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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

659硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/10/29(月) 22:12:03
>>658

    「ッ!」


歌っている最中、ある『奇策』を思いついた。
それは『五十嵐』の死体に設置した『車輪』を回転し、
その鉄の『回転音』と自らの『絶唱』で、二重に音を阻害するというものだ。
この『策』ならば確実に『青年』の能力を無効化できるだろが、
その考えはすぐに――失せた。



    「だけど俺達ッ!泣くためだけにィ!
     産まれた訳じゃあなかぁぁあぁッたはずさァァぁ!」



この『戦場』に居る理由が一番薄いのは、間違いなく『硯研一郎』だ。
特にこれと言った信念も持ち合わせていなし、
正直な所、別に戦っている理由もない。
今、この場にいるのも『アルバイト』の穴埋め程度の気軽なものだし、
渦中の『猫』に関してさしたる興味は持ち合わせていない。
だが、最低限の『矜持』は持っている。

スタンドが『安全装置』を備えたこの状態で、更に死体を利用するなんて『外道』な『臆病者』だ。
勿論、青年には勝ちたいが勝つ為ならば何をしたっていい訳じゃあない。
他の人間はどうかは知ったこっちゃあないが、
少なくとも先ほど思いついた『奇策』を用いた勝利に意味はない、と『硯研一郎』は考える。



    「ただひたすらにッ!生きた証を刻むよぉおぉおぉお――ッ!
     いいぃぃいまぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ」


腕に走る痛みに声をあげたい。
寝転んでいる『宗像』の演説に異議を述べたい。
今首を絞めている青年のスタンドに『安全装置』を解除しないように『忠告』したい。
このダメージが伝播しその場で拘束さているであろう青年に語りたい。
そして依然、機を伺う『宗像』に対し『警戒』するように『スミノフ』に伝えたい。
けれども、歌っている今それは不可能だ。





  「俺達はあああぁああぁあああ――ッ!!!
   風の中でェェえええぇぇ――――ッ!!!!!
   砕け散り一つになるぉおおぅおあああァ――――ッ!!」



だからこそ『歌う』。

青年に動きを止め『歌』を止められるのならばまだいい。
だが、自ら『歌』を止め、青年に逆転のチャンスを与える事だけは絶対に避けたい。
第三者が見たら『滑稽』な光景だというのは重々承知しているが、
『オーバードライブ』で青年のスタンドの首を絞めながらも、
青年が『気絶』するまでの『数秒間』(陳腐な言葉だが)己の命を賭け――『絶唱』する。


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