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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』
1
:
『幸せ兎』
:2017/11/19(日) 16:05:07
――――禍福は糾える縄の如し。
『史記 南越伝賛』
―――――――――――――――――――――――――――――
★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。
☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/
【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/
★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/
700
:
『金融永久機関カーバンクル』
:2018/11/16(金) 23:46:30
>>698
(スミノフ)
「ええ、一歩先なのはそっちですし、あんたらは敵じゃない。
とはいえ味方ってほど信用できる……というわけでもない。
ま、『遺恨』を残さないために最大限努力はしますけど、
それより重要なのは『解決』が出来るかどうか。って事です。
あんたらが猫を譲ってくれるのか。信用できる処理をしてくれるのか」
「出遅れといて大口叩かせてもらいますが、
遺恨は残らないけど解決はしない。それじゃ下がれない」
『シュン』
「少なくともオレはね!」
スタンドを背後に立たせ、吾妻は黒服達を手で下がらせる。
あくまで対等――――というポーズを示しているのだろう。
「だから、金や礼節で解決したい、
そう思ってますよ。力じゃあなくってね」
それは儚い譲歩ではあるが、彼の譲れない線でも、あるかもしれない。
「…………」
コク
そして――――マナビはスミノフに頷き、硯と吾妻のやり取りに応じるように前に出る。
>>699
(硯)
「『漣』さんを知ってるんですか?
オレの上司では、ないですけどね。
こういうやり口は好きじゃないかな?」
ニッ
「取り繕っても仕方ないんで、まあ脅迫してます。
こう見えても、どう見えても、『選べる手』は少なくて。
暴力で無理やり奪うなんてのはオレの『アリーナ』には出来ない」
『ズギュン』
「というより、この状況からは出来ない……んでね」
スタンドを背後に立たせた彼は、手で周囲の黒服や私服を下がらせる。
数的優位ではあるが、立場としては単なる『横取り魔』に過ぎない。
そうした負い目か、あるいは何らかの組織的矜持が、彼の選択肢を削る。
「『信用』。重要ですね!」
「オレらに猫を渡せば『アリーナ』はあんたらを信用しますよ。
オレらは『闘技場』の運営者で、この町の『抑止力』を名乗ってます。
金だけ持ってるマフィアから得られる信用より、価値あるんじゃないですか?」
吾妻は硯の疑問への解説も兼ねるかのように、
そのように述べるが……前に出たマナビが、即座に反論する。
701
:
『金融永久機関カーバンクル』
:2018/11/16(金) 23:46:41
>両者
「まず、私達が猫を売る予定なのは『マフィア』じゃあないわ。
そういう黒い依頼は受けない。一度受ければ際限がなくなる。
落ちる所まで落ちたフリーランスの末路は使い潰されるだけ」
「『善良な海外の富豪』と考えればいいわ。
この猫による『成りあがり』の濫発を恐れる、ね」
依頼人については主義義務でもあるのだろう。
マナビの解説は、端的な物。しかし彼女なりの熱はある。
「そして……『脅されればすぐに裏切る』なんていうのは、
私達『フリーランス』にとって最悪の風評になるわ。
金払いが良い方に着くのは、おかしな話じゃないけれど。
口だけで転ぶような傭兵に金を払うヤツはいなくなる。
……それで『アリーナ』からだけ信頼を得たからといって、
貴方達には元から、多くの子飼いのスタンド使いがいるはず。
私達に回ってくる仕事は、そいつらの餌の残りかもしれないわ」
「……口約束だけの『信用』じゃあ足りないわね。
せめて『買収されるのもやむなし』と思わせるような、
莫大な報酬を約束して欲しいところかもしれないわ。
それなら、私達の評判は落ちても『踏みとどまれる』かもしれない」
「相手がアリーナだという事も、公表して良いなら尚更ね。
『警察にビビって頭下げた不良』くらいの『妥当さ』はある。
アリーナは『対抗勢力』というには、少し大きすぎるものね」
イラムシは苦い顔でそのやり取りを見ている。
拮抗、というか、泥沼、というか、まとまりを得そうにない。
マナビは理知的ではあるが、それは『受け身』の理知だ。
押し切られることは無いかもしれないが、固まるには時間がかかる。
そこに、硯が条件を提示する。
「――――待ちなさい、硯君。貴方がそこまで捧げる必要はないわ」
「私が交渉して、より良い緩衝地点を見つけ出すから……」
マナビの表情は険しい。一つの勢力に従う事を否とする『フリーランス』の価値観か、
あるいは個人的な『心配』か、定かではないが、彼女の考えではそれはリスクを伴う選択肢。
もちろん彼女の行う交渉も、彼女自身の名声に傷をつけかねないものだろうが……
「オレとしては、けっこうおもしろい申し出だと思いますよ!
そういう『漢気』……嫌いじゃない。むしろかなり好きです!
ただ、猫を俺達が欲しがってるのは――――『価値』を求める以上に、
他の誰かに『カーバンクル』の価値が移って、この町を脅かさないため」
「その猫が得体のしれない海外の富豪とやらに渡るなら、
ぶっちゃけあんたら四人が全員アリーナに加わっても、
長い目で見れば価値は相殺される、って話なんです」
吾妻には好感触ではあるが、あと一歩足りない。
硯個人への興味、好感は深まったような気がするが、
カーバンクルというカードとの交換条件にはならないらしい。
「だから、『カーバンクル』で、えーと、『硯君』! を仲間にするより、
『金』と『信頼』で『カーバンクル』を買う方が、オレらには良いんですよね!」
「勿論、本来の報酬くらいは保障してイイですよ。
アリーナに摘発された、ってんなら『不評』は生まれても、
信頼を完全に損ねるってもんじゃあないはず、でしょう?」
が、硯第二の提案――――あるいはスミノフに託されたマナビの『妥当』を求める路線は、『ハマって』いたようだ。
こちらの方向でならまとまるかもしれない。それこそ、『そこそこの緩衝地帯』というところへの、着陸を。
それでよければこのままマナビと吾妻が操縦してくれるだろうし、望ましい地点があるなら誘導には言葉と発想が要る。
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