、最も大きな破片のサイズと、どの程度の散らばり具合で飛んできているかを教えていただきたい。

327スミノフ『デマーケイション』:2018/08/19(日) 22:13:46
>>322
今この場にいる全員の位置関係と状態を確認したいのですがよろしいでしょうか。

328高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/19(日) 22:36:55
>>324


(何もねェ)

       (仕事場?)

              (元はオフィスビルか?)

                         (でも、もぬけの殻だ)

                                    ( ―――― ……、)

 邂逅というにはあまりにも静か過ぎた。
 だからこそ、不気味が際立つ。

 『スタンド』は精神のエネルギーだという。
 だからこそ、その外観は持ち主の精神性を色濃く反映する。
 『人型』のヴィジョンが一般的な造型だとされる所以だ。

 ――――『羽ばたく歪な顔面』。

「早見さん」 「居ました」 「目が、合いました」

 額に汗を浮かべながら、口早に告げる。

「『猫』は『スタンド』使いですッ」

 五番目に確認した、猫のいる部屋の前へと向かう。
 穴の大きさを確認し、また扉に鍵がかかっているかどうか確かめたい。

 『ウィーピング・ウィロウ』は……せめて、視線を外さない。

329『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/19(日) 23:00:11
【現在位置】

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□■■■■■■■■
■■■▲▲■■■■■■■■■■■■■■□□■■■■■■■■
□□□□□□△△△△△△△□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□★□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□宗□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□樹□□□□樹□□□□樹□□□□樹□□□□樹マ□□□
□□□イ女□□□ス□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
―――――――――――――――――――――――――――――
○○〓〓○○○○○○○○○○○○○○○○〓〓○〓〓○○〇〇
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○〇○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

イ:イラムシは木の枝を拾ったところに蹴りを受けた。現在本体の腕で女の足を掴み、スタンドで追撃を狙っている。
女:『レインコートの女』の現在地。イラムシを蹴った。現在イラムシにその蹴り足を捕らえられている。
宗:宗像はその場に脚を止め、周囲の動向に気を配っている。
ス:スミノフは女に接近しきる前に地面を砕き、MAP左上方向へ投擲を行った(精Dかつ散弾投擲で正確な狙いはつけられない)
★:直前の『レインコートの女』の消失点。一歩下がればバルコニーの直下。

>>326(宗像)
距離は『10m』前後。『15m』よりは短いが明確な距離までは測れない。
最大サイズで『ピンポン玉』ほど。小さい物は砂利レベル。サイズに統一性は無い。パス精ACD。

>>327(スミノフ)
上記参照。マナビの位置はこの場の全員が把握できていないため、暫定。

330宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/19(日) 23:28:59
>>329
了解。
回答に感謝。

>>321

少なくとも、あの廃ビルには『カーバンクル』はいないだろう。
最初にビル内にいたレインコートの女は、
ビルの中ではなく、ビルの外に目を向けていた。
あの女がビル内に注意を向けていなかったという事は、
そこにはいない可能性が高い。

「人間の首は胴体と分かれた後も、
 少しの間は意識が残っているという話を聞いた覚えがある」

「お前の首を切り落とした後に、
 まだ意識があるかどうか尋ねてみるのも悪くない」

レインコートの女は、経験が豊富だと語っていた。
恐らく、それは事実だろう。
だからこそ腑に落ちない。

さっき、奴は背後から武器を使って攻撃してきた。
だが、今は正面から生身の蹴りを仕掛けている。
未知のスタンド使い相手に取る行動としては無用心だ。

辻褄が合わない。
しかし、今の体勢から何かするのが狙いだったとすれば筋が通る。
問題は、それが何かだ。

「俺にも俺なりの都合があるが、しばらくは付き合う」

内心の考えは表に出さず、ラッパー風の男に答える。
『カーバンクル』の確保を優先して立ち去るつもりだったが、
得体の知れないレインコートの女の能力を、もう少し確認しておきたい。
俺以外の三人の能力も把握する事が出来れば、更に良い。

(――迷惑な話だ)

その前に凄まじい勢いで飛んでくるコンクリート片に対処する必要がある。
万が一、あの力をまともに食らえば、骨にまで支障を来たす事は確実だ。
スタンドの精度が良くない事もあるだろうが、それを差し引いても、
手を貸せと言った直後に巻き添えを浴びせられては堪ったものではない。
ラッパー風の男は、俺の『標的』ではない。
レインコートの女からのダメージなら『必要経費』と割り切れるが、
この散弾を受けるのは『無駄な出費』でしかない。

「ただし――俺に『攻撃』するのは止めておけ」

意図した行動ではないと思うが、念の為に忠告しておく。
この言葉には二重の意味が込められている。
もう一つの意味は、この男には知る由もないだろうが。

(ここで『余計な出費』をする事は出来ない)

『アヴィーチー』を自分の前面に立たせて防御態勢を取り、
同時に横方向(MAP左側)へ跳ぶ。
跳躍によって破片の射線上から逃れ、
避け切れなかった破片は『アヴィーチー』を盾にして防ぐ。
コンクリートを砕くパワーを考えれば、力負けは避けられないだろう。
だが、スタンドではない破片で、
スタンドの『アヴィーチー』が傷を負う事はない。
こちらから干渉する以上、吹き飛ぶ程度は覚悟するが、
俺自身に当たることさえ免れるなら、明確なダメージを受けずに済む。

その間も、可能な限りレインコートの女からは目を離さない。
奴が何をするか気に掛かるのもあるが、
回避行動に入った直後の人間は良い的だ。
今は足を掴まれているが、あの状態からでも移動が出来るのなら、
俺に狙いを変える可能性もある。

331スミノフ『デマーケイション』:2018/08/20(月) 01:51:27
>>322

「大丈夫。俺の稼ぎ方はシンプル」

「契約には筋を通すってことだ」

ばらまきの都合上当たってしまうのは仕方ない。
当たっても恨みっこなしだ。
どうにかできる問題ではないし、ちゃんとやる事はした。

「イラムシちゃァん!」

刃物でなくてよかった。
しかし次の一手で刃物は来る。
危ない状態だ。

(蹴り……斬るじゃなくて……めんどくせぇな……)

(移動とかの仕方に制限があるんだろうなぁ……)

「ドタマをカチ割んぞ!」

身をかがめ、地面に貫手(パス精ACD)
そしてかがめたまま、拳を握り込んで女に向かって走る(スC)
重機のように無理やり地面を抉りながら進んでいく。
左腕は前に構えて一応の盾がわりにしておこう。

332スミノフ『デマーケイション』:2018/08/20(月) 01:52:10
>>329
回答に感謝します

333『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/20(月) 23:21:29
【早見】
>>328(高天原)

穴の大きさは、見たところ猫より一回り大きい程度で他の部屋と大差ない。
高さも猫が通れる程度。そこに違和感はない――――鍵は掛かっていない。

穴から部屋の全容は見えない。電灯も灯っておらず、奥に何かあれば見えない。
はっきりと見えるのは外の明かりが差し込む廊下から見られる、部屋の前半分だ。

              パタ
                  パタ

「スタンドッ…………! ほぼ間違いなく、『アタリ』だッ」

     「スタンド能力で『金を生む』猫なんだッ!」

早見はどう動くべきか逡巡している。
少なくとも先走って向かったりはしていない。

           ≪ハ ピ≫

                  ≪ ピピピッ ≫

           「・・・・・・」

              ムクッ

     ヒュォオォ

猫が――――起き上がった。

がしゃがしゃと音を立てて、寝床の財宝の上に我が物顔で。

                  ・・・!
                            ・・・

下の階層から何か言い争う声が聞こえ、
すぐに収まった。じきに彼らも上階を目指すだろう。
祈るとすれば、『警戒して歩みが遅くなる』パターンか。有り得なくはない。

334『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/20(月) 23:25:01
【フリー】
>>325(硯)

硯が提案する『話し合い』のルールは、世にも恐ろしいものだ。
世にもというのは……『世界レベルでも』と言う意味も含む。
なにせ、白人の男は沈黙しながらも顔色を明らかに悪くしている。
傍で全容を聴き終えた西園寺は渋い表情だったが、頷いてもいる。

「…………確かに、うちの派閥はそういうやり方を嫌います。
 人道に反しますし、助かりたい気持ちから適当を言いかねない。
 そういう理由で……だから、その『やり方』は止められるでしょう。
 『人員を呼ぶのは尋問が終わってからでも遅くはなさそうですね』」

「それと、そちらの雇用主……漣さんはここには来ないと思いますよ。
 あの人はスタンド使いだけど、『前線に出るタイプ』じゃないらしいし」

               ザッ

「だから、ここで多少『事故』があっても、
 見られない……そちらの信頼に大きく響きはしない」

          「共犯者の私が口を割る理由もない」

                    ゴ ゴ ゴ ・・・

彼は話が分かるようだった。
タイヤを押し付けられ、尚も押し黙る『白人』の傍に立つ。

             チッ
                    チッ…

西園寺の腕時計が時間を刻み――――
『脈打つ生命』がいよいよ終わりを迎えそうな、その寸前。

        「オッ」

              「オ……『オリオット・グレイ』。
               コードネームは、『スティングレー』」

                         「ワタクシの名前だッ」

西園寺はその様子を眺め――――どうやら適切な質問を考えているようだ。
待つ余裕はあるが、硯からもどんどん質問をするほうが引き出せる情報の数は増える。

335『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/20(月) 23:33:15
(★宗像とスミノフは同じ場におり、かつ半ば共闘状態のため、
  状況把握のため双方の前レスを自由に確認して構いません)

【音仙】
>>330(宗像)

「喉に血が詰まって上手く答えられない、と思います。原理は分かりませんけど」
 
               「ゴボゴボ、となるんです」

ビルの中については見ていない以上なんとも言えない。
想像通り中にはなにもおらず、偶然この女がいただけかもしれないし、
既に中で猫を捕らえた上で『近付く者を見張っている』可能性もある。
さながら『シュレディンガーのネコ』のように、確定している事はない。

            バッ

明確に狙いをつけた攻撃ではないゆえに、回避も難しくはなかった。
『アヴィーチー』にすら当たる事無く――――そして女の追撃もない。
彼女はパーカーの男(イラムシと言うらしい)やスミノフとの攻防に向いている。

その攻防は――――あまりにも奇妙だった。
観察を続ける宗像にははっきりと見えていた。

女の蹴り足に『窓』のようなものが現れ、そこから苦無風の刃を持つ手が生え、
女の足を掴んだパーカーの男こと『イラムシ』の手首を刎ねようとしたが……
彼の突き飛ばしと、ラッパー風の男(スミノフと言うらしい)の猛接近のせいか、
手首ではなく手指を斬り付けるだけに終わり、再び『窓』から脚の中に引っ込んだ。

                  ・・・そして、『窓』は今消えている。

この現象は果たして『瞬間移動』と繋がる物なのだろうか――――あまりにも、『謎』めいている。
現在スミノフが地面を砕きながら女に接近している。その攻防の中で、再び見る事は出来るだろうか?

【フリー】
>>331(スミノフ)

「俺にも俺なりの都合があるが、しばらくは付き合う」
「ただし――俺に『攻撃』するのは止めておけ」

作業服の男は、先ほどのスミノフの言葉にそう返した。得体の知れない響きだ。
彼は瓦礫のばらまきを回避しており、こちらに今すぐ何かをしてくる様子はない。

「…………………!!」

             ヒュン
                   バシィッ

女の『攻撃』と、イラムシの『ヘイト・スティンガー』が女を突き飛ばす動作。
それはほぼ同時。スミノフは女の『攻撃』を――――その『刃』を垣間見た。

         シュル…

明らかに『奇妙』だった。
蹴り足から突如、苦無のような『黒い刃』が突き出された。
それは脚を掴んでいた腕を手首から斬り落とすような動きだったが、
突っ込んでくるスミノフと、イラムシの咄嗟の退避で浅い斬撃に留めた。
そして今、刃は名残惜し気に、しかし素早く足の中に引っ込んでいく。
その時、その根元には――――女の脚には、『窓』のような物と、刃を掴む『手』が見えた。

                 ・・・『瞬間移動』と、明らかに『別』。

「チィィイッ……! スミノフさァん、こいつは『妙』ですねェッ!!」

勘か偶然か間一髪直撃を避けたイラムシだが、本体の手にはそれなりの切り傷。

直接斬撃ではない手を選んだのは、この『不意打ち』のためか?
あるいは直接斬撃では、先ほどのように一瞬の『間』がある事を嫌ったのか?

   ドガ

                ガガガガガァッ!!!!!!

「いたた…………わぁ、とても『パワフル』……です。
 契約への姿勢と同じ、アナタはとても『ストレート』なヒトですね」

           「当たったら、痛いでしょうね。ああ、怖い……怖いです」

                         ニコ…

極めて強引に、力強く前進するスミノフに、突き飛ばされ雨中に尻餅をついた女は目を丸くしている。
一見無防備だが、瞬間移動がある。その謎がまだ解けていない今、純粋に拳を当てるのは中々難しいだろう。

336宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/21(火) 19:25:13
>>335

(最初に使ってきた『刃物』――それが『あれ』か)

『本体』に『窓』を設置して『刃物』を出す。
現時点で分かっているのは、それだ。
奴は今まで本体自身で攻撃を行っている。
ヴィジョンらしきものが見えなかった事から、
ヴィジョンは存在しないのではないかと思っていた。
あの窓の向こう側に潜んでいるのが、奴のスタンドという事らしい。

(『アヴィーチー』の能力で奴を仕留められる見込みはある)

(だが、あの場慣れした女に通用するのは一度だけだろう)

(その一回で必ず『命を奪える』という確証が得られない限りは使えない)

まず、右手の枝を『アヴィーチー』で女に投擲する。
そして、ビルの入り口に向かって歩いていく。
女からは目を離さない。
邪魔が入らなければ、そのままビル内に入り、壁に背中を預けた状態で、
見える範囲を確認する。
女の姿が消えたら立ち止まり、次に水音が聞こえるであろう方向に向き直る。

337高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/21(火) 20:15:04
>>333

「問題は、『仕組み』ッスね……
 『金を生む』ってだけ分かっちゃあいても、
  そいつは真相には程遠いッスからね……」


 真相。

 『金を生む』猫を見つけるのが目的じゃない。
 噂だけでも、記事は書けるだろう。
 しかし、噂には必ず真相がなくてはならない。
 この場合は、猫の『スタンド』能力だ。

 早見がそれを理解して、初めて目的達成となる。
 そしてそのためには、『スタンド』を理解できる高天原の目が必要だろう。
 猫の今後や、それ以前に自分たちの身の安全だって大事だが。


(……『猫の安全』だけ考えるなら、)

 『ウィーピング・ウィロウ』は、扉を引く。

(逃がしてやればいい。猫は『確かに此処にいた』。
 けれども、『今はもういない』……そういう状況を作ってやればいい)

「早見さん……お願いしていースか」

「先ず、俺が様子見で中に入ります。
 先輩はその間、他の『鍵が開いている部屋』を探っといてください。
 下から来る奴らの『足音』に気ぃつけて……
 下からいよいよ来たって時には、他の部屋に入って、鍵を閉めて待機ッス」

「連中が来たら、俺が囮ンなって、先に逃げます」

「俺が上手いコト全員釣れたら、後から逃げてください。
 ……あっ、三階の俺のケータイだけ、回収お願いしますね」

「『鍵が開いている部屋』がなけりゃあ、この部屋に来てください。
 ……こっちの鍵は、開けておくんで。そっから後のことは、そんとき考えます」


 早見の了承を得たら、部屋の中へ入る。
 ここからは時間との勝負だ。先ずは猫を確保するか、その『能力』を解き明かす。

338硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/21(火) 22:00:03
>>334

「西園寺さん、ありがとう。
 それに『スティングレー』さんも良く話してくれた。
 やはり『歌の力』はマジでドープでイルだな」

          「そうだな」


拘束した『スティングレー』を変わらず見下ろしながら、
有益な情報を得る為に、思考を駆け巡らせ、
そしてゆっくりと口を開く。

「4つ、いや『5つ』だな。
 スティングレーさん、よろしくお願いします」


      ペコリ


「1つ、『猫の能力』が知りたい。
 君の知っている限りで構わない」

「2つ目は勿論、『猫の居場所』だ。
 この質問も、君が俺達とお話ししている時点であまり期待できないが」

「3つ、『君の仲間』について。
 今回の『猫探し』には『エクリプス』は何人絡んでいるんだい?
 君の仲間の容貌、居場所、そして『能力』って奴も知りたい。
 俺は『臆病者』だから、『予習』をしておきたいんだ」

「4つ、君の『スマホ』のパスワード。
 こんな事を聞く意図、君なら汲み取めるだろう?」


淡々といくつかの問いかけをした後、
わずかな間を置く。


「そして最後、
 俺にとって一番重要な質問。猫探しよりもずっと、だ。
 
 ――君から見た俺という人間の『印象』を教えてほしいんだ。
 世辞も忖度も一切の装飾がない率直な『感想』を。
 スティングレーさん、君の眼には俺はどう映っているんだい?」

339スミノフ『デマーケイション』:2018/08/22(水) 01:31:23
>>335

「妙だなァ」

「だが、殴られたから見えるもんもあるんだぜ」

考える。
進みながら少しだけ考える。

(窓……境界線。区切り……窓の中にいるのか……?)

(窓の中に別の世界があるなら……窓の中に落ちることで瞬間移動が成り立つ……)

(レインコートってのがまずくさいぜ。仕込んでるものを隠すのにはちょうどいい……)

仕掛けよう。
もっと手を出してもらわないと戦えない。
能力をもっと見せてもらおう。

(……誘う)

『デマーケイション』の能力、狗の髑髏を開放する。
自分とレインコートは当然の如く当事者だろう。
作業着の男とイラムシ、マナビを当事者に指定。
先ほどの何かは指定しないが、弾けるかどうかは分からない。
今この場にはいないが、彼女の一部として精神が認めているなら弾けないだろうし。
ただ、能力の発動という事で相手も何かしら考えるだろう。

「……潰す」

腕の振り上げ。
アッパーカットの形で下からレインコートの女をカチあげにいく(パス精ACD)。
大ぶりな動きだし、瞬間移動で避けられる可能性もある。
それでもそうしたのは、相手の瞬間移動をより近くで見る目的、そしてもしもまた先ほどのような攻撃がくるならそれも見たい。
出来れば攻撃の方が見たいので避けやすい位置でアッパーカットをしよう。

340『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/22(水) 22:44:10
【音仙】
>>336(宗像)

窓と、刃物と、瞬間移動と――――――宗像は能力を推察する。
外れているかもしれないが、『窓の奥の脅威』の存在は間違いない。
その正体よりも、『危険性がある』事実の方が重要なのかもしれない。
あるいは藤原しおんは何かを知っているかもしれないが、
この戦闘の中で電話に気を逸らすのはかなり厳しいだろう。

               ビュン!

木の枝を投擲――――当然のように避けられる攻撃だが、

「……潰す」

ここで偶然にもほぼ同時、『スミノフ』が女に殴りかかる。
この意図せぬ同時攻撃は、女の『瞬間移動』による回避を誘発した。

                   『バシャン』

――――どちらも命中はしない。

やはり、見てから回避できる通常の投擲は命中し得ない。打撃も同じだ。
女の反応速度は、少なくともこの平常状態では『プロの格闘家』並の物がある。
瞬間移動先は咄嗟ゆえか特に誰もいなければ何もない、五つ見えるうち真ん中の街路樹の付近だ。
付近と言うと分かりづらいが樹の下ではなく、やや離れた位置。現に雨が女の髪を濡らしている。


             「あー……だからワタシ、こういうのは向いていない」

                   「ワタシのせいじゃないですからね、シンエンさん」

この距離感により、ビルに入る事に成功した。
女の『瞬間移動』はそう間を置かずに連発できるわけでもないのか、
あるいはスミノフを警戒しているのか、ビル内に転移して追うなどは無く、恨めし気に眺めてくる。
出し惜しんでいるのでなければ――――このままビル内の探索に移行する事も出来るか?

                   フワ
                        フワ

「ちょっとした応急処置ィィ〜〜ッとォ・・・確かに使われないと手札は見えませんからねェ」

            「今の斬撃・・・この女の回避動作より、明らかに速かったですよォ。
             つまり人間以上、オレらのスタンドじゃヨーイドンの速度対決には勝てない」

いつの間にかスミノフの周囲には、彼のスタンドから切り離されたらしき『犬の髑髏』のような物が浮いている。
イラムシも何かしているが、派手な動きではないためよく分からない。スタンドで自分の傷口に触れている?

                  ・・・ここから見える範囲はちょうど『3つ目の街路樹』が限界。

341『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/22(水) 22:44:22
【フリー】
>>339(スミノフ)

        ガ
               コン ・・・

解き放たれた『猟犬』は、今はまだ動き出す事はない。
この場に今、当事者以外の人間はいないという事だ。
あの『謎の存在』も――――少なくとも狗の探知外という事か。
豪雨が続くこの道に余計な通行人がいないのは幸いだった。

                ブオ
                   ンッッ!

避けさせるのを狙った殴打は――――半分は狙い通りだ。
10割にならない理由は『作業服の男』が投擲した『木の枝』。

この同時攻撃は『身一つ』でかわすのは難しかったらしく、
女は瞬間移動による回避を選ぶ。『防ぐ』などは端から無いようだ。

              『バシャン』

近くで見ればわかりやすかったことがあるが、瞬間移動には『順序』のようなモノがない。
意識しなければ発動できない――――というのはタイミングから見てまず間違いないだろうが、
その目に見えない兆候以外で『脚から消える』とか『消える前に光る』といったものはなく、
ごく自然に、降り注ぐ雨が水たまりに紛れるように、消える。そして離れた位置に現れるのだ。

今回女が出現した位置は、五つ存在する『街路樹』の内、どちらから見ても三つ目。真ん中だ。

             「あー……だからワタシ、こういうのは向いていない」

                   「ワタシのせいじゃないですからね、シンエンさん」

作業服の男はこの隙にビルの中に足を踏み入れた。女はそれを恨めしげに眺めつつ、追う動きは見せない。
尻餅をついた姿勢のままの転移から立ち上がっている。イラムシは切り付けられた箇所にスタンドで触れ――

         ズ 
              モモ

「ちょっとした応急処置ィィ〜〜ッとォ・・・確かに使われないと手札は見えませんからねェ」

            「今の斬撃・・・この女の回避動作より、明らかに速かったですよォ。
             つまり人間以上、オレらのスタンドじゃヨーイドンの速度対決には勝てない」

その傷口を謎めいた『毛皮』のようなもので覆うように処置しながら、スミノフに近付く。
その効果のほどは不明。また、証言についても事実性は不明だが、一番近くで、体感したのは彼ではある。

342『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/22(水) 22:44:40
【早見】
>>337(高天原)

「…………わかった。すぐ逃げ込める場所は確保しておくよ。
 咲哉君もマズいと思ったら一目散に逃げてくれてかまわない。
 命あっての物種……それじゃあ、お互い『上手くやろう』」

                     ザッ

早見は慎重に廊下の奥へ歩いていく。
何故この部屋の鍵が開いているのかは不明だ(壊れている可能性もある)が、
これまでの傾向から見ても他にもう一部屋くらいは開いていてもおかしくはない。
少なくとも、それほど厳重に管理されているビルというわけでもなさそうだし。
 
        ギ
             ィ
                ィ

                    …


「ミャオゥ」

開いたドアの先には猫がいる。
その頭上にはやはり不気味な『スタンド』が浮いている。
まるで警戒しているかのように、高天原を見上げている。

                     ――――そして。


「…………落ち着け『カーバンクル』。
 この様子、『アリーナ』の人間じゃあない」

           「だが……『エクリプス』の仲間でもない。
            おそらくは君のことを狙っている人間だ……」

                    ゴ  ゴ  ゴ  ゴ

       「ミャ〜オ」

                ≪ハピ  ピピピッ≫

男がいる――――開け放たれたドア、入り込んだ外の光が、部屋の奥に椅子を置き腰掛ける男を照らし出す。
神経質そうな顔立ち、高級感のある『眼鏡』、そして早見とはまた違う趣向の、カジュアルなスーツファッション。

                 「……君に」

「先に言っておくぞ……大人しくするなら危害は加えない。お前のお仲間にもな…………
 『アリーナ』はどうしようもないが、後ろ盾がよく分からない人間に手出しをする気はないんだ。
 後ろ盾がないから手を出すって意味じゃあない……お友達に一人でもスタンド使いがいれば面倒だ。
 なにも僕は争いが嫌いとかじゃあなくて、不要なリスクを負いたくないからだがな…………分かるだろ?」

                     「それで……ここには誰かの命令で来たのか?
                       まさか『肝試しです』なんて言わないで欲しいがな」

                                        ――――こいつは、何だ?

343『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/22(水) 22:44:55
【フリー】
>>338(硯)

「ネ、ネコの、能力はワタクシも知りませェーん……!
 『光り物』を『コピー』して『量産』すると、
 ごく基本的な、さわりだけは聞いていまァすが……
 ワタクシは『カーバンクル』を使っていた人間じゃなァい!
 アレの使い道は『五十嵐』という仲間が一番詳しいですゥが、
 ヤツは秘密主義者でワタクシには肝心な事を教えませェンでした」

この口の割り方を見れば、それは正解だったということだろう。
もちろん『スティングレー』の敗北を確信していたわけではないだろうが。

「い、居場所も知りぃません、でももう『見つけている』はずでェす!
 作戦はそういう手はず、ワタクシがアリーナの増援を引き付け、
 その間に『五十嵐』が猫を確保、『藍嵐』が五十嵐とネコを護衛……」

             ランラン   エニグマ          イガラシ
「……仲間は『3人』……『藍嵐』と『縁隈』のコンビ、そして『五十嵐』ッ!
 藍嵐の能力は『瞬間移動』で、『縁隈』は『クナイ』の器具型スタンド、
 五十嵐は……『ラッパ』を持った『エンジェル』のスタンドでェすが、
 全員元はワタクシと違う派閥の人間で、詳しい能力までは分ぁかりませェン」

「仲間内でも信用できる奴にしかスタンドは教えない、これは世界的に常識……!」

よく考えれば硯も『スミノフ』や『イラムシ』の能力についてはよく知らない。
志を一時的に同じにしている仲間だとしても、そうやすやすと能力は明かさない。

「見た目は……藍嵐は『レインコート』を着てる女で、髪を縛ってる東洋人。
 五十嵐は『眼鏡』を掛けた日本人で……派手なスーツを着てて目立ちまァす。
 縁隈は直接会っていない、名前を聞いただけでぇすが……『ニンジャ』の末裔と噂で」

           「パ……パスワードは『1106』でェス……」

それらの話を聞いている西園寺は、もどかしげにタブレットを弄っている。

「……上司に連絡をすればこれらの情報を『アリーナ』のデータベースと照合できます。
 私は一般職員だから、奪われる危険性がある『これ』には直接データは入ってないんだ」

彼のタブレットはあくまで連絡用であり、今得た情報を確かめるには『連絡』するしかないようだ。
それはつまり、この場にアリーナの人員がさらに増える可能性があるという事なのだが……
勿論確かめなくても一定の価値はあるが、『エクリプス』の人員を確定させるには必要な過程かもしれない。

                        ――――そして。

「お……恐ろしいヤツ……」

          「オマエは恐ろしいッ!」

               「どうゥしてそう淡々として……」

                           「ワタクシには、り、理解できないッ」

「こ…………これだけの事ォが出来るのに、アナタは暴力を振るうのが楽しくないんでェすか……!?」

344高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/23(木) 01:02:39
>>342


(―――――おいおいおいおいおい、ふざけんなッ)

 慮外の存在に、脂汗が噴き出す。
 この廃墟は『猫の住処』。
 その前提に囚われすぎて、予想だにしなかったのだ。

 『人間の先客』が、待ち構えているなどとは。

 早見の公務員然としたスーツを思い出す。
 彼はその着熟しを『マスターキー』と称した。
 上等の衣類はただのファッションではなく、信用を得るための機能を備えている。

 では、男は。


   (どっからどう見ても『関係者の方』じゃねェかぁああ!!!)


 笑みを引きつらせながら。


「…………ごっ」


  「ご期待に添えなくて申し訳ないッスけど……
   大差ねェースよ、『小遣い稼ぎの野次馬』ってトコかな……」


         「もっとも、ちぃと『深入り』しすぎたみたいッスけど……」


 口を動かしながら、脳味噌をフル回転させる。
 沈黙は一番の悪手だ。
 情報を整理しなければ。


 (早見さんの存在はバレてる)

          (でも素性は知れてねェ 当たり前か)


    (『ウィーピング・ウィロウ』は、多分見られた)


 (つーか なンで  こんな『廃墟』で何してんだ?)

    (『アリーナ』と『エクリプス』)


 民間人と友好的な存在でないのは確かだろう。
 その上で、男の言葉は現状を把握するには大きなヒントとなった。

 『スタンド』使いである高天原に『危害を加えない』と言った。
 『危害を加える能力』があるのは大前提で。
 にもかかわらず、自分たちという『目撃者を見逃す』ことよりもリスクの大きい『何か』がある。

 下から来た団体は、何かを『探している』ようだった。
 男が此処にいることを知っていたのなら、一直線にこの場所を目指さないのはおかしい。


   「……生き残るために『媚び』売るワケじゃねェーッスけど」


       「その『アリーナ』って連中、すぐ下まで来てるぜ」


 状況は、前門の虎に後門の狼だ。
 だが。
 交渉の余地はある。突破口がないわけじゃあない。

 情報を提供するのは、『生かしておく価値』を見せるため。


  「俺としちゃあ、見逃してもらえるんなら見逃して欲しいトコッスけど」

     「もしも仮に、今アンタに見逃してもらえたとしても、
       結局は下の連中に見つかっちまうんスよねェ〜……」

    「そんで アンタの状況次第じゃ」


           「俺とアンタの問題って 一緒に解決できないスかね?」


 後門の狼から逃げ切るためには、虎の威を借りる必要がある。

345硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/23(木) 22:10:24
>>343

  「先刻も言っただろ、
   俺は『弱い』。そして本音を言えば『怖い』」

空いてる左腕をスタンドと共に上げ、
力を凝縮させるかのようにゆっくりと拳を握る。


「君は『コレ』を『心の刃』と称し、
 まるで己の『王冠』か『勲章』のように誇っていたが、
 ならば俺の『コレ』は『心の車輪』で、
 それを操る俺は『車輪の王様』かい?
 ……冗談も『ワールドクラス』だな。

 『コレ』は『強い』。『俺』ではなく『コイツ』が、だ。、
 なんとか『コレ』は『足が速い』とか『作文が上手い』とか、
 その程度のものだと考えるようにしているが、
 おそらく、誤魔化しているだけなんだろう」


       ググッ


「大した人生を送ってきている訳ではないが、
 俺の人生全てが『顕在化』した姿が『コイツ』だなんて、
 もし認めてしまったら、今までの俺の人生を否定されるようで、
 俺は決して、決して認めたくない。
 けれども、否定の感情を抱いているにも関わらず、
 俺は今――『コイツ』に頼っちまッている。 

 俺という器の中で渦巻くのは『矛』の水と『盾』の油。
 この混沌とした『苦悩』を孕んだまま『コイツ』に心を委ね、
 終わりなき『暴力』に身を投じれる程、俺は強くない。

 
 望んで手に入れたかどうかすらもう定かではないが、
 もし、この気持ちのまま『暴力』に身を任せたら、
 いつか、いつか、俺の存在を『コイツ』に奪われそうで、
 俺は何よりも、この『スタンド』って奴を恐れている」


            「つまり」

「何が『スタンド使い』だ。
 心底――くッだらねェ」


『スティングレー』の腹部を殴り、気絶させたい。
そして『スマホ』をひったくり暗証番号を入力してロックを外したい。

346スミノフ『デマーケイション』:2018/08/23(木) 23:27:34
>>341

「っだァ! ンだよ……」

「速いのは厄介だな」

攻撃を当てるのにも一苦労だ。
後の先を取りたいが、この場の全員との連携が難しい。

「こいつはタイマン向きっていうか、タイマンの能力だ。それ以上はない」

「奇妙な話だが、俺の本来の精密な動きが出来ねぇ。自分の体のはずなのにな」

「現状はブレーキの壊れたダンプカーを動かしてんのと同じ」

威力そのものは折り紙付きだ。
ただし、車にぶつからなければ事故は起こらない。

「あのレインコートひっぺがしてやる」

>>331 メ欄
地面→破片→握り込み

破片を事前に握りこんでいる。
レインコートがいるであろう所に投擲する(パス精ACD)
一旦は反応を見よう。

347宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/24(金) 00:42:43
>>340

(『スタンドの一部』を切り離す――俺と同じだな)

『犬の髑髏』を見て、
『アヴィーチー』から切り離された『ノコギリザメ』が頭に浮かんだ。
スタンドとしての『型』は異なるが、共通する点もある。
恐らくは、『あれ』が能力か。

(すると、あるいは『あれ』も――)

「――……」

二人の男とレインコートの女を一瞥し、ビル内に視線を移す。
壁を背にして歩きながら、そのフロア全体の様子を確認したい。
構造や物、床の様子等を確かめる。
この場所には、先に黒服達が侵入している筈だ。
まだ生きているかどうか知らないが、
そいつらの立てる音や声が聞こえないかについても注意を払う。

「念の為だ」

ここに『カーバンクル』がいるかどうか。
もし、いたとすれば儲け物だ。
あくまで仮の話だが。

(最低でも、敵は『もう一人』いる)

レインコートの女のスタンドが、この雨を降らせているとは思えない。
どこかに雨を降らせるスタンド使いがいる筈だ。
見つけた時は、そいつの息の根も止めなければならない。

『藤原しおん』は何か分かれば連絡すると言っていた。
そして、まだ連絡は無い。
『藤原』の身に何かあったのでなければ、今は調べている最中なのだろう。

348宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/24(金) 01:36:19
>>347

しかし、『藤原』は瞬間移動のスタンド使いが来ている事は知らない。
今の内に、それを伝えておくべきか。
探索を行いながら携帯電話を取り出し、『藤原しおん』に電話を掛ける。

349『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/25(土) 07:55:17
【早見】
>>344(高天原)

「『小遣い』か。ある程度事情は知っているようだな……確かに十分『深い』」

              フ

男は笑みを浮かべるが、そこに楽しいとか嬉しいという感情は見当たらなかった。

「…………『状況』、『問題』か」

それでも話が継続するのは、相手の事情と――合理的提案を差し入れた高天原の判断。

「……『アリーナ』は、流石に無能な連中ではない。
 幾つの派閥が動いているのかは知らないが…………
 人海戦術で探し回ればこんな珍しい猫の足取りはすぐに追える。
 潜伏しているビルの候補を絞るのにそう時間はいらない。
 ……『カーバンクル』を取り返しに来ることは想定していた。
 だからそれより速く捕獲し、安全を確保して脱出する手はずだったが」

                 「ミャオウ」
          スック

男はオールバックの髪をかき上げ、口を回しながら立ち上がる。
それは高天原に聞かせるというより、苛立ちの渦を整理するような。
スーツの靴にはわずかな爪の跡が見られるが、その主と思われる猫は知らん顔だ。

「……捕らえるのに想定以上の時間がかかってしまったんだ。
 そして、『アリーナ』側の動きは想定以上に早かった。
 ……さらに、僕の仲間は想定以上に融通が効かない人間で、
 君やアリーナの職員がここに入ってくるのを阻止出来なかった。
 イラつかせてくれるよな……まあ、誰に言っても仕方ない。
 時間を掛けちゃまずい状況を作った『アリーナ』にイラつくべきだ」

話からするに、廃墟で遊んでいたのではなく『猫を追って廃墟に来た』のだろう。
そうなると、その『仲間』とやらもこの付近にいる、という可能性は高いわけだが、
――――あるいは先ほど垣間見た、外の騒ぎにも何か関与しているのかもしれない。

「『アリーナ』には詳しいか? この町を牛耳る裏組織のことだが、
 その口ぶりからすると『名前くらいは知ってる』ってところか。
 …………手短に言うが、僕は『アリーナ』に追われる身の人間だ」
 
「奴らが牛耳るこの町で……もし騒ぎを起こせばたちまち不味い事になる。
 それでも、アリーナの兵は向こうから来るから火の粉を払うしかない。
 ……まあ、相手が一般職員程度であれば騒ぎを起こすまでもないわけだが」

    ズギュン

「スタンド使いが相手だと、ピンからキリまで、『厄介』。イラつく限りだ。
 可能な限り相手をしたくない。一人倒せば終わりという話でも無いからな」

男の背後には『蟲の天使』を思わせる異様な人型ヴィジョンが浮かんでいる。
細い手足からは『破壊力』は感じさせないが、手に持つ『喇叭』が存在感を示す。

「…………事情はだいたい伝わったか。君はけっこう賢明な青年に思えるからな。
 この町の住民が『エクリプス』と一時でも手を組むのは後ろめたいかもしれないし、
 後々面倒に巻き込まれるかもしれないが……今を切り抜けないと、明日は無い。
 いざとなったら僕に脅されたと言い訳するといい。それ以上の面倒を見てやる気はないがね」

         「ミャオゥ」
                            ≪ハピ ピピ≫

「――――僕は『エクリプス』の『五十嵐宙』。ここまで聞いてしまった君に、あまり選択肢も無いが」

                    「このビルを無事に脱出するためになら手を組めると思う」

350『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/25(土) 07:55:35
【フリー】
>>345(硯)    

スティングレーに、硯の言葉がどこまで『理解』出来ていただろう?
己と力の間に線を引く事、あるいは引こうとする、引くべきであるとする事。
力と己は『不可分』と考える者は多いだろう。だが『降って湧いた』ような力ならば。

                  ・・・誰がそれに答えを出せるのだろう?

             ド
                    グゥ
                          
鋭く薄い刃を嬉々として乗りこなすこの男にどこまで届いただろう。
あるいは理解不能の悪罵、狂気の沙汰、呪詛、静かな心の叫び。

          「…………!」

無益な答え合わせは訪れず、敵は目を閉じる。

                スティングレー『ゼロフリクション』→『気絶』
            
       ピ
            ピ

絶句する西園寺は止めに入ることなどない。ひったくったスマホのロックを外す。
何らかの洋楽ジャケットらしき壁紙のホーム画面には、最低限のアプリだけがある。
その中には――――連絡用の物も存在する。電話もだ。写真、その他初期設定のアプリなど。

                      ・・・情報がどれほど残されているかは不明だが。

351『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/25(土) 07:55:49
【フリー】
>>346(スミノフ)

          バ
                ヒュッ

「!」

         『バシャン』

「いつの間に、『コンクリートの破片』……!
 パワーだけ、違いますね。『喧嘩』、お上手のようで」

レインコートの女も、突然の投擲には流石に面食らったようだ。
再び瞬間移動――――これは人的な要因か能力の制限か怪しいが、
どうにも『不意を打った』際の瞬間移動は場当たり的な転移先を選ぶ。

     ・・・出現点は左から3本目と2本目の木の間辺り、ビル寄り。

「速いのはあの『刃物』の攻撃だけ、さっきの蹴りも速度は人間並でしたねェ」

イラムシはスタンドの手で持った木の枝を女を牽制するように構えている。

「ヤるには瞬間移動を封じるか、瞬間移動しようと思うヒマもなくぶっ潰すか。
 逆に『ビビらせ』て精神的に隙を作って、そこを突くってのも一つ。
 あるいは瞬間移動する先を読んで、『現れた直後』に叩き込むってのもありますか」

           「なんにせよ何か『条件』はありそうなモンですがァ〜ッ・・・」
 
   ザ
           ァ   ―――――――――――――――
                                 ・・・

雨が降りしきる中、状況はつい先ほどと特に変化はない。
距離の違い、そして――――女はイラムシとスミノフを凝視しており、『攻撃』も有り得るという事。

352『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/25(土) 07:59:18
【音仙】
>>347-348(宗像)

『ノコギリザメ』のように動き回る事は無いが――アレにも『ルール』があるのだろう。
外の攻防は特に大きな動きも無い。逆に言えば男たちが追い詰められてもいない。
宗像にその気があるならば、ビル内の探索に専念してもさほど問題はなさそうに見える。

ビル内の床や壁はコンクリだが、露骨なコンクリ張りとかそういう無骨さはない。
廃ビルではあるがそこまで荒廃はしておらず、特に動かせそうな物なども放置はされていない。

              オ オ オ・・・

入り口から直接は見えなかったが、廊下には『防火扉』らしき物が下りている。
そしてそこに『穴』が空いている。人ひとりが這えば通れそうなサイズだ。
ちょうど穴の周辺は不自然なほどに埃が取れており、誰かが先に通った痕跡もある。

他に入れそうな場所などもないため、先に進むならここを通ることになるだろう。
一応、他にも廊下はあるがすぐに行き止まりであり、あるのはトイレくらいだ。

                     ・・・

                          ・・・

黒服はこのフロアには少なくともおらず、上のフロアから微かに足音らしき物は聴こえる。
人の形跡――――例えば暴れまわったあととか、血痕とかは無いのでここで死んではいまい。

             プルルルル
                   プルルルルル…

                        ≪…………もしもし、藤原です。宗像さんですか?≫

353宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/25(土) 18:10:32
>>352

(今の所は膠着状態――のように見えるな)

悪くはない状況だが、使える時間には限りがある。
あの二人とレインコートの女が睨み合っている間に、
やれるだけの事はやる。
その為には、一秒たりとも無駄に出来ない。

「ああ、『残党』の一人を見つけた。今、交戦している」

「生身の格闘に長けている女だ。
 今その女は別の相手に構っているが、いつ俺の方へ来るか分からない」

「俺が体験した敵の能力を手短に言う。
 まず、その女は『瞬間移動』が出来るようだ」

「他には、女の手足に『窓』のような物が現れ、
 そこから『刃物』を持ったスタンドらしき『腕』が出て切り掛ってきた。
 ――何か思い当たるような事はないか?」

通話を行いながら、防火扉に向かって歩いていく。
開いた穴に近付き、そこを通る前に詳しく観察する。
それから穴の向こう側を覗き込み、先に人の気配がないか確かめる。
もし誰かいれば、ひとまず様子を見る。
誰もいなければ、姿勢を低くして穴を潜り抜ける。

354硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/25(土) 22:22:52
>>350

   「…」

「多分これは俺の八つ当たりなんだ。
 スティングレーさんに酷い事をしてしまった。
 俺は、最低だ」

スタンドを解除。
そして音楽プレイヤーとステイングレーのスマホを
ツナギのポケットにしまうと、
ゆっくりと立ち上がり倒れているスティングレーに深々と頭を下げる。


「スティングレーさん、
 本当にごめんなさい」

      「それと」

「西園寺さん、俺はもう行く。
 このスマホって奴はしばらく借りておく。
 きちんと『エクリプス』の人に返しておくから。
 
 ――彼が起きた時によろしく伝えておいてくれ」


とにかく今はこの自己嫌悪の感情から逃がれたい。
自分のガラケーに届いたメールをチェックし、
倉庫街から歓楽街へと移動したい。
(道中タクシーが停まっているようだったらそれに乗り込む)

355スミノフ『デマーケイション』:2018/08/26(日) 22:12:43
>>351

「なるほどなァ。面倒だぜ、面倒くさいぜ。殴りあえる方が分かりやすくていい」

「……能力の発動条件ねぇ」

窓が能力かと思ったが。
であれば窓の中に入るという動作が必要になりそうだ。
だが、それは違う可能性が高い気がしてきた。

「イラムシちゃん、俺はあいつが異次元かなんかに繋がる窓を出す力があると思ってた」

なるべく小さめの声で話しかける。
敵に聞かれるのは嫌だ。
そして自分はしゃがみこむ。
相手に再度の投擲を警戒させるためだ。

「だが、それじゃあなさそうだな……レインコートが、俺の篭手みたいに身につける姿、と少し考えてる」

「であれば、水に流す能力ならぬ水に流れる能力ってのはどうだ?」

「どうだっても、分かんねぇよって話だと思うけどな」

「となると、さっきの窓はあいつの協力者の能力となるが、どうか」

ビルを見上げる。
誰かが窓からこちらを見ていないか確認するためだ。

「っていうか、あの作業着何してんだ」

「俺がアイツを殴りに行かないのは目的が同じだからだ」

「協力は難しそうだな。マナビちゃんの処理に期待しよう」

356高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/26(日) 22:30:52

>>349

(……まっ、その辺はこの人も不幸の上塗りだよなァ。
 俺や早見さんみたいな『部外者』、
 ホントは関わらねェー方が、互いのためにはいンだ。
 『口止め』の手間もリスクも考えねーといけなくなる。)

 とはいえ、堅気じゃない人間に同情する義理もない。
 『エクリプス』―――かつてこの町に巣食った、『スタンド』使いの反社会勢力。
 その名前は、よくよく覚えがある。

「……でも、所属してる組織についちゃ、どーこー言わねッスよ。
 今回に限っちゃ、首突っ込んでる俺の自業自得なワケだし……
 アンタの言うとおり、先ずは脱出ッス。綺麗事は、生き残ってから好きなだけ言いますよ」

「『事なかれ主義』っていう点に関しては、俺も同じッスから」

 こういうときは、自分自身の日和見主義が便利だとしみじみ思う。

「高天原、一般市民ス。フルネームはさすがに勘弁してください」

 ……まあ、こんな珍しい苗字、この町に二人といないとは思うが。


「早速確認させて欲しいんだけど……
 五十嵐サンは、この『建物』を脱出できりゃあそれでいーんスよね?
 その―――『宝石』を作ってる、『スタンド使いの猫』と一緒に」

 核心に触れる。
 未だ確定ではない情報についてこちらから見せ札にするのは、早見の依頼の件についても諦めてはいないからだ。
 ここで言質をとれば、後から彼に確定の情報として伝えられる。
 五十嵐のスタンドは、『喇叭を持つ蟲の天使』。
 つまり、『翅の生えた歪な顔面』は猫のものだ。

「知ってたらでいーんですケド、ここから下の階段目指す以外に、
 外に繋がる道とかってありますかね……屋上とか、非常階段とか」

357『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/27(月) 01:04:57
【音仙】
>>353(宗像)

≪――――『瞬間移動』と、『刃』?≫

≪『雨の殺し屋』…………その情報を洗い直していましたが、
 『瞬間移動』は……聴き込んだ情報とマッチします。
 『雨の瞬間移動』を操るスタンド使い、殺し屋『藍嵐(ランラン)』≫

       ≪大陸の出身で……殺しのほかに『運び屋』や、
         泥棒のような犯罪も行う『負の何でも屋』です。
          この町で『アリーナ』に敗北し、逃走を選んだ≫
 
  ザ
        ァァァ    ・・・

≪『雨の世界』に限定された『瞬間移動』の能力者と『聴きました』が、
 ……残念ながら能力詳細という『機密情報』を『口伝え』する者は多くはない≫

雨は今も降り続いている。 

≪それゆえに、情報を握っている『アリーナ』を中心に聴き直しても、
 得られているのは現段階ではその程度。『雨』と『瞬間移動』がセット。
 ……『刃』は……脈絡が無い、少なくとも私が今聴き及んでいる限りではですが≫

                ザッ
                    ザッ

穴の先に人の気配はない。罠なども存在はしない。
姿勢を低くすれば通り抜けられる――――断面に『尖った部分』などもなく、  
人が通るにも十分都合のいい状態だ。女のスタンドに謎は残るが、探索は問題ない。  

≪より細かい町の声も洗い直してみますが、詳細全ての把握は……期待はしないでください、ね≫

358『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/27(月) 01:06:09
【フリー】
>>354(硯)

「わっ…………わかった。ああ、わかった。伝えておきます。
 『エクリプス』のこの男は『アリーナ』が責任を持って引き継ぐ」

         「……健闘を祈るよ。貴方がどういう人間でも、
           私達『アリーナ』と目的を同じくする限りは」

      ザッ

西園寺は硯の感情を深くは追及しなかった。その立場や身分もだ。
ガラケーにはスミノフから『情報収集』の成果も上がってきているが、
最新のメールは――――イラムシによる『歓楽街』への召集。

『アリーナらしき人間が仲間を呼んで現在4人。
 歓楽街の廃ビルの中に侵入。現在ビル前で待機中』

地図も付いており、これがスミノフとマナビにも送付されているようだった。
タクシーは道中で発見することが出来た。ほどなくして地図指定位置に辿り着くだろう。

         ザ
                 ァァァ   ・・・

雨が降り出していた。歓楽街に入って、少ししてからだ。
周囲には既に水溜りも多い。少し前から降っていたのか。

晴れ間無い雨雲の下、硯を乗せたタクシーの前方に――座標の『ビル』が見えてきた。

359『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/27(月) 01:10:51
【フリー】
>>355(スミノフ)

「こういうタイプのスタンド使いは嫌いなんですよォ。
 謎さえ解けば、オレらみたいな『シンプルタイプ』に分がありますが」

               「解けるまで待ってくれるはずもナシ」

「窓を絡めるならあいつ自身が『家』で、『引っ越す』能力ゥ〜〜……
 ってのは強引すぎる気もしますから、『窓』は別の線で行きましょう」

「引っ越すなら家の中身で、あいつ自身なのはおかしい……」

イラムシも整理はつけるかのように、浮かんだらしい推測を小声で口にする。
ビルを見上げるが、現状それらしい『人影』などは見当たらない。
協力者がいるとして、それは分かりやすい位置にいるわけではない、か。

             スッ

スミノフは『しゃがみ込む』――――それは単なる動作でしかないが、
見る者によっては別の意味を持つ。先ほど見せたばかりの危険な『兆候』を。

「水。水に流れる――あいつはあの作業服を追う様子がありませんねェ。
 ビルに入ろうとするのは妨害したのに、入っちまったら放置している。
 気が向かないとかじゃァなく、『水がない屋内だから流れられない』としたら」

       「『転移先』は絞れる……とはいえ、もう濡れてる所が殆どですがねェ」

それが意味を成したのか――――瞬間移動による奇襲は今、こちらに矛先を向けない。
女は片手で口元を覆うような構えを取り、スミノフとイラムシの様子を油断なく眺めている。

          ザ
                 ァァァァ
                        ァァァァァ
                                ・・・

マナビの動きは今のところ無いが、もし彼女が狙われた場合、
至近距離の刃物使いに狙撃中では『抵抗』の余地はないだろう。
狙撃による支援が出来るとすれば、確実に当たる状況下――――それを待っているのだろうか?

360『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/27(月) 01:15:49
【早見】
>>356(高天原)

犯罪組織『エクリプス』とのかつての戦いは――この町に幾つもの悲劇を生んだ。
高天原がその当事者だったかは分からない事だが、今はそこにいた男が『協力者』。

「君は『臆病な賢者』だな……長生きできるタイプだ。
 かつて遭遇していたら厄介な敵だったかもしれない。
 まあ、この後敵同士になる可能性は君も捨てていないようだが」

               「ミャウ」

「フルネームは良い。僕の名前が本名だとも言っていないしな。
 そして……その認識で間違いはない。『アリーナ』や『無関係な連中』に、
 僕が捕まる訳には、『カーバンクル』を奪われるわけには行かないのでな」

理由は不明だ。この町には不利益を齎す理由かもしれない。
しかし今は、今だけはこの男は高天原に利益を齎し得る存在だ。

「屋上はある。が、僕の『エフェメラル』はこんな見た目だが『飛行』は出来ない」

                  ≪ハヒ ゚  ピ    ピピ≫

「もちろんカーバンクルのスタンドも人を運べるようなパワーは無い。
 非常階段はあるが厳重に鍵が掛かっていて、破壊が必要になる。
 破壊自体は出来る。が、『不都合』があるので、あまりやりたくはない」

「外に敵がいれば一本道で挟まれる事にもなりかねないしな」

    ザッ

ドア側に一歩、男は歩く。
猫のカーバンクルもそのあとに続くように前に踏み出す。
宝石を作る能力、という事に関しては肯定も否定もない。

「質問を返すが下から来ているという人間の顔は見たか?
 アリーナと断定したという事は、恐らく『黒服』なのだろうが」

                 「その中に指揮官のような人間はいなかったか?」

361宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/27(月) 20:15:34
>>357

話を聞く限り、『刃』は女の能力ではないようだ。
その情報が間違っていなければ、辻褄の合う答えは自ずと導き出される。
女とは別のスタンド使いの能力だというのが、最も自然な解釈だろう。

「分かった。後は俺の方でどうにかする」

このまま潜っても問題はなさそうだ。
姿勢を低くして穴を通り、防火扉の向こう側に出る。
そして、辺りに視線を巡らせながら歩き続ける。

「それから、その女が『シンエン』という名前を口にしていた。
 どうやら、仲間の名前のようだ」

「『スタンドの能力は一人につき一つ』――だったな?
 さっき聞いた話を考え合わせると、
 『刃』の能力が『シンエン』ではないかと俺は考えている」

「――こちらから話す事は以上だが、通話は切らないままにしておく。
 すぐに状況の変化が分かるようにな」

そう言ってから、繋がった状態の携帯電話をポケットに収める。
ひとまず、一通り一階を見て回りたい。
特に気に掛かる点が見当たらなければ、
階段を探して二階に上がる事にする。

362高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/27(月) 21:45:56
>>360

「『賢者』ねェー……」

「恐縮ッスけど……『君子危うきに近寄らず』って言うじゃないスか。
 そういう意味じゃ、俺にはそのジョブは向いてないッスね……
 こんな廃墟に来てる時点でお察しですよ。どっちかっつーと『盗賊』とかソッチ系?」

「それに、言っちゃあ悪いですけど……。
 五十嵐さんの素性を知ってなお、ニコニコ近づいて来るようなヤツの方が、よっぽど信用できないでしょ」

「堂々とビビらせてもらいますよ、俺は! 何なら名前も忘れて欲しいくらいだ」

 地面に落ちている宝石を幾つか拾う。
 コレは、『カーバンクル』がいるという証拠だ。この猫の『足跡』に等しいものなのだ。


「俺の『スタンド』も、そういう芸当は無理ッスね。
 でも、いいんです。『屋上がある』っていう事実だけで十分。
 『屋上がある』というコトは、ここが『行き止まり』じゃあないってコトです。
 『俺たちが屋上に行ったかもしれない』って下の連中に思ってもらえばいいんですから」

「まっ、それが無理なら強行突破になりそうですけどネ……」

 早見より先んじて、扉に近づき、穴に顔を寄せる。
 『アリーナ(推定)』の連中は、もうこの階にいるだろうか。
 あるいは、下の階から足音や声は聞こえてくるだろうか。

「顔ッスか……」

 下の連中が『アリーナ』とかいう連中だというのは、あくまで状況からの推察だ。
 当然姿も見ていないし、絶対にそうだという確証もない。
 その確率が高くて、そうだったら都合がいいから、さも見てきたことのように話しただけだ。

 が、それを真正直に五十嵐に言うわけにもいかない。

「ぶっちゃけ、顔は見てないッスね。
 そこまで近づいてたら、俺の存在も気付かれちまってます。
 遠目にチラッと見ただけで……あとは、たぶん複数いるってコトくらい」

「『指揮官』……知ってる輩でもいるんスか」

 当然、向こう側にも『スタンド使い』がいるのだろう。
 『スタンド使い』の猫を探すのに、一般人だけを寄せ集めることもあるまい。
 ネームドの敵は厄介。潜入モノなら常識だ。

363高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/27(月) 21:47:49
追記:

もしもこの階に『アリーナ(推定)』の連中がいなければ、
穴から顔を覗かせて、屋上へ向かう階段が見えるかどうか確かめたい。

364硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/27(月) 21:48:05
>>350

ポチポチ

『エクリプスの男を一人倒して情報を得た。残りは3人。
『瞬間移動』の蘭嵐さん、忍者の末裔でクナイのエニグマさん、
そしてラッパのマークの五十嵐さんだ。
今、そちらに向かいます』

『フリー組』の3人にメールを一斉送信すると、
『スティングレー』のスマホを取り出し『エクリプス』の連絡先を探す。
スマホの操作には慣れていないがテレビドラマや友人が使ってるのをみたことがある。
連絡先を呼び出す程度ならなんとかできるだろう。


「運転手さん、車内で電話をさせてもらってもよろしいですか?
これから『忍者』さんのアポを取らなきゃならないんだ」

『スティングレー』の口ぶりからするとどうやら『五十嵐』が纏め役のようだが、
『秘密主義者』と言うことなので有益な話は得られないだろう。
となるとエニグマとランランのどちらかになるが、
やはり『ニンジャ』の『末裔』というプロフィールが琴線に触れた。
なので此処は『ニンジャ』の縁隈に優先して電話をかけてみる。

365スミノフ『デマーケイション』:2018/08/27(月) 22:47:04
>>359

「オッケーオッケー。俺よりあんたの方がこういうのには慣れてる。イラムシちゃんの考えを頭に入れとくぜ」

「あいつ、向いてないって言ってたな……建物の中を追えないんじゃあ、それも頷ける」

「シンエンさんっつってたし、仲間もいるんだろう」

レインコートの方を見て何かしないか注意しておく。
だが、言葉は止めない。

「……イラムシちゃん、ここ来る前って雨降ってたか? このビルに近づいた時に降ってこなかったか?」

「思ったんだが、あのレインコートが超常的な何かなら、あれを着てるから雨が降ってるって考えられるよな」

「まぁ、俺たちは中に入れればいいんだ。建物まで一直線でもいいな……イラムシちゃん、タイミングあったら先行っちゃう?」

「辛いけど」

突然立ち上がって一番近くの木に近づく。
右手で木を掴み抜けるか確かめてみる(パス精ACD)

(あとは刃物を使わなかったみたいなアレをどうなのかだ)

「とりあえず、なんか仕掛けてみるかァ?」

366『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/28(火) 02:22:14
【音仙】
>>361(宗像)

≪極めて希少な『能力を奪うスタンド』『コピーするスタンド』を除けば、ね。
 一人一つは絶対原則です……シンエン。その名前についても聴き込みましょう≫

                ≪……最後に≫

≪――――1度だけなら、この携帯を介して私の『攻撃』を使えます≫

            ≪あまり≫

≪やるべきではないですが……どうしてもの時は、そう指示して下さい≫

               ゴソ

ポケットに、たった今『危険性』を帯びた携帯を収めた。
防火扉の向こうには一般的な雑居ビルらしい風景が人がる。
一階には特に何がある訳でもなく、二階の階段もすぐに見つかる。

    ザッ
          

二階もまた――――特に大きな変化はない。状況は既に進んでいるようだ。
ただ、上階から足音が聞こえる。『3階』には少なくとも誰かがいるようだ。

367『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/28(火) 02:24:44
【早見】
>>362-363(高天原)

「君子も良いが、虎穴に入る心を併せ持つ者が強いという事だ。
 慎重と大胆……その一方だけではすぐにどこかで破滅する」

            スッ
                スッ
 
              「ビビりたいだけビビればいい。
               スタンド使いは卑近なくらいが強い」

どこまで本気なのかは知らないが、宝石を拾う高天原を見る目線に冷たさはない。

「思ってもらう、か。悪くない策だが――――誘導の手はあるか?
 お互い『証拠』はあまり残したくないだろう。特にアリーナの連中には」

         「連中の全員が全員、有能ではないにせよな」

屋上は脱出経路にはならないかもしれないが、光明にはなり得る。

「……アリーナの『上層部』は鈍重な巨象に喩えられる。
 ここに来ているのが『全員一般人』でもおかしくはない。
 替えが効く駒であれば……尻尾を振るうように軽く使える。
 虱潰しの捜索の一環でここに辿り着いたなら一般人だけだろう。
 勿論、それは『何も無いかもしれないから』で――突けば蛇が出る」

穴の外に人間はいない。先ほど携帯の囮にかかっていたのだし、
まだこのフロアには来ていない可能性もある。位置の問題かもしれないが。
また、声も今は聴こえない。囮が見つかった今、更に息を潜めている可能性がある。

「知っている輩……いると言えばいる。もしそいつがいれば教えよう」
   
「僕は『秘密主義者』でな。当然必要な情報は教えるが、
 今すぐ役に立たないような情報は……秘すのが好きだ」

屋上に向かう階段は見える範囲にはないが、探せばすぐ見つかるだろう。
ここまでもそうだったように、このビルの構造自体はそれほど複雑でもない。

368『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/28(火) 02:26:00
【フリー】
>>364(硯)

      ポチポチ

まずは仲間たちに、得た情報をメールを送信。

            スイスイ

そしてスマホだ。『連絡先』――――アプリはすぐに見つかった。
言語設定が英語なのが厄介ではあるが、直観的な操作には問題ない。

         スイ

リストの大半は無関係であろう人間の名前だったが、
ほどなくして『縁隈』の名前を見つける事は出来た。
逆に、藍嵐や五十嵐という名前は見つける事が出来ない。
五十嵐という男が秘密主義者だったというよりは、
単に『情報を明かす程の間柄』ではなかったのかもしれない。

                  ザァァァァ ―――― ・・・

「電話? ニンジャ? 構いませんよ」

運転手は無関心にそう言った。彼の関心は突然の雨にあるようだった。

    ピポパ
            プルルルルル
                     プルルルル
                             プルルルル

           『ガチャ』

「――――――――『スティングレー』。何用か?」

             「……車。エンジン音。車道か」

                          「『任務』は如何した」

雑音なくハッキリと聞こえる、老爺の声。当然ではあるが、現時点で正体には気付かれていない。
タクシーは今、信号待ちに引っかかった。ほどなく動き出し――それを望むなら到着に数分もいるまい。

369『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/28(火) 02:29:54
【フリー】
>>365(スミノフ)                    ♪

メールが送られてきた。差し出し人は見なければ分からない。
イラムシは尾行を行っていた都合、着信音は切っているだろう。
今彼のスマホが鳴っていない理由が『有と無』どちらかは不明だ。

「雨……いや、今朝は降ってませんでしたねェ。
 天気予報は見てねェんで、『ゲリラ豪雨』もありえますか?
 しかし……無関係にしちゃあ出来過ぎですよォ、この『繋がり』は」

        「まッ、出来過ぎた現実もあるもんですがァ〜」

              ザッ

「隙があれば入っちまえば……推定追って来れないって事なら、
 多少無理してでも、試してみる価値はあるんじゃァないですかねぇ」

                  ググ
                      メキッ

樹は流石に一瞬で、しかも片手で抜ける程甘い植え方はされていないようだ。
だが反応はある。時間をかけるか、手段を変えれば『武器』に姿を変えるだろう。

「………………………………………………」

           ――――女は動きを見せない。

姿勢はそのまま、レインコートの女は二人を凝視している。
口元を隠す構え――――何か独り言を言っている可能性はあるが、
こちらの小声が聞こえないように、考えても仕方ない事ではある。

「……デカい一撃を瞬間移動でスカして、そこをグサリ!
 これが相手からすれば必勝パターンと見て良いはず。
 オレが言うのもなんですが、仕掛けるなら反撃には気ィ付けましょう」

明確な隙を見せていないから動かないのか――――或いは今、動くべきでない理由があるのか。

370硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/28(火) 16:58:07
>>368

「スティングレーさんなら、もういない」

とりあえず電話をかけてみたが
おそらく通話をしている最中に目的地に到着するだろう。

「俺は『Мr.ストロングZERO』。
 エニグマさん、初めまして」

「猫を探している最中なんだが、
 あなたは今何処にいるんだい?
 それと『ニンジャ』ってのは『順逆自在の術』を使えたりするのかい?」

371宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/28(火) 20:08:21
>>366

(『ウィスパーズ』――か)

『一度限りの攻撃』――今の所、それを使わせる気はない。
ここで『藤原しおん』の手を煩わせるのは、
その存在を表に出す事にも繋がってしまう。
彼女の立場を考えると、それは決して好ましい事ではないだろう。
俺は、表立って動く事の出来ない『藤原』の代理人として来ている。
だからこそ、この役目は可能な限り俺自身の手で果たさなければならない。

まず、二階を調べる。
しかし、長く時間を掛けるつもりはないので、先程よりも手早く済ます。
その途中で、二階のバルコニーから外の戦況を確認する。

それからバルコニーを離れ、『ノコギリ』で枝の両端を斜めに切り落とす。
竹槍のような尖った切り口を両側に作成する。
作業が終わったら、『ノコギリ』は元通り収めておく。

床の上に、コンクリートの破片か何か落ちていないだろうか。
出来る限り脆い物が良いが、余り選り好みはしない。
見つけられたら拾い上げ、それを『アヴィーチー』の右手に握り込む。
『アヴィーチー』の握力で強く握り締め、手の中で割り砕きたい。
そして、人の気配が感じられる『三階』を目指す。

372スミノフ『デマーケイション』:2018/08/29(水) 21:41:39
>>369

「あー! 無理、イライラしてきた……」

「アイツは絶対に殴る」

シャツを肩にかけて携帯を操作する。
メールを確認しておこう。
パス精ACDだが、頑張ろう。
壊さない様に。
それと右手は木を掴んでむしり取る(パス精ACD)。
出来るだけ大きく千切っておこう。
左手で携帯を操作するので右手は簡単な動きでいい。

「イラムシちゃァん! あいつ通話してるかもー!」

(……一撃からグサリしてぇならやらせてやるよ)

(一撃で終わらす……! 刺される覚悟なんざとうに出来てるんだよ)

373高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/30(木) 14:01:46
>>367

「ふゥん…… まあ、デッケェ『組織』ほど、そういう悩みは尽きないッスよね」

 余程の少数精鋭でもない限り、事を起こすたびに上が出張って来ては、下の人間も立つ瀬がないだろう。

「ともあれ、向こうが一般人なら僥倖、幾らでもやりようはあります」

「……こいつは、必要な情報ですよ、五十嵐さん。
 『この宝石』は、『本物の宝石』ですか?
 たとえば地面に叩きつけたり、強い衝撃を加えたとして、
 簡単に割れたり、変な能力が発動したり、そういうことは?」

 少なくとも、階下には山のように宝石が散在していた。
 この『宝石』は、猫がいるという証拠。
 他にも『証拠』を積み上げて、連中の意識を誘導することが出来れば、可能性はある。

 例えば、『物音』とか。

「……俺の『ウィーピング・ウィロウ』なら、ちょっとした細工が出来るかもしれない」

「連中の意識を『屋上』に向けます。
 屋上に続く階段から、『宝石』が『音を立てて転がってくる』……そういう状況を作る。
 ついでに、『猫の鳴き声』なんかも聞こえたらいいですよね。
 絶対に『屋上にいる』って思ってくれたら、この階は素通りしてくれる……かもしれない」

「もちろん、絶対とは言えません。時間との勝負だ。
 連中がちょっとばかし勘が良ければ、こっちの仕込みに気付いて、
 むしろ警戒されるだけで終わっちまうかもしれない……
 けれど、もし『屋上』に向かってくれたら、その隙に俺たちは階下へ行ける」

「これが、俺に作り出せる精一杯のアリバイです……乗りますか?」

 ついでに、タブレットで早見に連絡を取っておこう。
 会話アプリで、『今どの部屋にいますか? もしかしたら、そっち行くかも』と送ってみる。

374『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/31(金) 11:58:41
【フリー】
>>370(硯)

「…………………………………『下手人』か。
 お初にお目にかかる。そして今日が最後となろう」

              「切る」

     ブツ

            ツー ツー ツー

電話はすげなく切り捨てられた。
スティングレーを装えば多少は引き出せただろうか?
今となっては分からない。それに、もう、現場にいる。

  ザ
      ァ
          ァーーーーーーーーーーーーー

窓の外は豪雨。

信号を抜け、前方に広がるのは目的地となるビルと、
その前の歩道に集う『3人』――――と、やや遠方にいるマナビ。

ちょうど、イラムシが『レインコートを着た女』へと距離を詰めている所だ。

375『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/31(金) 11:58:54
【音仙】
>>371(宗像)

藤原しおんの『ウィスパーズ』――――詳細は不明瞭な能力だが、
一度限りの切り札を『切らない』方針を立てつつ、探索を進める。

              ザッ

バルコニーから外を眺めると、近くに一台のタクシーが停車している。

            ギコ
                ギ…  バツン

木の枝の加工は特に問題なく行えたが、
コンクリの破片はすぐには見つからなかった。
捜索に時間を掛ければあったのかもしれないが、
手に入ったのは壁の剥片レベルの小さく薄い物。

ただ、その過程で3階の階段は見つかった。人がいれば探索できるかは怪しいので、
もし今のうちに手に入れておきたいものなどがあれば上がる前に行う事になるだろう。

376『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/31(金) 11:59:04
【フリー】
>>372(スミノフ)

           ピ

『エクリプスの男を一人倒して情報を得た。残りは3人。
『瞬間移動』の蘭嵐さん、忍者の末裔でクナイのエニグマさん、
そしてラッパのマークの五十嵐さんだ。
今、そちらに向かいます』

――――硯からのメールだ。
精密性ゆえにやや時間を要したが、問題なく確認できる。

              ミシ
                べ キィッ

木も毟り取る事が出来た。歪な形状だが、返って武器には都合がいい。

              ・・・そして。

「通話ァ〜ッ? そいつは見過ごすわけにはいけませんよねェ」

              「そんな分かりやすい隙はッ」

       ダッ

ここでイラムシが仕掛けた! スタンドを伴い、レインコートの女へ――ビルへ距離を詰める動き。
女は――――口元に翳していた手をだらりと下げる。恐らくはこの交錯、『無傷』には終わらない。

377『金融永久機関カーバンクル』:2018/08/31(金) 11:59:14
【早見】
>>373(高天原)

「人間のスタンドならそういう『価値の制限』は往々にしてあるが……
 こいつは猫。宝石の真価を理解していないからこそ付加価値もない『本物』だ」

                「ミャォウ」

              ≪ハピ ピ≫

「良いだろう。僕はそういう搦め手を得意としていない。
 その作戦に乗る。物音を立てるのは、こう見えて得意なのでな」

     スッ
       スッ

早見からの返信は――――
『扉に穴が開いてなくてドアノブが若干外れかけてる部屋にいる。
 猫がどうなったかは合流してから聞くよ』

                                ・・・とのことだ。

378宗像征爾『アヴィーチー』:2018/08/31(金) 15:30:07
>>375

「あの車――新手が来たか?」

「それとも立ち去る準備か――」

タクシーの中の様子は見えなかっただろうか。
もし見えたのなら、運転手以外の人間は乗っていなかったか?
また、外で争っていた三人の状況はどうなっていただろうか。
タクシーが停まっている位置は、三人と近かったか?
それから、スミノフと共に現場を訪れた筈の女の姿は見えなかっただろうか。

コンクリの破片は捨てる。
その代わりに、財布から十円と百円を一掴み取り出したい。
それらを『アヴィーチー』の右手に握らせておく。

そして、三階に向かう。
人がいるとすれば黒服達だろうが、
それ以外の人間が潜んでいる事も否定は出来ない。
例えば、『シンエン』とやらがいる可能性もある。
黒服達も『アリーナ』所属であると確定した訳ではない。
警戒しながら階段を上り、気取られないように注意して先客の姿を確認する。



(当方は自分の行動に対するレス以外を読んでいないので、
 バルコニーから見えた光景を出来るだけ詳しく描写して頂ければありがたい)

379スミノフ『デマーケイション』:2018/08/31(金) 23:04:09
>>376

「……」

(ビンゴか……?)

スマホを手放す。
時は一刻を争う、画面が割れてもいい。
そのまま手を離してスマホを開放し、左手でシャツを持ち直す。

「……エニグマちゃんはどこにいるんだァ? なぁ、蘭嵐ちゃんよォ!」

腕を横に振りながら右手の木片を投げる(パス精ACD)
なるべく勢いよく大振りで投げ込む。
わざわざ相手の仲間かもしれない人間の名前を呼んだのはこちらに目を引かせるためだ。
こちらに気を取られればイラムシからの攻撃を食らいかねない。
ただ彼女には時間がある。
咄嗟の瞬間移動ではないので、ある程度精密に移動できるはずだ。
素性を知っているかもしれないという理由で、こちらに来てくれればそれに対応するまでだ。

(どっちに食いつく……!)

380高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/08/31(金) 23:28:39
>>377

「……『猫に小判』たぁ、よく言ったモンですね。
 そんな能力があるせいで、こんな苦労を呼び込んじまってるんだから」

 猫に同情の目を向けつつ、ドアノブに手をかける。
 拾った宝石はポケットへ。
 早見のメッセージを確認し、今度は別に動画サイトのアプリを立ち上げておく。

「俺も別に、搦め手が得意っつーワケではないんですけどね……
 まあ、こっちから提案させてもらった分、相応の働きはさせてもらいますケド」

「上手く行きゃあそれが一番ッス…… でも、なにぶん素人の策ッスから……
 俺がトチったら、援護のひとつは期待させてもらいますよ? ……いや、これは本当に」


    「余計な面倒は避けたいでしょ、お互い」


 出掛けに目配せし、保険をかけておく。
 いくら相手や状況にビビっていても、ここだけは外せない命綱だ。
 『もしも俺を捨てて逃げたなら』。そのリスクを、しっかりと認識してもらう。

「多勢に無勢で銃口なんて突きつけられたら……
 いっくら『スタンド』使いでも、俺ァ一般人です。チビって口を滑らせちまうかもしれませんからね」

 向こうとしては、此方の策が上手くいこうがいくまいが、この場から上手く脱出してしまえばいいのだろう。
 たまたま自分からまきこまれに来た部外者の安全など、保障する義理もない。
 最悪、こちらに注意が惹き付けられている隙にドロン、だなんて、十分可能性として考えられる。
 当然のことだ。しかし、此方としてはそれでは困る。

 この策自体には、五十嵐の手助けは必要ない。失敗した際のリスクも少ない。
 この策が上手くいけば、五十嵐も自分も、敵の目を欺いて脱出が出来る。

 例え泥船だとしても、その船に乗せる分の対価は支払ってくれ、ということだ。

 五十嵐の返事は待たず、廊下へ飛び出る。
 まずは屋上へと続く階段を探し、そちらへ向かわなければ。
 ついでに、可能なら早見のいる部屋の扉も目星をつけておきたい。

381硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/08/31(金) 23:46:20
>>374
「丁度いいところに来たのかな」

交戦中なのは理解できた。
とりあえず、タクシーの運転手に金を払い降り、
近づいていき戦況の把握に努める。

382『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/01(土) 23:55:37
【音仙】
>>378(宗像)

宗像はバルコニーから見える光景を思い出すが、
観察にそれほど時間を費やしたわけでもない。

争っていた三人の膠着状態は続いていたようで、
特に誰かが大きな負傷を負っているだとか、
倒れている人間がいるだとかそういう様子はなかった。
スミノフとともに現場を訪れたおかっぱ頭の女は見つからない。
何処かに隠れているのだろうが、その位置までは特定できない。
レインコートの女は『双眼鏡』を使っていたが宗像は肉眼だ。

タクシーの中の様子までは見えなかったが・・・
泊まった位置は三人からやや離れた程度の場所で、
人間が駆ければ十数秒で到達出来るであろう距離だった。

               パラ

コンクリ片をその場に捨てて、硬貨を『アヴィーチー』に握らせる。
 
      ザッ

            ザッ

そして3階に上ると――――

                  「…………」

           キョロ
                 キョロ

奥の廊下に『黒服』がいる。こちらにはまだ気付いていないようだが、
周囲を確認しており、階段を完全に昇りきれば姿を見られる可能性は高い。
複数人で入っていたはずだが姿が見えるのは一人。残りは先に進んだのだろうか?
ずっと立ちっぱなしという様子ではないので、待てばこの場を離れてくれるかもしれない。

383『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/01(土) 23:55:55
【フリー】
>>379(スミノフ)

                 ヒュンッ!!

「…………」

                    『バシャン!』

木片の攻撃とイラムシの接近を瞬間移動で回避したのは、
推測通りそれなりの『思考時間』を与えられた上での選択。
ゆえにその転移地点は行き当たりばったりの『緊急避難』ではなく。

 「まだ、『お仲間』がいるん……ですね」

            「ワタシにもいます。仲間は良いです。
              どこにいるかは、内緒ですけど」

                        ――『背後』だ。

大ぶりな投擲動作を終え、必然的に生まれた隙を突くつもりの『出現位置』。
ビルに向かいかねないイラムシを放置してでもスミノフを狙ったのは、
恐らく彼女には見逃せなかった。『一撃』を加えるために十分な『隙』が!


              ド
                  カ!

イラムシに放ったのと同じノータイムの、恐らく『蹴り』の衝撃を膝裏に感じる。
これ自体は重い一撃ではないが――『膝カックン』の要領で体勢が崩される。

    「状況が変わりました。始末できる人から、していきます」

                            「まずは、あなたから」

不吉な声色。『それ』が来るまでのわずかな瞬間が今ここにある。
上半身は動く――――喧嘩の為の道具は、問題なくここにある。

――――その時、スミノフの周囲の『狗の髑髏』が反応する。
二つ。二つが別々の方向を視線に捉えている。一つは『マナビ』がいる方向だ。
そちらは道が続いている。誰かが近づいてきているのか、この状況で確認の余裕はない。

            ―――もう一つは、スミノフの背後を捉え動き出そうとしている?

384『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/01(土) 23:56:21
【フリー】
>>381(硯)

              ブーーン・・・

料金は妥当なもので、タクシーはそのまま青信号に乗って走り去っていった。
               
       バシャッ
            バシャッ

水たまりだらけの地面を駆け、現場に近付く。まず最初に目に入るのは木陰に身を潜めるマナビ。
戦場に向け『ペインキラー』を構えてはいるが、その引き金に掛かっている指にまだ力は籠っていない。

「――――! 来たのね。メールは見たわ。
 あのレインコートの女が、その『藍嵐』かもしれない」

「瞬間移動を繰り返していて、上手く照準を着けられないの」

その銃口の先に戦場がある。

ちょうど今、スミノフが『木片』のような何かを投げ、
イラムシは毛むくじゃらのスタンドと共に駆けており、
それらの共通する到達地点には『レインコートを着た女』が、

                   『バシャン!』

いたのに、消えた。

――――そしてスミノフの背後に現れ、ほとんどノータイムでその脚に軽い『蹴り』を入れた。

                フワ
                     フワ

ほぼ同時、スミノフ付近には謎めいた『髑髏』のようなものが浮かんでおり、その内一つが女に向く。

                            ・・・現在の距離は『15m』ほど。

385『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/01(土) 23:56:52
【早見】
>>380(高天原)

「さてな。この能力があるからこそ、僕達はこいつに散々貢いできた。
 あるいはアリーナも能力に目がくらみ……見ろ。こいつは痩せてすらいない。
 軟禁されていたとはいえ『捕虜』への扱いとしては破格もいいところだろう。
 その『僥倖』もまた、強大な能力のお陰なら――『禍福は糾える縄の如し』、か」

             「ミャオ?」

カーバンクルはどこ吹く風といった様子で、後からついて来る。
五十嵐は抜け目なくその体をスタンドで抱き上げ――猫も抵抗はしない。

「ああ、安心しろ、アリーナは銃を配備していない。基本的にはな。
 ともかく間違いないのは一般職員には配備していない、という事実だ。
 ……そういう問題でもないだろうし、僕もイラつく羽目になるのは嫌だ。
 もし不味い事態になったら、僕の『エフェメラル』で強引に打開させてもらう」

           ザッ

裏切りのリスクを突きつけるのは保険として重要だろう。
反対に五十嵐もまた、『不味い事態』という言葉と共に高天原を見る。
そこには裏切り――――あるいは騙しへの警戒も込められてはいる。
だが同時に、『信頼』には遠い『利用関係』の確信もあるようには思える。

「そうなったとして、後ろめたい気持ちは持たなくてもいい。必要な事だからな」

扉の外に出る――――屋上へつながる階段は、それ程時間をかけずに発見できた。
問題は早見のいる扉だが、捜索の過程でそれらしいものは見つかった。ただし。
 
              ・・・

                    ・・・

下階に繋がる階段の方から、複数人の声が聞こえる。もう間もなくこのフロアに上ってくる。

                                      「……屋上に向かうぞ」

386スミノフ『デマーケイション』:2018/09/02(日) 01:07:38
>>383

「はぁ……」

ため息が出る。
それは諦めや後悔ではなく喜びや興奮のものだ。

「来てくれて嬉しいよ」

>>379 メ欄
投擲→回転

大振りの動作は相手に対して見せる隙だ。
ただ同時に、次の行動に進むためのステップでもある。
腕を振ると同時に勢いを利用しつつ、その場での回転。
膝裏への攻撃で姿勢が崩れた。
勢いが止まっているかもしれないが、覚悟は出来ている。
上半身を動かしてでも行動は予定通り行う。

「上手くやってくれよ」

腕を振る。
意識するのは左腕、手に持っているシャツを相手に被せて手放す(パス精ACD)
点ではなく面の攻撃で相手の視界を奪いたい。

「大振りしたのはこのためだぜ」

「回っちまえば前に来ても後ろに来ても関係ない」

「つうか、後ろに来てくれたから到達までの時間が短くて助かるぜ」

当たれば、の話だが。
まぁ『デマーケイション』が動いてくれている。
蹴りで崩してからの斬撃という相手のコンビネーションパターンに対応できるはずだ。
あの情報が確かなら、あの刃を持った何かは部外者なのだから。

387宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/02(日) 21:44:01
>>382

(――見える範囲にいるのは一人だけか?)

この状況で、一人が見張りに立っていたとしても不自然には見えない。
あるいは、それ以外に別の目的があるのかもしれない。
生憎、それが何かまでは分からないが。

(このまま待つか、それとも進むか)

しばらく待っていれば、別の場所へ行くかもしれない。
だが、ここは進む方を選ぶ。
黒服は『四人』いた筈だ。
一度も見つかる事なく三階を調べ終わるのは難しいだろう。
いずれは出くわすと考えれば、今の内に見つかっておく事にする。

今、相手は一人だ。
仮に黒服が敵だった場合、
四人を相手にするより一人を相手にする方が効率が良い。
仲間を呼ばれて一対多数に追い込まれたとしても、
その前に何らかの行動を取る時間は稼げる。

(こちらから攻撃する必要がなければ、それに越した事はないが――)

『吾妻』から受け取った名刺を取り出して、それを空いている手で持ち、
三階へ向かう階段を上り切る。
当然、黒服の視界に入るだろう。
黒服が俺の姿を確認した事を確かめてから、
手の中の名刺を見せて黒服に声を掛ける。

「――俺の名は『宗像征爾』だ」

「あんたは『この男』を知っているか?」

黒服が敵である可能性も残っている。
念の為に、『アヴィーチー』は黒服から見えない位置に立たせておきたい。
話し合いが通じる事を期待するが、
そうでなかった場合は攻撃も念頭に入れる。

(こいつか黒服の一人が『シンエン』という可能性も――なくはない)

388硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/02(日) 22:25:50
>>384

「なるほど、だいたいわかった。
 スミノフさんと先輩は取り込み中なんだな」

視界の端に映る小さな骸骨の意匠。
それの『射程内』に入らないようにビルの軒下へと進む。


「それで何でこんな所で戦っているんだい。
 わざわざ『豪雨』に身体をさらす事ないじゃあないか。
 なあ、俺は『Mr.ストロングZERO』はこんな所にいたら
 風邪をひいてしまう事は必至だし、
 此処は『ランラン』さんに頼んで、屋内で戦う事にしないかい?」

389高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/03(月) 22:26:02
>>385

「あァー……」

 スタンドにおとなしく抱えられる『猫』を見て、少しだけ安心する。
 確かに、『これ』を見て『可哀想』とは思えない。
 そも、猫の幸不幸など猫自身が決めることで、自分が口を出すことでもなかったのだろう。
 なんともまあ人馴れしていることだ。

「基本は銃なし、スね。あざス」

 仕込みは手早く。
 タブレットの『動画アプリ』で、『猫 泣き声』とでも検索する。
 音量は最小のゼロの状態で、最低でも一分以上の長さの動画を見つけたら、再生ボタンを押す。


「!!」

「いやいや、五十嵐サン! 俺らは屋上には行かないンす!
 アイツらを『屋上』に向かわせて、その間俺らは隠れてるンすよ!(>>373)」

「説明少なくてスンマセン、でも時間ないから、先ずは俺に任せてください!」

 可能な限りひそひそ声で、屋上に向かうと言い出した五十嵐を制止。

 その間にも、屋上に続く階段に拾った『宝石』をバラまく。
 『ウィーピング・ウィロウ』は『タブレット』を投擲しやすいように持ち直しておく。

「こっちッス!」

 早見のいる部屋の扉へと五十嵐を連れ、可能なら中に入る。
 ただし、『ウィーピング・ウィロウ』は部屋の外だ。
 射程距離のギリギリまで、屋上への階段に近づいて待機させておきたい。

390『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/04(火) 08:00:19
【音仙】
>>387(宗像)

3階に上がるや否や、男と視線が合った。
彼が声を上げるまでのわずかな間に、
宗像は『名刺』を利用する――――これは。

「なッ――――――えっ、あ、『吾妻さん』の名刺?」

どうやら『正解』だったらしい。

この黒服の方が吾妻よりは年上に見えるが、
どうやら『年功序列』というわけでもないらしい。
屋内にもかかわらずサングラスを掛けたその男は、
やや狼狽した様子で名刺を確認してくる。

「『吾妻』さんは俺達の、まあ、『上司』だが……あんた何者だ?」

            「宗像? ……ああ、『要注意人物』か!
             ここに何の用だ……あの携帯もお前のか?」

携帯。勿論宗像に心当たりはないが、恐らくは先に何かあったのだろう。

391『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/04(火) 08:09:36
【フリー】
>>386(スミノフ)

           ギュ
              オ!

                   バフッ

            「むぐッ」

シャツによる面攻撃――――超パワーとはいえ、
たなびく布で威力は期待できない。が、『意味』はある。
力強く叩きつけ、手放した布は女の顔から上半身を捕らえ、
その両手を一時的に使用不可能にしてしまっている。

つまり、命中した。『瞬間移動』は、万能の回避手段ではない。

       「やりますね」

                 「ですが」

   「ワタシも―――――」

                  ガ
                    ァァァッ!

――――『狗の髑髏』の軌道は『斜め下』!

回転しながらシャツを振るう攻撃は『下』への視界を奪う。
ゆえに、今何が起きているのか、この一瞬の交差では分からない。
だが、わかったことは、2つ。2つだけは確実に見えている。

背後で上半身を布に半ば巻き取られた女。

       そして。

                   バシィッ!!!

               「ぐっ!?」

その女の『脚』に開きかけていた窓に、直撃した『狗の髑髏』!

                    ビュ
                       ォオオオオッ

          「わ、あ、ああああああァ―――――――――ッ!?」

それにより起きた現象。窓の中の何かごと―――――女がこの空間から吹き飛ばされる。
何者かが窓の奥にいるのは間違いない。狗の髑髏の吹き飛ばす力の『原理』は『圧倒的な力』であって、
『謎の存在』が女に『しがみ付いている』『紐で結ばれている』等、『同体』であれば共に吹き飛ぶのは道理。

                      ドサァァ―――――――――ッ

方向は――――『マナビ』がいる側やスミノフが来た側とは真逆。誰もいない方向だ。

                       ・・・再び距離は開いたが、女は倒れている。まずは『一撃』。

392『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/04(火) 08:15:55
【フリー】
>>388(硯)

「ええ、それで合ってる。
 何でって、ここに来た時にはもう戦いは始まっていたのよ。
 イラムシと、もう一人作業服を着たスタンド使いがいて、
 あの女と戦っていたの。作業服はあのビルに先に入ったけれど」

              「頼んで移動してくれるなら私もありがたいわ。
               雨の中じゃ余計に狙いにくいし、手も冷える。
               けど、あの女、あんな気合の入ったレインコートだし、
               きっと雨の方が好きなのかもしれないわ――――」

   バシャ

          バシャ

雨中、髑髏に近付き過ぎないようビルへと接近する。
スミノフと女の攻防は、女による彼の背後への『瞬間移動』を、
スミノフが読み切っていたかのようにシャツによる攻撃で捉え、
さらにそこに2つある『髑髏』の一方が突撃して女を遠くへ吹き飛ばした。
吹き飛んだ方向はこちらとは真逆、現在誰もいない方向である。

                       ・・・つまり、ビル前に妨害は何もない。

(★スミノフへのレスも参照のこと)

393『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/04(火) 08:17:51
【早見】
>>389(高天原)

「……? 屋上で何か仕込みをするんじゃあないのか?
 それなら一度は屋上に行く必要がある物だと考えていた。
 だが……時間が無いのは事実だな。良いだろう。任せる」

                 ジャラ
                      ラララララッ

宝石を階段にばらまく。
タブレットの準備は完了している。いつでも投げられるし、
無音ではあるが今も『猫の鳴き声』が再生され続けている。

        タタッ

                 ガチャ
                          バタン

「あっ、咲――――――――――――と、ええと、そちらは……?」

部屋の中にはもちろん早見がいた。

「……説明は後だ。今は『協力者』だと思えばいい」

             ≪『エフェメラル』は見えていない。
              この男は『スタンド使い』じゃあないな≫

                       ≪ハピ ピピピ≫

早見からすれば五十嵐は浮遊する猫を連れた不審な男なわけだが、
その不審さがかえって追及を避ける。一先ず『ウィーピング・ウィロウ』を残し、
3人と1匹は部屋に入った。部屋の外からは――――足音が聞こえる。

           ザッ

階段にヴィジョンを可能な限り近づける。

                 ザッ
                       ザッ

足音は今や、遠くから聞こえる振動音ではなく、この階層の床を踏みしめる音だ。

         ザッ

               ザッ

今はまだ『ウィーピング・ウィロウ』の視界内にはいない。だが、いつ来てもおかしくはない。

394宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/04(火) 16:19:16
>>390

「散歩の途中で立ち寄ったように見えるか?
 こんな場所に用があるとすれば一つしかない」

「――『猫捜し』だ」

こいつらが吾妻の部下なら、恐らくは目的も同じだろう。
しかし、大きな成果は上がっていないように見える。
まだ確保されていないのなら、こちらとしては有り難い。

「ここに俺が立ち入ったのは今が初めてだ。
 その『携帯』というのは何処にあった?」

今いる場所から一歩踏み出し、先に進む意思を見せる。
それから、緩やかな速度で歩き始める。
目の前の黒服に、思考と行動の猶予を与える為だ。

「先に進ませて貰う。喋っている時間が惜しい」

「俺の『能力』は聞いているか?
 力尽くで止めるのは勝手だが、その場合は俺も抵抗する」

黒服に告げてから、奥に向かって歩いていく。
人の気配がするなら、その方向へ向かう。
歩いている間、視線を巡らせて周囲を観察する。

395スミノフ『デマーケイション』:2018/09/04(火) 19:17:20
>>391
MAPで全員の位置の確認と女との距離を確認したいです。

396高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/04(火) 22:50:10
>>393

「いやぁ、俺もホントはそっちのがイイとは思うンスけど……
 もうちょっと俺らが早く五階に辿りついてりゃ、その時間もあったカモ」

 しかし、今はこっちが『次善』だ。

(……早見さんの存在を『伏せ札』には出来なくなっちまったな。
 俺の能力も、もしかしたら予想つけられちまうかもしれねェ。
 けど、この人とは『今は』敵対してねェ。後のことは、後でいい。今は、目の前だ)

 一度、相手が扉の前を『通り過ぎて』くれたら。
 あわよくば、屋上へ続く階段へ向かってくれたら。
 入れ替わりになってしまえば、逃げ遂せるための難易度はぐっと下がる。

「えー、と。……五十嵐サン、と。猫の、『カーバンクル』だそうです……」

 そういうことを早見が訪ねているわけではない、というのは分かる。
 しかし、『知り過ぎるとロクなことがない』世界の住人だ。
 それに五十嵐の言う通り、説明はあとでいくらでもできる。

 今は何よりも、この窮地を切り抜けることを優先しなければ。

「いいスか、二人とも」

「……これからあの連中に、『猫は屋上にいる』って思ってもらいます。
 上手くいったとしても、誤魔化せる時間は、たぶんあんま長くないっス。
 だから、アイツらがこの部屋の前を通り過ぎて、屋上への階段を上り始めたら……」

「俺らは入れ替わりで部屋を出て、下に向かいます。
 一度入れ替わりで逃げちまえば、万が一アイツらに気付かれても……
 『時間稼ぎ』は、幾らでもできる。姿を見られず逃げ切ることだって、不可能じゃあないはずだ」

 先ず、『ウィーピング・ウィロウ』を操作し、音量ボタンを操作して、『猫の鳴き声』をMAXで再生する。
 連中は、すぐにその鳴き声に気が付くだろう。
 階下にいた自分たちでさえ、カーバンクルの鳴き声を聞くことが出来たのだから。

 その後、階段を上ったその先、出来る限り屋上への扉目掛けて、『タブレット』を全力で放る(パス精CCB)。
 しかし、『タブレット』がぶつかって割れる音が響いてしまえば、怪しまれるかもしれない。
 そこで、『タブレットがぶつかって割れる音』に対し、『静止』―――『無音の静止』を発動する。

 (※『無音の静止』の呼称については、『能力詳細』の記載の確認をお願いしたい。)

 『タブレット』は、ぶつかった瞬間から運動を停止。
 本来『タブレットがぶつかって割れる音』、その二倍の時間。音は消失し、タブレットも壁や扉にぶつかったまま『静止』する。
 『静止』の効果時間を長くするためには、容赦なく『タブレット』を叩き壊す勢いで投擲しなければならないだろう。

(さらば、俺のタブレットちゃん……1,9800円プラス延長保証期間付き……)

 そうすることで、万が一『タブレット』の残骸が見つかったとしても。
 粉々になった電子機器を見て、すぐには『猫の鳴き声』の動画を再生していたと、すぐには結び付けられまい。
 むしろ、その『何かしらの能力の証拠』に注意を惹き付けられれば、こちらの存在に気付かれるリスクもぐっと減る。

 「上に何かがある」。「猫が暴れているのかもしれない」。そう思わせた時点で、策は八割方成功している。

(……とは言っても、所詮は『皮算用』だな。先ずはやってみなきゃの『出たとこ勝負』だ……!)

397『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/05(水) 00:06:40
>>395(スミノフ)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■▲▲■■■■■■■■■■■■■■□□■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□△△△△△△△□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□イ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□硯□□□□□□
□□□□樹□□□□樹□□□□樹ス□□□樹□□□□樹□□□□樹□□□□樹マ□□□
□□□□女□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○○○○○○○○○○○○〓〓○○○○○○○○○○○○○○○○〓〓○〓〓○○〇〇
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○〇○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

大体こんな感じ。
距離は『15〜20m』ほどを想定。

398スミノフ『デマーケイション』:2018/09/05(水) 01:41:14
>>397 (回答に感謝)
>>391

「俺もそう思うよ。Mrストロングゼロちゃん……それ俺に対する当てつけかー?」

「屋内に行こうとしてグサッとやられたらやだろ?」

「俺は意外と寂しがり屋で臆病者なんだぜ」

硯を当事者に指定しておく。

「先用事済ませちゃってー」

先に入っておいてもらおう。
こちらはこちらで決着をつけておきたい。

「もう気付いてるかもしれないから言っておく」

思い切り彼女に向かって走る(スC)
なるべく木の傍を走って近づこう。

「俺のは弾き返せる。だからあんたにくっついてるそれをあんたごと弾き返した」

「人間、自分だけが頼れるなぁ」

399硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/05(水) 18:51:43
>>398>>392

「港は全く雨が降っていなかった。全くだ。
だから俺はスティングレーさんに、なんとか勝てた。
タクシーで数分の所がカラッとした陽気なのに、此処だけ局地的豪雨。
そんなことあるかい?

マナビさんの言う通り、多分この『雨』は俺たちにとって『恵みの雨』じゃあないんだ。
むしろその逆、だからランランさんは入ってこれない。
だからーー」

ザムッ ザムッ

「先輩、スミノフさん、待っているよ」

ランランと交戦中のスミノフ達に声をかけ、
駆け足で雑居ビルの中へと入っていく。

400『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/06(木) 00:48:22
【音仙】
>>394(宗像)

「携帯はこの下、2階にあった。忘れ物か、何かの罠か。
 少なくとも今のところ、人が欠けるような事は起きてないが」

奥へ歩いていく宗像に、黒服は追従する。
下手に目を離すわけにもいかないのだろう。
周囲は似たような扉ばかりだが、しばらく歩けば階段がある。

「ま、待て。『猫を見つけたら引き渡す』――
 その条件だ。忘れるなよ、吾妻さんからちゃんと聞いている」

         「当然ここにいるとは限らないが……確認だ」

  ミャ
         〜〜〜〜  
               

その時、剣呑な空気を割くように猫が鳴いた。
鳴いたというより、鳴き声が聞こえてきた――――上の階からだ。

                     「……猫が、いる……!」

401『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/06(木) 00:52:07
【早見】
>>395(高天原)

「ええっ……ああ、ええと。どうも、記者の『遠見』です」

「……自己紹介はそれで十分だ。深追いするつもりもない。
 勿論、僕の情報が不自然に流れていればその限りではないが」

                 「ゴロゴロゴロ」

ぎこちない自己紹介は手短に済む。
今はそんな場合ではないと、『早見』も理解しているのだろう。
とはいえ偽名を用いるあたりは『ちゃっかりしている』といった所か。

「わ、分かった。特に文句も無いし、それで行こう」

「万が一、もし接敵すれば僕が『やる』。
 」


  ミャ
         〜〜〜〜  
                 
        ヒュッ

                『シィーーーーーン ・・・』   
   
それは今この瞬間から、『無音の静止』が終わるまで。
壁にぶつけたタブレットの破砕音が、響き初め、終わるまで。
           
それが今与えられた第一の『タイムリミット』――――もうすでに動き出せる!

402『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/06(木) 00:55:28
【フリー】
>>399(スミノフ)
>>400(硯)

今ここに『四人』が再集結し――――またすぐに分裂する。
女は明らかに即座にビルの入り口に戻れるような状態ではなく、
駆け足で建物に入る硯を止める事は当然のようにできない。
駆けると流石に斬られた傷は痛むし、血も流れるが、まだ問題なし。

            ミ  ャ〜〜〜〜

硯はビルの入り口から1階へ。一般的な雑居ビルの内装で、
荒れた様子などは無い。入った瞬間、僅かに『猫の声』が聞こえた。
まだ入り口のすぐそばであり、外の様子も見ようと思えば確認出来る。

「中に黒服連中が最低でも4〜5人はいますからねェ、
 気ィ付けてくださいよ。こっちもすぐに片付けますから」

イラムシも望めば駆け込めただろうが――――ここで彼は残る事を選ぶ。

「ビルに全員で入って――――仮に猫がいて、捕まえても、
 入り口で待ち伏せされてちゃあ面倒ですからねェ。
 スミノフさァん、オレもここでそいつを仕留めるのに協力しますよ」

             スッ

                    ゾワゾワゾワ

「『ヘイト・スティンガー』」

地面にスタンドの手を当てると、そこから彼の周囲を『毛』が覆う。
その範囲は『半径3m』ほどで、極彩色の繊毛はいかにも『毒々しい』

            「半径3m――――『毒針』の結界ですよォ。
              オレの方に来たら確実に踏むッ」

                     「踏まなくても仕留めてやりますがね」

瞬間移動の択を潰そうという腹だろう。今までしなかったのには理由があるのか。

                   ダダダダダ
                         ッ

「ぐ、ふ、フッ……ワタシに、ワタシにこんな…………『ダメージ』ヲッ」

              「これはワタシのせいじゃない」
  
                  「シンエンさんの責任です……」 

     フラァッ

「ワタシの『アンダー・ザ・ブルーアンブレラ』は……無敵の能力なのです」

女は立ち上がろうとしているが、両手は垂れさがり、地面に触れそうなほど。
少なくとも、素の身体能力による回避については『ありえない』状況と言えるだろう。 
ただ、あくまで吹き飛ばされただけだ。致命傷には程遠いし、回復もそれほど時間はいるまい。

403宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/06(木) 15:43:22
>>400

「――『四階』だな」

今の鳴き声が、『カーバンクル』とは限らない。
たまたま入り込んだ別の野良猫という線も、なくはないだろう。
だが、それが『カーバンクル』である可能性も同じ程度にはあると言える。

「――……」

ここにいるのが『カーバンクル』だと確定すれば、
黒服は上司を呼ぶだろう。
俺としては、吾妻が駆けつけてくる前に事を済ませてしまいたい。
もし即座に到着出来たとしても、この廃ビル前では、
先程までの争いが続いている筈だ。
それを突破するには、恐らく少なからず時間が掛かる。
外の連中が、幾らかの足止めになってくれる事を期待したい所だ。

(こいつが役に立てばいいが――)

コンビニで購入したドライタイプのキャットフードを取り出して封を切る。
そして、その袋をポケットの中に仕舞う。
携帯電話を入れたのとは逆の方だ。

「さっきの話だが、その携帯は今も置きっ放しの状態か?
 電源は、どうなっていた?」

「それと、あんたらの中に『スタンド使い』はいるのか?
 『上司以外』で――だ」

階段に向かいながら、黒服に問う。
詳しい情報は知らないが、『カーバンクル』もスタンド使いだ。
それを確保するとなれば、全くスタンドを使わないという訳にもいかない。
その場になれば、嫌でもスタンドを見せる事になる。
こいつが喋ろうと喋らまいと、いずれは分かる事だろうが、念の為だ。

(余計な邪魔が入る前に、『第一の目的』を果たす)

静かに階段を上り、まずは様子を窺う。
視界内に『猫』がいるかどうか。
そして、それ以外に『誰か』がいないか確認する。

404硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/07(金) 20:45:03
>>402
「大丈夫、俺は知らない人とも仲良くできるんだ。
現に今日、仲良くなれたんだからな」

「後は頼んだよ、先輩」

イラムシに言葉を残すとビルに入り、周囲を警戒しながら、
猫の声が聞こえてきた方向へ向かう。

405高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/10(月) 08:39:20
>>401

(……俺も偽名使っておきゃよかったかな……)

 とはいえ、後悔は先に立たず。

 先ずは、五十嵐の予見通り、追っ手が一般人であることを祈りつつ―――
 閉じた扉の向こう、『ウィーピング・ウィロウ』の視野で追っ手の様子を確認する。

 『猫の鳴き声』、或いは『静止』終了後の『割れる音』に反応した連中が扉の前を通り過ぎたら、行動開始。
 可能な限り静かに扉を開けて、すれ違うように部屋を後にしたい。

406スミノフ『デマーケイション』:2018/09/10(月) 23:23:38
>>402

「無敵ねぇ……どうだか」

「俺のはただ弾き返すだけだ。だが、それは今回の喧嘩では使えるみたいだな」

「もうその連携は使えねぇ」

拳を握る。
戦闘の意志はお互い未だ衰えず。

「最強だってんなら、自分の腕で証明して見せろやァ!」

レインコートの女に近づき両拳を同時に振り下ろす(パス精ACD)
ただし、彼女を叩くのを頑張る必要はない。
意識するべきは足。
『デマーケイション』の切り替えを発動する。
一拍の集中が必要なので腕を振るだけで、当てる気はない。
出来るなら手を地面について四つん這いの状態になりたい。

(パワーは見せた。弾き返して連携を殺したのも見せた)

(本当に自分の能力を最強と思う自信があるなら、ここで連携に頼らずに攻撃する可能性を信じる)

(そしてその自信って奴を)

(―――まだ見せてない技で破る)

これは賭けだ。
失敗すれば弾き返す能力が使えずに敵の攻撃を食らう。
リスクを承知の行動。
一撃のためなら自分の身一つ賭けずにどうする。

(食らいつけ……お前が最強なら……俺がただのパワー馬鹿に見えたなら……!)

407『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/10(月) 23:44:31

【音仙】
>>403(宗像)

ビルは5階建て――――大声で鳴いたのだとすれば、
5階にいる可能性もある。そんな大声を出す理由は不明だが。

                ピリ…

開封した袋をポケットに入れる。ドライタイプなので漏れはしまい。
激しく動き回れば別だが……それに、漏れたところで実害は少ない。

「置きっぱなしで放置している。スタンドの罠の可能性もあるからな。
 俺達は全員一般人だから……もしそういう事になれば対応出来ない」

               ……
                       ……

4階に上がった宗像だが――――見たところ、人らしい人はいない。

「……要注意とはいえ今は共同戦線みたいなものだし、
 一応言っとくと、俺以外は多分5階にいるはずだ。
 俺はいわゆる『しんがり』ってポジションだからな……」

                    ガシャ ン

上階から何かが砕けるような音がした。悲鳴や騒音などは無いが、
それに続くように声が聞こえてくる。男の声で、数名の会話のようだ。

                   ・・・しんがりの言葉は真実らしい。

408『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/10(月) 23:47:10
【フリー】
>>404(硯)

「――――猫を捕まえた金で、
 『オレンジジュース』で乾杯ですよォ」

           「後はベテランに任せといて下さい」

ビル内に差し当って危険は無い。濡れた足跡はあるが人はいない。
猫の声が聞こえた『上』へも、特に問題なく向かう事が出来る。
途中の廊下は防火扉でふさがれていたが、人が通れるサイズの穴がある。

                 ザッ
                    ザッ

特に探索をしないのであれば、次々階段を見つけて登っていけるだろう。
現在、硯は『2階』に続く階段を上り終えた所。この階はまさしく『雑居』フロアだ。

409『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/10(月) 23:48:06
【早見】
>>405(高天原)

                        ガシャアン!!

               ドタドタドタ

音が鳴り響くとほぼ同時に、廊下に見えたのは三人の黒服達。
背恰好からして全員男性で、それなりに屈強そうに見える。
なぜかサングラスを掛けているが、外は雨天でここは屋内だ。

「…………!!? おいッ……『スタンド』だッ!! そこにスタンドがいるッ」

           「本体は――――いませんね、隠れているのかそれとも」

「本体がいないスタンド……手の打ちようがない。一方的に殴られて終わりだ。
 それより今は上だ。少なくともそいつは今俺達に攻撃する意思は無さそうだし、
 気を引いている内に本体が猫を確保する作戦って可能性もある……行くぞ」

現れたのは高天原の狙い通りだが――――
想定外は、『黒服』達にはスタンドが見えていること。

「……猫を捕まえて戻った俺らを襲うつもりかもしれないぞ。
 とりあえず……吾妻さんに連絡は入れておかないか?」

「猫がいればな。もしいなくて、なおかつ今襲わないなら……
 後でも躍起になって襲っては来ない……だろう。希望的観測だが」

だが彼らは一般人なのは確からしく、逡巡の後扉の前を過ぎていく。
問題があるとすれば『スタンドを見られた』事くらいだろうか?


   「…………」

           「…………」

                   ≪ ハ ピピ ≫


                            カチ…   

静かに――――静かに鍵を開けて、一同はすれ違うように部屋を出て下階を目指す。

410『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/10(月) 23:53:59
【フリー】
>>406(スミノフ)

「『アンダー・ザ・ブルーアンブレラ』は、無敵ですよ」

             「そしてワタシは『殺し屋』専業でなく」
 
    「喧嘩屋ではないのです」

      「でも『運び屋』はやりますし」

  「『タクシーの運転手』も、したことがあります」

                        ブォン!!

             「なんでもするんです」

                 『バシャッ』  

         ズザザッ

空ぶった。

「! スミノフさァン!!」

               ダッ

イラムシが思わず自らの結界を飛び出し、駆けてくるのが視界の端に見えた。

両腕は勢いそのままに地面へと着き、切り替え。
『デマーケイション』は両脚へと移動する。

           ――――この時、『狗の髑髏』は『強制解除』される。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

7.部位の変更時、切り離している狗の顔(後述)は全て強制解除される。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

               「ね? ワタシ言ったでしょ?」

   「キライなんです」

                    「引き裂いたりするの」

         「なので」

                    『ド
                         ズ』

背中に熱く、鋭い侵入を感じた。鮮烈な痛みが頭へ走る。
両腕が地に着くほどの、かつ意識を割かない振り下ろしは、
当然『絶大な隙』を生む。それをカバーする髑髏は消えていた。

それでも一撃で命を取られるほど深く長い攻撃ではないのは、
スミノフがこれまでの戦いで魅せた『クレバーさ』への警戒か。
あるいは四つん這いまで体勢を落とした事で刃の狙いをブレさせたか。

単なる脳筋ではない戦いをしていたからこそ油断はされない。
そして、単なる脳筋ではない戦いをしているからこそ致命傷を避けた。

「殺すのはシンエンさんです。責任はシンエンさんが取ります。
 『アンダー・ザ・ブルーアンブレラ』は無敵で、無責任。
 強さとは、『1対1』の喧嘩だけじゃない。『サムライ』の時代じゃあない」

             「シンエンさん、あとお願いします。『まず一人』ですね」

間違いなく、敵は背後にいるのだろう。首を動かせば振り向く事は出来る。
だが、両手を地に付け、犬の髑髏は強制解除され――――頼みの綱は、脚に移動した装甲だけ。    

                     ・・・次の瞬間にでも次撃が来ておかしくはない!

                                だが。スミノフはまだ動く事が出来る。

411スミノフ『デマーケイション』:2018/09/11(火) 02:01:18
>>410

「ふぅー……ふぅー……ふぅー……」

(まぁ、結果的には良かったか)

(連携が死んでないって、こいつら気付いたんかな……)

だとしたら読み違えた。相手の手札というより、相手の手役をだ。
攻撃された以上、もうアレを部外者と認められない。

「はは……残念だなぁ……可愛いのにな……自分の手は汚さねぇんだもんな」

四つん這いには理由がある。
一つはかがみ込む形になることで的を小さくする。
二つは振り下ろしなどに攻撃のルートを制限すること。
三つは足によって体勢などに惑わされず相手の位置を確認できる。
四つは前面からの攻撃による首や腹などの即死級の負傷を回避し、死のリスクを出来るだけ下げる。
勿論、背後からでも臓器なりを傷つけられればその場で終わりだ。

「俺も男の子だしなぁ……女の子に刺されて見たかったんだけどなぁ……」

(まだ賭けは続く……)

次の手を考えないといけない。
いや、やることはある程度考えているが、どれをするかが問題だ。

(無責任か。仕上げはシンエンちゃんってか……なら、これか)

思い切り地面を蹴り上げる。(パス精ACD)
動きはまるで逆立ち、上がってくる踵を相手にぶち当てたい。
超パワーで蹴り上げる以上それ相応の速度になる。
やる動きは思い切り地面を蹴るだけだから大きく足がブレることはないだろう。
それに多分、背中を刺されているからかなり近い位置にいるはずだ。
当てやすい状況・状態にいると思いたい。
出来るなら振り向いて確認したいが、時間はないので最悪出来なくてもいい。
追撃を加えに来たところを叩く。

「俺はやる」

412宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/11(火) 17:14:35
>>407

「――確かに、そのようだ」

五階の声と音を聞き、黒服の言葉が裏付けられた事を知る。
今、上で何が起こっているのか。
まさかとは思うが、既に『目標』を捕らえてしまった可能性も無くは無い。
しかし、人間が猫を捕まえるというのは簡単ではない。
それがスタンド使いなら尚更だ。
いくら三人がかりとはいえ、そう易々と成し遂げられる仕事ではないだろう。
五階の様子も気に掛かるが、その前に四階を調べるのが先だ。

(見つけられたとして、どう確保するか――)

歩きながら、『カーバンクル』を発見した後の行動について考える。
『アヴィーチー』の能力は、お世辞にも生け捕りには向かない。
だが、俺の手で殺してしまっては『アリーナ』の面子が立たなくなる。

(『生け捕りが望ましい』とは言われているが、
 『傷付けてはならない』とは言われていない)

今の時点で思い付くのは、エサで気を引く程度の事だ。
それで隙を作れたなら、死なない程度に攻撃を加えて動きを止める。
その間に距離を詰めて、捕まえる事が出来れば理想的だろう。
無論、これは机上の空論に過ぎない。
何よりも、まず『カーバンクル』を発見しなければ話は始まらない。

「明確に敵対するスタンド使いと遭遇したら、あんたらはどうする気だ?
 俺が見る所、まだ出くわしてはいないようだが」

こいつらは、外で何が起きているか知らないように見える。
教えてもいいが、どう転ぶか分からない以上、まだ黙っておく事にする。
探索の途中で階段が見つかったら、その位置を覚えておく。

413硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/11(火) 20:22:03
>>408
「くぐれと言われりゃあ、そりゃあ通る」

穴をくぐり雑居ビルの2階に出た所で周囲を見渡し、
人が踏み入れた形跡がないか探りそのまま登って行く。

414高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/11(火) 21:50:51
>>409

(『スタンド使い』いンのかよッ!!
 『静止』の後は解除しとくべきだったか……!)

 『ウィーピング・ウィロウ』のヴィジョンを見られて焦る、が―――

(……いや、待て待て。
 向こうも『スタンド使い』で、しかも全員がそうだってんなら、
 『一方的に殴られて』ってのはおかしな話じゃあねーか?
 こっちの能力も分かんねーウチに、いくらなんでも慎重すぎんだろ)

(……『サングラス』は様式美か?)

 早見が『一般人』と予見したこと。
 『スタンド』使いの猫相手に、一般人を派遣するという事実に対しての違和感。
 いずれも、得心がいった。つまり、『スタンド』が見えている一般人というわけだ。

 可能な限り足音を消して、下の階へと急ぐ。
 その間も、連中の立てる物音(声や足音)に、最大限注意を払っておきたい。

415『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/12(水) 17:24:55
【フリー】
>411(スミノフ)

正体不明の手段で連携を阻んだなら警戒は続いたろうが、
明確に『犬の髑髏』で阻んだが故に、それが消えれば突かれる。

それでも、万が一連携が死んだままというリスクを抱えてでも、
この敵には『この攻撃』を使うべき、使わざるを得ない理由があったのだろう。

           ダ
                ンッ

                   『ビシビシビシィッ』

地面を蹴り砕きながらの倒立――――

                 バキィッ

      「あグッ」

               サクッ

女に間違いなく蹴りは命中した。力を込めたのは地面を蹴る事。
絶大な威力は蹴り足に乗りきらないが、この勢いなら当てるだけで十分。
それによって距離を離せたゆえに、次撃は浅く、これも重傷にはならない。

いくら『シンエン』とやらが攻撃を担当していても、女を媒介にしているなら、
距離を離したり、体勢を崩したり――――そういった妨害には十二分の意味がある。

「野郎ッ」

         ブォンッ

駆け寄って来ていたイラムシが、背後で女に殴打を仕掛ける。

                  ドカァッ

                          ズザザァァーーーーッッ

                              「グ、う、う・・・」

「ようやく……『一撃』入れさせてもらいましたよォォ〜〜〜〜」

瞬間移動で回避する事は叶わなかったらしい。女はその一撃で再び吹き飛ばされ、
距離が開く。まだ止めを刺し切れてはいないだろう。スミノフのダメージも無視はできない。

                                   ・・・『決着』は近い。

416『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/12(水) 17:26:50
【音仙】
>>412(宗像)

「完全に明確な敵なら吾妻さんを呼ぶ。出来るなら他の人もな。
 どうせ逃してもらえない敵なら、一般人なりに時間稼ぎでもするさ。
 そうじゃなければ放置……というか、逃げて一応場所は連絡するくらいだ」

「……ああ、最悪なのはスタンドだけで本体がいない敵だな。
 俺らがスタンド使いを足止めするなら本体を狙う必要があるから、
 これはもうどうしようもない。即、その場を離れて上の人らを呼ぶ」

            「そのパターンで敵じゃなきゃ、まあ……放置か、監視か」

4階の探索を続ける。階段はすぐに見つかったが、ネコが見つかる様子はない。
鳴き声もあれ以降聞こえない。聞こえるのは上の階からの足音と、僅かな声くらいだ。 

       「――――――るぞッ! ―――――げた!?」

               「なんだ―――――――」

    「――――――――――――――力かもしれない。
     ――――――――――――――――――――
     ――――――――誰か―――可能性が高いッ! ――――」


                        ・・・この階にはいないのだろうか?
                           5階からは人間の声が絶えず聴こえる。

417『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/12(水) 17:27:31
【フリー】
>>413(硯)

ここは素直に穴をくぐる。素直さに答えるように穴の向こうは普通の廊下で、
2階も普通の2階。人がここを通った形跡はある。床が僅かに靴跡で濡れている。

それを追っていけばすぐさま3階に辿り着くことが出来た。

     ザワ

           ザワ

          ――――上階から、騒ぎが聞こえる。

この上か、もう一つ上、『4階』や『5階』に行けば間違いなく巻き込まれる。
硯にはこの階で様子を伺う選択肢がまだ残っているが、登れば無くなる。

418『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/12(水) 17:29:24
【早見】
>>414(高天原)

下り階段まで到着した、その時。

「――――!」

         「黒服と……誰だ?」

                    ≪ハピ ピピピ ピピッ≫

階段の下――――4階の階段の前を、黒服と、もう一人『作業服の男』が横切る。
上階までは意識を向けていないようで、相手がこちらに気づいていた様子はない。

                       ・・・だが、あの作業服は何だ?

               …

                     …

ともかく足音を殺して階段を下る――――

詳細は不明だが、後方にはスタンドが見える一般人。
スタンド使い程厄介ではないにせよ、無視できる相手ではない。
そして、向かう先である下階にも妙な連中がうろついている。

       「鍵が掛かってるぞッ! 猫はどこに逃げた!?」

               「なんだ……『タブレット』?」

    「触れない方がいいですよ――――何かの能力かもしれない。
     ……あのスタンドといい、このタブレットといい、
     既にここには『誰か』が来ている可能性が高い。不味いですね」

                  上からはそのような会話が聞こえる。
                   ・・・もうしばらくは足止めが出来そうだ。

419宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/12(水) 19:03:23
>>416

「なるほど――妥当な判断だ」

こちらが尋ねていない事まで喋ってくれるのは有り難い。
話を聞く限りでは、吾妻以外にもスタンド使いが来ているようだ。
それは予想外ではなかった。
吾妻が腕の立つ人間だったとしても、
この事態を収拾する為に『アリーナ』が寄越したスタンド使いが、
たった一人だけの筈はないだろう。
他にも何人かいると考えるのが自然だ。

(やはり教えるべきではないか――)

今この場で『アリーナ』所属のスタンド使いを呼ばれると、
面倒事が増える恐れがある。
こいつらが自分で気付いた時は止むを得ない。
それまでは、俺からは何も言わない事にする。

「この階にいても収穫はない。『五階』に行く」

黒服に告げて、階段に向かう。
詳しい事は分からないが、明らかに何かが起きている様子だ。
そして、それは今も進行中らしい。
『カーバンクル』か『シンエン』か、あるいは別の要因か。
少なくとも、尋常ではない事態である事だけは確かだ。

「俺の事については、あんたの口から説明してくれ。
 その方が、お互いに時間の節約になりそうだ」

階段を上り切らず、用心して手前で立ち止まる。
その位置から、五階の状況を確認したい。
上から見えないように注意して、
『アヴィーチー』を自分の隣に立たせて万一に備える。

420スミノフ『デマーケイション』:2018/09/13(木) 00:28:25
>>415

「ナイス、イラムシちゃん」

「死ぬかと思った」

立とう。
人間基本的には四つん這いとかをする必要がない生物だ。

「んで、こっからどうする?」

「俺はあいつを踏みつけたい派」

女との距離を歩いて詰めていく。
ついでに周りの状態と敵との距離を測る。
敵が何をしてくるのか分からないので、気を付けておこう。

421高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/13(木) 19:17:25
>>418

「……知らない人っスか?」

 背後の黒服は、まだ状況を怪しんでいる段階だ。
 こちらの存在には気づいているものの、既にすれ違って下へ向かう途中であることは知られていない。
 おそらく、壁に接したまま宙に浮いた『タブレット』に気を取られているのだろう。
 (そのまま触れずにいるのなら、『無音の静止』の解除と同時に『タブレット』は破壊され、その音も同時に響くはずだ。)

 しかし、此方がここで事を起こせば、話は別。

 下の階にいる黒服と『作業服の男』についても、同じことだ。
 上の階で『タブレットの割れる音』が響けば、その注意は間違いなく上へと向かう。

「……挟み撃ちになるのは確定っぽいスね」

 となれば、『待ち』の選択肢はなし。
 前後の黒服たちは、まだこちらの存在を明確に察知していない。
 今ならまだ、『こちらだけが相手の存在に気が付いている』というイニシアチブは残されている。

 その上で。キーパーソンは、おそらく『作業服の男』だろう。
 上の黒服は『スタンド』が見えるだけの一般人。下も同様と考えれば、何かあるとするなら彼だ。
 今のうちに、声を聞き分けておきたい。『作業服の男』の声を。

「……もう、こっからはゴリ押ししかねェっす」
「ただし、相手を可能な限り『かく乱』した上で、だけど」

 不意を衝くのであれば、相手の意識を可能な限り散らすべきだ。
 情報量を増やす。そのためには、『猫の手も借りたい』……というのは比喩だが。

「もう少ししたら、上の階で『タブレットの割れる音』が鳴り響きます。
 それを合図にして、下の階はダッシュで抜けましょう。
 繰り返しますが、俺の『スタンド』ならちょっとばかし時間稼ぎが出来る。
 通り抜けられそうになかったら……最悪、俺が残ります。二人は、こっちは気にしないで走り抜けてください」

「五十嵐さん。アンタはおっかねぇけど……仕事はきっちりする人だって思いました」
「もし俺が残ることになったら、『遠見』さんを頼んでいいですか」

 『タブレットの割れる音』が響く、イコール『静止』がもう一度使えるようになる、だ。
 早見は一般人、五十嵐は初対面で能力も知らない上に猫連れ。
 いずれにしたって、一階の扉の穴を潜るために、時間を稼ぐ必要はあった。
 適材適所、自分が最後まで残るべきだ。

「あとは……『遠見』先輩、まだ俺のケータイ鳴らせる状態にしてますか?
 上で『タブレットの割れる音』が鳴ったら、もう一度鳴らしてください。余裕があったら、回収もヨロシク」

 あちこちで響く音。情報を増やすということは、相手の思考の選択肢を増やすということ。
 まあ、猫の身柄がこちらにある以上は、下の階の黒服と『作業服の男』がこちらに向いてしまうことは避けられないが……
 それでも、何もしないよりはマシだ。

「……ああ、ただ、一階の『防火扉』。俺が通れるように穴広げといてくれりゃ、助かるかな。
 猫かアンタか、どっちの能力かは知らねーが……そんくらいの見返りは期待して良いでしょ、五十嵐さん?」

 五十嵐の了承を得たら、後は合図を――――『タブレットの割れる音』がするのを待ち、一斉に階下へ飛び出し、走り抜ける。

422硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/13(木) 22:36:04
>>417

「おいおい」

「いくら金を生み出すとは言え、
 たかだが『猫』一匹に大人達がこんなにワラワラと、
 群がっているのかい。

 ユーチューブかい?ユーチューバーなのかい?
 この先にいる猫はひょっとしてユーチューバーなのかい?
 俺は今時スマホもパソコンも持っていない『情報弱者』だが、
 筋金入りのテレビっ子だから、今世間様では
 ユーチューバーってのが流行っているってのは知っているんだ」

偶然被っているお面で素性は割れる事はないし、
此処で様子をうかがうのは日和気味な行動と判断し、
無遠慮に階段を上っていく。

「俺は漣さんの方から来た…
 漣さんの方から来た…これでいけるかな」

423『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/15(土) 00:22:20
【音仙】
>>419(宗像)

「こちらも収獲が無いのは同感だ……
 待機している場合でもないようだしな」

       ザッ

「お前のことを報告する必要もあるし……上も騒がしい」

           ザッ

                ……ピタ


そして宗像は階段の場所へと戻る。
そして階上からは見えないであろう死角から、
上の様子を窺うと――――既に、状況は始まっていた。

                  ガシャ
                        ァーーーーーン


  「……」

     〜〜〜〜♪
  
         「…………」

                「……」

              ≪ハピ  ピピピッ≫

    ダダダダッ

上階から聞こえた何かが砕けるような音。
そして下階から微かに聞こえる『着信音』。
それを合図にするかのように『駆け降りて来ている』。

――――大学生ほどに見える青年と、スーツ姿の二人組。
方や公務員風、方やインテリヤクザ風で、後者の腕の中に猫。


          ――――『猫』だ!

細かいところまでは見えない。三人が一斉に階段を駆け下り、
そのまま一目散に下階に向かう階段へ向けて走り抜けようとしている。
流石に、突然の事態が過ぎる。覗いて即座に対応は出来なかった。
だが、階段のすぐそばまで戻って来たからこそ、3人組との距離はまだ離れていない。

「なっ――――――おいっ!! あの連中、ネコをッ!?」

                        ・・・黒服も一歩遅れて反応する。

424『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/15(土) 00:22:30
【フリー】
>>420(スミノフ)

「なァに、『プロ』ならこれくらいのサポートは当然ですよォ」

そう誇るイラムシの顔に言葉ほどの余裕はない。
彼の手から流れる血は流石に治まりつつあるが、
それでも無視できるダメージではないのだろう。

「踏み付けて地面に縫い留めるのも良いですが、
 オレとしては絞め落として『尋問』したいですねェ〜」

     フラァ
            ァァァ

            「……っと、まだ終わってくれる気はないですかァ」

   ザァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーッ ・ ・ ・ ・ ・

                         バチャッ

止まない雨の下、女は立ち上がろうとするが、膝から崩れ落ちる。
その姿勢は先ほどのスミノフと同じ四つん這い。スミノフと同じで目は死んでいない。

           ・・・だが向こうから動く様子もない。或いは機を窺っているのか。

425『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/15(土) 00:23:21
【早見】
>>421(高天原)

「知らない顔だ――――アリーナの新入りと見るか、
 市井の協力者と見るか。少なくとも僕達の敵だろう。
 無関係の浮浪者が連行されてるだけなら笑えるんだが」

         「……立振る舞いに侮れない物がある」

作業服の男は中年だったが、声には歳だけではない『寂び』があった。
それが何に由来する物かは不明瞭だが――――ひと筋縄では行かなそうだ。

(★男の声は全ては聞こえなかったが、
 「――するスタンド使いと遭遇したら、――――する気だ?
  俺が――所―――――してはいないようだが」――――と言っていた)

「分かった、そうしよう。こう見えて足の速さには自信があるんだ。
 ……携帯も準備は出来てる。回収までは、ちょっと任せてとは言えないけど」

「最早僕らはここを出るまで一蓮托生、今更切り捨てる事も出来ないし、気もない。
 いいだろう。『遠見』……お前の世話と、『1階の防火扉』の突破は任された。
 ただし、相応に外の連中の気を引く事にはなる……『安全経路』など既に夢だがな」

                  ガシャ
                        ァーーーーーン

       『pi』

                   ・・・

ここまでは流石に形態の音は聞こえない。
聞こえたのはタブレットが時間に追いつき、壊れた音。

そしてそれに驚く黒服達の声にならない声だけ――――まだ後ろは問題ない。下階へ降り、駆け抜け、


「なっ――――――おいっ!! 今の連中、ネコを抱えていたぞッ!?」

 
         ゴ
                ゴ

                         ゴ 

――駆け降りた階段のすぐ傍からそのような声が聞こえた。そのまま駆け抜ける事も出来る。
だが、もしそちらを振り向くなら、上階から死角になる位置に立っている二人が見える。

       つまり、残り一人の黒服と――――作業服の男。
         その傍らには、『ノコギリザメ』の意匠の右腕を持つ『スタンド』。

426『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/15(土) 00:23:31
【フリー】
>>422(硯)

猫が世間で流行りの『ユーチューバー』なのか、
それとも『ユーチューバー』が猫を狙っているのか、
そもそも『ユーチューバー』は関係ないのか、
漣、という人物の名前を挙げれば『いける』のか、
答えは得られないまま、硯は4階へと足を踏み入れる。
答えが降ってくるまで待つより、動く方が近づけるものだ。

         ザッ…



「なっ――――――おいっ!! 今の連中、ネコを抱えていたぞッ!?」

 
         ゴ
                ゴ

                         ゴ  

その瞬間、やや遠方からハッキリ、そのような聞き覚えの無い声が聞こえた。
今の連中とやらの姿は見えないが、『猫』……お目にかかる時はどうやら近そうだ。

427宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/15(土) 11:40:13
>>423
現時点での、我々二人と三人の位置関係を確認させていただきたい。
三人は、既に我々を通り過ぎていると考えていいのだろうか?
それとも、まだ前方にいる状態なのだろうか。

428『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/15(土) 16:19:33
>>427(宗像)

宗像と黒服は一度階段を通り過ぎてから戻って来た。
また、位置的には階段の上が見え、上からは見えない死角である。
三人組は階段を駆け降り3階へ向かおうとしている。

このことから、位置関係は以下のようになる。

――――――――――――――――――――――――

          階段
          階段
■■■■■■■  ■■■■■■■■■
       ★     宗
              ア黒


■■■■■■■■■■■■■■■■■

★・・・三人組のだいたいの位置。

429宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/15(土) 18:52:19
>>428

丁寧な回答に感謝。

>>423

まず言葉を交わして相手の素性を確かめたかった。
しかし、その暇は無さそうだ。
このままでは『目標』に逃げられてしまう。

(先を越されたか――)

幸い、今の位置は悪くない。
奴らは脇目も振らずに階段へ向かっている。
こちらに気を配る余裕は少ないだろう。

「――取り押さえるぞ」

黒服に短く告げてから、
『アヴィーチー』が右手に握っている硬貨を投げ放つ(破ス精BCC)
言うまでもなく、攻撃の対象は猫を抱えている奴だ。
出来る限り下半身を狙い、一秒でも二秒でも足を止めさせる。
これで、黒服が三人に近付くまでの時間を稼ぐ。
位置関係から言って、黒服に硬貨が当たる事もない。

(妙な取り合わせだが――こいつらも『フリーランス』か?)

「何か事情があるようだな」

「だが、こちらにも事情はある」

「――悪く思うなよ」

硬貨を投げつけると同時に走り、インテリヤクザ風の男に接近する。
攻撃が可能なリーチに入り次第、
『アヴィーチー』の左手に持つ枝を振って殴り掛かる(破ス精BCC)
その際、スタンドを半身に構えて、三人から見て右半身を奥側にしておく。

430硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/15(土) 20:09:24
>>426
「多少の無茶は男子高校生の特権だからな。
それに、どうやら本丸は近いようだ」

声のした方へと向かう。

431スミノフ『デマーケイション』:2018/09/15(土) 21:43:10
>>424

「俺そろそろネタ切れだぜ?」

「弾き返しも入れ替えもやっちゃったし」

傷が痛む。
それに対抗するかのように舌を出してみせる。
『デマーケイション』を腕に移動させる。

「意志があるってなぁいいねェ……!」

「つーか、そろそろ出て来たらどーですかー? シンエンちゃーん?」

ポケットに手を突っ込む。
そしてゆっくり一歩ずつ距離を詰めていく。

「後の先だろ?」

焦ってもどうしようもない。
近くまで歩いて行く。

432高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/16(日) 22:58:56
>>425

(――――『スタンド』ッ!)

 見るからに攻撃系の能力を連想させる意匠。
 是非ともお近づきになりたくないタイプだ。
 ……交戦が前提ならば、の話だが。

 こちらは、ただ逃げ抜ければいい。
 そもそも攻め手には向かない能力だ。打ち倒そうとすれば、それだけ時間もリスクも増える。

 だから、ただ『対応する』。

 走り抜ける自分たちと、向こうの『スタンド』。
 その線上、両者の間に挟むように、『ウィーピング・ウィロウ』を位置取らせ、構える。
 構える『のみ』だ。こちらから能動的なアクションは起こさない。
 そして、あちらが立てる『物音』に備える。

433『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/17(月) 00:55:25
【フリー】
>>431(スミノフ)               

「オレは多少ネタはありますが、まず当ててからですからねェ」

            ガシィ
               ン

「んでもって、当てちまえばもう……流石に終わるでしょォから」

両腕に纏わりつく『喧嘩』の象徴。
一歩一歩足を進める。
呼んでも『シンエン』は現れない。

    ザッ

         バチャッ

「フゥーーーッ・・・」

             「フゥーーーッ・・・」

                   バチャッ

距離、『2m』。

「――――――――待て。我々と、『取引』をする気があるならな」

            「無ければ待たなければ良い」

                        ――――老いた声。

434『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/17(月) 00:55:43
【音仙】
>>429(宗像)

            ヒュン!

「後ろか――――『エフェメラル』!」

        パ〜〜〜〜

                  プゥ〜〜〜ッ

―――――速い!

男の傍らに発現した『蟲の天使』のようなヴィジョンが、
奇妙な『ラッパ』のような物を吹く。相当なスピードだ(スB)

               ブクブクブク

    ドドドドドドドッ

そして――――ラッパから噴き出したのは『泡』のようなものだ。
それが投げ放ったコインと衝突し、『炸裂』し、空中で迎撃する。

             ダダダッ

が、攻撃はあくまで足止め狙い。敵はスタンドの操作に集中し脚を遅めた。
それゆえに黒服も、宗像もある程度距離を詰められる――――が。

                     スゥーーーッ

――――大学生風の青年もまた、スタンド使い!
植物の意匠を持つ風雅な人型ヴィジョンを、宗像と彼らを遮るように位置取らせてきた!

              さらに。

    タタッ

3階へ続く階段方向から、新たな不審人物――――謎のお面を着けた男がこの場に現れたのだ。

435『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/17(月) 00:55:55
【フリー】
>>430(硯)

    タタッ

声のした方向に向かうと――――向こうからも向かってきていた。

今時の大学生風の青年と、公務員風のスーツとインテリヤクザ風のスーツ。
三人の男のうち大学生とヤクザはそれぞれスタンドを発現しており、
特に、インテリヤクザ風の発現するスタンドは――――『喇叭を持った天使』。

                ・・・しかもその腕には猫が抱かれている。


              ダダダッ

そして、それを追うのは黒服の男と『作業服』姿の異様な雰囲気の中年男性。
この二人についても作業服はスタンドを発現している。右手が『ノコギリザメ』の意匠だ。

前の三人までの距離は『15m』ほどで、後ろから追う二人までは『25m』無い程度。

436『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/17(月) 00:56:06
【早見】
>>432(高天原)

後方へ高天原がスタンドを動かすより速く、敵の先制攻撃だ。
作業服の男のスタンドが手に持った何かを投げ放ってきたが――

             ヒュン!

「後ろか――――『エフェメラル』!」

        パ〜〜〜〜

                  プゥ〜〜〜ッ

五十嵐の傍らに発現した『蟲の天使』のヴィジョンが、
手の『ラッパ』のような物を吹く。相当なスピードだ(スB)

               ブクブクブク

    ドドドドドドドッ

ラッパからは『泡』のような何かが吹き出し、投げられた何かを迎撃した。
これが第一の交錯。その間に高天原はスタンドを遮る位置まで移動させ、

          ダダダッ      
 
追跡者の黒服と作業服は己の足で距離を詰めてくる。だいたい『7〜8m』。

             そして。

「――――――!? なッ……なんだあいつはッ!?」

3階に繋がる階段の方向から、こちらに向かって来る――――女児アニメのお面をかぶった男!!

                  ・・・その男との距離は、あと『15m』ほどだ。

437宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/17(月) 20:01:50
>>434

「『飛び道具』か――厄介だな」

眼前の光景を見て、分かっている事を頭の中で纏め直す。
この敵は、動きの速い人型のスタンドを持っている。
そして、『ラッパ』から『泡』を噴き出させて硬貨を撃ち落した。
あの『泡』が何かに触れると、『炸裂』するのが能力かもしれない。
まだ断定は出来ないが、その可能性は低くはないと判断する。

「――お前が『猫』を抱えている理由は、それか?」

『飛び道具』を持っているなら、近寄るのは困難になる。
近距離で力を発揮するスタンド使いよりは、『猫』の護衛に向いているだろう。
『猫』が敵の近くにいては、目先の争いに専念するのは難しい。

「『猫』を抱えている男のスタンドは『飛び道具』を持っているようだ。
 出来る限り障害物の陰になるように動く事を勧める」

「それから、これを言う必要はないだろうが――
 まだ連絡が済んでいないなら、今の内に『上司』を呼んでおけ」

正面の青年を見据えて、黒服に言葉を投げる。
戦力の頭数で劣っている以上、こうなっては止むを得ない。
もっとも、上で騒ぎが起きていた事を考えれば、
既に報告はされていると思った方が良いだろうが。

(この男も『人型』か――)

(まずは、こいつをどうにかしてしまわなければ動きが取れない)

余計な雑念は捨て、今は目の前の敵に集中する事を考える。
誰であろうが、『仕事』の邪魔をする者に容赦をする気は無い。
この一件に関わっている以上、向こうも危険は承知している筈だ。
相手は変わったが、攻撃する事自体に変更はない。
先端を鋭く加工した枝で突きを放つ(破ス精BCC)

これがスタンドに効果を及ぼさない事は分かっている。
しかし、恐らく何かしらの反応はするだろう。
そこを狙って、続けざまに次の行動を起こす。

今、『アヴィーチー』は半身に構えさせている。
正面から見ると、右半身は少しばかり見え辛くなる筈だ。
その状態から右腕を体の陰に隠し、『ノコギリ』を『50cm』伸ばす。

ほぼ同時に、体を捻りながら『ノコギリ』を袈裟斬りに振り下ろす(破ス精BCC)
距離が足りないと判断した場合は、踏み込みながら上記の攻撃を行う。
まだ使いたくはないが、
敵の攻撃の方が速かった時は『能力』の使用も考慮に入れる。

(また素性の分からない奴が現れたか――)

新手の男に関しては、今は無視する以外に無い。
こいつが三人組とは別の勢力だとすれば、利用出来る可能性はある。
何者か知らないが、
『標的』の離脱を妨げる一因になってくれる事を期待したい所だ。



(※次レスで全体の位置関係を説明していただけないだろうか)

438硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/17(月) 23:20:50
>>435

「ラッパ、って事はあれが五十嵐さんかい。
 外は『ランラン』さんが居て『スティングレー』さんは
 今頃、病院のベッドか『アリーナ』にいるだろうし、
 それに『エニグマ』さんは声を聴いた感じ、ご年配だった。
 
 どう考えても、数が合わないんだが、
 ひょっとして俺が思うより世間はずっと速く目まぐるしく――動いているのか?」

            「それに」

「突如、目の前に現れた『知り合い』との、
 おどろおどろしい『斬り合い』は御免こうむりたいんだ。
 まだそんな事に『生き甲斐』を見出す『色彩』を失った『キチガイ』じゃあないんだ」


      ズギュンツ


思い切り駆け、
ある程度『五十嵐』達との距離を詰めた所で『オーバードライブ』を発現。


「だから、こんなのをやってみようと思うんだが。
 できるかな?どうだろう?」


そして左右の壁に腕を伸ばし、
『オーバードライブ』が発現可能な最大サイズの『バイク』の『車輪』を
タイヤも一緒に、一輪ずつ『車軸』が壁から生える様な形に設置し、発現する。

『雑居ビル』の定義は曖昧ではあるが、
その大半は比較的『小規模』な作りとなっている筈。
また現在位置が『階段』あるいはその付近であるのならば、
その壁の幅は余計に狭まっているだろう
なのでそれぞれの壁に長いタイヤを設置する事により、
此方に一直線に向かってくる二組の進行を阻みたい(※)

=================================
※設置のイメージ。

壁|         |壁
壁|車軸     車軸|壁
壁|↓       ↓|壁
壁|◇■■■ ■■■◇|壁
壁|         |壁
壁|         |壁
壁|         |壁
壁|         |壁

439高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/17(月) 23:32:24
>>436

「う、ぉッ―――!」

 交錯に怯みつつも、確認する。
 『泡』。すなわち球。
 平面に痕を残すなら、それは円形になるだろうか。
 いずれにせよ、五十嵐の『スタンド』もまた『戦闘向き』だ。

 そして――――

>3階に繋がる階段の方向から、こちらに向かって来る――――女児アニメのお面をかぶった男!!


(…………クソッ、どうリアクションするのが正解なんだコイツ!!!)


 だが、五十嵐が驚いている以上は『エクリプス』の手合いではないのだろう。
 であれば、どうあれ『障害』だ。
 無闇に傷つけたくはないが、火の粉として降りかかるなら払わなければ。

(大事なのは『静止』させる順番だ……『静止』は相手の時間を止めるが、
 自分じゃあ解除できねーし、その長さも変えられねえ……『予測』が必須だ)

(コイツは、要は『時間稼ぎ』のパズルみてーなモンか……ッ!)


  「―――五十嵐サン、止まるなッ!」

      「猫と先輩を庇えんのは、今はアンタだけだッ!!」



          『ダ』 『ダ』 『ダッ ・・・』



         「この階は、俺が、全員 『足止め』する!!」



 最初の『静止』は、『作業服の男』の足音。
 その一歩一歩をそれぞれ『無音の静止』によって固定。
 足が床を蹴る度に、その音によって縫い付ける。
 それで足りなければ、一言でも言葉を発するならその『声』も『静止』だ。

 一つ一つの音は短いだろうが、断続的に解除される分、こちらも次の『静止』に移りやすくて良い。

 あの『ノコギリザメ腕』は十中八九、近距離パワー型だろう。
 名が示す通り、その『射程距離の短さ』は数少ない共通の弱点足りえる。
 すなわち、『本体から離れすぎると強制的にヴィジョンが解除される』という弱点に。
 本体が止まってしまえば、『スタンド』もこちらに近づくことは出来ない。
 今この場で最も脅威となる駒、先ずはその機動力を殺いで時間を稼ぐ。

 そも、どちらも全速力で移動しているのだ。
 足止めがなければ互いの距離は簡単に縮まる道理もないし、逆に言えば、一瞬の足止めが致命的な距離を生むはずだ。

 その間にも、飛び出した黒服はそのまま真っ直ぐこちらに向かってくるだろう。
 『スタンド』が見えていたところで、一般人には変わりない。
 無策で距離をつめてくるなら、恨みはないが、こちらの射程に入った時点でその顎を掌で鋭角に殴る(パス静CCB)。
 ダメージを与えることよりも、殴る角度を重視する。
 無論『見えて』いる以上は有効な一打にはなりにくいだろうが、上手く入ってくれれば脳を揺らせるはずだ。

 最後に。

 走る前方に現れた不審者(二重の意味で)、交錯する瞬間に意識を集中する。
 『作業服の男』への『静止』は『足音』と『声』、いずれもひとつひとつの音は長くない。
 不審者との距離が『5m』を切ったら、『作業服の男』への『静止』はそれ以上必要ない。
 それよりも、不審者の立てる物音、声、『スタンド』の挙動。その全てに耳を澄ませる。

440スミノフ『デマーケイション』:2018/09/17(月) 23:50:09
>>433

「分かる〜」

終わらせる。
ここですべてを終わらせる。

「あ?」

声に足を止める。
だが、また歩みを進める。

「シンエンちゃんか?」

「何事も話を聞いてからだ、その気はあるがその気が続くかはまだ分からない」

「そういうもんだろ?」

1mぐらいまで接近しよう。

441『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/18(火) 23:44:48
>スミノフ以外の三名

               
              〜4F〜
          
□□□□車□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□◎□□□□□□□□□★□□□□□□□□□
□□□□車□□□□□□□□□□□□□□□□□▼□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

▼:追いかける作業服と黒服
★:逃げるスーツ二人と大学生
◎:立ちはだかるお面

車:壁の両側から発現した大型バイクの車輪。◎は、その間に立っている。
☆:階段。

442『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/18(火) 23:45:00
【音仙】
>>437(宗像)

「答える理由は無い……『アリーナ』の手先には尚更だ」

インテリヤクザ風の男はスタンドを伴いながら、
静かに返す。詳細は不明だが油断ならない能力。
この男が猫を守っているのは、まさしく『厄介』だ。

「ああ分かってるッ……この状況で呼ばない理由は無いからな!」

黒服は宗像の勧め通りに連絡を取ろうという動きだ。

そして。

  「―――五十嵐サン、止まるなッ!」

      「猫と先輩を庇えんのは、今はアンタだけだッ!!」

          『ダ』 『ダ』 『ダッ ・・・』

         「この階は、俺が、全員 『足止め』する!!」

まず、結論から言うとその後の宗像の行動は『全て失敗した』。

         なぜか。

                      ――――ッ

それは極めて単純な事で、『身体が全く動かなかった』から。
まず初動が潰れた。それは1秒にも満たない時間だったが、
複数回繰り返された。足が地面を蹴るたびに頭長まで縫い留められる感覚。
本当に動かなかったのだ。ゆえに『アヴィーチー』の攻撃範囲に入れない。

             ――――『足止めに特化したスタンド使い』だ。

ただ、『アヴィーチー』を動かす事は出来た。それが分かったのは止まった後で、
その状態から何か対応する事は出来なかったが……止まったのは自分の身体だけ。
奇妙なのは――――それに伴って自分の『足音』が『間延び』するように響いていたこと。

「ラッパ、って事はあれが五十嵐さんかい。
 外は『ランラン』さんが居て『スティングレー』さんは
 今頃、病院のベッドか『アリーナ』にいるだろうし、
 それに『エニグマ』さんは声を聴いた感じ、ご年配だった。
 
 どう考えても、数が合わないんだが、
 ひょっとして俺が思うより世間はずっと速く目まぐるしく――動いているのか?」

            「それに」

「突如、目の前に現れた『知り合い』との、
 おどろおどろしい『斬り合い』は御免こうむりたいんだ。
 まだそんな事に『生き甲斐』を見出す『色彩』を失った『キチガイ』じゃあないんだ」

                   ダダダッ

韻を踏むような宣誓と共に前方から駆けてきた『お面の男』は、
装甲車を思わせる人型のスタンドを発現して――――『道を塞いだ』。
知り合いがだれを指すのかは不明だが・・・何となく聞いたことのある声な気も、する。

もちろん完全ではないが、道はかなり狭くなった。壁から生える、『バイクのタイヤ』によって。
そう、彼のスタンドが壁を叩くと、そこからバイクのタイヤが現れたのだ。そういう『能力』!

「チィィッ……誰だか知らんが、イラつく奴だ……!そこをどけッ」

               「『エフェメラル』!!」

                パァ〜〜〜〜

                         プゥゥゥ〜〜〜〜〜〜

      『ゴボボッボボボボボボボ』

インテリヤクザ風の男がそれを撃ち破ろうとスタンド攻撃を仕掛けるが、
当然その足取りは遅くなっている。謎めいた足止めの分を埋める事は今から十分可能だ。

443『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/18(火) 23:45:12

【フリー】
>>438(硯)

硯の言葉に応える者はいない。その登場に驚かれてはいるようだが、
目下のところ『障害物』としか見られていない、ということだろうか。


                   ダダダッ

  「―――五十嵐サン、止まるなッ!」

      「猫と先輩を庇えんのは、今はアンタだけだッ!!」

          『ダ』 『ダ』 『ダッ ・・・』

         「この階は、俺が、全員 『足止め』する!!」

大学生風の男がそう叫ぶとともに、奇妙な事に『作業服』がその脚を不自然に止めた。
1秒にも満たない時間だったが、前方の3人組と後方の2人組の距離は更に開く。
後方の黒服もどこかに連絡を入れようとしているようで、追いかける脚はやや緩慢だ。


      ド
           ドッ


そして――――そのどちらもを止めるよう、『RXオーバードライブ』が動く。
壁から大型バイクのタイヤを生やし、流石に完全に道を埋められはしないが、相当狭くはなった。

「チィィッ……誰だか知らんが、イラつく奴だ……!そこをどけッ」

               「『エフェメラル』!!」

                パァ〜〜〜〜

                         プゥゥゥ〜〜〜〜〜〜

      『ゴボボッボボボボボボボ』

ちょうどタイヤの間の『道』を塞ぐ位置取りとなった硯に、『五十嵐』の『ラッパ』が牙をむく。
吹き出された大量の『泡』が向かって来る――――そのスピードはそれ程でもないが、嫌な予感はする(泡スC)

444『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/18(火) 23:45:25


【早見】
>>440(高天原)

「『飛び道具』か――厄介だな」
「――お前が『猫』を抱えている理由は、それか?」

「『猫』を抱えている男のスタンドは『飛び道具』を持っているようだ。
 出来る限り障害物の陰になるように動く事を勧める」
「それから、これを言う必要はないだろうが――
 まだ連絡が済んでいないなら、今の内に『上司』を呼んでおけ」

「ああ分かってるッ……この状況で呼ばない理由は無いからな!」

作業服と黒服はそのような会話を交わしている。
――質問に対しての五十嵐の答えはシンプルだ。

「答える理由は無い……『アリーナ』の手先には尚更だ」

          『ダ』 『ダ』 『ダッ ・・・』

そして高天原の目論見通り作業服は一歩ごとに動きを止める。
初見で『ウィーピング・ウィロウ』の性質を見抜く事は出来るはずがない。
スタンドによる攻撃を仕掛けてこようとしていたようだが、距離が開いた。
近距離パワー型らしく、この距離から仕掛けてくるような攻撃は無いようだ。

黒服もまた、恐らくは『上司』を呼び込むためにその脚を遅らせ、
スマートフォンを用いていずこかに連絡を使用としている。
これにより後方への『足止め』は、ひとまず成ったのだが――――

「ラッパ、って事はあれが五十嵐さんかい。
 外は『ランラン』さんが居て『スティングレー』さんは
 今頃、病院のベッドか『アリーナ』にいるだろうし、
 それに『エニグマ』さんは声を聴いた感じ、ご年配だった。
 
 どう考えても、数が合わないんだが、
 ひょっとして俺が思うより世間はずっと速く目まぐるしく――動いているのか?」

            「それに」

「突如、目の前に現れた『知り合い』との、
 おどろおどろしい『斬り合い』は御免こうむりたいんだ。
 まだそんな事に『生き甲斐』を見出す『色彩』を失った『キチガイ』じゃあないんだ」

                   ダダダッ

韻を踏むような宣誓と共に前方から駆けてきた『お面の男』が、


          ド
                ゴゴッ!!!

装甲車を思わせる人型のスタンドを発現して――――『道を塞いだ』。

もちろん完全ではないが、道はかなり狭くなった。壁から生える、『バイクのタイヤ』によって。
そう、彼のスタンドが壁を叩くと、そこからバイクのタイヤが現れたのだ。そういう『能力』!
特筆すべきはそのスタンドの『異常』なまでのスピード(スA)。それが前方に立ち塞がっている。
左右はタイヤ。中心は破壊的なエネルギーを秘めた『スタンド』!

「チィィッ……誰だか知らんが、イラつく奴だ……! そこをどけッ」

               「『エフェメラル』!!」

                パァ〜〜〜〜

                         プゥゥゥ〜〜〜〜〜〜

      『ゴボボッボボボボボボボ』

五十嵐はここを突破すべくスタンドによる攻撃――――泡の噴射を行うが、当然その進みは遅くなる。

445『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/18(火) 23:46:29
【フリー】
>>339(スミノフ)

「―――――如何にも。『縁隈 真燕(えにぐま しんえん)』」

           ザ
              ァァァァ
                    ァァァァーーーーーーーーー

「取引ィ? そいつは有利な側が持ち掛けるモンですよォ?
 今のあんたらに出来るのは、『命乞い』の間違いでしょォーが」

雨が降り続く中、イラムシもまた足を止めた。
距離はスミノフと同じ『1m』。

「……本当にそうか? そちらの男、『放置していい傷』ではあるまいな。
 背筋を痛めれば……腕だけではない。体のあらゆる動きが阻害される。
 貴様も上手く躱したが……手は繊細だ。『後遺症』が残れば、仕事に差し支える」

               「……そして、儂は無傷だ」

   「フゥーーーーッ・・・」

        「フゥーーーッ・・・」

女のダメージもまた、明らかに放置していい類の物ではない。
出血こそ少なく、目に見えた変形も無いが、尋常ではない脂汗。

「当然……だから『痛み分け』で終わろう、などと甘い話はせぬ。
 こちらが『カーバンクル』を得るのにふさわしい対価はあるべきだ」

「…………『金』『名声』そして依頼の完全遂行で得られる『信頼』『コネ』。
 アリーナの新人には見えん。『雇われ』の身であろう。
 貴様らがこの仕事で得られる筈の物を代わりにくれてやる……故に、手を引け」

                 「…………詳しく聞きたければ、そこで止まれ」

446硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/19(水) 00:00:11
>>443
吹き出した『泡』は実体化してるように見えますか?
それとと明らかにスタンドの非実体化のそれとわかりますか?

447『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/19(水) 03:03:50
>>446(硯・回答)
泡は『実体化』しているように見える。

448宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/19(水) 17:43:56
>>442
以下の点についてお聞きしたい。

・動けなくなった時間そのものは短時間であり、
 それが短い間に連続で続いたと考えていいだろうか?
・現時点で本体は動ける状態だろうか?
・今、『ノコギリ』は出しているか?
・能力が使われた際に、
 自分の状態と他の人間の状態に違いはあっただろうか?
・三人組およびお面の人物との距離は、およそ何メートル程だろうか?

(当方は『ウィーピング・ウィロウ』の能力詳細を見ずに当ミッションに臨んでいるため、
 PL単位で『ウィーピング・ウィロウ』の能力を知らない)

449宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/19(水) 21:05:47
>>448
現在『泡』はお面に向けて放たれている最中という認識で正しいだろうか。
また『泡』の速度に変化は見られるだろうか?

450スミノフ『デマーケイション』:2018/09/19(水) 22:18:00
>>445

「へぇあんたがシンエンちゃんかー」

「会いたかったぜ。刺されたってのは中々ない。手際の良さに惚れ惚れしたよ」

手を突っ込んだまま頭を下げる。
目線は前から外さない。

「だけどシンエンちゃん。思うんだがねェ?」

「お前ってのは、野球で言えば1イニングしか投げないピッチャーだ」

「ワンポイントで仕事をすればいい。だから、無傷なのは仕事人としてはある種当然」

「ワンイニングだけ投げたやつが『俺は失点してない』っていうのは、どうなんだろうな」

頭を下げたままで言葉を発する。
傷が痛いし、この体勢だと呼吸もしにくそうだ。

「むしろ、俺に一回弾かれてる。1アウト」

「仕留めきれずに実質2体1になってる。2アウト」

「ここで負ければ3アウトで人生がどん底にチェンジだぜ。怪我しないが、痛手は受けてる」

「確かに俺らは刺された。認める、あんたは一流で強い人間だ。間違いない」

一応足を止める。

「正直、痛み分けにしないってのは好きだぜ。実際どうかはしらんが、敬意を感じる」

「だから出てこいよ。顔見せねぇやつとは仕事の話をする気も微妙だ」

出さないのならさらに距離を詰める。

451『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/19(水) 22:24:58
>>448-449(宗像・回答)

>・動けなくなった時間そのものは短時間であり、> それが短い間に連続で続いたと考えていいだろうか?

その認識で正しい。

>・現時点で本体は動ける状態だろうか?

少なくとも今は動けている。
ただし次の瞬間どうなるかは不明。

>・今、『ノコギリ』は出しているか?

枝で突きを放った後の反応を狙っての行動と認識し、出していないように書いた。
大きく時間を取る行動でもないので、出していることにしてくれても構わない。

>・能力が使われた際に、自分の状態と他の人間の状態に違いはあっただろうか?

不明。
例えば横の黒服だけでも背丈、スタンド発現の有無、服装など様々な状態の違いがある。
ただ、『能力を使われたことで自分に外見的な変化は起きていなかった』のは分かる。

>・三人組およびお面の人物との距離は、およそ何メートル程だろうか?

三人組とは12〜13mほど。
お面は三人組の更に6〜7mほど先にいる。

>現在『泡』はお面に向けて放たれている最中という認識で正しいだろうか。
>また『泡』の速度に変化は見られるだろうか?

その認識で正しい。
泡の速度は常に『C』相当。敵スタンドの動き(B)よりは遅い。
先ほどのコインの迎撃時も、すぐに炸裂したので判断は難しいがおそらく『C』だった。

452高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/19(水) 22:47:50
>>444

(増援! マジかよ……!)

 巧遅は拙速に如かず、というが、この状況はまさしくそれだ。
 状況が長引くほどに、逃げ手が潰されていく。
 それに『上司』。恐らくは、黒服たちのような数揃えの『一般人』ではないだろう。
 多少強引な手段であっても、一刻も早く脱出しなければ。

 しかし、

(クソッタレ、『モノを生やす』系の能力か……!
 条件は『接触発動』、動きもクソ早い……
 発動しても距離を取らず、そのまま堂々と道を塞いでいる……)

(接近戦に自信のあるタイプだ、コイツも十中八九は『近距離パワー型』!)

 五十嵐の『スタンド』のヴィジョンと能力を鑑みるに、直接の殴り合いには向かないと仮定する。
 『泡』が『タイヤ』を消し飛ばすにしても時間がかかるし、1対2とはいえ素通りとはいかないだろう。
 それに、五十嵐には悪いが――――


   「おい、アンタ! どこの誰だかはマジで知らねェーけどッ」

         「その『泡』には絶対に触るなッ! 本気で危ねェ!!
           頼むから、邪魔をしないで道を開けてくれ!
            素直に退いてくれりゃあ、こっちも危害は加えないからサァ!」


 如何な状況でも、怪我人が出るのは御免だ。
 相手がアリーナの人間だろうが、エクリプスだろうが、関係のない部外者だろうが。
 無血で事が済むのなら、それに越したことはない。
 呼びかけることで、相手が『泡』を避けようと逡巡するなら、それを後押ししたい。

 また、呼びかけながら、持ち物の『バックパック』から、『魔法瓶の水筒』を取り出す。
 蓋を兼ねているカップを外し、給水ボタンを押して、いつでも水を注げる状態にして『ウィーピング・ウィロウ』に持たせる。

「くそっ、くそっ、『ワクワクさん』じゃねェーんだぞ俺はァ!
 こんな『その場凌ぎの工作紛い』で、いつまでも時間稼げるかって……!」

 その後は、『作業服の男』の『足音』と『声』に、もう少しの間だけ『無音の静止』。
 『泡』の後ろにつきながら、階段へと足を向かわせる。

453宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/19(水) 23:32:24
>>451
回答感謝。
大変申し訳ないが、追加で質問させていただきたい。

・動きを止められた時、自分が見えた範囲で、他の人間も同じように動けない様子だっただろうか?
 また、少しは動けていそうな者はいなかっただろうか?
・自分が止められている間、インテリヤクザ風は普通と変わらないように動いていただろうか?
・インテリヤクザ風の足取りが遅くなっているというのは、文字通り動きが鈍くなっているという意味だろうか?
 また、それは現在進行形だろうか?

454『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/19(水) 23:53:13
>>453(宗像・回答)

>・動きを止められた時、自分が見えた範囲で、他の人間も同じように動けない様子だっただろうか?
  また、少しは動けていそうな者はいなかっただろうか?

そのような様子はなかった。
少なくとも、明確に動けていなかったのは『宗像』だけ。
黒服は動いていたし、お面の男や三人組も動いていた。

>・自分が止められている間、インテリヤクザ風は普通と変わらないように動いていただろうか?

普段と変わったような様子はなかった。

>・インテリヤクザ風の足取りが遅くなっているというのは、文字通り動きが鈍くなっているという意味だろうか?
  また、それは現在進行形だろうか?

現在進行形で、『走るペースを落としている』ように見える。
泡を放つ狙いを定めている、あるいは単に放つのに集中している、
あるいは、前方の『お面に近付きすぎる事を躊躇している』野かは不明。

455宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/20(木) 20:08:46
>>454
回答感謝

>>442

「――うッ」

(こいつは――)

どうやら完全に封殺されたらしい。
何かしてくるとは思っていたが、
こちらの一挙手一投足を全て潰されるとは予想していなかった。
『猫』を抱えている男に加えて『この能力』とは、上手い組み合わせだ。

「お前の方が厄介だったか」

俺は止まっていても『アヴィーチー』は動かせたのなら、
スタンドに対しては通用しないのか。
あるいは、止められるのは生物だけとも考えられる。
そして、この場で止められていたのは俺だけだったようだ。
恐らく、同時に複数を止める事は出来ないのだろう。
それが出来るのなら、不意に現れた新手の男は兎も角、
既に見えていた黒服の方は止めた筈だ。

「――連絡が済んだなら手を貸してくれ。
 吾妻が来るまでは、俺達だけで対抗するしかない。
 あんたにも少しは役に立って貰う」

まず『アヴィーチー』の左手に握っている枝を右手に持ち替える。
握るのは枝の中心付近だ。
そして、空いた左手でミネラルウォーターのペットボトルを掴む。

「武器になる物を持っていなければ、これを使え。
 『俺の傘』だ。安物だが、丸腰よりは幾らかマシになるだろう」

黒服に傘を渡す。
これは俺の『所有物』だ。
仮に敵の手で破壊された場合、
アリーナにも明かしていない『第二の発動条件』が整う事になる。

「短い時間だが、さっき俺は完全に動きを止められた。
 あの若い方の男の能力だ。
 しかし、他の連中が動いていた所を見ると、
 同時に複数は止められないらしい」

「――二方向から同時に掛かるぞ。狙いは邪魔立てしている男だ。
 あんたは向こうから回り込んで本体を狙え」

自分は黒服とは逆方向から男に向かう。
別々の方向から接近を試みたい。
その時、『新手の男』の声が高らかに耳に響く。

456宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/20(木) 20:10:03
>>455

「――……」

(まさかな――)

聞いた覚えのある声だったが、最初は気のせいだと思った。
こんな血生臭い場で顔見知りと出会う筈がない。
しかし、注意深く聴き直して、それが気のせいではない事を悟った。

          《さて、『何に乾杯するか』だが――》

      《それでいい。互いに、まだ人間である事に――》

   《そして、これから先も互いに人間であり続ける事に乾杯しよう》

頭の中で、かつて自分自身が告げた言葉が繰り返される。
『争い』も『人間』の一部と考えれば、
今この瞬間も俺達は確かに『人間であり続けている』と言える。
全く――質の悪い『皮肉』だ。

「『拓郎』は元気か?」

「俺の記憶に間違いがなければ、以前こう言った筈だ。
 『もし縁があれば、また何処かで会おう』と」

「――どうやら『縁があった』ようだな」

「今この場に俺が立っているのは『仕事』の為であり、
 『仕事の遂行』が俺の全てだ。
 それを妨げる人間は『百年来の付き合い』だろうと俺は『斬る』」

『新手の男』に言いながら『50cmノコギリ』を発現し、軽く構える。
今は別の人間を相手にしなければならない。
だが、必要となれば、俺は『この男』の敵になるだろう。

「君も例外ではない――『硯研一郎』」

そして、インテリヤクザ風の男の声を聞く。
スタンドが『ラッパ』を吹く。
そこから『泡』が噴き出される。

(『エフェメラル』――また言ったな)

不確かだが、あの『猫』を抱えている男には、攻撃の前に『予兆』がある。
俺は二度、奴が攻撃する瞬間を見ているが、
二度とも『エフェメラル』という言葉を発していた。
口癖かどうか知らないが、奴は攻撃する直前に、
自分の『スタンドの名』を口にするようだ。

『泡』が飛んでくるのを見てからでは遅い。
だが、攻撃の『前兆』を読んで放っておけば、
『泡』の射線上に合わせて『破壊させる』事が出来るかもしれない。
目は青年に向けながら、耳でインテリヤクザ風に注意し、
次の攻撃の前にも『エフェメラル』という言葉を口にするか意識しておく。

457硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/20(木) 22:56:05
>>443

「五十嵐さん、俺はイラつく奴なのかい?
 友達には気さくで面白い奴って言われてるんだがな。
 この間も、パリピの吉野君に「Mr.ストロングZEROが居なきゃ始まらないだろ」って
 吉野君主催の誕生日に呼ばれたりしたんだがね」


向かってくる大量の『泡』を見た瞬間、
背筋に嫌な予感が走る――。
直接触れるのは得策ではない。


「それじゃあ五十嵐さん、
 そのイラつく奴に苛立たされる事をされるっていうのはどうだい。
 ―――こんな風に」


     ギャルギャルギャルギャルッ!!


「車輪ってのは回るんだ」

後ろへバックステップし、
壁に設置した『車輪』に全力での『回転』を命じる(スA)。
(『回転』の方向はそれぞれ『外回り』)
見た所『泡』は実体化している、
ならばこの大量の泡は『能力』ではなく五十嵐の『肺活量』で吹き出されている可能性が高い。
人が息を吹いただけで飛ぶような泡ならば大した質量はない筈。
ならば『実体化』した巨大な『車輪』を盾とすると同時に、
車輪の回転方向を定める事でその圧倒的速度から発生する風を用いて、
五十嵐達に大量の泡をお返ししたい。

458『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/21(金) 00:29:06
【フリー】
>>450(スミノフ)

「その喩え…………野球か? 『ゆぅもあ』というものか。
 嫌いではない…………良い喩えは『説得力』に繋がる。
 そう言われれば儂も無理筋の反論は出来ん。」

「…………『喧嘩』が本業の人間と見ていたが、
 よかろう。その『交渉術』に免じて姿を見せよう」

             ギギィ

        ガチャリ

「シンエンさん、やめてください。負けてしまいます」

「止めん。……最早『小競り合い』をしている場合ではない。
 スティングレーが倒され……儂らは時間をかけ過ぎている。この男達も、な」

              ズルゥ

           「あの頃と同じ失敗をするな」

女の『背中』から上半身だけを覗かせるのは、老人だ。
年季の入った黒い衣装、梟を思わせる眼光。――『忍者』だ。

            「さて、姿を見せた」

「先に警告はしておくが――――お主らの攻撃速度は既に見ている。
 この距離でも、儂と儂の『ハイジャック』なら容易に回避可能……
 そこで交渉は決裂と見なす。戦いを続ければ儂らは猫を手に入れられんだろうが、
 それは、お主らも同じになるだろう……そして、儂からの『対価』も当然無い」

女は身体を低め、完全に伏せたような体勢になっている。
この状態だと『重さ』を感じるのだろうか。見たところ小柄な老人ではあるが。

459『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/21(金) 00:29:24
【早見】
>>452(高天原)

増援――にしては様子がおかしいのは、後ろの黒服からも歓迎の気配がない。
恐らくは、アレは『アリーナ』ではないのだろう。だが高天原には『障害』だ。

               ガサガサッ

                      パカ!

バックパックから水筒を出し、ふたを開けた。
退避を促す言葉が間に合うかはかなり怪しいが、
少なくとも『高天原には戦意がない』のを伝えられるか。
五十嵐からの不快げな視線を僅かに感じたが、それだけだ。
少なくとも今ここで報復してくるほど、考えなしの男ではないらしい。

「お前の方が厄介だったか」

        ダダダッ

そうしているうちに――――後方から『作業服の男』が迫ってくる。
その歩みは足音の静止によりかなり縛れているが、同時に『黒服』も来る!

                 ダダッ

作業服の男はスタンドの左手で木の枝を持ち、
右腕からはいつの間にか『鋸』が延びている。
また、その右手に『ペットボトル』も持っている。
黒服の方は――――『警棒』だ。

「『拓郎』は元気か?」

「俺の記憶に間違いがなければ、以前こう言った筈だ。
 『もし縁があれば、また何処かで会おう』と」

「――どうやら『縁があった』ようだな」

「今この場に俺が立っているのは『仕事』の為であり、
 『仕事の遂行』が俺の全てだ。
 それを妨げる人間は『百年来の付き合い』だろうと俺は『斬る』」

「君も例外ではない――『硯研一郎』」

作業服の言葉は――――声量を考えれば『お面の男』に向けられた物か?
その名は『硯』というようだ。彼には今にも『エフェメラル』の泡が向かっている!

「五十嵐さん、俺はイラつく奴なのかい?
 友達には気さくで面白い奴って言われてるんだがな。
 この間も、パリピの吉野君に「Mr.ストロングZEROが居なきゃ始まらないだろ」って
 吉野君主催の誕生日に呼ばれたりしたんだがね」

「それじゃあ五十嵐さん、
 そのイラつく奴に苛立たされる事をされるっていうのはどうだい。
 ―――こんな風に」

     ギャルギャルギャルギャルッ!!

「車輪ってのは回るんだ」

だが、彼は壁に設置した車輪を高速回転させ、その風圧で泡を押し返そうとしている。
泡に続いて進む高天原達にとっては、どうしても抜けなければならない障害だが・・・?

現状、黒服との距離は『5〜6m』ほど。『作業服』との距離については『10m』前後。

(☆五十嵐と『お面の男:硯』の攻防の続きは、>>462も参照の事)

460『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/21(金) 00:29:44
【音仙】
>>455-456(宗像)

聞き覚えのある声は、かつて遭遇した少年のもの。
しかし宗像に容赦はない。戦う必要があるのならば。
――道具の持ち替え、そして鋸の準備も済ませてある。

「分かった、スタンド使いにどこまでやれるかは分からないが」

                スル

黒服は通信機器をしまい、代わりとばかりに警棒を出す。
傘の受け渡しはやんわりと拒否された形だが、武器はあったようだ。
見た目は普通の棒だが、明確に人間を殴るための道具。
スタンド使いとはいえ人間。上手く当てれば、あるいは。

「だからこそ向こうもお前を優先して止めるだろうな。
 その隙を突いて頭を狙うつもりだ。合わせられるなら頼む」

       『ダ』 『 ダ 』

                 『 ダ ッ 』

              ダダッ

そして宗像と黒服は大学生風の男へと駆ける。
やはりというか、宗像の動きは小刻みに止められてしまい、
距離を詰める事がうまくできない。間延びした足音は煽るかのようだ。

だが――――狙い通り黒服は上手く距離を詰める事が出来ている。同時接近は効果的だ。
だがその間にもインテリヤクザ風――――『五十嵐』と、『硯』のスタンド攻撃が交錯する。

「五十嵐さん、俺はイラつく奴なのかい?
 友達には気さくで面白い奴って言われてるんだがな。
 この間も、パリピの吉野君に「Mr.ストロングZEROが居なきゃ始まらないだろ」って
 吉野君主催の誕生日に呼ばれたりしたんだがね」

「それじゃあ五十嵐さん、
 そのイラつく奴に苛立たされる事をされるっていうのはどうだい。
 ―――こんな風に」


     ギャルギャルギャルギャルッ!!


「車輪ってのは回るんだ」

五十嵐のスタンド『エフェメラル』――――その『泡』に対する硯の反撃は、
壁のタイヤの高速回転による『風圧』! 圧倒的なスピードは、羽は無くとも旋風を巻き起こす風車。

                   ブォォォオオッ

その狙い通り、危険な泡は五十嵐一味へと吹き返されるが・・・そこで終わりではないようだ。

(☆『インテリヤクザ風の男:五十嵐』と『お面の男:硯』の攻防の続きは、>>462を参照の事)

461『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/21(金) 00:31:10
【フリー】
>>457(硯)

「『拓郎』は元気か?」

作業服は、硯の言葉にそのように返した。

「俺の記憶に間違いがなければ、以前こう言った筈だ。
 『もし縁があれば、また何処かで会おう』と」

「――どうやら『縁があった』ようだな」

「今この場に俺が立っているのは『仕事』の為であり、
 『仕事の遂行』が俺の全てだ。
 それを妨げる人間は『百年来の付き合い』だろうと俺は『斬る』」

「君も例外ではない――『硯研一郎』」

未だ距離は離れており、謎めいた現象で小刻みに『足止め』されているが、
彼の凶暴なスタンドの右腕からは『ノコギリ』が延微――――臨戦を示す。
また、左手に木の枝、右手にペットボトルを持っている。

それに随行している黒服は『警棒』持ち。
足止めされていないようで、距離を少しずつ詰めてくる。

だが問題は、距離の詰まりつつある目の前の敵。『五十嵐』の一味。

   「おい、アンタ! どこの誰だかはマジで知らねェーけどッ」

         「その『泡』には絶対に触るなッ! 本気で危ねェ!!
           頼むから、邪魔をしないで道を開けてくれ!
            素直に退いてくれりゃあ、こっちも危害は加えないからサァ!」

大学生風の青年は大声で退避を促す。彼らもまた、一枚岩ではないという事か?
スタンドには特に動きは無いが、本体は魔法瓶を取り出してふたを開けている。
インテリヤクザ風の男はそれを一瞥し、即座に、そして不快そうに硯の方に向き直った。

(☆『五十嵐』との攻防の続きは、>>462を参照の事)

462『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/21(金) 00:31:29
>硯
>高天原
>宗像

その場にいた全員が、『硯』のタイヤと『五十嵐』の泡の攻防を目撃する。
勿論硯にとっては以下の出来事は全て『当事者』であり、対処の必要がある。

「お前だけじゃあない――――僕の敵は全員、苛つくんだ」

                ギャルギャルギャルギャルッ!!

   ブォォオオッ

「『エフェメラル』……」

「僕の守護天使のみがそれを晴らしてくれる……
 『風圧で吹き飛ばす』? 正しい。その選択をする奴はお前で何人目か」


      『パパパパパパパ』

               『ドドドドドド』

            「対策済とはいえ、それは……苛つくッ」

泡の内『後続』の数群が炸裂し、その爆圧が『前方』を飛ぶものを後押しする。
タイヤの高速回転は確かな風を生むが、『そのための道具』ではない以上、
それは圧倒的なスペックが生み出す副次効果に過ぎず・・・押し返し切れない。

また、それでも押し返されそうになったものは自発的に炸裂する。タイミングは任意か?

     『ドドドドドド』

「車輪は回る。そうだな。ならば泡はどうなるか……そう、『割れる』ものだ」

                  「儚さをその身で確かめろ」

それでも、巨大なタイヤは多くの泡を妨げていたが――――ある程度が抜けてきた。
あまり早くはない。だが、後数秒もしないうちに硯に、『RXオーバードライブ』に着弾する。

現状硯と、五十嵐含む『三人組』の距離は『4〜5m』程度。その後方の黒服とは『10m』で、宗像とは『15m』程。

463高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/21(金) 23:37:27
>>459

「……なんスかぁ!
 ヤベーのなんて見りゃあなんとなく感じるし、
 言葉だけで退いてくれりゃあ儲けモンでしょ……!?」

 五十嵐の視線には、ビビりながらも弁明しておく。
 とはいえ、『仮面の男』――――『硯研一郎』というらしき男は、
 車輪を回転させた風圧で泡を押し返す算段らしい。

「……良いタイミングで、あの『仮面』の方の『時間を止めます』。
 たぶん一瞬だけスけど……突破口を作る努力はしますよ。
 『危害を加える前に』忠告はした。それが俺の最低限の良心です。
 それでも退かねーってンなら、そこまでお優しい人間じゃねーッスよ、悲しいことに」

 五十嵐にのみ聞こえるように、小声で伝える。

 『作業服の男』は、いよいよ臨戦態勢といったところだろうか。
 今は『静止』で時間を稼げているものの、相手だって『スタンド』使いだ。
 それに、『仮面の男』へ投げかける言葉には、強い覚悟のようなものを感じる。
 自分のように迷い込んだ一般人とは違って、きっと『場慣れ』しているのだろう。
 いつまでもこのまま、とはいかない。そんな予感がある。

(何か思いつかなきゃあいけねーな……
 ただでさえ『挟み撃ち』でジリ貧、『静止』し続けたって状況は打破できねェ。
 ゲームでいやぁ、今の俺ァ同じパターン繰り返してる『小物のステージボス』だ……
 どんなに有効だって、同じ手札を切り続けてりゃあ、いつかは『攻略』される運命にある)

 蓋の空いた『水筒』を持たせたら、『ウィーピング・ウィロウ』のヴィジョンは自分のすぐ隣で待機させる。
 後ろから迫ってくる男たちに向けて構えはするが、『作業服の男』の『静止』はそれ以降は行わない。
 既に、黒服と『作業服の男』の間には十分な距離が開いた。
 万が一追いつかれても、順番に対処できるはずだ。

 そして、高天原自身の意識は前方――――『仮面の男』に集中する。
 その男の挙動、『スタンド』、『泡』に、『タイヤ』……全ての『音』を聞き逃さないように。

464宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/22(土) 07:28:41
>>460

黒服が何も言わないという事は、
恐らく硯の所属は『アリーナ』ではないのだろう。
『残党』の可能性を排除すれば、残るのは『フリーランス』しかない。
競争相手であり対立する者でもあるが、
その存在を今は有り難いと感じるのも事実だ。

「その位置で良い。
 きっかけがあるまでは近付き過ぎずに今の距離を保ってくれ」

スタンドを持たないとはいえ、武器を構えた男が控えていれば、
多少の牽制効果にはなるだろう。
だが、一般人の黒服に多くは望まない。
一時的に俺の補助をしてくれさえすれば、それで十分だ。

「奴のスタンドは『人型』だ。今は、そいつの近くに立っている」

「あんたに矛先が向く気配があれば教えよう。避ける方向は指示する」

黒服に自らの考えを伝えると共に、接近を続ける。
目的は、青年から五メートルの距離まで近付く事だ。
要するに、待機させた黒服と同じ程度の距離という事になる。
青年のスタンドの性能は、まだ未知数だ。
相手が攻撃してきた時は、右腕の『ノコギリ』で防ぐ心積もりをしておく。

(――この能力は確かに脅威だが、それなりの『穴』はある)

まず、同時に複数の対象を止める事が出来ない。
二人が同時に近付けば、
どちらか片方は能力の影響を受けずに進む事が出来る。
そして、止めていられるのは、あくまでも短い時間だけだ。
能力を連続で使用したとしても、その総合的な持続時間は長くはない。
つまり、こちらの足が鈍ろうが相手の方が動いていなければ、
いずれは追いつける。

だが、それは硯が敵の前に立ち塞がっている間だけの話だ。
今ここで硯が倒れてしまえば、
敵の離脱を阻止する事が相当に厳しくなるのは間違いないだろう。
現状を打破する為には、硯の力を利用する事が必要不可欠だ。
だからこそ硯には、この状況を切り抜けて貰わなければならない。
そうでなければ、俺にとって非常に都合の悪い展開が訪れる事になる。

(『エフェメラル』――やはりな)

今、奴は再び『エフェメラル』という言葉を口にした。
『二度』ならまだしも『三回』続いたという事は、
『四回目』も同じである可能性は大きい。
この次も、奴はスタンドで攻撃を行う前に『エフェメラル』と言う筈だ。

(『守護天使』だとか話していたようだが――)

あるいは、その辺りに理由があるのかもしれないが、
そんな事はどうでも良い。
重要なのは、それが攻撃の『予兆』であるという点だ。
上手く利用出来るかどうかは分からないが、
機会があれば狙う価値はある。

465スミノフ『デマーケイション』:2018/09/22(土) 21:26:19
>>458

「お褒めに預かり光栄の至り」

その場でしゃがみこむ。
ちらりとシンエンを一瞥してからだ。

(んー……俺としては交渉は決裂で構わねぇんだが)

硯からのメール。
忍者の末裔でクナイのエニグマ。
だが自分の目の前にいるシンエンはどう見てもクナイの能力者といった感じではない。
背中を刺したのはクナイだろうが。

「重いか? この小柄なシンエンちゃんが?」

それはなんで重いんだ。

「クナイ、仕込んでんのか?」

クナイのエニグマ。
クナイを扱う能力ではなく、クナイを扱う能力者。
忍者の末裔なら、クナイぐらい私物で持っていてもおかしくない。

「ハイジャック。カッコイー名前。イケてるじゃん。サイコー」

「イラムシちゃんもそう思うだろ?」

立ち上がる。
立ち上がりながら拳を振るう(パス精ACD)
ポケットに手を入れたままだ。
このパワーならズボンのポケットくらい簡単に引きちぎれるだろう。
立ち上がる勢い+拳を振るうスピード。
体全体で加速をつけるから多少腕のコントロールで動きが遅くなっても大丈夫だと思いたい。
これでシンエンへの攻撃を試みる。
まぁ、交渉は決裂だが。
暗器を投げて喉を突かれて死ぬのとかは怖い。
死ぬのは嫌なので胸を張って背をそらせたいが出来ないならやめておこう。
背中が痛いし。

(暗器を仕込む能力、忍び込む能力、からくり屋敷に改造する能力、色々あるがどれか)

避けられるという言葉に嘘はないと思うが、それは殴らない理由にはならない。
少なくともスミノフにとっては。

466硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/22(土) 22:35:38
>>461

「征爾さん、君は『殺人』で20年も刑務所に居たんだったな。
 
 それを教えてくれたあの時、
 君は『暴力』による解決は良くないと言っていた。
 だが此処であえて『暴力』の行使を宣言するという事は、、
 20年の歳月でも砕けない程に君の『殺意』は強固だったんだろうな。
 まるで固ぁい、固ぁい石のキャンデイだ」

            「ふうむ」

「だが君の事だから、おそらく、いや、
 きっと『筋道』はきちんと成り立っているんだろう。
 やっぱり、君は全然イカレてなんかいない」「立派だ」

「応援したい」


       ゾォォ――ッ


『オーバードライブ』の指先で、
硯が握りしめた『スティングレー』の『スマホ』に触れ、
その背面に片手で持てる程度の重量・直径の『車輪』を設置。


      「木の枝」

      「水筒」

      「ペットボトル」


「どうやら各々『得物』を持つのがこの場の流れと見た。
 だか、あいにくそれっぽいものを持ちあわせていない。
 なので、この『戦利品』を使わせて貰っていいかい?」


        ビュオオォオオッ


スタンドではなく硯自身の手で車輪を設置した『スマホ』を投擲ッ!
狙いは壁に設置された回転する車輪の間ッ!
――壁の『車輪』は『左側』のものは『左』に『右側』のものは『右回り』に超高速回転している。
その間に投擲されたタイヤ付きの『スマホ』は、回転する2つの『車輪』に挟まれ、
結果、『ピッチングマシーン』の原理で『五十嵐』達目掛け勢いよく射出される、筈。

(また飛来する『泡』を少しでも反らす為、
投擲は思い切り腕を振りぬき、風を起こすイメージを意識する)

467『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/23(日) 04:10:46
【早見】
>>463(高天原)

「……間違った判断ではないと理性では納得できるが、
 『イラつく』んだ…………安心しろ、分別はある。
 …………僕をそのスタンドで殴りでもしない限りは、
 どれだけイラついても『エフェメラル』を向けたりはしない」

弁明には弁明が返って来た。

「……それと、その『良心』の在り方は嫌いじゃあない。
 僕も心置きなく……奴を爆殺する事が可能になったわけだからな」  

五十嵐は不吉な言葉を、いかにも苛立ち交じりの早口で述べる。
スタンドの操作に集中している分割ける意識は少ないのか、
彼の理性とやらを示すのは、その声が小声という一点に尽きる。

「……」

早見もこの状況には戦慄した様子だが、歩調は合わせている。
口数が少ないのは、余計な事を言うべきではないという危機感知か。

黒服と作業服は何やらそれほど大きくはない声で指示を交わし、
着かず離れず――――『5m』程の距離まで距離を詰めてきている。

        ―――そして。

雨の音だけが微かに響く廊下に、硯の声が響き渡る。

「征爾さん、君は『殺人』で20年も刑務所に居たんだったな。
 
 それを教えてくれたあの時、
 君は『暴力』による解決は良くないと言っていた。
 だが此処であえて『暴力』の行使を宣言するという事は、、
 20年の歳月でも砕けない程に君の『殺意』は強固だったんだろうな。
 まるで固ぁい、固ぁい石のキャンデイだ」

話から、高天原は『征爾』が作業服の男の名だと知る事が出来た。
そしてその恐るべき経歴も――――嘘を吐く理由は無ければ真実なのだろう。

            「ふうむ」

「だが君の事だから、おそらく、いや、
 きっと『筋道』はきちんと成り立っているんだろう。
 やっぱり、君は全然イカレてなんかいない」「立派だ」

「応援したい」

      「木の枝」

      「水筒」

      「ペットボトル」


「どうやら各々『得物』を持つのがこの場の流れと見た。
 だか、あいにくそれっぽいものを持ちあわせていない。
 なので、この『戦利品』を使わせて貰っていいかい?」

そして、彼は飛来する泡を撃ち抜くように投擲を行った。
勢いよく『放たれた』謎の物体は『スマートフォン』だ。
壁に設置されたタイヤに触れ、回転により更に後押しされたそれが、
まるでピッチングマシーンのスピードボールのように風を切って五十嵐へ飛来する!

    ビュオ
          ォォォォッ

         「チッ…………!」

                    スッ

五十嵐はスタンドにラッパを再び構えさせ、迎撃する構え。

          ――――高天原にも、動く時間はある。耳は音を聞いている!

  ド

       ドドン!

敵が泡の迎撃ではなく攻撃を選んだ以上、数発は硯に命中して炸裂したが、
泡はどうやら大量に当てる事を前提とした威力。風の壁、タイヤ、スマホの投擲、そして投擲の腕の振り。

             ・・・敵は攻撃と同時に、必要な分の迎撃を終えていたのだ。ではこちらはどうする?

468『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/23(日) 04:12:00

【音仙】
>>464(宗像)

「――――このサングラスで『見る』事は出来るんだ。
 だから回避の指示はいらない。俺に気を回し過ぎるのは不味い」

大学生風の男は――――今こちらに攻撃を仕掛けてくる様子はない。
その能力は依然謎だが、『完全無欠のスタンド』など存在はしない。
しかし『状況によっては』、本来突けるはずの穴が消える可能性はある。

             ザッ
           ザッ

いかなる理由かは不明だが、今度は停止される事なく、
黒服と宗像は5〜6mほどまで、三人組との距離を縮められた。
これについては『硯』が『五十嵐』の相手をしているのも追い風となる。
雨の音だけが微かに響く廊下に、彼の声が響き渡る。

「征爾さん、君は『殺人』で20年も刑務所に居たんだったな。
 
 それを教えてくれたあの時、
 君は『暴力』による解決は良くないと言っていた。
 だが此処であえて『暴力』の行使を宣言するという事は、、
 20年の歳月でも砕けない程に君の『殺意』は強固だったんだろうな。
 まるで固ぁい、固ぁい石のキャンデイだ」

            「ふうむ」

「だが君の事だから、おそらく、いや、
 きっと『筋道』はきちんと成り立っているんだろう。
 やっぱり、君は全然イカレてなんかいない」「立派だ」

「応援したい」

      「木の枝」

      「水筒」

      「ペットボトル」


「どうやら各々『得物』を持つのがこの場の流れと見た。
 だか、あいにくそれっぽいものを持ちあわせていない。
 なので、この『戦利品』を使わせて貰っていいかい?」

そして、彼は飛来する泡を撃ち抜くように投擲を行った。
勢いよく『放たれた』謎の物体は『スマートフォン』だ。
壁に設置されたタイヤに触れ、回転により更に後押しされたそれが、
まるでピッチングマシーンのスピードボールのように風を切って五十嵐へ飛来する!

    ビュオ
          ォォォォッ

         「チッ…………!」

                    スッ

五十嵐はスタンドにラッパを再び構えさせ、迎撃する構え。


  ド

       ドドン!

硯は迫りくる泡の迎撃ではなく攻撃を選んだ。そうである以上、数発は硯に命中して炸裂したが、
泡はどうやら大量に当てる事を前提とした威力。風の壁、タイヤ、スマホの投擲、そして投擲の腕の振り。

             ・・・彼は攻撃と同時に、必要な分の迎撃を終えていたのだ!

469『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/23(日) 04:12:17
【フリー】
>>466(硯)
宗像に語り掛け――――己のスタンスを示す。
宗像は傍らの黒服と、大学生は五十嵐と何か会話をしているが、
硯に聞かせるほどの声量ではなく、何の話なのかはよく分からない。

分からないが――――

              ヒュンッ

放ったスマートフォンは飛来してくる泡に衝突し勢いを削がれるが、
単なる投擲ではない。タイヤの回転を利用した『ピッチングマシーン』の原理!
さすがにタイヤは二つあったとしても廊下の全体を埋め尽くすサイズではない。
真ん中に硯が立てていたことからも証明されているが・・・片輪に触れれば加速には十分。

    ビュオ
          ォォォォッ

弾丸の如く風を切って五十嵐へと勢いよく飛ぶ――――敵はスタンドで迎撃の姿勢。
また、同行している大学生や猫も現在フリーであり、着弾するかどうかは彼ら次第となる。

      ド
             ドドン!!

その攻撃と同時、硯に払いきれなかった数発の泡が着弾する。
威力は――――痛い。痛いが一撃で肉がえぐれるほどではない。
だが、運悪く2、3発が固まって着弾した『右肩』からは血がにじむ。   

                       ジワ…
           
仮に全弾命中でもすれば、満身創痍とは言わずとも相当な負傷になるだろう。
未だに痛む『スティングレー』戦の切り傷もあり、あまりダメージを負いすぎるのは危険だ。

470『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/23(日) 04:12:47
【フリー】
>>465(スミノフ)

                ヒュンッ

「今のは一歩間違えれば死んでいた。
 ――『覚悟』は出来ているらしい、互いにな」

        ガチャ

              バタン

    …スゥ

  「フゥーーッ」

            「フゥーーー・・・」

シンエンは拳を避け、背中の中に戻る。女が立ち上がる。
動くのでやっとと言った様子だが、それはスミノフも他人事ではない。
もちろん、刺された箇所と無関係な――――足などは問題なく動くが、
特に刺された位置に近い『左腕』を動かそうとすると強烈に痛みが走る。
破れたズボンのぼろきれが水たまりに音もなく落ち、それと同時。

       『バシャン』

  ザァ
        ァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーッ


女の姿が消失する――――何度目になるか分からない『瞬間移動』だ。

                       バシャッ

     「ワタシはまだ……傘をさす気は、ない……」

  ァァ
         ァァァァァ

                   ァァァァーーーーーーーーーーー


雨は止まない慟哭の如く、その場に立つ戦士たちに降り注ぐ。

    ガチャ
          ズルリ

「種を明かせば終わりではない。『忍びの技』は隠遁だけに非ず。
 我が『ハイジャック』――――秘さずに戦うなら、それなりの手立てもある」
 
                    チャキ

そして、その肩から這い出るように伸びた黒衣の手。『シンエン』の、殺意を固めたような手。
見立て通りか、あるいは異なる要因か『クナイ』を持ち、さながら枯れ柳――――第三の腕として揺らめく。

471『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/23(日) 15:49:16
>>470(スミノフ・追記)
現在の敵の位置はスミノフ・イラムシの前方『5m』ほど。

472宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/23(日) 23:36:15
>>468

恐らくは、前方の硯に対応する事を考えているのか。
対峙している五十嵐が窮地に陥れば、硯に『猫』を奪われる可能性がある。
連中からすれば、後ろから追って来る俺と黒服より、
前を塞いで脱出を阻んでいる硯の方が厄介な存在と呼べるのだろう。

先程から足止めだけで、攻撃らしい攻撃を受けていないのも気に掛かる。
直接的な戦闘能力は高くないとも思えるが、
『アヴィーチー』のような『切り札』を隠しているのかもしれない。
いずれにせよ、向こうが仕掛けてこないなら、こちらから仕掛けるまでだ。

まず、もう少しばかり距離を詰める。
具体的には、『四メートル半』付近まで近付きたい。
それを終えた後で、一旦その場に立ち止まる。

(『石のキャンディ』か――)

あるいは硯の言う通り、俺の中には今でも、
かつての『殺意』が残っているのかもしれない。
俺の精神の象徴である『アヴィーチー』は、
激情的な『凶暴性』を秘めたスタンドだ。
それを見ていると、『強固な殺意』という言葉も、
あながち間違いではないという気もしてくる。

「『有り難い言葉だ』――と言っておこう」

「俺達は、まだ互いに『人間』であり続けている」

「今この瞬間においても、それは確かだ」

『暴力』による解決は良くない――今でも俺は、そう思っている。
だが、それ以外に解決の道が無かったとするなら、
その手段を俺は実行する。
ただ、それだけだ。

「――ままならないものだな」

独り言のように呟き、『アヴィーチー』の右腕を振り被る。
本体とスタンドが並んで大きく一歩踏み込むと同時に、
青年に向けて枝を投擲する(破ス精BCC)
比較的命中しやすいであろう『胴体』を狙う。

続けて、左手のペットボトルを宙に放る。
空中のペットボトルに『ノコギリ』を勢い良く叩き付け、
同じく青年に飛ばす(破ス精BCC)
こちらの狙いは『頭部』だ。

これらが止められたとしても、黒服の動きに支障はない。
隙が生じる時を待っている以上、こちらの攻撃を見れば動いてくれる筈だ。
俺自身は、片手をポケットに突っ込んで、
その中に入れてあるキャットフードを袋ごと掴む。

473硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/23(日) 23:52:03
>>469

『五十嵐』達は、背後から『宗像』が迫っているにも関わらず、
こちらに意識を向けており、彼の事を気にも留めていない。
かと言って、『共闘』しているようにも見えない。


「こりゃあ『四面楚歌』って奴かい?
 5人そろって俺をいじめんのかい。
 はたして『Mr.ストロングZERO』はきちんとやれるのかい。
 なあ、征爾さんはどう思うんだい」


様子を伺っている宗像に動く事を焚き付けるような喋り口。
そして――


           ピタッ

「もう1度言う。
 車輪は回るんんだ」


          びゅおおぉぉっ!


まずは右側の壁に設置した『車輪』の回転を止める。
そして次に、投擲したスマホに設置された『車輪』に意識を集中し全速力で回転させたい。

投擲したスマホはこのままだと迎撃されるのは必至。
なので此処は迎撃される前にスマホを『高速回転』させる事で『威力』を与える。

同時に起こせる『回転』は2輪までの為、
スマホの車輪を回転させるには一度壁の『車輪』の片方を停止させ、
そこから『回転』の指示を与えなければならない。
これは『行動』ではなく『念じる』だけなのだが、、
おそらく一拍、あるいはそれ以上の『タイムラグ』が発生する。
タイミング的にはかなり『シビア』だがなんとか通る事を祈る。

474スミノフ『デマーケイション』:2018/09/24(月) 00:46:30
>>470-471

「騙すような真似して悪かったよ。ただ勝つためにはそれくらいしないとダメだと思ってなぁ」

そう言って舌を出す。
気分良さそうに体を揺らしステップを踏む。
その度に響く背中の痛み。
左腕はだらりと下げた状態で相手を見据える。

「可愛そうだぜ。そんなボロボロになるまで働いて。楽にしてやるよ」

「俺は傘を差さない主義だから、レインコートを脱いでずぶ濡れになってもらうが」

イラムシに小声で話しかける。

「イラムシちゃんの能力ってこの状態何とか出来ない?」

「俺のは超パワーぐらいだから。一撃ぶち込む隙が作れるならいいんだけど」

「……ただ、あの手を掴んで引きちぎるのが先だ」

女は車。
シンエンを叩かねば隠遁による攻撃が待っている。
だからあえて、今仲間と連携している瞬間を狙う必要がある。
相手の様子を観察する。
ただ前進しつつだ。
もちろん、イラムシの話が終わってから。

475高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/24(月) 22:43:26
>>467 (1/2)


  「――――俺はショージキ、頭が良くねえ。
       ガッコーの成績は良いけど、そりゃ勉強しまくったからだ。
      『ウサギとカメ』で言ったら、まあ間違いなく『カメ寄り』だ」


   『 ビ ュ オ』
           『ォ ォ ォ ォ ッ ・ ・ ・  』


 迎撃を試みる五十嵐を遮るように、前へ出る。
 選ぶ音は、『投擲されたスマホが風を切って唸る音』だ。

 ただの投擲ではない。
 野球のピッチングよろしく『強い回転』で射出された。
 『回転の風圧が泡を押し返す』ほどの、だ。

 剛速球であればあるほど、回転が強ければ強いほど、音は『唸る』。
 『風切り音』などではない。球は風の抵抗を受け続ける。
 『静止』の時間は、一瞬ではないのだ。


   「だけど、頭が弱ェーからって考えるのを止めるこたァねーんスよ。
    100mを10秒台で走れないからって諦めるより、
    一分かかろーが二分かかろーが、正しいゴールに辿り着きゃいーんだから」


          「だから、遅くても今更でも、気付くことが出来た」


    ・・・・・  ・・
   「五十嵐さん、『逆だ』」


          「『泡』は後ろに向けて吹いてくれ」


 空間に浮かんで留まるものである以上、『泡』の本来の役割は『機雷』だ。
 それは、宗像の初撃を防いだ時に、既に証明されていた。

 また、事実、進行方向への『攻撃手段』として吹いたことで、
 こちらの機動力が殺がれる結果にも繋がってしまった。
 『泡』を正しく活かすなら『弾幕』、追っ手の『道を断つ』ために使うべきなのだ。


  「アンタが後ろを頼む。アンタの『泡』は、『弾幕』だ。
   使い方次第で、『壁』にも『盾』にも『槍衾』にも出来る。
   『攻め』にも不足しちゃあいねースけど、『待ち』で使った方が百倍強えぇ!」


 そして、『時間稼ぎ』にしか使えていなかった『静止』は、


  「俺が前をやる。……ちょうど、『弾』が手に入ったッスから」


 間隙を穿つ『針』として、使うことが出来る。

476高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/24(月) 22:45:25
>>467 (2/2)


「俺は『ちっぽけな市民』だからよ……
 見ず知らずの人間でも、殴ると『スゲー嫌な気分』になる。
 例え相手が『マフィア』でも、『前科持ち』でも、『不審者』でもそう」

「『良心』と言やぁ聞こえはいいが、そんなキレーなモンじゃねえ……
 やり返されるんじゃあねーのか、って、ただブルって手が出ねェだけだ……」


 『静止』した『スマホ』に、『ウィーピング・ウィロウ』で触れる。
 そして、進行方向とは真逆に―――かつ、射線が『泡』の隙間を縫うように―――『留め直す』。
 (相手が『泡の迎撃』を捨てたのなら、まだ空中に残りがあると予測する。)

 『ウィーピング・ウィロウ』は、『静止』中の対象を空間の別の座標に固定できる。
 向きも位置も自在。こちらに向いて放たれた弾丸を、真逆に向けて留め、撃ちなおすように。

 防御と反撃を同時に行えるのはこちらも同じ―――いや、本来は『ウィーピング・ウィロウ』の土俵だ!


「けどよ」

  ・・・・・・
「『カーバンクル』にはそんなの全然関係ねェーことだッ」


 既に『泡』が数発被弾した。
 致命のダメージではなかったかもしれない
 けれども避けるにしろ、防御にしろ、新たな攻め手にしろ。
 その『次の一手』は、十全のものとはいかないだろう。


  「この『猫』は、『今が幸せ』なんだ!
   クソ怖ェーッ マフィアの世話になっていようがよォーッ!!」


 『スマホ』の『静止』が解除され、放たれたら――――
 即座に、『仮面の男』の『次の一手』を『静止』したい。
 『足音』だろうが『言葉』だろうが『風切音』だろうが、どんな短い音でもかまわない。
 この一撃を、必ず当てるために。

 『泡』の続発を食らうのが先か、隙間を縫う『スマホ』に撃たれるのが先か。
 いずれにしても、生半な防御では耐え切れまい。


  「その『幸せ』を奪うような真似が『正しくない』ってのは、
   『カメ』みてーに『ウスノロ』な俺の頭でも、一発で分かる!」


    「だったら! 俺はココをブン殴って切り抜けるッ!」


      「命を奪うことを肯定するヤローの手に『コイツ』を渡すのは!
        ブン殴るよりもビビッて逃げるよりも 『もっと嫌な気分』になることだッ!!」


 男たちの背景を、高天原は知らない。
 高説を垂れるほどに人生を生きてもいない。
 それでも、片方は殺人の罪を負い、もう片方はそれを肯定している。
 そこにどんな背景があったとしても、それを聞いた瞬間に生まれた正義の熱に、嘘などない。

 知らないからこそ真っ直ぐに、好き勝手に切れる啖呵もあるものだ。

477『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 00:20:15
【音仙】
>>472(宗像)

特に問題は無く、4m半まで接近する事に成功した。
黒服も同じだ。ここにいたるまで『攻撃』はないが、
それは果たして能力の都合か、彼自身の何らかの信条か。
五十嵐と大学生の間には微妙な空気が流れているようにも見える。

「こりゃあ『四面楚歌』って奴かい?
 5人そろって俺をいじめんのかい。
 はたして『Mr.ストロングZERO』はきちんとやれるのかい。
 なあ、征爾さんはどう思うんだい」

焚きつけるような硯の言葉――――宗像は行動で答える。

             ダンッ

         ヒュン!


踏み込んで、まずは木の枝の投擲――――

                ヒュッ

         バシィッ

さらに、流れるようにして第二の攻撃。『ペットボトル』のサーブ。
連続した、勝つ本体が別の動作をしながらの、技術のいる動き。
平均的な精密動作性を持つ『アヴィーチー』とはいえやや苦戦する。
真芯を捉えて打てはしないが、それなりの勢いで青年へと飛んで行く。

                               ―――だが。

>>479に続く)

478『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 00:22:17
【フリー】
>>473(硯)

攻撃の手を振るうのは先ほどから『五十嵐』ばかりで、
スタンド使いであるはずの青年は何かをする様子が無かった。
また、公務員風の男に至ってはスタンドを出しもしていない。

「『有り難い言葉だ』――と言っておこう」

「俺達は、まだ互いに『人間』であり続けている」

「今この瞬間においても、それは確かだ」

そして・・・宗像は、先ほどの硯の言葉にそう返した。
そして彼はそのまま投擲攻撃を行うが、これに『五十嵐』が反転して対応する。
投げ放たれた木の枝とボトルに対し、大量の泡が阻むのが此処からも見える。

彼が時折、不自然に動きを止めていたのも気になるが、
果たして彼らの相関関係はどのような物になるのだろうか?

               ――――ともかく。

推進、妨害に用いていた右側の大車輪を止めた。
そしてその直後に『スマホ』側の車輪を回転させる。
シビアではあるが不可能ではない。この修羅場でも不可能ではない。

炸裂しない限りひ弱、しても『爆竹』程度の泡であれば、
この『回転力』ではじくなり、撃ち落とすなりは可能なはず。

                                  ――だった。

>>479に続く)

479『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 00:23:05
>硯
>宗像

先ほどまである種、静観を続けていた青年が。

  「――――俺はショージキ、頭が良くねえ。
       ガッコーの成績は良いけど、そりゃ勉強しまくったからだ。
      『ウサギとカメ』で言ったら、まあ間違いなく『カメ寄り』だ」

   「だけど、頭が弱ェーからって考えるのを止めるこたァねーんスよ。
    100mを10秒台で走れないからって諦めるより、
    一分かかろーが二分かかろーが、正しいゴールに辿り着きゃいーんだから」

          「だから、遅くても今更でも、気付くことが出来た」

独白するかのように、声を出す。

    ・・・・・  ・・
   「五十嵐さん、『逆だ』」

          「『泡』は後ろに向けて吹いてくれ」

  「アンタが後ろを頼む。アンタの『泡』は、『弾幕』だ。
   使い方次第で、『壁』にも『盾』にも『槍衾』にも出来る。
   『攻め』にも不足しちゃあいねースけど、『待ち』で使った方が百倍強えぇ!」

  「俺が前をやる。……ちょうど、『弾』が手に入ったッスから」

「俺は『ちっぽけな市民』だからよ……
 見ず知らずの人間でも、殴ると『スゲー嫌な気分』になる。
 例え相手が『マフィア』でも、『前科持ち』でも、『不審者』でもそう」

「『良心』と言やぁ聞こえはいいが、そんなキレーなモンじゃねえ……
 やり返されるんじゃあねーのか、って、ただブルって手が出ねェだけだ……」

声を出す。卑近で、何の背景もない、まさに『ちっぽけな』理論で。

「けどよ」

  ・・・・・・
「『カーバンクル』にはそんなの全然関係ねェーことだッ」

                   ――――吠える。

  「この『猫』は、『今が幸せ』なんだ!
   クソ怖ェーッ マフィアの世話になっていようがよォーッ!!」



  「その『幸せ』を奪うような真似が『正しくない』ってのは、
   『カメ』みてーに『ウスノロ』な俺の頭でも、一発で分かる!」


    「だったら! 俺はココをブン殴って切り抜けるッ!」


      「命を奪うことを肯定するヤローの手に『コイツ』を渡すのは!
        ブン殴るよりもビビッて逃げるよりも 『もっと嫌な気分』になることだッ!!」

ちっぽけだからこそ、その言葉には『凝縮された熱』があった。
達観や諦観とはかけ離れた灼熱は、彼の『スタンド』を通した行動として――――戦況を移し替える!

(宗像:>>480に続く) (硯:>>481に続く)

480『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 00:24:02
>宗像

青年の咆哮と共に、その好投は『嵐』の只中へと放り込まれる事となる。

「甘い攻撃だ。スペック以外に能力が無いとも思えない。
 何か隠してるな? ……なら、隠したまま爆散させてやる」

今まで硯の相手をしていた『五十嵐』の『エフェメラル』がこちらを向く。
大学生っぽい青年のスタンドが今は硯の側を向いている。『選手交代』だ。
流石にこの一瞬で、向こうで何が起きているのかを把握するのは難しいが、
どうやら硯の攻撃は、青年のスタンドによって防御されてしまったらしい。

「僕の『エフェメラル』を相手取るというのは、そういう事だ」

              プゥ〜〜〜〜〜

                     パァ〜〜〜〜〜〜

    『ゴポポゴポポゴポポ』

即座に迎撃の泡が放射され、飛んで行く枝とボトルを迎撃する。
泡の速度はともかく、ラッパを振るい撒き散らす速度は『俊敏』(スB)
ほぼ二点同時とはいえ、人速かつ予備動作のある投擲ではその防衛網を突破出来ない。

            ドドドドドドドド!!!!!!!

また、パワーは『アヴィーチー』が上だが、波状に襲い掛かる泡の炸裂は、
威力を殺しながら投擲物を削り取る……やはり、単純な投擲だけでは意味がない。

      プカプカプカプカ

さらに、投擲物を抜けた泡が宗像の胴体の高さへと押し寄せてくる。
数は5以上、10未満といったところか。躱せる速度ではあるが・・・?

「くッ……」

黒服は動く機会をそこに見出せていない。

並行して、スタンドにそれなりに難しい操作を行いながらポケットを漁るのは難儀する。
が、しょせんキャットフードを掴むだけだ。こちらについては問題なく成功した。

             「ミャオゥ」

                     ≪ハピピッ ピピッ≫

ターゲットのネコと、その『人面蝶』のようなスタンドは、特に何をする様子もない。

481『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 00:26:02
>硯

青年の咆哮――――それは言葉だけではない。スタンドという力を伴う。
五十嵐と入れ替わるように、彼が前に出る。スタンドは既に動き出している。

      『お』

           『おぉ』

                  『ぉぉぉ』

空中のスマホは、車輪が動き出すより早く『静止』。
回転車輪の切り替えは認識速度。敵の静止もまた、同じ。

静止したスマホは空中に縫い留められている。さらに、その静止時間は長い。
間延びした風切り音だけが響き、動き出す気配はない。
さらに――すかさず大学生のスタンドがそれに触れ、『軌道』を変える。

            クル

そう、『止まったスマホ』を彼のスタンドが手に取り、向きを逆にした。
車輪にわざわざ触れる事もない。少なくとも、誤って触れるような精度ではないらしい。

奇妙な現象だ。止まったスマホの向きを、あのスタンドが変えて、どうなるのか?
投擲したのとは逆向き・・・つまり進行方向は『五十嵐達』から『硯』の側に。
逆にしただけではない。泡やタイヤの間を縫うかのように、簡易にだが調整している。

超高速の加速と車輪の破壊力。
今はまだ止まっているが、その矛先は『硯自身』に変わる!

        『お』    

              『おぉ……』      

               そして、音が終息し・・・


                  ――――ビュオォォッ!!!

勢いそのままに、硯目掛けてスマートフォンが『巻き戻す』かのように飛来する・・・!!
タイヤと泡、どちらをも抜けるごくわずかな軌道――――このまま行けば、当たるのは胴体だ。

482『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 00:27:40
【フリー】
>>474(スミノフ)

「儂とて、騙しを咎める身分でもない。
 が、罪悪を感じるならば……我が刃で禊ごう」

        「シンエンさん」

               「いつでもやれます」

   ザァァ
         ァァァ
              ァァァ―――――――――

「ワタシが楽になること、ありません。なるのはアナタ達だ。
 安心してください。シンエンさん、プロです。
 無駄に苦しめたりしない。雨の中で死ぬの、絵になりますよ」

比較的呼吸が整ってきたらしい。苦痛を隠すように女は笑う。
即座の瞬間移動は無い。これまでのように『躱して当てる』戦術か。

「……『ヘイト・スティンガー』は触れた部分に毛を埋めます。
 この毛に触れると滅茶苦茶痛いですが、素肌限定でしてねェ。
 ああいう厚着の手合いは苦手なんですよ……しかも、武器使い。
 オレって普段、一般人相手の『借金回収』やら『尋問』がシノギでして」

    「……出来るとすりゃあこの腕で、
     攻撃の手を増やす事くらいですかねェ〜〜ッ」

瞬間移動を封じる策は、イラムシの能力にはない。

「この際言っときますと、『マナビ』の『ペインキラー』も頼れない。
 アレは弾数制限がシビアでしてねェ、詳細までは知りませんが……
 人型のスタンドでも出してりゃ的が倍ですが、瞬間移動する女と忍者。
 はっきり言っとくと相性は最悪ってなもんで、今は隠れててもらうのが有難い」

「確実に当てられるチャンスさえ作れれば、一撃なんですがねェ」

そして後方に控えるマナビにもない。
彼らは猫を捕らえるために集った面々で、戦力としてはいまいちだ。

             ――――頼れるのは己の腕と頭のみ。

いや、あるいは。時間が経てば戻ってくるであろう硯や作業服の男、
この場に駆けつけてくる可能性もありえる『新たな増援』など、
不確定な要素が味方につく、というのもあり得ない話ではない。

          少なくとも敵にこれ以上の増援は無いだろう。そういう色はない。
          いずれにせよすべきことは二つに一つ。『倒す』か、『時間を稼ぐ』か。

483『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 00:30:38
【早見】
>>475-476(高天原)

「『有り難い言葉だ』――と言っておこう」

「俺達は、まだ互いに『人間』であり続けている」

「今この瞬間においても、それは確かだ」

「こりゃあ『四面楚歌』って奴かい?
 5人そろって俺をいじめんのかい。
 はたして『Mr.ストロングZERO』はきちんとやれるのかい。
 なあ、征爾さんはどう思うんだい」

殺人者と不審者は、彼らの『ただならぬ世界』の言葉を交わす。
そこに高天原が付け入る事は出来ないのかもしれない。だが。
高天原は高らかに、そして卑近な己の決意を叫び、反撃に出る。

「僕のスタンドに、知ったような口を……だが正解だ。
 やはり頭が回る……だが『腕』は確かだろうな?
 作業服は能力を見せていない以上何とも言えんが、
 あの『お面男』は単にスタンドが強いだけじゃあない。
 攻撃にアイディアがある……苛つくが侮れない相手……だが」

       「…………」
 
    クルッ

                 「任せるぞ」

五十嵐は確信めいた表情を浮かべ、スタンドを即座に反転。
スマホを無視し『作業服』と黒服のコンビをを迎撃する。
敵は黒服と共にやや前進しており、投擲の踏み込みでさらに前進。
現在の距離は――――4mほど、といったところだろう。

「甘い攻撃だ。スペック以外に能力が無いとも思えない。
 何か隠してるのか? ……なら、隠したまま爆散させてやろう」

「僕の『エフェメラル』を相手取るというのは、そういう事だ」
     
              プゥ〜〜〜〜〜

                     パァ〜〜〜〜〜〜

    『ゴポポゴポポゴポポ』

            ドドドドドドドド!!!!!!!

踏み込んで木の枝の投擲、それから投げ上げたペットボトルをスタンドでサーブ。
どちらも『エフェメラル』が薙ぐように吹き上げる泡に遮られ届かない。
さらに、後発の泡は敵へと迫っていく。まさしく攻防一体の『弾幕』攻撃だ。
後方は少なくともこの瞬間、何の憂いもない。前方にだけ集中できる。

   『 ビ ュ オ』
           『ォ ォ ォ ォ ッ ・ ・ ・  』

――――そして。


      『お』

           『おぉ』

                  『ぉぉぉ』

              クルッ


        『お』    

              『おぉ……』      


                  ――――ビュオォォッ!!!

・・・『ウィーピング・ウィロウ』の能力、それは止めるだけではない。
空中のスマホに触れる。そこには『車輪』が取り付けられているが、
止まったスマホの危険そうな部分に触れる必要は、『ウィロウ』の精度なら無い。

留め直す。その性質を利用した『撃ち返し』は狙い通り間隙を穿ち、硯へと飛んで行く!
そして、静止の準備も出来ている。対応する『硯』の動きが音を伴うなら確実に止められる!

             「ミャオゥ」

                     ≪ハピピッ ピピッ≫

なお、カーバンクルは五十嵐の腕の中であたりを見渡しているが、何かをするような様子はない。

484宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/26(水) 01:18:34
>GM氏
硯の負傷はどの程度に見えるだろうか?
また、硯に命中した『泡』は、およそ幾つぐらいだっただろうか?

485宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/26(水) 01:32:03
>>484
現時点の『泡』との距離を教えていただきたい。
時間に換算すると、どの程度で着弾する見込みだろうか?

486高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/26(水) 02:00:01
@質問です。
               
              〜4F〜
          
□□□□車□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□◎□□□★□□□▼□□□□□□□□□□□
□□□□車□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

▼:宗像、黒服
★:早見、高天原、五十嵐
◎:硯
車:『バイクのタイヤ』


>>441のマップを参照したとき、現在の立ち位置は上記のような理解でよいでしょうか?
 (□=約1mほどと想定)

>>444にて設置された『バイクのタイヤ』ですが、これは具体的にはどのように道を塞いでいますか?
 言い換えると、『仮面の男(硯PC)』がマップ上にいないと仮定した場合、PCたちはどのように道を抜ける必要がありますか?
 (タイヤとタイヤの間を通るしかない / タイヤの下を潜ったり、上を飛び越えたりする程度の隙間はある 等)
 また、タイヤとタイヤの間はどれほどの隙間がありますか?

・『仮面の男(硯PC)』は>>441時点で『バイクのタイヤ』の間におり、現在も同じ位置に立っているという理解でよいでしょうか?

・『仮面の男(硯PC)』へ向けられた『泡』について、破裂していないものがあれば、どれくらいの残量がありますか?
 また、現在はどのように動いていますか?
 (『仮面の男(硯PC)』へ向けて動いている / 空中に留まっている / こちらに押し返されている 等)

487『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 02:08:00
>>484-485(宗像・回答)

>硯の負傷はどの程度に見えるだろうか?
>また、硯に命中した『泡』は、およそ幾つぐらいだっただろうか?

泡による負傷はここから目に見えるほどではないが、
何か別の原因か切り傷らしきものが左の脇腹に見える。
どちらにせよ、現時点で重傷を負ってはいない。
泡の個数は特に注視などはしていなかったため、確認できていない。
ただ、それほど少なくはなかったように見えた(最低3発以上)は思い出せる。

>現時点の『泡』との距離を教えていただきたい。
>時間に換算すると、どの程度で着弾する見込みだろうか?

泡との距離は3〜4mほど。
時間に換算すると恐らく『2〜3秒』。
既に見ているので、ここから回避動作を取れる。

488宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/26(水) 02:12:42
>>487
回答感謝。
また、所持している傘の材質を確認させていただきたい。
こちらは布製の傘を購入していたつもりだったが、GMの想定が違っていれば、それに従う。

489『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 02:23:26
>>486(高天原・回答)

>・>>441のマップを参照したとき、現在の立ち位置は上記のような理解でよいでしょうか?
  (□=約1mほどと想定)

後述するが、硯の位置が1マス左にずれる。他はその認識でかまわない。
マスごとの距離感については『絶対的な基準』は廃しているため、大体でもかまわない。

>・>>444にて設置された『バイクのタイヤ』ですが、これは具体的にはどのように道を塞いでいますか?
> 言い換えると、『仮面の男(硯PC)』がマップ上にいないと仮定した場合、PCたちはどのように道を抜ける必要がありますか?
> (タイヤとタイヤの間を通るしかない / タイヤの下を潜ったり、上を飛び越えたりする程度の隙間はある 等)
> また、タイヤとタイヤの間はどれほどの隙間がありますか?

大型バイクの車輪が地面と平行に、横向きで設置されている(ピッチングマシーンのような)形。
よって、何も無ければタイヤの下を潜る事は可能。腕の高さなので上を通るのは厳しい。
タイヤとタイヤの間の隙間は、真ん中に硯が立っていたように人が1人は問題無く通れる程度。
二人以上で通るのは厳しい。

>・『仮面の男(硯PC)』は>>441時点で『バイクのタイヤ』の間におり、現在も同じ位置に立っているという理解でよいでしょうか?

描写漏れ申し訳ない。
硯は>>462時点までに一度バックステップを行った。
そのため、今回のレス時点での現在位置はそのMAPから1マス左。

>・『仮面の男(硯PC)』へ向けられた『泡』について、破裂していないものがあれば、どれくらいの残量がありますか?
> また、現在はどのように動いていますか?
> (『仮面の男(硯PC)』へ向けて動いている / 空中に留まっている / こちらに押し返されている 等)

最初の攻防のあと、『エフェメラル』は泡を追加していない。
その後(>>462)押し返されてきた泡は順次炸裂・解除されていっている。
そのため今残っている泡は硯とタイヤの間にある『残り物』で、緩慢に漂っている。
その数もあまり多いとは言えない。正確な数は不明だが『数えようと思えば行ける』程度。

490『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/26(水) 02:24:36
>>488(宗像・回答)
傘は布の蝙蝠傘と想定しているため、その認識で正しい。

491硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/26(水) 18:44:35
>>481

「〜〜〜ッ!!」

ザムッ

塗れた衣服のように各所に纏わりつく痛みを紛らわす為、
そしてこれからやってくる『衝撃』に備える為に
足を大きく開き、踏ん張る体勢をとる。


         「触れずに止める」「なるほど『ご無体』だ」


「…『猫』?ああ、どちからといえば俺も猫派だ。
 けれども、この局面、この大事な局面で、
 果たして『猫』が一体何の関係があるっていうんだい?
 今、戦っているのは『俺達』だ。君の次の手を読むのに必死だ」


三者三様が入り混じる峻烈を極めたこの状況の中、
『硯研一郎』の頭の中には『猫』の存在など既に消え失せていた。
もはや『猫』を追っていた理由ですら定かではない。


           「なあ」


「自分がマフィアの『イヌ』に成り下がった後ろめたさから逃れる為に、
 その『猫』を言い訳の道具に使うのは些か卑怯じゃないのか?
 言葉を交わせない『猫』の感情を都合良い方向に解釈するのは

               
                   ―ーもはや『動物虐待』だ」


                  
『青年』のスタンドの狙いは正確であり、そして明確だ。ならば『対策』も容易な筈。
『スマホ』の着弾先である硯の『胴体』を、
『オーバードライブ』の手でそっと摩り(スマホに設置された『車輪』よりも大きい)
『自動車』の分厚いタイヤで覆われた『車輪』を設置。
設置の際に『車軸』を体と平行にする事で胴体を中心に
一瞬で発現され、胸部全域をカバーする即席の『鎧』となる。

『ピッチングマシーン』のカウンターは脅威だが、
スマホが『鉄のホイール』と『分厚いゴム』の『鎧』を貫く事などありえないし、
また衝突の衝撃を硯に伝えずに打ち消してくれる筈。
(『スマホ』に設置した『車輪』は解除しておく)

492高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/26(水) 21:39:43
>>483 (1/2)

 小さく鳴いた猫と、その『スタンド』を一瞥する。
 果たして、現状をどれほど理解しているのだろうか。

 意思の疎通はおろか、『宝石を作る』以外の詳細すらも分からない現状だ。
 『猫の手も借りたい』とは言うが、事実不可能――――


(……いや、『意思の疎通』が出来なかったのは『エクリプス』も同じはずだ。
 それなのに、資金源として頼みに出来るほど『宝石』を作らせていた……)

   『エクリプス』はどうやって『宝石』を作らせていた?

(ほっときゃあ『スタンド』が『宝石』を勝手に生むのか?
 それとも、よほど懐いた? 躾をして、言うことを理解するほど?)

(……或いは、『スタンド』に法則があるタイプ、ってのはどうだ。
 猫の意志とは関係なく、何か条件を満たせば、能力が発動する……)

 もしも、後者だとしたら。

(『穴をあける能力』は五十嵐さんの『スタンド』と思っていたが……
 見る限り、金属の壁を一発でブチ抜くような火力はねえ。
 フワフワ浮かんでいる『泡』じゃあ、精緻な操作だって難しいはずだ。
 不可能、ってほどじゃあないだろうが…… ってことは、この『猫』の能力の可能性も、)


 ――――思考を、振り切る。

 都合の良い『もしも』の可能性に、割いている時間はない。
 いや、それ以前に救うと決めた相手からの助力を期待するなんて。
 少なくとも、目の前の『仮面の男』の対処は、自分自身が任されたのだ。

 あの『スタンド』の、『タイヤ』を壁に設置したときのスピード――――
 『ウィーピング・ウィロウ』じゃあとても追いつけないほどの速さだった。
 それに『タイヤ』を『障害物兼ピッチングマシン』として用いる、応用性と着想力。

 この『スマホ』による反撃の一矢も、余裕をもって対応されてしまう可能性は高い。

(だから、さっきの一手は『攻撃』だけじゃあねえ。
 『対応させる』ということを目的とした、『牽制』としても使わなきゃあいけねーんだ……
 手数が同じじゃ、絶対こっちが押し負ける。流れのイニシアチヴを向こうに取らせちゃあマズイ!)

493高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/26(水) 21:42:33
>>483 (2/2)

 行動の手順としては、こうだ。

 一、『スタンド』に『スマホ』が衝突・接触した場合のみ、その『衝突音』に対して『静止』を使う。

   『スマホ』は『ピッチングマシン』によって、かなりの速度で投擲された。
   この距離での回避は、ほぼ不可能だろう。
   迎撃か、防御か。
   いずれにしても、『接触』があるはずだ。

   『スマホ』の射線の先には『仮面の男』。
   であれば、その射線上に『仮面の男』の『スタンド』も待ち構えているだろう。

   『タイヤ』は『スタンド』によって生み出された―――
   『スタンド』のヴィジョンを透過せず、干渉し、被弾する可能性も考えられる。

   いずれにしても『スタンド』自身が対処する可能性が高い、と予測する。

  (万が一、回避や『スタンド』が道具を用いて迎撃するなどして、
   音源によって『スタンド』のヴィジョンを『静止』できないであろう場合は、『衝突音』での『静止』は行わない。)


 二、『静止』したのち、『ウィーピング・ウィロウ』は手に持った水筒を振るう。
   (『静止』を行わなかった場合は、『スマホ』が対処されたのちに水筒を振るう。)

   水筒の中の液体(全部は消費しない)を、最も手近に残った『泡』に当てて、爆風を起こす。
   より近くで起こる『爆風』によって、浮遊する泡を相手側へ再度動かすのが目的だ。
   『スマホ』を防いでも、次は『泡』の対処を強いられる―――そんな状況を作りたい。

   向こうが向かってくるなら、進撃を阻む『槍衾』に。
   待ち構えるなら、新たな『音源』にも出来る。

 三、そののちに、『仮面の男』の『スタンド』へと距離を詰める。

494宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/26(水) 22:40:27
>>490
回答感謝。

>>477

激しい熱の篭った青年の激昂を目にした時、『羨ましい』と思った。
青年を見る虚無的な瞳の奥にも、一瞬それは表れる。
かつては俺の心にも、彼と同じような『情熱』が存在した。
しかし、今となっては『燃え滓』しか残されていない。
それ故に、青年に対して『羨望の念』を感じたのだろう。

「そうか――」

「なら、それを貫く事だ」

「――俺も『そうする』」

内心の『羨望』とは裏腹に、青年に対して至って淡白な言葉を返す。
この場で長々と身の上話をする気は無かった。
俺の言うべき事は、既に話している。
これは俺の『仕事』であり、
請け負った『仕事』を遂行する事が俺の『全て』だ――と。
今ここで、それ以上の言葉を語る必要は無い。

(『藤原しおん』――あんたは、どう思っている?)

『藤原』も、俺の携帯電話を通して会話を聴いている筈だ。
青年の叫びを聴いた彼女が、何を思うのか。
不意に、そんな考えが脳裏を掠めた。

(……いや、『愚問』だな)

この『仕事』を俺に依頼したのは、他ならぬ『藤原しおん』だ。
俺の知る限り、『藤原』は決して浅はかな女ではない。
今回の依頼も、考えを重ねた上で出した結論なのだろう。
俺自身も彼女の考えに同意し、自分の意思で争いの場に立っている。
それならば、こんな事を考えるだけ無意味というものだ。

「『やれる』と言い切りたい所だが、それは君の行動次第だ」

「俺には、倒れる訳にはいかない理由がある。硯――君も同じだろう」

「少なくとも、俺は君が『やってくれる』事を期待している」

硯に向けて、一見すると励ましとも受け取れるような言葉を投げ掛ける。
今の言葉は偽りの無い本心だ。
あくまでも『現時点では』――だが。

「『ノコギリ』を発現する――それが俺の『能力』だ」

そして、五十嵐および『泡』と対峙する。
前後の位置を変えられた為、当初の目論見は潰された。
しかし、考えようによっては悪い事ばかりでも無い。
見方を変えれば、『猫』の方から近付いてきたとも言える。
この状況の変化を、『猫』を奪い取るチャンスと捉える事も出来るだろう。

「――と言ったら、お前は信じるか?」

まず、その場で屈んで姿勢を低くする事で、迫り来る『泡』を回避する。
『泡』の一部を『炸裂』させ、その『爆風』で加速させてくる事も考え、
可能な限り素早く行う。
そして、本体が握っている蝙蝠傘を、『アヴィーチー』の左腕で掴む。

(これ以上は限界か――)

(『潮時』だな)

体勢を立て直しながら傘を開き、盾のように構える。
無論、本当に盾として使うつもりは無い。
『エフェメラル』が『泡』を放ってくるタイミングに合わせて、
開いた状態の傘を投擲する(破ス精BCC)

傘を構えていれば視野は狭くなるだろうが、
奴には攻撃の『予兆』らしきものがある。
俺の勘が当たっていれば、『泡』を放つ直前に、
奴は自分の『守護天使』の名前を口にするだろう。
五十嵐が『エフェメラル』と言った時、あるいは言い終わる前に投げ放つ。

そして、傘を投げた後に一歩だけ踏み込み、
同時に『ノコギリ』を『1m』まで伸ばす。
傘で一時的に視界を遮り、その間に何らかの行動を起こす腹積もり――
そう思わせる事が出来れば上出来だ。
傘を抜けてくる『泡』に対処する為に、それ以上は近付かない。

(――『的』はくれてやる。存分に『爆散』させろ)

『泡』によって『破壊される瞬間』を見届ける為、
飛んでいく傘の動きからは目を離さない。
五十嵐から見れば、何の変哲もない傘に見えるだろう。
だが、それを『破壊した瞬間』――奴は自ら『地雷』を踏み抜く事になる。

495スミノフ『デマーケイション』:2018/09/27(木) 00:04:48
>>482

「やべー禊がれちゃーう」

「イラムシちゃん、ちょっと待ってもらわね?」

精一杯余裕を装う。
飲まれると負けだ。
シンエンはこちらの負傷を正しく理解しているが、それでも舐められたら負けなのだ。

「絵になる。分かるよ。でも俺ってのはどうしても発狂して死んだほうがいい気がするんだよね」

「つーか、そんな生意気なこと言うとボッコボコにしちゃうぞ。このやろー」

ニコニコ笑って言うが内心そこまで余裕でもない。

お互い様だ。

「んー……イラムシちゃん、前後にちょっと開こうか。俺が先行する」

イラムシの前に立ち、体の左側を下げてサウスポーの構え。
左手はベルトに手のひらが触れるぐらいまで上げておく。

「あいつらは後の先が上手い。特に背面を取られると面倒だろ?」

「イラムシちゃんが背面取られたら我慢してくれ」

もしくは毛の結界などを張って凌いでもらおう。

「おい、俺がなんでサウスポーか分かるかい?」

すり足で徐々に近づこう。

496『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/27(木) 16:15:05
【フリー】
>>491(硯)

「そうか――」

「なら、それを貫く事だ」

「――俺も『そうする』」

宗像は青年に短く、そう返した。

「『やれる』と言い切りたい所だが、それは君の行動次第だ」

「俺には、倒れる訳にはいかない理由がある。硯――君も同じだろう」

「少なくとも、俺は君が『やってくれる』事を期待している」

硯にはそのように返し、彼は五十嵐との攻防へと集中を移す。
廊下は五十嵐達を境に、二分された戦場へとなりつつある。

そして硯自身は――――

           ガ  シ

地面を脚で踏みしめ――――目の前の『イヌ』、青年へ語り掛ける。

                 スイッ

自動車のタイヤを自らの体に設置し、危なげなく盾を作る。
精度が低かろうがそれくらいのことで失敗はしないし、
硯のスタンドの速度はこの空間において『最速』――間に合う。

      バシン!

それなりの衝撃だ。野球の全力投球を受けたくらいだろうか? 防具越しに。
一瞬はさすがに動きを封じられるが、そもそも硯は防御に徹した。次の行動に支障はない。

           バシャッ

                       ドドッ

          フワ

               フワ

その間に青年は勢いよく水筒の水をぶちまけ、空間にわずかに残っていた泡を起爆させる。
その勢いで数個の泡が再びこちらに近付いて来るが、敵に追撃の策がなければ防ぐのは容易だろう。

             そして――――青年はスタンドと共に、こちらに距離を詰めてくる。

497『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/27(木) 16:15:18

【早見】
>>492-493(高天原)

「そうか――」

「なら、それを貫く事だ」

「――俺も『そうする』」

作業服の男の言葉には単なる『諦観』ではない、残火を感じた。
しかしそれは幻のように、耳に残った言葉の響きはただ淡白だ。

          ――――そして。

「…『猫』?ああ、どちからといえば俺も猫派だ。
 けれども、この局面、この大事な局面で、
 果たして『猫』が一体何の関係があるっていうんだい?
 今、戦っているのは『俺達』だ。君の次の手を読むのに必死だ」

           「なあ」


「自分がマフィアの『イヌ』に成り下がった後ろめたさから逃れる為に、
 その『猫』を言い訳の道具に使うのは些か卑怯じゃないのか?
 言葉を交わせない『猫』の感情を都合良い方向に解釈するのは

               
                   ―ーもはや『動物虐待』だ」

『硯 研一郎』の言葉はどこまでも高天原とは離れた、しかし『熱』があった。
『対極』とは言わずとも、離れた熱。『冷酷』でも『冷徹』でも、確かな『戦士』の熱。

                   バシィッ

そして、高天原の思考は半分外れる。彼の防御はスタンドによる迎撃ではなく、
スタンドが音もなく本体の身体に設置した『自動車タイヤ』によって『受ける』事。
ゴム製で空気の詰まった分厚いタイヤは、スマホの衝突する衝撃を最小まで軽減しただろう。
タイヤに当たった音を使用して静止を行うには、その反動音はあまりにも短い。

        バシャッ

が、第二の動きは阻害される事もない。水を勢いよくぶちまけ、近場の泡を起爆――――

            ドドッ

             フワ    フワ

しかし『エフェメラル』による吹き込みの力を失っている以上、その推進力だけではやや頼りない。
だが確かに硯の方に向かって言ってはいる。対応させる事は出来る。そして、高天原もまた、前へ進む。

498『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/27(木) 16:24:02
【音仙】
>>494(宗像)

宗像の脳裏に浮かぶ『藤原しおん』の顔は『憂い』だ。
だが、停滞する憂いではない。『前に進む』ための憂いだ。
少なくとも『動き出したもの』を『止めろ』とは言わないだろう。
もう十分に憂いて、動くべきと考えたから、彼女に出来る動きをした。

                ――――・・・

携帯電話の向こうで今、彼女が実際にどんな顔をしているのかは分からない。
分かるのは、宗像が望めば彼女はいつでも『一度限りの攻撃』を行う事だ。

「フ」

「では、僕の能力は『泡を吹くこと』だ。
 信じるか? 嘘だとも言っていないがな」

        ザッ

頭と胸を狙った攻撃を迎撃するための泡――――その残弾。
回避のために姿勢を低くするのは極めて正しい判断と言えた。
爆風による『加速』も、『方向転換』をさせられる程器用ではないらしい。


「答えは僕が『そっち』に言ってから教えてやる。『エフェメラル』」

  パァ〜〜〜〜〜〜〜

     バ
          ヒュン!

「先ほどからよくよく、『投げる』のが好きな奴だ。無意味だと気付かないのか?」

            「…………それとも」

                    プゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

     ド

      「僕と『エフェメラル』を破る術でも企んでいるのか?」

                      ドドドドドドドドッ

      ドドドドドドドドド

想像通り、言葉の後に泡が来る。それが発動の条件なのか、
或いは単なる口癖なのか――――理由を知る事は出来ないが予想通りだ。
即座に投げた傘は無数の泡により迎撃され、『ボロ屑』のようになる。

「………………」

そして傘を抜けて、かがんだ状態の宗像にもそれなりの量の泡が飛来する。
姿勢を考えれば、対処なしには頭部や上半身に爆撃を受ける……無事では済むまい。

傘の向こうでは、喇叭を咥えたままの『蟲の天使』が、感情の無い複眼で宗像を見下ろす。

                           ――――『反撃』の準備は、出来ている。

499『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/27(木) 16:25:38
【フリー】
>>495(スミノフ)

「背中とられりゃ……じゃなくても隙突かれりゃ、
 こっちが必死こいて一発返して女仕留めてるウチに、
 あのジジイに急所刺されて終わりかねませんからねェ」

「傷が少ないオレが後ろに回るのも妥当。前ェ任せますよ。
 オレが情けねえ悲鳴上げたらソッコー気付いて連中ぶん殴って下さい」

               バシャッ
                   バシャッ

イラムシはスミノフの1mほど後ろを歩く。

「ボコボコ、ワタシ達はしません。フゥーー……シンエンさんは『一刺し』
 そして残念ながらワタシ、『悶死』見るの特にキライです。だから、綺麗に。
 ワタシがやるわけではないので、違っても、責任は取りませんけど」

               ザァァァァァァーーーーーーーーーーーー ・・・

「お互い、ゆぅもあの源泉は若さという物か。老人は儂だけだな」

「さて、な。右手は人を殴る機能以外廃している――というのはどうだ。
 戦闘の中で問答をする戦士は好みだ。続きを言う時間はあると思うか?」

          「……出し惜しみをするには、人生は短い」

     ザリ…

             ザリ…

距離は少しずつ詰まる。女の脚は、逆に後ろに下がる。
それでも、擦り足の方が速い。少しずつ。少しずつ。少しずつ。

      ザリ

                         ――――拳の圏内。視線が敵と交錯する。

500高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/27(木) 22:34:43
>>497

 『作業服の男』――――危険だ。直感する。

 その『スタンド』や経歴への恐怖ではない。
 それは表面的なものだ。

 敵対するであろう立場の人間を、「それもあり」と受け入れてみせたのだ。
 その上で、自らの芯を曲げない。
 レールの上を走る鉄道のような、行為への絶対性。
 まるで、地深く根ざす大樹のような、意志の頑強さを感じる。

  ・・・
(『この人』には勝てねえ。
 どんな修羅場くぐってきてんのかは知らねえけど……
 ドンだけ打ちのめしても、屈服させられる気がしねえ……!
 『がっぷり四つ』組んだら、『底の浅さ』で俺が踏み潰される)

 尚のこと、勢いが勝負だ。
 『五十嵐』の能力もまた、『攻略される側』の粋を出ない。
 強力ではあるが、時間をかければかけるほど相手に攻略の隙を見せてしまうタイプの。
 ……本人には口が裂けても言えないが。


 『仮面の男』は――――依然、読めない。


         「痛いトコ突くね、アンタ……!」


 だが、やはり苦もなく対応されてしまった。
 応用の幅が広い。手強い能力だ。
 まともにやりあえば、苦戦は必至。


  「『都合いい解釈』ってトコは、特に同意するぜ……
    別に俺ァコイツの『飼い主』でもなけりゃあ、
   『プロブリーダー』でも『ドラえもん』でもねーからな……」


       「だが『カーバンクル』が関係ねェーってのは違う。
        今ここは、コイツにとっての『分岐点』だ。
        『誰に拾われるか』が、コイツの今後を決めンだよ」

              「一番の当事者じゃねーか」


   「それと、もーイッコ」


 相手は格上。正面から挑めば勝ち目はなし。
 状況は挟撃。前にも後にも退路はなし。
 そんな場面で、さらに時短攻略にまで挑むとなれば―――


       ・・ ・・・・・・・・
      「俺は、アンタと戦わねえ」


 命を捨てた『奇策』に、賭けるしかないだろう。


               ザッ
                     ザッ


 応用力のある相手に『待ちの一手』は愚の骨頂だ。
 時間を与えてはいけない。
 『対応する側』になってはいけない。
 巧遅よりも拙速。つたなくとも、仕掛けるのはこちらからだ。


 相手の『スタンド』と、距離を詰める。

 ただし、先行するのは高天原本人。
 『ウィーピング・ウィロウ』は、そのジャスト1m後ろに随伴する。

 『爆風』で『泡』を押しのけた。
 相手の『スタンド』が『泡』を防御するならば、音が鳴るのは必須だろうし、
 防御するほどの密度もなく避けられるならば、こちらもその隙に助走に勢いをつけられる。

 (それでも空間に残る『泡』が道を阻んでいる場合は、もう数個ほど『水筒』のお茶で爆破させたい。)

 距離を詰める。
 泡が邪魔なら歩くが……、十分な隙間があるなら、ダッシュで虚を突きたい。
 そして、相手がどう動くか。

501硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/27(木) 23:28:00
>>496
対峙する青年は、壁に設置されたタイヤの間をくぐって接近してきている?
それともタイヤを潜るように接近して来ている?
また走って接近して来ていますか?

502宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/28(金) 22:16:47
>>498

投げ放った傘が、二度と使い物にならなくなる程、徹底的に破壊し尽くされる。
その瞬間に、能力発動の『条件』は整った。
今、『アヴィーチー』という名の銃には弾が込められている。
そして、その銃は俺の手の中にある。
後は、この手で『トリガー』を引き絞るだけだ。

「『エフェメラル』――」

「お前は自分のスタンドを『守護天使』だと言っていたな」

「俺のスタンドは『アヴィーチー』という名を持っている」

「名付けた奴の話では『無間地獄』を意味する言葉だそうだ」

「――面白い『符合』だな」

『破壊の瞬間』を認識した直後、『アヴィーチー』の『能力』を発動させる。
切り離された右腕は『遠隔自動操縦スタンド』の『ノコギリザメ』に変化し、
狙うべき『標的』の探知を開始する。
一拍後には、『燃え滓』となった俺の中に残る『激情』の『残り火』が、
明確な『殺意』と共に五十嵐めがけて突っ込んで行く(破ス精ABE)
この生ける『凶器』は、命さえ脅かしかねない『殺傷力』を備えている。
もし直撃を食らえば、『痛い』では済まない。

右腕の分離に時間は掛からない。
切り離しと同時に、飛来する『泡』の対処を行う。
屈んでいる姿勢であれば、脚は曲げている状態の筈だ。
膝に力を込めて勢い良く横に跳ぶ事で、『泡』の射線上から退避する。
その際、キャットフードの袋の開け口を強く握っておき、
中身が外に零れないようにしたい。

回避を最優先する為、跳んだ後に体勢が崩れても構わない。
むしろ、自ら体勢を崩すようにして、床の上に倒れ込む。
俺自身を囮に使う事で、多少なりとも奴の注意を引き、
探知が終了するまでの時間を稼ぐ。
体勢を立て直す前に追撃を放つ――等と一瞬でも考えれば、
その分だけ対応が遅れ、同じぐらい奴の寿命も縮む事になるだろう。

五十嵐が俺ではなく『ノコギリザメ』の方に注意を向けたなら、
その隙に立ち上がる。
可能であれば、その時にキャットフードをポケットから出し、
『アヴィーチー』に掴ませたい。
『ノコギリザメ』と『アヴィーチー』は別々の行動を取る事が出来る。
『二体のスタンド』による『同時攻撃』――それが最も理想的な状況だ。
場合によっては、『三体のスタンド』になるかもしれないが。

「――『心の準備』は出来ているか?」

五十嵐を見据えたまま、独り言のように声を発する。
それは目の前の五十嵐に対する言葉ではなく、
この場にいる他の人間に向けたものでもない。
俺のスタンドに『アヴィーチー』の名を与えた人間に向けた言葉だ。

503『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/28(金) 22:17:15
>>501(硯・回答)
現在時点では『不明』。
少なくとも体勢を低くしていたりはしない。
恐らく間を抜けようとしているように見えるが、
まだタイヤ地帯には差し掛かっていない。
速度については、今のところは歩いている。
(高天原PCの前回レスに走る旨は無かったため、こう判定した)

504スミノフ『デマーケイション』:2018/09/28(金) 23:03:25
>>499

「そーなんだ、嫌いなんだぁ悶死」

「人が苦しみながら死ぬのが嫌いなんだぁ……」

「生き汚く死んでやっから目ェ見開いてよぉく見とけ」

むき出しの闘争心。
目が爛々と輝き、歯をむき出して笑う。
生きるために、戦うためには、もっと過激でないといけない。
スミノフ自身曰く「狂ってなきゃ勝てねぇ」

「はは、普通右利きってのは右手を奥に構える。
 右手でのストレートで捻りなんかを最大限に使って殴るためにはそういう工夫が必要」

「ただ今の俺の左手は死んでる。
 だから、右手を前に出してすぐに殴れるようにしてる。
 パワーは折り紙付き、ジャブみたいな軽い打撃でもヘビー級のストレートくらいは出る」

それだけこのパワーを知っている。
武器として振るえる程度に理解をしている。

「ぶち込むぜ、拳」

一歩踏み込む。
右腕を動かす。
腕だけを振って右フックを繰り出す。
恐らく敵は回避のために動くはずだ。
動かないなら当たるだろうし。
敵の一手はどうか。

505硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/29(土) 06:08:12
>>496
『五十嵐』が『宗像』と交戦中の今、『車輪』を回しておく意味はない。
一度『車輪』の回転を停止し、自身に発現した『鎧』の車輪を解除する。


「なんだそりゃあ。
俺は案山子じゃあないからな。そりゃあ避ける」


青年が寄越した『泡』にはさしたり速度もなく数も大した事はない。
直撃した所で大したダメージにはならないだうが、
念の為に身を屈めたり身体をズラすなどして開始したい。


「君が『車輪』の間を通るか、それとも下を潜ってくるか。
どうやって俺に近づいてくるかはわからないが、
俺は『臆病者』だから、
安心で安全な方法を取らせてもらう」

『足』と『腕』ならば、前者の方がリーチが長い。
『オーバードライブ』でサッカーボールを蹴るよな低い軌道の蹴りを放ちたい。

506『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/29(土) 21:21:27
【早見】
>>500(高天原)

選んだ手は――――前進。そしてその脳裏に秘める『秘策』!
泡の量は進行方向にそれなりにあるが、あえて起爆するほどではない。
秘策の『所以』は、スタンドではなく本体自身が前に出る意外性。
当然危険性は増大するが、『そうでなければならない理由』があるならば、
その『意外』は虚を生み、虚は付け入る隙を生む。隙があれば『押せる』。


 ≪アヴィィィィィィィィィイ≫

           ≪血ィィィィイイイイイイ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!≫

    ≪傘壊サレタッ≫

          ≪買ッタ傘壊サレタァッ!!≫

     ≪ドコダッ≫

                 ≪アヴィィィイイイ〜〜〜〜ッ≫   

「『エフェメラル』が弾をバラまくだけのスタンドなら、僕は『守護天使』などと呼ばないさ」

                      ≪イイィィィタッ!!!≫

    ≪オマエッ≫

             ≪傘ヲォォォ壊シタァッ!!!!≫

                   パァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

後方からは聞いたことのない、しかし『恐るべき』奇声と、今までに無く高らかなラッパの音が聞こえる。
当然ながら振り返る余裕はない。勿論余裕を作っても良いが――――その分、前への対応はおろそかになる。

        ドウッ!

硯は己の身体の車輪を消し、身をかがめてまばらな泡をある程度回避する。
左右の車輪の回転も止まった。何らかの条件や制約でもあるのだろうか?
泡は少量は命中しているが、削り切れるほどのダメージでは到底ないだろう。

「君が『車輪』の間を通るか、それとも下を潜ってくるか。
どうやって俺に近づいてくるかはわからないが、
俺は『臆病者』だから、
安心で安全な方法を取らせてもらう」

そして――――敵の『装甲車』のスタンドが、低い軌道で蹴りを放ってくる!(ス精AE)
なお、早見は五十嵐と高天原の中間あたりで、この状況においてやる事を見いだせていない。ある意味当然だが。

507『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/29(土) 21:23:32
【音仙】
>>502(宗像)
             ギギギギッ

 ≪アヴィィィィィィィィィイ≫
         ≪血ィィィィイイイイイイ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!≫

「――――ッ、『遠隔攻撃』を持つタイプ……か!」

    ≪傘壊サレタッ≫

            「だが」

          ≪買ッタ傘壊サレタァッ!!≫
    「一手」

     ≪ドコダッ≫

            「…………誤ったな、『無間地獄』」

                 ≪アヴィィィイイイ〜〜〜〜ッ≫   

   ヒュ
       オ
                   『ドズ』

「『エフェメラル』が弾をバラまくだけのスタンドなら、僕は『守護天使』などと呼ばないさ」

切り離しを終え、探知を開始した『アヴィーチー』のノコギリザメ。その数拍のあと。
回避に全霊を傾け、床に倒れ込んでいた『宗像』の背に『何かが入り込む』感覚があった。
屈んだ状態から『倒れ込んででも回避する』となると、その姿勢は自然と『うつ伏せ』になる。
それゆえに今、自分に何が起きているかは分からない。


                      ≪イイィィィタッ!!!≫

        ≪オマエッ≫

                  ≪傘ヲォォォ壊シタァッ!!!!≫

        ド
                ヒュ!!!!!

そして――探知を終えて動き出した『ノコギリザメ』が到達するまであと何秒もいらない。
ここから五十嵐が何か誘導の策を持っているとも、とてもじゃないが思えない。
さっき買ったばかりの傘の報復とはいえ、『やりすぎる』そいつなら『致命傷』も有り得る。

508『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/29(土) 21:23:50
>>507の続き

だが・・・入り込んだ何かが『痛み』を齎さないのが、『途轍もなく危険な状態』を感じさせた。

       「成る程、大体どういう能力かは察した」

           ドドドドドドドドドド

                  「どちらが先に『血の染み』になるかだが」

    ドドドドドドド

   「『心の準備』は出来ているのか?」

          ドドドドドド

         __      __   _      __
    /::ヽ.   「::::l /}  /:::/ /´::::/     /´::::> ,.-.、_        __,,..、
    〈:::::::ハ  |:::::j '´   |:::::/ /:::::::/./!   /:::::/ /:::::/      /::::::::j__
     ';:::::::l l/ _    l::::i /:::::::://:::/  /:::::/ /::::://::7   ,:'::::::::/::::::〉    __
     V:::::l /::::}.   l:::::!ヽ一' l/   /::::::< └-' 〈_:/  /::::://:::::::/,.ヘ.  /:::::/
     V::: レ::::::::r'  .l:::::l       /:::;へ::::\      /:::::<  ー-'<:://::::::://:ヽ
       .';:::::::::/   ;:::::└‐:::ァ    ∨  丶;::::>.    ,'::::;ヘ::丶、  ´ /::::::::/':::::::/
       .';::::〈     !::::;_:::::::/          `     レ'   `¨   /:::::::< ヽ;;/::::>
       ヽ::::〉    |::/  ̄                        /::::;::::::::\ ヽ'
          .V     U                             〈:::/ \/                    

降り注ぐ泡の先頭が、先ほどまで宗像のいた地点へと降り注ぐ。回避は成功している。
その地響きか、心臓の鼓動か、半ば床に付した状態の宗像には上手く判別がつかない。
次の一瞬。攻撃が交錯する一瞬になる。

「おっ」
            「おおおッ」

一歩遅れて黒服が動き出すが、彼の足は少なくとも間に合わないだろう。

恐らく電話口の向こうの相手の準備は出来ているが、
そもそも『一発限りの攻撃』とはどういう性質の物なのか。
果たして『ポケットに携帯を入れている宗像』は無事で済むのか。   
音仙は『指示をくれ』と言っていたが、端的な『合図』で大丈夫だろうか。

思考する時間はさほどない。『行動』する時間は、恐らくもっと少ない。

  ≪――――――さん≫

                   ≪――――――像さん≫

ポケットの中の携帯電話からは、断続的に大きくなる『声』が聞こえる――――――――『どうすればいいか』。

                     パァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

509『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/29(土) 21:25:31
【フリー】
>>504(スミノフ)

「――――ワタシのせいじゃないですからね」

                  バシャン
        ヒュッ

                ドス

スミノフは気づいた。
攻撃をかわされたことに。
その躱し方が、今までと異質な事に。

――――――――――――――――――――――――――――――
>>499メール欄
BR0.5w + T k → 『Back Right 0.5m warp + Throw knife』
―――――――――――――――――――――――――――――― 

              ヒュッ

右後方、ごく短距離の転移。放った右の拳が透かされた。
そして肩から生えた腕が、狙いをつけるでもなく刃を投じる。
狙い――――つける必要もない。この距離、胴体を狙えば。

          躱せない。

たった0.5mと、腕の長さ。1mを黒刃が高速で閃く。
時間はほとんど一瞬。知覚出来る一瞬。刃の先端が、
服に擦れる、その瞬間が、もう一呼吸も無く――――

             「おッ」

    「おオオッ」

              「させる、かァッ」

   グオオオッ

その始まりとほぼ同時、『背中側』から動く気配を感じた。
後ろにいて、動いていなかったからこそ瞬間移動を見ていた男。
イラムシの『ヘイト・スティンガー』がスミノフを横に引いた。
殴る姿勢のスミノフは背後からの『それ』に反応は出来ない。

瞬間移動で攻撃が躱された時点で恐らく彼は動いていた。
並んで殴りに行くのではなく、後ろにいてもらったから、
この土壇場で棘だらけの手がスミノフを『間一髪』救った。
後ろからの奇襲ではなく、前からの奇襲だったが、狙い通り救った。
 
                    ドズゥッ!!!

       「ぐフッ」

  「スッ……み、ノフさァン! ぶん殴っちまってェェッ!!」

                      ドシャアァッ


後方で倒れる音がした。
姿勢が崩れている。
無理やり引かれて崩れている。
だが、動く事は不可能ではない。

         「…………え」

そして、敵も今、隙を晒している。瞬間移動は『連発』出来ない。
敵は持っていた刃物を投じた。それは一撃必殺を狙っていたが、
失敗に終わった。相応の力みがあっただろう。それゆえ――『女』だけだ。

510『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/29(土) 21:26:16
【フリー】
>>505(硯)


 ≪アヴィィィィィィィィィイ≫

           ≪血ィィィィイイイイイイ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!≫

    ≪傘壊サレタッ≫

          ≪買ッタ傘壊サレタァッ!!≫

     ≪ドコダッ≫

                 ≪アヴィィィイイイ〜〜〜〜ッ≫   

「『エフェメラル』が弾をバラまくだけのスタンドなら、僕は『守護天使』などと呼ばないさ」

                      ≪イイィィィタッ!!!≫

    ≪オマエッ≫

             ≪傘ヲォォォ壊シタァッ!!!!≫

                   パァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

青年に隠れてその全容までは見えないが、五十嵐と宗像の戦いは熾烈を極めている。
『エフェメラル』が高速で急降下し、大きな動作で泡を躱し地に伏せた宗像を襲っている。
『アヴィーチー』がノコギリめいた腕を『ノコギリザメ』として切り離し、五十嵐を襲わせている。 

         「痛いトコ突くね、アンタ……!」

  「『都合いい解釈』ってトコは、特に同意するぜ……
    別に俺ァコイツの『飼い主』でもなけりゃあ、
   『プロブリーダー』でも『ドラえもん』でもねーからな……」


       「だが『カーバンクル』が関係ねェーってのは違う。
        今ここは、コイツにとっての『分岐点』だ。
        『誰に拾われるか』が、コイツの今後を決めンだよ」

              「一番の当事者じゃねーか」


   「それと、もーイッコ」

       ・・ ・・・・・・・・
      「俺は、アンタと戦わねえ」  

そして青年は――――反論と、謎めいた言葉と共に、更に迫ってくる。

         ド
             ドド  ドッ 

硯に泡が数個着弾するが、痛いだけだ。単発では痛み程度しかもたらさない。
青年はなんの意図があってか、本体を前に、スタンドを後ろにこちらに近付いて来る。

           ドウッ!

硯は――――『RXオーバードライブ』に、低い軌道の蹴りを放たせる。単純だが当たればかなりの一撃だ。

511高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/30(日) 00:12:23
>>506 1/2


> ≪アヴィィィィィィィィィイ≫

>           ≪血ィィィィイイイイイイ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!≫


   (えっヤベェ)


 僅かばかりの好奇心と、未知の事態への本当的な恐怖心。
 振り向いてしまいそうになるが、それを理性で押し留める。

 自分は、この『仮面の男』の対処を請け負ったのだ。
 同時に、『作業服の男』は任せたと言い切った。
 互いに背中を預けたのだ。
 この場限りの共闘だとしても、高天原には五十嵐を信頼する『義務』がある。


    (やはり……あの『泡』、正しく『弾幕』だ。
     束ねりゃ暴力だが、一発一発の威力はねぇ。
     けれども、こういうのは『積み重ねる』のが大事なんだ……)


 例え一撃は軽くとも、少しずつでも受け続けているならば。
 わずかでも、十全の状態から差を生んだはずだ。
 酩酊時にハンドルを切る一瞬が遅れ、大事故につながるように。

 そして、


  「いいね、『安心で安全な方法』……!
     俺には終ぞ縁のねェー話だぜ、クソッタレ!!」

                          「『遠見』さん! 俺がぶっ飛んだら、骨は拾ってください!」


 この『奇策』は、その真逆。


                       ガ バッ !!


 敵の『装甲車のスタンド』――――その蹴りを、高天原自身で『迎え入れる』。

 こちらから『スタンド』に触れようとするのではない。(『能動的透過』を試みるわけではない。)
 僅かでも早く被弾して、音が鳴るように。万が一にも、逸れることのないように。
 歩いているなら、地面を蹴って。走っていたなら、勢いを殺さず。
 『絶対に蹴り飛ばされるように』、こちらから蹴りの軌道に身を差し出して、相手の補助をするということだ。

 相手のスタンドの『パワー』は未知数だが……
 肉弾戦を挑んでくるということは、自信があるということ。
 一撃で、肉を打つだろう。皮膚が裂けるだろう。骨が軋むだろう。命を断つかもしれない。

 それが、次の『音源』だ。

 自らの身体を伝う音。
 例えどんな轟音に妨げられようと、聞き逃すことなどない。
 『装甲車のスタンドが高天原を蹴り飛ばす音』を対象に、『装甲車のスタンド』と『自分自身』を『静止』させる。

512高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/09/30(日) 00:14:17
>>506 2/2


 『静止』のルール――――『静止』の予測について。
 音の発生を予測してさえいれば、接触の瞬間から時間を止めることが出来る。
 そして、『静止』中に音の発生した原因を取り除けば。
 その音の発生によって生まれるはずだった破壊は、発生しない。

 『静止』のルール――――『留め直し』について。
 『ウィーピング・ウィロウ』は、『静止』中の対象を、空間に自在に留めなおすことが出来る。
 そして『静止』解除後、対象は本来行う予定だった運動や変化を、そのまま再開する。
 例え意思のある生物や『スタンド』だとしても、『静止』された行動を『静止』後に変更することは出来ない。

 これらを踏まえた上で、やることは至極単純だ。

 『静止』した『装甲車のスタンド』に、『ウィーピング・ウィロウ』で触れて、蹴りの軌道を反らす。
 ちょうど90度横向きになるよう、バレリーナのように回転させて真横を向いてもらい、そしてその姿勢で『留め直す』。
 真横、すなわち壁だ。(タイヤが真横にあるならタイヤだが。)

 『静止』が解除された『装甲車のスタンド』が、同じ蹴りの軌道で『壁』を蹴り飛ばすように。
 壁までの距離が足りなければ、背中を押して立ち位置も調整する。
 その程度の時間の余裕と、『ウィーピング・ウィロウ』の精緻性はあるはずだ。
 その音を作り出すために、自ら身を捧げた。

 安全策からは程遠い、大博打。一つでも綻びがあれば、大怪我は必須だろう。
 だからこそ、工程はシンプルに。


 1、高天原は蹴りを進んで食らう。その音を音源に、『装甲車のスタンド』の動きを『静止』する。
 2、『装甲車のスタンド』を『ウィーピング・ウィロウ』で『留め直す』。
   横向きに回転させ、蹴りの対象を『高天原』から『壁』になるように調整する。


 『壁』を蹴らせたなら、それが次の音源となる。
 音が大きければ大きいほど、自由を奪うことが出来る。

 そして――――


      『――――おっかねェ蹴りだな、マジで……殺す気かよ』


                   『だけど、臆病者を名乗るなら、分かってるよな……?』


     『自分が相手を殴ることが出来るって事はよォ』


                   『自分だって、相手の拳が届く距離にいるってことだ』


 高天原を『装甲車のスタンド』が蹴り飛ばしているということは、互いにそれほどまで接近した、ということだ。
 こちらが距離を一足飛びに詰めたのか、それとも向こうから来たのか……
 いずれにしても、『射程距離内』というやつだ。

513硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/09/30(日) 07:17:40
>>510

  
「あれが征彌さんの『超能力』ってやつか。
 きっと恐ろしい事をしてくるんだろうが、
 傘を壊されたくらいであんなに騒いで、
 まるで手口が『当たり屋』のそれだ。なあ」

        
前方で暴れる『サメ』のスタンドに対しての率直な感想を漏らす。
此方に襲い掛かってくるようなら速やかに対処したいが、
とりあえず今は目の前の『青年』に集中する。


      「もう1度言う。俺は『臆病』だ。
       だって、この局面で『二番煎じ』の策を行おうとしているんだからな。
       若者なのに『開拓精神』がまるでない。最悪だ。
       今から行うのは『スティングレー』さんに使った『技』だ」

      「多少の『改良』は行っているから、
       「俺だって臆病なりに考えてるんだぜ」ってのが伝わると嬉しいんだ」

ヒュン

蹴りを低い軌道で放ったのには勿論意図がある。
港で『スティングレー』の攻撃を防ぐ為に迎え撃ったあの時のように、
その足の『爪先』で床に触れ『車輪』を設置ッ!(振り上げた足は止めるなり引っ込めるなりする)
港では『最大サイズ』の『普通』の『車輪』を発現したが、これは『改良式』だ。
今回発現するのはバイク用のそれに金属の『鋲』が打ち込まれた――『スパイクタイヤ』。
(>>505メル欄)


   「さあ――『回転』だ」

  
   ――ギャルギャルギャルギャルッ!!


前回は結果的には勝てはしたが、
足で設置した『車輪』では『スティングレー』の動きを止めるには至らなかった。
足止めする為にはどうすればいいか考え抜いた結果がこの『スパイクタイヤ』。
激突すれば怪我は必至の『スパイクタイヤ』を『高速回転』(スA)させ、
更なる破壊力を与える。
例えこの攻撃が外れても、青年の足元には見える『地雷』が残る結果となる。

壁が『タイヤ』で狭まり通り抜け出来ない状況にも拘わらず――進路には『地雷』。
例の『停止』させる能力で対処を強いる事で結果的に青年を『停止』させる。

514スミノフ『デマーケイション』:2018/09/30(日) 13:12:19
>>509

(気づいていた。あるいは分かっていた。
これまで何度も見せてきた背後への転移。
それに対応するための前後、だからすかす)

後方だが自分の後方ではなく、女が後方に動いた。
予測出来たかもしれない、感づけたかもしれない。
しかしその対応は出来ずにいた。
だが

(アンタらはたしかにプロだよ)

「ありがとうよ、イラムシちゃん」

(でもこっちのフリーランスはアンタらより熱い)

だが今日会ったばかりで背中を預けられるほど信頼出来る者がいる。

(喧嘩で他人をアテにするなんて情けねぇ話……でも悪くねぇ)

足が出る。
地面を踏み締める。

(体全体を捻って右を出すか迷った)

(こいつを出すためには回転がいると思ったから)

突き出すのは左の拳。
痛む左腕というアピール。
あからさまなサウスポーの構え。
死んでいると取られるか、ブラフだと取られるか。
駆け引きに使おうとした拳を出す。

(やっと届く。それだけの思いが込められてんだ。軽いはずがねェ)

「ふッ」

本来は崩拳と呼ばれる技術。
しかし『デマーケイション』から放たれるそれはそんな綺麗なものではない。
これは拳だ。
ただの拳。
シンプルで原始的な拳で殴るという行為だ。
スミノフは目の前の敵を殴りにいった(パス精ACD)

515宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/30(日) 14:08:56
>>507
>>508
現在『ノコギリザメ』はどの方向を向いているだろうか。
また五十嵐および『エフェメラル』はどこを向いている?
『エフェメラル』はラッパを咥えたままだろうか?

516宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/30(日) 14:11:35
>>515
キャットフードはまだ掴んでいるだろうか。
それは、まだポケットの中だろうか?
また、今まで投擲した物の残骸が近くに落ちていないだろうか。

517『金融永久機関カーバンクル』:2018/09/30(日) 21:27:23
>>515-516(宗像・回答)
床に倒れ込んで泡を回避した宗像は、現状ほぼ『うつ伏せ』に近い。
また、敵の注意がノコギリザメに向いているとは確認出来ておらず、立ち上がれていない。
(そういった派手な倒れ方を、片手をポケットに入れた状態でした上で、敵の状態を確認し、無事立ち上がるには時間が足りない)

空中にいた『エフェメラル』の事は現在位置含め確認出来ておらず、
五十嵐はこちらを向いているように見えるが、ノコギリザメを見ているかもしれない。
ノコギリザメは声の方向を考えると前方へ向かって行ったと思われる。

キャットフードはまだ掴んでおり、ポケットから出していないのなら出していないだろう。
袋の口を強く握っておいたおかげで、一粒たりともこぼれてはいない。

投擲した物の残骸はあると思われるが、位置は事前に確認していないため今すぐ確保できるかはなんとも言えない。
改めて探した上で手に取るのにさほど時間はかからない、とは思われる。

518宗像征爾『アヴィーチー』:2018/09/30(日) 22:42:47
>>517
回答感謝

>>507
>>508

(『エフェメラル』が見当たらない。これは――)

五十嵐は『猫』を守らなければならない筈だ。
それにも関わらず、何故スタンドを自分達から離したのか。
そして、俺には何かに取り憑かれた感覚が存在する。
最も自然な解釈をすれば、
『エフェメラル』が俺に取り憑いたと考えるべきだろう。
恐らくは、それが『エフェメラル』の『能力』という線が濃厚だ。

奴が平静を保っていられる理由は二つ考えられる。
『当たらない自信がある』か、
『当たっても五体満足でいられる自信がある』かだ。
判断するには情報が少な過ぎるが、
奴の言葉から俺は後者の可能性が高いと見る。

結論から言えば、
『自分が受けるべき負傷を肩代わりさせる』能力だというのが俺の予想だ。
だが、永遠に能力が持続するとは思えない。
制限があるとするなら、例えば『回数』か。

「――『頼み』がある」

五十嵐に視線を向けたまま、言葉を続ける。
失敗すれば、その瞬間に『即死』も有り得る。
そうなった時の為に、これだけは言っておかなければならない。

「もし俺が戻らなかった時は――『あれ』は焼いてしまってくれ」

能力の推測が正しければ、防げるのは『一回限り』だというのが俺の予想だ。
この場で何かしら物を投げつけ、
『ノコギリザメ』が到達する前に別の攻撃を挟み、
その一回を使い切らせる事も考えた。
だが、間違った場合のリスクが高過ぎる事を考慮すると却下せざるを得ない。

俺の考えが当たっているなら、今『ノコギリザメ』では攻撃出来ない。
奴の身代わりにされて、俺が挽肉になりかねないからだ。
しかし、攻撃が出来なかろうと使い道はある。
奴にはスタンドは一つしかないが、俺には『二つ』ある。
さっきは俺が囮になったが、今度は『ノコギリザメ』に同じ
役目を果たして貰う。

        アヴィーチー
「生憎だが『無間地獄』は『そいつ』の名ではない」

ポケットから素早く腕を引き抜き、両手の力で床を転がり、
五十嵐に接近を図る。
そして、五十嵐に当たるか当たらないかというタイミングで、
『ノコギリザメ』を『解除』する。
俺は『ノコギリザメ』のスピードを知っている。
五十嵐までの距離を含めれば、どの程度で到達するかは分かる筈だ。
例え見ていなくとも、『解除』のタイミングは合わせられると考える。

「それは――」

恐らくはギリギリの『賭け』になるだろう。
『即死』か『行動不能の重傷』さえ避けられるなら、それで良い。
『安いチップ』だが、この判断に俺の『命』を賭ける。

「――『こいつ』の名だ」

こちらが『解除』すれば、迎撃の為に奴も『解除』すると読む。
そして、『アヴィーチー』には『右腕』が戻る事になる。
接近次第、
即座に五十嵐の顔を狙ってキャットフードを投げ付ける(破ス精BCC)
『アヴィーチー』に持たせていては対処されると判断すれば、本体で行う。
取り憑かれた感覚が消えたなら、
続けざまに『ノコギリ』を振るって全力で五十嵐の足を斬り払う(破ス精BCC)
消えていなければ攻撃は仕掛けない。
五十嵐から多少の距離を置いた位置で止まり、そこで立ち上がりたい。

もっとも、これらは全て俺の推測に基づく行動だ。
大本の考えが間違っていれば、ここで終わりという結末も無くはない。
だが――これは俺の『仕事』だ。
『仕事』は必ず果たす。
必ず果たさなければならない。
『傷付ける』必要があれば『傷付け』、『殺す』必要があるなら『殺す』。
どのような状態になろうが、
俺が『仕事』を途中で放棄する事は『決して有り得ない』。

519『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/01(月) 13:28:32
【早見】
>>512(高天原)

「わ、わかってる……! 僕が巻き込んだ仕事だ!
 それくらいの責任は果たすさ……僕に出来る事はやる!」

             プ
               ゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

二度目のラッパ。
  
「あれが征彌さんの『超能力』ってやつか。
 きっと恐ろしい事をしてくるんだろうが、
 傘を壊されたくらいであんなに騒いで、
 まるで手口が『当たり屋』のそれだ。なあ」

硯の感想は率直だった。異様な叫びは今はもう止んでいる。
そして、結論から言えば、この作戦は『誤算』によって失敗する。

      「もう1度言う。俺は『臆病』だ。
       だって、この局面で『二番煎じ』の策を行おうとしているんだからな。
       若者なのに『開拓精神』がまるでない。最悪だ。
       今から行うのは『スティングレー』さんに使った『技』だ」

      「多少の『改良』は行っているから、
       「俺だって臆病なりに考えてるんだぜ」ってのが伝わると嬉しいんだ」

それは――――『高天原への蹴りは、大した音を立てなかった』という一点だ。

           『ボ』

                 『グ』

極めて短く、小さい音だ。本気の蹴りとは思えない。
そもそも蹴り足の軌道が低すぎた。『床』を狙うかのように。
進んで当たりに行ったがゆえに高天原の足には当たったし、
それなり以上の痛みは走るが、骨に影響があるほどではない。

大怪我は無かった。だが、『工程』は半端になった。

とてもじゃあないが、この静止時間で『壁に向けて留め直しさらに押す』事は出来ない。
『ウィーピング・ウィロウ』は精密な動きを持つが、速度はさほどでもない。

だが、この一瞬、敵のスタンドの動きは静止している――――『ウィーピング・ウィロウ』は、動ける。
既に手は伸ばしている。回すなら回せる。他のことをするのに切り替える、思考判断程度の時間はある!

520『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/01(月) 13:29:21
【フリー】
>>513(硯)

             プ
               ゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

二度目のラッパが鳴った。

  「いいね、『安心で安全な方法』……!
     俺には終ぞ縁のねェー話だぜ、クソッタレ!!」

                          「『遠見』さん! 俺がぶっ飛んだら、骨は拾ってください!」

「わ、わかってる……! 僕が巻き込んだ仕事だ!
 それくらいの責任は果たすさ……僕に出来る事はやる!」


硯には見えるが、五十嵐と宗像の戦いは距離を詰め、佳境に至っている。
今五十嵐の顔に宗像が何か……袋のような物を投げつけ、いきなり動きを止めた所だ。
先ほどまでのような静止ではなく、突然撃たれたかのように。それらしい攻撃などは無いが。

そして、結論から言えば、この作戦は『誤算』によって失敗する。
それは――――『敵が進んで蹴りを受けに来た』という一点だ。

爪先で床に触れるための蹴りに対して、敵は自ら蹴りを受けに来た。
『RXオーバードライブ』の精密動作性ではそこから軌道修正は出来ない。
結果として、力の入るポイントではないタイミングで蹴りが敵の足に当たり、
まあ痛かっただろうが……『スパイクタイヤの設置による足止め』は失敗する。

          『ボ』

                   『グ』

そして、その蹴りの音が――――

      『――――おっかねェ蹴りだな、マジで……殺す気かよ』


                   『だけど、臆病者を名乗るなら、分かってるよな……?』


     『自分が相手を殴ることが出来るって事はよォ』


                   『自分だって、相手の拳が届く距離にいるってことだ』

        『間延び』し、『RXオーバードライブ』が静止する。

この一瞬は『スタンドが止まった一瞬』だ。今動けるのは、本体の硯のみ。
敵のスタンドが動けない『RXオーバードライブ』に手を掛けようとしているのが見える。

521『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/01(月) 13:30:09
【フリー】
>>514(スミノフ)

「しッ」

        「シンエンさん、ガードを」

              「ガッ・・・」

余計な理屈は無い。当たる距離で、殴った。

         ゴ

                 シャ!!!!!


小爆発とも思えるほどに、その拳は衝撃的で、熱かった。

                    ドグシャ

だからこそ、一つの決着になった。


        ズズ

             ズ

                  カッ!!

    パァァァーーーーッ!!

空の厚い雲が消え去り、日の光が差し込む。
敵は十数mは吹き飛んだ。明らかに、意識は消失している。
少なくとも女の方は。……『シンエン』は分からない。

・・・確かめに行く価値はある。スミノフは、まだ動く事は出来る。
・・・だが、他にも価値がある行動はあるかもしれない。選べる手は一つではない。

522『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/01(月) 13:32:53
【音仙】
>>518(宗像)

幾つもの誤算があった。全てはわずかな時間の判断の積み重ね。

             プ
               ゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先ほどどこかからか聞こえていたラッパの音。
『エフェメラル』はラッパを吹ける状態でどこかにいた。
その答えは今、二度目の咆哮でわかった。位置は『背後』だ。
うつ伏せから背後を確認するには意図的な確認が必要となる。
背後の死角――――『エフェメラル』は急降下して宗像を襲っていた。

              『ボゴ』

             『ゴボボボ』

宗像は自分の背中が溶けるような感覚と、泡立つ感覚を覚えた。
今わかった。背中に入り込んだ感覚は、『エフェメラル』そのものではない。
ラッパだ。空気から泡を生み出すラッパが宗像の背中から突き刺さって、
空気ではなく『骨肉』を――――泡として形成し始めている。それが分かる。
 
       ゴ

            ロッ

両手の力で地面を転がる。その動作で背中の『ラッパ』は引き抜かれたのが分かる。
回転動作の中で、今の今までいた場所に浮遊する『エフェメラル』が見える。
なぜ五十嵐がスタンドを放っていたのかは不明だが、その前に手を向ける姿勢。
恐らく『アヴィーチー』の反撃を『腕一本捧げれば防げる』と仮定していたのだろう。
腕一本――――命に、あるいは崇高なる目的に対して天秤に載せるなら、安く軽い。
あるいは――――『エフェメラル』の攻撃で、やられるより先に『殺せる』と考えたか。

   「チィッ」    「その逃れ方」

       
              ≪ギギ
                  ィッ≫

                       「気付いたのか……!? 苛つく敵だ……」

      バシュン!

いずれにせよ、気付けたからではない。『仕事を果たす』ための『決死の動き』が、
偶然にも五十嵐が己の身と引き換えでも放つ『必殺の一撃』から逃れる動きになった。
正解ではないが、正解を掴もうという意志が意味を成した。まだ仕事を果たす事が出来る。

超高速で戻って来た『右手』――――と、ほぼ同時。 

                 ヒュンッ

    「ぐぅッ」

キャットフードを投げつける。五十嵐の顔に直撃する。
そして―――――

      「させるかッ……少量でもッ

              ……『体内』の爆破は『効く』ぞ」

  ド

           ドドド

                    ドン!!!

ノコギリによる斬撃を放つ直前、言葉通り『背中の中』で何かがはじけた。恐らく『泡』だ。
背中から吹き込まれ――――宗像自身の肉体で作られた泡が、今炸裂した。そういう事だろう。
致命傷ではない。分かる。手足も動く。だが、一瞬、動きが止まる。ノコギリを振るえない。

五十嵐との距離は『1m』ほどだ。

                   ≪ハピピ≫

             フヨフヨ

頭上には『猫のスタンド』らしき『人面蝶』が舞っている。何かしてくる様子はない。
これは見えないが、恐らく後方からは『エフェメラル』が高速で引き返してきている筈だ。

      ≪――――宗像さん≫

                        ≪一体何が起きてるんですか……?≫    

   ≪キミの心音はまだ聞こえている≫

                            ≪私に出来る事は……≫

敵と自分の誤算が重なり、期せずして『決着』には至らない。『藤原』の声がポケットから聞こえる。
設定していたような音量ではない。『スピーカー』に変えたわけでもないし、『能力』の一環という事だろうか・・・

523宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/01(月) 20:41:44
>>522

「ぐッ……――ようやく近付けたな」

「お前も『投擲』は見飽きただろう――」

「――俺も『飛び道具』には嫌気が差している」

また離れられて延々と『泡』で攻められ続けては、いずれ押し負けるだろう。
そして、既に『アヴィーチー』の『能力』も見せてしまっている。
ここまで苦労して距離を詰めた以上、奴が何をしようと逃がすつもりは無い。

「俺は、これでも義理堅い方だ。受けたものは必ず返す」

「それが『恩』でも『仇』でも同じ事だ。お前にも受け取って貰う」

炸裂を受けた瞬間、その負傷を『トリガー』として再び『右腕』を切り離す。
先程とは違い、ほぼ至近距離だ。
探知に要する時間は、『これ』で埋める。

「――『ウィスパーズ』だッ!!やれ!!『今すぐに』ッ!!」

電話の向こう側にいる『藤原』に向かって指示を飛ばす。
喋る為に体を動かす必要は無く、『切り離し』も同様だ。
本体は体が動き次第、立ち上がる事を優先する。

524スミノフ『デマーケイション』:2018/10/01(月) 22:37:16
>>521

「っし」

喧嘩に残心などない。
右手の人差し指を立てた。

「まずは一本。気分はどうだいシンエンちゃん。
 まだ無傷だよなァ? だからまだ対等か、でなけりゃお前の方が有利か?」

近くに木があった場合は腕を振って木にラリアット。
へし折って転がしたい。
木がないならイラムシの方に視線を向けてどんな具合か確認する。

「木ぃぶち込むか? それも避けるか? それとも、今ここでもっかい交渉するか?」

まだやる気だ。

「もう2アウト2ストライクまで来てる。勝ちの目があるか? よく考えてみろ」

525高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/02(火) 11:39:43
>>519

 当たり屋の手口というのであれば、こちらが正しくそうだ。
 『床』への攻撃……攻撃ではない、別の何か策があったということだろう。
 肉を打つ痛みとともに、油断の出来ない相手だと再確認する。
 策がどうにか体を為して通ったのは、僥倖という他にない。

 それでも、企図していた『駒の交換』は成った。

 自分自身を『スタンド』の盾に使う、命懸けのパリィ。 
 危険極まりない策ではあったが――――相手の『スタンド』を、『自分自身』で縫い留めることが出来た。
 この瞬間、動けるのは『ウィーピング・ウィロウ』と、『仮面の男』自身だけだ。


    『……喧嘩ってのはサァ』

        『自分も相手も同じ力で殴り合えるから成立すんだよな。
         片方が拳銃だしたり、無抵抗の人間ボコったりするのは、そうじゃねェ』


 拳と拳、国と国、『スタンド』と『スタンド』。
 その対等の構図があるからこそ戦いと呼ぶ。
 その上で、『ウィーピング・ウィロウ』と『装甲車のスタンド』を正面から戦わせたら、どうなるか。

 先ず間違いなく、即時の攻略は不可能だ。
 苦戦は必至、勝ち目も薄いだろう。だから、こうするしかなかった。


    『こっちも、もう一度言わせてもらうぜ』

       ・・ ・・・・・・・・
      『俺は、アンタと戦わねえ』


  『リングの外で相手を殴る行為を、戦いとは呼ばねーからな……!』


 『ウィーピング・ウィロウ』は、相手の『スタンド』を『留め直す』。
 ただし、回転させるのではなく、その姿勢のまま横に押しのけて『留める』だけだ。

 元々、『静止』解除後の新たな『音源』を確保しておくための安全策。
 この『蹴り』がそうではないと分かった以上、手間と時間を裂いても旨味はない。
 『蹴り』の軌道を逸らして高天原の安全を確保し、『静止』解除後にも『蹴り』の動作を継続させる。
 その最低限で十分だ。ついでに、水筒は邪魔になるので捨てておく。

 その後。

 『ウィーピング・ウィロウ』で、『仮面の男』にラッシュを仕掛ける。(パス精CCB)
 目的は、ダメージもあるが……ガードされてしまえば、『ウィーピング・ウィロウ』のパワーで打ち倒すのには時間がかかるだろう。
 だから、それ以上に――――例えガードの上からでも、何度も何度も殴ることで、相手を後ろに退けさせること。

 近距離パワー型のヴィジョンは、その力が強ければ強いほど、本体から距離を置いて離れることが出来ない。
 平均して、1-2mほどだろう。
 『ウィーピング・ウィロウ』が近距離パワー型に唯一、基本性能で勝つことがあるとしたら、それは『射程距離』の長さだ。
 こちらは5m――――今の高天原から多少離れたところでさしたる問題はない。

 『射程距離』の外側に押し出すことで、強制解除を狙う。

 また、『静止』解除後の『装甲車のスタンド』が、蹴りの動作を終えた後。
 高天原を再び殴るか、振り返って『ウィーピング・ウィロウ』に攻撃するか。
 如何なる行動に対しても耳を澄ませ、『静止』に備えておく。

 この『スタンド』のスピードもパワーも体感したが……『精密動作』は出来ないことを視認している。
 ひとつの音も立てずに反撃に転じることは、難しいはずだ。

526硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/02(火) 17:44:41
>>520


    「ムムッ」

    「男子高校生ってのは格好つけたがる生き物なのに、
     せっかくのテレフォンパンチを外すなんて、
     恥ずかしくて明日から学校に行けないじゃあないか」

    「だが悪いのは俺だ」


硬直するオーバードライブを見て、
今動けるのは、いや動かなければならないのは、
硯研一郎自身なのだと感覚で理解する。


「でも」

「これで『開き直れる』」


             ガッ!!


壁に設置された両方の『車輪』を硯研一郎の手で掴み『手すり』にし、
そのまま(車輪を掴んだまま)青年めがけ飛び気味の蹴りを放つ。
>>505の文を繰り返す事になるが、腕と足だったら当然足の方がリーチが長い。
そこに『車輪』を支点に『180cm』の長身を活かした飛び蹴りを放つ事で、
更なるリーチ、そして奇襲性を織り交ぜる。

また青年は自らの『スタンド』をあえて本体の『後ろ』に従わせて接近してきている。
青年の『スタンド』は見たところ『人型』だ。
ならばその『腕』の長さも通常のそれと変わらない筈。
今の所、その挙動からスタンドの速度は伺えていないが、
(よほどの速度差がない限り)
スタンドが背後に下がっている分、そして『腕』と『足』の差分のリーチ差でこちらの攻撃の方が先に命中する筈。

527硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/02(火) 17:59:36
>>526
蛇足だが『車輪』を軸にした蹴りは、必然的に振り子の軌道になる筈。

528『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/02(火) 23:00:15
【音仙】
>>523(宗像)

「僕もこう見えて義理堅い質でな――――お返しは不要だ。
 お前の能力はだいたい分かった。それは冥土の渡し賃にでもしろ」

                 『ド   ズ』

≪身体ノ中カラ爆破サレタッ≫

              ≪身体ノ!!!!≫

                       ≪中カラァッ!!!!!≫

≪爆破ァァアアアアアッ≫ ≪サレタッ≫ ≪アヴィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ≫

切り離しを行い、探知が始まった直後、再び背中に『ラッパ』が突き刺さる。

≪血ィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!!!!!!!!!!!!!!≫

当然だ。距離はほとんど無い。『エフェメラル』は速い。だが、それと、ほとんど同時。
 
              ガ

        ガガガッ                       ≪ドコダッ≫
                   ガ
         _,,==ヘ,-=''ヘ     ,ヘ_       ._
         |i   .j}  .{l    //  `=^ヽ-、  / 7          _     ,ヘ
       _/ヽ,   {-┐_」j   //      `^У `フ-ァ        /\   ./  \ ,ヘ      ,ヘ、
     /        j」   _`=-ミ、  _   ィ  /´ /    _r-┐  .j  ヽヘ_7   //  \   ∠、 `=ミ_ ,ヘ、
    r'    _ _,_   .ハ _  . } ̄| ,、 ̄ .L  7__フ _/    .〈  j┌く        //   /7、    \_ .7 」\
    |  _ ノ ` .}  」| .ij`ー'  ./ヽ、_/   /_,-与 .┌ーヘ_j └/ /`ヾ-'^j   └'ア  //  〉./\_   .7 { 7  /
    l r' ^ /´   `ヽ'ーァ,ヘ \    .「く  ,=、 jl   ./j _L ] _/  /  r-┐  _//  7   `ー='´  ト┴v'
    レ´_,=''"´   __,,,_〉 ./ / Vヘj_,ィ_/、 \フ ∠,\/ { ._j ├イ´ ./´  {  {   | 7  /´ `ーv-=ミ_/\__
    | ̄  _,==≦ミ、__   ̄        __ ̄> ._j  ,ヘl | .j l  7   / .`7 く ア.{  /\  /ゝ_  \  } .,ヘ、
    j/\/   /   .└ァ        く `´/| .}   く、_L_j .|__}  `ヽ´   ./  j く  \{  \/ /   >ー'´  \
   /V /^レ-ァ /     /  __,ヘ    .`ー´_j .{  /\/ >    /\    `ー=´ /カ ,ヘ〉\   く/ヽ, /  _/ ̄
  ./  く_/ /-ア   _r'  _/  .」 ./7   j ij`7`ー{_l`´    /  \      .く_j^´/\ //\ ..{ /\\_ノ
  .\  / / / ̄j'T7'  __r''   r'^  / .L /\{{ . く、`ーァ_/\   .ハ \__/  ./\     \ \ / /'く__/
  ../rァ .〉イ_ノ_/ヾ_j/┌┘   /  / / / ./-ァ ィ  く´__/  / .j  _,,/  /    /{ /`7、` ̄\   ┌-┐
  _/./j .`T´∠ └ァ j   _/∠ ̄^ ∠_/ / /ヘ `ヘ  _,、_/`´ ./  |  __/  __/`__/  ̄ く7`ヽ、\   }  .}
../  ]「  」 ./ .r'´  \_j     ̄7 ,、レ7./  .}  ∨` ,_/ヽ'´    `二´  _ノ イ` /´ー=┐ ,ヘ_\ \ |_リ _,ヘ
..ヽ__」〉  { |/|_j           .j j./ {_^´_,=ヘ、 レ' ./\     /´ \_/ /´  └==ヘ、{ // /  \ \  /  〉
   `ー´ /  7 ./\      { .{ 〉  .{ ヽ-'^く く、 /  \    `ー-´\∠_  /\__/ /ヽ}_/ ..| ̄j \//  /
        ̄>レ' _/      `=´`7/     .j  _}\__  `7  _  ┌''´`  _|  〉     }┌-ー┤_|  /  /
       /   j            ´      \/`   `ヽ´_/ \ \/ ̄´   `ー==´ └ー┐{  <>\_/
       \_/´                       _/´ ̄   .イ               く ̄´/  r-=ヘ
                                  \   / ̄´                  ̄   \__/
                 ≪ドコダッ≫                   \/


                     ―――――――――――――――意識を手放しかけるほどの『轟音』!!!

529『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/02(火) 23:01:01
>宗像

出所はスマートフォンだと、脚に、ポケットの中から感じるすさまじい『振動』が教えてくれる。
当然至近距離にいるのは『宗像』本人ゆえ、身体を上手く動かせないほどの『音圧』に襲われる。
恐らくは黒服も動けないだろう。動けたところで何が出来るかははっきり言って怪しいが。

≪ドォォオオオオオオオオコダァアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!≫

だが。問題ない。攻撃するのは『宗像』ではない。
聞く耳を持たず『嗅覚』で動く『復讐者』だ。

     ≪見ィィィィイイイイイツケタァァァァッ!!!!!!!≫

                     ≪オマエッ≫

          ≪オマエダッ≫

                    ≪アヴィィィイイイイイイイイイッッッ!!!!≫

  「ぐっ、あっ……『エフェメラル』そいつを『爆散』させろォォオッ」 

                     ゴボボボボボボボボボボボボ

足掻くように、背中の中で泡が形成され続ける。敵もまた『吹く』だけでいい。
それゆえにこの音圧の中でも攻撃は発生する。だが、それは本来より『遅い』。
数mの距離では探知が完了するまでに『エフェメラル』が距離を埋めて、
急所を体内から爆破されて『致命傷』を与えられかねない状況だった。

だが、音圧が敵の動きを止めた。何も考えない『接近』と『吹き込み』すら、
携帯越しでポケット越しからの音圧で止める――――これが『ウィスパーズ』。

そして! 攻撃が同時に始まったのならば、『泡』に『ノコギリ』が負ける道理はない。

530『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/02(火) 23:02:55
>宗像 

  「グッ」

      ガガガガガガガガガガガガガガガガガ
                         ゴボボボ

               「おっ」

   ゴボボボボボ
                        ガガガガガガガギャギャギャギャギャ

  ギャリリリリリリリリリリリリッッッ

                「ァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

                              ド    ドドドドド                                      ,.
         /| /|
     ハ   };;! /;;
     };;!  |;;レ;;;;;
      |;;i /;;;冂;;
     };;レ;;/!;;ニ;;;
    /;;;;;i/;;;;| |;;
   /;;/!;;;;/V |;;
  ///,;;;|      ./;;/
/¨´/'"´|;;|    /;i /
        !;;!   /;; i i /
       l;;| /;;/l;;|
         |;!/; '   i;;i
      ハ  .ハ
      |;;;i  .|;;;i
      .|;;;i  |;;;i
       .i;;i  i;;;i
       ..l;;  l;;;|
          i;; ./i /i.i;;、
          |/ V V i;;;;i
             /;./


              「あ……ッ、クソ、苛つ……」

         ドサァッ

                     「…………す、まない……」

体内で発生し始めていた無数の『小爆発』は、唐突に止んだ。
胴体をチェーンソーでブチ抜かれた五十嵐がひざを折って崩れ落ちるのが見えた。

・・・いつのまにかスマートフォンは沈黙している。

                              「ミャーーーーオゥ……」

                  ゴポッ

口から血が溢れ出す。『限界』だ。爆破は不発に終わったが、泡に変えられ削れた血肉が意識を奪いつつある。
例えば腕を切り離した後のスタンドで背後を守るなどしていれば、結果は変わったかもしれない。だが結果論だ。
捨て身で、腕を切り離すことに集中し、『ウィスパーズ』に守りを任せ攻撃にささげたからこそ、こうして『斃せた』。
轟音に襲われた猫が力なく、斃れ行く男の手の内から零れようとしている。また多少動ける。だが、無理をすれば長くはもたない。

531『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/02(火) 23:03:49
【フリー】
>>524(スミノフ)

             ――――――――!!!!!!


                      ―――――――――――――――――!!!!!!!!


ビルの上階から異様な轟音が鳴り響いたが、それに見合うような外的変化はない。

「…………」

            ズ
                 ルゥ

女の身体から這い出し、『シンエン』はスミノフを見据える。
這い出すというよりは――――『排出された』ようなものか。
足先までは袴のような物で隠され、さながら『武道家』か。
その目に勝算があるとはとても思えないが、敗北の目でもない。

            ドゴォォッ

    メキメキメキメキ・・・

木は太い物ではない。流石に一撃では折れなかったが、
いつでも折れるんだぞ――――そういう『脅し』には十分。
実際いつでも折れる。後一撃入れれば折れる。間違いなく。               

「……『交渉』の基本は『棍棒』を構える事だが、
 儂が『構えられる側』に回る事になるとはな……出来る」

だが、少なくとも戦闘でこのまま押し切れるとは思っていないだろう。

「だが――――構わんのか? お主の相方は放置すれば、死ぬぞ。
 儂と『藍嵐』は『命を捨て合える』コンビだが、そちらはどうだ?
 命を投じてお主を救ったその男を――当然、救急車を呼ばせる気はない。
 儂一人でも『お主1人』に余計な事をさせん事くらいは、問題なく出来る」

          「所謂、『時間稼ぎ』という物だ」

「儂を逃がすのであれば……儂もこれ以上、手出しはせぬ」

老人は手に持った苦無を目の前に翳す。
後方のイラムシは……起き上がる様子はない。
武器の刺さった位置は胸のやや下あたりで、
目に見えて致命の部位ではないが、それが悩ましい。

                 ブ
                    ゥーーーーー
                         ン
                            ・・・

「…………選べ! 一刻を争う事態のはずだ……!!」

車通りも少なくなっていた道だが、遠くから黒塗りの車が走って来る。
スミノフに判断の余地はある。スミノフは、『一人ではない』のだから。

532『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/02(火) 23:06:06
>高天原と硯

「――『ウィスパーズ』だッ!!やれ!!『今すぐに』ッ!!」

≪身体ノ中カラ爆破サレタッ≫

              ≪身体ノ!!!!≫

                       ≪中カラァッ!!!!!≫

≪爆破ァァアアアアアッ≫ ≪サレタッ≫ ≪アヴィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ≫

       ゴンゴンゴン!!!!!!
 
              ガ            ゴォオオオン!!!!!

        ガガガッ        
                          ≪ドコダッ≫
          ガオオンッ!!!         ガ        ガガガガガガッ!!!!!!

                 ≪ドコダッ≫                  

≪ドォォオオオオオオオオコダァアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!≫

     ≪見ィィィィイイイイイツケタァァァァッ!!!!!!!≫

                     ≪オマエッ≫

          ≪オマエダッ≫

                    ≪アヴィィィイイイイイイイイイッッッ!!!!≫

  「ぐっ、あっ……『エフェメラル』そいつを『爆散』させろォォオッ」 

                     ゴボボボボボボボボボボボボ

突如、作業服と五十嵐の側から『ライヴハウス』を数倍酷くしたような騒音と、咆哮が聞こえてくる。
半端な音圧ではないが、それで動けなくなるほどではない。これは距離の問題だろう。
その中には男二人の叫びも混じるようにして、あった。後方の戦いは佳境に入っているらしい。

533『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/02(火) 23:08:54
【早見】
>>525(高天原)

    「ムムッ」

    「男子高校生ってのは格好つけたがる生き物なのに、
     せっかくのテレフォンパンチを外すなんて、
     恥ずかしくて明日から学校に行けないじゃあないか」

    「だが悪いのは俺だ」

スタンドにはスタンドを。
留め直し、『逸らす』。

そしてこれは敵本体を攻撃するため、の、布石―――――

「でも」

「これで『開き直れる』」


               ドガッ

――――――――それより速く! 停止した直後から! 『敵本体が仕掛けてきている』!!!!

高天原は、スタンドにはスタンドを。
敵が選んだのは『本体には本体を』!

高天原本人に跳び蹴りが突き刺さった。『スタンドの蹴り』ではない。
敵の本体、『硯研一郎』が――――静止した装甲車のスタンドはそのまま、
両側の壁の車輪を掴み、まるで『新体操』のように振り子軌道の蹴りを放ってきたのだ。

これは完全に『高天原』の想定の外――――スタンドに向かう『Wウィロウ』は間に合わない。
そして高天原自身は『留め』られており、蹴りを防ぐことも躱す事も出来ない。蹴りは直撃する。
硯は新体操選手ではない。その蹴りは『重傷』にはならず、静止が終わった高天原を怯ませ、吹き飛ばすだけ。

だが――――『ウィーピング・ウィロウ』が硯へのラッシュを放つことを中断されるには十分な怯み!


              「あ……ッ、クソ、苛つ……」

         ドサァッ

                     「…………す、まない……」


そして、吹き飛んだ傍では――――五十嵐が胴体を『ノコギリザメ』のようなヴィジョンに貫かれ、
大量の血飛沫の吹き荒れた廊下に後退って倒れて来る。そしてその敵である『作業服の男』も、
明らかに危険な吐血をしながら立ち上がる事が出来ていない。ほぼ『相打ち』――――と考えられる。

                              「ミャーーーーオゥ……」                          

                        猫は腕から零れ落ち、廊下に降り立とうとしている。

534『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/02(火) 23:12:33
【フリー】
>>526(硯)

何が起きているのかはよく見えないが、音源らしきものは見えない。見えるのは至近距離の果し合い。
その中には男二人の叫びも混じるようにして、あった。あちらの戦いは佳境に入っているらしい。

が、それを見続けるわけにもいかない。

    『……喧嘩ってのはサァ』

        『自分も相手も同じ力で殴り合えるから成立すんだよな。
         片方が拳銃だしたり、無抵抗の人間ボコったりするのは、そうじゃねェ』

敵のスタンドが静止した『RXオーバードライブ』を『ズラす』ように、横へと押しのける。
静止が解かれれば蹴りが始まる。何もない空間に放たれる空虚な蹴りだ。これが敵の能力!

    『こっちも、もう一度言わせてもらうぜ』

       ・・ ・・・・・・・・
      『俺は、アンタと戦わねえ』


  『リングの外で相手を殴る行為を、戦いとは呼ばねーからな……!』

さらに『ウィーピング・ウィロウ』は、硯本人の方に視線を向け動き出すが―――

           ブ

               オォンッ

                        ドガッ!

それより速く、車輪を手すりにした『振り子軌道』の蹴りが命中する。
敵は『静止したスタンドをスタンドでどうにかしてから硯へ動く』つもりでいた。
静止していない『硯研一郎』への対処は、当然出来る筈も無い。
もちろん一般人の蹴りであり、いくら身体がデカくても『必殺』とはいかない。

        だが、一撃。まず一撃を入れた。敵は吹き飛び、スタンドの動きも止まる。

そして奥でも――――『宗像』のスタンド攻撃による物だろう。五十嵐は胴体を『ノコギリザメ』にぶち抜かれ、
そして当の宗像も―――――明らかに尋常ではない『吐血』と共に、立ち上がることができないままの状態でいる。

          「ミャーーーーオゥ……」                          

                        猫は五十嵐の腕から零れ落ち、廊下に降り立とうとしている。

535『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/02(火) 23:13:42
>>533-534(メール欄忘れ)

536高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/02(火) 23:41:40
@質問です

現在の各PC(及びその『スタンド』)とNPC、猫の位置関係は、MAP上でそれぞれどのようになっていますか?

537『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/03(水) 00:39:17
>>536(高天原・回答)
だいたいこのようにイメージしております。

□□□□車RW□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□硯□□高□早□五□作□□黒□□□□□□
□□□□車□□□□□□□猫□ア□□□□□□□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

RW・・・敵スタンドとウィーピング・ウィロウは現在ほぼ同じ位置。
硯・・・タイヤを使った振り子運動で蹴りを放ったので前に出ている。
高・・・高天原は蹴りを受け、やや後方に吹き飛んだ。
五・・・五十嵐はノコギリザメに胴体を貫かれ、崩れ落ちた。
作・・・作業服の男は吐血し、崩れ落ちている。
黒、早・・・黒服や早見は何かできているわけでもない。
猫・・・カーバンクルは五十嵐の手から抜ければこちら側に降り立つだろう。

538硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/03(水) 00:41:25
>>532
オーバードライブの硬直は持続していますでしょうか?

539『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/03(水) 00:44:35
>>538(硯・回答)
申し訳ない、これは記入漏れ。静止は既に終了している。

540高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/03(水) 09:30:11
>>537

@現在地及び行為の判定に関して、自身の認識と異なっていたため、確認させてください。
 また、他PCの行動等に関して、確認のため過去数レスを参照しました。ご容赦ください。


>>486>>489

              〜4F〜
          
□□□□車□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□◎□□□□★□□□▼□□□□□□□□□□□
□□□□車□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

▼:宗像、黒服
★:早見、高天原、五十嵐
◎:硯
車:『バイクのタイヤ』

上記レス時点で、硯PCの位置は『バイクのタイヤ』の間にあるマスから1マス左です。
また>>491にて、『車輪』を自分自身に設置するため『スタンド』で触れているので、『RXオーバードライブ』もそれ以降は同位置にいると思われます。
これ以降、硯PCの移動の描写はなく、あくまで高天原PCが硯PCの元へ移動するような形で接触しました。

このため、>>519-520の『静止』時点での配置は以下の通りと認識しています。

□□□□車□□□□□
□□□硯高W □□□□
□□□□車□□□□□
□□□■■■■■■■
□□□■■■■■■■
□□□■■■■■■■
□□□☆ 3■■■■■
□□□☆■■■■■■
□□□■■■■■■■

硯…硯PC。『RXオーバードライブ』は両PCの間に位置し、ローキックを放っている。
高…高天原PC。右方のマスから、ダッシュで硯PCへと接近。
W…『ウィーピング・ウィロウ』。高天原PCに追従しているため、ダッシュの速度で移動。

この後、『ウィーピング・ウィロウ』は『RXオーバードライブ』を留め直し、また硯PCはその隙に高天原に蹴りを放ちます。
『留め直し』は特別な動作を必要とせず、触れるだけで発動するため、>>525でも最低限横に押しのけるのみの記述に留めています。
(片腕で済む動作のため、>>537のように同じ位置まで移動する必要はない、という認識です。)

このため、現在の各PCの位置は下記MAPのようになるかと思います。


□□□..R車□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□◎□□高□□早□五□作□□黒□□□□□□
□□□□車□□□□□□□猫□ア□□□□□□□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

R…『RXオーバードライブ』。上記MAPの硯PCの位置から、そのまま上方に1マス移動。『静止』解除に伴い、蹴りを再開。
◎…硯PC、並びに『ウィーピング・ウィロウ』。
  『ウィーピング・ウィロウ』は『RXオーバードライブ』の『留め直し』のため、上記MAPの位置から左に1マス移動。
  硯PCは高天原への攻撃のため、車輪を掴んで支えにしている。
高…高天原PC。被弾し、後方に吹き飛んでいる。


見落とし、または>>537の位置に至るまでの判定の詳細あれば、お手数ですが指摘のほどをお願いします。

541<削除>:<削除>
<削除>

542スミノフ『デマーケイション』:2018/10/03(水) 22:27:31
>>531

「……やっと本当の意味でシンエンちゃんに出会えた気がするよ」

武道家。
いや、忍者だったか。
ここからどうするかが問題だ。

「選ぶよ。大丈夫、俺は決断できる人間のはずだ」

といっても、勝利を諦める気はない。
イラムシを諦める気もないが。

「オーケー『俺はあんたを見逃す』嘘はない」

スタンドを解除する。
戦闘の意志がないことを示せるはずだ。

「ただ、俺たちは敵対してる。だからその証がいるだろ。契約書を交わすのと同じ。
 お互いこれ以上手を出さない。どうする? 悪魔の証明だ。だから提案する」

「握手をするか、お互い出会わなかったことにして去るかだ。俺のおすすめは後者だが。見本を見せる」

まず、両手を上げる。

「ホールドアップ。持ってるものから手を離せ。銃に撃たれないようにするみたいに広げろ。攻撃しない意志を表明」

続いて、一歩右足を下げて反転。
回れ右して相手に背中を向ける。

「相手を見ない。出会わなかった。顔も知らないと承知したのを表明。
 今、俺は背を向けてるが、あんたを信頼してるからだ。ここでそれを投げないって信頼してる」

それから三歩。歩く。

「一緒に三つ数えろ。音が近づけば嘘ついたのがバレるからな。三歩歩いて、それで終わりだ。
 これで、お互いにお互いを見逃しあおう。俺はイラムシちゃんを見捨てたくねぇ」

これに相手が乗ってくれればいい。
乗ってくれれば背面を向いたタイミングで狙える。
スミノフは一人ではない。もう雨も降っていない。

(マナビちゃんに狙撃させる。だから、乗れ……乗ってくれ……)

「すぐ済む。時間は取らせねぇぜ」

543『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/03(水) 23:03:25
>>540(高天原・回答)
改めて当該のレスを読み直したところ、
描写からは高天原PLの理解の方が自然に感じられた。

GMの脳内で行間を補完してしまっていた部分と、
『RXオーバードライブ』は蹴りのため前に出ていたという誤認、
および『横に押しのける』に対する理解のミスが原因であり、GMのミス。
ご迷惑をおかけして申し訳ないが、>>540の認識で返レスいただければ幸い。
(GMレスで起きた事象に影響はしないと考えられるため、訂正などは無し)

544高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/03(水) 23:31:19
>>543
回答に感謝します。また、確認にお手数おかけしました。承知しました。

545高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/04(木) 00:44:36
>>533

「ぐッ、あ、五十嵐サンっ……!!」

 受け身を取り、体勢を整えながら、後方の状況を視認する。
 『相打ち』。しかし、この状況でこちらの『スタンド使い』一枚落ちる意味は大きい。
 相手は集団だ。高天原はエクリプスやアリーナの事情には明るくない。
 戦況以上に、この場で孤立してしまう。

 ――――何より、命の危機だ。
 五十嵐の命。作業服の男の命。そして、


      「……先輩ッッ!!!」


 可能な限り、巻き込みたくはなかった。
 姿を見られていたとしても、状況に関与していなければ。
 無力な第三者として、まだ言い訳がたったかもしれない。


       「猫を頼むッ……連れてきてくれ!!」


 だが、そんな情を挟める一線など、とっくに過ぎてしまっている。
 全ての人間を駒として、状況を俯瞰した時。
 『相打ち』となった二人を除いて、一番猫に近い動ける人員は、どう見ても早見だ。
 高天原が咄嗟に駆け出すよりも、彼の方が早く届く。
 敵対していた『作業服の男』よりも、五十嵐と行動を共にしていた分、こちらになら大人しく捕まってくれるかもしれない。

 『ウィーピング・ウィロウ』は、基本に立ち戻る。

 駒の交換は意味を失ったが……この位置と距離が『ウィーピング・ウィロウ』の土俵である事実は、依然揺るがない。
 すなわち『ウィーピング・ウィロウ』は発現者に手が届き、また相手の『スタンド』は此方に干渉できない位置と距離。


   「……悪リィーね」

            「どうも昔から、口だけ達者な質で」


 そして、『ウィーピング・ウィロウ』と硯の距離は、『ウィーピング・ウィロウ』と『装甲車のスタンド』よりも近い。
 相手の『スタンド』が仕込んでこちらに何かを仕掛けるよりも早く。
 硯――――『仮面の男』の顔面に、拳を叩きこむ(パス精CCB)。


     「アンタと、戦わなきゃいけなくなっちまった……!」


 万が一、相手の『スタンド』の反撃や挙動がこちらの攻撃よりも早く行われる場合。
 その動作を、『風切り音』や、壁や床との『衝突音』で『静止』する。
 『ウィーピング・ウィロウ』へ向けての攻撃を伴う動作の場合は、念のためではあるが、
 『仮面の男』への一撃を終えてから、その攻撃の軌道から避ける。

 『ウィーピング・ウィロウ』は、決して動作性に優れた『スタンド』ではない。
 しかし、それは接近戦において、他の優れた『スタンド』に劣ることを意味しない。

546高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/04(木) 03:08:20
>>545(追記)

『仮面の男』本人が回避やガードを行う場合は、その隙を縫って確実に当て、ダメージを通したい(精B)。

547硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/04(木) 19:28:50
>>538>>532


   「征彌さん、君は」


視界の端に映る凄惨な光景に、
無意識に血を吐いて倒れる友人の名前をつぶやく。
これは一体、何が起きてるんだ。


   「いや、違う。
    今は君に集中しなければいけない。
    自分で言った事だ」


現在、硯の『オーバードライブ』と青年の『スタンド』の間には、
自らが設置した分厚い『タイヤ』が存在している。
その上、『オーバードライブ』を視界に収めていないこの状況で、
直接敵のスタンドを叩くには何かしらの工夫が必要だろう。
だが、逆も然りだ。
   

「それに、いくら速かろうと強かろうと、
『コイツ』はえらく不器用だ。
俺の目の行き届かない所ではハイハイ歩きもできないんじゃあないかな」

           「だから」

「此処は退く」


スタンドと共に一度背後へと大きくバックステップをし、
『オーバードライブ』を傍らに戻す。
この数度の攻防で青年のスタンドの『速度』はだいたいだが『理解』できた。
いくら無防備な状態とはいえ一方的に蹂躙されるといった事はない筈だ。
此処は一旦退き、オーバードライブをまともに操作できる状態に戻す。

548<削除>:<削除>
<削除>

549『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/05(金) 01:14:48
>>548(宗像・確認)
>「――確かに……『カーバンクル』に罪は無い……」

これ以降の台詞は『猫を確保し』『吾妻に要件を伝えた』場合のみ発するという認識で正しい?

550宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/05(金) 01:43:40
>>549
その認識で間違いない。
分かり辛くて申し訳なかった。

551宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/05(金) 02:29:11
>>528
>>529
>>530

頭の中に、五十嵐という名を持つ男の最期が甦る。
俺は五十嵐を『殺した』。
この手で『命を奪い取った』。
消える事の無い事実を改めて再認識する。
確かなのは――犯した『罪』が一つ増えたという事だ。

「……先に『地獄』で待っていろ――『守護天使』」

「俺は……『後から』行ってやる……」

『アヴィーチー』の両手で、全ての発端となった『猫』を受け止める。
片腕で体を支え、もう片方の手を頭の上に置く。
傍目から見れば、頭を撫でているようにも見えるだろう。

「――電話だ……」

「吾妻に繋げて……俺に渡せ……」

「奴に……言う事がある……」

気力を振り絞って起き上がり、黒服に呼び掛ける。
言葉通り、吾妻に繋がっている状態の携帯電話を受け取りたい。
受け取る事が出来たら、次のように告げる。

「……『カーバンクル』を確保した」

「しかし……まだ近くに他勢力のスタンド使いが二人いる……。
 一人は片付けたが、俺も満身創痍の状態だ……。
 後は……あんたの部下しかいない……」

「あんたが……すぐ近くまで来ているのなら……
 まだ引き渡せるかもしれない……。
 だが……それが不可能なら……あんたに『許可』を貰いたい」

「俺の手で……『カーバンクル』を『処分する許可』だ……。
 ここで『カーバンクル』を敵の手に奪われたら……
 また『一から捜し直し』という事も有り得る……。
 そうなるよりは……今この場で『事を済ませる』方が良い事は……
 あんたにも分かる筈だ……」

「俺の言葉が真実である事は、あんたの部下が証明する……。
 『アリーナ』の指示を受けて、俺が手を下した事にすれば、
 あんたの面目も立つだろう……。頼む……」

青年と硯の動きには注意を払う。
許可が出ても出なくても、必要に迫られる時が来れば、
俺は少しの躊躇いも無く『カーバンクル』の首を折り、『殺処分』を実行する。
二人が邪魔をする気配を見せたら、即座に『カーバンクル』を『殺す』。

これによって、また俺の手は汚れる事になるだろう。
罪無き命を奪う事によって、新たな『罪』が、また一つ増える。
だが、それが必要な行為であり、
誰かがやらなければならないのなら――俺が『やる』。

552『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/05(金) 03:07:29
【フリー】
>>542(スミノフ)

               ズギュン

――『デマーケイション』を解除したスミノフは、ただの喧嘩屋だ。
それに呼応するように、シンエンの手からは苦無が解除され、消える。
そして『イラムシ』に突き刺さった物もだ。『苦無のスタンド』らしい。

「スタンドの解除は『嘘』ではない。
 ホールドアップも……数を数えるのもだ。
 ……『正当な作法』に逆らう理由は、儂にはないな」

                  ガシャ

シンエンはゆらりと立ち上がる。
袴の隙間から僅かに露出するその脚は、『義肢』だ。
武器が仕込まれているような様子はない。純然たる傷の歴史。

            クルッ

「『喧嘩』で儂に勝ったお主の『本気』を飲もう。……悔いは無い。
 お主が儂を信頼するように。背中から撃たれても良いと考えるように」

                     「そういう不合理は、好きだ」

      カツ

            カツ

                 …パシュ

                            ドシャ

「――――『ペインキラー』投与完了」

                 「救急車を呼びましょう。早急に。
                   貴方の分も必要なら、二台ね」

音もなく倒れた老殺し屋には傷一つ無い。眠るように、水たまりに崩れ落ちた。
仕事を果たした。後方で『マナビ』が水溜まりを踏み、立つ音が聞こえた。

         ブロロロロ

                   キキーーーッ

そして、やや離れた場所に『黒塗りの車』が停車する。どうやら『関係者』のご到着だ。
少なくとも轢殺を狙ってこない程度の良識はあるようだが、中から人が降りては来ない。

553『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/05(金) 03:08:13
【早見】
>>545(高天原)

   「征彌さん、君は」

硯は――――後方の攻防を見て、呟く。いや、彼の意識で呟いたのか、
それとも無意識のうちに口がそう動いたのかは、もはや判別は出来ない。

作業服は――――――

「『骨は拾う』って言っただろ? ……もう『当事者』だ!
 とっくに言い訳の効かないところまで踏み込んじゃってるんだ」

                    ガシィッ

高天原が指示を言い終えるよりもわずかに速く、彼は動いていた。
猫の落下を待ち構えていた作業服の男より早く、『捕まえていた』。
ふらふらと落下しようとする猫を……何も出来なかった記者が捕えた。

       「ミャ〜〜〜〜〜ゥ!!!」

猫はじたばたと暴れ、人面蝶のスタンドは不吉に羽ばたいているが、
今すぐ『早見』をなんとかできるような力はない。彼は作業服から離れる。

「――――繋がったぞ! 俺はあいつから猫を奪う!
 その間に吾妻さんと話を着ければいい……動けなくなる前に!」

                   ダッ

黒服がそれを追うのが足音で分かるが、それなりの距離はある。一瞬では詰められない。

   「いや、違う。
    今は君に集中しなければいけない。
    自分で言った事だ」

             そして。


「それに、いくら速かろうと強かろうと、
『コイツ』はえらく不器用だ。
俺の目の行き届かない所ではハイハイ歩きもできないんじゃあないかな」

           「だから」

「此処は退く」


       ダンッ

                    パシィッ!

硯と『装甲車のスタンド』はここで他の全行動を廃しての『バックステップ』を選ぶ。
顔目がけて放つ拳はわずかに鼻先を打ったが、クリーンヒットとはとても言えないだろう。

554『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/05(金) 03:08:27

【フリー】
>>547(硯)

      「……先輩ッッ!!!」

       「猫を頼むッ……連れてきてくれ!!」

青年は――――今の今まで戦場に何も関与できていなかった、
公務員風の男へと指示を飛ばす。その男『先輩』も、言うが早いか動く。
満身創痍の状態で猫が落ちてくるのを『受けとめよう』としていた宗像より、
無傷の状態で五十嵐の腕から落ちかかった猫をひったくる彼の方が『早い』!

                ダンッ!

   「……悪リィーね」

            「どうも昔から、口だけ達者な質で」

               そして。

     パシィッ!

     「アンタと、戦わなきゃいけなくなっちまった……!」

硯と、目の前の青年の攻防は――――大きく動きはしない。
バックステップに合わせるかのように青年のスタンドが動き、
硯本人の顔面へと拳が放たれる。が、後退に全力を注いだ以上、
それは鼻先を軽く打つだけに終わる。鼻血が出る事も恐らくは無い。

「――――繋がったぞ! 俺はあいつから猫を奪う!
 その間に吾妻さんと話を着ければいい……動けなくなる前に!」

                   ダッ

やや距離を開け、仕切り直しの形だが、宗像が黒服から『携帯電話』を受け取ったのが見える。
黒服――――アリーナの男から受け取ったのだから、相手はアリーナの何者かで間違いないだろう。

555<削除>:<削除>
<削除>

556『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/05(金) 03:12:57
>>550
お気になさらず。回答に感謝いたします。

【音仙】
>>551(宗像)

あの時とは違う。殺害の感触は無い。自律する復讐者は、
宗像に実感を残さないままに『罪』だけを積み上げてゆく。

「吾妻さんは――――分かった。今電話を繋ぐ。
 近くまでは着ている筈だ。状況も伝わってる。
 あの人ならスタンド戦闘が出来る……この状況を収束させられるッ!」

猫は『アヴィーチー』の両手の上に――――

      「……先輩ッッ!!!」

       「猫を頼むッ……連れてきてくれ!!」

    ダッ!!!
             
                ガシィッ

落ちてこない!! 今まで意識の外にいた男、『何も出来ていなかった』男。
恐らくは一般人と思われ、五十嵐や『静止』の青年と着かず離れずだった男。
宗像と五十嵐の距離と、その男と五十嵐の距離にはさしたる差はない。

「『骨は拾う』って言っただろ? ……もう『当事者』だ!
 とっくに言い訳の効かないところまで踏み込んじゃってるんだ」

五十嵐たちに同行していた、公務員風の男が――五十嵐から猫をひったくった!
満身創痍の宗像に、それを見てから止められる反応速度は無い。だが、黒服は動いている。

「――――繋がったぞ! 俺はあいつから猫を奪う!
 その間に吾妻さんと話を着ければいい……動けなくなる前に!」

                   ダッ

抵抗する猫を抱いてその場を離れようとする男に、黒服が駆ける。
宗像の手には携帯電話が残る――――状況の激変で、言うべき事は言えていない。

              ≪こちら『吾妻』です。ご用件は? 今現着しましたんで、
                 ビル前の様子見てからすぐそっち向かいますけど≫

557高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/05(金) 23:09:34
@質問です。

>>525にて、ラッシュの前に水筒を捨てる動作をしています。
ラッシュ自体は硯PCの高天原への攻撃によってキャンセルされましたが、
水筒についても同様にキャンセルされ、まだ保持しているという認識で良いでしょうか?
或いは、上記タイミングや被弾や、『留め直し』等の動作の際に手放していますでしょうか?

また、周囲に、何かの部屋に通じる扉や、窓はありますか?

558宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/06(土) 00:14:12
>>556
現在、自分は意識を失う寸前と考えていいのだろうか?
自分の現在の姿勢はどうなっている?
近くに投擲物の残骸は落ちていないか?
青年と硯は何をしている?
また、全員の距離関係を教えていただきたい。

559宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/06(土) 00:26:05
現在の自分の状態は、『ほぼ行動不能』と同義だと受け取っている。
その認識で正しいだろうか。

560『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/06(土) 21:55:21
>高天原
>宗像

GMが想定している位置関係はこのようなもの。
ここは違う、またはこの方が自然だなどあれば、
ご報告いただければ必要に応じて対応する。
(GM判断の方が自然であれば、訂正はしない)

  窓    窓     窓     窓    窓    窓
□□R..W車□□□□□□□□□黒□□□□□□□□□
□□硯□□□□高□早□□五□宗□□□□□□□□□
□□□□車□□□□□□□□□ア□□□□□□□□□
□□□■■■扉■■■扉■■■扉■■■扉■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

W・・・『ウィーピング・ウィロウ』。後ろに全力で回避した硯の鼻先に拳を当てた。
    位置的にはもう1マス下と考えていただいても構わない(MAPの位置関係は『参考』)
R・・・『RXオーバードライブ』。硯と共に全力でバックステップ。
硯・・・硯(仮面)。『RXオーバードライブ』と共に全力でバックステップ。
高・・・高天原(青年)。本体は特に動いていない。
宗、ア・・・宗像(作業服)と『アヴィーチー』。猫の確保には失敗した。足元付近に傘の残骸。
黒・・・黒服。宗像の横を抜けて早見(公務員風の男)へと迫る。
早・・・公務員風の男、早見。猫を奪取して高天原の方へ駆ける。

561『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/06(土) 21:56:36
>>557(高天原・回答)

>>525にて、ラッシュの前に水筒を捨てる動作をしています。
>ラッシュ自体は硯PCの高天原への攻撃によってキャンセルされましたが、
>水筒についても同様にキャンセルされ、まだ保持しているという認識で良いでしょうか?
>或いは、上記タイミングや被弾や、『留め直し』等の動作の際に手放していますでしょうか?

描写漏れ失礼した。
水筒はラッシュと同時でなく、成功した『留め直し』の直後のタイミングで放棄したため、既に捨てている。
位置は現在の『ウィーピング・ウィロウ』よりはやや高天原寄り。

>また、周囲に、何かの部屋に通じる扉や、窓はありますか?

>>286の通り、鍵は閉じているが存在はする。
位置は>>560のマップを参照のこと。

562『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/06(土) 21:57:21
>>558-559(宗像・回答)
>現在、自分は意識を失う寸前と考えていいのだろうか?
失おうとすれば即座に失える程度には寸前。
保ち続けようとするならば、恐らくもうしばらくは持つ。
具体的にどれくらい持つ? や どの程度の行動ができる?
といった事は、やってみなければ分からない。

>自分の現在の姿勢はどうなっている?
>>551のレスから猫を受けとめた事が前提で起き上がると解釈した。
よって猫を受け止めることが出来なかった現在は屈んだような姿勢。

>近くに投擲物の残骸は落ちていないか?
傘の残骸が足元付近に落ちている。
骨は残っているが、布は無くなっている。

>青年と硯は何をしている?
壁に設置されたタイヤ付近で攻防を繰り広げているのが見える。
動向に気を回すのは猫を確保した前提と考えたが、解釈ミスなら申し訳ない。

>現在の自分の状態は、『ほぼ行動不能』と同義だと受け取っている。
>その認識で正しいだろうか。
ほぼ正しいが、無理をすればまだ動けないこともない(重傷患者のようなもの)
限界まで肉体を追い込んだ場合にどこまで動けるかは『不明』。

>また、全員の距離関係を教えていただきたい。
>>560を参照。

563宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/06(土) 22:40:57
>GM氏
回答感謝。

>>556

五十嵐の殺害に対して払った代償が大き過ぎた。
いや――逆だ。
人一人の命の代価としては余りにも安い。

「――……」

虚ろな目で、男を見つめる。
今の俺には、それを阻止するだけの力は無い。
全てが終わった――。

(――確かに……『カーバンクル』に罪は無い……)

(だが、『こいつ』が存在する限り、その力を狙う人間は必ず現れる……)

(そして……その度に今回のような争いが起こるだろう。
 『血で血を洗う抗争』が――)

(その戦いに、『無関係な一般人』が巻き込まれたらどうなる?
 もし障害が残る程の深い傷を負ったら?命を落としたらどうなる?
 その時、本人はどう思う?残された者はどう思う?)

(『暴力による解決は良くない』――俺は、今でもそう思っている……。
 だが、それ以外に解決の方法が無いというのなら……)

(俺は『悲劇』を以って――『より大きな悲劇』が起きる事を阻止する……)

「……逃がさん」

「俺の命がある内は……」

「それが誰であろうと……」

「決して……」

「逃がしはしない……!!」

『持参したライト』を『アヴィーチー』で引っ張り出し、床の上を滑らせる。
男の進行方向――その足元に向かって滑走させる。
その後、残骸の位置を目で確認する。

「……『カーバンクル』を奪われた」

「敵は三人……。スタンド使いは二人だ……。
 俺は満身創痍の状態で……追う事が出来ない……」

「まだ……敵は争い合っている最中だ……。
 今あんたに注意が向く事はない……。
 まだ姿は見せず……互いに消耗した隙を見て『猫』を奪え……」

「……『頼み』がある。
 俺が……あんたの方を見て頷いたら……
 俺に向かって何か投げつけてくれ……。
 どうなるかは分かるだろう……」

「軌道は『一直線』だ……。
 俺とあんたを繋ぐ『直線上』に敵を挟み込め……。
 一撃でも当たれば、大きく力を削ぎ落とせる……」

「無論……あんたに当たる前に解除する……。
 あんたが……俺を信用すればの話だが……」

564高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/07(日) 00:13:28
>>560-561(回答に感謝します)

>>553

 
       『 ダ ン ッ 』


 『仮面の男』がバックステップしたのを確認し、『静止』で地面に縫い留めたい。
 地面を蹴る音、もしくは着地音を対象にする。
 全力で移動したなら、地面を擦る音もそれなりに響くはずだ。
 時間と距離を確保し、『ウィーピング・ウィロウ』を全速力で自身の傍まで戻す。

 全力で後退したのなら、すぐに切り返してこちらに距離を詰めてくることは難しいはずだ。
 『静止』して本体を縫い留めることが出来れば、『装甲車のスタンド』の攻撃が届かない位置まで逃げ切ることもより容易くなる。

 それでも万が一、『装甲車のスタンド』の攻撃が間に合うような場合は、『ウィーピング・ウィロウ』でガードする。

「……そうッスね」

「俺も、先輩も……関わりすぎちまった。この状況と、『カーバンクル』に対して責任がある」

 『ウィーピング・ウィロウ』を手元に戻しつつ、窓側へ移動。
 鞄の中から『ヘッドフォン』を取り出し、『コード』の部分を手に持って、『ヘッドセット』の部分を振り回す。
 そのまま遠心力を利用して、MAP上の左から三番目の窓に叩きつけて、窓を割りたい。

「先輩、カメラとか持ってませんか」

「カメラじゃなくても、何でもいいです……『壊したときに大きな音が鳴りそうなもの』なら」

565スミノフ『デマーケイション』:2018/10/07(日) 00:48:32
>>552

「すまねぇ。あんたに勝つためにこうさせてもらった……
 正直、喧嘩屋とか勝負師としては負けてる。誰かにケツぬぐってもらった
 それに背を向けるという不合理を守り切れなかった……この喧嘩、俺の負けだ」

「だが同時にこの勝負は俺らの勝ちだった」

勝ちを喜べなかった。
不意打ち。
最後の最後で、その手を打ったから。

「イラムシちゃん大丈夫かァ? 返事しなくてもいいけど、生きてんなら何とか言ってくれ
 あと、マナビちゃんありがとうな。ところでそのペインキラーって鎮痛出来ない?
 指を壁に突っ込んで登ろうと思ってんだけど」

言外で救急車はいらないという。
まだ、仕事は終わっていない。

「どうする、あの車。俺はストロングゼロちゃんの所に合流してぇ。誰がどこで大立ち回りしてんのか分かんねぇけど」

自分がまだどこまで行けるのかは分からない。
しかし、スミノフはそれを知ろうとしない。
自分の負傷より仕事の全うだった。

566硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/07(日) 20:34:50
>>554

   「…」

「ッぶねー」


どうやら青年の仲間が『猫ちゃん』を奪い取ったようだ。
だが地上へと続く通路が『戦場』である以上、
通り抜けるのは厳しいだろうし今は放っておいていいだろう。
今はそんな事よりも――『集中』だ。


「戦わなきゃならないとは、
 そりゃあ随分と鼻高々な拝辞だ」

「これは自分のミスなんだが、
 さっきの盤面、壁に設置した『タイヤ』が邪魔だったんだ。
 あのせいで俺の『猫捕まえ太郎』が攻撃ができなかった。
 「しまった!」って感じだった…」
 
       「だけど」

「今は逆だ。凄い『ラッキー』って感じだ。
 何せ君の『像』がその『タイヤ』を背にしてくれてるんだからね」




今、青年の『スタンド』は壁の『車輪』を背にしている。
二者のスタンドの間を隔てるものはもう存在しない。
なので、少しだけ『集中』しその『車輪』を――


  
             ギャルギャルギャルギャルッ!!!!


時計周りに『回転』させる(スA)。

『車輪』を操作させるのに必要なのはほんの少しだけの『集中力』だけだ。
『集中』さえできれば小指1本動かさず出来る『行動』ですらない――『行為』だ。
この『行為』にオーバードライブの膂力、速度を用いた『行動』が入る余地はない。
言い換えれば『行為』を終えた後に『行動』する猶予はまだ残っている筈だ。
なので――

     
      「これでもう、戦わずに済む」

眼前に立つ青年のスタンド目掛け、
力強く、そして速い『オーバードライブ』の両拳での殴打を放ち、
その背後の『車輪』に叩き込む事で『回転』に巻き込み致命的なダメージを与えたい。

567『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/07(日) 23:47:41
【宗像】
>>563(宗像)

実質『ノーガード』に近い戦術を取った事が、
大きな負傷と『五十嵐』の早期撃破を齎した。
その結果が適正だったかは、全てが終われば分かるだろう。

              ズ

     シュン!!!

                   バシィッ!!!

「ぐあっ……!?」

猫の抵抗を抑えながら、かつ向かう先に『硯』がいる公務員風の男は、
ほとんど早歩き程度のペースでしか進めていない。足元狙いの一撃は命中する。
負傷しているとはいえ腕に直接のダメージは無い。地を這う弾丸が体勢を崩す。
無理に顔などの急所を狙っていれば失敗していたかもしれないが、滑らせるのは出来る。

残骸は左手を伸ばせば届く位置だ。場所は頭に入った。

≪……スタンド使い二人ですか。それはちょっと骨が折れそうだ≫

            ≪分かりました、その作戦で行きましょう≫

≪ただその前に、ビルの前の人らがオレを通してくれるか、ですけど≫

         ≪こっちは『3人』相手ですんで≫

吾妻の言葉の間に、黒服が警棒を構えて公務員風の男との距離を詰める。
もうじき距離はゼロになり、追いつく。そうすれば単純な暴力の差で恐らく勝てる。

   ギャ

        ルルルルルルル
                  ルルルルルルルッ!!!!!

目の前の五十嵐を気にする必要がなくなった今、硯たちの戦況を捉えられる。


        ス
             ウゥゥーーーーーッ

タイヤの回転と『RXオーバードライブ』の殴打で青年のスタンドを挟もうとした硯だが、
バックステップの着地際に『静止』を受け――――その一瞬の隙で青年のスタンドは距離を取る。

      バシィッ!

が、追撃の拳は逃れようとするスタンドを捉え、辛うじて一撃を入れた。クリーンヒットではない。
だが、ヘッドフォンのコードを持ち何かをしようとする青年の動きを止めるには十分な隙を生んだ。

568『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/07(日) 23:50:45
【早見】
>>564(高天原)

       『 ダ ン ッ 』

後退からの着地動作、その音を『ウィーピング・ウィロウ』が捕える。
スタンドを引き戻し、自らも距離を取るためには十分な時間が生まれる。

「戦わなきゃならないとは、
 そりゃあ随分と鼻高々な拝辞だ」

「これは自分のミスなんだが、
 さっきの盤面、壁に設置した『タイヤ』が邪魔だったんだ。
 あのせいで俺の『猫捕まえ太郎』が攻撃ができなかった。
 「しまった!」って感じだった…」

そして、その移動は大正解だ。


       「だけど」

「今は逆だ。凄い『ラッキー』って感じだ。
 何せ君の『像』がその『タイヤ』を背にしてくれてるんだからね」


   ギャ

        ルルルルルルル
                  ルルルルルルルッ!!!!!

つい今まで『ウィーピング・ウィロウ』が背にしていた壁のタイヤが高速回転!
それに合わせるように、引き戻す動きの『ウィーピング・ウィロウ』に『装甲車』の打撃が放たれる。

          バシィッ!

流石の超高速。引き際に一撃だけ貰った。近づいてから当てるまでが『速すぎて』一撃は貰った。

が、最悪の事態に備えるガードが功を奏した。
腕に痛みこそ感じるが、折れたような激烈な痛みではない。戻していたのが良かったのだ。
恐らく敵の狙いは『タイヤ』と『打撃』で『ウィーピング・ウィロウ』を挟む事にあったのだろう。
ただ後ろに退くだけなら最悪の結果だった。『本体の元へ戻す』からこそタイヤから離れていた。

ヘッドホンを取り出し、コードを掴む。すぐに行えた。
だが、全てが上手く行くわけではない。窓際に近付く事は出来たが、
敵の攻撃による一瞬の腕の怯みが『振り回し』をまだ完了させていない。

――――さらに、『早見』のような一般人は特に。

「……逃がさん」

「俺の命がある内は……」

「それが誰であろうと……」

「決して……」

「逃がしはしない……!!」

              ズ

     シュン!!!

                   バシィッ!!!

「ぐあっ……!?」

満身創痍の作業服のスタンドが、滑らせるように放った『ライト』。
それが早見の足を打ち、彼の姿勢を崩してしまう。近付ききれない。
また、ささやかながら抵抗を続けていた『カーバンクル』は今にも逃げ出しかねない……!

さらに、そこに警棒を構えた黒服が突っ込んでいく。かなり危険な状況だ。
早見も高天原が求めるような機材を取り出す隙を、今与えられてはいない。

569『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/07(日) 23:52:33
【フリー】
>>565(硯)

敵の拳をほぼ避けられる程度に後ろに下がったという事は、

            『 ダ ン ッ 』

こちらの拳もまた、距離を多少なりとも詰めねば当たらない距離という事。

   ギャ

        ルルルルルルル
                  ルルルルルルルッ!!!!!


タイヤは回転する。しかし。殴る距離まで詰めるごく短時間で、
迷うことなく――――敵スタンドは意外にもその位置を離れ始めていた。


        ス
             ウゥゥーーーーーッ


青年は『戦う』という宣言とは裏腹に、速攻かつ全力でスタンドを引き戻していた。
後退させるとか、少し距離を取るとかではない。スタンドを完全に自分の元へ戻す動き。
彼の戦いは前に出て殴る事を続ける事ではないようだ。何か策があるのだろうか?

強力無比な『猫捕まえ太郎』こと『RXオーバードライブ』の力の代償は精密性の低さ、そして短射程。
投擲や瓦礫を飛ばすような飛び道具を当てづらい。スタンドだけを飛ばし、追撃を掛けるには距離が足りない。

       それでも。

             バシッ!

それでも、超高速は伊達ではない。引き際にギリギリ、一撃当たった。
しかし青年も『当てられる』可能性は考えていたらしく、
スタンドは後退の瞬間からガードの姿勢。これも『クリーンヒット』とは言えない。

スタンドを戻し終えた青年はヘッドホンのコードを手に取り、窓際方向へ移動している。その狙いは何か。


「……逃がさん」

「俺の命がある内は……」

「それが誰であろうと……」

「決して……」

「逃がしはしない……!!」

              ズ

     シュン!!!

                   バシィッ!!!

「ぐあっ……!?」

その奥では満身創痍の宗像が床を這わせるように投じた『小さい何か』が、
こちら側に向かおうとしていた『公務員風』の足を打って怯ませる。その隙に黒服が距離を詰める。

570『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/07(日) 23:55:22
【フリー】
>>565(スミノフ)

答えは無いが、斃れる老兵の顔に恨みや憎しみは見えなかった。

「……い、生きちゃァ……ますけど、クソ痛いんで、
 ……動きたくは無いですねェ。ここで『リタイヤ』です。
 車は何か知りませんが、あの感じ……99%『アリーナ』ですねェ」

スタンド会話だ。
肉声を出すのは厳しいのだろう。

「いいのよ、仕事だもの。けれど貴方も相当無茶な事を考える方ね。
 ……『ペインキラー』は『肉体麻酔』と『精神麻酔』のスタンド。
 前者は動きだけ、後者は感覚だけを止める。『痛みだけ』も可能よ」

「ただ、その体で? 止まらないかもしれないけど、一応止めるわ。
 麻酔はあくまで『痛みを殺す』だけで、『傷』は塞がらないから」

         「けれど『一台』、イラムシの分だけにしましょうか」

そうは言いつつマナビは『ペインキラー』の銃口をスミノフに向けている。
が、その引き金がいくばくかの躊躇で止まっている内に、車の方で動きがある。

           ガチャ
                 スタッ

「……スタンド使い二人ですか。それはちょっと骨が折れそうだ」

            「分かりました、その作戦で行きましょう」

「ただその前に、ビルの前の人らがオレを通してくれるか、ですけど」

         「こっちは『3人』相手ですんで」

ここで車から降りてきた、どこか『若手ホスト』を思わせるスーツ姿の男。
電話を掛けながらスミノフとイラムシ、そしてマナビを一瞥し、

         スッ

スマートフォンを少し耳から離して、

「偶然ここで喧嘩してたってわけじゃ、ないですよね!
 もしそうだったとしても言う事は同じなんですけど、
 俺はアリーナの『吾妻 常喜(アガツマ ジョウキ)』。
 そこのビルの中にいる『ツレ』を助けに行く仕事がありまして」

       「通してくれるなら何もしませんけど。
          ……俺に用とか、ないですよね?」

    ズギュン

その傍らに『未来的なロボット』のような人型のスタンドを発現する。
スミノフの背中は痛む。だが苦無の一本、血は抜けたが、痛むが、命の火が消える事は無い。

571宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/08(月) 23:39:59
>>567
こちらは、硯と青年のスタンドのスペックを、どの程度確認できているだろうか。

572高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/08(月) 23:49:06
>>568

「ッ痛ェ……!」

 予想を上回る超高速、それでも一撃で済んだのは僥倖と捉えなければ。
 壁は既に倒れた。
 最早、手番を整えることすらも満足にいかない状況だ。

「……先輩」
「俺が窓を割ったら……猫を連れて、窓から飛び降りてください」
「着地はこっちに任せて……とは断言できねーけど」

「落下したら地面と先輩の身体の間に、『壊れたら大きな音がするもの』を挟んでください。
 その時間を止めれば……大怪我はしません。
 万が一、失敗しちまっても……ここは三階だ。このまま此処にいりゃ、下手すら命まで危ねェ」

 『静止』された物体は、『静止』の瞬間に限り、『抵抗』――――高度な弾性と強度を得る。
 高さ10mから落下しても、『抵抗』中の物体をクッションとして用いれば傷ひとつつかないというのは、過去に実践済みだ。
 それに、猫は高所からどんな姿勢で落下しても、傷ひとつなく着地するという。
 どこまで真実かは分からないが……彼らを窓から逃がすのは、手段の一つとして決して無謀ではない。

「俺は残ります。時間を稼ぐ」

 説明の時間すら、惜しい。今は、此方を信じてもらうしかない。
 手順は荒くとも、可能な限り省略する。

 先ずは、迫ってくる黒服の足音を一、二度ほど『静止』。
 その隙に、顔面を目掛けて鞄を投げつける(精C)。
 『静止』は一瞬だが、回避も防御もままならないだろう。此方に辿り着くまでの時間を稼ぐ。

 次いで窓ガラスを、高天原自身の素手で殴って叩き割る(破C)。
 叩き割ったら、『ガラスの飛び散る音』を対象に、高天原と『飛び散るガラス片』を『静止』。
 拳がガラスにぶつかった瞬間ではなく、割れたことを確認してから『静止』を発動する。

 『ウィーピング・ウィロウ』は高天原の傍で待機させ、万が一この状況で本体に届く攻撃があれば、それを防ぎたい。

573『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/08(月) 23:50:57
>>571(宗像・回答)
スピードに関してはほぼ正確に把握できているが、
パワーと精密動作性は何となく程度にしか分からない。

574スミノフ『デマーケイション』:2018/10/09(火) 02:16:37
>>570

「すまぇな。イラムシちゃん。俺の代わりにそんな風になっちまって」

「まぁ、痛みがなくなるんならそれで……」

言いかけて言葉が止まる。
車から出てきた男。
それをじっと見つめている。

「3人じゃねぇ。一人は怪我人だ。頭数に入れてくれんな」

「俺はお前に用はない。俺は喧嘩が好きだけど、無駄な喧嘩をするほど馬鹿でもない」

「したいけど」

したいけど、出来ない。

「ただ、俺も猫を狙ってる。だからどうにか出来ねぇかと思ってる」

「お前、どう思う」

とりあえず、時間を稼ごう

575宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/09(火) 20:55:16
>>573
回答感謝

>>567

意識の維持と体力の消耗を軽減する為、その場に座り込む。
また、飛ばしたライトの位置は目で確認する。
蹴られたり踏まれたりした訳ではないので発動が出来るとは思わないが、
念の為に試す。

『アヴィーチー』の左腕で傘の残骸を拾い上げ、投擲の構えを取る。
狙う方向は青年だが、まだ投げない。
硯と対峙している最中に別方向から攻撃が来る可能性を匂わせ、
プレッシャーを与える。
こちらにとって不利になる行動を取れば、そのまま投げるつもりでいる。
『猫』を持つ男や硯にも注意を払い、必要に応じて狙いを変える事を意識する。

「それから……あんたに『許可』を貰いたい……。
 俺の手で『カーバンクルを処分する許可』だ……」

「『アリーナ』の人間から指示を受けて手を下した……。
 そういう事にすれば……あんたの面目も立つだろう……」

「ただ……あんたが『許可』を出す出さないに関わらず……
 俺は『処分』を実行する……。
 俺としても不本意だが……状況が状況だ……」

「このまま『カーバンクル』を奪われて永遠に見失うよりは……
 その方が良い……。
 それは……あんたにも分かる筈だ……」



【※質問:各自の間の距離は、およそ何メートルだろうか?】

576宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/10(水) 19:32:49
>>575
スタンドは立たせておく。

577硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/11(木) 01:26:52
>>569


       「戦うしかない」

       「けれども退く」

       「これは一体」

       「どういう意図があるんだい」


ゆらぁ…

気恥ずかしさを隠す為に、
叩き込めなかったオーバードライブの腕を戻し、
腰元に手に添え考える仕草を見せる。


「行くと言えば退く、退くといえば行く。
 全く、本当に難しい。
 俺はどうすればいいんだい?」

嘆いていても足を止めるつもりはない。
無遠慮に青年のスタンドとの距離を詰める。

578『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/12(金) 00:03:30
【早見】
>>572(高天原)

「まッ…………窓からッ!? それに僕だけで」

        「……いや」

             「そうか」

「そうするしかなくて、そうしなきゃいけないなら、
 君をここに連れてきた僕は……そうするべきなんだろう。
 危機管理の判断をッ! ……君に任せたのは、あの時の僕だった」

       「……けど」

「危険な事に巻き込んだ僕が、
 力づくで止める勇気がない僕が、
 こんなことを言うのは卑怯だろうけど」

       ダッ

                「……打ち上げの約束はしたからなッ」 

      「ミャゥッ」

猫を離さないよう、強く抱きしめて早見は窓へと向かう。     
それを追う『黒服』は高天原の能力で断続的な静止を浴びせられ、

                 バシン!

「おごっ……!」

更には静止中に顔面にまともにカバンの直撃を受けてよろめく。
まともに距離を埋められはしない。

       「戦うしかない」

       「けれども退く」

       「これは一体」

       「どういう意図があるんだい」

「行くと言えば退く、退くといえば行く。
 全く、本当に難しい。
 俺はどうすればいいんだい?」

硯は距離を詰めてくる段階で、今この瞬間は攻撃はしてこない。
スタンドは腰元に手を添えており、殴るとか投げるとかの構えもない。

唯一の懸念材料があるとすれば、

               スゥッ


満身創痍、今にも崩れそうな身で、『傘の残骸』を構える作業服の男。
本体は立ち上がろうとしていないどころか座り込んだが、スタンドは立っている。
投擲の構えだ。高天原か、早見か、硯か――――こちら側にいる誰かを狙っている。

   ヒュンッ

                 ガシャ『ァアアアア ア
                              ア

                                  ア』
素手の渾身の一撃はガラスをたたき割り、高天原諸共破片を静止させる。
窓を取り払った事でよく見える下の風景――――『3人』立っている。
そして『3人』倒れている。どういう人物かまでは分からないが、そういう様相だ。

立っている3人の内、スーツを着たホスト風の男が『ビル』の入り口に向かっている。

579『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/12(金) 00:03:40
【フリー】
>>574(スミノフ)

「死ななきゃ安い、とは言いませんがァ……払えるだけマシです」

イラムシの返答に余裕はないが、
彼もまた、問題なく生きてはいる。
命を賭したならば悪くないのかもしれない。

「スタンド使いは『再起不能』までは侮らない。
 追い打ちは趣味じゃあないんですけど、
 趣味じゃなくて仕事なんですよね、コレって」

              スタ

          スタ

「――っと、撃っても無駄です。俺のスタンドは銃弾より速い」

            「もう狙撃手の間合いじゃあない」

見つめるスミノフに対し、吾妻はただビルの方へ歩を進める。

「どうですかね。猫を狙ってる理由によるんじゃないですか?
 あなたが『猫そのものが欲しい』なら譲歩の余地はなし。
 アリーナは最低限、これ以上の猫騒動を起こさないようにしたい」

「身元も腕も分からないスタンド使いには任せられないんです。
 ましてどこかに売り払っちまおうなんて話なら、なおさらね!」

その声色にはわずかに私情も感じられたが、少なくともこの場に一人で現れた男。
厄介にもつれた勢力図に置いて、アリーナの公式見解はこれだと考えていいはずだ。

「…………事態が事態だ、『収束』させられるなら、
 それに越したことはないですからね。良いですよ。
 というか、この状況で『ダメ』とは言えないでしょ!」

        「『確保』は理想解、ソレはまあ、赤点回避には十分です」

そして、彼は手にする電話に対してそのように答え――――


                 ガシャ『ァアアアア ア
                              ア

                                  ア』

        ――――その瞬間、『上方向』から何かが割れるような音が聞こえた。

580『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/12(金) 00:03:50
【音仙】
>>575-576(宗像)


       ダッ

                「……打ち上げの約束はしたからなッ」 

      「ミャゥッ」

まず、公務員風の男は青年と何か二、三言葉を交わし、窓際に向かう。
猫を抱く腕には熱がこもっており、逃がさないという意志を感じる。
ライトの位置は確認できたが、投げ当てたのは宗像であり、『発動』は出来ない。

                 バシン!

「おごっ……!」

肝心の黒服は近寄ろうとする動きをコマ送りのように『静止』され、
更には青年が投じたカバンをガードできずに顔面で受けてしまっている。
彼と『公務員風』の距離は縮まる様子がない。今現在で、『4.5m』ほど。
宗像と『公務員風』に関しても、これはおおむね変わりない。


      ヒュッ

                 ガシャ『ァアアアア ア
                              ア

                                  ア』


そしてスタンド使いの青年は窓際に近付き、窓ガラスを素手で叩き割る(>>560左から三番目の窓)
当然手が無事で済むわけはないが、渾身の一打は激しい音を立て――――割れたガラスが静止する。

彼との距離は、彼の側が動いた事で多少縮まっている。具体的には公務員風とほぼ同じ距離だ。
その奥で距離を詰めるように動く硯との距離は変動していくが、今のこの瞬間で言えば『10m』前後程度。

≪…………事態が事態だ、『収束』させられるなら、
 それに越したことはないですからね。良いですよ。
 というか、この状況で『ダメ』とは言えないでしょ!≫

        ≪『確保』は理想解、ソレはまあ、赤点回避には十分です≫

                          ――――『許可』は、降りている。

581『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/12(金) 00:04:47
【フリー】
>>577(硯)

スタンドの手を腰に添えさせ、距離を詰めていく。


                「……打ち上げの約束はしたからなッ」 

      「ミャゥッ」


まず、公務員風の男は青年と何か二、三言葉を交わし、窓際に向かう。
猫を抱く腕には熱がこもっており、逃がさないという意志を感じる。    
それを追う『黒服』は断続的な静止でいまいち距離を詰められておらず、

                 バシン!

「おごっ……!」

さらに、青年が投じたカバンを顔面に受けて怯んでいる。

翻弄するような戦いを見せる青年だったが、ここで大きな動きに出た。
公務員風の男が近づいていくのと同じように、いやそれに併せるように、
距離を詰める硯からはやや離れるように窓際に近付き、窓ガラスを素手で叩き割る(>>560左から三番目の窓)

      ヒュッ

                 ガシャ『ァアアアア ア
                              ア

                                  ア』



激しい音は即座に間延びし――――飛散するはずのガラス片を、空中に『静止』させて縫い留めている。

       スゥ…

その奥では座り込みスタンドだけを立たせた宗像が、傘の残骸を投擲するように構えている。
その矛先は当然青年――――だけとは思えない。公務員風や、こちらをも牽制するかのような視線。

                                       ――――この状況、硯はどうすればいい?

582宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/12(金) 01:11:16
>>580
五十嵐の死体は近くにあると考えていいだろうか?

583『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/12(金) 01:15:28
>>582(宗像・回答)
胴体を『アヴィーチー』で貫かれて斃れた五十嵐は、すぐ前方。
(移動を見落としているなら申し訳ないが、1m程の距離から特に変化はない)

584宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/12(金) 17:52:39
>>583
回答感謝。
また、ライトの位置を教えていただきたい。
黒服と近いだろうか。

585『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/12(金) 23:36:46
>>584(宗像)
先ほどまで公務員風の男がいた位置付近にある。
黒服はそこまで距離を詰められていないが、
それなりに近い。具体的な距離として『約2〜3m』圏内。

586宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/13(土) 00:02:39
>>585
回答感謝。
2〜3mというのは、黒服の前方2〜3mと考えていいだろうか?

587『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/13(土) 00:09:53
>>586(宗像・回答)
その認識で問題ない。

588宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/13(土) 17:37:20
>>587
回答感謝。
こちらと硯の距離は10mで、こちらと青年および男との距離は5m程度と考えていいだろうか?

589スミノフ『デマーケイション』:2018/10/13(土) 22:50:07
>>579

「ま、いいや。そういう気なら」

「こっちもそういう気でやる」

特に追いかける気は無い。
いまこの男と喧嘩をすると消耗が激しくなるだろう。

「マナビちゃん撃ってくれ。弾数が気になるなら撃たなくていいけど」

マナビが撃つのを待ってる間に上を確認する。
撃たれ終わったらビルに向かって走り込む。

590高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』』:2018/10/14(日) 04:20:10
>>581

 早見の言葉には答えない。
 『静止』をしている間は、言葉を発することも出来ない。
 やると決めたことを、ただやるだけだ。

 空中で『静止』させた、宙に浮かぶガラスの破片。
 そのうち、まず一つを距離を詰めて来ている『仮面の男』の顔を狙って投擲(パス精CCB)。
 次いで、大きな破片から手当たり次第に『留め直す』(パス精CCB)。

 殴ったことで無作為に飛び散るだけだった『破片』を、方向を修正することで同時に襲う『飛礫』にする。
 ひとつと言わず、ふたつ、みっつ。音が続く限り、多くの破片を。
 方向は、距離を詰めて来ている『仮面の男』本人。
 低い精密動作性では、『スタンド』本体が弾くことは難しいだろう。
 また、先ほどのようにタイヤの『鎧』で防がれてしまわないように、『留め直し』た破片は狙いを分散させる。
 一か所をタイヤが防いでも、別の部位に当たるように、適当に散らす(精B)。

 ついでに、ガラスの破砕音というのは、大きく派手だ。
 音が大きく長く続き、『静止』の時間に余裕があれば、黒服と『作業服の男』に向けても、牽制でひとつずつ『破片』を『留め直す』。
 いずれも直撃すればそれでよし、そうでなくとも対処させることで『一手』を稼ぐ。

 次いで、『静止』が外れたら。
 自分自身を、早見と『ノコギリザメ腕のスタンド』の射線上に投げ出す。
 万が一投擲を早見が狙うことがあったとしても、身を挺して守りたい。
 『ウィーピング・ウィロウ』は、『装甲車のスタンド』に向けて身構えさせておく。

 早見が窓から飛び出したら、あとは着地の音に耳を澄ませる。
 可能であれば、彼が地面と自分の間に挟むことができるものについて、視認で確認しておきたい。

591『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/14(日) 15:54:59
>>588(宗像・回答)
硯は動いているので変動するが、概ねそのような理解でかまわない。

592宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/14(日) 17:28:37
>>591
回答感謝。
また、自分と黒服の距離はどの程度だろうか?

593硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/14(日) 22:11:16
>>581



「間延びする様な『音』。
 成程、感の鈍い俺でも流石に察したよ。
 それに、君が『停止』できるのが同時に一つまでだという事も」


          「だって」

「もし、同士に停止を行えるのならば、
 俺とこの『スタンド』が一緒に止まっていただろうからな。
 此処で『停止』はない。だから」

「『止まれ』」

もはや壁の『車輪』は『足止め』の意味をなさないだろう。
壁に設置した二つの『車輪』は解除しておく。
         


「そして『回れ』」

――この局面、今欲しいのは『精密動作性』だ。
山なりに投げたボールをキャッチャーミットに収める程度でいい。
確かに『オーバードライブ』の速度は非常に強力な『武器』だ。
だが、『精密さ』を手に入れる為に――
次の『攻撃』に繋げるためにその『武器』は一度捨てなければならない。

なので『オーバードライブ』の腰元に設置した小型の『キャスター』の『車輪』(>>577メルラン)を
緩やかな速度で『回転』させ(スC)――『安全運転』へと移行。
重ねたスタンドと共に青年の『スタンド』へと距離を詰め、
その勢いのまま青年のスタンド目掛け拳を振るう(パス精BCC)

594『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/14(日) 23:58:11
>>592(宗像・回答)
質問の確認が遅れて大変申し訳ない。
距離は現在『1〜2m』ほど。やや1m寄り。

595<削除>:<削除>
<削除>

596宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/15(月) 17:03:22
>>594
回答感謝

>>580

「……『援護』を頼めるか?
 今……敵の一人が窓を叩き割った。四階の窓だ……」

「恐らく……外からでも見えるだろう……。
 砕けたガラス片が空中で止まっているからな……。
 原理は分からんが……それが敵の能力だ……」

「その窓を狙える位置に移動してくれ……。
 難しいだろうが……やって欲しい事がある……。
 ……投げる物は用意してあるか?」

「広い範囲に散らばるような物なら都合が良い……。
 一掴みの『小銭』や『小石』辺りだ……。
 その方が幾らかは当たりやすくなるだろう……」

「俺が『どうするか』と言ったら……窓から室内に投げ込んで貰いたい……。
 あんたのスタンド――『インスタントチューンズ』は……
 少なくとも人並みの器用さは持っている……。
 簡単ではないだろうが……不可能ではない筈だ……」 

「最低でも……注意を引く程度の効果は見込める……。
 敵に当たれば更に良い……。
 俺が当たれば……さっき説明した『手筈』を決行する事も出来る……」

「投擲物は……両手に『一回分づつ』準備してくれ……。
 手数は多いに越した事は無い……。
 そちらの詳しい状況は分からないが……頼む……」

こちらの考えを吾妻に伝える。
続いて、視線は敵の方向に向けたまま黒服に対して口を開く。

「――あんたに言う事がある……。
 まず……『俺のライト』を拾え……。
 俺が『片目を閉じた』ら……その警棒をライトに叩き付けろ……」

「俺は『能力』を発動する……。そして、軌道は一直線だ……。
 ……『意図』は分かるな?」

「あんたと俺を繋ぐ直線上に……あの『停止の男』を挟み込む……。
 当然……あんたに当たる前に解除するが……
 万一の時には避ける事も頭に入れておけ……。
 標的を変更する必要が出た場合は……状況に応じて視線で合図する……」

「俺の方からも……都合の良い位置になるように動くつもりだ……。
 あんたも可能な限り合わせてくれ……。
 最も理想的な位置は敵の背後だが……
 それが無理だと判断したなら……直線上であれば構わない……」

「恐らく……チャンスは少ないだろう……。
 だが……俺が深手を負っている以上……
 使える物は何でも使わなければならない……。……頼むぞ」

青年や男に聞かれないように、小声で黒服に告げる。
それでも聞かれそうなら、黒服を多少後ろに下がらせる。
そして、再び全ての意識を敵に向ける。

「今ここで俺の命が尽きたとしても……引き受けた『仕事』は成し遂げる……」

「何があろうと……必ず遂行する……」

「その為には手段を問わない……。使える物は全て使う……」

投擲はしない。この場に存在する『別の物』を利用する。

「それが『残骸』だろうが……」

「――『死体』であろうが……!!」

この手で殺した『五十嵐の死体』に『アヴィーチー』の蹴りを叩き込んで、
青年に向けて蹴り飛ばす(破ス精BCC)
本体は四肢の力で床を転がり、可能な限り青年に接近する。

597『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/15(月) 22:53:25
【フリー】
>>589(スミノフ)

『ァ』
      『ァ』

         「……ガラス?」

               『ァ…』

かなり見え辛いが、ガラスが割れたらしい。
破片が降ってくるような様子はないが、
砕ける音が奇妙に間延びして聞こえてくる。

「簡単じゃない事を……簡単そうに言ってくれますね!
 そこ、4階でしょ! 『インスタントチューン』が下から、
 石を投げ込んでも入る保証はないし、邪魔されれば尚更!
 つまり狙うために移動しろってのはこのビルから離れて、
 例えば向かいのビルにでも行けと――――そういう事になる」

「それ、そこの黒服もですけど、あんたを見捨てる事にもなるでしょ?」

            「悪いけど、飲めませんね、それ!」

「とはいえ駆け上がって茶間に合わないのは間違いない。
 ――――『窓付近のやつらを怯ませたい』なら手はあります。
 中に投げたモノが入る可能性は万に一つもなくなりますけど、
 ここから室内を攻撃してくれっていうのは、流石に無茶すぎですから!」

これは電話口に向けての言葉だ。吾妻は電話に気を取られ、
というより通話内容による必然性でビルに入れていない。
ただしスタンドはスミノフらの側に向いており、隙は無い。
脚を止め、ビルの上階――――ガラスを見続けている。

「………………分かったわ。ただ、気を付けて。
 痛みが消えるということは限度が消えるということ。
 痛みに気付けないということは命取りにもなるから」

         グリ
              ビスッ

銃口の押し付けられた所にほんの一瞬、
針が刺さるような感覚があったがすぐ消えた。

「…………私はここでイラムシを見ているわ。
 窓ガラスが割れたのが『人為的』なことなら、
 そこから『猫』が逃げて来るのもあり得なくはないもの」

           「猫は高所からの落下に強いのよ」

背中の痛みも嘘のように消えて行く。
失血に由来する不快な冷たさまでは消えてくれないが、
これならば最低限『死』を予感する事はできるだろう。

ガラスの粉砕をどう見るかはスミノフ次第だが、ビルに駆け込むなら止める者はいない。
今はもう硝子の音は止んでいる。上を見ている者は、吾妻とマナビのみ――――

        「 あっ 」
                    「 え っ 」

               その二人が、虚を突かれたような声を絞り出した。

598『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/15(月) 22:54:27
【早見】
>>590(高天原)

「間延びする様な『音』。
 成程、感の鈍い俺でも流石に察したよ。
 それに、君が『停止』できるのが同時に一つまでだという事も」


          「だって」

「もし、同士に停止を行えるのならば、
 俺とこの『スタンド』が一緒に止まっていただろうからな。
 此処で『停止』はない。だから」

言葉は発さず、やるべきことをただ、やる。

「『止まれ』」


「そして『回れ』」

その間に一歩ずつ、『仮面の男』硯が歩を進めてくる。距離を詰めてくる。
彼と重なったスタンドの腰にはタイヤが設置され、回転を見せている。
回転速度は緩やかだ。その意図は不明。廊下の壁のタイヤは、いつの間にか消えている。

           ヒュッ

完全に距離を詰められるより速く、投擲。これの対処を強いる事が出来る。
距離を詰め切られるとすればそのあとだろう。当然、それだけではない。

  ス
 
     ス
            ス

  ス

      ス

高度な精度を武器に、流れるように『留め直し』を行う。
対処を強いる事は出来るはずだ。あの精度ならば間違いなく。
残念ながら黒服や作業服にまで留め直しの矛先を向ける余裕はない。

                  『ァ』

                        『ァ』

音はもうじき、止むだろうから。

と、その時だ!

「今ここで俺の命が尽きたとしても……引き受けた『仕事』は成し遂げる……」

「何があろうと……必ず遂行する……」

「その為には手段は問わない……。使える物は全て使う……」

「それが『残骸』だろうが……」

     ド

            コォォッ

「――『死体』であろうが……!!」

  ゴ
        ロッ ・・・

決意に満ちた表情の宗像が、満身創痍の身体で高天原に向け転がりつつ、
スタンドの蹴りで『五十嵐』の身体をこちらへ蹴り飛ばす! ただし勢いは弱い。
重すぎる負傷がスタンドのパワーをも削っているのだ(パス精CCC相当)
このままでは足元、ひざ下あたりに激突するだろう。ついに『挟まれた』形だ。

          ダッ

                 バ
                    ッ

そして今――――フリーになった早見が意を決した表情で、ガラス片に掠めながら、割れた窓から身を乗り出そうと動く。

599『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/15(月) 22:55:46

【フリー】
>>592(硯)

腰に設置したタイヤは――――『RXオーバードライブ』の『もう一つの側面』。
超高速で荒れ狂う暴威ではなく、事故を未然に防ぎ目的を果たす『安全運転』の面を示す。

           ヒュッ

そして――――距離を詰め切るよりも早く敵のスタンドが『事故』を巻き起こす。
ガラスの破片のうち一つをこちらの顔面に向けて投擲してきた。比較的大きい破片だ。

  ス
 
     ス
            ス

  ス

      ス

さらに無数の破片の位置、向きを手早く留め直している。無言、雑念のない完全な集中。本体はピクリとも動かない。
静止時間が終われば、あの破片は全てこちらに向けて飛来するのだろう。恐るべき攻撃だ。だが距離は詰められる。

そのためには、今、顔面に向けて投じられた一つをどうにかする必要がある。幸か不幸か、対処できる速度だから(スC)

                  『ァ』

                        『ァ』

                            ・・・破砕音も、もうじき止むだろう。

と、その時だ!

「今ここで俺の命が尽きたとしても……引き受けた『仕事』は成し遂げる……」

「何があろうと……必ず遂行する……」

「その為には手段は問わない……。使える物は全て使う……」

「それが『残骸』だろうが……」

     ド

            コォォッ

「――『死体』であろうが……!!」

  ゴ
        ロッ ・・・

決意に満ちた表情の宗像が、満身創痍の身体で青年に向け転がりつつ、
スタンドの蹴りで『五十嵐』の身体を蹴り飛ばす! ただし勢いは弱い。
重すぎる負傷がスタンドのパワーをも削っているのだ(パス精CCC相当)
当たるとしても足元、なおかつ致命傷にはならないが、『挟み撃ち』になり得る。

          ダッ

                 バ
                    ッ

そして今――――猫を抱えた『公務員風の男』が意を決した表情で、ガラス片に掠めながら、割れた窓から身を乗り出そうとしている。

600『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/15(月) 22:57:27
【音仙】
>>593(宗像)

≪簡単じゃない事を……簡単そうに言ってくれますね!
 そこ、4階でしょ! 『インスタントチューン』が下から、
 石を投げ込んでも入る保証はないし、邪魔されれば尚更!
 つまり狙うために移動しろってのはこのビルから離れて、
 例えば向かいのビルにでも行けと――――そういう事になる≫

≪それ、そこの黒服もですけど、あんたを見捨てる事にもなるでしょ≫

            ≪悪いけど、飲めませんね、それ!≫

援護の申し出には、熱こそ籠っているが『否定』が返って来た。
地上から石を投げ込むのはまず、そうそう簡単ではないだろう。
上に投げるのは単純な距離ではなく『角度』の問題もある。
それが効果を生むという保証も無い。吾妻の乗る理由が薄い。
どうやら吾妻の近くにもスタンド使いがいるようだし、なおさらだ。

≪とはいえ駆け込んでちゃ間に合わないのは間違いない。
 ――――『窓付近のやつらを怯ませたい』なら手はあります。
 中に投げたモノが入る可能性は万に一つもなくなりますけど、
 ここから室内を攻撃してくれっていうのは、流石に無茶すぎですね!
 それでいいなら、合図はそれでいい。それを聴いたら、即やります≫

だが、彼なりの作戦はあるようだ。
それを飲むか、それともあくまで自分の策を貫くか。
どちらにせよ合図をして何も起こらないという事は無い。

「わッ……わかった。普通に攻めても俺じゃあいつらを止められない」

顔に当たったカバンを払いのけ、黒服は小声で返す。彼は指示を受け入れる。

           「だが、いいか、死ぬのを作戦に織り込むなよ。
             『アリーナ』は民間人のソレを認められない!」

    バッ

黒服は誰にも止められず、『ライト』を確保する。
現在『停止の男』はスタンドで『割れた窓ガラス』を硯に向けて投擲した上で、
停止中の他の破片群をスタンドの手で空中に並べ直す、奇妙な動きを見せている。

硯はスタンドを自らに重ね、腰に設置したタイヤを緩やかに回転させている。
彼が壁に設置したタイヤは、いつの間にか解除されている。もはや不要という事か。

                  『ァ』

                        『ァ』

奇妙に間延びするガラスの破砕音の中、宗像は。

     ド

            コォォッ

斃れた敵の身体をスタンドで蹴り飛ばす。だが、だが……今一つ『飛ばない』!
人体を『5m』蹴り飛ばす程度、普段の『アヴィーチー』なら余裕のはずだ。
やはり消耗が激しい。だが背中の傷は脚に直接影響しないがゆえ、問題無く蹴れはした。
だがこれは、蹴り転がすような――――あまり勢いのない軌道で飛んでいく(パス精CCC相応)

  ゴ
        ロッ ・・・

そして転がる動きは激痛を招き、2mほど近づけこそしたが崩れ落ちそうな感覚すら感じる。
まだ動ける。だが、スタンドの全力攻撃に合わせ激しく動き回るのはかなり、危険域に入る感がある。

          ――――そして。


          ダッ

                 バ
                    ッ

そして今――――猫を抱えた『公務員風の男』が意を決した表情で、ガラス片に掠めながら、割れた窓から身を乗り出そうとしている。

601スミノフ『デマーケイション』:2018/10/15(月) 23:13:03
>>597

「ありがとうマナビちゃん。愛してるぜ……なんてなァ」

「そういうガラでもないか」

痛みに気付けない。
以前漫画で読んだことがある。
そしてそういう奴は大抵、蓄積していたダメージで負ける。
痛みに鈍感であることは、痛みに敏感であるよりも恐ろしい。

「……バカだねェ。俺もあんたも」

「喧嘩にならないからって、肩ぶつかった奴から目を簡単に逸らしちゃいけねぇんだよ」

跳躍。
ビルの壁に向かって飛ぶのだ、手はバンザイするように上に伸ばしておく。
そして、腕に『デマーケイション』を発動。
腕を前に振って指を壁に突き刺す(パス精ACD)
荒っぽいロッククライミングを開始する。

「ははァ……」

あの男は上を向いている。
だから何か物を拾えば自分を攻撃出来るだろう。
だがそれにスタンドを使えば、当然後方からマナビの攻撃を受ける可能性を背負わないといけない。
本体の投擲なら攻撃ならコントロールに気を付けてしまうと、必然的に投げるための力が弱くなる。
精密性故に、威力を弱めなければならない。
まさかクナイを持っているわけでもあるまい。
だったら、耐えられるはずだ。
怖くないはずだ。

「じゃあ、多少の無理をさせてもらうか……」

602宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/16(火) 00:49:57
>>600
現在の全員の位置関係と大体の距離を教えていただきたい。

603『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/16(火) 01:42:14
>>602(宗像・回答)

  窓    窓     窓     窓    窓    窓
□□□□□□□□□高早□黒□□□□□□□□□□□
□□□□□□硯□□□□五□宗□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□ア□□□□□□□□□
□□□■■■扉■■■扉■■■扉■■■扉■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

大体このような位置関係である。
現在硯と停止の男(高天原)は3mほど。
宗像と停止の男は3m弱。
宗像と硯は5〜6mほど。
宗像と黒服は0.5〜1mほど。
地図上で表現出来ないのだが高天原と公務員風(早見)は似たような位置で、
宗像の攻撃の射線を公務員風が阻むわけではない。
同様に、地図上で微妙な位置の五十嵐の身体も真っ直ぐ飛んで当たる軌道。

なお先述したが距離は『正しい数字を理解している者が有利』ではなく『参考』程度。

604高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』』:2018/10/16(火) 21:32:25
>>598

「――――!!」

 高天原自身の『静止』が外れたら、身を屈め、転がってくる『五十嵐』を身体で受け止めたい。
 相手にとっては投擲の手段でも、こちらにとっては顔を知ったる相手だ。
 近付いてきたら、可能であれば、まだ息があるかを確認する。

「アンタ……もう満身創痍だってーのによォ……
 倒れても前のめりに、地を這ってでも進み続ける『執念』!
 ほっときゃあ死んじまうかもしれねーのに、つくづくおっかねェ。
 獣は『手負い』ほど恐ろしいっつーけど、アンタが正しく『それ』だな……」

 『作業服の男』。
 この男が十全で盤面に残っていたならば、万に一つの逃げ目もなかっただろう。

 それでも、『静止』を使って避けるようなことは出来ない。
 受け身でも、劣勢でも。この瞬間だけは、早見の着地のために、空けておかなければならない。

 高天原は窓を背にして、『ウィーピング・ウィロウ』は五十嵐の身体を担ぎ上げる。
 ガラスを殴り割ったのならば、周囲にはガラスの破片が飛び散っているだろう。
 『五十嵐』を受け止めるために屈んだ際に、そのうちのひとつを拾い上げておき、『黒服』に向けて投擲する(ス精CC)。
 『仮面の男』には、既に『二手』打ってある。その全てを無効化して突撃してこない限り、対応させる時間と距離は稼げるはずだ。

 そして、早見が窓から落下し、地面にぶつかる音が聞こえたら……その音を『静止』する。
 身体と地面の間にものを挟んでいるのなら、それが壊れる音。
 或いは、よしんば何もなくとも、足から着地すれば『靴』、体ならば『スーツ』が先に触れるはずだ。

 すなわち、音の発生する接点は、厳密には早見自身ではなく、『地面』と『地面に触れたもの』となる。
 よって、早見自身は『静止』の対象から除外。
 『地面』と『地面に触れたもの』のみを『静止』させ、強度と弾性―――『抵抗』を発動させ、早見を落下のダメージから守りたい。

605宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/16(火) 23:59:55
>>603
回答感謝。
距離に関しては、こちらも参考程度の認識だった。
聞いておいた方がイメージしやすいので質問させていただいた次第。
手間を掛けさせて申し訳ない。

恐縮だが、もう一つ質問させていただきたい。
停止したガラス片は、概ね窓がある高さと同じ高さに浮かんでいる状態と考えていいだろうか?

606『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/17(水) 01:57:34
>>605(宗像)
>停止したガラス片は、概ね窓がある高さと同じ高さに浮かんでいる状態と考えていいだろうか?

概ねその認識で間違いない。その高度から大きく外れるものは無い。

607硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/18(木) 22:55:50
>>599

   

    「降り注ぐガラスを、
     撃ち落とすワークだな」


「猫さんを抱えてそこから逃げるっていうのか。
 いいだろう。今の俺にはどうしようもできない。
 連れていくといい。
 外に控えてる『スミノフさん』達が、
 きっとどうにかしてくれると信じている。
 なあ、そこで倒れて虎視眈々と『逆転』を狙うサメの君もそう思うだろ?」


今の『オーバードライブ』ならばガラスの破片程度、
『力押し』せずに処理する事ができる。
迫るガラスの破片は開いている手で普通に弾いて回避したい。
そして変わらずに距離を詰め、
青年あるいはその『スタンド』を『射程距離』へと捕え――


   「だから俺は君を殴ろうと思うんだ」

青年あるいはそのスタンドのうち、
距離が近い方を『オーバードライブ』の拳で殴りたい。
(青年とスタンドがほぼ重なる形になっているのならばスタンドを優先する)

608宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/18(木) 23:44:47
>>606
回答感謝

>>600

パワーの低下は痛手だが、まだ人間以下にまでは落ちていない。
そう考えれば、まだマシな状態とも呼べるだろう。
『人間』を殺すのは難しくなったが、『猫』を殺す事に支障は無い。

「――良いだろう……。乗ってやる……」

元々こちらの提案は、吾妻に考えがなかった場合の苦肉の策だった。
奴に考えがあるというなら、そちらを選ばない理由は無い。

(まさか――いや、今の状況を考えれば……)

『猫』を抱えた男は、窓の外に身を乗り出している。
ただ外の様子を確認するだけなら、身を乗り出す必要は無い。
目立つ行動をすれば、他の敵対者に見つかる恐れもある。
その危険を冒してまで、わざわざ身を乗り出す理由があるとすれば――。

「連中が動くとすれば……ガラスの停止が解けた直後だ……。
 恐らくだが……奴らは脱出するつもりでいる……」

奴らを追っていた時、俺は小刻みに動きを止められた。
あれを応用すれば、重力を無視するような落ち方も可能かもしれない。
それによって衝撃を緩和し、大きな怪我を負う事なく着地出来るとすれば、
何としても阻止する必要がある。

「敵の能力なら……それが出来る可能性がある……。
 いずれにしても……窓からは決して目を離すな……」

『猫』を握っている男は一般人だ。
スタンドを持たない人間だけを、
スタンド使い達の真っ只中へ行かせる筈はない。
無論、『停止の男』も同行するだろう。

「……当然だ。俺は『まだ』死ぬ気は無い」

俺が死ぬとすれば、目的を果たした後でなければならない。
だから、今すぐにくたばる気は無い。

「もはや一刻の猶予も無い……。
 一秒でも早く奴らの向こう側へ回り込め……」

硯に投擲したガラスは、並び替えが終わるまでの時間稼ぎと見て間違い無い。
そして、あの並び替えは別の目的を達成する為の時間稼ぎだろう。
そうなると、ガラス片の並び替えは敵の動きを阻むものだと考えるべきだ。

「ガラス片の手前に来たら……姿勢を低くして床を滑り抜けろ……。
 絶対にガラス片の前を走り抜けるな……。嫌な予感がする……」

「その後は……床を転がってでも『位置』に着け……。
 一瞬たりとも無駄には出来ない……。今すぐ……全力で走れ……」

黒服に移動を指示する。
向かわせる位置は、二人組の奥(マップ上で見て二人の左側)だ。
自分は、傘の芯棒を杖のようにして立ち上がり、
右斜め前方(マップ上で黒服の現在地)に歩きたい。

「――さっきまで……俺は、そいつの首を折るつもりだった……」

男の腕の中にいる『カーバンクル』を一瞥する。
邪魔が入る前に終わらせたかったという理由もあるが、
そうした方が長く苦しませずに済むからだ。

「だが……それは中止する……」

『殺すのを止める』という意味ではない。
パワーの低下した状態を考慮し、別の方法を検討するという意味だ。
幸い、道具は持ち合わせている。
より長い苦しみを与える事になるが――。

「代わりに――『ノコギリ』で首を掻き切る事にしよう……」

俺が切れるカードは残り少ない。
重要なのは『順番』と『タイミング』だ。
それを間違えた時点で、この『仕事』の『失敗』は、ほぼ確定するだろう。
硯も、何かしらの行動を起こす筈だ。
目的を果たす為には、硯の動きも利用しなければならない。
黒服と硯と二人組――それら全員の動きに可能な限り気を配る。

609『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/19(金) 15:26:42
【フリー】
>>601(スミノフ)

「そうね、悪い気はしないかもしれないわね。
 貴方こそそういうのはガラじゃなさそうに見えるわ」

          バッ

               ブォ
                 オ

      ガゴォッ!!

指先が壁をえぐり、力強くグリップする。
壁を上る事は出来る。筋肉の痛みや軋みは感じない。
本当はあるのかもしれない。だが、動けなくなるまでは無い。

「逸らしちゃいませんよ! ばっちり視界に収めてますし、
 妙な事したらちゃんと『キメ』る準備はありますよ。それよ」

                「り、っと」

吾妻は即座にスタンドの蹴りで足元の瓦礫を宙に浮かせ、掴み取る。
激しい闘争はそういった飛散物をいくらか生んでおり、
位置取りを制限されていない吾妻はその近くに位置取れていた。

彼は引き続き、電話口を口元に寄せる。

「分かりました。俺はやっぱここにいた方がいいらしいですね!
 それと、お姉さん。くれぐれも邪魔しないでくださいね……!
 猫がどーとかじゃなくて、人間の命、かかってますからねコレ!」

         「…………邪魔が出来るとも思っていないわ」

吾妻は上を向いている。マナビもだ。
彼らに見えている物がそのやり取りを生む。
スミノフも上を見て登るだろう。


「…………うおぉっ!!??!?」

           「なっ」

                  「壁を登ってッ!」

  ≪ハピピッ≫

だから見える。4階の窓から、ネコを抱えて身を乗り出す――――男。
その傍らに浮遊する謎めいた『デッサンが狂った人面の蝶』のスタンド。
スミノフを見て驚愕の表情で、脚を止めた。動こうとしていたのだ。窓際から。

「『インスタントチューンズ』」

「いつでも準備は出来てますよ! 好きなタイミングでどうぞ!」

               グググッ

「ビビって中に戻ってくれるか、ネコだけ手放してくれれば、
 儲けもんなんですが――――そう上手くはいかない、か?」

下では、吾妻が構えている。投擲の構えだ。弓を引くような。

「――――落ちて来てくれれば、円満に全部解決なんですけどね!」

                 ニカッ

笑みが想像できるほど明るく、吾妻は恐ろしい事を言っている。
少なくとも今は動いていない――――電話の向こうの『合図』を待つのか?

610『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/19(金) 15:26:53


【早見】
>>604(高天原)

     ドッ

           ドカッ・・・!

仮にも人間を吹き飛ばすに十分な威力が乗った『人体』を、
そうやすやすと受け止められはしない。屈んだ高天原は姿勢を崩し、
尻餅を突くような形で後ろに押される。腕に奇妙な共闘者の重み。

    ド

          ロォォオッ

そして大量の血糊。
息は――――極めてよく、近くで観察しなければ分からないレベルだが、
即死はしていなかった。だが、この重傷。この戦況。もう、直に『止まる』。
それを為した作業服の男は、満身創痍の身体を押して今黒服がいた辺りへ動く。

              「うおぉっ!?」

その黒服は何か指示を受けたらしく動こうとしていたが、高天原の投げた硝子片に牽制される。
すぐに動きを再開はしたが、大したダメージにならない投擲でも一般人の足を多少すくませるには十分。
次の瞬間に何かが出来る位置にまでは駆け込めないだろう。勿論敵の策次第ではあるが。

「――さっきまで……俺は、そいつの首を折るつもりだった……」

「だが……それは中止する……」

「代わりに――『ノコギリ』で首を掻き切る事にしよう……」

ともかく位置取りを変える作業服の視線の先には、ネコと早見。その二人が今、窓から外へと――――

「…………うおぉっ!!??!?」

           「なっ」


      ガゴォッ!!

                  「壁を登ってッ!」
  ≪ハピピッ≫

飛び出す直前、彼は高天原に状況を伝えるかのように外の状況を叫ぶ。謎めいた破砕音もある。
外で起きている何かは、中へ、そしてその境目の早見へ多大な影響を及ぼすまでに『近い』。

早見はそれでも今にも飛び出すだろう。だが、それにばかり構ってもいられない。

               ググッ

    「降り注ぐガラスを、
     撃ち落とすワークだな」


       パキィン!

               プス
           パキッ
     トスッ           パキン!

「猫さんを抱えてそこから逃げるっていうのか。
 いいだろう。今の俺にはどうしようもできない。
 連れていくといい。
 外に控えてる『スミノフさん』達が、
 きっとどうにかしてくれると信じている。
 なあ、そこで倒れて虎視眈々と『逆転』を狙うサメの君もそう思うだろ?」

辛うじて体勢を立て直し、五十嵐を担ぎ上げた高天原に――――『硯』が既に迫ってきている。
蹴られた五十嵐への対処、黒服への対処は、彼の硝子への対処と接近を終えさせるには十分な隙!
その体に硝子は幾つか刺さっているが、最も大きい顔狙いは綺麗に防がれてしまっている。
高天原にも見えていた――――敵のスタンドの動きは先ほどより遅いが、精度が『跳ねあがって』いる!?

   「だから俺は君を殴ろうと思うんだ」

                  ブォン!

その『人並みの速度』――――しかし剛力を感じさせる拳が、『ウィーピング・ウィロウ』に向けて振るわれる!(スC)

611『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/19(金) 15:27:05


【フリー】
>>607(硯)


最初の大きな一枚を皮切りに、空間に留められていた破片群もまた動く。
だが、『安全運転』の『RXオーバードライブ』なら互角の速度であり、
数発を腕や胴体に突き刺されつつも致命的な一撃は綺麗に殴り弾けた。
そもそも細かい破片であり、服を着ている胴体などは肉に刺さってもいない。

「アンタ……もう満身創痍だってーのによォ……
 倒れても前のめりに、地を這ってでも進み続ける『執念』!
 ほっときゃあ死んじまうかもしれねーのに、つくづくおっかねェ。
 獣は『手負い』ほど恐ろしいっつーけど、アンタが正しく『それ』だな……」

青年は今、動き出す黒服や、攻撃を仕掛けてきた作業服に注意を向けている。
だから硯は、硝子の弾幕以上には何もされずに十分に距離を詰められた。

「――さっきまで……俺は、そいつの首を折るつもりだった……」

「だが……それは中止する……」

「代わりに――『ノコギリ』で首を掻き切る事にしよう……」

窓から身を乗り出す男と猫に、宗像はそう宣言して位置取りを変えている。

              「うおぉっ!?」

黒服が何か指示を受けたらしく動こうとしているが、青年の投げた別の硝子片に牽制される。
すぐに動きを再開はしたが、大したダメージにならない投擲でも一般人の足を多少すくませるには十分。
その牽制、そして宗像の『死体蹴り』への対処のお陰で、硯は何もされず十分に距離を詰められた。

「…………うおぉっ!!??!?」

           「なっ」


      ガゴォッ!!

                  「壁を登ってッ!」

  ≪ハピピッ≫              
            
窓から身を乗り出す男が実況するように――――恐らく青年に伝えるように叫ぶが、
その脚はすでに乗り出すというより飛び出す姿勢に変わりつつある。硯も同じだ。
振り上げた拳は既に、青年のスタンドに『当たって壊す』ためのスイングの後半に達している。

青年はスタンドで『五十嵐』の身体を抱えており、対処するのは困難に見える。『何も無ければ』だが。

612『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/19(金) 15:27:26
【音仙】
>>608(宗像)

≪分かりました。俺はやっぱここにいた方がいいらしいですね!
 それと、お姉さん。くれぐれも邪魔しないでくださいね……!
 猫がどーとかじゃなくて、人間の命、かかってますからねコレ!≫

≪『インスタントチューンズ』≫

≪いつでも準備は出来てますよ! 好きなタイミングでどうぞ!≫

≪ビビって中に戻ってくれるか、ネコを手放してくれれば、
 儲けもんなんですが――――そう上手くはいかない、か?
 ――――落ちて来てくれれば、円満に全部解決なんですけどね!≫

吾妻からの返答は、近くにいるらしいだれかとの会話が混ざっている。
彼は既に動く準備をしているだろう。あるいは状況次第では独断でも動き得るか。
そして――――

「アンタ……もう満身創痍だってーのによォ……
 倒れても前のめりに、地を這ってでも進み続ける『執念』!
 ほっときゃあ死んじまうかもしれねーのに、つくづくおっかねェ。
 獣は『手負い』ほど恐ろしいっつーけど、アンタが正しく『それ』だな……」

五十嵐を屈んで受けとめ、地に落ちた硝子片を拾って黒服へと投じる。
破片の停止は音もなく終わった。空中に留められていたそれらは硯に殺到している。

    「降り注ぐガラスを、
     撃ち落とすワークだな」


       パキィン!

               プス
           パキッ
     トスッ           パキン!

しかし彼も己のスタンドでその多くを弾いており、距離は少しずつ埋まりつつある。

              「うおぉっ!?」

      サッ

ただ、スタンド使いではない黒服には単なる投擲も『やりづらい』牽制だ。
上手く指示通りに動けない。脚を止め続けるわけではなく再度駆けだしたが
彼は『人間』であり、『命の危険を鑑みずに突撃する』勇気はないらしい。

「猫さんを抱えてそこから逃げるっていうのか。
 いいだろう。今の俺にはどうしようもできない。
 連れていくといい。
 外に控えてる『スミノフさん』達が、
 きっとどうにかしてくれると信じている。
 なあ、そこで倒れて虎視眈々と『逆転』を狙うサメの君もそう思うだろ?」

だが、その投擲でまた――――硯が距離を十分に詰めるまでの猶予は生まれる。

「…………うおぉっ!!??!?」

           「なっ」


      ガゴォッ!!

                  「壁を登ってッ!」

  ≪ハピピッ≫

肝心の窓から逃げようとしているらしき男も、外の動きで対応が少し遅れている。
もっとももう今にも飛び出しそうだ――――『彼だけで外に行く』つもりだというのか?

   「だから俺は君を殴ろうと思うんだ」
 
                     ブォン!

ついに距離を詰め切った硯が――――『人並み』のスピードで、青年のスタンドに向けて拳を振るう!
停止のスタンドは五十嵐を担ぎ上げた状態であり、咄嗟の動きが出来るようには見えない。『追い詰めている』!

613宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/19(金) 23:30:15
>>612
現在、自分は立ち上がっている状態だろうか?
また、移動はできただろうか?

614高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/20(土) 00:18:56
>>610

質問です。

@『装甲車のスタンド』がガラスを弾いた際の精密動作性は、視認で把握できていますか?

@「辛うじて体勢を立て直し、五十嵐を担ぎ上げた高天原に――――『硯』が既に迫ってきている。」
上記の描写についてですが、>>604にて『ウィーピング・ウィロウ』が五十嵐を持ち上げる動作を行っています。
現在は、『ウィーピング・ウィロウ』が該当の動作を行っているという認識でよいでしょうか?

@「早見はそれでも今にも飛び出すだろう。」
上記の描写についてですが、まだ身体は館内に残っているという認識でよいですか?

615スミノフ『デマーケイション』:2018/10/20(土) 02:16:43
>>609

「あァ……こりゃあ確かに効いてる。ありがとう、いい麻酔ですってなァ!」

アドレナリンが出ている。
この男の脳は興奮状態だ。
何とも言えない万能感が身を包む。
本当はそんなことないのに。
自分の力を強く信じ続けている。

「登ってくるぜェ俺は」

(人面蝶って飛ぶ気満々か? 勘弁してくれ、そこは届かねェ)

「……いや」

届かせよう。
何とかしないといけないのだ。

「らァ!」

両手を下に動かす(パス精ACD)。
懸垂するかのように勢いをつけて、上に向かって体を発射する。
この時、手は指を突っ込んでいた場所から抜き、上に飛んでからもう一度指を壁に差す。

飛んでいる間に『狗の髑髏』を切り離す。
自分は常に当事者だが、喧嘩の相手が必要かもしれない。
その場合は倒れているシンエンか、今下にいる吾妻を指定してみよう。
出来なければ諦めよう。

『狗の髑髏』を切り離せれば窓際の男を弾ける。
下りれば投擲を食らいかねない。
だが出てきたということは戻る訳にはいかないのだろう。
あの人面蝶の力で飛べば、こちらも追いかけて弾きに行く。
空中での姿勢を崩して撃墜してやる。

(髑髏が外せればいいがな)

616『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/20(土) 15:25:23
>>613(宗像・回答)
立ち上がり、予定通り動けている。
描写漏れ申し訳ない。

617『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/20(土) 15:27:52
>>614(高天原・回答)
>@『装甲車のスタンド』がガラスを弾いた際の精密動作性は、視認で把握できていますか?

>>610より
>高天原にも見えていた――――敵のスタンドの動きは先ほどより遅いが、精度が『跳ねあがって』いる!?

精密動作性が「向上している」事は分かる。
ただし『ガラスを弾いて身を守る』動作に過度の精密動作性は不要であり、
硯側も特に精度を活かすような動きはしていないため、具体的に分かるのは『C(人並み)以上』という所まで。
(スピードと高度なパワー以外は、一度見ただけで直感的に把握するのは難しいと考えている)

>@「辛うじて体勢を立て直し、五十嵐を担ぎ上げた高天原に――――『硯』が既に迫ってきている。」
>上記の描写についてですが、>>604にて『ウィーピング・ウィロウ』が五十嵐を持ち上げる動作を行っています。
>現在は、『ウィーピング・ウィロウ』が該当の動作を行っているという認識でよいでしょうか?

これは語弊を招く表現、大変申し訳ない。
実際には『スタンドで』五十嵐を担ぎ上げた高天原と言うべきであり、
もちろん五十嵐を持ち上げているのは『ウィーピング・ウィロウ』である。

>@「早見はそれでも今にも飛び出すだろう。」
>上記の描写についてですが、まだ身体は館内に残っているという認識でよいですか?

まだ飛び出していないのでギリギリ残っているが、
窓から身を乗り出している状態で、もうすぐにでも落ちられる。
動きとしても既に外側に動き出しており、何もしなければ踏み止まる事はない。

618硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/21(日) 00:22:01
>>611

「――征彌さん、俺も『猫』を殺すのには賛同しかねるな。
 か弱い『動物』を殺して『お賃金』を得るのは『保健所』の人だけで良いし、
 人間を殺すのは『刑務官』だけで良いと思うんだ。
 
 この状況で言うのも非常に失礼だと思うんだが、
 猫と人を殺す『配管工』ってのは、
 ひょっとしてただの犯罪者じゃあないのかい?」


宗像の挙動は気になるが、間に青年が立っているこの状況で
硯に直接追撃するのは難しいと判断する。
此処はとりあえず目の前の『青年』に集中する。


      「なあ、どうする?」

「俺の『像』の『車輪』を止めるかい?
 君の能力ならば触れずに停止できるんだろう。
 それならばそれで『力押し』させてもらうが」

「君の『像』の両手は『五十嵐』さんで塞がっている。
 俺が君ならば『五十嵐』さんを投げて壁にして、
 この『像』と『五十嵐』さんとの間に『音』を発生させ俺を止める。
 最も君の『像』は俺のに比べてパワーが劣るし、
 そもそも『躯』を投げるなんて倫理的に絶対にやりたくない、がね…」



          ズギュン


殴打した瞬間、『青年』の『スタンド』に『車輪』を設置(>>592メル欄)ッ!
発現するのは『掴みやすく』『掌』程の大きさの『鉄』の『車輪』。


青年は知る由もないだろうが、硯研一郎は先程、
互いの攻防の最中に『スパイクタイヤ』を設置する奇襲を仕掛けたが、
青年の想定外の行動が挟まった結果、結局失敗に終わっている(>>520)。
その原因は明々白々――『オーバードライブ』の『精密動作性』の低さだ。


『あの時』の『オーバードライブ』は状況の変化に弱かった。
だが『今』の『オーバードライブ』はある程度の『対応力』を備えている。
こちらの『車輪』は『オーバードライブ』の拳が触れれば確実に、そして一瞬で設置される。
(また『車輪』と、その設置先との固定力は強固である筈だ)

そして、スタンドの表面に設置されるであろう『車輪』に『オーバードライブ』の指先を絡め、
引っ張り、青年のスタンドを引き寄せ、そのまま――



「これでもう、願えない」 


『オーバードライブ』の空いている逆の拳を、
『青年』の『スタンド』顔面目掛け叩き込むッ。

619『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/21(日) 00:39:54
>>618(硯・確認)
>殴打した瞬間、『青年』の『スタンド』に『車輪』を設置(>>592メル欄)ッ!
>発現するのは『掴みやすく』『掌』程の大きさの『鉄』の『車輪』。

>>611の描写に語弊がありそうなので確認。
>振り上げた拳は既に、青年のスタンドに『当たって壊す』ためのスイングの後半に達している。

この書き方だと殴打は既に命中しているように読める気がしたが、
実際にはまだ『命中する直前』であり、確実に命中するとは限らない。
(『スイングした拳が青年に到達するまで、後半分を切ってる』というつもりで書いたが、今見ると『既に当たって殴り抜けるところ』のように読めた)

誤解を招いていたなら大変申し訳ない。
これを踏まえてレス訂正をする事は、この誤解に関わる内容かどうかを問わず無制限に『許可』する。

620硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/21(日) 00:42:32
>>619
此方も未だ命中していないという認識でしたので、レスの変更はありません。

621『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/21(日) 00:55:33
>>620(硯・確認)
確認と回答に感謝。GMレスの完成までもうしばらくお待ちください。

622高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/21(日) 02:19:07
>>610

「―――先輩、ストップ!!」 「外から何か来てンスか……!?」

 声で足りるなら声で、可能なら服を引っ張って、窓の外に飛び出そうとする早見を一度制止する。
 前門の狼、後門の虎……加えて、第三の勢力。
 先ほどまでは、彼らは窓から離脱させるのがベストだったが……

 『壁を登ってくる』未知の第三者がいるとなれば、話は別だ。
 飛び降りた後、早見は『カーバンクル』を抱えながら第三者に対処しなければいけなくなってしまう。
 彼らを離脱させるのは、今じゃない。となれば、


                  『 ブ ォ ン ! 』


 『静止』というただの一枚だけの勝負札を、温存する必要もない。
 高天原自身は、『黒服』と『作業服の男』の行動や言葉に注意しつつ。


「……悪リィ、五十嵐さん」

 『ウィーピング・ウィロウ』は五十嵐の身体を担ぎ上げている。
 つまり、五十嵐の身体と『ウィーピング・ウィロウ』はほぼ同位置に存在している。
 相手の拳の『風切り音』を『静止』させ、一瞬の隙を稼ぐ。
 例え相手の速度が落ちていても、こちらは人一人を抱えたままだ。
 拳を防いだり、大きく避けるようなことは敵わないだろうが――――

「身体、『借りる』っス……!」

 僅かに姿勢をずらし、拳の軌道上、被弾する個所を変更することは可能だろう。
 抱えている『五十嵐』の身体の一部に拳が当たるように、姿勢をずらす。
 また可能であれば、万が一攻撃がフェイントである可能性も鑑みて、先程のように此方から拳に『当たりに』行きたい。

 『静止』が解除されれば、拳はその軌道のまま『五十嵐』を打つだろう。
 その肉を打ち、骨を砕く音を、再度『静止』する。
 時間を止める対象は、『装甲車のスタンド』と『五十嵐』自身。
 音の発生時点から『静止』を行い、音源を外せば、破壊は行われない。拳は五十嵐へのダメージ足り得ない。

 加えて。
 先程は想定した打撃音が小さく、また相手の手筋を見誤ったために、カウンターをし損ねた。
 同じ愚は犯さない。今度はすぐに攻撃に移れるように、『静止』後すぐに拳を構え、可能ならばそのまま放つ(パス精CCB)。



>「猫さんを抱えてそこから逃げるっていうのか。
> いいだろう。今の俺にはどうしようもできない。
> 連れていくといい。
> 外に控えてる『スミノフさん』達が、
> きっとどうにかしてくれると信じている。


   その、脈絡のない言葉で。

     ・・・
>   「だから俺は君を殴ろうと思うんだ」


  「……なるほどな、よーく分かったぜ。
   アンタが俺を殴るのに、『特に理由なんてない』ってことがよォ……!」


   自身も、吹っ切らねばなるまいと決意する。
   立ちはだかる男に拳を振るう理由など、後で幾らでも考えればいいのだ、と。

623高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/21(日) 02:19:34
>>617

624宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/21(日) 20:23:25
>>616
回答感謝。
あと二つお聞きしたい。
黒服の現在地は大体どの辺りだろうか?
また、自分と男までの距離はおよそどれくらいだろうか。

625『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/21(日) 23:14:20
>>624(宗像・回答)
マス目的にはほぼ変わっていない程度。
やや左側に進んでいる(妙な例えだが、半マス分程度)
宗像と男の距離は2.5〜3mほど。

626宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/22(月) 20:19:17
>>625
回答感謝

>>612

(壁――吾妻か……)

『猫』を抱えた男によると、一般人にも見える『何か』が壁を登ってきているらしい。
タイミングを考えれば、吾妻のスタンドが能力を使ったのだろう。
これが新手の敵だとすれば、状況的に吾妻が言わない筈がない。

「俺の命など……お前達の命に比べれば安いものだ……」

「だが俺は……引き受けた仕事は必ず成し遂げると誓っている……」

「目的を果たす前にくたばってしまっては……死んでも死に切れん……」

青年のスタンドは、五十嵐の死体を担ぎ上げた。
一切の感情を排除すれば、道具として利用する為だと考えるのが妥当だ。
もし俺が奴なら、盾か武器にするだろう。

奴の能力は、同時に一つの対象しか止められない。
まず男を逃がし、次に自分が脱出する気でいるのだろう。
そう考えたからこそ、硯は青年に殴り掛かっている。
ここで青年が外へ出られなければ、連中は分断されてしまう事になる。
外には、硯の仲間を含めた複数のスタンド使いがいる。
そいつらに襲われた場合、スタンドを持たない男だけでは抵抗できない。

(……『遅い』)

硯のスタンドは、圧倒的な超高速を誇っていた。
しかし、今はスピードが落ちている。
俺のように本体の負傷でスタンドの性能が低下している事は有り得ない。
つまり、意図的に速度を落としている。
何をするつもりかは分からないが、何かをやる気なのは確かだ。

現在、硯は停止の男に攻撃を仕掛けている。
停止の男は硯に攻撃を仕掛けられている。
黒服は停止の男に足止めを食らった。
猫を抱えた男は今にも飛び出そうとしている。

吾妻は、まだ待機させる。
黒服は移動を続行させる。
今は、俺自身が動く。

「いいや――俺は……そうは思わない……」

呼吸を整えながら、硯に途切れ途切れの言葉を返す。
決して『猫』を逃がす気は無い。

『アヴィーチー』の左腕に傘を持たせ、傘の先端を握らせる。
そして、本体は男に向けて跳躍を行う。
今の疲弊しきった状態でも、1m50cm程度は跳べる筈だ。
着地点から『アヴィーチー』だけを移動させ、更に1m前進する。
傘の全長は、少なくとも50cm以上はあるだろう。
『アヴィーチー』の射程距離に傘の長さを加えれば、1m50cmの距離が埋まる。
俺自身が1m50分の距離を縮める事が出来ていれば、合計で3mだ。

猫を抱える男の背後に近付き、その背中に傘を伸ばす。
フック状になっている傘の持ち手を、男の襟首に突っ込んで引っ掛ける。
傘をスタンドの両腕で掴み、力を込めて引っ張って窓から引き離す。

627『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/23(火) 17:34:44
【フリー】
>>615(スミノフ)

     グィッ

          ドッ!!!

懸垂のように体を跳ね上げ――――『上』へ。
あとは『犬の髑髏』を切り離すだけだが……
喧嘩の当事者には『吾妻』を指定する事が出来た。

          ガコッ

番犬は解放され、迎撃準備が整う。そこで予想外の事が起きた。

    ズッ

中から引っ張られるように、『飛び降り男』が引きずり込まれたのだ。
何か中で変化があったのか、『逃がさない』意味では嬉しい誤算だが、
捕えるとか、倒すとか、そういう視点では、まだ少し遠のく事になった。

                    ガズゥッ

再び壁に指を打ち込み、3階と4階の中間のあたりにしがみつく。
壁はボロボロ崩れ始めている。指は――――『痛くない』。

「ッ、中で何かあったか――――宗像さん!
 そっちにもう一人行く可能性があります。
 止めたいのはやまやまなんですが――――気は抜けない状況なんで」

         「…………」

              チャキ

               「『ペインキラー』。上を攻めながら銃撃を止めるのは、
                 貴方自身が『超人』でもなければ無理かもしれないわね」

スミノフの『壁登り』はおそらく吾妻にとっても『誤算』だ。
余裕を見せてはいたが、銃撃を止められるとしても……
本体が人間である以上、上に物を投げながら止められるわけではない。

「止められなかったら……オレもビルに乗り込みます。
 4階建てなら全力で行けば1分も経たずに着くはずです。
 ここからモノ投げてるだけじゃ、流石にどうしようもないんで!」

また、彼は『電話先の相手』とのやり取りにも気をもむ必要があり、
この現場に全力を注げているわけではない。あくまでそれは『現時点では』だが。

628『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/23(火) 17:35:27
【フリー】
>>618(硯)

「うわっ――――な、何か分からない!
 だけど登ってきている、壁を……指でッ!
 まるで『ロッククライミング』みたいにッ!!」

青年の手で窓から引き戻された男はそのように語る。

「いいや――俺は……そうは思わない……」

それが、先ほどの問いかけに対する宗像の端的な答えだった。

そして硯は先ほどの攻防から『学んでいる』――――

                  『 ブ ォ ン ! 』

気にも留めないような拳の風切り音を、敵の耳は捕えた。
間延びしたそれは打つ側の硯にも聞こえているが、
短い。そして儚い。停止時間もほぼなく、拳は再び動く。
そう、拳の風切り音など、長く響きも大きく響きもしない。
だからほんのわずかな遅延にしかならない。
しかしそのほんのわずかが、敵にとっては重要な時間。

    『 ゴッ 』

            ズギュン!

拳は確かに打った――――――――『五十嵐』の身体を!
ほんのわずかな静止の間に、姿勢を変えて被弾位置をズラして!

「……悪リィ、五十嵐さん」

流石にそれを見てから対応するのは精密性ではなく、
時間的猶予、意識の切り替えのレベルで『不可能』だが、
だがそれ以上に――――奇妙なのは『破壊』がない事。

「身体、『借りる』っス……!」

今の『オーバードライブ』の精密性なら本来と違う的をわざわざ全力で、
大きな音を立てて殴り抜ける必要はない。まさしく『対応力』だが、
その短い静止時間でもわかる。この『殴打』は五十嵐の身体を傷つけていない。

            ――――間延びしたごく短い打撃音が止む。
  グ

設置されたタイヤに、瞬時に『RXオーバードライブ』の指が絡む。
問題ない。このパワーならば身体ごとでも引っ張り込める。
そのまま、顔面へと渾身の一打を――――撃ち込むことも不可能ではない。
だが今度は『対応』出来る。ここから行動を変える余地は十分にある。

               ヒュッ   

  「……なるほどな、よーく分かったぜ。
   アンタが俺を殴るのに、『特に理由なんてない』ってことがよォ……!」

――――そして敵もまた、『学んでいる』。
敵のスタンドは『五十嵐』を担いだ状態ではあるが、静止時間を活かし、
拳を構え今にも『硯』の顔面を打とうと、既に動き出している!(スC)

そのすぐ傍では、もう一つの攻防も起きている。

「いいや――俺は……そうは思わない……」

                     ドッ ・・・

   「!? ぐっ、あがぁっ……!!」

跳躍から、スタンドに持たせた傘で猫を抱えた公務員風の男に強襲を仕掛けるも、
恐らく跳躍幅が足りず――――男の首を打ちつつも、廊下に崩れ落ちた宗像。

                 ドサッ

       「ニャウッ」

男は勢いに押されて廊下に倒れる。抱えていた猫が、その腕から今、零れようとしている――――!

629『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/23(火) 17:36:25
【早見】
>>622(高天原)


「俺の命など……お前達の命に比べれば安いものだ……」

「だが俺は……引き受けた仕事は必ず成し遂げると誓っている……」

「目的を果たす前にくたばってしまっては……死んでも死に切れん……」

それが作業服の答えだ。

            ズッ

「うわっ――――な、何か分からない!
 だけど登ってきている、壁を……指でッ!
 まるで『ロッククライミング』みたいにッ!!」

確実を期すためには服を引っ張る必要があった。
早見は外の異常事態を高天原にシンプルに伝える。
当然人間技ではない。『新手のスタンド使い』だろう。

「――征彌さん、俺も『猫』を殺すのには賛同しかねるな。
 か弱い『動物』を殺して『お賃金』を得るのは『保健所』の人だけで良いし、
 人間を殺すのは『刑務官』だけで良いと思うんだ。
 
 この状況で言うのも非常に失礼だと思うんだが、
 猫と人を殺す『配管工』ってのは、
 ひょっとしてただの犯罪者じゃあないのかい?」

硯は征彌――――作業服に、そう語りかける。
そして高天原にもまた、言葉をかけてくる。

      「なあ、どうする?」

「俺の『像』の『車輪』を止めるかい?
 君の能力ならば触れずに停止できるんだろう。
 それならばそれで『力押し』させてもらうが」

「君の『像』の両手は『五十嵐』さんで塞がっている。
 俺が君ならば『五十嵐』さんを投げて壁にして、
 この『像』と『五十嵐』さんとの間に『音』を発生させ俺を止める。
 最も君の『像』は俺のに比べてパワーが劣るし、
 そもそも『躯』を投げるなんて倫理的に絶対にやりたくない、がね…」


                  『 ブ ォ ン ! 』

拳の風切り音など、長く響きも大きく響きもしない。
だからほんのわずかな遅延にしかならない。しかし、
間に合う。姿勢をずらす事くらいは問題なくできる。

問題は、『当て』は出来ても『当たりに行く』までは出来ないという事。
早見を引きずり込むために割いた注意はほんのわずかだが、
そのほんのわずかが成否を分ける事もある。積極的に音は立てに行けない。


    『 ゴッ 』

            ズギュン!

五十嵐の身体に『車輪』が取り付けられる。手の平の大きさ。
殴打はそれを設置するための物――――そして敵の精度は人並み。
殴打音はさほど長くはならない。想定外の行動にも『対応』し、
あるいはもとより考えていた策で――――ごく短い音だけが間延びする。

  グ

「これでもう、願えない」 

そして――――設置されたタイヤに、瞬時に敵の『装甲車』の指が絡んでいる。

         ヒュッ

だが高天原も黙ってはいない。わずかでも『静止』時間はあったのだ。
五十嵐の身体がその時間を生んだ。姿勢を変え、身体を担ぎながらも、
拳を構え――――放つだけの時間が! もちろん『ウィーピング・ウィロウ』の精度なら、
ここから中断する事も出来るが、特に意図が無いのであれば打てる距離ではある。
(放った拳はまだ腕の伸びはじめであり、命中はしていない)

            が、そのとき。

「いいや――俺は……そうは思わない……」

                     ドッ ・・・

   「!? ぐっ、あがぁっ……!!」

作業服の男が、突如視界に飛び込んでくる。

彼は跳躍から、スタンドに持たせた傘で早見に強襲を仕掛けてきたのだ。
恐らく跳躍幅が足りず――――あるいは高天原が背を引いた事で、
直撃とはならず……満身創痍の身体に鞭打つ激しい攻撃が祟ったか、
彼は廊下に崩れ落ちる。しかし距離を詰められており、スタンド像は健在!

                 ドサッ

       「ニャウッ」

早見は勢いに押されて廊下に倒れる。カーバンクルが、その腕から今、零れようとしている――――!

630『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/23(火) 17:36:42
【音仙】
>>626(宗像)

「――征彌さん、俺も『猫』を殺すのには賛同しかねるな。
 か弱い『動物』を殺して『お賃金』を得るのは『保健所』の人だけで良いし、
 人間を殺すのは『刑務官』だけで良いと思うんだ。
 
 この状況で言うのも非常に失礼だと思うんだが、
 猫と人を殺す『配管工』ってのは、
 ひょっとしてただの犯罪者じゃあないのかい?」

硯は宗像に反論しつつ、停止の青年との攻防を続けている。
今しがた硯のスタンドが拳を振るい、停止の青年は『五十嵐』を盾にする。
冷酷に思える行動だが、奇妙な事に『破壊』が起きているような様子が無い。

「ッ、中で何かあったか――――宗像さん!
 そっちにもう一人行く可能性があります。
 止めたいのはやまやまなんですが――――気は抜けない状況なんで」

「止められなかったら……オレもビルに乗り込みます。
 4階建てなら全力で行けば1分も経たずに着くはずです。
 ここからモノ投げてるだけじゃ、流石にどうしようもないんで!」

吾妻からの勧告は一手遅い。果たしていかなる理由があるのか。
そもそも彼は今平常心を保てているだろうか? 無能には見えない男だが、人間だ。

         そして。

             ダッ ――――― !


跳躍からの強襲は……結論から言えば、『失敗』に終わる。
それは多重構造の失敗だ。無傷なら問題なくできただろう。
あるいは、青年に引かれ、男の位置が変わらなければ――――
傘がもう少し長ければ―――― スタンドの射程が長ければ――――

                     ドッ ・・・

   「!? ぐっ、あがぁっ……!!」

傘の柄の先端が男の首を打つが、『ひっかける』には距離が足りなかった。
宗像ほどの年齢での助走無し、いわば『立ち幅跳び』の平均は2mほど。
万全の状態の平均記録でさえ、1.5mを『大きく上回っている』とは言えない。
傷だらけで、疲労した身体で行ったそれは『距離』をさらに縮め、あと一歩届かなかった。

       「ニャウッ」

男は勢いに押されて廊下に倒れる。抱えていた猫が、その腕から今、零れようとしている――――!

                    ガクッ

だが、それを追うための膝が崩れ、宗像は1.3mほど距離を詰めたところで廊下に崩れ落ちる。

無理はない。背中を抉り取られ爆破されたあの時点で、既に『限界』は近付いていた。
そこから転がり、蹴り飛ばし、決して軽くない運動を続けてきた。
スタンドを動かす燃料『精神力』の炎は未だ消えずとも、肉体は悲鳴を上げている。
むしろ『当てて』――――男の姿勢を崩し、廊下に倒しただけでも、十分な結果と言える。

         ・・・そうだ。まだ、精神の炎は消えていない。『アヴィーチー』は消えていない。

631『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/23(火) 17:38:17
>>628(硯・訂正)

>――――そして敵もまた、『学んでいる』。
>敵のスタンドは『五十嵐』を担いだ状態ではあるが、静止時間を活かし、
>拳を構え今にも『硯』の顔面を打とうと、既に動き出している!(スC)

顔面を、というのは『誤記』。どこを狙っているのかは今の段階では不明。
(少なくともまだそれくらいの動きであり、腕を引っ込めるなどする可能性もありえる)

632硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/23(火) 18:34:32
>>631
質問です。『風切り音』は気にも留めない程の小さな音ということですが、
これは『青年』は『早見』と互いに『会話』し自ら発声してる状況の最中、その僅かに聴こえる『風切り音』を捉えて此方の動きを制止させた、という事でしょうか?
判定に申し立てをする意図はないのですが大事な局面なので回答をお願いしたいです。

633宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/23(火) 19:43:14
>>630
何度も申し訳ないが、全員の位置関係と大体の距離を改めて教えていただけないだろうか。
また、現在の自分と『アヴィーチー』の体勢はどうなっているだろうか?

634スミノフ『デマーケイション』:2018/10/23(火) 23:30:56
>>627

「おい、マジかよ。辛いところだな」

「これ、ずっとぶら下がってると建物に負担かかって危ねェかも……」

肘を曲げ伸ばしして勢いをつける。
実際に勢いがつくのかはわからないが。

(どうする……登ってんのがバレてんなら、この先がヤバい)

(俺なら確実に窓に注意する。もしくは窓の下で屈んで姿が見えたところを落としに行く)

部屋に侵入する瞬間が一番危険だ。
安全に侵入するために必要なことはなんだ。

(迎撃の対策……)

それが『狗の髑髏』だ。
喧嘩の部外者を弾く。
現状、当事者は自分と下にいる男のみ。
中の人間は全員弾ける。

(殴りかかったりには対応出来る。ロッカー投げられたりは対策しにくいが)

「これでいくか」

先ほどよりも少し強く跳ぶ(パス精ACD)
四階の窓を少し超えるくらいを目標にしよう。
超えれば問題は無い、この場合は大が小を兼ねる。
手は胸の前、少し前に出しておく。
窓があるなら窓枠がある。
跳んで、四階の前に移動。
窓を超えたり、落下の際に部屋の様子を確認しよう。
落ちてくる途中で前に出した手が窓枠に当たるはずだ。
窓枠に当たった感触を頼りに窓を掴みぶら下がれば、四階に侵入出来る。

心配な部外者による妨害は、直接的な行動なら『狗の髑髏』が弾き、投擲は前に出した手で押し返す。
大きいものの投擲でなかった時は運がなかったとしよう。
押し返して腕を真っ直ぐに伸ばしたままなら窓枠にしがみつけるはず。

「まぁ、やってみないと分からねぇが……」

どうなるか。

635『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/23(火) 23:49:35
>>632(硯・回答)

これは、『硯は気に留めていなかったが敵の耳は捉えていた』という意図。
『気にも留めないくらい小さな音だが敵の耳は捉えられた』と読めるため、
この重要な局面で語弊を招くような表現をしてしまい、大変申し訳ない。

硯は>>593で『高天原』の能力の本質に気づいていたが、
>>607で実際に打撃を行うまで『打撃の音』に関する留意は無い。
(=気づいたうえで特別には音への対策にリソースを割かない、と判定した)

よって会話による『聞き取りへの影響』に関しても、
拳が届く距離であれば聞き取れない事はない音量だったとと判断する。

ただ、前回の硯へのレスで風切り音が描写されていないのは『脱字』であり、GMの過失。
これをもってレスの訂正を望むのであれば、今回に関しては受領させていただきたい。

636『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/24(水) 00:00:58
>>633(宗像・回答)

>何度も申し訳ないが、全員の位置関係と大体の距離を改めて教えていただけないだろうか。

狭い範囲で密集しているため、あくまで『だいたい』。

  窓    窓     窓     窓    窓    窓
□□□□□□□早□高□□黒□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□硯□□ア宗□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□■■■扉■■■扉■■■扉■■■扉■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□
□□□☆ 3■■■■■■■■■■■■■■5 ☆□□□
□□□☆■■■■■■■■■■■■■■■■☆□□□
□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□

大体このような位置関係である。
現在硯と停止の男(高天原)は拳が触れる距離。
宗像と停止の男は1.5m弱。
宗像と硯はもほぼ同様。
早見(公務員風の男)は1〜2mほど左方向へ押された。

>また、現在の自分と『アヴィーチー』の体勢はどうなっているだろうか?

宗像は膝から崩れ落ちている状態。
まだ倒れ切ってはいないが、
何もしないのであればうつ伏せに倒れる事になる。
スタンドは攻撃直後の姿勢で、傘を持つ腕は伸ばしている。

637高天原:2018/10/24(水) 00:23:30
@判定に関して質問です。すみません、少し長いです!


>>629の殴打の音が『設置するための行動(ダメージを与えるためではない)なので音が小さく、『静止』の時間も短い』という判定に関して、幾つか疑問点があります。

>>519でも類似の判定があるため、遡及のような形になってしまうことをご容赦ください。)

 それぞれの行動及び判定のレス(>>505>>508>>510>>607>>610>>611)をいずれも確認しましたが、設置を目的とした「触れる」「触る」などではなく、「殴る」「蹴る」といった攻撃を目的とした表現が使われており、攻撃よりも設置を優先するような記述や、敢えて力を抑えるような記述はありません。

 また、『触れたものに○○を設置する』という能力のスタンドが、威力を伴う殴打や足蹴りで対象に触れた際に能力が発動しない(そのために『能力発動時の攻撃は十全のダメージを与えない』という判定になる)、というのもおかしな話だと思います。この場合、設置型のスタンドは『全力の攻撃』と『能力の発動』を同時に行えないことになってしまいます。(スタンド本体の破壊力のために設置対象を破壊してしまうような場合などは除きます。)

 細かい点になってしまいますが、今回の殴打音に関して『通常の打撃時と同じ』とはならないでしょうか。ご検討、お願いいたします。

638『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/24(水) 00:52:51
>>637(高天原・回答)

>>519については『床にタイヤを設置するための蹴り』であり、
床を破壊するような全力の蹴りを打ち込むのは『不自然』。
現に>>513で硯側が『爪先を床に当てて足を引っ込める』旨を書いている。

そのうえで、前回の硯のレスは>>513の結果である>>520を引用し、
かつ『拳が触れた瞬間に設置できる』『殴打した瞬間に車輪を設置』『車輪に指を絡める』
――――といった描写がなされている。

>青年は知る由もないだろうが、硯研一郎は先程、
>互いの攻防の最中に『スパイクタイヤ』を設置する奇襲を仕掛けたが、
>青年の想定外の行動が挟まった結果、結局失敗に終わっている(>>520)。
>その原因は明々白々――『オーバードライブ』の『精密動作性』の低さだ。

>『あの時』の『オーバードライブ』は状況の変化に弱かった。
>だが『今』の『オーバードライブ』はある程度の『対応力』を備えている。
>こちらの『車輪』は『オーバードライブ』の拳が触れれば確実に、そして一瞬で設置される。

これが当該箇所の一部。GMはここから『全力で殴り抜いたうえでさらに車輪も設置』でなく、
向上して精密動作性を生かして『拳が触れた瞬間、殴り抜かず設置し、そのまま掴みへ移行』なら、
殴り抜いて骨肉を破壊する必要がなく、過剰に大きな音は立たないのが自然であると判定した。

これに関しては『統一された判定基準』が存在せず、
公式見解としての回答ではなく当ミッションの基準となるが、
私は明記がない描写は『自然と思う結果』をもって返レスする。
意図の伝わりにくい描写をしてしまった事については誠に申し訳ない。

639宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/24(水) 01:36:43
>>636
確信が得られないので、念の為にお聞きしたい。
青年は割られた窓の近くにいて、硯は青年の至近にいると考えていいだろうか。
手間を掛けて申し訳ない。

640『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/24(水) 01:42:40
>>639(宗像・回答)
現時点でその認識で構わない。
硯PLが判定訂正を求める場合は変更になりえるので、
その場合は当スレへの訂正レス投下をもって回答とする。

なお、宗像PLのレス後にGMレス訂正があった場合は、
それを受けて宗像PLもレスを訂正する事を許可する。

641硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/24(水) 10:10:45
>>635
回答感謝。レスの訂正はなしで大丈夫です

642高天原:2018/10/24(水) 23:30:49
>>638

承知いたしました。お手数をおかけしました。

643宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/25(木) 20:06:49
>>640
回答感謝。
また、近くにガラスの破片は落ちているだろうか?

644高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/25(木) 22:27:25
>>629

>「俺の命など……お前達の命に比べれば安いものだ……」

 言い返したい気持ちをぐっと堪え、一瞥する。
 命の奪い合いをしている最中、綺麗ごとなど盾にもならないだろう。

「先輩ッ、立って! 早く!」

 それに事実として、現在の自分自身がその秤を握っている。
 一般人の早見、瀕死の五十嵐、そしてカーバンクル。或いは、自分自身の命もそうだ。
 無傷のまま全員無事で逃げるわけにはいかないだろう。

 『優先順位』を決めなければいけない。

  ・ ・・・・・・
「『猫』はもういいッ! アンタだけでも下の階に降りて、先ず逃げ伸びろ!」

 彼が狙われるのは、カーバンクルを抱えているからだ。
 スタンド使いでもない早見を、これ以上この攻防に巻き込むわけにはいかない。
 一刻も早く離脱を指示する。

 『ウィーピング・ウィロウ』は抱えていた五十嵐を手放し、


    「……負けるなら、『アンタに』だ」


 拳を止める。
 攻撃はせず、伸ばした腕で最小限の動きで『装甲車のスタンド』を『押し退ける』だけだ。

 (『五十嵐の身体』と『装甲車のスタンドの拳』の接点を離す目的。
  スタンドの指が車輪とタイヤにしっかりと絡んでいる等、
  容易に離れないと視認できる場合は、『押し退ける』ことも止め、即座に次の行動に移りたい。)

   『仮面の男』の事が、読めなかった。
   猫を巡るこの騒動において、『猫のことなど関係ない』とすら言った彼が、
   ならば何故、何のためにこの状況に身を置いて、立ち塞がっているのかと。

   答えはシンプル、『殴るため』だ。

   五十嵐も、『作業服の男』も、高天原自身も。
   生き延びるため、猫を手中に収めるため、逃がすため、殺すため。
   我を貫くために、その『手段』として拳を振るった。
   『仮面の男』は、逆なのだ。

    ・・・・・ ・・・ ・・ ・・ ・・・
   『拳を振るう』ために、その『理由』が要る。

   だから猫の去就など興味がないし、状況に構わず拳を振るい続けている。
   まるで求道の武術家だ。見る者にとっては崇高であろう、その在り方は、
              ・・・・・
   今の高天原にとっては、都合がいい。
   彼は、『猫を殺すのに賛同しない』と言った。
   それはつまり、彼の最終目的が『猫の殺害』ではない、ということだ。


 『ウィーピング・ウィロウ』は、『サメの腕のスタンド』に向き直り、距離を詰める。
 本体がほとんど動けない以上、あの『スタンド』の第一の攻撃手段は投擲だ。
 手に持った傘や、先ほど投げた懐中電灯のような小道具で、また早見や猫を狙う可能性がある。

 それを、全力で弾いて阻止したい(破ス精CCB)。
 投擲以外の行動を見せる場合は、そのまま殴りかかる。

 なお、『サメの腕のスタンド』のアクションよりも早く、『装甲車のスタンド』の攻撃が飛んでくる場合。
 高天原を狙う場合はガードで固め、被弾時の音を『静止』して時間を稼ぐ。
 『ウィーピング・ウィロウ』を狙う場合は、『風切り音』のみ『静止』し、その隙にMAP右方向にヴィジョンを離脱させる。

645硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/26(金) 00:22:07
>>628

「壁を登る?言っている意味はよくわからないが、
 どうやらスミノフさんは、随分と『ファンキー』みたいだな」


    『 ブ ォ ン 』

         ズギュンッ

明らかに一瞬挙動が遅れる『オーバードライブ』、
そして目の前に差し出される『五十嵐』の『死体』。
その身体に設置された鉄の『車輪』。
脳内で瞬時に状況を理解し、対峙する青年へと話しかける。


「『猫』の幸せの為ならば『協力者』を『盾』に出来る。
 『ちっぽけな市民』ってのは最高の『免罪符』だな。 

 君は、その『音』を止める能力に絶対の自信を持っているのかい?
 俺の『像』が本気で殴ったら『五十嵐』さんの身体は即ミンチだし、
 多分そんな事をしてしまったら俺は凹んでしまう。
 凄い、これ以上ない程に効果的な『肉壁』だ。思いついても絶対できない。

 でも、仕方ないんだよな。だって『猫』の幸せの為だからねえ。
 猫の幸せを願っていた『涅槃』の『五十嵐』さんもきっと許してくれる」


喋りながらも、思考を巡らせる。


互いの『スタンド』が向かい合ってるこの状況、
そして青年の背後には『スタンド』を出した『宗像』が床に倒れており、
(変則的にだが)宗像と一緒に『青年』を挟み撃ちしている形となっている。
ならば位置の関係上、『宗像』が『青年』を通り越し此方へ攻撃を仕掛けてくる可能性は薄い筈。
『宗像』の挙動は気になるが此処は先に『青年』を倒すべき盤面だ。

『オーバードライブ』が『安全装置』を発動している以上、
『白兵戦』に関してはこちらが圧倒的に有利だ。
だが『青年』は『聴覚』で、『オーバードライブ』の僅かな『風切り音』を捉える事で、
此方の攻撃をほんの一瞬だけ静止させ、生じた僅かな『隙』を突き、『カウンター』をしてきた。
――『オーバードライブ』の攻撃を止めるという選択肢は『ない』。

この攻防を制する為には、青年の『静止』の能力に対しての『策』が必要だ。
ならば『硯研一郎』の行動は『あれ』しかない――

646硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/26(金) 00:24:39

                


                     スゥッ



   「こぉーの夜がぁ!明ける頃ぉぉ!
    俺たぁちは風になるっ!!! ♪」

   「勿忘の花びらをぉ!!舞い上げて吹き抜けるッ!!」

   「闇のしじまにッ!十六夜の月ッ!
    季節が黒くゥゥ!血を流ぁぁしてぇぇるぅ!!
    潮騒の音ぉぉ!抜け殻だけを残してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜ッ!!!!」


腹から声を出し、一昔前の邦楽ロックの曲を絶唱する。
先ほどの『風切り音』、少なくともこちらは全く聴こえなかった。
意識しなければ聴こえない程の小さな音は勿論、
よほどの大きな『音』でなければ、『絶唱』で掻き消える筈。
この『絶唱』で青年の能力を『封殺』する。


そして『オーバードライブ』の振りかぶった腕は止めない。
振り上げた腕を勢いそのままに青年のスタンドの『首』へと持っていき、
その『喉元』を片手で掴み、力を入れて圧迫する事で『失神』させたい。
(『五十嵐』に設置した『車輪』は逆の手で握ったまま)

647『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/26(金) 02:42:27
>>643(宗像)
落ちてこそいるが、ほんとうに『破片』。
そもそもが窓を砕いたもので、更に廊下に落下した、
および硯の『RXオーバードライブ』が殴り落としたため、
手にもって投げるなどの用途に使えそうなものはほぼない。
(最大で『親指の先くらい』と考えていただければ問題ない)

648宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/26(金) 06:38:31
>>647
回答感謝

>>630

「――ぐッ……!!」

体が崩れるのを感じる。
だが、まだだ。
まだ目的を果たせていない。
俺は、まだ倒れる訳にはいかない。

膝が床につくと同時に床に手をつき、倒れる事を防ぐ。
そのまま片膝立ちのような姿勢を取りたい。
また、可能であれば、ポケットから『自分の携帯電話』を取り出す。

(……『馨』――)

『死』に片足を突っ込んでいるせいか、一瞬『写真の女』の幻が垣間見えた。
だが、俺はそこには行けない。
行ったとしても、あいつに会う事は無いだろう。
あいつのいる場所へ俺が行く筈が無いし、
俺が行く先にあいつが待っている筈もない。
――俺が行くのは『地獄』だからだ。

『――死んだ……?』

『被害者の女性は全身に暴行を加えられた跡があり――』

『――何故……?』

『警察では殺人事件として捜査を――』

『――誰が……?』

『現場近くで立ち去る男を見かけたという証言が――』

不意に、過去の映像が脳裏にフラッシュバックする。
馨が生きていた頃、あいつを幸せにしてやる事が俺の生きる目的だった。
だが、ごく普通の一般人として生きていた馨は、
何の前触れもなく命の危険に曝された結果、
自分の意志とは無関係に人生を終わらされた。
その時から復讐だけが俺の生き甲斐になり、それさえも今では消え失せた。

「その通りだ……。硯研一郎――君の意見は正しい……」

「だが……仮に全てにおいて君が正しく……
 全てにおいて俺が間違っていたとしても……。
 それは俺が行動を変える理由にはならない……」

「殺人を犯した者は拘束されて自由を奪われ、
 それが『犯罪者』に対する抑止力になる」

「しかし――『何があろうとも殺す』と考えた人間に対して……
 自由の剥奪は抑止力には成り得ない……」

硯の言葉に対して、そのように返す。
周囲に聞こえるように声を強め、更に言葉を続ける。

649宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/26(金) 06:39:48
>>648

「『カーバンクル』が生きていたとする。
 これからも、こいつは狙われ続けるだろう。
 その度に抗争が繰り返され、血と暴力が溢れる事になる」

「それは、こいつの責任ではない。
 だが、『カーバンクル』が存在する限り、
 大きな争いが起こる可能性は消えない。
 自分の意志とは無関係に、その渦中に巻き込まれる人間もいるだろう」

「それが『スタンド使い』なら、まだ良い。
 だが、渦中に飲み込まれるのが『力を持つ者』だけとは限らない。
 もし『力を持たない一般人』が巻き込まれたらどうなる?」

「まともな抵抗も出来ず、ただ蹂躙される。
 その結果、後の人生に傷害が残る程の大怪我を負うかもしれない。
 あるいは――命を落とす事も考えられる」

「その男のように『覚悟している一般人』なら良い。
 だが、『何も知らない一般人』にも同じ事は起こる。
 『抵抗出来る力』を持たず、『危険に踏み込む意志』も持たない人間が、
 そんな状況に陥ったらどう思う?」

「ある日突然、自分の意志とは関係なく理不尽に傷付けられて、
 人生を台無しにされる。
 その時、巻き込まれた本人は『運が悪かった』と納得出来るのか?
 本人の身内は、『そういう運命だったなら仕方ない』と諦められるのか?」

「何の罪も無い『猫』の命を奪う事は、卑劣な行い以外の何者でもない。
 それは紛れも無い事実だ。
 だが――俺は考えを改める気も行動を変えるつもりも無い」

「俺は『カーバンクルを殺す』。
 『一匹の猫の命』と引き替えに、
 俺は『多数の無関係な一般人』に降り懸かるであろう火の粉を払い除ける」

「俺の言葉に耳を貸す必要は無い……。
 『ただの犯罪者』の狂った戯言だと聞き流してしまえば良い……。
 君は、自分が正しいと思う行動を取れば良い……」
 
「――俺も『そうするつもり』だ……」

傘を持った腕を引き、『アヴィーチー』を移動させる。
青年と硯の真ん中になるように位置を取る。
距離は変えず、位置だけを変える。

650宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/26(金) 06:40:55
>>649

「お前に止められた時……『音』がおかしくなった……。
 逆に言えば……『音』がおかしくなると止められる……」

「仮に……『音』がなければどうなる?
 それでも止められるのか?試す価値はある……」

「――……聞こえたな?」

最後の一言は黒服に対する言葉だ。
そして、声を落として続ける。

「足音を立てずに歩いて『猫』に近付け……。
 すぐ近くまで来たら走って一気に距離を詰めろ……」

「だが、『手筈』を忘れるな……。
 実行する目的は『二つ』同時でなければならない……。
 『二つ』を『両立』させる事だ……」

「言っておくが……『手筈』の方が優先順位は上だ……。
 両方こなせれば一番だが……最悪でも『手筈』だけは確実に果たせ」

「――俺は『命』を賭けている……。お前も『命懸け』で掛かれ」

猫を追えば、無理無く指図した通りの位置に陣取れる筈だ。
最悪でも絶対に『位置取り』だけは成功させなければならない。
今ここで重要なのは、『猫』ではなくむしろ『位置取り』だ。

――もう一つ、やる事がある。

「……見ての通り……俺は深手を負っている。
 だが……お前達は無傷に近い状態だ……。
 戦ったとしても……俺の勝ち目は限りなく薄いと言わざるを得ない……」

「さて――『どうするか』……」

651宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/27(土) 06:11:06
メール欄

652『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/27(土) 23:59:51
【フリー】
>>634(スミノフ)

            フワ
                 フワ

狗の髑髏はモノ言わず浮遊し、戦況を俯瞰している。
部外者を発見すれば即座に攻撃してくれる、
それについては間違いない。何の疑念も必要ない事だ。

     グググッ

                ドウッ

先ほど以上の力で体を跳ね上げ――――4階の窓を超える。
そのまま落下が始まり――――窓の中の光景を、目にした。


   「こぉーの夜がぁ!明ける頃ぉぉ!
    俺たぁちは風になるっ!!! ♪」

   「勿忘の花びらをぉ!!舞い上げて吹き抜けるッ!!」

   「闇のしじまにッ!十六夜の月ッ!
    季節が黒くゥゥ!血を流ぁぁしてぇぇるぅ!!
    潮騒の音ぉぉ!抜け殻だけを残してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜ッ!!!!」

そこで分かったのは・・・もはや中は外を気にしていられない状況である事。

硯は絶唱しながら見覚えのない『大学生』風の青年の首をスタンドで締めあげ、
先ほどの作業服の男は床に倒れながら『演説』じみた言葉を並べ立てている(>>656参照)
彼は明らかな『満身創痍』であり――――硯も、建物に入る前より負傷が増えている。

また、『インテリヤクザ』風の見覚えのない男が……恐らくは『死んでいる』のだろう。
その肉体に徹底的な『破壊穴』を開けられており、目を開ける気配は……まるでない。
硯のスタンドがそれを掴んでいる。特に何かに使うでもなく、ただ掴んでいるだけだ。

                       ガシィッ

4階の窓枠に掴まれた。
望むならこのまま屋内に飛び込めるだろう。

その時――――――――――――

                 ヒュィィイイイイイーーーーーーーーーーン!

「っ、『ペインキラー』・・・」

              「細かい狙いを着けないで投げるくらいなら、
                ガードに回す余裕もあるってもんです」

                     「――――聞き届けましたよ」


地上から何かが飛んでくる。おそらくは『石』か何かで、
それ自体が危険というふうではない。当然、投げたのは『吾妻』だ。

その速度はまさしく『神速』――――ほぼ一瞬にして、4階、スミノフの真横を通過、

                  『ピタッ』

                       ・・・せず、やや横右で『停止』した。

        ギョロ
            ギョロ

狗の髑髏は索敵を開始している――――このまま行けば、『硯』と、彼が締め上げる青年を襲うだろう。

653『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/28(日) 00:05:08
【早見】
>>644(高天原)

高天原の言葉に早見は猫を手放して辛うじて立ち上がり、、
反論することもなく、階下の方向へと動き始める。
その視線は身を案じるものだが、彼に何が出来るでもない。

           そして。


「俺だってアリーナのスタッフだ……この町を守る為の…………」

「・・・フシャァァ〜〜〜〜ォ」

           ≪ハピピピ  ピピピッ≫

アリーナの『黒服』が、硯と高天原を避けるよう迂回しながら猫へ接近。
彼はスタンド使いではない。その脚は震えているようにも見える。
これを止めに入るのは今のタイミングでは不可能だ。攻撃がおろそかになる。

「『猫』の幸せの為ならば『協力者』を『盾』に出来る。
 『ちっぽけな市民』ってのは最高の『免罪符』だな。 

 君は、その『音』を止める能力に絶対の自信を持っているのかい?
 俺の『像』が本気で殴ったら『五十嵐』さんの身体は即ミンチだし、
 多分そんな事をしてしまったら俺は凹んでしまう。
 凄い、これ以上ない程に効果的な『肉壁』だ。思いついても絶対できない。

 でも、仕方ないんだよな。だって『猫』の幸せの為だからねえ。
 猫の幸せを願っていた『涅槃』の『五十嵐』さんもきっと許してくれる」

         グググッ

敵は車輪を強く掴んだまま、力を抜く様子もない。『押しのける』のは難しい。
五十嵐の身体を放り出す。これで両手が空いた。敵のパワーを考えれば、
重りにはならないだろうが……即座に敵に両手を使われるのは避けられる。

サメのスタンドに『ウィロウ』を向かせる。位置取りを変えるだけで攻撃は無い。
攻撃してくるのは『装甲車』だ。車輪を掴んでいない側の腕が伸びてくる。
『ウィーピング・ウィロウ』を動かし数mを詰め殴るより、至近の腕の方が早い。

だからまずは、装甲車のスタンドを『静―――――

   「こぉーの夜がぁ!明ける頃ぉぉ!
    俺たぁちは風になるっ!!! ♪」

   「勿忘の花びらをぉ!!舞い上げて吹き抜けるッ!!」

   「闇のしじまにッ!十六夜の月ッ!
    季節が黒くゥゥ!血を流ぁぁしてぇぇるぅ!!
    潮騒の音ぉぉ!抜け殻だけを残してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜ッ!!!!」

                     ――――止まるはずが、無いッ!!!

ここまで一度も突かれていなかったが、『ウィーピング・ウィロウ』の弱点。
いや、ある意味『当然の性質』は――――『音が聞こえなければ止められない』事。
耳には硯の歌声しか聞こえない。風切り音が聞こえる程の至近距離、その絶唱は音をかき消す。

     ―――ッ
              グ グ グ

自分の首に冷たい『圧迫感』を感じる。
打撃ではない、『締め上げ』故に音は極小。
骨をへし折るような『絞め方』ではないが、
脳が一瞬にして靄に包まれるような――――この感覚!

宗像を、早見を意識する必要があった高天原は、どうしても『一手』遅れる。
全ての命は守れない。だから優先順位を決めた。必要な事だが、仇となった。

                グ   グ  ググ   ・・・

力任せのその締め上げは一瞬で意識を刈り取るものではないが、
相手がもし躍起になったなら肉や骨が砕けてもおかしくはない。
であれば、もう、今すぐでも、意識を手放した方が『幸せ』か。

                      ・・・どちらにせよ、あと『数秒』もない。

・・・追い詰められた高天原の耳には作業服の演説が、視界には、窓の外で起きている異変が見える(>>656参照)

654『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/28(日) 00:06:30
【フリー】
>>645(硯)

「先輩ッ、立って! 早く!」

「『猫』はもういいッ! アンタだけでも下の階に降りて、先ず逃げ伸びろ!」

その言葉に『先輩』――――公務員風の男は猫を手放し、
反論することもなく、階下の方向へと動き始める。
ここでスタンド使いに逆らう『愚』を理解していると取るか、
臆病者と取るか――――判断は分かれるところだが、猫は自由になった。

「俺だってアリーナのスタッフだ……この町を守る為の…………」

「・・・フシャァァ〜〜〜〜ォ」

           ≪ハピピピ  ピピピッ≫

そこにアリーナの『黒服』が、硯と青年を避けるよう迂回しながら猫へ接近。
これを止めに入るのは今のタイミングでは不可能だ。攻撃がおろそかになる。

           バッ

敵のスタンドが五十嵐の身を投げ出す。掴んだタイヤは重りになる。
だが、『RXオーバードライブ』のパワーなら問題は無い。
腕の硝子の刺し傷が裂けるように痛むが、この攻防の一瞬ならば。

    「……負けるなら、『アンタに』だ」

足音、風切り音、打撃音、ありとあらゆる『音』に解決を求め、
ここまで硯の攻撃を凌いできた青年に、硯が投げかけるのは言葉。

そして――――『歌声』。腹の底からの『絶唱』。
それはあるいは青年の能力の恰好の『餌食』かもしれない。
だが、それは、今喰らうべき本当に餌食を覆い隠し、
必殺の一撃を突き立てるための――――『疑似餌』でしかない!

        ―――ッ

間違いない。なんの間違いもない。『RXオーバードライブ』の手が、
青年の喉元を捉え――――締め上げる。その顔からみるみる意識が失われる。
達人技でもなく、手にダメージもある今握力を要する『絞め』は一撃必殺にはならない。
だが、一撃、一瞬の決着が無いからといってそれ以上の追撃を要する半端な技ではない。


                グ   グ  ググ   ・・・

                    ・・・持ってあと『数秒』だ。
                        よほどの反撃でも無ければ、だが。

宗像の演説を聴きながら、すぐ傍の窓の外に――――硯は異変を見た。それは『吉報』と言えるかどうか・・・(>>656参照)

655『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/28(日) 00:07:19
【音仙】
>>648-650(宗像)

「先輩ッ、立って! 早く!」

「『猫』はもういいッ! アンタだけでも下の階に降りて、先ず逃げ伸びろ!」

その言葉に『先輩』――――公務員風の男は猫を手放し、
反論することもなく、階下の方向へと動き始める。
ここでスタンド使いに逆らう『愚』を理解していると取るか、
臆病者と取るか――――判断は分かれるところだが、猫は自由になった。

「俺だってアリーナのスタッフだ……この町を守る為の…………」

この何事もない局面で――――こちらに害が及ぶはずがない局面で、
黒服は何ら問題なく位置取りに成功する。猫を捕まえられはしていない。
あくまで近付いただけで、それだけでも猫は威圧的に毛を逆立てる。

「・・・フシャァァ〜〜〜〜ォ」

           ≪ハピピピ  ピピピッ≫


      ――――だが『位置』は問題ない。『アヴィーチー』の位置もだ。
             青年のスタンドがこちらに向き直るが、距離は多少あるし、

そもそもその位置取りも、

   「こぉーの夜がぁ!明ける頃ぉぉ!
    俺たぁちは風になるっ!!! ♪」

   「勿忘の花びらをぉ!!舞い上げて吹き抜けるッ!!」

   「闇のしじまにッ!十六夜の月ッ!
    季節が黒くゥゥ!血を流ぁぁしてぇぇるぅ!!
    潮騒の音ぉぉ!抜け殻だけを残してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜ッ!!!!」

             グ グ グ

大声で歌い『音』をかき消しながら青年の首をスタンドで締めあげる硯。
もはやこの局面である。これ以上の追撃が必要なのかは怪しいが・・・

               ≪聞き届けましたよ≫

        バシュッ

窓の外――――――見える。地上から投げ上げられたらしき、『石』が突如『停止』している。
これは明らかに青年の能力による『音の静止』とは違う。何か別の現象で空中に留まる謎の『石』!

                そして。

      ガシッ

窓枠に掴まり、この『4階』を覗き込み――――今にも侵入しようという様子の、憔悴した『ラッパー』風の男。

656『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/28(日) 00:08:26
>硯、高天原、スミノフ

その場にいる全員の耳に、それぞれの行動の最中、
宗像が発する――――『演説』めいた言葉が聞こえている。
それは行動を阻害する何らかの能力等は帯びていない。
だが、強い信念――――意志を感じさせる、本物の言葉だ。

「その通りだ……。硯研一郎――君の意見は正しい……」

「だが……仮に全てにおいて君が正しく……
 全てにおいて俺が間違っていたとしても……。
 それは俺が行動を変える理由にはならない……」

「殺人を犯した者は拘束されて自由を奪われ、
 それが『犯罪者』に対する抑止力になる」

「しかし――『何があろうとも殺す』と考えた人間に対して……
 自由の剥奪は抑止力には成り得ない……」

「『カーバンクル』が生きていたとする。
 これからも、こいつは狙われ続けるだろう。
 その度に抗争が繰り返され、血と暴力が溢れる事になる」

「それは、こいつの責任ではない。
 だが、『カーバンクル』が存在する限り、
 大きな争いが起こる可能性は消えない。
 自分の意志とは無関係に、その渦中に巻き込まれる人間もいるだろう」

「それが『スタンド使い』なら、まだ良い。
 だが、渦中に飲み込まれるのが『力を持つ者』だけとは限らない。
 もし『力を持たない一般人』が巻き込まれたらどうなる?」

「まともな抵抗も出来ず、ただ蹂躙される。
 その結果、後の人生に傷害が残る程の大怪我を負うかもしれない。
 あるいは――命を落とす事も考えられる」

「その男のように『覚悟している一般人』なら良い。
 だが、『何も知らない一般人』にも同じ事は起こる。
 『抵抗出来る力』を持たず、『危険に踏み込む意志』も持たない人間が、
 そんな状況に陥ったらどう思う?」

「ある日突然、自分の意志とは関係なく理不尽に傷付けられて、
 人生を台無しにされる。
 その時、巻き込まれた本人は『運が悪かった』と納得出来るのか?
 本人の身内は、『そういう運命だったなら仕方ない』と諦められるのか?」

「何の罪も無い『猫』の命を奪う事は、卑劣な行い以外の何者でもない。
 それは紛れも無い事実だ。
 だが――俺は考えを改める気も行動を変えるつもりも無い」

「俺は『カーバンクルを殺す』。
 『一匹の猫の命』と引き替えに、
 俺は『多数の無関係な一般人』に降り懸かるであろう火の粉を払い除ける」

「俺の言葉に耳を貸す必要は無い……。
 『ただの犯罪者』の狂った戯言だと聞き流してしまえば良い……。
 君は、自分が正しいと思う行動を取れば良い……」
 
「――俺も『そうするつもり』だ……」

「お前に止められた時……『音』がおかしくなった……。
 逆に言えば……『音』がおかしくなると止められる……」

「仮に……『音』がなければどうなる?
 それでも止められるのか?試す価値はある……」

「――……聞こえたな?」

「……見ての通り……俺は深手を負っている。
 だが……お前達は無傷に近い状態だ……。
 戦ったとしても……俺の勝ち目は限りなく薄いと言わざるを得ない……」

「さて――『どうするか』……」

そして、次の瞬間。硯と高天原は窓の外――――窓枠を掴んで屋内を見る『スミノフ』に気づく。
明らかに憔悴しているが、肉体の動作は不自然なほど『傷』を感じさせない。今にも屋内に躍り込みそうだ。

         ギョロ
              ギョロ

更に不気味なのは、その周囲に浮遊する『狗の髑髏』のような物体。
スミノフは、高天原は直感できる。そいつが『こちらを見ている』事を。

                    『ピタッ』

更にもう一つ――――超高速で地上から打ち上げられ、彼のやや右横で『停止』する『石片』も不穏だ。

逆にスミノフは屋内の状況を把握できている(先のレス参照)。自分の横で『停止』した投擲物にも、だ。

657スミノフ『デマーケイション』:2018/10/29(月) 00:46:02
>>652
>>656

「いや、どういうことだよ」

そう呟いた。
色々と大変そうで、色々と謎だ。
主に自分とチームの関係にある少年が。
とりあえず、当事者に硯と硯が掴んでいる大学生風の青年を追加しておこう。
仲間が攻撃している奴は敵という認識でいい。

「おいそこの。俺に敵を押し付けたうえでいま満身創痍になってるお前だよ
 話が長い。三行にまとめろ、俺が手本を見せる」

「今まで俺たちがこいつを知らなかったってのは、裏の連中は巧妙に表舞台へこいつを上げなかった裏付けだと思ってる。
 だからお前がこの道のエキスパートじゃないなら、一般人云々と分かったような口をきくな。
 後、猫からすればお前は火の粉どころか火の玉だボケが」

石片が気になるところだ。
何故止まっているのか、ということだ。
停止してから再起動するのが能力か?
ただ、あれは自分にとって仲間と思うべき少年に向かう可能性がある。
満身創痍の男は攻撃しない方がいい。
当事者扱いになるし、現状の戦う優先順位は低い。

「Mr.ストロングZEROちゃん、続けろ! お前を信じる! その奇行の意味を信じる!
 それに、俺の『狗』が『仕留める』!」

嘘だ。髑髏に意識を向けさせるための嘘。
当事者指定しているので微妙なところだが。

「俺はこっちの仕事だなァ……!」

手で窓枠を掴み、壁を足で思い切り蹴る。
窓枠を軸に前転するように回って部屋の中に侵入。
着地の勢いを利用して浮いている石片に飛びかかる。

「……ッ!」

左腕を振って石片に当てる(パス精ACD)
『デマーケイション』を装備した部位全体を当てに行くことで精密性の問題をカバーする。
すでに石片の位置は見えているので、前転してる間に動かなければずっと止まっているのと同じだ。
もし石片が爆発するなどしても、装甲による防御があり、既に負傷しているため死んだ部位として割り切れる。

(お前がそいつをKOすればそれでOKだ……)

658<削除>:<削除>
<削除>

659硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/29(月) 22:12:03
>>658

    「ッ!」


歌っている最中、ある『奇策』を思いついた。
それは『五十嵐』の死体に設置した『車輪』を回転し、
その鉄の『回転音』と自らの『絶唱』で、二重に音を阻害するというものだ。
この『策』ならば確実に『青年』の能力を無効化できるだろが、
その考えはすぐに――失せた。



    「だけど俺達ッ!泣くためだけにィ!
     産まれた訳じゃあなかぁぁあぁッたはずさァァぁ!」



この『戦場』に居る理由が一番薄いのは、間違いなく『硯研一郎』だ。
特にこれと言った信念も持ち合わせていなし、
正直な所、別に戦っている理由もない。
今、この場にいるのも『アルバイト』の穴埋め程度の気軽なものだし、
渦中の『猫』に関してさしたる興味は持ち合わせていない。
だが、最低限の『矜持』は持っている。

スタンドが『安全装置』を備えたこの状態で、更に死体を利用するなんて『外道』な『臆病者』だ。
勿論、青年には勝ちたいが勝つ為ならば何をしたっていい訳じゃあない。
他の人間はどうかは知ったこっちゃあないが、
少なくとも先ほど思いついた『奇策』を用いた勝利に意味はない、と『硯研一郎』は考える。



    「ただひたすらにッ!生きた証を刻むよぉおぉおぉお――ッ!
     いいぃぃいまぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ」


腕に走る痛みに声をあげたい。
寝転んでいる『宗像』の演説に異議を述べたい。
今首を絞めている青年のスタンドに『安全装置』を解除しないように『忠告』したい。
このダメージが伝播しその場で拘束さているであろう青年に語りたい。
そして依然、機を伺う『宗像』に対し『警戒』するように『スミノフ』に伝えたい。
けれども、歌っている今それは不可能だ。





  「俺達はあああぁああぁあああ――ッ!!!
   風の中でェェえええぇぇ――――ッ!!!!!
   砕け散り一つになるぉおおぅおあああァ――――ッ!!」



だからこそ『歌う』。

青年に動きを止め『歌』を止められるのならばまだいい。
だが、自ら『歌』を止め、青年に逆転のチャンスを与える事だけは絶対に避けたい。
第三者が見たら『滑稽』な光景だというのは重々承知しているが、
『オーバードライブ』で青年のスタンドの首を絞めながらも、
青年が『気絶』するまでの『数秒間』(陳腐な言葉だが)己の命を賭け――『絶唱』する。

660高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/30(火) 00:50:15
>>653-656 (1/2)

 今、意識を手放せば。
 後のことなど、何も考えなくていい。
 余計な苦痛に、喘ぐこともない。

 自分の弱さを。卑しさを。正論を。

 すべて受け入れて、諦めてしまえば――――

     「グ、……『嫌味』でも『マウント』でも、
       後がら好きなだげ、勝ち誇らぜてやっがらさ……」

 それでも、人の身体は厄介なもので。
 たとえ死の淵にあろうとも、聴覚は最後まで残り続けるという。

 激しく軋る喉に、嘔吐きながら。
 それでも、唸る。
 首を掴む手に、指をかける。
 拳が届く至近距離にて、『仮面の男』を睨む。


  「―――今、大事な話してンだ」

                  「黙ってろ……!!」


 その『声』を『静止』する。

 『静止』のルールを理解した敵が、阻害のために自ら騒音を立てることは珍しくない。
 基本的な対処法だ。だから、幾度も経験してきた。
 この至近距離で、寂れた廃屋の廊下で、喉が張り裂けんばかりの絶唱。
 さぞ、よく反響することだろう。

 >>572 メ欄 「grb brk glss」>「grab broken glass(割れたガラスを掴む)」
 >>604 メ欄 「pck2 thr1」>「pick 2 throw 1(2つ拾って1つ投げる)」

 ガラスを割った拳を手元に引っこめた時。
 あるいは、床に屈んで破片を拾った時。
 投擲のための破片をもうひとつ、掌に隠しておくタイミングは幾らでもあった。
 自分自身で五十嵐を担ぎ上げず、『スタンド』の両手をわざわざ封じたのも。
 この保険を、最後まで取っておくためだ。

 『仮面の男』の口から発される言葉、歌声、すべての音に対して。
 完全無音の『静止』――――『ティアーズ・トゥ・ドライ』を発動する。
 そして『静止』した『仮面の男』の顔面に、このガラス片を叩きつけたい。

   音や歌声は、対象が運動を『静止』されれば止んでしまう。
   そのため、『静止』→『解除』→『静止』を繰り返す、
   『コマ送り』のような動作になるが……

   廃屋はよく音が響く。加えてこの大音声。
   本体の歌声が止まっても、『声の残響』は残る。
   ひとつひとつ区切られた音の『静止』の間隔も長くなる。

   『装甲車のスタンド』は、片手でこちらの首を締め上げ。
   もう片方の手には、瀕死の『五十嵐』が、その指に『よく絡んでいる』。
   両手が塞がっている状況、それも渾身の力を込めてだ。

 拳さえ届く距離。身動きの出来ない的。両腕の塞がった『スタンド』。

 例え意識が薄れ、指先に『子ども』ほどの力しか入らなくとも。
 或いは脳に酸素が回らず、『老人』ほどに器用さが失われても。

 ここまで揃えた条件なら、問答無用で届くはず。

 『エフェラメル』の泡、ガラスの破片。
 一撃は小さくとも、確実に積み重ねてきたダメージがある。
 加えて、瞬きひとつも出来ない状況で視界に迫り来る、新たな痛み。

 精神を削る拷問にも似た、この一手。
 今の行動への意識を逸らさせるには、十分だろう。

661高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/10/30(火) 01:06:42
>>653-656 (2/2)

 『ウィーピング・ウィロウ』はその隙に、両足で『装甲車のスタンド』の胴体を蹴り飛ばす。
 ダメージが目的ではなく、背方(MAP右方)への推進力を得るために。
 また同時に、首を掴む指に両手をかけて外す。

 首を絞める指から、先ずは逃れる。
 どれほどの膂力があっても片手だ。
 本体が怯んだ隙に全身で抗えば、外すことはそう難しくない。

 『ティアーズ・トゥ・ドライ』は、『静止』に伴う音の鳴り響く時間を、ある程度操作できる。
 これによって、『絶唱』の止むタイミングを適宜操作する。

 『行動の阻害』でも、『的の固定』でもなく、この『静止』の最大の役割は『ノイズの遮断』だ。
 この至近距離で絶唱されてしまえば、万が一にも必要な音が届かないかもしれないから。

 『作業服の男』の覚悟を、ひとつも聞き漏らさないように。
 これから吐き出す憤りが、ちゃんと届くように。
 意識も、耳も、声も。何一つ、遮られるわけにはいかない。

 「ゲホっ」
      「はぁ……!」

         「『狂った戯言』なんて言わねェ……!」

 考えを改めるべきだ。
 この男は『命を奪うことを肯定(>>476)』なんて、一切していない。

  ・・・・・・    ・・   ・・・  ・・・・・・
 『間違っている』けど『必要』だ。だから、『自分が背負う』。
 それだけの覚悟を持って、ここにいる。それでも、

    「算数の話だろ、バカでも分かるよ……
     『ひとつ』と『たくさん』、どっちが重いかなんて……」

         「けどよォ……!」

   「ンなもん、その『何も知らない一般人』の算数だろうが!!」

 勝利など、『仮面の男』に譲ってしまえばいい。
 新手の対処など、今は考えなくていい。
 たとえ無様に負けても、この男は――――宗像のことは、今ここで、止めなければいけない。
 猫のためでも、正しさのためでもない。
 『最小限の犠牲』に対する答えを、自分は彼に示さなければいけない。


「アンタ『スタンド』使いだろ……!
 『1+1』を『3』とか『4』に出来る、
 そういうスゲェ『パワー』を持ってるじゃねーか!!」

「『猫』の命を奪わなくても! アンタがその『責任』を背負わなくても!
 なにひとつ『マイナス』にしなくてもいい方法が、もしかしたら、作れるかも知れねェじゃねーか!!」

「それだけの『覚悟』も『強さ』も持ってんのに、
 戦う前から『マイナス』に屈してんじゃ、ねえぞ――――!!!」


 『ウィーピング・ウィロウ』と共に、全力で宗像の方へ移動。
 『サメの腕のスタンド』の正面に踊り出し、ただ殴り飛ばす(破ス精CCB)。

662宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/30(火) 07:36:02
>>655

「――ああ……」

吾妻に対して、一言だけを短く答える。
その中には様々な意味が込められていたが、
それを吾妻が読み取ったかどうかは分からない。
今のタイミングで吾妻に援護を指示したのは、これから行う攻撃を、
より確実なものとする為だった。
ほんの僅かな時間稼ぎが出来れば十分だ。

「……お前か」

「『瞬間移動の女』は潰したか……?」

同時に、吾妻が予告した新手も到着してしまった。
そちらにも最低限の注意は払わなければならない。
まだ自分の携帯電話を取り出していないなら、それで良い。
既に自分の携帯電話を取り出しているなら、それをポケットに戻す。

俺の体に残されている力は僅かしかない。
だからこそ、これから行う行動には少しの失敗も許されない。

「『籠手』のスタンド――
 本体に圧倒的なパワーを与えるが……スピードは変わらない……」

黒服に聞かせる為に、
『ラッパー風』のスタンドについて自分が知っている情報を喋る。
能力は知らないが、基本性能は既に見ている。

そして――眼前の二人に攻撃を仕掛ける。
硯は青年を仕留めようとし、青年は硯に仕留められようとしている。
硯と青年の意識が『完全に』互いに向けられる瞬間――この時を待っていた。

『アヴィーチー』を射程限界まで踏み込ませると共に、
姿勢を下げて身を屈め(>>648)、
硯と青年の足めがけて『1mノコギリ』を叩きつける。
二人は至近距離で戦いを繰り広げている。
最大の長さの『ノコギリ』なら、両者を同時に攻撃する事も可能だろう。
人間並にまで低下したパワーだが、人間が全力で『凶器』を扱えば、
少なくないダメージは見込める。

だが――それだけでは終わらない。

二人の足に刃を食い込ませた状態のまま、『ノコギリ』を一気に『縮める』。
成功すれば、『ノコギリ』が接触している部位は『抉られる』事になるだろう。
『ノコギリを振るうパワー』が落ちている事は分かっている。
それならば『ノコギリを伸縮させる力』はどうか。
『ノコギリを縮める力』は、『アヴィーチー』が持つ本来のパワーと同等だ。
『腕を振るう力』と比べれば、『ノコギリを伸縮させるパワー』の方が、
力の減衰は少ないという可能性に賭ける。
仮に『伸縮力』も腕力と同程度まで落ちていたとしても、
『ノコギリを振り抜く』よりも『ノコギリを縮める』方が攻撃の隙は少なくて済む。

そして黒服に視線を向け、次に『猫』に視線を移す。

「――うッ……」

意図的に苦痛の声を上げて表情を歪めると同時に『片目を閉じる』。
俺は黒服に『猫』を捕まえさせようとは思っていない。
目的を遂げる為には『今の位置』が『最重要』だ。

663宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/30(火) 08:19:31
>>662

『アヴィーチー』を踏み込ませる際、青年のスタンドを『ノコギリ』で殴り飛ばし、
割られた窓の方向に押し飛ばしたい。
足狙いが優先なので、
上記の行動が以後の攻撃を失敗させる可能性があると判断した場合は行わない。
その場合は、角度を調整した体当たりを行い、同じように窓側に押し飛ばす。
これも出来ないようであれば、青年のスタンドに対する攻撃は行わない。

664『金融永久機関カーバンクル』:2018/10/30(火) 14:17:13
>>661(宗像・確認)
>硯と青年の足めがけて『1mノコギリ』を叩きつける。
>二人は至近距離で戦いを繰り広げている。
>最大の長さの『ノコギリ』なら、両者を同時に攻撃する事も可能だろう。

重要な場面のため、この点について確認したい。

①『アヴィーチー』の肘を曲げるなどして、ノコギリを横薙ぎに当てる
     
      〇 〇
 腕腕―――――
 腕

②ノコギリを二人の足の間に入れるように、両側に当てる

      〇|〇
        |
        |
        腕
        腕
        腕

③ノコギリを左右いずれかの斜めから振るい、両者に当てる

 (※図解困難)

GMは①かな?と思っているが、
これらのどれかに当てはまるだろうか。

665宗像:2018/10/30(火) 23:04:53
>>664
二人に同程度のダメージを与えることが目的。
また、攻撃を一部分に集中させることで傷を深くする狙いもある。
よって、①のような形をイメージしていた。
肘を曲げるだけでなく、必要なら体の角度も調整したい。

666宗像征爾『アヴィーチー』:2018/10/31(水) 06:47:21
>>663
ノコギリを当てた直後に力を込めてノコギリを押し込み、確実に刃を食い込ませた上で縮める。

667『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/01(木) 02:01:45
【全陣営】
>>657(スミノフ)
>>659(硯)
>>660-661(高天原)
>>662(宗像)

(1/3)

「おいそこの。俺に敵を押し付けたうえでいま満身創痍になってるお前だよ
 話が長い。三行にまとめろ、俺が手本を見せる」

「今まで俺たちがこいつを知らなかったってのは、裏の連中は巧妙に表舞台へこいつを上げなかった裏付けだと思ってる。
 だからお前がこの道のエキスパートじゃないなら、一般人云々と分かったような口をきくな。
 後、猫からすればお前は火の粉どころか火の玉だボケが」

スミノフの。

「……お前か」

「『瞬間移動の女』は潰したか……?」

宗像の。

     「グ、……『嫌味』でも『マウント』でも、
       後がら好きなだげ、勝ち誇らぜてやっがらさ……」

  「―――今、大事な話してンだ」

                  「黙ってろ……!!」

高天原の、言葉が飛び交う。
その中で『硯』は、歌う。歌う事が勝利だけを呼ぶからではない。
矜持を守るためでもある。意味を求めるためでもある。幾つもの価値を乗せ歌う。

――――そして。
潜ませた『?保険』を用いて状況を脱しようとする『高天原』。

「Mr.ストロングZEROちゃん、続けろ! お前を信じる! その奇行の意味を信じる!
 それに、俺の『狗』が『仕留める』!」

    「だけど俺達ッ!泣くためだけにィ!
     産まれた訳じゃあなかぁぁあぁッたはずさァァぁ!」

あくまで歌い、締め上げるという『初志』を貫徹する『硯』。
それを援護するため、外に浮かぶ石の迎撃に飛び掛かる『スミノフ』。
高天原の『ウィーピング・ウィロウ』が首を絞める指を掴みに来るが、
パワー差は歴然。両手を使ったとして、拮抗するのが――――

    「ただひたすらにッ!生きた証を刻むよぉおぉおぉお――ッ!
     いいぃぃいまぁぁぁぁぁあああああ『あ』

                    ・・・

                         ・・・・・・

硯の歌声は唐突に――――『静かになる』。
そして硯自身にはわかる。自分は『静止』している。
音の間伸びは無い。奇妙な、完全無音の静止。スタンドは動く。
当然、絞め落とすのに何の問題も無い。だが、高天原も動く。

本体が手に握っていた『硝子片』を、硯の顔面へと叩きつけに動く。
高天原の意識は既に、ほぼない。だがこの一撃が脱出のカギを、


               ザ゙
                 グッ

668『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/01(木) 02:04:04
(2/3)

――――『そこまで』だ。両名が、行動を完遂出来ず動きを止める事になる。

攻防に集中していたからこそ、
目の前の敵を第一にしたからこそ、
足元に振るわれた一撃は当然、躱せない。

脚に『食い込む』一撃。『殴打』ではなく『鈍い斬撃』。
音は無い。というより、『歌っていた時』にはもう動いていた。
高天原は『それ』への攻撃も考えていたが、それは硯より逃れてから。
逃れる、という困難な過程を挟む以上、『それ』はずっと早く訪れる。

1m近くにまで伸びた刃が、至近距離で組みあう両者の脚に、
横薙ぎに当てられている。それが見える。見えても、もう、躱せない。

それは――――『宗像』のスタンド、『アヴィーチー』の刃。
満身創痍の男が振るう一撃は当然、その全力には程遠いだろう。
距離を詰めながら『ウィーピング・ウィロウ』に放たれた体当たりも、
ほんのわずかに押し、隙を作る程度にしかならない。だが今はそれで十分だった。

その一撃でわずかに緩んだ『RXオーバードライブ』の手が、高天原に言葉を発する猶予を与えた。

 「ゲホっ」
      「はぁ……!」

         「『狂った戯言』なんて言わねェ……!」

    「算数の話だろ、バカでも分かるよ……
     『ひとつ』と『たくさん』、どっちが重いかなんて……」

         「けどよォ……!」

   「ンなもん、その『何も知らない一般人』の算数だろうが!!」

「アンタ『スタンド』使いだろ……!
 『1+1』を『3』とか『4』に出来る、
 そういうスゲェ『パワー』を持ってるじゃねーか!!」

「『猫』の命を奪わなくても! アンタがその『責任』を背負わなくても!
 なにひとつ『マイナス』にしなくてもいい方法が、もしかしたら、作れるかも知れねェじゃねーか!!」

「それだけの『覚悟』も『強さ』も持ってんのに、
 戦う前から『マイナス』に屈してんじゃ、ねえぞ――――!!!」

高天原は、ほとんど無我夢中で宗像に叫んだ。
だが、宗像はそれを聴き届ける前に、動いていた。

         ギュン

                 ギュガガガガッ!!!!!

押しあてられ、食い込んだ長い鋸刃が――――『縮む』勢いで二人の脚を引き切る!!
切断には程遠い。全てを終えられるわけではない。だが、『やろうとしていた動き』は止まる!

つまり、これで完全に『首を絞める力』が緩んだ――――そして眼前に硝子が迫る『硯』もそうだし、
意識を喪おうかという瀬戸際、限界の境界線上から、唐突に叩き落とされた――『高天原』も、そうだ。

                     高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』→『失神』
                            (GMから点呼があるまでレス待機)

669『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/01(木) 02:08:26
(3/3)

              ド

                    サッ


目の前に、長らく戦況をコントロールしていた『停止』の青年が力なく倒れる。

硯にはわかる。――――静止はもう、止んだ。目の前の戦いには勝った。
目の前に硝子は迫っているが、これはおそらく『牽制』のためのもの。
無視していても、それだけで『致命』になるようなものではない。
だが、猫は依然フリーで、宗像も明らかに極限状態ではあるが、気は保っている。

そうだ。宗像はまだ意識を保っている。体当たりを仕掛けた『ウィーピング・ウィロウ』は消え、
停止の青年は明らかに気を失っている――――だが、『硯』がまだ、この場には残っている。

硯も明らかに無事ではない。無事ではないが、満身創痍といった状態にはまだ遠い。
当然無茶をし続ければ、遠からず斃れる身――――だが、宗像の方がより、近い。

スミノフは・・・スミノフは分からない。
外見として、大きく目に見えた傷は少ない。
だが、相当無茶な動きを繰り返しており、
流血も見られる。これもまた『重傷』の類だ。

          「ッ!」

                   ブォン!

狙いすました『一撃』で急速に静まりゆく戦場の中、黒服が己の警棒を『宗像のライト』に打ち付ける!

                 ゴッ!!!!

そして外では――――スミノフの拳が石を捉えた。空間に固定されているようだったが、
そんなものは『デマーケイション』のパワーを超えるものではない。無理やり、吹き飛ばす。

        『ピカッ』

                    『パシャリ』

その、瞬間。石が激烈な『フラッシュ』を放ち――――至近の『スミノフ』の、そして窓際にいる全員の『目』を眩く刺す!
行動不能に陥るほどではないが、一瞬、『怯む』――――目が痛む。偶然閉じていた、『宗像』の片目・・・『その一つ以外は』!!

                                ・・・その閉じた片目は『演技』ではない。本物の『限界』だ。

670スミノフ『デマーケイション』:2018/11/01(木) 22:24:29
>>667-669

「クソ鬱陶しい……ッ」

反射だ。
目に入ってくる暴力的な量の光に目が閉じられる。
どれだけ痛みを誤魔化せようが、こればかりは仕方がない。
頭の中にいくつかの選択肢が浮かぶ。
いまこの状況は非常にまずい。
人間は視覚に頼って生きている。
もちろん、人によりけりではあるが、多数の人間が目に頼っているわけだ。
嗅覚による位置の把握は出来ない。
それが死んだいま、どこから攻撃されてもおかしくない。

(狗も役に立つかどうか……音仙の言った通りなら、強い光や強烈な臭いで誤魔化される可能性があるぞ)

とっさの攻撃に対応できても、用意周到な奇襲には対応できない。
これが用意周到な光かは置いておくにしても、今はピンチ。

(覚悟なら、とっくに出来てる……弾くのは……捨てるッ!)

『デマーケイション』を足に移動させる。
一呼吸の集中、その隙に脱力。
足に移動した瞬間、床を蹴って跳ぶ(パス精ACD)
行く場所は猫に向かってだ。
窓枠に掴まる時に部屋の中は見ている。
多少動いていたにしても確認が出来ているはずだ。
このパワーで蹴れば助走無しでもかなりの距離を跳べると信じよう。
可能なら空中で丸くなるようにして、もしもの攻撃が当たる面積を小さくしておく。
痛みは感じないが、致命傷を知らず知らずのうちに受けたくはない。

(全部ひっくるめる)

ここに来て原点に立ち返る。
硯のことは心配だ、だがこの跳躍は彼の保護には使わない。
大事なのは仕事を完遂すること。
イラムシやマナビ、藍嵐、真燕、あらゆる人間の思惑の上で自分は行動してきた。
いまさらそれを投げ出せない。

671宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/03(土) 08:14:11
>>667-669

吾妻に援護を指示したのは自分だが、何が起こるかを知っていた訳ではない。
『片目を閉じる』事を黒服に対する合図にしたのは、単なる偶然だった。
それを行ったタイミングが、『光が放たれる直前』になった事も同様だ。
しかし、偶然だろうが何であろうが使えるものは全て使い切る。

『アヴィーチー』が硯と青年に斬り掛かったのは、
それに続く『本命の攻撃』が妨害される事を防ぐ為の布石だ。
『最終攻撃』の『準備』は出来ている。
『標的』は既に『射程内』だ。

「『もしかしたら』――か」

青年が言い残した言葉を反芻する。
それを、根拠に乏しい机上の理想論と言う者もいるだろう。
だが、青年の言葉からは闇の中に『希望』を見出そうとする強い意志を感じた。
硯の絶唱の後に響き渡る自らの心中を叩き付けるような絶叫には、
『理想を現実にする事が出来る』と思わせる熱意が感じられた。

「お前なら……別の方法を見つけられたかもしれないな……」

最初に相対した時に聞いた叫びが、不意に脳裏を掠める。
『最小限の犠牲』ではなく『犠牲を出さない』決着。
それが本当に実現出来るというのならば、命を奪う必要は無い。
もし状況が違えば、その可能性もあっただろう。

「だが――もう『時間が無い』」

気力を振り絞って閉じていた片目を開き、その目で『最後の位置確認』を行う。
『アヴィーチー』と黒服を結ぶ直線上に、硯と『標的』が入っている事を確かめる。
もし入っていなければ『アヴィーチー』を動かして位置を修正するが、
あくまでも狙いは『標的』だ。
『標的』の前方に立つ硯に対する狙いは、正確でなくとも構わない。

「俺は俺自身が正しいと思う行動を取る」

「――ただ、それだけだ」

位置確認あるいは位置調整が済み次第、
黒服が行った『ライトの破損』を『トリガー』として、
『アヴィーチー』の能力を発動する。
当然、『ノコギリザメ』はライトを壊した黒服に向かって突っ込んで行く。
そして、その軌道は直線的かつ暴走的だ。
ターゲットになった黒服と『ノコギリザメ』の射線上に他の者がいれば、
黒服を狙う攻撃の巻き添えを食らう事になる。
結果として、これは硯に対する追撃と成り得るが、それは見せ掛けに過ぎない。
本当の狙いは、硯の向こう側に存在する『標的』――『カーバンクル』だ。
硯に追撃を行うと同時に、黒服を威嚇している『カーバンクル』を攻撃し、
その命と共に災いの芽を『刈り取る』。

『アヴィーチー』は、右腕を切り離した直後に両足で床を蹴って後方に飛び退く。
その際、左腕に握っている傘の残骸を構える事で、
正面に立つ硯の攻撃に対する盾とする。
本体は光を受けなかった方の目で状況を見据え、『解除』のタイミングを図る。

672<削除>:<削除>
<削除>

673硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/03(土) 22:22:16
>>667-669


 「〜〜〜っ!!
  あぁッ! 痛ッた あぁあぁ!!」


『予想』はできていたが『予測』は出来なった一撃、
そして完全に意識の外から放たれた閃光に思わず苦痛の声を漏らす。
視界は回復したのだろうか。斬られた足は動くのだろうか。



         「あぁ」

  ヒュオォッ

青年が隠し持っていた『ガラス』だが、
手に隠せる程ならば大した質量ではないだろうし、
青年は明らかにこちらの『動き』を止める事を目的に放っていた、気がする。
今被っているプラスチックの『お面』を貫通するとは思えないが、
ここは念の為、上半身をずらし回避しておく。




     「猫の幸せを願いながら、
      その飼い主である『協力者』を盾にする」

「土壇場で『猫』を見捨てる」

     「死体を捨ておきながら、
     『人殺し』に『正義』を説く」

「『綺麗事』で『陶酔』したいのならば、
 『清潔』でいる必要があると思わないかい?
 ――別に答えは求めていないがね」


        「だが」


『オーバードライブ』は『五十嵐』の死体を右肩で担ぐ。
片手が塞がってしまうが、とりあえずこれで『五十嵐』の死体がこれ以上弄ばれる事はない筈だ。
『雑居ビル』の外の様子は気になるが、とりあえずここは『宗像』と『猫』の様子を注視する。
先程は不覚を取ったが、『瀕死』の『宗像』が『無挙動』でこちらに攻撃を行う事は難しい筈。

注意したいのは先程『宗像』の『像』の右腕から現れた『サメ』だ。
だがあの『サメ』は傘を壊された怒りを発しながら『五十嵐』に突進していた。
もし、あの言葉が『フェイク』でないのならば『条件』はえらくわかり易い。
此方に襲い掛かってくる可能性は低い筈だ。



「屁理屈をこねて自分を納得させるのに、随分と必死じゃあないかい。
 恐れ入ったよ。
 
 言っている事は『それっぽい』が、よく聞くと頭に疑問符の草原が出来た。
 もっとも、俺の理解力が欠如しているだけかもしれないが。
 少なくとも、全うな『年男』のやる事じゃあないんじゃないかな。
 愉快な中年は『痛快ビッグダディ』だけで充分だ。 
俺はこういう人間だ!俺はこういう人間だ!

 自己陶酔も結構な事だが、自分の『凶行』を世間様のせいにするなよ。
 『必要悪』を気取るんだったら『言い訳』をするのは『卑怯』だし、
 それに――世間は君のお母さんじゃあないんだから。なあ」


足が動くならば、『宗像』へとゆっくり歩き始める。

674『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/04(日) 03:23:17
>>670(スミノフ)
>>671(宗像)
>>673(硯)

           ヒラ
               ヒラ

勢いを失い転落していく石から何かが吐き出され、
地上へ舞い落ちていくのを『スミノフ』は眩む視界で朧に見る。
が、それを気にしている余裕は最早ないだろう。地上の三人のことも。
スタンドを――――脚へ切り替える。当然『狗の髑髏』は解除。
残るのは己の身だけだ。そして、動き出す。

一方。

「『もしかしたら』――か」

「お前なら……別の方法を見つけられたかもしれないな……」

「だが――もう『時間が無い』」

「俺は俺自身が正しいと思う行動を取る」

「――ただ、それだけだ」

宗像の――――

     「猫の幸せを願いながら、
      その飼い主である『協力者』を盾にする」

「土壇場で『猫』を見捨てる」

     「死体を捨ておきながら、
     『人殺し』に『正義』を説く」

「『綺麗事』で『陶酔』したいのならば、
 『清潔』でいる必要があると思わないかい?
 ――別に答えは求めていないがね」

そして硯の、青年への言葉に応えは無い。
彼も信念を燃やしていたのは間違いない。
少なくとも、『偽り』は無かっただろう。
硯と異なるベクトルで、彼も『真』だった。
『真』だからこそ、最後まであがこうとした。
そして――――今立っているのがこの三人なのも、『真』である。

   ザッ

         ザッ

「屁理屈をこねて自分を納得させるのに、随分と必死じゃあないかい。
 恐れ入ったよ。
 
 言っている事は『それっぽい』が、よく聞くと頭に疑問符の草原が出来た。
 もっとも、俺の理解力が欠如しているだけかもしれないが。
 少なくとも、全うな『年男』のやる事じゃあないんじゃないかな。
 愉快な中年は『痛快ビッグダディ』だけで充分だ。 
 俺はこういう人間だ!俺はこういう人間だ!

 自己陶酔も結構な事だが、自分の『凶行』を世間様のせいにするなよ。
 『必要悪』を気取るんだったら『言い訳』をするのは『卑怯』だし、
 それに――世間は君のお母さんじゃあないんだから。なあ」

           ザッ

硯は――――言葉を叩きつけながら、宗像へ歩を進める。数mも無い。
視界はややぼんやりするが、前はもう見えるし、敵も問題無く見える。
脚は引きずるような形にはなるが、歩ける。走れはしない、気がする。
胴体に爆発的な傷を負った宗像が這う這うの体ながら動けているように、
極限の戦場が生むアドレナリンが、今だけは多少の無理を許してくれる。

                      ザッ
            パチチッ

硝子は想定通り『牽制』の一撃だったのだろう。
床面に力なく散る。お面越しでも怯みはしただろうし、
回避したのは正解だ。少なくとも、『音』はした筈だから。

その肩には五十嵐の躰がある。幸いか、酷く損壊はしていない。
穿たれた胴体からは血が溢れ出すが、まだ冷え切ってはいない。

               ザッ

   ≪ ライトッ 壊サレタァッ ≫
  クン
                  ≪ オレノ“ライト”壊サレタッ!! ≫

    ≪ドイツダッ≫    クン         クン

             ≪ドイツダッ!!≫

         クン              ≪ドォォオオオオイツダッ!!?≫

    クン 

硯が動き出すのと、ほぼ同時。

その胴体を穿った一撃――宗像の『鮫』が『アヴィーチー』から分離し、
獲物を、復讐の対象を探し求める。さほど時間はいらない。距離は極めて近く、
余計な匂いは――血で僅かに遅れるか。光は、盲目の『鮫』にはさほど関係は無いこと。

675『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/04(日) 03:29:54
>続き

                『ピタッ』


  ≪ミィィイイイツケタッ!!!≫

         ≪アヴィィィイイイイイッ 血ィィイイイイイイイッ!!!!!!!≫

                   ドウッ!!!!!!

そして――――さながら『ミサイル』の如く、動き出す(パス精ABE)
宗像自身の負傷などどこ吹く風、その暴威が衰える理由などない。
ただ、『五十嵐』を撃ち抜いた時に比べれば『損害』が小さすぎる。
それゆえに『迫力』のようなものが、欠けているような気はする。

      ≪ライト壊シタッ≫

                     ≪ライト壊シタッ≫

軌道は――――硯にはわかる。至近距離に入りつつある自分も、軌道上にいる、という事。
ただ、これは本当に『いる』だけだ。明らかに狙われていない。胴体の中心に直撃はしないだろうし、
高速とはいえ、動き初めに合わせて飛びのくなりなんなりすれば恐らく、回避する事は十分できる。

本題は、軌道の線を引き続けた終着点までに――――『猫』が巻き込まれること。

逆に宗像からすれば――――予定通り。向かって来る硯、猫、黒服。一線上。
硯に関してはやや軸がずれているが、その目的を考えれば問題は無い。
また、『アヴィーチー』は本体の目の前まで戻り、ガードとして傘を構えさせられた。
硯にもこれは見えている。明確な攻撃の兆候はない。対面。それが戦場の全てか?

                  ・・・違う。

   ド

             ンッ!!!!!!

超絶のパワーによって床を蹴り、スミノフは猫へと飛び跳ねる。
窓からそう遠くもない。ある程度闇雲でも方向が合えば『当たる』。
目を閉じて歩くのは難しいが、ブッ飛ぶなら細かい視界はあっても同じだ。

猫のすぐ後ろで、黒服であろう人影がただ待機している。
跳躍の勢いで、彼と猫に迫る――――どちらも、スミノフに振り向く。

≪ライトッ!!!! 壊シタッ!!!! アイツガァァァ〜〜〜ッ≫

そして、黒服と猫に向けて――――絶叫する『ノコギリザメ』が突っ込んできている!

       「うっ・・・うおっぉおおおおおっ!!!!!」

                 バッ

  「フシャーーーーーゥ!!!!」

        ≪ハピピッ ピピッ!!≫

                          ピシュッ

結果として――――黒服は警棒と見られる棒状器具を構え、『ガード』を思わせるしゃがんだ姿勢を取り、
猫はそのスタンドに自分を覆わせ――――スタンドの『口』から蝶めいた『口吻部』が飛び出し、『床』を刺す。

隻腕のスタンドを戻して守りを固めた宗像へ、脚を引きながらも一歩一歩迫る『硯』。
その硯と黒服、猫へと――――恐るべき暴威で突き進む『宗像のノコギリザメ』。
そして、ノコギリザメの軌道上に入った黒服と猫へ、床を蹴って飛び込む、『スミノフ』。

                                                  ・・・死線が、交錯する。

676スミノフ『デマーケイション』:2018/11/05(月) 00:49:23
>>674-675

いいところで申し訳ございません。
『ノコギリザメ』の軌道を確認したいのですがよろしいでしょうか。
地を這っているのか、宙に浮いているのか、浮いているのならどれくらいの高さなど知りたいです。

677『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/05(月) 03:05:27
>>676(スミノフ・回答)

身を屈めた『アヴィーチー』が出どころであり、
かつ『腕の高さ』を明示するレスは無かったため、
『猫』を巻き込みつつ『黒服』に最終的に当たる膝下程度の低い軌道、
なおかつ『直線的』であり、宙には『浮いている』ものと判定する。
(ライト損壊への報復のため、黒服に『致命傷』を負わせる軌道にはならない)

678スミノフ『デマーケイション』:2018/11/05(月) 19:57:11
>>677

回答に感謝します。
それと追加で質問したいことがあるのですが、スミノフは現在床に着地できているでしょうか。
それともまだ飛び込んでいる途中でしょうか。
飛び込む、とされているので当方はまだ飛んでいる途中と考えています。

679硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/05(月) 20:17:04
>>674
質問です。進行を滞らせて申し訳ないですが、
簡素なもので構わないのでそれぞれの位置を記したAAが欲しいです。
お手数ですがよろしくおねがいいたします。

680『永久金融機関カーバンクル』:2018/11/06(火) 01:38:46
>>678(スミノフ・回答)
飛んでいる途中、という認識で正しい。

681『永久金融機関カーバンクル』:2018/11/06(火) 01:40:07
>>679(硯・回答)
位置関係が重要となるシーンのため、
略図を付けておかなかったのはGMの不備。
作成に取り掛かるため、少々お待ちを。

682『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/06(火) 21:26:45
>全体

『大体の位置関係』。
表現上の都合でマス目が増えているが、
実際の地形が大きくなっているという事はない。

繰り返すことになるがMAPは当ミッションでは『参考』で、
マス目の数や数学的な角度の理解はそれほど重視しない。

なお、スミノフ、硯の両名は移動しているため距離は不定だが、
だいたい普通に行けば『次のレスでは辿り着ける距離』である。

サメは硯、猫を通り黒服に命中するようなルート(MAPで言えば左斜め上に進む)で動く。


       窓窓窓        窓窓窓         窓窓
□□□□□□□□□ス□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□黒猫□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□硯□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□ア宗□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

683<削除>:<削除>
<削除>

684スミノフ『デマーケイション』:2018/11/08(木) 02:46:43
>>680 (回答に感謝)
>>674-675

(なんで猫を殺したがるのがいるのかねぇ……)

自分にはこの場の人間の考えていることが分からない。
何を考えていようと、何をしたがっていようと、究極的には関係がない。
相手が誰であろうと勝利するのが強さだと信じている。

『デマーケイション』を切り離す。
当事者は硯と黒服、猫と作業服の男とスタンド、ノコギリザメは部外者にする。
黒服が指定できないなら、事前に握っていた窓枠の破片(>>657 メ欄 右手→枠破壊 破片握り込み)を黒服の方に投げよう(パス精CCC)。
当たるかどうかが問題ではない。
『狗の髑髏』が出現するだけで十分。
そんな事を想いながら硯に声を発する。

「……ッ! 危なかったら、避けろ。お前はあいつを殴ることを考えろ、後ろは俺が命張って何とかする」

『狗の髑髏』に部外者である猫と接近しているノコギリザメを弾かせる(パスCC)
猫が守りを固めていても、衝撃で飛ばされるのは床に根を張らない限り難しいだろう。
……張られていたら読み違いだ、諦めよう。
ノコギリザメは力負けして壊されそうだが、一応試してみよう。

「よう、助けに来たぜ。猫もお前も」

着地して四つん這い、飛んでくるノコギリザメをより近い高さで見るためだ。
恐らく、『デマーケイション』のパワーで飛んだ自分の方が『狗の髑髏』より早くたどり着くことになると思う。
ノコギリザメは速いので、『狗の髑髏』が間に合わないかもしれない。
だから、対策をする必要がある。
床に着いた手で体を支えながら、向かってくるノコギリザメに『デマーケイション』での蹴りを放つ(パス精ACD)
向こうの動きは直線的、来るであろう位置に足を振って置きに行く感覚だ。

(いけるかァ……?)

直感的に理解していたのは、『硬度』だ。
凄まじいパワーは凄まじいパワーに耐えられる力を持っているはずだ。
ノコギリザメのパワーと装甲の形を持つ『デマーケイション』のパワー、どちらが上か。
こちらが下なら足が飛ぶかもしれない。
痛みは感じないが、失血なり失神はするだろう。
向こうもただでは済まなさそうだが、被害は明らかにこちらの方が上。
だが、そうしてでも勝ちに行かなければならない。

「狂ってなきゃ勝てねぇ」

ぽつりと口の端から言葉が漏れた。

(もっともっともっともっと、強くなりてぇ)

足を失ってでも、勝つ。

685宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/08(木) 17:08:29
>>674-675

「――今から……俺は『最後の攻撃』を行う……」

電話越しに言って、携帯電話を床の上に置く。

『ラッパー風の男』に対して出来る事は無い。
今、奴に対して何かをするだけの余裕は無い。

『カーバンクル』は動いていない。
恐らく回避ではないだろう。
残る選択肢は迎撃か防御だが、迎撃とは思えない。
『カーバンクル』の能力について藤原から聞いたのは、
『価値ある物』を『増殖させる』という事だけだ。
『蝶』は『床』を刺した。
『床』を『増殖』させる気か?
『床』の材質はコンクリートだろう。
コンクリートを『増殖』させて防御するのか?
それで回避する為の時間を作るつもりか?
『蝶』で自身を覆ったのは、砕けたコンクリート片から身を守る為か?

頭の中で思考が巡るが、それらを切り捨てる。
考えた所で意味は無い。
『ノコギリザメ』は操作が出来ない。
防がれようが避けられようが、俺は『最後の攻撃』を行うだけだ。

硯に対して虚無的な視線を向ける。
荒れ狂う『ノコギリザメ』とは対照的に冷め切った瞳――
激情とは正反対の冷淡な眼差しだった。

「俺は自分の考えを述べたに過ぎない」

「解釈は君の判断に委ねる」

「それに対して否定も肯定もしない」

「君は俺ではなく俺は君ではない」

「それだけの話だ」

諭すような口調で淡々と告げて、口を閉ざす。
これ以上の会話は、互いに意味が無い。

本体に傘を渡す。
現在、自分は片膝立ちになっている。
傘を体の正面で構えて防御の姿勢を取る。
防御に徹し、最後の攻撃が終わるまで意識の維持に専念する。
それを終えた後に意識を失おうと命を奪われようと構わない。

二人のスタンド使い、動くこともままならない自分。
この攻撃が失敗した時点で俺の勝ち目はゼロになる。
俺の攻撃の結果がどうなろうと、俺が硯の攻撃で倒される事は、ほぼ確実だ。
そうなる前に『最後の攻撃』を完遂させる。
その為に、何としても意識だけは保つ。

『アヴィーチー』は本体の後ろに回す。
『最後の軸合わせ』をしなければならないからだ。

「――『避けろ』ッ!!」

黒服に向けて叫び、『ノコギリザメ』からの回避を指示する。
黒服には『万一の時には避ける事も頭に入れておけ』と言った。
しかし、既に防御の体勢に入っている黒服が回避に転じるまでに、
間が空く事は避けられないだろう。
それがなくとも、事前の打ち合わせにない指示を即座に実行するのが、
難しい事は分かっている。
だが、能力は解除しない。
たとえ黒服が回避に失敗して食らったとしても解除はしない。

黒服が回避出来ても出来なくても、『アヴィーチー』を動かして軸合わせを行う。
『ノコギリザメ』と『アヴィーチー』を繋ぐ直線上に、
『カーバンクル』が入るように位置を調整する。
黒服が回避出来た場合は、軸合わせの完了に合わせて能力を解除する。
回避出来なかった場合は解除しなくても自動的に戻って来る為、
軸合わせが済んでいれば解除の必要は無い。

『ノコギリザメ』の『チェーンソー』は『アヴィーチー』と一つになった時に停止する。
戻って来る最中は、まだ回転したままだ。
反転(>>671)して戻ってくる『ノコギリザメ』で『カーバンクル』を攻撃する。
これが俺の『最終攻撃』だ。

この攻撃は黒服の安否とは関係が無い。
黒服が『ノコギリザメ』を食らおうと食らわまいと同じだ。
純粋に利益のみを追求するなら、黒服に回避を指示する必要は無い。
何も言わずに『ノコギリザメ』を黒服に突っ込ませる方が、
こちらの考えを敵に悟られる可能性を減らせるだろう。
俺は『カーバンクル』を殺す事だけを考え、それを実行する事に躊躇いは無い。

だが、俺は回避を指示する。
それは合理性ではなく『義理』の問題だ。
命懸けで俺の指示に従った黒服を死なせる訳にはいかない。
『地獄行きの男』にも『義理』はある。

686硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/08(木) 21:28:49
>>675

    「ッ!!」

    「出たな、サメさん」


ミサイルの如く飛び出す『鮫』、
お面の下で強張った顔を作るが、それは悟られないだろう。
迫る鮫、背後には猫、そして黒服とスミノフ。
サメは明らかに背後の『黒服』を狙った動きを見せている。
おそらく『集中』すれば回避はできるのだろう。


    「俺の『像』の両足は君に斬られて、本来の破壊力を失っている。
     そして片腕は『五十嵐』さんを『保護』する為に使っている。
     『暴力』に使えるのは『左腕』だけだ」


    「だから俺はこの『左腕』で君を殴ろうと思うんだ。
     おそらく『傘』ごと殴る事になるだろう。
     その『傘』をバキバキにしたらきっと『鮫』が俺を襲う。
     凄く怖い。けれどこれしか思いつかなかった」


『鮫』の速度は恐ろしいが、その『ルート』は明らか。
傷が刻まれた両足に鞭を打ち、斜めに飛び退くなりして回避したい。
(本体に重なっている『オーバードライブ』も追従させる)
また『五十嵐』の死体を落とさないように、右腕で担ぐようにし固定しておく。
  

    「スミノフさん、背後を頼む」


突如現れたスミノフには、ただそれだけ言い放ち、
射程距離に捕えた宗像の『スタンド』目掛け左拳を振るう(パス精BCC)

687『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/10(土) 20:28:24
>全体

「……ッ! 危なかったら、避けろ。お前はあいつを殴ることを考えろ、後ろは俺が命張って何とかする」

     「スミノフさん、背後を頼む」



「俺は自分の考えを述べたに過ぎない」

「解釈は君の判断に委ねる」

「それに対して否定も肯定もしない」

「君は俺ではなく俺は君ではない」

「それだけの話だ」

    「俺の『像』の両足は君に斬られて、本来の破壊力を失っている。
     そして片腕は『五十嵐』さんを『保護』する為に使っている。
     『暴力』に使えるのは『左腕』だけだ」


    「だから俺はこの『左腕』で君を殴ろうと思うんだ。
     おそらく『傘』ごと殴る事になるだろう。
     その『傘』をバキバキにしたらきっと『鮫』が俺を襲う。
     凄く怖い。けれどこれしか思いつかなかった」

決着は――――ひと先ずの決着は、次の一瞬には着いていた。


   ドカッ

「ぎ ニャ ゥッ!?」

          ガガガガガガガッ

                     ガカッ 

狗の髑髏が『なにか』をしようとした猫を横合いから弾き飛ばし、
もう片方の髑髏を蹴散らしながら、サメがスミノフの蹴りと激突。

        ガガガガガガガ…ッ!

足裏が削れるような――――しかし痛みはない、異様な感覚。


             ゴガッ!!!!

   『バシュン』

それが恐ろしい『貫通』の感覚になるよりは早く、硯の拳が宗像を吹き飛ばした。
己の身体すら重荷になる重傷ではあったが、やはり硯自身を狙う攻撃ではない、
その『狙いの相違』が――――致命必死の一撃をかいくぐり、拳を届かせられた理由になる。

宗像は――――消えゆく意識の中で、少なくとも黒服は無事である事を捉えた。
練っていた策は、窓から乱入した男の『捨て身』に近い勇猛で防がれ、
猫は生き残ってしまった、が――――今はもう、それについて、何も、出来ない。

                      宗像征爾『アヴィーチー』→『気絶』

  オ

        オ
              オ
                         ォ
                    ォ         ・・・


名も知らない雑居ビルは、久方ぶりに静寂を取り戻す。
猫は廊下の隅で転がっており、ノびているのかどうかは分からない。
髑髏の威力はスミノフ自身の拳よりははるかに劣るものだが、
人間の一撃には遜色ないものだ。猫を打てば十分な結果を出せる。

停止の青年――――『高天原』と、『宗像』の両名は間違いなく息はあるが、意識はない。
故に、ここに残って、立っているのはスミノフと、硯。

「…………」

そして、スミノフが救った命――――あるいは『宗像』の勝利を望んでいた『黒服』だけだ。
スミノフは把握できている事だが、時間が経てば吾妻らもここに乗り込んでくるだろう。
ハッキリ言って、『フリーランス』の二人は今とてもじゃあないが、『自由』に動き回れる身ではない。

「おっ……お前らは……その猫を、どうする気だ…………?」

恐る恐ると言った様子で、黒服が口を開く。猫は今すぐ逃げ出すような様子はない。今なら、どうとでも出来る。

688スミノフ『デマーケイション』:2018/11/10(土) 21:48:53
>>687

「はは……」

心臓に悪い一幕だった。
多分だが足はかなり深刻なことになっていそうだ。
意識がなくなるようなことにならなかったのはよかった。
猫の方に行きたいが歩けるだろうか。
最悪這って近づこう。
猫の安全を確認したい。

「生きてるよな? 死んでたら、アイツの目的を達成させたことになる。
足に傷を付けて、アイツの望む展開にさせたなら俺は舌噛みきったっていい」

「あ、ごめん、マナビちゃんに連絡してもらえるか? 約束した……見てない場所で捕まえたら、すぐ連絡することって」

「あと多分下から上がってくる奴がいる。さっきの光るヤツを投げ込んだ男だ」

律儀にそれを実行しようとする。
猫の近くまで行けたら着ている服で包んで捕まえる。
そもそも自分の負傷が激しかったら硯にお願いしよう。

「猫どうするか? 知らねぇ」

「だが悪いようにはしねぇ。そうなったら俺は力ずくで止める」

余計な詮索はしなかった。

「……そうだ。ふたつ聞きてぇ」

「一つ、そこのノコギリザメの奴は何が目的なんだ。始めっから猫を殺しに来てたのか?」

「二つ、いまこの場でアンタだけが違うチームだが、俺たちと揉めるか?」

「アンタもやるかい? 喧嘩を」

689スミノフ『デマーケイション』:2018/11/10(土) 21:50:05
>>688

「あー……マナビちゃんに連絡つかないかもしれねぇけど。好きにしてくれ」

硯にそう伝えておく。

690硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/11(日) 17:02:39
>>687


    「〜〜ッッ!」

    「ぷはぁ――ッ」


目の前で意識を失う『宗像』を見、思わず安堵の息を漏らす。
とりあえず勝つには勝てた。


「2vs1だ。勝ち誇れはしない。
 スミノフさん、とにかく助かった。ありがとう。
 猫ちゃんにはとてもとても悪い事をしてしまったが」

          
          スッ


「五十嵐さんにも、申し訳ない事をした。
 カーバンクルさん、五十嵐さん、ごめんなさい」


その辺に散らばっているガラスの破片を足で避け、
『五十嵐』の『躯』がこれ以上痛まないようにゆっくりと床に降ろし、
倒れている猫と五十嵐に深々と頭を下げる。


   「猫をどうするって」

   「どうするんだろうか」


「黒服さん、とりあえず此処を出ないかい?」

691『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/11(日) 23:06:25
【フリー】
>>688(スミノフ)
>>690(硯)
(★双方のレスを自由に確認して構いません)

スミノフが脚を見ると、足裏から血が溢れ出していた。
歩こうとすると、上手く力が入らなかったが、
なんとか動く事は出来なくもない。這うなら容易だ。

         バサッ

             「…………」

        ゴソ

猫は動いているが、抵抗の意思はないのか、
それとも命の危機はひとまず去ったと理解したのか、
ともかくスミノフから逃げ出そうとする様子はない。

「あ、ごめん、マナビちゃんに連絡してもらえるか? 約束した……見てない場所で捕まえたら、すぐ連絡することって」

「あと多分下から上がってくる奴がいる。さっきの光るヤツを投げ込んだ男だ」

「あー……マナビちゃんに連絡つかないかもしれねぇけど。好きにしてくれ」

そしてやるべきことも伝える。

                ドザッ

「2vs1だ。勝ち誇れはしない。
 スミノフさん、とにかく助かった。ありがとう。
 猫ちゃんにはとてもとても悪い事をしてしまったが」

伝えられる硯は五十嵐の身体を、安置するような形で地に下ろす。
そして、頭を下げる――――残ったのは、黒服だが。

「ま、まて。揉める気はない。というか揉めても勝てないって分かる」

       サッ

「お前ら2人、何者かは知らないが…………こっちが5人いても無理だ」

黒服は、両手を挙げる。『警棒』も捨てている。『武装解除』だ。
硯が『倉庫街』で偽った『アリーナの漣』の遣いである件は、
この黒服には伝わっていないか、何かの事情で把握できていないらしい。

「ノコギリザメ…………ああ、その男は『アリーナ』の所属じゃあない。
 『藤原しおん』とかいう女の手先で……一応、目的の一致があった。
 俺の上司には、『殺す』か『生け捕り』と言ってたらしいし、
 ここで遭遇した最初は、生け捕りにして俺達に引き渡す話だったから」

       「頭から殺すしか考えてなかったわけじゃない、はずだ」

作業服の男は、この場で一番の『重態』と言えるだろう。
血に伏して倒れ、目を覚ます気配は――――少なくとも、今はない。
命は保っているだろう。死に直結するような負傷部位ではない。

   アリーナ
「……俺達もその猫の『処分』か『管理』を望んでる。
 手なずけて力を使おうとしてる派閥もあるらしいし、
 誰も使えないよう管理し続けようとしてる派閥もある。
 憂いを断つために……もしくは『エクリプス』の猫だから、
 処分して済ませてしまおうと考えている連中も、当然いる」
 
「俺達のトップ『桜島』さんは『懐柔派』だし、
 もう一つ動いてる派閥も同じだ。それは伝えとく。
 つまり、お前らと『猫を殺すか』揉めるつもりは……無い」

その言葉は彼個人というよりは、組織とか、何か大きな物が背後にあった。
やらなければならない、という『大儀』が彼を縛り、あるいは支えている。

「出るのは……賛成だが、上に俺の仲間がいるし、下から俺の上司が来る。
 その猫をオリなりなんなりに入れてからにするのが、賢明じゃないか?
 もちろん、お前らを悪いようには扱わない。……少なくとも、俺たちの派閥は」

692スミノフ『デマーケイション』:2018/11/11(日) 23:47:18
>>691

「んあー……」

足の負傷は本当にやってしまった感がある。

「藤原しおん? 聞き覚えがあるような」

たしか、『デマーケイション』のことを教えてくれたような。
いや、記憶ではその人物は音仙なのだが、同一人物だったと覚えている。

「……始めっから殺しに来たんじゃねぇのかよ。だとしたら心変わりってのは恐ろしいもんだ」

「こういう奴は今のうちに処理しとくのも吉かもな……拉致って痛めつけようにもその能力……まぁ、今日はそういう仕事じゃないか」

立てるか試そう。
足を引きずってでも歩けた方が早い。
正直、上手く歩けるか不安だが。

「……俺はこの猫を仲間に渡す必要がある」

「コイツは殺さない。だがお前たちにも渡したくはない」

「これからをどうするかは仲間にも相談したい」

「俺たちは勝った。この猫を捕まえた。お前たちは後手。だがこれは過程の勝利」

最後に猫を得たものが勝者であり、猫の今後を決める。

「それと残念ながらオリはない。そこも考えないとな」

「とりあえず……どうする?」

硯に聞いてみよう。

693硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/12(月) 20:54:38
>>691
「猫さん、ちょいと失礼するよ」


『オーバードライブ』の設置した『車輪』を解除し、
『スミノフ』がまだ猫を捕獲できていないなら抱えておく。
そして、携帯電話を取り出すとマナビとイラムシに、
とりあえず猫を捕獲できたので降りるという旨のメールを送る。


「スミノフさん、ちょっと待ってくれ」

スミノフは歩けなさそうだ。
なので満身創痍のスミノフの体を持ち上げその腕を自身の肩に回し、階下へと降りていきたい。


「俺は、とりあえず帰って寝たい。
けれど親戚の叔母さんと姪っ子との待ち合わせを放ったらかしてこんな所に来てしまった。
帰ったらお母さんに怒られそうだし、泥のように眠るのはその後だ。

なあ、スミノフさん、黒服さん。
俺が家に着くまでの間一緒に言い訳を考えてくれないかい?」

694『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/13(火) 23:55:48
>>692(スミノフ)

「曰く付きの名前だからな。俺は詳しくは知らないが……
 その男がそいつの部下なら、下手に殺して刺激したくはない、
 ってのが『アリーナ』としての見解だ、ってのは伝えておく」

「そうじゃなくても、人なんか殺さないに越したことはないしな」

立って進む事も不可能では無さそうだったが――
硯に肩を貸された。そのまま彼は階下へと歩き出す。
黒服は何かしら連絡があるらしく、端末を操作している。

「オリは俺達も常に持ち歩いてる訳じゃあないけど、
 吾妻さんの車には乗ってるはずだ。最悪のパターン、
 つまり猫にだけ逃げられる、ってのを避けるためにも、
 とりあえずそこまでは協力してもらえたら助かるが……」

          ザッ
              ダッ

上階から、疎らな足音が聞こえはじめる。身を潜めていたのだろうか?

「もちろんそうなると『アリーナ』に一旦合流する事になる。
 お前らの仲間だけで猫の事を決められるわけじゃあなくなる、が。
 うちのボスなら、多分……功労者のお前らの立場は考えるはずだ。
 筋の通らない解決は遺恨に繋がる、ってタイプのヒトだからな。
 少なくとも一方的な条件を押し付けて『大損』を掴ませたりはしない。
 だから仲間だけじゃなく、俺達『アリーナ』も交えた方が無難だと思う」

          「そこで倒れてるやつらは、知らないけどな」

黒服は緊張からか、饒舌に己の勢力の情報を口に出す。あるいは交渉術か?
上下をアリーナに挟まれ、猫の解決手段にもお誂え向きのものがある。
腰は重く、後手後手に回るが『組織力』を有するのが『アリーナ』の強みか。

とはいえ――――猫を勝ち取ったのは、ひとまずスミノフたちフリーランスなのだ。
アリーナの掌の上に乗せられる事はつまり、そのアドバンテージを……主導権を奪われる事。

>>693(硯)

スミノフは既に猫を捕獲できており、逃げる気配もなさそうだ。

「…………『アリーナ』としては帰るなら止める理由はないな。
 関係者全員捕えて事情聴取、ってわけにもいかないし、
 俺個人としても……お前らみたいな強力な遣い手は、『怖い』」

帰るのであれば、ここを出ればすぐにでも帰れるだろう。
途中離脱というには事態はあまりにも収束しているし、
マナビが提示した条件には、もう十分すぎる程協力している。

「勿論、猫をこっちに引き渡す事になった時は……お前にも後から褒賞は出せるはずだ」

「だから、猫も、仕事も……家族への言い訳も、多分そう悪いようにはならない」

「これでも言い訳を考えるのは得意な方だからな」

だから、この後のややこしい話は『アリーナ』やマナビらに任せてしまうのも……選択肢かもしれない。

(★ビルから出た後、希望するならミッション離脱可。報酬減額などは無い)

>両者

端末を弄っていた黒服が、二人に声を掛けつつ着いて来る。
硯によるマナビとイラムシへのメールは返事がない。
スミノフが上に来る前、最後に見ていた状況を考えれば、
均衡状態が破れ『倒された』という可能性もありえるが、
この黒服の言動から察するにそう『手ひどい』事にはなっていまい。

「ここで倒れてる連中は上で待機してる黒服が回収する。
 取って食うわけじゃないが、放置はできないし、
 というか怪我的にも放置しておくわけには行かないからな」

スミノフが抵抗しないなら、一同はビルをゆっくりと下りていく。
外からは特別大きな音や悲鳴などもなく、少なくとも喧噪は収まっている。

何かやる事でもなければ、このまま3人連れだって入り口まで出る事になるだろう。

695スミノフ『デマーケイション』:2018/11/14(水) 01:45:36
>>694

「そりゃそうだ。人が消えると人が死ぬのじゃ手間とか色々変わってくるわけだ」

「合流ねぇ……俺の仲間いわく『アリーナに売ったら一人30万にもならないかも』『後ろ盾がないから捕獲に協力感謝! で終わりかも』って話だ」

信用しない理由はないが保証がないのも確かだ。
個人的には信用してもいいが、ビジネスだ。

「こっちは負傷した奴もいる。そいつの治療費やらなんやらも考えれば仲間の持ってるルートに託した方が利益は求められる」

「そこの負担とかしてくれんのかよ」

とりあえず入口まで移動しよう。
マナビが倒されていた場合は色々考えないといけない。

「つーかよ、それだったら家の場所教えてくれたら明日あたり行くぜ?」

「俺が怪我したところ助けてくれたとか、そんな理由つけりゃあ許してくれんだろ」

硯の心配がそれで解消出来ればいいが。

696硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/14(水) 19:45:41
>>694
「スミノフさん、凄く助かるよ。後で打ち合わせをしよう。
俺の家の隣にいい感じの喫茶店があるんだ」


仲間達の連絡がないのが気になるところだが、とりあえず外に出よう。
もし外に出てマナビやイラムシが捕縛されていたらその時はその時だ。

「俺は成り行きでお仕事を手伝ってるだけだから、
報酬なんて気持ちだけでいい。
けれどスミノフさん達にはしっかりと支払ってくれ。
それと上で倒れている彼ら、それに『五十嵐』さんの事も宜しくお願いします」

697『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/15(木) 12:07:10
>>695(スミノフ)

「具体的な金額の事までは……俺の口から約束は出来ない。
 が、無償はない。そういう『恥さらし』な真似をする派閥もあるが、
 今回の件はうちと『漣派』の合同で当たっていて……ああ、いや、
 要は『礼節』を重んじる俺のボスと、『金払い』がいい人が担当だから」

「ケチってスタンド使いを敵に回すような事はしない」

アリーナの事情は不明瞭だが、この黒服については、
これ以上込み入った話を聞かせてくれそうな様子はない。

「俺としても……お前らは、話が出来そうだからな。
 本当、下手に敵に回したくないし。多少の口添えはする」

耳障りのいい言葉ではあるが――――明確な保障はない、という事だ。
黒服としては内心の焦りもあるのだろう。口約束ながら協力も取り付けられた。

「ただ、いくらなんでも、その怪我人の治療費を報酬とは別で全額出す、
 とは流石にいかないだろうがな……好きな言葉でもないが、自己責任の世界だ」

いずれにせよこの男に対してできるのは事前の『確認』までで、
本格的に交渉を打つなら『吾妻』か、さらにその上の人間になるだろう。
つまり、その為のテーブルに向かわなければならない。面倒な事にはなりそうだ。
もちろん、そう言ったことを得意としているであろうマナビに一任する手もある。

>>696(硯)

「猫を受け渡されることになったら、必ず支払う。
 払わずに押し通すなんてことはうちのボスはしない。
 額の方は、俺の口からは……流石に何とも言えないが」
 
「それと……上のやつらも、少なくとも『市民』だからな。
 無茶な扱いはしない。『藤原しおんの部下』は……
 こっちで何かしてやらなくても、どうにかなるんだろうが」

「……まあ、恩を売るに越した事はないから、な」

硯の口にした望みは、大方叶うことになるだろう。
慈悲か、善意か。それを現実に出来るのは勝者の特権とも言える。

「死んだ人間はどうにも出来ないが、仏さんにまで『報復』はしない」

              「少なくとも俺は、だが」

それでも、五十嵐については――――あまり多くを望めないだろう。
死は覆せないし、補償も出来ない。出来るのはただ利用するか、『弔う』か。

>両者

「――! 出てきたわね」

ビルの外に出ると――――マナビとイラムシが待機していた。
手ひどい真似をされているわけでも、拘束されているわけでもないが、
付近には新手の黒服や、見覚えのない『私服』の人間も見受けられる。
下手な動きを出来なかった、という解釈が、おそらく正しいと思われた。
救急車などは来ていないが、これは単に時間がそれほど経っていないためか。

「や、どーもどーも。体面上言っときますけど、
 え〜っ、『この度はご協力ありがとうございます』」

               ザッ

「後は我々『アリーナ』が引き継ぎを……って言っても、
 美味しいとこだけ持ってくのか?って思っちゃいますよね!
 ま、実際んとこはこの『後始末』ってのも結構不味いんですけど」

そして、一同の前に歩み出たのは黒ではない『スーツ姿』の若者。
スミノフにとってはビルの下で一度遭遇した人間、アリーナの『吾妻』だ。

「不味くてもちゃんと食べたい、って人も多い訳でして。
 引継ぎの内容は、皆さんとも相談して決めたいワケです。
 条件とか、そーいうの、細かい事を色々と……ね!」

黒服の連絡を受けビルの中から引き返したのか、マナビに止められていたのか、
その辺りは定かではないが、マナビも彼も無傷だ。争いは無かったのだろう。

「こちらのお二人には了解を得てますケド」

        「『ご協力』――――いただけます?」

                 ニッ

彼自身の風格や迫力はともかく、状況は有無を言わせないものだ。
何か打開の策が無ければ、従う事になるだろうが……何かあるなら、それもアリだ。

「……あ、もしここで帰ってくれるっていうなら、家まで送りますけどね!
 4人に囲まれて交渉、ってのは、さすがのオレも緊張しちゃいますから!」

これについては吾妻は半分冗談で言っているつもりだろう。『乗る』なら話は非常に早くなる。

698スミノフ『デマーケイション』:2018/11/15(木) 17:48:43
>>697

マナビとイラムシに手を上げる。
無事でなによりだ。

「お前が投げ込んだプレゼント良かったよ、ダイヤモンドよりキラッキラしてて、目が痛かったぜ」

地面に座ろう。
結論が出るまで帰る気なれない。

「何が楽しくてこんなぞろぞろと。下がれ下がれ、もしくは何人か下げろ」

「俺らが猫捕まえてきた。対等だが、こっちが一歩先」

別に喧嘩をしたい訳でもないが、黒服や私服の人間によって数的優位だと思われるのも癪な話だ。

「とはいえ、俺はこの子にほぼ丸投げするぜ。頭使うのは得意分野じゃねぇし、金勘定は面倒くせぇ」

交渉についてはマナビに任せよう。
ルートなどは自分は分からない。
この場の責任者は彼女かイラムシか。
イラムシは負傷しているし、恐らく万全であるマナビに任せた方がいい。

「『筋の通らない解決は遺恨に繋がる』そういうヤツがボスだと、ここに来るまでに黒服の兄ちゃんは言ったよ」

「礼節を重んじるボスと金払いがいい人が担当だとも聞いてる」

「お前らをこう威嚇しちゃいるが、信用はしてる。評価が低くとも、口が悪くとも、お前らを信用してる」

「お前らがアタマっからケツまでペテン師じゃねぇんならお互い納得いく結論が出る」

「そうだろ? じゃあ……あと任せるわ、マナビちゃん」

699硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/16(金) 21:03:07
>>697
「先輩、マナビさん。無事で何よりだ。
中々穏やかな状況ではなさそうだが」

いい加減お面を脱ぎたいところではあるが、とりあえず此処は『吾妻』達の話を聞く。

「なあ、ひょっとして俺達は『脅迫』されているのかい?
『漣』さんって人もこんなやり口をするのかい?」

ニコリと、笑みを浮かべる吾妻に対し淡々と言い放つ。


「俺はともかくとして、先輩やマナビさん、それにスミノフさんは
『仕事』で猫を捕まえに来たんだ。
きっと、彼らに大事なのは『超能力』なんかじゃあなくクライアントからの『信用』だ。

『アリーナ』ってのが何をしてる組織なのかよくわからないが、
対抗組織に脅迫されて仕事を放棄したなんて結果を残すのは嫌だ。
そんなのが闇世間様に知れ渡ったら、スミノフさん達は『信用』を失って今後、仕事が減っちゃうだろうからな」


「だから。できれば猫を渡したくない。
もし猫をこちらにくれれば俺が猫の代わりに『アリーナ』で働く。
力不足なのは充実承知してるが、一生かけてでも俺が『猫』の分まで働いて利益をもたらす」

「もし、それが駄目だって言うのなら、
スミノフさん達が本来得れる筈だった報酬をきっちり支払ってくれ。
俺に渡す『報酬』を削っても良いし、なんなら金なんて要らない。

他の3人は知らないが、このどちらかを呑んでくれないと、
俺は君達に猫を渡したくない」

700『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/16(金) 23:46:30
>>698(スミノフ)

「ええ、一歩先なのはそっちですし、あんたらは敵じゃない。
 とはいえ味方ってほど信用できる……というわけでもない。
 ま、『遺恨』を残さないために最大限努力はしますけど、
 それより重要なのは『解決』が出来るかどうか。って事です。
 あんたらが猫を譲ってくれるのか。信用できる処理をしてくれるのか」


「出遅れといて大口叩かせてもらいますが、
 遺恨は残らないけど解決はしない。それじゃ下がれない」

               『シュン』

            「少なくともオレはね!」

スタンドを背後に立たせ、吾妻は黒服達を手で下がらせる。
あくまで対等――――というポーズを示しているのだろう。

「だから、金や礼節で解決したい、
 そう思ってますよ。力じゃあなくってね」

それは儚い譲歩ではあるが、彼の譲れない線でも、あるかもしれない。

「…………」

                 コク

そして――――マナビはスミノフに頷き、硯と吾妻のやり取りに応じるように前に出る。

>>699(硯)

「『漣』さんを知ってるんですか?
 オレの上司では、ないですけどね。
 こういうやり口は好きじゃないかな?」

            ニッ

「取り繕っても仕方ないんで、まあ脅迫してます。
 こう見えても、どう見えても、『選べる手』は少なくて。
 暴力で無理やり奪うなんてのはオレの『アリーナ』には出来ない」

            『ズギュン』

「というより、この状況からは出来ない……んでね」

スタンドを背後に立たせた彼は、手で周囲の黒服や私服を下がらせる。
数的優位ではあるが、立場としては単なる『横取り魔』に過ぎない。
そうした負い目か、あるいは何らかの組織的矜持が、彼の選択肢を削る。

「『信用』。重要ですね!」

「オレらに猫を渡せば『アリーナ』はあんたらを信用しますよ。
 オレらは『闘技場』の運営者で、この町の『抑止力』を名乗ってます。
 金だけ持ってるマフィアから得られる信用より、価値あるんじゃないですか?」

吾妻は硯の疑問への解説も兼ねるかのように、
そのように述べるが……前に出たマナビが、即座に反論する。

701『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/16(金) 23:46:41
>両者

「まず、私達が猫を売る予定なのは『マフィア』じゃあないわ。
 そういう黒い依頼は受けない。一度受ければ際限がなくなる。
 落ちる所まで落ちたフリーランスの末路は使い潰されるだけ」

    「『善良な海外の富豪』と考えればいいわ。
     この猫による『成りあがり』の濫発を恐れる、ね」

依頼人については主義義務でもあるのだろう。
マナビの解説は、端的な物。しかし彼女なりの熱はある。

「そして……『脅されればすぐに裏切る』なんていうのは、
 私達『フリーランス』にとって最悪の風評になるわ。
 金払いが良い方に着くのは、おかしな話じゃないけれど。
 口だけで転ぶような傭兵に金を払うヤツはいなくなる。
 ……それで『アリーナ』からだけ信頼を得たからといって、
 貴方達には元から、多くの子飼いのスタンド使いがいるはず。
 私達に回ってくる仕事は、そいつらの餌の残りかもしれないわ」

「……口約束だけの『信用』じゃあ足りないわね。
 せめて『買収されるのもやむなし』と思わせるような、
 莫大な報酬を約束して欲しいところかもしれないわ。
 それなら、私達の評判は落ちても『踏みとどまれる』かもしれない」

    「相手がアリーナだという事も、公表して良いなら尚更ね。
     『警察にビビって頭下げた不良』くらいの『妥当さ』はある。
     アリーナは『対抗勢力』というには、少し大きすぎるものね」

イラムシは苦い顔でそのやり取りを見ている。
拮抗、というか、泥沼、というか、まとまりを得そうにない。
マナビは理知的ではあるが、それは『受け身』の理知だ。
押し切られることは無いかもしれないが、固まるには時間がかかる。

そこに、硯が条件を提示する。

「――――待ちなさい、硯君。貴方がそこまで捧げる必要はないわ」

「私が交渉して、より良い緩衝地点を見つけ出すから……」

マナビの表情は険しい。一つの勢力に従う事を否とする『フリーランス』の価値観か、
あるいは個人的な『心配』か、定かではないが、彼女の考えではそれはリスクを伴う選択肢。
もちろん彼女の行う交渉も、彼女自身の名声に傷をつけかねないものだろうが……

「オレとしては、けっこうおもしろい申し出だと思いますよ!
 そういう『漢気』……嫌いじゃない。むしろかなり好きです!
 ただ、猫を俺達が欲しがってるのは――――『価値』を求める以上に、
 他の誰かに『カーバンクル』の価値が移って、この町を脅かさないため」

       「その猫が得体のしれない海外の富豪とやらに渡るなら、
         ぶっちゃけあんたら四人が全員アリーナに加わっても、
          長い目で見れば価値は相殺される、って話なんです」

吾妻には好感触ではあるが、あと一歩足りない。
硯個人への興味、好感は深まったような気がするが、
カーバンクルというカードとの交換条件にはならないらしい。

「だから、『カーバンクル』で、えーと、『硯君』! を仲間にするより、
 『金』と『信頼』で『カーバンクル』を買う方が、オレらには良いんですよね!」

             「勿論、本来の報酬くらいは保障してイイですよ。
               アリーナに摘発された、ってんなら『不評』は生まれても、
                信頼を完全に損ねるってもんじゃあないはず、でしょう?」

が、硯第二の提案――――あるいはスミノフに託されたマナビの『妥当』を求める路線は、『ハマって』いたようだ。

こちらの方向でならまとまるかもしれない。それこそ、『そこそこの緩衝地帯』というところへの、着陸を。
それでよければこのままマナビと吾妻が操縦してくれるだろうし、望ましい地点があるなら誘導には言葉と発想が要る。

702スミノフ『デマーケイション』:2018/11/18(日) 00:34:24
>>700-701

「そうだぜ。自分の体を張るのはこういう時じゃねえさ」

「こいつらに張ってやる命も体も今はねぇし」

硯がアリーナで働くことはないだろう。
猫と硯ではできることは違うし、どういった仕事を回されるか分かったものでもない。

「信用ねぇ……」

個人的には、猫を渡したくはない。
今ここで得た成果を手放すというのは惜しい以上にしこりが残る。

「俺は正直な話、お前らに猫を渡したくない。お前らは猫が欲しい」

自分にはどういう存在か詳しくは知らない。
この猫も、目の前の組織も。

「例えば、俺たちは猫を捕獲したが、猫を狙う敵対勢力の数が多かったので一時的に『アリーナ』と手を組んだ。そういうことにしよう」

「同盟によって猫は半ば共同管理」

「引き渡しの現場にお前らは付いてこれるようになる。そして安全に俺たちは猫を引き渡せる」

「猫の護衛とか言って海外にお前らの何人かを送って、依頼主が得体の知れない人間か見極めればいい」

「何かあって、依頼主が猫を手放しちまうことがあればお前らが保護しろよ」

そんな事が現実に起こるのかは謎だ。
あるいは彼らがそれらを引き起こしてでも猫を欲するのならばあるいは、といったところ。

「摘発じゃなく、一時的な同盟。アリーナ側は懐の深さを見せてくれていた方が今後、似たようなことが起きた時にいいと思うが」

「話せば分かるやつら、そういう実績があった方が色々出来るんじゃないか?」

まぁ、この提案が蹴られたらそれまでだ。
不評を掴んで終わることになるだろう。
それでも干されるほどじゃないと思うが。

703硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/18(日) 20:17:25
>>701-702

「何なら今すぐ俺に『仕事』を寄越してもらって構わない。
 なんだってやるつもりだが、足りないかい?」


食い付きはいいが、やはりこんな馬の骨の売り込みでは足りなかったか。
此処は『金』を得て『信用』を失わない方向で行くべきなのだろう。


           「ならば」


「猫を渡す条件にもう一つだけ追加したい。
 本当に大した事じゃあないんだ。いいかい?」

「さっきの戦いの最中、『エクリプス』の『スティングレー』さんの持っていた、
 『スマートフォン』を壊してしまったんだ。
 
 弁償してあげたいのだが、俺は正直機械には疎いしよくわからない。
 だから君達が俺の代わりに『スティングレー』さんに買ってあげるんだ」

「それも」

「ただ買うだけじゃあない。
 私服の君……君がきちんと『上司』に申請をして『アリーナ』の経費で買うんだ。
 決して、自腹を切ったりするんじゃないぞ。それはダメだ。
 そしてベットの上で寝る『敵対組織』の『スティングレー』さんに、
 経費で買った最新機種のスマホを渡し、こう言うんだ。

 「スティングレーさん、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
  あなたの『スマホ』は『アリーナ』が弁償します。ごめんなさい」と」


『アリーナ』が『エクリプス』に誠心誠意こめ謝罪をする……
きっとこの行為は彼らにとって『恥』以外の何物でもないだろう。
そして『エクリプス』は倒すべき『脅威』らしい。

その『脅威』である『エクリプス』を見事撃破し、
かつ『あの』『アリーナ』に『大恥』をかかせたとなれば、
『マナビ』や『スミノフ』達の世間での評価は多いに上がる筈だ。
この方法ならば『信用』も失わず、かつ『大金』も得れる。


「俺達は当然、『アリーナ』が『エクリプス』に頭を下げたという事実を流布するし、
 何ならインターネットに詳しい『夜叉丸』先輩にも手伝ってもらうし
 当然『アリーナ』は『大恥』をかくことになるだろう。
 
 スミノフさん達は命懸けで『猫』を手に入れた。
 なのに身体を張っていない君が『棚ぼた』で猫を手に入れるのは納得できない。
 スミノフさん達だけじゃあない、五十嵐さん達に征爾さん、
 それに俺と戦った大学生の彼、『アリーナ』の『黒服』達を馬鹿にしているとしか思えない。

 だから無傷の君は、自らの身ではなく『立場』を傷付けるんだ。
 君の『アリーナ』での立場は弱くなるし、出世も遠ざかる。
 漣さん曰く、『アリーナ』は一枚岩じゃないらしいからねぇ。
 だが、この程度の条件呑めるだろう?

 
     ――だって君は、町の『平和』を願ってるのだから」

704『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/20(火) 05:52:12
>>702(スミノフ)
>>703(硯)

「ええ、だと思います。手に入れたのはあんたらですもん。
 いきなり渡せって言われて『ハイ渡します』とはいかない。
 だからって力づくで奪うのは道理に反するし、
 そーいうやり方はゆくゆくはオレらの損に繋がる。
 それは分かっているから……あんたの考え、凄く良いですね!」

「オレらに得がある。あんたらの損もない。そこが凄く良い。
 こういう仕事、慣れてるんですか? いや、慣れてるんでしょーね」

吾妻はスミノフに笑みを向ける。感心と納得の笑みだ。

「同盟――――ってのは、本当んとこ『よろしくはない』んですけど、
 あんたらは『エクリプス』を討伐したって『実績』もありますから、
 『上』のお歴々からも、それくらいの『譲歩』は引き出せるはずですし。
 ああ、副次的にあんたらのその『討伐の功績』は、こっちで多少宣伝しますよ」

     「海外に送る人員は『漣派』も動くなら揃えられるはずだし」

「その代わり、監視をつけるための『口添え』は、
 ある程度そっちにしてもらう事になりますけどね!
 それで依頼がご破算になったときの報酬は、まー保障します。
 もちろん、富豪とやらが猫を管理しきれなかった時の、
 アフターケアってやつもアリーナの方で出来ると思いますよ」

       「――――ってのが『オレの見解』ですけどね。
         全部上手く行くとは、流石に言い切りませんけどね」

共同管理。アリーナにも明確なメリットを提示しており、
同時にフリーランスとして『依頼者』を裏切る事にもならない。
また、スミノフたちの『功績』も明確に売り出され、やはり『得』になる。
報酬は保たれ、アリーナとの同盟は『一時的』なら所属を縛る事にもならない。

両者にとって『損』が無い条件は、交渉を円滑に進めてくれる。
もっとも吾妻に『予算』等の最終的な決定権はないのかもしれないが、
未曾有の危険を抱えるこの猫を『懐柔』する予定が元よりあるのであれば、
ある程度『今後動かしていける金』と『人員』の目途は立っているのだろう。
急な捕獲作戦ゆえか、この場の人員はそれほど多くはない、というだけで。

       「ただ、ですね」

「一応言っときますけど、オレが『交渉』するのは、
 そうしなきゃあ筋が通らないって……まあ、
 言っちゃあなんですが『オレらも得だから』なんですよね!
 功労者を暴力で黙らせた『町の暴君』だと思われるより、
 スミノフさんの言う通り……話せる奴らだと分かって貰いたい!
 そうした方がオレら『アリーナ』にも得があるから、
 ここで暴力に物を言わせて奪う『簡単な手』を使わないんです」

           「あー。分かりますかね」

    「『硯君』は鋭いし、良い線いってますよ!
     アリーナで働いてくれりゃ超嬉しいくらいには」
     
    「オレ、そしてオレらがリスクを負うべきってのは、
     そりゃもう正論としか言いようがないです!
     だから『関係者の治療費を保障する』とか、
     あんたらや他の皆さんへの『保障』であれば、
     気持ちよ〜く飲み込む事も出来たんですけど」

「エクリプス相手は、オレが恥かくだけの『リスク』じゃあ済まないんですよね。
 あんたは『アリーナがエクリプスに頭下げた』って話にしようとしてますし、
 最悪『アリーナ』の抑止力が落ちたと見て、妙なやつらが町に乗り込んで来かねない。
 そういうことになると……オレの恥とか、オレの派閥だけの話じゃあ済まなくなるんで。
 上のお歴々はオレとあんたらごとこの件を闇に葬って、『ナシ』にしちゃうでしょうね」

     「だからオレはそれ、飲まないです。飲めないです。
      オレらが『猫を見逃しちまう』のと同等に損するんで」

              「あ! それが狙い……ってわけじゃないでしょ?」

硯の提案は、吾妻なりの『アリーナ観』に基づいて否定される。
彼の行動がアリーナの『損』になるなら、『交渉』の意味がなくなる。

なにか『妥当な負担』を負わせたいのであれば、それが『彼個人』の範囲で収まるものか、
あるいは『交渉の意味』を保つようなものである――――つまり『妥当性』が必要になるだろう。

705スミノフ『デマーケイション』:2018/11/21(水) 06:36:07
>>704

「俺らのこの姿、この怪我は今回の件で起きた事実だ」

「表向きは穏やかな波のようだが、飛び込めば嵐のように大荒れ」

「お前ら裏側の人間の苦労は中々のもんだろうよ」

口添えはしないといけない。
向こうからすればいきなりお守りがつくのだから。

「猫により成り上がりの濫発を恐れてる、マナビちゃんの言うことを信じれば、相手はこっちの負傷の意味を理解してくれるはずだ」

「不安になるかもな。こんな傷を見て自分もそうなるなんて思ってやっぱり辞めた……は、考えたくないが」

「そこでこの街の抑止力らしいお前らの登場。バックが違う。フリーランスよりもぶっといパイプ」

アフターケアへの期待度も高い。
彼らの力が嘘でないのはこの場で動く人間の数を見れば分からないでもない。

「もしなんかあれば、富豪も猫も守る。その上でお相手には国に帰ってもう一度考えてもらえばいい」

「なにせ、マナビちゃんから善良のお墨付き。そこでお前らがヘマしただけだなんて、天地がひっくり返ったって言わねぇよ」

「口添えの類は難しくないはずだ」

ごろりと地面に寝そべった。
眠そうに欠伸をひとつ。

「病院に行って、こいつの家に行って母親から庇う役目も残ってる」

「お互いに損はないし、俺の言葉に嘘はない。お前が頷けばお互いに満足がいく」

「リスクを背負いたいなら、治療をしてくれ。お前らの施設でだ。応急処置でもいい」

「なにか裏切りがあればそのナンタラにその場所を売るし、俺一人でそこに行って二、三人はあの世に飛ばしてやる」

「それでどうよ?」

706硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/21(水) 22:01:27
>>704

「スミノフさん、君ってやつはなんて立派な大人なんだ。
『アリーナ』というか彼が傷を負わないのは釈然としないが、
俺1人駄々をこねても仕方ないし、此処は民意に任せる」

「んっ」

とりあえずの話は纏まりそうだし、『硯 研一郎』の出る幕はもうなさそうだ。
今朝からずっと付けていた『お面』を外し、
感情を読み取らせない『面』のような印象を与える素顔を晒す。


「これで『Mr.ストロングZERO』の仕事は終了だ。
本当の『お面』の人に恥をかかせたくなかったし、
『素人』なりに頑張ったつもりだったが、少しはお役に立てたかい?」

707『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/22(木) 03:35:39
>>705(スミノフ)
>>706(硯)

「まっ、オレらはそれが仕事ってゆーか役目なんで。
 苦労はしますけど……必要な仕事ですからね。
 今回はあんたらに背負わせちゃいましたんで、
 あんまこう、デカい口は叩けないですけど……」

「その条件、オレは飲ませてもらいますよ。
 その後の始末は全部背負いますし、応急手当もします。
 怪我も、入院費くらいなら全額負担出来るでしょう。
 あんたら三人だけじゃなくて、ビルの中の人たちもね」

       「上も、市民の保護には予算を出すんで」

100%納得のいく結果ではないかもしれないが、
一応の着地点が見えた――――そこには意味がある。

後ろでその様子を見ていたマナビが、
まとまりつつある交渉に一歩足を踏み出す。

「交渉を任せてしまって申し訳ないわね。
 代わりに依頼人側との話は私がまとめるわ。
 条件に異論は無いし、とても良いと思う。
 アリーナは動き出すのは遅すぎるけれど、
 動いた時の『実行力』は、信用できるから」

「口添えも……得体の知れない勢力ならともかく、
 『アリーナ』はそれなりの『実績』で知られている。
 恐らく向こうも、無碍に拒否する事はしないでしょう」

そして――――面を取った硯に、マナビは頷く。

「……ええ。とても役に立ってくれたわ。
 元の人と比べるようなつもりはないけれど、
 あなたは求められる以上の仕事をしてくれた。
 私も全部を傍で見ていたわけじゃあないけれど、
 あなたがいなければ『戦い』を制する事は出来なかった」

「きっと、『プロ』を名乗れるわ」

       「勿論、あの『転移する女』を倒した、
        スミノフさんとイラムシもだけれど」

「戦いを制したからこそ、私達は今こうして交渉のテーブルに着けているのだから」

ここにいたのは『藤原しおん』の指令を受けた『宗像』だったかもしれない。
あるいはあの青年が、『猫の幸せ』のための交渉をしていたかもしれない。

だが、可能性の話は今は置いておこう。この件で勝ったのは『フリーランス』の4人だ・・・!

(★特に何も無ければ、希望者のみ後日談へ。
   特に希望しない場合、返レスか点呼でその旨お伝えいただければ返信不要)

708硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/22(木) 17:39:19
>>707

「ありがとう、マナビさん。
その言葉があれば今後ステキな高校生活を送れそうだ」

そういえば猫の捕獲用に猫缶だかカリカリだかを用意したが結局使わなかった事を思い出し、
ポケットの中から猫のエサを取り出し封をあけて、口に運ぶ。


「(バリッ)うん(ボリッ!)中々イケる。
せっかく『領収書』がキレるんだから食べないのは損だからな(ボリッ)

今度皆で『打ち上げ」にでも(バリ)行こう(ボリッ)
今回の件は『校外学習』よりずっと勉強になった。
みんな、本当にありがとうございます(バリッポリッ)」

やれる事は全部やった。
後はマナビとイラムシに任せて、とりあえずキャットフードを貪る事にしよう。

709スミノフ『デマーケイション』:2018/11/22(木) 21:11:56
>>706
>>707

「それはありがてぇ。治療費ってのは割と痛いからな」

決着らしいことを理解した。
現在は過程の勝利だったが、猫の受け渡しが行われれば結果の勝利となる。
その一区切りまでの道が見えた。

「……おめぇ今外すんかよ」

「ま、いいか。これはヒーローショーじゃねぇし」

硯にそう言葉を投げた。

「なんか、疲れたな……寝るか」

体を丸めて目を閉じた。

710『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/25(日) 23:19:03
【フリー】
>>708(硯)
>>709(スミノフ)

「ええ、今回は私も、いい仕事が出来たと思っている。
 イラムシもきっとそう思っている……かもしれないわ」

      「……猫の餌は人には味が薄いわよ、硯君」

キャットフードを食いまくる硯(マズイ)と、
大型のネコ科生物のように丸まって眠るスミノフ。

「それじゃ、とりあえず撤収しちゃいましょう。
 応急手当ての準備は、こっちで済ませとくんで。
 あと、あくまで応急ですんでね。傷は塞ぎますけども、
 交渉とかの話がまとまったら入院はした方がいいですよ!」

        「強制はできませんけど。個人でなんか、
         特殊な療法とかするんじゃ無けりゃ、
         入院費は出しますんで。せっかくなんでね!」

主に硯によって、激戦のあととは思えない光景だが、
その『自由さ』こそが『フリーランス』なのかもしれない。

いずれにせよ――――この場はこのまま、
『アリーナ』の人員達によって撤収されていく。
それを見ているだけ、いや見なくてもいいのは、
まさしく『勝者』に与えられた特権と言えるだろう。

         ・・・

                 ・・・

                         ・・・


――――それから、数時間後。

一通りの応急手当てを受けたスミノフと硯、そしてイラムシ。
明らかに入院が必要な負傷なのだが、少なくとも安静にしてさえいれば、
命にかかわるような問題はない――――といったところまでは、落ち着いていた。

       「…………」
                「…………」

   ブ
        ロロロロロ ・・・

四名を載せたアリーナの車は――――『取引場所』から、去り始めていた。

「まずは上手く行った、わね」

マナビの弁舌、アリーナの権威……というよりは『前提として勝っていた』ようにも思えた。
猫を捕獲し、他の勢力に介入をさせず、アリーナと対等に近い条件を取り付ける事が出来た。
つまり『モノ』があり、『他の条件』がなく、『力』もある以上、『蹴られる』理由もなかった。
あとは・・・アリーナが約束通り、確かな仕事を実行すれば、今回の仕事は万事、成功という事だ。

この後どうするかは決まっていなかった。
硯はすぐに一度家に帰るべきなのかもしれないし、
スミノフやイラムシは病院に行くべきなのかもしれない。

車を運転しているのは『吾妻』で、もう一人、見覚えのないアリーナ職員が同席している。
眼鏡を掛けた、人の良さそうな女だ。交渉場所ではアリーナ側の人員に混じっていたが、
恐らくスタンド使いなのだろう。監視か、あるいは行く方向が同じなのか、車に乗って来たのだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★『後日談』のため、判定が生じる・報酬が増減するようなパートはありません。

711『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/25(日) 23:19:13

【音仙】
>宗像

           ――――― パ ッ

宗像は――――目を覚ました。天井は、見覚えのあるものではない。
が、廃ビルではないし、間違っても『あの世』などというものでもない。

「…………目が。覚めましたね」

            「ああ、まだあまり……動かない方が良い」

やや離れた位置から、落ち着いた女の声が聞こえる。
これは――――『藤原しおん』――――『音仙』の声だ。

「…………」

「………………病院は、既に。ええ、手配しています。
 怪我の状態も、ひとまず……落ち着いてはいる筈です。
 少なくとも、安静にしていれば……ですが。そこは、保証します」

          「」

・・・あの後、何がどうなったのだろう? 最後の記憶までは、はっきりしている。

               ・・・いずれにせよ、自分が生きているのは確かだ。

【早見】
>高天原

              ―――― バ ッ


「――――咲也くん」

高天原が目を覚ましたのは、清潔な『病室』――――だった。
特に異様なものも、危険な気配もない。もし経験があるなら、
ここが『アポロン・クリニックセンター』の個室であるのがわかる。

そして・・・『早見』と、もう一人見覚えのない人物がいる事も。

         「……目を覚ましたようなので、私はこれで。
           繰り返しますが、『好奇心は猫を殺す』ですよ」

               ザッ

黒服――――と呼ばれていた人間とは違うが、感覚的に察せる。『アリーナ』の人員だ。
高天原が目を覚ましたのを見ると、荷物をまとめて部屋を出ようとする。呼び止めれば止まるだろう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★『後日談』のため、判定が生じる・報酬が増減するようなパートはありません。

712スミノフ『デマーケイション』:2018/11/26(月) 15:04:29
>>710

「あぁ……そうだなぁ……」

椅子に深く腰掛けて息を吐く。
眠そうというよりは脱力していた。
深い呼吸だ。

「これで一段落だよな? お疲れさん」


ぼうっと窓の外を見ている。

「飲みにでも行くか?」

713硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/26(月) 19:25:40
>>710

「ーーと、まあそんなこんなで『夜叉丸先輩』に教えてもらった、
サイゼの『エスカルゴ』の入ってる耐熱皿の凹みに『カルボナーラ』を入れる食べ方をしたら、
お母さんに「行儀がなってない」ってフォークで舌を刺された時に出来た穴に通したタンピアスがコレ」


口を開け舌に付けた小さなピアスを見せる。


「ちなみに『夜叉丸先輩』の本名は『武者小路 猿夜叉丸』って言うんだ。
この『ヒョウモントカゲモドキ』のピアスも『夜叉丸先輩』の恋人の形見を譲り受けたものなんだが似合うかい?」


先程の緊張感は何処へ行ったのか、地元の友達や家族の話をしていた。
ちなみに母親には既に帰りが遅くなるとメールで連絡しておいた。

「マナビさん、君達のおかげで上手く行った。本当にありがとう。

ーー『吾妻』さん、君の隣にいる人を紹介してくれないかい?
せっかく送って頂いてるのに名前を知らないってのは、
なんていうか大変申し訳ない気持ちになってしまうんだ。

俺の名前は『硯研一郎』。見ての通りただの男子高校生です。」

714宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/26(月) 22:24:15
>>711

あるいは――『ここ』が、そうなのだろうか。
最後に俺が行き着くべき場所だ。

(それにしては――)

『地獄』にしては生温い。
薄暗く淀んだ意識の中で、曖昧な感想を抱いた。

「馨(カオル)――」

女の声を聞き、無意識に呟くような言葉が漏れる。
だが、それが『藤原』の声である事に気付き、徐々に意識が鮮明さを取り戻した。

「いや……」

「ああ」

「――あんたか」

それだけを言って口を閉じ、『藤原』が言葉を続けるのを待つ。
『動くな』と言われたが、元々まともに動ける体でもない。

715高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/11/26(月) 23:31:22
>>711

「…………あ、」

 見覚えがある天上だ。怪我を負っての入院は、初めての事ではない。
 早見と見知らぬ人間を順に視線で追ってから、自分の調子を確認する。
 傷や欠損はあるか。意識はどうだろう。持ち物や衣服は、まだ身に付けているだろうか。

「……早見さん、怪我は?」
「つか、猫……『カーバンクル』と、五十嵐さんは……?」

 意識を失っていた間の情報を補完するために、二人に話しかける。

716『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/28(水) 06:02:48
【フリー】
>>712(スミノフ)

「ええ、あとはアリーナが上手くやってくれる。
 ――――でしょうから。やってくれるんでしょう?」

          「ええ、そりゃもう。
           オレらの沽券にも関わるんで」

窓の外に、夕日の星見町が流れてくる。

「ゴホッ、入院しちまったらしばらくは、
 粗食と栄養食のフルコースですからねェ。
 今日くらいは良いかもしれませんねェ〜ッ」

喋れる元気を取り戻したイラムシは暢気に返す。

彼の目に見えて大きな負傷は手と喉元の二カ所であり、
背中に深い刺し傷、足にも歪で苛烈な傷を負ったスミノフや、
全身切り傷や内出血、さらに脚に深い傷を負った硯よりはマシだ。

     ブロロロロ

「無茶はしない方が良いですよ、ってのはオレが言うべきじゃないですね!」

           「『アリーナ』に指図される気はありませんよォ」

運転をする吾妻は特に話題に混じってくる事はないが、
話そのものを聴いていないというわけでもないようだった。
この車が止まるまでの付き合いだろう。何かあるなら聞けるかもしれない。

その機会はもちろん――――この仕事を共にした、他の面々についても、言えることだ。

>>713(硯)

「舌にピアスを開けるのって周りでやってる子も多いけれど、
 喋り辛かったりはしないのかしら? 見たところしなさそうだけど」

「エピソードは兎も角、ま〜似合ってますよォ。エピソードはともかく」

壮絶なエピソードの数々を披露する硯に対しても、
フリーの二人は余裕をもって答えてくる。成功者の余裕だ。

「こちらこそ、何度でもお礼をさせてもらうわ。とりあえずは言葉だけだけれどね」

          「勝利の立役者ですからねェ〜ッ。
           先輩の俺もうかうかしていられませんねぇ」

と、そこで話を振られた吾妻がルームミラー越しの視線を硯に向ける。

「あ、こちらは――――」

「ええよ『ジョウキ』クン、せっかくの自己紹介だし自分でさせて」

吾妻のやや畏まった態度に対して、その女はやや独特なイントネーションで答えた。

                 クルッ

そいつは首だけ振り返り、主に硯に視線を向けてくる。
知った顔ではない。というか知った顔がいたら怖いのだが。
 
「あたし、『漣 世未美(さざなみ よみみ)』ですぅ〜〜〜。一応『漣派』のトップで」

              「自分で言うのもなんやけど、
               人の良さそうなメガネやろ〜?」

名前はもう、知っていた。
幸いなのかどうなのか分からないが、口から目まで笑っていた。

717『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/28(水) 06:04:22
【音仙】
>>714(宗像)

地獄の灼熱でもない。外の暑さでもない。
適度にエアコンが入った、生命的で文化的なぬるい空気。

          パシャ

アクアリウムの魚が跳ねる音が、静寂を打った。

「……………………ええ、申し訳ないですけど、『しおん』です」

       「まだ、あちらに行くには早い。
         残酷かもしれませんが……ね」

そこにいたのはやはり、藤原しおんだった。  
ここは、最初に来たあの部屋だ。
違うのは自分の怪我だけ。

「まず、キミの仕事は成功しました……間違いなく」

「今日一日で、『エクリプス』に関与する人間が4名消え……
 何より巨大な爆弾、『カーバンクル』はそれなりに、適切な管理下に置かれる」 

             「エエ……成功、と言って、差し支えはない」

「……………………それは、キミにとってなにか…………『救い』になるでしょうか?」

【早見】
>>715(高天原)

幾らかの傷はある。目に見えて大きいのは、脚の傷だ。
最終局面で『作業服』から受けた攻撃の痕跡は、
色濃く残っている。逆に言うとそれ以外の傷は、
打撲のレベルで止まっており、骨折などは見えない。

「怪我はないよ。君のお陰でね……『カーバンクル』は、」

面目ない、を形にしたような表情の早見に、
アリーナ所属らしき人物が足を止めて割って入る。

「先に一応言うが、アリーナ『漣派』のものだ。初めまして。
 これも一応言うが、私は『スタンド使い』なので侮らないように」

どこか執事を思わせる『場違い』なスーツを着た男だが、
その場違いさは『芯の強さ』のように感じられなくはない。

「猫は『アリーナ』が回収しました。と言うと嘘になる。
 ……『フリーランス』のスタンド使いどもが回収し、
 その売約先とアリーナでの『共同管理』に落ち着いた」

「『最悪な結末』では無い。私の意見でしかないが、一応言う」

そして――――五十嵐の名前には、首を振る。

「猫を愛していたのかもしれない。
 お前には優しかったのかもしれない。
 あるいは『吊り橋効果』かもしれないし、
 私はお前とあれの関係を追及する気もない」

真剣な目だった。
言葉もそうだった。
それが『理由』になるのかは分からない。

「だが、あれは『殺人』の沙汰を犯している人間だ。
 一度や二度でもないし、あれば良いとは言わんが『大義』もない。
 ……仮に生き残っていたなら、遠からず私達が『討っていた』。
 それも大義の名を借りた『殺人』かもしれないが、私は必要な事と思っている」

   「気に病んでいたら悪いので一応言うが、『お前のせいではない』」

                        ・・・つまり、そういうことなのだろう。

718スミノフ『デマーケイション』:2018/11/28(水) 06:45:56
>>716

「肉だなぁ……肉食っときゃなんとかなる……」

そんなことは無いのは百も承知である。
ただ病院食のことは考えたくない。
入院したことはあるがいい思い出はあんまりない。
看護師さんの名前を覚えたり本を読んだりするぐらいが楽しみだった。

「吾妻ちゃん、色男くんよぉ」

「それとそっちの嬢ちゃんも来るか? 仕事抜きにすりゃあ別に敵対する用事もねぇし」

そもそも心から嫌っている訳では無い。
話も通じる人間だし、酒の席にいても嫌じゃない。

「くぁ…… 」

あくびが出た。

719宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/28(水) 23:36:41
>>717

(死に損なった――か)

簡単に楽になる事など許される筈も無い。
仮に行ったとしても、恐らく再会する事は無いだろう。
あいつと俺は『行き先』が違うからだ。

「そうか――」

「話が纏まったのなら、俺から言う事は何も無い」

藤原の話から、大体の事情は把握した。
それなら、それで構わない。

「俺の懸念は、あんたが困らないかどうかという点だけだ」

「依頼主に不利益を被らせるのは、著しく『義理』を欠いている」

『カーバンクル』について考えるのは止める。
それらは、もう終わった事だ。

「……ここを出る前に話した事を覚えているか?」

「俺の目的は、この命に『価値』を持たせる事だと――」

藤原の前に座っていた時の事を思い出す。
考えてみれば、長い一日だった。

「俺は――今、自分が生きている事に『意味』を感じられない」

愛する者も憎むべき相手も、この世から既に消えている。
本来ならば、俺が生きている意味は存在していない。

「だが、『命のやり取り』をしていた間、この命に多少の『価値』――
 生きている『意味』を与えられたように思う」

それは、僅かな間の刹那的な感覚に過ぎない事は分かっている。
また生きている事に漠然とした息苦しさを感じた時、
俺は迷わず同じような場に身を置く事を選ぶ。

「――俺には、それだけで十分だ」

最期の瞬間まで、それは繰り返されるだろう。
そうする事が、罪を犯した人間の果たすべき道だと俺は解釈している。

720硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/29(木) 21:43:08
>>717
「あなたが漣さんかい。
てっきり壮年の男性を想像していたんだが、まさか女性とは。
今の俺はきっとお面を外したにも関わらず、面食らった表情をしているよ。
本当にびっくりした」


そして後部座席から身を乗り出し、漣、そして運転してる吾妻に深々と頭を下げる。


「『お仕事』の為とはいえ、俺は貴女の名前を使って『アリーナ』の身分を騙った。
ヨミミさん、本当に、本当に申し訳ありませんでした」

「そして『ジョウキクン』さん、俺に騙された君の部下であろう『黒服』の人を責めないで欲しい。
騙した俺が悪いんであって彼らは何も悪くないんだ。
『打ち上げ』での説教もやめてあげて欲しい」

721高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/11/30(金) 00:23:04
>>717

「……ハジメマシテ」

 機械的に挨拶に応じる。
 一時でも、敵対したことになる相手の勢力だ。
 それが、自分が目を覚ますまで手を出すこともなく待っていた、というのはどういうことか。

「『フリーランス』……ね。『アリーナ』とも別の、雇われってことスか」

 男の話を、頷きながら飲み込む。
 望まずとも、足を踏み入れてしまった世界の話だ。
 今後、万が一のために、少しでも情勢を把握しておきたい。

「ま、俺たちゃ最初から、それ以上に部外者だったワケだし……
 あの猫の去就についちゃ、そもそも口出せる立場じゃあねェって、分かってます」

「…………アンタの言うことも、分かりますよ。
 見ねーフリしてた方が、都合よかったから、そうしてただけだ。
 『仲良しこよし』してたワケでもねーし……
 言っちゃあヒデー話だが、あそこで『あの人』と無事に別れてたらサ、
 その後の事なんて、知ったこっちゃあなかったぜ。むしろ一目散に逃げてたね」

「でもさぁ、」

 足の傷痕に手を伸ばし、ぎゅっと力を込める。
 傷は、残ってくれた方がいい。

「正しくても、正しくなくても……そこにいた『責任』って、あるじゃん」

 罪を重ねた。
 いずれ討たれる予定だった。
 互いに、利用し合うための関係だった。
 だとしても。

 自分は、あの場にいたのだ。
 あの男に背中を預け、また背中を任された。
 そのために動いて、そして、何事も為すことは出来なかったのだ。

 その結果が、『五十嵐の死』。

「情けねえ」

 俯いたまま、しばらくの間、指に力を込めて。

「……なんつって、気ぃ遣ってくれたアンタに愚痴っても、困らせるだけだよな」

 ふと、顔を上げ、力の抜けた笑みを見せる。

「教えてくれて、どうもッス」

722『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/30(金) 21:42:49
【フリー】
>>718(スミノフ)
>>720(硯)

「『アリーナ』公認とはちゃうし、
 あたしの儲けにもならへんけど、
 『金』さえ出せば入院はいらんよ〜。
 そういう『能力』の人間がおるらしいの」

        「そーいう特殊な治療は、
         代金は出しませんけどね」

見透かす、というわけではないのだろうが、
漣からそのような『抜け道』が提示された。

「え。まあオレは別に良いですけどね!
 協力者ですし、そういう方と飲みに行くの、
 ウチではルール違反ってわけでもないんで」

        ニッ

吾妻は乗り気のようだった。
いわゆる『飲みにケーション』は彼の処世術なのかもしれない。
そして、硯の謝罪については――――
 
「――――ああ、もちろん説教なんてしませんよ!
 情報の管理については、今後考え直すとこもありそうですけど」

少なくとも飲み会が反省会になる惨劇は起こり得ないようだ。

「あたしは別にええよ〜。『結果論』やけどお陰さまで協力出来たし。
 せやけどあたし以外の名前は、勝手に使ったりせん方がええから〜。
 今後も『アリーナ』絡みで仕事するなら、あたしの名前出してくれてもええよ」

            「ウソの身分じゃなくせばええんやから〜〜〜」

そういえば『漣は外の人間も使う』というような話もあった。
硯は、ツバを付けられそうになっているのかもしれない。

「『アリーナ』の連中と酒飲むなんて、
 妙な評判が広まっちまいそうですがねェ」

    「ただま、今日の功労者は旦那と硯クンなんで。
     お二人が呼びたいってんならオレも良いですよ」

「ジョウキ君は飲み会とか大好きやからね〜。
 そういう場で説教とかするような人間でもないし。
 あたしは酔うたらウザ絡みしてまうけど、それでええなら行こかな。
 ああ、そういう場はオフやから『アリーナこぼれ話』は期待せんでな」

           「知らん女が混じってみんな楽しいんかは知らんけど〜」

身内の反発もない。『アリーナの』という肩書は期待できないが、打上げに呼べはしそうだ。
そうこうしているうちに車は星見町――――今日の戦いの終着点でもあった、繁華街の風景に差し掛かる。

723『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/30(金) 21:54:51
【音仙】
>>719(宗像)

「…………困りはしません。私は『音仙』だから、ネ。
 書いている楽譜は一つではないし、演者は一人ではない」

        フフ

その背後には変わらず、『音の木』が立っていた。
コードのような蔓は、宗像に伸びてはいなかったが。

「…………この町は『平和』ですから。
 ……『アリーナ』が『天蓋』のように敵を遮り、
 彼ら自身も、平時は『派閥』単位の戦力でしかない。
 群雄割拠の時代ではなく、『死線』の数は減りました」

     「ですが、無くなったわけではない」

           「……キミの『意味』がそこにあるなら。
             キミが『意味』を喪う事は、ありません」

藤原しおんは儚い笑みを浮かべる。
自嘲とか、納得のようなものがその表情を作っていた。

「ええ……キミに『死線』を味合わせた私は卑怯者です。
 キミの心を、それはとても熱く……危険に燃やすから。
 その自覚と……罪くらいは、私が背負うべきものなのでしょう」

                      「……」

     ス…

「…………写真は、こちらに。……もう、出られますか?」

ベッドのサイドテーブルに、簡素な保護ケースに入れて、例の写真が返された。

【早見】
>>721(高天原)

「一応言うと別に『フリーランス』という組織ではない。
 想像通り『雇われればどこにでもつく』連中の事だな」

補足が入ったが、想像通りのことだ。

「たとえば『エクリプス』にでも……そういう人間を、
 私の派閥に関しては、一々摘発したりはしていない。
 そしてお前の身柄は私の派閥が確保した。『そういう事』だ」

           ザッ

「……私に言えるのはそれだけだ。
 慰めも、同情も、『無責任』にしかならない。
 お前の『後悔』は私のものではないのだから」

傷跡に伸ばす手を止めるでもなく、男は目を細める。

そして、再び足を進めようとする。
言い残すことがあった、というだけなのかもしれない。

「一応言うが、お前を気遣うのは私が親切だからじゃない。
 あくまで『市民』を守るのが『アリーナ』の『責任』だからだ」

           「……他に何も無ければ、私は行く。
            一応言っておくが、『次』があるとは限らない。
            くれぐれも『アリーナ』の敵にならない事を祈っている」

724スミノフ『デマーケイション』:2018/12/01(土) 02:23:24
>>722

「特殊な治療ねぇ……まぁ探してみるか」

抜け道については承知した。
本当にあるのかは自分の目で確かめておこう。

「待てよ一応後輩だ……スカウトはパイセン通しな」

「硯ちゃん、俺の親父の言葉だが……年上の女のエロい誘い以外の女の誘いは気を付けた方がいい」

今回の件においてはだが。

「ま、ただその辺は……本人の意志で……後は酒の席にしようや」

丁度繁華街だ。

725高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/01(土) 23:28:21
>>723

「ああ、うん。それは分かってるッス、大丈夫」
「……ご迷惑、おかけしました」

 相手の立場からしてみれば、『市民』だとしても『エクリプス』を幇助した人間だ。
 見捨ておくことだって出来ただろうに、手間を取らせてしまった。

 深々と頭を下げて、男を見送りたい。

「……そッスね。俺も、『次』がないように気をつけます」

 男の言葉を真に受けるなら、
 この『後悔』だけは、唯一手に入れたものになる。

726宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/02(日) 20:31:16
>>723

相変わらず、藤原は読めない女だ。
しかし、その考えの奥底を知ろうという気は起こらない。

多かれ少なかれ、人は誰しも自分が正しいと思う考えを持ち、
それに従って行動する。
それは藤原に限った話ではなく、
あの争いに加わっていた者達の全員が同じだったのだろう。
そして、俺自身も例外ではない。

ただ、それだけの事だ。

「ああ――」

短く答え、差し出された写真に視線を落とす。
写真の中に残る姿は、何一つ変わる事がない。
その全てが、あの頃のままだ。

(だが、俺は変わった)

(お前が知っていた俺は、既に存在しない)

それを受け取る事に僅かな躊躇が生じ、写真を見つめる。
幾らかの間が空いた。
不意に写真から視線を外し、藤原に向き直る。

「――その前に、済ませておきたい事がある」

「『アリーナ』のスタンド使いに電話をさせて貰えるか?」

藤原に断りを入れ、名刺の番号から吾妻に連絡を取る。
『アリーナ』とは、あくまで利害の一致の上での協力関係だった。
しかし、一応の『義理』は果たしておかなければ寝覚めが悪い。

727硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/12/02(日) 20:36:50
>>722>>724


「スミノフさん、ありがとう。
俺はウブな男子高校生だからな。危うく、漣さんの事を好きになってしまう所だった」

吾妻とも漣とも出会って1時間も経過していなが、
『吾妻』は大組織の『幹部』たりえる器を持っているようだし、
『漣』も予期せぬ状況に対応できる『柔軟性』も兼ね備えている。
『硯研一郎』の2人に対する印象は決して悪くない。いや、むしろかなり好印象だ。


「ああ、早く打ち上げと洒落込もうじゃあないか。
俺は未成年で『酒』は飲めないので『オレンジジュース』をいただくがね」

728『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/03(月) 22:40:01
【アリーナ】
>>724(スミノフ)
>>727(硯)

「病院のどっかにおるらしいで。
 あたしあんま怪我せんから、知らんけど」

       「オレも場所は知らないですね」

調べる必要はありそうだが、
現地でなら噂はすぐ拾えるかもしれない。

「好きになってくれてもよかったんやけど〜、なんちゃって。
 酒の席で結んだ契約ほど脆いもんはあらへんからねぇ。
 そこは自由意志、自由意志。今度改めてお話ししようか〜」

          ニッ

「未成年飲酒はよくないですからね!
 立派な心掛けだと思いますよ……!」

          「店はオレの方でアテがあるんで、
           そこまで車回してくださいよォ〜ッ。
           団体客になっちまいますんで、
           今のうちに連絡だけ入れとくんで」

「アリーナの『黒服』も呼ぶような話をしていたし、
 人数は多めに告げておいた方がいいかもしれないわ。
 『誰々のお箸と皿が足りない』みたいな初動じゃ冷めるし、
 コース料理なら肉の切る数が不平等になったりすると嫌よ」

いずれにせよ、難しい話は今度で良いし、
入院生活への不安とかも今は忘れよう。

今はただ宴席への期待、それだけでいい――――

             ・・・

                 ・・・

                     ・・・

   プルルルルル

「あ、電話?」

しばらくして、一通の着信。

      プルルルルル

           「ジョウキ君、運転中の電話はあかんよ〜」

     「もう着くんですから止まってからにして下さいよォ。
      今事故られたら死にますからね、主にスミノフさんと硯君が」

「いやいや、そこは分かってますよぉ〜っ、と。
 すみません駐車雑ですけど、後で直しとくんで!
 みなさんは先にお店入っててもらってもいいですよ」

              プルルルル

                     ピッ                

やがてイラムシのチョイスらしき店の駐車場に車が止まり、運転席の吾妻は電話を取る。
鍵のロックは解除されており、言葉に加えて先に出ているようにジェスチャーがあった。
 
「――――もしもし?」

剣呑な空気はないし、電話の内容に興味があるとかでも無いなら、先に入っていて良さそうだ。

(☆宴席でのロールや、漣、フリー組との会話を望まないのであれば、店に入った時点で後日談は終了)

729『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/03(月) 22:51:31
【早見】
>>725(高天原)

「一応言うが、逆に『アリーナ』の味方をしたいなら、
 …………ベッドの横に『連絡先』を置いておいた。
 アリーナに与するスタンド使いは、多い方が良いからな。
 いつでも掛けてこい。……不用意に流したりはしないように」

          「では」

              ガチャ

                   バタン

そうして部屋には高天原と、早見だけが残される。
ベッドの横に置かれた小さなテーブルには実際、小さな紙があった。

「……最初に言っとくけど、『報酬』はちゃんと払うからね。
 記事にする事は出来ないけど、今回の事は経験になったし、
 金を生む猫の正体はわかった。『取材』は成功したんだ。
 悪いサガだけど、『記者』としての僕はそう思っている……」

         「だから払うものはちゃんと払うし、
          受け取るものは受け取って欲しい。
          これは……『先輩』としての僕の意地かな」

金の話をいきなりし出すのは、『気まずさ』もあるのだろうか。
その声色は今日あった当初ほど明るくも、堂々としていもしなかった。

ただ――――彼にも得るものはあった、それについては疑うべくもない。
『高天原』は当初の仕事は果たした。その上での『後悔』だからこそ、意味はきっとある。

【音仙】
>>726(宗像)

「…………電話、ですか? ええ、かまいませんよ。
 ここは、映画館とかではないですから……ね。
 それに私はキミの上司でもない。仕事が終われば対等です」

藤原は座ったまま、『蔦』を伸ばして器用に餌箱を掴み、
水槽の魚に――時計から察するに『夕餉』をやり始めた。
読めない女だが、あんがい『ものぐさ』なのかもしれない。

             「それで……ええと」

   プルルルルル

      プルルルルル


「『吾妻常喜』はおそらく今、車を運転していますけれど……」

              プルルルル

             pi

               『――――もしもし?』

「……ああ、もう降りていたんですね。
 そこは聴きそびれていました……ええ。ごゆっくり」

少し時間はかかったが、繋がった。
――何か話すことがあるなら、吾妻は応じてくれるだろう。他に人がいるかは謎だ。

730スミノフ『デマーケイション』:2018/12/04(火) 14:06:38
>>728

「金はあるんだ。焦らずいくかぁ……」


足を組んで息を吐く。
報酬が惜しければ大人しく通常の治療を受けるのもいい。

「スミノフと美味い飯があれば俺はなんでもいい」

目を閉じ、少し眠っていたところ電話の音で起きた。
どうやら店に着けたようだ。

「なんだよ吾妻ちゃん、仕事か? それともオンナか?」

「まぁ、なんでもいいか……誰か肩貸してくれねぇか」

731宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/04(火) 16:50:42
>>729

「宗像だ」

「用事という程でもないが、手を借りた礼を言いそびれていた事を思い出した」

「――感謝する」

「あんたの部下――俺と同じ場に居た男にも『世話になった』と伝えてくれ」

「それだけだ」

吾妻の方から何もなければ、そのまま通話を終える。
そして、テーブルに置かれた写真に視線を戻す。
おもむろに手を伸ばし、それを胸ポケットに仕舞う。

「そろそろ出る事にしよう」

「――世話になった」

ベッドから起き上がり、床の上に立つ。
まともに立っていられるか怪しいが、立たなければ歩く事は出来ない。
歩かなければ、部屋の外に出る事は出来ない。

「また手の足りない『仕事』があれば紹介してくれ」

「『本業』の方でも構わないが」

藤原に告げ、覚束ない足取りで出口に向かって歩き出す。
この扉を開ければ、そこには『地獄』が広がっている。

俺にとっての『地獄』とは、『あの世』ではない。
『真の地獄』とは、『この世』における『虚無の生』だ。

俺は、その『生き地獄』の中で喘ぎ、のた打ち回る。
それが、俺の罪に対する正当な罰というものだろう。

今、その為に俺は生きている。
俺が生かされているという事実を、そのような形で俺は受け取った。

「『アヴィーチー(無間地獄)』――か」

藤原が名付けた『自らの精神の象徴』の名を呟き、部屋を出る。

732高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/05(水) 02:29:28
>>729

「……そりゃ、懐が広いこって」

 紙片を一瞥する。
 『スタンド』の恐ろしさを、改めて味わったばかりだ。
 捨てるほど自棄でもないが、今すぐ拾う気にもなれない。

「……『金を生む猫は実在する』って?」

 早見も、こちらを気遣っているのが分かる。
 彼の代わりに、明るい声を作って、少し張り上げる。

「まあ、真偽は明らかになったなぁ……
 猫が本当にいて、『宝石』を作ってるっつーのは分かった。
 けど、そんだけッス。あの奇妙な『スタンド』の名前も、能力も、どうやって作ってんのかも……」

「……取材は『失敗』ですよ、先輩。
 報酬は受け取れねェッス。
 これじゃ、『読者』のために記事は書けねーっしょ」

 着ている服が同じなら、カーゴパンツのポケットに手を伸ばす。
 まだ、指に触れるだろうか。
 あの建物の二階で、何かの役に立つかもしれないと、拾って忍ばせていた、宝石ふたつ(>>275)。
 アリバイ作り(>>367)のために別室で拾い、散らした分とは別に、取っておいたもの。

 服を着替えているなら手元にはないかもしれないし、
 『アリーナ』に気付かれていたら取り上げられていることだろう。
 『スタンド』で作られたものである以上、射程距離もあるかもしれない。
 でも、そうだ。ただの宝石ではない。
 あの猫の『スタンド』で、作られたものだ。

 もしまだ手にあるならば、ひとつを取って、早見に投げ渡したい。
 取材費も無限ではないのだろう。彼こそ、大損になってしまう。

733高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/05(水) 02:31:20
>>732

734硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/12/05(水) 17:33:27
>>728

「ここが居酒屋ッてやつか。
俺はお酒は飲めないからその分いっぱいご飯を食べようと思うんだ」

車から降りる。
吾妻の電話の内容は多少気になったがこちらに関係ある内容ならば引き止めるだろうし、
それに他人の電話に聞き耳を立てるのは野暮というものだ。
スミノフ達に続き店へと入っていく。

735『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/06(木) 22:49:01
【フリー】
>>730(スミノフ)

「ああ、宗像さん! この度は協力どうもでした。
 一応【音仙】との話はこっちでつけてますし、
 入院費はこっちで手配するつもりなんで……
 あ? お礼? …………なんか、律儀なんですね!」

「ええ、伝えておきます。彼らと、貴方もいたからの成功だ」

        「もし機会があれば、また!
         この連絡先は維持しときますよ」

電話の相手は誰なのだろう?
アリーナの人間ではなさそうだったが、
ともかく通話は相手側から切れたようだった。

「仕事です、仕事。まー大した用じゃ無かったんで。
 律儀なヒトもいるもんだな、ってハナシでしたね!」

          「肩、貸しますよ。
           皆さんけが人ですんでね」

電話を切った吾妻が肩を貸す。
漣も車を降り、イラムシと硯は店に入った。

「私達も行きましょう、スミノフさん」

「そっちの黒服の子らに、地図もちゃんと送っといたってな。
 あたし、当たり前やけど明人クンとこの連絡先は知らへんから」

              「はいっ、すぐやっときます!」

彼らと話す理由でもなければ、
スミノフも店に入って――――それで、話はひと段落だ。

彼らにもスミノフにもこれからはあるが、今日は、そこまで。

>>734(硯)

「好きなだけ食べりゃあいいですよ。
 そんで好きなだけオレンジジュースを飲めばいい」

              ザッ

「オレらは『自由』ですからねェ。
 酒より飯なら、それも良い。
 無理に付き合わせたりはしませんよォ。
 ま、酔っ払いの話には付き合って貰いますがね」

こうして、硯とイラムシは店へ入っていく。
マナビ、スミノフ、アリーナの二人も後から来るだろう。

それからのことは――――ここでは語り尽せない、自由な話だ。

硯 研一郎『RXオーバードライブ』 → 『依頼達成』『報酬80万円』
                         『脚部に大きな切り傷』
                         『全身に細かい切り傷と打撲』
                         『重傷はなし』
                         →『全治3週間』

736『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/06(木) 22:49:38
【音仙】
>>731(宗像)

『ああ、宗像さん! この度は協力どうもでした。
 一応【音仙】との話はこっちでつけてますし、
 入院費はこっちで手配するつもりなんで……
 あ? お礼? …………なんか、律儀なんですね!』

『ええ、伝えておきます。彼らと、貴方がいたからの成功だ』

        『もし機会があれば、また!
         この連絡先は維持しときますよ』

    pi

          ツー  ツー  ツー

「……そういうわけで、ね。外で病院への車が待機しています。
 後で必要なものがあれば、電話ください。届けさせますので……ご遠慮なく」

            パチャンッ

熱帯魚が跳ねた。
写真は元あった場所にしまわれ、
宗像は何とか立ち上がって外に出る。

「『アヴィーチー』」

「命は素晴らしい『音』を溢れさせる。……キミにも生きていて欲しい。
 生きて得られるものが、たとえ苦しみや……罪のつぐないだけなのだとしても」

             「『この世の地獄』は、『あの世』よりずっと美しい」

【早見】
>>732-733(高天原)

紙片には電話番号と『他言無用』の旨だけが書かれており、
その簡素さがかえって、隔絶を生んでいるようでもあった。
ただ、何かにつなげる事は出来るだろう。踏み込むなら価値はある。

「それ、は――――」

高天原の誠実な言葉に、早見は困ったような顔をした。
が、ポケットから無事取り出せた宝石を投げ渡すと、
それはすぐに困ったような『笑み』へと変わっていく。

「そうだ、そうだね。これは記事には出来ない。
 それに『報酬』を払うのは咲哉君にかえって、失礼か」

            キラン☆

――――あの時、拾った宝石だ。
アリーナは服の中までは検めなかったのか、
あるいは、何か私物と勘違いでもされたのか。

真相の奥底までは、とうてい分からない。
そもそも猫の力に本当の意味での名前があるのか、
詳細を知る者がいたのかも、全ては闇の中。
全てを解き明かす事を目標とするならば、
確かに取材は、大成功とは言えないかもしれない。

ただ――――

「でも……得たものはあった。『後悔』とか『怪我』とか、
 『苦い敗北』とか……そういうものだけじゃあないようだ」

偶然とはいえ、手に入れた宝石はどこまでも、『本物』だ。

それを生み出した猫、カーバンクルのその後は分からないが、
無限の価値を生む存在だからこそ、これからも珍重はされるだろう。
能力の深奥こそ読めないが、その存在は真実なのだから。

         ・・・苦みを残す結末ではあるが、輝きも手元にはある。

737スミノフ『デマーケイション』:2018/12/07(金) 11:56:47
>>735

「音仙……?」

「世の中せめぇな……」

可能性が頭をよぎる。

「吾妻ちゃん、その相手作業服着てたりしねぇ?」

「まぁ、とりあえず飲むか」

誰が相手でも本当はそんなに気にすることでないのは知っている。
だからそれ以上深く聞く必要もなく、彼は店に向かって進み続ける。

「はぁ……おつかれさん」

738宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/08(土) 00:05:50
>>736

扉を開き、入口から一歩出た所で不意に足を止める。
この場所へ最初に来た時も、似たような言葉を言われた事を思い出したからだ。
藤原に背中を向けたまま、独り言のように口を開く。

「ああ――」

「そのつもりだ」

少なくとも、生きる事に意味を感じられないからといって自害する気は無い。
簡単に楽になる権利など、俺には無い。
俺は生きている限り、この『地獄』を歩き続けるだろう。

「同時に、『こいつ』も存在し続ける――」

『無間地獄』の名を与えられたスタンドが、自身の傍らに佇む。
凶器を携えた右腕が、鈍い金属質の光沢を放つ。
今日、その腕が血に染められた事は外見からは分からない。

「どのような響きかは知らないが、『音』も鳴るだろう」

「――それは保証する」

言葉と共に『アヴィーチー』が消え、自らの腕で静かに扉を閉める。
遅々とした足取りで歩み、待機している車に乗り込む。
それだけの動作をするのも、今は重労働に感じる。

「頼む」

運転手に短く告げ、シートに背中を預けて両目を閉じる。
精神の奥底に沈んだ『残り火』――それを瞬間的に感じられた事が、
この一件で俺が得られた最大の収穫と呼べるだろう。

また明日も、俺は『この世の地獄』を歩き続ける。

739高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/08(土) 22:20:16
>>736

 宝石と連絡先の紙を、蛍光灯に翳す。
 価値を知られていなければ、いずれも石と紙片だ。

 早見の言う通り、今回の敗北で得たものがあるのだとしたら。
 名も知れぬ喪失感も、いずれその正体を知った時に、価値を見出せることがあるのだろうか。

「……まだ分かんねッス、俺には」

 どちらも机に放り投げ、ベッドに体を沈める。今は、静養に努めよう。

740『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/11(火) 22:14:49
【フリー】
>>737(スミノフ)

「この町でドンパチやってる限りは、
 どーしても知った名前は増えていきますよね!
 電話の相手は――――ま、ご想像にお任せしますよ」

         ザッ
            ザッ

「というわけで、お疲れ様でした!
 こっからは完全、『オフ』で行きましょう!」

         「それがええ、それがええ。
          オンになる時は絶対あるんやから。
          力は抜けるときに抜くのがええわ〜」

「――――本当にお疲れ様、スミノフさん。
 報酬は可能な限り早く、全員に配布させてもらうわ。
 一人『80万』……でも、この予算5千円くらいの飲み屋も、
 それに負けないくらい私は楽しみかもしれない。さ、入りましょう」

          ザッ

                    バタン


スミノフ『デマーケイション』→『依頼達成』『報酬80万円』
               『背中刺傷』『片足裏重度の抉傷』
                →『全治1か月』

【音仙】
>>738(宗像)

「――――――ええ、私にはそれ以上、望むことはありません」

             「……では、行ってらっしゃい」

       バタン

               ブロロロロロ……       

運転手が声を返すより早く、
宗像の意識は再び闇に沈んでいく。

『残火』は燻ぶり続ける。宗像の『命』の灯火として。

宗像征爾『アヴィーチー』→『依頼達成』『報酬70万』
             『背中に重度かつ広大な損傷』
             『硯の殴打により骨にヒビ』
             『軽傷類は手当済み』
              →『全治3か月』   

【早見】
>>739(高天原)   

「僕も、分かったふりをしてるだけなのかもしれない。
 …………それでも、何かは手に入ったと思うのが大事だと思うんだ」

「そうすれば、『心』だけは本当に手に入るかもしれないから」

――――そうして病室は、また静けさに満ちていく。

高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』→『宝石を入手』『30万円相当の価値』    
                    『脚部に大きな切り傷』
                    『その他はおおむね軽傷』
                     →『全治2週間』


・・・

      ・・・

             ・・・戦いは終わった。

全てが上手く行ったわけでもないだろうが、
それぞれの『やるべきこと』は全てやっただろう。

       「ミャオ〜〜〜ゥ」

猫の行方。エクリプス残党達の計画。アリーナという組織。
今は、あるいはいつまでも分からない事もいくつかあるが、
世界は全てを解き明かすより早く、新たな問題に向かう『永久機関』。
完結しない日々は続く。時に闘争、時に平穏の方向に、予測不能の波と共に。

――――同じ戦場に立っていた4人の『この先』も、今ここでは語れまい。
  
                      『金融永久機関カーバンクル』 → 終了

741『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:39:08

【何でも屋】『マナビ』のスタンド。
銃口を二つ持つ、狙撃銃のヴィジョン。

その能力は――『麻酔銃』。

肉体か精神の機能に作用する麻酔を生成し、弾丸状に形成。
極めて遠距離まで、高速で射出する事が出来る。

作用として抑制する機能はそれなりの精度で設定でき、
痛覚のみを麻痺させたりといった芸当も可能である。

難点は威力が低く、殺傷には不向きである点。。
および、極めてシビアな『弾数制限』の存在であり、
無駄撃ちはほとんど許されない。狙撃には本体の腕が必須。

『ペインキラー』Painkiller
破壊力:E スピード:B 射程距離:A(200m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

742『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:41:40

【桜島派】『吾妻 常喜』のスタンド。
人型のヴィジョン。機械的で、モノアイが特徴。

能力は詳細不明。
投擲した物が激しく発光し、
『何か』を排出しているようだった。

『インスタントチューンズ』Instant Tunes
破壊力:C スピード:A 射程距離:?
持続力:? 精密動作性:C 成長性:?

743『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:42:46

【スティングレー】『オリオット・グレイ』のスタンド。
本体の全身に纏われる流線型のシルエットを持つスーツと、
愛用のスケボーと一体化して発現する『エイ』のようなヴィジョン。

エイの持つ刃になった両ヒレや尾と、高い精度、速度を用いて戦う。
特に尾は地面を強く突く事による急な方向転換などにも用いられる。

その能力は――『液上滑走』。

通常状態でも歩行よりはるかに速い動きが出来るが、
僅かでも濡れた箇所なら『超高速』で移動する事が可能。
無加速の状態から一気に最高速になる事すらできてしまう。

当然本体はその速度に適応でき、状況把握にも困らない。
また、壁や天井であっても濡れてさえいるなら滑走でき、
その際に重力で本体が振り落とされてしまうという事もない。

転倒や衝突などの事故は大惨事を生みかねないのだが、
スティングレーは己の技術である程度それをカバーしている。
反面、スケボーの技術でどうにもできないなら、どうにもできない。

『ゼロフリクション』Zero Friction
破壊力:C スピード:B 射程距離:E(1m)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:D

744『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:46:00

【忍者】『縁隈 真燕』のスタンド。
本体の手に発現される『クナイ』のヴィジョン。
扱う際の手の速度を向上させる。複数本の発現が可能。

その能力は――『ただ乗り』。

これを『影』に突き立てる事で、その持ち主の内部に『潜行』する。
拒否は『不可能』だが、潜行された側に即座に悪影響はない。

本体は対象内部の異次元空間に潜伏した状態になり、
任意のタイミングで対象の表面に『窓』を開け、外に手等を出せる。

対象の体に大穴が開こうが、本体より小さかろうが、
能力さえ発動してしまえば基本的に追い出される事は無い。
ただし、開けた『窓』に何かを入れられると回避は不可能。

本体の脚で動き回り『人込み』にて奇襲を行うのが本質だが、
アリーナなどとの戦闘で脚を喪い、義足になってからは、
現在のように移動型のスタンド使いと組むスタイルになった。

『ハイジャック』Hijack
破壊力:C スピード:B 射程距離:C(8m)
持続力:B 精密動作性:C 成長性:C

745『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:49:03

【負の何でも屋】『藍嵐』のスタンド。
直径1kmほどの、スタンドとしては巨大な、
しかし雲としては小さい『雨雲』のヴィジョン。

本体の上空に常時発現しており、任意解除が不可能。
そしてスタンドが展開した範囲内に激しい雨をもたらす。

その能力は――『豪雨ゲリラ』。

スタンドの『豪雨』が遮るものなく直接降りしきる場所であればどこへでも
本体を瞬間移動させることができる。雨を遮るものがある場所は常に対象外。

そして、完全に雨を遮るものの下に本体が入っている間のみ、
このスタンドは解除される――――ほんの一瞬遮った程度でも。
つまり傘を差せば収まるという事だが、レインコートでは収まらない。

本体の逃避的で『無責任』な性格から芽生えたスタンドで、
このスタンドそのものに明確な攻撃能力は存在しない。

また、雨の降る範囲の状況を把握出来るわけでもないので、
視界外への転移は可能だが極めて危険な事態を招きかねず、
上述した性格もあって事実上『視界内の降雨圏』のみが転移範囲。

『アンダー・ザ・ブルー・アンブレラ』Under the Blue umbrella
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:A
持続力:A 精密動作性:なし  成長性:E

746『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:50:38

【エクリプス構成員】『五十嵐 宙』のスタンド。
蟲の天使を思わせるヴィジョン。
ラッパのような形状の器具を手に持っており、
これを武器として使用する反面、素の腕力は弱い。。

その能力は――『炸裂する泡』。

ラッパに息を吹き込むと、『シャボン玉』が噴き出す。
これは『空気』から形成された物であり、
風が吹けば戻ってきてしまうほど『軽い』。
何かに命中すると『爆竹』程度の殺傷力を発揮する。

真価はラッパの先端を何らかの『固体』に突き刺した場合。
この状態で息を吹き込むと、その固体の内部に泡が発生する。
この泡は空気ではなく、突き刺した固体を用いて形成される。
内部発生した泡は自然には炸裂せず、激しい動きや任意で起爆する。

なお、薄い物の場合は、ラッパを刺した面の逆から泡が噴き出る。
この場合についても突き刺した物から形成された泡が噴き出るため、
金属板などを介して攻撃を行えば『鉄の泡』の弾幕を張るなど危険な攻撃を行える。

『エフェメラル』Ephemeral
破壊力:E スピード:B 射程距離:C(8m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:C

747『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:54:54

【金融永久機関】『カーバンクル』のスタンド。
デッサンの崩れた『人間の顔』のようなヴィジョン。
耳の代わりに『蝶』のような羽が生えており、これで移動する。

その能力は――『きらきらしたもの』の増殖。
人間の尺度で言い換えれば、おおむね『鉱物』の増殖である。

スタンドから迫り出す口吻部で『抉り取る』ように鉱物を捕食。
それを内部で際限なく複製して、『大量生産』してしまう事が可能。

それ以上の詳細は明らかになっていない。

金の価値を理解しない猫であるからこそ芽生えたスタンドであり、
金の価値を理解しない猫であるからこそ、気まぐれにしか使ってくれない。
唯一、『五十嵐』の一味だけはこの猫を手懐けていたようだった。

『スウィート・ドリーム・マシン』Sweet Dream Machine
破壊力:E スピード:C 射程距離:A(200m)
持続力:A 精密動作性:A 成長性:B

748『夢と望郷のアリス』:2019/01/05(土) 01:24:17
『星々交わり、日が昇る』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1540228313/136
より・・・

>夢見ヶ崎

シロウサギを追って穴に飛び込んだアリスは、
不思議な国の中で『藤原しおん』達のお茶会に紛れ込む。

    ガタッ
          ガタッ

「面白い」 「愉快」 「興味深いッ」

「オレ様が許可する……マシュマロをくれてやる」

              ズズ

「ただし全部は食うでないぞッ!
 『良識』『常識』『空気』を弁えて食うがいい」

癖ッ毛の男に、大皿を滑らせて寄越された。
気に入られたという感じではないのだが、
物怖じしない姿勢を面白がられたのかもしれない。

「湖に住むUMA?
 それあたしも気になるわぁ〜
 『スタンド』じゃない怪異って、
 とても心をくすぐって離さないわぁ」

パレードの女はステッキを放り投げ、
部屋の隅の『着ぐるみ』がそれを拾う。

「エエ、元気でした……とても。
 私、その、出不精でして……
 こうした機会でなければ、
 なかなか部屋を出る事がないので」

「顔を出そうとも、思ってたのですが」

目に半ばかかった灰色の髪。
首にかけた大きなヘッドフォン。
あの時と同じ――――『音仙』の藤原しおん。

「『アリーナ』が思ったより人員たくさん連れてるから、
 出るとめんどくさぁい事になりそうなのよねぇ〜〜〜」

        「オレ様なら一掃出来る自信はあるがな!」
                 「余裕で」  「悠々とッ」

「無理だからやめてちょーだーい。
 アリィス、『紅茶』と『コーラ』どっちがい〜い?」

       「貴様茶会でコーラなど無粋だぞッ!
        オレ様がわざわざコーヒーなど飲んどるのに」

                      「いいからいいから……」

749夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/01/05(土) 02:46:04
>>748

          ムッシャッ 
                 ムッシャッ

マシュマロをくおう。
そうおもったときには、すでにクチのなかにマシュマロがあった。
なんと、いつのまに!!
こんなみぢかなトコロにも『フシギ』があるとは……。
『ワンダー』をもとめるみちはおくがふかいのだ。

     「フワリとしたやわらかいくちあたり…………」
 
       「やさしくとろけるようなあまさ…………」

    「きぬのようになめらかなしたざわり…………」

   「これらからみちびきだされるけつろんは…………」

   「――――ズバリ!!これは『マシュマロ』だな!!」

『アリス』のロンリテキスイリで、またひとつシンジツがあきらかになった。
もしかすると、マシュマロのカタチした『キャンドル』かもしれないしな!!
いつだったか、『ざっかや』でそんなのみたコトあるし。

「じゃ、どっちもちょうだい。
 えらばれなかったほうがカワイソーだし、
 どれがどのオカシにあうか『たいけつ』させたいから」

せっかくなので両方もらっておく。
だって『パーティー』だし。
実際は、パーティーじゃなくても同じようなことはしてるのだが。

「まえにさがしたんだけどさぁ〜〜〜、みずうみのUMA。
 そのときはガセネタつかまされたけど、またさがそうとおもって。
 セカイはひろい!!どこかにゼッタイいるハズだ!!
 ゼンカイはにげられてしまったが、ワレワレはコンゴもツイセキをゾッコウする!!」

あの時(この辺→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647870/411)は、
結局ちょっとした出来事があっただけで終わった。
しかし、わたしはあきらめない!!
『アリス』は、ねばりづよいのだ。

「――――ふぅ〜〜〜ん…………」

『チェシャ猫』こと『音仙』こと『藤原しおん』を見つめる。
そういえば、彼女のことはほとんど何も知らなかった。
あらためてみると、なんともフシギのおおいソンザイだ。

「しおんちゃん、ありがとね」

「しおんちゃんのおかげで、イロイロとオモシロいコトにであえてるし」

「しおんちゃん、『とうふスイーツ』スキ??」

いい機会なので会話してみよう。
『アリス』はフシギにめがないのだ。
わたしはトウフチーズケーキがスキだ。

750『夢と望郷のアリス』:2019/01/05(土) 03:33:27
>>749(夢見ヶ崎)

「それじゃー両方持って来させるわぁ。
 『ノスタルジアトピア』」

       ≪……≫

             ≪……≫

    ノシ…
         ノシ…

「『食レポ』を頼んだ覚えなど無いッが、
 『マシュマロ』の事を随分分かっているな」

「悪くない」「むしろ良い」「良い感想であるぞ」

「選ばれなかった方がカワイソー!?
 いいねぇ、いいわぁ、そういうの。
 とってもロマンチックよ、アリスゥ〜。
 そういうの好きなんだ。夢があるから」

何かと褒められるようだった。

そして着ぐるみが二体ほど、奥に去った。
部屋を囲むように配置されたそいつらは、
大きさの割にやはり剣呑さは感じられない。

「ああ…………お礼、なんて」

「……キミの方こそ、ありがとう。
 キミは、この町を楽しい音で満たしてくれる。
 ……これからも、面白い事をたくさん、
 私に言われなくたって……探すのでしょう?」

「湖のUMA……ふふ、キミがそれと出会う日を、
 楽しみにしています。ええ、本当に、心から、聴衆として」

穏やかで、どこか自分を低い所に置く話し方だった。
老成していると言うには若く見える(20代後半か)し、
話の合間に彷徨う視線などは、年相応のものがある気もした。

「豆腐は……ええ、好きですね。豆腐スイーツは、
 あまり食べたことがないんですが……好きです。
 ああ、いつだったか……その、『中華料理屋』で、
 バケツみたいな大きさの『甘い豆腐』を食べましたよ、ネ」

               「嘘つきぃ〜〜〜。頼んだだけで、
                途中で残したの覚えてますよぉ」

      「あれは結局オレ様が半分以上食うハメになったッ」
                     「無計画で」 「無茶苦茶ッ」

この三人には何か『積み重ねた時間』があるのかもしれない。
どこか、『内輪』の笑みを藤原しおんの表情からは感じられた。

「キミは……ええと、『豆腐好き』なんでしたっけ?
 それとも『和スイーツ』が、好きなんでしたっけ、ね。
 私の『ウィスパーズ』の……ここは、木陰ではないし、
 町の声も、『抽出している』ものであって、本質ではない」

「……キミのことは、『心』の声くらいしか、ちゃんと知りませんでしたね」

751夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/01/05(土) 18:00:04
>>750

年齢のことは特に気にせず、あくまでもフランクに接する。
10歳や15歳くらいの差なら、大して離れてるわけでもないだろうと思っている。
まぁ、『じつは100さいだった』とかなら、ちょっとかんがえるけどな!!

「『トウフみたいなおおきさのバケツ』だったらよかったのに。
 ただし、アジのほうがモンダイだな……。
 そのへんはホウフなケイケンがないと、プロでもムズカシイところだ」

もっと大きな問題として、バケツが食えるのかどうかというのもある。
だけど、ひょっとするといるかもしれない。
セカイはひろいのだ。

「そういえば、このまえウチらもマチでぐうぜんあって、
 いっしょにカフェでハニートーストたべたよね??ロブソンくん。
 あのときは、おたがいのシュミのわだいでもりあがって……。
 ロブソンくんのシュミが『バルーンアート』とは、いがいだったな〜〜〜。
 そのあとは、ざっかやめぐりしたんだっけ??
 たしか2ばんめのみせで、『デンキュウ』のカタチした『キャンドル』と、
 『キャンドルホルダー』をかったんだよね〜〜〜」

近くにいる着ぐるみの一体に勝手に名前を付けて、気安く話しかける。
ただ立ってるだけだとタイクツだろうし。
『アリス』は、まわりへのハイリョもわすれないのだ。

「さっすが、しおんちゃんはわかってる〜〜〜。
 なんてったって、わたしは『アリス』だから。
 このよに『ミチ』があるかぎり、『アリス』のぼうけんにおわりはない!!
 きょうも、あしたも、あさっても、『アリス』ははしりつづけるのだ。
 まだみぬ『シロウサギ』をおいもとめて!!」

投げかけられた言葉に力強く返答する。
今ここにいることも、『シロウサギ』を追いかけた結果であり、冒険の一つなのだ。
そして、これからも当然それは続いていく。

「『ココロのコエ』はきいてくれたんでしょ??
 だったら、ソレがゼンブ。ソレがイチバンだいじなブブンだから」

       「――――たぶんね!!」

そう言って、屈託なく笑ってみせる。
藤原しおんが聴いた『心の声』が、自分の根幹を成す部分なのは確かだ。
だからこそ、『ドクター・ブラインド』は目覚めたのだろう。

「でも、もっとくわしくいうなら、オカシはなんでもスキ。
 トウフもスキだし、スシとかヤキニクもスキだな〜〜〜」

「ただ、『バケツ』はニガテかもしれないな……。だってカタイし」

くったコトないけどな!!
わたしはオカシをたべるぞ。
マシュマロはたべたから、ベツのヤツをあじみしよう。

752『夢と望郷のアリス』:2019/01/06(日) 00:36:51
>>751

少なくとも『人間じゃない』という風でもないし、
その辺はちょっと考えなくても良いような気がした。

「バケツは美味しくないですよ……
 いえ、ご存知とは、思いますけど。
 その……キミはどこまで本気なのか読みづらい」

            「あっコーラと紅茶来たわよぉ」

       ノシ  ノシ

着ぐるみが分厚い手袋越しに、やや難儀しつつ、
コーラと紅茶らしき茶色系統の液体が入ったグラスを置く。

        ≪……≫

                ≪……≫

       コクコク


「ア〜リス、『ノスタルジアトピア』にピッタリよぉ貴女。
 キャストの一人って言われても違和感ないものぉ」

            「居着かれては困るぞッ!
              尤も……この好奇心の塊に、
               さらさらそんな気は無かろうが」

着ぐるみならぬ『ロブソンくん』は、
夢見ヶ崎の言葉にうんうんと頷く。
茶目っ気に溢れたその様子は、
まさに『夢と魔法の国』の住民だ。

「そう、ですね。キミの『核心』に私は触れた。
 ……そして『不思議の国』への、入り口を与えた」

           「与えたのは『入り口』だけ。
            道を開き、進んだのはキミ自身。
            ね……それが何より、私には嬉しい」

屈託のない笑みと鏡写しにするには、
あまりに含みのある笑みだったが、
夢見ヶ崎への悪意は感じられない。
かといって善意でもない――――『郷愁』の笑みだった。

「ああ…………私たちはスイーツ好きなので、
 スイーツしか用意してなかったんですけど、
 その、肉や魚も出してもらう事も……出来ますよ?」

         「お茶会なのにですぅ〜〜〜???」

「……そうですね、エエ、たとえ話ですけど」

音仙やその仲間と思われる二人組は、
会話に終始するばかりで、行動に移る様子はない。
これは『目的がある集まり』ではない、ということなのだろう。

近くにあった『チュロス』はシナモンっぽい味だった。どうも『既製品』のようだ。

753夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/01/06(日) 01:52:45
>>752

「そのとおり!!
 『アリス』はイロんなセカイをめぐるぼうけんのとちゅう。
 だから、ひとつのばしょにはとどまれないのだよ。
 ちゃんと『アリス』のコトわかってるな〜〜〜。グッドグッド!!」

         ムシャッ

チュロスをかじりながら会話を続ける。
何となく既製品っぽい味。
そして、どこかで食べたような味だ。

「――なんか、どっかでたべたコトあるアジだな……。
 なんだっけなぁ〜〜〜??」

      ズキュンッ

自分自身に『超味覚』を移植し、そして食べる。

 ブースト
『鋭敏化』された味覚を駆使して、記憶の中にある味と照らし合わせよう。
どうでもいいっちゃどうでもいいけど、一度気になると引っかかってしまうのだ。

「――――あ!!『アレ』か??」

導き出した解答を心の中に思い浮かべた。
当たってるかどうかは分からない。
まぁ、ソレはソレとして――――。

「ほうほう、しおんちゃんがうれしいんならわたしもうれしいぞ。
 いいコトだ、うんうん」

含みの感じられる笑み――その意味の全ては理解しきれなかった。
でもまぁ、喜んでくれるんならそれでいいか。
そう思って、彼女の言葉に同意したのだった。

    ズズッ
          グビッ

「チュロスにあうのは、やっぱりコウチャか??
 たべてると、クチのなかをサッパリさせたくなるし……。
 コーラもわるくはないけど、こうちゃとくらべるとな〜〜〜」

「でも、マシュマロはコーラのほうがイイかも??
 タンサンのシュワシュワかんと、
 マシュマロのフワッととけるカンジがぜつみょうにマッチしてる。
 これをひろめたら、あたらしいトレンドになるな!!」
 
『超味覚』を活用しながらコーラと紅茶を飲みつつ、食べ合わせを行う。
だい1かい『どっちがオヤツにあうか』たいけつはドローとなった。
いつかかいさいされる『だい2かい』にごきたいください!!

「まぁ〜〜〜ねぇ〜〜〜。
 ニクやサカナをつかったスイーツだっていうならベツだけど。
 いや、サカナならいけるな!!ほら、アンコがつまってるヤツがあるじゃん??
 わたしはカスタードいりがスキだな〜〜〜」

「――――ところで、ふたりのナマエってなんだっけ??
 ひさしぶりだからわすれちゃったよ。
 こんどはわすれないようにメモっとくから」

しおんちゃんはしってるけど、ふたりのナマエはしらない。
知らないことは知る。
『アリス』のココロエの、きほんちゅうのキホンだ。

754『夢と望郷のアリス』:2019/01/06(日) 04:23:20
>>753

「躊躇なく自分を切れるんだねぇ」

記憶の中の味……あれはいつ頃だっただろう?
食べたことのある『あれ』と全く同じものなのか、
単に既製品のチュロスはだいたいこんな味なのか。
夢見ヶ崎が愛する『未知』や『冒険』は、そこにはない。

ノスタルジアトピア
『夢と望郷の国』――――それがこの世界だ。

「タイヤキか! タイヤキはオレ様も好きである。
 ――――同じ好物を持つ『同好の士』に免じて、
 『改めて』自己紹介をしてやる。『風見 亜角(カザミ アズミ)』だ」

            ガタタッ

       「藤原の『仲間』とでも言っておく」
          「同郷」 「同胞」 「ゆえに協同ッ」
  ガタッ
 
癖ッ毛を弄りながら、男は大型の猫科動物のように、
腰かけた椅子に体重を預けてしきりに揺らす。

「あたし、『メルコ』だよぉ〜。忘れないで〜。
 フルネームは夢が無いから勘弁してちょ〜だい。
 アリスは『あだ名呼び』が好きな気がするから、
 呼び方はなぁ〜んでもいいわぁ。好きにしてねぇ〜ん」

        「……ああ、そろそろ外は『おひらき』だぁ。
         キャストくんたち、何人か手伝いに行ってね」

メルコが着ぐるみに指揮者のように手で示すと、
部屋の隅にいた内の数体が『バックヤード』へと出て行った。

「アリ〜ス、パーティに戻るなら今だけど……」

            チラ

「……夢見ヶ崎さんに、お任せしますよ。
 エエ、お友達も、たくさん来場しているでしょうし……
 何か……お話したい事があるなら、戻れば間に合います。
 けど、私も、キミのことを……友人だと、思っていますから」

               「……残るのでしたら、もてなします」

この笑みには、藤原がたまに見せる、裏のようなものは感じられなかった。

755夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/01/06(日) 13:31:59
>>754

「じゃ、『カザミン』だ。『ユメミン』&『カザミン』かぁ〜〜〜。
 『イズミン』もよばなきゃ。しってる??『ユメミン』のトモダチ」

イズミンもパーティーきてるかな??
さっきはみかけなかったケド。
そういえば、イズミンはしおんちゃんのコトしらなかったみたいだ。
『ベツのばしょ』でなんかあって、きづいたら『センセー』がいたとか。
まだソコにいったコトないから、こんどいかなきゃな!!

「わ、わかりました。それじゃあ『メルコさん』ってよばせてもらいます……。
 そ、そのまますぎるかしら……」

「――――『マリちゃん』だったら、こんなカンジになりそう。
 しってる??『ユメミガサキ』のトモダチ」

少し前にできたばかりの新しい友達だ。
『ピアノ』のスタンドを持っていた。
マリちゃんも、しおんちゃんをしってるんだろうか??
イズミンもしらなかったし、もしかしたらマリちゃんも『ベツクチ』かもしれない。
『アリス』のキョーミはつきないのだ。

「じゃ、『メル』で。シンプルイズベスト!!
 ミニマルなじだいにあわせた、きのうびをおもわせるムダのないネーミング。
 こんねんどの『ベストネーミングしょう』こうほにあがるだけのコトはあるな〜〜〜」

        ガタ

そんなやり取りを一通り済ませたところで、椅子から立ち上がる。
紅茶とコーラはキレイに空になっていた。
お菓子をつまんだ手を軽く払う。

「まんぞくしたからアッチのほういってくる。『アリス』はたちどまれないからさ。
 あたらしい『シロウサギ』をさがしにいかなきゃ。
 オモシロソーなのが、ほかにもいたし。それに、まだプレゼントももらってない」

            「ゴチソーサマ」

パーティーの初め頃に見たメイド男を思い出す。
あれも不思議な存在だ。
キョーミをひかれる。

「けど、カザミンとメルとしおんちゃんは『アリス』のトモダチだから――――」

           「またあおうね!!」

三人に笑顔で手を振って、『夢と望郷の国』を後にする。
『アリス・イン・ノスタルジアトピア』は、ひとまずオシマイ。
『アリス・イン・ザ・パーティーナイト』のクライマックスに戻ろう。

756『夢と望郷のアリス』:2019/01/06(日) 22:43:00
>>755

「オレ様は渾名呼びを許可した覚えはないッ!
 ――――が、それほど狭量でも無いのでな。
 『イズミン』とやらは知らぬが、好きに呼ぶがいい」

「あたしも『マリちゃん』は知らないけど、
 『メル』っていうのは気に入ったわぁ。
 そうなると『モラ』とか『ミレ』とか『ムロ』とか、
 そういうお仲間もいたりするのかしらぁ?」

         「ぜひ探してみてよ、アリス」

二人は『あだ名』を受け入れた。
が、『今泉未来』や『水溜ココロ』は、
彼らの知る存在ではないようだった。
藤原しおんも、それらの名前には特に反応しない。

「次の『不思議』に行かれるのですね。
 エエ……そう言われる気がしていました」

              フフ

「キミが望むのであれば……私はいつでも、
 キミとこうして、机を挟んでお話します。
 あ、いえ、本当にいつでもではないですけど」

「……それでは、行ってらっしゃい。いずれまた」

       「『友達』」「フン」「構わん」
       「『同胞』とは言わんが、友と名乗る事は許可するッ」

            「また来ることもなァッ」
 
「またいつでもこれるよ。あたしは『ノスタルジアトピア』の管理人。
 アリスが未来の夢と、ちょっとばかりの思い出……ロマンを忘れないなら」

         「忘れるわけないじゃないのねぇ」

                  「じゃあ、またね。ア〜〜〜〜リスッ」

『望郷』の世界を背に、夢見ヶ崎は『次なる白兎』を追いかける。
バックヤードを戻っていけば、また、あの『パーティ会場』に辿り着けるだろう。

――――『アリス』の不思議な冒険は、これからも続くのだ。

                      『夢と望郷のアリス』→おしまい

『星々交わり、日が昇る』へ移動。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1540228313/137-

757『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/19(土) 23:50:05

その日――――『加茂』や『アンジェイル』といった『馴染み』のファイター達が死闘を魅せ、
熱が入り始めた『闘技場』に、水を打ったように『困惑』と『期待』の声がさざめいていた。
水を打つといえば『静まる』というのが普通だが……生憎そんな殊勝な連中は、ここにいない。

  ≪さぁッ≫   ≪さあッッ!!!≫

                  ≪観客の諸君ッ≫

  ≪準備は出来ているかッ!?≫

            ワ
                 ァァァーーーーーーッ ・・・

 ≪この『インターバル』が明ければいよいよ今宵の『メーンイベント』ッッ!!!≫

喝采には、迷いがあった。

               ≪ご存知の方もおられるだろうがッッ≫

会場の中心に運び込まれた『大型の機材』はステージ・ギミックとしても不自然な物で、
明らかに『飛び跳ねて戦う』には場所を取りすぎるそれは、事情を知る観客をもざわめかせる。

      ≪多くのファイターが踏んで来たこの石畳でっ!!
       血と汗をガブガブ飲ませて来たこのステージでッ!!
       『血も汗も滲まない』時間が訪れようとしているッ!!≫

                『ザワッ』

 ≪さながら『リング』という怪物の『休肝日』といった所ッ≫

      ワー   ワー

               ≪だが!! 当アリーナはッ!!
                『休館』どころか益々『満員御礼』ッッ≫

   『ザワ』               ワァァーーッ
 

      ≪これはッ≫

              ファイト
            ≪『武闘』ではなく≫

                      スポーツ
                    ≪『競技』ッッ≫

機材の正体は、すぐに明らかになった。
『物販』や『開発』に噛むという『漣派』が関わった『大規模イベント』の際に時折現れる、
何らかのスタンド能力の産物であろう――――極めて『現実的』な『立体映像』の投射装置。
数台ほど増設された『観戦用モニター』にも映し出された『デモ映像』が、ステージ上にも乱舞する。

    『ザワ』

            『ザワ』

 ≪――――嗚呼ッ、手に汗握る迫真の『武闘』は本当に……心から素晴らしいッ!          『ザワ』
  ゆえに今まで我々『アリーナ』は、台本も、細やかな『制限』『ルール』にやきもきする事もない!
  スタンド使いという『超人』同士の、泥臭い『本物の戦い』が生むドラマを数多魅せて来たッ!
  ・・・『鮮血』と『雄叫び』を禁じ得ない、まさしく究極のエンターテイメントとして・・・だが!
  戦いは『泥臭く』なければ素晴らしくないのか!?『血祭』でなければ素晴らしくないのか! 否ッ!
  ・・・『爽やかな汗』!『声援』!『競技』だからこそ生まれるエンターテイメントも存在するはずッ!!
  
                      即ちッ!! ここにいる諸君が! 新たな潮流の立会人だッ!!!≫


 オ    オ  ォ ォ ォ  ・ ・ ・ ・ ・ ッ ! ! ! 
 
     ≪新時代のステージに立つのは――――
       同じく初お目見えッ! 三者三様の『超新星』ッ!!
        只今『控室』にて最終チェックの真っ最中であるゆえ!≫

            ≪――――花摘みや物販は今の内に済ませるようにッ!
              実況は引き続き、『アリーナ』の『桜島』がお送りするッ!!≫

――――控室にも響く演説じみた『実況』を聞くのは、三人の勇気ある挑戦者。
あまりにも毛色が違いすぎる組み合わせは、とても『同じ競技者』とは思えないもの。
繋ぎとめるキーワードがあるとすれば、それはやはり『スタンド使い』という事になるのだろう。

いかにして彼らがここに集い、この舞台に上がる事になったのか? 物語は今より少し前から始まる。

                        『喝采無/尽のスターライト・ステージ』→開始。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★プロフィール、能力詳細、外見をご提示ください。『持ち物』の提示は不要です。
☆また、『何らかの方法で募集を目にした』か『スカウトを受けた』かを選んでください。

758音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/20(日) 00:13:42
>>757
一対の『剣』と『盾』のヴィジョン。
『盾』は受け止めた攻撃を『紋章』に変え、
『剣』に宿すことで攻撃を『反射』する。

『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』
破壊力:B スピード:C 射程距離:C
持続力:B 精密動作性:C 成長性:B

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/88

★プロフィール/外見
身長179cm。頑強な肉体をカジュアルなジャケパンスタイルで着飾る。
額で分けられたウェーブの黒髪と、逞しい『ケツアゴ』がトレードマーク。

【詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/67

☆参加の経緯
『アリーナ』への参戦をしたく、倉庫街をウロウロとしていたら、
見るに見かねた『スカウトマン』から、今回の参加を打診された。
-------------------------------------------------------------

 「しかし、我々『三人』が一つの部屋で待つということは、

  ――――『3vs3』という形になるのかね」

『桜島』と名乗った男の、剛毅な『実況』を耳にしながら、
イマイチ事情を把握しきってない発言をする。

 「流石に、那須川天心とメイウェザーと、同じ部屋で待たせないだろう?

  『1vs1』を3度繰り返すというのなら、そうだな――――

  ここではなく、『観客席』に座りたいものだね。
  君達の闘いも、見てみたい。……そう、思わないかね?」

『控室』でお茶でも飲みながら、それとなく他の二人に話しかける。

759スミノフ『デマーケイション』:2019/01/20(日) 00:57:36
>>757 (GM)
>>758 (ピエールさん)

プロフィール
優柔不断で流されやすい。
衝動的。

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/56

能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/93

服装
薄手のカッターシャツにネイビーのロングカーディガン。

経緯
ふらふらしながらスタンドの練習をしようとしたらスカウトされた。

「貴方がメイウェザーだとしたら、僕はアマチュアボクサーだと思うんですけど……」

見るからに強そうな人間が同じ空間にいて恐縮する。
どうしてこうなった。

「ぼ、僕は闘いとかは……!」

「殴り合いとか知恵比べ、とかじゃない闘いなら、いいですけど……」

760天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/20(日) 00:59:08
>>759
名前欄ミス

761美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/20(日) 01:46:07
>>757

「へえ――」

「初めて来たけど、随分と派手にやってるじゃない。いよいよ『これから』って感じ。
 良いわね。気分がノってきたわ」

こういう場所に来ると、昔を思い出す。
かつてアイドルだった頃、ステージに上がる前に感じていた心地良い緊張感。
あの頃の私は、舞台の上で歌って踊って輝いていた。
今から、もう一度ステージに立つ事になるのだ。
アイドルではなく、『競技者』の一人として。

(でも、まさか本当にこんな所に来る事になるとはね……。
 自分で選んだ道とはいえ、ちょっと無鉄砲すぎるんじゃないの?
 ――くるみ、あなた本当に大丈夫?)

心の中で自分自身に語り掛ける。
事の起こりは、『アリーナ』からの呼び掛けだった。
年末に開かれたパーティーに参加していたから、そこの関係かもしれない。

まぁ背景はともかく、そういう話が来ていたってこと。
最初は断ろうと思った。
もし怪我でもして、仕事に差し障りがあったら困る。

だけど、格闘技みたいに殴り合いをする訳じゃないそうだし、
万一怪我をしても対応してくれるらしい。
何より、私自身の心に『出てみたい』という気持ちが生まれたから。
多分――またステージの上に立ってみたいという『願望』があったせいだと思う。

(大丈夫よ。デビューした時だって、そうだった。あなたなら出来るわ。
 私は、美作くるみなんだから)

(――やってやろうじゃない)

アイドルとしてお目見えした頃を思い出し、決意を新たにする。
そして、他の二人に視線を向けた。
その中には、見た事のある顔もあった。

「よろしくね、お兄さん」

「格闘技のお話?悪いんだけど、そっちの方面は不勉強なのよ。ごめんなさいね」

「その代わりに『マライア・キャリー』と『ジェリー・リー・ルイス』っていうのはどうかしら?」

ガタイの良い男性に向けて、馴れ馴れしくならない程度の軽い挨拶をしておく。
それから少年に視線を移す。
少し前に、横丁で見かけた男の子。

「あの歌、『黒い瞳』だったかしら?」

「真尋くん、また会ったわね。お互いベストを尽くしましょう」

「――ね?」

あの時、私は彼の歌を聴かせてもらった。
同時に、私は彼に歌を聴いてもらった。
今日は『歌』ではなく、お互いが『能力』を尽くし合う事になる。

「これが『格闘技大会』なら、私はここにいないでしょうね。
 『アナウンス』か『ラウンドガール』ならやってもいいんだけど」
 
「つまり、ここはそういう場じゃないって事になるわ。お二人さん」



◆◇◆プロフィール◇◆◇
ラジオ番組『Electric Canary Garden』のパーソナリティー。
十台の頃に人気アイドルとして一躍ブレイクしたが、売れなくなって引退した。
その事実は世間から忘れ去られている。年齢24歳。

◆◇◆能力詳細◇◆◇
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/91

◆◇◆外見◇◆◇
キャップ・スタジャン・ジーンズ・スニーカーのメンズライクなアメカジファッション。
リップ、チーク、アイシャドウで女らしさを強調した化粧っ気のある顔立ち。
髪色はブラウン、ヘアスタイルは菱形のミディアムボブ。身長165cm。

762美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/20(日) 02:01:37
>>761

本体の肩に止まる機械の『こまどり』のようなヴィジョンのスタンド。
手のひらサイズで、マイクとスピーカーを備えている。
本体の声を収音し、音響機器から出力する。
出力に使用した機器は本体の『ファン』になり、『情報』を貢ぐ。

『プラン9・チャンネル7』
破壊力:― スピード:― 射程距離:A(120m)
持続力:B 精密動作性:― 成長性:B

763『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/20(日) 02:48:27
>>758(ピエール)

    「試合には今、空きが無いんだが…………あー。
     そんな顔をするんじゃあないぜ、悲しくなるだろ。
     ……いろいろあってワケありで『空いてる枠』だが、
     あのステージに立たせてやる事なら出来なくはない」

    「なにせあんたは『華』がありそうだ。盛り上げてやってくれよ」

              ・・・・・
        ・・・・
  ・・・
                 オ ォ ォ ・ ・ ・

控室は『リクライニングチェア』や『ドリンクサーバー』など、
最低限度の設備こそあれ、あまり『豪華』なものではない。
着替えや改めての説明などを行われたのは別の『個室』で、
今は最終チェックという名目で集められているという事実を含めても、
『花形選手』の扱いとしては首を捻らざるを得ないが……
今日ピエールはここにいて、これから舞台に上がるのは事実なのだろう。

そんな中で口慰みに話しかけた二人は、知り合い同士のようだ。
少年は少なくとも今から『血を見合う』相手には思えない。
どこか儚い印象すら受けるが、『大丈夫』なのだろうか?
もう一人、洒脱というか垢抜けた雰囲気の『美女』についても、
言葉に教養が伺えるも、『戦い』に長けている様子ではない。

だが、多くの修羅場を潜って来た『歴戦』のスタンド使いであるピエールは知っている。
大の男でも『腑抜け』になってしまう事はあるし、女子供も戦士になり得る。それが『スタンドの世界』だ。

>>759(天白)

    「一応言っておくが――――見えているぞ」

    「『蜘蛛』のスタンド、か。珍しいタイプだが、
     1人で鍛えているだけでは得辛いのが『経験』だ。
     特に、他に類例を見ないスタンドであれば、
     使って経験を重ねなければ見えない物は多い。
     なにせ……『先人が切り開いた道』が、ないのだから」

      「その『経験』にはうってつけの場があるが、どうだ?
       一応言っておくが……『騙す』とか『陥れる』なら、
       姿を見せる前にやっている。『スタンド使い』だからな」

          ・・・・・

            ・・・・

              ・・・

場違い、なのは果たしてこの中の誰なのだろうか?
ケツアゴの『貴公子』は兎も角、『美作』は戦士とは思えない。
あの日スカウトマンを名乗った『執事』風の男を信じるなら、
これから行われることには基本的に『危険』は無いとのことだが……
本当に大丈夫なのだろうか? とはいえ、今更帰るわけにもいかない。

・・・流されやすさのあまり、妙な所に流れ着いたのかもしれなかった。

>>761(美作)

     「それじゃ、キマリですね、いや〜楽しみですよ。
      なんといっても、『華』の方はバッチリですし?
      頭がイイ人は、スタンド使うのも大体上手いんで!
      ぜひとも『アリーナ』でも花を咲かせてください!」

     「あ! ただ『表のシゴト』で『番宣』とかするのはNGで!
      うち、これでも一応『ヤミ組織』ってことになってますんで!」

                ・・・・・
           ・・・・
       ・・・

アリーナの『吾妻』…………あのパーティで会った彼から、
出場の打診があったのは『偶然』の事だったのかもしれない。
最初に連絡があったとき、声には『焦り』が見え隠れしていた。
誰かの代わりだったのかもしれないし、『数合わせ』かもしれない。

少なくとも一つ確かな事があるなら、この『控え室』の待遇が示しているように、
記憶の水面で輝く『栄光時代』とは違い、美作のために用意された舞台ではない。
(少し前までは別の個室で身支度などをしていたわけだが、それも質は普通だ)

――――それでも、美作の心には今、願望が残響している―――――

他の参加者と思われる二人のうち片方は知り合いであったが、
説明を思い返す限りでは『共闘』を主題とするようなルールではない。
今は純粋に、『スタンド使い・美作くるみ』としての力に観衆の期待が待ち構える。

    カゴの中で美しくさえずるカナリアを愛でる人間は、とても多い。
    この『荒野』でも……可憐に洗練された『魅力』は通用するだろうか?


>全員
             コン  コン

                コン  コン

「――――失礼いたします」

ドアがノックされた。見せられない物でも無ければ、開けさせていいだろう。

764美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/20(日) 11:29:20
>>763

「いずれにしても、エンターテインメントには変わりないでしょうけどね」

もうじき訪れる出番に備えて、化粧のノリをチェックしていた。
ノックの音を聞き、その手を止める。
手の中のコンパクトを閉じて、ドアの方に顔を向けた。

      チラッ

「――――どうぞ」

念のため、他の二人に目で確認してから応対する。
もし何かあれば、自分は黙っておく。
まぁ、大丈夫だとは思うけど。

(さてと……お待ちかねの『ショータイム』かしらね。待ってて、みんな。
 入場料以上に楽しませてあげるわ)

765天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/20(日) 13:07:15
>>761 (美作さん)
>>763 (GM)

「はぇ? は、はぁ……」

声をかけられてそれから少しの問答を経て、了承してしまった。
流されるというのも考えものだ。
確固たる自分の意思というものが果たしてこの人間の中に存在しているのだろうか。

■ ■ ■ ■ ■

「美作くるみさん、ですよね? 尽くします、ベスト!」

「あ……くるみさんって呼んでもいいですか?」

そんな彼は、ぼうっとしたような目で呑気にそんなことを聞いていた。
状況というものを分かってるのだろうか。

「! どうぞ……」

ノックの音に驚きつつ、入室を促した。

766音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/20(日) 20:26:28
>>763
華奢な少年と、洒落っ気な女性を交互に見やり、
ワケありで空いている『枠』とやらに、思いを馳せる。

 「君達が、あまり『闘い』に向いていないと、
  そーいう事情は、ハッキリと理解したがねェ」

 「そーなると、私はこれから何をやらされるんだ?
  ――――バンド組んで、セッションってわけでもあるまいに」

老若男女を問わず、『スタンド』は戦闘力を有する。
だが、それは『戦意』を前提とした話だ。

>「――――失礼いたします」

 「……ん? どうぞ」

飲み終えたカップをテーブルに置き、入室を促す。

767『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/21(月) 00:58:50
>>764(美作)
>>765(天白)
>>766(ピエール)

抜け目なく『映え』を確かめる美作。
逆に抜け目だらけにも見える天白。
漠然とした状況に思索を巡らせながらも、
茶(そこそこの味だ)を飲み終えたピエール。

まさに三者三様だが、入室を許すのは全員同じだった。

             ガチャ…

「ご歓談中のところ、失礼いたします。
 じきにスタジアムの準備も整いますゆえ、
 全員でルールの『最終チェック』を済ませた上で、
 会場までご案内させていただく次第です」

入室してきたのは、渋面の中年男性だ。
カッチリとした黒スーツに身を包む姿だが、
会場でしばしば目にする『黒服』よりは高級感がある。

       ペコリ

「…………申し遅れましたが、
 アリーナの『如月ケイジ』です。
 音無様、美作様、天白様。
 本日はよろしくお願いいたします」

そういえば手荷物検査やボディチェックなど、
最低限の『安全確認』は先ほど終えたが、
そういえばルールは曖昧にしか聞いていない。
分かるのは、単なる『ケンカ』ではない事くらいだ。

「さて」

                ワァァァーーーーー ・ ・ ・

「今回のルールについてですが、
 『戦闘』ではなく『競技』になっております。
 ありていに言えば、スタンドの『五種競技』」

遠くから聞こえる観客たちの歓声をよそに、
如月は落ち着き払った口調で解説を始めた。

「『五つの課題』が皆様に対して次々提示され、
 それぞれの能力によってそれを切り抜けていく。
 その『手法』の独自性、『手口』の鮮やかさ、
 『手際』の確かさ……そこが『点数』に繋がりますが」

               「ここまでは、よろしいですか?」

768美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/21(月) 09:23:18
>>765
>>766
>>767

    ニコッ

少年に向かって明るく笑い掛け、了承の意を示す。
自分も苗字で呼ばれるより名前で呼ばれる方が好きなのだ。
もちろん人によるが、この少年には呼ばれても何ら問題はない。

「――こちらこそ、よろしくお願いします。
 至らない部分もあるかと思いますが、精一杯やらせて頂きます」

キャップを取って、相手と同じ程度のお辞儀を返す。
裏だろうと表だろうと、どこの業界でも挨拶は基本だ。
それが済んだら、また帽子を被り直す。

(これはまた、『なかなか』ね。もっとも既婚者って事も考えられるけど。
 でも、仕事とプライベートは別)

(今日は恋を『しに来た』訳じゃなくて、恋を『されに来た』んだから)

「大体のルールは把握できました。
 要するに『上手くやれ』と考えて良いようですね」

『能力』を駆使して、流れるように美しく、かつ確実にこなす。
求められているのは、恐らくそういう事なのだろう。
口で言うのは簡単だが、実際にやるのは難しい。

「――分かりました」

しかし、やる。
『ステージに立つ者』なら、やれて当然だし、やれなければならない。
久方振りに、心の中が熱く燃えてくるのを感じる。

     コクリ

軽く頷いて、話の続きを促す。
点数があるという事は、それで最終的に順位が決まると見ていい。
その辺りが競技という事なのだろう。

769天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/21(月) 10:19:42
>>767 (GM)
>>768 (美作さん)

名前呼びの許可に目が輝く。
ニコニコと機嫌良さそうだ。

「はじめまして、天白真尋です。天は白く真を尋ねるで天白真尋」

如月に頭を下げた。
良さそうなスーツを着ている。
お金を持っているかもしれない。

(僕もああいうのを着たら大人っぽく見えるかなぁ)

そういう問題ではない気がする。

「五種競技……」

どんなものが出るかは分からない。
しかし三人もいればなんとかなるような気が真尋の中に生まれる。
三人寄れば文殊の知恵とも言う。
自分のスタンドが強いとか弱いとかはよく知らないが、強み弱みがあるのは知っている。

「三人で頑張ればいいんですよね……?」

「全力で」

770音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/21(月) 20:25:58
>>767
洒落たブラックスーツに対抗するかのように、
身に纏ったジャケットの裾を過剰に払いながら、椅子から立ち上がる。

「これは、どうも。

 初めまして、『如月』さん。
                   . . . .
 ――――『音無ピエール』、ピエールと呼んで欲しい」


    スゥゥゥ...


勝手な注文を付けながら、一礼を返す。
続く説明に耳を傾け、『五種競技』との形容に得心する。

   「なるほど。
                           ペンタスロン
    古代オリンピックでは花形であった、『五種競技』こそ、
    真の意味での『強者』を決めるに相応しい、と。

    いいじゃあないか。――――実に、腕が鳴る」

黒髪を振って面を上げ、己の挑戦的な笑みを晒す。

ピエールの思考は『天白』とは真逆だ。
総合力を問う『五種競技』だからこそ、
たった『一人』で挑むことが、絶対であると。

771『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/22(火) 02:21:00
>>768(美作)

彼の薬指に『証拠』は見えないようだったが、
身持ちが堅そうな雰囲気を感じない事もない。
もっとも、今日は『遊び』ではなく『仕事』だ。
そして美作は『魅せる仕事』を誰より得手とする。

「エエ――――『上手く』やってください。
 とはいえこれはコンクール等ではございませんので。
 全力を尽くしたうえでの……と注釈はいたしますが、
 『失敗』もまたエンターテイメントでございます。
 至らぬ所があるのも、それを工夫で打ち消すのも、
 目の肥えた観客たちはどちらも望んでいるものでして」

              フッ

「それゆえ、あまり肩肘張らず……
 とはいえ、成功をお祈りしております。
 最も望まれているのはやはり、それですのでね」

応援の意図を感じる穏やかな笑みを浮かべ、如月は続きを話し始める。

>>769(天白)

「これはこれは、ご丁寧に。如月は『月の如く』……
 ケイジについては、『カタカナ』で通しております」

             ニコリ

高級スーツなのも間違いないようだったが、
なにより二重の意味で『身の丈に合っている』。
そういうのが『大人の風格』を纏わせるのかもしれない。

「いいえ――――『1人で』頑張っていただきます。
 『集団演技』もゆくゆくは競技化を考えておりますが、
 今回に関しては『個人技』を、三人で魅せ合い競い合う物です」

如月の答えは想像あるいは期待に反し、『個人技』を期待する物だ。
『アルビノ・ホリデイ』はどちらかといえば『応用』より『深謀』の能力だが……

「ただ、この競技のテーマの一つは『非戦闘員』の活躍。
 個人同士では完結しない能力の持ち主であられましたら、
 競技の『シチュエーション』の中で『助け舟』は出しましょう」

少なくとも『能力を活かせないシチュエーション』は無いと見てよさそうだった。

>>770(ピエール)

「では、ピエール様と。遠慮なく呼ばせていただきましょう」

                スゥッ…

「御博学のようで。――――ええ。『強さ』とは『決闘』だけに非ず。
 もちろん『正々堂々』の『武闘試合』は我々の花形ですが、
 真の『最強』への道筋をエンターテイメントとして提供する、
 我々『アリーナ』が避けて通るべきではない道……それはこの競技」

            「存分に、腕をお振るい下さい」

天白や美作には向けられていないその笑みの意味は、  
ピエールの『勇壮』な挑戦に対する『期待』にも感じられた。   
もっとも、他の二人には別の笑みが向けられており、
ピエールが特別扱いという風ではないが……意味はあるだろう。

>全員

「さて、説明を続けますが――――審査は人力で行います。
 スタンドの『使い方』について『絶対的正解』が無い以上、
 機械的判断は出来ません故、『なぜ?』と思う判定もあるでしょう。
 ですがそこは『審査型競技』の常として、ひとまずご理解ください。
 ご意見があれば、次回以降、フィードバック出来るよう『善処します』」

「審査員の内訳ですが……審査員の好み一つで勝敗が決まってしまわないよう、
 アリーナより……『スタンス』に違いが見られる『2名』のスタッフと、
 『観客投票』という形で、予想のつかない第三の視点を用意しております。
 解決法の『独自性』『鮮烈性』『確実性』の3つがそれぞれ審査されます。
 審査は単純、『可』か『不可』か。可であれば1点加点、不可は無加点。
 つまり3つの観点それぞれが、1問ごとに『3点満点』で評価される事になりますが」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(例)

吾妻 常喜『インスタントチューンズ』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『0』 鮮烈性『1』 確実性『3』
・・・・・・
・・・・
・・

第五問:独自性『2』 鮮烈性『2』 確実性『0』

合計:独自性『10』 鮮烈性『9』 確実性『7』 

                  総計――『26』

――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

                 「……ここまで、よろしいでしょうか?」

772美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/22(火) 17:25:17
>>771

「ええ、ご忠告に感謝します」

    ニコリ

「ご覧の通り、私には彼――
 ピエールさんのような『力強さ』はありませんし、
 『アリーナ』に足を踏み入れるのも今日が初めてです。
 ですが、いかなる時でも『チャーミング』に振舞う訓練は積んできました」

堂々とした態度で、如月に言葉を返す。
実際のところ、根拠の有無は関係ない。
常に自信があるように見せる事が大切なのだ。
たとえば、ステージに立つアイドルが、
とびきりの笑顔で客席に向かってウインクしてみせる。
そうする事でファンは盛り上がり、演者自身も気分が高まるのだ。
それを恥ずかしがって出来ないようではファンを白けさせてしまうし、
演者もノリ切れなくなる。
何よりも、自分に自信を持つ事こそが第一歩だというのが、
美作くるみの信条だった。

「その点に関してギャラリーを失望させる事はありませんので、ご安心を」

『闘い』は、何も直接的なものだけじゃない。
どんな世界にだって『闘い』はある。
私がいた世界にも、それは当然のように存在していた。

(――まぁ、『負けた』んだけど。言う必要はないわよね。
 これから始まる『闘い』には関係のない事だもの)

そう、私は負けた。
だからこそ、今の自分がいる。
だけど今日だけは、少し過去の自分に返ってみるのも悪くない。

(ある意味『リベンジ』って事にも……。
 いえ――さっき言われた通り、力が入り過ぎてると、また負けるわ。
 リラックスリラックス。ラジオで喋ってる時みたいに落ち着いて掛からないとね)

「どうぞ、如月さん。先をお続けになって下さい」

採点の方式について、これといった疑問点はない。
後は、実際にやってみれば分かる事だ。
自分の才能――『プラン9』が、どこまで出来るか試すにも良い機会になる。

773天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/22(火) 19:22:59
>>771

「一人でですか……」

(大丈夫かなぁ……)

結んだ髪を指先でいじる。

(まぁ、大丈夫かな)

すぐに心を持ち直す。
自信のあるなしと出来る出来ないというのは違う。
自信があるのに出来ない人間がいるように、自信がなくても出来る人間もいる。
自分が後者であることを信じよう。

(それに色々ありそうだし)

人に見られているという事実に少しドキドキしてきた。

「……はあぁ」

色々考えているうちに上がってきたらしい。

「はい、大丈夫です!」

採点については納得した。
魅せ方というのも可能なら意識しておこう。

774音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/22(火) 21:45:52
>>771
「ああ、期待したまえ」

己への鼓舞も含めて、自信に満ちた返答を見せる。
無論、この『アリーナ』は自身が何者かは、知らないだろう。
……ちょっとは知ってるのか?  ――――まあ、それは置いといて。

     「『独自性』、『鮮烈性』は非常に解りやすい。
      強いていうなら、『確実性』が気になるな。

      百回やって、百回とも同じように出来るか?
      その場の天候とかに左右されないか、くらいの意味合いかね?」

『審査員制』である以上、ルールを細かく突っつく必要性は皆無だろうが、
そのまま突っ立ってるのも何なので、一応聞いてみる。

775『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/22(火) 23:00:36
>>772(美作)

          チャーム
「ええ、素晴らしい『魅了』をお見せください。
 私も、観客も、誰もがそれを望んでいる事でしょう」

             ニコ…

堂々たる――――『根拠のない自信』。
アイドルには、パーソナリティーには、
あらゆる『エンターテイナー』には重要な力だ。

それが結果と結びつくかは……考えの通り、これから分かる。
少なくとも、美作は三人でも突出した『魅せる経験』を持つ。

>>773(天白)

気持ちを入れ替えるも、緊張や高揚は入れ替えた気持ちにも湧く。
だが、それは『原動力』にもなり得る感情だ。『やる気十分』とも言える。
この中で最も『純白』の少年が、この競技を何を為すのか。
如月の視線には僅かな『心配』と、『見定める』ような色があった。

>>774(ピエール)

ピエールは『アリーナ』と全く無縁の人間ではない。
ここで語る事ではないが……『接点』は存在したし、
それを知っている人間がいても、まあ、おかしくはない。

「不確定要素を前提としない解法が望ましい、という意味合いです。
 例えば『人を追いかけて捕まえる』といった課題があったとして、
 標的が『振り返ってくれる』とか『足を止めてくれる』前提の解決は、
 『自分自身の行動』だけで完結した策よりは評価が落ち得るでしょう。
 極端に言えば『偶然転倒する事』を前提とする策などは、『論外』です」

「もっとも、確実さは論外でも……『鮮烈』にして、
 『独自性』に溢れた解法であれば、点数にはなるでしょうな」

答えはそのようなものだった。
審査員の匙加減一つではあるが、ある程度の『基準』はあるのだろう。

>全員

「得点の仕組みは説明しましたが、これが何を繋がるのか。
 これについてはシンプルに――――『順位』に繋がります。
 5問を終えた後の『合計点数』で、1〜3位を決定するのです。
 そして順位は『賞金』……『1位』の方には『40万』の進呈を。
 『2位』と『3位』の方にも、ファイトマネーとして『20万』を。
 一日足らずの仕事としては理外の額にも感じられるかもしれませんが、
 己の『スタンド』を世間に魅せる『対価』としては相応しいでしょう」

理外の額――――というくだりは、主に『天白』に向けられている気がした。
莫大なギャラを叩き出す、一流アイドルの経験を持つ『美作』や、
『スタンド使いの仕事』を知るピエールには『既知』範囲の金額だ。
 
「こうした腕比べに『カネ』が絡むのは『不純』という声もあるでしょうが、
 我々は清廉潔白な秩序機関ではなく、清濁併せ呑む『娯楽組織』ですゆえ」

「さて、説明は以上ですが――――最後に、何か質問などは?」

         「無関係な事以外は可能な限り、お答えしますが」

身振りを含む長い説明に乱れた襟を正しながら、如月が笑みと共に問いかける。
どこまでが無関係なのかは分からないところだが、とりあえず聞くだけ聞いても良さそうだ。

776音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/22(火) 23:32:23
>>775
『如月』の淀みない説明を聞き、得心したように息を吐いた。

    「――――よく『議論』されたルールのようだね。

     いや、驚いたよ。非常に解りやすくて、腑に落ちる説明だ。
     『採点』について、他の質問は一切ない。続けて頂けるかな」

綺麗に割れた『ケツアゴ』を揺らすように、数度頷いた。
面白い、と素直に感じている。その一方で、何処か『引っ掛かり』を覚える。
その違和感に気付く間もなく、『順位』と『報酬』の説明に思考が引き寄せられる。

    「あー、あぁー…… 金はねェー、……そうだな。

     別に、その、『報酬』のためにやってきたわけじゃあないんだ。
     いまや数少ない『全霊』を賭ける『闘争』の場で、自己を磨く。

     そーいう『気持ち』が前提として、だ……」
          . . .
     「多少、ある分には『不純』とは思わない、がね」

ケツアゴの割れ目に指先を這わせながら、たどたどしい反論を述べる。
理外の額というのは、決して『刺さらない』言葉ではなかった。

777天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/23(水) 02:17:43
>>775

如月の視線の意味を理解しているのかいないのか。
多分理解してないのだろうが、その視線と同じものを向けられた経験が天白にもあった。
少しだけ昔のことで、語るほどのことでもない。

「そ、そんなに貰っていいんですか……!」

右手の指を四本折り、今度は左手を二本折る。
興奮してきた。

(そんなにあったら色々出来るなぁ)

(何買おうかなぁ。新しいあのサプリメントとかいいかなぁ)

「頑張りますっ」

特に疑問に思うことは無いらしい。

778美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/23(水) 03:17:18
>>775

一日の仕事で最高40万。
『現役』の頃は、その何倍もの金額を稼ぎ出していた。
もちろん過去の話で、今の収入は至って平均的なものだ。

「金額についても承知しました。その『ギャラ』に見合う仕事をさせてもらいます」

金額なんて問題にならないとまでは言わない。
だけど、『舞台』に臨む上で自分にとって現金よりも重要なものがある。
それは広いステージであり、眩いスポットライトであり、大勢のギャラリー。
今の私は『月』だ。
月は自分では光を発せず、太陽がなければ輝く事が出来ない。
だからこそ、今この瞬間は『アリーナ』という舞台が私にとっての『太陽』になる。
たとえ一時だけとはいえ、『月』である私を輝かせてくれるのだから。

「私からは特に質問はありません。お願いする事があるとすれば一つだけ」

     ピッ

言葉と共に、人差し指を一本立てる。
そして、その指先をドアの方向に向ける。
正確には、指しているのはドアの向こう側だ。

「――会場までの案内をして頂く事だけです」

     ニコリ

他に聞く事はない。
心の中では、舞台に立つ前の高揚感が高まるのを感じていた。
記憶の中にある過去の自分と現在の自分の姿が重なり合う。
内容は違えど、観客を楽しませるという点では何ら変わりはない。
ただ、思い切りやるだけだ。

779『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/24(木) 03:59:04
>>776(ピエール)

「お褒めにあずかり、鼻が高い限りです。
 私一人で考えた、というわけではありませんが、ね。
 アリーナの『経験』や『試行錯誤』の結晶ですので」

「もっとも、未だ『発展途上』である点についても、
 アリーナという組織同様ではありますが…………」

感心の中の『違和感』――――それが『ルール』に対してか、
あるいは『如月』の言動に対してか、他のなにかなのか。
ピエール自身もまだ気づかないそれは如月の言葉に流されるが、
もし何かあればどんどん言ってしまっても許されそうだった。

「ええ、ええ。私個人としては『不純』とは思いません。
 『清貧』を是とする考え方も一つ立派な物ではありますが、
 自己研鑽には『遊び』も必要……というのは、私見ですな」

「もっとも、相場を外れた『暴利』は好ましくはないでしょうが」

ピエールの思想の深奥まで理解しているという風ではないというか、
ともかく『功労者に金を渡す』まではアリーナのシステムなのだろう。
その上で『金』にどの程度のウエイトを置くかは、ピエールの気持ち一つだ。

>>777(天白)

「スタンド使いの仕事とは得てして『高額』になる物です。
 遊び、買い物、貯金、社会勉強……使い道は、ぜひ天白様のご自由に」

            ニコ

素直な反応には、素直な対応が返って来た。

>>778(美作)

金以上に重要な物――――それを得られる人間は多くはない。
発言からすれば、『ピエール』もそうなのかもしれなかった。

「ええー―――畏まりました。すぐに案内いたします」

                  ニコリ

かつては『太陽』の如く世を席巻して光の道を謳歌し、、
今はこの町を穏やかに照らす『星』として生きる美作だが、
今宵は『アリーナ』のギラギラ燃えるライトと声援を浴び、
それに応えて輝く『月』となれるか――――これから分かるだろう。

>全員

美作の促しに従い、廊下に出ていく一行。
そのまま歩き出せば、ほどなくして大扉が見える。
警備員らしき黒服は、3人と如月を見るや頭を下げた。

「あちらに見える大扉を潜れば、あとは競技終了まで待ったなし。
 競技の全体は――――『スタンド』の一種の力によって形成された
 『仮想空間』で行われまして、それをステージに『投影』する形です。
 そう。皆様は入場後、『仮想空間』に突入することになるのです」

             ツカ

                 ツカ

「まあ……特に、現実との変わりはございませんがね。
 動きも、スタンドも。多少風景などに『作り物感』はありますが、
 数多のシチュエーションを、失敗も前提に用意するこの興行、、
 現実世界で全ての工程を行うのは極めて困難なのものでして」

                    『……ァァーーーー!!』
 
「複数のスタンドの組み合わせで生まれたシステム。
 まさに、アリーナの『結晶』といっても過言ではないでしょう、
 そちらを最大限利用して、様々な課題を作成しているわけですね」

     『ワー』

           『ワーッ』

闘技場への廊下を歩く一同に、如月は振り返らず説明半分の雑談を語る。
仮想空間とは大層な響きだが、要はそういう性質を持つ『スタンド空間』なのだろう。

                                   『ワァァーーーッ』

780美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/24(木) 14:09:48
>>779

「ありがとうございました、如月さん。
 次は舞台が終わった後でお会いしましょう」

   ニコッ

明るく気さくな調子で、如月に笑いかける。
感謝の印と、自分自身をリラックスさせるため。
そして、今から始まる本番に備えた『笑顔の練習』でもある。

「ああ、そうそう――」
                    ミマサカ
「既に名前は出ていますけど、私『美作くるみ』です。ピエールさん、どうぞ宜しく」

「『くるみ』と呼んで頂いた方が肩が凝らないですが、呼び方はご自由に」

競技者の一人であるピエールに、遅ればせながら挨拶を送る。
わざわざ言う必要はないかもしれないけど、礼儀ってものもある。
入った後じゃ、言う暇なんてないだろうし。

「――真尋くんも改めて宜しくね。
 ギャラリーを楽しませるっていう部分では、目的は同じよ。
 観客席を沸かせてやりましょう」

    フフッ

(さて、『ショータイム』ね。心の用意は出来てるかしら?)

(当然じゃない。いつでも行けるわ)

(オーケー、くるみ。さぁ、『舞台』に上がりましょう)

この世の何よりも誰よりも、美しく光り輝いてやる。
無根拠な自信に基づいた大袈裟な決意。
同時に切実でもある思いを胸に、大扉を抜けてステージに向かう。

781天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/24(木) 23:29:41
>>779 (GM)
>>780 (美作さん)

パタパタとついていく。
物珍しいのか怯えているのか辺りをキョロキョロ見渡しながら。

「……」

「……なるほど」

如月の言葉に頷くが全く理解していない。
大体の意味合いを理解しただけだ。
なんか、特殊な空間なんだろうなぁくらいの認識である。

「は、はい。よろしくお願いします……!」

「くるみさん。と、おとな―――ピエールさん」

ふにゃっとした笑顔のまま進んでいく。

782音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/25(金) 00:12:49
>>779
案内に従って廊下を歩いていき、大扉を見上げる。
『仮想空間』での試合と聞き、「おおっ」と驚きの声を漏らした。

だが、イマイチ『実感』に欠けることもあり、
何処か白々しく聞こえてしまうかもしれない。

   「ここからでも聞こえるくらい、
   『歓声』や『実況』で騒がしそうだが、
    それも『聞こえなく』なる、ということかね」

課題に『没頭』できるのは望ましいことだが、
折角の『晴れ舞台』を実感出来ないのは、寂しいと思う。
大扉の前で足を止めると、複雑な感情を隠さず、『如月』に問い掛ける。

>「既に名前は出ていますけど、私『美作くるみ』です。ピエールさん、どうぞ宜しく」

>「は、はい。よろしくお願いします……!」

    「あぁ、よろしく」

簡素な挨拶を返すに留める。
良く出来たルールに、直接は争い合わない『対戦者』、そして『仮想空間』。
形式で言えば『ゴルフ』や『ダーツ』に近い、何処か『遊戯』に近い感覚に、
現実味を失っている気がする。

    「いや、元々が『気負いすぎた』ということか……」

扉が放たれるのを待つ。

783『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/25(金) 03:02:59
>>780(美作)
>>781(天白)

改めて決意表明と、自己紹介を済ませ合う二人。
ピエールの返答はどこか簡素なものではあったが、
悪意などは感じられない。別の『思うところ』があるのかもしれない。

             ――――そして。


     ワ
                 『ザワ』
            ァ

                 ァ
   『ザワ』
                   ァ
                         ッ!!

        ≪――――さあッ! ついに『選手入場』ッ!!≫

                             !!!!!        

   ≪今宵、熱演にてッ! ステージを熱く盛り上げるのはこの『三人』ッ・・・!!!!≫ 
      

開いた扉の向こうから飛び込んでくるのは――――強烈な熱気。
天白には恐らく、初めての体験だろう。声は振動として肌を、肉を、骨を躍らせる。
逆に、本気の大歓声を知る美作には分かる。どことなく『煮え切らない』ようなその轟きが。

                        ・・・更に加熱するのは、二人の役目だ。

>>782(ピエール)

「観客の言葉による『助言』や『誘導』の類は、
 一種醍醐味でもありますが『健全』ではありません。
 それゆえ、そういった恣意的な音声はカットします」

       「『スポーツ』ですので、ね」

「ですが、歓声は余すところなくお届けしますとも。
 それが出来るのも、『スタンド』能力の利点。
 ……公平性のため『少し遅れて』にはなりますが」

この『ステージ』における『リアリティ』は、
文字通り『ヴァーチャル』な存在なのかもしれない。
ホンモノなのは間違いないが、真に迫りつつも、
どこか『一枚の硝子』を挟んだように踏み込みきらない。
血沸き肉躍る鉄火場というよりは、興行の側面――――

     ワ
                 『ザワ』
            ァ

                 ァ
   『ザワ』
                   ァ
                         ッ!!

        ≪――――さあッ! ついに『選手入場』ッ!!≫

                             !!!!!       

   ≪今宵、熱演にてッ! ステージを熱く盛り上げるのはこの『三人』ッ・・・!!!!≫ 
      
               ゴ       オォォーーーーーーーーーッ
                
――――それでも、開け放たれた扉の向こうから飛び込んでくる『生の声援』……今は『本物』だ。

>全体

「それでは……私が案内出来るのは、ここまでになります。
 アリーナの『最新競技』――――心ゆくまで、存分にご堪能を」

               「そしてご活躍を。お祈りしております」

そういえば最初の『控室』にいた際に『リングネーム』或いは『二つ名』の希望を聞かれていたが、
今からそれを用いて呼ばれるのかもしれなかった。三人は『どう名乗る事にしていた』んだったか……?

784美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/25(金) 19:33:56
>>783

「――――『リングネーム』?」

それを尋ねられた時、思わず聞き返した。
『芸名』なら昔あったが、それを改めて使おうという気も起きない。
少し考えてから、こう返事をした。

「そうね、『カナリア』にするわ。
 せっかくだから、もっと派手な名前にしても良いんだけど。
 でも、これくらいシンプルな方が覚えやすいでしょ」

「――何せ、これから『デビュー』なんだし」

そして、意識は現在に立ち戻る。
目の前で待つのは、広大な舞台と客席を埋める大観衆。
これこそが、自分が『アリーナ』という場に求めたものだ。

         タンッ
                 タンッ

密かな決意と想いを胸に、一歩ずつステージに足を踏み入れる。
軽やかであり、同時に力強い足取り。
頭の中では、過去に味わった栄光の日々がフラッシュバックしていた。

    「 『 HELLO EVERYBODY ! ! 』 」

客席を隈なく見渡しながらギャラリーに声を掛け、大きく手を振って歓声に応える。
さっき練習した通り、自分の中で最高のスマイルと共に歩いていく。
こんな表情を作るのは、いつ以来だろう。

             パチッ★

観客に送る視線にウインクも織り交ぜ、自分の『キャラクター』をアピールする。
比較してみると、昔ほど『キュート』には出来なくなったかもしれない。
その代わり、今の方が『色っぽく出来る』という自負はある。

785天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/25(金) 20:51:15
>>783

「リングネームか二つ名……んー……」

しばらく悩んだ後、スマホを取り出し連絡開始。
誰かに電話をしているらしい。

「うん、うん……分かりましたぁ」

外注したらしい言葉を天白真尋が口にする。

「黒い瞳(インビテーション・トゥ・プレジャー)でお願いします」

黒い瞳を静かに揺らしながらそう答えた。

「……おお」

扉の向こうに熱がある。
天白真尋の反応は興奮だ。
何かがむんむんと沸き起こる。

「はは……あは……」

ゆっくりと歩みを進める。

786音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/25(金) 22:22:56
>>783
あの時、新たな『闘争』への期待を秘めていた最中、
――――それでも、己は『肩書』も『別名』も口にはしなかった。

  「『音無ピエール』。
   私の名乗りに『二言』はない」

そう答えた時と変わらない、黙した表情のまま、


           スゥゥ...

        ジュリエット
発現した『両 刃 剣』の切っ先を、真っ直ぐに天へと掲げ、
納刀をするかのように引き下ろし、『解除』する。

787『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/26(土) 01:09:31
>>784(美作)

    ≪一人目ッッ!!!!!

       『カナリア』――――美作くるみッッ!!!!!≫

  『ざわっ』

           「ウォォオオオオーーーーーーーーーーーッ!?!?」

     「えっ」  「『美作』『カナリア』って」

         『ざわ』

                 オ

                    ォ
    「マジ?」    「本物!?」    「今!こっち見てウィンクしたでッ」

              オォォ

                「『使い手』か……!」
      オ

  「何だか知らねーが美人だッッ」

                       ォォ
                            ォォォオッ

>>785(天白)

     ≪二人目ェッ!!!!

      ――――『黒い瞳(インビテーション・マイ・プレジャー)』≫

     ワ ァ  ァ  ァ  

                  「へぇ。可愛い子ねェ」 
        ガキ
      「子供か?」  

            「……あーいう奴ほど厄介な能力」

                     ァ ァ ァ ―――――ッッ

 「ウォォォオッ」   

             
        ≪天白真尋ッッ!!!!!≫ 
 
               「油断ならない」

              ワ   ァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ

>>786(ピエール)

 ≪そして三人目ッッッッッ!!!!!!≫

    オ

        オ

           ォォォオオオオオオオオッ

                『ザワ』

           「『剣士』か!」   「いや……騎士か?」

 ワァァーーーーーッ

        『ザワ』

     「『新星』」                 「……『期待できる』」

           ≪・・・・・・音無ピエールッッッ!!!!!≫

                  ァアアアアアアア  

                        アアアア ッッッ

    『ザワ』

      「ハッタリが効いた野郎だ」

 ァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッ
 
                「今時珍しいぜッ」

                          ウ   ォォォーーーー  ッッ

788『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/26(土) 01:09:46
>全体

轟くような実況、歓声、それに入り混じるように聞こえてくる歯に衣着せぬ値踏み。
無血の競技であるがゆえに、それでもいつもよりは大人しいくらいだったが、
会場にはどうしようもないほど生々しい、リアルな『観客』達が娯楽を待ちわびていた。

                          ヴァーチャリアリティ
だが、今から脚を踏み入れるステージは『仮想世界』。

そのギャップこそあれ、求められているものそれ自体は『闘技』と変わるまい。
すなわち『期待通りの奮闘』と、『予想を超えたスパイス』のエンターテイメント。

             ザッ

                ザッ

                       『ヴ
                           ン!』


ステージの際まで歩を進めれば、見える世界が変わったのがわかる。
無数の『光の線』が走り――――『闘技場』の輪郭を残しながらも、
明らかに現実味のない『電脳世界』のような空間に、3人は入り込んでいた。

          ワ

                ァ

                     ァ
                         ァ

  ≪・・・ この三人の『競技者』が ッッ ≫

             ≪今宵始まる新たなる『ステージ』ッッ≫


  ≪その、始まりとなる『三人』だッッ!!!

          繰り返すようだが!!!

      諸君らは今!! 歴史の始まりに立ち会っているッッ≫

         ァ

      ァ
                 ァ

どこか遠くはあったが、今はまだ実況の声や歓声が聞こえてくる。
一人一人の顔までは識別出来ないが、『観客席』と『ギャラリー』は輪郭を残している。

――――おそらく、もう、じきに『競技』は始まるだろう。アナウンスはまだだが、直観があった。

789音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/26(土) 02:32:53
>>787-788
降り注ぐ『歓声』を背にし、『アリーナ』を闊歩する。
大いに弾けた観客を尻目に、何処か冷静さを残していた。

   「(まだ、『期待』だ。
     浮つくな。闘う『意志』を見せた時点で、
     誰であろうと、この程度の『声援』は受ける―――)」

   「(まだ、私は『闘っていない』……)」

『仮想世界』に足を踏み入れた矢先、
錯綜する『光線』に囲まれれば、ギョッと身を竦ませ、
何かを隔てたように『声援』もまた遠くなっていく。

   「いよいよ、だ――――」

           スタンド
どちらの手からも『武具』を発現できるよう、
両の掌を軽く開いて、虚空を見据えて構えをとる。
『武具』を駆使する『ピエール』の基本となる戦闘態勢だ。

790美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/26(土) 17:30:14
>>787
>>788

清濁を問わず、全身に浴びる歓声が心地良い。
心と身体が熱くなり、胸が高鳴る。
今の自分は、この『ときめき』を味わう為に生きているとさえ思えてくる。

        「――――ねえッ!!みんなッ!!」

 「これからラストまで、何があっても余所見なんてしちゃダメよ!!」

        「絶対に私から目を離さないでッ!!」

   「その『目』と『耳』で、『私の全部』を見届けてよね!!」

          「『くるみと貴方の約束』よッ!!」

同時に、自分が別の世界に入り込んでいくのが分かった。
これが、如月の話していたスタンドの能力なのだろう。
だけど、そんな事はどうだっていい。
今、自分は大観衆に囲まれたステージに立っている。
それ以外の事なんて必要ないんだから。

「『歴史の始まり』――素敵な言葉だわ」

心の中は煮えたぎる溶岩のように沸騰し、さらに熱さを増していく。
しかし、頭の中まで熱くなってしまってはいけない。
『熱いハート』と『クールな頭脳』で、この競技に臨まなければ。

           (くるみ、いいわね?)

         (ええ、いつでも行けるわ)

     (始めるわよ――『プラン9・チャンネル7』)

791天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/26(土) 21:08:36
>>787-788 (GM)

「ん?」

(なんか違うような。えっと、インビテーション・トゥ……マイ……?)

まぁいいかと内心呟く。
それは重要ではない。
重要というのは、この観客たちだ。

「えへへ……」

可愛いという言葉に反応し、その相手を探す。
多分見つけるのは無理だろうが、それらしい人がいたら微笑んでおこう。

「はぁ……」

ここなら求めるものがあるかもしれない。

792『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/27(日) 23:28:10
>>789(ピエール)

                  スゥ  ・ ・ ・

明らかな高揚を形にする美作や、隠さない天白。
対照的に冷静さを軸に、風変わりな『戦場』に乗り込むピエール。

『歓声』も遠くのざわめきに変わりゆく中、『その時』が来るのを待つ。

>>790(美作)

       オ

          オオオオオッ

                  オォォォーーーーーーーッ

『パフォーマンス』の成果は十分だ。
だが、燃え滾るような心とは裏腹に、
冷静な『語り手』の美作には流れがわかる。

『つまらない演技』をすれば、この熱は全て『冷風』に変わる。

仮に『面白い演技』をしてすら、『新しさ』が薄れれば熱は落ち着くものだ。
観客とは、ファンとは、世評とは『そういうもの』だと、美作くるみは知っている。

>>791(天白)

  ≪……失礼ッッ≫

            ≪『マイ』ではなく『トゥ』≫

      ≪『インビテーション・トゥ・プレジャー』ッッ≫

                  ≪即ち≫

                  ≪『快楽への誘い』ッッ≫

『違和感』のない響きに変わった。
どうやら、素で間違えていたようだ。

     「……」

             ニヤリ

熱視線を浴びせてきたのは『中性的』な人物だ。
女性ファンか……!? それとも……どっちでもいいのか?

793『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/27(日) 23:44:21
>全体

≪―――――――――――――――さあッッ≫

             ≪この熱が『追い風』となるようにッ≫

  ≪早速始めようッ ……今回の『第一課題』は、これだッッ!!!!≫


気付けば三者は『風景』を目にしている。
周りに他の二人、ライバルとなる競技者たちは『いない』。

周囲を360℃取り囲む観客席の『フェンス』には文字が浮かび上がり、
それがどうやら『説明文』であることもわかる。内容は以下のものだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


                     STAGE 1
                  『分からせろッ!!!』

                舞台はまさにこの『ステージ』。
            無数の観客が見守る中に、キミは立っている。
    対戦相手は『格闘チャンプ』『スーパーアイドル』『ラジコンヘリのプロ』から1人。
    この中の誰か一人の『パフォーマンス』の『後』に自分のパフォーマンスを見せ、
  『明らかにキミの方が見応えあるパフォーマンスをしている』事を『分からせろ』ッッ!! 
          当然『自を高める』も『他を貶める』も等しく『力』である!!!

            キミがなんのパフォーマンスをするかは『自由』。
          相手と同じ事・同ジャンルの事をするのは『分かり易い』が、
           『同じ事をしても勝てない・つまらない』なら他でもよい。

                      相手は・・・

                 格闘チャンプは『瓦割り』。
                  持ち物は『瓦(10枚)』
            
             売れっ子アイドルは『歌いながら踊る』。
               持ち物は『ワイヤレスマイク』。
            
             ラジコンヘリのプロは『アクロバット飛行』。
               持ち物は『リモコン』と『ヘリ本体』。 
        
  ただし『妥当性』と『説得力』があれば『他のパフォーマンスをしてもらう』事も可。
      なお、『この会場にキミ以外のスタンド使いはいないものする』。

      道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
      設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
               あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。
          
              いずれの場合も開始前に『指示』下さい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なるほど――――確かに今立っている場所はステージだし、
目の前にはそれらしい『キャラクター』が立っているようだった。
観客席も、本物の観客ではなく『モブキャラ』達が配置されている。

二種の『可』が示す通り、『求めれば』手元に道具が出るようだ。
とはいえそれに頼りきりでは評価が落ちるのは『自明』だが、
『スタンドだけ』では行動力に欠けるスタンド使いへの配慮だろう。

≪ ナビゲーター 『マトリクス・オデッセイ』 デス !≫

≪ 質問 マタハ 指示 マタハ 開始ノ 際 オ声カケ クダサイ! ≫
 
   フヨ
             フヨ
 
指示は・・・何やら近くに浮遊する『電子的なイルカ』にすればいいようだ。

そして状況から察するに、『あって当然の設備』なども求めれば出現するか、
『元からあった事になる』と思われた。これが『スタンド電脳空間』で行う所以か。

≪さあッ≫

       ≪第一の課題が提示されたァァーーッ≫

                      ≪果たして『挨拶代わり』とばかり、
                         最初に解決に挑むのは誰だッッ!?!?≫

今すぐに動き出さなければならない、というワケでもないらしい。
考えがまとまり……動き出した瞬間が『審査』のスタート、そうアナウンスされている。

794音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/28(月) 00:37:24
>>793

      「――――同じ、ステージか」

共に入場した二人は消え、『観客』達もすり替わっている。
何より、全体的な『解像度』の乏しさ、……ここが『電子空間』か。

      「『ラジコン』の経験は全くない、
       『アイドル』は論外だ。……つまり」

選択肢は唯一つ。格闘チャンプを前に、『武』で圧倒すること。
だが、周囲は全て『観客』に囲まれている。

つまり、実体化した『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』では、
『隠ぺい』を目的とした、下手な『小細工』は逆効果だ。

少しだけ思考を巡らせてから、視界の端に浮かぶ『イルカ』に声をかける。

       「……あーっ、『マトリクス・オデッセイ』。

        豪奢な『首飾り』を下げた『胸像』を、
        ……そうだな、私より頭一つ背が低くなるよう、
        高さを合わせた『台座』に乗せて、用意してくれるかね」

       「それと、パフォーマンスは、
        『入場』から始めさせてくれるかな?」

『スマートスピーカー』も広がりを見せているとはいえ、
果たして、喋るだけで『指示』が通じるのか、
おっかなびっくりで問い掛けてみる。

795天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/28(月) 04:09:57
>>792-793

「えへへ……」

少しだけ手を挙げて振る。
女性ファンであると嬉しいが。
多分、この阿呆にとってはそこはそれほど重要じゃない。
快楽に誘われるのはどちらかを考えるといい。

「あれ!? ピエールさーん! くるみさーん!」

「え、なんで?」

それから説明を受けて何となく理解した。
何となく、だが。

(アイドルにしたいなぁ……でも、あんまり酷いことはダメだよねぇ)

「ええと、ラジコンの人にしような……」

「イルカさん、椅子をひとつ、用意してもらえる?」

796美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/28(月) 04:13:09
>>792
>>793

人の心というのは、意外な程に移ろいやすいものだ。
嗜好の変化、流行の変遷、単純な気紛れ。
人心を変える要因は幾らでも存在する。
どれだけ支持されていようと、それに胡坐をかいて努力を怠るなど以ての外。
必死に自身を磨き続ける人間でさえ、『落ちる時は落ちる』のだから。

(だけど、落ちた所から『這い上がる』事だって出来るのよ)

(――私が、そうしたようにね)

這い上がった先が、今のパーソナリティーとしての自分だ。
そこには、アイドルだった頃の栄光はない。
それでも、『今の私』は『今の自分』に『プライド』を持っている。

「オーケー……『マトリクス・オデッセイ』」

「――――行くわよ」

ライバルとして選んだのは『売れっ子アイドル』だ。
こちらの所持品は相手と同じ『ワイヤレスマイク』。
かつては、これを手にしてライバルと同じように歌と踊りを披露していた。
しかし、今の自分はパーソナリティー。
この道具を選んだのは、パーソナティーとして『相応しい使い方』をする為だ。

まず、このステージが始まる前に、控え室で『アイドルのスマホ』を確認しておく。
さっきまで、自分達も同じ控え室で待機していた。
同じ舞台に立つアイドルと同じ部屋で待たされていたとしても不思議はない。
そして、控え室でスマホを弄るというのも、さほど不自然な行動ではない筈だ。
その際に、チラリと一目だけ見る事が出来れば十分。
                                   スウィーティー
「さて、お手並み拝見といきましょうか?リラックスしてね、『お嬢さん』」

ステージに上がったら、先に行われるアイドルのパフォーマンスを見物する。
それが一曲分なら数分だろう。
限られている時間は有効に使う。

「『彼女』は私のライバル」

「でも――『あなた』は私の味方よね?」

『プラン9・チャンネル7』を通して、『アイドルのスマホ』に呼び掛ける。
恐らく、今は控え室に置いてあるだろう。
『プラン9』の射程距離『120m』の範囲内には入っている筈だ。

「あなたにインストールされている『SNSアプリ』で、
 持ち主と『一番多く会話をしている相手』が知りたいわ。
 その相手との『最新の会話内容』を教えてくれない?」

家族か友人かマネージャーか恋人かは知らないが、
頻繁に会話を交わしているなら、アイドルと近しい人物なのは間違いない。
彼女と親しいであろう人間との『個人的な会話内容』を、
『アイドルのスマホ』から聞き出す。
時間的に余裕があれば、最新より少し前の会話も遡って聞き出しておく。

797美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/28(月) 04:14:24
>>796

        パチパチパチパチ

アイドルのパフォーマンスに拍手を送り、入れ代わりにステージに立つ。
ここまでは『仕込み』の段階。
今からが『本番』だ。

「――――『今日も、あなたの隣に電気カナリアの囀りを』」

手にしたマイク越しに『始まりの挨拶』を告げると同時に、音楽をかけてもらおう。
いつもラジオで使っているオープニングミュージック。
さほど重要ではないが、演出の為だ。

「『Electric Canary Garden』――
 お相手は私、パーソナリティー『美作くるみ』です!!」

「寒さ厳しい毎日、皆様いかがお過ごしでしょうか!
 今の時期は『大寒』と言って、一年中で特に寒い時期なんですって。
 今日は、そんな寒い季節をホットにしてくれる素敵な『ゲスト』をお招きしていまぁすッ!」

ここで、ライバルであるアイドルを『ゲスト』としてステージ上に呼ぶ。
そして、長くならない程度に、即興の『トークライブ』を披露する。
これは『本命』ではなく、その為の『布石』だ。

「――――アイドルっていうのは、ホントに大変なお仕事なんでしょうねぇ〜。
 もちろん詳しい事は私には分からない訳ですけども。
 アハハハハ」

「そういえば、『アイドル』と『パーソナリティー』って、ちょっと似てません?
 どっちも『声』を専門に扱う職業ですしねえ
 ちょうどルックスも同じくらいですし?いえいえ、ジョーダンですよ!」

「でも、私達は『声』だけで全てを伝えなきゃいけないんですよねえ。
 同時に、『声』だけで全てを理解しなくちゃいけない。
 そこが難しい所なんですよねぇ〜」

「ところで、ここまでの会話で、あなたの事も少しだけ理解出来てきましたよぉ?
 そうですねえ……たとえば――――」

悪戯っぽく笑い掛け、『アイドルのスマホ』から得られた情報を本人に語る。
さも会話の最中に『パーソナリティーとしての直感』で察したかのような語り口で。
これが真実かどうかは、アイドル自身にしか分からない。
しかし、この話を聞いたアイドルの『表情』や『様子』の変化は、
それを見ている観客達を納得させる『根拠』となってくれるだろう。
ライバルであるアイドルを驚かせたという事実も、インパクトとして十分な筈だ。

798『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/29(火) 00:13:05
>>794(ピエール)

勿論『あてがわれた』わけではないのだろうが、
この局面においてピエールの最大の武器は『武』。
それを以て『武』の極致とも言える存在を超える必要がある。

         ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

    ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

                 ≪ ・・・デキマシタ! ≫

    『フィーーー ・・・ン』

光のグリット線が引かれ、そこに形が重なるように、
粗削りながら『胸像』が出現する。台座も当然ある。

    キラン

その首には『首飾り』。
これも作り物感はあるが、デザインは間違いなく豪奢だ。

   ≪ 現在ジョウキョウ 停止中 デス ≫

          ≪ 位置調整ハ ゴジユウニ ドウゾ ≫

                    キュキューーン

イルカの『マトリクス・オデッセイ』はピエールの周りを旋回し、
それから『入場ゲート』の方へと電脳空間を泳いで『先回り』した。

>>795(天白)

天白の『アルビオ・ホリデイ』は『対人特化』能力とも言え、
まさに対人であるこの『第一課題』においてはより取り見取りだ。

    ≪ シチュエーション 確定サセマス ≫

            ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

           『フィィーーーー ン ・・・』

椅子は、思い通りに出現した。
ラジコンヘリのプロと思われる『若い男風のアバター』も立っている。

上手く魅せれば、今は『ミーハー』な観客たちも魅力に搦め取って一網打尽だ。

799『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/29(火) 00:13:21
>>796-797(美作)

  『フィーン』

≪ ソレデハ シチュエーション スタートッ ≫

手にはワイヤレスマイク。
そして心には『プライド』。

         ワァーーーーーッ

                   キャァーーーーーッ

歓声鳴り響くステージで、歌と踊りを披露するアイドル。
見た目はアバターで、曲も聞いた事があまりないものだ。
だが、それは……今は『関係ない』。
すでに『ファン』の場所は分かっている。

なぜならパーソナリティー『美作』にとって、
それは己の『トークショー』の準備時間でしかないからだ。

≪ 分かりました。 それでは 会話内容を お伝えします! 
   是非とも お役立て ください。 それでは 読み始めます ≫

スマートフォンの『音声案内』のような声色で、
語られるのは『ありがち』といえばありがちだが、
一般的に言えば『赤裸々』な『表に出せない話』だ。

長い文章を読ませるのには『プラン9』は向かないが、
歌って踊る1分弱の時間があれば十分に情報は貢がれる。

           パチパチパチパチ

――――拍手と共に、美作が舞台に立つ番が来た。

アイドル同士の戦いなら、スキャンダルの利用など、
真っ向勝負を避けた邪道。だが『パーソナリティー』の仕事は、
あくまで『言葉で伝える』『声で分からせる』といったところだ。

             『ドッ』

                     『ワハハ』

(※笑い声のSEが鳴った)

プロの腕前もあってかそれなりに温まった会場において、
ゲストのスキャンダルに触れるというのも・・・ある種『当然』!

「…………!!」
                      シーーー  ・ ・ ・ ン

言われたくない事を言われたアイドルの顔もやはりつくりものだが、分かる。
これは『屈辱』や『混乱』――――そしてそれを聞いたファンたちの顔は『やや失望』!

   『ハハハ…』 (※これもSE)

        ライブの価値は多少なり毀損され・・・その後も美作の弁舌は冴え渡る!
        これはおそらく、『得点』を期待できるだろう。あとは他二人の結果待ちだ。

800音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/29(火) 00:59:52
>>798
ポリゴンじみた『胸像』が組み上がるのを確認し、
一応、『首飾り』と一緒に、触ったりしてみる。

       「『バーチャル・リアリティ』というのも、
        中々どうして、バカに出来たものじゃあないな」

出来合いは掴めた。後は『ジャケット』の袖を外し、
踵を返して、自身が出てきたように、『入口』から再入場する。

          ・       ・       ・

『入口』の扉をゆっくりと『開ける』。
会場を照らす『スポットライト』、満員御礼の『観客』、『熱源』は十分にある。
『外』と『中』では寒暖差が生じているはずだ。――――つまり、『風』が生まれる。

       「さぁ、皆の者! ――――ご覧頂こう。

        ここに飾られしは、おぞましき呪いの『首飾り』。
        我が祖国に君臨せし、『悪女』の『奢侈』が成れの果て!」

       「『民』を飢えさせ、子女の涙と無辜の血によって象られ、
        それでも尚、あぁ……。憎たらしい程に美しいィィ〜〜〜〜ッッ!!」

脱いだ『ジャケット』をマントのように振るい、その陰に隠して発現した『盾』。
『ザ・リックス』で発生した『風』を受け止め、『攻撃』として吸い込み、『紋章』にする。
会場の『熱気』が起こした『風』ならば、『ピエール』の『攻撃』とは見なされないだろう。

陶酔した『熱弁』、大げさな『パフォーマンス』の最中、
その場に跪き、『ジュリエット』を対の手中に発現する。
一瞬だけ、ジャケットに隠した『盾』に『ジュリエット』の柄を触れさせ、
『紋章』を『柄』に移動させ、『盾』を解除。やおら立ち上がる。

ジャケットを投げ捨て、『両手』にて『ジュリエット』を構える。

       「時は流れ、権威も移ろい、
        ――――残るは! 『怨嗟』の宿りし『宝飾品』!

        ……そして、なんということか! 何も知らぬ、麗しき婦人が、

        ――――今、おぞましい『呪い』を一身に浴びようとしているッ!」

       ブワッ!
                ――――ビュォッ!

すかさず、『ジュリエット』を振るい、『風』の『過程』と『斬撃』の『結果』を合体。
『盾』に集約された『サーキュレーター』のような『突風』が『胸像』目掛けて放たれ、
豪奢な『首飾り』へ真っ先に命中し、『真っ二つ』に切り裂かれるだろう。

(※『風』が最初に当たるのは、身体の真正面にある『首飾り』だ。
  『乱打』であれば、『一撃目』にのみ『結果』が生じるため、
  『胸像』を傷付けることはなく、『首飾り』にのみダメージが与えられる。)

       「悪しき『因縁』は断たれ、これが歴史の始まりとなる――――」

『ジュリエット』を解除し、投げ捨てた『ジャケット』を引っ提げて、会場を後にする。

『拳』に対し、『剣』が破壊力で勝るのは当たり前だ。
『不可視』かつ『不可触』、そして『不殺』の斬撃により、既存の『武』を圧倒する。

801美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/29(火) 02:29:32
>>799

 ソング        トーク
(『歌』じゃあなくて『喋り』――これが『今の私』のやり方よ)

目の前にいるのは、いわば『過去の自分』の幻影。
私は『今の自分』として、それに対峙した。
もっとも、『過去の自分の経験』も、ほんの少しだけ活かしたのだけど。

(でも、まだまだよ。今の私は、こんなものじゃない。
 もっともっと光り輝かなきゃ満足できないんだから)

(そうよね――――『プラン9』)

結果を待ちながら、次の課題にも思いを巡らせる。
『プラン9・チャンネル7』の力が何処まで通用するかというのは、
自分にとっても未知数の部分が多い。
全力を出し切って課題に挑む事が、何よりも今の自分自身を輝かせてくれるのだ。

802天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/29(火) 03:29:03
>>798

「じゃあ、お願いしまーす」

『アルビノ・ホリデイ』を発現し、相手のパフォーマンスを見る。
その間、自分は椅子に座っておく。
『アルビノ・ホリデイ』を足へと移動させ、右足の太ももから椅子の足に向かって糸の弾丸を放つ。
椅子の足に付けた蜘蛛の巣に『アルビノ・ホリデイ』自体を移動させる。
下準備だ。

「……すごいなぁ」

相手のパフォーマンスが終わったら拍手をしながらそう伝える。

「ラジコンの操作、お上手なんですねぇ。あ、僕のはちょっと貴方にお手伝いしてもらいたいんですけど……」

「そうですね……ええっと」

右足を上げ、足を組むような体勢に。
すると、椅子の足に移動した『アルビノ・ホリデイ』の前から障害物がなくなる。
視聴覚共有によってより正確に相手を見ることが出来る。

「人間ラジコンってどうでしょう?」

半ば不意打ちの形でプロに向かって糸の弾を撃つ(パス精CBC)

「あぁ、大丈夫ですか!?」

「多分疲れてるんですよ、椅子に座ります? 僕もパフォーマンス中座ってましたし」

別に椅子に座らせる必要はない。
が、椅子をもって接近する。
その間にプロの頭上の巣に『アルビノ・ホリデイ』を移動させる。
糸の弾丸を警戒していたとしても、すでに移動しているので蜘蛛は見えず証拠はない。

「じゃあ、命令しますね。服を脱いでください、なるべく迅速に」

『捕食』が完了するまでカウントをしてもいい。
別に服を脱いでもらいたくはないが、人前で自発的にする動きではなく、かつインパクトのあるものがいい。
『捕食』が完了したら宣言通り服を脱ぐ、なお下着は履いておこう。
意識が移る以上見たくはないし。
余裕があったら畳んでおこう。

803『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:53:47
>>801(美作)

演技を終えると――――当初のような『光の線』の世界に戻っている。
しばらくすればそこにピエールが、そして天白の姿が戻ってくる。
おそらく『待機時間』はこの場所で過ごす事になる、ということだろう。

過去を超える『今』として、美作は演技を終えた。
次の課題は不明だ。競技であることを考えるなら、
『プラン9・チャンネル7』でも攻略は可能だろうが、
それをどこまで『鮮やかに』出来るかは『腕次第』か、
あるいは『課題の運次第』といったところ、だろう。

         「お見事!」

    ワァ              「流石カネ取れる『トーク』だ」

           ァァァァーーーーーッ

  「『情報系』のスタンド……まずは序の口か」

                         「顔と声がイイッ」
     
観客席から上がる歓声は、競技中よりもずっとクリアに聴こえる。
もちろんどこか遠い響きではあるのだが、この熱量なら十分耳に届く。
恐らくされているであろう実況解説は聴こえてこないが、これは『公平性』を考えれば自然な事か。

>>800(ピエール)

≪ 再現性ニハ 自信ガアリマス ≫

≪ 今日ハ イツモヨリ オオク 演算シテイルノデ ≫

どうにも専門用語とかを素人に語りたがるイルカらしい。

銅像は鑑定士などが見れば『違う』と分かりそうだが、
競技に使う小道具としてはそう悪くない再現度だ。
見た目にせよ、質感にせよ。

そして――――いよいよ音無ピエールの『舞台』が幕を開ける。
入口から外に出る都合、格闘チャンプの演技は目に出来ないが、
これについては何をするのか分かっているし、気にする必要もあるまい。

       ザッ

           ザッ

    ぎ
         ィ
             ぃ

                『ボフゥッ』

   キィン!

寒暖差により生じる『風』もまた、『競技』には問題なく吹く。
ピエールの『ザ・リックス』が攻撃として受け止め――――
風のピクトグラムを思わせる、『横向きの〝J〟』めいた『紋章』を刻むにも、問題ない。

        ブワッ!

              ――――ビュォッ!

その『紋章』は――――『風の刃』を生み出し、首飾りを斬り飛ばす。
力と技で瓦を叩き割った『格闘チャンプ』の腕前も悪い物ではないが、
技巧の域を超え、異能の域に立つ『超絶』の剣劇に及ぶものではあるまい。

スタンド能力を自然に活かすためと思われる芝居がかった動作もまた、
見る者を満足させる『演技』の域。まず間違いなく『点数』と『喝采』が待つ。

           オ

               オ

                   ォォッ

競技が済めば、『電脳空間』は『リセット』されるように元に戻り、
光の線が舞い踊る『最初の空間』が周囲に広がり始める。
あれだけの『仮想世界』を維持し続けるのは、燃費が悪いという事か。

                「素敵ッ」

       ワァァ

  「ハッタリだけじゃなさそうだなァッ『伊達男』ッッ」

                 ァァァーーーーー ッ

        「どういう能力だ!?」
                   「『飛ぶ斬撃』……!?」

そして先の光景を見ていたであろう、観客たちの歓声が耳に飛び込んできた。
薄壁越しのようなやや遠い響きは間違いないが、『生の歓声』を疑うほどの熱量がある。
審査員とやらは知らないが、最大多数の『観衆』の心を、まずは掴んだ――――という事だ。

804『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:53:57
>>802(天白)

          ≪ シチュエーション スタート ! ≫

まずはラジコンヘリのプロが『アクロバット飛行』を魅せる。
恐らくプロの動画か何かを流用しているか、まねているのだろう。
恙なく披露されるテクニックはそれなりに見応えがあるものだ。

  ストン

     パシュッ
               『ベチャッ』

人が座っている椅子の脚まで見るような人間は、まずいない。
そして、誰も見ていない場所にこそ、仕掛けは潜むもの。
静かに、密やかに――――天白の蜘蛛糸は計略を編み上げる。

             パシュッ

                     『バ  ン』

展開された蜘蛛の巣には――――『とんぼ』が引っかかっているようだ。
獲物は訳も分からず、撃たれた箇所を抑えるが……『演技中』ならまだしも、
それを終えた後に多少身体を抑えたからといって、周囲は違和感を覚えない。

          「……!?」

      『ピョンッ』

                 『バリ』    『ムシャ』

方向的に、天白に視線が行くが・・・それが意味を持つ前に。

       「……」

            ヌギ

                  ヌギ

――――『アルビノ・ホリデイ』は侵略を完了し、『辱める』。
見ている側からすれば『天白は敵の突如の露出に驚いて動きを止めた』くらいに見える事請け合いだ。

  「いいぞッ」

              「中々悪くない」
         キャ

                   アアアーーーーッ     「『人間ラジコン』……悪趣味だわッ! 素敵ッ」

      「ギャハハハッ」

演技が終わった後、耳に飛んできたのは『黄色い悲鳴』と『そうでもない悲鳴』と『歓声』だ。
こういうのに抵抗がある若い女性とかが多い、という風でもないので、点数には問題無いだろう。

周囲を見渡すと空間は光の線が無数に走る『最初に足を踏み入れた状態』になっており、
先ほどまでの『アリーナ』のような空間や、ラジコンヘリ、偽者の観客たちは全て『なかった』かのようになっている。
このあたりの『リセット』の容易さが、電脳空間のスタンドをステージ演出に選んだ理由なのかもしれない。

805『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:55:53
>全員

≪第一課題ッ これにて三名ともに終了ゥゥーーーーーーーーーーーーーーッ≫

    オ

   ≪『採点』の集計も≫
                 オォォ

             ≪――――――ただいま完了したッッ!!!!≫

                       ォォーーーーーーーーーッ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一歩抜きんでたのは――――『能力』により『確実で』『鮮烈な』解法を魅せたピエール。
果たしてそれが『スタンドの応用性』ゆえか、それを活かす確かな『本体の応用力』こそかは、
ここから明らかになっていくだろうが……まずは一歩抜きんでた。これは紛れもない『事実』だ。

点数は先の例示に比べ大盤振舞に見えるが、『初回』ゆえの『ご祝儀』だけでは説明できまい。
それぞれがスタンド能力を活かし、確かな解法を示した――――だからこそ『喝采』が響いている!

≪まずは全員が己の『スタンド能力』の在り方を魅せた―――――というところかッッ!!
 オレとしては『カナリア』氏の演技は――――素晴らしいッッ!!! 本体の技とスタンドの融合、
 非戦闘タイプのスタンドを活かした『計略』! ―――――ぜひ、もっと魅せてくれッッッ!!!!!≫

≪――――さて、ここで一旦審査員にマイクを振ってみようッ!……『吾妻』ッ≫

モニターには『白スーツ』を着た青年が映し出され、愛想のいい笑みを浮かべながら手を振る。

               アガツマジョーキ
≪どーも、審査員その1『吾妻常喜』です。今日は『審査』のほう任されちゃってまーす!≫

         ワァァーーッ

       ≪その『カナリア』さんは『相手が偶然仕事の直前までスマホ触ってて』
        『偶然それがオフでも使ってるスマホで』『偶然恥ずーい内容の会話』
         ……ってゆーのが重なったからこれだけ凄ーい演技が出来たわけで!
         ひとつ歯車ズレたら『上手で事情通なトークショー』で終わっちゃって、
         それも素敵なんですけど、『応用の確実性』はちょっとハテナって感じでしたね≫

    エェーッ     「厳しくねーかッ」
          
            ≪ま、多分そうなっちゃうのはお題と能力的に『仕方ない』んだろうけど!
             そこで点数つけちゃうと、このあと全部つけることになっちゃうかなって≫

                  ≪でも、独自性と鮮烈性は文句ナシ。流石『プロ』ですね!≫

≪ピエールさんはちょっとどういう能力かまだわかんないけど、『華がある』けど『そつがない』感じでいいですね!
 『本人のスター性』もアリーナじゃ大事ですし、それだけじゃなくて『スタンド』の『隙』とかを演技で補って来てる。
 こーいう事が出来る『エンターテイナー』は、某『セクション』筆頭に『アリーナ』では引く手あまたってところですよね!≫

        ≪天白くんは、これも『なんとなくしか分からない』系の能力なんですけど!
          まずは『出来る事が何か』をちゃんと見せて来たって感じなんじゃないですかね。
           これも『自分のスタンドでなら絶対できる』事だろうから、独自性と確実性はばっちり!
            見かけによらず『悪知恵』が働くって感じなんですかね! 『頭脳派』って感じで!
             あ、服脱がせちゃうのはちょっとビビりましたけど、ある意味『鮮烈』ではありますよね。
              もう一人の審査員はかなり推してるみたいなんで、次も『策略』巡らせちゃってください!≫

    「もっと悪趣味なのが見たいワッ」

≪いや〜ルーキー三人とは思えないくらい、最初から『堂に入ってる』ステージでしたよ! この後も楽しみにしてますっ!≫

・・・などと、所感を述べ、小さくお辞儀をすると、カメラが横にずれて『桜島』に再び切り替わった。
直観だが、このあとはすぐに第二課題が始まるだろう。今準備できる事はおそらく少ないが、何かあれば今の内ではある。

806美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/30(水) 19:46:25
>>805

(ふぅん)

心では興奮しつつも、頭の中は対照的だった。
こんなものか。
初出場で最初の課題だから、これでも上出来。

――なんて甘ったれた考えは、私にはない。
バーチャルリアリティだからって、自分に都合よく考えすぎたようね。
もう二度と同じミスは犯さない。

       チュッ★

審査員席に『投げキッス』を飛ばす。
別に『賄賂』って訳じゃない。
ステージの上では、常に『何かしら』しなければならない。
課題の最中であろうと、そうでなかろうと関係なく。
そして、それは『チャーミング』でなければならないのだ。
もちろん、そんなルールはないだろうし、やった所で審査に影響はない。
これは、私が自分自身に課した『エンターテイナーとしての義務』だ。

「みんな――――ッ!!応援ありがと――――うッ!!」

       チュッ★

続いて、客席席の方向にも『投げキッス』を送る。
しかし、アピールにはメリハリが必要。
ただ単に『甘さ』を振りまくだけではダメだ。

「ああ、そうそう…………」

「『カナリアの囀りなんて所詮こんな程度のものか』」

「そう思った貴方は、今すぐ私から『視線』を外してくれて構わないわよ」

おもむろにスタジャンを脱ぎ去り、腰に結び付ける。
その下はタンクトップだ。
言うまでもなく肩までが露出し、首周りも広い。

「――――すぐに『後悔』させてあげる」

こうして、『甘さ』の中に少々の『毒』を織り交ぜる。
一つの面を見せ続けるだけでは、飽きられるのも早い。
多様性こそ、『一発屋』で終わらない秘訣なのだ。

「さあ、早く『次』を出してちょうだい」

「私の『力』は、まだまだこんなものじゃないんだから」

807天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/30(水) 21:16:38
>>804-805

「むぅ……」

一人だけ鮮烈性が2だ。
勝負である以上はそういう部分が気になってしまう。
その場にしゃがみこんでちょっと頬をふくらませてみる。

「悪知恵じゃないですよぉ……」

本人的にはちゃんとしたものらしい。
脱衣をさせるのが悪知恵でないと思う者がこの場にどれだけいるのだろうか。

(まぁでもいいかな……)

「ぶい」

吾妻の映る画面に向かってピースサイン。
恐らく、もう一人の審査員というのが見ているのだろうし。

808音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/30(水) 23:33:37
>>803-805
「・・・恥ずーい会話でトークショーだの、
 『脱がす』だの、何をやってくれたのかね・・・」

若干引いたように身じろぎし、二人を横目でみやる。

『満点』に心躍らないわけではない。
だが、今の『審査員』のコメントを受ければ、
決して『安心』は出来ない。

「(『独自性』と『鮮烈性』、この二つがハッキリした。
  参加者の手前、トボけてる可能性もあるが、
  彼らは我々の『スタンド能力』を知らないという前提で、
  設問への『解答』を見てる、と考えていいだろう・・・)」

他の者も遅かれ早かれ気付くだろうが、
この一点は大きく異なる。
『氷結』の能力で敵を凍りづけにするのと、
『気圧操作』で同様の現象を起こすのも、大差ない審査結果となるのだ。

「(つまり、『ネタ』が割れたら最後だ。
  この闘いは『持久戦』、引き出しの温存がカギを握る!)」

遅かれ早かれ、この仕組みに他の参加者も気づくだろう。
故に、初回で『満点』だろうと『慢心』には至らない。

二度、三度と同じ手を使えば、『鮮烈性』は薄れるのだ。
そして、ありふれた手を打てば、『独自性』など容易く失われる。

809『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/31(木) 23:14:35
>>806(美作)
>>807(天白)
>>808(ピエール)

           ワ
                     「いい度胸だァ姉ちゃん」
 「生意気ッ」        ァ
    
    「次も魅せてくれよ〜!」     ァ  
                        ァ
                            「もっと悪趣味なのが見たいわッッ」

美作の『鮮烈』な言葉に、観客は更に沸き立つ。
天白のポーズも届いているかどうかは分からないが、客にはウケたようだ。

対してピエールは考える。この戦いの『法則』……『勝利』への道筋を。

≪―――――――ではッッ≫

        ≪早速、『第二課題』に行ってみようじゃあないかッッ≫

                ≪『鉄は熱いうちに打て』!!
                 『マトリクス・オデッセイ』……頼む!!≫

三者三様に結果への思いを滾らせ、あるいは口にする中――――

                           『キュキューーーー ーン』
  『ヴ

        ンッ』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  
              STAGE2
              『盗み出せ!』

         打って変わって舞台は『倉庫街』!
     キミは『アリ―ナ』の一員として『犯罪組織』を追い、
          ついに、そのアジトへ到達した。
     すでに住所も、間取りも、敵情も把握しているが、
       出入口には常に見張りが一人立っている。

        窓はあるが『内側から鍵』がかかっており、
      迂闊に侵入は出来ない……中には更に敵が二人!
   目的の『機密データ』が入ったパソコンは窓から見えないが、
   先に入手していた間取りを考えれば『敵C』が動けば見える。
  
         どいつも『スタンド使い』ではないが、
     策なしで突っ込めば流石に『華麗な解決』は困難だ。
     強引すぎる突入の場合、『時間をかけてしまえば』
    その間に中の人間が機密データを消してしまいかねない。

    必要な装備は『アリーナ』から支給されるが、どう動く!?
  
 道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
 設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
         あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。

      ┏━━━━━━━━━━━┓
      ┃ ★                 ┃
      ┃           C    ┃
      ┃                窓
      ┃    B           ┃
      ┃                ┃
      ┃                ┃バ
      ┃草              草┃
      ┗━━━━━扉━━━━━┛
               A


A:見張り。筋骨隆々な男。それなりに強そう。腕時計をしている。
B:中年の男。携帯電話を手に、ソワソワした様子。武器などは見えない。
C:柄の悪そうな女。スマホ弄り。こいつが窓とパソコンの間を遮るように立っている。
草:観葉植物だ。
車:連中の物らしいバイクが駐輪されている。
★:目標のパソコン。ノート型で、デスクに置かれている。

〇室内の備品や内装なども、『マトリクス・オデッセイ』に注文可。
  エアコン、机やいす、時計など自然にありそうなものは、
  『あるもの』として扱ってレスを行う形でもかまわない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――風景が切り替わり、立っているのは『夕暮れの倉庫街』を思わせる情景。

先ほどと同じく、『1人だけ』の世界にナビゲーターのイルカが浮いており、
今は見張りなどの動きも停止している。『シチュエーションスタート』の前だからだ。

倉庫街でこそあるが、周辺の建物はターゲットとなる『小さめの倉庫』を除きディテールは荒めだ。
恐らく中に入る事は出来ない、『隠れ場所』としてか『雰囲気出しに見かけだけ』の設置なのだろう。

       ビュ

           オ オ オ ・ ・ ・

冬とは思えない常温の『仮想風』が吹く『仮想倉庫街』で、『仮想イルカ』が三人それぞれの『動向』を待つ。

810『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/31(木) 23:29:54
>>809(訂正)
誤記があるので訂正します。

× 車:連中の物らしいバイクが駐輪されている。
〇 バ:連中の物らしいバイクが駐輪されている。

811音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/01(金) 02:56:13
>>809
「あれだけステージで大見得を切った後だが、
 今度は『目立たず』にやり遂げなければ……」

『一対一』であれば『制圧』は容易いが、『複数人』への対処は難しい故に、
この難関を乗り越えるには『奇策』が必要となる。
吹きすさぶ『風』は有難いが、工夫なく利用すれば『既視感』は免れない。
それでも必要な『道具』は唯一つ。『ノートパソコン』を持って帰る『鞄』のみだ。

   「失礼。……『N H K』の者だが」

『ピエール』自身も痛手を被った経験のある、『徴収員』の振りをしながら、
『A』の眼前に掌を突き出し、『ザ・リックス』を発現。一気に押し込む。

   「――――悪事の代償を『徴収』しに来たッ」

盾で『顔面』を押さえる『理由』は三つ。まず、『声』を封じること。
そして、『視界』を封じ、対の手に発現した『ジュリエット』の柄尻を、
確実に『A』の『喉元』にぶち込み、『気道』を断って気絶させるためだ。

   「どれ、ちょっと『借りていく』からな」

気絶する『A』から『上着』ごと『スマートフォン』を奪い、『指紋認証』を解除。『無音』に設定。
そして、バイクを窓傍まで押し進め、『サイドミラー』を調整し、
鏡越しに窓から室内を覗けるようにしてから、窓の下へと屈む。

リアルタイムな『B』、『C』の位置や様子は、『窓』から確認できたと考えられる。
よって、多少『窓』に近づいたとしても、二人にはバレないと信じたい。

       Pi Pi      Pi   Pi . . .

『A』から奪ったスマートフォンから、直近の通話履歴や連絡先にひたすら電話し、
『B』、『C』のスマートフォンの着信を『ミラー』越しに確認できるまで、ワン切りしまくる。
その間、地面の砂を風にのせて撒くように、窓の付近に放る。

   ≪ガホッ、   『黄砂』が、ヒドいな……
    お湯を、一杯くれるが ?  ゲホッ≫

どちらかが電話に出たのを確認したら、わざとせき込みながら、
『声』を誤魔化すように喉を掠らせ、悲愴な声でおねだりをし、通話を切る。

この部屋には『観葉植物』がわざわざ『二つ』も用意されている。
つまり、水をやるための『給湯室』がある。白湯の一杯くらいは用意できるだろう。
『見張り』をわざわざ立てる以上、コンビニや自販機に行かれても困るはずだ。
何かの間違いで『ドア』を開けようにも、凭れた『A』が邪魔をして開かないだろう。

『B』か『C』がスマートフォンで返事をくれるか、あるいは窓に近づくか、
いずれにせよ、『窓』の真下に陣取った『ピエール』には、二人が近づくタイミングが解る。

          フッ . . .

『ザ・リックス』に浮かんだ、『A』の『紋章』を『ジュリエット』に移す。
そして、電話を受けたどちらかが『窓』を見た時に立ち上がり、
『剣先』を己が眼前に差し構え、ゆっくりと振りながら『紋章解放』をする。

         「『アルセーヌ・ルパン』とは比べられんが、
          ほんの一瞬であれば、『真似事』は容易いさ……」

『三つ目』の理由。『ジュリエット』に押し付けられた『A』の『顔面』がもがき暴れる様を『過程』とし、
ゆっくりと振った剣に『顔面』が暴れる過程を重ね、その悲愴に強張った顔を『Aの仲間』に晒す。

着こんだ『Aの上着』と相まって、上半身のみの『変装』を見せつけ、
もう片方の手では、『白湯』の催促をするかのように、ひたすら『鬼電』をしまくる。
『表情』と『行動』、両方が合わされば『無反応』ではいられないだろう。

『過程』が消える直前に、己は『窓』から僅かに離れて身を隠し、
『A』の仲間が『窓』を開けた瞬間、

        「『黄砂』はウソだが、
         『災い』が来たのに代わりはないぞ」

窓の傍に持ってきた『バイク』を踏み台にし、『ザ・リックス』を突き出しながら、
『A』の仲間の持った『コーヒー』ごと、盾で『押し込む』ように室内へと滑り込む。

        「『ジュリエット』ッ!」

『A』の仲間のコメカミを『剣』の柄底でぶん殴り、気絶させる。
もう一人、事態に気付いた『残党』が『パソコン』へ駆け寄る前に、

        「――――そう、『風』よッ!」

満を持して、室内に流れ込む『風』を『ザ・リックス』で受け止め、
『紋章化』させ、『ジュリエット』から『風の刃』を放ち、残党の『脚』を切りつけ、
倒れ伏させてから、『ザ・リックス』の側面を首筋に叩き込み、気絶させる。

        「では、確かにもらっていくぞ」

三人のポケットを探って、バイクのキーとヘルメットを手に入れたら、
『ノートパソコン』を鞄に入れ、盗んだバイクで『倉庫街』を後にする。

812美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/01(金) 21:08:10
>>809

所持品は『スマホ一台』のみ。
動作音などは、事前に全て切っておく。
窓の近くに身を隠し、挑発的に唇を舌で舐める。

「『カナリア』は誰にも気付かれずに『獲物』を手に入れる」

私にとって、見張りの男は問題にならない。
処理すべきなのは、中にいる男女。
おそらくは、外見通りの性格だと思っていいだろう。

(ここは『彼』に役に立ってもらいましょう)

「――――あなたの『メールアドレス』を教えてくれる?」

『プラン9・チャンネル7』を発現。
中年の男の『携帯電話』を『支持者』に変えて、『メールアドレス』を貢がせる。
そして、そのアドレス宛てにシンプルなメールを作成する。

       < お前は『死ぬ』 >

             pi

要するに悪質な『迷惑メール』だ。
これを男の携帯に送信する。
それだけなら『単なる悪戯』で終わるだろう。

    pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi

だから、『単なる悪戯』では終わらせない。
メールを繰り返し再送信して、同じ内容のものを連続して何通も送りつける。
狙いは、男を動揺させる事。

落ち着きがないのは、敵を警戒しての事だろう。
そこに『奇妙な出来事』が起これば、何らかのリアクションが期待できる。
男を動揺させ、それに対して女に反応させる事が目的だ。

邪魔な女さえ退かしてしまえば、気付かれる事なく情報をゲットできる。
その為に、気の弱そうな男を利用する。
更に、これは敵襲などではなく、あくまで『気味の悪い出来事』でしかないのだ。

女が動くか身体の向きを変えるかするタイミングを見逃さない。
パソコンを視界内に収めた瞬間、『プラン9』で『カナリア』の『支持者』に変える。
後は『パソコン自身』に機密情報を差し出させれば、踏み入る事なく任務は完了。

813天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/02(土) 02:34:26
>>809

『ホース』と『ジッポライター』『バケツ』を用意しておく。

「んぐっ……んぐっ……」

バイクの給油口にホースを突っ込んでストローのように吸う。
これで中のガソリンを吸い上げられる。
ちょっとガソリンを飲んじゃう可能性があるけど。
吸い上げたガソリンはバケツに入れるなどして倉庫の壁などに撒いておく。

「きゅぅ……」

その間に『アルビノ・ホリデイ』は糸の弾丸を放つ。
一度目はバイクの位置から下の角を少し飛び出たくらいの位置。
次はそこからAの腕時計に向かって。
腕時計に巣を張ったら、次はA自身に向かって撃つ(パス精CBC)
一度目は無機物、二度目は油断している相手、三度目は腕時計を見た相手の顔面を狙えば、そんなに難しい狙撃では無いはずだ。

「よっと」

顔面に攻撃を食らった相手は警戒しているだろう。
その隙に捕食開始。
本体は火をつけたライターでガソリンを燃やしてからAの元へとダッシュして意識をこちらに向けさせよう。

「おい! ヤバいぞ! 嗅ぎつけられてる、仲間に連絡しろ!」

捕食が完了したらAの振りをしてドアを蹴破り、中に入る。
外の炎が窓から見えれば説得力も増す。

「伏せろ!」

Cに全力でタックルし、動きを封じる。
時間がまずいので飛ぶように踏み切って操作が解除されてもいいようにしておく。

「……」

操作が解除されれば『アルビノ・ホリデイ』は一番近い巣に飛ぶ。
Aの腕時計だ。
状況的に連絡をしろと言われれば連絡をする。
手に携帯を持っているならそうしてもおかしくない。
あるいは警戒して辺りを見渡しているかもしれない。
だから、狙いやすくなってるはずのBに糸の弾丸を放つ。
現場はてんやわんやだ。
Bの捕食が完了したらパソコンを持ち出す。
そして、パソコンを倉庫から出し、内側扉を閉めて終了だ。

「いただきます」

814『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/03(日) 01:35:11
>全体

       ≪ シチュエーション スタート!! ≫

それぞれの望む道具、状況が用意された上で――――『演技』が始まった。

>>811(ピエール)

「…………うちには、テレビなんて無」

          『ドボォッ!!』

               「!?!?!?」

   ドサッ!

まずは徴収員を装っての強襲――――『成功』。
腕を振りかざしたりすれば『叫ばれる』可能性もあるところを、
自然な動きから『口を封じ』『喉を封じ』意識を刈り取る事で、
一挙に解決して見せた。ほとんど『芸術的』な手口と言ってよい。

さらにそのまま押し入るのではなく『スマホ』による誘導を行い、
そのために『バイクのサイドミラー』を用いるのも『無駄が無い』。
更に変装などは、『ピエールのスタンドを知る人間』でも驚くべき業。
初見の、スタンド使いでもない人間が『訝しむ』事は出来ても対応など不可能。

                  ―――『成功』。

      ヒュンッ

            ドガッ!!

    「……!!」

                『ビュオオッ』

     ――――ザシュゥッ!!

あるものは全て活かす――――『評定』に含まれる基準かは不明だが、
審査員は『人間』であり、『心証』を稼ぐに越した事はないのだから。
それは流れるような『向上』もだし、騎士道的な『不殺』の手筈もそうだ。
手筈に用いたバイクを最後まで利用し『演じ切る』姿勢も、何もかも。

――――『成功』。            

          ワァ

               ァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!

鮮やかに三人の悪党を制圧し、『パソコン』ごと盗み去って魅せたピエールに、
先ほどと同じように『元に戻った』光景と共に割れるような喝采が浴びせかけられる!!

>>812(美作)

――――――――『カナリア』が狩りをする姿を、知る人間は少ない。

      pi

          pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi

メールアドレスの『漏洩』などは『プラン9』の最も得意とする『工作』。
容易に明かされた秘密を啄み、さえずるかのような音は、一つ一つが『死の宣告』。

         「!?!?」

                 ポロッ

                        「〜〜〜ッ!?」

当然そのような事態になれば、相手もおとなしく見てはいない。
おとなしく見てはいないから――――本当に狙われている『獲物』が何か、気づけない。

    ≪ 『ヒミツケイカク』ノ ショウサイ オシエチャイマス!!! ≫

                  ≪ ケッコウジカンハ 23時 !! ≫

    ≪ シュウゴウバショハ カンラクガイ ノ バー !! ≫

パソコンが嬉々として機密情報を貢ぎまくってくるのを耳にしていると、
風景は『倉庫街』から元の『アリ―ナ』へと戻っていく。つまるところ『おしまい』だ。

              ワァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   ッッッ!!!!!

大歓声は先に終えていたらしいピエールへのものもあるだろうが、美作へのそれも明らかに聞こえる。

815『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/03(日) 01:35:56
>>813(天白)

天白が仕掛ける次なる策略の網は――――極めて『危険』で『鮮烈』なものだ。

用意した道具は比較的多いが、『ガソリン』を抜き取る手段としては合理的だ。
そして、当然、それだけに頼った安易な仕掛けをするような『黒い瞳』ではない。

           パシュッ

              パシュッ

                  パシュッ!

糸の弾丸は次々に『生息圏』を広げ、『見張り』の頭に浮かぶ『兵隊蟻』はもう逃げられない。
弾丸を当てる順序も計算し尽くしたものであり――――『見事』と言える手口だ。

「なッ」

           「何っっ!?」

そこからが『アルビノ・ホリデイ』の真価だ。
第一課題で魅せた『辱め』も勿論、重要な使い道ではあるが、
人間を傀儡として操る『糸蜘蛛』は人間関係の糸を容易に辿り拗らせる。

     「オゴッ!?」

             「なッ何してんだ  ぎゃッ」
 
  「……」

        スッ

         「ま、待てっ、どこに」

                   バタン
                       ガチャ

                         「待てェェーーーーッ ・・・」

空しく響く制止の声を聴きながら元の体に戻った『天白』の意識は、
燃え盛り始める扉の前に無事に転がる『パソコン』を目にし……
そして、そのまま周囲の光景が『アリ―ナ』のそれへと戻っていくのを目撃する。

        オ
              オォ
                    オ
                          ォ―――――ッ

そしてピエールと美作が浴びていた声援に、天白の名を含むものが一気に織り込まれた!

816『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/03(日) 01:36:25
>全員

≪第二課題ッッッ これにて終了だァァァーーーーーーーーーーーッ!!!
 三者三様の素晴らしい『解決』ッ!! とくと見させてもらったぞッ!!!!≫

      ≪今回の『採点』は如何に≫

                  ≪――――――ご覧いただこうッッ!!!!≫

             オ   オ  オ  オ   ォォーーーーーーーーーッ

結果は・・・

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

≪―――――――――――――満点ッ!!!≫

        ザワ   ザワ
                          ザワッ

               ≪満点ッッ≫
   「マジかッ」
                    ≪全員が『満点』の評価だァァ―――――ッッ≫

             「いきなり!?」
                        「いや、序盤だからこそか……!?」
 
     「とにかくスゲェェーーーッ」
 
最初の課題で惜しくも『穴』を突かれた美作と天白も、見事にそれを補って見せた。
それゆえにか、純粋に解決策が評価されたか、点数はこの二度目にして『最高値』を叩き出すッ!!

≪この競技に『予定調和』は存在しないッ!! 『闘技試合』に『栄誉の引き分け』があるのと同じッッ≫
 
      オ オ
            オォォーーーーッ
           
            ≪全員が己の限界を突き詰めた『解決策』を示せば≫

                                    『ワーーーッ』

                    ≪全員に『最高』の評価が付くという事ッッ!!!
                      奇しくもこの第二課題で証明され、感嘆しているッッ!!!≫

      『キャーッ』

講評や、次の課題の発表もすぐに行われるだろう。

この満点――――輝かしい結果であると同時に、否応なく上がる『ハードル』を感じなくもない。
一度『最高』が出た以上、この先は『維持』出来るか、それとも『削られる』か。減りゆく手札の中で、ピエールも予期した『持久戦』になり得る。

817天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/03(日) 02:02:43
>>815-816

「やった……全員満点!?」

点数の開示に思わずそんな言葉が口から出る。

(巻き返せてないし……)

点差のあたりは相変わらずだ。
満点だからこれ以上の上はない。
次以降も頑張る必要がある。
巻き返せていたとしても頑張らないといけないが。

「まぁでもいっか」

「ぶい」

ピースサインを上げておこう。

818音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/03(日) 02:51:50
>>814-816
全ての『手筈』を完璧にこなし、
割れんばかりの『拍手』を受け止める。

最も、それは他の二人も同様のようだが。

     「――――『スマートフォン』を扱う能力、
      そして、他人を『全裸』にして操る能力、

      今のお題は、君たち向け、だったということかな」

『一回目』の講評から伺える、『スタンド能力』の片鱗、
それに対してわざわざ言及するのは、己も無意識に抱いた、
――――『対抗意識』によるもの。

     「今の課題で、『審査員』に凡その『スタンド能力』は知られた。
      観客の中でも、大体の『目星』を付けた者もいるだろうな……。

      この闘いは、『一滴』の血も流れることはない。
      だが、確実に言えるのは、他者への『妨害』も『工作』もなく、

      ――――純粋に『己』を磨く! そのための『競技』といえようッ」

『入場時』、そして第一回目の『講評』とは違う、
雄々しくも喉奥を震わせて、真っ新な『アリーナ』の中央で叫ぶ。

819美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/03(日) 05:54:12
>>816

     「――――ハァ…………ンッ…………」

              ドサッ

その場に座り込み、両手を地面について全身の力を抜く。
無防備なポーズと気だるげな表情。
これも『パフォーマンス』の一部だ。

「この程度じゃあ満足できないわ」

「ねえ、もっと痺れさせてよ?」

         フフッ

客席と司会者と審査員席に向けて、微笑みながら同じ台詞を投げ掛ける。
客席に対しては『声援』を、『アリーナ』側に対しては『難問』を求める。
この大舞台で『美作くるみ』という名の『月』が輝くには、それが必要だ。

「足りないの。もっと欲しいのよ」

「私は『欲張り』だから」

今よりも激しく、沢山の『歓声』が欲しい。
意識がブッ飛んでしまう程の『声援』と『拍手』に包まれたい。
だから――――。

     こんな程度じゃ――――ちっとも『足りない』ッ!!

820『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/04(月) 16:46:38
>全体

  「天白ッ」
                  「もっと見たいッ」
       「天白ッ」         「『悪趣味』なだけじゃないわッ」
               「策略家だわッ」

    オォォォ

  「ピエールッ」

               「『カナリア』ぁぁーーーーっ」
       「ファンになりそうだ……」 
                       「エロい!」

言葉やポーズでパフォーマンスを魅せる天白と美作、
対して己の中の『熱』を、ぶつけるように叫ぶピエール。
    
        オ     
     オ                       「美作サァーーン!」
  オ
    「良いぞ『ピエール』ッ」
       「『闘技』でもアイツが見たい!」      オォッ

 「試合予定は無いのか!?」
 
            オォォーーーーーーーーーーーーーーーーッ

≪全員満点――――という事でッ≫

      ≪まずは審査員の『講評』からだッッ≫

             ≪――――『冬川』氏ッッ≫


               フユカワ コゴエ
≪――――どうも。アリーナの『冬川凍』です≫

画面に映し出されるのは『執事服』風のスーツを着た若い男だ。

        ワァ ー ー ー ッ

              ≪今日は審査員という事で招かれている。
               僭越ながら、今の課題についてコメントを≫

≪全員満点をつけたが、それぞれの良さがあった。
 『ピエール』選手の『流れる』ような手筈は実戦でも発揮されるだろうし、
 『カナリア』選手の策は『スマート』だ。初回で吾妻が指摘していた、
 『確実性』について全く隙が無い。こういう『改善』が出来る使い手は『強い』。
 そして……それは『天白』選手にも言える事。初回の手立ても私好みだったが、
 『脱がせる』のは『派手』であっても『鮮烈』かどうかは、評価が分かれる所。
 今回は道具ありきとはいえ映える『炎』を使い、『スタンド』の使い道も『流麗』だ≫

           ≪――――二度の攻略である程度の『能力』は見えてきた。
            ここからが正念場と言えるだろう……第三課題、楽しみに見させてもらう≫

ピエールの言葉通り、目の肥えた観客たちもだが、
多くのスタンドに触れるであろうアリーナスタッフの『審査員』は、
深く隠した『奥の手』でもなければおおかたの能力を『知った』らしい。

≪講評に感謝するッッ この『勢い』を切らないよう、さっそく次の課題へ進もうッッ!!!≫

                 ≪STAGE3≫

   ≪『己の限界』はまだまだ遠いかッ!?≫
                             ≪それとも常に限界を極めて戦っているかッッ≫

 ≪いずれにせよ講評通りィィッ≫

                        ≪ここからがッッ  正念場だァァァーーーーッッ≫

       ≪超えてみせてくれッ!! オレの想像の限界をッッ!!!≫

  『キュキューン』

821『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/04(月) 16:49:50
>つづき

               ヴ

                ン

――――広がる光景は『星見横丁』の『通り』を再現したようなものだ。

違いがあるとすれば『車道』が無く、まるで『歩行者天国』のような様相を呈している点だが、
これについては競技を円滑にするためか、『幅』を広げるための『アレンジ』といった所だろう。

      そして発表される課題は――――今までとはまた違う『解決』を求められるものだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                 STAGE3
                『逃げ切れ!』

       ストリート・ミュージシャンの演奏がBGMの
      夜の『星見横丁』で……キミは『追われている』!
      
       重要な『情報』の入った『USB』を手にして、
     敵の『組織』から逃げて『合流ポイント』に向かっている。
     追手は人間だが――――今までの人間とは様子が違う。
       黒いサングラスを掛けた『黒服』の男が『2人』。

          1人は後ろから迫ってきており、
        もう1人は進行方向に待ち伏せしている。

     彼らはさながら『スタンドが見えている』ように振る舞う。
     もっとも彼ら自身が何か能力を使って来るという事はないが、
     『見えている』相手を倒すなら今まで以上の『策』がいる!
       回避もするし、身を守ってくるかもしれないし、
      あまりにも『分かり易い』使い方をしてしまえば、
      『能力』を敵の組織に共有されてしまいかねない。
     成功条件そのものには無関係だが、スマートではない。

     あるいはこの『包囲網』をすり抜ける何らかの策を講じるか?
 それなら後ろからの追手は『対処』しなくても、見張りさえ抜ければ問題は無い。
     いずれにせよ……状況が始まれば、あとはもう待ったなしだ!

 道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
         ただし『乗り物』と『衣装』は、今回『禁止』となります。
 設備:『可』。 ただし黒服の持ち物は『見た目を損なわない範囲』に限ります。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

822『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/04(月) 16:50:12



                                          │      人      │
                                          │             │
──────────扉───────扉───────扉──┘             └────扉─────
    人   〇                   人            ◎              B          人    ☆
       〇                                                                 ☆
A      〇                                                                 ☆
       〇             人                                                   ☆
       〇   自  バ                   人                                     ☆
────―────────扉────────扉─────―┐             ┌────扉─────
                                              │    人 人         │
                                              │             │
                                              扉             扉

A:黒服。後ろ10mほどから追跡(スC 歩く速さ)してくる。スタンドが見えるようだ。
B:黒服。見張りをしていて、辺りを見渡している。スタンドが見えるらしい。
〇:スタート地点。どの位置からでもかまわない。
☆:ここまで行けば『データ』を受け渡すべき人間と合流できる(初期位置は☆の範囲で自由)
  彼を動かしても構わないが、理由が無いと動かない。
  また、動かすにせよ見張りである『B』の前を通らせるのは危険だろう。
  USBを彼に渡せるなら、自分自身は辿り着かないのもなしではない。
自:放置自転車だ。鍵などは無い。
バ:またバイクだ。ただし今度は『電子錠』がされている。

人:通行人。特徴などはないが、『注文』すれば付加される。進行方向も自由。
◎:ストリート・ミュージシャンだ。ギターとマイクスタンドを置いて歌っている。
扉:道沿いの建物の扉。基本的に施錠などはされていない。何の建物かは『注文』出来る。

823美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/04(月) 21:50:43
>>822
通行人の特徴の『注文』は常識の範囲なら可能と考えてもよろしいでしょうか?

824美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/04(月) 23:02:19
>>822
その場(星見横丁)にあっても違和感のない設備であれば、『注文』可能と解釈してよろしいですか?

825『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/05(火) 06:15:02
>>823-824(美作・回答)
>通行人の特徴の『注文』は常識の範囲なら可能と考えてもよろしいでしょうか?

『常識の範囲』なら可能。
多少逸脱していても『いないとは言い切れない』なら可能だが、
あまりに珍しすぎる場合『確実性』に関わる可能性はある。

>その場(星見横丁)にあっても違和感のない設備であれば、『注文』可能と解釈してよろしいですか?

可能。『黒服』の見た目や装備のみ『制限』がかかっている。
ただしこちらも、『ありえなくはないが珍しすぎる』場合は『確実性』に関わり得る。

826美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/05(火) 19:37:33
>>825
回答に感謝します。

>>821

「 『 A t t e n t i o n P l e a s e ! ! 』
 この会場の全員に、可憐に響く『カナリア』の『歌声』を聴かせてあげるわッ!!
 耳を澄ます用意は良いかしら?」

          フフッ

「――――さあ、始まるわよ」

所持品は『スマホ一台』のみ。
それだけあれば十分に事足りる。
先程と同じく余計な音は切ってある状態だ。

「『プラン9』には、目の前の敵を叩きのめせる力なんてない」

「だけど、何の問題もないわ。そんな物は必要ないんだから。
 腕尽くに頼らず、この状況を切り抜ける為にはね」

「『プラン9』なら――――それが出来る」

スタート地点は最下段付近の位置
前方からは通行人が歩いてくる。
自分も前に向かって一定のペースで歩みを進めていく。

     チラリ

そして、視界の端で『ある物』を捉える。
『それ』は、どこか私自身と似通っている物。
かつては多くの人から大事にされていたけど、今では見向きもされなくなった。

視線の先にあるのは――――『電話ボックス』だ。
携帯電話の普及で数は減ったものの、災害時に安定した通話が行える利点から、
現在でも一定の台数が維持されている。
それを『マトリクス・オデッセイ』に『注文』しておいた。

「ねえ、教えて欲しいの。あなたの『電話番号』は?」

『プラン9・チャンネル7』を通して、『公衆電話』に語り掛ける。
『公衆電話』にも『電話番号』は存在するが、悪用される事を防ぐ為に、
一般には公開されていない。
『プラン9・チャンネル7』なら、その『非公開情報』を手に入れるのは容易い事だ。

スタンドを発現する際には、
通行人と通行人の間に入る事で肩の上のヴィジョンを隠し、
『電話番号』が分かった時点で解除する。
『プラン9・チャンネル7』は小さなヴィジョンであり、
発現の時間も短くすれば視認される危険性を抑えられる。
たとえスタンドが見えていても、『プラン9』の発する『スタンド音声』は聞こえない。

「私が、あなたを輝かせてあげるわ。あなたの存在を皆に知らしめる事でね」

「だから――――あなたが私を輝かせてちょうだい」

         pi

後の手順は簡単だ。
見張りにギリギリ気付かれない程度の距離に入ったタイミングを見計らって、
自分のスマホからボックス内の『公衆電話』に電話を掛ければ良い。
番号を打ち込んだスマホをジーンズのポケットに移し、ポケットの中で発信する。

通常、番号が公開されていない『公衆電話』が着信する事は起こり得ない。
『普通でない出来事』が起これば、周囲の人間の注目を集める事が出来る。
それは『黒服』も例外ではないだろう。

『電話ボックス』の場所は、十字路の上方付近。
そちらに見張り役の注意を誘導して隙を作り、
近くの通行人も遮蔽物として利用しながら、歩調を速めて通り抜ける。
残った仕事は、目的の相手に『USB』を受け渡す事だけ。

「――――ほら、『忘れられたカナリア』の可憐な『歌声』が聴こえたでしょう?」

827音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/05(火) 21:16:04
>>820-822
「(たった今、全員に『最高得点』が課された。
  ――――これより先は『減点方式』ッ!)」

   「つまり、今までにない『剣技』、『盾捌き』を魅せる必要がある――――」

『USBメモリ』は『ケース』に入ってるものとしたい。『自転車』を押して歩く。
MAP左下にある『扉』の傍に『自転車』を立て掛け、入店するのは『酒屋』。

『自動ドア』をすぐに潜り、『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』を発現。
右側のドアレールに『ジュリエット(剣)』を挟み、左側の『ドアレール』上に『ザ・リックス(盾)』を立てかける。
『盾』は『ドア』の動きを『吸収』し、『剣』はつっかえ棒となって『ドア』を閉ざす。
追ってきた『黒服A』は開くはずの『ドア』に阻まれ、『入店』が出来ない。(『盾』は手放しても使える。)

      「店長、すぐに『ビール瓶』を『1ケース』ごと売ってくれッ! ビール掛けだッ!」

『一万円札』を数枚渡し、『ビールケース』をヨタヨタと持ってくる『店長』に両手を差し出し、

      「助かったッ! 後は『自転車』で運べるから、『離して』くれるか?」

『自転車』の『後輪』を指さし、『自動ドア』の傍まで引き下がり、足元の『剣』と『盾』を解除。
再発現した『盾』を『店長』の抱える『ビールケース』の下に滑り込ませ、『受け取らない』。
手放されたビールケースの『落下』を『攻撃』と看做し、『盾』で実体ごと『吸収』し、踵を返す。
『店長』からは、背中を見せた『ピエール』が『ビールケース』を抱えたように見えるはずだ。

      「――――ま、待ってくれッ!
              . .
       ……これが『欲しい』んだろう、ほらッ!」

ドアが開く瞬間、追ってきた『黒服A』に、中身を抜き取った『USBケース』を緩く放り投げる。
本来なら在り得ない行為。『黒服A』が反射的に『掴む』か、『反応』を見せた時。
                      . . . .
『盾』を掠めるように、『剣』を『発現』しながら『黒服A』へ押し込む。
放り投げる挙動のまま、発現した『剣』を押し込む、『器具型』独自の瞬間攻撃だ。
『剣』の切っ先が触れた瞬間、『盾』から移した『ビールケース』の『紋章』を解放。

              ――――ドスンッ!!

おおよそ『27kg』の『ビールケース』を抱えさせ、よろめかせる。
そのまま一直線に押し込んだ『剣先』をケースの隙間を捻じ込み、
中に入った『ビール瓶』を次々に破砕し、肉体に触れた時点で『剣』を解除。

『剣』を押し込んだ『掌』で襟首を掴み、身体ごと『盾』を押し込み、
『黒服A』が手放す『ビールケース』を吸収しながら、『大内刈』で確実に『転倒』させる。
『気絶』すれば御の字だが、一般人であっても肝が据わっていれば、そう容易くはないだろう。

    「あ、あぁー……、大丈夫かね……
     先行ってるからなァ……、お騒がせしましたァァ〜〜〜ッッ」

発現してた『剣』と『盾』は『ピエール』の背中に隠れ、
『ビールケース』を抱え損なった『黒服A』が転倒したように見せかける。。
『盾』を前カゴに入れ、『ミュージシャン』の真向いにある『自販機』へ『自転車』で向かう。

事態に気付いた『黒服B』は愚か、回復した『黒服A』も追ってくると想定する。
『自販機』の傍に『黒服B』をおびき寄せ、『2m』に至った時、『盾』を投擲し、『解除』する。

            ブアシャァァァッッ!!

飛び出した『ビールケース』をぶつけ、破砕したビンから『ビール』をまき散らす。
『黒服B』をよろめかせて足を止め、『ビールまみれ』にするのが目的だ。
そして、『黒服A』と共に、『ピエール』を捉えようとした時――――

          ブツッ
                   ――――――バビビビビビビッッ!!!

『自販機』の裏に手を伸ばし、『剣』を発現。刀身の重みで『電源ケーブル』を切る。
そして、地面に広がった『ビール』を通じ、『ビールまみれ』の『黒服A、B』は『感電』する。

         「――――『優勝記念』は、気を急ぎ過ぎたかな」

『両脚』に通電すれば、しばらくは行動出来ない。
周囲からは『ビールケース』を落とした上、『漏電』した自販機に触れて『感電』した、
哀れな通行人として映るだろう。――――『事件性』を消し、無駄な騒ぎは起こさない。

    「(見せて当たり前の『第一回』、見られて当然の『第二回』とは違う。
      決して『見せない』、このステージで新たな『価値』を提示するッ!)」

悠々とゴール地点に『凱旋』する。

828天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/06(水) 00:09:50
>>821-822

口を開けた『カバン』の中に『USBを入れたケース(透明)』と『空のUSBケース(黒)』を入れておく。
『アルビノ・ホリデイ』を発現。
体中に蜘蛛の巣が出るので自分がスタンド使いだと間違いなくバレる。
自転車に走って進みながら『USB入りのケース』『空のUSBケース』に糸を吐き出す(パス精CBC)。
ケースをカバンの中に入れる振りをしながらなら分かりにくいだろう。
『アルビノ・ホリデイ』を頭の上に移動させ(スB)、前かごにカバンを入れる。

「れっつごー」

自転車をこぎだす。
後ろの黒服に糸の弾丸を吐いて牽制しつつ、自転車をこいで前方へ。
距離があるから軽く牽制すれば距離は開けられる。
それにいくらスタンドが見えていても、この速度の弾丸を人間が即座に判断してかわせるだろうか。
大きく飛べばかわせるかもしれないが、そうなれば回避に相手は時間を割くことになる。
途中、ストリートミュージシャンにも糸の弾丸を当てておく(パス精CBC)。

「さてと」

前進しながら片手を離し、カバンの中に手を突っ込んで『空のUSBケース』をBに投げる(パス精CCC)。
色的に中身が入ってるかどうかは分からないだろう。
相手がキャッチにしに来たらUSBケースに『アルビノ・ホリデイ』をジャンプさせる(スB)。
『アルビノ・ホリデイ』に面食らって動かないのならそのまま『糸の弾丸』を顔面に撃って脇を素通り。
取りに来るなら『アルビノ・ホリデイ』をストリートミュージシャンにジャンプさせながら『糸の弾丸』をBに撃つ(パス精CBC)
USBケースのキャッチ、糸の弾丸による攻撃、そして天白自身もBに向かって突進する。
自転車との衝突は少なからずダメージになるだろう。
ぶつからなかったらそのまま素通りするし。

その隙にストリートミュージシャンの巣から捕食を開始する。

「うわわっ」

ぶつかれば自転車のバランスも崩れるだろう。
倒れたら開いたカバンの口から中身をぶちまけてしまうかもしれない。
その時に足を負傷してしまったら渡すのが遅れてしまうし、Bのダメージ回復が速いかもしれない。
そのためにストリートミュージシャンを乗っ取る。
思い切り走り込み、意識があるならBをギターかマイクスタンドで強打(ギターにストラップがついているならギターでいい)
そのまま『USB入りのケース』を手に取って待ち合わせる人物に投げる。
多分、乗っ取りの時間的にそれが一番手っ取り早い。

829『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 01:13:52
>>826(美作)

美作の愛鳥、『プラン9・チャンネル7』は『戦い』には向かない。
だが、『秘密裏に』『ひっそりと』情報を奪い去る。そういう狩りをする。

           ザッ
                  ザッ

――――『電話ボックス』は珍しいものでもない。

          ≪ XXXX-XXXX-XXXX デス ≫

      ≪ オヤクダテ クダサイ ≫

  pipo 

  ≪ ワタシノ 情報 オシエルノハ 惜シクナイ。 アナタノ ファンダカラ! ≫

極めて小さく、動く事もなく、スタンド音声で必要な情報を手に入れられる。
  
                 〜〜〜〜♪
 「何?」 
      ザワザワ
             「電話?」
                     「……!?」

一般的な通行人には多少気になる程度の『異常事態』でも、
気を張っている見張りには『気にしなくてはいけない事態』。

「…………くっ、『着信音』か」

         「…………!?」

             「しまった……『通られた』ッ!
              なんてタイミングだ…………!?」
           
その隙を突き――――ヴィジョンすら晒していない美作は、検問を突破する。
派手ではない。しかし『知識』と『能力』を活かした、他にはまねのできない『解法』。

   ワーー ーッ

          ワ ァ ァ ァ ァ  ――――――― ッ

                    ワーーーーッ


アイドル時代とはまた違う、パーソナリティとして浴びる声援とも違う。
容姿や声、磨いたトークだけではない。明確に『スタンド使い』としての・・・『強者』への歓声ッッ!!

830『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 01:14:08
>>827(ピエール)

既に二度の満点を獲得しているのは、唯一ピエールのみ。
それはすなわち、その演技を見る目はどんどん『ハードル』を上げていくという事。
それゆえに選んだのは、『見る目』を変える魅せ方――――今までとは違う『毛色』!

これまで魅せて来たのは『剣』による『剣舞』。
対してこの第三課題、魅せるのは――――『盾』の最大活用!

               『ギュン』

     『ズギュウン』

ドアの閉まる『衝撃』を受けるのは序の口。『ビールケース』そのものを『吸収』し、
それをこれまでと同じく『剣』に移しての『解放』――――『物体の吸収と放出』の側面。

        「!?!?」
                              ァァーーーーッ

今までに見せていない、非常に大きな手札は遥か遠くに遮断されているはずの『歓声』が漏れ聞こえる程だ。
もちろんというか、ピエールの予想通り『黒服A』はそれだけでノックアウトとはいかなかったが、
無事に再び回収した『中が砕け散ったビールケース』は、再び盾に収まり、

       「貴様ッ」
 
                「ぶ、無事で済むと思うな……ッ」

       ダダッ

挟み撃ちにするかの如く迫りくる二人の黒服に対して三度の解放――――そして『水びたし』に『感電』。
             
                             バ!

                   「「!?!?!?!?」」

            バ!
                     バ!
 
特筆すべきはその『見せずに魅せる』という『方向性』の徹底。勿論剣や盾がカメラに映る事はあったが、
それを捉えて指摘できるのは相当な『手練れ』――――それも『第三者視点で見ている』から、に過ぎない。

スタンドが見えている相手に対して、スタンドを明確には見せない。
そこに『合理』がある。意味のない『演出』ではない、そこに『価値』がある。
設定した『舞台』や道具も無理のないもので、『ステージギミック』も活かしている。
そして『この後』の事を、スタンドも、手段も、言葉も、全てで考慮に入れている。

だからこそ。

      オ
           オ

               オォォォォーーーーーー
                            オーーーーーーッ


飛び込んでくる……感嘆や驚きの歓声が。USBケースを渡し終え、世界が戻ったピエールの耳に――――『大歓声』が!!

831『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 01:14:25
>>828(天白)

           ズ  オ ォ

「……!」

          ザッ ザッ

スタンド使いと確信できるターゲットを、無言で追い続けるのは『黒服A』。

           パシュ パシュ

自転車に乗ったターゲットを追う……飛んでくる『白い弾丸』は謎めいているが、
運転しながら直撃させて来るような精度ではないようだし、掠めても痛みは薄い。
大きめに動いて回避しながら追う。『見張り』の男と挟み撃ちに出来る所まで。
 
    パシュ  
         ドチュン!

            「ウ ギャッ」
 
ストリート・ミュージシャンは直撃を受けているが『致命傷』ではなさそうだ。
気になるのはこの、『蜘蛛の巣模様』だが――――直ちに影響はなさそ、

     『ポイッ』

          「!?」
                「おいッケースだッッ」
   「拾え!!」

            バッ               『ピョン』

  「な」 「蜘蛛――――」

            パシュ!               「ぐっ」

       ダダダダッ

   「……!? なッなんだ」
                      『バキィィッ!!!!!』

見張りのBが撃たれた。キャッチが遅れた。そこにターゲットが自転車で突っ込み、
なぜか『ストリート・ミュージシャン』がマイクスタンドで見張りに襲い掛かり、
そしてターゲットが落とした『別のUSBケース』を、謎の人物に投げ渡して・・・

          ・・・
             ・・・
                    気が付けば、黒服達は包囲網に失敗していた。

その後の事を彼らが『上』にでも報告しても、無関係のストリート・ミュージシャンの凶行もあり、
天白も『どこまで関与していたのか』が分からないという事になるだろう。『糸蜘蛛』の脅威はそこにある。

         ワ
             ア 
                  ァァァーー ーー ーー  ーー ーー ーッ

歓声は流れるような『暴力』と『謀略』への畏怖も、それなりに含んでいる。彼らはそれを楽しみに来ているのだ。

832『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 01:28:20
>全体

             /  /                 /  /            「ピエールがスゴいッッ」
       lー ''''" ̄ ̄"    ̄ ̄`'、       lー ''''" ̄ ̄"    ̄ ̄`'、
      ∠,,、 -z    ,r――― ''"      ∠,,、 -z    ,r――― ''"
      、 '"´,、ィ   /              、 '"´,、ィ   /            「アイツは何者だ!?」
     、 '" ,、 '":ツ   /      |^l     、 '" ,、 '":ツ   /      |^l
  、-' ,、 '´   /  /     /'''',,,," 彡  、-' ,、 '´  /  /     /'''',,,," 彡
  | ,、 '´    /  /     `゙^ _,| │  | ,、 '´    /  /     `゙^ _,| │                      |^l
  '´     / /l/     .,/,_ |   '´    / /l/     .,/,_ |      ;‐i          /'''',,,," 彡
       //        .l_,'" | .|     lニ ニ//       l_,'" | .|    lニ ニl    ;‐i    `゙^ _,| │
                       {_,l゙    .〈/!_|     lニ ニl      {_,l゙     .〈/!_|   lニ ニl   .,/,_ |
                                〈/!_|                〈/!_|   .l_,'" | .|
                                                             {_,l゙ .
     「『天白』ゥゥーーーーーーーーーッ」

                 「良いぞッッ」   「もっとやれェェーーッ」

大歓声がうねり、三選手の名を呼ぶ声や、
思い思いの雑談などは既に薄れつつある。

     「美作ッ」 
   
           「素敵よカナリアっ」


それでも、思い思いの歓声は聴こえてくるものだ――――そして。


≪第三課題、これにて『集計』完了ゥゥーーーーーーーーーッ!!!≫

        オ
            オ
                オッッ

                       ≪講評はオレから述べさせて貰うがッッ≫

≪ここに来て三者の『方向性』が見えて来つつあるッッ!!
 スタンドの性質に合わせた『魅せ方』の自己理解は、
 まさにこの競技のキモとも言える部分だが……!!≫
 
≪『情報系』スタンドの『静かな脅威』を示す『カナリア』選手ッッ!
 『魅せるプロ』は流石と言った所か。『熱』とは騒ぐだけに非ず。
 第三課題においても最小限の動きで課題を突破している……美しいッッ!!≫

≪『射撃』と、恐らく『他者操作』の能力の『悪辣さ』と『バイオレンス』。
 下手に振るえば、見苦しい……残酷すぎるやり方になりかねないが≫

           ≪それを『ベビーフェイス』に秘める『天白』選手!!
              天性の『バランス感覚』があるッッ!!! そう言えるな!≫

≪そして――――ピエール選手ッッ!!! 『剣』と『盾』のスタンドの応用性もさることながら、
  素晴らしいのは『飽きさせない』その見せ方だッ!! スタンドの手札の多さを、本人の発想が活かしているッ≫

                            ≪この第三課題……彼の『真価』を垣間見た。底知れない『使い手』だな≫

桜島は興奮冷めやらぬと言った顔で、マイクを一旦置いた。ポイントと、次の課題の発表は――――もうじきだろう。

833天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/07(木) 02:27:32
>>831-832

「はっ、あぁ……!」

全身で浴びる声の波に背筋が伸びる。
思わず口角が上がってしまう。
もっと、もっとだ。

「もっと下さい……!」

(放送コードを超えちゃうくらいイイのを――――)

834美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/07(木) 06:23:28
>>832

半ば曖昧な、ぼんやりした意識の中で、桜島の言葉を聞いていた。
今までに味わった事のない類の大歓声。
まるで日光浴でもするかのように、その熱気を全身に浴びながら立ち尽くす。

「アハッ――――」

「良い気分だわ。こんなに気持ち良いのは久しぶりよ」

     クスクスクス

「――――おかしくなっちゃいそうなくらいにね」

恍惚とした表情で笑み、言葉少なに現在の心境を語る。
この気持ちを、どう表現したら良いのだろうか。
パーソナリティーにあるまじき事だが、それ以上の言葉は出て来なかった。

835音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/07(木) 19:41:09
>>829-832

      「いいぞ……!」

結果への『手応え』を覚える。
自分がバラまいた『ビール』でも引っかけたいくらいだ。
『採点』を待つ。

836『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 23:38:30
>>833(天白)
>>834(美作)
>>835(ピエール)

≪さあッッ 気になる点数は――――――――ッッ≫

                  ≪これだァァッ≫

――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『3』

――――――――――――――――――――――――――――――――

≪…………!?≫

          ≪オレならば全員に投票したところだったがッッ≫

    ≪流石目の肥えた観客諸君に、審査員たちッッ≫

              ≪何か『粗』を見つけてしまった――――か!?!?≫

  ≪或いは『もっとスゴイ物を見たい』という『挑発』なのかァァァーーーーーッ!!!!!≫

恐らくはこれが『減点法』に移行したが所以――――ささいな『瑕』にさえ、
点数を『入れるべきじゃあないんじゃないか』という『先入観』が生まれてしまう。

≪いずれにせよ、競技はあと――――『2つ』ッッ≫

             ≪泣いても笑っても『勝者』はじきに決する事になるがッッ≫

    ≪現在の合計点数は――――――≫

        『カナリア』:24点
        音無ピエール:26点
        『黒い瞳』:24点

≪ピエール選手が一歩リードッッ!!! だが点差はわずかに『2点』―――――逆転の目は、まだまだあるッッッ≫

                     ≪さあ、行ってみようじゃあないか『第四の課題』ッッ≫

   『キュキューーン』

                            ≪――――『マトリクス・オデッセイ』!!!≫

837『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/07(木) 23:42:04
>全体

広がる光景は――――

         ワイ
                 ワイ

     「ハァッ」

                          「ハァッ」

これは、『大通りの一本道』だ。先ほどと同じで全体が歩道になっている。
そして、目につくのは……『約20m』ほど先にいる『挙動不審』なキャラクター。

                      『ジャキン』

その両脚には『イルカ』をモチーフにしたような『ローラーシューズ』の……『ヴィジョン』!
今は決まった動作をただ繰り返すだけの『待機状態』だが、こちらの姿を認めれば……?

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
                 STAGE4
                『つかまえろ!』
 
      先ほどとは違い、今度はキミが『ターゲット』を追う番だ!
      そしてターゲットも先ほどまでとは違う――――なぜなら。
 
             奴もまた『スタンド使い』だからだ!

     ここは『大通り』を思わせるそれなりに広い『一本道』。
     時間はお昼過ぎで、平日だが人通りは『そこそこ』にある。
    今は追手であるキミに気づいていない。20mほどの距離がある。
    それに、キミが隠れて追う事の出来る『遮蔽物』も近くにある。
    たとえば店の看板や、店頭マネキンの影、その他もろもろだ。

        敵の能力は――――自動車並みの『高速移動』!
        疲労を伴うそれを、敵は軽々しく連発はしない。
       だが、追手であるキミの姿を発見し、危険を感じれば、
      即座に発動し――――常人では追えない速度で逃げられる。
 
            考えられる手は『4つ』ある。
       1つ。環境に紛れて気付かれずに忍び寄り、捕まえる事! 
       1つ。近寄る事なく、何らかの手段で敵の動きを止める事!
       1つ。この場では逃げられても後で捕まえる策を打つ事!
      そして1つ。『見つかってでも逃げられる前に打ちのめす』事!

       あるいは・・・スタンド能力で何か別の手を探すか?
   逃げるだけが能じゃあない、スタンド使いとしての『真価』を魅せてやれ!

    道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
    設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
            あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。
            ただし『乗り物』については存在しません。

    MAP:『一本道』で、『歩行者天国』のような状態(車道が無い)
        道の両脇にある『店』や、人通りその他の配置物などは『任意』。
        ただし『バイク』や『自動車』については必ず存在しない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

          ≪ タイキチュウ ≫

                         ≪ タイキチュウ ≫

――――ここまでくれば、あとは『どう解決するか』を考えるのみ。桜島の実況通り『あと2問』。

                                       ・ ・ ・どう、切り抜ける!?

838美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/08(金) 23:17:02
>>837

採点のハードルが上がっているというのは、
裏を返せば期待されているという事でもある。
望まれている期待に応えるのは『エンターテイナー』として『当然』の『義務』。
『美作くるみ』にとって、そこに一片の疑問も入り込む余地はない。

 「『この課題はカナリア向きじゃないな』」

     「『カナリアの能力は情報を引き出す事だ』」

         「『人間より速い相手を捕まえる事なんて出来っこない』」

             「――――大方そう思ってるんじゃない?」

『一発屋』にならない為に大事なのは『多様性』。
だけど、そこには『芯』が通っていなければいけない。
たとえるなら、色々な方向に『枝』を伸ばす『樹木』のようなもの。
『幹』という主軸がなければ、『枝』が伸びる事は有り得ない。
『芯』のない『多様性』は、進むべき方向性を見失った『迷走』と同じ。
『情報系』という『キャラクター』が、『スタンド使い』としての『美作くるみ』の『芯』。
安易で軽々しい『路線変更』に縋る者に、『栄光の女神』は決して振り向かない。

                チッチッチッチッ★

    「とくと拝ませてあげるわ。『プラン9』の『スペードのエース』をね」

片目を閉じて不適に微笑みながら、立てた人差し指を軽く左右に振る。
所持品は必要ない。
設備の『注文』も不要だ。

         ザッ

適当な街路樹の陰に身を隠し、視線を向ける。
方向はターゲットではなく、その前方。
正確には、そこから見て両脇に位置する建物だ。

通りを挟んで向かい合う、複数階建ての『ショッピングセンター』。
喫茶店やヘアサロン、雑貨屋など様々な種類の店舗が入居している。
私が目を付けるのは、『携帯電話』を扱う『キャリアショップ』だ。

それらは『ショッピングセンター』の上階に出店しており、通りに面している。
店内の窓からは、私達のいる通り全体が見渡せるだろう。
そして、そこには最新モデルの『携帯電話』が陳列されている。

          「 『 Hello Darling 』 」

『プラン9・チャンネル7』を発現し、
左右から通りを見下ろせる位置に置かれた二台の『携帯電話』に囁き掛ける。
これらの『携帯電話』は『カメラ』を搭載している。
『擬似人格』と共にスタンドを捉える『視覚』を付与し、事前の準備は全て完了。

     「――♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪〜〜」

自身のデビュー曲『Canary Song』を口ずさみながら、
ターゲットに向かって軽やかに歩いていく。
こちらの姿を見つけたターゲットは逃走するだろう。
そうするように『仕向ける』のだ。

「『ローラーシューズのスタンド使い』――――見えるわよね?」

「――――今どの辺りにいるか教えて欲しいな」

近くのベンチに腰を下ろし、肩の上の『小鳥』に声を掛ける。
その先にいるのは、通りを見張る二台の『携帯電話』。
悠然と脚を組み、『ファン達』と『楽しいお喋り』に興じる。

  「どの方向に向かってるの?」

     「軌道は?真っ直ぐ進んでる?」

        「スピードは一定のまま?」

          「まだ走ってる?それとも止まった?」

            「あなた達から見て、どれくらいの距離にいるのかしら?」

              「今、何をしてるの?どこかに隠れてない?」

                「疲れている様子はあった?その度合いは?」

                   「スタンドに何か変化は見える?」

次々に質問を投げ掛け、『彼ら』からターゲットに関する情報を逐一収集する。
当のターゲットは、観察されている事にさえ気付きはしない。
何故なら、見張っているのは普通の『携帯電話』でしかないのだから。

「――――さてと、どう料理してあげようかしらねえ?」

得た情報を元にして、逃げ切ったと考えているターゲットを追跡して不意を突く。
ターゲットと敵対する者がいるなら、入手した情報を『リーク』する事も可能だ。
どちらにしても――――『生殺与奪』は、既に私の手の中だって事よ。

839音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/09(土) 00:05:59
>>836-837
ビールでも一杯引っ掛けて楽しもうと、
『ピエール』がすっかり余裕をぶっこいている時だった―――

>第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』

        「な、ァ  にィィィィ〜〜〜〜〜〜ッッ」

今の解答は『確実』ではなかった。果たして、何処が……。
一問目、二問目と思い起こせば、その『原因』は明らかだった。

        「(『店主』を利用し、黒服の二人を『感電』させる。
          一見、スマートな解決だったが、その解法に対し、
          明らかに『人間』を『駒』として使いすぎたかッ!)」

例えば、『黒服A』が『USBケース』に手を出さなければ、
『黒服B』が『ビールケース』を回避できなければ、『感電』に繋がらない。
かくも移ろいやすい人の心を定めなければ成立しない策など、『確実性』に欠ける。

       「(慢心したか、『音無ピエール』ッ!
         『原点』に戻れ、『人』に頼るな……)」

       「(最も確実に、『任務』の為に『道具』を使え――――)」
  . . . .
 たらればで『人』を操るなど、下の下でしかない。
 そう確信したからこそ、『ピエール』が向かう『店』は。

      ゴゥン     ゴゥン    ゴゥン  ・  ・  ・

――――『コインランドリー』。
既に洗い終わったか、まだ洗濯中の『シャツ』や『ジーンズ』を回収し、
裾同士を縛って一本の『濡れ縄』を作り上げ、自販機で購入できる『洗剤』をぶちこみ、
『ぬるぬる』にしてから、稼働中の『洗濯乾燥機』へと向かう。

             ゴスッ!

プラスチック製の『丸扉』に『剣先』を突き立てて『穴』を生み、扉を開ける。
しばらくは『ドラム』が運転するが、機械音が鳴って回転が静まっていく。
そこに『濡れ縄』を放り込み、『回転』を再開させる。

             「――――『ザ・リックス』」

『盾』では自身の攻撃を『吸収』できない。
だが、誰かが稼働させた『乾燥機』の回転は、『ピエール』の攻撃ではない。
そこに自身の作った『濡れ縄』を投入し、回しても自身の『攻撃』とはならないのだ。

だから、すぐに『最高回転』へ達する『ドラム』の中に、
丸扉から手を伸ばし、発現した『盾』に触れた『濡れ縄』全てを『紋章』に出来る。

            ドスッ!

そして、『洗濯乾燥機』の『排水ホース』を切り裂き、
勢いよく漏れ出る『排水』を『ザ・リックス』で吸収する。
この『排水』を『吸収』できるのは、『濡れ縄』と同じ理論だ。

そして、『看板』や『マネキン』を利用しながら、『10m』の距離まで近づき――――

            ジョボボボボボボ ロロロロロロロォォォォ〜〜〜〜〜ッッ

『ジュリエット』がアスファルトの地面を突き、地を這う『排水』の『過程』。
追手の『足元』に触れた瞬間、


             ゴォォンッッ!!
                           ――――ズバァッ!!


実体ある『濡れ縄』が『回転』によって、『逃走者』の足に暴れ絡み、
それを『過程』として、『ジュリエット』自身の『斬撃』による『結果』も乗せ、
自慢の『足』を思いっきり切り裂き、ダメージを与えながら、動きを阻害する。
仮に無理矢理『爆走』すれば、洗剤で滑る『布』同士が擦れ、スリップは必至だ。

――――『過程(排水)』→『過程(濡れ縄)』×『結果(斬撃)』ッ!
未だに『ピエール』が見せていなかった、『奥の手』の内の一つである。

            「逃がすかッ!」

『動き』が止まった瞬間、『7m』の距離まで駆け、
『ジュリエット』を投擲し、『逃走者』に思いっきりぶつける。
『ピエール』は軽やかに振るえる『刀身』も、他者には『鉄塊』と変わりない。
『二の矢』で確実に『痛撃』を与え、至近まで近づいた瞬間、
『ザ・リックス』を利用し、『逃走者』を抑え込む。

            「この方法なら、『百回』やっても『成功』する――――」

『人』に頼らず、『道具』を使いこなし、完膚なきまでに『敵』を打破する。

840天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/09(土) 02:35:12
>>837

「むぅ」

相手を乗っ取れば終わらせられる気がする。
が、そうするとあまり評価が高くない気がする。
それでいいと言えばいいが、悪いと言えば悪い。
自分に出来るのは乗っ取りと糸の弾丸の射撃。
裏返すとそれ以外はからきしだ。
だから、それをとことんまで突き詰める。

「じゃあ人間ラジコン・パート2で」

頬にピースサインを当ててアピールした。

少し近づいて身を隠す。
道行く人に狙撃し、ジャンプ。
乗っ取りがしたいのではない、狙いたい場所がある。

(あった)

街灯だ。
そこに糸を吐き、街灯に取り付く。
敵の動きを観察し、死角に当たる場所にいる人間を二人撃ち、巣を生み出す。
まだジャンプしない、ジャンプするのは逃走者の足か膝を撃って姿勢を崩してからだ。
膝の裏とかを撃てば多分簡単だろう。

相手は警戒している。
だから当然、自分がいると思って確認するかもしれない。
だが蜘蛛は街灯にいたのだ。
そこに蜘蛛はもう居ない。
どこにいるか? 事前に仕込んだ巣だ。
逃走者を撃ったら通行人の巣にジャンプして乗っ取る。
そして、行動する。

(ごめんなさい)

「ッラァ!」

逃走者に思い切り跳び蹴りをぶち込む。
自分と乗っ取った通行人で挟む位置関係で行う。
蹴りをしたら体を掴んで押し倒そう。
通行人と自分で挟むのには理由がある。

通行人(敵)から離れようとすれば自分の方に来なければならない。
一応の保険だ。
一本道だから近づいてくれたら直接捕まえやすい。
押し倒せば解除時のジャンプで逃走者の巣に行ける。
捕食する。

(予告通り。人間ラジコン・パート2)

服を脱ぐぞ。
男だか女だか知らないが脱ぐぞ。
ズボンとかは下ろすだけにし、足に絡まらせて動きにくくするぞ。
自撮りもするか。
意識が戻ったら多分、すごく注目されてると思う。

もう一人、通行人に巣を作ってた。
逃走者の乗っ取りが終わった時に、そこに飛べるなら飛ぼう。
飛べない位置にいるならそれでいい。
やることがひとつ減るだけだ。
捕食出来たら逃走者に近づいてこう言う。

「逃げられると思わないでくださいね?」

時間が余ると思うから殴るなりなんなりしてもっと注目を集めよう。
乗っ取りが終わったらスタンドを解除し、ロングカーディガンを脱いでかけに行く。

「ど、どうしたんですか、こんな所で」

知り合いのフリして保護する。
周りからすれば変なやつらだが、相手には分かるはずだ。
この白々しい子供が自分をこうしたのだと。

「次はもっと酷いですよ?」

小さく、そう耳打ちを添えて。

841『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/10(日) 01:10:36
>>838(美作)

観客からの答えは――――美作の耳には入ってこない。
だが、『アイドル』も『パーソナリティ』も、
他人の心を、あるいは文脈を掴むのが肝要な仕事だ。
その『見立て』は、そして立案するプランは『正しい』だろう。

「!!」   「み、美作ッッ」

   「情報屋のお前が」

            バ  ヒュ!!!!!

          「俺を捕まえられるかよッ」

超高速の逃走で、ターゲットは表通りを一気に駆け抜けていく。
あっというまに、『美作の視界からは』消えてなくなってしまった。
だが……シチュエーションは『失敗』として崩壊せず、尚も続く。

今回その力を借りるファンは――――『携帯電話』。

                ・・・だが普通の携帯ではない。

通行人の電話などを使っていれば容易に見失っただろうし。
もっと言うならそもそも携帯電話をしまわれてしまう可能性もあった。
だが、『上階の』『窓際の』『展示品』という条件さえそろえば。

  ≪西! 西!≫ ≪北西!!≫

       ≪蛇行シテマス!≫  ≪ジグザグ!≫

    ≪周囲ヲ警戒シテルモヨウ≫ ≪歩クヨリ速イ程度≫

  ≪今止マッテマス≫  ≪周囲ヲ見渡シテ≫

                 ≪動キ出シ≫ ≪アッ≫

――――当然のように、『大通り』の広域を常に監視できる。

     ≪急加速!≫ ≪疲レテソウデス!≫

               ≪ブーツが発光シテ≫

             ≪ ≪――――『北北西』ヘ離脱!!≫ ≫

もっとも『上等』な『監視』は――――『気付かれない』事だ。
気付かれない限り相手は『油断』するし、それが長い時間続けば、
相手を撒けた――――そういう安心と優越感がさらなる油断を生む。

       「へ」

            「へへっ」

                 「追ってきてないな……!!」


通りを出る寸前、逃走車の男は誰に言うでもなく独り言ちた。
・・・高空から見張る二台の『監視衛星』が、その情報を無尽蔵に貢いでいるとも知らずに。

もちろん『大通り』を出た先の逃げ道については分からないし、
窓際に陳列された携帯電話は『展示品』である以上人の手にも触れ、
偶然『カメラが窓を向かなくなる』可能性だってあるかもしれない。

だが、そうなれば他の携帯電話だって位置は認識しているのだし、
もっと言うなら町中には無数に『機械』があふれている――――
最初の手が封じられたなら美作は迷いなく、そちらに移れるだろう。
そもそも大通りから向かう方向さえわかれば、あとはその方向に向かい、
道端に存在する機械に聴いて回ればいい。美作には、それが出来る能力がある。

                       ――――すなわち、『詰ませた』のだ。

元の世界では観客たちが忘我するように歓声を、喝采を上げて、美作の名を声に出せない声で叫んでいた。

842『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/10(日) 01:12:28
>>839(ピエール)

      ゴゥン     ゴゥン    ゴゥン  ・  ・  ・

観客の気まぐれか。審査員の好みか。そうした『逃げ道』を選べた。
これはあくまで『競技』――――今の一回は忘れる事も出来た。
だがピエールはあくまで自省し――――己の中に『改善』の道を求める。

             ゴスッ!

            ドスッ!


            ジョボボボボボボ ロロロロロロロォォォォ〜〜〜〜〜〜ッッ

そしてその道は『初志』を貫いてさえいる。
隠し続けてきた『手札』の解放――――『持久戦』を視野に入れたからこそ、
終盤を迎えた今、切る事の出来る『初見』の札。ただ初見というだけではない。

コインランドリーがある以上、そこに服があるのは当然のこと。
洗剤があるのも当然。『動いてる機体』があるのもごく当然。
そして――――いくつもの当然を束ね、『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』は奥の手を繰り出す。

           『過程』――――『結果』――――それだけではない。
           『過程』で届かせた刃に、『過程と結果』を載せる一撃。

奥の手だからえらいのではない。人間を警戒する敵に足元の水は気づけない。

    「なッ」         「こ、これは」



             ゴォォンッッ!!
                           ――――ズバァッ!!

                  「ぐ」「アアアアッ!?!?」

そして――――斬り付けるだけではなく『拘束』をも済ませる。その全てを、『一つの施設』と能力だけで。


「お前は……ッ」 「お……音無ピエールッッ!」


        ドガッ!!!
                 「ウゲッ」
                         ドサッ!!    「は、放せェェ〜〜ッ・・・」

まさしく『百戦百勝』の手立てで、逃走者はもはや逃げられる筈もない。そしてもはや『喝采』が消える事もない!!

843『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/10(日) 01:21:57
>>840(天白)

         ワァァァーーー

喝采が遠ざかり、演技が始まる。

人間ラジコン――――それは『王道』であり『求道』だ。
難しすぎる課題ではなく『簡単にも思える課題』にこそ、
魅せて勝たねばならないこの戦いの『穴』が潜んでいた。
それを天白は理解しているから――――『出来る事』をさらに工夫する。

    パシュ

   「ウッ……!?」

       パシュ       ピョンッ

               パシュ パシュ

                「ギャ!」  「いたっ!?」
   パシュ

「――――ぐあっ!? あ、脚を……『狙撃』」
     
         「いやっこの糸はッ!?」

                 「て……天白の『アルビノ・ホリデイ』!?」
   「くっ」

         「ど、どこに」    パシュ  
                            「ウゲッ……ッラァ!」

             ドカアッ!!!!

   「うぎゃあっ!?」    ピョンッ  「…………」   ヌギ ヌギ

蜘蛛は銃ではない。『本体』と因果関係のない『射線』を引く『工作兵』。
速く逃げるとはいえ、地を駆ける敵にはどこから撃たれるか追いきれない。

                       ・・・動き回り、絞らせない。

飛び蹴りは『素人』に使わせるには隙が大きく、予備動作もあり、派手で、
土壇場で回避される可能性はもちろんあったが……鮮烈には違いない。
天白自身が『挟む』役目を担う事で、最低限のフォローも出来ていただろう。

「……!?」 

「な、なんだこれは……ふ、服が脱げて」「オレも操られて……はっ!?」

             「ヒッ」

                    「ヒィィィッ……!!!」

こうして蜘蛛の動きに翻弄され、ボコボコにされた男を、
助け起こす天白の瞳―――――男は、そして観客たちはそこに、『悪魔』を見て震えた。

844『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/10(日) 01:29:49
>全体

≪さァァァーーーーーーーーーッどうだッッ!!!!≫

            ≪どうだ今の『名演』揃いはッッ!?!?
              オレは今、心の底からッ震えているぞッッ≫

   ≪これがッッ 『スタンド使い』!!≫

                 ≪これが『アリーナ』ッッ!!!≫

 ≪これが『カナリア』の魅力ッッ!!≫

                     ≪これが『黒い瞳』の策略ッッ!!!≫

    ≪これがッ! 『ピエール』の絶技ッッ!!!≫
 
 ≪これがアリーナが届ける新しい『エンターテインメント』の形だァァァーーーッッ≫

                  ワ

                     ァァァ

                         ァァーーーーーッッ!!!!

         ≪ゴホンッ≫

≪・・・さて、只今集計中だが――――ここでオレから、提案したいッッ≫

            ≪この第四ステージィ!!≫

≪接戦を極める今、もし獲得票をこの場で公表した場合!!!
 場合によってはそれが第五ステージで埋まらない差という事も有り得るッッ!!!≫

                  ≪――それは『意気』に関わる!
                    関わらないつもりでいても、
                    価値の決まっている勝負や、
                    勝てない勝負には――
                    燃えない人間も、多いだろう≫

    ≪ゆえにッッ≫

≪ここでのポイントは―――
 『第五ステージ』のポイントと同時発表!!!≫

        ≪それを以て勝者を決するとするつもりだがッッ≫
  
                 ≪如何だろうか!!!≫

                    ≪――――選手諸君の意見を聞こうッッ!!!!≫

845音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/10(日) 20:49:03
>>841-844

     「『続行』だッ!」

     「このまますぐ、『最終ステージ』に移るといい!」

846天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/10(日) 21:03:08
>>844

「え……」

自信が無い。
個人的には負けてる勝負というのは厳しいものがある。
ただ、今までの流れなら、そんなに点差は開いていないと思いたい。
それに今この場は天白は自身の自信のなさや不安よりも、熱狂を優先すべきだと考えた。

「ラスト一本を下さい」

最後まで、とことんまで、天白真尋を見せつける。

847美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/10(日) 21:59:48
>>844

「 『As you like(お気に召すように)』 」

        パチッ★

桜島の提案に対し、言葉とウインクで応じる。
せっかくのフィナーレが『消化試合』になっちゃあ、ギャラリーも盛り下がるでしょうし。
そうなるのは、興行的に考えても良くない事だものね。

「――――で、次が『ラスト』なのよね?」

桜島に向けていた視線を、おもむろに観客席の方へ移す。
そこに並んでいる観客達を、端から順番に眺めていく。
『ファイナルラウンド』の前に、最後の盛り上げに一役買っておこう。

「みんな――――ッ!!!!泣いても笑っても次が『最後』よッ!!!
 『最後の最後』まで、最高に『ホットなハート』でついて来てね――――ッ!!!!
 瞬きしてる間に置いて行くわ!!!あなたと私の約束よ――――ッ!!!!」

大きく手を振りながら、客席に向かって腹の底から叫ぶ。
これによって、自分自身のテンションも上げておこうという意図もある。
何しろ、次が『最終戦』なのだから。

(必要なのは『熱いハート』と『クールな頭脳』――行くわよ、『プラン9』)

848『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/12(火) 00:10:36
>>845(ピエール)
>>846(天白)
>>847(美作)

  「天白くん頑張れ〜〜〜〜ッ」   「かわいいね!」
        「まだよッッもっともっと悪趣味なのを魅せてッッ!!」

                「美作サァーーーーーーーーン」

   「くるみちゃんッ」
       「ついていくよぉぉーーーっ」

                          「ピエェェーーーールッッ」

   「男らしいぞッッ」  「騎士道精神かッッ」

                        「早く見せろォォォーーッ」
 
    ≪  その意気や良しッッッ!!!!!!!!  ≫

割れんばかりの歓声の中――――『喜色』に溢れた桜島が叫ぶ。

   ≪それでは行くぞッッ最終ステージ……『マトリクス・オデッセイ』≫

                    ≪始めてくれッッッ≫

    キュ    キュ ゥ ――――――――――――――ン

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

                   FINAL STAGE                       
     
                      『魅せろ!』   
                                                    
                                                       
        数々の課題を突破してきた今日の『スター』達の最後の舞台!
            それは『駅前広場』を模した、やや開けた場所。
         そして、スタート地点からそこに辿り着くまでの『駅前通り』だ。
         20mほどの通りの両脇にはさまざまな店があり、通貨もいる。
      終点・広場の周囲にはギャラリーが円形に並んで、対峙する二人を見守る。
        中にはカメラで撮影しようとするものなどもいる。多種多様だ。

            相手となるのは『ちょっと芸がある一般人』ではなく、
         『パワーもスピードも精密動作性もある万能のスタンド使い』!
         短い射程を除き、あらゆる能力が『スゴイ(B)』域にある強敵だ。
         
                だが、彼には『ないもの』がある。

                それは――――『固有の能力』。
                それは――――『考える頭脳』。
                それは――――『魅せる発想』。

             こちらが何をしても対応してくるだけだろうし、
             向こうから意外な攻めを打ってきたりもしない。

         最後の課題はこの『平凡なスタンド使い』を『相手』にし、
           キミのスタンドの『応用』を!『特化した強み』を!
       観客たちに改めて提示する事――――必ずしも、倒す必要はない。
                                            
            そして舞台に立つまでの『仕込み』もまた自由だ。
          スタート地点から、ギャラリーの集う『広場』までの間は、
          敵は攻撃への対処こそするがそれ以外のなにかはしない。
    
        最終課題――――出し惜しみなく、全ての手を使って魅せ付けろ!!

        道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
        設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
                 あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。
    
          敵:パス精BBB,射程は1mの人型スタンドを発現している。
             こちらから分かり易い攻撃を仕掛ければ反撃はする。
        
        MAP:STAGE4に近い一本道が『20m』ほど。。
            その先に半径7mほどの円形の広場がある。
            設置物などもSTAGE4に近いが、乗り物もある。
            広場に一度はいるとギャラリーに囲まれてしまうため、
            再び一本道に逃げるには何かしらの手段は必要。
   
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

849音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/12(火) 22:09:41
>>848
長い闘いが終わろうとしている。
指定されたステージは『広場』へと至る大通り。
その場に屈み、朗々とした声色にて口上を唱える。

     「――――ある一人の『青年』がいた。
      彼は穢れた『富』を憎み、幾星霜と続く不平等を『呪った』……」

立ち上がって空手を振るい、その手に『刃』を発現させる。
さながら、『首飾り』を砕いた『第一ステージ』を誇るように。

     「彼は剣を振るい、『悪事』の代償を『徴収』した。
      まるで『災い』を焼き付けたように、『王』は恐れを抱いた」

振るった『剣』はゆっくりと、『貌』を横切らせる。
まるで、『悪漢』に扮した『第二ステージ』を想起させる。

     「無論、彼は追われる身となったが、
      刺客を次々に打破し、苦難の道から『凱旋』する」

振り切った『刃』を解除し、悠々と大通りを闊歩する。
即ち、全ての『追手』を倒した、『第三ステージ』のリバイバル。

     「――――しかし、彼もまた『立場』を変じた。
      人を頼らず、人を捕らえ、人を圧するようになる」

罅割れた『鐘楼』、それを象った『紋章』を刻んだ『盾』を発現。
そして、それを大きく突き翳すのは『第四ステージ』を踏襲したもの。

全てを委ねられた『最終ステージ』で何を『魅せる』か。
『音無ピエール』に流れる『血脈』は、『物語』を選んだ。
――――いや、それは『最初』から決まっていたのかもしれない。

  ┌──────────────────────────────
  │  ≪その、始まりとなる『三人』だッッ!!!
  │
  │          繰り返すようだが!!!
  │
  │      諸君らは今!! 歴史の始まりに立ち会っているッッ≫
  └──────────────────────────────

『広場』の中央へと至り、『スタンド使い』と対峙する。

       Mise en abyme.
    「『重なり、より深く』。

     星々が連なり『神話』を紡ぐように、
     人との交わりが『歴史』であるように、
     瞬間の集合こそ、『物語』となる――――」

『刃』を発現し、『スタンド使い』目掛けて振るう。
無論、この攻撃は『弾かれ』、手痛い『反撃』を受けるだろう。
それを『盾』で受け止め、『紋章化』する。――――『五度』、繰り返す。

     「堕ちた『英雄』は、腐った『革命家』は、

      ――――どんな『末路』を迎えるだろうか?」

『鐘楼』の大紋章、『五つ』の小紋章で完成された『紋中紋』。
『三つ』の『紋章』を『吸収』し、『スタンド使い』の反撃を『理解』する。
『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』が秘匿していた、最後の『能力』を開示する。
そして、『パターン化』している『反撃』の軌道や威力を、完璧に見切り、

     ブォンッ!

『六度目』。
『ジュリエット』を斬り上げ、『スタンド使い』の反撃を誘う。
真っすぐに振るわれた『拳』に重ねるように、その身を飛び込ませ、

             i /
            ス    冷たい『刃』を、
            ダ    己が『首筋』に押し込ませる。
             ッ

『剣柄』に移した二つの『紋章』を『解放』。
『スタンド使い』を襲うはずの『反撃』の『過程』から、
更に『反撃』の『過程』を『真逆』に発生させ、『ピエール』へと『攻撃』する。

『ヴィジョン』の放った『反撃』と全く同じ軌道を描いて、
『反撃』の拳は『ピエール』の首筋に到達し、『斬撃』の『結果』を与える。
『第四ステージ』で見せた、『過程(反撃)』→『過程(反撃)』×『結果(斬撃)』だ。

深々と切り裂いた『首根』に追い打ちを掛けるように、
『反撃』の拳が『ジュリエット』を押し込み、喉笛を断って、

          ド
           サ
            ッ

『広場』の中央にて『群衆』に囲まれながら、その生涯を終える。
仮初の『舞台』で幕を下ろす。魅せるのは『死』、物語の『終着』。

850美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/12(火) 22:13:40
>>848

『プラン9・チャンネル7』と敵スタンドは、まさしく対照的と呼んでいいだろう。
『プラン9』には、そもそもパワーやスピード自体が存在しないのだから。
そして『プラン9』の真価は、単純な力や速さや精度が及ばない領域にあるのだ。

所持品は『スマホ一台』。
ただし、自分が使う為じゃない。
あらかじめ『ロック』を掛けて、開錠しないと操作出来ない状態にしておく。

「さてと――――始める前に、皆に少しだけ『お手伝い』を頼んでもいいかしらッ?
 マジシャンだって、お客さんに手伝いを頼む事があるでしょう?
 ただ見てるよりも、せっかくなら参加出来た方が楽しいじゃないッ!」

「手伝いっていっても、わざわざ前に出てきてもらう必要はないわ。
 今すぐ、自分の携帯電話を『ロック』してちょうだい。
 もう『ロック』してあるって人も、ちゃんと出来てるかどうか確かめておいてねッ!!」

周囲を取り囲んでいるギャラリーに対し、そのように告げる。
目的は二つ。
一つは、言葉通りに『ロックを掛けさせる』事。
もう一つは、携帯電話を『取り出させる』事。
取り出された全ての携帯電話を視界内に収め、密かに『能力対象』として捕捉する。

「ホラ、これが私のスタンドよ。小さいでしょう?
 私の肩から動かないから、パワーもスピードも精確さもハナから持ってないわ。
 それに引き替え――――」

「あなたのスタンドは凄いパワーとスピードと精確さを併せ持ってるんですってね。
 それだけ揃ってれば、何だって出来ちゃうんでしょうねえ」

          スッ
                   コンッ

「たとえば、『ロックの掛かったスマホを覗き見する』とかね?
 それだけの力があれば簡単な芸当よねえ?」

自分のスマホを地面に置いて、相手の方へ軽く蹴って滑らせる。
『情報系』である『プラン9』には、欠伸をするのと同じくらい簡単に出来る。
しかし、単純なスペックを誇るだけの相手には決して成す事が出来ない。

「だって――――この『プラン9』にも出来る事なんだもの」

その声をギャラリーの『携帯電話二台』に送り、『ファン』に変える。
事前に全ての位置は確認済み。
出していなくても、能力下に置ける。

「ねえ、『あなた達』私のコト好きでしょう?何でも教えてくれるわよね?」

「最後に通話した相手と時間は?」

「電話帳の一番最初に記録されてるのは誰?」

まず、最初に『ファン』にした二台に別々の質問をする。
当然、まだまだこんな程度じゃない。
思考を切り替えて新たな二台に声を送り、更に『ファン』を増やす。

「最新のメールの内容は?」

「閲覧履歴の一番新しいページは何?」

新たな『ファン』に、また別の質問を投げ掛ける。
続けざまに、また新しい携帯電話に声を送る。
次々に『ファン』を増やし、ギャラリー全員の携帯電話を『虜』にして見せる。

「あら?どうなさったのかしら?
 その中には、私の『個人情報』が山ほど入ってるのよ。
 どうぞ、遠慮なく見てくれて構わないのに」

「――――その『ロック』をどうにか出来ればの話だけどね。
 『分解』でもしてみる?近くの店でドライバーを探してきましょうか?」

男を横目で見やり、皮肉めいた調子で言葉を投げる。
もし、これが単純な『力勝負』なら、万に一つの勝ち目もないだろう。
しかし『能力勝負』であれば――――『プラン9』が負ける道理は万に一つもない。

851天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/13(水) 01:51:42
>>848

プラスチックのコンテナボックスに350mlの瓶入りコーラを四本。
大瓶のビール瓶を一本。
液体洗剤のボトルを一つ入れておく。
目的地に行く前に、瓶コーラ三本とコンテナ内部にクモの巣に付けておく。
また、巣を付けた瓶コーラ二本はポケットに入れておく。
もう一本の巣付きコーラは手に持つ。

「どうですか? 僕は未成年なので飲めないですけど」

そう言ってビール瓶を持ち上げて地面に置く。

「こっちならいけますけど」

コンテナから巣のないコーラ瓶を取り出す。
奇襲。
巣のないコーラ瓶を投擲する(パス精CCC)
当然、防がれるだろう。
キャッチされるか砕かれるかは分からないが、それは予測出来る。
悔しげな雰囲気で天白は『アルビノ・ホリデイ』をコンテナ内の巣に飛ばし、コンテナを相手の方に蹴り飛ばす。

「じゃあ今度はこっちで……!」

『アルビノ・ホリデイ』のいるコンテナに敵の意識が向いてれば上出来だ。
投擲で空いた手で、巣の付いたコーラ瓶を一本抜き取り、投げる。
一投目は低く、続いて元から持っていた方の手で少し高い二投目(パス精CCC)

「貴方も操作する」

コンテナ内から接近してきた一投目の瓶にジャンプ。
即座に二投目にジャンプしつつ、一投目の対処をスタンドにさせている本体を狙い、糸の弾丸。
当たったとして、『アルビノ・ホリデイ』は瓶ごと攻撃される可能性がある。
それを助けるものがある。

「もう一手」

ポケットに入れておいた三本目の巣付きコーラ。
二本目を投げた後に投げておけば間に合うはずだ。
そこにジャンプして攻撃を回避し、本体の巣にジャンプ。

「……」

置いたビール瓶を掴み、走り出す。
頭上の巣に対処するなら、本体にジャンプさせつつビール瓶で殴り倒す。
もし本体の方を叩くと言うなら、相手にビール瓶を投げて捕食を続行。
ビール瓶で殴ればKO出来るはずだ。
乗っ取りに頼らずとも闘える。
ビール瓶が決まらず捕食出来た時は

「人間リモコン・パート三、未必の故意ならぬ未必の誤飲ってどうですか」

液体洗剤のボトルに口をつけ、わざと飲みに行く。
自分にもフィードバックされるので怖い時は咥えた状態で後ろに倒れ込んで飲まざるおえない形にする。

「これで終わり」

852『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/14(木) 22:56:18
>>849(ピエール)

この男は――――『音無ピエール』は誰よりも理解していた。
5つの過程、それは独立した物でありながら観客には連続した演技。
であれば『演じる側』もその『連続性』を、己を飾り立てる輝きに変えられる。

        ザッ

或いは『主催者』である桜島達以上に――――競技を理解していた。

           ザッ

                ザッ        ―――ザッ

最後の舞台で、剣戟と拳撃が躍り、『5度』の反撃が『盾』に刻まれる。
電脳故か痛みもどこか上滑りする物だが、確かな衝撃に襲われている。
観客は期待する・・・今まで魅せて来た『盾』による『攻撃吸収』からの、
『剣』による放出、そのトリックが生み出す華麗なる『逆転劇』を、

             i /
            ス    
            ダ    
             ッ

          ド
           サ
            ッ

刃は、二つの『過程』により極めて綺麗に、そして無慈悲に己の首を断った。
単なる自害ではなく、状況を、スタンドを、全てを活かし切った――――『幕引き』。

己の『スタンド』だけではない。
用意された『環境』だけでもない。
自前の『物語性』だけでもない。

全てを活かし、『五問』を『一筋』で『一流』の物語にまとめ上げた。

 
      シィ  ――――――――――――――  ン ・・・

ギャラリーとなる観衆が『電脳』のそれからアリーナの観客たちに移り変わっても、
あれほど騒いでいた彼らはまるで水を打ったかのように、殊勝に静まり返っていて。

                   『パチ』

       『パチパチ』

                   パチパチパチパチ

      ウ
         ワァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ

それはさながら直後の『歓声』を引き立てるかのような――――ごく短い沈黙に終わった。

853『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/14(木) 22:56:35
>>850(美作)

             「お手伝い?」  「なんだなんだ」

      「構わねーぞ」  「まあ出来る事なら……」

                     pi

              pi

無茶な要求をすれば――――運よく通ったとしても確実性は低いだろう。
だが、意図の読めない、手軽な要求ならばほとんどの者は従うし、
少なくとも『携帯電話を取り出す』……つまり『獲物』を晒させる事は出来る。

「………………………」

              ビュン
                       ビュンッ

          ビュンッ

                   パシッ

敵は己の人型スタンドで美作のスマホを『蹴り止め』――――それを拾う。
最早何も手などないぞと。『お前に勝ち目はないぞ』と告げるかのように。
だが、続く言葉……『情報戦』へのいざないに、当然敵は乗る事が出来ない。

        ≪ハイッ ダイスキデス!!!≫

                ≪ ママ ト 2時間ホド 昨日ノ 夜10時ニ! ≫

  ≪ 仕事場ノ デンワバンゴウデス! バンゴウハ、XXX-XXXX-XXX!! ≫

≪メール デスネ ヨミアゲマス !!≫
     
             ≪『仮想通貨』系ノ キュレーションメディア デス!!! ≫

そこからはもう、美作の独壇場だ――――幕が下りるまで、そのトークは終わらない。
そしてトークが続く限り、命なきファンたちはいくらでも、命より大事な持ち主の情報を貢いでくれるのだ。

仮に今からスタンド使いの男が美作を叩きのめして、それは本当に勝ちなのか? 答えは――――戦慄するギャラリーが示す。

854『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/14(木) 22:56:49
>>851(天白)

コーラと、ビール瓶と、『洗剤』のボトルと――――瓶コンテナ。
甘い誘惑と危険性を秘めた爆弾たちに、当然下準備もしておく。
巣とはひそかに張られ、気づかないまま通りかかる哀れな羽虫を捕らえるものだ。

      ヒュンッ
                バリンッ

   『ピョンッ!』

        ドカッ
           ヒュンッ
                        『ピョンッ!』

                ドグシャァァァーーーーーッ!!!

       パシュッ

   「…………!?」

                   ――――ヒュンッ

          ダダダッ

                          ド   ガァァッ

      ガシャンッ

残ったのはいくつもの割れた瓶と……木霊する破砕音。ビール瓶か、頭蓋か。
仮に頭上の巣ではなく、敵が天白自身を狙っていても、それに対応する策はあった。
瓶から瓶の乗り移りなど、やや曲芸めいて集中力のいる場面もあったが緻密な策だ。
そしてここまでのステージとは違い、『アルビノ・ホリデイ』の機動性を押し出し、
捕食という――――妙な言い方だが『王道』を行かなかったのも興味深い。

・・・天白が『5つのステージ』で示したのは、『戦士』より『策士』のありかた。
現実に立ち返ったとき、ますます増えるきいろい悲鳴のような応援が、その証と言えた。

855『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/14(木) 23:08:21
>全体

喝采はもはや尽きる事はない。競うように声を張り上げ、
残る結果発表のときまで、三人の名は絶えず叫ばれ続ける。

≪――――――――――選手諸君ッッッ≫

          ≪まずは健闘とッッ≫

  ≪良い物を魅せてくれた感謝を込めて≫

               ≪――――ありがとうッッッ≫

  ワァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

 ≪講評は後に回そう……皆が知りたいのは『結果ッ!』≫
 
           ≪さあッッ≫

                 ≪過酷な五つの試練を乗り越え、
                   己の『価値』を魅せた選手諸君のッ!≫

  ≪その頂点に立つのは果たして――――華麗なる『騎士』かッッ≫
 
                ≪暗夜を飛ぶ『カナリア』かッ≫

    ≪『黒い瞳』の謀略家かァッッ≫

            ≪それでは――――――――――――開票ッッッ!!!!!≫

――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』
第四問:独自性『2』 鮮烈性『3』 確実性『1』
第五問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
合計:39点

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』
第四問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第五問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
合計:44点

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』
第三問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『3』
第四問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』
第五問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『2』
合計:40点

――――――――――――――――――――――――――――――――

モニターに・・・結果が映し出された。それはもう変わる事のない『灼熱』のあかしだ。
それが映し出された瞬間、観客の喝采は火が入ったかのように――――爆発するッッッ

  ≪優勝はッッ≫

        ≪音無ピエェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!!≫

856音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/14(木) 23:35:07
>>852-855
「ヴァーチャルとはいえ、ゾッとしない手段だったが……

 ――――その甲斐はあったと見える」

喉の渇き、手足の痺れを覚えるような『幻痛』。
それすらも忘れるほどに湧きあがる、『歓声』。

      グッ

片拳を天に突き上げ、己を包む『嵐』に応える。

857天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/14(木) 23:49:52
>>852-855

「ダメだぁ……」

ぺたりとその場に座りこんで天井を見上げる。

「おめでとうございます……」

そう言ってピエールに拍手をした。

858美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/15(金) 01:31:19
>>855

「――――『また負けた』」

力なく、ただ一言だけ呟いた。
結局、私は引き立て役の一人に過ぎなかった。
良くて『バックコーラスの端っこ』程度。

私は捨てられた存在。
私は一人。
私は――――。

そこまで考えた時、涙が溢れて零れ落ちた。
負けたからじゃなく、自分が堕ちた本当の理由に気付いたような気がしたから。
私は自分一人だけで闘っていると思っていた。

だけど本当は違っていて、私を応援してくれている人達だっていた。
当時を振り返ってみれば、私は彼らの声を無視していたようにも思える。
切羽詰って必死になる余り、ファンの声が耳に入らなくなっていたのかもしれない。

      ぐしっ――――

手の甲で涙を拭う。
泣き顔さらしてお情けかけてもらうなんて真っ平ゴメンよ。
桜島から司会者のお株を奪い取る勢いで、会場の全員に向けて絶叫する。

「さぁさぁッ!!!!!お集まりの皆さんッ!!!!!
 ニューヒーローの誕生よッ!!!!!ピエールに盛大な拍手をッ!!!!!」

859『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/15(金) 23:32:20
>>856(ピエール)
>>857(天白)
>>858(美作)

ピエールは無言のまま『拳』を天に突き立て、
天白と美作は――――秘める思いはあっても、それを讃える。

                        |l|_|l
                  \\ ,>'゙´ |
            \       ,>'゙´    |             |l|
                  \\>'゙´  ,>'゙´|  |              「「 ! |l
               〈    >'゙´    |  |                 | .|「 |l .//,
               ∨ ∧       |  |         ,>'゙´ ア| .|| |l / ,/
                     ∨ ∧      .|  |      ,>'゙´'´  >'゙  | .|| レ′/
                 \∨ ∧     |  |  >'゙´ ,>ァ>'゙´     W||,,/  /
                 \__/    |  |/]>'゙´  '´           /  /
                        |l| |                    /  /
                        |l| |                ////
                         |l|              //


スポーツマン・シップを体現したかのような、
それでいて確かに決した『勝敗』の姿に、
観客たちはいっそう、大きな歓声を上げた・・・!!

≪改めてッ!! 素晴らしい『舞台』を! ありがとうッッ!!≫

           ≪勝者は決したが≫

   ≪決して独りの舞台ではなかったッ≫

      ≪『良い勝負』を魅せてくれてありがとうッッッ≫

≪――――――これにて今日の興行は『閉幕』となるがッッ≫

           ≪最後に『総評』を兼ねた講評を行おうッッ≫

                        ≪まずは――――審査員ッッ≫

カメラが切り替わり、映し出されるのは再び、審査員の吾妻。

≪いや〜〜〜〜お疲れ様でした! 見応えありましたよ!
 オレとしてはやっぱ、ピエール選手は『抜群』でしたね!
 スタンドの応用性が一番高そうってのはあるんですけど、
 そこに奢らず『物語』を作ってきたのがヤバくないですか?≫

≪オレらも見つけてなかった競技の奥深さが見えたっていうか。
  次からの参加者は、これはハードル上がりますね!
   もちろんスタンドの応用も手札の切り方が上手いのなんの≫

         ≪文句なしの一位ですよね。おめでとうございます!!≫

そして次に冬川。

≪『カナリア』さんは完全に『情報特化』のスタンド。
  課題によっては解決策が悩ましい部分もあったと思うが、
  最後まで『スタンド』を使っていたのが非常に印象がいい。
  桜島さんも言っていたが、『方向性』が見えて一貫している。
  使い方についても、情報収集という解決に直結しない力を、
  うまく話術……言葉選びや、状況把握で補っていたと思う。
  スタンドに己の本職や才能を活かす、こういう使い手は『伸びる』≫

≪天白選手も、スタンド自体は『応用』タイプではないのだろうが、
  使い方が堂に入っていた。『手札の切り方』と吾妻が言ったが、
  その点についてはピエール選手にも劣らない物があったと思う。
  ピエール選手が『温存』の上手さなら、天白選手は『再利用』の上手さだな≫

≪いずれにせよ――――『スタンドを最後まで使い抜いた』。
 その点は三者ともに素晴らしい。『独自性』の高得点が、それを物語っている≫

それらの話が終わると、最後に桜島がマイクを取る。
完全に閉幕すれば退場する事になるだろうし、
何か他にリアクションがあるなら、今が良いかもしれない。

860美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/16(土) 00:16:43
>>859

勝負の世界は結果が全て。
何を言おうと変わらない。
それに対して出来る事は、ただ受け入れることだけ。

「――――『Thanks』」

自分の弱さを受け入れる事は簡単じゃない。
だけど、私にはそれが出来る。
何故なら、私は『プロ』だから。

「勝負の世界は勝って負けての繰り返し。
 勝った人間が次も勝つとは限らない」

「次に勝つのは『カナリア』よ」

「――――いつか必ず戻ってくる」

「その時まで私を忘れちゃダメ」

「私を支えてくれるのは『あなた』しかいないの。
 そう、『あなた』よ」

      「『Good bye』――――」

             「『and』――――」

                 「――――『See you again』」


最後に観客席に語り掛け、退場する。
控え室に戻ったら、やる事がある。
『出演料』を受け取る事だ。

861天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/16(土) 02:27:34
>>859

「えへへ……ありがとうございます」

コメントに照れ笑い。
戦士らしさなどこの男にはない。
ぼうっと日常の延長線上を歩いているだけだ。

「まぁでも……いいかな」

優勝出来る気はしなかったが、いい経験にはなった。
実地で使わないと分からないことも多い能力だ。
それに天白にとっては優勝の栄光よりも大切なことがある。

「にへへ」

ちらちらと観客の方を見る。
笑いながらも、探している。
自分の広げる蜘蛛の巣模様の人間模様の中に入りそうな人間を。
天白真尋は純粋で純白な少年だ。
白々しいほどに真っ白なのだ。

「またね、ですね?」

そう言って手を振って帰ろう。

(あ、ピエールさんとくるみさんからサインもらお)

(何かの記念になるかもしれないし)

862音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/16(土) 21:15:14
>>859
掲げた拳を下ろし、その場でアリーナをグルリと見回す。
正確には、己を囲んでいる『観客』、『審査員』達を、だ。

     「『血』も、『汗』も流れぬ、『虚構』の闘いだったかも知れない。

      だが、与えられた課題で『己』を磨き、
      『他者』と切磋し、『皆』によって『精査』される。
      紛れもなく、我々はこの『五戦』を闘い抜いた――――」

去り行く『美作』を一瞥し、再び向き直る。
ピエールもまた同じ心積もりだからだ。

     「それでも尚……これはまだ、『歴史の始まり』に過ぎない。

      『三百年』という歳月、『刃』によって成した『業』ッ
      『咎負』と『応報』を意味する『盾』と『刃』を、
      
      私もまた、更なる『実戦』で磨かなければならないッ」

何度となく叫ばれた歓声に反し、『音無ピエール』は『騎士』ではない。
その父も、祖先も同じく。だがらこそ、『真っ当』でなければならない。

      「私は、誰の『挑戦』でも受けようッ!
       よもや、種の明かされた『ドン・キホーテ』に、
       憶する者はいないだろうなぁッ!?

       ――――『六つ目』の『試練』を、愉しみにしているッ!」

声高に『挑戦状』を叩き付け、会場を後にする。

863『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/16(土) 23:57:07
>>860(美作)

  「美作ぁぁーーーーっ」

       ワァ

                  「また来てくれよォ〜っ」
 
           ァァァァーーーーーーーーーッ

プロ意識――――『魅せる』『聴かせる』プロとして、
最後の最後まで観客たちを『期待』させながら舞台を去る。
声援が背中について来るような感覚を覚えながら、控室へ戻る・・・!

            ・・・もちろん、プロとしての対価のためだ。

>>861(天白)

観客席の人間たちは、入場してきた当初や途中経過とは違い、
天白がどういう人間か理解した――――したつもりで、
歓声を送るものと、そうではないものに分かれた。前者が『獲物』だ。

  「あの子イイわッ」
     「『将来性』があるなァ〜〜〜ッ」

        ワァ  ァアァァアアアアアアーーーーーーーーーッ

             「キャァァーーーッまたねェェェ〜〜〜〜〜〜」

>>862(ピエール)

          「挑戦だとォッ」
            「こいつは期待出来るッッ」

   オ
              「オレだッオレにヤラせろォーーーーッ」
      オ

    「生意気なヤローーだァ」  「だが面白ェ」
 
                「あやつは『A級』の器じゃッ」「儂には分かるッ」
                      「どうかな。口だけじゃねえのは確かだが」

          オ

  「あいつの次のカードはいつだ! 誰になる!?」

          「見たいッ」  「仕事休んででもッッ」

               オォォォーーーーーーーーーーーッ

 「待ってるぞピエェーーーーーーーーーーーールッッッ」

挑戦状を叩き付けたその瞬間、優勝者への『賞賛』や『感心』の幾らかが、
そのまま『スーパールーキー』への『戦意』『好奇』にすり替わった。
清廉潔白の騎士を夢想するような目ではなく……一人の『戦士』への値踏みの目に。

幾重もの『戦い』に飢えた『チャレンジャー』達の視線を浴びながら、
ピエールもまた、颯爽と会場を後にする――――あとは報酬を得るのみだ。

>全員

≪――――三者三様、戦闘に限らない『スタンド使い』の『活躍』ッ!!
  『問題解決』ッッ!! 『作戦』と『行動』の競争ッッッ!!
  オレの見たかったものを、第一回からハイレベルで魅せられたッ!!!!≫

               ≪だがッ≫

     ≪当然これで終わりではない!!!
        オレはまだまだ見たりないッ!!!!≫

                    ≪天白氏ッ 美作氏ッ そしてピエール氏!!≫

   ≪それだけではないッ! この会場にいるスタンド使い諸君!!
     あるいは未だ町に息を潜める、まだ見ぬ実力者たち!!
     一対一の戦闘には長けずとも深謀遠慮を武器とする策士ッ!
     あるいは戦闘だけではない己の価値を示し、磨かんとする猛者ッッ!!≫

            ≪諸君らの、更なる挑戦と活躍をオレは期待するッッッ≫

  ≪そしてッ 期待しているのは――――オレだけではないだろうッッッ!!!≫

  ≪次回開催を心待ちにしようッ≫  ≪或いは次に舞台に立つのは―――君だ!!≫

           オ  オ   オ 

                  オ   オ   オ

                         オ  オ   オ  オォォォォーーーーッ!!!!!

864『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/16(土) 23:57:55
>全体

≪それではッッッ 以上を以て記念すべき第一回のステージを『閉幕』とするッッ!!!!≫

             ≪来場者の諸君は忘れ物、落とし物の無いようにッ!!!!≫

会場では桜島のアナウンスが鳴り響く中――――
舞台を終えた選手たちは控室で、『如月』に迎えられた。

「いやはや、見事なステージでした。初回とはいえこの盛り上がりも、
 皆様の健闘あってこそのもの……アリーナの一員として、心からの感謝を」

            ペコォーーッ

ドリンクなどは用意されているが、
あまり長居するような雰囲気ではない。

「勿論、感謝は口先だけでは済ませません。
 事前の約束通り――――こちらが『賞金』になります。
 高額の手渡しは不安という事であれば『小切手』や、
 口座への振り込みという形でも対応しておりますので申し付けを」

給料袋、というよりは格調高い雰囲気の『封筒』が、三者に差し出される。
これを受け取れば、ひとまず今日の仕事は終わる……ということだ。
もちろん、望むのであれば今後も『アリーナ』での仕事は回ってくるだろう。
それについては如月が口にするでもなく、会場の声援と興行の性質から自明だろう。

「さて……最後に皆様の方から何か『感想』や『ご意見』などはございますか?」

「当競技、そしてアリーナはまだまだ『発展途上』の組織。
 内側で決めた『決まり』や『流れ』だけでは、更なる成長は見込めますまい……
 当事者である皆様の声が、より盛り上がり、より燃えるアリーナの柱となりますのでね」

何も言わずに帰るのも、当然可能だ。如月の声にも、無理に引き止めるような意図は感じない。

865美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/17(日) 01:51:56
>>864

今回は『メインヴォーカル』を引き立たせる『バックコーラス』に甘んじた私だけど、
大きなステージの上で、多くの歓声や食い入るような注目を浴びる事が出来た。
それがイカレちゃいそうな程に気持ち良かったのも、また事実だ。
この感覚が病み付きになって、仕事に支障が出ないと良いんだけど。

「こちらこそありがとうございました。
 大変貴重で素晴らしい経験をさせて頂いた事に、
 改めて心からの謝意を申し上げます」

高揚感も程よく冷め、両手を差し出して恭しく封筒を受け取る。
中身の確認をする必要はないだろう。
今ここでやるのは失礼だし、やる意味もない。

「では僭越ながら、感じた事を少しだけ。
 『力尽く』が出来ない能力が輝ける場を設けるという趣旨は、
 非常に尊いものだと考えています。
 『力尽くが出来ない事はない』という以外の能力にとっては特に、
 こうした場は非常に貴重でしょう。
 問題は、この催しが『メインの箸休め』という地位で終わらず、
 メインストリームの一部になれるかどうかですね。
 願わくば、こういった『単純な力のみに拠らない競技種目』が、
 『最後は力が物を言う試合』と同等の地位を獲得する事を期待させて頂きます」

そこまで言ってから、言葉を切る。
このアリーナに足を運ぶ気になった理由は、再び輝きたかったからだ。
だけど、もう一つ『別の理由』もある。

「そして、ここからは個人的な『ビジネス』の話になるのですが――」

「私の『職業』はご存知ですね?
 単刀直入に申しますと、この会場に集まるギャラリーに、
 『私の番組』を『宣伝』して頂きたいのです」

『新規リスナー』の獲得。
それがアリーナを訪れた『第二の目的』だった。
たった今受け取ったばかりの封筒を、そのまま如月に差し出す。

「私からお願いしたいのは、『20万円分』の『宣伝』です。
 形式は問いません。いかがでしょうか?」

『ギャラ』の『20万円』を全額『宣伝費』として突っ込む(>>860 promotion20)。
コストパフォーマンスを考えれば、十分な利益が期待できるだろう。
後は、この提案が先方に受け入れられるかどうか――――。

866天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/17(日) 02:26:12
>>864

天白は節操なしだ。
衝動に任せられるのなら、後者も狙い目ではあった。

控え室に戻って、ドリンクを手に取る。
残ったら持って帰るつもりだ。

「お疲れ様でしたー」

にこやかな顔で頭を下げた。

「感想……?」

「楽しかったです。あぁ、もっと華やかでキラキラしたものが見たいです」

「極限まで危ないのを」

何を言っているのだろうか。

「今日はどれも解けない問題ではなかったから、危なげなかったです。結構悩みましたけど 」

「あ、あと色紙とペンを貰っていいですか? くるみさんとピエールさんからサインを貰いたくて」

867音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/17(日) 22:42:17
>>864
「『感想』や『意見』、か。

 私は、他の『二人』の闘いも見てみたかった。
 例えば、『審査後』にその『映像』が流れるように、
 取り計らったりは出来るだろうか。

 ……これは、『感傷』の話だけにあらず」

『封筒』を受け取って鞄に仕舞い込み、
『感想』を訊かれれば忌憚なく口にする。

「他者の『能力』を知れれば、必然的に利用した『戦略』が組まれる。

 前回の『解法』を利用した、『パスティーシュ』としての『解法』や、
 能力から予想される『同一』の『解法』をぶつけるなどすれば、
 交わらないはずの『個々』の試合に、『繋がり』が生まれる」

「最後の得点表を拝見したが、中々の『僅差』だったじゃあないか。
 『差』を広げる別の手段、それが新たな『燃料』になると思っているのだが、
 君はどう思うかね。――――『欠点』もあるとは思うが、一考してくれるかな」

>>866(天白)
「サイン? 正直に言えば、やったことはないのだが……。

 日本語で書いた方がいいかね、それともフランス語?
 しかし、名前だけだと味気ないように見えるが、
 『家訓』や『座右の銘』も、横に付けておこうか――――」

渋々な感じで近寄ってくるも、ペンを渡されるのを待っている。

868『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/18(月) 00:05:42
>>865(美作)

「勿体ないお言葉です、美作様」

「『経験』――――現代社会において『死闘』を経験できる場は多くはない。
 まして、戦闘ではなく調略などに力を割くスタンド使いであれば尚更でしょう。
 我々がその役目の一端を果たせているとすれば、これほど光栄なことはありません」

                スゥーッ

丁重なお辞儀と共に、感謝の言葉は受け取られた。
その後の『競技』の『在り方』への意見も納得の籠った頷きと共に、
明らかに好意的に受け止められていたのだが――――『宣伝』の話には。

「宣伝、ですか。これはお節介ですが……
 アリーナはとても、『輝かしい』組織です。
 それは間違いないにせよ……それだけではない。
 表舞台に名が上がる事は決してありえませんし、
 社会や政府から、何かの認可を得ている訳でもない」

やや表情が陰る。険しいとか威嚇するようなものではないが、真顔とも違う渋面だ。

「我々は、いわば――――星も太陽も月も無い、
 光の届かない世界に根を張る……『地下組織』というものです。
 ここでの宣伝は決して、『輝かしいもの』だけを呼び寄せはしません」

           「それで良ければ、私から上に掛け合います」

宣伝については如月は否定こそしない物の、難色を示している。
アリーナはグレーゾーンではあるのだろうが『非合法』の匂いがするし、
個人の『ネットラジオ』などであれば問題もないかもしれないが……
事務所や局が絡んでくる『ラジオ番組』の宣伝は、やや危険かもしれない。

もちろん、美作の個人的な活動の宣伝なのであれば、リスクはあっても問題はないだろう。

>>866(天白)

「ええ、お疲れ様でした」

「それは、それは……何よりでございますね。
 選手の『モチベーション』はアリーナの重要課題。
 より楽しめる『難問』や、『危険な状況』の用意も、
 今後充実させていけるよう、取り次いでおきましょう」

最初はどこか値踏みする用だった天白への目も、
今ではピエールや美作に向けるそれと変わらない。
一人の、油断ならないスタンド使いを目にする視線だった。

「天白様含め、ゆくゆくはアリーナに名を轟かせる可能性もあるお三方。
 サインの価値は――――金銭的なものはともかく、確かなものでしょうな」

得心した様子の如月によって、ペンと色紙はすぐに用意される事となる。

>>867(ピエール)

「成る程――――技術的には、不可能ではありませんな。
 持ち帰って検討する価値は十二分にあるアイディアかと。
 主催達も競技の幅を広げる案には積極的でしょうから、
 すぐにでも試験的に運用されるかもしれません……
 試してみてはじめて、見えてくる瑕疵もありますのでね」

「とても興味深い意見でした。心より感謝致します」

              スッ

競技のシステム自体に関わる『具体案』はやはり、歓迎される。
試さずとも見える欠点もあるだろうが、利点が上回れば採用も有り得るだろう。

――――サインペンについては、すぐに用意された。あとの内容は考え次第だ。

>全体

「貴重なご意見、心より感謝申し上げます――――
 これをもって、本日の『競技』は終了とさせて頂きます」

                スッ

ギャラを渡し終え、三人から得た意見をメモし終えた如月が、
自分のものであろう荷物を手元にまとめ、改めてそう告げた。

「――――『競技』も『試合』も、我々は常に『挑戦者』を待っております。
 皆様とは今後も良い関係を築いていければ……それに勝る幸いはございません」

            「本日は、ご参加ありがとうございました。
             そして……ようこそ、『アリ―ナ』のある星見町へ」

喜色を含む如月の目は、この『競技場』に新たに浮かぶ三つの星を確かに映していた。
特に何かそれ以上なければ――――会話が終わるとともに、解散という事になるだろう。

869美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/18(月) 03:57:43
>>868

「お話は分かりました。ご親切な忠告に感謝します。
 何分、まだ『アリーナ』の事情には明るくないもので。
 不勉強な申し出をしてしまった事はお詫びします」

『アリーナ』に足を踏み入れる事自体も、ある程度の危険は承知の上だったので、
『毒を食らうなら皿まで』という思いだった。
だけど、毒を食らうのは自分だけでなければならない。
万が一にも、周りの人々にまで危害が及ぶような事は避けなければならない。

「では、『私自身』を宣伝して頂く事は可能ですか?
 今日デビューしたニューフェイス『カナリア・美作くるみ選手』の名前が、
 出来る限り認知されるような紹介をお願いしたいのです。
 金額に関しては、先程と同じです」

それらは既に公開されている情報だ。
未知の危険を呼び込むリスクは限りなく抑えられる。
当然リターンも相応に減る事になるが、後は自分の『魅力』でカバーすれば良い。
長期的な視点から、徐々に『ファン』を増やす。
この美作くるみには、自分自身の『魅力』で『それ』が出来る『自信』があるのだ。

「失礼して、封筒はこちらに置かせて頂きます。
 この話が通らなかった場合は、『寄付』として扱って下さい。
 今後の『競技』の発展に対する私からの『心付け』と考えて頂ければ幸いです」

>>866

「サイン?もちろん良いわよ。『真尋くんへ』って入れた方がいいかしら?」

       サラサラ

ペンと色紙を受け取り、慣れた手付きでサインを綴る。
自分の名前と相手の名前を書き入れ、片隅に小鳥のイラストを添えた。
出来上がった色紙を、笑顔で少年に手渡す。

「――――はい、どうぞ。大事にしてね?約束よ」

870美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/18(月) 04:14:16
>>869

「『またの機会』を心から楽しみにさせて頂きます」

「――――お疲れ様でした」

帽子を取り、如月に頭を下げて挨拶する。
その表情に曇りはなく、どこか晴やかだった。
それから他の二人に向き直り、同じようにして頭を下げる。

「――――お疲れ様でした」

871音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/18(月) 23:41:38
>>868
「どれどれ……」

     サララララッ

フランス語で『音無ピエール』と書き記し、
色紙を傾けたり、ひっくり返したりしながら、
余白に何を書き込もうか、考え込んでいる。


      キュキュッ
                   ザッ!

     「 Mise en abyme.

       『紋中紋』、『紋章』が構成する『紋章』だ。
       詳細は、『ダ・ヴィンチ・コード』とかで観るといい。

       君との出会いが、偉大なる『紋章』に繋がらんことを――――」

872天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/19(火) 00:50:59
>>868 (GM)
>>869 (美作さん)
>>871 (ピエールさん)

「ありがとうございます!」

「大事にします、絶対」

二人からサインを受け取りお辞儀をする。
如月にもお礼を言っておこう。

「お疲れ様でした」

そう言って全員に頭を下げた。

873『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/19(火) 23:26:31
>>869-870(美作)

「それでしたら――――特例にはなりますが、問題はないでしょう。
 上には私から通しておきますので……是非今度、一度見に来てください」

        「観客の立場で見る舞台も、中々乙な物ですからね」

>>869-870(美作)
>>871(ピエール)
>>872(天白)

己の『個性』をサインとして描く大人たちと、
それを純白のキャンバスに受けとる少年。
一見すれば『プロ』と『ファン』のようだったが、
実際にはそれぞれが違う技で世界を沸かせた『エンターテイナー』。

完成されたように見える二人も、まだまだ先を見ている。
まっさらに見える少年にも、既に築かれた土台がある。

「ええ、改めて――――お疲れ様でした。どうぞ、またのご来場を」

      「そして、またの『ご活躍』を、期待しております」

                   ペコォーーーッ

――――いずれまた道が交わる時も来るだろう。だが今日は、これにて閉幕だ。

音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』
→ファイトマネーと賞金で『40万円』獲得。

美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
→ファイトマネーを『広告費』として投入した。

天白真尋『アルビノ・ホリデイ』
→ファイトマネーで『20万円』獲得。 

                   『喝采無/尽のスターライト・ステージ』→おしまい


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