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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』
545
:
高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』
:2018/10/04(木) 00:44:36
>>533
「ぐッ、あ、五十嵐サンっ……!!」
受け身を取り、体勢を整えながら、後方の状況を視認する。
『相打ち』。しかし、この状況でこちらの『スタンド使い』一枚落ちる意味は大きい。
相手は集団だ。高天原はエクリプスやアリーナの事情には明るくない。
戦況以上に、この場で孤立してしまう。
――――何より、命の危機だ。
五十嵐の命。作業服の男の命。そして、
「……先輩ッッ!!!」
可能な限り、巻き込みたくはなかった。
姿を見られていたとしても、状況に関与していなければ。
無力な第三者として、まだ言い訳がたったかもしれない。
「猫を頼むッ……連れてきてくれ!!」
だが、そんな情を挟める一線など、とっくに過ぎてしまっている。
全ての人間を駒として、状況を俯瞰した時。
『相打ち』となった二人を除いて、一番猫に近い動ける人員は、どう見ても早見だ。
高天原が咄嗟に駆け出すよりも、彼の方が早く届く。
敵対していた『作業服の男』よりも、五十嵐と行動を共にしていた分、こちらになら大人しく捕まってくれるかもしれない。
『ウィーピング・ウィロウ』は、基本に立ち戻る。
駒の交換は意味を失ったが……この位置と距離が『ウィーピング・ウィロウ』の土俵である事実は、依然揺るがない。
すなわち『ウィーピング・ウィロウ』は発現者に手が届き、また相手の『スタンド』は此方に干渉できない位置と距離。
「……悪リィーね」
「どうも昔から、口だけ達者な質で」
そして、『ウィーピング・ウィロウ』と硯の距離は、『ウィーピング・ウィロウ』と『装甲車のスタンド』よりも近い。
相手の『スタンド』が仕込んでこちらに何かを仕掛けるよりも早く。
硯――――『仮面の男』の顔面に、拳を叩きこむ(パス精CCB)。
「アンタと、戦わなきゃいけなくなっちまった……!」
万が一、相手の『スタンド』の反撃や挙動がこちらの攻撃よりも早く行われる場合。
その動作を、『風切り音』や、壁や床との『衝突音』で『静止』する。
『ウィーピング・ウィロウ』へ向けての攻撃を伴う動作の場合は、念のためではあるが、
『仮面の男』への一撃を終えてから、その攻撃の軌道から避ける。
『ウィーピング・ウィロウ』は、決して動作性に優れた『スタンド』ではない。
しかし、それは接近戦において、他の優れた『スタンド』に劣ることを意味しない。
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