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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

1 『幸せ兎』 :2017/11/19(日) 16:05:07

――――禍福は糾える縄の如し。

                    『史記 南越伝賛』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/

【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/

★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/

691 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/11(日) 23:06:25
【フリー】
>>688(スミノフ)
>>690(硯)
(★双方のレスを自由に確認して構いません)

スミノフが脚を見ると、足裏から血が溢れ出していた。
歩こうとすると、上手く力が入らなかったが、
なんとか動く事は出来なくもない。這うなら容易だ。

         バサッ

             「…………」

        ゴソ

猫は動いているが、抵抗の意思はないのか、
それとも命の危機はひとまず去ったと理解したのか、
ともかくスミノフから逃げ出そうとする様子はない。

「あ、ごめん、マナビちゃんに連絡してもらえるか? 約束した……見てない場所で捕まえたら、すぐ連絡することって」

「あと多分下から上がってくる奴がいる。さっきの光るヤツを投げ込んだ男だ」

「あー……マナビちゃんに連絡つかないかもしれねぇけど。好きにしてくれ」

そしてやるべきことも伝える。

                ドザッ

「2vs1だ。勝ち誇れはしない。
 スミノフさん、とにかく助かった。ありがとう。
 猫ちゃんにはとてもとても悪い事をしてしまったが」

伝えられる硯は五十嵐の身体を、安置するような形で地に下ろす。
そして、頭を下げる――――残ったのは、黒服だが。

「ま、まて。揉める気はない。というか揉めても勝てないって分かる」

       サッ

「お前ら2人、何者かは知らないが…………こっちが5人いても無理だ」

黒服は、両手を挙げる。『警棒』も捨てている。『武装解除』だ。
硯が『倉庫街』で偽った『アリーナの漣』の遣いである件は、
この黒服には伝わっていないか、何かの事情で把握できていないらしい。

「ノコギリザメ…………ああ、その男は『アリーナ』の所属じゃあない。
 『藤原しおん』とかいう女の手先で……一応、目的の一致があった。
 俺の上司には、『殺す』か『生け捕り』と言ってたらしいし、
 ここで遭遇した最初は、生け捕りにして俺達に引き渡す話だったから」

       「頭から殺すしか考えてなかったわけじゃない、はずだ」

作業服の男は、この場で一番の『重態』と言えるだろう。
血に伏して倒れ、目を覚ます気配は――――少なくとも、今はない。
命は保っているだろう。死に直結するような負傷部位ではない。

   アリーナ
「……俺達もその猫の『処分』か『管理』を望んでる。
 手なずけて力を使おうとしてる派閥もあるらしいし、
 誰も使えないよう管理し続けようとしてる派閥もある。
 憂いを断つために……もしくは『エクリプス』の猫だから、
 処分して済ませてしまおうと考えている連中も、当然いる」
 
「俺達のトップ『桜島』さんは『懐柔派』だし、
 もう一つ動いてる派閥も同じだ。それは伝えとく。
 つまり、お前らと『猫を殺すか』揉めるつもりは……無い」

その言葉は彼個人というよりは、組織とか、何か大きな物が背後にあった。
やらなければならない、という『大儀』が彼を縛り、あるいは支えている。

「出るのは……賛成だが、上に俺の仲間がいるし、下から俺の上司が来る。
 その猫をオリなりなんなりに入れてからにするのが、賢明じゃないか?
 もちろん、お前らを悪いようには扱わない。……少なくとも、俺たちの派閥は」

692 スミノフ『デマーケイション』 :2018/11/11(日) 23:47:18
>>691

「んあー……」

足の負傷は本当にやってしまった感がある。

「藤原しおん? 聞き覚えがあるような」

たしか、『デマーケイション』のことを教えてくれたような。
いや、記憶ではその人物は音仙なのだが、同一人物だったと覚えている。

「……始めっから殺しに来たんじゃねぇのかよ。だとしたら心変わりってのは恐ろしいもんだ」

「こういう奴は今のうちに処理しとくのも吉かもな……拉致って痛めつけようにもその能力……まぁ、今日はそういう仕事じゃないか」

立てるか試そう。
足を引きずってでも歩けた方が早い。
正直、上手く歩けるか不安だが。

「……俺はこの猫を仲間に渡す必要がある」

「コイツは殺さない。だがお前たちにも渡したくはない」

「これからをどうするかは仲間にも相談したい」

「俺たちは勝った。この猫を捕まえた。お前たちは後手。だがこれは過程の勝利」

最後に猫を得たものが勝者であり、猫の今後を決める。

「それと残念ながらオリはない。そこも考えないとな」

「とりあえず……どうする?」

硯に聞いてみよう。

693 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/11/12(月) 20:54:38
>>691
「猫さん、ちょいと失礼するよ」


『オーバードライブ』の設置した『車輪』を解除し、
『スミノフ』がまだ猫を捕獲できていないなら抱えておく。
そして、携帯電話を取り出すとマナビとイラムシに、
とりあえず猫を捕獲できたので降りるという旨のメールを送る。


「スミノフさん、ちょっと待ってくれ」

スミノフは歩けなさそうだ。
なので満身創痍のスミノフの体を持ち上げその腕を自身の肩に回し、階下へと降りていきたい。


「俺は、とりあえず帰って寝たい。
けれど親戚の叔母さんと姪っ子との待ち合わせを放ったらかしてこんな所に来てしまった。
帰ったらお母さんに怒られそうだし、泥のように眠るのはその後だ。

なあ、スミノフさん、黒服さん。
俺が家に着くまでの間一緒に言い訳を考えてくれないかい?」

694 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/13(火) 23:55:48
>>692(スミノフ)

「曰く付きの名前だからな。俺は詳しくは知らないが……
 その男がそいつの部下なら、下手に殺して刺激したくはない、
 ってのが『アリーナ』としての見解だ、ってのは伝えておく」

「そうじゃなくても、人なんか殺さないに越したことはないしな」

立って進む事も不可能では無さそうだったが――
硯に肩を貸された。そのまま彼は階下へと歩き出す。
黒服は何かしら連絡があるらしく、端末を操作している。

「オリは俺達も常に持ち歩いてる訳じゃあないけど、
 吾妻さんの車には乗ってるはずだ。最悪のパターン、
 つまり猫にだけ逃げられる、ってのを避けるためにも、
 とりあえずそこまでは協力してもらえたら助かるが……」

          ザッ
              ダッ

上階から、疎らな足音が聞こえはじめる。身を潜めていたのだろうか?

「もちろんそうなると『アリーナ』に一旦合流する事になる。
 お前らの仲間だけで猫の事を決められるわけじゃあなくなる、が。
 うちのボスなら、多分……功労者のお前らの立場は考えるはずだ。
 筋の通らない解決は遺恨に繋がる、ってタイプのヒトだからな。
 少なくとも一方的な条件を押し付けて『大損』を掴ませたりはしない。
 だから仲間だけじゃなく、俺達『アリーナ』も交えた方が無難だと思う」

          「そこで倒れてるやつらは、知らないけどな」

黒服は緊張からか、饒舌に己の勢力の情報を口に出す。あるいは交渉術か?
上下をアリーナに挟まれ、猫の解決手段にもお誂え向きのものがある。
腰は重く、後手後手に回るが『組織力』を有するのが『アリーナ』の強みか。

とはいえ――――猫を勝ち取ったのは、ひとまずスミノフたちフリーランスなのだ。
アリーナの掌の上に乗せられる事はつまり、そのアドバンテージを……主導権を奪われる事。

>>693(硯)

スミノフは既に猫を捕獲できており、逃げる気配もなさそうだ。

「…………『アリーナ』としては帰るなら止める理由はないな。
 関係者全員捕えて事情聴取、ってわけにもいかないし、
 俺個人としても……お前らみたいな強力な遣い手は、『怖い』」

帰るのであれば、ここを出ればすぐにでも帰れるだろう。
途中離脱というには事態はあまりにも収束しているし、
マナビが提示した条件には、もう十分すぎる程協力している。

「勿論、猫をこっちに引き渡す事になった時は……お前にも後から褒賞は出せるはずだ」

「だから、猫も、仕事も……家族への言い訳も、多分そう悪いようにはならない」

「これでも言い訳を考えるのは得意な方だからな」

だから、この後のややこしい話は『アリーナ』やマナビらに任せてしまうのも……選択肢かもしれない。

(★ビルから出た後、希望するならミッション離脱可。報酬減額などは無い)

>両者

端末を弄っていた黒服が、二人に声を掛けつつ着いて来る。
硯によるマナビとイラムシへのメールは返事がない。
スミノフが上に来る前、最後に見ていた状況を考えれば、
均衡状態が破れ『倒された』という可能性もありえるが、
この黒服の言動から察するにそう『手ひどい』事にはなっていまい。

「ここで倒れてる連中は上で待機してる黒服が回収する。
 取って食うわけじゃないが、放置はできないし、
 というか怪我的にも放置しておくわけには行かないからな」

スミノフが抵抗しないなら、一同はビルをゆっくりと下りていく。
外からは特別大きな音や悲鳴などもなく、少なくとも喧噪は収まっている。

何かやる事でもなければ、このまま3人連れだって入り口まで出る事になるだろう。

695 スミノフ『デマーケイション』 :2018/11/14(水) 01:45:36
>>694

「そりゃそうだ。人が消えると人が死ぬのじゃ手間とか色々変わってくるわけだ」

「合流ねぇ……俺の仲間いわく『アリーナに売ったら一人30万にもならないかも』『後ろ盾がないから捕獲に協力感謝! で終わりかも』って話だ」

信用しない理由はないが保証がないのも確かだ。
個人的には信用してもいいが、ビジネスだ。

「こっちは負傷した奴もいる。そいつの治療費やらなんやらも考えれば仲間の持ってるルートに託した方が利益は求められる」

「そこの負担とかしてくれんのかよ」

とりあえず入口まで移動しよう。
マナビが倒されていた場合は色々考えないといけない。

「つーかよ、それだったら家の場所教えてくれたら明日あたり行くぜ?」

「俺が怪我したところ助けてくれたとか、そんな理由つけりゃあ許してくれんだろ」

硯の心配がそれで解消出来ればいいが。

696 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/11/14(水) 19:45:41
>>694
「スミノフさん、凄く助かるよ。後で打ち合わせをしよう。
俺の家の隣にいい感じの喫茶店があるんだ」


仲間達の連絡がないのが気になるところだが、とりあえず外に出よう。
もし外に出てマナビやイラムシが捕縛されていたらその時はその時だ。

「俺は成り行きでお仕事を手伝ってるだけだから、
報酬なんて気持ちだけでいい。
けれどスミノフさん達にはしっかりと支払ってくれ。
それと上で倒れている彼ら、それに『五十嵐』さんの事も宜しくお願いします」

697 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/15(木) 12:07:10
>>695(スミノフ)

「具体的な金額の事までは……俺の口から約束は出来ない。
 が、無償はない。そういう『恥さらし』な真似をする派閥もあるが、
 今回の件はうちと『漣派』の合同で当たっていて……ああ、いや、
 要は『礼節』を重んじる俺のボスと、『金払い』がいい人が担当だから」

「ケチってスタンド使いを敵に回すような事はしない」

アリーナの事情は不明瞭だが、この黒服については、
これ以上込み入った話を聞かせてくれそうな様子はない。

「俺としても……お前らは、話が出来そうだからな。
 本当、下手に敵に回したくないし。多少の口添えはする」

耳障りのいい言葉ではあるが――――明確な保障はない、という事だ。
黒服としては内心の焦りもあるのだろう。口約束ながら協力も取り付けられた。

「ただ、いくらなんでも、その怪我人の治療費を報酬とは別で全額出す、
 とは流石にいかないだろうがな……好きな言葉でもないが、自己責任の世界だ」

いずれにせよこの男に対してできるのは事前の『確認』までで、
本格的に交渉を打つなら『吾妻』か、さらにその上の人間になるだろう。
つまり、その為のテーブルに向かわなければならない。面倒な事にはなりそうだ。
もちろん、そう言ったことを得意としているであろうマナビに一任する手もある。

>>696(硯)

「猫を受け渡されることになったら、必ず支払う。
 払わずに押し通すなんてことはうちのボスはしない。
 額の方は、俺の口からは……流石に何とも言えないが」
 
「それと……上のやつらも、少なくとも『市民』だからな。
 無茶な扱いはしない。『藤原しおんの部下』は……
 こっちで何かしてやらなくても、どうにかなるんだろうが」

「……まあ、恩を売るに越した事はないから、な」

硯の口にした望みは、大方叶うことになるだろう。
慈悲か、善意か。それを現実に出来るのは勝者の特権とも言える。

「死んだ人間はどうにも出来ないが、仏さんにまで『報復』はしない」

              「少なくとも俺は、だが」

それでも、五十嵐については――――あまり多くを望めないだろう。
死は覆せないし、補償も出来ない。出来るのはただ利用するか、『弔う』か。

>両者

「――! 出てきたわね」

ビルの外に出ると――――マナビとイラムシが待機していた。
手ひどい真似をされているわけでも、拘束されているわけでもないが、
付近には新手の黒服や、見覚えのない『私服』の人間も見受けられる。
下手な動きを出来なかった、という解釈が、おそらく正しいと思われた。
救急車などは来ていないが、これは単に時間がそれほど経っていないためか。

「や、どーもどーも。体面上言っときますけど、
 え〜っ、『この度はご協力ありがとうございます』」

               ザッ

「後は我々『アリーナ』が引き継ぎを……って言っても、
 美味しいとこだけ持ってくのか?って思っちゃいますよね!
 ま、実際んとこはこの『後始末』ってのも結構不味いんですけど」

そして、一同の前に歩み出たのは黒ではない『スーツ姿』の若者。
スミノフにとってはビルの下で一度遭遇した人間、アリーナの『吾妻』だ。

「不味くてもちゃんと食べたい、って人も多い訳でして。
 引継ぎの内容は、皆さんとも相談して決めたいワケです。
 条件とか、そーいうの、細かい事を色々と……ね!」

黒服の連絡を受けビルの中から引き返したのか、マナビに止められていたのか、
その辺りは定かではないが、マナビも彼も無傷だ。争いは無かったのだろう。

「こちらのお二人には了解を得てますケド」

        「『ご協力』――――いただけます?」

                 ニッ

彼自身の風格や迫力はともかく、状況は有無を言わせないものだ。
何か打開の策が無ければ、従う事になるだろうが……何かあるなら、それもアリだ。

「……あ、もしここで帰ってくれるっていうなら、家まで送りますけどね!
 4人に囲まれて交渉、ってのは、さすがのオレも緊張しちゃいますから!」

これについては吾妻は半分冗談で言っているつもりだろう。『乗る』なら話は非常に早くなる。

698 スミノフ『デマーケイション』 :2018/11/15(木) 17:48:43
>>697

マナビとイラムシに手を上げる。
無事でなによりだ。

「お前が投げ込んだプレゼント良かったよ、ダイヤモンドよりキラッキラしてて、目が痛かったぜ」

地面に座ろう。
結論が出るまで帰る気なれない。

「何が楽しくてこんなぞろぞろと。下がれ下がれ、もしくは何人か下げろ」

「俺らが猫捕まえてきた。対等だが、こっちが一歩先」

別に喧嘩をしたい訳でもないが、黒服や私服の人間によって数的優位だと思われるのも癪な話だ。

「とはいえ、俺はこの子にほぼ丸投げするぜ。頭使うのは得意分野じゃねぇし、金勘定は面倒くせぇ」

交渉についてはマナビに任せよう。
ルートなどは自分は分からない。
この場の責任者は彼女かイラムシか。
イラムシは負傷しているし、恐らく万全であるマナビに任せた方がいい。

「『筋の通らない解決は遺恨に繋がる』そういうヤツがボスだと、ここに来るまでに黒服の兄ちゃんは言ったよ」

「礼節を重んじるボスと金払いがいい人が担当だとも聞いてる」

「お前らをこう威嚇しちゃいるが、信用はしてる。評価が低くとも、口が悪くとも、お前らを信用してる」

「お前らがアタマっからケツまでペテン師じゃねぇんならお互い納得いく結論が出る」

「そうだろ? じゃあ……あと任せるわ、マナビちゃん」

699 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/11/16(金) 21:03:07
>>697
「先輩、マナビさん。無事で何よりだ。
中々穏やかな状況ではなさそうだが」

いい加減お面を脱ぎたいところではあるが、とりあえず此処は『吾妻』達の話を聞く。

「なあ、ひょっとして俺達は『脅迫』されているのかい?
『漣』さんって人もこんなやり口をするのかい?」

ニコリと、笑みを浮かべる吾妻に対し淡々と言い放つ。


「俺はともかくとして、先輩やマナビさん、それにスミノフさんは
『仕事』で猫を捕まえに来たんだ。
きっと、彼らに大事なのは『超能力』なんかじゃあなくクライアントからの『信用』だ。

『アリーナ』ってのが何をしてる組織なのかよくわからないが、
対抗組織に脅迫されて仕事を放棄したなんて結果を残すのは嫌だ。
そんなのが闇世間様に知れ渡ったら、スミノフさん達は『信用』を失って今後、仕事が減っちゃうだろうからな」


「だから。できれば猫を渡したくない。
もし猫をこちらにくれれば俺が猫の代わりに『アリーナ』で働く。
力不足なのは充実承知してるが、一生かけてでも俺が『猫』の分まで働いて利益をもたらす」

「もし、それが駄目だって言うのなら、
スミノフさん達が本来得れる筈だった報酬をきっちり支払ってくれ。
俺に渡す『報酬』を削っても良いし、なんなら金なんて要らない。

他の3人は知らないが、このどちらかを呑んでくれないと、
俺は君達に猫を渡したくない」

700 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/16(金) 23:46:30
>>698(スミノフ)

「ええ、一歩先なのはそっちですし、あんたらは敵じゃない。
 とはいえ味方ってほど信用できる……というわけでもない。
 ま、『遺恨』を残さないために最大限努力はしますけど、
 それより重要なのは『解決』が出来るかどうか。って事です。
 あんたらが猫を譲ってくれるのか。信用できる処理をしてくれるのか」


「出遅れといて大口叩かせてもらいますが、
 遺恨は残らないけど解決はしない。それじゃ下がれない」

               『シュン』

            「少なくともオレはね!」

スタンドを背後に立たせ、吾妻は黒服達を手で下がらせる。
あくまで対等――――というポーズを示しているのだろう。

「だから、金や礼節で解決したい、
 そう思ってますよ。力じゃあなくってね」

それは儚い譲歩ではあるが、彼の譲れない線でも、あるかもしれない。

「…………」

                 コク

そして――――マナビはスミノフに頷き、硯と吾妻のやり取りに応じるように前に出る。

>>699(硯)

「『漣』さんを知ってるんですか?
 オレの上司では、ないですけどね。
 こういうやり口は好きじゃないかな?」

            ニッ

「取り繕っても仕方ないんで、まあ脅迫してます。
 こう見えても、どう見えても、『選べる手』は少なくて。
 暴力で無理やり奪うなんてのはオレの『アリーナ』には出来ない」

            『ズギュン』

「というより、この状況からは出来ない……んでね」

スタンドを背後に立たせた彼は、手で周囲の黒服や私服を下がらせる。
数的優位ではあるが、立場としては単なる『横取り魔』に過ぎない。
そうした負い目か、あるいは何らかの組織的矜持が、彼の選択肢を削る。

「『信用』。重要ですね!」

「オレらに猫を渡せば『アリーナ』はあんたらを信用しますよ。
 オレらは『闘技場』の運営者で、この町の『抑止力』を名乗ってます。
 金だけ持ってるマフィアから得られる信用より、価値あるんじゃないですか?」

吾妻は硯の疑問への解説も兼ねるかのように、
そのように述べるが……前に出たマナビが、即座に反論する。

701 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/16(金) 23:46:41
>両者

「まず、私達が猫を売る予定なのは『マフィア』じゃあないわ。
 そういう黒い依頼は受けない。一度受ければ際限がなくなる。
 落ちる所まで落ちたフリーランスの末路は使い潰されるだけ」

    「『善良な海外の富豪』と考えればいいわ。
     この猫による『成りあがり』の濫発を恐れる、ね」

依頼人については主義義務でもあるのだろう。
マナビの解説は、端的な物。しかし彼女なりの熱はある。

「そして……『脅されればすぐに裏切る』なんていうのは、
 私達『フリーランス』にとって最悪の風評になるわ。
 金払いが良い方に着くのは、おかしな話じゃないけれど。
 口だけで転ぶような傭兵に金を払うヤツはいなくなる。
 ……それで『アリーナ』からだけ信頼を得たからといって、
 貴方達には元から、多くの子飼いのスタンド使いがいるはず。
 私達に回ってくる仕事は、そいつらの餌の残りかもしれないわ」

「……口約束だけの『信用』じゃあ足りないわね。
 せめて『買収されるのもやむなし』と思わせるような、
 莫大な報酬を約束して欲しいところかもしれないわ。
 それなら、私達の評判は落ちても『踏みとどまれる』かもしれない」

    「相手がアリーナだという事も、公表して良いなら尚更ね。
     『警察にビビって頭下げた不良』くらいの『妥当さ』はある。
     アリーナは『対抗勢力』というには、少し大きすぎるものね」

イラムシは苦い顔でそのやり取りを見ている。
拮抗、というか、泥沼、というか、まとまりを得そうにない。
マナビは理知的ではあるが、それは『受け身』の理知だ。
押し切られることは無いかもしれないが、固まるには時間がかかる。

そこに、硯が条件を提示する。

「――――待ちなさい、硯君。貴方がそこまで捧げる必要はないわ」

「私が交渉して、より良い緩衝地点を見つけ出すから……」

マナビの表情は険しい。一つの勢力に従う事を否とする『フリーランス』の価値観か、
あるいは個人的な『心配』か、定かではないが、彼女の考えではそれはリスクを伴う選択肢。
もちろん彼女の行う交渉も、彼女自身の名声に傷をつけかねないものだろうが……

「オレとしては、けっこうおもしろい申し出だと思いますよ!
 そういう『漢気』……嫌いじゃない。むしろかなり好きです!
 ただ、猫を俺達が欲しがってるのは――――『価値』を求める以上に、
 他の誰かに『カーバンクル』の価値が移って、この町を脅かさないため」

       「その猫が得体のしれない海外の富豪とやらに渡るなら、
         ぶっちゃけあんたら四人が全員アリーナに加わっても、
          長い目で見れば価値は相殺される、って話なんです」

吾妻には好感触ではあるが、あと一歩足りない。
硯個人への興味、好感は深まったような気がするが、
カーバンクルというカードとの交換条件にはならないらしい。

「だから、『カーバンクル』で、えーと、『硯君』! を仲間にするより、
 『金』と『信頼』で『カーバンクル』を買う方が、オレらには良いんですよね!」

             「勿論、本来の報酬くらいは保障してイイですよ。
               アリーナに摘発された、ってんなら『不評』は生まれても、
                信頼を完全に損ねるってもんじゃあないはず、でしょう?」

が、硯第二の提案――――あるいはスミノフに託されたマナビの『妥当』を求める路線は、『ハマって』いたようだ。

こちらの方向でならまとまるかもしれない。それこそ、『そこそこの緩衝地帯』というところへの、着陸を。
それでよければこのままマナビと吾妻が操縦してくれるだろうし、望ましい地点があるなら誘導には言葉と発想が要る。

702 スミノフ『デマーケイション』 :2018/11/18(日) 00:34:24
>>700-701

「そうだぜ。自分の体を張るのはこういう時じゃねえさ」

「こいつらに張ってやる命も体も今はねぇし」

硯がアリーナで働くことはないだろう。
猫と硯ではできることは違うし、どういった仕事を回されるか分かったものでもない。

「信用ねぇ……」

個人的には、猫を渡したくはない。
今ここで得た成果を手放すというのは惜しい以上にしこりが残る。

「俺は正直な話、お前らに猫を渡したくない。お前らは猫が欲しい」

自分にはどういう存在か詳しくは知らない。
この猫も、目の前の組織も。

「例えば、俺たちは猫を捕獲したが、猫を狙う敵対勢力の数が多かったので一時的に『アリーナ』と手を組んだ。そういうことにしよう」

「同盟によって猫は半ば共同管理」

「引き渡しの現場にお前らは付いてこれるようになる。そして安全に俺たちは猫を引き渡せる」

「猫の護衛とか言って海外にお前らの何人かを送って、依頼主が得体の知れない人間か見極めればいい」

「何かあって、依頼主が猫を手放しちまうことがあればお前らが保護しろよ」

そんな事が現実に起こるのかは謎だ。
あるいは彼らがそれらを引き起こしてでも猫を欲するのならばあるいは、といったところ。

「摘発じゃなく、一時的な同盟。アリーナ側は懐の深さを見せてくれていた方が今後、似たようなことが起きた時にいいと思うが」

「話せば分かるやつら、そういう実績があった方が色々出来るんじゃないか?」

まぁ、この提案が蹴られたらそれまでだ。
不評を掴んで終わることになるだろう。
それでも干されるほどじゃないと思うが。

703 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/11/18(日) 20:17:25
>>701-702

「何なら今すぐ俺に『仕事』を寄越してもらって構わない。
 なんだってやるつもりだが、足りないかい?」


食い付きはいいが、やはりこんな馬の骨の売り込みでは足りなかったか。
此処は『金』を得て『信用』を失わない方向で行くべきなのだろう。


           「ならば」


「猫を渡す条件にもう一つだけ追加したい。
 本当に大した事じゃあないんだ。いいかい?」

「さっきの戦いの最中、『エクリプス』の『スティングレー』さんの持っていた、
 『スマートフォン』を壊してしまったんだ。
 
 弁償してあげたいのだが、俺は正直機械には疎いしよくわからない。
 だから君達が俺の代わりに『スティングレー』さんに買ってあげるんだ」

「それも」

「ただ買うだけじゃあない。
 私服の君……君がきちんと『上司』に申請をして『アリーナ』の経費で買うんだ。
 決して、自腹を切ったりするんじゃないぞ。それはダメだ。
 そしてベットの上で寝る『敵対組織』の『スティングレー』さんに、
 経費で買った最新機種のスマホを渡し、こう言うんだ。

 「スティングレーさん、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
  あなたの『スマホ』は『アリーナ』が弁償します。ごめんなさい」と」


『アリーナ』が『エクリプス』に誠心誠意こめ謝罪をする……
きっとこの行為は彼らにとって『恥』以外の何物でもないだろう。
そして『エクリプス』は倒すべき『脅威』らしい。

その『脅威』である『エクリプス』を見事撃破し、
かつ『あの』『アリーナ』に『大恥』をかかせたとなれば、
『マナビ』や『スミノフ』達の世間での評価は多いに上がる筈だ。
この方法ならば『信用』も失わず、かつ『大金』も得れる。


「俺達は当然、『アリーナ』が『エクリプス』に頭を下げたという事実を流布するし、
 何ならインターネットに詳しい『夜叉丸』先輩にも手伝ってもらうし
 当然『アリーナ』は『大恥』をかくことになるだろう。
 
 スミノフさん達は命懸けで『猫』を手に入れた。
 なのに身体を張っていない君が『棚ぼた』で猫を手に入れるのは納得できない。
 スミノフさん達だけじゃあない、五十嵐さん達に征爾さん、
 それに俺と戦った大学生の彼、『アリーナ』の『黒服』達を馬鹿にしているとしか思えない。

 だから無傷の君は、自らの身ではなく『立場』を傷付けるんだ。
 君の『アリーナ』での立場は弱くなるし、出世も遠ざかる。
 漣さん曰く、『アリーナ』は一枚岩じゃないらしいからねぇ。
 だが、この程度の条件呑めるだろう?

 
     ――だって君は、町の『平和』を願ってるのだから」

704 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/20(火) 05:52:12
>>702(スミノフ)
>>703(硯)

「ええ、だと思います。手に入れたのはあんたらですもん。
 いきなり渡せって言われて『ハイ渡します』とはいかない。
 だからって力づくで奪うのは道理に反するし、
 そーいうやり方はゆくゆくはオレらの損に繋がる。
 それは分かっているから……あんたの考え、凄く良いですね!」

「オレらに得がある。あんたらの損もない。そこが凄く良い。
 こういう仕事、慣れてるんですか? いや、慣れてるんでしょーね」

吾妻はスミノフに笑みを向ける。感心と納得の笑みだ。

「同盟――――ってのは、本当んとこ『よろしくはない』んですけど、
 あんたらは『エクリプス』を討伐したって『実績』もありますから、
 『上』のお歴々からも、それくらいの『譲歩』は引き出せるはずですし。
 ああ、副次的にあんたらのその『討伐の功績』は、こっちで多少宣伝しますよ」

     「海外に送る人員は『漣派』も動くなら揃えられるはずだし」

「その代わり、監視をつけるための『口添え』は、
 ある程度そっちにしてもらう事になりますけどね!
 それで依頼がご破算になったときの報酬は、まー保障します。
 もちろん、富豪とやらが猫を管理しきれなかった時の、
 アフターケアってやつもアリーナの方で出来ると思いますよ」

       「――――ってのが『オレの見解』ですけどね。
         全部上手く行くとは、流石に言い切りませんけどね」

共同管理。アリーナにも明確なメリットを提示しており、
同時にフリーランスとして『依頼者』を裏切る事にもならない。
また、スミノフたちの『功績』も明確に売り出され、やはり『得』になる。
報酬は保たれ、アリーナとの同盟は『一時的』なら所属を縛る事にもならない。

両者にとって『損』が無い条件は、交渉を円滑に進めてくれる。
もっとも吾妻に『予算』等の最終的な決定権はないのかもしれないが、
未曾有の危険を抱えるこの猫を『懐柔』する予定が元よりあるのであれば、
ある程度『今後動かしていける金』と『人員』の目途は立っているのだろう。
急な捕獲作戦ゆえか、この場の人員はそれほど多くはない、というだけで。

       「ただ、ですね」

「一応言っときますけど、オレが『交渉』するのは、
 そうしなきゃあ筋が通らないって……まあ、
 言っちゃあなんですが『オレらも得だから』なんですよね!
 功労者を暴力で黙らせた『町の暴君』だと思われるより、
 スミノフさんの言う通り……話せる奴らだと分かって貰いたい!
 そうした方がオレら『アリーナ』にも得があるから、
 ここで暴力に物を言わせて奪う『簡単な手』を使わないんです」

           「あー。分かりますかね」

    「『硯君』は鋭いし、良い線いってますよ!
     アリーナで働いてくれりゃ超嬉しいくらいには」
     
    「オレ、そしてオレらがリスクを負うべきってのは、
     そりゃもう正論としか言いようがないです!
     だから『関係者の治療費を保障する』とか、
     あんたらや他の皆さんへの『保障』であれば、
     気持ちよ〜く飲み込む事も出来たんですけど」

「エクリプス相手は、オレが恥かくだけの『リスク』じゃあ済まないんですよね。
 あんたは『アリーナがエクリプスに頭下げた』って話にしようとしてますし、
 最悪『アリーナ』の抑止力が落ちたと見て、妙なやつらが町に乗り込んで来かねない。
 そういうことになると……オレの恥とか、オレの派閥だけの話じゃあ済まなくなるんで。
 上のお歴々はオレとあんたらごとこの件を闇に葬って、『ナシ』にしちゃうでしょうね」

     「だからオレはそれ、飲まないです。飲めないです。
      オレらが『猫を見逃しちまう』のと同等に損するんで」

              「あ! それが狙い……ってわけじゃないでしょ?」

硯の提案は、吾妻なりの『アリーナ観』に基づいて否定される。
彼の行動がアリーナの『損』になるなら、『交渉』の意味がなくなる。

なにか『妥当な負担』を負わせたいのであれば、それが『彼個人』の範囲で収まるものか、
あるいは『交渉の意味』を保つようなものである――――つまり『妥当性』が必要になるだろう。

705 スミノフ『デマーケイション』 :2018/11/21(水) 06:36:07
>>704

「俺らのこの姿、この怪我は今回の件で起きた事実だ」

「表向きは穏やかな波のようだが、飛び込めば嵐のように大荒れ」

「お前ら裏側の人間の苦労は中々のもんだろうよ」

口添えはしないといけない。
向こうからすればいきなりお守りがつくのだから。

「猫により成り上がりの濫発を恐れてる、マナビちゃんの言うことを信じれば、相手はこっちの負傷の意味を理解してくれるはずだ」

「不安になるかもな。こんな傷を見て自分もそうなるなんて思ってやっぱり辞めた……は、考えたくないが」

「そこでこの街の抑止力らしいお前らの登場。バックが違う。フリーランスよりもぶっといパイプ」

アフターケアへの期待度も高い。
彼らの力が嘘でないのはこの場で動く人間の数を見れば分からないでもない。

「もしなんかあれば、富豪も猫も守る。その上でお相手には国に帰ってもう一度考えてもらえばいい」

「なにせ、マナビちゃんから善良のお墨付き。そこでお前らがヘマしただけだなんて、天地がひっくり返ったって言わねぇよ」

「口添えの類は難しくないはずだ」

ごろりと地面に寝そべった。
眠そうに欠伸をひとつ。

「病院に行って、こいつの家に行って母親から庇う役目も残ってる」

「お互いに損はないし、俺の言葉に嘘はない。お前が頷けばお互いに満足がいく」

「リスクを背負いたいなら、治療をしてくれ。お前らの施設でだ。応急処置でもいい」

「なにか裏切りがあればそのナンタラにその場所を売るし、俺一人でそこに行って二、三人はあの世に飛ばしてやる」

「それでどうよ?」

706 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/11/21(水) 22:01:27
>>704

「スミノフさん、君ってやつはなんて立派な大人なんだ。
『アリーナ』というか彼が傷を負わないのは釈然としないが、
俺1人駄々をこねても仕方ないし、此処は民意に任せる」

「んっ」

とりあえずの話は纏まりそうだし、『硯 研一郎』の出る幕はもうなさそうだ。
今朝からずっと付けていた『お面』を外し、
感情を読み取らせない『面』のような印象を与える素顔を晒す。


「これで『Mr.ストロングZERO』の仕事は終了だ。
本当の『お面』の人に恥をかかせたくなかったし、
『素人』なりに頑張ったつもりだったが、少しはお役に立てたかい?」

707 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/22(木) 03:35:39
>>705(スミノフ)
>>706(硯)

「まっ、オレらはそれが仕事ってゆーか役目なんで。
 苦労はしますけど……必要な仕事ですからね。
 今回はあんたらに背負わせちゃいましたんで、
 あんまこう、デカい口は叩けないですけど……」

「その条件、オレは飲ませてもらいますよ。
 その後の始末は全部背負いますし、応急手当もします。
 怪我も、入院費くらいなら全額負担出来るでしょう。
 あんたら三人だけじゃなくて、ビルの中の人たちもね」

       「上も、市民の保護には予算を出すんで」

100%納得のいく結果ではないかもしれないが、
一応の着地点が見えた――――そこには意味がある。

後ろでその様子を見ていたマナビが、
まとまりつつある交渉に一歩足を踏み出す。

「交渉を任せてしまって申し訳ないわね。
 代わりに依頼人側との話は私がまとめるわ。
 条件に異論は無いし、とても良いと思う。
 アリーナは動き出すのは遅すぎるけれど、
 動いた時の『実行力』は、信用できるから」

「口添えも……得体の知れない勢力ならともかく、
 『アリーナ』はそれなりの『実績』で知られている。
 恐らく向こうも、無碍に拒否する事はしないでしょう」

そして――――面を取った硯に、マナビは頷く。

「……ええ。とても役に立ってくれたわ。
 元の人と比べるようなつもりはないけれど、
 あなたは求められる以上の仕事をしてくれた。
 私も全部を傍で見ていたわけじゃあないけれど、
 あなたがいなければ『戦い』を制する事は出来なかった」

「きっと、『プロ』を名乗れるわ」

       「勿論、あの『転移する女』を倒した、
        スミノフさんとイラムシもだけれど」

「戦いを制したからこそ、私達は今こうして交渉のテーブルに着けているのだから」

ここにいたのは『藤原しおん』の指令を受けた『宗像』だったかもしれない。
あるいはあの青年が、『猫の幸せ』のための交渉をしていたかもしれない。

だが、可能性の話は今は置いておこう。この件で勝ったのは『フリーランス』の4人だ・・・!

(★特に何も無ければ、希望者のみ後日談へ。
   特に希望しない場合、返レスか点呼でその旨お伝えいただければ返信不要)

708 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/11/22(木) 17:39:19
>>707

「ありがとう、マナビさん。
その言葉があれば今後ステキな高校生活を送れそうだ」

そういえば猫の捕獲用に猫缶だかカリカリだかを用意したが結局使わなかった事を思い出し、
ポケットの中から猫のエサを取り出し封をあけて、口に運ぶ。


「(バリッ)うん(ボリッ!)中々イケる。
せっかく『領収書』がキレるんだから食べないのは損だからな(ボリッ)

今度皆で『打ち上げ」にでも(バリ)行こう(ボリッ)
今回の件は『校外学習』よりずっと勉強になった。
みんな、本当にありがとうございます(バリッポリッ)」

やれる事は全部やった。
後はマナビとイラムシに任せて、とりあえずキャットフードを貪る事にしよう。

709 スミノフ『デマーケイション』 :2018/11/22(木) 21:11:56
>>706
>>707

「それはありがてぇ。治療費ってのは割と痛いからな」

決着らしいことを理解した。
現在は過程の勝利だったが、猫の受け渡しが行われれば結果の勝利となる。
その一区切りまでの道が見えた。

「……おめぇ今外すんかよ」

「ま、いいか。これはヒーローショーじゃねぇし」

硯にそう言葉を投げた。

「なんか、疲れたな……寝るか」

体を丸めて目を閉じた。

710 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/25(日) 23:19:03
【フリー】
>>708(硯)
>>709(スミノフ)

「ええ、今回は私も、いい仕事が出来たと思っている。
 イラムシもきっとそう思っている……かもしれないわ」

      「……猫の餌は人には味が薄いわよ、硯君」

キャットフードを食いまくる硯(マズイ)と、
大型のネコ科生物のように丸まって眠るスミノフ。

「それじゃ、とりあえず撤収しちゃいましょう。
 応急手当ての準備は、こっちで済ませとくんで。
 あと、あくまで応急ですんでね。傷は塞ぎますけども、
 交渉とかの話がまとまったら入院はした方がいいですよ!」

        「強制はできませんけど。個人でなんか、
         特殊な療法とかするんじゃ無けりゃ、
         入院費は出しますんで。せっかくなんでね!」

主に硯によって、激戦のあととは思えない光景だが、
その『自由さ』こそが『フリーランス』なのかもしれない。

いずれにせよ――――この場はこのまま、
『アリーナ』の人員達によって撤収されていく。
それを見ているだけ、いや見なくてもいいのは、
まさしく『勝者』に与えられた特権と言えるだろう。

         ・・・

                 ・・・

                         ・・・


――――それから、数時間後。

一通りの応急手当てを受けたスミノフと硯、そしてイラムシ。
明らかに入院が必要な負傷なのだが、少なくとも安静にしてさえいれば、
命にかかわるような問題はない――――といったところまでは、落ち着いていた。

       「…………」
                「…………」

   ブ
        ロロロロロ ・・・

四名を載せたアリーナの車は――――『取引場所』から、去り始めていた。

「まずは上手く行った、わね」

マナビの弁舌、アリーナの権威……というよりは『前提として勝っていた』ようにも思えた。
猫を捕獲し、他の勢力に介入をさせず、アリーナと対等に近い条件を取り付ける事が出来た。
つまり『モノ』があり、『他の条件』がなく、『力』もある以上、『蹴られる』理由もなかった。
あとは・・・アリーナが約束通り、確かな仕事を実行すれば、今回の仕事は万事、成功という事だ。

この後どうするかは決まっていなかった。
硯はすぐに一度家に帰るべきなのかもしれないし、
スミノフやイラムシは病院に行くべきなのかもしれない。

車を運転しているのは『吾妻』で、もう一人、見覚えのないアリーナ職員が同席している。
眼鏡を掛けた、人の良さそうな女だ。交渉場所ではアリーナ側の人員に混じっていたが、
恐らくスタンド使いなのだろう。監視か、あるいは行く方向が同じなのか、車に乗って来たのだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★『後日談』のため、判定が生じる・報酬が増減するようなパートはありません。

711 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/25(日) 23:19:13

【音仙】
>宗像

           ――――― パ ッ

宗像は――――目を覚ました。天井は、見覚えのあるものではない。
が、廃ビルではないし、間違っても『あの世』などというものでもない。

「…………目が。覚めましたね」

            「ああ、まだあまり……動かない方が良い」

やや離れた位置から、落ち着いた女の声が聞こえる。
これは――――『藤原しおん』――――『音仙』の声だ。

「…………」

「………………病院は、既に。ええ、手配しています。
 怪我の状態も、ひとまず……落ち着いてはいる筈です。
 少なくとも、安静にしていれば……ですが。そこは、保証します」

          「」

・・・あの後、何がどうなったのだろう? 最後の記憶までは、はっきりしている。

               ・・・いずれにせよ、自分が生きているのは確かだ。

【早見】
>高天原

              ―――― バ ッ


「――――咲也くん」

高天原が目を覚ましたのは、清潔な『病室』――――だった。
特に異様なものも、危険な気配もない。もし経験があるなら、
ここが『アポロン・クリニックセンター』の個室であるのがわかる。

そして・・・『早見』と、もう一人見覚えのない人物がいる事も。

         「……目を覚ましたようなので、私はこれで。
           繰り返しますが、『好奇心は猫を殺す』ですよ」

               ザッ

黒服――――と呼ばれていた人間とは違うが、感覚的に察せる。『アリーナ』の人員だ。
高天原が目を覚ましたのを見ると、荷物をまとめて部屋を出ようとする。呼び止めれば止まるだろう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★『後日談』のため、判定が生じる・報酬が増減するようなパートはありません。

712 スミノフ『デマーケイション』 :2018/11/26(月) 15:04:29
>>710

「あぁ……そうだなぁ……」

椅子に深く腰掛けて息を吐く。
眠そうというよりは脱力していた。
深い呼吸だ。

「これで一段落だよな? お疲れさん」


ぼうっと窓の外を見ている。

「飲みにでも行くか?」

713 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/11/26(月) 19:25:40
>>710

「ーーと、まあそんなこんなで『夜叉丸先輩』に教えてもらった、
サイゼの『エスカルゴ』の入ってる耐熱皿の凹みに『カルボナーラ』を入れる食べ方をしたら、
お母さんに「行儀がなってない」ってフォークで舌を刺された時に出来た穴に通したタンピアスがコレ」


口を開け舌に付けた小さなピアスを見せる。


「ちなみに『夜叉丸先輩』の本名は『武者小路 猿夜叉丸』って言うんだ。
この『ヒョウモントカゲモドキ』のピアスも『夜叉丸先輩』の恋人の形見を譲り受けたものなんだが似合うかい?」


先程の緊張感は何処へ行ったのか、地元の友達や家族の話をしていた。
ちなみに母親には既に帰りが遅くなるとメールで連絡しておいた。

「マナビさん、君達のおかげで上手く行った。本当にありがとう。

ーー『吾妻』さん、君の隣にいる人を紹介してくれないかい?
せっかく送って頂いてるのに名前を知らないってのは、
なんていうか大変申し訳ない気持ちになってしまうんだ。

俺の名前は『硯研一郎』。見ての通りただの男子高校生です。」

714 宗像征爾『アヴィーチー』 :2018/11/26(月) 22:24:15
>>711

あるいは――『ここ』が、そうなのだろうか。
最後に俺が行き着くべき場所だ。

(それにしては――)

『地獄』にしては生温い。
薄暗く淀んだ意識の中で、曖昧な感想を抱いた。

「馨(カオル)――」

女の声を聞き、無意識に呟くような言葉が漏れる。
だが、それが『藤原』の声である事に気付き、徐々に意識が鮮明さを取り戻した。

「いや……」

「ああ」

「――あんたか」

それだけを言って口を閉じ、『藤原』が言葉を続けるのを待つ。
『動くな』と言われたが、元々まともに動ける体でもない。

715 高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』 :2018/11/26(月) 23:31:22
>>711

「…………あ、」

 見覚えがある天上だ。怪我を負っての入院は、初めての事ではない。
 早見と見知らぬ人間を順に視線で追ってから、自分の調子を確認する。
 傷や欠損はあるか。意識はどうだろう。持ち物や衣服は、まだ身に付けているだろうか。

「……早見さん、怪我は?」
「つか、猫……『カーバンクル』と、五十嵐さんは……?」

 意識を失っていた間の情報を補完するために、二人に話しかける。

716 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/28(水) 06:02:48
【フリー】
>>712(スミノフ)

「ええ、あとはアリーナが上手くやってくれる。
 ――――でしょうから。やってくれるんでしょう?」

          「ええ、そりゃもう。
           オレらの沽券にも関わるんで」

窓の外に、夕日の星見町が流れてくる。

「ゴホッ、入院しちまったらしばらくは、
 粗食と栄養食のフルコースですからねェ。
 今日くらいは良いかもしれませんねェ〜ッ」

喋れる元気を取り戻したイラムシは暢気に返す。

彼の目に見えて大きな負傷は手と喉元の二カ所であり、
背中に深い刺し傷、足にも歪で苛烈な傷を負ったスミノフや、
全身切り傷や内出血、さらに脚に深い傷を負った硯よりはマシだ。

     ブロロロロ

「無茶はしない方が良いですよ、ってのはオレが言うべきじゃないですね!」

           「『アリーナ』に指図される気はありませんよォ」

運転をする吾妻は特に話題に混じってくる事はないが、
話そのものを聴いていないというわけでもないようだった。
この車が止まるまでの付き合いだろう。何かあるなら聞けるかもしれない。

その機会はもちろん――――この仕事を共にした、他の面々についても、言えることだ。

>>713(硯)

「舌にピアスを開けるのって周りでやってる子も多いけれど、
 喋り辛かったりはしないのかしら? 見たところしなさそうだけど」

「エピソードは兎も角、ま〜似合ってますよォ。エピソードはともかく」

壮絶なエピソードの数々を披露する硯に対しても、
フリーの二人は余裕をもって答えてくる。成功者の余裕だ。

「こちらこそ、何度でもお礼をさせてもらうわ。とりあえずは言葉だけだけれどね」

          「勝利の立役者ですからねェ〜ッ。
           先輩の俺もうかうかしていられませんねぇ」

と、そこで話を振られた吾妻がルームミラー越しの視線を硯に向ける。

「あ、こちらは――――」

「ええよ『ジョウキ』クン、せっかくの自己紹介だし自分でさせて」

吾妻のやや畏まった態度に対して、その女はやや独特なイントネーションで答えた。

                 クルッ

そいつは首だけ振り返り、主に硯に視線を向けてくる。
知った顔ではない。というか知った顔がいたら怖いのだが。
 
「あたし、『漣 世未美(さざなみ よみみ)』ですぅ〜〜〜。一応『漣派』のトップで」

              「自分で言うのもなんやけど、
               人の良さそうなメガネやろ〜?」

名前はもう、知っていた。
幸いなのかどうなのか分からないが、口から目まで笑っていた。

717 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/28(水) 06:04:22
【音仙】
>>714(宗像)

地獄の灼熱でもない。外の暑さでもない。
適度にエアコンが入った、生命的で文化的なぬるい空気。

          パシャ

アクアリウムの魚が跳ねる音が、静寂を打った。

「……………………ええ、申し訳ないですけど、『しおん』です」

       「まだ、あちらに行くには早い。
         残酷かもしれませんが……ね」

そこにいたのはやはり、藤原しおんだった。  
ここは、最初に来たあの部屋だ。
違うのは自分の怪我だけ。

「まず、キミの仕事は成功しました……間違いなく」

「今日一日で、『エクリプス』に関与する人間が4名消え……
 何より巨大な爆弾、『カーバンクル』はそれなりに、適切な管理下に置かれる」 

             「エエ……成功、と言って、差し支えはない」

「……………………それは、キミにとってなにか…………『救い』になるでしょうか?」

【早見】
>>715(高天原)

幾らかの傷はある。目に見えて大きいのは、脚の傷だ。
最終局面で『作業服』から受けた攻撃の痕跡は、
色濃く残っている。逆に言うとそれ以外の傷は、
打撲のレベルで止まっており、骨折などは見えない。

「怪我はないよ。君のお陰でね……『カーバンクル』は、」

面目ない、を形にしたような表情の早見に、
アリーナ所属らしき人物が足を止めて割って入る。

「先に一応言うが、アリーナ『漣派』のものだ。初めまして。
 これも一応言うが、私は『スタンド使い』なので侮らないように」

どこか執事を思わせる『場違い』なスーツを着た男だが、
その場違いさは『芯の強さ』のように感じられなくはない。

「猫は『アリーナ』が回収しました。と言うと嘘になる。
 ……『フリーランス』のスタンド使いどもが回収し、
 その売約先とアリーナでの『共同管理』に落ち着いた」

「『最悪な結末』では無い。私の意見でしかないが、一応言う」

そして――――五十嵐の名前には、首を振る。

「猫を愛していたのかもしれない。
 お前には優しかったのかもしれない。
 あるいは『吊り橋効果』かもしれないし、
 私はお前とあれの関係を追及する気もない」

真剣な目だった。
言葉もそうだった。
それが『理由』になるのかは分からない。

「だが、あれは『殺人』の沙汰を犯している人間だ。
 一度や二度でもないし、あれば良いとは言わんが『大義』もない。
 ……仮に生き残っていたなら、遠からず私達が『討っていた』。
 それも大義の名を借りた『殺人』かもしれないが、私は必要な事と思っている」

   「気に病んでいたら悪いので一応言うが、『お前のせいではない』」

                        ・・・つまり、そういうことなのだろう。

718 スミノフ『デマーケイション』 :2018/11/28(水) 06:45:56
>>716

「肉だなぁ……肉食っときゃなんとかなる……」

そんなことは無いのは百も承知である。
ただ病院食のことは考えたくない。
入院したことはあるがいい思い出はあんまりない。
看護師さんの名前を覚えたり本を読んだりするぐらいが楽しみだった。

「吾妻ちゃん、色男くんよぉ」

「それとそっちの嬢ちゃんも来るか? 仕事抜きにすりゃあ別に敵対する用事もねぇし」

そもそも心から嫌っている訳では無い。
話も通じる人間だし、酒の席にいても嫌じゃない。

「くぁ…… 」

あくびが出た。

719 宗像征爾『アヴィーチー』 :2018/11/28(水) 23:36:41
>>717

(死に損なった――か)

簡単に楽になる事など許される筈も無い。
仮に行ったとしても、恐らく再会する事は無いだろう。
あいつと俺は『行き先』が違うからだ。

「そうか――」

「話が纏まったのなら、俺から言う事は何も無い」

藤原の話から、大体の事情は把握した。
それなら、それで構わない。

「俺の懸念は、あんたが困らないかどうかという点だけだ」

「依頼主に不利益を被らせるのは、著しく『義理』を欠いている」

『カーバンクル』について考えるのは止める。
それらは、もう終わった事だ。

「……ここを出る前に話した事を覚えているか?」

「俺の目的は、この命に『価値』を持たせる事だと――」

藤原の前に座っていた時の事を思い出す。
考えてみれば、長い一日だった。

「俺は――今、自分が生きている事に『意味』を感じられない」

愛する者も憎むべき相手も、この世から既に消えている。
本来ならば、俺が生きている意味は存在していない。

「だが、『命のやり取り』をしていた間、この命に多少の『価値』――
 生きている『意味』を与えられたように思う」

それは、僅かな間の刹那的な感覚に過ぎない事は分かっている。
また生きている事に漠然とした息苦しさを感じた時、
俺は迷わず同じような場に身を置く事を選ぶ。

「――俺には、それだけで十分だ」

最期の瞬間まで、それは繰り返されるだろう。
そうする事が、罪を犯した人間の果たすべき道だと俺は解釈している。

720 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/11/29(木) 21:43:08
>>717
「あなたが漣さんかい。
てっきり壮年の男性を想像していたんだが、まさか女性とは。
今の俺はきっとお面を外したにも関わらず、面食らった表情をしているよ。
本当にびっくりした」


そして後部座席から身を乗り出し、漣、そして運転してる吾妻に深々と頭を下げる。


「『お仕事』の為とはいえ、俺は貴女の名前を使って『アリーナ』の身分を騙った。
ヨミミさん、本当に、本当に申し訳ありませんでした」

「そして『ジョウキクン』さん、俺に騙された君の部下であろう『黒服』の人を責めないで欲しい。
騙した俺が悪いんであって彼らは何も悪くないんだ。
『打ち上げ』での説教もやめてあげて欲しい」

721 高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』 :2018/11/30(金) 00:23:04
>>717

「……ハジメマシテ」

 機械的に挨拶に応じる。
 一時でも、敵対したことになる相手の勢力だ。
 それが、自分が目を覚ますまで手を出すこともなく待っていた、というのはどういうことか。

「『フリーランス』……ね。『アリーナ』とも別の、雇われってことスか」

 男の話を、頷きながら飲み込む。
 望まずとも、足を踏み入れてしまった世界の話だ。
 今後、万が一のために、少しでも情勢を把握しておきたい。

「ま、俺たちゃ最初から、それ以上に部外者だったワケだし……
 あの猫の去就についちゃ、そもそも口出せる立場じゃあねェって、分かってます」

「…………アンタの言うことも、分かりますよ。
 見ねーフリしてた方が、都合よかったから、そうしてただけだ。
 『仲良しこよし』してたワケでもねーし……
 言っちゃあヒデー話だが、あそこで『あの人』と無事に別れてたらサ、
 その後の事なんて、知ったこっちゃあなかったぜ。むしろ一目散に逃げてたね」

「でもさぁ、」

 足の傷痕に手を伸ばし、ぎゅっと力を込める。
 傷は、残ってくれた方がいい。

「正しくても、正しくなくても……そこにいた『責任』って、あるじゃん」

 罪を重ねた。
 いずれ討たれる予定だった。
 互いに、利用し合うための関係だった。
 だとしても。

 自分は、あの場にいたのだ。
 あの男に背中を預け、また背中を任された。
 そのために動いて、そして、何事も為すことは出来なかったのだ。

 その結果が、『五十嵐の死』。

「情けねえ」

 俯いたまま、しばらくの間、指に力を込めて。

「……なんつって、気ぃ遣ってくれたアンタに愚痴っても、困らせるだけだよな」

 ふと、顔を上げ、力の抜けた笑みを見せる。

「教えてくれて、どうもッス」

722 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/30(金) 21:42:49
【フリー】
>>718(スミノフ)
>>720(硯)

「『アリーナ』公認とはちゃうし、
 あたしの儲けにもならへんけど、
 『金』さえ出せば入院はいらんよ〜。
 そういう『能力』の人間がおるらしいの」

        「そーいう特殊な治療は、
         代金は出しませんけどね」

見透かす、というわけではないのだろうが、
漣からそのような『抜け道』が提示された。

「え。まあオレは別に良いですけどね!
 協力者ですし、そういう方と飲みに行くの、
 ウチではルール違反ってわけでもないんで」

        ニッ

吾妻は乗り気のようだった。
いわゆる『飲みにケーション』は彼の処世術なのかもしれない。
そして、硯の謝罪については――――
 
「――――ああ、もちろん説教なんてしませんよ!
 情報の管理については、今後考え直すとこもありそうですけど」

少なくとも飲み会が反省会になる惨劇は起こり得ないようだ。

「あたしは別にええよ〜。『結果論』やけどお陰さまで協力出来たし。
 せやけどあたし以外の名前は、勝手に使ったりせん方がええから〜。
 今後も『アリーナ』絡みで仕事するなら、あたしの名前出してくれてもええよ」

            「ウソの身分じゃなくせばええんやから〜〜〜」

そういえば『漣は外の人間も使う』というような話もあった。
硯は、ツバを付けられそうになっているのかもしれない。

「『アリーナ』の連中と酒飲むなんて、
 妙な評判が広まっちまいそうですがねェ」

    「ただま、今日の功労者は旦那と硯クンなんで。
     お二人が呼びたいってんならオレも良いですよ」

「ジョウキ君は飲み会とか大好きやからね〜。
 そういう場で説教とかするような人間でもないし。
 あたしは酔うたらウザ絡みしてまうけど、それでええなら行こかな。
 ああ、そういう場はオフやから『アリーナこぼれ話』は期待せんでな」

           「知らん女が混じってみんな楽しいんかは知らんけど〜」

身内の反発もない。『アリーナの』という肩書は期待できないが、打上げに呼べはしそうだ。
そうこうしているうちに車は星見町――――今日の戦いの終着点でもあった、繁華街の風景に差し掛かる。

723 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/11/30(金) 21:54:51
【音仙】
>>719(宗像)

「…………困りはしません。私は『音仙』だから、ネ。
 書いている楽譜は一つではないし、演者は一人ではない」

        フフ

その背後には変わらず、『音の木』が立っていた。
コードのような蔓は、宗像に伸びてはいなかったが。

「…………この町は『平和』ですから。
 ……『アリーナ』が『天蓋』のように敵を遮り、
 彼ら自身も、平時は『派閥』単位の戦力でしかない。
 群雄割拠の時代ではなく、『死線』の数は減りました」

     「ですが、無くなったわけではない」

           「……キミの『意味』がそこにあるなら。
             キミが『意味』を喪う事は、ありません」

藤原しおんは儚い笑みを浮かべる。
自嘲とか、納得のようなものがその表情を作っていた。

「ええ……キミに『死線』を味合わせた私は卑怯者です。
 キミの心を、それはとても熱く……危険に燃やすから。
 その自覚と……罪くらいは、私が背負うべきものなのでしょう」

                      「……」

     ス…

「…………写真は、こちらに。……もう、出られますか?」

ベッドのサイドテーブルに、簡素な保護ケースに入れて、例の写真が返された。

【早見】
>>721(高天原)

「一応言うと別に『フリーランス』という組織ではない。
 想像通り『雇われればどこにでもつく』連中の事だな」

補足が入ったが、想像通りのことだ。

「たとえば『エクリプス』にでも……そういう人間を、
 私の派閥に関しては、一々摘発したりはしていない。
 そしてお前の身柄は私の派閥が確保した。『そういう事』だ」

           ザッ

「……私に言えるのはそれだけだ。
 慰めも、同情も、『無責任』にしかならない。
 お前の『後悔』は私のものではないのだから」

傷跡に伸ばす手を止めるでもなく、男は目を細める。

そして、再び足を進めようとする。
言い残すことがあった、というだけなのかもしれない。

「一応言うが、お前を気遣うのは私が親切だからじゃない。
 あくまで『市民』を守るのが『アリーナ』の『責任』だからだ」

           「……他に何も無ければ、私は行く。
            一応言っておくが、『次』があるとは限らない。
            くれぐれも『アリーナ』の敵にならない事を祈っている」

724 スミノフ『デマーケイション』 :2018/12/01(土) 02:23:24
>>722

「特殊な治療ねぇ……まぁ探してみるか」

抜け道については承知した。
本当にあるのかは自分の目で確かめておこう。

「待てよ一応後輩だ……スカウトはパイセン通しな」

「硯ちゃん、俺の親父の言葉だが……年上の女のエロい誘い以外の女の誘いは気を付けた方がいい」

今回の件においてはだが。

「ま、ただその辺は……本人の意志で……後は酒の席にしようや」

丁度繁華街だ。

725 高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』 :2018/12/01(土) 23:28:21
>>723

「ああ、うん。それは分かってるッス、大丈夫」
「……ご迷惑、おかけしました」

 相手の立場からしてみれば、『市民』だとしても『エクリプス』を幇助した人間だ。
 見捨ておくことだって出来ただろうに、手間を取らせてしまった。

 深々と頭を下げて、男を見送りたい。

「……そッスね。俺も、『次』がないように気をつけます」

 男の言葉を真に受けるなら、
 この『後悔』だけは、唯一手に入れたものになる。

726 宗像征爾『アヴィーチー』 :2018/12/02(日) 20:31:16
>>723

相変わらず、藤原は読めない女だ。
しかし、その考えの奥底を知ろうという気は起こらない。

多かれ少なかれ、人は誰しも自分が正しいと思う考えを持ち、
それに従って行動する。
それは藤原に限った話ではなく、
あの争いに加わっていた者達の全員が同じだったのだろう。
そして、俺自身も例外ではない。

ただ、それだけの事だ。

「ああ――」

短く答え、差し出された写真に視線を落とす。
写真の中に残る姿は、何一つ変わる事がない。
その全てが、あの頃のままだ。

(だが、俺は変わった)

(お前が知っていた俺は、既に存在しない)

それを受け取る事に僅かな躊躇が生じ、写真を見つめる。
幾らかの間が空いた。
不意に写真から視線を外し、藤原に向き直る。

「――その前に、済ませておきたい事がある」

「『アリーナ』のスタンド使いに電話をさせて貰えるか?」

藤原に断りを入れ、名刺の番号から吾妻に連絡を取る。
『アリーナ』とは、あくまで利害の一致の上での協力関係だった。
しかし、一応の『義理』は果たしておかなければ寝覚めが悪い。

727 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/12/02(日) 20:36:50
>>722>>724


「スミノフさん、ありがとう。
俺はウブな男子高校生だからな。危うく、漣さんの事を好きになってしまう所だった」

吾妻とも漣とも出会って1時間も経過していなが、
『吾妻』は大組織の『幹部』たりえる器を持っているようだし、
『漣』も予期せぬ状況に対応できる『柔軟性』も兼ね備えている。
『硯研一郎』の2人に対する印象は決して悪くない。いや、むしろかなり好印象だ。


「ああ、早く打ち上げと洒落込もうじゃあないか。
俺は未成年で『酒』は飲めないので『オレンジジュース』をいただくがね」

728 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/12/03(月) 22:40:01
【アリーナ】
>>724(スミノフ)
>>727(硯)

「病院のどっかにおるらしいで。
 あたしあんま怪我せんから、知らんけど」

       「オレも場所は知らないですね」

調べる必要はありそうだが、
現地でなら噂はすぐ拾えるかもしれない。

「好きになってくれてもよかったんやけど〜、なんちゃって。
 酒の席で結んだ契約ほど脆いもんはあらへんからねぇ。
 そこは自由意志、自由意志。今度改めてお話ししようか〜」

          ニッ

「未成年飲酒はよくないですからね!
 立派な心掛けだと思いますよ……!」

          「店はオレの方でアテがあるんで、
           そこまで車回してくださいよォ〜ッ。
           団体客になっちまいますんで、
           今のうちに連絡だけ入れとくんで」

「アリーナの『黒服』も呼ぶような話をしていたし、
 人数は多めに告げておいた方がいいかもしれないわ。
 『誰々のお箸と皿が足りない』みたいな初動じゃ冷めるし、
 コース料理なら肉の切る数が不平等になったりすると嫌よ」

いずれにせよ、難しい話は今度で良いし、
入院生活への不安とかも今は忘れよう。

今はただ宴席への期待、それだけでいい――――

             ・・・

                 ・・・

                     ・・・

   プルルルルル

「あ、電話?」

しばらくして、一通の着信。

      プルルルルル

           「ジョウキ君、運転中の電話はあかんよ〜」

     「もう着くんですから止まってからにして下さいよォ。
      今事故られたら死にますからね、主にスミノフさんと硯君が」

「いやいや、そこは分かってますよぉ〜っ、と。
 すみません駐車雑ですけど、後で直しとくんで!
 みなさんは先にお店入っててもらってもいいですよ」

              プルルルル

                     ピッ                

やがてイラムシのチョイスらしき店の駐車場に車が止まり、運転席の吾妻は電話を取る。
鍵のロックは解除されており、言葉に加えて先に出ているようにジェスチャーがあった。
 
「――――もしもし?」

剣呑な空気はないし、電話の内容に興味があるとかでも無いなら、先に入っていて良さそうだ。

(☆宴席でのロールや、漣、フリー組との会話を望まないのであれば、店に入った時点で後日談は終了)

729 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/12/03(月) 22:51:31
【早見】
>>725(高天原)

「一応言うが、逆に『アリーナ』の味方をしたいなら、
 …………ベッドの横に『連絡先』を置いておいた。
 アリーナに与するスタンド使いは、多い方が良いからな。
 いつでも掛けてこい。……不用意に流したりはしないように」

          「では」

              ガチャ

                   バタン

そうして部屋には高天原と、早見だけが残される。
ベッドの横に置かれた小さなテーブルには実際、小さな紙があった。

「……最初に言っとくけど、『報酬』はちゃんと払うからね。
 記事にする事は出来ないけど、今回の事は経験になったし、
 金を生む猫の正体はわかった。『取材』は成功したんだ。
 悪いサガだけど、『記者』としての僕はそう思っている……」

         「だから払うものはちゃんと払うし、
          受け取るものは受け取って欲しい。
          これは……『先輩』としての僕の意地かな」

金の話をいきなりし出すのは、『気まずさ』もあるのだろうか。
その声色は今日あった当初ほど明るくも、堂々としていもしなかった。

ただ――――彼にも得るものはあった、それについては疑うべくもない。
『高天原』は当初の仕事は果たした。その上での『後悔』だからこそ、意味はきっとある。

【音仙】
>>726(宗像)

「…………電話、ですか? ええ、かまいませんよ。
 ここは、映画館とかではないですから……ね。
 それに私はキミの上司でもない。仕事が終われば対等です」

藤原は座ったまま、『蔦』を伸ばして器用に餌箱を掴み、
水槽の魚に――時計から察するに『夕餉』をやり始めた。
読めない女だが、あんがい『ものぐさ』なのかもしれない。

             「それで……ええと」

   プルルルルル

      プルルルルル


「『吾妻常喜』はおそらく今、車を運転していますけれど……」

              プルルルル

             pi

               『――――もしもし?』

「……ああ、もう降りていたんですね。
 そこは聴きそびれていました……ええ。ごゆっくり」

少し時間はかかったが、繋がった。
――何か話すことがあるなら、吾妻は応じてくれるだろう。他に人がいるかは謎だ。

730 スミノフ『デマーケイション』 :2018/12/04(火) 14:06:38
>>728

「金はあるんだ。焦らずいくかぁ……」


足を組んで息を吐く。
報酬が惜しければ大人しく通常の治療を受けるのもいい。

「スミノフと美味い飯があれば俺はなんでもいい」

目を閉じ、少し眠っていたところ電話の音で起きた。
どうやら店に着けたようだ。

「なんだよ吾妻ちゃん、仕事か? それともオンナか?」

「まぁ、なんでもいいか……誰か肩貸してくれねぇか」

731 宗像征爾『アヴィーチー』 :2018/12/04(火) 16:50:42
>>729

「宗像だ」

「用事という程でもないが、手を借りた礼を言いそびれていた事を思い出した」

「――感謝する」

「あんたの部下――俺と同じ場に居た男にも『世話になった』と伝えてくれ」

「それだけだ」

吾妻の方から何もなければ、そのまま通話を終える。
そして、テーブルに置かれた写真に視線を戻す。
おもむろに手を伸ばし、それを胸ポケットに仕舞う。

「そろそろ出る事にしよう」

「――世話になった」

ベッドから起き上がり、床の上に立つ。
まともに立っていられるか怪しいが、立たなければ歩く事は出来ない。
歩かなければ、部屋の外に出る事は出来ない。

「また手の足りない『仕事』があれば紹介してくれ」

「『本業』の方でも構わないが」

藤原に告げ、覚束ない足取りで出口に向かって歩き出す。
この扉を開ければ、そこには『地獄』が広がっている。

俺にとっての『地獄』とは、『あの世』ではない。
『真の地獄』とは、『この世』における『虚無の生』だ。

俺は、その『生き地獄』の中で喘ぎ、のた打ち回る。
それが、俺の罪に対する正当な罰というものだろう。

今、その為に俺は生きている。
俺が生かされているという事実を、そのような形で俺は受け取った。

「『アヴィーチー(無間地獄)』――か」

藤原が名付けた『自らの精神の象徴』の名を呟き、部屋を出る。

732 高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』 :2018/12/05(水) 02:29:28
>>729

「……そりゃ、懐が広いこって」

 紙片を一瞥する。
 『スタンド』の恐ろしさを、改めて味わったばかりだ。
 捨てるほど自棄でもないが、今すぐ拾う気にもなれない。

「……『金を生む猫は実在する』って?」

 早見も、こちらを気遣っているのが分かる。
 彼の代わりに、明るい声を作って、少し張り上げる。

「まあ、真偽は明らかになったなぁ……
 猫が本当にいて、『宝石』を作ってるっつーのは分かった。
 けど、そんだけッス。あの奇妙な『スタンド』の名前も、能力も、どうやって作ってんのかも……」

「……取材は『失敗』ですよ、先輩。
 報酬は受け取れねェッス。
 これじゃ、『読者』のために記事は書けねーっしょ」

 着ている服が同じなら、カーゴパンツのポケットに手を伸ばす。
 まだ、指に触れるだろうか。
 あの建物の二階で、何かの役に立つかもしれないと、拾って忍ばせていた、宝石ふたつ(>>275)。
 アリバイ作り(>>367)のために別室で拾い、散らした分とは別に、取っておいたもの。

 服を着替えているなら手元にはないかもしれないし、
 『アリーナ』に気付かれていたら取り上げられていることだろう。
 『スタンド』で作られたものである以上、射程距離もあるかもしれない。
 でも、そうだ。ただの宝石ではない。
 あの猫の『スタンド』で、作られたものだ。

 もしまだ手にあるならば、ひとつを取って、早見に投げ渡したい。
 取材費も無限ではないのだろう。彼こそ、大損になってしまう。

733 高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』 :2018/12/05(水) 02:31:20
>>732

734 硯 研一郎『RXオーバードライブ』 :2018/12/05(水) 17:33:27
>>728

「ここが居酒屋ッてやつか。
俺はお酒は飲めないからその分いっぱいご飯を食べようと思うんだ」

車から降りる。
吾妻の電話の内容は多少気になったがこちらに関係ある内容ならば引き止めるだろうし、
それに他人の電話に聞き耳を立てるのは野暮というものだ。
スミノフ達に続き店へと入っていく。

735 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/12/06(木) 22:49:01
【フリー】
>>730(スミノフ)

「ああ、宗像さん! この度は協力どうもでした。
 一応【音仙】との話はこっちでつけてますし、
 入院費はこっちで手配するつもりなんで……
 あ? お礼? …………なんか、律儀なんですね!」

「ええ、伝えておきます。彼らと、貴方もいたからの成功だ」

        「もし機会があれば、また!
         この連絡先は維持しときますよ」

電話の相手は誰なのだろう?
アリーナの人間ではなさそうだったが、
ともかく通話は相手側から切れたようだった。

「仕事です、仕事。まー大した用じゃ無かったんで。
 律儀なヒトもいるもんだな、ってハナシでしたね!」

          「肩、貸しますよ。
           皆さんけが人ですんでね」

電話を切った吾妻が肩を貸す。
漣も車を降り、イラムシと硯は店に入った。

「私達も行きましょう、スミノフさん」

「そっちの黒服の子らに、地図もちゃんと送っといたってな。
 あたし、当たり前やけど明人クンとこの連絡先は知らへんから」

              「はいっ、すぐやっときます!」

彼らと話す理由でもなければ、
スミノフも店に入って――――それで、話はひと段落だ。

彼らにもスミノフにもこれからはあるが、今日は、そこまで。

>>734(硯)

「好きなだけ食べりゃあいいですよ。
 そんで好きなだけオレンジジュースを飲めばいい」

              ザッ

「オレらは『自由』ですからねェ。
 酒より飯なら、それも良い。
 無理に付き合わせたりはしませんよォ。
 ま、酔っ払いの話には付き合って貰いますがね」

こうして、硯とイラムシは店へ入っていく。
マナビ、スミノフ、アリーナの二人も後から来るだろう。

それからのことは――――ここでは語り尽せない、自由な話だ。

硯 研一郎『RXオーバードライブ』 → 『依頼達成』『報酬80万円』
                         『脚部に大きな切り傷』
                         『全身に細かい切り傷と打撲』
                         『重傷はなし』
                         →『全治3週間』

736 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/12/06(木) 22:49:38
【音仙】
>>731(宗像)

『ああ、宗像さん! この度は協力どうもでした。
 一応【音仙】との話はこっちでつけてますし、
 入院費はこっちで手配するつもりなんで……
 あ? お礼? …………なんか、律儀なんですね!』

『ええ、伝えておきます。彼らと、貴方がいたからの成功だ』

        『もし機会があれば、また!
         この連絡先は維持しときますよ』

    pi

          ツー  ツー  ツー

「……そういうわけで、ね。外で病院への車が待機しています。
 後で必要なものがあれば、電話ください。届けさせますので……ご遠慮なく」

            パチャンッ

熱帯魚が跳ねた。
写真は元あった場所にしまわれ、
宗像は何とか立ち上がって外に出る。

「『アヴィーチー』」

「命は素晴らしい『音』を溢れさせる。……キミにも生きていて欲しい。
 生きて得られるものが、たとえ苦しみや……罪のつぐないだけなのだとしても」

             「『この世の地獄』は、『あの世』よりずっと美しい」

【早見】
>>732-733(高天原)

紙片には電話番号と『他言無用』の旨だけが書かれており、
その簡素さがかえって、隔絶を生んでいるようでもあった。
ただ、何かにつなげる事は出来るだろう。踏み込むなら価値はある。

「それ、は――――」

高天原の誠実な言葉に、早見は困ったような顔をした。
が、ポケットから無事取り出せた宝石を投げ渡すと、
それはすぐに困ったような『笑み』へと変わっていく。

「そうだ、そうだね。これは記事には出来ない。
 それに『報酬』を払うのは咲哉君にかえって、失礼か」

            キラン☆

――――あの時、拾った宝石だ。
アリーナは服の中までは検めなかったのか、
あるいは、何か私物と勘違いでもされたのか。

真相の奥底までは、とうてい分からない。
そもそも猫の力に本当の意味での名前があるのか、
詳細を知る者がいたのかも、全ては闇の中。
全てを解き明かす事を目標とするならば、
確かに取材は、大成功とは言えないかもしれない。

ただ――――

「でも……得たものはあった。『後悔』とか『怪我』とか、
 『苦い敗北』とか……そういうものだけじゃあないようだ」

偶然とはいえ、手に入れた宝石はどこまでも、『本物』だ。

それを生み出した猫、カーバンクルのその後は分からないが、
無限の価値を生む存在だからこそ、これからも珍重はされるだろう。
能力の深奥こそ読めないが、その存在は真実なのだから。

         ・・・苦みを残す結末ではあるが、輝きも手元にはある。

737 スミノフ『デマーケイション』 :2018/12/07(金) 11:56:47
>>735

「音仙……?」

「世の中せめぇな……」

可能性が頭をよぎる。

「吾妻ちゃん、その相手作業服着てたりしねぇ?」

「まぁ、とりあえず飲むか」

誰が相手でも本当はそんなに気にすることでないのは知っている。
だからそれ以上深く聞く必要もなく、彼は店に向かって進み続ける。

「はぁ……おつかれさん」

738 宗像征爾『アヴィーチー』 :2018/12/08(土) 00:05:50
>>736

扉を開き、入口から一歩出た所で不意に足を止める。
この場所へ最初に来た時も、似たような言葉を言われた事を思い出したからだ。
藤原に背中を向けたまま、独り言のように口を開く。

「ああ――」

「そのつもりだ」

少なくとも、生きる事に意味を感じられないからといって自害する気は無い。
簡単に楽になる権利など、俺には無い。
俺は生きている限り、この『地獄』を歩き続けるだろう。

「同時に、『こいつ』も存在し続ける――」

『無間地獄』の名を与えられたスタンドが、自身の傍らに佇む。
凶器を携えた右腕が、鈍い金属質の光沢を放つ。
今日、その腕が血に染められた事は外見からは分からない。

「どのような響きかは知らないが、『音』も鳴るだろう」

「――それは保証する」

言葉と共に『アヴィーチー』が消え、自らの腕で静かに扉を閉める。
遅々とした足取りで歩み、待機している車に乗り込む。
それだけの動作をするのも、今は重労働に感じる。

「頼む」

運転手に短く告げ、シートに背中を預けて両目を閉じる。
精神の奥底に沈んだ『残り火』――それを瞬間的に感じられた事が、
この一件で俺が得られた最大の収穫と呼べるだろう。

また明日も、俺は『この世の地獄』を歩き続ける。

739 高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』 :2018/12/08(土) 22:20:16
>>736

 宝石と連絡先の紙を、蛍光灯に翳す。
 価値を知られていなければ、いずれも石と紙片だ。

 早見の言う通り、今回の敗北で得たものがあるのだとしたら。
 名も知れぬ喪失感も、いずれその正体を知った時に、価値を見出せることがあるのだろうか。

「……まだ分かんねッス、俺には」

 どちらも机に放り投げ、ベッドに体を沈める。今は、静養に努めよう。

740 『金融永久機関カーバンクル』 :2018/12/11(火) 22:14:49
【フリー】
>>737(スミノフ)

「この町でドンパチやってる限りは、
 どーしても知った名前は増えていきますよね!
 電話の相手は――――ま、ご想像にお任せしますよ」

         ザッ
            ザッ

「というわけで、お疲れ様でした!
 こっからは完全、『オフ』で行きましょう!」

         「それがええ、それがええ。
          オンになる時は絶対あるんやから。
          力は抜けるときに抜くのがええわ〜」

「――――本当にお疲れ様、スミノフさん。
 報酬は可能な限り早く、全員に配布させてもらうわ。
 一人『80万』……でも、この予算5千円くらいの飲み屋も、
 それに負けないくらい私は楽しみかもしれない。さ、入りましょう」

          ザッ

                    バタン


スミノフ『デマーケイション』→『依頼達成』『報酬80万円』
               『背中刺傷』『片足裏重度の抉傷』
                →『全治1か月』

【音仙】
>>738(宗像)

「――――――ええ、私にはそれ以上、望むことはありません」

             「……では、行ってらっしゃい」

       バタン

               ブロロロロロ……       

運転手が声を返すより早く、
宗像の意識は再び闇に沈んでいく。

『残火』は燻ぶり続ける。宗像の『命』の灯火として。

宗像征爾『アヴィーチー』→『依頼達成』『報酬70万』
             『背中に重度かつ広大な損傷』
             『硯の殴打により骨にヒビ』
             『軽傷類は手当済み』
              →『全治3か月』   

【早見】
>>739(高天原)   

「僕も、分かったふりをしてるだけなのかもしれない。
 …………それでも、何かは手に入ったと思うのが大事だと思うんだ」

「そうすれば、『心』だけは本当に手に入るかもしれないから」

――――そうして病室は、また静けさに満ちていく。

高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』→『宝石を入手』『30万円相当の価値』    
                    『脚部に大きな切り傷』
                    『その他はおおむね軽傷』
                     →『全治2週間』


・・・

      ・・・

             ・・・戦いは終わった。

全てが上手く行ったわけでもないだろうが、
それぞれの『やるべきこと』は全てやっただろう。

       「ミャオ〜〜〜ゥ」

猫の行方。エクリプス残党達の計画。アリーナという組織。
今は、あるいはいつまでも分からない事もいくつかあるが、
世界は全てを解き明かすより早く、新たな問題に向かう『永久機関』。
完結しない日々は続く。時に闘争、時に平穏の方向に、予測不能の波と共に。

――――同じ戦場に立っていた4人の『この先』も、今ここでは語れまい。
  
                      『金融永久機関カーバンクル』 → 終了


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